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1947/08/28 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第19号
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1947/08/28 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第19号

#1
第001回国会 司法委員会 第19号
  付託事件
○國家賠償法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○刑法の一部を改正する法律案(内閣
 送付)
○岐阜地方裁判所多治見支部を設置す
 ることに関する請願(第十一号)
○帶廣地方裁判所設置に関する陳情
 (第四十九号)
○刑法訴訟法を改正する等に関する陳
 情(第六十号)
○民法の一部を改正する法律案(内閣
 送付)
○罹災都市借地借家臨時処理法の一部
 を改正する法律案(衆議院送付)
○皇族の身分を離れた者及び皇族とな
 つた者の戸籍に関する法律案(内閣
 送付)
○家事審判法案(内閣送付)
○函館市に札幌高等檢察廳支部設置に
 関する陳情(第百四十号)
○法曹一元制度の実現に関する陳情
 (第百四十五号)
○裁判官及びその他の裁判所職員の分
 限に関する法律案(内閣提出)
○裁判所予備金に関する法律案(内閣
 提出)
○農業資産相続特例法案(内閣提出)
○経済査察官の臨檢檢査等に関する法
 律案(内閣送付)
○裁判官彈劾法案(衆議院提出)
○裁判所法の一部を改正する等の法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十八日(木曜日)
   午前十時五十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付して事件
○民法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) これより委員会を開きます。昨日に引続きまして民法の質疑を継続いたします。本日は第一章総則の範囲におきまして先ず政府委員の御説明を伺います。
#3
○政府委員(奧野健一君) それでは民法第四編親族の中の第一章総則から申上げます、実は最初親族及び相続編につきましても大体一部改正でありますが故に、現行法と変つておる点だけを改正するというつもりで進んで参つたのでありますが、いろいろ政府部内の要求もありまして、むしろ一般國民によく分らすために、全文を書き直して、而も口語体で書き直した方がよくはないかということになりまして、趣旨において全然変らない部分もやはり一應口語体に書き直したのであります。即ち三編までと四編以下とは、法律は同じ民法でありますが、実は法律が違つておるのでありますから、四編以下だけを口語体にして、三編までは依然として文語体にするというのはいかにも不釣合でありますが、法律が違うのでそういうことにもなつてもよかろうという考えで、四編以下を全部口語体に纏めたわけであります。
 内容は要するに、新憲法に基きまして、どうしても從來の民法のままでは憲法に牴触すると思われる部分だけを実は改正いたしたのでありまして、その他の部分につきましても再檢討を加えて、新憲法の精神のあるところに則りまして改正をいたすべき筈でありまして、この点は近き將來やはり民法全体についての再改正を行いたいと考えておりますので、この度の改正は取敢えず新憲法の趣旨に牴触すると思われる部分の改正を行なつたのみでありまするので、その点を御了承の上御審議を願いたいと思います。
 そこで、順次申上げますが、第七百二十五條、親族の範囲、これは現行法をそのまま踏襲したのであります。どの範囲を親族にするかということについては再檢討をいたさなければならないかと思いますが、一應從來通り踏襲いたしました。
 それから七百二十六條も、現行法の七百二十六條そのままを踏襲いたしました。
 その次の七百二十七條も現行法の七百二十七條そのままであります。ただここでお断り申上げたいと思いますことは、現行法の七百二十八條、継父母と継子の間、及び嫡母と庶子の間において親子と同じ法律関係を生ずるという七百二十八條を削除いたしてあるのであります。これは要するに從來継父母と継子、嫡母庶子の間において親子関係を認めますことは、家を同じくするというところから、而も家を継続せしむるというために、強いて親子の関係を擬制いたしたのでありまして、その結果相続の関係、親権の関係が生ずる、而も從來は本当の親と同じように親権を行使せしめないで、むしろ後見と同じように、親族会の同意とか、その他のいろいろな制約を受けて親権を行使するというふうに、甚だ信用しない親子の関係を認めておるのでありまして、結局はそれは相続と親権の関係に帰着するのであります。併しながら今回家という関係をやめましたのと、若しも本当に愛情が湧いて、親子の関係を結びたいということであれば、養子縁組の途もありまするので、本來通り姻族一等親の関係だけにして、強いて親子の関係を擬制しないということになりました。丁度嫁が舅、姑との関係において、平常お父さん、お母さんと呼んでおりますが、法律上は親子の関係はなく、ただ姻族一等親の関係に過ぎないのですが、その関係と大体同じように見てよかろう、姻族第一等親という関係がありますので、扶養の関係等においてはやはり三等親内の親族関係で、今度は家事審判所がそういう場合に特に必要があれば扶養の関係を設定することができるということにいたしておるのでありまして、その点は後程申上げますが、八百七十七條の第二項に該当します。要するに七百二十八條が削られたわけであります。
