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1970/04/09 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第13号
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1970/04/09 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第13号

#1
第063回国会 地方行政委員会 第13号
昭和四十五年四月九日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     加瀬  完君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 一郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                安田 隆明君
                山本伊三郎君
                原田  立君
    委 員
                初村瀧一郎君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       警察庁長官    後藤田正晴君
       警察庁警備局長  川島 広守君
       自治政務次官   大石 八治君
       自治省税務局長  降矢 敬義君
       消防庁長官    松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省税務局府
       県税課長     近藤 隆之君
       自治省税務局市
       町村税課長    高橋 睦男君
       自治省税務局固
       定資産税課長   山下  稔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (大阪市におけるガス爆発事故に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 補足説明を聴取いたします。降矢税務局長。
#3
○政府委員(降矢敬義君) お手元に御配付申し上げております地方税法の一部を改正する法律案関係資料というものの最後のほうに新旧対照表がございますので、これに従いまして、要点をかいつまんで逐条ごとに御説明申し上げたいと存じます。最初は、新旧対照表の三ページでありますが、第二十四条の五という改正でございます。これは障害者、未成年者、老年者及び寡婦の非課税限度を、現在三十万円でありますから、これを三十二万円に引き上げようとするものでございます。次は六ページでございます。六ページの三十四条第一項第二号の改正規定でございます。これは医療費控除の控除限度額を現行十五万円から三十万円に引き上げようとするものでございます。同じく第六号でございます。第六号から第九号までの改正でございますが、これは障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額をそれぞれ一万円ずつ引き上げて八万円とすることといたしたものでございます。なお、これに伴いまして、特別障害者控除額を現行九万円から一万円引き上げて十万円とするものでございます。それから、同じく三十四条の第一項第十号の改正規定でございます。これは配偶者控除を現行十万円から十一万円に、同じく第十一号の改正は、扶養控除額を現行六万円から八万円に、同じく三十四条の第二項の改正規定は、基礎控除額を現行十二万円から十三万円に引き上げようとするものでございます。
 それから、新旧対照表の七ページでございます。七ページの第三十四条第三項の改正規定でありますが、これは、配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除額を九万円とすることといたしております。これは扶養控除額を八万円に引き上げることにより現行の控除対象配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除額八万円との間に差がなくなったわけでございます。これに伴いまして、いわゆる母子世帯等に対する配慮から、特例を設けることといたしまして、これに伴いまして、三十四条第四項を削り第五項について所要の規定の整備をはかることにいたしました。
 次は一一ページでございます。一一ページの第五十一条の改正でございます。これは市町村税源の充実に資するため、法人税負担が引き上げられる機会に、道府県民税の法人税割りの標準税率を〇・二%引き下げて、現行の五・八%を五・六%とし、その分だけを市町村民税の法人税割りに移しまして、これを第三百十四条の六の規定の改正により、現行八・九%から九・一%へと〇・二%引き上げようとするものであります。なお、法人税負担の引き上げは二年間の臨時措置でありますが、法人税割りにつきましては、市町村税源の増強の見地から恒久的に税率を変更しようとするものでございます。また、道府県母税の法人税割りの制限税率を現行の七%から六・六%に引き下げることにいたしました。なお、この改正規定は昭和四十五年五月一日以後に終了する事業年度分の道府県民税から適用することとしております。次は一五ページでございます。一五ページの第七十二条の十八の規定でございます。これは、事業主控除額を現行の二十七万円から五万円引き上げて三十二万円にしようとする改正でございます。次は、十六ページから一八ページまでの改正規定でございます。七十二条の四十八第四項の改正規定でございますが、これは従業者の数を分割基準としている分割法人で資本等の金額が一億円以上のものはすべて、現行の製造業の場合と同様に、本社の管理部門の従業者の数を二分の一として算定することに改めようとするものでございます。次は不動産取得税について御説明申し上げます。二二ページでございます。二二ページの第七十三条の四第一項第三号の改正規定でございますが、これは民法第三十四条の法人等に加えて、今回新たに社会福祉法人済生会などの公的医療機関の開設者が設置する看護婦等の養成所において直接教育の用に供する不動産を取得した場合についても、不動産取得税を課さないこととするものでございます。それから次は、二三ページの第七十三条の四第十二号の改正でございますが、これは雇用促進事業団がその調査研究の業務の用に供する不動産を取得した場合においても、不動産取得税を課さないこととするものでございます。次は、二三ページの第七十三条の七第十三号の改正規定でありますが、これは八郎潟新農村建設事業団がその譲渡した不動産で政令で定めるものを譲渡契約の解除または買い戻し特約により再取得した場合には、この事業団の性格にかんがみ、不動産取得税を課さないこととするものであります。なお、旧第十三号の規定を削除することといたしておりますのは、同号に規定する不動産の取得は予想されず、今後適用関係が生じないことによるものであります。
 次は、二四ページ、第七十三条の十四第四項の改正規定でありますが、これは農業協同組合等が農林漁業金融公庫から卸売り市場近代化資金の貸し付けを受けて、共同利用に供する施設で政令で定めるものを取得した場合における不動産取得税の課税標準を、その貸し付けを受けた額を価格から控除した額とするものであると改正しようとするものであります。
 次は、二五ページの第七十三条の十四第八項の改正規定でありますが、これは都市再開発法により過小床不交付の場合及びやむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申し出をしたと認められる場合において支払われる補償金を受けた者が、権利変換期日から二年以内に代替不動産を取得した場合における不動産取得税の課税標準を、取得した不動産の価格から従前の不動産の固定資産課税台帳に登録された価格を控除しようとするものでございます。
 次は、二五ページの同じく第十二項でありますが、これは農業振興地域の整備に関する法律に基づきまして、市町村長の勧告、都道府県知事の調停または農業委員会のあっせんによって農用地区域内にある土地を取得した場合における不動産取得税の課税標準を、取得した土地の価格からその三分の一に相当する額を控除した額とするものでございます。
 次は、市町村民税について御説明申し上げます。
 市町村民税につきましては、障害者等に対する非課税範囲、各種控除の引き上げ等の改正は、道府県民税の改正について御説明いたしましたことと同様でありますので、その他の改正規定についてのみ説明をさせていただきたいと思います。
 第一番目に、三五ページでございます。三五ページの第三百十四条の六の改正規定であります。これは第五十一条の道府県民税のところで御説明いたしましたとおり、市町村民税の法人税割りの標準税率を〇・二%引き上げることとするものでございます。
 次は、三六ページの第三百二十条の改正であります。これは第三百二十一条の五第一項の改正と関連するものでございます。個人の住民税につきましては、現在均等割りのみの場合は一括徴収することとされておりますが、所得割りのみの場合等におきましても、これらとの均衡上、その額が均等割りに相当する額以下であるときは、これを一括徴収することができるように規定の整備をはかったものでございます。
 次は、三六ページの三百二十一条の三の改正でございますが、これは、給与所得以外の所得にかかる所得割りを普通徴収の方法によって納税することを希望する場合には、申告書にその旨を記載すれば足りることとするための改正でございます。
 次は、固定資産税について御説明申し上げます。四〇ページであります。四〇ページの第一青四十二条第三項の改正は、償却資産について所有権留保つき売買があった場合においては、これを売り主及び買い主の共有物とみなして課税しようとするものでございます。
 次は、四一ページ、第三百四十八条第二項第六号の改正は、鉱山における粉じんの処理施設を非課税とするものでございます。
 次は、四三ページの三百四十九条の三第十三項の改正でありますが、これは、踏切道改良促進法の対象となっている新設立体交差化施設について現在認められております課税標準の特例を、同法の対象とならない新設立体交差化施設についても適用することといたしまして、その線路設備等の課税標準は、その施設の建設費のうち鉄道事業者の負担額の割合に相当する額とするものでございます。
 次は、四四ページの第三百四十九条の三第十七項の改正でありますが、従来同項に規定されておりました内容が第十三項において規定されることになったことに伴い不要になりましたので、この条文を削ることといたしまして、新たに第十七項として、営業路線を開業するために設けた一般自動車道については、その課税標準を新設後五年度間は価格の三分の一、その後の五年度間は価格の三分の二としようとするものでございます。
 次は、電気ガス税について御説明申し上げます。
 四五ページの第四百八十九条第一項第二十二号の改正は、過酸化ソーダ、珪酸ソーダを非課税品目から削除するものでございます。
 次の四六ページの第四百八十九条第二項の改正は、人工軽量骨材(頁岩を原料とするものに限る。)及びブチルゴムを三年間非課税とするものでございます。
 これらの改正規定は、昭和四十五年六月一日から施行するものでございます。
 同じく四六ページの第四百九十条の二の改正は、電気ガス税の免税点を、電気については六百円、ガスについては千二百円に引き上げるものでございます。
 本条の改正規定は、昭和四十五年五月一日から施行するものでございます。
 次に、軽油引取税について御説明申し上げます。
 四六ページ、第七百条の三の改正であります。これは自動車の内燃機関の燃料として、灯油等の炭化水素にアルコールを混入したもの及びトルエンという単一の炭化水素が使用されていることにかんがみ、課税の公平をはかるため、これらの燃料に対しても軽油引取税を課税することができるようにしたものでございます。
 なお、本条の改正規定は昭和四十五年六月一日から施行するものであります。
 次は、附則の説明に入らせていただきますが、まず第一番に、五二ページの附則第十五条第三項及び第四項の改正であります。これは重油にかかる水素化脱硫装置及び廃油処理施設について、固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長し、昭和四十八年一月一日までの間に新設されましたものについて適用しようとするものでございます。また、第八項の改正は、外国貿易船による物品運送用コンテナについて固定資産税の課税標準を、昭和四十五年度分から昭和四十七年度分まで価格の二分の一としようとするものでございます。
 次は五三ページ、附則第十五条第九項の改正でありますが、国内路線に就航するYS11型航空機について固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長し、昭和四十九年一月一日までの間に新たに就航したものについて適用しようとするものであり、また、第十項の改正は、営業用倉庫について固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長し、昭和四十八年一月一日までの間に新設されたものについて適用しようとするものでございます。
 次に、五四ページの附則第十八条から六四ページの附則第二十九条までは、固定資産税及び都市計画税の負担調整についての規定でございます。
 まず、五四ページの附則第十八条第一項の改正は、宅地等にかかる固定資産税について、その宅地等の新評価額が昭和三十八年度分の評価額に対する上昇率に応じて三段階、三倍未満、三倍以上八倍未満、八倍以上に区分し、その区分に応じて、毎年度、それぞれ前年度の税負担の一割増し、二割増し、三割増しを限度とすることとされているものを、新たに上昇率が二十五倍以上のものについては、毎年度、前年度の税負担の四割増しを限度として固定資産税額を求めようとするものでございます。
 次に、五六ページの附則の第二十五条第一項の改正でございますが、これは昭和四十五年度分及び四十六年度分の宅地等に対する都市計画税については、その宅地等の新評価額の昭和四十四年度の評価額に対する価格上昇率の区分に応じて、二倍未満、二倍以上四倍未満、四倍以上の三段階に区分し、その区分に応じて、それぞれ前年度分の税負担の三割増し、六割増し、九割増しを限度として都市計画税を求めようとするものでございます。
 次は五六ページから六二ページでありますが、附則第二十五条第二項から六一ページの第八項までの改正は、右の都市計画税の負担調整に関する価格上昇率等についての定義を設けようとするものでございます。
 次に、六五ページの附則第三十一条第二項は、毛紡績糸及び毛織物の製造に使用する電気に対する電気ガス税の税率を、昭和四十五年六月一日から昭和四十七年五月三十一日までの間百分の四とするものでございます。
 次に、同じ六五ページの三十六条の改正規定でありますが、これは住民税における譲渡所得の課税の特例に伴う所要の規定の整備であり、土地等にかかる譲渡所得は、従前どおり国民健康保険税の所得割り額の案分の基礎に含めるものとするものでございます。この改正規定は、原則として昭和四十六年度分の国民健康保険税から適用されるものでございます。
 次は六六ページの附則第三十七条でございます。この規定は、所得税において、退職手当等の支給額が前職を通ずる勤務年数を基礎として算定されている場合の退職所得控除額の算定方法につき所要の合理化を行なうこととされたことに伴いまして、昭和四十五年分の退職手当等にかかる住民税のうち、すでに納付されているものについて還付等の手続が必要となる場合がありますので、そのための所要の規定の整備でございます。
 なお、退職所得にかかる住民税の特別徴収税額表の全文改正を行なうこととしておりますが、これは、所得税における税額表の改正に伴い、退職手当等の金額の段階区分を所得税のそれと一致させるための改正でございます。
 以上、要点についての補足説明を終わります。
#4
○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○竹田四郎君 先ほども大都市の方々の大都市財源をふやしてくれという陳情をいただいたわけでありますが、日本の経済成長というものが非常に急速な形でいままで行なわれてきているわけであります。これからも、政府の発表でも経済成長率を一〇%と見て進んでいくわけでありますが、税全体の国、県、市町村という三つの団体への配分というのを考えてみますと、国の場合には、所得税とかあるいは法人税とかあるいはその他の税金にいたしましても、経済成長の結果あらわれてくる所得に対する税金という形で、経済成長と所得の伸びと税収というものがかなり比例的に出てくる形になっておりますし、また都道府県の場合においても、たとえば事業税あるいは自動車税あるいは料理飲食税、不動産取得税、こういう形で、景気の変動に見合ってしかも税収が伸びている、こういう形の税目が多いわけでありますが、市町村の場合には、固定資産税だとかあるいは都市計画税などというような保有課税的なものが非常に多い。実際上これに伴いましての税収の伸びというのは、先ほども言われておりますように、大都市は経済成長の影響によっていろいろな公共施設を備えなければならない、あるいは道路の拡充をしなければいけない、住宅をつくらなければならない、清掃施設を完備していかなければならない、こういうような非常に経済成長に伴うところの公共需要というものがふえているわけでありまするけれども、それに対応するところの税の伸びというのはそうした形では伸びていない。そういう点で国、都道府県、市町村というこの三つの段階に分けて見ますと、国や県に対する財源の偏在といいますか、そうしたものがきわめて目立っているわけでありますが、こうした国税あるいは地方税というようなものもかなり昔にできたものでありまして、おそらく今日の年率一〇%以上というような経済成長というものを予想してつくられたものではないように思うわけであります。そうした意味では、財源が適正に配分をされて、そして公共需要を満たしていく、こういうことがますます必要になってくるだろうと思います。いまのままでおいていくということになりますと、一番住民のサービスの先頭を切っているところの市町村財政というものはとても追いついていけない。その結果住民へのサービスというものの低下が起きてくる。全体として税はたくさん取られているけれども、都市住民に返ってくるものが非常に少ない。こういう不満というものが私は今後ますます強く出てくるであろうと思います。こういうような財源の不均衡に対する一つの措置としての交付税あるいは譲与税、こうしたものも、私は今日の段階においては必ずしもその役割りを果たしているとは思えないわけであります。交付税の性格にいたしましても、これはかなり変わってきた、こういうふうに思うわけであります。そう考えてみますと、これからの経済の高度成長が続いていくという国の見通しのもとにおいては、私は当然国、地方を通ずるところの財源配分というものをすみやかに行なって住民の生活環境の改善、すなわち高福祉あるいは内政重視という佐藤内閣の要請にこたえていくためにも、私はこの辺でひとつ思い切って税制というものを変えてみる。そして地方、特に市町村に対する財源を配分をしていくという大きな手術をやるべき時期にきていると思いますけれども、こうした問題について自治大臣は一体どのようにお考えになっているか、あるいは政府全体として一体どのようにお考えになっているのか、明らかにしていただきたいと思うわけです。
#6
○国務大臣(秋田大助君) 御説のように過疎過密の問題等、いろいろ社会経済の変革に応じまして、都道府県及び市町村間の税配分等につきまして、また国と地方との関係におきましていろいろ問題がありまして、ただいま竹田先生御指摘のように、市町村に対する税配分なりその他財政的な裏打ちにおきまして、傾斜配分と申しますか、さようなことを考うべき時期になっておると考えております。従来、政府といたしましてはシャゥプ勧告以来のいろいろの変化に対応すべく措置をとってまいったところでありまして、すなわち市町村財源の充実をはかる意味におきまして、あるいは自動車取得税の創設あるいは道路譲与税の譲与基準の改正、あるいは今回の税制の改革の一つといたしまして、都道府県住民税の法人税割りの配分につきまして、市町村に増徴分を回すような措置を講じたのもその一つでございます。しかしこれではまだ不十分でございまして、たとえば新道路整備計画の市町村道の充実等を考えますと、一体どうするかということも考えなければならない、あるいは過密都市における中小学校の義務教育に対する施設建築用地等に対する財源措置等を考えてみましても、これは非常な大問題もここに包蔵されておるわけでございまするから、国、地方――地方の中におきましても都道府県及び市町村間の事務配分、これに対応すべく合理的な財源の配分というような点につきましては、新たに考え直してみまして、関係方面とひとつ真剣な検討によりまして、この点についての改善を加えなければならぬ、こう考えております。そんならば一体それに対する具体的な明確な案がいまあるかと申されますと、遺憾ながらその持ち合わせがございません。ただいまのような趣旨を基本といたしまして、これらの問題にひとつ真剣に取り組んでまいりたい。そうしてその要旨は市町村財源の充実、確保の点にあることは申すまでもないことでございます。
#7
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#8
○委員長(山内一郎君) 速記をつけてください。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(山内一郎君) 本案の質疑を一時中断し、大阪市におけるガス爆発事故に関する件を議題といたします。
 まず、説明を聴取いたします。後藤田長官。
#10
○政府委員(後藤田正晴君) 昨晩発生いたしましたガス爆発事故の事案の概要と警察措置等について御報告を申し上げます。
 発生の日時は昨四月八日、午後五時二十七分ごろガス漏れ、午後五時五十分ごろ爆発。発生の場所は、大阪市大淀区国分寺町五番地先路上、地下鉄二号線工事現場でございます。
 事故の概要は、その場所で建設工事中の錦城組の現場責任者が、午後五時二十七分ごろ、現場付近にガスのにおいが充満しておるのを感じ、元請会社である鉄建建設会社を通じて大阪瓦斯、電電公社、関西電力、水道局、警察署に通報しました。間もなく大阪瓦斯の応急修理車が現場に到着したところ、突然単が炎に包まれた。詳細は調査中でございます。このため、付近住民や通行人等二百ないし三百人が蝟集し始めたので、現場に先着のパトカー及び警察官がこれらの者を整理誘導中、大きな爆発が起こり、地下鉄工事現場に敷き詰めてあったコンクリート製の板がふき上がり、多数の死傷者を出しました。また、爆発により付近の住宅など三十八戸が炎上したほか、沿道二百メートルにわたり、住宅、店舗、事務所等のガラス窓などが破損をしました。その後民家の火災は市消防当局の活動等により午後八時五分鎮火し、ガスの火も同九時四十分ごろ消えました。
 被害の状況ですが、本朝午前七時現在、人的被害――死者七十名、負傷二百八十三名、うち重傷百六十六名、計三百五十三名。このうち警察官は、重傷後死亡一名、軽傷三名、計四名でございます。うち一名は機動隊警部でございます。物的被害――住宅、店舗等の全半焼三十八戸、爆風により付近家屋のガラス及び付近に駐車中の車両の破損等が多数ございます。
 警察の措置でございますが、警察庁は午後六時、警察庁内に次長を長とした保安、刑事、警備各局合同の対策本部を設けました。また、現地の警察措置の指導のために、刑事局長、保安部長、捜査一課長補佐、科学警察研究所の技官の四名を昨晩十時半に大阪府警に派遣をいたしました。
 次に、大阪府警の措置でございますが、初動措置として、その端緒と即応措置について御報告申し上げます。
 午後五時三十分地下鉄工事現場作業員から、ガスが漏れ、路上にあふれ、煙が出ている旨の二〇番通報があり、所轄曽根崎警察署パトカーが同三十二分ごろ現場に到着しております。大阪府警では、同時刻機動隊に出動準備を指令をいたしました。一方、同時刻ごろ曽根崎警察署員が天六交差点で交通整理中、東方に煙の上がるのを現認し、直ちに東行車両の通行禁止措置をとりました。さらに午後五時三十五分ごろには、大淀警察署天六派出所に通行人から、ガスが燃えていて危険である旨の届け出があったので、同派出所の巡査三名が現場に急行したところ、現場付近でガス会社のパトカーが燃えており、付近にやじ馬が蝟集しておったので、雑踏整理に当たっております。その後曽根崎、大淀両署の派出所、パトカー等から現場へ到着した警察官が、蝟集した群衆等の規制、避難誘導に当たっております。その警察官の数は当初十八名、最終百二十五名でございます。
 次に、機動隊の出動でございますが、六時三分、機動隊三個中隊が現場に到着し、所轄警察署員を含めて七百人が交通規制、避難誘導及び救護に当たっております。
 本部の措置としましては、事故発生と同時に、府警本部長を長とする地下鉄工事現場爆発事故災害警備本部を現地多重車に設置し、死者、行方不明者の捜索、負傷者の救助活動、被害の調査、捜査活動、民衆の人心安定のための広報、一般人からの問い合わせに対する窓口体制の確立などを重点に、部隊活動を行なわせております。
 捜査の状況ですが、午後六時、曽根崎署に特別捜査本部を設置し、捜査四課員八十人、所轄曽根崎、大淀両署捜査員七十人、計百五十人の体制で、業務上過失致死傷罪の疑いで捜査を開始をして、現場の保存とか死体の身元確認、検案等を順次その後行なうとともに、工事関係、施設の維持管理関係等について順次事情を聴取するなどして、刑事責任の所在の究明に現在つとめております。なお現場検証につきましては、本朝、実施をいたしております。
 その他、本日は現場保存に機動隊一個中隊を中心とする四百八人を充てるほか、事故現場が復旧するまでの間、警察官百五十人をもって、現場を中心として交通規制の実施にあたっております。
 本朝までの状況は以上のとおりでございます。
#11
○委員長(山内一郎君) 松島長官。
#12
○政府委員(松島五郎君) 消防としてとりました措置について御報告を申し上げます。
 四月八日、十七時二十七分、消防本部は、二九番でガス漏れのあることを覚知をいたしております。直ちに北署浮田出張所より消防車の出動を命じまして、消防車が五時三十二分に現場に到着をいたしましたが、そのときはすでに大阪瓦斯株式会社のサービスカーが現場に到着していたのでございます。十七時三十九分にガス会社のサービスカーが炎上しているという情報がさらに入りまして、十七時四十分、東方面隊の無線車を出動させ、さらに四十一分には第一出動を発令いたしまして消防車両六台が出動をいたしました。四十九分になりまして、ガス爆発による負傷者が多数あるという情報が本部に入りまして、救急車五台に出場を命じました。たまたまこの情報の入りました四十九分に、さらに第二回目の大爆発があったわけでございます。そこで五十三分には第三出動を命じまして、十一台の消防車両が出動し、五十五分には大阪市内の全救急車の出場を命じました。二十二台が出場をいたしました。十八時十三分には第四出場ということで、大阪市内の消防力全部をあげまして六十四台の消防車両が出場をいたしております。出場人員六百名に及んだわけでございます。
 先ほど警察庁長官からもお話がございましたように、道路沿いの付近の商店、住宅街に火災が延焼をいたしましたが、これに対しましてまず鎮火に当たったわけでございますが、私どもの受けました報告では、十八時五十五分に一応延焼の鎮圧に成功し、二十一時三十八分に建物火災のほうは全部鎮火をいたしております。焼失面積が約二千百七十平方メートルということでございます。二十一時四十分ごろには、ガス管からの火災も鎮火を見るに至りました。この事故によります死傷者等につきましては、すでに御報告がございますので省略さしていただきますが、それぞれ救急車、救急隊によりまして、付近の病院等に担送をいたしたわけでございます。
 なお消防庁といたしましては、昨夜永瀬予防課長、それから消防研究所から担当官をそれぞれ派遣をして、実態調査並びに原因の調査に当たらせている次第でございます。
#13
○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#14
○山本伊三郎君 突然の事故で、警察庁なり、消防の報告、まだ十分な最後の原因調査等ができていないようでございます。御存じのように、大淀区国分寺町辺は淀川のデルタ地帯で、非常に地盤が悪いのです。したがって、地下鉄工事には相当問題があるということを私聞いておったのですが、新聞その他いまの報告によりましても、責任の所在がどこにあるか調査中だということでございますが、ガスが漏れておる、あの爆発するときに、現場におった人は早くから消えておったということです。いま報告を聞きますと、周囲の人家の人が見つけて一一〇番に連絡したという話ですが、しかも現場の人はもうすでに、死傷者も二人ぐらいで、全部出てしまっておる。それだのに、そういうことがなぜ未然に防ぎ得なかったか。私はまだ現場へ行っておりません。昨夜、実は警察庁から夜中にもかかわらず情報を提供していただきまして感謝いたしておりますが、したがって七十人も死傷者が出て、百名以上の負傷者が出たということは、これは私ちょっと想像できない。どこかに私は大きなミスがあったと思うのですが、ガスが爆発する前に何か予防策というもの、そういうものを緊急措置する方法が、いまのところ追及するのは無理かと思いますが、なかったかと思います。もうすでに相当時間がたっておる。そういうことについてまだ明らかになっておりませんから、たとえばガス会社の責任であるか、地下鉄施工者の、要するに業者の責任であるか。また市当局、いわゆる交通当局が保安施設に対する監督が不十分であったのか、この点についてわかっておればひとつお知らせ願いたい。
#15
○政府委員(後藤田正晴君) 私ども、さしあたりの処置としましては、被害者の先ほど御報告しましたような救助であるとか、あるいは御家族の方へのいろいろな案内連絡であるとか、こういったことをやっておりますけれども、同時にこの事件が業務上の過失致死傷事件としての疑いがあるということで、その原因を現在究明中でございます。その究明の結果、一体工事者の責任があるのかないのか、あるいはガス会社のほうに責任があるのかないのか、こういったことは、その調査の結果漸次明らかになってくるであろう。ただこの種の事件は、私どものほうにも科学捜査研究所等に専門技術者おりますけれども、やはり専門的な検討をお願いをしなければならない、こういうふうに考えて現在やっておりますが、現状では、責任の所在等についてはいまだ明確でございません。
#16
○山本伊三郎君 ああいう地下鉄工事等の都市再開発によるいわゆる認可官庁といいますか、あれは、警察は、たとえば工事をする場合に交通上の何といいますか整理、取り締まるために連絡を受けるだけで、その他の工事に関する問題については、警察は一切そういうものについては関係ないということですか。
#17
○政府委員(後藤田正晴君) この種の工事につきましては、どうしても道路使用が、地下といえども、地上で必要なわけですから、警察署長の道路使用許可が行なわれるわけでありますが、その際に、警察は道路交通法上の観点からの許可、したがって交通の安全と円滑をはかる、そのための支障の有無ということで許可の有無をきめて、右、左をする、こういうことをやっておりますが、それ以外に、おそらくや、私よそのことはわかりませんが、ガスを使えばガスについて、あるいは道路工事については建設という立場から、それぞれのお立場でお扱いになっておると思いますが、これは私は承知を詳しくしておりませんので……。
#18
○山本伊三郎君 この問題については、警察関係では予防対策というのは無理だと思うのですが、その後の措置についてだけ聞きますけれども、いまの御報告によりましても、爆発はあとで起こったわけですね。そうしてガスが充満してあぶないというので、工事関係者は私は避難したのじゃないかという推測なんです。ところが付近の人は、火が出ているというので、これは死者の方には酷な言い方かもしれませんが、やじ馬根性で一応そこへ集まっていった。――これはやじ馬じゃなしに、どういうことか不安の感で集まったことと思うのですが、それがほとんど死亡者の事故になっているのですね。したがって、そういう危険だということがわかっているのに、なぜ緊急な処置がとれなかったか、ちょっとその点私は疑問があるわけですが、消防車のかけつけたのは五時三十二分ですか、行かれたのですが、そのときにはガス会社のパトカーが燃えておった。消防署関係にはそういう責任があるかどうか知りませんが、そのときに私はある程度群衆がそこにおったのじゃないかと思うのです。それに対して、消防官あるいは警察官が、これは危険だということで立ち入りを拒否して、それを分散させて退避させるというような処置が、爆発までの間にちょっと時間があるのですが、とれなかったのかどうかというこの疑問が私はあるのです。しかし、私現場を見ておりませんし、皆さんの報告と新聞記事だけで質問しているのですから、非常に私も自信のない質問だと思うのですが、その点どうですかね。
#19
○政府委員(後藤田正晴君) 仰せのように、この種事案を結果として見ますというと、やはりそういった際の、大惨事が起こるまでの間に何らかの有効な手が打てないのか、これはいつも私自身も感ずるところであります。今回の事件について、現在までの報告で見ますと、五時二十七分ごろに、通報がそれぞれのところに現場の工事関係者から入っております。ところで、私どものほうの現場へ行った警察官は、三十二分にまずパトカーが行っております。それから同じ時刻に、少し離れているようですが、天六交差点で交通整理中の巡査が、煙が上がっているのを現認して、通行規制をやっております。なおまた十八人の者が、爆発前に現場でそれぞれ活動をいたしております。で、機動隊の着いたのは、残念ながら六時三分、五十分に爆発を起こしておりますので、まず十八人が通報を受けた二十七分から爆発の五十分までの間に現場に行っておるならば、私は現状から見まして、やはり現在の警察官の配備その他から見ればこの程度は精一ぱいじゃなかろうかと率直に私はいまは感じております。しかし、いつもこういう事件が起こりますと、何とかこの際に百名か二百名の警察官が現場へ行けぬものかなと思いますけれども、これはなかなか私は、現場にそれまでなぜできぬのだと言うのは少々無理ではなかろうか、まずこの程度であればやむを得ぬのじゃないかというのが私の現在の率直な感じでございます。
#20
○山本伊三郎君 私は警察官、それを責めようという考えないんですが、その現場にはもうすでにガス会社のパトカーが行っておるんですね。専門家が行っておるんですね。それから工事関係者も私おったと思う。したがって、その危険は警察側も認識していられる。ただ群衆に対して指示するだけですから、その現場のいわゆる専門家と申しますか、技術者と申しますか、そういう者はガスが充満しているとわかると思うんですね、爆発するということが。危険だということで、その間の現場責任者と警察に対しての連絡といいますか。危険だからどうしてもこれは群衆を散らしてくれと、退避さしてくれと、こういう措置が全然新聞記事で見ましてもないんですね。私は、現場の人は全部逃げちゃっておらぬのか、で、警察が行ってうろうろして何かわからないと、その間に爆発してしまった、こういう不手ぎわがあったんじゃないかという私のこれは推測であります。少なくとも私は、現場があれだけの大きい工事ですから、長らくやっているんですよ。一年ほど続いているんですね。先ほど申しましたように地盤が悪うございますからね。そういうことですから相当私は現場に、しかも五時でしょう、夜中であればまた手を打つことありますけれどもね、いわゆるラッシュアワーの一番混雑するときですから、自動車でもね、向こうは。そういうときに、現場の人と警察官との間の連絡も私は十分できてない。火が燃えておるからというので付近の人が連絡したと、これは新聞記事ですよ。そういうことがあって許せるかどうかということは非常に私は、一応施工者といいますか、現場責任者に憤りを感じておるんですよ。その点については警察の立場としてどう思われるか。また、これは自治大臣に尋ねるのもどうか、無理かもしれませんが、地方行政の立場から、また閣僚として、大臣としてどういうお考えであるのか。いわゆる何といいますか、広い範囲の保安施設なり保安関係のものに非常に私は問題があると思うんですが、その点どうですか。
#21
○政府委員(後藤田正晴君) 私のほうにもそういった御質問の内容のような趣旨の連絡が工事現場の人からあったかどうかということは、報告は聞いておりませんが、ただこの事案については、工事現場の作業員から、ガス漏れがあったという連絡を受けて活動を開始しておるわけです。ただ、群衆等が集まってくるときに、ガス爆発の危険の予知ということについて、爆発危険の予知については、これはなかなかしろうとにはちょっと気のつかない、やはり年じゅうそこで工事を扱っている人が気のつくことで、これはあぶないから云々という、こういう処置をとってくれということを連絡があったかどうか、これはやはりこれからの、過失の有無ということについての一つの捜査の着眼点ということになろうかと思いますので、捜査結果を見なければ何とも言えません。そこで、私どもとしては、どのような工事関係者がおったのかということは、これから調査をいたしたい、こう思っております。
#22
○政府委員(松島五郎君) 現場に群衆が近づくことをできるだけ規制すべきではなかったかという問題、につきましては、私どもも強くそういう感じがいたします。ただ、これは実態を調査いたしてみませんと詳細わかりかねますので、一応推定で申し上げてまことに恐縮でございますけれども、先ほど警察庁からもお話しもございましたが、おそらくサービスカーが燃えているその現場には群衆は近づいていなかったと考えられます。しかし、何ぶんにも地下工事で、ずっと長く連なっている地下にガスがどの程度充満していて、それが爆発すればどの範囲まで被害が起こるかという予想をその時点において的確にすることができなかったのではないかというふうにも考えられるわけでございまして、これは非常にむずかしい問題でございますけれども、漏れている場所が、たとえば普通の道路のどっか角で、一部で、そこからふき出しているというのでございますと、その付近というのは一応わかるわけでございますけれども、何ぶんにもふたをした空洞の中、ずっと広がっている空洞の中にガスがどの程度充満していたかということは、その段階ではおそらく十分認識し得なかったのではないかというような面も考えられます。したがいまして、今後そういった場合を含めて、ガス漏れの探知というのをどういうふうにしていくかということも検討していかなければならぬのじゃないかというふうに考えております。
#23
○山本伊三郎君 これはこれからの真相調査によって明らかになってくると思いますが、これはもう都市再開発で、東京――大都市ではもうところどころ大きい工事やっておりますね、地下工事をね。私は炭鉱の爆発も言うのですが、あの場合は一応いままで問題追及しておりますからきょうはそこまで触れませんけれども、この予防対策、いわゆる保安施設ですね、あれだけの恒久的というか、一年かかるような工事については、保安設備をもう完全にしなければならぬと私はいつも言うのです。とにかく保安設備は、できてしまったらこれは取ってしまうのだから、費用をなるべくかけないというのがいままでの建設業者のやっぱりやり方ですよ。これは何も建設業者が悪いわけではない。工事をなるべくコストを安くするということがやっぱり目的ですからね。それが人命にこういう大きい災害を与える、東京でもこの前板橋ですか、どこかにガス爆発があった、また土砂の崩壊で従業員が生き埋めになった、たびたびありますね。これは保安施設の欠陥ですよ。とにかくやってしまえばそれは必要ないのだから、保安施設になるべく金をかけない、こういう点が、この都市再開発による事故だけじゃないのです。もろもろの問題はみなそこにあると私は思うのです。炭鉱もそのとおり。これは私はね、いつも通産省なりその関係省にも予算委員会を通じて言うのですが、炭鉱でも、幾ら最低でも一年に爆発は二回くらいある。これから見てみなさい。都市のこういう問題はこれだけじゃ済みませんよ。必ず起こる。現在東京でも、ずいぶん高速道路や地下鉄なんかやっていますがね。だんだんと保安施設もよくなっていることも事実ですけれども、まだ不完全です。その点は都市再開発の工事というのはむずかしいのですよ。道路を全部遮断してしまって通行どめにするわけにいかない、幹線道路ですからね。鉄板を敷いて通行しているのですからね。その振動によるまた影響もあるでしょう。そういうものを警察当局が取り締まれるかどうかは別として、政府としてこの点は十分考えなくてはならぬと思うのです。起こったものについては、私はこう言ったってこれは死んだ人、七十名の死者が生き返るわけでございませんが、あの大きい惨事を今後どういうぐあいに生かしていくかということがあの死んだ人に対する私ははなむけになろうと、私はそう思うのですよ。私がたまたま大阪出身で、大阪市民だということで特にそう言うわけではありません。しかも私は中馬市長にもいつも言っておるのですが、大阪は東京と違って、淀川のデルタ地帯がほとんど都市形成されているのですから、土地の沈下もひどいし、そういう地盤が非常に悪いのですよ。したがって、特に同じ地下鉄を掘るにしたところで、東京の地下鉄の百メートル掘るについても単価がかかる、それはいいと言うのですよ、人命尊重で。そういうことがいままでは事故が大阪はなかった、その点は喜んでおったわけなんです。たまたま今度は、たびたびないかわりに今度は一ぺんに大きなやつをやってしまった。これは大阪市民にとって大きな衝撃だと思うのですね、今後も地下鉄を延ばす計画をしておりますから。この点について、私はもうこれ以上警察庁や消防庁を責める必要はない、質問する必要はないと思うのですが、十分その原因と責任者を明らかにしてもらいたい。どこに原因があったか、責任がどこにあったか。ガス会社であるか施工者であるか、あるいは市当局であるか、この点をひとつ、罪を、刑罰を与えるということは私は問題にしない。その原因がどこにあるかということをはっきりしてもらわぬと、今後この種災害を防ぐことはできません。したがって、私はこういう保安施設に対して、特に都市再開発に関する保安施設について、閣僚としての自治大臣の所見を聞きまして、きょうは緊急質問ですから、私の質問を終わります。ちょっとその点だけひとつ。
#24
○国務大臣(秋田大助君) お話しのとおり、今回の事件の原因を究明をいたしましてこれに対する対策を適確に立てることは、せめてもの死者に対するはなむけでもあるし、かつ政府としては当然とらなければならない処置であると思いますが、さて、これに対してどういうことを感ずるか。行政的な権限から申しますれば、自治大臣の直接の守備範囲ではないと思いますので、私といたしましてはいろいろ出過ぎた発言をすることは慎みたいと思いますが、国務大臣といたしまして考えまするのに、今後新市再併発に僕するこの種の工事の施行に関しましては、お説のとおり、保安設備に万全を期し、かつ発生さるべしと思われる災害に対する予防体制を十二分に講じまして、その点、今日の科学技術なり知識の満度において万全の措置をとりながら初めて施工を許すべきものである、こういう点を今回の事件の発生をひとつ契機に、十分に検討して万全の措置を講ずる必要があるということを痛感しております。
#25
○千葉千代世君 関連質問。四点ばかり伺いますが、その一つは、急のことでまだおわかりになっていないと思いますが、なくなった方々の直接の死因は何でしょうかということです。というのは、テレビで承知しておったのですが、何か爆風で三メートルくらいふき上げられたり落とされたというか、はっきりいうとショック死で、心臓麻痺みたいなものを起こしたものか。それから、けがした人、もちろんあるでしょうけれども、大体そういうふうな、ごく概略でけっこうでございますが、それ一つと、それからもう一つは、直接業務に携わっておった関係の人と、それからそこをたまたま通りかかって見ておった人との区別がどのくらいになっておるか。
 それから二番目としましては、大体ああいう地下を掘り起こして危険な仕事をしているところは全国で年間大体一万カ所くらいあると聞いているのですが、現在、今日の時点においても百カ所くらいが進行しているということをいわれているわけです。けさのテレビを私、出しなにちょっと支度しながら見たのではっきりいたしませんけれども、アナウンサーがこういうことを言っておったのです。全国でいま作業しているところの責任者は、きょう一日みんな仕事を休んで安全の点検をせよということを言っていたのです。たいへん適切な話ではございましたけれども、これはそういう仕事は建設省か警察庁か、どなたの分野か知りませんけれども、そこに伺いますが、緊急な指示でございますか、警察庁として、あるいはそういう指示を、事故の起きたところを除いたそういう場所に、各県警を通じて配慮なさっているかどうかということ、これが二番目です。
 それからもう一つは、働いていらっしゃる方がああいう地下には季節労働者の臨時的な方が多いのですね。いままで事故があった場合には、補償について直接雇用といわゆる下請の間接雇用と、こういうふうな問題がからみ合ったりいたしまして、補償が十分されていない点がずいぶんあって、問題を起こしているわけなんです。これは万博でも、御承知のように、犠牲になった方の一人の家族の方が生活が困るので、その奥さんは林業の日雇いに行っておって、とても万博へ行くどころではないと書って、切符をせっかく贈ったのに来られなかったと。その補償について聞いてみると、たいへん少なかったという、その日の生活に困るという実態が出されたのです。その直接の原因をたどっていくと、やはり下請の下請というようなところで、確かな補償の対象にならないというようなことを聞いておったのです。今回の場合もあるいはそういう点があるのじゃないかということが考えられますので、やはりそういうふうな補償の対象面についても、今後起こり得る問題ですから、十分御検討が必要じゃないかと思うのですが、これは直接の御担当ではないかもしれませんが、やはり保安、安全に携わる者たちのつとめじゃないかと考えます。その点が一つ。
 それから四番目として、やはりいまその建設業務に携わっているという場合には、工学関係で、はなばなしい部面というのですか、普通の設計とか建築にはよく志願するけれども、災害工学ということについてはまだ日本もおくれておるので、何かこれも私も聞きかじりでよくわかりませんが、横浜大学にしか災害工学の分野がないとかいうことですね。これは工事の安全ということと、それから工学の発達ということは裏表になされなければならないと考えました場合には、やはり当局としては建設省あたりに進言なり、しかるべき要請なりをして、やはり安全工学という、ことばは私はわかりませんが、災害工学でもけっこうですが、そういう面についてもやはりこれからは相当、文部省あたりとも提携して、養成していく必要があるのじゃないかということを考えておりますが、いかがですか。まとめてお願いします。
#26
○政府委員(後藤田正晴君) 死傷者の原因、ことに死亡せられた方の死亡原因については、お説のように、ふき上げられたその際のショック、あるいはまたコンクリート等が当たってなくなったとか、あるいはまたガスそのものの中毒死とか、いろいろのことが考えられますけれども、現在まだ死体の解剖等をやっておりませんので、その結果を見て御報告を申し上げたいと思います。また、はたしてそれが通行人であったか、あるいはそれとも現場付近の住民であったか等、これはしばらくすればわかると思います。これもまた、調査結果によって御報告申し上げたいと思います。
 それから、工事に伴う各種の危険が至るところにあるではないか、そういった際に業者としては、御質問によれば、きょう一日安全点検に当たると、こういうお話でございますが、これは今回の事件についてはあとの祭りでしょうけれども、このこともまた必要だろうと思います。私のほうは、今朝全国にこの種危険工事の総点検を指令をしてございます。したがって、私のほうは全国的な点検を開始しておると思います。
 そしてその次の、雇用形態によってのこういった災害補償の問題であるとか、あるいは災害工学の問題であるとかいったことについては、千葉先生の御質問の御趣旨をそれぞれの所管省に私のほうから伝達をいたしておきたいと思います。
#27
○委員長(山内一郎君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#28
○委員長(山内一郎君) それでは、地方税法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。御発言願います。
#29
○竹田四郎君 先ほど自治大臣が、そうした意味で国、都道府県、市町村、この三者の間での財源というものを考え直していかなければいけないという点については、了とするわけですが、しかし、そうした実施の計画というようなものについてはまだ何もできていない、こういうお話なんですが、これはこの前の委員会等々でも話が出ましたけれども、予算編成期になればものすごい陳情で、それに使われる金というものはこれまたたいへんだ、こういうふうに報道しておりますし、またそうした点では毎年のように大蔵省と自治省の間の問題点というのが国民の視点にすらなっておる。こういうことが毎年毎年恒常的に続けられるというようなことは、私は早く解決を迫られておる問題だというふうに思うわけであります。その辺をもう少し早く明確にしていかなければいけないのじゃないか。また、過密過疎問題もそうした問題と関連してこれは解決さるべき問題であろうというふうに私は思うわけでありますが、そうした点でひとつ早期にその税制の改革、もちろんこれは事務の配分の問題もあろうと思います。各方面からそれについては意見は出ているわけでありますから、ひとつその点を早期にやっていただきたいと思うのですけれども、そういつまでもいつまでもこの問題を引きずっておくというわけには――経済社会の発展に即応するわけにはまいらないと思う。その辺重ねてひとつ、自治大臣の決意といいますか、構想といいますか、具体的なプランに対する考え方というものがありましたらお示しいただきたい。ないにしても、何らかのお考えがあったなら、それをさらに具体化するというお考えを何らかの形で聞いておきたいと思います。
#30
○国務大臣(秋田大助君) 問題は、具体的に実際的に当たりました場合には、非常に複雑かつ微妙かついろいろ困難な問題があるわけでございますが、しかし、ほっておけない、解決の迫られておる問題でもございますので、一つ一つ予想される問題につきまして関係方面と検討を重ね、これが解決に積極的にかつ急速に当たりたいと考えております。
#31
○竹田四郎君 大臣はおそらく予算委員会のほうにも呼ばれていらっしゃると思いますから、こまかい問題を避けまして、おもな問題を次にお聞きしたいと思いますが、今度の地方税法の改正のおもな問題といえば、私は固定資産税の問題の評価がえ及びこれに伴う問題というのが一番大きい問題であろうというふうに考えております。土地問題については、いろいろな形で関係各省から法案も出されておりますし、あるいは土地の利用計画というものもあちらこちらから出されておるわけでありますが、しかし現実問題としては、土地問題というのは実際にはなかなか、解決が非常に迫られてはいるけれども、その合理的な解決、土地の合理的な利用という面ではなかなか進んでいないというふうに思うわけでありますが、土地の利用の問題、あるいは土地の需要と供給の問題、そうしたものを財政的に誘導するといいますか、そういう意味での土地税制という問題、こうした問題は全体として国の土地政策と非常に密接な関連があるだろうと思います。そうした意味で、土地税制と土地政策というものは表裏一体をなして行なわれなければならない。特に固定資産税の問題は地方財政ともからんでいるということで、国の行なう課税とはまた違った面も一つ加味されてきているとは思いますけれども、しかし、固定資産税といえども、あるいは都市計画税といえども、土地に対する課税というものはそうした土地、政策の一環としても当然考えられていかなければいけないのではないだろうか。ただ単に地方財政的な立場、市町村の財源という立場だけで考えられてはいけない、土地政策との関連において同時に考えられていかなければならないと、こういうふうに考えるわけでありますが、自治省としては、土地税制の一つとしての固定資産税あるいは都市計画税、こういうものと国の土地政策との関連、これは一体どういうふうな関連をお持ちになって考えておられるのか、今日の複雑な土地政策との関連でひとつお考え方を承っておきたいと思います。
#32
○国務大臣(秋田大助君) 土地に関する税といたしましては何種類かの税が考えられますが、おしなべて土地税制と土地政策との関係におきましては、税制はやはり補完的な意味をどちらかといえば持つものでありまして、これによりまして土地政策そのものに役立たしめる、あるいは税制で土地政策をきめていくという、そういう発想のしかた、そういうあり方というものは話が逆であろうと思う。やはり土地政策というものがしっかりきまりまして、それに対応する土地税制が地方行財政の分野においても決定される、こういう順序になろうと思います。しかし、この両者の密接な関係がいまや大きな社会問題でもあるし、また国策の基本に関連する問題でございますので、自治省といたしましては真剣に考えておるのであります。そこで、固定資産税なり都市計画税の基礎になる土地の評価という問題でございますが、ことに線引きの都市計画区域内の農地と宅地との関連においてこの問題が象徴的に扱われるわけでございますが、近傍の宅地並みにその農地を評価するかどうかという問題に関連いたしましては、やはり都市化された区域というもの、都市設備のある程度整備された区域というものは、一体、ことばの上ではわかりますけれども、どういう状態を言うのかという点についても疑問がございます。また、いわゆる線引きの状況ということにも大いに注意をしなければならない点がございます。そこで、これら土地に対する評価と土地に対する需給の問題、ことにいわゆる都市化区域内の農業というものをどういうふうに見るべきかという、土地問題と農業問題との基本政策の関連の問題がそこにまつわりついておるわけであります。これらの点につきましては、やはり関係各方面の御意見を慎重にお聞きをいたしまして、ある程度の合意を得たところで結論を下しませんと、いたずらに自治省が先走りいたしましても事は実現いたさないわけでございまするから、これらのただいまあげました問題点を慎重に検討し、各方面と十分打ち合わせ、検討をいたしました結果結論を出すべき問題ではないかと、こういうふうに考えております。しかしながら、物価問題とのもちろん関連もございまして、相当結論を出すことは急がれておるということも十分配慮いたしておりますので、これらの事情も十分勘案しながら、ひとつ適切な処置をとりたい、こう考えております。
#33
○竹田四郎君 一足飛びに何か線引きのお話に入られてしまったような感じがするのですが、その前の、佐藤内閣として持っておられる土地政策というようなものがどうもはっきり確立したというような感じを私ども受けないわけなんです。各方面からいろんな意見が出ておることは事実でありますが、まだその点どうもはっきりしていないように私どもは受け取るわけなんです。まあ土地政策という立場からいきますと、自治大臣もこれには当然参画をして、地方自治体から見たところの土地政策、あるいは土地に関する保有課税という問題も当然出てくるわけであります。佐藤内閣として一体どのように土地政策を考えているのか、その辺のお話を一回お聞きしたいと、こういうふうに思っているわけでありますけれども、佐藤内閣として一体――まあこれは主として都市を含めての都市近郊にもなろうかと思いますけれども、そうした点について、恐縮ですが、佐藤内閣の土地政策として一体土地をどういうふうにしていくつもりなのか、この付近をひとつ御教示いただきたい。
#34
○国務大臣(秋田大助君) たいへん離間でございまして、ただいまの政府としての土地政策をいまこうであるというふうに申し上げる立場にも私おりませんし、まだそういうことを申し上げるのには、多少いろいろ検討をし、各方面との意見を取りまとめる段階が残っておろうと思うのでございまして、ある程度土地の有効な利用と、かつはいま土地に関する需給のバランスの問題というような点につきましていましばらく検討を多少すべきものが残っておりますが、ただいま申し上げましたとおり、自治省の立場は、この地方税制の分野において、土地政策との関連があり、この点につきましては、補完的な作用をなすという観点に立ちまして事は決せらるべき問題と思っております。私からいまここで佐藤内閣の土地政策云々と申し上げることは御遠慮を申し上げたい、またその立場を御了承願いたいと思う次第でございます。
#35
○竹田四郎君 どうもその基本的な土地政策というものが明らかでないというお話で、むずかしいことはむずかしいと思いますが、当然いまこれだけ騒がれている土地問題に対する土地政策というものをどうしても立てていかなければならぬ。法律そのものを一体それに対してどう適用していくのか、いろいろな土地関係の法律が次から次へと出てきております。実際それが有効に補完的な役割りを果たしていくのかどうか、これも私は非常に疑問に思います。たとえば、最近発表になりました土地公示制度に基づくところの価格といいますか、こういうものと、土地の固定資産評価価格、これとの関係が一体どうなっていくのですか、こうしたこともきわめて不明確であります。さらにまた、新都市計画法によるところの線引きの作業が現在行なわれているわけであります。こういう問題にいたしましても、いまお話がありました市街地化区域の農地、あるいは宅地、あるいは未利用地といいますか、こういうようなものとの関係は一体どう調整をしていくのか、あるいは仮需要の用地については一体どう考えていくのか、こうした問題も、やはり土地政策というものが明確になってこないと、それに対する課税のあり方というものも、その補完的な役割りを有効的に果たすことは私はできないだろう、こういうふうに思うわけであります。そうした意味で、どうも今度の改正について、そうしたものと一貫して行なわれるのじゃなくて、どちらかというと地方財政の立場だけにおいて行なわれているというふうに考えざるを得ない。そういう点は、私はきわめて遺憾だと思うわけであります。特に固定資産税あるいは都市計画税というものは、毎年毎年全国的にわたって国民に影響してくるものでありますだけに、不動産取得税とか、あるいは譲渡所得に対する課税だどか、こういうものとは私は性格が違ってきて、恒久的な、しかも計画的に進められていかなければならない性格の税金であろう、こういうふうに思われます。
 そこで、次に移っていきたいと思いますが、土地の固定資産評価額というものは、適正な時価、こういうふうにいわれているわけでありますが、現実には、課税台帳に記載されている価格というものと、適正な時価というものとは、私はかなり離れている。また、昨今示されました公示法によるところの価格というのと、台帳に書かれている価格とは、私の調べた私の近くの範囲では、大体台帳に書かれている価格が四分の一という事態であります。これも非常にはなはだしい。適正な時価というものを、自治省は一体どの水準に置こうとしているのか、適正な地価自体があまりよくわからない、こう私ども考えざるを得ない。適正な地価を基本にして、目標にして書かれている課税台帳の価格というのは公示価格の四分の一、これでは一体どっちがほんとうの地価に近いのかということも全然わからない。こういう形で、一方の固定資産による評価額と公示制度による評価額という、むしろ考え方によっては一つの混乱を私は巻き起こしていくような感じがいたします。今度示されました評価額にいたしましても、かなり地点が多いわけです。将来は一平方キロに一つのそうした地点というものをきめて、そこの公示価格というものを示そう、こういうふうに言われております。そうしたほんとうに適正な地価というものは具体的にどういうものなのか、あるいはいまの台帳に書かれている価格というものを一体どの線に持っていけば適正な地価という形で追いついていけるのか、この辺も全くわからない。そうした面が私は土地の価格に対する一つの混乱を巻き起こしていると思うんです。自治大臣としては、確かにいまの台帳に書かれているものが非常に時価に比べて安いということは事実であります。これを早く地価というものにどのような形でそろえていくか、これはやはり早くそういう点でそろえていく必要が私はあるんじゃないか。そして、各種の法律に基づく土地の価格というものが大体統一をされた線というものがきまっていくのが私は好ましいし、そうした形のほうが土地政策あるいは土地に対するいろいろな課税を進めていく上においてもこれは必要だろうと思う。昔は確かに、相続税の場合の課税標準、不動産取得税の課税標準、固定資産税の課税標準、おのおの別途に、別別にかけられてきたというのが四、五年前の実情ではなかったかと思うのです。そのたびたびに納税者のほうは、一体何が基準なのか、何を基準に税金をかけてくるのかというようなことが不明確。私は、今度の場合にも、公示制度ができたことは、それはいいか悪いかいろいろ判断があろうと思う。むしろ、地価を押えるんじゃなくて、地価を引き上げる役割りをしているとすら実は考えられる。具体的に私の近くで言いますと、実際坪十万円で取引されたものが、公示価格になりますと十二万円、これじゃむしろ十万円を十二万円に二万円引き上げる役割りを現実にしている。そういう点で、ひとつ固定資産税というところの適正な地価というものを、一体今後どういうふうに――そうしたほかの制度によって評価されるものと大体統一できるような形にどういうふうにしていくつもりか、この辺が明確にされていかないといけないと私は思っております。その辺に対する考え方を伺いたい。
#36
○政府委員(降矢敬義君) 適正な地価をどの程度に考えるか、こういうことでございますが、いま御指摘のように、相続税、不動産取得税、固定資産税、登録税につきましては、近年それを統一することでやってまいったわけでございます。で、今回の地価公示法による公示価格というものにつきましては、いま御指摘のような差があるようなところもあるわけでございます。で、地価公示法による適正な地価は、法律によって御案内のとおり、公共事業の用地の取得の基準にするというようなことでありまして、あわせて取引のめどにしてもらいたいということをうたっておるわけでございます。なお、今回の調査の地点は、約千カ所について標準地としてきめたわけでございますので、固定資産税のほうは全国を評価いたしますので、その標準地点というものもあと二十六万地点くらいとりまして評価をするという作業をやっております。したがって、技術的に申しますと、それに地価公示の標準地点との大きな差がありますし、また地点のズレというようなものもございまして、これを直ちに採用して将来乗っかっていくということはなかなかむずかしいだろうと思います。
 それからもう一つは、同じ適正な地価でありまして、正常な取引条件による価格という考え方でありますが、やはり公共事業の用地の取得の基準にするということになれば、まあかなり実勢に近いというようなものになりゃせぬかという気がいたしております。ただいまの場合は、売買価格よりもむしろ高いというお話もあったわけでございまして、課税の面におきましては、やはりほんとうの実勢価格というものをそのまま取り入れるかどうかということについてもなお検討を要する問題があろうかと存じております。いずれにいたしましても、次の評価は、いまの法律によりますと、三年後の四十八年度が固定資産の評価の時点でございます。その間、地価公示の関係におきましては、毎年作業が進行いたします。いま聞くところによりますと、四十八年度でも約八千地点くらいだというふうに聞いておりますので、はたして四十八年度乗れるかどうかいまから確約できませんけれども、できるだけ技術的な調整をはかってまいりたいという気持ちは持っておるところでございます。
#37
○委員長(山内一郎君) 暫時休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十一分開会
#38
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を再会いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#39
○竹田四郎君 午前中に公示価格と固定資産税の価格のことについてお聞きしたわけでありますが、先ほどの休憩中の話でもそうでございますが、私は何かこの土地の価格というものに対して一つ統一的なものが必要じゃないのか。国の相続税とかあるいは譲渡の場合と地方税の場合とかなり違っている。今度はそれにまた公示価格というものが一つふえてくるという形で、三者三様の価格というものが生まれてくるわけでありますが、税金というのははっきりわかるような形をとるのが税制の民主化の一つの大きなポイントでもあろうと思います。そういうものが三者三様で評価されるということは、私は適切ではないだろうと思います。そうした点で、三者三様の価格の統一をはかって、わかりやすくしていくということが必要であろうと思います。そういう考え方というのは一体どうなのか。また、そういう考え方と、今日のこういう土地関係の税制というものとの統一を今後どうはかっていくのか、そのお考えを伺いたいと思います。
#40
○政府委員(降矢敬義君) 現在、相続税と固定資産税の関係でございますが、それは相続税と固定資産税のいわゆる基準値という、各県庁所在地の地価の一番高いところを基準値として考えるわけでございますが、その基準値の価格は相続税と統一をいたしております。あと具体の評価になりますと、大体同じ評価基準に従いまして、固定資産税は三年に一回ぐらいやるわけでございますが、相続税はそのつど評価をするというかっこうになるわけでございます。しかし、基礎においては、基準になる価格は合わせておる。結局あとは時点の相違――三年間に一回の評価とそのつどに評価する時点の相違がこういう地価の急激な値上がりのときには当然生することはやむを得ぬと思います。
 それから不動産取得税、固定資産税につきましては、御案内のとおり、固定資産税の評価のあるもの、課税台帳に価格の登録されておるものについてはそのまま用いますことに法律上なっておりますし、またそのとおりいたしておるわけでございます。
 それから国税のもう一つの、不動産の登録税の関係につきましては、あの登録税法に、当分の間固定資産税の課税台帳に登録されている価格をもって課税標準とするという規定がございますので、総じて三十六年の固定資産評価審議会の答申によった方法で統一をはかっておるわけでございます。
 ただ公示価格との関係につきましては、先ほど申し上げたような事実がまだ存在いたしておりません。したがいまして、われわれとしても、四十八年の評価がえの時点におきましては、なお技術的な調整というものがはたしてうまく乗れるのかどうかということについても検討いたします。方向としては、御指摘のように、全体がうまく統一されることが最も望ましいわけでございますが、ただ、繰り返して申し上げますが、時点の相違というものがどうしても税の性格上出てきますので、そのところは御了承をお願いしたいという考えでございます。
