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1970/04/14 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第16号
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1970/04/14 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第16号
昭和四十五年四月十四日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     渡辺  武君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     高橋  衛君
     横川 正市君     田中寿美子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
                鈴木 一弘君
    委 員
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                岩動 道行君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                津島 文治君
                中山 太郎君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                田中寿美子君
                戸田 菊雄君
                松本 賢一君
                上林繁次郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     矢野 智雄君
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        熊田淳一郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       高木 文雄君
       大蔵省関税局長  上林 英男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       通商産業省重工
       業局次長     山形 栄治君
       労働省労政局労
       働法規課長    大塚 達一君
       労働省婦人少年
       局婦人労働課長  藤井 敏子君
       日本専売公社総
       裁        北島 武雄君
       日本専売公社総
       務理事      牧野 誠一君
       日本専売公社総
       務理事      黒田  実君
       日本専売公社理
       事        斎藤 欣一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
 (日本専売公社の合理化に関する件)
○物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 租税及び金融等に関する調査を議題とし、日本専売公社の合理化に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○戸田菊雄君 総裁にお伺いしたいのでありますが、専売公社で四十三年の十一月に「これからのたばこ事業」ということで「長期経営計画」ということを策定をされた。その内容を見ますると、実に広範多岐にわたっているわけですね。この前の私の質問では、長期計画はおおむね十カ年計画だ、そういうことを想定して策定をしましたと、こういうことをお答えになっておるわけです。その後「第一次中期経営計画」というのが出てまいりまして、この中期計画の内容につきましては、おおむね五年程度を目標にいたしまして実行すると、こういうことでありますね。そこで、具体的に出てまいったのが、六工場の統廃合の問題、あるいは新建設の問題、こういうことで出ているわけです。ですから、基本計画に基づく中期計画で考えられる実行すべき政策の中心は一体何なのか、そのあたりの見解についてまずお尋ねをしたいと思います。
#4
○説明員(北島武雄君) 専売公社におきましては、昭和三十六年から第一次長期経営計画を立ててまいったわけでございますが、四十三年の十一月にさらにあらためて第二次の長期経営計画を立てたわけでございます。ただいまお手元にお持ちのような資料でございます。たいへん長文でございまして、これの目標がどこにあるか、一ぺんにつかみにくい点もございますが、ごく要領だけを申し上げますと、具体的に言えば、やっぱり、安くてうまいたばこづくり、これを目ざそうではないか。これの中を見ますと、さらに、消費者に安心して吸えるようなたばこというのも入っております。そういったたばこづくりを目標としている。そうして、内容といたしましては、できるだけ品質の高いたばこで、そうして高能率のもとにこれを生産製造していくという方針を打ち出していく。さらにまた、将来の国際競争に十分たえ得るよう、国際競争力を持ったたばこ産業に育てていこう、こういったような目標がうたわれておるわけでございます。
#5
○戸田菊雄君 この長期計画の基本計画を見ますると、一つは、長期経営計画をめぐる政治的背景というものがいろいろ勘案されておる。一つは、消費者税制度の導入というようなことも若干考えられている。さらに、経営姿勢、主として労務管理の強化、あるいは経営刷新、おそらく策定される内容というものは合理化だろうと思うのでありますが、これは要員の削減等にも影響してまいると思うのでありますが、こういう各般の基本計画の上に立って、さらに、各部門別に問題というものも提出をされている。その中には、たとえば機構、組織、運営等を含めていろいろ中央から地方あるいは出張所、こういった問題を含めてすべての面において検討を加えようというようなことが考えられている。あるいは、販売部門においても検討されなければいけない。こういうこれから専売事業の行なう各般の組織態様についても十分検討し改善策をとらなければいけない、こういうことになっておりますね。そういう計画を進めていった場合に中心として考えられるのは、一つは、何といっても企業内における合理化の問題が起きてくるだろうと思います。一つは、葉たばこ耕作者に対する関係の問題が生じてくる。さらに、中央から地方末端に至るまでの組織、運営等について機構の改善措置をどうするか、こういうことも出てくるだろう。こういういわば想定される重要な諸案件については、どのように一体今後進められるのか、その構想というものを明らかにしていただきたいと思います。
#6
○説明員(北島武雄君) 御指摘のように、考えております長期経営計画は、まず生産の部門から始まりまして、生産方面におきますと、先ほど申しましたような目標を達するようなたばこの耕作のほうに持っていくことが主眼でございまして、それから製造方面におきましても、ただいま申しました目標に沿って、高品質の高能率のたばこづくりをしようではないか。それから国際競争力を持ったたばこ事業をしようじゃないか。それからさらに、流通部門、販売部門につきまして、消費者の需要に沿った消費者第一本位のたばこの経営をしていこう、こういった事柄を考えておるわけであります。
 現在、具体的に工場の合理化問題につきまして御指摘のように立案いたしまして組合と折衝いたしております段階でございますが、生産方面につきましても、一応ある程度その目標に沿った曲がり方をしようではないかということで、四十五年産の葉たばこの収納価格の決定にあたりましては、少しでもただいま申しました目標に沿ったような収納価格の決定をいたしております。
 なお、流通部門、販売部門につきましても、目下鋭意プロジェクトチームをつくりまして立案を急いでおります。大体いま考え方はまとまりつつあるわけでありますが、さらにまた、機構の問題につきましても、今後中央の機構、地方の機構等をあわせて全体的に考えまして、同時に、どうしましたらただいま申したような目的に沿った機構ができるかということをまたプロジェクトチームをつくって検討いたしておる段階でございます。
#7
○戸田菊雄君 そこで、具体的な内容についてお伺いをしていきたいと思うのでありますが、まず、今後の事業経営にあたって一番ポイントだと思われるのは、製造たばこの長期販売見通しですね、これをいかように考えられているか、この辺の見解をちょっとお伺いしたい。
#8
○説明員(北島武雄君) たばこの売り上げは、この十年間を平均いたしますと、数量的に六%程度の伸びを示しております。もっとも、下半分は多少伸び率が落ちておりますけれども、しかし、現在たばこ事業が置かれております環境を考えますと、今後そういった伸び率を続けていくわけにはどうもいかないのではないかというふうに考えます。これにはいろいろ公社としても苦慮いたしておる次第でございますけれども、ただし、今後の動向といたしまして年々若干の伸びは見込まれる。少なくとも年間百億本程度の伸びは今後五カ年間は見られるのじゃないか、こういった考えで実はおるわけでございます。
#9
○戸田菊雄君 これは専売公社の四十五年四月十四日の合理化対策委員会「専売事業関係資料」でありますが、この内容によりますと、「製造たばこの長期販売見通し」ということで、四十四年度二千百億本、これを土台にいたしまして、以下、四十五年、四十六年、四十七年、四十八年と、それぞれ百億本増という長期販売見通しというものを立てられておるわけですね。ただし、注意書きによりまして、成年人口の伸びが四十三年度をピークに次第に鈍化してきておる。これは、内容においては、成年人口の喫煙者減、こういう考え方に立っておるのでありますが、さらには、最近のたばこの販売内容というものは、主としてフィルターたばこのシェアが八六・五%に達しておる、そうでないものが極端に減っておる、こういうことである。さらに、健康上の問題についていろいろ障害があった。こういう各般のデータを取りそろえておるのでありますが、こういう内容で十分今後百億本の長期見通しというものが実行でき得る情勢にあるのかどうか、その辺の確信はどうですか。
#10
○説明員(北島武雄君) 将来の五カ年間にわたる展望ということはなかなかむずかしいことでございますが、私は、現在の時点において考えまして、この程度の増加はあり得ると、こういうふうに考えております。
#11
○戸田菊雄君 次に、原料葉たばこ生産の長期見通しですか、内容を含めてちょっと説明を願いたいと思うのですが、どういう状況ですか。
#12
○説明員(牧野誠一君) 葉たばこの原料につきましては、私ども、ただいまかなりの在庫を持っております。この在庫は、黄色種ではわりあいオーバーしておりまして、二十四カ月が平均の在庫というふうに世界的にしておりますのですけれども、それが三十カ月をこすというような在庫になっております。それから在来種、これは刻みたばこなどに昔から入っております種類のものですが、これにつきましては若干の在庫がオーバーでございますけれども、これが近いうちに需給均衡あるいはむしろ若干足りなくなるのじゃないかというような形でございます。それからバーレー種というものにつきましては、これは数量は非常に少ないのでございますけれども、過剰在庫というような状態にはございません。それで、将来、私どもとしては、黄色種というのはできたらば過剰在庫を減らしていきたい。しかし、バーレー種と在来種については、ただいま申し上げましたような百億本毎年ふえていくというようなことにいたしますと足らなくなりますので、私どもとしては、在来種、バーレー種はできるだけ減らないように、むしろふえるようにいたしたいというふうに考えております。しかし、現実の問題は、在来種、バーレー種のほうは、どちらかといえばほっておけば減りぎみ、黄色種のほうはなかなか減らないというような趨勢にございます。それで、現在、そういうふうな方針で、先般の四十五年度の収納価格をきめます際にも、黄色種のほうの価格の上げ方を低く、在来種、バーレー種のほうの価格の上げ方は高くということになっております。目下のところそういうような状態で、これから需給均衡というのを将来はかっていく上に、品種ごとに差が出てまいりますので、いろいろむずかしい問題があるかと思います。
 いずれにしましても、高能率にしていきたいということで、大型農場、あるいは中型といいますか、そういうようなものを導入してテストをやろうということで、今年の予算では、わずかでございますが七カ所ほど始めたい。それで、能率を上げ、値段も下げ、国際的な競争力のあるものに近づけたいと思っておるわけでございます。
#13
○戸田菊雄君 当局の資料によりますと、四十四年度の作付状況で七万五千八百五十四ヘクタールであった。四十五年度は、三千百二十五ヘクタール減いたしまして七万二千七百二十九ヘクタール、こういうふうになっておるわけですね。いま、たばこの長期販売見通しでは、年々おおむね百億本程度増加をしていく。生産関係はそうしてふやしていくのでありますが、逆に葉たばこ生産作付というものは減反の傾向を見ている。これは矛盾しているのじゃないかと思うのですね。この辺はどう考えておられますか。
#14
○説明員(北島武雄君) 先ほど牧野総務理事から御説明いたしましたように、現在相当な過剰在庫をかかえておりまして、適正在庫は大体二年と申しておりますが、平均いたしますと三十一カ月過剰在庫をかかえております。いまこの過剰在庫を整理するために減反をいたしておるわけでありますが、製造量といたしましては、ただいま申しましたように、年間百億本ほど需要が伸びる、こういう想定のもとにいたしております。それで材料としては合うわけでございます。
#15
○戸田菊雄君 過剰在庫と減反のかね合いというものは相殺できるような計算になっているのですか。今後も余剰在庫がそのまま続いていくような情勢なんですか。その辺はどうなんですか。
#16
○説明員(北島武雄君) 御承知のごとく、たばこは、収穫いたしましてから二年間寝かしておくわけなんであります。したがいまして、四十五年につくりましたものでも、それが使いますのは四十六年、七年、八年ということになっております。そういった関係でございますので、現在の過剰在庫を減らすためにいま減反いたしておりますが、原材料といたしましては、ただいま申しましたような百億本の消費増に十分適応できると、こういった計画でもってたばこの耕作を指導しておるわけでございます。
#17
○戸田菊雄君 減反に対しての農民に対する施策というものは、どういうふうに考えておりますか。減反をするそういう対策ですね。
#18
○説明員(牧野誠一君) 去年二年間続けて若干の減反をやりましたわけですけれども、その際のやり方は、自然減がございますが、従来は、自然減に見合う反別をほかのふやしたい方に割り振っておった面がございますが、それをほかの方には割り振らないで、自然に減った分だけ減るというようなやり方を黄色種についてはとってまいりました。それから、先ほど申しましたように、在来種とバーレー種につきましては、これは私ども減らしたくございませんので、できるだけ希望者にはつくっていただくという方向で、いま申しましたのは、黄色種というのは非常に余っておりまして、約三年分過剰在庫になっておりますが、その分についてだけはそういうようなことで減反を二年間やってまいりました。
#19
○戸田菊雄君 はっきりわからないんですが、減反をした農民に対しては、専売公社として、たとえば補助金交付をして、何といいますか、迷惑をかけた分に対する手当てを加えていくのか、そういう具体的な諸措置があるのかどうか、それとも、また、そういう減反に対してはごかってにと、こういうことでいくのか、そういう面での対策は何かあるのかどうかということです。
#20
○説明員(牧野誠一君) 減反をいたします場合、甲という耕作者の方が半分にしたいと、それで乙という方あるいは丙という方が若干ふやしたいという場合、乙という方、丙という方には黄色種の場合にはなるたけふやしていただかないようにして、甲という減らしたいという方だけ減らしていただくという方式をとって、それで七%ちょっとでございますが、減反を一年間やったということでございます。そこで、その際に、そういうおやめになる甲という方に、一反当たり幾らという補助金というようなものは、私どものほうでは支出しておりません。
#21
○戸田菊雄君 そうすると、今後の考え方としては、国内産でおおむねまかなっていこうというのか。もちろん、いままでも、不足分はどうしても必要なものは外国から輸入するということになっているわけですが、そういういわば依存率と申しますか、葉たばこの依存率というものは一体どちらにウエートを置いて進めていくのか。あるいはまた、外国輸入ということになれば、主としてどういうところからそういう輸入原料というものを買い入れていくのか。その辺の見解はどうですか。
#22
○説明員(牧野誠一君) いまのところ、国内の葉っぱが全体の八割四分ぐらい使われておりまして、外国から入れた葉っぱは一割五、六分ぐらいの見当ということに最近ではなっておりますが、これがどうも若干ずつ上がっていくような、少しずつですけれどもそういうような情勢にあることは否定できないと思います。それで、その際に、たばこの需要の変化に応じて葉っぱの組み方を変えますものですから、そうしますと、軽くてニコチンとタールの含有量も少ないというようなたばこというものが好まれてまいりますと、そちらに移っていくということにどうしてもなります。そうしますと、その際、先ほど申し上げました在来種、バーレー種というのは、わりあい使いやすいわけでございます。日本の黄色種というのは、かなりニコチンも高く、こってりしておりまして、国民の嗜好といいますか、あるいは健康への配慮から、あるいは、これを吸いたいあれを吸いたいという感触からいいますと、若干ずれてまいりますので、これが余っております。これが葉組みの中に入ってくるのがだんだん減ってくる。それで、在来種、バーレー種のほうはだんだんに足りなくなってくる。そうしますと、外国から若干ずつ軽いさらっとした葉たばこを買い付けるという方向、これが少しずつふえていかないとぐあいが悪いということになろうかと思います。
 そこで、いまのところは、軽くてさらっとしたたばこといいますと、タイの葉っぱ、あるいはインドの葉っぱ、そういうようなものをかなり買っておりますけれども、これもそこだけではだめなので、あるいはオリエント葉と申しましてトルコ、ギリシアの辺でできるような葉っぱの中の軽いものとか、そのほかいろいろな国――いま調べておりますけれども、考えられる世界じゅうの国から少しずつ買っていくという方向へ行くことになろうかと思います。
#23
○戸田菊雄君 まあ買っていくことはわかるんですけれども、結果的にどういうことになるのか。あくまでも国内依存度は六割の線を下げないとか、いわば長期計画で十カ年でおおむねこういう大計画をやろうというんですけれども、そういう中において、どの程度まで外国からの輸入依存というものを考えていくのか、あくまでも国内生産でもっていくのか、そのウエートの置き方ですね、その辺をずばりひとつ教えていただきたい。
#24
○説明員(牧野誠一君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、私ども、数字的にどういうふうにするというようなところまで、長期計画あるいは中期計画をやる際にそこまでの数字的な作業が、実は、いろいろな案があるというだけで、これにしようというところまでいっておりませんのですが、しかし、私どものほうとしては、黄色種というたばこ、これは現に過剰在庫ございますし、若干ずつ減反していった程度では三年分以上余っているというのがなかなか解消しないということで、この計画で数年間先を見通す程度のことではこれはなるたけ使っていかなくちゃならないということで、まあいま申しましたけれども、一五、六%外国の葉っぱを入れていくと、それが若干はふえるだろうけれども、そうべらぼうにはふえないで、日本の葉っぱが主になるだろうと考えていましたのですが、その後、昨年の夏からですか、アメリカでたばこの喫煙と健康の関係で制度を変えようというような議論がかなり強く出まして、それからまた、チクロ騒ぎだとかその他いろいろな食品の人体に対する影響というような議論がたくさん出まして、たばこもよけい吸うといかぬのじゃないかとか、軽いほうへいったほうがいいんじゃないかという議論がかなり強かったように思います。その結果、私どものほうの売れ行きもえらく変わってまいりまして、それでいまいろいろ皆さんに御迷惑をかけておるわけですが、「セブンスター」という比較的軽いもの、あれは少しずつふやしたのじゃとても間に合わぬというようなことになっている。それから「ルナ」というたばこ、あれは売れ行きが少しずつ減っておりましたのですが、去年の十一月の末からぱっとふくれ上がっている。それから「エコー」というたばこ、これは二十本で五十円ですが、黄色い箱に入ったちょっと小さなたばこ、これも売れ行きが減りかけていたのが、ニコチン、タールが少ないということかと思いますが、ぐっとふえてきたというようなことで、私どもも応接にいとまがないようなわけで、いずれにしろ、方向としては、世界的にそうなんですけれども、軽いたばこというほうへ行くだろう。それについて、どの程度の数量的な原料手当てのめどを立てたらいいのかというのは、これは方向としてはそういう方向だろうということでやっておりますが、いろいろ計算いたしますと、時々刻々に数字が変わってくるというようなことで、いま計数的にこうなっているというようなところを申し上げるところまで実はいっておらないわけであります。
#25
○戸田菊雄君 ですから、私の聞いているのは、基本計画でおおむね十カ年で実行していくという基本的な計画があるわけです、一つは。もう一つは、第一次中期計画というものが出て、そのことによっておおむね前途五カ年ぐらいでやる。先ほど質問しましたように、そういう大計画を実行していくには、一つには何といっても販売の長期見通しというものが土台になっていくだろう。もう一つは、やはり原料調達、こういうものについてどういう態度でやっていくのか、この辺の基本的な態度が策定されない限り、今後のやろうとすることが計画どおり進まないんじゃないか、こういうふうに考えますから、あらかじめ、五年先にはこうなりますよ、十年先にはこうなりますよという原料調達の計画というものがなければいけないんだ、こういうふうに考えるわけです。いま聞くと どうもその辺があやふやです。外国から輸入していかなければならない、若干の増の傾向にはなるだろう、あるいは、現在タイ国やインドから主として輸入している、こういうことなんですけれども、そういうものは明確に基本計画の中で、原料調達はこういきます、国内依存度はこうします、したがって、葉たばこの耕作は減反態勢でいってもこうなりますよということにならなければ、今後農村が専売公社に協力しようといったって、協力のしようがないと思う。その辺の長期見通しはないのかあるのか、どうなんですか。
#26
○説明員(牧野誠一君) これは、私ども諮問機関として耕作審議会というものがございまして、そちらへ面積を諮問し、あるいは価格を諮問するわけでございますが、そちらへはある程度長期的見通しというようなお話を申し上げて、減反というような案をその審議会ではお出しいただいたようなことになっておるのですが、しかし、先ほど申し上げましたように、あまりにも、需要の変動といいますか、これが激しいものですから、どの程度国内でどの程度外国でというような見通しというものはなかなか立てにくい。それで、たばこの売れ行きなんかも、品物別の売れ行き比率が毎月ぐいぐいと動いておりますので、非常に立てにくい。ただ、国内の葉っぱというものは、できるだけ合理化して、できるだけ人間の手間を省いて、それで何とか使っていきたいという方向で、現在の八割三、四分というような率をべらぼうに下がることのないように、その辺をめどにやっていきたいということを考えているわけでございまして、まことに先生の御質問の趣旨に合わないような話で恐縮なんでございますが、需要量の変動が非常にぐいぐいと動きますもので、こういう数字でぴたりと計算ができますと言っても、それはうそになるということになると思います。
#27
○戸田菊雄君 いまちょっと時間がありませんから、あとでまた詳しく聞いていきますが、ただ、需要部面は明確になって、供給態勢がとれないということは、片ちんばになっていると思います。それはあとでけっこうです。
#28
○成瀬幡治君 田中寿美子さんが希望でございますが、分科会の関係がありましてまだこちらへお見えになりませんから、その時間をお借りしまして少しお尋ねしておきたいと思います。
 総裁、このごろ、たばこをテレビ等で広告しているのを拝見しておりますが、幾らぐらいお使いになっていますか。
#29
○説明員(北島武雄君) 専売公社の宣伝経費は、全体合わせまして約二億円でございます。もっとも、テレビ、ラジオ等につきましては、昨年の十一月に自粛措置を講ずることといたしまして、今後、テレビ、ラジオの使用につきましては、新製品の紹介、あるいは未成年者の喫煙防止、あるいは防火運動に対する協力、こういったものだけに限ろう、こういうことにいたしております。本年度は、テレビに対する宣伝費はきわめて少なくなる、こう考えております。
#30
○成瀬幡治君 四十五年度が二億ですか。
#31
○説明員(北島武雄君) 昨年度と大体同額で二億円でございます。
#32
○成瀬幡治君 漸次少なくなるということは、今後新製品を開発せぬという意味で少なくなるということですか。
#33
○説明員(北島武雄君) テレビ、ラジオの使用はできるだけただいま申しましたような趣旨に限ろうということで、従来のように消費を大いにあおるというような使い方はいたさないつもりでございます。いきおい、テレビ、ラジオのほうは金額的に減ってまいるであろうかと思います。新製品の紹介にあたりましては、これはやはりテレビ、ラジオを通じまして消費者にお知らせする必要がございます。四十五年度におきましても、さらに秋ごろにはきわめてニコチン、タールの少ない製品を発売する予定でございますので、その際はまたテレビ、ラジオの使用もいたさなければならぬ、こう考えているわけでございます。
#34
○成瀬幡治君 おことばじりをとらえるわけじゃないのですが、消費をあおるような宣伝はやらないということは、裏には、害でもあるのであおるのをやめる、こういう意味ですか。新製品の紹介はやるけれども、あるいは青少年の喫煙はやらないほうがいいというようなことはやりますよ、しかし、消費をあおるようなことはやりませんよということは、害があるでという意味ですか、どういう意味であおることはやらないというのですか。
#35
○説明員(北島武雄君) たとえば、かつて、「たばこは動くアクセサリー」とか、こういったようなモットーで専売公社が大いに宣伝いたしたわけでございますが、こういったたぐいのものは私は消費をあおるような宣伝だと存じます。新製品の紹介は、これは消費をあおるという範疇には入らない。消費者に対してお知らせするのは、これは専売公社の当然なすべき仕事である、こう考えておりますので、その辺は違うと考えております。
#36
○成瀬幡治君 だから、こだわるわけじゃないですが、消費をあおるような宣伝はやりませんよということは、害があるということを認めての話ですか、それとも、どういうことなんですか、そういうことはやらぬということは。
#37
○説明員(北島武雄君) これは、もちろんたばこ事業は国の専売事業でございまして、公益的意味を多分に持っているわけでございます。世間の批判が喫煙と健康というのに向けられてきて、そして専売公社はただ売らんがためにやっているんじゃないかということは、これは専売公社の正しい運営のしかたではないと存じておりますので、そういった世論に聞いて私どもの専売事業を運営したいと、こういう考え方のあらわれでございます。
#38
○成瀬幡治君 あなたのほうの販売促進費と申しますか、こういう広告、宣伝その他ですね、販売がいいぐあいにいくためのいままで支出されておるものは、たとえば決算として出るのは四十三年ぐらいまで出ておると思いますが、どのくらい計上しておりましょうか。
#39
○説明員(斎藤欣一君) 販売促進費と申しますと、たいへん定義がむずかしゅうございますが、たとえば非常に狭義に解しまして、いま総裁からお答えいたしました販売の宣伝のための経費ということは、少なくともこのところ二億円程度に相なっております。促進費と申しますと、私たち販売をやっております者の人件費なり、あるいはたばこをたばこ屋さんに運んでまいります、そういったものを全部含めまして広義の意味の促進費ということになろうかと思いますが、販売費全体で申しますと、ここに正確な資料はございませんが、全体の売り上げのおそらく一%にはならないのじゃないか、まあせいぜいその程度ではないか、これは人件費とか輸送費とか全部含めまして。ですから、販売促進費と申しますと、いかにも販売を伸ばすために、伸ばすためにはたばこ屋さんに毎日毎日注文をとってそして運んでいきますことも広義の販売促進費かもしれませんが、普通の場合、販売促進費と申しますと、そういった宣伝をしたり広告をしたりというふうに私ども解しております。そのほかのことは、最小限度国民の方にたばこを供給するための方法だというふうに考えておりますので、販売促進費ということでお答えする限りにおきましては、さっき申し上げました促進経費というものは宣伝費という名目のもとに約二億円程度組まれておりますという程度のことであります。あと、たとえば小売り店の方に集まっていただいていろいろ教育をしたりする、これはある意味では促進費とも申し上げられますが、また、逆に申しますと、ある意味では国民に対するサービスをよくするといったようなそういった小売り店の指導などにある程度お金を使っておりますけれども、これを促進費と申しますかどうか、いずれにいたしましても、販売の経費全体、人件費、輸送費を含めまして、全体の売り上げの一%程度であろう、いま正確な数字を手元に持っておりませんが、そういうふうに考えております。
#40
○成瀬幡治君 主として専売公社の合理化の問題がいろいろとあるんじゃないかと思いますが、それに関連を置いて伺いますが、第一に承りたいのは、今後の労働力というものは一体どんなふうになっていくであろうやというふうに専売公社としては見ながら、しかも、時間交代制を取り入れられるとか、あるいは女子従業員というものをどういうふうに見るとか、いろいろな問題があると思いますけれども、この長期計画は十年ということだと思いますが、その間に労働力というものはどういう方向で行くであろうやというような計画と申しますか見通しを立てておみえになるのか、その辺のところを承りたい。
#41
○説明員(牧野誠一君) ただいま、専売公社は、大体四万三千人という職員で動いております。販売量がだんだん先ほど申し上げましたようにある程度ふえていくということ、それと、いろいろな工場の合理化とか、あるいは販売面も合理化したいというようなことで、差し引きいろいろございますけれども、将来四、五年あとに若干ずつは減るんじゃないかと、こういうようなことで、総体の数字としては、自然退職の方が毎年千何百人かおりますのですが、その範囲内で総体としてはまかなえる程度の人員の減ではなかろうかという、まことにばく然たるお話で恐縮なんでございますけれども、そうべらぼうな減ということではなく、全体としてはそんなことでいくのじゃなかろうかというふうに考えております。
#42
○成瀬幡治君 これは、二交代とか三交代制を取り入れるというつもりですか。
#43
○説明員(牧野誠一君) 二交代なども取り入れまして、それでいろいろな高能率の機械、そういうようなものも労働組合のほうに現在提案中でございますけれども、たばこの巻き上げ機をいまMMCという機械が二千回転のやつを二千五百回転にするとか、あるいは、たばこを刻む原料の段階をいま使っております裁刻機と申しますそれより四倍ぐらいの能率のある機械を入れるとか、それで需要量の増に応じて生産量をふやしていく、それで高能率化していくということを出入り両方ございますわけですが入れまして、大体そんな程度の人員の若干の減少ということじゃなかろうかという非常に大ざっぱな見当をつけております。
#44
○成瀬幡治君 二交代制ということは、これは何時から何時まででしょうか、案は。
#45
○説明員(牧野誠一君) 午前七時に第一回の方が出まして、それで第二回目の方が十時に終わるということで、いま労働組合の意見を聞く――少し大ざっぱ過ぎまして恐縮でございますが、六つの工場について合理化の提案をしております。北のほうに三つ、寒い地域の工場がございまして、金沢、盛岡、函館でございます。これは、春から夏秋へかけましてと、それから寒いころ日の短いころと、違えて提案をいたしております。四月から十一月までは、早番は六時出、それからおそ番の方の帰るのが二十一時五十分――九時五十分でございます。それから十二月から三月まで、これは日が短うございますので、早番の方は七時に出る、それでおそい方は二十一時二十分に終わるという提案になっております。それからその他の、これは暖かいほうにあります工場ですが、その他の工場につきましては、年間を通じまして――先ほどちょっと間違えておりましたので訂正いたしますが、六時半に早番が出る、それでおそ番の方は二十一時五十分まで勤務という形にして提案をしております。
#46
○成瀬幡治君 これは四万三千人の中の男女の内訳なりあるいは年齢の構成で見なければいろいろな批判はできないと思うのですが、一体、男女の比率はどのくらいですか。
#47
○説明員(牧野誠一君) この六工場についてみますと、たばこの製造工場の製造所というところで働いている方だけの数字でございますが、女子が六三%、男子は三七%、約そのようになっております。
#48
○成瀬幡治君 年齢でいって……。
#49
○説明員(牧野誠一君) 年齢は、その六三%を占めます女の人の二平均年齢が三十五歳前後ということでございます。
#50
○成瀬幡治君 この中で一番多い年齢層は何歳ぐらいですか。
#51
○説明員(牧野誠一君) やはり平均の前後が一番多いと存じます。
#52
○成瀬幡治君 そうすると、これは何歳から何歳までですか。最低は何歳、最高は何歳ですか。
#53
○説明員(牧野誠一君) どうも、ぴったり正確でないかもしれないので恐縮なんですが、若い人が十八歳で、一番上が五十五歳ぐらいじゃなかろうかと思います。
#54
○成瀬幡治君 十八歳というのは、一つの採用されるあなたのほうの基準年齢で、それから五十五歳というのは、定年制ではないかもしれぬけれども、定年制というものがあるのかないのか知りませんが、そういう意味の五十五歳ですか。
#55
○説明員(牧野誠一君) 大体十八で高校を出て入ってくるということで、下のほうは先生のおっしゃるとおりだと存じます。上のほうは、定年といいますものはございませんが、大体五十八になると一般に退職するというような形でいま運営されておりますが、女の方の場合はもうちょっと早くおやめになる方が多いということで、五十五歳までということでございます。
#56
○成瀬幡治君 あなたのほうがおやめになるように行政指導するから、おやめになる方が多いと、こういうことですか。
