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1970/04/07 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第14号
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1970/04/07 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第14号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第14号
昭和四十五年四月七日(火曜日)
   午前十時二十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     任田 新治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                小林  章君
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
    委員
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                岩動 道行君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                今  春聴君
                津島 文治君
                任田 新治君
                中山 太郎君
                丸茂 重貞君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                戸田 菊雄君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                上林繁次郎君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       外務省経済協力
       局長       沢木 正男君
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵大臣官房審
       議官       高木 文雄君
       大蔵省主計局次
       長        船後 正道君
       大蔵省主計局次
       長        竹内 道雄君
       大蔵省国際金融
       局長       奥村 輝之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       通商産業省貿易
       振興局経済協力
       部長       黒部  穣君
       運輸省航空局監
       理部長      川上 親人君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○空港整備特別会計法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府
 等に対する譲与等に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 空港整備特別会計法案、経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案、及び、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を政正する法律案、以上三案を便宜一括して議題として質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○横川正市君 大蔵省へまず特別会計の規模の問題で先にお伺いいたしますが、大蔵省の考えでは、独立採算制を主たる原則とし空港整備をすると。私は、空港という特殊な非常に危険の伴う、しかも災害の大きい運営に独立採算制を原則としてとるということは、少し現状にマッチしないのじゃないだろうか、こういうふうに思います。もちろん、これは、各空港の整備状況をほんとうは先に聞きまして、そしてその整備状況の不備と会計の問題とをあわせて聞けば一番いいんだと思いますけれども、あまり時間がありませんから、冒頭から独立採算制と空港運営との関係でお聞きをするんですけれども、その第一は、これは万に一つ事故があっても困りますという体制なのかですね。しかし、一般的に事故率というのはパーセンテージでなんでもあるわけです。汽車と飛行機とを比べれば飛行機のほうが少ないですと。パーセンテージではそういうふうな結論が出ているのですが、しかし、実際の被害の惨状は他の事故に比ぶべくもなく凄惨なものがあるわけですから、私は、やはり万に一つ事故がない体制、こういう体制でいくのがたてまえではないかと思います。そういう点からいきますと、独立採算制を原則としているという考え方に少し疑問を持つわけですが、その点をお伺いします。
#4
○政府委員(竹内道雄君) 申し上げるまでもなく、空港特別会計を設置いたしますゆえんのものは、空港特別会計の歳入並びに歳出につきまして、一般会計と区分経理をして、それによって空港整備事業の促進をはかろうというものでございますが、御承知のように、この場合空港特別会計の歳入として充てられておりますものは、着陸料収入のほか相当額の一般会計からの繰り入れを行なっておるわけでございまして、他の特別会計の中で企業特別会計と普通いわれますような、たとえば造幣特別会計でございますとかアルコール専売でございますとか、そういうふうに特別会計独自の歳入をもって歳出のすべてをまかなうと、そういう完全な独立採算制の特別会計と違いまして、この特別会計は要するに空港の整備を促進するということを主たる目的として、たとえばほかの道路特別会計でございますとかあるいは港湾特別会計でございますとか、そういうものと同じように、公共事業の整備促進をはかるという趣旨からできておるものでございまして、他のそういう公共事業関係の特別会計と同じように厳密な意味の独立採算制というものではないのでございまして、その意味で四十五年度の予算におきましても相当額の一般会計繰り入れを行なっておりますし、今後ともおそらく現在の空港整備の状況から見ますと着陸料収入だけでこの特別会計をまかなっていくというようなことは不可能であろうと思っております。したがって、今後の整備の必要に応じまして毎年一般会計の繰り入れが必要であると考えておるわけでございまして、必ずしもおっしゃるような意味の独立採算制――歳入と歳出はもちろん特別会計でございますから突き合っておりまするけれども、そういう意味の独立採算制の特別会計であるということでは必ずしも当たらないのではないかというふうに思っております。
#5
○横川正市君 この会計法の歳入歳出の会計上の一般的なものから見て判断のできない点を先ほどちょっと説明したわけなんですが、たとえば松山で事故が起こったときの松山におけるところの安全体制というものがいろいろ論議されました。私はその事故を一つ参考にして考えるわけなんですが、国内の二種空港の体制が、コントロールタワーの設備にしましても、あるいは滑走路の設備にしても、あるいは立地的な条件の問題にしても、相当科学的に技術的に整備がされていて使用に供されているという空港というのはあまりないのじゃないか。だから、そういう点では空港の整備を急がなければいけないのだというようなことが当時事故のあったあとに報道をされているわけなんです。私は、それを想定しながら、独立採算制というのはやはり収益に一つの限度というものを感じますし、そうすれば、一般会計からの繰り入れについては一体どの程度認められるのかということになれば、通常まあ一般会計からの繰り入れというものはそう計画にマッチして一〇〇%というわけにはいかないわけなんです。ですから、もし一般会計から十分な繰り入れが毎年行なわれますよというのならば、これは実は独立採算制という形態ではないわけで、そんな点を考えながら、一体空港の整備という特殊な事情に独立採算制を原則とするということは一体どうだろうかという疑念を持つわけなんで、もし、運輸省のほうから、各空港の整備について、十分でございますと。いや、実は独立採算制というのはいわば会計上の判断で、運営上の問題としては十分ですということならば、あえてこれは論議する余地がない問題だと私は思いますが、さきの事故と照らし合わせながら考えてみますと、整備はまだまだ立ちおくれの状態にあるし、これは急がなきゃいけないというそういう状況にあるのではないか。だから、そういう点から見れば、空港整備というのには、もう少し会計法上もある程度の弾力、あるいはオーバー程度でなくても年次計画に遂行できる程度のものはあってしかるべきではないか、こういうふうに思うわけで、その点を説明していただければいいのじゃないかと思います。
#6
○説明員(川上親人君) 松山で起きました航空事故が発生いたしましてから、私どもの内部でもいろいろな反省検討を行なったわけでございます。それに基づきまして、昭和四十二年に空港整備五カ年計画が策定されたわけでございます。この空港整備五カ年計画におきます基本的な構想といたしましては、飛行場におきます安全対策といたしまして、滑走路の延長拡幅、その他航空保安施設の整備充実をはかりますとともに、それを通じてさらに将来の航空機の大型化その他に対処していく、こういうふうな基本方針に基づきまして五カ年計画か策定されてきたわけでございます。そういった点からいきまして、必ずしも現在空港が十分に整備されているというふうには申し上げられない。しかし、その空港整備五カ年計画に基づきまして着々と空港整備を進めさしていただいているという現状であろうかと思います。
#7
○横川正市君 この資料によりますと、松山の場合の着地帯、滑走路の状況というのが出ておるわけですが、これは事故前と事故後とでは滑走路の整備問題では変わっておらないのですか。
#8
○説明員(川上親人君) 松山空港は、当時、千二百メートルの滑走路の長さのものとして整備されておったということでございます。と申しますのは、松山空港において使用されます航空機はYS11という国産の航空機でございます。これは千二百メーターの長さの滑走路でもって十分安全に離着陸できるという性能的な観点から、千二百のままで整備されておったわけでございます。現在におきましてもまだ千二百メーターでございます。
#9
○横川正市君 専門家会議が持たれまして事故の原因究明というのが行なわれますが、明確にこういう原因が事故の発生した理由ではなかろうかというのがあまり出てこないわけですね。これは、一体、どこに原因があるのでしょうか。もちろん、これは、いくら整備された精密機械といいながら、人間のある程度の感覚も必要とするわけですから、その点の不備な点が不測な事故ということになるわけでしょうか、残された点はどういうことですか。
#10
○説明員(川上親人君) いまの御質問にお答えいたします前に、松山について現在滑走路の延長のための諸般の対策を進めていることをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
 航空機事故につきましては、御指摘のとおりに、航空機事故が発生いたしました場合に、生存者がきわめて少ないと申しますか、全員が亡くなられるというようなケースが非常に多うございまして、したがいまして、事故後におきましてパイロットからその事故に関連するいろいろなその原因と思われる点に対する事情の聴取ができないというような事情もございます。客観的に後になりましていろいろな諸般の事情を総合勘案いたしまして、こういう原因が推定されるのではなかろうか、またこういうことも考えられるのではなかろうかというようなことでございます。非常に多くの時間をかけましても、なおかつそのきめ手になるはっきりした原因が確定しにくいというのが非常に多いように思います。もちろん、ケース・バイ・ケースといたしまして、事故の原因がはっきりしている件数もいままでの事故調査の中におきましてはたくさんあるわけでございますが、先般の松山事故の場合におきましても、東京におきます全日空の事故におきましても、決定的な原因というものがなかなか決定しにくい、そういった特殊な事情にあるわけでございます。
#11
○横川正市君 まあ私はいろいろな関連を想定できるわけですが、この二種空港の場合は、稚内からずっと鹿児島まで、国際水準ということばが適当であるかどうかわかりませんが、二極空港として大体完備されていると、これはどういうような場合であってもたとえば国内で使われているような飛行機の発着については支障ないと、そのためには電気的な装備も完備しているというような意味での完備された飛行場というのはどれとどれですか。それからついでに、五カ年計画で実際上それをそういう状態に持っていける飛行場があれば、それもひとつつけ加えていただきたい。
#12
○説明員(川上親人君) 安全という立場からどの空港がどの程度完備されたかと、これはなかなかむずかしいのでございますが、私どもがいま五カ年計画で考えておりますのは、安全を確保すると同時に、航空機の定時性あるいは定期性というものをあわせて確保される、そういう角度から保安施設の整備ということを行なっております。たとえば、単なる安全というサイドからだけ考えてみますと、照明施設あるいはビーコンその他がございました場合に、一応雲の高さその他の制限がややきつくなりまして、雲がかなり高い状態におきましてもその飛行場に入ることが認められないというふうな意味での安全性を確保する方法がございます。ただし、その場合におきましては、定時性、定期性というものが犠牲になっていくわけでございます。そういう意味での安全性の限度というのを、私どもは、現在の航空交通の発展段階から考えまして、単に安全というだけではなくして、定時性、定期性というものをあわせて確保できるような意味での保安施設というものの整備をやろうと考えているわけでございます。二種空港につきましては、そういう立場から保安施設の整備を順次急いでおるわけでございます。国際級のといいますかそういう意味での保安施設は、いまの二種空港については必ずしも十分ではございません。いまの国際線におきます保安施設の一つの限度と申しますか、雲高が二百フィートまでたれ込めておるような場合におきましても、羽田あるいは大阪におきましては飛行機が安全にかつ定時的に着陸できるというような施設が施されておるわけでございますが、現在の二種空港の整備段階におきましては、レーダーその他を持っているところも非常にふえてまいりました。そのために、雲の高さは従前は千フィート以下に雲がたれ込めてくる場合には着陸できないというふうにされておりました空港が、逐次五百フィートの高さまであってもはいれるというふうに、同じ安全性を確保しながら定時的にはいれるというふうに空港機能を向上させてきているわけでございます。
 そういう意味で、二種空港の主要な空港は、現在の五カ年計画におきましては、単に、照明、あるいは対空通信施設なり、一般的に従来からございましたNDBと申しますいわゆるビーコンでございますが、そういうものだけに限らず、ILS、VOR、あるいは各般のレーダーというものを整備させていくという方針で進めております。各空港逐次そういう方向でかなりの程度に整備されてきつつある状況でございます。
#13
○横川正市君 松山とか宮崎とか凄惨な事故が起こったところの事故原因を先ほどちょっとお聞きいたしましたが、実は私どもは新聞で知る程度で、木村さんその他専門家がやってもなかなかわからないというふうに言われるけれども、その場合に、一様に、その飛行場が保安設備が整っていて、離陸、着陸に全く安全ですと、こういうことがなかなか保証できないことが報ぜられるわけですね。いま言ったように専門的に言えばいろんな要素というものがあるのだろうと思うんですが、しろうと考えで普通YS程度の飛行機なら、これは大体安全ですという意味での整備と、それからレーダーその他ビーコンを備えつけて、その安全度がきわめて高い状態にあるというような場合とを想定しながら、飛行場としては普通の水準で何と何を備えつけていなければいけないのかと。ところが、その何と何のうちの何が備えつけられていないのかというようなことがしろうと考えでは一つの基準になるのじゃないかと、そういうふうに思うわけなんです。だから、二種は大体もう全体が装備されておりますということなのかどうかですね。松山の場合にはその点不備だという記事を私ども見ておるわけですし、それから宮崎の場合には、あれは川がどこかに接地していて、そして滑走路が短いのじゃないかというようなことが言われておりましたね。いろいろな事故の起こったところでの記事の内容はそういう報道をされているものですから、やはり危険を一〇〇%なくするための整備ということが一つの年次計画の主眼なはずだから、それと独立採算制とはどういうふうにかみ合うだろうかという疑点を私どもは持っているので、実際に空港の運用に当たっている皆さんからの意見をお聞きしたいと思っているわけなんですけれども。
#14
○説明員(川上親人君) 私ども、飛行場を整備いたします場合の保安施設の面における最低の条件といたしまして、どういう保安施設が必要であるかということにつきまして、保安施設の意味をこの場合やや広くとっておるわけでございますけれども、NDBと申します、一般に方角を示すビーコンでございますが、そのビーコンの電波によって航空機を当該飛行場に誘導する、ここが飛行場であるということを電波によって航空機に知らしめる保安施設でございます。
 それから飛行機と当該空港における管制及び他の問題につきましても、いろいろ航空機と直接の連絡通信をいたさなければなりません。そのために、VHFの通信施設というのが必要になってくると思います。
 第三には、先ほどちょっと触れましたが、管制塔を通じて行ないます対空通信、こういう関係のものでございます。
 さらに、それを最低限度のものといたしまして、その上に飛行場に照明施設を設ける。夜間あるいは昼間におきましても、天候の悪い場合に、ここが飛行場で、滑走路がここであるということを示す照明施設、あるいは、滑走路のエンドがここで、この角度でおりてくるならば滑走路のエンドに必ず着くようになるという意味での照明施設としての進入角指示灯というのがございます。これを私どもは三種空港まで含めまして早急に整備したいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、そのほかに、さらに次の段階といたしまして、ILS、さっき申し上げましたVOR、さらにはレーダー、これを次の段階というようなふうに一応観念いたしてございます。その方向での整備を行なっておるわけでございます。
 松山におきましては、千二百メートルの滑走路におきまして、照明施設は一応完備しておる。進入角指示灯もあの事故当時におきましても一応はあったわけでございます。それからその他の最初に申し上げました基本的なもの、これらはすべて整備されておるような状況でございましたけれども、千二百メートルの滑走路の中ごろに着陸されたということで問題を生じた。宮崎におきましても、滑走路の中ほどに着陸したということによりましてオーバーランが生じた。こういうふうなことでございまして、私どもは、空港の保安施設としてそのようなものの整備を急ぎますとともに、進入角指示灯というのは、滑走路の末端に三度なら三度という方向で飛行機を誘導する、パイロットがその進入角指示灯の赤と白のランプを見ながら、赤と白とが両方同時に見えるような状態で入りますと、ちょうどランウェーエンドに着陸できるという施設なんでございます。そういう施設によってランウェーエンドに入るように、パイロットの訓練並びに会社の内部におけるパイロットの査察というものを厳重にやるようにという指導も一面いたしておるわけでございます。
 各般あわせましてそのような安全対策を進めていくことによって、はじめて、空港のみならず、航空の安全というものが確保されていくのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#15
○横川正市君 大体わかりました。でも、結果的には、二種、三種の空港の整備は、五カ年計画で、いま言ったような最低線の、ビーコン――誘導装置ですか、それからVHF、管制、通信、照明、それから進入設備というようなものは、これは三種まで全部現在あるわけですか。五カ年計画の中で全部備わるわけですか。
#16
○説明員(川上親人君) 三種空港におきまして、NDBとVHF、これはもう完備いたしております。ただ、進入角指示灯につきましては、現在十空港ほどについての整備を完了いたしておりまして、残りをこれから整備をする方針でございます。
#17
○横川正市君 そうすると、三種の場合は、大体三分の一ですか、五カ年計画で二つビーコンとVHFがつくということになるわけですね。
 そこで、いま言われたような最低限はという五つぐらいの項目があげられましたが、そのほかに、VORというのですか、それからレーダー、これは逐次ですかそれともあわせて二種にはついていく、三種にはそのあとというふうな計画はどうなんですか。
#18
○説明員(川上親人君) 五カ年計画におきましては、二種空港の中の主要なものについては、VOR、あるいはさらにDME、レーダー、ILSというようなものを整備していきたい方針でございます。三種空港につきましては、その後におきまして必要の度合いに応じてそれらの整備を行なうという方針でございます。
#19
○横川正市君 そこで、航空事故というのが、こういうような保安装備ですか、これらの不備な点から事故が起こったというような場合には、これは一体責任はどこが持つんですか。飛行士側が持つんですか、それとも、これは保安関係の担当者が持つんですか、どちらが持つんですか。
#20
○説明員(川上親人君) 先ほどもちょっと触れたところでございますが、飛行場におきまして、その空港の滑走路の長さ、あるいは保安施設の整備の状況、それから当該空港における風向き、その他諸般の状況を考慮いたしましてその空港の使用についてのいろいろな制限があわせて規定されているわけでございます。たとえば、先ほども申し上げました雲の高さの制限、横風の制限というようなものがございます。空港の整備の段階にそれぞれ合わせた安全というものを確保するための空港を利用する面における諸種の制限というものが課せられております。その制限の中において飛行する限り、その安全性においては一応変わらないという考え方で私どもはおるわけでございます。
#21
○横川正市君 たとえば、飛行場の整備が、それは八丈かどこかの飛行場だったと思うんですが、気流から見て適切ではないというような報道があったような気がいたしますが、飛行場を建設する事前調査といいますか、それから建設後の使用といいますか、そういうような段階的なものは、実際上はあなたのほうでタッチしてやられるわけですか、それとも、そうではなしに、民間飛行場なんかの場合には、それぞれ建設者、あるいは企業家といいますか、そういう人たちが独自でやるわけですか。
#22
○説明員(川上親人君) 八丈の例で申し上げますと、八丈空港は三種空港でございまして、東京都がこの設置、管理を行なっております。東京都が設置、管理いたします場合に、空港整備法の規定に基づきましての運輸大臣の許可がやはり要るわけでございます。この際に、その設置以前における調査その他の内容につきましては、私どももその段階におきましては十分チェックしてまいったわけでございます。ただ、八丈におきまして横風があると申しましても、常にいけないというのではございません。たしか、私の記憶に間違いございませんでしたら、二〇ノット以上の横風が吹くときには八丈空港への着陸を禁示する、二〇ノット以下の場合には着陸を認める、そのような一応の気象状態を勘案しました制限が置かれておりますので、その限りにおいては安全に着陸できるというふうに思っております。
#23
○横川正市君 そこで、先ほどの質問に戻るわけですが、実際こういうような整備状態を年次計画にあわせて必要経費を予算化していくということになるわけですが、その場合に、基準としては、最低の保安設備はいずれの飛行場も装置しなければいけない、それから逐次その保安状態を高めるというのは次の年次計画である、そういうことを十分勘案されて予算措置をとるという意味で独立採算性を原則とするということを理解していいわけですね。
#24
