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1970/04/28 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第17号
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1970/04/28 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 地方行政委員会 第17号

#1
第063回国会 地方行政委員会 第17号
昭和四十五年四月二十八日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     瀬谷 英行君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     鈴木  強君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山内 一郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                安田 隆明君
                山木伊三郎君
                原田  立君
    委 員
                内藤誉三郎君
                初村瀧一郎君
                船田  譲君
                増田  盛君
                山崎 竜男君
                吉武 恵市君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       総理府特別地域
       連絡局長     山野 幸吉君
       警察庁長官官房
       長        富田 朝彦君
       自治大臣官房長  鎌田 要人君
       自治省行政局公
       務員部長     山本  明君
       自治省財政局長  長野 士郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       労働省職業安定
       局業務指導課長  保科 真一君
       建設大臣官房人
       事課長      粟屋 敏信君
       自治大臣官房参
       事官       首藤  堯君
       自治省行政局公
       務員部給与課長  潮田 康夫君
       自治省財政局財
       政課長      森岡  敞君
       自治省財政局交
       付税課長     横手  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十五年度地方財政計画に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十五年度地方財政計画に関する件を一括して議題といたします。
 前回、提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。長野財政局長。
#3
○政府委員(長野士郎君) 最初に、昭和四十五年度の地方財政計画から御説明を申し上げます。
 まず、お手元に御配付いたしております。「昭和四十五年度地方財政計画の説明」という資料がございますが、これをお開き願いまして、この順序に従って御説明申し上げたいと思いますが、まず最初の昭和四十五年度地方財政計画の「策定方針」のところにつきましては、前委員会におきまして、大臣から提案理由の説明として御説明を申し上げたとおりでございまして、この点は省略をさしていただきます。
 そこで、次に三ページをめくっていただきまして、三ページは四十五年度の地方財政計画の規模でございますが、大臣の説明にもございましたように、またここに掲げておりますように、四十五年度の財政計画の規模は総額七兆八千九百七十九億円でございまして、前年度に比しまして一兆二千五百八十二億円の増加でございます。増加率は一八・九%ということに相なっております。第一表「歳入」でございますが、歳入の関係につきましては、いま申し上げましたように規模がふくらんでおりますが、その中では、「地方税」の項目におきまして、税制改正後で、前年度に対しまして五千七百五十億円の増加を見込んでおるのでございます。増加率は二〇・五%でございます。
 第二番目には、来年度におきましての税制改正による減税及びこれに伴う減収の関係でございますが、地方税法の改正を御審議願いました際に御説明申し上げたとおりでございますが、第一番目には、住民税の課税最低限の引き上げなどによりまして六百六十二億円、二番目には、事業税について事業主控除の引き上げによりまして約六十億円、第三番目には、その他電気ガス税の免税点の引き上げ等によりまして十六億円、なおこのほか土地にかかわる固定資産税の評価がえに伴いますところの都市計画税については、負担の調整を行なうことになりました結果、調整を行ないますので、二百三十五億円の減収と、こういうことに相なりますが、一方都市における財政需要の増高の実態を考慮いたしまして、都市財源の充実をはかることといたしまして、法人課税の増徴に伴う法人税割りの増収分をすべて市町村の財源として付与することにいたしました。このいま申し上げましたような関係につきましては、六ページ以下をごらんいただければ、そういうことの主要な内訳になっておるのでございます。
 それからその次に、八ページに参りまして、地方譲与税の関係でございますが、地方譲与税の収入見込み額は千九十七億円でございまして、うち地方道路譲与税は、ここに書いておりますように、八百九十八億円、石油ガス譲与税は百三十七億円、特別とん譲与税は六十二億円でありまして、前年度に対しまして、合計いたしまして百八十五億円、二〇・三%の増加となっております。この中で特に著しく増加しておりますのは石油ガス税でございますが、八五・一%の増加を示しております。これは、四十五年の一月一日以降におきましては、従来適用されておりましたところの暫定軽減税率の特例措置が適用されなくなりましたために、それだけの伸びを示すことに相なったのでございます。
 次は、次のページを開いていただきまして、地方交付税でございますが、地方交付税の総額は一兆六千九百二十五億円でありまして、前年度に対しまして三千三十三億円、二一・八%の増加と相なっております。交付税の算定基礎は、第四表に示しておるとおりでございまして、国税三税の三二%、交付税が一兆六千六百二十八億円。その内訳は、三二%分が一兆六千九百六十九億円でございますが、四十五年度の特例措置あるいは精算分等を差し引きをいたしまして、それから、四十三年度以降、ここに書いておりますように、二百五十億円の借り入れの償還の計画がございまして、四十五年度分は八十五億円の返還ということに相なっております。それで、それをかれこれ合計をいたしますと一兆六千五百四十三億円に相なっておりますが、それにさらに四十四年度の補正予算によりますところの繰り越し分約三百八十二億円を加えまして、総計といたしまして一兆六千九百二十五億円、増加額三千三十三億円と、こういうことに相なっておるのでございます。
 一〇ページに参りまして、国庫支出金でございますが、国庫支出金の総額は二兆四十億円でありまして、前年度に対しまして、二千五百八十一億円、一四・八%の増加であります。内訳は第五表に示しておるとおりでございますが、この中で伸びの多いものをかいつまんで申し上げますと、社会保障の関係におきまして、生活扶助の基準等の引き上げを中心といたしますところの生活保護費の負担金が相当増加をいたしておりまして、この増加率は一八・七%であります。その次の児童保護費あるいは精神衛生費、老人保護費などもいずれも増加を示しておりまして、これはそれぞれ、基準の引き上げによりますところの負担金の増加でございます。児童保護費の負担金の増加率は二六・一%、精神衛生費の関係は二九・五%、老人保護費の関係は二六・六%でありまして、いずれも国庫支出金総額の増加の割合よりも非常にふえております。
 第二番目には、公共事業費の関係でございますが、道路、治山治水などを中心にいたしますところの社会資本の充実の要請にこたえまして、補助負担金の増加がはかられておりまして、これらの公共事業費の補助負担金の増額の割合は、前年度に比較いたしまして一七・八%ということに相なっております。そういうことで、合計いたしまして二兆四十億、前年度に対しまして二千五百八十一億円の増加と相なっておるのでございます。
 その次のページに参りますと、地方債の関係でございますが、「地方債」の中で「一般会計分の地方債」、財政計画に組み込まれますところの地方債分は、発行予定額は、ここに書いてございますが、三千六百三十二億円でございまして、前年度に対しまして七百三十五億円、二五・四%の増加でございます。これは割合から申し上げますと、歳入中で最も大きな伸びを示しておるということに相なりますが、内容といたしましては、生活関連施設の整備を中心といたしますところの公共的な施設の充実ということで、増加をはかられておるということになります。おもなものはこの第六表に掲げております。公営住宅の建設事業、二百五億円の増加をみております。それから四番目の義務教育施設整備事業、百十七億円の増額でございますが、この中には義務教育関係の小中学校の敷地用地取得の起債は、昨年五十億でありましたものが八十億円に増額されております。それから第六番目には辺地及び過疎対策事業、これは辺地及び過疎対策事業につきましては、新たに項目を立てまして、二百億円ということになっておりまして、四十四年度に対しまして百三十八億円の増加でございますが、これは辺地債が七十億円、過疎債が百三十億円という一応の内訳に相なっております。その次の同和対策事業につきましても、新しい項目を立てまして、特別措置法の実施に対応をいたしておるわけでございます。今年度七十億円ということに一応額を計上いたしております。なおこのほかに、五番目の一般単独事業の中に入っておりますが、広域市町村圏関係の担当事業として一応三十億円を予定をいたしております。
 その次に、一三ページに参りますが、二二ページでは、歳入の項の中では使用料、手数料等につきましても、これはいずれも最近における実績の増加率を勘案をいたしまして、七十一億円の増加を見込んでおるのでございます。それから、雑収入につきましては、まあ一応例年経済成長率を勘案いたしまして計上することにいたしておりますが、今年度におきましても二百二十七億円の増加を見込みまして、二千二百七十九億円といたしております。
 次には、一五ページ、歳出のほうに入っていただきまして、給与関係経費でございますが、給与関係経費の総額は二兆五千二百二十五億円でございまして、前年度に対しまして三千二百四十七億円、一四・八%の増加でございます。本年度におきましても、内容といたしまして、国の措置に準じまして、給与の改善措置に必要な経費を計上いたしておりますが、前年度に引き続き定員の合理化という国家公務員についての方針に準じまして、地方公務員についても、義務教育職員とか、警察官、消防職員、あるいは清掃職員等を除きまして、それ以外の職員については、地方財政計画上の縮減の措置、合理化の措置をはかることにいたしておるのでございます。給与費につきましては、給与費の総額は二兆四千七百三十四億円でございまして、前年度に比しまして三千二百三億円、一四・九%の増加ということになっております。この中には、第一番目は、四十四年度の給与改訂分の平年度化分二千百二十三億円が入っております。第二番目には、昇給に要する給与費の増額といたしまして、五百三十七億円を見込んでおります。それから給与改善に要する経費といたしまして三百二十一億円を見込んでおりますが、これらは、国の措置に準じまして給与改善に必要な経費として、年度中におきますところの給与改定等の措置に対応いたしたいということで考えておるのでございます。それから四番目には、警察官とか高校教員等の人員増によるもの九十九億円等を内訳といたしておりますが、なおそのほかに特別職の給与改定の増、定員合理化に伴いますところの減、共済組合負担金の増を見込みまして、三千二百三億円という内訳に相なっておるのでございます。
 次のページに参りまして、一六ページでございますが、一六ページは一般行政費でございます。一般行政費の総額は一兆五千四百二十六億円であります。前年度に比しまして二千三百六十八億円の増加となっております。国の補助負担金を伴いますものは、国の予算に計上されました普通補助負担金を基礎として算定されました経費は七千九百二十九億円であり、前年度に対しまして一千二百九億円の増加と相なっております。国の補助負担金を伴いませんもの、これは一九ページをひとつお開き願いますが、国の補助負担金を伴わない一般行政費は七千四百九十七億円でありまして、前年度に対しまして千百五十九億円の増加と相なっております。
 なお、国の補助負担金を伴わないものの歳出の内訳の中には、本年度におきましても前年度に引き続きまして土地開発基金設置に要する経費六百億円、財政健全化のための留保資金として百億円を増額計上いたしております。
 なおこの経費の中には、給与改定とか現年発生災害等に対応いたしますところの年度途中における追加財政需要の発生に備えまして約七百億円を計上いたしておるのでございます。また旅費、物件費等につきましては、ここに書いてございますようにおおむね府県につきまして七%、市町村につきまして四%程度の経費の節減を行なうことといたしまして、百二億円の減額を見込んでおります。
 その次は公債費でございまして、一般会計分の既発行地方債の昭和四十四年度末現債高一兆七千五百七十四億円及び昭和四十五年度の新規発行額三千六百三十二億円、これにかかりますところの四十五年度の償還額は三千九十一億円でありまして、前年度に対しまして五百三十七億円の増加と相なっております。
 その次は、次のページ、二〇ページでございまして、維持補修費の関係でございますが、維持補修費の関係は、各種施設の増加および補修単価の上昇等の事情を考慮いたしまして、百三十七億円の増加を見込んでおります。
 第五番目の歳出は投資的経費でございますが、投資的経費の総額は三兆四百三億円であり、前年度に対しまして五千八百七十三億円、二三・九%の増加であります。投資的経費の内訳につきましては、直轄事業負担金千百三十六億円、公共事業費一兆五千二百二十八億円、このうち普通建設事業費は一兆四千二百二十億円であります。前年度に対しまして二千四百二十二億円増加をいたしております。公共事業費の内訳は第十四表に出ているところでございます。説明は省略させていただきます。失対事業費も内訳は第十五表のとおりでございます。
 それから次に二三ページに行っていただきますと、投資的経費のうちで一般事業費および特別事業費、二三ページに書いておりますところの一般事業費と特別事業費が、いわゆる地方の単独事業でございます。一般事業費の総額は五千九百六十五億円でございます。前年度に比しまして千百二億円、二二・七%の増加でございます。内容は普通建設事業費――教育、産業経済、住宅、厚生等の関係施設の整備をはかりますための普通建設事業費五千八百十億円でございまして、これは国の補助負担にかかわりますところの公共事業費の増加状況等を勘案をいたしまして千八十三億円の増額計上をいたしております。増加率は、前年度に比べまして二二・七%の増加でございます。
 その次に、特別事業費でございまして、これは、国の補助負担金を伴わない投資的経費のうち、地方の公共施設の整備充実を計画的に推進いたしますための特別事業費の総額は七千三百八十九億円でありまして、前年度に比しまして二千四十億円、増加率は三八・一%であります。相当まあ思い切った増額計上をいたしております。これは、住みよい生活の場を整備するためのそういう地方財政計画の策定の基本方針にのっとりまして、相当多額の計上をいたしたのでございます。その中で長期計画事業費――道路整備、治山治水等の各種の長期計画にかかる単独事業費は五千三百五十億円でありまして、前年度に比しまして千三百七十一億円の増加でございます。この増加率は三四・五%ということに相なっております。
 次は、過密過疎対策事業として、人口急増対策、過疎対策、交通安全対策等のための事業費は千八百三十一億円でございまして、前年度に比しまして四百六十一億円、パーセンテージにいたしまして三三・六%の伸びを示しております。
 その次は、広域市町村圏振興整備事業――広域市町村圏の振興のための事業費二百八億円、主として市町村道の整備を中心といたしまして計上をいたしております。
 その次は、公営企業繰り出し金――公営企業繰り出し金の総額は千三百四十八億円、前年度に比しまして二百億円の増加でございます。公営企業につきましては、財政計画ではさらに、昭和四十五年度におきましては、地下鉄建設に対する助成措置がとられたことに伴いまして、地方団体の補助分として三十七億円をこの中に計上をいたしております。
 その次には、超過負担の解消でございますが、四十五年度も従来の基本方針にのっとりまして引き続いて措置をいたしております。約四百五十三億円の解消措置を講じておる、こういうことに相なっております。
 以上、簡単でございますが地方財政計画の補足説明とさせていただきます。
    ―――――――――――――
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案の補足説明をさせていただきます。これは、お手元にお配りいたしておりますところの法律案関係資料というのがございますが、その中に「地方交付税法の一部を改正する法律案要綱」というのがございますが、これに基づきまして簡単に御説明申し上げます。
 第一番目は普通交付税の算定方法の改正でございますが、最近における社会経済の進展に対処いたしまして、それぞれの地域の特性に即応した財源措置を講じていくということ、その措置を強化するということが最近は特に必要になってまいりましたので、基準財政需要額の算定方法を改正をいたしまして合理化をはかりたい、こういうことでございます。
 第一番目は、市町村道その他各種公共施設の計画的な整備をはかりますために、単位費用の改定及び算定方法の改正を行なっております。府県の単位費用を、市町村の関係の投資的経費等を中心にいたしますところの単位費用の改定を相当大幅に見込んでおるのでございます。
 第二番目は、土地開発基金制度の活用をはかりますために、四十五年度におきましては市町村分の土地開発基金費を存続をすることにいたしまして六百億円、四十四年度三百七十七億円にさらに四十五年度六百億円これを拡充をいたすことにいたしております。府県につきましては、四十四年度の補正予算に伴いまして、前年度すでに交付団体に対しまして二百八十二億円、総額三百四十五億円の配分を終わっているわけでありますが、ことしは市町村に対しまして六百億円を配分をいたしたい。
 第三番目は、過疎地域における行政水準の維持向上をはかりますための態容補正の合理化、人口の減少率を基準にいたしまして割り増しの補正を考えていく、そういうようなことをいたします。あるいは市町村分につきまして、産業振興等につきましては、産業経済費の単位費用の引き上げをいたしましてその財政需要額の充実をはかる、こういうことにいたしまして、市町村分の過疎対策といたしまして六百四十四億円から八百四十六億円、二百二億円の増額算入をいたしたい、そういうことにいたしますとともに、診療所、あるいは患者輸送車、簡易水道の維推運営等に要する経費につきましての需要額の算入をはかっております。これらにつきましては、診療所の数でありますとか、輸送車の台数でありますとか、簡易水道の給水人口等を指標にいたしまして、密度補正を適用いたしたいということでございます。
 第四番目は、広域市町村圏における基幹生活関連道路の整備、先ほど財政計画のところで御説明申し上げておりましたが、生活関連道路の整備を中心にいたしまして舞準財政需要額の充実をはかる、一圏域当たりおおむね三億円程度の増額をはかるようにいたしたい、こういうことでございます。
 第五番目は、都市施設の整備等の過密地域における財政需要額の増加でございます。人口の急増補正による算入額の強化、事業費補正をいたしまして、小学校・中学校費等におきまして生徒児童数の増加率に応じて割り増しを強化をいたしてまいりたい。市町村道、下水道、都市計画事業等にかかります問題につきましても、それぞれ充実をはかってまいりたい。人口比率によりますところの密度補正、下水道等につきましては排水人口比率による補正等を強化をいたしてまいりたい、こういうことでございまして、市町村分の過密対策費といたしましては千三百十六億円から千五百七十四億円、約二百六十億円の増額をはかってまいりたい。
 第六番目は、公害対策、交通安全対策、防災救急対策についての経費の充実を期したい。その他給与改定の平年度化とか、各種制度の改正がございます。これに伴いまして増加いたしますところの経費を基準財政需要額に算入いたしますために、関係費目の単位費用の改定なり、算定方法の改正を行なおうとするものでございます。
 その次には、基準財政収入額の算定方法につきまして簡素化、合理化をはかるために幾つかのものを考えておりますが、たとえば住民税の個人均等割りにつきましては、国勢調査人口を基礎にして算定をするということに相なっておりますけれども、人口減少団体につきましてそのとおりやりますというと、非常な過大算定になってくるというような弊害もございますので、前年度の納税義務者数を基礎とするようなところへ振りかえて改正をいたしてまいりたい、こういうことでございます。あるいは法人税割りと法人事業税の算定につきましても、分割法人と同様に前年度の課税標準を基礎として課税をいたしまして算定することにいたしたい。その他鉱産税の関係につきまして、あるいは個人事業税の関係につきまして、人口の流動に対応いたしまして合理化するような措置をはかってまいりたい。あるいは鉱山の閉山等に伴いまして、実態に即応した算定ができるようにいたしてまいりたい、こういうことでございます。
 第二番目は、地方交付税の総額の特例でございます。
 第一には、地方財政の状況にかんがみまして、昭和四十五年度分の地方交付税の総額につきましては三百億円を減額するという特例措置でございます。
 第二番目には、四十五年度分までの繰り延べ額九百十億につきまして、昭和四十六年度分の地方交付税の総額に三百十億、四十七年、四十八年度の総額にそれぞれ三百億円を加算する。三百十、三百、三百というふうに返してもらうということにいたしておりますが、なお法律の上におきましては、地方財政の状況等に応じましてそれぞれの年度におけるところの加算額を変更することができるということにいたしております。
 その次には、昭和四十五年度及び昭和四十六年度におきましては、特別事業債及び市町村民税臨時減税補てん債の償還に要する経費は交付税によって措置する、こういう特例規定を置こうとしておるものでございます。
 以上簡単でございますが、地方交付税等の一部を改正する法律案の補足説明をこれで終わらしていただきます。
#4
○委員長(山内一郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○和田静夫君 総務長官にお尋ねをします。二、三日前の新聞で、沖繩の返還に伴って沖繩と本土を交付税制度でつなぐ作業を自治省に命じたと、そういうふうに報道されていました。そのような作業にはいれるということは、前提になる沖繩の税制の整理方針ができた、そういうことなのですか。私は実は今国会の冒頭、自治大臣の所信表明に対して沖繩問題に関連をして幾つか尋ねたわけでありますが、そのときにも、自治省の答弁では、税制上の整理を一つの問題点とされていたのでございますが、いかがですか。
#6
○政府委員(山野幸吉君) 総務長官が最近自治省のほうとそういう御相談をされたということがございまして、私直接総務長官からお聞きしたわけでございますが、総務長官のお考えは、いま御指摘のように、沖繩の税制が、国税、県税を合わした、しかも国税中心の税体系でございまして、したがって私どもは、二年後の沖繩復帰に備えまして、ただいま沖繩の国税、県税の行財政を通ずる分離の作業をいま進めようとしておるところでございます。したがいまして、いま御指摘のように、そういう税制をどうするかということがちゃんと方針がきまったという段階までにはまだ立ち至っていません。しかしながら、御承知のように、沖繩の財政の実態が非常に日米経済援助というものを中核にして運営されておりますものですから、この沖繩のいわゆる対応費を除いた一般財源が非常に不足しておりまして、琉球政府としましては、何かこういう援助方式ではなくて、琉球政府の一般財源として日本政府が援助してもらえないかという要請が従来から強かったわけでございます。これを俗称交付税方式と簡単に言っている向きもありますけれども、私どもが本土で考えますほんとうにこの地方交付税法による交付税というほど厳密なものではなくて、何かひもつきでない一般財源を包括的に援助してもらいたいというような趣旨で、従来から交付税方式で援助してもらいたいという要請もあったわけでございます。
 そこで、総務長官とされましては、どうせ復帰準備で、行財政を通じて国税、県税の事務を分離し、そうしてやがて沖繩県をつくったときに日本の交付税法がどういうぐあいに適用されていくかということも準備としてもう研究していかなければならぬ段階でございますので、そういうこともあわせまして、ひとついわゆる従来の事業別のひもつきの援助ではなくて、一般財源を与えるような方式における援助方式、そういうものは考えられないかという意味で発言されたものと私は承知しておるわけでございます。
#7
○和田静夫君 私も、いまの説明、後段の質問ではそういうことを実は求めたいと、こう思ったのですけれども、たとえば沖繩返還に伴って、本土の地方制度とただつなぐと言ってみたところで、つなぐための整理をするというだけであったならば、四十七番目の県になってしまう。それだけのことです。したがって、当然特別の財政援助措置などというものが考えられなければならぬ、そういうふうに思いますが、その辺は、自治省と総務長官の発言との関係ですね、どの辺まで一体打ち合わせができておるのですか。
#8
○政府委員(鎌田要人君) ただいま御指摘になりました沖繩県並びに沖繩県下の市町村、これに対しまする財政援助ということにつきましては、ただいま特連局長のほうからも御説明ございましたように、現在琉球政府が行なっておりまする仕事、それから市町村が行なっておりまする仕事と、本土の国、府県、市町村、こういうものと比較いたしました場合に、行財政制度――税制を含めまして行財政制度について非常な懸隔があるわけであります。そういった、当面一九七二年に沖繩県に移行してまいる、そのための本土の行財政制度をどのようにつないで適用してまいるかということに加えまして、ただいま御指摘になりました、沖繩県というものをどのように開発してまいるかということの二つの課題、当面横へ制度的につないでいって、それにさらに開発を促進してまいる、この両方の面につきまして、私どもは特連局のほうとも連絡をとりながら、あるべき行財政制度について検討を現在行ないつつあるというところでございます。
#9
○和田静夫君 そうすると、具体的にはまだ何もないということですか、いまの御発言ですと。とにかく一日も早く沖繩返還に伴う地方制度の案だとかあるいは財政措置上の具体案を出すということが私は必要だと思うのです。また、国民もそのことを望んでおると思うのです。本土の国民が沖繩の復興を心から望んでおる。したがって、その迎え方についてやはり私たちが議論をする機会がなければならぬ、そういうふうに考えるのです。そういう意味において、政府の案というものを私は早く出してもらいたいと思います。私自身もその議論に参加したいと思うのです。
 ところで、何かすでに総理府からは、沖繩現地に対してはマル秘の文書で、「国政、県政について」という文書で出ていると伝えられています。それは原口調査官なる人の手によって主として書かれた文書のようであります。その文書を資料としてお出し願えますか。
#10
○政府委員(山野幸吉君) 実は、昨年十二月に総理府に沖繩復帰対策各省連絡担当官会議というのをつくりまして、そこに行政部会、財政部会という部会、その他七部会ございますけれども、そういう部会が設けられまして、これにはもちろん自治省も参加してもらい、関係省庁参加しまして、そうして沖繩の復帰対策としてのいわゆる沖繩の国政、県政の分離、行財政を通じてどういうぐあいに分離していくべきかという作業を始めたのでございます。そうして、ことしの一月と記憶していますが、調査団を出しまして、琉球政府とあるいは関係諸団体等の意見を聞いて一応の参考資料を得ておるわけでございまして、特に個人の名前を使った極秘文書とか、あるいは秘文書とか、そういうものはございません。いま作業の過程にございまして、まだいますぐそれを資料としてお出しするまでには至らないわけでございまして、その報告を行政部会、財政部会等で検討いたしまして、さらにまた必要に応じては現地にさらに再度調査をいたしまして、琉球政府の意見等も考慮しながら作業を進めていきたい。ある時期においては資料としてお示しできるような階段になるものと考えておるわけでございます。
#11
○和田静夫君 言ってみれば、その報告の文書を私たちも見せてもらって、そして共通の広場で討議に参加させてもらう。何も部会に参加さしてくれとは言いませんが、そういう機会というものが私はぜひ必要だと思うのです。したがって、報告の書類というものは対外的に見せてそんなにどうこうというものじゃないわけでしょう。私に資料としては提示をしていただけませんか。
#12
○政府委員(山野幸吉君) これはおことばを返すようで非常に申しわけないのですが、実は行政、財政に限りませんで、沖繩復帰をめぐる日本政府の態度というのは、沖繩にとって非常に大きい関心と、どうなるかという警戒心と申しますか、そういう非常に関心の的になっておるものでございますから、現在国政、県政をあわせて琉球政府という政府をつくって行政している、それをこういうものについては国政、こういうものについては県政、したがって、組織もどういうぐあいに分かれる、それに従事しておる職員も国家公務員と地方公務員に分かれていくというような身分問題もからんでくるわけでありまして、この琉球政府の意見も十二分に聞いた上で、部会で相当これならいけるというような段階になりませんと、途中で出しますと、非常に混乱を起こしましたり、あるいはとんだ疑惑を受けましたり、誤解を受けましたりしまして、非常に混乱させますものですから、別に秘密にやっていこうという意味ではございません。これはもう適当な時期にはもちろん国会にも御提出していろいろ御意見を承るべき問題だと私どもは十分認識しておりますが、ただいまのところはそういう時期にないわけでございます。
#13
○和田静夫君 一定の、たとえば地方制度をこうします、あるいは個々の、立法院の諸君の身分制度はこうしますなどというような結論を出されてからいただいたって、私たちは論議に参加するということにならない。やっぱり今度の問題というのは調査をされ――私たちは調査機能を持っていないわけですから、あなた方は国費を使って調査をされる、その調査報告に基づいて私たちが意見を開陳をする、当然行なわれてしかるべきものであります。それは地方行政関係であるとか沖特であるとかは別として、そうすればそのたたきになるものはやはり出してもらわなければ困る。あなたが言われるような形で、現状をこういうふうに認識をしましたという報告によって、沖繩の皆さんがそのことでもって混乱を起こすなどということは考えられないのじゃないですか。
#14
○政府委員(山野幸吉君) 大体私どもこういう問題を常時取り扱ってまいっておりますが、私どもがそう何でもない問題だと思う問題が、案外現地では非常に深刻にとられまして、琉球政府あるいは関係団体等に非常に大きく影響を及ぼした問題が非常にたくさんございます。それからそれと同時に、現在復帰準備を進めます進め方としまして、もちろん内政上の問題は近くできます対策庁あるいはその出先機関である沖繩事務局を通じまして琉球政府と相談して進めますけれども、一九七二年まではアメリカに施政権があるわけでございまして、したがいまして、そういう内政上の問題は現時点においては米国の施政下における内政の問題になるわけでございますが、それをどういうぐあいに持っていくかということは、現地における準備委員会というのが、この間法案を御審議をいただいて成立をして、近く正式に発足するわけですが、そこに日米の代表が参加をし、それから屋良主席が顧問として参加しまして、そこで大まかなガイドラインをきめまして、そうしてそれに基づいて現地の作業を進めるということにもなっております。そういう関係もございまして、いま先生の御指摘のような資料として出せるものはできるだけ私どもも出すようにしてまいりたいと思いますけれども、ただいまのところは、まだ調査に着手した段階でございますので、いまここで報告書を、あるいは一部の報告書を御提出するのは、適当ではないじゃないかと考えます。
#15
○和田静夫君 そうしましたら、一歩譲って、これに時間ばかりとっておってもあれですから、調査に着手をされた段階である、したがってその調査項目は、これはお出し願えますね。その結果に基づいた報告は別として、いまの時点において調査項目は私に出していただきたい。よろしいですか。
#16
○政府委員(山野幸吉君) 承知しました。
#17
○和田静夫君 それじゃ、総理府はそれでけっこうです。
 四十五年度の地方財政計画並びに地方交付税法の一部を改正する法律案について質疑をしていくわけでありますが、その内容についてはあとで詳しく尋ねますが、私は、いつもながらこの地方財政計画というのは一体何なのかということを考えざるを得ないのであります。毎年度の地方財政計画をたんねんに検討してみまして、地方財政計画というものの本質、意義というものを問わざるを得ない、そういう気持ちになります。毎年二月の下旬、あるいはことしは国の予算編成がおくれたこともあって三月でしたが、いずれにしてもこの時分になると、マスコミを通じて明年度の地方財政計画が閣議決定をされたと大きく報ぜられておる。しかし、新聞などを見た一般の人々がそれをどう理解をしておるのか。おそらく大部分の人は、財政計画が何であるか、まあ読み流してしまう、そういう程度のものではないだろうか。地方財政計画などというものにかなり長くつき合ってきたわれわれのような者でもわからないことが多いのですから、そのことはきわめて当然だと実は思うのです。で、自治省の方々が例年同じ作業をして同じような説明をされていますが、ほんとうに地方財政計画の何たるかを考えてみられたことがあるのだろうかということを実は疑わざるを得ない。私はさきの本会議で、地方財政計画の計画額と決算額の差が一兆円をこすような事態になっていることについて質問をしたときに、自治大臣の答弁は、その原因についての従来からの自治省の見解を繰り返されて、何とか技術的に改善してその乖離を縮めたいということでした。しかるに、私の質問の意図は、自治省の従来の乖離の理由としてあげてきた幾つかのこと、たとえば超過負担にしても、あるいは公営企業への繰り出し金にしても、むしろ最近の動向というのは、その乖離を縮める方向にある。言ってみれば、いままで自治省が理由としてきたことは、もう理由にならなくなってきておる。そのことを私は述べたのであります。それにもかかわらず、計画額と決算額とは開く一方である、こういうことにいまなっているわけです。それはなぜですか。
#18
○政府委員(長野士郎君) 計画と決算の乖離の問題は、いろいろな要素があるわけでございます。端的に申しまして、一つは、地方財政計画は単年度の財政計画であるということでございますから、前年度からの関係というものを立ち切っておるということでございます。それからまた、当初の計画であるということでございまして、その間における年度途中あるいは年度末までにおけるところの自然増収その他の要因というものは、もちろん全然見込んでいないということは申し上げられませんが、その年度中の税収とか、そういうものは一応見込んでおるわけでございますけれども、経済がこういうふうに経済見通し等をはるかに越えまして成長していくという階段におきましては、途中におけるところの自然増収等が非常に大きく出てくる、こういうことになるわけでございます。またそれと同時に、国の補正予算その他の増額計上に伴いますところの問題も出てくるというようなことがありまして、やはり決算と計画との間が大きく開いてくる。これが一つの歳入面におけるところの大きな、ほかにもいろいろございますけれども、大きな相違だろうと思います。それから歳出面におきましても同様なことが出てくるわけでございまして、それは各経費におきましても、あるいは委託事業費等はこの中に含まれておりませんし、もう一つは、またこれは歳入歳出に関連もございまするが、いわゆるワク外債その他のものが相当大きくこの中に入ってまいります。あるいは委託事業費等が相当大きく入ってまいります。これは歳入歳出ともに影響してまいります。いろいろなことが重なりまして、財政計画と決算とが相当大きく開いてきておるということは、これはもう御指摘のとおりでございます。
#19
○和田静夫君 さすがに最近では新聞も、地方財政計画というのは実際の明年度の地方財政の実勢を示すものではないという注釈をつけて報道されるようになっているわけです。まあ翌年度の国の経済の動向が一体どういうふうになるのか、これは経済人ならずとも、国民がひとしく深い関心を持っているわけですが、地方財政計画に対して各方面から一定の関心が寄せられるゆえんというものを考えてみると、私は、地方財政計画ではなくて、現実の地方財政そのもの、地方財政が国の経済、特に財政支出における重要な部分を占めて、経済の動向を占う基礎材料となるからであろうと考えるのです。ところが、現在私たちが自治省から与えられる地方財政についての基礎資料というものは、地方財政の実態を十分はかり得る資料たり得ているかどうか、たいへん疑問です。言うまでもなく、地方交付税法の第七条には、内閣は、翌年度の地方団体の歳入歳出見込み額に関する書類を作成して、これを国会に提出しなければならぬと書いています。この規定に基づいて国会に提出をされる書類と相互に表裏する資料が地方財政計画というわけです。これと現実の地方財政の姿とはあまりにもかけ離れているために、これによって地方財政の実勢を知ることはできない。私は、経済の動向を見きわめる上で、その財政支出などを通じて、その動向に重要な影響を与える地方財政の実態をつかむということが非常に大切だと思うのです。われわれはその実態を知る権利がまたあると思うのです。この点、自治省は、明年度の地方財政の実態をどのように把握をされているのですか。
#20
○政府委員(長野士郎君) 地方財政計画と地方財政の実際といいますか、そういうものとの隔たりということが、御指摘の中心であるわけでございます。そこで、明年度におきましても、その点で、四十五年度の地方財政計画と明年度の実績というか、実態というものは相当大きくまた乖離が生ずるのではないかという御指摘が中心だろうと思いますが、私どもそれはまたそういう結果を来たすということは予測しております。ただ、この財政計画の中で考えておりますというか、見込んでおりますところの歳入歳出の、ある一定の姿と申しますか、諸関係というのは、これはやはり同じような形で財政の上にあらわれていくのではないか。事柄としては相当大きく離れていくという部面もあるわけでございますけれども、全体の地方財政の実態が運営されました結果は、この地方財政計画に示されました大きな流れといいますか、形というものの中で、あるいはそれに即した推移を示していく。つまり、そういうことでは、地方財政計画というものは、その一つの指導的な役割りといいますか、標準的な姿というものを示している。その意味では、地方財政の運営の一つのその面での役割りを果たしていくものというふうに私どもは考えております。
#21
○和田静夫君 地方財政計画というのは、国が、地方財政のあるべき姿ということで、いわば意図的に、作為的につくるものでありましょう。したがって、計画と決算との間に開きができるのは、私は当然であろうと思います。その理由については、私は自治省関係者の方々の書いたものを幾つか読んで、ある一定の理解はしているつもりです。
 いま私が問題にしているのは、そのことではありません。私の言いたいことは、地方財政計画が国の予算を越える規模であって、また国の財政支出の多くが地方団体を通じて支出をされる。地方団体の財貨サービスの購入が、国全体の景気の動向に重要な影響を与えてきている。現在国の考えているところの基準によって計画を策定する、そのこととはまた別個に、地方財政の実態というものが翌年度においてどういう形で発展をしていくのだろうかということを予測することがあってもよいはずじゃありませんか。私はそういう予測がなくてはならないんだと実は思うんですよ。なけりゃならぬのだと、こう思うのですよ。いわば国の財政は予算を中心に国自身がつくるものですから、大きくすることも、あるいは小さくすることも、国自身でできるでしょう。しかし、地方の財政は国の意思によって必ずしも自由自在ではありません。必ずしも、言ってみれば、自由自在には国の意思でできるような存在ではないはずです。国にとっては客観的な存在であると言って私はよいと思うのです。わが国において国庫支出金やあるいは地方交付税の地方財政に占める割合が非常に大きく、かなりの程度国が地方財政を動かせるとはいっても、地方財政が地方自治体の財政である限り、国にとっていわば外部的な、客観的な存在であるという側面は決してなくならないと私は思うのです。したがって、地方財政計画は国がつくるものですからどのようにでもできましょうが、客観的存在としての地方財政そのものは国の意思によっては規定できないものとして存在をしているのです。来年度の地方財政の予測図を提供するというサービスこそ、地方財政計画の策定とは別個に自治省が行なうべきものであると私は考えますが、自治大臣いかがですか。
#22
○国務大臣(秋田大助君) たいへんむずかしい御議論のように思いますが、地方財政計画なるものは、年度当初における単年度ベースにおける一応の見通しでございまして、いわば最低の見通しとも言うべきものかと思います。これを中心にいたしまして、地方公共団体におきましても、自主的な見地から、それを参考にして自律的におのおのの予算を立てると、こういうことになっておりますので、おっしゃるとおり、地方の実際の歳入歳出計画は自律性と自主性を持っておりましょうけれども、やはりその計画と政府の大体見通しで予測を立てておりまする地方財政計画との間には関連性を持ってくる。しかし、理屈の上では、それは地方公共団体の自主性にまかされておる。しかし、地方財政運用上、各地方団体は完全にそれじゃ国の大体の方針を無視していいのかということは言えないわけでございまして、その間にやはり相関的にある種の関係は自然のうちにある、こういうふうに私は理解をいたしております。
#23
○和田静夫君 三月一日の日本経済新聞は、四十五年度の都道府県予算案をみずから調査をして、その調査結果に基づいていろいろ発表しています。時間の関係もありますから読みませんが、地方の当初の予算は、言ってみれば補助事業の決定がおくれることなどもあって、国とは若干趣が違いますけれども、それでも年度当初の各知事たちの姿勢をこれによって知ることができます。これを見た場合に、地方財政計画の立脚点に立って自治大臣はどのような感想をお持ちになりましたか。
#24
○国務大臣(秋田大助君) ただいまも申し上げましたとおり、その間にやはり脈絡、関係がございまして、乖離が考えられますけれども、十分その間に相互に相配慮した関係があるもんである、こういうふうに見ております。
#25
○和田静夫君 私はやっぱり、これ見ながら自治大臣もそのことを考えられたと思うのですが、この地方団体の当初予算の集計結果を総括的にどう考えるか、あるいは地方税収入の見通しについてはどうか、その上に立って政府としてはこう考え、こうあるべきだ、そういうふうに具体的対比があってこそ説得力があるのじゃないかと思うのですね。これはいかがですか。
#26
○政府委員(長野士郎君) 個々の団体の予算編成につきましては、それぞれの団体がもちろん自主的に行なうわけでございますから、そういう意味で、税その他の捕捉につきましても、団体ごとの考え方というものは、地域社会の経済の伸展その他の面と関連をいたしまして、相当国が平均的に考えますものよりは差が出てくるということもあろうかと思います。ただ、地方財政計画が全般として考えておりますところの税収の見方、あるいは交付税の算定、あるいは地方債の一般会計分の額、国庫支出金の問題、こういうものは、これは税につきましては、もう申し上げるまでもなく、国税の収入見込みというようなものとが密接な関連があるわけでございます。こういうものを通じて相互に関連をしながら税収見込みをつける。交付税も、国税三税にリンクしております限り、そのとおりでございます。国庫支出金につきましてもそういうことでございます。そういう意味では、地方財政計画も、現時点における地方財政計画は当初計画でありますけれども、地方団体の財政運営については、一つの姿といいますか、指導的な役割りをするわけでございます。そういうものを基礎にしながら、それを根っこに置いて個々の地方団体が財政計画を立て、予算編成をしてまいる、こういうことになる。つまり、地方財政計画は、全体の姿を、最低限ではございますけれども、来年度の財政計画としては、地方団体の一種の財源保障と申しますか、地方団体がいかなる歳入をどれだけの程度で見込み得て、そうして歳出というものが最小限度この程度のことにはなり得る。もちろん、個々の費目につきましての一応の算定の基礎というものも、これは国家予算とも関連いたしておりますが、一応内訳として明らかにいたすわけでございます。そういう意味で、地方団体の財政運営をこれによって強制するというわけじゃもちろんございませんけれども、地方団体として個々の団体が置かれている位置において、事情はいろいろ違いましょうが、考えていきます基礎の最低のささえを財政計画はいたしておる、こういうふうに申してよかろうかと思います。租税、交付税、その他の問題につきましては、一つの大ワクとしての規模を示す、こういうことに相なっておると私は思っております。
#27
○和田静夫君 昭和四十五年度の地方財政計画は、閣議決定の「昭和四十五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」を前提に置いて、国の予算の予算編成方針に準じて策定されたものだと。四十三年度の決算を見てみますと、中央、地方を通じて政府の財貨サービスの購入額は九兆三千四百四十三億で、このうち中央政府は四兆六千三百十一億円、地方は四兆七千百三十二億円であります。この地方の四兆七千百三十二億のうちで、経常購入は二兆七千五百四十七億円、資本形成は一兆九千五百八十五億円であったと思うのです。そうすると、昭和四十五年度の政府の財貨サービス購入は前年度より一四・八%増の十二兆一千三百億程度ということでありますが、政府の中央、地方別、また資本形成、経常購入別経費をここでお示し願えますか。
#28
○説明員(森岡敞君) ただいま御質問の政府の資本形成の内容につきましての詳細は、御案内のように、経済企画庁でやっております。私どもその資料をいま持ち合わしておりませんので、企画庁に問い合わせまして、その上でお答えを申し上げたいと思います。
#29
○和田静夫君 つくってくれるわけですね。
#30
○説明員(森岡敞君) 内容の詳細につきまして、いままで企画庁の取り扱い等もあると思いますので、その点も含めまして企画庁と相談いたしたいと思います。
#31
○和田静夫君 相談されるだけですか。
#32
○説明員(森岡敞君) 御案内のように、いまの御指摘のような非常にこまかい内訳は、外に企画庁のほうはいままで出しておりません。そういうふうな経緯もございますので、その点も含めまして、企画庁の意見も聞きましてお答え申し上げたい、こういうふうに思います。
#33
○和田静夫君 これはちょっと責任ある答弁をいただきたいのですが、いま課長が言われたような事情にある、それを私のほうは求めているのですが、お出し願えませんか。
#34
○説明員(森岡敞君) ただいまも申し上げましたように、当面所管いたしておりますのが企画庁でございますので、企画庁と協議いたしましてお答え申し上げたい、こういうふうに思います。
#35
○和田静夫君 答えるわけですね。相談した結果をお答えを願うわけですね。
#36
○説明員(森岡敞君) 相談いたしまして、お答えし得る範囲内でお答え申し上げたい、こういうことでございます。
#37
○和田静夫君 それじゃ、いつまで待てばいいわけですか。
#38
○説明員(森岡敞君) 若干時間をいただきまして、できますれば午後にでも申し上げます。
#39
○和田静夫君 それじゃ、その答えを聞いた上で、注文は注文としてまたいたします。
 それで、政府の財貨サービス購入は、景気や物価の動向、そういうものに重要な影響があるといわれています。私は、先ほど来、現実の地方財政の見通しを正確に立てるべきだと言ってきましたけれども、それは政府が経済見通しを立てる場合に、地方の財貨サービスの購入というものを他の指標とともに地方財政計画に根拠を置いていることに、実は疑義があるわけでございます。現に、昭和四十三年度の決算で見ますと、計画は五兆六千五十一億円であったのに対して、決算の歳出規模は六兆七千二百九十六億円で、実に二〇%もの開きがあるのであります。このような数字をもとにして、はたして翌年度の経済の正確な見通しが立てられるのだろうか。先般の予算委員会でも、政府は財貨サービスの購入の伸び率が経済成長率の一五・八%より低いから物価の増高要因にならないと言っているが、財政計画と実勢の開きから考えて、財貨サービス購入の伸び率は経済成長率を越えているのではないかという論戦が御存じのとおり展開されております。どうも、そのときの政府の答弁を読んでみたのですが、たいへん要領を得ないのです。私は要領を得ないのはむべなるかなと思うのですが、しかしそんな非難ばかりしておってはどうにもなりませんから、物価なら物価の値上がりについても抑制をすることができない佐藤政府というものが、実はここのところが私は欠けているからだと思うわけです。私は、そういうような例から見ても、財政計画とは別に、もっと責任ある地方財政の見通しを立てる必要がある、そういうふうに思います。これは大臣に御答弁を求めようと思ったわけですが、時間があれですから、これは私の主張をいたしておきます。十分勘案をしていただきたいと思います。
 そこで、年度内の貸し付け回収金の額、これは四十三年度決算では幾らになっておりますか。
#40
○説明員(森岡敞君) ちょっといま手元に資料の準備がございませんので、これも早急に調べましてお答え申し上げます。
#41
○委員長(山内一郎君) 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時十五分開会
#42
○委員長(山内一郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方交付税法のの一部を改正する法律案及び昭和四十五年度地方財政計画に関する件を一括して議題といたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#43
○説明員(森岡敞君) 午前中お答えを留保いたしました件につきましてお答え申し上げます。
 昭和四十五年度の経済見通しにおきます政府財貨サービス購入の内訳につきましては、所管の経済企画庁から和田先生のもとに参りまして御説明を申し上げる、こういうふうにいたしておりますので、御了承願いたいと思います。
 四十三年度地方財政の決算の中での年度内貸し付け金の回収金の額でございますが、府県分で千三百四十億円、市町村分で六百五十五億円、合わせて約二千億円という数字でございます。
#44
○和田静夫君 私の記憶では五、六年前、計画と決算の開きがかねてから問題になっていたので、たしか四十一年度計画策定の際に七十八億円を歳入歳出額に計上して、四十二年度にはこれを二百億円としたはずであります。そして四十三年度は二百億円をそのまま計上しておりますが、四十四年度はこれを落としている。四十一年度に計上した理由、四十三年度に前年度額を据え置いた理由、そして四十四年度にこれを落としてしまった理由を説明をしてください。また、四十五年度はどうしたか。そしてその理由をお示しください。
#45
○説明員(森岡敞君) 御指摘のような経緯をたどっておるわけでございますが、四十四年度に年度内貸し付け金の二百億円を落としました理由は、歳入歳出同額が計上されるというふうなことでございますので、地方財政の収支上はこれを計上しなくてもいいという考え方に立ちまして、二百億円を計上いたさないことにしたわけであります。したがいまして、また四十五年度においても同じような考え方をとっておるということでございます。
#46
○和田静夫君 四十一年度に計上した理由。
#47
○説明員(森岡敞君) 四十一年度におきましては、四十四年度に計上しながら落としましたのとやや相反するわけでございますけれども、それまで計上いたしておりませんでした年度内貸し付け金の収入を雑収入の中に込めたほうがいいのではないか、こういうことで計上したものと思いますけれども、その後種々財政計画の策定にあたりまして検討いたしました結果、いま御説明申し上げましたように、やはりこの種のものは歳入歳出同額が計上されるわけでございますが、収支上はむしろ落としたほうが的確なことではないかということで落とした、こういうふうに考えます。
#48
○和田静夫君 この辺ちょっと大切ですから、「地方財政詳解」を読んでみますと、昭和四十一年度、年度内回収貸し付け金を地方財政計画上に計上した理由は、四十一年度版の「地方財政詳解」に載せてありますね。それは「昭和三十九年度決算における年度内回収貸付金の額が千四十一億円にも達し、地方財政計画と決算との差異の主因となっているうえに、今日では貸付金は商工関係、農林水産関係および民生労働関係の行政分野においては重要な意義を有するものであるので、これを全く地方財政計画から除いておくことに問題があり、決算との遊離を解消する意味からも、昭和三十九年度決算のうち、行政目的の明らかな貸付金七百八十二億円(商工関係六百三十四億円、農林水産関係九十六億円、民生労働関係五十二億円)の一割相当額を歳入の貸付回収金とともに計上したものである。」、これは計上の理由ですよ。そしていま言われたように四十二年、四十三年は二百億を計上した、そして四十四年はゼロにした。その四十四年度にゼロにした理由は、「地方財政詳解」の四十四年度版には、いま答弁があったように、「従来計上していた年度内回収貸付金二百億円については、歳入歳出に同額が計上されるものであることから、地方財政の収支上においてとくに問題はなく、また、地方歳出との関連でみても計画額と決算額との間に約千五百億円もの乖離があるので、これの取扱いは地方財政計画の規模の是正という面で今後別途検討することとし、本年度は歳入歳出の両面から除外することとしている。」
 そこで、この二つの論法によってもわかるように、あるときには計画と決算との開きを気にして一定額を計上する、あるときには財政規模が大型化したという印象をおそれて額を据え置く、そしてゼロにするというぐあいで、全く一貫性がないのであります。前次官の柴田さんは、「自治研究」に御存じのとおり地方財政物語を連載されております。ここに柴田論文があります。その中で貸し付け金、回収金のことに触れて、これは計画の中にも一部取り入れなければいけないというようなことを書き、事実、彼は在職中にこれを実行した。しかしまた、同じ在職中にこれを削るといったぐあいなんですね。八兆円にのぼる計画の中の二百億円ぐらいだとあるいは言われるかもしれませんけれども、そうはいかぬ。なぜそうはいかないかといったら、市町村民税の減税補てん債の補給分や特別事業債償還交付金の別途財源を地方交付税でめんどうを見るようになった額が御存じのとおり二百億です。この二百億をめぐってすったもんだやったわけですから、二百億とは言わせないつもりなんです。自治省は予算編成期に、地方交付税の減額は地方財政の現状から見て許さるべきことではない。その本質論を交えて一大キャンべーンを展開したかと思うと、計画の策定にあたっては、いとも簡単に、まさに小手先で二百億を計上したり削ったり、こういったことが容易に行なわれるということについて、自治大臣はどのように考えられますか。この事実に照らして地方財政計画というものの役割りといいますか、意義をどのようにお考えになりますか。
#49
○国務大臣(秋田大助君) 検討を要すべき問題だと考えます。
#50
○和田静夫君 財政局長、いまの大臣に補足ありませんか。
#51
○政府委員(長野士郎君) 確かに御指摘のように、加えた時期と、これをはずした時期とあるということになりますが、文字どおり、この取り扱いというのには両論が常にあるわけでございまして、結局、財政の規模をあらわしますものの中ではこれらのものが二重に計算をされてくるというところに、やはりどうしても実勢としてのものを純粋に見ていきますという考え方に立ちますと、これはやはりダブって計算していくということはよくないという考え方が出てまいりますし、しかしながら、それがやはり貸し付け金という形で相当大きな行政上の役割りを果たしておるという点に着目して考えるという見方をとります場合には、全部を計上するということはともかくとしても、その中で一定部分の行政的な理由のあるものについては、やはり計上をすべきではないかというような議論も出てくるわけでございます。当面のところは、そういう二つの考え方の間を行ったり来たりしておるような御印象を与えておるわけでございますが、これはやはり今後とも財政計画と実勢との間の開きというものの中でたくさんの項目が現実に直面しておるわけでございますから、そういうものを含めまして、どういうふうに検討していくかということの検討問題の一つの重要な問題だとして、私どもも今後取り扱っていかなければならないと思っておりますが、どう言いますか、雑収入とか――これは一応は雑収入という形に歳入としてはもう一ぺん入ってくるわけでございまして、そういう問題の扱い、使用料、手数料、雑収入等の扱いにつきましては、実は財政計画を立てる場合にいろいろ議論があるところでございます。そういうものはもう一。へん洗い直しまして、全体の財政計画の実態との乖離という問題の是正のときにさらに検討をしてまいりたい、こう考えております。
#52
○和田静夫君 重要な検討問題として検討されるようにお願いいたします。
 昭和四十五年度の地方財政計画は七兆八千九百七十九億円、億単位にすればそうでありますが、実際は端数までちゃんと出されているわけです。それを見ますと、数字自体は作為を加えないで、何か客観的な資料を積み上げて出されてきたような感じがいたしますが、よく中身を検討してみますと、いま回収貸し付け金の例に見たような実態になっているわけです。そのときどきの状況で大きな数字が入ったり出たりするようでは、計画自体がきわめて主観的なものであるということになろうと思います。その辺は十分に検討にあたっては考えてもらわなければならぬところだろうと思います。
 ところで、国民総生産に対する歳出規模の割合、純計額における国、地方ごとの指数、これは三十一年から三十三年までの平均を一〇〇とした場合の指数でありますが、四十三年度までは決算、四十四年、四十五年度は計画額でよいのですけれども、いま示していただけます。
#53
○説明員(森岡敞君) 四十五年度の地方財政計画規模の国民総生産に対する比率は一〇・九%でございます。四十四年度は一〇・五%でございまして、四十四年度に比較しまして四十五年度は若干そのウエートが高まっております。
 それから、過去の率でございますが、四十二年度が二二・一%、四十一年度が一三・五%。四十年度が二二・七%、三十九年度が二二・一%、三十八年度が一三・二%、三十七年度が一三・四%、三十六年度が一二・二%、三十五年度が一一・八%、三十四年度が一二・一%でございます。
 なお、この総生産に占めるウエートは、いま申しました四十二年度以前の数字は全部決算額でございます。四十三、四十四、四十五は、地方財政計画の数字で比較をとっております。
#54
○和田静夫君 四十三年度は、決算額でちょっと知らしてほしいのですがね。
#55
○説明員(森岡敞君) 四十三年度、いま一一・六%でございまして、これは地方財政計画の比率でございます。
#56
○和田静夫君 いや、それは決算でわかりませんか。
#57
○説明員(森岡敞君) ちょっとただいま資料がございませんので、あとで申し上げます。
#58
○和田静夫君 いま言われたような数字によっても明らかなのでありますが、この計画の段階では、地方の純計はいつも国の純計よりも小さく押えておる。決算となると地方のほうがはるかに大きくなる。これは私は決して偶然ではないと思うのです。地方財政計画には二つの面があると考えるからです。一つは、国が経済の見通し等を立てる際の公式的基礎資料という面であります。すなわち、国の予算などと同時に、いろいろな経済資料の基礎資料となっているという側面でありましょう。もう一つの側面は、中央政府が地方自治体に対して財政の指針として、その財政運営の方向性を規定する面であります。
 前者の、経済指標の基礎となる資料の側面でありますが、地方財政計画がその資料的価値に乏しいことはすでに指摘をいたしました。とすれば、地方財政計画のほんとうの意味は何なのか、その意図するところは一体何であろうか。言ってみれば、後者の、中央政府による自治体の財政統制の側面だと思うのですね。すなわち、地方の財政支出を常に国の財政支出より低いレベルに置くことによって、それをあるべき姿だとして自治体の財政支出を牽制する、そういう地方財政計画の意義というものを何か皆さんは考えていらっしゃるのじゃないか。大臣、いかがですか。
#59
○国務大臣(秋田大助君) そういう意図は私はないと思います。必ずしも国の財政規模より地方財政規模が低くなければならないということは、地方行政の現在の水準からいって正しい――必ずしもそうでなければならぬというものじゃない。むしろ上がってもいいわけでございまして、したがって、決してそれよりも低くしておかなければならないという既定の概念なり、そういう原則を立てて、その方針のもとに押し込めておるということはないと思います。
#60
○和田静夫君 しかし、まあ先ほど私が述べたように、数字は明確にそのことを物語っている、そういうふうに言わざるを得ません。その辺のことが、けさ来論議をしておるところの、大きなギャップとなって作用をしておるということに考えられるのでありまして、先ほど重要な検討を要する問題として答弁があった。その検討にあたっては、いま私が申し述べたようなことについても十分な配慮をしていただきたい、そのように考えます。
 それで、具体的に四十五年度の地方財政計画の内容に入っていきます。
 その前に、今度の税法の改正で、この歳入関係としては交付税の貸し借り論をやるべきなのでありましょうが、四十四年度の補正予算に伴う交付税法の改正案の審議の際、私の考え方を明らかにいたしましたので、一点だけ地方税法審議の際に留保していた問題に触れたいと思いますが、法人事業税の分割基準の改正の問題であります。これはまあ、一点だけどうしてもよくわからないのであります。法人の事業税のいわゆる分割基準の改正問題でありますが、いろいろ調べてみましたが、どうもよくわからない。税制については言うまでもなく、しろうとがわかりやすく説明されなくてはならないという原則があるわけでありますから、わかりやすく説明していただきたいと思います。
 それは、そもそも本社従業員数を二分の一としてあの分割基準を算定する制度というのは、昭和三十七年の税制改正で設けられたものでございますが、去る三月十二日の本委員会における私の質問に対する税務局長の御答弁は、いろいろあったんですが、どうも明確じゃない。それから察しますと、その当時の論拠というものが、今日資本金一億円以上の企業についても適用されるのではないかということであります。はたしてそうなのかということです。その検討を行なうためには、事業税の性格、課税標準を何に求めるべきかなどといった問題にさかのぼって検討してみる必要があるようであります。
 そこで、この自治省の説明によれば、この「地方税」ですね、二九七ページ「事業税は事業に対して課する税である。この趣旨からすれば、事業税は事業の規模に応じて課税されるべきであり、したがって、事業税の課税標準としては、所得ではなく、売上金額、資本金額、従業員数、附加価値額等、事業の規模を表現するものを採用すべきである。」と、まあこうなっております。そこで、三十七年の改正ですが、昭和三十七年の「改正地方税制詳解」にはこう説明されておるのですね。「一般に、企業の本社とそれ以外の部署の従業者数が一〇対九〇であるのに対して、減価償却費の割合は二対九八であり、従業者数と減価償却費をそれぞれ二分の一ずつとった場合の比率が六対九四である点に着目し、本社従業者のウエイトを、それ以外の従業者のウエイトの二分の一とすることによって、従来どおり従業者数を用いながら、なおかつ減価償却費の要素を含めた場合と略々同様の結果を得る見通しを得たのである。」。そこでお尋ねしたいのですがね、この減価償却費を考慮に入れたゆえんは一体何ですか。
#61
○説明員(首藤堯君) 御承知のように、事業税、その中で各県にいろいろ支店を持っておりますいわゆる分割事業、分割法人につきましての税源の所属でございますが、ただいま御指摘のように、企業の規模または活動量、そういったようなものを的確に把握をするように配分をすべきである、こういう考え方に立っておるわけでございます。また、もう一方、そのようなものを正確に把握をしますとともに、これはやはり課税でございますので、なるたけ客観的に、わかりやすく、かつ簡単な方法、これを採用するのがベターである、こういうところから両面の要請があろうかと思っておるわけでございます。御案内のように、ただいまこの分割法人の分割基準につきましては、電気やガスのように、固定資産の価額を配分基準にしておりますものと、それから鉄道事業のように、軌道の延長を配分にしておりますものと、それから銀行とかその他の事業のように、事業所数とかあるいは従来員数、これを基準にしておりますものがあるわけでございます。ところが最近御承知のように、企業のオートメ化、それから本社管理部門に対します管理の集中化といったような傾向が非常に進んでまいりまして、これも御承知のとおりでございますが、たとえば銀行等では、最近十年間で本社の従業員の割合が従前より五割もふえると、こういう状況になって、地方の工場におきます従業員数の比率が、どちらかと申しますと、漸減の方向にある、こんなふうな状況でございます。
 そこで、ここ二、三年の間、各府県間の法人事業税の帰属の問題につきまして、いろいろ議論がございまして、もう少し企業の実態をあらわすように、もっと具体的に申しますと、支店、工場等のあります地方に税源が帰属をしますように、適正な分割基準の改正を考慮すべきではないかといった議論が絶えずあったわけでございます。いろいろ検討いたしました結果、昭和三十七年に、製造業だけにつきまして、従業員数を本社の管理部門について二分の一にする、こういう改正をいたしたのでございまして、そのときの理由は、ただいま御指摘になりましたようなものをかみ合わせて、総合的に考えてみました場合に大体そのくらいが適当だろうと、こういう考え方に立ったわけでございますが、今回は製造業だけでなしに、その他の分野についても同様な現象が結果をいたしておりますので、そのような方法をとる。つまり本店管理部門の従業者数が半分ですか、これがより的確な税源の帰属である、このような考え方で行なったわけでございます。
#62
○和田静夫君 この付加価値額の一部に減価償却費は人っていますね。で、言ってみれば、すぐ疑問に思うのは、何で他の構成部門は選ばれなかったんですか。
#63
○説明員(首藤堯君) ただいま申し上げましたように、その他の事業につきまして、固定資産の減価償却分そのものを取り入れたということではないのでございまして、本店や支店の店舗の数でございますとか、従業員数の比率でございますとか、あるいは一例として償却費のあり方とか、そういったものを突っくるめまして考えました際に、本店の従業員数を二分の一にする、そうすると、そんなものを総合して考えた実態とほぼ近くなるではないか、こういう考え方でございます。
#64
○和田静夫君 先ほど読み上げました説明によると、従業者数と減価償却費をそれぞれ二分の一ずつとった場合の比率が六対九四になるというのでありますが、本社従業員のウエート二分の一の唯一の根拠のようなんです、これがね、そうじゃないですか。従業者数を減価償却費をそれぞれ二分の一ずつとったでしょう。その根拠は何ですか。
#65
○説明員(首藤堯君) ただいま御指摘になりましたのは、昭和三十七年度にやりましたときの、建設事業の本社の従業員数を二分の一にいたしますときに引例をいたしました考え方でございます。したがって、その二分の一ずつとったということ自体そのものがすべてではございません。全体の事業のあり方、それをどう把握をするかという把握の一つのメルクマールでございます。たとえば、先ほども申し上げましたように、電気供給業とかガス供給業のようなものは、前々から固定資産の価額を二分の一、それから従業者の数の二分の一、このようにずばりとっておるものもあるわけでございますが、ただいま議題になっておりますその他の事業につきましては、製造業の本店従業者数を二分の一にしましたときに同様の思想をとった場合とほぼマッチすると、こういう考え方でかような措置がとられたものと私は了解をいたしております。
#66
○和田静夫君 ずばり言って、六対九四の数字の意味はどんな意味です。
#67
○説明員(首藤堯君) 当時の六対九四という数字は、私ちょっと手元に資料を持っておりませんが、たとえば今回の措置で、建設業、商業、金融、保険、不動産、運輸、サービス業、こういったものをみな取り上げまして調べました結果、本社とそれから支店の従業員の数はほぼ一五%と八五%と、このくらいの比率になっておるのでございます。ところが、先ほど銀行の例でも申し上げましたように、これはここ三十五年から最近までの間に、非常に本店管理部門のウエートが高くなってまいっております。そういう状況を示しておるわけでございまして、店舗の所在数、それから固定資産のあり方、こういったものの比率を勘案をいたしました場合に、従業者数を指数としてとると、こういうことにきめましたものについてはそのウエートを減らす、それによって全体の事業の規模のあり方がつかめる。このように算定をいたしたわけでございます。
#68
○和田静夫君 これ納得できる資料というのはあったのですか。言ってみれば、対象会社を含んで調査をされた内容、それは明らかにされる用意がありますか。
#69
○説明員(首藤堯君) 若干の会社につきましていろいろとサンプル調査はいたしておりますが、公表をいたしますかっこうとしては、現在準備したものはございません。
#70
○和田静夫君 少なくとも私はわからぬわけですから、私を納得できるかできないかは別として、検討、研究をするに値する資料――そういう言い方いけませんな。検討、研究をさせてもらえるような資料はつくれませんか。
#71
○説明員(首藤堯君) ただいまいろいろございます。内容につきましては、後ほど、先生のところでおよろしければ、御説明に参りたいと思います。
#72
○和田静夫君 今回の改正で、製造業ほど減価償却部分が少ない他の業種にも適用するのは問題ではないだろうかという疑問が、なお先ほどの説明を受けながらもひとつ起こるのです。言ってみれば、全業種に適用をするのであったならば、全業種の平均付加価値額構成比を根拠として、案分基準を算定すべきであろうと思うのですが、どうですか。
#73
○説明員(首藤堯君) ただいまの御指摘の点は、税制そのものの将来の問題について非常に大きな御示唆を含んでおると思いますが、税制が付加価値税制ということに切りかわってまいりますならば、その付加価値を行ないます段階で税を取ってまいりますので、問題は相当変わってこようかと思います。御承知のように、法人事業税は、本店所在のところに一応集中するかっこうで、支店のあります場所に府県間で分割をしていく、こういう体制をとっております以上、なるたけ的確に本店と支店の活動の状況を把握しますとともに、税制として簡単に明確にその配分ができる、こういう二つの要素をどうしてもかみ合わさざるを得ないわけでございます。ただいま申し上げましたように、銀行、保険、その他の事業のように従業員数を使うものについては、ただいま申し上げたような措置をとった、こういうことでございます。
#74
○和田静夫君 実は歳出面を中心にお尋ねをする計画だったのですが、委員会の日程が狂ったものですから、ちょっと私たちが考えて緊急を要する問題を二、三先に質問をさせてもらいます。
 昭和四十四年の「地方交付税制度解説(単位費用篇)」、この府県の農業行政費のところでありますが、二三二ページ、この農業改良普及手当ですね、これは給与費の中で見られています。しかるに、二四九ページと二五七ページに関連職種としての農作物の病虫害防除員手当が事業費の中の賃金、それから獣医手当が事業費の中の報償費で見られているんですね。この理屈は一体どこからきているんですか。
#75
○説明員(横手正君) 初めに二五七ページの獣医手当でございますが、これは国の予算に基づきまして、それに伴います地方負掛を算入いたしますために計上いたしておるわけでございます。国の予算のほうで手当として組まれておりますので、報償費のほうへ入れております。
 それから二四九ページでございますが、これも同じく国の予算に関連する経費でございます。同じく手当でございますが、一応国の予算に準じまして賃金のほうに計上する、こういうことにいたしております。
#76
○和田静夫君 この関連職種については、一律に農改普及手当と同等に扱うということにはならないのですか。
#77
○説明員(横手正君) 農業改良普及員の普及手当につきましては、これは法律に基づきましてはっきり明確になっております。したがいまして、普及手当といたしまして、交付税上の措置もいたしておるわけでございます。ただいまの防除員、こうした手当は一応賃金扱い、こういうかっこうにしてあります。また、獣医の手当につきましては、これはたしか国の予算におきまして補助として計上されておったかと、かように思います。したがって、それに準じて交付税上の措置も講ずる、こういうことにいたしておるわけでございます。
#78
○和田静夫君 二五七ページですが、何か無防備なところをつくようで悪いが、いいですか。家畜伝染病予防吏補助金ですね。これは二分の一補助されている獣医手当ですけれども、ことしの単価は幾らですか。
#79
○説明員(横手正君) 国の予算のほうの単価の資料をちょっと持っておりませんので、後刻御報告いたしたいと思います。
#80
○和田静夫君 これは後刻じゃちょっと困るのです。
#81
○委員長(山内一郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#82
○委員長(山内一郎君) 速記をつけて。
#83
○和田静夫君 いまの地方自治体に、十万人をこえる臨時職員が雇用されているといわれている実態を伺いたいと思います。
#84
○政府委員(山本明君) ちょっとおくれてまいりまして、御質問の趣旨は、地方に臨時職員が約十万くらいおるのではないだろうかということについての実態はどうだという御質問だというふうに承ったわけでございますが、私のところでこの実態は十分把握しておりませんが、給与の実態調査を昨年いたしました結果は、二万四千というのが臨時職員であるというふうにまいっております。しかし先般来、自治労の方々も十万人おられるということでおいでになっておりますから、実態調査を現在進めておるというのが実情でございまして、その内容がどのようになっておるか、つまびらかにしておりません。給与の実態調査の結果、大体四十三年に二万四千人くらいいるというのが出てきただけでございます。
#85
○和田静夫君 これはおたくのお調べだと思うんですが、いま四十三年と言われましたね。
#86
○政府委員(山本明君) 四十三年でございます。
#87
○和田静夫君 四十三年四月一日現在で、六カ月から一年未満の者が六万九千二百人、一カ月から六カ月の者が二万二千二百人、一カ月未満の者が二万三千七百人、一年以上の勤務者が、これは四十二年四月現在ですが、三万四千三百二十七人、自治省調べ、これはありませんか。
#88
○政府委員(山本明君) ちょっと数字が合わないのでございますが、私のほうで、先ほど述べましたように、地方公務員の給与実態調査によりまして、すでにこういうのが印刷してあると思いますが、これによりますと、結局、四十三年度でございますが、都道府県で五千七百三十一、市で九千百三十八、特別区で千三百二十四、町村で六千八百二十五、一部事務組合三百八十二、合わせまして二万三千四百人、こういう数字が出ておるのでございまして、いまおっしゃいました資料、ちょっと後ほどまた見せていただきたいと思いますけれども、存じておりません。われわれは、一般的には大体二万人の臨時職がおるというふうに認識し、自治労のほうは約十万であるというかっこうで入っております。おそらく、一年未満の者は調査をしておりませんので、それがいまいった差になってくるのではないであろうかと、このように思っておりますが、私のほうには、いま申し上げました二万三千四百という数字しかつかんでおらないわけであります。
#89
○和田静夫君 言われるとおり、やはり一年未満の者が非常に多いんだろうと思うんですね。そこで、いま調査をされている結果というのは、いつごろでき上がりますか。
#90
○政府委員(山本明君) 大体ことしの秋ごろまでには出したいということで、事務当局で作業を進めている段階でございます。
#91
○和田静夫君 秋、ちょっとそんなにかかりますか。
#92
○政府委員(山本明君) まあできるだけひとつ早くやります。いま一応事務的にはそういうかっこうで進めておりますので、できるだけ早くやるようにいたします。
#93
○和田静夫君 これはなるべく急いでもらいたいと思うんですね。実態は私が言っているほうが正しいと思うんですよ。そういう上に立って論議を進めますが、そこで、先ほど一年未満のものをお調べになっていないというのは、一年以上の臨時職員というのはあるのですか。
#94
○政府委員(山本明君) これはまあ私が申し上げましたのは、ほんとうに十日とか、あるいは三十日とか、そういうかっこうで雇われる人ははずしていると、一年以上引き続いている者を給与の実態調査で調べたということでございます。
#95
○和田静夫君 私の言っているのは、一年以上の臨時職員というのはあるのですかといっているんです。
#96
○政府委員(山本明君) それは御承知のように、六カ月、六カ月で更新をしていっておる者だと思います。
#97
○和田静夫君 そうすると、ちょうど一年ですね。それをこえる者は臨時職員じゃないんでしょう。
#98
○政府委員(山本明君) われわれとしては、制度上から言いますと一回ですね。六カ月、六カ月で一年以上はおらないはずでありますけれども、実質的には、県によりまして、それらの者が恒常的な仕事に使われておって、こういう数字の中に入ってくる、こういうふうに考えてもいいんじゃないだろうかと思っております。
#99
○和田静夫君 公務員部長、そういう者が存在をしている理由は、どういうふうにお考えになりますか。
#100
○政府委員(山本明君) 理由はいろいろあると思いますけれども、まあ制度的にいいますならば、それは本来あり得ないのでありまして、一年一回更新の一年未満であるべきでありますけれども、府県市町村におきましては、そういう方が、どういう手続になりますか承知しませんけれども、一年以上働いているという実態があるということだと思います。
#101
○和田静夫君 これらの多くの臨時職員、これは臨時職員、一年以上の人を臨時職員という名称を使う場合に明らかにしておきますが、それは現行制度であるところのたとえば主事である、主事補である、臨時職員である、その職名として臨時職員ということである、そういう形で使わしてもらいます。一年未満の臨時職員は、これはまた別の意味で当然含みますが、それらの臨時職員の多くは恒久の職に従事しています。これは法律違反だ、こういう状態に対して、自治省はどのように行政指導をされるか。
#102
○政府委員(山本明君) おっしゃいますように、臨時の職員というのは、臨時の職につく者をいうのでありまして、いまおっしゃいましたように、一年以上恒久的な職についているという者であるとしますならば、それは本来、臨時職員を使うべきではない、恒久的な職にはやはり定数の中に入っておる職員を使うべきである。したがって、その職を分析して、恒久的な仕事であるとするならば、それは恒久的ないわゆる定数内の職員をもって充てるべきであり、仕事が臨時の職であるならば、それはいま申しました臨時の職員を充てる、こういうふうにすべきである、こういうふうに指導いたしております。
#103
○和田静夫君 いわゆる臨職の法律論争というのは、とっくに終わっているんですから、私は何も本委員会で何べんも繰り返す、そういうつもりはないんです。ただ言っておかなければならぬことは、法律解釈としては、地方公共団体が地方公務員法に違反しておると解釈すべきでしょうね。しかしながら、地方公共団体が法律違反をやっているんだということを断定するわけにはいかぬということになってくると、六カ月の再度の更新の後になお採用されている人たちは、選考による職員の採用という形で、先ほど申しましたように、臨時職員という職名の職員、こういうふうに私は選考によって採用されてしまった職員、それが主事補にならず、あるいは技師補にならず、あるいは技師にならず、主事にならず、職名が混乱をしているから臨時職員という職名である。ただ、それだけではないか、そう思いますが、どうですか。
#104
○政府委員(山本明君) その場合に、実態というのは、おっしゃいましたように、地方公務員法上は問題があろうと思いますけれども、それはさておきまして、実態としては、おっしゃいましたように、選考によって職員にしておるという擬制は私はできないのではなかろうか、あくまで地方公務員というのは定数の中に入る職員として、選考なり、あるいは競争試験によって採用されるべきであって、それをやらずに定数の外で何か恒常的な仕事に使わせるということは本来的な意味ではないだろう。これはわれわれとしてはあくまで是正すべきである、こういう指導はいたしております。
#105
○和田静夫君 そうしたらどうされますか。現実に十万人をこえる人がいらっしゃる。どうされますか。
#106
○政府委員(山本明君) したがいまして、先ほど申しましたように、地方公共団体におきましては、事務を分析をいたしまして、それが恒常的な業務であるとするならば、これは定数内の職員を使うべきである。その職が臨時であるならば、先ほど申しました六カ月間の期間を切っての臨時の職員に採用する、こういう振り分けをすべきである、またそうしなさい、こういう指導をいたしております。
#107
○和田静夫君 賢明な公務員部長だけれども、ちょっと無理じゃありませんか。すでに一年以上の方がいらっしゃるわけですね。その人はもう本来公的には地公法上、言ってみれば、本人には罪はないわけですよ。その人をたとえば排除してしまう、あるいは六カ月だけ使いなさいというような形にはならないでしょう、現実の問題としては。
#108
○政府委員(山本明君) したがって、それは先ほど申しましたように、地方団体がいろんな仕事がふえてきて定数をふやさざるを得ないというような場合は私はあると思います。あるいは中でもやめていった人がおられまして、それだけ補充をしなくちゃならないという場合もございます。そういう場合には、いま申しましたような方法で、恒常の業務、いわゆる定数内の職員を使う。だから、その職の分析をして、その職が恒常的な仕事であるならば、いま現におられる方の中から能力がある方なり何なりを採用するという方法を考えるなりすべきでないだろうか。だから、現在おる人をそのまま云々ということになりますと、おっしゃいましたように、ますの中からはみ出るものがありますので、これをすることは困難であろうと思いますけれども、府県によりまして、市町村によりまして、定数増あるいはやめられた方の補充をするというような問題があるので、それらとの関連において、いま申しました人たちを考えてやるべきではないだろうか、このように考えております。
#109
○和田静夫君 必然的に定数増を考えられる条件がある。したがって、定数増という中において措置を指導をしていく、こういうことですね。
 そこで、もう一ぺんひるがえって考えますが、昭和三十一年八月二十日付の自治省の次長通知、「臨時職員の身分取り扱いについて」、それから昭和三十三年三月七日付の自治省事務次官の定数外職員の定数化についての(一)、(二)、(三)は三十六年七月十一日付の方向の指導を行なっている、こういうふうに理解をしておいてよろしいですか。
#110
○政府委員(山本明君) そのとおりに指導をしていっておるはずでございます。
#111
○和田静夫君 大臣、お聞きのとおりの現勢であります。したがって、いま公務員部長が答弁をされたような形での解決の努力をしていただきたい、こういうことでありますので、大臣からもひとつ答弁をいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(秋田大助君) この問題は、内容あるいは形式、非常に相錯雑した問題があろうと存じます。したがいまして、いま公務員部長から答えました趣旨にのっとり、善処をなるべくいたしたいと考えております。
#113
○和田静夫君 次に、臨時職員の賃金について若干お聞きしますが、臨時職員の賃金は一体どのようにしてきめられますか。
#114
○政府委員(山本明君) これは一般の公務員ですか、それぞれの資格がございます。それとの関連性を考えながら、おそらく二十五日分、つまり月給の二十五分の一とかいうかっこうで、いわゆる日額をきめておるわけでございます。
#115
○和田静夫君 いま私が入手した資料があるのですが、市町村に雇用されている学校給食調理員で、十年も勤務していて一万数千円、そういうのが普通であります。最低は九千円という状態がいま各地に起こっているわけです。それで、これはもうことしの春闘の賃上げ額にも及ばない、そういう状態なんです。しかも町村段階になりますと、規則など全くないつかみで賃金をまだ支払っているのです。こういうような問題に対して、自治省はどのように指導されますか。
#116
○政府委員(山本明君) 勤務の実態がいろいろなふうでございますので、必ずしもいまおっしゃいました金額が妥当であるかどうか問題はあると思います。四十四年の調査によりましても、町村で一万八千円程度の臨職の給料が出ております。こういうことで、低いことは低いだろうと思っております。したがいまして、その実態に応じて一般職員との均衡を考慮しながら、その改善を順次はかっていくという方向を考えざるを得ないのではないだろうか。あくまでその勤務の実態を見なければわかりませんので、勤務の実態との関連におきまして、そうして一方には一段職員との均衡という問題も考えながら、これを是正をしていくという方向を考えていくべきではないか、このように考えております。
#117
○和田静夫君 いま実態を見ながらと言われたその実態を見ながらは、先ほど言われた調査との関係ですか、時期的なこと。その実態を把握される時期的な関係は。
#118
○政府委員(山本明君) 私のいま申しました実態というのは、先生のおっしゃいました九千円とか何がしという額のときに、これがたとえば一カ月間まるまる出ておるものであるのか、あるいは一定の時期しか出てこないものなのか、あるいはパートタイム的に出てくるものであるのか、その辺のところの実態をあわせて見なければいけないのじゃないだろうかということの勤務実態でございます。
#119
○和田静夫君 給食調理員には、そういう勤務の態様のアンバランスというものは本来的には存在しないわけでしょう。そういう実態であるならば。
#120
○政府委員(山本明君) 給食も、完全給食をしておりますところとか、あるいは一部だけやっておりますところもありますね。ですから、給食といいましても必ずしも全部一律であるというふうに考えられないのじゃないだろうか。それから、これは私の体験でございますけれども、漁村で遭難した場合に、その未亡人の方をお救いをするという場合に、学校給食でお使いをするという場合が、いま言った一般的な給食という同じかっこうで使わずに、一定の方法で使っているという例もあるわけであります。したがって、私の言いました全体の勤務の態様というものを見て、実態を見て考えるべきではないだろうか。一律に学校給食だから幾らと、こういう考え方はできないのではないだろうか、こう申し上げたのでございます。
#121
○和田静夫君 それでは通常的な勤務の実態にあるところの給食調理員については、さっきあったように、きわめて低い賃金については一般並みに是正をさせる、こういう指導をされると理解してよろしゅうございますね。
#122
○政府委員(山本明君) 先ほどおっしゃいましたように、一般的に学校給食の、これは朝、昼――昼ですか、昼が中心でございますね。もっとも朝から来ていろいろな調理をしますので、そういう実態が一般的なものであれば、やはりそこで低いものは是正するという方法を考えるべきである、このように考えております。
#123
○和田静夫君 それでは実態の把握等を含んで、言ってみれば是正の方向についての具体的な処理について、職員代表との間で十分な話し合いを煮詰めていただきたい、そういうふうに思いますが、その用意は十分にありましょうか。
#124
○政府委員(山本明君) 実態把握というのは、先ほど言いましたように、私のほうでは二万四千人といい、それから自治労の方々は十万人といい、この閥に違いがあるわけであります。で、基本的にはわれわれといたしましては、昭和三十六年でしたか、三カ年間にかかりまして約五万人の人を財源処理もして定数化をした。その後、一切そういうことのないようにという御指導を申し上げているわけであります。したがって、その後もし発生したとするならば、そういう恒常的な業務に臨時職員を使ったという使用者側の責任においてこれは処理をしてもらう。しかし、われわれとしてはどういうものがあるのか、あるいはどれだけの数があるのか、そういうものはひとつ実態把握をして、そうして組合の方々が十万人といっておられ、こちらが二万四千人といっている、その間にどういう違いがあるのか、どういう具体の職員の違いがあるのか、まずこういう調査をしてみよう。私はあくまでその措置というものは、これは地方公共団体がすべきであるという考えでいるわけであります。
#125
○和田静夫君 答弁がちょっと食い違っているのです。そこのところは、さっき大臣に確認をもらって終わっているのであって、いま言った実態はあなたが言われた実態、いわゆる給食調理員の方が季節的に使われたか、あるいは短時間、全くパートタイムで使われたかというような実態を除いて、一般的に使われている状態の中で、あなたは低賃金の場合には是正をされると言われたのだから、その是正をされる場合には職員代表、たとえば自治労なら自治労とあなたのほうとの間で十分交渉をやられる、話し合いを持って解決していくと、そういう準備、用意がありますかと、そういうことなんです。
#126
○政府委員(山本明君) 私のほうは個々にこの人は低いから云々という気持ちは持っておりません。ただ、一般的にいまおっしゃいましたそういうものが低い、あるいはこういうものが低いとか、そういうものは、こういうかっこうになっているということの実態をつかんで、それについては一般職員との均衡を見まして、低いとすれば是正の措置は講ずべきであろうということは、地方公共団体の任命権者のほうにはこれは御指導申し上げますけれども、個々人についてこれは上げろ、これはどうだからああしろという気持ちは実は持っておりません、率直に申しまして。
#127
○和田静夫君 それだから、言ってみれば、職員代表の意見を聞きながらそれに対応するところの指導がある、こういうふうに理解していていいわけでしょう。
#128
○政府委員(山本明君) ええ。職員代表の方々と私のほうも実態をつかみ、十分に話をしてこの問題の解決には努力をしたいと考えております。
#129
○和田静夫君 次に、共済組合の加入の問題ですが、臨時職員の加入の状態をひとつ。
#130
○政府委員(山本明君) 数字を見ますのでちょっとお待ちください。――まことに恐縮でございますが、一年以上勤務し、月五千六百円以上の人は一応入れておりますので、私のほうで特に臨時職員が何人おるという分類は実は持っておりません。この点はひとつ御了解いただきたいと思っております。
#131
○和田静夫君 私たちの調査では、臨職中の共済組合加入率というのは一一・六%、厚生年金の加入率というのは八・一%、何も入っていない者が八〇・三%という現状であります。こういう状態を放置してきた責任はまあ自治体にありますけれども、同時に、私は政府の側にもあると思うのであります。したがって、この実態というのはやはり把握をしてもらわないと論議になりませんから、把握をした上で一ぺん論議をしたいと思います。しかし、秋までということじゃなくて、これもやっぱり早い機会に実態を把握していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#132
○政府委員(山本明君) 先ほどもお答え申し上げましたように、まことに残念ながら十分実態をつかんでおりません。その点はおわびを申し上げたいと思います。できますだけ早く実態をつかみまして、これはそれぞれ聞けばわかることでございますので、できるだけ早く資料をとるようにいたしたいと思います。
#133
○和田静夫君 次に移りますが、いわゆる非常勤職員の身分関係で伺います。まず児童福祉施設、あるいは老人ホームなどの施設に働く職員の中には、特別職、非常勤嘱託ということで地方公務員法の第三条第三項第三号に基づいて雇用されているのでありますが、勤務の実態というのは恒常的業務であって、それぞれのいわゆる根拠法、児童福祉法なり、あるいは老人福祉法に基づいて置かれているものである。こういう雇用形態は一体適法と考えられるのかどうか。あるいは国民保険や国民年金、これも恒常的業務であることは御存じのとおりでありますが、この徴収業務に従事している人たちが東京を除く大都市等で非常勤職員であります。こういうような状態というのを一体どのようにお考えになりますか。
#134
○政府委員(山本明君) まだ先生のおっしゃる具体的な事例を私実は存じませんので、その具体例がいいかどうかということはちょっとわかりかねますが、先ほど申しましたように、やっぱり恒常的な業務には、そういう臨時の職員じゃなしに定数の中の職員を使いまして恒常的な本来の地方公共団体の仕事と、それから国の委託を受けておる仕事、これは実施すべきである、このように考えております。
#135
○和田静夫君 そうしますと、私が述べたようなことがあれば、こういうような雇用のしかたというのは適法ではないと、こう理解してよろしいのですね、いまの答弁では。
#136
○政府委員(山本明君) 好ましいことではないのではないだろうかと私は考えます。
#137
○和田静夫君 いまのやつ、たいへん重要ですから、大臣、公務員部長が答弁されたとおりでよろしいですね。
#138
○国務大臣(秋田大助君) よろしいと思います。
#139
○和田静夫君 それじゃありがとうございました。よろしいということですから、いわゆる適法じゃないわけですから、直していただきたいと思います。
 それからもう一つ聞きたいのは、自治省の見解を仄聞していることですからあれですが、学校給食に従事する調理員についても、言ってみれば、特別職、非常勤、嘱託などというようなことでいいじゃないかという見解が一部あるように聞いておりますが、そんなことはありませんね。
#140
○政府委員(山本明君) その話は存じませんが、あるいはパートで働くものについての考え方として、そういろ言い方をしたのではないだろうかと推測をするのですが、私のほうでそういうことを言ったというようなことは、私、記憶をいたしておりません。
#141
○和田静夫君 なければいいです。言うまでもなく、労働科学研究所の調査などを見てみましても、学校給食労働というものは、日本における婦人労働の中でも、紡績労働や、あるいはバス車掌労働に次ぐ重労働である、こういう状態でありますから、勤務の実態というものはたいへんなものであることをやっぱり理解をしておいてもらわなければならぬと思うのですが、非常勤扱いが、いま言われたように、そんなことを考えていないということであれば、交付税単位費用に積算をされている給食調理員の四十四年度の給与単価は二万五百十六円であったのですが、これはもう大幅に改善をすべきだということに、いまの答弁から必然的になりますが、四十五年度はどうなりましたか。
#142
○説明員(横手正君) 給食従事員の給与単価につきましては、一般の他の職員と同様、統一単価をとると、そういうことに四十五年度からは改定をいたしております。
#143
○和田静夫君 これは母子相談員、婦人相談員、あるいは身障家庭奉仕員、老人家庭奉仕員なども同様ですね。
#144
○説明員(横手正君) ただいまのお話の相談員方などの単価でございますが、これは国の予算によりまして、それに伴います地方負担額を交付税上措置してまいると、こういうことにいたしております。四十四年度は国の単価が一万九千二百円でございましたが、これが四十五年度は二万一千二百円に上がっておりますので、四十五年度におきましては二万一千二百円の単価で計上する、こういうことにいたしております。
 なお、先ほど農林省関係の職員の手当て等ございましたが、あわせて御報告申し上げます。
 まず、防除員の手当でございますが、これは四十四年度七百二十円、四十五年度は八百十円、これは賃金の統一単価でございますが、あわせてこれは国の用いております賃金の単価でございます。それから獣医手当でございますが、これは、実は四十四年度まで七百円という単価を用いてまいっております。ただ、この点につきましては、従来の賃金単価とも違うということもございまして、精査いたしておりましたところ、実は二千百円ほどの単価になっておるということが判明いたしましたので、四十五年度におきましては二千百円、こういう単価を用いております。それから開拓保健婦のお話があったと思いますが、四十四年度までは開拓保健婦、これは農林省のほうであったわけでございますが、四十五年度からは、これは厚生省のほうへ移しかえになっております。これに伴いまして交付税上の措置といたしましては、四十四年度は四人の開拓保健婦を計上いたしておりましたが、四十五年度におきましては、衛生婦のほうにおきまして地域保健婦、こういうふうに名前も変えまして、五人に必要な経費を計上いたしております。なお、農林省のほうから厚生省のほうへ移り変わりましたので、補助率も百分の三十四と、こういうような補助率にいたしております。
#145
○和田静夫君 そうすると、前へ戻りますが、質問しないところまで答弁があったのですが、開拓保健婦の普及手当、獣医師手当、そこでこの獣医師手当だけ上げられました、その二千百円、これらとの関係において、たとえば防除員手当なんかに波及をさせていくというお考えはありませんか。
#146
○説明員(横手正君) 防除員手当につきましては一応賃金支弁職員と、こういうようなことで賃金単価を用いるということにいたしておりますので、これが昨年七百二十円でございましたのを八百十円にいたしております。獣医師手当につきましては、これは実は借り上げ獣医師さんの手当でございますが、昨年年までの七百円という金額が実は間違いであったわけでございます。私ども、交付税上で国庫補助を伴います経費を措置いたします場合には、各省からの要求に基づきまして必要な額を計上いたすわけでございますが、実はこの点につきましては、従来から農林省のほうからの要求もなかったという点もございましたが、実は非常に低いままでまいっておったわけでございます。その点、今回気がつきましたので二千百円と、本来の単価に直したということでございまして、特に七百円から二千百円に極端に引き上げたということではございませんで、むしろ間違いをこの機会に直したという点があるわけでございます。
#147
○和田静夫君 この自治省行政局給与課の出している「地方公務員給与制度解説」の二九七ぺ−ジに、「農林漁業改良普及手当は、都道府県に設置されている農林漁業の改良普及事業に従事する職員の職務の特殊性に対して支給される手当である。この農林漁業普及手当は、農林漁業の改良普及事業に従事する職員の職務が科学的な技術および知識と教育的な指導能力を必要とし、また、巡回指導を主とする不規則かつ強度の勤務を伴うとともに、その職務の複雑困難の度は最近の農林漁業の事情を反映してますます加重しつつある特殊性にかんがみ支給される。」、こうなっております。そうした点では建設技術者にも同様な状況が当てはまると思うのですが、いかがですか。
#148
○説明員(潮田康夫君) お答え申し上げます。
 建設事業関係に従事しております地方公務員全般について農業改良普及員のような手当を与えるということは、現段階においては国家公務員との関係でいささかそこまでは熟しておらないのではないだろうか、こういう考え方に立っております。ただ、現業職員の中には、たとえばダムであるとか、あるいは港湾の建設事業であるとかというような、現場で困難、あるいは機械、そういうような仕事の作業に従事しておられる方がおられることは事実でありますが、これに対しては特殊現場作業手出という手当制度が国家公務員にもございますが、地方公務員においてもそれらが活用されておりますので、全般的にそういうものを手当制度として組み込むという段階には、国家公務員との関係でむずかしゅうございますが、いま申し上げました特殊現場作業手当の制度の活用によって、地方公共団体で実情に即して他の職種との均衡をはかってやっていただく、こういうことで指導しておりますし、現実もかように取り扱っておる実情になっております。
#149
○和田静夫君 四十五年度は幾らくらいにしたらいいと思うのですか。
#150
○説明員(潮田康夫君) それは国家公務員との均衡をはかっておりますので、手元に国家公務員の金額、各現場ごとに持っておりませんですけれども、大体国家公務員の特殊現場作業手当は今年度改定されておりませんので、現段階においてはその均衡上、地方公務員においても特に四十五年度引き上げるという必要性は一般的にはないのではないだろうか、かように考えております。
#151
○和田静夫君 いま幾らですか。
#152
○説明員(潮田康夫君) ちょっと――調べまして報告させていただきます。
#153
○和田静夫君 いまの問題は調べてください。私が前段に言ったことと答弁が食い違ってますからね。私が前段に申し上げたのは、農林漁業改良普及手当のいわゆる設置理由についていまおたくが出しておる資料、これは読みかえてみれば歴然としていると思うのです。建設の事業に従事する職員がというふうに読みかえてみると、その「職員の職務が科学的な技術および知識と教育的な指導能力を必要とし、また、巡回指導を主とする不規則かつ強度の勤務を伴う」、こうなるのです。全く同様の論拠に立てるものに対して、どうして手当てを出されないのですか。
#154
○説明員(潮田康夫君) 私どもの現在までの考え方は一応御承知だと思いますが、地方公務員の給料、その他の諸手当は、国家公務員のそれを基準として、それにいわば準じた措置をとるということでやっておるわけでございます。そこで、いま申されました建設事業に従事している職員全般をとらまえて、それに農業改良普及手当のような特別な手当を支給するということにおきましては、国家公務員におきましても、同じような建設事業に従事しておられる職員が非常に多うございまして、それらとの均衡を考えて、いま地方公務員だけにおいてそういう制度を一般化する、農業改良普及手当のように特別の手当として法定するというのは、均衡上においても問題があるのじゃないか。しかも、建設事業の中には、ダムであるとか、あるいは港湾建設事業とか、いろいろな事業もありますけれども、それ以外にも事業がございます。そこらは全般的にその事業の事務の内容によってもいろいろと特殊性もございますので、そういうようなものの関係におきますというと、国家公務員では特殊現場作業手当というものが制度的にあるわけですし、現実にはそれとの均衡、同じ仕事をやっております建設事業の関係もありますので、それらとの均衡で、そういう制度でいけるのではなかろうか、こういうように現在では考えておるわけでございます。
#155
○和田静夫君 建設省、私の質問に対して、なるほどやはり現場手当じゃなくてというお考えになりませんか。
#156
○説明員(粟屋敏信君) 先生のお話の前段につきましては、私きょう初めて伺いましたので、はっきり申し上げることはできませんが、先ほど自治省の給与課長からお話がございましたように、現在、国家公務員に対しましては特殊現場作業手当というものがございまして、これはダムとか、その他勤務環境の劣悪な作業場の作業に従事した職員に対しまして、平均をとりますと大体一日につき百六十円の手当が支給されております。なおかつその場所が遠隔の地におきます場合におきましては、五割程度の支給もできる制度になっておりますので、現在のところ、こういうところでいいのではないかと思います。ただ、額の多少につきましては、また人事院の御所掌でもありますので、現場職員の処遇の改善につきましては、われわれといたしましては機会あるごとに人事院とも御相談をしておる、こういうわけでございます。
#157
○和田静夫君 そうすると、前段については、初めての話であるからということでありますから、なるほど納得のできる初めての話だと、こういうふうにお考えになったと思うので、私の主張に従った努力をしていただきたいと思います。後段の部分については、これは何といっても、ここに要求の側の委員長おすわりになっていらっしゃるわけですから、全日本建設技術者協会の会長ですから、地方行政委員会の委員長さん、したがって、これは共通の場に立って言えると思うのです。どうですか、現場手当ですね、この機会にやはりもっと上げるべきだと、私が言うよりも委員長から言ってもらったほうがもっと意味があるかもしれませんが、いかがですか。
#158
○説明員(粟屋敏信君) われわれといたしましては、遠隔の地において、勤務環境が劣悪な場所において働く職員に対してなるべく優遇措置をとりたいということは共通の希望であるわけでありまして、先生の最初のお話をも含めまして、さらに検討いたしたいと思います。
#159
○和田静夫君 自治省のほうはいかがですか。
#160
○説明員(潮田康夫君) 私のほうも、地方公務員独自でいろいろやるというわけには現在の法制のたてまえからそうはなっておりませんので、国家公務員の制度というものが改善されると、そういう面で改善をするということで、いろいろ検討されたその結果が出てまいりますれば、地方公務員の場合におきましてもそれに準じた措置をしてまいりたい、かように考えております。
#161
○和田静夫君 これは委員長にもぜひお願いいたしますが、この問題、五月七日までの間にもう一。へん具体的な話を一緒にやりたいと思うのです。そういうことでありますので、ひとつ地方行政委員長も了解をされておりますから、建設省、自治省ともに用意をしておいていただきたい。
 そこで、さっきの問題にもう一ペん戻りますが、水道、ガスなどの地方公営企業の集金検針業に雇用されておる臨時職員の場合も、外勤で時間的にはっきり把握できないことを理由にして、多くの自治体当局は嘱託として取り扱っておる。そして特別職と主張するのですね。とても最近乱れているのですね。これも明らかに法解釈を誤っていると思いますが、いかがですか。
#162
○政府委員(山本明君) 一応法律的にはそういうパートの方は、いわゆる第三条の第三項第三号ですか、嘱託員及びこれに準ずる者というかっこうになってくるのじゃないだろうか、嘱託員、パートでやっておられる者、それは地方公務員法第三条の三項三号にいう非常勤の職員として扱われるのじゃないかと、こう思います。
#163
○和田静夫君 何かパートでやっているなどと私は言っているのではなくて、この仕事の実態は恒久的な職業です。それに従事しているところのいわゆる職員、それを嘱託などということにはならぬと思うのです。そのほうが原則でしょう。いかがですか。
#164
○政府委員(山本明君) おっしゃいましたように、料金の徴収とかそういう仕事は、固有の本来の職員といいますか、これで徴収をさせるというのが筋であろうと思います。ただ、具体的な料金の徴収の場合に、何といいますか、対象が散在をしておるというようなことで、いわゆるロス、投資効率という面から、あるいはそういうパートを使われるという場合も私は自治体によってはあるんじゃないかという気はするのです。それはそういう特殊な例としてやっぱり本来の公務員が徴収をするというのが筋ではないだろうか、このように思います。
#165
○和田静夫君 それが原則ですよね。やっぱりそこをもう少し尊重をしてもらわないと、公務員制度全体が非常に乱れてきている感じがするのですよ。たとえば、それじゃ、いま言われましたが、前段のお答えのとおり集金員等のパートの現状というものはたくさんあるのだということ、まあ仮定です、それは調べてみなければあれでしょう。その場合に、その人たちの賃金というのはどういうふうにペイされていますか、おわかりになっていますか。
#166
○政府委員(山本明君) おそらく賃金で支払いがなされておるんではないだろうかと、こういうふうに思います。
#167
○和田静夫君 賃金で支払われているというが、実態はおわかりになっていますか、これ。
#168
○政府委員(山本明君) あまり料金の徴収ということは、私、県におりましたので市町村のそういうことについては、率直に申しますと、具体的に問題を存じておりませんので、きわめて観念的な考え方しか持っておりません。
#169
○和田静夫君 私はいわゆる地方自治法二百三条による報酬及び費用弁償に該当せざる形でもってペイされている。これは全く違法だ。現実、前段の公務員部長の答弁を認める立場に、たとえば立っても、私は認める立場に立ちませんが、その辺は一ぺん調べてもらいたいのです、この部分は。これは調べてもらってもう一ぺんその実態の上に立って論議をするということにしましょう。
 最後に下請の問題、俗に最近言われている下請職員、そういうことばがあるかどうか知りません。下請の形をとりながら、実際は自治体が直接雇用している、そういう臨時職員の問題が起きています。実態をつかんでいらっしゃいますか。
#170
○政府委員(山本明君) そういう実態はつかんでおりません。おそらく下請として仕事をするならば、それは下請としての体系の中で職員に対して給料が払われておるのであって、府県なり市町村から下請に支払われておるということは論理的には考えられないのであります。
#171
○和田静夫君 実はこれらの職員は一応外部のものに雇用をされています。その業者から派遣をされた形で自治体の中に職場を持ちます。したがって、下請職員ということに一般的に言いならされています。しかし、実際はこれらの職員を指揮監督するのは業者ではなくて自治体職員です。そういう職員は雇用主とされている業者からは健康保険料やあるいは税金、業者の取り分などを差し引いた賃金を受け取っている。そうすると、業者はこれらの職員に対しては作業衣程度は支給をしているでしょうが、言いかえてみると、自治体の当局というのは業者から労働者の供給を受けて、そして業務を遂行することになる、こういう結果になっているわけであります。これは明らかに職業安定法第四十四条に禁止をしている労働者供給事業に当たるのではないか、そう思うのですが、まず労働省の見解を承わります。
#172
○説明員(保科真一君) 職業安定法におきまして労働者供給事業の禁止規定が四十四条にございます。労働組合が労働大臣の許可を受けた以外は労働者供給事業はできないことになっております。労働者供給事業の解釈規定といたしまして、安定法の施行規則に、請負契約でありましても四つの要件を満たしていなければいかぬということがございまして、その中には、作業に従事する労働者については指揮監督を行なうものであること、請負会社のほうで請負会社の職員を直接指揮監督するというようなことが必要な要件になっております。
#173
○和田静夫君 なっているけれども、いま私が言ったことはどうなんですか。
#174
○説明員(保科真一君) その個々の実態につきましては、実際にどういうふうにやられているか、その請負契約の内容並びに作業の実態を見て判断すべきものであると思います。この労供事業の規定につきましては、県の職業安定課を通じまして地方の自治体あるいは雇用主に対しまして終始指導いたしまして、労供に違反しないように指導いたしておるのでございます。
#175
○和田静夫君 指導されているということですが、こういう実態についてはよくおわかりになっているんですか。
#176
○説明員(保科真一君) 個々の実態につきましては私どものほうで全部承知しておるわけではございませんが、都道府県を通じまして、そういうような指導監督を行なっております。
#177
○和田静夫君 もう一ぺん承りますが、先ほど私が述べたような形は違法ですね。
#178
○説明員(保科真一君) 自治体のほうで直接指揮監督するというのが常態であれば問題であろうと思います。ただ個々の実態、それから請負契約を見ませんと、個々につきましての判断でございますので、ここで直ちにどうこうということは申し上げかねます。
#179
○和田静夫君 前段さえ承ればいいんです。そういう状態で、そのような臨時職員の雇用を認めるというのは、結局のところ、労働基準法の第六条が禁止をしておる中間搾取、そういうことを自治体当局が容認をしていることに通じないか。容認をしているばかりじゃなくて、奨励をしていることにさえ通じないかと思うんですが、いかがですか。
#180
○政府委員(山本明君) 先生のおっしゃいましたようなことは私はあまりないんじゃないかと思います。といいますのは、エレベーターのあれですとか、最近庁舎の清掃というのを清掃会社にお願いをして委託をしてやっております。もちろんそれは実際には県庁の中の建物でございますから、あるいはそこの責任者にこちらをこうしてくれとか、ああしてくれ、こういうことはあるかもしれませんが、恒常的に指揮監督の中に入れてしまって、そうしておるということは私は実態としてはないんじゃないだろうか。また、ときどきは同じ建物の中でありますし、利便をよくするために、あるいは清掃をよりよくするためには、あるいはあるかもしれませんが、恒常的なものはないんじゃなかろうか、このように考えます。
#181
○和田静夫君 これは予算委員会でもあったとおり、コンピューターのレンタル企業職員が入ってきておる、これなんかも、あのときの答弁ではたいへん技術的なことで、大臣も言われたようにある一定の短期だろう、そうしていまいらっしゃらない官房長も、なるべくこういう状態はやめたい、したがって、人員要求をしたい、同じことを部長も確認をされた。しかし、これがもし私が指摘をしたとおり長期間していくとなれば、いま私が言ったことに当てはまることになりますよ。それはそうでしょう。
#182
○政府委員(山本明君) それは特殊な技術であり、直ちに国だとか県の職員でそれだけの能力のある者がございませんから、当初は私はあるのではないだろうか。しかし、それはいつまでもそういうかっこうで民間の方にまかせっきりということになりますと、これは仕事自体が本来の公務員、地方公共団体の仕事であり、あるいは国の仕事であるものをこれにまかせるということは問題がございますので、漸次好転をしていくんじゃないだろうか。当初だけはこれはやむを得ませんので、そういうかっこうでお願いをする、あるいは協力をしてもらう、いわゆる協力というかっこうで進むんじゃないだろうか、これはコンピューターだけではなしに、事務改善を昭和二十七、八年ごろしましたときにもやはり同様な傾向がございました。私、当時、振興課長でございましたが、しかし二、三年しますれば、やはり個々の自治体でもそれだけの能力を持った者を雇い、養う、こういうかっこうに進んでいっておりますので、おそらくコンピューターの場合等におきましても、そういう姿で推移をするんじゃないだろうか、長期にわたるということになりますれば問題はございましょうけれども、そういう実態にはならないんじゃないだろうか、このように私は考えております。
#183
○和田静夫君 そうしましたら、たとえば北九州で起こったところのあの給食の下請け、いまだってやはり続いているわけでしょう。あの状態は当時の園田厚生大臣が給食の下請けは問題だと、こういうふうに答弁されました。あの状態は一体どういうことです。
#184
○政府委員(山本明君) 具体的な事実はまことに残念ながら存じておりませんけれども、やはりそういうものは恒久的なものとしてなっていくのではなくて、臨時のもの、あるいはやむを得ないもの、当初やむを得ないもの、こういう場合に限定されるべきではないだろうかと、このように考えております。
#185
○和田静夫君 具体的にあげていけば幾つかあるわけですよ。したがって、これは大臣に求めますが、いま臨時職員問題を中心にして大体大きく三つに分けながら問題点を指摘をして、それぞれお約束をいただいたわけですが、これはたいへん公務員制度全体を乱すものにも通じますので、十分に早い機会に実態を把握をしていただいて、そして職員の代表その他との話し合いを通じながら解決の努力をひとつ取り急いでやってもらいたい、そう思いますが、いかがですか。
#186
○国務大臣(秋田大助君) 御趣旨に従いまして合理的に善処いたしたいと思います。
#187
○委員長(山内一郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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