#57
○説明員(牧野誠一君) これは、五十八になるまではそういうようなことは私どものほうはございません。
#58
○成瀬幡治君 そうすると、五十八になるまではおやめなさいということは言わない、しかし、自然におやめになっておいきになるから大体五十五歳までですということですか。
 それからこれは勤続されてどういうことになるかよくわかりませんが、一体、五十五ぐらいでおやめになった場合、退職金はどのくらいですか、一人当たり。たとえば、つい最近やめられた方の例ではというようなデータはございませんか。
#59
○説明員(牧野誠一君) どうもちょっといま手元に正確な数字がございませんが、調べてお出しいたしたいと思います。
#60
○成瀬幡治君 それじゃ、算定方式を教えていただきたい。そうすれば、すぐ計算できますね。どうやって退職金を算定するか、方式をひとつお知らせ願いたいと思います。
#61
○説明員(牧野誠一君) 不正確なことを申し上げると恐縮と存じますから、いまそういうようなことを取り寄せたいと思います。これは、大体、勤続年数に給与月額、これと対応してきまるわけでございますが、一年ふえますごとにおおむね一月分ふえるというようなことで、それからまた、ある程度高齢退職でやめますと、何割かはそれにやや加算されるというような方式にはなっておるのですが、これもまことに恐縮なんですが、いま手元へ取り寄せますので、ちょっとお待ち願いたいと思います。
#62
○成瀬幡治君 田中寿美子さんがお見えになってこまかいことはおやりになると思いますから、私はあまりそこまで立ち入ろうとは思いませんので、あとでもって資料をお出しいただくとして、比率が大体男三七、女六三と、こういう比率のように承りましたが、これは今後五年ないし十年の長期計画の中でいえば、男女の比率はほとんどこういう比率が続くものと、こういうふうに見ておみえになりますか。
#63
○説明員(牧野誠一君) この比率は、はっきり計算がされているということではありませんが、若干は女子が減るのじゃなかろうかと思うのです。それは、なかなかむずかしい機械がだんだん入ってまいります。女の方では取っつきにくい、その機械にですね、そういう部面が若干ずつふえてくるのではなかろうか。そういう関係で、少し女子の率が減るのじゃなかろうかというふうには思っております。まだ、いまのところ、この程度というような数字ははじいておりません。
#64
○成瀬幡治君 技術がむずかしくなってきて女子が若干減るだろうと。そうしますと、いま、新しい機械等が入って、技術勉強と申しますか、仕事を覚えるための講習会というか、何かそういうような教育をやっておいでになるのでしょうか。それは、男女同じようにやっておりますか、希望者でやっておりますか。どんなかっこうでそういうことはやっておみえになりますか。
#65
○説明員(黒田実君) 現在、いろいろな段階に応じまして訓練する場所が違っておりますけれども、現場の第一線の作業員の方は、大体工場におきまして訓練をしております。これはその工場でやることもございますし、それから設備の整いました他工場でやることもございますが、その上の段階の場合には機械製作所とか特定の設備を持った研修の可能な場所でやっております。その際、必要な技術につきましては、男女を問わずやっております。
#66
○成瀬幡治君 男女を問わずやるということは、希望者でおやりになるのか、あるいは、あなた出なさいといってやられるのですか、どういう人たちが訓練を受けるのですか。
#67
○説明員(黒田実君) やはり一応、それぞれの職場の配置がございますので、その職務上必要な人につきまして指示して研修をさせるわけでございます。
#68
○成瀬幡治君 女子が減っていくということと、訓練を受けるのは男女を問わずにやるということとは、ちょっと意味が違うのですね。ですから、結果がそうなるであろう、こういうことになるのか、どういうことで女子は減っていくのか。いまお聞きしておりますと、片方は、訓練は男女を問わず同じにやっている、こうおっしゃる。どういうことなんですか。
#69
○説明員(牧野誠一君) ただいま、たとえばいま入っております機械でたばこを巻く機械なんか、高速機という非常に早いやつでございますね、これにつきましては概して男が多い。それで女の人がこれについておりますのもございますけれども、工場によりまして比較的少ないということに現になっておりますのですが、そういうような機械がまた回転数がスピードが上がってくるというようなことになりますと、私最近見ておりますと、若干そういう現象かなと、男のほうが少しずつふえぎみかなあというふうに思いますので申し上げましたので、やはり、むずかしい機械、高速化した機械というと、どうしても男の人のほうに研修を受けさせ、その機械が動き出すときは男の人がつく、まあ女の人でやる場合もあるけれども、そういうような傾向のあるという場面が最近も少し出ております。これからなお高速化しますと、おそらく若干はそういう場面が出るのじゃなかろうかということでございまして、別にこれは女でなきゃいかぬ、これは男でなきゃいかぬということではじいた上でどうということではございません。私の感触を申し上げましたわけでございます。
#70
○成瀬幡治君 高速のほうは女子の人はやめさせておりますか、訓練は。
#71
○説明員(黒田実君) 現在、高速巻き上げ機が全体の二割程度入っておりますが、これにつきましては主として男子が運転いたしておりますが、一部は女子も運転に従事いたしております。
#72
○成瀬幡治君 私は、今後女子が職場にあらゆる意味で進出してくるし、また、進出してくるのが労働事情からいって、いまの大勢の要望であろうと思います。そこで、諸外国の人たちと比較して、男なり女なりの問題でいろいろな問題があると思います。ほんとうに男子でなければ耐えられないそういう高速機というような特別なものを除いて、世上一般の高速関係、たとえば機械産業でいいましても、旋盤なりあるいはフライス盤につく人、あるいはターレット、力の要るものは別として、そうでないちょっと目盛りで合わすようなもの、そういうものはそうでないと思うんですけれども、力が要るということですか。高速ということが、実は、私も、この巻き取り機だとか、その巻き取りの高速機というものを注意して見ておりませんからよくわかりませんが、それは非常に肉体的に力が要るものなのかどうか、どうなんですか。
#73
○説明員(黒田実君) 別に力が要るというものではございません。現在たばこの製造工場で女子作業員を主として配置している職場が、いまの巻き上げ作業と、それから巻き上げられましたシガレットを小さい小箱に詰めますいわゆる包装作業、ここが主要な職場でございますが、そのほか原料の葉組みと申しますか、たばこの葉っぱを配合する、こういう作業もいるわけでございます。ただいまの御質問の巻き上げの作業でございますが、これは別に機械が高速機になったからといって力が要るというものではございません。ただ、非常に複雑な精巧な機械でございますので、かなり微妙な機械の調整を要する、故障しましてストップしました場合なるべく早い時間にこれをまた動かすというような技術を要しますので、そういう点におきまして従来から熟練しておった男子作業員のほうが使いやすかった、こういうことでございまして、女子の作業員の人も、それだけの経験と訓練を積みますれば、できないというものではございません。
#74
○成瀬幡治君 紡織ですね、繊維関係ですね、あの機械というのは相当機械化されまして、昔のことを思うと比較にならないわけですね。そして、しかも、女子の人たちが、過重労働だと思いますけれども、いまは何台か織機を引き受けてローラースケートをはいて動いておるわけです。こんなことも考えられますが、あれこれ見ましてそういう神経をすり減らすようなことをやる。それからあなたがおっしゃる技術の習得というのですか、勉強というのですか、そういうことが必要だということは私もわかりますが、さて、男女で肉体的にはそんなに差はないものですか。この仕事に関しては、巻き取り機では、そういうふうに了解していいですか。男でも女でも違いはない、これでできる、こういうことだと、そのようにも黒田さんの話を聞くと聞こえるわけですが、そう了解していいですか。
#75
○説明員(黒田実君) 一言で申しますと、機械が順調に動いておりますと、自動的にどんどん製品が出てくるわけでございますから、監視的な業務になるわけですね。それをチェックしているということになるわけでございます。それがやはりときどき調子が悪い場合に調整をするということを始終気をつけておらなければならぬ、こういうことでございますので、別に肉体的に、非常に肉体を使う、そういう種類のことではございません。
#76
○成瀬幡治君 先ほど、就業時間の交代で、おそ番の人たちの帰る時間が二十一時五十分なりあるいは二十一時二十分というような話でございました。専売の人たちは、従業員の住宅はなるだけ近くに置くために、住宅に対して何か特別なことを考えておいでになりますか。
#77
○説明員(牧野誠一君) 専売公社では、これは明治三十何年かに大蔵省専売局として発足して以来あまり変わっておらないのですが、住宅に対する方法としては、なるだけ近所の方にその工場へ来ていただくということで、一般には寮だとかあるいはそのための宿舎だとかいうようなものはなるだけつくっておらないということでやっております。ただ、転勤の多い人たちにつきましては、ある程度近所に宿舎をつくって、あるいは寮をつくって、そこへ入ってもらうというようなやり方にいたしております。
#78
○成瀬幡治君 そうすると、いままでは、こういう二交代制がなかったときには、晩の六時なら六時、あるいは残業等があって七時ごろにお帰りになったのを、二十一時五十分にお帰りになる、あるいは二十一時二十分にお帰りになる。住宅政策はなくて、方針はなるだけ近所の人に来てもらっておるというのも一つの政策かもしれませんけれども、ただ、そういう意味で退職を余儀なくされるという人は考えておみえになりませんか。これは勤務条件の大きな変更になりますね。そういうことによってやめていかなければならぬという人に対しては、何らかお考えは、いや、そうじゃない、近所の人に来てもらうという専売公社ができた当初からの方針がそうなっておるから何も考えておらぬ、こういうことなんですか。
#79
○説明員(牧野誠一君) その点につきましては、ただいま、労働組合に提案をして、いろいろな話し合いを進めているわけでございます。いろいろ考えられるわけですが、通勤のための足の便利なように何か考えるとか、あるいは場合によっては宿舎のようなものも考えるとかというような、そういういろいろ考えられるものがあると思いますが、目下、具体的にこの工場ではどういうふうにしたらいいだろうかという具体案を詰めようといたしております。
#80
○成瀬幡治君 そうすると、今後の二交代制を採用するということと通勤なり住宅問題を含めて、いままでなかったことなんだから、含めて検討をしよう、今後詰めようとしておると。交代制だけ詰めてしまって、宿舎のことは切り離してあとで詰めるというようなことではないと。これは、総合的な、相関的な関係にあるわけです。鶏と卵でいえばどちらが先かということで、そういうふうに了解していいですか。
#81
○説明員(牧野誠一君) これは、総合的な詰め方でないと、話は詰まらないと思います。これだけは別だ、それであとから話をしようということでは、私は労働組合との間は詰まらないと思うのでございます。総合的でないと詰まらないと思います。
#82
○成瀬幡治君 そうすると、二交代の採用とどういうふうに話が煮え詰まるかわかりませんけれども、少なくとも、そのときには、宿舎の問題もある程度目鼻がついて解決したときだと、こういうふうに了承してよろしゅうございますね。
#83
○説明員(牧野誠一君) いまお話のありました問題は、その他の通勤の問題だとか、あるいは少しおそくなる人のためにちょっと寝る場所をつくるとか、いろいろな問題を含めまして詰めるということになろうかと存じます。
#84
○説明員(北島武雄君) ちょっと、専売公社の住宅対策につきまして牧野理事が申されたことが、多少聞いているお方の誤解を招いた点もあるように存じます。牧野理事も明治の三十何年から住宅対策が変わらないのだということを申しましたが、それはたばこ製造工場における製造職の方々の話でございまして、できるだけたばこ工場では近所の方を採用していく方針だったということを申し述べたにすぎないのでございます。全体としての住宅対策を考えますと、私は、専売公社はむしろ住宅対策としては進んでおると。実際に工場のいま申し上げました製造職の方々以外に転勤を必要とする方々の住宅対策は、私は非常に進んだほうではないか、こういうふうに考えているわけでございまして、その点ひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
#85
○成瀬幡治君 それでは、総裁、いまのお答えに対してもう少し具体的に承りたいのですが、普通、住宅をやるときの予算編成の問題になってまいりますが、あなたのほうの中では、大蔵省との関係で、益金が相当多いから納めなければならない、予算に取られてしまう、そこで、やり繰りしながら住宅に独自――独自と言ってはおかしいかもしれませんが、各省とのバランス等があったりいろいろな問題があると思いますけれども、それにしましてもある程度ゆとりをもって住宅政策を積極的に進めておみえになるというふうに承ってよろしゅうございますか。
#86
○説明員(斎藤欣一君) ほかのたとえば一般官庁でございますとかあるいは国有鉄道とか電電公社とか、そういったところと比較した材料を別に持っているわけではございませんが、公社の場合、転勤を要する職員につきましての、そういう人たちの社宅なりを、公社がめんどうをみて住宅を公社自身で持っておりませんでして、公社が自分で借り上げてそういう人たちに住んでいただくといったような手当てというものは、ほかの一般官庁なりに比べますと、たいへん手厚いことになっているというふうに私は考えております。
#87
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#88
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
    ―――――――――――――
#89
○委員長(栗原祐幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、横川正市君が委員を辞任されて、その補欠として田中寿美子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#90
○田中寿美子君 専売の総裁、おいでだと思います。私、いま予算委員会の分科会のほうで労働大臣に質疑をしておったのですが、きょうは、専売公社の合理化計画で、その中の第一次中期計画として提案されておりますもの、その計画についてお尋ねするわけなんですけれども、その前提として、一般的に、労働大臣に、婦人労働というものはいまはどのように大事なものであるか、今日の日本の経済の中で女子労働者の寄与していることは非常なものであると。それに対して、かつては、結婚して子供を持ったら働けなかったのであるけれども、いまやみんな――みんなとは言いませんが、結婚して働く人がふえております。これは、国の経済のほうからも必要だし、また、家計のほうからも必要だし、また、働く婦人自身が働く権利がある、こういうことからも言えると思うので、そういうことについての質疑の中で、労働大臣も、女子労働者というものは家庭の責任があるから十分に保護をしなければいけないという意見を述べられました。
 そこで、専売公社は公共企業体である。しかし、衆議院の大蔵委員会で、広瀬議員に対して、大蔵大臣が、財政専売なんだ、だからはっきり言えば国家財政のために収益をあげなければいけないのだから、企業の利潤追求を第一にすべきだという意味のお答えをしていられるわけですね。労働大臣は、公共性のある企業である、だから利潤追求だけを目的にしてはいけないと思うと、これは労働者の立場から言われたと思うのでございます。それで、総裁は、その点を、公社の公共企業体であるということについてどういう根本的なお考えを持っていらっしゃいましょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#91
○説明員(北島武雄君) 私は、大蔵大臣が衆議院でお答えになりましたように、たばこの専売事業というのはこれは財政専売であるということだと考えております。ただし、それにつきましては、財政専売であるにせよ、やり方についてはもっと公共的にも考えなければならぬのじゃないかというふうに私自身は考えているわけでございます。趣旨は、財政専売であるということは間違いありません。
#92
○田中寿美子君 財政専売であることは間違いないけれども、しかし、公共性というもの――これはけさもテレビで報道しておりました。NHKテレビで、専売公社の売り上げはものすごい、最高だと、二千百億本をこえたということで宣伝がされておりましたね。これは主として国内の国民大衆が吸っているわけです。それによって利益をあげていっているわけですね。ですから、そういうことを考えますと、なんでもかんでもものを買わせたらいいというものじゃない、特にたばこというものの性格から申しまして。ですから、公共性ということについては十分注意を払わなきゃならないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#93
○説明員(北島武雄君) 公共性の内容でございますが、公共企業体であります以上、やはり広く公共性というものを頭に入れて運営する必要があろうかと、こういうふうに私自身考えております。
#94
○田中寿美子君 ということを、もう少し具体的に言えば、どういうことですか。
#95
○説明員(北島武雄君) たとえば、もし営利を追求するだけでございましたならば、たばこは大いに売らんかなという宣伝もどしどしいたします。しかし、私は、公共的に考えて、こういったことは目下のところ差し控えたほうがいいんじゃないだろうかという感じで運営いたしております。これがやっぱり公共性の配慮の一つだと存じます。
#96
○田中寿美子君 それは、差し控えたらいいということは、つまり健康的にあまりよくないから、健康とたばこの関係を考えてでございますか。
#97
○説明員(北島武雄君) これは、たばこは健康に有益だということが申せればたいへんいいわけでございますが、これが私どもの長年の経験からいたしまして、私もスモーカーでございます。やはり、たばこは、たくさん多年吸いますと、健康にはあまりいい影響はもたらさないという感じは持っております。ただし、もちろん喫煙者にも三分の理と申しますか、喫煙者といたしましては、たばこがなければ思考がまとまらない。また、たばこを吸うことによってストレスの解消ができる、こういった面も言われるわけでございまして、これは、逆の面からいえば、ストレス解消は健康に有益だ、こういうことも言えるかと思います。(笑声)
#98
○田中寿美子君 そんなことを言うとたいへんですよね。アメリカなんかは、たばこを吸うことは健康に有害であり得るというふうなことを書いておりますね。そういう意味からいって、専売公社がスローガンにしている「うまくて安いたばこ」というのを、私は、「健康的で安いたばこ」というようにすべきだと思うんですが、いかがですか。
#99
○説明員(北島武雄君) 私も全く同感でございまして、長期計画には大きな見出しで「安くてうまいたばこ」ということが書いてございますが、中身を見ますと、もちろん健康を気づかって吸っている方のことも考えて、低ニコチン低タールたばこをつくろうということになっておりまして、大きな見出しは安くてうまくて消費者が安心して吸えるたばこ、こういうふうに考えているわけでございます。やはり、気にしながらたばこを吸っておったんではからだに毒だ、消費者が安心して吸えるようなたばこを出していく使命がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
#100
○田中寿美子君 消費者が安心して吸えるたばこというのは、どういうたばこですか。
#101
○説明員(北島武雄君) これは、まだ、決定的な理論はないわけでございます。ニコチン、タールの少ないということは健康にとっていいのではないかというのが医学者の通論のようでございまして、これにもまたいろいろ議論があるようでございますが、やはり、軽いたばこが強いたばこに比べて健康には有害度が少ない、長年吸っておってそういうふうに考えられると思います。
#102
○田中寿美子君 その辺は、研究所も持っていらっしゃることだし、大学なんかにも相当研究費なんかも出してらっしゃるわけでしょう、年間。もっと研究してもいいはずだと思うのですね。ニコチンが発ガン性があることはないんだ、タールのためでもない、あれは紙が燃えるときに発生するもの、それが悪いんだというような意見もあるわけですね。それで、ほとんどフィルターをつけてニコチンとタールをこして、そうして健康にいいかのようにちょっと思わせている感じがするのですがね。その辺は、ほんとうに健康のためになるようなたばこは――ためになるようなという積極的な意味はないかもしれませんが、健康を害さないようなたばこというものについて、ほんとうに研究ということをされているのかどうか。年間どのくらいの研究費を使っていらっしゃるのですか。
#103
○説明員(牧野誠一君) ただいま、私どものほうで、外部のお医者さんその他その方面の専門家の方たちに委託しておりますための経費は、四十四年度で二千二百万円でございます。それから四十五年度の予算ではふえまして三千万円になっております。これは外側の先生方に委託する費用でございますが、それ以外に、私どもの病院でもいろいろ勉強しておりますが、これは病院のお医者さんがやっておりますので、幾らというようなことは言いにくいと思いますけれども、外部のはそんなようなことになっております。
#104
○田中寿美子君 肺ガンのことは非常に心配されているので、財政専売であるから利益をあげさえすればいいということではもちろんないはずで、民営の企業の場合だって、たばこの健康に及ぼす害ということは各国で研究されていると思いますので、この点はもっともっと本気にやらなければいけない。そこが、何となくフィルターのたばこが非常にはやって、もうほとんど八〇%フィルターになっているという報告がされておりますね。フィルターをつけて、ニコチンを少なくして、タールを少なくして、そうして別の値段の高い銘柄の、ちょっとデザインのいいのを出して、そこへ一般の嗜好を引っぱっていく、これは企業の経営上の一つの政策かもしれないのですけれども、こういうふうな感じがするんですね。それはいかがですか。
#105
○説明員(斎藤欣一君) 私、長い間販売のほうやっておりましたので、お答え申し上げたいと思いますが、確かに、公社という企業の政策といたしまして、先ほどからお話がございましたように、財政に寄与するという目的もあるわけです。したがいまして、できるだけいま先生から御指摘のございましたような方向というものを考えながら仕事をしてまいったという面は、決してないとは申し上げません。あると申し上げていいと思います。ただ、そのために、たとえば所得の関係あるいは嗜好の関係で安いたばこしか吸えないという消費者の方もおいでになると思います。そういうたばこをやめてしまう、あるいは切らしてしまう、そうして無理やりに高いものを吸っていただく、強制的に高いものを消費者に吸わせる、そういった政策はとっておりません。ただ、実際問題といたしまして、お客さんの所得がだんだん上がってまいりまして、それにつれまして高いものにだんだん消費が移ってきているということは現実として申し上げられると思います。
#106
○田中寿美子君 一昨年たばこの値上げが問題になりましたときに、ここの委員会でもだいぶん私どもも議論したわけですけれども、あのときも、銘柄を変えて高いたばこを幾つもつくっていくということが結局収入をあげることになっていくというような政策をとっていられたと思います。そこで、単価の高いたばこをつくる。で、みんなの一般の喫煙者の嗜好をそちらのほうに誘導していくというような政策がとられている。ほとんどがみんな高くなっていっていますけれども、この政策は、おたくの「国際化時代のたばこ事業」というPRの資料がございますが、これなんかで見ると、国際競争が非常にこれから激しくなっていく、その中で生き抜くためには外国品と対等のようなものをつくっていかなければいけないと。そういう観点からそちらの方向に持っていくのかどうかということなんですが、いかがですか。
#107
○説明員(斎藤欣一君) 実は、いま先生から御指摘がございました「国際化時代のたばこ事業」は、公社も国際的に競争できるようなたばこ事業にならなければいけないという問題が現在たいへん大事な問題としてとらえているわけでございます。ただ、先ほどからお話がございます高い銘柄にたばこの消費者の方々が嗜好を転移していっているという状況は、これは、ずっと戦後見ておりますと、毎年毎年そういうことで、たばこの平均単価というものは上がってまいっております。戦後、公社の場合、国民にどうやってたばこを供給するか。非常に生産能力は足りません。そういった場合に、どうやって十分なたばこを供給するかということに重点を置いた。外国のたばこ産業と競争するなんということは、比較的最近になってから問題が目に見えてまいったというふうなことであると思います。したがいまして、戦後からここ二十年代、三十年代にかけましては、どうやって国民の需要にこたえていくか。それからもともと非常に銘柄の数も少のうございましたし、品質的にも十分なものでなかったわけでございますが、国民の所得あるいは消費水準というものが上がってまいりますのにこたえて、どうやってそういうものにマッチしたようなたばこを供給していくかということが重点になっておったわけでございますが、御指摘のとおり、現在では、それに加えまして、国際的に外国のマーケットに持ってまいりましても太刀打ちできるというものにするために、あるいは、逆に申しますと、外国からどんどんたばこが入ってまいります場合に、消費者が、外国製品に劣らない、日本の専売公社の製品が外国製品と十分に対抗できる品質のものであるというふうなものをつくっていくというふうな感じというものが最近ではたいへん強くなってきている、そういうことでございます。
#108
○田中寿美子君 この資料の中に、日本のたばこは専売で保護されてきている間に他国のたばこはきびしい競争の中で競争力をつけてきた、それで差ができてしまったというふうなことが書かれてあるわけですが、ところで、いま二千百億本も吸うようになった。一体、それでは、将来幾ら吸わせようと思っていらっしゃるのか。つまり、専売益金を上げていくためにはどのくらいの需要を見越して、どのくらい生産していこうと、こういうことを考えていらっしゃるのでしょうか、これは計画があるわけでしょう。
#109
○説明員(牧野誠一君) これは、長い将来と申しますと、ちょっとお答えいたしにくいのですが、ここ数年間は、おおむね百億本ぐらいずつ年にふえていくだろうということで計画をいたしております。
#110
○田中寿美子君 けさの発表でテレビで見ておりすと、日本人が一日に五億本のたばこを吸っている。そうすると、一人一日平均十六本吸っているというわけですね。それで、国民にそれ以上もっと吸わせるというような方向に持っていくわけなんですか、これはどういうことですか。
#111
○説明員(牧野誠一君) これは、吸わせるという方針ではございませんけれども、何といいますか、売れますんでこれは切らさないようにいたしたいということで、私どもも、いま申し上げましたように百億本ずつふえるというのは、それを吸わせちゃうんだというつもりではございませんで、その程度需要がふえるだろう、それに対して供給を切らさないようにやっていきたいということでございます。
#112
○田中寿美子君 まあ、合理化をして、そしてコストをなるたけ下げて、たくさんつくり出していく、こういう考え方は、これは公共性のない普通の民営の企業は、それをどんどん追求していくことが一番の目的だと思う。しかし、たばこは、公共企業体でもって、先ほど財政専売としての収入を得ることが一番だろうと、そう言われたけれども、これを吸うのは国民全体であって、健康の問題もある。さらに、その中で働いている労働者が労働してつくり上げてきている。こういう面を特に公共企業体であれば重要視しなければならないと思うんですが、その点は、総裁、いかがですか。
#113
○説明員(北島武雄君) 私は、専売公社に参りまして常に申しておることは、専売事業の上にあぐらをかいてはいけないということでございます。実は、御承知のとおり、たばこ事業は国の完全独占事業でございます。私も昔公正取引委員会におりまして、独占事業というものがえてしておちいりやすい弊害というものをよく知っているわけであります。参りましてから、専売事業の上にあぐらをかかないようにせよと言っております。参りましてから検討いたしますと、前々総裁時代から、決してあぐらをかいておったわけではなくて、事業の今後の方針といたしては、やはり国際的に目ざして企業を合理化し、そうしてだんだん国際競争力をつけていこうという方向にまいっているわけでございます。私も、その点について、まことにたいへんけっこうなことであると思いまして、そういう方針については今後も推進したいということを職員にも申しているわけでございます。現在でこそ、たばこは、専売事業で、外国品の輸入もすべて専売公社がそれを一手に制約して、数量も制限いたしておる。しかし、こういった完全に制限できるような状況は、やはり次第になくなっていくというふうに私どもは考えなければならぬ。独占の上にあぐらをかいておりますと、将来自由化された暁、外国品にどんどん日本のたばこが圧倒されるようになっては困るわけであります。そういった点について、まず、現在の国際的嗜好を考えて外国のたばこに負けないようなたばこをつくっていこうじゃないかということ、さらに進んでは、外国にたばこを輸出していこうじゃないか、これを伸ばしていこうじゃないか、こういうことを呼びかけて職員の奮起を求めているわけであります。
#114
○田中寿美子君 要するに、独占企業であぐらかいていたのは、たばこで働いている職員たちだったということになりますか。そういう意味ではありませんでしょうね。おたくの資料の中に、個人消費支出の中に占めるたばこの支出費用がちっとも上がっていない、ほかのものに比べて上がらないということなんですが、あの論法でいきますと、たばこもほかのものを消費するようにどんどん家計費の中で上がっていかなければならないことになるんですね。こういう考え方は、ちょっとたばこというものを考えなきゃならぬですけれども……。公共性のことをいまお聞きしたのですけれども、公共性の中に、だから公共企業体の中で働いているところの労働者というものは、ある意味では保護がよく与えられている、そういう意味のことをおっしゃったのじゃないかと思うのですが、そうですか。つまり、公共企業体の職員は、ほかの民営の企業よりは保護が多く与えられてきた、こういうことをおっしゃりたかったわけですか。
#115
○説明員(北島武雄君) 私は、率直に申し上げまして、専売事業の労働条件というものは、決して民間に負けていないという感じがいたします、全体的に見まして。これはなにも専売事業の上にあぐらをかいているということではございませんけれども、決して労働者をないがしろにしてはいない、一般民間企業に負けないような厚生施設とその他の労働条件であると考えているわけでございます。
#116
○田中寿美子君 私もそれは認めます。ほかの民営の企業のうんとおくれたところがたくさんありますからね。少なくとも、女子労働者が長い間専売の企業をささえてきております。しかし、過去には、戦前の保育所とか、あるいは生涯専売で働いておった女の人が多かったわけですね、もともと。これは安い労働力が必要だったから雇っていったと思うんです。それに必要だから保育所を持っていったと思います。それで、戦後は、婦人自身も目ざめておりまして、それから組合の交渉力も強くなってきている。そうして、いろいろな厚生施設がずいぶんよくなった。そういう意味で、私は、企業の中に保育所があるということはいいことだと思うし、それから結婚しても、子供を持っても働ける職場というのは非常に大事な職場であると思います。そして、婦人がだんだん専売の中では伸びてきたわけですね、平均年齢も勤続も。これは、ほかの産業全体に比べたら、おたくの働く婦人というのは、平均年齢が三十四歳、相当高いですね。それから勤続が十四年です。しかも、その中で既婚者が七〇%という高い比率を占めております。結婚しても勤められる職場、これは専売が公共企業体であるということである意味ではよかった面じゃないかと、こういうふうに思うわけです。
 ところが、今度の合理化計画の中で、二交代制勤務を導入するということが一番中心的な計画になっておりますね。この問題なんですが、先ほども労働大臣の意見をお聞きしました。いま、家庭の責任を持って働く婦人の労働者というのが非常に多いし、また、それが必要になってきている時代なんですね。こういう時代に、それからまた、婦人も働く権利がある、その権利が守られなければならないという時代になってきているわけなんですが、この際専売公社に二交代勤務制度を入れ込むということは、はたしていままで働いてきた一万五千人の女子労働者が働き続けられるかどうかという非常なきわどい危機に来ている、こう思うんですが、この点を総裁はどうお思いになりますか、大丈夫だとお思いになりますか。
#117
○説明員(北島武雄君) 二交代制を導入いたします理由につきましては、先刻御承知のとおりと存ずるのでありますけれども、一応申し述べますと、今後、工場を近代化し合理化するために、巨大な設備投資を必要とするわけでございます。これに対しましては、何としても投資効率を高めなければなりません。専売事業の投資と申しましても、結局は国民からまかない得たものでございます。その国民からまかない得たものに対して投資効率を高めることは、私どもの責任であろうかと存じます。ことに、最近のように技術革新がどんどん進んでいる時期でございますので、できるだけ償却も促進しておかないとぐあいが悪いというのが二交代制導入の動機でございます。御承知ではございますが、すでに専売にも一部分二交代制のところがあるわけです。もちろん今回の女子職員の多い製造工場についての二交代制とは趣が違うということは申せるかと存じますが、全体から申しましていま言ったような二交代制の必要を考えますと、どうしてもこの二交代制だけはやっていかなければ私は国民に対して申しわけないと、こういう感じがするわけでございます。これについては、女子の方々に対して私はたいへん心苦しいのでございます。心苦しいのではございますけれども、何とかこの事情を了解していただきたいということを考えているわけでございます。もちろん、この二交代制勤務に伴いまして、交代手当など平均一回について四百円の手当も支給するつもりでございますし、あるいはまた、宿泊施設、仮眠施設もつくりますし、それから必要ならば通勤バスももちろん運行いたします。それから託児につきましても、必要なところについては、現在は満三歳までのお子さんしか預かっておりませんが、これは就学年齢まで延ばしましょうというようなことなども考えて組合に提案いたしている次第でございまして、決して女子の方々をなおざりにするというつもりはないわけでございます。
