くにさくロゴ
1947/08/19 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 国土計画委員会 第3号
姉妹サイト
 
1947/08/19 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 国土計画委員会 第3号

#1
第001回国会 国土計画委員会 第3号
  付託事件
○戰災都市復興計畫事業費の補助金増
 額に關する陳情(第二十六號)
○秋田縣米代川竝びに阿仁川改修速成
 に關する請願(第八號)
○全國主要道路の整備に關する陳情
 (第六十九號)
○小名濱港修築に關する請願(第十八
 號)
○廣島縣下の砂防工事緊急實施に關す
 る請願(第十九號)
○鈴鹿川改修の復活及び建設省の設置
 に關する陳情(第八十八號)
○長野縣茶臼山地辷り對策竝びに岡田
 川改修に關する請願(第三十號)
○新潟、長野縣下地辷り對策竝びに砂
 防工事實施に關する請願(第三十一
 號)
○福岡縣英彦山一帶の國立公園指定に
 關する請願(第三十二號)
○正法寺川砂防工事續行に關する請願
 (第三十五號)
○長谷川砂防工事に關する請願(第四
 十號)
○イラスケ川砂防工事に關する請願
 (第四十一號)
○千曲川及びさい川改修工事に關する
 請願(第四十二號)
○郷川竝びに城川の砂防工事に關する
 請願(第四十四號)
○黒瀬川竝びに中川改修工事に關する
 請願(第四十五號)
○賀茂川改修工事に關する請願(第四
 十六號)
○常願寺川改修速成に關する請願(第
 四十九號)
○上下水道普及國策の樹立とその監督
 機構の統合に關する請願(第五十
 號)
○最上川災害復舊工事の促進に關する
 請願(第五十一號)
○酒田港の災害復舊、開港竝びに海上
 保安基地の設置に關する請願(第五
 十二號)
○旭川改修工事促進に關する請願(第
 五十三號)
○霞ケ浦北浦治水工事に關する請願
 (第五十七號)
○廣島縣厳島町の災害復舊工事に關す
 る請願(第六十一號)
○最上川本支流の改修工事に關する請
 願(第六十三號)
○馬見ケ崎川砂工事に關する請願(第
 六十五號)
○砂防行政の一元化に關する請願(第
 六十八號)
○砂防事業補助費増額に関する請願
 (第六十九號)
○岩國港の開港場指定に關する請願
 (第七十號)
○岡山縣下の砂防工事に關する請願
 (第七十五號)
○呉市河川の砂防工事施行に關する請
 願(第七十七號)
○鳥取縣小田川、荒金川砂防工事に關
 する陳情(第百二十七號)
○東北、北陸地方水害状況實地調査班
 の報告
  ―――――――――――――
  委員の異動
八月一日委員奧主一郎君辭任につき、
その補缺として石坂豊一君を議長にお
いて選定した。
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月十九日(火曜日)
   午前十時四十六分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○東北、北陸地方水害状況實地調査班
 の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(赤木正雄君) ではこれから委員會を開きます。今日はさいわい大藏省から見えておりますからして、御報告を聽く前にこの間兼岩委員から御質問の大藏省のことを御質問願います。兼岩さん。
#3
○兼岩傳一君 質問よりも、今日岩崎委員がおいでになると思いますが、私も三縣見て參りまして感じたことを御報告申上げて、それから聽きたいというわけなんです。何かを聽いてからあれしようというのではないのです。一應報告して問題のあり場所をはつきりしてお尋ねしたいというのです。
#4
○委員長(赤木正雄君) では御報告を願いましよう。御報告を願う前に、この委員會として、大變暑いのに方々御視察下さつて御苦勞さまでした。
#5
○兼岩傳一君 それでは御報告いたします。簡單に御報告いたしまして、尚石川委員竝びに岩崎委員からもそれぞれ御報告がございますので、私の分擔の部分を御報告申上げます。
 東北、北陸地方の水害の中、私共は山形縣、秋田縣、新潟縣の三縣に派遣を命ぜられて行つて參つたわけでございます。この前の委員會のときに、取敢えずお手許に配つておきました報告書は、私共非常に三名とも多忙でございましたので、私共に隨行して呉れました調査課の熊谷主事に取敢えず纒めてもらつて、お手許に資料として、差出した次第でございます。不完全な點もございますが、それで一應詳細な點は御覧願いたいと思います。それで私共、特に私が、土木技術者として氣づいたところだけを御報告申上げ、その他の點につきましては、他の委員の方々から御報告願うことにいたしまして、簡單に、私が最も感じたことを御報告申上げます。
 先ず山形縣でございますが、土木施設といたしては、約三億圓に近いという大きな水害でございました。詳細なことは、この調査報告にいたしてございますから省きますが、やはりそれらの原因といたしましては、薪炭として百萬石程度伐り出すのが適當であつたところ、戰爭中からずつと二百二十萬石、倍以上も餘計に伐つていたということ、それから用材林といたしましては、五十萬石程度が適當であるのに、百七十萬石も伐り出したというような點、從つて山が荒れ、驚くほどの雨量でもなかつたにも拘わらず、災害が起きたというところに、根本原因があると見て參りました。
 尚委員長がこの前仰しやつたように、根本原因については又次の調査のための委員がおいでになるから、それまでに縣としても十分尚……今は應急對策に忙殺されておりますので、私今申しましたのは一つのやや不完全な暫定報告なのでありますが、尚出水原因につきましては、將來この委員會からおいでになるから、縣としても十分に本格的に御調査願いたいということを知事、土木部長以下にお願いしておきました、それは以下三縣とも同様でありますので省略いたして置きます。それから酒田市の方ヘ參りまして酒田港の状態を見て參りましたが、御承知のように最上川の河口の、川の海への出口が港になつているという裏日本特有な港なので、それはその點においても技術上缺點を持つているわけなんでありますが、それにしても今囘の水害のために、先般と今度で二度決潰をいたして港の利用價値が非常に低下いたしておりましたが、これの今後の復舊問題で特に私が氣付きましたのは、川は内務省が所管しておる、港は運輸省の港灣局が持つておるというような行政機構の矛盾でございまして、これはやはり建設省というようなことを御考慮願わなければ、本格的に解決いないのじやないかというふうに私共は見て參りました次第であります。それから山形縣としての切實な希望、これは今日おいで願つた大藏省方面と、又他の委員も御報告申上げましたあとで、御協議なり御囘答なり頂きたいのでありますが、山形縣の切實な希望は概算として公共關係の應急復舊、恆久復舊の第一段階としての應急復舊、それのために先ず概算三億圓に對してはその二割、六千萬圓程度のものをすぐ支出して、直ちに活動できるようにしてくれろという御希望で、これは實は秋田縣においては一層切實な希望、新潟縣においても同樣なのでありますから、これは三縣同樣の希望としてお聽き願いたいのでありますが、概算の二割程度を直ちに支給しろという切實な希望がございました。これは私自身も府縣の土木行政を扱つてよく承知しておりますが、本當にそうなので、從來は設計を立てさせて、それを内務省の官吏が査定をして、それから徐ろにいろいろ小むづかしい煩瑣な官僚手續を通つて金が來るというようなやり方、そのために第一段階で直ちに打つべき手が打てなくて、技術上非常に不合理な不經濟な工事をするということなのであります。ところが農林省の方の農耕地の復舊、つまり内務省でなくて農林省方面の所管の農耕地の災害復舊は、その點について先ず二割程度の融資をぽんとやつて置いて、そうしてあとで改めて係官が行つてそれを査定して、その融資した金と、あとで公式に技術的にすつかり査定ができてからの本格的な補助とを相殺するという非常に地元民にとつては都合のいい、非常に條理の通つたやり方をしているのに、内務省方面の土木の公共事業だけそういうことができていないということは、實はどういうことかということを私この前の委員會のときに、内務省の國土局長、それから農林省の方面の局長、それから安定本部の建設局長などに突込んだのでありますが、私共の納得する返事が得られなかつたので、實は今日は大藏省方面の責任の方にも來て頂いたので、實はこの點に對する私共の希望、それから農林省と内務省のやり方の違い、それからこの度の災害に對する態度などについて聽きたいと思つているわけでございます。それからもう一つは資材を配給せよ。例えばポンプとか、モーターとか、鐵線とか、セメントとか木材とかいうものを配給しろ、こういうのが他の三縣とも共通でございましたが、特に山形縣廳で強調された點であります。
