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1947/12/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第47号
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1947/12/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第47号

#1
第001回国会 司法委員会 第47号
  付託事件
○農業資産相續特例法案(内閣提出)
○經濟査察官の臨檢檢査等に關する法
 律案(内閣送付)
○民法の改正に伴う關係法律の整理に
 關する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○裁判所法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十二年法律第二十七號日本國
 憲法施行の際現に効力を有する命令
 の規定の効力等に關する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
○青年補導法案(鬼丸義齊君發議)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十二月六日(土曜日)
   午後二時十三分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○民法の改正に伴う關係法律の整理に
 關する法律案
○裁判所法の一部を改正する法律案
○行刑問題調査に關する件
○昭和二十二年法律第七十二號日本國
 憲法施行の際現に効力を有する命令
 の規定の効力等に關する法律の一部
 を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤修君) これより司法案員會を開會いたします。本日は民法の改正に伴う關係法律の整理に關する法律案を議題に供します。前囘に引續き質疑を繼續いたします。
 別に質疑はございませんければ、これを以て質疑を終了とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(伊藤修君) それでは質疑はこれを以て終了いたします。直ちに討論に入ります。
#4
○松村眞一郎君 民法の改正に伴う關係法律の整理に關する法律案につきましての質問の際に、私は申し述べたのでありますが、第十九條に掲げてあります農業資産相續特例法という、その法律の法案は、參議院においてまだ審議が進んでおりません。果してこの法律案が通りました際に、農業資産相續特例法なるものが成立するかどうかということの未確定な状態でありますから、むしろこの十九條からは除きまして、農業資産相續特例法そのものの中に、必要があれば、ここに掲げてあることを規定すればよろしいのではないかと思いますので、この十九條を削ります意味の修正案をお手許に差上げましたわけであります。印刷してございます通りの條項でありまして、十九條を削るということと、從つて十九條以下の條文は一條づつ繰上げるということになり、いろいろ條文を準用してあります關係が、この繰上つた關係でそれぞれ修正をするということになるのであります。
 この際簡單にそれだけの意味でありまして、修正案は御覽の通りであります。
#5
○齋武雄君 只今の松村委員の修正案に贊成いたします。
#6
○委員長(伊藤修君) 松村委員の修正動議は成立いたしました。他に御意見はありませんですか。
   〔「異議はし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(伊藤修君) それでは討論を終結することに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(伊藤修君) 討論はこれを以て終結いたします。
 採決に入ります。先ず松村委員提出にかかるところの修正案に對しまして採決を諮ります。この修正案に對して御贊成の方は御起立を願います。
   〔總員起立)
#9
○委員長(伊藤修君) 全員と認めます。仍て修正案通り修正いたします。
 次に修正個所を除いた原案に對しまして、御贊成の方は御起立を願います。
   〔總員起立〕
#10
○委員長(伊藤修君) 全會一致、原案通り可決すべきものと決定いたします。
 尚本會議におけるところの委員長の口頭報告については、豫め御了承願いたいと思います。次に御贊成の方は御署名をお願いいたします。
   〔多數意見者署名〕
#11
○委員長(伊藤修君) 次に裁判所法の一部を改正する法律案を議題に供します。これも前囘まで質疑を繼續されておりますから、質疑のおありになる方は、この際申出を願いたいと思います。