#118
○田中寿美子君 この問題には、いろいろな側面があるわけですよね。それで、いまおっしゃったように、財政的に収益をあげなければならないと、財政専売であると、そしてそれは国民のお金を預かってやるんだから国民に申しわけないというおことばを使われた。しかし、また、働く人も国民なわけですね。そして、いま働く婦人というのは、あらゆる産業で働き始めて、そして男性と同じように職業を全うすることができるような条件も営々として築き上げてきた。長い間なかなかそうはならなかった。ようやく定着し始めて、そして専売公社のようなところがそれを可能にさせた非常に大きな貢献をしていると思うんです。ところが、いま心苦しいとおっしゃったところに、はからずもいかにこの二交代制というのが女子労働者にとって無理であるかということがおわかりになっていると思うんですね。朝六時三十分でしょう、夜は九時五十分まで、それで、今度の六つの工場を見てみますと、全部非常に既婚率が高いですね。合理化の提案されております函館の場合八〇%、盛岡九〇%、金沢九〇%、高松八〇%、徳島九〇%、臼杵九〇%。品川と業平が六〇%ですが、これは地理的にいって東京ですから、いくらか通勤もできるということもあるかもわからないと思うのです。こんな高い比率でみんな既婚者であって、そして平均年齢も三十歳台、中には四十というところもあります。子供がたいてい二人か三人あって、保育所にみんな預けているんですね、どの工場も。二十七、八人から五十人までも預けているところがあるわけですね。おたくは三歳までですから、そうすると、そういう子供を朝六時三十分の就業に間に合うように連れてくるということは、家を五時半ごろに出なければいけない。そんな残酷なことができるかどうか。それから夜九時五十分に帰る場合、帰りつくのが十一時ごろになるでしょう。それで子供を連れて帰るというようなことができるかどうか。こういうことを考えてみますと、この二交代勤務の結果、女子労働者が働けなくなるということが目に見えているわけなんですね。一万五千人の全専売の働く婦人はそのことを心配している。現におたくの提案されている品川の工場をシート工場にするというこの計画では、最終的に九十人の男子だけになるわけですね。女は全部いなくなるわけですね、三百五十人ほどいる、四百六人ですか、そういうことが、ミックスされているわけですね。事実上、二交代制勤務を採用するということは、繊維の産業なんかでも見るように、寄宿舎なんかに入れて、そうして夜業までもう深夜業になる手前までの時間を働く、そういうような独身の女子でなければできないというようなことになると思うのですが、これはどういうふうにお思いになっていらっしゃるのですか、いまのままでみんなできるとお思いになっていらっしゃるのですか。
#119
○説明員(北島武雄君) 家庭の事情がそれぞれおありのことでございますから、すべての方がそういうことができるとは私は思っておりません。ただ、二交代については、またやり方がいろいろあるわけでありまして、一応一週間ごとにああいった交代制度をとりますが、御家庭の御事情によりましては、朝番だけにしたいとか、おそ出だけにしたいという方もおいででしょう。そういった方面は十分調整をとりまして御家庭の事情に合うような方向に持っていきたいと、こう考えております。
#120
○田中寿美子君 現に、この合理化案では、それぞれの減員がずっと出ているわけです。人数を減らすことになっていますね。六つの工場で合計しまして八百四十人くらいですか、余剰人員として提案されるのは。これがほとんどそういう家庭持ちのおかあさんたちだ、こういうことになるということはもうはっきり目に見えております。早番、おそ番については、地域的な配慮はする、あるいは通勤不可能な者には宿舎を提供する、あるいは通勤バスも用意するというようなお話がこの前ございました。しかし、六時半に就業するために家を出る。みんな同じところに住んでいないわけですから、通勤バスをつくられるとしても、たいへんな作業だろうと思いますね。終わった人をまず送り届けるのと、朝早くからまたあちこち拾ってあるくのと、これはまた終夜運転するバスまでお考えになっているのかというようなことを考えるわけです。これは、そういうふうにおっしゃるけれども、事実上の家庭持ち、子持ちの婦人の解雇にひとしい提案である、こういうふうに思います。
 それで、おたくが二交代制勤務を導入なさる理由というものが、投資効率を高めるためということでしょう、結局ね。非常に高速の機械を入れてその効率を高めなきゃいけないから二交代勤務を導入する。二交代勤務制を使っているのは、たいていの産業では使っているというおたくの宣伝資料がありますけれども、しかし、それは、第一に、公共性があって終夜運転しなければならないような交通機関、あるいは警察だとか、消防だとか、そういう公共性のあるもの、これはやむを得ない。それからその次には、機械をとめることのできないもの、そういう化学系統だとか鉄鋼産業とかにあると思います。そういうところの交代勤務というものは、必ずしも二交代ではありません。三交代、四交代になっているわけです。そして、それにはそれなりの男の人が多いでしょう、こういうところは。事実上不可避じゃない、交代勤務にしなくてもいいけれどもしているところというのは、これは経営上利潤をあげなければいけない、こういう立場にあるものがやっているわけで、それでおたくでは食品とか電気器具というものを引用していらっしゃいます。しかし、伝統的に繊維があるわけですね。日本の女子労働者がたくさん交代勤務についていた一番顕著な例というものは、繊維産業なんです。そういうようなことはほとんど書いてありませんが、この繊維産業の女子労働者というものは、みんな寄宿舎に入って、独身を主にした労働者がそういう交代をやっているわけなんです。ですから、専売の場合、不可避ではないけれども企業の経営上の効率を上げるため、こういう部類に属すると思います。そうお思いになりませんか。これは生産性本部の定義なんです。
#121
○説明員(牧野誠一君) ただいまの田中先生のお話のようなことかと存じます。溶鉱炉をとめちゃいかぬ、あるいは石油の精製施設をとめちゃいかぬということのために不可避で二交代、三交代ということになっているのとは、私どもの事情は違います。先ほど総裁が申しましたように、財政専売というようなたてまえで、設備生産性をあげる、あるいは設備の近代化、合理化は、まだまだどんどん進むと思います、いろいろな機械の手だてはですね。それが陳腐化しないうちにできるだけ効率をあげて設備の生産性をあげていくということをねらいとするもので、絶対不可避だから二交代ということではないと存じます。
#122
○戸田菊雄君 ただいまの田中委員の総裁に対する質問で、総裁は、二交代制等について十分配慮をいたしますと。こちらとしては生活が成り立たない、こういうことに対して、そういう答弁ですね。具体的にどういう配慮か、内容について私はお伺いしたいと思います。
 それから、もう一つは、労働省にお伺いしますが、労働基準法の第八条で、事業所指定、これは明確にきまっておるわけですけれども、いままで専売事業の中に日勤職であった人ですね、女子労働者が、今度二交代制にして、深夜とはいいませんけれども、就業規則によりますと九時までですね。しかし、実質通勤途上に入ってきますと、深夜に入ってきます、十時以降に。そういう労働態様を改悪することについて、一体どうなのか。いま、少なくともILOその他を通じて、国際的にも労働時間は短縮をしていっております。そういうときに、企業合理化その他によって改悪する。日本の場合だって、いま、日勤職員の場合四十二時間でしょう。そういうことに逐次改善措置をとってきておりますね。週休二日制のところもすでにあるんですよ。そういうかね合いの関係からいって、今回しかれる二交代制というものは、法律的に、国際の情勢からいって、国内の情勢からいって、きわめて逆行している。その辺の見解をひとつ総裁に明確にしていただきたいし、労働省も見解を明確にしてもらいたい。
#123
○説明員(北島武雄君) 専売公社がいま二交代制を導入するということは、私は国際の動向に反していないと思います。外国のたばこ産業においては、二交代制、三交代制が常識でございます。日本だけがいままで日勤勤務でございます。これは同じたばこ産業だけについて申したわけでございます。それから国内におきましても、五千人以上を使用する大製造業につきましては、七〇%は二交代、三交代等の勤務になっておりますし、その中で電気器具とか食品につきましては女子の比率も相当高い、こういうことでございます。
#124
○説明員(大塚達一君) 実は、基準法担当の労働基準局長が第二分科会のほうへ出ておりまして、直接お答えする責任者がおりませんので、私がお答えするのははなはだ恐縮でございますが、一応、いま先生のおっしゃった問題を、現在の労働条件の改悪ということはいわば時代の流れに逆行するものではないかという御趣旨ではないかと思いまして、私どもの考えを簡単に申させていただきますと、おっしゃるとおり、労働条件は、過去から歴史の流れに沿って次第に改善されてきております。と同時に、一方では、技術あるいはその生産方式というようなものは逐次変わって進歩を遂げてきております。その間において、労働条件というものも、したがいまして、一方では時間をできるだけ短く、あるいは賃金はできるだけ高くという形で進みながらも、その態様は逐次変わってきておる。したがいまして、従来たとえば一交代制でやっておった産業が二交代制を採用するというような形になることが、直ちに必ずこれを改悪と見なければいけないか。そのやり方、ないしはその労働条件の変更の仕方というもの、ないしはその変更によっての労使の話し合いというようなものがやはり一つの大事なことではなかろうか。ただ一がいに、時間が長くなる、あるいは休暇の日数が少なくなる、そのことだけを目して言えない、これをマイナスだと。一面では、マイナスの面がございますが、同時に、労働条件がすべて関連いたします。したがいまして、それだけで判断はちょっとつきかねるのではないか、こういうふうに私どもは考えております。
#125
○戸田菊雄君 総裁、諸外国の比較において、諸外国が二交代制をとっている、だから日本がとっても何ら支障がないではないか、こういう言われ方ですが、具体的に諸外国のどこの国がそういうことなのか、それをひとつ教えていただきたい。
 もう一つは、だいぶ生活環境が違うんですよ。先進諸外国のヨーロッパ諸国においては、育児所とか、託児所とか、そういう保育機関の社会保障設備というものは十分充足をされている。日本のようなこんな状況じゃないんですよ。そういう中で、社会環境というものがだいぶ違うのですから、それを同一視して、勤務時間だけ態様によって同じでけっこうだということは、認識において現在の感覚でいけば相当ズレているのじゃないかと思います。だから、そういう面を十分検討してお答え願いたい。
#126
○説明員(牧野誠一君) 私ども、先般、何人かの人を外国へ派遣しまして、それでただいまの二交代の問題をいろいろ調べてまいりましたのですが、調べました先は、アメリカが多うございます。それから西ドイツ、フランス、イギリス、そういうようなところでございます。
#127
○田中寿美子君 いまのお答えはまだ不十分だと思いますので、もっと具体的に聞きたいと思いますが、婦人労働課長があっちに行かれますので、私はいまの交代制勤務のことでもう一つここで念を押さなければいけないと思うのです。さっき、労働省の方が、交代制勤務をとったから労働条件が悪くなるわけじゃないと。それはそうだと思う、それだけなら。あるいは、そのほかに、休日が減ってもほかに条件がよくなるなら必ずしもと。そうでしょう、労働時間がぐっと減るならば、あるいはそうかもしれない。だから、もっと具体的に問題を見てほしいので、専売の場合にはどういうことがされようとしているかをもっと具体的に見て労働省というものは答えるべきだと思います。さっき私は労働大臣と交代勤務のことについてお話し申したことを繰り返したいと思いますが、六時三十分から九時五十分というこういう労働時間内の二交代勤務、これはその前後を入れますと非常に深夜に食い込んでいくわけですね。それで、いま、国際労働機構ILOの中で、八十九号条約で夜業についての条約をつくって一九四八年に定義した。その考え方というのは、夜間作業を年少労働者や婦人労働者に製造工業で禁止しているのは、たいていの国がそうで、日本もそうで、労働基準法でそうやっている。しかし、その場合には、夜間というのは、夜の十時から朝の七時までの間の七時間を含む十一時間、これを夜間というわけですね。いまの日本の労働基準法では、夜の十時から朝五時までの七時間を夜間作業だと。だもんだから、その夜間の中に食い込んで、往復をしながら相当食い込んだ作業になるわけです。つまり、もっと極端に言えば、夜の作業というのは、ILOの八十九号条約の基準では、十一時間が夜であって、昼というのは十三時間です。いまの日本の場合は、夜というのが七時間で、昼が十七時間です。だから、その中で二交代するという考え方になっている。で、夜間に作業をするということは、これは本来必要以上のものはすべきではない。どうしても必要な企業についてはやらざるを得ない。その場合には、交代勤務がたくさんになっていると思います、外国の場合は。たとえば看護婦なんかだって、私の見た社会主義国やら北欧なんかは、三交代はおろか、四交代ぐらいですね。それで労働時間がぐっと短い。そういうふうな条件を満たして、どうしても必要な場合の交代勤務をやっている。いま、日本の場合の夜間作業の定義は、これは先進国並みじゃないです。もちろんこれも同じ八時間労働制でこういう定義をしているところもあるけれども、英国なんかは、法律でそうでなくても、協約でもっと夜を長くして労働時間を縮めているわけですね。ですから、ILO八十九号条約でいう夜間作業、こういうものの考え方を私は公社の方々にもっと知ってもらわなければいけない。さっき労働大臣に私はその話をした。母性であるところの働く婦人を守るという立場からそれは検討したい、目下基準法の審議会で検討中だと、国際水準に向かっていきたいというふうな意思の表明があったんです。この際、ここで、労働省の方にもう一度、夜間作業についての考え方、それから今後ILO八十九号条約の基準に向かっていくべきものであると考えられるかどうか、それをお聞きしたいと思います。
#128
○説明員(藤井敏子君) 先ほど労働大臣がお答えしましたのは、ILOの女子の夜間労働のことにつきまして、ただいま労働省のほうで労働基準法の研究会を持っておりますが、そこで将来問題になると思う、大きいテーマになるであろうと思うということを申し上げまして、そして少しでも女子にとって有利になるような方向に検討されるのではないかと思っているというふうにお答えになったかと記憶いたしております。これは、研究会議のメンバーが民間の専門の方々でいらっしゃいますので、役所としてどうするこうするということを直接言うことではないという意味で、委員会に期待するという意味でお答えになったと理解いたしておりました。私も、婦人労働者の夜間勤務というものは、できるだけ皆さんないのが一番いいと思っておりますので、少しでも改善の方向にこの研究会議が進んでいくことを念願しているものでございます。
 それから八十九号条約のことを田中先生は御指摘になりましたけれども、このことにつきましては、私ども、婦人労働者の夜間勤務時間が、深夜業、日本で言っております夜の十時から五時までの深夜業だけでなくて、それは少しでも夜仕事をしないのにこしたことはないと思っておりますが、日本の実情等につきましてただいますぐに八十九号条約の方向に積極的に努力することができるということはちょっといままだ言い切れないような気がいたします。もちろん、気持ちといたしましては、できるだけ夜の勤務を少なくしていくような方向に努力したいとは思っております。
#129
○田中寿美子君 婦人労働課長は向こうの分科会で必要のようですから、あちらへおいでになってください。
 まあ、労働大臣は、テクニカルなことを労働問題について十分知っていらっしゃらなかったものですから、非常な善意をもって女子労働者が犠牲になることはしないようにしたい、北欧並みにしていきたいということを意思の表明をなすったわけです。ILO八十九号条約の問題は、専売公社のほうで研究してみてください。もちろん、全部がそうすぐになると私は思いません。しかし、EEC諸国の夜間についての定義が労働省の資料で出ております。それで、その中で何カ国かがもうこれに批准し、夜間作業というのは夜の八時から朝の七時まで、つまり製造工業では夜の八時から朝の七時まで働かせない、こういう方針をとっている国が幾つもあるのです。そして、それをILOで条約として一九四八年にもうすでに採択しているわけですね。だから、ILOの理事国である日本がILO条約についてもっとその方向に向かって進んでいくという努力をしなければ、すべての点で日本の労働者というのは働き過ぎている、これは外国人がみな驚いている。夜おそくまで店もあいているし、この間英国の人が来てそう言っていましたけれども、あんなにおそくまで店があいているということは、英国だったら労働組合が承知しないと。これは店の労働組合とは限らないわけです。働く者はみんな働く者の権利からそういうことを許さない。だけれども、日本はもう無制限にそれぞれの店の意思によってあけている。それから超過勤務をすることは平気であるし、年次有給休暇だって続けて夏とらない。おたくの資料にもそう書いてありますね。夏季の休業はとらない。とらないのがあたりまえみたいになっているけれども、ほんとうは年次有給休暇というのは夏の一番暑いときに続けてとるべきもので、そういうような働く人の権利の意識のほうもおくれていると思いますが、それを利用してといいますか、当然のことのように考える傾向があるということ、そういう意味からいいますと、この二交代勤務制を当然のことのように――朝の六時三十分から夜の九時五十分ということ、これの前後の支度まで含めた非常な長い作業時間、まあ昼間の時間というのが長く延ばされていっているわけですね。ですから、そういうことを考えに入れて、決してこれは誇るべき、アメリカ、イギリス、西独がやっているからといって誇るべきことではありません。アメリカは週休二日です。イギリスも大部分週休二日です。西ドイツだってそうなんです。そして、労働時間がもっと短いし、それからその他のあらゆる条件がいいと思います。住宅事情もいいと、こういうことがみんなありますわけです。ですから、外国はみんなやっているからこれでよろしいと、現実に専売公社に働いている女子労働者が勤められなくなるという、この具体的な実情に対しての認識が足りないのじゃないでしょうか。やれるとお思いになっていらっしゃるのでしょうか。いろいろなことをおっしゃって、こうするああするとおっしゃるけれども、実際は、どうせその人たちは困ってやめるだろうと、こういうつもりではいらっしゃらないのかどうか、ちょっと聞かせてください。
#130
○説明員(北島武雄君) いろいろお話がございましたが、私どもは、やはり、現在の日本の労働法制のもとにおいて労働をしておるわけでございます。将来日本の労働法制がそういうふうに変わってまいりますれば、もちろん私どもはそれに従わなければならぬわけでありますが、先ほどお話がありましたように、日本人はよく働く、夜おそくまで店を閉じない、欧米へ行けば早くから店じまいしている、土曜の午後はもう全然やらない、日曜はもちろん店を締めている、こういうような状況でございますが、私は、まあ日本人がいままでのような働き方をしておったことは、これもよしあしでございますが、これがやはり現在の日本の高度経済成長の一つの大きな原因ではなかろうかというふうに考えます。日本の国民が勤勉であると。もちろん、それには、自分のからだを度外視するような向きもございます。必要な休暇もとらないというようなやり方もあります。これは私は必ずしも適当とは思いませんけれども、こういった日本国民の勤勉さというものは、やはり今日のような日本の隆盛をもたらした一つの原因であると、こう思っております。何も私はそれを専売に働いている人に押しつけるつもりはございません。ございませんけれども、何と申しましても、このような大きな設備投資をしなければならぬときでございます。この投資効果を上げるために、それからまた、技術革新に即応しましてできるだけ償却を早くしていきたいということは、これは、たばこ専売事業としても絶対やらなければならぬことのように考えております。
 そういった次第でございますので、いろいろ私自身としては女子に対して心苦しいのであります。確かに、家庭を持った婦人がああいった勤務をすることは、私も、つらい事情が多かろうと思います。しかし、そういった事情はやはり個々に実情をしんしゃくして、御希望を十分聞いて、そして交代勤務をやる方法もあるのではなかろうかと、こう思います。大体、交代勤務は、一週間ごとに早番おそ番をきめるわけでございますけれども、御家庭の事情によって早番のほうがいいという方もございましょう。あとの余暇を利用するためにあるいはまた御家庭によっておそ番のほうがいいという方もございましょう。その御家庭の事情を十分しんしゃくして、そしてその上でやっていきたい、こう思っておりますので、まあ二交代制ということを前提といたしまして、そのもとにおいてできるだけそういう婦人の働く方々については考えていきたいと。先ほど申しましたように、託児所の制度も、専売は完備していると思います、ほかの事業に比べまして。こういった託児所の制度も、今度の二交代制度に伴いまして就学年齢まで延ばす措置も考えるとか、それからまた、交代手当ても考える、宿泊施設も考える、通勤バスも考える、仮眠施設も考えるというふうに、あらゆる手を打って、できるだけそういった条件のもとにおいて二交代制をやっていきたい、こう考えているわけでございます。
#131
○田中寿美子君 だいぶ問題があるのですけれども、まあ総裁のお考えがそういう考えであることがよくわかりました。ただ、しかし、現在の労働法規の法制のもとにおいてやるということ、これは決して最高じゃない。進んだ国ほど法律よりは労使の間の協約は高いものをとるわけなんです。法律というものは最低であるべきものなんです。ですから、法律だけでそのワク内でやるという考え方は、これはもっと変えていただかなければならぬ。これは、働く人がおらなかったら、いくら効率をあげようと思ったって、効率はあがらないのですから、そういう態度を変えていただかないといけない。それから日本の繁栄を、むちゃくちゃに働いた結果だというふうには私たちは考えない。その繁栄の反面にものすごい犠牲がたくさん出ているということをお考えいただきたい。これは、西欧諸国から見たら、全くおかしなアンバランスなことだと思います。労働災害だとか、あるいは当然起こって出てくる災害、交通事故、公害等、考えてみたら決して誇ることではない。つまり、だらだらと長く働くことによってからだを休めないことから起こってくる不注意、そういったものは一っぱいあると思います。これは新しい時代の考えに切りかえていただかなくちゃいけない。七〇年代の経済というものは、経済の効率だけ考えちゃいけない。少なくとも財界の新しい人たちは、人間を優先させなければいけない、人間の福祉がいかにおくれているかということを反省している時期だと思うのですね。そういう点から、もう少し総裁の頭を切りかえていただかないと困ると思います。
 それで、託児所のことをおっしゃった。確かに、いま、専売では、あちこちたくさんできております。ですから、ないところに比べればずっといい。しかし、これはたとえば臼杵だったと思いますが、おたくのほうは、一体、働く婦人をどうしようと思っていらっしゃる、どう見るつもりなんですか。専売の企業の中で女子労働者の比率を減らすつもりなのか、女の人は家庭を持った者は働かせない方向なのかという気がするわけなんですが、ゼロ歳児つまり一歳未満の赤ちゃんが十人になったらはじめて保育所をつくるというんですね。これは原料工場だったかと思いますが、十人にならない八人の場合、つくってくれないわけです。十人生まれるまで待っていると、片方は三歳をこしてしまう。三歳をこえると、もう保育所をつくってくれない。非常な矛盾があるので、実はほんとうにこれまで誇って持っておった保育所をつくっていくのか、女子の労働者はいなくなるから要らないと考えているのではないかとすら思うのですが、それはどうでしょう。
#132
○説明員(牧野誠一君) 非常に人数の少ない場合に、ある基準を設けまして、まだここまで足らぬといったようなことを言っている場合は確かにあるかと存じます。しかし、女子労働者を、意識して減らしていこうだとか、あるいは要らないのだとか、そういうような考え方は私ども全然とる意思はございません。
#133
○田中寿美子君 なかなか押し問答でほんとうのことをおっしゃらないので、聞きたいことは全部避けてこうやるつもりですとおっしゃっていて、事実上家庭持ちの女子が働けない現実の条件をつくり出していっていかれるという気がする。大体、合理化計画の長期見通し――これは戸田さんお聞きになったかもしれませんけれども、長期的見通しということについては、ちっとも言ってくださらない。現在、六工場のことが出ている。それからさらに人員をどうするのか、全体の生産量をどうするつもりなのか、その機構なんかもどうしていくのかというちゃんと未来図を持っていらっしゃるわけなんでしょう。それがあって六工場からまず手をつけ始めたはずだと思うんですね。先日、品川工場に行きましたとき、東京支局長さんが、雑談の中での話ですからとがめていただくと困りますけれども、実は、コンピューターで計算してみたら、工場は五つか六つでいいという答えが出た、そういうふうにおっしゃった。将来は五つか六つの工場にしてしまおうというような計画があるんじゃないか。そうすると、それに対して、機械が二千五百回転するのと四千五百回転するのを何台入れる、そうすると人間はどのくらい必要なのか、こういう計算が公社にないとは言わせないんですが、どうですか。
#134
○説明員(牧野誠一君) 確かに、そういう計算もやってみましたことも事実でございます。ただ、そういう計算をやりますと、ほんとうに五百億本も六百億本も一年間にできるような工場が数カ所全国にぽつんぽつんと交通機関のわりあい便利なところにあればいいという数字に一応なって出てくるわけでございます。ただ、しかし、これは計算すればそういうものが出るというだけでございまして、それで私どももそんな計算機でそれをやろうということでしたら、たとえば今度の六工場提案をしております函館だとか盛岡だとかあるいは高松だとかそういうふうな古くなったところへ八十億本年間つくるような工場をやろうじゃないかというような提案にはなってこないわけでございまして、いまお話の出ました、べらぼうにでかい、それでかなり高能率な集約的な工場をごく少数持てば非常に高能率だということは、数字の計算の上では出てくるんですけれども、とてもそんなことは、出るというだけでございまして、これを現実に当てはめてみるというようなことは、これはできることでもありませんし、やるべきことでもございませんし、大体は、現にあるところへある程度のこちらのはじいた数字から見れば、ずいぶん非能率じゃないかという面があるわけでございます。しかし、そういうふうなもので具体的には提案をして、それで解決していきたいというふうに思っておるわけでございます。
#135
○田中寿美子君 そうすると、そのつど次々と合理化の計画を立てるというふうに御説明になったものだと思うんですがね。それで、私は、コンピューターなんというものは、コンピューターに何を資料として入れるかによって結論が違ってきますので、人間を第一番に大事にするというこれからの、経済第一主義じゃなくて、そういう観点から、最初に入れていく材料に問題がある、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 それから外国に先がけてシート工場を品川につくる。これはアメリカでは一部分採用している。まだほかの国ではしていない。それほど先がけをしようというのだから、私は相当の計画があるというふうに考えておるわけです。要するに、今回の合理化の中心が二交代勤務制の採用、このことは結果として婦人労働者がぐっと減ることになる、締め出すことになるという事実を知っていらっしゃるんじゃないかと思って、この中に余剰人員に対しては他産業所への配転または退職勧奨すると書いてある。他事業所というのはたとえばどういうところを言うのか、それから退職勧奨するというのですが、これはどういうやり方でやるんですか。まず退職勧奨して、聞かなかったら配置転換するのか、あるいは、退職勧奨というのは一人一人の肩をたたいていくのか。私はこういうことは組合全体としても問題にしなければならない問題だと思っているのですが、それは今度の六工場に対してどういう方針をお出しになっていらっしゃいますか。
#136
○説明員(牧野誠一君) いまの退職勧奨の問題でございますが、これは私ども昨年までにはこういうことは制度はございませんので、昨年のたしか夏だったと思いますが、こういうようなことでそういうような制度も入れようじゃないかという話を労働組合ときめまして、それで、このたび六工場についてもそういうようなことも考えようということにして提案しておるわけでございます。現実に一度これが行なわれたことがございまして、私どものほうの京都の工場でございますので、その場合のことをちょっと申し上げます。
 そこは、印刷工場がくっついておるわけですが、印刷工場を合理化する、それでまた同時に別の場所に印刷工場を新しいものを建てるというときに退職勧奨というのをやったわけでございますが、そのときは、いきなりだれかの肩をたたいてどうということではございませんで、たしか、交渉の中途で、これはわりあい不完全な形だったのですが、予備調査というものをやりまして、こういう条件でこれこれしかじかの条件でまあそれじゃやめてほかへ行くなり何なりしようかという人は何人くらいいるだろうというような調査を一度やりました。正確な数字は覚えておりませんけれども、千二百人――これは印刷工場はもっと少ないのですけれども、たばこを製造する工場もひっくるめまして、全体についてやりました。その際に、五十数人退職したい、その条件ならやめたいという方が出たと存じます。その後、いろいろな配置転換の計画、こういうような話もいろいろ進めまして、それで、京都の工場では、たとえばたばこと印刷部門と合わせてどのくらいの人数が適当だ。そうすると、あの近所の、たとえば高槻なり、茨木なり、橋本工場なり、あるいは若干離れた場所、そういうような場所へでも行くというようなことはどうだろうかというようなのを出しまして、それで何人がそういうふうになるだろうというような話になって、そのあとで、退職勧奨を、予備調査じゃなしに、本式にその場合には京都工場全体の事業所についてやりましたのですが、そうしましたら、百八十人ちょっとこしたかと思いますが、その条件ならやめたいという方が出てまいりました。たしか、あの工場は、これも正確じゃございませんけれども、たばこと印刷部門と両方合わせまして千二百人ちょっとこすかと思いますが、その中で百八十人出てきまして、実は私どもも驚いたわけなんですが、それで、そういうふうになりますと、ごしごしやるんでも何でもなしに、わりあい話がつくかなという感じが出てきた。ただ、これは、私どもがまず第一回にそういうようなことを現実にやりました京都工場の例でございまして、あとの六工場がかりにやった場合はみんなそうなるとか、かなりそれに近くなるだろうというようなことを申し上げているのじゃないわけですけれども、私どもちょっとそのときは驚いたということでございます。
 それで、現実に六工場についてはどうするかというと、やはりこれは組合と十分話し合わなければいけませんけれども、やはり何か予備調査みたいなことをある段階でやる、それから本式に調査するというような形になるんじゃなかろうかと存じますが、これは話の進め方によると存じます。
#137
○田中寿美子君 それでは、私はもうこれで最後にいたしますけれども、さっきのをちょっと訂正いたします。臼杵と言いましたけれども、米子ですね。米子の工場は原料工場じゃない。年間稼働している。そこで、保育所の要求があるのに、十人になるまではということで結局できなかったんですね。それで、そういう点の、何というか、落とし穴があるわけです。八人ではだめなんです、十人になるまで。つまり、一歳未満が十人になるまで待っているということはなかなかたいへんなわけですね、そろえてみんなが生まなければならないわけですから。
 それで、結局、いまのお話だと、総裁が泰然自若としていらっしゃるのは、退職勧奨は応ずるだろうと、まあまあ大したことはないだろうと思っていらっしゃるような気がいたします。しかし、これから女子労働力というものは非常に大事なものになってくる。だから、世界全体として、さっきは言いませんでしたけれども、ILO百二十三号勧告というものがある。これは家庭持ちの女の人をいかにして使用者は保護しなければならないかということをたくさん書いてあるんです、それは子供を含めて。子供を守っていく施設をちゃんとしろとか、あるいは家庭持ちの主婦の働きやすいあらゆる便宜を与えなければいけないとか、そういう勧告を与えているわけです。特に国際競争をするという場合は、労働条件がずいぶん問題になってくると思うのです。だから、そういうことから考えても、十分この問題は考えてもらわないと困る。結局、いま提案していらっしゃることは、女子労働者が去っていく大きな理由になっていく。それから週休二日も一日になっていくし、夜の働きもあり、早朝の働きもある。あるいは、保育所も、そういう状況であれば、子供があまりにかわいそうだから連れてこられないという状況になって、保育所の閉鎖すら考えられる状況になるんじゃないか。そういうことを考えてみますと、全体として専売に働いてきた女子労働者が後退していく。日本の女子労働者の中で、家庭も持ち、子供も持ち、保育園も職場にあって働けたという一つの誇りがあった職場が、後退していくというようなことになりかねませんので、この点はまだ組合との話し合いをなさると思いますが、十分検討をしていただきたいということを私の要望といたしまして、私はこれであとまだ戸田さんが質問なさいますのでかわります。
#138
○戸田菊雄君 いま、田中委員のほうから、目下進められている合理化の工場で具体的に起きている内容について種々質問があったわけですが、まだ、基本計画あるいは中期計画、こういうものも、全部について明らかになっておらないわけですね。先ほども、今後の原料調達等の問題について、はたしてどういう計画を持っているのかと、こういうことを聞いたのですけれども、これに対しては明快な答えがないんですね。少なくとも商売をやるのですから、それは民間の各商売を考えたって、どのくらい売れて、どのくらい原料を持ち、そうしてそのもうけがどのくらいであるかということは、これはごく初歩の常識的なことじゃないか、事業を経営するのに。それが原料調達がまだ五年先にいってどういう形態になるのか、十年先にいってどういうことになるのかということがいささかも明確でないということは、私は考えられないのですね。その辺はどうなんですか、もう一回お話しください。
#139
○説明員(黒田実君) 原料調達の問題でございますが、御承知のように現在米の問題もございますが、農業の先行きの展望が非常にむずかしいというようなこともございますし、たばこの耕作面積につきましても、黄色種は在庫過剰ということもございまして、ここ二年計画的に減反をいたしておりますが、在来種につきましては、そういう処置をとらないにもかかわらず、毎年非常に減っている。特に大都市の周辺とか、あるいはまた表日本の産地とか、こういうところがどんどん減ってまいりまして、むしろ若干北のほうがふえていく――ふえていくと申しますよりも、日本海沿岸のほうに産地が移動しているという非常にこんとんとしたかっこうになっているわけでございます。たとえば、一番最近のはなはだしい例がお隣の茨城県でございまして、茨城県はつい二年ほど前は日本で一番耕作面積の多い県でございまして、八千五百町歩というものをつくっていたわけでございます。それが、現在、四十五年の許可面積が六千五百ヘクタールと、四分の一減っているわけであります。こういうぐあいに、産地の消長というものが非常に激しいわけであります。したがいまして、私どもとしましては、もちろんそういう状況を見まして、あと五年後にこの程度までの面積は維持できるであろうという数字は持っておりますが、これは非常に不確かな数字でございまして、自信をもって外部に申し上げるようなことができないわけでございます。したがいまして、数字を出しての非常に明確な答弁ができないわけでございますが、私どもといたしましては、これまでの方針を、大体、国産葉でまかなえるものは全部国産葉でまかなう。国産葉でまかなえないような部分を外国の葉でまかなう。たとえば香喫味料はアメリカの黄色種を使うとか、あるいは日本でどうしてもできないオリエント葉、あるいは緩和補充料としましてタイとインドの外葉を輸入する。こういうようなものは、日本の国内で生産しようとしましてもとれない。そういうものに限って輸入をする、あとは極力国産葉で充当していく、こういう方針は現在も変えていないわけでございます。
 なお、先々の問題といたしましては、お聞きと思いますけれども、新しくシートたばこというようなものも開発されまして、これが近い将来シート工場が完成しますと、数年後には二万トン以上のシートという新しい原料が出てまいりまするし、そのほか新原料が将来開発されるということもございますので、今後の原料の問題につきましてはいろいろな要素が入ってくるんじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#140
○戸田菊雄君 ですから、いまお答えのようにいろいろな要素が入ってくることは、私も知っています。それはいまの農政全般の問題で、国家はどういうことをやるかということもあるでしょう。だから、そういう点については、決して専売一事業の中でそういう広範な領域まで全部措置しなさいと、こう言っているんじゃない。ただ、私が言っているのは、事業を進めるにあたって原料調達はしなくちゃいけない。だから、少なくとも過剰在庫数が六カ月分あって、それで今回発表された反別面積でいってどれくらいになって、それで五年後にはどうなる、十年後にはどうなるという、そういうことになれば、国内の依存度というものは六割ないし七割程度の依存度でいきたい。あるいは、外葉輸入は、現行一・六%と、こう言うけれども、三%までふえるんじゃないか。こういうふえる分については、タイ国であるとか、インドであるとか、あるいは韓国とか、こういうことでいろいろと計数がおおむね出なくちゃいけないと思うんですね。それがなければ、事業を担当するということは言えないと思う。だから、そういう点について、何も農政全般について、それらの復興政策をどうするとか、あるいは米作の問題をどうするとか、そこを聞いているのじゃないんです。私は、その事業部分についての原料調達、こういうことを確かめているのですから、その辺はひとつ誤解のないようにお示しを願いたい。大体どの辺ぐらい考えているのですか。ウエートはやはり国内依存度にたよっていくのかどうか、その辺をひとつ……。
#141
○説明員(黒田実君) ただいま申しましたように、できるだけ国内の葉で充当できる部分につきましては国産葉を入れたい、かように考えております。現在一五%程度が外葉でございまして、八五%が大体国内産業でございます。現在のところは、黄色種につきましても、在来種につきましても、若干標準在庫をオーバーしているわけでございまして、当面足らないという問題はないわけでございますが、先ほど申しましたような情勢で、特に在来種、バーレー種系統が急速に面積が減りますために、現状は過剰在庫でございますけれども、これが標準になったとたんに著しく不足するというような事態が予想されますので、私ども、現在のところ、在来種の振興と申しますか、在来種の面積なり生産の確保ということに一番力を注いでいるわけでございます。したがいまして、国内の葉たばこの調達という点につきましては、先ほど申しましたように、できるだけ国産葉で充ててもいいという分につきましては国産葉を確保すると、こういう努力をいたすつもりでおります。
#142
○戸田菊雄君 一カ所へとまっておっても困りますから、前へ進みますけれども、自由化の問題ですけれども、たばこの自由化等について、政府は農産物品を四十七年度までですかにほとんどの品目を自由化していくと、こういうことに方針は一応きまっておるのですが、たばこの自由化等についてはどのように考えておるか、その辺の見解を伺っておきたいと思います。
#143
○説明員(牧野誠一君) たばこにつきましては、一般の自由な物資と違いまして、専売の品物になっておりますので、これは自由化というものの進行状態はほかのもののような速さで行くということはないんじゃないかろうかという見通しを私どもとしては持っているわけですが、ただ、自由化の一般的な要請というのが非常に強い。それで、いろいろな諸外国から専売の物資については非関税障壁といいますか、そういうようなことで、やはり自由化すべきものではないかという議論が折りに触れて出ておるかと存じます。それで、また、これは少し事情が違いますけれども、EECの中ではフランスやイタリアもやがて何年かあとには専売制度をよそうかというようなことをきめたようでございます。やはり、一般的な趨勢としては、何らかの形で自由化の要求というのは、圧力といいますか、そういうものは強くなっている。私ども、専売であるから自由化はなかなか来ないというふうに、たかをくくっておったのではいけないじゃないか。やはり情勢は順々にそうう方向に動いているということで、それに対する、いつそういうふうになるというようなことではございませんけれども、小出しに自由化というような方法ということはあり得ると存じます。私どもは、それに対する体質を持たねばぐあいが悪いというふうに考えておるわけでございます。
#144
○戸田菊雄君 当局の「専売事業関係資料」によりますと、七ページでありますが、公社組織の改善を進めるということになっているんですね。この機構の構想、内容についてひとつ発表願いたいと思います。
#145
○説明員(牧野誠一君) これはただいま検討中の問題が大部分なんでございまして、ただ、昨年、本社だけにつきましては、十幾つかの部に分かれておりますのを改めまして、本部制というようなことで、おもな恒久的なものとしては、四つの本部、それからもう一つ仕事の近代化のために臨時的なものを一つというようなことで、仕事をできるだけさい然と分けて、そしてごちゃごちゃしないような、すっきりした仕事の進め方をしようというようなことで実はやりましたのですが、あと、地方組織をどうするか、それからそのほかいろいろな研究機関の組織をどうするかというような問題、こういうようなものにつきましてはいまいろいろな案をぶつけ合いまして、システムをつくりまして勉強しておるような段階でございまして、ちょっとまだ結論に至っておらないわけでございます。
#146
○戸田菊雄君 この中期計画の中にも明らかにそういう方針が出されておって、さらに公社組織改善の具体的な構想、土台といったようなものは大体まとまったとわれわれ見ておるのです。それによって、現行一社十七局、支局が四十七、出張所が四百六十八、そのほかに原料工場がそれぞれあって、これは具体的に統廃合、こういうことにいま進められているわけですね。だから、今後の機構改編についてどういう構想でなければいけないかというようなことは、計画の具体的な青写真として出てくるのがしごく当然じゃないかと思う。いま聞きますと、本部の段階だけは本部制にして、何といいますか、トップマネージメントを強化するということになっているけれども、はたしてそれにつながってくる全体の組織というものは一体どうなってくるか。これもできていないとすれば、基本計画なり中期計画という具体策の案としては労働者がまず不安を持つ。どういうかっこうでいくか、この部局はどういう組織配置になってどうなっていくか、この土台がつくられなければわからないわけでしょう。どうして時間がかかるのでしょうかね。
#147
○説明員(斎藤欣一君) 先ほど牧野総務理事からお答えしたことをふえんするようなことになりますが、確かに、昨年の夏、本社の組織だけは現行のように直しております。地方の組織につきましては、ただいま先生御指摘のございましたように、たいへん大きな企業でございまして、いろいろな機能を持った地方組織というものが現状としてございます。かりに、本社の下にございます直接の下部組織でございますブロック一つをとってみましても、ブロックと申しましても、大阪のようにかなり大きなブロックというものを形成しているものもございますし、たとえば水戸でございますとか宇都宮といったようなただ一県だけを管轄区域にしておりますそういったところもございます。そうして、地方の場合に、そういったわけで、何と申しますか、階段的には同じ価値と申しますか、そういったブロックの地方組織というものが実態としてはかなり違っているのじゃないか。こういうものを一体どういうふうにまとめ、どういう形に整理していったらいいかということはたいへんむずかしい問題でございます。さっき、田中先生の御質問にございました、これは正式の話ではないということでございますが、たとえば電算機ではじいた場合は、工場は幾らあったらよろしいかといったような乱暴な計算というものは、机の上だけの計算というものはできますが、御承知のように、われわれの現状の組織というものは、長い間の歴史の中で生まれてきたものでございます。したがいまして、現在の時点から見ますと、たいへん時代離れしたというような点もかなりあるわけでございます。それを、いまの時代にぴたっと合うように、机の上でたとえばある計算をしたものにすぐ直るかどらかということにつきましては、やはりいろいろな問題があろうかと思います。六工場の合理化の問題も、そういった意味で計算とはだいぶ違ったような、要するに、具体的な現実とどういうふうなところでもって折り合っていくかというようなことにいろいろ考慮をいたしましてたいへん苦心をいたしておるわけでございます。ほかの地方組織につきまして、地方局の段階、その下に御指摘のとおり五百幾つの支局、出張所があるわけでございます。こういうものにつきましても、一体そういうところにどういう仕事をやらせるのか、現在の時勢にマッチした、これから先を見通した場合に、どういう仕事をやらせるのか、その場合どういった単位でつくったらいいのかということにつきましては、計算は計算としていくらでも資料を使えばできるわけでございますけれども、はたしてそれが現実とどういうふうにマッチして、円滑にどういうものに再編成されるということにつきましては、いろいろ問題がございます。
 おっしゃいましたように、現在まだそういったものの図がちゃんとできていないということは、たいへんなまけているじゃないかというおしかりを受けている次第でございますし、私たちもできるだけそういったものを早く具体化いたしたいと思っておりますが、牧野総務理事からお答え申し上げましたように、いませっかく検討しておるような段階でございます。できるだけ早く成案を得たいというふうに考えております。
#148
○戸田菊雄君 どうも納得がいかないんですけれども、販売計画の見通しは一応成り立っている。しかし、原料調達その他の今後の生産計画については不明確、機構改革等についてはいまおっしゃられたとおり、しかし本社関係だけは本部制をとる、ここまできめているんですね。だけれども、地方局とか出張所関係はどういうふうに再編していくか、それはわからない、いま検討中である、しかし六工場の統廃合はもうすでに合理化に踏み切って、建設もしくは新機械の導入までいっている、現地においてはどのくらい削減するかもわかっていると、こういうことになると、総体を見ると、いまの専売の合理化方式というものは、こま切れに出していって組合の抵抗を少し避けながら巧妙に、そういうにおいがしてしかたがないんですね。少なくとも本部機構がきまるということは、地方組織をどうするかというところまで含めて検討されているわけです。これは当然のことです。現行四万何がしおる労働者はじめ職員の全体をどうするか、こういうことも考慮に当然入ってくる問題じゃないですか。だから、一つの例でありますけれども、国鉄なんかは、十カ年国鉄財政再建計画を立てて、国会にかけて、そしてどういうことにやっていきますとやっているわけです。なぜ一体専売事業がそういうことにないのか、どうしてそんなに部分的にしか計画の実行が立てられないのか、この辺の総体計画についてもう一回明確な回答をしていただけませんか。どういうことでおくれているんですか。
#149
○説明員(牧野誠一君) 私どもも、一昨年から昨年にかけまして、先ほどお話の出ましたように、たばこもやはり自由化の波に順々にさらされるであろうとか、あるいは、健康と喫煙の問題でいろいろ需要動向が変わるんじゃないかとか、あるいは、フィルター付きのたばこというものが頭打ちになってくると、われわれの製品の需要量というものがやはり頭打ちになる傾向が出てくるんじゃないかというような、いろいろな問題をかかえまして、長期的な見通しということで何かを見通しを立てて筋を入れてやらなければいかぬじゃないかということで、長期計画とかあるいはそれに基づきます中期計画とかという作業を始めたわけでございますけれども、ただ、その際、何もかもきっちりと固めて、しかもそれをコンクリートな数字にして出すというようなのが望ましいわけですけれども、それをやろうとしますと、作業をしている間に情勢がまた変わってくるというようなこともございまして、それからまた、でき上がって出した時分にはべらぼうな数字の変化もあり得ますし、また、昨年四十三年度のときは二十年ぶりくらいでいたしました値上げのあとで、これまた需要量の変化もなかなか読みにくいというような状態にございましたので、一応作文としての計画といいますか、そういうふうなものを考え方だけを示した、その荒筋を示したものとしての長期計画というようなものを、これも正確でも何でもございませんけれども、十年なり何なりほぼその辺の展望でというようなことで示しまして、それからこれは昨年の夏ですか、五年くらいの展望で、ある程度数字の入れられるもの、具体的に出せるものというものは具体的に出す。しかし、入れられないものはいろいろございまして、いま先生からお話のあったもののほかにも、販売、たばこを売るほうのやり方ですね、これにつきましては実は具体的になっておりませんのです。それを出したあとで、そんな考え方で具体的に検討していこうという、そういう余地はたくさん残っております。そういう計画を中期計画として出したわけでございます。確かに、そういう点、すきだらけであるという批判を私ども受けるかと存じますが、しかし、需要量の変動とか、そのほかに生産量の変動、そういうようなものは、その考え方で時々刻々に適合しながら、それからまた、地方機構、あるいは販売のやり方、そういうようなものは、そういう考え方を出したあとで検討をしながら、できるものからかっちりしたものに固めていきたい。その全部ができるまでということで具体的にわりあい早い目に見当のつきそうなものまでほうっておくということよりは、そのほうがよいのではないかということで進めておるわけでございますが、少しすきだらけで、すきが多過ぎるという御批判は確かにあろうかと存じますが、せっかくこれからあと引き続いて勉強いたしたいと思っております。
#150
○戸田菊雄君 大体いつごろまでいま私が質問した内容等についてでき上がるのか、その見通し。それから時間もなくなってきましたから具体的に聞いていきますが、要員の配置の計画はどうなるのか、基本計画からいった場合。それから中期計画で分工場の統廃合、これに基いた要員計画はどうなっておるのか、この配置計画についてひとつ……。
#151
○説明員(牧野誠一君) いまの地方機構などを含めました機構の作業というものは、これはかなり何案かに固まりかけておりますので、秋までには何とかいたしたいというふうに存じております。
 それから要員計画につきましては、これは四十五年度の分は一応この間つくってございます。それからあと中計の特に合理化に伴いましてどういうふうになるかということにつきましては、これは労働組合との折衝の進み方によって変わってくる要素が多いかと思いますが、ただ、一部言われておりますように、専売公社は中計や何かで二万人減らしてしまうのだというようなことを言われておる向きもございますけれども、そういうような計画を持っておる事実は全然ございません。私どもの見通しでは、全国で自然退職が毎年千何百人かございますけれども、全体の人数としてはその中におさまる程度の若干の人員の減ということで済むんじゃなかろうかというふうに思っております。ただ、これは、具体的に、ある工場、ある地方局というものにつきましては、何がしかの出入りはあるかというふうに存じます。
#152
○戸田菊雄君 具体的な内容をお伺いしますが、これは昨年の九月十三日発行のものでありますが、「秋季闘争協定類集」というのがございます。これは専売労働組合発行のものですが、この内容を見ますると、工場の新改築関係について一連の協定を結んでいるわけですね、労使間で。この協定の内容については、総裁、前の総裁とかわっておられるが、この精神なり具体的な内容についてはいささかも変更ありませんか、まずその点はどうですか。
#153
○説明員(北島武雄君) いささかも変更ございません。
#154
○戸田菊雄君 それで、この協定の内容で若干質問をするわけでありますが、老朽六工場、函館、盛岡、金沢、臼杵、高松、徳島と、こうなっております。これらの工場に対しては、組合としても、新工場設立要請等が出ているようでありますが、高松、徳島両工場の分離建設の問題、こういうものは確定されているわけですか、方向というものは。それが第一であります。
 それから、宇都宮、茂木ですね、この問題についてもいろいろ問題が起きているようであります。巷間取りざたされているのでは、分離建設をするんだとか、あるいは統合するんだとか、いろいろあるようでありまするが、これらの問題については一体どう考えるか。
 それから統廃合に伴って余剰人員が出てくることは間違いないということを想定してこの協定はいろいろ結ばれた内容になっています、私が見ますと。余剰人員が出た場合に一体どういうことをするか。これでいきますと、退職勧奨、こういうことになっております。これはその覚え書きの全文でありまするけれども、1の(1)でありまするけれども、「退職勧奨は原則として当該事業所の職員全員に対して行なう。」と、これの具体的方法、退職勧奨のあり方ですね、これはどういうかっこうでやっていくか。どういうことでこの退職勧奨を周知及び徹底さしていくのか。
 まず、この四点について御質問したいと思います。
#155
○説明員(牧野誠一君) ただいまの最初の問題は、高松と徳島の分離の問題だったかと思いますが、これは、いま私どもで提案しているものは、分離して建設するということで提案をしております。したがいまして、九月にきめましたいま先生の持っておられる趣旨に沿っているかと存じます。
 その次の問題は、たしか茂木と宇都宮の合併の問題だったかと思いますが、これは、たしか、文句は正確じゃございませんけれども、引き続き協議するということになっておったかと存じます協議するということで、まあちょっと時間がまだかかるかと存じます。
 それから余剰人員が出た場合の措置でございますが、これはまず配転をするということで解決したいということは、やはりそれにもそういうふうにうたっておったかと思いますが、そのとおりでやりたいと考えております。
 それから退職勧奨のやり方でございますが、これにつきましては、先ほど田中先生の御質問についてちょっと申し上げましたけれども、九月にきまりまして、その後たしか十月だと思いますが、関西の京都工場で印刷工場を合理化して分離独立する際にその後一回現実に行なっております。その場合は、労働組合と交渉の中途で、この辺でどうだろうかという時期に予備調査を一回行ないまして、そのときは千二百何十人かの方から約五十人とちょっとだったと思いますが、その条件で退職したいという申し入れがありました。これは全員について行なっております。それからその後交渉が煮詰まりまして、印刷工場の分離独立の計画が大体話がまあこの辺でということになりかけた段階で、本式に、これもまた、京都工場の場合ですと、印刷だけでなく、たばこを製造するほうも含めまして、全員に行なっております。その結果、京都の場合は百八十人前後の退職勧奨に応じてもいいという方が出てきたかと存じますが、それはたまたまその後起きました一つの例で、そのとおりに六工場がなるかどうかということは、これは私これからのそれぞれの工場での話し合いだと存じますけれども、しかし、九月十三日ですかの文書に書いてありますことは、ただいま総裁から申し上げましたように、私どもとしてその趣旨を当然尊重してやっていくということでございます。
#156
○戸田菊雄君 宇都宮と茂木は目下検討中だと、こういう回答でございますが、大体これもいつごろまでに確定の見通しですか、その点が一つであります。
 それからもう一つは、退職勧奨を具体的に京都の例をあげて言われたんですけれども、考えられている案というものですね、これは原則的には労使双方の中でそういう方法、内容等については十分煮詰められて、その決定に従って実行するのが一番いいと思います。ですから、いまここで私が公式の国会の場でとやかく言うことは、そういう今後の労使双方の諸般の協約内容というものを縛ることになっちゃいけませんから差し控えますけれども、問題はやっぱりあくまでも組合と一致したそういう内容で紳士的にやっていただきたいと思います。これだけは要望しておきたいと思うのでありますが、それでさっき田中委員も御指摘になられたと思いますが、われわれの調査によりますと、老朽工場統廃合に基づいて、総体なべて、函館、金沢、盛岡、あるいは臼杵、徳島、高松と、こういうことであるわけですけれども、こういった各工場を見ますと、現地の状況では、新機械導入ということになると、おおむね三分の一程度減員になると計算が出てきておるわけですね。ですから、例でありますけれども、函館のような場合に、二百六十人現行いる、これが百六十六名で間に合うというようなことになっているようであります。そういうことになると、総体三分の一強、こういうものが各工場減員体制に入っていると、こういうことになるんですね。そうして、先ほど私が言いましたように、余剰人員はそういうところで必ず出てくる。それに当局が退職勧奨をやるということになるのであります。方法はその後労使双方できめるということになりますが、いずれにしても、こういうことで退職勧奨はしたけれども、それに希望者が少なかった、なかった、いろいろ条件が出てくると思います。そういう場合に、最終的な落ちつき方はどういうことになるんですか。結局、強制退職という形に突き進んでいくわけですか、それともまた、一面、この統廃合に基づいて要員はこれだけだときまったけれども、余剰人員がこれだけある、それまでは自然退職を待って、それまでかかえていく、あるいは別命で待命制度というものをつくって六カ月程度は賃金を支払って一定の待遇を継続させながら一定の時期にまた強制退職もしくは退職勧奨していく、こういう具体的な内容についてどういう構想でおられるのか、その辺をひとつお聞かせ願いたい。
#157
○説明員(牧野誠一君) その場合の具体的な内容、手順、そういったようなものまで、私ども、こうやってこうやってこうやってというところまでまだいっておりません。ただ、一つだけ申し上げられることは、先生おっしゃいました強制退職ということはいたさないと、いわゆる首切りはしないということは、これはもうだいぶ何年か前から労働組合と協約ができております。これはお互いに守るということにいたしております、それはやらないと。それで、そういう前提で、かりに余った方がどうしても何人か出たときどうするかということは、これからはこの問題もそういうふうになりましたらいろいろ話を詰めてまいりたいと思っております。
#158
○戸田菊雄君 そうすると、今回の専売の基本計画、中期計画、当面遭遇している六工場の統廃合、一連の措置について、首切りは一貫してやらない、こういうことなんですね。
 そこで、一つ疑問があるんですが、この協定の内容に、覚え書きのほうでありますけれども、四十四年の九月十三日、専売公社総裁と中央執行委員長の佐藤惟恭さん、これで締結をしておるのでありますが、その覚え書きの3に、「公社は雇用安定との関連において関連産業の総合的発展計画の検討を行なうものとする。」と。だから、私いま言うとおり、四万何がしかの労働者がおるんだけれども、これは一切首切りはやりません、こういうことなんですね。これはもう受けて立っておるのですね。ここに一つの疑問を持つんです。どうも、はみ出してきた人を、合理化体制を進めていく中で、関連産業はいろいろあるでありましょう、販売事業その他ありますね、そういうところに必然的に送り込むというような上に立っている協定じゃないかと、これは心配ないですか。具体的な内容、たとえば「関連産業」というのは具体的にどういうことを言うのか、あるいは「総合的発展計画」というのは、おそらく前段の私が指摘した基本計画、中期計画、こういう一連の計画だろうと思うんですが、じゃ、そういうものはないものと考えてよろしゅうございますね。
#159
○説明員(牧野誠一君) 関連産業にはいろいろございますけれども、いまお話の出ましたたばこを売る部面の、そのためのほうぼうへ配って歩きます配達する会社とか、あるいはたばこを箱詰めにするダンボールをつくっているところとか、あるいは倉庫の中を整理する庫内作業といいますか倉庫内作業、そういうようなものをやる会社だとか、あるいはたばこのフィルター、これをいま工場の一部からビニールのパイプで機械ごとに送っておるわけでございまして、それをやる作業はやはり専売公社でございませんで、外側の方にやっていただいておるわけですが、そういうようなものだとか、まあいろいろこれは考えられるわけですが、そういうようなものをできるだけいろいろ知恵を出しまして、そういうようなところへ行く方は行っていただく場合もあるということで、これは労働組合のほうもそういうようなものをできるだけ広げて雇用の範囲、チャンスを多くしてほしいという希望を持っておられますし、それでまあいろいろ知恵を出したいということでその条項が入っておるわけです。ただ、やはりまあ外側よりは労働組合の方たちもこれはもう内部の場所の配転ということのほうが望ましいということは言っておられますけれども、外も雇用のチャンスの一つとして考えようじゃないかということにいたしております。
#160
○戸田菊雄君 そうすると、この退職勧奨の内容が、一つは全く本人が希望した場合、それから関連産業等も、話し合いの中で希望したような場合等々、いろいろあるわけですね。ほかに何か考えられますか。
#161
○説明員(牧野誠一君) 関連産業の中へということで希望される方もあるかと思いますし、それから自分で何か見つけようかという方もあるかと思います。それからいろいろ計算されて、あと何年かたってやめるよりはこの条件ならいまのほうがいいんじゃないかという計算をされる方もあるかと思いますが、これは種々雑多じゃないかというふうに存じます。
#162
○戸田菊雄君 まあ、しかし、その原則は、あくまでも労使協約にのっとってどこまでも本人の希望というものが根底にあることは間違いないですね。それを土台にして進みますね。ですから、少なくとも強制と思われるもの、そういうものはもうやらない、そういうことで理解をしたいのでありますが、その辺の解釈はどうですか。
 それからもう一つは、何か時代錯誤であるというか、専売公社はこういう合理化計画に走らざるを得ないのだ、これはもう必然的だといったようなことで、多分に責任のがれというか、そういう答弁がちょっと考えられるわけです。その一つは、さっきも問題になりましたように、二交代制をしいて、たとえば北海道の例なんかは、朝五時ごろ起きて働きにいかなければいけない。それも、寒地、積雪地帯ですから、そういう気候の条件にいてきわめてひどいところも出てくるわけですね。夜にしたってそうだ。お互い家族をもっている。いまの女性の立場というものは、同権とはいっても、まだまだそこまでいっていない。したがって、家庭に入れば、炊事の部面はほとんど分担をしてやらなければいけない。あるいは乳児養育の場合は母親がやらなければいけない。各般の負担が二重、三重、四重に加えられているわけでしょう。そういう中で、二交代制をあなた方が採用するということは、必然的にこの離職体制を推し進めるケースが一つあるとわれわれは理解するわけですよ。そんなにひどいならもうやめざるを得ない、結果的にはそうなると思うんです。それは労働省にもお伺いしたいのでありますが、最近の婦人労働者の就職状況を見ますると、これは過日予算委員会で質問した中にお答えがなかったのでありまするけれども、どうしても若いうちに就職をしてそれで一たん結婚する、結婚をしたあとまた再就職をする。したがって、いまの女子労働者の就職年齢というものは非常に高年齢に達しているんですね。ことに、専売事業等については、七割が女子労働者ですね。そういうものに対応する勤務というものは、一般の社会情勢では。パートタイマー方式です。やはりそういう家事があるから、朝食が済んで十時ごろから出ていって、それで昼間は子供さんを育児所に預けるか何かして、そうして帰ったら三時か四時ですね、夕飯の支度で帰る。そういうことで長時間働くケース、こういうものが婦人の結婚以後における就職状況だろうと思うんです。そういうことでいっておるんですね。しかし、その。パートタイマーそのものには私は多くの疑問と不満がありますけれども、一応いまの社会情勢の展望としては、雇用体制の問題では非常に問題はありまするけれども、そういう趨勢にいっておる。これは何かといえば、やはり両立をさせるという考え方ですね。ところが、専売のいまの二交代制というものは、それと全く逆行しているのじゃないかと思うんですね。もう家庭もめちゃくちゃにして、職場に来ればきつい労働条件で機械に追い回される、こういうかっこうになるんですね。これじゃ、何といいますか、母体というものも保護できないでしょうし、あるいは男女同一というすべての権利面における公平さというものも失われるでしょう。一体、こういう問題について労働省としてはどういうふうに考えられるか、その辺の見解をお聞きしたい。
#163
○説明員(牧野誠一君) 私どものほうへの御質問がちょっと前のほうにございましたので、その分だけお答えを申し上げます。
 職員の意思があくまでも主になるかというお話でございますが、これはやはり両方の意思が出合うのだろうと思いますが、職員の意思が主で専売公社のほうが従だということではないと存じます。これは、労使対等といいますか、そういうことで、配転なり、あるいは退職勧奨なり、あるいは関連企業への転出なりという話か進むのだろうと存じます。
#164
○説明員(藤井敏子君) 確かに、最近は中高年婦人がふえてきておりまして、しかも、家庭の主婦である者がふえてきているということから、家庭責任と職業生活と両立させようというような必要がありますので、どちらかというとパートタイム雇用のほうに主婦がふえていっているというのが現状でございます。
 私、専売公社の二交代制の事情につきまして、その間の実情その他は詳しく存じませんので、一がいに全部総合したようなことについてはちょっと申し上げられないのでございますけれども、婦人労働者に関することを扱っております私といたしましては、家庭責任というものが全然果たされないような形でなければ二交代制が実施できないのならば、やはり問題があるのではないかと思います。できるだけこまやかな御配慮、ケースごとにこまやかに御検討くださいまして、家庭責任と職場責任と両方果たせるような形で御研究をいただく必要があるのではないか、そういうふうに思います。
#165
○戸田菊雄君 いままでの勤務態様を見ると、通常勤務は八時から五時まで、こういうことですね。それで、なおかつ、専売の慣行か規約かそれはちょっと私もわかりませんが、幼児がおる場合には、それぞれ企業内に十名以上ですか、そういうところには託児所があって、正式な保母が配置をされて、それで働いてきたんですね。ところが、今回は、さっき田中委員もいろいろと指摘をされましたように、深夜に通勤範囲が含まれてくる、あるいは朝の出勤もそういう状況、こういう状況になってきておりますね。だから、確かに、合理化をする当局側から見れば、経済効率というものはかえって非常によくなってくるんだということは間違いないと思う。その部面だけ考えて労働条件というものを全く――むしろ労働条件というものを先行させていかなければならぬじゃないか、こういうふうに考えますね。イギリスの例も環境が全く違う。社会保障も違う。ですから、日本と比較にならないんですね。政府はよく言うけれども、われわれの理解はそうではない。向こうは、むしろ、年をとってきて働くことが楽しみだという。イギリスあたりは完備されているわけですからね。そういうところと、日本のような無設備、過酷な条件、あらゆる角度からとらえたって、労働者は一個だって恵まれていることはないんですよ。その上に家族のそういう各種の負担というものが持ち込まれる、こういう状況でありますから、ほんとうにあなた方は組合の意思を尊重して協議の中で事を運ぼうとするような決断をもってこの勤務態様を改善をする、この点ぐらい回答があってもいいんじゃないかと思いますが、もう一回所信をお聞きしたい。総裁からひとつ……。
#166
○説明員(北島武雄君) 二交代制を含めました現在の工場の近代化の問題につきましては、目下せっかく労働組合と折衝中でございまして、その過程におきまして当方の労働条件は一応申し上げてございます。なお、今後いろいろ折衝を重ねまして、円満に妥結をはかりたい、こう思っております。
#167
○戸田菊雄君 この結論として一つは出ました。もう一切首切りはしない。あくまでも協議の原則の上に立って進めます、これも出ました。ただ、心配されるのは、専売事業の場合は七割が婦人労働者ですから、いずれにしてもこれが勧奨その他内容は別にしまして、やめていくというかっこうになると思います。減っていくかっこうになると思います。そういうことは、結果的に女子労働者の雇用内容というものを狭めていくことになりやしないか。ですから、これは、単に専売事業だけではなくて、国家施策の中でも十分考えていかなければいけないのでありまするけれども、そういう狭めるいまの合理化というものですね、これを何とか調整をとる方法はないのかどうか、この点が一つ。
 それからもう一つは、いろいろと協定を見まするというと、配置転換の内容も各種各様であります。「同一事業所で同職種または他職種への配置転換」「同一地域で同職種または他職種への配置転換」「他地域に同職種または他職種への配置転換」と、こういうことですから、たとえば業平、品川が統合されて一つの工場になっていく。結果的に、あそこは、この間われわれ見学した範囲では、九十名程度に減らされる。現行八百何名ですか、業平のほうは四百何名、これが百何名、こういうことになっているわけですね。そうすると、十分の一程度に減らされていくわけですね、最終的に。そういうことになるというと、小田原工場に転勤とか、そういうことになりますね。こういうことになるとすれば、持続的に希望する人が専売事業に携わっていきたいということになれば、当然、宿舎関係というものが完備されていかなければいけないと思います。あるいは、だんなさんが電電に勤めているとか、極端に離反した別居生活をしなければいけないとか、こういうことになってはたいへんでありますから、その辺は各般の要求というものが出てくるだろうと思う。そういう万般の施策について一体どういう処置をとられるのか。この協定は昨年の九月ですから、いま四月ですから、もう半年以上過ぎているのですから、具体的にそういう部面での施設あるいは対策というものが一体とられておるのか。これは六工場の内容についてはっきりしているわけですから、説明していただきたいと思います、工場ごとに。
#168
○説明員(牧野誠一君) 昨年の九月にいまお話しの協定ができまして、それからあと十月に京都の印刷工場について話がついたわけでございますが、それについては具体的にできております。ただ、今回の六工場につきましては、たしか私どものほうから二月に提案をいたしまして、それでいまそういう問題もくるめまして折衝中でございますので、具体的にどうというようなところまでまだ現在いっておりません。
#169
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#170
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
#171
○戸田菊雄君 時間がありませんから、答弁も要点だけ端的にお願いします。
 それはいつころまでに対策をとるわけですか。
#172
○説明員(牧野誠一君) 私どものほうとしては、五月の末までに決着をつけたいというふうに存じております。
#173
○戸田菊雄君 そうしますと、本協定を読みますと、本合理化等の問題については三十日前に組合に全部を提示する、最低ですね、そういうことになっておりますから、五月一日以降ということになると、もう四月でしょう、もうすでにそういった内容は具体的に提示をされていなくちゃいけないと思うのですが、きょうは四月の十四日、これはどうなんですか。
#174
○説明員(牧野誠一君) こちらからの提案は済んでおるわけでございますが、ただ、問題を残しております分がたくさんございますので、これらの点についてきまるのがこれからまだ先になるだろうと申し上げたわけでございます。
#175
○戸田菊雄君 そうすると、六工場については、それぞれ当該場所においてやっておると、こういうことですか。
#176
○説明員(牧野誠一君) 六工場について、それぞれ当該場所でやっております。
#177
○戸田菊雄君 どうも、ことばじりをとらえるわけじゃないのですが、そうだとすれば、さっき言ったような施設体制というものは並行してとられて、もうすでにここはこうしますよというやつが出てこなくちゃいけないと思いますね。さっき聞けば、そういう部面については、これは今後検討しますと。見通しはいつだと、こう言えば、まだそれは言い切る段階ではないと、こう言う。どうも、答弁が非常にちぐはぐじゃないですか。いずれにしても、五月一日ということであれば、いろいろ皆さんが言っているようにほんとうに労使協約を土台にしてやっていくということですから、本協定に基づけば、少なくとも最低三十日以前に組合に提示をして、そうしていろいろ答弁の内容について実行に移さなければいけないと思うんですね。そういう姿勢については、私は非常に問題があると思う。少なくとも、協定を結んだ最大の趣旨というものは、労使間の紛争の未然防止でしょう。そうして、労働者の了解を十分いただく。そういう中で協力し合って、首切りや何かを出さないで、被害者というものを出さないでやっていこう、時間をかけて、ということなんですね。それがために十年、五年という時間を設定しているわけでしょう、基本計画で。ところが、そういう精神にのっとっていささかもやっていないということになるんですね。だから、大闘争が起きたりあるいはいろいろやることはあたりまえでしょうが。そういう点の見解は、総裁、どうですか。
#178
○説明員(北島武雄君) ただいま私どもがやっておりますことは、昨年の九月十三日の協定にそのままのっとってやっておるわけでございまして、協議会に関して申し上げますが、すでにこの問題につきましては、あるものは二月の初旬、あるものは二月の下旬に提案をいたしております。それから月数を数えるわけでございます。私どものほうとしては、できるだけ説明を尽している。それから組合と協議に入りたい、円満に妥結をしたい、こう言っているわけでございます。ただ、組合にも、当公社の今後の計画から申しまして、できるだけ五月一ぱいにこれを詰めたいということを申し上げているわけでございます。組合でもこれを了とされて、目下交渉中でございます。これはもう労使間の交渉でございますから、それによって内容がきまるわけでございまして、どうかそのようにお含みおき願いたいと思います。
#179
○戸田菊雄君 時間がありませんから、端的に聞きますが、塩専売の廃止問題で今回五十億程度いろいろ補助金を出しているようでありますが、これは二年間計画で全廃をしていく、こういう状況のようでありますが、その辺の経過についてひとつお聞かせを願いたいと思います。
#180
○説明員(牧野誠一君) 塩専売廃止についてという御質問でございますが、まだそこまではっきり方針がきまったような事実はございません。私どもは、塩は、いまの塩田製塩からイオン交換膜の製塩に転換して、塩は塩として国際競争力をつけていきたいということで、そのためにただいまお話にございました五十億というような予算を計上した次第ですが、この問題につきましては、私ども、昨年の春から塩業審議会にどういうふうにしたらいいかということをおはかりしておりまして、この結論を待ちまして具体的にそういう方向へ進行したいと考えておるわけであります。
#181
○戸田菊雄君 たばこ小売り店の指定内容についてはどうなっているのでしょうか。たとえば、第一種、第二種と現在ございますが、その辺も改善をとっていくという意向でございましょうか、それが一つ。それからいま専売の婦人労働者の平均賃金はどのぐらいでしょうか、年齢と、ちょっと教えてください。
#182
○説明員(斎藤欣一君) たばこ小売り店の点につきまして、私からお答え申し上げたいと思います。
 第一種、第二種とおっしゃいましたが、そういった名前は実はつけておりません。一般の小売り店、通行するお客さまを相手にした小売り店と、それからたとえばこの国会の会館の中の売店のようなああいう小売り店と、そういった二つの区分けはいたしております。いままでやっておりますような小売り店をどういうふうに配置していきますかということにつきましては、いろいろ考えなければいけない問題があることでございます。一つは、世の中の状態がたいへん変わってきております。交通状況が変わっております。そういう場合に、どうしたらお客さまが不便なしにたばこを買えるかという体制を考えなくちゃいかぬのと、もう一つは、先ほどから議論になっておりますが、時間的配置といいますか、朝早くはたばこを買えません。夜は早くしまってしまいます。そういう地理的、時間的配置というものの変化に応じてたばこの小売り店をどういうふうに配置していくかということを今後考えなければいけない。現在すでにある部分はそういった感覚を取り入れて始めておりますけれども、なおいろいろもっともっと検討していきたい。たとえば自動販売機をどういうふうに使うかといったような、いろいろ検討していかなくちゃならぬ問題はかなり多いかと思い、せっかく検討中でございます。
#183
○説明員(牧野誠一君) いま、婦人労働者の平均給与の数字を手元に持っておりませんので、後刻お届けしたいと思います。
#184
○説明員(北島武雄君) ちょっと、先ほどの五月のめどの問題につきまして誤解を招いてはいけませんので、正確に申し上げますと、当方といたしましては、五月末までに何とかきめたいということを組合に申し入れているだけでございます。組合がこれを了承したとか、そういうことではございません。当方の意向は伝えたということで、組合がこれを了承しているわけじゃございません。この点はひとつ組合のために申し上げておきます。
#185
○戸田菊雄君 最後に、賃金の問題は、私の記憶では四万四千円見当、公労協の総体賃金はもっと上がっているのではないかと思いますが、おそらく女子労働者としてはそういうことだと思います。これは労働省の婦人労働課長にお伺いをしたいのでありますが、いま年齢が四十近く、ないし三十五、六、この辺の婦人労働者の民間賃金平均はどのぐらいになっておるのか、それを一つお伺いすると同時に、いまの日本の婦人労働者の賃金というものはきわめて低賃金ですね。男女同一労働同一賃金、こういう合ことばのもとにやられておるのですが、これはどういう指導というものを労働省では各企業なりそういうものにやっているのですか。たとえば、一例ですけれども、タクシーとかハイヤーの運転手ですね、そういった人たちに対しては、当該運輸省から、固定給をもっと持っていきなさい、大企業はできるだけ固定給を引き上げろと、こういうことをやられているわけですね。あるいは、人事院は、公務員に対してはこうしなさいと各般の示達事項があるわけです。公労協については、それぞれ労使が団交で取りきめますから、本来賃金の決定はそこになるわけです。しかし、いずれにしても、いまの女子労働者の賃金というものは、各企業、各層、非常に低い。やはり元締めとしてこの指導を行なっていくのが私は労働省だと思う。だから、こういう問題についてどういうふうに考えておるか、その辺の見解を承って、終わりたいと思います。
#186
○説明員(藤井敏子君) 婦人の賃金が一般に低いという御指摘だったと思いますが、確かに、現金給与額そのものを見ますと、婦人のほうが男子よりは低くなっております。ただ、弁護するわけではございませんが、この現金給与平均額といいますのは、日本の年功序列賃金体系下でその制度を取り入れている企業がまだたいへん多うございますので、どうしても勤続年数、年齢、学歴、そういったものが要素となっておりますことから、平均いたしますと女子のほうが低うございますので、金額そのものを見てすぐに男女差とは一がいには言えないんじゃないかと思っております。ですけれども、何と申しましても、確かに女子の賃金は何かまだ適正にきめられていない面があるのではないかといったような感じが私どももする場合があります。その理由といたしましては、たとえば、最近は、職能給的あるいは職務給的要素もたくさん取り入れられてきておりますが、そういたしますと、現在の仕事に対する評価というものが賃金に出てきておりますが、婦人の場合は高く評価されるようなポストになかなかつくことができない、あるいはそういうポストにつくための訓練の機会等にもまだ恵まれない企業もあります。前に比べればずいぶんよくなってきているとは思いますけれども、そういったような賃金を規定するそれ以前の面でまだいろいろな意味での男女格差、待遇上の差別がいくらか残っているのではないか。そういうことから、賃金の面に、年齢とか勤続年数以外のところでも女子が低いということが出てきたのではないかというふうに考えております。ですけれども、だんだん、少のうございますけれども、徐々でございますけれども、この男女間の賃金格差は縮まりつつあります。
 それで、私ども事業場を回ったりしてまいりますときに、全国に婦人少年室という出先機関を持っておりますけれども、そこの職員が婦人労働の実態を始終見て回っておりますけれども、そういうときに、賃金そのものよりもむしろ企業において婦人と男子との待遇の状況を見たり聞いたりいたしまして何かこう釈然としない面がありますときは、その実情を事例的によく伺ったり、あるいはチャンスを与えるとか、あるいは昇給昇格の面ではっきりしないと思われるところがありましたら、それを使用者が方々と話し合って、できるだけ婦人についても公正な目で能力のある者について適正な評価をするようにといった意味の話し合いを持っての指導ということをいたしております。これは個々のケースでございますが、そのほかに、私どものほうでも年に一ぺん「働く婦人の福祉運動」というキャンペーンをいたしておりますが、その期間中に、男女均等待遇の促進とか、あるいは男女同一労働同一賃金の促進といったようなことをキャンペーンを通じて指導し、一般社会に対して啓蒙をいたしております。
#187
○戸田菊雄君 委員長にお願いを最後にいたしますが、正式に政府委員を通して専売当局に対して資料要求をやったのであります。きのう、幸いに協力をいただいて一端の資料はいただいたのですが、まだ来ておらない資料があります。要員配置その他の項目十項目がいっているはずでありますから、その資料をすみやかに出していただくと同時に、この前、昨年の九月ですか、一端の資料を要求したのだけれども、それがナシのつぶてでいまだに御提出がなかったという事例がありますから、適切にその資料の提示をお願いしたい。これは委員長からお願いしたいと思う。これだけの大計画でありますから、きょうは時間がありませんから不十分ながら終わりますけれども、いずれまた機会を得まして質問してまいりたいと思います。その点をお願いします。
#188
○委員長(栗原祐幸君) 戸田委員の要望につきましては、すみやかに善処し、御提出をいただきたいと思います。
 本件の調査は、本日はこの程度にとどめて、午後三時まで休憩いたします。
   午後二時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十九分開会
#189
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
#190
○政府委員(藤田正明君) ただいま議題となりました物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案外一法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 最初に、物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 物品税につきましては、国際競争力の強化、新規課税物品に対する税負担の激変緩和等の見地から、トランジスターテレビジョン受像機等八品目につきまして、暫定的に非課税または税率の軽減等の措置を講じてまいりましたが、これらの措置の期限が本年中に到来することになっております。
 これらの物品のうち、パッケージ型ルームクーラー、ステレオ式の拡声用増幅器等につきましては、すでにその目的を達成したものと認められるところから、その期限到来とともに本則税率を適用することが適当と考えられますが、トランジスターテレビジョン受像機ほか四品目につきましては、なお、その生産及び取引の実情にかえりみましてその税率を漸進的に引き上げる等の措置をとる必要があると認められますので、ここに、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 まず、現在非課税とされ、または軽減税率が適用されておりますトランジスターテレビジョン受像機、電子楽器、温蔵庫等につきましては、原則として、毎年その税率を五パーセントずつ引き上げて漸次本則税率に移行するよう措置することとしております。
 次に、オールチャンネルテレビジョン受像機につきましては、UHF放送の受信回路に関する課税標準の特例措置の期限を、昭和四十六年三月三十一日まで延長することとしております。
 このほか、これらの物品に関する手持品課税について所要の規定の整備をはかることとしております。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 最近におけるわが国を取り巻く貿易環境の変化、国内産業の動向等に対応し、関税率について所要の調整を行なうとともに、関税の減免還付制度について重油脱硫減税制度を新設する等の整備を行なうため、関税定率法及び関税暫定措置法の改正を行なう必要がありますので、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、関税率の改正であります。今回の改正におきましては、関税定率法及び関税暫定措置法を通じて五百八十一品目の関税率について所要の調整を行なうことといたしております。すなわち、新たに関税率の引き下げを行なうものは、小型乗用車、ナチュラルチーズ、大豆等の百十一品目、関税率の引き上げを行なうものは、関税割り当て制度の二次税率を改正するトウモロコシ一品目、暫定税率の適用期限の延長等を行なうものは、バナナ、パイナップルかん詰め等の七十五品目であります。また、協定税率が適用されない国の産品と協定税率が適用される国の産品との間に生ずる関税格差を解消するための措置等を引き続き講ずるものが三百九十四品目となっております。
 第二は、関税の減免制度等の改正であります。まず、亜硫酸ガスによる大気汚染公害対策の一環として、関税暫定措置法に重油脱硫減税制度を新設することにいたしております。この制度は、脱硫される重油一キロリットルあたり三百円の割合で、その原料となる輸入原油に対する関税の軽減を行なおうとするものであります。
 このほか、関税暫定措置法につきましては、加工再輸入品に対する減税制度の適用対象となる品目の追加等を行なうとともに、現行の減免還付制度の適用期限をすべて明年三月末まで延長することといたしております。
 また、関税定率法につきましても、市況の高騰時における輸入豚肉の関税減免制度の弾力化、輸出戻税制度の適用範囲の拡大等をはかるとともに、教育的、科学的及び文化的資材の輸入に関する協定への加入に伴い、ニュース映画用フィルム等を免税とする等、規定の整備を行なうことといたしております。
 なお、以上の改正の実施時期につきましては、重油脱硫減税等法案中に特に定めのあるものを除き、本年五月一日といたしております。
 以上が、物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案外一法律案の提案の理由及びその内容であります。
 なにとぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#191
○委員長(栗原祐幸君) 次に、補足説明を聴取いたします。高木審議官。
#192
○政府委員(高木文雄君) 物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 物品税につきましては、国際競争力の強化、新規課税物品に対する税負担の激変緩和等の見地から、トランジスターテレビジョン受像機等八品目につきまして暫定的に非課税または税率の軽減等の措置を講じてまいりましたが、これらの暫定措置の期限は、本年三月三十一日または九月三十日にそれぞれ到来することになっておりましたところ、さきに成立いたしました昭和四十五年度の税制改正に関する暫定措置法によりまして、さしあたり三月三十一日の期限が四月三十日まで延長されましたことは、すでに御承知のとおりであります。
 これらの暫定措置の適用を受ける物品のうち、パッケージ型ルームクーラー、ステレオ式の拡声用増幅器及び大型の複合型スピーカーシステムにつきましては、すでにその税率軽減の目的を達成したものと認められますので、その期限到来とともに本則税率を適用することが適当と考えられますが、トランジスターテレビジョン受像機ほか四品目につきましては、いま直ちにこれらの物品に本則税率を適用することといたしました場合には、その税負担が急激に上昇し、生産、取引に影響を及ぼすことを考慮して、その税率を漸進的に引き上げることとしております。
 すなわち、トランジスターカラーテレビジョン受像機、十三型以上のトランジスター白黒テレビジョン受像機及び電子楽器につきましては、現在いずれも暫定的に非課税とされておりますが、期限の到来とともに自動的に一五%ないし二〇%の本則税率が適用されることになりますのを、昭和四十六年三月三十一日まで五%、昭和四十七年三月三十一日まで一〇%の軽減税率をそれぞれ適用し、同年四月一日から本則税率を適用することとしております。また、温蔵庫、十二型以下のトランジスター白黒テレビジョン受像機、ステレオ式の電圧増幅器及び小型の複合型スピーカーシステムにつきましては、現在いずれも五%の軽減税率が適用されておりますが、期限到来とともにいずれも自動的に一五%の本則税率が適用されることになりますのを、昭和四十六年三月三十一日まで一〇%の軽減税率を適用し、同年四月一日から本則税率を適用することとしております。
 このほか、オールチャンネルテレビジョン受像機のUHF放送の受信回路に関する課税標準の特例措置につきましては、課税標準から三千五百円を控除することとしておりますが、最近におけるその生産、消費の状況等にかんがみ、昭和四十六年三月三十一日までこの措置を延長することとしております。
 なお、これらの物品に対する手持品課税につきましては、最近における取引の実情等に見合って、一部の物品についてその課税最低限数量を引き上げる等、所要の整備合理化をはかることとしております。
 以上、物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の提案理由を補足して御説明いたした次第であります。
#193
○委員長(栗原祐幸君) 上林関税局長。
#194
○政府委員(上林英男君) 関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、改正案の内容を補足して御説明申し上げます。
 まず、関税率の改正について申し上げます。
 参考として提出いたしました昭和四十五年度関税改正案一覧表の総括表にありますように、今回の改正対象品目は合計五百八十一品目であり、その内訳は、新たに関税率の引き下げを行なうもの百十一品目、関税率の引き上げを行なうもの一品目、暫定税率の適用期限の延長等を行なうもの七十五品目のほか、いわゆる関税格差の解消その他の措置を継続して実施するための法律上の手当てを行なうもの三百九十四品目となっております。
 なお、この五百八十一品目のうち、関税定率法別表の改正によるものは一品目であり、他の五百八十品目は関税暫定措置法の別表の改正によるものであります。
 個別の品目に関する現行税率及び改正案につきましては、この資料を御参照いただきたいと存じますが、以下、今回の改正のおもなものについて御説明いたします。
 ナチュラルチーズにつきましては、今回、関税割り当て制度を新設し、国産品を使用するチーズ製造者に対し、国産品の使用量に応じて通常の三五%の関税率より低い一〇%の一次税率による関税割り当てを行なうことにより、国産ナチュラルチーズの使用を促進することといたしております。
 次に、バナナにつきましては、明年度も、なお現行の六〇%の暫定税率を継続することといたしております。
 次に、紅茶につきましては、本品が開発途上国の関心産品であり、また、消費生活にも関連の深い物質であることを考慮しまして、関税率を三五%から二〇%に引き下げることといたしております。
 次に、トウモロコシにつきましては、これから製造されますコンスターチと国産のイモでん粉との競合関係を調整するため、従来から関税割り当て制度を実施してきたところでありますが、最近におけるコンスターチ企業の生産の動向等を勘案し、今回、二次税率を引き上げるとともにスライド関税を採用し、あわせて制度の期限を三年間といたしております。
 次に、大豆及び菜種につきましては、これも消費生活と関連の深い物資であること及び食用油の自由化を控えていること等の事情を考慮し、関税率をそれぞれキロ当たり二円四十銭及び四円に引き下げることといたしております。
 次に、小売用医薬品につきましては、卸売り用のものとのバランスを考慮して、関税率の引き下げを行なうことといたしております。
 次に、小型乗用車につきましては、わが国の現行関税率は欧米諸国に比較して高率でありますが、わが国の自動車産業の生産及び輸出の現状にかんがみ、かかる高率の関税を維持する必要がなくなってまいりましたのみならず、これがかえって輸出の障害となるおそれも出てまいりましたので、今回、関税率を二〇パーセントに引き下げることといたしております。
 次に、協定税率が適用されない国の産品に対する関税格差の解消の措置について御説明いたします。この問題につきましては、昭和四十三年三月の当委員会における附帯決議の御趣旨に沿って、昨年度までに三百五十三品目の関税格差の解消を実施したところでありますが、これらの措置はすべて明年度にも継続し、ケネディラウンドの進行にあわせて引き下げを行ないますとともに、これまで格差解消の例外となっておりました品目のうち干しブドウ等五品目を追加し、また、昭和四十三年に新たに輸入の行なわれたもの等三十五品目につきましても、格差解消の措置をとることといたしております。
 以上が関税率の改正のおもなものであります。
 次に、関税の減免制度等の改正について申し上げます。
 今回新設されるいわゆる重油脱硫減税制度は、亜硫酸ガスによる大気汚染公害問題の緊急性にかんがみ、燃料重油の低硫黄化を助成する措置でありまして、水素添加脱硫装置によって脱硫される重油の数量を基準にして、脱硫重油一キロリットル当たり三百円に相当する金額を、その原料となる輸入原油の関税から軽減するものであります。
 また、昭和四十四年度に新設されました加工再輸入品に対する減税制度の適用対象品目としてすでに指定されております十一品目に加え、今回、国内産業に影響を与えるおそれがないと認められる半導体集積回路等三品目を指定することといたしました。
 関税定率法関係では、輸入豚肉の関税減免制度の手直しを行なうことといたしました。すなわち、豚肉の国内卸売り価格が安定上位価格をこえて騰貴している場合に限り減免制度が発動されることとなっております点を改め、安定上位価格をこえて騰貴するおそれがある場合にも関税を減免できるようにする趣旨でありまして、国内生産に支障を生じないよう留意しつつ、必要に応じ弾力的に運用してまいりたいと考えております。
 また、輸出貨物の製造に使用される輸入原料品の関税を払い戻すいわゆる輸出戻税の制度につきましては、その適用範囲を拡大し、蒸気等の発生装置に使用される燃料油の関税負担をも戻税額の算出基礎に加えることといたしました。
 このほか、今国会で御審議をお願いすることになっております教育的、科学的及び文化的資材の輸入に関する協定への加入に伴い、同協定上の義務を履行するため、ニュース映画用のフィルム及びニュース用のビデオテープについて免税規定を設けるとともに、国連またはその専門機関が製作した教育的、科学的または文化的なフィルム、録音物等についても免税できることといたしております。
 以上で関税定率法等の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。
#195
○委員長(栗原祐幸君) これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#196
○成瀬幡治君 ただいま提案理由及び補足説明等をお聞きしたわけでありますが、その補足説明の中で、物品税関係で、二ページのところに「トランジスターテレビジョン受像機ほか四品目につきましては、」と、こうありますが、四品目とは何と何をいいますか。
#197
○政府委員(高木文雄君) 一つは、トランジス夕ーテレビ受像機でございますが、それから次は電子楽器、それからステレオ式電圧増幅器、その次が複合型スピーカーシステムのうちの小型のもの、もう一つは温蔵庫、以上トランジスタテレビを入れまして五つでございます。
#198
○成瀬幡治君 通産省並びに企画庁の方がお見えになりますが、提案理由の説明をお聞きしておりますと、これらを本税を適用いたしますと、税負担が急激に上昇し、生産、取引に影響を及ぼすから上げぬと、こう言っているわけです。そこで、いま示されたうち、たとえばカラーテレビの例をとってもいいと思いますが、まあカラーテレビなりあるいは白黒のテレビでもそうですが、生産原価は一体どのくらいになっているのか、あるいは生産はいまどのくらいつくっておるのか、しかも、これは輸出しておりますから、輸出価格なんというものもあるはずなんですが、私は、逆に、製造価格なりあるいはマージン等いろいろなものを勘案いたしましても、税を上げても小売り価格に影響しないという立場をとっておるわけですが、もうここまで来た以上いいじゃないか、こういうのですが、一体こういうような点についてどのくらい資料がたとえば通産省にあるいは経済企画庁に集まっておるのか、まずお聞きしたい。
#199
○説明員(山形栄治君) カラーテレビの生産数量、輸出数量等について最初にお答えいたします。
 カラーテレビは、昭和四十一年ごろにはわずか五十二万台くらいであったわけでございますけれども、最近逐年数量が増加いたしまして、四十四年におきましては四百八十三万四千台の生産を遂げております。そのうち、輸出数量につきましては百万三千台ということに相なっております。
 お尋ねのコスト等につきましては、これはなかなかわかりにくい点があるわけでございますけれども、現在私のほうで調査等を行なっております点に基づきまして御説明申し上げますと、カラーテレビの十九インチのコンソレットタイプというタイプで標準的に国内の現金小売り正価につきましては十五万五千円程度ということに相なっております。これに対応します輸出価格は、FOBでおおむね六万五千円くらいということでございますが、お尋ねが詳細でございませんでしたのではっきりいたしませんので、ちょっと言い過ぎるかもしれませんのですけれども、この間の開きはいろいろと事情がございまして、たとえば輸出価格の中には、これは工場渡しでございますので、たとえばアメリカに輸出します場合のアメリカ国内の卸、小売りのマージンが全然入っておりません。それから、いま本日問題になっております物品税も、当然に輸出価格には国内の物品税は入っておりません。その他、米国内の広告費等も入っておりませんので、私のほうといたしましては、この国内価格、輸出価格の差はまあ妥当なものではないかと思います。
 それから物品税関係で、これを特別の措置をしなくても小売り価格その他に影響なく吸収できるのではないかというお話でございましたけれども、何ぶんにも、カラーテレビは、先ほどちょっと申し上げましたように、最近時において生産、出荷が伸びておるものでございまして、白黒のほうにつきましてはまだ現在七百三十万台ぐらい四十四年度で生産されておるような状態で、カラーテレビにつきましてはまだ普及率その他につきましても若干おくれておりますので、なおこの際物品税上の優遇措置等をぜひ必要とするとわれわれは考えておるような次第でございます。
#200
○政府委員(矢野智雄君) ただいまお尋ねになりましたカラーテレビの製造原価等につきましては、私ども詳細なデータを持ち合わせておりません。公共料金等認可にかかわりますものにつきまして、ことに経済企画庁と協議するような事項につきましては、そのつど必要なデータの報告を受けて検討いたしますが、そうでない性質のもの、いわゆる自由価格のものにつきましては、特別に原価調査をいたしておるわけではございませんので、詳細なデータは持ち合わせておりません。
 なお、物品税の問題でございますが、こうした間接税が末端の価格にどう影響するか、この点は一般的には言えないかと思います。租税がどちらへ転嫁するか、これは一つにはそのときどきの経済情勢によるところが大きいかと思います。私どもといたしましては、何といいましても物価が上がることは非常に困るわけでありますし、それに、現在の状況では、とかく何かそこに問題が起こりますと、価格なり賃金の引き上げによって切り抜けていこうとするようなこういうムードと申しますか、それがまあ高度成長が長く続いてきたことと関連いたしますが、そうしたムードがやや強まっているきらいがありますので、こうしたときには何らかの価格引き上げの材料を与えることは一般的にはあまり好ましくないというように考えておりまして、この点は慎重でなければならないと思います。もっとも、一般的には税金をどういう体系で取るか、これにはそれぞれいろいろこれからの考え方もあるかと思いますし、また、物価情勢ももっと沈静化され、かりにそういう間接税が増徴されても一般に転嫁しないような状態をつくることが重要であると思います。そうしたことは私ども一般的に申し上げられることでありますが、ただ、個々の品目につきましては、それぞれいろいろ競争条件あるいはその商品の性格によって違うかと思いますが、それでお話しのカラーテレビの場合には実際どうなるか、これが物品税の末端の価格に転嫁されるか、あるいは製造段階に吸収されるか、私ども詳細なその点の検討をしておるわけでもありませんし、データを持ち合わせませんので、的確なことは申しかねますが、おそらく大蔵省のほうでこうした改正を考えられておる背後には、小売り価格にこれが押し出されるような状況にはなかろうという御判断があるものだというように考えております。
#201
○成瀬幡治君 そうすると、企画庁のほうではあんまり勉強しておらぬと。カラーテレビならカラーテレビが、生産原価が幾らで、どんなふうに管理価格になっているのか、カルテル行為がどうなっているのか、あるいは二重価格がどうなっているかとか、そしてこれがどういうふうに行なわれておってどうだなんということについては、あまり関心がないのですか。
#202
○政府委員(矢野智雄君) いまおっしゃいました点について関心がないわけではございませんので、私ども直接この原価を調べたりすることは現在はいたしておりませんが、しかし、カラーテレビにしましても、これがどういう価格で売られていくかにはもちろん重大な関心があります。また、その価格形成においてもしそれが独占禁止法に触れる、そういった問題があるとしますれば、これは公正取引委員会のほうで十分調査していただかなければなりませんし、当然公正取引委員会で絶えずその点は検討しておられると思います。もしそういう疑義が生ずる場合には、公正取引委員会のほうにも私どものほうからもお願いする必要があるかと思います。また、そうしたすぐ独禁法云々ということを別にいたしましても、個々に何か価格の形成の上にどうかと思われるような点がありましたら、その点は関係行政機関でなるべくそこをうまく指導していただくように私どもとしても要請し、そうした連絡はとってまいりたいと思っておりますが、直接原価を私どものほうで調べるということは、こういう自由な価格のものについては原則としていたしておりません。
#203
○成瀬幡治君 今後、こういう耐久消費財について、企画庁が国民生活の――会社はもうけようとしておりますね。そうしますと、自由経済だからもうけさえすればいいんだ、会社が幾らでつくろうが幾らに売ろうが、そして需要と供給の関係でやられるのだから差しつかえないんだ、経済企画庁はそういう耐久消費財が資本主義経済において自由にやられていることについては何も触れない、成り行きだと、こういうことなんですか。
#204
○政府委員(矢野智雄君) 自由な価格につきましては、政府が直接それにどうこうするたてまえにはなっておりませんで、原則的には需給によって調整されるべきものだと思っております。むしろ、なるべく需給でうまく調整されることを望んでおります。そのためには、その需給の調整を阻害するような要因、競争制限的な行為がありますと、これは需給がうまく調整されなくなりますので、そうしたものはなるべく排除していくのが本来の行き方だと思います。その結果として、個々の商品にはいろいろ動きが出ると思いますが、物価全体として上がるか上がらないかという点につきましては、私ども物価政策の重要な一環としてたびたび申しておりますように、全体の経済の運営、総需要の調整ということはここで重要な課題になってくるかと思います。そうしたことで調整するのが重要でありまして、個々の価格はなるべく自由な競争の中で適正に価格が形成されることをむしろ望んでおります。しかし、そうは申しましても、完全にどこまで自由な競争が実際に行なわれているかどうか、きわめて疑問がある場合もありますので、この点は独占禁止法の厳正な運用、あるいは、こうした際でもありますので、それ以外にもし何か疑問が出てきそうなものがあれば、関係各省でそこをうまく指導していただく必要も場合によっては起こってくるのじゃないかというように考えております。
#205
○成瀬幡治君 確かに、そういう寡占とかカルテル行為の問題については一つは公取がやるからいいじゃないか、あなたのほうですと国民生活それだけで、物価の問題につく守備範囲は、政府のやっておる公共料金的な、あるいは政府が政策的にたとえば酒だとかノリだとかそういうようなことをやっているものについてはとやかく言うけれども、あとのほうはわしらの守備範囲外だ、あとは総需要との関係なんだ、総需要を減らしていけば物価が云々されるからということなんですか。
#206
○政府委員(矢野智雄君) もちろん、総需要だけでいいと申しているわけではありません。ただいま物価政策全般について申し上げたわけではありませんで、ただ、自由な価格によって変動する場合、そうしたものに対する調整の一つを申し上げたわけですが、物価政策を私どもで扱っておりますといいますか、総合調整官庁として各省と協議してやってまいります方策は、一口に申しますと、もちろん総需要政策が大前提でありますが、それからさらに個別の対策といたしましては、いわゆる生産性を向上させるための対策、これはすぐ価格にじかに触れるものではありませんが、価格がなるべく上がらないような基礎をつくっていく、このためにも関係各省とも絶えず協議いたしまして、こうした面にもっと努力したらどうだとか、あるいは予算編成にあたりましても、そうしたものについて各省ともいろいろ連絡をとっております。あるいは、そのあとの実行段階についても、いろいろ協議しております。それからもう一つは、そうしてかりに生産性が向上し体質が改善されましても、それが価格に反映しなければなりませんので、その点につきましては、競争条件の整備という、先ほどから申しておることに関連しますが、そうしたこととか、あるいは公共料金、これも私どもの重要な仕事の一環でありますが、もちろん総需要と公共料金だけというわけではありませんで、何ぶんにも御承知のように物価といいますのはあらゆる経済の総合的なツケのようなものでありますので、どれ一つだけというわけにはまいりませんから、いま申しましたようないろいろな点につきましてそれぞれ関係の省と絶えず協議していくことにしております。
 そのための機構といたしまして、御承知のように、物価対策閣僚協議会、さらには各省との間の物価担当官会議、こうしたものを通じて絶えず連携をとっております。また、四月一日に物価対策閣僚協議会を開きまして、そこで景気全体の問題についてとにかく引き締め策を堅持するということの了承を得ますとともに、さらに、いま申しましたような個々の問題につきまして早急に具体策をつくってこの閣僚協議会で検討するという手はずになっておりまして、近々のうちにそうした具体策を詰めていくことにしております。個々のことは、すべて全部ほかの省に関係いたします。経済企画庁は、物価安定という立場から、そうした総合的な見地で各省とそれぞれ協議して推進してまいろうとしているわけでございます。
#207
○成瀬幡治君 まあこんなところでとやかく言いたくないですけれども、おやりになることはいいが、税金はお使いになるようだけれども、さっぱり効果はあがらぬようだ。承っておって、何をおやりになるかさっぱりわからぬ。むしろ、そういうことよりも、たとえばカラーテレビとか、二、三品でいいですよ、あなたのほうで一ぺん品目を指定して、原価は幾らでつくられているのか、それが卸はどうなって、小売りはどうなっておるか、そうしてその会社はどのくらいそれによってもうけているのかというようなことを、モデル的なものをピックアップされて、耐久消費財なら耐久消費財あるいは野菜なら野菜がどうだというようなものを徹底的に一ぺん追及されてみたらどうですか。それが税金の生きた使い方だと私は思うんですよ。そうして追跡されて発表されれば、そこさえ、悪いところさえ直されればそれでいいわけでしょう。そういうことをやられぬですか。
#208
○政府委員(矢野智雄君) 物価政策の一環といたしましては、一つには生産性が向上していった場合に、その成果をなるべく価格に反映していく、これも重要な一つの一環になります。これにつきましては、基本的には競争条件の整備をはかるということは重要でありますが、しかし、いま御指摘のような、ある品目につきましてもしそこに問題がありそうだと、あるかないかは調べてみなければわかりませんが、ありそうだと、もしそういう声が大きいものにつきましては、それぞれの関係省と連絡して、いまおっしゃるような方向も一つの検討の対象になるかと思います。ただ、あくまでも公共料金のものと違いまして、自由な価格のものは、原価を公表しているもの以外のものを資料で調べるという特別の権限はございませんので、また、そこまで立ち入るということはできませんが、しかし、いろいろな資料、すでに公表された資料もあるかと思いますので、そうしたことで問題のありそうな場合には関係各省と連絡してそこはなるべくうまく指導していただく、これも必要な対策であるかと思います。そうした方向も現在物価対策の具体的な政策の一環として検討しております。
#209
○成瀬幡治君 あなたの話を聞いていると、やるかやらぬかわからぬ。そうではなくて、もっとずばり、耐久消費財でいま売れ行きの伸びているもの、その伸び率の大きいのは自動車です。その次はカラーテレビ、クーラー、ものすごい伸び率でしょう。五〇%とか四〇%とかいう伸び率ですよ。こういうものについて、ずばっと一度見て、会社がもうけていることもわかるでしょう。ソニーは今度時価発行するという。六十五倍以上でしょう、時価発行するのは。松下はどのくらいもうけているか、私が言わなくてもあなたのほうがよくわかる。もうかるということは、生産原価よりもたくさん高く売るからもうかるんですよ。そうでしょう。もうかるということはそれ以外にないでしょう。もうかるということは、百円でできたものを一万円で売ればもうかるんですよ。百円でできたものを百十円で売っておれば、もうからぬですよ。利潤をあげるということは、簡単に言えばそういうことなんですよ。ですから、問題がありそうだとかなさそうだとかじゃないんですよ。国民の生活で物価をおれのほうは不当なことはやらせぬぞよと、自由であっても不当なことは公共のためにはやらせぬぞよと、もっと公共のほうを優先させますよという姿勢があっていいと思うんですよ。だから、ずばり特定品目をあなたのほうが自由に選んで、そうして、いま言ったように、原価はなるほどなかなかそれはわからぬでしょう。わからないけれども、おおよそのことはわかってくるわけですよ。カルテル行為があるとかないとか、そういう調査はそれは公取の問題になるかもしれぬけれども、あなたのほうはあなたのほうの独自の立場として、企画庁は物価の安定をするんだ、国民に不当なものは買わせないぞという代弁をするのがあなたのほうの役所の仕事だと私は思っております。だから、それをずばずばおやりにならなければいかぬと思うんですよ。それをやるということなのかやらぬというのか、具体的に――検討する検討するで検討だけで済んでしまえば、なんにもならぬのですよ。早くやらなきゃいかん、やるなら。
#210
○政府委員(矢野智雄君) ある商品、ある企業がもうかっているかもうかっていないかということだけでは、その価格が不当であるという必ずしも判断になりにくい点がありますので、不当であるかどうかは、その価格形成に何か不当なものがあるかどうか、こういう問題があれば、公正取引委員会でももちろん独禁法の関係から調べることがあると思います。ですから、ただもうかるもうからないだけでは、すぐ不当だと言うことはできないと思います。しかし、非常に物価問題は忙しいときでもありますので、引き下げの余地のあるもの、あるいは生産性の非常に上がっているもの、こうしたものは、それを賃金と利潤で分けるだけでなくて、価格のほうにも向けていただくようになるべく御協力をいただきたい。そうしたことを、まあ関係行政機関でもどうこうする権限はないわけでありますけれども、そこをなるべくうまく指導していただきたい。そういう観点では、私どももいろいろ関係各省に御要望もし、協議はしたいと思っております。
#211
○成瀬幡治君 まあここでたよりない話を議論しておっても、国民はさっぱり期待が持てそうもないですよ。何をやろうとされておるのか、私にはさっぱりわからない、何をやろうとするのか。企画庁で、物価の問題について、価格形成なら価格形成で、不当か不当じゃないかよりも、何をやろうとされるのか、さっぱりわからない。具体的に品目を設定して今後やる意思があるのかないのか。
#212
○政府委員(矢野智雄君) ただいまカラーテレビの問題を取り上げられましたので、この点につきましては、先ほどから申し上げておりますように、直接すぐどうこうする権限はないわけでありますが、いま御指摘のような、もし疑義があるとしますと、そこはなるべく価格の引き下げにも向けていただくように御指導なり御協力をお願いしたいということだけ申しておりまして、物価政策全般につきまして私いますべてを具体的に申し上げたわけじゃありません。物価政策全体としてはこれがなければ物価政策がほかにはないのだということではありませんで、その点はあるいは本題でもありませんかと思いまして先ほど詳しく申し上げなかったわけでありますが、その点は、先ほど申しましたように、全般的にそれぞれの具体策を詰めております。これは、単に、そのうち詰めるとか、あるいはそのうち実施するということではなくて、なるべく早い機会に具体策を詰め、実施に移すいま段取りを進めておりますので、その点はもうしばらくお待ちを願いたい、かように思います。
#213
○成瀬幡治君 まあ、企画庁というのが、私も、置かれておる地位、いろいろな点がたいへんなところだということはわかります。わかりますが、物価の問題でたとえば物価安定推進会議等でいろんなものをお出しになりましたね。一年半かかって、さてこれが実を結ばないかになりますと、から鉄砲に終わりそうなのがたくさんある。せっかくお出しになったのがから鉄砲に終わりそうなのがたくさんある。そういう点等を勘案しながらやってまいりますと、物価の問題について政府の取り組む姿勢の問題もからんできます。しかし、いろいろなことを言いますけれども、大臣がどうなろうと――かわるとかどうなるというのじゃなくて、ほんとうにあなたのほうが独自の力というものを発揮し、あるいは独自の影響力が出て、そして物価が下がったというものを、一つでもいいから、二つでもいいから、年間におつくりになるのが使命だと思う。そうすれば、その影響力が他に影響してくると思う。ですから、いろんなこともそれはやってもらわなければならないけれども、こういう問題についてもひとつ関心を持ってやっていただきたいと思う。それは障害が出てきましょう。権限がないのに何だと、あるいは立ち入りができないぞ、いろいろな問題が出てくると思いますよ。そういうことをお願いする以外にないと思いますから、それはそれできょうはこれだけにしておきます。
 続いて、私は、通産省あるいは大蔵省に資料要求をしたいと思います。
 カラーテレビは、いま生産台数はお聞きしましたが、四十一年から四十四年くらいまでの一体生産がどのくらい伸びておるかということを年次別にお願いしたいという点が一点。
 二つ目は、原価の問題についてはいろいろなことがあるようですが、この前のあのアウトサイダー――はずれた人たちが出したものがあるわけですよ。それが通産省にないなんということはうそですよ。知らぬぞなんということはない。ですから、カラーテレビあるいは白黒のテレビの製造原価、それが卸に幾らで行って、小売りに幾らに流れておるか、その資料は通産省、大蔵省でお出し願えますかね。
 それからもう一つは、自動車もついでにお願いしたい、乗用車です。
#214
○政府委員(高木文雄君) 生産高の数字はすぐお示しできると思います。たまたまいまここにございますので、ちょっと申しますと、カラーテレビは、四十一年の生産高は五十二万台になっております。四十二年が百二十八万二千台、四十三年が二百七十三万五千台、四十四年は、いま進行中というか、まだ数字が正確につかめておりませんが、約四百九十万台くらいだと思います。
 自動車の数字は、いまちょっとここに……。
#215
○説明員(山形栄治君) 自動車の生産台数を申し上げますと、自動車といいましてもいろいろと分かれておりますので、一番典型的な四輪車と、それからそのうちの乗用車と、分けて申し上げます。四十一年――これは年度でございますが、四十一年度が四輪車が二百四十六万六千台、そのうち乗用車が九十八万台、四十二年度は全体で三百四十万台、うち乗用車百五十二万八千台、四十三年度は四輪車全体で四百十九万八千台、うち乗用車二百十八万五千台、四十四年は歴年でございますが、全体で四百六十七万四千台のうち、乗用車が二百六十一万台ということでございます。
 なお、もう一つの資料要求の件でございますけれども、これは各社いろいろな生産品目をつくっておりますし、カラーテレビと申し上げましても、十九インチ、十三インチ、十六インチと、しかも、これが、コンソールタイプ、コンソレットタイプ、それから外形におきましても、木製でつくっておるものとスチール、いろいろと分かれておりますのと、先ほど企画庁のほうからもお話しがございましたように、われわれコストを正当に徴取して公表するということは非常にむずかしいことでございますので、何らかくふうしてみますけれども、先生のお話しのように非常に正確な、自動車につきましてもそうでございますが、正確なコストを出し、かつそれを流通段階のところまで全部フォローしての詳細な原価形成といいますか、それを出すのは非常にむずかしいのではないかと思いますので、御期待に沿えるかどうかちょっと自信がないのでございますけれども、何らかくふうはいたしてみたいと思っております。
#216
○成瀬幡治君 大蔵省、どうですか。
#217
○政府委員(高木文雄君) ただいまの各段階の製造原価なり販売の段階のコストなりにつきましては、実は私どものほうもいろいろな場合に知りたいわけなんでございますが、一種の各企業の秘密というと少し大げさでございますが、各企業におきましても、なかなか教えてもらえないという実情でございまして、監督官庁である通産省のほうもただいまのような御説明でございますので、ちょっといまここで資料をこういう形でお出しするというぐあいにお引き受けすることはむずかしいと思います。
#218
○成瀬幡治君 税負担が急激に上昇し、生産、取引に影響が出る、こういうのでしょう、本税に戻すと。何を調べてこういうことを言ったのか、いいかげんな話かいな。
#219
○政府委員(高木文雄君) その点につきましては、従来から、暫定税率を定めます場合には、そのときの生産数量、あるいはそのときの小売り価格というものを見まして、なお何年かして大体このくらいの目標の生産台数に達すれば方向として下げ得るだろうというようなことはわかるわけでございます。したがいまして、今度暫定税率から本則税率に戻る、あるいは過渡的にその間において五%ずつ上げるというようなことを判断いたします場合には、各業界で大体来年なり再来年なりにどのくらい増産といいますか生産数量がふえると見込んでおるかどうかというあたりのことを業界の団体等に尋ねるということはございます。それからまた、その業界の団体等を通じて価格の構成要素が一体どんな傾向かということは教えてもらって大体判断するわけでありますけれども、各企業ごとに、また、テレビ等でございますと、いまお話のありましたように、型ごとにどうなるかということの正確なものをつかむことは非常にむずかしい。それで、ここにありますように、暫定税率をお願いいたしましたり、あるいは本則税率に戻しましたりするときの判断をするときの資料としては持っておりますが、それは大体傾向としてこういうことだということから判断するわけでございます。
#220
○成瀬幡治君 そうすると、カラーテレビならカラーテレビに一例をとりますと、これを本税に直すと生産にどのくらいどういう影響が来るというようなことは、全部業界からお調べになって、そしてこれはたいへんだからと、こういうことでおきめになったわけでしょう。
#221
○政府委員(高木文雄君) 小売り価格は、現金正価というのですか、それは小売りの店で表示になっておりますから、それはまあわかっておるわけでございます。そこで、かりに本則税率が一割五分であるとか二割であるとかいう税率を製造原価に――製造原価の見方はむずかしいわけですが、それに乗せた場合にどうなるかという一応の仮定計算はできるわけですが、一方、業界のほうで、来年になればどのくらい売れるかということは、これはまた消費がどうなっていくかということとの関連でございますので、こんな見当でしょうということしかわかりませんので、あるいはおしかりを受けるかもしれませんが、暫定税率等をきめますときには大体の目安で見当をつけているというのがむしろ正確なお答えかと思います。
#222
○成瀬幡治君 でたらめにやったんだということですか、腰だめで。
#223
○政府委員(高木文雄君) いや、でたらめと言われるとはなはだつらいわけですけれども、何ぶん消費の先行きについてはだれもある意味では正確にわからないわけでございますので、また、原価等につきましても、その後におきます賃金の値上がりであるとか、生産段階の合理化の進めぐあいということを大観的に押えて見当をつけているわけでございますから、まあでたらめということではないと思っておりますけれども、それを非常に正確に計算しているということではないというふうにお答えしたいと思います。
#224
○成瀬幡治君 それじゃ、あなたのほうは、暫定税率でなければならぬ、本税に戻したらたいへんだということは、業界からいろいろの話を聞いて、そうしてまた、聞くときには資料もあったと思います。そういうものを、この次のときにわしらが納得するように、あなたらが納得したのだから、資料と説明をしてもらいたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。
#225
○政府委員(高木文雄君) たとえばいま暫定税率で御審議願っておりますものの中の一つの代表的なものとしてトランジスターテレビがございますが、トランジスターテレビは、皆様よく御承知のように、本来真空管テレビが普通であったわけでありまして、その後技術革新が進みますに伴いまして、トランジスターテレビに切りかわった。ところが、その原価が高いという場合に、トランジスター部分と真空管部分の価格の違いというようなことはある程度わかっております。そこで、トランジスター部分の生産が能率が上がってまいりますと、そのトランジスター部分の価格が下がってきますから、真空管テレビとトランジスターテレビがどのくらいの生産台数になれば競争関係に立ち得るということで、そこで、もうしばらく待ってもらえれば、つまり、トランジスターの技術が進めば、真空管テレビと値段もあまり違わずに出荷できるようになるだろうというようなことが、二年なら二年前に見当がつきました。そこで、暫定税率で今日まで来たわけでございます。そういう意味で、成瀬先生のおっしゃる意味での十分なものが提出できるかどうかわかりませんが、暫定税率を今日までどういう資料に基づいてそういう判断をしてきたかという資料は、御満足がいくものができるかどうかはわかりませんが、つくるようにしたいと思います。
#226
○成瀬幡治君 少なくとも、私は、大蔵省が税のことをやったというのは、国民を代表しておやりになったと思う。いろいろの問題から見ましてたいへんなことだと思う。少なくとも、あなたたちが納得したと思うんですよ、業界と話合ったとき。それには資料に基づいて、あるいは話の筋に基づいて納得されたと思う。だから、そういうものをこの次に出して、そうしてわれわれに説明をしてくださいよと、こう言っている。ですから、あなたらがいいかげんな資料でやったとは思わぬ。相当こまかい資料でなきゃならぬと思う。ほんとうにでたらめでやったというなら、これはまた話は別です。そうじゃなくて、ある成算があってやったということなら、少なくてもみんながだれもが納得できる、百人が百人とは言わないけれども、百人が九十五人までが納得ができるものでなきゃならぬと思う。そうでなかったら、公平と言えぬでしょう。税の公平というものはそういうものでなきゃならぬ。ですから、そういう資料を出してこの次十六日の日に御説明願えますかと、こう言っておる。
#227
○政府委員(高木文雄君) 十六日という日までに間に合うかどうか、とにかく手元にあるわけでございますから、至急それを整理して御納得のいただけますように差し出したいと思います。
#228
○成瀬幡治君 あなた、十六日でなければ困る。十六日にどうなるかわからぬと言ったら、これは四月三十日までですよ、この税法は。五月一日からやることになっているんですよ。
#229
○政府委員(高木文雄君) いずれにしても、至急につくりましてお手元に差し出します。
#230
○成瀬幡治君 十六日でなきゃだめですよ。
#231
○政府委員(高木文雄君) わかりました。
#232
○成瀬幡治君 私、政務次官にこの際ちょっと伺いますが、物品税というものは何なんだということですね。財源が足らないからひとつ取ってやろうや、こういう意味で取られるのか、あるいは、取りやすいところから取ってやろうやというのか、物品税というものは一体どういう性格、目標をもって設定されておるものであるのかですね。
#233
○政府委員(藤田正明君) 戦前にさかのぼってみますと、昭和十二年に物品税が最初創設されたと思うのでありますが、戦費調達といいますか、そういう意味で昭和十二年に創設されまして、その後終戦に至るまで、奢侈品禁止といいますか、消費抑制といいますか、そういう意味でどんどんと重い物品税がかけられてきたと思うのであります。それが、終戦後、昭和二十一年から二十八年までは、負担の軽減期といいますか、物品税に対しましてある程度の負担を軽減していこうという時期が二十八年まで続いたと思うのであります。その後、二十九年から四十一年までを、負担の調整期といいますか、所得税を補完する意味で物品税をより公平に取っていこうというふうに、いろいろとその品目の出し入れとか改廃はございましたけれども、負担の調整期と申してもいいのではないかと思います。四十一年から現在まで基本的には改正されていないわけでありますが、成瀬委員も御存じのとおりでありまして、来年くらいは間接税――直間比率の問題もありますし、間接税全体の中における物品税ということについての変更といいますか、あり方といいますか、ということをもう一度見直してみようじゃないかというふうになっております。
 従来までは、そういうことで、戦前から通じまして、奢侈品に対するもの、あるいは趣味、娯楽品に対するものというふうな性格を持ってきたと思うのであります。しかし、いまや戦後は遠のきまして、経済はこのように繁栄し、国民の生活も豊かになってきたわけでありますので、いままでのように奢侈品のみにかけるとか、あるいは従来奢侈品であったもの、あるいは趣味、娯楽品であったもの、国民のごく一部の者が使っておったと言われるようなものが、いまや大衆がそれを使っておる。従来奢侈品であったけれども、現在では奢侈品ではないというふうなものになってきたものもあると思います。そこで、従来までの考え方を改めて、間接税の中で物品税をどう取り扱うか、これがいまからの問題であろうかと思います。これは税制調査会その他にも今後諮問することかと思いますが、この性格は従来までの性格と変わった性格を持ってくるというふうに私は考えております。
#234
○成瀬幡治君 歴史的に見ておっしゃるとおりのことで、私も歴史的なことはよくわかるんです。しかし、最近の物品税というものは、直間関係の問題で、ある程度税の負担感を変えて、ここでひとつ――財源はほしいわけですから、何かその財源を得ていこうというものだと思うんですね。そうしますときに、こういうカラーテレビなり、あるいは巷間問題になっておるところの自動車税の問題等、いま次官が言われたように、世の中が変動しておるわけですね。移り変わっておるわけです。したがって、物品税の政策目標なり、あるいは間接税全体の基本が違ってきておると思うんですよ。それが、カラーテレビなんかで見ていると、今度三年間で本税に直しますよと、これから先ね。何かマンネリで来ておるように思う。片方は物価の問題に真剣に取り組みますよと言いながら、片方ではこういうこと。そこで、どうも政策が一致していない。何か業界が陳情してくると、業界に負けちゃう。悪いことばで言えば、どうも政治献金の出るところは優遇しちゃって、そうでない票のある国民のほうがないがしろにされておる。ですから、いま次官も言われましたですが、物品税の性格は今度は変わってくるんだと、そういうものもひっくるめて間接税との関係でぜひ税制調査会にはかってみてやるんだよという話になれば、まあ早い話ですけれども、ここ一年間くらいは、国民としても、いまとやかく言ったって、法律案はきまっておるし、自民党の多数ということですから、採決をやればきまっちゃうわけですが、来年からは少なくとも国民のほうに少し明るい希望が出てくるのじゃないか、そう思いますから、ぜひひとつ税制調査会にかける一つの問題点としてとどめておいていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
#235
○政府委員(藤田正明君) 成瀬委員のおっしゃるとおりでありまして、日本におきましては、直接税のほうが、累進構造といいますか、そういうものを持っておるがゆえに、直接税の比率のほうがどんどんと大きくなっていく、間接税の比率が少なくなってきているわけでありますが、現在でも一人当たりの税負担という面におきましては、各国の比較において、決して高くないわけでございます。日本はたしか一九%くらいであろうかと思いますが、各国は二八%以上が多いと思います。そのような一人当たりの税負担が軽いにもかかわらず、日本は何となく税金が重いというふうな重税感を与えておるわけです。このようなことをどう手直ししていくかということでありますが、アメリカ、イギリスのごとくあくまでも直接税を中心にいたしまして、間接税を直接税の補完的な立場に置くということに相なるかと思うのでありますが、ただ、比率が、現在のように三五%弱というふうなものではなくて、よりウエートを持たした、そうして直接税を補完するというふうな立場に間接税が置かれるのではないかと思うのであります。その間接税の中におきまして物品税をまたどのように取り扱うかということでありますが、まず、物品税に関しましては、物価にはね返らないような考慮が必要であろうかと思います。これは絶対にはね返らないということは言えないのでありまして、はね返らない考慮を最大にしなければならぬと思うのであります。それからまた、担税力のあるものを取っていく、そうしてまた税収のあげやすいものを取っていくというふうなことを考えながら、物品税を間接税の中にどう入れ込んでいくかというふうなことを現在考えておるわけでありまして、これらに関しましては、成瀬委員のおっしゃるごとく、税制調査会にかけまして慎重に検討し、昭和四十六年あるいは四十七年になるかもわかりませんが、そのような税制の中におきまして変化をもたらしていきたい、社会情勢に対応していきたいというふうに考えております。
#236
○成瀬幡治君 間接税全体の話も出てまいりましたが、こういうことですから少し次官にお伺いしておきたいと思いますが、間接税でも、まあ自動車新税に見ても、ワクを新しく設ける。そのときに、いままで聞いておりますと、自動車税を設けるかどうかということについては大臣も何も言っていないわけですね。ことばは聞いておりますが、さてどうするかということになると。それから売り上げ税はやりませんよということを言っておる。これはいままでの大臣の答弁です。それからいままであるたとえば自動車のことですが、ライトバンが、これはまあぼくもよくわかりませんが、道路運送法か何か知らぬが、運輸省が、トラックに入るかどうか、人間の乗るものと荷物の乗るものとフロアーの大きさで制限しておるのですが、こういうようなものもどうなんだろうか。それから税率が、メーカー課税というと四〇%が最高になっておりますが、こういうような税率を変えるものがありはしないか。あるいはまた、こんなことを言えば、大きい意味の間接税で言うなら、たとえば出国税みたようなもの、あるいは専売公社じゃないけれども、ゴルフが盛んになっているんですね。あるいはこういうボウリング場ですか、ああいうような娯楽の問題等ですね。
 とにかく、世の中はたいへん変わってきたと思うんですね。戦争の直後と、それから三十年ごろと、これから一九七〇年代に入ろうとするときとは、たいへんな違いだろうと思うんです。そういうような全体について、まあ四十三年の四月のときは、一つの長期税制というものが答申があった。今度は、長期税制の答申に基づいてのものは今年度で大体完了したんだ、新しい社会に対応した長期税制の答申を受けていくんだぞよという姿勢だと受け取ってよろしゅうございますか。
#237
○政府委員(高木文雄君) 先に私から大体のことを申し上げます。
 政務次官から申し上げましたように、直接税の国税収入に占める割合が、御存じのように、現在六五%になりましたが、これはわずか十年の間に一〇%上がったわけでございます。十年ちょっと前には直接税が五五であったわけであります。かなり所得税を中心とする減税を繰り返してきましたけれども、やはり税の弾力性が大きいといいすすか、そういう意味で、自然自然と直接税のウエートが高まってきた。四十三年の七月の長期答申でいただきました考え方では、やはり所得税を中心に減税しなさいということで、これを昨年度と本年度の改正でいたしましたけれども、それは、単に四十三年七月の答申のみならず、その前から大体そういう方向で直接税特に所得税を中心とする減税が中心であるべきだということできたわけですが、結果を見ますと、やはり間接税のウエートが下がって、直接税のウエートが上がってきた。かなり所得税の減税をやったつもりでおりましても、負担感が非常に大きいということで、そこで、これ以上直接税のウエートが高くなるということになりますと、いまの負担感からいっていかがなものであろうかという反省をいたしているところでございまして、そういう意味で、直接税と間接税との関係は、おそらく今後とも直接税中心主義であることは変わりないと思います。それが間接税と逆転するということは非常にむずかしい、また、あり得ないことであると思いますが、これ以上直接税のウエートが高くなっていくのはどうかという感じでございまして、大臣が先般来各委員会で発言しておりますのも、大体そういうお気持ちのようでございます。
 そこで、今度は、間接税の中の問題でございますが、間接税の中では、酒とかたばこというものは、やや逆進的な性質が強い。つまり、一人の人間が所得が多くなっても、そうむやみやたらとたばこを吸うという関係にありませんので、所得に関係なくたばこの負担、酒の負担というものはなってくる傾向がある。間接税の中では、物品税が、価格に税率をかけるというような構造になっております関係上、つまり従価税的な色彩を持っております関係上、直接税ほどではないにしても、逆進的ではない。したがって、経済の伸びに伴っての税収の伸びも物品税は比較的大きいわけでございます。そう考えてまいりますと、今後税制調査会で御議論していただきますことになりましょうが、今後の方向としては、間接税特に物品税をどうすべきかということが来年度以降の税制改正の基本方向をきめる上に重要なポイントになってまいるかと思うわけでございます。その際に、いまお触れになりました売り上げ税なり付加価値税の問題でございますが、これは、最近の世界各国の傾向から見まして、一種のはやりといいますか、だいぶ広がってきている傾向にもありますので、わが国の場合にも大いに研究すべきだという御議論があるわけでございますが、いずれにしても、税の制度というものはたいへんなじみにくい制度でありますので、十分検討はされましょうけれども、そう来年からとかなんとかいうわけの問題ではなかろうというふうに大臣もおっしゃっているわけでございます。
 なお、前後いたしますが、物品税の中で、先ほど政務次官が言われましたように、非常に歴史的といいますか、いわくのあるものであると。そこで、奢侈品を中心にして課税をしておるというふうにお話がございましたが、これは戦費調達のために昭和十二年に始められました関係で、単に税収確保という目的のほかに、ぜいたくを押えろという気持ちが戦争中でありましたのでありましたこともありまして、スタートにおいて奢侈品課税的な色彩が非常に強くなって、したがって、主として営業に使われるような物品は物品税にはなじまないということで今日まで来ておるわけでありますが、いま先生からも御指摘をいただきましたように、ライトバンはどうだ、あるいはこの間から話が出ておりましたようにトラックはどうだという議論が各方面から聞かれるようになってまいりましたのは、そういった奢侈品というものと結びついて物品税を考える考え方を根元から一ぺんよく見直したらどうだという御批判だと思いますので、そういう点もいまの調査会での御議論の一つの大きな中心課題になるかと思います。
#238
○成瀬幡治君 次官、そうしますと、いま承っておりますと、間接税全体を根元からもう一ぺん見直していくという方針が一つある。そういうときにもう一つ問題になりますのは、物品税でも、一種、二種、三種とありますね。いわゆるメーカー課税なのか店頭課税かという問題。それからもう一つは、徴税費の問題から付加価値税の話が出てまいりました。こういうような問題まで含めて長期税制のあり方として税制調査会に諮問される意思があるのかないのか。
#239
○政府委員(藤田正明君) おっしゃるとおりでございまして、社会はたいへんな変わり方を示してきておりますし、消費態様というものが大きな変革を来たしておるときでございますので、基本的に根本的に物品税の性格を考え直そうということであります。もちろん、物品税の課税範囲は拡大をするであろうと私は思います。いまの一種、二種、三種とございますが、これらに関しましてもおそらく基本的な――一種がいま小売り課税であり、二種が製造業、メーカー課税でありますけれども、そういうことも全部一応洗い直すというふうなことになろうかと思います。
#240
○成瀬幡治君 ついでに、この際、過般新聞に譲渡所得の問題が出ておりましたね。土地のたいへん減税をしたんだと。これは、物価対策として政府があげておる予算の中では相当大きいほうに入ると思うんですよ。ところが、さっぱりこれは効果があがらなかったわいというような批判的な記事を見受けたわけです。減税をやればそれだけ効果があるということ。そのねらっておる効果というのは、譲渡所得でいえば、地価を押えるのだという目的がはっきりうたわれたものが、さてその効果があがったかどうか、こういう政策的に税を設けられた場合、あるいは減税をやられた場合、減税増税ともにそうですが、そういうものに対して追跡調査というようなことをいままでやってみえたことがありましょうか。
#241
○政府委員(高木文雄君) 土地の譲渡に対する税制の昨年度の改正は、非常に大きな改正でございまして、従来の総合課税から分離課税にし、長期と短期と分けたということは、非常に大きな改正でございましたので、これは当然どういうふうに影響が出てきたかいうことを調べなければならないという気持ちでおります。で、つい先ごろ、三月十五日は、四十四年の所得税の確定申告期であったわけでございますが、全体の姿はまだわかっておりませんが、ごく手近の東京国税局の数字で、速報のような数字で見てみますと、かなり譲渡所得の課税対象額がふえてきております。それは、御案内のとおり、従来は買いかえという制度がございましたですけれども、分離課税になりました関係がございまして、買いかえのほうを選択するよりは一割の分離課税で申告したほうが有利であろうということで、分離課税を選択された納税者が非常に多かったと見えまして、課税対象所得額としては譲渡所得の金額がふえております。ただ、問題は、買いかえの場合の数字が統計上必ずしもはっきりしておりませんので、はたして税の制度の改正の際にねらいました土地の供給がどの程度ふえたか――問題は、土地の供給をふやして値上がりを防ごうという趣旨でございますので、その意味で土地の供給量がどの程度ふえたかということについては、いろいろ調査をしてみなければならぬと思っております。
 なお、追跡調査の話が出ましたが、物品税のほうに戻りますけれども、物品税についても、今度の場合と違いまして逆に税率を引き下げました場合に、それは消費者に還元をしないで企業が結局その分だけ利益分がふえたんじゃないかという御議論が三十七年それから四十一年の物品税の改正のときに御議論をいただき、そして、それをよく監視をしていろということで督励をいただいたわけでありますが、そういう場合にはいままで追跡調査をやっております。いまのお話は土地の譲渡のお話でございますが、これについても、ぜひ、全面的にはできないにしても、サンプル的にでも追跡してみなければいかぬというふうに思っております。
#242
○成瀬幡治君 これは、それがどういうふうに固定資産税に影響するのか、それから地価にどう影響するか、いわゆる政策減税が文字どおり効果をあげたかどうか、こういうことになる。そうでなかったら、これはむだ使いをしたということになる。たとえば、これを道路に回したらどれぐらい効果があるのか、保育園や幼稚園に回したらどうだとか、いろんな問題があります。そういう追跡調査というのは、どこでおやりになりますか、大蔵省の、おやりになるなら。
#243
○政府委員(高木文雄君) いまの譲渡所得の場合には、非常に思い切った税制改正をやりました関係もありまして主税局ではありますし、それから土地問題はますます深刻な問題になってきておりますので、この前税制改正をやりましたからあれでよろしいというわけにもまいりませんので、絶えず監視をしていかなければなりませんが、税制との関連におきましては主税局のほうでいたすことになろうかと思います。
#244
○成瀬幡治君 いままで大蔵省の話を聞いておると、減税をやったからこういうふうになったという税収の話はわれわれもよく聞くんですね。しかし、土地の価格、地価を押えるという目的なんでしょう。だから、これだけ減税をやったんだから土地がこうあるべきものがこうおさまったんだという具体的な数字が出てこなければ、効果があがったかということはわからない。私はそれを言うんですよ、追跡調査というのは。だから、大蔵省のどこでおやりになりますかと言うと、どうも主税局でおやりになると。ここはこれだけ分離課税にしたから、買いかえのほうがこれだけ減っちゃって、譲渡所得のほうがこれだけ集まってきましたというだけじゃ、高木審議官、いいですか、意味を間違えてもらっちゃ困るんですね。
#245
○政府委員(高木文雄君) いまの先生のおっしゃる意味ですと、たとえば都市近郊の固定資産税をどうするかという問題も税の問題としてはふえてまいりますし、それから実は最近物価の値上がり等の関係で貯蓄形態の一つとしての土地の問題になってきておりますので、いま先生のおっしゃったような意味では、とても主税局だけでは調査しきれぬということになると思います。その点につきましては、現在でも一部は不動産研究所あたりでもやっておられるようでございますが、先般来建設省のほうでもまたあるいは企画庁のほうでも非常に強い関心を持っておられるようでございますので、全体としては私どもだけでは御指摘のようにだめでございまして、それらの官庁間で連絡をとっていろいろ実態を調べるということになろうかと思います。最近、実は、各方面からそういうふうなことについての実態を調べなきゃいけないという声を聞いておりますので、おそらくそういう調査は進んでいくことと思います。ただし、主税局だけではだめだということは、まさにおっしゃるとおりでございます。
#246
○成瀬幡治君 主税局じゃだめだということはわかった。それじゃどこがやるかということになる。どこか責任を負うてやるところがなければ、これこそ情けない話になると思うんだが……。
#247
○政府委員(藤田正明君) 譲渡所得の問題だけで土地の問題が解決するものでないことは、成瀬先生もよく御存じのとおりでありまして、いろいろな面からの施策が重なり合ってそれが総合されて、はじめて土地問題に政策目標としての一つの意義が出てくると思うのであります。この土地の問題に関しまして追跡調査ということでありますが、これは経済企画庁と建設省がこれをやるべき担当者ではないかと思います。
#248
○成瀬幡治君 矢野さんが見えているからちょっとお聞きしますが、確かに建設省は地価公示制をやりましたね。いろいろ総合的な施策を内閣はやったと思うんです。それがどういうふうにはね返ったんだということの最後には、やっぱりあなたのところに来るんじゃないかと思うんだが、どうなんですかね。いわゆる地価公示制をやったわ、分離課税にしたわ、譲渡所得は、まあこれで固定資産税の問題が一つ出ておりますが、今後また固定資産税というものもどうなるかわかりませんが、おそらく私は引き上げの方向にいくだろうと思います。もちろん、その場合には、基礎控除をやめるとかいうようなことがあると思いますけれども、どうでしょうか。
#249
○政府委員(矢野智雄君) おそらく、地価の問題は、いまお話が出ておりますように、税金の問題とも関連するでしょうし、あるいは土地の供給の問題、宅地造成そのほか供給の問題、あるいは公共事業の取得のあり方だとか、あるいはいまの地価公示制度もそのことに関連してくるかと思います。おそらくいろいろな要素が複合して出てまいりますので、ある一つの施策でどれだけ効果があがったかということは非常にむずかしいかと思いますが、いずれにしましても、経済企画庁としても、特に物価政策だけの見地じゃないと思いますが、特に物価政策の面からも重大な関心を持っております。この点につきましては、私ども、物価政策の一環として地価対策を何とかもう少し強力に進めていきたい。その点につきまして、建設省とも寄り寄りいろいろ話し合いをしております。それと、これは御承知のように、地価対策閣僚協議会が設けられておりますので、そこの場も活用し――関係者がいろいろまたがってまいります。建設省がまあ一番大株主でありますが、もちろんそのほか大蔵省はもとより、通産省、あるいは運輸省、ほうぼうに関連してまいりますので、そういう閣僚協議会の場を活用いたしまして、さらに少し具体的に詰めていきたいという考え方をもって寄り寄りいろいろ検討はしております。その一環として、もちろんおっしゃいますように、いまの地価の動きがどうなのか、それぞれの要因がどう働いているのか、また、どういうことをやると安定していくのか、かなりこれは総合的なものになると思いますが、その一環として追跡調査ということになりますか、もちろん実態は十分把握していかなければならないというように思っております。
#250
○成瀬幡治君 これは、藤田政務次官、私は次官会議というものの性格というものをよく知りませんですが、各省の次官が寄ってやられる。今度、予算編成の中では、物価に対しては、運輸省はこうです、企画庁はこうですよ、通産省はこうですよ、建設省はこうですよ、おのおの物価対策の予算を計上したと思うんです。いろんなことで金を出すほうのことも大蔵省は大事なんです。だから、減税のほうも大蔵省自身がやられたと思うんです。ですから、次官会議等でいろいろな話が出てくるんじゃないか。また、こういう問題はぜひひとつ次官のほうから積極的に出していただいて、そして追跡調査というんですか、効果が実際どうあがったんだと、こういうものをまとめる仕事というものはやっていただくわけに、というよりは、やってきているのか、そこら辺のところはよくわからぬが、どうなんですか、次官会議は。
#251
○政府委員(藤田正明君) 御存じかと思いますが、次官会議は週に一回首相官邸で開かれるわけですが、なにしろみな忙しいものでありまして、約一時間足らずの会議でありますが、そのときどきの各省の問題を取り上げまして話し合いをやるわけであります。この間のようなハイジャックの問題がありますと、政務次官の山村君が出てきてその報告並びに体験談を話すとか、そういうふうなことをやっております。大蔵省からも、ただいま成瀬委員の言われました趣旨のことを、この次かその次かわかりませんが、近い将来の次官会議に出してはかっていきたいと思います。
#252
○成瀬幡治君 矢野国民生活局長にお尋ねしたいですが、物価に対しての予算編成をしたというのは今度初めてですね。しかも、これは何千億でしょう。こういう物価対策の予算を総合的に立てたというのは、あなたのほうの立案だと思うんですよ。ですから、当然省として追跡される責任はあなたのほうになけりゃならぬ。もちろん各省の協力は得られるけれども、その主たるやつだね。運輸省にこれだけの予算を計上したために運輸省はこれだけ効果をあげてきた、建設省はこうあげてきたというようなことは、具体的にまとめるのはあなたのところだと思うが、違うですか。
#253
○政府委員(矢野智雄君) 物価対策を推進していきます場合に、やはり予算を必要とするものが多々あることは、御承知のとおりでありますが、そうした観点で、毎年度の予算編成にあたりまして、各省ともそれぞれ連携して、物価対策上重要だと思われますものについてはなるべく優先的に予算編成にあたって配慮していただくように私のほうからも御要望をしております。ただ、先生言われますように、ある予算をつけたら物価にどれだけ響くか、これはそう言うとおしかりを受けるかもしれませんが、非常にむずかしい問題であります。といいますのは、あるこれだけ金をつけるとこの部分の価格がこれだけ下がったとか、一番端的な例は、食管会計の予算が、これが物価対策予算かどうかはいろいろ疑義があると思いますが、もし生産者価格を固定しておきますと、食管の予算のいかんによって消費者米価がこう動くと、これは非常にはっきりするわけであります。しかし、そういうものばかりでありませんで、物価対策上やはり重要な関心のあります予算としてたとえば流通機構を改善する、そのためのいろいろな予算も重点的にお願いしておりますが、しかし、流通機構を改善するといいましても、すぐ半年一年でがらっと変わるというわけにもなかなかまいりませんし、また、改善したからすぐ物価がどれだけと、こういうようにもなかなか機械的にまいらない面が多いわけであります。先ほどもちょっと申しましたが、物価というのはあらゆるいろいろな政策の総合的な結果でありますので、一つの政策が何%響いたと、こういうわけにはまいりませんので、結局、その総合判定というのは、結果において消費者物価の指数がどのくらいの上昇率になったか、去年はこれだけだったけれどもことしはこうなる、あるいは一年で早急にはいかないにしても二年、三年の間に消費者物価の上昇率が漸次下がっていく、この結果で判断する以外に手はないというように思います。私どもも、ただ漫然とやっておるわけにはまいりませんので、なるべく上昇率を漸次下げていく。たとえば、今度近く閣議決定をする予定になっております新しい経済社会発展計画――六カ年計画でありますが、四十五年度を初年度にして五十年度を最終年次にしておりますが、この間平均して消費者物価指数は四・四%という計算が出ております。しかし、さらに政策努力を重ねて毎年逐次物価の上昇率を下げていって、最終年度五十年度には三%台へ持っていくという、こういう目標を立てております。それが実現できるかどうかということは結局最後の効果判定になるというように考えております。
#254
○成瀬幡治君 ぼくはこれで最後にしてまた後日質問をしたいと思いますが、いまの矢野局長の答弁を私もわかりますよ。わかりますが、せっかく予算をつけたわけです。減税もしたわけなんです。から鉄砲ということもあるんですね。から鉄砲がありましたり、効果をあげたという反省、そういうものの成果があって私は前進があると思うんですよ。どういうふうにこれがなったのだという追跡というものはなるほどなかなかむずかしいだろうけれども、やはりそれを追跡するというのが一つの使命だろうと思うのです。そこで、大蔵政務次官に、先ほど次官会議等でひとつやってみようじゃないかと。そういう点について、なるほど矢野局長の言われたように、いろいろなむずかしいものがあると思うけれども、しかし、それで済まされる問題ではないと思うんです。ほんとうにから鉄砲で、こんなことならやらぬほうがよかったわい、つまらぬことをしてかえって拍車になってしまったわいということもあるだろうと思うんです、逆効果にね。それから思わざるものが効果をあげて、この次もう一ぺんやろうじゃないかということにもなってくる。そういう点で、どうでしょうか、政務次官。
#255
○政府委員(藤田正明君) まあ経済企画庁が申されたことはよくわかるのでありますが、なかなか追跡調査ということは、必要なことであると思いますが、やるとなりますと、その具体的方法はよほど検討してかかりませんと、なかなかいろいろな影響も及ぼしますし、むずかしいことであろうと思います。しかし、これをやる必要はあると思いますので、そのように努力いたします。
#256
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#257
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
#258
○上林繁次郎君 関税定率法について二、三お尋ねしてみたいと思います。
 国民総生産が自由世界において第二位、こういうことになっているようですが、その結果、相当な経済力もあげてきたわけです。そういう中でもってわが国の関税に対する他国の攻撃といいますか、非常に強いものがあると感じます。こういった点についてどんなふうに考えておられますか。
#259
○政府委員(上林英男君) おっしゃいますように、日本の最近のGNPは非常に伸びておりまして、国際的な地位も非常に高くなってまいったわけでございます。ただ、関税率が高いか低いか、こういう問題につきましては、その国の産品の競争力や貿易構造などによって違うものでございます。ある国にとりましては、得意な品物につきましては関税が低うございますし、そのかわりに不得意な品物につきましては高い、いろいろございまするわけでございまして、これは一がいになかなか比較できないわけでございますが、と申しましても、御指摘がありましたような日本の経済力の発展、あるいはそれに伴います国際的な地位の向上にかんがみまして、また、わが国自体といたしましてもできるだけ貿易を拡大していくということが必要でございまするので、国内産業に支障のない限りできるだけそういう貿易障害を私どもも引き下げていく、貿易の拡大をはかり、かつ、それがある意味では日本の経済の効率化にも資するゆえんでございますので、こういう努力をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#260
○上林繁次郎君 今回の改正で五百八十一品目にわたっての調整、これが行なわれるということなんですけれども、関税のこういう引き下げについて、いまと同じような発言になるかもしれませんけれども、他からのいわゆる圧力によって調整をはかっていく、こんな感じなんです。そうでなくて、もっと自主的にこれを変えていく、こういう方法をとっていくべきじゃないかと、こういうふうに感ずるんですけれども、この点はどうでしょう。
#261
○政府委員(上林英男君) 関税率を調整いたしますときに、要因的に申しますと、確かに、おっしゃいますように、一つは国際的な要因によって調整を考えるという場合と、国内的な観点に主として立ちまして調整を考える場合がございます。ただし、いま申しました国際的な要因に立ってと申しますのは、御存じのように、お互いに関税率を引き下げ合って、それによって貿易を払大しようではないか、こういう観点に立ちまして、たとえばケネディラウンドにおきましても、当初は、お互いに、こういう品目を自分の国は下げるから、おまえの国もこういう品目を下げろとやっておりましたが、それではなかなか進まないということで、国内産業にいろいろ支障のあるものを除いては原則としてある一定時点から半分に、ただし、五年間に、下げようじゃないか、こういうお互いの原則のもとに下げ合う、こういうものもございます。ただし、その場合におきましても、そういう国際的なルールに従ってできるだけ関税率を下げる。しかし、その国その国の実情によりましては、なかなかそういう原則によりがたいというものにつきましては、特にやむを得ないものについて例外を設ける。そういう場合におきましては、十分わが国の国益に合うように考えてまいっておるつもりでおります。第二点の国内的な観点から関税率を、たとえば物価の観点その他から下げていく、そういうものにつきましては、全く自主的にそういうことを考えておるわけでございますが、前者につきましては、そういう国際協調の面を交えながら、一万においては国内産業の観点も十分配慮して、もちろんその決定は自主的にやっておるというつもりでおるわけでございます。
#262
○上林繁次郎君 貿易の自由化だとか関税の引き下げということは、今後だんだんと進められていくんだと、こういうことで、そういう傾向にあるわけです。それは国内産業を圧迫するようなことがあってはならぬということ、これは私が言うまでもない。そこで、現在のわが国の自由化率、あるいはまた関税率ですね、これが日本経済の実情から言って妥当なものであるかといいますか、それに比べてどうかという点なんですけれども。
#263
○政府委員(上林英男君) 先ほども申しましたように、関税率がその国で高いかどうかという比較は、いろいろ方法があるわけでございます。一つ一つの品目につきましてどうであろうかというような比較をする方法もございます。また、いろいろな方法がございまして、率直に申しまして、どの方法が一番いいかというようなことは、お互いに比較し合います国によりまして、一つの方法をとりますと、ある国には有利で、ある国には不利であるということで、国際的にはどういうことである国が高いか低いかということをきめるのはなかなかむずかしゅうございまして、いまでも実はガットではどういう計算方法をやったらその国の関税水準が高いか低いかということがわかるだろうかという方法を検討しているような状態でございます。ただ、一般的に申しますと、非常に簡単でわかりやすいという意味で、いわゆる関税負担率というものを比較する場合が多いわけでございます。それは、関税負担率と申しまするのは、その国の輸入総額を分母にいたしまして、関税収入額を分子にする、こういう計算でございまするけれども、その関税負担率によりますと、これは各国との比較のために一九六七年につきまして申し上げますと、日本は七・二%でございます。これに対しまして、アメリカは六・六%、カナダが六・四%、フランスが五・二%、西ドイツはちょっと低うございますが三・八%、こういうような状況でございます。したがいまして、主要先進国に比べましてわが国の水準もそれほど高いということはないと思いますし、また、わが国のただいま申しました七・二%の関税負担率の中には、財政関税であります原重油関税も入っておりますので、これを除きますと大体六%ぐらいになるわけでございます。したがいまして、大体そう高い水準ではないのではなかろうか、そういうふうに考えております。
#264
○上林繁次郎君 局長の言うことはわかるのですが、いま私が聞きたかったのは、いわゆる日本の現在の経済力に比較した場合、現在のいわゆる自由化率だとかあるいはまた関税率、こういうものはどうか、こういうことなんですね。ということは、いわゆる国内産業との見合い、そういうものがあると思いますね。そういったものをからめて現在の自由化率だとか関税率というものはどういうものかということなんですが。
#265
○政府委員(上林英男君) 自由化率のほうにつきましては、御存じのように、ただいま現在まだ日本が行なっております残存輸入制限が九十八ほどございます。これはいろいろの言い方があると思いますけれども、ガットに届けられております残存輸入制限の品目の数だけで比較をいたしますと、確かにまだ日本は高いということでございます。これも、御存じのように、今年末には八十以下に、来年末には六十にというふうに減らしていくという努力をすることを決定いたしております。できるだけその自由化率を高める、そういう努力をいたすことになっておりますのは、御承知のとおりでございます。先ほどから申し上げておりますような日本の経済力の伸び、あるいは国際的な地位の向上に伴いまして、さらにこの自由化率を進めろ、自由化を早めよ、あるいは関税率自体もこれを減らしていけという要請は各国からも起こっておりますことは御承知のとおりでございますし、先ほどから申し上げておりますように自由化率につきましても今後一生懸命努力していく。もちろん、国内産業に混乱が起こっては困りますけれども、できるだけそういうことに十分な配慮をしながら自由化も進めていき、あるいは、関税率につきましても、できる限り国内産業との関係を考えながらこれを引き下げていく、そういう努力を今後も続けたい、そういうふうに思っております。
#266
○上林繁次郎君 そこのところはちょっとあれなんですが、まあ次に移りますが、農産物の保護ということについて、これはいろいろ問題があると思うのです。そこで、関税だけによる農産物の保護、こういった考え方も一つございますね。そのほかにもいろいろあると思うんです、具体的には申しませんけれども。そこでもって、ただそれだけではこれらの生産者が国際競争力というものがいつまでたってもつかぬ。そこで、農産物生産者の近代化とか合理化ということについてやはり考えていかなきゃならぬと思うんですね。そういった点についての方策といいますか、今後どういうふうに考えておられるかという点についてひとつ……。
#267
○政府委員(上林英男君) 農産物につきましては、わが国の置かれております状況、あるいは農業の経営規模から見ましても、なかなか現状では国際競争力が弱いというのは、御存じのとおりでございます。したがいまして、いま申されておりますような、あるいは申しておりますような、経済の国際化といいますか、そういうような諸情勢に対処してまいりますためには、今後農業につきましても、いわゆる構造改善対策というものをできるだけ進めまして、そして国際的にも通用し得るような産業というものをできるだけ育成していくということが必要であろうと私どもは思っております。そういうような中で、農産物につきましてもできるだけ国内事情の許します限り自由化を進めていきたいと思っておりますし、その場合におきましても経過的には保護を要する場合があるわけでございます。そういう必要がありまする場合には、これも必要に応じまして関税等の保護措置を講ぜざるを得ない場合もあると思っておりまするけれども、その場合におきましても、物価対策などの関連もありまするので、できるだけそれを適正な水準にとどめるように努力してまいりたいと思っております。
 なお、鉱工業品につきましては、これも御存じのように、中小企業対策等の観点から、たとえば繊維とか皮革とか、まあ一部につきましてなかなか国際競争力が強くないようなものもあるわけでございまして、しかし、製品、半製品につきましては、あるいは産業構造の高度化なり、まあいろいろな対策を講ずることによりまして、同じように関税障壁その他をできるだけ低めることによりまして、経済効率も高め、あるいは貿易の拡大にも努力をする、そういうような態度で臨みたい、こういうふうに考えます。
#268
○上林繁次郎君 いま、農産物の自由化、こういったお話も出ました。で、いま私が聞きましたことは、あなたの話の中で、自由化を進めていくその中で、また、国内生産者の保護の立場から、関税の面で品目によっては考えていかなきゃならぬというような話もありました。そこで、私は、それだけの点をお尋ねしているわけじゃないんで、それではいつまでたっても農産物に対するわが国の国際競争力というものがつかないじゃないか、それを解消していくためにはその辺に着眼していかなきゃならぬじゃないか、そのための方策というのはどういうものが考えられておるのかという点をお尋ねしているわけなんです。
#269
○政府委員(藤田正明君) 上林先生のお尋ねは、農政の問題と一緒になるかと思うのでありますが、日本の農政が今後いかにあるかという問題からお答えしなきゃならぬ問題であろうかと思います。食糧の自給度を政府としてどの程度考えておるか。そして、このような自給度を基本に考え、そのような品目は育っていくんだと、国内で。そして、それらについてはどのような育て方をするのかというふうなお問いではないかと思うのであります。私も農政の専門家ではないのでよく知らないのでありますが、確かに米が過剰であるとかいう現況ではございますけれども、米を何百万トンほど日本で毎年生産を確保しなきゃならぬか、あるいは米にかわり得る小麦粉その他のものを常時どのくらい輸入をしなければならぬか、そうしてまた、そのようなことがあってはいけないのありますが、何らかの事故によってそのような輸入がストップした場合にどのような処置を国内的にとらざるを得ないかというようなことになるわけでございます。一つの例を申し上げますと、現在ナチュラルチーズにつきまして第二次課税をかけております。雪印乳業が現在国内産のナチュラルチーズから加工チーズ――プロセスチーズを生産いたしておりますけれども、これらはナチュラルチーズを二次課税をかけておるということにおきましては、国内産のナチュラルチーズを今後とも育成しなければならぬ。そして、今後このような乳製品がますます国内的な需要が旺盛になる、ある程度自給を国内的にしなければならぬというふうな面から、ナチュラルチーズに対しては一次課税、二次課税と分けて、国内のナチュラルチーズの育成をはかっているような次第でもあります。また、砂糖についても同じようなことが言えるかと思います。国内産のビートあるいはその他の砂糖の原料となるべき農産物を育成していこうというふうに、自給をある程度していこうというふうに考えて、輸入砂糖についてはたいへんな課税をかけておるというようなことでございます。
 全面的に農政の問題になりますので、お答えが不十分な答弁しかできないかと思いますが、その点は御容赦願いたいと思います。
#270
○上林繁次郎君 その点がある程度具体的にお話を伺いたかったわけでありますけれども、非常にしろうと的な話になるかもしれませんけれども、バナナの問題ですけれども、これはいま始まったことじゃないので、私がこういう立場に立つ前からいろいろと論じられてきたわけですけれども、これは、関税率審議会ですか、ここでも非常に高いと。当初は七〇%――基本は三〇%ですか、それが七〇%であった。それが今回六〇%ということになるわけなんですが、非常に高いと思うわけです。日本の国内はおいては、バナナに対する競争する生産者というものは考えられない。ですから、これは、しろうと考えですが、関税を安くすればそれだけもっともっと国民が安くこれを求められる、こういうことになるわけですけれども、なぜこれが競争という点が考えられないにもかかわらず関税が高いのかという問題なんですが、この点はどういうことなんでしょうか。
#271
○政府委員(上林英男君) 御指摘のとおり、バナナの関税率につきましては、関税率審議会その他で、非常に高率であると、こういう御批判をいただいているわけでございます。ただ、バナナの関税を先ほど御指摘がありました三十何年でございましたかに七〇%にいたしましたときは、自由化と同時にそういうような高税率のものをひいたわけでございます。その後の経過を見てまいりますと、自由化をいたしますことによりましてバナナの輸入は非常な勢いで増加をいたしましたし、また、価格もむしろ下がっておるというような実情でございます。ある意味では自由化をすることによった効果が物価に与える影響は非常に大きかったということは言えるかと思います。また、その反面におきまして、直接バナナを日本は産出をいたさないのでございまするけれども、果物に与えました影響もあるわけでございまして、たとえて申しますと、よく例に引かれますのがリンゴでございますが、リンゴは、バナナの自由化前、三十七年には、果物に占めます割合が二一・六%でございましたのが、四十三年には一一・九%と約半減しておる。逆にバナナの占めますウエートは非常に高くなってきておる。また、一方におきまして、価格も、先ほど申しておりますように、むしろ価格としては下がっておると、まあこういうような状況にあるわけでございます。といいましても、バナナ自体が高いではないかという議論はあるわけでございますし、それからたまたまと申しますか、果物につきましては、一方、来年にはグレープフルーツあるいは欧州系のブドウとかリンゴとかというようなものを自由化する計画になっておりますので、そういうような影響も考えなければいけませんし、そういうような観点から今年度は六〇%のいままでの関税率を据え置かしていただきたいというふうなお願いを申し上げたわけでございます。
 なお、グレープフルーツその他の自由化に伴いまして、一体関税措置をどうするかというような問題も来年度は起こってまいるわけでございまして、その際にはあらためてその一環としてもう一ぺんバナナについても再検討しなさいということを関税率審議会では附帯決議としておつけになっておると、こういう状況でございます。
#272
○上林繁次郎君 次に、中共産品の関税格差について、今回五品目が加えられておりますね。で、残っているものについてどういう品目があるのか。それからまた、なかなか格差が解消されていかないものは、どういうところにそれが格差解消のものとして指定されない原因があるのか。なお、今後予定されている品目はどういうものがあるのか。そういった点について伺いたいと思います。
#273
○政府委員(上林英男君) お尋ねの、まだ関税格差の解消をしておらないもののおもなものは、生糸、絹織物、そういうものの類でございます。これらの品目につきましては、国内産業との観点から、これを格差解消をいたしますと国内産業に影響を与えるという観点から、これを格差解消をしておらないわけでございます。ただいま申し上げました生糸、絹織物につきましては、御存じのように、中共は日本に次ぎます生糸の生産国でございまするし、また、いままでの輸入の実績によりますと、その価格自体も相当低うございます。わが国は、中共及び韓国から輸入が行なわれておるわけでございまするけれども、韓国産品に比べましても中共からの輸入価格は低い、そういうような観点から、これを均てんいたしますと国内産業に相当の影響を与える、こういう判断をいたしまして格差を解消しておらないわけでございます。
 なお、現在すでに三百五十三品目の格差解消をいたしておりますが、今回の改正では、いままで格差解消をしておりませんでしたものを新たに五品目格差解消いたしますと同時に、四十三年に輸入実績のありましたものでまだ格差解消が行なわれておりませんでしたものが新たに三十五ほど出てまいりましたので、合計四十品目をつけ加えることにお願いをいたしております。これによりまして、四十一、四十二、四十三年の三カ年間を通じまして中共から輸入した輸入実績のあります産品につきまして関税格差を解消することになりますものは、品目数でまいりますと九七%、それから輸入量で比較をいたしますと九四%を格差解消をするというような状態になるわけでございまして、ほとんど大部分のものが関税格差を解消されると、こういうかっこうになるわけでございます。
#274
○上林繁次郎君 小型自動車の問題ですけれども、これはこの説明書にもあるのですけれども、いままで三〇%ですね、これが二〇%に下がるわけです。アメリカでは、この小型の関税率は三%ということになっていると思うんです。そこで、ここにも書いてありますように、だんだん高い関税を課する必要はなくなってきていると、こういうふうにうたってあるわけです。そこで、アメリカを見ますと、小型については三%、それから見れば相当なまだ格差があるということなんですが、こういう自動車、特に小型でけっこうですけれども――についての今後のいわゆる見通しですね。なお、EEC諸国ですね、これを見ましても一一%である。あるいは、英国を見ても一一%である。それから見れば、二〇%というのはまだ高いわけです。そういった点の見通し、そういった点についてお聞かせ願いたい。
#275
○政府委員(上林英男君) 自動車につきましては関税率につきまして若干の経緯が実はございます。ことに小型自動車につきましては、ケネディラウンドのときに、そのときの当時の基本税率が四〇%でございました。それを、ケネディラウンドのときに、お互いに先ほど申しましたように一挙に半分にする、五年間に、そういう原則のもとにいろいろ交渉をしたわけでございます。それで、そのときに、小型自動車につきましても最終的には二〇%に下げようということを私どもは決心をいたしました。ただし、その場合に、イタリーがわが国の自動車につきまして差別待遇をしておったものでございますので、イタリーが自由化をすれば二〇に下げます、ただしイタリーが自由化をしてくれなければ三〇にとどめますと、そういう約束をしたわけでございます。ところが、その後、イタリーの国内事情もございまして、日本の自動車に対しまして自由化をしてくれませんので、三〇に実はとどまったかっこうになっておったわけでございます。その後、御説明申し上げましたように、日本の自動車産業の生産も非常に伸びてまいりまして、輸出も非常に出てまいりましたので、したがいまして、実は五年間に三〇に下げるわけでございますから、現在三四でございます。その三四%の税率では、いまおっしゃいましたようなKRの最終の税率でございますが、アメリカが三%、イギリスが一一%というのではあまりにひどいではないか。しかも、それにもかかわらず、日本の輸出は非常に伸びているという批判がございまして、このままでまいりますと日本の自動車の輸出にも非常に影響を与えかねない状態でございますので、この際思いきりましていま申しましたような二〇%の、当初考えましたKRの最終税率であります二〇%のところまで一挙に下げようと、こういう決心をしたわけでございます。
 なお、今後の普通自動車の関税率をどうするかという問題でございますが、もちろん日本の国内の自動車の競争力その他も考えながら、また、関税率につきましては、もちろん国内的な要因に加えましてお互いに関税率を引き下げ合うという交渉をすることもあるわけでございます。そういうような国際動向も考えながら、基本的には国内産業の保護に支障のない限りいろいろな諸情勢を考えながら引き下げていくと、こういう方向ではございまするが、そういう線に沿いながら、いま申しました国際動向等も勘案しながら、関税率の調整を今後ともしたいと、こういう考え方でございます。
#276
○成瀬幡治君 ちょっと関税のことでお尋ねしたいのですが、今度近々のうちにたとえばアメリカとの間とかあるいはどこか諸外国との間に個別折衝みたいなことを持たれる、そういうものがありましょうか、ここ半年くらいの間に。
#277
○政府委員(上林英男君) 何と申しますか、ガットの場におきましては、御存じのようにケネディラウンドがただいま進行中でございます。常にガット自体は国際貿易の拡大の観点から関税障壁を少なくしようと、そういうねらいを持っておりまするけれども、ケネディラウンドの大幅な切り下げがあと二年続く。いま三年目でございます。そういう段階でございますので、当面はこういうケネディラウンドの着実な実行ということに主眼を置いておりまして、もちろんそれが終わりましてからどうするかということはおそらくみんなの頭には常に潜在的にはあるとは思いますけれども、具体的には実はポストKRの関税率の引き下げ交渉といいますか、第二ラウンドみたいなものをどうするかということはまだ議論をされていない。むしろKR自体の着実な実行をやろうと。ただし、その間におきまして関税と同時に非関税障壁というものがたくさんあるし、これを軽減するということに努力をしようではないかというような観点で、ただいま、ガットの場におきましては、各国非関税障壁を整理し、これをどうするかという観点の努力のほうが多くなされておるわけでございます。したがいまして、二国間交渉で関税率を下げ合っていくという大きな動きは、率直に言いましていまのところないわけでございます。ただ、たとえばアメリカがエスケープクローズでピアノの関税を引き上げた。これはガットの譲許などがございまして、その場合に、それに対して、それをやめてくれ、あるいはそういうことをどうしてもやらなければしかるべき代償をくれというような話の程度はございますけれども、具体的にいまお互いに関税を引き下げ合うという交渉は、率直に申し上げましてございません。
#278
○成瀬幡治君 もう一言、アメリカならアメリカの業界からあなたのほうに直接話があるもの、あるいは逆に言えば日本の業界からアメリカの関税局なら関税局へ折衝しておるようなもの、そういうようなことがありましょうか。
#279
○政府委員(上林英男君) たとえば自動車につきましては、いまこれはアメリカが特に関心を持っておりますのは大型でございますが、大型の自動車の関税率はKR前は二五%でございましたが、これを半分に五年後にするという当初の約束でございましたのに、これも、この前の国会でございましたか、一挙に最終税率を一七・五%にいたしました。しかし、これも、なおアメリカは先ほど申しました三%というような最終税率でございますので低いから、これをもう少し下げてくれというような話はちらほら聞いておりますけれども、具体的にはまだそういう折衝はいたしておりません。
#280
○成瀬幡治君 それじゃ、大臣がお見えになりましたが、時間等いろいろあるようです。そこで、私はすわったままでやりますから、すわったままでお答え願いたいと思います。
 大臣、予算関係等あって、あと大臣の大蔵委員会の出席を勘定してみますと、物品税、関税関係で申しますと、一応やっぱり十七日ころに採決せざるを得ないだろう。そうしますと、きょうが約一時間。十七日の日は、どうも予算委員会あるいは衆議院の大蔵等の関係で、いまのかっこうで言うと、ここへ御出席願えるのは、予算委員会が終わってからと本会議の間で三、四十分だ。その間に採決というようなことで、大臣からいろいろな話が聞けないと思うんです。
 そこで、大臣のいままでの御答弁願っているいろいろな速記録その他等を見ましても、大臣は答弁がじょうずで、具体的なことはなかなか言っておられない。言質は一つも与えていない。それですから、私は端的にお答え願いたいわけですが、トーゴーサン(一〇・五。三)とかクロヨン(九・六・四)ということは、税の不信感へのいかりのことばだと受け取らなければいかぬと思う。しかも、そういう中で、生活実態と申しますか、確かに国民生活の態様というものが非常に変わってきて、今後も変わっていくんだろうと思う。そこで、四十三年の七月にいわゆる長期答申を受けた。そうして、それを全部ことしじゅうまでにやってしまうんだというふうに受け取れる点もあると思うんです。ですから、ことしの七月の税調には新しい立場に立っていろいろとおはかりになると思う。いろいろなことがあるんです。あなたが言った公平、負担感、負担能力、生活擁護、国民生活の実態が変わったという税の基本的な問題について、いろいろと洗い直しをしていかなければならぬと思うが、そういう答申を受けられるのに対して、いろいろな姿勢でおやりにならなくちゃならぬと思う。そういう基本的な問題として長期税制をはかられるのかどうか。もしはかられるとするならば、具体的に言えばどんなものを、たとえば直間比率の問題もありましょうけれども、そういうものを考えたときに、所得税は減税されるというけれども、所得税の中にも、利子所得もあれば配当所得もある、いろいろと十ばかりあるが、所得税の減税といえば私は給与所得だろうと受け取っておりますけれども、それは今後続けられるとしても、それにしても間接税との関係もあるわけです。間接税をふやしていくということになれば、新しい税を設けられるのか、それとも範囲を拡大されるのか、税率を引き上げられるのか、そういうような問題について少し具体的にお答え願えませんでしょうか。
#281
○国務大臣(福田赳夫君) 税制調査会に対する諮問ですね、これはごく抽象的なものにいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。長期税制を完全実施いたしましたこの段階で、今後の税制はどういうふうになることを適当といたしましょうかというようなことになると思います。これは表面のことです。しかし、今度は、懇談としては、私は、長期税制答申は完全実施をいたしました。しかし、この長期税制答申、特にその間において重要な所得税減税、これはこれをもって私は終わりといたしたくない、これをさらに続けていきたい、こういうふうに考えております。それから、そうすると財源が要るわけですね、その財源をどうするかという問題に当面しておる。また、これから歳出もふえます。その歳出の財源をどういうふうにしたものでしょうかと。私としては、所得税は増税ということじゃなくて逆に減税を考えたいんですから、そういう増加する歳出需要、これも間接税で措置しなきゃならぬように考えますということを申し上げる。それからそのほかにいろいろの問題があります。当委員会でも御指摘になっておる検討問題というもの、それから衆議院の大蔵委員会、予算委員会等で問題になっている、いろいろな問題があるわけです。それらの問題も問題点を申し上げたい。そういう手順を考えておるわけでありますが、まだ固まった考えではありませんけれども、そんなふうに持っていきたいと思っております。
#282
○成瀬幡治君 間接税が財源だと。その他、あなたがおっしゃる社会資本なり社会保障等をやっていく。あなたは、所得減税と、こうおっしゃるが、給与減税なんですね、主として。給与減税と受け取っていいわけですね、給与所得の減税と。
#283
○国務大臣(福田赳夫君) いや、給与所得ばかりじゃないんです。所得税全体として考えたいと思うんです。もちろん、給与という問題も入りまするけれども、給与問題を含めて、所得税全体について考えたい。
#284
○成瀬幡治君 そうすると、その中で一つお聞きしたいんですが、それは配当所得も入っておりますね。利子所得も入っておりますね。山林所得とか、譲渡所得とか、いろいろあるわけですね。ですから、そういうものまで含めて減税対象にしようと、こういうことなんですか。
#285
○国務大臣(福田赳夫君) まあ配当につきまして減税論というのはいまないんのはないかと思いますが、とにかく、所得税体系全体についてどういうふうに考うべきか。私は、とにかく、いま日本人の税負担というものは、諸外国に比べると、全体として軽いが、直接税特に所得税がわりあいに重い率になっておるんです。で、これを下げていきたい、こういう考えを持っておりますので、その所得税につきましてどういうふうに考えたらいいものか、その辺の意見を聞きたい、かように考えております。
#286
○成瀬幡治君 間接税はまあふえていく。大体、お話を承っておると、どうもふやさなければならないだろうと。そうすると、新設になるのか、拡大になるのか、税率の引き上げというようなことになるのかということですね。そういう点で、間接税の中で何か新設というようなことも当然――たとえば自動車に例をとれば、ライトバンあるいはトラックですね。いま税はかかっておらぬ。そういう他とのバランス上、範囲の拡大、また、税率が四〇%最高ですが、税率の引き上げ等、そういう問題を考えておいでになるのか。
#287
○国務大臣(福田赳夫君) 間接税の内容といたしましては、これは、私といたしましては、まだどういう方向を可とするかということは申し上げられない。しかし、当然問題になってきますのは、いまの間接税の品目の拡大ということもありましょう。あるいは税率の引き下げという問題も起こってくるかもしれない。あるいは、いまの消費税体系ですね、間接税体系の中にない新しい体系、そういうものができるかもしれない。これはいろいろこれから議論をし、その間に私の考え方を固め、また、それを税制調査会に披露する。また、その結果、どういうふうな判断を税制調査会がされますか、それを伺おうと。そして、最終的な私の考え方を固めた上、国会の御審議を願うと、こういう段階になろうと思います。
#288
○成瀬幡治君 非常に抽象的なことで、はかるぞよと、こうおっしゃりながら、片方では、まだ私の考えは固まっていないと。私は、懇談の中で、相当具体的なことが議論されていき、それに対して大蔵省としてはいろいろと意見を述べられる。あるいは、お聞きしておると、国会で非常に問題になったような点は、すなおに、意見として、というのですか、そういうような問題については税制調査会にはかるようなふうにも受け取れるわけですが、その辺のところはこれからあなたが……。
#289
○国務大臣(福田赳夫君) 国会で問題になり、私が考えますと言った問題、検討いたしますと言った問題、そういう問題は、税制調査会の意見を私は聞くつもりでおります。
#290
○成瀬幡治君 それから国会で問題にならなくても、大蔵当局としていろいろと検討をされて、そうして、これもはからなければならぬというようなものがまとまるのは、いつごろになりましょうか。
#291
○国務大臣(福田赳夫君) それは、抽象的な諮問は、なるべく早くしなけりゃならぬと思います。そう時間はかからぬと思いますが、しかし、私どもが具体的な考え方を持って――具体的と申し上げましても、最終の意見じゃありません。こんなことはどうでしょうかと、こういうような考え方ですね、これはまあ秋ごろじゃないでしょうか、と思います。
#292
○成瀬幡治君 そうすると、税制調査会は、私らは七月ごろに開かれると、こう思っておるのですが、大体本年開かれますか。いつごろ開かれるのでしょう、ことしは。
#293
○国務大臣(福田赳夫君) まだ予定はきめておりませんです。まあそんな辺になるのじゃないでしょうか。
#294
○成瀬幡治君 先ほど物品税の審議をやっておる中で、じゃ物品税とは何ぞやというような議論があり、歴史的に見てまいりまして、さて、あの当時のものからいまの置かれておるものと少し変わってきたんじゃないだろうか、いろんな点で。ですから、物品税全体についても、税のあり方自体、政策目標なり、性格なり、そういうものまで洗い直して諮問される用意がございましょうか。
#295
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど申し上げておるとおり、具体的に、こういうものについてという正式な諮問はしないのです。長期答申の完全実施ができたこの段階で、今後の税制はどういうふうな調子であるべきかと、こういうことを諮問するということになると思いますが、その後のいろいろ意見交換という過程においていろんな問題が出てくる、こういう手順になるわけです。
#296
○成瀬幡治君 もう一つ、これは物価安定政策会議が酒とノリというのを大蔵省関係では特別に指摘しておりますね、これについてはどうでしょうか。
#297
○国務大臣(福田赳夫君) あの提言の中で、税に関する部分があり、これを私どもといたしまして検討をいたし、前向きで検討いたしたいという問題がありますれば、これは税制調査会に対しましてこういう考え方であるということを、諮問後の過程において申し上げます。
#298
○成瀬幡治君 同じ政府の中と言っちゃおかしいですけれども、政府の諮問機関としての答申なんですから、税調と並んであの答申を尊重をされて実行される、そういう御意思のもとに、なお税関係であるから重ねて税調にはかると、こういうことなんですか。
#299
○国務大臣(福田赳夫君) 提言、物価安定政策会議のほうは提言なんです。それで、あの中を見ますと、かなりむずかしい問題があるわけです。もちろん税ばかりじゃありません。いろいろな面にわたってむずかしい問題もありますから、あの提言がそのまま政府の意思として実行されるという性質のものじゃないんです。どこまでも提言であって、政府はこれを検討すべしと、こういうような趣旨のものですね。ですから、検討いたすわけですが、検討した結果、税の問題について私どもとしてこれは提言を取り入れなきゃならぬという問題がありますれば、これは税制調査会にその問題を指摘いたしまして意見を求めると、こういうことにいたしたいと思います。
#300
○成瀬幡治君 宣伝広告費なんですが、これは損金に全部入っちゃう。私は、それはそれなりの理由があると思うんです。しかし、片方では誇大広告なり虚偽広告等があり、過般も公正取引委員会から指摘されて謝罪文を広告しなければならないというような問題もあるのですが、宣伝広告費などについては無条件にいまは損金に入るのですが、こういう問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#301
○国務大臣(福田赳夫君) 宣伝広告費は、私はこれはかなり行き過ぎの面があると思います。これを多少矯正する必要がある、そういうふうに考えますが、その行き過ぎを矯正する必要があると認めますが、しかし、これを税でやって幾ばくの効果があるかというふうにも考えます。それから同時に、宣伝広告費は営業の手段として使われておる、そういうことを考えまするときに、これは経費として特別の扱いをするという結果になる。宣伝広告に対する課税、これはまたその面からの問題がありますし、それからもう一つは、何といっても宣伝広告費をよけいに使いますのは後発企業ですね、後進企業だと思います。後進企業、後発企業が早く伸びたい大きくなりたいというために大きな宣伝広告を行なうと、それを抑制をする、そういうことになると、これは先発企業との間に不公平というものが来はしないかという問題もありはしないか。あれやこれや考えますと、税の面で広告費に課税をするという行き方は、観念的には考えられましても、実行がなかなかむずかしいんじゃないか。まあ率直に言って、これはそのほかに政治的ないろいろな配慮もしなけりゃならぬという問題もあるわけで、なかなか結論を出すことはむずかしい問題です。しかし、皆さんが、広告宣伝費を検討せよと、こういう皆さんの一致の御意見でありますれば、これは税制調査会の皆さんの御意見も伺うということにやぶさかではございませんけれども、私ども検討はいたしまするけれども、なかなかこれは扱いがやっかいな問題だなというふうに考えております。
#302
○成瀬幡治君 交際費との関係がありますね。それからもう一つは、広告宣伝費が、いまの情報社会というのですか、やっぱり一つの成長産業のようにも見えるわけですね、広告業自体が。松下の例をとりますと、年間に百十四億、三日に一億の割合で広告をする。この例をとると、後進とも言えず、日本で一番もうけていらっしゃる会社のようにも思えるわけです。会社自体はどうか知らないが、まあ松下さん個人は一番所得が多いわけです。交際費は私は必要経費だと思うんです、交際費はね。しかし、必要経費だけれども、交際費は大体飲み食いが多いわけです。酒を飲むとかそういうことが多い。したがって、それについては資本金の制限がいまの法でいろいろとあって、しかも、これをオーバーしたものは二分の一かけられる。だから、必要経費の中に認められるものもあるが、しかし課税の対象にもなる。広告のほうは、販売の手段であるが、特定の人でなくて不特定の人に向かってやっておる。私はそう特定と不特定と違えたというふうに極論はいたしませんけれども、それだけとは言いませんけれども、これに使われておるお金も非常に大きいと思うんです。ですから、財源として一度見る必要があるわけです。これは後進でおくれている業種がどうだとかおっしゃるなら、私は一つの課税最低限を設けるとか、いろいろなやり方があると思うんですけれども、それは、資本金はどうとか、業種によってどうだとか、まあ業種によっても非常にむずかしいとおっしゃるならばそれまでだが、いろいろなやり方があると思いますね。おっしゃるように非常にむずかしい問題であり、しかも、一つは、報道機関等のことから考えてまいりますと、これもそういうところに及ぼしていく影響というものを考えれば、これはなかなかたいへんなことだと思いますけれども、しかし、このままにしておいてこのままでいいというのではなくて、少なくともこの前にここにおられる鈴木君が本会議で質問しておった七十年へのビジョンとしてたとえば広告宣伝費に対してどういう態度をとるかというのは、私は非常に意味のあることだと思うんです。ですから、まあ大臣はなかなかうまいことを言って、みんなが満場一致であればというのは、議決せねばならぬことになっちゃうからね、少なくとも税制調査会にはかるというのは。なかなかそういうわけでこれは採決をとるわけにもいかぬと思うんです。私の意見としては、ぜひ税制調査会等に何らかの形で一度検討をしてもらう必要がありはしないか。しかし、その前にはもちろん大蔵省として十分に検討してもらわなくちゃならぬ。検討をされて、その上で税制調査会にはかっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#303
○国務大臣(福田赳夫君) これは、先ほどから申し上げておるとおり、正式の諮問というのはきわめて抽象的なんです。ただ、その調査会の場において話題に出すかどうかと、こういう問題なんですが、なお大蔵省としても、この実態、それから一体それが課税の対象として適当であるか、まあいろいろこれは判断がむずかしいところがあるんです。先ほど申し上げたように、交際費に似たところもあります。ありますが、しかし、交際費よりははるかに営業に必要な経費である、こういう面も多いわけでありまするし、先発企業と後発企業との関連という問題もあるし、あるいは免税点というか控除制度を設けたらどうだというような意見もありますが、その設け方、これもなかなかむずかしい、一体税として成り立つものか成り立たないものか、妥当であるか妥当でないか、そういうのを大蔵省自体として検討いたしまして、これは税制調査会に話題として持ち出す値打ちがあるかどうかをよく判定してみると、そういうことにいたしたいと思います。
#304
○成瀬幡治君 それから付加価値税の問題が出ておるわけですが、宣伝費とも関連してまいりますが、付加価値税導入のことについても何か検討されたでしょうか。
#305
○国務大臣(福田赳夫君) 付加価値税なりあるいは売り上げ高税なり取引税なりですね、これは消費税を広く一般的に増徴するという趣旨において考案されている制度だと思います。そういう意味合いになりますと、私は、いま一般的に付加価値税であるとかあるいは取引高税であるとか売り上げ税というような制度をいまの日本経済のもとにおいて導入することは適当ではないと、こういうふうに考えておるわけです。つまり、物価政策の見地から見てかなり問題がある。しかし、これは私はいまの所得税をさらにさらに軽減する、ように持っていきたい、そういうことを考えておりますので、検討はしてみたいと思うのです。しかし、これは実施は当分いたしません。実施するのは、そういう一般的なものでなくて、個別間接税、こういうことになろうかと思います。
#306
○成瀬幡治君 私ども、この付加価値税の発想が、税だけをひとつたくさん取ってやろうというようなことになると、赤字企業がたいへんな問題であって、税になじむなじまないのいろんな問題もありますし、それからそういう赤字のところも一緒に取られてしまうというようなそういう付加価値税的な導入がいいか悪いかということになれば、私は、いかんものだと即座に、あまりよく勉強しておりませんけれども、そういう感じがいましておりますが、しかし、大臣の言うように、検討してみるけれどもやらぬがいいと、こういうことで安心を実はいたしました。
 次いで、私は、私の時間はわずかですから最後になりますが、先ほど議論していたのですが、今度の予算で、物価対策とは銘打っておいでにならぬけれども、おれのほうはこうだぞといって相当いろんな意味で物価対策の予算は各省ともに編成をされております。それから減税関係で言うなら、土地の譲渡所得を分離にしたと。この譲渡所得の問題について、過般の新聞は、あまりこれは効果がなかったぞ、から鉄砲だわいなんて言われているような批判もあったと思うのです。そこで、何といったって今度の物価の安定というのは政府としても大きな政治目標、政策の柱になっておる。ところで、せっかく予算をやられて、そうしてそれがどれだけの効果になったか。いろいろとやればいろいろなむずかしい問題があるということは、先ほど、経済企画庁のほうの御返答もいただきましたし、大蔵省自体の政務次官はじめいろいろ御答弁もいただいたわけですけれども、しかし、そういう追跡調査というのですか、大蔵省自体が、主計局を中心として、おれのほうでこれだけ予算を計上したけれども、これだけ効果があったわいと。なかなかそれを追跡するということは容易なことじゃないということはわかりますけれども、しかし、片方では、せっかく減税等をやったものがから鉄砲に終わってしまう、あるいは、せっかく各省が、運輸省なら運輸省が、あるいは建設省が、あるいは農林省が、取った予算がから回りしてしまうというわけにもいかぬと思うし、来年度のまた予算編成の大きな資料にもなると思うんです。そこで、大蔵大臣は一つの予算全部の編成をされたわけで、そういうような追跡調査を内閣というよりは大蔵省としてやられるような御意思はございましょうか。
#307
○国務大臣(福田赳夫君) 予算につきましては、たとえば四十五年度の予算をこう編成した。その編成したにつきましては、それぞれの費目につきましてその目的とする趣旨があるわけです。それを今度は四十六年度の予算の編成の際に、四十五年度において支出した費目がはたして効果を発生したかどうか、そういうことはもちろん調査をなすわけで、これは各省からいろいろ資料をとり、また、大蔵省も資料を別に調査することもありますが調査をする。その基礎の上に立ちまして、効果のないものにつきましてはもうやめる、また、効果をあげて使命を終了いたしましたというものにつきましてもやめるとか、そういうふうなことをしながら次の予算を編成していくということをいたします。
 それから歳入面につきましても同様です。いま土地税制の問題の話がありましたが、これはことしになって本格的にこの税制が適用されるということになったわけでございまして、まだ効果がどういうふうであるかということは捕捉はできませんし、また、その捕捉はこの問題は非常にむずかしゅうございます。この税制なかりせばこの土地は幾らで売買されたのだと、こういうようなことはまあ観念的に考えなきゃならぬ。そういうようなことで、この税制がなければこの辺の一帯の地価はどういうふうであったろうか、この税制の結果どうなったか、これは非常にむずかしいことなんで、これは一般的にこれを推理するというか達観をするといいますか、そういうほかないことでございますが、捕捉できるものにつきましては、たとえばある商品について物品税を課した、それがどういう物価に対して影響を与えたかとか、その消費状態についてはどういうふうになったかとか、そういうことはできるだけの追跡調査をいたして、そして今後の税制の資料にいたすと、こういうことをやっております。
#308
○鈴木一弘君 大臣、新しい社会経済発展計画が、高負担高福祉ということで出てきたわけでございます。いま大臣が行政の効率化、支出の効率化ということで効果測定をやった上でという話がありましたから、この点は伺わないで済んじゃったわけですけれども、一人当たりの所得水準の大きさを考えても、租税等についての負担が低いと、こういうことが新経済社会発展計画では言われているわけです。それがいろいろな形で出てきて、一つには新間接税創設の是非というものを考慮しなさいとか、あるいは適切な間接税負担を所得の上昇に伴って求めなさいとか、こういうことがうたわれているわけですよ。先ほどの御答弁では、間接税云々のほうについて、直接税よりも比重が増してくるような答弁だったんですけれども、さしあたってそれじゃ同じく経済社会発展計画の中で、所得税や住民税については、ただいまの御答弁のように、減らすように努力しろとあるわけですね。そうすると、相当これは間接税に移行するということになると思うんです。まあふやすほうは別として、まず減らすほうで四十七年度についての所得税減税の規模とか内容までこまかいことはお考えないと思いますけれども、大体の構想というものはもう大臣の腹づもりでおありじゃないかと思いますが、その点を伺っておきたい。
#309
○国務大臣(福田赳夫君) まだ四十五年度税制を御審議を願っている最中でございまして、六年度以降のことまでは思いも及ばないんです。しかし、抽象的に申し上げますれば、何とかして所得税のほうは軽減していきたいと、こういう感じで考えを持っております。
#310
○鈴木一弘君 新間接税創設の是非ということで、出国税の問題であるとか、あるいは航空機用揮発油の税金であるとか、あるいは電子レンジについての物品税はどうかとか、こう具体的な問題がだいぶ出てきているようですけれども、それについてはまだお考えはまとまっておらないということですか。
#311
○国務大臣(福田赳夫君) いろいろ話題を提供してくださる方があるんですが、大きなものにつきましてはトラック税はどうだとかですね、あるいは車検税はいかがなものだろうか、あるいはガソリン税をもう少しどうでしょうか、というようなことを言われる方がありますが、これは簡単に結論を出すわけにはまいらぬと思います。よほどこれは基礎資料を検討いたしまして、これは物価問題をよく考えてやらなきゃならぬ。まだ、今日この段階では、具体的なその考え方というものを固めておるわけではないんです。
#312
○鈴木一弘君 しかし、新経済社会発展計画でそういうような新間接税創設についての是非を検討しろとか、あるいは間接税負担をふやすようにしろということがうたわれているからには、この路線にある程度従っていかなきゃならないと、こう思います。そうなると、先ほどの話のようにいろいろな間接税の増税ということになる。いまのお話だと、これから慎重に検討ということですけれども、電子レンジなんていうと、温蔵器あたりにまではっきり物品税がかかってくるわけですから、そういう点から見たらこれはもうかなり消費の面でもいままでより伸びてきているという点でよろしいんじゃないかということも思うんですけれども、どうでしょう。
#313
○国務大臣(福田赳夫君) そうおっしゃる方がずいぶんあるんですよ。あるんですが、まだ電子レンジに物品税を拡大しますということをはっきり申し上げるような段階まで来ていないと、こういうことを申し上げているわけです。
#314
○鈴木一弘君 先ほどトラック税の話が出たんですけれども、第六次の道路整備五カ年計画、これは十兆三千五百億円という膨大なものですけれども、これが四十六年の予算編成時までにその財源をきめるということになっているわけです。なかなか一般財源からの投入は少ないようであります。といって、揮発油税等が大幅に大増徴されるということは考えられないように思いますし、そうすると、計画だけができてその裏づけになる財源問題がつかなきゃ、これは絵にかいたもちになってしまうわけですけれども、その点についての構想というものは大蔵省――おそらく大蔵大臣と建設大臣の間で私は詰めているのではないかと思うんですけれども、この財源計画というようなものはまだ構想は全然ございませんか。
#315
○国務大臣(福田赳夫君) あの計画は十兆三千五百億でありますが、それに対して経済成長ということを経済社会発展計画の線に沿って計算してみる。そうしますと、在来のガソリン税などの特定財源、それから一般会計からの繰り入れ、まあ在来の程度ですね、そういうものをいたしまして、約三千億ぐらい足らないことになります。しかし、かりに経済成長があの率よりも高いというふうなことになりますと、自然増収がふえますから、三千億ぐらいはまあ消化可能ということがあるかもしれないし、あるいはあのとおりに経済成長がいかぬという場合には、三千億というのがもっと縮まるかもしれません。しかし、とにかくいま普通に見て三千億ぐらい足りない、こういうことになりますが、さて四十六年度をどうするかということになりますと、この暮れあたりになりますると、相当はっきり、四十六年度の道路支出と、在来の財源方式で幾らになるかということが見通されるわけであります。でありまするから、その状況を見て、一般の財源が不足するということでありますれば、これはそのための新税ということを考えなければならぬわけでありますが、いま一〇〇%新税がなければならぬという状態じゃないのです。しかし、いずれにいたしましても、ざっと見て三千億ばかり五カ年間で足りない、こういう状態でありまするから、何かどうも考えなければならぬのじゃないかなあという感じがしているわけです。
#316
○鈴木一弘君 確かに、いままでの五カ年計画と同じように、年度間の伸びは一七%ずつでずっといくわけですから、経済成長率の一〇・六%から見れば問題はないように思いますけれども、もう一つここで言いたいのは、付加価値税のことで関連してお伺いしておきたいんですが、売り上げ税的な付加価値税というものもあると思うんですが、現在の法人企業全体の付加価値が四十三年度で二十四兆円、製造業だけで十二兆という付加価値額があると思うんです。これは大蔵省の資料でありますけれども、「法人企業統計年報」を見ると、その付加価値額の中で、税に回っているのは一二%、あるいは製造業だけなら一四%、社内留保については六・八とか八・二というふうに、いままでになく大きくこのところの三年ぐらい伸びてきている。付加価値税というようなものを考えるのだったならば、売り上げ高税あるいは取引き高税というような考え方じゃなくて、法人税自体もこれは全部付加価値税的なものに変える必要があるのじゃないか。そうしなければ、何となく税として一部分だけが付加価値でとらえて付加価値額に対してかかって、ほかの法人税については付加価値額について考えるわけじゃない、こういうことになると、すごい片手落ちの感じがする。当然付加価値額に対してかけるという税金を考えるということになれば、法人税等もその中に含まれる、つまり、法人税を廃止して付加価値税というようなものに切りかえるのが本筋だろうという感じがしているわけですが、その点については大臣の構想はございませんですか。
#317
○国務大臣(福田赳夫君) 付加価値税という場合には、消費税体系の一種類として、売り上げ高税、取り引き高税、そういうものと並び、消費税的内容を持つ付加価値税ですね、これを言う場合が多いのです。しかし、法人につきましてこれを付加価値税的な体系に変えたらどうだという説もあるわけですが、これは負担の公平、担税力、そういうような見地から見ましてなかなか問題が多いのであります。簡単にそういう法人税的な意味における付加価値税ですね、これに取りつくことはなかなかむずかしいのじゃないかと、こういうふうに思います。
#318
○鈴木一弘君 それから、経済社会発展計画の中で、特定の政策目的のための税制の優遇措置については、その政策目的の合理性の判定を厳格に行なって効果を検討して、優遇措置による安易な依存あるいは既得権化というものを排除せよということを言っておるわけです。これは租税特別措置そのほかだと思います。こういうように強くここまで言われて、せよというふうにまで言われていれば、これはいままで以上に租税特別措置等について検討がされるだろうと思うのですけれども、その辺のところを伺っておきたいと思います。
#319
○国務大臣(福田赳夫君) これはもう当然のことであります。特別措置は、あくまでも特別の政策目的を持って、基本税法である所得税法だとかあるいは法人税法に対する例外的措置でありますので、その政策目的がこの措置によって達成されないというようなものがありますれば、これはもう廃止しなければならない。また、その特別措置のねらいとするところが達成されたというようなものがありますれば、これもまた廃止しなければならない。そういうふうに考えておりますので、常時総点検をするという姿勢でやっていきたいと思っております。
#320
○鈴木一弘君 これで最後にしたいのですが、間接税というのは伸びが一般に比べて低いわけです。結局、それは、負担が個々の物品であるということ、あるいは消費支出の総体的な形態から見ていってもそうだと思いますけれども、そこで、どうしても、現行税体系の中で間接税自体をいじることになれば、課税対象を変えていくとか、税率の構造を大きく変化させるとか、こういうことをやらなければいけなくなってくるということで、大臣の先ほどの御答弁から伺っても、経済社会発展計画のほうから見ても、当然それに着手をされると思うのですけれども、一体いつごろから着手をされるようなふうになっていくのですか。
#321
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりに考えておりますが、そのタイミングは、国会が済みましたならば大蔵省において検討をいたし、税制調査会とも懇談を重ねながら構想を固めていくと、こういうことになろうかと思います。
#322
○委員長(栗原祐幸君) 両案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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