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1970/04/09 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第15号
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1970/04/09 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第15号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第15号
昭和四十五年四月九日(木曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     任田 新治君     岩動 道行君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     須藤 五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                小林  章君
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
                鈴木 一弘君
   委 員
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                岩動 道行君
                津島 文治君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                上林繁次郎君
                渡辺  武君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵省主計局次
       長        船後 正道君
       大蔵省理財局長  岩尾  一君
       大蔵省銀行局長  近藤 道生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   参考人
       日本開発銀行総
       裁        石原 周夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本開発銀行法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○造幣局特別会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨四月八日、任田新治君が委員を辞任され、その補欠として岩動道行君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(栗原祐幸君) 参考人の件についておはかりをいたします。
 日本開発銀行法の一部を改正する法律案の審査のため、本案審査中、日本開発銀行総裁石原周夫君を本委員会の参考人とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(栗原祐幸君) 日本開発銀行法の一部を改正する法律案及び造幣局特別会計法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#6
○木村禧八郎君 私は、日本開発銀行法の改正案について質問いたしたいと思うのですけれども、この改正案は、開発銀行の借り入れ及び債券発行の限度を自己資本の五倍から六倍に引き上げるという簡単な法律案です。しかし、私は、これを機会に、これまでなかなか質疑する機会がなかったのでありますが、いわゆる政策金融について開発銀行は非常に重要な役割りを演じているわけでありますから、この際、政策金融についてひとつ質問をしておきたいと思います。それで、大体三点ですがね、質問の要点は。一つは、金融再編成が進められてまいっておるのですが、金融再編成とこの政策金融との関係ですね。それから第二は、政策金融の実態が現在どういうふうになっているのか。第三番目は、政策金融と開発銀行との関係ですね。この三点にわたって質問いたしたいと思います。それで、きょうは、まず総論的なイントロダクション的な質問を特に政策金融の面に重点を置いて質問をし、各論の政策金融と開銀との関係については、次の機会に――次の機会といいましても来週ですね、残ったら来週質問いたします。
 そこで、まず、総論的な質問なんですけれども、金融制度調査会で金融再編成の問題を取り上げてこれまで再編成を進めてきているわけですが、これまでのところ、民間金融機関の再編成が中心だと思うんです。しかし、われわれは、民間の金融機関だけの再編成では金融再編成の趣旨からいきまして非常に不十分ではないかと思うんです。金融再編成が要請された理由は、内外の諸情勢が急激に変化してきておりますから、たとえば、全面的な国際化の問題とか、あるいは労働力不足も本格化してきている、あるいは過密過疎の進行と大都市の機能の障害、あるいはまた国際的な政治経済情勢の不安定、こうした内外の環境条件の変化のもとで、産業の再編成をやる必要に迫られる、あるいはまた低生産性部門の近代化の必要に迫られたり、あるいは社会開発とか地域開発の要請に対応して、安いそうして十分な安定資金を適時適所に円滑に供給する、そのための新しい金融制度の整備をする必要があるということから金融再編成が行なわれると私は理解しているわけです。そうなると、単に民間金融機関の再編成だけでは足りないのであって、資本市場それから政府系の金融機関にまで及ばなければ不十分であると思うのです。ところが、民間金融機関の再編成だけにとどまっているようなんですけれども、その点はどうなっておるのか、金融制度調査会等で私がいま申し上げたような議論は出なかったのか、単に民間金融機関の再編成だけでそれでとどまるということになっておるのか、その辺からまず伺っていきたいと思います。
#7
○政府委員(近藤道生君) ただいま御指摘のございました点、金融制度調査会の場及びその周辺において最も議論の多かったところでございまして、おっしゃいますように、国際化、労働力不足、過密過疎、大都市問題、国際的な経済の不安定、そういうものを乗り切りますためには、やはり民間金融機関だけではなしに、政府関係機関もともどもにできるだけ体質改善をいたしましてこれを乗り切ってまいらねばならないという基本認識はみな一致いたしておりまして、そこで、次の問題といたしましてまずとりあえず取り上げるべき問題は、民間がやや過保護の状態にあるのではなかろうか。そこで、まず民間金融機関を温室の中から出して冷たい風に当て、お互いの間の切磋琢磨、競争原理の導入、そういうことをいたしまして、それによって民間側の経営効率をよくしてまいるということが第一。それから引き続きまして、政府機関をどういうふうに検討いたしますかという段階において、現在までの論議の要約を申し上げますと、これはまだ中間的でまとまっておりませんので、たいへん歯切れの悪い申し上げ方で恐縮でございますが、いまのところでは政府関係機関について一つの議論は、たとえば開発銀行につきまして、法律の範囲内でできるだけただいま御指摘のありましたような点についての融資に中身を切りかえていく。社会開発、技術開発、そういう方面への融資にだんだん中身を切りかえる。いわば、新入生を活発に積極的に受け入れてまいる一方、当初重点を置いておりました四大基幹産業の中におきましても、時勢からいいましてもうあまり重点を置くべきでないというようなものにつきましては、卒業生といたしましてどんどんこれを片っ方において整理してまいるというようなやり方をしてまいれば、仰せのありましたような新情勢に弾力的に適応するやり方がかなりできるのではないかということと、もう一点の議論は、金融制度調査会という場は、大蔵大臣の諮問を受けていろいろとやります場でございますので、政府関係機関となりますと、金融制度調査会の手にはたして負えるかどうか、ややその手に余る分が出てくるのではあるまいか、その辺についての危惧、そういったようなことがいまいろいろと議論がございまして、はたしてこれを金融制度調査会でさらにお取り上げになるかどうか、その辺については、金融制度調査会御自身におきましても、あるいはまた私どもにおきましても、もう少し慎重に検討を要する問題ではあるまいかというふうに考えております次第でございます。
#8
○木村禧八郎君 金融制度調査会でまかなえるまかなえないということは別問題として、まかなえなくてもどこかでこの問題に取り組まなければならないでしょう。それはほうっておくわけにいかないですよ、どうしたって。これはあとでも伺いますが、政府関係の金融機関のウエートは非常にもう大きくなっていると思うんですね。ですから、そういう政府関係の金融機関とそれから民間金融機関との関係、あるいは資本市場との関係がありますけれども、その三位一体の有機的な関連においてサゼストしなければ、私は全く意味がないと思う。さっき申しましたようないろいろな内外の情勢に対応するのに非常に不十分ですし、全体の金融制度についても不十分だと思う。ですから、それじゃどこで扱うか。しかし、どこかでやらなければならない。それはどういう形でおやりになっていくものなんですかね。それともう一つは、民間の金融機関の再編成はこれで終わりなんですか。
#9
○政府委員(近藤道生君) まず、民間の金融機関のほうの問題でございますが、これのいきさつは、すでによく御承知のとおりに、金融制度調査会の第一分科会と第二分科会に分かれましていままで検討をしてきたわけでございます。そして、第一分科会、第二分科会ともにほとんど実質的な審議を終えまして、特別委員会に第一分科会、第二分科会の報告がなされまして、六月ごろには大蔵大臣に対する答申がある。それによりまして、預金保険制度の問題とか、普通銀行のあり方、長期信用銀行のあり方、貿易金融のあり方、そういったような問題についての一応の線が出てまいると存じます。そこで、出そろいましたところで、さらに欠けている部分をもう一度検討するかどうか、その答申を拝見した上で金融制度調査会とも御相談しながら考えてまいりたい。いまのところは、六月で一応いままでの総決算が出てまいるという形になっております。
#10
○木村禧八郎君 そうですが。長銀の問題は、これはどうなんですか、廃止論なんですか。長銀不要論というような方向なんですか。
#11
○政府委員(近藤道生君) これは金融制度調査会のほうでお取りまとめになりますことで、私どものほうでいまから申し上げるのはいかがかと存じますが、おそらくは廃止論というような形では出てまいらない。できるだけ効率化、体質改善、そういったことをやる方法があれば研究してまいる。大勢は、いまの状況のままというふうな形で出てまいるのではないかというふうに予想いたしております。
#12
○木村禧八郎君 預金者保護のほうの保険問題ですが、これはどうなんですか、具体化される可能性はあるんですか。
#13
○政府委員(近藤道生君) このほうの答申はすでに分科会における議論は終了いたしておりますが、分科会における議論の結果から見ますと、前向きに検討をする、預金保険制度は何らかの形で実現すべきであるという方向で答申が出てまいるのではないかというふうに感じられます。
#14
○木村禧八郎君 少しこまかい点に立ち入るようですが、保険制度についてぼくはどうも疑問があるんですがね。というのは、保険制度を導入しなければならぬというのは、その前に競争原理を導入するわけでしょう。そうして競争をさせるわけでしょう。そうすると、そこに、たとえば脱落する、あるいはつぶれる金融機関が出てくるかもしれない。そういうときの預金者保護のための保険ということなんでしょう。ですから、その前提に競争原理の導入というのがあるのですけれども、そこに一つ問題があるのじゃないかというように思うんですけれどもね。そこのところはどうなんですかね、何か非常に過当競争みたいにさせておいて、そしてつぶれるのが出てくるのを、片方で預金保険の形で保護する。何かぼくは金融資本の均衡のささえになっているということになるのじゃないかと思う。それで、弱小金融機関をつぶしていくのじゃないかと、こういう印象を私は持つのですが、その点はどうなんですか。
#15
○政府委員(近藤道生君) ただいま御指摘のとおりのことが最近たいへん議論になっておる点でございます。その点につきましては、私、妙なたとえを引きまして恐縮でございますが、金融行政の基本的な眼目というのは楕円の焦点のようなもので、二つあろうかと存じますが、片方の焦点は、経営の効率化、強いものをますます強くするという形。強いものをますます強くと申しますと語弊がございますが、体質を強くするということでございまして、もう一つの焦点は、社会性、公共性、つまり、もともと免許を受けてでき上がりました企業といたしましてやはり社会的、公共的にサービスをしなければいけない。その焦点の二つが、そのときどきによりまして、あるときは片方が強くクローズアップし、あるときはもう一つのほうがクローズアップするという形でまいっておりまして、ただいま御指摘のございましたように、一ころはどんどん競争をさせろという原理が強く世の中に言われ、また、実際にその方向が行なわれたということは、それまでいわゆる温室行政とかあるいは護送船団行政というようなことが言われまして、少し金融機関が過保護の状態ではないのか、これを引っぱり出してきて競争をさせて、端のほうはつぶれてもしかたがないのじゃないかというようなところまで極端な議論が行なわれて、それによって経営効率化という片方の焦点が非常に強く主張せられたわけでございますが、しかし、そのために、もう一つの焦点である社会性、公共性ということが忘れ去られては、これはまずいわけでございまして、この点は、御指摘のように、免許を受けてできた金融機関としての本来の姿からまいりまして、ばたばたとつぶれて弱肉強食というような形で金融再編成が行なわれるということになりますと、中小金融というような面において非常にいろいろ問題が生じてまいる。したがいまして、もう初めから競争原理の導入という場合に適正な競争原理の導入という「適正な」ということばがついておりましたのも、実はそういう意味であったわけでございますが、その辺についての配慮がとかく忘れ去られるというようなことではたいへんなことでございますので、その辺についても十分に配慮をしながら経営の効率化、体質の改善ということを進めてまいりたいというふうに考えております。
#16
○木村禧八郎君 そうすると、民間の金融機関の再編成は、先ほどお話しのように、六月ごろ答申があって、それでまあ大体一段落というふうにお考えになっているわけですか。
#17
○政府委員(近藤道生君) そのとおりでございます。
#18
○木村禧八郎君 そうすると、その次に、政府系の金融機関あるいは資本市場、そういうものの再編成に取り組むという段取りなんですか。
#19
○政府委員(近藤道生君) その点は、先ほども申し上げましたように、政府関係機関全体を検討いたします場といたしましてはたして金融制度調査会が適当であるかどうか、金融制度調査会で扱うといたしますれば政府金融機関のいかなる部分を扱うべきであろうかというようなことにつきまして、六月に一応民間関係が終了いたしました段階であらためて慎重に検討いたしたいというふうに考えております。
#20
○木村禧八郎君 資本市場なりあるいは政府系の金融機関ですね、そういうものの再編成の必要性は認めておられるのでしょう、民間金融機関の再編成とあわせて。それはお認めになっていらっしゃるのでしょう。
#21
○政府委員(近藤道生君) それはそのとおりでございます。
#22
○木村禧八郎君 その場はどうやっておつくりになるのですか。場は何かつくらなければいけないですね、それじゃ。
#23
