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1983/10/06 第100回国会 参議院 参議院会議録情報 第100回国会 運輸委員会 第1号
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1983/10/06 第100回国会 参議院

参議院会議録情報 第100回国会 運輸委員会 第1号

#1
第100回国会 運輸委員会 第1号
昭和五十八年十月六日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         矢原 秀男君
    理 事         梶原  清君
    理 事         下条進一郎君
    理 事         瀬谷 英行君
    理 事         桑名 義治君
                江島  淳君
                小島 静馬君
                小林 国司君
                佐々木 満君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
                木村 睦男君
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十六日
    辞任         補欠選任
     佐々木 満君     斎藤 十朗君
 十月六日
    辞任         補欠選任
     小林 国司君     石井 一二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢原 秀男君
    理 事
                梶原  清君
                下条進一郎君
                瀬谷 英行君
                桑名 義治君
    委 員
                石井 一二君
                江島  淳君
                小島 静馬君
                斎藤 十朗君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                吉村 真事君
                小柳  勇君
               目黒今朝次郎君
                小笠原貞子君
                伊藤 郁男君
                山田耕三郎君
   衆議院議員
       発  議  者  三塚  博君
       発  議  者  佐藤 守良君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  長谷川 峻君
   政府委員
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     林  淳司君
       運輸政務次官   関谷 勝嗣君
       運輸省鉄道監督
       局長       永光 洋一君
       運輸省自動車局
       長        角田 達郎君
       運輸省航空局長  山本  長君
       気象庁長官    末廣 重二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       法務省民事局参
       事官       宇佐見隆男君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤 哲也君
       外務大臣官房領
       事移住部領事第
       二課長      田中 三郎君
       運輸省航空局技
       術部長      長澤  修君
       自治省財政局指
       導課長      浅野大三郎君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      半谷 哲夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      橋元 雅司君
       日本国有鉄道常
       務理事      三坂 健康君
       日本国有鉄道常
       務理事      竹内 哲夫君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      仁杉  巖君
       日本鉄道建設公
       団理事      松尾 昭吾君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (大韓航空機撃墜事件に関する件)
 (国鉄貨物合理化に関する件)
 (国鉄経営再建問題に関する件)
 (青函トンネル問題に関する件)
 (日本貨物航空問題に関する件)
 (タクシー運賃改定に関する件)
 (三宅島噴火に関する件)
 (国鉄バス合理化に関する件)
 (国鉄ストによる損害賠償訴訟に関する件)
 (民間航空機の安全確保に関する件)
○全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(矢原秀男君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のうち、大韓航空機撃墜事件に関する件について、外務委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(矢原秀男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁仁杉巖君、同公団理事松尾昭吾君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(矢原秀男君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○瀬谷英行君 最初に、大韓航空機の撃墜事件について質問したいと思います。
 これは、いま議決をされましたように、連合審査会を開会いたしましてそれぞれの立場からの参考人の意見を聞くことに決まりました。連合審査会の場合は、各方面の専門家の意見を聞くというだけでございまして、質疑もその参考人の意見陳述に対する質疑ということになると思います。連合審査会ではそこで改めて関係の外務大臣あるいは運輸大臣等に対する質問というものは予定されておりませんので、この連合審査会が終わった段階でまた改めて関係大臣に対する質疑を行うという機会を持っていただきたいというふうに考えるのでございますが、その点大臣の方の御見解はどうでしょうか。
#12
○国務大臣(長谷川峻君) 大韓航空の撃墜された原因というのはなかなか大変でございますから、ぜひひとつしっかりと御究明願い、その場合にまた私たちが出席するようなことがあれば、これは委員会の問題としてお決めいただけばいつでも出てまいります。
#13
○瀬谷英行君 実はこの問題は、運輸委員会の場合は、なぜ大韓航空機が領空侵犯をしたのか、それから領空侵犯をせざるを得ないような事情があったのか。今度は外交的には、たとえば外交交渉でもって外務大臣はソビエトに対する賠償請求もやるのだ、こういうふうに言っているんです。ただ問題は、賠償請求をやるのだと力んでみたところで、なぜこうなったのかということの真相を明らかにしないで賠償請求だけやるといったって、これは当然空回りするわけです。それでは、賠償請求も何にも、遺族の人がどんなにやきもきしてもどうにもならぬことになると思います。したがって、その真相究明というものはやはり総合的に行う必要があるのじゃないかという気がするのでありますが、その点についてはどうですか。
#14
○国務大臣(長谷川峻君) 究明ができれば何よりだと思います。そういう上に立って主張することは非常に強うございます。しかし一方また、それを持っているわけにもいかない賠償の問題がございましょう。そうした問題も片づけあるいは推進していくということも必要じゃないか、こう考えます。
#15
○瀬谷英行君 ただ、たとえば交通事故にしても、加害者と被害者があって、どちらにどういう責任があるかによって内容は違ってくるわけですね。たとえば自動車でもって人をはねた。それが無免許、酔っぱらい運転である。はねられた方には過失はない。こういう場合には全面的に加害者が責任を負わなきゃならぬ。ところが、そうじゃなくて、逆に被害者の方が酔っぱらっておったとか、加害者は正当に走っていたにもかかわらず、横合いから飛び出してはねられた。あるいは交通信号を無視した、赤信号を横断しようとした。こういうことになってまいりますと、これは被害者に責任が出てくるわけです。
 たとえば鉄道事故の場合でもそうですね。踏切の警報があるにもかかわらず、警報を無視して横断しようとして汽車にはねられた。こういう場合には、鉄道の側に責任はなくて、はねられた方に責任がある。こういうふうに内容が違ってくるでしょう。だから、内容がどちらが悪かったのかということを明らかにしないまま賠償請求をするといったって、その賠償請求自体が宙に浮いてしまうんじゃないですか。その点どうでしょう。
#16
○国務大臣(長谷川峻君) そういうこともあり得るでしょう。しかも相手は全部死んでおりますから、何ら証言する者はいないわけです。そして日本人がそこで二十八名もやられていますから、真相究明まで時間がかかるでしょうけれども、これはやはり努力をして熱意を示すこと、これが大変大事なことで、幸いいまICAOの諸君が日本に来て事情聴取をそろそろやっておりますから、いろんな機会においてですね、とにかく平和な人間が一瞬にして三百人近くがやられた。これだけ厳然たる事実があるんですから、やった者がいる、やられた者もいるんですから、そういう意味ではできるだけひとつ真相究明に持っていくことが将来のためになるんじゃないでしょうか。
#17
○政府委員(山本長君) 大臣の御説明を補足いたしたいと思います。
 先生いまおっしゃるように、何よりも原因の究明というものが先決であるということはおっしゃるとおりだと思います。わが国もそういう立場に立ちまして、この事故の原因の究明というものは、わが国だけでもってはなかなかなしがたい。関係国がございまして、これはアンカレジから出た飛行機でございますからアメリカ、それから日本の上空を通っていく飛行機でございますし、日本の管制区を一部通ってくる予定になっておる飛行機でございましたので日本が関係があります、韓国が関係があります。それからソ連が当然関係してまいります。こういった関係国の諸データ、諸資料というものもやはり考えて詰めて判断しなければならない問題でございます。
 そういう観点から、この真相の究明というものはICAO――国連の民間航空機構でございますけれども、その場において究明がなされるのが一番適切であるということを日本側も主張いたしまして、先般ICAOの特別理事会におきまして決議がされました。これは先月の十六日でございますけれども、理事会は事務局長に対しまして、早急にこの調査を開始する、そして三十日以内に暫定報告をICAOの理事会に報告すること。それから次回の理事会、これは十一月から十二月にかけて開かれる理事会でございますけれども、その理事会にファイナルな、最終的な報告を提出することということを理事会がICAOの事務局に命令をいたしました。その命令に従いまして、ICAOの事務局、これは各国から出ておりますICAOの技術的な専門家が中心でございますけれども、現在日本にも参っておりまして、われわれから事情を聴取しておる。私たちも持っているものを包み隠さず提供いたしましてその判断に資したいと思っております。
 こういった観点から日本もICAOの調査に全面的に協力いたしまして、一日も早く真相が究明されるということになるようにわれわれも努力をいたしておるところでございます。
#18
○瀬谷英行君 ICAOで真相究明のための努力が行われているということでありますが、その場合に問題になってくるのは、大韓航空機の航路変更に伴うすべての事情、こういうことがわからなければどんなにがんばってみたところで真相の究明ができないわけです。
 そうすると、日本としても協力しなきゃならぬ問題があるわけですね。たとえば、大韓航空機からの連絡を受けていたところ、それから大韓航空の飛行機の航路を承知していた個所、運輸省だけではなくて、これは防衛庁も関係してくると思うのであります。外務省も関係してくると思うのであります。それぞれの個所が知っている情報を提供しなければ真相はわかりにくいわけです。まあことでは防衛庁のことを言ってみたところでしようがないし、外務省のことを言ってみたところで
しようがないから、それは連合審査会という別の機会に譲りたいと思いますが、運輸省として知り得た範囲では、どこまで運輸省としてつかんでいたことになっているのか、その点もはっきりさせてもらいたい。それはまた、ないしょにする必要もないし、またするわけにもいかぬだろうと思うのでありますが、その点どうですか。
#19
○政府委員(山本長君) 運輸省でつかんでおる事実といたしましては、大韓航空機から出てきております飛行計画というものもございますが、最もこれに関連があると思われますものは大韓航空機と運輸省の管制機関との間の交信でございます。
 この交信記録は、長くなりますので説明を省略いたしますけれども、大韓航空機がアンカレジを出ましてからアリューシャン列島に沿い、かつカムチャツカから千島の東側を経て日本に入ってくるわけでありますが、ちょうどその途中に、カムチャツカの南端の東に当たりますけれども、位置通報点というものがございます。ここから日本の管制機関が交信をする、こういう取り決めになっております。これがニッピというところでございますけれども、一日の二時過ぎでございました。このときから交信が始まっておりますが、交信記録をずっとたどってみますと、記録によりますれば、大韓航空機は正常にそのニッピという地点を通過いたしまして、そして高度を上げて次にノッカというところに何時何分に到着してそれを通過する、こういう報告がございました。その後、高度を上げる許可を求め、許可をいたしますと、それを了解した、こういうふうな交信もございました。一日の三時二十七分でございますけれども、大韓航空機の方から日本の管制機関を呼び出しまして、こちらは大韓航空機、こういう情報を最後に情報がとだえたわけでございます。
 この交信記録については運輸省は公表しておりますが、この交信記録を見る限り、大韓航空機がコースを外れているとみずから認識していたというような言葉はございませんし、それから交信記録を聞いてみましても異常な状態というものが受け取れない、大韓航空機自身としては平常に飛んでいるという認識をしていたのではないかと想像されるような交信記録でございました。以上でございます。
#20
○瀬谷英行君 大臣の衆議院に行かれる時間の都合がございますから、一つだけ、では大臣にここでお伺いしておきたいんですけれどもね。
 いま説明によりますと、ニッピを通過した交信が最後になっておる。そのニッピ通過の際の交信では、正常に飛んでおると思った。こちらの方では、交信に関する限りはそう思ったと。しかし実際には、航跡はすでにニッピから外れているわけなんですね。
 それで、私も日本航空でいろいろ調べてまいりましたけれども、この飛行機が現在地を確認する方法がないままで飛んだのかどうかということなんです。それは、レーダーがあって、千島列島、サハリン、全部半径三百マイル以内はレーダーに鮮明に映るようになっているというのです。そうすると、そのレーダーを見ていれば、ちゃんと決められたコースを飛んでいるのか、コースを外れているのかというのがわかるようになっているんですね。にもかかわらず実際はコースを外れていた。そういうことが一体あり得るのかどうか。地上だったならば交通標識もあるし、道路標識もある。当然これはわかるわけです。しかし空だから、空を飛んでいる場合はウワノソラでさっぱりわからない、こういうことにはならぬと思うのです。レーダーに映るんですから。
 みずからの位置を認識し得ないで飛ぶということがあり得ることなのかどうか。その点はどうですか。
#21
○説明員(長澤修君) ただいま先生のお話がございましたのは、ウエザーレーダーによって、ウエザーレーダーをマッピングという地上の地形をサーチする形で使って飛行いたしますと、ただいま先生のお話がございましたように、三百キロぐらいは鮮明に地上の地形がとらえられるわけでございます。したがいまして、大韓航空機が自分の位置がどこにあるかということをウエザーレーダーでチェックをしておれば、当然自分の機位についての何らかの疑問を持ったかもわかりませんが、現在私どもが知り得ております情報では、どうしてそういうことになったのかということが全く推量のしようもないというほど、非常に何といいますか、どういうふうに考えたらいいのかということが非常にむずかしい状態であるというふうに思っておる状況でございます。
#22
○国務大臣(長谷川峻君) 瀬谷さん、これは私はこの前あなたの質問にもお答えしたことがある。本当にミステリーだということを申し上げたんです。これはいまの航空技術からすると、ちゃんとINSが三基あって、それを見て乗っておる。乗ったら最後、一台が故障しても大丈夫、二台が故障しても大丈夫、こういうことでみんなどこの国の操縦士もそれを頼ってやっておる。それは全然故障していない。そして最後の瞬間まで室内は非常に平静の中に応答してきておる。それがばんと落ちて、沈んだ。私たちも、だから落ちたという話を聞いて、途端に海上保安庁あたりに、根室の方に巡視艇が警戒に行くべきじゃないかというふうな話であったが、そのうちにふたをあけてみたら、いや違う、サハリンの方だというふうなことがありましてね。そしていま見れば、どうしても原因というものが、相手は全部死んでいるし、そして落としたというやつもそこにおるが、一週間もたってからその点発表したんです。遺体がいま散っているわけでありまして、この真相究明ということは、本当にこれはよっぽど力こぶを入れてやらない限りは大変なことになる、こう思う。どうぞ慎重に御審議のほどをお願いします。
#23
○瀬谷英行君 それでは、大臣は時間の都合がございますから、衆議院の方に行かれても結構でございます。
 ただ、この問題につきましては、やはり短時間のちょっとしたやりとりだけではわからない点がございます。連合審査で参考人の意見を聴取をした上で、再度この問題についていろいろと質疑をする機会を持っていただきたいということをあわせてお願いをしまして、大臣に対する質問は一応終わりたいと思います。
 それで、もう一つ大韓航空の問題で不思議に思いましたのは、領空侵犯をやってはならない場所というのが決まっているわけなんですね。決まっているというか、地図をもらってきたんですけれども、この航路地図を見ますと、入ってはならない場所が色刷りになっているんです、こういうふうに特に。この色刷りの地域には入っちゃならないということが書いてあるわけです。特にサハリンも千島列島もカムチャツカ半島もノン・フリー・フライング・エリア、こういうふうにはっきり書いてあるんですね。言ってみれば、これは立て看板で言うなら立入厳禁といったようなものでしょう。
 そこへ二時間以上も入っていたということになる。これは、善意の過失なのか故意の処置なのかということによって責任の度合いが全然違ってくるというふうに考えられます。故意にここへ飛び込んでいったのならば、責任は全面的に大韓航空が負わなければならぬということになってくると思うのでありますが、こういうことを日本航空のパイロットは承知しているんだが大韓航空のパイロットは承知していないということはこれまたあり得ないというふうに私は思うんですけれども、このような地図は日本でできた地図じゃないんですから、恐らく大韓航空も共通の地図を持っていると思うんです。そうすると、大韓航空のパイロットも同じような認識を持っていたはずだと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
#24
○説明員(長澤修君) ただいま先生がお示しになりました地図は、世界の多くの航空会社が使用しておるというふうに承知しておりますので、恐らく、大韓航空がこれを使っておったかどうかの確認はいたしておりませんが、こういう路線を飛ぶパイロットの常識として、そういうことがあるということは認識しておるというふうに考えるのが通例ではないかというふうに思います。
#25
○瀬谷英行君 それでは、大韓航空に関する質問は明日の連合審査もございますので、一応私はことで打ち切らせていただきます。
 国鉄の問題についてお伺いをしたいと思うのでありますけれども、五九・二のダイヤ改正といったようなことで貨物輸送が全面的に今度は変わってくる。しかし、これについては、いろいろと各地域地域でもって反応の仕方が違ってくると思うのであります。必ずしも国鉄が考えておることに対して利用者なりあるいは地域なりが賛成をしているとばかりはとれない点がこれは多々あると思うのであります。だから、その点についてまず国鉄総裁から、この五九・二のダイヤ改正のねらいがどういうものであるとか、それからそれに対して今日までそれぞれの地域あるいは荷主、関係業者等からどういう反応が起きているのか等についてひとつお示しいただきたいと思います。
#26
○説明員(高木文雄君) 今回のダイヤ改正の考え方は、約百年続けてまいりました、各ヤードにおいて車両を切り離しまた連結をするという作業の繰り返しを通じて全国どこからでもどこへでも送れるというシステムでありましたものを、一口に申しますと直行型の輸送体系に切りかえようというものでございます。
 なぜそういう考え方をとるかと申しますと、貨物輸送が単にシェアだけでなくて絶対量においても減るようになってまいりましたのは四十五、六年からでございますけれども、特に近年三、四年の間、急激に対前年一割前後も輸送量が減るという事態に陥ってまいりました。その理由は、いろんな意味でサービスがよくないということによるものではありますけれども、また、他の輸送手段と比べて輸送のお値段が相対的に高いということでありますけれども、中でも、やはりこのごろはどうもスピードが遅いということが、値段もありますけれどもスピードが遅いということが問題になってくるようになってまいりました。
 かねがね、ヤードシステムによる輸送というのはこれでいいのかどうかということは前から問題になっておりまして、その一つの対応策としてコンテナというものがもうすでに二十年近く前から始められてきたわけでございますが、コンテナももう一つ伸びないという状況におきましていろいろ考えました末、非常に問題は多い、影響は多いとは思いますけれども、思い切ってヤード系輸送をやめてしまおう。そして逆に直行系輸送あるいは専用貨車輸送、そしてもう一つ数量のまとまらないものについてはコンテナ輸送ということで対応していくことにしようということにいたしたわけでございます。
 いままでもそうした考え方はわれわれの中でもありましたし、外からもいろいろ言われておったわけでございますが、なかなか踏み切れませんでしたのは、いろんな意味での影響が余りにも大きいということから、気迷いを持ちながら踏み切れずにここ数年経過してきたということでございます。
 そこで、私どももこのことは、貨物輸送の効率化のためには一面絶対的に切りかえを行わなきゃならぬということを考えながら、同時に大変影響が大きいということを十分認識しておるつもりでございまして、内々立案をいたしました約一年半ぐらい前から諸準備を進めますと同時に、荷動き等の調査もいたしまして、その上で現在の案に到達をいたしたわけでございまして、今年の一月末に方針を決定いたしましてからは、各荷主さんを中心にして御説明を申し上げたり、対応策について御相談を申し上げたり、繰り返しそれを行ってまいりました。それで今日の段階ではかなりの程度荷主さん方には御理解をいただくことができたと思っておりますけれども、まだ地域の方々には十分理解をいただけない面がいろいろあります。と申しますのは、一般の方々の目にとまりますのは駅なり現に走っておる車両でございまして、ヤードというものは一般の方々にほとんど目にとまらない形になっておりますので、ヤード作業というものがどういうものなのか、そして、それをやめるということと駅の廃止という問題とのつながりといったようなことについてはなかなか一般の方にはわかりにくいということもありますために、理解をいただくのにやや時間がかかっておるということでございます。
 しかし、ただいまるる申し上げましたように、影響が大きいということはもう十分認識しておりますし、まさにそのことのゆえに今日まで決断がおくれたということでもあるわけでございますから、広く理解を得ることがいかにこの切りかえを行うのについて重要であるかということは承知をしておるつもりでございまして、いままだたくさんの市町村初め地域住民の方々から反対の御意見を賜っておりますけれども、全管理局を通じましてそれの理解を深めていただくべく努力いたしておるところでございます。
#27
○説明員(橋元雅司君) 総裁のお話にやや具体的に補足させていただきたいと思います。
 まず、ダイヤ改正作業は大変順調に進みまして、本日のところ大体最終的な計画を確定いたしました。本日、その確定いたしました計画を内外に発表させていただくという予定にいたしております。
 主な問題点を五つばかり申し上げたいと思いますが、何と申しましてもまず第一は貨物駅の廃止の問題でございます。駅を八百駅程度をいま四百六十駅にするということでございますので、貨物駅を存置してもらいたいという御要請が圧倒的に多うございます。しかし私どもは拠点間直行輸送体系に早く全面的に切りかえなきゃならぬということで、駅の配置計画はその前提になりますものでございますから、これは例外なくひとつ計画どおりさせていただきたいということで、全力を挙げていま荷主の御了解、関係自治体にも御説明、御納得いただくように最大限の努力をいたしておるところでございます。私どもは、駅は廃止いたしますけれども、いわば鉄道輸送と道路輸送の最適な組み合わせをどうするかという問題であって、駅から駅の輸送というよりも荷物は戸口から戸口まで動くわけでございますから、そういった形でたとえばコンテナ化をお願いするとか、あるいは通運事業者とともに完結した輸送を行っておるわけでございますが、その通運事業者の方々とも相談をいたしまして効率的な集配体制、たとえば通運のデポをつくるとかというような形で広域的な集配体制を確立したい。あるいはいろんな補償制度がございますので、こういった補償制度を活用していただいて若干の激変緩和措置をお願いするというようなことをいま申し上げておるわけでございます。
 それから二番目に、分散型の農産品の輸送体制の問題でございます。たとえば米であるとか、あるいは肥料であるとかいうようなものでございますが、これも農水省、食糧庁あるいは全農あるいは県の経済部等々関係の方々ともう数十回お打ち合わせを重ねております。これは中央段階でもあるいは地方段階でもそうでございますが、そういったお打ち合わせを重ねましてかなりコンテナ化が進んでまいりましたので、それを中心に具体的に折衝を申し上げているところでございます。
 それから、季節的に動く農産品がございます。たとえば西日本からのミカンであるとか、あるいは青森、長野のリンゴ、あるいは北海道のバレイショ・タマネギ、あるいは米も季節的でございますが、そういったものについてどうするかということで、これも具体的に個別にお話をしているところでございまして、ある場合にはコンテナ化は当然でございますが、広域集貨体制あるいは臨時にコンテナあるいは車扱いの直行列車を設定するというようなことも、話し合いで進んでおります。
 それから、大変問題になりますのは化成品でございまして、現在四百万トン以上運んでおるわけでございますが、このうち半分程度は直行輸送体系にすでになっておりますからそれは問題ございませんが、残りのものをどうするかということで、これも個別の荷主さんあるいは関係団体とお話をしたわけでございますが、たとえば数日分を一列車にまとめて送る、そのために中継保管のた
めの施設が要る。それは貨物跡地を利用して使わせてくれというようなお話もございましたり、あるいは再託送といいまして直行列車の間の乗りかえと申しますか、そういった形で救済する、あるいは計画にはちょっとございませんでしたが、停車駅を追加するということで問題の解決を見たというようなものもございます。そういったことでこれは化成品につきましては大体問題がおさまってまいったんではないかと思っております。
 それからあと、火薬であるとかあるいは変圧器等の特大貨物がございますが、これも臨時の貸し切り列車を仕立てるということで、これはもう荷主さん、発駅、着駅がはっきりしておりますので、具体的にお話をしているということでございます。
 そのほかにもいろいろの問題はございますけれども、一つ一つきめ細かに対応していくということで、ぜひひとつ来年二月円滑に新ダイヤに移行したいということでございます。実は、総裁が申し上げましたようにかつてない大規模な、そしてまた質的にもかつてないダイヤ改正でございます。したがいまして、この移り変わりがこれから非常に大変でございます。移り変わりにつきまして本当に細心な注意を払いまして円滑にやってまいりたい、こう思っているところでございます。
#28
○瀬谷英行君 問題は、国鉄のそろばん勘定だけで事を運んでいいかどうか、こういう問題があると思うんです。
 この間、足尾の銅山のある足尾町までちょっと行って、向こうの地域の事情も聞いてまいりましたけれども、ああいう山の中の町ではそれこそ国鉄というのが唯一の足なんですね。足尾町のアシなんですよ、鉄道が。しかも銅山の整品の運搬に欠かせない足なんです。それがもし国鉄に逃げられてしまうと、銅山の方もドウにもならなくなる、町自体が首を絞められるというような結果になる、こういう深刻な問題があるわけです。これはもう北海道においても九州においても、国鉄が撤退をすることによっていろんな影響が出てくる。個々の例を挙げるともう時間がございませんから一つ一つ申し上げませんけれども、そういう具体的な事例に対して国鉄がどう対応するのかということは、国鉄自体のそろばんの問題でなくて国鉄の役割りの問題として考えなきゃならぬだろう、こういう気がするんですね。
 その点は今後の国鉄経営のあり方ということとかかわりを持ってくると思う。分割民営といったようなことが臨調の答申で出ておる。しかも中曽根総理大臣は、臨調の答申は尊重すると言っておる。尊重するということになると分割民営はやるということになる。それでは全国的な貨物輸送、これは貨物輸送に限らないけれども、全国的な輸送方式というものは分割によって一体どんなことになるのか、運賃は一体どういうことになるのか。同じ賃率というものは旅客でも貨物でもこれはできないことになってくるんじゃないかということになると、交通体系としても考えなきゃならぬということになると思うんですが、国鉄がいま置かれている立場、それから国鉄がやろうとしている事柄、それがどういうことになってくるのか、今後の問題と関連して総裁の考え方をお伺いしたいと思います。
#29
○説明員(高木文雄君) 今回かなり思い切ったことに踏み切りました理由は、確かに赤字ということ、これを解決しなければならないということに一つの踏み切りをする契機があったわけでございますが、さて、では赤字を解消するにはどうしたらいいか、貨物についての赤字を解消するのにどうしたらいいかということを考えますと、やはり何としてもコストを減らさなきゃいかぬ。コストを減らすといった場合に、どこにコストがかかっているか、やはりヤードに大変コストがかかっておるということでございます。
 しかし、赤字を減らしますためには単に経費を減らすだけではいけないわけでございまして、収入を確保しなければならない。ところが、ここ三年間、毎年残念ながらステディーに一割ずつ輸送量が減ってくる。これはなぜかということを考えますと、やはり貨物輸送というもののサービスがよくないということにほかならないと考えられるわけでございまして、トラックの方が便利だということであるかと思います。
 そこで、よく言われます総合交通体系をどうするかということを貨物について考えます場合には、橋元常務が申しましたように戸口から戸口への輸送をやることができないわけでございますので、どういうふうにすることによって通運とオンレールとをうまくつなぎ合わせながらいいサービスにするかということしかないわけでございまして、その意味で、貨物輸送から撤退するとか貨物輸送をやめるとかいうことでなくて、むしろ貨物輸送についてのある安定した姿を見つけ出したいということで輸送方を変えることに踏み切ったわけでございますので、将来に向かって貨物輸送をやめるとか漸次撤退していくとか、そういうことはいま考えておりません。五十三年から五十五年、五十七年と三回にわたって大規模にダイヤ改正をし、駅を減らし、縮小してまいりましたが、今回のはそれとは大分趣が異なりまして、むしろシステムを変えることによって貨物輸送の安定的な姿を見出したいと考えるわけでございます。いままでよりも早く目的地へ物を運ぶことができるということになれば、まだまだ鉄道輸送に適した貨物の量は相当あるわけでございますので、これを安定的に確保したい、毎年一割も減っていくという状態をただ傍観しているわけにはいかないという考え方でございます。
 なお、民営化論あるいは分割といった議論がございますけれども、それとの関連で申しますと、経営組織が民営化されるとか分割されたならば貨物輸送が不可能になるかどうかということでございますけれども、これはかなり影響があることは間違いがありません。いまお触れになりますように、各会社ごとに運賃が違うとかなんとかいうことになりますと、かなりそういう意味では問題があると思っております。しかし、アメリカのように、旅客輸送はほとんど絶滅をしてしまった、ただ貨物輸送の方は今日でもますます発展をしておるといいますかいわば元気に動いておる国の様子を見ますと、御存じのように貨物輸送会社が複数あるわけでございまして、貨物輸送会社が複数ありながらなおかつあれだけ広い国で太平洋岸から大西洋岸まで輸送ができるという実態を見ますと、分割とか民営化とかいうことになりました場合にそのために貨物輸送が不可能になるということはないのではなかろうか、いろいろ知恵の出し方はあり得るのではなかろうか、いろいろ今日までのやり方に比べてマイナス面も伴ってきましょうけれども、全くそのことのゆえに民営分割ができないということではないのではなかろうかというふうに想像しております。また、ヨーロッパ等におきましても、国が違いましても国境を渡って貨物は走っておるわけでございますから、そこらはやはり工夫の余地はあるのではないかというふうに考えます。
#30
○瀬谷英行君 分割民営によって大きな影響をこうむるであろうということは総裁自身がいまお認めになりましたが、その分割民営というのが一体具体的にはどうなるかということを一つ一つ取り上げてみると、非常に多くの問題が出てくると思います。
 たとえば青函トンネル、まさに完成間近ということになりましたけれども、青函トンネルを一体どういうふうにするのか、その費用はだれがどうやって負担をしていくのか、あのトンネルの利用方法はどうなるのかといったようなことは、当然分割民営の問題とも絡んでくると思うんです。それから、北海道からの本州との間の輸送形態というのも、分割民営によっていやおうなしに変わらざるを得ないと思います。したがって、まず具体的な問題として、青函トンネルの利用方法、それから現在どういう構想でもって作業が進んでいるのかといったような問題等についてもお伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(永光洋一君) 青函トンネルにつきましては、やはり当面は国鉄の在来線を利用すると
いうことをたてまえに建設を進めておるわけであります。御案内のように、トンネルは国家的財産として広い見地からその有効利用を図ろうということで、せんだって来懇談会を大臣のもとでつくりまして、そのもとに研究会で現在何回か会合を重ねまして、その有効活用について議論を重ねておりますが、現在の段階におきましては、その研究会では大体ほぼ結論を得て、中間的に懇談会に報告をしたいという段階になっております。その議論の過程におきましていろいろ有効活用の方法を考えたようでありますが、道路そのものとして使うというような考え方もいろいろ問題があって、やはり軌道系として活用すべきではないか、こういうような考えのようでありまして、軌道系として在来的な鉄道以外にいかなる活用法があるかということを最終的におまとめのようであります。
 それで、われわれとしては、従来の在来鉄道で利用する以外に何か別途有効な方法はないかということは別としまして、当該トンネルについての国鉄の財政に対する関係でございますが、これにつきましては、臨調の答申におきましても「国鉄の経営を圧迫しないよう国は措置する。」ということがうたってありまして、そういう趣旨を踏まえて今後再建監理委員会におきましても御検討になると思います。われわれとしても、基本的に国鉄再建との関連に十分配慮しながらその問題は取り扱われるべきものと考えておるところであります。