 それから、七百二十八條が削られて、今度は七百二十八條というものが從來の七百二十九條に該当いたします。從來の七百二十九條の第一項は、大体姻族関係は離婚によつて止むということ、從來通りであります。二項は、從來は「夫婦の一方カ死亡シタル場合ニ於テ生存配偶者カ其家ヲ去リタルトキ亦同シ」、生存配偶者がある場合に、夫婦の一方が死んだというだけでは当然に姻族関係はなくならないが、その者が家を去つたときに初めて姻族関係がなくなるということに從來はなつておりましたが、今度は家という問題がなくなりましたので、家を去るというようなことも考えられない、その結果夫婦の一方が死亡した場合、いわゆる未亡人があつた場合に永久に姻族関係が続くことにするか、或いは夫が死亡すれば、その夫の方の親族との関係においては、姻族関係が直ちになくなることにするかという、どつちか選ばなければならないという問題に帰着したわけであります。そこで直ちに止むということも、國民の今までの感情からいつても適しない。それかといつて永久に止まないというふうに縛りつけて置くこともこれは適当ではない。そこで七百二十八條第二項で生存配偶者が姻族関係を終了する意思表示をすることを認めまして、そのときに姻族関係が終了する。これは届出によつていたすことにし、戸籍の方において受けておりますが、姻族関係終了意思表示をすることによつて姻族関係が止むということに改めたわけであります。
 それから七百二十九條、これは大体現行法の七百三十條に当て嵌まるのでありますが、七百三十條の中の「家ヲ去リタルトキ」云々というようなことを整理いたしまして、要するに養親及びその血族との親族関係は離縁によつて止むということにいたしたのが七百二十九條であります。
 それから七百三十條でありますが、これはややおかしな規定でございますが、これはこの度家という制度を止めました、要するに戸主及び家族という関係をすべて止めましたので、そういう関係からいたしまして、法律上の家即ち戸主、家族というのはなくなつた、それに伴つて恰も実際の親族共同生活、いわゆる家庭生活ということまで否認するがごとく誤解される虞れがあるので、むしろ旧來の家庭生活、実際の親族共同生活は、これは我が國の美風として維持さるべきものであるという点を、何処かに現わして置くべきじやないかというので、実は臨時法制調査会及び司法法制審議会におきまして、直系血族及び同居の親族は互いに扶助すべきものとすというような希望決議、そういう條文を入れろという希望決議がありました。併しそのことをそのままに入れますことは、いろいろ誤解を招く虞れがありましたので、「互に扶け合わなければならない。」ということで、この意味は全然法律的な効力がなく、むしろ道徳的な意味で、ここで扶け合うというからというて、扶養の義務を直接認めたわけでもなく、要するにそういつたような心持を現わすむしろ精神的、道徳的な規定で、実は法律の中に入れるということもいかがかというような議論もあつたのでありますが、そういう法面のいろいろ希望がありましたので、現実の家庭生活を否定するものではない、親族共同生活を我が國の美風としてどこかに残すという意味でこの條文を作つたのであります。
 以上、第一章を簡單に説明いたします。
#4
○委員長(伊藤修君) 御質疑がありましたら………
#5
○鈴木安孝君 今お話の七百三十條の「互に扶け合わなければならない。」という意味は後の方の「扶養」とどういう関係になるのでありましようか。
#6
○政府委員(奧野健一君) これは先程申しましたように、そういう精神的な道徳的な規定を設けたのでありまして、これがために扶養の義務を設定するという意味ではないのでありまして、扶養の関係は「扶養」の所の規定のみによつて働いて参りまするので、即ち、直系血族は扶養義務があるわけです。併しながら扶養の関係は、直系血族、夫婦、それから兄弟姉妹、その外に三親等内の親族の場合に、特別の事情があれば家事審判所が扶養の関係を設定することができるということにいたしたのでありますが、條文からは直ちに扶養の関係を生ずることはない、扶養の関係とは全然別個な規定であります。
#7
○委員長(伊藤修君) 家を廃した理由を御説明下さい。
#8
○政府委員(奧野健一君) 実はそれは申上げたいと思いましたが、これはむしろ二章になつておりましたので御説明申さなかつたのでありますが、要するに現行法の第七百三十二條から七百六十四條、いわゆる「戸主及家族」という章を全部削除いたしたのであります。御承知のように我が國におきましては、同じ親族の中でその中に家というものを認めまして、すべての人は何処かの家という枠の中に入つており、その家の中では戸主というのと家族ということに分れておつて、戸主が家族に対していろいろな権能、例えば居所を指定するとか、或いは家族の婚姻、養子縁組について一々同意するという同意権があり、或いは場合によつては家族を離籍することもできるし、又他の者がその家という枠の中に入るについて一々戸主の同意がなければ入れない、又家を出るについても戸主の同意がなければならないということに、今までなつておつたのであります。併しながらこれは実際の生活とは全然関係がありませんので、同じ家の中におる者も、或いは東京或いは九州というふうに生活を別にしても、法律上は同じ家にあるということになつて、実際生活を反映しておるのではなく、むしろこれは單なる戸籍の單位、いわば紙の上の家ということになつて、実際の生活にもそぐわないのみならず、やはり同じ親族の間において戸主と家族ということになり、家族が戸主によつて統率されて、いろいろそういう戸主権に服するということは、新憲法の下において平等の観念、個人の尊嚴ということを保障する思想とはどうしてもそぐわないことで、いろいろ審議会等において議論を闘わした結果、いわゆる民法の戸主、家族という規定を止める、実はこれは殆ど外國にも余り例がないことでもありますし、これがいろいろな封建的な色彩を持つものというふうに、いろいろ國際的にも考えられてもおりましたので、実際とは別に、実際の家庭生活は破壊されるものでも何でもない、戸主が家族に対してそういう権能を持つておるということは適当でないというので削除いたしたのであります。ただその際いろいろ議論がありまして、戸主というものを我々の家の中心として残して置いて、いろいろな権能を家族の上に持つということはいかにも封健的であるから、これは止めて、戸主に全然そういう権能のない、ただ精神的な中心、いわば家の象徴といつたようなことで、戸主、家族或いは家という規定を存続せしめてはどうかという議論も相当ありましたのでありますが、要するに戸主を認めて置きながら戸主権を何ら與えないで、そういつたものを残すということは殆ど無意味でもありますし、又いかにもそういう制度に執著しておることは、國際的に見てもいろいろ面白くない印象を與えるというようなこともあり、それにしても戸主というものが家族を統率する、家族が戸主に統率されて行くということは、幾ら何らの戸主に権限がないといたしましても、やはり個人の尊嚴ということから申しますと、人爲的と申しますか、結婚とか或いは出生というような自然的な結ばれ方にそういう関係が生ずるならとにかく、法律の規定で戸主が家族を統率するという、何らの権限を伴わないで、そういつたような関係を法律的に認めて行くということは、やはり個人の尊嚴という事柄と牴触するのではないかということで、結局すべて戸主及び家族という制度、言い換えれば家の制度というのを全部削除することになつた次第であります。
#9
○委員会(伊藤修君) 次に第二章について政府委員の御説明を承りたいと思います。
#10
○政府委員(奧野健一君) まず第二章につきましては、只今申上げましたように、旧來の七百三十二條から七百六十四條、即ち「戸主及ヒ家族」というものを全部削除いたしましたのであります。
 七百三十一條というのが旧七百六十五條に該当いたします。旧七百六十五條でも婚姻年齢を男は十七才、女は十五才とありましたのを、男を十八才、女を十六才ということに一つずつ繰上げたわけであります。これはいろいろ外國の立法例等を参酌いたしまして、殊に米國の大多数の習慣が満十八才と満十六才とになつております。それのみではありませんが、他の外國の立法例等も鑑みましてこういたしたのであります。と申しますのは、大体日本におきましても晩婚の風潮でありますのと、婚姻すれば成年に達した者というふうにみなすことにいたします。即ちもう婚姻すれば一人前に扱つていいのではないか。未成年者としていろいろ法律行爲をやるにしても、或いは親権に服するとか、或いは法定代理人の同意を得なければならん、法定代理人によつて代理されるということでは面白くないのじやないか。婚姻すれば一人前ということにするには、やはり実質の一人前の内容を備えたということが望ましいというふうに考えまして、十分近項の日本の婚姻の年齢等も考え、そういう外國の立法例等も考えまして、一年ずつ上げた次第であります。この点につきまして、男が十八才、女が十六才というふうに差別特遇をすることは、男女平等の憲法の趣旨に反するのではないかということも考えられるのでありますが、やはりこれは生理上、或いは両性の間にそういつたような発育上の生理的なことからして、まあ女の方が相当早熟というようなことも考えられまするし、各國の立法例も、全然平等の所もありますが、多く区別をいたしておりますので、要するに男女の本質的な平等ということには牴触しない、こういうような生理的意味で差別を附けるということは、男女の間の本質的な平等を害するものではないという考えから、やはり現行法と同じように、その間の年齢の差を設けて行くということにいたしたのであります。
 次の七百三十二條は現行法七百六十六條と全然同樣であります。
 次の七百三十三條は現行法の七百六十七條と全然同樣であります。この点も女のみが前婚の解消後六カ月の間は再婚ができないということは、男女平等の原則に反する、憲法違反の規定ではないかという議論もあるのでありますが、これもやはり女が妊娠をするという特殊な生理的な関係からして、誰の子供であるかということが混乱する、そういうような優生学上の見地からこういうふうになつておるのでありまして、この点はやはりそういう生理的な見地からこういう取扱いを別にするということも、男女の本質的な平等を害するものではないのだというふうに考えまして、從來通り七百三十三條を置いたのであります。
