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1947/11/13 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第40号
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1947/11/13 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第40号

#1
第001回国会 司法委員会 第40号
  付託事件
○農業資産相續特別法案(内閣提出)
○經濟査察官の臨檢檢査等に關する法
 律案(内閣送付)
○昭和十九年法律第四號經濟關係罰則
 の整備に關する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○北海道上川郡美瑛町に旭川司法事務
 局美瑛出張所設置に關する請願(第
 三百六十五號)
○仙臺高等裁判所郡山支部設置に關す
 請願(第四百十九號)
○國立療養所栗生樂泉園獄死事件に關
 する陳情(第四百八十九號)
○青少年保護事業團體救濟に關する陳
 情(第五百五號)
○罹災都市借地借家臨時處理法第二十
 五條の二の災害及び同條の規定を適
 用する地區を定める法律案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月十日委員鈴木順一君辭任につ
き、その補闕として前之園喜一郎君を
議長において選定した。
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十三日(木曜日)
   午後一時四十九分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○國際裁判見學に關する件
○行刑問題に關する小委員追加選定に
 關する件
○昭和十九年法律第四號經濟關係罰則
 の整備に關する法律の一部を改正す
 る法律案
○罹災都市借地借家臨時處理法第二十
 五條の二の災害及び同條の規定を適
 用する地區を定める法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) それではこれより司法委員會を開會いたします。
 議案の審議に先立ちましてお諮りすることがありますが、第一に警察法案が治安及び地方制度委員會に付託されておりますが、これに對しまして司法委員會が連合委員會の開會を要求しておりますが、御承認願いたいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊藤修君) では明日から四日間連合委員會を繼續して開くそうでありますから、努めて御出席願いたいと思います。
 次に從來當委員會におきまして修正動議の提出に際しましては贊成者がなくてもこれを取上げて參つたのでありますが、今後は修正動議提出があつてそれに對して贊成があつた場合に限りこれを修正動議として取扱うことに御異議ないでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(伊藤修君) ではさよう取扱うことにいたします。
 次にかねて皆さんからお申出の國際裁判の見學につきまして、將來出るところの刑事訴訟法の審議に資するためにこれは實行いたしたいと思いまして、交渉いたしました結果、十七、十八の兩日これで見學の日に許可になつて參つた次第でありますが、御承知の通り午前と午後とに分れておりまして、委員會二十名に對しまして各午前に五人、午後に五人で四囘に分れて見學いたしたいと存じます。委員會の書記の人に皆樣に直接御都合の程をかねてお伺いしておりましたが、當日は時間も改めて申上げますけれども九時と午後一時でございますが、各十五分前に國際裁判所の門前に行かないと入れないそうでありますから、若し自動車や何かの御都合がありましたならばその旨申出て頂けば用意いたさせますから御了承を願つておきたいと思います。
 それから今一つお諮りいたしたいのですが、かねて行刑問題調査の小委員會を設置してありまするが、小委員の數は、委員長を含みまして十名でありますが、尚一名大野幸一君を増員いたしたいと存じますが、御承認願いたいと存じます。如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(伊藤修君) それではさよう決定いたします。以上御報告申上げます。本日は本委員會に豫備審査のために付託されましたところの「昭和十九年法律第四號經濟關係罰則の整備に關する法律の一部を改正する法律案」を議題に供します。先ず政府委員の本案に對するところの内容の御説明をお伺いすることにいたします。