○政府委員(竹内道雄君) 空港整備特会を今度つくることをお願いいたしておりますのは、一つは航空輸送需要の増大に対処するということ、それからもう一つは、航空の安全を確保する、この二つを確保するために空港の整備を促進する必要があるということでございまして、現在ございます空港整備五カ年計画についてもできるだけの努力をいたしていかねばならぬと思っておりまするし、また、四十五年度でいまの五カ年計画は終わりますので、おそらくまたその次の五カ年計画というようなことも考えられていくこともあるかと存じますが、特別会計の設置が空港整備の促進にあるということに考えまして、今後ともそういった安全施設の充実ということには十分努力をしてまいりたいと考えておる次第であります。
#25
○横川正市君 次に、これは産業関係の開発問題とも関連して、お聞きをいたしたいと考えますが、たとえば北海道の場合に、二種は、稚内とそれから釧路、函館というようになっております。函館の場合もそれから釧路の場合も稚内の場合も港を持っているわけですが、旭川とか帯広というようなところは、いわば産業、それから交通、さらには人口の稠密度からいってみて――札幌には千歳という国際空港並みの施設があるわけですが、旭川とか帯広というような地点の空港整備は、現在は三種ということになっておりますけれども、実際上はやはり現状にいささかマッチしておらないのではないかと思いますが、これの整備状況、あるいは種別の格上げといいますか、これはどういうふうな計画になっておるのでしょう。
#26
○説明員(川上親人君) 旭川におきましては、現在、千二百メーターの滑走路整備をすでに終わっております。四十一年にこれが供用開始になっております。これらにつきまして、先ほど申し上げましたようなNDBあるいはVHFの通信施設というようなものの整備もなされておるわけでございます。それから函館あるいは釧路についても御質問であったかと存じますが、函館につきましては、これは二千メーター級に整備するということで、現在拡張に着手をし、整備を行なっているところでございます。さらに、釧路につきましては、これも現在千二百メーターでございますが、千五百メーターの長さにするという方針に基づきまして整備する予定にいたしております。四十五年におきまして千五百メーターまで延長する、そのための用地取得も行なうという考えでございます。北海道につきましてこれらの整備を行なっておるわけでございます。
 現在、旭川についての問題に一応限定して申し上げますと、現在の利用の状況にかんがみまして、やはり三種空港が妥当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#27
○横川正市君 実は、これは、あらかじめその要件が備わっているところに整備の度合いというのを合わせていく場合と、それから新しくその要件を備えるであろうというところに、いわば先行投資みたいなものですね、必要な状況に合わせて整備をしていくといえば、旭川というのは後段のほうの立場に立つだろうと思うわけですが、現状必要度合いのところの整備に追われているから、あらかじめそういうことを予測しての整備は現在手がつかないというふうに見ていいのでしょうか。実は、旭川の場合には、立地的な条件は北海道の中心になるわけです。それから将来の発展の度合いということになれば、いまは札幌に次ぐ第二の人口をかかえているような町の実際の趨勢というものが出てきているわけです。ただ、産業がそれに伴わないというところに問題があるわけですか、将来の政府の一つの方針としては、過密過疎の問題とか、あるいは広範な土地の利用の問題とかが必要になってくる。その要件にはマッチした地域だと思うわけです。飛行場が整備されれば、これが誘導的な作用をして、それらのものが逐次整備されていくのではないかという予想が非常に強いというふうに考えられれば、旭川というのは、たとえば稚内の状況に比べても遜色はありませんし、函館という立地的な条件と比べても遜色はないということになるのではないかと思うのですが、地理的には旭川というのはどういうふうに判断をされて現在三種空港でもいいと――三種になりますと、冬季全部飛行を停止してしまいますから、そういうことでは、利用者も、おのずと飛行場を利用するということでの実際上の日常業務に支障を来たすというところから二の足、三の足も踏むということになるのですが、そんな点を考えてみましてどういうふうにお考えか、お聞きいたしたいと思います。
#28
○説明員(川上親人君) 旭川の重要性につきましては、私よりも先生のほうがよほどよく御存じかと存じますが、おっしゃるとおりの性格を旭川というものは持っていると思います。将来そういう旭川の重要性に対応して空港の整備あるいは拡張をやらなきゃならない場合、さらに保安施設の整備段階をさらにもっと高めなきゃならないという事態に至りました場合には、たとえそれが三種空港でございましても、北海道道庁と十分の連絡をいたしましてそういった計画が盛られてくることになるであろうというふうに私は考えます。
 なお、現在の旭川空港におきまして、冬季定期便がついていないわけでございます。実は現在の段階におきましてはそれらの事情もございまして、私どもはやはり利用の形態といたしましては地方的な航空運送りものであるというふうな考え方を現段階においてはとっておるわけでございますけれども、将来の時点におきましては、先ほど申し上げましたように、各般の問題を考慮しましてその段階に即応した対策をとってまいりたいと思います。
#29
○横川正市君 これは北海道のことを知っておられる方はすぐわかるだろうと思いますが、稚内とか釧路とか函館というのは雪が少ないんですよ。冬季であっても降雪量というものが非常に少ないわけです。寒波はそれほど違いません。旭川の場合には、寒波もひどいし雪も降る。それなりにいろいろな対策があるということも空港整備にいろいろ支障を来たす原因じゃないかというように思いますが、その重要度の度合いからいえば、私は旭川の場合には他に比べてそれほど遜色はないというふうに見ているわけなんです。それで、三種のままで年間通じて飛行機を発着できるようなそういうことが次善の策として考えられませんか。
#30
○説明員(川上親人君) いまおっしゃいましたように、旭川は、空港では積雪寒冷の地でございますので、除雪その他の関係もありまして、周年――一年間を通じての使用ということがなかなか困難な状況かというふうに考えられます。ただ、将来、旭川市自体におきまして三十台ほどの除雪車があるそうでございます。周年の使用が予定されるならば、旭川市におきましても、四台ほどの除雪車を空港のほうの専用除雪車として活用したいという御計画があるやに聞いております。航空会社におきましても、旅客の需要の伸びをいろいろ勘案いたしまして、空港におけるそれらの除雪対策を含めましてこれから旭川空港を周年使うかどうかというようなことについての判断をしていくものと思います。現在、日本国内航空が旭川に定期便を入れているわけでございますけれども、この会社におきましては、将来は一年を通して旭川空港を使用したいという希望を持っているように私は聞いております。
#31
○横川正市君 全体の問題と関連をして結局必要なところを整備をしていくという段階で年次計画が行なわれ、将来は見込みのあるところを整備をするという、そういう状態で逐次発展していくのだろうと思いますが、どうも、飛行場の場合には、政治的な発言がいささか強くバックに影響するのじゃないだろうかというふうに思われる開発があるようですが、私はやはりきわめて合理的な飛行場の設置というのが当然じゃないかというように思います。そういう点からいっても、たとえば釧路なんかの場合には、冬季間通じて運航をするとはいいながら、欠便の状態というのはおそらく非常に多いのじゃないかと思います。そのためには帯広の飛行場を使うという場合が出てくるだろう。そういうふうな関係から勘案してみて、当然整備についてはその地域の立地条件あるいは要請もありましょうけれども、重点的な意味での開発が行なわれる必要があるのじゃないか。その点では、旭川の場合には、中心地ですし、降雪は多いですけれども風とかあるいは湿度だとかいろいろな季節的な影響というのはあまり他の地域と比べてみてそれほど激しい変動というのはないわけですから、その面からすれば安定した飛行場ということになるじゃないか、そういうふうに思います。だから、稚内とか、それから紋別、女満別なんというようなところがずっとありますね、そういうような地点と比べてみても、旭川の飛行場を整備をしていくということは、航空の安全度から見ても非常に必要なんじゃないか。それから産業の立地的な条件を整えるためにも必要なんじゃないか。すでに現在人口も三十数万というような都市を中心とした地帯でもあるということから、取り急ぎひとつ三種であっても年間を通じて飛行機の発着ができるような体制へ、いずれそれが二種空港になれるという要件をできるだけ早く備えてもらうということをこの際強く要望いたしておきたいと思います。どうでしょうか。
#32
○政府委員(藤田正明君) ただいまの横川先生の御発言、まことにごもっともでございまして、卵が先か鶏が先かということになるのでございまして、空港の整備がよくなされているから飛行機がまたたくさん離発着もでき、そしてまたそこの交通の要衝がますますいんしんになるというふうなことにもなりますし、卵が先か鶏が先かということになるのでありますが、旭川空港に関しましては、気候その他の条件において多少マイナス点があるかと思いますが、おっしゃるとおりに、北海道の中央地区でございますし、釧路、函館、稚内というところに比べまして、その町のいんしんさというものはそれ以上のものがあると思います。三種空港が現在では適当であると思っておりますが、将来の問題といたしましては今後慎重に検討いたします。
#33
○横川正市君 以上で終わります。
#34
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(栗原祐幸君) 速記を起こして。
#36
○戸田菊雄君 いよいよこの空港特別会計等の問題について大詰めに来ていると思うんですが、具体的に特会移行措置の人員配置など、それから機構の内容、組織等についてはこの前御説明願ったのでありますが、さらに具体的な内容、そういう配置状況というものがいまおわかりになるのかどうか、それがもしわかっておればお示しを願いたい。たとえば、この前、組織及び定員等についてはいろいろ御質問いたしましたけれども、空港工事事務所が東京、大阪、あるいは空港事務所が二十六カ所、要員にいたしまして千二百三十四名、空港出張所が二十九カ所、百七十一人、こういうふうにそこまでは説明を受けているのでありますが、さらに、この管理部門――管理課であるとか、管制課であるとか、あるいは通信課ですか、何かそういう管理部門の機構体系というものができておるのだろうと思われます。ですから、そういう管理機構の設置状況と申しますか、それと、要員の配置状況、こういうことについて具体的な移行措置等についておわかりになるならばひとつお示しを願いたい、それが第一であります。
 それからもう一つは、この前も私は指摘をしたのでありますが、特会計移行で総体要員の増が七名というんですね。この前に部長の回答では、要員全体の運用等については、一般会計と特別会計との流用は行なわない。したがって、この管理運用というのは現在よりも相当縮小されるということになると思う。ですから、そうなってまいりますと、人事交流は別ですが、常時の業務運営上における業務担当、そういう部面においての弾力運用というものが非常に狭まってくるのではないか。従来のいろいろな特別会計制定等について、実施後における具体的な現況というものを調査をしますと、必ずそう言っているんですね。ですから、そういう意味合いからいって、今回の空港整備に伴う特会計移行というものも、大筋はそういう方向で変わってはいないのだと思います。ですから、こういう面に対する人事の運用、それから要員がはたして仕事をやるにあたって十分なのかどうか。もちろん十分な要員配置というのはどういう官庁を見てもありませんけれども、そういう面についで、はたして結論として七名で一体十分なのかどうかですね、この辺の見解をまず承っておきたいと思います。
#37
○説明員(川上親人君) 特別会計の移行に伴います定員といたしまして、来年度の分としては七名をいま現在御審議をいただいているわけでございますが、これは、本省におきまして四名、地方におきまして三名ということでございます。
 なお、業務運用の弾力性が、特会移行に伴いまして、一般会計と特別会計との間におきまして弾力性を欠くようになるのではないかという第二の御質問につきましては、特別会計制度を設けることによって、人事交流その他の面についていままでどおりでありますと同時に、業務運営におきましても私は特段に変わる点はないというふうに考えております。
#38
○戸田菊雄君 機構の関係はどうですか、管理部門ですね。
#39
○説明員(川上親人君) 特別会計ができるということによりまして機構、組織面で特に変わる面はないと存じます。したがいまして、従来どおりの管理組織でございますし、管理要員は先ほど申し上げましたように若干の特別会計移行に伴う定員増を来年度お願いしてございます。これによる支障というものは特にないというふうに私は考えております。
#40
○戸田菊雄君 その管理部門の機構をちょっと聞きたいんですよ。管理課というのがあるんでしょう。あるいは管制課というのですかね。それから通信課、そういう課は幾つできるわけですか。
#41
○説明員(川上親人君) 特別会計制度ができるということによりまして、特別に組織的に減るというものもございません。ふえるものもまた特別にはございません。ただ、その他のファクターからたとえば地方の局に補償課が認められる、そういう別な意味での組織の充実はいろいろと考えられ、予算的にもお願いを申し上げておるわけでございますけれども、特別会計制度ができるということによって、現在私どもの現場第一線にございます空港の事務所並びにその出張所は、そこに属しておりますそれらの組織定員あげましてこの空港特別会計の中に入れるということにいたしておるわけでございます。ただそれだけでございますので、特別な変更はないわけでございます。
#42
○戸田菊雄君 いまの一般会計の中では、管理部門として機構はどういうものがありましょうか。
#43
○説明員(川上親人君) 空港事務所におきましては、原則として管理課というものが置かれておりまして、その中で一般の管理的な業務を行なっているわけでございます。
#44
○戸田菊雄君 そうすると、特別会計移行措置については、管理課という設置はないということでございますね。そういう機構はないと……。
#45
○説明員(川上親人君) 現在ございます空港事務所に管理課あるいは総務課というものを置いておるところもございますが、そういった組織が空港事務所の総務課なりあるいは管理課というような管理業務をあずかりますものがそのままこの特別会計の中に入りまして特別会計事務を処理することになるわけでございますので、従来とその点では何ら変わるところはないわけでございます。
#46
○戸田菊雄君 従来と変わりはないということなんですが、その機構は何と何ですか。その内容を教えてください、現行の。
#47
○説明員(川上親人君) 空港事務所によって必ずしも統一的ではございません。それでは、一例を東京の空港事務所について見ますと、空港長の下に次長という制度が設けられております。ここでは、次長に直属しました総務課、警務課、消防課、こういうものが一般的な管理機構としてございます。また、一つの例といたしまして、鹿児島、熊本、大分、これらにつきましては、総務課というのが置かれております。松山におきましては管理課というものが置かれております。そういった組織で行なっておるわけでございます。各空港ごとにその空港の規模の大きさによりまして少しずつ組織的な違いがございます。
#48
○戸田菊雄君 空港工事事務所の場合はどういうことになりましょうね。
#49
○説明員(川上親人君) 原則的には、空港工事は、地方の港湾建設局の下部機構でございます港湾工事事務所において空港の建設、あるいは改良、改修という工事を行なっていただいているわけでございます。原則的にはそれは港湾建設局の組織の中に入っているものでございます。航空局の空港事務所の組織の中に入っているものではございません。ただ、東京と大阪につきましては、空港の整備のために空港工事事務所というのが特に設けられております。この関係の定員につきましては、航空局の職員として振りかえられましてこの特会の中でまかなわれるということになっているわけでございます。
#50
○戸田菊雄君 地方の組織の各機構、内容等についてはわかってまいりましたか、本省関係はどういう管理部門になりましょうか。
#51
○説明員(川上親人君) 本省及び地方航空局二つ、この中央的ないわば組織につきましては、これは特別会計の中でカバーするという面はございません。全部一般会計の所管に属する組織でございます。本省におきましての航空局の中では、監理部というのがございます。この中に、総務課、経理課、補給課とございます。この特別会計制度にかかわる人事あるいは経理という関係の業務を総括的に所管するわけでございます。
#52
○戸田菊雄君 その要員配置等については、まだ決定にはなっておらないわけですか。
#53
○説明員(川上親人君) 本省の監理部の中におきますいま申し上げました管理組織は、従前どおりの一応組織でございます。また、定員につきましては、先ほど申しました四名の特別会計要員の増員を来年度お願いいたしております。その分がプラスされるというかっこうでございます。
#54
○戸田菊雄君 それから移転後の条件の問題ですが、たとえば宿舎とかそういう関係はどういうことになりましょう。それはやはり一般会計から切り離して、特別会計用として幾らということで全部確保される、そういうことでしょうか。
#55
○説明員(川上親人君) 宿舎の新設整備の問題につきましては、まだ一般会計の中でこれを処理する、一般的に従って処理されることに相なるわけでございます。
#56
○戸田菊雄君 そういった移行措置の、労働条件に関する問題、あるいは要員の配置に関する人事問題、各般の諸問題が相当あるかと思いますが、それを進める場合は、基本的に当該組合等と部長のほうでよく円満解決、もしくは話し合い、そういう形で今後進めるという意向でございましょうか、その辺はどうですか。
#57
○説明員(川上親人君) 私どもは、常々、組合その他と交渉いたしますにつきましては、航空の安全、航空業務に誤りのないようにというような角度から、十分の打ち合わせと申しますか意思疎通をはかっているわけでございます。組合側からも航空の安全ということについて現場の職員の声というものが反映されてくるものにつきましては、事安全にかかわるもの、また、職員の福祉にかかわるようなもの、これらにつきましては、できるだけその意向を尊重するという方向で臨んでいるわけでございます。いまのところ、私どもの組合に対する関係におきましては、非常に円滑に意思疎通かなされていると私は判断をいたしております。
#58
○戸田菊雄君 いまの部長の御回答で私も安心するわけでありますが、そのように今後移行措置等について、たいへん御苦労だと思いますけれども、ぜひ御努力を願いたいと存じます。それは要望として申し上げておきます。
 大蔵省にお伺いをするのでありますが、この前の質問で、これを一般会計から特別会計にするについては弾力的に運用するということで、応分のめんどうをみるといいますか、そういう御趣旨があったのでありますが、その辺の御意向については今後変わりがないのかどうか、もう一度お確めしておきたいと思います。
#59
○政府委員(藤田正明君) 航空輸送に関しましては、御承知のとおり、どんどんとその回数もふえ、また、機種も大型化になりますし、また、ハイジャックというふうな問題も新たに生じてきておりますので、従来とはよほど違ったことになっていくのではないかと思います。それに従いまして、従来の五カ年計画もまた手直しせざるを得ないというようなことに相なるのではないかと思っております。特別会計をここにお願いをしておるわけでございますが、従来の五カ年計画より増しまして予算もふえて計上いたしております。戸田先生の御趣旨を体しまして、今後とも弾力的に一般会計よりも特別会計のほうに回しますし、ますます航空の安全を期しまして大蔵省側といたしましても対処するつもりでおります。
#60
○成瀬幡治君 経済技術協力について簡単にお尋ねしておきたいと思います。
 第一にお尋ねしたい点は、今度の提案を見ますと、船舶は入っておりますが、飛行機は入っておらない。今後ワクを広げて、「その他政令で定める」というものの中に飛行機というようなものが含まれるかどうかというのが一つ。
 それから二つ目は、いままで相当プロジェクトされましたが、その中にチンコム、ココム協定の禁制品が入っておるのかどうか、いままでやったものの中で。それから今後船舶ということになれば、もうすでにココム協定には入っておるものだと思いますが、そういうココムなりチンコムとの関係はどのようなふうに見ておいでになるのか。
 まず、この二点をお尋ねしたいと思います。
#61
○政府委員(船後正道君) まず、初めの御質問に対してお答え申し上げます。
 「その他政令で定める財産」でございますが、現在のところは、船舶、建物の従物、これを政令で指定いたしたい、かように考えております。航空機、ヘリコプターのたぐいにつきましては、ただいまのところ具体的な要請もございませんので、考えてはおりませんけれども、しかし、たとえば農薬散布のためにヘリコプターが要るといったような問題があり得るかとも思います。そういった場合には、その段階で政令で指定することも可能でございますので、検討いたしたいと考えております。
#62
○政府委員(沢木正男君) ココム、チンコムは共産圏諸国に対する輸出についての規制でございまして、この法律のもとにまいりますような経済技術協力に、基づく物資の供与というような場合には、そういうふうな共産圏諸国を対象に援助したことはございませんので、それとは関係がないということでございます。
#63
○成瀬幡治君 第一点のほうの答弁に対してのまずお返しですが、ヘリコプターは農薬を散布する等ということで、飛行機はどうするつもりかということが明確じゃないんですが、飛行機はどうなんですか。要請があればやろうとするのか、政令ではそれはできますよということを言われようとしておるのか。飛行機ということになれば法律事項としてあげなければならないものなのか、あるいはヘリコプターもあげなければならぬのか、「その他政令で定める財産」のその「財産」の中に入るという解釈をとられるのかどうか。
#64
○政府委員(船後正道君) この法律の対象になります物品は、いずれも開発途上にある外国政府等に対して経済技術協力を効果的にするという目的のものでございます。したがいまして、対象となる物品も、こういった経済及び技術協力という目的の範囲に限られてくると思います。航空機がどうなるかという点につきまして、法律的には政令で指定し得る可能性はあるわけでございますが、現在のところはそのような問題が具体的に起きておりませんので、ただいまのところ指定するつもりはございません。
#65
○成瀬幡治君 「船舶、建物」ということが法律ではっきり明示されるわけですね。それに対して、飛行機やヘリコプターは、法律改正をせなくても「政令で定める財産」の中に入ってしまうのだという解釈をとられるのか、そうではなくて、そういうような飛行機というような問題が出てきた、あるいはヘリコプターの問題等が出てきたら、法律改正等をしてまたはかられる用意があるのか、いずれなんですか。
#66
○政府委員(船後正道君) 政令でもって指定することができる、かように考えております。
#67
○成瀬幡治君 そうすると、法律のバランス上から、船舶、建物をあげて、なぜ飛行機をあげなかったのですか。
#68
○政府委員(船後正道君) 船舶、建物につきましては、具体的な要請が過去におきましても現在におきましてもあるわけでございますが、航空機等につきましては、そのような具体的な要請が現在ない。したがいまして、そのような問題が生ずれば、将来政令でもって指定する物品の範囲に含めることも考えておる、かようなことを申し上げておるわけでございます。
#69
○成瀬幡治君 船舶と飛行機というのは大体重要で、金額から見ても何から見ても上回るようなものがあるわけですよ。飛行機のほうが高いですよ。それを、片方では事項をあげながら、片方では政令でやれるといったら、何も法律は必要なくなっちゃうんですよ。一本で政令で定めておけばいいじゃないですか。そういう解釈じゃ、ちょっと納得しかねるのだがな。それだったら、法律体系で要らぬですよ。船舶その他等としておけばよし、何かいろいろなことでもできるわけですよ。
#70
○政府委員(船後正道君) 今回の法律改正の趣旨は、従来物品に限られておりましたのを、不動産関係にまでも及ぼすという趣旨のものでございますので、先ほど来申し上げておりますとおり、不動産関係の中でも過去及び現在において具体的に要請のあった船舶、建物を一番代表的なものとして掲げ、その他のものにつきましては、今後具体的に問題になれば、その段階で政令上考慮したい、こういう考えでございます。
#71
○成瀬幡治君 そうすると、要請があったから船舶、建物というものを入れたんだ、飛行機は要請がない、だから書かないと。しかし、将来出てくるかもしれぬと。出てきたものについては政令でやる財産の中に入っちゃう、そういう解釈なんですね。財産ということになれば、あらゆるものが入るわけですよ。何も「船舶、建物」なんて書かなくてもいいわけなんです。大体、法律でこういう定めている事項と、政令で何でもやれるのだという、そういうことでいいものかな。それは、法律だから、あらゆる場合を想定しなければならないということはわれわれにもわかりますよ。わかりますが、「船舶、建物」と書いたのは要請が現にあったのだから書いた、飛行機やヘリコプターは要請がないのだから書かずにおって、「その他政令で定める財産」の中に加えちゃう、そういう解釈だというのは、そこまで政令に全部委譲するということは許されることかいな。議会政治ということが言えるのかな。こういう委員会制度なんというものは必要なくなってしまうですよ。どうなんだろう、その点。
#72
○政府委員(船後正道君) 法律形式といたしましては、先ほど来申しておりますような事情で船舶、建物を掲げておるわけであります。将来の問題といたしましては、この法律の目的が、そもそも開発途上国に対する経済及び技術協力のために必要なものでございますから、そういう必要なものといたしまして具体的に航空機あるいはヘリコプター等が問題になりますれば――現在は問題になっておりません、その段階で政令でもって指定する物品に含めたい、こういったことは、まあ法形式といたしましては他にも例がないわけでもございませんでして、一応法律におきまして規定いたしましたのと類似するようなものを政令でさらに詳細に規定するという法形式になっておる例は、他にもあるわけでございます。
#73
○成瀬幡治君 他にあるというなら、これは一ぺん全部をあげてもらわなきゃならぬし、そんなことならきょう採決するなんということはちょっと待ってもらわなきゃならないと思うのです。飛行機というものの要請が出てきたら検討し直すとかもう一ぺん法律で出すというなら、法律を改正して出すという用意があるならいいが、そうじゃなくて、「その他政令で定める財産」というかっこうでということなら、あくまでもそれで正しいんだ、政令で全部やっちまうんだよという方針なら、ちょっと納得しかねるのだが、十分それは政府部内で打ち合わせをして、もうすでにこれは将来予測されるんだと、「その他政令で定める財産」は飛行機も入っておりますよと、こういうことなんですか。
#74
○政府委員(船後正道君) 私が申し上げておりますことば、法律上の解釈の問題といたしまして、政令で定める物品といたしまして航空機等まで範囲を広げ得る。ただし、これは、先ほど来申しておりますとおり、あくまでも開発途上国に対する経済及び技術援助という目的に限られるわけでございますが、そういった目的にかなったものとして航空機が具体的に問題になるならば、それはこの法律では政令でもって指定し得るということを法律解釈として申し上げておるわけでございます。航空機の援助を行なうとか行なわないとか、これはまだ将来の外交上の配慮その他もあるわけでございますから、この場合で私の口からは申し上げられない問題でございます。
#75
○成瀬幡治君 そうすると、法律解釈がそういうようにできるんだと、運用ができるんだということですか。そうすると、あなたのほうとしては、そういう解釈なんだから、今後飛行機が出てきたときには、要請があれば、開発途上国の経済技術なんだから必要だと、そういうことを政府が認めさえずれば政令でやりますよということなのか、そういう要請が出てきたような場合にはもう一度法律改正等で国会にそれをはかってやるのか、どちらなんですか。解釈論を聞いているのではなくて、運用でどうするのだということを詰めておきたいと思う、この際。
#76
○政府委員(藤田正明君) この提案申し上げている法律案では、政令で規定できるわけでございます。たびたび船後次長から申し上げますように、開発途上国に対する経済及び技術協力の範囲内で政令で指定できるわけでございまして、成瀬委員より飛行機についての御質問でございますが、軍艦等におきましては、これはその意味においては全然経済協力あるいは技術協力の範囲外でございますので、このようなことは問題になりませんが、飛行機の場合は、そのような開発途上国に対する経済及び技術協力の範囲内ということでは、政令でできるという解釈を持っております。
#77
○成瀬幡治君 いま法律上少しもそういうことはおかしくないのだというなら、そういうように定めた法律を一度ここで列挙してもらうか資料として出していただくなりして、あらためて検討したいと思います。ここで出るなら、いまひとつ答弁として承っておきたい。
#78
○政府委員(船後正道君) さしあたり申し上げますと、たとえば沖繩に対するいろいろな援助でございますが、こういった物品譲与の場合に、それぞれ単行法を出しております。たとえば南大東島及び石垣島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律、こういう単行法を出しております。この単行法の中に、読み上げますと、「政府は、当分の間、南大東島及び石垣島において高層気象観測を行なう気象機関に対して、当該気象観測に必要な運輸省令で定める物品を譲与することができる。」というように、物品の範囲を運輸省令にゆだねており、あるいは、沖繩における郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備の設置及び無償貸付けに関する法律という法律かございますが、この法律におきましても、そういった郵便貯金の奨励及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設及び設備云々というような具体的な内容は省令にゆだねておるというような法形式がございます。
#79
○成瀬幡治君 ぼくは、政令にみな譲ってしまうなら、それならそれでもいいと思うんです。ここでは、「物品、」の下に「船舶、建物」ということをわざわざ書いているわけですよ。そうして「その他」となるからおかしいと言っているわけです。それなら、船舶とか建物というのは削ってしまったらどうですか。
#80
○政府委員(船後正道君) 国有財産法の考え方といたしまして、物品という場合は動産に限られるわけでございまして、船舶、建物等はこれに含まれない。今回、それを、物品の範囲をこえて、船舶、建物等の国有財産につきましてもこの法律の対象としてお願いをいたしたいというのが改正の趣旨でございます。代表的なものといたしまして、船舶、建物を掲げたという次第でございます。
#81
○成瀬幡治君 そうすると、動産は物品という形であげる、不動産は船舶とか建物とかいう名称をあげるなら、飛行機は政令の中に入ってしまう。その他の財産の中にあげる必要はないという、どうしてそういう理屈が成り立つのですか。不動産の場合、「船舶、建物」というようにわざわざ法律事項のことばとして使わなければならないのに、飛行機は書く必要はないのだという理由は、どういう理由ですか。
#82
○政府委員(船後正道君) 先ほどちょっと簡単に申し上げたのですが、現在国有財産法の国有財産の分類といたしましては、船舶は不動産ではございません。したがいまして、従来物品で限られておりましたのを、今回範囲を拡大するにつきまして、不動産の代表といたしまして建物を掲げる、それから不動産以外の物品でない国有財産の代表といたしまして船舶を掲げるというような法形式を踏んだわけでございます。
#83
○成瀬幡治君 そうすると、動産の代表は物品で、不動産の代表は建物と、そういう何か慣例がありますか。法律形態でいままでどこに例がありますか。
#84
○政府委員(船後正道君) ほかの法律に例があるかという御質問でございますが、どうもただいまのところ思い出せませんけれども、国有財産法の第二条におきまして国有財産の定義を掲げておりまますが、一に「不動産」、二のグループが「船舶、浮標、浮さん橋及び浮ドック並航空機」、それから第三番目のグループといたしまして「前二号に掲げる不動産及び動産の従物」、それから四番以降は大体無形財産権でございます。そのような分類を掲げてございますので、今回、この法律の対象といたしまして、従来物品のみでございましたのを、国有財産にまで範囲を広げるということから、一号の不動産、二号の船舶と、三号は従物ということになるわけでございます。従物につきましては、これを政令でもって指定してあるというふうに考えております。
#85
○成瀬幡治君 そうすると、何条か知りませんけれども、そこにあげてあるそこの代表で、物品の下にはこれからも必ず動産の代表としては船舶を掲げなければいけないし、不動産の代表では建物を書くんだと、その他は政令で定める財産だと、こういう形式をとるんだと、こういうことなんですか。それが慣例なんだと、そういうことをあなた言い切っていいんですか。
#86
○政府委員(船後正道君) 決して慣例ではございません。不動産の代表として建物を掲げるということは慣例であるということは私は申し上げておりません。ただ、この法律の対象となる不動産関係といたしましては、土地はもちろん考えておりません。したがいまして、建物を掲げた。それから船舶、浮きドック、航空機等のグループにつきましては、さしあたり問題になっておる、過去にも問題となり現在も問題となっております船舶を掲げた。航空機等につきましては、まあ今後の具体的な交渉その他もございましょうが、そういった現実的な段階に応じて考えてまいりたい、こういう法形式を考えまして、法律では、「物品、船舶、建物」という規定のしかたをいたしたわけでございます。
#87
○成瀬幡治君 そうすると、具体的に飛行機の話が出てきた場合には、もう法律改正などはせずに、「その他政令で定める財産」でこれからは動産も不動産もこの法律案一本であと何もかもみんなやれるんだという解釈をとり、運用をしていくと、こういうことなんですか。
#88
○政府委員(船後正道君) 先ほど来申し上げておりますとおり、開発途上国に対する経済及び技術協力のため必要という範囲内におきまして今後具体的に問題が生じますれば、政令でもって定めてまいりたいと考えております。
#89
○成瀬幡治君 まあ必要という判断は、これは政府がすることでありますから、開発途上国のためという法律の用語でもあり、必要と認められて要請があればそれを受け入れて何もかもやれる、これで動産も不動産も入ってしまったと、何もかも一切やれるんだと、こういう解釈でよろしゅうございますか。
#90
○政府委員(船後正道君) 何もかもやれるということは考えていないわけでございまして、あくまでも経済技術協力のため必要な範囲、その範囲内において必要な物品を規定してまいると、かような考え方でございます。
#91
○成瀬幡治君 あのね、「協力のため必要な物品」というこの表題が大体おかしいということになってくるな。これは動産を指しておって、中身を見ていったら不動産が入ってきちゃった、こういうことになる。
#92
○政府委員(船後正道君) 今回物品以外のものに範囲を広げましたことに伴いまして法律の名称も「物品等」というように改めることといたしております。
#93
○成瀬幡治君 なるほどこの「等」という字が入ったわけか。それで不動産が入っちゃう。形が悪くないかな。
#94
○政府委員(船後正道君) まあ法律の名称といたしまして物品及び国有財産というような書き方もあろうかと思いますけれども、現在この法律による譲与なり減額譲渡の主体は何と申しましても物品でございますので、主となる「物品」を柱に立てまして「等」ということにいたした次第でございます。
#95
○成瀬幡治君 それじゃ、このことはちょっとたな上げしておいて、たとえばフィリピンで日本が援助した。そうしたら、それが汚職になる、いや、そうじゃないんだよと騒ぎ立てられたことを新聞紙上で見ておりますが、その真相は私は知りません。しかし、あるいは賠償にからんでとかくのうわさがあり、決算委員会等で問題になったことも私は承知しております。それからまた、貸した金が返ってこなくてこげついたらそれをどうするかというような問題もある。こういういろいろなことをやっていかがわしい問題が出てくるときに、飛行機というような大きな問題が出たときには当然法律改正等が行なわれてやられるのが常道であって、むしろこういう政令で何もかもみな一括してやるんだということ自体が、また、黒い影と申しますか、黒い霧と申しますか、そういうような形になってしまうんじゃないかということを非常に心配するわけなんですよ。
 だから、もう一ぺん重ねてお尋ねしますが、ほんとうに航空機が議題になったときには、あくまでも解釈として成り立つんだから、もう政令でやってしまうんだと、こういうふうにこの場で言いきられますか。これはまあ大臣が来てからにしますということになるかと思いますが、まず一応事務当局の考え方をはっきりしておきたいと思います。
#96
○政府委員(船後正道君) 先ほど来申し上げておりますとおり、法律の解釈といたしましては、今後具体的に航空機が問題になる、これが援助の対象として妥当であるということになりますれば、その他政令で指定するものとして航空機も含め得るわけでございます。まあそういった場合には当然国の予算が伴うわけでございますので、その段階でまた予算審議をお願いしなければならない、かように考えております。
#97
○成瀬幡治君 予算審議をお願いしなければならぬということは、どういうことなんですか、具体的には。
#98
○政府委員(船後正道君) 当然国費の支出になるわけでございますから、予算上、航空機の譲与あるいは減額譲渡といったような措置をとるということは、当然国会の御審議を経なければならない、かように考えております。
#99
○成瀬幡治君 これは一括して出てくるというのが常識じゃないですか。現に、プロジェクトをどこにどうするかということもなかなかかけ引き上言えないと。だから、予算関係で言うなら一括して書いておるわけなんでしょう。どこどこへたとえば航空機何台なんということをあげてありますか。それはそういう場合もあるだろうけれども、ない場合もあると予想していいのじゃないですか。飛行機だけは必ずあげますか、相手国を。
#100
○政府委員(船後正道君) 現在の予算科目の立て方としては、個々のアイテムごとに国会の議決をとるというものではございません。さようでございますので、先般来外務省のほうから御答弁がありましたように、これは外交上の微妙な問題でございますので、具体的にはむずかしいこともあろうかと存じますけれども、これから航空機を供与の対象とするといったような時点におきましては、その時点で判断いたしたいと、かように考えております。
#101
○成瀬幡治君 あなた、いま、予算審議でやらなきゃならぬだろうと言うけれども、いま聞いておると、予算審議じゃやれそうもないと。どういうことなんですか。どっちがほんとうなんですか。
#102
○政府委員(船後正道君) もちろん、予算は、先生御承知のとおり、個々のアイテムまで予算書に掲げるわけではございません。しかし、説明といたしまして、どういう内容の経費であるかということを御説明申し上げておるわけでございますから、具体的に航空機等が問題になりますれば、その段階で御説明するというようなことになろうかと思います。
#103
○成瀬幡治君 いや、そうじゃなくて、プロジェクトを与えるときにも、かけ引きその他があるから、相手国も言えないし何も言えないんだと、それは頼むからそうしてくれと外務省から答弁があるんですよ。あなたたちは承知しておるかもしれない。この場では、そういうことは、私たちも、外交上の問題であり、かけ引き等の問題もある、だからそれはそうでしょうと言っておるわけなんですよ。だけれども、飛行機だけは必ず出すという約束をしますか、あなた。予算審議をすると、こう言うなら。
#104
○政府委員(船後正道君) それは将来の問題でございますので、まあ何とも申されませんけれども、これは時期的な問題ではなかろうかと思います。外務省といたしましてもどこまでも発表ができないものだというふうにはわれわれ考えてはおりません。十分相手側と話がついたという段階で予算に載る場合もございましょうし、あるいは、交渉が途中であるといったような場合もあると思いますので、ケース・バイ・ケースの問題であろうかと思います。
#105
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#106
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
#107
○成瀬幡治君 それじゃ、この問題については、後刻、大臣もお見えになりますから、いろいろな点についてまたお尋ねをすることにいたしまして、私は、形の上から言っても、それから重要な度合いから言いましても、もう少しこういう点については慎重に今後も扱われるように事務当局もやっていただきたい、このように思います。
 次いで、次の点についてお尋ねしますが、貸し付けた金で焦げつきというものはもう全部ないものなのか、焦げついたけれどもまた再借款の形で与えたものはどんなものがありましょうか。
#108
○政府委員(沢木正男君) 焦げつきということばの意味自身がいろいろ問題があろうかと存じますが、現在、期限までに貸した債務が返済できなくて繰り延べもしくは再信用になっております例は、インド、それからアラブ連合、ガーナ、ペルー、それから一部もと発生いたしましたのが、アルゼンチン、ブラジルというような国がございます。それからインドネシアにおきましても、スカルノ政権時代の旧債務を繰り延べるということがございまして、ちょうどきょうパリでその会議をやっておる最中でございます。そういうふうに、期日までに債権が返済されなくて、それを繰り延べ、もしくは再信用を与えた例はございます。
#109
○成瀬幡治君 総トータルどのくらいありますか。
#110
○政府委員(沢木正男君) そういうことのために出しました再整理信用の統計は、一九六八年度で千二百五十万ドル、それから御参考までに、六七年は四千万ドル、六六年が千五百十万ドル、六五年が六千万ドル。それで五九年から六八年までの累計が一億百七十万ドルでございます。
#111
○成瀬幡治君 これは、一つ一つやっておれは、とっても時間もかかり、また、問題も複雑であり、いろいろな問題も出てくるかと思いますから、この問題は、私はせっかく発展途上国に対して好意的におやりになっている、しかし、焦げついてしまったんだと、ここに私は若干ミステークがあったと思うんです。ですから、今後はこういうことのないように、十分後進国家にも喜ばれ、しかも、その間が今後日本と相手国との間がうまくいくようなことについて、御留意はいままでも十分しておみえになると思いますけれども、なお一そうの留意をしてやっていただくということをお願いを申し上げて、この問題については……
#112
○木村禧八郎君 ちょっとその問題に関連して。いまの焦げつきとか、あるいはまた繰り延べ、リファイナンスは、海外経済協力基金関係が主なるものですか。
#113
○政府委員(沢木正男君) 現在までに、海外経済協力基金から貸し付けましたものでそういうことになったものはございません。
#114
○木村禧八郎君 それで、いまのケースですね、それはどういうところからのあれですか。貸し付けなんですか、ブラジルとかインドとか、そういうものについて。
#115
○政府委員(沢木正男君) おのおの国によって多少違いますが、インドの場合は、輸出入銀行のほうから貸し付けました円借款につきまして、世界銀行が、インドの債務返済能力からいって繰り延べたほうがいいということで、債権国全部が協議しまして、世界銀行のスケジュールに従って繰り延べを実施いたしておるという状況でございます。
 それからアラブ連合、ペルー、ガーナにつきましては、向こう側が債務が支払えないということをもちまして、債権国全部が協議しまして、国際会議において一定の比率がきめられまして、その比率に従って、日本が持っております延べ払い債権の再繰り延べをしたわけでございます。
 それからブラジル、アルゼンチンにつきましても、およそ同様な国際会議におきまして繰り延べ率がきめられましてやっております。
 それからインドネシアにつきましては、御承知のドイツの元連銀総裁アプス博士が繰り延べ案を出しまして、それをいま国際会議で審議しておるという状況でございます。
#116
○木村禧八郎君 それは、対民間との関係では、輸出保険の対象になるんですか、みんな。
#117
○政府委員(沢木正男君) 通常の場合、相手国が債務が支払えないという状態になりますと、一国だけがその債務の繰り延べをいたしましても、ほかの債権国が向こうの国からどんどん取り立てておるということでは、その国が債務を繰り延べました効果がなくなりますので、そういう通知が参りますと、おもなる債権国が集まって国際会議を開きまして、繰り延べの率を大体きめるのが慣例になっております。それで、それに基づいて、二国間で繰り延べの協定ができますまでの間、自由になる債権については輸出信用保険法に基づく保険金の支払いがございますが、繰り延べの協定ができましてそれのスケジュールに従って繰り延べが行なわれる場合には、保険金の支払いが停止になります。
#118
○木村禧八郎君 その場合に、前にインドネシアの例がありましたが、リファイナンスの協定がありまして、それで輸出保険特別会計ですかに対して一般会計から繰り入れたんですよ。相当に繰り入れまして、結局、回り回ってそれが焦げつき債権のしりぬぐいを国民の税金でやるというような形になるのではないのですか。前のインドネシアの関係はどうなっていますか。いまのお話ですと、インドネシアだけでなく、そのほかに各国ありまして、みんな輸出保険の対象になるというのでしょう。
 それからもう一つ聞きますが、輸出保険の対象になるといいながら、輸出保険特別会計によりますと、ああいうのは保険料によって独立採算になっているはずですよ。ところが、独立採算じゃなくて、一般会計から繰り入れるんですよ。そうすると、税金でしりぬぐいをするということになっておる。
#119
○説明員(黒部穣君) 輸出保険の直接の担当者ではございませんが、ただいまの木村先生の御指摘の点は、現在、リスケジュール、リファイナンスの話ができるまでは輸出保険の保険金を支払います。協定ができ上がりますと、保険金の支払いは停止になるわけでございます。ただし、一たん支払われました保険金も、輸出業者が最終的に回収いたしますれば、これを返還させることになっております。したがいまして、一般会計から輸出保険特別会計に国税が注ぎ込まれる形にはなりますけれども、長期的に見ますれば、それは回収になるという形になります。
#120
○木村禧八郎君 その相手国にリファイナンス協定ができればということでしょう。協定できると政府は貸してやるわけですよ。日本政府が貸してやって焦げつき債権を払わして、業者がそれをまた保険に返すというかっこうになる。だから、日本政府がわれわれの税金で相手国に金を貸してやって焦げつき債権を支払わさせる、そういう形になるわけですね。もちろん、だから、債権は回収されるわけですよ。回収されるのだけれども、その回収する資金は協定によって日本政府が貸すということになる、リファイナンスで。それは国民の税金ですよ。インドネシアの場合ははっきりそうです。そういう形になるんでしょう。
#121
○政府委員(沢木正男君) リファイナンスの場合とリスケジュールの場合とは違いまして、リファイナンスをいたしました場合は、向こう側が債務の返済は期日どおりに個々の契約に対してはしてくるわけでございます。したがいまして、保険金の支払いはございません。それからリスケジュールの場合は、政府からあらためて債務支払いのための借款を出さないで、個々の契約の支払い期限を繰り延べるというかっこうをとるわけです。したがいまして、保険金とリファイナンスがダブって行なわれる事例は現在まではございません。
#122
○木村禧八郎君 それでは、先ほど成瀬委員に答弁されましたケースがございましたね、それを資料にしてちょっと出してもらえませんか。
 それから前にぼくが資料として要求しておいたのですが、この海外経済協力については政府ベースと民間ベースがあるわけですが、それが実態はどうなっているのか。政府ベースのほうは、海外経済協力費として一応全体の予算はここに資料として出ている。だけれども、民間ベースのほうはわからぬ。民間ベースにいろいろ問題があるわけなんですから、そこで、民間ベースがどうなっているのか、これも資料として聞きたいわけなんですよ。民間ベースで出ていって、たとえばインドネシアに、これもわかったら具体的に資料としていただきたいんですが、三菱商事が、開田の契約、田んぼをデベロップする契約が二十万ヘクタール、こういう契約をしておる。そこから米をつくるのだそうですね。それでうまい米をつくる。ところが、それが、もしかすると日本にその米が入ってくる可能性もある。インドネシアが日本に輸出する品物がない場合、インドネシアの米をこっちに持ってくる。そうすると、国内では、米が余っておって休耕とか廃田をやっておるのに、海外に出ていって、そうして米をつくって日本に入ってくる可能性もある、それが見返り物資として。これは三菱商事。それから丸紅とか伊藤忠が四十五年度熱帯農業研究センターで日本人に向く外米をつくるのに、農林省が三千万円予算をつけておる。こういうことを見ますと、ただ低開発国に援助すればいいというだけじゃなくて、もっと全体の日本の政策との関連においてそういうものを考えなければならぬのじゃないかと思うんですね。それからこれだけじゃなくて、繊維だってそうでしょう。いまアメリカに対して包括的な自主規制、日本が反対しておるでしょう。ところが、日本の資本がどんどん低開発国に進出していって、いま重大な問題になっている。向こうの低賃金を使って、安い繊維品を日本にどんどん入れてきているんです。それを日本がチェックできるかどうかということですよ。アメリカに対しては包括規制を反対しておるのだが、日本についてはできない。そうなるというと、海外経済協力ということももっとそういう総合的な立場で考えないと、ただ低開発国に援助すればいいということじゃいけないのであって、これまでは非常に無原則じゃなかったかと思うんですよ。そういう意味で、民間ベースの海外経済協力の実態がどうなっているのか。これは韓国、台湾、インドネシアなんか相当行っているわけですよ、資本輸出がね。だから、そういう実態を一応資料としていただきたいんですよ。ずいぶん出ていっているそうです、インドネシアとか。われわれは部分的にしか知らないのですけれども、丸紅とか伊藤忠の問題は、農林省の熱帯農業研究センターに四十五年度に三千万円の予算がついたんだそうです。ちょうどいい機会ですから、海外経済協力がいま問題になっておる際ですから、政府ベースのほうは大体この資料でわかるのですが、民間ベースのほうをひとつ資料として出していただきたい。
#123
○政府委員(沢木正男君) ただいま先生が御質疑の中でおっしゃいました三菱商事その他のインドネシアの米のケースでございますが、これはインドネシア自身がビマス計画という米の増産計画をジャワ島で持っておりまして、農民に対して金融をつけて、肥料、農薬その他を配付する、そうしてそのできました米を一部インドネシア政府が買い取りまして、その米を売った値段でそういう農薬とかあれを供給した業者に対してお金を返済する、こういう計画でございまして、三菱商事その他がインドネシアの米を買って日本へ持ってくる計画は全然ございません。
 それからそのほか申されました熱帯農業研究センターでございますが、これは農林省の予算でございまして、熱帯農業についての研究をするために日本でつくられました熱帯農業研究所の費用でございまして、これはインドネシアその他で商社がやっております丸紅その他とは全然関係ございません。
 それから丸紅その他とおっしゃいましたのは、おそらく農業投資の関係であろうかと存じますが、これは米ではございませんで、ほかのメーズその他の植え付けのことであろうかと存じます。それで、そういう資料につきましては、何ぶん私契約というのはこれはもう全貌がつかめないほどたくさんいろいろなケースがございまして、かつ、私契約の内容の一々について立ち入った資料を出すことはできないかと思いますが、全般の関係は御説明申し上げることは私はいつでも御説明申し上げられると思いますが、資料としてカバーするということになりますと、どれだけの範囲をどういうふうにしてカバーするか、必ずしも全部政府の許可案件にもなっておりませんので、なかなか困難であろうかと思います。
#124
○木村禧八郎君 それくらいのことはやらないでどうするんですか。調査機関があるじゃありませんか。ですから、全部をカバーせよとは言いませんが、できるだけそういうものをつかんでおかなきゃいけないのじゃないですか、政府としては。海外経済協力をやるといっても、さっき言ったように、じゃ、ビルマの米は絶対来ないという保証がありますか、将来。二十万ヘクタールですよ。いま、日本では、十一万八千ヘクタールをつぶすということでしょう。あの百五十万トンのうち五十万トン減反するので十二万、それが二十万ヘクタールですよ。インドネシアと貿易する場合、向こうの日本に持ってくる主要な見返り品がない場合、結局それが見返り品にならざるを得なくなる可能性もあると思うんですよ。そういうことまでちゃんと調査しなきゃなりませんし、まあそういうことがないというなら、ないでかまわない。さっきの繊維の問題だってそうですよ。現実の問題になっている、繊維は。これはもう繊維労働組合からわれわれのところへ陳情が相当来ていますよ、具体的なケースで。それがどこまでカバーできるかわからない、それはいいですよ。全部カバーできないというのは、やむを得ないですよ。しかし、調査機関でそういう全貌をつかむことに努力しないで、どうして総合的な海外援助ということができ得ますか。それは、国としては当然そこまでを考えていくべきだ。海外援助には政府ベースと民間ベースがあるんですけれども、民間ベースがどうなっているか、全然わからないわけですよ。政府がただ政府ベースだけで援助したらいいと、そんなものじゃないと思うんですよ。もっと総合的に経済協力というものをつかまなきゃいけないと思うんですよ。いろいろありますよ。アジ銀の問題もありましょうし、そういうところも、アジ銀からどういう投資が行なわれているのか、ちゃんとそういうことを総合的に、政府が開発計画が問題になったときに、民間ではこういう傾向であると、全部こまかくわからぬけれども大体こういうケースでありますと、政府ベースとやはり調整のもとにやっているとかね。何かそれじゃ、まるで無計画じゃありませんか。なっちょらぬですよ。
#125
○政府委員(沢木正男君) いまおっしゃいましたような目的に沿うような表は出せると思います。ただ、私契約の全部をカバーしろということは、これは対外投資を自由化しておりますし、いろいろな問題がございますので、いまお知りになりたい御目的に沿うような資料をわれわれでつくってみまして、それでまた足りないところがあればお教えいただくということで提出いたします。
#126
○木村禧八郎君 そういう御努力をしていただくことはたいへんお忙しくて恐縮ですが、一ぺんはそういう作業をやっておいていいと思うんですよ、あなたのほうでもね。ですから、韓国、台湾、それからインドネシア、特にその三つは非常に重要だと思うんですよ。日本の資本輸出ですね、民間ベースの、それがどの程度に進出されているのか。それから個々にわかるものが、三菱商事とか、丸紅とか、伊藤忠とか、いろいろあるでしょう。全体はとてもカバーできませんよ。ですけれども、いわゆる調査機関がそういうものを絶えず調査しなきゃいけないんであってね。ですから、アジア経済研究所というものもあるでしょうし、いろいろあると思うんですよ。政府が補助金を与えているんですから、そういうものと協力して一応一ぺんやられておけば、国会で言われてめんどくさいかもしれませんが、一ぺんはやっておいたほうがいいんじゃないかと思いますので、ひとつお願いします。
#127
○政府委員(沢木正男君) ただいまちょっと御質問の中でございましたたとえば三菱商事なんというのは、投資案件ではございません。これは単なる売買契約でございます。したがいまして、返済も一年以内に返済する。米など買って持ってくるという計画になっておりません。それからおっしゃっておられるような繊維の問題その他は、これは直接投資の案件になります。したがいまして、われわれのほうで、調査表をお出しいたします場合に、直接投資だけをカバーすればいいのか、それともそれ以外の契約でおっしゃったようなものをカバーすればいいのか、この作成の範囲が不明確でありましたので、私そう申し上げたのでございますが、大体御発言で目的としておられるポイントがわかりましたので、そういう資料をさっそくつくりまして提出いたします。
#128
○説明員(黒部穣君) 木村先生のお話の中に、日本の業者の直接投資に伴って、繊維品が日本に入ってくるのではないかという御質問がございましたけれども、現在、直接投資は、一件二十万ドル以下のものは自由になっておりますけれども、二十万ドル以上は一応チェックすることになっております。したがいまして、二十万ドル以上の案件で、国内にその製品が輸入され、しかも日本の産業に非常な影響があるかないかという点は、常に気をつけて審査いたしておりまして、現在までのところは、当該相手国の国内需要を満たすものである、あるいは第三国に輸出するものであるという点を見た上で許可するという方針で私どもはまいっております。
#129
○成瀬幡治君 この問題については、いろいろ意見もあり、たいへんなことだと思うのですけれども、私はもう一点だけお尋ねしておきたいと思いますことは、今度、日本も、世銀の常任理事国ですか、五番目の国になるわけですが、世銀等が地域開発におきましていろいろなことをやってきておりますが、少しぐらいわが田へ水を引くということもあってしかるべきだと思うのです。それには、パイロットの役割りをするコンサルタントの仕事が大きな使命になっておると思いますが、いま、現に、そういうコンサルタントの企業組合に対しまして補助金が出ておる。しかし、その補助金は、なかなか形は形なんだが、実質的な運用になるといろいろとあるようでございますが、今後ここのところはこんなふうに改正をしようわいというような案がございましたら、通産省のほうからお答えをいただきたい。
#130
○説明員(黒部穣君) 海外コンサルティング企業協会には、ただいまお話しの補助金でございますが、ただいま御審議中の四十五年度予算案では、七千二百万円程度の補助金の交付を予定してございます。この中で主流を占めますのはいわゆる予備調査費でございまして、五千八百万ほどの金額を計上いたしておるわけでございます。その趣旨は、海外におきまして種々のプロジェクトに協力しなければならない。しかしながら、この場合には、必ずコンサルティングの仕事が前提となるわけでございます。ところが、このコンサルティングを行なういわゆるコンサルタントは、日本では歴史が浅いせいもございまして、企業としての基盤がほとんど確立しておらない状態でございます。常に欧米の歴史のあるコンサルタントあるいはコンサルタント企業に発注せられるという状態になっております。なるべくならば日本のコンサルタントがそういうような仕事について注文を受けると、これに基づいて、また、日本の企業が、建設方面、あるいは機械の据えつけ、製作というふうにつながってくるわけでございます。歴史の浅い日本のコンサルタントを何とか強化したい、こういうふうに考えまして、いま補助金制度を採用しているわけでございます。
 先生御指摘の、せっかくつけておりながら、どうも使い方が不自由なのではないかという御指摘でございますので、たとえば現在は精算払い――その前に、予備調査費の趣旨は、なるべく経験の少ない企業を海外に出かけさして、プロジェクトの発掘と申しますか、新しい仕事を相手国政府あるいは相手国の企業に認識せしめて、こういうプロジェクトをやってはどうかという誘いをかけてくるわけでございます。まあ十回行ってだんだんそれがものになるかならぬかというようなぐあいでございますので、いわばほんとうの投資になるわけでございます。したがいまして、そういう点では、出かけたからといってすぐ仕事になるというわけではなくて、幾つかのリスクと、あるいは相手国との話し合いができ上がらなければ、成功しないことなわけでございます。この予備調査費にだけ旅費、滞在費等を補助するたてまえになっております。現在、問題は、精算払いしか認めておりませんが、これを概算払いにすることが可能であろうかどうか。概算払いにすれば、コンサルティング企業といたしましては非常な便益があるわけでございますが、これにつきましてはまた事務的ないわゆる会計検査院のほうの御観点からの種々問題点もございますので、この点を解明した上で概算払いもできるようにいたしたい、かように考えております。
 なお、予算でございますので、旅費単価がかなりきびしくなっております。補助率は、形式上は二分の一ですが、実質は四分の一を下回ろうかと思います。大体は補助単価の点が問題になっておるかと思いますので、この点は大蔵主計局とも十分打ち合わせて改正をいたしてまいりたい、かように考えます。
#131
○成瀬幡治君 日当が団長さんが一日五ドルなんて驚くべき問題であってみたり、年度末にかかったらそれはちょっとやめてくれとか、いろいろなことがあると思いますが、そういうような問題も一応御検討願って改善をしていただきたいと思いますが、これはよろしゅうございましょうか。
#132
○説明員(黒部穣君) 年度末にかけて出かけるというようなケースも、相手国の事情によってはあるわけでございます。従来は、年度内に終了したものだけ支出するということで、現実問題として年度間をまたがるものについては、事務的に繁雑なものでございますから、繰り越し明許ということではやっておらなかったわけでございますけれども、今後は、確かに、何といいますか、相手国との事情によってはさような場合もあり得るわけでございますので、さような場合というのは年度末に出かけて行って仕事を始めなければならないという場合がございますので、改善をはかりたいと思います。
#133
○成瀬幡治君 ぼくが一番心配することは、先ほども申しましたように、イギリスは一九〇八年からあるわけですね。日本とその差が五、六十年開いておるわけです。みなコンサルタントを向こうにとられてしまっている。そうすれば、業者もおのずからそちらのものになってしまって、日本はさっぱりだと、世銀じゃ常任理事国だというけれどもさっぱりというようなことになってはいかないと思いますから、それで一番大切な点は、そういうコンサルティングを持っておる、そういうところはそれまでですが、大学教授なんかを外務省のほうも依頼をしてやっておみえになるようでございますが、日本の国は日当というような形になっておるようでございますが、そういう知的報酬というようなものを、もう少しその優遇措置ということを全体として考えられたらどうなんでしょうね。これは通産省も外務省もあるいは大蔵省も関連すると思いますが、大蔵省は出すほうだから一番言うことを聞かぬだろうと思うけれども、これはどうなんですか。
#134
○説明員(黒部穣君) コンサルティング企業協会に対する補助金の予備調査の部分については、こういう考え方を適用すべきかどうか、やや疑問があろうかと思いますけれども、一般的にいいまして、相手国の政府の要請によりまして日本の技術協力の形態といたしまして日本の専門家を派遣して調査してあげるという場合がございます。現在は主として海外技術協力事業団を通じてさような技術協力を行なうわけでございますが、その場合には、たとえば大学教授を集める、あるいはコンサルタントに依頼するというような方法によって専門家を派遣するわけでございますが、現行制度では、先生御指摘のように、確かに、何といいますか、その知識経験というものについては何ら報酬が支払われていないことは事実でございます。いままでは、ともかく旅費、滞在費を支給するから調査してもらいたいということできたわけでございますが、だんだんソフトウエアと申しますか、ノーハウと申しますか、あるいは当該専門家の知識経験を買うというような時代になってまいりますと、いままでのシステムではいい専門家を派遣することは困難になるのではなかろうかというふうに感じておりまして、この点は関係方面にその辺の認識をお願いしている段階でございます。
#135
○政府委員(沢木正男君) 派遣専門家に対します特別技術報酬、これは今年度外務省が大蔵省と予算折衝いたしました中で一番重点事項としてわれわれも要求したわけでございますが、その結果、いま国会で御審議いただいております予算の中に、本年度初めてそれが十人四カ月分、一日三十ドルが二カ月、それから一日二十ドルのものが二カ月というもので、それが一千万円程度のものが慰められております。しかしながら、年間に派遣いたします専門家は予算計画上でも三百五十二名でございまして、これではまだとても全部をカバーするには足らないということから、将来とも外務省といたしましてはそういう点の専門家待遇改善について強力に推し進めていきたいというふうに考えております。
#136
○成瀬幡治君 一日三十ドルというのは、それは日当――滞在費の中とは別に日当三十ドルいわゆる知的報酬と見て差しつかえございませんか。
#137
○政府委員(沢木正男君) そのとおりでございます。別個でございます。特別技術報酬ということで、その人の技術サービスに対してそれだけの分を通常の滞在費、旅費その他の費用にプラスして支弁される費用でございます。
#138
○成瀬幡治君 それは、大学教授とか専門家、どういう人が大体対象になりましょうか、知的報酬は。
#139
○政府委員(沢木正男君) これは、まだ予算が国会を通過いたしませんと実施いたしませんので、どういうことになりますかまだわかりません。それから具体的に出る専門家のレベルというものを勘案しまして、何ぶん三百四、五十名派遣する中で十人四カ月分でございますから、そのうちのだれにそれを持っていくかということは、まあ今後の派遣専門家の人選ともからみますけれども、内容的に技術度の高い方にこれを支出するということを考えております。
#140
○成瀬幡治君 あと、大蔵大臣にいろいろな意味で私はお尋ねを実はしてみたいと思っております。簡単に言うと、こういうことなんですよ。たとえば清水谷宿舎に私らこの間入った。そうすると、郵便ポストの受け入れがどうなるかというと、新聞が絶対に入りませんよ。無理に突っ込むと新聞が破れてしまう。ましてや、中からは絶対に取れない。外へ回って取らなければならない。その設計はどこがやっておるかというと、建設省でやった。もし民間でやったら、だれも受け取らぬと思うんですよ。そういう技術者を建設省はかかえておるわけです。あるいは農林省、あるいは電電、各省におるわけです。それから、藤田さんはおやめになったけれども、藤田組にもりっぱな技術者がいる。鹿島にもいるでしょう。ほうぼうにおると思うんですね。そういうものをもっと技術的にレベルアップするには、コンサルティングというものをしっかりしてやればいい。建設省は民間技術者はよいと認めていませんよ。農林省も技術者を認めませんよ。しかし、堤防をつくっていただいても、建設省堤防と農林省堤防とが食い違っている。砂防をやったら、建設省の砂防と農林省の砂防とは食い違っている。いろんな問題がある。迷惑しておるのは国民だけだ。だから、思い切って政府がうんと合理化をすべきだと思うんです。政府が合理化すべきだ。縄張りは迷惑なんです。ですから、そういう意味で、建設省はこういうコンサルティングに対してどういう立場に立って見ているか、これは予算を出す主計局に一ぺん聞きたいと思う。いま言ったような知的報酬を、日本の学者は頭が悪いから一日三十ドルだと、これは世界に通用せぬ相場だと思うんだが、そのくらいの安いものだというふうに主計局は見ているのか、これは不満足だけれどもちょっと出したのだわいと見ているのか、そこら辺のところはどうなんですか、一体。
#141
○政府委員(藤田正明君) ただいま外務省、通産省からお答えがございましたが、知的報酬ということに関しましては非常に広い意味で関連があると思います。医者の問題、弁護士の問題、経理士の問題、いろいろあると思いますが、確かに、おっしゃるとおり、いままでの日本の習慣の中に、知的報酬というものに対しては低い価値しかなかったと思うのです。今後、このような経済協力が推し進められ、また、ただいまの御指摘のように、技術的にも向上しなきゃならぬ点がたくさんございます。関係各省とも相談をいたしまして、おっしゃるような知的報酬というものについては前向きに考慮いたしたいと思います。
#142
○上林繁次郎君 私は、何点かお尋ねしてみたいと思います。
 経済及び技術協力を受ける相手国、これは何カ国ございますか、それから何品目にわたっているかということ、この点をお願いしたいと思います。
#143
○政府委員(沢木正男君) 現在、御審議いただいておるような法律改正が成立いたしましたと仮定し、従来そういう法律があったと仮定いたしますならば、その法律のもとにおいて物品が供与されたであろうと思われるような国は非常にたくさんございまして、パキスタン、タイ、セイロン、イラン、アフガニスタン、インド、ブラジル、ガーナ、ケニア等、いろんな国に約三十一現在までに技術協力センターを設立いたしております。そういうものが全部この法律によってカバーされるわけでありますが、そのほかにも、農業協力あるいは漁業協力といたしまして、インドネシア、カンボジア、フィリピン、ラオス等にいろんな物資、用具等を与えております。それもこの法律の適用のもとに入りますし、それから医療協力では、アフガニスタンの国立病院、ビルマのウイルス研究センター、あるいはセイロン、インドネシアその他の家族計画だとか寄生虫対策その他でいろいろな物資、器材を供与いたしております。そういうものが全部入りますので、全品目、全国名をあげるということは困難でございます。
#144
○上林繁次郎君 したがって、品物についても同じことが言えるわけですね。
#145
○政府委員(沢木正男君) 品目につきましても、たとえばベトナムのチョウライ病院の脳外科病棟というような不動産がございますし、それからこのセンターはおのおのウイルスセンターだとか農業センターとかいうことで、農機具だとか、肥料それから漁業センターにつきましては、漁船は現在まで与えておりませんが、漁具その他実験設備がございます。病院につきましては、整形外科用の手術道具だとか、電子顕微鏡部門、あるいは寄生虫対策では多少の薬剤、それからテストのための機器、それから農業協力では揚水ポンプだとか、同時通訳装置、職業訓練用の機材等、いろいろ多種多彩にわたっておりまして、一がいに限定することはできないと思います。
#146
○上林繁次郎君 今度の説明を見ますと、物品のほかに、船舶それから建物ですね、これが加えられるわけですけれども、これらのいわゆる船舶とか建物を譲与を受ける国はどういう国なんですか。
#147
○政府委員(沢木正男君) これは、先般この委員会でも御質問がございましたわけでございますが、現在はっきりした供与の相手国をわれわれ考えているわけでございますが、相手国との交渉がまだからんでおりますので、この場で国名を申し上げることは御容赦を願いたいと存じます。東南アジアの国でございます。
#148
○上林繁次郎君 それで、船舶についてちょっとお尋ねしてみたいんですけれども、これはあくまでもうわさなんですが、カンボジアにフェリボートを供与する、こういうことが内定しているということを聞くんですけれども、これは交換公文が出されているんですか。
#149
○政府委員(沢木正男君) カンボジアに対するフェリボートの供与ということを考えた段階もございますが、現在御承知のような現地の情勢でございますので、政府として、まだ国会においてこの予算が承認されたわけでもございませんし、まだ検討中でございます。したがって、交換公文その他をかわしたことばございません。
#150
○上林繁次郎君 そうすると、これはいつごろになるかわからないということですね。
#151
○政府委員(沢木正男君) 現在現地の情勢を見守っておる段階でございまして、その状況の発展によりましていろいろ検討を加えたいというふうに思っております。
#152
○上林繁次郎君 「国際連合とその専門機関以外の一定の国際機関を追加する」、こういうふうにあるんですけれども、この一定の国際機関ということはどういう機関なのか、あるいは、その譲与する物品はどのようなものが予定されているのか。
#153
