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1970/05/12 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第23号
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1970/05/12 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第23号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第23号
昭和四十五年五月十二日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     鬼丸 勝之君     山本茂一郎君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                小林  章君
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
                鈴木 一弘君
                瓜生  清君
    委 員
                青木 一男君
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                岩動 道行君
                大竹平八郎君
                今  春聴君
                津島 文治君
                中山 太郎君
                矢野  登君
                戸田 菊雄君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                上林繁次郎君
                渡辺  武君
   衆議院議員
       大蔵委員長代理
       理事       山下 元利君
       発  議  者  春日 一幸君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵大臣官房審
       議官       高木 文雄君
       大蔵省主計局次
       長        船後 正道君
       大蔵省主税局長  細見  卓君
       国税庁長官    吉國 二郎君
       食糧庁次長    内村 良英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       国税庁間税部長  中橋敬次郎君
       水産庁漁政部長  平松甲子夫君
   参考人
       中小企業金融公
       庫総裁      佐久  洋君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○金融機関が中小企業者に対して金銭の貸付け等
 を行なう場合における拘束性預金等の防止に関
 する法律案(衆議院送付、予備審査)
○漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足
 をうめるための一般会計からの繰入金に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○清酒製造業の安定に関する特別措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理
 に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院
 提出)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨五月十一日、鬼丸勝之君が委員を辞任され、その補欠として山本茂一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(栗原祐幸君) 金融機関が中小企業者に対して金銭の貸付け等を行なら場合における拘束性預金等の防止に関する法律案を議題とし、発議者衆議院議員春日一幸君から趣旨説明を聴取いたします。春日一幸君。
#4
○衆議院議員(春日一幸君) 私は、ただいま議題となりました金融機関が中小企業者に対して金銭の貸付け等を行なら場合における拘束性預金の防止に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 いわゆる金融機関の歩積み・両建て問題は、古くて新しい重要な問題であります。わが国経済、なかんずく中小企業問題を論ずる場合、金融の占める位置はまことに大きいものがあります。特に、中小企業における自己資本比率が一四%と著しく低い現状においては、金融のあり方が中小企業の死活を握っていると申しても過言ではありません。
 にもかかわらず、このような重要な任務を帯びる金融機関が、中小企業に対して現在種々の不当な措置を講じていることは、すでに周知のとおりであります。その一つが、歩積み・両建て預金の問題であります。
 この問題については、私ども民社党は、結党以来、事あるごとに国会の各委員会において、その不当性を主張するとともに、禁止措置をとることを政府に強く要求してきたのであります。この結果、大蔵省は自粛通達を出し、また、公正取引委員会も拘束預金調査を続けておられることはよく承知しているのでありますが、その実効はほとんどあがっていないと申さざるをえません。
 たとえば、公正取引委員会の最も新しい第十一回調査結果報告を見ましても、狭義の拘束預金率は、一〇・二%でありますが、前回調査と比較してわずか〇・四%とはいえ増加の傾向を示しているのであります。また、調査にはあらわれない暗黙の拘束預金が横行し、その手口はますます巧妙になっているのであります。
 かくのごとく、行政指導による歩積み・再建ての防止は明らかにその限界を示しているのであります。よって、私は、次のような要旨の禁止立法を制定することが緊急の必要事であると確信いたすのであります。
 以下、法案の内容につき、逐次御説明申し上げます。
 第一に、この法律の目的は、金融機関が歩積み・両建てなど拘束預金を中小企業に対して行なうことを防止し、取引を公正ならしめるとともに、中小企業者の利益を保護し、もって国民経済の健全な発展に寄与することであります。
 第二に、金融機関の順守すべき事項として、金銭の貸し付けまたは相互掛け金契約に基づく給付に関連して、当該中小企業者に質権の設定、その他の方法により当該金融機関によって払い戻しが拘束される預金を新たにさせ、または質権の設定その他の方法により、当該中小企業者が当該金融機関に対してすでに有する預金等に関する請求権を拘束することをしてはならないと規定いたしました。この他六つの禁止事項を掲げているのでありますが、その内容につきましては、本法第三条を御参照いただきたいと思います。
 第三に、中小企業庁長官は、金融機関が前述の事項につき違反行為をしているかどらかを調査し、その事実があると認めるときは、公正取引委員会に対して、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができるようにしていることであります。
 第四は、公正取引委員会は、前述の事項につき金融機関に違反行為が認められるとき、違反行為を排除するよう勧告することができ、その勧告に従わざる場合、公表することができるようにしたことであります。
 第五に、公正取引委員会は、金融機関または中小企業者に対して報告をさせ、また帳簿書類等の検査をすることができるようにしたことであります。
 第六は、前述の禁止事項の除外例として六点掲げたのでありますが、その内容は、第三条を御参照していただくとして、これら除外例の場合には、書面をもって当該中小企業者に交付しなければならないと規定するとともに、この規定に違反した場合には、三万円以下の罰金を課することとしたのであります。
 以上が、本法の要旨でありますが、詳しくは本法を御熟読願いたいと存じます。
 何とぞ、拘束預金を一刻も早く絶滅し、中小企業のより一そうの発展をはかるため、本法案に御賛同あらんことを要望いたしまして、私の提案理由の説明を終わります。
#5
○委員長(栗原祐幸君) 本案の自後の審査は、後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(栗原祐幸君) 漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、清酒製造業の安定に関する特別措置法案、及び閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、清酒製造業の安定に関する特別措置法案について、趣旨説明及び補足説明を順次聴取いたします。藤田大蔵政務次官。
#7
○政府委員(藤田正明君) ただいま議題となりました清酒製造業の安定に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 御承知のように、清酒製造業界におきましては、過去三十年近く、食糧管理制度のもとにおいて原料米の割り当て制度が続けられ、実質的な生産調整が行なわれてまいりましたが、昨年五月、自主流通米制度の発足に伴い、この長年にわたる業界秩序の基盤が大きく変化いたしました。この結果、従来、一種の財産価値を有しておりました基準指数は、その資金調達の際の担保的機能や転廃業の際の譲渡価値を失うこととなり、清酒製造業者の金融力等にも著しい変化が生じ、ひいては酒税の確保に影響を与えることも懸念される事態に立ち至ったわけでございます。
 このような清酒製造業を取り巻く環境の激変に伴う種々の混乱を避けるため、清酒製造業界では、当面の過渡的措置として、五年間を目途とする自主的な生産数量規制を昨年九月から実施いたしますとともに、この期間内に清酒製造業の構造改善をはかるため、中小企業近代化促進法に基づく構造改善計画を策定し、企業体質の強化に努力いたしております。
 政府といたしましても、このような業界の努力が、同時に酒税の保全に資する面が大きいことを考慮して、これを側面的に援助することとし、この際業界が酒税資金の融通の円滑化と清酒製造業の整備合理化のための事業を実施するために必要な法的措置を整備することを目的として、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 第一に、日本酒造組合中央会は、現在、行なっている酒税の保全措置に対する協力、生産数量調整等の事業のほか、清酒製造業者や酒造組合等が金融機関から清酒製造資金を借り入れる際の債務の保証に関する事業並びに清酒製造業を廃止する者に対する給付金の給付及びこれに要する納付金の徴収に関する事業を行なうこととしております。
 第二に、これらの事業のうち、債務保証に関する事業につきましては、中央会に酒造組合等から拠出された金額と国から交付された金額をもって信用保証基金を設けることとしております。このため、国は、昭和四十五年度予算において七億円を計上し、また、業界は、同額の七億円を拠出することとしており、これらを基本財産として債務保証が行なわれることとなっております。
 第三に、給付金に関する事業につきましては、中央会は、昭和四十八年十一月三十日までの間に清酒製造業を廃止する者に対して、一定の基準により給付金を給付することとし、このため清酒製造業者に対し納付金を賦課することができることとなっております。また、これに関連して、一定の要件のもとで、大蔵大臣が納付命令を発する等清酒製造業者からの納付金の徴収を確実に行なうことができるよう所要の規定を設けております。そのほか、この法律に基づき中央会が行なう事業の経理をその他の事業と区分して行なわせる等、財務及び会計に関する事項を規定するとともに、監督上必要な措置等を講ずることとしております。
 以上、清酒製造業の安定に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し述べました。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同下さいますよう、お願い申し上げます。
#8
○委員長(栗原祐幸君) 細見主税局長。
#9
○政府委員(細見卓君) ただいま提案になりました清酒製造業の安定に関する特別措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 清酒製造業者につきましては、過去三十年近くにわたりまして、原料米の割り当て制度を通じ実質的な生産調整が行なわれてまいりましたことは、御承知のとおりであります。
 ところが 昨年五月、食糧管理制度の改正により酒造米が自主流通米制度に移されることになりましたことに伴い、従来、酒造米割り当ての主要な基準とされ、その結果、一種の財産価値を有しておりましたいわゆる造石権的な基準指数は、にわかにその価値を失うこととなり、とりわけ次の二つの点で清酒製造業者の資金調達力その他の経済的地位に著しい影響をもたらすに至ったのであります。
 その第一は、従来、酒造組合等を通じて、基準指数の担保的機能を利用して行なわれて来た酒造資金の借り入れの道が断たれることとなり、今後の酒造資金の調達が円滑を欠くおそれが生じてまいったことであります。
 第二は、清酒製造業を廃止転業する場合、基準指数の譲渡による転業資金の確保が困難となり、そのため、業界に種々の摩擦が生ずることが憂慮されることであります。
 このような業界環境の激変は、ひいては清酒に関する酒税の確保に少なからぬ影響を与えることも懸念される次第でございます。
 このような事態に対処いたしまして、清酒製造業界は、日本酒造組合中央会を中心として、清酒の生産が一挙に自由化されることに伴う種々の混乱を避けるための過渡的措置として、五年間を目途とする生産数量の自主規制を昨年九月から行なうこととし、さらに、この期間内に生産の完全自由化に備えて、業界の構造改善をはかるため、中小企業近代化促進法に基づく構造改善計画を策定し、業界構造の改善、企業体質の強化に努力いたしております。
 今回、提出いたしました清酒製造業の安定に関する特別措置法案は、以上のような業界の経営基盤強化への努力が同時に酒税の保全に資する面が大きいことを考慮してこれを側面的に援助するため、特にこの際、業界が酒造資金の融通の円滑化と清酒製造業の整備合理化のための事業を実施するために、必要な法的措置を講ずることをその内容といたしております。すなわち、現在、日本酒造組合中央会は、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づきまして、国が行なう酒税の保全措置に対する協力、酒造組合等が行なう生産数量規制等についての総合調整、清酒製造業者の経営合理化等に必要な事業等を行なうこととされておりますが、今回、これらの事業に加えて、債務の保証に関する事業並びに清酒製造業を廃止する者に対する給付金の給付、及びこれに要する納付金の徴収に関する事業を行なうことといたしております。
 まず、これらの事業のうち、債務の保証に関する事業につきましては、中央会に、信用保証基金を設けることとし、昭和四十五年度におきまして、政府補助金七億円と酒造組合等によって拠出される七億円をもってこれに充てることを予定し、これらを基本財産として、清酒製造業者や酒造組合等が金融機関から酒造米の購入代金等清酒製造資金を借り入れる際の債務保証を行なうこととしております。これによって、四百二十億円程度の債務保証が可能と見込まれ、清酒製造業者の所要資金は、ほぼ円滑に調達できるものと考えられます。
 次に、給付金に関する事業につきましては、今後急速に清酒生産の自由化が進展するに伴い、販売力の弱い業者の中には、転廃業に踏み切るものもあると見込まれますので、これらの転換による摩擦を軽減し、業界の体質改善を円滑ならしめようとするものであります。そのため、中央会は、昭和四十八年までの間において、毎年十一月三十日までに清酒製造業を廃止する者に対して、一定の基準に基づき給付金の給付を行なうこととし、さらに、給付金の費用に充てるため、大蔵大臣の認可を受けて清酒製造業者に対し、納付金を賦課することができるものとしております。
 なお、これに関連して、清酒製造業者が納期限までに納付金を納付しない場合には、一定の要件のもとで大蔵大臣は中央会の申請により納付命令を発する等確実に納付金を徴収することができるための措置を講ずる一方、中央会の事業が公正に執行されるよう、所要の規定を設けることとしております。
 そのほか、この法律に基づいて中央会が行なう事業につきましては、その他の事業と区分して経理を行なわせるほか、事業計画の認可、事業報告書の提出等、財務及び会計に関する事項を規定するとともに、大蔵大臣は、監督上必要な命令をすることができる等の措置を講ずることとしております。
 以上、清酒製造業の安定に関する特別措置法案の提案理由を補足して御説明いたした次第であります。
#10
○委員長(栗原祐幸君) この際、清酒製造業の安定に関する特別措置法案に対する衆議院における修正点について、衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君から説明を聴取いたします。山下元利君。
#11
○衆議院議員(山下元利君) ただいま議題となりました清酒製造業の安定に関する特別措置法案に対する衆議院における修正部分について、大蔵委員会を代表して、提案の趣旨並びにその内容を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、政府原案におきましては、今回、日本酒造組合中央会の事業として新たに追加されることとなっております転廃給付金事業について、その納付金の確実な徴収を担保するため、一定の要件のもとに、納付金を納付しない清酒製造業者に対し、大蔵大臣は、中央会の申請によって納付命令を発することができることとするとともに、これによっても納付金を納付しないときには、最終的には、酒税にかかる滞納処分を受けた者とみなして清酒の製造免許を取り消すことができることとなっております。
 しかしながら、この納付金は、公的性格がかなり強いとはいえ、本来、酒税そのものではなく、いわば清酒製造業界の今後の整備合理化のための共助分担金ともいえるものでありまして、このような性格の納付金の納付についての大蔵大臣命令に対する違反を、酒税にかかる滞納処分を受けた者とみなすことは、いささか誤解を生ずるおそれがあると認められます。むしろ、この納付金についての大蔵大臣命令は、現行の酒類業組合法に規定する酒類業界の秩序を維持するために必要な大蔵大臣の命令に類似しているものと考えられるのであります。
 そこで、修正案は、この製造免許の取り消しについて規定しております第九条第二項中、原案において、酒税にかかる滞納処分を受けた者とみなすこととしているものを、酒類業組合法第八十四条第二項の規定による命令に違反して、酒税法第十条第七号に規定する者に該当することなった者とみなすことに改めた次第であります。
 以上が、衆議院における修正部分の概要であります。
 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことを御願い申し上げます。
#12
○委員長(栗原祐幸君) 次に、閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律の一部を改正する法律案について、衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君から趣旨説明を聴取いたします。山下元利君。
#13
○衆議院議員(山下元利君) ただいま議題となりました閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、閉鎖機関令等の規定によってされた信託について、その存続期間の経過後も、なお信託事務を行なうことができるようにするため、五年間延長した存続期間を、さらに一年延長して、六年間に改めようとするものであります。
 すなわち、満鉄等の閉鎖機関等のうち、債権者の所在不明等の理由で特殊清算を結了できないものについては、債権者に弁済すべき給与、賞与、退職手当等の財産を信託することにより、その信託の受託者から債権者に対する支払い事務が続行されてきたのでありますが、信託契約の存続期間の満了とともに、その際残っている財産は国庫に帰属することとなっておりますので、債権者救済の見地から、昭和四十年、その存続期間を五年間延長する措置をとったのであります。
 しこうして、その信託の処理の実情、特に、今回、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律を一部改正して、特別交付金の請求の期限を一年延長したこと等をも考慮いたしまして、この際、その存属期間をさらに一年延長して、引き続き信託事務を行なうことができることとしようとするものであります。
 何とぞ、御審議の上、御賛成あらんことを切望いたします。
#14
○委員長(栗原祐幸君) それでは、これより三案の質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#15
○戸田菊雄君 衆議院の委員長に一つだけ質問しておきたいのですが、これは決して誤解をされては困るのでありますが、衆議院の大蔵委員会では、わが党も入って、ただいまの修正案が提示され決定されていることは十分承知の上で、なおかつ質問したいのでありますが、すなわち、原案では、この問題について強権発動だと思うのですね、罰則規定を設けたわけでありますから。でありますけれども、一応、修正案では、秩序保持というようなことでこの修正案になってきたと思うのです。ですから、ここで、委員長に、そういった衆議院の大蔵委員会でのこの修正案に至る経過措置について、一言御説明を願っておきたいと思います。
#16
○衆議院議員(山下元利君) お答え申し上げます。
 政府原案におきましては、納付金を納付しなかった場合には、また、それについて大蔵大臣の命令がありましたにもかかわらず納付しない場合には、直ちに酒税の滞納処分をしたというふうにみなすということになっているわけでございます。そして、それによりまして免許取り消しまで及ぶやもはかり知れない場合もあるわけでありますけれども、何と申しましても、ただいま御説明申しましたように、これは公的性格が強いものでありますけれども、その転廃業者に対する共助分担金のようなものでありまして、それを直ちに酒税と同じ性格とみなすことにつきましては、大蔵委員会の審議におきましていろいろ議論も出た次第であります。したがいまして、これを直ちに酒税とみなすよりも、むしろ現在酒団法がございますわけで、酒団法が業界の秩序維持、自主性確保のために十分な役割りを果たしておりますけれども、この酒団法の精神に照らしまして、酒団法の規定に違反したものとみなしまして、場合によりましては免許取り消しに及ぶことが適当ではないかというふうになったわけでございます。したがいまして、酒税と直ちにみなさないで、酒団法の精神というか規定に違反するものといたしまして免許取り消しに及ぶという精神でこのような修正を加えた次第であります。
#17
○戸田菊雄君 結果的には、いずれにしろ、免許取り消しという結果になるわけですね。その辺、衆議院ではどういうふうに打ち合わせなさったのですか。
#18
○衆議院議員(山下元利君) 免許取り消しにも及び得るということでございます。
#19
○横川正市君 まず、法案の趣旨説明の中の二ページの中段から後段のほうにあります「業界が酒造資金の融通の円滑化と清酒製造業の整備合理化のための事業を実施するために必要な法的措置を整備することを目的として、」という目的の中にある、大手メーカーの販売能力あるいは生産量の不足のために原酒購入を余儀なくされて、それによって一部企業が経営されておったという内容に関連してちょっとお聞きをいたしたいのですが、どうも私はこういう業界の内容を全然承知いたしておりませんでしたので非常に疑問に思ったのは、これは品質の規制とか使用原料であるとか製造方法等に相当程度の制約というようなものがある、あるいはアルコールの使用割合とか米をどのくらい使うかとか、そういったことが取り扱われておれば、そうすれば、メーカーが出している酒と大体同種のものが製造されるというふうに判断をされてそのおけ売りというやつをおけ買いしておった、こういうことになるのだと思うのでありますが、いままでの通例になっておった中小のおけ売りというようなものは一体どういう内容のものであったかということなんです。何々酒造店が製造した酒は、たしかその酒屋には名称をちゃんとつけた酒というのがあるはずなんですね。たとえば特級とか一級とか二級酒について何々とその地元にちなんだ名前をつけた酒があるわけなんですね。それをつくっている原酒が大手メーカーに買われて、そうして今度はその大手メーカーの銘柄のレッテルをはられて売り出される。これは一体どういうことなのかちょっと理解ができないわけなんですが、その点はどういうふうになっているんでしょうか。
#20
○説明員(中橋敬次郎君) これまでも清酒につきましてはおけの取引という問題がかなりございまして、おっしゃいますように、そのおけ売買の対象になっている清酒を現実につくっておりますところと、それからまた、各方面からそういうおけ買いをしましたものと自分のところでつくりましたものを混和いたしまして自分のレッテルをはって出すというおけ買いのシステムというのがございます。それはなぜそういうものが発生したかということでございますけれども、清酒につきましてはそういった取引というのはかなり昔から発生し、また、慣習としてもそういうことが行なわれてきたようでございます。それからもう一つ、戦争中ないし戦後の、だんだんと原料米が逼迫をいたしまして、あるいはその後原料米の割り当てに伴いましての生産規制というものがございまして、自分で売りたいだけのものを自分のところでつくれないという事情もございましたので、勢いその分を補給的に他のメーカーから買って補うということもそれに加わってまいったと思います。いずれにいたしましても、かなりの清酒メーカーは、現在、自分でつくりましたものをおけ取引という形でもって大手の販売力の強い方面に売っておることは事実でございます。
