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1947/07/31 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第9号
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1947/07/31 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第9号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第9号
昭和二十二年七月三十一日(木曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 土井 直作君 理事 坪川 信三君
      森 三樹二君    吉川 兼光君
      工藤 鐡男君    後藤 悦治君
      小島 徹三君    小澤佐重喜君
      廣川 弘禪君   山口喜久一郎君
      石田 一松君    川野 芳滿君
      田中 久雄君    林  百郎君
 委員外の出席者
        衆議院副議長  田中 萬逸君
        衆議院事務総長 大池  眞君
        衆議院法制部長 諸橋  襄君
        衆議院法制部
        第一部長    三浦 義男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 農林、國土計画、厚生各常任委員会の國政調査承認要求の件
 裁判官彈劾法案に関する件
 司法委員会との連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより会議を開きます。
 常任委員会の國政調査承認について議長から諮問事項があります。これを議題といたします。事務総長から説明を願うことにいたします。
#3
○大池事務総長 國政調査の承認要求書が委員長から出ておりまして、先日農林関係については、交渉会で一應お話申し上げたのでありますが、この際御承認を得たいと思います。それは農林委員が水害に関する事項を調査いたしたい。東北地方の被害状況の調査及び復旧工作実施のための目的をもつて水害に関する事項の調査をいたしたいという申出が農林から出ております。
 同じく厚生委員から東北水害の被害状況を調査いたしたい、罹災者の救済を急速に実施したい、こういう申出が厚生委員から出ております。
 なお國土委員会の荒木委員長からも、東北地方の水害調査に関する件を、水害復旧対策という意味でお願いしたいという、同樣の意味の申出がたくさん出ておるわけであります。從つて水害地に対して委員を派遣して調査をしたいという同樣の申出があるわけであります。これは実は三十一日に予定をきめたいという希望をもつておりますから、御了承を願いたいと思います。
#4
○淺沼委員長 御意見はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○淺沼委員長 いかがですか。ただいま議長から諮問の農林委員会、國土委員会、厚生委員会の諮問の件について、議長において承認を與えることに決定して御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○淺沼委員長 さように決定いたします。それではそのようにいたしますから御了承を願います。
    ―――――――――――――
#7
○淺沼委員長 次に先日小委員会から報告のありました裁判官彈劾法案を議題に供します。審査に入るに先だちまして本案起草の小委員長といたしまして、その後なおよく檢討の結果、若干修正すべき箇所がありますので、その点について第一部長より説明をしていただきます。第一部長。
#8
○三浦説明員 先般関係方面と打合せました結果、ただいまお手もとに裁判官彈劾法案修正という一枚刷をおあげいたしましたが、かような箇所につきまして、多少修正すべきかどうかという点を皆樣方の御意見によりまして審議していきたいと思います。
 まず第二條につきましては、最初からいろいろ問題がありまして檢討されたのでありますが、第一項の「涜職の行爲があつたとき」ということにつきましては必ずしもこれを削除する必要もないような意見がありましたが、第二項、三項につきましては、これを一緒に合わせたらどうだろうということと、第四項につきまして、職務の内外を問わずかようなことがあつた場合に、同樣な訴追の事由となるというようなことと、さらに四号に該当する場合の意味をもう少しはつきりして、司法の尊嚴を害するというようなすなわち尊嚴と一致しないというような場合を訴追の事由にしたらどうかというような点が問題になつてまいりましたのであります。