○政府委員(沢木正男君) 現在国際機関として考えておりますものは、たとえばアジア開発銀行、あるいは東南アジア文部大臣機構というのでSEAMEOというのがございます。それからアジア・太平洋地域文化社会センター、アジア・太平洋地域食糧肥料技術センターというのがいわゆるASPACというので考えられております。そのほか、アジア生産性機構、そういうふうなものも将来対象になる可能性があると存じます。
#154
○上林繁次郎君 一九六九年の実績――これは一九六八年までしかその実績が出ておりませんね。一九六九年の譲与実績ですが、これはまだ全部まとまってはいないかもしれませんけれども、どのくらいになるのか、その点についてひとつ……。
#155
○政府委員(沢木正男君) 六九年の実績につきまして集計したものが手元にまだ統計ができ上がっておりませんが、例示で申し上げれば、カンボジアのトウモロコシ開発援助、それからインドネシア西部ジャワの食糧増産計画に対する農機具供与、それから中華民国職業訓練センターに対する製図機械、溶接機械等の供与、それから医療協力といたしましては、アフガニスタンの国立病院に対する整形外科用具、リハビリテーション用具、それからビルマのウイルスセンターに対します電子顕微鏡その他、それから農業協力ではマレーシアの村落開発公団に対する木工用機械の供与といったような種々雑多なものがございます。
#156
○上林繁次郎君 海外援助については、国連貿易開発会議できまっているのですね。これはGNPいわゆる国民総生産の一%を向けるということになっているわけですけれども、日本の場合には一%にいままでなっておりますか。
#157
○政府委員(沢木正男君) 一九六八年度の援助総額が、ダック(DAC)の統計では十億四千九百万ドルで、これはGNPの〇・七四%で、一%に達しておりません。
#158
○上林繁次郎君 それは一%に達する努力をしていかなければならぬと思うのですけれども、どうなんです、その点。
#159
○政府委員(沢木正男君) ASPACの一%決議に対しましては、日本もこれに賛成いたしておりますので、できるだけ早い段階で一%の目標に到達すべく努力するというのが現在の政府の態度でございます。
#160
○上林繁次郎君 それに到達をしていない何か理由、原因があるんですか。
#161
○政府委員(沢木正男君) これは、海外協力に支出し得る予算、結局は予算の問題になるわけでございます。
#162
○上林繁次郎君 そういうふうに努力をしていく、その方向に努力していくということですけれども、いつごろまでに大体その線に達しますか。
#163
○政府委員(奥村輝之君) ちょっと大蔵省のほうから御説明を申し上げたいと思いますが、先ほど現状については外務省のほうからお話があったとおりでございます。現在の援助の状況というものは、GNPがかなり急速なテンポで述びております。したがって、GNPの中で占めますパーセンテージ、これがかりに〇・七六%でありましても、絶対額あるいは前年度との伸びにおいてはかなりな増加を示しておるわけでございます。今後ともこれについては努力していくべきでありますけれども、現在のこの増加額は、日本として過少に過ぎる、あるいは非常に少な過ぎるというようなことはないと私ども思っておるわけでございます。この援助の問題は御指摘が各方面にあるのでございますが、国内における後進地域との比較権衡の問題等がございまして、一方では、援助はやはり日本の繁栄、あるいは世界の繁栄のために必要であるということはわかりながらも、国内における支出との相関関係、これについて国民のコンセンサスというものが得られるように私どもでは一方において努力いたしますが、また、そのような状態が進んでまいりませんと財源の分配においていろいろ問題があるというので、現在ではこういう段階で推移しているわけでございまして、これは私どもとして十分努力をいたしまして、こういう状態に推移していくことに今後も十分努力はいたしますけれども、一%という目標は、これは何年に達成するかということは、なかなか確約はいたしがたい。最近出ましたピーターソンの報告というのがあるのでありますが、これを見ましても、今後五年、十年間の必要な援助の資金量を予測することはむずかしいということをニクソンの依頼を受けました学者も言っておるわけであります。そういう状態をひとつ御了承願いたいと思います。
#164
○上林繁次郎君 援助国の実情でございますけれども、フィリピンでは、政府ベース、民間ベースはどのようになっておりますか、ドルで換算しますと、どのようになりますか。
#165
○政府委員(奥村輝之君) フィリピンに対しては、政府ベースの援助と民間ベースの協力と両方あるわけでございますが、まず、賠償――これを援助に入れてもいいのかどうか問題もございますけれども、賠償は、これは昭和三十一年の七月に日比賠償協定がございまして、総額五億五千万ドル相当の日本の生産物と役務を二十年間にわたって供与するということになっております。いま、四十五年三月末現在でございますけれども、その供与の総額は三億五千四百八十万ドルでございます。
 次に、円借款でございますけれども、これは昨年の二月に調印をいたしました交換公文によりまして、フィリピンの南北を縦貫いたします幹線道路、これの建設とか改修のために供与することにいたしました総額三千万ドルがございます。これは、今年の二月二十日現在の供与済み額は、千五百万ドルちょっとでございます。
 なお、民間ベースにつきましては、鉄とか銅とかいうような資源開発がございますし、また、製鉄業などというような製造業に対する協力、投資ということが行なわれております。それから延べ払い輸出もあるわけでございますが、これは去年の秋ごろまではかなり商談が活発でございました。しかし、最近、フィリピンにおきましては、債務の償還が時期的に集中するということで問題が起こってまいりました。フィリピンでも、民間信用の受け入れを規制するようなことがあります。わが国においても、いま、新規の信用規制は慎重に行なうということで現在はこれに対処しておるわけでございます。
#166
○上林繁次郎君 質問は一応これで留保しておきます。
#167
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#168
○委員長(栗原祐幸君) 速記を起こして。
 午後二時再開することといたしまして、休憩いたします。
   午後一時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十分開会
#169
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#170
○木村禧八郎君 大蔵大臣が来るまで外為会計について質問いたしますが、その前に、要求しておいた資料について、その一つは、日本の対外資産負債のバランスですね、これの資料を要求しておいた。それからもう一つは、外貨保有高ですね。これは単に政府日銀だけではなくて、日本の為替銀行その他商社の持っている外貨を含めて、いわゆる外貨保有高の内容ですね。この二つの資料を要求しておいたのですけれども、資料がまだ出てきませんが、どうなんですか。
#171
○政府委員(奥村輝之君) 私どものほうの聞き間違いでございましたか、質問を終えてから資料を出すようにというお話を伺っております。
#172
○木村禧八郎君 質問を終えてからというのは、どういうわけですか。
#173
○政府委員(奥村輝之君) 聞き間違いでございましたらば、ひらに御容赦をお願いいたします。
 次に、その資料が出せるか出せないかという問題でございますが、対外資産負債バランスについては、私ども御説明ができます限りは御説明をいたしたいと思いますけれども、ただいま私どもとしてはこれをいろいろと外に出すことが誤解を生ずるおそれもあると考えておりますので、あるいは御期待のような完ぺきな資料は出せないのではないかとおそれておる次第でございます。
#174
○木村禧八郎君 これは問題ですよ。従来出している。出しているから私は要求しているんです、昭和四十一年に出していますよ。ですから、昭和四十一年に出しているのがどういうふうに変化しているか。たいへん大きな変化ですよ。たとえば国際収支も非常に大きな黒字になっております。それで、対外資産負債のバランスが差し引き純資産がどうなっているか、こういうことをわれわれは知った上で質問したいと思うんです。それが何か出せないと。
 外貨保有のほうも出せないのですか、資料は。
#175
○政府委員(奥村輝之君) 外貨保有のほうは、いままで出しております様式に従って、あるいはそのほかつけ加えることの御要求がある項目について、私ども、どの程度御要望に応ぜられますか、勉強いたしまして出さしていただきたいと思っております。
#176
○木村禧八郎君 勉強して出さしていただきたいというようなことでなくて、このIMFの法案も審議するにあたりまして、今度外為会計の大きな変更があるんでしょう。そうでしょう。外為会計の中に運用収入というのがありますね。この中で外貨保有と密接な関係があるのがどういう形で保有されているか。たとえば、定期預金とか、あるいは普通預金とか、アメリカの大蔵省証券、あるいは金という形とか、いろいろの保有の形があるわけです。そういう実態を知らないではわれわれは質問できないわけでしょう。ですから、対外債権債務バランスと外貨保有の二つの資料を出しなさい、それをもとにしてこれから質問いたしますと、こう言っているんでして、何も無理な注文ではないと思う。なぜそれが出せないんですかね。
#177
○政府委員(奥村輝之君) お話を伺っておりますと、なるほど事前に出せというお話であったということがいまわかりまして、まことに申しわけたく存じます。私、口で外貨準備のほうは説明させていただきたいと思います。それからバランスシートのほうは、後ほど御質問に応じまして、どの程度答えられますか、答えられます限りお答えを申し上げたいと思います。お許しをいただきたいと思います。
#178
○木村禧八郎君 それでは、いま述べたもう一つの資料を出してください。一応外貨保有のほうをまず説明してください。
#179
○政府委員(奥村輝之君) 三月末現在の外貨準備額は三十八億六千八百万ドルでございます。その中で、金が四億六千九百万ドル、外貨は二十七億七千三百万ドル、ゴールドトランシュは四億九千四百万ドル、SDRは一億三千二百万ドル、以上でございます。
#180
○木村禧八郎君 これは政府日銀の保有ですね。民間の為替銀行及び商社は大体どのくらいですか。
#181
○政府委員(奥村輝之君) 為替銀行は、預金とか貸し付け金などの形で対外資産を保有しているのでございますが、その残高は二月末現在で四十八億三百万ドルでございます。
#182
○木村禧八郎君 これは銀行と商社両方ですね。
#183
○政府委員(奥村輝之君) 次に、商社、メーカーを申し上げたいと思いますが、商社及びメーカーは、保有外貨制度がございまして、それによって外貨保有を認められていて、その残高は一月末現在で七千三百万ドルでございます。なお、本年の二月になりましてこのワクを増加いたしまして、政府といたしましては約一億ドル増加するという増ワクを認めまして、かりにこれを合計いたしますと一億七千三百万ドルとなるわけでございますが、目下買い入れをしている最中のところもあるわけでございまして、この合計額が必ずしも現実の数字とは合わないのでございますが、一応この程度のものであるというふうに御了解をいただきたいと思います。
#184
○木村禧八郎君 そうしますと、為替銀行が四十八億三百万ドル、それから商社、メーカーが一億ドル政府がワクを広げて一億七千三百万ドル、それにさっきの三十八億六千八百万ドルを加えたものが大体外貨保有と見ていいわけですか。
#185
○政府委員(奥村輝之君) いまいろいろと申し上げましたのは、どちらかといえば、短期的な資産であると言うことができようかと思います。
#186
○木村禧八郎君 大体短期と言われればわかりましたが、政府日銀のいわゆる外貨準備というのですか、三月末で三十八億六千八百万ドル、これは当初の四十五年度の予算を編成するときに予定したのよりだいぶふえているのじゃないですかね。そうすると、四十五年度末にはどのくらいふえる見通しですか。四十億ドルをもちろんこえるでしょうけれども。
#187
○政府委員(奥村輝之君) 四十五年度につきましては、政府見通しとして、十億七千万ドル総合収支の黒字を見ているわけであります。その中で、どれだけが外貨準備の増加に回るのか。あるいはどれだけが為替銀行の資産の増加に回るのかということは、なかなか、いままでもそうでございますが、予測の困難なところでございます。
 予算上はどうしておるかという点につきましては、四十五年度現在で外為資金特別会計の予算編成にあたっての一応の金額でございますが、約六億五千万ドルの保有外貨がふえる。ただし、この中でSDRが約一億三千万ドル割り当てになる予定でございます。これは来年の一月一日に割り当てになる予定でございますので、それを除きますと五億二千万ドル、これを外為資金特別会計の予算編成にあたっての一応の保有外貨の増加額というふうに考えておる次第でございます。
#188
○木村禧八郎君 それからさっきの為替銀行の外貨保有四十八億三百万ドル、これは短期の資金ですが、これは輸出ユーザンスがおもなものですか。
#189
○政府委員(奥村輝之君) 御質問のとおり、輸出ユーザンスが主でございます。
#190
○木村禧八郎君 これからは輸入ユーザンスは引いていないんですね。
#191
○政府委員(奥村輝之君) 輸入ユーザンスは開銀からの借り入れによってまかなわれるのが大宗でございますので、資産のほうには入っていないのでございます。
#192
○木村禧八郎君 短期のほうはわかったんですが、あと長期のほうは、計算してもらえば大体出てくるのじゃないですか。だから、長期について具体的に質問しますと、四十一年十二月末に発表しておりますよ、「対外資産負債バランス」というものを。だから、これに基づいて計算してもらえばいいわけで、これはあとで資料として出せたら出していただきたいんですが、長期資産の項目として、直接投資、輸出延べ払い、円貨借款、国際機関出資、オープン勘定があったらその債権、その他資産、これが長期資産です。それから長期負債としては、直接投資、外貨、借款、その借款のうち、世銀が幾ら、余剰農産物が幾ら、その他が幾ら、それから証券投資、輸入延べ払い、ガリオアエロア、これだけが長期負債であります。それが、昭和四十一年十二月末では、長期資産が三十二億五百万ドル、長期負債が三十六億二千三百万ドルとなっております。それから短期のほうも内容を言いますと、短期資産としては、為替銀行の資産、うち輸出ユーザンス等、その他となっておりまして、その他民間資産、外貨準備と、こうなっております。四十一年十二月末では、短期資産は四十七億七千六百万ドルで、為替銀行の資産がそのうち二十六億六千百万ドル、そのうち輸出ユーザンス等が十八億九千六百万ドル、その他が七億六千五百万ドル、為替銀行の資産以外のその他の民間資産として四千百万ドル、外貨準備が二十億七千四百万ドル、外貨準備のうち、金が三億二千八百万ドル、IMFゴールドトランシュが二億七千六百万ドル、その他が十四億七千万ドルで、資産合計が七十九億八千百万ドル。短期負債は総額四十億五千九百万ドル、そのうち、政府日銀負債が三億六千百万ドル、為替銀行の負債が三十一億七千九百万ドル、うち輸入ユーザンス等が十八億六百万ドル、うち自由円が三億二千九百万ドル、うちユーロダラー等が十億四千四百万ドル、その他民間負債が五億一千九百万ドルで、負債合計が七十六億八千二百万ドル、差し引き純資産が二億九千九百万ドル、こういうバランスになっているんです。これが四十一年十二月末です。それから相当変化していると思うんです。だから、国会でわれわれ予算を審議する場合、特に外為会計を審議する場合、そういうデータを知っておく必要があると思うんですがね。ですから、これは出せないことはないと思うのです。四十一年の数字があるのですから、これがどう変わったかということをとにかくあとでお示しを願いたいと思います。どうですか、短期のものはわかったんですが、長期のものは……。
#193
○政府委員(奥村輝之君) これはなぜ出さないかということをひとつお話しをさせていただきたいと思うのです。この短期、長期の資産負債表、この中には、投資をいたしまして、あるいは投資を受けまして、最初の帳簿価額から時価との間に非常な変化を起こしておるものがあるわけであります。こういう点は、相当期間がたちますと、かなり精密に計算をしませんと、せっかく数字を出しましても、実態は明らかでない、かえって数字を見る立場の方々を惑わすという問題があるのでございます。それで、この資産負債表を、おそらくどの国もやっているだろうと思うのでございますけれども、公表している国と公表していない国とあるようでございます。公表している国と申しますと、内外に公表している国のことでございますが、それはアメリカとかイギリスとか自分の国の通貨を国際通貨として使用させている、こういう国はそういう通貨をそういうふうに使っているその立場上これを外に発表するということに相なっているのではないかと思うのでございます。日本の場合には、まだ円はそういうふうな状態でございませんし、私どもとしてはこの数字についてはいろいろと正確性を要求されながらいまだ正確でない点が多々ございますので、外に出さないと、こういうことで現在取り扱っているのでございます。
 ただ、いろいろとお尋ねがございました先ほどおあげになりましたその項目全部について一切何も申し上げられないというのは、これはいかがかと思いますので、いま申しましたようなことに抵触しないようなそういう範囲内で若干の数字を申し上げてみたいと思うのですが、これとてもあるいは誤りがございまして、あとでまた修正をお願いするということにならぬとも限らないものがあると思います。
 円借款でございますが、これは四十五年二月末の大体の数字でございますが、十億六千万ドルでございます。国際機関への出資は三億一千九百万ドル、オープン勘定の債権が二千三百万ドル、ガリオアエロアへの債務、概算で二億四千九百万ドル、世銀借款六億四千六百万ドル、余剰農産物借款九千八百万ドル、対外短期資産につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、もう一度申し上げますと、外貨準備高は二月末現在で三十六億三下万ドル、為替銀行の短期資産が四十八億三百万ドル、それから為替銀行の短期負債、これが四十三億三千四百万ドル、御希望があるようでございますから、内訳を申しますと、輸入ユーザンス等は十八億七千六百万ドル、自由円が四億三千三百万ドル、以上のような収支は、われわれがわりあいに確定いたしやすいわけでございますので、申し上げた次第でございます。
#194
○木村禧八郎君 その中で証券投資はどのくらいですか。長期負債の証券投資はわかりませんか。
#195
○政府委員(奥村輝之君) 確かに、御指摘のように、証券投資は大きな項目でございます。項目でございますが、これはまた一方では許可をいたしましたときの値段と時価との間に非常に大きな隔たりがございます。したがって、これが、先ほど申したように、時価評価が非常にむずかしい項目でございます。そういう意味で、私は、お聞き取りいただいても真実をお読み取りいただけるのに支障があるかもしれませんので、数字を申し上げなかったわけでございます。
#196
○木村禧八郎君 これはいろいろな事情で発表しにくい点は了解いたします。いままで報告していただいたんですから、その報告できた範囲内でちょっとまとめて資料としてさっきの外貨保有の問題とあわせて出していただけませんか。
#197
○政府委員(奥村輝之君) 非常に寛大なお気持ちで御了承いただきまして、ありがとうございました。御趣旨に沿いまして、出せる程度のものを出すようにいたします。
#198
○木村禧八郎君 あとは質問によって差しつかえない程度に答えていただきたいと思います。われわれ予算審議する上に必要な範囲において出していただかないと、質問しにくいから……。
 まず、最初に、IMFのほうから伺いますが、四十四年度の総合収支で政府見込みは約一億ドルだったわけですね。それが実績は二十億二千万ドルと、ものすごくふえたわけです。これがプラスのほうにふえたからいいようなものの、逆に予測が間違ったらたいへんなことになるわけです。非常に大きなミスジャッジメントでしょう、これは。外貨がふえたということであるから、皆さんいいほうに間違ったのはだれも文句を言わないでしょうけれども、しかし、全体の経済運営の場合は、こんな大きく国際収支が当初と比べて違っている。そうすると、これは予算編成の基礎になるわけですね。基礎が非常に狂ったことになるならば、それがどこに原因があり、その結果どういう影響が出てきたか。特に私は具体的に伺いたいのは、外為の運営にどういう影響があるか、これは奥村局長でもけっこうですが、当初一億ドルというのが二十億二千万ドルになったから、四十五年度においてもこういう問題が起こらないとも限りませんから、そこで、大蔵大臣にその点を伺っておきたい。
#199
○国務大臣(福田赳夫君) たいへんな見込み違い、好ましい見込み違いという結果ではございますが、その原因は、私どもは、昨年の世界景気、これはアメリカが調整政策をとっておる、そこで、アメリカの景気というものがかなり去年中にスローダウンするであろう、こういうふうに思ったわけなんです。これがずれてきて、やっと昨年の暮れあたりからリセッション過程に入っておる、今日までリセッションの過程にやっと本格的に突入した、こういうアメリカ景気のずれということが一つはある。それからもう一つは、ヨーロッパの状態です。これが四十四年度の予算を編成する当時におきましては、例の通貨不安ということでかなり沈滞するであろう、こういうふうに見ておったわけでありますが、このヨーロッパ方面の景気が私どもが見ておったほどの落ち込みもなく推移し、したがって、アメリカへの輸出も活発であると同時に、ヨーロッパ輸出が思っておったよりはかなり伸びることに相なった。そういう輸出方面に貿易収支の黒字の原因があったと思います。貿易収支で黒字の原因がそういうふうに変化してきたと同時に、外国の資本の投資、つまり日本の株式市場への進出、長期資本の流入ですね、これがかなり多額であった。こういうことで二十億ドル近い見込み違いを現実した、こういうふうに見ておるわけであります。
 とにかく、大蔵省としては、石をたたいて渡るほうでございますから、そう楽観的な見通しはいつもしておりません。控え目に控え目に見ておる次第でございまするけれども、その上に、ただいま申し上げたような欧米両方面において大きな変化があったということと同時に、わが国の経済に対する信頼度が高まってわが国に対する長期資本の流入が活発であった、こういうふうに見ておるわけであります。
#200
○木村禧八郎君 それでは、四十五年度はどういうふうにごらんになっているか。一応四十五年の予算編成の前提として経済見通しをしておりますが、総合収支として十億何千万ドルということになっておりますけれども、それは大体発表されているとおりにお考えになっているのか。最近、アメリカの景気は、かなりダウンしてきているようですね。それから西ドイツも、切り上げをやりましたあと、それだけでは物価を押える効果はあまりないというので、金融をまた締めているんですね、公定歩合を上げたのですから。そういうことで、今度は四十四年度と逆にダウンするのじゃないか、そういう要素も見られるのですが、一応四十五年度は四十四年の二十億二千万ドルから十億何千万ドルに総合収支が減るということにはなっておるわけですね。約半分くらい減ることになっているんでしょう。ですけれども、大体その程度でおさまると見ているのか。それでもまだずいぶん外貨はたまっているわけですが、その点はどうですか。四十五年度は四十四年度みたいな狂いは生じないということですか。
#201