 ただ、そのときに、私どもでは一体清酒の製造というのはどういう段階を見るかということでございますが、酒税法上も、実は、二つの清酒というものを混和いたしますものを製造と見ております。単に買うてきたものをそのままレッテルをはりかえて売るというものでもございませんし、あるいは単純にブレンドするだけのものでもございません。最近は全国的にかなり多量に売っておりますので、その品質の均一というものをメーカーとしても心がけておらなければなりませんから、十分前からの技術指導を、たとえば、自分のところでどれくらいの甘さ辛さの酒をつくりますから、おまえのところではこの程度の甘い酒をつくれというような指導をかなりやっておりまして、そういう技術上の指導を経ましたものを買ってまいりまして、そうしてまたそれを自分のところの自製酒と混和をいたしまして、味の信用できましたものをはじめて自分のところのラベルをはって出すということになっております。私どものところでは、そこが製造所ということでございますので、そこのお酒屋さんの名前をつけて出すというふうに規制をいたしてございます。
#21
○横川正市君 それはどうかというようなことを聞くにしてはあまりに複雑過ぎてちょっと理解しかねるわけですが、課税する側からしますとこれはどういうふうになるんですか。その製造したところで、たとえば米を割り当てられて、そしてその割り当てられた米でどれだけの酒ができますか、それはおけの中である程度のものは内容はちゃんと調べておかないと、課税をする基準というものがあやふやになるから、おそらくちゃんとこれはきめておくわけでしょうね、課税するという対象物を押えて。そして、それに幾らの税金をかけるというようなことがきまっているんじゃないでしょうか。これは、割り当てられた米でつくられた量と、それに対してどれだけの税金というのは、あまり狂いのない計算で行なわれているものだと思うんですね。それを今度はそのまま大きなメーカーにおけごと売り渡す。売り渡したところでは、今度はまた、あれですか、五買えば、自分のところで十つくっていれば、十五という数量で酒の生産をして、それに対してそこが税金を払うと、こういうふうに中小業者から大メーカーが肩がわりをして税金を払う、こういう税のかけ方というのはどういうふうになっておりますか。
#22
○説明員(中橋敬次郎君) 課税面から申しますと、おけの取引というのは、そこの清酒をつくりました製造場からおけ買いの製造場に出ます場合には、未納税取引という制度が酒税法上認められております。したがいまして、その場合には、必要な手続をとってもらいますと、課税ということは起こらないわけでございます。
 そのときに一体どれくらいの税金がかかるべきであるかということを調べておくべきではないかというまず第一の御質問でございますけれども、現在の酒税法は、課税をいよいよ受けまして蔵を出ますときの状態で税金をかけますものですから、課税をいわゆる未納税の段階では猶予されまして、おけ売りの蔵を出ますときの状態というのは、実は、そのおけ買いをしました蔵を出ますときの状態とかなり違っておりますので、それほど課税上確定をしておく必要はないわけでございます。
 税金をいよいよおけ買いをしましたところで蔵出しをするときにかけるわけでございますが、そのとき一番違っておりますのは、まずは級別の問題が出てまいるわけでございます。おそらく先生の御質問もその点だろうと思いますけれども、これは二通りございまして、おけ売りのほうでたとえば一級なり特級という認定を受けましてそれで未納税でもっておけ買いの蔵に入ってまいります。おけ買いのほうでも、他の自製酒なりおけ買いをしてまいりました一級なり特級の酒を混和いたしまして、出すものと、おけ買いのほうでは二級という形でもっておけ買いをしてまいりまして、それを自分のところのお酒なり他のおけ買いをしてまいりました酒と混和をいたしましてそこで新たに特級なり一級なりの認定を受けまして、そして特級あるいは一級として出るという形がございます。
 いずれにしましても、おけ買いをしましたところで蔵を出ますときの状態、その級別、その量に応じまして課税が行なわれるわけでございますので、いわばおけ売りのほうでは、課税の問題というのは、税金をその場合にかけないでも、確実に次にかかり得る製造場の配慮ということさえ担保されておりますれば、そんなに問題はないと私どもは考えております。
#23
○横川正市君 そういう状態でやられてきたんだから、これはその状態を認めるよりしかたがないということになりそうですが、私は、アルコール業というんですか、酒造業、そういった業種に対する課税側の処置というのはもっと厳格なもので、もう全く全然余地のないものだと思っておったわけですよ。ところが、そういう業界側のいろいろな都合によってということよりか、これは米が管理米になったことが一つの問題になったのじゃないかと思いますが、そういうことから業種そのものが非常に複雑な形態を持ってきて、税をかける側では実はびしっと合理的にやれない面が出てきたので、便法をあれこれと加えてきた結果、いまのような状態になったのじゃないだろうかと私もおぼろげにわかるわけですが、ただ、非常に疑問に思うのは、酒というのはまず水が非常に大きな影響力を持っている。それから酒をつくる技術者というのは、必ずしも勉強した技術者でなくして、経験者というような意味で、そこの酒蔵を守っている杜氏の、何といいますか、手先か舌先かあるいは勘かによって一つの銘柄というのが伝統的につくられておる。そうすると、同一地方でおけ買いをした場合ならば、あるいは水も同じだし、それからいろいろな醸造の手法についてもよく連絡をとればできるように思いますけれども、それが全然できないような場合、水が違ったり、あるいは醸造法が違ったり、そうしてその酒の持ち味が特級、一級、二級であるのに、地方を全然変えたところのものと混ぜて別の特級、一級、二級という新しい酒がつくられるというそのこと自体に問題があるのじゃないか、それに税金をかけているわけですからね。ただ製造者と消費者の間でうまいとかうまくないとかいうことだけならば問題は別ですけれども、特級には幾らのパーセントの税金、一級には幾らのパーセントの税金というのがあるわけですから、その場合にはどうも少し課税の処置というのは厳格さがないというふうに考えられないかと思うんですけれども、その点は問題はないわけですか。
#24
○説明員(中橋敬次郎君) 私もお酒の技術のことはあまり詳しくございませんけれども、一般的にいわれておりますことは、必ずしも酒をブレンドしますということが酒の品質を阻害しない。むしろ、ある場合にはブレンドいたしますことによってかなり酒の品質が上がるというふうにいわれております。一番それを言われますのはフランスのブドウ酒でございまして、フランスのブドウ酒でも、実は、ブレンドをする所で大きく混和をいたしますことによってかなり品質が均一化され高められておるということでございます。日本の清酒につきましても、実は、これは、大量的に一カ所でつくるということにいたしましても、そんなにスケールメリットは出てきません。と申しますのは、それぞれ一おけ一おけを仕込んでまいりますから、流れ作業でもってどんどん大量的につくればそれだけメリットが出るというものでもございませんので、やはりある単位単位の適正な規模のつくりというのが従来もとり行なわれてきたようでございます。その一蔵一蔵というものを全部自分の企業として持っておるのが、あるいは近隣あるいは地方ということでそういうおけ買い先というものが自然発生的に育成されてきたのであろうと思いますけれども、そのときにも、同じ水質、同じ品質の酒を混ぜ合わせることも一つの手でございましょうけれども、また、それとは違いまして、かなり味にいろいろバラエティーをつけて混和されたものも品質上相当よくなっている状態でございます。
 税金のほうでそんなにルーズなことでよいのかという御批判でございますが、税金面は、実は、それぞれのおけ売りの企業でつくりましたときに、おっしゃいますように、これだけの米、これだけの水を加えまして、どれだけの酒ができたかという数量はもちろん確定をいたすわけでございます。ただ、それが出ますときにそこで税額そのものをはじきましても、実は次の段階に行きましたときに課せられるべき税額とは縁がございませんから、そこで税額そのものを一応は未納税という形で――もちろん確定はいたしておきますけれども、そのものが次の製造場に入りましたときには、そこで課税をしないで、おけ買いをしましたところで今度はいよいよそこを出ますときの特級なり一級なりという状態でその量に応じて課税をするということで、量的にも十分監査をいたしておりますから、そこでがっちりとした課税が行なわれておりますので、未納税取引あるいはおけ買い取引によりまして税金がルーズになっておるということは決してないと思います。
#25
○横川正市君 この業界の特色の中の一つに、品質の規制とか、使用原料とか、製造方法とか、そういったことがある程度制約を受けているということがいわれているわけですが、これはいわゆる制約としてどういう内容があるわけですか、具体的には。
#26
○説明員(中橋敬次郎君) 現在、私どもが、清酒メーカーに対しまして、清酒を生産いたしますについて制限をかけておりますのは、清酒の品質を最低限度どの辺で押えたらいいかという点から制限をかけておるものでございます。と申しますのは、昭和十七年ぐらいでございましたか、米が非常に少なくなりましたときに、従来は米と水とでもって清酒をつくっておったわけでございますけれども、その際、米が非常に不足になってきたということから、アルコールを添加するという方法を採用いたしたわけでございます。それから戦後、さらに食糧事情が逼迫してまいりましたときには、アルコール添加する量というものをもう少し引き上げてはどうかということで醸造試験場あたりでも研究をいたしまして、この程度ならばいわゆる清酒としての限度を守れるのではないかということで、いわゆる三倍譲造方式というものを採用いたしたわけでございます。現在の生産では、普通程度にアルコールを水と米とのいわゆるほんとうの清酒に加えます方法と、それからアルコールの量を普通の醸造方法以上に加えます方法と、両方併用しながら清酒というものをつくっておるわけでございます。もちろん、それは、最低限度といいますか、限度としての私どもの制限でございますので、最近、昨年産米より自由に米は買えるということになっておりますから、自分のところは、そういうアルコール添加あるいは三倍醸造の方式をとらなくても、米だけでやっていくのだ、従来の昔の醸造方法に返るのだというところは、そういう方法もできることになっております。しかし、いずれにしましても、そういうアルコールを加えます。アルコールを加えますと、米だけでつくっておりましたお酒と違いまして味が少し薄くなるというようなところから、ブドウ糖を加える、あるいは水あめを加える、グルタミン酸ソーダを加えるというのも認めておりますけれども、それはすべて清酒という名にそむかない程度にまでということでもって限度を加えておりますので、私どもの現在やっておりますことは、先ほど冒頭に申し上げましたように、清酒という定義にそむかないためには一体どの辺まで許容されるかということで制限を加えているわけでございます。
#27
○横川正市君 実は、私は、酒を全然たしなまないものですから、酒の味は全然わからないわけですけれども、普通、酒をつくっている手法というのは、先ほどちょっと言いましたように、その銘柄によって、ちゃんと杜氏さんというのがいて、その人の舌先三寸で特級、一級、二級ときめられている。そうして、それが長い信用を持っている。ですから、その地方では、どこのお酒は辛味だとか、どこのお酒は甘味だとか、これは婦人向きだとか、おとな向きだとかいうふうに言うのじゃないかと思うんですよね。いま言われたように、原料を全部中へ入れて混ぜ合わせたら一番いい酒ができたというようなそういう化学的な混合品ではなくて、もっとデリケートなものが酒なんじゃないかと、こういうふうに私どもは思っておりますがね。そういう酒を、Aの銘柄が、Bの銘柄でつくったものを買い取ってAの銘柄で売り出すということは一体これはどういうことなんだろうか、本来そういうことでいいのかというような気がしたものですから、この点をお聞きをしたのですが、あなたの意見では、混ぜたほうがいい酒ができるのならば、これはまあそのほうがいいことになりますけれども、しかし、混ぜて飲めば悪酔いをするということもありますので(笑声)、どっちがいいかということはちょっとわかりませんけれども、その点は、いままでの一つの製造業のとってきた過程といいますか、しかも、税金をかける側の、何といいますか、不都合にならない方法をとってやってきたところにいまのような一つのシステムというのが出てきたのじゃないかとこう思う、その一つとして。
 もう一つは、これは私は非常に不思議に思うわけですが、製造業者から小売り業者へ渡すときに、何といいますか、リベートのようなかっこうで品物が渡されていると。これも一つのしきたりみたいなものなんでしょうか。私は、実は、一つは、たとえば製造業のあり方からいってみて、転廃業をされるところの酒造設備なんというものは、これは死蔵してしまわないようにする。つまり、米が自由に買えるようになったからといって大きなメーカーが勝手に設備投資をして拡大をして、片一方では設備が死蔵され、片一方では新たな設備投資がされるということで、本来、嗜好品とはいいながら、生活の必需品になりつつある酒の値段を下げられるのに、実際上は下げられないで高くなっていくというようなことはどうだろうかというのが一つ考えている点なんです。
 それから、いま言いましたように、実際上の生産にあずかっている人たちの、何といいますか、体質ですね。体質がいまのような状態でいってどうだというふうに考えるのには、ちょっと腑に落ちかねる点が一つあるわけです。たとえば、零細な酒造業の場合には、その地方の地元に相当なじみができておって、ある程度の生産とそれから消費というものは維持されているから、別に転廃業をする必要がないということがいわれているんですね。中小――まあ零細というわけですから、規模はそれぞれ別なんでしょうが、中小の場合には、実は転廃業しなければいけない、いわゆる販売ルートを持っておらないから転廃業しなければいけないというけれども、これは一体どうなんだろうかと思うのは、たとえば、メーカーでは大量生産しているから安く売る、あるいは中小は生産コストが高くなるから安く売れない、そこで中小は太刀打ちできないからという話ならこれはまあわかるわけですが、しかし、中小であっても販売ルートをある程度持っているわけですから、零細企業と別に区分して急激に米が自由化されたからということで転業しなければいけないというそういう事情になったということがちょっと理解できない点なんですよ。問題は、全体から見れば、大きなメーカーでは大きなメーカーのエリア、中小は中小、零細は零細、それぞれの販売エリアというものは持っておったはずなんで、それで維持していくことを考えたほうが合理的なんじゃないか。そうじゃないと、私どもは、テレビを見ていて、お酒の宣伝なんかも、最近はものすごく活発ですよね。あれが嗜好品、必需品としての酒の値段を下げないで高めているとすれば、大メーカーに全体のつくられる酒の量というものが集中されることは、一般の酒を飲んでいる人たちにとってみても必ずしも利益にならないのじゃないかという気がするのですけれども、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
#28
○政府委員(吉國二郎君) 今回の法律で援助しようとしております構造改善につきまして、ただいま御指摘がございましたように、酒の業界においては、一方において製造設備が余っているにかかわらず、造石についての制限が米の割り当てという面から行なわれておる。したがいまして、そういう意味では、実際上製造とそういう能力とが一致をしないという形で推移してきたことは事実だと思います。今回の構造改善と申しますのは、いわば現在までの酒造業の動き、それと消費の傾向の動きとがだんだんと矛盾をあらわしてきておりまして、たとえば、何と申しましても嗜好品でございますから、銘柄によって販売力が非常に違うわけであります。販売力が違ってきつつあるにかかわらず、米の配給統制というものがあるために、販売力のある者が依然として造石については制限を受けるという結果、製造業者同士で製成した酒を融通し合ういわゆるおけ売り、おけ買いの現象がはげしくなってまいった面がございます。おけ売り、おけ買いというのは、昔からあった酒の取引の一形態であったわけでありますが、最近非常に大幅になってまいりまして、三千七百軒の業者のうち、約七、八百軒は製造石数の半ば以上をおけ売りをしているという実情になってまいりましたのは、これは何と申しましても販売力と製造の統制とが矛盾を来たしてきた結果であろうかと思うのでございます。そういう面から申しますと、今度の米の自主流通米の使用という問題が起こりますと、ここにはじめて販売力に応じた製造が行なわれる可能性が出てまいります。そういたしますと、おけ売り等で従来販売力を十分持たずに製造していた業者の中に、過剰生産を起こし、ひいては倒産あるいはその他の投げ売りを起こすというふうな現象が起こりかねないという問題がございます。したがいまして、この自由化というものをできるだけ漸進的にしかも合理的にやっていくために五年間の業界の規制が行なわれましたが、この規制だけでは結果が十分出ないので、それに構造改善計画というものを加味して、五年後には自由化体制に応じた生産販売が行なわれるようにしようというのがねらいでございます。
 そういう意味では、御指摘がございましたように、小さい業者で、地方の配給機構等が十分整備していないような地域におきましては、いわゆる小売りに対する直売ということで息をつないでいける、十分生きていけるものもあるわけであります。むしろ御指摘があったように中ぐらいなところが苦しいんじゃないかというお話は、いま申し上げたように、おけ売りというものを多量にやっておりまして、しかも、提携して一定の契約に基づいて安定したおけ売りをしていない業者というものが苦しくなってくるという問題であろうかと思うのであります。この構造改善の内容と申しますのは、一律に規模を大きくするということではないのでございまして、独立で製造するのはもちろんでございますが、協業とかあるいは合同、あるいは提携のおけ売り、いわば契約による安定したおけ売り、あるいは先ほど申し上げましたような小売りに直売をして生きていく業者、いろいろタイプを分けまして、それらが米の需要が自由になり製造が自由になったときになお生きていけるような体制、そして五年間の間に全体の業界の姿を改善していくというところにねらいがあるわけであります。そういうところがいわば体質改善の本質であろうと、かように考えております。
#29
○横川正市君 だから、いままで一つの経過過程の中でつくられた体質というものを私は聞いてびっくりしたわけですよね、おけ売りなんというそんなものを初めて法律を見て知ったわけですから。あなたのほうでは、おけ売りを長く一つの慣習みたいにして少しも矛盾を感じないのだということで、私とではまるっきり違うわけですよ、ものの考え方が。それで、たとえばおけ売り企業の場合であっても、こういうことが言えませんか。自分で販路を自分の地方で開拓をして、そして自主的に製造と販売とをやれるような体質に変えていく。それから零細企業と同じような形態をとれないかどうか。それはなぜかというと、大きなメメーカー筋に集中されていって一体酒の値段というものは下がるんだろうか。これはますます上がるんじゃないだろうか。これは、カルテル行為も、別にそれだけ大きなものとは思いませんけれども、しかし、だんだん集中化されていけばいくほど酒の値段というのは下がらないのじゃないだろうかというふうに思うのですが、その点はどうお考えでしょうか。
#30
○政府委員(吉國二郎君) 酒の製造というものが、醸造という性質から申しますと、必ずしも規模が大きくなったからといって非常に合理化が行なわれるとは言えない部面は確かにあると思います。しかし、醸造技術等が高度化いたしてまいりますと、仕込みのタンクなども大規模なものになり、また、その熱管理なども科学的なものが行なわれるようになるということも事実でございますので、やはり合理化が行なわれる、同時に今回のこの構造改善というのが最終的に完全な自由競争になるという前提で行なわれておりますから、この構造改善そのものも自由競争に耐える姿で考えていかなければならない。そういう意味では、価格を引き上げていくような形が出てくることはまずない。ことに、清酒業界において、寡占というようなことが起こることはまず当分考えられないことでございます。そういう意味では、この構造改善が価格を引き上げる効果を持つということは絶対にないと私は思っております。現在の構造改善計画の内容では、この五カ年後に現在価格においては一一%のコスト引き下げができるということを目途にいたしております。現在価格でございますから、その間に諸物価が騰貴いたしまして賃金等が上がりますと、現実の価格はそのとおり下がりませんので、それだけ生産性が一一%上がるという目途でこの構造改善計画ができております。そういう意味では、私は、価格に対しては引き下げ効果が十分起こり得るだろう、こういう自由競争体制に持っていくのがこの構造改善のねらいであるということだと思います。
#31
○横川正市君 まあその銘柄の酒が実は混ぜたらうまくなったということがあるようですから、別に悪いとはいいませんけれども、ほかのところでつくられた酒が売られておったというそういうことを知っていないのが非常識で、知っているのが常識だということになりそうですから、それはいいと思うのです。
 それからもう一つは、おけ売り企業の別な進路として、おけ売り企業を脱却して自己銘柄の販路を新規開拓することが実は非常にむずかしくて、成功する例がないというその理由の中に、一、有力な卸売り業者が比較的少ない。二、末端小売り、料飲店と親密な関係を結ぶまでには長期間にわたる販売促進策を要する。三、消費者に新ブランドを浸透させるには相当高度のマーケティング技術を要する。四、以上の市場開拓策遂行には多額の先行投資が必要であると、こういうことが隘路になっておるといわれておりますが、一面、中小八社が直売することによって二、三割安い酒を消費者に提供するというそういう道も開かれようとしていると、こういう二つの面が出ているわけですね。だから、これは選択なんですか、それとも、こういう八社が行なっているような生協を通じてやるようなことは取り扱いとしてどういうふうにお考えになっているわけでしょうか。たとえば、総理から物価引き下げの一つの策として、生協などをもっと活用したらどうだというような意見がちょっと出たようですが、まあ安くなるならいいじゃないかということも一面には考えられるわけですけれども、その点はどういうふうにお考えですか。
#32
○政府委員(吉國二郎君) 生協を通じて販売をするということになりますというと、生協に対して免許を下ろすということが必要になってまいります。生協に対して免許を全然下ろしていないというわけではございませんが、御承知のように、生協そのものが員外利用その他で小売り業との関係をいかに調整するかというのは、実は酒だけの問題ではない。小売り業はいわば中小企業であり、小売り業との調整から考えていかなければならない面がございますので、私どもは、こういう免許を弾力化していく過程においてもこの点はやはり全体としての体制というものを考える必要があるという点で慎重を期しているわけでございます。もちろん、消費生協の運動というものが、いわば利用分量の配当というものを通じて仕入れコストを下げながらも販売コストにおいては小売り業と不当な競争にならないように考えるという本来の姿でやっていればそれでいいじゃないかという考え方もあるわけでございますが、実情はなかなかそうはならないというところから小売り業との間の問題が起こってくるのじゃないかと思うのです。
 いま御指摘になりました八社の問題は、これは生協に免許を与えてということではないのでございまして、生協の加入者から申し込みをとって、この申し込みが一定の数量に達したならば、そこへ直接現物を運んで販売をするというやり方でございます。そういう意味では、実質は、消費者に対する直売ということを実施しようとしておるのではないかと思うのです。この場合、かつての例としては、東駒という酒蔵会社が実行した例がございます。今度は八社ということになりますと、おそらく統一銘柄をつくるとかいろいろなことを言っておりますが、そうなりますと、おそらく協同組合をつくってそこで統一銘柄を扱うというようなことになると思いますので、この場合にはその協同組合自身に免許が要るというような問題が出てまいりますが、それはまだ実は私どもの手元に出ておりません。そういうことで、これがどういう形で実行されていくのかは今後の問題だと思っておりますが、ただ、いまそういうものを結成してやろうとしておるという報道があるだけで、私どものところには具体的にそういう形で発足したということは出てきていないわけでございます。
 そういう意味から申しますと、確かに、消費者に直接売ればマージンがなくなるではないかと、これは狭い地域では私はそういうこともあり得ると思うのですが、全国にわたって販売をするとなると、卸売り業、小売り業というものが自然発生的にできてきた、そして流通機構をつくってきた過程から申しますと、やはり直接消費者まで送るというやり方の中にはかなりの無理があるのではないか。一つは、銘柄そのものが単一のものに限られます。消費者が要求する時期にすぐに手に入らない。そういう販売所を置けば、またこれは販売免許を要するわけでございますから、そういう意味では、はがきで申し込んで一定量に達すると持ってくる備蓄用の酒を買うならそれでもよいわけでございますが、消費者が好きな酒を随時得られるというところに小売りのリテイラーとしての効果があるわけでございます。そういう問題から申しますと、こういう販売形態が一般化するということはむしろ不自然ではないか。ほかの製品でも同じことが言えるわけだと思うのであります。そういう意味では、むしろ、現在行なっております卸売り業の構造改善とか、あるいはさらに小売りのそれぞれの合理化とかいうことを通じて酒類をできるだけ低廉に販売をするという方向が本質的には一番本筋のことではないか、かように考えている次第でございます。
#33
○横川正市君 これは、消費者が選択しなくても、製造元がたくさん混ぜてくれているから、(笑声)別に選択する必要がないくらいじゃないかと思いますが、これはどうでしょうかね、流通機構が、いっときから見ますと、非常な大きな変わり方をいたしております。その流通機構の変わり方は、都市ではなしに、もう末端の中小まで形態が変わってきているわけなんです。酒を売りますというその免許を持っている店というのはだんだんかたがってきまして、かん詰めだとか酒なんというのはかたがってきて、酒以外のところで商品も売っているところがりっぱな流通機構で商店をかまえてやっているという形態がもう随所で見られますよ。そういう点からすると、免許を持っているという既得権はこれはまあ非常に尊重しなければいけないものだと思うけれども、はたして消費者の利便とすればどうだろうかという点も出てきているんじゃないかと思うのです。これは、おそらく、小売り免許の基準というものは、距離だとか、資産だとか、収入の保証とか、いろいろな点があって一つの免許基準みたいなのが出ているのだと思いますけれども、これは一貫して変わらないものなんでしょうか、どうなっておるのですか。
#34