 次に現行法の七百六十八條、いわゆる姦通によつて離婚又は刑の宣告を受けた者は相姦者と婚姻することができないという規定を削除いたしました。これは姦通罪の規定を刑法から除かれた、併しそれに代つて離婚の原因といたしまして、七百七十條の第一号を「配偶者に不貞な行爲があつたとき」、こういうふうに変えまして、夫婦の一方、男でも不貞な行爲がありますれば離婚の原因ということにいたしまして、姦通は勿論これによつて置き代わることになつたわけでありますが、然らば不貞の行爲があつた者同士の婚姻を禁止してはどうかということになりますが、これはいろいろ考えましたが、元來相姦者の婚姻を禁止するということは、実は離婚して、而も相姦者との婚姻を禁止するということは、報復、復讐の観念が相当入つておるわけでありますが、特にそういう場合にその間でできた子供に罪がないのに、どうしても嫡出の子供になれないということにもなりますし、そうして姦通罪というものがなくなれば、判決で姦通の相手方をはつきりするというようなことでなくなりますので、相姦者という相手方が明確に出て來ないというようにもなりまするし、もうすでに離婚してしまつた後で、相姦者を報復的に、復讎的に婚姻を禁止するということもいかがと考え、又殊にその間に子供ができたような場合、その子供のことも考えまして、むしろ相姦者の婚姻の禁止ということを止めるのが適当ではないかと考えまして、現行法の七百六十八條を止めたわけであります。
 次の七百三十四條と申しますのは、現行法の七百六十九條と全然同一であります。
 次の七百三十五條は現行法の七百七十條と全然同一であります。
 次の七百三十六條は現行法の七百七十一條と全然同一であります。
 次の七百三十七條というのが新らしい規定でありまして、憲法の趣旨によりまして、旧來の七百七十二條という規定を変更いたしたのであります。即ち子が婚姻するにはその家にある父母の同意を必要とする。ただ男が三十才、女が二十五才に達した場合にはこの限りでないというのでありますが、憲法第二十四條によりまして、婚姻は両性の合意のみによつて成立するんだということから行きますと、両性の合意の外に父母の同意というようなものを必要とするということは、憲法に牴触するというふうに考えまして、父母の同意を要しないものといたしたのであります。併しながら未成熟ないわゆる未成年の者が婚姻するというような場合も、全然親の同意も必要としないということは、むしろ子供の保護という建前、子供の思想分別の足らざる所を補うという意味で、やはり未成年の子供の婚姻だけには父母の同意を要するものにしてはどうかというふうに考えまして、この点だけは未成年の子供の婚姻だけについて例外を設けたのであります。これは要するに憲法の趣旨が、夫婦になろうとする者の本当の自由なる意思の結合によつてよいので、外の者の干渉は許さないというだけの趣旨でありまして、未成熟の子供の保護のために父母がその足らざる思慮を補うということは、憲法の趣旨に戻るものではないということに考えまして、未成年の子だけについて例外を設けました。併しながらこれも実はできるだけ遠慮深くいたす方がよろしいと考えまして、第二項に父母の一方が同意しなければ他の一方の同意だけで足りるということにいたしました。要するに父母の一方でもよろしいというだけの承認を與える結婚であれば、それはもうよいというふうに考えたのであります尚ここで御注意申上げたいことは、若し仮に七百三十七條に違反して婚姻届を出して、これが受附けられたというようなことになりました場合におきましては、その婚姻は違法であるのでありますが、これを取消すことができることにすべきかどうかということは考えものでありまして、この案ではこれは取消の原因とはいたさなかつたわけであります。即ち七百四十三條で七百三十七條違反を取消の中に入れなかつたわけであります。それで七百三十七條で現行法の七百七十二條をそういうふうに変更いたしたのであります。
 次に七百三十八條でありますが、これは現行法の第七百七十四條そのままであります。尤もその前に、現行法の七百七十三條の「継父母又ハ嫡母カ子ノ婚姻ニ同意」云々ということは、親子関係を認めないことにいたしました関係上削除いたしたのであります。
 七百三十八條は現在の七百七十四條に該当いたします。
 それから次の七百三十九條というのが、大体におきまして現行法の七百七十五條に該当いたすのであります。この点につきまして申上げなければならないと思うのでありますが、先ず第一に憲法二十四條によると、婚姻は両性の合意のみに基いて成立するというのであるから、届出によつて効力を生ずるというようなことはすでに憲法違反ではないかという議論があるわけでありますが、この点は、要するに届出という形式を備えた自由なる意思の合致によつて婚姻が成立するのだ、本來外國の立法例でも戸籍吏の面前へ二人が出て、そこで婚姻の意思あることをお互いに発表するという形式を履むことを必要としておるのであります。我が國におきまして、そういうふうなことをするのは余り煩瑣であつて書面による婚姻届出で十分ではないか、一々戸籍吏の前でお互いが本当に婚姻する意思のあることを、その自由意思から出たことを発表せしむるというまでの必要はないということで、從來通り届出によつて効力を生ずるということにいたしたのであります。