 なお第二條の点は第十二條と関連いたしておりますので、併せて申し上げたいと考えております。原案で涜職の行爲があつたときの訴追事由といたしまして、いやしくも裁判官として涜職があればその資格あるいはその程度のいかんにかかわらず一應訴追事由とするというのが当然であろう原案では考えて見たのであります。そういたしまして第十二條によりまして情状によつてこれを猶予するという程度をとつたのであります。しかしながらまた一方の考え方によりますと、涜職の行爲があつたときと、いかなる場合においてもそれを訴追事由としないで涜職の行爲を職務上の義務違反という中に入れて、それが著しい場合にこれを訴追事由としたらばどうであろうか、そうすれば、第十二條はこれを猶予するとかいうような事態は起らないで済むのではないかというので、十二條の規定は要らないのではないか、こういうような意見があるわけでございます。私の方で檢討いたしました結果、さような趣旨に副いましてお手許に上げましたように一應第一項の涜職の行爲を削りまして、四項を二項にまとめまして、「一職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚しく怠つたとき。二その他職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があつたとき。」かようにいたしまして第十二條を削除する。こういうことに一應原案を修正して見たのでございます。
 次に第四條でございますが、四條の最後の項に、「訴追委員及びその職務を行う予備員は、衆議院議長の定めるところにより、相当額の手当を受ける。」かような規定がございます。これはなお第十六條の第九項にもほぼ同樣の規定がありますので、併せて申し上げます。「相当額の手当を受ける」という点に関しまして、普通議員としては、いろいろの委員会にも委員として出席されて、その場合に手当もないのだから、これは手当を出すのはどういうわけだろうというような疑問の点がありましたが、この制度を置きましたゆえんは、閉会中でもこういう職務を行うことができるという点が第一、本來の委員の職務以外に裁判的な仕事をするという点が第二、こういうような理由によりまして手当を出すのが至当であろうと考えるという点を申し上げ、檢討をしたのでありますが、結論といたしまして、閉会中にその職務をやつた場合だけに限ればよいのではないかというような意見もありましたので、その趣旨をくみまして、お手もとに書いてありますように、第四條第八項に「國会の閉会中その職務を行う場合においては」、それから第十六條第九項に、同樣「國会の閉会中その職務を行う場合においては」ということの制限的な規定を入れましたわけであります。
 次に第十四條であります。十四條の「罷免の訴追の取消」という規定がありますが、これはすでに訴追委員会が裁判所に罷免の請求をした以上は、これを取消すということは適当でないのではないか。ただなし得ることは裁判所に対して訴追を取消したいがという希望的な要求をするだけであつて、訴追の取消しということは適当ではないというような意見でありますが、これは現在刑事訴訟法にも檢事の控訴の取消しという規定がありまして、やはり訴追後いろいろな事由が発生いたしまして、すでに訴追した事由がなくなつたとか、あるいは訴追事由として考えたけれども、これは取消したがいい。訴追の必要はないというような、事後に起つた事情をくんで、取消規定を置いてありましたのでありますけれども、今のような行き方も確かに一つの考え方だと思いますので、刑事訴訟法の現在の手続規定とは多少異なりますが、十四條を削除いたしまして、もうすでに訴追した以後は一切裁判所の判断に任せる。このようなことにして十四條を削除いたしたいと考えております。
 次に第二十四條であります。これはこの修正案に書いてありませんが、この点につきましては、実は時間の関係で二十四條以下につきましては十分な意見を申し上げる時間がなかつたのでありまして、八月一日にさらに意見を申し上げることになつておるわけであります。それから第二十五條に関しまして、「法廷は、彈劾裁判所でこれを開く」ということになつておりますが、その場所は東京ということにきめたがいいのではないか。ところが二十四條の規定は法廷の規定であり、彈劾裁判所をどこに置くかという規定でないのでありまして、さような規定を置くといたしますれば、備考の規定に書いてありますように、総則の中に、あるいはこの三條あたりに入れるのが適当と考えております。その点は議会が東京で開かれる原則に立ちまして、彈劾裁判所は東京に置くことが当然のことと思いまして、特に規定をしなかつたのであります。その点につきましてはまだ意見を聽いておる程度であります。さらに第二十六條の審判の公開問題のことでありますが、この点につきましてはいろいろ憲法上違反ではないかというような意見を持つておるということでありまして、この條文はきわめて重要だ。こういうことであつたのでありますが、先ほど申しましたように、これにつきましてもその内容を聽いていないのでありますが、おそらく推測いたしまするに、憲法では八十二條に司法権に関しまするところの公開の原則の規定がありますし、それから憲法七十八條に、公の彈劾によつてのみ罷免ができるという規定があるのでありまして、憲法七十八條の「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の彈劾によらなければ、罷免されない。」この公の彈劾という意味がすでに公開を原則としておるという意味であるか、どうであるかという点に帰すると想像するのであります。この点に関しましては、前にもいろいろ檢討いたしたのでありまするが、さらに法制局等の意見を聽きましても、七十八條の公の彈劾という意味は廣く一般の人の彈劾によつてのみ罷免ができるという意味と、公の機関によつて彈劾するというような意味のことであつて、そこで公開原則、常に彈劾裁判は公開によつてやらなければならないという意味ではないという意見でもありまするが、私どもも同樣に考えているのであります。從いまして二十六條はこのままでもいいのではないかと考えているのであります。
 それから二十八條でありまするが、二十八條に関しましては憲法の三十八條に「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」という規定がありまするが、かような意味から裁判官を喚んでこれを訊問する場合において、この関係がどうなるかというような意見であつたのでありまするが、これは憲法三十八條の原則に照らしまして、裁判官を訊問いたしまする場合におきましても、本人に不利益な供述を強要することができないという憲法上の原則が適用されることは当然でありますので、その點の規定は特に置いてないのでありまするが、もし必要があれば念のためにこれを置きまして、明瞭にしてもいいかと考えております。それで二十八條の第一項の但書に「但し罷免の訴追を受けた裁判官に不利益な供述を強要することはできない」ということを一項附け加えたわけであります。
 大体以上が関係方面の意見でありまするが、その後それとは別に私の方で多少考えました点といたしまして、お手もとの修正案に掲げてあります第十條第三項の規定であります。第十條は、訴追委員会は「前項の要求により出頭した証人には、議院の要求により証人が出頭した場合の例により、旅費及び日当を支給する」という規定があります。今度彈劾裁判所の場合におきましては、やはり同樣証人等が出頭いたしました場合におきましては、刑事訴訟法の準用があるということになつております。從いまして刑事訴訟法の準用の結果、裁判所に証人が出頭いたしました場合には、刑事訴訟費用法の適用によりまする費用をまらうということになりまして、議院の要求により証人出頭の場合と末項おいた多少の相違がありますので、これは歩調を合わした方がいいと考えまするので、第十條第三項の「議院の要求により」とありました点を「彈劾裁判所に証人が出頭した場合の例により」ということにいたしまして、旅費、日当及び止宿料――議院の場合におきましては日当の中に宿泊料がはいつておりますが、訴訟費用法の方は日当と止宿料はわけてありますので、日当及び止宿料、こういうことにいたしたのであります。
 もう一つは第七條の第十九條であります。これも修正案に書いてあります、職権の独立のところでありますが、これも職権の独立のところに括弧書きといたしまして、第七條につきましては、訴追委員の下に、(訴追委員の職務を行う予備員を含む。以下同じ。)となつております。第十九條につきましては、裁判員(裁判員の職務を行う予備員を含む。以下同じ。)と、こうなつておりますが、この括弧書きの規定は、特に明瞭にした規定でありまするが、これは予備員及び本委員が、つまり訴追委員または裁判員が事故があつた場合におきましても、当然これに代つてその職務を代行するのでありまするから、この人たちが代行する場合におきましては、裁判員または訴追委員の職権を行うことは当然でありますので、この括弧書きを削除いたしましても解釈上紛議を來すことはないと考えております。その点に関しましては、第十八條の第三項に「書記長及び書記は、前二項の外、裁判員の命を受けて、事件に関する事務に從事する。」とある。これは裁判員の命を受けて事件の事務に從事する規定を置かれたのでありまして、この裁判員の中に予備員が含まれるかどうか。予備員が書記長、書記を指揮し得るかどうかという問題になるのでありまして、次の第十九條は今の規定がありますと、十八條には予備員がはいらないようなきらいがありまするので、ただいま申し上げました、裁判官の中に予備員がはいるのだということにしたのであります。大体以上が関係方面と打合わせまして、その後において訂正をいたした点であります。
