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1970/03/31 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第10号
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1970/03/31 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第063回国会 地方行政委員会 第10号
昭和四十五年三月三十一日(火曜日)
   午前十時四十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    選任          初村滝一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 一郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                山本伊三郎君
    委 員
                初村滝一郎君
                増田  盛君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                阿部 憲一君
                市川 房枝君
   国務大臣
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       警察庁長官    後藤田正晴君
       警察庁長官官房
       長        富田 朝彦君
       警察庁交通局長  久保 卓也君
       消防庁長官    松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       通商産業省重工
       業局自動車課長  大永 勇作君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する件
 (日航機乗つ取り事件に関する件)
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 この際、御報告いたします。
 三月二十七日の本会議におきまして、初村滝一郎君が地方行政委員に選任されました。
#3
○初村滝一郎君 よろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#4
○委員長(山内一郎君) 後藤田警察庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。後藤田警察庁長官。
#5
○政府委員(後藤田正晴君) 今朝発生しました赤軍派と自称する者たちによる日航機脅迫事件の概要について御報告申し上げます。
 飛行機便は日航機の三五一便、今朝七時十分羽田発板付行きでございます。板付到着は、八時四十五分の予定の飛行機でございます。搭乗員は石田機長ほか六名、乗客は百二十九名、うち子供二名でございます。
 で、事件の概要は、羽田を離陸後しばらくしましてから、機長室に赤軍派と名のる青年たち十四名が乱入をして、日本刀ようのものを所持して、この飛行機を北鮮にやれという脅迫をしたわけでございます。場所は、その後の状況で北鮮の富寧のようでございます。
 この事件に対する警察側の措置でございますが、現在運輸省その他関係の各方面と十分な連絡をとりまして、警察としては人命に万一の事故がないようにということを基本としながら、この飛行機は給油という名目で現在板付に着いておりますので、再離陸をでき得る限りはさせないということで、飛行場側との十分な連絡の上、現在場長と犯人側と電話で折衝をし、説得を試みておるような実情でございます。警察の具体的措置につきましては、万全のまず体制を少なくとも板付その他の各地でとっておるということを御報告を申し上げたいと思います。まだ直ちにいまの段階ではどうこうということはないと思いますが、でき得る限り説得によって再離陸をさせないという方針をとっておるということを御報告申し上げたいと思います。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(山内一郎君) それでは、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明は去る三月十七日に聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。後藤田警察庁長官。
#7
○政府委員(後藤田正晴君) 道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明いたします。
 第一は、悪質事犯の排除の徹底をはかるための規定の整備についてであります。
 その一は、酒気帯び運転に関する規制及び罰則の強化についてであります。酒気帯び運転の危険性は、いまさら申すまでもありませんが、これの排除のため、この法律案におきましては、次のような規定の整備を行なおうとしております。
 まず、第六十五条第一項の改正規定は、現行の酒気帯び運転の禁止が、身体に一定程度以上のアルコールを保有する状態で運転することの禁止となっておりますのを、アルコールの程度のいかんにかかわらず酒気を帯びた状態で運転することの禁止に改めようとするものであります。なお、新たに禁止される部分につきましては、罰則を付さないこととしておりますが、これによって、飲酒運転の習慣をなくしようとするものであります。
 次に、第百十七条の二第一号等の改正規定は、酒気帯び運転のうちでも、最も危険性の高い酒酔い運転の罰則の懲役刑の長期を一年から二年に引き上げようとするものであります。
 次に、第百十九条第一項第七号の二の規定及び第百二十二条等の改正規定は、現行の酒気帯び加重の制度にかえて、身体に政令で定める程度以上のアルコールを保有する状態で自転車、荷車等の軽車両以外の車両等を運転した場合を直接処罰しようとするものであります。すなわち、現行法におきましては、このような状態での運転は、それだけでは処罰されず、スピード違反、信号無視等一定の違反が伴った場合に、その違反の罰則が倍加されるという酒気帯び加重の規定が適用されるにすぎませんが、酒気帯び運転の防止の徹底をはかるため、このような改正をしようとするものであります。なお、この改正に伴い、免許の効力の仮停止の要件を定める第百三条の二第一項第三号及び反則者の範囲を定める第百二十五条第二項第三号について必要な規定の整備をすることとしております。
 次に、第六十七条第二項及び第百二十条第一項第十一号の三の規定等は、酒気帯び運転を防止するための現場措置を強化するため、警察官が酒気帯び運転をするおそれがある者について呼気検査をすることができることとしようとするものであります。
 次に、第六十五条第二項の規定は、酒気帯び運転をするおそれがある者に飲酒をすすめることや酒類を提供することを禁止しようとするものであります。なお、この禁止については、まず、社会生活の中で規範として確立していくことが必要であることなどの理由から、罰則を付しておりません。
 悪質事犯の排除の御底のための規定の整備のその二は、第八十八条、第百三条等の改正規定であります。現行法においては、運転免許の取り消しを受けた後に新たに運転免許を受けることができるまでの期間が一年となっておりますが、これを公安委員会が一年以上三年をこえない範囲内で政令で定める基準に従い定めるように改めようとするものであります。なお、第九十条、第百七条の五等の改正規定は、運転免許の拒否、国際運転免許証にかかる自動車等の運転禁止についても、同様に三年まで運転免許の欠格期間を延長することができることとしようとするものであります。
 その三は、第七十五条の改正規定、第百十七条の二第二号の規定、第百十八条第一項第三号の二の規定、第百十九条第一項第十二号の改正規定等でありますが、これは、安全運転管理者その他車両等の運行を直接管理する地位にある者が無免許運転、酒酔い運転、過労運転、積載制限違反運転等の下命または容認をした場合の罰則を引き上げて、これらの違反運転をした運転者に対する罰則と同一のものにしようとするものであります。なお、この改正に関連して、第七十五条の規定について条文を整理するとともに、酒気帯び運転に関する規制及び罰則の強化をはかることに伴い、酒気帯び運転の下命・容認についても第七十五条第一項の改正規定及び第百十九条第一項第十一号の二の規定により、必要な整備をすることとしております。
 第二は、交通反則通告制度の適用対象者の範囲の拡大についてであります。
 その一は、少年に交通反則通告制度を適用することについてであります。
 第百二十六条第一項の改正規定は、告知の対象となる反則者から二十歳に満たない者を除いている規定を改め、少年である反則者に対しても告知及び反則金の納付の通告をしようとするものであります。
 第百二十八条第二項及び第百三十条本文の改正規定は、少年が反則金を納付した場合の効果として、家庭裁判所の審判に付されないこととしようとするものであります。
 第百三十条の二の規定は、反則金を納付しないため、家庭裁判所において審判を開始された少年について、家庭裁判所が反則金の納付を指示することができることとしようとするものであります。この場合には、警察本部長が反則金の納付を通告する場合と異なり、家庭裁判所が納付の期限を定めることとし、また、反則金の額も、法の別表に定める反則金の限度額の範囲内で家庭裁判所が定めることとしております。なお、同条第三項は、この反則金の納付の方法及びその効果を警察本部長の通告による反則金の納付の場合と同様に取り扱うための準用規定であります。
 その二は、第百二十五条第二項第二号の改正規定についてであります。現行法においては、過去一年以内に免許の効力の停止等の処分を受けたことがある者は、反則者とされず交通反則通告制度の適用を受けないこととされておりますが、このような者であっても、第百二十条または第百二十一条の罪に当たる反則行為をした場合には成人、少年ともに反則者としてこの制度を適用しようとするものであります。
 第三は、都市交通規制等のための規定の整備についてであります。
 その一は、第三十四条の改正規定についてでありますが、これは、車両が左折しまたは右折する場合に交差点内で進行すべき部分を公安委員会が道路または交通の状況により指定することができることとしようとするものであります。
 その二は、第三十四条の二の規定等についてでありますが、これは、公安委員会が、車両の交差点で進行する方向すなわち直進、左折及び右折により車両通行帯の通行区分を指定することができることとしようとするものであります。
 その三は、第二十六条の二の規定等についてでありますが、これは、車両の進路の変更による交通の安全と円滑の阻害を防止するため、公安委員会が、車両がその通行している車両通行帯以外の車両通行帯を通行することを禁止し、または制限することができることとしようとするものであります。
 このほか、幅員の広い道路における一方通行の規制に対処するため、第二十条第一項及び第四十条について規定を整備することとしております。
 第四は、交通巡視員制度の新設についてであります。
 第百十四条の三第一項は、都道府県警察に交通巡視員を置くこととしようとするものでありますが、その職務は、歩行者の通行の安全の確保、駐停車の規制の励行及び交通の安全と円滑にかかるその他の指導の事務とすることとしております。
 第二項は、交通巡視員は警察官以外の警察職員とすること、及び政令で定める要件を備えていなければならないことを規定し、第三項は、交通巡視員に対する被服の支給及び装備品の貸与について規定しようとするものであります。
 第五条、第十五条及び第五十一条第一項から第四項までの改正規定並びに第百二十六条第四項の規定等は、それぞれ交通巡視員に、手信号による交通整理、違法に通行している歩行者に対する指示、違法駐車に対する是正措置及び駐停車違反に対する告知の権限を与えることとしようとするものであります。
 第五は、歩行者及び自転車の保護のための通行方法に関する規定の整備についてであります。
 その一は、第七十一条第二号の二の規定等についてでありますが、これは、通学通園中の児童、幼児等の保護をはかるため、児童、幼児等の乗降のため政令で定めるところにより停車中の通学通園バスの側方を通過しようとする車両等は、徐行して安全確認をしなければならないこととしようとするものであります。
 その二は、自転車道及び自転車の歩道通行に関する規定の整備についてであります。
 自転車道につきましては、第二条第三号の二の規定で定義を設け、縁石線等の工作物で一般の車道と区画された車道の部分をいうこととし、第十一条の改正規定及び第十七条の二の規定によって、自転車道が設けられている道路の通行区分に関する規定を整備することとしております。すなわち、第十一条の改正規定は、行列が自転車道を通行することを禁止しようとするものであり、第十七条の二第一項の規定は、自転車以外の車両の自転車道の通行禁止を、第二項の規定は、自転車の自転車道の通行義務を定めようとするものであります。また、第十六条第四項の規定は、自転車道が設けられている道路における交通方法の規定の適用について通則規定を設けようとするものであります。
