くにさくロゴ
1970/04/14 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第14号
姉妹サイト
 
1970/04/14 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第063回国会 地方行政委員会 第14号
昭和四十五年四月十四日(火曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     鈴木  強君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 一郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                安田 隆明君
                山本伊三郎君
                原田  立君
    委 員
                初村瀧一郎君
                船田  譲君
                増田  盛君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                市川 房枝君
   衆議院議員
       地方行政委員長  菅  太郎君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       農林省畜産局長  太田 康二君
       自治政務次官   大石 八治君
       自治省財政局長  長野 士郎君
       自治省税務局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       通商産業省重工
       業局車両課長   福田 敏南君
       通商産業省鉱山
       石炭局石油計画
       課長       栗原 昭平君
       自治大臣官房参
       事官      佐々木喜久治君
       自治省税務局府
       県税課長     近藤 隆之君
       自治省税務局市
       町村税課長    高橋 睦男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○過疎地域対策緊急措置法案(衆議院提出)
○地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 過疎地域対策緊急措置法案を議題といたします。
 提案理由の説明を聴取いたします。菅衆議院地方行政委員長。
#3
○衆議院議員(菅太郎君) ただいま議題となりました過疎地域対策緊急措置法案の提案理由並びにその内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、この法律案を立案した理由を述べますと、この法律案は、最近における人口の急激な減少により、地域社会の基盤が変動し、生活水準及び生産機能の維持が困難となっている過疎地域において、人口の過度の減少を防止するとともに、地域社会の基盤を強化し、住民福祉の向上と地域格差の是正に寄与するため、緊急に、生活環境、産業基盤等の整備に関する総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講じようとするものであります。
 あらためて申し上げるまでもなく、最近におけるわが国の経済社会の急速な発展は、人口、産業の急激な大都市集中をもたらし、地域社会の基盤を大幅に変動させつつあります。この結果、大都市及びその周辺におきましては、いわゆる過密現象が発生し、一方、農山漁村におきましては、いわゆる過疎現象が生まれております。
 しかも、この過疎現象は、若年労働力の流出等としてあらわれるため、農林漁業等産業の発展を妨げ、さらに市町村の行財政力の低下傾向を伴って、環境施設の整備をおくらせ、一そう人口の流出に拍車をかけるという悪循環の可能性すら包蔵しているのであります。
 したがって、過疎現象をこのままに放置することは、国土及び資源の合理的な利用の上からも、社会資本の効率化の面からも、はたまた健全な市町村自治を育成する立場からも、もはや許されない段階に立ち至っているのであります。
 しかしながら、御承知のように、現在そのための総合的な立法はなく、また過疎地域にある地方公共団体は、おおむね行財政的に貧弱でありますので、この際、過疎地域の生活環境、産業基盤等の整備に関する総合的かつ計画的な対策を緊急に実施するための必要な行財政上の特別措置を講じ、人口の過度の減少を防止するとともに、地域社会の基盤を強化し、住民福祉の向上と地域格差の是正に寄与せしめようとするものであります。
 次に、本案の内容について御説明申し上げます。
 第一は、過疎地域の範囲でありまして、この法律案では、人口の減少率と財政力指数をとることとし、国勢調査による昭和三十五年から昭和四十年の人口減少率が一〇%以上、昭和四十一年度から昭和四十三年度の財政力指数の平均が四〇%未満の市町村としております。
 なお、今後、昭和四十五年国勢調査及び昭和五十年国勢調査の結果が判明いたしました場合には、直近三カ年度の財政力指数を勘案しつつ、過疎地域となる市町村をそれぞれ追加することとしております。
 第二は、過疎地域振興計画の策定でありまして、都道府県知事は過疎地域の振興のため、あらかじめ自治大臣と協議して過疎地域振興方針を定めることとし、自治大臣は関係行政機関の長と協議することにしております。
 過疎地域の市町村は、この過疎地域振興方針に基づき、都道府県知事と協議の上、当該市町村議会の議決を経て、市町村過疎地域振興計画を定め、また、都道府県知事は過疎地域の市町村に協力して講ずる措置の計画を定め、それぞれ自治大臣に提出することとしております。自治大臣は、その計画の内容を関係行政機関の長に通知し、その意見を聞き、所要の協力を得て合理的な計画となるよう指導することにしております。
 第三は、財政上の特別措置であります。
 まず、過疎地域の市町村が市町村計画に基づいて行なう事業のうち、小・中学校統合のための校舎、屋内運動場、教職員住宅、保育所及び消防施設に要する経費につきまして、国の負担割合の特例を設けることとしております。
 次に、市町村計画に基づいて行なう事業のうち、集落を結ぶ道路その他過疎地域振興のための施設の整備に要する経費につきましては、新たに地方債をもってその財源とすることができることとし、その元利償還に要する経費については、五七%を地方交付税の基準財政需要額に算入することにしております。
 第四は、その他の特別措置であります。
 過疎地域における市町村の基幹道路の新設及び改築につきましては、都道府県知事もこれを行なうことができることとし、この場合には、都道府県営事業等にかかる後進地域の国の負担割合の特例の適用を受けることとするとともに、過疎地域における医療の確保についても、無医地区の解消を市町村とあわせて都道府県知事の責務とし、その経費の二分の一は国が補助することとしております。
 その他、特別措置として、過疎地域における集落整備のための住宅金融公庫の融資の特例等を定めております。また、税制の面におきましては、過疎地域における各種事業の振興に資するため、租税特別措置法の定める事業用資産の買いかえの特例、減価償却の特例及び地方税の課税免除または不均一課税に伴う措置をとることにしております。
 なお、この法律案は、公布の日から施行し、法律案の期限を昭和五十五年三月末までとしております。
 以上がこの法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。
 なお、本法律案の立案に当たり、衆議院地方行政委員会におきましては、本法の施行に関し、「過疎対策に関する件」につきまして決議をいたしておりますことを申し添えます。
 この法律案は、衆議院におきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の各党の合意のもとに成案を得まして、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出にかかる法律案として提案し、全会一致をもって衆議院を通過いたしたものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(山内一郎君) 本案に対する質疑は後日行ないます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山内一郎君) 地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
#6
○国務大臣(秋田大助君) ただいま議題となりました地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案について、その提案理由と内容の要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、競馬、競輪、小型自動車競走、モーターボート競走などのいわゆる公営競技につきましては、近年その収益が年ごとに相当程度の増加を示してまいりましたので、一部の地方公共団体にその偏在を一そう増す結果となっております。このような事情から、これを是正して公営競技収益の均てん化をはかるべきであるとする要請もまた近年強くなってまいっているのであります。
 このような状況にかんがみまして、政府としては種々検討を続けてまいりました結果、この際、公営競技を施行する地方公共団体から、その収益の一部を公営企業金融公庫に納付させ、その納付金を同公庫の地方公共団体に対する貸し付け金の金利引き下げに活用することによって収益均てん化の実をあげることといたしたのであります。
 すなわち、上、下水道、工業用水道、一般交通、地下鉄などの公営企業は、昭和四十三年度でおよそ六千二百事業に及び、経営規模も一兆六千億円に達しておりますが、国民生活の向上、国土全般を通ずる都市化傾向の進展に伴いまして、事業数、経営規模等もますます増加し、住民の日常生活において果たす役割を高めてまいっております。
 しかし、一方その経営は、主として企業債の利子負担の増大に伴い多額の累積赤字をかかえるに至り、まことに苦しい現状にあるのであります。
 したがいまして、公営競技を施行する地方公共団体の納付金を活用して公営企業が新たに起こす公庫資金による企業債の利子負担を軽減して、公営企業の経営の改善をはかり、ひいては住民サービスの向上に資することは、多年の懸案とされてきた公営競技収益の均てん化の要請にこたえるものと存ずるのであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、地方財政法の一部改正についてであります。
 地方公共団体は、法律の定めるところにより公営競技を行なうときは、公営企業にかかる地方債の利子の軽減に資するための資金として、毎年度、政令で定めるところにより、公営競技の収益のうちから、その売り上げ金の額の百分の一以内で政令で定める割合に相当する金額を公営企業金融公庫に納付するものとしております。なお、この納付金は、昭和四十五年度から五十四年度までの十年間に行なわれる公営競技について納付するものといたしております。
 第二は、公営企業金融公庫法の一部を改正についてであります。
 公営企業金融公庫に、地方債の利子の軽減に資するため公営企業健全化基金を置くものとし、公庫は、地方財政法の規定による納付金の納付を受けたときは、これを同基金に充てなければならないものといたしております。
 次に、基金にかかる経理については、政令で定めるところにより、一般の経理と区分して整理しなければならないものといたしております。
 次に、基金に属する現金は、地方公共団体に対する資金の貸し付けに充てるものとし、これにより生ずる収益は、政令で定めるところにより、地方債の利子の軽減に要する費用に充てなければならないものとし、その他基金の管理及び基金を廃止する場合の取り扱いについて必要な定めをいたしましたほか、同公庫に関し所要の規定の整備をいたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(山内一郎君) 本案に対する質疑は後刻行ないます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(山内一郎君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないますが、初めに政府委員より資料について説明させます。降矢税務局長。
#9
○政府委員(降矢敬義君) 先般御要求がございました資料、お手元に配布申し上げてありますので、説明させていただきます。
 「コーレス燃料について」、コーレス燃料の使用自動車の見込み台数は約三千台であります。それに伴いまして、その自動車が消費する量を推定しまして税額を計算いたしますと、約二億から二億五千万程度でございます。
 それからなお、トルエン、つまりコーレスの材料、原料でございますが、生産量につきましては、通産省の調べによりまして、四十二年から四十四年まで二十五万トンから五十三万トンに生産が増加されております。なお、トルエンの主たる用途その他につきましては、注の(2)に書いてあるとおりでございます。
#10
○委員長(山内一郎君) 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#11
○竹田四郎君 まだよくわからない点があるんですが、このいわゆるコーレス燃料というものは、何か毒性があるんではないかと一部にいわれておりますけれども、具体的に何か毒性があるのかないのか。九州大学で何か調べた点によりますと、「本剤の人体に対する有害性について考察すれば、成分であるトルエンは印刷用インキや家庭用塗料の希釈剤としても広く使用されているとおり、多量かつ長時間吸引しない限り、危険性はない。」、こういう分析試験書というものが九州大学から出ているわけなんですけれども、この間からのやりとりの中で、どうもこのコーレス燃料というのは、燃料としてのそのものとしてはあまり毒性の強いものではないようであります。これを使用することによって何か特に毒性あるいは害、こういうようなものがあるのかないのか、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
#12
○説明員(近藤隆之君) ただいまコーレスに毒性があるのかどうかという御質問でございますけれども、コーレスそのものは、先日来御説明いたしておりまするように、内容はトリオール、トルエンそのものでございます。いわゆるシンナーでございます。しかし、これをマフラーなどをつけて燃料に用いました場合、それに毒性があるかどうかということは、現在のところわれわれのほうとしてはつかんでおりません。
#13
○竹田四郎君 この間の山本委員からのお話で、これを課税した場合に、ゼロである、予算額においてゼロである。で、ここにもし課税した場合に、それに見合う軽油引取税は二億円から二億五千万円だ。この金額はかなり大きい金額であります。見積った予算はゼロだ――この関係は一体とうしてそういうゼロになるのか。普通にやれば二億から二億五千万取れるのに、一体どうしてゼロになるのか。その辺の関係が明らかでないわけでありますが、一体どうしてゼロになるのか。
#14
○政府委員(降矢敬義君) これは先般御説明申し上げましたが、いわゆる安全燃料というものについて使われますマフラー・アダプターという同じものを使ってコーレスを燃料として使えるわけでございますが、安全燃料につきましてつまり税をかけるという状況になりまして、昨年の十一月からかけるという事態になりましたときに、それを廃止をいたしまして、生産を中止いたしまして、これにかわったという経過がございまして、御案内のとおりと思いますが、これを商品として販売する場合に、やはり税の問題が一つのポイントになっておるわけでございまして、したがって今回新たに課税をするという事態になりましたときに、またまた安全燃料と同じような状態に相なりはせぬかという私たちには危惧があったわけでございまして、そういう意味において、一応数字の上で収入に見積もることに懸念を感じました結果、数字の上には計上しない、こういうことにしたわけであります。
#15
○竹田四郎君 私が伺ったところでは、この燃料を使うということは、排出するガスにおけるところの一酸化炭素の量がかなり少なくなる。その点はLPG等に比べますと何かたいへん少なくなるようでありますが、具体的にこれを使った場合に、COはLPガスに比べてどのくらい少なくなるのですか。
#16
○説明員(近藤隆之君) いま手元にそのこまかい分析資料を持って参りませんでしたので、数字的にはちょっと後ほど御説明いたしたいと思いますけれども、名前がコーレスといっておりますように、一酸化炭素ガスの量は非常に少なくなっておりますことが実験上は出ております。
#17
○竹田四郎君 前回も申し上げたと記憶しておりますが、いま自動車の排気ガスによるところの公害というものが都市における新しい大きな公害として、その除去が非常に強く叫ばれているわけであります。そういう意味では、いま都市におけるそうしたものをいかにして除去するか、そのための新しい車の調整なり、あるいは新しい燃料の開発というものが非常に急がれていくと思いますし、私どももそうした形で都市における空気汚染というものをなくしていく努力をしなければならないと思いますが、いまお伺いして、はっきりした資料はお示しいただけなかったわけでありますけれども、COによる空気汚染という面ではかなり少ないというお話がありまして、そうした意味では、この燃料の将来性というようなものもわれわれとしてどう考えていくか。ある意味ではそうした新しい技術の発展というものを尊重していかなければ、都市における公害というものは、これからのますます多くなるモータリゼーションの中で避けられないというふうに考えられるわけであります。にもかかわらず、今度のこの新しい燃料については、いまお話があったように、課税をすれば実際それが燃料として市場から消えていってしまう、こういうようなことがありましたし、前の安全燃料についても市場から消えていってしまったという過去の実例があるわけでありますが、一体なぜそれならば、そうした燃料が市場から税をかけると消えてしまっていくのか。おそらく何か税をかけると採算が合わないという、そういう問題があるのではないかと思いますが、その辺の費用の分析ですね、それは一体どうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
#18
○政府委員(降矢敬義君) この商品はいろいろなメリットをあげて販売されているわけでございますが、たとえばガソリンに比較して、一リットル十二キロ、あるいは、税がないからガソリンに比べて一リットル二十八円というような、あるいは一酸化炭素がないというふうないろいろなメリットで販売されているわけでございます。したがって、この税の面を除きますと、それが事実であるとすれば、ガソリンに比べても一リットル当たりの走行距離も長うございますし、あるいは一酸化炭素もないということでありますから、当然伸びてしかるべきものだろうと思います。ただ、つまり燃料として一体将来どういうふうになるのかということにつきましての判断がなかなかつきかねる、こういうところに問題があろうかと思います。で、いま業者のほうの販売のPR文書を見ますと、一リットル二十八円というふうなことでPRされておりますが、かりに税を、軽油引取税を上のせいたしましてもそれは四十三円、こういうことでありまして、小売り価格に対する割合は三四・九%、ガソリンのほうは四十六円五十銭、小売り価格で税の割合は六一・七ということでありますので、いわゆる走行距離とか、あるいはその税、小売り価格というようなものを比べましても、おそらく燃料として将来性があるならば、それ自体として当然伸びる要素を私は持っておると思っております。ただ、そこがなかなか暗く、明確でないということから、安全燃料の点についても、別なコーレスというものにかわったものだろう、こういうふうに考えております。
#19
○竹田四郎君 それでは、タクシー会社等が大量にガソリンを買う場合には、大体その取引価格というものは一体どのくらいの単価で取引されているのか。それからこのコーレスは、いまおっしゃられたように引取税をかけて四十三円程度というのですが、これはいまの車に何らの装置もしないでそのまま使えるのか。そのまま使えるとすれば、これはガソリンとコーレスとほぼ引き合いまして、いま局長がおっしゃるように、走行キロのほうはガソリンのほうが少ないから、むしろ有効ではないのか、こういうことになるわけでありますが、一体そのままガソリン車に使えるのかどうなのか。もし使えないとしたならば、それを使うための費用というのは一体どのくらいかかるのか、ガソリンの単価あるいはLPGを大量に仕入れる場合の単価、それも含めてひとつお答えをいただきたいと思います。
#20
○説明員(近藤隆之君) 現在ガソリン揮発油の単価は、一リットル当たり四十六円五十銭――税金額二十八円七十銭を含めて大体この程度――もちろんところにより若干の異同はございますけれども、この程度であろうと思います。一方これに対しましてコーレスの場合には、一リットル当たり二十八円でございます。若干これより安いところもありますが、大体この程度であろうと思います。したがいまして、これに十五円の軽油引き取り税をかけましても四十三円となりまして、ガソリンよりも価格的には安いということでございます。そしてガソリン車にコーレスを用いようという場合には、特殊な装置をつける、その装置が約五万円程度であったと聞いております。
#21
○竹田四郎君 そうすると、先ほどの局長のお話ですとガソリンの価格より低いのだから、これは当然ガソリンと同様に大きく普及をすべきだ、こういうお話でありますが、その五万円くらいするところの器具ですか、これは大体どのくらい使えるものですか。その償却をお考えになっているのかいないのか。ガソリン車の場合よりそれだけ余分なものをつけなければならないということになりますと、大体その償却の価格というものも考えないと、局長のおっしゃるように、安いからどんどん普及をするはずだというわけにはまいらぬと思います。その償却費を見て、先ほど安いからとおっしゃるのか、その償却費というものを見ないでおっしゃっているのか、私はその辺に一つの意見の違う問題点があるんだと、こういうふうに思うわけであります。まあいろいろきのうおそくまで、御案内のように、業者の方も来て私に一生懸命説明をしましたけれども、大体その付属品といいますか、少なくとも償却費は三年は見ているんだということになりますと、その償却費というものを考えてみますと、どうも私はもう少し高くなると思う。そうすると、税金をかけることによってこうしたものが市場から消えていってしまう。これが明らかに悪いものである、明らかに有害なものである、こういう場合には、私はむしろこういう燃料は禁止すべきだと思っておりますけれども、公害に悩む立場からものを考えてみますと、なるべくいい燃料、なるべく都会の住民に対して公害を発生しないような燃料、こうしたものを私は政策的にも開発していくというのが国の義務でもあると、こういうふうに思っているわけでありまして、そうした面で、一体そうしたところまで計算をして考えているのかどうか、その点もあわせてひとつお答えをいただきたい。
