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1949/02/13 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 決算委員会第一分科会 第4号
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1949/02/13 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 決算委員会第一分科会 第4号

#1
第007回国会 決算委員会第一分科会 第4号
昭和二十五年二月十三日(月曜日)
   午後一時三十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十二年度一般会計歳入歳出決
 算、昭和二十二年度特別会計歳入歳
 出決算(大蔵省及び農林省に関する
 事項)
  ―――――――――――――
#2
○主査(柴田政次君) 只今より決算委員会第一分科会を開きます。
 本日の議題は国有物件三百二十三号「主要食糧の管理当を得ないもの」を議題に供します。
 これに対しまして、会計検査院第三局長……只今この会計検査院の方の御説明なさる方がちよつと衆議院に行つておるそうでございますから、来る間暫時お休みいたします。
 只今会計検査院から参りましたから会議を開きます。
 只今の三百二十三号の説明を会計検査院農林検査課長大澤實君に御説明を願います。
#3
○説明員(大澤實君) 三百二十三号について説明いたします。「主要食糧の管理当を得ないもの」というのでありまして、東京の食糧事務所で物品出納簿とそれから現物の棚卸し、これを対照いたしましたところ、二十二年度末におきまして二十七万俵の差違がありまして、尚その内容を巨細に調べました結果は、その中にはまだ出納簿には受入れておつたが、運送途中のものであつた、或いは出納簿の誤記によつたものであるというようにそれぞれ理由が判明いたしまして、訂正或いは補正を願いましたのがありまして、最後に分らなかつた分が二万一千俵ありました。これは御説明によりますと、戰災による亡失であるというような御説明であつたのでありますが、二十二年度、もう終戰後相当過ぎてから、いわばようようにして戰災による亡失であるというように処理されたということは、その間の管理が少し怠慢ではなかつたか、こういう趣旨によりまして監査報告に掲載した次第であります。
#4
○主査(柴田政次君) これに対しまして食糧庁総務部監査課長高橋清君に御説明を願います。
#5
○説明員(高橋清君) 只今御指摘になりました回答は、回答書類の九十四頁にございますが、戰争中非常に男の職員がおりませんことと、それからその補充を女の職員でやりましたために、事務が極めて澁滯いたしまして、御迷惑を掛けておるわけであります。その後いろいろと御指摘の点について研究調査をいたしましたが、結局戰争中の処理が適当に行われなかつたもので、かくのごとき結果を招来いたしまして誠に遺憾に存じます。係官に非常に惡いことをよく注意をいたしましておきましたから御了承を願いたいと思います。
#6
○米倉龍也君 この案件は今御説明になつて、この説明書にもありますので、この当時の事情から非常に能率が惡くて管理が不適当であつたということは、これは同情されるし、そういうことであつたと思うのですが、大体これは東京食糧事務所の一事例でありますけれども、食糧事務所は全国に沢山あるのでありまして、それらを調べて見れば、尚相当にこういうような事例が多くあるじやないかと思うのですが、大体食糧管理局では在庫品の調べというものを、この事例で見ると数年間してなかつた結果がわかつたのですが、どこでもこんな工合に在庫品の調べということはしないのでありますか。それを一応お尋ねいたします。
#7
○説明員(高橋清君) お答え申上げます。食糧管理局の在庫品の調べをしておるかどうかという御質問でございますが、戰争の中頃までは年度末の検査を委託を受けまして、各職員が地方に出まして、拔き検査をいたしまして、これをいたしておつたのでありますが、戰争中、御承知のように人手がございませんのと交通が不便になりましたので、これを中止いたしておりました。最近になりまして漸く需給の操作面も落着いて参りましたために、去年三月に本格的な棚卸しをやりまして、その間にその後引続いて各地に拔き検査をいたしまして、在庫品の現状把握をいたしておりますし、会計検査院の問題にもなりますが、去年は会計検査院から数県に亘りまして一齊検査等を受けておる状態でございます。
#8
○米倉龍也君 そうすると一応在庫品調べをなさつておるようでありますので、この会計の、特別会計の收支の面に欠陷があつたかなかつたか、まあ一般予想されておることは、相当食糧管理局の会計にも赤字があるであろうということを懸念されておつて、そういうことは、他の機会に質問をしますると大蔵大臣は、そういうことはない、或いは農林大臣は、それは多少あるというようなことを言つておられるので、恐らくあるだろうと思うのですが、そういうことは実際においてあるのですか。あつてそれを何で補つたか、そういうような関係、いま少し御説明を願いたい。
#9
○説明員(高橋清君) どこの地方を見ましても、戰争のあとでは在庫品が暫くの間ぐづついておりまして、特に戰災中は御承知のように配給の事情が惡かつた上に、どこに荷物が着くか分らないような状態でございましたので、極めて不正確な数字で戰争を終り、戰争後の一、二年を過したのでありますが、現在に至りましては在庫高の不足というようなものは、たまに誤謬の問題はございますが、殆んどないように私は確認をいたしておる次第でございます。
#10
○米倉龍也君 そうすれば、結局損失というものはこの特別会計にはないのだというお話ですが、若しあつた場合には、大体全然ないということは私共は了承できないのですが、あつた場合には、今まではこの特別会計内の操作ですね、それが修正と言うか、補正されて今日まで来たのですか、如何ですか。
#11
○説明員(高橋清君) お答え申上げます。特別会計の金銭上の欠損の問題でございますと、御承知のように先年来超過供出の問題、超過供出を繞りまして予想以上に出ました問題等を中心にしまして、金銭的には多少残つておるものがございます。残念ながら金銭的にはございます。但しその金銭上の問題の欠損につきましては、予想以上にいろいろな超過供出だとか或いは乾甘藷等が出た結果生じたものでございまして、その当時価格措置をたびたび行えばそういう結果が出なかつたろうと思いますけれども、たびたび行うわけに行きませんので、多少問題が残つております。これは特別会計の中でできるだけカバーをいたしますようなことを考えながら現在やつておりますので、いわゆる従来お話合になつておるような、或る会計のところのような問題には立至らないだろうということを確信をいたしております。
#12
○米倉龍也君 もう一点ですが、そういうふうに、この会計の中で、大体その都度価格改訂等によつて直して行けるのだ、今日まで来たというのですが、結局それは消費者価格に織込むというようなことで、食糧の消費者価格を決める上に非常に私共は不安だと思う。損が出ればそれを消費者価格へくつつけて、消費者価格を高くするというようなことでは、食糧管理の趣旨から言つても非常に不安なんです。こういうことはむしろ損失が出たならば、それは一般会計から繰入れるというような明朗な処置をすべきものじやないかと思うのです。この点は意見になりまするが、私共はそう思います。
 そこで検査院の方にお願いをしたいのですが、世間では薪炭需給の特別会計のあの不始末で大きな損失を国家に及ぼしたのですが、それと同じように食管会計にもありやせんかという心配があるのです。それで会計検査院は薪炭会計の方の検査も、あまり嚴重な検査をなされなかつたようであります。ああいう問題が起つてから、或いはなさつたようでもありまするが、それと同じように、食糧の方の特別会計の本当の嚴密な検査をなさつて、薪炭特別会計のような、ああいう問題の起らないように十分注意をして頂きたいと思うのです。検査院としては、この特別会計の検査についてどんな御方針でありますか、承りたいと思います。
#13
