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1970/05/07 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第22号
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1970/05/07 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第22号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第22号
昭和四十五年五月七日(木曜日)
   午前十時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     高橋文五郎君     青木 一男君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                小林  章君
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
                鈴木 一弘君
    委 員
                青柳 秀夫君
                岩動 道行君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                津島 文治君
                中山 太郎君
                丸茂 重貞君
                矢野  登君
                戸田 菊雄君
                松井  誠君
                横川 正市君
                上林繁次郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵省主計局次
       長        船後 正道君
       大蔵省銀行局長  近藤 道生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       水産庁漁政部長  平松甲子夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足
 をうめるための一般会計からの繰入金に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会をいたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月三十日、高橋文五郎君が委員を辞任され、その補欠として青木一男君が、また、昨五月六日、渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が、選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(栗原祐幸君) 漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
#4
○政府委員(藤田正明君) 漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案提案理由の説明をいたします。
 ただいま議題となりました漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案につきまして、概要を申し上げます。
 昭和四十三年度におきまして、海水の例年にない高温等により全国的にノリの被害が異常に発生し、これに伴い漁船再保険及漁業共済保険特別会計の漁業共済保険勘定の保険金の支払いが増加したため、同勘定の支払い財源に五億六千七百五十五万円の不足が生ずる見込みでありますので、昭和四十五年度において、一般会計から、この金額を限り、同勘定に繰り入れることができることとしようとするものであります。
 なお、将来、この会計の漁業共済保険勘定におきまして、決算上の剰余が生じた場合には、この繰り入れ金の金額に達するまでの金額を一般会計に繰り戻すことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
#5
○委員長(栗原祐幸君) 次に、補足説明を聴取いたします。船後主計局次長。
#6
○政府委員(船後正道君) 漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案の提案の理由及びその概要を補足して御説明申し上げます。
 昭和四十三年度におきまして、全国的な暖冬による海水の異常高温等により、有明海沿岸各県、愛知県、宮城県をはじめとして、全国的にノリの大きな被害か発生いたしまして、この結果、漁船再保険及漁業共済保険特別会計の漁業共済保険勘定におけるノリの養殖共済にかかる保険金として支払うべき額が九億二千六百四十九万円に達しました。これに対しまして、同勘定におきましては、四十三、四十四両年度において支払いに充てることが可能な財源をもってとりあえず保険金の支払いを行なったのであります。すなわち、四十四年度に発生いたしました漁獲共済及び養殖共済の共済事故に対して支払うべき保険金に見合う財源をこのノリの養殖共済の保険金に充てる等の措置をとった次第であります。この結果、この特別会計の同勘定には合計五億六千七百五十五万円の支払い財源の不足が生ずる見込みでありますので、四十五年度におきまして、同勘定に対し、一般会計からこの分の繰り入れを行なうことができることとする必要がございます。
 なお、この繰り入れ金は、この保険事業が長期的に見て収支均衡するとの前提に立っていることから見て、後日、被害の少ない年において同勘定に決算上の剰余を生ずることもありますので、その場合にはこれを一般会計に繰り戻すことといたしております。
 以上、漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案の提案の理由及びその概要を補足して御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますよう、お願い申し上げます。
#7
○委員長(栗原祐幸君) これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#8
○松井誠君 ただいま提案されました法律案について、二、三お伺いをいたしたいと思います。
 いま、補足説明の中で、四十三年度のノリ養殖共済で九億幾ら払わなければならない、そのうち四十三年度、四十四年度の予算で払って、なおかつ五億か六億足りないという、四十三年度と四十四年度の内訳ですね、それはどうなっているのですか、大蔵省でも水産庁のほうでもどちらでもいいですから、お答え願いたいと思います。
#9
○説明員(平松甲子夫君) 先ほど趣旨説明のところで御説明がございましたように、四十三年度の共済のほうの特別会計の勘定のほうで、主としてノリの災害によります赤字が出てまいりました。それで、そのための保険金を支払うということにいたしまして、四十三年度の予算を使用いたしたわけでございますが、なおかつ五億九千九百万という支払い不足が出たわけでございます。この五億九千九百万については、四十四年度の支払い保険金の予算の中で支払いをいたした。そういたしますと、四十四年の支払い保険金の予算の経費というのは、四十四年に契約した分の支払いに充てる分と未経過保険料に相当する分があるということでございますので、四十四年分の未経過保険料に相当する分が四十五年度当初において五億六千七百万不足するということで、その分を四十五年の予算に当初繰り入れをするということにいたしたわけでございます。
#10
○松井誠君 国が再保険をするという制度は四十二年から――この制度の発足をしたのか昭和三十九年ですか。三十九年から四十二年までの漁業共済の収支の状況といいますか、それは大体どうなっておりますか。
#11
○説明員(平松甲子夫君) 先生御承知のとおり、漁業災害補償制度につきましては三十九年度から発足いたしたわけでございますが、国が保険をするということにつきましては、いまお話しの四十二年度から、詳しくは四十三年の一月から発足をいたしたわけでございまして、三十九年度から四十一年度までは純粋に団体だけでこの制度を運用してまいる、四十二年度になりまして、四十三年一月から漁獲共済について国が保険をするという仕組みが加わってまいったと、かようなことでございますが、三十九年度における収支の状況といたしましては、連合会と共済組合との分を集計いたしまして申し上げますと、三十九年度に六千八百万円の赤字、四十年におきまして二億五千八百万円の赤字、四十一年度に百万円の黒字というようなことでございまして、保険が発足いたします前の四十二年度中の金額といたしましては、連合会と共済組合の合計で二億六千八百万円という赤字になっております。
#12
○松井誠君 四十二年に国が保険するというそういう制度を取り入れるようになった理由ですね、それはどういうことですか。
#13
○説明員(平松甲子夫君) 共済と申しますのは、沿岸漁民は経営が零細でございまして災害を受けやすいという漁業の特殊性に基づきまして経営が不安定である、そのために漁民が相互扶助という見地から共済によって経営の安定を期そうというのが共済のたてまえでございますが、制度を団体だけで実施しております間に、やはりこれは国が最後のうしろだてをするということがないと、なかなか共済の加入も思うにまかせない、制度自身も安定性を欠くのではないかというふうなことを考えまして、国が保険をするという仕組みを加えてまいったわけでございます。
#14
○松井誠君 実は、三十九年に災害補償ができるときは、私も衆議院におって、その経過を知らないわけではないんです。そのときに、国が保険をしなきゃとてもやっていけぬじゃないかという議論は最初からあったわけです。いま三十九年からのあれを聞きますというと、四十一年は全体で黒字になっているという段階で四十二年にこの制度が取り入れられたというのは、何か特別の事情があったのかと思って実は聞いたのですが、三十九年から四十一年まで合計二億六千八百万円赤字が出たと。これはその赤字の幅のことは別として、国がめんどうを見なきゃやっていけないだろうという見通しは、三十九年発足当時からあったのではなかったんですか。
#15
○説明員(平松甲子夫君) 制度発足当時に、漁業界のほうから、国がうしろ立てをするということを要望する声があったことは事実でございます。ただ、国がうしろだて保険をやっていくということにつきましては、まだ準備が十分整っていないということもございまして、しばらく団体でやっていただくということで発足したと承知いたしております。
#16
○松井誠君 それで四十二年に国が保険をするという制度が発足をして、それまでに累積した共済組合の赤字二億六千何がし、この処理はどうなるのですか。
#17
○説明員(平松甲子夫君) 先ほど私が保険発足前に四十二年で二億六千八百万と申し上げた数字を、先生は、私の説明が不十分でございましたために、四十二年度までの累計というふうに御了解になっておるようでございますが、三十九年の六千八百万、四十年の二億五千八百万、それから四十一年の黒字百万、四十二年の二億六千八百万、これを集計いたしますと、五億九千三百万ほどになるわけでございます。この五億九千三百万につきましては、四十五年度の予算におきまして何とかめんどうを見るという形にしようではないかということでございまして、その点につきましては、三億円の補助をいたしますと同時に、二億円を共済基金から無利子で貸し付けをするということにいたしまして、三億円と、二億円のうちの一億五千万、この合計四億五千万円を八年間運用することによって残りの二億五千万円を返すということで処理していこうということで、本年度の予算に三億円の補助金と、それから漁業共済基金の二億円――無利子貸し付けのための基金として二億円増資することになっていますので、そのうちの政府出資分の一億というものを予算に計上いたしているわけでございます。
#18
○松井誠君 三十九年以来の赤字を四十五年度になってまとめて処理する。これは処理していただくのはたいへんけっこうですけれども、数年越し赤字のままで来た。何かおそきに失した感じがするのですが、ことしになってまとめてこの赤字の補てんを国がするようになった直接の動機といいますか、そういうものは何かあるんですか。
#19
○説明員(平松甲子夫君) ただいま申し上げましたように、数字につきましては五億九千三百万円という数字でございますので、かなりの数字になっておるということであります。
 それからいま一つは、四十二年度の四十三年一月から国の保険が発足いたしました。それで、国の保険が発足いたしますと共済の連合会なり共済組合の手持ちの金というのが、国の保険分だけは保険料として国庫の中に入ってしまう。それで、大体、この共済の仕組みといたしましては、共済掛け金と共済金と、それから再共済掛け金と再共済金との間に長期に均衡するというたてまえをとっておるわけでございます。過去に生じた赤字につきまして、本来国の保険がございませんならば団体連合会のほうで生じ得る黒字が国の保険のほうに持ち込まれておるというような形にもなるというふうに考えますので、国の保険が発足いたしましたことに伴いまして、その分を団体のほうで長期均衡で見るということはなかなか困難であろうというふうなことも考えて、金額もかなり上がったということも考えあわせまして、この際、赤字を補てんしていただくような措置をとろうということにいたしたわけでございます。
#20
○松井誠君 これからあと、長期的に見て、均衡するというそういう見通しなんですか。
#21
○説明員(平松甲子夫君) 共済は、仕組みといたしましては、保険の思想を持っておるわけでございますから、過去の被害の状況に基づきまして共済掛け金を計算いたしてやっておるということでございますので、私どもといたしましては、この仕組みにつきましては、長期均衡が可能なものであろうというふうに考えておるわけでございます。
#22
○松井誠君 そうしますと、赤字は出ないであろうという前提、したがって、出ても今度はめんどうを見ないぞという前提、そういうことですか。
#23
○説明員(平松甲子夫君) 長期均衡するということで考えておりますので、長期的に見た場合に帳じりが赤字になるということは起こらないで済むのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#24