#22
○政府委員(降矢敬義君) この燃料の将来性につきましては、確たるものは一つも出ていないわけでございまして、御指摘のとおりであります。したがって、私が申し上げましたのは、非常にいい燃料であるとすればこれ自体伸びる要素を持っているんじゃないかと、こういうことを申し上げたわけでございます。
 それから、いろんな償却の問題も御指摘がありましたが、これはおそらく、まあいまの御指摘だと三年ということでありますが、まあ自動車の部品として一部使われるわけでございますから、自動車として償却されるんじゃなかろうかと、こういう気持ちを私は持っております。また反面、先ほども商品の性能の書いてある文書を見ますと、ガソリンに比較して約五千キロ以上キロリットル当たり走行キロが長うございます。その辺も、これも実際考えますと、それが正しいものであるとすれば、この償却あるいはキロリットル当たりの走行距離の長さというものも当然バランスの中に考えられて、そしてこれ自体いいものであるならば、これ自体として伸びる要素を持っているんじゃないか、こういうふうな考え方を持っております。
#23
○竹田四郎君 償却についてのお話はあまり具体的にありませんでしたけれども、まあおそらくタクシー等に使われる場合には、ほとんど一年程度ぐらいしかたっておりません。そうなってくると、やはりその償却費用というものも全体として考えなければならないと思うし、それから、いまのお話で私はどうもわけがわからない点は、どうしてもう少しこの面を事前に政府機関の中で研究してその良否というものを結論を出さないのかということが、私はふしぎに考えられてならないわけであります。これは税金そのものの考え方とは一応別にいたしまして、そうしたいいものがあるというならば、それがほんとうにいいのかどうか、こうした問題についても結論が出ないというのは一体どういうわけなのか。かなり前からこの系統の燃料というのはいろいろ研究もされ、この燃料についての定義とか、あるいはその試験結果というものは、業者のほうはかなり早くから政府の各機関と折衝をされているわけであります。そういうものが、この単一体は新しいものでありましょうけれども、それ以前のものからいろいろ折衝はされているのですが、そういうものが、かなり長い間たっているにもかかわらず、それに対するいい悪いという結果が出てこないというのは一体どういうことなのか、この辺が私どうもふに落ちない一番大きな点なんです。そういう点では、早くいい悪いという結論というものが出されてしかるべきだ。しかもこの燃料は、先ほど言われたように、ガソリンやLPGに比較をいたしまして、その毒性というようなものが低いと、こういうふうにいわれている。そういうものがどうしてもっとすんなりと政府の間でいい悪い、こうした結論が出せなかったのか、この間の経緯がもしおわかりでしたら、お示しをいただきたい。
#24
○説明員(近藤隆之君) このコーレスにつきまして、一酸化炭素を出すのは少ないと、その点だけはお説のとおりでございますけれども、燃料というのは一酸化炭素を出さなければいいという性質のものでもないので、そのほかにいろいろの燃料としての適性があるようでございます。そういったものを総合して考えますと、この燃料がほかのものに比べて特にいいかどうか。いろいろこういうような自動車の内燃機関に利用する燃料は出回っておるわけでございます。そういった各種の燃料のうちの新製品の一つであるということでございまして、政府のほうといたしましては、こういった個々の商品につきまして、それがいい、それは悪い――身体に害があるというものでありましたならばもちろん悪いわけでありますが、その場合に、そのもの自体では取り扱いがむずかしい点もございますけれども、マフラーをつけますれば身体には害がないという結果になっているわけでありまして、したがって悪いときめつけるというわけにもいかないというのが現状であろうと思います。
#25
○竹田四郎君 どうもその辺が、マフラーをつければとおっしゃるわけですが、マフラーをつけて使わなければ使えないわけですね。またエンジンの調整なども非常にむずかしいということでありまして、どうもいまのお話では、そういう結論の出し方というものは長い間かかっても出せない、いまのお話も非常に悪いとはいえない、こういうお話であります。燃料の性質上、確かにおっしゃるようにその特性から、COを出さなければいいと、私はそれだけを言っているわけではない。ですから先ほどもCO以外の問題で――COが少ないということは私も知っております。そのほかにも一体どのような被害がある、どのような毒性があるのか、こういうことを私がお尋ねしても、それについては何ら話がないわけです。そういう点でどうもその辺は、私は感じといたしましては、何か自治省とこれを開発した人との感情的なもつれ、こうしたものが感じられてならないわけです。そうした点で、これはおそらくここでも、そういう、「あいつがにくいからとめてやるのだ」という御答弁はいただけないと思いますけれども、何かそういうふうに、この前安全燃料を開発した、これは税金かけるぞといったら一滴も出なくなった。今度も同じようなことをやるのじゃないだろうかというようなことで考えて、税金を新しくかけるのではないだろうかと私は推測いたします。そういう点では、私はもっとモータリゼーションの今日において、いい燃料というようなものは、もっと開発するための努力を政府自体としてやるべきではないか。それをただ単なる税法上という、道路を走るからかけるのだという形だけでこうした問題を進められていくということになりますと、この間も政府に対して勧告が出ましたけれども、物価安定政策会議等の提言というものから考えてみましても、何か一つの問題だけにこだわり過ぎている、こういうような気がいたすわけであります。いま緊急な公害対策問題という立場で考えれば、税金問題だけではなしに、全体として何らかの形で新しい燃料というものが開発されて、しかるべきだ、そうしてモータリゼーションの今日の時代的な要請というものにこたえていくべきである、こういうふうに私は思うわけでありますが、そうした点で、こうした燃料が、税金をかけるということただそれだけによって姿を消してしまうというようなことは、私は残念でなりません。少なくとももう少しその成り行きというものをある程度見守った上でものを考えても決して間違っているとは私は思わないわけであります。確かに税金なしで、道路財源である燃料への課税を受けることなしに道路を使うということは、道路財源そのものから考えてみますると、これは確かに若干税金の不均衡という面はあるわけでありますけれども、料金の不均衡という形をとれば、必ずしもこれだけが不均衡であとはすべて均衡に税金がかけられているというわけのものではなかろうと思います。新しい発展のためには、私は若干の犠牲もこれはやむを得ない問題ではなかろうかと思いますが、これ以上私質問してもどうも新しいお答えは出そうもありませんので、この辺で質問は打ち切りたいと思いますが、そうした点では、ひとつさらに私は検討を重ねてみていただくだけの態度を示していただければ非常に幸いだと思いますけれども、もしそういうことが御答弁ないということであれば、私はここで質問を打ち切らしていただきます。
#26
○政府委員(降矢敬義君) ただいまの御質問の中で、多少感情問題がありやせぬかというお話がございましたが、その点につきましては、私たちはそんな気持は全然ございません。
 また、公害対策の問題につきましては、先ほど先般来お答え申し上げているとおり、それがそういうものとしてりっぱなものであるならば、これは当然われわれとしても石油の脱硫装置について考えているごとく、当然措置を考えているということも申し上げたところでございます。これは要するに商品として、自動車の内燃機関の燃料ということで販売されているものでありますので、その点について税を課するということでありまして、公害対策上そういうものがかりに認められるとすれば、別途われわれの手元でできるものは、われわれの手元であるいはそれに助成が必要なら助成ということで当然考えるべきものであるということは、先般来申し上げているところでございます。
#27
○竹田四郎君 通産省の方がお見えいただいたそうですから、若干お伺いしたいと思いますが、トルエンを燃料とするところの単一体の炭化水素化合物が何台かの車の燃料としていま使われているということでありますが、一体この単一体の炭化水素化合物というのは、自動車の燃料として、何かマフラーとかいろいろ話がありますが、どういう機械をつけるのか私よくわかりませんが、ある部品をつけることによって燃料として使用するということになると、一体燃料としての効率、あるいは排出ガスというのはどういうような形に変わってきて、いま問題になっておるところの公害、たとえばこれはCOのガスが非常にガソリンやあるいはLPGに比べて少ないと、こういわれておりますけれども、その点は私どももある程度あちらこちらの研究機関の試験成績というものを聞いております。そのほかに人体に有害な排出ガスが一体出るものなのかどうなのか、その辺をひとつお聞きしたいわけです。
#28
○説明員(栗原昭平君) ただいま御指摘のありました効率関係、排気ガスの関係はおっしゃったとおりだと思いますが、そのほかに何か特段に有害なものが出るかどうかというお尋ねでございますが、私は特段そういうものが出るとは承知しておりません。
#29
○竹田四郎君 効率関係のところでちょっと私のほうが詳しく内容を示さないものでお聞きしたのですが、一リッター当たり、ガソリンとかLPGに比べまして、走行キロというのはどのくらい延びているのですか。もしおわかりであったらひとつお聞かせいただきたいと思う。先ほどのお話ですと、大体たいへんこれはリッター当たりの走行効率といいますか、そういうものがかなり高い。こういうお話を自治省側からお伺いしたわけですが、そういう試験結果がもしおありになりましたら、どのくらいそういう意味では効率が高いのか、具体的なキロ数ということでおわかりになったら話していただきたいと思います。もし具体的な数字でないならば、大体何割ぐらいとか、あるいは多いとか少ないとか、その辺をあわせてお伺いしたい。
#30
○説明員(栗原昭平君) たいへん恐縮でございますが、ただいまこの点の知識を持ち合わしておりませんので、後刻調べさしていただきたいと思います。
#31
○竹田四郎君 通産省にも、この単一体の炭化水素化合物については、いろいろ開発した業者とのお話があったろうと思います。通産省ではこれについて何か独自の立場で試験をおやりになったのかどうか、もしおありになったらその結果をお聞かせいただきたい。もしやらないというならば、どうしてそれはやらなかったのか、その点をひとつ御説明いただきたいと思います。
#32
○説明員(栗原昭平君) 分析をさしていただいております。分析の結果は九九%以上トルエンというような数字が出ているというふうに承知しております。
#33
○竹田四郎君 燃料として一体有効――効率的にいいのか、あるいは燃料としてあまり好ましくない、こういうような何か結果は出ておりませんか。
#34
○説明員(栗原昭平君) 今回、特段そのための試験、分析というようなことをやっているわけではございませんけれども、私ども承知している範囲内では、通常の燃料とほぼ同等であるということで、特段にいい悪いということではないという程度のことに承知しております。
#35
○山本伊三郎君 通産省にお尋ねしますが、これは燃料を使用する場合には認可、許可、そういうものをやるのですか、試験の結果。自由販売ですか。
#36
○説明員(栗原昭平君) 特段に認可、許可という形のものはございません。しいて申し上げればJISというものはございますけれども、制度的に許認可といったものはございません。
#37
○山本伊三郎君 そうすると、排気ガスなんかの公害が問題になっているときに、通産省がやらなければ厚生省とか、そういう方法で何とかそういうものをやる措置というものはとれないものですか。かってに、燃料は採算がとれたら何を使ってもいいということですか。
#38
○説明員(栗原昭平君) 御指摘の点、最近特に問題になっている点だと思いますけれども、通産省の中では産業構造審議会の中に自動車公害の小委員会を設けまして、この点どのように問題を解決していくのか、その辺についての検討を至急行なっていくという体制でございます。
#39
○山本伊三郎君 どうもぼくは専門家でないのですが、非常に排気ガスの問題が公害問題になっているときに、燃料が全部放置したままでやっておるというのは、ぼくもちょっと意外に思うのですが、何らの基準なくして――これならば自動車の燃料に使ってもいいのだという一つの基準を持って、認可するか許可するかは別として、そういう指導があってしかるべきだが、何もないんだと、ただ使っておるんだと、それが相当多く使うようになったから税金かけるんだ、こういう制度のやり方についてはどうも納得できないですね。どんなやつを使っても、それがかりに大きい害毒を残すような燃料であっても、これは防ぎようがないのですか。
#40
○説明員(栗原昭平君) 燃料問題につきまして、特に最近一酸化炭素の問題等が出ておりますが、この問題につきまして、自動車のエンジン関係の問題、自動車の装置関係の問題、この問題からある程度解決していく方法と、それから燃料のほうから解決していく方法、両方あろうと思うのですけれども、その辺、要求される水準、あるいは現在の技術というものでどのくらいそれに対応できるものかというあたりについての検討というものが必ずしも十分行なわれていなかったという点は、御指摘の点もあろうかと思いますけれども、現在その点につきましても、先ほど申し上げました委員会を設けまして早急に検討を進めていくという体制でございます。
#41
○山本伊三郎君 ぼくらも意外に思っているんです。これは地方税の質問から派生した問題で、えらい、何といいますか、横道にそれておるようですけれども、どうも通産省の態度というものが実は納得できないのです。言いかえれば、そういう業者の立場だけを考えて、一般公害、国民大衆の公害に対して何ら考えておらないというような印象を受けるのです。委員会をつくってこれからやるといったって、すでに走っているんですから。おそらく害がないと言われるけれども、工研で調べておったんじゃないですか、工業研究所で、分析して。
#42
○説明員(栗原昭平君) 通産省の中にございます機械試験所でございますが、その中で装置関係、それから燃料も含めまして研究はいたしております。
#43
○山本伊三郎君 結果はどうですか。
#44
○説明員(栗原昭平君) まだ現在最終的な結論まで至っておらないということでございますが、二、三ヵ月中には最終的な結論に到達できるであろう、かように承知しております。
#45
○千葉千代世君 これは厚生省と通産省と公害問題で話し合って、自動車の排気ガスの量について調査をして、そして年次計画でその排出量について規制するための機械ですか、装置をするということになっているのですね。それは新しいのと取りかえるについてはどのくらいの日数がかかるとか、費用がかかるとか、こういうことが話し合わされているわけでしょう。そうすると、基準も何もないはずはないわけですね。一般の公害については、これは自動車がたくさん集まって排気ガスが多いから〇・五PPMとかいうような基準があるわけですが、一台の自動車の排出量についてあるはずなんですよ。いま試験の段階ではなくて、現に走っていて、規制措置が考えられて年次計画が発表されているわけでしょう。それなのに、いま聞いているような、さっきの特殊燃料ですけれども、走行キロ数についても比較した材料がないとか、許容認可基準についてもただ野放しだということになっているのですが、これはたいへんな問題ではないでしょうか。あなたはこの石油計画課長にいつおなりになったのですか。失礼ですが、私しろうとですから心配になって聞いたんです。
#46
○説明員(栗原昭平君) 先ほどの御質問で、特に燃料についての規制がないかという意味でまず申し上げまして、許認可といった形も現在制度としてはございませんということを申し上げたわけでございますが、いまお話しの排気ガスの関係でございますけれども、なかなかむずかしい問題だというふうに聞いておりますが、実はことしの二月でございましたか、一酸化炭素の環境基準というものを閣議決定をいたして、つい最近でございますが、それではどうやって達成していくかという達成の方途について、これを、たとえば排出基準については運輸省の指導という形で、それぞれ、たとえば燃料その他については、装置関係についても通産省で研究していくという形で、どうやったら環境基準を達成していけるかという具体的な方途なり基準なりというものをこれから早急に詰めていくというのが実は現状の段階でございます。その具体的な方途はこれから早急に立てていくというのが現時点の状況でございます。
#47
○千葉千代世君 関連ですから長いこと申しませんが、というのは、これから新しい自動車をつくっていく場合に、そういう装置をしなければいけないと、こういうことが原則になっているわけですね。ところが、しかし早急にはそれができない。それではいまあるのを取りつけるのはどうするか、新しいものをつくっていく場合にはどうするかと、こういうふうな話し合いもなされたということを私聞いたんですけれども、それは全然ないのですか。厚生省うそ言っているのかしら、公害対策について。通産省とばらばらじゃないですか。公審対策の行政が全部ばらばらじゃないですか。
#48
○説明員(栗原昭平君) 私も自動車の排出基準関係十分承知しておりませんので、正確なお答えでなかったかもしれませんが、いずれにしましても、排出基準がきまれば、そして基準がきまれば、それに見合った形でなければ認められないというかっこうになるわけでございまして、その基準を達成するために、自動車としてはどういう装置をつけるのか、あるいは燃料の関係ではどういう形で燃料を使っていくのか、その基準を達成できるような形でなければ、これはもう自動車も動かせないという形になることは御指摘のとおりだと思いますが、まだ具体的にその数値その他につきまして現在私十分承知しておりませんので、申し上げられません。
#49
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#50
○委員長(山内一郎君) 速記をつけてください。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十四分開会
#51
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#52
○阿部憲一君 きょうの日経によりますと、こういうことが書いてあるんです。「課税最低限一本化」という大きな見出しで、「大蔵省は四十六年度以降の長期税制改正の一環として所得税(国税)と住民税(地方税)の課税最低限を一本化し住民税を減税する意向を固め検討に着手した。」、こうずっと書いてありますけれども、これについて自治省のお考えを承りたいと思います。
#53
○政府委員(降矢敬義君) その新聞記事の真偽のほどは承知しておりませんが、課税最低限につきましては、前にもお答え申し上げましたような考え方で、その引き上げには努力してまいるということでございますけれども、必ずしもこれを完全に合わせるという考え方は持っておりません。
#54
○阿部憲一君 これは新聞記事で、あまり御関係ないような口ぶりでしたけれども、ただ、内容として、課税最低限を一本化するという考え方は、私らもかねて主張している考え方と合致すると思いますので、むしろこのような新聞記事にあるような考え方を早く推進されたほうがいい、こういうふうに私は思います。
 もう一つは、やはり同じ記事の中ですけれども、両税の課税年次を統一する――これにつきましても、先般の委員会で私そのことについてお尋ねをいたしましたが、いろいろの事情、納税事務等々の事情でもって、実現をしたいと思うけれどもなかなかいかない、こういう御答弁でございました。この考え方自体は一歩前進した考え方だというふうに思いますけれども、この辺について、どういうふうに大臣お考えですか。
#55
○国務大臣(秋田大助君) 前の御質問のほうでございますが、所得税と住民税は、税の性格上から申しまして、その課税最低限を一致させねばならないということは必ずしも理論上はあり得ないと思いますけれども、しかし、その課税最低限を考える場合に、最低の生活費というものを十分考慮しなければなりませんし、また考慮しておると思います。しこうして、低額所得者の負担軽減ということを考えてまいります場合に、なるべく所得税の課税最低限と住民税の課税最低限の乖離がないことが望ましいことは言うまでもございません。しかし、いま直ちにこれを一致させ得るかと申しますと、この点につきましては、いろいろ地方財政上税収入の問題がございますし、いろいろ税軽減の御要求もございます。いろいろ勘案をいたしまして、できるだけその差を今後縮めてまいりたい、しかもそのスピードを早めて縮めていきたいということは考えておるところでございます。
 それから、両税の課税の年次を合わせる、いわゆる現年課税方式、これも理論上望ましいところでございまして、理屈の上でそうありたいと思いますが、住民税に関しましては、ただいまもお話がありましたとおり、もとの源泉徴収義務者にいろいろ負担を非常に重からしめる要素等もありまして、いま直ちにこの制度に全部引き直す、現年制度で課税するというわけにもまいらぬと思いますが、いろいろ検討をしてまいりたいとは考えております。
#56
○阿部憲一君 次に事業税のことについてお尋ねしたいと思います。
 現在資本金または出資金が一億円以上の製造業にとられている法人の事業税の分割基準を、製造業以外の企業にまで適用するわけですが、この理由はどういうことですか。
#57
