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1983/10/04 第100回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第100回国会 本会議 第7号
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1983/10/04 第100回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第100回国会 本会議 第7号

#1
第100回国会 本会議 第7号
昭和五十八年十月四日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第五号
  昭和五十八年十月四日
    午後一時開議
 第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への
    加盟に伴う措置に関する法律の一部を改
    正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの
 公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同
  意を求めるの件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求め
  るの件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
  求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を
  求めるの件
 日本電信電話公社経営委員会委員任命につき岡
  意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの
  件
 日程第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行
  への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(天野公義
  君外七名提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 公正取引委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき
  同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求
  めるの件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意
  を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意
  を求めるの件
 日本電信電話公社経営委員会委員任命につき
  同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求める
  の件
#3
○議長(福田一君) お諮りいたします。
 内閣から、
 宇宙開発委員会委員に大塚茂君を、
 公正取引委員会委員に宗像善俊君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に榊孝悌君及び首尾木一君を、
 日本銀行政策委員会委員に武田誠三君を、
 中央社会保険医療協議会委員に高橋勝好君を、
 運輸審議会委員に国島文彦君及び降矢敬雄君を、
 日本放送協会経営委員会委員に大見正俊君、竹田弘太郎君及び槇哲夫君を、
 日本電信電話公社経営委員会委員に横田郁君及び吉國一郎君を、労働保険審査会委員に北村孝生君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、宇宙開発委員会委員、公正取引委員会委員、日本銀行政策委員会委員、運輸審議会委員、日本放送協会経営委員会委員及び日本電信電話公社経営委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(福田一君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
 次に、公害健康被害補償不服審査会委員、中央社会保険医療協議会委員及び労働保険審査会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 国際通貨基金及び国際復興開発銀
  行くの加盟に伴う措置に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
#6
○議長(福田一君) 日程第一、国際通貨基金及び国際復興開発銀行くの加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長森美秀君。
    ―――――――――――――
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行くの加盟に
  伴う措置に関する法律の一部を改正する法律
  案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔森美秀君登壇〕
#7
○森美秀君 ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行くの加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 先般、国際通貨基金において、現下の債務累積問題簿に対処し、国際通貨金融体制の安定を図るため、その資金基盤を強化する必要があることから、その出資総額を現行の約六百十一億特別引出権から約九百億特別引出権へと、約四七%増資することが合意されました。
 本法律案は、これに伴い、わが国が同基金に対する出資の額の増額に応ずるための措置を講ずるもので、その内容は、政府が同基金に出資することができる金額の範囲を、現行の二十四億八千八百五十万特別引出権から四十二億二千三百三十万特別引出権に、約七〇%引き上げようとするものであります。これにより追加出資されます額は、十七億三千四百八十万特別引出権であります。
 本案につきましては、九月三十日竹下大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後討論の申し出もなく、直ちに採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案(天野公
  義君外七名提出)の趣旨説明
#10
○議長(福田一君) この際、天野公義君外七名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。提出者天野公義君。
    〔天野公義君登壇〕
#11
○天野公義君 公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨と内容の概略を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の選挙の実情にかんがみ、選挙制度の改善を図るとともに、金のかからない選挙の実現に資するため、選挙運動期間の短縮、立候補届け出期間の短縮、経歴放送の回数の増加及び立会演説会制度の廃止その他所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
 第一は、最近の選挙の実情にかんがみ、各選挙の選挙運動期間を短縮することとし、衆議院議員の選挙については二十日間を十五日間に、参議院議員の選挙については二十三日間を十八日間に、都道府県の議会の議員の選挙については十二日間を九日間に、都道府県知事の選挙については二十五日間を二十日間に、指定都市の議会の議員の選挙については十二日間を九日間に、指定都市の長の選挙については二十日間を十五日間に、指定都市以外の市の議会の議員及び長の選挙については十日間を七日間に、町村の議会の議員及び長の選挙については七日間を五日間にそれぞれ改めることといたしております。
 第二は、選挙運動期間の短縮に合わせて立候補届け出期間を現行の二日間から一日間とし、また、選挙公報の掲載文の申請期間も現行の四日間から二日間に短縮することといたしております。
 第三は、連呼行為、街頭演説及び街頭政談演説を行うことができる時間について、現行の午前七時から午後八時までを、午前八時から午後八時までとすることといたしております。
 第四は、経歴放送に関する事項についてでありますが、衆議院議員、参議院選挙区選出議員及び都道府県知事の選挙においては、新たに、日本放送協会によるテレビジョンの経歴放送を候補者一人について一回行うこととしております。
 第五は、立会演説会に関する事項でありますが、最近の立会演説会の実態にかんがみ、この際立会演説会の制度を廃止することといたしております。
 最後に、この法律は公布の日から施行することとし、衆議院議員及び参議院議員の選挙については施行日以後初めて行われる選挙から、その他の選挙については施行日から起算して三月を経過した日以後行われる選挙から適用することといたしております。
 以上が、この法律案の趣旨と内容の概略であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案(天野公義君外七名提出)の趣旨説明に対する質疑
#12
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。佐藤観樹君。
    〔佐藤観樹君登壇〕
#13
○佐藤観樹君 私は、日本社会党を代表して、ただいま御提案のございました自民党案に対しまして反対の立場から、選挙運動と民主主義のあり方、日本の政治の浄化について、八点ばかり質問をしてみたいと思うわけでございます。
 近代の民主主義社会におきましては代議制度をとるわけでございますから、選挙法というのは有権者の方々と議会とを結ぶパイプの役でございます。選挙法が一定のルールの中でどれだけ自由に選挙運動ができるかどうか、これはいわば民主主義がどれだけ徹底をしているかのバロメーターになるわけでございまして、その意味では、この観点に立って、いま御提案がございましたことはすべて規制規制、選挙運動を厳しく制限をすることになるわけでございますから、私は残念ながら、自由民主党と名乗りながら民主主義を後退をさしていく法案ではないかと言わざるを得ないのでございます。(拍手)
 特に、御列席の議員の皆さん方に御注意をいただきたいわけでございますが、私たちは、国民を代表する、法案を審議をする、賛否を明らかにする権限を与えられております。税法なりあるいは年金の法案なりは確かにそういう立場でございますけれども、選挙法につきまして、私は特殊な立場にあると思うわけでございます。選挙法というのは、いわば私たちは審判をされる側でございまして、審判をする側の国民とはいわば選挙法を境にして相対峙する関係になるわけでございますから、審判をする方の有権者、国民の皆さん方がどう思っているかということについて十分認識をしながら法案を扱わなければならぬと思うのであります。(拍手)議員の皆さん方が、私も含め、なるべく楽でいい、あるいは心理的になるべく日数を少なくして、そして楽な選挙をやろうという観点だけでこの法案というものを論じてはならぬと私は思うわけでございます。十分にひとつ審判を下す国民の側の意見を聞きながら、この法案を考えるべきだと思うのであります。
 まず第一点、お伺いをしたいのでありますけれども、十一月解散、十二月選挙ということがほぼ政界の中では常識化をしているときに、その直前に選挙法を改正をするということは一体どういうことなのか。私は、これはロッキード隠しじゃないのかな、自民党さんは、なるべく選挙運動を短くして、批判をされる日数を減らしたり、立会演説会で自分の党から、私は田中派じゃありませんと言って、攻撃を受ける、この機会をなくしていこうということではないのか。選挙を直前にしてこんな選挙法の改正をするというその真意について、私はもう一度御説明をいただきたいと思うのであります。
 第二番目の質問は、自民党さんがこのような選挙法の改正を言ってこられる前に、私はこれは七月の臨時国会のときにも申し上げましたけれども、十年来いろいろと積み残している問題があるわけでございます。
 たとえば参議院の定数是正の問題でございます。今度の参議院選挙でも、十六万票で当選をしましたけれども、六十四万票近くで落ちられたという方もいらっしゃいます。いまや神奈川県と鳥取県との人口の比率というのは一対五・五六倍、つまり、鳥取の方々の政治的な権力というのは五・五六倍になっているということでございまして、これを裁判がどうだこうだといって、判決が出るからとか、裁判によって改正をするということではなくて、私は判決など以前の問題だと思うわけでございます。
 大変手前みそでございますけれども、私の愛知県は人口が六百二十万でございます。定数三名です。北海道は、人口が愛知県より少ない五百六十万でございますが、定数は四名でございます。神奈川県は、六百九十万近く人口があるわけでございますけれども、定数は二名でございます。これをいつまでも放置をして本当に正しい民主的な政治というものができるのかどうなのか、このことは皆さん方もよく御承知だと思うわけでございます。現定数の中で参議院議員の定数是正をやるのかどうなのかも含めまして、自民党は、この十年来の定数是正について一体どういうふうにこれから定数是正を図っていこうとするのか、日程的なめどを国民の前に私は明らかにすべきであると思うのであります。
 もう一つ残っている問題は、初めて行われました比例代表制の選挙運動の問題でございます。これは法案審議の中でもずいぶんと議論がございましたけれども、せめて候補者あるいは名簿登載者に車一台街頭で訴える機会があってもいいのではないか、あるいは推薦はがきも一定の枚数はあっていいのではないか、あるいは私が出ておりますということを示すポスターというのが若干なりともあってもいいのではないか、もう少し拡大をして、公営の選挙の中でこういった政党の支持を訴える手段というのがもう少しあってもいいのではないかという声が今度の参議院選挙の比例代表制でもあったと思うのであります。鉄は熱いうちに打てと申しますけれども、選挙が終わって、そしていろいろな論点が出たときに、私は、なるべく早くこういったものを改正をしていくべきだと思いますけれども、提案者自民党の方のお考えと、この改正の時期的なめどについて御意見を伺っておきたいと思うのであります。
 その次に、本案の中身の問題でございますけれども、日数の問題、確かに衆議院の場合には、昭和三十三年から今日まで二十五年間、二十日間の選挙運動が行われてまいりました。そして、その前には五日間二回縮めてまいったわけでございますが、だからといって二十日間を直ちに十五日間にしていいということにはならないと私は思うのであります。第一、北海道のように大変広いところを十五日間でやれということは、有権者との間で接点が大変少なくなるわけでございます。しかも、短くなればなるほど選挙の前に事前運動をやっていかなければならぬ。この事前運動というのは、選挙法の中では大変霧の中でございまして、どこまでが事前運動が、これは結局警察の判断によらなければいかぬ。選挙というものが絶えず警察の監視のもとにやられるという、私は決して好ましいことにならないのではないかと思うのであります。しかも、町村の選挙のようにわずか五日間でやれということになりますと、日曜日が全く入らない。もう働いている方々は候補者の顔を見るチャンスもほとんどないというような、こういった選挙法で果たしていいのかどうなのか。
 また、選挙運動時間にいたしましても、朝の七時を八時ということでございますけれども、いま、御存じのように日本の社会の中で大きく出ておりますことは、住んでいらっしゃるところと職場というものが一致をしない。八千三百万有権者のうちのどのくらいが一致をしないか、これは数字的にはっきりいたしませんけれども、かなりの勤労者の方々は職住分離の状況でございますし、また、共稼ぎで昼間ほとんどいない。自分の住んでいるところの候補者にほとんど接する機会がない。これを朝八時などといたしますと、もう有権者の方々は候補者とほとんど接する機会がなしにやらなければならぬ、こういうことになってくるわけでございまして、私たちは、これはきわめて大変な問題だと思うわけでございます。一体こんなことをやって、有権者から棄権という大変なしっぺ返しを食うのではないか。そうじゃなくても棄権が大変ふえているわけでございますから、お互いにこのことは心して、この選挙運動時間についても、私たちは現状に戻すべきだと思います。
 立会演説会にいたしましても、確かにこれは場所場所によりましていろいろな違いがございます。また、市長選挙や県知事選挙のように一対一で選挙をやるという場合には、この立会演説会というのは大変有効になるわけでございます。また、衆議院選挙でもこれが十二分に活用されているところはございます。私は、費用をちょっと調べてみたわけでございますけれども、立会演説会一回やりましても、費用は五千円から、平均をいたしまして三万四千円ぐらいしかかからないわけでございますから、金や時間が大変かかるものではないわけでございますから、十二分にこれは残しておいていいのではないか、より有効に使うことを考えでいいのではないか、あえて廃止をする理由はないのではないかと私は思うわけでございます。どうぞそういった意味におきまして、日数なり運動時間なり、立会演説会をなくすということは、投票率がますます下がっていくことに通じていくことを私は大変危惧をしておるわけでございますから、あえてこれに踏み切らなければならないより積極的な理由について、再度お伺いをしておきたいと思います。
 四番目は、私は、選挙運動というのは一定のルールの中でなるべく自由に行われるべきだと思います。その意味におきまして、なるべくお金がかからずに、なおかつ有権者の方々と目と耳から十二分に接することができる選挙法というものをさらに拡充していく必要があるのではないだろうか。
 たとえば、第一に、政連カーと申します政党の政策宣伝をする車でございますが、わが党の場合のように、衆議院で百二、三十名の候補者を出すところでもわずかに三十台程度でございます。四十七都道府県、百三十選挙区がある中で、候補者カーと、わずか三十台の政党の車しか走ってない。これでは余りにも有権者の方々に訴えるチャンスが少ないと私は思うのでございまして、ひとつ政連カーをいまの倍ぐらいふやしてみたらどうでしょうか。
 それから二番目に、政党の政策のPRの時間でございますが、今度、参議院選挙でもやりましたけれども、こういった政党の政策をテレビを通じて国民の皆さん方に訴える、こういう選挙法を拡充してもいいのではないかと思うのであります。
 三番目には、個人ビラでございますけれども、いまや政党機関紙の号外等は禁止をされておるわけでございますから、証紙を張ります個人ビラのみでございます。いま定数掛ける二万枚ということになっておるわけでございますが、これでは当選に達するまでにビラが配れません。ひとつこれにつきましても、たとえば三万枚掛ける定数というほどまでふやしてみていいのではないかと思いますけれども、御意見を承りたいと思います。
 それから戸別訪問でございますけれども、これは私は、全部を直ちに解禁をするといいますと、自民党さんの方が大変抵抗が強いと思いますので、ひとつこれは一定の人数、腕章をいたしまして、その方々のみが戸別訪問ができる、こういう新しい制度を設けていったらどうだろうかということを思うわけでございますけれども、ぜひその実現方に向けて御意見を賜りたいと思います。
 もう一つ申し上げていかなければいかぬのは、地方選挙の公営の問題でございます。これも地方議会のお金の関係ということでなかなか進みませんけれども、やはりこれも公選法の改正等によってこれを促進する方法というのは考えるべきではないかと思いますけれども、御意見を賜りたいと思います。
 さて次に、いまの政治というのは大変綾がかかるということが大変大きな問題になっているわけでございまして、かつては政治というものが知性の政治あるいは徳の政治、ときには武士の時代には武力による政治という時代もあったわけでございますけれども、いまや金によるところの政治の支配という、こういう大変忌まわしい事態になっているというのが現状ではないでしょうか。
 そこで、私は、政治資金規正法の改正の問題について自治大臣及び総理大臣にお伺いをしていきたいわけでございますが、いまの政治資金規正法というのは大変な抜け穴だらけでございます。たとえば総量にいたしましても、もらったお金というのを必ずしも完全に帳簿に載せなくても、これはチェックする機関がございません。これをどこがチェックするか。いわば皆さん方が正確に出していたただいているという前提に立っているわけでございますけれども、どうも必ずしもそうなってないようでございまして、こういった総量規制に対して何らかの監視をする機構をつくっていかなければならぬのではないかと思うのでございますが、その点いかがでしょうか。
 あるいは大変盛んに行われていますパーティーでございますけれども、これは必ずしも政治団体が行うということではないものですから、発起人とかあるいは実行委員会方式になりますと、自治省に届けられている収支報告書というのは、行われたパーティーの約三分の一ぐらいしか収支報告がなされてないというのが現状のようでございます。果たしてこれで本当に国民の皆さん方が、ああ政治は政治資金規正法の枠のもとできれいにやっているなと思っていただけるかどうかについて、私は大変疑問だと思います。そういった意味では、いわばみなし規定などを設けて、このパーティー等についても申告をしなければならぬという方式に変えていくべきではないでしょうか。
 あるいは個人献金につきましても、五十六年には改正をされましたけれども、そのときにも問題になりましたように、個人が指定団体に入れる、入れた指定団体から個人がどれだけ引き出そうと、何をやろうとさっぱりわからないというのがこの制度でございまして、この保有金につきましても、五十七年度お届けになりましたのは自民党の中のただ一人という、心配していたとおりのことになっているわけでございます。この個人献金のあり方についても、登録のあり方についてもさらに検討を加えていく必要があると思うわけでございます。
 それからまた、よく政治資金につきましては透明度ということを言われますけれども、百万円以下のことは表に出さなくていいということでございますので、私たちのように百万円以下の献金しかない場合には透明度ゼロになるわけでございます。これも制度的には大変おかしな制度でございまして、その意味では、せめて百万を五十万に少額にしていく、なるべく公開できるようなやり方に変えていく必要があるのではないかと思うのであります。
 それから、政治資金規正法の附則八条に、個人献金への道をより一層五十五年以降考えるという附則がついているわけでございますが、これも自治省が責任を持って何ら対処をしているようには見えません。その意味では、個人献金をより一層ふやしていくにはどういうふうにすべきかということも考えてみなければいかぬと思うのであります。「水清ければ魚すまず」という言葉がございますが、いまのような現状をそのまま肯定して、果たして本当に政治の信頼が得られるのかどうなのか、このことを皆さんと一緒に考えてみなければいかぬと思うのであります。(拍手)
 質問の六番目は、いま自民党さんの方では政党法の研究が進んでいるようでございます。
 私はそこで申し上げたいのでございますが、個人献金はなかなか少ないので、ひとつ政党に対して常時資金援助をしようということで政党法を研究されているようでございますけれども、確かに政党というのは議会制度の中で大変重要な位置づけを持っていることは私も否定しません。ただいまのように、たとえば自民党さんの収入が申告されただけで百二十六億、各派閥の申告を合わせますと、ほぼその半分の五十四億ばかりあるわけでございます。政治資金と言われるものが全部で一千九十四億円、これは中央に届けられたものだけでございまして、地方に届けられたものはその約半分の六百七十億、こういうことでございますから、膨大な政治資金が使われている。これはそのままにしておいて、そして今度は国から政党に対して補助金をもらおうということについては……
#14
○議長(福田一君) 佐藤君、佐藤君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#15
○佐藤観樹君(続) これは、国民は納得しないと私は思うわけでございます。どうぞひとつ、その点についてどう考えられているのか、お伺いをしたいと思います。
 最後に、恐らく中曽根総理からそういい答えは出てこないと私は思うのでございますが、昭和五十年には、三木内閣のときに選挙法の改正をし、定数是正や金のかからない選挙運動を実行いたしました。政治資金規正法も、不十分ではございましたけれども量的な規制をする、こういうことをやってきたわけでございますけれども、これだけ政治倫理や政治の浄化が言われているこの国会において、中曽根内閣としては、それでは政治浄化に対して一体何をしようとしているのか。
 三木内閣のときの幹事長でございました中曽根総理、三木内閣のときにやったからいいのだ、これでは済まないと思うのであります。中曽根内閣が政治浄化に対して一体後世に何をなし得るのか、残し得るのか、このことを、大変重要なロッキード判決があと八日に迫ったというこの段階で、どうぞ国民の皆さん方に納得のいただける回答をひとつお示しをいただきますよう中曽根総理に最後の質問をいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 佐藤議員にお答えをいたします。
 まず、政治資金規正法の問題でございますが、確かに、時代の変化に相応いたしまして、政治資金規正法は絶えず検討を加えていく必要があると思っております。
 また、政党法の問題でございますが、現在、民主主義世界におきまして、政党の役割りはきわめて重大であります。
 特にわが国におきまして、参議院の比例代表制が施行されまして以来、いわゆる政党選挙という形に選挙制度も色濃くなってきたわけでございます。しかし、このような政党法の問題は、議会制民主主義の基本に係る問題でございまして、そう軽々に考うべき問題ではございません。
 したがいまして、特に参議院の比例代表制ができましたこの閥の選挙の結果等を反省いたしまして、党の皆様方に政党法というものについて、外国でどういうふうに扱っているか、わが国ではこれをいかに考うべきか、ぜひ検討して勉強してもらいたいということを申し上げておるのでありまして、その研究の結果をお聞きしたいと思っておるわけでございます。
 次に、国会議員や大臣の資産の公開の問題でございます。
 私は、個人といたしましては、公職につき、特に高い地位についた者がその資産を公開するという考え方には賛成でございます。しかし、これを制度として強制するということは、ちょっと検討を要する問題があるのではないかと思います。与野党の場合、国務大臣とか、あるいは幹事長とか、あるいは執行委員長とか、あるいは書記長とか、あるいは政調会長とか、さまざまな職種が官及び民にあるわけでございます。そういうものにつきまして、どういう区分けをしてどの程度行うのが適当であるか等々、検討すべき点も多々あるわけでございまして、個人として私は賛成でございますから、私自体はやっておりますけれども、制度としてこれを強制するという点につきましては、もう少し検討する必要があると考えております。
 次に、天下り規制の問題でございますが、これは、人事院が一定の基準を設けまして厳重な審査を行っておるわけでございます。離職後二年間というものは、前五年間密接な関連を持っておった業種には天下りできない、こういう規制をしておるわけでございます。
 この問題は、一面におきましては憲法における職業選択の自由の問題と、もう一つは職務の公正確保という要請との調和の問題でございますが、現在人事院が規制しておりますのを、さらに厳重にこれを励行するようにいたしたらどうかと考えておる次第でございます。
 会計検査院法の問題につきましては、政府も、従来会計検査院の検査体制の強化につきましては協力申し上げておるところでございます。しかし、政府関係金融機関等の融資先に立入検査権、立入調査権限を与えるということの可否につきましては、自由主義制度、特に自由主義経済における活力の問題と公権力の介入という問題に遭遇いたすのでございまして、必ずしもにわかにこれを断定するわけにはまいりません。したがいまして、現在あ状況におきましては、提案することは困難であると考えております。しかし、一方におきまして、会計検査院が行いまする検査の充実強化につきましては、政府としても、これを一層さらに協力するように指示しておるところでございます。
 次に、政治浄化の問題でございますが、やはり政治に道徳性を持たせて、そして議会制民主主義の機能を最善に発揮させるということが政治倫理の問題の重要点であると思っています。私は、この際は、そのような道徳性の問題と同時に、やはり政治あるいは政党は政策を明確にして、そして国民に対してその政策を断行して、国民に希望をさらに強く持たせる、そういう積極面についてもわれわれは強く考えてみたいと思っておるところでございます。
 政治浄化の問題につきましては、個人といたしましては、これはあくまでも国民に指弾をされないように自粛自戒をして、そして代表者たるにふさわしい進退を行うということ、これが基本でございます。それから団体につきましては、政党あるいは政治団体につきまして、その運営を澄明ならしむるという点が、次にわれわれとして深く考えなければならぬところでございます。選挙制度等の改革もその一環でございまして、やはり選挙違反を起こさせないということがまず基本で、大事な点ではないかと思います。
 それから、選挙における資金の操作の問題、これを公正を確保する問題とか、あるいは小さなことでありますが、選挙運動中につきましても、学校の前でマイクをやらぬとか、あるいは寝ている赤ん坊を起こさないように騒音を大きくしないとか、そういう小さなことであるけれども、やはりこれは政治家として考えなければならぬところである。しかし、基本的に考えれば、政界全体の空気というものをもって、よりさらに道徳性を高めていくという点について、みんな政党も個人も常に営々として努力していくということでございまして、その点については、特に戒心してまいりたいと思う次第でございます。
 残余の答弁は、関係大臣より御答弁申し上げます。(拍手)
    〔天野公義君登壇〕
#17
○天野公義君 佐藤議員の御質問にお答え申し上げます。
 なぜ、この際、改正案を出したかということでございますが、自由民主党におきましては、かねてから選挙制度調査会で、選挙制度の諸問題について検討をずっと続けております。先般、統一地方選挙、参議院選挙も終了いたしましたので、この際、その実施状況も勘案し、そして、金のかからない選挙の実現のためにどうしたらよいかということで検討を重ねました。その結果、いろいろな面で各党の御賛同を得られるようなものに集約をいたし、この改正案をまとめた次第でございます。
 参議院の定数問題、比例代表の選挙等の問題でございますが、これは、参議院の定数是正や参議院比例代表選挙の運動の問題も重要な問題でございますので、自民党の選挙制度調査会においてなお一層検討を重ねてまいりますが、国会においても各党間の話し合いをいただき、そして事柄の性格上、たとえば参議院の公職選挙特別委員会等の場を通じまして、各党の御意見を交換してまとめていただければ幸いだと思っております。むずかしい問題を包含しているだけに、いろいろ御議論があると予想されております。今回の提案には入れておりませんが、今後、努力を続けてまいる所存でございます。
 選挙運動日数の短縮等の問題について、弊害はどうかという御質問でございますが、最近の選挙の実態にかんがみまして、二十年ぶりに選挙運動期間の短縮をしようということにいたした次第でございます。自民党では地方六団体の御意見を承りましたが、この地方六団体はいずれも期間短縮に賛成の御意見でございました。
 また、ほとんど実体を失っております立会演説会の廃止や、一般に評判の悪い連呼時間の短縮等を図ることも、金のかからない選挙の実現に資するものでありますし、この改正によりまして、格別の支障はないと考えております。
 また、有権者のために政見放送の充実、すなわち、NHKにおきましては、テレビ、ラジオ、いままで三回でありますものを四回に一回ふやし、民放におきましても、三回でありますものを四回にふやし、合計、いままでは六回でありましたものを八回にふやすわけでございます。同時に、NHKで経歴放送を一回増加をいたすわけでございまして、これによりまして、非常に充実した配慮ができるものと考えております。なお、選挙制度について、この面で相当な改善になるものと考えております。
 第四の、選挙運動拡充の問題でございますが、御指摘の選挙運動の問題を初め、選挙制度はいろいろな経緯があってできてきているものであります。時代の進展に応じ、適時適切に見直しを行っていくべきものであると考えております。
 しかしながら、御指摘の各種の問題についてはそれぞれ重要な問題をはらんでおりますので、われわれも今後なお各党の御意見を承りながら慎重に検討していきたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣山本幸雄君登壇〕
#18
○国務大臣(山本幸雄君) 政治資金規正法の見直しというお話でございますが、ただいま総理からは、こういう問題は常に絶えず見直しをしていかなければならないというお話もございまして、全くそのとおりだと思います。この問題は、議会制民主主義の発展の上から見まして、非常に重要な問題であるという認識を私ども強く持っておるわけでございますが、仰せこれは選挙制度の根幹にも触れてくる問題であります。また、各政党の財政的な基盤というものはそれぞれやはり違うどいうこともございまして、この問題は、各政党の政治活動の上に大きな影響を現実に及ぼすということだと思います。先ほど来御指摘のように、この法律の五十年改正で、確かに個人献金を中心として五年後に見直すということが附則八条に書いてあるわけでございます。
 そういう問題も含めましていろいろ問題の御提起がございましたが、この問題はやはり各党問で十分ひとつ御審議をいただく、御論議をいただくということがまず先決ではないか、そういう皆様方の合意の上に立って、この問題と真剣に取り組んでいかなければならぬ問題であろう、やはりそういうやり方が今日では現実的であり、きわめて民主的な方法であろう、こういうふうに私どもも考えているわけでございます。今後ともこの問題の重要性につきましてはそういう問題意識を持ってやっていきたい、こう思っております。(拍手)
#19
○議長(福田一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#20
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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