○政府委員(吉國二郎君) 御指摘のように、消費者の需要の動き、あるいは過密過疎現象というようなことに応じまして、小売り業の免許も弾力的に行なう必要があるということで、昭和三十八年に一般的にこの基準を改めております。その後も弾力条項を相当利用いたしまして、実際には申請のあった約四割程度のものが免許になっておるというのが実情でございます。大体、年間二千ないし三千くらいの新規免許が行なわれていますが、これはやはり都市集中あるいは団地が新しくできるというようなことから免許が新しく行なわれておるわけでございます。本来ならば、免許者数がだんだんふえていくということは、もし全体の免許業者がある程度妥当にできておればそういうこともあんまりないわけでございますが、毎年二千ないし三千ずつふえるということは、それだけ地域の実情に応じた新規免許が行なわれていることを示しているとは思います。総数も十四万ということで、たばこ小売り店それからパン屋に次いでかなり大きくなっております。しかし、御指摘のような団地化現象とかそういうものがどんどん起こってまいります。これに対しては弾力的に対処するということを忘れずにやっていきたい、かように考えております。
#35
○横川正市君 私は、実は、生協のようなところは、免許の基準みたいなものを少しゆるめても許可を与えたほうがいいんじゃないかというふうに思っておりましたが、それはひとつ検討してみてください。
 それからもう一つ、さっきもちょっと触れたんですが、清酒を各取引段階で値引きをしたりリベートを出したりしているというそのことなんですけれども、これは一体具体的にはどういう状態になって、これはどういう理由で行なわれているのかということが一つと、もう一つは、需給の動きの中で清酒の生産量あるいは消費量が洋酒その他に押されて、伸び率が他の酒類と比べますとあまり大きな伸び率を示しておらないわけですが、需給の側からしてみて、ことに需要期に単価の値上がりがするというようなことは、これはどういう意味合いなのか、この二つの点をお聞きしたい。
#36
○説明員(中橋敬次郎君) 清酒につきましても、取引段階でおっしゃるようにリベートを支払われておるという事実がございます。もっとも、それが必ずしもお酒の現物とは限りませんで、金銭の場合もありますし、現物で来る場合もございます。ただ、この値引き、リベートと申しますのは、単にお酒だけに限りませんで、あらゆる商品の取引について量に応じまして販売奨励策としてとられておると思います。清酒につきましても、現在、そういう意味で、メーカーから卸、あるいは卸から小売りという段階にそれぞれ値引きが行なわれ、リベートが払われておるということは御指摘のとおりでございます。実は、私どもも、清酒の売り方としまして、これも一つの販売促進策といたしまして、卸店なり小売り店なりの販売努力を期待するという意味におきまして、その報償的なものとしてリベートを販売量に応じて出すということもあながち否定はできないのではないだろうか。もっとも、これだけが売り方ではございませんで、もう一つの売り方として、先ほどちょっと御指摘がございましたように、広告宣伝をかけまして消費者に直接訴えるというのも、そんなに非難すべきものではない。もちろん、その広告費の投下のしかたにはよりましょうけれども、直接消費者に呼びかけまして自分のブランドなりあるいは清酒なりについての市場開拓をするということも、一つの積極的な開発努力であろうと思っております。ただ、その二つというのが従来メーカーあるいは販売業者の売り方だったと思いますけれども、最近は、いろいろな面から、それだけでもいかぬということで、消費者に渡る値段そのものを引き下げることによりまして、いわば薄利多売方式と申しましょうか、そういうことも導入をすることによって消費を獲得していくという措置も私どもとしましても業界に呼びかけておるわけでございます。業界のほうでも、かなりそういった面も考えまして、そのための特別のお酒をつくってあるいはそのためのブランドをつくりまして売り出しているというところも各地に出ております。
 それからお酒の価格でございますけれども、横川委員御指摘のように、需要期、たとえば年末年始に値段の変動があるのではないかということでございますけれども、私どもいままで調査いたしましたところでは、必ずしも年末の需要期に価格が上がったということはございません。過去におきますところの二、三年来に値上げが行なわれたということもございますけれども、これも大体は不需要期をねらって価格の引き上げが行なわれておりますし、年の途中におきますところの需要の強さによりまして価格が上がったという例は、いまのところ私どもとしては存じておりません。
#37
○横川正市君 リベートは、一定率のマージンとは別個のものというふうに出されているわけですね。それからマージン率があってリベートがあるなら、実は、酒を安くしたほうがいいのじゃないかというふうに思うわけです。どうも、私は、何回も言うようですが、酒をたしなまないものですから、新たな問題にいつもぶつかってとまどいするわけですけれども、大蔵省の主税局、国税庁が担当しているもので値段というものがこんなに中で操作されるものがあるというのは、初めて知ったわけです。課税の対象物というのは価格というのはもっと厳格にやられていて、私どもお使いに酒を買いに行くときに酒をまけてくれなんということは絶対言えないものと考えておりました。ところが、実は、かげでまけたりマージンを出したりしているのを承知して、どういうわけなのかととまどいをしたわけなんですが、いま言ったような点では価格を下げる方向に行ったほうがかえっていいんじゃないかというふうに私は思うのが一つ。
 それからもう一つは、清酒の在庫量が、卸商、小売り商、大口需要家、飲食店等で大きく変動し、特に年末前後に値上げなどの予想される場合、大量の仮需要というのが生じて、在庫が、いわば買いだめ方式ですか、そんなことがあって値段の引き上げが行なわれることがあるということがいわれておるわけなんですね。そういうものなのかどうかということでちょっと私は不思議に思っているわけなんです。やはり、価格については、あまりこうあいまいな状態のもとに置かないで、そうして、消費者に少しでもよいものが低廉に渡る、そういうものであっていいものではないだろうか、こういうふうに思うわけなんですが、これはこのまま放置しておくわけですか。
#38
○説明員(中橋敬次郎君) 価格があいまいであるという御指摘なのでございますけれども、実は一つは、私どもとしましては、むしろいままでの価格というのが非常に明確過ぎたと申しますか、均一化し過ぎたという弊があったのではないかと思っております。と申しますのは、マル公の公定価格の時代、あるいはそれに引き続きますところの基準価格の時代を過ぎまして数年になりますけれども、依然としまして、やはり酒はあらゆる銘柄につきましても一つの価格ではないかということを消費者の方々もとかくそう思われがちですし、メーカー、卸の人たちもそういうものではないかという意識が非常に強いように思っております。私どもとしましては、むしろ、お酒は、おっしゃいますように、そのつくり方、コストの状況、それから銘柄の力とということで、銘柄に応じまして価格は広げていったほうがいいのではないかというふうに考えておりますのですが、おっしゃいますようにそれがまた一つの価格のあいまいさと言われますと困りますのですが、むしろ、そういう意味において、価格をばらつかせ展開させるということが今後の私どもの流通界に対する指導と申しますか希望と考えております。
#39
○横川正市君 私は、いろいろ言った中で、たとえば小売り店の免許というようなものは、これは一つの既得権化しているわけで、そういうような場合には価格その他が勝手にやられてしまうというようなものでなしに、ある程度あまり違わない、しかもあまり利潤率の高いものでない、そういうものが既得権化されているもの、窓口で販売される商品というふうに見ていいんじゃないかと思うのですがね。既得権化されたものが、非常にマージンが高くて、リベートもあって、もうけが大きいというようなことは、取り扱いとしては少しおかしいのじゃないか。それならば、免許制度なんというのはやめて、そして取り扱い店は少しでも一本でも多く売るためにサービスを一生懸命するという方向に行ったほうが、既得権化することよりはより市民にサービスする結果になるんじゃないかと、こう思いますがね。そういう点からすると、たとえば二級酒の六百円の酒は、酒造業から出されるのは二百九十九円で、税金が百五十四円、それから卸のほうで五十円もうけ、小売りが九十七円もうけて、六百円に売られるということにいまなっているわけです。直売方式でいままで売ったのをちょっと見ますと、たまたま三社で十人を書類送検されたという二重ラベル事件ですか、こういう不正があるので、あなたのほうでは、こういうことが起こるからと言われる材料になると思うのだけれども、実際には直売しますと四百五十数円で生産者から消費者に渡っていくということになると、私はこれは相当考えていい問題じゃないだろうかと、こういうふうに思いますが、この点は従前どおりでしょうか、または、考慮される余地を持っておるんでしょうか。
#40
○政府委員(吉國二郎君) 御承知のように、酒類につきましては、一番おそくまで統制ないし統制価格が残ったのでございます。そういう関係で、清酒におきます小売り、卸のマージンというものの率が他の食品に比べて低いということがしばしば言われておりまして、それがだんだんと現在はほぼ一般の商品の程度に追い着いてきたという段階ではないかと思うのです。現在、酒の価格というものが、人件費あるいは原料等の値上がりでコスト高になりつつあるということも事実でございますが、全体の商品の価格の値上がりに対しては酒類の価格の値上がりはやや低目であるということは、やはり何となく酒の価格の値上げが押えられぎみであるという面があると思うのでございます。そういう意味では、卸、小売りの段階でも賃金の上昇等によってマージンの増加というものが押えられ、それがリベートの形で次第に製造業者を圧迫した形で実現されているという面も、これはなきにしもあらずだと思います。小売り業が免許業でありながら相当数あるために、やはり競争というものが相当激しく行なわれるという態勢であれば、それが消費者価格に対して悪影響を及ぼすということは少ないのではないかと思うのでありますけれども、そういう意味では、確かに、免許の仕方というものについては、消費者の立場も十分考え、価格への影響を十分考えてやらなければならない面があると私ども思っております。ただ、リベートの発生する原因はいろいろございまして、一律ではない。御指摘のように、私どもは、リベートがそのまま小売りの手に入るくらいなら価格を下げたらいいではないかということをしきりに言うのでありますけれども、必ずしも小売りの手元に残らず、あるいは賃金として流出したり、あるいは特定のものに対する値引きという形で消滅してしまったりという実情もございます。この点は、今後の酒類の価格形成のあり方として、卸売り業、小売り業の合理化という面で解決をはかっていくほかないのではないか、かように考えております。
#41
○横川正市君 最後に、ちょっと先ほど触れましたが、中小で転廃業される施設は死蔵されて、それから自由に需要に見合った供給力を持つためにメーカーは設備投資をする、そういうことで、事実上は価格を安くされるのに、安くする要因というものが活用できないで、値段を高めてしまうというようなことは、これは少しもったいないというふうに思いますが、そういう点の指導は考えておりますか。
#42
○説明員(中橋敬次郎君) 現在掲げております構造改善事業では、必ずしも大きなものを育成するということでございませんで、先ほど横川委員が御指摘になりましたように、たとえば地場でブランドがよく通じておるものにつきましては直売型で十分生きていけるということで、その方法で体質を強化するという形をとっております。それからまた、先ほど御批判のございましたおけ売り取引でございますが、おけ売りの取引もやはり今後の清酒業界の中ではかなり重要なウエートを占めると思います。もっとも、そのおけ取引につきましては、私どもとしては、十分の資金援助なりあるいは技術指導なり、いわゆる系列化をしたおけ取引というものを想定いたしておるわけでございます。それからまた、もう一つの型としましては、自分のブランドを十分伸ばしていくということでございます。ただ、自分のブランドを伸ばすということにつきましても、おっしゃいますように、直ちに新しい投資をやるというよりは、やはり古い設備をもってそれぞれの規模として最適であるというようなおけ買い先を十分使うことによりまして、むしろ、おっしゃいますように、中小のほうのおけ屋さんの設備が死蔵しないで、かえってそれで安い償却済みの資産を使えるという意味におきまして、おけ取引を使うことによって新規投資の場合よりもはるかにコスト面では有利に立つという方向も推進してまいりたいというふうに考えております。
#43
○委員長(栗原祐幸君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#44
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#45
○戸田菊雄君 大臣に対する質問はわずか二十分ですから、ごくはしょりまして質問いたしたいと思います。
 第一の問題は、清酒製造業の安定に関する特別措置法案に対する問題でありますが、提案の理由によりますると、一つは融資の円滑化、一つは経営改善の合理化をはかる、ないし酒税確保をやっていこうということがそのおもなねらいになっているようでありますが、今後の経営改善の具体的内容等についてどのように一体お考えになっておられるのか。さらに、突き詰めていきますと、四十八年の十一月三十日までに統廃合を含めて整備していこうということなんですが、そういう意味合いにおいては提案であくまで過渡的措置というようなことも言っておるんですが、一たん整備をされたその後はどういう方向へ行くのか、その辺の問題が一つあります。
 それからもう一つは、来年の四十六年度税制に対しまして、われわれの情報といたしましては、六月五日あたりから税制調査会が開かれまして、そして本格的に四十六年度税制全般についての検討を進めようと、こういう情報をわれわれとしてはキャッチをしておるわけであります。そういうものに対して、従来、大臣としては、いろいろ審議の途上で御回答があったわけでありますけれども、ことに間接税等々に対してウエートを置いて総洗いをしてみたいというような御意見は何回か承っておるわけですが、そういう中で酒税等に対する税の負担率の問題ですね、これらの問題についてももう一度検討する必要があるのではないだろうかと、こういうように考えるわけなんです。私、ざっと拾い上げてみたのでありますが、ビールびん一本で百三十円見当の中で課税負担が五一・六%、特級酒で四四・三%、一級酒で三七・八%、あるいは二級酒で二六・六%、ウイスキーでもって一級が三三・七%、二級が二七・九%、合成清酒でもって二六・二%ということになっておりますが、こういう内容をちょっと見まして、これは四十三年度課税数量の問題でありますが、そういう販売数量等からいっても、ちょっとやはり検討していく必要があるのではないだろうかというふうに基本的には考えるわけでありますが、そういう問題に対して大蔵大臣はどういうお考えを持っておられますか、その辺が第二点であります。
 それからもう一つは、酒税等の課税内容をいまのように検討してまいりますると、どうしてもやっぱり流通機構にぶつかっていくと思うのであります。いま、酒税関係は、私の理解では、一つは醸造、一つは卸売り業、一つは小売り業、こういういわば三段階方式をとられているというふうに理解をしておるのでありますけれども、先ほど横川委員の審議の中でも若干出まして、国税長官なりあるいは間税部長からも答弁のあったところでありまするけれども、この辺の流通機構その他も十分検討していく必要があるのじゃないだろうか。ことに、今回のこの特別措置法の中には、販売部面に対しましてはそういう経営改善の諸措置というものはいささかもうたっておらない。ですから、こういう問題について基本的に大蔵大臣はどのようにお考えになっておられるか、これがその第三点です。
 さらに、物価等の問題と含めまして、先ほど国税長官の御答弁ですと、おおむね経営改善を終了した四十八年ごろまでの間に一一%程度の生産コストのダウンをはかっていきたい、こういうことなんでありまするけれども、私の想定するに、新経済計画その他から見まして、今後の日本の財政やそういうものは多分に拡大をしていく方向なんですね。そういう状況の中で物価上昇見込みというものも年間五%程度というものを考えておくのが至当なんでありますが、そういう中で生産コストがダウンしたから、じゃイコール直ちにそういう価格引き下げまで酒の場合に行くのかどうかですね、この辺の見通しは一体どういうふうにお考えになっているのか。
 時間がありませんから、一括して四点についてまず大臣の御見解を承りたいと思います。
#46
○国務大臣(福田赳夫君) まず、清酒業界の近代化、そういう問題につきましては、まさに今回の法律案がそれをねらっておるわけでございます。それによりまして、ただいまもお話しがありましたが、コストを下げていく。つまり、その方法といたしましては、低生産性の企業をこの際遠慮していただく、こういう考え方になるわけであります。私は、必ず、この法案が基礎になりまして、酒造業界は、その生産性の向上、つまり近代化、合理化に大きく前進するであろう、かように確信をいたしております。
 それから第二点は、税制改正をこれからどうするかという問題に関連をされての話でございますが、六月の初めに税制調査会に集まっていただくということを考えておるわけであります。この席におきまして、今後どうするかということにつきまして意見の交換を行なうということになると思います。懇談という性格のものになろうというふうに思います。その際には、衆参両院の大蔵委員会において御論議のあった事項について、特にこれを調査会に当局より御説明をするということを主体にいたしまして懇談いたしたいと、こういうふうに考えております。
 それから第三の流通部門について何か考えておるかというお話でございますが、法的には考えておりません。しかしながら、実際上は物価問題が非常にむずかしい段階になってきておるのであります。そういう際に、中間コストをどうしても下げていくということを努力しなければならない、そのためにはいわゆる流通問題にも着目をしなければならない、そういうふうに考えております。卸、小売りにつきましては、ただいまきわめてきびしい免許基準というものをとっておりますが、ややこれを弾力化してみたい、こういうふうに考えておるのであります。これによりまして自由競争の働く分野というものを少し高めるという結果になります。しかし、これがまた無制限というわけにはいかない、これはかなりの留保を必要とするわけでありますが、そういう方向に行くことをただいま考えておる次第でございます。
 それから第四に、物価問題に対する影響いかんというお話でございますが、近代化、合理化がこの立法によりまして進む、それに伴いまして生産コストがかなり引き下げになる。いま、主税当局は、一一%ぐらいは下がるのじゃないかという一応の見通しをしておりますが、しかし、他面におきまして、物価の上昇がある程度あるということはまた避け得られません。したがって、その見合いになりますが、酒の値段が名目上どういうふうになるかということはかなり微妙な問題になってくるであろう、こういうふうに思いますが、もしこの措置なかりせば物価の影響をフルに受けることになりますが、この措置によって物価の影響をかなり消していくという効果を持つであろうということを期待しておるわけでございます。
#47
○戸田菊雄君 それからこれはあとでまた審議されるようになるのでありますが、漁船再保険の問題で一点ほどお聞きしておきたいと思います。これは大臣に伺います。
 それは、現在の共済の負担割合というものは一定の限度額がありまして、災害発生時に、たとえば一億円の水揚げがある、それが七割減に下がっておると。そうすると、その差額を負担していくわけですね、共済として。そういう場合の補償限度額が非常に低いのではないかと、現地の現在加盟をしておる組合員等の中からいろいろこういう意見が出るわけであります。
 それから、もう一つは、たとえば昨年の坊主台風があった場合のように、各般のワカメとかコンブが相当被害をこうむる、そういうことに対して政府は激甚災害を適用していく。そういう場合に、共済組合に加入をしておる人には、一たん共済組合等からその損害に対して一定の救済措置を行なう。一方は、激甚災害の適用でもって国家補償がなされる。そういう場合に、加盟しておらない人は、ストレートに国家補償の激甚災害のほうから来る補償を受けることになるわけです。ところが、共済組合に加盟しておるがゆえに、それらの人は、一たん救済対象として措置はしておくわけなんでありますけれども、それを相殺されるおけですね。だから、現地で受ける皆さんの印象としては、どうも、共済組合に加盟しているがゆえに、何かそういった二重の補償態様がある場合には損をするのではないか、こういう印象を受けますし、実質上そういう操作がやられておるわけです。こういう問題について、本来、共済組合等に対する国家補償全体も、それぞれ割合があって国家負担をやっておるわけでありまするけれども、まだ不十分な段階であります。ことに、そういう異常事態のような場合の災害の補償態様については、もっとやはり高額なものをそれぞれ補償していく必要があるのではないか、こういうように考えまするので、そういう面は将来十分検討する必要があろうというふうに考えるわけであります。そういう問題について、中身としては二点でありまするけれども、大臣の見解を承っておきたいと思います。
#48
○国務大臣(福田赳夫君) 農林当局から事実関係をお答え申し上げました後、私の見解を述べることにいたします。
#49
○説明員(平松甲子夫君) 共済限度額でございますが、補償の金額が低いとおっしゃるのは、漁獲共済につきまして共済限度額を設けておるという点について漁民の方からの御意見があったのだろうというふうに考えますけれども、共済組合の仕組みといたしましては、再生産が確保できるようにというふうなことがねらいでございますので、漁獲の差額について共済をするという場合にも、その際、物的経費に見合う分に相当するようなといいますか、再生産をするに必要な経費率というもので限度額率というものを設けておりまして、その限度額率につきましても、四十三年の一月から引き上げをいたすということにいたしまして漁民の方の御要望に沿うというような形で私どもで対処いたしておるわけでございます。現在の限度額率につきましてどういうふうに考えるかという御質問でございますならば、四十三年の一月に新限度額率を適用いたしまして、その実績がやっと今年の五、六月ごろ最終の成績として出てまいるということでございますので、その成績を見た上で検討をしてまいるというふうに考えてまいりたいと思います。
 それから台湾坊主の際における激甚災の対象となったような災害について、共済金の差っ引きをした上で補助金を払うということについてどうだという御意見でありましたが、いろいろ考え方はあろうと思いますけれども、要するに、激甚災の補助にいたしましても、共済制度にいたしましても、再生産の確保ということにねらいがあろうというふうに考えるわけでございまして、重複して支払われるということは制度として好ましくないというようなことで現在まで運用してまいっておりますが、今回の台湾坊主につきましても、大体同じような運用のやり方をやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#50
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま農林当局からお答えがありましたように、この限度額率の改定は四十三年一月一日をもって施行されておるわけです。その実績がわかってくるのがちょうどいまごろだというような状況でありますので、その実績をよく心をいたして見まして、不都合があれば改定をすると、今後の検討問題だというふうに御了承を願います。
#51
○戸田菊雄君 あと一〇分延びたそうですから、主税のほうに御質問申し上げます。申しわけございません。――それでは、この際ですから、大蔵大臣にもう一点か二点伺いたいと思います。その第一点は、従来、経営改善等のために国庫が一定の補償を出してそれでいろいろ処置をされてきた。きのう大蔵当局のほうからいろいろお伺いしたのでありますが、たとえば石炭の場合ですね、額は私もいま資料を持っておりませんから違っている点があれば御指摘願いたいと思うのですが、私の記憶では三千二百億円見当出しておる。それから特定繊維の場合は一億五千万円程度出ていると思うのです。それから塩の場合は百十五億程度負担をしている。それぞれその業種の育成強化ということでやられておるわけです。あとでいろいろとこまかい質問をしていくつもりでありますが、経営の改善政策をやられますと、相当数にわたって醸造会社が統廃合でもって整理をされる。その形はいろいろあります。形はいろいろあるのでありまするけれども、そういう形になっていくわけですね。ですから、そういうものに対して、もっと検討して、現下の既存数というものを根底に守っていくという姿ができ得れば一番好ましいのじゃないか、こういうふうに考えるのでありまするけれども、そういうものに対して、何か七億程度政府は出資をする、あとはもう全部会社が負担をしていくということになっているようでありますが、これはまさしく従来の慣行からいけば異例の措置ではないかというふうに考えるのです。もっとやっぱり手当て措置があっていいのじゃないかと、そういうふうに考えるわけです。そういうふうに第一点としては考えるのでありまするけれども、その辺の大臣の見解についてお伺いをしたいと思います。
 それからもう一つは、基準指数の問題でありますけれども、これは昭和十一年の実績を百万としまして、それで内容としては一キロリットルに大体該当するのだろうと思うのでありますが、そういうことで基準指数というものをそれぞれ積算してきている。この基準指数の積算の土台というものがその辺にあるということは、経済の変化その他からいって必ずしも妥当ではないのじゃないか。もちろん、その後、三十六年ごろですか二回ほど若干の修正は見ておるようでありますけれども、こういう問題について基本的にどう検討され、考えられているのか。
 それからもう一つは、今回の改正の内容に、日本酒造組合中央会のいわば業務方法書の中で処理されるような内容について、具体的には納付金制度の問題について、大蔵大臣命令ということで罰則を加えられるようになっているのですね。こういうものに対しては、私は、どうも法律のあり方からいってきわめてまずいのではないだろうか。これは、言ってみれば自主運用だろうと思うのです。そういうものに対して今回の特別措置法に基づいて一定の罰則強化をやっていく、こういうことは妥当じゃないんじゃないか。先ほど来、衆議院の修正案の提案の説明もあったようでありまするけれども、どうもその辺に法律上の問題として疑義があるわけであります。この辺について大蔵大臣はどのようにお考えになられておるのか、この点が第三点。