○国務大臣(福田赳夫君) 大蔵省のことですから、控え目に控え目にという傾向があることは争えない、こういうふうに思いますが、基本的な見方としては、世界経済が総体とするとダウンする。まあ正確な数字で言う必要はないと思いますが、OECD諸国なんかの共通した見方は、四十四年度に比べまして四十五年度は三分の二程度の貿易量ということになろうかというふうに見られておるわけです。これはわが国も国際経済の動きに例外であるわけにはいかないのでありまして、去年のような輸出の伸びということは期待はできまいじゃないか、こういうふうに考えて、黒字基調は黒字基調でございまするけれども、黒と言っても総合黒字、これは四十四年度の半分ぐらいに結論的には見たわけです。現実に経済がどういうふうな動きを示しておるか。わが国とすると三分の一の貿易をやっておるアメリカは、昨年の暮れからGNPがマイナスになってきたわけです。それからことしになりましてから第一・四半期もマイナスであります。専門家の見方では、第二・四半期もまたマイナスであろう、こういうふうに言われております。しかし、アメリカでも秋に中間選挙がある。そういうようなことから、そういう状態を一体政治的に続けられるかどうか。特に、失業率が、いま今日この時点でおそらく四・二%ぐらいになっているだろうと思います。これが第三・四半期もまたGNPがマイナスだということになりますと、おそらく四・五%ということを突破するんじゃないか、そういうような見方が有力でございます。そういうことになりますと、アメリカとしては、第一・四半期、第二・四半期、つまり上半期を底といたしまして、リセッションから離脱する政策をとるのではないか。つまり、金融政策上の変化ですね、そういうようなことで上半期は微弱ながらプラスの成長過程に入る。そして、年間を通ずると一%、高いところにいくと二%程度の実質成長というふうな結果になるんじゃないか、そういうようなことが言われておるわけなんです。ですから、私どもは、非常に控え目に控え口に見たわけでございますが、しかし、アメリカの今日のリセッションというものがこのままずっとマイナスGNPという状態で続きますと、私どもの悲観的な、悲観的というか、低目な見方か、さらに低目なところになって現実化するおそれなしとも見られないことはありませんけれども、しかし、そういう一般的なアメリカ経済の年間を通ずる見方というようなことを考えてみますと、私たちの見ておる程度の対米輸出、これは確保できるのではあるまいか、そんな見方をしておるわけであります。
 それからヨーロッパのほうは、私は、OECDが見ておる見方、それにのっとってつくっておる経済見通し、大体この線でいくのじゃないか、そんな感じがいたしております。
#202
○木村禧八郎君 さっきの一億ドルの総合収支の黒字が二十億狂って、それが外為の資金操作にどういう影響がきたかということを……。
#203
○政府委員(奥村輝之君) 予算の面にあらわれてまいりますのは利益でございますが、それから申し上げますと、当初の予定額は円で十億七千万円の利益の予定であったのですが、これはまだ最終的な数字でございませんが、百四十億三千二百万円という利益になりそうでございます。その理由は、歳入面からいたしますと、海外金利の上昇によって外為会計の保有外貨の運用利回りが向上した、利子収入が増加した、こういうふうな面が貢献しているのでございます。もう一つは、国庫余裕金の繰りかえ使用により為券利子の一部が不要になりましたので、そういう点と、それから歳出面でございますが、両方相まって予算のほうからはこういうふうな当初額との異同を生ずるに至りました。
#204
○木村禧八郎君 大蔵大臣に伺いますが、金融面に相当やはり大きな変化があったのじゃないかと思いますね。一億ドルの総合収支の黒字の場合、二十億ドルになれば、これは金融的には相当緩和的な影響を与えるわけでしょう。たいへんな緩和的な影響を与えるのですね。ですから、その点はどういう……。
#205
○政府委員(奥村輝之君) 問題は対民収支の問題になってくると思いますが、四十四年度の対民収支は四千二百八十六億円の散超になったのでございます。この数字は、本来、単純に考えますと、全額が外貨の増加になってしかるべき数字であったのですが、これはあとでもし必要であれば申し上げますが、GABとか、世銀のPCの買い入れとか、世銀への貸し付けとか、あるいはEXIMのPCの買い入れというもので、全額が外貨増加というふうに反映いたしませんで終わったわけでありますが、とにかく四千二百八十六億円の散超があった。これは外為会計の対民収支というのは、いつも金額的には非常に大きいのでありますけれども、しかし、日本銀行の通貨政策といたしましては、こういうものを踏まえまして全体として金融政策をどう持っていくかという調整をやっているわけでございます。このこと自体はもちろん頭にあるわけでございますが、結果的にはこれを織り込んで金融政策が行なわれた結果、現在のような状態になっておるということは言えようかと思います。
#206
○木村禧八郎君 次に外貨保有の今後の増加見通しを伺いたいのですが、先ほど奥村局長に伺いましたが、三月末で三十八億六千八百万ドル、四十五年度末におきましては十億七千万ドルの総合収支の黒字だが、それがまるまるに外貨保有にならないので、そのうち大体六億ドルくらいですか、外貨保有になるのは。そうしますと、四十四億ドルぐらいになるのですね。適正外貨というのは、これはいつも問題になるのですけれども、前に、大蔵大臣は、円の切り上げの外圧の防波堤としては大体五十億ドルぐらいまで外貨を持つのがいいのではないかというお話がありましたが、四十五年度末で四十四億ドルですね。もう五十億ドルにすぐなりますよ。その場合、今度は五十億ドルを突破したらどうなるのですか。五十億ドルをこえたときには円切り上げをやるのかやらないのか。円の切り上げを防ぐには、いままでいろいろ言われておりますね。たとえば、自由化をするとか、海外投資を増加するとか、あるいは円シフトですね、外国からの借金をどんどん返すとか、いろいろな方法が言われておりますよ。しかし、それでもなお黒字がどんどんたまって五十億ドルをこえたならばどうなるか。これは、架空の議論じゃなくて、現実にすぐ来ますよ。そういう点、どうお考えですか。
#207
○国務大臣(福田赳夫君) 御説のとおりです。ことに、問題は、いまわが日本の外貨が逐次でなくて急激にふえておると、こういう点が国際社会において非常に目立つわけなんです。適正外貨の保有量は一体どうであるかということ、これはなかなかむずかしい問題だと思いますが、国際社会一般の通念として、大体輸入額の三分の一が目標だというふうにいわれております。しかし、アメリカは一体どうだ、こういいますと、アメリカは半分ぐらいの外貨保有をいたしておるわけでありまして、各国ともそれぞれまちまちな状態になっておるのであります。わが国がいま三十八億七千万ドルでありまするが、本年度の輸入見通し百五十億ドル、これに対してその三分の一とすれば五十億ドルですか、まだだいぶ格差があるわけなんですが、四十六年度の段階になってどうなるか。輸入もまたかなりふえるものと思います。それと並行してまたわが国の外貨保有高が伸びていくということを期待いたしますが、しかし、それがはたしてできるものかどうか、できればいいなあと、こういうふうには思っておりまするが、その辺になると、まだ見通しははっきりしたことは立ち得ないのであります。
 とにかく、今日この時点の外貨保有率というよりは、急速にふえているというところがいま問題視されておりまして、国際会議なんかでは、日本は黒字国だ、黒字国としての責任をどうするんだというようなことで、まあ俗なことばで言いますれば袋だたきにあっているというようなのが現状であります。私は、袋だたきにあうまでもなく、わが国はわが国の国際社会における責任を尽くさなければならぬ、こういうふうに思いますが、何よりも貿易の自由化、つまり輸入制限禁止品目の縮減、それから関税の引き下げ、また関税非関税諸制限の撤廃、それからさらに金融上においてもいろいろ問題がありますが、とにかく国際水準から見て日本が過保護な施策をとっていないという状況を実現をする、これをとにかく進めていくべきだと、こういうふうに思います。そういう施策をとらないままに外貨がふえるというような状態になりますると、かなり日本は国際的に苦しい立場に追い込まれていくんじゃないか、それを非常にいま心配をいたしておるわけでございます。
#208
○木村禧八郎君 私は、円の切り上げの外圧――これは外圧ばかりじゃない、内圧も相当あると思うんです。こんなに物価値上がりが続けば、西ドイツみたいに国内的にも円の切り上げよりほかに物価対策はないんじゃないかというふうになる可能性もあると思うんですが、円の切り上げをいま政府は回避しようとして努力しておられるようですけれども、もう少し長期的に見ますと、少なくとも七十年代にこの調子でいけばもうすぐ五十億ドルくらいになると思うんですよ、さっきのお話で。そういうときに、ただ円の切り上げというものを回避するだけで済むのか。五十億ドルこえたら一体どうするのか。前に、五十億ドルというものを一応目標に置くと言ったけれども、それもすぐ来ちゃいますよ。四十五年度末は四十四億ドルでしょう。すぐに問題になると思うんです。ですから、そこを伺っているわけなんですよ。輸入に対する比率がいま問題とされておらないわけなんです。問題とされておりますのは、そのフローというか、年度間における黒字幅、したがって外貨の積み増し、これがいま問題にされておるのであります。ですから、いま外貨の保有高、その高の問題についてそう心配をする必要はない。その伸び額というものが適正な伸び額になっておるか、国際金融を圧迫しないというようにつとめる、これが私は問題点であろうと、そういう認識です。
#209
○木村禧八郎君 そこで、今度は、新経済社会発展計画との関連が出てくるわけですね、長期的にね。新聞によりますと、成長率を一〇・六%の実質成長率、大蔵大臣のツルの一声で大体それにきまったというようなことが出ております、これはゴシップかもしれませんけどね。そこで、国際収支の黒字幅をもう少し低下させるか、あるいは物価を押えるか、成長率を押えるのか上げていくのか、この成長率と国際収支と物価がいわゆるトレード・オフの関係にあるんですね。いずれを選択するか、トレード・オフの関係にあるので非常に苦慮されておるといわれておるのはそのとおりだと思うんですよ。
 そこで、伺いたいのは、今度新経済社会発展計画ではどこに重点を置くかということがわれわれとしては長期計画の場合の一つの注目しておるところなんです。いまの外貨保有が急速にふえるということと、円切り上げの外圧が強くなる。あるいはまた、インフレが強くなれば、国内からでも円切り上げの要請が出てこないとも限らない。それから外人のさっきの投資ですね、円投機が、いま為替管理が相当ありますからね、それから円預金というものはそんなに大してないと思いますけれども、しかし、円投機というのはやっぱり軽視できないのじゃないかと思いますね。その辺、大蔵大臣は、どういうふうにそこのところをトレードオフのところを押えておられるかですね。
#210
○国務大臣(福田赳夫君) 問題は、成長をしながらかつ国内の経済を安定させなければいけない、こういうことにあると思うんですよ。私は、これはいつも変わらざる大原則だと思うんですが、経済の健全不健全を占うかなめは何かというと、国際収支、それからもう一つは物価である、こういうふうに思うわけです。当面の問題とすると、わが国では、国際収支のほうの問題はない。まあないと言うと語弊があるかもしらぬけれども、非常に少ない。もっぱらわれわれが今日取り組まなければならぬ問題は物価問題である、こういうふうに思うわけです。それには、物価問題を克服するというためには、成長を極端に押えるということにいたしますれば、これは非常にやりにくいし、国づくりというたてまえから見て適切ではない。そこで、物価問題の処理に支障のない程度の成長率ということを考えるわけです。この間も、新経済社会発展計画作案過程におきまして、今後六カ年間の平均を一〇・四に見るのか、一〇・六に見るのか、一〇・八に見るのかというような議論があり、一〇・八説が有力だったんです、率直に言って。私は一〇・四だというふうに言ったんですが、なかなかこれに賛同する人がない。そこで、やむを得ず一〇・六でしょうがないからどうだ、こういうことになりましたが、一〇・六という高さでありますと、物価問題にしましても、他の突発的な要因がなければなだらかにこれを安定基調に乗っけていくことができるんじゃないか。六年目に当たる五十年度におきましては三%――まあ四%に近いわけですが、三%台にこれを持っていくことができるんじゃないか。そういう方向で全力を尽くしたいという結論になったわけですが、あの計画をつくる最大のかなめは、成長と物価の調整、この一点にあったと申し上げても差しつかえないと思います。
#211
○木村禧八郎君 現実の問題としまして……
#212
○国務大臣(福田赳夫君) ちょっと、木村さん、なお発言さしてもらいたいのです。ちょうどいま議論をしておる問題とも関連があるのですが、きょう午後一時半に日本銀行では政策委員会を開きまして、公定歩合のうち、輸出貿手の金利を一%上げる、こういう決定をいたしたわけです。この決定の趣旨は、先ほどからもお話がありますように、どうも国際社会で日本だけが輸出貿手という形で輸出の優遇をしておるのはけしからぬ、こういう話があるんです。それで、一方、外貨は急増する。ことに先月は二億二千万ドルもふえる、こういうような状態であります。そういう国際環境の中で、わが国ひとり輸出優遇金利をとっているということは適切ではない、こういう判断で日本銀行はこの引き上げを決定すると、実はけさそういう相談があったわけです。そこで、通産大臣、日銀総裁、私と三人で相談した。総裁から、そういう提案を受けまして、私は、日本銀行の意向はたいへんにけっこうだ、前向きに政府はこれを支持する、こういうふうに考えたのですが、通産大臣のほうは、産業を預かっているものですから、これは慎重でありまして、少し経過期間を置かれたらどうでしょうか、こういうことでございます。それからもう一つは、中小企業に対して何らか配意ができないものでしょうか。ちょうどいま金融引き締めの最中でありますし、その最中に中小輸出業者に一%といえども負担がかかることは私としては忍びがたいのだ、ここで何らかの配意はできないものか。それからもう一つは、輸入です。輸入につきましては、いま特別の配意はしておりません。輸出だけが優遇金利なんです。そこで、輸入の金融について何か、金利とも特定はしませんが、何らか金融上特別の配意はできませんでしょうか、こういう三つの意見を出されました。日銀総裁は、それぞれお気持ちはよくわかります、検討いたしますということで、きょう三人の会談は終わったわけでございます。
 いま政策委員会が開かれまして決定をいたしたわけであります。それで、内容はお手元に配ってあるようなものでありますが、この実施は五月の十五日から、これは通産大臣の希望等も入れまして、なお、中小企業の問題あるいは輸入の問題等につきましては、日本鈍行が前向きて検討に取り組む、こういうことにいたしておりますことを御報告申し上げます。
#213
○木村禧八郎君 私が昨年欧米を回ったとき、OECDあたりも盛んにこの輸出金融につきましては問題にしておりまして、こんなに黒字がたまっているのにおかしいと相当やはり問題にしていたようですよ。ですから、私は、適切な措置じゃないかと、こう思うんですけれどもね。通産省のかなり反対があったようですけれども、しかし、これは当然金利を上げてよかったと私も思います。
 そこで、私も持ち時間があまりありませんから、あと簡単に伺いますが、いままでIMFに対する出資は一般会計を通じて出していました。今度はそれをやめて全部外為でやる。ところが、外為は、御承知のように、旧外為会計では、収支が予算に出てきて承認をされていた。今度の新しい外為会計では、損益計算しか出ていないんですね。そうしますと、今度こういうふうに制度を変えますと、今度のこの予算書を見ましても――それから貸借対照表も載っておるんですけれども、出資なんかの場合、わからぬですよね、われわれに。説明を聞けばわかります。しかし、IBRDのほうはそうじゃないですね。いままでどおり一般会計から出すわけでしょう、この銀行には。そうすると、外為だけ特別会計にしてしまうと、たとえばこの予算書を見ますと、今度の出資は四百四十四億ですか、国際通貨基金出資としましてこれまでの出資を合わせた総額四千三百二十億のこの項目の中に含まれるわけです。これでは、予算書を見てもわれわれわからぬわけですよ。説明を受けて、はじめて、この中に四十五年度四百四十四億の出資が出ると。だから、今度SDRの制度ができたこともありましょうが、どうして今年度からこういうふうに一般会計からはずして、そうして外為の特別会計だけで操作する必要があるのかどうか。四百四十四億従来どおりやりますと、一般会計予算の規模がふえまして一八・六%の規模になりますよ。もしこれを一般会計から出すということになると、いまの一七・九五%よりもはるかに大きな予算規模になるので、私はそういうことも考慮してどうも特別会計のほうから出すというふうにしたのじゃないかと疑いますよ。あるいはまた、西ドイツが円の引き出しを相当多くしたというので、そういうことが動機になって、そこで、国民の税金から円調達をするのはいかがかと思うというようないわゆるIMFの引き出しに応ずるそういうことが動機になったようにも聞いておりますけれども、積極的な理由は、五年に一ぺん出資をふやす、増資をするといいますが、五年に一ぺんならいままでどおりでいいのじゃないか。なぜ支障があるのか、よくわからぬのです。今度は、いままで政府が持っていたいわゆるIMF関係の出資や何か、全部移してしまうのですね。外為一本にしてしまうのですね。その点がどうも私は理解がいかないのです、どうして悪いのか、いままでどおりで。一般会計から出せば、どうしてもわれわれはわかるわけです。それで審議する必要が出てくるんですね。ところが、これではわかりませんですよ、だれが見たって。予算書を見て、この中に今度のIMF出資四百四十四億がこれに含まれておるということは、説明を受けてはじめてわかることで、これじゃわかりませんですよ。今後そういう増資がある場合は、国会の承認は要らないんですからね。これだけでいいんでしょう。しかも、外為のほうは損益計算書だけ出せばいいんですから、そういうことになっておるんですからね。その点がどうも私は理解できないのです。
#214
○国務大臣(福田赳夫君) 国会の承認は要らぬだろうというお話ですが、そうじゃないのです。これは法律案として別途御承認を得ることにいたしております。
#215
○木村禧八郎君 そのつど……。
#216
○国務大臣(福田赳夫君) ええ、そのつどです。それではっきりするわけでございますが、問題は、いままで一般会計で支出科目とし、かつ法律案として審議しておったのを、今度は、法律だけにして、予算のほうははずしたかと、こういうことだろうと思うのですが、これはいままでのようにIMFに対する出資、これがごくわずかであるというときでありますると、便宜的な考え方もでき、これを税の負担において出資をするというようなこともまあ見のがされてきたわけでございまするが、今回のように四百億を上回るというような出資をするというようなことになりますると、この出資の性格というものを厳正に考えてみなきゃならぬということになるわけであります。そういう立場において考えますと、これは国際金融上の一つの操作であって、つまりレボルビングファンドというか、出たり入ったりする金である、これを一般の租税の負担において行なうのはいかがであろうか、こういう議論が出てくるわけです。そこで、外国為替資金特別会計の外為資金、その運用として処理する、こういうことがむしろ適正な処置ではないか、そういうようなことで、今回一挙にクォータ改正が行なわれまして、わが国が任命理事国になり、今後いよいよIMFに対するところのわが国の任務も重大になってくる、また、責任も重大になってくるという際に、そういう処置を予算上はいたしたわけであります。
 しかし、いずれにしても、これは外国に対して債務を負担する、また、その債務を実行する、こういう問題でありますので、別途法律をもって御審議をお願いする、こういうことにいたしたわけであります。
#217
○木村禧八郎君 次に、もう一つ、やはり外為の資金操作と金融政策との関係について伺っておきたいのですが、それは、これから国際収支の黒字がどんどんたまりますわね。そうすると、どうしても円がそこで放出されるわけでしょう。金融がゆるむわけです。いま金融を引き締めているけれども、黒字がこうたまっていけば、円が出て、そこのところがしり抜けになるというのですか、そうなる。その点の調整はどうなんでしょうか、そこを伺いたい。
#218
○政府委員(奥村輝之君) 国際収支が黒字基調になりますときは、外為会計が平衡操作をいたします。それで外貨の買い入れが行なわれるわけでありますが、その結果、市中に円資金が出ていくということでございます。国内の金融市場に対する通貨供給要因がそれだけふえるということは、御指摘のとおりだと思います。しかし、日本銀行が行なう通貨調節は、平衡操作による円資金の流入など、そのときどきに金融市場にあらわれてくる通貨のいろいろな要因をすべて織り込んだ上で、日銀の貸し出しによる日銀信用の供給調整というものを行なっていく、そうして、市場に対する通貨の供給を円滑に適正な水準に維持するということでやっているわけであります。今後もこれは行なわれることでございまして、日銀信用の面で、国際収支の黒字から問題が起こりましたものを、要素を消すという方向に今後とも調整が行なわれていくというふうにわれわれは考えております。
#219
○木村禧八郎君 次に、対外経済協力について簡単に大蔵大臣に伺いますが、佐藤・ニクソン会談で対外経済協力を約束されておりますが、今後、対外経済協力に対してどのくらいのめどをもって行なうのか、この点を伺いたいのです。なぜならば、きょうの新聞なんですが、ケネディ財務長官が訪日されて、大蔵大臣が会われるわけですね。アジア開発銀行の総会がソウルである、それに出席するのじゃないかといわれておりますが、それと関連して、どうもアメリカはこれまでいわゆる低開発国に対する援助がかなり消極的になってきている。それからアジア開発銀行に対する出資も、今度は日本はかなり大きい出資国になるわけですね。現在の三十一万四千ドルにさらに三千百万ドル拠出するわけですからね。そうすると、アメリカの低開発国援助に対する肩がわりというものがかなり強く出てきているのではないか、そういう点が一つですね。それからもう一つは、固定為替相場の問題ですが、これも新聞の報道ですから、はっきりしたことはわかりませんけれども、どうも、新聞報道によれば、大蔵大臣とケネディ長官が話し合って、そうして、いままで、IMFの固定為替制度に対して、クローリングペッグとか、為替変動の幅をもっと拡大しろとか、いろいろな意見がありましたですね。それに対して、大蔵省の立場は、固定為替制度を続けていく、そうして弾力的な運用によって欠陥を調整していくという方針らしいと、そういうことで大体話がつくのではないかというふうに報道されておるのです。しかし、IMFあたりでもいま固定為替制度にはかなり批判もありますし、そのいわゆる改革案もいろいろ出されているわけなんですよ。そういう点から、この二つの点について大蔵大臣はどう考えておられるか。
 それから最後にもう一つ、私はこれで終わりますが、ほっておいても円高になっていくわけですね。ずっといま円高です。これは奥村局長さんでもけっこうですが――さんでもけっこうと言っちゃ悪いのですが、非常にこまかいことですから、事務的な御答弁でけっこうなんですが、円高になっていくというときに外為の操作はどうなりますか。円高になると損がいくのじゃないかというんですが、そういう点、どうなのか、具体的に外為の操作と円高の問題を伺って、私の質問は終わります。
#220