○政府委員(降矢敬義君) 事業税は、事業活動に応じて各府県にその所得を帰属させることが一番望ましいわけでございます。御案内のように、最近いわゆる管理中枢機能というものが都市、特に本店、東京、大阪を中心に集中してまいりまして、したがって、その管理部門はいわば会社の頭脳のようなものでありまして、支店本店を含めて全体を管理しているわけでございまして、したがって、それが一県だけにすべて従業者の数として計算されることについては、必ずしも事業活動を適正に反映するものではあるまい、こういう考え方から、従来とられております製造業についての考え方をこれに導入いたしまして、製造業以外のものにつきましても、従業者の数の計算におきまして本社の管理部門を二分の一にするというふうにしたわけでございます。
#58
○阿部憲一君 本社の管理部門ですけれども、二分の一というその基準はどこから出てきたわけですか。
#59
○政府委員(降矢敬義君) 二分の一につきましては、いまの製造業についてとられておることを基本におきまして考えたわけでございますが、分割基準につきましては、一つは、所得の帰属が事業活動に応じてそれぞれの府県に適正にいくということと、もう一つは、納税義務者のほうにおきまして、分割をする場合の数値が簡明であるということの二つの要素がございます。これを勘案いたしまして、製造業についてと同じような考え方でやったわけでございますが、たとえばわれわれいままで多少試算をいたしますと、銀行業におきましても、あるいは建設業等におきましても、支店と本店の部分を見ますと、たとえば銀行業におきましては、三十五年から最近約十年間の間におきまして、本社の従業者と支店の従業者の割合が、本店のほうが約五割ぐらい増加しておる傾向が見られるのでございます。そういうことも勘案いたしまして、製造業と同じような二分の一という基準をとったわけでございます。
#60
○阿部憲一君 減価償却の部分を配分基準の要素に入れたということになっていますけれども、減価償却を大きく見過ぎたことになりませんか。また業種によっては多少差があるとは思いますけれども、この点不均衡にならないかと思いますが、どうですか。
#61
○政府委員(降矢敬義君) 分割基準につきましては、御案内のとおり必ずしも減価償却部分を見ておるというわけではございませんで、従業者数ということを基準にしてこれをとり上げたわけでございます。なお、たとえばいまの御指摘のような点についても試算をいたしたわけでございますが、建設業につきまして若干の点について調べてみますと、かりに減価償却というものが、償却のうち本社の部分というものと、それから本社の従業者との関係をみますと、本社の部分は減価償却五・八、それから従業者数は二六・九、こういうことになっておるわけでございます。これと本店、支店の関係をみますと、ちょうど本店分の従業者数というものが一四・三くらいになりまして、おおむね二六・九の約半分ということで、結果的にはそんな数字もあるのでございますが、考え方といたしましては、先ほど申しましたように、納税義務者のほうの問題、それから各府県における配分の基準の簡明化、こういうことを考えまして、従業者数をもって配分の基準といたしたわけでございます。
#62
○阿部憲一君 大都市の財源を強化充実しなきゃならぬ、これはそういった時期に来ていると思います。その従業員の分け方につきまして、東京都や大阪市などの大都市は逆に減収を生ずることになるわけでございます。東京都は何か四十億ということになっております。これまちょっと予言した結果になりはしないかと思いますが、この辺いかがでしょうか。
#63
○政府委員(降矢敬義君) 分割基準の改正によりまして、東京都はいま四十億というお話がございました。支店もございますので出し入れがありまして、約三十二億――三十一億八千万ということに相なります。大阪府は七億九千万、約八億になるわけでございます。これは先ほどから申し上げましたとおり、税源の帰属、所得の帰属を、事業活動に応ずるようにするほうが事業税の分割として望ましいわけでございますので、そういう観点からこれをやったわけでございます。なお、これはいまお話ありましたが、東京都並びに大阪府について、いま申し上げましたような減が生ずるわけでございまして、他の府県については、その減になった部分が振りかわるというかっこうに相なるわけでございます。それから大都市税源の問題でありますが、これは当委員会においてもしばしば御議論がありましたように、やはり市町村税制、特に都市税制の問題として考えられておるわけでございまして、その点については別途措置しておるところでございます。
#64
○阿部憲一君 いまの話で具体的に東京、大阪とか申し上げたわけですけれども、本社が多く集まっているのは東京、大阪が一番だと思いますけれども、そのほかにも、たとえば名古屋だとか福岡だとかいう市もございます。この減収になるところはほかにはないというお話でございますが、実際にどうなんでしょうか。おもだったところで数字をおっしゃっていただけませんか、ふえるところ減るところ。
#65
○説明員(近藤隆之君) 先ほど局長からお話ございましたように、東京都において四十五年度で三十一億八千万減りまして、大阪では七億九千九百万やはり減ります。それ以外の府県は、この東京、大阪の減った分が回りまして全部ふえまして、たとえば愛知県では一億八千万、神奈川県では一億一千三百万の増、以下それぞれ各県とも若干ずつふえるというような形になっております。
#66
○阿部憲一君 そうすると、東京だけが主眼と申しますか、大阪が若干。そのほかはそれによる影響はむしろプラスの影響があるということですね、わかりました。
 次に、白色申告のことでございますけれども、それはほとんどが零細企業でありまして、専従者控除一人につき十五万円、月額にしますと一万三千円程度の控除になっていますが、これはちょっと低過ぎると思いますし、また今回の改正の事業控除は三十二万円、これは月額に直すと二万七千円になっておりますが、これも非常に低いと思いますけれども、この辺のところを承りたいと思います。
#67
○政府委員(降矢敬義君) 昨年白色専従者控除十一万から十五万に引き上げたわけでございますが、白色の専従者控除につきまして、いま言われたように引き上げるという御意見もございますが、この点につきましては、むしろ事業所得者につきましては、いわゆる青色申告のほうに移行する、記帳の慣行をだんだん確立していくことによって青色申告のほうに移行していく、そうすれば、いわゆる青色事業専従者につきましては、昨年いわゆる完全給与制をとりましたので、考え方としては、やはり記帳の慣行を樹立して、そちらのほうに移っていっていただく。そして完全給与制の適用を受けていただく、こういう方向が望ましいというふうに考えておりまして、昨年引き上げたことでもありますので、そういう考え方とあわせて、今回これを考慮しなかったわけでございます。また、事業主控除の五万円につきましては、いわゆる青色専従者控除の平均的な額、これが二十七万六千円ということになっておりますが、それを基準にいたしまして、いわゆる民間給与の伸び率等を考慮いたしまして、三十二万というふうに五万円ほど引き上げたわけでございます。この点につきましては、いろいろ御意見もありまして、今後とも中小企業者の負担の軽減問題についてはなお努力してまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#68
○阿部憲一君 いまのお話では、青色のほうに移行をさせていく。これは徴税事務から言ってもそのほうが望ましいことだと思いますけれども、しかし、現実にいまの時点で白色申告をしている企業というのはまことに文字どおり零細企業だと思いますけれども、それがすぐいまおっしゃったように青色に移行させるのだとおっしゃっても、やはり企業規模その他内容から申しましてむずかしいのじゃないか、こう思うわけです。ですから、もっと端的に言うならば、このような零細企業はつぶれてもいいのだというふうな考え方にも通じますし、また何ですか、こまか過ぎて存続させる意義が少ないから、税金の点についてもそれほど恩典を与えなくてもいいのじゃないかという考え方に通ずるような気がしますが、この辺いかがでしょうか。
#69
○政府委員(降矢敬義君) いま言われたような考え方はもとより持っておらないわけでございまして、この点につきましては、昨年の所得税の白色専従者の十五万円ということにあわせましてこれを考えたわけでございます。したがいまして、今後の他の諸控除との関連もありますから、問題としては、当然、中小事業者の負担の軽減の一環として、検討してまいる事項だとは思っております。
#70
○阿部憲一君 この白色申告者について、青色申告のほうに移行させるというお考えですけれども、この白色申告そのものについて、近い将来、たとえば来年度においてさらに控除をふやすというようなことについては、お考えになっておられましょうか。
#71
○政府委員(降矢敬義君) この点につきましては、要するに中小事業者の負担の軽減をどういうふうに考えるかということになるわけでございまして、この点につきましては、さらに税制調査会等の御意見等も聞きまして対処してまいりたい、こう思っております。
#72
○阿部憲一君 次に、それでは不動産取得税についてお尋ねしますけれども、今回の非課税または課税標準の特例で減収額は概算で、どのくらいになっていますか。
#73
○政府委員(降矢敬義君) 今回の不動産取得税の改正による減収でありますが、非課税範囲の拡大といたしまして、看護婦養成施設及び八郎潟新農村建設事業団の土地の取得ということに関するものが九百万円であります。
 それから、課税標準の特例として設けました流通団地の施設、都市再開発事業のいわゆる過小床不交付に伴う補償金による土地の取得にかかるもの。これが一億七千五百万円。それからもう一つは、いわゆる農業振興地域内の農地の取得にかかるものが二千四百万円。課税標準の特例としては二億二千百万円という見込みでございます。
#74
○阿部憲一君 市町村財源の充実のために、固定資産税と同じく市町村にこの税源を移譲するお考えはありませんか。
#75
○政府委員(降矢敬義君) ただいまの御意見はいわゆる市町村税源、特に都市税源の充実という問題に関連しましての御意見だろうと存じますが、この点につきましては、要するにいまの都市制度、あるいはそれを前提とした事務の配分、こういうものと関連いたしまして、これだけの税制でなしに、他の税目との関連、あるいは先般政務次官からお答えがありましたような国と地方――府県、市町村の間の税源配分という問題としてこれを考えなきゃならない、こういうふうに考えておるわけでございます。したがって、そういうものの一環としてこういう税目につきましても考慮の対象にすべきものと、しかしながら、そういう意味におきまして直ちにこれだけをすぐ移譲するということは、もう少し検討を要する問題と、こういうふうに考えております。
#76
○阿部憲一君 次に、今度は固定資産税につきましても一、二ちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、固定資産税については、評価がえに伴う税負担の激変を緩和し、またその均衡化をはかるために、土地の上昇率に対して負担調整率を四段階に分けて算定しておられますけれども、四段階に分けられた何か根拠ございますか。
#77
○政府委員(降矢敬義君) 今回の土地の評価がえに伴う負担調整は、従来の範囲内のもの、つまり三十八年度に対する今回の評価額の倍率は従来のままにいたしまして、それに対する負担の割合も従来のような範囲で考えたわけでございますが、さらに一段階、いわゆる二十五倍以上評価の上がったものについて四割増しという負担調整の措置を考えましたのは、その四割増しのような一応二十五倍以上の上がり方が激しいものにつきましては、できるだけ他の土地との負担の均衡ということをもう少し前進させなければならない、こういう考え方から、二十五倍以上のものにつきましてはさらに一段階を設けた、こういう考え方でございます。
#78
○阿部憲一君 そうすると、この上昇率がもっと変わると、さらに一段、いまのお考え方だと段階をふやすようなことになりますですね。
#79
○政府委員(降矢敬義君) 土地の評価がえは、現在法律によりまして三年に一回ということに相なっておりますので、次は四十八年度でございます。そのときにさらにどういう負担の調整の方法を講ずるのか、どういうものにするかということは別にいたしまして、すぐさらにふえたからいま直ちにまた来年直すということはいたさないつもりでございます。
#80
○阿部憲一君 この四段階に分けられたのは、評価がえでこの評価額それぞれ何%ぐらい、それからまた地積でどうなっているのか、ちょっとお知らせ願いたい。
#81
○政府委員(降矢敬義君) 今回の負担の調整によりまして、評価額及び地積の割合でありますが、まず評価額で申し上げますと、一・一倍のところが〇・二%、それから一・二倍のところが八・九%、それから一・三倍のところが六一・三%、一・四倍が二九・六%、こう相なっております。それから地積で申し上げますと、順次倍率の順に応じまして四・二%、それから三二%、それから五〇%、それから二二・八%、こういうふうに相なっております。
#82
○阿部憲一君 農地につきましては三十八年の税額をそのまま据え置くという過度の優遇措置をとっておりますけれども、その理由はどういうわけでしょう。
#83
○政府委員(降矢敬義君) 農地につきましては、法律におきまして当分の問いわゆる三十八年度の課税額を据え置くということになっております。今回の評価がえに伴う負担調整措置につきましても、いわゆる税制調査会でこの点についても御審議をいただきました。で、農地については負担調整措置を、いま申し上げましたような負担の据え置きというものをやめたらよかろうという御意見もございましたけれども、やはりいまの農業の置かれている地位、農業の今後の問題、こういうことを考えますと、やはり三十八年度の税負担に据え置くということがやむを得ない措置であるということが大方の御意見でありまして、そういう見地から、今回も、当分の間旧来の措置を継続する、こういうことにいたしたわけでございます。
#84
○阿部憲一君 私どもは今回の評価がえに伴って固定資産税の改正が、前例にもありますとおりに、直ちに家賃地代の値上げにはね返って、都市生活のサラリーマンや間借り生活者などにも非常な影響を与えるわけでございます。これについて政府はどういうふうにお考えになっているか。
#85
○政府委員(降矢敬義君) 今回評価がえに伴いまして、いま申し上げましたような負担調整措置によって負担の漸進的な増加、つまり激変を緩和するという措置を講じたわけでございまして、それがただいまあげましたようなお話で試算をいたしますと、いわゆる前回もそうでありましたが、土地五十五坪、家屋二十三坪というのがいま住宅調査における都市の平均的な姿になっております。そういうものにつきまして今回の負担調整措置を前回のものとずっと並べてまいりますと、月で、都市計画税も含めまして大体百四十五円ぐらいの増加に平均的になる見込みでございます。これをいわゆる借地借家の方に――民営借家の方ですか、についての住宅統計に見ます家計調査において示されますそういう方々についてのいわゆる消費支出額に対します比率、これをかりに上のせいたしましても、〇・二%程度でございますので、大きな負担の影響あるいは大きな影響を及ぼすものとは考えておりません。この点につきましては、この税法を御成立させていただいたときには、建設省方面とも打ち合わせをいたしまして、前回やりましたような、不当な家賃の値上げ、地代の値上げということがこれを口実に行なわれないように、通達を出して指導をするつもりでおります。
#86
○阿部憲一君 非常に軽くお考えのようなのですけれども、今度の改正に伴って、一番私ポイントはこの固定資産税の評価がえの問題だと思います。私のところにも非常にたくさんの人から、反対してくれというような強い要求がきておりますけれども、それだけに、これはあなたがいまおっしゃったような影響軽微な問題だとは思っておりません。非常に多数のサラリーマンだとか都市生活者にも大きな生計上の影響を与える、こういうふうに思っているわけでございます。
 それでもう一つは、いまの〇・二%のはね返りしかないというようにおっしゃっていますけれども、これは一般物価も同じようでございまして、政府では約五%とか五・六%だとか言っていますけれども、一般の消費者の感ずる物価の値上がりというものは非常にそのような小さなものでなくて、もっと二倍にも三倍にもなっているような感じさせ方をするわけでございますが、その意味において、この改正も、地代家賃のはね返り分が現実には地主だの家主に対しての影響は軽微であるにもかかわらず、地主、家主はこの次の段階において相当これを口実にして上げる。しかもいまは統制令もございませんし、いま、あなた指導されるとおっしゃっていますが、その指導がどれだけの力があるかわかりませんが、生活に対して非常に大きな影響を与えると同時に、これもやはり物価にはね返ってくるのは必至でありまして、もう少しこの問題について慎重にやっていただきたい、そう思うのでございますけれども、いかがでございますか。
#87
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘のありましたように、これを口実にしていろいろなことが行なわれるということはわれわれの考えるところではもとよりございませんで、要するにそういう意味合いにおきまして、建設省とも十分この点協議を重ねておりまして、市町村当局を通じまして今回の固定資産税の評価がえに伴う負担調整というものが不当な家賃あるいは地代の値上げの口実にならぬように、住民にも十分その姿を徹底をする、こういうことで、いま建設省当局とも相談をしておりまして、御趣旨のようなことのないように十分配慮をするつもりでございます。
#88
○阿部憲一君 農地の問題でもう一つお伺いしますけれども、市街地区域内の農地に対する固定資産税を現行のまま据え置くということでございますが、これは土地政策の上からも非常にマイナスだと思います。宅地並みに引き上げるべきだという声は、決して世論だけではなくて政府部内にも強くあるというふうに聞いております。土地政策の一環として、税制のあり方について自治省自身どういうふうにお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(秋田大助君) この点はしばしば問題になるところでございまして、一方において、農業政策上やはり近傍の住宅地並みに取るべしということに反対の御意見も相当強力にあるわけでございます。すなわち、この点について政府の土地政策の決定が狭められておるところでございます。自治省といたしましては、税というものが土地政策上補完的な役割りを占めておるという点にもかんがみまして、土地政策等の関連におきまして慎重に各関係方面の御意見も伺った上で決定をいたしたいと考えております。
 市街化区域内の農地につきましては、いわゆる都市設備が完備した状態という点につきましても、一体何をもって都市施設の充実した状態といえるかという点も問題がございますし、そういう技術的な問題等も、関係方面ともよく打ち合わせた上で決定をしていきたいと思っております。
#90
○阿部憲一君 結局、いまのわれわれ国民にとって大きな問題の住宅難の問題なんかも、せんじ詰めれば政府の土地政策の貧困じゃないかと私は思っておりますが、現在土地が取得できないために小学校の敷地がない。小学校が拡張できない。また個人にとっては、土地がないために家ができない。これは全国的に大きな問題になっておるわけであります。その支障になっておるのは、土地保有税と、それから空閑地税、これが対策としてよく論ぜられておるわけですけれども、土地政策の上でこのような議論がたくさんありますけれども、まだ結論は出ていませんが、現在の固定資産税という従来よりの税が、そしてかつ今回の評価がえの時期に、この農地問題を同時に解決することが最もタイムリーの問題じゃないか、こういうふうに私は思います。この点はどのようにお考えになりますか。
#91
○国務大臣(秋田大助君) 土地の価格は土地の需給によって定まる。その供給という点において、市街化区域内の農地の取り扱いということが問題になってくるわけであります。閣僚間においても、実はおりに触れときにつれいろいろ問題にはなっております。話し合いはいたしておりますけれども、いまだ政府全体として決定する段階にまで立ち至ってございません。ただいま申し上げましたとおり、いろいろの観点からいろいろな意見がありますが、われわれといたしましては、もちろん土地の需給の調節をはかり、土地価格の合理化というものをはかるにおいて当然その方向で考えておりますけれども、その点に関しましてはただいま申し上げたような問題点がございますので、そこらの調整をはかり、皆さまのひとつ同意を得た点においてこの問題を解決したい。その点におきまして今後関係方面との検討によって決定をいたしたい、こう考えております。
#92
○阿部憲一君 考慮されてまたいろいろと論議されていることはわかりますけれども、やはり何といっても実行が大切でございますので、なるべくすみやかに実行されて、そうしてほんとうにこの土地問題を解決していただきたい、こうお願いするものであります。この農地の宅地並みの課税に反対する政府の意見の一つとして、新都市計画法に基づく市街化区域設定の線引き作業がおくれているので、本年は間に合わないというようなことを聞きましたのですが、もし明年度以降においてこの区域設定の線引きがきまったならば、宅地並みの課税に改正するお気持ちですかどうですか。
#93
○国務大臣(秋田大助君) ただいまその点について申し上げたつもりでございますが、線引き作業のすみやかな完了を待ちまして、来年度からは直ちにその区域内における農地を宅地並みに課税するかという点につきましては、市街化区域内における都市設備の完了という点について問題もございますから、その点も関係方面と意見を調整をし、かつまたそれらの農地に対してどう対処すべきか、繰り返し申し上げますが、政府部内において問題があると同時に、各政党間におきましてもいろいろお立場お立場で問題があります。先般は参議院の予算委員会におきましても、むしろ農業政策の面から、宅地並み課税については慎重を期すべしという強力な御意見も現にあったわけでございまして、これらの点をよく調整をし、皆さまの御意見を伺いました上で、検討の上決定をいたしたい。したがいまして、必ず線引き作業完了の後においては、来年度から市街化区域内の農地は近傍の宅地並みにするといまからお約束はいたしかねますけれども、それらの点を十分勘案をいたしまして慎重に決定をしてまいりたい、こう考えております。
#94
○阿部憲一君 この問題につきましては、大臣のいまのお考え、またおことばを一々そのとおり実現されることを特に希望いたしまして、この問題は打ち切ります。