まあ大体各國の立法例もこういつたような形式を必要といたしておるし、又そういう意味で届出という形式による意思の発表を必要とすることは、何ら憲法に違反しないというように考えました。ところで、問題になりますことは、然らばいわゆる事実婚、これは現在では婚姻と認めませんが、苟くも結婚式を挙げれば届出しなくても婚姻と認めていいんではないか、事実婚を認むべきではないかという議論があるのであります。この点は実は古くから法制審議会において研究をいたして、事実婚を認めたらどうかという意見もあるのでありますが、なかなかこれはむずかしい問題でありまして、結局いつ婚姻ができたのかということを、届出というような形式で抑えないとなかなかむずかしい、而も婚姻ということは第三者との関係におきましても重要な問題で、その時期を明確にせしむる必要があるということからと、それから今まで本当に結婚して置きながら婚姻の届出を怠つておつたということは、実は父母の同意が得られなかつたとか、戸主の同意が得られないとか、或いはその者が法定推定家督相続人であるが故に、廃嫡の手続を取らなければ婚姻ができない、戸籍の上で戸主になつておつたのが養子でも迎えて自分が外に出るとか、或いは隠居をするとか、そういつたような法律上の手続を履まなければ、婚姻届出が出せないということで、婚姻届出ができなくて、意思に反して事実婚――婚姻予約の状態であつたというのが多い例でありますが、それらの制限はこの法律によつて、全部撤廃されて、婚姻届出さえ出せば自由に婚姻ができることになつたのでありますから、そういう障害が全部取除かれたということと、それから日本は段々文化國家として法律的な思想も発達し、届出がなければ正式な婚姻にならんということは一般常識として大体認められて参つたので、今事実婚を婚姻として認めて行くということは、むしろ法律の逆行で、奬励すべきことではないので、むしろ一般の法律思想の向上を期待しながら、やはり從來通り届出という形式主義を採用いたしたのであります。ただ事実婚の問題につきましては、將來全般的に改正を試みます際には十分研究いたしたいと考えとおりますが、早急の問題でありましたので、事実婚をここに持つて來るだけの確信を得なかつたがために從來通りといたしたのであります。
 それから次の七百四十條は現在の七百七十六條と大体同樣であります。ただ條文の整理をいたしましたのみであります。
 次の七百四十一條と申しますのは、現在の七百七十七條と全然同一でありますが、ただ「大使」という言葉を入れたのであります。これは今の民法制定の当時においては「大使」ということがなかつたようでありまして、これは大使というのを入れたに過ぎないのであります。
 次の七百四十二條と申しますのは、現在の七百七十八條と全然同樣でございます。
 それから次の七百四十三條は、現在の七百七十九條と全然同一でありますが、條文が変つて参つた関係上、條文の整理をいたしたのであります。
 それから次の七百四十四條は現在の七百八十條と、條文が変つておるだけで、全然同一であります。尤も父母の同意がなかつたような場合の、取消というようなことはなくなりました。又戸主の取消権というふうなものもなくなつたわけであります。そういう意味で條文並にそういつた整理をいたしたのが七百七十四條であります。
 次の七百七十五條、これは現行法の七百八十一條と全然同一であります。
 次の七百四十六條は現行法の七百八十二條と全然同一であります。
 次の七百四十七條、これは現行法の七百八十五條と全然同樣であります。
 それから次の七百四十八條、これは現在の七百八十七條と全然同一であります。
 その以前に現在の七百八十六條というふうなのが削除になつております。これは婿養子縁組というような場合の、離婚になつたが養子縁組はどうなるか、というような問題の規定でありますが、これは婿養子縁組というのは止めました関係から、即ち婿養子縁組というのは家を相続するために、自分の娘に壻養子するというのでありますが、これは止めて、ただその場合には養子をし、それから娘と婚姻させればよいのでありますから、特に婿養子というような制度を認める必要はないということで、婿養子、縁組というのを止しました関係から、現行法の七百八十六條の規定を削除いたしたのであります。
 それから七百四十九條、これは婚姻の取消の場合即ち離婚の場合に、子供の処置或いは財産の分與、或いは系図等をどう処置するかという点につきまして離婚の場合と同樣な取扱いをするというのが七百四十九條であります。
 次に「第二節婚姻の効力」の場合であります。婚姻の効力につきまして、大体現行法が夫にいろいろの権限を與えて、男女平等でなかつたものを、徹底的に男女平等を原則にいたしたわけであります。現在におきましては、例えば居住権、同居権といいますか、それはやはり夫が妻を同居せしむる、夫の所へ妻が同居しなければならないという建前になつておるのを改め、並びに妻の財産について夫が管理権を持ち、收益権を持ち、使用権を持つというふうな建前になつておりますのを改めて、自分の財産は自分のもの、自分で管理する、お互いに管理するということにして、一方は夫が妻の財産を管理し、使用收益するという建前を止めたのであります。それから又妻は夫の家に入る、而してその夫の氏を称すということになつておりましたのを改めた次第であります。