○説明員(大澤實君) お答えいたします。実は私、主管課長としまして最近代りましたので、昨年の具体的な計数はちよつと手許になくて申しかねるのでありまするが、薪炭の問題が問題になりまして、会計検査院としましては薪炭のみならず、食糧その他、つまり商品をストツクしている会計というものについては、現品を十分に検査する必要があるということを、甚だ遅蒔きの感じもするのでありますけれども、従来勿論やつておつたのでありますが、従来はどちらかというと、厖大な現品に少数の検査院の職員では一々検査ができないので、止むを得ず或いは所轄庁の証明その他によつて確認しておつたというような状態でありますが、薪炭の問題を契機としまして、これではいかん、どうしても現品を確実に検査して来なくちやいかんという意見が強調されまして、食糧に関しましては、先程監査課長からもお話がありましたが、昨年の春であつたと思いますが、東京都、大阪府、いわゆる主要消費地の在庫を、課員一齊に出まして調査いたしました。そうして帳簿と突き合せ、その結果具体的な計数は持合せませんが、若干の欠減その他もありまして、これはそれぞれ契約によりまして、輸送業者である日通とか或いは倉庫業者というものから弁償金を取るということで、確か処理をされたと思います。尚只今の御趣旨の点は、検査院の首脳部としましても特に強調しておりまして、食糧の特別会計のみならず、商品を多量に持つておる会計、延いて公団などにも及ぼすのでありますが、そうしたものに対しては現品の調査をするということに方針を決めて、今年もそれを重点として取扱うということになつております。ただ何分にも職員の数が制限されておりますので、全国の全商品に亘るということが困難なんで、食糧になりますれば、主要な生産地、主要な消費地というようなものを拔き検査と言いますか、その程度に終らなければならない結果になるかとは思いますが、十分御趣旨の点に副つてやつておる次第でございます。
#14
○吉川末次郎君 只今の御説明により、又この説明書によりまするというと、本件については徹底的に調査した結果、戰災により亡失したものの未処理に基くものと推定をする結論を得たというように書かれており、又そのような意味の御説明が会計検査院及び食糧事務所の方からあつたわけでありますが、戰災により亡失したものということの内容をもう少し具体的に御説明が願いたいと思うのですが、それは戰災により失つたものというのは、即ち爆撃を受けて火災で燒失したのであるか、或いは盜難等にかかつたのであるかというようなことについても、戰災により亡失したというだけでは具体的に亡失の理由がはつきりしないのですが、そういう点を一つもう少し詳しく御説明願いたいと思います。会計検査院がどのような御調査をなさつておるか、及び食糧事務所の方からも同様に御説明を願いたいと思います。
#15
○説明員(大澤實君) お答えいたします。会計検査院としましては、その不都合の分があるというので、これが何によるかということを、こちらでデーターがなかつたものですから、食糧庁の方にその理由をお尋ねしたのですが、その結果は、戰災による亡失と考えられるというお答えがありまして、これを検査院としては反駁する理由も何も持合せないというので、この検査報告にも、当局者はこれを戰災による亡失の未処理分であると言うかということで、当局者の御説明だけを取りまして、検査院としては結局これが何の原因であつたかということを突き止め得なかつたのであります。甚だ相済まない次第であります。
#16
○吉川末次郎君 それは甚だ我々には、常識的に承つて納得の行かない御答弁であると思うので、事実そこに入つていたところの数量に該当するものが、爆撃のために燒失したのであるか、或いは燒失しないのであるかというようなことまで、具体的な調査が会計検査院の方でも私はあるだろうと思う。又戰災のためにいろいろな資料がなくなつたというようなことは、終戰後のいろいろな会計検査についてたびたび言われるのでありますが、疑えばそれは甚だ不分明なるところの、公明ならざるところの燒失の仕方をしておる。帳簿が燒けてしまつたというようなことで、今のような会計検査院の課長の結論になるような理由にしておられるものは非常にあるのじやないかと、今日まで決算委員として考えて来たのでありますが、倉庫が燒けたとか、或いは盜み出したのだとか、或いは内部の者がややこしいことをしたのであるとかというようなことは、大体において分らないことではないのであつて、そこまで突つ込んでの会計検査院の検査がないということは、どうも少し常識的に納得が行かん感があるのでありますが、尚重ねて御答弁を会計検査院の方からも得たいと思いますし、食糧事務所の方からも、私が今質問いたしておる点について御説明願いたいと思います。
#17
○説明員(大澤實君) おつしやられると、誠にその通りであると思うのでございますが、この戰災の亡失は、東京の食糧事務所としましても相当燒失がありましたりして、亡失整理はなさつたわけでありまして、そのとき亡失整理の終つていなかつた分だと、こういう一応の食糧庁の見解なのであります。こちらとしましては、全然他に戰災がなくて、これだけの戰災の亡失であると言えば、どこの倉庫が燒けてどうであつたということが突き止められたのでありますが、沢山燒けて、前のものが亡失してしまつた、これだけが処理未済であつたというときに、それをどういう方法で確認するか、そうでないという資料をどうして見つけるかということに、何といいますか、力が足りなかつたといいますか、そうした資料がどうしても分りませんので、止むを得ずこういう一応食糧庁の見解というものを全面的には承服できないけれども、それを反駁する資料がないので、こういう記述で済ましたような次第であります。
#18
○吉川末次郎君 食糧庁の方からも御説明願います。
#19
○説明員(高橋清君) 只今の御質問にお答えを申上げます。少し細かく申上げて見たいと思います。
 昭和二十二年度末におきまする六十キロ入りの内地精米の食糧出納簿上の残高と実在庫高との相違について、いろいろと会計検査院とここからの御質問もありまして調査をいたしました結果、先程申上げたような結果になつておりますが、この調査をいたしましたことは、まず第一に現在高について各倉庫から提出させました書類の方面でいろいろと調査をしたんであります。併しこの現在高を倉庫の二十二年末出納されたところによりますと、倉庫の中で沢山の倉庫が燒けておりますので、かなり面倒でございまして、これを類別をいたしまして当時の事情を申上げますと、昭和二十二年度末の出納簿の残高は受入高、貸高、買入高その他を合算いたしまして、当時百七十四万四千八百五十七俵があることになつております。それからそれにつきまして二十二年度において売却をいたしましたのが、百三十四万一千六百五十俵でございまして、その他を合算しまして、合計にいたしまして百三十四万五千三百四十六俵が拂出しになつておる状態でございます。そのうちで帳簿上の記帳の誤りが一万六千五百二十五俵でございますし、戰災による燒失と考えられるものが二万一千八百八十九俵でございます。その間に記帳の誤りによります二重拂いの二十四俵の問題、それから口座を変更したために起りました間違いが千三百七十七俵程ございまして、二十一年度の受入洩れと考えられるものが六百九俵ございます。これらを勘案しまして、逐次追詰めて参りました結果、先程申上げました数字が、結局戰災による処理が完全に行つておらなかつた結果生じた亡失ということに認めざるを得ないという状態になつておつたわけであります。
 尚申添えて置きますことは、当時の大きな倉庫、深川地区の三井、三菱、安田、住友等の大倉庫が全部当時燒けてしまいましたので、この辺のところは実は第一次戰災処理では確実になつておらなかつた結果でございまして、誠に御疑問を抱かせまして申訳ないのでありますが、調査は非常に入念にいたした次第でございます。
#20
○阿竹齋次郎君 当局に聽きますが、東京食糧事務所は戰災による現品の亡失の手続は一回もしておらなかつたのですか、これが初めてなんですか。
#21
○説明員(高橋清君) 前に一度やつたと思います。
#22
○阿竹齋次郎君 やつたとしたならば、そのときに出て来なければならんと思いますが。
#23
○説明員(高橋清君) そのときに、結局第一次処理をいたします際に残つたものであろうと思われるわけです。
#24
○阿竹齋次郎君 残つたものであろうという答弁は頼りないですね。想像して向うさんが言うように解釈する必要はないですね。一回整理ができておつたならばそれは起つて来ない筈のものですね。大切なものですから、米は。ですから、元来はこんな残つたというのは……政府の想像されることは我々頼りないですね。それから後のことは作り事だと想像しなければならないことです、常識的に。当局のこういう答弁に対して、会計検査院はどう思われるのですか、一回検査は終つても残つたものが出て来たんだろうという答弁なんです。
#25
○説明員(大澤實君) お答えいたします。実はこの処理は検査院としてももつと究むべきじやないかという意見が上層部にありまして、調査はこれ以上できないかということは当時言われておつたのでありますが、これ以上どうも資料もないということで、結局、何と言いますか、何かこれが盜られたとか、或いはどこかへ持出されたとかいう資料が別に出て来れば格別、そうでなければ検査院としては戰災の亡失でないとこう断ずるのには何も資料がありませんので、甚だ不本意ではありますが、このいわゆる理由が判明しないと、判明しないような経理は妥当でないんだということによりまして、この検査報告として掲載したわけであります。どうもお尋ねの点の御答弁にはならんかと思いますが、その当時余程調べて見たんですが、先程申しましたように肯定する資料もなければ否定する資料もない。これ以上方法はないんじやなかろうか。こう考えておる次第でございます。