 次に電気ガス税でございます。これはすでにいままでも問題にされたわけでございますが、今回は電気が百円、ガスが二百円それぞれ免税点を引き上げられておりますけれども、百円、二百円とした何か根拠がありますか。
#95
○政府委員(降矢敬義君) 今回電気の免税点につきまして二割の引き上げをいたしたわけでございますが、これはいわゆる免税世帯の割合というものが、四十四年度では約一二%、需用家総数に対して一二%程度でございます。これはやはりほうっておけばもっと下がるわけでございまして、むしろ若干引き上げるべきであるということで、一つの見当をつけたわけでございますが、その結果約一七%程度に相なるはずでございます。それからかたがた需用家戸数の伸びというものと消費の需用の伸びというものがございます。したがって電気の消費量の両方の相乗をしますと、約一八%程度消費量が伸びる計算でございます。したがって約二割程度引き上げるということで、今回五百円を六百円にしたという考え方でございます。
#96
○阿部憲一君 非常に小刻みな免税点の引き上げでございますけれども、これは毎年同じようにやっているわけですが、どうですか、思い切って税率を改正しよう、そのようなお考えはございませんか。
#97
○国務大臣(秋田大助君) 過去毎年税率の引き下げをやってまいった歴史がございます。免税点を引き上げれば負担軽減額が少ないから、少し税率を下げたらということは理屈があることだと思います。いわゆる電気ガス税悪税論というものもありますけれども、悪税であるかどうかは別問題といたしまして、ある意味における生活必需物資である電気の消費に関しまして、これが税率引き下げということは当然われわれとしても考えなけれげならぬと思っております。一方、御承知のとおり住民税、事業税に対する、課税最低限を中心とする減税の御要求もいろいろあります。ことしは住民税、事業税等につきまして相当の減税をはかりましたので、電気ガス税につきましては、いろいろと考慮をいたしたのでございますが、免税点の引き上げという措置にとどまったわけでありますが、ひとつ今後は、地方財政の事情に応じましていろいろあんばいをいたしまして、御趣旨に沿う措置について十分前向きに考慮をしてみたいと考えております。
#98
○阿部憲一君 税率の引き下げについて、いま大臣から前向きに考慮されるというおことばを承りました。それをぜひ次の機会に税率の引き下げということにしていただきたいと思います。御承知のように六年間もそのまま手つかずに前内閣から引き継いでおります。その点、非常に不満に思っているわけでございます。
 なお、電気、ガスの消費需要量はどのくらい伸びておるか、お知らせ願いたいと思います。
#99
○政府委員(降矢敬義君) 三十九年は千五百八十億二千四百万キロワットアワーでありますが、それを一〇〇にいたしまして、四十五年度の通産省の見込みによりますと、一九五・一という率になっております。
#100
○阿部憲一君 地方税法の第四百八十九条、附則三十一条でも、電気ガス税の非課税、税率の特例を設けていますけれども、その税収額は四十五年度見込みで幾らになりますか。
#101
○政府委員(降矢敬義君) 四百八十九条とそれから附則におきまして、免税及び軽減税率を適用しておりますが、その分が四百四十八億でございます。
#102
○阿部憲一君 四十五年度から始まる第六次道路整備五カ年計画は、予算規模が約十兆三千五百億円と予想されていますが、その財源捻出が国、地方を通じて問題になっている。特に地方団体の単独事業費のみで約二兆五千五百億円に達し、また一般道路事業費の負担分を加えると四兆一千三十億円にもなり、ばく大な地方の負担となって、一般財源のしわ寄せが大きいと思いますが、地方道路整備財源について自治省はどうお考えになっているか。このことにつきましてはきょうのサンケイから私、取材したわけでございます。参考にしたわけでございます。
#103
○政府委員(降矢敬義君) 新しい五カ年計画におきましては、ただいまお話がありましたように、事業費の総額はいままでの第五次五カ年計画に見込まれました計画よりも約二倍の四兆一千億程度になる見込みでございます。現在のままでおりますと、特定財源の、いわゆる道路の目的財源の事業費に対する割合は現在六一・三%でありますが、それが五二・六%程度に低下いたすわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、地方の道路、特に市町村道を中心にした改良、舗装等の整備が緊急の要務でございます。したがって、この五カ年計画を改定するに際しましては、道路の目的財源、特に市町村の目的財源の充実ということはぜひ実現いたさなければならぬ、こういうふうに考えているわけでございます。この点につきましてはいま五カ年計画の総ワクがきまったばかりでございまして、今年いっぱいかかってこれに対する特定財源をどうするかという問題が議論になるわけでございまして、その際は、ただいま申し上げたような考え方を基本にしてこの問題に対処してまいりたい、こういう考え方でございます。
#104
○阿部憲一君 そうしますと、この道路の財源としまして、結局、ガソリン税、軽油引取税を引き上げる、こういうふうに新聞にも出ておりますけれども、自治省もそういうふうにお考えになっているわけでございますか。
#105
○政府委員(降矢敬義君) これをどういう特定財源で考えるかという問題で、御指摘のように、油の財源もありますし、自動車取得税という目的財源もございますし、あるいはいまガソリンから一部もらっている地方道路譲与税、あるいはLPの関係の譲与税、こういうものがあるわけでございます。こういうものを充実していくか、あるいは充実とともに新たに別の財源も考えるか。この辺はやはりもう少し弾力的に考えて、最終目的を先ほど申し上げた意味におきまして対処していきたいという考え方で、現在どれをどうするという固定的な考え方は持っておりません。
#106
○阿部憲一君 このガソリン税、それから軽油引取税は三十九年の四月から据え置かれておりますが、ガソリン税は一向に税率が変わりませんけれども、小売りの値段がどんどん上がっていく。矛盾だと思います。この辺、事情はどうなっておりますか。
#107
○政府委員(降矢敬義君) ガソリンのいま承知しておる小売り価格は、一リットル当たり四十六円五十銭というように承知しております。この点は多少、三十九年から税率は据え置かれておりますので、あとはおそらく需要と供給、あるいは輸入の問題、こういうようなことできまるのであろうと私は推測しますが、小売り値段が具体的にどういう過程でどうきまるかということは、詳しくは承知しておりません。
#108
○阿部憲一君 先ほど混油――まぜて新しいやつをつくり公害をなくするというようなお話がだいぶ話題になりましたけれども、それとちょっと趣旨が違うのですけれども、最近町のうわさでもって、ガソリンの中に灯油をだいぶまぜて売っている。それで巨利を博しているということもありますし、また現実に灯油が、本来ならばあたたかくなれば減るのに、需要が一向減らない。それがあたかもガソリンに油をまぜている、そのせいだというようなことも言いふらされておりますけれども、これは実際かどうか、そこまで私どもも知らないわけでございまして、また、結局巨利を博するというのは、脱税している、ガソリンでないものをまぜているのにガソリン並みの値段で売っている、また税金をのがれている、こういうことに結びつくと思いますが、この辺についての自治省のお考え、いかがでしょう。
#109
○政府委員(降矢敬義君) ガソリンと灯油の混和という問題でありますが、結局ガソリンは蔵出し税でございまして、混和はおそらく途中で行なわれるものだろうと思います。そういうものに対する課税は軽油引取税の段階で、先ほどありましたような、自動車の保有者が内燃機関の燃料としてこれを使って車を走らせたという場合には、それに対して検査して課税するというような規定がありますので、その段階で、見つければ課税をする、こういうことに相なるわけであります。
#110
○阿部憲一君 このような、たとえばガソリンスタンドが、言うなれば、ガソリンと称してガソリンのまぜものを売っている、そういうようなことに対する取り締まり――先ほど、公害の立場からいろいろ取り締まりが非常に何といいますか、閑却視されているということを聞きましたが、こういうような混油に対する取り締まりはどこでおやりになっているのですか。また、どこが責任を持って取り締まりに当たっておられるか。御参考までにお教えいただきたい。
#111
○説明員(近藤隆之君) 取り締まりの関係があることは承知いたしておりませんけれども、いわゆるいまお話の混和石油でございますけれども、そういったものは、税法上は、先ほど局長が申しましたように、自動車保有者課税の段階で押える、軽油並みに一万五千円かけるという仕組みにしております。
#112
○阿部憲一君 ガソリンと軽油のずっと小売り価格の推移なんというのはおわかりになりませんか。
#113
○説明員(近藤隆之君) 歴年の小売り価格の推移は、いま手元にありませんので、至急調査して後刻御報告申し上げます。
#114
○阿部憲一君 すみませんが、もう一度……。
#115
○説明員(近藤隆之君) 手元にいま歴年の推移表を持っておりませんので、取り調べまして、後刻御報告いたします。
#116
○阿部憲一君 道路整備の財源として、大蔵省では自動車新税の構想、建設省もトラック税と、いろいろのことを計画しておるようですけれども、ガソリンや車両に二重、三重の課税をするのはどうかと思いますけれども、これは同時に物価にもはね返ると思いますが、その辺のお考え方はどうですか。
#117
○政府委員(降矢敬義君) 今度の新しい五カ年計画で、御指摘のありましたように十兆円余になる老けでございまして、これをどういう財源でどう対処していくか、こういう問題であります。したがって、いま御指摘のような観点からの御議論もありますが、反面、モータリゼーションの時代に道路、といいましてももちろん交通施設を含めました道路の整備という問題につきまして、ある程度道路の損傷というものを考えて、求める税をそういうものに求めるべきだという、そういう考えもありまして、したがって物価の問題も反面考慮しなければいけませんけれども、この道路の整備状況を早急に進めるべきだという要請に対しまして、どういうところからどういうふうに税を求めるかという問題は、国道、地方道を問わず全体として検討しなければならない問題である、こういうふうに考えております。ただ、その場合、この道路五カ年計画におきましても地方の事業費が約二倍に相なるわけでございまして、特に最近市町村道の整備というものが住民の要求としてきわめて急務なものがございますので、これを重点に置きまして、私たちはいろいろなものを考えて道路の目的財源の充実を期したい。そういう意味におきまして、いま非常に固定的にこの問題に対処していくという考えは持っておりませんが、目標はそういうところに置いて検討を進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#118
○阿部憲一君 最後に料飲税について一言お伺いしますけれども、旅館の、旅館といいますか、飲食税といいますか、この免税点が千六百円になっておりますけれども、物価がどんどん上がっている時期に、千六百円というのは低過ぎはしないか。現実に千六百円で泊まれるのは何軒あるか、こちらからお伺いしたいくらいなんで、非常に押え過ぎておる、現実離れしておる、そのような感じがいたしますけれども、しかも昨年さえも千六百円という案が低いという議論も盛んに行なわれたわけです。昨年からさらに一割以上上がった物価のことを考えますと、千六百円という免税点はあまりにも低過ぎるのではないかと、こう思います、その辺についてのお考えを、また将来これを引き上げるかどうかということについて、お伺いしたいと思います。
#119
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、旅館の免税点、宿泊者の免税点を昨年千六百円にいたしまして、十月から施行されたわけでございます。当時三三%引き上げたわけでございます。この点につきまして、われわれの調べでは延べ利用人員の五五%程度がこの適用を受けておるわけでございます。今後の問題としては、もとより生活水準の推移等を考えまして検討してまいらなければならないと思いますが、昨年の十月これを引き上げたわけでありますので、もう少し様子を見たいということで、今回は改正しなかったわけでございますが、今後の推移を見ながら、検討は当然しなければならない、こう思っております。
#120
○原田立君 時間がないので、ごく簡単に二、三点にしぼってお伺いしたいと思います。
 電気ガス税のことについてでありますけれども、政府の出してきた統計によりますと、今回の改正により十一億九千百万円の減税をする、こういうふうになっておりますが、そのまた反面に増収が百十三億、こういうふうになっておるわけです。こういうふうに統計に出ているのでありますが、電気ガス税については、まず第一点にお伺いしたいのは、十一億九千百万円の減税では地方税の減税としては非常に少ないと思うんです。これらについて政府はどんなふうに考えておるか、まずその点をお伺いしたい。
#121
○国務大臣(秋田大助君) 確かにその数字だけを見ると、自然増収百十何億、減税十一億九千万円ですか、子供だましじゃないかという感がその数字の上からいたすわけであります。しかし、この税率を一%いじりますと百三十億の減になりまして、自然増収を上回るわけであります。それこそ減税に値するではないかということにまさになるわけでありますが、一方、ここでも御要求がありましたとおり、住民税の課税最低限の引き上げ、これによって六百六十億ですか、その他もろもろの減税の御要求がございます、事業税における問題、固定資産税におけるいろいろな評価がえ等々、それらの問題を加えまして、まあ計算上八百七十八億という減税もあるわけであります。実は私といたしましても何とか電気ガス税の税率引き下げということについていたしたいと思って相当考えもし、いろいろ配慮もいたした次第でございますが、御承知のとおり、これはいまからこういうことを申し上げましてもいわゆる引かれ者の小うたになるかもしれませんが、就任の時期等の関係もございまして、遺憾ながら実現に至らなかった。したがいまして、それではそのままにほうっておくわけにもまいりませんので、せめて免税点の二割引き上げを行なったということでございまして、先ほど申し上げましたとおり、いろいろその他の地方税の軽減との相関関係もございまして、問題はさらにさらに、それではこの点はどうだ、あの点はどうだというふうに発展をするわけでございますけれども、ひとつ今後この点は前向きに考えていくと申し上げるより現在のところ自治省としては申し上げようがないのでございますが、その点はひとつ御了承を願いたいと思うのでございます。
#122
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#123
○委員長(山内一郎君) 速記を始めて。
#124
○原田立君 大臣が就任して間もなくのことでそこまでいかなかったという御説明でありますけれども、それはそれで一応了解するとして、私が指摘したいのは、他の税金との見合いもあるだろうと思いますけれども、十一億九千百万円、まあ十二億ですね。十二億の減税をした、したからこれでいいというわけにはいかないじゃないか。というのは、自然増収分が百十三億ある。となると、バランスをとってみればちょっとこう減税した減税したと、こういうふうにかねや太鼓で吹聴するようなそういう性格のものではない。何かまじめに考えると、減税したからいいじゃないか、減税したからいいじゃないかということですと、ペテンにかけられたようなそんな感じを私は持つわけです。ですから、ここで先ほど――ずっと以前から総理も言っておられることなんだし、悪税なんだからやめろと、こういうことも、廃止の方向も考えるということも言っておられるし、大臣もそういう精神にのっとってやはり廃止の方向に向いていくことが至当じゃないか。廃止ということになるとどうしても地方財政の立場から財源がないという、こういうお答えが返ってくるだろうと思うのですけれども、だからこれに見合うような財源を発見する努力がなされているのかどうか、自治省としてこの点はいかがですか。
#125
○国務大臣(秋田大助君) 電気ガス税の免税点引き上げにつきましては、減税をした減税をしたと言って鳴りもの入りで宣伝をいたしておるつもりはございません。事情はよく存じております。確かにこれが全廃の議論もございますけれども、地方財政収入上に占める電気ガス税の今日の税額からまいりまして、実際問題としてこれが負担軽減につき、税率の引き下げにつきまして考慮をしなければなりませんが、直ちにこれを全廃ということは、現段階におきましてはこれはそう簡単にまいらないと存じておりますが、さてこれを大幅減税をする場合の見返りの税源について考慮をしているか。何か適当なものがあればもちろんけっこうであり、たばこ消費税のまた引き上げ等々も議論になっておるところでございますが、これとてもただいまのところ四七%もいただいておるわけでありまして、いや全部もらってもいいじゃないかという議論もございますけれども、実際問題としてこれまたなかなか実現可能性に乏しいわけでございまして、あれこれいろいろ考慮はいたしておりますけれども、いまのところこれはというものの的確な把握には立ち至ってないわけでございますが、したがいまして、地方税収の伸び等いろいろ勘案しながら、これが税率の引き下げに今後できるだけの努力をしてまいりたい、かように考えておる現段階でございます。
#126
○原田立君 税率の引き下げを考えているから電気ガス税を存続するという、そういうお考えのようにお聞きできるんですけれども、そうじゃなくて、もうもともと電気ガス税は撤廃しろ、廃止したらどうなんだと、こういうことなんですよ。そのための財源確保についての御努力が自治省でなされているかと、話は二つあるわけなんです。前段のほうが一番大事なんですけれども、そこら辺のところを確たる御回答をお願いしたい。
#127
○国務大臣(秋田大助君) 電気ガス税全廃論につきましては、ただいまのところ自治省としてはその考えには基づいてはおりません。現段階においては、全廃というわけにはまいらないということは、ただいまも申し上げたつもりでありまして、その意味におきましてできるだけ大幅な税率の引き下げを考え、かつそれを補てんするための税収入というものは考慮をいたしておる、こういう段階でございます。
#128
○原田立君 それではちょっとお伺いしたいんですけれども、四十四年度における電気及びガスの使用量、それから四十五年度に見込みとするところの使用量推定、どういうふうになっておるわけですか。
#129
○説明員(高橋睦男君) 四十四年度の電気につきまして、まだ最終的な数字は実額が出ておりませんけれども、見込みでございますが、電力量といたしまして二千六百四十五億キロワットアワー、四十五年度の見込みといたしましては三千八十三億キロワットアワー、こう承知しております。
#130
○原田立君 ガスは。
#131
○説明員(高橋睦男君) 都市ガスの事業五カ年計画によりますと、四十四年が三十九億立方メートル、四十五年が四十二億立方メートルということになっております。
#132
○原田立君 いまのお話ですと、年々伸びていくと、こういうことになっているわけです。これは一般家庭も伸びていくでありましょうし、あるいは産業界のほうも伸びていくでありましょうし、それで産業界の場合ですと、非課税という措置が講じられて、一般家庭の御飯をたいたり、おかずを煮たりというものについては非課税措置がない。できるだけ、取れるだけ取っちゃう。大綱をかけて取っている、そんなような形になっているわけです。こういうふうにガス及び電気の需要が急速に伸びていく、おそらくまたここ二、三年後だとどんどんと伸びていくだろうと思うのでありますが、その都度免税点の引き上げ云々というようなことをやっていても、それは結局形だけつくって存続をはかっていく。悪く、底意地悪くいえば、そういうふうに見られるわけです。だけれども、基本的には総理も悪税なんだから早く全廃しようと、こういうふうな方向の政治的な打ち出しは出ているわけなんです。そこのところは十分考えてもらわなければならぬと思うのです。そこで、産業界の非課税措置が講ぜられているわけだけれども、それは一体、昭和四十四年度どのくらいであったのか、またそれを税金に換算するとどのくらいの免税、非課税になっているのか、また四十五年度は一体どういうふうにそれが伸びているのか、そこら辺のところはどうです。
#133
○説明員(高橋睦男君) 非課税品目、四十四年におきましては、百二十八品目でございまして、その減税額がちょっと手元に資料がございませんですけれども、二百五十八億であったかと記憶いたしております。四十五年度では、非課税品目百二十六品目でございまして、その減税額が三百八十億ということになっておると思います。
#134
○原田立君 たいへんな金額にのぼるわけでありますけれども、大臣、こんなふうにたいへんな非課税措置が講じられているわけなんだけれども、そういう面からいっても、一般家庭を、電気ガス税、ただ形の上でだけ十二億ぐらい減税しておいて、そうしてその陰でぽかっと百十三億も増税になる。こういうのは、ちょっと欺瞞しているような形に見えるのです。だから私は、先ほども全廃論は考えないというようなお話であったけれども、それじゃ一歩譲って税率を下げる――一体どこまでどういうふうに下げたら、下がるという考え方をお持ちになっておるのですか。非常に矛盾点が多いように感ずるのです。
#135
○国務大臣(秋田大助君) これはとにかく電気ガス税でまあ相当額の税収をあげておる現状でございますので、やはり現実的には税収の推移を見ながら慎重に配慮をしていかなければならないと思っております。さあこれを悪税として全廃すべしという議論もございますと同時に、ある程度以上の消費につきましては、担税力との相関関係があるのだという議論もあるわけでございまして、われわれといたしましては、現実の措置といたしまして、しからばどこまで免税したらいいかということは、直ちに固定的には申し上げられないと思います。今後の税収入の推移あるいは生活水準の向上の状況等を勘案しながら、相関的にそこらの函数値を求めつつ、できるだけ負担の軽減に資する、なるべく、国民の日常生活に不可欠な物資でございますから、その点を考慮しながら、庶民の負担軽減を大幅に考えるという基本的な考えに立ちながらこれが税率の引き下げに当たってまいりたい、私、いまのところはさような考え方でございます。
#136
○原田立君 技術的な問題になるだろうと思うのですけれども、現在行なっている免税点制度、それを基礎控除制度にしたらばどうなのかと、そういう議論があるのですが、以前にもこの委員会でその問題を取り上げていったところ、基礎控除制度はあまりなじまないからそういうのをやらないのだという、たしか前局長の答弁であった。だけれども、免税点制度というのは非常な矛盾を私は感ずるのです。たとえば、いまここで電気の免税点が六百円である。極端な話は五百五十円使う分には税金がかからないけれども、六百五十円使ったならばもろに全体に対して税金がかかるというようなのが免税点制度でありますから、そこのところが私としては非常に不合理に思う。かりに免税点を六百円とすると、たとえば、七百円分の電気を使った。そうすると、普通は七百円からマイナス六百円イコール百円、百円分に税金がかかるのだろうと、ごく一般的な人は簡単な頭で言えばそれぐらいのことしか考えないのじゃないかと思う。ところが、実際にはもう百円オーバーしたらばもろに全部にかかると、こういうようなことで、免税点制度自体に非常に矛盾が多いのじゃないか。だからこれを、基礎控除制というのが実際にいいかどうか私にもよくわからないけれども、少なくともまだそっちのほうが合理性があるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、そこいら辺のことは技術的な問題ですから、局長でもかまわないけれども、どうですか。
#137
○政府委員(降矢敬義君) ただいまのような御意見は前回のときにもあったように聞いております。免税点制度は、要するに零細負担の配慮、あるいは徴税費のかかるところをそれをやはり排除するというような観点から用いられるわけでございまして、それはいま言われましたように、免税点の境については、そういう問題があるわけでございます。ただ、この問題につきましては、いま御意見の中でもございましたように、税の考え方からいたしまして、また所得が伸びていけばどうしても消費量がふえるということは家計調査などからも明らかにされているわけでございまして、そういうところに着目して課税する税でございます。したがって、一律に基礎控除という制度はどうしてもなじまないというふうに私も考えております。
#138
○原田立君 一般家庭で、電気の場合六百円、ガスの場合には千二百円、それ以下の使用の人というのはそんな多いとは思われない、非常に少ないだろうと思うのですよ。となると、たいていの家庭はもろにかかるということになるのですが、その比率はどうですか、数は。
#139
○政府委員(降矢敬義君) 電気につきましては、総需用戸数二千八百五戸くらいかと思いますが、それに対しまして約一七%程度と見込まれます。それからガスのほうは、約六〇%ぐらいに見込まれておるのでございます。
#140
○原田立君 電気のほうは二千八百万戸の需用家庭があって、そうして、六百円以下に相当するのは一七%である。それからガスのほうは、千二百円のものに関しては、需用世帯は何戸で千二百円以下は何戸ですか、このほうは出てない。
#141
○説明員(高橋睦男君) ガスのほうは、都市ガスの需用家戸数が九百四十万戸となっておりまして、そのうちの約六〇%、五百九十万戸が免税点対象世帯、こういうふうになっておると思います。
#142
○原田立君 局長、この基礎控除の制度のことについて、まだはっきりした御返事は先ほどなかったけれども、基礎控除制を取り入れたらどうかという、あえて言えば私の提案みたいになるのですが、それに対してどうですか。
#143
○政府委員(降矢敬義君) 先ほど申し上げましたとおり、この税は、要するに電気の消費量とそれにあらわれる担税力といいますか、こういうものに着目してかけるという消費税でございます。したがって、そういう一律に一定額以上は基礎控除という制度を設けることは、消費税のたてまえ、あるいはこの税の考え方からしてどうも適当じゃないというのが私の考えているところでございます。
#144
○原田立君 ここで何度やっていても結論つかないですからあれですが、結論的に私が言いたいのは、大衆課税的なことはやめるべきだと、それは何も電気ガス税ばかりでなしに、ほかの税金だって同じことであります。大衆課税的なことはやめるべきだ、生活必需品にかかるような課税はできるだけ少なくすべきである、全廃すべきである、こういうふうに思うのですよ。そういう面からいっても、先ほどから聞いていると、たとえば電気の場合でいえば、極端な話であります。免税点以下の使用というのはわずか一七%で、全体がガス税、電気税の対象世帯であるわけですが、そういうことで非常に欺瞞的なものを私思うのですけれども、大臣、いま申し上げたような国民大衆課税的なことはやめるべきである、あるいは生活必需品課税というようなことはもっともっと極端にいえば撤廃すべきであるということになってくるのですが、これをもっと強力に免税点の引き上げとか、基礎控除の引き上げ等によってこういう税金は全廃すべきではないか、最初の話に戻りますけれども、もう一ぺん所見を伺いたい。
#145
○国務大臣(秋田大助君) 御趣旨はよくわかっております。全廃と申し上げる点については、いま直ちに申し上げかねますけれども、御趣旨を体して前向きに免税点の引き上げないしは税率の軽減、今後ひとつ御趣旨を体して強力に前向きに処置を、できるだけ地方財政の推移を考えながら御趣旨に沿うべくしてまいりたいと考えております。
#146
○原田立君 次に、超過課税の問題についてお聞きしたいと思うのですが、ここにいただいた資料によりますと、市町村税のほうで昭和四十四年度決算見込みとして、二百八十七億八千百万円の超過課税があると、こういうふうに出ておりますが、昭和四十五年度では、ここに数字は出ておりませんけれども、超過課税になるのは一体どれぐらいになる見込みでおりますか。
#147
○説明員(高橋睦男君) 昭和四十五年の見込みでございますけれども、二百七十三億程度を見込んでございます。
#148
○原田立君 大臣、地方税法の第三百十四条にこういうふうに、たとえばこれはまあ市町村税のほうのことでありますけれども、一・五の標準より上回る課税のものを取ってよろしいというような法律はあるけれども、超過課税というようなことは、平等という原則からいってあまり好ましいものではないのではないか、むしろそういう超過課税的なことはそれこそやめる方向に持っていくのが地方自治の内容を充実していくという、こういうことにならないか、その点のお考えはどうですか。
#149
○政府委員(降矢敬義君) 標準税率ということは、要するに市町村の自主的な判断によって、そのときの財政の状況、つまり財政需要に見合って、住民にある程度負担を求める、そういう自主性を残しておる制度として地方税法にとられているものでございまして、これをやめて全部一律の税率にするということにつきましては、たとえば、たばこ消費税のような全国一律にせざるを得ないというようなものを除きましては、やはり地方団体の自主性というものを考えて、こういう制度は当然私は存続しておくのが妥当である、こう考えておりますが、御指摘のように、しかし、いたずらに慢性的な超過課税ということは当然避けなければなりません。そこで昨年から、われわれといたしましても、住民税を中心にこの超過課税の解消について市町村を指導してまいったところでありますが、四十三年から四十四年まで、この一年間に百七団体が超過課税を解消いたしまして標準団体になりました。四十四年から四十五年にかけて、ことし大体約三百団体がさらにこの標準税率を採用するというような見込みでありまして、逐次地方団体におきましても、従来漫然ととられておったようなこの超過課税は解消していくという努力はなされておるところでございます。そういうことで、ただ市町村におきましても、特定の財政需要が生じた場合に、それに対する弾力性は、標準税率という制度によって担保しておくことがやはり妥当なんで、この制度をなくして、一ぺんに全部一律にするということは適当ではない、こういうふうに考えております。
#150
○原田立君 その局長のいまの答弁では、はなはだ矛盾に満ちていると思うのです。この標準税率でやっていこう、これはいいんだ、好ましいんだ、こう言っておきながら、また反面、地方自治体の自主性というものを重んじるんだ、こういう話なんだけれども、それは根本的にその話が食い違っているように思うのです。かりに、現実問題ですよ、たとえばの話――どういう団体があるのか、また別に教えてもらいたいと思うのですけれども、たとえばあるAという町で取っていた税額と、それから今度他の県のCという町へ行ったところが、税金がぐっと多くなった。同じ日本人でありながら、ただ仕事の関係で町を移っただけによって、その町自体の自主性とかいうことで、税金が重くなったり軽くなったりするというのは非常に不公平だと思う。不公平だから、局長がいま言うように、標準税率でやるのが好ましいんだと、こういうふうに言って、また標準税率に近づけるようにしていこうという自治省としての指導の姿勢があるわけでしなう。と言いながら、地方団体に自主性を持たせるというのは、非常に矛盾だと思うのです。そこは標準税率に結びつけることに、その方向に持っていくべきではないか。それで、いまここで、時間がないから議論してもしょうがないが、全国に超過課税の団体がだいぶあるわけですね。約九百くらい残っている。これを標準税率に移行させると、それが自治省の本心であると、こういうふうに答弁はできませんか。
#151
○政府委員(降矢敬義君) 私が申し上げましたのは、従事長い間超過課税というものを慢性的に、つまりことばは適当かどうかわかりませんが、漫然とやっていることは当然やめるべきである。これはやはり十分に財政の事情を考慮して、それを超過する税率採用については、議会の御検討を得た上で採用すべきである。そういう意味で、基本はやはり標準税率に置く、そういう意味におきまして、私たちは昨年以来指導してきたわけでございまして、したがって、御趣旨のように、基本の考え方として標準税率を中心に考えるということは全く同意見でありまして、ただそれが、特殊な財政需要があったときにもやはり弾力的に対処し得るという余地を残す意味、そういう意味の自主性ということで、一定税率ではなしに、標準税率という制度を採用しておることが適当であると、こう申し上げておるわけでございまして、したがって、われわれ指導におきましても、いま数字を申し上げましたように、市町村におきましても指導を受け入れまして、自主的にそういう従来の態度というものを改めて、標準税率で財政需要をまかなえるというところは、漸次こういう標準税率制度を採用しておるわけでございます。基本の考え方は全く私ども同じだろうと、こう思っております。
#152
○原田立君 じゃ、標準税率にしていくという考え方は変わりはないと、だけれども、現実に超過課税をしている団体がまだ約九百くらいあるけれども、これは漸次超過課税などをやらないようなふうに指導していくと、こういうことですね、回答は。
#153
○政府委員(降矢敬義君) 基本的にはそうであります。ただ特殊の財政需要があってどうしても必要なときには、当然余地を残しておく、こういう考え方でございます。
#154
○原田立君 特殊な財政需要というのは、非常に財政力が弱いところとか、あるいは何か特別に仕事をするとか、そういうようなことを意味するだろうと思いますが、そういうようなのこそ、何かもっと別に、大衆のほうから取るのではなしに、税収の伸びはたいへん、一般自然増収というのは非常に多いのですから、そういう団体こそもっと大きな観点から国のほうで施策を講ずると、こういうのがほんとうは自治省の態度ではないでしょうか。そこら辺をようやらぬでおいて、自主性、自主性と、自主性を重んずるというのはたいへんことばがいいように思うけれども、中身は税金をうんと取るということを認めているということでしょう。そっちのほうに向くのではなしに、大衆のほう、住民のほうから取るという方向に向くのではなくて、国のほうで施策を講ずると、こういう方向に向かないものか。大臣どうですか、そこのところは。
#155
○国務大臣(秋田大助君) いつもこの種の議論には、地方行財政における理想と現実との乖離、矛盾に悩むわけで、この問題もあるいはそういう性格のものの一つかと存じますが、要は、地方団体にそれぞれの事情がございまして、その特殊事情にもある程度応ぜられるように地方税制度で見ておくというくふうも必要で、同時にまた、同じ収入の者が偶然に居住するところの相違によりまして、負担の大きさ、相違に悩むということは矛盾じゃないかということも当然言われるわけでございます。そこで、地方行政のあり方といたしましては、もちろんその点を統一すべきものでありまして、その点に向かってわれわれも努力をしなければならぬ、かように考えております。しかし、現実の過程におきましては、いま直ちに標準税率一本にしぼってしまう、この現実につきましては考慮を要すべき点があるから、その制度は残しつつも、漸次ひとつ急速に標準税率に統一の方向に指導をしていく、また漫然と超過税率にたよることのないように指導していく、こういうふうに考えておるものでございまして、制度としてはいま全廃ということは言い切れないけれども、それに向かって努力するという点において、ひとつ御了承を願いたいと存じます。
#156
○原田立君 いま努力するということで了承しろという大臣のお話でございますが、もちろんいま直ちにというようなことにはいかないだろうと思うが、先ほど調べてみれば、超過課税の対象金額は二百八十七億です。全体の予算から見れば非常に微々たるものですよ。だから、超過課税などはやらせないと、こういうふうにして、金額が一千億とか二千億とか多いのだったらなかなかむずかしかろうと思うのですけれども、いままで再々努力をなさってきて二百八十七億まで減ってきたのだろうと思う。あともう一息だろうと思うのですね。だから、そういうようなことを考慮して、全廃はむずかしいけれども、今後努力するということで大体了解したいとは思うのですけれども、これはまた五年も十年も先までずっと続くというのだったら、まただまされたようなことになる。その辺のところどうですか。
#157
○国務大臣(秋田大助君) いろいろと御要求は多々ありますので、これらに全部応じてまいりますと、積もり積もって、ちりも積もれば山となるで、責任を持っておる当局といたしましては、いろいろ漸進的に進んでまいりたいというわけでございます。なるべく御趣旨に沿うようにいたしたいとは存じますけれども、その点いろいろ御要求がありまして、抜本塞源的に、一刀両断的にもなかなか進みかねる当局の苦心のほどもお察しを願いたいと存じます。
#158
○委員長(山内一郎君) 本案についての本日の審査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#159
○委員長(山内一郎君) 再び地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 補足説明を聴取いたします。長野財政局長。
#160
○政府委員(長野士郎君) お手元にお配りしております「地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案関係資料」の要綱に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。
 今回の改正は、地方財政法と公営企業金融公庫法の二つにまたがっておりますが、第一に地方財政法の改正は、ここに書いてありますように、公営競技を行なう地方公共団体につきまして、昭和四十五年度から昭和五十四年度までの間に、公営企業にかかる地方債の利子の軽減に資するための資金として、毎年収益のうちから、その売り上げ金の額に百分の一以内で政令で定める率を乗じて得た金額に相当するものを公営企業金融公庫に納付する、公営競技を行なう地方公共団体に対しまして、地方財政法におきまして納付義務を課したということに相なるわけでございます。で、この中で十年間の間に納付するということにいたしておりますが、毎年度、政令で定めるところにより、政令で定める率を乗じて得た金額に相当する金額といって、政令にゆだねておりますが、これは現在のところ、考え方といたしましては、四十五年度から四十九年度までの間は〇・五%、五十年度以降につきましてはその状況に応じまして百分の一以内で政令で定める率というものを考えてまいりたい、最高一%までということで考えて左いりたいということにいたしておるわけでございます。また、売り上げ金額のすべてについて納付をするということではございませんで、売り上げ金の額から五億円を控除いたしましたものにつきましてその納付の率をかけるということに考えていきたい。したがいまして、五億円未満の売り上げにとどまるような地方団体につきましては、納付義務はない、こういうことに相なるわけであります。それから、そういうことの扱いの結果といたしまして、この前の大臣の提案理由でも御説明申し上げたかと思いますが、いままでのような売り上げの趨勢でございますならば、また公営企業金融公庫の貸し付け資金ワクが大体いまのような状況で推移していくといたしますならば、本年度から三年度間はおおむね三厘程度の引き下げが可能ではないかというふうに考えております。それから四年目以降につきましては、五厘下げくらいなことが可能ではなかろうかというふうにいまのところは考えておるのでございます。
 それから二番目には、公営企業金融公庫法の一部改正でございますが、ここに書いておりますように、その公庫に納付をいたしましたものにつきましては、公庫に公営企業健全化基金を設けまして、そうして基金によりまして公庫の一般の経理と区分して経理をするということをはっきりさしてまいりたい、こういうことで、公営企業健全化基金を設けますと同時に、納付金の納付を受けましたときには、公庫はこれを基金に組み入れるということにいたしました。基金にかかる経理につきましては、一般の経理と区分して整理をするということにいたしたいと思っております。
 それから基金の管理でございますが、基金に属する現金は、公庫の貸し付け金の一部といたしまして、資金の貸し付けに充てるわけでございます。そういたしまして、その貸し付けその他基金の運用によりまして生じました収益は、地方債の利子の軽減に要する費用に充てることになる、その義務づけを法文上明確にいたしておきたい、こういうことでございます。それから、その場合に、利子の軽減に充てまして、なお収益に剰余があります場合には、これはまた基金に組み入れる、こういうことにいたしてまいりたい。基金は原則としては取りくずしてはならないものといたしますが、ただ場合によりまして、基金の運用によりますところの収益の額が地方債の利子の軽減に充てる金額に不足いたしますような場合におきましては、剰余が出まして、基金に組み入れました額を限度として、その不足額を補うための取りくずしということは、例外としてその範囲までは考えるということにいたしておるのでございます。
 それから、基金を廃止する場合の取り扱いといたしましては、納付金を納付いたしました地方団体の意見を尊重いたしまして処理する。しかし、その処理の方法は別に法律に定めるところによるのだということを念のために規定をいたしております。
 第三番目は附則でございますが、この法律の施行の問題でございます。「この法律は、公布の日から施行する。」ということにいたしておりますが、四十五年度の公営競技の売り上げ金につきまして納付を求めるということにいたしてまいりたい、こういうことでございます。
 以上、簡単でございますが、補足説明をさせていただきました。
#161
○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#162
○和田静夫君 私は、去年の三月十八日のこの委員会で、当時の野田自治大臣に対しまして、公営ギャンブルについていろいろ質問をいたしました。そうして、まあ結果的には、納得できる答弁を得ることができませんでした。したがって、財政的事情を勘案して公営ギャンブルの施行主体となる市町村を指定する権限に基づいて、自治省がどのような考え方をもってこの指定を行なってきたのか。そのために当然自治省が準備をしていると思われる資料をごく一部に限って要求をいたしました。それから約一年、最近になってようやく、まだすべて要求が満たされたわけではありませんが、限られた資料をこうしていただいたわけです。ともあれ、人手不足の中でこのような資料を作成をされて提出をしていただいたことに感謝を一面ではもちろんいたしますが、同時に、政策の裏づけとしての資料作成について万全を期すというわが国官庁の伝統の中にあって、自治省がこの程度の資料さえ実は持たずにギャンブル行政を行なってきたということを顧みて、一面ではまた驚きもしているわけです。
 私が、委員会あるいは六十一国会からの本会議を通じて、公営ギャンブルについて幾つか質疑を行ないました。その根底にある問題意識をまず申し述べておきたいのですが、政治や行政の衝に当たる者がギャンブルというものの本質にあるいわゆる反社会的な意義について十分な反省がなく、これに対する政治姿勢や行政運営がきわめてあいまいではないかということであります。
 もう一つは、このまま放置をしておきますと、いわゆるギャンブルが県市町村の手によって社会構造の底辺に定着をしてしまうのではないか、そういうことが問題意識の根底にあるわけです。で、私は、きょうは自治省の提出の資料に基づいて――これは私がかってにつくった資料ではありません、提出されました資料に基づいて、ギャンブルの基本的な問題に立ち返りながら、あらためて幾つかの質問をいたします。
 刑法第二十三章は、「賭博及ヒ富籤ニ関スル罪」として、賭博罪あるいは賭博場開張罪などについて御存じのように規定しています。すなわち、刑法の第百八十五条は、「偶然ノ輸贏ニ関シ財物ヲ以テ博戯又は賭事ヲ為シタル者ハ千円以下ノ罰金又は科料二処ス但一時ノ娯楽ニ供スル物ヲ賭シタル者ハ此限二在ラス」といって、また第百八十六条は「常習トシテ博戯又は賭事ヲ為シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ処ス」「賭博場ヲ開張シ又は博徒ヲ結合シテ利ヲ図りタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ処ス」となっております。罰金が安いのは、もちろん罰金等臨時措置法で別に金額が変更されることになっているからでありますが、いずれにしても、刑法典にはいま読み上げたように書いてあるのです。
 そこでまず大臣に伺いますが、国民の行動規範ともいうべき刑法が、何ゆえこのような強い態度をもって偶然の輸贏、すなわち偶然のばくちやかけごとをしてはならないと規定をしているのかということを、大臣として、その意義、理由をどのようにお考えになっていらっしゃるか伺いたい。
#163