 それから今度は秋田縣へ参りまして、實に秋田縣の水害が大きいのに驚いたわけでございます。二度に亙る災害で土木公共施設だけで大體十億圓、それからその他の農産物の被害とか、林業被害その他をずつと入れれば、恐らく四十億圓になるのじやないか、これは物價指數の關係もありますが、古い物價指數に換算いたしましても、これは一縣としての損害としては容易ならん數でありまして、これは私共總じて東北地方において感じたのでありますが、なぜこのような水害ができたかという原因につきましての問題ですが、濫伐、先程の山形縣と同じ原因もありますが、その他に從來土木事業がなおざりにされていたということ、關東地方とか中部地方、私は關東地方、中部地方の實情を相當よく知つておりますが、そういう方では小さな中小の河川にまで手が入れられておりますのにも拘わらず、東北、わけても秋田については殆どなおざりにされていたというのが今囘の水害の根本原因、山の濫伐、過伐の外に根本的な原因でないかと感じました。そこで前の委員會で安定本部の建設局長に對して過去二十年、或いは三十年に各府縣にどういうふうに土木工事をやつて來たかという報告を求めて置きましたので、一つ同僚委員の方々はその數字を見て、私の感じたことが一つ數字的に正しかつたかどうかという御判定を願いたいと思います。
 尚ついでに御報告申上げますが、私この前の委員會で各位の承認を得まして、もう一つの調査資料、即ち過去二十年乃至三十年において日本は軍事費と土木事業等の公共事業とをどういう比率でずつと通して來たか、毎年どういうふうに通して來たかということを、皆様の承知を得て、この委員會としてやはり安定本部の建設局へ要求いたして置きました。尚土木事業として通したものの中、これは委員長などの最も關心のある問題ですが、災害を防ぐための建設的な土木事業と災害の後片づけの復舊事業の比率とがどういうふうにして來たかということの報告を併せて求めて置きましたので、近い將來にそれらの報告が參ると思いますが、それらの資料を一つ各委員の方々は根本的に御檢討されることを希望いたします。
 尚秋田縣で、私は容易なことでは復舊できないと感じましたのは地元の金子議員などの話を聽いて、勞働組合、農民組合、勤勞者、大衆の組織勤勞者の幹部の方々の集まつた機會にも出まして、大いに今後しつかりやられるように激勵をいたし、又特に技術者の技術協會としても、これに關連して大いに御援助申上げたいということを申して置きました。今一つやはり大藏省と關係して參りますが、山形縣で二割程度云々、二割はまず應急復舊として金を出して欲しいという要求が、秋田縣においては一層深刻な切實なる要求となつていたのであります。それは何故かと申しますと、農民は家を流され、肥料を流され、田を流されて、もはや配給を、假りに應急配給を受けても配給に對して支拂う金もないという村があちこちに出現し、農民が出現したのであります。從つて一刻も許さずに二割程度の金を貰えれば、それで以てその應急復舊のために、そういう農民に出て貰う。その農民に對して勞賃を支拂うということによつて一石二鳥、つまり農民生活を守ることができると同時に、農村を直ちに復興して行くことができる。こういう新たなる秋田縣では要求がございました。この點につきましても先程私の提案いたしました農林省のやり方と、國土局のやり方におけるその差異につきまして、大藏省の方で一つ十分お考えになつてあとで御答辯なり、御協議が頂きたいと思います。
 それから新潟縣で信濃川の方面その他の災害をずつと見て參りましたが、これは同僚、御同行願いました議員の御報告に讓りますが、私として特に氣付きましたのは、災害は大體一億程度で、他の二縣に比べれば土木施設として輕微なのでありますが、ここに序でに問題として堤議申上げたいのは、信濃川分水嶺以下の河道整理をいたしますと、約三萬町歩ぐらいの水田が生き返つて來るという問題であります。これはこの國土計畫委員會として十分お考え願いたいのでありますが、つまり開拓という、増産のための開拓という面が、徒らに今私共強調され過ぎているのじやないか。可なり杜撰な技術的設計の下に、北海道あたりでもいろいろの問題があるようです。北海道以外でも……。ところが土木のように河川を改修し、山を治め、治山治水をする、そういうことによる食糧増産ということが殆んど顧みられていない嫌いが全國的にありますが、この新潟縣で私が見て參りましたのは信濃川の分水嶺以下の點で土木を機械化してこれを實行することにおいては、約三萬町歩の水田がつまらん濕田から二毛作の美田に轉換するというような問題を縣では考えていたようでございます。若しもこの機會にあとで委員長からお諮り願つてこの國土計畫委員としてそういうような點で、調査を縣にこの委員會の名において調査を御命じになるならば、縣においてはそれらの調査したところを御報告申上げるというような用意を持つていたようでございましたので、一つその點あとで委員長からお諮り願えれば結構だと思います。
 私の報告は大體それだれでありますが、今一つ落したことは、山形縣の河水統制の問題であります。これも相當關係が深いのですが、今囘の水害とは直接關係ないにしろ、皆樣の御注意を喚起しておきたいのでありますが、山形縣の野川、赤川、朝日川、この三つの川で一方において電力を起すと同時に、山を治め而も農業に潅漑するという河水統制事業というのを相當知事は熱心に考えていたようでございますが、こういう點につきましても、今後これはまだ直ちにどうということはございません。こういう河水統制、從來の古い樣式、ただ提防を造つて川を治めるというだけでなくて、川の下流で電氣を起し、それから水を農耕地に送り、そうして洪水を防ぐという、こういう河水統制ということをお考え願いたい。特に片山内閣は電力國營、電力の開發など言つておりますが、從來も資本主義的に會社經營で有利な發電…治水は相當數もう開發され盡しておりますので、今後は發電だけでなくて、山を治めるということと結びつき、又潅漑用水をして食糧増産をするということと結びつき、且つ電氣を起すというようなふうに總合的に考えて、而も利益が薄いのでありますから、國家的事業として私はやつて行かれませんが、そうでなくて、私は電氣電氣委員會の問題だと仰しやるかも知れませんが、そうでなくて、私は電氣委員會と國土計畫委員會の連合委員會の仕事ではないかというふうに考えておりまするので、御注意を喚起する意味でちよつと御報告に附け加えさして頂きます。私の報告の點につきまして何か御質問でもございますれば、お答えいたします。以上であります。
#6
○委員長(赤木正雄君) 何か御質問はありませんか。
#7
○原口忠次郎君 只今の兼岩君の御報告結構ですが、今日の議題は水害のことについての問題だから、全面的な御報告であつたようですが、その中から特に水害關係についての討議と言いますか、或は委員會としての方向を決めて頂くことを切望いたします。いろいろ問題があつたようですが、それは後に廻しまして、特に水害の問題について……。
#8
○委員長(赤木正雄君) 今は原口委員からのお話しの通り、本日の委員會として第一に水害を採り上げてこれを處理したいとこういうふうに考えておりますから……。
#9
○兼岩傳一君 私は報告の半分いかいたしておりません。後は一つ石川委員から御報告をお願いしていと思います。
#10
○委員長(赤木正雄君) 石川君。
#11