#41
○竹田四郎君 いま時点の相違ということに集約されたようですが、必ずしも時点の相違ということじゃないのじゃないですか。その土地の価格に対する考え方、これが違うのじゃないでしょうか。その公示価格の考え方と、それから固定資産税の考え方というのは、同じ考え方でやっておるのですか、どうなんですか、そこのところ。
#42
○政府委員(降矢敬義君) 固定資産税の価格につきましても、正常な条件のもとにおける取引価格ということでございまして、公示価格のほうも法律によりますと同じような表現をしておるわけでございます。したがって、観念としてはおそらく同じものだろう――私は公示価格のほうは法律の条文を読んで承知しただけでございますが、観念としてはその表現を見る限り同じものだろう、こう考えております。
#43
○竹田四郎君 この固定資産税の正常な価格――それは正常な価格というのですが、もう一歩掘り下げて、じゃ正常な価格とは一体何なのかという問題が出てまいります。昔は大体賃貸価格ですか、賃貸料を基準にして、それを資本に還元をした価格という考え方だったと思うのです。いまは心ずしもその考え方でずっと貫いておるというわけではないと思うのです。売買実例というような価格が入ってまいりますから、心ずしも地代を還元した価格という考え方じゃないと思います。地代を還元した価格という考え方と、それから、まあ今度のこの評価についてもそういう面も取り入れてはいると思うのですけれども、全然それを無視しておるわけではないと思うのですが、売買実例価格という考え方がどちらかというと中心になっている。正常な売買実例価格といいますか、売買実例価格は、いろいろなほかの要素を除いて、正常に取引をされていると考えられる価格ということでありまして、その辺の得失ですね、地代を還元した価格というものと正常なる売買価格というものとの利害というものがあると思うのですよ。それがまた大体昔の考え方から今日の考え方に変わったのですけれども、その辺の考え方の利害といいますかね、そういう点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#44
○政府委員(降矢敬義君) 昔、地租につきまして、賃貸価格というものを課税標準にしておったわけでございます。いまお話しのように、地代から還元をするというのは、収益を前提にする還元のしかたになるわけでございますが、この点は固定資産評価審議会においてもかなり御議論がございまして、今日どの程度のものが収益であるか、どういう率を還元率として用いるかということについてなかなか客観的なものが見出しがたいという事情、つまり戦後の経済変動も激しかったということもあると思いますが、そういう客観的なものが見出しがたいということで、今日いまお話のありましたような収益から価値を求めるという方法をとらずに、正常な条件のもとにおける売買価格というものを基準にしてとるほうがベターだということで答申をいただいたわけでございます。したがいまして、利害得失ということになりますと、前段のようなものにつきましての客観的なもの、つまり皆さんが納得できるような客観的なものが見出しがたいというところが前者のとりがたい理由だろう、こういうふうに考えております。
#45
○竹田四郎君 今後、公示価格と評価額というようなものが将来統一せざるを得ないだろうし、同時にまた、今度は行なわれていないだろうと思いますが、新都市計画法におけるところの市街化区域におけるところの農地についても、税制調査会その他のいろいろな団体の勧告、助言というものを見ましても、なるべくすみやかにそうした地域の農地の価格は宅地並みに評価をしろという答申、助言、勧告というようなものもあちらこちらから出ておるように聞いております。そうしますと、この問題もそのままにして放置しておくわけにはおそらくいかないだろうと思います。そういたしますと、四十八年には市街化区域における農地というようなものも近傍類地の宅地並みの評価に直していくのか、あるいはその前にそういうふうに直していくのか。まあ転用されたものはそのつどそのつどやっていかれるでしょうから、これは問題外として、四十八年には農地も宅地並みに扱っていく、こういうお考えですかどうですか。
#46
○政府委員(降矢敬義君) この点につきましては、先ほど大臣も御説明申し上げたところでございますが、われわれとしては、あの答申に従って関係各省とも御相談をして、できるだけ早く結論を出して、結論を得た時点からこの問題に対処していきたい、こういう考え方でございます。
#47
○竹田四郎君 そうしますと、何かあまりその点もはっきりしていないようで、結論を出してきめたい、早く結論を出したいという御答弁でございますが、四十八年に必ずなるというふうには理解しなくてもいいわけですね、どうですか。その辺は、はっきり四十八年になりますというのか、まだそこまでいっていない、変わるかもしれないということなのですか、その辺はっきりしてもらいたい。
#48
○政府委員(降矢敬義君) 四十八年の時点を待たずに、もう結論が出ればこの問題を処理いたしたい、こういうふうに考えております。
#49
○竹田四郎君 わかりました。そうすると、もっと早く出る可能性があると、こういうことでありますから、四十八年以降においては農地もそういう形で評価されるということになると思いますが、そうしますと、ここで先ほどの土地の価格に対する税金の支払いという問題で私ちょっとわからないことがあるわけです。昔はよく、財産相続税がかかってまいりますと、その相続の土地のうちの一部を売って相続税に充てるという例がかなりあったわけですね。今度の場合も、いまのような形で土地価格が固定資産税の場合に非常に低いから、私はそういう問題というのはあまり起こらないだろうと思う。これがおそらく、公示価格並みといいますか、価格というのは高いほうに寄りやすいものですから、公示価格にならされていく、こういうことになりますと、かなり税金というようなものも大きくなる。しかし、そういうところの農地というのは、大体農業の生産環境というのが悪いですから、必ずしもそれだけ支払える、正当に支払えるだけの収益があるかどうかわからない、こういうような事態が起きてこないか、起きてくる場合もあるということを心配されるわけでありますが、そうしますと、じゃひとつ半分でも売って税金に充てるかというような事態が将来起きてくる心配があるわけです。そういうようなことはないですか――あるとすれば、私はかなりこれは問題があると思うのですけれども、その辺はどうなんですか。
#50
○政府委員(降矢敬義君) ただいま御質問のございました市街化区域内の農地につきまして、特に都市施設の整備された区域内の農地の取り扱いでございます。これに対する考え方は、宅地並みに評価をし課税をするという答申が出ました。あるいは、東京都のいわゆる土地政策に対する提言なんかに含まれている考え方は、土地の有効利用を何とか促進をするという見地が含まれておることは、御案内のとおりでございます。で、そういう意味におきまして、かりに畑としてある程度の作物をつくっておっても、それを宅地並みに考えるということであれば、その背後に、土地をそういうことでなくてもっと有効に利用してもらいたいという考え方があるわけでございますので、ただいま御指摘のような問題も起こらないということは言えないと思います。
#51
○竹田四郎君 先ほどから申し上げておりますように、土地の価格を統一していくという、そういうことは、私も理解できるし、そういうことのほうが非常に能率的であるし、また課税の場合にも比較的理解が早いという点では、価格を統一していくためにある程度上げていかざるを得ない、価格を上げていかざるを得ないということはあり得ると思いますが、ただ最近の状態を言いますと、ザラリーマンはマイホームをつくって狭い宅地に何とか建蔽率一ぱいに家屋を建てるというのが一つのいまのサラリーマンの夢だろうと思います。その宅地も現在はなかなか買えないというのが現実で、半分の人たちはあきらめざるを得ないということで、何回も何回も公営住宅に申し込んでいる、あるいは民間の安アパートに高い家賃で入らざるを得ない、こういうような事態が今日の事態であろうと思います。そうしますと、そうしたサラリーマンの、そこで営業をしていない、土地というものが収益の対象になっていない、こういう人たちに対しても同じような形で課税をされていくということになりますと、営業をしている場合には、これは最終的にはお客さんにその価格を転嫁できるし、あるいは場合によればそうした課税というものは営業収益の中で必要経費としてそれを落としていくということによって課税対象からはずれているわけですが、サラリーマンの場合には、自分がすでに勤労所得税というものを払っている。それが給与所得者の収益に現実にはなっておる。そういう中からまた、税金のかかった金から、ささやかなる宅地や家屋、こういうものについてまた払っていくということになると、私は非常にその点が不均衡なように感ずるわけです。収益のある者、土地の有効利用によって収益を得た者は高い税金を払っていくというのは、収益があるから私は当然だろうと思う。しかし、ただ自分の住宅で住むだけに土地を持っている、こういう人にとっては、その辺はかなり過酷な税金になる。サラリーマンが過酷な税金を取られているというのは、もう非常に大きな世論になっているわけです。この面でも、私は、過酷な税金に転化をしてきている、こういうふうに思いますが、そういう問題は今後一体どのように考えていかれるのか。あるいは、そうした住宅というものでキャピタル・ゲインやあるいは営業収益というようなことを期待していないのが普通だろうと私は思う。そういう人たちに対しては、それは特殊な、税率を低くしてその負担を軽くしていくというような措置が講ぜられていかないと、この三年間の間にもしいろいろな形で今度は上がってきて、四十八年にまた上がる。その上がり方も、いまのままでいけば、別の表にありますように、八倍も上がる、十倍も上がる。もうこういうことになったら、サラリーマンというのは全く二重、三重の課税でたまらないということになるわけでありますが、そういう人たちに対する配慮というものは当然なすべきであろうと思いますが、それはどう思いますか。
#52
○政府委員(降矢敬義君) 固定資産税の考え方に関する問題になると思います。現在の固定資産税は、要するに土地なら土地自体の持つ価値というものに着目して課税しておるわけでございまして、それがあるときには住宅に、あるときには工場用地に、あるときには田畑に、あるいは事業用資産にというような、利用がどうあろうと、さら地としてのその土地の価格そのものに着目して所有者に課税するということでございますので、したがって、いまお話のありましたようなケースについて税率を全く別にするというようなことは、この性格から見て適当じゃなかろう、こういうふうに考えております。ただ、将来だんだん評価がえも進み、どうするか、こういう問題に相なりますれば、これは固定資産税全体の負担をどう考えるか。それからもう一つは、もちろん地方財政の、市町村の主柱でもありますから、財政の状況をどう考えるかということでこの問題に対処しなければならぬと思っております。
 今回も、平均二・三三倍、三十八年をベースにすれば平均一四・九倍くらいに上がったわけでございますが、直ちにこれに税負担を求めるということは税負担の激変を生じますし、またわれわれはこの問題を考えますときに、今回税率の問題も考えてみました。しかしながら、税率が今回調整し切れるかということになりますと、なおこのように地価の上がり方が非常に激しい状況におきまして、具体の問題として、去年納めた税金に対して何倍になるかというのは、やはり税負担をする人にとって大事な問題でございます。そこのところが、非常に上がり方の激しい状況のもとにおいてはちょっと調整し切れないということでありますので、今回のような負担調整措置をなお継続することが、税負担の激変を緩和する――先般の当委員会の附帯決議にもございましたような税負担の激変を緩和するためには、この方法が一番よろしいということで御提案申し上げた次第でございます。
#53
○竹田四郎君 税負担の激変を緩和するというのは、今日のやり方でそうだという意味だろうと思います。これを先ほどの形で、一方には地価の公示価格があり、多くの要請としては適正な時価という要請がある。こういうふうな形になってくると、税負担の激変緩和の措置だけでは、私は、そういうサラリーマンのささやかな自分の生活をする場所、これに対しては激変緩和の措置をとっていくわけにいかないだろう。根本的に税率を引き下げることによって――収益を目的としていない宅地、家屋、こういうものについては、当然税率を下げることによって激変緩和をはかるべきである。いまの形のままでは、そういうふうな形をとらざるを得ないだろうと思います。税率を一律にしておくという形では、やはりそういう形以外には私はなかろう。将来のもうそういう問題については、私は税率を引き下げていく。これはほかの答申でもそういうことはかなりいわれております。だから、当然そういうような問題を私は考えていくべきである。また、現実にこういう形でいって、はたしてその人の収益に対して、まあ所得課税という形における一つのあり方はありますけれども、こうした固定資産課税というものの形においてほんとうのバランスがとれておるかということになりますと、私は必ずしもそうは思っていないわけです。たとえば、比較的市街地化された中で、一方は高層の建物、アパートを建てて、それによって収益を得る、一方はその日陰になって、生活的にはまことに不便で、土地の価値も非常に一般的に下がってしまう、こういうような場合もあると思う。片方は、資本を投下しただけに、それだけの大きさがある。片方は、投下できればいいけれども、普通のサラリーマンでは、そんなアパートを大きくつくるという能力はなかろうと思う。そうなってまいりますと、いまの形でも、収益が得られる者とほんとうにサラリーマンとしてやっている者との間には大きなアンバランスがある。こういうことが、地方税が非常に重税と感ずる私は一つの根拠であろうと思うのです。その点は、いまの局長のお話では、将来も税率をそういうふうにして段階を設けて差別をして負担の軽減をはかる意思はない、こういうふうにおっしゃったのですが、そういう形になると私は非常に不合理だと思いますが、そう思いませんか。
#54
○政府委員(降矢敬義君) 重ねて申し上げ恐縮でございますが、固定資産税は、要するに、資産自体の持つ価値、そういうものに着目した課税をすることでございますので、いまサラリーマンというお話がありましたが、結局しいて言えば、広げて言えば、事業用資産と非事業用資産の扱いを変えろ、変えるということが適当ではないか、こういうような御趣旨だろうと思います。しかし、いま申し上げましたような固定資産税の考え方、あるいはたまたま事業用あるいは非事業用というようなことで取り扱いを変えるということ、また収益というものを考えれば、収益に見合った税ということであれば、事業用資産の問題につきましても収益、非収益という問題を当然惹起するかっこうになるわけでございます。したがいまして、低い税率で資産価格について考えているというのがこの国定資産税の問題だろうと考えております。
 なお、非常に技術的なことで恐縮でございますけれども、現在土地課税台帳あるいは家屋課税台帳、その基礎になりますのは土地台帳及び家屋台帳でございます。ところが、土地台帳、家屋台帳そのもの自体が、土地が何に現に利用されておるのかという区別は全然もちろんございません。したがって、技術的に一月一日現在で土地の利用状況を具体的に把握するということは非常に困難というか、技術的にまず不可能であろう。この点は、現に市町村の御意見においても表明されておるところでございます。したがいまして、現実の問題として処理を考えましても、非事業用と事業用の区別を具体的に土地について一定の時点ですべて判定していくということについては非常に困難があるわけでございます。理論的な問題と、実際的な面からいまお話し申し上げたようなことでございまして、税率段階に区別を設けるというようなことは実は適当じゃないというふうに考えております。
#55
○竹田四郎君 土地の価格そのものの考え方は、私はそういう考え方を実はしていないわけであります。資産そのものの価値という考え方を私はむしろしていないわけでありまして、どちらかといえば古い考え方かもしれません。その土地を利用することによって得られる収益、これが私は当然土地の価格になるべきだと思います。しかし、いまの局長のお話では、土地そのものの資産の価値といいますか一という形で、利用あるいは収益というものを抜きにして問題を考えておられるところに、私はそういう問題になってくるだろうと思います。土地そのものの資産の価値という形を考えるということは、私は、これはどうしても勤労者にとって重くなるし、大きな事業者にとってはこれは非常に有利になる、こういう形にどうしても進んでいくだろうと思う。いま市町村の財政が云々と言われておりますが、私はその点は、納められる税金という形がやはり納得される税金であろうと思う。そういう意味では、当然その土地の利用に応ずる収益というものから還元されてくるところの土地価格というものが正当な土地価格であろうと思います。いま局長の考えておられるような形で考えていきますと、元本を侵害していくというような税金にもなりかねない。これは先ほど農地の場合にもおっしゃっておられました。私は、それでは税金の趣旨に反するのではないか、こういうふうに思われるのでありますが、その辺はどうも考え方が違いますから、これ以上議論をしてもしかたがないだろうと思いますけれども、これはひとつ今後の問題として十分考えてやっていただかなければ私はいけないと思いますし、必ずしもいまの学者の意見は自治省が考えておられるような土地の価格というものの考え方が私はすべてではないと思う。建設省あたりの方の考え方というのは、かなり土地利用という立場に立っての土地価格というものを考えておられるわけであります。そういう点では、今後統一をしていくという意味でも、そういう基本的な土地価格に対する考え方というものは私は統一されていかなければならない問題ではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでありますが、この点はこれ以上議論をしてもいたし方がないと思いますから、次に進んでいきたいと思います。
#56
○山本伊三郎君 ちょっと関連。土地の価格の問題ですが、ちょっと私お伺いしておきたいのですが、収益価格論ではなくて、何か別の土地に対する価格の考え方というのはどういうことか、ちょっと聞かせていただきたい。
#57
○政府委員(降矢敬義君) 私の説明が必ずしも適当でなかったと思いますが、土地そのものの持つつまりさら地としての価値というものをとらえて固定資産税を課税するということでございます。今回の地価公示法でも、御案内のとおり、さら地の価格について正常なる条件のもとにおける価格というものを公示するのでございまして、具体的に現にいま何に利用されておるのかということを前提にして価格を公示しておるものではございません、それは御案内のとおりでございます。それと同じような考え方に立っておるわけでございまして、別に資産自体の価格――あるいはこの価格はその土地の利用度というものを当然反映することではありましょうが、しかし、現に具体的に何に利用しておるのかということについて、それを前提にして価格をきめておるというわけではございません。
#58
○山本伊三郎君 その土地というのはどこから一体価格を生ずるかという問題ですね。土地は、人がつくるものではなくして、自然にあるものです。それが利用されることによって資本主義社会においては価値が生ずるのですね。課税をする場合の方法論として言われますが、土地の価値というものはそういうものでないのですか。農地にしてもそうですね。肥えた土地と肥えてない土地とは価値が違いますね。また運輸の便によっても価値が変わってきます。価値が価格によって変わりますね。都会の非常ににぎやかな土地が高いのは、その土地を利用することによって非常に商売が繁盛するとか便利がいいとかいうことによって土地の価格がきまるんですね。土地本来の価値というものは、その本質はどこにあるのですか。私は、竹田委員の言われるように、人が利用するために、価値の相違によって、向こうの土地は高く、こっちの土地は安いということになると思う。いわゆる土地の価格の本質論というものはどういうものですか。
#59
○政府委員(降矢敬義君) たいへんむずかしい御質問でございますが、要するに、現在の土地というものについて、需要と供給の関係というものを前提にして一定の価格がきまるわけでございますが、その価格につきましての条件というものが、農地であれば、いろいろな水の利用、日照、商店であれば、御案内のような利用度というようなものを前提にして当然きまってくるわけでございます。
#60
○山本伊三郎君 違うんですね。それでは竹田氏の言うことを認めておることになるでしょう。
#61
○政府委員(降矢敬義君) その価値を考える場合に、現に何に利用されているのかということ、つまり、非常に具体的に言えば、そこに借地権があるとか、そういうような現在どう利用されているのかということを抜きにして、さら地価格としての評価を行なうということを申し上げたわけであります。
#62
○山本伊三郎君 いわゆる土地の価値についての認められた額、これを課税する場合に、いま言ったように、何に利用されておるかということについては考慮していない、こういうことですね、課税する場合に。そういうことですね。
#63
○政府委員(降矢敬義君) 課税標準の算定に用いる価格については、そのとおりでございます。
#64
○竹田四郎君 どうもその辺が、技術論で、具体的な利用の状況がわからないという形で逃げておられるのですが、自治省、市町村を含めて、世界で一番精巧な、精緻なといいますか、地方交付税制度をつくりあげているようなりっぱな頭脳をお持ちになっておるし、それに相当する精報網をお持ちになっておる自治省及び地方団体、しかも地域の末端にはかなりいろいろな形での情報網というものが町内会、自治会を通じてあるわけですね。それが調査ができないということは、それはきょう商売を始めたらきょう直ちにわかるということは困難だろうと思います。ある一定の期間というものが、三年という期間があるわけですから、そういたしますれば、私はこれはおおむね把握するということは可能だろうと思う。そういう技術論でお逃げになる点は、どうも私はやはり、サラリーマンにはマイホームという夢をかなえてやったかわりには過酷な税金を取っていくという、過酷な税制のあらわれだというふうに見ざるを得ないわけであります。まあこれはこれ以上議論をしてもしかたがありませんから、議論したくないと思います。