 それからもう一つは、転廃業者に対するところの一つの補償措置の問題であります。今後やはり経済が相当膨大になってくることは間違いないし、財政需要も拡大してくることは間違いないのでありますが、そういうものに対して、補償措置が、今年度は四万円ですね、来年度は三万円、次年度は二万円、そして一万円、逆に補償計数というものが下がっていきますのは、これはどうも私としては納得がいかない点なんです。だから、こういう問題について大臣はどのようにお考えになっているのか、その辺の見解をひとつ、内容のこまかい点については別途また質問してまいります。
 以上四点です。
#52
○国務大臣(福田赳夫君) いま、七億円の補助が過少ではないかというふうに伺ったのですが、これは七億円ではないんです。ことしは七億円お願いしておりますが、来年度予算でさらに七億円をお願いしたい、かように考えております。合わせて十四億円になるわけですが、それに業界から七億円を拠出いたしまして二十一億円、そしてその二十倍の保証能力を付与するということになりますので、四百二十億円の保証というか、担保能力がこれによって付与されると、こういうことになるわけです、これは政府の援助といえば援助でありまするが、実はこの法律は二つ内容があるのであります。一つは、ただいま申し上げましたような、酒造業者が自主流通米ができました結果、造石数量に対する担保力というものがなくなってきちゃう、それを補う必要があるというので、こういう七億円という措置をとることにする、それが第一点。それから第二点は、これはそれこそいまお話しの企業整備のほうの問題なんであります。つまり、納付金を徴収する。そして、納付金を中央会が給付金の財源に充てる、こういうことになるわけであります。この給付金、つまり企業整備のほうにつきましては、何らの援助はしておらない、金銭上の。ただ、政府は、大蔵大臣命令をもって、納付金を納めない人がありました場合に、納付命令を出し得る、こういうことだけをもって企業整備の援助をしていこうということであります。前者の七億円、また来年七億円積んで十四億円になりますが、これは将来保証担保能力を必要としないというような事態にこの業界の合理化ができたその際におきましては、何らかの形におきまして政府に返していただきたい、こういうふうに考えておるのでありまして、この法案は、そういう意味合いにおきまして、援助と言えますか言えませんか、まあ中間的な性格のものでございます。そういうことでございますので、戸田さんがおっしゃられるように、この措置は非常に薄いというような御感触かもしれませんけれども、石炭のような場合と違いまして、石炭はこれは滅びいくというか衰退産業なんです。ところが、清酒のほうはそうじゃないのです。だんだんと造石数がふえる、そういう産業でありますので、石炭のようなああいう措置は必要はあるまいという判断で、ただいま申し上げましたような二つの方法をもって援助をしよう、こういう考え方をとったわけでございます。この辺で妥当であると、こういうふうに考えております。
 第二点の基準指数の積算につきましては、国税庁長官からお答えするようにいたしたいと思います。
 第三の納付金につきまして、罰則をつけるのはひどいじゃないかというお話でございますが、ただいま申し上げましたように、政府はこの企業整備にあたりまして何らの金銭上の援助はしないのです。広く業界から納付金を徴収する、その納付金を財源といたしまして給付を行なう、こういう仕組みをとっておる。この仕組みをとっておるゆえんのものは、これもただいま申し上げましたように、清酒業界というものは、そう前途を悲観される産業ではない、こういう考え方に立つわけでございますが、しかし、納付金がありませんと、政府から何の援助も受けない、金銭上の援助も受けない企業整備というものが実行できない。そこで、納付金の納付というものは、これは確実に行なわなければならないというふうに考えた次第でございます。納付金の納付が一人でも拒まれるというようなことになりますると、これは私も私もというようなことも考えられないことではない。そこで、納付金に対しましては、その納付が確実に行なわれるようにという保証を必要とする、そういうことでいろいろ考えたのでありまするが、そういう際には免許取り消しまでいけると、こういうことが妥当であるという結論に到達した次第でございます。実際問題とすると、私どもは、そういう納付金が行なわれない、したがって免許の取り消しをするのだというような事態は予想はしておりません。また、そんなことのないようにいたしたい、こういうふうに思っておりますが、制度として万々が一何かそういう事態があった場合に、この納付金の納付が担保されるという制度がなければこの制度は動かない、こういうようなことから、免許の取り消しまで及ぶところの保証手段をとるということにいたした次第でございます。
 それから第四の転廃業者の補償額の問題ですが、これは最初は四万円、次は三万円、次の年は二万円、その次の年は一万円、こういうふうになっておりますが、最近の酒造家の所得というものは、大体一キロリットル一万円というふうに踏んでおるわけでございます。ところが、すぐもう企業整備に着手しようという人につきましては、私どもが想定しておる四年後には自由化される、その四年前に行なわれるのでありますから、四年間の所得を失うということになる。そこで、その四倍の四万円ということにいたしたわけでございますが、それが一年おくれて企業整備をする人につきましては三万円となり、また二年おくれる人につきましては二万円となり、三年おくれる人につきましては一万円となる、こういう考え方をとったのであります。これも妥当な考え方である、かように考えておるわけであります。
#53
○松井誠君 大臣に二、三点お尋ねしたいと思います。
 順序が引っくり返るものですからなかなか質問しにくいのですけれども、最初に、いま戸田委員から話しがありました、いまちょうど御答弁がありました納本命令に関する問題です。いま大臣のお話を聞いておりまして、多少うなずける点がないでもありませんけれども、しかし、私はやっぱりどうもすっきりしない。衆議院でああいう修正をしましたけれども、依然としてやっぱり問題の本質は残っておると思います。この条文を読んでいきました限りにおいては、納付命令というくだりが出るまでの間は、給付金というものはいわば私的な金だという印象を受ける。ところが、いきなり納付命令というものが出てきて、木に竹を継いだような妙な納付命令というものが政府の横やりから出てくるのは一体どういうわけだと、そういうちぐはぐな妙な違和感みたいなものを消すわけにはいかない。いまお話しのありました納付金というものは、その保証がなければ近代化できないのだというお話ですけれども、それならば、むしろ、首尾一貫して、納付金についていきなり命令を出す前に、酒団法というのですか、あの法律に基づく勧告なり命令なりを直接政府が出すような仕組みが前提としてあるなら、納付命令というものは決して唐突ではないのですけれども、そういう納付について、納付命令を出すまでは何にもタッチをしないでおいて、今度は納付命令でいきなり納付金の性格が変わるかのようなこの仕組みというものはどうもやっぱり解せないのですけれども、再度お答えをいただきたい。
#54
○国務大臣(福田赳夫君) 今回の納付金は、中央会がこれを徴収する、こういう法的の性格を持っております。おりますが、この納付金が集まるか集まらないかということは、企業整備ができるかできないかということに非常に大きな関連を持つわけであります。この企業整備ができなかったら一体どうなるんだといいますと、酒造業界は相当混乱するであろうというふうに私どもも考えております。そういう酒造業界の混乱を防止するという法益を考えまするときに、これは酒造業界の納付金ではありまするけれども、その意味が非常に重大である。つまり、酒造業界が混乱し、収拾困難であるというような事態になりますれば、これは酒税の保全自体が困難になる。そういうことを考えますると、これは中央会の徴収する納付金ではありまするけれども、これは国家的に公益性の高い納付金である、こういうふうに考えておるわけであります。したがって、納付金の納付が実行されないという事態に対しましては、これが必ず行なわれるのだという保証措置を必要とする、そういう見解からかような考え方をとったわけであります。それで、中央会の仕事に国がのこのこ介入するのはおかしいじゃないか、こういうような感触が衆議院のほうでもあったのです。それはなぜかというと、中央会は、全酒造業者の強制加入を前提とする会じゃないんです。事実、一酒造家はこれに入っておらないというような現状でございますが、しかし、そういう状態でありまするから、今度のこの措置を行なわんとする場合におきましては、別個の強制措置を持った一つの企業整備の機構を設ける、こういうことにいたしますると、いま持たれた御感触は払拭されるというふうに思うのです。しかし、一方に、一軒だけが入らない、ほとんどの者が入っておるという中央会がある、そのひさしを借りるということは、これはまあ機構の簡素化というような見地から見ましても妥当なことではあるまいかというので、ひさしを借りることにしたわけです。そのひさしを借りるということにしたことがすっきりしない原因にはなっておりまするが、他面におきまして、ただいま申し上げましたような機構の重複というようなことを避ける意味におきまして、ひさしを借りるということがまたこれが一つの常識ではないか、こういう見解に立ったので、多少おっしゃられるような感触もありましょうが、ただいま申し上げましたようなことを考えますると御了解いただけるのではあるまいか、さような見解でございます。
#55
○松井誠君 酒税の保全に匹敵をするような、あるいはまたそれに近いような性格だというお話でしたけれども、酒税の保全と納付金の確保というのとは、因果関係がないというわけじゃありませんけれども、ずいぶん遠いと思うのです。大風が吹けばおけ屋がもうかるというような話がありますけれども、それほど遠くはないにしても、ずいぶん遠いと思う。酒税の保全のために必要だということになれば、たとえば小売り店に対する売り掛け代金ですね、そういうようなものの回収のほうがよほど酒税の保全に直接的な必要がある。そういうものに対して、それじゃ大蔵大臣が横から介入するというようなことになっているんですか。つまり、酒税の保全と関係があるといえば、納付金よりももっと関係のあるものはずいぶんあると思うのです。酒税業者が小売り店に酒を売る、それの売り掛け代金というようなものも回収されなければ、まさに直接酒税の保全に影響するわけです。それに対して大蔵大臣が横から介入して納付命令を出すようなことはないわけでしょう。ですから、酒税の保全に関係があるということだけではこの措置の合理化というのはできないのじゃないかということです。
#56
○国務大臣(福田赳夫君) 酒税の保全はまあいろいろのことをしなきゃならぬわけですが、たとえば造り酒屋ですが、その酒税の納入を怠ったという際には、その一酒造家の納入不実行という問題でありますからして、これに対しましては強制手段が設けられておるのであります。しかし、今度のこの措置は、そのような一酒造家の問題じゃないんです。もしこの企業整備措置が行なわれなかったならば、酒税全体としてこれが徴収確保に非常な不安な状態が出てくるというその大きな問題につながってくるわけです。そういうことを考えますると、一酒造家の酒税の保全というような問題よりは、はるかに重い立場にあると、こういうふうに考えますので、したがって、一清酒業者に対する酒税の保全につきましても、きびしい調整措置、あるいはそれとほぼ似たようなこの納付金の実行、これを担保する措置がとられるということは、私はこの制度の根本に思いを及ぼしていただきますると十分御理解がいただけるのじゃあるまいか、さように考えるのであります。
#57
○松井誠君 なるほどうまい理屈があったと思うのですれども、しかし、じゃこの措置がなければ保証がないかというと、決してそういうわけではないわけですね。訴訟を起こして取るということはできるわけで、しかも、この納付金の額というのは一応基準があってきまっておるのですから、その訴訟そのものが非常に難航して何年もかかるということになるわけはない。ですから、普通の民事訴訟の手続で取れるという担保はあると考えていいと思う。そのほかになお納付命令をやらなければならぬというのは、いま大臣がはしなくも言われた、経過措置で何か新しい事業団みたいなものをつくる予定だったけれども、それができなかったという経過からならば、私は多少納得できないわけでもない。こういうことはなかったですか。むしろ、業者のほうから、免許取り消しというようなことでおどしてもらわなければとても責任は持てませんよ、そういうことで、非常に斉合性というようなことを重んずる役人としてはちょっとこういう異例の措置をとったのは業界の要求でもあったんじゃないか。そうでないというと、こういう形でまで介入しなければならぬという実際的な理由というのがよくわからない。
#58
○国務大臣(福田赳夫君) その衝に当たった者からお答えを……。
#59
○政府委員(細見卓君) 全体として酒税の保全について御承知のように酒団法がございまして、酒税の保全のための酒団法には、アウトサイダーに対して大臣命令が出せるということになっておるわけでございます。大体、考え方の構想は酒団法の考え方を取り入れまして、この酒団法のアウトサイダーを含めた大蔵大臣命令というものは、酒団法の八十四条におきまして必要な命令を出すことができまして、それに違反した場合には酒団法におきましては罰金並びに懲役まで含めた刑罰があって、その刑罰を受けた場合には、酒造業の免許あるいは酒の小売りの免許が取り消されるという形になっておるわけでございます。そういう意味におきまして、今回の措置は、少なくとも酒団法において酒税の保全のために必要だと考えておる命令の先ほど大臣が答えておりますように最たるもので、業界全体を含めた構造改善の非常に重要な大臣命令にむしろ該当する事柄であるということで最終的には担保しておくのが筋ではないかということで、決して業界がどうとかいうことでなくて、筋として酒団法をそのまま持ってきたという感じでございます。
#60
○松井誠君 もう一点、大臣にお尋ねをしたいのですけれども、この点は私も一番問題にして聞きたいと思っておったことなんですが、ちょうど先ほど戸田委員に対する御答弁の中で、低生産のものはひとつ遠慮していただく、これが清酒業界のいわば近代化の精神だというお話だった。私は、それでいいんだろうかという気がするわけです。聞きますというと、醸造界、清酒業界の経営の規模というのは九割九分五厘までが中小企業だ。その中小企業がいままで温存されてきた理由といえば、これは、私、政治の仕組みというか、食管制度そのものがこういう形で温存をしてきたんだと思う。この食管制度というものが事実上底からくずれてきて、それの波を今度清酒業界がかぶるということになる。言ってみれば、これも一つの政治の責任だと思う。今度、食管制度が、こういう形で自主流通米というものが導入されるという形で新しい嵐にあうというのは、いわば政治そのものでそうしたことになる――経済的な原則でひとりでにそうなるのではなくて、やはり政治というものがあると思う。だとすると、清酒業界の近代化をはかるのに、小さいものを切り捨てるというそういう姿勢が当然のことのようにして前提をされて一体いいんだろうか。あとで私も構造改善なり自主規制なりの具体的な内容をお伺いをしていくつもりでありますけれども、どうも、大臣が言われたように、生産性の高いもの、つまりは大規模な経営、そういうものを中心にして、小さいものは切っていく、そういう方針であるように思われましたし、現にいまの大臣の答弁ではそうだと思う。そこに私ども政治の責任というものがあまり感ぜられないわけです、その点はどうでしょう。
#61
○国務大臣(福田赳夫君) いまこれが切り捨て的な措置であるというようなお話でありましたが、決して切り捨てじゃないのです。これは世の中がたいへん日進月歩の勢いで近代化合理化をされておる時代であります。それによって生産性がどんどんと上がっていく時世であります。そういう中において、生産性の低い部門はどうしたって競争場裏から脱落しなければならぬという宿命に置かれておる。それじゃ困ると、こういうのが私どもの考えです。つまり、多年、酒造業界というものは、何十年、あるいは百年以上と言ってもいいかもしれない、醸造に従事しまして、そして国の租税政策に協力をしてきておる。その業界というものが秩序なく混乱裏にそういう事態におちいるということは、私どもは見ておられない、ここで道をつけよう、こういうことなんです。切り捨てどころじゃないのでありまして、これを大いにあたたかく抱擁していこう、こういう考え方に基づくわけであります。さらばこそ、こういう立法までお願いをいたしまして、そして秩序ある企業整備が行なわれるように、こういう考え方であります。血も涙もなく生産性の低い部門は脱落をさせるのだというような考え方とは全く逆に、時代の流れに応じまして秩序ある企業整備が行なわれるように、あたたかい考え方からこういう措置をお願いする、こういうことが私どもの真意であります。
#62
○松井誠君 みじめな死に方をするよりも、苦しんで死ぬよりも、安楽死をさせてやろう、そういうような考えと私は同じだと思うのです。安楽死をさせる考え方が必ずしも人間尊重そのものではないと思う。ことばじりをつかまえるのじゃありませんけれども、低生産性のものには遠慮していただくといったそのことが業者のつぶやきにもやっぱり似たようなことがあるわけです。五年間の間に自由化をする、自由化をして、さてふたをあけてみたときには、大企業のシェアが大きくなっておって、ほんとうに零細な企業のシェアというものは自然と縮まっておる、そういう結果をこの五年間にもたらす、そういうことを自主規制という名で実はやっておる。小さい業者としてはとてもつくれないような、実際の需要を上回るような生産規模の目標を出して、大企業はそれは達成できる、しかし、小さい企業は、販売力がありませんし、金がありませんから、そういう従来の実績を上回るような目標を示されても、それをつくる能力がない。したがって、おのずと大きな企業のほうのシェアというものが太っていく、そういうことを自主調整という名前でやるのだ。われわれに三割五分増しの生産をしろなんて、とてもそれは無理なんです。初めからできない。三割五分増しの生産をやれるのは大きな企業で、それが実績になって、五年後の自由化というときにはそこでスタートするということになると、こういう業者の嘆きというものを聞いた。ですから、そういうことを考えると、業者自身がこの法律案に賛成しているのですから私が反対をすべきいわれはないが、その底に流れている考え方については必ずしも首肯できない。生産性の低いものがいまの自由競争の中でそのまま生きていく個別経営一つ一つに手当てをしろなんということを私たちは申しません。それならば、それで、協業化で生きていけるような方法、協業化をすることによって個別経営をやっているときよりもいろいろな利点がある、そういうことを誘導することによって安楽死も何もさせないで業界に残っていけるという方法をもっと積極的に考えられないか、そういうことがこの数量規制の中で具体的にどのように措置されているのかいないのか、この辺がもしおわかりだったらあわせてお伺いしたい。
#63
○政府委員(吉國二郎君) ただいま御指摘がございましたが、現在の酒造業者は三千数百、これが今後五年間に自由化体制に入るという準備をしていこうというのがこの規制でございます。もしこの規制をいたしませんで直ちに自由化をいたしますと、現在五割以上をいわゆる非提携おけ売りでまかなっております業者は直ちに経営困難におちいるというのが目に見えております。そこで、とりあえず業界全体の申し合わせによりまして酒税の安定的な納付というものを確保するという意味において、酒団法四十二条による規制を行なっておるわけであります。五年間に最終的に自由化に近い姿を漸進的に出していくということでございますから、決してこれは割当数量をふやすことによって大企業のシェアをふやすということではなくて、一挙に大企業がふやそうと思えばふやせるものを五年間になしくずしにやっていって、その間にそれぞれの業者がその最終的な事態に対応できるような態勢を整えさせようという趣旨でございます。それで、おっしゃるとおり、協業化とか共同化とかいうことをそれぞれ計画の中に織り込んでおります。最終の姿といたしましても、いわゆる大企業である広域的卸売り型とか、狭域的――狭い地域での中小企業の卸売り型、あるいは提携おけ売り型、あるいは直売型、つまり狭い地域でございますから卸を通さずに小売業に直接販売することによってマージンを得て生き残るという型、まあおおむね四つの型に分けまして、それにそれぞれ適応した構造改善、体質改善を行なっていく、それで五年後にその形で完全な自由化が行なわれても、いかに原料米が自由に消費されようとも自分自身は生き残っていけるという態勢を整えさせたい、そういう趣旨でございます。その協業化なり共同化なりは、それぞれの業界なり業者が互いに努力し合って今後やっていくわけでございますが、どうしてもそれに乗れないという形のもの、しかも直売も不可能であるというものがやはり残ると思うのでございます。そういうものは、結果においては自由化したときにいわば経営困難におちいる。それが目に見えているだけに、どうしても協業もできないし直売にも徹せられないというものは早目にやめていかざるを得ない。しかし、やめるにいたしましても、転廃業をするにはやはり相当の時間がかかる。そうだとすれば、この規制の五年間の間だけは製造したと同程度の利益を得られるようにして、その間に転廃をはかるということが妥当であろうというのがこの転廃給付金の性格でございます。
 そういう意味で、いわば小さいものをつぶしてしまうというのではなくして、それぞれその規模に応じ、あるいは置かれた地域的条件に応じ、将来の自由化体制に対処し得る体質改善を行なう、それに乗れないものだけがやめる際には混乱を起こしてやめないように、大臣の申しました秩序のある撤退をするという意味で、給付金を出してその給付金によって四年間の問いわば事業をしないでも製造を行なったと同様な利益を保障してやろうというのがこの法律の趣旨でございますから、決して低生産のものを一律に切り捨ててしまうというような考え方ではないので、あくまでも個々の業者の自主的な努力を生かしていく。努力してもどうしても無理だというものだけがそれでは私はやめますと言った場合には、その業者がやめることによって、実は石炭業その他と違いまして、全体の数量は毎年需要としては伸びてまいるのでございますから、残った企業がいわばその利益を受けるということにかんがみまして、みんなで共助的に給付金を出そう、こういう性格のものであるという意味では、おっしゃるように、生きられるものはできるだけ生きていく、また、いまの業態としてやっていけるものはそれなりに体質改善をはかっていくというのが骨子であるわけでございまして、決して一律に切り捨ててしまうと言っているのじゃないということを申し上げたいと思います。
#64
○松井誠君 これで大臣に対するお尋ねはやめますけれども、この五年間の構造改善の計画を見ておりましても、企業合同というのは六十幾つですね。転廃業が六百幾つございますけれども、企業の合同というのは六十幾つです。なるほど協業化というものはいろいろ進むということが書いてありますけれども、部分的な協業化というのは、特に構造改善をどの程度推し進めるかわかりませんが、現在でもずいぶんあるようです。協業化の中で、おけ売りのグループ化系列化というのが一つある。おけ売りの系列化というのは、ほんとうの協業とはまた違うわけですね。したがって、それを除きますと、ぼくらに言わせると、協業の行き着く先は合同だ、企業合同というものをよく考えておるとすると、企業合同と協業化ということがばらばらの指導じゃないのか。協業化というものを推し進めて積み上げていけば合同というものに達するというそういう展望を持って協業化を進めておれば、もう少し合同というものの数が大きくなってきてもいいと思うのですが、どうもそうでもない。ですから、ほんとうに協業化でこれからずっと――単に五年の間だけでなしに、それからあとどういう手だてが講ぜられるのか、聞いてみなければわかりませんが、五年でぷつっと切れるのではないんですね。これから先も何年間か具体的に指導が行なわれるということになると、一体、協業化というものの行き着く先をどんなことを考えておるのか、私は疑問なんです。私は詳しいことはあとでお尋ねいたしますが、しかし、大臣、いま長官の御答弁のように、低生産性は切り捨てるという意味で御遠慮願うという意味で言ったのではない、生きてください、どうしても生きられないときにはしかたがない、そういう姿勢なんだというふうに訂正をした、こう考えてよろしゅうございますね。
#65
○国務大臣(福田赳夫君) 私のことばが足りなかったようであります。そういう意味であります。ことに、誤解があるといけませんが、中小は御遠慮願うのだというような考え方はいたしておりません。いろいろ努力いたしましても生産性が上がらない、自由競争に太刀打ちができないというものにつきましてはこれは御遠慮願う、こういうのが今回の考え方であります。
#66