#6
○政府委員(國宗榮君) 前囘提案の理由を説明いたしましたときに、大體の御説明を申上げたのでありますが、更に逐條に亙りまして補足して御説明申上げたいと思います。
 第一條は「營團、金庫又ハ此等に準ズルモノニシテ別表甲號ニ掲グルモノノ役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス別表甲號ニ掲ゲザル營團、金庫又ハ比等ニ準ズルモノニシテ前項ノ規定ヲ適用スベキ公益上ノ必要アルものハ法令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外政令ヲ以テ之ヲ同表ニ掲グルコトヲ得」、かように改めましたのは、この前御説明申上げました通りに國家總動員法の第十八條第一項又は第三項によつて設立されましたいわゆる統制會、營團、又は金庫等の役職員に對しまして、これを公務員と看做して直接刑法の適用を受くるものといたしておつたのでありますが、統制の方式が變りましたし、國家總動員法自體が廢止になりましたので、本法を改める必要を先ず生じて參りましたので舊法によりまするならば、國家總動員法第十八條第一項又は第三項の規定によつて設立せられた團體又は、というのを削りまして、現在殘つておりまして公務に從事する職員と看做して刑者の罰則の適用を受けさせる必要のある者だけをここに擧げまして、營團金庫又はこれらに準ずるものとかように第一にいたしました。そうして而も營團、金庫又はこれらに準ずるものであつても別表甲號に掲げるものだけに限りまして、それらのものの役員、職員は罰則の適用によつてこれを法令による公務に從事する職員と看做すいわゆる刑法上の公務員というふうにいたしたのであります。
 次に「營團、金庫又ハ此等に準ズルモノ」とは別表に掲げまする通り、現在ありまするのが別表聖號の一から九まででありまして、營團とは法律による營團の名前を持つておるものであります。金庫もその通りでありますが、これらに準ずるものといたしましては只今日本銀行がこれに該當するものであります。これらだけのものに限りまして、その職員又は役員は公務員とする。そうして公務員としての罰則の適用を受けさせる。こういうことにいたしたのであります。
 それから第一條の第二項は別表甲號に掲げない營團、金庫又はこれらに準ずるものであつて、そうしてこれを公務員と看做して公務に從事する職員と看做して罰則の適用を受けさせる必要がある、というふうに考えましたものにつきましては政令を以てこの甲號別表に掲げることができる。かようにいたしまして二項の趣旨は現在存在しております營團勤務又はこれらに準ずるものの全部は別表甲號に掲げてありますけれども、將來かようなものができまして、公益上必要があると認められたものであつて而も法令に別段の定めあるものを除きまして、將來の問題といたしまして將來は政令を以て別表に掲ぐることができる、かように規定いたしたのであります。これは實際上の必要に基きましてかような規定を設けたのでありますが、まあこの營團とか金庫とか又はこれらに準ずるものは將來におきましても統制の方式が變つて參りましたので殆んで出て來ないと考えておるのでありますけれども、一應出て來る場合を豫想して掲げたのでありまするし、更にこの政令にいたしましたのは、これらのものが出て參りましたときに、直ちにこれらができ上ると同時にその職務に從事するところの役員その他の職員を公務員と同様に取扱い得るというふうにいたしたい。その間に適當な一定の期間の間、法律を改正する期間の間、それらのものが適用を外れないようにいたしたい。かような考えからこれを政令に委任することにいたしたのであります。
 第二條は「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル會社、鐡道事業、電氣事業、瓦斯事業其ノ他其ノ性質上當然ニ獨占ト爲ルベキ事業ヲ營ミ若ハ臨時物資需給調正法其ノ他經済ノ統制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制ニ關スル業務ヲ爲ス會社若ハ組合又ハ此等ニ準ズルモノニシテ別表乙號ニ掲ゲルモノノ役員其ノ他ノ職員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ七年以下ノ懲役ニ處ス」こうございまして、これは「特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル會社」これが一つと、「鐡道事業、電氣事業、瓦斯事業其ノ他性質上當然獨占ト爲ル」會社、これが一つ、もう一つは「臨特物資需給調整法其ノ他ノ經済ノ統制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制ニ關スル業務ヲ爲ス會社若ハ組合又ハ此等ニ準ズルモノ」大體この三つに第二條適用を受くべきものが分れるのでありまして、特別の法令により設立せられました會社と申しまするは、別表の「乙號」に掲げてあれまするが、別表「乙號」の一乃至十、これが特別の法令により設立せられました會社でありますが、更に「此等ニ準ズルモノ」というのが最後にくつついておりますけれども、特別な會社、これは後に御説明申上げますが、特別に設立せられました會社は、今申上げましたように、一から十まででありまして、これらは、それぞれの法律によりまして規定してあるのでありまするから、これははつきりいたしとおります。それから「鐡道事業、電氣事業、瓦斯事業其ノ他其ノ性質上當然ニ獨占ト爲ルベキ事業」というのがありますが、これは獨占禁止法の第二十一條におきまして、「鐵道事業、電氣事業、瓦斯事業その他その性質上當然に獨占となる事業を營む者の行う生産、販賣又は供給に關する行爲であつてその事業に固有のもの」、このものにつきましては、獨占禁止法の適用を除外しておるのであります。而もこの種の事業を營むものは、性質上非常に公益性が強いのでありまして、獨占的行爲を是認しておる次第でありますが、その半面に、こういうような事業を營むものにつきましては、獨占の特權を濫用する虞れがありますので、そこでこれを二條に規定いたしまして、獨占事業を營むものの役職員に涜職罪の成立を認めることにいたしたのであります。即ち獨占禁止法の適用を除外せられるものに、特に本法を適用する、その趣旨に基くものであります。これに該當いたしますものは、大體この終りの方にありますが、二十九の「電氣事業法ニ依ル許可ヲ受ケ同法第一條第一號又ハ第二號ニ掲グル事業ヲ營ム者」、三十に「地方鐡道法第十二條ノ規定にニ依ル免許ヲ受ケ地方鐡道業ヲ營ム者」、それから三十一に、軌道法第三條ノ規定ニ依ル特許を受ケ運輸事業ヲ營ム者」、これがこの「性質上當然に獨占となる事業を營む者」というので、別表の「乙號」に掲げてありまして、本法の適用を受けるものといたしたのであります。
 それから第三には、「臨時物資需給調整法其ノ他經済ノ統制ヲ目的トルス法令ニ依リ統制ニ關すル業務ヲ爲す會社若ハ組合」、こういうふうにありますが、これは非常に澤山ありまして、これも別表の乙號に隨つて御説明申上げますと、乙號の十一乃至十八でありまして、一々申上げますと、十一の「森林法ニ依ル森林組合及森林組合聯合會」、十二の「漁業法ニ依ル水産組合及水産組合聯合會」、十三の「馬匹組合法ニ依ル馬匹組合及馬匹組合聯合會」、十四の「牧野法ニ依ル牧野組合」、十五の「貿易組合法ニ依ル貿易組合及貿易組合及貿易組合聯合會」、十六の「百貨店法ニ依ル百貨店組合」、十七の「酪農業調整法ニ依ル製酪業組合」、十八の「貸家組合法ニ依ル貸家組合、貸家組合聯合會、貸室組合及貸室組合聯合會」、それから二十六乃至二十八、二十六は、「別恭甲號及前各號ニ掲グルモノヲ除クノ外金融緊急措置令ニ規定スル金融機關(郵便官器ヲ除ク)」とあります。それから二十八は、「前各號ニ掲グルモノヲ除ク)」外昭和二十二年農林省令第二十八號鮮魚介配給規則ニ依ル公認出荷機關及公認荷受機關」、それから二十八は「前各號ニ掲グルモノヲ除クノ外昭和二十二年法律第二十號(臨時物資需給調整法の一部を改正する法律)附則第二項ニ基キ經済安定本部總務長官ノ指定シタル産業團體」、これらが「統制ニ關すル業務ヲ爲ス會社若ハ組合又ハ此等ニ準ズルモノ」であります。そうしてその中、只今申上げました通りに、十一乃至十八が組合であります。二十六乃至二十八は統制に關する業務を行うものでありまするが、會社、組合及びこれに準ずるもの、双方を含んでおるのであります。大體二條の適用を受けるものはさようなものでありまして、これらのものが、前囘提案の理由で御説明申上げましたように、非常に公益的な性格を持つておる。併し第一條の「營團、金庫又ハ此等ニ準ズルモノ」に比べますれば、その神益性の程度、又統制の業務に關する程度が低いという點からいたしまして、これらのものにつきましては、「役員其ノ他ノ職員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ七年以下ノ懲役ニ處ス」と規定いたしまして、刑法の涜職罪の取扱いとい多少變えたのでございます。刑法の涜職罪におきましては、請託を受けたる場合と區別をいたしておりますが、この場合におきましては、單に純收賄と請託を受けた場合土の區別を設けずに、一様に規定いたした次第であります。舊法にもさようになつておりましたので、その點はそのままに踏袈いたした次第でございます。
 それから只今申上げました、適用を受くべきものの中に、すでにも打なくなつておるものが實はあるのでございます。別表乙號の十五、「貿易組合法ニ依ル貿易組合及貿易組合聯合會」それから十六の「百貨店法ニ依ル百貨店組合」、これらのものは、これに關しまする法令がすでに廢止になりましたので、これはすでに存在しなくなつておるのであります。從いまして、この二つ分乙號の欣から削除すべきものと考えております。
 更に、この乙號中で、二十七の「前各號ニ掲グルモノヲ除クノ外昭和二十二年農林省令第二十八號鮮魚介配給規則ニ依ル公認出荷機關及公認荷受機關」とありますが、これと同性質のものがその後發生しておるのでありまして、これか加工水産物配給規則並びに青果物及び漬物配給規則による公認出荷機關及び公認荷受機關、こういうものができておるのでありまするから、このものについましては、この乙號に掲げたいと、かように考えておりまと、
#7
○委員長(伊藤修君) 速記を止めて。
#8
○委員長(伊藤修君) 速記開始。
#9
○政府委員(國宗榮君) それから第六條でありますが、これは多少の修正をいたしたわけでございます。舊法には「公務員若ハ公務員タリシ者又ハ第一條若ハ第二條ノ團體、營團、金庫、會社及組合竝に此等ニ準ズルモノニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノノ役員ソノ他ノ職員」云々とありましたのを、第二條の中の團體というのを削りまして、單に營團、金庫、會社、及び組合、第一條若しくは第二條の團體とありましたのを、この團體を削りまして營團、金庫、會社及び組合竝びにこれらに準ずるもの、これは一條二條の改正に伴いまして修正を受けたわけでございます。ところが從來の秘密漏泄の罪に關しましては、第一條第二條に掲げてありまする團體とか、營團とか金庫、會社、又は組合、これらに準ずるものであつても、更にこの勅令を以て定めたものに限つて、秘密漏泄罪の成立する場合を第六條で規定しておつたのでありますが、この度は勅令を以て定むるものというのを削除いたしまして、一切第一條、第二條に揚げてあるものは全部秘密漏泄罪の罪の適用を受ける。こういうふうに改めたのであります。實質的な差異といたしましては殆んどないのでありまして、事實上この團體でありましても、秘密を有してないものにつきましては、勿論本條の罪の成立はないのであります。ところが、勅令を以て指定いたしますると、同じ性質の秘密を有しながら、或いは指定を受け、或は指定を受けないというものが生ずる不合理な結果を招かないとも限らないのでありますから、そこでかようなものを削りまして一樣にいたしまして、實際秘密のないものについては、適用がないし、祕密を保存すべきものがあれば、そのものにだけ適用することに相成るのでありますが、今日の實際の場合におきましては、かような秘密を持つておるものは殆んど考えられないのでありまして、極く少數でありまして、ただ私どもの方で特に考えられるものといたしましては、現在この重要な秘密を持つているという團體の實例としましては、復興金融金庫の資金の融通計畫、これらがそれに該當するのではないか、かように考えておるのでありまして、他には殆んど、その秘密を、戰時中と違いまして殆んど秘密を有しておるというのは、餘り考えられないのであります、で取敢ずそういう勅令によつて、同じ性質のものでありながら一方には秘密漏泄罪の適用を受ける團體、或いは會社、營團となり、一方は然らずというような不合理を是正するためにも、これを削除した方がよろしい、かように考えまして削除いたした次第であります。それから第六條中の官廳とありますのを行政廳に改めましたのは、從來は全部官廳でありましたが、今日におきましては、自治體もやはり統制に關しますることをいたしておりますので、その兩方を含めまして、行政廳というふうに改めた次第でございます。第七條の中には「統制事務若ハ、統制ノ爲ニスル經營事務」これを單に「統制ニ關スル業務」に、「當該事務」を單に「當該事務」と改めたのでありますが、これも統制の方式が變りましたし、それから國家總動員法が廃止になりましたので、第一條、第二條に規定いたします字句に合せまして、單に統制に關する業務というふうに改めたのであります。それから當該事務を當該業務に改めましたのは、今日業務ということが一般に使われておりますので、實質は變りませんが、用語を改めたに過ぎないのであります。附則は「この法律施行前にした行爲に對する罰則の適用については、なお從前の例による。」この中に括弧の規定がございますが、(國家總動員法第十八條第一項又は第三項の規定により設立された團體については、同法のなお效力を有する期間の經過前)という非常に分りにくい規定でありますが、これは實は今日國家總動員法によつて設立されて、現に動いておるものが一つあるのでありまして、これは船舶運營會でありますが、船舶運營會は國家總動員法第十八條の規定によつて、戰時海運管理令によつて設立されて運營されておるのでありますが、國家總動員法は、戰時海運管理令に關しまする限りにおいては、國家總動員法は昭和二十三年三月三十一日までその效力を有する。こういうことにされておりますので、そこでこの括弧の規定を設けまして、この括弧の規定によりまして、この場合には、即ち船舶運營會の點につきましては、從前の規定の適用によつて、戰時海運管理令の適用によつて、昭和二十三年三月三十一日までその效力を有しておる。その期間が經過するまでは從前と同じように適用して行くと、こういう規定を置いたのであります。大體以上の通りであります。
#10
○委員長(伊藤修君) これより質疑を許可いたします。御質疑はありませんでしようか。別に御質疑はないようでありますから、この法案に對しましてはこの程度におきまして、質疑を後日に讓りたいと思います。
 次に罹災都市借地借家臨時處理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地區を定める法律案、これを議題題に供します。本案は目下豫備審査のために付託されている法案であります。先ず本案の内容につきまして政府委員の御説明をお願いすることにいたします。
#11
○政府委員(奧野健一君) これは大體におきまして、この前に法律案の提案理由の御説明の際に申上げましたと同じであります。要するにこの前、この國會において御審議を仰ぎましたところの罹災都市借地借家臨時處理法が、いわゆる戰災によつて家屋が滅失した場合だけについて、その借地關係に對する法律でありますが、戰災以外の災害、火災、或いは、風水害といつたようなものについてもこれを擴張して適用するということになりまして、そうして二十五條の二ということによりまして、その災害は、一々どういう災害であるかということを法律を以て指定をいたすと同時に、その場合に適用地區の範圍を決めるにつきましても、その地區を法律を以て決めるということに相成りましたのであります。それに基きまして提案いたしたのが本法案であります。而してこの本法案におきましては、最近までの火災、風水害、震災等の中で大體五つの災害を指定いたしましたのであります。大體指定の標準は火災、震災、風水害案の災害によつて、全燒、或いは全壞或いは流失した戸數が大體千戸以上に逹した市町村に適用することにいたしたのであります。尤もその標準につきましてはもうすでに戰災によりまして、罹災都市借地借家臨時處理法の適用されている地區については、ややその以下でも適用せしめるという標準で參つたのでありますが、これは各府縣の當局に委託いたしまして報告を求め、而もその罹災都市借地借家臨時處理法の適用地區に指定して貰いたいという希望のあつたところを主に指定いたしたのであります。でありまするから、全燒等が千戸を少しく上廻つている場所でありましても、向うから希望のない場合には指定しておらないのであります。それで大體いろいろそういう標準で以て勘案いたしました結果、ここにありますように昭和二十年の八月二十七日の九州に起りました風水害について延岡市、それから同年の九月十三日に九州中國に起りました風水害についてやはり延岡、都城、それから南海地方の震災及び火災につきましては和歌山縣の新宮市と高知縣の高知市、及び中村町、昭和二十二年の四月二十日の長野縣飯田市における火災につきまして飯田市、四月二十九日の茨城縣那珂郡の那珂港に起りました火災につきまして那珂港町を指定いたしたわけであります。以上簡單でありますが…。
#12
○委員長(伊藤修君) 本案に對する御質疑がありましたら……。
#13
○阿竹齋次郎君 そうしますと何ですか、小さな町に住んでいるものはこの恩典を受けられないことになるのですね。
#14
○政府委員(奧野健一君) 大體相當廣範圍の災害によりまして借地關係が非常に廣範圍に問題になるという場合に適用する。それでありますからどの程度の災害の場合にこれを適用して宜いかということになるのでありますが、ただ火事があつたからといつて一々これを適用するというのは如何でありましようか。要するに戰災と同じような相當廣範圍な千戸程度以上のものが全壞全燒したというような災害の場合だけについて適用することが適當である。箇々の數軒數十軒の場合におきましてはやはり現在の借地借家法並びに借地借家調停法がありますので、大體におきましてその調定法の運用によつてその目的が逹し得るのではないかというふうに考えまして、割合に小さな震火災につきましては適用しないということにいたしたのであります。實はこの問題が一番起つて參つたのは、高知、新宮等におけるいわゆる南海地方の震火災の場合でありましたのでありますが、その當時におきましてはまだこの法律がありませんので、特にそれだけのために法律を出すということも如何かということで、取敢ずその地區におきましては大體借地借家の調停によりまして、而もその内容は罹災都市借地借家臨時處理法のような内容の方針を以て調停で解決していくように各地元の方にそういう指令を出しておつて、それによつて解決していきつつあつたのでありますが、幸いこういう今囘の改正法律案が議員提出で出ましたので、この度は本格的に南海地方の震災につきましても、この處理法の適用地區としたわけでありまして、そういうわけで餘り小さいものにつきましては適用はいたしませんけれども、大體において調停等によりまして解決がつくというふうに考えておるわけであります。
#15
○阿竹齋次郎君 重ねてどうも濟みません。御丁寧なる御説明で感謝しますが、私の尋ねておるのは町の大小に拘わらず小さい町に住んでいる者は損だという質問なんですが、どうですか。大變不公平になりますが……。
#16
○政府委員(奧野健一君) 個々の人々から考えますと、そういうようなことになると思いますが、そういう人々におきましても、やはりどういう小さい所でも調停法は全部施行しておりますから、調停等によりまして、大體これと同じような、個々的に目的を達することができるのではないか。これは一般的に大きな災害のあつた地區全體についてこの法律がずつと施行されるのでありますが、小さな所につきましては、むしろ内容を具體的に、個々的に借地借家調停法等によつて、大體こういう方針によつて解決ができ得るので、特にそういうところに住んでおる者のみが不公平な取扱を受けるということにはならないのではないかというふうに考えております。
#17
○委員長(伊藤修君) 別に質疑がなければこの程度で本日は終りたいと思います。本案はこの程度で、殘餘の御質問は後日に讓りたいと思います。尚明日は午後一時からGHQのドクトル、ルイス氏に當委員會に出席して頂きまして、アメリカの行刑事情を聽取することになつておりますから、正確な時間にお集りを願いまして、是非お聽き取りを願いたいと存じます。本日はこれを以て散會いたします。
   午後二時三十四分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鈴木 安孝君
           松井 道夫君
   委員
           中村 正雄君
          大野木秀次郎君
           奧 主一郎君
           岡部  常君
           來馬 琢道君
           宮城タマヨ君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   司法事務官
   (民事局長)  奧野 健一君
   司法事務官
   (刑事局長)  國宗  榮君
ソース: 国立国会図書館
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