 即ち、七百五十條、これは婚姻すれば、その際に夫の氏を名乗るか、妻の氏を名乗るかは、お互いの協議で決めてよろしい、尤も必ず夫か妻どちらかの氏を称する建前でありまして、第三者の氏を勝手に称してよいというのではありませんが、必ず夫の氏を称しなければならないという現行法を改めまして、平等の形にいたしたわけであります。
 それから七百五十一條という規定は、夫婦の一方が死亡した場合に、現在におきましては、家を去るという場合に姻族関係がなくなりますが、そのときに氏が変る、元の氏に復するということでありましたが、今度は夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者即ち未亡人が元の氏に復するかどうかは自由にいたしたのであります。これは從來自分が協議或いは裁判によつて離婚した場合には、氏は当然元の氏に還えることを建前といたしましたが、夫婦の一方が死亡した場合におきましては、当然氏が復するということにしないで、氏を復するかどうかの自由を認めることにいたしたのであります。
 七百五十一條の第二項は、これは婚姻の中で系譜、祭祀、墳墓の所有権を承継をいたしました場合に、氏を從前の氏に復するという場合にはやはりその始末を付けて置けという規定でありまして、これは離婚の場合に七百六十九條でその始末を付けなければならないことになつておりますが、やはり生存配偶者の復氏の場合にも同樣な必要があるので、その規定を準用いたしたわけであります。その復氏の場合のみならず、七百二十八條の婚姻関係終了の意思表示をした場合も同樣の問題が起きますので、第二項の場合にも準用することといたしたのであります。
 次に七百五十二條、これは現在におきましては先程申しましたように夫は妻を同居せしめなければならない、「妻ハ夫ト同居スル義務ヲ負フ」、ということになつておりますのを、夫婦平等の原則に從いまして、それを廃めまして、「夫婦は同居し、互に協力し扶助しなければならない。」、これは同居義務というような言葉を夫婦に間において使うのは水臭い、又現在は扶養の義務を負うということになつておりますが、扶養の義務より以上のものが夫婦の間においてあるというような考えから、勿論扶養の義務があることを呑んで、その上にむしろ経済的並びに精神的な結合であることを強く現わすために「夫婦は同居し、互に協力し扶助しなければならない。」というふうに、やや精神的な意味を加味した表現を用いたのであります。これは勿論同居の義務並びに扶養の義務を包含いたして、而もそれのみならず精神的な協力の義務のあることを現わしたつもりであります。
 次の七百五十三條は、先程ちよつと触れましたように、未成年者でも婚姻すれば一人前になつて成年に達したものと認めて、法律行爲について、親権に服する、或いは法定代理、後見に服するといつたようなことなくして、一人前に取扱う。これはスイス民法でありまするとか、米國の民法等にその立法例が多数ありますので、現在未成年であるというために、親権或いは後見というふうな問題が起きいろいろ複雑な法律関係があるのを廃めて、婚姻すれば成年にみなすという主義を採つたのであります。
 次に七百五十四條、これは現行法の七百九十二條と全然同じであります。
 それから次に「夫婦財産制」であります。縁則は夫婦財産契約についての規定であります。これは実は婚姻の届出前に夫婦財産について特別な契約をして、それについて登記をするというふうな制度であります。実はこれは殆ど行われていないので、むしろこれを全部削除してはどうかという議論を相当ありましたが、今後まあ夫婦の間も男女平等ということになりますと、或いはこういうことが大いに利用されるようになるかも知れないというふうな考えと、それからいずれ根本的な改正のときに再檢討を加えるという意味で大体現行のままにいたしたのであります。
 七百五十五條は現在の七百九十三條の通りであります。
 次の七百五十六條は現在の七百九十四條のそのままであります。
 それから七百五十七條は現在の七百九十五條そのままであります。
 次の七百五十八條、これは大体現行法の七百九十六條その儘でありますが、「裁判所」とあるのを「家事審判所」に改めたという程度であります。
 それから七百五十九條は現在の七百九十七條のそのままであります。
 次に「法定財産制」でありますが、これは先程申しましたように、夫が妻の財産の管理、使用、收益権を持つておるという制度を改めたことが主であります。そういう意味で、現行法の七百九十九條から八百三條迄の規定を削除して、七百六十條から七百六十二條までの三ケ條によつてこれに代ることといたしたいのであります。
 先ず最初に七百六十條でありますが現行法では七百九十八條で「夫ハ婚姻ヨリ生スル一切ノ費用ヲ負担ス」とありまして、夫が婚姻の費用を全部負担することになつておりますが、これは夫婦平等の原則から見ますと不公平であります故に、夫婦が結局共同して負担する、共同といつてもその半分ずつ出すという意味ではなくて、自らその資産收入一切の事情を考慮して分担するということにいたしたいのであります。これはまあ婚姻中であれば殆ど問題が起らないわけでありますが、要するに夫が費用を負担するという意味ではなく、その者の働き或いは財産に應じて婚姻費用を負担するということにいたしたのであります。
 次に七百六十一條、これは現行法の八百四條に該当いたします。八百四條では「日常ノ家事ニ付テハ妻ハ夫ノ代理人トナ看做ス、夫ハ前項ノ代理権ノ全部又ハ一部ヲ否認スルコトヲ得但之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス」ということにいたしております。妻は夫の代理人であるといあことはやはり男女の平等の建前から多少問題がありますので、夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行爲をした場合には連帶債務を負担する、夫婦が連帶して債務を負担する、必ずしも妻が夫の代理人、夫が妻の代理人というのではなくて、一方が家事について法律行爲の結果債務を負担すれば、平等に連帶して債務を負担するというふうに規定いたしたものが七百六十一條であまりす。
 次に七百六十二條、これは大体現在の八百七條と同樣でありまして、その第一項は「妻又ハ入夫カ婚姻前ヨリ有セル財産及ヒ婚姻中自己ノ名ニ於テ得タル財産ハ其特有財産トス」ということになつておりますけれども、「夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする」というので、妻のことを特に書いておるのを、「夫婦の一方が」というふうに改めましたのと、第二項は現在の八百七條第二項では、夫婦の何れに属するか分明ならざる財産は夫の財産と推定しておりますが、これはやはり夫婦平等の原則から適当ではないと考えまして、そういうものは共有に属するものと推定をする「推定」とありますから、実は夫のものであつたということが証明がつけば夫のものになるのでありますが、不明である場合は共有ということにして、男女平等の原則を貫いたわけであります。
 次は「離婚」でありますが、夫婦が話合いで別れたいという場合に協議上の離婚を現行法は認めております。これをそのまま踏襲して協議上の離婚というものを認めたのであります。この点で特に御注意をお願いたしたいのは夫婦別れをする場合に多く一時の感情或いは又無理矢理に夫婦別れをさせられることも考えられるので、すべてこれは裁判所或いは家事審判所の確認を経ることにしてはどうかという議論があるのであります。本当に別れるのかということを家事審判所が一應念を押して確認をして初めて離婚ということにすべきで、ただ当事者同士で届出をしたというだけで別れしむるのではやはり追い出し離婚が行われるのではないかという議論があるのであります。併しながら現在でも別れ話と届出を出すまでの間においては、相当の時日上の期間もありますので、一時の感情で届出を出すというふうなことも間々あるまい。それから男女平等になつて女の地位が向上したので、そんなに無理矢理に追い出されるというようなことも事実あるまい。それから一々家事審判所にその眞爲を確かめしめるということは非常に手数もかかり、家事審判所の現在の予算の機構ではそれもなかなかむつかしいではないか。殊にお互に離婚をしたいというものを、それを一々審判所が確かめるということは、むしろ離婚の自由ということから見て適当ではないというふうに考えまして、一應は現行通り協議離婚を認めることにいたしたいのでありますが、この点は特に御審議を願いたいと思います。でありますからこの七百六十三條というのは現行法の八百八條と全然同樣であります。
 それから現行法の八百九條という規定、これは離婚について父母の同意を必要とするという規定でありますが、婚姻について同意を必要としないことになりましたので、離婚についてもその同意を必要としないということにいたしまして、八百九條をやめたのであります。尤もこの場合に末成年者の離婚について父母の同意を必要としてはどいかという議論もありますが、末成年者の婚姻については余程愼重にする意味で、保護の意味から父母の同意を必要としておりますが、すでに婚姻によつて成年者と認められておるのでありますから、離婚の際は父母の同意を必要としないというふうに考えまして、その点の規定を特に置かなかつたわけであります。
 七百六十四條は八百十條の條文の整理をいたしただけであります。
 それから七百六十五條は大体現行法の八百十一條そのままであります。
 それから七百六十六條は現行法の八百十二條と大体の趣旨を同一にするわけであります。要するに協議離婚の場合に子供の監護を誰が見るか、現在では父が監護するということになつておりますが、父が必ず監護者になるということは、男女平等の原則に反しますので、その場合は協議してどちらかに決める。協議ができなければ家事審判所が決めるということにいたしたのが七百六十六條であります。
 次に七百六十七條でありますが、これは先程申しましたように、離婚すれば、婚姻の際に氏を改めた方が元の氏に還る、還ることができるものというふうに自由にしてはどうかという議論がありまして、特に衆議院等におきましても、女代議士等でも、すでに名前を賣つておる者が離婚して、姓を変えなければならないということは非常に困る、そういう場合に姓を変えるか変えないかは自由にして貰いたいという意向もあります。併しながら日本の國民感情といたしまして、離婚してしまつたのにまだ前と同じ姓を名乘るということは、非常に混乱を生じますので、やはり國民感情からいつて、離婚すれば元の氏に還るということにしていいのではないかというように考えまして、七百六十七條を置いたのであります。