○鈴木一弘君 大臣に伺いたいのですが、今度の清酒製造業の法案を見ておりまして非常に感ずるのは、いままでの中小企業関係のあるいは繊維とか石炭とかそういうような法案に比べると、手を差し伸べていこうというのじゃなくて、逆に、つぶすのに一生懸命になっているような気がするのでありますが、最初に伺いたいのは、転廃業者の場合、これが六百軒になるか百軒になるかわかりませんけれども、納付金による給付金が出る。一キロリットル当たり四十五年度は四万円、それ以後は一万円ずつ減るというようなことになっておりますが、実際にはその給付金だけで問に合うかどうか。たとえば千キロリットルつくっているところで、倉庫に直すとかいろいろするとしても、これでは給付金が足らなくなるのではないか。そういう点で、その融資の面も考えられて、融資は中小公庫から八十億円を構造改善の対象にしたということでありますけれども、あの対象になっているのは現在七業種、これが加わって八業種、しかも、いまの中央会等が関係しておりますのは、商工中金には関係をしておりますけれども、中小公庫は出ていない。そうすると、これは中小公庫に対しての発言力は非常に少ないような感じがする。私はそういう意味で前々からお願いしていたんですけれども、そうなれば、大蔵省と中小公庫との間ではっきりと覚え書きなり何なりかわす、そうして転廃業の場合には融資を率先して渡す――ワクをきめたりなんかすれば、そのワクをはみ出る場合があると困るわけでありますが、率先して融資するというような覚え書きなり協議書というものをかわすことはできなかったんだろうか。そういうような手厚いことがなければ石炭の場合にはスクラップについては買い上げというようなことがあった。清酒の場合にはそれはない。また、繊維の場合には、二台の幅出し機をスクラップにしなければ一台の幅出し機を増設できないというふうになっております。それならば、清酒はどうかといえば、タンクをふやすのに二つつぶしたら一つふやすというふうにもなっていない。だから、その点では転廃業者にとっては非常な不安があるのじゃないか。その融資の面について本気になって考えていただかないと、いざとなった場合に適用のときには中小公庫でやるのは通産関係のほうに優先してしまうのじゃないかという危惧を私ども持たざるを得ないわけです。その点、覚え書きがなければ、一体どういうような話し合いになっているのか、また、最終的にはどういうように考えるか、これは中小公庫といえども大蔵大臣のほうである程度のこともできると思いますので、その点についての答弁をいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(福田赳夫君) 転廃業する場合の転廃業の資金のお話だろうと思います。これにつきましては、清酒業だからといって特別な措置はいたしておりません。つまり、これは一般の企業整備資金というワクの中で処置するという考え方を持っておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、酒造業者は、長い間国の税務の執行に忠実に協力をしてきた業種であります。その方々が酒造業をやめられまして他に転ずる、こういうような際におきましては、その願いが、その希望が、その計画が実現されるように誘導してまいるというのが政府の立場でなきやならぬ、そういうふうに考えます。これに特別の融資ワクを設けるというようなことをいたしますると、他の業種に対しましても同様の問題が起こります。そういうようなことでそういう措置はできませんけれども、鈴木さんがいま御心配になられるような事態がないように、私どもは十分配慮してまいる、そういうつもりでやっておるのであります。
#68
○鈴木一弘君 十分にということを私も大臣の答弁でありますから十分信用しておきたいと思いますが、今回の法案で、私ははっきり申し上げて、五年間の不況カルテルが現在できておるわけです。これは大臣も御存じないのかもわかりませんが、第五十一国会の衆議院の物価特別委員会において不況カルテルは三年間ぐらいということが附帯決議をされているわけです。その辺のことは御存じの上で五年間というふうになさったのか、あるいはその五年間ということについて特別な事由があるのか、そういう点を言っていただきたい。
#69
○国務大臣(福田赳夫君) 構造改善を伴う不況カルテルにつきましては、特例的に五年のものも認めるということに政府全体として申し合わせというかそういう意見統一をいたしておるのであります。したがいまして、この清酒業の企業整備につきましては、その意見統一に従いまして五年と、かようにいたしておるのであります。
#70
○鈴木一弘君 いまの問題についてですが、その附帯決議にはこのようにあるわけです。「なお、不況カルテルは概ね三年間以内とし、この期間以内に事態の収拾が困難なる部門については特に根本的なる構造改善対策を実施することとし、財政投融資等を集中的に行なうこと。」と、こうなっているわけであります。そうすると、今回は先ほどのような構造改善事業ということからどうしても五年にしなければならないという大臣の答弁ですが、この趣旨からすると、財政投融資の集中が一つ言われている。先ほどの御答弁でも、この法案の中にあるように、七億円ということで信用保証基金として保証金を出したということかもしれませんけれども、これは廃業の場合のほうのことも考えなければならないし、その点ではその基金の七億プラス業界の七億で四十五年度は三十倍までが保証限度ということになっているわけですね。三十倍の四百二十億、その次の年になれば二十倍ですけれども、七億プラスするから、やはり四百二十億というのが保証限度ということになってくるわけですが、実際問題として三十倍の保証限度というものはいままでの場合はあまりなかったんですよ。その点では、はっきり申し上げて、もう少しこれは業界等の要望を入れてふやされたほうがよかったのではないかと思いますが、この附帯決議と両方を見ますというと、努力が足りないような感じがしてならないんです。御見解を伺いたいと思います。
#71
○国務大臣(福田赳夫君) これは二つ問題があるようですが、三十倍というのは、来年になるとこれは二十倍になっちゃうのです。来年は二十七億円の政府補助金をふやしまして二十倍ということにいたしますので、一年間の経過的措置で、しかも、三十倍といたしておりますけれども、三十倍を使うというようなことは万々あるまいと、こういうふうに見ておるのであります。
 それから、いまのその問題と不況カルテルの問題とは、直接の関連はないのです。これは、自主流通米が出てきた、そういう制度が出てきたことに伴う措置である、こういうことでございますが、私どもがいま申し上げておりますのは、構造改善を計画しておる、そうして転廃業なんかをいたすものにつきましては、先ほど鈴木さんからお尋ねがありましてお答えを申し上げましたように、中小企業金融公庫の転廃業のワクですね、これを活用する、こういうふうに考えておるのでございます。ことしの七億円、来年の十四億円、それによるところの担保能力増ワク、これと企業整備とは直接の関連がない。関連のありますのは、中小企業金融公庫についてお答えを申し上げましたと、こういうふうに御理解を願います。
#72
○鈴木一弘君 いまの信用保証基金のことについて、現実に資金需要量はとうていこの四百二十億というのでは間に合わなくなってくるのではないか、これが増額ということが必要にならないか、これは私は非常な不安があるような感じがするのですけれども、その点は十分なんですか。
#73
○政府委員(吉國二郎君) 御承知のように、現在酒造資金の概算をいたしますと、約千二百億円程度でございます。その中で、自己資金でやっておりますものが約二百億円、それから自己調達によりますものが約四百億ちょっとだと思います。残りの六百億近くが酒造組合のあっせんによって借り入れられているわけでございます。この六百倍円というものは、御承知の基準指数担保ということで借りられてまいったわけでございますけれども、これが実は五年後にはゼロになるということがございますので、その間のいわばつなぎと申しますか、それに代替するためにこの基金をつくったわけでございます。もちろん、この基準指数は、この法律ができますと、そのささえによりまして従来の三分の一程度の力を第一年度では持つわけです。第二年度にはそれが五分の一程度に下がってまいりますけれども、そういうことで、それらを勘案いたしますと、さしあたり四百二十億というワクをもって十分であるということができると思います。将来は、その間に構造改善をはかり、自己資金あるいは自己調達ワクというものを努力してふやしていくということによって大きくなっていくことができる、こういう計算をして四百二十億というものを出しているわけでございます。
 なお、三十倍というのは確かに少のうございますが、ないわけではないのでございまして、都道府県の信用保証協会では、平均で三十七倍、二十倍ないし五十倍の例がございます。そういう意味では、酒造家の場合、非常に返済率が高いものでございますので、三十倍にしても心配は要らないということはほぼ申せると思います。そういうわけで、将来においては、その信用基金は保証の倍数を可能な限度において操作することができる、百二十一億というものが十分その使命を果たし得る、かように考えております。
#74
○鈴木一弘君 大臣、清酒の級別の問題でございますけれども、この級別認定は酒税法ではっきりと一応はきめられておりますが、いわば一級、特級のきめ方、それ以外のものは二級であるというふうなかっこうになっております。しかも、佳良なものとか優良であるものというようなあいまいな表現になっておりますし、酒類審議会で審査をしてきめるというようなことになっておりますが、一つには、これは酒税の確保ということから、どうしても一級と二級の間には二百円差をつけなければならぬとか、あるいは一級と特級の間にも差をつけなければならない、こういうことであります。そういう点で、結局、指導価格というものができているのじゃないか。税を取るために格差をつけるということは私はおかしいと思う。二級でも、八百円のものがあっていいだろうし、八百九十円、九百円のものがあってもいいでしょうし、と思うのでありますけれども、そうなると、税率のほうからいって、一級と二級との間に高い二級をつくったほうがもうかるということになる。これは酒税を確保するのにぐあいが悪いというので指導価格ということがされている。だけれども、指導価格で押えるということが、逆にアルコールの添加料をいつまでたっても減らさないというようなことになってくるでしょうし、そういう点で、級別課税ということが、しかもそれの従量課税ということが一つの大きな弊害を生みつつあるのじゃないか。むしろ、いまは、そういうような級別課税とかあるいは従量課税というのをやめて、従価税一本にするべきではないか。一級、特級というようなそういう級別の認定はやめて、まあ業者がこれは特等の酒でございますとかそういうことを自分の蔵から出すときにおつけになるのはけっこうですけれども、税のほうでもってやるのはどうか。私は、どう考えても、一級と二級のきめ方、こういうものから見ても非常におかしいし、大体国税庁のほうから価格についての指導をするということは、これは一つの大きな価格操作でもあると思います。その点で、級別課税をやめる、また、従価税一本にしていく、こういうようなことをすべきであると思うのでありますが、その点はいかがでございますか。
#75
○政府委員(細見卓君) 酒の税につきまして、奢侈従価と申しますか、高級品従価、あるいは高価格のものの従価ということで、従価税を大幅に取り入れたらどうかということは、政府の税制調査会におきましてもそういう検討をいたしております。ただ、従価税ということになりますと、小売り段階で課税を行なわなければならない。しかも、実際にどれだけの価格で現実に販売されたかどうかということをチェックするということが非常にむずかしい。行政上手間も要する問題でございますので、検討はしてまいらなければならない問題でありましょうが、執行の難点がはたして解決できるかどうかということをいま少し詰めなければ、理屈の上では確かに従価税のほうがすんなりした感じはいたしますが、執行上いまのような級別課税というのもそれなりに税収確保という面では有効な方策になっているという点は否定できないと思います。
#76
○鈴木一弘君 それは、大臣、執行上の見解だけでいまのような級別課税など置くべきじゃない。国民のほうに合わしてやるべきじゃないか。国民のほうから見れば、二級のほうがおいしかったりしてしまう場合がある。二級のほうが一級よりもいいというようなことになる場合だって出てくる。そうなれば、良質の酒をということになれば、私は、従価税にして、級別なんということはなくすのがほんとうだろうと思うのです。そういう国民の感覚の上から見て、大臣はどう考えますか。
#77
○国務大臣(福田赳夫君) 私はいままでその問題について考え及んだことがないのですけれども、よくこれは考えさしていただきます。簡単にお返事できない問題だろうと思います。
#78
○鈴木一弘君 明年度において間接税の総洗いということがありますけれども、その際にはこの問題についても検討をいたしますか、いたしませんか。
#79
○国務大臣(福田赳夫君) よく検討してみます。
#80
○鈴木一弘君 先ほど戸田委員から質問があったわけでありますが、例の税制調査会が六月五日から総会を開くということで、すでに新聞報道等で出てきておりますが、この中に所得税の課税標準を百十万円に引き上げるというようなことを打ち出されるということが言われております。大蔵省の考え方というのがここに出ておりますが、それによると、扶養控除、給与所得控除の定額控除についてはおのおの一万円引き上げるということがあったり、前回のこの委員会でも大蔵大臣の答弁は所得税のときには非常に前向きに云々ということで答弁があったわけですが、私はあのときの前向きというのは五万円ないし十万円というような理解をしていたわけであります。一万円というようなことが大蔵省の考えであるというふうに報道されるというのは、これは火のないところに煙は立たない――新聞の言っていることはでたらめじゃないかと、こう言われるかもしれませんが、全然火がなくて煙が出るということもないでしょう。そうすると、大蔵大臣のおっしゃっていることは、委員会操作の上だけでうまいことをおっしゃったのかどうか、私はそういう点を心配しているわけであります。その点についてはっきり伺いたいと思います。
#81
○国務大臣(福田赳夫君) まだ本国会の終わらないような段階で、次の税制改正の具体的構想というものを考えるほどまだ余裕は持っておりません。六月の上旬に税制調査会をいたしますが、これは、国会においてこういう論議があったのだという論議の数々、さらに最近の徴税事務はどうなっているかというような問題、あるいは地方国税局長はどういう考え方を持っているかというようなこと、こういうようなことを報告をすることが主体であります。その報告に基づいて、いずれ懇談ぐらいはありましょう。ありましょうが、大蔵省当局から来年度の税制についてはこういう考え方を持っているのだという意思の表明は一切いたしません。したがって、先ほどお話がありましたことは、まだ火のないところに煙が立っているのだ、(笑声)こういうことに御了承願いたいと思います。
#82
○鈴木一弘君 しかし、火のないところに煙が立っているというのは非常におかしなことでありますが、明らかに大蔵省はそういう考え方であるということが新聞に出ている。これは、一つのきめられた路線のようになっているわけです。その点については、じゃ、大臣、今後そういう考え方について、特に国会等で大きな問題になったような問題については、発言を慎ませるというか、そういうことを考えられないと、りっぱな福田大臣のもとで統制がとれてないような感じさえ私ども受けるわけでありますけれども、その点はどうなされるおつもりですか。
#83
○国務大臣(福田赳夫君) 報道機関のほうでいろいろ観測記事を書かれる、これは私どものほうは抑制するわけにはまいりません。これこそ言論圧迫問題と、こういうことになるわけであります。(笑声)そのほうこそ私は慎まなきゃならぬと考えておりますが、私どもとしては正真正銘まだ火はたいておりませんから、この辺はひとつ御了承を願いたいと思います。
#84
○鈴木一弘君 これにからんで、間接税の総洗いともなれば、あるいは高級自動車等の問題、こういうことが出てくるわけでありますけれども、高級自動車課税の問題、特に、高級自動車の物品税引き下げ、あるいは自動車税の新設、こういったことがいろいろと問題になってきておりますけれども、一方ではいわゆる自由化問題もある。そういうのとからまってくるのか、からまってこないのか。そういうふうにからめてやむを得ず自動車税をつくるとかいうことになったりしたのでは、これはちょっと国民に与える影響は非常に大きい。その点のところの見解を承っておきたいと思います。
#85
○国務大臣(福田赳夫君) 間接税の増徴ということは考えております。おりますが、いま私の念頭にありますのは、一般的な増徴ではない個別消費税の増徴、こういうことであります。その個別消費税の内容をどうするかということにつきましては、既存の物品税その他につきましては全部総点検をしてみたいと、こういうふうに考えております。なお、新しい課税対象につきましても模索してみたいと、こういうふうに考えておるのでありますが、その際に注意しなければならないことは、第一には物価対策との関連ということであります。これは十分気をつけていかなきゃならない。一般的に物価に影響を及ぼすような消費税の増徴ということは、これはとるべきではない、こういうことです。それからもう一つ、いま自由化というようなお話もありましたが、そういう政策上の配慮、これも当然考えなきゃならぬと、こういうふうに考えております。
 いずれにいたしましても、いま具体的なこれという考え方は持っていないのであります。国会が済みましてからおもむろにこれらの問題の検討に入りたいと、かような段階でございます。
#86
○鈴木一弘君 これは再びお酒に戻るのでありますが、大臣は、昭和十二年からお酒が統制になっておるのは、自主規制をされたことは十分御存じだと思いますけれども、それから以後だんだんお酒の統制ということになってきたわけです。そのころを見ますと、玄米の使用量が約五十六万トン程度、アルコールの使用量並びに糖類添加物の使用量はゼロであります。ところが、現在に至ると約五十三万トンです。当時五十六万トンで、現在五十三万トンの玄米を使用している。しかし、お酒の量というものは、戦前昭和十二年当時に比べれば、玄米の使用量が同じでありながら、消費量はふえておる。それは、当時使っていなかったアルコールの使用量が十一万トンにも現在なっておりますし、また、糖類の使用量は三万六千トンにものぼっている。こういうことから、日本古来の文明といわれるような酒の製法でありますけれども、アルコールの添加がだんだん多くなってきているというふうにしか考えられない。その点で、価格を押えたということから、いつの間にかこういうようないわゆるアルコールを混ぜたようなお酒になってしまった。こういう点では、わが国の文化というか、酒の文化というものはだんだんひずんでくるような気がするのですが、そういう意味からも、指導価格、いわゆる価格の管理はやっていないとそういうように政府側で言っておりますけれども、はっきり申し上げれば、管理価格のような形になっている。その点、何としてもそれをはずさなければならないのじゃないか。そうしなければ、ほんとうの酒というものは永久に出てこないようになりゃしないかということを感ずるんですけれども、その点をもう一度伺っておきたいと思います。
#87
○政府委員(吉國二郎君) 御承知のように、アルコール添加、あるいは玄米醸造方式の酒、これは戦時中に米の使用が極度に制限をされたときに、国民の飲料を確保するという意味で考案された方法でございます。しかしながら、この方法が非常に進んでまいりまして、現在では、アルコールを入れた酒というものが、日本古来のつくり方のお酒と本質的に違うという点がきわめて少なくなっておると思うのでございます。ことに、多年の嗜好の変化というものが次第にこれに付随いたしまして、古来のアルコールを全然入れない酒をつくった場合に、はたして現在の人に合うかという点については、醸造家自身も相当疑問を持っておる点があるようでございます。そういう点では、アルコールを入れる醸造の仕方が非常に進歩してきたという現在においては、必ずしもこれが悪いとは私は言えないのではないかと、かように思うのでございます。
 それと、先ほどの価格の制限のお話でございますけれども、現在、一級と特級、二級と一級の価格差を酒税を前提にしてある程度制限をしないと、二級でありながら、一級よりも高い酒が出る。そういたしますると、結局、安い税金を払って高いものが売れるという結果になって、級別制度がくずれるばかりでなく、末端の消費価格に対する税負担率も非常に低いものになって不公平になるということで、御承知のように酒団法の中には制限販売価格という制度がございます。これは、酒の価格が非常に多様化いたしまして、二級と一級、あるいは一級と特級の差別がなくなってきた場合に、級別を確保するためには、政府が、制限販売価格、つまり二級酒、一級酒についてその最高限を押えることができるという規定が置いてございます。これを発動するほど現在価格が入り乱れておりませんが、その傾向が若干ずつ出てまいるおそれもございますので、一応一級酒については八百九十円というものを限度として考えろという指導はいたしております。いわば制限販売価格というような正式なものではございませんが、制限販売価格に類似した考え方で指導を行なっているわけであります。そういう意味では、むしろ、逆に、これがあるから高い酒の値上げができないという非難を受けている面もございます。しかし、これは、逆に言えば、消費者のためにもなることでございますし、また、同時に、酒税確保にもなるという意味で現在かようなことを実際上やっておりますが、これが守り切れないということになれば、場合によれば制限販売価格を正式に発動せざるを得ないという事態になるかもしれない。先ほどお指摘がございましたように、級別課税というものに対する問題、これを生んでいるという点では級別課税と一緒に検討すべき問題であるかとは思いますけれども、級別制度が現存する以上、その級別格差というものを実際上維持するために、ある程度の級別のある酒に対する下級酒の上限価格というものを押えざるを得ないということは私どももやむを得ない点ではないかと、かように考えております。
#88
○成瀬幡治君 大臣に簡単に一、二お尋ねしておきたいと思いますが、まず第一は、銀行は自由化の対象にするのかどうか、するとすれば、三次、四次、どちらですか。
#89
○国務大臣(福田赳夫君) 銀行といえども自由化をしないわけにはいかないというふうに基本的には考えております。しかし、いわゆる三次自由化ですね、この秋を予定しておりますが、これに銀行を加えるかどうか、これはちょっと困難な面があるのではあるまいか、こういうふうに考えておるのであります。銀行は国の経済の中枢のような立場にあるわけでございますから、これは慎重に扱っていきたいと、かような考え方でございます。
#90
○成瀬幡治君 そうすると、三次はちょっと準備不足、したがって四次は大体やるんだ、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
#91
○国務大臣(福田赳夫君) 四次に銀行を加えますかどうか、これもまだきめておるわけじゃないんです。三次は日程として考えておるわけですが、とにかく、終局というかどこまでも不自由な状態に置くというわけにはいくまい、いずれはしなければならぬというふうに考えておりますが、これは外国の銀行がいま支店なんか出しておりますその日本の銀行業界との解け合いというか、そういう関係なんかも見ておるんですが、まだまだどうも自由化というような段階まで来ていいんだというふうな状態には認めておりません。そういうようなことで、そういう外国の銀行と日本の銀行となじみができるという状態、これをつくり上げるということがまず先決じゃないか、そういうふうに考えております。いずれは自由化するにいたしましても、慎重の上にも慎重に、さような考えでございます。
#92
○成瀬幡治君 自由化の問題は別としても、いままで産業構造がいろいろ変わりまして、金融のあり方というものあるいは資金の流れにいろいろな問題が出てくる。たとえば、中小企業でいえば、長期安定資金がほしい。それにからんで中期預金をどうするというような問題が出てくるので、二年、三年というような案があるようですが、あるいはそれじゃ短か過ぎはしないかというような意見もあるようですが、あるいはその場合に預金金利をどうするとか、いろいろな問題があると思いますが、こういうようなところでたとえば二年ものを中心なのか、三年ものを中心にして検討されるのかどうかという点が一点。
 それから自由化になるということになれば、いま、日本では、法律というより、むしろ行政指導というんですか、慣行が中心になっていろいろなことが行なわれてきたと思います。ところが、ここへ外国の銀行が入ってきたということになると、はたしてそうした行政指導を中心というようなことでやっていけるかどうか。やはり、そうしたことではなくて、何らかの法改正というようなことが当然必要になってきはしないかということを考えますが、そうすると、三次はむずかしいということになるならば、先走ってそうしたものの法律改正というようなものが当然行なわれてこなければならないと思いますが、それに対する御見解はどうか。
 それとあわせて、日銀法の改正がしばしば言われて、答申が出てから何年たつか知りませんけれどもたなざらしになっておりますけれども、この際、そうしたような問題まで含めて、簡単にいえば来年度いろいろなそうしたことが行なわれるものと私たちは了承していいものかどうか。
#93
○国務大臣(福田赳夫君) これはきわめて大事な問題にお触れになったわけでございますが、外国銀行が日本に支店を持っている、あるいはさらに進んで投資を行なうというか、そういう場合に、日本の銀行との融合ということがどうなっていくか、これが非常に重要な問題だというふうに考えておるのです。いまお話しのように、日本の銀行だけでありますれば、これは大蔵省あるいは日本銀行が中に入りまして、話し合いというか、行政指導でかなりの問題が片づいていく。ところが、わが国のそういう状態になじまない外国銀行が日本に入ってきたという際に、はたしてそういう話し合いで事が片づくか、こういう問題があるのです。今度銀行協会会長がかわりまして、富士銀行の岩佐頭取になりましたが、岩佐会長の最大の任務というものは、その辺の判定を一体どういうふうに見るかという点にあろうかというふうに見ておるのでありまするが、これは銀行協会ばかりの問題じゃございません。大蔵省といたしましても、非常に重大な問題でありますので、外国銀行がどういうマナーをわが国においてとるか、この点につきまして十分慎重に見きわめてみたい。その上で必要があれば立法もしなきゃならぬというふうに考えますが、ただいまのところは、いまのこの段階は、そういう融合態勢が事実上できるものかどうかという見きわめをつけると、こういうことかと考えておるのであります。
 なお、そういう状態でありますので、日銀法の改正につきましては、ただいま考えていないんです。日銀法の改正は、もう数年前から論議されておるのでありまするけれども、どっちかというと、理論的な利益、そういう面が前面に出ておるわけでありまするが、ただいま金融情勢は非常に機微の段階である。そういう際に、理論問題にあんまり深入りをしてそれにエネルギーを使うということは得策ではない。もう金融それ自体に誤りなきを期すと、こういうことでこれにまっしぐらに取り組むのが本来当面の任務ではなかろうか、さような見解でございます。
#94
○成瀬幡治君 二年か三年かということについては、またあとで答弁いただきたいと思います。とにかく、銀行といえども自由化の対象からはずされることはないという大前提が立ってくれば、たとえばドルの問題が大きな問題になってくると思いますよ。そうすると、いろいろなことを考えあわせてみて、自由化というものも、たとえば繊維の一つの問題を取り上げてみても、繊維が自由化されておらないために繊維が犠牲になっておるという見方もあるわけですね。あるいはドルの日本にたまりぐあい、いろいろと見てまいりまして、自由化というものはある程度促進をされなけりゃならぬだろうという大勢にある。しかし、その準備は私は来年度だろうと――大臣は非常に慎重だ慎重だと言われてなかなか丁寧に御答弁にはなっておるけれども、慎重な答弁でしてはっきりしないんですね。また、はっきりさせるとたいへんな問題かもしれませんけれども、来年度はそういう準備をする大事な時期だろう。だから、それには抜かりなくひとつやっていただきたいということが一つ重大問題なんです。