 別に質疑はないようでありますが、これを以て質疑を終結することに御異議ありませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(伊藤修君) 質疑はこれを以て終結いたします。直ちに討論に入りたいと存じます。
#13
○來馬琢道君 私は本案に對して修正案を提出いたします。附則に次の三項を加える。「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、滿洲國の審判官の職に在つたときは、その在職年數は、第四十一條及び第四十四條の規定の適用については、これを判事の在職の年數と看做し、第四十二條の規定の適用については、これを判事補の在職の年數と看做す。」以上第一項であります。
 第二項は「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、滿洲國の檢察官の職に在つたときは、その在職年數は第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを檢察官の在職の年數と看做す。」
 第三項は「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、滿洲國の司法部理事官又は司法部參事官の職に在つたときは、その在職の年數は、第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを司法事務官の在職の年數と看做す。」既に這般の内容については、委員諸君は御承知のことでありましようから、提案の趣旨を簡單に申上げます。滿洲國というものは今日は存在いたしておりませんが、昭和六年頃からだんだん滿洲國というものが形を整えて參つた時代があります。これには當時の政府は滿洲國を一つの國であるということにして承認を與えたことでありますので、その年次については多少疑問はありますが、そのために我が國から裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者を、できるだけ多く彼の國ヘ送ることになつておりまして、その赴任する者も亦政府の命令でありますから、同國へ赴任いたしまして、その事務に從事した者であります。勿論行政官とは違いまして、司法部に働いていることでありますから、いわゆる戰犯というような問題には觸れない人々であると思います。その後現在の状況と相成りまして、これらの人々が内地へ歸還して參りました。この人々に對しては、相當の經檢もあり、十分なる經歴を持つていることでありますから、我が國におきまして、只今讀み上げましたような待遇をするということは、大體なん人が見ても承認するところであります。ただ私も先頃辯護士の問題のときに述べたことがありますように、滿州國は外國であります。我が國の判事又は檢事の職に在つた者が、外國に行つて働いていたその在職の年數を直ちに我が國における官歴に合算するということは、或いは不穩當であるかと思います。併しだんだん調査して見ますと、我が國と全く法學の系統は同じものであります。又滿州國に行つておりました司法部の役職員は皆我が國から行つております人々を裁判することに力を盡していた者が多く、中國人その他の人々を取扱つたことはあまり多くはいように考えます。この人々の滿洲國における在職年數を本法においてかように取扱いますことは、從來の經驗を活用することであり、又我が國におきましても、現在判事、檢事等の志願者が少いという點から考えて見て、この修正案のごとくすることが適當の措置なりと信じまして、ここに本案を提出する次第であります。
#14
○鈴木安孝君 只今來馬委員の御提出になりました修正案に賛成いたします。その理由は今お述になつた通りでありますから省略いたします。
#15
○委員長(伊藤修君) 來馬委員の御提出にかかる修正案の動議は成立いたしました。他に御意見はありませんでしようか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(伊藤修君) 御意見がないようでありますから、これを以て討論を終局することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(伊藤修君) では討論を終局いたします。直ちに採決をいたします。先ず來馬委員提出にかかるところの修正案に對し採決をいたします。修正案に御賛成の方は御起立を願います。
   〔總員起立〕
#18
○委員長(伊藤修君) 全會一致をもつて、修正案通り可決いたします。
 次に修正案を除く原案に對しまして、御賛成の方の御起立を願います。
   〔總員起立〕
#19
○委員長(伊藤修君) 全會一致をもつて、原案通り可決すべきものと決定いたします。
 尚本會議におけるところの委員長の口頭報告については豫め御承知をお願いいたしたいと思います。本案に御賛成の方は御署名を願いたいと思います。
   〔多數意見者署名〕
#20
○委員長(伊藤修君) この際お諮りいたしたいことがありますが、豫ねてこの委員會におきまして行刑問題調査會が設置されておる次第でありますが、會期の切迫した折柄設立をされましたものですから、以來調査會を開くことがなく、ただ一囘ルイス氏の講演を聞いたに止まり、專門調査員が大阪方面に一囘調査に參つたこと、この二つの事項よりなくて、未だ行刑問題に對して本格的に調査に入つていなかつた次第でありまして、調査會の目的はその十中九分九厘まで達していないわけでありまして、ほんの緒に入つたような程度でございますので、この程度において本會期中におけるところの調査會を一應終了いたしまして、改めて次の國會においてこの調査會を設置いたしたいと存じます。この程度の結果報告を議長宛に提出することに御承認を煩わしたいと思いますが、報告書の内容はさような次第でありますから、簡單にその事情を申すに止めたいと存じますが、この點も委員長に御一任願いたいと思いますがいかがでございますか。
   〔「異議なし「と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(伊藤修君) ではさよう決定させて頂きます。
#22
○來馬琢道君 議事進行に關して發言をいたしたいと思います。先頃來、この委員會の報告又は委員會における起草文の中に、今いちいち申上げませんが、犯罪を犯すという言葉をどこにか使つたところがあるようであります。それから被害を被むるとか被害を受けるとかいう言葉を使つたものがあるかと思つております。被害は害を被むるでございますから、災害を被むるでよいのでございまして、被害を被むるという言葉はない。犯罪を犯すということは勿論のことであります。若し今度間に合うようなことでありましたならば、そういう文字及び言語は然るべく委員長において修正せられることを望んで置きます。
#23
○委員長(伊藤修君) 只今の御注意は了承いたしました。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#24
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて。
 本委員会に豫備審査のために付託せられましたところの昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律の一部を改正する法律案、これを議題に供します。前囘に引續きまして質疑を繼續いたします。
#25
○齋武雄君 本法律案とあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案との關係はどうなつておるのであるか。それから第二點は、本法律案と食品衞生法案との關係はどんなふうになるのであるか。この二點をお伺いしたいと思います。
#26
○政府委員(佐藤達夫君) この法案第一條の二におきまして、多數の命令を列擧いたしておるのでありまするが、この列擧の中には、別途相竝行しまして法律化いたしました形で、こちらに御審議を仰いでおるものがあるのでありまして、只今御指摘になりましたあん摩、はり、きゆう等に關する營業關係の法律案におきましては、その列擧の中にありまする按摩術營業取締規則以下醫業類似行爲云々の取締に關する件、この六つの省令を取纒めまして一つの法律案としたものを提案しております。それから只今お述になりました食品衞生法關係におきましては、飮食物防腐劑、漂白劑取締規則以下飮食物營業取締規則に至りまする約十の省令を編簒いたしまして一つの法律案にしたものを御提案しておるのであります。實は内幕を申上げる方が結局御了解になり易いであろうと思いまするが、この七十二號の一部改正の件は、萬一の場合を豫想いたしまして、今申しましたように別途法律案として提案申上げたものをもここに列擧しておるのであります。この列擧の中には、さようなものと、それから到頭法律化の手續が間に合いませんので、全然法律案として御提案申上げておらないもの、二通りあるわけでございます。さようなことになりました理由は、只今申しましたあん摩、はり、きゆう云々の法律案、それから食品衞生法というようなものを關係方面の審議のために提出して、その審議を受けておつたのでありますけれども、その方の見極めがつきませんでしたために、かような二段構えのような措置を取つたという、結果において、さようなことに相成りましたのであります。從いましてこのあん摩、はり、きゆう關係の法律案が成立いたしますれば、只今申しました按摩術云々のこの省令の列擧というものは、意味をなさなくなるのであります。食品衞生法の關係についても同樣であります。食品衞生法の關係におきましては、これは時日の餘裕が若干ありましたために、食品衞生法の附則の中に、丁度ここに列擧してありまするような命令を廢止するという明文を置きました。從いましてこの關係におきましては、この七十二號の列擧に拘わりませず、食品衞生法案が成立いたしますれば、當然重複の關係はおのずから整理されることになるわけであります。ところが、只今最初に御指摘になりました按摩術關係のものは、附則においてさような調整を加える餘裕がございませんでしたので、これをはつきりいたしますためには、今の按磨術關係の法律案の成立の曉においては、これが二重となるという形が殘るわけであります。而してこの關係におきましては、只今衆議院の司法委員會におきまして、本案の御審議を煩わしつつあるのでありまするが、按摩術云々の關係は、衆議院の委員會の方におきまして、別途の法律案があります關係上、この一條の二の列擧の中から、只今申しました數個の省令の名前を落して頂くという修正の措置をお取りになるような空氣が、只今のところございまして、そう相成りますれば、重複關係はなくなるということに相成るわけでございます。
 尚只今、ちよつと言い方が精密を缺きましたのでございますが、食品衞生法の關係で、この列擧の中の丁度眞ん中にといいますか、牛乳の隣にあります食肉輸移入取締規則と、それからその隣の醫薬品等の封緘及び檢査證明の取締に關する件、この二つは食品衞生法の附則の中に謳つておりませんから、これだけは殘ります。それを先程申し落しました。失禮いたしました。
 それから序になんでございますが、實は私、前囘こちらで提案理由の御説明を申上げました際に、正誤のことに觸れて口で申上げたのでございますが、それが大變な間違いをいたしておりまして、非常にとんちんかんなことに結局なつておりますので、この際改めて申上げさして頂きます。この最初の活版刷りの原案には、飮食物營業取締規則までしか出ておらないのでありますが、後日謄寫刷りで御參考までにお送りしましたものに明かでありますように、鐡道共濟組合令等の共濟組合に關する命令がそれに追加されまして、且船舶關係の船舶法施行細則、それから船舶安全法施行規則、それから船鑑札規則、これだけが列擧の後に追加されます。それから小さい正誤でありますが、この二頁の右から二行目の「家畜ニ應用スル細菌學的豫防治療品」これは平假名になつておりましたが片假名に直しました。さようなことは小さい訂正でありますが、列擧に非常に澤山の分量を附加えました點を、この間申し落しておりましたので、謄寫版刷りの方によりまして御覽置き願いたいと思います。
#27
○齋武雄君 そうすると謄寫版刷りの方が訂正法案と承知してよろしうございますか。
#28
○政府委員(佐藤達夫君) 恐らく正式の正誤という形で、活版刷りの方は印刷の都合上遲れておるのでありましようが、この謄寫版刷りの形のようなものが、結局正誤された後の形になるわけであります。
#29
○松村眞一郎君 これはむしろ長官と御相談するのですが、この書き方はどうもちよつと法律の技術上と言いますか、その方面から言つてどうかと思う點があるのでありますが、それは第一條の二として掲げられております法令は、これは結局現行法の第一條の中に法律をもつて規定すべき事項を規定しておる命令はかくかくのものであると、今のは、一應説明のように考えるのですが、大體そうでしよう。
#30
○政府委員(佐藤達夫君) 結局説明のようなことになりますけれども、一條に謳つております命令に該當しますものは澤山あるわけであります。その大部分はすでに整理いたしまして、法律案の形でこちらに御提案いたしまして、すでに法律として成立したものもあるわけであります。その殘りのいかにも見込が付かぬというものを拾いまして竝べたわけであります。
#31
○松村眞一郎君 殘りますのは、もうないと見てよろしうございますか。
#32
○政府委員(佐藤達夫君) 失效するものが實はございます。存続せしめる必要がないという意味で失效するものが大部分であります。
#33
○松村眞一郎君 私はこういうふうに考えるのです。一條を讀みますと、ここにある命令は、本年の末日になくなつてしまうわけですね。なくなつてしまいます第一條に對して第二項を加えて、前項の規定はポツダム宣言に關する命令の效力に影響を及ぼすものでないということになつておりますから、前項の規定がなくなれば、結局この附加える規定もなくなることは當然と思ひます。そうすると第一條というものは、本年限りでなくなつてしまいますから、前項の規定という規定も本年限りなくなつてしまうということになると思いますので、私はこの「第一條に左の一項を加える。」というのは止めた方がいいと思います。その意味は、来年の一月一日からはどうなるかという問題が私は殘ると思います。むしろこれは止めた方がいいという立法技術上の議論が一つ、第二はもう少し根本です。ポツダム宣言の受諾に伴い發する命令というものは、これは昔の緊急勅命で、これは明治の憲法で特別に制定されたものでありますから、これは後で議會の承諾を得て、そうして今法律になつておるわけであります。これは根本論としますと、現在の憲法そのものの例外になつておるということを考えなけばならんと思います。憲法で、法律で書くべきことはどうせ法律で書かなければ、その例外は、特別の規定を委任立法としなければならん。その關係を超越して、ポツダム宣言の受諾について、こういう命令が出たのでありますから、こういうものはむしろ憲法の例外とも考えらるべきものであるから、これはこの效力を存續するというような規定の中にこれを引用しない方がいい。これは超越した規定であるという考え方に進んだ方がいいというのが第二點、この二つから考えますと、これは書かない方がいいじやないか。こういうことで問題が起ることは私は決してないと思いますから、裁判所がポツダム宣言についての效力を論ずるようなことはまあないと思います。そんなような關係から、これは削つた方がいいと思います。加えることを止めた方がいいというのが一つであります。
 それから文字のことになりますけれども、「國會の議決により法律に改められたものとする。」ということよりも、左に掲げる法令は法律の效力を有すると、……これで私はいいんでないかと思う。それは法律に改めるというと、こういう法律が出たことになるわけであります。墓地及埋葬取締規則という法律が出たことになる。そういうことになるというと、法律にこういう名前の法律があるということになる。ただその效力ということになれば別にこれが法律になつたのじやないということで、私はむしろ法律に改められたものとするということを言わないで、從來の法律、二十二年の七十二號に書いてあるごとく、法律と同一の效力を有するものとする。第一條の規定と同じことを書いて置いて、左に掲ぐる法令は法律と同一の效力を有するということを書けば、今度議決するのでありますから、國會の議決によりと言わなくても、この案を議決するのでありますから、これだけで私はいいんじやないかというふうに考えるのであります。法律に改めるのでなくて、法律の效力を有するのである。この方がよろしい。第一條がそう書いてあるのですから、第一條と一條の二との間に考え方を違える必要はないのであつて、效力だけの問題でよろしい。從つてこの第二項に、第一條の二の第二項に、「前項に掲げる法令の效力は、暫定的のものとし、」とありますけれども、これは暫定的のもので、二十三年五月二日ということで分ると同時に、ここに暫定的なものとするとお書きになつたのは、「必要な改廢の措置をとらなければならない。」ということがあるから、そこで暫定的のものとしとお書きになつたものと思いますが、これはもう期限が短かいのでありますから、それまでの間に必要な改廢の措置を執るのは内閣の方においても、國會の方においても當然のことであつて、こういうことを言わなければならんということは私はないと思うのです。そういうわけでありますから、極く簡單に申しますというと、現在のこの法律の第一條を見ますというと、昭和二十二年十二月三十一日まで法律と同一の效力を有するものとすると、こうあるわけでありますから、これまでの間にいろいろ必要な措置を執つて來ておると思うのです。それとちつとも違はない。それと同じようにこの期限の終るまでには必要な措置を從來通り執るということに變りはないのでありますから、こういう規定は私は要らんと思うのです。そうすると極く簡單でありまして、私の案によりますというと、第一條の二は左に掲ぐる法令は法律と同一の效力を有する。その效力は昭和二十三年五月三日以後に及ばない。それで私はいいと思うのです。
 それから次は一番終りに第二條に左の二項を加えるというようなことも、これももう必要ないじやないかと思います。それは何故かというと、今までどうしておつたかという問題になる。今日までこういうことをなしに濟ませて來たのでありますから、今日まではどういうことになつておつたのか。今後はこういうことになるというような工合に又考えられる虞れがあるのであります。又從來の效力の期限を延ばすというだけであつて、それでよろしいという考でおりますから、あまり餘計な、深切過ぎる規定をはないで、ただそれだけにした方がいいのじやないか。そこで先程申上げましたごとく、第一條に左の一項を加えるということはもう止めてしまつて、第一條の二という規定だけでよろしい。今申しただけのことを書いて、そうして濟ませればそれでよかろうと思う。そうしませんと、一番しまいに書いてあります、「内閣その他行政機關に對し、日本國憲法が認めていない場合において命令を發する權限を付與したものと解釋されてはならない。」というのでありますが、從來、別に解釋しておりませんですし、將來そういうものを設けましても、今までの問題によつてやはり殘ると思いますからこれは前も今後も同じように解釋すべきものと考えますから、途中の改正にこういう、あまり深切過ぎた規定はない方が、疑義を起すことがないだろうと考えるのであります。質問のような意見のようなことでありますが、私の申しましたのは、そういうふうにして、簡單にしてその法律を出した方がいいという意見でありますが、どういうふうにお考になりますか、ちよつと伺いたい。
#34
○政府委員(佐藤達夫君) ちよつと速記を止めて頂きたいのですが……。
#35
○委員長(伊藤修君) 速記を中止して下さい。
   〔速記中止〕
#36
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて下さい。
#37
○政府委員(佐藤達夫君) お答え申します。いちいち御尤もに感ずるのであります。第一段の問題は御指摘の第一點と、第二點と一括して申上げますが、このポツダム命令が憲法を超越するものなりや、憲法内のものなりや姑く別といたしまして、我々といたしましては、現在の第一條というものは、當然ポツダム宣言に關係の命令には、關係のないことであるというふうに考えております。その點は一般においても誤解はないと思うのでありますが、丁度端境期と申しますか、いよいよ十二月三十一日という締切の期限を前にいたしまして、萬一の誤解を避けた方がよくはないかという趣旨で、かような一項目をこの際追加いたしたわけであります。先程御指摘の問題は一項が十二月三十一日までと決めてしまうじやないかというお話もございましたけれども、實はこの積りは、七十二號ができました當初から、一條の條文の中に、「現に效力を有する命令の規定で、法律を以て規定すべき事項を規定するもの」とありますが、その下に括弧でポツダム云々の命令を除くと初めからあれば、問題なかつたわけであります。それを今度追つ駈けて規定しましたために、かような形にはなりますけれども、實質においては、只今申しましたように、初めから規定するものという、下に括弧があつたというふうにお讀み願えれば、何ら弊害はないと思います。その趣旨をくどく……くどくというと語弊がありますが、深切に申添えたと御了解を願うほかはないと思います。
 第一條の二の關係の字句の問題でありますが、これも誠に御尤ものように拜聽いたします。さような書き方も、一つの方法として確かにあり得ると思います。唯あまりに何と申しますか、第一條で、單純に十二月三十一日までと第一條にありますのを單純に、五月二日までというふうに延ばしたこととは、多少ニユーアンスの違いがありたいという氣持の問題で、御了解願えるかどうか存じませんけれども、御推測を願えるならば、單純に效力を十二月三十一日とあるのを五月二日までと延ばしたのではないという、ニユーアンスを出したというので、「法律に改められたものとする」と當然切り、且又別項に、只今御指摘の暫定的に五月二日まで云々という、これは多少辯明の氣持もありますけれども、氣持はさようなわけで、法律的には松村委員の仰しやるところと違いはないと考えております。
 それから、この二條の問題でございますが、これは誠に御指摘の通りでありまして、このことはこの法律ができました最初から、當然かようにあるべきことでありまして、今この際これを追加するということは、時宜を得ていないのではないかというお言葉の趣旨はよく分ります。唯この二條におきまして「「勅令」とあるのは「政令」と讀み替えるものとする」というのは、國内又國外の關係におきまして、いかにも古い勅令と新らしい政令その他の命令というものが、同じ性質のものであるごとき誤解を招く虞れがあります。又そういう嫌いも見受けられますので、この際丁度好い機會でありますから、序といつてはなんでありますが、ここに萬一の誤解を明かにする措置を法文を以て規定したというわけでありまして、何も今日に至つてこれが必要になつたというふうには、私共は考えておりません。
#38
○松村眞一郎君 今のニユーアンスの問題ですが、私はこういうふうに解釋いたしましよう。從來は唯期限を書いただけであるから、場合によつて間に合わない場合には、延ばしたようなことも想像されますけれども、今度の場合にはどうしても必要な措置を五月二日までには取つて、今後は延ばすような態度は取らないという決心を示したものと解釋しておきたいと思いますが、いかがですか。
#39
○政府委員(佐藤達夫君) その通りに考えております。
#40
○委員長(伊藤修君) 他に御質問はありませんか。
#41
○松村眞一郎君 速記を止めて下さい。
#42
○委員長(伊藤修君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(伊藤修君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれにて散會いたします。
   午後三時十五分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤  修君
   理事
           鈴木 安孝君
   委員
           齋  武雄君
           中村 正雄君
          大野木秀次郎君
           奧 主一郎君
           水久保甚作君
           岡部  常君
           來馬 琢道君
           松村眞一郎君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   法制局長官   佐藤 達夫君
   司法事務官
   (民事局長)  奧野 健一君
   司法事務官
   (大臣官房臨時
   企畫部長)   岡咲 恕一君
ソース: 国立国会図書館
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