○石川一衞君 只今兼岩委員から縷々細かく御報告がありまして、先般お手許に差上げました報告書にも御覧の通り、大體細かく出ておりますが、私は、水害の原因と應急手當、恒久手當、こういう點から三點に對しまして聊か一端を申上げたいと思います。先に山形に參りまして、山形縣は非常に河川、即ち土木行政が行屆いておりまして、非常に完備されております。然るにこの度の東北の出水は、護岸工事が戰時中完備されておりましても、修理等が十分に加えられていなかつたり、補強工事ができておらなかつたり、急水のために流木が來まして橋臺を荒し、橋が流れますと次の橋か壞れる、その次も又壞れるというように、木橋は殆ど流木のために壞されております。これは止むを得ないことだと思います。山形におきましては、護岸工事等は相當しつかりやられまして、又應急手當も既往年は氣をつけてやられた形跡があります。よつて水害は大きかつたのでありますが、割合に人力を以て水害を喰い止めたということは私はよく認めて參りました。この水害の原因、山形の原因は山林の過伐、濫伐、及び砂防工事というものを更にしていない。全く砂防工事のした跡がなかつた。過伐濫伐されたために山の土砂が一時に川に流れて逐次來たのが最大の原因だと思います。又この河川の工事につきましても先年度相當の水害があつたそうですが、これに對しても相當國家は補助金を出すことに相成つておるそうですが、これが閑却されましてすぐに完成しなくちやならないものがそのまま放棄されておる。これは戰争の結果とはいうものの全く各地ともこういう状態でありまして、止むを得ないとはいうものの、餘り國家がこれを閑却しておつたということがよく分ります。それから山形縣は非常に河川の堤防と、及びその手入れ等が、非常に完備されておる。全く堤防の破壞されたとかいうことは、これは止むを得ない水勢上そこにあたつたんだという感じがよく見られました。天災とはいうものの、全く山形縣の土木行政はこれは十分に行屆いておるものと思つておりますが、國家からもう少し迅速に補助金その他をやりましたならば、この水害は相當喰止めることができたと思います。
 次に秋田縣ですが、秋田縣は山形縣と比べまして、非常に趣が違つております。秋田縣の河川は殆ど無堤防状態で、昔のままで、そうして同時に山林の伐採、濫伐が多いものですから、これに土砂が流れ込んで、どこが川の本流やら支流やら、殆ど分らないような状態の所が多かつた。殊に雄物川の上流におきましてこれが甚だしい。それ故に水害の一度起つた場合に、地方民も防水の方法がなくて、ただ手を拱ねいて見ておつたというような状態に見られます。從つて當局もこれも止むを得ざるものとして、殆どその防水に努めていないというような形跡も見えております。これは土木行政の怠慢と言えるでありましようか、永年の川の荒れるままに委して、人爲では到底この防水はできないというような考の下にやつたのか、全く呆然としてこの洪水を眺めておつたというような形跡が多々ありました。ここも、先般も申した通り、砂防工事などは、殆どない、全くない。又この秋田縣の山形縣と違う點は、河川の遊水地區までも殆ど堀り返して作物を作つておる。ですから他の縣に比べまして非常にその被害が大きく感ぜられます。これは遊水地區であるべきものを、食糧増産のためとはいいながら、水害等のことを考えずに、川の本當の懐まで耕やされておるというような所が澤山ありました。それから只今申上げた通り、秋田縣は全く護岸工事等が殆ど原始的の工事で、あつて、何と申しますか、工事らしい施工をしてある所はありません。ただ申譯的に川の水邊にちよつと沈床をつけてあるというような状態で、一朝ああいうような急水が出ますと、全部洗い流してしまうような状態でありました。從つて河床と水田との差が殆どないレベルというような所も往々ありました。
 次に新潟縣でありまするが、新潟縣は非常に治水は完備されておりました。この縣は餘り過伐濫伐もないように認められます。川に對しての縣當局の處置も非常によくて、人工的に水害を喰い止めた點も多々見られます。この縣で一番問題になるのは冠水地區が多かつたことで、冠水地區と申しますと、新潟縣の蒲原四郡ですが、これが場所によりますと、排水面よりも或いは低いというような田があります。これは電氣排水でやつておるのですが、今囘の如く急水の出ましたものは到底電氣排水では排水することは不可能でありまして、止むを得ず冠水したという状態になつております。これも先程兼岩委員から申されました信濃川の下流の河床が相當浚渫されましたならば、かような冠水も受けなくて相濟むこだとと思ひます。これは内務省の直轄工事になつておりますのですが、この頃殆ど放棄されたような状態でありまして、それがためにかような冠水地區が澤山できたということになつております。
 以上申上げました通り、この原因は山の過伐濫伐、砂防工事の不徹底、不徹底と申しますよりも、全く砂防工事がしてなかつた、護岸工事の不徹底、こういうものが今囘の水害の原因だと思います。
 そこでこの水害の復舊工事ですが、水害の復舊工事に對しましては非常な金が要りまして、各地とも非常にこの資金には困難しております。先程申されましたように、この地方では米の産地でありながら殆ともう供出しまして、食べる米も殆どないというような状態でありました。直ちに應急工事をしまして、避難民の救濟と應急工事を急ぐことが一番の問題と思います。然る後恒久施設をするのが一番適當だと思います。以上簡單でありまするが私の所見だけを申上げて置きます。
#12
○委員長(赤木正雄君) では引續き仙臺方面の……。
#13
○島津忠彦君 私は宮城縣、岩手縣、この兩縣に參りました。この状況を御報告いたしたいと思います。
 この兩縣の水害も、前御報告がございました山形、秋田、新潟班の御報告と同樣に、七月の二十日から二十三日におきます豪雨と、それから八月の一、二日のこの二囘の豪雨によりまする被害でありまして、今囘の雨量は百五十ミリから大體三百ミリと言われまして、この地方におきましては、昭和十六年から今年までの間に三囘被害を受けておりまして、その三囘における被害も大體同様の水の量でありまするが、その前の三囘の被害に比較いたしますると、今囘の被害が相當大きかつたということが全般的に言われるのであります。宮城縣と岩手縣を分けて申上げますが、大體この水稻におきましては一萬九千五百六十町歩、その減收見込は十八萬石、主要農作物におきましては二千五百町歩、減收見込が一萬三千石、岩手縣におきましては、水稻冠水面積が一萬二千町歩、減收見込が十五萬石、主要農作物におきましては二萬町歩、この被害減收見込が十萬石、以上申上げました數字は第一次の被害を本にいたしまして、そうして第二次の被害は實數でありませんで、大體それから推定をいたして計算いたしました合計額の被害でございます。大體その被害におきまする原因を考究いたして見ますると、勿論戰時中におきまする濫伐が最も大きな影響を及ぼしておるのではないかと思われるのでありますが、それと同時に政府の今までの施策が、殊に治山、治水という方面において、とかくこの地方においては忽せにしてあつたのではないかと思われるような節々が相當に見受けられるのであります。例えば宮城縣におきます江合川と鳴瀬川という二つの川がありまするが、この二つの川を連結しまする河川工事を約三十年ぐらい前に起工しておるのであります。而もその地所は、大體六百町歩の優秀なる農耕地を潰しまして工事を始めたのでありますが、未だにその工事が完成していないということ、それから鐵道工事におきまして工事が非常に杜撰であるということ、一つの例を申上げますると、東北線が、迫川という川に懸つておりますその鐵橋は、川の半分が鐵橋でありまして、その半分がいわゆる石贔でありまして、堤防の上にあるというような工合で、川を半分堰き切つておるという結果になるのでありまして、その結果豪雨の場合には非常なる増水を來たしまして、そうしてその近所の農村に氾濫するという結果が本囘にも現われておりまして、石越村という村がございまするが、そのためばかりではないのでありますが、石越村が全滅をしまして、約一千町歩ぐらいの水田が潰滅に歸した。而も收穫皆無というのが七百町歩もあるというような状況でございます。宮城縣におきまする状況は、大體仙臺から以北の被害でございまするが、この以北地方は、非常に低濕な低い場所でありまして、とかく水害を蒙りやすいのでありますが、この施策につきましても、從來當局は餘りこの點について、御研究はあつたかも知れませんが、或いは豫算等の關係で十分なる施策が講ぜられていなかつたのではないかというような感じが多分にいたしたのであります。
 次に岩手縣に移りまするが、岩手縣は宮城縣と異なりまして、いわゆる山間部の盆地地帶にありまするが、その盆地地帶を北から南に向つて北上川が流れておりまするが、その北上川の出口が非常に狹隘なために、出口附近の、例えば一ノ關附近、或いは水澤とか、ああいう所は、出口の狹隘なるために水が逆行して増水を被むつたという結果の被害、それから縣の北の方、縣北部におきますると、これは土砂の崩壞、いわゆる山津浪による被害のために土砂が相當多數流れ出しまして、そうして美田を荒し、甚だしきは岩磐が出ておるというような所が相當ございます。それで岩手縣におきましても、宮城縣におきますると同樣に、今までの河川に對する當局の施策が十分でないということが多分に申されるのでありまするが、例えば道路を造りまするにしても、河の力の強く當る所に道路ができておりまして、これは後から申すことかも知れませんが、當然壞れるような場所に國道ができておる。それがめちやめちやに壞されておるという實情を私共見て參りまして、まだまだ十分なる檢討が盡されていないということが申されるのであります。とかく東京とか、關東地方とか、或いは關西地方のような都合地の近い所では、相當な施策が行われておりまするが、こういう東北地方のような所に參りまするというと、どうもとかくそういう施策が十分に行われていないということを、誠に遺憾に存じたのであります。私誠に不備でございますが、大體御報告申上げまして、大山さんから足りないところを御補足願いたいと思います。