#32
○瀬谷英行君 国鉄の経営を圧迫しないようにということは、具体的に言うと、国鉄にはその負担をかけないようにということになるわけですよね。そうすると、一体鉄建公団、こさえてきた方ほど乙から金をもらうかという問題が今度は具体的に出てくると思うんですが、その点もう話は詰めてあるんですか、どうですか。
#33
○政府委員(永光洋一君) 確かに、鉄建公団は有償でこれをやっておりますので、それに対する措置ということは問題になると思います。臨調の答申でも、財源措置等を頭に入れて国は措置をしなさいというふうに答申がありますので、国鉄の再建に配慮した形でトンネルを利用するという場合の財政措置等については、現段階においては具体的にまだ詰まっておりませんが、今後の検討としては当然出てくると思います。
#34
○瀬谷英行君 もうトンネルはでき上がってしまって、線路を敷くというところまで来ているわけです。いまさらこれを自動車道路というわけにはいかないと思うんです。自動車道路にするんじゃやはりいろいろと、換気の仕掛けが要るだろうと思うんですね、普通のトンネルと違って天井に穴をあげるわけにいきませんから。そうすると、どうしても鉄道を通さなきゃならぬということになるでしょう。鉄道を通すということになると、そのいままでかかった金はどこが払うかという問題が差し迫った問題だろうと思うんですよ。国鉄の経営を圧迫しないようにということになると、国鉄はそうでなくたって火の車なんだから、こんなものは払えませんというふうにならざるを得ないと思うんでありますが、その場合は一体どういうふうに措置をするつもりなのか。分割民営によって事がますますこれはおさまらなくなると思うのでありますが、どっちにしても、いままでかかった金はどうやってだれが払うのか。その点はもうそろそろ結論を出さなきゃならぬ段階だと思うのでありますが、その点はどうですか。
#35
○政府委員(永光洋一君) 非常にごもっともなお話でありますが、開業までまだ若干の時日がございますし、国鉄再建の問題のために解決すべき課題の一つとしてわれわれも非常に念頭にあるわけでございまして、長期債務の問題等も含めて現在国鉄再建監理委員会において検討をお願いしておるところでありますので、もうしばらくその御検討をお待ちして適切な対応を図りたい、こういうふうに考えております。
#36
○瀬谷英行君 長期債務の問題、それからトンネルの今後の負担の問題、これらの問題について監理委員会が結論を出さなきゃならぬ。監理委員会の結論待ちであって、国鉄としては何ともこれらの問題について、要望を出すとか態度を表明するとかいう立場にはないかのように聞き取れるのでありますが、国鉄総裁にお伺いしたいと思うのでありますが、いずれにしてもトンネルは間もなくできる。そしてことを通すのは鉄道である。国鉄が通すことになるのか、分割民営になった場合には国鉄の方の負担責任はなくなってくるのか、それらの点は一体どうなるのか。国鉄としての意思表示というものは特にする必要がないのかどうか、その点はどうなっておりますか。
#37
○説明員(高木文雄君) 何回か監理委員会に私どもの物の考え方を御説明する機会が与えられておりますが、そういう機会のたびごとに、私から監理委員会に対して、青函トンネルの建設費の負担問題について緊急に結論を出していただきたい、ひとつ勧告の中で、いろいろ問題がありますけれどもその中の一つとして取り上げていただきたいということは繰り返しお願いをいたしております。
 私どもとしましては、過去債務の問題あるいは年金による異常負担の問題といったような問題が大変大きな問題になっておりますけれども、やはりそれとほとんど同じぐらいのウエートを持って対策方をお願いしなきゃならぬのはこのトンネルの建設費負担の問題だというふうに考えております。その問題が片づきません限りは軽々にわれわれの方でそのトンネルの運営をお引き受けするというわけにはいかないと申さざるを得ないのではないかというふうに考えているわけでございますが、実は非常に困っておりますのは、一方において、あそこに就航しております青函連絡船の船の寿命が、一部のものといいますか、半分近いものについて耐用年数が尽きかかってきておる。現在は、かなり非効率だということを承知の上で大規模の修理をしながら延命工作をやっておるわけでございますけれども、しかしどの程度まで延命工作をしていくかということとの関係もありまして、トンネルの使い方、それからいま御指摘の負担の問題というのについては、監理委員会のお役目である四年とか四年半とかという期間を待っておれませんので、早目にひとつ御意見をお出しいただきたいということをお願いいたしておるわけでございまして、だんだん日が追ってまいりますから、われわれとしてもさらに熱心に、頻繁にお願いをしなきゃなるまいというふうに考えております。
#38
○瀬谷英行君 時間でございますからまとめに入りたいと思うのでありますが、国鉄として抱えている問題が多々ある。年金の問題、過去債務の問題、それから青函トンネルの問題、船の方はだんだん老朽化してきて取っかえなきゃならない。しかし、トンネルの方は現在のところ、総裁のお答えによりますと、それらの費用の点が明らかにならない限りはお引き受けできない、こういうわけですよね。トンネルができたって引き受けられませんよ、こう言っているわけです。じゃ一体どうするのかということについては、監理委員会の方で結論を出さなきゃならないにもかかわらず、監理委員会の方ではまだ何とも結論が出ていないように聞き取れるのでありますが、監理委員会というのは、こういうわかり切った問題に対して答えをいつまでも出さないでいていいものかどうか、ちょっと私らにはわからない。
 一体監理委員会はいままで何をやってきたのか、それらの点について今後やはり政府委員と同じように委員会等に出席をして、答弁してもらわないことには困ると思うんですね。それらの点について、監理委員会側の立場なり、作業の進行状態なり、結論なりといったようなものもあわせてお答え願いたいと思うんです。
#39
○政府委員(林淳司君) 監理委員会は、御承知のとおり六月の十日に発足をいたしまして、まず法律の規定にございます当面の緊急措置というものにつきまして、八月の二日に緊急の提言を取りまとめてこれを内閣総画大臣に提出をいたしたわけでございます。それから引き続いて、同じく法律の規定に基づきまして運輸大臣から五十九年度の
国鉄予算についての付議がございましたので、これについての意見を取りまとめまして九月の一日に運輸大臣にこれを御提出申し上げた。そこで、それまではそういう当面の法律の規定に基づきます諸般の仕事がございましたのでそれに充てまして、九月に入りましてから、現在、現地の調査あるいは関係方面の方々からの御意見の聴取というようなことを続けておりまして、これから、先生御指摘の経営形態の問題を初め関連する長期債務等の諸問題、こういう基本問題について本格的な審議を開始する段階でございます。
 監理委員会は御承知のとおり六十二年の七月までが期限でございまして、おおむね四年弱でございますけれども、そのうちの前半、大体二年弱という時間を費やして本格的な検討を行いまして結論を取りまとめる、こういうことで今後審議を進める予定でございます。おっしゃるように、長期債務等の問題について非常に緊急の問題であることはよくわかるのでございますが、これも諸般の関連する事項が非常に多うございまして、この解決についてはそう簡単にはなかなか結論が出てこないとか、相当むずかしい問題をはらんでいる。しかしこれは国鉄再建のためにはどうしても解決しなきゃならぬ問題であるということでありまして、また同時に経営形態の問題ともこれは密接不可分の関係にある問題でございますから、ここらを一体的、総合的に検討を続けていく、こういう方針でございます。
#40
○瀬谷英行君 では最後にちょっと申し上げたいけれども、監理委員会がいままで提言をしておるというようなことは、言ってみれば枝葉末節のような問題ばかりです。根本問題、たとえば過去債務をどうするかとかあるいは年金の問題をどうするかとかあるいは差し迫った青函トンネルの問題をどうするかとか、こういうことは国鉄の財政再建にとっては柱になる重要な問題です。そんなつめのあかや鼻くそをほじくるようなことばかり提言をして、肝心な問題について今日まで何にも結論を出さない、勉強もしないということでは、これは監理委員会は何をやっているんだ、そんなものは必要なのかということになりますよ。
 それらの点についても、今後やっぱり責任者に国会に出てきて答弁をしてもらうということを要望したいと思うのでありますが、その点はどうですか。
#41
○政府委員(林淳司君) 委員長も民間の経営者でございますし、週二回というペースで現在監理委員会の委員会を開いているわけでございますが、この委員会の日程をとるのも大変な状況でございまして、非常にお忙しい方でございます。御趣旨はよくわかるのでございますが、お呼び出しがございましたら私どもでできる限り御説明を申し上げたい、このように考えておりますので、できればそういう方向でひとつぜひお願いをしたいというふうに考えております。
#42
○目黒今朝次郎君 私、二年ちょっと社会労働委員会におったものですから、若干すれ違いの点もあろうと思うのでありますが、きょうは当面する問題を一通り、浅く広く教えてもらいたいと思います。
 物はついででありますから、いまの瀬谷先輩の後私もきょうここに来て、緊急十一項目、国鉄経営改善計画の手直し、青函トンネルの問題、これらを言っても何一つ、運輸大臣の上にいらっしゃる亀井委員会の責任者がいなければこの委員会は何にも議論にならぬ、こう思うんですが、これは運輸大臣、国鉄総裁、亀井委員会の提案についてあなた方は当事者能力がありますか。――大臣いないな。亀井委員会がどういう議論をして、どういう経緯で、国鉄側の意見をどう聞いて、労働組合の意見をどう聞いて、そしてしかじかの上で緊急十一項目を出した、こう言われるのなら、亀井委員長がここへ来て答弁しないことには、国会の最高議決機関が空転するんじゃありませんか。
 ですから、緊急十一項目、亀井委員会の提案について、大臣と総裁は答弁の当事者能力があるかどうか、まずバトンタッチで冒頭お伺いいたします。――いや、大臣は。大臣だ。事務官が答弁するなんてことがあるか。大臣だよ、私は。
#43
○政府委員(関谷勝嗣君) いま行革の方へ行っておりますので、後で参りますから、そのときに大臣に答弁していただきます。
#44
○目黒今朝次郎君 最も大事な質問をするのにあなた、国鉄問題がいまや中曽根の台風の目だと言っていながら、どっちが大事なんですか。そういう態度は絶対、ここは主管委員会ですからね。主管委員会に当該大臣がいなくて委員会がやれますか。われわれ決算委員会で大蔵大臣がいなければやれませんよ。主管大臣がいなくて何やるのよ。こんなことは委員長、厳重注意してもらいたいですね。主管大臣がいないなんていう委員会がありますか、あなた。これは、じゃ保留しておきます。
 じゃ、五九・二のダイヤ改正で、いま瀬谷先輩からありました。別な点から、来年の五九・二のダイヤ改正、六十年X荷物合理化を含めて、総裁がばんばんばんばん勝手なことを言っていますが、ずばり聞きます。あなたはこのダイヤ改正で一体機関車、電車、貨車がどのくらい減になって、関係従業員がどのくらい減になるのか、それを具体的にブロック別に数字で教えてもらいたい。
 それから同時に、関連産業、日通、鉄道荷物、あるいは鉄道整備、弘済会などなど含めて、国鉄に関連する関連産業の業務がプラスになるのかマイナスになるのか、マイナスになるとすれば関係労働者はどのくらい減るのか、それをまず数字に示してもらいたい、こう思います。
#45
○説明員(三坂健康君) 私の方から事務的な答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、貨物の列車キロでございますが、約七万七千キロ削減いたす計画にいたしております。これ以外に荷物列車を約六千キロでございます。それで先生おっしゃいました車両数でございますが、機関車約七百両、旅客車千二百両、貨車四万五千両の削減を計画いたしておりまして、そのほかに駅、ヤード等も削減をいたす計画にいたしておりますし、乗務員あるいは車両検修基地等もその削減をいたす計画にいたしております。
 それで、先生お尋ねでございます、これらのダイヤ改正計画によりましてどの程度要員がブロック別に減るかというお尋ねでございますが、本ダイヤ改正計画はことしの一月三十一日にその基本構想を明らかにいたしまして、各労働組合と事前協議に入る傍ら、並行してそれぞれの具体的な列車基地、機関車基地を持っております地方管理局におきまして具体的な労働条件の詰めを行っておる次第でございます。数度地方管理局と本社と会議を重ねまして、当初われわれはこの合理化におきまして約二万人の要員縮減が可能であるというふうに考えておりましたのですが、ごく最近の本社、地方の詰めにおきまして約二万四千人の要員合理化が可能であるというふうな結論に至っております。しかしながら、その具体的な数字がどこにおさまるかといいますのは、本日以降それぞれの労働組合に対しましてその地方管理局ことに具体的労働条件を提案いたしますので、それぞれの地域別にどうなるかという詳細な数字につきましては、本社ではブロック別には把握し得ておらない現状でございます。
#46
○目黒今朝次郎君 私は何も詰めの問題の結論を、答えを出せと言っているんじゃないんです。たとえば検修関係の基地は全国幾らあって廃止が幾ら、縮小が幾ら、動力車乗務員の基地は幾らあって廃止が幾ら、減少が幾ら、車掌の乗務基地幾ら、そういうものをあんた本社がわからぬなんて、そんな素人をばかにしなさんな。本社が計画しなくてだれが計画するんですか。本社の計画に従って地方に指示されて、その地方の割り当てに従って各労働組合に、大体仙台鉄道管理局としてはこう考える、北海道としてはこう考える、組合さんいかがですかというふうになるんでしょう。
 トータルを持たなくて、地方に全部責任を転嫁するようなそんなひきょうな提案はやめなさいよ。あなた方は原案としてどう考えているか。たとえば長野なら長野の機関区は検修関係はこう減らす、あるいはヤード関係はこう減らす、したが
って電気機関車はいままで五十両だったけれども今度は三十両になりまして乗務員は何ぼ減りますと、ちゃんと計画があるじゃないですか。その計画のトータルはいかがですか。いまから組合に提案する。私はいまから地方で提案するのを聞いているんじゃない。本社計画では五九・二のダイヤ改正に伴って全体トータルで本社はどういう計画をするかと。二万なら二万、二万四千なら二万四千の裏づけをするあなた方のテーブルプランがあるはずですよ。そのテーブルプランの集計を具体的に出しなさい。これ出さないんですか、そんな、地方にあんた責任転嫁するのはやめなさいよ。
#47
○説明員(三坂健康君) 先ほど基地数を省略いたしましたが、私どもが当初考えておりました基地集約数を申し上げますと、車両検修基地につきましては機関車関係が二十二の減でございます。旅客車関係が二十五の減、貨車関係が四十七の減、トータルで九十四車両検修関係で基地を集約いたします。また乗務員につきましては、動力車乗務員基地二十八、列車掛基地六十九、それから車掌の基地二十二、合わせて百十九の乗務員基地を集約いたす計画にいたしております。
 それらの具体的な団体交渉につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもは大体として二万四千程度の職員が浮いてくるという大まかな把握をいたしておりますが、これの詳細な、どの基地から何人といいますのは、それぞれの管理局ごとにこれから労使で具体的交渉を詰めるわけであります。
 ただ、先生おっしゃいましたような大ざっぱな中身を二万人計画時点で私どもが把握しておりました数字で申し上げますと、営業系統で約一万四千人、これは列車乗務員、駅が主体でございます。それから残余の六千人を動力車乗務員あるいは検修関係等で、運転系統の計で約六千人というのを二万人時点で大ざっぱな把握をいたしておりまして、この数字が二万四千にトータルでふくれ上がって現在に至っておるというふうに私ども把握しておるわけでございまして、これまた別の観点から客質別にこれを見ますと、二万人の当初の内訳は、貨物関係で約一万六千人、旅客関係で三千人、荷物で一千、トータル二万というのが当初私どもが計画をいたしておった数字の内訳でございます。その後、ごく最近に至りましてさらにそれぞれの管理局ごとに具体的に作業を詰めまして、トータルほぼ二万四千ぐらいになるということを把握しておる現状でございます。
#48
○目黒今朝次郎君 関連産業はどうですか、関連産業。
#49
○説明員(橋元雅司君) 関連する事業者も大変広範にわたっております。
 たとえば通運事業者でございますが、これは日通一社を含めまして一般免許業者が現在三百四十八社ございます。このうち二割近い六十四業者が、免許のつけかえ等何らかの措置が必要となると見込んでおります。また、この一般通運事業者の従業員数は約三万人と推定をいたしておりますが、通運取り扱い数量が約二〇%減ということでございますので、単純な比例計算でございますが、約五千人から六千人の従業員に雇用の影響があるという話はございます。このような問題点につきましては、私どもとしては運輸省等関係の省庁とも十分御相談を申し上げまして、補償問題等もございますし、それから新しい業務への転換が円滑に行われますようにいろいろと細かく折衝をいたしております。
 通運事業者といたしましては、今回駅配置が変わりますのでかなり広域の集配作業が伴うということでございますので、そういった広域集配体制の強化に要員を転活用いたしたいということもございますし、また、昨今宅急便等の新しい業務もふえておりますのでそういった面に使いたいというようなこともございます。またさらに、通運デポということがかなり各地で具体的な計画に上がってきておりますので、そういった問題につきましても通運と一体になって積極的に対応したい、こう思っております。いずれにいたしましても、今回のこの大減量作戦ではございますけれども、反面、やはり必要な鉄道の特性にマッチした貨物につきましてはその数量を絶対確保する、そしてまた収入の確保が非常に大事でございますので、今後は通運事業者ともどもその点について十分話を詰めてまいりたいと思います。
 それから、非常に大きな影響を受けます関連事業者に、荷物会社がございます。荷物も非常に大きな合理化施策を実行いたしますものですから、たとえば駅の荷物フロントあるいは積みおろしの業務がなくなる、あるいは荷物車内の仕分け業務がなくなる、あるいは自動車の代行の業務がなくなるというようなことがございます。現在荷物会社は二十一社ございまして、その従業員は一万四千人と言われております。そのうち特に荷物関連の従業員は約九千五百程度ではないか、こう見ております。したがいまして、この九千五百の従業員をどのような形で新しい業務へ転換させるかということは大変大きな問題でございます。
 以上でございます。
#50
○目黒今朝次郎君 総裁、お伺いしますが、いま国鉄関係が二万から二万四千、それから関連産業が、日通関係が五千から六千、荷物関係が九千五百、こういう数字が言われました。細部はこれから交渉をするというのでありますからそれはそれであれですが、二つお願いします。
 一つは、亀井委員長という委員長さんはごりっぱな方でありますが、これは会社再建で首切りの名人だと言われておる。生首。生首の名人だとこう言われておるおっさんでありますから、少なくとも国鉄総裁として、生首を含めてやれと言われたって、あなたの職を賭してもやっぱり職員の生首を切るというようなことは絶対しないということをまず国会で明らかにしてもらいたい。
 それから国鉄四組合の関係については、職場規律問題などについていろいろしゃくにさわる点もあるだろうけれども、これだけの大事業をやるのに労働組合を無視してやるなんという考えを持ったらもってのほかだ。後でまた新幹線の事故で少しびりびりやりますけれども、少なくともどんな理屈があろうとも、やっぱり関係労働組合の理解と協力を得て円満にやっていくという基本姿勢がない限りはこんな大事業は乗り切れませんよ。したがって、そういう労働組合と十分話し合って、生首は切らない。しかし多少配転とか職場転換とか、あるいは職場の仕事の中身について、濃さがいままで薄いやつが濃くなるということもあり得るかもしらぬと、そういう意味でのやっぱり私は誠意ある団体交渉をしてほしいという点が二つ。
 三つ目は、関連産業労働者ですよ。私も鉄道荷物労働組合の顧問ですから、特別執行委員ですが、大分九千五百名の皆さんと家族は心配していますよ。ですから、関連産業の労働者の雇用という問題、仕事の確保という問題については、やはり国鉄職員と同じようにあなた方はその身の振り方なり生活の安定に責任を持つ、と。何か話に聞くところによりますと、このごろ国鉄本社はうんと冷たいんだってぬ。地方を歩くと、北海道から九州まで私歩きますと本当に、総裁はそんなに冷たくないんでしょうけれども、何かずいぶん国鉄のおえら方はこのごろ、地方の管理局長も含めて、関連産業の皆さんに冷たいらしいですな。そんな、OBを含めて人を粗末にすると、あなたたちも行く行くは粗末にされちゃうんだ、いまの若い者に。大事なときにOBを大事にしなさいよ。そういうことを含めて、関連産業の労働者の仕事の確保と雇用の問題については、おのおのの関連産業別に労働協約があるはずでありますから、その労働協約を尊重しながら、関連産業の労働者を路頭に迷わせるということのないように国鉄側としては責任を持ってやるべきだ。
 この三つについて、総裁の見解をここで国会を通じてきちっと、来年の二月ダイヤ改正について公約をしてもらいたい、こう思うんですがいかがでしょうか。
#51
○説明員(高木文雄君) まず第一の、職員の仕事の縮小と職員の身分の関係でございますが、たまたまめぐり合わせと申しますか、来年の春あるいは再来年の春やめる年回りになる職員が非常に大
ぜいおります。したがって、いま三坂常務から申し上げましたような大変大規模な要員削減を計画はいたしておりますけれども、それを実行いたしましてもいまおっしゃる、生首という言葉をお使いでございましたが、生首に及ぶということはまずあり得ないと考えておりまして、その点はこの機会にはっきり申し上げさせていただきます。ただ、配置の転換の問題がなかなか大規模に起こってまいります。ヤードにおります職員が大量に要らなくなるということでございまして、ほかにも動力車乗務員なりあるいは車掌さんのような仕事も減りますけれども、圧倒的に大きいのがヤードであります。そこでヤードについてはかなりの程度配転について摩擦的な問題が起こることが考えられます。入社後まだ間もない若い人たちはよろしいんですけれども、長年ヤードいちずにやってきた人たちにどういうふうにして納得をしてもらって、そしてどういう職種にかえていくかというのが問題のあるところでございまして、これらは、よく一人一人について行き届いた配慮をした上で配置転換を考えるように指導いたしております。
 それから二番目の、労使問題でございますが、これはおっしゃるとおり何分非常に大きな要員減でありますし、それから輸送方について抜本的に変わるわけでございますので、いろいろ戸惑いが職員にあることは必至でございます。その職員の一人一人に、同じことでありましても気持ちよくわれわれの計画を受け入れてもらうということについては労働組合の役割りが非常に大きいわけでございますので、いまおっしゃいましたように、従来にも増して労使関係ということについては心を砕いていかなければいけませんし、また組合の方からもそうした問題についての話し合いの機会をいろんな形で持ちたいという申し入れも現実に受けておりますので、期間は長くありませんけれども、精力的にそういう計画に取り組んでいきたいと思っております。
 三番目の、関連事業の仕事に従事している職員の身分の安定といいますか、その問題でございますが、これはなかなか実は厄介でございまして、企業ごとにいろいろ事情も違うようであります。通運業界の非常に多くのものにつきましては陸上運送事業等他の仕事も兼務をしておられる企業がかなり多いわけでございますから、わが国の陸上輸送量の全体が減っているわけではありませんので、鉄道輸送は減りましてもトラック輸送はむしろふえるという実情でございますから、それぞれの企業ごとに多くの部分は転換可能であろうかと思っておりますけれども、しかし地域的にあるいは企業によりまして免許のつけかえ等だけでうまくいくかどうか、なかなか私どもも届かないところがあります。しかし、通産業界の方々にも事情はよく御説明をして対処方をお願いいたしております。
 最も困っております問題の一つが、いま御指摘がありました鉄荷会社の問題でございます。これは率直に申しまして、明らかに宅急便との間で競争が激烈になりまして、そしていまのわれわれのシステムではどうもうまくいかないということで、輸送量の激減を来したわけでございます。一方、鉄荷会社等につきましては、約五、六年間にわたりまして、うちの荷物輸送の能率化を図るべく、直営でやっておりました部分を、相当鉄荷会社を育成強化して渡してきたということがありまして、従業員の中には私どものOBの諸君も相当数おりますけれども、そうでない若い諸君もまた相当数おるわけでございまして、なかなか鉄荷会社に何か新しい仕事を見つけて仕事がなくならぬようにするのにはいろいろ現実的にはむずかしい面があるわけでございます。しかしそれにつきましても、わが国のいまの全体の雇用の状態から言いまして、またこうした問題についての労使関係のこれまでの日本の平和的な処理の仕方ということから考えまして、一挙に鉄荷会社にインパクトを与えて問題を起こしてはいけないわけでございますから、荷物輸送の転換については、若干時間をかけながらやっていくというような方法で摩擦現象をなるべく回避したいと思っております。
 ただ、率直に申しまして、私どもと非常に関係が深いにかかわらず鉄荷会社の物事の考え方の中には、現在国鉄が考えております考え方と若干ずれがあるといいますか、まだ激しさが受け取られていないような点があるわけでございますして、いま御指摘のように、非常に冷たいという表現でいろいろ不満を表明する方があるわけでございまして、これは私どもの耳にも届いております。しかしそこは、結論的には、とにかく関連企業等を含めて国鉄全体の効率化を図らなければならぬわけでございますので、それらの経営者の方々にも一層の、何といいますか緊張を高めると同時に、しかし、雇用問題については十分配慮をして本社としてもできることはやるからというふうに言っておるところでございまして、そういうことで御心配を賜っておりますことを大変恐縮に存ずる次第でございます。
#52
○目黒今朝次郎君 大臣が来ましたから、総裁、要望だけしておきます。
 この鉄荷関係は大変な問題を抱えておりますから、新しい仕事を始める際、たとえばこの前盛岡局で、新幹線のガード下を貸しに出す、一平方メーター三千円、盛岡ターミナルビルが委嘱経営する、こういう新聞がありました。仙台管内では何だか別会社をつくって、別会社の申請をしてガード下を貸すとかという話もありますが、私は鉄荷、あなたが言っておる来年、再来年、昭和六十一年から二年ぐらいに切り離すという先の見通しがあれば、たとえばガード下を貸すような新しい仕事を始める際には、現に働いている鉄荷の皆さんがおるんですからそういう方々に優先的に、あなた方いろんな新しい仕事を考えませんかというふうに現在働いておる皆さんにまず話をかけて、うちはガード下は嫌ですと言うんならいいですよ。しかしガード下でもいいと言うんなら、この仕事のなくなる分そこでプラス・マイナスでお願いしますと、そういう親切味があっていいじゃないか。そういうことが私の親切味がないという話なんですよ。ですから、そういう関連産業で考える場合に一番困るのは鉄荷だとこう思えば、常に鉄荷を頭に置いて全国的に総裁が指導する、まあ総裁でなくても関係常務理事が指導する、そういう配慮ですね。
 それから、もう時間がありませんが、何かこのごろあちこち新聞に出ているんですね。いわゆる汐留のヤードを使うとか、うちの長町ヤードの跡を住宅会社に売るとか売らないとかっていろいろありますが、ヤードの跡地利用で新規事業を考える際に鉄荷とか関連産業の皆さんをまず優先的に入れてやる。そういう意味の雇用を守るという立場からの発想を、私は金もうけの前に考えてもらいたい。現に雇用する問題のところは、そういう発想で物事を処理してもらいたいなということです。きょうはヤードの問題をやろうと思いましたが時間がありませんからやりません。そういうことをきょうは要望したと。答えは要りません、要望しておきます。
 それで運輸大臣、いま瀬谷先生からの後を引き続いてやったんですが、俗称亀井委員会ね、亀井委員会で緊急十一項目とかいろいろな提案をされておるんですが、大臣とか総裁が国鉄再建監理委員会から答申をもらっていろいろ計画をされるわけですね。われわれとしては、この国鉄再建監理委員会の五名の方々がどういう議論をして、どういう過程を経てこういうことを大臣に申し上げたのかという経過と、同時に、われわれ運輸委員会なり社会労働委員会なりでいままで国鉄の問題を考えて議論をしてきたわけですよ。大臣からも答弁をもらっています。すれ違いもあるわけですな、すれ違いも。そういうすれ違いをただす際には、大臣とか総裁では答弁の当事者能力がないんじゃありませんか。したがって計画を直接やった責任者の亀井委員長に、委員長代行かね、そういう方々に来てもらうと。あるいは貨物の問題についても、住田国鉄再建監理委員さんは私もこの運輸委員会でずいぶん――貨物安楽死論者ではないと言いながら国鉄の貨物の撤退論者であったこと
は間違いない。日経連に秘密文書を渡した張本人だから。国会ですいぶん議論した。そういう人に依然として国鉄貨物安楽死論という前提で書かれたんでは、高木総裁が何ぼ言ったって困る。そうするとやっぱり、住田さんに来てもらって、現時点でどうなんですかということを聞く必要がある。例を挙げればそういうことがあるんですよ。
 ですから、国鉄問題に対する最高責任の、運輸大臣以上の権限を持っているのが亀井委員会ですから、委員会に御出席願って考え方を提示願って、われわれの議論もよく聞いてもらう。われわれも大いに議論する。そういうことがより一層オープンなことではないか。何も陰の方でね、陰の方じゃないですよ、もう。陰の方で五人集まってこそこそ、運輸省と国鉄をびりびりいじめて答申を書くなんていうことをやめて、オープンで議論をする。オープンでわれわれも意見を言う、また意見を聞かせてもらうということがきわめて大事じゃなかろうかなということであなたのお考えを聞きたいな、こう思って待っておったんです。これは、瀬谷先生の意見も含めて社会党の主張です。
#53
○国務大臣(長谷川峻君) 監理委員会が生まれまして、提言があり、それを政府が尊重するという姿勢はとっているわけであります。そしてその間いろいろ提言がありました。これは私は、私が運輸行政の責任者ですから、亀井委員会が私の上にあるとは思っておりません。そのアイデアを私たちがとってそれを尊重していくことが国鉄再建につながるものだ、こう思っております。この点をひとつ御理解いただきたい。
 それから亀井委員会にお出ましを願うと。ああいう方々は皆忙しい人を今度お願いしたわけですよ。しかも何か、一週間に二回ぐらいやっているのでしょう。ほかの活動もあるところにそれをお引き受けいただいたものですから、この委員会にお出ましいただくということよりは私は、必要があることは、委員長でなくあるいは委員でなくて残念だと思われるでしょうけれども、幸いあそこには事務局諸君がおりまして、こういう諸君にお話を聞いてもらいまたこの諸君にこの場の雰囲気というものを伝えてもらうならば、これは十二分に意見が通るのじゃないか。なかなか、出てこいと言っても、断られればそれきりでございますから、われわれですと委員会に出てこいと言われれば国会に出なきゃなりませんが、そういう意味ではぜひ私は事務局に出てもらっていろいろ皆さん方の意見を聞いてもらう。そしてまたそれを上達もしてもらう。また私たちの方からも国会の模様はこうであるということは必要に応じて進言し報告しながら円満な運営を図りたい、こう思っております。
#54
○目黒今朝次郎君 そうするとあれですか、大臣。マスコミがわあわあわあわあ騒ぐから皆そっちに目が行ってしまうのだけれども、このごろはもう亀井委員長の方が実際上行政のボスでね、わが同県人の長谷川運輸大臣はどんどんどんどん地盤沈下していくということはきわめて遺憾だ、こう思っていますけれども、いま聞くと、おれが行政の責任者だと。こうなりますとね、私はそうだと思うのですよ。そうならそうらしく私は、行政の責任者なら、逆に返せば、いままで私は国会に来まして十年になります。十年間運輸委員会で国鉄問題についてあなた方歴代政府が答弁したこと、総理大臣が答弁したこと、それはやっぱり行政の責任として一貫して原則的には生きている。生きている。その上に立って当面する問題について亀井委員会のいろんなアイデアを聞く。料理するのは運輸大臣長谷川峻だということを確認していいのですな、じゃ。どうですか。
#55
○国務大臣(長谷川峻君) そのとおりでございます。
#56
○目黒今朝次郎君 そうしますと、やっぱりそうは言っても、世の中ここ一、二年国鉄問題が台風の目になっていますから、われわれ社会党が本会議で反対投票したように、まだすとんとこないのですよ、あの亀井委員会の諸君の皆さんは。加藤先生にしてもしかり、私もう十何年けんかしてっからね。住田大先生もしかり、全日空の社長さんいろいろあったけれども、それもしかり。やっぱり人間的に不信感があるとどんなりっぱなことを言われたって、――私がりっぱなことを言ってもあの目黒のばかたれ、動労の委員長をやっているばかたれと見ているからなかなかすとんとこない人もいるでしょう。だから、できるだけ時間をつくって、国民的課題であればできるだけ時間をつくって、委員会に来て意見を述べる、あるいは委員会の議論も聞く。そういうふうな、少なくとも私は、土光さんがメダカじゃない、あれしゃぶっていることを余りPRしないで、ことに出てきてもらって聞いてもらうということを大臣として要請してもらいたい。
 そうしないと絶対信任しません、投票したわれわれが。こんな人の言うことを聞けますか。絶対あんな加藤寛の言うこととかあの住田のおっさんの、両先生の言うことなど聞きませんと言っている、われわれは。信用ならぬと言っている。だから、信用されるためには、来て議論に参加してもらう、議論も聞く。それぐらいの配慮を私は――林事務局次長がいいとか悪いとか人格を言っているわけじゃない。りっぱな人だ。りっぱな人ではあるけれども、同時に社会党にはそういう不信感があるんですから、不信感を解消するためにも、可能な限りここに来てもらって意見を聞かせてもらう、意見を聞いてもらう、そういう努力はぜひしてほしいなあ。これが最低限度の譲歩ですよ。いかがですか。
#57
○国務大臣(長谷川峻君) まあ、かつて反対したからいつまでも反対だということも大人げないんで、目黒さんの組織の動労があなたの御指導によって再建問題について大変前向きであり、先ほどあなたが総裁に向かっていろいろ提言された中にも、配転の問題等々もお互い考えよう、こういう御提言があることは大変な私は進歩だと思う。みんなが安心しておる。私は、組合の働く諸君には愛情を、組織には尊敬を、こういうことで労働大臣時代ずっとやってきました。ですから、総裁も組合のことを考えているでしょうけれども、私に関係するところの組合でございますから総裁に負けないぐらいに私は考えております。
 そういうことで、そのときそのときのやつで負けた、勝ったということなしに、ひとつあなたもわが宮城県の参議院議員、だれでもかれでもしかり飛ばす大物だから、そういう意味でお互いにやってまいりましょう。よろしく。
#58
○目黒今朝次郎君 では必要によっては、案件によってはわれわれは出席を要求するということにしますからね、案件によって。その際には最大限の誠意を示してもらいたいということを要望だけしておきます、案件によってはね。
 それから、もう一つだけ。
 衆議院の行革特別委員会で委員長さんがわが方の沢田委員の質問に答えて、これは新聞情報ですが、長期債務については棚上げしない、こういう意味の発言をしているので非常にわれわれ誤解をしておるんです。やはり十八兆、二十兆円のあの長期債務に手をつけなくてどうして国鉄再建ができるのかな、むしろそっちの方を国鉄の大蔵大臣になったつもりでやってもらいたいなというぐらいの、うちの方は一生懸命やるから。そういう気持ちがあるんですが、この新聞情報を見ると大変な誤解といいますか、不信感がありますので、この辺の間違いのないところを、大臣で無理だったら事務局の方から明らかにしてもらいたい。それで誤解を解いてもらいたい。
 希望としては、長期債務を、先ほどの瀬谷先生のあれじゃありませんが、構造欠損、特定人件費を含めて精力的に解消の方法について具体案を提示してもらう。われわれもそれを受けて真剣に議論してみる。そういうためにもひとつこの誤解を解いてもらいたい、こう思うんですがいかがですか。
#59
○政府委員(林淳司君) 先般九月二十七日の衆議院の行革特別委員会で亀井委員長から答弁いたしました内容でございますけれども、沢田先生の、長期債務については一体いつまでにこれを処理す