○国務大臣(福田赳夫君) まず、対外経済協力の問題ですが、木村さんが、日米共同声明で総理が約束をしたというお話ですが、約束はしておりません。あの共同声明は、ごらんのとおり、両方の政府がその意図表明をしているのです。別に約束をしているわけではないのです。国会において言っているのとちっともその意味は違いません。約束ではございませんから、その辺はひとつお含み願いたいんですが、いま、海外経済協力問題につきまして、ピアソン報告というものがあるんです。これはなかなかやっかいな重大な問題となってきているわけでありますが、元カナダ首相のピアソン氏が報告書を書いておるわけでありますが、この報告書によりますと、各国は一九七五年までにGNPの一%の援助をすべきである。それから第二は、その一%の中で、つまり内訳ですが、七〇%、GNPでいえば〇・七%でありますが、それは政府資金によるべきものである。それを一九八〇年までに実現をすべしと、こういうこと。それから、さらに第三点として、条件の緩和についていろいろなことを言っておりますが、これはさておき、GNP一%という問題であります。いまわが国は一体どんな援助をしておるかということを見てみますと、大体〇・七五%ということになっているわけであります。それで、いま経済協力する主要な国というと、米、日、独、仏、英、こういう国々になっておりますが、アメリカが何といっても飛び抜けてその額は多いのであります。しかし、その傾向を見ておりますと、だんだんとアメリカの対外経済協力はGNPに対する比率におきましては下がってきております。一九六〇年からずっと申しますと、六〇年には〇・七五、それが〇・八六、〇・七七、〇・七六、O・七四、〇・七九、〇・六六、〇・六九、〇・六五――これはおととし一九六八年度でありますが、こうなっておる。わが国では、それに反して、〇・五八、〇・七一、〇・五〇、〇・四七、〇・四五、〇・六八、〇・六六、〇・七二、〇・七四――これが六十八年度で、六九年度は〇・七六、こういうことになってきて、アメリカの水準をかなりこしておる状態であり、実額におきましても昨年は第四位になりますが、ことしあたりはあるいは二位または三位くらいに行くかもしれない、こういうような状態であります。そこで、これをどういうふうに持っていくかというと、ピアソン報告を基礎にいたしまして国際的な協議が始まると思うのでありますが、こういう線は目標としてはよかろうというふうに思いますが、年限を区切られまして、七五年度に一%だとか、あるいは政府負担は〇・七%一九八〇年でありますとか、その期限に問題があるように思うのであります。しかし、わが国も、とにかくここまで来た以上、これに対してしり込みをするわけにはいくまい。そういう期限については問題は残しながらも、その趣旨についてはこれと積極的に取り組んでいかなければならないと思います。ただ、その問題につきまして私どもとして諸外国に言いたいことは、わが国はGNPでは確かにいいんです。しかし、国内の蓄積資産というものは、諸外国に比べると比較にならないように少ないわけでございます。したがいまして、われわれの生活水準なり社会環境というものは、GNPが高いにもかかわらず、また、一人当たりの国民所得もおそらく数年後にはアメリカに次ぐくらいに行くと思いますが、それにもかかわらず、生活の実感というものは先進諸国よりかなりおくれたものになっておる。これは蓄積がないからであります。この点は諸外国によく了解してもらわなければならない点ではあるまいかと考えます。そういう点を強調しながらも国際協力には取り組んでいくというのが私どもの考え方であります。
 それから為替相場の問題ですが、これは昨年の秋為替相場の問題につきまして世界的に不安があり、また、この不安をいかに打開するかという議論が戦わされたわけです。ところが、この国際通貨不安というのが、ことしになりますると、とにかく当面安定だということになった。その環境、雰囲気のもとに、為替相場論議というものがたいへん調子が変わってきておるのです。当時は、かなりラディカルな改革案なんか唱道されておったわけです。為替相場は場合によると制度的にたいへんな変更があるのじゃないかと思われるような事態であったわけでありますが、まあ環境の変化とともにそういう一時の空気はだんだんと薄れてまいりまして、いま、国際経済社会、特に論議の中心となるIMFなどの場におきましては、あまり極端な変更は好ましくない、こういうふうな空気になってきておるようであります。何らか今日の制度に変更というか、まあ運用上といいますかあるいは制度上といいますか多少の変更を加える余地がないとは言い切れないまでも、根本的にいまの為替制度を変更するのもいかがであろうかというような大勢のようであります。
 いずれ、この問題は、この秋のIMF総会において問題になると思いますが、わが国としては固定為替相場を堅持するという従来の基本線を堅持しながらこの会議には臨みますが、わが国のそういう考え方とかけ離れた結論が出るようにはただいま想像しておりません。
#221
○政府委員(奥村輝之君) 先ほど最後のお尋ねの、いまの為替相場の制度のもとにおきまして円高になった場合に外為会計の利益いかんという御質問があったわけでございますが、私ども売買をいたします場合にはいつも三百六十円で仕切っておるわけでございます。したがいまして、三百五十七円五十銭でかりにこれは円高の状態でございますが買い入れるといたしますと、二円五十銭の利益が出るということに相なります。したがって、いまの制度のもとで円高になった場合にも、外為会計に損失を生ずるということにはならないわけでございます。
 もう一つ申し上げたいことは、外為会計の中で最も大きなのは運用利回りのほうでございまして、四十四年度の数字で申し上げますと、三百十八億円が運用収入でございます。売買益は六十五億円でございます。
#222
○木村禧八郎君 それから弾力的運用というのがあったら……。固定相場のもとでは弾力的運用……。
#223
○政府委員(奥村輝之君) いま現にブラジルでは、平価を固定はいたしておりますが、その変動を割合にそのときどき動かしておるわけでございます。これはIMFの黙認ということでそういうことがあるわけでございます。また、西独におきまして先般平価の切り上げられました際、直前においてもこれは事実上平価の定めがないような状態になったわけでございますが、これまたIMFの黙認のもとにそういうふうなことが行なわれたわけであります。そういうことで、過去におきましてもそういった運営がかなり行なわれておる。しかし、これは、全体ではございません、ごく一部分の国についてそういうことがときに応じて行なわれております。弾力的運用の一つは何であるかと言われれば、それもその一つではないかと思います。
#224
○上林繁次郎君 先ほどに引き続きまして少しお尋ねしてみたいと思います。
 先ほどはフィリピンとの関係についてお尋ねをしておったわけですけれども、日本の商社は何社ぐらい入っておりますか。
#225
○政府委員(沢木正男君) 私、商社の数をつまびらかにしませんが、ほとんどの大商社はマニラには支店を持っておると聞いております。
#226
○上林繁次郎君 それから合弁会社のほうはわかりませんか。
#227
○政府委員(奥村輝之君) 合弁会社の数は、いま直ちに取り調べまして御報告申し上げます、ちょっと御猶予をいただきたいと思います。
#228
○上林繁次郎君 そこで、なぜこんなことを聞くかといいますと、たとえば、向こうで破産に瀕している会社がある。そうしますと、それに対してこちらで援助をする。人も送り込むというようなことでその会社が立ち直る。立ち直ると、そのときにはもうすでにこちらのほうが経営の実権を握っておる。こういうようなケースが非常に多いというふうなことを聞いておるわけですが、こういった点は御存じですか。
#229
○政府委員(奥村輝之君) 私の説明の不十分なところは外務省であとで補足をいただきたいと思いますが、フィリピンにつきましては、もともとあすこで現地で日本の企業が合弁をするということは非常にむずかしかったわけでございます。したがって、長らくPS方式――プロダクション・シェアリングの方式が用いられてまいりました。たとえば鉱物資源の開発その他につきましても、そういうことでございます。これは、通商航海条約がまだ締結されていないというような関係もあり、そういうことに相なっているというふうに私どもは聞いているのでございます。いまの答弁について、もう少し確実にいたしますために、外務省のほうからお答えをいただきたいと思います。
#230
○政府委員(沢木正男君) ただいま大蔵省から御答弁がありましたように、通商航海条約が批准されておらないということで、日本の投資が許されなかったわけでございますが、約五、六年であったかと思いますが前から、大統領特別令によりまして、日本の合弁投資を認めるということになりましてから、投資案件は出ております。しかしながら、つぶれかかった会社に投資してそれを助けるといったような例は、私はまだよく承知いたしておりません。
#231
○上林繁次郎君 この新聞にこういうことが書いてあるんです。「フィリピン大学の全学連が「日本帝国主義による経済侵略の排除」を闘争目標にしているが、「いまのままだとこれが市民的連動に結びつく可能性もある」という。「日本資本の手口はこうだ」とあるフィリピン経済紙の記者はいう。「破産にひんしている会社をみつけて援助を申し入れる。資金と人を入れて、会社が立ち直ったときには日本側が巧みに経営権を握ってしまう」」と、こういうようなことがあるわけです。
 そこで、いまのお話がありましたように、日比の友好通商航海条約ですね、これも批准されておらない。なぜ批准されておらないかといえば、こういう日本の資本やら人間が入ってきて向こうの経済が圧迫されていく、だから、ここで批准をすれば、ますますそういった面でフィリピンが苦しまなければならぬだろう、それをそうさせまいとして批准が行なわれないのだ、こういうふうにいわれているわけなんですけれども、そういうふうに聞いておるわけです。この点、日本の進出ということに対して向こうは非常に不安を持っておる。そういうような向こうの受け入れ態勢、その中にいくら援助をしても、何となくつじつまが合わないような感じがするわけです。こういった問題に対するこちらの国の姿勢というものを考えていかなければならんのじゃないか、こう思うのですが、その点はどうですか。この点は大臣にお答えいただいたほうがいいのじゃないかと思うのですが。
#232
○政府委員(奥村輝之君) 御指摘のように、気が理想的な状態にまで醸成せられていないところへ日本がいろいろと協力をしていくと、こういう場合に、一体協力というのはうまく実を結ぶであろうかと、こういう御質問であろうかと思います。ただ、最初に御引用になりましたいろいろな資料でございますけれども、まあそういうような事実があったのかも存じません。私どもは、実は、大体においてはフィリピンと日本との関係はだんだんと友好関係が強くなってきている。たとえば三千万ドルの道路借款を供与いたしましたときにも、いろいろな計画について両国は話をし合いまして、フィリピン側は日本の協力に対して非常に感謝をすると、こういうことでございます。御指摘になったものが、非常に限られた部分であるのか、あるいは全体的な問題であるのか、これは非常に大事なところでございますが、私どもは、いままで承知しております限りにおいては、日本に対する関係は非常に友好的な関係にある。ただ、日本の商社に対するいろいろなマニラ市の取り締まりその他がございまして、これはいろいろな政治上の問題でそういうふうになったのではないかと思いますが、現在ではもう片がついているというふうに聞いております。今後ともそういう問題で注意をしていかなければならぬ問題が多々私はあると思います。あると思いますけれども、現在までのところはいま御指摘のような点がまずない、まず少ないというような方向で進んでいるので、むしろそういういい状態を続けさせるように努力をしてまいらなければいかんと思っております。
#233
○国務大臣(福田赳夫君) まあ、フィリピンに対する経済協力は、とかくの風評があるのです。あるのでありますが、私どもといたしましては、これはもう経済協力をいたす、こういう以上は、厳正にいたさなければならぬというので、その衝に当たっている通産当局なんかにも常々お願いしているところで、今後ともそういう方針でやってまいりたいと思っております。
#234
○渡辺武君 IMF出資の問題について御質問したいと思います。
 今回の措置を見てみますと、従来一般会計から行なわれていたIMFへの出資を外為会計に移すということが一つの内容となっております。この措置を考えてみますと、国際通貨としての円の信用の基礎は、円がいま金と交換できないという条件のもとでは、日本の保有している外貨、特にドル、これが国際通貨としての円の信用の基礎になるのじゃないか、究極的にもそうなるのじゃないかというふうに私は考えております。したがって、IMFへの出資を外為会計から行なうということは、一応の経済的な合理性をもった措置だというふうに考えられますけれども、同時に、その反面で、基金通貨代用証券に日銀引き受けの道を開いたというもう一歩の側面が今度の措置にはあるわけです。こっちのほうを考えてみますと、国際通貨としての円をその信用の基礎である外貨準備から切り離したということにもなろうかというふうに考えられるわけです。そこで、この措置は、今後、日本経済の国際的な地位の向上、それから貿易額の増大などに伴って、国際通貨としての円がいままで以上に大幅に流通するようになるということは不可避的な傾向だろうというふうに考えられますし、同時に、日本の大企業のアジア諸国を中心とする経済進出の重要な手段として円の国際通貨としての流通の方向を推進しようというのが基本的な方向ではないかというふうに考えられますし、また、アメリカのほうも、ドル防衛のために日本の円を国際通貨として流通させようという考えもなかなか強いように考えられます。したがって、今回とられた措置は、こういう事態に対応して今後国際通貨としての円を流通させる、その条件を切り開くというような内容があるんじゃないかというふうに考えられますけれども、その点はいかがでしょうか。
#235
○国務大臣(福田赳夫君) 今回の制度改正は、そういう深慮遠謀はしてないのです。先ほど木村委員にお答え申し上げましたとおり、いままではIMF出資は一般財源によって支弁をしておった。でありまするけれども、これは支出しっ切りになるのではないわけです。回転資金というか、運用資金的性格を持つものである。国際経済社会における流通過程の一つの操作である、こういう性格のものでありまして、その性格に従って今度は外為資金の運用としていこう、こういうふうに考えておるのでありまして、それ以上、円の流通を国際的に強めていこう、その他そういう特殊な意図は全然持っておらないのであります。
#236
○渡辺武君 大臣の意図はわかりました。しかし、客観的に言いますと、確かにIMF保有円を外為会計から新たに通貨代用証券を発行して償還さして、この円をもって日銀保有の通貨代用証券をさらに償還するというというような裏面の措置があるわけですから、それは確かに一時的だということは言えるとしましても、客観的に見ますと、日銀保有という道によって一応やはり外貨準備の基礎と切り離された条件で円が国際的に流通できるというような条件ができたのじゃないかというふうに考えるわけです。しかも、この前の御答弁によりますと、今後発行する通貨代用証券だけではなくして、従来すでに発行してIMFが保有している国債も今後は通貨代用証券と同じように日銀保有の道が開かれるということになるわけですから、いまのところは額は少ないにしても、従来以上に日銀引き受けによる円の国際的流通というような道が大きく開かれるということになるかと思います。そのほかに、IMF出資円のほかに国際的に流通する円が今後増加するということが考えられるわけですから、したがって、これは、政府の意図はとにかくとして、一つの経済法則として、いまは規模が少ないけれども、今後の問題としては、インフレーションの国際的な拡大といいますか、その可能性が今度の措置によって切り開かれたのじゃなかろうか。そしてまた、同時に、そのこととも結びついて、いまは円が高いわけですけれども、しかし、将来、円の信用の動揺というような可能性も今回の措置によって客観的に切り開かれたのではないかというふうに考えられるわけですが、その点についての大臣の見解と、それからまた、そういう可能性が経済法則として十分考えられるとすれば、とるべき措置はどんなふうに措置をとられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#237
○国務大臣(福田赳夫君) 代用証券を日銀に渡す、そして円を入手する、そういう意味におきまして、通貨は日銀から供給されるわけですが、すぐドルにかわっちゃうんです。これは流通するのはドルでありまして、円がドル社会で流通するわけではございませんから、その辺は、おっしゃるような円の国際社会における流通、また円の流通を通じて国際インフレを刺激する、こういうようなことにはならない次第であります。
#238
○政府委員(奥村輝之君) 先ほど、フィリピンにおける合弁会社についての御質問がございましたが、答弁がおくれまして申しわけありません。日本のフィリピンへの証券投資、この件数は四十四年末で二十二件でございます。これは同じ会社に数件出ているものも件数がふえたかっこうで表示せられております。大部分は合弁会社ではないかと思うのでございます。金額的にいいますと、ほぼ九百万ドルでございます。
#239
○成瀬幡治君 先ほど木村委員が質問するときにちょっと席をはずしておりまして、若干食い違ったり、あるいは重なったり、いろいろな点があると思いますけれども、大蔵大臣は適正外貨は輸入額の三分の一くらいが適正であろうというようなお話があり、それからまた、円高については、佐々木日銀総裁は、とりでに囲まれておるからこうなんだと。そこで、あんまりドルがたまっても困るから、外貨をどうやって減らしていいのかということで、いままで取り込み主義だったのを少しワクをゆるめられていろいろ政策をやっておみえになると思いますが、それにしても、これは大づかみな見通しですから何とも言えませんけれども、今年末かあるいは来年の上半期くらいのときには五十億を突破するであろうということが想像されるわけです。そうなってまいりましたときに、いろいろなことをおやりになってもなおたまってくる。そこで、円の切り上げなんということがとやかくやはり話題になってくるが、その前に、貿易の自由化というような問題、あるいは資本の自由化ということが真剣に考えなければならないと思いますが、大臣はこの資本の自由化、貿易の自由化ということに対してプレッシャーなさって、いままでの一応予定をされておったものに対してもっとワクを広げる、いわゆる繰り上げてくるのだというお考えがあるのか、あるとするなら、どこら辺くらいまでワクを――業種別にはいままでこんな業種はやらないつもりだったが、今度はこうしなければならぬわいというようなものがあるとするならば、あるいは品目数でもよろしゅうございますから、そういう点についてお答え願いたいと思います。
#240
○国務大臣(福田赳夫君) まず、輸入の自由化の問題ですが、いま百品目ばかり不自由化で残っているわけです。つまり、制限をしているわけです。これを来年の暮れまでに六十品目にしたいというのが従来のスケジュールであります。それを、来年の暮れとはいうが、来年の暮れまでに自由化するものを、暮れになってぎりぎり一ぱいになって自由化というのでなくって、なるべく早目にこれを実行するようにいたしたい、これが一つ。それから来年の暮れになってなお六十品目残る。その残るものにつきましても、来年の暮れ以前でもいいと思います、あるいはその後になってもいいと思いますが、いずれにいたしましても、その最後に残った六十品目につきましてもなるべく早く自由化をいたしたい、そういうふうに考えております。これが貿易自由化についての考え方であります。
 それから資本自由化につきましては、これは第一次自由化、第二次自由化に続きまして、いま大体二百四品目の自由化を決定しておりますが、ことしじゅうに第三次の自由化をいたしたい、こういう考え方を持っておるわけです。この第三次の自由化につきましては、小林中さんが会長をしておる外資審議会がそれを検討されるわけでございますが、この間、小林さんの審議会が会合いたしまして、なるべく秋までに第三次を実行しよう、この実行の内容につきましてはこれから具体的にやるんだが、なるべく幅広く、かつ実質的、つまり大事なものにつきましてもふん切りをつけるようにしょう、こういう空気のようであります。そこで、私といたしましては、この二、三カ月の間に、正式に、第三次自由化をいたしたいがその内容をどうすべきかということについてこの審議会に諮問をいたしたいと、こういうふうに考えておるわけでありまして、したがって、その答申というものはかなり積極的なものになると思いますが、答申がありますれば、それにのっとって資本の自由化をやっていきたい。これは受け入れるほうの自由化です。
 それから資本の出るほうの自由化でありますが、これにつきましては、いままで旅行者の携帯現金、これを七百ドルにいたしておりましたが、今度千ドルにこれを持っていくと、大体国際水準が七百ドルなんですが、千ドルというと国際水準を上回る額になるわけです。それから海外投資につきましては、いままで二十万ドル以上につきましては政府の許可を要するというようにいたしておりましたが、その二十万ドル以上のものにつきましては、許可するにあたりましてこの許可基準というものをあまり従来のようにうるさく言わない。特に、海外に対する資源開発投資というものにつきましては積極的にこれをやっていきたい、かように考えております。
#241
○成瀬幡治君 物のほうで言うならば、六十は残りますよと。しかし、残った六十も早急にと、こういうお話ですが、私はできないものもほんとうにあるだろうと思いますね。ぎりぎりのところがあると思うのです。ですから、最終目標にはどのくらいの品目を考えておみえになるのか。
 それからついでに、答弁がございましたから申し上げておきますが、外資審議会の答申があれば、大体これをうのみにしていくんだと、政府検討はするんだけれども、審議会の答申というのはとくと尊重するんだという御意向のよう承ってさしつかえございませんか。
#242
○国務大臣(福田赳夫君) 来年の暮れになりまてさらに六十品目残るわけです。その残った六十品目といえども、できる限り自由化のできるものをつくり上げていきたいというふうに考えますが、いま六十品目ぎりぎり幾ら残すんだと、そのうち。これまでは見当はつかないのです。いまのとにかく百品目ばかりあるそのうちの四十品目を来年の暮れまでに自由化するというのでもう手一ぱいの状況でありまするので、そのぎりぎり残った六十品目のうち最後の最後まで数年後にどういうふうにするのだというところまでは見当はつけておりません。
 それから外資審議会の答申がありますれば、大体これを尊重してまいると、こういう考えでおります。
#243
○成瀬幡治君 外貨は五十億ドルを突破してしまう、そういういま、資本なりあるいは貿易の自由化についてはいろいろと検討をしながらやってまいると、若干歯車が食い違ってこやしないか。たまるほうが早くてこちらのほうがおくれるのじゃないかという点は、国際感情として私はあまり好ましい姿じゃないと思います。しかし、国内感情でいえば、そんなことを許されてはたいへんじゃないかということだと思いますが、その歯車を合わせるためにいろいろ御努力願っておったら私からとやかく御注意申し上げる必要もないから、十分歯車を合わせていただきたいと思いますが、それはそれとして、外貨のことはさることながら、今度は物価の面からいうと、ある程度自由化というようなものも大切な問題があると思います、これは物を入れる場合には。それから資本の自由化というふうな問題についても、物価の面から見れば非常に大切な点じゃなかろうかと思いますが、そういう観点からはどんなふうにお考えになっておりますか。
#244
○国務大臣(福田赳夫君) 自由化は、お話しのとおりの事情がありますので、外国から言われるから自由化するのだというのじゃなくて、わが国みずから自由化をする必要があると思うのです。つまり、一つは、わが国の企業の近代化、合理化です。資本が入ってくる、それにつれましてすぐれた技術あるいはすぐれた経営方法、そういうものも入ってくるわけです。つまり、わが国はいま国内で自由競争態勢をとっておりますが、この自由競争態勢というのは国内だけでは十分じゃない、国際的規模において自由競争をやるということによって完全に自由競争というもののメリットというものも出てくる、こういうことを考えてみたときに、資本の自由化というものは、これはまあいろいろのデメリットもあります。ありますが、一面において非常に大きなメリットを持っておる、こういうふうに考えますので、デメリットを最小限に防ぎながら積極的に資本自由化というものに取り組まなきゃならぬと、こういうふうに考えます。
 それから物財の輸入、これはわが国が物価問題でいま一番悩んでおるわけでございますが、そのわれわれが悩みとする物資は国際価格水準から見ると非常に高いものが多いわけです。ですから、外国で安いものができるのだといえば、それをわが国が消費するということになると、物価水準というものにはかなりの影響がある。ただ、しかし、それが国内の産業に対して影響があるものですから、軽々にはできないわけでございまするけれども、なるべくそういう安い商品が入ってきてもわが国の産業もこれと太刀打ちできるという態勢を早く整える、そういうことによりまして、物価政策に貢献をする。まあ物価政策は七〇年代の最大の問題ですから、そういうところから考えましても、輸入の自由化は非常に大事なことじゃないか。ただ、それに対する備えなしにやったら、これはたいへんなことになりますから、十分それに対する備えをしておかなければならない、こういうふうに考えております。
#245
○成瀬幡治君 たとえば自動車の問題に例をとります。自動車には、資本あるいは物、いろいろのことがあると思いますが、いまなんかでいうと、非常に高いわけですね。それじゃ会社はもうかっておるかというと、もうかっておる。賃金も相当いい水準を行っている。しかし、それじゃ会社の経理内容のバランスを見ますと、賃金の率がうんと低いわけですね。賃金を上げさえずればいいかということじゃなくて、やはり自動車自体を下げなければならぬと思います。そういう管理価格にひとしいような大企業独占のものが、なかなか値を下げてこないわけですね。ですから、もしそういうものに対して自由化をやらないとするなら、物価を今度は下げる面から何かの措置を――もしやらなかった場合は、何らかの措置を考えておみえになるかどうか。ただ単に自由化はやりませんよと、こう言うだけじゃ済まぬ問題じゃないか、物価の面から。だから、そういうところは国民のほうへバックペイをすべきじゃないか。国がそれだけ保護するなら、国民にそれをお返しする姿勢というものが、会社の自主性を待ちますわいというのじゃなくて、国がやらないのですから、国がそれに対してどうするかという問題についての方針というものはなければならぬと思いますがどうでしょう。
#246
○国務大臣(福田赳夫君) それはですね、たとえば、いま御指摘の自動車業界、これも資本の自由化が近いということを業界自体はよく知っております。そういう自由化に対してはどういう備えをしなければならぬか、こういうのでその備えも急いでおるわけでございますが、だんだんともうそういう条件が成熟しつつある、こういう段階であることは、成瀬さんが最もよく承知しておるところじゃないか、さように考えます。政府が何か財政上のあるいは税制上の配慮をしなければならぬというような状態は、自動車の問題については私は見受けられませんけれども、しかし、広くいろいろな業種についての自由化問題というのがあるのですから、体質改善というものについて財政上、税制上、金融上いろいろな配意を行なっておるというところであります。
#247
○成瀬幡治君 いや、大臣、配慮をされるのは、大体、会社のほうへ向けての、業者のほうへの配意が多いんです。そうじゃなくて、消費者のほうへの配慮というものがないと思うんですよね。ですから、そういうものは、自由化はしませんよということになれば、これが逆にそれだけ国が保護するわけですから、今度は消費者というか国民のほうへの何らかの報いがなければならぬ。その道筋というものがいままではなかったと思うんですよ。そういうものに対して――ちょっと意味がわかりませんか。自由化をしなければ、しないものについてはやはり過保護だと思うんですよ。保護されておる。だから、それだけ大事にされるなら、国が大事にしているのですから、それが国民のほうへ何らかの形でバック・ペイというものがとられなければならないと思うが、もしやらないという業種あるいはそういうものがあるとするなら、そのことをお考えになるかどうかということです。
#248
○国務大臣(福田赳夫君) よくわかりました。自由化しない、そのかわりに自動車の値を下げたらどうか、こういうようなお話かと思います。お話としてはごもっとものように思いますけれども、どうも政府として、これをいま価格を指示するというような権能もございませんから、それはむずかしいと思いますけれども、しかし、自由化しますよ、いつ幾日に自由化しますよということになれば、事前にこれは値が下がってくる。値を下げなければ、外国から輸入がどんどんやってくるとそれには対抗できませんし、また、非常な生産性が上がって、外国で来てもちゃんとその外国の資本でつくられる品物に対抗できる、そういう状態になければ、外国資本に制圧をされるということになりまするので、やっぱり事前に合理化を急ぎ、販売価格を下げて、そして外国資本でつくる品物にも対抗できると、その辺に自由競争の妙味というものがあるんじゃないかと、こういうふうに思いますが、自由化をしますよということにこそ大きな影響力があるんじゃないかという感じがいたします。
#249
○成瀬幡治君 私は、自由化するということになればそれでいいと思うが、自由化しないものがあると思うんです。それは何かということはここでは別として、これはただ国の基幹産業であり大事なものだから自由化しないのだといっただけで済まされるのではなくて、そういうふうに大事に国がされる、しかもそれはほんとうに寡占の産業だとするなら、国から、管理価格でやられたらたいへんなことになっちゃいますから、そういうものに対する価格の問題についても、おまえのほうは自由化しないのだから、そのかわりこういうふうにしなくちゃいかぬよというような行政指導というものが何らかの形でなされてしかるべきではないかと思っているが、どうでしょう。
#250
○国務大臣(福田赳夫君) ごもっともな話ですから、よく考えてみます。
#251
○成瀬幡治君 それから過般フリードマンが日本に来ていますね。物価と関連しながら、総需要の問題、あるいは通貨増の問題に関連して、適正なのは三%から五%がいいんじゃないかというようなことを言っておりますが、大臣はあの意見に対してはどんなふうにお考えになっていますか。
#252
○国務大臣(福田赳夫君) 大体、私は、成長率、これが通貨増の基準というか考え方の基準になるべきだと、こういうふうに考えております。それで大体そういう推移をたどって通貨は増勢をたどっておりますが、それが去年の夏ごろまではちゃんとそういうかっこうで来ておるのです。去年の上半期あたりは一五、六%前年に比べてふえております。成長率をやや下回るというようなふえ方でございました。ところが、最近、調子がおかしいんです。成長率を上回る増勢になってきておる。昨年の暮れから二〇%という数字が出てき、ことしの正月もまた二〇%、また二月も二〇%、最近多少それが下がりまして一九%台ということになっておりまするが、なお二〇%増に近い。その辺、私どもいま非常に心配をいたしておる点なんです。お答えといたしましては、成長率をながめながら通貨の増勢というものを考えていかなきゃならぬだろう、かように考えております。
#253
○成瀬幡治君 いま言ったように、成長率は政府としてはいろいろと設定をおやりになりますね。ところが、これを制限するとかいろいろなことで金融引き締めなどいろいろあると思いますが、ですから、まあインフレになるのかならないのか、インフレかインフレじゃないか、いろいろなこんな議論もありますよ。ありますが、物価が上がって、これは困ったわいということは、だれが何と言ったって政府が一番大きな問題だとおっしゃるが、さて、それじゃきめ手になる方針がなかなかないんだと。そうすれば、政府が出すところの財政投融資なんというものの使い方なんというのは非常に意義のあるものだ、ウエートが大きいものだと思うんですね。ですから、そういうようなところと関連しながら、通貨のいわゆる増、あるいは回転速度等ありますが、そういうことについて何らか措置をされていいのじゃないかと思うが、どうでしょう。
#254
○国務大臣(福田赳夫君) どうも、通貨の増は、大体において経済活動の結果がそこへ出てくる。それ自体を詰めるといいますと、いろいろな不健全な状態が出てくるので、通貨が増発されないでもいいというそういう体質をつくり上げることが大事なんです。ちょうど下痢の患者にせんをするというようなふうなことだと、これは腹膜炎を起こしたりまあいろいろなことになる。(笑声)そうじゃなくて、下痢をしないように胃腸を整える、こういうことが大事なんだろうと、こういうふうに考えるんです。しかし、せんをするという処方も、非常に短期間であれば効果がないことはありませんけれども、短期間にこれが治癒できるという見通しなしにせんをしたら、これはたいへんなことになりはしないか、そういうふうに考えます。
#255
○成瀬幡治君 せんをするしないの問題じゃなくて、結果的に、下痢をしちゃいかぬわいいかぬわいと言っていてほんとうに下痢になって衰弱したら、ほんとうにインフレになったらたいへんだと思います。物価は大事な問題ですよ、こういうことをことばではおっしゃるけれども、現実は全部小売りも上がれば卸も上がった。しかも、それが、横ばいというのじゃなくて、とにかく季節的なものがあって下がるとはいうけれども、なるほど一時下がるかもしれないけれども、すぐそれが上がる。飛躍的に伸びている。ですから、どういう手を打っておみえになるのか。大蔵大臣はそれは経済企画庁云々だと言うけれども、やはり一番問題は、おなかのほうがいいぐあいにいかなければ、経済審議会でやってもどうにもしようがないのじゃないか。なるほど、景気は、五年目に入りますか、続いております。これは非常にいいことだと思います。とまることがなくてここまで来たということはたいへんいいことである。これを途中でなくしてしまったりすることになればたいへんなことだと思います。しかし、これはずっといきますが、どうもお互いに心配じゃないですか。ですから、荒療治はしちゃいかぬわいと、こう言っても、ほんとうに荒療治をする必要がなくなってしまって、それこそパンクしてしまうように感ずるのだが、その点は、大臣は、おれのところは慎重にやっているといろいろなことをやっておみえになると思いますけれども、少し楽観的なように聞こえてしようがないんですよ、われわれのほうから受け取ると。もう少し深刻に受け取ってやっていただいていいと思うから、いろいろのことを申し上げておるわけです。
#256
○国務大臣(福田赳夫君) 非常に深刻に考えておるわけです。第一の治療の手は、何といっても総需要を抑制することである、こういうふうに考えておるわけです。総需要を抑制しませんと、短期間に非常な経済成長になり、ほうっておくと四、五年で日本経済の規模が倍になるというような勢いです。これはすぐ労働力の需給逼迫、それに伴う賃金の加速度的な高騰、それからインフレというようなことになって、とてもその一事を見ましても日本経済は立っていかない、こういうふうに思うわけです。何とかしてひとつ成長の度合いをなだらかにしたい、こういうので、金融で設備投資の抑制をして、また、財政につきましても、予算は近日成立はいたしますが、その運営にあたりましてもほんとうに心してこれが実行に当たっていきたい、こういうふうに考えておるわけです。
#257
○成瀬幡治君 過般の予算委員会で木村委員が総需要について議論されておりますから、私はこれでやめます。
 次に、IMF関係で一言お聞きしますが、これは日本の国が今度出資をいたしまして世界で五番目ですかになります。そうしますと、任意理事国になれるというようなことですが、なったって国民はなんにもうれしくない、国威には確かにいいかもしれませんけれども。そこで、低開発の後進国家なりそういうものに対する開発の問題がいろいろとこれから議論され、いろいろなことがあると思うんです。アジ銀のこともありますし、そうなったときに、コンサルタントの仕事というものが何といっても水先案内になってまいりまして、そして、これがうまくいけば、あと日本もそれにつれていろいろなことができてくることになる。そこで、コンサルタントの育成強化ということが私は非常に大切ではないかと思う。それで、イギリスなんかは一九〇八年ごろからやっているから、日本から五、六十年さきです。アメリカなんかのいまの行き方を見ますと、いろいろとあると思います。そこで、乱暴なことを言えば、いま、日本は、たとえば建設省もりっぱな技術陣を持っている。農林省も技術陣を持っている。電通も持っておれば、郵政も持っておれば、国鉄も持っておる。各省がいろんな技術陣をかかえておりますが、それはそれでいままでいいことというか、役に立ってきたと思うんですけれども、しかし、もっと言えば、ほんとうは、アメリカなりあるいはヨーロッパ諸国のようにコンサルタントがしっかりしておれば、この道路の設計は、あるいはこの橋梁設計は、この堤防はというふうでそういうようなことをすれば、なお私は日本全体の合理化というものができてくるだろうと思う。しかし、そんなことをいまやれと言っても、できることじゃない。そこで、コンサルタントをいろいろと育成強化していく方針を、今後何年か先にはどういう形になるか知らぬけれども、少なくとも日本全体のレベルアップであり、日本全体の合理化のためには、官僚のなわ張りと言っちゃ語弊があるかもしれませんけれども、実際そういうもので国民は若干迷惑しているところもあると思いますから、そこで、そういうものに対する強化育成の方針があるのかどうか。
#258
○国務大臣(福田赳夫君) コンサルタントを業とする民間業者、団体、いろいろあります。しかも、わが国のコンサルタントは、国際水準でも相当高い技術、能力を持っておるわけです。それを、各省が、たとえば建設省はこういう仕事をする場合にはどこの方にお願いをするとか、あるいは、海外でこういう開発をする際にはだれにお願いをするとか、あるいは、農林省のいろいろな土地改良の仕事についての設計をお願いするとか、いろいろしておりますが、いま、そういう役所からのコンサルタントへの発注ですね、それからまた、民間でもいろいろなデベロピッングをやっておるわけですから、その人たちの発注も、これらのコンサルタントに対してあるわけです。そういうことで、コンサルタント業務というものはかなり年とともに増大しつつある、こういうふうに思いますが、そういう過程を経ながら、また、そういう過程の中において、自由競争原理というか、そういうものが取り入れられながら互いに技術を磨きながらこの分野というものは伸びていっておる、こういうふうに思うんです。わが国のコンサルタント事業というかそういうものの前途は、これは相当明るい。国内においてのみならず、国際的にも相当大きな地位を占めることになるんじゃないかというふうに考えております。とにかくこれは経済の水先案内みたいなものですから、いま格別これに積極的な助成ということは考えておりませんけれども、適正な形で発注を行なうとかそういうような方法を通じましてこれが育成強化には努力をしていくべきものである、こういうふうに考えております。
#259
○成瀬幡治君 ざっくばらんに言って、任意理事国になる。そうすると、地域開発はここら辺でやろうやということになると、理事会で大体わかるわけです。そうすると、日本は受け入れのりっぱな業者がおらぬじゃないか、だからこれはアメリカに持っていくわ、イギリスに持っていくわといって持っていかれちゃう。そうすると、次に続く業者も当然そうなっちゃうんですね。貿易の自由化、資本の自由化等をずっとやってきた、いろんなことをやってきて、日本の技術が外へ出ていく、それがほんとうの日本の強くなったときだと思うんです。そのためには、いまのコンサルタントでは、とてもとても外国とでは歴史も浅い。デザインも同じことです、立ちおくれている。しかも、国内では、各省がやり、民間もやる。人的資源からいったらまことに不経済なやり方をしているわけです。そこで、長い話でございますけれども、大蔵省として、ぜひひとつコンサルティングに対するいろいろと強化育成について十分御配慮と申しますか検討をしてもらいたいととも、いま若干補助金が出ておりますね。きょうここでお聞きしましたら、大学教授の知的報酬は一日幾らだと言ったら、ようやく認められたのは一日三十ドルだという話です。それは旅費、滞在費のほかに三十ドル出るといえばたいへんな奮発かと思いますけれども、諸外国に比較し、いろんなところから見たら、とてもこれはお話にならぬ数字であり、ましてやこれは外務省がやる協力事業団の大学教授等を依頼したときの知的報酬が三十ドルのようですけれども、コンサルティングの人がかりにそういう専門家等を依頼した場合でも、その者の知的報酬はひとつ認めてやるわいというようなことを検討してもらいたいと思うんです。やってくれとは言いません、ことしはですね。来年は少なくともやってもらいたい。まず検討をしてもらいたい。これはお願いでございますから、これでおしまいです。
 それから続いて最後にお尋ねしておきたい点は、先ほど経済及び技術協力のときに、法文の中に「船舶、建物その他政令で定める財産」ということがありますね、この財産の中に飛行機が入っておりますかと、こう言ったら、これは当然飛行機というものも入るんだと、こういう答弁でございます。いろいろとお聞きしてみると、ごもっともだという点もあるわけでございますが、しかし、後進国家の発展のために必要なものだから飛行機というのも入ってくるんだと。しかし、飛行機というものはいろんな意味で――疑いを持つわけじゃございませんけれども、ちょっと心配もあるわけです。ですから、私の考え方としては、飛行機が今後、いまは要請がないそうでございますけれども、今後起きてきたような場合には、国会の場でも十分検討ができるような機会があったほうがいいだろうと思う。ところが、それは予算のところに出ますよと、こうおっしゃるが、しかし、聞いておりますと、これは相手国とのかけ引きの問題があるから、ちょっと申し上げられませんというような話があった。いま外貨はどのくらいありますかと木村委員が質問されますと、これもちょっと全部出しちゃうのはまずいわいと。それじゃ大蔵委員会も秘密会をひんぱんにやらにゃいかぬかなという感じを実は持ったわけですが、しかし、それはそれとして、それじゃいま言ったように、そういうふうで、なんにもわからずに、政令ですっといっちゃって知らぬぞということになるとちょっと心配で、何でもこれから政令でやりゃいいわいというようなことになってしまうのも少し心配でございますから、それについて、やはり国会では、経済協力なりあるいは技術協力をしたような場合には、それが一体相手国に対してどれだけのプラスになり、それがひいては人類の発展にどれくらい貢献をするやというようなことについては若干議論をしたほうが、むしろそのほうがいいんじゃないか。なにも政府が特別に悪いことをされるわけじゃないし、ある特定の意図をもっておやりになるものじゃないと思いますから、フェアーに何もかもおやりになったほうが好ましい姿と思いますけれども、こういう問題についてどう考えられますか。
#260
○国務大臣(福田赳夫君) 実は、その問題につきまして、先日衆議院の大蔵委員会におきましては、「政令で定める財産」というのに飛行機をなぜ加えないのかと、こういう質問が社会党の広瀬秀吉議員からありまして、私は、それに対して、実は飛行機につきましては相手国においていまさしあたりそういうことを希望しておる国がないんです、そういうようなことを考えると、いまこの段階で飛行機と特定することは適当でない、こういうふうな御答弁を申し上げたところです。でありますが、いま、政令で定めるものの中に飛行機を加えるのはいかがであろうかと、また逆のような御質問を受けまして、いささか当惑をいたしますが、しかし、御趣旨のほどはよくわかりました。海外経済協力によって、これが相手国に軍事援助をしたというような疑惑を招くようなことがあれば、これは政府の本意とするところではございません。したがいまして、飛行機を買うという問題ばかりじゃございません、海外経済協力の内容につきましては、広く国会において御審議を願うように私どもは特段の配意をいたす、かようにいたしたいと思います。
#261
○木村禧八郎君 海外経済協力予算の数字をいただいたんですが、この数字についてちょっと最後に伺っておきたいんですが、総額八百一億九百十二万四千円ですね。この中に、アジア開発銀行の特別基金に充てるための国債百八億というのが入っているのか、入っていないのか。それで、この百八億は、今年度初めて出てきているのかどうかですね。われわれが海外経済協力予算として総額を見る場合に、この百八億を八百一億の中に加えて考えたらいいのかどうか、この百八億は四十五年度に新しく出てきた金額かどうか、その点だけひとつ説明をしてもらいたい。
#262
○政府委員(船後正道君) 御指摘の八百一億の中には、アジア開発銀行の特別基金に充てるための国債百八億は含まれておりません。これは国債でございますので、八百一億の歳出予算とは関係ございません。含まれておりません。
#263
○木村禧八郎君 これは四十五年度に初めてですか。
#264
○政府委員(船後正道君) 四十五年度は百八億でございますが、四十四年度は七十二億、四十三年度も七十二億、いずれも国債として計上いたしております。
    ―――――――――――――
#265
○委員長(栗原祐幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として任田新治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#266
○委員長(栗原祐幸君) 他に御発言もなければ、三案の質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#267
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、空港整備特別会計法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#269
○委員長(栗原祐幸君) 多数と認めます。
 次に、経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#270
○委員長(栗原祐幸君) 多数と認めます。
 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#271
○委員長(栗原祐幸君) 多数と認めます。
 よって、三案は、いずれも多数をもって可決すべきものと決定をいたしました。
#272
○沢田一精君 私は、ただいま可決されました三法律案のうち、空港整備特別会計法案及び経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案について、自民、社会、公明、民社の四党共同の附帯決議案を提出いたします。
 それらの内容につきましては、お手元に配付いたしておるとおりでございますので、便宜朗読を省略させていただきたいと思います。
 何とぞ御賛成くださいますよう、お願いいたします。
#273
○委員長(栗原祐幸君) ただいまの沢田君提出の附帯決議案を議題といたします。
 別に御発言もなければ、これより順次採決をいたします。
 空港整備特別会計法案に対する附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#274
○委員長(栗原祐幸君) 全会一致と認めます。
 よって、本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#275
○委員長(栗原祐幸君) 多数と認めます。
 よって、本附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福田大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。福田大蔵大臣。
#276
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの両法律案に対する附帯決議につきましては、十分関係省庁と協議し、御趣旨を体して努力をいたしたいと存じます。
#277
○委員長(栗原祐幸君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#278
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
     ―――――・―――――
  〔参照〕
   空港整備特別会計法案に対する附艀決議(案)
 政府は、本特別会計設置を機会に、空港整備事業等が一屑促進されるよう、次の諸点の哭現に努力すべきである。
一、空港整備に閏する新計画を速やかに樹立し、その実施を確実にするため、財源確保に万全を期すること。
二、航空機輸送のふくそう化に対処するため、空港における保安・管制体制の近代化及び税関等出入国関係諸機関の機能の向上を図ること。
三、航空機による事故及び犯罪並びに公害の未然防止のため、関係各省協力して遺憾のないよう措置すること。
 右決義する。
    ―――――――――――――
   経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行にあたり、開発途上国等に対する経済及び技術協力の重要性にかんがみ、次の諸点の実現に努力すべきである。
一、経済及び技術協力については、長期的視野に立つて、先進供与国との調整を図りつつこれを実施し、物品等の譲与については、その範囲を拡大するとともに、相手国等の意向に沿うよう配慮すること。
二、政府ベースの技術協力には一層意を用い、とくにわが国からの技術指導員の派遣及び開発途上国からの研修生、留学生の受入れに対しては、その処遇等に万全を期するよう措置すること。
 右決議する。
     ―――――・―――――

ソース: 国立国会図書館
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