#14
○大山安君 大體島津さんから申されたところの豫定のコースによつて調査した結果を簡單に申上げます。大體とにかく日柄も少ないものでありますから、實際に收穫關係につきましても、被害關係につきましても、どうという自信を持つては言えませんが、大體の被害報告を只今申上げたというようなわけであります。被害現場の状況は、只今島津さんが申されたのにやや等しくありますけれども、私として調査の結果確實性のあるところを報告したいと思うのであります。
 それにつきましては、第一に宮城縣に參りまして、いろいろ圖面や何かのつまり參考資料を得た結果現場を調査しようと思いまして、縣廳にまいりました。而して知事の意見も聞きました。殊に土木局長の意見をお尋ねいたしました。今囘の水害は何が原因して洪水に遭つたものであるかということを尋ねました。ところが雨が澤山降つて、そうして氾濫したというような程度でありました。それにつきまして、どうも縣の責任者として餘り簡單だと思いましたから、これについては宮城縣として、排水の不完全であつたか、或いは治水關係の施工していないためであつたかということを尋ねましたところが、そういう關係はありません。自然の川筋でありまして、記憶はありませんですが、何々川から流れて來たものが氾濫したものであるというような簡單な挨拶でありました。而して今後の對策も大體聽くことにいたしまして將來この宮城縣につきましては、排水工事、つまり河川を以て排水口に當て、更に水源の治水關係を基礎として解決づける方が有效ではないか。ところが土木局長は、そんな必要はありません。こういうような斷言でありました。然らばどういう方法で、今後の對策をするかと尋ねましたところが、これは適宜適辯で、私はもう、よいと思つてやつたところ、國民があまり喜びもしないからもう餘り關心しないというような御意見でありました。これはと思いまして、その後大體の要領を得て、その結果調査に當ろうと思いまして、新聞社に行きまして聽きましたところが、新聞社は、濫伐の結果の洪水であつたというような簡單なことを聽きまして、そうして現地に參りました。で各方面を調査して參りましたが、殆ど河川に沿うたところの村落が被害にかかつておる。これはいうまでもありません。殊に山地とか、山何とかいう村は、殆ど全村被害にかかりました。でこの水害の原因につきましては、今日まで勿論濫伐もありますが、この周圍の鑛山の麓に、自然治水耕地というような芝生地のような原野があつたという事實であります。それらを食糧關係で増産々々という結果において、開拓されて、もう鑛山から直接耕地面となつたわけであります。それらのために自然の治水關係が破壞されて、現在では治水という工作は、自然の工作にも人工にもしておらない。その結果急激に、つまり耕地を荒らしたこういうような結果に見受けられました。そうしてこの第一、宮城縣は只今申上げました通り、つまり地方廳とこの河川工事に實際に無關心である。でこれらは餘所に話が外れるようでありますが、これは參考ですから申します。これらは非常に縣内の農村としての、常に被害を受けている河川沿いの村落と、何等被害を受けていないところの村落とは、自然に政治關係といいますか。非常に意見の相違がある。その結果中央におるところの土木局長が、河川については無關心であつた。從つて今囘の災害を招くような事情に立ち至つたというような感じもしたのであります。それらは常につまり被害にかからざる地帶は、何ら關知するところがないから、そういう縣の方針としても、それに力を入れるというところなく、又その言うところ河川に力を入れるというところのない者が縣の、つまり地方の勢力を奪つているという結果、今日河川を見まするに、殆ど山林か川か分らん。川の中に家があり、或いは二十年立の松山があり、十年二十年以下の山林に等しい地帶が殆であるようなわけでありました。もう殆ど自然のままに、昔のままにして置く。それらが水害の原因と私は見て來ました。そうしてこの河川を改良する場合におかれましては、耕地面積においてやや工事の負擔ができるというほどの、河川敷地が現在あると承知しました。被害の報告の中にも河川内に一面に……八十町歩という只で作つているというような土地も被害地には入つております。然るような状態で現在までは大體被害の原因その他については、いま島津さんの言われたような結果でありますが、將來につきましては、どうしても治水及び排水の工事を、これは國家的觀念よりいたさねはならんというような意見を以て宮城縣に對する調査をして參りました。
 それから岩手縣でありますが、この岩手縣はこれはどうも自然水害にかかるような、いづれも山と山の間に耕地面積がありまして、私共が見ますれば、その場當りに堤防でも築いて被害を免れるより外に方法がないかというように考えました。大體調査の結果は私としてはそういうようなところで調査を終つて來ました。
#15
○委員長(赤木正雄君) 先程島津君からお話の石越村というのは何處にありますか。
#16
○島津忠彦君 石越村は北上川の支流に迫川というのがありますが、その迫川の沿線でございます。地圖で申しますと北の方のこの川でございます。これが北上川、この黄色く塗つたのが内水冠水ですし、青くちよこちよこと塗つてあるのが破提冠水であります。この地方が一番被害が大きかつたのです。
#17
○委員長(赤木正雄君) 新聞にありましたね。何でも農村が對立していて、一方の對岸の堤防を切つたというようなことがありましたね。
#18
○島津忠彦君 あれは切つたのではありませんね。水が自然に逆流して堤防を越して、それが破壞したのです。
#19
○原口忠次郎君 石川さんの御報告にもありましたように、遊水地を耕地として……又どなたかの御報告にもありましたが、遊水地の被害が大きかつた。この遊水地というのは上流にあるのでありましようか。
#20
○石川一衞君 遊水地というのは河と堤防の間をいうのであります。
#21
○島津忠彦君 洪水の出やすい場所ですね。
#22
○委員長(赤木正雄君) ちよつとお伺いいたしますが、遊水地というのは方方でやつておりますが、堤防を開墾しておつたために堤防が非常に脆弱になつたということはございませんか。
#23
○石川一衞君 それは堤防を開墾することはむずかしいことです。
#24
○委員長(赤木正雄君) 遊水地というのは當然洪水のときには災害を受けるわけなんですね。それを耕地としておるから被害があつたと認めるわけですね。
#25
○石川一衞君 そうです。澤山被害があつたようになつておる。あれは被害を受くべき地であります。
#26
○政府委員(野田卯一君) 私ちよつと質問させて頂きますが、今の遊水地でございますが、いろいろな冠水面積だとかに遊水地が入つておるのでございませうか。被害地が何町歩、何萬町歩といいますが、その中に遊水地というのは含まれておるのでありますか。
#27
○石川一衞君 含まれております。それは但し、秋田縣ですね。
#28
○委員長(赤木正雄君) 大藏省から見えておられますから……。
#29
○兼岩傳一君 大藏省のどういうお方ですか。
#30
○委員長(赤木正雄君) 大藏省の主計局長であります。
#31
○兼岩傳一君 それではちよつと報告に關聯しましたから申上げますが、改めてはつきりと三つの質問なり要求なりいたしたいと思います。第一に先程申上げました應急融資という形を農林省はとつておるのに、内務省は從來そういい便宜な形をとつていないと思いますが、その邊の事情を聽きたいということ、それから第二は、補助率を三分の二というふうにしておるけれども、これは餘り機械的ではないか。今日戰爭で搾取に搾取を重ねられた府縣として、三分の二では現状に復舊できんという場合に、これをぐつと高めるこれに對して大藏省は從來自分の財布を自分で握つておつたという恰好で事務官僚の本として技術者の正しい要求を机上査定で押しつけられていたというのが多年の慣例でありますが、相變らずそういうふうなやりかたで行かれるのか、そういう三分の二という根據を縣によつては、秋田縣の如きは全額補助、町村の災害にしても、町村の公共土木施設にしても全額の補助という形でなければ復舊できないというような大きな打撃を受けておりますが、それに對する態度如何。