○国務大臣(秋田大助君) 私、刑法上の知識に至って乏しいものでございますが、要は、さような行為は公序良俗に反し、健全な社会の発展にマイナスになるから、その観点からそういうものの規定ができているかと考えております。
#164
○和田静夫君 私は、ギャンブルを禁止し、その行為を罪として規定する根本的な理由というのは、正当な労働に対してそれをなす人が健康で文化的な生活を営むために必要な適正な対価を支払うという関係はこの社会が成立する基礎的な要件であるということでありますが、それに対してギャンブルがこの社会存立の基礎要件を破壊するおそれがあると考えられるから、刑法典のような設定があるのだと考えます。これは何も私一人の考え方ではありません。広く一般に識者の間でも認められているところであります。私はこのことは近時うるさい公営ギャンブルを論ずるにあたっても前提だと思うのです。つまり、ギャンブルは法律によって地方団体にその実施を認められているといってみたところで、その範囲、要件というものはきわめて制限的でなければならない、また制限的であります。その運用も厳格に行なわれなければならないということだろうと思うのですね。すなわち、公営競技関係の法律の施行にあたっては、ギャンブルが市民の健全な労働意欲を阻害するような形でとにかく存在をする、すなわち、好きなときにいつでも手近に競技場に足を運べるといったような日常性があってはならない、そういうことだろうと思うのです。したがって、市町村に実施を許可する場合も、そのことをまず考慮に入れて、十分考慮が払われておらなければならないと考えます。自転車競技法の「財政等を勘案して」とか、あるいは小型自動車競走法の「地方財政の健全化を図るため」とかいう、すべて第一条の字句が自治省のいわゆるギャンブル財政論の根拠でありましょうけれども、いま私が申し上げたようなことを前提にして推理をしてみますと、これらの規定というものも真に財政上やむを得ざる場合と読まれるべきであると私は思いますが、大臣この点についてはいかがお考えになりますか。そしてこの点、大臣は現在の公営競技の運営が全く適正であるとお考えになっているのかどうか、お考えを伺いたい。
#165
○国務大臣(秋田大助君) 公営競技の回数等において、違法性をなくするように配慮のさるべきことは当然である、先生おっしゃったとおりだろうと思います。しこうして、そういう趣旨にのっとって現在開催されておるかどうかという点につきましては、いろいろ見る方の目によりまして御議論はありましょうけれども、大体の方針におきましてその趣旨に沿うてやられておるものと感じております。
#166
○和田静夫君 このいただいた資料を見てみますと、私は、公営競技というものが、いまでは娯楽として、まあたまの休日に楽しむとでもいいますか、もちろんそういう人もいないわけではないでしょう、いるでしょう。そして、そういう人の多くというのは経済的にあるいは精神的にある程度余裕のある人たちであるということは、これは前の委員会でも指摘したことなんです。ギャンブル愛好家の立場で美濃部さんにけちをつけたりしている評論家など、あるいは現存の農林省の事務次官などがこの部類に属するということを忘れては私はいかぬと思うのです。そういった人々だけではなく、次第にギャンブルに人生をゆだねるとでもいいますか、とにかくギャンブルに人生をかけているとでもいいますか、またギャンブルに必要な軍資金をかせぐために働くといったような錯倒した人々を育てる手段と化している点を、私は見のがすわけにはいかない。まさに都会の罪悪を形成する手段といいますか、一因になっているような感じさえする、そういう感じをたいへん資料を見ながら深くしたのです。といいますのは、一例をまずあげますが、東京を中心とした通勤圏を例にとって考えて試算をしてみました。若干確認をしますが、このいただいた昭和四十四年度の公営競技施行団体一覧ですね、東京を中心とした通勤圏を考えてみますと、いまはもう群馬県も入ると思うが、群馬県を除いて、埼玉県、千葉県、東京、神奈川県、ここで主要の競馬場とすれば、浦和、船橋、大井、川崎、こうなるのですが、この一都三県四市二十三区、四十四年度六十二回、施行開期六日間、この競馬に関する限り三百七十二日、これは確認できますね。
#167
○政府委員(長野士郎君) 競馬で申し上げますと、いまお話がありましたようなことになっておると思います。
#168
○和田静夫君 引き続き、競輪ですが、競輪も、いまの埼玉、千葉、東京、神奈川、それで所在地は大宮、西武園、松戸、千葉、立川、京王閣、川崎、花月園、平塚、小田原、一都二県五十二市、百三十五回、六日間ですから八百十日です。これでよろしいですね。
#169
○政府委員(長野士郎君) 私どもの資料は正確にできておると思いますので、それで御計算になったとしますれば、そのとおりだと思います。
#170
○和田静夫君 次は、オートレースは、埼玉、千葉、東京都で、川口、船橋、大井、一部二県二市、二十六回かける九日で二百二十四日間。それから競艇は、埼玉県、東京都、神奈川県、場所は戸田、江戸川、平和島、多摩川、一都五十二市四町、五百八十八日。これを全部合計をすると、大臣、たいへんなことになるのですよ。東京を中心の通勤圏で、水曜日を原則的に――私はあまり興味がないものだからあれですが、原則的な休日だそうです。そうすると、これを休日として計算してみますと、大体二千四日間の競技が行なわれておる、こういうことになるのです。これは、さっきも申しましたとおり、中央競馬や、あるいは少し足を伸ばした前橋、高崎といったところを除いた数字です。そうすると、大臣、これだけの延べ日数、競技場やあるいは場外馬券売り場に集まる人の群れを想像してみてください。まさしくギャンブルの過剰だと言って私は過言ではないと思う。この現状をどのように考えられますか。
#171
○国務大臣(秋田大助君) 私も、先生と同じで、この方面に全く興味もない、競馬も競輪ものぞいたことがないので、どうもぴったりまいりませんが、数字から申しますと相当のものだとも思いますが、相当の人口もあるわけでございまして、一体これらとの関係でどういうことになるか、どうも私にぴったりとはまいりませんのですけれども、かなりの数字だとは常識的には思います。
#172
○和田静夫君 たいへんな数字ですよ。これは、このようなおそるべきギャンブル過剰の大都市とでも言いましょうか、表現決して私はオーバーではないと思います。数字に当たってみてそうでございます。そこには全国からただ都会というだけの魅力に引かれて集まったようなあぶなっかしい人々のいることも指摘ができます。このゆがめられた都市の姿を少しでも改めようとして、東京都は公営競技廃止の方向を打ち出したと思うのです。ところが、東京都が返上した分を肩がわりさせてもらいたいと申し出たとか、あるいは農林省はそれを認めるなどとかいうけしからぬことが行なわれる、こういうことになるわけです。私は、これは本会議でも質問いたしましたが、どうも焦点をぼかした答弁しか得られませんでした。いま自治省の資料に基づいて、東京を中心としたギャンブル開催状況の全貌がつかめたわけですから、大臣はやっぱり政治家の良心に基づいてギャンブル過剰の状況を少しでも改めようとするお気持ちがあるならば、あのような肩がわりなどというものを認める行為については、やはりもっと、言ってみればそのことを否定をするような強い政治的姿勢があってしかるべきだ、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
#173
○国務大臣(秋田大助君) ギャンブル、公営競技の開催日数の点につきましては、いま私そのほうの知識もありませんので、ごく感じを申し上げます。
 自治省といたしましては、開催日数、開催回数につきまして権限がないわけでございますが、さて先般の東京都がなさらないという分を他の都市に回したことについての感じを申し上げますれば、これら開催権の日数の配分を受けました都市は川崎、浦和、船橋、いずれもこれはいわゆる過密都市でございます。過密現象に対するいろいろの財源措置に困っておるので、そういう点を勘案いたしますれば、これらの都市にある程度の財源措置がされた形になりまして、その点はある程度の配慮がされておるという感じがいたします。
 で、そもそも競馬でも、もとの行為というものは罰則をもって禁止をしておる行為だ、こういうものを公営競技とはいいながら何も貧弱財源の困っておる団体でもないところへせっかくやめるというものをまた配分したことはけしからぬじゃないかという道義的な観念から見るならば、財政上の配慮いかんを問わずそれはけしからぬことであるという意味における答えが出るべきであるというお考えであろうと思うのでございます。それはそれとして私は否定はいたしませんけれども、公営競技に対する一つの存在理由も考えられる。これを認めるという立場に立ちまして、今回とられた措置というものはそれなりの一つの理由がある、私はこういうふうに見ておるのです。
#174
○和田静夫君 財政力なんかのことでは全然理由がないということをあとから具体的に数字で述べますから、後段の部分の大臣の答弁というのは的を射てないのです。したがって、前段の政治姿勢の部分で私の主張というものをお認めになるわけですから、そういう意味においては、自治大臣の政治姿勢そのものについては、答弁としては一応了承しておきたいと思います。
 自転車競技法の第五条の二の第二項「通商産業大臣は、競輪施行者に対して、各施行者間における競輪開催の日取りその他競輪施行の調整に関し、必要な指示をすることができる。」、また競馬法の第二十条の第二項は、「農林大臣は、都道府県又は指定市町村に対して、競馬の開催回数、一回の開催日数及び開催の日取りその他競馬の開催に関し、調整上必要な指示をすることができる。」、小型自動車競走法にも、第七条の二の第二項ということで、同様の規定があります。各競技場ごとの毎月の開催回数、年間の開催回数、施行者ごとの年間開催回数あるいは月間開催回数などを規則できめている上に、このように関係各省はこの規定に基づいて調整を行なっているはずであります。それは具体的にどのような形で行なわれてきたか、通産省、農林省それぞれから承わりたい。
#175
○説明員(福田敏南君) お答えいたします。競輪のほうにおきましては、法律の五条の二の二項にございますように、施行者間の開催日取りの調整その他をやるということになっておりますが、それは具体的にはほとんどが施行規則のほうで、一競輪場の開催回数は十二回、それから一施行者の年間の開催は、東京都は二十二回、その他は二十回、それ以下でなきやならぬ規定がございます。したがいまして、その範囲内で具体的にどこが何回やるかということは、地区ごとの施行者が集まりまして、そこで具体的にきめていくという形になります。その場合に、私どもの下部機関でございます通産局が立ち会ってやるという形でやってきております。
#176
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、省令では開催回数が最高限度になるわけだろうと思いますが、三百八十四回をきめておりますが、具体的には私どもの調整指示権に基づきまして三百七十二回。南関東の例を申し上げますと、六十七回の開催回数に対しまして六十二回という調整をいたしておるのでございまして、その際われわれが一番考えますのは、実は従来は施行者単位に開催回数を定めていたのでございますが、昭和三十七年の法律改正の機会に、ここに書いてございますように、都道府県の区域ごとに年間開催回数をきめるということになりましたので、都道府県に複数の施行者がいる場合に、その調整をはかる必要があるということが一点でございます。それから、隣接の都道府県に競馬場がある場合には、公正かつ円滑な競馬施行を確保するために、やはり全国的な調整の見地から、開催回数について調整上必要な指示をすることが必要であるというような見地から、この調整権の運用をいたしておるということでございます。
#177
○和田静夫君 いまも言われたとおり、私も言ってみれば総合的な適正な調整というのは非常に必要だと思うのですが、どうも各省ばらばらで行なわれていると、そういうきらいを感じますがね。それはいまの答弁との関係であなたはどういうふうにお思いになりますか。
#178
○政府委員(太田康二君) 先生がおっしゃいますように、各公営競技がいろいろあるわけでございまして、施行者も同一の地方公共団体がやっておる場合もあるわけでございますから、各施行者ごとに当然開催の日取り等につきましては相談もなさってやっておられるというふうに感じております。われわれもそういうことをもちろん勘案しながらこの調整指示ということをいたしておるのでございまして、十分そういった各競技ごとの相互の関連というものは念頭に置きまして考えておる次第でございます。
#179
○和田静夫君 いまの答弁がありましたけれども、どうもいまの答弁では、念頭に置かれているけれども、実際問題としては各競技別の相互調整などということは行なわれていない。どうですか、通産省。
#180
○説明員(福田敏南君) いま農林省のほうがお答えになりましたように、実際には各施行者がいつどこでやりたいという希望を持ってくるわけでございます。で、その各施行者がいつどこで何日やりたいという希望を持ってきますについては、その周辺の競輪場なり競馬場なりの状況を見て持ってくるという形、それで私どももまた、調整いたします場合には、それを聞きましてきめるという形でございます。
#181
○和田静夫君 そうしますと、さっきお聞きになったように、四十四年度二千四回なら二千四回という形で、たいへん膨大に行なわれていますね。これは過剰だとはお思いになりませんか、まず通産省。
#182
○説明員(福田敏南君) 確かに、計算上から申しますと、二千余回ということになりますと、一日に四回ぐらいどこかやっているのではないかという御指摘だろうと思うんです。あるいはそういうことになるのかと思いますが、その場合にも、たとえば船橋と小田原あるいは大宮というふうな、それぞれの離れたところでやっておりまして、東京都心からこうはかりますと交通圏でございます。その拠点、拠点でやっておりますので、一ぺんに人が集まるということは十分調整をとっておるつもりでございます。
#183
○和田静夫君 いまの質問、農林省どうですか。
#184
○政府委員(太田康二君) 先ほども御説明申し上げましたように、省令回数を最高限度までは実は開催いたしておらないような実情でございまして、われわれは一応昭和三十六年の公営競技調査会の答申の線に沿って、現状以上奨励しないということでやってまいっておるということでございます。
#185
○和田静夫君 いま言われたとおり、現状維持、上回らないようにしていく。たとえば競馬についてそうする、あるいは競輪についていろいろやる。ところが、競馬、競輪、あるいは競艇、オートレースという関係において総合的な調整が行なわれませんから、さっきの通産の答弁じゃありませんが、たとえば川崎と何ですか、よく知らぬけど、船橋かというような、小田原かというような形、それがたいへん離れているらしいような感覚でもって言っていらっしゃるけれども、東京を中心にして考えてみれば、あるいは全く手のうちにありますよね、そういう状態、しかも四回以上も開かれておる、このまわりにですよ――という状態というのは、たいへん過剰じゃありませんか。
#186
○説明員(福田敏南君) 御指摘のように、確かにに、二千余回やっているということになりますとと、そういう形になろうかと思いますが、これは先ほども農林省御説明申し上げましたように、三十六年の答申に沿いまして、私どももその日取りの範囲内で実施してきておりますし、かつ、先ほど申し上げましたように、私どもは、なるだけそういうものは重ならないように、同じところに人が行って不当な混乱を招かないように、十分気をつけて日取り調整は実施してきております。
#187
○和田静夫君 あのきめられている最高限というものが是認をされるような立場でもってこのことを考えちゃ私はいかぬと思うんです。問題は、その最高限というものをもっともっと少なくしていくべきだと、言ってみればね。それから、農林省のお答えじゃないけれども、たとえば三百八十四回のうち三百七十二回にとめたんだということを誇らしげに答弁されておったって、そんなものは決して誇らしいことにならないわけです。そこで問題は、その限界というものをずっと下げることが必要だと思って、こうさっきから述べているわけです。私が言いたかったことは、東京を中心にしたギャンブルの日常性です。ギャンブルに関する限り、日常性そのものが過剰を意味していると思うんです。そうした状況が政治家や行政官のいわゆるメンタリティーの欠如に由来をした無為無策によって助長をされてきたものであるということを実は明らかにしたかったわけです。その辺のことは十分にくみながら今後に処していってもらわなければ一つは困るということを申し上げておきたいと思うんですが、いま申し上げた確認の上に立って問題の第二に入りますと、このギャンブルというものが、そのそもそもの性格において、先ほども述べたとおり、反社会的な要素、要件を持つものであるということを、これは自治大臣の答弁の姿勢の中にうかがわれますように、認めているのならば、その財政事情によって地方団体がそれをやることを認めるという一歩譲って立場に立つとしても、これを求める基準というものは厳格なものでなければならないことはさっきも述べたとおり、実はギャンブル問題を取り上げるたびにたいへんいいかげんな答弁がずっと前の委員会から続いているもんですから、ある意味じゃうんざりもしてるんですが、この際はっきりしてもらいたいのは、たとえば自転車競技法には第一条の第一項で規定がありますよね。たとえば自転車競技法で言えば、第一条で「人口、財政等を勘案して自治大臣が指定する市町村」、そして第三項では「指定市町村について指定の理由がなくなったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。」、一々法律を示しませんが、他の関係法律も同様の規定になっているわけですが、この指定の基準ですね、指定の基準というものをひとつわかりやすく説明してもらいたいんですが。
#188
○政府委員(長野士郎君) 自治省の指定の関係につきましては、お話がございましたように、各競技法におきまして、財政上の必要――財政事情を勘案しあるいは考慮するということになっておりますから、そこで、財政力指数でありますとか、経常収支率、あるいは税の徴収ぐあい、それから今後三年間の建設事業費等を、全般的な財政収支の状況のほかに、個別的に検討をいたしまして、そうしてそれらを通じて問題がないという場合に指定をする。それからまた、災害復旧その他臨時的な建設事業費が多額にのぼりますものについては優先的に指定をするという考え方をとっております。また、指定をしますいわゆる申請と申しますか、そういう手続になるわけでございますが、この点につきましては、実際問題としての調整は、都道府県を中心にいたしまして、府県市町村の間で調整をいたしまして、そして県知事の副中を添えて申請が参る、こういう扱いにいたしております。
#189
○和田静夫君 私が要求をして提出をしていただいたこの資料には、各施行団体の公債費の比率あるいは財政支出が示されているんです。私は、いまの財政局長の答弁、財政事情を勘案して指定をしているのだとすれば、それらの地方団体の財政力をあらわす指標というのですかね、そういう指標というものが当然示されてよいと思うんですよ。そこで、いま答弁にあった前提に立つならば、公債費比率を、たとえば三%未満のものとか、あるいは五%未満のものとか、段階別に分けて、それぞれについての団体数を示していただきたい。
#190
○政府委員(長野士郎君) 公営競技を行なっております団体につきましては、いろんな団体があるわけでございます。それから同時に、公営競技につきまして、それぞれの競技法が成立をいたしました背景も、一様にも考えられますけれども、またいろいろな沿革とかその他を背景にしながら今日に至っておるというような状況がございますが、概して言えますことは、これらの施行団体は都市がわりあいに多いわけであります。都市の中でも、どちらかといいますと、それに触れない面もあるかもしれませんが、大体は人口急増地域と申しますか、そういうところを中心にしての都市が現在でも施行者になっておるものが非常に多い。府県ももちろんございますから、この点一がいに言えませんけれども、まあこれらの点につきまして考えてみますと、やはり現在の必要な、何と申しますか、都市施設の整備というものに追われておるところが非常に多いということになります。
 財政力指数の点のお話がございましたが、財政力指数で言いまして一をこえております団体は、現在のところ、都道府県にして四つ、市町村にして六十三、合計六十七の団体がございます。これは四十三年度の財政力指数で比較をした場合でございますが、この六十七の団体について考えましても、現在そういういわゆる大都市圏、首都圏等の区域内によりまして、あるいはまたその隣接のところにおりますものが五十六団体に及んでおりまして、いずれもそういう意味で、これらの団体の財政需要の伸びと申しますか、そういうものが非常に著しいという状況になっておるというふうに言えるかと思うのであります。
 また、公債費比率のお話がございましたが、これにつきましては、私どもも、起債の関係につきましては、もちろん起債の全体に占めるウエート等につきまして勘案をしておりますので、むしろあまり比率が高いと、その点では起債の抑制その他のことを考えるということになるわけでございますが、この施行者の団体につきましては、この公営競技の収入が相当高いものにつきましては、ある意味では起債ワクにも制限がございますので――制限と申しますか、起債ワクにも一定の限界がありますので、そういう意味では、むしろそういう団体についての起債措置というものを通常の団体と同じように考えませんで、むしろ抑制ぎみにいたしておる、こういうことでございます。公債費比率のこの段階別のそういう整理は実はいたしておりません。
#191
○和田静夫君 これは一ぺんどうですかね、公債費比率をいま述べたのですが、さっき言ったような形の資料、それからいま財政力指数については答弁がありましたから、それの具体的な数字ですね、いま一以上のものについてありましたが、それ以下のものを、できれば一ぺんどうですかね、つくってみたら。
#192
○政府委員(長野士郎君) 従来、いま申し上げましたように、財政力というものの見方の中にはいろいろ問題があるわけでございます。財政力は、まあ一つの画一的な、基準的なものでございまして、これらの団体が財政力が一をこえておるからといって、それでは十分超過団体で富裕団体でというわけにも必ずしも考えられないいろいろな事情がございます。公債費比率の問題ももちろんございますけれども、いままで整理を十分いたしておりませんが、参考までに整理をして差し上げたいと思います。
#193
○和田静夫君 あまり手間はとらないと思うのですよ。もうすでにかなりの資料ができているわけだから、はじいてもらうだけで。私もはじいてみましたけれども、不正確なものよりも権威のあるものをもらったほうがいいですからね。
 そこで、公債費比率というのは、自活省の権威ある地方自治辞典で読んでみますと、「公債費は、地方債の元利償還金および一時借入金利子からなり、過去に負った債務の支払に関連する経費であって、人件費、扶助費と同様に義務的経費であるが、このうち地方債元利償還金については、つぎの算式によって示される比率によってその財政負担の状況をみるものとされ、この比率を公債費比率と呼んでいる。」、それで算式があって、「この公債費比率が財政構造の健全性をおびやかさない程度は、通常一〇%程度と考えられている」となっているわけです。そこで、財政局長の先ほどの答弁ですが、ずっとこのギャンブル施行団体に当たってみますと、そうすると何と八五%が公債費比率一〇%以下であるのです。言ってみれば、大臣言われましたように、財政的には問題でない、いわゆる地方自治辞典によれば問題でない、言ってみれば通常一〇%程度と考えられた財政構造の健全なところ、そこでなぜギャンブルが奨励をされなければならないのですか。
#194
○政府委員(長野士郎君) 公債費比率につきましては、いまお話がございましたけれども、まあ起債の許可方針におきましても、二〇%をこえていくような形になりました場合には、これは一つの危険信号といいますか、そういう形にも相なりますので、その点で起債を抑制するとか、そういうような財政運営全体を整えていくということを考慮しながら考えていくということにいたしておりますが、現在平均いたしますと大体公債費比率は六ないし七%ぐらいでございます。したがいまして、そういう点では、特定のところを除きますと、全団体が、まあ一般論を申し上げて恐縮でございますが、それほど公債費比率に関します限り財政的に危険な状態ということになってはおりません。それから特に、さいぜん申し上げましたように、これらの公営競技施行団体におきましては、不安定な財源ではありますけれども、とにかく現実問題としましては、公営競技の収益金というものが一般財源として寄与し得るところが相当多いわけでございますから、そういうところにつきましては、起債ワク全体の振り合いの関係もございまして、そういうことをやっていない団体のほうに優先的に起債の充当を配分するというようなことにいたしておりますから、むしろ公営競技実施団体のほうが公債費比率が下がっていくという形を示すような結果にも相なっているという点も、御了承願いたいと思います。
#195
○和田静夫君 あんまり御了承できないのですけれどもね。了承するわけにいきませんけれども、実質的には私が指摘をしている、もう一ぺん今度は財政力指数で見ていただきます。そうすると、財政力指数――地方自治辞典読むまでもありませんし、時間がありませんから、なるべく協力する意味で読みませんが、財政力指数が、全国平均値を見ても、「「1」に近い市町村程それだけ余裕財源をもっていることともなろう。」と書いてあるわけです。そうすると、施行団体全部に当たってみると、約三分の二は都市の全国平均を上回っておるのです。財政力指数は。
 それから、大臣、財政事情の問題としては、後段大臣が答弁されたことは当たらないのです。そういう意味では、ぼくはもう言ってみれば、勇敢に、地方公営競技というものは、こういう競馬、競輪などというものはやめていく指導の方向こそが大切じゃないか。東京都の美濃部知事がとっておる姿勢こそが、全くわれわれがもろ手をあげて賛意を表し、推し進めなければならない、その政治的方向こそ、やはり私たちは守ってやるべきだ、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
#196
○国務大臣(秋田大助君) 財政力指数ないしは公債費比率等から申しますと、数字の結果からは、そういう先生のいまおっしゃるようなことになるかもしれません。しかし、私は専門家ではありませんので、何とも申し上げられませんが、とにかく常識的に申しまして、いまこういう公営競技施行団体が膨大な財政需要をかかえております。いまこういう財源の補てんの道があればこそ、現状どうにかつじつまが合っていっておる。もしこれをはずしますならば、非常に不健全な状態になってくる、こういう関係があるのではなかろうかということも、しろうとながら感ずるのでございます。同時に、公営競技につきましては、確かにそのもとはギャンブルであるからということについての、好ましくないということは、それ自体として意味のあることであると思います。それは先ほどから私も申し上げているとおりです。しかし、同時に、なかなか人間のさが、人間の社会も複雑でございまして、これは道徳上いけないからといって公営競技を全廃することによりまして陰にこもりまして、いろいろ非公開における賭博が非常に盛んになる。しかし、それとこれとは問題が別であるというお説もあろうかと思いますけれども、公営競技によりましてある程度、人間の要求している娯楽と申しますか、健全娯楽と申しますか、そういう面も公営競技のやり方によりましてある程度満たせる点毛ありまして、そういう点のメリットというものも現実政治の上で無視できない面があろう。人口急増した過密地帯に若い青年がどっと集まってくる。これがとにかく、その時代、その時点における、こういう若い人にある程度娯楽を――それらの人の情熱を適当にはかせる機会が、全部とは申しませんが、ある程度閉ざされておっても、公営競技があれば、そこに満たされて、いろいろの問題を起こさずに済むというメリットも、決して看過できない点もあろうかと思うのでございます。そういう点を考慮いたしまして、現状から著しくふやさない程度におきまして、公営競技の形で、そしてこれを健全娯楽の線に引き上げるという処置をすることによりまして、ある程度の存在理由を持たせるということは、現実政治のしにおきましてまた意味のあることではなかろうかと思っておる次第でございます。いろいろ複雑な面を、公営競技の本質になりますけれども、そういう点を多面的に考慮しておるわけでございます。
#197
○和田静夫君 大臣の答弁の中から前向きなところだけをなるべくお聞きをするようにしておきますが、ただ、若い青年が集まってくる、それに健全な娯楽が必要だ――しかし、考えてみれば、二千回をこえるような、関東、この周辺だけで、通勤圏だけで、こういうような状態のいわゆる賭場がある。そういうものが青年に健全性を与えるというふうには決してなりませんよ。ならない。やはりその辺が過剰な状態で置かれている。この事態については、やはりもっともっと少なくしていく、なくしていく、そういう方向における努力が私は必要なんだと思うのです。先ほどから言いたいことは、いまの大臣の答弁で脱線しそうになっているのですが、財政的事情を勘案をしてというような形で法律ではいっているけれども、実は、先ほど来指摘したとおり、そのことは有名無実の内容になっているのではないかと思われる。もっといやな言い方をしてみれば、自治省が有名無実にすべく法の運用をしてきたのではないか、そう判断せざるを得ない。もしそうでないと言われるならば、次のことをちょっと私要求いたしておきたいと思うのです。ここで答弁できれば一番いいです。指定の判断基準になったはずである財政力とその団体の行政水準。なかった場合に、大臣の答えじゃありませんけれども、財政事情が悪くなったのじゃないだろうかというような答弁がありますから、たとえば道路の舗装率とか、その他社会資本の完備率とでもいいますか、そういう財政力とその団体の行政水準との相関関係を示す資料を出してもらいたいと思いますが、よろしいですか。
#198
○政府委員(長野士郎君) この行政水準といいますか、社会資本の充実度合いというのですか、こういうものと、指定の基準になった団体におきます財政力と、そういうものとの相関関係、これはできるだけそういうものをつとめて整理をいたしたいと思いますが、これはしかし、先生に私が申し上げるまでもなく、たいへん資料としてつくりますのには苦労をいたさなければならないわけでございまして、その点でなかなか、もう少し検討させていただきますが、これはまあそういうことの中で十分なものができますかどうかあれでございますけれども、一応作成させていただきたいと思います。
#199
○和田静夫君 この法律案が上がるまでに下さいというやぼなことは言いませんから――下されば一番いいのですけれども、どうですか。時期的にやはり一年もたつのでは困るしね。
#200
○政府委員(長野士郎君) なるべく早くつくるようにいたします。それから、もちろん、そういう一般財源の寄与率ですね、一般財源に対する公営競技の収入の額によりまして寄与率が違うわけでありますけれども、その寄与率の違うことに応じた充実度の関係というようなことになりますと、これはまあむずかしい感じが実はいたすものでございますから、そういうことを申し上げておるわけでございますが、非常に精密なものというわけにはまいらないと思いますけれども、ある程度のものをつくりますまでに一年もたつというようなことは決して考えておりませんが、しばらくひとつ時間をかしていただきたいと思います。
#201
○和田静夫君 もちろん、私も公債費の比率やあるいは財政力指数だけでこの問題を論じようなどと考えておるわけではありません。具体的な財政事情というものはもっと複雑なものであることも十分知っているつもりであります。知っているつもりですが、しかし、公営競技というものは何といっても戦災復興に名をかりて始まったものですから、それが今日まで無批判にいわゆる増殖をされてきたというのは、非難をされてもしかたがないのじゃないか、そういうことを痛切に感ずるから、お願いを申し上げるわけです。協力を得られる答弁をいただいたので、たいへん安心しているのです。
 そこで、私のほうも協力する意味で、その資料が出てきたら、また後日それに基づいて考えさせてもらいますから、次に法案の内容で具体的に一、二お聞きをしたいんですが、先ほど財政局長から説明がありましたように、「地方公共団体は、昭和四十五年度から昭和五十四年度までの間に法律の定めるところにより公営競技を行なうときは、公営企業に係る地方債の利子の軽減に資するための資金として、毎年度、政令で定めるところにより、当該公営競技の収益のうちから、」云々と、こうなっていますが、この政令の内容について先ほど具体的に若干の説明がありましたが、重複する点がありますが、たとえば最初の五年間は〇・五%と言われたですね。四十五年から四十九年までは〇・五%、そしてあとは一%、こういうふうに言われたのですか。
#202
○政府委員(長野士郎君) 四十五年度から四十九年度までの間は〇・五%にいたしたいということでございますが、五十年度から五十四年度までの間についてはいま何%というめどをまだつけておりません。ただ、一%以内でということはもう法律に明記してありますから、最高限までいきましても一%までにしかならない、こういうことでございます。
#203
○和田静夫君 それから、基礎控除については五億円と言われたんですが、これは当初いろいろ報道されたときは三億円ぐらいのことが言われていましたね。この変化は何か理由がありますか。
#204
○政府委員(長野士郎君) 確かに、いろいろな試算をずっといたして、いろいろ話し合いを進めておりまして、それを他との均衡というようなことに、結局、ざっくばらんに申しまして、話が落ち着いてきたわけでございます。その点は、現在のそれぞれの競技につきまして、たとえば自転車振興会でございますとか、モーターボート競走会でございますとか、あるいは船舶振興会、あるいは地方競馬全国協会とかございまして、いろいろなのがございますが、そういう団体が、関連産業のための奨励でございますとか、あるいは社会福祉、スポーツ、そういうような事業の奨励でございますとかいうようなことを含めまして、あるいはまた中には事業実施のためというのを含めまして、いわゆる交付金というのを競技施行団体から取っておるわけでございますが、その取り方は開催ごとに取っておるそうでございますけれども、その場合に平均の控除額が、一開催当たりの控除額を六千万円ということにいたしております。現在一施行者の年間平均開催数が八・二回ということになっておりまして、そういうことと六千万円とをかけ合わせますと、大体五億円程度のところになるわけでございます。そういう意味で、それぞれの振興会等が交付金として交付を求めておりますものとのつり合い等を考えるべきだというような意見もございまして、控除額を五億円ということに最終的にはいたしたのでございます。
#205
○和田静夫君 前へ戻りますが、五十年から五十四年、いわゆる一%を上限としてまだきまっていない、これは各省間で了解がとれないなどということですか。
#206
○政府委員(長野士郎君) まあ五十年から先になりますと、今後公営競技のあり方がどういう進みぐあいになってまいるかということもなお予測が十分つきませんし、また同時に、本体でありますところの公営企業金融公庫とその資金ワクとの関係、対象事業の範囲を拡大するしない、まあいろいろな問題があるわけでございまして、そういうものと、利下げに使うという健全化基金の量、そういうようなものも競技の売り上げその他とも関連をいたしますし、いまのところ、五年先のところまでははっきりどれだけにするというようなことでなくて、五年目のところへ行った時点でもう一ぺん振り返って考えてみるべきじゃなかろうかというようなことで、五年間は〇・五%ということで考えておりますが、その後のことについてはいまのところは白紙にしておるという――白紙といっても中身が全然ないというわけではもちろんございませんけれども、まだそこまでのことを具体的にはっきりいたしていないという実情でございます。
#207
○和田静夫君 十年間における基金積み立て額の予定額は。そうして四十五年度は。
#208
○政府委員(長野士郎君) 十年間につきましては、いま申し上げるようなことでございまして、十年間全体としての予定はつけておりませんが、四十五年度までということで考えました場合には、大体いまのような公営競技の売り上げの伸びが一応予測せられるというような点で考えました場合には、四十五年度から四十九年度までの総額、大体四百三十億を少し上回りゃしないか、四百三十五億円ぐらいのところになるのじゃないだろうか、伸び率の計算その他がございますので、はっきりしたことは申し上げられませんが、大体そのぐらいのところになりゃしないかと思っております。
#209
○和田静夫君 基金資金の貸し付けの対象の、何といいますか、事業か、そういうようなものはどういうふうにお考えですか。
#210
○政府委員(長野士郎君) 現在、公営企業金融公庫の貸し付け対象事業は十四事業ということになっております。十四事業と申しますのは、水道は上下水道、工業用水道、それから交通、電気、ガス、それから港湾整備、この中には上屋でございますとか倉庫でありますとかいうような事業も入りますが、埋め立て事業等も入ります。それから病院、市場、屠畜場、観光施設、有料道路、駐車場、それから地域開発――地域開発と申しますものの中には、公共用地の造成でありますとか、住宅用地の造成事業、区画整理事業等も入ります。そういうことでございます。それで大体十四ございます。
#211
○和田静夫君 運用収益金をもって公営企業金融公庫債の利子を引き下げる――その引き下げる事業、そうしてその具体的なやり方ですね。それから、たとえば事業種類別に引き下げ率に格差をつけるとか、あるいは年度ごとに率を変更するとか、そういうことはするわけですか。
#212
○政府委員(長野士郎君) 先ほど補足説明のときに申し上げましたが、大体そういうことで、今後三年間ぐらいの間は三厘ぐらい引き下げができないだろうか、できればまあ四年度以降は五厘ぐらい引き下げをしたい、こういうことを申し上げたのでございますが、それは現在公営企業金融公庫の資金の貸し付け利率が、いわゆる上下水道、工業用水道――水に関係いたしますものについては、本年度から工業用水道が入りましたから、それは政府からの利子補給を得まして七分にいたしております。公庫のそれ以外の事業に対する貸し付け利率は七分三厘ということに相なっております。したがって、現在は事業によって少し、七分三厘のものと七分のものとが出ておるわけでございますが、今度、この基金の運用によりますところの利益によりましての利下げのほうは、これは一律三厘下げを考え、あるいは五厘下げを考えるという考え方を一応前提にしながら考えておりますけれども、まだ具体的に一律にやるというふうな方針までの結論には至っておりません。中には事業ごとに考えるという考え方もあっていいんじゃないかというような意見もございまして、目下検討中でございます。
#213
○和田静夫君 基金廃止の場合、別に法律をもって処理するとありますが、これはどういうことをさしますか。
#214
○政府委員(長野士郎君) これは、基金に公営競技の団体が納付いたしますのは、法律の初めに書いてありますように、「四十五年度から五十四年度まで」の十年間でございます。基金はそれでずっと運用していくわけでございまして、十年間で基金を廃止するというつもりはございません。これで利下げの効用を発揮していくということは長く続けてまいる予定でございますけれども、まあ、かりにもせよ基金を廃止する場合には、納付した地方団体側の無償納付ということでこれが進むわけでございますから、その関係も考慮いたしまして、法律で廃止なら廃止をきめる場合、その公営競技の実施につきましての納付金を納付した団体の意見を反映するということで、そういう意見を尊重して処理をすると、こういう一つの安心と申しますか、これは念のためにそういう意味での納付団体の意見を必ず基金を廃止するときには尊重して処理をきめるのだということは、これはざっくばらんに申しまして、施行団体の一つの希望でもございますので、そういうことの意味の念のための規定を置いたと、こういうことでございます。
#215
○和田静夫君 大体法案の内容はわかりましたが、要するに、公営ギャンブルの売り上げ金の一部を公営企業金融公庫の中の基金として積み立てる、その運用の収益によって企業債の利子引き下げをはかろうとするわけですよね、一口に言えば。そういうふうなことを私はする前に、まず市町村指定の無秩序を是正をして、ギャンブルに対する自治省の姿勢を正すのが、冒頭以来申し上げましたように先決だと思います。競輪は、都道府県と人口、財政等を勘案をして、いわゆる自治大臣が指定する市町村、競馬は、都道府県と災害市町村及び競技場所在市町村で財政上の特別の必要を考慮して自治大臣が農林大臣と協議して指定する市町村、オートレースは都道府県と五大市、二十三区の組合、競走場所在市町村、モーターボートは都道府県と人口、財政を考慮して自治大臣が指定する市町村と、それぞれ公営ギャンブルの施行団体になっておるわけでありますがね、この市町村が。で、競馬については、あの四十三年度の暫定措置の打ち切りでまあある程度すっきりしたのですが、顧みますと、その際の自治省のろうばいぶりといいますか、無定見さといいますか、多くの識者の失笑を買ったところですから、まだわれわれも忘れないところです。私も昨年の三月十八日のこの委員会で具体的にそのことを指摘をいたしました。この際に、自治省のギャンブルに対する姿勢を正す意味で、競輪も競馬と同じ方式にしたらどうかと思うのでありますが、大臣いかがですか。
#216
○国務大臣(秋田大助君) おのおの各省の法律があり、いきさつがございまして、いま直ちにこれを自治省の考えで統一しろという御趣旨であろうと思いますが、なかなかいきさつがございますので、簡単にはまいらないと存じております。まあ今後検討をいたしていきたいと思っておりますけれども、直ちにこれを統一の意思のもとにぴっしゃりとやれるかどうか、なかなかむずかしい点がございます。
#217
○和田静夫君 いいことをするのにあまり逡巡する必要は大臣、ないと思うのですよ。したがって、その辺をもっとやっぱり勇気をもってやるということが必要じゃないですかね。
#218
○国務大臣(秋田大助君) 公営競技の健全化、かつその収益の均てん化ということは二つの二大目標でございまして、その方向にまいりたいと、その趣旨をもってただいまお示しの点等も処置をいたしたいとは考えておりますけれども、とにかくいきさつのある問題でございますので、相当のいろいろ紆余曲折もあろうと考えられます。その気持ちでおることには変わりはございませんが、直ちにいまそうするのだということは申しかねます。
#219
○和田静夫君 私は本会議で佐藤総理にも替ったのでありますが、だまっていれば大体ギャンブル熱というものは高まるばかりであります。したがって、少なくとも現状以上にギャンブルを奨励しないというすでに確認をされているはずの政府の方針を現実化する、そういうことが政治家としての良心の私は最低の線だと思うのであります。少なくとも現状以上にギャンブルを奨励しないという線を現実化するために、自治大臣が、まさに数々の答弁にあったとおり、良心に基づいて善処をされる、そのことを強く期待をして、質問を終わります。
#220
○委員長(山内一郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#221
○委員長(山内一郎君) 速記つけてください。
#222
○阿部憲一君 公営企業金融公庫の金利引き下げについて、その財源を公営ギャンブルに求める理由について、ひとつお考えを伺いたいと思います。
#223
○国務大臣(秋田大助君) 均てん化という趣旨におきまして、公営競技の収益金の一部を公営企業金融公庫の金利引き下げに利用することを考えた次第でございます。
#224
○阿部憲一君 公営企業の金融公庫の金利を下げるためにギャンブルのテラ銭のピンはねをするというのですけれども、これは何でしょうかね。素朴に考えますと、取って、また公営企業その他の金利引き下げに充てるわけですから、同じことのような感じがしますが、どうでしょうか。
#225