 第十七条の三の規定は、公安委員会が指定した歩道については、自転車が通行することができることとしようとするものであります。この場合には、自転車は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならないこととしております。
 第六は、自動車の運転者の資質の向上のための規定の整備についてであります。
 その一は、第九十八条等の改正規定についてであります。
 第九十八条第一項の改正規定は、指定自動車教習所の指定の目的を明らかにするとともに、教習事項について規定を整備しようとするものであります。
 同条第三項の改正規定は、指定の基準に適合しなくなった指定自動車教習所に対する処分として、指定の解除のほか、卒業証明書を発行することを禁止する処分を創設しようとするものでありますが、この処分は、公安委員会が六月をこえない範囲内で期間を定め、その期間内における教習に基づいて卒業証明書を発行することを禁止するものであります。
 同条第四項の規定は、この処分をした場合には、指定の基準に適合させるための措置命令をすることができることとしようとするものであり、同条第五項の規定は、禁止に違反して卒業証明書を発行した場合及び措置命令に違反した場合の指定の解除等について規定しようとするものであります。
 その二は、第百十四条の四の新設規定についてでありますが、これは、道路交通法に基づく政令、総理府令、国家公安委員会規則または都道府県公安委員会規則の制定または改廃の場合に、それぞれの法令で合理的な範囲内の経過措置を定めることができることとしようとするものであります。これによって、当面、総理府令の改正によりマイクロバスを大型自動車とした場合の大型免許の受験資格等の特例を総理府令で定めることとしようとするものであります。
 第七は、故障車両による交通の妨害の排除のための規定の整備についてであります。
 その一は、第五十一条第二項の規定等についてでありますが、これは、故障等により違法に駐車している車両については、運転者等がいる場合であっても、警察官等が移動等の措置をとることができることとし、この措置に要した費用は、その車両の運転者等に負担させようとするものであります。なお、この改正と関連して、保管を伴わない移動等の措置についても、車両の所有者等に費用を負担させることとしております。また、第七十五条の八第一項第二号の改正規定は、故障車両に対する措置を円滑に行なうため、高速自動車国道等における駐車禁止から除外される故障駐車は、幅員の広い路肩に駐車する場合に限られることを明らかにしようとするものであります。
 その二は、第七十五条の十一第二項の規定についてでありますが、これは、高速道路における故障駐車による交通の妨害の現状にかんがみ、燃料不足等第六十二条の整備不良車両に該当しない自動車で故障等により停止するおそれがあるものを高速自動車国道または自動車専用道路で運転することを禁止しようとするものであります。なお、この規定には、罰則を付しておりません。
 最後に、附則の規定についてであります。
 第一項の規定は、この法律の施行期日について規定しようとするものであります。
 第二項から第七項までの規定は、違法駐車に対する措置の費用負担に関する規定の改正、運転免許の欠格期間の延長、免許の効力の仮停止の事由の改正、交通反則通告制度の適用対象者の範囲の拡大等に伴い必要な経過措置を設けようとするものであります。
 第八項の規定は、家庭裁判所の反則金の納付の指示に関する規定の新設に伴い、反則金収入を交通安全対策特別交付金とすることとしている昭和四十二年の道路交通法の一部を改正する法律附則第七項を改正しようとするものであります。
 第九項の規定は、交通巡視員制度の新設に伴い、自動車の保管場所の確保等に関する法律の規定のうち、道路交通法の駐車に関する規定と同一に取り扱われているものについて所要の改正をしようとするものであります。
 以上が道路交通法の一部を改正する法律案のおもな内容であります。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
#8
○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#9
○千葉千代世君 この道路交通法の一部改正案を見ますと、いま詳しく御説明にありましたとおり、いろいろ多岐にわたっております。しかしこれを要約しますと、大体次の四点が柱になってると思うのですが、つまり第一点としましては、酒気を帯びた者の運転についての罰則の強化、それから第二点としましては、悪質運転者の免許の取り消し後の欠格期間の延長、それから三点としまして、少年に対する交通反則の通告制度の適用、第四点は、交通巡視員制度の新設、大体こんな内容であろうと思っております。で、私はこれらの一つ一つの審議に入る前に、担当省から、陸上交通、特に自動車が主軸になってる現在の交通対策は非常に重要だと思っておりますので、それらを主体とした交通対策の基本態度について御説明いただきたいと思っております。
#10
○政府委員(後藤田正晴君) 御承知のとおりに、今日の道路交通の実情は、非常に急激なモータリゼーションの結果、それに伴いまして事故が非常にふえております。また同時に混雑もはなはだしくなっておる。そこでこれらに対する対処策としましては、関係の省庁が非常にたくさんございます。建設あるいは運輸、通産、文部、私のほうと、たくさん多岐にわたっておりますが、これらの各省が今日の交通事故の実態に直面をして、お互いに十分連絡をとりながら総合施策を講じていく、これが何よりも肝要であろうと思います。しかし私どもは私どもとして、私どもに与えられておる責務を完全に果たしていく、これは何よりもまた必要なことでございます。そこで今日の道交法を私どもが所管をいたしておる立場から見てみますというと、どうも三十五年につくったものでございますが、その後時々の改正はしておりますものの、やはり今日の交通、モータリゼーションに必ずしもマッチしてない面が出てきております。そこでこの道交法について、私どもとしては根本的な実は改正をしたい、こういう考え方を持っております。そこで昨年来いろいろ研究をいたしましたが、やはりこれを一挙にやるということについては、実は他方で道路条約の加入の問題等もございますしするので、またその他の理由としましては、何ぶんにも社会生活、あるいは経済生活等に大きな影響を与える面もあります。そこで技術的に十分な検討を加えた上でないと、改正をすることによって大きな混乱を生じてくるというおそれもある、こういったような理由から、私どもとしては二年計画で改正をしたい。そこでとりあえず本年度の改正は、先ほど先生おっしゃいましたように、悪質違反、たとえば酒気帯び運転の禁止、罰則の強化あるいはそれの排除、欠格期間の延長、少年に対する反則金、あるいは交通巡視員の制度、あるいは都市交通の混雑緩和のための必要最小限の規制といったような当面の改正だけを今年はやらせていただきたい。そしてあと一年かけて、いろんな根本の問題でございますこれらについて、私ども自身も検討すると同時に、関係省庁とも十分に話し合った上で、あともう一回大きな問題等について手をつけていきたい、こういうつもりで今回の改正をお願いしております。