○政府委員(近藤道生君) ですから、それを政府関係金融機関の問題全体として取り上げますとか、あるいは政府関係金融機関のうちのこれこれしかじかの問題についてあらためて金融制度調査会で御議論を願うとか、そういったようなやり方につきましてはもう少し検討をいたしませんと、ちょっとただいまの段階ではすぐに政府関係機関全体を金融制度調査会の場で取り扱うというふうにまだ議論が一致いたしておりませんので、その辺は検討いたしたいということと、もう一つは、さらに御指摘のように、たいへんに内外とも情勢が激変いたしておるわけでございますので、議論をいたしております間にもどんどん実態が変わってまいる。それに即応いたしますためには、たとえばいまの法律のもとにおきましても、たとえば開発銀行の融資ということをとりましても、どんどん中身を変化さしていくということによりまして実態に適応するような施策を並行して進めてまいりたい。片や、おっしゃいますような議論の場を何らかの形で研究いたしたいというふうに考えております。
#24
○木村禧八郎君 いままでずっと歴史的な経過があるから、そういう御答弁になると思うんですけれどもね。しかし、これからあとで質問してまいりますけれども、政府関係の金融機関は二十をこえていますよ。ずっと政策目的に応じて次から次からできているわけでしょう。いま振り返ってみますと、何というんですかね、目的別にできておりまして、その間の調整なり関連なりばらばらであるようなところもありますし、競合関係もありましょうし、ですから、この際、やはり金融再編成に手を染めて、これまで民間の金融機関だけやってきたんですけれども、総合的に金融市場も資本市場も含めた総点検をしまして抜本的な改正をやる必要がどうしてもあると思うんですよ。これは、一つ一つ見ますと、ずいぶん複雑になっている、たくさんあるわけですからね。そこで、金融制度調査会で扱うとすれば、特定な金融機関についてどうかというようなお話がありましたけれども、全体的総合的に金融制度調査会の場で取り扱うのはあまり問題が大き過ぎるのじゃないかという御意見があるようですけれども、それならそれで何か別の、金融制度調査会を越えるというのは変ですけれども、それ以上に広範な権限を持ち得る何か機関を設けるなり、何かそういう必要があるように思うんですよ。ですから、あまり金融制度調査会にとらわれないで、どうしても私はそういう必要があると思うんです。今度、開銀の問題を機会に、私は多少調べてみたんですよね、いわゆる政策金融というものについて。そうしたら、相当問題があると思うんですよ。これまであまり手をつけなかったと思うんですね。また、手をつけにくいんですよ、非常に複雑ですしね。しかし、どうしても国会としてはこの際これは取り上げないといけない。ちょうど開銀の借り入れ金の改正が問題になったこの機会にこの問題を取り上げて、そうしてもっと総合的な再編成を政府がやるように私は要請する必要があるのじゃないかというふうに考えているのですがね。その点、銀行局長は非常に慎重のようですけれども、必要性を認められているのですから、やっぱりもう少し積極的に考えなくちゃならぬのじゃないですか、資本市場も含めてですよ。ですから、金融制度調査会だけでなく、もっと広く、証券界にも呼びかけ、あるいはまた民間金融業者も中に入れ、そうして政府関係も入れてですね、とにかくここで総合的な再編成を考える、あるいはまた具体案を答申させるそういう機関が一つ必要ではないか。ただ必要性を認めているというだけじゃ済まない。もう六月に大体民間のほうの金融再編成が完了するとすれば、本来ならばこれは並行的にやらなければいけないものだと私は思うんですよ。民間のほうをまず最初にやる、それから今度は資本市場再編成、それから政府関係のほうの再編成というのじゃいけないと思うんですよ。ですから、民間の金融機関再編成は一応それで六月で一段落としても、その後の再編成の問題は、やはりもう一度民間の金融機関、資本市場、政府系の金融機関、三者を総合した再編成を考えなければいけない、そう思うんですが、それはいかがでしょう。
#25
○政府委員(近藤道生君) 御意見を十分に尊重して考えてまいりたいと思います。
#26
○木村禧八郎君 忘れるといけませんから、開発銀行の質問をするのに必要な資料をちょっと要求しておきます。開発銀行は「銀行その他の金融機関の貸付に係る開発資金の返済に必要な資金つまり返済資金――を貸し付け、若しくは返済資金を調達するために発行される社債で証券業者等が応募若しくは引受をすることが困難なものに応募し、又は銀行その他の金融機関の開発資金の貸付に係る債権の全部若しくは一部を譲り受けること。」と、こういう業務があるわけですね。で、開発銀行の融資残高は、この資料で見ますと、いま大体約二兆円ですかね。
#27
○参考人(石原周夫君) そんなにございません、一兆五千何百億でございます。今年度末で一兆六千をちょっとこすかと思います。
#28
○木村禧八郎君 そのうち、いま申し上げたようなそうした額がどのくらい占めておるかですね、貸し付け総額のうちですよ。それから市中銀行が貸してその肩がわりになっておる、あるいは社債の肩がわり、そういうものですね、どのくらい占めておるかを資料としていただきたいんですよ。
#29
○参考人(石原周夫君) 資料をつくり差し上げますが、ごく概略だけ申し上げておきますと、前段で申し上げましたいわゆるリファイナンスと申します肩がわり金融でございますか、これは十年近く前になりまするか、肥料工業の再建という問題がございまして、肥料工業に対しまするいわゆるリファイナンスをいたしたことがございます。閣議決定額が百六億だったかと思いますが、これが何年かにわたりまして融資をされまして、おおむねそれくらいの金額の融資をいたしたのでございますが、残高が幾らになっておりますか、取り調べまして申し上げます。それ以外にはございません。
 それから第二段におっしゃいました社債の応募引き受けの関係でございまするが、これは法文にはそういう機能がございまするけれども、実績としてはございません。
#30
○木村禧八郎君 じゃ、ついでに総裁に伺っておきますが、今後はどうなんですか。リフィイナンスし得るそういう規定になっているわけですが、しかし、今後、開銀の貸し付けの範囲は相当広範囲になっていくと思いますね、いまの情勢ですと。それから非常に急速にまた経済が変わってきますし、そこで、どうも、率直に申し上げまして、銀行の不良債権なんかをリファイナンスする危険が出てくるんじゃないか。あるいは、社債なんかでも、証券業者が引き受けることが困難なものを応募するわけでしょう。そういうことになると、不良的なものもぼくはしょい込む危険があるんじゃないかということを感じたわけですがね。そういう点なんですよ。
#31
○参考人(石原周夫君) 先ほど申し上げましたように、肥料工業のリファイナンスをいたしましたときは、御承知のように、硫安工業が非常にむずかしい時期でございまして、硫安輸出会社というようなものをつくりまして損失の共同処理をいたしたような次第でございます。そのときの対策の一環としてリファイナンスをやりました。私、実は銀行へ参ります前でございまするから、正確に承知をいたしておりませんが、そういうことであったかと思います。しかし、その後、御承知のように、硫安工業は相当立ち直っておりますものでございますから、リファイナンスいたしましたものがいま木村委員御指摘のような不良になっているというような話は聞いておりません。
 今後の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、非常に異例な事態に基づく措置でございましたので、現在のところ、そういうようなものが起こりそうだというふうには考えておりません。
 社債の応募引き受けにつきましても、現在、こういうようなことを考えたらどうだというようなことは、全然ございません。また、今後どうなるかということにつきましては、ちょっと私のお答えいたす範囲を越えるかと存じます。
#32
○木村禧八郎君 それでは、銀行局長も、民間金融機関の再編成に対する答申が六月ごろ出てきて、そしてそれが大体一段落つく、その後、民間金融機関、資本市場、政府系の金融機関の全金融機関の総合的再編成について前向きで考えてみたいと、そういう御答弁がありましたから、これはもっと積極的に取り組むことを要望いたしまして、この点についての質問はこの程度にしておきます。
 次に伺いたいんですが、これはあとで資料として出していただきたいんですが、大体これはわかり切っているようですけれども、一応伺っておきたいと思いますが、いま、政府金融機関と称されるものは幾つぐらいありますか。
#33
○政府委員(近藤道生君) いわゆる正式の政府金融機関と申しますか、それは十二ございまして、まず、二銀行、九公庫、一金庫でございます。それからそのほかに、融資業務を行なっております政府系の法人、これが二十七ございます。
#34
○木村禧八郎君 それはどことどこか、ちょっと言ってくれませんか、名前を。それで簡単にコメントしてもらいたいんです、何のためというその政策目的です。この金融機関はこういう金融のためにあるとかいうことをね。
#35
○政府委員(近藤道生君) ただいま二十七と申し上げましたが、たいへん失礼申し上げました。二十七は、十二を含めての数でございます。
 そこで、まず、銀行といたしまして、日本輸出入銀行と日本開発銀行がございます。これは輸出入関係の輸出入銀行であり、また、開発銀行は、これはそのときどきによって使命が変わってまいっておりますが、大体におきまして、だんだんと社会開発、技術開発というような方面に重点を移しつつある機関でございます。これがプロパーの銀行でございます。
 それから公庫といたしましては、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫でございまして、まあおおむねその名前どおりの機能を営んでおると申し上げてよろしいかと存じます。
 それから金庫といたしましては、商工組合中央金庫、これは組合金融の中央機関としてあるわけでございます。それから基金といたしましては、海外経済協力基金というものがございます。これは、日本輸出入銀行と並びまして海外経済関係のことをやっておるわけでございます。
 それから事業団といたしましては、石炭鉱業合理化事業団、雇用促進事業団、年金福祉事業団、産炭地域振興事業団、金属鉱物採鉱促進事業団、石炭鉱害事業団、海外移住事業団、公害防止事業団、中小企業振興事業団の九つがございます。いずれも、この名前に関しますることにつきましての融資業務を行なっております。
 公団といたしましては二つございまして、船舶整備公団と石油開発公団、いずれも融資業務を行なっております。
 それからいわゆる会という名のつきますものが二つございまして、私立学校振興会それから社会福祉事業振興会、いずれも私立学校及び社会福祉に関しまして一部金融活動も行なっております。
 それから会社という名前のつきますものが一つございます。これが東北開発株式会社でございまして、御承知のように、東北開発関係のことにつきまして、やはり融資業務を行なっております。
 以上、合わせまして二十七の機関が政府系の金融機関と称せられるものでございますす。
#36
○木村禧八郎君 いま御説明の政府系金融機関の、設立の年度、融資額、融資現在高、それと、できたらおもな役員ですね、その三つを資料として提出いただきたいのですが、よろしゅうございますか。
#37
○政府委員(近藤道生君) 提出さしていただきます。
#38
○木村禧八郎君 いま御説明を受けましたように、そのときどきの経済情勢と政策的必要に応じまして、非常にたくさんの政府系金融機関が設立されてきていることはよくわかったわけですが、非常に特殊化されておりますし、また、細分化されてきているんですね。その間に非常に業務内容の重複というものが見られるように思うのです。これはあとでまた具体的に伺いたいと思いますが、この設立の過程でいろんな問題があったわけですね。国民金融公庫でまかなえると思われるものが環衛公庫になってみたり、あるいは医療公庫になってみたり、いろいろ歴史的経過があったわけでありますけれども、いま伺っていますと、何かやはりこの際再検討が必要ではないかということが痛感されるわけなんですよ。ほかにまだいろいろな問題がありますけれども、たとえば輸出入銀行と海外経済協力基金との関係も、何かそこにダブっているような感じもいたしますし、そういう点についてはあとで質問いたしますが、いまの政府系金融機関の数と種類を伺っただけでも、非常に複雑になってきてしまっているので、再検討の必要ということが痛感されます。
 そこで、次に伺いたいのは、全金融機関の貸し出し残高に占める政府系金融機関のウエートですね、どのくらいのウエートを持っているのか、伺いたいと思います。
#39
○政府委員(近藤道生君) 全金融機関に占めます政府系金融機関の融資比率は、ときによって若干の変化はございますが、大体一割、一〇%程度として動いておりまして、昭和三十二年、三年ごろは一二%余りぐらいでございましたが、その後三十八、九、四十年ごろ少し落ちまして一〇%そこそこという数字でございましたが、最近においてはまた一〇%強、四十四年十二月末で申しますと一一・六%という数字に相なっております。
#40
○木村禧八郎君 それと、設備資金のウエートはどの程度なんですか。
#41
○政府委員(近藤道生君) 設備資金の場合におきましては、大体二割という水準でございます、全金融機関中に占めまする政府系機関の設備投資の比率は。
#42
○木村禧八郎君 少し少ないですね。一時四〇%くらいと言われておったんですが、二割ぐらいですか。
#43
○政府委員(近藤道生君) ちょっと私四割という記憶がございませんが、よく調べまして御答弁いたします。
#44
○木村禧八郎君 それは後ほど資料として出していただきたいですね。全金融機関の貸し出し残高に占める政府系金融機関の貸し出し残高ですね、先ほどお話しになりました比率だけでなく、金額も含め、それから設備資金についても数字的に資料として出していただきたいと思います。
#45
○政府委員(近藤道生君) ただいまのことは、資料として提出さしていただきます。
 なお、先ほど申し上げました四十四年十二月末だけにつきまして金額を申し上げますと、総貸し出し六十五兆九千百二十億円に対しまして、政府系金融機関が七兆六千六百七十九億円、それで比率が一一・六%ということに相なっております。
#46
○木村禧八郎君 わかりました。いまの御説明でも、相当大きいウエートを持っていますね。ことに、設備資金につきましてはね。二〇%を占めているというのは相当大きいですね。ですから、これをもってみても、やはり金融再編成を考えるときには政府系金融機関のほうも総合して考えなければいけないということをますます痛感されるわけなんです。
 そこで、この政府系の金融機関の問題点につきまして、金融制度調査会あたりで問題にならなかったか。あるいは、民間の金融機関なりその他で、こういう点が問題がある、こういう点を今後改善しなくちゃならぬと、こういう点がいろいろ指摘されていると思うんです、あるいは学者、あるいは評論家ですね。いろいろな資料にも部分的に出ているようなんですね。私も部分的に見ておるんですけれども、しかし、大蔵省銀行局としては、総合的にいろいろお調べになっているのじゃないかと思うんです。こうこうこういう点が問題になっているという点ですね、お気づきになっていたら、述べていただきたいと思います。
#47
○政府委員(近藤道生君) 金融制度調査会の場では、政府関係機関につきましては、従来のところは全く話が出ておりません。ただ、その周辺におきましていろいろ議論が出ましたのは、御指摘のとおりでございます。そして、それらの議論のおもなるものは、先ほど仰せのございましたように、それぞれの分野の問題、あるいは数の問題、そういったような問題がいろいろと議論が出ておったわけでございますが、正式の調査会の場においては全くそういう議論は出ておりません。
#48
○木村禧八郎君 政府系の金融機関と民間金融機関との関係ですね、これについてはどうなんですか。民間金融機関のほうは競争原理をどんどん導入している。ところが、政府系金融機関のほうはどうなんですか、今後競争原理を導入していくんですか。
#49
○政府委員(近藤道生君) 政府系機関の場合におきましては、原則といたしまして民間金融機関の補完という立場に御承知のように立っております。まあ場合によっては奨励ということばを使っておる場合もございますが、大体の法律はほとんどみな補完し奨励するという立場でできておりますので、民間金融機関に大いに競争原理を働かせてもらって効率よく働いてもらって、そこの足らざる部分を政府系機関が補うというたてまえであろうかと存じます。
#50