○松井誠君 その点、私はよくわかりませんけれども、この機会に、それに関連をして、漁業共済のおよその姿というものを少し知りたいと思うのです。四十四年度のいわゆる「漁業白書」やあるいは「四十五年度において講じようとする施策」というのが手元にあるわけでありますが、これによりますというと、漁業共済の加入率というのは非常に低いわけですね。四十三年度の加入率で、漁獲共済が約一二%、養殖共済が約一九%、漁具共済が約一四%で、多い共済でも二割に達していない。これは四十三年度の数字でありますけれども、同じ白書に共済金額は年々飛躍的に伸びておるということがあるんですが、金額の伸びと加入率の伸びとは必ずしも一致をしないと思いますが、加入率の三十九年以来のそれは何か手元に数数字はございませんか。
#25
○説明員(平松甲子夫君) 加入率につきましては、白書に四十三年度の数字を出しておりますが、四十三年度以前の数字につきましては、あいにく手元に持ち合わせがございませんが、ただ、加入率につきまして、共済金額が、四十年度を一〇〇といたしますと、四十三年度は、漁獲共済の一号で一七四%、漁獲共済の合計で二二五%という数字でございますので、この間の物価の騰貴を考えましても相当の加入率の上昇があったものではないかというふうに考えております。また、養殖共済につきましては、四十年度を一〇〇といたしましての四十三年の共済金額の比率が二三四%という数字でございますので、これもやはり相当の加入率の増加があったのではないかというふうに推測いたすわけでございます。
#26
○松井誠君 その率を私は知りたいわけなんです。共済金額そのものは、四十年の引き受け共済金額百十億に比べて、四十三年は二百三十二億ということで、伸びは相当な伸びがあるわけですが、これはいまあなたが言われたように物価あるいは漁価そのものが上がってきた、そういうこともあって、この伸びそのものが加入率の伸びにはもちろんならないと思うんです。あとのほうに、同じ白書ですけれども、四十三年の共済加入件数の実績があるんですが、それによりますと、漁獲共済は前年度とほぼ同水準です。養殖共済についてははっきりしたことは書いてありませんけれども、漁獲共済の四十三年度の加入件数が四十二年度とほぼ同水準だというところを見ると、四十二年度、三年度の加入率というのはほとんど同水準じゃないかと思われるわけです、白書の二四〇ページですね。そういうところからうかがわれるのは、加入率があまり上昇していないのではないかという推計も成り立つと思うのですが、かりにふえておれば、おおよその騰勢、増加率といいますかね、およその率はわかりませんか。
#27
○説明員(平松甲子夫君) 確かに、先生御指摘のように、加入件数につきましては、件数という形では数字の増加はほとんどないわけでございます。ただ、御承知のように、漁獲共済にいたしましても、種類によって異なりますが、養殖共済にいたしましても、集合契約という形で一漁協でその漁協の組合員分の契約をするということでございますので、組合の組合員がその一件数の中に漁家の数がふえるということは当然考えられるわけでございまして、その漁家の数のふえというのが、先ほど申し上げました一〇〇%に対する二二五%、この中からかりに物価上昇率を差し引きましても、約倍近くになっておるのじゃないかというふうに私どもは考えております。
#28
○松井誠君 倍近くという根拠が必ずしもはっきりしませんけれども、私が加入率を問題にするのは、この法律ができたときには、およそこういう低い加入率というものは予想しなかったのではないかと思うのです。もっとやはり漁民がこれを利用するだろうと。この加入率を見て私も非常にびっくりしたんですけれども、一体なぜ加入がこれだけ低いのかという理由について白書は何がしかのことをあげておりますけれども、やはり掛け金が高い、それでそれが掛け捨てになる、そういうところがネックではないか。ここにあるPR不足とか、もう一つ何か理由をあげておりますけれども、加入率の低いという基本的な原因というのは一体何なんですか。
#29
○説明員(平松甲子夫君) 先生御指摘のように、加入率につきましては必ずしも満足すべき様相でないということは、白書にも指摘しておるとおりでございますが、加入率の一番高いノリにつきましては四一%程度の加入率を示しておるということでございますし、それから養殖共済の中でも真珠であるとかあるいはカキであるとかいうものにつきましては加入率が低いわけでございますが、これにつきましては、被害率についてデータの不足その他もございまして、全国一律の被害率をとっておる。つまり、被害率の違う地区別の数字をネグっておるということ、それも養殖の最中に漁場移動と称して場所を変わるというようなことにつきまして一件の共済として扱わないというようなことで、漁民の要望に必ずしもこたえるような体制になっていない。まあデータの不足あるいは資料の不足ということで、そういうふうな形で仕組むことがいいとわかっておりましても、なかなか制度として仕組めないというようなことからくる結果であろうと思いますけれども、そういうようなこともからみまして加入率が低いということがあろうかと思います。
 それで、先ほど御指摘の、加入率が低い点については掛け金の高さが影響しておるのではないかというお話でございますけれども、その点につきましては、国庫補助が平均四割をこすというような状況でございますので、必ずしも大きな原因ではなかろうかというふうに私どもは考えております。
#30
○松井誠君 付保率と言うのですか、共済価額に対する共済金額の割合、その付保率が低いでしょう。低いということのためにあまり使用価値もない。その付保率が低くならざるを得ないのは、付保率を高くすれば、自分の掛け金を掛けなければならぬ。そういうことで、漁民の零細な台所から言うと、万一の共済金はほしいけれども、しかし、共済掛け金を掛けていくだけの十分の余裕がない。したがって、付保率は低くせざるを得ない。したがって、そのいざというときのありがたみも少なくなる、そういうことになろうと思うのですね。いま、四割の国庫補助というのは決して少なくはないという話でしたけれども、農業共済はどうなっているのか、これは管轄が違うけれども、わかりますか。
#31
○説明員(平松甲子夫君) 確かに、先生御指摘のように、付保率が低いということもございますが、付保率を高めるということなどもまた掛け金の増高を来たすということもございますので、漁民のほうも必ずしも一ぺんにそこまで飛び出すというような形の要望も少ないのではないかというふうに想像されますけれども、これは私どもの想像でございます。
 それで、農業共済のほうの国庫補助率はどのくらいかということでございますが、正確には承知いたしておりませんけれども、大体五割をこす程度のものではなかろうかというふうに考えております。
#32
○松井誠君 これは、農業共済の場合に、この「四十五年度において講じようとする施策」の中に、管理経費の補助を増額するという項目がある。保険掛け金の補助というのは、これの補助率の変遷はどんなになっているのか、最初からずっと同じですか。
#33
○説明員(平松甲子夫君) 四十二年度に保険が発足いたします際に五%の補助率の引き上げを行なったという実績があるわけでございます。
 なお、先ほど、農業保険との比較で国庫補助率の御指摘があったわけでございますが、私のほうの漁業の中にもいろいろ種類があるわけでございますが、農業に比較的性格が似ているというふうに考えられます漁獲共済であるとか、養殖共済であるとか、そういうふうなところの、漁獲共済の中の採貝・採藻とか、養殖共済の中のノリ養殖というようなもので計算をしますと、五〇%をこすという補助率になっております。
#34
○松井誠君 四十二年度にいまの制度が発足するときに五%を上げて、それでいま言った平均して四十何%、高いのは五〇%をこすという補助率になったわけですね。一度上がったきりですか。そのまま変動ないわけですか。
#35
○説明員(平松甲子夫君) まだ四十四年度が済んだばかりというような状況でございまして、四十二年度に上げましてまだ実績そのものも確実に把握されていないというような状況でございますので、四十二年度の当初に五%上げただけで終わっております。
#36
○松井誠君 管理経費の補助の増額というのは、大体率としてどれくらいになるのですか。
#37
○説明員(平松甲子夫君) 管理経費につきましては、連合会と共済組合の事務人件費を補助いたしておるわけでございますが、三十九年度に約三千八百万円の補助をいたしたわけでございます。四十三年度には約一億の補助をいたしておるということでございまして、四十三年度の数字で申し上げますと、連合会の事務人件費合計の二一%程度の補助、共済組合につきましては事務人件費の合計の三二%程度の補助ということになっております。
#38
○松井誠君 特に共済掛け金の補助についていまのままでいいかどうかという問題を実は私は中心に聞きたいわけですけれども、この白書にも漁業共済制度がいわば漁家経営の安定に一体寄与しているのかしていないのか、しているとすればどの程度寄与しているのかということについて評価があるわけなんです。加入率十数%という一さっき、ノリ養殖については四〇%という数字がありましたけれども、あれはどこにあるんですか、ちょっと思い出せないのですが、言わなかったんですか。
#39
○説明員(平松甲子夫君) 養殖ノリについて四〇%と申し上げましたのは、養殖ノリの柵数に対しまして共済に加入しておる柵数の割合が大体四〇%をこすという状況でございますので、四一%と申し上げたわけでございます。
#40
○松井誠君 共済の加入率が、四十三年度は一〇%台、四十四年度はまだわかりませんけれども、とにかく一〇%台というと非常に低い。これでは全体的に見て沿岸漁業の漁家安定に資しておるとは言えない低い数字だと思います。私は、これのネックの一つというのは、漁家経営の規模に比べて掛け金が高いということが大きい原因だと考えざるを得ないわけです。農業共済の場合の補助率と漁獲共済は大体同じだという話がありましたけれども、農家経営よりも漁家経営のほうがもっと苦しいわけで、そういう意味で国の補助というものはもっと元来必要な分野だと思うのです。さっきの長期的には均衡する予定だというようなことで、これで国は補助率のアップもしないし、赤字のめんどうも見ないというようなことでは、やはり漁業共済という制度はだんだん先細りになるのではないかと考えるわけです。この点について、国の補助率をもっと上げる――事務費の補助率アップはありますけれども、掛け金の補助率をアップするという考え、将来そういうことを要求しようとする姿勢、そういうものはいま水産庁にないのですか。
#41
○説明員(平松甲子夫君) 確かに、先生御指摘のように、現在の加入率については私どもも決して満足すべき状況にあるとは考えておりません。この加入の割合を高めていくということに努力をしてまいりたいというふうに考えております。その加入を進めていく方途といたしまして、先生がおっしゃるように、補助金の率を高める、補助割合を高めるという方法も一つの方法であろうかと思いますけれども、まず、現在の漁業共済の仕組みが、漁業と共済というものがなかなかなじみがたいということで、制度を仕組みます場合には非常にめんどうと申しますかむずかしいというようなことがございまして、いろいろ仕組んでいるわけでございますが、そういう点についての改善を加えて、漁民が要望するような形の仕組みにしていくということにまず主力を注いでいくということで考えてまいりたい。補助金の割合につきましては、いま先生御指摘のような漁業共済とかそのほかの保険、共済の横並びの数字などを見合わせながら今後の動向に即して考えてまいりたいというふうに考えております。
#42
○松井誠君 いまの点に関連しまして大臣に一点だけお伺いをしたいのですけれども、漁業経営と農業経営を比べて見ても、漁業白書によりますと、たとえば四十三年度に漁家の所得としては伸びておりますけれども、漁業の所得というのはむしろ下がっているのですね。丁三%減になっている。その兼業の所得がふえたためにどうにか漁家所得全体としてはふえてきている。こういうことで、農業経営の実態よりも沿岸漁業経営の実態というのは苦しい。そういう中で共済制度というものが三十九年に発足をして、四十二年に国が保険をするという制度を新しく導入した。しかし、必ずしも数字的にははっきりしませんけれども、漁民の加入率というのはそのために何か飛躍的に多くなったとも考えられない。一〇%台という非常に低い加入率、四十三年度現在でそうなっております。これは、大きな原因の一つは、やはり掛け金が漁家経営を圧迫するということも大きな原因としてあるのじゃないか。ですから、こういう状態を、ほんとうに共済組合員の漁家経営の安定に寄与するという制度に発展させるためには、やはり国が農業より以上にめんどうを見る必要があるのじゃないかと考えるのです。四十五年度では事務費の補助率のアップというのがあったようですけれども、掛け金の補助率については昭和四十二年度以来据え置き、そういう中で漁家経営がそういう形でだんだん後退をしていく。それは私が先ほど申し上げましたような意味でやはりめんどうを見なければならぬのじゃないか、そういう気がしてならないのですけれども、大臣のお考えをひとつお伺いしたい。
#43
○国務大臣(福田赳夫君) 最近の漁村につきましては、私も非常に心配をしておるわけでございます。漁業の環境が非常に変わってきておる、そういうようなことで農村と相通ずるものがあるというふうに見ているわけでございます。これに対しまして、何と言っても漁業の生産環境を整える、こういうことが大事であろうというようなことで、農林当局におきましても、漁港の整備でありますとか、あるいは漁礁をつくりますとか、いろいろのこまかい配慮をいたしておるわけですが、移り行く経済環境の変化に対応いたしまして漁村をどういうふうにしていくかということは、農家の問題と並んで非常に重要な、しかも困難な問題になってきておる、こういうふうに思うわけです。まあそういう中において共済制度がつくられた。いまこれがスタートしたばかりでありますので、今後どういう役割りを果たすか、今後の推移を見るという必要もあろうかと思いますが、共済制度というものはこれはもういろいろな部門にあるわけでありまして、横の権衡をにらむということもまた非常に大事な問題でございます。そういうようなことで、いまお話にありました、これに対して国庫助成をふやす、それによって掛け金を減らすというようなことは、当面は考えておりません。おりませんが、この推移をよく見まして、何とかして漁村が立ち行くように、また、その中におきまして共済制度というものが有効な働きをするようにということを念願したいと思っております。