 次に七百六十八條でありますが、これは新らしい規定であります。協議上の離婚した場合に、相手方に対して財産の分與を請求する際、女からでも男からでも、どちらとも規定はありません。男女平等の原則から、財産分與の請求権を認めたわけであります。これは要するに夫婦の財産というものは、夫婦の協力によつて得たものであるから、夫婦別れをする場合には、その財産を分割するという思想と、それからやはり扶養料の請求を認めるべきであるという議論、或いは又離婚の原因を與えた方に制裁的といいますか、慰藉の意味で、そういうものを請求せしむることを認めていいといういろいろな意味も含めまして、財産分與の請求権を認めることになつたのであります。勿論この場合に協議が調わなければ、家事審判所がいろいろな一切の事情を斟酌して、分與の額、方法等、方法としとは年金のような方法、或いは一時金のような方法で、財産分與を認めるということが考えられるのであります。
 次に七百六十九條、これは八百九十七條の系譜、祭具、墳墓の所有権を承継しておつた者が、離婚によつて元の氏に帰つて行くという場合には、承継者を決める必要がある。その者が出て行つたが、誰がそういう後を見るか、先祖の祭祀を誰が主宰するか決めて置く必要がありますので、そういう場合に決まらなければならない、尤も決まらなければ、家事審判所が決めるということにいたしたのであります。
 これが「協議上の離婚」でありますが、大体協議上の離婚の関係につきましては、裁判上の離婚の場合も、同樣に七百七十一條で準用いたしております。
 次に「裁判上の離婚」でもありますが、その原因につきまして、現在は八百十三條にいろいろな規定がありますが、こういうふうに画一的に規定を設けるよりも、結局これに該当しないで、どうしてもやはり離婚を認めて置かなければならないという場合が相当ありますので、一應第七百七十條に一号から四号まで列挙をいたしたのであります。而して五号において「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」には離婚の請求がてきるというふうにいたしたのであります。要するに一号から四号まではその例を挙げたに過ぎないというふうに御承知置きを願いたいと思うのであります。
 而して第一号というのは、姦通罪の規定が、女のみを罪して男を罪しないのは不公平であるというので廃止しようという案が出ております。これが通りますと、姦通罪は廃止になつたが、やはりそういう場合には離婚の原因を與えるのが適当でありますで、これは妻のみならず、夫も姦通するような場合には同樣離婚の原因にすべきであるという考えから、廣く配偶者の一方に不貞な行爲があつた場合ということにしまして、重婚の場合とか、或いは姦通の場合とか、或いは姦淫罪に該当するような場合すべてを含めて、而も女のみならず男の場合でも同樣、配偶者の一方に不貞の行爲があつた場合ということにいたしたのであります。
 それから新らしく加わつたのは、四号の「強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき」、これはアメリカ等の立法例に多くありますので、この際そういうことを入れるのもよかろうと考えまして入れたわけであります。
 要するにその他に婚姻を継続し難い重要な事項がある場合、これは大体現行法の八百十三條の各号に規定しておるようなことが、恐らくこれに皆含まれることになるつもりであります。尚そういう各号に当る場合であつても、これはやはり婚姻の継続を相当と認める場合においては、裁判所は離婚の請求の棄却をすることができる。要するに精神病に罹つておつたからといつても、必ずしも別れさせなければならないものとも思えない、そういう事情があるような場合、むしろ婚姻の継続を正当と認めるというような場合は、裁判所に、それを採り上げないことの、裁量権を認めたが七百七十條の第二項であります。
 それから七百七十一條は、大体この別れた後の子供の監護の関係、或いは氏が元に還る関係、或いは財産の分與の関係、或いは系譜、祭具等の祖先の祭祀を誰が見るかということについて、協議上の離婚の場合の規定を準用いたしたのが七百七十一條であります。
#11
○委員長(伊藤修君) 本日はこの程度で散会いたします。
   午後零時九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長
           伊藤  修君
   理事
           鈴木 安孝君
   委員
           大野 幸一君
           齋  武雄君
           水久保甚作君
           奥 主一郎君
           鈴木 順一君
           鬼丸 義齊君
           岡部  常君
           松村眞一郎君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   司法事務官
   (民事局長)  奧野 健一君
ソース: 国立国会図書館
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