○木村禧八郎君 それは私も聞いておりますが、しかも、その補完も、従来は量的補完をしたこともありますね、資金運用部――預金部時代ですかな。しかし、最近では、政府系金融機関がたとえば公募債に応募したり、逆に政府系金融機関がむしろ量的補完をしてもらわなければならないような立場になっていると思うのですけれども、問題は質的補完でしょう。その質的補完の場合、政府系の金融機関の融資というものの原資を考えますと、これは政府系金融機関の目的、使命からいってなるべく長期低利の貸し付けをしなければなりませんから、なるべく安い原資を必要とするわけですね。そうしますと、政府資金、税金でまかなう部分も相当あると思うんですね。その点は、補助金的な性格を持っていると思うんです。あるいはまた、租税特別措置による減免税的なそういう作用もあると思うんですよ。そういう意味で、政府系金融機関については、われわれは、予算に対すると同じように、国会の監視なりというものが非常に重要だと思うんですよ。普通の民間金融機関と原資自体が違いますから。もちろん、輸出の金融機関と似た原資もありますね、公募によっている資金を加えます場合は。民間の金融市場から資金を調達するのですから、そういう民間資金も入っておりますね。おりますが、しかし、税金的な補助金的なものですから、その点ではやはり国会の監視が必要だと思うんですよ。それについては、先ほどお述べになった政府系金融機関のうち、その予算なり運営なりにつきまして国会の承認を必要とするものとしないものをちょっと区別して述べていただきたい。
#51
○政府委員(近藤道生君) 先ほど申し上げました二十七の政府系金融機関につきましては、すべて収支予算につきまして国会の御審議をお願い申し上げておるわけでございます。はずれておりますのは、先ほど申し上げませんでしたたとえば農林中央金庫というようなものは、これは出資も何もございませんので、国会の御審議をお願いいたしておりませんが、先ほど申し上げました二十七の政府系金融機関につきましては、その収支予算につきましてすべて国会の御審議をお願い申し上げております。
#52
○木村禧八郎君 国会の審議はされますが、その国会に出す予算ですか、そういうものは、損益計算だけ出して承認を求めるのですか。
#53
○政府委員(近藤道生君) そのとおりでございます。――先ほど申し上げましたうちで、たいへん失礼を申し上げまして、二十七のうちの銀行、公庫以外のものにつきましては、収支予算を御審議をお願いしておりませんようでございます。たいへん失礼いたしました。
#54
○木村禧八郎君 そうしますと、事業団とか会社とか、銀行、公庫以外のものは承認必要ないと、そういうわけですね。
#55
○政府委員(近藤道生君) そのとおりでございます。
#56
○木村禧八郎君 そこが一つ問題ですね。やはりその原資からいって、原資が補助金的のものであり、租税特別措置による減免税的な性質を持っているのですから、これは国会の承認を必要とするのじゃないか。それから損益計算だけ出してくるんだと。国会の承認を求めるというのに、一体、損益だけでいいのかどうかですね、それも私は疑問に思うんです。たとえば外為あたりは、損益計算書を出しますが、あれは貸借対照表も出すんですか。
#57
○政府委員(近藤道生君) 提出いたしております。
#58
○木村禧八郎君 出ていますね。事業会計ですと、まあその収支勘定を一々出すことはたいへんかもしれませんからね。だけれど、損益計算だけ出されたのでは、十分な国会での監視はできないのじゃないかと思うんですが、これは会計検査院なんかのやっぱり検査を受けるわけですね。
#59
○政府委員(船後正道君) 当然、会計検査院の検査の対象となるわけでございます。
#60
○木村禧八郎君 私はどうもやはり収支計算も出す必要があるのじゃないかと思うんですけれども、この点は問題になったことはないですか。
#61
○政府委員(船後正道君) 現在、いわゆる政府関係機関、広義の政府関係機関でございますが、そのうち国会に収支予算を提出しておりますのが、先ほど来銀行局長が申しておりますとおり、銀行、公庫であります。その他公団、事業団につきましては、直接に国会の御承認を得るということにいたしておりません。この点につきましては、もちろん種々問題の存するところであろうと思いますけれども、本来こういった公団、事業団等が設置されております目的、またその運営の目的等が、かなり機動的、弾力的に対処しなければならないといったような面もございますので、従来、このような公団、事業団につきましては、参考書類といたしまして財政法二十八条の添附書類にその活動の概要を添付いたしまして国会の御審議の参考に供するというような手続をとっている次第でございます。
#62
○木村禧八郎君 これは一つの問題であると思うのですが、懸案にしておきましょう、これは。
 それからもう一つ、政府系金融機関の問題点として指摘されているのは、銀行局長も御存じと思うのですけれども、出資金の増額によって政府系金融機関の資金コストを安くしていく、そうして貸し付け金利の低下をはかるより、むしろ利子補給のほうをとったほうが、金融ルールを乱さないし、それから会計にとっても、もらう部分と、通常の借り手として元利返済に備えなきゃならぬ借金とは区別されるから、金融的手段方法を用いる政策的金融の特色長所が生かされるんじゃないかと、これはまあ鈴木武雄氏なんですが、こういう指摘をされているんですが、こういう点はどうなんです。
#63
○政府委員(近藤道生君) 確かにそのような面もあろうかと存じますが、一方におきまして、利子補給という方式は、いつの間にか財政硬直化の原因になるというような面もございますので、その両方を勘案して個々の場合に検討される問題であろうかと存じます。
#64
○木村禧八郎君 それから政府系金融機関の資金の効率的運用といいますか、まあ民間金融機関は再編成で競争原理を導入して合理化を非常に促進さしているようです、それはまあいろいろ問題がありますけどね。過当競争的な、景品をつけて預金を獲得したり、虎の門金利というのがあったり、いろいろ問題があると思うんですけどね。それにしても、政府系金融機関のほうは、民間金融機関と違って、競争原理を導入しないんですから、そこが親方日の丸的な運営になる可能性が非常にあると思うんですよ。政府からその資金を調達できる。それで、国会で通ってしまえば、今度は六倍に借り入れ金ができるでしょう。こんな安易な方法はないですよね。民間の金融機関だったらたいへんでしょう、預金を獲得したり、競争がありますしね。そういう点、さっき二十幾つあったこれだけの政府系金融機関の効率的運営というものがはたしてなされているのかいないのか。また、その点検というものは相当必要じゃないかと思うんですよ。中にはずいぶんルーズなのがあるんじゃないか――知りませんがね、二十七もあるんですから。われわれ、これから一つ一つ洗って検討するぐらいしていかなきゃいけないと思っておりますが、相当問題があるんじゃないかと思います。そういう点をどう考えておりますか。
#65
○政府委員(近藤道生君) ただいま御指摘のとおりでございまして、その点につきましての政府関係金融機関の運営につきましては、絶えずそれぞれの機関におきまして効率性を失わないようにみずから反省もし、また、運営につとめてまいらなければならないというふうに考えております。政府系の機関というものが、そもそも民間金融機関の補完作用ということでそれぞれの特殊の目的をもって生まれてまいりました以上、民間金融の刻々の動きというものを絶えず正確につかまえまして、それを補完するにそのときの政府系機関としてはどういう点に力点を置くべきか、そういうことを絶えず意識して、常に流動的な運営体制、弾力的な運用の体制、そういうものを考えてまいらなければならない。また、政府といたしましても、そういう運用が行なわれるように絶えず見守ってまいる、監視をしてまいるということが必要であろうかと存じます。
#66
○木村禧八郎君 もう一つ、政府系金融機関の問題になるのは、政治的介入、また政府の介入です。農林漁業金融公庫ですか、いろいろ問題がありますが、この点はどうですか。あまりこまかく業務の内容に立ち至って関与するようなことになると、いろいろ弊害が出てくるとも思われますね。ですから、いわゆる大局をきめたら、あまりこまかいことまで介入すると、そこで、不正融資の問題とか、政治的介入とか、汚職の問題とか、いろいろ起こる可能性も出てくるのじゃないかと思うんですね。そういう点について伺いたい。
#67
○政府委員(近藤道生君) ただいま御指摘のような心配もございますので、政府系機関につきましては、個々の融資につきましてはタッチをしないということで、できるだけ包括的な監視、監督、そういうことにとどめていくというたてまえをとっております。
#68
○木村禧八郎君 よく問題が起こるのは農林漁業金融公庫ですけれども、そのほかにもいろいろ調べていったらそういう問題があるかもしれませんけれども、そういう点については、普通の金融機関と違うのですから、これは厳正に監督をしていかなければならぬと思います。
 それからこれはさっきも触れたんですけれども、あんまり業務の分野が専門化し過ぎていないか、この点はどうなんですか。
#69
○政府委員(近藤道生君) この点につきましては、いろいろと考え方が分かれるかと存じます。非常に専門化し過ぎているのでもう少し包括的な機関であったらどうかという御意見も一方においてあるわけでございますが、片方におきましては、最初におっしゃいましたように、最近の国民生活の非常な複雑性、ことに都市を中心といたしましての国民生活の態様が激変をいたしてまいりましたようないまの状況におきましては、相当きめのこまかいそれぞれの分野における金融活動というものが民間にはとても手に負えない部分としてどうしても残ってまいる。そういうものにつきまして、やはりかなりこまかな分業体制をしいていくということが必要ではなかろうかという意見がいまのところ多いかと存じます。ただ、その相互間の分野調整というものがその場合には非常に大事なことになるわけでございます。この点は特に留意をいたしておるところでございます。
#70
○木村禧八郎君 それから次に、これは今日まで各方面に指摘されてきておるのですが、開銀の地域金融と北海道東北開発公庫、それから中小企業金融公庫と国民金融公庫、それから医療金融公庫とさっき申しました環境衛生金融公庫、それから輸銀と経済協力基金、これはどうなんですか、今後調整統合する必要があるのではないかと、こう思うのですが、その点はいかがですか。
#71
○政府委員(近藤道生君) それらの問題についていろいろと議論のあることは確かでございます。ただ、たとえば開銀と北東公庫の一元化という問題を例にとって申し上げますと、これはもう御承知のように、最初に北海道から始まりまして東北地方ということで北東公庫が先にございまして、そのあとでそのほかの地域をカバーするために開銀の地域開発の制度が行なわれたわけでございまして、結果においてほとんど同じようなことをやってはいるわけではございますが、やはりいきさつからまいりましてそういう順序で出てきておりまして、特に北海道東北というようなところは気象条件においてもその他の地域とは異なるというようなことでいままでやってまいっておりますので、いろいろの議論はございますが、ただいまそれなりの機能を果たしておるというふうに考えておる次第でございます。
#72
○木村禧八郎君 そうすると、現状でよろしいというのですか。とれにはいろいろ歴史的な経過がありますけれども、しかし、それにしても、この際政府系金融機関について総点検をして新しい情勢に沿うようにここで再編成する必要があるというときに、一番問題になるのは、どこからでもすぐ指摘されるのは、さっき申し上げた点ですよ。東北開発公庫と開銀の地域金融の競合の問題、これはずいぶん前から問題になっていたのですが、できる過程からいって、国民金融公庫と医療金融公庫それから環衛公庫ですね、これは、いまのお話ですと、このままでよろしいということになると、何らここで新情勢に適合した再編成が必要じゃないということになってきますね。そうなんですか。各方面でいつでも再編成が問題になるときに指摘されるわけですよね。ことに、政府系金融機関としては、今後、これまでの景気調整機能よりもむしろ資源の配分機能をもっと重視していけという意見が非常に強く出てきているわけですよ。そういう場合に、いま問題になっているような点は、やはり調整あるいは統合する必要があるんじゃないでしょうか。
#73
○政府委員(近藤道生君) お示しのとおりで、政府系機関相互間のみならず、先ほどおっしゃいました民間機関がどういう形になっていくか、その辺をあわせ勘案いたしながら、絶えず点検してまいる、そしてもし必要な場合には直ちに改正を行なうということがきわめて大切なことであろうかと存じておる次第であります。
#74
○木村禧八郎君 こういうように非常に業務が多様化し、あるいは重複しているということになると、また、その背後に各省が控えているわけで、各省のセクショナリズムがそこに影響するとか、それからまた、金融の効率化の面からいっても非常にマイナスになる、そういう点があるわけですから、この点は今後やっぱり再検討する必要があるのじゃないかと思うのですね。またいずれ正式に総合的な金融再編成の問題が日程にのぼされるようですが、こういう問題もやはり爼上にのぼせて具体的解決をはかるようにすべきじゃないかと思うのですがね。どうも、いままでの御答弁を伺っていると、問題意識としてはあまり深刻に考えていないのかもしれません。それで前向きな御答弁が出てこないのかもしれませんが、とにかくここでどのくらいの時間質問いたしましたか、この質問がむだにならぬためには、ただ一つでいいわけですよ、やっぱり政府系金融機関については総点検をして再検討しなければならぬ、そういうことを痛切に感じられれば、それで私の質問の意味はあると思うんですが、その点を伺っておきたいと思います。
#75
○政府委員(近藤道生君) その点につきましては、先ほど来たいへん有益な御意見を拝聴いたしたと思っております。そういう方向で真剣に考えてまいりたいと思っております。
#76
○木村禧八郎君 それから、これは最後になりますが、民間の金融機関の再編成の中で、長短金融ですね、これのかきねを取りはずすのか取りはずさないのか、これはいまどういうふうな方向に向いているのか。もし長短のかきねを取りはずすということになると、政府金融機関と民間金融機関との関係についてあらためてまた再検討しなければならぬということになるわけですね。この長短のかきねの問題はどうなんですか。
#77
○政府委員(近藤道生君) 民間の長短金融の問題につきましては、金融制度調査会で最も中心的な議題の一つとして議論をされたところでございまして、その総まとめが近く行なわれ、分科会の総まとめも近く行なわれ、それが委員会に提出されますのがおそらく先ほど申し上げましたように六月ごろになろうかと存じます。したがいまして、まだ最終結論には接しておりませんが、いままでの議論の要約を私なりにいたしてみますと、長と短との間にあるいは中というような概念ぐらいを入れてまいりたいというような感じの御意見が一つあったように思います。それからもう一つは、そういう分け方をいたします場合に、ただいま存在いたしております民間のたとえば長期の専門金融機関、そういうものの存立の根幹を危うくするような改正というものは避けてまいりたいというようなことがおそらくは一つの有力な御意見として述べられるのではなかろうか。なるたけ長短の間のかきねは低くいたしまして、あるいはその間に中期というような概念が入ってまいるかもしれませんが、相互の間の乗り入れのような形のものはできるだけ前向きに考えていきたい。しかし、そのために専門金融機関の存立の根幹が危うくされるようなことはないようにといったような方向で御議論がまとまって答申が出てまいるのではなかろうかというふうに私なりには感じております。
#78
○木村禧八郎君 そうしますと、一挙に長短の金融のかきねを取りはずさない、中期的な金融というものが考えられているようですけれども、かきねをだんだん低くしていくとなると、結局、民間の長期金融機関と政府系の金融機関との競合がどうしてもそこに出てくるのですね。そこが一つの今後の問題になると思うのですが、この点はどういうふうに考えていますか。
#79