 第三點、これは非常に技術的の問題で、机上の事務官僚的査定に對する私の平素長い間からの考えなのですが、災害復舊の限界を机上論に大藏省は考えておるのではないか、尤も澤山あるから簡單にしますが、元の姿に復することが復舊であるという誠に机の上で考えておるとそういうふうに思われます。ところが河というものは御承知ないかと思いますが、大洪水が一旦通るごとに流れが變つてしまうのです。だからその新らしく變つた流れに即して復舊するということ、それは改良であるから、これは災害復舊でないなぞという實に技術を無視した事務官僚の獨善的な査定の方法が相變らずです、私現に秋田に行つて見て感じたのです。そういうような机上論的なことを今後もやつて行かれるお考えであるのか、ないのかという、この三點を私はお尋ねします。一つづつお答え願います。討論の形で結構です。
#32
○政府委員(野田卯一君) 私は大藏省の主計局長の野田でございます。御質問の三點についてお答えしたいと思います。今囘の災害につきまして、政府といたしましては、財政的措置及び金融的措置において萬全を期したいと考えております。財政的措置につきましては御質問がなかつたかと思いますけれども、例えば災害の應急復舊の經費が三億あつたときにその中の二割ぐらいは早く出して貰いたいというようなことがさつき御報告中にあつたのですが、そういう二割ということになるか一割になるか、その邊は安定本部と相談しておりますが、大體見込みを付けまして早急に國庫から出すべきものは或る部分的に出すということを實行し、又その手取りを進めております、それから同時に金融的措置につきましても、今度まで余りなかつたことでありますが、早速手を打ちまして、實は取敢えず東北地方の水害に關する金融對策要綱というものを閣議決定しました。中味を紹介しますと、災害復舊のため國庫から支出される補助費及び府縣の負擔する災害復舊の合計金額の範圍で必要な金額を限り、右の補助費が支出されるまでの間、銀行等から一時つなぎ資金を融通するということを決定して、こういつたことでこの急場を凌いで行くという方法をとりたいと考えております。從つて農林省とか内務省とかというようなことは、今度はそういう差刑はなくなるわけです。農林省であろうが、或いは内務省の所管であろうが、これは取り敢えずこういう方法を適用するという考であります。
 それから第二點の補助率の問題でありますが、三分の二というように非常に機械的にしておるではないかという御議論でありますが、これは御承知のように三分の二は基準になつておりまして、それを越えるものについては各縣の災害の實情竝びに縣の財政事情というものを考慮いたしまして、三分の二の八割、九割、九割五歩というように、災害の實情とその縣の負擔力とを見合せてやる。三分の二ということはスタンダードでありまして、これですべてを律するという意味でなくして、實は南海の震災の場合におきましても、三分の二というスタンダードを取りましたけれども、安定本部竝びに大藏省から調査團を出しまして現地の事情を調査し、そして非常に災害の規模が廣く、縣の財政力と災害との關係が非常に大きいという場合には補助率をずつと上げて、九割五歩程度に行つておるのではないかというふうに考えております。そういうわけで三分の二というのは一應のスタンダードで、後は各縣の事情によつて變つて來る性質のものであるということを御承知願いたいと思います。
 それから第三番目の災害復舊について、大藏省では從來非常に固定的の觀念で、元に戻すことをやかましく言うというようなお考えてあつたのでありますが、それは私の方はむしろそういうふうに考えていないのでありまして、そういう考え方を廢するというふうの方にむしろ進んでおります。ただ元に戻すということは、これは大藏省と各省との關係になつて恐縮でありますが、災害復舊というと經費が取れやすいのであります。それで災害復舊、災害復舊と言つて來ますが、大藏省としては災害を元の形に復するのは意味ないので、その際、改良すべきである、河筋も變つたし、現地の状況も變つたからそれに即應して技術的の最善を盡して改良がなされなければ駄目で、災害を元に戻すというだけでは意味がないということを絶えず主張して參つておる實情でございます。このことは安定本部とよく相談しながら災害復舊に對して或る程度事情に即した改良ということが當然織り込まれるべきだという觀念で支出いたしておるということを申上げて置きます。
#33
○原口忠次郎君 局長にちよつとお伺いいたしますが、今お話しの三分の二は基準の問題で、縣の財政に應じて増減するとこういうお話があつたのでありますが、これは今まで私共もそういうふうに實際おやりになつておることを知つておりますが、今年から災害の補助は三分の二にするというようななにか方針といいますか、或いはそういうお積りが政府部内にあるということを仄かに聞いておりますが、それはございませんでしようか。
#34
○政府委員(野田卯一君) この災害復舊につきましては、これは大きく分けますというと二つに分れております。即ち災害が起きました時にすぐに避難民を救助する。或いは炊き出しをするというようないろいろな經費がありますが、これが今度災害扶助法といいますか、新らしい法律が出ることになつておりますが、それではその災害を復舊するといいますか、災害に對處するために要る費用というものを出しまして、それとその府縣ならば府縣の收税力、税金を取る力というものを見まして、その災害を復舊したり災害の手當する金高がその地租と家屋税と営業税とありますが、この三つの税金を基礎にとつて、それの金額の五%以下であればもう政府は全然補助をしない。それが五%を超えまして五割までですと五割、五割を超えまして十割までですと八割、十割を超えた分につきましては九割、こういうようなことが法律の中に謳われることになつております。この法律案はもういろいろな關係方面とも接衝が濟みまして、近く議會に提出されるのぢやないかと思いますが、そういうような方針でやつております。それから災害復舊の關係でありますが、これは大體政府の出しておる各種の補助金でありますが、この土木關係、こういつた公共事業關係の補助金でありますが、これは二分の一が中心になつております。半分は政府が持ち、半分は地方團體が持つというようなことが基礎になつておりますが、それに對しまして災害は普通の一般的な問題でもやはり地方團體の負擔力といいますか、負擔力が弱まつておるというような關係で、大體昨年豫算を作ります場合に三分の二程度を以て大體の原則とする、こういうことにいたしたのであります。併し先程申しましたように、三分の二を絶對に動かさんというのではなくてスタンダードとして三分の二、豫算を考えます場合に……、ということになつております。
#35
○石川一衞君 只今御説明のありました災害のこの復舊の補助金でありますが、これは一時間を爭う急なもので、田圃は水に苦んでおる。或いはこういうところの用水の取口は壞れてしまつて、天氣にはどんどん乾いてしもう。稻は立枯れになる。こういう状況でありますから、これをどうしても至急國庫でどんどんやつて頂かなければ縣では非常にむづかしい。又不幸にして小作人との土地の問題ですな。小作人に行くのか地主に行くのか分らない問題があります。本年度の産米につきましても、これを一時間でもなほざりにすることは重大な問題であると思います。この點を少し御考慮頂きたいと思います。
#36
○政府委員(野田卯一君) 承知しました、できるだけ……。
#37
○委員長(赤木正雄君) ちよつと今災害復舊に對して成るべくこの改良をとるような御方針と承りましたが、これも結構なことで、そうあるべきですが、これは二つに考えます。と申しますのは、この災害復舊……内務省の土木災害復舊が決つたのは四十年頃ですか、そのときは災害復舊はとにかく直ぐやらないといけない。そうして地方の財政ではできないからやるのですが、それで非常に嚴選しまして、その代りいわゆら原形復舊、元の形に復舊する方法で、その代り一日も早くするのだ。こういう趣旨で法規ができたと思うのです。これは政府を通して災害復舊をやりましても、これだけでは水害を防ぐことは到底できないので、そのままにやつて行けば原形の復舊ですから、當然來年或いは再來年又水害が來るに決つておる。これはこれとして、根本施策として河川の根本的な本當の改修、砂防の根本策ができて、これと兩方相待つてやつて行かんと治水の根本はできるものでない。それで今お話の災害復舊に對して改良を加味するという御意見は非常に結構と思いますが、これは或いは逆に災害復舊はもう原形に復舊するのも仕方がないが、その代り根本計畫をこの際やる。これが私根本を解決するような氣もするのですが。河川工事の如きはどうも災害復舊で改良いたしましもて、やはり根本の計畫はできにくい。それについて根本計畫をやる。それをお考え下さらんと、何十年經つても日本は水害から逃れられないような氣がする。これも御參考に申上げておきます。