 ところが、国内の産業構造からいろいろ出てくるそういう問題にあわせていま一番心配しておるといいますか、中小企業がほしがっているのは、中期安定資金なんですよね。それの確保すら目鼻がつかないということになるといかぬと思うんです。まあ金融制度調査会の第一分科会等でいろいろやっておみえになるようですが、大蔵省は、そのときに、三年ものが中心なのか、二年ものか、もっと長うしようとしておみえになるのか、その辺のところはどうでしょう。
#95
○国務大臣(福田赳夫君) 定期預金を二年ものにするか三年ものにするか、これは業界の利害の非常に衝突する局面なんです。一般普通銀行、特に都市銀行と信託銀行との間に利害の相反する点があるんです。そこで、二年にするか三年にするか、あるいはそういうものは全然考えないで従来どおりやるかという議論の決着をつけるのにむずかしい点なんでありますが、いまお話しのように、金融制度調査会で、この二、三年ものの中期定期預金ですね、これは検討に値する問題であるというきわめて抽象的な結論を出しておるのです。それだけじゃ、私どもは、業界というか、私どもの判断の資料としてはまだ十分でない。さらに金融制度調査会において検討をして、もう少し具体的な意見を聞かしてもらいたい、こういうことを申しておるのです。その具体的な結論が出ますと思います。その結論に従って大蔵省では行動をとる、こういうふうに考えておるわけでございます。いま、ここで、私が、二年がいいのだ、三年がいいのだ、あるいは一年据え置きだというようなことをまだ申し上げかねる段階でございます。
#96
○成瀬幡治君 とにかく、資金の流れにしても、銀行が一番おくれてきたと思うんです。産業構造のいろいろな動きに合わせて銀行もついてきたとは言えますけれども、とにかく銀行が一番おくれたのですから、何にしても銀行のそうしたような制度を来年度にはきっちりしていただきたいということを希望として申し上げ、続いて琉球銀行のことについて一言承っておきたいと思います。
 米民政府が五一%の株を持っておる。沖繩が返還になり、そこで持株をうわさでは外国のどこどこが買いたいというようなところが出ているとか何とかというようなことになって、特に、現地の方、あるいはそこに勤めておられる従業員の人たちが、一体どういうことになるだろうや、私たちの身分はどうなるだろう、待遇はどうなるだろうということを心配をするとともに、沖繩の金融が混乱するようなことがありはしないだろうかというような点について非常に心配をしておみえになる。返還についての合同委員会の前にいろいろ大臣が見解を出すこともいかがというような意味もわからぬわけじゃございません。しかし、また、現地の人たちは、いま言ったように心配をしております。混乱のことと、自分たちの身分の問題を心配しております。ですから、これについて、非常に大略的なことでもよろしゅうございますが、現地の従業員の人たち、あるいは金融の混乱が起こらないかと思って心配をしている人たちについて、安心をするようなお答えが承りたいと思いますが、どうでございましょうか。
#97
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま御指摘の琉球銀行問題は、これはいわゆる沖繩の米資産買い取り問題、これの一環の問題であります。米資産の買い取りの問題につきましては、ぼつぼつ話を始めようかというふうに考えておりますが、具体的なスケジュールにつきましては、この間ケネディ財務長官が参った際に、事務当局間で相談をさせましょうというふうにいたしております。近く両事務当局を会わせようというふうに考えておりますので、その際にスケジュールがきまりますが、いまお話しの中心である米国琉球銀行の処置につきましては、その銀行の株を五一%アメリカ政府が持っておる、そういう関係で、米資産買い取り問題というものの中にその問題がはさまってくるわけであります。私とものただいまの考え方――まだ交渉は始めておりません。向こうからの考え方も出ておりませんけれども、私どもの考え方は、その五一%の株式を現地沖繩県民に取得してもらいたい、こういうふうに考えておるのであります。そうして、このアメリカの銀行が、ちょうど私どもの郷里でいえば群馬銀行というような立場で運営されるということになればたいへんけっこうだなあと、こういうふうに考えておりまして、折衝が始まりましたならばそういう考え方で折衝に臨みたい。これがそのとおりいきますれば、沖繩県民は何らこの銀行の措置いかんということについて不安を感ずるようなことはございませんので、いずれにいたしましても、不安動揺の起こることにつきましては、これは絶対にいたさせないというかたい方針であることを申し上げておきます。
#98
○成瀬幡治君 これで最後ですが、円が強い反面、リスクの問題が出てまいりまして、たとえば三井物産は、ことしの三月期に、約五億円ですか、為替変動準備金というような名前で積み立て金をいたした。なぜそうやったんだというと、それは円の切り上げを予測したものじゃございません、あくまでも為替リスクの問題ですよと。いまドル債権が千百億ぐらいあるから、二、三円のリスクで約十億ぐらいになる、だから半分の五億積み立てたんだというようなことを説明をしておるようでございますし、なお、こうしたような動きが各商社にずっと出てきております。それと関連して、日本貿易会は、何かこれに対する税の減免措置をしてほしいというような希望もあるようでございます。一体、こういうことについて、輸出優遇が三つ四つありますか、四十六年の三月三十一日にこうしたようなものの期限がまいりますが、そういうようなときに、この問題もあわせて税調で検討されるのか、いやいや、これはもう為替変動というのは当然のことなんだ、だからこれは検討の余地はないというふうにお考えなのか、その点をお答え願いたいと思います。
#99
○国務大臣(福田赳夫君) まあ三井ともあろうものが、政府があれだけ円の切り上げはいたしませんと、こう言っておるのに、円の切り上げを予定して、その対策を準備金の名のもとに講じておるとは思いません。思いませんが、いずれにいたしましても、一般的に為替の変動に備えて準備金を積み立てる、それに対しまして税法上の恩典を与えるということになりますると、これは一般的な利益金の留保である、こういうようなことになるわけでありますので、私どもは、いまこの制度について何か検討するかというようなお話でございますが、検討する考え方は毛頭持っておりませんでございます。
#100
○戸田菊雄君 では、再度また時間が変更されたので、農林省の関係の方がだいぶ待たれておって申しわけないのですが、そのほうから聞いて、本会議が四時だそうでありますから、それまでに終わるように議事進行に最大限協力をいたします。
 時間がありませんから、しぼってお伺いをしますが、現在の養殖共済の種目の中に、いわゆる養殖ワカメの救済対策というのはないわけですね。ところが、これは具体的な内容なんですけれども、実地に行きまして私もいろいろと調べてまいりました。宮城県の場合でありますけれども、これは岩手県の場合も三陸地方が一体となってやっております。宮城県の場合は、養殖ワカメが金額にいたしまして一億六千九百七十万円、これは四十五年の五月現在でこれくらいあるわけですね。ことに、干しものが千六百九十八トン、生もので三千百十六トンもあるんです。同じように、岩手県の場合も、ほぼ同数ぐらいにいっているような状況なんです。このぐらい養殖ワカメがいま急激にふえつつあるわけですね。こういうものが、前回の国会等の質問にもあったと思うんですが、まだ救済対象には入れられておらないと、こういうことであります。ですから、こういう問題についてはぜひ早急に検討して、水産庁でも救済対象に入れていくという方向で御検討願いたいと思うんですが、この辺に対する見解を聞きたいのが一つ。
 それからもう一つは、先ほどちょっと大臣に質問してお答えにあった激甚災とか共済関係とか両者複合という形で救済対象が持っていかれた場合に、答弁の内容では、現行の運用でやっていきますと。ということは、共済はいま宮城県のような場合は七割加盟体制になっているようです。しかし、入っておらない方もいるんですね。それで、坊主台風とか何とかの場合に、直接被害者として一括激甚災害指定でもって補償を受けても、共済に入った者は一たん措置はしますけれども相殺をされて実際差っ引かれていくというようなことになりますから、そういうことになると、入っていても入っていなくても結果的にはその効果というものは全然ないわけですね。だから、私の考えとしては、その全体の激甚災害等で補償を受けた、そういうものが悪いというのではなくて、むしろ、激甚災害指定の場合でも、先ほどの答弁では、再生産の費用として一たん補償をしているんだ、こういう言い方なんですが、再生産に見合うだけいま出されているかというと、それは決してそうじゃないと思うのですね。ですから、そういう低額の中で査定をされ、救済をされているわけでありますから、そういう面については、共済も出す、それから別のほうから行く分も出していくと、こういう複合体制というものがあっていいんじゃないかというふうに考えるのですが、そういう点に対してまず見解を承っておきたいと思うのであります。
#101
○説明員(平松甲子夫君) 二点御質問があったと思いますが、最初の養殖ワカメの共済につきましては、漁業共済制度が発足いたしました際にも養殖ワカメを共済の対象にするようにというような要望があったわけでございますが、当時まだ養殖ワカメの養殖が始まったばかりであったというような状態でございまして、養殖ワカメの養殖をやっている地域も限定されておりましたし、かつ、被害状況も必ずしも明確でない。要するに保険設計をするには不十分であるというような状況で見送ったわけでございます。その後、養殖ワカメの養殖が非常に進んでまいりまして、地域も広がってまいったというような状況もありまして、ワカメの養殖をやっておられる方々からの御要望が出てまいったというようなことで、私どもといたしましても、四十三年、四十四年と委託調査を続けてまいったわけでございますが、何ぶんワカメの養殖につきましてはまだ技術的にもかなり流動的な面もございますし、それから天然ワカメの共済を漁獲共済でやっておりまして、天然ワカメと養殖によるワカメと両者が、まあ現物をしさいに見ればわからないことはないという話でございますけれども、実際上の損害査定といたしましては非常にむずかしいというような問題がございますし、天然ワカメと養殖ワカメとの共済の関係をどうするかというような問題がございますし、それから被害物につきましてもどういうような形になっているのかというようなこともございますし、どういうふうな共済の方式をとることが最も適当であるかということについてまだ検討を要する面が多々あるわけでございます。ただ、先般の台湾坊主の被害に際しまして、現地の漁民の方からえらい強い要望が出ているということでございますので、私どもといたしましては前向きで検討してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 それから激甚災の適用がございました際の共済金の支払いとの関係でございますが、先ほども申し上げましたように、いずれも災害を受けました際に再生産が確保できるようにということでとられる国の制度でございますが、必ずしも激甚災の適用があるというようなことが期待できないというようなことがございまして漁民の方は共済に加入しておられるというようなことでございまして、激甚災の指定がございました場合に、激甚災による補助金と共済金とあわせて両者国の制度による給付額が重複してまいるというような形の場合は必ずしも好ましいことではないのではないかというふうに考えまして、現在まで、両者をあわせて支給するということでなしに、激甚災の対象になっております施設の復旧費の補助につきまして、その対象になった施設の共済金に見合う分だけ削減をいたしましての補助金を給付するということをやっておるわけでございますが、確かに先生がおっしゃいましたような形の共済に加入しておる側からの不満という気持ちはわからぬでもございませんけれども、激甚災なりあるいは共済制度なりというものの目的から考えまして、現在のところではいまのようなやり方でやっていかざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#102
○戸田菊雄君 それから漁船の漁業関係の問題ですけれども、水揚げ一億円の場合、保険金は大体七百万円見当になるわけですね。そうしますと、三年間無事故でいきますと、これはすべて救済なしの掛け捨てということになりますね。それは基本的に保険主義だからいいんだ、当然なんだ、こういうことを言いますけれども、これらに対する何か救済措置を考えられてもいいんじゃないか、こういうように考えます。でないと、いま、現地のほうでは、いろいろ水揚げを高くあげる人もなければ、結局三年間無事故でいくようなことがあれば、これは掛け捨ての金をあえて掛けなくても、われわれとしてはそのほうがいいんじゃないかというようなことを言っているのが意外に多くありますね。それがひいては漁家のいわば倒産とか不慮の災害をむしろ招くような状態になりかねないということがまだまだあるわけであります。それは統計上詳しく聞いておられませんから、問題点だけ指摘をしてお伺いするわけですけれども、そういう問題に対する救済措置は一応今後十分検討されていいんじゃないかというふうに考えますが、その点が一つ。
 それからもう一つは国庫補助の関係で、昨夜関係者から十分その資料をいただきました。この資料でも明らかなように、ことに問題になるのは漁業共済団体の事務補助費の問題で、聞きましたら、十分な消化し得るような状況じゃないということなんですね。ですから、こういうものは、恒常的に支出して、ちゃんと計画的に使われているものですから、それは不慮の災害によって国庫補助体制で出していくものじゃないですから、こういうものはやっぱりまるまる国で持っていくことがシステムとして非常にいいんじゃないかと、こういうふうに考えますが、この点に対する見解はいかがなものか。
 この二点についてですが、後段の問題については、大蔵省の主計局のほうにもお答え願いたい。
#103
○説明員(平松甲子夫君) 先生御指摘の無事故の場合に掛け金が掛け捨てにならないというような仕組みを考えたらどうかということでございますが、その点につきましては、たしか先生最初に漁船とおっしゃったかと思いますが、漁船につきましては無事故による割引というものがあるわけでございます。それから漁業共済のほうにつきましても、漁獲共済では採貝・採藻のほうにそういう仕組みがございますし、それから養殖共済のほうにも一部そういう仕組みがあるわけでございます。ただ、四十三年の制度改正で始めたばかりでございまして、その際、無事故というものの起算点を新制度発足のときに切りかえたものでございますから、まだ現実に三年たっていないということで現実の適用になっていないという実情にあるわけでございます。
 それからいま一点は、ちょっと私ばたばたしておったものでございますから……
#104
○戸田菊雄君 漁業共済の団体事務費関係ですね、あるいは特別事務費関係、こういうものは恒常的に出ていく当然の支出だろうと思うんですね。ですから、そういう問題に対しては国があらかじめ全額持ってもいいじゃないかと、こういうふうに考えるんですが、いまの補助体制では十分な充足体制にはないということを聞いておるものですから、その点に対する見解はどうなのか、これはあわせて主計局のほうにも見解を承りたい、こういうことです。
#105
○説明員(平松甲子夫君) 現在、漁業共済団体に対しまして、人件費、事務費の補助をいたしておりますことは、先生御承知のとおりでございまして、先般の委員会でも御答弁申し上げましたように、四十三年の実績で申しますと、連合会の人件費で二六%、事務費で二〇%、それから組合のほうで人件費で三四%、事務費で二八%というような比率になっているわけでございます。さらに、四十四年度、四十五年度と人件費の単価のアップをいたしましたので、四十四年、四十五年には実績補助率もかなり上がっているものだと思いますけれども、まだ組合のほうの実績がわかりませんので、率としての実績は申し上げかねるわけでございますが、以上のような状況にあるわけでございます。ただ、先生おっしゃいますように、確かに補助率といたしましてはまだ不十分な金額になっておるわけでございますが、この点につきましては、国が人件費あるいは事務費の補助の対象として取り上げております人件費なり事務費というものと実際に組合で支出されます金額との間にかなり差があります。費目の問題についてもそういうふうなことがあるというようなことと、いま申し上げましたような単価の問題にもあります。で、単価の問題については、私どもとしては、四十四年、四十五年と引き上げてまいったわけでございますが、なお今後とも努力をいたしてまいりたいと、かように考えます。
#106
○政府委員(船後正道君) 漁業共済団体に対する事務費の補助につきましては、ただいま水産庁からお答えしましたとおりでございまして、四十四年度全体で約一億一千八百万円、四十五年度はこれを一億四千四百万円と二千六百万円増額いたしておりますが、その主たる内容は、人件費を国家公務員の給与改定に準じましてかなり大幅に引き上げた次第でございます。今後とも水産庁とも十分連絡いたしまして、この関係の費用につきましては、十分他の制度とのバランスを考えながら対処してまいりたいというふうに考えております。
#107
○戸田菊雄君 最後に、これは実際四十三年度に発生したものなんですね。なぜ四十五年度まで延ばさなければいけなかったのか、その見解を一つ聞いて、だいぶお待たせをしまして申しわけなかったんですが、さらに、資料等をいただいたことに感謝申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#108
○政府委員(船後正道君) この繰り入れをなぜ補正でやらずに四十五年度の当初予算で組んだかという御質問の趣旨かと思いますが、御指摘のように、今回の繰り入れの原因は、四十三年度の異常災害に伴って漁業共済保険勘定に支払い財源の不足が生じたわけでございます。ところが、四十三年度の保険金の支払いにつきましては、補足説明でも申し上げましたが、四十三、四十四年度の充当可能な財源をこれに充てまして支払いをいたしております。したがいまして、形式的な今回の繰り入れは、一部四十三年度分がございますが、四十四年度の保険金の財源、さらに一部は四十五年度の引き当て財源ということになっておりまして、現実の支払いが四十五年度になるというものも入っております。そうですから、一部を切り離しまして四十四年度で補正をし、さらに残部を四十五年度でやるという方法もあり得たのでございますが、ともかく四十三年度の漁民に対する支払いも済んだことでございますので、今回一括いたしまして四十五年度本予算でもって措置いたしたのでございます。
#109
○松井誠君 ちょっと、いまの点なんですけれども、そうしますと、支払いが四十五年度にわたる部分もあったということですね。四十三年度の被害の損害額の総額はいつごろ確定するのですか。
#110
○政府委員(船後正道君) 四十三年度の保険金の支払い額は確定いたしております。ところが、実質的には今回の繰り入れは四十三年度の災害に起因いたしますけれども、形式的にはこれは四十四年度の財源あるいは四十五年度の財源ということになっておりまして、その部分はまだ額が確定いたしておりません。そういう事情がございまして、実際の支払いが四十五年度にずれ込みますので、すべてを一括処理するといろ関係上、すべてを当初予算に繰り入れをしたというものでございます。
#111
○松井誠君 一括処理をしなければならないという理由がよくわからないのですが、四十三年度の被害の総額がわかれば、それはそれで四十四年度に今度のような法律案を出して、あるいはわかった範囲内だけでも処理をするということはでき得たと思うのですが、全部わかっていて、しかも四十四年度の分を合わせて足りない、総額が確定して四十五年度に初めてこういう手続をするというその理由がよくわからないのですけれども、どうして最終的な数字が出てくるまでこういうふうに法律による繰り入れをやらないでおるのかですね。
#112
○政府委員(船後正道君) 現実に漁業者に対する共済金の支払いにつきましては、四十三年度及び四十四年度の特会の財源、それで不足する部分は漁業共済基金からの借り入れというものによりまして済ませております。したがいまして、このような四十三年度の実際の支払いはもうすでに済んでおりますので、この特会の問題は、特会の財源の不足、四十四年度分と四十五年度の先食いした部分がございますから、その手当てでございます。四十五年度でもって処置したということでございます。
#113
○松井誠君 基金からの手当ては、事実上漁業者に対する支払いは済んでいる、それはわかります。しかし、国が繰り入れをしないために、基金から借り入れをして払っておる。その利子は国がめんどうを見るそうですけれども、めんどうを見るからそう急がなくてもいいということにならない。一たん損害が生じてそして国が出すべき額が確定してからどれくらいのうちに払わなきゃならないという別に時期的な制限というのは全然ないわけですか。
#114
○政府委員(船後正道君) この制度は、本来、保険の制度として定められておる掛け金及びこれに対する国の補助というものでもって共済金の支払いをいたしております。短期的な資金に対して借り入れをするという仕組みになっております。それに対して、今回は、特例的にこれを国の補助でもって支払うということでございますので、特に一般会計から繰り入れるという今回の措置につきましては時間的な制約があるものではございません。
#115
○戸田菊雄君 清酒製造業特別措置法案に再度戻りたいと思うのですが、構造改善計画ですね、この内容について若干質問してまいりたいと思うのですが、四十四年の十二月二十六日に構造改善計画というものを大蔵省では承認した、こういうことになっておるのでありますが、内容についてひとつ具体的に説明願いたい。
#116
○説明員(中橋敬次郎君) ただいま御指摘の清酒製造業の構造改善事業につきましては、おっしゃいますように、昨年大蔵大臣の承認があったわけでございまして、清酒製造業もその業種指定を受けたわけでございます。
 その内容といたしますところは、まず、目標としまして、先ほど長官からも御説明をいたしましたように、四十三年度に対しまして実質で原価を二%以上最後の年度におきましては引き下げるということを目標にいたしております。
 それを実現いたしますためには、一つは、企業につきましては適正規模というのを想定いたしております。その適正規模につきましても、先ほど来御説明申し上げましたように、清酒製造業の特殊性と申しますか、地場で売りますところの直売型、あるいはおけ売り型、あるいは広い地域、狭い地域を対象としまして卸売りをいたす型というふうに、四つの型にそれぞれ分けてございます。それぞれ最適規模を設定いたしまして、単独でそういう規模を達成するもの、あるいはグループでもってそういう最適規模に達するようにいたしております。
 それからそのやり方でございますけれども、一つは、先ほども望ましいとせられましたまず企業合同の型がございます。あるいは集約製造でありますとか、いろいろの製造工程を協業化いたしまして業務提携をいたしますとかいうことを考えております。それからおけ売り取引におきましては、おけ買い先と系列化をする、あるいはそれよりも少し結合状態は弱いのでありますけれども提携という型も想定をいたしております。それからその中の一つといたしまして、今回の特別措置法案でも考えております転廃業というものも予定をいたしております。それからいろいろそういうふうに合同、協業化いたしまして構造改善を進めますにつきましては、主としまして省力化の機械を導入するということも考えております。現在の構造改善計画におきましては、五カ年間で近代化機械を三百八十億円ぐらい購入をして、できるだけ労力を省きまして、そういうことによりまして当初の目標であります一一%の原価の引き下げということをいたしたいということになっております。
 以上が構造改善の概要でございます。
#117
○戸田菊雄君 いまのような内容で四十八年の十一月三十日までそれぞれ経営改善の合理化方策というものをはかっていく。そうすると、結果的に、四十八年にその企業数は四十三年度に対してどのくらいの減少見積もりがある、あるいは、経営規模の適正に達しないものがどれくらい残って、あるいは、私の考えからいけば、予想時期までいけば、大規模のそういうものが居残って整理をされて運用されていく、こういうことになっていくのだろうと思うのでありますが、その辺の結論を教えていただきたい。
 もう一つは、四十八年以降――先ほど大臣にもちょっと質問したのでありますが、この法案というものはあくまでも過渡的措置ということを提案理由でも言っているわけです。一体四十八年以降がどういうかっこうになっていくのか、それは一口で言うならば自由化だと、こういうのでありますが、自由化の内容といいましても、免許制度が廃止されるわけではないわけでありますから、そういうかね合いの中でどういうふうに四十八年以降の構想というものを持ち合わせているのか、この辺の見解を明確にお聞かせを願いたい。
#118
○説明員(中橋敬次郎君) 構造改善計画をいま考えておりますように実施しました暁におきましては、一体現在の姿がどのように変わるかということをまず御説明いたします。
 現在清酒製造業を営んでおりますものが三千五百八十二ございます。その中でさっき申しました四つの型が、広域卸売り型としますと六十六軒、狭域卸売り型といたしましては七百三軒、それから直売型といたしましては千三百軒、おけ売り型といたしましては千五百十三軒ございます。その中で、先ほど申しましたように、最適規模と考えられております規模に達しておるものと達していたいものがございます。これも四つの型についてそれぞれございますけれども、合計を申し上げますと、適正規模に達しておると認められておりますのが現在三千五百八十二のうち千四百二十三ございます。それからまだその規模に達していないものが残り二千百五十九でございます。
 この構造改善事業をいろいろ進めまして、その最後の段階におきましては、こういう形になるということを想定いたしております。まず広域卸売り型といたしましては百八十八、狭域卸売り型といたしましては六百二十三、直売型といたしましては千九十九、おけ売り型といたしましては九百七十六、それで合計二千八百八十六になるというわけでございます。その二千八百八十六のうちで、適正規模に到達すると見込まれておりますのが二千六百六十七でございまして、未達が二百十九でございます。それで、現在三千五百八十二ありますものが、構造改善計画を着手しましたあとで二千八百八十六になりますが、その減っておるものの大部分、つまり六百三十四というのが転廃業でもって清酒製造業をやめるというものでございます。それから企業合同によりまして他の企業の中に吸収されてしまうというものが六十二ございますので、合計六百九十六というのが企業の数としては減っておると、こういう形になります。
 それからこういう構造改善計画を進めてまいり、あるいは現在やっておりますところの生産規制をやったあとの段階で一体どういうことになるのかという想定でございますが、おっしゃいますように、酒税法で与えられておりましたところの免許制度というものは、これをその際になくしてしまうという気持ちは毛頭ございません。やはり免許制度のもとにおきますところの自由化でございますけれども、この免許を持っております清酒製造業といたしますれば、その段階におきましては、もはや、原料の入手なり、清酒を製造いたします数量なり、販売いたします数量については、全然制約がございません。したがいまして、それぞれが、自分のブランドに応じて、あるいはおけ取引の実情に応じまして、売れるという見込みがあるものを個々の企業の判断においてつくってもらわなければならないわけでございます。一挙にそういうふうになりますのは、過去三十年間、総量を押えられ、それに応じましての個々の企業の生産制限というのがございまして、なかなかそういう情勢になれておりませんので、ここ五年間という猶予期間をいただきまして、その間にできるだけ生産規制数量というのを逐次引き上げてまいる、その間におきまして自分の売れる見込みのお酒をつくる、こういうことで混乱をできるだけなくするということをみんなでやっていってはどうかという構想を持っておるわけでございます。
#119
○戸田菊雄君 それから「基準指数の価値の推移表」ですね、これを見ますと、三十八年には四万二千円、三十九年に七万円、四十年に七万三千円、四十一年に十万五千円、四十二年に十四万二千円ということになっておるわけですね。それで、今回いまのような改善計画で進めて四十八年までいくわけですけれども、転廃業移行措置にあたって一体どのくらいの補償をするのかということになりますと、四万円、三万円、二万円、一万円ということになっているんですね。これがどうしても私はわからないんですよ。今後、少なくとも経済が非常に拡大をされて、各般の物価上昇やそういう経済変動が伴ってくるわけですね。そのときに、こういうことで四万円に値下げをしてその補償をしていくというこのやり方ですね、これは経済情勢からいっても私は見合っていないんじゃないか、だからもっとこれらに対して検討の意はないかどうかということですね、この辺はどういうふうにお考えですか。
#120
○説明員(中橋敬次郎君) ここ数年前におきますところの基準指数の現実に譲渡されましたときの対価というのは、おっしゃるような非常に高い価格を示しておりまして、それが四十四年産米から自主流通米を自由に買いまして自由に生産するということにいたしましたならば一体どのような姿を呈したかということを考えるわけでございますけれども、かりにあの場合、完全にその段階において自由化をいたしましたならば、もちろん基準指数というのは直ちにゼロになっておったはずであります。ただ、先ほど申しました五年間を目途にいたしました生産規制を行なえるということになりますと、五年間に買うほうの企業におきましてどれだけのそういう基準指数を買うインセンティブがあるか、あるいはそれを何年ぐらいで利益で償却できるかという見通しにおそらく立ったんだと思います。しかし、やがて自分の欲するだけの生産量を生み出し得るということになりますれば、基準指数の価格というのは四、三、二、一というふうに落ちていく以上に落ちたのではないかというふうにあの当時想定をいたしておりました。しかし、今回のような措置を行ないまして、完全自由になりました暁においてのいわば売り場のない清酒によるところの業界の混乱と、それに影響せられますところの酒税確保の困難というものを避けます意味において、今回のような措置をとられるということになりまして、それに対応してそういうふうに刀折れ矢尽きる前に秩序ある撤退をしていただく清酒メーカーにどれくらいのそういう共助金を出したらいいかということになりまして、先ほど御説明いたしましたように、従来の経緯から見まして、ほぼ一年間事業をしておれば得ておった利益、それよりもかなり現在の事情が悪うございますから、それよりも少し下回るところで原規制数量一キロリットル当たり一年一万円という数字を算定いたしたわけでございます。そういう数字を算定いたしまして、かりにやめて四万円という給付金がもらえるという構想が四十二年に出ましてからは、むしろそういう四万円というものがかなり原規制数量の売買の対価に影響を与えたようでございまして、大体四万円前後の数字でもって必要な向きは売買をしておったようであります。したがいまして、私どもは、この制度をお認めいただきましたならば、今後は、やはり、やめれば四万円、やめれば三万円ということが出るものでございますから、それが現実に相対売買で原規制数量を譲渡する企業にとりましては一つの大きな目安になって推移していくのではないかというふうに考えております。したがいまして、四万、三万、二万、一万が見方によりましてはおっしゃるとおりに非常に少ない金額であるかもしれませんけれども、その半額というものは出すほうの業者の負担でもございますので、あまり高ければ出すほうの業者の負担にもなりますし、その辺のところで、過去の年所得から計算をいたしまして、この程度ならば出すほうでも十分たえ得るでしょうし、もらうほうでも秩序ある撤退のインセンティブになるのではないかということで、四万、三万、二万、一万という数字ができたわけでございます。
#121
○戸田菊雄君 いま説明いただいたように、一面では改善計画ですっとこれをやる。基準指数の推移でも同じようなところにやる。さっき国税庁長官も大臣も言っておられたんですが、決して秩序ある撤退やそういうことではなくて、やはり計画的に零細企業を安楽死をさせていく、こういうことに結果的に通ずると思うのです。その点に対しては答弁は要りません。そういう点は十分ひとつ御配慮の上に立ってやっていただきたいと思います。
 それからこれは主税局長になると思いますが、保証の方法ですね。いわば転貸融資あるいは個別融資、こういう二つの方法がとられた。いずれも中央会の保証態様というものは必要だというのですから、どうしても二通りがなければうまい保証態様というものはとれないのかどうか。結果的には中央会の保証を必要とするのでありますから、どちらか一方に規制をして、何とか事務的繰作というものは簡便化していくことはできないかどうか、この辺が一つであります。
 それからもう一つは保証料の問題ですが、日歩二厘ですね、年利でいけば七分二厘ということになるんですが、大体いまの財投貸し付け等と同じではないかと思うのです。いまの金融界としては総体的に金利引き下げ、預金利子のほうは引き上げ、こういうことになって、従来からも大臣等が主張してまいりましにように、そういうものに対する金利等は、ことに開発、育成、強化、こういう部面にわたるものはできるだけ検討しましょうというようなこともあるわけですけれども、そういう問題について若干高いのではないかというふうに考えるのでありますが、その辺の見解が一つであります。
 それから保証期間の問題で、一年六カ月というはんぱな月数になっているのですね。むずかしくどういうところから編み出したかということはあまり聞きたくないですけれども、一年六カ月というならば、これを二期二年間ということで持っていってもいいんではないか。いずれにしても、ことしつくったやつは来年販売をして、また再来年販売するやつは来年つくっていくということになるわけなんですから、そういうところからいってもちょっとはんぱなんじゃないかと思うのです。こまかいことを言って申しわけありませんが、そういう問題については一体どう考えられるか。
 それから給付対象者の場合に、原規制数量ですね、ほかに売却してもよろしい、売却して廃業するものを対象としない、こういうことになっているんですから、こういうものに該当するのは一体どういうものがあるのか、その内容について具体的にもしおわかりであったら御説明願いたいというふうに考えるわけです。
 それからもう一つは、この特別措置法をずっと一貫してながめますると、法律で規制していく部面、あるいは政令でやられる、あるいは省令、あるいは国税庁長官の委任事項でやっていく、こういう問題等々に諸措置が分かれているのであります。ゆうべ、だいぶおそくなって申しわけなかったんですが、担当者の方にはいろいろと説明いただきまして資料もちょうだいはしておりますけれども、その辺の見解をこの機会に承って、一応時間がまいりましたので、私の質問はこれで終わりたいと思います。
#122
○政府委員(細見卓君) 本来国税庁のほうからお答えするのが筋だと思いますが、便宜私からお答え申し上げますと、保証のほうの融資の問題でありますが、現実の問題といたしましてわりあい個人の融資申し込みが多い。したがいまして、個人の個別融資という方法もとらざるを得ない。また、一方、多年の慣例によりまして組合が借りてきて転貸するというような方式でいままで融資が行なわれてきている組合もあるわけであります。そういう従来の慣例を尊重して両方ができるようにしたと。一方に制約するということは、おそらく金融機関の了解を得るとかいろいろむずかしい問題が起こりますので、この際はむしろ従来のものを踏襲したほうがよかろうというふうに考えているわけであります。
 それから二厘の問題でありますが、こういうふうに信用保証が行なわれることによりまして借り入れ金利というのはかなり安くしてもらえるだろうというようなことも考え合わせまして、当面二厘ということでスタートいたしまして、これは今後の状況によりましてたとえば非常に回収が悪くなるというようなことであれば二厘でも間に合わないことになりましょうし、非常に回収率がいいということで二厘というものはやや割り高だということになればこれを引き下げるということもあり得ようと思います。そういうことで、二厘というのが今度の信用保証によりまする借り入れ金利の引き下げ可能の度合いというものともかね合わせまして一応のラインではないかということにいたしておるわけであります。
 それから一年半の問題でございますが、これは従来の製造から製品の代金が回収されてくる期間を経験的統計的に見てみますと、大体一年半でワンラウンドしておるということで、その期間をもって間に合うのではないかと思うわけであります。
 それから基準指数の売却の問題は、現在におきましても現実に売却をしておる方もございます。そういうことで、転廃業によってやめるという形で補償金をもらうより、むしろ従来の提携その他の関係において親密な関係のあった人に売却して、たとえば新しい法人をつくって委託するというようなこともあり得ましょうし、そういうことで、売却の方法を特別に禁止するとか、あるいはそれを押えなければならないということはないのではないかというふうに考えているわけでございます。
 それから最後の政省令の問題は、もう大部分は制度の骨格はこの法律で規定いたしておりますので、政省令にあげますことは、大蔵大臣が公示しなければならないような事柄についての様式でありますとか、あるいは中央会のいろいろ取りきめますときの監督上の立場から様式を規定するとかいうようなものでございまして、いわば酒造業者の権利関係に関係するような重要な事項はすべて法律に規定いたしまして、政令に取り上げますのは、この種の法令の特質といたしましてほとんど技術的様式的なものになろうかと思っております。
#123
○松井誠君 短い時間しかありませんので、簡単にお尋ねしたいと思います。
 最初に、戸田委員の質問に答えて構造改善のところで盛んに適正規模、適正規模というお話が出ましたが、適正規模というのは何をめどにして適正と言うのか、その基準はどうなのか。
#124
○説明員(中橋敬次郎君) 清酒製造業におきましては、実は、朝も申し上げましたけれども、流れ作業的に生産そのものが動いておりませんので、必ずしも大規模であればそれだけ有利であるということにはなっていないのでございます。あるいはまた、いろいろなつくりましたお酒の売り方によりまして、地場で売るもの、それから広く売るもの、いろいろな型によりましてもその規模に差等がございます。しかし、一応そういう先ほど申しました四つの型を想定いたしましたので、その四つの型につきまして、しかも、それぞれ製成の規模別、階層別に、従来の実績から、一体売り上げに対しまして純利益率がどういうふうになっているか、あるいは総資本に対しまして純利益がどういうふうに率としてなっているかということをとってみたのであります。そういたしますと、四つの型につきましてそれぞれ階層別にとってみますと、ある階層のところでその利益率が断層を示しているわけでございます。かなり有利に率の高くなっているところの階層があるわけであります。少なくともそれ以上の製成をもってすれば、その型としてはかなりの利益があがるのではないかということで設定いたしましたのが、先ほど来申しておりますところの適正規模というものでございまして、そういうふうに過去の実績から階層別に見ますと、たとえば直売型でございますと製造数量で二百キロリットル、あるいはおけ売り型で申しますと三百キロリットル、狭域卸売り型で申しますと四百キロリットル、広域卸売り型で申しますと千キロリットルというような数字が出てまいるのであります。そういう製成規模をもって一応経営規模の適正なものであるということで、単独でそういう規模を実現する、あるいは、いろいろな合同とか協業とかいうようなことでもってグループ化によりましてそういう規模を実現するか、いずれかをとるようにということを構造改善事業の骨子にしているのであります。
#125
○松井誠君 その点は、それでわかりました。
 それで、実質一%以上の引き下げを行なうというそのことができるような規模になるかどうか、そういうことは検討の外にあるわけですか。そうしますと、四種類の経営の形態、これの平均が一一%以上と言われると思うんですが、各形態別に見て、それじゃどのあれは一一%をこすとかこさないとか、そういうめどは具体的につけてあるわけですか。
#126
○説明員(中橋敬次郎君) 実質一一%以上の原価の引き下げと申しますのは、型ごとにとってございませんで、全部について一一%以上という数字を出しました。もっとも、その一一%以上ということを出しますにつきましては、たとえば原価では、びん容器に詰めるときの費用についてはどれくらい以上を引き下げをするということはとってございますけれども、型別にはつくったものはございません。
#127
○松井誠君 時間がありませんので、自主規制ですね、不況カルテルですか、それと、構造改善、中小企業近代化の基本計画、協業化の改善、三つ一緒にしてお尋ねしますけれども、これはこの御説明をお伺いしていると長くなると思いますけれども、数量規制の五年間の大まかな方針は、たとえば、このいただいた資料によりますと、自由化部分の積み上げ比率というのがありまして、四十三年度四%から始まって、四十八年度が一四%、四十九年度が完全自由化になるということになっているのでありますが、自由化部分の積み上げ比率の範囲内における生産数量は、これは各個別経営に割り当てるんですか。おまえのところの実績はこれだけ、自由化部分はこれだけだと割り当てるんですか。あるいは、総体として自由化部分積み上げ率というのがあってその中ではまさに自由化なんですか。どうなんですか。
#128
○説明員(中橋敬次郎君) 結論的に簡単に申し上げますと、個々の企業別原規制数量という生産規制の大もとになる数値、これは先ほど御質問のございました基準指数に淵源をしておるものでございますが、そういう大もとの原規制数量というものを持っております。それでつくれるお酒、そのほかに、各企業ごとにそれに一体何%希望によってつくれるかということが個別企業でもって出るわけでございます。ただ、何%というのを算出いたしますときには、全国総体の数量としまして翌年度どれくらいの需要があるかという見通しを立てます。それに、先ほどお示しになりましたような自由化比率の部分を上積みするわけでございます。そういたしますと、原規制数量でもってどれだけできるかという数値が出ますから、ほぼそれを上回る数値というものは各企業が希望すればできるわけでございます。四十四年度について例をとって申し上げますと、各企業では、原規制数量でもってつくっていい生産量に対しまして、さらにその一九・七%は希望すればつくってよろしいということになったわけでございます。これを四十五年度の見通しで申しますと、原規制数量でつくり得る数値のほかに、さらに約三五%は希望すればつくってよろしい、個別企業でもってその範囲内でつくってもよろしいと、こういうことになろうかと思いますが、そういう範囲内で自由化部分を各企業の販売力に応じました希望に応じましてつくらせる仕組みでございます。
#129
○松井誠君 そうしますと、私がさっきちょっとお尋ねしたように、三五%というのは、三五%の能力があろうとなかろうと、とにかくそこまでおまえやろうと思えばできるんだぞというような目標を示した、しかし、三五%という与えられた目標を消化できない企業にとってはいわば絵に書いたもち、もっと生産をする能力があり余っておるものについては実質的な数値の目標になるわけですか。力のないほんとうの零細企業については絵に書いたもちになる。そういう形で積み上げていって、五年間たって自由化されたときにはいま言われたシェアが違ってくることはいなめないわけでしょう。
#130
○説明員(中橋敬次郎君) それはおっしゃるとおりでございまして、原規制数量で毎年七百万トンぐらいできるわけでございます。そのほかになお、いろいろ輸出をしましたとか企業合同しましたとかいうことにつきましての特別もらう部分を除外いたしますれば、それ以外は各企業の希望に応じますところの数量でございます。その数量は、おっしゃいますように、企業の能力なり販売力に応じましてつくるものでございますから、実績のないところではそれはつくらないという結果が出てまいろうと思いますから、逐次生産規制の自由化部分が上積みになってきますれば、それに関します限りにおきましてはやはり販売力のある企業の生産が伸びるということになります。もちろん、従来の米の割り当て制度におきましては、生産量を圧縮しまして、みなが割り当てられた数量のお酒をつくるといった時代がかなり続きました。そのほかに、三十六年ぐらいから、これではあまりにも実勢を無視するということから、希望加配と申しますか、希望するメーカーにはその部分を余分に米の割り当てをするという制度を導入いたしまして、逐次自由化の方向に向かうべく努力してまいったのでございますけれども、今回の制度によって、かなりそういった実績に応じた生産が年々ふえてまいるということになろうと思います。
#131
○松井誠君 私は、九九・五%が中小企業である、それがそのままでいいとは思わないわけです。しかし、その壁を取っ払って自由化の嵐になったときに、生産できない販売能力がない人はしかたがありませんよということじゃなしに、そういう者たちがやっていけるような協業化なり企業合同なりということに具体的にどれだけの努力をしているか。そうすることがこれだけのメリットがあるよという、そういうことで具体的に誘導をやるような措置をとっておられるのか、その点はどうですか。
#132
○説明員(中橋敬次郎君) その点は、構造改善事業計画というものの実施面の問題であろうと思います。私どもも、単独の企業で販売力のないところは、まずはおけ売りの系列化によりまして十分生きていく道はあると思うし、あるいはまた、業務提携でコストのダウンをはかる、あるいは、共同びん詰め的なことをやりまして集まって宣伝広告費等を多量に投入できるような体制をつくるといったようなことをやってまいりたいと思います。あるいはまた、協業化によりましていろいろな生産過程によりますところのコストダウンというようなこともはかってまいるということでございますので必ずしも大きなもの――中小企業といいますけれども、お酒屋さんの中で大きなものばかりが栄えていくというわけではございませんで、地場でもって自分のブランドで伸びていくということがかなりありますのも清酒業の特色でございますので、そういうところはそれなりに自分の企業の体質を強めてまいれば十分やっていけるという見通しがあるということは先ほど御説明しましたとおりでございまして、ただ、問題は、従来かなり生産量が押えられておりましたときに、自分のつくりましたお酒をいわばそのときそのときの価格の動くままに相手方も特定しないでおけ売りをしていました企業というものが、今回の生産規制の自由化に伴いあるいは完全に自由化しました暁には売り場がなくなる、そのときに一体どういうふうな態度をとるであろうか、また、その態度いかんによりましては清酒業界全体あるいは酒税の確保という問題がむずかしくなるというところから今回の措置をお願いしているわけでございます。
#133
○松井誠君 時間が来ましたので最後にしますけれども、先ほどの大臣のお話ですと、来年度も七億円の補助助成を予定しておる、業者の部分を合わせると二十一億になるわけですが、保証の限度額をことしは三十倍で四百二十億、業者のほうでは来年二十一億になったときにやはり三十倍で六百三十億の保証限度額を期待しているような向きもあるのですけれども、このいただいた資料では、これは中央会そのものが作成をした資料になっておりますけれども、基金が二十一億になってもやはり四百二十億の保証限度額になっておるのですが、先ほどの国税庁長官の話ですと、回収率は非常に高いというのですから、ことし三十倍まで限度にするのだから、来年二十一億になったらやはり三十倍にして六百三十億を保証限度にする、そういうようなわけにはいかないのですか。
#134
○説明員(中橋敬次郎君) 保証限度額を何倍にするかという問題は、いままで既存の信用保証基金の例をとることもございましょうし、清酒業の信用保証によりまして得た資金の返済見込みにもよると思いますが、いくらでも薄めていいものとばかりとも思っておりません。薄めれば薄めるだけやはり融資をいたしますところの金融機関がその信用をだんだん薄く感じてくるわけでございますので、あまり薄く伸ばしましたら、またそれによりまして別に担保を要求せられますとか金利を高くせられますとかということがございますので、それはやはりほどほどにしなければならぬと思っております。
 それで、四十五年度と四十六年度の倍率の問題でございますけれども、実は、同じく二十倍にいたしてもよろしゅうございますけれども、幸い来年度の予算で七億円追加に認められますれば、順調にまいりますと実は来年の四月早々にはこの基金に組み入れられるわけでございます。そういたしますと、この秋から清酒の生産を始めますについて、信用保証を初めて受けますのが実は十月とか十一月とか、まあ年末近くなって受け始めますから、その間は実は十四億で動いてまいる期間というものは短いわけでございます。すぐさま応援隊として七億円が入ってくるわけでございますので、二十倍と三十倍という画然たる差はあまり考えなくてもいいのではないかということでもって、わずかに四、五カ月の間だけ、しかもすぐ七億円という追加の予算が入ってくるという見通しもつくのでございますので、四百二十億円というのを当初から信用限度額として立てていただいておるわけでございます。
#135
○松井誠君 調査室からもらった資料によりますと、四十三年度の資金所要額が千百六十数億、約千二百億ですね。借り入れ金額が五百九十五億、約六百億。で、いわば借り入れの所要金額に対する比率というものは五一%くらいになっている。ですから、千二百億の所要資金が必要だということになると、二十一億の三十倍は六百億で、ちょうどいままでのいわばまかなう率と同じようなことになるわけですね。だから、千二百億なら、大体六百億を借り入れてきたのですから、千二百億という数字が将来もあまり動かないものとすれば、やはり六百億まで保証するという形でないと、資金が窮屈になりませんか。
#136
○説明員(中橋敬次郎君) それは、おっしゃるとおりでございます。従来六百億を基準指数見返りでもって借りておりましたから、六百億を直ちに信用保証基金の信用力で借りれば一番理想でございますけれども、現在四百二十億という数字になるわけでございますが、そのほかに、実はまだ転廃給付金の四万円、三万円、二万円、一万円というこれをお認めいただきますと、これが原規制数量の底値と申しますか、一つの担保価値を形成するわけでございます。この秋を想定いたしますと、まだ、原規制数量というのは、来年給付金をもらっても三万円の計算が立ちますから、最低三万円くらいの担保価値が出るわけでございます。それもあわせて使いますれば、四百二十億円を上回りまして、かなり六百億円に近い信用力というのがそれで出てくると思っております。その間にもちろん四万円が三万円、二万円とだんだん落ちてまいりますから、その原規制数量によりまして得られる信用力というのは落ちてまいりますけれども、その間、また一方、企業もだんだんそれに対応する自己金融力というのをつけることにいたしまして、大体六百億円くらいというのは、自分でもってまかなえる部分も入れまして四百二十億円と相まって実現できるものと信じております。
#137
○松井誠君 この法律案の十五条に、「特別の会計に係る残余財産の帰属その他の措置については、別に法律で定める。」と、こういうようになっておるわけですけれども、構造改善事業というのは一応五年間、自主規制も五年間ですけれども、五年済んだあとはまだこの事業は続くのか、または、なくなってしまって、保証事業だけが残ってくるのか。残った場合に、保証事業は一体いつまでやるのか。さっきの大臣の話ですと、要らなくなったら返してもらうみたいな話でしたけれども、そうしますと、実質的にはいわば融資基金か何かに対する出資みたいな形なのに、形式としては補助金という形で出す、その辺も妙な気持ちがするのですけれども、その辺もあわせてお答え願います。
#138
○政府委員(細見卓君) 構造改善計画は、なるべく早期に実現することが構造改善のためにも必要なことでありますので、五年間でありますが、信用保証事業は、これはその信用保証によりまして今後酒の醸造資金を借りてまいらなければならないことは、自己担保力が各企業者にできて、もうこういう制度が要らなくなるというときまで極端にいえばかかるわけであります。しかし、そこまでということになれば、あまりにも長期になろうかと思います。その辺で、したがいまして、ある程度たったところでまたいろいろ各方面の御意見も聞きまして、もうこの辺で自力でやって、あるいは一般の信用保証事業の中へ吸収していったらどうかというような段階になりましたら、この補助金は回収したいと思うわけでありますが、その時期をいつと判定するかは、まさに構造改善計画の成果にもかかりますし、あるいはまた、今後の酒造業の企業の力のついていく度合いというようなもの、あるいは、それがどういう形で再建、いわば業界が秩序立っていくかというようなことを総合的に見てまいりませんと、いま、何年たてば返済可能だというのは、ちょっと見通しがたい状況でございます。ただ、その状態に達したある段階においては、補助金は廃止する、そのときは法律をもって廃止したいと考えております。
#139
○松井誠君 補助金を返してもらうというのは、具体的にどういう方法でやるのか知りませんけれども、私が聞いておりまして、先ほどちょっと言いましたけれども、何か事業団のようなものをつくってそれに出資をするという形であったのに、そっちのほうはなくなったのに、出資という実体だけは残そう。だから、出資という実体のしっぽが補助金という名前のところにまだ残っている。補助金として出したものを返してもらうというのは、具体的に何か特別な法律をつくってやるんですか。
#140
○政府委員(細見卓君) 補助金交付にあたりまして、補助金の交付の条件として、いわゆる交付条項という中に返済を義務づけておきたいというふうに考えております。
#141
○委員長(栗原祐幸君) 本会議散会後すみやかに再開することとし、休憩いたします。
   午後四時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時十二分開会
#142
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
    ―――――――――――――
#143
○委員長(栗原祐幸君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。
 清酒製造業の安定に関する特別措置法案審査のため、中小企業金融公庫総裁佐久洋君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#145
○委員長(栗原祐幸君) 休憩前に引き続き、三案の質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#146
○鈴木一弘君 せっかく総裁にだいぶお待たせをいたしましたので、総裁に伺いたいのですが、先ほど大臣から答弁をいただきまして、例の転廃業についての中小企業の融資について、十分にという御答弁があったわけでありますが、中小企業近代化促進法第五条二項によって指定された構造改善の業種が現在八業種にのぼっておりますけれども、問題は、八十億のワクに対して計画書等が出ているのでは一体どのくらいというふうに見込まれているのか、伺っておきたいと思います。
#147
○参考人(佐久洋君) ただいまのところ、構造改善の計画としましては、四十四年度の計画は十九億九千万円、四十五年度が五十六億という見込みになっております。
#148
○鈴木一弘君 十分にという御答弁がありましたので、その点で総裁に詰めておきたいのですが、いわゆる八業種、今年また追加されるんじゃないかと思います。その点についてもう一度答弁をいただきたいのですが、そのような場合に、融資ワクは全体できまっている、ところが非常に競合して条件が相似たものになってくるおそれがある、そういう場合にはどの業種を優先するというふうになっているのか、その辺を伺っておきたいと思います。
#149
○参考人(佐久洋君) ただいま八業種ございまして、これから先追加になるものがあろうと思いますけれども、構造改善事業計画というのは、所管大臣の承認を受け、それによって決定される、その決定に基づいて中小企業金融公庫の融資を考えていく、こういうことでありますので、その業種ごとの計画を承認する際に一応きまっております八十億のワクというものが考慮の中に入って承認がされるものと思います。そこで、全体としてそう大きな狂いがあるとは思われませんので、特に優先順位というものを私のほうでは考えておりません。
#150
○鈴木一弘君 これはそんな公式的な答弁では――優先順位は考えられないということでありますが、競合していった場合どうするかということです。もうすでにワクが一ぱいになりそうであるという場合にはどうなるか、その特別なケースを私は伺っておるわけです。
#151
○参考人(佐久洋君) 特別なケースの場合にどうしてもワクが足りないというようなことがあるいは起こるかもしれませんけれども、それは今後の問題でありまして、そのワクをどう変えていくかというようなことは政府側のきめることでございまして、私のほうではあらかじめどうということを考えておりません。
#152
○鈴木一弘君 答弁がすれ違って、私は広げた場合とかそういうことを聞いているのではないわけでありますので答弁がまともに得られないわけですけれども、本年度四十五年度の特定業種になるというようなものは、現在のところ想定されておるのはどのくらいありますか。大体こうなるのではないかという予定されておるものですね。
#153
○参考人(佐久洋君) それは主務官庁が承認する問題でございまして、私のほうであらかじめ予定等はいたしておりません。
#154
○鈴木一弘君 それはわかっております。主務大臣がやることですからその点はよくわかっておりますが、いくらなんでも全然話がなくて起こってくるわけはないでしょう。そういうようなことが耳に入っておるものはないのかということを伺っておるわけです。
#155
○参考人(佐久洋君) 私のほうは先ほど申し上げましたとおりでございますが、いろいろ検討をされて承認を申請するのではないかという情報を聞いておりますのが六つ七つの業種がございます。
#156
○鈴木一弘君 その六つ七つの業種の名前だけ言っていただけませんか。
#157
○参考人(佐久洋君) 私、いまここで具体的な業種の名前を存じません。ただ六つ七つという数字程度の情報を受けておるだけでございます。
#158
○鈴木一弘君 これは、大蔵大臣、いまの答弁から見ると、どうしても八つの業種が十四、五になるだろうという予想がついてきておりますが、そういう場合でも、先ほど答弁がありましたとおりに十分にやっていただきたいと思うわけです。その点、あらためて、情勢の変化があってもその点は十分考えるという決意をお伺いします。
#159
○国務大臣(福田赳夫君) 幾らか構造改善事業が追加されるということは予想されておったわけでありますが、とにかく清酒業の構造改善につきましても十分配慮してまいりたい、これははっきり申し上げておきます。
#160
○鈴木一弘君 では、中小企業金融公庫総裁はけっこうです。
 転廃業者の問題でありますけれども、業務方法書の第四十四条に「(前酒造年度の製造数量の申告)」ということがございます。こういうのを毎年のように中央会へ提出するということになっております。これについてですけれども、これははっきり申し上げていつまでも――これは転廃業というかカルテルの問題でありますが、どうして時限をつけるような原案にならなかったのか、私はその辺が不思議であります。年限というものをここにつけておく必要がなかったのか。昭和何年までは、それ以後はけっこうですと、そういうことになるのがほんとうだろうと思うのですけれども、その点はどういうお考えでやったのか、伺っておきたい。
#161
○説明員(中橋敬次郎君) 期限の問題でございますけれども、一つの事業でございます転廃業者に対する給付金の給付と、そのための納付金の徴収については、法律に書いてございますように、四十八年の十一月三十日までにやめた者ということで期限がつけてございます。
 それからもう一つの事業でございます信用保証事業につきましては、これは、先ほど主税局長からお答えしましたように、将来もずっと続けてまいる予定でございますが、いつかの段階におきましてはいただきました補助金についてその他の財産の処理という問題も考えなければならないと思いますけれども、いま私どもが考えておりますところでは、やはり一時に多量の酒造資金を要します酒造業界のことでございますから、信用保証事業につきましてはかなり長い期間続けていただかなければならないというふうに思っております。
#162
○鈴木一弘君 しかし、昭和四十九年以後は自由ということになるわけですね。自由というのに酒の数量の報告だけは毎年しなきゃならないというのはどういうわけです。
#163
○説明員(中橋敬次郎君) 御指摘の点につきましては、前酒造年度の製造数量の申告制度をとっておりますのは、転廃業者に対しますところの給付金のための納付金を計算する基準でございますから、おっしゃいますように昭和四十八年十一月三十日までにやめます者をきめまして、それに対応しましておそらく四十九年の三月三十一日までにそれに関する給付金の給付事業も終わりますから、そのときまで四十四条の製造数量の申告をとるというこの業務方法書の規定は時限的でけっこうだと思います。
#164
○鈴木一弘君 これは時限をつけるようになりますね、いま時限というのはけっこうだという答弁でしたが。
#165
○説明員(中橋敬次郎君) お手元に提出しましたのは、日本酒造組合中央会におきまして現在業務方法書の案を検討中のものをとりあえず御提出したわけでございまするので、御趣旨の点につきましても今後の検討の中で十分再検討いたしたいと思っております。
#166
○鈴木一弘君 「(納付金の減免および納付猶予)」の問題でありますけれども、この業務方法書の内容から見ますというと、災害であるとかいうことで清酒を亡失した、あるいはその有する財産に被害を受けたと、こういうときには、その被害のあった事業年度のその者にかかる納付金については理事会の承認を得て減免したり納付の猶予をすることができるとあります。もしこれが大きな災害があった場合には、理事会で何ぼ承認しても、実際問題として納付金が集まらないということになりかねない。そうすると、給付金も十分出ないということになってくるわけでありますが、この場合、おそらく万やむを得ず中央会が資産を担保にしてもということになるかもしれない。しかし、建物だけで主億円の値打ちしかない。それを担保にしてもそう大きく引き出せるものじゃないだろうと思うんです。財産目録ではそう出ております。そういう点で、その場合は一体どうなるんでしょう。苦しくなった場合にはどうにもならないということになりかねないと思うんです。
#167
○説明員(中橋敬次郎君) 災害が生じましたときに、納付金の減免、猶予をどういうふうにすべきかという問題でございます。これもなお今後の検討問題でございまするが、一つの考え方としましては、納付金の問題というのは、結局、納付金を納付しますところの清酒製造業者がつくりましたお酒なり売りましたお酒についてやはりその部分を捻出してまいるということになろうと思います。いま私どもが考えておりますたとえば初年度四十五年度に二百十人やめますと、一応六億六千万円という負担金が生ずるわけでございますけれども、これをかりに計算してみますと、一升当たり約七十八銭という数字が出てまいります。そういうふうに約七十八銭なら七十八銭というものを売ります酒の中から捻出をしてまいるということになりますれば、災害にあたりましておのずと納付金の猶予、減免をする場合に処する態度というのが出てまいろうと思います。お酒が災害でたとえば焼けて亡失してしまった、それだけで終わってしまいますと、確かに減免、猶予の対象になりますし、これまで往々ありましたように火事で酒米が焼けましたという場合には、さらに酒米の手当てをいたしましておくればせながらつくって蔵出しできたという時代もございます。そういたしますと、やはり一本当たりの売り上げが上がるわけでございますから、そのときにはたして予定どおり七十八銭部分の負担をしていいのか、あるいはそのほかのいろいろな災害の負担がかかりますので、半分にするかというような問題がいろいろ出てまいろうかと思いますけれども、これはなお今後の検討にゆだねさせていただきたいと思っております。
#168
○鈴木一弘君 わかりました。
 もう一つは、いわゆる信用保証についての債務保証の問題でありますが、必要があるときは保証依頼者について実施調査を行なうということであります。これは、実地調査をするというのは、どういう形態で、何人くらいでやるのですか、その点はまだきまっていないのかもしれませんけれども。
#169
○説明員(中橋敬次郎君) この債務保証の事務につきましては、たとえば特殊法人を設立いたしますと、それ相応のスタッフというのを独自に持つわけでございます。ところが、今回の措置では、日本酒造組合中央会を使うということになっておりますので、個々の地方におきます組合に関しますところの債務保証につきましては、やはり中央会の直接間接の構成員でございます県単位の組合でございますとか、あるいは県の連合会でございますとか、末端の税務署単位の組合でございますとか、そういうところの職員の人たちがそれぞれの仕事をやらざるを得ないわけでございます。おっしゃいますような一々の個別的な調査というものも、必要に応じましてはそういった中央会の人たち、あるいは府県単位、末端の単位組合の職員の人たちが個別にやらざるを得ないかもしれません。必要がある場合にはそうした人の手を借りましてやる予定でございます。
#170
○鈴木一弘君 これによると、債務保証についても保証を拒絶するということも決定できるようになっておりまするし、いま一つは、保証を行なう場合に被保証者が具備すべき条件というものが確実に具備されなければならないということになっている。その条件とその要領について伺いたいと思います。
#171
○説明員(中橋敬次郎君) いまお話しの件も、実は今後なお業務方法書なり実際にあたりましても詰めなければならないという問題点でございます。しかし、基本的になりますことは、結局、債務保証をいたしました場合に、現実に実際に信用を受けまして金融を受けて生産をしますお酒屋さんが、その融資を確実に返済できるように、できるだけ基金に迷惑のかからないようにというのがねらいでございます。したがいまして、そういう観点、あるいはそういったことの保証を得ますような条件を立てたいと思っておりますけれども、先ほども長官が申しましたように、清酒業というものは従来より非常に固く経営をいたしておりますし、税務署もそういう方面についてのできるだけの協力を今後も行なうことによりまして、事故をできるだけ少なくしたいというふうに思っております。ただ、どうしてもその信用が個別に信用保証をします場合に最後の確信が得られないという場合がございましょうけれども、そこは最後にはお酒屋さんにはたなおろし商品としての独得な清酒というものもございますから、そういうものも使いながら信用保証を受ける、しかも、それについてあまりにざるのようにならないように措置をしていきたいと思っております。
#172
○鈴木一弘君 農林省の方が見えていると思いますので伺いたいのですが、現在使っております原料玄米の数量が四十三年度で五十三万五千四百トンという数量にのぼっております。ここで初めて自主流通米というのが出てきたのですけれども、自主流通米総量で百五十万トンでしたか、その百五十万トンのうち、いわゆる酒造に回したのはどれくらい、そのほかに行ったのはどれくらい、それが個別的にあると思いますが、言っていただきたいと思います。
#173
○政府委員(内村良英君) お答え申し上げます。
 昭和四十四年産の自主流通米につきましては、当初、百七十万トン、すなわち、内容を申しますと、主食に百万トン、酒米に五十万トン、モチ米に二十万トンを自主流通米として流通したいという計画でございましたが、三月までの結果を申し上げますと、主食用に回っておりますのが二十三万トン、酒用が四十七万トン、モチ米が九万トン、合計七十九万トンという数字になっております。
#174
○鈴木一弘君 はっきり申し上げて、自主流通米については全然働いていないと。酒造のほうだけが、酒の税金の関係もあるかもわかりませんけれども、まじめに自主流通米を予定どおり大体消化をしたと。ほかのほうがこういうように消化できなかった理由はどういうわけなんでしょう。
#175
○政府委員(内村良英君) 四十四年産の自主流通米が必ずしもうまくいかなかったということにつきまして、われわれのほうでいろいろ反省してみた結果を申しますと、まず第一に、制度発足の初年度であったために取引業者がふなれであったということがございます。それから第二には、主食用として当初出回った超早場米の一部に味がよくないというような不評を買って、どうも自主流通米はうまくないのじゃないかというような批判が一部にあった。そこで、このような苦情がございましたので、農家の方も、これは自主流通米よりも政府に売ったほうがいいということで見切りをつけて政府に売ってしまったというものが相当量ございます。これが自主流通米が四十四年産についてはうまくいかなかった理由ではないかと思います。
#176
○鈴木一弘君 取引業者がふなれであるというのは、酒のほうを見れば、五十万トン予定が四十七万トンということで、決してふなれであったということは言えないと思うんですね、一つの例を見れば。そんなことは言いわけにならないのじゃないか。だから、自主流通米をつくって、結局、酒造業者にだけしわ寄せがいったという感じを受けざるを得ないわけです。
#177
○政府委員(内村良英君) 御承知のように、酒米につきましては、自主流通米発足以前の四十四年度まではいわゆるコスト計算ということで食糧庁が酒米を売却していたわけでございます。ところが、それに対しまして、主食用につきましては、御承知のとおり、消費者価格の安定のために財政負担で消費者価格を安くしております。その関係で、主食用の自主流通米というものは、そういった生産者価格と消費者価格の逆ざやを克服してやらなくちゃならぬ。非常にいい米の場合は消費者がそこまで評価して買う。ところが、酒米の場合は、そういうことがなくて、従来からコスト計算をやっておりましたので、自主流通米に非常になじみやすかったという点があるかと思います。
#178
○鈴木一弘君 結局、酒の場合は、古米とか古々米というのは使えないですからね、はっきり申し上げて。そういう点から見ても、私はまあ優先的にこういうように四十七万トンというように使ったんだろうと思いますけれども、こういういわゆる自主流通米のあり方それ自体がゆがんでいる感じもするわけです。当初計画から大きくズレて、主食には百万トンが二十三万トンしか出なかった。そういう点、本気になって考えてもらわなければいけないのじゃないか。ただ何となくアドバルーンをあげたからそれでよかったんだと、あとは言いわけを考えればという態度じゃ困るわけですね。
 それからこれはあなたのほうに関係するかどうかわからないのですが、まあお米の問題としてですけれども、転業をする酒造の業者の場合に、非常に大きなところでもありますし、建物も古いかもしれませんが床はすでに現在ではほとんどコンクリート張りになっておる。そういう点で、倉庫に動くものがかなりあるわけでありますけれども、そういう点は何か農林省のほうで補助みたいなものとかそういうことを考えていないのかどうかということを伺っておきたい。
#179
○政府委員(内村良英君) いまの御質問は、酒屋さんの倉庫について農林省が補助金を出す等のことを考えたらどうかという御質問でございますか。
#180
○鈴木一弘君 そういうことです。
#181
○政府委員(内村良英君) 御承知のとおりに、政府の所有米につきましては、倉庫を指定して保管をしているわけでございます。この中には、政府倉庫から始まりまして、農協の倉庫、営業用倉庫、サイロというようなものがございます。いまのところ酒米については自主流通米にほとんどなっておりますが、政府が一たん売り渡したものについ七その保管について補助金を出すということは考えておりません。
#182
○鈴木一弘君 それは意味が違うのです。転業をした場合です、倉庫業に。その場合に、お米を保管するならお米を保管するだけの施設を当然しなければならぬわけですから、それは専門の農林省でなければわからぬわけですよ。現在も、御承知のように、倉庫が満員でお米を政府がなかなか買い入れてくれないという事態が去年あったわけです。そういうことで非常に困っておりますし、その点では大きな活用の一助にはなっておる。そういうのを実際考えておる人があるわけです。そういう場合に、指導もしなきゃいけないでしょうし、当然そうなればある程度のことは考えてあげるということはできないのかと、こういうことです。
#183
○政府委員(内村良英君) 政府指定倉庫になっている場合については、私どもといたしましては、いろいろ保管の指導もいたしております。それから倉庫の新しい建築等につきましては、今後いろいろ検討しなければならぬ問題があるかと思っております。
#184
○鈴木一弘君 おそらくそういうのはふえてくると思いますので、そういう点については十分に考えてもらいたいというように思うわけです。
 それから間税部長、ちょっと伺いたいのですが、先ほどは指導価格の問題で私言いました。価格の管理ということはやっていないということを中橋さんがある新聞に公言をしていらっしゃるわけですけれども、実際問題は指導価格ということで押えられ、これは一つの価格管理ということが行なわれておるとしかとれないわけです。どうも、その点が、先ほどの国税庁長官の答弁だけでは私はぴんとこない気がするわけですが、言っていることとどうも違うわけですが。
#185
○説明員(中橋敬次郎君) お酒の価格につきましては、実は、本心、私ども自由にいたしたいということをかねて思っておるわけでございます。もちろん、自由にいたしておりますのですけれども、上と下につきましてかなり関心を持っております。一つは上の話でございますけれども、上の話は、先ほど長官が申しましたように、級別課税のもとにおきましてのいわゆる一級なり二級なりの上限値の問題がございます。そこは、先ほど長官が申しましたように、級別制度のもとにおいて私どもはやはりある程度の指導をせざるを得ない立場でございます。それから下のほうの価格では、特にメーカーの段階でございますけれども、酒税を割って売られては一番困るわけでございます。コスト・プラス・酒税、それに適正な利潤というものを割って売られるということは、やがて酒税の滞納を引き起こす、また、他の業者にも非常に影響を及ぼすということでございますので、そういう点について私どもは非常に関心を持っておりますし、経営状態がよくないという点につきましては、酒税法上、そういう保全担保の道が講ぜられておりますから、私どもとしてもそういう保全担保を徴取せざるを得ない面がございます。そういう税金までも割って売られたというような価格、あるいは、級別制度のもとにおいて上級の税差があるからこそ高く売れるというものについての価格、そういうものについての関心はございますが、そのほかは、実は、私どもは、できるだけ価格の幅が出てきたらいいということで思ってもおりますし、指導もいたしておるわけでございます。それで、特級についてはかなりそういった幅が出ておりますけれども、御指摘のように、二級につきましては、まだかなりある種の価格に銘柄が集まっておることは事実でございます。それは、先ほども申しましたように、長い間のマル公、基準価格といったような慣行から抜け切れませんために、価格がかなりいわば硬直的になっておるという面がございますけれども、これはできるだけ私どももそういった面についての開きが出ますように今後ともなお十分指導をしてまいりたいと思っております。
#186
○鈴木一弘君 最後に、大臣に伺いたいんですが、いわゆる私的独占の禁止という、独占禁止法があります。この独占禁止法では、いわゆる不公正な競争、つまり無競争状態のようなものはいけない、有効競争を保つようにということが一つの大きなねらいになっておりますが、政府のやることについてはこれが完全競争になっても一向とがめないというのが精神であります。しかし、はっきり申し上げまして、先ほどの免許制度の問題にしましても、先ほどから私が申し上げました一級、二級の級別課税から生じてくるいわゆる指導価格の問題にしましても、どう考えても、一面では競争というものを制限しているとしか考えられない。確かに独禁法には政府ですから触れないことは十分わかりますけれども、その精神というものは全面的に生きていくような方向をとるべきじゃないだろうか。したがって、免許制度というものはゆるめるべきであるし、一面で、また、級別の問題も、先ほども申し上げましたように従価税にしていくのがほんとうではないかということを強く感ずるわけなんですが、その点の関連をひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#187
○国務大臣(福田赳夫君) 酒につきましては、卸、小売りの免許制度があるわけです。価格につきましてはない状態であります。卸、小売りの免許につきましては、これを撤廃することは非常にむずかしいと思うのです。これは御了解願えると思うのですが、免許基準ですね、これを経済環境の変化に応じまして弾力的に運営しなければならぬ、こういうふうに考えまして、多少その免許基準についての修正を加えたらどうかと、そんな感じがしております。
 それから価格につきましては、これはただいま自由な状態でございます。ただ、店がそう遠くない距離にある、そういうようなことから、店々はまあその近所あたりの値段を横目でちらっとにらみながらやっておる。まあそう大きな狂いはないような状態にはなっておりまするけれども、これはもう自由競争のおっしゃるような状態でやっておるということであります。
 それから清酒につきましては、これはカルテル、つまり不況カルテル、この状態下にありますので、生産調整がとられておる、こういう状態でございます。そういうような状態でございますけれども、自由競争の原理はまた物価政策上、非常に大事な点でありますので、先ほど申し上げましたような卸、小売りの免許基準の流動化、弾力化という面でこれを考えていかなければならぬかなと、まあかように考えておる次第であります。
#188
○委員長(栗原祐幸君) 他に御発言もなければ、三案の質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#190
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより順次採決いたします。
 まず、漁船再保険及漁業共済保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#191
○委員長(栗原祐幸君) 全会一致と認めます。
 よって、本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定をいたしました。
 次に、清酒製造業の安定に関する特別措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#192
○委員長(栗原祐幸君) 多数と認めます。
 よって、本案は、多数をもって可決すべきものと決定をいたしました。
 次に、閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(栗原祐幸君) 全会一致と認めます。
 よって、本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(栗原祐幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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