#44
○松井誠君 とにもかくにも、名前が漁業の災害補償、災害の補償をするというのですから、共済とか保険とかいう形式じゃなしに、最終的には国が補償するというたてまえでこの法律は出発をしただろうと思うのです、少なくとも精神は。昭和三十九年から四十二年まで赤字が出た、それを国がことしの会計でやるという見込みですが、そのうちそれを実質的に埋めてやろうということになる。国のそういうようなうしろだてがないというとどっちみちひとり立ちができない、少なくともこういう低い加入率の共済組合でひとり立ちができないということもはっきりしているわけですから、年々赤字を埋めていくならば、同じものをむしろ補助金のアップに振りかえて、そして漁業共済がもう少し強くなるようなそういう仕組みのために金を出すほうがもっと生産的ではないかと思うのです。ですから、発足早々とはいいますけれども、三十九年に発足してからもう数年たっているわけですから、もうおおよその見通しというものもそろそろつく段階だと思う。ですから、金のアップというものもやはり現実の問題として考えていただきたい。
 最後に、もう一ぺん水産庁にお伺いしますけれども、この白書の二四二ページのところに「養殖わかめ共済方式の検討」というのがあるわけですね。これは具体的にどういうことですか。
#45
○説明員(平松甲子夫君) 養殖ワカメにつきましては、三十年代の末ごろからワカメの養殖というものがだんだん盛んになってまいりまして、制度発足の際にも養殖ワカメを対象にしろというような話があったわけでございます。ただ、まだ養殖技術というものが不安定なものでございますし、地域的にも片寄っておりましたし、それから被害率その他についてのデータも乏しいというようなことで、発足当時は養殖共済の指定対象とすることを遠慮いたしたわけでございますが、先般の台湾坊主の災害に際しまして、宮城、岩手両県に養殖ワカメに非常に大きな災害があった。で、養殖ワカメの収入というものが漁家経営にとっても漁家所得にとっても相当大きなウエートを占めておるというような実態でございますし、制度発足当時にそういう御希望があったということで、私どものほうもいろいろ検討を続けてまいりましたので、まあ前向きに養殖ワカメを共済の対象にするというような方向で続けて検討をするということでございます。
#46
○松井誠君 私も、実は、この連休に郷里に帰ったのですけれども、佐渡ですけれども、やはり養殖ワカメが盛んなんです。やはり台湾坊主らしいという話でしたが、いまのお話を聞けば台湾坊主ですね。それが原因でずいぶん養殖ワカメの収獲が落ち、それでやはり漁業共済に入っておればという声が現実にあるわけです。これは具体的に養殖ワカメが漁業共済にはいれるという方向で検討をされ、結論はいつごろ出されるのですか。
#47
○説明員(平松甲子夫君) 現在被害率についての算定というものについて研究をいたしておるわけでございますが、どういう共済方式がいいのか――と申しますのは、天然ワカメについてもうすでに共済をやっておるわけでございますから、できたワカメは天然と養殖ワカメの区別ができないということがございますし、それから養殖ワカメの価格によって天然ワカメの価格が左右されるという問題がございますので、養殖ワカメと天然ワカメを含めましてどういう共済の方式にするかということ、これが非常にむずかしい話でございますので、いまその検討をしておるわけでございますが、でき得れば、私どもといたしましては、四十六年度から実施できるようなかっこうで検討いたしてまいりたいというふうに考えておりますけれども、いま申し上げたような点についての技術的検討が十分できませんので、またいろいろ問題も起ころうかと思いますので、そういう点について一生懸命いま検討いたしておるところでございます。
#48
○松井誠君 これでおしまいにしますけれども、そうしますと、養殖ワカメも漁業共済に入れるという方向で検討しておる、これは間違いないですね。
#49
○説明員(平松甲子夫君) いま先生のお話しのとおりでございます。
#50
○横川正市君 大臣に先に質問をいたしますが、実は、共済制度が、公務員共済とか農林共済とか、共済制度という制度があるわけですが、横の連係を非常に重視をして、実際上、共済制度の効率を高めることを望めない状態がこの漁業共済に非常に強いのではないか。たとえば火災保険ならば、危険度の高いものについては、掛け金が高くなってそして保険料あるいは共済金というものがそれぞれきめられておるわけですし、それから一般に危険度の低いものについては、保険料が安くて保険金がそれぞれきめられるというものになるわけですが、横の連係がとられる中でこの漁業関係というのは危険度が一番高いのに比べて、保険の支払い能力がそれに付随をしない、ことに沿岸関係の漁民の収入ですね。そういう状態にいながら共済制度が非常に強く望まれている、そういうことが零細な漁家なんかの場合には言えるのじゃないかと思うのですが、横の連係を見て均衡をとるということでなしに、漁家は漁家で特有な体質に見合った共済というものを考える必要がある。相互扶助という関係ではなしに、言ってみれば社会保障という関係のほうが強い色彩になるのじゃないだろうかと思うのですけれども、これは質問通告をしていないで、いま松井さんの質問から関連してお聞きするわけなんですが、憂慮すべきことである、しかし問題があるから検討をしたいということなんですが、その点はもう一歩突っ込んで、対応できるような共済制度をつくるという意思がないかどうか、まずお聞きいたしたいと思います。
#51
○国務大臣(福田赳夫君) これは私がお答えするのが適当であるかどうか、まあ共済制度の本体の問題ですから、あるいは農林大臣のほうが適当かと思いますが、私は、どうも、お聞きしますと、各省の共済制度に政府が助成を行なう、こういう関係で総合的に見ておるわけです。常に、共済制度につきましては、それらの制度間のバランスを考えなければならぬ立場にありますが、特に漁業共済につきましては農業共済との関連ですね、これを考えなければならぬわけであります。大体、今日の漁業共済は、農業共済とバランスがとれておる、これより悪いこともなし、また、よいこともないというような状態になっておるわけでありますが、先ほども申し上げましたように、この保険制度がどういうふうにこれから動いていくか、そういうような点をよく見まして、これが有効に働けるようにということは常時検討していってもらいたい、こういうふうに考えております。いま念頭にありますのは、漁業と農業を一体どういうふうにするか、こういう問題になっておりますので、ちょうど水産庁もおりますので、今後検討していただいてみたいと、かように考えております。
#52
○横川正市君 私は、松井さんのようにきのう行って実際を見て来たというわけではないので、ちょっと非現行になるのですが、沿岸の漁家の実態というものは、いま時分になれば、おおよそ収入源というものが、農業だけでなしに、兼業みたいな畑作だとかあるいは出かせぎだとかいうようなことが付随して出てくるのですが、冬季はほとんどそれがなくて、非常に遠距離を出かせぎに集中するというような状態を私どもずいぶん見せつけられて、それに対応するのにどうしたらいいかということをいろいろ相談にあずかったことがあるわけなんですが、そのときの北海道あたりの零細沿岸漁民の年収は、時期的にはちょっと先なんですが、十五、六万ですね。それで、一月、二月くらいの時期は、岩に打ちつけられるノリを零下何度というようなところで採取している。ほとんどそれが収入源になっているために、沿岸の漁家というのは、小学校にも行かないような子供が留守居をしながら、両親というのは相当長期に長距離の出かせぎに出ているという状態というものに私ども接触をして、もうたいへんな問題だと感じたことがあるわけなんです。いまそのとおりかどうかということは、ちょっと非現行になっているものですから、あまりこういう状態だからということは言えませんけれども、いまなおやはりそれと同じような状態でないかと思うのは、北海道の日本海の沿線というのはだんだん人口が激減していっておりますね。そういうことを考えながらそういうようなところで感ずるのは、共済制度があっても共済制度に加入することができないという問題が出てくるわけですよ。ところが、農村は、なんだかんだと言ってみても、それほど労働条件というものは劣悪じゃございませんし、それから共済制度に加入するにしても耕作反別の度合いによって加入するわけですから、収入その他から見ても掛け金がかけられないという状態でもない。いま大臣の言われるように、沿岸漁家とそれから農村とを横の線で見合って制度というものを考えるとすると、沿岸漁村というものはうんと条件というものは悪いような気がするわけです。共済制度、いわゆる相互扶助的なもので考えておったのでは、これは制度があっても加入ができないという結果になるのじゃないだろうか、こういうふうに思うわけで、この点は農林省になるのかどうかわかりませんですが、実際上共済制度は公務員の場合でもそれから一般の場合でも大蔵省が相当大きなウエートを持っているわけですから、そういう点で、ひとつ、対応できる、いわば沿岸漁家の皆さんが加入のできる、そうして共済としての役割りが十分果たされるような制度として発足をさせて、内容を改正する必要があるんじゃないだろうかというふうに思うわけなんですが、実際に担当している人たちは、沿岸漁村の収入その他から見て、共済制度をつくられた趣旨に従って有効に現在働いているとお考えになっているかどうかという点もあわせてお答えいただければ幸いだと思います。
#53
○説明員(平松甲子夫君) ただいま先生御指摘のように、沿岸漁家の中で兼業に依存するという漁家が非常に多うございまして、先ほど引例されました漁業白書でごらんいただきますと、沿岸漁家のうちで専業の漁家の割合は二一%、中でも無動力からミトン級でございますと二八・八%というような数字で、非常に低いというふうな状況でございます。先ほど北海道の沿岸漁民が激減しておると、こういうお話でございましたが、三十八年と四十三年と比べてみますと、二万九千戸が二万七千戸ということでございますので、二千戸ばかり五年間の間に減っているということでございますが、現在漁業共済の対象にいたしておりますのは、漁業を生業の中心とするというような階層を相手にしてまいるというようなことが基本になっておるのじゃないかと思いますが、兼業漁家の中にはかなり兼業のほうにウエートがかかった漁家がございまして、二種漁家が先ほど申し上げました表で申し上げますと総数で三〇%程度あるというような状況でございますし、そういう漁家の方は漁業収入のほかにあるいは農業であるとかその他の職業で所得をあげられるというようなことで、むしろ漁業に仕組まれておりますところの共済制度につきましてはいろいろめんどうな問題がございますし、あるいは事務費の掛け金等につきましては、そういうものを応分に負担しなければならないとかという問題もあろうかと思いますが、そういうようなこともいろいろ考慮の末あまり加入されないというのが実態ではなかろうかと思います。制度といたしましてそれをどういうふうに仕組んでまいるかということは非常にむずかしいと思いますけれども、私どもといたしましては、まず漁業を専業とするもの、それから漁業に依存することが五〇%以上と申しますか、生計費の半分以上というようなものを対象としてこの制度を仕組んでまいるということで仕組まなければ、制度自身としてはなかなかうまいぐあいにいかないのではないかというぐあいに考えております。
#54
○横川正市君 これは松井さんの質問の関連でお聞きをいたしたわけですが、それじゃ問題を変えて、この法律の出された根拠になっております漁船再保険及漁業共済保険特別会計法、昭和十二年法律第二十四号、この第三条ノ五によると、「決算上剰余ヲ生ジタルトキハ政令の定ムル所ニ依リ当該勘定ノ積立金トシテ之ヲ積立ツベシ」とあるわけですが、提出された法律案の一項には「歳入不足をうめるため、昭和四十五年度において、一般会計から、五億六千七百五十五万円を限り、この会計の漁業共済保険勘定に繰り入れることができる。」というふうに出ているわけですが、これは三条ノ五の改正なのですか、それとも、三条ノ五を読みかえてこれを根拠法規にして第一項というのが出てきたわけなんですか、この関係はどういうふうになっておりますか。
#55
○説明員(平松甲子夫君) 今回の法律は特別会計法の三条ノ五の三項の特別であるというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。
#56
○横川正市君 それでは、ちょっと立ち入って二、三御質問をいたしますが、四十三年度に海水の例年にない高温等のため全国的にノリ被害が異常に発生したということが一つの理由としてお金を一般会計から補てんをすることになっているわけなんです。この会計自体としては、たとえば漁船普通保険の関係としてはどういうふうになっておるかということ、それから漁船特殊保険の関係についてはどういうふうになっておるか、これは掛け金をかける人とそれから被害に伴って支出する内容等については今度は必要はないので説明されておりませんが、そのほうは一体どういうふうな関係になっておるか、お聞きしたいと思います。
#57
○説明員(平松甲子夫君) 御承知のとおり、この特別会計には、漁船普通保険勘定と漁船特殊保険勘定と漁船乗組員給与保険勘定と、いまごらんいただいております漁業共済保険勘定とに分かれているわけでございますが、このおのおのにつきまして区分して経理するということになっておりますので、勘定間の差し繰りというものは行なわれないわけでございます。で、漁業共済保険勘定以外の三勘定につきましては、それぞれ黒字を生じておるという状況でございます。
#58
○横川正市君 漁船普通保険とか漁船特殊保険の場合の加入条件といいますか、これと、それから今度の場合の漁業共済保険の加入条件とは、これは別個にそれぞれ契約をし加入するわけですか、一つに加入していれば全体に加入したことになるわけですか。
#59
○説明員(平松甲子夫君) もともと漁船保険と漁業共済保険とは全然別個の観点から仕組まれた制度でございまして、漁船保険は漁船保険、漁業共済は漁業共済とおのおの別個に加入をいたすような仕組みになっております。
#60
○横川正市君 実は、一つの制度が赤字だからそれに金を入れる、そのほかが黒字だからそれはいいんだという、いわば縦の契約になっている。そういうのは、実は保険のあり方からすれば少しおかしいのじゃないでしょうか。たとえば黒字が出たとか赤字が出たとかいうことが総合的に運用されれば経営としては成り立っているというふうに見るのがほんとうなんじゃないかと思うわけなんですが、組み立て方、構造としては、どうしてこう縦割りになっているわけですか。
#61
○説明員(平松甲子夫君) 本来、この勘定別に区分いたしておりますのは、特別会計おのおのを別にすべき性質のものだ、同じ特別会計の中に入っておりましてもその勘定相互間の共通勘定というものはいたさないということでございまして、ただ、事務簡素化と申しますか、そういう観点から、一つの漁業に関係した保険ということで特別会計を一本にしておるということだけでございますので、もともと保険の仕組みからいたしますと、漁船のほうで仕組みます仕組み方と、漁業共済のほうで仕組みます仕組み方とは全然違います、長期均衡という観点で申しますと、船のほうの長期均衡とあるいは漁獲物なり養殖なりについて仕組まれる長期均衡というものは全然別個の観点でございますから、両方共通で考えるということ自身共済制度としてはおかしい仕組みになるのじゃないかというふうに私どもは考えております。
#62
○横川正市君 一つの掛け金をかけて、それに保険金というものを算出して、そうして総合的に経営ができ上がっている場合は、たとえば自動車保険などは、相手にけがをさせたときでも、自分がけがをしたときでも、車をいためたときでもいためられたときでも、一つの保険の中に仕組まれて、そうして黒字になる場合もあるし赤字になる場合もある。しかし、総合的にある程度運用ができればいい、こういうのが保険の一つの仕組みだろうと思うわけなんですが、この漁業共済はかりに別にしても、漁船普通保険と漁船特殊保険、それから漁船乗組員給与保険というんですか特殊なものがありますね、拿捕とか、思わぬ、災害とは別個な危険負担がありますけれども、大体私はあとで聞きたいんですが、ノリ関係というものは将来一体これで共済制度が成り立つかどうかという点を聞きたいと思うんですけれども、どうも採算が合わなさそうだというようなことで共済制度自体がこわれてしまう。あくまでも一般会計から赤字になれば幾らでも繰り入れますよというかっこうのものならば、これは共済ではない、こう思うわけですね。共済として成り立っていくとすれば、やはり成り立つような構造に変えていく必要が出てくるわけなんですが、そういう点から考えてみて、黒字のものは黒字で置いておいて、そうして赤字になれば赤字のものだけは一般会計から繰り入れていくんだという考え方での制度というのは少しおかしいんじゃないかというように思っているわけなんですけれども、いま言われたようにそれが非常にいわば別個にするほうが合理的だということで組み立てられたということですから、それはそれなりにお聞きをいたしておきますけれども、そうすると、ノリ関係の共済制度というのは、先ほどちょっと松井さんへの答弁では、長期に見ていきますと大体採算が合うだろう、こういう考え方でやられているようですが、それは具体的には資料や何かではどういうようになって、たとえば暖冬なんというのは、何年かに一回は海流が温度を下げてくるというんですか、そういう時期があって、それが一般に影響される。しかし、だんだん海水の温度が高まってきているという状態、魚の浮遊状態を見てもだんだん海温が高くなってきているというようなことが言われておるわけなんですが、それは統計的に見ると高まっているが、ノリの生産には別に問題がなくて、ノリ生産とすれば、四十三年度のような高温というのは異例で、実際上は平年度は普通のノリ生産に適温の状態が保たれると、こういうように見ておるわけなんでしょうか、その点はどうでしょうか。
#63
○説明員(平松甲子夫君) 共済制度の仕組みといたしまして、過去何年間かの被害率によりまして掛け金を計算するということでやっておるわけでございますから、先生御指摘の長期的な傾向というものはその計算の中に当然入っておるものだというふうに私どもは承知をいたしておるわけでございます。ノリについて申し上げますと、四十三養殖年度は確かに異常高温ということで病害が出たためにこういう災害を受けたわけでございますが、四十四年度について申しますと史上空前の豊作ということでございまして、傾向的に海温が上昇しておるためにノリが災害を受けやすい傾向になっておるということは言えないのではないかというように私どもは考えております。
#64
○横川正市君 この機構上の関係をちょっとお聞きをいたしたいと思うのですが、加入漁業者という人たちですね、加入のできる資格要件のある人たちなんですが、これは総括的にはどういうふうに把握をいたしておりましょうか。
#65
○説明員(平松甲子夫君) 個人と法人とあるわけでございますが、個人につきましては、「漁業に従事している者」ということで全部包含しておるということでございます。
#66
○横川正市君 これは全部加入できる資格を持っている人たちはそういう意味合いで規定しておられるのだろうと思うのですが、その場合には生産者としてこれに加盟をしている者としていない者との数はどういうふうに分かれているのですか。全部加入させているわけですか。
#67
○説明員(平松甲子夫君) 正確な数字を持ち合わせておりませんので、断定的には申し上げかねますが、漁業を営む個人ということで申し上げますと、共済の種類によって異なりますけれども、ノリ養殖についてはほとんど全部と言っていいほど加入していただいておる。それから加入率が低いというほうで申し上げますと、真珠であるとかカキであるとかいうようなことになりますと、加入の率は非常に低いということでございます。
#68
○横川正市君 それから漁業共済と連合会の機構とそれから役員はどういうふうになっているのですか。
#69
○説明員(平松甲子夫君) 漁業共済組合は大体都道府県単位に存在いたしておりまして三十八ほどあるわけでございますが、漁協が出資をいたしまして共済組合ができておる、その共済組合が出資をいたしまして連合会ができておるということでございます。通常のこういうふうな漁業者なり農業者なりの団体と同じように定款の定めるところにより総会で選挙を行ないまして役員をきめるということでございますが、法律上は、理事五人以上、監事二人以上ということで規定されておるわけでございます。
#70
○横川正市君 給与とかなんとかそういうようなものは、その理事会できめられたものを支給するわけですか。
#71
○説明員(平松甲子夫君) 各組合なり連合会なりはおそらく給与規程的なものを持っておると思いますが、そういう規程に従ってこれを支払っているものだと考えます。
#72
○横川正市君 それからこの漁業共済基金の運用については、どういう仕組みで運用されているのでしょうか。
#73
○説明員(平松甲子夫君) 漁業共済基金は、御承知のとおり、漁業共済制度を運営してまいります際に、漁業共済組合連合会なりあるいは漁業共済組合が運営資金が不足した場合に、そういうことによりまして組合なりあるいは連合会が漁民に支払う金が足りないということがございますと、共済制度の円滑な運営が期待できないということで、そういう際に基金から連合会なりあるいは共済組合に金を貸し出しまして漁民に対する共済金の支払いに支障なからしめるということで設立されたものでございまして、現在、漁業共済基金から四十四年度末でございましたか、たしか六億強の貸し付けをいたしておるという状況でございます。
#74
○横川正市君 この流通関係でお聞きをいたしますが、生産者から消費者までの段階別に分けますと、庭先売りは別にして、共販、それから第一次問屋、第二次問屋、加工業者――まあ問屋の分に入るわけですが、それから小売り店というふうに行くわけですけれども、ちょっと資料としていただいた分を見ますと、四十年度の十枚当たりの生産者価格というのが百十八円、これに対して小売り価格が百五十八円で、これは生産から小売りまでの中間の費用は、計算上でいきますと四十円、それから四十一年は、小売り価格が百六十三円に対して生産者価格は百十三円で、中間の費用が五十円、四十二年度は、百八十円の小売り価格に対して生産が百六十二円、これは十八円、それから四十三年は小売り価格が二百二十三円で生産が百六十円で、中間の費用が六十三円、こういうふうに大体四十円から六十円くらいのところなんですが、四十四年に入って生産者価格が百四十四円に対して小売り価格が二百七十五円で、中間の費用が百三十一円、これが四十四年の十月から四十五年の四月までになりますと、最近は少し値下がりをしておるわけですけれども、中間の費用が非常に高まってきているわけですが、これはどういう関係なんでしょうか。ノリの価格の動向として少し激しい変わり方をしているのじゃないかと思うわけなんですけれども、その内容はどういうものでしょうか。
#75
○説明員(平松甲子夫君) これは私どもが差し上げました資料がちょっと説明不十分でございまして、四十年の生産者価格に相当する小売り価格は、四十一年の欄をごらんいただくと、つまり四十年の十二月ころから四十一年の三月くらいまでに生産されましたものは四十一年に小売りされるわけでございまして、四十一年の小売り価格をごらんいただくということでございますので、一年ずつずれてごらんいただきます。そういたしますと、そう大きな流通段階での差というものはないというふうにごらんいただけるかと思いますが、そういうふうなことでございまして、大体私どもが考えておりますのは、小売り価格に対する生産者の手取りの比率というのは六割から六割五分程度ではなかろうかというふうに考えております。
#76
○鈴木一弘君 大臣に一つだけ伺っておきたいのですが、例の共済の問題でございますが、ことし浜名湖でウナギが非常に死んだわけであります。しかし、なぜこれが共済の対象になっていないかいろいろ事情を聞いてみますと、ハマチのようなものであれば、仕込んでから出すまで何匹とわかっているので、流失した場合あるいは死亡した場合に共済の対象になるけれども、ウナギのような場合には毎日仕込むので、これははっきりとどのくらいと押えられないということが一つの大きな原因になっておる。しかし、実際にあがっておるものを見れば相当な量で、これははっきりわかっておるわけであります。そういうように、うまくつかまえられないから適用できないというのじゃなく、私は一括して何か考える方法をとられるのが政治のあり方としては当然じゃないかということを考えるわけなんですが、マグロの養殖等も始まりつつありますので、そういう点についても共済の制度のあり方自体についてはっきりとしたものをお立てになる必要があるのじゃないかと思うのですが、その点についてお伺いしておきたい。
#77
○国務大臣(福田赳夫君) 私、ウナギのことはあまり詳しくございませんので、まことに申しわけないのですけれども、水産庁のほうから御説明をしたい、こういうことであります。お聞き取り願います。
#78
○説明員(平松甲子夫君) ウナギにつきましては、ウナギの養殖形態が、海面養殖業と違いまして、多くの養殖事業者が同一の水域で集団的に営まれるという形態でないということが一つと、それから漁業協同組合との結びつきがわりに弱いというようなことがございまして、さらに、技術的な問題といたしましては、共済の対象になります養殖数量をどうやって把握するか、池の中にどのくらいウナギが入っているかわからないというようなことがございますし、適宜池から抜いてウナギを売っていくということでございますので、全体的にどの程度出荷したのか、損害数量はどういう程度のものになるかというようなことがわからないというようなことでございまして、私どもとしては、制度発足当時はウナギを養殖共済の対象にしなかったわけでございます。先生御指摘のように、昨年から、養殖ウナギについて相当被害が発生いたしましたために、ウナギを養殖共済の対象にしてほしいという要望が出ておるわけでございますが、この点につきましては、いま申し上げましたような技術的な難点が致命的になりそうな感じがいたしますので、いましばらく検討さしていただきたいというふうに思います。
#79
○横川正市君 どうも、やみくもにウナギの話が出たのですが、(笑声)漁家の共済加入のいわば掛け金の算出の問題なんですが、ノリひび一柵当たりの平均生産額を一万三千円程度に見られているというのは、これはどういう計算の根拠になっているわけですか。漁家二戸当たりの平均柵数が五十五柵ぐらいだということはわかるわけですが、これは非常にいろいろな変動をしているわけですが、どのくらいな平均をとって一万三千円というふうにきめたものでしょうか。
#80
○説明員(平松甲子夫君) 先生のお手元に差し上げております一万三千円という数字は、四十三養殖年度におけるノリの生産者の売り上げ総額を柵数で割りまして推定いたした数字が一万三千円という数字で、したがって、一万三千円になるであろうという推定でございます。共済の対象になる共済金額につきましては、一柵当たり五千円ということで仕組んでおるわけでございますが、これはノリの養殖についての経費をまかなう、つまり再生産を確保するという意味においては、経費を支弁し得るような金額であればいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#81
○横川正市君 実は私のちょっと聞きたいポイントは、共済制度ですから、不作、豊作で変動があって、何年か平均をとれば採算が合えばいい、こういう考え方に立っていることは私は間違いではないと思うのだけれども、ただ、ノリの最近の状況を市場で見ている限り、値段というのは非常に大きな変動を来たすわけです。ですから、それは値段の変動というのはどこに原因があるのかということが一つあるわけです。それから同時に、生産者が再生産のために共済に加入をしているとしても、掛け金が一体妥当か妥当でないかという点が一つあるんじゃないか。そういう点から、実際上の内容を見てみますと、普通一柵当たりの標準的共済価額五千円が再生産費として一つの基準だと。それに対して七・六%掛けて共済掛け金の三百八十円というのを出しているわけですね。この七.六%というものは、これは他の共済とのつり合いですか、それとも、独自な計算によるわけですか。
#82
○説明員(平松甲子夫君) 御質問は二点あったと思いますが、ノリの価格でございますが、ノリの価格はやはりノリの需給関係によってきまるということでございまして、四十三養殖年度のノリにつきましては、三十億枚を割るという空前の不作でございましたので、異常の高値を呼んだ。それから四十四養殖年度産のノリにつきましては、五十五億枚をこえるであろうという豊作でございますので、漸次価格が低落しているということでございますので、価格は需給関係によってきまるということに私どもは考えております。
 それから掛け金率の七・六%でございますが、これにつきましては横並びを見るというわけではございませんで、過去の被害率を計算いたしまして、それから算定いたした数字でございます。
#83
○横川正市君 この三百八十円というのは、そうすると、掛け金としては、共済の再生産費の最低を求めるのに必要な掛け金として逆算をしたものではないわけですか。
#84
○説明員(平松甲子夫君) 先生御承知だと思いますが、共済の仕組みといたしましては、共済の掛け金を支払っていただいて、事故が起こりました際に共済金を支払うということになっておりまして、長期で見た場合には共済掛け金による収入と共済金支払いによる支出とが均衡するという仕組みでございますから、過去の被害率で計算いたしました七・六%の三百八十円に柵数を掛けたもので共済金をいただいておれば、そういうことでいただいた共済掛け金で共済金が支払えるという仕組みになっているわけでございます。
#85
○横川正市君 そうすると、掛け金の算定は、たとえば被害率が平均幾らということで、その掛けられた被害率によって出された金額だけれども、将来は、もしこの被害が多くなれば掛け金は高くなるし、それから被害が少なくてノリの生産が順調であればこれは安くなると、こういうふうに変動されるものと考えていいわけですか。
#86
○説明員(平松甲子夫君) 危険率と申しますか、被害率と申しますか、こういうものは年によって変動をいたしておりますが、ノリの養殖につきましては、歴史は古うございますけれども、最近大いに技術革新が行なわれておりまして、漸次被害の発生する率は低くなってまいるのではないかというふうに考えておりますが、何ぶん天候海況が非常に大きな支配力を持つわけでございますから、やはり年によって変動がある、そういうようなことでございますと相当長期間をとるということでございますけれども、制度が発足いたしましてまだ十年前後でございますので、そのとり方につきましても多少制約があるということで、あるいは将来被害率が高まるというふうなことがございますと、原則としては先生がおっしゃるような形で掛け金がふえる。その掛け金の中には国庫補助と漁家負担というものがございますから、非常に漁家負担が高まるという場合には、過去にも前例がございますように、国庫負担率がある程度上がるということも考え得ようかと思いますけれども、そういうようなかっこうのものは相当あるのではなかろうかというふうに考えております。
#87
○横川正市君 この掛け金の比率は、国とそれから加入者とで半分ずつになるわけですか。
#88
○説明員(平松甲子夫君) この共済の仕組みは非常にこまかくなっておりまして、経営規模がどの程度であるかということによって国庫負担率が相違しておると。ノリのひびのことを一柵と申しますけれども、百柵未満の漁家に対しましては国庫負担率が六〇%、三百柵以上五百柵未満の漁家については四分の一というふうに間差がございまして、そういうものを平均いたしまして四割強ということを申し上げたわけでございます。
#89
○横川正市君 普通の共済組合の掛け金の計算とはだいぶ違うわけですね。普通の共済ですと、一五%なら一五%やって、あとは折半になるわけですね、掛け金が。そうすると、その掛け金の率については、農業共済と同じにしたわけですか。
#90
○説明員(平松甲子夫君) これは、過去の被害率をとりまして、その被害が発生した場合に共済掛け金で共済金が支払えるという仕組みでございますから、掛け金率につきましては、ものの考え方といいますか、算出の仕方といいますか、そういう点については農業共済と共通の原理を使っておりますけれども、具体的な被害率ということになりますと、農業共済とは全然違ったデータを使っておるということでございます。
#91
○横川正市君 どうも、しろうとで、あちらこちら飛びますが、私はやはり一番問題なのは農業とそれから漁業と同じような横の関連性で共済制度をしくことはちょっと妥当じゃないのじゃないだろうかという点を考えておりますので、それから見て一体どうかということをお聞きをいたしておるわけですが、大体あちらこちら少しわかったような気がいたしますが、そこで、さっきの質問にちょっと戻りますが、私の渡された資料によりますと、一年あとがそれぞれ生産と小売りの価格になるということになりますと、四十三年小売り価格二百二十三円の場合は、生産者価格が百四十四円ということになるわけですか。
#92
○説明員(平松甲子夫君) 四十三年の百六十円が四十四年で二百七十五円ということになるわけでございます。
#93
○横川正市君 百六十円が二百七十五円になるわけですね。
#94
○説明員(平松甲子夫君) この点につきましては、先生非常に御不審もあろうかと思いますが、この共販価格と申しますのは十一月ごろにノリが出始めまして、三月から四月くらいまでノリが生産されるわけで、その生産されるに応じて漁業協同組合の共販が行なわれるわけでございまして、ノリの通例といたしまして、大体、最初のノリは高くて、あとのノリは品質が悪くなるからそのかわり安くなるという傾向を持つわけでございますが、四十三養殖年度につきましては、当初わりあいに豊作見込みであったところが、その後になりまして二月、三月ころになりまして非常に不作であるということが判明してきたということでございますので、四十三年度は、この百六十円という価格は、十二月ごろのわりあい最初に出ましたノリが安値であったということからこういう価格になっておりまして、四十四年の小売り価格が上がっておりますのは、その後非常に品不足でありましたために小売り価格が上がったという実情でございます。
#95
○横川正市君 いま、四十五年の一月が三百三十七円、二月が三百円、三月が二百七十四円、四月が二百七十二円、大体どの辺のところへ落ち着きそうなんですか、ことしは。
#96
○説明員(平松甲子夫君) ノリにつきましては、先生も御承知かと思いますが、日本橋あたりのノリの名店でごらんになります漆黒色のノリから、ことし非常にすそものが多かったといわれております白茶けた、あるいは緑色をしたノリまで、ピンからキリまでございまして、この総理府の統計に出ておりますノリは、黒ノリの中級の上ということになっております。こういうふうな黒ノリの中級の上という品物は、大半十二月から一月くらいまでに生産されたものということでございますので、この価格は私どもことしの豊作からいたしますともう少し下がるのではないかというふうに予測しておりましたけれども、四月で二百七十二円という数字でございます。一般の方々がおあがりになるノリということでございますと、最近は二百円から百円の間のノリが相当市場に出回っておる、これは総理府の統計の外で、通常の小売り店でも売られておりますけれども、小売り店以外に、あるいは魚屋さんであるとか、あるいは普通の食料品店であるとか、そういうようなところで売られておるというような実情でございまして、この統計の数字とは多少乖離したような状況ではないかというように考えております。
#97
○横川正市君 ノリの需要というものは、一体どの程度のものなのか。五十五億枚というような豊作ということは、需要の面から見れば相当オーバーなのか、それとも、需要というのは価格が安ければいくらでも伸びるというようなものなのか、どういう見方をしているわけでしょうか。
#98
○説明員(平松甲子夫君) 先生御指摘のように、ノリにつきましては、生活必需品というよりは、嗜好品という色彩が強うございますので、価格に応じて需要の数量が変わってくるというようなことであろうと思います。ノリにつきましては、日本と韓国だけが世界で生産するというような状況でございまして、当該年に生産されたものは当該年に国内で輸入物と合わせて消費されるということで、その需給の関係は価格で調整されておるというのが実態であろうというふうに私どもは考えております。
#99
○横川正市君 そうすると、供給能力が高まって事実上は価格が下がらないというのは、嗜好品ではなくして必需品化されていく傾向というものがノリにはあるのだと、こういうふうに見られるわけですね。その点はどうですか。
#100
○説明員(平松甲子夫君) 先生のお手元に差し上げております資料をごらんいただきましても、昨年の十一月に三百六十七円であったものが、ことしの四月には二百七十二円と、これは黒ノリの中級の上で、最上の部類に属するものがそういう価格の傾向をたどっており、この数字のほかに、百円、二百円という価格のものが最近小売り店に相当並んでおるということからいたしますと、やはり供給数量がふえれば価格は下がるという性格のものであろうというふうに考えております。ただ、最近、国民の所得水準が上がってまいりますにつれて嗜好がだんだん高級化してくるということから、需要がかなり強まってきておるということは事実であろうと思います。
#101
○横川正市君 韓国ノリの関係なんですが、これは国内のノリ価格のいわば値上がりをある程度調整するための役割りという面では韓国ノリというのはどういう役割りを果たしてきているのですか。
#102
○説明員(平松甲子夫君) 四十三養殖年度は非常に凶作でございましたが、その際、韓国ノリについて四億八千万枚の割り当てをいたしましたところ、韓国ノリも不作でございましたために、三億七千七百万枚という数量が輸入された。その数量が輸入されなかった状態というものが実現しないわけでございますから、比較はできませんけれども、その数字がなかったという状態に比べますと、かなり需給調節には役に立ったのではないかというふうに私どもは考えております。
#103
○横川正市君 そうすると、ことしは、日本が豊作、韓国も豊作ということなんですが、ことしのような場合は、政策的にといいますか、足りないときに売ってもらうという関係がいわば商売の道筋といいますか、ことしの場合でも相当な輸入をするということになりますか。
#104
○説明員(平松甲子夫君) 確かに、需給という点から申しますと、ことしの四十四養殖年度の生産は五十五億枚くらいであろうと想像されておりまして、過去の国内生産と輸入量を合わせましたいずれの年の供給数量よりも多いという状況でございますから、輸入の必要はないという見方も成り立とうかと思います。ただ、韓国ノリにつきましては、日韓の庁貿易是正、あるいは日韓の友好増進という観点からいままでノリの貿易が行なわれてきておるということもございまして、そういう要素を加味しながら韓国ノリの輸入には当たるべぎではないかということで考えておるわけでございます。
#105
○横川正市君 そうすると、ことしもある程度の韓国ノリは入ってくると見ていいわけですね。
#106
○説明員(平松甲子夫君) 韓国ノリの輸入につきましては、三月の九日から十二日まで、どの程度輸入するかということについて交渉をいたしたわけでございますが、双方の数量が折り合いませんために、いまだ成約に至っておりませんが、ある程度の輸入は過去の経緯にかんがみましても考えざるを得ないのではないかというふうに考えております。
#107
○横川正市君 そうすると、そのことが、ある程度――まあ量からいきますと一割に満たないくらいな輸入量ですね、平年で。ですから、それほど影響力がかりにないというふうに言えるかもしれませんが、日本の豊作とされていることしあたり、値くずれとかそういったことがこのことによって影響は全然受けないというふうにお考えになりますか。
#108
○説明員(平松甲子夫君) 値くずれが一番心配になりますのは、生産者の手元に製品がございまして、それが輸入することによって買いたたかれるという状態がわれわれとしては一番心配なわけでございますが、その点につきましては、もう大半は生産者の手を離れておるということでございまして、あとは流通段階に商品がとどまっておる。で、その流通段階に商品がとどまっておる段階で、韓国ノリをどの程度輸入するかは別としまして、輸入しました際にどういう影響があるかということでございますが、ことしの供給総量からいたしますと、商品の数量ではそう大きな影響はないのではないかというふうに考えております。ただ、韓国ノリを輸入いたしますと、まあ五十五億枚程度のものは相当の供給量であると考えておりますから、翌年の新ノリの生産の段階で持ち越しがかなりふえるということになりますと、生産者にある程度の影響を与えるということもあろうかと思いますので、その点については配慮してまいりたいというふうに考えております。
#109
○横川正市君 輸入ノリの場合の経路なんですが、韓国ノリの輸出組合というのから日本海苔輸入組合、そのあとに社団法人海苔協会というのがあるわけなんですが、この日本海苔輸入組合と社団法人海苔協会というのはどんな関係になっておりますか。
#110
○説明員(平松甲子夫君) 御承知のとおり、社団法人海苔協会といいますのは、生産者の団体と問屋さんの団体と加工屋さんの団体の代表が、韓国ノリの従来のこの協会ができますまでのいろいろないきさつから考えまして、一元的に輸入をするということが賢明であろうというふうに判断をして、水産庁も指導いたしまして、海苔協会というものをつくりまして、ここで一元的に輸入をするということにいたしたわけでございます。その輸入の代行機関と申しますか、商社的な役割り、輸入商社というものの組合が日本海苔輸入組合ということでございます。海苔協会の代行者ということで輸入のもろもろの手続をするというのが日本海苔輸入組合のメンバーの商社の役割りでございます。
#111
○横川正市君 日本国内ノリの場合、第一次問屋、第二次問屋と機構の中に分かれているわけですが、これはどういう役割りをしておるのでしょうか。加工業者の場合も一応問屋としての役割りをしているようなんですが、これは取り扱いのあれが一つ一つふえればふえるほどここで幾らかずつのマージンというものを取るわけでしょう。ですから、第一次、第二次というふうに分かれ、あるいは加工業者が問屋の役割りを果たしているという、その機構というのは、どういうふうになっているのですか。
#112
○説明員(平松甲子夫君) ノリの流通機構は自然発生的にできたものでございまして、人為的にこしらえ出したものではございませんので、画然としたものは申し上げかねるわけでございますけれども、一次問屋と申しますのは、生産者の団体が共販をいたしておりますが、生産者の団体の共販、あるいは生産者の庭先から品物を仕入れてくる問屋さん、これを一次問屋と言っているわけでございます。そういう一次問屋が直接小売りに売る場合もございますし、また、二次問屋と申しまして、たとえば一次問屋で何億枚というような品物をそろえるということでございますと、それを全部さばくというわけにはまいりませんので、二次問屋で小分けをいたしまして、その中の何百万枚かを二次問屋で売る。あるいは、二次問屋は、自分で何百万枚かは扱うけれども、生産者のほうに直接出かけるだけの足を持たない。そういう関係で、一次問屋と二次問屋は、おのおの相互扶助と申しますか、お互いの役割りに依存しながら流通の役目を果たしている。それから加工業者につきましては、もともと加工業者は問屋が品物をさばく方便として加工に手をつけたということから、加工業者が問屋をかねていることが多い、こういうことであろうと私は考えております。
#113
○横川正市君 ですから、あまり値段の開きはないようだと言われているわけですけれども、たとえば百六十円の生産価格で二百七十五円、これは平均ではないようですが、百十五円ばかりの中間的なものが費用としてかかっているわけなんで、これはノリの十枚ですよね、ちいちゃな。あの十枚に中間が百円以上もかかるというのは、これはかかり過ぎなんじゃないですか。
#114
○説明員(平松甲子夫君) 先ほども御説明いたしましたが、生産地の価格と申しますのは、小売りの標準にとっております黒ノリの中級の上から下物まで全部を平均した価格でございます。それから小売り価格というのは、総理府が一定の規格をとって計算をしなければ価格の推移がわからないということで、黒ノリの中級の上という固定的なものを扱っているわけでございますから、その間の数字を直接比較していただきますと、多少誤解が出てくるのではないかというふうに考えます。ことに、四十三養殖年度は非常に不作ということでございましたので、品質はかなり落ちておったと。そういう落ちたものの平均が百六十円という数字である。それから、先ほども申し上げましたように、あとになりまして数量が非常に不足したということがございまして、需給の関係で価格が多少小売りのところで上がっているということもあろうと思います。
#115
○横川正市君 ひび一柵の生産が一万円ちょっとで、しかもそれに共済掛け金をかけて、大体再生産に見合う金が五千円ぐらいでかけて生産をされたところの価格と、それから中間の価格と、小売りの価格とを見て、ノリの場合には何か機構的に、他の商品でも同じかもしれませんが、中間が少し高過ぎるのじゃないかという気がするわけですが、これは嗜好品か必要品かということでもずいぶん大きな違いが出てくるわけですけれども、必需品という見方をすれば、もう少しノリ価格を構成しているものを追跡調査等をして、食ぜんに対してもっと低廉ないいノリを提供する必要があるのではないかというふうに思いますが、どうですか、その点は。
#116
○説明員(平松甲子夫君) ノリの性格論につきましては、先ほど申し上げましたように、基本的には嗜好食品であるというふうに考えておりますけれども、食生活が高度化するにつれまして、ノリを食べる割合と申しますか、そういうものがふえてきているという意味におきましては、漸次われわれが考慮を払うことが必要になってきているというものであろうと思います。私どもが追跡調査をやってみました経緯からいたしますと、先ほど申し上げましたように、小売り価格に対して生産者の手取りは六割から六割五分程度のものではないかというふうに考えております。
 ただ、ノリの流通段階における問屋の役割りということにつきましては、皆さん方は、ただ品物を動かすということだけでそれだけのマージンをというふうにお考えになろうかと思いますが、共販の段階でせり落としましたノリを、小さく十枚ずつに包みまして箱に入れまして、それを運搬いたしまして、これが三月ぐらいまでに生産されたものでございますから六月のつゆを越しますまでには必ず火入れと称して湿気を抜くという過程が必要になりまして、その間に購入したものを一年かかって売るということでございますから、そういう加工の経費――加工と申しますのは、火入れをして湿気を抜く、それから貯蔵、保管、金利というものが含まれておるということでございまして、通常の場合の品物をただ取り扱うだけということではないということを御承知願いたいと思います。
#117
○横川正市君 私は、普通のあれからいきますと、ノリというのは、嗜好品ではなしに必需品になっているのじゃないかというように思いますが、嗜好品として取り扱われている場合とそれから必需品の場合では、いくらか取り扱いにも考え方にも違った面が出てくるのじゃないかというふうに思います。それからノリについては、やはり市場が相当高値だということが一般的な感じとして受けているわけですね。だから、それは食っても食わなくてもいいんだから、高ければ食わなくてもいいということになれば別ですけれども、普通必需品化している場合には、やはり高値であるという点については対策が必要だということになろうかと思いますので、そういうことから担当の部門でも相当考慮していいのじゃないだろうかというようにも思っております。
 どうも、少し勉強不足で、要点がぼけたようですけれども、要は、生産者の立場の者が共済制度の中で相互扶助をしているということは、一般の公務員の相互扶助とか農民年金のような相互扶助とだいぶん違うのじゃないだろうかと、その違いを実はきょうは質疑の中で明らかにしたいと思っておりましたけれども、どうも中途半端になったような気がいたします。ただ、大蔵大臣も言っておりますように、検討する要素というのは多くあるというふうに考えられている点を、ぜひひとつあなたのほうでも十分検討していただきたいと、かように思います。
 私はこれで終わります。
#118
○鈴木一弘君 一つ二つお伺いしておきたいのですが、一つは具体的な例で伺いたいんですが、公害に関する場合には発生源がはっきりしていないときは共済の対象になっておりますが、問題は、小田原から西側の真鶴の辺にかけましてブリ網が非常にあるわけでありますが、あそこに高速道路ができてから、光が強くてだんだん沖へ持っていかなきゃならなくなってきている、そういうような公害ですね、この場合ははっきりしているようなはっきりしないような公害になっておりますが、あれはどういうような具体的な処置といいますか共済がされたのか、その例を伺いたいと思います。
#119
○説明員(平松甲子夫君) 現在の漁業共済制度の中では、第三者である加害者が明らかである場合には共済の事故として取り扱わないという考え方に立っておりますので、たとえばだれかがやってきてノリのひびをぶちこわしたということのために事故が発生したという場合には、共済金は支払いはしない。しかし、かわりに漁業者はそういう加害者に対して損害賠償の請求をするということで足りるのではないかというように考えております。ただ、先生いま御指摘のように、自動車の光というものでございますと、加害者は不特定多数になるということでございまして、そういう場合に第三者から損害賠償の請求ができるかどうかという点については問題があろうと思います。ただ、その点につきまして、漁獲共済については、過去の一定年間の漁獲金額に対しまして共済期間中の漁獲高がどうだというふうな考え方に立っておりますから、いま御設例のような例になりますと、多少どちらのほうに属するかという問題はあろうかと思います。
#120
○鈴木一弘君 これは具体的にあそこにブリの定置網がずっとありますけれども、これについての共済ですね、非常に光がチラチラするということから、漁獲ががたっと減ったということは御承知のとおりだと思いますが、適用された実績はどうなんでしょうか、それがわかりましたら伺いたいんですが。
#121
○説明員(平松甲子夫君) 私ども光の害によってどの程度ブリが減ったかということについてデータを持ち合わせませんので、それがどういうふうな処理をされたかということについてお話を申し上げることができないわけでございますけれども、ただ、いま申し上げましたような漁獲共済につきましては、過去の一定期間の漁獲金額に対して共済期間中の漁獲の金額がどうかという比較をいたしておりますので、その意味からいたしますと、そういう際に漁獲の金額が減っておれば差額として出てきておるのではないかというふうに考えられますけれども、それは光の結果で減ったのか、それともほかのことで減ったのかということは私ども断定いたしかねますので、いずれとも断定いたしかねるというふうなことでございます。
#122
○鈴木一弘君 これは、ブリだけじゃなくて、その他にアジとかいろいろなものがあるのでございますけれども、地元漁民に聞けば、高速道路ができて光か間断なく――一定じゃないわけです、年じゅうチラチラするということで沿岸からだんだん沖合いへ逃げていくということははっきりしております。あそこの高速道路ができてから以後、損害といいますか漁獲高が減っているということは、御存じのとおりだと思います。そういう場合において、それが原因なのか何が原因なのかわからない、原因がまるっきり不明であるというような場合もあるかもしれませんけれども、具体的な例は現在自分は持ち合わせておりませんが、あそこの場合、はたして共済が適用になったものか、なっていないものなのか、その具体的な資料というものをもらいたい。それでまた質問を続けたいと思います。
#123
○説明員(平松甲子夫君) 私が申し上げましたのは、過去の一定期間の漁獲高に比べまして共済の対象になっておる期間の漁獲高が減っておるかどうか、もし減っておりますならば、その減っておるものを共済事故として共済金を支払うということでございますから、漁獲高が減ったものについての取り扱いということでございますと、共済の対象として取り扱ったということになると思います。ただ、その場合、減ったのが光によって減ったのかどうかということについては、私ども断定いたしかねますので、光によって減ったものだということをお答え申し上げる自由を持たないということを申し上げたわけでございます。
#124
○鈴木一弘君 実際適用されたのなら、されたで、漁獲高が減ったということになったらなったでけっこうですから、その資料をいただきたい、具体的な。
 それからいま一つ伺いたいのは、先ほどノリの問題について嗜好品である云々であるという話がありましたけれども、それじゃ、はっきり申し上げて、嗜好品なのか生活必需品なのか、生活必需品の部類が私どもは強いと思っておったのですが、水産庁で分けておる嗜好品の部類とそれから生活必需品の部類とどう違っているのか、それを品目別にわかったら言っていただきたいと思います。
#125
○説明員(平松甲子夫君) 生活必需品と嗜好品との分類というのは非常にむずかしゅうございまして、たとえば終戦後のような困窮状態における生活必需品と、今日みたいにわりあいにものが豊かになってまいりましたときの生活必需品というものを比べますと、たとえばテレビが生活必需品といわれておりますけれども、終戦当時は生活必需品と考えた人はどなたもおいでにならなかったということで、現在の段階で生活必需品であるかどうかということでお尋ねがございますと、私どもとしては生活が高度化したために嗜好品としての性格にもある程度変更を来たしたのではないかということを御答弁申し上げたのでございますが、そういうふうに考えております。
#126
○鈴木一弘君 じゃ、ノリは嗜好品であると。ワカメはどっちに入るんですか、具体的に聞いてみたいと思います。
#127
○説明員(平松甲子夫君) 非常に分類がむずかしゅうございまして、私どもも、水産行政はいたしておりますけれども、食品分類はいたしておりませんので、生活必需品というものを生活をやっていく上にどうしても必要なものという最小限に限定いたしますならば、米かパン、それに味噌、しょうゆというようなもの、そういうものを生活必需品と言うのだろうと思います。ただ、そういうことではなくて、ある程度の生活をするということでの生活必需品ということになりますと、その中にノリが入ってくる、ワカメが入ってくるということも考えられるだろうかと思いますが、生活必需品と申しますのは最初の段階のものが通常考えられておりまして、それが生活が高度化したためにどの程度ふえてきているかということについては、まだ社会一般の通念というものはないように思いますし、私どもといたしましてもどれが生活必需品であるという分類はいたしていないわけでございます。
#128
○鈴木一弘君 そういう点がはっきりしない。先ほどの答弁を聞いていて非常に疑問があったわけなんです。
 ここで話が全然別になりますが、いままでの漁獲云々というのと違って、新規に水産会社がある品物をとりにいく、こういう例があったわけであります。クラゲの例でありますが、クラゲをとりに行ってきて、結局五十トン以上のものが廃棄処分にせざるを得なくなった。そういうような場合にも共済には関係してくるわけですか。いままでの実績はゼロである、新規開拓をしていく、こういう場合はどういう適用になっているんですか、それが失敗をした場合。
#129
○説明員(平松甲子夫君) そういうふうな新規のものにつきましては、まわりにそれに似たような形のものがございますので、そういうものによって推定をするということで、共済に加入できないという程度のものではございません。
#130
○鈴木一弘君 漁業の問題で私は一つ今度関心を持っているんですけれども、非常に輸入する品物が多い、水産物はですね。また、加工品で輸入するものもある。そういうときに、わが国でもって一つの技術を開発しようということでもって努力をする。そのためには、船をチャーターしなければならない。網もつくらなければならない。実際にやってみたところが、それが成功すればけっこうでありますけれども、何度か重ねなければ成功にいかない。そうすると、実際ほかのいままでのような網でもって魚をとっている分には問題はないけれども、特殊なもの使って特殊な加工をするということになりますと、これは操業するたびに赤字が出てこなければならない。それを何かのことで考えてあげなければ、ある程度積み立てをやらせる、共済をかけるとか、そういうことをしなければ、これはいつまでたっても新しい技術とか新しい漁法というものは開発されてこないことになるのじゃないか、そういう点を非常に考えるわけなんですけれども、いまのお話だと、そういうような例はいくらでもあるものだからとうてい適用はできないということなんですけれども、それでは、私は、わが国の漁業は現状のままで新しい漁法というものをやらぬでよろしいというふうに聞こえてくる。その点はいかがですか。
#131
○説明員(平松甲子夫君) 加工その他につきまして新しい漁法を云々ということにつきましては、水産に限らず、ほかのものと同列に税制その他の面で考えていくということであろうかと思いますが、水産につきましては最近漁場が非常に狭められておるというようなこともございまして、新規漁場の開発につきましては国から補助を出す、あるいは全額委託で漁場開発をやるというようなことを考えておるわけでございまして、そういう一般的な仕組みといま申し上げたようなことをあわせて漁業資源の確保といいますか、蛋白資源の確保に努力をいたしておるということでございます。
#132
○鈴木一弘君 質問と全然食い違った答弁で、そういうものの資源の開発につとめているというのではなくて、新しい漁法を開発しようとしてやっていると。そういう場合に、せっかくチャーターまでやっても、それがまるっきりだめになることがある。漁獲がゼロになってしまうこともあるけれども、全部使えないという場合もあるでしょう。そうすると、それは共済の対象にならないのではないか。技術開発の研究というようなことで漁獲の共済ということも何かしら考える方法がないんですか、そうすべきじゃないかというのです。そうしなければ新しい漁法なんか出ませんよということを言っている。
#133
○説明員(平松甲子夫君) いま私の答弁が多少食い違っておったかもしれませんが、いま先生が御設例になりましたような事態でございますと、これは漁業災害補償制度とは多少考え方を異にしているということでございまして、漁業災害補償制度につきましては、一定の経営というものがございまして、その経営が、いままでやっておったけれども、災害等に見舞われて経営の基盤がゆるむというような形では気の毒だというようなことで、経営の安定を期そうというようなことから災害補償制度が仕組まれておるわけでございますから、いま先生御設例のような事態でございますと、これは共済制度のほかの仕組みで考えていくというようなことであると、そういうふうなほかの仕組みといたしましては新漁場開発等については補助金なり委託費を出しておるという趣旨で御答弁申し上げたわけでございます。
#134
○鈴木一弘君 新漁場開発ということでなくて、私は技術の開発のことを言っておるわけです。災害とは一つのリスクです、先ほどもはっきり申し上げたように。新しい技術を開発していくために漁獲がとれないということになれば、一つのリスクと同じです。技術開発に伴うところの災害ですよ。そういうのがどうして入らないのか、これがわからない。
#135
○説明員(平松甲子夫君) この共済の制度は、漁民同士が相互で扶助をするというところに制度の基本的な考えがあるわけでございまして、いま先生お話しの新技術の開発をこの制度で取り込むということにいたしますと、新技術の開発についてほかの漁民が負担をするというようなことになる、また、国庫補助もございますけれども大半といいますか過半をほかの漁民が負担をするということになりますので、そういうのをほかの漁民が負担をするという仕組みで考えていくのか、あるいはほかの仕組みで考えるべきかということになりますと、私どもとしてはほかの仕組みで考えるべきでないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
#136
○鈴木一弘君 それでは、ほかの仕組みで当然はっきりとそういう点についてはやるというか、現在までやっておるが、適用がないと思っておりまげれども、そういう点については考えておるのですか。新規に四十十六年なら四十六年に新しい法案として出てくるのですか。
#137
○説明員(平松甲子夫君) 先生御設例の新技術の開発というのが、具体的にどういうものをお手元にお持ちでお話しになっておるのかわかりませんけれども、私どもといたしましては、そういうものが国が補助金を出したり委託費を出したりして助成すべき性質のものであるというように判断いたしましたならば、そういうものは後年度の予算において考えるということは当然考えるべきであろうと思います。
#138
○成瀬幡治君 松井委員の質問に関連してお尋ねしておきたいと思うのですが、せっかく共済制度ができましても、なかなか加入が容易じゃないようです。制度になじまないという理由もさることながら、もう三十九年からやっておりまして相当な年数がたっておるわけです。一番ネックはどういうところにあるのですか。
#139
○説明員(平松甲子夫君) 漁業が、普通の業態と違いまして、天然災害を受ける度合いがひどいと申しますか、それから経営の態様が同じ漁業ということで観念いたしましてもいろいろあるというようなことでございまして、共済制度を仕組んでまいります場合に、相当程度の範囲の加入者と、それから相当の被害率なり何なりの蓄積、そういうふうなものがないために、ある程度擬制的に仕組んでおる。たとえばノリにつきましては、やっと地区別にある程度分類いたしまして掛け金率をきめるというところまで進んだわけでございますが、全国被害の高いところも低いところも一本の掛け金率で仕組むというようなことでございまして、そういうようなことが掛け金率に限らずいろいろな面にあろうと思います。そういうふうなことを今後改善していくということが漁民の方のこの漁業災害補償制度になじんでいただく早道であろうということで、いままでの蓄積を反省しながらそういう制度の改善につとめてまいりたいというふうに私ども考えておるわけであります。
#140
○成瀬幡治君 そうすると、あなた方も、制度の改善をやろうということを考えておみえになるわけですか。それじゃ、具体的には、漁獲のほうは、養殖のほうは、漁具のほうは、どの辺のところを一番ネックだから、例として三つなら三つのうち大まかに今後ここはこう改善します、これはここをこう改善しますというので、列挙していただけませんか。
#141
○説明員(平松甲子夫君) たとえば団体のほうから制度の改正に対する要望事項というのが出ておりますが、そういうもので考えてみますと、漁獲共済の共済限度額の算定方法を改善してほしいとか、あるいは義務加入制度を考えてほしいとか、カキとか真珠養殖共済の加入方法を改善してほしいとか、ワカメ養殖を加えてほしいとか、二年後ハマチを加えてほしいという要望が出ております。それから先ほど申し上げたような掛け金率の分散だとか、いろいろまだあろうと思いますが、私どもがかりにそれを考えましたとしても、なかなか過去の制度発足以来歴史が浅いものでございますから、過去のデータの蓄積が乏しい、長期均衡ということをたてまえにした制度でございますから、ある程度の過去の蓄積というものが必要であろうというふうに考えております。
#142
○成瀬幡治君 そんな答弁じゃ、改善を考えましょうといったところが、データもありません、何もありませんからということで、やらぬというふうに聞こえちゃう。どういうことですか。
#143
○説明員(平松甲子夫君) 改善に取り組みたいということでございますけれども、いま申し上げましたような制約もございますので、漸次可能なものから取り組んでいくということを申し上げておるわけでございます。
#144
○成瀬幡治君 団体からの要望が出ておるということをいまお聞きしましたが、あなたのほうから、これはこうなんだという提案をしていま現に検討しておるものはないですか。
#145
○説明員(平松甲子夫君) 四十二年に制度改正をいたしたばかりでございまして、四十三年、四十四年――四十四年はまだ実績もそろわないというような実情でございますが、先ほど団体からの要望が出ております、あるいは制度として考えただけでも、こういうような点を改善すべきであるというふうなことで、掛け金率の分散と申しますか、あるいは加入制度の改善と申しますか、そういうような形のものについては手近な問題として解決することが可能ではないかというようなことをわれわれ考えておるわけでございます。
#146
○成瀬幡治君 加入率をちょっとお尋ねしたいんですが、漁獲共済はどのくらい加入しておりますか。
#147
○説明員(平松甲子夫君) 漁獲共済について申し上げますと、漁獲共済も種類が非常に分かれておりますが、漁獲共済の中の採貝・採藻業――貝をとったり海藻をとったりする漁業でございますが、それについては昭和四十三年度の数字で加入率が四五・七%でございます。それから漁船が、十トン未満の漁船につきまして八・二%、十トンから二十トンまで一〇%、二十トンから五十トンまでが九・六%、五十トン以上が八・六%、大型定置網が三四・三%、小型定置網が四・〇、こういうふうな数字になっております。
#148
○成瀬幡治君 養殖はどうですか。
#149
○説明員(平松甲子夫君) 養殖共済につきましては、ノリが四一・一%、カキが七・五%、真珠が二。八%、それから真珠骨貝が二六・四%、 ハマチが四九・五%でございます。
#150
○成瀬幡治君 漁具のほうはどうですか。
#151
○説明員(平松甲子夫君) 漁具につきましては、定置網が一〇・二%、まき網が一・六%、流し網が一〇〇%という数字でございます。
#152
○成瀬幡治君 まあ一つは損得ということを考えられるでしょう、実際問題として。ですから、一〇〇%というのは、相当資本投下も大きいし、それから災害にあう率も多いというようなことで一〇〇%になっておると思うんですが、あと、ちょっと聞いておって、たとえばまき網の一・六%というのは、ぼくらでも驚くようなことですが、ぼくはこの加入率は少なくとも八〇%以上にならなければこの趣旨は生かされておらないと思うんです。せっかく法律改正等をされてそして恩典に浴さないということは非常にお気の毒だと思うのですが、そのネックというものを徹底的に掘り起こして、目標を八〇%なら八〇%に設定をしてやるという姿勢というものが水産庁になきやならぬのじゃないか。データがありませんよというようなことがあるなら、たとえば過去の被害算定のものがどうだとか、もう少し下げるとか、いろいろなことがあると思う。そういったことを早くおやりになったらどうですか。たとえば来年度あたりこういうものを必ず出すと。非常に練った案でおそいということも一つの問題かもしらぬと思うんですが、こういうものは共済で、先ほども横川委員が社会保障的なものじゃないだろうかということを言っておりましたが、そういう色彩があっていいじゃないですか。ですから、思い切って拙速的に、しかも加入率が非常に高くなるということが必要じゃなかろうか。もちろんこれは大蔵委員会よりもむしろ農水委員会等でそういう議論がされておるのじゃないかと思うんですけれども、どうでございましょうか。
#153
○説明員(平松甲子夫君) この加入率が低いという点につきましては、いろいろ原因もあろうと思います。漁民の方が共済というような仕組みにわりあいになじみが薄いということもあろうかと思います。それから、いま申し上げました制度についての蓄積が少ないということもあろうと思います。ただ、先生がおっしゃいましたように、加入率を上げる――まあ八〇%という目標かいいのかどうか、手近なところから始めていくということでもう少し低い水準であってもいいから加入率が上がるように努力する、そのための制度改善をするということについては、私どもも同感でございますので、そのために努力いたしたいと思います。
#154
○成瀬幡治君 大体、黒字になるということは、法律上は予測していいと思うが、しかし、実際はそうじゃない。ですから、たとえば今度の法律のときに、絶えず補助金等を出していく、県なりあるいは団体が負担するというようなことがあってもなかなか容易じゃないですから、改正をするときもそこまで手を伸ばされたらどうですか。法律は確かに余剰金が出たらこうなりますよということは書いてあるが、赤字が出たときにはどうするのだということについてずばりやるというような、そういうもとまでさかのぼって、加入率を高めるためにそこまでなかなか大蔵省がうんと言わぬかしれぬけれども、水産庁としてはそこまでぐらいやる勢いじゃなければいかぬじゃないでしょうか、どうですか。
#155
○説明員(平松甲子夫君) 保険の仕組みといたしましては、収支とんとん、長期間には均衡してゼロになるというような仕組みのものでないと、漁民も保険制度について危惧を持って加入しないということになろうと思います。それに対する先生のおっしゃったような考え方、そういうものの妥協というのが掛け金の国庫負担、それによりまして赤字を補てんするということでなしに、漁民の負担を軽減しながら保険共済としては収支とんとんということが仕組まれたものだと思いますので、そういう点につきましては、今後、制度の推進にあたりまして所要の必要が起こりましたならば改善の方向で検討してまいるということが必要であろうと思います。
#156
○成瀬幡治君 私はなぜこういうことを申し上げるかというと、三十九年から四十二年までの赤字が約六億、三億は補助金で出す、二億は基金のほうから無利子の金をころがして、幾らでころがすと言ったら七分三厘平均でころがしていくんだと。七分三厘がいいのか悪いのか、これちょっと問題だと思うのです。普通の金利計算をすれば、七分三厘というものは確かに安いわけです。しかし、ほかの漁業関係のものから見れば私は高いと思っている。六分五厘とか、あるいは農業で言えば災害などにあった場合は三分とか三分五厘なんていう金利で出るわけでしょう。しかも、長期で、十年とかあるいは十五年ぐらいのものがあると思う。そういうものから比較したら高い金利だと思う。そうすると、ここで収益をあげてきて、しかも八年間で大体二億ころがしながら浮かしてくる。ちょっと聞けば私は計画はそれでいいと思うけれども、実際運用ということになると容易じゃないと思う。ですから、もっと思い切った抜本的なことを考えていく必要があるんじゃないかというふうに思って、意見を交えつつお尋ねしておるわけですが、どうですかね。
#157
○説明員(平松甲子夫君) 赤字補てんの問題につきましては、七分三厘が妥当であるかどうかということでございますけれども、基金の現在の余裕金の運用方針というものがございまして、それを大きく変えることなしに安全を見込んだ数字で七分三厘で運用できるのではないか、これは安全を見て八年ぐらいで赤字が消えるのではないかという推定をいたしておるわけでございます。いま先生のお話しの制度の赤字を消すという点でいま申し上げましたような計算ででき上がるだろう。仕組みとして制度として赤字が出ないような形で考えられないかということでございますけれども、共済制度と申しますのは、先ほど私が申し上げましたように、仕組みとしては長期間に収支とんとんになるという仕組みをとっておきませんと、収支が黒字になるという計算でございますと、加入者のほうはあほくさいということになりましょうし、赤字であるということになりますと、どうもあぶないぞということになろうと思いますので、たてまえとしては収支とんとんで、その際、漁民負担を軽減する方法としては、共済掛け金についての政府の補助であり、あるいは事務費、管理費、人件費の補助であるというような形のもので漁民の負担感を軽くしていくというようなことが考えられるので、いままでもその点で努力してまいりましたし、今後も必要に応じて努力してまいりたいというふうに考えます。
#158
○成瀬幡治君 これは扱われる共済保険金ですね、その総額はどのくらいですか、漁船まで入れて。――掛け金総額です。
#159
○説明員(平松甲子夫君) ちょっと漁船の数字を持ち合わせておりませんが、漁業共済のほうで申し上げますと、純粋の共済掛け金は、三十九年が一億八千二百八十七万二千円のものが、四十三年には十四億二千四百三十二万五千円という数字になっております。
#160
○成瀬幡治君 これは基金は幾らですか。
#161
○説明員(平松甲子夫君) 三十九年に発足いたしましたときに五億の出資金で発足いたしまして、今度四十五年の予算措置で国が一億出資をいたしますし、あと都道府県と共済団体、都道府県は二年にわたって出資をいたすわけでございますから、四十七年度末には出資金が七億ということになろうかと思います。現在の四十四年度末では出資金五億でございます。
#162
○成瀬幡治君 この保険の掛け金総額と出資額とのバランスというものもあると思うのですけれども、もしこういうようなものでしたら出資金も相当多くする、それには、いまお聞きしますと、五億、それに対して一億を国が出して、あと一億が都道府県ですか団体ですか……。
#163
○説明員(平松甲子夫君) 五億円の出資の場合は、二億五千万を国が出したわけでございます。今度二億出資を増額いたしますが、その二億出資を増額するにつきまして、そのうちの半額の一億を国が出資するということでございます。それから共済基金につきましては、借り入れ金をすることができることになっておりますので、出資金の増加をいたしませんでも連合会なり共済組合に対する貸し付け金については現在のところ原資としては不足しないという状況にあるということを申し上げておきます。
#164
○成瀬幡治君 現にいまどのくらい借り入れ金を持っているのですか。
#165
○説明員(平松甲子夫君) 四十三年度末の共済基金の借り入れ金額は九千六百万円でございます。
#166
○成瀬幡治君 ノリの問題で輸入のことについてちょっとお尋ねしたいのですが、これぐらい輸入するよということをきめるのは、どういうかっこうできめられるわけですか。
#167
○説明員(平松甲子夫君) 輸入の数量の決定という点につきましては、本来的には需給数量を勘案してそういうことになるわけでございますが、韓国ノリの輸入につきましては、韓国と日本との貿易が片貿易であって、しかも韓国で生産されるもので日本に輸出できるものとしてはノリ以外に水産物として大きなものはないというようなことから、韓国ノリの輸出を韓国側は強く主張しているということもございまして、現在までは毎年増加をしてきたわけでございます。ただ、四十四年産のノリにつきましては、非常に豊作でございましたので、需給という観点だけから申しますと必要もないわけでございますけれども、先ほど申しました日韓の友好増進その他から多少の輸入は必要であろうということでございますが、この輸入数量につきましては、三月に輸入についての日韓両国の打ち合わせをしたわけでございますが、成約に至りませんで、近いうちにまた第二回の会談をしなければならぬだろうというふうに考えております。
#168
○成瀬幡治君 お聞きしておりますと、需給関係じゃないですよ。その片貿易の、結局、韓国側でいうなら日本に対する輸出ですね、韓国側に輸出の注文がないんだと。だから、輸出入の残高がふえればノリの輸入もふえてまいりますよと、こういうことなんですね。
#169
○説明員(平松甲子夫君) 基本的には需給関係できまるということでございますから、私どもといたしましては、本年はかなり少なくていいのではないかというふうに考えております。本来ならゼロでいいという形のものでございましょうけれども、過去のいきさつ、あるいは日韓の国交正常化にあたりまして日韓で了解いたしました二億枚ないし五億枚の輸入をするのだというような取りきめもございますし、そういうようなことを勘案いたしまして、需給の状況とにらみ合わせながら数量を決定していくということであろうと思います。
#170
○成瀬幡治君 単価が、輸入単価と国内の生産単価とどのくらいの違いがございますか。
#171
○説明員(平松甲子夫君) 単価とおっしゃいますとよくわからないのでございますが、先生の御質問は、韓国の生産単価と日本の生産単価という御質問でございましょうか。
#172
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#173
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
#174
○説明員(平松甲子夫君) 韓国ノリの輸入価格につきましては、国内の相場がどのくらいであるかということから、先ほど話題に出ました海苔協会が輸入価格を定めまして、輸入組合を通じて輸入をするということでございますから、固定的に幾らということではなしに、国内の相場と均衡を保つというような意味での輸入価格の決定がある。ですから、四十三年産ノリのように国内の相場が高いときは、韓国産の輸入価格も高い。それからことしみたいに豊作でございまして生産者から問屋が買う価格が安く買えるというような年でございますと、韓国ノリも安いというような形でございまして、固定的にたとえば中級品なら幾らというふうな形できまっておるものではない。それから韓国ノリの品質と日本のノリの品質と比べますと、日本のノリにつきましても統一された規格がないわけでございますが、通常の色なりで比較いたしますと、韓国ノリは日本のノリに比べまして味なり香味なりが落ちるということがいわれておりますので、おそらく価格形成の際でもそういうことを加味して形成されるのであろうと思います。
#175
○成瀬幡治君 そうすると、そのときの、ことしならことしは豊作であるというそのノリの価格決定は、あくまでも輸入のというか日本でいうなら生産団体が決定をすると、こういうことなんですか。
#176
○説明員(平松甲子夫君) 輸入は輸入商社を使いまして海苔協会が一元的にやるということでございますから、海苔協会が輸入をいたします際に国内の生産者価格を勘案してきめるということになっておるわけでございます。海苔協会は生産者だけでございませんで、生産者と問屋と加工業者の加入いたしております社団法人でございます。
#177
○成瀬幡治君 そうすると、これの値段は、豊作であっても、普通で言うなら需給の関係ですから値の下がる場合もあるのだけれども、生産者と問屋と加工業者が入ってきまるということになれば、上がる一方で、下がるのは容易じゃないのじゃないかということなんですが、どういう形でこれが認められておるのですか。
#178
○説明員(平松甲子夫君) 先ほども申し上げましたが、国内の生産地で購入する価格よりも高い価格で買うということは、現在は自由経済でございますから、そういうことをしたのでは流通業者は買わないということになるわけでございますから、海苔協会としては、国内の生産者価格がどの程度、問屋がつまりどのくらいで国内のノリを仕入れできるかというものと均衡した形で韓国ノリの値づけをするということでないと、問屋が買わないということになる。ということでございますから、ことしみたいに国内の生産地の価格が安いというときでございますと、韓国ノリの輸入価格は非常に安いものになろうというふうに考えております。
#179
○成瀬幡治君 韓国から輸入するときの価格は、大体決定がわかりました。ところが、国内価格のほうは問屋さんと生産者と加工業者できめるのだということになれば、これは消費者が入っていないわけですから、需給の関係というものはない。ですから、これは完全な統制経済というのですか、そういう仕組みでノリの値段というものがきめられておるのだと言って差しつかえないじゃないですか。
#180
○説明員(平松甲子夫君) 輸入割り当て制度をとっておるわけでございまして、海苔協会ができる前に輸入をめぐりましていろいろ複雑な問題が起こったということから、すっきりする必要があるということで、生産者、流通業者、加工業者というものが一丸となりまして海苔協会をつくって輸入をするということにいたしたわけでございまして、その際、海苔協会は、そういうような形で輸入しましたものを一定の手数料を取って流通業者に売り渡すということでございますので、あとは国内のノリの取引とほとんど変わらないという仕組みで小売り段階まで流れていくというふうに私どもは考えております。
#181
○成瀬幡治君 韓国から輸入するときの価格の問題は私もわかりました。ところが、今度は国内価格を形成する場合に幾らにするのだというその国内価格の形成というものは、需給の関係じゃありませんよというふうにあなたの説明を聞くと私は受け取るわけですが、そこはどうでしょう。
#182
○説明員(平松甲子夫君) 海苔協会から問屋が買いまして、問屋は小売りに売るということでございますから、その段階の価格決定は全く需給によってきまるということでございます。
#183
○委員長(栗原祐幸君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#184
○委員長(栗原祐幸君) 速記をつけて。
#185
○成瀬幡治君 わかりました。それじゃ、問屋数はどのくらいありますか。
#186
○説明員(平松甲子夫君) 約二千件と承知いたしております。
#187
○成瀬幡治君 ノリの問屋の人たちも、一つの組合を持っているわけですね。それは何という組合なんですか。
#188
○説明員(平松甲子夫君) 日本海苔問屋組合という名称でございます。この組合は、二千軒の問屋のうちに一次問屋と二次問屋というのがあるということを先ほど申し上げましたが、そのうちの一次問屋の組合でございまして、一次問屋の数が大体千軒ぐらいということでございますから、組合に加入しておる問屋は千軒でございます。
#189
○成瀬幡治君 まあ、このことは、いい悪いの問題ではなくて、御説明は了とします。
 それから最後に、鈴木委員が公害の問題について触れられておりましたが、公害が発生源者が明確になれば保険から除外されるということはあたりまえでしょう。しかし、実際受けるほうの側で言いますと、これは加害者がどうだなんということは、たとえばイタイイタイ病を見ましてもわからないんだね。裁判に持ち込んでみても、どうにもならない。十年も二十年も裁判の前にすったもんだしてやっておるということになれば、どうにもならないことになってしまうと思うんだね。そこで、被害者はある、加害者というものがわからないというのが公害だと思うんです。ほんとうなら加害者ははっきりあるのだけれども、いまの日本の経営者の姿勢から見ますと、自分のところから水銀を流しても、流したと言わぬ。決して言わない。ですから、加害者が不明な形になっている。これはまあ経営者の姿勢に大きな問題があると思うのですけれども、またこれが一般社会の現時点における通念で、だからやむを得ないと思うのですが、あなたのほうでこの共済を運用されるときに、よほどこれは油等から完全なものだということがわかっておるだろうと思う、あるいは、川の上流にあるところから流されたそういうものだということが、常識的にはここの工場から出たんだということはわかりますけれども、さてそれを出たんだよということの認定になると、加害者のほうがそれを是認しなければできないことになっております。あるいは、においが何かついてしまった。こういうようなことに対しては、いままではどういう措置をしておられたかということですね。
#190
○説明員(平松甲子夫君) 公害につきまして、加害者がはっきりしておるものというのは公害じゃないといま先生のお話しでございますが、加害者がはっきりいたしておりますものにつきましては、加害者に損害賠償の請求をするということで解決されるべき性質のものだろうと思います。加害者がはっきりしないいわゆる公害についてどうするかということでございますが、たびたび申し上げておりますように、この制度は共済でございまして、相互扶助ということでございますから、加害者がかりに不明でございましても第三者の行為によって加害されておるというようなことでございますと、本来的には相互扶助という形でほかの漁業者がその分までめんどうを見るというような形でございませんで、やはり公害についての全般的な国の制度というようなものでめんどうを見るべき性格のものじゃないかというふうに考えるわけでございます。ただ、先ほど鈴木先生が御指摘になりましたように、自動車の光で漁獲が減ったというようなものになりますと、現在の私どもの漁獲共済は、過去の一定基準年次における漁獲と共済期間の漁獲との比較でございますから、その際減ったという事実については共済事故として取り扱いますが、ただ、それが光によって減ったのかどうかということがはっきりしないために、すべて共済事故として取り扱っているという事例はおそらくあるのであろうと思います。まあそういうようなことでございまして、私どもとしては、第三者の行為による害であるということが明らかになっているものについては、共済で救済をするということでなしに、公害全般の問題として国の制度として仕組んでいくべき性質のものではないか、かように考えているわけでございます。
#191
○成瀬幡治君 大体、いま運用の面では相当相互扶助の形でめんどうを見ておりますよと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
#192
○説明員(平松甲子夫君) 私どもとしては非常に答弁いたしにくい御質問でございますので、私がいままでいろいろ御説明を申し上げたところで御了解を願いたいと思います。
#193
○成瀬幡治君 それは私も気持ちはわかりますし、私もそういうふうにやってもらったほうがいいと思って実は質問をしているわけですが、国の制度で見るべきだ、こういうのですが、国の制度で見るというものはないわけです。国家賠償法ぐらいしがなくて、これで争えば、最高裁の判決が出なければ国は支払うことはできないわけですよ。そうすると、十年裁判とか二十年裁判になる。イタイイタイ病以上になっちゃう。そんなことをしたら、裁判所もつらい。やるほうが大体くたびれちゃって、訴訟費用が高くて、もちより粉のほうが高くなっちゃう。だから、運用というものは私はやはりこういうところでやっていただくことを――答弁はよろしゅうございますから、やっていただくべきものであるということだけ申し上げて、私の質問は終わります。
#194
○委員長(栗原祐幸君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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