るのかという御質問に対しまして、亀井参考人の方から、いつまでにというお話でございますが、一般にあれは非常に膨大だから棚上げしたらいいじゃないかというふうなことが言われるけれどもなかなかそう簡単にいく問題ではありませんと。この問題については、非常に重要な問題であるので二年間一生懸命勉強して適切な結論を出したいと思う、こういうふうに答えたわけでございます。
 その場合に棚上げという言葉を使ったわけでございますけれども、この棚上げという言葉が新聞情報、報道では、いわゆる処理をしない、新しい経営主体にこれを全部引き継ぐんだというふうな意味にとられて報道されたわけでございますけれども、この点はちょっと事実と違っておりまして、亀井委員長が申しました棚上げと申しますのは、会社更生法等でいうところの債務の切り捨てとかあるいは利子の凍結とか、こういう意味で申し上げたわけでございまして、そういうことは金融不安とかいろんな問題につながるのでそんな簡単にできる問題ではありませんと。そういうことではなくて、いわゆる実質的にこれが国鉄の経営負担にならないようないろんな方法をこれから一生懸命勉強したい、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。
 そこにちょっと誤解がございましたので、この際その辺のところを御説明申し上げておきます。
#60
○目黒今朝次郎君 要望だけしておきます。
 この長期債務の取り扱いについては、この運輸委員会でもあるいは国鉄問題小委員会でもずいぶん議論した経過がありますし、構造欠損の認識なりその解消の方法については、あれは五十四年だったですか、運賃緩和法の議論の際にも、二兆四千億の財政措置をする際にもずいぶん議論されてやった経過がありますから、そういう経過を十分五人の先生方にお話し申し上げて、国会の不当関与だなんという認識を持たないで、国会は国会なりに与党、野党を含めて大分この問題については議論もしたし政府答弁もあることですから、それが生かされるように、こっちの方が敵でなく――敵と言っては変だけれども、こっちの方が台風の目でなくて相手の方があることだ、大蔵省とかそっちの方。そっちの方によく目を向けて、内部いじめをしないようにうまくやってくれということをあの先生方に言ってくださいよ。これは要望しておきます。
 それから次は、私は航空政策でちょっと聞きたい。青函トンネルはわかりました、先ほどありましたから。日本貨物航空の問題でちょっと、いままでの経過があるものですから聞かせてもらいたい。
 大臣、日本貨物航空問題について、通輸審議会から答申があって、あなたが認可を与えて、六十年開通に向けて走り出すということは新聞なりいろんなネタで見ました。ただ、私二つ三つお願いしたいのは、日本航空株式会社法の一部改正の際に私もこの委員会で質問しましたし、衆議院でも質問されておるわけであります。国際線について複数の会社はどうだということを大分われわれも議論した経過があるのでありますが、結論から言うと、四十五年、四十七年の関係もこれあり、アメリカはちょっと例外であるけれども、ヨーロッパその他についてはやっぱり国益を守るという点から旅客、貨物を含めて一社方式でやっていると。そういう方針は正しいと思うのだということを、つい最近まで運輸委員会のわれわれの場ではそういう政府回答を一貫してわれわれはもらってきたわけであります。
 私は、仙台の全日空の皆さんから、新幹線が来るとお客さんがなくなるから目黒さん、全日空、仙台からチャーター便で東南アジアへ、というようような話もあった際に、私は例を挙げて質問したことを知っています。そういう一例を含めて、国際線は一社だ、しかも国策だ、こう言ってきた政府が今回何を根拠に、閣議決定、閣議了解事項をいつどこでどういう条件を加味して、今回は貨物に限ってという限定はあるけれども、国際線複数制度に踏み切ったのか。その点がどうしてもいままでの国会の経緯から見てわからないのです。
 それでこの何とかという、何とかと言うと語弊がありますが、これも読ませていただきました、運輸審議会会長談話。この運輸審議会の会長談話を見ても、私がいま言った点がどうもやっぱり隠されて報告されている。だから、その閣議決定の経過がいつどこで変わったのか、四十五年、四十七年、この前の日本航空株式会社法の一部改正法を審議した衆参両院の運輸委員会における大臣答弁、あるいは日本航空の参考人答弁などから見て、いつどこでどんな条件があってこういうふうに変わってしまったのかというやつをまず、閣議ですから、これはほかの事務官は答弁できないから、大臣から、閣議決定の変化の条件というか状況というか、それを聞かせてもらいたいと思うのです。
#61
○国務大臣(長谷川峻君) 先に航空局長、経過を。
#62
○政府委員(山本長君) 四十五年の閣議了解におきましては、「国際定期航空については、原則として、日本航空が一元的に運営する。」ということと同時に、「貨物専門航空については、急増する国際貨物輸送需要に対処しうる航空企業体制につき、有効な方策を今後早急に検討する」、こういう二つのことが規定されておるわけでございます。
 この閣議了解ができました前提として、航空審議会で国際航空貨物輸送体制につきまして旅客、貨物両方について熱心な審議を経た結果こういうことになったわけでございますが、こういった二つの事項が閣議了解に書かれておるわけでございます。
 この二つの閣議了解の趣旨といたしまして、これは貨物専門航空につきましては検討の結果日本航空以外の企業の参入することもあり得る、こういう前提で当時定められたものであると考えております。先生がいつどこでどう変わったかということについての御質問でございますが、従来運輸省といたしまして、この四十五年の閣議了解及び四十七年の通達の線に沿って航空輸送体制について行政を進めるということを答弁してきておりますけれども、こういった閣議了解の中の問題といたしまして今回の処理が行われた、こういうふうに考えておる次第でございます。
#63
○国務大臣(長谷川峻君) そこで、いま航空局長が説明したように、閣議了解事項で国際貨物ということはやってもよろしいようなことが書いてある。
 それと同時に、これを見て、関係者、発起人がいろいろと寄り集まって、長い期間かけて申請などをしている。そして今日まで約七、八年かかって、従来ともそれがペンディングになっておりましたが、私は貨物が世界的にどんどん伸びているときでもあるし、日本からでもICなどのものはほとんど貨物で運んでいる時代でありますから、これはひとつ自由競争ということ、それからそういう中からお互いが向上していくのがいいんじゃないかということから、審議会の方に御検討願って、しかも何らこれはつまらぬ誤解、飛行機問題でいろんな誤解を生じているときであるから、絶対誤解の生じないように事務的にちゃんとやること、みんな見ていることですから。日本だけの問題にあらず、外国も見ていますから。それから公聴会でも何でも全部手続をとるべし、こういうことなどを申し上げながら、それに沿うてやった結果せんだっての審議会からの答申をいただき、それをまた私たちは決裁をしこのたび許可をした、こういうことでありまして、いまから先は、新しい会社が前にあるところの日本航空貨物とけんかしないで、国際的に協調しながら仕事がふえることを私は願っているわけであります。
#64
○目黒今朝次郎君 航空局長ね、あなたは歴代航空局長をずっとやっておるわけじゃないが、それなら、この前の日本航空株式会社法の一部改正の際における塩川運輸大臣と衆議院の論争、参議院の論争、あの際になぜ、貨物なら貨物については第四項で、いや貨物は例外でございますと言わなかったんですか。よく議事録を見てくださいよ。
旅貨含めて日本航空に、やっぱり国益に徹するから一社制度をとりますと言っているじゃありませんか。きょうは時間がないからやりません。一番近いのは、日本航空株式会社法の一部改正における衆参両院のいわゆる大臣答弁。大臣答弁とあなたにいま言った質問の関連性を、後ほどでいいですから調査をして報告してほしい。
 それから大臣、これは私は横文字読めませんから、世の中どうなんですかとこう聞いてみたら、何かやっぱり太平洋ラインでもブラニフ航空というのが倒産したり、コンチネンタル会社が倒産寸前である、これは貨物専用航空ですよ、アメリカさんの。業務不振、いわゆる需要不振で二つの会社がつぶれている。こういう現象から見ると、この何とか会長さんの二、三年で黒字になるとか、四年後では黒字になるとかというこのデータというのも、大丈夫なのかなと。片や倒産している。それからもう一つは、ワラムタイガーという会社が議事録を見ますと真っ向から、日本貨物何とかに認可をやるについては反対しながら、権利を保留しますよと、こう言っているわけですよ、権利を保留しますよと。この会社が権利を要求した際に、運輸審議会の会長さんの談話のあの事業の流れというのが果たして本当に確保されるんだろうか、共倒れにならないだろうかという心配があるわけです。
 それからもう一つは、国鉄の貨物もさることながら、海運界、造船界が大変な不況なわけです、荷物関係でね。こういう海運界、造船界の不況という問題と、海の方は荷物はないけども空飛ぶ荷物だけはあるんだというのも、余り一方的じゃありませんか。海運界が不況ならば空飛ぶ荷物も不況じゃありませんか。そこのところを何でか、自分の都合のいいところだけたったかたあとつないでこの談話が発表されている。したがって、当面貨物部門ですから、これは旅客部門まで発展させるという意思は全然ないでしょうね。それを私は確認したい。この貨物の問題については、せっかく認可するんですから、今後共倒れになって、戦い済んで日が暮れたら国鉄貨物と同じだったなんていうんじゃ困りますからぬ。そういう点で、旅客には絶対影響しないということの確認が得たいと同時に、貨物の問題については今後さらに委員会で検討していきたい、こう思うんですがいかがですか。
#65
○国務大臣(長谷川峻君) 目黒さんがおっしゃったようなことはだれしもがみんな、薄い濃いは別として、心の中に思っていることだと思います。
 私のところにも貨物航空を申請している諸君が役所に陳情に来ました。そのときに、私も運輸委員会におりまして多少のにおいは知っておったから、あなた方は仮に貨物航空が認可され、だめになったときに、一般のこういう航路を飛ぶ、そちらの方を希望するなんてばかなことはないでしょうね、そういうだめになったときに次のことをねらうようなことは絶対だめですよと、こうやかましく言いました。そのときははっきり、私たちは貨物航空だけでやりますと。そんなことはいまの、先ほどあなたが言った四十五年体制からも許すわけにまいりませんから、できないことであります。
 いずれにしましても、せっかくつくられた会社でありますから、私は既存の日本航空といかに提携してやっていくか。聞くところによると、日本航空にも最初は出資会社になる、発起人になるための話があったが、途中から日本航空は引いて、その諸君がいまの諸君のやるのを見ておったと。そして最後は競争会社であるから反対だと。私はこれは、いずれ空を飛ぶ諸君であるから、何か妥協する道はないか、出資は日本航空も出資したらどうだろうかというふうなことまで働きかけ、あるいはまたお互いの航空界の先輩なり運輸界の先輩である諸君に中に立ってもらって、両方の何か提携できる道までも探したことでございますが、最後はいまのようなかっこうになりました。いずれにしましても空飛ぶことですから、提携をどうにかしてやりたい、こういう気持ちだけは持っております。後は諸君の営業成績と、自分たちの事業の浮沈をかけているわけですからそこは自由にひとつ競争してもらいたい、こう思います。
#66
○目黒今朝次郎君 今後また議論しますけれど、よろしくそういう点でお願いいたします。
 そこで鉄建公団の総裁、せっかく来てもらったんですから二つばかりお願いしておこうと思ったんですが、一つは、五十年の上越新幹線の土地買収の問題で、群馬県藤岡市内の何か測量のずれから買収の価格の問題で紛争があるということを聞いておりますが、この問題は後ほどでも結構ですから、その後鈴木登理事談話ってのもあるんですがね、談話、後で結構ですから事務所の方に送ってもらいたい。
 それからもう一つは、緊急の課題で、先ほど瀬谷先生が御質問したトンネルの関係ですね。
 先ほどは鉄監局長の方から、懇談会を持っていまやっている、そういう話。鉄建公団の方は、在来線方式ということで線路の敷設が始まる。そういうことがありまして、懇談会をやってトンネルをどう使うのかという結論がまだ出ないままに在来線の線路をやるのはちょっとおかしいじゃないかという意見も一部あるわけですよ。
 だから、ここでお互いに意思統一してもらいたいのは、当面は、自動車の問題もありますけどもやはり新幹線は保留になっていますから、青函トンネルは在来線方式でとにかく建設を進める、こういう意思であることを鉄建公団側としてはやっぱり、そう思っていると思うんですが、確認のためにそういうことについて確認をして、同時にそのことについて運輸省側も、鉄建公団が見切り発車をしているなんという、それはマスコミだから信用はしませんけれどもね。鉄建公団は一生懸命仕事をやっているのに、運輸省に行って話を聞くと、鉄建公団は見切り発車だなんということを言われると、これは従業員はたまったものじゃないですよ、一生懸命やっておってね。だから、在来線方式で鉄建公団は仕事を進める、運輸省はそれについてオーケーのサインを出していると。現在の懇談会の経過についてはその後お互いの責任で懇談会のやつをどう生かすかということをやればいいのであって、工事中止までには結びつかないということを明確にして、喜んで鉄建公団の皆さんが仕事をしてもらえるように認識をしたいなとこう思いますので、まず鉄建公団側と運輸省側の公式な見解をことで明らかにしてもらいたいな、こう思ってお呼びしたわけなんです。どうぞ。
#67
○参考人(仁杉巖君) ただいま先生から御指摘がございましたように、新聞紙上で見切り発車をしたというようなふうにとられる報道がございましたが、私ども公団は、御承知のとおり運輸省へ工事実施計画を上申いたしましてその認可がない限り仕事はできないわけでございます。この問題につきましては、先生いま御指摘のとおり狭軌で一応やるということで現在進めております。他の工期その他から考えまして、現在これを着手いたしませんと六十一年の開業に間に合わないというような事情もございまして、運輸省ともいろいろと御相談しながら、懇談会等の御議論にも矛盾しないようにというようなつもりでこれを進めておるわけで、決して見切り発車をしたとか、あるいは将来懇談会との矛盾が起こるというようなことはないということを申し上げる次第でございます。
#68
○政府委員(永光洋一君) 先ほど申しましたように、本来このトンネルは在来鉄道をということで建設を進めておるわけでございます。国家的資産であるから有効な他の方法はないかということで懇談会にお願いをしておりますが、要するに研究会等でも、やはり軌道系で利用する以外に道はないだろう、それを知恵をしぼろうということでございまして、かたがた、在来鉄道で利用するについては、もう六十一年開業ならそろそろやはりレールその他についての準備工事を進めなきゃならぬ、こういうことで、新聞記事は私も拝見しましたが、実は内々もうそろそろ準備工事をしたいんだがという話が事務的にはあったようでございまして、懇談会のいままでお話ししましたところでも、軌道系で有効的な活用という方向に進んで
おるので、その点では懇談会の御議論とも矛盾しないし、やっぱり六十一年開業ということであれば準備はある程度進めていかなければならないのではないかとこう考えておりまして、内々そういうような事務的な話のときには、やむを得ないじゃないか、こういうことで話をしておったようでございますし、それから懇談会の先生方にも、誤解のないようにということで、準備は手戻りのないように進めておりますというような話もいたしておりますので、先生御心配のようなことはないと思います。
#69
○目黒今朝次郎君 それでは、鉄建公団と運輸省の話が合っていますから、そういうことでがんばってください。御苦労さまでした。
 それから、きょうはあと総裁ね、東北新幹線のCTCの故障とか、上越新幹線の列車火災の問題とか、山陽新幹線博多―小倉間の列車妨害事故などについて明らかにしてもらいたいと思っておったんですが、時間がありませんから、政府委員にレクチュアしてありますから、後ほどきょうの答弁の趣旨を御説明願いたいなと、こう思って質問を省略します。
 それから最後に、現在タクシーの運賃改定時期になっているんですが、大手中小含めてあちこちやります。時間がありませんから、自動車局長、こういうことだけお願いします。
 タクシー運賃改定をやりますと必ずといっていいくらいその後始末に私は、北海道から沖縄まで引っ張り出されます。沖縄から北海道まで引っ張り出される中身は、運賃改定をやると、物件費が上がることはしようがないね。物件費は物件費としてやむを得ない。あるいは運賃値上げで若干乗車率の目減り、これもしようがない、そのぐらいはしようがないね。だけれども、残った金を経営者のポケットに入れてみたり、あるいは株主の配当にだけ回して、運転手さんとか整備の担当の皆さんには、営収の底上げというテクニックを使って手取りが減る。こういう運賃改定の、運輸審議会のようなやり方は私は愚の骨頂だと思うのです。こんなんなら運賃改定をやらない方がいい。したがって、運賃改定をやるならば、まあ運賃で食べているんですから、いわゆる三、三の原則といいますか、物件費の方も三分の一、株主配当、社長のもうけも三分の一、従業員にも三分の一。この三、三の原則ぐらいはきちっと指導してもらって紛争の起こらないように、運賃改定をするなら目黒今朝次郎が北海道から沖縄に行かなくても済むように、あるいは社会労働委員会で不当労働行為でちゃんちゃんばらばらをやらないように、行政はうまくサービスしてくださいよ。いかがでしょうか。
#70
○政府委員(角田達郎君) 先生ただいまお話ございましたように、タクシーの運賃改定が運賃のブロック、七十五ブロック中の二十ブロックから申請が出ております。それぞれのブロックについてまだ申請書の数が一〇〇%というところまではいっていません。いっているところもございますが一部分のところが大部分でございます。
 それから、運賃の改定に当たりまして、私どもの方針としては従来から、タクシーの労働者の労働条件が改善される、これが一つの運賃改定の大事な柱でございます。そういうことで指導してまいっておるつもりでございますけれども、今後の運賃改定に当たりましても、ただいま先生がおっしゃいましたような方向でできるだけの努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#71
○目黒今朝次郎君 最後にお願いですが、大手の方々はわりあいに話がわかりやすいんです。それでいま局長さんの言っているとおり、大体設備の方もうまくいっている、株の配当もやっている、労働の方もうまくやっている。中小、特に小になりますと、これは苦しい事情はわかります。わかりますけれども、苦しい中にも歩み寄ってということで、ぜひ中小の都市のタクシーについては陸運事務所を通じての特段の御配慮をお願いしたいということを要望して、終わります。回答は要りません。
#72
○桑名義治君 私は、去る九月一日に発生しました大韓航空機の撃墜事件並びに三宅島の噴火、それから私鉄運賃の値上げ問題について、順次質疑を続けていきたいと思います。
 九月一日未明に発生しました大韓航空機撃墜事件というものは、これは世界的にも大きな衝撃を与えたわけでございます。したがいまして、この問題は、マスコミでもいろいろ報道されておりますが、依然としてなぞに包まれた部分が多いわけでございます。私たちのいま手元に持ち合わせている資料の中で、那辺に原因があるのかということを解明することは、非常に困難な事柄だろうと思います。それと同時に、いままで入手しておりますいわゆる資料の中では推測にすぎないような状況でございますので、この問題は別にしまして、大きく分けまして責任の所在というものは、撃墜したソ連側と、それと同時に、大きく飛行航路を外れたという大韓航空機の方にも重大な責任がある、こういうふうに私は思うわけでございますが、まずこの点についての大臣の認識を伺っておきたいと思います。
#73
○国務大臣(長谷川峻君) 桑名委員と同じでございます。
#74
○桑名義治君 そこで、モントリオールでのICAOの決議では、事件の真相、それから技術的な調査を行い、決議の日から三十日以内に理事会で報告をするということになっているわけでございますが、ICAOによる調査ではどの程度進んでいるのか。それから、ソ連政府はICAOの調査を拒んでいるというふうに言われているわけでございますが、今後ソ連の協力は得られる見通しがあるのかどうか。さらに、わが国政府としてはICAOによる調査にどの程度の協力ができるのか、まず伺っておきたいと思います。
#75
○説明員(遠藤哲也君) 私、外務省の遠藤でございますけれども、私自身、ICAOの本件特別理事会の会合に日本代表といたしまして出席いたしましたので、そこら辺を踏まえましてお答え申し上げます。
 ICAOの特別理事会で、先生いま御指摘のとおり決議案が通りまして、これは幸いにしまして二十六対二対三という圧倒的多数で決議案が通ったわけでございますけれども、その決議案の中に、事務局が本件事件の真相究明といいますか、事実的側面についての調査をするようにと。それで先生御指摘のとおり、まずとりあえずのレポートを三十日以内に、したがいましてこの決議案が成立しましたのは九月の十六日でございますから、十日の十五日ぐらいまでにとりあえずのレポートを出すようにということが第一点、それから第二点は、最終レポートを十二月十六日までに出すように、こういうふうな決議でございます。
 そこで、ICAOの事務局といたしましては、早速調査団をつくりまして、大韓航空機が飛びましたルートに沿っていま調査を開始しているところでございます。最初調査団はニューヨークに参りまして、それからアンカレジに参りまして、それから大韓航空機に乗りましてソウルに到着ということで、ソウルでもって実は二手に分かれまして、おととい、ICAOの事務局員でございますけれども三人が日本に参りまして、あと三人はいまソウルでもって調査をしておるということでございます。日本ではきのうから会議を開始したわけでございますが、一応今週の土曜日まで調査をするということでございます。
 それで、第二点の御質問の、ソ連はどうかという点でございますけれども、決議案が通りまして早速、ICAOの事務局長から関係各国、これは日本も含めてでございますけれども、こういう調査団を送るのでひとつ協力してくれ、こういう依頼がございまして、日本は直ちに本件につきましてはできる限りの協力をするという回答をしたわけでございます。ソ連に対しましても同様の要請が出たわけでございますけれども、私ども現在の時点で承知する限りは、ソ連からは何の返事もない、こういうことでございます。と申しますのは、これはICAOの理事会でもソ連代表が発言していたことでございますけれども、調査というのは自分がやっているんだ、皆さん方が自分
に――自分というのはソ連でございますけれども、協力してくれ、こういうふうなポジションを理事会でも明らかにしておりますので、一体ソ連が事務局長の依頼に対しまして、いまのところナシのつぶてというか返事がないのでございますけれども、今後どういうふうに対応してくるのか、ちょっとこれいま予測の域を出ないのでございます。私の若干個人的な推測をまぜて申し上げますと、なかなかむずかしいんじゃないか、こういう感じでございます。
 それから、第三点と申しますか、ICAOの事務局の報告自身は、いま申し上げましたように十月十五日がとりあえず、それから最終が十二月十六日まで、こういうことになっておるわけでございますが、私は、これも若干推測が入って申しわけございませんけれども、まだ調査中でもうすでに十月にかなり入っておりますので、最初のレポートというのはいわゆる進捗状況を報告するレポートであって、本当のレポート、つまり内容等々評価を含めましたレポートというのは、やはり十二月十六日までに理事会に提出されるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから日本につきましては、いま現在来ておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、日本としましてはできる限り協力して、ちゃんとしたレポートをつくってもらいたいということで、目下ICAO調査団が調査中でございます。
 それから、先生最後の御指摘の点の、ソ連がそれじゃいやだと言った、あるいはナシのつぶてのときに一体どういうふうなことが可能なのかということでございますけれども、これは実はきわめて私どもにとりましては残念なんでございますけれども、ICAOの決議というのは、言うなれば制裁規定というか拘束力というか、そういうものはないのでありまして、仮にソ連が万が一不幸にしてナシのつぶてでありましたときにも、やはり圧倒的多数で通った決議でございますから、道徳的プレッシャーというか国際的なプレッシャーはそれはかかるのでございますけれども、法律的に言いましては、非常に残念なんでございますけれども、拘束力というか、ねじ伏せてでもというわけにはいかない。この点は非常に残念でございますけれども、事実そういうことでございます。
#76
○桑名義治君 最後の三点は、僕はまだ質問してなかったんですが……。
#77
○説明員(遠藤哲也君) どうも失礼いたしました。
#78
○桑名義治君 いずれにしましても、最後の三点でございますけれども、ソ連があくまでも拒否した場合にICAOは制裁措置は何も待ち合わせていない、ただ国際的なプレッシャーがかかる程度であろう、こういうことでございますが、ICAOそのもののいわゆる性格というものは大体どういう性格を持っているわけですか。
#79
○説明員(遠藤哲也君) ICAOは、国際民間航空の、どうやったらこれが安全に航行できるかといったような、きわめて技術的な側面からの国際協力を旨とする機関でございます。
 それで実は、先ほど失礼申し上げましたけれども、制裁規定はないのでございますけれども、唯一の制裁規定と申しますのは、たとえば金を払わぬとき、つまり分担金を払わぬときには投票権を停止するといったような程度の制裁規定はあるのでございますけれども、たとえば決議の項目につきましてねじ伏せてまでもということにはできない。ちなみに、先生先刻御承知のとおり、ソ連と、もう一カ国は東欧圏のチェコだったと記憶しておりますけれども、本件に反対しておるわけでございまして、その点は、ICAOの技術的な性格の機関であるというようなことも踏まえまして、残念ながらそういうことはできないということでございます。
#80
○桑名義治君 じゃ次の点に移りたいと思いますが、レーガン大統領は、同種の事故の再発防止のために、いわゆる軍事衛星を利用いたしまして、民間航空機が航路を確認できるようにする方針を固めた、こういうふうに報道をされているわけでございますが、この問題は時期的にいつというふうに認識したらいいのか、また、見通しはどういうふうな見通しを持っているのか。
 それから、衛星を利用したこの種の全地球位置決定システムといいますか、GPSですか、これは大体どういうふうなシステムであるのか、概略で結構でございますので御説明を願いたいと思います。
#81
○政府委員(山本長君) 私どもの承知しておる限りでございますけれども、各種の情報を総合いたしますと、先生おっしゃいましたグローバル・ポジショニング・システム――GPS計画というのは、地球の三つの軌道に周回衛星、静止衛星じゃございません、周回衛星をそれぞれ六個、計十八個打ち上げまして、その十八個の衛星のうちの四個であろうと思いますが、複数個の衛星を使いまして、陸上あるいは海上あるいは船舶、航空あるいは陸上の移動物、たとえば部隊でございますとか、そういう移動体が、その衛星から発信される電波を受信してみずからの位置等を知る、こういうシステムであるというふうに理解をいたしております。現在まだ実験段階でございまして、これが運用になるのははっきりこれは言えませんけれども、情報では一九八八年ごろではなかろうか、こういうふうに聞いておるのでございます。
#82
○桑名義治君 そこで、今回の事故の最大の原因は、何だかんだ言いましても大韓航空機の〇〇七便が航路を大きく外れて、ソ連のいわゆる領空に侵入した、これはもう大前提になると私は思います。
 原因については、慣性航法装置――INS、これのインプットを間違えた、あるいはまたインプットした後に余りにも早く移動をさせたためにずれができたというようないろいろな説が入り乱れているわけでございますが、とういうことになりますと、INSの信頼度を疑わざるを得ないような状況になるわけでございますが、INSの信頼度あるいは運営上の問題点はどういうととるにあるのか、これをまず伺いたいと思います。
#83
○説明員(長澤修君) ただいま先生御質問のINSの信頼度でございますけれども、一口に申しますと、パイロットから非常に信頼されておる機器であるということが言えようかと思います。
 地上の無線航行援助施設を利用することのできない洋上等におきましてINSを使いますけれども、その精度は規格の上では、十時間以下の飛行をしました後で、前後方向あるいは左右方向のいずれの方向につきましても一時間当たり二海里、約三・七キロメーターでございますけれども、約二海里以下の精度を有しておるものでございます。また、十時間を超えるような飛行の場合には進路の前後方向につきまして二十五海里、約四十六キロメーターでございますが二十五海里、あるいは左右方向につきましては三十七キロ、二十海里以下であるという、これだけの信頼性を持っておるものでございまして、これは、INSの構造的な中核になっております非常に精巧なジャイロ、こまでございますけれども、そういうものと、それから加速度を検知します加速度計、そしてそれを結びつけるコンピューター、この三つのものが最近は非常に技術革新で信頼性の高いものができるようになったということから、このINSの信頼性が非常に高くなって、各航空会社がこれを一斉に搭載しておるということでございます。
#84
○桑名義治君 いずれにしましてもいまの説明の中でうかがえることは、非常に信頼度の高い装置である、こういうふうにいま認識をされているようでございます。
 そこで、一部には、アンカレジから東京に向かった日本航空機にもINSに異常が起こってコースから外れたことがあるという報道がなされております。日本航空の社内報の「フライト・セーフティー」の二十八号にも掲載をされているわけでございますが、この掲載されている事故、このような事故に対してどういうような防止対策があるのか、この点を伺っておきたいと思います。
#85
○説明員(長澤修君) ただいま先生からお話がございました問題点は、この信頼性の高いINSの操作上の問題に関連しておるものでございます。
 ただいま先生御指摘の事例は、このINSを使うために、初期設定といいますか、INSを使うように設定をする手順がございますけれども、その手順の途中で機体を、航空機自身を少し動かしたというようなことがございまして、そのために、INSは非常に正直でございますので、その動かしたという信号をそのまま自分自身で覚え込んでしまいまして、そのことのためにコースがずれようとしたということでございますが、パイロットが、航空路を飛びます場合には必ず自分の飛行機の位置を、クロスチェックと申しますか、幾つかの方法で、自分が正しいコースを飛んでおろかどうかということをチェックいたします。地上の航行保安無線施設あるいはウエザーレーダーを使っての地形のチェック、そういうことを常時やりながら飛ぶわけでございまして、いま先生御指摘の事例も、アンカレジの空港を出ましてすぐ地上の無線施設との整合性をチェックいたしまして、自分の飛行機の位置がずれようとしているということにすぐ気がついて修正をいたしております。
 このようにINSの使い方を的確にすれば非常に信頼性は高いけれども、INSの使い方についてのマニュアルの遵守ということは、当然こういうものを使っていく場合の一つの前提ということになるわけでございます。
#86
○桑名義治君 いまの説明でもわかりましたが、INSは非常に信頼度の高い機械であると。しかし使い方、使用の仕方がちょっとずれてしまうとこれは大変な状態を引き起こしてしまう。しょせんは機械ですから、人間がこれを操作するわけでございまして、その人間自身の注意力というものが非常に重大な要素になる、こういうふうに認識をしなければなりませんし、たとえばこの問題がこういうふうなずれによって起こったとするならば、当然これはよそごとではなくて、日本の航空界においても十二分に注意をしていかなければならない問題であろう、こういう新しい認識をしなければならないのではないかというふうに思います。
 そこで、ソ連機に撃墜されました大韓航空機のINSは過去七回も故障を起こし、それから無線通信装置もたびたび故障した、こういうふうに報道されているわけであります。当時のアンカレジの整備担当者も、方向指示器と通信装置に多少問題があった、こういうふうに認めているという報道も新聞紙上でなされております。そういうことを考えますと、整備にも問題があったのではなかろうか、こういうふうにも思うわけでございますが、いままでの経過の中で大韓航空会社の方からどのような情報を受けているのか、お知らせ願いたいと思います。
#87
○説明員(長澤修君) 国際的な航空運送が行われます場合には、先ほど来話の出ております国際民間航空条約というものに基づいて行われるわけでございますけれども、条約の締約国はお互いに約束事をいたしてその上で飛ぶという前提になっております。
 その約束事と申しますのは、国際民間航空条約の中で技術的な基準というものを決めまして、そして各国がその技術上の基準を遵守するという約束をした上でお互いの乗り入れを認めるという形になっております。その基準は、国際民間航空条約の附属書としましてそれぞれ、整備なら整備、あるいは乗員のライセンスであればライセンスということで附属書に規定がされておりますけれども、そういうものをお互いに守っておるという前提でわが国の航空会社も外国に乗り入れておりますし、外国もわが国に乗り入れてくる、こういうシステムになっておりますので、それぞれの国の航空機についてはそれぞれの国が責任を持ってICAOの基準どおりにやっておるということを確認する、こういうシステムになってございますので、私どもの方で直接大韓航空機がいつどこでどうであったというようなことを把握するようなシステムにはなってございませんので、いまも先生のお話の詳細等につきましては私ども承知をいたしておりません。
#88
○桑名義治君 そこら辺がどうもやっぱり納得できない点なんですがね。条約上の取り決めでいま御説明のあったような状況かもしれません。しかしながら、今回のこの問題については、日本国も相当な資料の提供もやっているわけですね。新聞紙上でも、防衛上の問題があったけれどもああいうデータも全部提供をした、全面協力の立場をとっておるわけですね。しかも今回のこの事故の中では日本人も、二十八名だったですか、たくさんの日本人の事故者も生まれているわけです。そういった立場であるならば、少なくとも大韓航空会社は、あるいはこれは国との兼ね合いもあり、あるいは条約上の兼ね合いもあるかもしれませんが、でき得る限りの資料を私は提供すべきである、こういうふうに思うわけでございますが、この点について大臣はどう思われますか。これは誠意のある態度ではないとしか私には思えないわけですがね。
#89
○政府委員(山本長君) 国際民間航空を安全かつ円滑に運航するというためにICAOのシステムがあり、各国自身が独自の判断で、乗り入れてくる航空機について監督するということは交通の円滑化を妨げる、こういう趣旨ででき上がっているというのが技術部長のただいまの答弁でございます。
 それはそうでございますけれども、本件の事故につきましては日本人も二十八名犠牲者になっておるわけでございます。また日本の近くにおいて発生した事件であるということからもわれわれも非常に大きな関心を持っておるわけであり、その事件の原因の究明というものを早急にやらなきゃならぬと思っておりますし、ただその事件の究明というのは、やはり関係各国が協力し合って初めてそこで総合的な事実の把握というものができ上がるわけでございます。そういう趣旨から、ただいま外務省の参事官も言われましたICAOの決議、早急に原因の究明を図るという決議も、日本側の強い意見というものが反映してああいう決議になったものと思っております。われわれの代表団も、参事官も行かれたわけでございますけれども、そういう趣旨の決議をICAOにおいてやってもらうということがわれわれの対処方針でもあったわけでございます。そういったICAOが私たち日本国の要望も入れて決議をなされ、いま関係各国を経めぐって調査をしておるわけでございまして、先生おっしゃる、大韓航空機の機器の整備について問題があったのではないかという面につきましては、ICAOの調査団においてこれが究明されるということをわれわれは希望しておるのでございます。
#90
○桑名義治君 それで次の問題として、ブラックボックスの引き揚げについて日本の政府職員の立ち会いが不可能になったわけでございますが、その間の経過を説明していただきたいと思います。せっかくアメリカに呼ばれて行きましたらちょっと手違いで妙なことになったというような経過が報道されているわけでございますが。また、ブラックボックスの引き揚げ可能の見通しはどういうぐあいか、その点も御説明願いたいと思います。
#91
○政府委員(山本長君) ブラックボックスと言われております飛行記録装置及び操縦室音声記録装置というものが入っておる一つのボックスでございますが、事故原因の究明のためにはきわめて重要なものでございます。これの引き揚げについて米国は努力をいたしておるわけでございますが、先月の二十六日であったと思いますけれども、外務省を通じまして、この引き揚げに立ち会ってはどうかという要請がございまして、これに対して私たちも係官を派遣いたしたのでございます。係官は米国の艦船に乗り組んだわけでございますけれども、この乗り組み後の行動については米国側の指示に従う、こういう条件もございました。われわれ正確には承知いたしておりませんけれども、やはりブラックボックスを早急に引き揚げられる見通しというものが早急に立たないというこ
とであったのだろうと思いますけれども、米国艦船側の判断によりまして稚内に引き揚げてきた、こういうのが事実でございます。私たちといたしましては、引き揚げの見通しというものがつけば、また米国がそれを要請すれば、再度係官を派遣して立ち会わせるという用意をして、そういう気持ちを持っておるのでございます。
 二番目の、引き揚げの見通しでございますけれども、正直申し上げまして正確にお答えすることはできないのでございますが、相当深い海底にあるというふうに伝えられておりますし、また、その位置を示す発信音がいまとだえておるというふうなことも言われておりますし、また、相当深い海底からこれを引き揚げるということにつきましては相当高度な技術が必要でございます。したがいまして、引き揚げの可能性についての先生の御質問について、高いとか低いとかいうことを申し上げられるだけの材料は持っていないというところでございます。
#92
○桑名義治君 いずれにしましても、いまいろいろとお聞きをしたわけでございますが、この原因究明につきましては、あと残されたものは、ブラックボックスが引き揚げられてその中のデータを分析する、そして解明をしていくという以外にもう道がないみたいな感じがするわけでございます。
   〔委員長退席、理事下条進一郎君着席〕
これはソ連の協力は全く得られませんので、そういったことしか言えないわけでございますが、それと同時に、大韓航空会社がどれだけみずからのいわゆる整備における資料を持ち合わせてそれを提出するか、そういったところにかけられている、こういうふうにも思われるわけでございますが、いずれにしましてもICAOの調査団が入っていますのでこのICAOの調査団の結果を待たなければならないだろう、こういうふうにも思われるわけでございます。
 そこで、事故発生直後からアンカレジ―東京間の飛行航路というものが一時閉鎖をされていたわけでございますが、三日の午前四時を期してこのロメオ20の航路が再開されているようでございます。それで、この閉鎖をしたということはどういうことなのか、それから再開をした理由はどういう理由なのか、それから再開後のロメオ20の安全確保についてはどのような措置をとっているのか、この三点についてまず伺っておきたいと思います。
#93
○説明員(長澤修君) 先生ただいま御指摘のルート・ロメオ20のことでございますけれども、事故直後アンカレジのACC、航空交通管制部の方から、R20を当分の間閉鎖したいという通告がございました。このルートは、アンカレジの方から東京の方へ飛んでくる航空機がもっぱら利用しておる航空路でございます。したがいまして私どもの方としては、アメリカ側のこの通告によりましてアンカレジの方から飛行機がもう自動的に飛んでこなくなりますので、それを受けてR20が閉鎖されたということを周知した次第でございます。
 このルートは先生お話しのように三日の午前四時から再び再開をされておりますけれども、アメリカ側においてルートについての恐らく何らかの吟味をしたのではないかというふうに思われますけれども、その結果再開するという通知がありましたので、日本側としましては、このルートについては従来このルートの設定の経緯からいささかの疑念も持っておりませんでしたので、それに応じて飛行機が飛ぶようになったということでございます。
 R20の安全性の問題でございますけれども、この経路は昨年の三月十八日にICAOの承認を得まして設定されましたルートでございますが、この設定をいたしますときに日米ソ三カ国の関係者とそれからICAOとの間で協定を結びまして、このR20の経路の中心線、飛行機が通ると予想されるその中心線から北側五十海里、九十キロぐらいでございますけれども、五十海里までの空域を保護空域、飛行機は常に航空路の中心を飛ぶようにいたしますけれども、移動物でございますので当然若干中心からずれるというふうなこともあり得ることでございまして、そういうことを保護するために保護空域という幅を持たせるわけでございますが、その五十海里までの保護空域をソ連は保障するということを約束をいたしまして、その上でこのR20というのが設定されておりますので、このR20の使用については私どもは問題はないものというふうに考えておる次第でございます。
 なお、この経路が設定されましてから現在までにざっと一万数千回のフライトがございましたけれども、このルートを逸脱したという事例の報告は、今回の大韓航空〇〇七便のケースを除いてはございません。
#94
○桑名義治君 ロメオ20のルートには六つのいわゆる位置の確認地点があるわけでございますが、大韓航空機が成田の通信局に連絡をしてきた位置と実際の飛行コースの間に大きなずれが発生をしていたわけでございますけれども、これは確認はできないものなんですか。
 それと同時に、ロメオ20の盲点と言われているいわゆるニーバ、ニッピの位置を確認するためには千島に民間航空用の地上通信局やレーダーを設けるより方法がない、こういうふうに言われているわけでございますが、今回の事故を契機にソ連政府に地上通信局の設置を働きかける意思があるかどうか、あるいはまたその用意があるかどうか、この点はどういうふうにお考えでございますか。
#95
○説明員(長澤修君) ただいまの先生の御質問の最初の点、ニッピあるいはニーバあるいはノッカ、こういった義務位置通報点で飛行機の位置を確認できないのかというお話でございますけれども、このニッピとかノッカとか申しますのは洋上はるかな距離にございまして、わが国の国内をカバーしております航空路監視レーダーのはるか外にございます。それでこういう位置は、本来パイロットは当然自分がどこを飛んでおろかということを確認して飛ぶのがまず基本でございまして、昔は自分の目で見たりあるいは星を見たりして飛んでおったわけでございますけれども、最近ではいろいろ技術の進歩によりまして、INSあるいはウエザーレーダーあるいは地上の無線施設というようなもので、その自分の位置を常時的確に知りながら飛ぶことができるようなシステムになっております。したがってこの位置は、パイロットがそういった機器を駆使して自分の位置をつかんで地上の管制機関へ報告をする、こういうシステムで飛んでおるところでございます。地上の日本の国内をカバーしておりますレーダーでは遠くて届かない位置にあるということが一つございます。
 それからニッピとかニーバのあたりに地上局をつくるという問題でございますけれども、航空路に近接しております場所にVORあるいはレーダーのような航行保安施設を整備するということが望ましいものであるということは、もちろん言うまでもないことでございます。ただ、それを実際に行います場合にそれが可能かどうかというようなことにつきましては、航空路周辺の地理的条件、これは当然でございますけれども、そのほかに、国際間の飛行でございますと国際間の協力が必要でございまして、一つの国だけでやるというような性質のものではございませんので、国際間の協力が得られるかどうかというようなことが重要で、それができて初めてそういうことが可能になるというようなことでございます。したがってこの問題につきましては、現下の諸情勢等も十分勘案の上適切な判断を下していかなければならない問題というふうに考えておる次第でございます。
#96
○桑名義治君 この問題につきましては、いま御説明がありましたように、国際間の了解が必要なんです。したがいまして、政府としてはその意思があるかどうか、あるいはそういったいろいろな国際機構に働きかける意思があるかどうか、この点をお聞きしているわけでございましてね。
#97
○説明員(遠藤哲也君) 実は、またICAOの特
別会合に戻って恐縮でございますけれども、ICAOの特別会合の日本代表の提案の中で、こういったような事故がもう二度と起こってはいけないということで幾つかの具体的な提案をいたしまして、こういった提案を今後ICAOの航空委員会でもって検討してくれと提案したわけでございます。そのうちの幾つかをちょっと御披露させていただきたいと思うのでございますが、一つは先生の冒頭御指摘のようなINS、これは精度はいいとしても操作をする問題もあるのじゃないかというようなことから、INSの操作についてのいわゆる手引きと申しますか、こういうふうにやるのだというマニュアルのようなものをひとつつくることをICAOで検討してもらったらどうかというような点も、日本側から具体的な提案として出したわけでございます。
 それからもう一つ、いまの点でございますけれども、確かにR20というのはかなりソ連の領空に近いところを飛んでおるわけで、こういったような地帯を飛ぶことについて、やはり再発防止というような観点から関係国間でフライトインフォメーションの交換という制度、それが可能かどうか、そういったことをICAOの航空委員会で検討してはどうかという提案もいたしたわけでございます。
 したがいまして、日本の提案は、若干というか、かなりの国が、これは具体的な提案だということで関心を示しておりますので、今後ICAOの航空委員会におきましてそういった点につきましては、日本からこれは言い出したことでもございますし、これを検討課題として議論をしていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#98
○桑名義治君 大臣ね、いま外務省としてはICAOに、そういう安全ということを考えながらいろいろな提案をしたい、こういうふうな御意見のようでございますが、運輸大臣としては、この件につきましてはどういうふうにお考えになられますか。
#99
○国務大臣(長谷川峻君) こういう機会にいままでの足りないところ、不足しているところに全部が気がついて、それに協力して推進して、将来の事故、これを防ぐという雰囲気が大事だと思います。日本としてもそんなものに大いに協力をして推進したい、こう思います。
#100
○桑名義治君 そこで、あと残された問題といたしましては、いわゆる遺族に対する事故の遺族補償の問題が残るわけでございますが、モントリオール協定の七万五千ドル、約千八百五十万円になるわけでございますが、この範囲内で処理をする方針であるという大韓航空会社の発表があつているようでございますが、この額は余りにも低過ぎるのではないかと思います。
 そこで、日本航空の場合は、モントリオール第三議定書に基づく額になっておりまして、約二千六百万円が補償額の上限とされているというのが現実のようでございますが、日本航空との均衡上も、政府は大韓航空会社に対しまして遺族補償の限度額の引き上げを働きかけるべきではないか。この補償の問題については運輸省といたしましても、あるいは大臣も御発言なさっておられますように、最大限の協力はする、こういうふうに発表されているわけでございますが、この点についての大臣のお考えをまずお聞きしておきたいと思います。
#101
○国務大臣(長谷川峻君) 病気したわけでもなければ何でもない。自分の国に帰ろうと思って楽しみにやってきてぱっとみんな死んだわけですから、これは御遺族にとっては大変なことで、本人にとってこんなみじめなことはないわけです。これは現場を見れば見るほど、人々に会いますとそういう感じです。それから遺体というものが、新聞やらいろんなもので見ますとなかなか大変でしょう。ですからこれは、日本人の気持ちとすれば、やっぱりどんなことでもしてあげなきゃいかぬ。機会があって大韓航空の社長にもお目にかかりましたし、それからいまあなたのおっしゃった、モントリオール条約に基づいていまのような形で一定の枠があるということも聞いておりましたが、それをきっかけにして最大限のことはやってくれ、こうは言うておりますけれども、さて相手のあること、そういうこともありますから大変なことじゃないか、こういうふうに感ずるわけです。
#102
○桑名義治君 実際に考えてみますと、航空機事故で死亡した場合には、一般の地上の交通事故よりも安い、補償額が。これはどう考えてみましてもわれわれは納得できない。したがいまして、いまから先の問題といたしましては、いわゆるモントリオール協定がこういう補償額を安いところで抑えているところに私は問題があると思う。これも、今回のこの問題を契機にしまして、やはり各国間で話し合いをやりながら、この上限をもう少し上げるべきではないか。また、そういう提言を日本がやるべきではないか、こういうふうにも思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#103
○政府委員(山本長君) 国際航空についての賠償責任問題、その限度額というのは非常にむずかしい問題でございまして、世界各国の所得が物すごく格差があるということもございます。日本の立場からすればこの約款の限度額が非常に低い、こういうふうな認識が日本としては当然でございます。またしかし、外国の立場からすれば必ずしも低くない、こういうふうな議論もございます。
 こういうことで、賠償責任の限度につきましては過去何回か条約が作られ、また現在条約が作成されておりますが、まだ批准されていないという条約も実はございます。このモントリオール協定というのは、そういった観点からすれば、現在国際航空に適用されております約款上の限度額といたしましては一番高い方でございます。日本の側から見れば低うございますけれども、世界的に見て高い額でございます。欧米諸国の航空会社の約款を見ましても、やはり大韓航空が定めております約款の限度額と大差はございません。先生がおっしゃいました日本航空について、十万SDRというものを日本航空は決めておるわけでございますが、これも特約条項として決めておるわけでございます。日本航空についてはやはり日本人が圧倒的に多うございますから、そういった日本の所得状況を考えて日本航空として特約をしておる、こういう性格のものでございます。
 この問題はモントリオール議定書といるものがまたございまして、これはたしか限度額が十万SDRということにしたらどうだ、こういう条約でございます。この条約についての批准問題も実はございますが、この条約自身についても今度はまた別の問題も実は、詳しくは申し上げませんが、問題もございまして、われわれも検討しておるところでございます。この約款の限度額については、やはりこういった条約の批准というふうな形でもって改善をしていく。一国だけが乗り入れ会社に強制をするというわけにはなかなかまいらない。また、そういうことをいたします場合も、やはり世界全体のバランスを考え、他国はどうやっているかということも考えてやっていかなければならない問題でございますので、非常にむずかしい問題だというふうに御理解願いたいと思います。
#104
○桑名義治君 確かに、国際協定で決められている種々の賠償額から見れば多少高いかもしれません。しかし、これはやっぱり国際的にそれぞれの国の実情がございますし、それこそ命に対する評価、これがまた違うわけでして、アメリカだったらすごい値段を補償しなければならないわけでございますが、そういったことを埋めるために、国際運送約款上、航空会社に重大なる過失があった場合にはこれを超える金額を請求することができると。そういった意味で、重大な過失があったと遺族会では認識をして裁判所に提訴する、こういうふうに発表をされているようでございます。そのときに遺族は挙証責任を負わなければなりませんのでこれは非常に厳しいわけでございますが、そういった立場から政府としても遺族側に最大の協力をしていただきたい、このことをまず一つ申
し上げておきたいと思います。
 それと、五十三年の四月に大韓航空機が領空侵犯でソ連機の攻撃を受けたいわゆるムルマンスク事件で死亡された日本人に対する補償はどうなっているのか。当初最大限に尊重すると約束していた外務省も、訴訟後は協力をしないと言われているように私も聞いているわけでございますけれども、政府としては具体的にどのような支援をこの問題については行ったのか、この点をお聞きしておきたいと思います。
#105
○説明員(田中三郎君) お答え申し上げます。
 五十三年のムルマンスク事件のときは日本人一名が死亡したほか六名が負傷されまして、この負傷した六名については、先生御承知のとおり解決しております。一名の方につきましては、最初、話し合いで何とか解決しようということで大韓航空機と遺族の方が話し合ったわけですけれども、これが不調に終わり、五十四年の末に東京地裁に損害賠償の訴訟を提起し、これが現在続いているという状況でございます。
 そこで、この問題について外務省あるいは政府がどういうふうな側面的な援助をしたかということにつきましては、基本的には、今回の事件についてこれまでお話がございましたように、
   〔理事下条進一郎君退席、委員長着席〕
遺族の方々と大韓航空機との損害賠償の問題は、政府と政府の直接の賠償要求とは異なりまして、政府として行えることは側面的にできるだけ協力するという、こういう姿勢で、これは長谷川運輸大臣がいま御説明したとおりでございまして、したがってムルマンスク事件についても、具体的に訴訟が提起されてから日本政府としては直接に介入もしくは関与するということは政府の立場上それは不可能であったわけで、それではどういうことができたかといいますと、訴訟問題についてときどき大韓航空側、場合によっては韓国政府に事情を聴取したり、それから特に訴訟提起の初めの段階で遺族の方々からの相談に応じたり、あるいは助言をしたり、そういう側面的な援助というととはやってきたというふうに了解しております。
#106
○桑名義治君 今回の事件は。
#107
○説明員(田中三郎君) 今回の事件につきましても、当初から政府としては側面的な援助をできるだけやるという姿勢ははっきりしておりまして、具体的には、一番強力な側面的援助といたしまして、大韓航空の趙社長が東京での合同慰霊祭に参加するためにやってきまして、慰霊祭は二十三日でございますけれども、翌二十四日に安倍外務大臣、それから官房長官、それから外務省の領事移住部長、この三人が直接大韓航空の社長に会っていただきまして、そして、補償問題について大韓航空の社長みずから円満に解決するように努力してほしいということを強く申し入れております。
 このときに、先ほど先生から問題提起がございましたモントリオール協定についても、われわれの方から、モントリオール協定で解決するというようなことではなく遺族の心情をよく考えて本当に最大限の努力をしてほしいということを申し上げております。これは外務大臣からも、官房長官からも、それから領事移住部長からも同じように申し入れております。
 これが、政府として現在まで行った最も強力な側面的な支援ということが申し上げられると思います。
#108
○桑名義治君 いずれにしましても、この賠償問題はこれは重大な問題だろうと思うんですよ、遺族にとりましては。それと同時に、やはり日韓の関係ですね、これをよくするためにもこれは重大な問題だというふうに私たちは認識をしなきゃいけないと思います。いかなる理由があろうとも、冒頭に申し上げましたように、航路、コースを外れたということはこれは重大な過失ですよね、いかなる理由がありましょうとも。コースが外れなければああいう問題は起こってないわけでございますから、その基本的な面をもう少し強く主張しながらこの補償問題については遺族の方々が納得するような方向で、やはりこれは国際的な問題でございますので、個人的には非常に厳しい環境でございますから、十分な手当てをしていただきたいことを要望してこの問題は終わります。
 時間が大変に切迫をしまして、私鉄の運賃値上げの問題についてはちょっと触れられないと思いますので、大変に失礼とは思いますがこれはカットさせていただきます。
 三宅島の噴火の問題で伺っておきたいと思いますが、三宅島では昨年の暮れから正月にかけまして噴火の前兆と見られる有感地震が頻発をしております。東京都の防災会議の調査会では、将来必ず噴火が起こる、こういうふうに予想をしていたわけでございまして、さらに同調査会は六月には、人命喪失を防ぐため噴火の前兆現象を確実につかみ、避難に必要な時間をとるようにという提言もなされているわけでございます。
 それにもかかわらず、新聞の報道ではございますけれども、噴火の一時間ほど前に噴火の徴候らしきものをとらえているにもかかわらずその予知がなかった、こういうところは監視体制の不備ではなかったか、こういうふうに言われているわけでございますが、この点はどういうふうにお考えですか。
#109
○政府委員(末廣重二君) お答え申し上げます。
 私どもは、三宅島の火山につきましては一日二十四時間、三百六十五日全く休みのない監視を続けているわけでございまして、十月三日の場合でございますが、十四時ちょっと前に、火山活動に最も関係が深いと思われております地面の微動を検出いたしました。直ちに、これが火山性のものであるかどうかということを検証いたしまして、十四時三十分前後、十四時二十何分だったそうでありますが、つまり噴火の前約一時間であります、村役場に電話をいたしまして長谷川助役に、火山性微動があらわれたから警戒してくださいということを申し上げております。その後で出しましたいわゆる火山の噴火の状況が大きくなるという情報は、これは噴火の後でございますが、約一時間前に役場の方には警告のお電話を差し上げております。
#110
○桑名義治君 現在わが国では、今回のような噴火が起こり得るいわゆる活火山ですね、これは六十七カ所ある、こういうふうに言われているわけでございますが、その中で私たちが今回の噴火でもって特に注意をしなければならない問題は、われわれは火山列島の上に住んでいるのだということですね。この大前提に私たちはもう少し強い認識を持っておかなければいけないのではないか。
 そういった立場から考えますと、実際に六十七の活火山の中で常時観測を続けているのが十七でございますね。それから、特に重点観測が行われているのが浅間、伊豆大島、桜島それから阿蘇、この四カ所のようでございます。しかしながら全体を見てみた場合に、われわれ日本の国がいわゆる火山常襲地帯である、しかも非常に厳しい国土の中にいるのだという、そういう認識がまだまだ少し不足しているのではないか。そういった立場から考えますと、今回の三宅島につきましても観測所が何か一つしかないというようなことがよく新聞紙上で言われて、批判されているようでございますが、そういった立場でいまから先特に注意しなければならない問題は、火山地帯には特に観光開発が軒並みに進んでいるということでございます。そういった立場から考えた場合には、人命災害を防止するためにも火山に対する監視体制、それから火山現象の研究、こういったものをさらに強化する必要がある、こういうふうに思うわけでございます。桜島も過日大きな爆発がありまして溶岩が海まで流れ込んだというのがありましたが、あれは人家を避けて流れたために大きな災害が起こらずに済んだわけでございますが、そういういろいろな問題を見てみると、これは非常に心配でならないわけでございます。
 こういった実情を踏まえてこの監視体制をさらに強化していく、そういうおつもりがあるのかどうか。また、具体的にそういうような方策が考えられているならば、それをお知らせ願いたいと思います。
#111
○政府委員(末廣重二君) 先生御指摘のとおり、
まさに日本はどこへ行っても活火山があるわけでございまして、こういったものの監視ということにつきましては、従前までも強化すべく努力をしてまいりましたし、今後も、文部省にございます測地学審議会の建議の線に沿いまして、年次計画を持って常時監視体制を強めていくということを進めてまいりたいと思っております。
 具体的に申し上げますと、ことし浅間山の監視体制を強化いたしますし、来年も、ちょっと具体的な名前は失念いたしましたが、いままで常時監視されていない山も常時監視の中に入れるという計画を持っております。
#112
○桑名義治君 以上で終わります。
#113
○委員長(矢原秀男君) 午後二時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時二十八分開会
#114
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#115
○小笠原貞子君 次々と国鉄の問題というのは大きな問題で、われわれの生活から日本の産業、経済、非常に影響のある問題として、きょうは貨物の合理化問題を伺いたいと思います。
 その前に、国鉄バスの問題をちょっと先に聞いていきたいと思います。
 再建監理委員会が八月二日に緊急措置というのを発表されました。これは本当に、幾度も言うようだけれども、国鉄分割民営化ということの突破口を開く土俵づくりということで、大変大きな問題だと言わざるを得ない。
 また、重ねて最初に申し上げたいと思いますけれども、その緊急措置の中で国鉄バスについてこう書いていますね。五人未満の路線は整理する、その他の赤字路線は整理ないし民間譲渡する、こうなっております。この趣旨からいたしますと、残る路線、つまり黒字で残る路線というのは一体あるだろうか。残る路線はありますか。
 そしてもう一つ伺います。五人未満、それから五人から十五人、その他の路線、ごとの数はどうなっているか、伺わせてください。
#116
○説明員(橋元雅司君) 先生仰せのとおり監理委員会かち緊急な御提言がございました。それで大変厳しい内容と受けとめておりまして、今後これに対しましてどのように対処するか、私ども鋭意検討を進めておるところでございます。
 私ども国鉄バスは、皆さん御承知のとおりでございますが、現在一万四千キロの営業キロを持っておりまして、約八千人の職員、それから二千五百両のバスを運行いたしておりまして、バスの両数では全国第二の会社でございます。それで御多分に漏れずやはり赤字でございます。これは線区の素質の問題もございますが、赤字でございまして、五十七年度では、四百四十億ぐらいの収入がございますが、一方経費の方はちょうどそれの倍の八百七十五億程度でございます。
 そこでこの赤字はどうしてもやはり整理をしなければいかぬということでございまして、いま現行の改善計画におきましてもこれを何とか縮減いたしたい、この赤字を削減いたすべく努力をいたしておるところでございます。そこで、問題は二つございます。一つは、路線の素質が非常に問題があるということで、いま五人未満云々というお話もございましたが、そういった路線の見直しをもう一回図りまして再編成をするというのが一つの柱でございます。それからもう一つは、職員の働き度の向上という問題でございまして、これはできれば民営バス並みの効率性を確保したいということでいろいろ努力をいたしておるところでございます。
 そこでまず、路線の再編成の問題でございますが、どうしても、これは運輸省の御指導もございますし、私どもとしてもやはり、余りにも乗車密度の小さい路線についてはこれを整理させていただくということで、いろいろ地元の関係団体ともよくお話を詰めながら逐次実施いたしてまいりたい、こう思っておるところでございます。
#117
○小笠原貞子君 五人未満の路線の赤字額はどれくらいになっておりますか。ということと、また、この十一月のダイヤ改正の時期に合わせて全国で休廃止予定の路線数と、それから区間の数と営業キロ、そのうち北海道はどれくらいになっていますでしょうか。
#118
○説明員(橋元雅司君) 本年度計画といたしまして、全国で、地方自動車局がございますが、現在地元と折衝中のものが四十三路線、八十二区間、約七百キロでございます。これはレールの場合とちょっと違いまして、全国一斉にやる、ダイヤ改正を機会にいろいろ整理をするということではございませんで、路線ことの事情がございますので、路線ごとに個別に具体的にお話を進めておるというところでございます。
 なお、お尋ねのこの乗車密度五人未満の路線でございますが、これは私ども系統数ということで押さえておりまして、この系統数が百五十九系統ございます。系統キロにいたしまして千七百九十キロ、大体平均十キロ強程度の長さということになりますが、系統キロで大体千七百九十キロ、それの赤字額が十三億円でございます。
 以上でございます。
#119
○小笠原貞子君 北海道はどうなっていますか。全国で四十三路線ですね。
#120
○説明員(橋元雅司君) 北海道での今年度の計画でございますが、四営業所五路線でございます。そのキロ数は百十三・五キロと相なっております。
 線名を申し上げますと、まず伊達営業所の羊蹄線というのがございます。それから様似営業所の日勝線、美瑛営業所の美瑛線並びに当麻線、それから帯広営業所の南十勝線、以上五線区でございます。
#121
○小笠原貞子君 どうもありがとうございました。実はおたくの方できょう資料を出していただきましたので、いまずっと見せていただいたのです。四十三路線ですね、これ全国的にまたがって大変な数になっておりますし、路線でいうと四十三路線ということになりますけれども、区間でいいますと八十二区間。
 たとえばいまおっしゃいました帯広の南十勝線ですか、ここで大樹というところを一つ見ましても、これは三つの路線になっているわけですよね、大樹の中で。全部方向が違ったところへ三つ出ているわけなんですね。こういうふうに一つずつ分析してみますと、具体的にこの数と線名、区間と見せていただいて、これは大変だなということを感じましたのです。御承知のように、ローカル線を廃止されてしまうとお年寄りや病人や学生は大変困る。そしてその上に、命の綱としていた路線までとられていってしまう。本当に私、地元でございますから何度も行きましても、やっぱり弱い者が深刻な打撃を受けるわけなんです。そういうことから見て、本当に過疎で、営業から見れば過疎だからこれは赤字だからという理屈はもうそのとおりだと思うのだけれども、それで済むだろうかということです。まさに人道的な問題だと言わざるを得ないんだなと思うんです。
 いろいろありますけれども、きょうはひとつ大樹町の例をとって具体的に伺っていきたいのです。
 この大樹の町は町長さんも非常に協力的で、いろいろ国鉄そのものに具体的な援助をしていらっしゃるわけなんですね。援助してきて何とか助けてほしいと思っていたんだけれども、八月に国鉄の方から通告を受けた。すべての休廃止路線が十一月のダイヤ改正時点でやめることになるんだということでいらしたというわけなんですね。突然いらして、そして、いままでも協力してきたし、話し合いをしようじゃないかというのではなくて、いきなり、廃止になるよということで、準備しなさいというふうに言われてびっくりしちゃったと。びっくりした次にはもう腹が立ってきたということです。これは何だ、突然こういうことを言い出してと。余りにもひどいじゃないかと言っ
て、町長さんも頭にきちゃうし町民も大変びっくりするしというようなことで、こんなことが許されていいんだろうかと私も思ったのですわ。どうなんですか。こういうふうな、突然やってきて、八月でしょう。十一月、三カ月ですよね。この三カ月でやめちゃうよなんて、こんなことが許されていいんだろうか。どうなんですか。総裁、どうお思いになりますか。
#122
○説明員(橋元雅司君) 先生おっしゃいますように、大樹、これは南十勝線と申しておりますが、三区間ございます。いずれも一日二往復あるいは三往復でございまして、平均、お乗りになっておる方の人数が大体四人前後ということでございます。しかもこの一つの路線は十勝バスと競合をいたしておりますし、他の路線は単独でございますが、いずれにしても四人のお客様しか御乗車いただけない。道路事情は非常によろしいということでございますので、今回そういった全体の方針のもとでお願いに伺った、御相談に伺ったということでございます。
 三カ月前というのはちょっと短いということもございますかもしれませんが、私どもとしては十一月十五日ごろをめどに地元とお話し合いをまとめたい、こういう希望を申し述べたわけでございます。御関係の大樹町並びに忠類村でいろいろ事情をいま御説明申し上げている最中でございますが、私どもの希望といたしましては、ぜひ十一月十五日ぐらいにそういった計画を実行させていただきたい、こうお願いを申し上げているわけでございます。なお十分、時間は短うございますけれども誠意を尽くしてお話を続けてまいりたい、こう思っております。
#123
○小笠原貞子君 そちらのお立場でのお考えもわかりますけれども、こちらの考えもちょっとわかっていただきたいんだわ。そっちばっかりわからせられちゃって、こっちのをわかってもらえないのよね。四人とか何人とかとおっしゃるけれども、車を持っていて運転できてという人ならそれはいいですよ。だけど、いま言ったように、お年寄りとか病人とかというような人が、四人であろうと一人であろうと、本当にそこに命をつないでいる、お隣の車を借りればいいじゃないかなんていったって、隣の車に、ちょっとぐあいが悪いから行ってよなんて、いまの人情の中ではそんな簡単なもんじゃないということもわかってほしいと思うんです。
 それで、町長さんもおっしゃるんだけれども、余りにも時間がなさ過ぎるというんですわ、八月に言われて九月なんていいますと。それなりの手だてというのも必要になってくる。だからちょっとその辺のところは余りにも無情じゃないかとこう言われると、私、おたくよりもそっちの町長さんの話の方がわかるわね。大臣もそうわかっていただけると思うし、総裁もそれはわかっていただけると私は思うんですよ、人間であるならば。つけ加えますが。
 そうしますと、やっぱりことで総裁にお願いしたいんだけれども、十一月実施なんということでぎりぎりやるんじゃなくて、いつまでというのはわからないけれども、とにかく話がつくまで十一月実施はちょっと見直す。十分話は詰めていくのは結構だけれども、そちらでなさるのは、ちょっと十一月実施というところに固執しないでいただきたいということなんです。そして総裁としては、こんな一地方の局とおっしゃるかもしれないけれども、地方局としての向こうの方に御指導をいただきたいということをお願いしたいと思うんですが、総裁いかがですか。
#124
○説明員(高木文雄君) いまのような疑問をお持ちになるのはまことにごもっともだと思います。実はバスにつきましては、運輸省あるいは政府の御方針で、五人未満のところはもうどうにも手の出しようがないということでやめていくという御方針をお立てになってきたわけでございますけれども、そうもなかなかいかないということで、実は私の方は民営バスと違いまして、民営バスは大分廃止が進行したようでございますけれども、私の方はまあまあ長年の関係者の方々との御緑もございますし何とか残せないかということで、実は民営バスより大分テンポがおくれておるというか、まあまあ残してきたわけなんでございます。
 いろいろ、道路の悪いところではワンマン運転がお許しが得られないというようなことで二人、まだ車掌が乗っているというようなこともありまして、そういう経費の切り詰めにもっぱら専念をしてここ数年経過をしてきたわけでありますが、先ほど担当常務が申しますように、全国的に見ますと圧倒的に国鉄バスが赤字路線を引き受けているという現状から、いまのような収入と支出のアンバランスが余りにも極端に大きくなってきました。それから、民営バスの場合には国から補助金が出されておりますけれども、その場合には市町村、都道府県からもお金をお出し合いになるわけでございますけれども、われわれの場合は全部われわれだけがやらなきゃいかぬということになっておりまして、とうていやれないということであります。
 そういうことでありますれば、ぜひ政府の御援助をひとつ求めていただきたい。私の方だけそう言われてもどうにもならぬということでございますので、どうか政府全体としてお助けくださるものならばお助け願いたい。補助金も全くなしで幾らでもやれと言われてもそれはできないということを申し上げざるを得ないのでございます。
#125
○小笠原貞子君 済みません、時間が短いものですから聞いたことを簡潔にお答えいただきたいと思うんです。
 いろいろ御事情はわかっております。わかっておりますけれども、八月に言ってきて十一月実施ということでは余りにもひどいじゃないか、ちょっとその辺のところを見直していただくというお気持ちがあるかないかということを伺ったわけなんですよ。そのお気持ちがありますか。ないですか。
#126
○説明員(高木文雄君) 同時に、ぜひ民営並みにひとつ助けていただきたい。民営と違う扱いをしておいてやめるなと言われても困るわけでございまして、いまの、いつまでにどうするかという問題は、そういう全体の政策との進みによってはもちろん考え直すこともありますけれども、いまのままではどうにもならぬというふうに、追い詰められた気持ちでおるわけでございます。
#127
○説明員(橋元雅司君) 先生、いずれにしても期限は切ってやはり御提案、御協議を申し上げたいという気持ちでございまして、これは、当該自動車部のいろいろな要員事情等もございます。新規採用のストップとか、いろいろな情勢の中で、やはり重点化すべきところへ必要な要員を回さなきゃいかぬということもございますので、とりあえずは、ともかく十一月十五日、協議が相まとまるように努力をいたしたい、こう思っております。
#128
○小笠原貞子君 そっちだってそれだけ準備が要るんでしょう。町だって要るのよ。だから、十一月十五日めどにということはいいけれども、それでぎりぎりというんじゃなくて、向こうは話し合いをするという姿勢でいるんだから、その辺のところは弾力的にお話し合いをしてくださいと私言っているんだもの。あたりまえよね。大臣、どう思いますか、あたりまえでしょう、そんなこと。
#129
○説明員(橋元雅司君) 先生のお気持ちはよく承知いたしました。
#130
○小笠原貞子君 私の気持ちじゃなくて、町長と町民の気持ちをはかってよ。
 それじゃ、済みません、時間がだんだんなくなっちゃったんだけれども、いままでいろいろ事情を伺って、なるほどと、おっしゃることもわからないわけではないけれども、たとえば切りかえていくときにいつもこう言ってらっしゃるのよね。赤字をたくさん出す鉄道よりもバスの方が本数も出せますよ、駅もふやせますよ。そういうことで、大変よくなる、バスの方が便利になる、こうおっしゃっていままでかえてきたということが実際ありますね。
 具体的にまた言いますと、十一月のダイヤ改正で、滝川と沼田ですね、沼田というのは札沼線の行っているところですが、滝川と沼田間のバスが
十二往復あったんです。まあ十二往復でよかったなと思っていたけれども、今度はそれを八往復に変える。今度、滝川から北竜というところ六本あったのを二本に減らすという案が出てきているわけですよね。だから、いやバスの方が本数もできるし便利だよと言ったのが、この本数が減らされるというと、これはもう全くペテンにかけられたようなものではないか、こういうわけです。
 そうしますと、こういうことで次々と線は廃止されて、バスになると便利で、その便利だったバスの路線の本数を減らされるということになりますと、これはもう大変だというのは、私はあたりまえのことだと思うんですよね、住民にとってみれば。そろばんの上というんじゃなくて、住民の生活の上から考えてみると、これは大変なことだ。私はいま、具体的によく知っているから北海道のことを言いましたけれども、北海道だけじゃなくて、全国的です。全国的に、こういう点を考えますと、バスの全面撤退ということになると言わざるを得ないですね。こんな重荷をしょっていくのはいやだと。そうすると、ローカル線を廃止してバスにかえて、そのバスも便数を減らして今度は撤退する、こういうことを許していいのだろうかということです。これもいたし方ない、すっぱり切るんだというふうにおっしゃるのかどうか。大臣いかがですか、お考え。
#131
○説明員(高木文雄君) 札沼線の問題は先生多分よく御存じと思いますが、長い歴史があるわけでございまして、前回、鉄道をやめましてバスにかえましてからずいぶんと時間の経過がございます。それで、当時はかなりのお客さんがありましたからそれに相応した本数のバスが走っておったわけでございますが、その後全くお客さんがなくなってしまったという状況でございます。
 御利用があれば、それはそのとおりですということで鉄道のかわりにバスを走らすということでございますけれども、今度はまたそのバスをやめるのはひどいと言われますけれども、御利用になる程度が余りにも少なくなればやはり事態の変更に応じて考え直さざるを得ないというふうに思っておるわけでございまして、私どもも、バスを御利用いただけばレールでなくてもいいではありませんかということをしばしば申し上げている関係もあって、そういうことについては非常に気を使う、胸が痛むわけなんですけれども、どうも、御利用いただけないのに走らすわけにもいかないということでございまして、札沼線問題は私も非常に弱った問題だというふうに考えておりますが、現在の時点のお客様の乗りぐあいではこれはやむを得ぬかなと思って、いまそういうお話し合いをしているという事情でございます。
#132
○政府委員(永光洋一君) 五人未満のバスにつきましては、これは自動車行政全般との横並びもありまして、監理委員会の提言もいただいておりますが、五人未満につきましては一応整理をさせていただこう、こういうことであります。実は、別途この問題につきましては、市町村の代替バス等で自動車局でやっております五人未満のバスを代替するのと同じ形の制度に乗りたいということで、現在予算要求しております。それからそれ以上の、いわゆる鉄道を廃止した後の転換のバスの輸送力についてどうだ、こういうお話ですが、当然われわれとしては、ローカル線を廃止しました後のバスを仮に走らせる場合は、当該廃止した鉄道の輸送力より以上のサービスなりそれに相当するものは少なくとも確保したいと考えておりますし、余りにもその後お客さんが利用できないというような状況があれば格別でありますけれども、そういう代替の輸送力についての維持にはぜひ努めたい、こう思っております。
#133
○小笠原貞子君 もう時間がなくなっちゃって残念なんだけれども大臣、大臣なんだから、そろばんだけじゃないですよね。やっぱり国鉄なり国鉄バスが果たす役割り、そして政治というのは、本当に弱い者の立場に立ってそして努力していくのが政治だと思います。そうしますと、さっき具体的に私が言ったけれども、十一月、そりゃ仕事の上からはめどを立てなきゃならないだろうけれども、そこで固執するということではなくて、めどにはなっているけれども十分話し合いをするということでがんばって、十一月だなんということは言わないでほしい、ちょっと考えてほしい、私は切実にこう言っているんですけれども、間違っていますか。一言。
#134
○国務大臣(長谷川峻君) せっかく小笠原さんのお話ですけれども、そこまで話が煮詰まったものを何か私が話すことによって全体の構想が崩れるというふうなことでも困りますので、これはひとつ、地元でいままで話したそのことでお話しいただいて、いま運輸省が考えているあるいは国鉄が考えていることに御協力願いたい、こう思います。
#135
○小笠原貞子君 なかなかガードがかたくて、わからないね、本当に。それじゃ要望として、話し合いだけは、十分きちっと向こうの御意見も聞いてくださいよ、そうしないと本当に私たまりません、こういうことでは。これはそうやっていただきたいと思います。
 それで、貨物の合理化問題をいっぱい聞こうと思ったのに、わかってもらえると思ったことがなかなか常識が通らない社会だということをまたきょう再確認いたしましたけれども、貨物合理化の問題であと、時間がありませんから一言伺いたいと思います。
 九月の十六日、東京の国際観光会館で日本交通学会の勉強会が開かれた。そこに報告者として国鉄の経営計画室主幹の松田昌士という方が出席された、そして国鉄経営の現状についていろいろとお話しをくだすった、そういうことなんです。どういう中身かといいますと、たとえば貨物について言いますと、国鉄貨物のネットワークを維持し続けるとは考えていないと、簡単に、非常に明快にお話しになっているんですね。ごく特定の線区とごく特定の貨物を除いては廃止していく方針だ云々とおっしゃった後、次のようにまたその理由をはっきりおっしゃっているんです。貨物をやめると跡に土地が生まれるというメリットがあって、これが国鉄再生のかぎで、関連事業の自由とかかわる重要問題だと。だから、貨物なんというのは残す気はないよ、こういうふうに非常にはっきりおっしゃったんですね。総裁もそのようにお考えになっていらっしゃるのかどうか、伺わせてください。
#136
○説明員(高木文雄君) いまのとおりであるとすればちょっと適切を欠く説明の仕方ではないかというふうに考えます。私どもは、能率のいい貨物に切りかえたいというふうに考えておるわけでございまして、むしろ何とかしてもっと御利用がふえるような、お客様に御利用いただけるような輸送にかえていきたいという気持ちでございまして、私ども職員の説明、いまのとおりであるとすれば考え方に問題が少しあるなというふうに感じます。
#137
○小笠原貞子君 私も、これは大変だなと、こういう考え方では。だけれども、大変だというより、これが本音なのかなと、そう思いましたので、私、これは考えていただかなければならない、そう思いました。
 じゃ、また具体的な問題もう一つ伺っておきましょうか。
 今度の貨物の合理化案で、北海道と本州直行便というのは一本もなくなりますね。そうしますと、一番困るのは、よく言われているように農産品です。北海道のタマネギとかジャガイモというようなのが一体どうなるか。これは農業関係団体ともいろいろお話をなすっていらっしゃると思いますけど、たとえば臨時列車で解決するというようなお話も伺いました。これも昨年の秋、ちょうどその時期に調査に入ったんですけれども、道内を持ってきても、函館から青森への輸送が停留していて、タマネギが発芽してしまったというような事故があった。これは事実なんです。まして、五十八年度には貨物船三隻のうち二隻、日高丸と十勝丸が廃船というような御予定になっていますね。そうしますと、函館までは何とか運んだけれども、今度本州へ行く貨物船の廃船ということ
で、またここのところで問題が起こってくるのではないか。そういうことからも貨物船の廃船ということを、ちゃんとめどがつくまで延期していただいて、物資がきちっと届けられるようにしていただきたいなと思っているんですけれども、その貨物船の廃船の措置ですね、延期するというようなことも含んでお考えいただけるのかどうか。ぜひいただきたい、そう思いますが、いかがでございますか。
#138
○説明員(橋元雅司君) 北海道と本州の間の物資輸送でございますが、四十六年にピークでございまして、八百五十万トンございました。その後逐年落ち込みを続けておりまして、昨五十七年度はちょうど半分近い四百五十万トンでございます。一方、青函トンネルの開通を控えまして、先生御指摘の船舶の耐用年数に非常に問題がございますし、さらには海技職員と申しますか、専門の職員の需給問題も抱えておりますので、北海道と本州の輸送問題というのはなかなかむずかしい局面にございます。
 今度の二月のダイヤ改正でございますが、これも仰せのように車扱いのまとまりが非常にございませんので、現にコンテナがかなり主体になっておりますが、コンテナ列車は現行どおり十三本渡す。高速貨物列車は紙であるとか混載を中心に二本、これは現状どおり。しかし、一般車扱いにつきましては現在五本ございますのを、大体荷物車とコンテナ車だけで編成する一本だけにするということでございます。多少専門的になりますが、現在二十一運航の列車を渡しておりますが、これが十七運航になるという、要するにキャパシティーに制約が出てくるということでございます。しかし、先ほど冒頭に申し上げましたように、輸送量がかなり落ち込んでおりますので、大体この輸送量でこなせるんではないかなと。ただし、それは車扱いからコンテナ化への慫慂をかなり、これは輸送上も運賃制度の上でも格段に配慮をいたさないといけないのではないかなと思っております。
 特に本州への輸送の特徴的なのはやはり季節物資でございます。タマネギ、バレイショ等やっぱり二十万トンずつございますので、これにつきましてはコンテナ化がかなり進んでおりますが、タマネギなどは過半の数量がコンテナ化されておりますが、コンテナ化をひとつお願いしたいと申し上げておりますし、これは大体私どもの要請におこたえいただけるようでございます。しかし、季節的に集中するものにつきましては、それだけでは対応不可能だということで、臨時の貨物列車を二本から三本ぐらいある一定期間運行しなければならぬだろう。その場合に、先生御指摘のように、連絡船のキャパシティーが問題になります。これは、連絡船の修繕期間を、ちょっと修繕時期を延ばすとかいろいろやりくり算段をいたしまして、計画では十七運航でございますがピーク時にはたとえば二十運航に上げるとかいうようなことで、海上輸送、連絡船輸送については何とかクリアできそうだと。
 問題はむしろ、本州に参りましてから東北線をずっと参りますものですから、要員とか機関車の手配とか、なかなかこれはむずかしいのでございますが、これは何とかクリアいたしまして御要望に応じたいなということを考えております。
#139
○伊藤郁男君 それでは法務省の方にまず最初にお伺いをしておきたいのですが、たとえば、損害賠償のような民事訴訟の場合に、第一審の判決に至るまで大体、一般的な傾向でいいですがどのくらいの期間がかかっているものか、数字がおわかりになりましたらお教えをいただきたいと思うんです。
#140
○説明員(宇佐見隆男君) いまお尋ねの、平均的な審理期間の点でございます。これは地方裁判所について申し上げますと、ここに持ってまいりましたのは五十二年からの数字でございますが、いわゆる通常訴訟――通常訴訟と申しますのは行政事件訴訟以外のいわゆる一般の民事の訴訟でございますが、それについて、五十二年度は十四・七カ月、これは五十二年中に事件が解決しました事件について十四・七カ月。それがだんだん短くなりまして、五十六年につきましては十二・一カ月、それから昨年は、これは確定した数字ではございませんけれども十一・五カ月ということになっておりますから、最近では約一年で平均的には解決している、こういうことになろうかと思います。
#141
○伊藤郁男君 やはり、こういう裁判の場合は、何といいましても、余り審理期間が長くかかってしまうと損害賠償などの場合特に原告側の利益が損なわれる、こういうことで私は最近の裁判、いまお話がありました裁判の傾向として、次第に、短い間に一応の結論をつける、こういう方向に動いているのではないか、こういうように思うのです。
 そこで国鉄当局にお伺いをしたいわけですが、それは二百二億の損害賠償訴訟事件の経過についてでございます。
 これは、いまさら私から説明するまでもなく、例の昭和五十年十一月の下旬から十二月の初めにかけての国労、動労の八日間にわたるスト権ストライキ、これによって国鉄がこうむった損失について賠償を求めている裁判である、こういうことなんですが、この訴訟を国鉄当局が東京地裁に提訴したのが五十一年二月十四日、そして、第一回公判が五十一年六月十四日、こういうようになっているわけですが、そうなりますと、公判の開始以来すでに七年以上の時日が経過している。多くの国民から見ますと、どうしてこんなに裁判が長くかかっているだろうか、事実は明らかに明確であるし、七年もかければ相当のところまで審理が進んでいるのではないかというのが、これが常識だと思うのですね。
 そこで、現在までのこの裁判の経過といいますか、訴訟経過について、まず最初に、どうなっておりますかお伺いをしたい。
#142
○説明員(竹内哲夫君) 現在までに二十九回の弁論が行われております。この間、被告であります国労と々動労は、公労法十七条の憲法問題だとかあるいは損害賠償の方法について国鉄に釈明を求め、あるいは反論するなどのことをやってまいりました。特に、いわゆる運行可能論と言われております、運転休止列車とストライキとの因果関係がないものがあるということで、若干の線区につきまして因果関係がないんだからこれは損害賠償の対象にならないのではないかというようなことで、かなり具体的な問題で引き延ばしをはかってきたということであろうと思います。
 私どもは、この裁判については早く決着をしたいということを強く望んでおりまして、昨年の五月二十八日にも裁判所に対しまして裁判の促進方についてお願いを申し上げたわけでございます。特に、非常にこれは公判と公判の間隔が一般の裁判に比べて間があり過ぎるのではないかということでありますとか、あるいは公判の次回の予定が決められるけれども、実際問題、この次回の予定をめぐりまして大変に期日の確定がむずかしいというような事態が多いということで、その予定の期日を数回にわたって指定をしてほしいというようなことでありますとか、とにかくどうも一般的な裁判の進行状況から比べてみまして進行状況が大変遅いのではないかということで、強くその点について要望をいたしたわけでございます。
   〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
 それで、その要望の結果、去年の十一月に公判が開かれたわけでありますけれども、その際には三回にわたりまして予定期日を指定していただいたというようなことで、大変私どもも促進されるということで期待を持っておったわけでございます。
 ところが、前回ございました九月の二十八日でございますが、この際に、次回をいつにするかということでいろいろ問題になりまして、私どもはできれば十一月早々にでもやってほしいということでお願いをしたわけでありますけれども、裁判所が移転する等いろんな事情があるいはあったのかもしれませんけれども、結果的には来年の二月にその公判期日が指定をされたということで、
私どももこの点については大変不満を感じております。ぜひとも、この促進方について今後ともいろいろな方法で促進が図られるように、私どもとしても最善の努力を尽くしていかなければいけないというふうに考えております。
#143
○伊藤郁男君 いまの経過を聞きますと、結局裁判を速めてほしいということで国鉄側としても最大の努力をされている。そして、昨年の段階において、裁判の期日を指定してほしいという上申書を出して、裁判所側もそれにこたえて、本年の一月から大体二カ月くらいの刻みで公判が行われてきた、こういう経過だと思うんです。
 そして五月十八日以降になりますと、いまお話がありましたように、五月十八日から今度は四カ月くらいたって九月の二十八日に開かれている、そしてこの次は来年の二月だ、こういうことになって、二カ月間の間隔でようやく、数期日指定というんですか、そういうことで裁判所もそれに応じて審理を速めてきた。ところが五月十八日以降は、その間夏休みがあったかどうかは知りませんが、それが主な理由ではないと思うんですけれども、四カ月もかかっている。次がまた四カ月もかかる。こういうことになりますと、この裁判が一体どのくらいの年月がかかるものだろうか、そういうことで大変国民的な疑問を感ぜざるを得ないわけです。
 したがって、今後こういう問題について国鉄当局としてどのように、三権分立のたてまえがありますから裁判所にとやかくいろいろのことを言うわけにはまいりませんが、どういうような方向でこれからこの問題についてさらに対処をしていこうと考えておるのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#144
○説明員(竹内哲夫君) やはりいま先生おっしゃいました、間隔を狭めていただくということが何よりもまず必要なのではないか。実は先ほども申し上げましたように、五十七年の五月に上申書を出しましてお願いをいたしました結果、その反応は直ちにございまして、五十八年の一月十九日、三月の二日、五月の十八日というようなことで期日を指定していただいたということでございます。したがって、裁判所側もかなり私どもの訴訟促進については理解を示していただいているのではないかというふうに思います。これは、改めて私どもも中間には再三再四口頭ではお願いをしておりますけれども、またここで二度にわたって四カ月というような期間の経過があったということからいたしますと、再度この上申をやる必要があるのではないかという気がいたしております。
 それと、何と申しましても被告側の引き延ばし戦術の一番最たるものというのは、やはり相手側の代理人の都合ということが非常に大きな要素になっておるわけでございます。そういたしますと、近い時点ではいろいろな予定が入っておりますので、予定の入っていない先の予定を早急に確保するということがやはり非常に促進する上にとって大事なことなのではなかろうかというふうに思っております。
 それからさらにもう一つ、この裁判のやり方でございますけれども、私どもは、運行可能論という、いわゆるストライキと列車の休止との間には因果関係がないという議論がございますが、これはきわめて特定の線区について、その線区では損害賠償の責任がないという立論をしているのではないかと。そういたしますと、この線とこの線とこの線はそうだということにいたしますと、それは一切、たとえそうだとしても、ほかの線区についてはそれを認めているという逆の解釈ができるわけでありまして、運行可能論は、そういう意味で、その必要性がないということが言えるのではないだろうかというふうに思っております。これもこの公判において、私どもこのところを主張しておるわけでありまして、この点についてかなり裁判所側も理解を示していただいてきているのではないかというふうに思っております。
 さらに、現在私どもも証人の申請を行いまして、六人の証人申請を行ったわけでありますけれども、この証人につきましてもほとんど重複するような場面も多いわけでありまして、いろいろ挙証その他重点的に、網羅的にやる必要はないので、重点的にやっていけば事柄がそれで済む問題ではないかというようなことで、この結審をできるだけ早期にやっていただくということで、そういうような方法で努力してまいりたいというふうに思っております。なかなか私どもの考え方が裁判所側との間で、ちょっと靴の上からかゆいところをかくようなもどかしさが若干あるのでございますけれども、しかしこれは大変国民的にも注視されておる問題でございますし、私ども極力早く結審したいという強い決意を持っておりますので、その方向でやってまいりたいと思っております。
#145
○伊藤郁男君 これは国鉄自身の損害だけじゃなくて、あのストライキによりまして一般国民がこうむった損害というものは相当なものですね。だから、いまも言われましたように、確かに国民的にこの裁判は注目されているわけです。そういうことで、いまお話がございましたように、数期日指定というのは今年度は三回行われたというわけですね。それがいつの間にかまた数期日指定が行われない、四カ月も間があく、こういうことになってきているわけですが、四カ月も間があくようにことしの公判からなっているのは特別の何か理由があるのか、その辺の国鉄側の、原告側の考え方をちょっとお聞かせいただきたい。
#146
○説明員(竹内哲夫君) 先ほどもちょっと申し上げたのでございますけれども、この九月二十八日の第二十九回公判におきまして、その後私どもとしてはできるだけ早期にということでお願いをいたしたわけでございます。その結果といたしまして裁判所も、十一月の上旬ぐらいには次回を開催してはどうかということを、私どもの意向を酌み取っていただきまして、被告の代理人にもその旨を提示していただいたわけでございます。ところが、被告人の代理人の都合が十一月上旬はどうしてもとれないということで、それではその後いつごろかというようなことで日にちを詰めていったわけでございますが、ちょうど裁判所が新しい裁判所にかわるというようなことで通常の状態とちょっとことしの暮れは様子が違うというようなこともありまして、私どもは早期を希望したのでありますけれどもどうしてもその日程の調整がつかないということで、来年になってしまったというようなことであります。私どもとしても非常に残念なことに思っておりまして、ここで四カ月も間があきますと、国鉄みずからが努力を怠っているのではないかというような印象も与えかねないということで、私どもとしては大変抵抗をしたわけでございますが、どうしても最終的にそういうことになってしまったということでございます。非常に残念に思っております。
#147
○伊藤郁男君 私どもも残念だと思うのですが、そこで例の数期日指定の上申書を裁判所に出しましたのが五十七年の六月一日の第二十三回公判ですね。五十七年六月一日ですから、もう一年以上かかっているわけですね。
 それで、先ほども御答弁がございましたけれども、何としても裁判を、審理に促進していきたいために再度上申をする必要があるというように御答弁をいただいたわけでありますが、これ具体的にそういうことをこれからやられていく考えかどうか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
#148
○説明員(竹内哲夫君) 先ほど申し上げましたように、私どもとしては上申を再度したいということで考えております。
#149
○伊藤郁男君 ぜひひとつそれはそういうことで、これは国民的注視の問題ですからやっていただきたい、このように要望をしておきたいと思います。
 大臣、この問題は、いまお聞きのとおりに、非常に民事の裁判は、いま法務省も統計を言われましたけれども、前はかなり二年、三年かかっていたものがだんだんと短くなりまして、いまはもう一年以内で結審するという状況になっているわけですね。したがって、この裁判だけはきわめて異
常ですね。しかも、いまお話がありましたように、被告側が過度の引き延ばしをやっているわけです。そういう状況の中でこの問題をさらに国鉄当局として進めて、早く結論を出したいということでいま四苦八苦されているわけですが、この問題について大臣の所見を一言お伺いしたいと思います。
#150
○国務大臣(長谷川峻君) 国鉄のいわゆるスト権奪還ストによる訴訟、これは私も当時労働省におりましたから、ああいう経過については多少記憶にあるわけであります。そういう無法なことをやったのに対して法治国家が何も手をつけないでおったんじゃ大変なことじゃないかというので訴訟になり、そしてそれが受理されて、いままで時間はかかっても法廷の場にあるわけです。これは私たち運輸省としましても、この推移というものを注目し注視しているわけであります。
#151
○伊藤郁男君 選挙違反の場合は百日以内でやれ、こういうことになっておるわけですね。そして外国の例などを見ますと、こういう民事の場合には期日をあらかじめ法律の中で指定をしているわけですね。まあその指定どおりにはあんまり全部がいくとは思わないんですが、そういうようになっているわけです。引き延ばしを目的にしてやれば幾らでも裁判が延びていく、こういうこのあり方、非常にその点にも問題があると思うのですが、いま大臣がおっしゃったように、法治国家ですからこういうものについてはきちっとけじめを明確につけておかなければならない問題ではないか、こう思うわけです。
 法務省、外国の例などでそういう裁判制度、民事のような場合に一定の期限を切って法律上定めているという例がありますか。あったら、もしおわかりになりましたらお教えをいただきたい。
#152
○説明員(宇佐見隆男君) 迅速な裁判の実現のために民事訴訟法におきましても種々の手だてが講じられているわけでございますけれども、先生がいま御指摘のような、たとえば訴えの提起から判決までは何年以内にしなきゃいけないというような立法例があるというふうには私の方では承知してはおりません。
#153
○伊藤郁男君 くどくど申し上げてきましたけれども、何としてもこの問題はこれからの国鉄再建にとりましても重要な意味を持った裁判ではないかと思いますし、先ほど来御答弁をいただきましたように、とにかく早く結論が出ますように特段の国鉄当局の御努力をお願いし、最後の御答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
#154
○説明員(高木文雄君) 担当常務が御説明申し上げましたように、私どもまことに歯がゆい思いでおるわけでございまして、御激励を賜りまして、その方向で取り組んでまいりたいと存じます。
#155
○山田耕三郎君 私は、大韓航空事件及び雫石事故、これに関連をいたしまして運輸省の航空保安施策について数点お尋ねをいたします。
 ちょうどいまから十二年前の昭和四十六年に発生をいたしました雫石事故は、全日空機の乗員乗客合わせて百二十六名が全員死亡されるという、当時にとりましては世界でも最大の痛ましい事故でありました。そういった状態でありますから、その直後に日本においでになって日本の航空保安施設の改善を勧告いたしましたアメリカの連邦航空局のフレーナーさんの勧告の中にも、日本の航空運輸施設は欧米に比べて十年おくれているという旨の発言がございました。自来今日まで十二年間運輸省は、その事故の直後に出されました一つは航空交通安全緊急対策要綱、もう一つはフレーナーさんの勧告、さらに昭和五十年の航空法の大幅改正、こういうものに基づいて航空路と空港、さらには管制と保安施設の改善に努めてこられました。
 その内容においては、簡単に申し上げまして、すなわち安全機器においては、それまで気象の影響を受けやすいことで問題のありましたADFと比較的性能のよくないNDB、こういったものを、性能のよいVORにDMEを組み合わせたいわゆるVORシステムに改められて今日ほぼ完成されようとしております。そういったこととあわせて、航空路においては、民間航空路と自衛隊の訓練空域を分離なさること等を中心として改善に努めてこられた結果、今日までにその十年のおくれを取り戻し世界の一流の施設に達した、このように皆さんがおっしゃっておられますのですけれども、そのように理解をさせていただいて間違いございませんか。
#156
○国務大臣(長谷川峻君) そこまで山田さんから御認識いただいて恐縮でございます。何さま雫石の事故は大変な事故でありましたし、しかも日本の空は狭うございます。そしてその上に過密でございますし、自衛隊の飛行機もおるということで、この辺の調整を図りながらいかに安全を守り、同時に、機器関係はよその国のものでありますけれども、これを導入しながらこれをいかに上手に使ってやっていくかということで懸命に関係者がやっていることを、いまあなたの認識では評価されたと、こう思っております。ありがとうございました。
#157
○山田耕三郎君 そういうことで、今回の大韓航空事件というのは、日本の主権の及ばない地域でございましたということ、また全く予想もできない航空機の、言葉は悪いかもしれませんか暴走等が重なりました結果とは言いましても、東京の管制区域内に関係のある地域でやっぱり大変痛ましい最悪の事故となってしまいました。世界一流の保安施設をもってしても何ともならなかったのかの悔いが、御遺族ならずとも残ります。そういう原因はどこにありますのか、お教えをいただきたい。
#158
○政府委員(山本長君) 先生の先ほどの御質問の中でございましたように、また大臣も御答弁申し上げましたように、日本の国内の航空保安施設並びにその体制というものにつきましては、十年前に比較すればもう格段に進歩いたし、世界水準に達したものと思っております。
 御指摘の、今回の大韓航空機事件が起こりましたあの空域につきましては、日本が受け持つ区域の位置通報点から、そこを通ったという通報がありましたけれども、それは確認されておりません。さらにそれから航空路をずれまして御承知の地点で撃墜された、こういうことでございますが、オホーツク海からサハリンにかけてのあの空域と申しますのは日本の管轄する空域ではございません。ソ連の管轄する空域でございまして、先ほど御指摘の日本の各種の航空保安施設というものの及ぶ範囲、それから日本の各種の航空安全上の体制というものが及び得ない地域でございます。ただ、その位置通報点からの通報というものについては、日本の管轄区域にありますところについてはこの通報を受けるということでございます。
 大韓航空機がコースをそれたという理由はいまだ明らかではありませんけれども、先生おっしゃる地上からのモニターと申しますか、地上から航空機の動静を監視して、そしてそのコースをずれたことを確認しそのずれを修正するというふうなシステムというものは、いまのところレーダーでもって地上からその航空機を把握する、こういう方法しかございません。
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
日本の航空路監視レーダーというものはそういう地域には及んでおらないわけでございます。ただ、そういったそれたものを監視して修正させるというシステムは、いまのところ残念ながらございません。そういったいわゆるオーシャンゴーイングとでも言いましょうか、海峡を航行するという航空機につきましては、それなりにそれを正確に航行する機器があり、それからそれを操作する手順が定められております。こういった手順によりましてその安全を確保していこう、そういう状態でございます。
#159
○山田耕三郎君 たまたまいまのお答えの中にもありましたように、確かにニッピという位置通報地点からは通報をいたしております。けれども、これは後でわかったことでありますけれども、位置通報地点で通報しながら、実際に飛行機のおっ
たのはその地点とはずいぶん離れておるのではないか、こういうようなことでございます。
 やっぱりパイロットは、自分の位置を確認しながら飛行をしなければならない責任があると思います。それで、それでも間違っておりましたのですから、だからやっぱり管制側からも、その位置に間違いがないのか、何か点検をしてやるようなシステムになっておったら、よしこの間違いがあってもそれは抑止されたのではないか。欲目ではあるかもしれませんけれどもそのように思いますのですが、そのことはどうなんでございますか。
#160
○政府委員(山本長君) それは先ほど申し上げましたように、現在のシステムではレーダーでもって全地球を覆うというふうな方式が確立されておりますならば、先生のおっしゃるようなことが可能であろうかと思います。ただ、現在のところそういうところまでいっておりません。地上でもって航空路の動静を把握するのはレーダー方式でございますが、それは世界各地の航空路の中におきましてはやはりそう大きなウエートを占めるものではございません。地球上を飛び回っている飛行機につきまして、現在のところは自分で精密な機械を操作しながらも正確に飛ぶという方向でございまして、先生のおっしゃるような方法といいますかシステムができ上がるには、それなりのやはり相当な技術の開発と時間がかかるものと思います。
#161
○山田耕三郎君 それで、いまこれもお答えにありましたように、現時点ではパイロットからの通報を信ずるよりほかに方法がございませんという管制官の言葉であります。ところが、それでもお金をかければどんな施設でもできるかもしれませんけれども、やっぱりその航空路の交通量との兼ね合いで考えていかなければなりませんから、そんなにたくさん飛びもしないところに、領土がありませんからといって公海に船を浮かべてレーダーを設置するというようなことも、とてもできるものではありません。
 けれども私は、この飛行機が通報をしてきた位置が変わっておった、これは通例なればR20を飛んでおらなければなりませんのですが、ソ連寄りの方に位置がずれておったということであります。仮にこれが太平洋側へ、東の方へずれておったとしますと、それはR20に隣接いたしまして四つの航空路が設定をされております。しかもこの飛行機は高度の変更を要請してきておりますし、管制官はこれに承認を与えております。そのときにそれに隣接する四つの航空路に飛行機があったとすれば、衝突の可能性はこれだけでも出てくるのでありますけれども、この決断をすること、この選択をすることは大変むずかしいことだなと素人目にも私は感じますのでございますけれども、そういった間違いを抑止するということは現段階ではできませんのでしょうか。
#162
○説明員(長澤修君) ただいま先生の御指摘がありましたような事態というのは、残念ながら現段階では抑止をするというような手だてはございません。
 しかしながら、そういうものをやはり地上から把握をして抑止する方法が非常に重要であるということで、現在国としてこれは科学技術庁、郵政省とも相談をしながら考えておることでございますけれども、航空機と船舶に使うための共同の実験計画といたしまして航行援助衛星を打ち上げまして、いまはレーダーは地上にあるわけでございますけれども、このレーダーを空に移す、上からレーダーで映すというような形、平たく申し上げますとそういうことでございますが、そういう計画を鋭意進めておりまして、現在の目標といたしましては、昭和六十二年度に衛星を打ち上げるべくいろいろ準備をしておるところでございます。衛星が打ち上がりますと、さらにその後、機能や性能のチェックをいたしまして、こういう北太平洋あるいは中部太平洋のような、地上に航行援助施設を設けることのむすかしい地域を地上からも確実に監視ができるというような体制に早く持っていきたいものと考えて、私どもいまいろいろ努力をしているところでございます。
#163
○山田耕三郎君 以上の諸点は、私らごく素人が素朴に疑問として感じつくところでございますけれども、そういう疑問が出てきます原因も、今日の航空機でありましたら最新の機器施設を備えておると思いまするし、それでもってすれば自分の位置くらいはごく簡単に出せるもの、このような理解を持っております。ところが大韓航空機は今回だけではございません。そういうところから、これは何ぼ航空安全機器の整備や制度の整備をやってみてもこれには及びつかないのではないか。ある種の目的を持って航路をずれておったといたしますと、安全施策の整備ではとうてい抑止することのできるものではありませんと思います。だから、このように世界が緊張関係に置かれてきますと、やっぱりその面からの配慮を明確にしないと何ともならないのではないか。このことは先ほど質問者に対してお答えになったように、調査団が来ておられるということで、この調査がどうなっていきますのか私たちには予測できるものではありませんけれども、そういったことを含めて、この問題の締めくくりとして、運輸大臣、これどう対応したらよろしいのか、御所見を承りたいと思います。
#164
○国務大臣(長谷川峻君) どこから見ても素人議論でございますけれども、世界はいまのところ毎日毎日進歩しておって、私たちの予想外のいろんな発明されるものがあるわけです。そういうものを駆使しながら文明なり文化なりが物質的に進んでおります。飛行機といえどもここ十年、二十年の間に日本ではジャンボがこんなに飛んで、その飛行機は全部手で動かすものは何もなくてボタンだけで働かして、それが誘導されるままに動く。中では昼寝をしていてもいいようなかっこうになっているようにも思われます。そういうときでございますから、空においてのいろんな勢力なりあるいは変化なり、これに対応するということは、これは技術だけじゃだめでして、操縦する人間の心の問題が一番大事じゃないか。昔は個人が全部訓練して、そして自分で視界飛行をして、あらしの中でも突っ切っていったわけでしょう。「神風」でもみんなそうです。いまはみんな機器がやってくれるものだから、自然になれがあって、事故が起こった場合にはだれが見ても、こんなばかげたことがというふうなこともあることは事実でございます。
 私は、ですから、その背景に、ソ連の基地の上に飛んでいったと。事実飛んでいったわけです、落ちたのは間違いないですから。私たちはどこから見てもそこへ落ちたということは考えられなかったけれども、落ちたということをようやくソ連といえども発表したわけです。それがどうしてそこへ行ったのか。これは少なくとも私たちの想像の外でございます。それがまた、おっしゃるように、推測されるような何かがあるものかないものか。といって、二百四、五十人の人間が死んでおりますし、証拠は遺留品の、ぼろ洋服のきれぐらいのものでございましょう。ブラックボックスも出てこないということになれば手がかりというものはほとんどない。まだしばらくは航空界のミステリーであり、国際的なものが絡んでくるということで私たちは用心しながら生きていかなきゃいかぬ、こう思っています。
#165
○山田耕三郎君 この問題はこの程度にいたしまして、次には、民間航空路と自衛隊の訓練空域の分離に関連をいたしましてお尋ねをいたします。
 雫石事故の教訓が直ちに生かされたのは、この民間航空路と自衛隊の訓練空域の分離でございました。その結果戦闘訓練機はほとんど海上空域に移されて、それ以来、雫石事故にありましたような民間機と自衛隊機との衝突事故は起きておりません。しかし、昭和五十五年の福岡上空におきますところの異常接近というのは、あわや第二の雫石事件を思わせる一瞬だったとさえ言われております。特にまた、軍用機と民間機が過密状態でふくそうをいたしております沖縄の那覇空港においては、こういう両磯の異常接近が大変たくさん行われておるということで、危険を体験したという
管制官もかなりおいでになります。
 こういうことからいたしまして、私は、航空法の改正によりまして民間機の安全優先のたてまえも確立されておりますはずでございますのに、民間航空機と自衛隊機の異常接近が後を絶ちませんというこのことは、やっぱり民間機の安全優先に徹し切れない体質が自衛隊側に依然として残っておるのではないか、このように指摘する人もありますのですけれども、もしそうだとすれば、国際的緊張が高まれば高まるほどその体質は増幅される心配がありますけれども、運輸省とされましては、そのような異常接近の事故を誘発する心配のあるような状態には現在ありませんと見ておられますのかどうか。もしやっぱりそれは一つの心配の種であるとすれば、その心配を取り除くためにどのように対応しようとしておいでになりますのか、この点をひとつお答えをいただきたいと思います。
#166
○政府委員(山本長君) いわゆるニアミスと申します異常接近報告でございますけれども、これは異常な接近をしたとパイロットが感じたときに運輸省に報告をするという制度がございます。これはそういう感覚でとらえております。
 それをさらに当方で調べまして、やはりそういう異常な状態であったと認められるかどうかということをさらに吟味いたしまして、これはやはりニアミスであったというふうに判定をしておるわけですが、その数字を時系列的にざっと眺めてみますと、異常接近報告の件数あるいはその報告を受けたものの結果、いわゆる異常接近であると認められる件数というものは確かに四十七、八、九年ごろは多うございましたけれども、ずっと減ってまいりまして、たとえばここ五年間の数字を申し上げれば、五十三年からですと十七件、六件、十一件、三件、五件、五十七年には五件でございました。そのうちいわゆるニアミスであると判定されましたのが三件、一件、三件、一件、一件、こういうふうな数字でございまして、こういう数字から見まして、先生おっしゃるようにニアミスが非常に多くなったというふうな判断は私たちはいたしておりません。
 ただし、先生の御指摘の中にもちょっと一部ございましたけれども、特に空港の周辺におきまして管制官の管制を受ける定期航空の飛行機と、それから小型機でございますとか、それから自衛隊の飛行機もそうでございますが、全部ではありませんが、いわゆるVFRと申しまして目視でもって飛ぶ飛行というものが混在をしているという地域が空港の周辺にございます。これはどの空港でもということではございませんが、ある特定の空港におきましては、そういったIFRという計器飛行方式による飛行とVFRという目視による飛行というものが混在しておる、こういう空域がございます。こういう空域におきましては、その双方の飛行の回数が多くなってまいりますと問題を起こすという傾向が最近見えるように思っております。そういう空域につきましては、目視飛行によって飛ぶ飛行機もやはり管制の対象にする、こういうふうな方式があるわけでございます。これはある一定の空域を特別管制区というふうにいたしまして、そしてすべての飛行機にその空域においては管制をする、管制の指示を受けなければならないという方法でもって対処をしておるというのが一つの方法でございます。
 それからさらに、空港のレーダーを整備いたしまして、その空域における航空機の状況を正確に把握するという方法をとる、こういう方法をとっております。さらにまた、VFR機がレーダーに映るように機上の機器を整備してもらうという点も一つございます。こういう指導といいますか、特別管制区においては義務づけております。さらにまた見張り義務を励行するとか、こういったパイロットの注意というものを喚起する必要がございます。これは行政指導になりますけれども、そういった面からの指導をやっていく。あるいは軍と民とですか、防衛庁と運輸省の管制機関と十分に連絡を緊密化する、こういうことも必要でございます。こういった方法によりまして、先ほど申し上げました懸念のある空域については対処をしている、そういう状態でございます。
#167
○山田耕三郎君 先ほども航空保安施策の向上について若干申し上げましたが、わが国の航空保安施策の整備が進捗しております中で、比較的おくれておるのが北海道、東北、さらには沖縄だと言われております。この辺の保安施策がおくれておりますという一つの原因としては、米軍との調整が非常にむずかしくておくれておるのだ、このように言われておりますのでございますけれども、やっぱり民間航空の安全の責めに任じられますのは運輸省でございまするし、その立場からすれば人命尊重優先の立場を貫いていただきたいと思います。だから、そういった民間航空機の安全のためにも、やっぱり現在で最も可能な航空保安施策を実施していただかなければならないと思います。積極的にこの調整を進められて、ぜひひとつより安全な航空行政を行っていただきたいと思います。その辺、いかがですか。
#168
○政府委員(山本長君) 先ほど申し上げました航空保安施設の整備に伴いまして、航空路についてもやはり整備をしていかなければならないと考えておりまして、一部もう西日本地区におきましては実施をいたしているわけでございますが、先生御指摘の東北、北海道、それから御指摘ございませんでしたけれども沖縄地区についてはおくれておるというのが実情でございます。新しく航空路を設定する、既存航空路を廃止して新しくつくりかえるという場合には、先生も御指摘がありました、すでに軍民分離で訓練空域などは分離をしてございますけれども、すでにある防衛庁あるいは米軍の訓練空域を削ってもらわなければならない、あるいは明確に何らかの方法で分離をしなければならない、こういうふうなことが起きるわけでございます。また現に起きておるわけでございます。この面については、確かに防衛庁、米軍との折衝が必要でございまして、この折衝については鋭意やっておるところでございます。ただいまお尋ねの北海道、東北につきましては、御存じと思いますけれども、三陸沖にあります訓練空域というものについて調整をするという努力を重ねておりまして、時期はまだいつというところまでは参りませんけれども、近く結論を得るようにしたいというふうにわれわれは考えておるところでございます。
#169
○山田耕三郎君 それでは最後に、雫石事故の判決に関連をいたしまして、大臣はおいでになりませんが、防衛庁に要望を申し上げておきます。
 最高裁の判決はいわゆる被告人側の弁護人の主張を退けて、自衛隊のずさんな計画と幹部の怠慢が厳しく批判をされ、民間航空機の機長の潔白は証明をされました。私自身は胸のつかえがとれたような気がいたします。本件は、民間航空機の方は機長を含めて全員が死亡をしておいでになります。自衛隊側は関係者は生存をしておいでになります。これらは裁判に臨む立場でありますから裁判対策の常道ではあるかもしれませんけれども、自衛隊の弁護側は、全日空機の機長がコースを間違えたのだ、そして自衛隊機に追突をしたのだという論理を展開されました。機長はすでに亡くなっておいでになります。この御遺族、わけても奥さんの気持ちは大変なものだっただろうと私は思います。やっぱりああいった危険な仕事に携わられる機長でありますからこそ、平素から御家族に対しては、万が一のことがあっても取り乱してはなりませんということは常に話をしておられただろうと思います。だから、そういう中で一緒に生活をしてこられた奥さんとしましては、夫は絶対に間違いはなかったんだろう、最後まで自分の職責を果たすために一生懸命やってくれたと思う。しかし何と申し上げようともとうとい人命が失われておりますその責めは一身に負わなければなりませんという立場で過ごしてきておられたところへ、夫に間違いがあって追突をしたという論理の展開のもとで大変な苦しみに十二年間耐え抜いてこられたと思います。
 しかし、このことをどうこう言おうというのではありませんけれども、私たち日本が過去軍国主
義に覆われた時代のことを思い返します。軍が力を持ちましたときには警察権力は及びませんでした。そして軍隊の中での警察権を行使する憲兵が警察官よりも恐れられましたということをいま私は思い起こしておるのでございますけれども、やっぱりそのときそのときの社会的背景というものが、白を黒とさえ言い含めかねない事態も起こってまいりますこともなしといたしません。今日のように整った時代でありますから、さらに、それぞれの立場を皆さんが自覚しておいでになりますから、そういう心配はありませんかとは思いますけれども、現実の裁判の中でこういった論理の展開がされてくることをもあわせ考えてみますと、やっぱり民間というものは大変弱い立場に立たされることが間々あるのではないか。だとすれば、航空行政というものは常にこのことを配慮しながら、正義は正義として守れるように行政運営をしておいてあげていただきたいなと、このように私は思いますので、そのことを御要望申し上げさせていただいて、私の質問を終わります。
#170
○委員長(矢原秀男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 暫時休憩いたします。
   午後三時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後四時十六分開会
#171
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員三塚博君から趣旨説明を聴取いたします。三塚博君。
#172
○衆議院議員(三塚博君) ただいま議題となりました全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由について御説明を申し上げます。
 新幹線鉄道は、昭和三十九年十月の東京―新大阪間の開業以来、その高速性、安全性、大量輸送力等によって、国土の開発、地域社会の発展、国民生活の向上等に寄与してまいり、現在では東海道、山陽、東北、上越の各新幹線鉄道を合わせると約二千キロに及んでおります。
 新幹線鉄道、なかんずく停車場の設置は、当該地域住民の生活の向上、産業経済の進展等、地域の発展のために寄与することきわめて大なるものがあることは、言うをまたないところであります。
 停車場の設置については、従来その建設主体であります日本国有鉄道または日本鉄道建設公団が建設のため必要な資金を負担し、国がその資金の一部について助成措置を講じておりますが、既設または工事中の新幹線鉄道の今後の停車場の新設につきましては、当該地域住民の要請がきわめて大なるものがあるにもかかわらず、その設置基準、経営的判断等に照らし、日本国有鉄道が建設費を負担して設置することはきわめて困難な状態にあります。
 このような実状にかんがみ、当分の間の措置として、既設または工事中の東海道、山陽、東北、上越等の新幹線鉄道に今後新設する停車場については、その建設に要する資金に関し、地方公共団体が、日本国有鉄道または日本鉄道建設公団に対する当該地方における停車場の新設のため必要な資金についての補助金等の交付その他財政上の措置を講ずることができるものとする等、所要の規定を設けることといたした次第であります。
 以上が、この法律案を提案する理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようにお願いを申し上げます。
#173
○委員長(矢原秀男君) 以上で趣旨説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#174
○瀬谷英行君 最初に、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、大変長い名前になっておりますが、この法律の実施によって、どういうところがさしあたり該当地域になっているのか、その資金は一体どのくらい必要とするのかといったようなことについて御説明をいただきたいと思います。
#175
○説明員(半谷哲夫君) ただいま御質問のありました、新幹線に新駅をつくってほしいという地域からのお申し出は、現在東海道・山陽新幹線並びに東北・上越新幹線合わせまして十七駅出ているわけでございます。
 その新幹線の駅の建設費でございますけれども、これは場所によって非常に異なってまいります。また、いまお申し出の場所によってはちょっと工事費が即座にはじきにくい駅もあるわけでございますが、私どもが概略計算いたしましたところによりますと、一駅で五十億ちょっと、まあ数十億と申し上げた方がよろしいかもしれませんが、そのぐらいから、高い駅ですと百億をちょっと超えるかというような概算をいたしております。したがいまして、これが全国で十七駅出ているわけでございますから、相当の額になるということになるかと思います。新幹線の場合、在来線の新駅に比べまして非常に工事費が高くなるわけでございますが、これは一般に高架の駅となることが多いということもございますし、また編成長も、東海道・山陽でいきますと十六両というような、列車長そのものが四百メーターというような長さもございます。また信号保安設備、これも在来線に比べまして一段とレベルの高い信号保安設備を装置いたしておりまして、これらの駅をつくることによっての改造等が出てまいります。
 したがいまして、建設費といたしましては、ただいま申し上げましたように、数十億ないし百億をちょっと超えるというような工事費になるわけでございます。
#176
○瀬谷英行君 具体的なことについて質問いたしたいと思います。
 先ほど花巻あるいは水沢といった地域の代表の方が陳情にお見えになりましたし、岩手県からもお見えになっておりますが、花巻なりあるいは水沢なりに駅をつくる場合にどのくらいそれぞれかかるのか。それから、駅をつくる以上は停車する列車も考えなければならぬということになるのでありますけれども、それらの列車をどういうふうに運行することになるのか。たとえば、各駅停車のような形でのいままでの列車をとめていくことになるのか。そういうことを勘案して、新たに増発をするというような余裕があるのか。その辺国鉄の立場からすればどういうことになるのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#177
○説明員(半谷哲夫君) 新幹線の新駅をつくる場合に問題になりますのは、駅でありますからホームが要ることは当然でありますけれども、線路として何本要るか。現在駅をつくろうというところは上下の本線が一本ずつあるわけでございますが、最も簡単な形で考えますと、その本線を挟みまして両側にホームをつくれば一応乗降できる形はとれるわけでございます。ただ新幹線では、御承知のようにこだま型とひかり型と申しますか、新幹線の各駅をとまるタイプの列車と、それから主要駅だけを停車いたしますひかり型の列車と二種類、場所によってはそれが三種類程度になっているところがございますが、原則的に単純化して申し上げますといま申し上げましたような二種類の列車になります。
 今回新駅の設置の御要望のある駅というのは、「こだま」と「ひかり」という二種類のタイプのうちの、各駅停車のこだま型の列車が停車するということになるというふうに私どもは考えております。したがいまして、いま「こだま」と「ひかり」とが走っているということになりますと、「ひかり」はノンストップで主要駅に飛んでいく、その間に各駅停車の「こだま」の列車があるということになりますと、追い越しというものが出てまいります。したがいまして現在、東海道等の主要な駅では、ほとんどが「こだま」、「ひかり」の追い越しのできる設備になっております。この設備にするためには、いわゆる二面四線と申しておりますが、現在の本線のほかに着発いたします列
車のための線路をさらに上下一本ずつつくりまして、四線といたしましてホームをつくるという形を考えることになります。
 私どもがいまいろいろ地元から御要望がありまして原則的に申し上げているのは、駅をつくる場合にはこの「ひかり」、「こだま」の追い越しができる設備二面四線というものを原則としていまお話を申し上げ、工事費なども概算そういう形ではじいているわけでございます。
 今回の水沢、花巻二駅につきまして地元の市長さんの方に国鉄としての意向をお伝え申し上げたわけでございますが、そのときにいろいろ新駅設置についての条件を申し上げておりますが、その中に、原則的に二面四線要るけれどもさしあたり二面二線でやる可能性があるので、今回、二面二線で工事費としては水沢で五十億、花巻で五十五億というものを提示申し上げた次第であります。ただ、その場合でも必ず二面四線が必要になる時期が参ります。したがいまして、二面四線に必要な用地並びにその時点での二面四線に要する工事費等については、その時点においてまた御協議に応じていただきたいということを書き加えまして御返事申し上げたという経緯がございます。
#178
○瀬谷英行君 ここに「必要な資金についての補助金等の交付その他財政上の措置を講ずることができるものとする」と書いてあるわけなんですけれども、提案者にお聞きしたいと思うのでありますが、こういう方法で新駅をつくるという場合の地元の負担は一体どのくらいになるのか、そして地元が負担にたえられるのかどうかという問題が出てくるわけです。補助金の交付というけれども、補助金は一体どのくらいなのか。負担にたえられない場合は起債等の方法を考えるということになるのか、一体その辺はどういうことになるのか、どのような構想をお持ちなのか、その点をお伺いしたいと思います。
#179
○衆議院議員(三塚博君) お答えを申し上げます。
 この法律改正をお願いいたしました最大の理由は、提案の説明でも申し述べたのでありますが、ただいま国鉄から御説明がありましたようなことどもの中で新駅の要望にどうこたえるかということに相なりますと、先生方御案内のようにきわめて財政が危機的状況にございまして、監理委員会等も設置をされまして、再建のための障害になりますことは一切これを行わしめないという形に相なってまいりました。しかしながら、新幹線の持ちます特性、また駅が設けられた場合の誘発要因と申しますか、そういうことに伴うところの地域開発、また地域社会における便利性、効率性というもの等を考えられた地域の皆様方が、国鉄の財政状況のピンチなことはわかっておるものの何としても設置してほしい。設置してほしいとお願いを申し上げます以上は、最大限の財政的負担をさせていただくと。こういうことの中で本法案の議員提案に踏み切らさせていただいたわけであります。
 よって、瀬谷先生御指摘の、「補助金等」というのは一体何をどの程度にと、こういうことでございますが、これの意味しておりますことは、利子補給、こういう概念が一つございます。同時に、「その他財政上の措置を講ずることができるものとする」と。こういうことにつきましては、寄附及び無償貸し付けあるいは低利の貸し付け、こういうものを含んでおるわけでございます。
 しからば、現実に利子補給という形があり得るのかということでありますと、現在想定をされます新駅設置の要望地とそれから国鉄当局及び運輸省との協議の中で得ました結論は、かかります全額を地元に御負担をいただく。こういうことでなければ、設置の基準その他いろいろあるわけでございますが、そういうものの検討にも入れない。全額お出しを賜るということの上に立ちまして、国鉄運営上の基準その他を勘案いたしましてこのことに決定を与える。こういうことに相なっておりますものですから、仮に岩手県水沢、花巻がいま最トップにあるわけでございますが、五十億から五十五億と言われておる工事費でございます。この全額の御寄附をちょうだいいたしましてそれでこれを執行するというふうな形になるようであります。このことをもっていたしましても、全額をぜひ御支出をいただく、請願駅という性格の中でそういうことに相なるということであります。
#180
○衆議院議員(佐藤守良君) いま三塚先生がおっしゃったことでございますが、ちょっと補足しますと、実は新幹線の新駅をつくる場合に金のつくり方に二つ方法があるわけです。その一つは、基本は地元の寄附。というのは民間の寄附でございます。その不足分を地方自治体に寄附を仰ぐというのが今度の法案の趣旨でございます。
 その中身については、実は自治省の見解も、最低の寄附である。その寄附はその地方自治体の財政運営に支障のない範囲でやると。したがって、各市各県でふところぐあいが違うものですから、そんなことで実はこの寄附をお願いする。したがって大半の寄附というのはやはり地元の民間の寄附による。この寄附につきましてはまた、実は大蔵省、国税庁の御配慮によりまして、個人、法人ともに減税措置を受けるような形になっておるということでございます。
#181
○瀬谷英行君 一口に五十億と言ったって、これはなかなかの大金なんですよね。田中さんのロッキードだってあれは五億なんですから、その十倍になるわけです。これだけの大金が小さな地方都市でもって賄い切れるかどうかということは非常な難問じゃないかという気がするんです。
 そこで今度は自治省にお伺いしたいと思うのですけれども、自治省としては、こういう巨額の金を地方自治体が引き受けるということが一体どういうものなのか。借りた金は返さなければならない。寄附ならば、気前のいい人がぽんとみんな寄附してくれるのなら問題はないけれども、なかなかそうはいかぬだろうという気がするんです。そこで、資金調達なりそれの後始末なりという問題について自治省は一体どういう見解を持っておられるのかということもお聞きしたいと思うんです。――それじゃ、とりあえず自治省の方は後回しにして、国鉄とすればどういうふうにお考えになっているのか。
#182
○説明員(半谷哲夫君) 新駅をつくる場合、在来線でも新駅をつくる場合がずいぶんあるわけでございますが、この場合には地方自治体から自治省の方に、新駅をつくるに当たりましての地方自治体が出す補助金等についての認可を申請されまして、その認可をいただいて工事費の負担をするという形がとられてきております。新幹線につきましてはいままでそういう例がないわけでございまして、今回この法律が成立いたしますと、地方自治体としては新幹線新駅についての工事費の負担ができることになるわけでございます。
 私どもとしては、確かに地元に御負担願う金額が相当の額であります、在来線に比べても相当高いお金でありますので、非常にその御負担も大変だということはわかるわけでありますが、一方国鉄財政からも、なかなかいまの状況から、工事費を負担して新駅をつくるというところまではとてもできない状況でございます。
 また、国鉄が工事費を持ってつくった場合の収支ということになれば、これは現在申請のありますほとんどの駅が全部赤字で出てまいりますということが想定されるわけでございます。また、工事費を持っていただいたといたしましても、実は新幹線の駅をつくりますと、できました設備の維持のための保守費の問題、あるいはそこに張りつけます要員の人件費の問題、電力費の問題、あるいは列車が着発いたしますために運転上要します経費、またダイヤの非常に込んでいる駅では列車の到達時分が駅ができることによっておくれてまいります。そのために列車編成も場合によってはふやさなければいけないというような要因が種々ございまして、私どもがいまこの新幹線の新駅につきましてつくるという条件の中には、工事費を地元にお持ち願うと同時に、駅ができまして純然としてふえてくる収入、要するに隣の駅から転移したお客さんじゃなくて、駅ができましたことによって純増となるお客さんによります増収入と、
駅ができまして経費がふえてまいりますその増加経費とのバランスを見まして、これが収支大体償う、あるいは開業後わずかな期間で収支償うようになるだろうというような見通しをつけた上で御返事申し上げるということを一つの条件にいたしている次第でございまして、地元の御負担もなかなか大変だとは存じますけれども、国鉄の現在置かれた立場から地元の御要望に今日こたえるためには、このような方法をとらざるを得ないというのが私どもの判断でございます。
#183
○瀬谷英行君 駅の場合は、小さな都市であろうと大きな都市であろうとホームの長さというのは同じにしなきゃいかぬと思うんです、車両の編成は同じなんですから。十六両編成ということになると、おまえのところは小さな駅だから半分でいいじゃないか、そうはいかないわけですよ。少なくともホームの長さなんというものは、仙台の駅であろうと名古屋の駅であろうと、あるいはまた花巻、水沢であろうと、これは同じぐらいにしなきゃならぬということになる。そのほかの掛かりが違ったとしても基本的には寸法は同じようなものができ上がるということになると、金のかかり方というのは、大きな都市の駅であろうと小さな町の駅であろうとそんなに変わらないだろうという気がするんです。そうすると、小さな駅の方が負担はより大きくなってくる、こういう問題が出てきます。
 大きい駅は国の方でめんどうを見て小さなところは今度は自前でやらなきゃならぬ、こういう矛盾が出てくるんじゃないかと思うのでありますが、その点運輸省としてはどのようにお考えになりますか。
#184
○政府委員(永光洋一君) 現在、新幹線、高速ネットワークとしての機能を有する施設としまして国鉄が主体になって建設をし運営をしあるいは工事中のものでありますが、現在の運営の新幹線につきましての駅は、これはやはりその経営上あるいは地域の輸送上非常に必要なものとしてつくったわけでございますが、これ以上の駅を地元の要望で設けるという話になりますと、現在の財政状況から見ては自分では負担できない、こういう状況でありますので、やはりどうしても地元の要望なりに沿うためには地元に御負担を願って駅を一定の条件のもとにつくるということもやむを得ない、こういうふうに考えております。
#185
○瀬谷英行君 やむを得ないという言葉で全部片づけられてしまっているわけなんですけれども、しかし非常に不合理という感じを持つわけです。
 そこで、今後この種の問題がいろいろ出てくるのじゃないかなという気がするので、新幹線そのものの構想についてお伺いしたいと思うんですが、現状では新幹線はこれ以上延伸するということは財政上きわめて困難と、こういうふうに見られておりますけれども、新幹線に今日まで大きな投資をしてきて、その投資が国鉄の財政に非常に大きな負担になってきているということは提案者もお認めにならざるを得ぬと思います。これは、新幹線が赤字のかなりの部分を生み出したということにもなるわけです。このことは決して、国鉄そのものの責任じゃないという気がするわけです。しかし、赤字は何か国鉄自体の経営責任であるかのように言われると、いままでのやり方でもって国鉄の赤字を増幅してきた政府の責任というものは、逃れてしまうような、あるいは回避をするというふうな感じを受けるんです。
 私はやはり、赤字の原因をつくったものが政府であるならば、政府自体の責任においてその赤字を解消するということを考えるべきではないかという気がするのでありますが、その点はどうでしょうか。
#186
○政府委員(永光洋一君) 既設の新幹線のお話かと思いますが、御案内のように東海道あるいは山陽の新幹線は逆に非常に成功した例だと思うわけでありますが、東北あるいは上越の今度開業いたしましていま始まっておりますものにつきましては、確かに建設費が予想外にかかりまして非常に大きな債務の一部になり、そしてそういう意味では、長期的な採算は別としましても、現状においては赤字であることは確かでございます。
 したがいまして、今後つくる整備新幹線については、そういうこともありますし、東北・上越よりもさらにお客さんが見込めないというような状況から、われわれとしても慎重に対応して、そして、今後つくる場合は、これはこの前もお願いいたしましたように、地方の負担も含めながら採算性等を考えて慎重に対応したい、こういう考え方でございますので、東海道・山陽、それから現在の東北・上越という形で、さらに整備新幹線ということになりますと、そういう採算性上の問題もございますので、われわれとしても慎重に対応いたしたいというふうに考えております。
#187
○瀬谷英行君 わかりやすく言うと、もうこれ以上新幹線は自前でやるんならばできません、こういうふうに聞き取れるわけです。それは提案者としても、その点はやむを得ない、だからでき上がった部分についてのみ停車場をこさえよう、一言で言えばそういうことになるんでしょうか、その点はどうなんですか。
#188
○衆議院議員(三塚博君) 五十六年に当委員会におきまして御審議を煩わし参議院本会議で成立を期しました整備五新幹線の改正法は、まさに瀬谷先生御指摘のように、今日の財投方式による新幹線建設は、予定される五整備新幹線、国鉄に借金を与えるだけで、再建の足を大きく引っ張るものである。よって、先ほども鉄監局長が触れられましたわけですが、これをつくる場合にはまさに公的負担制度の確立を期して、同時に投資採算性、こういうものを精密に検討をいたした結果でなければスタートできないであろう。そういう意味の公的負担制度の公費の部分、地方費、あの当時御説明申し上げましたとおり、一〇%前後になるかなというようなことの地方費負担の道を開かせていただく形が先般の法律の要旨でございました。
 今回の改正案は既設新幹線についてのお願いでありまして、非常に国鉄の苦しい状況はよくわかるし、またもうお願いしても鼻血も出ないことも理解できる、しかし地域の要望、また新駅をつくることによりまして乗客の誘引効果も出てプラスになるのではないか、こういうことどもの中でその道を開かせていただく、こういうことでございまして、瀬谷先生御指摘のとおり、端的に言いますとそのとおりでございます。
#189
○瀬谷英行君 国鉄総裁にお伺いしますが、国鉄総裁は、財政的立場からするならばもう新幹線はこれ以上とても引き受けられない、こういうお気持ちではないかという気がするのでありますけれども、もしこの財政上の負担ということを別にするならば、新幹線はどの程度まで延伸をすればよろしいとか、整備新幹線というものを実現させた方がよろしいというふうにお考えになっているのか。あるいは、日本の国力あるいは国鉄の財政状況から考えればこの辺がほどほどであるというふうにお考えになっているのか、その点についての総裁のお考えをお伺いしたいと思います。
#190
○説明員(高木文雄君) 私は、現在法律もあることでございますし、いわゆる整備五線が建設されますことにつきましては反対はいたしておらないわけでございます。ただ、建設をされるときに、いわゆる財投方式といいますか、建設費の全部を借入金で賄うということでは、今後予定されております各線ともお客さんの見込みからいいましてその投資のための金利を払ってなおかつ採算がとれるような状態ではないと見るべきだと思いますので、そういう意味で、大変ある意味では身勝手でございますが、整備五線はいずれもつくっていただきたい、つくることをお認めいただきたいし、しかしそのための建設費だけはひとつ、公共事業といった考え方といいましょうか、あるいは一般会計からの御援助といいましょうか、そういう形でつくらせていただきたい。
 実は在来線がだんだんお客が減ってきておりますが、在来線のお客が減ってきておりますのは、やはり自動車あるいは飛行機との関係におきまして相対的にサービスがよくないからでございまして、いろいろ工夫をして、在来線のままで何とかスピードを上げる方法等工夫はいたしますけれど
も、もうすでに軌道幅が狭いということ、それから現在の軌道の状態がカーブにつきましても勾配につきましてもいまの状態ではもうある程度しかスピードを上げられないということから考えますと、やはり主要な幹線網というものは本来はあることが望ましいというふうに考えておるわけでございます。
 先ほど新幹線は赤字だと言われますけれども、御存じのように東海道新幹線は大変な黒字であるわけでございます。それから東北・上越新幹線につきましても、長い目で見ていただきますればこれはどこまでいっても赤字だとは決して考えていないわけでございまして、現在各都市で行われております地下鉄の建設等につきましても、相当長期間後において初めて資本費がそろばんがとれることになるということと同様に、現在までの東北・上越新幹線であれば、大分時間はかかりますけれどもいずれの日にか採算がとれるようになると考えておるわけでございます。ぜひひとつ新幹線の財源問題について国会での御論議をお寄せ賜りますようお願いをいたしたいというのが私どもの感じでございます。
#191
○瀬谷英行君 自治省がおいでになっているので自治省にお伺いしたいと思うんです。
 この法律案でまいりますと、地方の小さな都市が非常に身分不相応の負担をしなければならないという問題が出てくるわけなんです。自治省の立場からすると、そういう負担をあえて各地方自治体が忍んでまで停車場の建設に乗り出すといったようなことは今後のことから考えて一体望ましいことなのか、自治省とすればどういうふうにお考えになっているのかということをお聞きしたいと思ってさっき質問したんですけれどもまだおいでになっておらなかったので、その点を聞きたいと思うんです。
#192
○説明員(浅野大三郎君) 新幹線につきましては、これはやはり国土の基幹的な交通網の一環をなすものでありますから、基本的にそういうものの整備に必要な財政負担というものは国あるいは国鉄、鉄道建設公団等で負担していただくべきものではないかという基本的な考え方は私ども持っております。
 ただ、今回の法案そのものは、これは一応地方公共団体にも財政負担をする道を開く、こういうことを趣旨とするものでございます。あとそれではそういう法案が成立しました場合に地方団体がどう対応するか。これはやはり、それぞれの地域のいろいろな事情があるわけでございましょう、その中で地方公共団体がみずからの責任において判断していかなければいけないことではないかというふうに考えておるところでございます。
#193
○瀬谷英行君 新幹線の採算が合うか合わないかということは、新幹線の通過するあるいは到達する地域の人口密度が大いに影響すると思うんです。野っ原の中を幾ら走ったところでそれは採算が合うわけはないんです。人口密度の希薄なところへ膨大な投資をして新幹線を走らせてみたところで、それはどんなにがんばったって採算が合うようになるとは思われません。したがって、新幹線の建設計画そのものはやはり国の政策として考えなければならないことになるのじゃないかと思います。すでに目ぼしいところは新幹線ができてしまっている。あと残っているところといっても、大都市があってそこと結べばたくさんの利用者が期待できるような場所はもう現在では残っていないんですね。したがって、これからの新幹線計画そのものは、在来のような、借金でもって賄いなさいというやり方ではこれはできっこないと私は思うんです。
 そうすると、どうやって今後の新幹線計画を立てるのか。もはや当分の間見込みなしとしてあきらめることになるのか、それとも在来の方式を全然一掃して新たに国家が国の投資という形でもって新幹線を建設するということになるのか。その辺は運輸行政として考えなければならないことになってくると思うのでありますが、その辺はどうですか。
#194
○政府委員(永光洋一君) 今後、鉄道の建設、特に新幹線の整備につきましては、先生がいまおっしゃったような考え方というのがわれわれとしても非常に賛同をする気持ちが強いわけでございますが、何分やはり政府部内におきましていろいろの考え方がございますので、将来の長期的な計画としてわれわれも、整備新幹線を含めて将来の交通機関ネットワークとして整備していくという基本を持ちながら、国鉄の財政上の負担にならないようなかっこうでどういう形でこれを助成方法等を見つけながらやっていくかということを現段階においていろいろ検討し、苦慮しておるところでございます。
#195
○瀬谷英行君 将来の新幹線の延伸計画等については、大臣がいまここにおられないので、三塚さんに大臣にかわって答えてくれというのもちょっとね、人物的には構わないと思うんですけれども役目柄ちょっと無理なような気もいたしますのであえてそのことは質問いたしませんけれども、しかし当面の問題としてこういう問題が出てきますと、各地域地域でもっていろんな問題が出てくるのじゃないかと思うんです、その場所場所によって。
 そうすると都市によってあるいは町によって負担が違う、やり方が違う。いろんなケースが出てくると思うのでありますが、その場合に自治省としてはどういうふうに指導をするのか。どういう方針でもって各地方自治体が対処すればいいのか、その辺について、自治省として知らぬ顔をするわけにいかぬだろうと思うのでありますが、その点どうですか。
#196
○説明員(浅野大三郎君) あくまでも今回の法案ではそういう負担をすることができる道を開くということでございます。あと実際にどういう形で各自治体が対応をしていくか。それはやはり私は、それぞれいろいろ事情もあるだろうと思います。その地域の住民のニーズがどうなのか、財政状況がどうか、そういうことをいろいろ考え合わせてそれぞれの地方団体の責任において御判断をいただく以外にないのじゃないだろうかというふうに考えております。
#197
○瀬谷英行君 結局そうすると、地方自治体はそれぞれ自分のところの財政状態とにらみ合わせてやれるものならやってみろ、こういうことになっちゃうわけですね。まことにその点は責任のないことになりはしないかなという気がするのですが、そんなことでは、新幹線の駅舎というものは、場所によっては身銭を切ってそれこそサラ金から金を借りるような思いをしてつくる場所と、それからわりあいゆとりのある場所と、いろんなばらつきが出てくる、こういうような気がするのですが、そういうふつり合いというか不公平というか、そういう問題が多々出てくるということについては、これは提案者の方はどのようにお考えになっているでしょうか。これはやむを得ない、そこのところは各部市の力量である、こんなふうに割り切ってしまうおつもりなのかどうか、その点はどうなんでしょう。
#198
○衆議院議員(三塚博君) やれるならやってみろという大変端的な御表現でありますが、形は、先ほど来申し上げておりますとおりぜひとも新駅を設置してほしいという地域挙げての強い要望、その背景は、花巻で見ますると、背後地に大変な観光地がございます。さらに交通の要衝地点でございます。商工の集積もございます。新駅が設置されることによりまして自後地域開発が一段と促進されるところであります。財政負担も、そういう観点からいたしますれば確実に償還ができて、逆にプラスに相なっていく。また同時に国鉄の乗降客もそのことによってふやさせていただき、国鉄再建にもわずかではあるが貢献できるのではないでしょうか。以下、水沢、東海道における新駅を強く要望されておる地域もそのような関係にあるように聞いておるわけであります。
 そういうことで、しからば欲しいというところが財政的基盤がないためにそれがおろされていく、それはどう考えるのだと。ここが大変つらいところではございまするけれども、やはり新幹線、高速性という鉄道特性を生かさせていただき
ますためには、半谷常務が先ほど来答弁を申し上げておりますように、国鉄営業、新幹線営業として基準に合ったものでなければ、金があったからといって直ちに新駅の設置に踏み込むということはあり得ないのでありますと。こういうことでありますれば、その辺のところは、いろいろな諸条件を勘案いたしまして、両々相まちまして、なるほどこの駅が認められたということはむべなるかなと、こういう大方のコンセンサスが得られるような形に相なりまして、お言葉ではございますが、瀬谷先生の言われるようにその辺の不公平、バランスを欠いた形というものは結果としてないのではないだろうか、こんなふうに考えて提案をさせていただいておる、こういうことでございます。
#199
○衆議院議員(佐藤守良君) いま三塚先生のおっしゃったとおりでございますが、実は新駅設置について三つの経緯があるんです。一つは、かつて新幹線新駅の設置を要望したときに脱落した駅、次は、新しく新幹線をつくるときに将来、たとえば水沢などそうですが、札幌まで新幹線をつくれば駅をつくりますというような経過、それからもう一つは、実はこれはもう先生御存じのように、二十一世紀の都市づくりというのはいかに総合交通体系を整備するか、それは飛行機と新駅と道路です。その場合に、これに乗りおくれると大学はもう撤退する、そうしますと産業その他の発展が全然違ってくる。そんなこともございまして、この三つの観点から全国十七駅の要望が出ておるということでございます。
 たとえば、私、広島県の尾道の出身でございます。広島県は三つ駅を要望してございます、尾道、東広島、宮島口と。宮島口は技術的問題でできません、あそこに駅をつくればトンネルを壊さなきゃいかぬ、これはできません。残りが尾道と東広島ですが、尾道はかつて実は新駅をつくりたくて運動したがだめだったわけです。そのために実は新幹線が走って百万人お客さんが減ったんです。斜陽と言われております。したがって地元は、どんなことをしても新駅をつくりたい。お金ではないんですね、尾道の将来のためにつくりたい。したがって三万世帯、法人一万社、これが何とかして五十八億かかるがつくりたいとがんばっておるわけです。またそのことは、先ほど三塚議員がおっしゃったように、営業係数が黒字になるという国鉄の前提でやっておる。そんなことで、この三つを踏まえて皆お願いしておるということでございます。
 しかも、これは不公平じゃないんです。そのことによって受けるデメリットとメリットを考えた場合、とにかく百万人尾道はお客さんが減ったんです、現実に。これはもっと減っております。そういうことを考えたら、この際ある程度みんなお金を出し合って新駅をつくる、そのことによっての尾道のような夢とそれから将来の発展性を考えた場合に、そのぐらいの負担は大したことはない。しかも、最初新幹線をつくるとき基本計画で駅ができたわけで、瀬谷先生は負担の不公平だと言いますが、地元の人は不公平じゃない、むしろそうしてでも駅をつくってもらいたい、そのことがすなわちこの都市の発展につながるんだ、それが二十一世紀に新しい夢をつくるんだというようなことでがんばっておるということでございまして、その点は特に御理解を願いたい。したがって寄附する者も喜んでしているということでございます。自分たちの子孫に対してのより新しい都市づくりという観点でがんばっておるということを特に御理解願いたいと思うわけでございます。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
#200
○瀬谷英行君 そういう、地域で無理をしてでも駅をつくりたいというところがどんどん出てきた場合に、今度新幹線の駅と駅との間が大変詰まってくる。極端な話が、都電の停留所みたいに次の駅が見えるようなところに新幹線をつくられたんじゃ、スピードの出しようがない。スピードを上げようと思ったころは通過してしまう。こういうようなことになって、新幹線の機能が果たし得ないという心配も出てくるんじゃないか。そういうことを考えるならば、駅間の距離というものについてもある程度の最小限の基準というものをつくらなければならないんじゃないか。それは各都市の実態というものはあるかもしれないけれども、その点はどのようにしてその基準をつくっていくのか、そういう点考えなきゃなるまいと思うのでありますが、この点はどうでしょうか。
#201
○衆議院議員(三塚博君) この点は大変技術的、専門的で、新幹線特性を生かして運行しなければならぬ、こういうことでありますので、国鉄専門家にこの点はきちっとしていただく。政治の側、地域の側がぜひということでありましても、その特性が生かされるようにこのことは配置されなければならぬ、こういうことであります。基本的な考えだけ申し述べさせていただきました。
#202
○説明員(半谷哲夫君) いま私ども考えております新駅をつくる場合の私どもの判断の要素の一つといたしまして、列車ダイヤに大きな影響を及ぼさないこと。新しい駅を一つつくりましたことによって大きくダイヤに影響が出てくるというのは、これは新幹線のシステム全体を見た場合に非常に効率の悪いものにしてしまうということがあるわけでございます。いまのお尋ねの駅間距離というのは、まさにこの列車ダイヤにどう響くかということになるわけでございます。最初、駅間距離ということを出すのに、列車の速度、列車の回数あるいは駅の設備の状況等によって決まってまいりますので、なかなか一概に何キロということは定めにくいわけでございますが、私どもはいろいろ御要望があった場合の判断要素の一つに列車ダイヤに大きく影響を及ぼさないことということを考えておりますので、その駅間距離等も当然この考慮の中に入ってくるわけでございまして、それによって全体としての列車ダイヤに大きな影響がなければいいということになるわけでありまして、ちなみに現在営業いたしております新幹線の一番短い駅間距離で申し上げますと、約十六キロ弱というのが一番短い距離かと思います。この設置の基準の中に、いま申し上げましたダイヤの問題がありますけれども、そのほかにいろいろ技術的な問題がまだあるわけでございまして、それらの問題を勘案して駅をつくるつくらないについての検討をしていくということを考えている次第でございます。
#203
○瀬谷英行君 最後に一つお伺いしますが、東北・上越新幹線、いま大宮が起点になっておりますけれども、これが上野まで延ばされる、上野から東京まで延ばされる、こういう計画になっているようでありますけれども、上野でもってストップをして、上野と東京の間は監理委員会の方で待ったがかかっている、こういうふうに聞いております。一体この上野と東京の間はどうなさるおつもりなのか。
 それから、上野も二面四線というふうに話を聞いておりますけれども、二面四線ということになると、始発駅としてはまことに規模の小さなもので、それで間に合うかどうかという疑問がわれわれにだって出てくるのでありますが、その点は一体どのようにお考えになっておるのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#204
○説明員(高木文雄君) 東北・上越新幹線は計画の当初から起点を東京駅と考えております。それで、東京駅と大宮との間には当初の計画では駅をつくる予定がなかったわけでございますけれども、そのことが上野ないしその周辺の、長年の間東北、上越からのお客様の受け入れ地として発展をしてきた上野周辺の何といいますか衰亡につながるということで、新幹線を東京と大宮とをつなぐに当たって、上野に駅ができないのであれば通さないということになってまいりました。そこでいろいろ研究いたしました結果、かなりの巨額の投資ではございますけれども上野に駅をつくることもやむを得ないということでできたのが上野駅でございました。したがいまして、上野駅は、あそこの場所柄、また大変地下深いところへつくらなきゃならぬということで、中間駅の考え方で設計からすべて出てきました。したがって二面四線
ということになったわけでございます。したがいまして、どうしてもやはり東京乗り入れをいたしました。また、東京のホームもかなり限界があって余りたくさんホームができないという関係もありますので、東京駅と上野駅とを相互補完しながら使っていくということで初めて十分の機能を発揮し得るものというふうに考えておるわけでございますので、監理委員会からの御指摘については、私どもとしては素直にそのまま、わかりましたと言うわけにはいかないというふうに考えております。
 ただ、五十八年度におきましては、御存じのとおり五十七年度まで一兆円を超える設備投資を続けてまいりましたが、とてもこの金利負担にたえ切れないということで、工事費全体を一挙に三千億減らして七千億まで縮小をいたしました。さらに五十九年度の概算要求におきましては、またさらに思い切って千億縮小をいたしまして六千億ということで概算要求をいたしておるわけでございます。この数字は、国鉄の過去におきます投資の規模としてはきわめて小さい規模でございまして、物価の変動等を考えますとここ十年、二十年来で一番小さい規模になってしまうような状態でございますので、いままだ東北新幹線の上野―大宮間あるいはそれに並行する通勤新線等のために相当巨額の投資が必要になっております関係上、監理委員会の御指摘のとおり、そうあわてて何もかもやらぬでもいいじゃないかということについては耳を傾けざるを得ないかなということで、五十九年度の概算要求につきましては、上野―大宮間の工事に投入いたします設備投資額をずっと小さくいたしまして、現在六十五億円ということを前提として概算要求をいたしております。
 この六十五億円という金額の持つ意味は、いままでの計画がこのことのために決定的におくれてだめになってしまうといいますか、東京駅乗り入れ時期がおくれてしまうということにならないようにということが一つ。もう一つは、道路その他と非常に多くの交差がございますので、道路側に事前工事等をやってもらわなきゃならぬことがたくさんございますので、それがおくれないようにということ。それから、わずかでございますがまだ用地買収が完了していないところがございますので、これだけは地権者の方から、もうこの際だから売ることにしよう、いままで反対していたけれども売ることにしようというようなお申し出もありますので、それに対応できるというようなこと。それらのことを考えますと、その程度の金額はぜひこの上野―大宮間で五十九年度に使わせていただきたいというふうに考えているわけでございます。よってもって、上野と東京駅の完成時期がいつになるかということはいままでと違いましてやや不確定になってまいりましたけれども、この点についてはもう少しいろいろ研究をしてまいりたいと思っております。
 それからもう一点、監理委員会の御指摘の中には、上野と東京をつないでも収入はちっともふえないだろう、こういうことを言われておるわけでございますが、しかし、上野と東京とがつながりますと、東京の非常に交通が混雑した地帯を通過して、たとえば北関東から東東海地区へ行くお客さんといったようなものについて、かなりの増加が期待されるわけでございますので、そうしたもののお客さんの増加見込み、したがって収入増加見込み額についてもう少し精査をいたしました上で、運輸省あるいは財政当局、さらには監理委員会等によくその辺を御説明した上で今後の取り組みを決めなければならぬ、そういった調査を大至急やらなければならぬというふうに考えております。
#205
○桑名義治君 最初に概括的な質問でございますが、花巻、水沢駅に今回のこの法案はほぼ限定をされているというふうに思われるわけでございますけれども、しかし今後もさらにこの追加の要望が生まれてくる、こういうふうに考えられるわけでございます。そこで、国鉄自身の財政事情というのはもうどなたも御存じのとおりでございますし、この財政事情を勘案をする。それからさらに、スピードを使命としております新幹線のことでございますので、運用上の問題もまたこれ考えなければなりません。そこで、新幹線新駅設置を認める場合の、そういった一切を含めた国鉄の考えている基本条件というものはどういうものなのか、まずこれをお尋ねしておきたいと思います。
#206
○説明員(半谷哲夫君) 私ども、新幹線新駅を設置するかどうかということの判断をいたしますのに、何点かございます。
 そのまず第一点は、国鉄の経営上の問題としてどの程度のお客さんがお乗りいただけるのか。それによりましてふえる増加収入がどのぐらい見込めるのか、それと、駅をつくることによりましてふえてまいります経費、このバランスを見まして、これが極端に赤字になるというような状況では、ちょっと私どもいまの時点では新駅をつくるということに踏み切るわけにはいかないわけでございまして、まずはこういった経営の収支の問題、御利用なさるお客さんの数の問題と申し上げていいかと思いますが、そういう点が一点でございます。
 それから二点目は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、駅を一駅つくりますと、ひかりタイプとこだまタイプと二種類を想定いたしまして、つくりました新駅にはこだまタイプをとめるということをまず考えるわけでございますが、一駅とまりますと十分ないし十五分到達時分がおくれてまいります。したがいまして、それによっていろいろ影響が出るわけでございますが、その影響の出方というのは、現在どのぐらい列車が走っているか、列車本数によってもずいぶん違ってまいります。そういったことから、御要望のある位置に駅をつくった場合に列車ダイヤ全体にどう響いてくるであろうか、その結果がシステム全体に相当大きなマイナス効果ということになりますとこれはやはり考え直さなければいけないかということになるわけでございます。
 それから三番目に、これは技術的な問題でございますけれども、駅をつくるには線路に余り急な勾配があってはこれは構造的にできない。また曲線が入っている、あるいは車両性能上問題があるというような場所にはちょっとできないわけでございまして、これは一にかかって技術的な問題でございますけれども、設置御要望の位置についてこの技術的な検討をまずやってみまして、これが可とならなければいけないかと思います。
 それから、いろいろ駅設備をつくる、その設置が周辺条件から言って可能であるということがその次に必要な条件になります。
 それから最後でございますが、工事費はいずれにいたしましても私どもが持ちましてはちょっと収支にはおぼつかないわけでございまして、工事費を御負担願うあるいは用地を御提供願うあるいは駅をつくるとなりますとそれなりの駅前広場並びにそれに至ります街路の整備、これが出てまいりますので、それらについて地元として御意見がまとまって御協力がいただけるということが必要な条件でございます。
 幾つか個条書きに申し上げましたけれども、以上のような点が、私どもが新駅設置を考える場合に考える要素ということになるわけでございます。
#207
○桑名義治君 ただいま国鉄の方から、新駅を建設する場合の条件が、大きく分けて、概略ではございますが五つ示されたわけでございますが、提案者はこういったいわゆる条件というものを一切合財勘案しながらこの法案を提出した、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#208
○衆議院議員(三塚博君) 仰せのとおりです。
#209
○桑名義治君 前回の一部改正審議におきまして問題になった一点は、地方公共団体の負担についての問題でございました。これは自治省はそのときは、財源手当てはしない、全額地方の自主財源で賄うことを求めた発言が行われているわけでございます。今回の御答弁を聞いてみますと、どうも少しニュアンスが変わってきたような気がしてならないわけです。それは、いまあなたがおっしゃった中に、地方自治体の自主判断だということ
が一番の頭になっているように私には聞こえたわけでございます。そうすると、前回の場合と今回の場合に、自治省の見解は多少なりとも変わったのかどうか、この点が、私にはまだ理解ができないわけでございます。
 それからさらに、今回の地方自治体の一部負担について、自治省との完全な詰めがもう行われたのかどうか。もし前回の一部改正審議のときの答弁と変わっているとするならば、それはどういうふうに変わったのか、そこをちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
#210
○説明員(浅野大三郎君) 第一点でございますが、結論的に申し上げますと、前回のときと考え方は変わっておりません。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、基本的に新幹線鉄道の負担はだれがすべきものかということにつきましては、私どもはやはり、これは国家的な事業でございますから、国ないし国鉄等が負担していただくべきたてまえのものであろうと考えております。したがいまして、地方公共団体が駅の設置等について負担をする道がこの法案によって開かれるわけでございますが、その場合におきましても私どもとしては、制度的な財源措置というものをする考えはございません。ですから、それぞれの地方公共団体が、そういう財源措置はないという前提のもとで、みずからの財政状況、地域住民のニーズ、いろいろなことを考え合わせてみずからの責任において判断をしていただきたいということでございます。
 それから、第二点につきましては、この法案そのものは、そういう地方公共団体が財政支出をすることができるいわば権能を与えると申しますか、そういう法案でございますから、実際に幾ら出すとか出さないとかというところまで決めるものではございませんので、そういう意味では、どれだけの財政負担をするというような詰めをすることは、法案の段階ではございません。
#211
○桑名義治君 そこで、自治省が財源手当てをしない、これは前回の法律の審議のときも今回もこの発言には変わりがないわけです。そうなりますと当然、自主財源に頼らなければならなくなるわけですね、地方自治体は。そうなると、たとえば花巻、水沢の場合を考えますと、五十六年度の決算におきましては、歳入規模が百五十億と百十億になっている。それから五十八年度の予算案は、百二十二億と百五十億というふうになっております。財政力指数を見ましても、花巻は〇・四八、水沢は〇・五七、全国平均が〇・六三、こういうような形になっているわけです。自治省が現在花巻、水沢の財政力というものを見た場合に、負担の枠を決めてないから大丈夫だとはおっしゃいますけれども、これは応分の負担をしなきゃならなくなってくると私は思います。先ほど、大体新幹線は五十億程度だというお話がありましたが、私がもらっているこの資料では、水沢が八十億、花巻が八十二億というふうになっております。これは工事費は五十五年度の単価ということになっていますが、これよりもまだ上がっているんじゃないかというふうに思われるわけです。そうなってくると、この財源を負担するということになれば、ただでさえも財政力指数が非常に弱いこの市に大変な負担がかかるんじゃなかろうか、こういう私たちは一応危惧を抱くわけでございます。その点については、自治省としてはどういうふうにお考えになりますか。
#212
○説明員(浅野大三郎君) まず実際に花巻市あるいは水沢市が負担をするのかどうか、どの程度負担をするのかということはまだ固まったものがあるわけではないと思いますが、いま御指摘になりました財政規模、それからいまお示しになりました工事費、その二つだけを比較しますと、これは財政的に非常に大変なことであると。一般的に考えますと、なかなか負担にたえない数字であるということは言い得るだろうと思います。あとは問題は、どういう形で全体の財源を、市だけが出さないでほかから求めるということもお考えになっているところもあるようでございます。そういうようなことを全体的にどういう形でやっていくのか、それが財政的にたえ得るのかどうかということで最終的な判断が出てくるのではないだろうかと思っております。
#213
○桑名義治君 それはあなたの言われることはわかるんですよ。わかりますけれども、実際にこれだけの工事費がかかって、市が知らぬ顔で、一切合財地元の財界の皆さん方や市民の皆さん方に、じゃおまえたちやってくれ、市は大変なんだからと、こういうわけにはいかないんじゃないですか。やっぱり最終的には、市がここにつくってくださいという主導権をとりながらやるわけですから。だから、仮定の問題で議論していますから、あなたは逃げられる余地はあります、実際に。どれだけまだ財政的負担をするのかわかりませんから、市の財政にどれだけ負担がかかるかということはいま判断はできません。これはあなたとしては逃げられると思うんです。だけれども、一般論として、一般的な考えとして、これだけのやはり工事費がかかればしょせんは市は知らぬ顔はできないと思うんですよ。
 それと、先ほどから国鉄の方からも説明がありましたように、いわゆる駅はできた、工事費だけの負担ではない、維持費その他の収支のバランスの中で赤字が出るならばその分も負担してもらわなければなりませんよ、こういう話なんです。そこまで果たして市民に負担をかけることができるかという問題があるんです、永続的にですね。これは黒字になればいいんですよ。そういう心配も持っているということをやはり一応考えておかなければいけない問題ではなかろうか、私はこう思うんです。
 そこで、そういう負担をした場合には、いわゆる市民に対する行政サービスの低下ということが私は心配になるわけでございます。財政の問題と市民へのいわゆる行政サービスの低下、ここら辺が私は一番心配になるわけでございますが、自治省としてはどういうふうにこれをお考えになりますか。
#214
○説明員(浅野大三郎君) 行政サービスというものをどうとらえるかということもあるような気がするわけでございますが、たとえば一億とか二億とか、そういうお金をある目的のために使うとしますと、すると、その目的以外に充て得る財源は一億なり二億減るという意味で、その使う財源がそれだけ減るという意味ではほかのところが行政サービスが低下するんではないかという言い方もあるいは可能かと思います。ただ、市のいろんな行政として全体としてどういうふうに財源を配分するかという問題がありますから、その場合に、ある目的を含めて、全体としてどっちが住民のためにいいことなのかという判断になりますと、なかなか一概に行政サービスが低下するかしないか言いがたい面もあるのではないだろうかという気がいたしております。
#215
○桑名義治君 私はそう言うだろうと思っていた。総枠の中での配分の問題だ、簡単に言えばこうでしょう。私はそう言うだろうと思った。だけれども、行政サービスの低下ということを私がいま論議しているのは、その支出がなければしょせんはいままでの財源の中で行政サービスが行われていた。それが減るわけです。新幹線といったって一切合財の市民が乗るわけじゃないんですよ。むしろ乗らない人の方が多いんじゃないですか。だから、そういう面を考えなきゃいけないと思うんです。そこの点について提案者はどういうふうにお考えでございますか。
#216
○衆議院議員(三塚博君) 自治省から答弁があったわけでございますが、総粋の中での行政サービスという判断だと思いますね。新幹線に新駅を設置されたことに伴う、先ほど来申し上げております地域開発の起爆力と申しますかそういう問題、あるいはその他の諸問題があられると思います。そういう要件の中で当該市が、あるいは関連する隣接市、町が、それと、今回強い陳情のあられる地域を見てまいりますと、経済団体、市民団体、こういう各位までがこれに参加をしていただいておる。それと、岩手、水沢、花巻の例でございますが、総額の三分の一県費でこれの助成措置を講じ
てまいるというような県当局の話なども聞いております。そういうことどもを考えてまいりますと、行政サービスがそのことによって低下をするあるいは犠牲になるということはないのではないかというふうに考えておるわけであります。
 また、桑名先生先ほど八十億あるいは八十五億、こういうふうに言われたわけですが……
#217
○桑名義治君 八十二億。
#218
○衆議院議員(三塚博君) その件は、国鉄が理想的に新駅をつくろうといたしますとそういう形になるという案でありました。私ども、この成案を得るため党内論議を繰り返しておりました段階で、国鉄に対しまして、安全性と駅の要件をぎりぎり満たすところのもので工事費の節減がどこまで可能か、こういうことでお願いをさせていただきまして、ただいま私が申し上げました五十億から五十五億というラインが出てまいりまして、そういう意味でお答えをさせていただいた、こういうことであります。
#219
○衆議院議員(佐藤守良君) いま三塚先生がおっしゃったことで、実は三つの点で御理解願いたいと思います。
 一つは、自治体、というのは県でして、県によっては実は、ちょっと名前を申し上げませんが、私は各県の知事と交渉しておりますが、もっと負担をしていいという県もございます。ということです。
 それから、寄附金には期間があるんです。たとえば東北新幹線は上野開業五十九年末としておりまして、それで若干急いで、一年あるんですが、東海道・山陽の場合はCOMTRAC、新幹線運転管理システムが六十二年取りかえになるんです。そうすると、六十二年までにそのお金を用意するということになる。したがって、現在特に市などで考えております場合は、寄附は民間の寄附をお願いしながら、仮に寄附が集まらぬ場合、その不足分を借り入れした場合の利子補給、利子を払うとか、そんな形のもので財政運営に支障のないような形でやりたい。そして、その寄附は単年度ではございません、三年かかっても五年かかっても集めたい、こんなことで実はいまやっているわけです。
 それからもう一つ、工事費は、三塚先生がおっしゃったようなことで、国鉄の工事はりっぱ過ぎるんです。りっぱ過ぎるものですから、安全等を考えてもっとそれが安くいいものができぬだろうかということを三塚さんを中心にお願いしておるということ。
 この三つの点を加味すればいまの心配はなかろう、こう理解しておりますが。
#220
○桑名義治君 確かに、これは新聞の記事でございますが、「ニュースきょうあす」という欄でございますが、この欄で見ると、岩手県知事は二月初めに、地元負担金の三分の一を限度に県の補助を行う意向を表明したと。私もこれを存じておったわけです、その件については。それと同時に、花巻市では民間の募金運動が行われて、二億二千万円の募金がすでに行われている、こういうことも載っているわけですが、しかし五十億の中の二億といったら、これはまだ微々たるもので、募金募金と言うけれどもこれは現実にできるのかな、こういうような感じもするわけでございます。
 そこで、両市はじゃどういうふうに財源をつくるかというと、この記事によりますと、財政調整基金の取り崩し、それから市有林などの財産処分、それから周辺市町村の寄附、一般住民の寄附、金融機関からの長期借り入れ、こういったことで財源を調達しようと。これは、一時的な財源の調達ならば私はいいと思います。一時的な財源の調達ならばある程度は可能なことも考えられるわけでございますが、いま見ている新幹線駅というのは確かに観光地であることに間違いはありませんが、問題は背後地の問題だろうと思うんです。どんなに人間を運ぶといったって、新幹線の駅ができたからといってよそからどかどかと人間は集まりません。問題は、どれだけの背後地を持ってその駅に乗客が集まってくるか、そこら辺を勘案しておかなければいけないのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、現在の花巻、水沢の両駅の乗客を見てみると一日平均二千三百人と一千八百人ということになっております。新幹線ができたから爆発的に人間がふえるということは私はどうも考えづらいわけであります。それから先ほど佐藤さんから新幹線ができたらどかっと人間がふえたとかいろいろお話があった。確かに日本の町の町づくりというものは、国鉄の駅ができた、そのできた国鉄の駅の周辺を一つの核にしながら都市計画が進んでいったということは事実であります。ところが今度はいわゆる地方ローカル線の廃止問題、これを眺めてみると逆に、駅周辺からさびれていっている、こういうような姿ができ上がっているわけでございます。確かに私は、その周辺の幾ばくかの発展、伸びはあると思います。県全体として考えてみた場合どうなのだろうか、こういう見方も反面できるわけでございます。
 私はこの法案について全面的に反対している立場ではございません。だけれども、ありとあらゆる事柄をいいこと、悪いことを想定しながら、その中でこれがベターであるかどうかということを判断することが私は最も必要なことであろう、こういう立場からこういうふうに申し上げているわけでございます。そうやって考えてみますと、新幹線の駅ができた、果たして実際にそれだけの投資効果があるだろうか、こういうことがいま私が申し上げた中で心配になる点でございますが、提案者はこの点についてどういうふうにお考えでございますか。
#221
○衆議院議員(三塚博君) 大変将来のでき上がった形を見つつ分析をされた御質問でありまして、詰めてまいるということになりますと、指数をあらゆる観点からとりましてそれで検討をし結論を出さなければならぬ、こういうことになると思うのでありますけれども、先ほど佐藤提案者からも申しておりますように、また私も申し上げましたように、こういう、本来でありますと国鉄自身があるいは鉄建公団が設置しなければなりません状況にありながら、なおかつ先行いたしました地域、わが国における中心、中核都市、こういうところは国鉄及び鉄建公団が公共投資をしてやられておるわけでありまして、後発の地域が自己負担をしてまで新駅を設置し進めなければならぬというところに大変異常な決心が秘められておりますし、特に強く要望しております地域は、党派を超えまして、非常に全党的な取り組みの中でこの問題に取り組まれておる。それと、市民間におきましても、また隣接市町村におきましても、経済団体におきましても、わずか二億円という寄附の話が出ましたけれども、それにいたしましても、従前そういうことのないところがそういう形でこれを取り進めさせていただいておるという意味で、自分たちの新駅である、自分たちの新幹線である、こういう形になりますことが今後の収支、また運営、こういう問題に大きくプラスをしていくのではないでしょうか、こう思うわけです。
 それと、新駅ができることによって、先ほど起爆力と申し上げましたが、駅広を中心とした整備、これは建設省等のそれぞれの制度の中で生かされていけるものであり、また、自治省もこれらの諸事業についてはそれなりの財政的な手当てもなされるわけでございますから、そういう総合的な観点で物を考えさせていただきますならば、これだけ物を出せるところ、またこれだけの熱意のあるところ、これだけの全市民的な形のものでありますならば、またそして基準に合っておられる、こういうことでありますならば、前に進んでいくのではないだろうか。確実な数字を申し上げられませんのはお許しをいただきます。
#222
○桑名義治君 余りすとんと落ちる答弁じゃございませんけれども。
 ここで私がどこまでも心配するのは、新駅ができて関係市町村の財政あるいは国鉄の財政、こういったものをますます悪化させるようなそういう状況を生み出したならば、いま言っている何のための国鉄再建なのか。国鉄再建については三塚先
生の最も御関心の深い、大変努力されておられる事柄でございます。そうすると、そういう結果になりますと相反する結果が生まれてくるということになるわけでございますが、そういう懸念は全くない、こういうふうに三塚先生はお考えでございますか。
#223
○衆議院議員(三塚博君) 一〇〇%懸念がないと言えばうそに相なりますが、物事はやはり、特にこういう特性を発揮できる鉄道の場合でありますと、自分の鉄道、自分の駅としてこれを活用していく、地域ぐるみで新幹線を愛しこれに乗る、こういう形の中でお取り組みをいただく、そういうことで鉄道というものを前に伸ばしていきたいものだなと考えております。
 もう一つ考えられますのは、これはまだ決定には及びませんが、大変各党の運輸関係の先生方とも議論をいたしておりますのは、新幹線だけで走ってまいりますならば確実にいい形の採算が出てまいります。東海道、年間三千億円の黒を出しながら、在来線がそれに匹敵する赤字を出してまいりますものですから、そこでツーペイになるわけでございまして、仮に在来線なかりせばということでありますとそういうことであります。しかし在来線はそれぞれ通勤通学に主要な役割りを果たしておるわけでございますから、理想論と現実はそこに大きなギャップがございます。しかし東北のような地域におきまして、道路が並行して整備をされていく、そういう中にありまして新幹線駅の持つ意味、また東海道におきましてもそういうことの中でこの辺のところがどうかみ合うのか、今後さらに本問題は国会におきまして十二分に議論しながら前に進めていかなければならぬものかなと、このように思っております。
#224
○桑名義治君 もう時間がございませんのでこれで終わりにしますが、改正案の附則の第三項に「当分の間」となっております。この「当分の間」ということは、いつをめどにしての「当分の間」なのか。これは私は明確にしておく必要があるのじゃないかと思います。たとえば、国鉄の財政再建達成時だとか、一般会計の再建が終わったときとかですね。
 なぜこういうふうに申し上げるかと申しますと、やはり駅というのは公共的な建物でございます。本来ならばこれは、先ほどからいろいろとお話があっておりますように、国がつくる、あるいは国鉄自身がつくらなければならない問題だ。この地域の方だけの便宜ではなくて日本全国のいわゆる共通の財産でもあるわけですし、また全国共通で使用する駅舎でございますから、そういった意味から考えますとこの「当分の間」というのをはっきりいつまでという限定をする必要があるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その点については提案者はどういうふうにお考えでございますか。
#225
○衆議院議員(三塚博君) この点は、桑名先生のおっしゃるとおり期限が明確に相なりますことが正解でありますけれども、国鉄の果たす役割り、また国鉄の建設というものは本来国鉄であり鉄建公団でなければなりません。今回は、緊急避難と言っては正鵠を射ませんが、ただいま来申し上げましたような、地域の強い要望、しかし国鉄のきわめて危機的な財政状況の中におきましてこれを取り進めさせていただくということで「当分の間」というふうにつけさせていただいたわけでございまして、まさに国鉄が明確に運営をされていく、収支が明らかに改善をされてこれが前に進むであろうということに相なりますれば、地域の御負担によらずして、そのときには国鉄みずからの投資においてこれをつくらさせていただく、こういうことになろうかと思いますが、国鉄再建の問題というのは、長期債務またその他にたくさんあります諸要素、これを解決してまいりませんければ真の意味の国鉄再建がございません。その辺のところ、国家財政とのにらみ合いの中で時点をいつかということで与党という立場でいろいろ議論をさせていただいておるのでありますが、なかなかもって明確に財政当局も政府全体も明示してくれません。しかし私ども、国会としてまた党として、この問題はさらに深刻に受けとめながら突き進んで、この問題の解決を図っていかなければなりません。先ほど来お話しのように、国鉄自身によってもたらされた赤字、政治とまたそのことによってもたらされた分というものを明確にしながらこの問題に解決を与えていく。その辺がありますものですから、何とも「当分の間」、こういう表現にせざるを得なかった苦衷のほどを御理解賜りたい、このように思っております。
#226
○桑名義治君 終わります。
#227
○小笠原貞子君 こうやって聞いておりますと、提案者はなかなか大したものだなと。その苦衷のほどをいろいろとおっしゃって結局はごまかしちゃったなというのが私の感想でございます。
 それはさておきまして、もしも財政的に余裕があるならば、私はやっぱり汽車というのは一分でも早く着いてくれればいい、そしてきれいであってほしい、そして安全であってほしい、そしてそんな新幹線ができたらうちにもとまってほしいというのが、これは当然の願いだと思うんです。だから私は、提案者がいろいろ御苦労なすったということもよくわかりますし、住民の御希望もいろいろとおありになったんだろう、そう思います。
 しかし私はここでやっぱり一番先に言わなければならないことは、三塚さん一生懸命やっていらっしゃいます国鉄の財政再建です。国鉄の財政を見ますと、本当に借金地獄だと言えるような大変なところまで来ています。そしてそれはもう、私たちよく、主婦だから話し合いをするんですよ。われわれ家計簿をつけていたって、こんなひどい財政になって、借金地獄で首が回らなくなって、サラ金財政みたいなことをやっているけれども、こんなことは主婦だったらやらないのにとよく言います。そういうことが私は本当の意見だと思いますわ。そういうことから考えますとやっぱり、ここのところで目先の要望があったからいまのところはこうなんだと。当分の間なんてうまいことをおっしゃったけれども、そういうふうなあいまいなところで進んでいくということは、私はあっさりうんと言うわけにはいかない。
 国鉄の大変な借金地獄というのも、じゃ自然に起きたのかというと、そうじゃありません、御承知のように。これはつくられずして自然に起きたものじゃなくて、起こるべくして起きたいまの財政問題だと思います。特にわが党が言っておりますけれども、私たちいつも道路と比べます。道路財源はどれだけ国が出しているか、国鉄さんにはどれだけかと。全く逆です。国鉄が借金をしょわされている。だから、新幹線ができることも結構だ、駅ができることも結構だ。しかしそういう線路や駅舎、トンネル、橋などといった建設、こういう基本的な建設というものについては、国の責任で出せるというふうにすべきではないか。諸外国は御承知のようにそういうふうな形になっていると思うんです。それが結局こういうふうに道路優先になってしまったということは、自動車優先のモータリゼーションに押されちゃったということですよね。そうすると、決して国民がモータリゼーションを進めたわけじゃない、国民がこういう過剰な設備投資をやれと言ったんじゃない。
 そこにやっぱり政治する者の責任というものが出てくるわけでございますでしょう。そうすると、政府の責任、そしてまた自民党としての立場でどういう責任をおとりになったのか、おとりになるつもりなのかということを何としても言わざるを得ないんですわ、一番先に。そういうことの責任を明らかにして、そして次に具体的にこうこうこうだと言うんなら納得がいくんだけれども、その辺は口でいろいろとおっしゃるけれども具体的にその裏づけの保証はないということになると、これは結局ツケがまた国民の側に回されていってしまうということです。だから、いまのところは自治体もやる気だというふうに、財政的にもやれますというふうなことをおっしゃって進まれるんだろうけれども、本当にこれを冷静に考えてみたら、もう自治体自身が大変なことになるのではないか、そう思うわけなんです。だから、自治体に負担を強制的に押しつけることはしないとお
っしゃるけれども、自治体に負担を自然に押しつけていくという結果になる。こういう結果をつくり出すということのやり方はちょっとこれは間違いではないか、こう思うわけです。
 そういう意味で、先ほどからもお話しになっているように、財政力も非常に弱い、現実に予算の額を見ても大変だという中で、本当に実現できる、この自治体の規模でね。というふうに本当に、まあ本当にと言ったら悪いけれども、心底そうお思いになって御提案になったのかなというのがやっぱりちょっと疑問に残りますね。いかがなんでしょうか。
#228
○衆議院議員(三塚博君) これは自治体に押しつけることではなくして、私ども議会制民主主義をやっておりまして、地域のまた地域住民、国民各位の強い要望、それをどうくみ上げていくのか、こういうことにお互いさま努力をいたしておる現況の中にありまして、私どもこの新駅設置について、与党という立場ですから、先生方の方にも御陳情がありますが私どもの方にも強く要請がある。
 そういう中で、今日の国鉄の現況を率直にお話しを申し上げまして、とうていそういう時期にはございません、ごしんぼう賜りたいと。しかし、先ほど佐藤提案者から申されましたように、北海道新幹線が乗り入れた際の中継駅として水沢駅をすでに決めておられたわけですね。あるいは、猛烈な運動をしたのでありますがいろいろな事情でだめなところもあった。そういうところが、何としても実現してほしいと。財政が苦しいのでありますれば、しからば私ども自治体が全力を尽くして地域とも相談し県とも相談してと、こういう形で具体的な御提案をちょうだいするという段階に相なりまして、やはり政治としてこれにこたえさせていただかなければならぬのかなと、こういうことどもの中で考え、特に自治省に対しましていろいろな調整を、きょうは提案者私と二人だけでありますが、もう一人の竹中修一君は地方行政部会長、こういうことの中で自治省とも連携をしていただき、自治省の新駅に対する援助体制あるいはサポート、こういう問題についていろいろと協議、調整をさせていただいたのでありますが、基本的には浅野課長が言われたようなことで、一歩も出ないような感じでありますが、しかし今後この問題も私どもこれに対応をしていかなければならない。
 そして、ただいま先生御指摘のように、そのことで地方団体がこけていくようなことはこれはいかぬわけでございますから、その辺も考えなくちゃならぬのかな、こんなふうに考え抜きまして、こちらも考えあちらも考えいろいろと考えました結果、これしかないのかな、こういうことで取り進めさせていただき、具体的には水沢であり花巻でありまた東海道であり、こういうところをあとは国鉄当局が基準に乗りまして御判断をいただく、こんなことでございます。
#229
○小笠原貞子君 地元の要望というのもこれはむずかしいものでございましてね。ここへとまってほしいというのでは一致するけれども、それじゃみんなで金を出してというと、いや金をそこまで出すんならいやだよ、こういうことになりまして、なかなか一口で地元の要望というものはまとめられないということもございますしね。それから、要望があるからそれじゃいいわというわけにいかないのよ、ここは。だから私たち言うのだけれども、子供がお菓子を食べたいよと。ほいほいとお菓子なんか食べさせておなかを悪くするじゃないですか。そしたらやっぱり、おなかを悪くする子供の将来がわかってそんなことはできないというような問題もありますね。そういう意味では私はこれ、いろんな問題があるのにわずかの時間できょう法律を上げちゃうなんてとんでもないことを言っているのだな、こう言わざるを得ないわけです。
 時間もなくなるから自治省に伺いますけれども、自治省としてはこういう問題で起債や交付税という措置をとらないというふうにおっしゃるわけですか、具体的に。
#230
○説明員(浅野大三郎君) 先ほど来申し上げているとおりでございますけれども、やはりそういう措置というのはどうも現行制度のもとにおいてなじまないだろうと考えております。
#231
○小笠原貞子君 それは大変ですよね、こんなことでどんどんどんどん地方自治体が借金していくということになればね。そうすると結局、水沢にしても花巻にしても、ある程度これは出せる余裕があるというふうに見ていらっしゃるわけですね。自治省の方はどうなんですか、その辺のところ。起債もしないと。だけども、こういうことになって出てきたということは、財政的に余裕があるというふうにごらんになりますか、自治省として。
#232
○説明員(浅野大三郎君) 実際に花巻市あるいは水沢市が一般財源の中からどの程度の負担をするのかということがポイントになるわけでございまして、いまのところまだその辺はっきりしたものを私どもも伺っておりませんので、やれるとかやれないとかちょっとここで申し上げることはできないわけでございますが、私どもとしては、いろんな状況を考慮して、当然財政状況も考慮して、それでそれぞれの市で十分御判断いただきたいという立場にあるわけでございます。
#233
○小笠原貞子君 そうすると、具体的に財政規模だとか、いろいろな金の生み出し方だとか、そういう細かい具体的な問題についてはまだ自治省としてははっきりつかんでというようなことではないというわけですか。
#234
○説明員(浅野大三郎君) あくまでもこの法案そのものは、地方団体が財政負担をすることができる道を開くということをお決めになっておるわけでございます。ですから、それができた後、できた暁においては、当然恐らくそういう希望のあるところはいろいろ具体的なプランを固められるだろうと思います。私どもとしてはいままでのところそういうはっきりしたものは聞いておりません。
#235
○小笠原貞子君 やっぱりこれは、法律そのものは考えていけばわかりやすいけれども、これが具体的にどういうことになるかということが問題なんですね、私たちいま討議している問題は。そうすると、地方自治体で余裕があってそれは出せるということだったら、それを具体的に、どういうふうに余裕があるとごらんになったのかということを伺いたかったわけです。
 たとえばギャンブルだとか何だとかで収入があるところは不交付団体というふうに考えられているけれども、実際には花巻にしても水沢にしてもそういう不交付団体ではないでしょう。そうすると、具体的に自治省はそれを知らないよとおっしゃられるところは、ちょっと私は不安だなと。そういうところで提案者の方も、知らないと言っているけれどもいいやというような立場だと、無責任な出し方だなと言わざるを得ないと思うのだけれども、その辺のところはどうなんですか。自治省は、そこまでつかんでいないから知りませんよと。だけれども余裕があるんならやります、やってもいいのだよということになるわけよね。そうすると、おたくの方は、大丈夫だ、花巻も水沢も心配ない、自治省が起債も何もしてくれなくてもいいよというふうに見ていらっしゃるわけですか。
#236
○衆議院議員(三塚博君) 自治省はかたくななまでに地方財政の守護神として、いつもああいうことしか言わぬのです。それで、党内において議論をいたしておりましても大変ガードがかとうございます。しかし、国土の総合的な発展、それから地域振興、これはまさに自治省の業務の基本でなければなりません。そういう点から、これだけ血のにじむような努力の結集の中で、新駅をと。また、国鉄、運輸当局もこれを勘案した結果、これを設置することによってこれは前に進むであろう、またプラスになるであろう、こういうことでありますならば何らかの措置を講じてほしい。また措置を講じますことが自治省本来の姿であり、政府の取り組むべき形ではないだろうか、こういうことで、今日の提案までの段階ではこのことは
残念ながらきちっとしたことに相なっておりませんけれども、引き続きこの点につきましては協議に取り組まさせていただきたい、方向づけをしてまいりたい。
 しかしこれまで、待ってほしいということも地方団体の熱烈なところにお話を相ともにさせていただいてきたのでありますが、私どものところはこれだけの準備ができましたので何としても早くひとつ成案を得させていただいて、前に進めていただけませんでしょうかと。自治省は地方財政の監督者として、金を出しませんのに、そんなことをやるのけしからぬよと。ここなんです。ここが大変つらいところでして、これは地財法の二十四条の除外措置、かつて御審議いただきました整備新幹線と同じ手法によりましてお願いを申し上げ、今後各党の先生方の御理解を得つつ、こういう問題に取り組ませさせていただかなければならない。新駅しかりでありますし、整備新幹線を進めるについても財投方式でいく時代でありません。公共事業方式なり公的負担がどのようなかかわりがあるのか、こんな点について格段のやはり御協力を得たい、このように思っております。
#237
○小笠原貞子君 自治省がやらないというのは私はあたりまえだと思うんです。自治省が地方自治体全部指導監督しちゃってということはこれはもう憲法からいっても間違いですよ。だからといって、地方自治体がみすみす大変な目に遭うのをいや知りませんというわけにはいかない。その辺のところがやっぱり問題だと言わざるを得ないわけなんです。
 先ほどもちょっと話が出たと思いますけれども、花巻市の自主財源というのは五十七年度で五十六億八千万円なんですって。ということですよね。そうするとちょうど五十何億という駅をつくる予算と同額の建設費ですね。これは大変なお金だなと、つくづくそう思いました。しかも、そういうところにお金を使えば、どこかへしわ寄せがいくのはあたりまえですわね。どこへしわ寄せになっていくかといったら、駅をつくってほしいという人と、その対象になるのは何だといったらやっぱり弱い者ですわ。福祉関係の費用というもの、これにしわ寄せがいくんじゃないかな、そう思います。で福祉関係の予算を見ますと二十三億二千四百万円だそうです。それから教育費は二十三億五千万円という額でした。そうするとこれらの福祉、教育の予算の倍ですね、駅一つで。それが本当に住民が喜ぶことなのかなというふうに私はちょっと不安になりますのね。
 それでまた、工事をする者にとっても、駅をつくるなんといったら花巻市建設会社なんていう小さい二、三人の土建屋さんが仕事をもらうというわけにもいかないだろうし、主になって入ってくるのは大手の建設会社、こうなってくるでしょう。そうすると花巻市においても、たとえば建築するのだといってももっともっと、生活密着型とわれわれ言っていますけれども、そういうところに仕事をしてほしいというふうなことを考えるのも私は当然ではないか。
 現実に公共事業が抑制されて補助金のカットなんというようなことも出てきているというふうに私伺ったんですけれども、確かに要望はあるかもしれないけれども、本当に生活密着型の方、そういう公共投資が抑制されて弱い者が抑えられて、そして最後になったら、強制ではないけれどもツケは住民、自治体に回るというこういうふうなサイクルを考えてみますと、どうしても私は心配なんです。私は心配、だから反対。三塚さんは、確信があるから進め、こう言うわけですね。これは三塚さん、大変ですよ。これ何年か先に結論が出ますよ。そのとき、こんなのを提案したのはだれだ。三塚博だ、なんて。これ責任を相当考えてもらわなきゃならないんです。私は、そこまで考えていくとどうもこれはうんと言えない。三塚さんの確信の度合い、いまじゃなくて将来に対してどういう責任を持って政治家としてこれをお出しになったか、そこのところを最後に聞かせてください。
#238
○衆議院議員(三塚博君) 御激励をちょうだいしてありがとうございます。これは私も地方議員の経験がございます。地方議会、首長、地域に住む者の幸せを願い、全力をこれ尽くしていかなければなりません。特に本件は市議会全体の同意を得、それから隣接市町村の同意を得、県の同意を得という必要最小限の地方自治に基づく要件が備わっております。そういう点が一つ。
 それともう一つは、福祉にあるいは教育に住民サービスにそのことがしわ寄せに相なるのではないだろうか、この点も私どもも考えたわけであります。それは自後の、今度新駅が設置された後の運営、また駅広等の開発、諸事業、こういうところの関連、あるいはこれによってもたらされる利益、デメリットもあるいはあるのかな、こういう総合判断の中で、首長の提案するもの、また議会として、また執行部としてこの辺が三者一体となりながら地域住民のサービスというものはやはり担保をされていくであろう、このように考えながら取り組んでおります。
 もしそのことの財政負担が自後住民サービスなり地方自治体の運営に問題を提起していくということでありますならば、先ほど申し上げました、自治省はかたくななまでに原理原則を守られておりますけれども、この辺のところを、これは行革をいまやっておりますが、財政再建等の進みぐあいの中でやはり前に進めていかなければならぬ問題だ。といいますことは、先行の中核都市、大都市が国鉄の負担、国の負担においてでき上がっておりますものですから、切なる願望の中で地域負担の中で行われておる点、行政の公平、政治の場面における公平という観点で、その時点における問題の解決に私どもは真剣にやはり取り組んでいかなければならぬのかな、こんなふうに決意をいたしておるところであります。
#239
○伊藤郁男君 いまいろいろと質疑を聞いておりますと、それは三塚さんは自治省はかたくなに原則を守っていると言いますけれども、しかし国の財政は御承知のように百十兆、地方財政だって五十兆でしょう。非常にもう全体的に財政は厳しいですよ。その中でこういう計画が出てきたわけですが、いま対象になっている花巻にしても水沢にしても、五十億といいますけれども、ある別の資料によるとこれは最低八十億はかかる。建設が終わってみたらば百億くらいはかかるのではないか、そういうように私は思っているわけですよ。そういう財政的な負担が今日の現状の中で果たして可能性があるのかどうか。それはもう私も、いままでの議論の中で皆さんと同じ心配をしているわけです。
 そこで、そういう現状の中でこの法案は大分成立を急いでおられるようですけれども、その急いでおられる理由は何なのか。今国会だってまだ十一月十六日まで会期はあるんです。十月十二日ということがあって、解散問題などがちらちらするからかもしれませんが、そうだからといって、そういうものを理由にしてそう急がなくても、もっとやっぱり討論の内容なども含めまして慎重に検討をすべきではないか。仮にこの法案を通すにしても、そういう問題はより慎重に真剣に討論をすべきではないか、私はこう思っているんですが、どうしてこんなに急いでやろうとしているのか、その点をちょっとまず最初にお伺いをしておきます。
#240
○衆議院議員(三塚博君) この点は、先々国会におきまして提案をさせていただきました。ぜひ先々国会におきまして衆議院でこれを審議をし、参議院でまた御審議を賜りたい、こういうことであったわけでございますが、ざっくばらんに申し上げさせていただきまして、もう一つ議員立法として沖縄のタクシーの問題がございます。この法律と二つございまして、この法律を両方一緒にいきましょう、そして、委員長提案にぜひさせていただきながら取り組まさせていただきたい。自由民主党が提案をさせていただきましたが、決して私どもはそれにこだわらない、全党的な立場でこれにお取り組みをしていただけぬであろうかということで議論をいたしてまいったのでありますが、なかなか、諸状況がございまして、同時に提
案をするということに至りませんでした。
 よって、今国会に入らさせていただきまして、かねがね本法律案についての審議を衆議院運輸委員会においてお願いをさせていただいたところでございますが、御案内のように、行政改革に関する特別委員会が設置をされ、各閣僚、特に運輸大臣がこの委員会にほとんどくぎづけに相なりました。こういうことどもの中で審議終了が今週五日に相なりまして、そういうことで本院に本日御送付をいただいた、こういうことでありまして、本問題はここ数年の懸案事項として進んでまいりました。特に具体的にここ二年、国鉄再建のペースと合わせながらこの問題を議論させていただき、そして先々国会に提案をさせていただいた、こういうことでございまして、
   〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕
さらに、このことは、ぜひとも水沢、花巻なり、また尾道なり、他の駅もあるわけでございますが、何としても早く成立をさせていただき、これに取りかからせていただきたい、こういうことでございます。
 それにもう一つは、花巻、水沢につきましては、御案内のように、上野開業が六十年の三月に予定をされております。ぜひこの時点に両駅が完成をし、やらせていただけるようにしてほしい、こういう強い要望もありまして、これは全部でございませんが、非常に主要な部分でございます。こんなことで取り組まさせていただきました形が今日の姿であります。
#241
○伊藤郁男君 十分に納得しているわけじゃありませんが。
 そこで、かつても地元の要望ということで、政財官挙げて新線を引く、新しい駅をつくるということで、いろいろなものができてきたんですよね。しかし今日の交通体系の激変、変化によりまして、さまざまな変化が起こって、いまや特定地方線と言われるお荷物を国鉄は抱え込んでしまった。これは釈迦に説法で先生に言うまでもないんですが、そういう過去の経験から照らして、今日の国鉄の再建が本当に急務であるという現状の中で、こういうものに新たな道を開いた場合、国鉄にまた大きな荷物を背負わすことになりはしないか、このことを私は同じように心配をしているわけでございます。
 そこで国鉄当局にお伺いをするのですが、新しい駅を一つ新たに新幹線の中につくった場合に、停車時間を含めてどのくらい一体時間が延びていくものか、その点教えていただきたいと思います。
#242
○説明員(半谷哲夫君) 一駅停車いたしますと、停車する列車につきましては何がしかのおくれが出ます。これはダイヤの状況等によって多少違ってまいりますが、一般の場合には一駅とまりますと大体五分から八分ぐらい始終点の間の到達時分が延びるとお考えいただいて結構でございます。ただ、東海道新幹線のように、現在片道百本を超えるような運転をいたしておりますけれども、そういうところでは、新しい駅ができましてそこに「こだま」がとまりますと「ひかり」が追い越していくというケースがほとんどの場合生じてまいります。この場合には「ひかり」の追い越し時分、これを待たなきゃいけませんので、その場合には十分ないし十五分のおくれが出るというのが、私ども大ざっぱな計算をするときに見ている数字でございます。
#243
○伊藤郁男君 そうすると、仮にいま東海道新幹線の中で五つ新駅をつくりたいという要望がありますね。一つの駅をつくると十分ないし十五分ということになると、仮に全部要望に従うとすれば、一駅十五分として七十五分、一時間ないし一時間十五分さらにかかる。新幹線というものはこれはスピードがあるから特性として意味があるわけですね。そうすると、この要望というものを全部認めてしまいますと、全く新幹線の特性がなくなってしまう、こういうおそれがあるんですが、私、提案者のいろいろな説明を聞いておりますと、先ほども、とにかく喜んで地元が金は出しますよ、寄附はもう喜んで出します。こういうことで、金は幾らでも集まるんだ、こういう話がありますね。いまは花巻、水沢が対象になっておりますけれども、先ほど尾道の例が出ましたけれども、そういう各地域で、寄附金は集めました、十億集まりました、十五億集まりました。その金を背景にして国鉄に圧力をかけて、さあここにつくれと、これは必ず起こってくる。そうすると、いま出ている十七駅というものはつくらなきゃいけないようになるのではないか、こういうように思うんです。そうすると新幹線の特性がなくなってしまうということになるわけですが、先ほども話が出ておりましたが、やっぱり駅と駅との間の駅間距離を含めまして、一定のというか、相当細部にわたった基準というものを明示して、その基準に合わないものは認められないんですよ、どのような金を集めようとも、将来にわたっても認めることができないんですよということを、歯どめをぴしっといまの段階にしておかぬと、これは一つの道があきますとずるずるべったりになって、最終的には国鉄がすべてかぶって泣かざるを得ない、こういう結果に私はなるのではないか、これが心配なんですが、その辺のとこの当局のお考えをお聞きしておきたい。
#244
○説明員(半谷哲夫君) ただいま先生から御指摘のありました点は、私どもも一番慎重に考えなければいけないところだと思っております。したがいまして、先ほど、新駅を設置するかどうかを判定する条件というものを幾つか申し上げました。その中に、一つには、やはり経営収支を悪化させないということがございます。これは、建設費用を持っていただいたとしても、そこに駅員を配置する、駅の設備を維持する、光熱費を使うということになりますと相当の年間経費が生じるわけでありますから、それを上回るだけのあるいはそれとイコールと言えるぐらいの収入増が認められなければ困るのだということが一つございます。
   〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕
 それからもう一つは、やはりシステムとして新幹線はスピードが売り物でありますし、またそのために御利用いただいているわけであります。しかし、駅をつくってそこにとまる列車がおくれないということは、これはもう物理的に不可能でありますから、その列車が五分ないし十分おくれるということについてはこれはやむを得ない。しかし新幹線全体を見たときに、システムとして大幅な何というか、質の低下を来すというようなことになると、これはやはり新幹線そのものの性能を落とすことになりますし、そういうものを含めて、ダイヤ上どういう影響があるか、大きな影響があるものについてはこれはうんと言うわけにはまいりませんということを申し上げているわけでありまして、先ほどちょっと例に引かれましたたとえば東海道、いま五駅新駅の御希望があるわけでありますが、仮にこれを全部つくるといたしますと、東京―新大阪間の到達時分、いま「こだま」は四時間十分ぐらいで走っておりますが、これが小一時間延びてしまう。そのことがいいかどうかという判断が一つ大きく入ってくるわけでございます。その場合に、それじゃどうするんだ、五駅はだめだ、じゃ五駅はだめでゼロなのかということになりますと、これは、これだけ地域の御要望がたくさんあるわけでありますから、そう簡単に割り切って答えを出すというわけにもいかない。
 いまそこで私どもはそういうものについてのいろんな勉強もいたしておる次第でございますが、いずれにいたしましても、先生の御心配の点は私どももいままでの経緯にかんがみ、みずから戒め、みずから判断を正しくしていかなければいけないということで考えておりますので、これらについては私どももそれなりの判断をいたす所存でございます。
#245
○伊藤郁男君 来年二月のダイヤ改正の基本的な考え方を若干お聞きしてみますと、国鉄もかなり柔軟にこれから対処していこう、こういうことを考えられているようで、私は大変いいことだなと思っているわけです。だから、新幹線は新幹線の特性を失わない。そして在来線の場合は、今度は
たとえば大きな都市と都市との何かピストン輸送、二十分置きくらいにどんどんどんどん輸送をするという一つの組み合わせですね。そういう組み合わせをすることによって総合的な国鉄というものの利便さというものが発揮できる、こういうふうに私は思っているわけですが、そういう点について、私が先ほど指摘したような問題を今後の課題として真剣にやらないと、たとえばいろいろな条件というものを付して認めていくというんですけれども、やはり政治の圧力というか、そういうものが大きく影響をする、そのことが最終的には国鉄の首を絞めてしまう、こういうことになるわけです。
 たとえば、新しい駅ができれば、在来線の上につくろうが隣接してつくろうが最低やっぱり駅員は五名ないし十名は要るんでしょう。それから、新しい駅ができた。できるまではその地方自治体が金を出し地元が金を出してつくるけれども、それじゃ駅舎が今度は破壊されたとか何らかの形でそれが損耗したということになると、その補修とか改築というものは、これは国鉄がやっていくわけでしょう、これから。
 そういうことになりますとやはり、新しい駅はできたけれどもその後のそういうもの、人員の配置それから改修費その他というものは、全部国鉄がその後背負っていかなきゃならぬ、こういうことになるわけですから、その点のところも十分に歯どめをしていかないとまずいのではないか、こういうように思うのでございますけれども、この点についてお考えをお伺いしておきたいと思います。
#246
○説明員(半谷哲夫君) いま先生御指摘のように、駅をつくった場合、工事費は全額出していただいたといたしましても、いろいろな経費がかかるわけでございます。職員ももちろん張りつけなきゃいけない。ただ、私どもいま経営効率、生産性を上げるために努力いたしておりまして、もちろん新駅をつくるという場合には最も効率的な、要員の少ない形で能率の上がるものを当然考えるわけでございますし、また反面地元の御負担をなるべく低くするという意味からも極力最小限の設備にしぼっていきたい、工事費を一銭でも安くという目で検討をしていくことになりますけれども、いずれにしましても経費がふえることはこれは避けられないものでございます。またその経費の中には、先ほど先生御指摘のように、将来これが壊れて直す、取りかえるというようなときには、これはその時点でもう一回地元負担をというのはなかなか無理なお話だと思います。そのための減価償却と申しますか、そういったものも経費として私どもは見ておかなければいけないのではないかというふうに感じております。
 したがって、いま収支をはじく中には、そういったもろもろの経費を入れまして、見込まれる収入増との比較をいたしているということでございまして、この点につきましては私どもも、極力地元の御要望にこたえるために、工事費を少なくするように、また経費もかからないように考えると同時に、それだけのものに見合う収入は必ずあるということを条件といたしていきたいというふうに考えております。
#247
○伊藤郁男君 最後に提案者に。
 私は最初に、五十億じゃなくて結局は百億かかるだろう、こういうように言いましたのですが、駅を早急につくりたいがために、そのつくる費用について過小なことを考えないで、最大限これでいくぞと、そういうことを提示して納得を得てつくるならば、これは私は後の摩擦は少なくなると思うのです。その点のことを十分に念頭に置きながらやっていただきたいということをお願いし、御意見がありましたら御答弁をいただきまして、終わります。
#248
○衆議院議員(三塚博君) 伊藤先生の御指摘、そのとおりであります。
 ただ一点、国鉄は世界のトップレベルの技術陣を備えておるという大きな自負がございます。私どもも、国鉄の技術陣というのは大変な技術陣だなというふうに思います。そういう中で、技術陣の陥りやすいこり性があるようにわれわれ素人から見て思います。よって、安全性が担保され、さらに利便がきっちりと確保され、また乗降客に不快の感を与えない、そういうぎりぎりの線を追い求めてつくり上げていきますことがきわめて今後の再建の意味において大事ではないのかという指摘をさせていただき、再検討させていただきました結果が五十億であり五十五億でありましたと、こういう結論に到達いたしたわけであります。よって、先生の御指摘も、そういう意味で、そのぎりぎりのところをマイナス計算をして、つくらんがために擬装する、粉飾するというようなことは万々が一あってはならない、このように思います。
 同時に、十七駅出ておりますが、これが政治の力によって、国鉄の持つ基準、このことに相反して政治がこれを推し進めるということは厳に慎まなければならない。今日の国鉄の現況はまさに政治がその責任を果たさなければならぬ大きな部分のありますことも私は骨身にしみてわかっております者として、これは提案者である佐藤氏も同様であります、そんな形の中で厳しく自戒しながらこの辺に取り組んでまいりたいと思っております。
#249
○委員長(矢原秀男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#250
○瀬谷英行君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本法案に反対の討論を行うものであります。
 反対の理由としては、まず自治体の負担がはなはだしく公平を欠く結果になるということであります。今日地方自治体の財政はきわめて窮迫をいたしております。せっかく新幹線が走る以上は地元に駅を設置してほしいという気持ちはよく理解されるところでありますが、しかしながら、新幹線新駅の設置が莫大な経費を要することもまた明らかであります。本来その費用の負担は、自治体の大小にかかわらず、あるいは自治体の財力にかかわらず、行政の公平という見地から行われなければならないところであります。大都市の駅は国鉄もしくは鉄建公団の費用で建設が行われ、新駅設置の選に漏れた小都市が、財政規模が弱小であるにもかかわらず過大な負担を後々まで忍ばなければならないという矛盾を、一体どう説明したらいいのでしょうか。
 また、駅が多くできることで所要時間が延伸をされ、新幹線の機能を十分発揮しがたくなるということも、将来の問題として十分考えなければならないところであります。また、新幹線の将来のあるべき姿、今日整備新幹線が凍結をされているというような状況からしても、慎重に考える必要があります。
 したがって、これらの諸点を勘案いたしまして、この法案の成立はいま少し慎重を要するものと考え、反対をするものであります。
 以上。
#251
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 今回議員立法として自民党から提案されたこの法律は、既設の新幹線鉄道の区間に駅舎を新設する場合、その費用を全額自治体が負担することにより建設できるようにするというもので、これは本来国の責任でなすべきことを地方自治体に肩がわりさせようという内容であり、断じて認めることはできません。現在、国の財政同様非常に厳しい状況下の地方自治体に負担を認めることは、結局は借金による建設となり、本来自治体がなすべき福祉、教育、住宅などの住民生活に欠かせない重要な施策に悪影響を与えることは必至であります。
 その証拠には、花巻市の建設計画では、五十五億円の計画のうち一般の寄附金十二億円以外は、県の補助金十八億円も含め、借入金と一般会計の持ち出しで処理するということになっており、地元の公共事業がすでに新幹線駅舎の建設予算の関
連で圧縮され始めているという経営者の声も上がっているところです。
 新駅設置について地元住民の要望が非常に強いということは、それによる自治体の発展、住民生活の向上という素朴な願望が根強く存在することであり、理解できるものです。しかしその要求を逆手にとって、国に財源はないのだから自分で何とかしろと自治体に責任を押しつけることはとうてい許されるものではありません。わが党がこれまで一貫して主張しているように、駅舎の建設は他の基礎施設の建設、改良費とともに、ヨーロッパ諸国同様全額国が負担する。そのためにも、基幹公共輸送機関にふさわしい財政の負担原則を早期に確立し、自治体に負担を押しつけるのではなく、あくまで国が国鉄の経営に責任を持つことがいま特に重要です。
 今回の自民党の提案は、それとは全く逆行するものであり、わが党は強く反対するものであります。
#252
○委員長(矢原秀男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#253
○委員長(矢原秀男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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