#11
○千葉千代世君 まあこの総合対策を立てていくということは、もうたいへんなけこっうなことですし、当然でありますけれども、との二年計画でなさっていく過程においては、何か警察庁独自ではなくて、そういう意見を十分に反映する場所があるのでしょうか。たとえば民間の交通に携わる者であるとか、学識経験者であるとか、いろいろな意見が十分に吸収されるような手だてをおとりになっていくつもりでしょうか。
#12
○政府委員(後藤田正晴君) 従来から交通法規の改正につきましては各方面の御意見を承っておりますけれども、私どもの役所としましては、ただいまおっしゃられましたような民間の有識者あるいは学者の方、そういった方相当多数の方に委嘱をしまして、その方々の御意見を聴取した上で実施をするということにいたしております。今回の改正もその手続を踏んでおりますが、先行きの改正についてもそういったやり方を堅持をしてまいりたい、こう考えております。
#13
○千葉千代世君 二年計画でございますと、かなり作業は進捗していると思うのですが、根本的な改正ということを先ほどお述べになりましたが、そのおもなものは大体何と何でございましょう。大体でけっこうでございます。
#14
○政府委員(後藤田正晴君) 昨年の九月に、一般の国民の方からも御意見を承りたいということで、幾つかの項目をあげております。そういった事柄を引き続いて検討した上で、さらにあと一年後に改正したいと、こう考えておりますが、おもな項目は、やはり今日のモータリゼーションの結果、単に交通の安全と混雑緩和という現行交通法の目的だけでなくて、社会生活の侵害に対する防止という点を道交法の上でもとる必要がありはせぬかという問題、これが一つであります。それからいま一つは、やはり都市の交通混雑緩和に対して、今回の改正でも一部取り上げておりますけれども、より根本的な交通混雑緩和対策ということがどうしてもやらなければならぬ事態になってきつつあるのではないか。こういった事態に対してどう道交法を変えていくか、こういった問題、それからいまひとつ、道交法というのは、御承知のとおり国民すべてがほんとうに身につけてもらわなきゃならぬ法律でございます。ところが、まあ私から申し上げるのもいささかぐあいが悪いんですが、率直に申しますと、道交法という法律は恩給法と同じように、読めば読むほどわからない、読んでるうちに必ず眠くなるというのがこの法律でございます。これはもう私は根本的な欠陥だと実は思っております。ただ、この規定が何ぶんにも非常に技術性を帯びておるということ、と同時に、罰則がたくさんあるということから、構成要件ということで非常にやかましく書かざるを得ないというようなことで、非常にまあわかりにくい法律になっている。ところが、私どもが前向きに現在検討しております道路条約というものの内容は、何といいますか、普通の人が車を運転する、あるいは通行するというときに心がけていなければならないような事項を、まことに平易に書いてあるわけですね。こういった、道交法を国民の日常生活の中にほんとうに溶け込ますという意味においてやさしく書くということ、これは実は口で申しますけれども非常にむずかしいんでございます。そういった点を将来の改正の問題として十分時間をかけて検討していきたいと、こういうふうに考えております。
#15
○千葉千代世君 このことは日本だけじゃなくて、この混雑状態は世界的な傾向のように私ども承知しているわけなんですけれども、これも偶然にきたのではなくて、必然性があるわけなんですが、大体世界の中で日本の交通密度と申しますか、これはどんな地位を占めているんでしょうか。担当の方からでけっこうですが、ちょっとお答えいただきたい。
#16
○政府委員(久保卓也君) 若干の国について調べてみましたのがありますが、数カ国であります。
 まず一つの積算方法は、可住地面積当たりの自動車の保有台数、これは国土面積から森林地面積を除いた面積でありますが、それによりますると、一平方キロメートル当たりで申しますと、日本が八十五台、アメリカが十九台、西ドイツが七十台、イギリスが五十四台、フランスが二十八台、イタリアが三十三台、こういうことで、日本がこの可住地面積当たりの保有台数では一番密度が高いことになっております。これはただし、一九六六年の数字であります。これは外国の数字を使っておりますので、一九六六年でございます。
 それから、道路延長当たりで見ますると、これは御承知のように日本は狭い道路で、しかも非常に道路延長が長いわけでありますので、一がいに申せませんが、かりに道路延長だけで申してみますると、一キロ当たりでアメリカが十六台、フランスが九台、ドイツが三十台、イタリアが三十一台、イギリスが三十三台、日本が十一台でありますが、ただ、日本の九十九万キロという道路延長は、二・五メートル以下も相当数あります、三・五メートル以上でたしか四三%を占める程度でありますから。そこで三・五メートル以上だけをとってみますると、一キロ当たりが二十六台になっておりまして、これもドイツ、イタリア、イギリス並みの密度であると。あるいは、外国の道路はもっと幅が広いということで、必ずしも正確な比較にはならないかと思いますが、おおよその見当はつくかと思います。
#17
○千葉千代世君 通産省の方に伺いますけれども、いま述べられたように、世界的にもかなり――かなりというよりも一番密度は濃いように思っておりますし、実際に見聞きしておりましても、相当狭い路面の中で縦横に走られているということは、将来の危険度が相当察知できるわけなんですね。それで、路面の有効面積と自動車の保有台数との関係で考えた場合に、一体限界をどの辺に置いたらいいとお思いになりますかということと、その理想ですね、有効面積と、たとえば自動車のつくり過ぎということに考えが及ぶわけなんですが、そういうふうなものの規制とか、そういう問題は後の質問にしたいと思うのですが、きょうは限界点をどの辺に置いていったらいいかということ、あるいは限界はやむを得ない、ここだけれども、理想としては大体どのくらいが理想だと思うか。前者の述べられたように、一平方キロメートルについてはこれこれと述べられておったんですが、それらを勘案して答えていただきたい。
#18