#26
○阿竹齋次郎君 私の問うているのはそういうことではない。第一回の亡失整理はできておつたという答弁であつて、その第一回の整理の際に残つたものであろうという御答弁であつた。そういう答弁を聞かされて、会計検査院としてよろしいのかというのです。
#27
○説明員(大澤實君) 又同じようなお答えになるかも知れませんが、戰災のときの亡失が確か当時、先程監査課長からお話のあつたように、東京管内といたしまして、その亡失報告は、検査院としても燒けちやつたあとで全く数量の確認はできませんので、報告は一応受けまして、その亡失整理をやつたのでございます。そのときに検査院が、実際の亡失がそれだけであつたということを確認しておれば、これはそうじやないのだ、亡失じやないのだ、こういう反対論拠になるのでございます。まあその当時は、何と申しますか、戰災のどさくさでもあり、検査院の方もますます人手不足の状態でありまして、一応向うの報告をそのまま受取つておいたのでありますから、今になつて違つておつた、こういう御説明又事実或いはそうでなかろうか、そういうような事態が皆無ではないのでございます。つまり当時の報告が誤つておつたということも起り得るであろうと考えます。又それも先程申しましたように、そうでないということをこちらとしても申上げる何らの論拠もございませんので、一応そういう御答弁は頂いて、検査院としてはそれを認めざるを得ないのではなかろうか、こう考えた次第でございます。
#28
○阿竹齋次郎君 会計検査院にお尋ねしますが、会計検査院が御検査をなさらん前に、当局が自発的にこれだけ残つておつたという追加が出て来た。会計検査院が戰災を受けて二ケ年以上も経つて御検査をなされてから、残つておつたというので出て来た。こんな際にも、会計検査院としてはこの程度でいいのですか。
#29
○説明員(大澤實君) 実はその前に食糧事務所の現品を二十一年度末なり或いは戰災直後に会計検査院が在庫調査をやつておりますれば、そのものが亡失であるということがはつきりするのでございます。検査院の方も甚だ申訳ないのでございますが、人手不足のために現品調査を今まで戰災後やつたことがございませんので、この分がどちらであるということをちよつと、何と言いますか、はつきりした断定を下し得なかつたという状態になつております。
#30
○阿竹齋次郎君 私は会計検査院が現品調査をやつたとかやらなかつたとかいうことを聽いているのではない。そういうような亡失が後から追加が出て来ても、会計検査院はその程度でいいというのですか、それを聽いているのです。亡失の追加がこんなふうに出て来ても、会計検査院はこんな程度でいいかと言うておるのです。
#31
○説明員(大澤實君) この程度でいいかというお尋ねでございますが、こういうことが出たのは妥当でないと検査報告に掲げました。本来ならばこれが何か物品会計官吏の過失による……故意又は重大な過失によるということにしたのでありますれば、当然弁償責任の要求をしなければならんのであります。これを立証する会計検査院には何らの証拠書類はありませんので、これを立証することもできません。弁償を要求することはちよつとできない。勢いこうして検査報告に掲げることによつて検査院の不当であるということのこれは意思表示をするということで処理する以外には仕方がないではなかろうか、こう考えておる次第であります。
#32
○阿竹齋次郎君 それじや故意とか過失とか分らんじやないですか、その程度の報告で立証することができないのですから会計検査院の責任じやないですか。
#33
○説明員(大澤實君) この会計検査院法が、従来は相手方が善良なる管理者の注意を怠らなかつたということを証明しなければ弁償を命ずることができるというのが憲法、いわゆる旧会計検査院法の規定であつたのでございますが、今度の新憲法になりまして、新しく会計検査院法が二十二年にできましたときに、今度は会計検査院が故意又は重大な過失があつたということを立証して弁償責任を要求するというように法律の変更がございましたので、どうしても弁償責任を要求する場合には、これこれの理由によりこれは故意にあつたということを立証しなければならない。ところが先程から申上げまする資料がない。こういうような状態になつて、甚だ申訳ないのであります。
#34
○阿竹齋次郎君 そうすると新財政法に適用するのじやないですか。重大な過失じやないですか。それから又重大なる証拠を失つたことが二万一千俵ということに当嵌るのじやないですか。そこで新会計法に触れるのじやないですか。善良なる管理者の注意を怠つたからこんな要するに差違が生じて来るのです。これは重大な過失と言わざるを得ません。あなたのおつしやることにちやんと当嵌まるのじやないですか。
#35
○説明員(大澤實君) この重大な過失と言いますのは、物のなくなつたことの原因が故意又は重大な過失であつたかということになるのでございます。物のなくなつた原因が究められない限りは、故意又は重大な過失ということがこちらとしては判定できないわけでございます。その当時出納簿に残しておつたということだけでは重大な過失ということは言い得ないではなかろうか、こう検査院では考えておる次第でございます。その重大な過失があつたかという、その亡失した原因というものがはつきりしない。で止むを得ないと言いますか、であるから弁償責任の要求はできない、こういう結論に達しているわけであります。
#36
○阿竹齋次郎君 そうすると結果から見たら、要するにこんな状態でも、即ち原因を調べなければそれが重大な過失であつたかないか分らない。結果から見て、あなたはこの程度でいいと言うのですか。結果から見たならば、調べなければこれが善良なる管理者の注意を怠つた、或いは重大な過失かどうか分らんとおつしやるのですか。それが分らんじやないですか。結果から行けば大きなしくじりになつているのですが、調べなければ分らないじやないですか。
#37
○説明員(大澤實君) まだ少し御答弁が或いは喰い違うかも分りませんが、二万三千俵ということが成る程帳簿と違つておつたということがはつきりしたのであります。どういう理由でなくなつたかということに対しましては、遡つて申上げることになるのでありますが、それを遡つて申上げる資料というものが見当らない。そうすると結局一応食糧庁の方では、戰災のときに亡失処理した処理未済のもの、つまり帳簿上落すべきものを落してなかつた、こういうわけでございます。又それが起り得る当時のああした折柄百なくして置いて九十だけ亡失処理したということも起り得る事態でありまして、それが絶無だということは言えないわけです。が外にこういう亡失の原因であつたということを立証し得る何ものもないのでありまして、結局今になつて帳簿と違つておつた、理由としては、勿論会計検査としては怠慢があつたことでございますが、それだからといつて、そのものがいわゆる弁償責任を要求する対象になるか……と言いますか、それを突止めて弁償責任があるというように押付けるということには、少し資料が不足ではなかろうか、こういうように考えて、結局弁償責任の要求はいたしませんが、併しながら会計検査の処理は妥当でなかつたというので検査報告に掲載された、こういう次第であります。
#38
○阿竹齋次郎君 諄くなりますから……資料がなければやめて置くのだとおつしやるが、そんな資料を求むるとき、どういうことをなされたか、何も努力しないで而も想像されておやりになつている。併し関係資料がなくちやできません。あなた方が資料を隱蔽するものですから……資料を探すのにどういうことをなさつたか。万策盡きてこのような結果になさつたか。余り手段を講ぜずしてなさつたか。資料を求めるように嚴に努力しなければあなたの職責は全うできません。
#39
○説明員(大澤實君) お答えいたします。お話の通りでございまして、何も向うが、これだけ、そうです、ああそうですか、じやそうだろうというのでこれは処理したのではないのでありまして、分るであろうというので、この処理はどうであるかということを……私自身が当時携わつてないので、私が申上げているのでは失礼でございますが、そういう趣旨によつて検査担当者はいろいろな資料をそれぞれ要求して、そうして三十九万俵とか二十七万俵というものの内容をはつきりと分析して行きまして、最後にぶつかつた二万一千俵というものがどうしても資料が出て来ないというので、止めを得ずこういう結論に達した次第でございます。
#40
○阿竹齋次郎君 資料を要求したけれども出て来ない、それは当り前です。であるから、そうをどういうふうにして手に入れるということを次会に聽かして貰いたい。
#41
○主査(柴田政次君) 三百二十三号につきまして大分議論も盡きておりますが……。
#42
○板野勝次君 食管特別会計に関連して、前に会計検査院に調査を依頼して、それに対して回答が来ているのですが、その点についてちよつと聽きたいのです。これは昨年のいつごろだつたですか。兼岩君から発議して、この委員会から検査院に質問書を出したが、その回答が来ているわけです。その回答は極めて不十分で、満足な回答でないのですが、もう相当時日も経過していますので改めて伺いたいと思います。それは食管特別会計の五億五千万円についての調査を依頼したところが、それに対してはまだ目下調査を継続中であるということなのです。どういう調査が行われておるのかという点と、もう一つは今度は食糧証券のことについてですが、それを先ず……。
#43
○説明会(大澤實君) 只今お尋ねのございましたのは、恐らく二十二年度で決算上未確認にして置いた五億数千万円というものが、その後どういう検査があつたか、こういうお尋ねに対するお答えのあれだつたと思います。それはお答えを差上げた時は調査中でございましたのですが、あの問題は結局物品会計官吏が受入れた数量に対する金額と支拂つた金額とが符合してない、確かこういう趣旨で調査未済として、未確認いたしておいたと思いました。それがその後調査いたしまして、或いは物品出納後の受入れ未済のものもある、或いは若干過拂いがあつたやつを回收したのがある、というようなことによりまして、その五億五千万円という大きな金額として残つておりますものの、その違つた分は僅かであつたのでありますが、一つのブロックとして五億五千万円という金額を残しておいたのでありますが、その違つた分はそれぞれ究明ができまして、そうして昨年の暮でございましたか、一応検査院としましてもその整理ができて、これとこれと違つておつた、こう終つたということの処理がついたのでありますが、只今ちよつと、手許にその計数の資料がございませんので、計数的には御説明いたしかねますが、検査院としては一応処理がついた、こう私承知しております。
#44
○板野勝次君 それでは、この書類を出したのは多分五月か六月だつたと思うのですが、処理がついたのなら、ついたで、目下調査を継続中だという回答なら、その意味で、問題が処理されたのなら何故委員会宛にその処理した状況を報告されなかつたのですか。
#45
○説明員(大澤實君) 実はその点申訳ないのでありますが、私最近代りましたので、その時のことがはつきりしてありませんので、申訳ございませんでした。処理の結果はできるだけ詳しく報告いたすことにいたします。
#46
○板野勝次君 それでは詳しくやつて貰いたいということ、殊に先程も外の委員からも出ていましたが、食管の特別会計は伏魔殿であると言つて世間でも非常に疑いの目を以て見ております際でありますから、十分我々の納得の行くような資料を出して貰いたい。
#47
○主査(柴田政次君) よろしうございますか、板野君。
 それでは三百二十四号に移りまして、それに対しまして、会計検査院の報告を願います。
#48
○説明員(大澤實君) 三百二十四号の食糧証券の発行に当り措置当を得ないもの、これを御説明申上げます。御承知の通り食糧管理特別会計で商品代その他の経費を支拂います場合には、一方に支拂元受金、即ち資金の面において制約があると同時に、予算の面において、支拂計画を超えてはならない、こういう制約があるのでありますが、昭和二十二年の十一月に資金の面が非常に窮迫して来たというので、三十五億円の食糧証券を発行いたしまして、先ず資金を作つて、支拂代金に充てよう、こうなさつたのでありますが、一方予算の面の制約があることを、どういう理由でありましたのか、見落されておりましたために、折角食糧証券を発行いたしましたところが、これを商品代の支拂に充てることができなくて、三十五億円の食糧証券の中二十億円というものを大蔵省預金部へ預金された。そうしてその後十二日になりまして、支拂計画の受諾、つまり予算の配付がありましたので、その時の預金部予算から引出してこれを商品の支拂代に充てた、こういう次第でありまして、予め支拂計画、つまり予算の制約の枠内であるかどうかということを検討されてやれば、こうした食糧証券を十一月に借りても直ぐ支拂えないということは分つておりますのでありますから、食糧証券の発行限度を下げておいて、その分を、支拂い得る分だけを発行すればよかつたじやないか。こうして余分な……余分なと言いますか、当時においては直ぐ支拂に向けられない食糧証券を発行いたしましたために、食糧証券の割引料日歩六厘五毛というものと、大蔵省預金部に対する大蔵省預金部の利子日歩三厘という差額、総額百二十七万円程度のものが本会計の損失となつて現れて来たわけであります。食糧証券の発行措置が妥当でなかつた、こういう趣旨によりまして検査報告に掲載されておる次第であります。
#49
○主査(柴田政次君) これに対しまして食糧庁の監査課長高橋さん。
#50
○説明員(高橋清君) 食糧証券の発行当を得なかつたことは誠に申訳がございません。これは只今会計検査院からも御説明になりましたように、事務を扱つておる者が、支出ができるものと考え違いをいたしまして、これの借入れをいたしたのであります。ただその当時の事情といたしましては、供出が最盛期でございましたために、資金のことばかりを考えて発行をしてしまいまして、この点はもう何とも申訳が立たないと思うのであります。非常に遺憾に存じておる次第であります。
#51
○主査(柴田政次君) これに対して御質疑はありませんか。
#52
○板野勝次君 この食糧証券の問題についても、この前のと同様に調査報告を求めたんですが、これに対して回答が来ております。というのは、食糧証券の收入の中から十二億二千九百万円というものを一般経費に流用しておると、それを明かにして貰いたいという。これに対して、検査報告は、特に不正があるとも認められなかつたというので、極めて曖昧なんです。若しこれが不正がないんだという確信があるのなら、もう少し確信のある回答が来そうなものですが、不正があるとも認められなかつたという極めて曖昧なので、この機会に検査院の検査の内容についてもう少し具体的に答弁して頂きたいと思います。
#53
○説明員(大澤實君) その点は実は甚だ申訳ない次第でありますが、只今資料がないのではつきりしたことはお答えできませんが、確か趣旨は、この十何億というものを、経費の、資金に流用したと言いますか、経費に支拂つたと、こういうことであつたと思うんでございますが、食糧証券で発行した資金と、それから予算の残額である支拂元受金としてプールされておるもの、何もかもひつくるめて来ますから、発行したときは食糧証券の発行による資金でありましても、或は歳入による資金でありましても、支拂元受金としては一本になつて、一つのプールされた資金になる。そうすると今度はそれから金を拂う場合には、いわゆる予算の定むるところによつて金を拂うということ、経費の方は支拂計画の予算も来ております。それによつて拂つて行くということで、これはあながち不当な取扱ではないんではなかろうか、ただこの食糧証券は御承知の通り商品の支拂代金でありますから、それを一時まあ言わば借りていたということになるのでありまして、年度末までには勿論その整理は元へ戻るということになりまして、これも元へ戻つて来る、これは御承知の通り決して妥当な、どこまでも太鼓判を押していい経理だというわけには参りませんですが、いわゆる検査報告に掲げて不当であるという程の重い事態でもないのではなかろうか、こういうので、その点は検査報告からは落されて、ただ言わば少し余力な金を借りたのはいかんというような形式にセーブされたというように記憶しております。実はそのお尋ねに対する回答というのは、先程と同じように私、甚だ申訳ない次第でございますが、ただ案件としまして、その案件を審理いたしましたときに携わりましたときの結果によりますと、そういうふうに審理いたしまして、検査報告からは外ずされた、こういうように記憶いたしております。
#54
○板野勝次君 それでは次回にこれは具体的に説明して頂きたいと思うのですが、それでないと、どうも不正があるとも認められなかつただけでは我々も取扱いに困るのです。
#55
○阿竹齋次郎君 言うまでもなく予算年度独立の原則を無視したこれは違法事件でございますね。そうして而も百二十七万というものの無駄な損害を国家に與えておる。そのときの事情としては察すべき点はあつたと思いますけれども、予算繰りの建前から言つて、大きな違法だと思う。会計検査院はどう考えるのでありますか。
#56
○説明員(大澤實君) 違法という言葉が当篏まりますかどうですか、少くとも極めて不当な事項だとは思うのでございますが、発行する限度を超えて発行したわけではないのでありますから、違法という言葉は直接当篏まるかどうかは、ちよつと私そうは考えないのでございます。
#57
○阿竹齋次郎君 予算を超過して証券を発行したでしよう。
#58
○説明員(大澤實君) いや、発行した限度は、これは予算の超過の問題ではないのでございます。その方では決められた発行限度で証券を発行した。ただそれが直ぐ右から左に支拂いに当てられるものと思つて発行したところが、その支拂の方が予算の制約を受けまして、それを拂えば予算を超過するという結果になりますので、それじや違法なことになりますので、食糧庁の方ではこれを支拂に当てずに、余裕金として預金部の方に預金した、つまりうつかり余分に発行し過ぎたということは不当でございますが、違法ということはないと私は考えております。
#59
○阿竹齋次郎君 支拂えば予算を超過するとおつしやるのですね。そうするというと、支拂わないで全然その行為はすでに予算超過ですね。それができないのですか。一般会計法に……そんなことをするのが違法じやないかと思うのです。たとえ現金の受渡しをしないでも支拂の責任は起る。証券を発行すれば支拂の責任が起るでしよう。空手形を出すことが……。
#60
○説明員(大澤實君) ちよつと御質問の趣旨がはつきりと呑込めないのでございますが、違法と言いますのは、結局先ず支出の面で予算を超過して支拂えばこれは当然違法になります。本件では予算超過の支出の事態はないのでございます。ただその財源を、收入の面は予算の制約はありません。收入予算としては予算の制約はありません。ただ食糧証券を発行する限度というものは、予算の制約ではございませんのですが、法律上の制約があるわけです。この食糧証券を発行する限度を超えてはいないのでございます。その限度内で発行したのでございます。そうして一方支拂う方は、今お話しましたように、支拂つてしまえば違法になりますから、支拂わなかつた。これは当然でございますが、そのためにこれを余裕金として一時預金部へ預けて置いた、こういう次第でございまして、まあ違法という言葉はちよつと当らないのじやないかと、こう考えます。
#61
○吉川末次郎君 予算を殖やしてなくてそういう証券を発行していいわけですか。
#62
○説明員(大澤實君) 証券を発行すること自体は……今お話は、恐らく支出の方の予算の裏づけという御趣旨だと思うのですが、支出をこれだけするから、これだけ收入が立つというように、支出の予算は、收入の方の、実際の收入と言いますか、これの間には予算的にいわゆる直接の連関はないと言いますか、勿論それはそう余分のものを、收入と言いますか、余分なものを借りて余らして置くということ自体が勿論不当でありますが、いわゆる法規上に言つて、支出の限度において借りなければいかん、こういうような法規は直接はないのでございますから、違法ということにはならんのじやなかろうか、こう考えます。
#63
○阿竹齋次郎君 もう一つお尋ねしますが、会計検査院の報告ですがね。三百二十四のこの説明の中に、しまい頃に、「このように、予算の残額を考慮することなく」と書いてあるのはなんでこんなことを書かれるのですか、「予算の残額を考慮する」というのは……。
#64
○説明員(大澤實君) ここに書いてありましたのは、予算の残額を支拂うべき支出の予算があと幾ら支拂い得るかということを何ら考えずに、金を借りる方だけ先へやつちやつたということが迂濶な話で不当である、こういう趣旨で、予算の残額というのは、支出の予算の残額を考えることがなく借入れてしまつた、そのために、予算の残額がないのでありますから拂えなくなつたということで記述してあるのです。
#65
○阿竹齋次郎君 そうすると、予算額はあつたので、その現金がなかつたというのですか。
   〔主査退席、副主査着席〕
#66
○板野勝次君 先程農林省の方から、この早期に食糧証券を発行したのは供出の最盛期であつたからだという弁解だつたと思います。もうちよつと納得の行くような答弁をして頂かないと、最盛期だつたから、食糧証券を早期に発行したのだということはちよつと納得しかねるのであります。
#67
○説明員(高橋清君) 職員が慣れないものですから申訳ありませんが、丁度この時分に米が出始めましたので、実はそれを暇になりましてから予算の措置をいたしたのでは到底間に合わないのでやつたのでありますが、丁度九月頃でございましたので、買入の資金が少く、現実の問題として米の買入の資金が要るのでございますので、どうもその方に気を取られていましたので証券を発行した、こういう趣旨でございます。
#68
○板野勝次君 今のがどうもよくはつきり分らないのですが、もう一度ちよつと……。
#69
○説明員(高橋清君) これはこの主食の買入の代金が資金繰りの状況から見まして相当涸渇をいたしておりましたので、ついその方面に気を取られまして証券を発行した結果に相成つた、こう申上げたわけでございます。
#70
○板野勝次君 大体これは資金繰りか何かで、それが例えば食糧証券を発行していろいろな手続をして、食管の特別会計に金が入つて来るのは大体どのくらいの時間を要するのですか。
#71
○説明員(高橋清君) 私も入つて間もないのでよく分らないのですが、総体におきましては、大蔵省と協議しまして出しますから、十日乃至二十日くらい以前に出たことだろうと思います。これは常態でありまして、これがどのくらいかかつておりますかは分りません。ただ一言附加えて申上げますと、このときに議会で追加予算が決まりますれば、支拂い不能という問題は起きなかつたのでありますが、残念ながら二回三回と延長され、議決にならず、こういう事態を惹起したのであります。
#72
○副主査(阿竹齋次郎君) ちよつとお尋ねしますが、こじくれた質問をするようですが、会計検査院の報告書の三百二十四のしまいに、「予算の残額を考慮することなく」とありますが、私共の方から言いますと、予算の残額のないのを考慮することなく……、これは予算上の現金の不足があるというふうには想像しないのです。そう想像しない。これは私共が間違つているのですかね。予算面の不足を考えん、残額を考えんと見ているのですが、どうでしようか。あなた方はこの文字が適当だと思つておられるのか。
#73
○説明員(大澤實君) 只今の点でございますが、予算の残額を考慮することなくというのは、歳出予算の残額が余りない、少くなつているということを考えずに、こういう趣旨で記述いたしましたので、又そう読めるつもりでございますのですが……。現金の方は、この点では触れておりません。つまり現金が出来た。三十五億発行いたします資金の面では、何ら心配することなく、ただ予算の方が不足であつた、こういう趣旨で、予算の残額がもうすでに少くなつて支拂えないような状態になつておるということを考えずに、こういう趣旨で記述しておるわけであります。
#74
○副主査(阿竹齋次郎君) 証券を出した、残額がないのに証券を出したということですね。
#75
○説明員(大澤實君) 証券を出して入るのは歳入の方の予算でございますので……。ここに書いてあるのは歳出の方の予算であつて、歳入の予算と歳出の予算とは必ずしも数の連関性はないのであります。歳入の方は、或いは歳入予算を追加してあれするので、歳入の方は残ることがある。併しここに書いてあるのは歳入の方の予算ということには何も触れていない。歳出予算の支拂得る予算というのはないのに、片つ方で金を借りて来たということをここで言つておるのであります。
#76
○副主査(阿竹齋次郎君) 他に質問ございませんですか。
#77
○カニエ邦彦君 支拂うべき予算がなかつたに拘らず金を借りて来た。ところがその点が、まあ個人の世帶なれば、うかうかということもあるが、苟くも国家の機関であつて、そういうようなうかうか借りたというようなことにはどうも受取りにくいのですよ、我々としては。そこで実態はそうでなくて、外にそうせなければならないような理由があつたのじやないか。これはまあ農林当局に聽くのですが、ただそういう、ここに現れておるところの文書の上から見ると、そういう工合に報告をされておりますが、事実はそうでなかつたのじやないか。そのくらいのことは誰もが分ることなんです。いわゆる支拂いの枠がもうないに拘らず、そのない枠を承知しながらそこに金を借りて来て証券を発行したということ自体、そのときの場合、実際はそうではない。外にこうこうしかじかの理由があつて止むを得ず知りつつやつたのだということがあつたのじやないか。
#78
○説明員(大澤實君) これはむしろ食糧庁の監査課長の方からお答えになつた方がいいと思います。会計検査院が判断しておりますところでは、これはいわゆるうつかりしたのじやなかろうか、うつかりしたのであろう、と考えますのは、これが食糧証券を発行しまして、或いは市中銀行に預金して置くとかなんとかいうことになりますれば、そこに何か裏のことがあるのではないかという次の推測が出て来るのでありますが、発行したものを支拂に当てて、予算が不足のために支拂えなかつたものは即日預金部の方へ預金して処理されており、余裕金は預金部へ預金することになつておるので、正規の手続を取つておる。これをやつたところで誰もそのために利益を得る者もない。裏面のことがあつたと私は考えておりません。検査院としてはうつかりしてやつた仕事だとこういう判断をいたしております。
#79
○板野勝次君 只今の御答弁でございますが、それは実際に調査されて、何もそういう裏面にはなかつたのかどうかということが確認されておるのですか、どうですか。その点では食糧証券の收入の中から、先程私指摘しましたように、十二億二千九百万円が一般経費に流用されておる事実から推して見ましても、或いは陰でそういうふうなことがあつたのではなかろうかということが連想されて来るわけです。そういうことが絶対なかつた、ただうつかりして出しておつたのだ、そういうふうに検査院が確認されておるのですか、どうですか。
#80
○説明員(大澤實君) 只今御説明したように、出したときはうつかりしていたのではなかろうかということで審議が進められて、これはうつかりして出したものである、つまり予算の残額を考慮しなかつたものである、こういう一応の結論に達したわけでございます。尚今お話のありましたように、この中から流用したと言いますか、当時の食糧証券の收入の中から金を使つたということは、その間に因果関係があつたかどうかという点につきましては、検査院が当時検査しました結果では、あつたのではなかろうかというような一応の疑惑を持ちまして、確かその点はいろいろ照会を発したと思つておりますが、ちよつと今手許に具体的な資料を持たないので、はつきり申上げかねますが、最後の結論としましては、それとは因果関係はないのだ、うつかりしておつたのだという結論に達しまして、こういうふうに検査報告が整理されております。
#81
○カニエ邦彦君 只今の検査院の考え方はそうとして、当時食料庁自体としての事情をもう少し詳しく説明願いたいと思います。
#82
○説明員(高橋清君) これは先程からお話がありましたように、全く迂濶に読み違えまして、発行できるだろうというので発行してしまつたというのが実態でございます。実際にこれはもう係員が幾ら尋ねても間違ないと思つてやつておつたところが間違つておつたということが実態です。
#83
○板野勝次君 これは、この問題についても同時に、單にこれは国の上でああこう言うのではなくて、検査院としての責任のある、我々がやはり納得し得るような資料と言いますか、そういうものを欲しいと思います。そうしないと、ここでどうもああだこうだと言つて見ても、そうしてその上で本当に確実に良心的に検査されたかどうかというようなことを我々としても判定を下したいと思います。
#84
○副主査(阿竹齋次郎君) 会計検査院の証券発行限度の範囲内であつたところで、超過証券の発行が出ておつた。ところでとに角無駄な金額を国庫に負担せしめたということは惡いと思うのですが、大いに惡いと思うか、そう惡くないと思うか。大いに惡いと思いますか。
#85
○説明員(大澤實君) その大いにという言葉ですが、いわゆる懲戒処分をするに値するかどうかという趣旨でありますか、どうでございますか、その点ははつきりいたさないのでありますが、検査報告に掲げる事項は、いわゆる検査院としては惡い、言わば大いに惡いの大いの中を小さく分けますれば、中以上のものが検査報告に掲げてあるのでありますから、これも勿論大いにという言葉の範囲如何でございますが、惡いとして掲げておるわけでございます。尚これが懲戒処分に値するかどうかという点については、検査院の上層部の検査官会議でいろいろと愼重に審議しました結果、確か本件はいわゆる懲戒処分には該当しないということに結論が達したというように記憶しております。併し勿論惡いという意味で検査報告に掲げたのであります。
#86
○副主査(阿竹齋次郎君) それで完全に経理秩序が破壞したものと想像いたしますが、会計検査院はどうでございますか。
#87
○説明員(大澤實君) お話は、何と申上げますか、故意に経理秩序を破壞したというようには私は考えていないのでございます。ただうつかりしたために思わしくない、好ましくない結果になつたということは勿論ここに書いてある通りであります。何と申しますか、故意に破壞したというふうには考えてはいないのであります。
#88
○副主査(阿竹齋次郎君) 他に御質問ありませんか。
#89
○板野勝次君 これの当時の食糧証券発行の責任者は誰ですか。
#90
○説明員(高橋清君) 主計課長の金城氏です。
#91
○副主査(阿竹齋次郎君) 御発言がありませんでしようか。三百二十四は質疑を打切らずに継続して次へ移りますか。
#92
○板野勝次君 一応これでいいでしよう。
#93
○副主査(阿竹齋次郎君) 次に移つてもよろしゆうございますか。次に移りますについては、三百二十五は既に先日質疑が終つているのです。それで三百二十六と三百二十七とを一緒に質疑いたします。それでは会計検査院の御説明を伺います。
#94
○説明員(大澤實君) 三百二十六号、三百二十七号、償還金の徴收に当り措置等を得ないものにつきまして御説明申上げます。これは両件共殆んど同じような事案でございまして、東京農地事務局及び熊本農地事務局で、開拓者に対していわゆる開拓者資金ルートによりまして資金を融通した、それが融通を受けた開拓者がいろいろな事情で離農してしまつたという場合には、当然その融通資金は返還させなければならないということになつておりますが、二十三年度末までに既に離農して、償還をさせるべきもので、その後会計検査院が検査しました二十三年の五月又は九月、その頃にまだ徴收決定の手続がしていなかつたものが、東京農地事務局の分が三百二十八万円、熊本農地事務局の分が三百六十四万円というものがありまして、その後逐次この分は徴收されておりますのですが、最近の調べによりますと、東京農地事務局の分はその後徴收が終り、熊本農地事務局の方がまだ八十六万円程残つているというような状態でありますが、二十三年度中に離農した者に対しまして、二十三年の九月頃までまだ手続を取つていなかつたというようなのは、少し措置が緩漫ではないかという趣旨で、検査報告に掲載されている次第であります。
#95
○政府委員(伊東正義君) 御答弁申上げます。今検査院から御報告になりました開拓者資金融通法に基きますところの貸付金の償還が遅れているという問題でありますが、今御報告がありましたように、現在は、東京農地事務局関係は全部納入済になつております。熊本は御説明の通り八十六万円ばかり残つておりますが、これは本年度中になんとかして納入をさせたいというので努力いたしております。開拓者資金は、御承知のように離農いたしますと直ぐに返すというものではございませんでして、その同じ條件で入植しようという者がありますときには、その者を選定し決定いたします。前の離農者と同じ分で入植させるということもいたしております関係上、確かに若干事務が遅れましたし、又二十三年度におきましてはいわゆる開拓者資金融通法の関係で十数億のものを融通するのでありますが、県庁等に委せたきりで事務費の補助もしておらなかつたのでありますが、二十三年度二十四年度等におきましては事務費も予算に計上しましてこんな事例が起らんように進めている次第であります。
#96
○副主査(阿竹齋次郎君) 御発言ありませんですか。
#97
○板野勝次君 お尋ねしたいのですが、開拓者に対する資金関係についていろいろ言われているので、後で私の方からも資料を通りお尋ねしたいと思うのですけれども、貸出等について、貸付けた先に正当に使用されずにそれが他の方に廻つたとかいろいろなことが言われているわけなのですが、そういう面について営農資金を貸出した、或いはその他のものを貸出された後に、当局としてはどういうふうな、監督ですか、調査というのですか、そういうことをおやりになつておられるのかどうか……。
#98
○政府委員(伊東正義君) お答えいたします。今板野委員の御質問でありますが、確かに私の方といたしまして、これは貸付金だけの問題ではないのでありますが、補助金を出しますとか、或いは融資の問題でありますとか、後の監査がどうなつているというお話なんでありますが、御質問御尤もなんでありまして、私の方といたしましても、この貸付金、それから補助金等のいわゆる経済的な効果がどうなつているかということが調査いたさなければなりませんし、又同じ目的に使われているかどうかということを十分調査いたさなければならんのですが、いろいろな人手の関係等もありまして、農林省としてやつておりますのは、地方に全般的にはやられませんので、拔き検査的に或る協同組合なり何なりによつて調査して行くという方法はいたしております。
#99
○副主査(阿竹齋次郎君) それでは農林関係はこれで一応終りましたから大蔵関係に移りたいのですが、報告書の二百五頁です。
 ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
   〔副主査退席、主査着席〕
#100
○主査(柴田政次君) 速記を始めて。只今吉川委員より專売局の説明でございますが、会計検査院第三局長綿貫謹一君の御説明を願います。
#101
○説明員(綿貫謹一君) 二十二年度の検査報告の二百五頁にございます「補助金の交付に当り條件に適合しないものに交付し又は設備費の査定当を得ないもの」、この事案でありまするが、二十一年度検査報告の八十七頁以下にございまして、昨年御審議を頂いたのであります。この「指定期日までに完成しないものに補助金を交付したもの」飛島塩業の分です。二十一年度の検査報告の八十七頁にありまするように、この補助金というものは二十二年二月六日までに完成いたしまして製造を開始する設備のものである。これが第一の要点であります。第二の要点は、年産百万トン以上のものである、そういう條件としてこれが適合いたしましたものに対して一定比率、大体五割五分七厘程度でありますが、工事費の五割五分七厘程度の補助金を交付いたしたのであります。ところがここにあります飛島塩業株式会社というものは立地條件が非常に惡いために工事が困難でありまして工事が余りうまく行つておりません。すでにこちらから検査に行つて参りました当時においては非常に荒れておる、そういう状況であつて、つまり指定期日まで、昭和二十二年の二月六日までに完全な塩を作る設備としては工事が完成したものとは認められない。即ち補助の條件に適合しておらん、こういう事案でございます。それでそれを完全に直しますためにはセメント約五万袋も要る、そういう点から見ましても、工事が済んだ後で検査院から行つて見ましたのでありますが、指定期日までに完全にできたものとは認められない、こういうことなのでございます。それに対して補助金をやつたのは不当であるという断定を下したのであります。
 それから第二の日塩興業株式会社、この分にいたしましても非常に漏水が、出来上つたと称する何が非常に漏水が多いのでありまして、水を流しましても六〇%から七〇%水が漏れておるのであります。つまり鹹水が取れんのであります。塩水を流してやつて、それが最後へ行つて段々濃厚になりますれば鹹水になる筈のものが、その中間で六〇%、七〇%漏れてしまうものですから鹹水が取れない。実際私の方で実地検査いたしました当時に、少しも塩が取れておらん、そういう設備は完全な設備ではない。いわゆる二十二年二月までに完全に工事ができた、製塩設備ができたとは認められない。そういうものに補助金をやるのは妥当ではない。こういう事案であります。
 それからその二の南山製塩工業、これも設備規模が少さくて、つまり年産百トン以上の設備をしたものに補助金をやるというのでありまするから、百トンに達せんようなものに補助金をやるのは……こちらで計算いたしますると、年産約六十トンの程度のものでありますが、非常に小さいのであります。従いましてこれは補助條件に適合しておらん。そういうものに補助金をやつたのはよろしくないのみならず、この南山製塩につきましては、終戰前に軍から補助金を貰つておつたのであります。その補助金の大部分が、三百十万程補助金を軍時代から貰つたのでありまするから、それを返還して、今度改ためて專売局の補助金に切替えるということになつておるのでありまする。それから專売局からは補助金を貰つたり、それから軍から貰つたのは返す筈であるのを、一割強、三百十万円の中三十七万円だけ返したただけである。あとの二百余万円というものは返納に至つていない。こういう事案でございます。これに対しまして、あとは專売局の御説明があると思うのでありまするが、これに対して專売局は、一応完成したのであると、或いは南山製塩のごときは、規模は百トン以上に当るのだと、こういう検査報告に対する説明書が出ておるのでありまするが、これに対して責任者の処分調書によりますると、飛島塩業、日塩興業の関係者でありまする專売局長官に対しては、この方はすでに退職しておるから特に処分もなしてないのでありまするが、当時の塩脳部長に対しては、訓告の処分をいたしておる。それから南山製塩関係の者も、同じく塩脳部長内田何某氏に対して訓告処分にいたしておる。それから日本塩業以下のものに対しても、それぞれ塩脳部長に対して訓告の処分をいたしておるというふうな報告になつておるのであります。そこで、この前もちよつと問題になりましたように、仮に專売局が適法の補助金を交付いたしておるといたしまするならば、取扱者を処分するということはない筈の理屈と思うのでありまするが、一方においては適当の補助金であるというふうに説明をいたされて、一方においては関係者をそれぞれ処分したというところが、この前の委員会でも御指摘に相成つたようなわけであります。それで私の方でその後これに対して調査をして、善後処置をどうしておるかということを調べましたところ、そのままやはり何も善後処置をお取りになつておらん。つまり責任者に対しては処分しておるが、事案そのものに対する善後処置はお取りになつておらんと、こういうことでありまして、この二百五頁以下にそういうことを記述したわけであります。
#102
○主査(柴田政次君) これに対しまして、日本專売公社経理局原価計算課長山口龍夫君の証言を願います。
#103
○説明員(山口龍夫君) 只今の件について御答弁申上げます。この問題につきましては、実は当時の担当者及び前年度委員会におきまして答弁を担当した者が、御承知の通り專売局が專売公社に変りますところの改革によりまして現在東京におりませんために、詳細の経緯については御答弁申上げかねるのでございますけれども、大体承知しておりますところによりますと、この具体的の処置につきましては、專売局といたしまして、検査院の御見解と異なる見解であつたと、ただそれにつきまして、先程お話がございましたように、関係者の処分をしておるという点がございまして、どういう経緯でそれが処分されておるのかということにつきましては、ちよつと只今分りかねるのでございまするが、ともかくこの問題につきましては、前年度の委員会で決定せられておりまして、私共といたしまして、早速善後の処置を取らなければならなかつたのでございまするが、今申上げましたような全面的な機構の改革というような問題もございましたし、いろいろな法律関係の改正というような問題が続いて参りまして、そのために準備が遅れまして、具体的には手続を取るに至つていないということは誠に遺憾でございます。これにつきましては具体的な手続の段階に至つておりませんが、準備を進めておりますので、至急具体的な措置を完成したいと存じております。
#104
○主査(柴田政次君) 大蔵省事務官官房会計課長の小川さん、何かこれについて御意見ございませんか。
#105
○政府委員(小川潤一君) 專売局の一応の監督官庁としての大蔵省の会計課長といたしまして、一応申上げたいと存じます。この問題に関しましては、只今專売局から申しましたように、曾ては検査院側と專売局の技術者側におきまして見解の相違がございまして、どうしても、検査院がそう言われるのだけれども、いやその認定は正しかつたのだと、こういうような考え方で進んで参つたようでございまするが、この前の議会の決算報告に歴然と、專売局けしからんではないかと、特に補助金の出し方についてはよろしくない措置が多々あるというのを指摘されまして、この問題に関して全面的に検査院側の意見を採るというふうにございますので、本省側といたしましては、国会の権威に十分従つて直ちに処置をしなければいけないという考え方で、只今專売局側の申しましたと同意見で、この処分を促進して早く問題を国会の決議に従うように措置したいと、本省側としても、これを監督注目して行くという態度を取る決意でございます。
#106
○主査(柴田政次君) 吉川さん御意見はありませんか。
#107
○吉川末次郎君 問題は、先程来森專門員が指摘されたことにあるわけなんですが、要するに補助金を交付すべきところの條件に該当しないところのものに補助金を交付したということにあるわけなんですが、これは別個の問題だろうと思うのでありますが、その助成金を国に返納させるということができれば、帳面づらだけの辻褄を合すことはできるわけなんですね。それが補助金を與えたときと例えば今日とにおいては、その貨幣価値が下落しておる。殆んど十分の一くらいになつておると思うのでありますが、仮に百万円の補助金を貰つて、今それを返すとすれば、恐らく一割にも該当しないような金で済む。済むといつて、本質的に済まないのですけれども、この帳面づらを合すということなら、つまり済むと思うのでありますが、そうすると返納さすということは、そういう面から言えばそれ程困難なことでないように我々感ぜられるのですが、そういう問題についてはどうなんですか。
#108
○主査(柴田政次君) これに対しまして大蔵省の方から一つ。
#109
○政府委員(小川潤一君) 今の御意見全くその通りに一応考えられるのでございますが、ただ問題のこの塩の補助金は、御承知のように非常に無理をしまして、政府が塩の不足を補うために無理やりにやらせまして、八割以下をやるということで、相当のいわゆるはつぱをかけて、業者が飛びついて来たのでございますが、それは関係方面のこともありまして、突然非常に條件が辛くなりまして、こういう二月六日で、或いは百トン以下、或いは百トン以上というような條件になりましたので、非常にこの点は、急に條件が変りました関係上無理が出まして、そのために補助金を受けない会社も勿論、それから尚その後の状況の変化もありまして、受けた会社でも、殆どこの補助金に関係した事業というものは、まあざつくばらんに申上げますと、それ自体は殆んど潰れかかつておるような状態でございまして、殊にこの該当しております会社は、それぞれもうこの塩の面では、いずれもえらい赤字に苦しんでおりますので、果してこの返納の処分が円滑に行くかどうか、非常に危惧の念を持つておるわけでございまして、併しそうかといつて、状況が気の毒だからといつて、国会の決議を無視するということも我々としては絶対に避けなければならないことでございますので、嚴重に返納処分を取り、或いは訴訟手続まで行いたいと決意しておりますが、併し今申しましたように、これだけ返せば結局儲かつてしまつたのだと言つて裏へ廻つて舌を出すというような状況の会社ではないという事情でございますので、一般の補助金の場合とその点は、そういう点においては少し事情が違うことを御了解して頂きたいと思います。
#110
○阿竹齋次郎君 会計検査院にお伺いします。この事件は五年経つても金が戻らない。まだ是正せられない。こういう場合には、会計検査院は職権上の手続があるだろうと思いますが、その点如何でしよう。
#111
○説明員(綿貫謹一君) 只今の点でございますが、これは検査院から直接強制徴收をなさしめるという方法は今のところではございませんわけであります。結局当局者の方が誠意を以て徴收して、返納の場合なら返納せしめるということの外……そこで結局手続を取つていないということを検査報告として報告してございますのでありまして、検査院が直接裁判を起して取るという当事者じやございませんものですから、そういう方法はございませんわけであります。
#112
○阿竹齋次郎君 私は深く知りませんが、これは会計検査院の職務権限が、院法の二十九條で、何か会計検査院が手続きを取れるのではないかと思うのですが。
#113
○説明員(綿貫謹一君) 只今のお説は、会計検査院法二十九條というお話で、会計検査院法二十九條は「日本国憲法第九十條により作成する検査報告には、左の事項を掲記しなければならない。」、こうありまして、つまりそれによつて検査報告ができておるのでありますが、これによつて直ぐには相手方に対して徴收という問題は出て来ないわけであります。ただ場合によつては返納の手続を求めなさいということの意見表示は必ずしもできんとは限りません。これは別の何で、極く極端な場合においては、そういう問題も必ずしもできんことはないかとも思いますが、それはどこまでも当局者に対しての注意でありまして、直接補助金を貰つた者に対して、あなたの所は返納しなさいと言うことは、今のところではできるようなことにはなつておりませんわけであります。
#114
○阿竹齋次郎君 それはこういうふうに解釈していいのじやないですか。当局者に対して、言うことを聞かん場合是正するだけの請求をすることができるのじやないですか。尚懲戒を要求すると書いてありまして、その條文でそういうことができるのじやないですか。即ち政府当局に対してその是正方を要求するの権限がここにあるのですか。尚も請求して……。
#115
○説明員(綿貫謹一君) それは御説のように、まあ極く激しい場合におきましては、まあ尤も本件にような場合には、国の方から毎年、一体処置はどうしたかということは照会をいたしておるのであります。その結果処置を取つておらんと、こう申しましたので、まあ処置を取つておらんのであります。併しながら返納しろ……。まあですから、広い意味では御説のような、生ぬるいと仰せあるかも知れませんが、一応はこの処置はどうなつておるかということは、毎年その專売当局に対しては照会いたしておるわけであります。従いましてそれを当局において素直に受入れて下さるならば、これはもう手続はもつと早くできておつた筈だと、こういうことになると思うのであります。まあその程度の、直接やるとすれば、相手方たる專売当局に対してそういう程度のことをいたすわけであります。
#116
○阿竹齋次郎君 それで言うことを聞かん、そんな場合は会計検査院は懲戒要求はできないのですか。会計検査院の言うことを聞かん、このときには懲戒要求をする途は得られないのですか。
#117
○説明員(綿貫謹一君) 御説一々御尤もでございますが、懲戒要求ということになりますと、これはまあ非常に重大な事項に相成りまして、その場合は一々懲戒要求の、つまり院法で言うならば、三十一條が懲戒処分の要求になるのでございますが、これは会計検査職員が故意又は重大な過失によつて国に著しい損害を與えた、これに該当いたしますときは、これは懲戒処分要求を本属長官に要求できるのであります。そこでそういうものについては毎年私共の方でも詮議いたしまして懲戒処分の要求をいたしております。それからこれを準用いたします規定が至十一條の二項にございますが、それによりますと、同様会計事務を処理する職員が計算証明を怠つておる、検査院に証明をいたして来ますそのことを怠つておる、そういう場合にも懲戒処分の要求ができる。それからこちらから書類の提示とか或いは出頭を命じた場合に、これに応じなかつたという場合も懲戒処分要求ができるということに相成つておるのでありますが、ちよつとその今の返納の処置が遅れておるということだけでは、直接には懲戒処分要求をいたすという事項には当りませんわけでございます。
#118
○主査(柴田政次君) 阿竹さん、御了承願われますか。
#119
○阿竹齋次郎君 ちよつと筋が違うかも知れませんけれども、会計検査院の是正せよという意思に応じない、そんな場合は懲戒要求ができないでしようか。
#120
○説明員(綿貫謹一君) お説或る程度御尤もなんでございまするが、これは御承知のように懲戒処分要求をいたしますると、身分上の重大な処分になりまするので、我々といたしましても是非やらなければならない事態が発生いたしますれば、これは容赦なくやるのでございますが、まあ條文に該当いたさない場合でもそれに準じてやるということは、これはその懲戒処分というような一種の公務員に対する懲罰でございまするので、そういうことはちよつとやりますことはできんものと自分は考えておるのであります。
#121
○主査(柴田政次君) 阿竹さん、この辺でよろしうございますか。
#122
○阿竹齋次郎君 結構です。
#123
○板野勝次君 この機会に私は外塩の問題について聽きたいのですが、構いませんか。
#124
○主査(柴田政次君) よろしうございます。
#125
○板野勝次君 專売公社の方に聽きたいのですが、本年度の購入予定数量が百二十五万トンであつたが、今度は最初の計画よりも殖えて、更に三十二万トンの増加購入をすることになつたということですが、何かこれは国内需要か何かのためにこういうように沢山のものが輸入されて来るようになつたのでしようか。その間の事情を承りたいと思います。というのは、そういう増加購入をするようになつたのは、何も追加予算等が国会に出て来ていないので、どういうふうに資金上の処置がされるのかということも併せて疑問になつているのです。
#126
○主査(柴田政次君) 只今の板野さんの御質問の点は、只今御出席になつている政府委員におきまして御説明できますか。ちよつと……。
#127
○政府委員(小川潤一君) 私本省の会計課長といたしまして、予算編成のときには、專売当局でありませんので、横におりまして仄聞しておりましたところでは、はつきりしたお答えにはならないと思うのでございますが、この問題は相当複雑ないきさつがあつたようでございまして、ここで速記を付けて申上げるには……帰りまして、はつきり御説明申上げた方が適当ではないかと思います。
#128
○板野勝次君 これは一つ次会でもいいのですが、何か責任者の人に出て来て貰つて説明を聽きたいと思うのです。
#129
○主査(柴田政次君) 承知いたしました。次会の機会に塩の需要関係、これに対して説明を頂くことにしておきましよう。外に何かございませんか。
 別段御発言もなければ、大体今日はこの程度で散会いたしたいと思います。
   午後三時四十六分散会
 出席者は左の通り。
   主査      柴田 政次君
   副主査     阿竹齋次郎君
   委員
           カニエ邦彦君
           吉川末次郎君
           奧 主一郎君
           板野 勝次君
           米倉 龍也君
   委員外委員
           中川 幸平君
  政府委員
   農林事務官
   (大臣官房会計
   課長)     伊東 正義君
   大蔵事務官
   (大臣官房会計
   課長)     小川 潤一君
  説明員
   会計検査院事務
   官
   (第三局長)  綿貫 謹一君
   会計検査院事務
   官
   (出資検査第一
   課長)     大澤  實君
   農林事務官
   (食糧庁総務部
   監査課長)   高橋  清君
   日本專売公社経
   理部原価計算課
   長       山口 龍夫君
ソース: 国立国会図書館
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