 次に三十七條でございます。三十七條は罷免の裁判の効果といたしまして、「罷免の裁判の宣告により罷免される」という規定だけでありまして、恩給法の関係がどうなるか、あるいはまたこの結果裁判官たるの地位はどうなるか。あるいはさらに他の公職等に就職し得るかどうか。この点に関しての質問があつたのであります。これはただそれだけのことで、まだこちらの意見を申し上げておりませんが、この規定に関しましては、從來かように考えていたのであります。裁判官としての地位は、裁判所法によりまして、彈劾によつて罷免された場合には、新しく任命することはできないことになつております。この規定によつて裁判官たるの資格を失格するのでありまして、裁判官につけないことは当然であります。それからさらに恩給の関係でありますが、これは恩給法の規定によるのが適当であろうと考えておりまして、ここに特にその規定をあげなかつたのであります。恩給法の規定では、從來判事懲戒法というものがありました場合におきまして、判事懲戒法によつて免職になりました場合においては、恩給権を失うという規定が恩給法の七條にあるのであります。今は判事懲戒法はなくなりまして、新しくこれに代るべき規定が置かれることになると思いますが、今度は免官ということが判事懲戒法になくなりますので、彈劾によつて罷免された場合、どうなるかという問題が新しく起るのでありますが、それは恩給法の中に規定するのが適当であろうと考えております。それから他の公職の関係でありますが、これはこの規定の性質上、裁判官としての地位を罷免するのであつて、他の占領政策、治安等に関する方の公職にも一切つけないというねらいをもつのは、彈劾法の性質上強過ぎると考えますので、他の公職にはつき得るものと解釈して、特に制限をおいていないのであります。
 次に第四十二條につきましては、これは現行刑法の誣告罪の中に、刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で虚僞の申告をした者については三月以上十年以下の懲役に処すという規定があるのでありまして、この彈劾裁判法によつて罷免の訴追を申し受ける規定がいる関係上、ただいま申しましたような、虚僞の申告によつて人を陷れるようなことがあつてはよくないと考えまして、ここにこの規定を置いたのであります。これは関係方面においては、刑法の中に改正しておいたらどうかという意見もあるのでありますが、一應この彈劾法の中において整理することにしたのでありまして、これは司法省等の意見もあつたので、ここに置いたのであります。これはいずれまたここで御相談の上決定いたしたいと思います。
#9
○淺沼委員長 そうすると修正すべき点がまだ他にあるかもしれませんから、それを全部修正して出すということに御了承を願つておきましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○淺沼委員長 それではさよう決定いたします、ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
    ―――――――――――――
#11
○淺沼委員長 それでは先ほど決定した通りの取扱いにしたいと思いますが、大体成案ができましたら、その取扱いについてお諮りしておきたいと思います。この案件は司法委員会と密接な関係があり、司法委員長からもたびたび希望がありまして、司法委員会と連合審査会を開いてもらいたいという要求があるわけです。從つて、先ほど申しました修正すべき箇所が成文になつてでき上りましたならば、司法委員会と連合審査会を開くということの御決定を願いたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○淺沼委員長 御異議なければさよう決定したします。
 それから開会の日時については、委員長の間で協議して、御通知申し上げたいと思います。異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○淺沼委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 ほかにございませんか。――それでは本日の運営委員会はこれで散会をいたします。次期の会合は公報をもつて御通知申し上げます。
    午前十一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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