#38
○原口忠次郎君 議事進行のことでありますが、これを委員會としてはどうなさるかというこですが。
#39
○委員長(赤木正雄君) これは御當局の説明も承りましたから、尚災害對策委員會を作るようなことはないと思いますが、そういうふうなことも聞いておりますから、この委員會として、態度をはつきり決めておきたいと思います。そうしないとこの委員會の考え方もありますからして、それを皆さまに御協議を願いたい、こういうことを考えております。この委員會として十分決めて行かなければならんと考えております。
#40
○原口忠次郎君 この委員會として今の東北の水害に對する態度をどうするかということを決めて頂ければ非常に結構と思います。
#41
○委員長(赤木正雄君) それで今御報告のありました通りに應急……すぐ仕事をせんならん、これはやはりこの委員會としても相當にこれを容れまして、要求するものはこの委員會として要求して、成るべく早く地方民の要望するように應える。同時に又恒久對策もこの委員會として採り上げるべきものは採り上げて、然るべき施策を政府に要求する、この二つの建前で行くべきじやないか、こういうように思うのです。つきましては、各府縣の詳細なことはこの前の國土局の報告、或いは農林省の報告、これによつて處理するより方法はなかろうと思う。委員會としてあの數字を採り上げて、その數字をどこまで政府に要望するかというのが應急の對策じやないか、こう思います。尚序でに今申しました衆議院の方におきましては、災害對策委員會ができましたが、これはどうも今度の災害は成る程大きな水害でありました。併し本當の水害に入つて來る時節はこれから先きと思うのです。本月末より來月が一番水害の巡り來る月でありますからして、先ずそういうよふな水害が假りに來て、或いは九州にも大水害がある、或は中國地方にも大水害がある、水害のある度ごどに水害對策委員會を作つてはこれはちよつと問題だと思います。この委員會としてはむしろそういうものを設けるよりもこの委員會で固めたらよい。これは皆樣の御意向なり又運營委員會の考えも知る必要があると思いますが、どうしますか、これに對しては。これは運營委員會で決めることと存じますけれども、參議院としてはこの際少くともこの委員會としては對策委員會をどうも必要と認めるように思えんのであります。
#42
○石坂豊一君 只今のは災害復舊だけでありますか。
#43
○委員長(赤木正雄君) 復舊對策委員會は衆議院でやつていますから、その關係で參議院でもそういう空氣がちよつと聞えているのです。これはこの際は作らなくても宜いと思います。この委員會としてできるだけ努力をしていく、それで宜いじやないかと思いますが……。
#44
○原口忠次郎君 その對策委員會を作る、作らんは委員會に委せて、この委員會としては、とにかく自分の受持分野の問題だから、この委員會が盡すだけの手を盡して見たらどうですか。作る作らんはここではもう協議しなくてもいいと思います。ですからこの委員會として、水害對策をどうするかということを決めて頂いて……決めないから運營委員會でもそういう話が出るんだろうと思います。決めてあれば、農地委員會あたりと意見が違う時に、どこが違うかという場合に初めて參議院全體としての對策委員會がいいんじやないか、こういうふうに考えております。
#45
○大山安君 これは對策の範圍ですが、非常に廣いと思います。で現在までの被害關係に對する對策と、それから國家的對策、そういう國家的としたら今後のつまり災害豫防對策ということになつて來るとい思ますが、非常に廣範圍になつて來ると思います。ここを被害に對する對策として何とか範圍を決めたらどうですか。
#46
○委員長(赤木正雄君) それは今申した通り災害に對する應急對策と申しますか、手つ取り早くやらなければならんというものと、それからして恒久の治水策、この二つに當然考えられると思います。
#47
○大山安君 これは只今つまり應急對策としてやるべきか、或いはこれは恒久、つまり完全な對策としてやるべきかという場合に、費用の増が澤山ないとした場合には、どういうふうにお考えになりますか。第一宮城縣はそうなつております。應急對策とする場合と、これを國家的見地から、つまり完全對策を講じておる場合にやや等しくはないかという氣持ちを持つております。それというのは一定の河川を整理をして、完全にやつて、又治水工事をできるだけ完全にする。したならば中間の工作は或いは必要がないかというような見方も生じて來ます。
#48
○委員長(赤木正雄君) 私の申す應急對策というのは、國土局或いは農林省方面におきまして、災害のために緊急の對策を要するもの、或いは復舊對策を要するもの、それをいわゆる應急對策と、こういう考であります。
#49
○大山安君 現在の河川を修理する。將來は將來として……。
#50
○委員長(赤木正雄君) 一應そうしないと、目先のものと兩方を直ぐこの際考えるとしましても、二つに分けて考え得ると思います。
#51
○大山安君 そうすると、大體が地方でやるような仕事になつておりますね。全部地方でやつております。地方でやりまして、東北は東北としてどれ程の災害がある、それについて内務省からして檢査に來る。先程兼岩委員の仰しやつた通りに檢査に行つて、その檢査の中どれ程を認める。恐らく農林省の方の耕地關係でも同じです。これ程の災害がある。それに對して農林省から檢査に來る。その中にいく割を認める。その認めたものを國家が補助する、こういうことになつております。つまり農産物の被害という……。
#52
○委員長(赤木正雄君) その農産物の被害の方は農林省で見ております。耕地の流失の如きもやはり農林省でやつております。例えて見れば、今堤防が切れておる。直ぐ堤防の修築をやらないと、來年の水害に困る。だから直ぐ修策をやる。これはいわゆる應急對策であります。如何でしようか、そういうわけでありますからして、災害を受けた地方からして、それぞれ當局に對して、この復舊の金を要求しようと思いますが、その要求の金に對して、この委員會としても極力應援する、これが手つ取り早い問題でありますが………。
#53
○中井光次君 段々皆さん暑いところを御視察に行つて、御報告を拜聽いたしましたが、今委員長のお話があつたように、政府でもやりますし、内務省、農林省、それぞれ各府縣皆調べをし、そうしてそれぞれ措置をとつて行くと思いますが、この委員會として、常に重大なる關心を持つてそれに臨んで行くことはよいと思いますが、一々同じことをやるということになるとどうかと思います。そこで今の治水對策委員會というようなものを別に作らないで、今の状態における處置といたしましては、折角皆さんお調べを願つたのでありまするし、それからそれぞれ適當なる御報告がございましたので、その中で重要なる部分につきましての御報告を文書にして、政府竝びに議長に出すものでありまするかどうでありまするか、その概括的なことを結論としてお結びになつて頂いて、そうして尚今後の推移につきましては、本委員會として注意を怠らない、こういうようになすつて、一遍切りをおつけになつたらどうかというような氣がいたします。切りというと語弊がありますが、調査の結論でありますが……。
#54
○委員会(赤木正雄君) 中井委員の仰しやつたことは非常に當を得たことと思いますが、つきましては今御報告のこと、尚御報告漏れのことで、各方面から聽いたことも一括しまして、それを一應ここで纒めまして、それを議會に出すとか、そういう處置をとりたいと思いますが、如何でございますか。
#55
○委員長(赤木正雄君) それでは取敢えず……。
#56
○原口忠次郎君 私はその報告の中に特に強調して頂きたい問題があります。それは先程島津委員から御報告がありましたが、河川の事態を無視して、鐵道が色々な工作物を河川の中に施しておる。それがために河川の鐵橋から下流の方が非常に直接或いは間接に被害を受けておるということは、全國到るところに例がある。ですからこれは鐵道に、少くとも河川に架つておる鐵橋を十分に、河川の流水の方面から調査して、鐵橋を改修して貰うということが、私は非常に大事じやないかと思います。これは私最近柏崎にちよつと行きまして、そうして柏崎の市内を流れておる河川が非常に氾濫するからというので、ちよつと見て來たのでありますが、直ぐ柏崎の上の方にやはり鐵橋がございまして、その鐵橋はスパンが決まつておるのであります。それで機關車が段々大きくなつて行つたために、プレートガーダーを下の方に三十ミリも厚くしておる、それがために今まで洪水を蒙らなかつた河川が、そのプレートガーターで堰をされて、ずつと洪水を受ける、こういうことを私は見て驚いてしまつた。實際島津委員の仰せになつたようなことが全國至る所にございますから、本委員會として、鐵道省に對して、河川を無視しておる工事のやり方を是正して貰うということが大事じやないかというふうに思ひます。