○説明員(大永勇作君) 御指摘のように、最近自動車の保有台数が非常にふえまして、安全問題、それからそのほかに公害問題等々ございますけれども、非常に重要な問題になってまいっておるということは御指摘のとおりでございますが、いま御質問いただきました道路面積当たりどの程度の台数が適切かという点につきましては、実はわれわれまだ計算をいたしたことがございませんので、的確に、いまこの場で申し上げられないわけであります。これに関連いたしましては、単に台数ということだけではなくて、一台当たりの走行キロ数、さらには車の大きさの問題、そういったいろいろな問題がからんでくるので、一がいに幾らぐらいと言うのは非常にむずかしいことではなかろうかというふうに考えております。
#19
○千葉千代世君 急ですから、お答えにくいかもしれませんけれども、さっき警察庁の長官が関係各省と連絡をとって総合対策をお立てになるとおっしゃった、そうすると、自動車の台数ということがかなりウエートを占めると思うのです。どんなにいい案を立てられましても、自動車がどんどんふえていくというこういう中にあっては、やっぱり根本的にメスを入れながら対応していかなければいい解決はできないんじゃないか。私も交通対策のことはあまりよくわかりませんけれども、国会からちょっと用事があって銀座へ出ようとすると、国会の前を通って勧業銀行のところを通って、日航ホテルのところを通って、向こうへ出て、左へ行って、こう……そうするとちょっとの間に通行できないのに、目の前で変わる、たったそれだけ行く間に、ためしにどのくらいタクシーとかそれからトラックが通るのかと思うと、トラックが大体七、八台であります。これはタクシーは無制限、自家用車もそうですし、その間を、一番こわいのは何ていうんでしょう、オートバイっていうんですか、あれが大体七、八台、まっすぐに走っています私の車の前がすいていると、蛇行しながら速く走っていく、その間を自転車が行くという、全く言語に絶する、わずかあそこまで行く時間のその間にそういうふうになりますから、すごく時間もかかりますし、おびただしい自動車だけ取り上げてみましても、一体これから無制限に増産していくのかどうか。それから運輸委員会等の速記録も拝見いたしましたが、なかなかその規制については詳しく述べられていないようですね。ですからそういう点もまた資料でも御提出いただくことにして、せっかく警察庁のほうで道交法をつくり、根本的な改正をしていくという中の一番ウエートを占める部分がぼやけておっては、これは十分な効果はないと思うのです。あるいは都市に片寄っているかもしれませんけれども、そういう点ひとつ資料をいただけたらと思いますが、委員長ひとつお願いしておきます。たとえば自動車の生産の年度別でもいいですし、これからの展望でもけっこうです。
#20
○説明員(大永勇作君) 資料はあとでお届け申し上げますが、ただ自動車の生産台数について申しますと、これはいろいろな推計がございますけれども、たとえば自動車工業会あたりでつくっております推計によりますと、現在大体昭和四十四年の四輪車の生産台数が四百六十万台ぐらいでございます。そのうち輸出が八十万台ぐらいございますので、内需として三百八十万台ぐらいということになるわけでございますが、だんだん普及いたすにつれまして増産カーブが落ちてまいっておりまして、現在の一つの見通しとしましては、昭和五十年に近づくにつれまして、内需としては五百万台ぐらいというところでほぼ横ばいになるのではなかろうか、こういうふうにあらましわれわれのほうとしては考えておる次第でございます。大体五十年ぐらいになりますと、内需については横ばい近くになる。輸出につきましては、だんだん輸出比率を上げてまいりたいと考えておりますので、これはふえるかと思いますけれども、国内で販売される台数についてはほぼ横ばいに近くなる、こういうふうに思います。
#21
○千葉千代世君 いまお話しになったんですが、やはり内需が横ばいになって輸出が伸びるという、事実カナダあたりに合弁会社をトヨタ、三井、カナダの、資本は日本だけのあれではできないから、やはり金も適当にしていかないと合弁会社ができないというような、いろんな制約もあるでしょうけれども、そういう中で方々へ出ていくとか、東南アジアへ出ていくとか、こういうふうにして輸出に重点を置くというのですけれども、しかし、内需も横ばいになるという傾向だとおっしゃるのですが、どういうふうにとらえて横ばいになると、もう需要者が大体限界点に達したと、こういう見通しで、あとはそんなにふえていかないと、それで横ばいになるのですか。逆に生産のほうは、それじゃ困るから、生産者のほうが調整をして、横ばいにしていくという、政策的にそうなるのでしょうか、どっちなんですか。
#22
○説明員(大永勇作君) 前者の意味でございまして、需要がだんだん行き渡りますので、生産といたしましては横ばいになってくる、こういうことでございます。
 なお、関連いたしまして、最近の安全、公害等の面と関連いたしまして、生産調整あるいは生産制限をしたらどうだというふうな意見がございますことも、われわれといたしましては十分承知いたしておりますけれども、こういった自動車の生産制限という点につきましては、世界的にも例がないということだけではなくて、輸入車等の問題もございます。現在輸入は自由化しておりますので、国内で生産を抑制いたしましても、今度は輸入がふえてくるというふうな関連の問題、その他いろいろ問題がありまして、どこまではたして実効がある対策がとれるかという点につきまして、非常に問題がありますので、われわれといたしましては、そういった生産制限といったようなことではなくて、むしろ自動車につきましていろいろ技術開発等を行なって、安全対策、あるいはさらには公害対策といったようなものを進めていくことが適切な政策手段ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#23
○千葉千代世君 消防庁の方おいでございましょうか。
 これは私、三月二十五日の新聞で拝見したんですが、消防審議会の答申の中に、大震災が起こったならば、東京、横浜、川崎だけで被災者は八十万になるとか、早く対策を立てなければという答申が出ているわけです。そうすると、この答申を受けられた消防庁のほうとしては、どのような基本的な対策をお持ちなんでしょうか。というのは、さっき私が述べましたように、非常な混雑の中で、そしてガソリンをああいうふうに満載しておった車が横行している。一朝事があったときにどうなるだろうかということが考えられるわけです。ですから、この答申でもかなりゆるいように私どもとしては思うのです、やはり震災を経験していますと。これはあの時分といまの状態とは比較にならない段階であると思いますけれども、いかがでしょうか。
#24
○政府委員(松島五郎君) 消防審議会から大震災火災対策についての答申が出ておりますが、消防庁といたしましても、この答申に盛られました事項を逐次実現に移していきたいということで、いまいろいろ検討を続けております。ただ、何ぶんにも広範な部面にわたる問題が多く含まれております。いま御指摘になりました交通問題一つとりましても、消防庁だけで、あしたから問題が解決できるというわけにもいかない面も多いわけでございますので、中央防災会議等とも十分連絡をとりまして、各省の御協力を得て進めていくという方向で、ただいま検討をいたしております。
 その一つとして、交通の問題でございますけれども、御指摘のとおり、あるいはまた、この答申でも指摘をしておりますように、地震が起きますと、ただでさえも、平常時でも混雑しております交通が、一そう混雑をすることは当然予測さるわけでございます。信号機がだめで、道路あるいは橋が破壊される、さらに、避難のために自動車でもって逃げようとして家財道具を持ち出すというようなことが、一そう混雑に拍車をかけるだろうというふうに考えられるわけです。いま御指摘のありました自動車が火災を起こしたらどうなるかという問題、これも確かに大きな問題でございまして、昭和四十五年度、来年度の予算で若干の予算をいただきまして、路上における自動車の延焼についての技術的な研究をいたしたいということで、予算もいただいております。もちろん対策はこれだけで解決するわけではありませんが、たまたま御指摘いただきました問題については、そういうような研究もいたしたいと思っております。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、まず第一番目に避難地の設定をして、その避難地に至る道路の交通はぜひ確保するために、できればその区間は一般の自動車で逃げるとか、自動車で物を持ち出すということのないように規制をするということが必要ではないか。しかしこれはなかなか、地震が起こったから、急にその時刻において規制するということはできるかどうか、技術的にもなお関係の方面にいろいろ御検討いただかなければなりませんが、できればそういうふうな方向をとっていきたい。そういうことによって消防活動あるいは救護活動というようなものが確保されるようにしていきたいということを考えております。なお消防活動をいたしますためにも、一定の道路の確保が必要でございまして、現在この答申でもって前提としております東京の消防活動というのは、全部の火災は消しとめられないにしても、できるだけ火事の拡大を防ぐために消防隊が活動しなければならぬ、その前提は、少なくとも時速十五キロくらいのスピードで消防自動車が活動できるということを前提にして計画を立てているようなわけでございまして、そういう意味からも、地震時における交通の確保がぜひ必要であるというふうに考えておりますので、いま申し上げましたように、関係の方面にも十分ひとつ御検討をいただいていきたいというふうに考えております。
#25
○千葉千代世君 いま避難地の設定とか交通環境の整備というようなことが言われたわけですけれども、実際的に交通環境の整備、そうたやすくできそうもないように思うのですが、何かこれを有効にすばやくできる方法ないでしょうか。というのは、さっき、繰り返しますが、二年計画で抜本的な対策を立てると言った中に、もちろん運行計画なんかおありじゃないかと思うのですけれども、そういうものと呼応してやはり対策を具体的に立てていきませんと、やはり一方的になってしまうのじゃないかと思うのですが、そういうような会合と申しますか、打ち合わせ等はすでになさっていらっしゃるのでしょうか。
#26
○政府委員(松島五郎君) 地震が起こったからすぐに交通をどうするというのは、たいへん私はむずかしいことだと思います。あらかじめ起こることがわかっておれば、その時刻に向かっていろいろな規制もできるだろうと思いますけれども、予知しない時刻に起こるということになりますと、新しい、新しいと申しますか、車を新たに道路に持ち出すことというのをできるだけ制限するということは、あるいはこれからのPRのしかたその他によって、多少とも解決する道があるかもわかりませんが、現に道路にいる車をどういうふうにさばくかということになりますと、なかなかむずかしい問題がある。いま道路にいる車をその時点でみなとめてしまうということになると、かえって混雑するという問題が起こります。そうかといって、道路状況が非常に地震によって破壊されているのに、動け、動けといっても、また適切でない場合もあるだろうかと思います。そういうことでございまして、まあ答申には抜本的対策を講じろという御指摘になっておりますけれども、それを具体的にどういう形でやっていくということはなかなかむずかしいことでございます。いますでにやっておるかというお話でございますが、答申が出たばかりでございますので、答申の全体の内容とも関連いたしまして、関係省庁間で十分研究をしていきたいと思います。
#27
○千葉千代世君 何かお話を聞いていると、お手あげ状態というようなことで、たいへん心配なんですが、長官のおっしゃるとおり、なかなか容易じゃないと思いますけれども、現実にやはり災害はいつ起こるかもわからないわけですね。ですから、ふだんの体制というものが大事じゃないか。そういうふうになっていくと、具体的に、たとえばいま、これは消防庁の範囲ではございませんけれども、トラックの通る時間帯とか、あるいは乗用車の通る道とか、それからあるいはさっきの自転車道路の問題でありますけれども、これは触れておきますけれども、こういうような抜本対策とまちながら消防体制、救急体制とあわせていかなければ、だれが見てもこれは容易ならないんじゃないかということを直観されるわけなんですけれども、答申が出たばかりだからというお答えなんですが、これは答申は大体、私も概略だけしかわかりませんけれども、やっぱりこれは大正十二年の震災、それからあるいはその他のいろんな不慮の災害等を経験として、そして予想してつくってあるわけなんです。ですけれども、これも最小限の最小限なんですが、現実には毎日毎日台数がふえて刻々に混雑していく中でこれをとらえていきますと、相当手ごわく、敏速に対策を立てていかなければならないと思うんです。ですから、これは消防庁のやる範囲だから、私たちのほうはこれだけ実際動いている自動車はどうすることもできないから、とめれば混雑して横になっても動けない。ひとつ先のほうで何かやられると、荷物を持ち出しても、火が出るとぱっとやられる。これは常識で考えていく範囲になってくると思うんです。ですから、避難地設定一つをとってみても、どの方面にどう設定をするかという、これは消防対策の上で、また少なくとも警察庁のほうでこの対策をお立てになると言っておりますれば、やはり消防のほうとしても緊急時の対策とあわせてやっていただかなければいけないんじゃないかと思うんですが、それを要望しておきたいと思いますけれども。