○政府委員(近藤道生君) その場合に、たとえば、長期の金融機関と、同じく長期の資金を扱います政府系の機関でございます開発銀行との間の業務分野といったようなことが一つの問題点として浮かんでこようかと存じますが、ただ、政府系機関の場合は、あくまでも民間金融機関の補完奨励ということでございますので、民間の長期の金融機関がいよいよ専門的に長期化してまいる、そういう場合におきましても、それでもなおかつ手の届かないような長期安定的な設備資金、そういうものの需要は、最近の社会経済情勢の変遷から申しますと、ますますたくさん出てまいろうかと存じますので、民間金融機関がそれぞれのかきねを低くいたしましていろいろお互いに競争原理に基づく競争をやって十二分の活動をいたしましてなおかつ手に余る部分、たとえば長期安定資金、そういうものの必要性というものは、今後とも、むしろ増大こそすれ減少することはないのではないか。そういうところは、たとえば開発銀行が出てまいるとかいうような形で、その間の分野の調整はできる。言いかえれば、補完奨励金融というものの分野は決して減ってはまいらないのではないかというふうに考えております。
#80
○木村禧八郎君 イントロダクションの質問は大体この程度です。あと、各論、開銀そのものについての質問は、次回にいたしたいと思います。
#81
○参考人(石原周夫君) 先ほど木村委員からお尋ねのございました返済資金の貸し付けの分でございます。三十七年度硫安関係で百三億、四十四年三月末現在で残が八十七億、〇・五、六%に相なります。四十四年三月に一兆五千億になるかならないかですから、〇・五%ぐらいになると思います。
#82
○木村禧八郎君 これは肥料……。
#83
○参考人(石原周夫君) 肥料――硫安の関係です。
 なお、それ以外に、二十年代に一、二ケースがあったような形がちょっとございますが、だいぶ古いことでございますので、調べまして、ほんとうの返済資金の形になっておるかどうか調べました上で、ございましたら申し上げます。いま申し上げましたのは、百三億で、残高が八十七億、こういうことでございます。
#84
○上林繁次郎君 途中から参りましたので、木村先生の質問とダブる点があるかもしませんけれども、ひとつ御容赦願いたいと思います。
 今回の改正ですが、大体二年おきくらいにこれは改正されておるわけです。このことにつきまして、絶えずそうやって変えていかなければならない、非常に繁雑、わずらわしいという感じがするのですが、こういったことに対する長期展望といいますか、そういった点について御明願いた説い。
#85
○政府委員(近藤道生君) ただいまの御指摘の点は、衆議院の大蔵委員会におきましてもたいへん激しく御指摘のございました点でありまして、その日暮らしではないか、二年に一度ぐらいずつ一倍ずつの拡張ということでは、開発銀行の持っている重要な使命から見てたいへんに少ない改正に過ぎるのではないか、もう少し思い切ってたとえば十倍とか二十倍とかいうような感じの法律改正を一挙にやっておくということのほうが開発銀行本来の使命から見て必要なことではないかというような御指摘がたびたびございまして、私どもといたしましても、その点につきましては、たとえば、十倍がいいのか、二十倍がいいのか、そういう点は定説のないところでございますが、次の改正に際しましてはそのような御指摘を十二分に参考にいたしまして考えてまいりたいという御答弁を申し上げた次第でございます。
#86
○上林繁次郎君 今回、輸出金利が引き上げられますね。そこで、開銀の場合も、特に特利に関する金利でございますね、これに対する再検討が必要じゃないかという感じがするのですが、この点はどうでしょうか。
#87
○政府委員(近藤道生君) 特利の金利につきましては、本来政策的な目的できめられておりますものでございますので、そのときどきの情勢に応じてやはり絶えず研究され、また改正をされていかなければならないというふうに感じております。輸出金利の場合には、たまたまただいままでの外貨の状況その他諸般の情勢から見まして改正が行なわれたわけでございますが、それとは別に開発銀行の特利の金利につきましてもそのときどきの情勢に応じて考慮してまいるということが必要であろうかと存じますが、ただ、当面、そういうような改正は、ただいまのところは考えておりません。
#88
○上林繁次郎君 といいますと、将来はやはりその点は実現していかなければならぬと、こういうようにお考えになっているわけですね。
#89
○政府委員(近藤道生君) ただいま申し上げましたのは当面だけの問題でございまして、長い目で見ますればそれぞれの特利につきまして絶えず改正が行なわれるということがほんとうの姿であろうかと存じます。
#90
○上林繁次郎君 次の質問にいきますけれども、資本金を何段階かに分けまして、借り入れ希望の企業数、貸し付けの実数といいますか、そういった内容をひとつお知らせ願いたいと思います。
#91
○参考人(石原周夫君) 残高ベースでお答えをいたしますると、金額で八五%が十億円以上、一五%が十億円未満ということに相なるわけであります。いま申し上げましたのは残高のベースでございまするので、これを貸し付けのベースで申し上げますると、四十三年度でございまするが、七七%が十億円以上、二三%が十億円末満ということに相なります。
#92
○上林繁次郎君 資料によりますと、資本金百億円未満の企業への貸し付けは、全体額の二・六%しかないわけです。この貸し付けの方法は、これは制限をしておるということなのか、あるいはまた、中小企業の借り入れ希望者というものはないのか、こういった点ですね、この点についてひとつ……。
#93
○政府委員(近藤道生君) 中小公庫のほうでただいま仰せになりましたような企業につきましてはほとんどカバーいたしておりますので、開発銀行といたしましてはそれ以外のものということに相なっております。
#94
○上林繁次郎君 先ほど木村先生のほうから質問がありましたけれども、北東公庫の問題ですね。先ほどの話を聞いておりますと、いままでのいきさつ上といいますか、そういうようなことでこれを一緒にするということはできない、こういうような感じがいたしたのですが、そういうことでなくて、現実的にあったほうがいいのか、あるいは一緒にしちゃったほうがいいのかという問題、その点はどういうふうなお考えを持っていますか。
#95
○政府委員(近藤道生君) その点につきましても、実は、北海道、東北というのは、気象条件等につきまして日本のその他の地域に比べましてかなり特殊な地域でもございますので、たまたま沿革的にも別の機関がやっておるということもございますし、それぞれの地域に対して担当者のなれの度合いも違うというような問題もございますので、ただいまのところでは、両方の見地から、当分いまの状況のほうがいいのではないかというふうに考えております。
#96
○上林繁次郎君 大企業に対する貸し付けの多い海運あるいは電力、この金利は六・五%というように低くなっております。それで、比較的中小企業向けの貸し付けというのは、七・七%あるいは七%、こういうふうに高くなっておるわけです。先ほどもちょっとお伺いしたわけですけれども、経済の発展等いろいろな条件を考えたときに、こういった金利の問題も全般的に洗い直すという考え方が必要じゃないか、こういうような感じがするわけなんですけれども、この点はどういうふうにお考えになりますか。
#97
○参考人(石原周夫君) おっしゃいますように、電力、海運というようなものにつきましては、非常に強い政策的要請がございまして六分五厘という融資をいたしておるわけでございます。ただ、電力について申し上げますれば、最初は水力あるいは一般の火力も考えておった時期もございまして、当該融資の電力だけで四割を占めるという事態が昔はございました。ただ、最近は、それを非常にしぼりまして、原子力でありますとか、あるいは石炭火力でございますとか、そういうような非常に特殊なものにつきましてだけ融資をいたしております。これは非常に特殊な政策目的を持ったものでございますので、引き続き六分五厘という融資をいたしておるわけでございます。海運のほうも、御承知のように、再建整備の時期がまいりまして、これは利子補給もつけてやってきておるわけでございます。ただ、四十四年度から融資の割合も落としまして、自己資金でまかなっていただく割合をふやしております。と同時に、償還期限も短縮をするというようなこともいたしまして、六分五厘は持続いたしておりますけれども、いずれもその内容におきまして事態の発展に応じました改正をいたしておるわけであります。と同時に、また、最近におきましては、流通関係でありますとか、あるいは社会開発の関係でありますとか、あるいは技術開発の関係でありますとか、そういう現在の新しい事態におきまする政策要請の強いものにつきましてはこれまた特利を出すということをやっております。先ほど銀行局長からお答えがございましたように、特利を出しておりますのはいまのように対象をしぼりましたものがございますけれども、たとえば、従前でも、延べ払いというような電力の大きな単位の発電機、これを国産化する必要がございまして、これはよほど前から六分五厘という融資をいたしておりましたけれども、これは昨年から切りかえをいたしまして、現在は七分五厘に引き上げをいたしておるようなわけでございまして、そういうふうに、対象をしぼるとか、あるいは特利そのものも日本の時勢の進展に応じて直すというようなことをやってきておりまするので、いま上林委員のお尋ねになりましたような大企業にどうだとか中小企業だからどうだと申しますよりは、政策目的の強度あるいは融資対象事業の収支というようなものをにらみまして特利をつけているような次第であります。
#98
○上林繁次郎君 開発銀行が設立されて以来、海運事業に対する貸し付けば非常に大きなものがあるわけですね。こういうふうになってきますと、新規のプロジェクトに対する資金というものが限られてくるのじゃないか、こういうような感じがするわけです。そこで、新規のプロジェクトへの資金の円滑化といいますか、そういったことを考えたときに、海運事業に対する融資の問題は根本的に考え直していかなきゃならない問題じゃないか、こんなような感じもするわけですが、この点についてはどういうようなお考えですか。
#99
○参考人(石原周夫君) 海運企業は、先ほど申し上げましたように、海運整備法に基づきまする整備計画が進行いたしておるわけであります。ただ、四十四年度に至りまして一応再建のある程度達成をせられた部分があるものでございまするから、したがいまして、先ほども申し上げましたように、融資を受ける割合を下げる、あるいは償還期限を短くするというようなことをやったわけでございまするが、同時に、また、御承知のように、大きな貿易の伸長に伴いまする船腹量の需要が非常に増大をいたしておるわけであります。御指摘のように相当な船腹の拡充をはかってまいったわけでありまするが、積み取り比率という点になりますると、あまり改善をいたしていないような状態であります。今後におきましても、引き続き、コンテナといわれる新しい輸送手段も出てまいったことでございまするし、同時に、また、現在の「経済社会発展計画」そのものを御承知のように修正しなきゃならないというような状態にございまするので、今後におきましてこれから必要といたしまする船腹量の増強の問題、それから海運企業の実態というもの、両方にらみ合わせて、どういうような助成と申しまするか財政資金による援助をいたしてまいるか、これは検討の点であろうと思います。
 なお、これは衆議院でもお尋ねがありまして申し上げたのでありまするが、海運企業は、やや配当会社もできまして、再建がだいぶ進展をいたしておるわけでございまするので、一例を申しますると、自己資本比率におきましても、一般の企業におきましては非常に低い低いということをいわれておるわけでありまするが、二割一分、まあ二割そこそこぐらいの数字になっておるわけであります。それに対しまして、海運企業は、現在まだ二二%というような非常に低い数字でございます。これは、国際競争の熾烈な、まあ裸で競争するようなところでもございまするので、そこら辺も考えまして政策当局で十分御検討を願うことだと考えます。
#100
○上林繁次郎君 わかりました。今後、いまお話があったように、海運業というのは、もっともっと発展していくであろうというふうに考えられます。そこで、私がお尋ねしているのは――私は海運業に多くを融資してはならないという、こういう前提ではないんですが、開銀が始まって以来、非常に密接な関係を持っているわけですけれども、海運企業が融資を受けているその占める率が非常に大きい。それがいわゆる新規プロジェクトに対する圧迫にならないか、何もそれに影響ないかと、こういうことをお尋ねしているわけです。
#101
○参考人(石原周夫君) 御指摘のように、海運業の日本開発銀行の融資に対しまする割合は、総額に対する割合は非常に高うございます。再建整備計画ができまして、四十年あたりは四割をこえるような比率でございます。ただ、最近におきましては、ここ数年、大体九百億内外の金額でおおむね横ばいでございます。ごくわずかふえておりまするけれども、大体その金額の割合が続いておりますので、シェアと申しますか、全融資に対しまする割合は、四十一年度に三七%でございましたが、これを四十五年度には三〇%にするということでやっておりまして、比率は逐次低下をいたしておるような状態でございます。三割と申しましても、しかしまだ依然として高い率でございまするから、大きな割合を占めていることは確かでございまするけれども、割合は近年逐次低下をしてきておると、こういう状況でございます。
#102
○成瀬幡治君 関連して。開銀が貸しておるのは三七%で、民間からも受けておられると思いますが、民間残とはどんな関係になっておるのですか。
#103
○参考人(石原周夫君) ちょっとこの席で資料を持っておりませんので、至急資料ができましたらお答え申し上げますが、先ほど申し上げましたように、四十年度で融資割合を下げました。従来七割、八割という率でございましたのが、今度は六割六分、六割三分というふうに、これは鉱石、石炭のようないわゆる専用船及びタンカーとそれから定期船と違いますが、そういうふうに率を下げましたので、当然民間金融に依存している率は高くなってきていると思いますが、金額がいかがになっているか、取り調べましてお答えを申し上げます。
#104
○成瀬幡治君 それなら、資料としてお出し願うなら、電力なり海運なり――ここに実は調査室のほうがつくった資料があるんですけれども、電力、海運、それから地方開発というとちょっとお困りになるかもしれませんけれども、あなたのほうでたくさん貸しておみえになるようなところに対する民間の融資残高との比率がもしわかれば、資料としてお出し願えれば非常に幸いだと思います。
#105
○参考人(石原周夫君) 電力、海運あたりでございますと、民間資金――ことに、最近におきましては、電力あたりでございますと、六千億、七千億というような設備資金が必要でございまして、私どもの融資しておる額は二百億というような台でございますから、これはもう非常に小さな割合になっております。海運は、先ほど申し上げましたように、まだ六割何分というような率になっておりますので、相当な額でございますが、地域開発全体としての融資割合は二割――全体として申し上げますと、電力も海運も全部含めました全体の融資割合が四十三年度におきまして二割八分九厘、そのうち電力と海運を除きまして二割四分五厘、地域開発も大体その程度の割合かと思っておりますが、実際融資比率というのは、だんだん民間資金が強化をされてまいりましたのと、先ほど申し上げましたように、電力というような相当大きな融資割合を持っておりましたのが減ってまいりました関係がございまして、逐年低下しており、全体の融資割合は四十年、四十一年ごろは四割四、六分というような割合でございましたのが、それがだんだん低下してまいりましたような関係で、いま三割を切って、電力、海運を除きますと二割四分五厘、こういうような状態でございます。
#106
○成瀬幡治君 私は、一応海運が政策的にずっと転換をされてくることになると思いますから、そういうような点で、民間と開銀との融資残高の比率を、どういうものでもいいですから、一応区別してちょっと資料としてお出し願えれば非常に幸いだと思います。
#107
○参考人(石原周夫君) わかりました。お出しいたします。
#108
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
#110
○松井誠君 最初に開銀法の改正のことでお尋ねをしたいのですが、開銀の融資を含めて、まず最初に、財政投融資全体の問題を一つだけお伺いをしたいと思います。