#57
○委員長(赤木正雄君) 今原口委員の仰つしやるようなことは、島根縣の水害にも同じ事實がありますから、今の御話は特に注意をいたします。では私が一つ纒めまして、そうしてそれを取敢えず御報告しますから、どうか御承認を願います。
#58
○兼岩傳一君 それと關連しまして、委員長の御活動は感謝しますが、尚一層活動力を高めるために、專門調査委員を一日も早く、委員長、委員會の補佐機關として是非適當な技術者を一日も早く入れて頂きたいと思います。そうすれば委員長も樂でありますし、我我委員も非常に多忙に追い使われておりますから、いろいろ委員會があつたり、あれでありますから、この點を一日も早く活動力のある人を入れて頂きたいと思います。
#59
○委員長(赤木正雄君) それは御尤もです。私もやはり考えておりますが、實は今朝も適當な人はないかと國土局長に相談しまして、二三候補者がありますが、成るべく愼重に考えたがいいと思いますから、もう暫く待つて下さい。
#60
○兼岩傳一君 成るべく急いで願います。それからもう一つ、衆議院の方では建設省の問題で、地方制度委員會と決算委員會と國土計畫委員會と連合して勞働省の問題と建設省の問題を、研究するようにして、既に進んでおるようであります、私も先般決算委員も兼ねるようになりましたので、昨日ちよつと聞いて見ますと、決算委員は非常に多忙で、勞働省の問題を纏めて、今度は決算の事務を、分科會ですつかりしないと、建設省の問題の調査に取りかかれんというような實情におります。それで私の提案いたしますのは、この委員會として連合委員會を作ることを申出て、そうして先程の御報告のように、水害對策の方はこれでピリオツドを打つておいて、直ちに建設省の審議……建設省への問題でありますが、そういうふうな問題をお取上げ願う必要がありはしないか、今いつたように決算委員の方は仕事に追われておつて、そこへ手を出し兼ねておるような實情にあるのであります。それを委員長はどういうふうに處理されて行きますか、私はそういう提案をいたします。
#61
○大山安君 只今の專門委員とかいうことについて、ちよつと申上げたいと思いますが、この專門委員として、國土計畫委員會においては、最も無色透明であつて、我々の專門家からいえば素人ともいえますか、これを十分に組入れる人があるかどうか、これがない限りには、餘程その者が國家的觀念あり、國民的觀念ありとなし得ない場合には、その者の、つまり精神によつて或いは國土計畫の本來の趣旨を破壊するというようなことにもなりやしないかというような私は考えを持つております。でありますから我々が共に研究をし、共に調査をなした場合には、それ程の專門委員は要らないかというような感じも私は持つております。そうして科學的發見でも研究するのでなしに、本當にものを見、なし、なさしめて行くところの仕事が多いようでありますから、皆さんが一生懸命になつたならば、人間一人の技術者である、專門者であるというような者よりも偉大な仕事ができるものと私は考えます。故にこれは餘り贊成しません。皆さんもそういう氣持で私に贊成して頂きたい。どうでしよう。私から見れば專門技術も又半端とみなします。机上の空論が多い。實際にやつて來ておるかどうかということを試驗した結果ならいいでしよう。
#62
○原口忠次郎君 大山さんの御意見非常に御尤もな所がございますけれども、とにかく參議院規則に、委員會には專門委員をおくということになつておりますから、一人でも多くおれば、一人でも多い智惠がお互に掴めるのだから、衆知を集めるという意味においても、是非一つ、決まつておりますから……。
#63
○大山安君 實際我々委員の氣持を深く取入れればいいのですが、とにかく今日までの專門家とか或いは何とかいう方の或る者は勝手がましいことをやりつつ來て、現在にならしめたところの人物を私は見ますから。
#64
○兼岩傳一君 今の大山委員は一つ誤解があると思います。大山委員は專門委員が、この委員會の使用人だということを御存じないようでありますが、あくまでもこの委員會が主人で、彼は召使として非常にこの事務の進行その他を助けてくれるのだ、從つてこれを一日も早く入れて運轉させて行かないと議論倒れになると私は思います。
#65
○大山安君 それが眞實ならばいいのです。併し今日までの多くの、例へば官僚主議とか何とか兼岩さんはよくいわれますが、そういうことをさしておるのは、私は兼岩さんよりもまだ激しく排しておるのです。
#66
○兼岩傳一君 そう思つてやつて頂きたいと思います。どうですか、この專門調査委員の問題は。
#67
○委員長(赤木正雄君) とにかく大山さんの御意見も御尤もでありますし、兼岩さんの意見も、要するに適當な人が一番大事なんですから、そうあせつて、これは惡かつたというような人を入れるのは、この委員會として非常に禍いでありますから、あせらないで、もう少し適當な人を入れるということを第一にすべき問題だと思います。それから今の建設省の問題については、明後日でも打合會というようなものでも開いて内務大臣の意嚮を聞いて見たい、こういうように思つております。
#68
○中井光次君 あれは一體決算委員會というものが行政機構の問題を取扱うというように參議院規則でなつておるのです。それで非常に意外なんですが、これも決まつておることなんですからいたし方ないことですが、そういうことになると、やはり權限は決算委員會が持つて、國土計畫委員會は固よりその關する範圍については、あらゆることについて關心を持ち、又發言權があると思いますが、その主體がそこにあるとすれば、その邊との御連絡を取つて處置せられることが適當でないかと思います。
#69
○委員長(赤木正雄君) その通りです、從つて向うにこういう連合委員會をやつてくれというべき筋合ではなく、むしろ向うの方からこういう連合委員會を言つて來るのが當り前だと思つております。こちらから決算委員會に對して、連合委員會をかれこれ言わず、それに對しては向うから言つてくるのを待ちたいと思う。その前委員會でなしに若しくは打合會というようなものを作つて、内務省はどういうふうな考えで建設院、或いは建設省と言いますか、そういう構想を持つておるか、それを聞いてみたいて考えます。輕い意味でだからして、固よりその建設員に對する根本の問題をやはり連合委員會を作る建前は、主動的に決算委員會がするというように考えなければならんというふうに思つております。
#70
○中井光次君 今の建設院というものは内務省が解體して建設院というものができるのでありますか、建設院そのものは一體どこが指導して立案しておるのですか、行政調査部かどこかでやつておるか、内務省に囚われると工合が惡いのではないか。
#71
○委員長(赤木正雄君) 行政調査部で開くのが筋道でしよう。どうですかね、そういうふうで今中井委員の仰しやつた通りが正論と思いますが、行政調査部の人を呼んで一應打合會を開いて、この委員會で聞くか、或いはそれをなしにして決算委員會の方で、連合委員會の話が出た時に適當の考えを出す、この二つであります。
#72
○原口忠次郎君 私はこの委員會として、結局委員會の取扱い事項の大部分を占める建設院、建設省でございますから、委員會としては、我々が今後國政を運營して行く上にどういう機構であつた方が都合が好いか、我々の職務もその方が盡しよいかということは、一應考えても差支えないのであります。それでそれがためにはやはり下心と言いますか、自分の氣持を決めることが必要でありますから、どうしても何らかの形でこの委員會としては、どういうものが欲しいか、どういうものにしたいかというぐらいのことは心に決めてもよいじやないか。そう思いますからどこを呼んで聞いたがよいか知れませんけれども、委員會としてもやはり重大なる關心を持つて正式の委員會とか、打合會とかいうのは、決算委員會から申入れがあつてやるとしても、こちらの心構えだけは早く決めて置く必要があるのじやないかというふうに考えます。
#73