○政府委員(長野士郎君) 地方団体から取りまして、地方団体に貸し付ける金利の引き下げに使うという意味では、地方団体で出したものを地方団体で使うということに相なりますから、御指摘のような感じもあるわけでございますが、現在公営競技を実施しております団体は、三千三百二十五でございますか、全地方団体から申しますと、三百八十五の団体しか公営競技を実施していないわけでございます。そこで、公営競技を実施しておる団体といたしましては、いろいろな御意見がございますが、やはりギャンブルと申しますか、競技から上がりますところの収益というもので一般財源を強化しておることは、これは事実でございまして、そこで、多年均てん化しろ、つまり一部の特定の団体のみがそういう利益といいますか、利権にあずかるのは不公平ではないか。したがって、そうでない団体についてもその利益を均てんすべきである、こういう議論がここ数年来非常に強いわけでございます。それは一つは、公営競技につきまして、公営競技をこれ以上奨励して拡大するということはしないということに政府の方針がきめられました昭和三十七年以降、全体の開催回数を制限しております。それから一競技場におきますところの開催回数も制限しておる。したがって、新たな団体が公営競技を行なうということは、事実上それが余裕のないときには認められないといいますか、それから競技を行なっている団体としてはそういう言い方になるわけでございます。なかなか受け入れてくれないというようなこともございます。事実問題として、そういう全体のワクがきまっております関係上、均てん化ということが、口では言うべくしてなかなかできない。自治省としましても、多年いろいろ均てん化の方法を考えましたが、これはやはりそういうことでございますので、結局公営競技の売り上げ金の中から、いま御提案申し上げておりますような形で、一部を納付金として納付をしてもらいまして、公営企業金融公庫という政府関係の金融機関ということになっておりますが、これはもともと地方団体が個々に公営企業のために、電車とか、上下水道とかいう事業のために資金調達をすることがなかなか困難でございますので、共同の資金調達機関としてでき上がったわけであります。そういう機関の資金なり利率の引き下げに役立てるということであれば、ほとんど全団体にその効果が及ぶのではなかろうか。しかも、最近の公営企業におきましては非常に資本費の割合が高くなっておりまして、平均いたしましてコストの中で六〇%、あるいはものによってはもっとこえるというようなところもあるわけでございますから、そういうものの中に占める利率の引き下げというものは非常に効果がある。そういう意味で、全地方団体をほとんどおおう公営企業についての役に立てば、それが均てん化ということの実質にもなるんじゃないかというようなことで、公営競技の売り上げ金をそういうことにする。そうしますと、特定の団体だけのものであったものが全団体の事業に入ってまいりまして、そうして、公営企業といいますものはどうせ公共料金とか、そういうものにもいい作用をするわけでございますから、住民福祉にも役立つ。こういうことで二つのものを結びつけまして収益均てん化の理論と、それから公営企業の経営の健全化に資する、こういうことにいたした、こういうわけでございます。
#226
○阿部憲一君 わかりましたが、結局、競技をやる主催者だけのふところに入らぬようにある程度平均していこう、いわゆる均てん化ということに非常に重点がある措置だと思います。いま局長の御答弁にもありましたが、これは政府の方針で今後ふやさないようにするというようにおっしゃっていましたけれども、四十五年度の競輪、競艇、競馬等の公営ギャンブルの継続、それから新規開催を希望している市町村の申請を全部認めたと聞いておりますけれども、これはちょっとおかしいんじゃないでしょうか。
#227
○政府委員(長野士郎君) この点につきましてはいろいろな見方ができるわけでございますが、やはり公営競技の指定につきましては、先ほどお話がございますような、人口とか、財政状況の勘案ということでございますけれども、その状況が個々の公営競技の実施団体においては前年と本年度で著しく変わったということは考えられる。ただ、石川県のたしか輪島その他の七、八カ町村につきましては前年度まで競馬を行なっておりました。この理由は、災害復旧の関係で競馬の施行権が認められておったわけでございますが、災害復旧事業その他の事業も一応完了いたしましたので、この団体は指定から排除といいますか、指定から除くことにいたしたのでございます。
#228
○阿部憲一君 私はいまの局長の御答弁の中からも感ずるんですけれども、ふやさない、ふやすべきではないという考え方と、やはり地方の財源をふやしてやりたいという矛盾した考えをお持ちのように思いますので、それで結局は財源をふやすほうに重点を置いておられるような感じでありましたが、その点いかがですか。
#229
○政府委員(長野士郎君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、現在は、三十六年の公営競技の調査会の答申の趣旨に基づきまして、現状以上に奨励をしない、そうして、ただその存続の意義を認めながらこれらの運営上の弊害というものを除くように努力するということの答申がありまして、いま政府、関係各省はその答申の線に沿ってこの問題を扱っておるわけでございます。したがいまして、ふやすということはいたしませんし、同時に、先ほども申し上げましたように、全体の開催回数というものがもうきまってしまっております。それで、それぞれの競技の実施場所、競輪場とか競馬場、それぞれあるわけでございますが、これの場所ごとの回数もきまってしまっております。したがって、回数はこれ以上ふやすというかっこうには相なりません。ただ、今回の場合にも、実施団体の中に、競輪につきましては岐阜県で五町を加えております。これは何かといいますと、西濃の競輪組合、それから中濃の競輪組合というのが現在あるわけでございます。この中へ施行者として加えるということは、実は開催回数をふやすのではなくて、均てん化といいますか、その収益金の分配にあずからしてやりたい、それで今回加えました団体は、いずれもその開催地に近くて条件が同じであるとか、あるいは非常に財政困難だということで、施行者組合との間で話し合いがつきまして、県が仲介に入りまして、その配当と申しますか、分配にあずからしてもよろしい、こういう話し合いのついたところを加えたわけでございます。したがいまして、その点では五つの町がふえたじゃないかということになりますが、五つは確かにふえましたけれども、全体の開催回数その他をふやしたわけではございません。そういうこともございまして、この点につきましては、御指摘のとおり、財政力の弱いところに少しでもあずからしてやりたいという気持ちがわれわれ関係者の間に働いたことは、その御指摘のとおりでございます。
#230
○阿部憲一君 やっぱり必要悪だから認めざるを得ないということでございますね。これが地方財政の中に占めるギャンブル収入の依存度というのはどの程度なんですか。
#231
○説明員(佐々木喜久治君) 現在、基準財政需要額に対する各団体の収益金の比率は、都道府県の場合には非常に低うございまして、一番高いところでも八%以下でございます。市町村になりますと非常にまちまちでございますが、五%以下の団体も七、八十ございますけれども、また非常に高くなっておる団体もございます。たとえば基準財政需要額の二倍になっておるという団体もいま四つばかりございます。その差は非常に幅があるわけでございます。
#232
○阿部憲一君 参考までに伺いたいのですが、その二倍以上にもなっている四団体というのはどこですか。ギャンブルに全部おんぶして団体を経営しているという、ちょっと非常にまずい状態だと思いますが。
#233
○説明員(佐々木喜久治君) 一つは福岡県の芦屋町、それから広島県の宮島町、東京都の青梅市、それからもう一つは――もう一つはちょっとさがしております。
#234
○阿部憲一君 ちょっと私、二倍とか何とかいうのはぴんとこないのですけれども、そうすると、財源は全部ギャンブルのテラ銭で補っているという意味ですか。普通の税金とどういう関係になっているんでしょうか、地方税、市町村税。
#235
○説明員(佐々木喜久治君) こういう市町村におきましては、通常の財政運営を見ますと、主として臨時的な建設事業費のほうに収益金を充てているということでございます。税金につきましては、経常経費並びに通常考えられる投資的経費のうちでも経常的なもの、こういうものに税その他の一般財源を充てているわけでございます。臨時的な建設事業費に充てているというような状況でございます。
#236
○阿部憲一君 納付金ですけれども、これはいま伺いましたが、最初の五年間は〇・五%だということになっておりますが、一%以内の納付額、こういうふうにきめられた何か理由か根拠がございますか。
#237
○政府委員(長野士郎君) 別に根拠というわけではございませんが、大体一%といいますと、いわゆる収益金といいますものが大体売り上げの一〇%くらい、一%といいますものは収益金の中では一〇%に相当する。それが限度というわけにもまいりませんが、一応一つのめどであるというような考え方が、いろいろこういう施行者の団体等の意見等も参酌しまして考えられてきたわけでございます。それでございますが、この法律実施にあたりまして、この五年間につきましては、やはり施行者のいろんな事情を考えて、施設整備その他のことも考えなければいかぬというようなこともございまして、一応五年間は〇・五%というようなことで、一種の話し合いがきまったということでございます。一%というのは、きわめて常識的でございますけれども、収益の一〇%ということに相当もいたしますので、大体そのあたりが限度ではないかということでございます。
#238
○阿部憲一君 一%は、結局これ以上は取れない限度というようにお考えのようでございますが、私も感じとして、一%というのは非常に少ない、メリットからいうと一%くらいだという感じがしたものですから伺ったわけです。この納付金で国民の貸し付け金利を三厘から五厘引き下げるというふうにおっしゃっておりましたが、これをなぜ政府金融機関並みの水準まで金利の引き下げを行なわないか、行なうようにしないか、これに対してどういうふうにお考えですか。
#239
○政府委員(長野士郎君) この公営企業金融公庫はいま普通は七分三厘でございます。それから上下水道とか、公共用水道は四十五年度から、工業用水も含めまして七分ということにいたしております。もちろん現在の公庫は、政府関係の金融機関でもございますし、そういうことでもっと政府の出資も増額をし、それから利子補給、その他の政府の利下げのための補給金も私どもも増額をいたしたいということでいろいろ努力をしてまいっておるのでございます。そういう意味では、金利の引き下げということは、確かに御指摘のように、低ければ低いほどいいということにまず相なるわけでございますが、一面また公庫は、民間の資金を地方団体にかわって調達するというかっこうになっておりますので、やはり債券発行をいたしまして、それによって資金の調達をいたしておりますが、起債市場の利率の条件、あるいは起債市場の関係等がございまして、どうしても公庫だけの貸し付け利息の引き下げということができませんので、いまのように政府出資も今後とも引き伸ばしていきたいし、公営競技の収入もそういうことに使いたいと思っております。それでこの関係で話し合って、三厘下げますと、一律でやるといたしますと七分のものは六分七厘になりますし、七分三厘のものは七分になる。五厘にしてまいりますと、七分のものが六分五厘のところまでいきまして、政府の資金と同じような利率にもなるわけでございますが、これを公営競技の納付金だけでやっていくということも困難でございます。将来の資金量の増大その他も考えていかなければなりませんし、たてまえが政府の金融機関でございますから、当然に出資あるいは利子補給等の措置を加えまして、全体の金利の引き下げ、償還期限の延長等をこれからやっていく、その一環といいますか、ある意味の補完的な作用として納付金の力も借りまして金利引き下げをしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#240
○阿部憲一君 まあそれは、これだけ利子補給的なことをおやりになること自体は、それは確かに金利を引き下げ、公営企業にプラスになる安い資金を供給するということになると思いますけれども、非常に少ないという感じを持っています。したがって、今後このようなものにつきましては、公営ギャンブルの収益金のピンはねというのでなくて、やはり政府として、もう少し根本的に考えて安い資金を供給できるようにすべきじゃないかと、こう思います。私はこのくらいのと言っては非常に失礼な言い分なんですけれども、一%、しかも実際に利子にはね返るのは三%か五%ということになりますならば、かえってこういうことをすること自体マイナスの面のほう――先ほど局長は結局地方の財政を豊かにするというほうに重点を置かれるような言い方をなさったのですけれども、かえってこれが地方団体にギャンブルを奨励するようなことになりはしないかということと、もう一つは、開催していない、ギャンブルをやっていない市町村にかえって不平を起こさせるということは、結局そういう市町村もギャンブルをして財源を得たいというような希望を抱かせるということは、結局全体としてギャンブルをもっと、何と言いますか、振興と言ってはおかしいですが、ギャンブルをもっとはやらせる傾向を生じやしないかというふうに思いますが、この点どうですか。
#241
○政府委員(長野士郎君) 先ほども申し上げましたように、公営競技の開催回数あるいはそういうものについてはこれ以上はふやさないということは、これは政府の方針でございますから、その関係でギャンブルを実施する団体も当然にふえていくということにはなかなか相ならないと思います。それからこういう措置をとるとかえってあれだというお話でございますけれども、そもそもがこの措置はギャンブルを行なっております団体と行なっていない団体との問の不公平といいますか、その行なっていない団体から見ますれば非常に不公平のように見ているわけでございますが、その不公平さを幾分でも減らしたい、そうして均てん化議論というものの一応のけりをつけたいということもございましてこういう措置をするわけでございますから、もしこれがお認めいただけますれば、ギャンブルを行なわないでも、少なくともこの程度の効果――この効果は非常に薄いという議論はいろいろあると思いますが、しかし、私どもも無償で公営競技を実施しております団体から納付をさせるというかっこうになるわけでございますから、その団体の立場も考えなければならないということになりますと、やはりこの程度が最大限ではないかというふうに思っておりますが、両方合わせて、この辺で両者の関係の調節を最低限度取り得る、あるいはその説明がつくというようなことで、公営競技を実施してない団体に対しても一応の納得を得られやしないか、こう考えております。決して公営競技を進めていくということにはならないのじゃないかと思っております。
#242
○阿部憲一君 料金差の著しい飲料用の上水道と比較的低廉な工業用水道に対して公庫の貸し付け金が同じレートである、これは少し矛盾があると思いますが、いかがですか。
#243
○政府委員(長野士郎君) 工業用水につきましても、結局地盤沈下対策でございますとか、地域開発とかいうような関係がございまして、非常に先行投資的な要素が強いわけでございます。したがいまして、工業用水道を整備いたしましても、すぐに水が売れると申しますか、そういう状態に必ずしもならないわけでありまして、工業用水道の給水原価に占める資本費の割合というものも、近年ますます上昇しておりまして、四十三年度の決算におきましても、その割合が三分の二にも達しております。これが工業用水道の経営を悪化さしております非常に大きな原因になっています。やはり相当な規模で投資をしなければなりませんし、同時に、非常に先行投資的な要素が高いわけでございますので、この点につきましてはやはりできるだけ金利引き下げということが必要であるということで、本年度から貸し付け利率の三厘下げということも、補給金を得ましてその実現ができたようなわけであります。上水道についてもいろいろな問題がございますので、これは上水道の三厘下げは、四十一年から公庫について予算的にも利子補給金を得ましてすでに実施をしております。今回の工業用水道も上水道並みの利下げをさしてやりたい、こういうことで措置をいたしておるわけであります。
#244
○阿部憲一君 上水道の料金ですけれども、これは地域格差が非常にあるのですが、これを是正しようというようなお考えはありますか。
#245
○政府委員(長野士郎君) 確かにこの上水道につきましても、やはり地域的な条件、あるいは施設を整備しました年度の早い時に水源を確保したとか、最近やるとかいうようなところで、最近のところは水源地も非常に遠くなったりいたしまして、そのために料金が非常に高くなるというところがございまして、高いのと安いのと比べますと十倍くらいの差もあるというようなところが実情でございます。もちろんそういうふうな料金に格差のあることが決して望ましいというわけじゃございませんので、これは地方財政計画や交付税措置によりましても、一面、高料金対策というようなことで、そういうやむを得ず料金の高い地域に対しまして、その料金をあまりにも高くすることが住民の福祉に非常に影響があるということがございますので、そういう料金の抑制をするための財政負担というようなものは、一定の割合でございますけれども、一般会計で繰り出しすることもできるようにしたいというようなことで、財源措置も講じておるわけでございまして、またもう一面では、水源が非常に遠いということから、水源開発のための国の助成金も最近は出るようになりました。それから個々の市町村で水源開発をする、あるいは水道の全部を整備するということは困難になりましたので、広域水道というようなことで、府県を中心にして水道のまあ卸しぐらいなところまで府県がやる、あとの小売りといいますか、給水を市町村が受け持つというような事業がだんだん進んでおります。そういうものにつきましては、国の助成措置も最近だんだん講ぜられるようになってまいりまして、今後ともそういうような措置をいろいろ講じながら料金格差というものの是正につとめていきたい、こう考えております。
#246
○阿部憲一君 その高料金対策ですか、これを最近とおっしゃったのですが、いつごろからですか。
#247
○政府委員(長野士郎君) 高料金対策としてのそういう措置は昨年以来実施しております。
#248
○阿部憲一君 この改正案の中で、公庫に納付金を納付する期間を四十五年度から十年間としていますけれども、これは何か理由があるんですか。
#249
○政府委員(長野士郎君) 一応いつまでということで――あまりばく然とした書き方ではなかなか話し合い、あるいは了解もつけにくいわけでございますので、一応十年とした。まあ最近の社会状況の変化というものを考えますと、十年でも長過ぎるという議論があるわけでございますが、しかし、将来の公庫の資金ワクに対応できるような利下げが可能な基金量というようなものを考えますと、やはりその程度のことで考えていかなければいけないということになるわけでございます。これは納付期間を十年としたわけでありますが、あとこの基金そのものを十年でやめるわけではありません。あとあと利下げの作用をいたしますために、基金はそのまま運用してまいりたい、こう考えております。
#250
○阿部憲一君 自治省の認可を必要としないで、無期限に開催できる市町村があるそうですが、この理由は何ですか。またその市町村はどの市町村ですか。
#251
○政府委員(長野士郎君) これは公営競技が発足いたしました当初の時期、つまり戦後間もなくでございますが、その時期に認められました施行団体、特に競輪を中心としてだと思いますが、その団体につきましては期限を付するということがなくて今日に至っておるわけであります。元来は、もともとそういう意味で期限を付するということがなかったのでございまして、その後、各競技法につきまして、競輪につきましては二十七年、競艇につきましては三十二年、競馬につきましては三十七年というような段階で期限をつけるというようなことが行なわれてきたわけでございます。したがいまして、その後の実施団体につきましては期限をつけておるわけでございます。そこで、期限のない団体と期限つきの団体と二通りできておるわけであります。期限なしの団体は全体で二百三、これは四十五年一月一日現在の資料でございますが、期限つきの団体が二百三十三、こういうことになっておりまして、期限なしの団体は、競馬で十九団体、競輪で百十七団体、オートレースで八団体、競艇で五十九団体、こういうことになっております。期限つきのほうは、競馬で六十四、競輪で百十二、競艇で五十七、こういうことに相なっております。
#252
○阿部憲一君 そうすると、まあまだはっきりしないうちのどさくさに始めたうちの競輪なんかが生き残っているのだと思いますが、比較してみて、数としてはほとんど同じだと思いますが、これはいつまでも、あれでしょうか、ずっと永久に無期限に開催していけるということになるのでしょうか。
#253
○政府委員(長野士郎君) 無期限というわけではございません。指定は取り消し得るという場合があるわけでございます。たとえば一年間そういう競技を実施しないというようなことがあれば、その団体の指定は取り消すというようなことになっておりますし、また法理上から言いますと、その指定のときの基準と申しますか、理由と申しますか、そういうものが全く解消してしまっているということであれば、指定を取り消すということは可能だと私は思います。ただ、これらの団体の状況は先ほど来申し上げましたが、その後の状況の変化というものがいろいろな意味で加わってきておりますので、現状ではなおその状態というものは続いている、こういうふうな認識のもとに期限なしの団体についての指定の措置をいたしておらぬ、こういう御説明を申し上げるべきだと思います。
#254
○阿部憲一君 今回のこの改正案、すなわち公営競技を行なう地方公共団体の納付金を地方財政法の附則第三十二条の二に挿入した根拠は何でございますか。
#255
○政府委員(長野士郎君) この地方財政法は、一応は国と地方との間の財政の負担というような関係を考える、同時に地方団体相互間における調整というものを考える、そういう秩序維持をはかるというたてまえをとっているわけであります。今回の、公営競技を行ないますのはこれは地方団体、それから公営企業金融公庫と申しますのは、さっき申し上げましたように、地方団体と共同の資金調達機関ではございますけれども、形はやはり政府の金融機関、したがって、形としては地方から国へという関係を法律的に義務づけるという形になるわけでございます。やはりそうなれば、その負担関係、義務づけ関係というものをどこで法体系の中で整理していくかということに相なりますと、やはり現在のところでは、地方財政法の中で整理をしていくのが一番適当ではないか、こういう考えに立ちまして、地方財政法の一部改正をお願いしておると、こういうことでございます。
#256
○委員長(山内一郎君) 本案につきましての本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト