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1949/02/14 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第5号
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1949/02/14 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第5号

#1
第007回国会 選挙法改正に関する特別委員会 第5号
昭和二十五年二月十四日(火曜日)
   午前十一時十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○選挙法改正に関する調査の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小串清一君) それではこれより選挙法改正委員会を開会いたします。
 前回の御決議によりましてその趣旨を衆議院側と交渉いたしました。第一は法定得票率の関係でありますが、これはこちらで調べました第二十四回の衆議院議員選挙、昨年一月二十三日の衆議院議員の選挙の場合において、この得票の四分の一、五分の一、八分の一というようなものがどうなるかということの表を向うへ示しまして、そして是非これはこういうふうに大いに緩和して貰わなければいかん、こちらの希望は大体元の八分の一にして貰おう、従つて法定得票も緩和し又供託金沒收のあれも緩和する、こういうようなことに話してこれは向うでも了解しまして、大体こちらの趣旨を重んじようということに、これは委員長等の話合ですが、なつております。
 それから更にこちらから交渉いたしました諸問題について話合つたところが、この知事、市長等の公職を自分の随意でやめてから六ケ月の制限を置くということにつきましては、向うの委員の意見は、殆んどその理由は尤もだということになつたが、さてその線はどこに置くか、それについて向うの意見は、若しそれを置くならば、どうしてもその線は次官、局長、それから各省の長官という程度のものまで及ぶような線を画さなければ不公平だ。それで私から市長というと非常に広汎になるのだが、参議院では明白にまだ文書にして決めませんがと言つたら、それは大都市だけにしなければ無理じやないか……。以上の交渉は向うがこの提案に同意したわけではないけれども、一つ参議院の非常な御熱心な主張であるようだから、関係方面に一つ参議院から折衝してみてくれ、関係方面のあなたの方の打診が有望であるならば、衆議院の方もこれに同調するように心配いたしましようという程度の了解を得たのであります。
 その外のこちらの提案については、例えば羽仁委員の主張の新聞雑誌等の制限撤廃、ああいう問題は向うは全然同意しませんし、それからその他の問題も殆んど今のところまとまりにくい。教育上特殊の地位を利用して云々も衆議院では一つ向うの説で我慢して貰いたいということを言つております。それから確か百四十二條の出版物の執筆者の署名の問題は、「主として」というのはなくても同じやないか、「主として」という文字を入れても入れなくても、その法の精神は行くんじやないかというような空気であります。大体が今申上げた程度の折衝を遂げまして、つまりやや有望であることは公職立候補の制限問題が主たるもので、その他の問題は只今のところでは法定数の問題以外は向うと完全な了解を得られません。今のは何も向うで了解したというわけじやないんですが、こちらで関係方面を打診して、見込があるならば衆議院の方も行なおう……
 それからもう一つ御報告申上げることは、この第三者の運動をこのままでは少し費用がかかり過ぎるということで、衆議院側では非常に今困窮しておりますので、それがためにもう昨日、今日あたりにまとめたいつもりのものが少し延びそうである。それから尚参議院の今の問題もあるからそういうものに触れそうな部分は、すでに議案を印刷に廻したけれども刷らないで待つています。これだけが私の交渉結果でございました。以上御報告いたします。
#3
○藤井新一君 そのときに公団の長のようなものには触れなかつたですか。例えば庶民金融の理事長とか、ああいう全国的に支配を……、そういうものの話でなしに長官、次官というお話でございましたが……
#4
○委員長(小串清一君) 大体はそうなんです。併しこれに準ずる者もあるから、この線は画することはなかなか困難であると向うもそう言つております。
#5
○柏木庫治君 第三者の運動云々の問題は、こちらのを向うが修正するというのですか、第三者運動の制限。
#6
○委員長(小串清一君) お答えします。只今ではこちらのも向うのも同じなんです。ただ委員のうちにそういう問題があつて、一旦決定したことだけれども尚今何かいい方法があれば第三者の運動に制限をしてみたいということでつまり結論に達しないわけです。けれども一応は決つちやつている、参議院と同じ意見なんです。
#7
○柏木庫治君 私はその問題は修正せない、ここで決まつているままで折衝して頂きたいと思います。修正せないで……
#8
○中川幸平君 公職の問題ですね、大体公務員がやめてから二ケ年間関係のある場所に奉職してはならんという意味のことさえあるのだから、やはりはつきりと六ケ月なり一年なりの期間を置いてなければ立候補できんということを決めることが私は理想であると思うけれども、ただそのうちの局長であるとか次官であるとかいうようなことを列記せんければならんというようなことでは実際困るから、先程から話のあつた市長、知事、いわゆる公選で上つた人が自発的にやめた場合は、六ケ月置かんければ公職の立候補ができないという程度に、今日の場合して置いた方がよくはないか。それから委員長の言われるごとく市長といつてもいろいろあるからとこう言われますが、地方によつて二十万かそこらの市でも、主要なる市長なんですから、やはり市長の地位ということを一樣に入れて頂いた方が適当でないか、この点を一つはつきり決めて頂きたいとこう思うのです。
#9
○岡本愛祐君 只今の公務員の立候補制限の問題につきまして、先日衆議院とこの参議院の特別委員会の委員が懇談会をしましたときに、やはり一番この点が問題になつたのでありまして、衆議院の方でも非常にこの公務員の立候補制限に賛成の人と、内心は賛成かも知れないけれども憲法違反の虞れがあるということを憂慮して非常に消極的な人、即ち鈴木義男君のごとき人があつたことは皆さん御承知の通りであります。そこでそのときに鈴木義男君の憲法違反の虞れがあるのじやないかという質問に対して私が答えましたことは、我々の考えておる都道府県の知事及び市長の立候補制限の條文については、その憲法違反にならないことをよく注意して考えておるのであつて、そのために広く他の公務員に及ぼさないで、県民並びに市民に約束をして四ケ年なら四ケ年という任期を持つて出ておる。その公選せられた者が、リコールなんかによらないで自発的に辞職したときに限つておる。而もどこの選挙区からも出てはいかんということでなくて、その自分がインフルュエンスを及ぼす虞れの多い区域からは辞職の後六ケ月間はこの候補者になつてはいかんということだけの制限である。つまり福島県の知事が六ケ月内にやめれば福島県地区の選挙管理委員会の選挙区では立たれませんが、参議院の選挙の前六ケ月以内にやめたにしても山形県なり宮城県なり栃木県なりの地方から参議院議員に出ることはかまわない。又この衆議院の場合においても福島県以外ならばどこの選挙区から衆議院議員に立つてもよろしい。こういうふうに非常に注意して憲法違反にならないように考えてある。そこで若し今衆議院が又委員長に申込まれたような知事、市長の外に次官とか、局長とか、そういうインフルュエンスを及ぼす虞れのある者にまでこれを拡誘しようということになりますと、それは行過ぎであると私は思うのです。
 これはこういうことを思出して頂きたいのですが、この前の前の衆議院の総選挙の前に、衆議院の方で公務員の衆議院議員立候補についての特例に関する法律案というものを立案しかかつたのであります。それは今おつしやつた次官とか局長、まだもう少し範囲が広かつたかも知れませんが、それはやめてから一年間はその衆議院の立候者に立つことができないという法律を設けようとしたのです。その時に全国的の反対、それは不当であるという非難が起つたのでありまして、それはどういう理由であつたかといいますと、「衆議院議員となることは、主権者たる国民の選挙に基くものであり、国又は地方公共団体の公務員であつたものが、衆議院議員となることが果して適当であるかどうかは、挙げてこれを国民の自由なる判断に基く選挙にゆだねるべきであり、立法的措置によつて国民の判断を表示する途を塞くことは甚だ不当である」というのが一つの理由であります。
 それから衆議院の立法しようとする趣旨は「国又は地方公共団体の公務員がその職権を自己の衆議院議員立候補のために有利に利用し、衆議院議員選挙法に所謂利益供與の手段とする弊害を防止し、もつて行政事務処理の公正を確保しようとするものと推知されるが、若しその地位を利用して事前運動を行うものとすれば、その違法又は不当行為自体に対して更に強力なる制裁を加える立法をすれば足りるので、一定の公務員たる地位になつたが故に違反行為の有無に拘わず衆議院議員の被選資格を制限する理由は全然ない。しかも本立法の趣旨とするところを仮りに正しいとしても、その適用を受くべき者の範囲は公務員に限らず、民間の金融、肥料その他の重要な経済団体及び公共的団体の役職員についても同様に適用さるべき筋合のものであり、何故に公務員のみに限定すべきかの積極的理由に乏しいと考えられる。」まあこういうような反対でありました。
 それで憲法第十四條の規定に違反するものであるというのは、「国又は地方公共団体の公務員であつたことを理由として」、この時は退職後一年間としてありましたから、「退職後一年間にわたり衆議院議員の候補者となる途を塞ぐことは、国民の法の下における平等を保障し、且つ議員の資格の社会的身分に基く差別を排除する憲法第十四條の規定に違背するものである」こういうのであります。それからもう一つ、これは憲法第十五條第一項の精神にも反するとこう言つておる。それは「衆議院議員に何人を選ぶかは国民が自らの判断によつて決すべきことであつて、立法によつて国民の選定権を制限することは憲法第十五條第一項の精神に反するものである。」それで「国又は地方公共団体の公務員が、現にその身分を保有しつつ議員候補者として選挙運動をすることは、選挙の公正を害し、選挙における機会均等の精神に反するおそれが絶無でもないが、その弊害を防止するためには、立候補に際して公務員たることを辞退せしめれば足り、公務員を退職した後一年間も被選挙資格を失わしめることは明かに行き過ぎである。」とこういうふうにその反対理由がありました。これは皆様御承知の通り、その関係筋においてもそれはいかんというので止めさせられた。我々が治案及び地方制度の委員もいたしておりました。又参議院側の委員も全部これは行き過ぎだというので反対した歴史を持つておるのであります。
 そこで我々は振返つてこの知事及び市長が自発的に辞職した場合に、これにこの制限を限ろうとした理由は、今申した憲法違反ということのそれを絶滅し、而も知事なんかが県民や市民の方の附託に背いて自分のほしいままの意思によつて、自分の地位及びそのインフルュエンズの及ぶ選挙区を利用して立つことが公共の福祉に害がある、こういう見地から制限をするのである。これはそうでない次官局長、こういうものまで制限しようとすることは、制限すること自体が甚だ私は行き過ぎであり、又それが果して選挙運動をやつておるとすれば、それは懲戒免官とかその他ででき得ることであります。私はそれをやらない方がいいのである。それは非常にむずかしい問題になりますから、私はむしろこのたびは私共の原案通りに参議院ではお決めになつた方がいいと私は確信いたします。
#10
○委員長(小串清一君) ちよつと後からお出になつた方があるから申上げますが、今日の委員会は先刻私から御報告申上げた通り、衆議院との折衝の結果、先ず以て関係方面を打診することが衆議院の希望でもあり、又当委員会としてもこの場合必要であるということからお集まりを願いまして、それで只今皆さんの御意見もあつたのでありますが、それで今日その関係方面と折衝すべき最少限度のものを決めて頂いた方がいいのではないかと、かように思うのでありまして、只今岡本さん、中川さんの御意見も御尤もですが、大体この前に作つた案を基礎として折衝いたしますかどうですか。
#11
○岡本愛祐君 ただ私は先程委員長が触れられた市長が、三万ぐらいの市長も制限することは如何にもこう不当だと、これは私は一応御尤もだと思います。だから人口二十万以上とか或いは三十万以上ということに制限を置くことは私はいいと思う。尚衆議院との懇談会の時に質問を受けて私は答えて置いたんですが、この法律が出まして六ケ月以内に参議院の選挙があることになりますから、この公職選挙法の本文にこの條文を置くとすれば附則に経過規定を設けなければならん。それはちよつと書いて見ましたが、本法施行後六ケ月以内に国会議員の選挙が施行せられるときは、これは何條になりますか何條と書いて、何條の規定に適用については六ケ月を本法施行後一ケ月以後と読み替えるものと、こういう規定をほしいと思います。つまり本法施行後一ケ月以後は参議院全国選出議員の選挙又は当該地方公共団体の区域を含け選挙区においての参議院地方選出議員の選挙の候補者となることができない、こういうんでございます。
#12
○羽仁五郎君 先程御報告下さいまして、この参議院側で一致して衆議院側に申入れました件のうち、殆んど今言われました知事、五大市長等に関する以外のことについて衆議院側で御了解がないようですが、これは是非参議院が一致してお決めになつたことでもありますし、今後も、我々として努力し得るように御盡力願いたいと思うんですが、関係方面に対してもその点力説して頂きたいと思うんです。本朝のニッポン・タイムスを見ますと、現在我々が選挙法改正をやつているがそれに対してなかなか痛烈な社説を以て批判しております。それで選挙の自由というものについて両院の選挙法改正委員会は十分の理解を持たないで、それで徒らに新らしい候補者が出て来ることを防ぐと、そして自己のすでに得た地位というものを守るというようなことに汲々としていると。我々は勿論そういう考えは持たないと思うんでありますが、併し現在行われている議事の進行状態に対して非常に痛烈な批判をしている。これはニッポン・タイムスがああいう社説を以てああいう批判をしているということは、世論の批判として我々もその当否は別として反省しなければならない点もあるやに思うんです。従つて衆議院でも勿論この世論に対して顧みられるところがあると思いますし、又そういう意味からもこの前もお願いしておりました、特に私としてはいわゆる現行法では未成年者を選挙運動から保護している規定を教育者及び学生の選挙運動に変えようとする衆議院の案に対してはあくまで反対であつて、現行法の戻せばいいと。それから選挙運動期間中に著述、演芸等の広告に対する比較的脱法行為として行われることに対する制限についてはやはり「主として」という字を入れる方が、現行法通りにして置く方が、誤解や又は取締の行過ぎが起らないということは議論の余地がない。従つてこうして頂きたいと思います。
 第三に新聞の自由についてですが、我々は選挙法で以てこれを制限するということを取らない方がむしろ言論機関と国会が相携えて、相助けて行く上に好ましい結果をもたらすものであつて、少数の新聞の不当な行為を取締ろうとして大多数の大新聞の感情を刺激するようなことをすることは政治的に余り賢明でないという意味からも、この点も是非して頂きたい。
 且つ全体に亘つてやはり選挙に対して警察の干渉を、国会の方から敢てそういう規定を作つて置く必要がない。これは公聽会においてしばしば申上げました通り、神戸の権事側からも意見がありましたし、他に法律があつて十分取締られておるものを選挙法の中に一々加えて行くということは、選挙法を簡單明瞭にし誰にも分り易くするという意味からも適当でないと思うので、前に参議院の委員会において一致して御決定なすつたことにつきましては、どうか今後も御盡力願いたいというふうにお願いする次第であります。
#13
○中川幸平君 一つ一つ決めて行つて頂いたらどうですか。今の市長について人口の制限をいろいろお話がございましたが、それを一つ適当なところに決めて頂きたい。例えば……
#14
○委員長(小串清一君) 只今岡本委員の御意見は市長、二十万以上にしということが御異議がないようで、後は附則の問題がありますが、附則は実際必要でありますし、本法施行後……
#15
○中川幸平君 二十万というと非常に小さいように思われるところもあるが、地区によつて大きな主要都市になるから、我々としましては十五万以上というくらいに決めて頂きたい。
#16
○法制局参事(寺光忠君) 御参考までに只今の市の問題につきましては、この基本法の中に市を特に大きなものについて区別しておりますものは五大市というものがありまして、大阪、京都、名古屋、神戸、横浜の五つにつきましては特別の規定を置いておりますから、御審議の御参考までに……
#17
○中川幸平君 五大市が問題になるのですか。
#18
○法制局参事(寺光忠君) そういうものが概念付けられておるということを申上げて置きます。
#19
○中川幸平君 我々の理想としては……
#20
○鈴木直人君 これは市と申しますと具体的な問題になるのですが、十九万の市と二十万の市は調査の結果どの市とどの市が、具体的にどの市長がいい、どの市長ガいけないということに……
#21
○法制局参事(寺光忠君) まだ手許に資料を持つておりませんから……
#22
○中川幸平君 例えば石川県のごとき金沢が二十万やそこらで全有権者の三分の一がある、そんなところの市長をやはりやられるということはやはりいいことではなかろう、私共はそう思うから五大都市だけに限らず、そうした主要な都市はその制限の中に入れるべきではないか、こう思つて意見を申上げておるのであります。
#23
○岡本愛祐君 この人口で制限するということは実にむずかしいと思う。というのは時々変つておりますから、たとえ三十万に限ろうとしても、今日は二十九万何千しかな四かも知らんが明日は三十万突破しているという所もありまして、非常に実はむずかしいのでありまして、そういう規定を置くならば、余程立法上考慮を要すると思います。この附表がつくでしようから、別表の定員の算式の基礎となつた時のとか何とか、当時における人口統計によるというふうに書かなければなかなかむずかしい。
#24
○法制局参事(寺光忠君) 只今のお説の通り離職の時を基準にするか、選挙の時を基準にするかいろいろ問題があると思います。
#25
○岡本愛祐君 そこどでしうてもGHQの方と相談をしなければならん問題ですから、又人口の制限は適当にする含みを以て一応やつて見られたらどうですか。今ここで二十万にしろ三十万にしろと言つて見たつてその相談が済んだ後にしたらどうですか。
#26
○姫井伊介君 今の問題に関連して私はこういうことは考えられないかと思う。それは有権者名簿を作りますときを基準として、その都道府県の総有権者の十分の一以上の市ということになれば大体標準がつくと思います。そうすれば比例がつきますから、百万の市は例えば十万人に見るとか、百五十万のところは十五万人に見られるというように……
#27
○委員長(小串清一君) 如何でございますか、段々御意見がありますがこれは大体それではこれで打診をするのですから、向うから質問がありましたならば今の皆さんの御意見を参考に向うに申上げて、まだどこで線を画するか決めない。それから次官とか局長の方は先ず一時これで交渉する、こういうことで皆さん如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○鈴木直人君 ちよつとそれについて意見だけ申上げて置きます、よろしゆうございますか。
#29
○委員長(小串清一君) どうぞ。
#30
○鈴木直人君 実は次官、局長、外局長官、副知事という点が更に入るわけですが、それにつきましては先程緑風会会務委員会を開きました。これは会務委員会全部ではありませんでしたが正式にまあ開いたわけでなんですが、その席上で実は今日そのことにつきまして最後的な結論になる程度の審議がこの委員会で行われるかもしれないかというので意向を聞いたわけです。その結果によりますと、従来は知事、市長も入つておらない。一昨年あたり入つておらない場合であつたが、今度は市長を入れるということになるならば、先程申上げました範囲程度のものを入れることが至当であろうとこういうような意見が非常に有力でありまして、それに反対する人の意見がなかつたわけです。で私はその際に、それはここにいる会務委員の方々においては大体そういう意向のようだが、併しながら緑風会から出いてる選挙委員の方面においてはそれと反対の意見を持つている人もあるからということは、私は念のために申上げて置きましたが、そういうのが非常に有力であつた。
 それから憲法に違反をしやしないかという点については、例えばこれは法律的に明るい松井道夫君などは違反はしない、検察官等においても立候補制限をされているようなことになつているし、それは違反しないと思うというような意見もありまして、そういうふうな正式に会務委員会として決定したというわけではないのですが、そういうふうな有力な意方が緑風会内にあるということを一応私は報告して置く義務があると思います。
 それからもう一つ私は提案を申上げたいのは、その際にもお話がありましたが、一応この選挙法の改正委員会において決定いたしております今問題になつている点について、先程岡本委員から緩和規定いわゆる附則に例外的な規定を設けるという点も話がありました。これは皆賛成でありましたし、それから市長についても小さい市長については除外するような規定がいいんではないかという話がありましたし、私はそれについて賛成ですが、更にもう一つ皆樣に御審議をお願いいたしたいと思いまするのはこれは衆議院側から意見がありましたが、衆議院が大体の場合において任期満了によらずして解散によつと任散が終ることが非常に多い。従つてこの規定を衆議院にも入れるということになると、衆議院には知事、市長はなれないという現実の問題が起ることが多いから、或いは任期満了による衆議院の選挙ということにでもするか、或いは向うとの関係もあつて衆議院を除外する、差当りは参議院だけにこれを適用するというので、衆議院というものをなくするというようなことも考えられはしないかというようなこともお話がありまして、私もその点については尤もだと思う考えを持つておりまするから、一応皆樣の御意見を聞きましてその御意見によつて私は承服いたすということにいてしたいと思います。衆議院に関する点につてて皆さんの御意見を承わりたいと思います。
#31
○中川幸平君 衆議院に関するその心配は必要なかろうと思う。そういう場合には出て貰わんより仕方がない。衆議院の解散の場合には制限がある以上は出られんということになる。出ようと思う人は解散の空気があるうちに早くやめてしまう。そうすれば出れるのですから、その志のある人は衆議院のそういうことを問題にしないでやつて頂きたいと思う、それは先程決めて頂いたように、適当に御交渉願いたいと思います。
#32
○岡本愛祐君 鈴木君から今提案されました解散により衆議院議員の選挙の場合はどうするかという問題ですが、私共のこの原案によりますと、衆議院の解散が突如ありましてそうしてそれに出たいという知事又は市長がある、そのときには外の自分の県以外の他の府県から立候補すればいいのでありまして、自分の知事をやつておる福島県なら福島県からは立候補を遠慮する、岩手県やら宮城県から立候補すれば、ちつとも差支ない、だからそういうふうにせられていいのである、又今中川君からお話がありましたように、大体解散の空気というものは察知できるのでありますから、若く本当に自分の知事をやつておる県から出たいということになりますれば、早目にやめて置けばいいということになるのであります。今そういうことを顧慮して参議院の選挙だけに立候補制限をしたいということは、選挙基本法といわないまでも公職選挙法としての本條文としては非常におかしなことになる。であるからその点は私は反対いたします。
#33
○姫井伊介君 例えば知事の立候補の場合ですが、補欠選挙などいろいろの関係によりまして、知事がその都道府県の知事になつてからの選挙までの期間が非常に短い、或いは三日であるかも知れないし或いは一月二月であるかる知れないし、そういうことは顧慮しないでもいい、一月でも新らしく赴任したのはもう府県における関係は除かれるということになるわけなんですな。インフルュエンスの問題などもまだ起きていない……
#34
○鈴木直人君 今姫井さんのお話は知事に当選をしまして一ヶ月後にそれをやめて、又解散になれば代議士になるというようなことについては、地方自治法に、当選した後においては一ヶ年の間はリコールをすることができないという程度にまでできておりまして、むしろ一ヶ年程度のものは公選によつて出た以上は当然やらしてみなければならんという義務すら規定されておる。義務もあるようなふうに規定があるくらいなものでありますから、むしろこの理論から見れば知事或いは市長の当選して一ヶ月後に直ぐ代議士になるという点についてはむしろ抑制するということが妥当だと思うのです。従つて当然この六ヶ月というものは適用はされるべきであるから、イルフルュエンスという点もあるでしようが、私はやはりインフルュエンスがあるとしてもそれは六ヶ月後に総選挙して又直ぐにやるのでからそういう点においてはもう疑問がない、こう考えておるのです。
#35
○委員長(小串清一君) そうすると如何ですか。いろいろの御意見がありますが、只今の問題を先ず決めてしまいましようか。大体本岡さんの御意見で関係方面と折衝をしまして、その内容にまだこいう意見もある、衆議院の方の意見もあるということを聞かれれば参考にしますが、まあ大体これで通ればそれでいいじやないかと思うのですが、むずかしい交渉ですから……。この程度のものでいいということに皆さん御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(小串清一君) それじやこれはそう決めます。それと、これは今羽仁さんの御意見もありましたが、こちらで主張した七項目をやはり尚関係方面に言いますか、どうしますか。これを決めて頂きます。
#37
○太田敏兄君 このうちで特にこの羽仁君も問題にしました第二項の教育上特殊の地位を利用する選挙運動の禁止の條項でありますが、これはやはり参議院の案が正しいと思うのですが、これに対する論議を盡きておりまするから多く申す必要はありませんが、大体併しこの條項が生れましたのは未成年の学徒を動員することが惡いということからそれが動機となつておるのでありまするから、従つてこういう條文が置かれますのはやはりそこに立法精神があると思うのです。この禁止條項を成年者まで拡げることになりますると、この憲法に決めてありまする国民の選挙の自由を奪うことになる。従つてまあ憲法の精神にも違反することになると思うのであります。それは憲法の第十五條にありますが「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」ということが第一項にあります。第三項に「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」この憲法第十五條の精神から申しましても、成年者は公正する選挙を行う能力があるということを認めておるわけでありますから、そこでそれが学生であろうと何であろうと、成年者であれば選挙に対して十分批判の自由、批判の能力を持つておると、こう認むべきであると思う。強く申しますると憲法違反であると言つてもいいと思うのでありますが、併し一歩讓りましてこういう制限が影響力の点から妥当であるといえば、そうすればむしろこの教育者以外の会社の社長が立候補した場合に、その会社の社員が運動することも当然制限しなければならんということになつて来ると思うのであります。そういう意味から特にこの教育関係だけを別に制限するということはこの憲法の精神からいつても面白くないと思うのであります。そういうことで、これはかねがね参議院の委員会では大体これに一致しておるのでありまするから、一つこの点は参議院の側の一致した意見として強く主張したいと思うんです。まあ衆議院が、この間も懇談会の時の空気からしますると、私がさつき申してましたように、大体未丁年の学徒を動員することから、こういうことが起つたのだからというような意見であつたのです。さつき委員長の報告によりますと相当難点があるのでありますけれども、私はやはり衆議院に対する便宜主義から考えるよりも、やはり参議院独自の立場からどこまでも正論を以て行くべきだと、かように考えるんです。そういう意味で私はやはりこれは参議院選挙委員会の一致した意見としてその点は向うにも強く委員長の方で主張して頂きたいと思うのです。
#38
○岡本愛祐君 今の問題は我々は全く太田君の意見に同意でありまして、衆議院の規定はあまりに曖昧であり、これこそ憲法違反の疑がある問題があると思うんです。「教育者は、学校の兒童、生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して選挙運動をすることができない。」ということが、どこまでこれをカバーしておるのか、甚だ曖昧である危險であるのです。これは懇談会の時にも羽仁君が我々の意思をよくあちらに伝えられたのでありまして、これはあくまで参議院の方の案が正しいと思います。だからこれは参議院の案のように衆議院案を直すということは必要だと私は思います。
#39
○委員長(小串清一君) これは御異議かなければこの案で関係方面に折衝することに決めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(小串清一君) それじやそう決めます。それから先刻羽仁さんからもお話がありましたが、これを今まであちらに言つた中で、例えば供託金の問題というようなことは大した議論のないところですが、あとこれとこれは是非折衝するようにというのは皆さんで決めて頂きたいと思います。
#41
○中川幸平君 第三者の運動のことを一つ決めなければいかんじやないですか。
#42
○委員長(小串清一君) 私はあまり意見を吐いちやいけませんが、衆議院側は非常にこれは熱心にやつておりますが、多く衆議院の方で折衝して貰つてこれはこつちで出さない方が……、どうですか……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(小串清一君) こつちからまだ折衝しないんだから……、衆議院の代弁者になるようになつてまずいと思うんです。
#44
○太田敏兄君 その問題は今日保留しておいて後の問題にしたらどうですか。
#45
○委員長(小串清一君) それじや第三者の問題はこうすると確定してないんですから、こちらではまだ向うの折衝を待つということに御了解を願います。
#46
○中川幸平君 じや結構です。
#47
○委員長(小串清一君) そうすると、外にさつき私申上げませんでしたが、これがちよつと今問題になつているんですね、当選確定を三ヶ月としましたね、あれをやはり元の十日がいいか三ヶ月にするとか、衆議院で大分これも問題になつておるんです。長い聞未確定でおくことは紛争を醸したりする、だからやはり三ヶ月なんか長過ぎるとこう言う、併しまあ全国区はやはり相当の日数がかかるんだから、これは先刻私申上げませんでしたが、衆議院でやはり問題になつておるようでございます。そうして現行法通りというのが相当頭を持上げて来ておる。
#48
○中川幸平君 元来はやはり従来通りやるより仕方がない、繰上げ当選の問題なんです。繰上げ当選に長く期間を置くと……
#49
○委員長(小串清一君) 繰上げのことなんです、今言つておるのは……。確定後三ヶ月というところまで繰上げを認めるというのを……
#50
○島村軍次君 只今の問題もまだ衆議院が確定しておるわけじやないのですから、今日は委員長の報告程度にして次に延ばすということにして、次の問題に……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#51
○羽仁五郎君 さつき一言申上げましたが、例の著述及び演芸の広告についての件ですが、やはり現行法通り「主として」という字を入れるように、すでにこの委員会で御決定になりました御趣旨に従つて、関係方面の御盡力を願いたいと思うのですが。
#52
○委員長(小串清一君) これは私も衆議院でそういうふうに言つたのですが、全会一致だから誤解を招き易いから、衆議院の方ではこの法律が同じ意味でできておるのだから、無理にそういう字を入れなくてもいいというので、同じにできているならはつきり入れたらいいじやないかと言いましたが、委員長との会見ですからはつきりした返事はなかつたのです。話は皆さんからした方がいいというならそれを入れてもいい……。これも法律の解釈を明瞭にするという意味で内容は変つていないと思うのです。そうですね法制局部長、いわば文字のことなんで……
#53
○太田敏兄君 入れることに……
#54
○委員長(小串清一君) 承知しました。これは衆議院も反対しておるのじやないので、これもそういう意味だから入れなくてもいいじやないか、同一じやないか、こういうことを言つておるのです。その外皆さんでこれをという……
#55
○羽仁五郎君 尚最後にこの点もお願いしたいと思うのですが、新聞の自由の件です。これは繰返して申上げるのは甚だ恐縮ですから省略いたしますが、二、三の少数の新聞が非常に面白くないことをするということを制限されようとして、その結果その制限を受ける方は立派な新聞が多々あるので、その立派な新聞の方から見ますと、自分達の新聞の中にある一、二の新聞を取締るということから、その立派な新聞に対する取締のことを議会の選挙法委員会がするということはどうも面白くないように思いますので、その点も御考慮願いたいと思います。それで今プレス・コードがあり又刑法の規定があり、これについての取締が十分行われておることでありますから、新聞協会が一応この辺で談合せられたというのはその前の状況から聞いておりまして、その前には評論の自由ということもなかなか御了解にならないというような形勢が衆議院の方でありましたので、それを了解されたというところで一応の満足の意を表せられたのだと思うのですが、その後それに対する但書を付け罰則を付けておるということは、プレス・コードがあり又刑法があるのであるから必要でない。必要でないことをされるために、やはりとかく新聞の自由というのを尊重されるという意味における積極的な御理解がないというふうな誤解を招いて、これは今後国会が言論機関の支持を受けて進行して行く上に如何かと思われますので、そういう意味で御考慮願いたいと思います。
#56
○委員長(小串清一君) これはちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#57
○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。
#58
○岡本愛祐君 この委員会で特に研究して頂きたいことは、先程問題になつた第三者の運動に関すること、それに関連して今度の衆議院議員選挙では八当五落という言葉が(答声)出て来たのですが、それは私は五十万円では落選八十万円なら当選ということだと思つたら、そうではなくて五百万円なら落選八百万円なら当選ということだそうです。そこで我々がこの選挙法の基本法を作りますときに、最も問題になつた一つはこの選挙費用のことであります。それでもう自由にしてしまえという柏木君の説もあります。併し我々は自由にしては今日本の民主化の程度においては金を使つた方が勝つ、それでやはり制限をしなければいかん。併し制限するにしても今みたいな有名無実な制限ですべての候補者が全部違反しておるというような制限ではいかんから、本当に我々が作つた選挙法が正しく行われるだけの選挙費用を基礎にしなければいかんということで、これは全国選挙管理委員会の方で今計算はして置いて貰うのだと思います。そこでそれはどういうふうになつたか、どういうふうに決めるのだということをこの委員会で尚検討する。而もその決め方が一律に地方区七十万円なら七十万円と決めるとか、或いは各府県の人口とか面積その他とかということを考慮に入れて、そして選挙費用の計算の案が立つておるのかどうか、それを確みてみたいと思います。
 それからその外に問題になつておるのは、第三者の選挙運動費用がどうなるか、会社の社長が立てば、会社の社長は、例えば制限が地方区七十万円全国区百万円と、こうして本人はそれを守るけれども、会社が第三者としてそれこそ八百万円も注ぎ込をするというのであれば全く無意味であります。こういう関係をどうするかということをこの委員会で愼重に検討して置かなければならん問題だと思います。だからその問題をこの次に取上げて、第三者の運動に関するものと一緒にそれを私は要望して置きたい。
#59
○委員長(小串清一君) 只今の御意見は衆議院の方でも非公式に話合つたのでありますが、大体有権者一人に対する定員の数でそれを割つたものに対していくらかけるというようなこともあつて今までやつていたことでよいのではないか。そんなことをただ少し話しましたが、これは法制局の方で規定があるそうでありますからそれを一応御説明願つて……
#60
○法制局参事(寺光忠君) 公職選挙法の方で申しますと、第百九十四條であります。「選挙運動に関する支出の金額は、公職の候補者一人につき、左の各号の区分による数を命令で定める金額を乘じて得た額を、超えることができない。」というので、参議院議員の選挙で申上げますと、「通常選挙における当該選挙区内の議員の定数をもつてその選挙の期日の公示又は告示の日において当該選挙人名簿に登録されている者の総数を除して得た数」ということなつておりまして、それぞれの各選挙区ごとに法定費用が違つて来るということになります。ただ政令でいくらにするということでございますが最近は一円ということになつております。
#61
○岡本愛祐君 この問題について我々の特別委員会におきまして、單に議員の定数を以て選挙人名簿に登録されているものの数を割つた数じや、それじや非常にいかんという議論も出ておつたのであつて、これでいいのかどうかということをもつと検討したい、こういう意味ですから誤解のないようにして下さい。
#62
○委員長(小串清一君) これは今日ということでなく、皆さんで研究しよう。(「そうです」と呼ぶ者あり)それじやそういうことに御了承願つておきます。
#63
○鈴木直人君 それから先程緑風会の会務委員会で問題になつた点ですが、事前運動というものが曖昧であるということなんです。その例に引かれたのは事前運動というのは選挙運動期間以前においてやるということがはつきりしておる。選挙運動とは何事かといえば、当選をさせるという目的を以て、特定の人を運動するというようなことになるわけですが、最近非常に今度の参議院は出足が早くて、そうして相当そういうふうな事前運動と思われる、これは法律的にはまだ事前運動ではないが、常識的に見て事前運動と見られるようなことが非常に多いということで、特に現職にある官吏で出張その他の名目を以て選挙区を歩くと、これは明らかにその人は参議院に立候補するということがはつきりしておる、というようなものが相当多くなつているというようなことが相当言われておりまして、従つて、この事前運動というものについてのはつきりした解釈というようなことをはつきりさせて、適用するというようなことについて研究すベきである。こういうふうな話がありましたが、これは選挙法の改正とは別個の問題と思いますけれども、この際に、立候補するということは、選挙運動期間に入つて初めて行われるものであるが、その候補者を或る特定の政党が公認するというような行為は、選挙運動期間に入つて初めて候補者というものが出て来るのであるから、その以前に候補者を公認するというようなことは、事前運動になるのではないかというような疑問もありましたが、その点はどういう解釈を以て立法しておるか、私もはつきりしなかつたのですから事務局の方の御意見を聞いておきたいと思うのです。或いはその他の一つ委員の見解もお聞きしたい。
#64
○小川友三君 今の政党は公認を予め半年も前から発表するということは、明らかな選挙の事前運動であるという解釈は正しいと思うが、法制局の意見を承わりたいのですが、それは選挙期間に入つてから公認を発表するのはいいけれども、半年も前から公認の発表してやるということは明らかな選挙運動だと思う。参議院候補者に我が党はだれだれを発表したということは、選挙の事前運動にピツタリ私は当嵌ると思うのですが、法制局の一つ御高見を承わりたいのですが。
#65
○法制局参事(寺光忠君) これも公職選挙法の方で申上げますと、選挙運動の期間というものを、第百二十九條に規定しております。「選挙運動は、各選挙につき、それぞれ第八十六條の規定による告示の日から、当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。」こういう規定がありまして、選挙運動が行われる期間というものを指定いたしておる。選挙運動とは何かという点については第十三章に規定しておるものであります。それからこの違反に対しましては第二百三十九條で「左の各号の一に該当する者は、一年以下の禁錮又は一万五千円以下の罰金に処する。第百二十九條又は第百三十七條の規定に違反して選挙運動をした者」それから只今の公認の問題につきましては、公職の候補者という者は、選挙の告示のある日以後でなければあり得ないわけでございますから、公認という問題もその時まではあり得ないものだと思うのです。
#66
○小川友三君 先生の御提案が非常に正しいのだと思いますが、予め半年も前公認候補を発表して、その運動に入つちやいけないから、今の法制局の見解で、第十三章の問題が生きて来るわけで、選挙違反行為を公認のままやつておるか何かしておるということであれば、これは一年以下の懲役、一万五千円以下の罰金になるという有資格者になるわけですね。これは間違いないと思いますが、その見解を一つ法制局から……。
#67
○法制局参事(寺光忠君) その点の消息ははつきり存じませんけれども、各党ともまだ公認ということはしておられないと存じますが。
#68
○委員長(小串清一君) 今の問題ですが、各政党が公認候補者を予定するということは、これは選挙運動にはならないと思うのです。その意味において社会党の諸君は、神奈川県では早く曾根君を公認とすると言つておりますが、これはしたという訳でなく予定をしておるのですけれども、その予定で運動しておられれば選挙運動になりますが、ただ予定しただけでは選挙違反にならんのじやないかと思います。法制局のお考えはどうですか。これは重大な問題で我々のところに始終聞きに来る問題です。
#69
○太田敏兄君 それに関連しましてやはりまだ政党の本部としては、正式に公認を発表したという手続をとつていないと思いますが、地方の末端の政党支部とかいうところでは、すでに支部の総会或いは大会でこの参議院の候補者は誰だということをすでに決議して、決めておるところがありますね。そういう問題を含めて法制局の御意見を伺います。
#70
○法制局参事(寺光忠君) 只今の委員長の予定という説も、外部的には予定の段階にも至らないと思いますがどうでしようか。
#71
○委員長(小串清一君) そうです、まだ別に働きかけない。
#72
○中川幸平君 この選挙法のできた際は事前運動は非常にやかましく言つたのです。例えば選挙が近くあるのに年賀郵便を出しちやいかんとか、演説会をしちやいかんとか、けれどもその後選挙法が現実にありながら事前運動を盛んにやれと、はつきりした事前運動はまあいけないけれどもやつていいじやないかということに変つて来ておるのです。併し惡質の事前運動はいかんですよ。従つて公認問題ですね。これは政党は各支部がそれぞれの予定を立てるのじやから、その候補者になりましたと言つて、ずつと歩くと事前運動でいかんけれども、政党自体が選挙対策として公認を予定する、或いは支部において決定をするということは、何ら事前運動にならんのですね。政党として当然の仕事であるからそんなことは事前運動としてやかましく言われる筋でない。実際の候補者としての運動は、各政党の候補者になつてからでなければできないことは分つておる。それをされても仕方がないと思います。
#73
○小川友三君 そこで中川先生のお話、又今の太田先生のお話がありましたが、支部で決定しておるということについては、それは予定決定というやつなんだ形体は。そこでこれは法制局の方で、今中川先生もおつしやいましたが、これは政党は予め何ヶ月前に公認を予定することは差支えないということならば、予定決定ならば、あれはしようがないですよ、実際は。ですからこれはまあ選挙法改正の中に入れとつたらいいじやないですか。入れとつたら、予めその予定決定は差支ないのだということを明らかにして置いたらこれは疑問は起きないわけでしよう。
#74
○中川幸平君 入れるまでもないこつちや。
#75
○小川友三君 一條を入れて置こうじやないですか。
#76
○鈴木直人君 今の公認すべき人を予定するということは選挙運動ではないから、事前運動でもないし……
#77
○委員長(小串清一君) 私はそういうように解釈してその通りに計つて置きました。それで八十六條にあるように公認候補者となるにはこれこれの期日以内に届出でなければならん。この届出を俟つて初めて公認候補となる、それから先ず政党が公認して初めて選挙運動に移るわけなんですからそれまでは本人が内諾してもその程度ですからそういうことはいかん。
#78
○小川友三君 衆議院のように突如解散という場合は予定公認候補ということはないわけですね、解散ですから。参議院の場合のように年限の規制ということで、すでに参議院の選挙運動は緒戰に入つたようなことが大新聞までも報道して大騒ぎをしておるわけでありますから、特にこの條項を一條入れる方が、検察側においても第何條に選挙法にあるじやないかということで予定決定はいいのだという判定が直ぐつくようにして置いた方が、これは非常に運営上選挙法を作るという立場から、特に大政党におきましては、皆予定決定みたいなものが発表されて、非常に動揺を選挙界に與えておるということは事実ですよ。予定決定に入らなかつた人はくやしがつておるし、入れた人はどんなもんだいと言つて非常に得意な動きをしておるわけですね。ですからこの一條を特に岡本先生一つ御批判を願いたいのですが。
#79
○委員長(小串清一君) 規定するのはむずかしいだろうと思います。そうすると演説会やいろいろやる人が、ポスターを貼つたりすることが皆全部選挙運動になつてしまう、誰か時局批判の演説会をやり、自分の党の宣伝をやる、失礼だけれども薬の公告で何されても咎められないわけです。だからそれは選挙運動と認めることは無理でございましよう。ただはつきりと人を多勢集めて今度の選挙に私は出るのであります、是非とも皆さん私に御投票を願いますと言つて演説をしたら、これは私は違反になり事前運動になるのではないかと思います。
#80
○鈴木直人君 今の問題はそれくらいにしましてちよつと速記を止めて下さい。
#81
○委員長(小串清一君) 速記を中止して下さい。
   〔速記中止〕
#82
○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。
#83
○岡本愛祐君 今問題になつておる事前運動ですね。これも第三者の運動と同じく至急この委員会で研究して頂きたいと思います。そこで私はこういうことを考えて見たらどうかと思うんですが、それは明らかに利益の提供を約して公職に選挙せられる準備をしたと認められるものは、利害関係者の申出によつて全国選挙管理委員会はその理由を審査しなければならないというふうな規定を置いて見たらどうかと思うんですが、これは余りに激しくなつておるので、現に我々の明らかに認めるところでも、某省の某次官は今度或る党の公認候補者として出るんだ、もう直きやめるのだということが新聞に書いてある。そうすると、その新聞の横に、各県の新聞ですが、その次官がやつて来て、そうして皆集めてあすこの橋をどうする、この道をどうするといようなことを相談している。我々も同じ宿屋でひの現場を見せつけられた。そうして各県をずつと歩いているというような、そういうような事実が確かにあるのだ。これはその人が全国区に立つならば、立つた人はその事実を確証をして、そうして全国選挙管理委員会に申出、その理由を審査する、そうして無効にするというふうな方法を採らなければとても始末がつかないと思うんです。で先程問題になつた公職の立候補制限を政府の次官や局長まにで及ぼそうという、それはできないから、私はこの方法でこれを取締つたらどうか、こういうふうに私は考える。これは皆さんにお研究置きを願いたい、こう思うのです。
#84
○羽仁五郎君 今の岡本委員のお説は大変筋が通つているのですが、大体において私も賛意を表したんですが、要するに第三者の場合にせよ、事前運動の場合にせよ、その候補者がその人の識見を以て選挙に向つて言論の自由を以て訴えられたということは、これは選挙の自由であつて、やはりこれに対する制限というものは理論上認め難いように思うのです。問題は第三者の運動とか事行運動とかいうよりも、むしろつまり買收なり不当なる選挙運動の行為というところに重点があるのだと思うんです。ですからこれが官僚的に解釈されるとこういうことをしたから、ああいうことをいたからということで取締ろうとするのですが、そういう形式的なふうに考えないで、それが実際人の判断を誤らいむる、つまり惡意を以て、そうして買收或いは今のような立場を以て誘導するというようなことは、これは選挙の自由とは全然別箇に、むしろ選挙の腐敗をさせる行為でありますからこれを禁じ、或いは罰するということは選挙の自由を守ることにおいて矛盾はないのであります。
#85
○委員長(小串清一君) そうすると先刻から岡本委員の御意見に皆さん苦鳴しておられると思います。実際研究の余地が先刻の分も只今の分もあると思いますから、その結果によつて適当にこの公職選挙法の中へある問題を入れるか、或いは施行規則において第何條にこうこういうものはいけないとか施行規則において加えるというようなことにすればいいのじやないかと思う。これは一つ御研究なすつて、この次の委員会でこんなふうにしたらどうだということを、これは法制局の方でもお調べ願いまして、これはやつたらどうかと思います。
#86
○小川友三君 そこで法制局にその資料を出して頂き、その資料に裏付けをしまして、選挙の事前運動の判決例が沢山あるわけですから、その判決例を是非集めて頂きまして、これも事前運動で引掛つておるという判決例を收集して貰いたいということを委員長、一つ法制局からまとめて頂きましたら、それを参考といたしまして、やりたいと思いますから、よろしくお願いいたします。
#87
○委員長(小串清一君) この際鈴木さん、岡本さんからの御註文があつて法制局で書上げておる対照表ができないようでありますから、それはこの次にしましよう。今日御相談になつた点は、皆さんが主力を注いで御研究になりました三つ、四つの問題、尚外の問題も法制局の方と相談して、多分リゾーという書記官と交渉するのだろうと思いますが、私が打診……交渉といつても余り威張つて行れないから、打診して、成るべく向うと……見当のつきそうなことはそれは又寺光さん、事務当局と相談してやりますからお委せ願いまして、少くとも二、三日中に再開までにはその様子を申上げましよう。今日はこの程度にして散会いたしたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議ない」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。散会いたします。
   午後零時三十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大野 幸一君
           鈴木 直人君
           羽仁 五郎君
   委員
           姫井 伊介君
           中川 幸平君
           藤井 新一君
           岡本 愛祐君
           柏木 庫治君
           來馬 琢道君
           島村 軍次君
           宿谷 榮一君
           太田 敏兄君
           小川 友三君
  法制局側
   参     事
   (第二部長)  寺光  忠君
ソース: 国立国会図書館
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