 財政投融資のあり方がだんだん変わってきたということを聞いておるのですけれども、財政投融資全体の中で開銀融資の占める比重というか、それは大体一定をしておるものか、あるいは下がりつつあるものなのか、その辺をちょっとお聞かせを願いたい。
#111
○政府委員(岩尾一君) 財投計画の中で占める開銀の比重でございますけれども、これは財投計画全体が一種の弾力的なものでございますから、当初に組みました計画が、年度途中でいろいろ変更したり、あるいは中小企業の年度末融資等のために増加したりということはございますので、どの財投計画をとって比較するかということにまず問題がございます。その場合に、開銀につきましても年度当初に考えました貸し付け規模なり事業規模というものは年度途中で動くということもございますので、一律には申せませんが、いろいろな関係がございまして浮動はしております。浮動はしておりますが、全体としての感じから言いますと、先ほど来議論のありましたように、海運等非常に固定的にきまってしまっておる貸し付けがあるわけですから、そう大きくシェア全体が動くということはないというような状況でございます。
#112
○松井誠君 私が聞いておるのは、開銀や輸銀というのは実際の問題として大企業のための融資というものが主たる仕事になっておるわけですが、財政投融資の中でそういう直接にストレートに大企業を対象にするものの比率というものがむしろだんだん下がってきて、国民生活に直接関係のあるものへの融資だとか、中小企業や農業に対する融資だとか、あるいは社会資本に対する融資だとかいうものの比重のほうがだんだん上がってきているように聞いているものですから、それについての具体的な統計的な数字でもあればお聞かせを願いたい。
#113
○政府委員(岩尾一君) そういう御質問でございますと、開銀だけとか、輸銀だけとかいうふうになかなか言えませんで、開銀の中にも地域開発等かなり小さな産業に対する融資等もございますし、私のほうでお手元に差し上げております「使途別分類」というのがございますが、その「使途別分類」をごらんいただきますと大体感じが出るのではないかと思いますが、これは三十八年ごろに財政投融資計画につきましてどういうふうに使われておるかというのを一応使途別に分類をしたわけでございます。機関別ではございません。その中で、いま先生のおっしゃいました中小企業というようなものにつきましては、これは年々そのシェアが増大いたしております。それから大企業と言うのは少し語弊があるかと思いますけれども、御承知のように、従来、財政投融資計画というのは、戦後日本の経済がゼロになってしまったときに傾斜生産方式をとりまして、電力、海運、石炭というのに主力を注いでいろいろな財投を行なってきたわけであります。それからだんだん変わってまいりまして、輸出に大きなウエートをかけていこうというような時代になり、それから四十年代に入りまして、いまおっしゃいましたような社会開発、あるいは中小企業、国民生活の基盤というようなものにむしろポイントを置こうということで、財投を組んでおりますので、「使途別分類」の一番下から二番目にございますが、「基幹産業」という欄がございます。これは累年そのシニアが減退をいたしておるということになっております。もし御必要でございましたら、数字はあとで差し上げてもけっこうでございます。
#114
○松井誠君 開銀融資の中における推移というものについては、またあとでお伺いをしますけれども、いま私がお聞きをしたいのは、その前提として、開銀の中にも確かに中小規模の企業に対する融資もあるでしょうけれども、大ざっぱに言えば、開銀、輸銀というのは大企業中心だ、そういうとらえ方をして、ある資料によりますと、これは昭和四十一年の財投計画の分類ですけれども、直接に国民生活に関係のある住宅だとか、医療施設だとか、環境衛生施設だとか、そういうものが約三四%、社会資本の充実のための投融資というのが三一%、中小企業、農業が一九%で、開銀、輸銀を中心とする大企業に対する投融資というのが一五・四%だという数字があるわけです。それが具体的に四十一年はそうであるにしても、分類のしかたにいろいろあるかもしれませんけれども、いま言われたように、開銀、輸銀の比重というのが財政投融資計画の中の全体の中でやはり低下をしつつあるという趨勢は、これは間違いないということですね。
#115
○政府委員(岩尾一君) 率直なところを申し上げますが、私らは、開銀、輸銀につきましては、経済情勢、あるいは現在の社会情勢に即応して、その財投計画についても変化があるべきだと、こう思っておるのです。そこで、実際上は、そういう意味で、財投計画を組みます場合には、そういう変化を踏んまえて組んでいこうというつもりで組んでおるのですけれども、開銀、輸銀自体に、先ほど来議論のありましたような船の問題とか、従来からの法律等によって一定額は必ず貸さねばならぬというようなものがきまっておるものがあるものですから、私らの意図したようにもっと適切な、あるいは現在非常に輸出が好調であるのになおかつ造船に対して融資をしなければならぬとかというような問題が輸銀について、開銀についていえばもうどんどん外貨が残っておるときに貿易外収支をよくするためになお計画造船を続けていかなければならぬというような問題がございますから、実際上はできるだけその辺を傾斜をつけて、実際の国民生活優先というような立場での財投計画を組みたいと思っておりますけれども、結果的には、そういう法律的な規制があるために、思うほど進んでいないというのが実情でございます。
#116
○松井誠君 私も実はそう思うわけなんです。開銀、輸銀というのは比重が下がってくるというのは、それだけの理由があるわけでありますけれども、しかし、この比重の下がり方がこれでいいのかというむしろまた疑問を持っておるわけです。いま言われたように、もっとこの比重というものを低下をさせ、そして、もっと国民生活なりあるいは中小企業なりという面に回すという姿勢がほんとうだと思うのですけれども、それじゃ、最近、特に国民生活に関係のある部門なりあるいは中小企業に対する投融資なりというものがふえてきたという理由ですね。とにもかくにも、ふえ方が少ないにしてもふえてきておる。その理由というのには、たとえば一つは、よくいわれるように、行政の企業化といいますか、従来いままで一般会計でまかなってきたのを独立採算制のような形にするために財政投融資のほうに回してきて、行政が今度収益事業化してきた、そのこともこの裏にはあるのじゃないんですか。政治情勢が変わって、特に国民生活を重視するようになったとか、中小企業の育成に一段と力を入れるようになったとかということも全然絶無ではないかもしれませんけれども、それとともに、いままで一般会計でまかなってきたやつをわざわざ財投のほうに回して、一種の収益事業化のような取り扱いをするようになった、そういうことも影響しているんじゃないですか。
#117
○政府委員(岩尾一君) ただいまの御趣旨は、まあ方向としては賛成であるけれども、そういう方向になったのは、一般会計なりそういったもののしわ寄せを財投が引き受けてきたからそういう方向に行ったのじゃないかというような御質問かと思いますけれども、私らは、財政投融資計画というのは、これは財政と金融との接点であると思っておりまして、本来の役目といたしましては、零細な国民の郵便貯金のような金を集めてまいりまして、そして確実有利に、しかも公共的に使うというのが目的でございますから、そういう政策判断の上に立ってはじめて財投計画というものは組めるわけでございます。決して一般会計のしわを寄せたために中小企業をふやすとか、あるいは収益事業をやるというような意味から国民生活関連の融資をふやすということはやっておりません。政策の態度として現在の経済情勢なり社会情勢からいま申し上げましたような財政投融資資金というものを有利確実にしかも公共的に使うという趣旨からいけば、現在組んでおりますような組み方が正しい組み方である、こういう判断をしております。
#118
○松井誠君 そうでなくてはならぬと思うのでありますけれども、一つ一つを検討して、それじゃ具体的にこれが一般会計のしわ寄せであるかどうかという議論はここではいたしません。そういう懸念があるものですからお尋ねをしたわけでありますが、たとえば、もう一つ、社会資本の充実に力を入れる――財政投融資に力を入れるようになったということも同じような意味で問題でもありますが、社会資本の充実に力を入れるようになったのは、社会資本の立ちおくれというのはひいては大企業を中心とする高度成長にマイナスになるというような配慮があって、いままでの大企業にストレートに投融資をするかわりに、いわばその周辺の社会資本の充実というようなものに力を入れ出した。しかし、それは、基本的に大企業を中心とする高度成長といういわば政治姿勢なり方針が変わったのではなくて、やり方が変わっただけなんじゃないか、そういう議論もあるわけです。その点はどうですか。
#119
○政府委員(岩尾一君) まあそういう議論も聞いておりますけれども、私らはそういうふうには考えておりません。社会資本の充実というのは、先ほど申しましたように、戦後の日本の経済というものがなんにもないところから発達をせねばならなかったという意味で、基幹産業である石炭、海運、電力というものに重点を置いてこれを伸ばしてきた。それが一つの傾斜生産の柱になって経済全体が復興をしてきたわけでありますが、復興してまいりまして、さらに、日本のように資源の少ない国では、やはり輸出と貿易ということが経済を伸ばしていく一番大きな手段でございますから、それに力を入れて伸ばしてきた。そういう状況になりますと、現在の日本の経済では、何といってもストックがない。どんどん経済全体は大きくなったけれども、しかし、国もストックがないし、会社も企業もストックがないし、個人もストックがない、これがいまの現状だと思うのであります。そこで、われわれは、そういう意味で個人のストックもふやさなければなりませんし、これはただいまおっしゃるような住宅投資というものもそれに当たるかもしれません。それから企業もストックを持ってもらって、外国から資本が入ってきても太刀打ちできるようなそういうしっかりした企業体質になってもらわなければならない。いつまでも借金経営でいくというのではおかしい。それから国も、国民全般のための社会資本というか、たとえば道路とか交通手段というものを整備をいたしまして、そうして国としての蓄積をふやすというのが今回の目的ではないかというふうに考えているわけであります。したがって、大企業の周辺の社会資本――道路だけをよくする、したがって大企業をよくするというような意味でやっているのではございませんで、二十何年の経済成長の実際の中身は、われわれは経済の量的な拡大を追うために内容の充実が少しおろそかになったので、この機会に国、企業、個人を通じて蓄積をふやそう、そういう意味で社会資本というものを充実しよう、こういう趣旨から充実をいたしておるわけでございます。
#120
○松井誠君 財投全般のことについてはその程度でやめますが、では、開銀のことでお伺いをいたしたいと思いますが、先ほど、銀行局長は、開銀の融資対象もだんだん変わってきて、そうして卒業させるものはさせ、新入生として受け入れるべきものは受け入れてきたというのですが、これは具体的にいつごろからどういう変化をし始めたのか、そういうことをまずちょっと御説明願いたい。
#121
○参考人(石原周夫君) 先ほども申し上げましたように、基幹産業に、先ほど来お話しの電力、海運、石炭、それに鉄鋼まで加えまして、三十年代の初期あたりは八割、九割という貸し付けをいたしておった時期がございます。ごく最近のところで、それは、先ほど申し上げましたように、電力は、たとえば一般の火力は全部、水力はよほど前からやめております。
 そういうようなことをいたしましてウエートが変わってきているわけでございまするが、ここまた近年の五年ぐらいをとっても非常に変わってきているということを申し上げておきます。私どものほうでこれを幾つかに分類いたしてみるわけでございますが、一つは、大都市再開発・流通近代化、産業公害防止並びに地域開発というものを国土開発ということでくくっておるわけでございますが、四十一年度から四十五年度の間に、貸し付け総額が、四十一年度は二千八十億円でございましたが、四十五年度は三千百七十億円と、大ざっぱに申しますと大体一・五倍くらいになっておる。そのうちで、いま申し上げました国土開発というものが二・五倍、このうち、大都市再開発・流通近代化の関係は二・五倍を占めている。それに対しまして、地域開発を加えますると、これが二倍になります。
 その次は、これも非常に伸びておる項目でございますが、技術開発という項目がございます。これも最初には四十一年度には電子計算機を含めまして九十五億円でございましたが、四十五年度は三百億円と、大体三倍に相なっておるわけでございます。全体が一・五倍でございますが、これの技術開発のほうは三倍になっている、こういうわけでございます。
 あと、海運は、先ほど来申し上げておりまするように、四十一年度は七百七十三億円でございましたが、四十五年度は九百六十七億円と、一・二五倍ぐらいになりましょうか、二割少々の増加になっております。
 エネルギー開発の関係は、これは石炭が落ちました関係がございまして、四十一年度は二百六十三億円が、四十五年度二百七十八億円と、大体横ばいで、これは石油、石炭、火力というようなものが伸びないということであります。あるいは石炭のようについに数字としては落ちるようになったと、こういうことであります。
 特定産業融資というのは、これはいわゆる体制金融でありますとか、あるいは特定機械でありますとか、重電機延べ払いというような項目でありますが、四十一年度二百二十二億円が三百五十七億円で、これは一・五倍をちょっと割りまするか、平均よりちょっと下回っております。
 大体そういうことで、ごらんをいただきましたように、特定産業関係あるいは海運の関係というものは横ばいかややふえぎみであるが、全体のウエートは、先ほど申し上げましたように、海運が三割七分から三割に落ちてきているというような状況でございまして、そのようなもののウエートは落ちてきている。それにかわって、社会開発といいますか、地域開発を含めました国土開発、あるいは技術開発の方面、そういうほうは伸びまして、国土開発と技術開発を加えますと、四十一年度には三割二分でございましたが、それが四十五年度は四割二分になりまして、その間に一割という割合の増加でございます。
 そういうような状況で、この数年のところに限って見ても、そういうような社会開発、技術開発にウエートを置いたほうに動いてきておる、こういう状況でございます。
#122
○松井誠君 いまお聞きをしたような数字をひとつ資料としてお出しをいただきたいと思うんです。そういうものの前提となる運用計画、運用方針だとか、そういうものはまだ資料としてはいただける段階にはないんですか。
#123
○参考人(石原周夫君) 四十四年の分につきましては、お手元に差し上げました「業務報告書」というものの中に、「運用基本方針」が一四ページに書いてございまするから、それをお読みいただきますると、四十四年度の分はございます。これはたしか差し上げたのではないかと……(「もらってない」と呼ぶ者あり)それは失礼いたしました。それでは、さっそく差し上げることにいたします。その一四ページに「運用基本方針」というものがございます。これは、毎年、年度が始まりますと、早々に内閣でおつくりになりまして、私どものほうにいただく。それがその年度の運用の基本方針でありまして、それに基づきまして私どもは融資の計画を立てる、こういうことになっております。四十五年度は、年度は開始いたしましたけれども、まだそこまでの運びになっていないということでございます。
#124
○松井誠君 四十五年度の運用方針なり計画も、大体やっぱり四十四年度を踏襲するということですか。
#125
○参考人(石原周夫君) これは私がお答えするのが適当かどうか存じませんけれども、内容的にも若干変わっておりまするから、文章の表現その他変更があろうかと思っております。しかし、先ほど来申し上げましたように、傾向的に、四十一年以来、そういうような社会開発、技術開発全体にウエートを置いたやり方になっておりまするので、大体の趣旨は変わらないかと思いますが、各個の問題については多少ニュアンスが変わってきておると思います。そこら辺は、政府側で御用意をなさるものでございますので、私のほうからお答えをする限りではございませんが、そのようなことだろうと思います。
#126
○政府委員(近藤道生君) ただいまの点につきましては、経済企画庁におきまして各省からの要望を取りまとめまして、昨年で申しますと、四十四年の六月十三日の閣議決定で基本方針をきめておりますが、本年度もそのようなことになろうかと存じております。
#127
○松井誠君 先ほど上林委員も海運のことを問題にされましたし、理財局長からも話がありましたが、海運というのは、全体的な比率としては下がっておりますけれども、絶対額としてはやはり上がってくるわけですね。財政投融資というものは、一つには財政的な機能といいますか、景気調節的な機能を持っておるのですけれども、もう一つ、最近、国際収支の黒字がだんだん定着をしてくる。もうすでに世界第一の造船国というようなことを考えると、いままでのような約三割以上を占めるというそれほどの比重というものが海運に要るんだ、それを同じような姿勢で四十五年度も踏襲していくということに、何か割り切れないですね。
#128
○参考人(石原周夫君) 新しい「経済社会発展計画」ができまして、それに伴いまして、四十四年度から始まりまする四十九年度に至りまする二千六十五万トンという総額を持ちます計画がございます。その計画のいま年度進行中でございまするので、その計画に従いました融資をいたします。ただ、先ほど申し上げましたように、海運再建整備も、一段落と申しますか、ある程度配当もできる会社も出てまいったわけでありまするから、財政投融資の割合も下げまして、自己資金の割合をふやすというようなことをいたし、あるいは期限も二年ほど短縮をするということをいたしまして、事態に応じた措置はいたしておるわけでございます。
#129
○松井誠君 最後に、一つ、最近融資の対象になってきた公害防止ですね、そのことでお伺いをしたいんですけれども、公害防止事業団というのができて何がしかそちらのほうから融資をするようになった、それとの関係はどうなるのか。
#130
○参考人(石原周夫君) 御承知のように、公害三法というものがございまして、大気汚染と、水質の汚濁の関係と、それから騒音の防止、それらにつきましては、公害防止事業団ができまして、逐次公害防止事業団の受け持たれる範囲を広げてまいりまして、昨年だったと思いますが四十四年度から、その公害三法に基づきまする融資の関係は公害防止事業団に全部引き継がれました。私どものほうに残っておりまするのは、重油の脱硫の関係――石油の精製の場合におきまする硫黄を除きまする脱硫装置の関係、これが金額的には圧倒的に多うございます。それからあとは、海水油濁防止といいます、これは国際協定があるものでございまするが、船が捨てます油による海水汚染、それを取りまとめて海水が濁るのを防止するという関係でございます。これに対しまして私どもは若干の融資をいたしております。それから工業用水というものを、地盤沈下を防止するために地下水のくみ上げをとめまして、そのかわりに工業用水を配給するということ、これも私どものほうの融資対象に入っておりまするが、私どもの融資のうちの大部分が、今日、重油の中の硫黄の脱硫の関係にございまして、あとの一般の公害のほうは公害防止事業団のほうでお扱いになる、こういう関係でございます。
#131
○松井誠君 公害三法というその騒音のやつは公害防止事業団がやっておるのですか。公害防止事業団の業務方法書を見ますと、水の問題と大気汚染の問題はあるけれども、騒音のやつは書いてないのですね。融資の中に騒音も間違いなく入るのですか。
#132
○参考人(石原周夫君) これは公害防止事業団がそういうお答えをしたのでございましたら、公害防止事業団のおっしゃるほうが正しいというようにおとりいただいたほうがいいと思いますが、私どものほうでは騒音防止法の関係の企業の公害防止施設は取り扱っておりません。ただ、本年度からこういうことがございます。公害の関係におきまして工場を移転するものがございます。工場を移転いたしまする場合に融資をいたします関係がございます。これは従来から私どものほうは工場移転の融資をいたしておったのでございますが、今後も引き続きやっていきまするけれども、その場合におきまして、四十五年度から新たに公害のためにどこかへ引っ越していくというものにつきましては、一定の条件のもとに七分五厘という特利の融資をいたすことになっております。従来は八分二厘でございますから、それを七分五厘の特利を出すことにいたしております。この実施の細目につきましては、大蔵省でありますとか通産省でありますとかそこら辺と相談をいたす余地がございますから、今日はっきり微細な点まできまっておりませんが、それなどは当然騒音公害のために引っ越すというものも出てまいっております。そういう意味では、私どものほうでは全然関係ないというわけではございませんが、それに伴いまする工場移転の関係のほうは私どものほうが取り扱っておる、こういうふうなことになっております。
#133
○松井誠君 騒音のほうがどっちへ入るのかよくわかりませんけれども、どっちからも締め出されては困るのですけれども、その点はだいじょうぶですかね。
#134
○政府委員(岩尾一君) 騒音の公害というのはいろいろありまして、たとえば飛行場周辺のものとか、あるいは都市内において非常に工場がやかましくて困るというような公害もございます。そこで、一般の飛行機その他によります騒音の公害につきましては、それぞれの省において手当てをしております。いま申されました都市内における工場等の騒音についての公害、そういうものの手当ては、先ほど総裁が申されましたが、公害防止事業団が御承知のように公害防止の施設をつくって譲り渡すという仕事と融資の仕事をやっておるわけでありますけれども、工場だとかアパートだとかあるいはそういうものを都市の中から外へ出していくということをやっておるわけです。その出していく原因は何かといいますと、やはり過密した中での騒音が非常に仕事のじゃまになるということで、いろいろ会社が集まってどこかほかへ行こうじゃないかという話がまとまりますと、そこで公害防止事業団がそれに対する手当てをしていくいうとことをやっておりますので、騒音に対する手当てがないということではございません。適切に運用をしておるはずでございます。
#135
○松井誠君 公害防止の融資のことで気になるのは、公害防止の施設で融資をほしいというのは、なにも大企業に限らず、中小企業にも一ぱいあると思うのですね。そういうところで、開銀というとどうもやはり大企業中心であるという頭があるものですから、小さい企業のいま言ったように重油脱硫のほかに何か二つありましたね、海水油濁と工業用水の問題ですか、そういう問題で大企業でなくちゃだめだという、そういう選別は別にされないわけですか。
#136
○参考人(石原周夫君) これは銀行局からお答えいただいたほうがいいかもしれませんが、私どものほうは、中小企業金融公庫と、これは公害融資の関係だけではなくて、全体の融資につきまして、資本金及び従業員の数によります線を引いております。したがいまして、ごく大ざっぱに中小企業ということになりますると、いまの事業団あるいは中小公庫のほうにお願いをいたしておるわけでありますから、私どものほうは、一定額以上の資本金、一定額以上の従業員ということになると思います。その分は開発銀行で融資をすると、こういう関係でございます。
#137
○松井誠君 そうしますと、公害防止事業団からははみ出した公害防止施設で小さいものは、中小企業金融公庫ですか、そこの融資の条件と、それから開銀の公害防止の融資の条件と、どっちがどうですか、有利か不利か。
#138
○政府委員(近藤道生君) 日本開発銀行の行ないます分と、中小企業金融公庫の行ないます分とで、若干の差がついております。中小公庫のほうが、率において、たとえば開発銀行の七%に対しまして、当初三年間六・五%、四年以降は七%ということに相なっております。開銀の場合におきましては、当初三年間が七%で、四年以降が七・五%ということになっております。また、償還期間につきましては、中小公庫の場合は十年以内二年据え置きという条件になっております。
#139
○松井誠君 それでは、開銀への質問はそのくらいにしまして、造幣局特別会計法の一部改正案について少しお伺いをしたいと思います。
 最初に、補助貨幣の回収準備資金の額が、補助貨幣の発行現在額を上回ったときには、上回った分だけ一般会計に入れるというのですが、この一般会計に繰り入れるめどというものを、準備金の額が発行額を上回ったという発行額を一つのめどにしておるわけですね。これは一体どういうわけなんですか。準備金は発行額以上の必要はないという、そのことはわかるのですけれども、一般会計に繰り入れるめどとしてそのことを求めたのは、理屈の上でそうなるのか、あるいは経験的にこれでいいのか、どういうことですか。
#140
○政府委員(岩尾一君) 今回の改正によりまして、補助貨幣回収準備資金につきましては発行高を超過いたしましたものを一般会計に繰り入れることができるという改正でやったわけでございますが、準備資金というものが補助貨幣の発行高に見合う額を保有しなければならない理由、それより以下であってもいいのではないか、あるいは以上であってもいいのではないか、どうしてそこに線を引くのかという御質問だったと思います。これは、理屈といいますよりは、そもそも補助貨幣の準備資金というものをつくりました趣旨が、国民の補助貨幣に対する信頼というものをしっかり持たせたい、あるいは持ってもらいたいということに目的がございまして、補助貨幣が流通をいたしまして、あるいはこわれたり、摩耗したりいたしましたときに、引き換えてくれと言って来られる方があるわけでございます。その場合、それを引き換えなければならない。それからたとえば、御承知のような五十円、大きな貨幣がございましたが、あれは現在回収をいたしておるわけでございます。機会がありますと、全部新たな穴あきの小さな五十円に換えているわけでありますが、ああいう回収ということもあるわけでございます。そういう引き換え、回収というものがあるため出まして、そうして、準備するのであれば発行高と同じ額を発行しておこうと。しかし、実際の問題としては、いま申しました引き換え、回収額というものは現実には少ないわけでありまして、とても発行額全体を引き換えるということはあり得ないわけでございますけれども、明治以来国民の頭に結びついている補助貨幣は絶対大丈夫なんだという信認を得ておくために、めどといたしまして発行額まで持つと。しかし、発行額以上は、これは理論的にもあり得ないわけでありますから、大体発行額までは、非常に大災害でもあって政府の補助貨幣がだめになるということは全くないとは言い切れない。したがって、そういう意味で、発行額までは準備資金を持とう、それ以上は持つ必要がない、必要にして十分であるという解釈をわれわれはいたしておるわけでございます。
#141
○松井誠君 そうしますと、いま、一種の担保というか、保証というか、日銀券の場合の保証物件みたいなそういう役割りを期待しておるわけですね。それだとすれば、なおさら何か取りつけ騒ぎみたいに一斉に回収の動きが起きるなんということはないわけだから、同額の必要はないと思うのですけれども、しかし、それは一応理由はわかりました。
 そこで、お伺いをしたいのですけれども、現在の補助貨幣の名目価値と実質価値との開きといいますか、それは大体平均してどんな比率になっておりますか。
#142
○政府委員(岩尾一君) いま先生のおっしゃったとおりなんでございますが、実際上は日銀券の保証物件と同じようなことで、法的には法貨としてたとえば百円の場合でございますと百円で通用するわけですが、それを実際につくる経費がどれくらいかということになるわけですが、まあ百円でありますと、素材費というものはわりあいにはっきりわかるのでございますけれども、実際の経費というものは、造幣局で造幣局長も仕事をしておりまして、その造幣局長が百円の貨幣をつくるためにどれくらいの力を注いだかということは非常にむずかしいのでありまして、経費というふうに言えないのですけれども、まあおおよそのところ大体八円くらいだというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。
#143
○松井誠君 百円が八円になるわけですね。
#144
○政府委員(岩尾一君) はい。
#145
○松井誠君 それは、百円、五十円、十円、五円、一円を平均して、大体そんなものですか、一〇〇対八くらい……。
#146
○政府委員(岩尾一君) ちょっとこまかい数字で恐縮でございますが、百円の白銅貨の場合は大体八円と見ておりますが、五十円の場合には七円でございます。それから十円の場合が約五円でございます。それから五円の場合が三円五十銭でございます。それから一円の場合は、ほとんど法貨と同じで九十九銭ということでございます。したがって、だんだん低額になると経費が高くなるということになるわけでございます。
#147
○松井誠君 その実質価値といいますか、補助貨幣の生産費と、それから名目的な価値との開きというのは、この補助貨幣が出てからだんだん広くなって開いてきておるというようなことはございませんか。そういう意味では、補助貨幣の質が悪くなるといいますか、そういうような事実はないのですか。
#148
○政府委員(岩尾一君) 補助貨幣というのはなぜ発行するかと申しますと、第一の理由は取引の便宜、交換しやすいということ、それからなかなか磨損しない、減らないということ、それから百円と五十円というふうにほかのいろいろなものと区別しやすいという点が最大の目的でございまして、この三つの目的のために補助貨幣を発行しておるわけであります。したがって、いま先生の申されたような素材価値が安くて高いものをつくったほうがよかろうということでつくっておるのではないので、いま申しました取引の便宜と、それから磨損しない、長もちがするということ、それからほかのものと区別しやすいというものとして何が一番適切であるかということでつくっておりますから、安くあげるためになるべく安くてしかし高い法貨をつくろうということは考えておりません。
 従来の経緯を見ますと、昔は、御承知のように、金本位、銀本位という本位制の適用がございまして、その本位制を補完するものとして補助貨幣があったわけでございます。そういう場合には、かなり素材価値というものが貨幣そのものとも近いという状態でありました。そういうなごりがだんだん本位制を離脱いたしましても世界各国の補助貨幣には残っておりまして、かなり素材価値が高いというものがあったわけであります。日本でも、銀貨等をつくりました場合にはそういう状況であったわけでありますけれども、銀がだんだん高くなりまして、そうしてむしろ素材価値のほうが法貨の額面よりも高いというような状況、あるいは実際に必要な量をつくるための銀がないというような状況になってまいりましたので、いま申しましたような銀からニッケルあるいは銅というふうに転換をいたしてきている、そしていま申しました三つの目的に合うような法貨をつくろうということでつくっておる、大体そういう経緯でございます。
#149
○松井誠君 その名目的な価値を実質的な価値との開きというものについて特段の歯どめがない、法律的にはないわけでしょうから、こんなことを心配するのは取り越し苦労でありますけれども、昔の悪い殿様がやったように、金(かね)がなくなると悪い補助貨幣をどんどんつくって一もうけしよう、そういうことだって法律的には歯どめがなくてできるわけでしょう。ですから、私が聞いているのは、そういう二つの価値の開きというようなものが、金貨、銀貨があったときにはそれに近い良質のものであったけれども、最近はそうでなくなったというのは、やはりその開きが大きくなったということでしょう。その開きが大きくなるというのは、また将来も続けられるという危険性はないのかどうか。そういう意味で、その二つの価値の開きというものについての何がしかの歯どめみたいなものが全然要らないかどうか、その点を聞きたいのですが。
#150
○政府委員(岩尾一君) いまの素材価値と額面との開きということは、先ほど申されましたような柳澤吉保のようなことをやろうということでありますと、補助貨幣よりもむしろ日銀券をやったほうがいいわけです。現在は管理通貨でございますから、全体の通貨量の中で補助貨幣の占めているウエートは非常に小そうございますし、それによってもうけようと思いましても、あまり大したもうけにはならないので、そういうことにはならないと思うのです。ただ、おっしゃいましたような安易な財源調達というようなことになってはいけませんので、これはやはり歯どめは必要であろうと私は思っております。
 その歯どめのために何か考えたらどうかということでございますが、世界の先進国は、いま申しましたような補助貨幣を発行いたしました際に、これを全部利益は一般財源に入れているわけです。したがって、日本よりも、何と申しますか、その歯どめのやり方というものはノーズローなわけでございます。そこで、わが国は、その点は、とにかく補助貨幣を発行すれば発行しただけは準備資産を積んでおくということをいたしまして、その分を運用いたしましていろいろな経費を出していこうということをやっているわけですから、これも一種の債務と観念しております、政府としては。そういう意味では、先進諸国よりも日本の現在の回収準備資金というほうが歯どめになっており、その意味では非常にりっぱな制度であるというふうに私は考えております。それから外国では、ある意味では先生もおっしゃったような意図があって、貨幣の発行数量についてある程度法律できめておるという国はございます。しかし、これも名目的な名前だけの歯どめでございまして、オーバーをするとすぐに法律を変えてしまうということで、実際上は発行量自体を規制するということはいたしておりません。したがって、そういないか、いまの制度が先生のおっしゃる意味では一番いい歯どめになっているというふうに考えております。
#151
○松井誠君 そういう意味で、準備資金を発行額同額にしておるということも、そういう歯どめだと、そういう意味を持っておるとすれば。よくわかりました。
 私、いまお聞きをしようと思ったのですが、それではその補助貨幣の適正量ですね、補助貨幣の量を日銀券との比率を一体どういうようにしなきゃならぬという法律上の制約があるわけではないのですか。
#152
○政府委員(岩尾一君) 日銀券との関係におきまして補助貨幣の数量を幾らにするかという歯どめはございません。法律上の規定もございません。
 ただ、御承知のように、じゃなぜ補助貨幣を計画を立ててつくっておるのかということになりますが、これはもう一般の経済の日常取引に使われるものでございますから、その取引がどういうふうになるかということをめどにつくっていく。最近、経済が、いろいろ合理化、能率化してまいりまして、自動販売機というようなものが非常に普及してまいりました。そういたしますと、従来使っておったよりも補助貨幣の使われ方が多くなるのではないかというような傾向もございます。また、一方、御承知のようななるべく現金通貨を使わないキャッシュレスというような時代にだんだんなってまいりまして、たとえば、銀行に水道料金を振り込んで銀行から払ってもらう、現金は使わないというような状態にもなってきておる。さようなことをそれぞれ考えてまいりまして、最近、われわれのほうで、ずっと過去からの国民総生産GNPの中に占める貨幣の特に補助貨幣の流通高というものから一つの相関式を得まして、そういう相関式に対していま申しましたようなふえる要素、減る要素というものを勘案しながら、一応年度の初めに計画をつくって、それでつくる。その場合に、日銀券が幾ら要るかというのは、この発行高から、これも日常取引のある通貨でございますから、同じような考え方でつくっていく。それとあわせて補助貨幣についても発行額を計画的にきめる。もし、発行した結果、それが変わってくるようであれば、発行を即座に停止をしていくというような形をとってやっております。
#153
○松井誠君 最後に、妙なことをお聞きをするようですけれども、現在の補助貨幣の法律的な根拠というのは、貨幣法ではないのでしょうね。これはどうですか。
#154
○政府委員(岩尾一君) 貨幣法と申しますのは、これは日本がいわゆる金本位制になっておりましたときにできた法律でございます。そこで、昭和十七年ごろに――いろいろその間に経緯はございましたが、金本位というものがだんだんくずれてまいりまして、管理通貨制になってきた。そこで、たしか十七年だと思いますが、日銀法を改正いたしまして、正式に管理通貨制度というものに移行をしてきたわけでございます。そういたしますと、貨幣法全体について見直してもよかったのでございますけれども、その際に現在の本位貨幣としての金というものが全くもう廃位してしまうのかどうかということはまだよくわからない状況でございますので、貨幣法はそのまま残して、必要でない条文を殺すということをやったわけでございます。そこで、いま申されたように、現在の補助貨幣というのは、臨時通貨法に基づいて適用されておる。それから貨幣法の中で不適当な条文は日銀法なり何なりによって全部殺す、適用しないということでやってきておるわけであります。
 ただ、こういうふうに戦後二十年たちまして、経済も安定いたしましたから、こういう状況で貨幣法全体についても私らは再検討をすべきである、そうして、ほんとうの日本の通貨制度の根幹をなすような法律、しかも国民によく御理解のいただけるような法律をつくりたいと、かように思っておる次第でございますけれども、この問題は非常に影響が大きゅうございまして、国民生活お一人お一人に関係があるものですから、何かそういう話でも言いますと、すぐにデノミネーションでもやるのじゃないかというようないろいろな議論が出てまいりまして、なかなかむずかしゅうございます。そこで、当面は現状を糊塗していくということで、さしあたり既定の法律は生きておりますけれども、それを必要に応じて条文を殺しながらやっていくという状況でいっておりまするが、もし国民全般の中にそういった空気が出てこないで、もうどんな改正をやっても経済は安定しているし、それによっていろいろな投機とかそういうものは起きないという環境になれば、これはやはり貨幣法自体も改正していくということになるかと思います。
#155
○松井誠君 私も実はそのことをお尋ねしようと思っておったんです。臨時通貨法というのはもう三十年も前にできたわけです。いまの補助貨幣というのはそれに基づいてやっておるのでしょう。三十年も臨時というのはおかしいんで、おまけにいま全くほとんど空文になっている貨幣法はそのまま残っておって、一銭だとか一厘という数字が出てくる。私は、いまあれを残しているのは、いつかデノミをやるつもりで残しているのじゃないかと実は勘ぐったくらいなんです。ですから、臨時通貨法なり貨幣法なりを、一緒に現状に合うような、それこそ国民にわかりやすい貨幣法にするということが必要じゃないかと、そのことだけを要望して、私の質問を終わります。
#156
○成瀬幡治君 開銀のほうに非常にこまかい話を聞いていきたいと思いますが、この「日本開発銀行の現況」という本、これをみんなにお配りになるとたいへんいいと思うんですよ。あるいは、先ほど御説明になりました資料なども配付してくれると非常に幸いだと思います。それはそれとして、いまここに持っておりますこの資料の二一ページに大都市再開発の問題がございますが、これは東京と神戸の各一地区が対象となっておると、こうなっておりますが、これはどんなことをやっておりましょうか、仕事は。そして、どのくらい融資をしておいでになるのでしょうか。
#157
○参考人(石原周夫君) お尋ねは、二一ページにございます「大都市再開発および流通近代化」全体のお尋ねでございましょうか。
#158
○成瀬幡治君 いや、そうじゃなくて、東京と神戸に関してです。
#159
○参考人(石原周夫君) 東京と神戸でございますが、東京でやっておりますのは、まず第一に、左側のほうに「私鉄については、」云々とございますね。こに書いてございます「都心乗入れ工事、新線建設、複線化工事等、輸送力増強のための施設を対象とするとともに、立体交差の促進、踏切改良、事故防止施設」、この三本、これが一番大きなものでございます。東京に各私鉄が都心乗り入れをやってきております。あるいは、立体交差、事故防止施設など安全確保のためのいろいろな工事がございますが、これに対する融資をいたしておりますのが一点。
 それから第二には、その次に「駐車場およびターミナルについては、」云々とございますが、これは東京でよくごらんになりますように、地下駐車場をつくっておりますが、これに対しまする――一会社分ではございませんで、公共施設としての駐車場に対します融資をいたしております。
 それから三番目に、「流通業務市街地の建設や特定の市街地の整備」ですが、流通業務市街地につきましては、そこに書いてございますように、東京周辺五カ所、大阪周辺三カ所が計画されているということがございまするが、現在までに計画が熟しまして私どもの融資の対象になっておりますのは、東京の付近が二カ所――羽田においでになりますと、左側をごらんになりますと、京浜二区という地区がございます。そこに、現在、トラックターミナルがすでに仕事を始めております。そのほかに、引き続きまして、倉庫の関係、冷蔵庫の関係、それから卸流通センター、それが現在着工中でございまして、それが一つ。それからこれはまだ始めたばかりでありますが、板橋にすでに住宅公団によります用地買収が終わりまして、ことに同じような施設をつくることになっております。私どもの融資はまだ始めたばかりでありまして、これから四十五年、四十六年にかけて出てくるわけでございます。それから流通業務市街地というのは、御承知のような流通市街地法という法律がございまして、特定の場合にたしか収用権があったと思いますが、地域の指定をしております。先ほど申し上げましたように、京浜二区でありますとか、板橋でありますとか、あるいは追っかけて大田というようなことを考えているわけでございますが、将来は五カ所まで持っていきたいと思っております。
 それからその次に、マルがついておりまして「既成の市街地の再開発」とありますが、これは建築基準法による特定街区というものが指定されておりまして、たとえば浜松町でごらんになりまする地区でありますとか、それから私どもの融資対象ではございませんが、霞が関のあのビルまで特定街区の対象に指定になりました。すなわち、都心部と申しますか、都心あるいは都心に近いところで相当緻密な戸数をもっておりますところ、それをまとめまして高層建物をつくりまして、まわりに空地をできるだけつくる、あるいは道路もできる、こういうようなのがいわゆる特定街区という構想でございます。これは神戸に神戸貿易センターというものがございますが、あれが特定街区の指定になっております。あそこも、あれは倉庫地区に隣接したところでありまするが、いわゆる高層建物をつくりまして、周辺に空地をつくる、あるいは道路をつくるということをやっております。
 それから4の「流通機構の近代化」ですが、3と重複するわけでありますが、卸総合センター、あるいは倉庫、冷蔵庫などの流通施設、これは五反田にごらんを願いまする卸センター、それから先ほど申し上げました京浜二区においても卸センターがいま着工にようやく至ろうかというところでございます。神戸にはそれはございません。
 いま申し上げましたようなものが、私どもの「大都市再開発および流通近代化」の関係であります。
 各個にわたりまする金額は、いま取り調べまして申し上げまするが、総額は、先ほど来申し上げておりまするように、四十五年度で四百五十億、四十四年度で三百三十億というような数字になっております。このうちで金額的に一番大きいのは、私鉄の乗り入れ、立体交差、あるいは複線化、あるいは地下化、あるいはATSと申します乗車安全装置、そういうようなものに対しまする融資が金額的には相当大きな割合になっております。
#160
○成瀬幡治君 私がお尋ねしようと思った趣旨は、こういうことなんですよ。なるほど、貿易センターをつくるとか霞が関ビルをつくるのが都市再開発では――いろいろ意見はありましょうけれども、そうではなくて、たとえば、工場移転をするだけではなくて、住宅街が非常に密集しちゃって、道路を拡張しようにもどうにもならぬ、消防自動車も入っていけない、そういうようなところで再開発をしようとしたときに、あなたのほうの一これはまあ施工主がだれになるかというのは一つ問題になると思いますけれども、かりに地方自治体が中心になりまして、ある町一帯全体を高層化して再開発をしていこうといったようなときに、対象になりますか、対象になりませんか。
#161
○参考人(石原周夫君) 住宅地区というお話でございますると、私も正確には存じませんが、主として現在公共団体及び住宅公団、これの行なっておりまするのは、私の承知しておりまするところでは、密集地域におきます街区整理、これはたとえば大阪で申しますれば梅田の近辺――これは私の関係ではございませんが、承知しておることを申し上げるわけでございますが、梅田の近辺でありますとか、東京におきましては新橋とか、こういうようなところは、国の金も入っておると思いますが、地方公共団体が施工しておられるように承知しております。それから住宅公団がやっておられますのは、いわゆる面開発ということを申しまして、たとえば東京で申しますと、江東地区にありまする工場を移転いたしましてそのあとに住宅公団の自分でつくられる高層の住宅であります。そういうような施設は、公共団体並びに住宅公団において行なわれるというふうに承知をしております。
#162
○成瀬幡治君 そうすると、開銀のほうは、ビルのような普通の会社が入って人が住まない、そういうようなところには融資をされるのだが、住宅関係のことは、先ほどからの議論がありましたように、政府関係機関が別にあるじゃないかと、したがって開銀では考えていないんだと、開銀としてはやらないんだと、こういうことになっておるようですが、なるほど地方公共団体がやるならそうかもしれませんが、かりにそれでは一つの組合を、協同組合でもいいですから、地域住民の人たちがつくって、わしらもここに四階建ての住宅をつくったら、道路もうんと広がるし、遊園地もできるし、のびのびとしたことになるんだが、どうだろうかという話がかりに計画をされる。そうすると、それには相当な長期資金が要ることになります。しかも、低利でなきゃいけないわけです。そういうようなことになったときには、開銀としては全然対象外でしょうか。
#163
○参考人(石原周夫君) 私どもの所管外でございまするが、住宅を主体といたしまする場合におきましては、住宅金融公庫が融資をせられるというふうに承知をしております。
 ただ、私どものほうで、市街地で、先ほど申し上げましたような浜松町でありますとかいうようなああいうものでなくて、店舗でありまするが、市の中心部でありますとかそういうところで組合をつくりまして、株式会社をつくる場合もございます、いまおっしゃいまするような市街地の街区整理をいたします場合には、融資の対象にいたします。最近におきまして、これは東京以外の都市におきましてそういうような話を私ども受けておりまするのが数件ございます。これはそういうことで進めたいというふうに考えております。
#164
○成瀬幡治君 次に、公害の関係ですが、公害関係でいまあなたのほうのお貸しになるのは、それは公害基本法の問題がありますですから、あるいはそれで調べられていろいろ問題があると思いますが、一体、年限ですね、貸される期間と利子はどのくらいでしょうか。
#165
○参考人(石原周夫君) 期限は十年であります。それから金利は、先ほど銀行局長がお答え申し上げましたが、公害のワクに入るわけであります。三年間七分、四年以降は七分五厘、こういうわけでございます。
#166
○成瀬幡治君 国際観光ホテルはどれくらいのあれですか。
#167
○参考人(石原周夫君) 国際観光ホテルの場合には、金利八分二厘でございます。期限は、ものによりまして違いまするが、十年以上に相なっておると思います。長いのはそれよりもっと長いかと思いまするが、大体十年以上でございます。
#168
○成瀬幡治君 そうすると、産業公害のほうは十年だと、そうして金利は少し安いんだが、ホテル関係は十年以上ということになるというようなことで調整をとっておると。
 公害の場合は、こういうことはお考えになったことはございませんでしょうか。国がきめた公害でいえば、ばい煙防止とか、汚水処理とか、海水油濁防止とか、あるいは大気汚染防止のための重油脱硫、そういうようなものは、考えてみると、これは大企業が大体中心ですわね。大きいと見なくちゃならぬわけです。ところが、市の条例で公害の防止の対象になるのは、大体悪臭、騒音が多いわけですね。そうしたものに対して、主として施設をつくってやる場合と、どうにもならないからその地域におれないからといって他へ出ていく場合と、二つ考えられると思いますが、こういうようなのは対象になりませんか。地方自治体が条例でつくって、その条例に従っていろいろなことをやるという場合です。
#169
○参考人(石原周夫君) いまお示しのようなものでございますると、先ほど申し上げました資本金とか従業員の関係で、私どもというよりは、中小企業金融公庫あるいは公害防止事業団に依存するものが多いかと思いまするが、かりに資本金や従業員の関係で私どものほうに入るということになりますると、現在のところ、公害そのものが条例できまっているかどうかというようなことを現実の条件にはいまのところいたしておりません。現実に公害が発生している、それがまた将来にも引き続き発生するという危険がある、それがしかも相当重要であるというところでやっておりまするので、国の公害基準あるいは条例によりまする公害基準というのは、当然それは一つの項目になるかと思いますけれども、それは国の基準でなければならない、あるいは公共団体の基準でなければならないというふうに私どものほうでは現在のところやっておりません。ただ、これからだんだん基準の問題がやかましくなり、それから先ほどちょっと申し上げましたように、特利で工場移転計画融資もいたすということを今年度四十五年度から始めることにいたしました。この場合の条件が、先ほど申しましたように、主務官庁とまだ打ち合わせが済んでおりませんので、どういうようなことに相なるかわかりませんが、いずれにいたしましても、従来のところは、何らかおっしゃるように客観的な基準でございますけれども、それがあれば自動的に出すというようなことでは必ずしもなくて、御承知のように、公害の基準というものは、全体としての亜硫酸ガスの濃度が幾らであるというようなことでありまするから、したがいまして、その主たる発生源をできるだけつかまえるという趣旨で、先ほど申し上げましたように、私どものほうは重油脱硫ということをやっておるわけであります。
#170
○成瀬幡治君 悪臭とか騒音というのは対象になりますか。
#171
○参考人(石原周夫君) 私どものほうについて申し上げますれば、条件はこれからしぼらなければなりませんが、工場移転の場合におきまして、悪臭、騒音というものは入り得ないということではございません。どういうものが入ってまいるかということは、具体的なケースで起こり得る、騒音もございましょうし、水の関係もございましょうし、あるいは大気汚染の関係もございましょうから、これは何でなきゃならぬということは申しませんが、いまおっしゃるようなものはそのカテゴリーとしては入り得るというふうに御承知いただきたいと思います。
#172
○成瀬幡治君 これでは、輸出産業については、生産高に占める輸出の比率が三〇%以上のものは貸しますよ、こういうのですが、最近の経済情勢というか日本の外貨、いろいろな関係上、これは従前どおりおやりになりますか、少しずつ引き締めていくつもりでございますか。
#173
○参考人(石原周夫君) これは、先ほど申し上げましたように、四十五年度の運用基本方針をまだいただいていないわけでございまするから、運用基本方針のほうでどういうようなことをうたわれるかしりませんが、最近におきまして私どもが取り上げておりまするのは主として雑貨の関係でございます。雑貨の関係で輸出比率の高いものを取り上げるというようなやり方をいたしております。本年度まだ運用基本方針をいただいておりませんし、ワクのこまかい配分までいたしていないものでありますから、どういうものをとるかということはまだ未定でございまするが、しかし、全体のワクとしては、輸出に対しまするワクというのはだんだんウエートを減じつつあるというふうに御承知おき願いたいと思います。
#174
○成瀬幡治君 それから運用の基本方針がきまっておらぬというのですが、方針はどういう方針ですか、あなたのほうの方針は。
#175
○参考人(石原周夫君) 繰り返して申し上げますように、銀行局長から先ほどお話がございましたように、経済企画庁が各省と相談をされまして運用基本方針を閣議決定をもっていただきまして、それでその運用基本方針で私どものほうは処理をいたしておるものでございますから、何ぶんにも政策金融機関でございますから、私どもはこちらで方針を立ててやっているわけではございません。政府の政策をおきめいただきました運用基本方針に基づいてやるものでありまするから、そこら辺は各省の段階で四十五年度の分についてはこれから御相談をいただくようにしようとしております。
#176
○成瀬幡治君 開銀は発言権がないということですか。
#177
○参考人(石原周夫君) 発言権があるかないかということになりますると、それは右か左かということに相なるわけでありまするが、実情といたしましては、企画庁が運用基本方針をおきめになります前に何べんか御相談をいただきましてそこら辺の私どものほうの意向は申し上げる機会はもちろんございます。
#178
○成瀬幡治君 駐車場は、一体、どのくらいの期間と利率ですか。
#179
○参考人(石原周夫君) 大体二十年以内ということになっております。二十年より少し短いが、まあ二十年くらいの、いずれにいたしましても資本支出に対しまする毎年の収益割合が相当低いものでありまするから、二十年償還というふうにお考えいただいていいと思います。
#180
○成瀬幡治君 利率はどのくらいですか。
#181
○参考人(石原周夫君) 八分二厘でございます。
#182
○成瀬幡治君 まあなるほどこういう期間はどのくらいとか利率はどうするかというようなことは、毎年度あなたのほうがおやりになるのですね。
#183
○参考人(石原周夫君) 特利というものがございまして、八分二厘の基準利率に対しまする例外になっている分がございます。これにつきましてはもちろん総裁がきめるというのが法のたてまえでございますけれども、これは実は毎年度予算を決定をされます際に各省と大蔵省と御相談いただきまして、私どももその御相談に参加をいたし、私どもの意見を申し上げておきめを願うというふうにいたしておるのが通例でございます。
#184
○成瀬幡治君 なるほど、駐車場その他いろいろな問題で、私たちも、都市交通ですね、交通ラッシュというような点から考えて、それからもう一つは、地下につくるスペースがきまっておりまして、たくさん需要があるからそれでもうかるというものでもないということはわかります。しかし、政策的にいえば、一番おくれておるのは公害だと思いますね。いろいろなことがありますが、ぼくは、公害なども十年でほんとにペイしますか、そこら辺のところを非常に疑問に思っておるんですが、十年でいいんだというのは、何かほかがこのくらいのことだからこの辺にしておいたらどうだろうかというようなことなのか、公害について特別に御検討願ってまあ十年くらいが適当だろうと、こういうことになっておるのかですね。ですから、十年くらいが適当だわいというふうにきめられた理由根拠と申しますか、そういうようなものがあれば承っておきたいと思います。
#185
○参考人(石原周夫君) 御承知のように、硫黄分を低めるという非常に強い政策要請があるわけであります。したがいまして、脱硫いたしました重油を添加いたしまして石油精製業者が販売をいたしておるわけでございます。キロリットル当たり何百円というような数字に相なるわけであります。私どもとしましては、償却年限とかそういうようなものも考えまして、その脱硫のために要しました費用、それを油の値段で回収し得るかどうかという点の検討もいたしました上で年限をきめておるわけでございます。
#186
○成瀬幡治君 そうすると、これはちょっとおかしい話になりますけれども、たとえば自動車の問題は別として、ああいう脱硫装置は、たとえば四日市なんかはいろいろな問題があるんですね。しかし、こうやってみて効果があるかないかということにも若干問題があるかもしれませんけれども、少なくとも資金面でこういうものに対する融資は、銀行と民間資金との関係は大体フィフティ・フィフティぐらいになるだろうと思うんですけれども、あるいはあなたのほうが少しウエートが大きいかもしれないが、やろうとすればやれるということなんですね。やらないのは関係会社の怠慢ということになりましょうか。資金は貸しますよと言って窓口はあなたのほうは広げておみえになる。しかも、十年たてばいろいろなことをやってみてても完全にそれは償却ができるというふうにそればんをはじいておみえになるわけですから、それが進まないということになれば、業者の怠慢というふうに何か受け取れてならないわけですが、どうでしょうか。
#187
○参考人(石原周夫君) これは、政策当局のほうからお答えすべき問題かと思うのでありまするが、脱硫というのは、いま、御承知のようにいろいろな方式がございまして、どの方式が一番いいかということを実験しつつあると言うとやや語弊がございまするが、直接脱硫と間接脱硫という方式がございまして、一方ならば硫黄分を思い切って下げられるが、しかしまだいろいろ技術的に熟さない点があるというようなこともございまするから、したがって、精製会社といたしましては、どの脱硫方式をとるべきかということにつきましてのいろいろな検討もされているかと思います。御承知のように、排煙脱硫という煙の段階で脱硫するという問題がございまして、これはまだ試験段階でございます。そういうようなものをかみ合わせまして企業としての判断をせられるのに若干の時間がかかることもございます。あるいは、そうでなく、新設会社で新設の精製設備と並行して脱硫をやっておられるところもありまして、私ども融資をいたしておるケースも、そういうケースは相当ございます。したがいまして、脱硫がおくれている理由はどうかということになりますると、私よりも政策当局からお答えをいただいたほうがいいかと思いますが、私ども承知いたしておりますところは、どういう方式をとるか、しかもそれが世界的に見てまだ発達の比較的早い段階にあるものでございますから、そこら辺に企業として判断に相当時間がかかるということもあるかと思います。
#188
○成瀬幡治君 これはおっしゃるとおりで、しかし、あなたのほうが、十年で、三年だったら七分、それ以後は七分五厘でけっこうですよということをおきめになっておれば、これはもうやれるんだ、公害に対してはこれでいいんだという前提があってこうなっておるようにみえる。いまの話を聞いておると、おくれておる理由はその前提がどこかまだきまらぬものでおくれておるような話に聞こえるのでありますが、これはあなたと議論する問題じゃないとおっしゃるなら、私もそうだと思うが、何か非常に不安に思います、それはそれとして。
#189
○参考人(石原周夫君) 私、脱硫の効果が疑わしいということを申し上げているわけではございません。これは少なくとも脱硫の効果が出ることは明らかでございます。また、そういうものに対して融資をいたしておるわけでございます。ただ、幾つかの方式がございまして、そのいずれの方式によるのが一番いいのか、これは各企業でいろいろ御判断があるようであります。したがって、たとえば、直接脱硫でやるか間接脱硫でやるか、同じ間接脱硫にしてもどの方式によるかというようなことにいろいろ議論があるかと思うのでございまして、それは立地条件にもよりましょうし、いろんな企業自身が持っております条件がございますから、したがって、一律に申すことはむずかしいかと思いますが、繰り返して申し上げますが、脱硫の効果が疑わしいと言うつもりは毛頭ございません。
#190
○成瀬幡治君 公庫のほうではなく、開銀のほうはこうだとおっしゃるが、これは資本金の関係などいろいろ問題があり、中小企業金融公庫なり関係の政府機関で貸し付けをするというのですが、その場合の貸し出し期間なり利率はどんなふうでございましょうか。
#191
○政府委員(近藤道生君) 中小企業金融公庫の利率につきましては、当初三年間が六・五%、四年以降が七%、それから期間につきましては、十年以内で二年据え置きということに相なっております。
#192
○成瀬幡治君 これで、中金ではなかなか資金ワクが少なくて困難だというような、そういうことはございませんですか。
#193
○政府委員(近藤道生君) ただいまのところではそういう話は聞いておりませんが、ただ、こういう問題は、今後ますます資金需要が多くなる性質の問題でもございますので、その点は十分注意してまいりたいと考えております。
#194
○成瀬幡治君 中小企業公庫は、開銀ほど電力がどうだとか海運がどうだなんていうふうに資金計画をお立てになることはないかもしれませんけれども、しかし、中小企業金融公庫の場合、積算として、公害にはこれくらいやったらどうだと、輸出振興なり、あるいはいろいろなことについてこれくらいはどうだというようなことを詳しくおきめになりましょうか。おきめになっておったら、総ワクと、全体の中における公害の占めるパーセンテージをお示し願いたい。
#195
○政府委員(近藤道生君) 一応ワクを中小企業公庫といたしてきめておりまして、移転を含めまして公害関係が十五億ということに相なっております。比率はちょっといま計算いたしておりませんので、後ほど……。
#196
○成瀬幡治君 まああまり要請のないことだから年間十五億、何か非常にさびしいような気がするんですが、もし要望等があってこのワクをこえると、何かはかの資金のほうへ食い込むことになりますか、それとも、何かでカバーされましょうか。
#197
○政府委員(近藤道生君) 先ほども申し上げましたように、今後この種の資金需要というのはかなり強くなることも予想されますので、もし現実にそういう必要が出てまいりました場合には、たとえばワクの追加というようなことも考慮されてしかるべきかと存ずるのであります。
#198
○成瀬幡治君 この中小企業金融公庫の貸し出しワクの中には、公害基本法なりあるいは市の条例で定めるものが対象になるというふうに解釈してよろしゅうございますか、市なりあるいは町村の定める……。
#199
○政府委員(近藤道生君) 中小企業金融公庫の騒音防止施設、それから特に工場移転、この関係につきましては、市の条例などで定められたものがかなりのウエートを占めることと存じます。
#200
○成瀬幡治君 これは、ここで議論をしてみても、銀行局長でなかなかどうこうということにならないかもしれませんが、私の知り得ておる範囲では、業者が協力したいけれども、どうにもならぬで何とかならぬかという問題が提起されておるのは、騒音を出しますから、越しなさい、他へ土地を求めて引っ越しましょう、こういうことになって、それで土地をやった場合には、これは換地ですから、税制上は問題がないわけです。金も貸してもらえます。ところが、一番問題になるのは、あと地を売れば利子だけでも助かるわけですね。ところが、あと地は、引っ越した人自身が売らなければならない。売り急ぐと買いたたかれるというようなことで、なるたけ高く売りたいというのが人情だと思います。そこで、そういうあと地を、市町村なら市町村が条例に従ってあなた出ていってくださいと言うんだから、協力をいたしますよと言ったときには、市が相応で買い上げるようなことがやられると、公害対策としては片手落ちなくスムーズにいくような感じがするわけです。そこで、そういうめんどうを自治省がみる、あるいは土地の先行取得の問題について、いや、ワクはありますよ、あるいは関係方面の自治体でそのために公社を設けて買い上げればいいですよということで、ほんとうのことを言うと、名古屋なんかに例をとりますと、大体資金ワクが二億ぐらいしかないわけです。ですから、道はどうもついておるけれども、イタチの道よりももっと細い道なんです。そういうような点について、ここで、そうですが、それでは銀行局長はこれに対してどうだとか、開銀の総裁からどうだとは言えないでしょうけれども、大蔵省としていろいろな起債のワクをきめるときには省内で議論をされるような場があると思いますから、ぜひひとつ議論をしていただいて、道をつけるのではなくて、実効のあがるようにしてもらいたいものだと思っております。これはまあお願いで、答弁がどうこうというわけではございません。
 私の質問は以上です。
#201
○委員長(栗原祐幸君) 両案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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