#28
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、いま大震災が起こったら、大正十二年でございますか、関東大震災のときもたいへんでございましたけれども、それ以上にたいへんになるという要素は数多くあるわけでございまして、ただいま問題になりました交通問題については、その最も大きなものの一つだと考えられます。逃げるにいたしましても道路が通れなければ逃げられない、あるいは火を消すにいたしましても消防車が通れなければ消せない、救急活動をいたしますにも道路が通れなければ救急車が走れないというようなことで、やはり道路交通問題というのは非常に重要な問題でございます。したがいまして、これはぜひしかるべき対策を立てなければならぬと思いますが、また一面においてはたいへんむずかしい問題でございます。あらかじめ時刻がわかっていればいろいろ規制のしかたも可能ではございましょうけれども、日常生活が行なわれているその瞬間に起こるかもしれないという地震とどう対処するか、交通問題に対処するか、非常にむずかしい問題でございますので、警察庁その他関係方面と十分打ち合わせながら、できるだけの対策を講ずるようにいたしたいと思います。
#29
○山本伊三郎君 いまの関連でひとつ。これは警察庁関係か陸運局か明らかにわかりませんが、ああいう災害のあった場合に、いま、都心は別といたしまして、住宅地に車庫を持たずにずいぶん夜間駐車しておりますね。私、世田谷におりますけれども、私が通っておるところでもうんと駐車をしておる。夜間もずっと駐車しておる。その場合に火事でもあったら、消防車は通れない状態が現実ですね。いま消防庁長官が言われたように、そういう火事は予定できないんですが、その前の、事前のそういう取り締まりというんですか、そういうふうな――今度は道交法にも若干織り込まれておりますが、これは規則の問題じゃないと思うんです。こういうものをどうするか私は一ぺん尋ねたいと思っていたんですが、あれは車庫を持たなくちゃ陸運局では車を許可しないと思うんです。それが、ほとんど細い道路に一ぱいじゅずつなぎに並んでいますね。こういうものを一体どう規制するかという問題、火災のときに非常に困ります。こういう点について、これは警察庁の管轄かもわかりませんが、消防庁でどうすることもできない、警察庁でどうするか。
#30
○政府委員(久保卓也君) いまの問題は二つの点から見るべきだと思います。一つは車庫規制法の問題と、もう一つは現行法における駐車規制の問題でございます。
 そこで、車庫規制法の問題から申しますと、現在の車庫規制法には非常に大きな欠陥がある。たとえば、車庫がなくても、ディーラーのほうでしかるべく車庫をしつらえる、あるいは一つの駐車場に収容力以上のものを車庫として証明書を出させているといったような事例、これは地域指定をしているわけでございますが、地域指定外に主たる使用の場所があるとして申請をして許可をもらっているというような、要するに虚偽の申告であるわけで、この点は、取り調べができれば、できる範囲においてそれぞれの是正措置が講じられるわけで、たとえば、ことしでありましたか、ことし兵庫県で、やはり指定地域外に車庫があるということでディーラーがあっせんをいたしまして申請をして許可を得ている、登録をしておったという例があります。この件については、五十名ばかり検挙したことがございます。これを契機といたしまして、運輸省のほうに要望いたしまして、使用の本拠であることを証明する書類を添付するということを要望いたしまして、同時にディーラーと、それからこれはメーカーにもつながってくる問題がございますので、自工会のほうにもその旨を要望いたしておきました。この点は、結局、警察官側の手不足という問題もありましょうし、イタチごっこの面もありますけれども、ある程度の努力によってそういう問題は少しずつ規制することは可能だと思います。
 もう一点は、それはそれとして、現に車をとめておって、しかも残された道路幅が狭くて消防車、救急車が通れないといったような例が相当にあるようでございます。この点の難点は、夜間でありますと八時間連続駐車すると違反になるというふうに法のたてまえはなっております。原則から申せば、八時間駐車しているということを警察官が確認しなければならないという実は非常に無理な注文になっているから、この点は法律上やや問題がある。したがって、私どもの立場からいたしますと、八時間という時間をもっと短くすべきであろうという考え方もあるわけで、いまの車庫規制法の改正を考えるべきではなかろうかということで、私どものほうでは、各県警の要望を取りまとめまして、いまのところ一応総理府が主管官庁であると思いますが、そちらのほうに各省と連係を保ちながら要望してまいりたいと思うわけであります。
 それ以外にも、こういうことを考えるべきであろうと思うのは、保管場所と関係なく駐車をして、しかも救急車その他が通れないということがあり得る。この点については、昨年来、各県に私どもは相当強く申しているわけですが、さらに今回各県に通達をいたしましたのは、道路幅の狭いところでは、まず歩道をとって、歩道をとった上で車が通れなくなるようなところ、たとえば三・五メートル以下のような道路では、歩道をとれば車が通れなくなるわけでありますが、そういうのは通行を禁止する。これはまあ一律というわけにはまいりませんでしょう、おそらく市街地における交通量その他を勘案して考えなければなりませんが、考え方としてはそういうふうに持ってまいりたい。あるいは、六・五メートル以下の道路でありましても、一定の歩道をとった上で一方通行にするということで、ある程度そういった緊急自動車の通行可能にならせるようにするということで、たてまえといたしましては、裏通りにおける駐車を全面的に禁止することは困難でありましょうけれども、交通の実態に即した交通規制を非常に強化するというふうに持ってまいりたいと考えておるわけです。しかしながら、この方策の結果予想されるのは、表通りの混雑から裏通りに回された車が再びまた表に帰ってくるという問題、それをどうするかということが、ことし、来年の行政、政治の問題であろうと思うのですけれども、そういうことを予測しながらも、人命の保護という観点から、もう一度裏通りを清掃するという方向に持ってまいりたい。こういうように考えておるわけです。
#31
○山本伊三郎君 交通局長、そう言われましたけれどもね、それは答弁として聞いておきますが、それはだめですよ。ぼくは一つの都市の再開発と申しますかね、いま幾ら自動車をそう取り締まりに当たったって、ふえる台数からいったら、それはできませんよ。したがって私は東京都知事に、京都市長にも言うのですがね、共同駐車場というものをぼくはつくらなくちゃならぬ、こう思うわけです。いわゆる都市政策と合わしてやらなければね、警察の力でやったって、いま言われるように、車はふえて、認可するでしょう。置き場所ないですよ。実際のところないですよ。どっかに置かなければいかないですから、他人の表口にみんな置いちゃって迷惑千万ですよ。これはもう災害があったときだけではないですよ。したがって、私、そういうことを政府は総合的に判断しなければ、単にいま言われたようなことで取り締まろうと思っても、おそらく製造業者は売るために、何ぼでも売るのですから、そういう大きい取り締まりをしたら逆にそういうところの圧力かかりますよ。圧力かかりますよ。それでは弱らない。それで一般市民が迷惑している。災害のときはどうするか。対策がないでしょう。東京都内でも私はさがせば相当にあき地はあるんですよ。やはり、無料であるかどうか知りませんが、共同駐車場をつくって、都民、市民の安全を守るために、単に火炎が起こったときにどうこうじゃなくて、そういうものを政府は考える時期ではないか。これは一つの都市政策になるかもわかりません。そういう点を、私は警察をいじめるのはいやなんですよ、取り締まれませんよ、実際問題。車はふえてくるのですから、置くところないのですから、車庫もあんなのは名義だけなんですよ。私は証拠は幾らでもある。それを押えると言ったらどうなりますか。そういう点は、ひとつ長官もおられますがね、大臣きょうおられませんがね、そういう総合的な都市政策といいますかね、そういうもので考えなきゃ、単に取り締まりだけでは私は無理だと思う。しかし、さしあたりですよ、総合と言うたってなかなかそうはできませんので、できるだけ夜間のああいう放置した駐車というものは禁止するような方向を何かの方法で私は考えなければならぬと思いますが、いま交通局長が言われたような形では、これはおそらくここ一年、二年いったってとてもそんなものは整理つかぬと思う。したがって、その点は十分考えてもらいたいと思います。
#32
○政府委員(久保卓也君) いま先生のおっしゃったことは言うまでもないことでして、私たちの警察の立場でいまの都市交通の問題をきれいにしようというおこがましいことはさらさら考えておりません。当然、都市計画あるいは都市の改造という問題が基本にあるわけで、ただ与えられた条件の中で何とかよくしようというのが警察の立場であります。つまり、補備をする立場である私どものやり得ることは何かと申せば、先ほど申し上げたようなことでありますが、それで十分なことができるとはやはり考えられません。そこで駐車場の問題につきましては、実は昨年の九月に私どもが道交法の改正案を出しました場合にも一部載せてあったわけでありますが、運輸省との話し合いで、この次の改正、もしくは運輸省のほうで取り上げるか、いずれかになっておるわけですが、運輸省で都市における駐車場の問題をひとつ十分に検討させてほしいということで、この春ごろまでに一応の結論を出してくれるはずであります。それによって運輸省かあるいは私どものほうで手を加えていく、現在の駐車場法――失礼いたしました、運輸省ではなくて建設省でありますが、建設省の持っております駐車場法というのは、まあ都心部における特定地域において路外駐車場をつくるというやり方、消極的な面で、現在ではあまり活用されておりませんから、もう少しいま先生の言われたようなことを含めて大規模な方向へ進めるべきであり、これは行政官庁で言うならば、総理府あるいはそれを中心に建設省、運輸省、警察庁あたりが考えるべきことであろうし、さらに言うならばやはり政治の問題であろうというふうに私は考えております。
#33
○千葉千代世君 最後に、自動車の誇大広告と安全性という点で伺いたいと思うのですが、広告にはよく法の精神を無視したようなのが出ていますでしょう。たとえば、自動車の時速百五十キロとかあるいは百七十キロのスピードが出るとか、こういう広告が出ているわけなんです。そうすると、日本で大体これだけのスピードの出し得る道路があるのかないのか、私、ちょっとわかりませんけれども、あるのでしょうか。もしこれがたいへん法を無視していることならば、これはやはり政府のほうで指導をしていただかなければならないと思うのですけれども、その点、いかがでしょうか。
#34
○政府委員(久保卓也君) 私もこの問題を深くは存じませんが、何年か前にこの問題が取り上げられまして、そこで当時の新聞では非常に誇大広告として騒がれておりましたが、おそらく国会でも取り上げられたと思いますが、通産省、運輸省のほうで行政指導ということで、大きく取り上げないようにということを、いわゆる行政指導という形でやったはずであります。そこで、今日では確かにまだ数字が出ておりまするけれども、小さな扱いになっておる。しかし、それでもなおかつ百何十キロということで走れる場所はないわけで、高速道路でも百キロでありますから、そういうことが不適当であろうということは言えるわけでありまするけれども、おそらくいまの取り締まりといいますか、それを規制する法規がないであろうと、したがって、行政指導でやるほかないわけでありますが、この点は運輸省あるいは通産省とももう一度話をしてみます。
#35
○千葉千代世君 これはやはり研究するのはたいへんけっこうなことだと思うのです。しかし、現実にそれが行なわれないのは、たとえばレーサーのいつかの事故がございましたですね。ああいうふうに非常に犠牲になる面も多いのじゃないか。あの事故の前後をめぐってこの問題が取り上げられたと思うのです。そのときに、これ、新聞でなく週刊誌だったと思いますが、見た中に、何でも、研究だからそんなやかましく言うことはないじゃないか、競馬だって、馬をうんと走らせるために、何ですか、種畜場で改良して、いい種族を保存するために改良に改良を重ねてスピードを出すためにやっている。それと同じ。まして機械なんだから、これは無制限にやることはいいんだから、それとこれと混同しては困るということを、週刊誌か何かで拝見したのをちょっといま思い出したのですが、やはり、法律というものとそれから指導面というもの、これはやはり総合的に考えて対応しないと、いわゆる野放しでたいへんなことになってしまうのじゃないか。そういう面でいまお答えいただいたので、これはぜひひとつ指導していただきたいと思います。
#36
○委員長(山内一郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#37
○委員長(山内一郎君) 速記を始めて。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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