 その次に、今日免税点が土地の場合は八万円ですか、家屋の場合には五万円、これ四十一年度にたしか改正をされていると思います。まあ土地の価格というものは非常に一律でなくて複雑でありますから、都市部面とあるいは過疎地域の部面とは価格に非常に大きな開きがあります。八万円で十分だというところも私はかなりあろうと思いますし、あるいは最近のような都市化されていく地域でありますと、おそらくこの八万円というようなものは問題にならないだろうと思います。私はむしろこういう免税点という形よりも、本質的には、人間が生活をするというためには、最小の程度の土地というものはこれはどうしても必要であります。これは他の衣とか食と同様に、人間が生活する上の最低の条件であります。そう考えてみますと、基本的には人間が生活するための地積というものとして、ある一定の面積というものを控除をして認めていく、その上に立って税金がかかってくる。たとえば三十坪で生活をしている人と百坪で生活をしている人とでは、これは当然私はそういう意味では違ってきていいと思う。三十坪というのは、おそらくいま住宅をつくる上にはもう最低の広さだと思います。それ以下の住宅というのは、おそらく人間の生活に値するような住宅ではなくなってきているだろう。そういう意味では控除制度というものを原則的にこれからとっていくべきであろう、こういうふうに思いますが、この点はおそらくおとりにならないという返事しか返ってこないだろうと思うんですけれども、その点もあわせてひとつあとでお答えをいただきたいと思いますが、少なくとも当時からの土地の値上がりというものを考えてみますと、たいへんな値上がりであります。そういう値上がりというものに課税標準がだんだんこれから追いついていこうというときでありますから、少なくともこの土地八万円、家屋五万円の免税点というのは、私の最小限度譲ったところでも、これはもう少し上げてもらわなければいけない、こういうふうに思います。いかがですか。
#65
○政府委員(降矢敬義君) 土地の免税点は現在八万円でございます。今回四十四年度この八万円で課税されなかった納税義務者は、全土地の納税義務者の約四割程度になっています。今回もその上に課税標準の改定がございましたが、大体三九%程度でありまして、あまり数字は変わらないようでございます。また実際、たとえば最近行なわれております分譲住宅というものにつきまして少し調べてみたのでありますが、たとえば船橋市の例で申し上げますと、山林を宅地に直して分譲をしたわけでございますが、一人当たりの土地の課税標準は、負担調整措置を講じておりますので六万二千円でありまして、今度四十五年度は課税にならないで、四十六年度からなる。あるいは、同じようなケースで仙台市の例も調べてみましたが、分譲宅地につきまして負担調整措置を講じておりますので、本年度の課税標準は六万八千三百円というふうなことで、課税になりますのは、こういう措置を講じている土地は四十六年からでありまして、その平均の坪数は仙台の場合は八十五坪であります。それから船橋の例では六十三坪ということでございます。そういうことでございますので、この免税点につきまして特に引き上げを考える必要はないというふうに考えたわけでございます。
 それから住宅用地についての一定の控除という点につきましては、先般の評価がえの際にも当委員会でいろいろ御議論がございましたが、まあ繰り返すようで恐縮でございますが、控除制度というようなものは、全体の所得を総合して課税するような、いわゆる住民税的なものにふさわしいのでありまして、個々の市町村に所在する土地につきまして、市町村単位に課税をしていくというようないまの固定資産税の仕組みの中では必ずしも適当じゃない。つまり、たくさん分散して土地を持っている人と、一市町村内に持っておる人との間のバランスがくずれるということもございますし、また、いま御指摘のように、一定の面積という前提を設けましても、面積は結局価格が幾らか、こういうことに相なるわけでございまして、課税標準からそういうものを控除するにいたしましても、単位当たりの価格が非常に高いところと、そうでないところでありますれば、やはり課税標準に差が当然生じてまいります。したがいまして、土地所有者間にも必ずしもバランスがとれないという問題もございます。
 それから先ほど申し上げましたように、技術的な問題ということでございましたが、実際の課税にあたりまして、一定の期日現在における把握ということが、つまり、たとえば一月一日現在における状況の把握ということが、いまのたてまえ――あるいはこのたてまえはおそらくとても変えることはできないと私は思いますが、そういう前提のもとでは実際問題として全く不可能だということでございますので、今回におきましても、やはり負担調整措置により負担の均衡化を漸進的に進めるという措置を考えたわけでございます。
#66
○竹田四郎君 いま、控除額をきめるということになると非常に負担にアンバランスが出る、こういうふうにおっしゃられるのですが、たとえば三十坪引いてその上からかけていくということになれば、これは広い土地を持っている人はそれ相応に課税標準というのも――別に私は負担の不均衡はおそらくないだろうと思うのです。どうしてそこに負担の不均衡が出るわけですか。
#67
○政府委員(降矢敬義君) 要するに、金額に換算しなきゃいけませんから、一定の坪数ということでありましても、その坪単位当たりの価格の非常に高いところにつきましては高い控除額というものが出てまいるわけでございます。で、それがとりもなおさず、そのまま税負担に反映するということで、バランスがとれないということを申し上げたわけでございます。
#68
○竹田四郎君 どうもその辺が、おっしゃっていることが私よくわからぬのです。金額に直すといっても、それは坪数自体がそれだけ減っていくわけでしょう、三十坪を最低限なら最低限と見れば。それから上にかかっていくわけですから、それは幾ら金額に直しても変わりはないと思うのですがね。ただ、非常に地価の高いところと地価の低いところとでは、ここは当然変わってくると思う。それはしかたがないんじゃないですか。そのどちらの見解にしても、その土地の価格というものはそれだけ差異があるわけですから、それは別に不均衡に私はならぬと思う。どうもその辺がよくわからないのですが、もう一回わかるように答弁してください。
#69
○委員長(山内一郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#70
○委員長(山内一郎君) 速記をつけて。
#71
○説明員(山下稔君) 一定の面積を控除するという考え方の基礎は、いわば最低生活の保障という思想であろうと思います。最低生活の保障であります限り、人によって金額に換算した場合違うというのはおかしいのではないか。したがって、銀座のまん中で三十坪引かれた場合と、山村地域で三十坪に相当する金額を引かれたのでは、人によって最低生活の保障する金額が違う。金額で考えますとまさに違うわけです。そこにおかしさがあるのではないかということが一つの考え方であります。かつ最低生活の保障ということであるならば、その人の財産を全部総合して課税するような場合において初めてそういう考え方が考えられるのであって、個別の財産のもとに課税する固定資産でそれを考えるというのはおかしくはないのかというのがひとつ基本的な思想としてあろうと思います。
 それからもう一つ、最低生活の保障である限りは、先生のお考えの基礎には、おそらく住宅として利用する場合の最低生活の保障というお考えがあろうかと思います。そうなりますと、結局、最低生活保障の三十坪は、工場等からも引くという必要はないということになりますと、結局これを引く場合の前提としては、それが住宅に使われているか、そうでないかという判断が必要であるということになると思います。そこで、先ほど局長が答えましたように、住宅に使われているかどうかということは、実際問題として一月一日現在の状態を一々判断することはほとんど不可能に近い、まあこういうことからいって、基礎控除的な考え方を取り入れることは、個々の財産を課税対象とする物税である固定資産税では無理ではないかということを申し上げたわけでございます。
#72
○竹田四郎君 わかりました。ただ私の質問のしかたも、住宅に限らなかったという点にこんがらがった原因もあろうと……。私は少なくとも住宅に関しては、いま課長のお話ですと、総合所得という立場からおそらく最低生活ということをお考えになっているようでありますが、私の考え方は、人間が生活をしていく、住んでいくという最低の限度というのは、住宅地として住むというのが最低の限度なわけです。そういった場合には、少なくとも人間が生活をするという意味では土地が必要だ、土地なしに空中に一生涯住んでいるという人間というのはおそらくなかろうと思います。何らかの形で土地というものの上に立っている。そうして見れば、私はそういう人間が住むという最低の条件、そういうことをする上においては最低の土地という、それはわれわれが生まれてきてから、税金がかけられようとかけられまいと、与えられた一つの条件だと、一つの土地の中に住んでいる限りは。そう考えれば、私は当然そういう形で、まあ三十坪で適当なのか、人に言わせれば百坪という人もありますが、何坪が適当であるかわかりませんけれども、私は最低三十坪くらいは、住宅に使われる場合にはそのくらいはしてもいいんじゃないか。あなたのほうが調べられるか調べられないかという問題は、これは技術的な問題だと思う。純粋に考え方の問題じゃないと思う。そういうことを調べようと思えば私は調べることはできるだろうと思う。そんなむずかしい問題ではない。その辺は見解がまだ食い違っているようでございますので、まあ今度の場合、作業の途中で、八万、五万ということは一応認めるにいたしましても、この次の場合にはそれを考えてもらわなければいけない、こういうふうに思うわけであります。
 それから次の問題に触れていきたいと思いますが、いま市町村の税収の中において固定資産税の占める割合というのはだんだん低くなってきておりますね。それを高めていくということは私は必要であろう。これは否認するものではないわけでありますけれども、それを高めていくのには、私は先ほど言ったように、ただ単にさら地としてのその土地の資産というものを考えているだけでは、さっき言ったような不公正が出てくるのではないか。むしろそれは土地の利用による収益というものを考えながらやっていかなければ、一方には非常に過酷なものになるし、一方には甘い税金になるのではなかろうかというふうに思うわけでありますが、その問題はあと戻りになりますから次の問題に入っていきたいと思いますが、固定資産の場合に課税の特例というのはかなりたくさん認められているわけですね。たとえば今度の場合でも、倉庫をつくる場合には特例を設ける、こういうことでありまするけれども、私はこれはかなり整理をしなければいけないだろうと思うのですが、若干整理をされているものもありますけれども、きょうの陳情にもありましたように、特に都市においては、そういう課税の特例とか、あるいは非課税処置とか、これは償却資産なんかにおいても私はそういうものが見られると思う。たとえば電気関係の施設というのを考えてみると、変電所の設備ですか、これに対してはたしかいろんな特例があると思うのですが、これはたとえば製造業の中でそういうことをやっているもの、これは変電所が中に――おそらく製造業をやっている会社の変電所等もあるわけで、これはかなり工場が大きくなってきておりますから、そういうようなものも、これは一例でありますけれども私はあると思う。そういうようなもの、あるいは輸出関係のもの、これは御承知のように、いまは輸出がたいへん行なわれておりまして、円の切り上げまで議論がされているというほど日本の輸出というのが優遇されておりますし、最近では輸出金利について若干引き上げるという議論もされておりますけれども、そういうような輸出に対するところのものも、現在の段階では、私は非課税にするなり特例を置くということはしなくてもいいんじゃないか、もっと洗ってみるべきではないだろうか、こういうふうに思うわけですが、どうでしょうか。
#73
○政府委員(降矢敬義君) 固定資産税の非課税あるいは課税標準の特例のことでございますが、非課税の分につきましては、御案内のとおり公害防止施設とか、あるいは大都市の地下乗り入れの分とか、あるいは保安林とか、こういうことをやっておるわけでございますが、また外航船舶につきましては特別トン税との振りかわりということで、こちらのほうを非課税にしているわけでございます。この中で、なおいままで市町村当局からしばしば陳情、意見の開陳がありましたものは、各種協同組合の事務所等の問題でございます。これは相当、信用金庫の事務所まで入っておるわけでございますが、こういうものにつきましてはぜひ廃止してもらえぬかということが、市町村側からは従来からしばしば陳情のあったところでございます。何回か努力をいたしましたが、今日まできておる状況でございます。
 それからなお固定資産税の課税標準の特例につきまして、いままでやっておりますのは、いま御指摘のような変電所の問題につきましても、電気料金との関係を考慮して二十九年以来こういうような特例措置が設けられているわけでございます。ただ、最近の特例措置につきましては、先ほども御説明申し上げましたとおり、できるだけ期限をつけて、その一定の期間内に所要の目的を達するという見地からこの問題を処理するという考え方で対処しておるわけでございます。そういうことで、輸出の問題につきましても、外航船舶の用に用いるコンテナにつきましても期限をつける、新しいコンテナ船の改造及びこれに対するコンテナという問題に対しまして期限をつけて、一定の期間内にとにかく至急整備をすると、その間の税制上の政策としてこれを考えるというような考え方で今後対処してまいりたいというような考え方を持っております。
#74
○竹田四郎君 その辺もう少し、特に固定資産税にしても電気ガス税にしても、一番財政の逼迫している市町村の場合でありますよね、都道府県の場合にはかなり財政的な余裕もあるから、必要に応じてはそういうようなものも私は必要であろうと思いますけれども、特に財政が逼迫しておる市、特にこういう非課税や特例措置をとられるようなところ、あるいは電気ガス税でいえば、輸出産業その他の製造業、これはもうたくさんありますね。そういうものについて、やはり一番困っている都市周辺の市町村、そういうものに与える影響というのは、私は財源付与をするという、新しい税制のあり方を変えなくても、そういうものを整理していけば相当程度しぼり出してくることができるのじゃないか。いまのようなお話ですと、どうも相変わらず続けるという形ですが、もっとほんとうに整理を私はすべきだと思うのですが、整理する気はないですか。これはむしろ次官のほうにお聞きしたいと思うのですが、もう少しこれは整理をして、今日それほど必要のない、奨励的な必要のないというようなものは私はたくさんあるだろうと思う。そういうものを、いままでの既得権益のような形で特例措置や非課税措置をやられるということは、私はどうも理解できないし、外航船舶にいたしましても、これは六分の一ぐらいですか、こういうものも、いまの状況においてはたして六分の一という、それほど外航船舶に対して優遇を地方財政の側からしなければならないという必要というのが一体あるのかどうか。国としてやるという場合と市町村としてやる場合とは、私はこの点もやはり違うだろうと思うのです。どうなんでしょうか。
#75
○政府委員(大石八治君) 固定資産税の非課税なり、その他の特例の問題というのは、まあ概して新しい事象が起きて、その問題に対して政策上一定期間を置いて特例措置をするというものが私は大部分だと思っております。つまり、いままでやっていたものをそれを非課税にするとかいう問題でなくて、新しい公害除去とか、いろいろな問題、あるいは大衆の、今度の鉄道や私鉄の問題の場合にもありますけれども、そういう政策上の多少奨励をしていくという意味で特例をとっていると思うのであります。したがいまして、その目的が大体達せられたという時点においては、その特例からはずしていくというのが当然やっていくべき方向だと思うのです。ただ、感じの上でややそれが既得権化されて、まあ勇断をもってやるべきものも、あるいは少し年次がついたということも私はあり得るのではないかと想像いたしますが、しかしお話しのように、政策目的が達すれば、それはどんどん特例からはずしていくという形はとらるべき方向だろう、こういうふうに考えます。
#76
○竹田四郎君 まあ、ひとつこれは次官のほうで自治省を督励して、局長のお話ですと、どうもあまりそういう整理はしたくないということでありますけれども、やっぱり古くて、いまおっしゃられたように、政策目的を達したものは私はどんどん整理していいと思うのです。そういうことが実はほかにもいろいろ問題を私は現在与えていると思うのですね。私はほかの物価のほうもやっておりますが、この間の物価安定政策会議の中にもそれと同じようなことが触れられていて、もっと自由競争原理というのですか、そういうものを入れていけという御提言がありましたし、政府の政治介入というものをなるべくしていくなということは、私はこの問題についても言えると思うのです。そういう形でひとつ次官においてこういうものを、古い、政策目的を達せられたものはどんどん整理をしていく、それで正常な形へ返していくということを進めていただかないと、どうも特例とか非課税措置なんというものがどんどんいつまでもたまって、ほこりのように、あかのようになってしまっているということがありますから、これはひとつ勇断をもってやっていただきたい、こういうふうに思います。
 それから軽油引取税に関連して、今度新しく単一の炭素化合物という問題が出てきたのですが、単一の炭素化合物というのが私よくわからないのですが、これを少し説明していただけませんか。
#77
○政府委員(降矢敬義君) いわゆる市販されている名前ではコーレスと呼ばれているものでありまして、石油化学製品のトルエン、つまりシンナーのようなものでありますが、これは単一の炭化水素化合物といわれておりまして、炭化水素油というものではないというふうなものでございます。いわゆるシンナー溶剤の原料になっているものでございます。
#78
○竹田四郎君 それだけじゃなくて、一体それがいま日本でどのくらい生産されて、自動車の燃料としてどのくらい使われているか、あるいはその生産見込みはどうなのか、需要の見込みはどうなのか、そういうことも含めてひとつ御説明いただかないとわかりませんので、ただこれだけ、化学的なものだけじゃちょっと私よくわかりませんが、そういう生産需要の関係ですね。そういうものをひとつ聞かしていただきたい。
#79
○説明員(近藤隆之君) ただいま議題になっておりますコーレスにつきましては、これは昨年の暮れごろこういうものが発明されまして、北九州でございますとか北海道の一部あたりに出回り始めたものでございます。これは揮発油を取りました残りの残留物、それからトルオールという溶剤をつくるわけでございますけれども、普通でありますと、その残りものというもの、それから一定のマフラーをつけますと、これが揮発油と同じようにガソリンの代用品になるというようなことで、まだ出回り始めたばかりのものでございまして、どの程度全国に回っておりますか、われわれのほうでも把握いたしておりません。
#80
○竹田四郎君 そうすると、これはまだ全然海のものとも山のものとも見当つかないと、そういう状況ですか。それともある程度見通しはついたというようなものですか。
#81
○説明員(近藤隆之君) 二年前ばかりからこのコーレスの前身と申しますか、安全燃料というのが出回り始めたのでございます。この安全燃料というのが、これが軽油の規格にも該当しない、それから揮発油の規格にも該当しない。半分アルコールがまじっているわけでございます。そうすると現行法では自動車の燃料としては使えますけれども、そのアルコール部分について課税できないというような事態が発生しておったわけでございます。そこで、いろいろ政府各省検討いたしまして、アルコール分は無理でございますけれども、アルコールと炭化水素油との混合体でございますと、その炭化水素油の部分だけについて、安全燃料としては軽油引取税を自動車の保有者の段階においてかけるということにいたしまして、昨年の十一月からそういう措置をとったわけでございます。そういたしますと、安全燃料というものが揮発油とは、税金がかかりますと太刀打ちできないというようなこともございまして、姿を消しまして、今度はそれに変わってコーレスというトルオールだけでつくった揮発油類似品と申しますか、そういった燃料が出回り始めたということでございます。で、軽油引取税の目的からいたしまして、これは御承知のように目的税でございまして、自動車の運行に使う油であれば全部かけるということでございまして、これらのものはいろいろな形をとっておりますけれども、結局は自動車の燃料になるわけでございますので、そういう観点から、自動車の燃料になるものはすべて自動車保有者の段階においてかけるということにしたわけでございます。
#82
○竹田四郎君 何か新聞によりますと、この燃料というのは、有毒ガスの排出が非常に少ない。たとえばLPGとか、あるいは揮発油に比べて、コーレスというのは何ですかCOがないという意味でコーレスという名前だという話ですが、先ほどの観点からいけば、いま一番困るのは、おそらく交差点等におけるところの有毒ガスの発生ということで、今度はそれぞれ東京都でも基準を出そうと言っているようでありますし、運輸省でもそれに対する対策を考えておられるようでありますが、そうした公害がない燃料ということになりますと、ないというよりも少ないというもの、私は、そういう意味で、さっき言う今日の空気の汚染という立場から申しますと、むしろそういうものは奨励して伸ばしていかれるべき問題であると思います。まだこれが一体どのように使われてくるかということについても、ただいまの御説明では、実はどうも海のものとも山のものともまだつかない。大量的に将来使われていく可能性のあるものかどうなのか、これもはっきりしない。そういうものに対して、むしろ奨励的にこういうふうなものをもっと使え、そして公害を防いでいけということのほうが、私は政策目的に合うんじゃないかと思う。それに対して、海のものとも山のものともまだつかないものに、いきなりここで課税をしていくというよりも、何か優遇措置を私ははかるべきじゃないだろうかと思うのですが、そういういまの公害というものをなくすという政策目的にむしろこれは合うのじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
#83
○説明員(近藤隆之君) 内容がこれはトルオールでございます。いわゆるシンナーでございます。したがって、一酸化炭素が少ないということだけは事実のようでございます。ただ、そのほか、これが自動車の燃料としてどうこうという問題、私どもよくわかりませんけれども、ただ、これが自動車の燃料として使われて道路の上を走ると、そしてその自動車が道路を痛めるというようなことでございますので、目的税である軽油引取税の対象とすることは当然ではないかと思います。一方、公害の見地からこれを見て、何か税法上も何らかの取り扱いをすべきではないかという問題があるかもしれませんけれども、その場合には、この油をつくる機械とか何か、いま公害防止の見地から、脱硫装置等につきましてもいろいろな税制上の手当てをしておりますが、そういった方面で考えるべきだろうと思いますが、何ぶんにもこれは現在のところは揮発油をつくった余りもの、そのものを持ってきてそのまま使っておるだけでございますので、もし今後これがいい油であって大量生産がされるというような事態にでもなりまして、それをつくるための施設というものが必要になってくる事態がくれば、それはその施設について税制上どう扱うかという問題で、道路目的財源である軽油引取税をまけるとかまけないとか、そういった問題ではないのじゃないかと思います。
#84
○竹田四郎君 そうすると、具体的に四十五年度ではこのコーレスに関する税金の総額というのは大体幾らぐらい見込んでおられるわけですか。具体的に大体ことしはどのくらいつくるかという量も、それによって出てくるだろうと思います。
#85
○説明員(近藤隆之君) 将来の予測でよくわかりませんし、いままでも、先ほど申しましたように、昨年の暮れ、現実にはまあことしの初めからちょっと出回り始めた程度でございますので、昨年の実績もございませんので、これによって増収するとかいうようなことは立てておりません。それから、先ほども申しましたように、安全燃料に税金がかけられれば製造を中止したというような経緯もございますので、どういうことになりますか、現在のところではちょっと把握しかねます。
#86
○竹田四郎君 まあ過去にかなり使われてて、もうそろそろかけてもいいという段階なら、私はかけてもいいと思います。去年の暮れに出回ってきて、海のものとも山のものともつかないし、いまの御説明では、一体どのぐらいつくるかということもわからない。それから、それをつくるいろいろな施設についてのどうも特例というものもまだ施されていない、こういうものにいきなり――確かにそれは道路を走ることは事実です。おそらく先のお話では、全国で走る車両の数なんかも限度があるだろう、そんなにたくさんことし一ぱいでぱっと広がるというほどのことでもないようです。そうすれば、ここでいきなり税金をかけるということをしないで、一年ないし二年なりの趨勢というものを見守ってやっても、税収の上においてもたいしたことはないのじゃないか、政策目的をある程度それによって満たすこともできるんじゃないか、こういうように思うのですが、どうもその辺の根拠があんまりよく理解ができない。ただ、それを使った車が道路を走ると、なるほどそうだと思うのです。そういえば電気自動車も走るわけです。必ずしもこれだけというわけにはいかないと思いますがね。電気自動車もいろいろ開発され始めてきているのですから。そういうふうな点を考えますと、ただ道路を走るからというだけで、ここでまだはっきりしないものにいきなり税金をかけるというのは、どうも納得がいかないと思いますけれども、その辺もう少し根拠ある説明をひとつ願いたいと思います。
#87
○政府委員(降矢敬義君) 現在、軽油引取税を課税する場合、大別して三つございまして、一つは、オーソドックスに卸売り業者あるいは特約業者からの引き取りに対して軽油引取税を課税する。もう一つは、小売りの段階でいわゆる混和軽油というブレンドをして売る場合、これに課税いたします。第三番目は、いまの自動車の保有者が油を使って自動車を走らした場合、その油というのは炭化水素油、こういうことになっておりまして、軽油の規格にはまらない、軽油でない、たとえば灯油とか重油というものを使って走らした場合においての自動車の保有者に課税をする、三つの場合がございます。そこで、この一番最後の場合、現在炭化水素油というふうに書いてありますので、これにはまらない油で自動車を走らせる場合の課税というものについて、新しいものが出れば、これは課税のバランスから、そこに加えていくと、むしろ包括的な規定になっていればいいのでありますが、そうではなしに、炭化水素油というふうになっておりますので、炭化水素油でない、単一の炭化水素を考慮してというようなものができますれば、これは課税できないということになっておりますので、今回課税のバランスというものを考えて、少なくとも道路を走る車については、油について課税をする、こういうふうにいたしたわけでございまして、従来の灯油や軽油の一つの延長ということで、内燃自動車の保有者に課税をするという規定を設けたわけでございます。
#88
○竹田四郎君 どうもあまり根拠について、いずれの御説明も私はよくわからないわけです。今後非常にその可能性が強いというならいいと思います。実際コーレスを使って走るようになっている車というものは何台ぐらいありますか、全体で。
#89
○説明員(近藤隆之君) 通常の揮発油を使って走る車にマフフーを取りつけるだけだそうでございます。
#90
○竹田四郎君 何台ありますか。
#91
○説明員(近藤隆之君) 何台かわれわれのほうはつかんでおりませんが、幾つかのタクシー会社などで採用しているやに聞いております。
#92
○竹田四郎君 具体的にそれは調べられませんか。おそらくその範囲はきまっていると思いますね。東京とか大阪とか、あるいは北九州とか、まあ全国にそんなにいってはいないと思います。大体、何というか、さっき言ったトルオールを販売しているところがそんなに全国各地にあるということはないと思う。それがなければおそらく走れないだろう。だから大体見当はつくと思います、税金をかけようというのですから。その数字を調べてもらえないですか。これは技術的に不可能ですか。
#93
○政府委員(降矢敬義君) 現在、これは課税をされていない、この油を使って走る車については課税の対象になっておりませんので、税務事務所に照会しまして、どのくらいあるのだということで調べる以外に方法はないと思いますが、具体的な的確な数字が出てくるかどうかは、ちょっと私どもも確約できないわけでございますが、一応当たってみて、わかっているものがあれば御報告申し上げます。しかし現在課税しておりませんので、税務関係には直接当たっておりませんので、これは御了承願いたいと思います。
#94
○竹田四郎君 そんなことないと思いますね、私は。だってそのマフラーというのは特許になっているのでしょう。いま特許権を得ているわけですから、そんなにあちこちでそのマフラーがたくさんあるとは私は思わない。だからメーカーは、大体いままで幾つぐらいそのマフラーをつくって出しているかということを見れば、大体何台ぐらいトルオールで走れる車があるかということはわかるのじゃないですか。それにコーレスというものについては業界もあるでしょう。そうすれば私はこんなものは大体――私だってここで正確に何月何日現在で何台ということを要求しているわけじゃないのです。こんなものはすぐ出ると思いますね。どうもその辺が、いまのいずれの御答弁についても、いますぐここでかけなければならないという必要性、そういう根拠がどうも明らかでないと思いますので、明らかにしてほしいと思います。とにかく課税するわけですから。
#95
○政府委員(降矢敬義君) そのコーレス台数の問題は、あるいは何だったら業者に聞いてもよろしゅうございます。ただ、課税の根拠につきましては、現在、申し上げたとおり、軽油税について言いますれば、軽油の規格にはまらない油、灯油、重油につきましても、それが内燃機関として走った場合には課税をする、現に課税をしております。そういう意味合いにおきまして、やはり軽油の規格にはまらない油で自動車を走らした場合には、道路目的財源として当該油に課税をする、こういう考え方でございまして、これは道路の財源としての、軽油のほかに規格にはまらないものに.課税しておる、しかも保有者の段階で課税をするという特別の規定を置いておりますが、これはバランス上私は課税すべきもの、こういうふうに考えております。
#96
○竹田四郎君 どうも議論するのがいやになってきましたがね。片一方では、先ほどの特例措置とか非課税措置は、これはいままでの局長の御答弁によりますと、これはいま変更するわけにいかない、整理するわけにいかないと。国の政策として、空気の汚染問題というのは、これは何とか対処しなければならないというのが国民的な希望ですよね。その希望にもかかわらず、ただ税法上の立場からいって、そういうものができてきたのだから、それは道路を走るのに使うんだから当然かけるべきであるという理論的な問題、どうもそういう点で政策的な問題と合致をしない。ほかのものでいきますと、今度は整理をしないでいままでのものをそのまま認める、どうもその辺が局長の答弁は、さっきからいいまして首尾一貫していないわけですね。先ほどの非課税措置なり、あるいは特例措置なりというものは、これは明らかに政策目的があるからそういうことをどんどんやっているわけですから、今度倉庫の問題にしたってそうです。一つの政策目的があるからそれに対しては特例を設けて減税措置をやっているわけですね。どうしてこれがそういう意味ではそういうものに乗り得ないのか。具体的には、法律はこういう法律でも、政令か何かで見るんですか、どうなんですか。法律は法律の体系上それはやらなくちゃならぬ、しかし政令の中で何とかそれは特例措置を認めるということを考えていらっしゃるんですか、どうなんですか。
#97
○政府委員(降矢敬義君) 政令で特別の措置を考えておりません。法律そのもので手当てが済んでおるわけでございまして、政令で何かするということはございません。
 それから、この油について政策目的ということであれば、いわゆる軽油引取税については用途免税という方法しかないわけでございまして、しかし、これは一般的に使う場合の課税ではございませんので、自動車の保有者が内燃機関としての油に使って車を走らせるという場合だけしか課税をしないということでありますので、用途免税というような方途はこれは講ずることができないわけでございます。
 また、一酸化炭素の揮発油に比べて少ないという話に関連いたしまして、これは先ほども御答弁しましたように、それをつくる機械なり、あるいは開発研究費というようなものにつきまして、それぞれの機関で認定されれば、それぞれ税法上の手当てが講ぜられるわけでございますので、なお、われわれの固定資産税につきましては、もしこれがそういうものである、単に一酸化炭素だけの少ないという話は厚生省や通産省から聞いておりますが、一体その他の問題につきましてどうなのかということについては、まだ結論が出ていないように話を聞いております。もしそういうことでやれば、固定資産税の脱硫装置に準ずるような税制上の手当てができる、こういうふうに考えております。
#98
○山本伊三郎君 どうも自治省は私は不熱心だと思います。租税政策で、幾ら走るかわからない、幾らそれが使用されるかわからないというあいまいなことで、そんなものを課税対象にするというのは、これはもってのほかだと思うんです。いまわれわれに陳情がたくさんきています。相当そういう業者に打撃があるかと私はいま初めて聞いて、まだ試験的なもので何ぼかわからない、そういうようなことで、道路を使用する目的税だから取るんだというあいまいなことでは国民は理解しない。ぼくら自身が理解できないでしょう。試験的にやるのであれば、それは試験的にひとつやってみて、その上でどれくらいあるんだとわかってから課税する、課税しても幾ら入るかもわからないという答弁ではわかりませんよ。そんなことで一体税金をかけるというのは、これは租税政策としては全く私はめくらめっぽうのことをやっているんじゃないか。自治省疑われますよ、そういう答弁だったら。少なくともこれくらいのものが、これははっきりキャッチできぬと思いますけれども、ぼくはある程度あると思うんですよ。そういうデータがなくて、ただそういうものが揮発油のかわりに、軽油のかわりに使われるだろうと、使われるとなればこれは課税するんだ。そんなことじゃ、当面この問題処理することはできない。
#99
○政府委員(大石八治君) 試験的にやるという段階ではないように私ももう承知しております。現に私もこの当事者に陳情で会いましたが、二千台というふうな感じがしましたが、二千台といったような記憶がありますが、もうやっているんだというんで、それから場所はたしか東京などではやってなくて、九州のような都市でやっているというふうに聞いております。それから、今日のここまでになる段階では、相当前の安全油という時分からの経過がありまして、自治省との間にはそのメーカーといいますか、業者というか、ずっと何というか、折衝、交渉が実は重ねられてきていて、そして突然こういうふうになるということではなしに、ある程度当事者の間では何らかの話がある意味では了解されてきて、今日の立法のところに入ってきたように私は解釈をしております。それで、これをまた無税にするという問題は、実は他の燃料との均衡の問題が実はあるわけで、そういう意味で、その点からもやはり立法化すべきであろうということになったと承知します。しかも、このものが一酸化炭素が少ないということは私も承知しておりますが、奨励の措置というものは、油自体の税金ではないんではないんだろうか、逆にいわゆる固定資産税の特別償却をするとか、いろいろの形のものでこれをやっていく必要があるんではないんだろうかというふうに解釈を実はしているわけであります。まあ速記の段階ですからこの程度でございます。
#100
○山本伊三郎君 政務次官がえらいまたあいまいな、二千台くらいだと思うという、これは何ですか、LPGのように国税と地方税ということになるんですか、これは地方税だけですか。
#101
○説明員(近藤隆之君) この油は比重の点からいきますと揮発油には該当しませんで、軽油のほうに該当いたします。しかし、その他の点におきましては軽油の規格に該当いたしません。つまり発火点が非常に低いというような関係で、現行法の軽油であるとか揮発油であるとか、そういうものには該当いたしません。しかし、現在のわれわれのほうの軽油引取税におきましては、自動車の保有者の段階では自動車燃料、現行法では炭化水素油となっておりますが、炭化水素油であれば何でもかけれるという仕組みにしてございます。
#102
○山本伊三郎君 この液化ガスの燃料のときにもこれは問題起こしたですよ、政務次官、だから私もそれがいやなんですよ。だからそういう関係もあって、あのときは大体一年から二年、年々ずっと上げていきましたね、税率を。だからぼくはそういう問題でもっと的確に把握して自治省が提案してもらわぬと、自信がなくこれ審議しておっても、幾らぐらいですか、わからない、予算にはひとつも。ぼくはちょっと勉強不足ですが、幾ら、本年度四十五年でどれだけ、出してないんですか、出しているんでしょう、予算は。収入を見ておるんでしょう、見ておるんでしょう。見てない。
#103
○説明員(近藤隆之君) ありません。
#104
○山本伊三郎君 見ぬで課税して出すなんて、これは地方行政委員会をばかにしたようなものですな。課税しても幾ら入るかわからない、ゼロだ。こんな私は税制改正、いままで大蔵委員会におっても地方行政委員会におっても、そういう法律改正見たことないんですがね、どうですか、これは。
#105
○説明員(近藤隆之君) 先ほども申しましたように、コーレスのほうが表面に出ておりますけれども、三年前からのこれは安全燃料というものの延長でございまして、安全燃料というものも各省協議の上、昨年の十一月に課税といいますか、自動車保有者課税のところに出ておりますが、課税に踏み切りましたときに製造を中止いたしております。だから税金をかけますと、軽油引取税は、揮発油と違いまして、これは揮発油の代替税になるわけでございますが、揮発油と太刀打ちできる性質のものであるかどうか、これは疑念がございます。太刀打ちできるものであれば業者の方もおつくりになると思いますが、そういったような関係上、前は打ち切られた、製造を打ち切られたというような経緯がございますので、幾ら見込んでいくか、そういうことが計算がつかない、打ち切られる可能性も非常にあるんじゃないかということで、計上いたしておりません。
#106
○山本伊三郎君 それでは済みませんな。そういう事情はよくわかるんですよ。先ほどから竹田さんの質問に対しての答弁、わかるんだけれども、われわれかりにこの法律案に反対か賛成か別として、一体、地方行政委員会の山本さん、これを課税して幾ら入るんですか、いや、わからないんだよ、わからないのに、一体何でこんなのに税金をかけるのか、笑われますよ、実際。かりに、ぼくは腹悪いことないけれども、実はそういうことであれば、最低限のやつを大体、これは当たるか当たらぬか八掛といいますけれどもね。一応これからの見通しだというものを組んで、これはもうこのぐらいは収入があるだろう、こういうことであんた提案してもらわなければ、ないかもわからない、しかし税金はかけるんだ、こういうことでは困る。
#107
○説明員(近藤隆之君) 現在軽油引取税の総額は
 一千八十五億ばかりあるわけでございます。で、そのうちで普通の引取課税でとっております分がその九九%でございます。自動車の保有者課税で取ります分は全体の〇・二%を割るような状況でございます。しかもこの〇・二%を割る自動車保有者課税の中で、この分が何台ございますかということを計算いたしましても、非常にネグリジブルであるということと、過去の経緯からいきまして、税金がかかれば揮発油と太刀打ちできるかどうかという基本問題もございますので、業者が製造をお続けになるかどうか、その問題もございますので、一応このものとしては明年度の収入の中に盛り込んでございません。
#108
○山本伊三郎君 しつっこいようですけれども、ぼくら権威にかかわるから聞いているんですよ。非常に微量なものだから、このぐらいのものだから収入予算に盛るわけにいかないんだ、しかしこのくらいあるんだ。そうでないと盛んに陳情にくるんですね。相当打撃がくると思うんですよ。政府のほうはそんなものはほとんど問題にしてないということでしょう。収入が認められないんだから問題にしてないということでしょう。一方ではこれやられると困るから、十二月ごろまで延ばしてくれとか、陳情がくるんですが、その間われわれが応待した場合に、何にも返事のしょうがないじゃないですか。
#109
○説明員(近藤隆之君) 実はこれは税収を上げるという目的よりも、昨年の十月、十一月ごろの税制調査会でも問題になったところでございますけれども、税金のかからない軽油あるいは揮発油類似のものが出ているということで、その点がむしろ問題になっております。だから負担の均衡という点に主眼が置かれて今回の措置を講じたわけでございます。
#110
○山本伊三郎君 ぼくは何べんも言いませんが、竹田委員言われたように、これは一酸化炭素が少ない、公害上いいというようなこともいわれておることは知りませんよ、科学者でないから知りませんよ。政府がこの油を使うことがいけないんだという考え方でおるのか。しかし、これはどうせ将来出てくるだろう、出てくるんだから、いわゆる課税均衡論から、同じ道路を使うのだから、どんな理由であっても課税するという理由はわかるんですよ。理由はわかるけれども、幾ら入ってどういう状態であるかわからないというものに対して、いまはどういう理由でも課税の均衡論からいってするのだ、将来こういうものができるからという予想から課税をする、税金をかけるということは、そんなことは租税理論からいえないでしょう。将来こういうことがあるからということで、いまのうちから法律をつくることはできないでしまう。幾ら使うかわからないのに、こういうものに課税するということは、いままで、長い期間ではないけれども、私は大蔵あるいは地方行政におったけれども、こういうことについて過去にそういうことがありましたか。
#111
○政府委員(大石八治君) 私は、まあ課長は少しそういうふうに、将来使うか使わないかわからないということを申しましたが、現にこれをつけて、アダプターをつけて初めて走るわけなんです。このアダプターを相当つくっているという事実も、まあ説明はそういう話でありますから、いま出現しようとしているというのでなくて、すでに出現していると思うのです。そういう事態に対して、課税の問題として実はできておるんで、これからできそうだとかいう話のものではないというふうに考えております。
#112
○山本伊三郎君 またこの次やりますが、もうできておると思う。そこでそんな写真を持って言われますが、過去にそういう審議の中で、そういうことの説明のために――課税権というのは、これはたとえどんなものでも国民に負担をかけるんですから、これは大きい国家統治上の問題です。どんなに小たりといえども、そういうあいまいなもので課税するということは、国会、すなわち立法府があるということは、課税権が大きな役割りであるんでしょう、わずかであるかどうかは別として。そういうものも私は答弁が悪いと言うのです。資料が悪い。それははっきりしたものを自信を持ってやってもらわなければ、たとえば、ほかにたくさんありますけれども、その一つだけでもそういうことであれば、私は地方行政に長いこと来ておりませんけれども、私は承服できませんね、この問題については。
#113
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#114
○委員長(山内一郎君) 速記つけて。
#115
○政府委員(降矢敬義君) ただいま御質問ありました件につきましては、この次までに資料を整え
 て提出いたします。
#116
○竹田四郎君 どうも聞いておってもほんとうにわからない説明ですよ。どうも私のほうも質問する気力を失っちゃいまして、非常に私も残念だと思って、この辺で質問を打ち切ろうかとすら考えておったのですが、ひとつそれに関連してほかのことを伺いたいと思うのです。これは法律にはないそうでありますけれども、政令で、いままでは中高層のマンション等、併用住宅ですね、こういうものをつくった場合には、三分の二以上住宅部分がなければ特例措置を認めないという形だったそうですが、今度それを二分の一にしたというのは、一体どういう政策目的があってそういうふうなことになさったわけですか。その辺の政策目的をはっきりしてほしい。本来ならば、私は当然三分の二の住宅部分というものを考えるべきだと思うのです。それを二分の一に減らして、これは商店とか、事務所とか、そういうものの入る余地を多くした、そして住宅部分を減らしたんだ、こういうことでありますが、そういうものに対して特例措置を広げたということになりますか。実際上広げたことになると思うのです。その辺についてのひとつ根拠、政策目的、そうしたものをお聞きしたいと思います。
#117
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘のように、現行法では高層耐火ビルにつきまして、住宅部分三分の二以上のものについて軽減措置を講じております。今回、政令で二分の一以上に改めようとするわけでございますが、これは耐火震高層ビルの土地の効率的な利用という観点と、それからもう一つは、住宅部分の増加ということが必要でございますので、両者を勘案いたしまして、いままでの三分の二以上の住宅部分というのを二分の一以上に緩和した次第でございます。
#118
○竹田四郎君 どうもあまり説明が直率に言ってわからないのです。土地の効率的な利用と、住宅部分の増加と、それをもう少しその辺説明していただかないと、それだけではわからないのですが、御説明いただきたいと思います。
#119
○説明員(山下稔君) いま問題になっておりますのは併用住宅でございまして、いわゆるげたばきというやつで、下が商店になって、上が住宅になっている、こういう性格のものでございます。その場合に、いままで住宅対策という点を重視いたしまして、全体に対する住宅部分が三分の二以上でなければそういう適用はしないということにしてきたわけでございますが、最近の住宅、そういうげたばき住宅の実情を見てまいりますと、住宅部分が二分の一程度のものがかなりふえてきております。現在の要件が三分の二でありますために、適用にならないというものがかなり多うございます。そこで、かりに二分の一でございましても、やはり住宅がつくられていることについては同じでございますし、現実の建築の状況から見て、やはりそういう住宅でも、住宅政策上ふやしていくことが住宅対策上望ましいのではないか、そういうふうに考えまして、多少住宅要件を緩和して都市対策、住宅対策に寄与していきたい、かように考えて改正を意図しているものでございます。
#120
○竹田四郎君 どうもその辺が私まだよくわからないのですが、現実にそういうものが非常に多くなってきているというお話ですね、いまのお話では。そういうふうにいたしますと、都市づくりという立場からいきますと、おそらくそういうものは事務所であったり、あるいは商店であったり、そういうものだろうと思います。そうなると、おそらく都市再開発、私は都市再開発をするという意味で事務所と住居というものをもう少し、住・職ですか、そういうものを接近させていって、都市開発をやっていくためにむしろこういう措置をとったんじゃないか、実はそんなふうに考えていたのです。いまのお話ですと、こういうことをやるということになると、どうしてもこういうものができる地域というのは、都市の中心地にできる場合が多くなるだろうと思います、比較的。そうしますと、むしろこういう施策をやることによって、都市への昼間の人口集中ですか、そういうものを私はよけい多くしていくような結果が出るのではないだろうかということをむしろ心配をするわけなんです。どうもその辺がよく理解できないわけですけれども、ただ現実にそういうふうにあるからそれはまけてやる。私はむしろまけてやる必要はないんじゃないか。商店、事務所がそれだけ含まれてくるということであれば、これは先ほども言ったように、そこの建物なり土地なりというようなものは収益が当然多くなってくると思うのです、住居に比べますと、そういうものに対してさらにまけてやるという形というのはどうも理解できない。何かそういう、言うならば民間のそれだけ大きく投資をできる人たち、そして、しかも高い収益を上げることのできる人たちに税金をまけてやるというような結果になりやしないかと思うのですが、どうですか。
#121
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘のありました都市の再開発ということは、結局都心の高い土地をどう利用するかということだろうと思います。そういう意味合いにおきまして、下が事務所なりあるいは商店街になる。しかし、さらにある一定の階層以上が住宅地になる。御指摘のありました職住接近という問題もあろうかと思います。いずれにいたしましても、少なくとも住宅に対する配慮といたしまして、従来よりもさらにこれを緩和して、あるいは職住接近の目的も人によっては達せられるかもしれませんし、全体として見れば都市の再開発ということ、土地の有効利用というものも促進いたしますので、今回その三分の二という要件を二分の一に緩和するということでありまして、どうも先生がおっしゃるような配慮、考慮というものをもって緩和するという考え方をとったわけではございません。
#122
○竹田四郎君 私にとっては御答弁がどうも理解できませんけれども、あまり私はよい措置ではなかろう、こういうふうに思います。
 それから今度は住民税の問題に入りたいと思いますが、今度は四人家族で一体課税の最低限というのは幾らぐらいになりますか。あまり五人家族というのは現実に存在しておりませんので、四人家族で聞いたほうがはっきりすると思うのですが、四人家族ではお幾らになりますか。
#123
○説明員(高橋睦男君) 配偶者、子二人で六十二万九千十三円、こういうことになります。
#124
○竹田四郎君 去年から見ますと、伸び率はどのぐらいになりますか。その金額の伸び率です。
#125
○説明員(高橋睦男君) 四十四年度が五十四万五千百四十四円でございますので、いま伸び率を計算しております。――一五 四%の伸び率です。
#126
○竹田四郎君 これは去年もお聞きしたのですけれども、四人家族で六十三万ですか。国税の場合は九十何万でしたか。九十何万だろうと思います。この差というのは相変わらず三十万円ということで、非常に住民にとって地方税が過重に負担をされてきているという批判が強いわけでありますが、この差額というのは私はもっと引き下げるべきであろうと思います。おそらく理論生計費といいますか、四人家族の理論生計費というのはいま正式に発表されてないようですが、これは大体どのくらいになりますか。おそらく理論生計費に食い込んでいるのではなかろうか、こういうふうに思いますが、食い込んでいませんか。どうですか。
#127
○説明員(高橋睦男君) 大蔵省で従来とっておりました基準生計費でございますが、これは昭和四十年までしか算定がなされておらないわけでございます。その後、四十一年以降各年におきますところの消費者物価の上昇率というものを乗じまして算出をいたしますと、この場合夫婦、子供三人で計算をしてございますが、昭和四十三年で六十六万七千七百円、昭和四十四年で七十万四千四百円、このようなことになってございます。
#128
○竹田四郎君 そうしますと、おそらく四十五年ということになりますと、基準生計費のほうが課税最低限より上回ってくる可能性がありますね、五人家族で。
#129
○政府委員(降矢敬義君) 住民税は、御案内のとおり前年の所得を課税標準にしておりまして、ことしが所得がどんなに伸びても、それは課税標準になっておりません。したがって、この比較におきましても、ただいま市町村税課長が申し上げましたのは、四十四年の基準生計費ということで七十万四千何がしと申し上げたわけでございまして、もうこれは夫婦、子供三人の給与所得の場合でございます。したがって、今回、課税最低限は夫婦、子供三人の給与所得者につきまして七十二万九千七十一円、こういうことに相なっておるわけでございます。
#130
○竹田四郎君 私その計算おかしいと思うのですね。税金を具体的に払うのは、ことしになって払うわけですからね。去年の所得でことしになって払うわけです。生活の実態というのは、これは去年の物価でいろいろな物が買えるわけじゃないのです。当然ことしの予想物価ということになりますね。そうなってまいりますと、当然私は基準生計費と課税最低限というものは、これはやはり一年おくれに考えてみなくちゃいけない。ですから、ことし予想されている経済見通しでの消費者物価、この消費者物価というものも、もう実際政府の発表している消費者物価指数なんというのはだれも信用していない。きわめて低い、実勢に合っていないものだと私は思うわけであります。そうしてみますと、実際には課税最低限が基準生計費というものを上回っておる、こういうふうに見るのが自然であろうと思うわけですね。そういう意味では、今回の課税最低限というのは基準生計費の中にひっかかってきている、こういうふうに私は理解をする。そういう意味ではこの今度の七十数万という課税最低限は当然低過ぎる、少なくとも今年度に予想されるところの基準生計費よりも上回るべきである、こういうふうに思うわけですが、そのほうがむしろ正しいのじゃないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#131
○政府委員(降矢敬義君) ここはなかなか、住民税は御案内のとおり前年の所得を課税標準にしておるものですから、ことしが前年に対して所得が伸びましても、その所得は課税の対象に実はならないわけでございます。したがいまして、比較をする場合には実はことしの所得そのものは問題になっておりませんので、いま申し上げたような前年の基準生計費と、それからそれに見合う所得に対する課税としての本年度の課税最低限というものを比較するのが妥当ではなかろうかと私たちは考えております。
#132
○竹田四郎君 まあ私はいずれにしてもこれはもう少し今後引き上げていくべきだ、そしてなるべく所得税の課税最低限に近づける努力を私はすべきだと思う。去年もそういうことを私は申し上げたのですが、ことしも相変わらずその点では三十万円の差額が出ているわけです。これは次官にお伺いしたいのですが、来年はひとつそういう差額を国税に近づけていく、この点をお約束していただけますか、どうですか。
#133
○政府委員(大石八治君) 実は所得税の国税のほうの場合に、私どもの感度で言いますと、所得税が一体来年度どのくらい引き上げられるだろうか、私ども追いつきたい気持ちはあるわけですが、所得税のほうで相当上げていきますと、追いつき幅という問題では、いま三十万ぐらいだが、それをもっと詰めろということのお話になるだろうと思いますが、それは向こうのほうはどのくらい歩幅があるかということで、私ども追いつき切れるかどうかという問題が一つあるわけです。それで私どもの観念とすれば、いわゆる幅を狭めたいという、今度も少し狭まったと思うのですが、この次の段階で所得税がどれくらい歩幅が広くなるかということで、実は地方の財政の問題もありますものですから、われわれもこの最低限はさらに上に上げたいというふうに考えておりますが、所得税と多少性格も違いますものですから、所得税並みにはとてもいけるものではないと思っておりますが、とにかく下の最低限をもう少し広げていくという努力は当然いたしたいと考えているわけであります。ただ、その幅を詰めろと、気持ちはそういうことでございますが、相手のウサギのほうが非常に歩幅が広い、とても追いつき切れない。そのお約束まではいまちょっとできません。現時点ではむずかしいと思いますが、われわれも最低限の問題は重要なことであろうという意味で考えております。
#134
○竹田四郎君 この点はひとつ自治省の人もお考えをいただかなければいかぬと思うのですけれども、実際先ほどの伸び率から見ていきますと、一五・四%だ。昨年の民間の賃金の平均伸び率というのが確か一六%くらいだろうと思う。公務員の人はもっとこれはずっと低いわけですね。それから物価の上がっている率なんかを見ますと、大体実勢に近いものでいきますと、一一、二%、こういうことだと思う。で、賃金の上がっている分には、もちろんこれは定期昇給の分も入っているわけですから、そう考えてみますと、今度課税最低限を引き上げたということが、実際は減税になっていないわけですね。ただ物価と各人の上がった、年齢が上がっていくことによっての問題点、そういうものとが合わさっていれば、別にこれは減税ではないわけですね。数字の上で減税になっておりますけれども、生活の実態から見ると、これは課税最低限を引き上げましたといっておほめにあずかるような措置では私はなかろうと思う。そういうことを考えていただいて、来年は課税最低限の引き上げについてもひとつ一そうの努力をお願いしたい、こういうふうに思います。
 以上でもって私の質問は一応これで終わります。
#135
○委員長(山内一郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#136
○委員長(山内一郎君) 速記をつけてください。
#137
○阿部憲一君 二、三御質問申し上げますが、衆議院の地方行政委員会の附帯決議にもありますが、国と地方を通ずる税制のあり方について根本的に再検討する時期がきたのじゃないか、こういうふうにありますけれども、この点について自治省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#138
○政府委員(大石八治君) 私どももその根本的という意味がどのくらいになるかわかりませんが、地方財源という問題をいま考えていく場合に、特に市町村の業務が今後膨大になっていくという前提を考えてみます場合に、それに財源措置をする場合に、府県と市町村間だけでその問題ができるかといえば、私どもの考えではなかなかでき切らない。そうすれば、いわゆる国税との関係というものを含めて考えざるを得ないのではないかというふうに当然考えられるわけで、その点も地方制度調査会なりその他が新しい七〇年代のいわゆる市町村行政とか、都市政策とか、過密問題、過疎問題を含めてやっておられるので、その答申をもちろんわれわれは受けとめていかなければなりませんけれども、そういうふうに、国との関係の分も含めてやらなければならぬと思います。特に、実は十兆円の道路整備、新しい計画ができてまいりますと、あの部分で地方道の整備のところも大きくなります。その整備の関係は、いま市町村道の整備が非常に重大な問題になっておりますが、従来の税源だけでこれができるかできないかというふうに考えれば、非常に困難である。で、あの十兆円の整備計画を今度は財源的に国道を含めて検討する段階に入るわけでありますが、その段階で地方道路税という意味の道路整備にいわゆるあてがう部分の税源というような問題をどう考えるか、これはもう国税と一体に考えなければなりませんが、そういうふうに私どもは、単に府県と市町村間だけではなしに、国との税制の関係で地方団体の税源をどうしても考えなければならない時代に入っているというふうに思います。
#139
○阿部憲一君 そうすると、税制調査会に対して、要するに自治省としては並行して審議していこうというようなお考えだと思いますが、そのとおりでございますか。
#140
○政府委員(降矢敬義君) 今後、税制調査会につきましては、道路財源をはじめとしてぜひ御検討願いたいと、こう考えております。
#141
○阿部憲一君 税制調査会は四十六年度の税制改正、それから長期税制改正、両方の計画を立てておるようですが、地方税のうち住民税の大幅の減税、それから固定資産税、都市計画税の再検封を審議の重点に置いていると、こういうふうにいわれておりますけれども、自治省側のお考え方はいかがでございましょう。
#142
○政府委員(降矢敬義君) 今回の税制改正は、税制調査会が長期答申等を踏まえまして答申されたものを基礎にして御提案申し上げたわけでございます。住民税の課税最低限の引き上げ、あるいは固定資産税につきましても、評価がえに伴って前から税負担の激変を緩和するということが答申の趣旨でございますので、その点を入れて負担調整措置を講じました。都市計画税につきましても、税負担の激変の緩和とともに都市の開発の財源として考えるということでありましたので、そういう点も取り入れたわけでございます。来年以降の問題につきましても、住民税の問題をはじめとしてさらに御検討いただくわけでございますが、固定資産税、都市計画税につきましては、基本の問題は次の四十八年の評価がえの時期になるわけでございます。そういう意味におきまして、来年さらにまた新しく検討を願うかどうかということにつきましては、やや消極的に考えておるところでございます。
#143
○阿部憲一君 現在、第十四次地方制度調査会でもって大都市制度のあり方について審議を進めておるようですけれども、税制調査会の長期税制改正の答申が出る前に、地方制度調査会の行財政に対する一応の結論を出しておく必要があるというふうに思われますけれども、その点いかがでしょうか。
#144
○政府委員(降矢敬義君) 地方制度調査会におきましては、ただいま御指摘のとおり、都市制度につきましては、いわゆる、何といいますか、起草委員会といいますか、そういう学識経験者だけによる小委員会を設けて、すでに具体的な検討に入っておりまして、おそらく近く任期の終了前には提出されるものと、こういうふうに考えております。
#145
○阿部憲一君 そうすると、あれですか、結論は出されないわけですか。もう一回はっきりしてください。
#146
○政府委員(降矢敬義君) 都市制度を中心に地方制度調査会が出される答申をまとめるときには、おそらく、これにかかわります税財政の制度につきましても、特に変更を要するものがあれば、当然、答申の中に盛られるものと、こういうふうに考えております。
#147
○阿部憲一君 佐藤総理は衆議院の予算委員会でもって、将来、地方税に付加税方式を取り入れていく意向を明らかにされましたけれども、この発言は今後地方税制、国と地方の財源配分等長期の懸案になっておった問題に一石を投ずることとなりますし、また、現在の地方自治の根幹である財政自治のたてまえにも大きな影響を及ぼす、こういうふうに思われますけれども、この佐藤総理の言われた付加税方式、これについての利害得失と、それから自治省側の御見解をお伺いしたいと思います。
#148
○政府委員(降矢敬義君) 佐藤総理はあのときに、徴税費の問題を頭に置かれて言われたように聞いておるのでございます。ただ、御案内のとおり、戦後、シャウプ税制のときに、地方自治財政の確立という見地から、付加税制度をやめて独立税制度に切りかえたわけでありまして、私たちはこの基本は維持しなければならないというふうに考えております。ただ、御案内のとおり、納税義務者の側に立ちまして、同じ所得について二重の調査があるとかいうようなことは、できるだけ、これは納税の摩擦を避ける意味におきましても避けなければいけません。したがいまして、向こうの調査の結果、使えるもの、たとえば住民税あるいは事業税等におきましても使えるものはそれを使って、できるだけ徴税の簡素化をはかりながらこの独立税制度を維持するのが妥当であるというふうに考えております。
#149
○阿部憲一君 わかりました。先ほど来、竹田委員からも質問があった佳品税の問題ですけれども、これは現在の所得税との差が三十万円まで開きがあります。これを極力縮めていこうというような御意向はわかりましたのですけれども、現在約三十万円という開きがありますけれども、これは三十年代のものと比較して現在どのようになっておりますか。おわかりだったらちょっと教えていただきたいと思います。
#150
○政府委員(降矢敬義君) 給与所得者についての課税最低限の開きでありますが、四十年から申し上げますと、つまり所得税は三十九年でありますが、その割合は七三・七%でありまして、それが七七、七〇、七四、七七、今日では八〇という割合になっております。
#151
○阿部憲一君 それより少し前のわかりませんか。三十年の前半くらいから後半くらいまで。
#152
○政府委員(降矢敬義君) 住民税は三十七年に課税方式の統一をやりまして、本文方式とただし書き方式になったわけでございます。その前は五つの方式がございまして、第一方式は所得税の二八%でございましたので、課税最低限は合っておったわけでございます。それ以下、第二方式から第五方式までは、たとえば第二方式のただし書きにおきましては、課税最低限は基礎控除に給与所得控除を加えた額、こういうようなことでありまして、その他の諸控除はなかったわけであります。
#153
○阿部憲一君 そうすると、現在、金額で言えば三十万円という金額になっておりますが、これと同じような率で格差があったと、こういうふうに思います。ずっとあったわけでございますけれども、これはある程度格差があるのはやむを得ないとしましても、地域社会の負担分任の原則を示して、これはやむを得ないという議論がありますけれども、この負担分任の原則をとる以上、課税最低限の開きは一向埋まらないと思いますが、このような考え方についてどういうように考えますか。
#154
○政府委員(降矢敬義君) 住民が地方自治団体という地域社会の費用を分担してもらうことは当然でございますが、そうかといって、ある程度の所得以下の人までに負担を求めるかどうかということが住民税の課税最低限の問題でございます。この点につきましては、われわれも先ほど政務次官がお答え申し上げましたとおり、所得税の課税最低限、あるいは国民の生活水準の向上の状況、地方財政の状況等を考慮して当然引き上げていくべきでありまして、いたずらに負担分任ということを強調して課税最低限の据え置きということは考えるべきものではない、こういうふうに考えております。
#155
○阿部憲一君 そうすると、やはり負担分任につきましても苦痛を与えるべきじゃない、なるべく能力に応じて実施していかなければならない、そういうふうにお考えですか。
#156
○政府委員(降矢敬義君) 負担分任ということは、経費はあまねく、広く負担してもらいたいということでありますけれども、それはいま御指摘のように、全く能力を無視して、万人負担分任だということでは、これはとてもいけない。ただその場合におきましても、地方税、住民税の性格、あるいはいま申し上げましたような国税の課税最低限の動向、地方財政の状況を考えながら、やはりこれについては引き上げを検討すべきものである、こういうように考えております。
#157
○阿部憲一君 この負担分任という考え方は、これは単に住民税だけを対象にするのではなく、やはりこれに各種の一般の税金につきましても考えるべきだというふうに思いますけれども、その辺どういうようにお考えですか。
#158
○政府委員(降矢敬義君) 地方団体が経費の負担を求める場合にどういう税種をもって一応適当とするか、こういうことが一つございます。もう一つは、やはり財政需要額というものに見合う税の構成というものが必要でございます。われわれはやはり地方団体につきましては、国に比較すればやはり住民が直接納めるいわゆる直接税というものによって負担を求める。これを基幹としながら、これを補う意味での消費税、あるいは流通税を加味するという姿が望ましいと私は考えております。負担分任という場合には、やはり直接税を中心にどうしても議論がなるわけでございます。と申しますのは、消費税になりますと、その住民でない方の負担、特に人口の移動の激しい場合にはその問題が起こるわけでございますので、やはりいわゆる直接税というものを中心にこの御議論が従来からもあり、また私もそう考えておるところでございます。
#159
○阿部憲一君 もう一度伺いますけれども、負担分任の限界というのは一体どういうところにあるんでしょうか。
#160
○政府委員(降矢敬義君) 広く負担を求めるわけでございますが、先ほどから申し上げましたとおり、やはり能力に応じた額というものとのかみ合わせ、その調和というところにこの限界があるのだと、こういうふうに考えております。
#161
○阿部憲一君 この負担分任の原則ですけれども、税調その他の答申でどのような結論を出しておりますか。
#162
○政府委員(降矢敬義君) 税制調査会で特別これについて負担分任というものを取り上げて議論したことはございませんが、住民税におきまして、住民税の性格として、広く国税に比較しまして地域社会の費用を負担する、広く住民にも負担を求めるというようなことでこの気持ちはあらわしておるものと私は理解しております。
#163
○阿部憲一君 最近ずっと課税の最低限は連年引き上げてはまいりましたけれども、税率の変更についてはずっと五、六年間変更されておらないようでありますけれども、税率の変更を考える意思があるかどうかお伺いしたいと思います。
#164
○政府委員(降矢敬義君) いままで御指摘がありましたように、住民税につきましては課税最低限が低いということで、この引き上げを行なうべきだという御議論が税制調査会のしばしばの答申にあらわれておりまして、われわれもこれの引き上げを行なうということは、つまり減税財源があれば、まずこれに用いるべきものだというふうな考え方で対処したわけでありまして、さしあたって、やはり住民税につきましてはこの問題にまず焦点を合わせて処理すべきものと思っております。したがいまして、いまこの税率について直ちにこの問題を、税率をどうするかという考え方は持っておりませんけれども、いずれにいたしましても課税最低限の引き上げとの見合いにおきましてこの問題についても考えなければいかぬ。見合いと申しますのは、ある程度の減税財源が必要でございますので、どちらにどれだけ使うかという見合いの関係において今後検討させていただきたい、こう思っております。
#165
○阿部憲一君 所得税のほうは今度何か最低限の引き上げよりも税率の変更というムードが出ておるように伺っておりますけれども、やはり住民税のほうはそういうお考えははっきりしておりませんか。
#166
○政府委員(降矢敬義君) 税制調査会におきましても、課税最低限の引き上げというところに住民税の焦点が、いま御議論のとおりしぼられておりまして、国税ほどはっきりした形でまだ税率の問題が話題にのぼっておりません。
#167
○阿部憲一君 四十五年度の住民税の減税総額は六百五十四億円になっていますが、これは四十五年度の地方税の自然増収見込額のどのくらいの割合になっておりますか。
#168
○政府委員(降矢敬義君) 約一〇%でございます。
#169
○阿部憲一君 四十五年度の政府見通しの消費者物価値上がり指数を見ますと、実質減税はどのくらいになりますか、お伺いします。
#170
○政府委員(降矢敬義君) 消費者物価の調整を必要とする額は二百七十億と承知しております。
#171
○阿部憲一君 二百七十億ですか。
#172
○政府委員(降矢敬義君) はい。
#173
○阿部憲一君 政府のいう基準生計費と、それから住民税の課税最低限の関係についてちょっと説明をいただきたいと思います。
#174
○政府委員(降矢敬義君) 基準生計費という考え方は、大蔵省がマーケットバスケット方式というものによって食料費を算出いたしまして、それをベースにして一定の理論計算をしておったわけであります。それが四十年までございまして、四十一年以降そういう計算をやめておるわけでございます。そこで、先ほども御説明申し上げましたとおり、そういうものを消費者物価の伸びで一応計算いたして四十五年の、つまり四十五年の住民税に対応する四十四年の基準生計費というのを七十万四千円というふうに先ほど申し上げたわけでございます。しかし、それはそのほかには特別にいま基準生計費というような概念はございません。
#175
○阿部憲一君 住民税の個人均等割りの収入見込みはどのくらいになっておりますか。
#176
○政府委員(降矢敬義君) 百四十二億でございます。
#177
○阿部憲一君 そうすると、この均等割りの納税人口はどのくらいですか。
#178
○政府委員(降矢敬義君) 三千三百万人でございます。
#179
○阿部憲一君 この低所得者の税負担を軽減するためには、今後住民税の個人均等割りの廃止をすべきだと思いますけれども、このような用意はございますか。
#180
○政府委員(降矢敬義君) 個人均等割りは、現在七百円から三百円、府県を合わせまして、そういう額でございまして、これは二十六年にきめられた額そのものでございます。この問題につきましては、先年、税制調査会の御審議をわずらわしましたところ、いま申し上げたような年代にきめられたものであって、もう少し引き上げを検討すべきじゃないかというような御意見もいただいたことがございます。で、われわれはいまの段階でこれをやめるという考えは持っておりません。
#181
○阿部憲一君 税制調査会の答申はともかくとしまして、自治省自身で長期の減税計画というものを立てる必要があると思いますけれども、今後の計画について具体策をお立てになるお考えはあるかどうか。
#182
○政府委員(降矢敬義君) 地方税は、申し上げるまでもなく、歳入法でございまして、やはり歳出と見合った自主財源、自主税源ということが必要なわけでございます。ところが、地方財政の歳出面につきまして今後いろいろ財政局を中心に長期の見通しが立てられると思いますけれども、御案内のような状況であり、また自主財源自身が約三割程度でございます。あとはいわゆる依存財源と言うと語弊がありますが、そういう状況の中で長期の見通しを立てた減税計画、つまりそれだけの減税財源を計画的に用意するというようなことは、なかなかいまの地方財政の中ではこれは困難である、こういうふうに考えております。
#183
○阿部憲一君 そうすると、やはり非常に困難だから計画は立てにくいし、立てないと、こういうお考えなんですね。
#184
○政府委員(降矢敬義君) はい。
#185
○阿部憲一君 わかりました。しかし、やはり私ども減税計画というものは一年一年場当たり的でなくて、やはり一応三年なり五年なりの見通しを立てて作成しておくべきものじゃないかと思う。それはまたそのつど修正するのは別としまして、やはりある程度の見通しを立てるべきじゃないかと、こういうふうに思いますけれども。それでなければ地方の住民の希望と努力の支障になる、そういうふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#186
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘の点は十分わかるのでございますが、いま申し上げたように、住民に周知をして、そしてそのとおりにやっていくということにつきましては、いまの地方財政の現況からして、そのとおりになるという保証もなかなかつきがたい事情でございます。ただ、おっしゃったような気持ちは私たちのほうにもあります。もちろん税の軽減、合理化ということはいつの場合でも課題でございますので、それはあくまでも内部の問題として処理させていただきたい、こう思っております。
#187
○阿部憲一君 障害者だとか、未成年者、老年者及び寡婦に対しての非課税額を二万円引き上げて年収三十二万円としておりますけれども、この金額そのものが、現在の物価高の状況から、はたして適正であるかどうか、どういうふうにお考えになっておりますか。
#188
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘のありました金額を給与の金額、収入金額に直しますと、ちょうど五十万円になるのでございます。したがって、他の所得者とのバランスを考えまして、給与金額として五十万円ですから月収約四万円ということでございますので、その辺をめどにすることは私たちはいまの段階では適当である、こういうふうに考えたわけでございます。
#189
○阿部憲一君 この住民税は前年度所得課税となっていますけれども、現年度の所得課税を考えた現年度課税ということをお考えになったことがございますか。またその場合のメリット、デメリットについてお教えいただきたいと思います。
#190
○政府委員(降矢敬義君) 今日のように、歳出が伸びていく、つまり行政需要の伸びが激しいときにそれに対する見合いの所得も伸びる、こういう時代は、前年度課税よりも現年度課税が実は望ましいわけでございます。そういう意味合いにおきまして、内部ではしばしば検討しておるところでございますが、その一つの問題はやはり納税義務者の問題、特に特別徴収義務者の手間の問題、これが所得税で計算するのと同じようにさらに計算をしなければならぬ。それから税法の問題として、地方税の、住民税につきましてのいまの標準税率制度というものを一定税率にしてやらなければ、おそらく給与所得者を中心とする所得課税で特別徴収義務者の手間というものは想像に絶するものがあるだろうということでございます。現に私たちの会計課において、かりにしたとすればどういうふうになるかということについてやってもらったこともございます。
 それからなお、御案内のとおり、国税はボーナス時に調整をやり、年末のときにまた調整をやる。こういうしかけになっておりますが、これが現年課税になりました場合に住民税としてどうアプローチするか。それからもう一つは、非常に技術的な問題でございますけれども、原稿料とか、あるいはその他の国税で源泉徴収する分がございますが、こういうものに対して住民税がどうアプローチするか。いま、非常に技術的な問題もこれにからみまして、なかなか現年課税に踏み切れないのが実情でございます。しかし、さらに課税の計算の事務その他について機械化が進行いたしました時代におきましてどういうふうになりますか、その辺もなお踏まえながら今後も検討してまいりたい課題でございます。
#191
○阿部憲一君 まあ非常にとらえにくい、徴税しにくい事情はわかりますけれども、しかし、これは主として徴税する側の御都合だと思います。徴税されるほうの側とすれば、これは非常にいろいろなズレもありますし、ことに退職なんかした場合に、全然収入がないのにごそっと地方税がかかってくるというようなことで、私らも実は地方税がいかに高いかということを痛切に感じたこともございますけれども、こういうことは、ある程度、いまの時代におきましては、それを防ごうという意思、同年度にしようというお気持ちにさえなられればできるのじゃないか。ことに所得税はボーナスとか、年末とか、その他で調整なり何なりができるというお話でありますけれども、結局、地方税におきましても、そういったこまかいアジャストメントは来年回しでできるのじゃないか、そういうふうに思います。ことに局長もおっしゃられたように情報時代であるし、コンピューターさえ使えば私はそんなにむずかしい問題じゃないと思いますし、できればやっぱり同年度に所得税と同じように住民税も徴収するのが筋じゃないか、このように思いますけれども、その辺のところもう一度お答え願いたい。それから、もしもそのような御意思がおありになるならば、いつごろからおやりになるかというお見通しでもおありになりましたら教えていただきたいと思います。
#192
○政府委員(降矢敬義君) いわゆる前年課税よりも現年課税が御指摘のように望ましいわけでございます。その点に関しましては、先ほど申し上げたような研究を今後も進めてまいりますので、いつごろからかということについては、いまここでいつからという見通しを申し上げるほどまだ検討は熟しておりません。
 また退職手当につきましては、御指摘のような問題がありましたので、四十二年から退職時に特別徴収をするということで、これだけは切り離して分離説税ということで手当をいたすことにいたしまして、まあ御指摘のような問題はそれ以降なくなってるわけでございます。
#193
○阿部憲一君 先般国会でも、大蔵大臣は、所得税の減税にあたって課税最低限もようやく国際並みの水準になった、こういうふうに自画自賛しておられましたが、それはともかくといたしまして、地方税、住民税につきまして、国際的にはどんなふうな位置におるか、欧米諸国と比較して実情をお知らせ願いたいと思います。
#194
○政府委員(降矢敬義君) 実は、地方税につきましては、いわゆるステート――連邦国家とそうでない国家がありますし、それからもう一つは、地方税につきましては、必ずしも所得課税というかっこうで持っているところはあまりないようでございます。たとえば持っておるとしても、アメリカの州税の一部にそういうものがございまして、どうも住民税としての日本のような所得課税というかっこうで課税最低限の国際比較というものはなかなかできがたいのでございます。そういう意味におきまして、実は私たちもこの国際比較をやっておりません。
#195
○阿部憲一君 そうすると、アメリカに限らず、どこともそういう比較をいままではおやりにならなかった、これからもやれないからやらないというようなことですか。
#196
○政府委員(降矢敬義君) どうも地方制度そのものが各国によって違いますし、また所得課税というかっこうで必ずしも持っておりませんので、したがって、国対国のレベルにおける国際比較というほど実は精密な対応関係がないわけでございます、したがって、私たちはいままでもやっていないし、今後もことさらこれをやってどういうものがあるのか、多少疑問も持っておりまして、したがって、いわゆる外に出して国際的にこうであるからとうであるというようなかっこうで、これを説明の資料に使うという気持ちは持っておりません。
#197
○阿部憲一君 くどいようですが、それじゃどうですか。たとえば局長、一例をあげてフランスならフランスで、所得税、それから地方税というのはどういうふうな状況でいま徴収されているかどうかというようなこと、何だったら参考までに教えていただきたいと思います。
#198
○説明員(高橋睦男君) 私どもの手元の資料、必ずしも自信のあるものでございませんけれども、イギリス、フランス、西ドイツ等におきましては、市町村が個人の所得に対して課税する税はないというふうに聞いております。先ほど局長から申し上げましたアメリカ合衆国でございますけれども、州または市町村が個人に課しておる、こういうことがあるわけでございまして、たとえばニューヨーク州におきましては、夫婦の税の基礎控除が四十三万二千円というふうなこと、そのほかに扶養控除が二十一万六千円というような資料がございますけれども、これも州、市町村区々でございまして、どれをつかまえてお話をしていいか、ちょっと比較がむずかしい、こういうのが実情でございます。
#199
○阿部憲一君 大蔵省の試算によりますと、百二十六万円以下の所得の人は、すべて所得税より住民税のほうが高いというふうになっていますが、これはいかに住民税が重いかという証拠だと思います。この辺についてのお考えを伺いたい。
#200
○政府委員(降矢敬義君) ただいま御指摘の数字は、給与所得者の夫婦子供三人の階層について、住民税と所得税のクロスする額が百二十六万円、私たちもそのとおり承知しております。で、それ以下の金額につきましては、住民税のほうが重い、それ以上になりますと所得税が重い、こういうことでございます。この点につきましては、結局、課税最低限の開きの問題、それに対する考え方というものを先ほどから申し上げてきたところでございます。しかしながら、また反面、住民税につきましてはある程度所得税よりも広く経費を負担してもらうという考え方もありますので、そういうある程度の課税最低限の開き、これも私たちは、近づくことは近づくけれども、ある程度の開きは住民税の性格から当然じゃなかろうか、こういう気持ちを持っております。
#201
○阿部憲一君 当然じゃないかという御結論のようですが、私はこれは非常に矛盾していると思います。ことに百二十六万円以下の人というのは低所得者層でございますから、その人たちが国税よりも住民税のほうをよけい納めているというのは、本人から言えばもって瞑すべしということかもしれませんけれども、非常に矛盾したことじゃないかと思います。ですから、むしろこれをある程度押えて、そこのところの高いところ、少なくとも同じか、それ以下にすべきだと思うのですがどうでしょう。
#202
○政府委員(大石八治君) お話の向きは、私どもわからないわけではないし、実は所得税の最低限が上がるということにつれて住民税の最低限がどこかということは、やっぱり住民の非常な関心事であります。したがいまして、それとの比較という問題がありますから、当然われわれのほうも住民税の課税最低限というものは上げざるを得ない、上げざるを得ないという言い方がちょっと受け身のようで申しわけありませんが、上げなければならぬという考え方を持っております。ただ市町村の税源のいわゆる絶対的なウエートを持っているものが固定資産税と住民税でありますから、この点を画期的に上げるということは、今度は地方財政のほうの問題から、何といいますか、収入の問題ということになりまするものですから、その国税の中に、その他法人税なり、その他非常に税源になるものがある場合はわりあいにさっぱりいくところがあると思うのですけれども、市町村の場合は、ほんとうに固定資産税と住民税というもののウエートが高いという点、それが一つには、私は所得税にどんどん気楽についていけない一つの制約がある。これは歳入面という問題とからみ合う問題です。しかし、そうだからといって、これはそうはいかぬというふうには私どもは考えておりませんけれども、そういう財政面の制約が実はある、それが所得税とある程度違うところでありまして、しかしお気持ちの問題は私どももくんで今後も検討いたしたいと思います。
#203
○阿部憲一君 この住民税については、非常に何といいますか、硬直化したとかいうような考え方を持ち、現実にも性格上そういった性格のものだ、住民税というのは所得税と違って弾力性が薄いのだというようなお考えを持っておることはわかりましたけれども、実は佐藤総理が、過日の衆議院の大蔵委員会で、住民税の課税最低限は、所得税減税が進んで課税最低限引き上げが相次いだため、これと大きな開きが生じている、住民税と所得税の課税最低限を直ちに一本化することはできないが、住民税が零細所得者から税金をかき集めているような印象を与えるのは好ましくないので、この負担軽減につとめる、地方財政に減税財源を支出するゆとりがなければ国が補てん措置をとることも必要である、このような答弁をなさっていますが、これは、総理が住民税の大幅減税を必要とした発言であります。しかも、所得税の課税最低限との格差が大きく開いていることを認めてこれを是正しようとする、こういうふうな証拠じゃないかと思いますけれども、この点いかがでございますか。
#204
○政府委員(大石八治君) その点が、私どもも、先ほどお話しのありました国税、地方税を通じての問題ということに当然相なることだろうと思います。したがって、国税との関係というものをひとつ考えていかなければならない。いわゆる財源付与という問題を、先ほど申し上げたとおり府県市町村税の中で解決するというのは無理なんで、どうしても、やっぱり国税の中に手がつくという形で私どもも解決しなければならぬと思います。佐藤総理の御発言もそういうものを含めての御発言ではないか。その点が、財政審議会なり、あるいはその他の調査会等でも私ども御検討願いたい点であります。
#205
○阿部憲一君 あまりおそくなりますので、住民税についてもう一問お尋ねいたします。
 住民税は能力に応じて地域社会の人々と広く負担を分かち合う、すなわち負担分任と、応益応能の二つの性格を持つものであるという税制調査会の考え方でありますけれども、現行の府県民税とそれから市町村民税のうちで一体どちらに所得配分的な機能、すなわち応能的なウエートを持たすべきであるか、この点はどういうふうにお考えでありますか。
#206
○政府委員(降矢敬義君) この府県民税の住民税は、二十九年に市町村民税の税源配分というかっこうで創設されたわけでございまして、それ以来三十七年までは、市町村民税と同じかっこうで課税がされてきたわけでございます。それが三十七年に国税の移譲二百億を受けまして、その際、国、府県、市町村を通ずる個人負担の調整というかっこうで現在のような税率になっておるわけでございます。で、基本的にはどちらが再配分的な機能を持つかということでありますが、私は所得税においてこそ所得の再配分機能というものを当然働かすべきものであり、狭い地域社会においてそれぞれの団体が負担を求めておるというところに所得の再配分機能というものをそう期待することは、府県としても、市町村としても、ちょっと無理ではなかろうかと私は思っております。
#207
○委員長(山内一郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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