○町村敬貴君 建設省の問題でありますが、私はこの國土委員のいろいろ性格から考えまして、いろいろな面に關係しておるのでありますけれども、私ども農業方面からいろいろ考えまするというと、この農業に關係する限りは、やはりこれは一つの方に纏めて行きませんと、從來ややもするというと、縣において多くの農業の關係は内務省關係がやつておつた、それから實際は農林省の仕事であるにも拘わらず、北海道の如きはやはりいろいろ北海道の側の見方というものと常に重複しておつたように思われるのであります。それが日本の農業をやつて行く上において隨分同じことを兩方でやるというような面があつたり、又一例を擧げると農業の中に土木、例えば土地改良というような面は國でやるとしますというと、農業の増産という方面は、これは農業關係の農務課の方面でやるというような工合から見ますと、どうしても農業に關係する開拓事業のあらゆる面はこれは假令建設省ができましても、農業に關係する限りは、やはり全部農林省に行くというような工合にやつて行きませんというと、或る施設は建設省がやる、或る施設は農林省がやるというような行き方で行きませんというと、どうもそこに結局本當に徹底したことに行かないように思われるのですが、この間實は米國の資源局の課長連中が北海道に参りまして、そうしていろいろ北海道の農業を詳しく見たわけであります。その時歸りに彼の實は結論をいろいろ發表されたのを聽きました時に、それは北海道においての行き方でありますけれども、北海道の開墾の事業の状態について見るというと、行き方が餘り個々まちまちだ。もう少し開墾というものをやるのには、一つの指導者の下に一本で行かなければ駄目なのだ。それはどういうわけだ、北海道において、只今開択の方をやつておりますのは、先ず大體において道廳が指示をしますけれども、その下にいろいろな開墾會社がありまして、開墾會社がこれを引受けて、開墾會社の手によつて大體の開墾をやつておる關係上、開墾會社というものは、これは營利事業でありますから、損をするような開墾はしない。どうしても利益のあるような開墾でなければできないのは、會社經營でありますから止むを得ない。そこで北海道あたりの状態から行きますというと、木のない所を開墾するということは非常な損がある。先ず木を伐つて、木についての或る程度の利益を開墾會社が取つてから、然る後に開墾に當るというような行き方でなければ、先ず開墾計畫が成り立つて行かないという工合でありまして、そこでどうしても今の現在の開墾というものは、多く木のある所のみが開墾の對象になつてしまうために、これから先の水害の上から行きましても、今後恐るべきことでないかと思いますので、結論として彼らの言うには、すべてこれは農林省がやれ、北海道廳がやつておる開墾會社は廢めてしまえ、極端なことを言つておつたのでありますけれども、併しそれは考えて見ると、餘り各派でいろいろなことをやつておるということは、結局この開墾の事業にも支障を來たしておるのではないかと思うのです。私は農業に關係する限りは、あらゆる面において、これは農林省に一本調子で行くべきものであろうと思います。私はよく分りませんけれでも、建設省がそういう面を若し幾分でも携わるということになるならば、これは餘程考慮を要することじやないか、こういうふうに考えるのであります。
#74
○兼岩傳一君 委員長にお願いしたいのですが、委員に諮つて、その多數の意のある方に委員會の運營をやつて行かれたらどうかと思います。それについて今あなたの委員長個人の意見として決算委員の方から申込で來るのを待つという考えだと言われるのですが、そういう案ともう一つ、こちらから……決算委員は非常に決算と勞働省のことで追われて、而も法案そのものは一應決算委員の方に付託されておる。これは國會法の精神で二つのものが來ない、一應向うに原則的になつて來ておるのですが、併し連合委員會を作らなければならんということは誰しも認めておることだし、現に衆議院でもそのように活動しておるのでありますから、放つて、おかないでむしろこちらから申し込んで、そうしてこちらの方が正式な權限を以て調査に入るというのがいいのではないかというもう一つの意見があるのです。今の北海道のお話はそういつたような、いずれなりとも、そういつた上で一つあらゆる角度から檢討すればいいので、そうでないのはただ座談になりますから、一つ決算委員會から申込んで來るのを待つて徐ろに活動するのか、豫め決算委員會を成立させて置いて、そうして内容調査の委託を受けて正規の權限を以て建設員の審議、竝びに建設省の内容、それらの農業との關係等々を政府の方、その他から、上からも下からも、あらゆる角度から聽いて公正なる判斷をする、こういうふうにいつた方がいいか、一つお諮りの上お決き願いたい。
#75
○委員長(赤木正雄君) 私の先程申しましたのは、正式に決算委員會から來るべきものだ、それでなければ原口委員のおつしやつたと同じ意味なんでありますが、どういうふうな機構になるものか、先ずこの委員で豫め調査して見たらいいのではないかというような考えでいつたのでありますが、併し皆さんの御希望によつてどうともいたしますが、如何でしようか、決算委員からして正式に申込むのを待つてやるのと、それからそれはそれでなしに、決算委員にこつちから申込むべきものであるとこういうふうな御意見もあると思いますが、どういたしますか。
#76
○原口忠次郎君 私はこんなふうに考えますが、委員會として建設省の問題を取上げられるなら、委員の中にはいろいろ今も御議論があつたように、いろいろな意見があると思うのでありますが、例えば連合委員會を作つても同じ國土計畫の委員がまちまちのことをいつたのでは、何か國土計畫委員會と決算委員會とのあれじやなくて、何か妙なものになるのじやないか、だから委員會で先にいろいろな話を聽いて、そうして委員會の多數意見とされるのか。或いはどうされるか知らんが、或る方向に纒まれば、その纒まつた國土計畫委員會では建設省に對してはこういう意見を持つておるという方向に進んで行かなければ連合委員會を開いても何か妙なことになつてしまうのじやないかという感じがするのでありますが、どうでしようか。
#77
○委員長(赤木正雄君) いや、私としてはあなたと同じでその意味を豫め行政改革の方の人を呼んで、向うの先ず意向を聞いてみたい、こういう考えで、私もその通りです。でこの委員會が一つに纏まるか纒まらんかは別といたしまして、先ず豫め十分な豫備知識を得て置く必要がありはしないか、こういうふうに考えておつたのです。
#78
○中井光次君 私も大體今の御意見に贊成です。ただ只今の決算委員會にこつちから申込むことを遠慮することも要らんように思うのですが、もう今日良いか、惡いかは時期の問題と思いますから、我々が研究しておりまして、ここぞというときにはこつちから積極的に言つてもいいし、又それまでに向うから言つて來るかも知れません。今日では向うでやる氣でおるかも知れませんから、そういう態勢でいいと思います。併し研究をおろそかにすることはいけないと思いますが……。
#79
○委員長(赤木正雄君) 今中井委員の仰しやつたことは如何でしようか。豫めこつちで研究する、そのためには明後日でもこの委員會を開いて、行政機構の改革の人から聞いて、先ずどういうふうな考えを持つておるか、それから聽いて見る、こういうふうにはかつたら如何でしようか。
#80
○町村敬貴君 結構だと思いますな。
#81
○委員長(赤木正雄君) 別に御異議がなければそういうようにいたします。では今日の委員會はこれで閉じますが、丁度秋田縣の土木の災害が、なかなか調査が厄介らしかつたですが、土木の方から昨日來ましたです。それで今日若し皆さんのお差支えがなければ、午後でも上りまして御報告申したいと言つていますから、何でしたら午後懇談會にでもしまして、詳しい報告を聞いて頂だこう、こう思つております。では若しも時間がありましたら午後一時からでも懇談會を開きますから……。ではこれで散會いたします。御苦勞樣でございました。
   午後零時三十五分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     赤木 正雄君
   理事
           原口忠次郎君
           島津 忠彦君
   委員
           石坂 豊一君
           平沼彌太郎君
           石川 一衞君
           中井 光次君
           大山  安君
           町村 敬貴君
           兼岩 傳一君
  政府委員
   大蔵事務官
   (主計局長)  野田 卯一君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト