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1949/04/26 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 大蔵・地方行政・建設連合委員会 第3号
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1949/04/26 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 大蔵・地方行政・建設連合委員会 第3号

#1
第007回国会 大蔵・地方行政・建設連合委員会 第3号
昭和二十五年四月二十六日(水曜日)
   午後一時四十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度における災害復旧事
 業費国庫負担の特例に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) これより大蔵、地方、建設連合委員会を開きます。昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案を議題といたします。御質疑のある方はお願いいたします。この際政府当局に御注意申上げておきますが、本委員会連合会は午後一時から開会して、只今まで政府委員の出席のないために議事を進めることができなかつたのですが、政府委員も努めて時間を嚴守されることを御忠告申上げておきます。
#3
○赤木正雄君 二十五年度の災害のうち十五万円以上のものと以下のものがどれ程ありますか、お伺いいたします。
#4
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。十五万円以下の分は全体の事業数の大体二%内外と心得ております。
#5
○赤木正雄君 金にしてどのくらいですか。
#6
○政府委員(小野哲君) 金額は詳細ちよつと只今のところお答えいたしかねるのであります。
#7
○赤木正雄君 その箇所数ですね。二%の箇所数はどれだけですね。
#8
○政府委員(小野哲君) 実は甚だ申訳けないのでございますけれども、箇所の数がはつきりと把握できないために全体の合計額が申上げかねるような次第で御了承願いたいと思います。
#9
○赤木正雄君 二%は数にしては非常に少ないのでございます。又金額にしても十五万円以下でありますから少ないに決つています。併しそういう小さいものを放置しておくために、それが又来年の災害の原因となる、こういう結果になるのであります。でありますからして、二%そのものは数は少なくても恐らくは箇所数は相当にあろうと思います。その箇所数を無視して災害の全体の国庫補助ということはなかなかできない。それで若しも全体を国庫補助するならば、二%以下のものでも国庫補助すべきじやないか、こういうふうな見解を持つております。又それをしないでは今申す通りこういう弊害がある。仮に小さい十五万円以下のものは国の補助が貰えん、十五万円以上のものなら国の補助が貰える。尤もこの法律は二十五年の災害だけに関しまする、こういう観点が一般災害民の頭に浮びますと、今まで災害復旧というものは、これは実際その水害の、災害に申しましても本当に水害によつて起つた水害と、動ともすると災害を起し得るような情勢に放置して、人為的な災害といつちやいけませんが、そういう傾向のものは多分にあるのであります。でありますからして、そういう関係から若しも小さいものなら国は補助せんということになると、これは大きくなるまで放置して置く。実際災害の持つておる町村にしても、それが毎年の災害で大きくなつて、いわゆる国の補助の対象になつてこれを表の出す、こういう傾向にあります。その弊害が著しくなります。これに対して政府はどういうお考えを持つていますか。
#10
○政府委員(小野哲君) 只今の赤木さんの御質問は誠に御尤もでありまして、今回全額国庫負担の制度を作ります場合におきまして、どの程度の限度にすることが最も妥当であるかということについて、政府部内においていろいろ検討しました結果、先程来御質問ございましたように一ヶ所の工事の費用が十五万円以上ということにいたしたのであります。その場合にこの大体の検討が二%位に該当しており、而もこれの金額以下のものがあつた場合に災害復旧の上で相当支障を生ずる虞れがあるであろう、この点は誠に御尤もでございまして、ただこの法律案が二十五年度における特例でもありますし、又予算との関係等もございますのでこれを拡張するということは困難ではございますが、只今仰せになりましたようにそれ以下のもので、若しこれに対して災害復旧を適正にやらない場合においては、将来更に大規模になる可能性のあるという御懸念は誠に御注意御尤もと思うのであります。で、これらの点につきましても政府といたしましては、この特例の実施に伴いまして更に研究を加え、昭和二十六年度以降においてどういうふうにこれを扱つて行くのが最もよいかということについては善処して参りたいと、かように考えている次第でございます。
#11
○岡本愛祐君 大蔵委員会ではこの法法案の政府提案理由をお聞きになつたのですか。
#12
○委員長(木内四郎君) 提案理由は聞いております。
#13
○岡本愛祐君 聞いておるのですか。実は地方行政委員会におきまして、この法律が政府案として提出されます前に、こういう大体法律案が提出されるであろうというので説明を聞いたことはあるのですが、けれどもそのときに政府で予定しておつた法律案の要綱と、今出されておるこの法律案とは大分違つて来ておる。だからそういう点について一応政府の説明をこの連合委員会で聞いた方がいいと思います。どうぞそういうお取計らいを願います。
#14
○委員長(木内四郎君) 只今岡本委員から、地方行政委員長からお話がありましたから御説明を願いたいと思います。
#15
○政府委員(小野哲君) 只今の御指名によりまして、この法律案の提案の理由について簡單に御説明をいたして置きたいと思います。
 地方自治を拡充強化して行きますことは、新憲法の基本方針の一つでありますが、これが実現を期するためには、その裏付となるべき地方財政を充実安定させることが是非とも必要であることは、申すまでもないところであります。然るに、近年頻繁に発生する台風、地震等は戰時中の国土の荒廃と相俟ちまして甚大なる被害をもたらし、ために地方公共団体の財政は、深刻な危機に頻しているのであります。即ち、予知しない災害の発生によりまして、関係地方公共団体は、税制その他の歳入に激減を来す反面、住民の生命及び財産の保護のため必要な救助事業等に要する経費の支出を余儀なくされまして、なかんずく公共施設の復旧事業につきましては、累年巨額の経費負担を課せられているのであります。従いまして、罹災地方公共団体はこれらの経費捻出のために高率課税、起債或いは経常費の縮減等を余儀なくされ、殊に最近におきましては、地上公共団体が負担する災害復旧費の大半が起債に求められる結果、その償還費が長年月に亘る過重な住民負担となり、地方財政の健全化に暗影を投げているのであります。
 先般来朝しましたシヤウブ使節団もこの点を指摘しまして災害復旧費は、軽微なものを除いて、全額国庫において負担すべきことを勧告しているのであります。
 政府におきましても、従来高率補助金の交付、又は災害債の利子補給等の方法によりまして災害復旧費に関する地方財政負担の軽微にできるだけ努力をいたして参りましたが、逐年急激な増加を示しつつある災害復旧費の地方財政に及ぼす深刻な影響に鑑み、且つ又、シヤウブ勧告の趣旨も尊重いたしまして、従前の災害復旧事業費に対する一部国庫負担の制度に代え、新たに公共的土木施設の災害復旧事業費については全額国庫負担の建前を採ることによりまして、罹災地方公共団体の財政負担の経減を図るとともに、災害復旧事業の円滑な施行を期することといたした次第であります。このために、政府は、昭和二十五年度の予算編成に際し、公共事業費中に四百七十億円に上る災害復旧費を計上するとともに、この制度を実施するために必要な基準を法律で定めることといたしたのであります。
 以上が本法律案を提案いたしました主な理由でありますが、次に法律案の概要につきまして簡單に御説明申し上げます。
 先ず第一は、地方公共団体が維持管理する河川、海岸、堤防、砂防設備、道路及び港湾の公共的土木施設に関する災害復旧事業でありまして、地方公共団体が施行するものに要する災害復旧費は、昭和二十五年度においては、国庫が全額これを負担することができるものといたしたのであります。従来土木施設の災害復旧費につきましては、「都道府県災害土木費国庫負担ニ関スル法律」の規定により三分の二の国庫負担が行われ前いたのでありますが、この法律案は、地方公共団体の施設に関する限り、他の法令の規定に拘わらず、これを国庫を全額負担とすることができるもの徳いたしたわけであります。
 第二は、従来、国が自ら災害復旧事業を行う場合には、受益者負担というふうな意味におきまして地方公共団体から分担金を徴收していたのでありますが、これに関しましても、先に申述べました公共的土木施設につき、明年度において、その分担金の一部又は全部を免除することができることといたしたのであります。
 第三といたしましては、この法律案の適用を受ける災害及び災害復旧事業の意義を明確に定めたのであります。即ち、災害につきましては、それを暴風、こう水、高潮、地震その他異状な天然現象によつて生ずるものに限定して、天然の不可抗力による災害と然らざるものとを画然と深く区分することにより、本制度の適確な運営を期することとしたのであります。
 次に災害復旧事業とは、災害によつて必要を生じた事業で一ヶ所の工事費が十五万円以上のものであつて、災害にかかつた施設を原形に復旧することを目的とするものと定めたのであります。然しながら災害にかかつた施設を原形に復旧することが極めて困難であつたり又その被害の状況や施設の効率上不適当である場合が考えられますので、このような場合には、旧施設に代るべき必要な施設をすることを目的とする事業でもその工事費が十五万円以上であれば災害復旧事業とみなして、この法律案の対象としたのであります。但し、この場合に無制限に全額国庫負担制度を認めますと、災害復旧に便乘いたしまして不必要な拡張、改良事業が行われることも考えられますので、国庫でその全額を負担する事業費は当該施設を原形に復旧するものとした場合に要する金額にのみ限定した次第であります。尚、前に述べました一ヶ所の範囲につきまして被害箇所が短距離で連続している場合及び被害施設の効用上復旧事業を分離して施行出来ない場合は、被害箇所が二ヶ所以上ありましても一括してこれらを一ヶ所とみなして工事費を算定するということにいたしたのであります。
 次にひとしく災害復旧事業であつても、経済的効果の極めて低いもの、施設の管理者や、建設施行者の不注意、怠慢によりまして被害を蒙むつたと認められるもの、極めて小規模な施設に関するもの等は、全額国庫負担制度の対象から除外いたしたのでありますが、これは、貴重な国費を有効且つ適切に使用するという意味からして当然の規定と考える次第であります。
 尚、この法律案を昭和二十五年度限りの特例法といたしましたのは、地方財政の転換期ともいうべき昭和二十五年度において、取敢ず、この制度を実施し、昭和二十六年度以降については、本制度の実施状況と地方財政の状勢とを睨合せまして合理的、且つ、恒久的な制度を立てたいという考え方に基くものであります。更に、この法律案の実施細目は政令に委ねることにいたしておりますが、画期的な本制度の実施に備え目下その準備を整えておるような次第でございます。
 以上概要でございますが、この法律案を提案いたしました理由と、その内容を御説明申上げた次第でございます。
#16
○委員長(木内四郎君) 先程岡本委員長から、提案理由の説明と、曽て地方行政委員会で説明されたものと著しく違つておるというお話なんですが、その違つておる点があれば違つておる点、その理由を御説明願いたいと思います。
#17
○政府委員(小野哲君) 政府がこの法律案を提案する準備をいたしておりました過程において、地方行政委員会において当時の腹案について御説明申上げたことと思うのでありますが、その後研究を進めて行くにつれまして、又関係方面との折衝途上において、いろいろの意見が出て参りました結果、今日のような提案の法律案に終局的に決定したような次第でございます。当時の案の詳細については、私実は或いは記憶間違い等があるのではなかろうかと思うのでありますが、この災害の範囲等につきまして政令に委ねておつたような点が当時考えられておつたと思うのでありますが、これらはやはり法律で以て規定することが妥当であろう、こういう研究の結果結論を得ましたので、これを法律によつて制定するということにいたしたのもその一つであろうと存じます。尚又この法律案の第三條でございますが、復旧事業について適用しない範囲をどういうふうなものにするかということにつきましても、或いは当時の腹案の際においては、これらは政令に委ねるようなことになつておつたのではなかろうかと思うのでありますが、この点につきましても今回は法律の上で明らかに定めることといたしたと私は記憶いたしておるのであります。その他大体においては政府の腹案の考え方は踏襲しておるのでありますが、今回の法律案におきましては、只今申上げましたような点において更に整備されたものとして提案をいたすようになつたと存じまするので、内容の詳細につきまして或いは私の思い違いがあろうかと存じますが、以上簡單に御報告を申上げておきます。
#18
○委員長(木内四郎君) この際念のために申上げておきますが、政府委員は小野政務次官の外、河川局長目黒君、建設省事務次官中田君、説明員として地方自治庁の管理課の鵜澤君が参つておられますから、以上の方々に御質疑がありましたらお願いいたします。
#19
○島村軍次君 地方自治庁財政部の参考資料によりますと、二十四年度災害の査定方針に関する調伊それによりますと、農林省農地に関するもの、林道に関するもの、その他治水、溜池その他のもの等が二十四年度に入つておつたようであります。この法律案を読んで見ますというと、第二條で限定されておるようでありますが、その点は御説明があつたのかも知れませんが、従来の農林省所管に関する災害についてはどういうふうな考え方でありましようか。
#20
○政府委員(小野哲君) 島村さんからの御質問にお答えいたしますが、農林省関係の問題といたしまして取上げられるものとして漁港の関係があるであろとう思います。それから農道等の問題があろとう思うのでありますが、漁港につきましてはこの法律案の第二條を御覽下さいますと、第五号に港湾という号がございますが、港湾の中には漁港が含まれておるものと私共は考えております。それから農道等の関係でござゐますが、今回の法律案の対象となるものが、只今説明いたしましたように公共土木施設に限定いたしておりますので、農道等はこれには入つておらない、かように考えております。
#21
○島村軍次君 それは少し私のお尋ねと……、半分は分りましたが、半分はちよつと不十分だと思いますのは、農道についての考え方は分りますが、林道等はこの道路のうちには入らんようでありますが、「第一條の道路をいう。」、こう書いてあるのですが、公共施設には相異ないと思いますが、又溜池等の場合は場道とはちよつと理由が違うと思う。その点とそれから本日の政府委員の方は建設省、地方自治庁等でありまして、従来の農林省関係の災害に対する根本的な考え方を合わせて承わりたいと思いますが、次の機会でもよい本日御出席を願つてもいいと思いますが、合わせて御答弁を願いたいと思います。
#22
○委員長(木内四郎君) 小野政務次官、答弁になりますか。何でしたら後日適当な機会に国務大臣から御答弁を願いたいと思います。今島村委員から御質問の農林省関係のごときは、入つているかどうかということは相当大きな問題だと思います。例えば今のお話の第三條の四号ですか、道路というものに林道が入つているかどうか、根本問題として農林省関係とどういう関係になつているかということは、あなたとしてはちよつと工合が惡い点があるかも知れませんが、若しお答えになるのだつたらお答え願いたいと思います。
#23
○政府委員(小野哲君) 只今島村さんから農林関係の施設について根本的にどういう考えを持つておるか、こういう御質問でございますが、この点については或いは関係国務大臣から御答弁申上げる方が妥当かと思うのでありますが、御指摘になりました林道の問題につきましてのみ考えてみますならば、第二條第四号の道路はここにございますように「道路法第一條の道路をいう。」ということに限定されておりますので、この意味におきましては林道は入らない、こういう解釈をいたしておる次第であります。
#24
○岡本愛祐君 この二十五年度における地方公共団体の公共事業費のうちで災害復旧費として所要見込額はどのくらいあるか、それを伺つておきたいと思います。
 それからその次にこの法律によつて二十五年度において地方公共団体の負担減となるもの、つまり全額国庫負担になるのですから、地方公共団体において負担減となるものはどのくらいであるか、この二点を先ず伺つておきます。
#25
○政府委員(小野哲君) 説明員から後ほど詳細御説明申上げますが、大体において純粹の負担減は八十億程度でなかろうか、かように存じます。尚詳細は説明員から申上げたいと思います。
#26
○委員長(木内四郎君) 説明員から説明することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
#28
○説明員(鵜澤克郎君) 只今の負担減について申上げますが、これは昨年度の公共事業費の地方負担減が約百二十億ございました。そうして今回のこの全額制度によりましてこの法律の対象外となりました災害復旧事業の地方負担額が約四十億と心得ております。差引八十億の負担減というふうに考えております。
#29
○岡本愛祐君 私の前半に伺つた二十五年度における地方公共団体の公共事業費のうちで、災害復旧費所用見込額というのは幾らあるか、それを伺いたいと思います。総額です。
#30
○説明員(鵜澤克郎君) 二十五年度におきましては公共事業費は四百七十億になつております。
#31
○岡本愛祐君 その中で災害復旧所用額は……。
#32
○説明員(鵜澤克郎君) 災害復旧費の公共事業費が四百七十億でございます。
#33
○岡本愛祐君 それだけ要るのですか。
#34
○説明員(鵜澤克郎君) それが公共事業費として予算に計上されておるわけであります。
#35
○岡本愛祐君 地方公共団体の……。
#36
○説明員(鵜澤克郎君) いいえ、国家です。
#37
○岡本愛祐君 いやいや地方公共団体の公共事業費のうちでです。
#38
○説明員(鵜澤克郎君) 地方公共団体の負担額はその外に四十億ございます。
#39
○岡本愛祐君 四十億ですか。
#40
○委員長(木内四郎君) 念のために伺つて置きますが、地方公共団体の負担額というものは第三條によるものになるのですか。
#41
○説明員(鵜澤克郎君) 地方公共団体の負担額と申しますのは、この法律の適用外のもの全部を含みます。
#42
○岡本愛祐君 そうするとその四百七十億と、地方負担の減の八十億との関係はどうなりますか。
#43
○説明員(鵜澤克郎君) 八十億は先程御説明申上げました通り、昨年度の地方負担額が百二十億、今年度の四百七十億に対する地方負担額が四十億でございますから、差引しまして八十億、こういうことになります。四百七十億に対する地方負担額は本年度は四十億でございます。
#44
○岡本愛祐君 もう一つ伺つて置きますが、この法律の文句を読みますと、この第二條でいろいろな條項がありますが、二十五年度におきまして、地方公共団体又はその機関が施行するその公共的土木施設の部分に関する災害復旧事業ということでありますので、その災害がいつ起つたかは問わないのであつて、ともかくこれまで災害が起つて、そうしてそれに対して二十五年度において今言つたように施行するもの、それをこの第一項は言つているんだと思いますが間違いありませんか。
#45
○政府委員(小野哲君) その通りでございます。
#46
○島村軍次君 然らば只今の説明は、いつ起つたものでもという意味に御説明があつたと思いますが、二十四年度或いは二十三年度、若しくはそれ以前において災害復旧が中止になり、或いは中途で工事を中止したものが沢山あると思うのでありますが、そういう問題に対する措置はどうなりますか。
#47
○政府委員(目黒清雄君) 今度の法律は過年度の災害に対しても全額補助をするということになつておりますので、過年度災害が当然入つて参つておりますが、その場合過年度の災害はどういうふうに取扱つたかと申しますと、一応災害が発生しました当初において、国が現地に係官を派遣して一応査定したわけであります。その額が今の地方の災害額になつておるわけでありまして、現在は二十二年度、二十三年度の災害、二十四年度というふうに分れます。これだけ残つておるのでありますが、その二十二年度以降の災害で而も国が災害として決定したといいますか、一応査定をし終つた金、こういうことに相成つております。
#48
○島村軍次君 ちよつとそれに関連して……、従来内務省の災害復旧工事は、地方へ出て御査定になつているのでありますが、只今の説明はそうすると査定済みにかかるものについてのみと、こういうことに解釈していいかどうかということ、それを念のために伺いますのと、それから今後の災害復旧工事に対しましては、相当これに伴う経費、復旧工事費以外に相当の経費を要すると思います。つまり従来雑費として計上したような費用については、本年度、二十五年度の予算の見積りにはどういうふうな建前でやつておりますか、それを一つ……。
#49
○政府委員(目黒清雄君) 大体この法律に載つておりまするのは、旧内務省の時代のものが大分ございまして、港湾と、それから土木、河川、道路というのが全額の補助の対象になつておりますので、一応査定した金額というのがはつきりしております。従つて今のような、外のものが査定しているかどうか、現地査定しているかどうかというような問題はありませんで、恐らく皆現地査定は終つたものと我々は考えます。
 それから将来災害が起つた場合にどうするかということですが、先程お話のありました四百七十億の予算のうちには、百億は本年度災害費として予備金になつております。従つて今後起ります災害は、この百億の予備金的な金から支出することに相成つておりますが、又災害がどのくらい起りますか予想ができませんので、百億がどういうふうな割合に本年度出されるかというようなことは、今後の問題と考えております。
#50
○西郷吉之助君 この災害復旧費四百七十億の大部分、三百七十億というのは過年度分であつて、二十五年度は僅かに百億程度が今後の災害に残されているというのですが、過去の二十三、二十四の災害と、実際の場合から見て、僅かに二十五年度百億程度のものを用意しておいて、今後の災害復旧費に廻す、そんなものは余りに小さくて問題にならないと思いますが、建設省は今後の災害に対して僅かに百億程度のもので対策が立つのですか。
#51
○政府委員(目黒清雄君) 百億の予備金の多寡の問題につきましては、本年度災害の想定でありますが、昨年度の大災害が起きましたときでさえも百億は出せなかつたので、それで非常に我我は困つたのであります。併しながら一面過年度災害というものは我々の方に残してあります。過年度災害というものはすでに一千億近い災害で、そういうような一千億近い過年度災害を起しまして、これに対して四百七十億、或いは三百七十億というような、このうち河川の方は二百四十何億でございますが、こういうふうなことで感年度災害と将来の災害とにどうするかということになりますると、財政上の関係で止むを得ずこんな形になつたのであります。こういうふうに考えられるのです。それで我々としては、理想といたしましては、災害が発生しました場合には、先ず初年度に三割ぐらいの金を出し、次年度に五割ぐらい、あと三年目に三割ぐらいということが理想的に復旧の方法であります。ところが現在はこの過年度災害につきまして申上げましても、まだ二十二年度災害が残つているというような結果で、四、五年かかつている状態なんです。でありまするから、急激にこの予算増加をお願いできればいいのですが、できないといたしますれば、先ず早く過年度災害を片付けて行きたいという気持も多分にあります。でありますから、百億には足りないと言われますれば、足りないのでありまするが、そうかといつて、過年度災害に対する二百四十数億は多いかと言われても、これは多いのではありません。そういうふうな状態でありまするから、まあ災害費は枠が足りないのであるというような御了承を願います。
#52
○西郷吉之助君 今の説明でですね、甚だ納得がいかないのですが、過去の、過年度分について災害復旧に、大体災害が千何百億あると思いのです。この二十五年度はですね、全額国庫で持つのですが、今日まで段々繰下げられて来た分で、この三百七十億に入らないのは一体どうなるのですか。
#53
○政府委員(目黒清雄君) 大体本年度やりますると、二十二年度災害が完成いたします。今の私の河川関係で申しますと、二百六十四億が過年度災害に廻る金でありまするが、これで行きますと、二十二年度が片付きまして、二十三年度災害が、二十三年度が五〇%程度の進捗、それから二十四年度が三〇%程度の進捗、来年度はこの予算を頂きまして完成いたします。その後、そうしますと、来年度やりましても、二十三年度は五〇%残り、二十四年度が七〇%残るというような状況であります。
#54
○西郷吉之助君 そういうふうに、二十三年度五〇%残り、二十四年は七〇%残る、その残つたものは、それに対してどうなるのですか、それを聞くのです。残る金額を聞いておるのでやない。
#55
○政府委員(目黒清雄君) 残つたものに対しましては、我々としては二十六年度に予算を要求して完成を図つて行かなくちやならんじやないか。我々二十五年度の予算ではその程度きり都合付きませんで、二十六年度に繰延ばしてやる、こういうことになつております。
#56
○西郷吉之助君 今の説明で、二十三年度に五〇%残り、二十四年度が七〇%残つて、又今度過年度以外は百億で、二十五年度に限つて全額国庫負担であるけれども、前のものが残つておるから、二十五年度以降にも過年度分が残つて来るのですが、災害復旧は、ただ單に、そういうように繰延べておるから、今後益々それが原因に原因を作つて繰返えして行くと思うのですが、そういうふうな單に間に合せ的なことでなく、予算が取れないからしようがないのだ、後のことはしようがないのだ、そういう対策では災害は、復旧というものはできないのじやないかと思う。これはやはりちやんと合理的な見通しを樹ててやるべきであつて、復旧しないで置くから又大きな災害の原因をなす。そういうことを何年でも繰返えしておるのだが、それに対して根本的に対策は建設省として立たないのですか。
#57
○政府委員(目黒清雄君) 根本的な対策は、我々としては理想の形で申上げますると、大体災害の起きました年に三〇%程度の予算を要求し、その次の年度に五〇%程度、三年目に残り二〇%要求するのが我々の要求の理想の形であります。それが不幸にして、今のように繰延べの運命になつておるということであります。
#58
○西郷吉之助君 二十五年度は全額国庫負担ということになつておりますが、二十六年度以降は、どういうような考えを持つておられますか、その点を伺います。
#59
○政府委員(小野哲君) この法律案が二十五年度の特例の法律案となつておるのでありますが、この点につきましては、二十五年度の実績に徴しまして、更に二十六年度について、どういう措置を取るかを検討いたしたい、この点については、先程説明いたしました場合においてお聽取りのことと存じますが、将来の合理的な且恒久的な制度を打ち立てて行きたい、かように考えておるのであります。差当つて二十五年度に限り特例法といたしまして、この法律案を提案いたしたような次第であります。
#60
○竹中七郎君 只今河川局長のお話によりますと、過年度災害ということは、各府県が、二十二年、二十三年に皆やつた、その尻ぬぐいをやつてやる、こういうことに相成りますのか、これからおやりになりますのか、この点を私決算委員といたしまして、冨山県や、こちらの方をずつと廻つて参りましたが、結局府県が請負者に負担させるいうことで、とてもやり切れない、こういうことを言つておるので、この二十五年度に、そのなんと申しますか、救済策といたしまして、こういうことをおやりなにつておるかどうかという点、これを一つお伺いいたします。
#61
○政府委員(目黒清雄君) これは二十五年度の支出、その金に対しての全額なのであります。従つて二十五年度は、これから各府県から施行個所を申請させまして、その施行個所が今の全額補助の対象になるわけであります。従つて嚴密なことを言いますれば、その工事が今後やるべき、今後着手すべき工事であるとするのが当然でありまするが、併しながら地方によりましては、或る程度今のような工事の進捗を余儀なく進めておるというところもありますので、二十四年度に支出いたしました個所の残りの個所を、二十五年度内に支出をいたすという形で、支出額に対して全額……。
#62
○竹中七郎君 特に先程西郷さんからもお話がありましたが、後に残しておくから、少しのいろいろ天然現象が起りましても起る、それを地元の者がよつてやつて災害を放止しておるのに、国が出さないというのはいけないことで、こういうことにつきまして、地方団体がやつたらそれを補つてやるという親心がなければ、国の政治はいけないと考えますので、この点河川局長において御考慮を賜わりたい、こういうことを申上げたい。
 もう一つは、十五万円以下という問題でありますが、この個所というものは、あなた方お調べになつた大体分るのでありますが、先程もちよつて質問があつたと思うのですが、これは先程二%程度、こう言われましたが、その金額は分りませんか。
#63
○政府委員(目黒清雄君) 細かく個所を調べますと分りまするが、大体我々が今までやつておりまするのは、七万五千円を最低にして査定をやつておつたのであります。十五万円と考えますと七万五千円の開きが出てくるので、その金が大体二%程度と相成つております。
#64
○岡本愛祐君 西郷委員の御質問に関しまして、小野政務次官からお答えがありましたが、シヤウプ勧告では、こういう災害復旧事業というものは全額国庫負担すべきものであるというふうな勧告がある。又それを受けてこういう法律ができたと思うのでありますが、この法律は、單に昭和二十五年度の限りと、こうありまして、その理由としては、こういうことを一度試験的にやつてみて、その結果によつて又というようなお答えがありましたが、それはどうも納得ができないのでありまして、これは地方財政上からいえば非常に結構なことであるので、是非恒久的に国家の方針、施政の方針として貰わなけれどならん、試験的なということはもう必要ない、こう思うのですが、何故こういう二十五年度に限つてというようなことになつたか、その事情を承わりたい。
   〔委員長退席、建設委員長中川幸平君委員長席に着く〕
#65
○政府委員(小野哲君) 先程説明の中に申上げましたように、この問題につきましては、勿論シヤウプの税制報告書に基く勧告の趣旨に応じて作成いたしたのでありますが、御承知のごとく全額国庫負担の制度は、地方公共団体の側といたしましては従来から強く要望して参つておるところであります。ただ国庫財政、その他の関係方面からは、いろいろと又立場を変えて批評をし得る問題でもあるのであります。併しながら政府としましては、シヤウプ勧告の趣旨の基きまして地方財政の安定と改善とを図るために、昭和二十五年度の国の予算も全額国庫負担制度を建前として編成されておりますので、法制の面におきましてもこの趣旨を明かにして、執行の基準たらしめることが必要であると、かように考えておりますがために、この種法律案を立案するに至つたのであります。ただこの制度を恒久的に立法化するにつきましては、尚準備と研究を必要といたしますので、取敢えずの措置として昭和二十五年度限りの特例をいたしたような次第であります。従いまして昭和二十六年度以降につきましては、尚十分に研究を加えまして、又新しい構想も練りまして、恒久的な立法といたしたいと、かように政府といたしましても考えておるような次第であります。
#66
○鈴木直人君 先程港湾というところに漁港が入るということは参考書にもありますが、海岸堤防というものの中にいわゆる干拓地の堤防、曾て昔干拓をして、そうしてその堤防が農林省関係において行われておつたというように堤防が相当九州、中国、東北にもあると思いますが、そういうのがあると思いますけれども、そういうふうなものは、この海岸堤防というものの中に入つているかどうか。そういう点が一つ。若し入つておるとすれば、本年度の予算としてどの程度のものが予定されておるか。又その所管省は農林省になつておるのが、建設省になつておるか。この三点をお聞きいたします。
#67
○政府委員(目黒清雄君) 海岸堤防は、この二條の中の海岸堤防といて入つておりますのに、今のような農地、干拓のものもこの中に入ります。入りますが、ここで対象は、地方公共団体の管理の属する海岸堤防というものに限定になりますので、海岸堤防は町村支弁の海岸堤防とか、或いは県支弁の海式堤防というような形になりましたものを対象にいたしておるのであります。大体において九州方面の海岸堤防は、曾ては熊本方面は個人の負担において、この維持管理をやつて参つたのでありますが、到底最近堪え切れないというような状態になつたので、熊本県自身がこれを管理するようなことに相成りましたから、勿論これは海岸堤防の災害はこの中に入つて来ると思うのであります。
 それで今の海岸堤防の過去の災害はどのくらいかということですが、今数字を持合わせませんで、相当これも取つてありますが、その金額ははつきりいたしません。
 それから補助といたしましては、これは建設省が、府県管理の海岸堤防に、或いは町村管理の海岸堤防に対しては建設省が補助するという建前に農林省と打合をしておりますので、現在はその通りになつておるつもりであります。
#68
○赤木正雄君 全額国の補助にいたしましても、地方財政を成るべく幅のあるようにすると、これは理窟だろうと思います。併し仮に百億国庫で出してこれを災害復旧に充てる。こういうことがある場合に、やはりこれに対して相当の地方から金を取つて、或いは百億が百五十億の金になるかも知れませんが、百五十億の金を今使つたほうが災害をより多く復旧し得る。従つて三年の災害が或いは一年で済む、二年で済む。でありますから来年の出水期になつても災害なしに済む、こういう観点から申しますと、今地方で金を出しましても、結果そのほうが国も豊かであるし、又地方も結果において豊かである。こういうことになります。でありますから、これはいかにも親心あるような法案でありますけれども、大きな観点から見ますと、結局今までのように或る一定の金を国が補助して、その代り地方から金を取つて、今申します通り百億のものを百五十億にする。或いは二百億にする。一日も早く災害を復旧するというほうが効果があると思います。これに対するお考え如何がですか。
#69
○政府委員(小野哲君) 赤木さんのお考えも又極めて御尤もな点があると思うのであります。現行の国庫負担制度を維持するによりまして、只今のような効果の上がる場合も考え得ると思います。ただ御承知のように災害というものが、天然の現象として予知できず、且つ緊急厖大な莫大な費用が必要とされる。こういうふうな結果、天災の勃発は、罹災地方団体の財政に対して非常な大きな影響を與える。その結果は地方団体が起債、或いは非常予備金の設定とか、先程の説明の際に申上げましたように高率課税をやらなければならんというふうなことで、常にこの問題については脅されておるというのが偽らない現状でございまして、地方団体からも、赤木さんもかねて御承知のように全額国庫負担制度を設けて呉れるようにという要望もございまするし、将又シヤウプの勧告に基きましても、この趣旨が十分に主張されておりますような点もございますので、政府としましてはいろいろの批評なり、或いは御意見等もあることは重々承知はしておるのでありまするが、昭和二十五年度に限つて予算を全額国庫負担の分として計上し、又シヤウプの勧告をも尊重いたしましてこの制度を実施して参りたい。で、この実施状況と地方財政のあり方等と睨み合わせまして、更に将来二十六年度以降においても、できればこの制度を維持して行くように研究もいたしたい。かような心組を持つているのでありまして、赤木さんの御指摘になりましたような考え方も一方においてあり得るということは私も承知いたしておる次第でございます。
#70
○赤木正雄君 今災害は不可抗力のようなお話でありましたが、それは今までは、災害を受けるような状況に置かれてあつた。いわゆる治水問題にいたしましても、事業がしてなかつた。でありますからしてこれは災害を受けるのが当然だ。完全な事業をして置くならば災害は受けないのでありますからして、災害を今不可抗力と考えるのは、これは時代がもう大分遅れておるのでありますからして、若しもこういう全額国庫補助をするそれ程の金があるならば、今次官のお話の通りにその金の一部で以て、再び災害が起らないように、根本の施設をなさつたほうが、より国としても、地方としても、又中央といたしましてもそういう根本の施設をされる場合には金が多くなれば……、実際我々地方に参りましても随分災害には無理な仕事を要求しております。でありますからしてこれは根本の事業をなさるならば河川でも道路でもよいですよ、そうするならば地方といたしましても災害をむしろ引込める、そういうこともあり得ると私は思うのであります。でありますからして金が少しでもあるならば、全額の国庫補助をされるよりも、その金を以て根本の措置にお使いなさい、この方が災害を根本的に防ぐという結果になると思います。でありますからして今後そういう方針にお金を持つて行かれる方法はないですか。
#71
○政府委員(小野哲君) この問題についてはむしろ土木方面につきまして直接所管をいたしております建設当局から御答弁申上げる方がよいかと思いますが、只今お話のございましたように、災害が起つてこれの復旧をするということだけで、追かけ引かけ次の災害が起ることに対して根本的な防除の処置が講ぜられないということは誠に遺憾なことでありまして、赤木さんの仰せになりましたように、根本的な災害を減らす方途に行くべきであることは誠に同感でございます。政府におきましてもお説のような考え方を以て今後共更に研究を進めて善処して参りたい、かように考えておりますが、尚建設所管の事項につきましては、建設当局から御答弁を申上げたいと思います。
#72
○政府委員(目黒清雄君) 今のお説には同感であります。我々としては災害復旧費はこの法律にもあります通り原形復旧が原則でありまして、これを復旧いたしましても、一種の膏薬張的なもので災害が起らんというようなことが保証できん形なんであります。でありますからできるだけこの予算は査定を嚴重にいたしまして、その剩余金を以て恒久的な対策の方に廻したいというのが我々の念願であります。従つてこの第三條におきまするいろいろ適用除外の條項がありまするが、この條項を嚴重に査定の基準といたしまして、或る程度災害費を少くし、その剩余金は一般改修、砂防の方に持つて行くべく我々の方も努力したいというつもりでおります。
   〔委員長代理中川幸平君退席、委員長着席〕
#73
○赤木正雄君 先程もちよつと質問しかけたのですが、今まで国の補助のあつた場合には、中央から或いは一時銀行から金を借りるとか、そういういろいろな便法を以て直ぐに災害復旧に掛つておるのでありますが、今度全額国庫から金を出すということになつて、直ぐそういう仕事に着手するということに多少支障を来さないかと考えるのでありますが、これは御承知のように土木事業は、いわゆる時間が金なのであります。時間と金と両方で初めてできますから、今仮に全額国庫の補助といたしましても、この金をお拂いになる時期が遅くなると、もう夏が過ぎて直ぐ冬になりますからそこに今までと違つた欠陷が起りはしないか、これに対しましてどういう処置を考えますか。
#74
○政府委員(小野哲君) 全く御尤な御質問でございます。これは昨年起りました相次ぐ台風の場合においても、私共身を以て経験をいたしたのであります。従いまして只今お話になりましたように、支出の時期等がずれるというようなことになりますと、折角の復旧の資金が、活きて来ない場合が起つて参りますので、さような場合におきまして、繋ぎといたしまして、緊急な措置を講ずるようにいたして行かなければならないものと存じます。この問題についても政府は昨年遭遇いたしました災害の実例に徴しまして、又これの教訓によりまして今後とも、かような場合におきまして、将来災害が発生いたしますような場合において緊急措置を取り得るように研究をいたして参りたい。かように考えておるのであります。
#75
○鈴木直人君 赤木さんの質問に関連するのでありますが、問題は災害については国が全責任を負うものであるという建前を取つた以上は、その責任を持つ災害については少くとも全部について国が責任を持たなければならんようになるわけです。ところが、この予算を見ますというと、過年度分におきまして一千億を必要とするのに対して三百七十億程度しか予算が取れなかつた。又本年度におきましては当初予算として百億程度しか取れないというようなことで、国が支出する金額は少しか持つていないのに、災害について国が全責任を負うというようなことは地方団体に対して国が全責任を負うといいながら、実際においては責任を負うていない。こういうことになるわけです。そこで仮に百億という場合に、国が百億を負担し、そして自治体がそのうちの五割とか、或いは三割とか二割というものを負担するというふうな建前を取るならば、ここに百数十億の事業ができることになるわけです。そこで赤木さんの質問の通り、国が災害については全責任を負うのだという以上は、やはり災害全部に対して、国が予算を計上して、その責任を果すべきだと思うのです。ところが、これではその一部にしかなりません。それならば、その災害全体に対しての責任は持ち得ないわけであるから、地方団体から見るというと非常にそこに遺憾な点があるわけです。こういう場合には地方団体としては国には到底依存できない。三百七十億以上は依存ができないのであるから、それ以上は起債なりによつて自分自身の力によつて、それに附加して災害の復旧を速やかにしようという考え方を持つのは当然なことと思います。従つてこの全額国庫負担という法律は、非常に地方団体のためにいい法律であるように見えるけれども、併しながらその内容として、その必要とするところの予算を全部持つということについて異議がある。その四分の一の予算しか持つておらない場合において、自治体がそれ以上、国が責任を持つ以上に金を支出して、自分達も一緒にやりたいというような場合にも、それはいけないというような方針を取るだろうと思うのです。そうしますと、実は地方自治体の意向を踏みにじるようなことになりますので、その場合に地方自治庁は、国が責任を持つてやるべきであるけれども、それでは十分できないから、自治体も幾らかやりたいという場合にはそれを許可するのであるかどうか。そして起債等の場合においても、それを許可することになるのか、国以外に災害復旧をしてはいけないのだ、而も予算はこれしかないのだ、こういう建前のものであるかどうか、その点をお聽きして置きたいと思います。
#76
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。鈴木さんのお話では、この制度はいわば看板通りに行くまいというふうなお説のようでございますが、考え方によりましては、そういうふうな感じを受けないこともないと思います。併しながら地方自治体の財政の現状から申しますというと、この種制度をとることによりまして、地方財政上のいろいろの欠陷が大幅に緩和されるものであろうという見込を持つておるのでございます。ただお話になりましたような場合において、例えばこの災害と申しましても、公共土木施設の、而も天然災害に限定されておりますような関係上、全部漏れなく全額国庫負担の対象にするという建前にはなつておらないために、地方団体において、その單独事業として災害復旧事業を起したいというふうな場合が起るであろうと思うのであります。さような場合におきましては地方債の運用の点におきまして考慮いたしたい、かように考えております。
#77
○鈴木直人君 地方行政委員会との連合委員会はこの程度に一つ打切つて頂きたいと思います。
#78
○岩崎正三郎君 結局今二人の委員の質問のように、杓子定規にかように全額国庫負担をやるということは、災害復旧を遅らせるという結論になりはしないか、結局こういうことを考えて、二十五年度の、これは一つの試案であるかのごとくにも承つておりますが、折角やるならば今年度は仕方ないのですけれども、来年度はとにかくこの際災害復旧は全部とまではいかなくても、九割ぐらい復旧するという予算を得るだけの確信がなければ、私はこの全額負担もどうかと思うのですが、その点について多少のお考えがありましたら……。
#79
○政府委員(小野哲君) 岩崎さんからの御意見も又御尤もな点があると思うのでありますが、この全額国庫負担制度につきましては、いろいろの立場において御批評を受けておるようなわけでございますので、本年度においてこの特例法によつて実施いたしまして、その間地方公共団体側からの意見も更に出て参るであろう。又この制度の運営につきましても尚一段と改善を要する点も起つて来るのではないかと存じますので、只今の御意見を拜承いたしまして、政府が今後研究いたします場合に参考とさせて頂きたいと、かように存じます。
#80
○岩崎正三郎君 丁度この災害復旧の問題が出ておりますので、この際河川局長でも誰方でもよろしうございますが、地方においては河川が、河底が上つてしまうために冠水地帶がどんどん多くなつてしまつて、排水機をかけてやらなければ、米が穫れないという実情が方々に出ているのです。そこで私共はそういうふうに河底が隆起してしまつて砂防工事が不完全なために、河床が隆起してしまつて田畑が荒される、田が冠水してしまうということは、これは私共は或いは一つの災害じやなかろうかと思うのです。そして災害は全額国庫負担で、冠水問題も全額負担で解決して貰いたいということを農林大臣なんかにも聞いておるのでありますけれども、序でにこの際にそういうものを河川局長あたりは、災害と認めるかどうかということを一つお聞きしたいのですが。
#81
○政府委員(目黒清雄君) 自然的なる土砂の流出により河床が上昇したということ、或いはそれが水田に災害を来たすというような場合、或いはそれでなくとも相当堆積土砂があつて、川の流水量に相当変化が来るという心配のある場合、いろいろあるのですが、これは結局上流の砂防工事の遅れたためであります。これに対する、これを査定の対象にするかどうかというのは我々の仲間でも相当問題があるのです。今の場合法律によりますと「原形に復旧」というふうになつておりますので、それが一度に急に土砂が堆積したというなら原形がはつきりいたしますので、これは原の形に直すことは考えられるのですが、それが長年、毎年毎年少しづつ変化して来たというときには、原形の捉え方が非常に厄介なことでありまして、又災害が、これが災害である、河床の隆起がこれだけになつたという証拠の材料がありませんので、これはなかなか問題が複雑になつて参ります。その場合にはやはり一般改修なり、いろいろな砂防工事なりによつてこれをカバーして行くという方法をとるより外ないと思います。
#82
○委員長(木内四郎君) 念のために伺つて置きます。第二條の一項は「負担することができる」と書いてありますが、二項には「免除することができる」と書いてある。事業費の全額を、或いは衆議院で直したところによると、そのこえる金額の三分の二の相当する金額を加えた金額を負担することができるんだけれども、予算がない場合には予算の範囲内でしか負担をしないという意味ですか、ここに「負担する」と書かないで「負担することができる」と書いてあるのはどういうわけですか。
#83
○政府委員(小野哲君) 只今お話のような考え方で予算の範囲内においてやることができる、こういう意味であります。
#84
○委員長(木内四郎君) そうしますと災害復旧事業に対する全額国庫負担という看板はかけてあるけれども、これが地方公共団体又その機関が施行するものについては、その事業費の全額をその事業費に予算の範囲内において負担するということで、全額負担するということではないのですな、そこをはつきりして置きたい。
#85
○政府委員(小野哲君) 全額を負担するという建前は変りがないのでありますが、ただ無制限にこれを負担するというわけに参りませんので、従つてその内容といたしましては予算の範囲内ということを含んでおる。こういうふうに御解釈願いたいと思います。
#86
○委員長(木内四郎君) 予算の範囲内ということになると、例えば五千万円あれば、そのうち三千万円しか負担しない、三千万円はそれを施行したところの或いは管理したところの地方公共団体、又は維持管理に当るところの機関の負担にすることはあり得るのですな。
#87
○政府委員(目黒清雄君) 予算の範囲内で当初取り上げましたところは全額負担する。
#88
○委員長(木内四郎君) それでは……。
#89
○鈴木直人君 ちよつと、そうしますと予算というものを先ず頭の中に置いて、その範囲内において認定をして、それは当然負担しますが、それ以外にも災害ということがあり得るわけです。災害はあるわけですが、予算から見るとそれきり負担できないということであつて、それから漏れたものについては、これはやはり国がやるという建前なんだから、それはその次の年度なり、その次の年度においてまあやるということになるので、それから漏れたところの地方公共団体はこれは可哀そうだ、自分でもやれない、国がやるといいながら国もやれない、こういう場合に、さつき赤木さんの言われたように、何かこの地方団体においても、特別の工夫をするというような形において、やはり国の或る程度の補助も貰うというような形においてまあやるか、或いは立替えてやつておるが、何かしないというと、非常にそこに何というのですか、負担するということを言いながら、ちつとも負担しないということが起つて非常に迷惑がかかつて来る。それをどうするかということを申上げておるわけです。
#90
○政府委員(目黒清雄君) 過去の災害の取扱い方は大低予算が非常に少いのでありまして、そうかといつて災害復旧工事をその予算の範囲内で縛るということはできない。府県としては止むを得ずいろいろの金の工面をいたしまして、予算以上の仕事をやつて来るのであります。それは事実でありまして、それを認めないわけには行かないのであります。それで我々といたしましても予算が少し関係上、災害が起りました場合に或る程度の応急的な仕事はどうしても事前施工を認めなければならない。そういう取扱はしなくちやならないのではないかと考えております。従つてその金の捻出は、或いは地元の一応の立替によるか、請負の負担になるか、或いは起債の手にすがることができるかというようなことがありましようが、いずれにいたしましても応急的な仕事は事前にやることを認めなければならない。こういうふうに考えます。
#91
○鈴木直人君 小野さんにお聽きしますが、今局長が言われたようなやり方をやることが地方財政法上許されるわけですか。予め仕事をやつたものについて、その後になつて国が財政的負担をするというやり方は、法律で特別にあれば別ですが、そうじやない場合にはそういうやり方が認められるようになつておりますか。
#92
○政府委員(小野哲君) 只今の鈴木さんの御質問は、地方財政法の趣旨から申しますと、やや妥当を欠くことになろうかと思うのでありますけれども、止むを得ざる措置として特別な扱いをしなければならないような場合には該当するのではなかろうかと、かように考えております。
#93
○委員長(木内四郎君) 念のためにちよつと伺つて置きたいのですが、さつきのお話だと、シヤウプ勧告によれば、災害の復旧というものは全額国庫で負担して、みずから担当してやるべきだというようなことが書いてあつたように思うのですが、又政府もこの法法案を出される趣旨は、災害復旧事業は全額国庫で負担してやろうという建前のようですが、併し今の御説明を伺うと、予算の範囲で縛られているのだから、災害復旧事業の予算の範囲内に入るものは国庫で全額負担するが、その他の部分は当然法令によりこれを維持管理するところの地方公共団体又はその他の機関がやるので、災害全部について国庫が負担するという意味ではないでしようね。そこを明らかにして置きたいと思います。
#94
○政府委員(目黒清雄君) この法律は今の二十五年度の臨時措置でありますが、我々のところでは以前から災害に対しては三分の二補助をするという法律があるわけであります。でありますから、若しこれが一年で立消えになりましても元の姿に戻る。その法律が生きて来るということになりますので、三分の二はさようの場合補助できることになるわけであります。
#95
○委員長(木内四郎君) 言葉を換えて言えば、全額負担するものは負担するのだ。併しその他のものについては負担しないものもある。あなたが今言われたような従来の取扱で三分の二の補助は行くのだから……。こういうことですね。
#96
○政府委員(目黒清雄君) ええ。
#97
○鈴木直人君 それは二十五年度についてはそうは行かないと思う。やはり全額国庫負担以外には途がなくて、それ以外のものも三分の二の補助でやるということは、予算も取つておりませんし、それは国から三分の二を補助するということは予算もありませんし、事実上それはできない。そこで今の問題は、そうではなくして、その予算以外のものについては、地方団体がどうしても止むを得なくてこれは工事をしなければならんというようなことがあつた場合には、黙認して工事をして貰つて置いて、後からその次の年度あたりに過年度の工事として認める便法もあるという言い方なんですか。これもなかなかこれは一度工事をしてしまつた後では法律でもあればやり得るけれども、それは非常に不可能なことだと思うのです。従つて結局それは三百七十億と同じように、過年度の事業について又新しく予算を取つてやつて行くということ以外には方法は私はないとこう考えておるのですけれども、併しながら地方団体自身が百億の予算は配当して貰つた。併しながら後は又百億ぐらい地方団体自身が何らかの方法で一つ起債なり、そういうような方法によつて二十五年度の分は仮に二百億ぐらいの災害復旧をいたしたいという希望があつた場合に、その分についての財政的な起債を許すとか、或いは金融の世話をするというようなことでそれを認めるということができるかどうかということを私は先程から聽いておるのであつて、今局長が言われたように、全額国庫補助で、国庫が補助した以外のものについては三分の二で以て国が又補助するというようなことは、少くとも二十五年度においてはあり得ない。こう思つておりますが、如何でございますか。
#98
○政府委員(目黒清雄君) 二十五年度におきましてはできないのであります。この予算が縛られておりますので国庫補助以外の三分の二の補助はできない。結局二十六年度以降においてそういう形になる。二十六年度以降の形においては別な補助、或いは法律が認めるかも知れませんが、別な形になつて行くということであります。
#99
○赤木正雄君 十五万円以上の工事に対しては予算の範囲において三分の二全部国庫が補助する。今承わるところによれば、現在の復旧の規程では一ヶ所に対して幾らの金を国庫の補助の対象にしておりますか。最低ですよ。
#100
○政府委員(目黒清雄君) 現在は七万五千円で査定しております。
#101
○赤木正雄君 そういたしますると七万五千円から十五万円、その間の各災害個所ですね。それはどういうことになるのですか。二十五年度の災害は。
#102
○政府委員(目黒清雄君) 大体それは個所は相当多いと思いますが、全額にいたしまして災害総額の二%前後だと思います。
#103
○赤木正雄君 その二%のものはそうすると三分の二の補助も貰えないし、又全額の国の補助も貰えない。放置して置かれるものなんですか。どうなんですか。
#104
○政府委員(目黒清雄君) その場合に七万五千円で査定いたしましたものが、これは二十五年度は災害は余りありませんが、二十五年度以前の金額の査定につきましては再査定をやつて、それが物価の関係でありますが、十五万円以上のものにつきましては再査定の結果取上げる場合がありますが、二十五年度の七万五千円は結局取上げる機会がありませんで、二十五年度においてはこれは施工は見合わして貰う。こういうことになります。
#105
○赤木正雄君 要するに、この法案の結果として一部国の補助を貰つて事業のできるものは国の補助を貰えない。従つて仕事も地方としては放置して置く。こういう結果になるように思うのですが、如何ですか。
#106
○政府委員(目黒清雄君) その場合で地方がこれをやりたい。どうしてもやるという場合には国庫補助がありませんので、地方の單独起債というようなもので一応地方がこれをおやり願う。こういうことに相成つております。
#107
○赤木正雄君 地方は財政的に困つておるのに、單独起債までして災害復旧をやるような殊勝な地方は先ず少ない、実際の場合は……。今までの三分の二の補助、この三分の二の補助を全額国庫補助にして欲しいというのが私の長年の要望だつたのです。さつきも政務次官がおつしやつたが、そういう状態でありますからして、一部のものは、成る程三分の二が全額国庫の補助になつた仕事もありますが、先程申したように、その数はよし僅かにいたしましても、とに角一部の仕事は先ず国の補助を今までは貰えたものが、今度は貰うことができない、こういう結果になると見て差支えありませんか。
#108
○政府委員(目黒清雄君) この法律の建前から申しますと、本年度においては国庫補助はできないことになります。
#109
○赤木正雄君 先程申した通りに、僅かの災害でも、それを復旧してこそ、始めて大きな災害を防ぎ得る、これは事実です。そうしますと、僅かの災害で、今までそれが国庫の補助を得て仕事ができたものが、この法律の結果、国庫の補助が貰えない。従つていわゆる国が災害をますます助成しておる、こういうふうになりますが、どうですか。
#110
○政府委員(目黒清雄君) それは今金額にいたしまして二%でありまするが、二%の金額が非常に災害を助長するということになりますか。それよりも我々の心配いたしておりますのは、まだ災害復旧費は二十五年度は、来年やつても三〇%程度しかできない。その後のものを放置して置く方が我々は非常に心配なのであります。二%というと、大体額にいたしましても、本年度分といたしましては非常に少いのであります。でありますから、それが災害の原因になるということは申上げられませんが、現在の形では、残つておる災害が非常に多いということの方が、将来災害の起る原因になることの方が多いと思います。
#111
○赤木正雄君 全額国庫の補助にしないでも、三分の二の国の補助を與えれば、後の三分の一は地方が起債とか何とかで、それでとに角仕事ができる。併し尚三分の三を国が出す結果、今申しました通りに、仕事ができないで放置されるものが結果としてできる、こういうふうに見得るのであります。でありまするからして、今河川局長は、災害を成るべく早く未然に復旧するとおつしやいますが、復旧する点は、成る程地方自治体の財政には、全額国庫の補助と、三分の二の国庫の補助とでは違いますが、復旧そのものには何ら差異はない。ただ一部の仕事は着手しないで残るという結果になる。それに対する政府のお考えは如何ですか。非常に矛盾があると私は思います。
#112
○説明員(中田政美君) 赤木委員のお話の点は、確かに御尤もの点があると思いますが、併しながら従来の災害復旧の地方の負担を総括的に見れば、何といつても三分の一は大小の工事を問わず負担するわけでありまして、その点からすれば、全体の災害復旧費の三三%は負担しなければならん。勿論これは預金部の資金の起債を認められて、長期に亘つて償還するわけでありますから、その年度の負担というわけではございませんが、いずれにしても三分の一に関しては地方の財政の負担になることは明瞭なのであります。ところが只今も河川局長から申しました通り、十五万円以下の工事は、おしなベて全体の工事の二%程度と申しますれば、それをまるまる負担いたしましても、三分の一の全体の負担に比ベれば、地方の財政的見地から言えば、極めて負担が軽減されるわけでございまして、従いまして感情上から見れば、補助のない工事は如何にも見捨てられた感じがいたしますが、その工事の緊要性ということを見るならば、全体の財政上緩和されたわけでございますので、小さい工事と雖も、只今お話のように、災害防除の観点から緊急必要なものについては、府県なり或いは市町村の單独起債で工事を施行して頂きたい。又我々もそれを望んでおるわけでございまして、その点は地方財政の大きい意味の軽減という観点の下に、小さい工事も見捨てないようにやつて頂く、こういうことを我々は望み、又指導して行きたいと考えております。
#113
○赤木正雄君 地方が單独でやる、そういう仕事に対しては、今後は起債は認可を與えられるのですか。
#114
○政府委員(小野哲君) お答いたします。
 今のような場合におきましては、地方債の発行を許可いたしたいと思うのでありまして、尚債務償還費に関しましては、近く御審議を煩わしまする地方財政平衡交付金の中で、適当に算定をいたすような段取にいたしておる次第でございます。
#115
○赤木正雄君 そういうものに対しても、起債の認可を認めたいという御方針と拜聽いたしますが、それならばこれと関連しまして、地方で維持修繕費を出す、こういうものに対しては、これは災害を未然に防ぐ重要な仕事と思います。でありますから、当然これに対しても起債の認可をお認めになるベきだ。私はこれは長年の主張なんです。併しこれに対しては、国の補助がないから起債を認めないということが今までの方針になつております。併し今のお話ならば、こういうものに対して今後は起債の認可をお認めになるのですか。
#116
○政府委員(小野哲君) 赤木さんの御質問は誠に御尤もだと思つておりますので、政府といたしましては、さような場合において起債を全面的に認めないというのではなくして、状況によりましては詮議していいのではなかろうか、かように考えている次第であります。
#117
○赤木正雄君 今までそういう維持修繕費に対して、起債の認可をお認めになつた事実はありましようか。私はあまりないと思います。仮にあつてもなくてもいいのですが、今次官の御趣旨に従いまして、是非起債の認可を認めて欲しい。そうされないと、一方においてそういう小さい災害に対しても起債の認可、而もこれは單独の起債として認可を認めていながら、維持修繕に対して尚重要な仕事の認可をお認めにならんということは、非常にこれは片手落でありますから、是非共そういうものに対しても特に御考慮を願いたい。
#118
○鈴木直人君 この第二條に列挙されたものの中には例えば学校の建築とか、そういうふうないわゆる公共団体が持つておる建築、管理している建築物、これに対するところの規定がないのでありますが、例えば義務教育費の六三制、いわゆる小学校、中学校等において、そういうのが災害に遭つたというような場合には、従来は農林省で取りまして、或る程度の補助があつたと思います。これになりますというと、災害復旧は全部国が負担するということにおいてそうしてその中に列挙されていないものは、国の負担がないということになつてしまうというと、公共団体の建築物等についての災害復旧の国の負担というものは、全然なくなりますか。
#119
○政府委員(小野哲君) 只今の御質問にお答えいたしますが、この法案といたしましては、第二條に掲げてありますものが対象に相成つておるのでありますが、只今お話になりましたような学校、病院その他の公共施設等につきましても、国庫補助金の交付の制度がございますので、来年度におきましても、来年度と申しますか、この制度の建前を継続して参りたい。尚将来の問題に対しましては、篤と研究いたしまして、全額国庫負担の対象に引上げて行き得るならばその方向に持つて参りたい。かように考えております。
#120
○鈴木直人君 シヤウプ勧告案によれば、ここにもある通り、公共団体の負担すベきものは全部国庫が負担するというような建前からして地方税も打ち建てられ、平衡交付金もそういう建前から決定しておるのであつて、私の了解しておるところでは各省のあらゆるものについて学校建業、或いは農林省関係において従来災害復旧として国が幾分の負担をしておつたものについては全部この法律に盛られて、そうして全部が国庫負担になるんだとこういうふうに実は了解しておりましたのですが、実はそうではなくしてこの第二條に列挙されていたものだけはこれは国が負担する、而も予算の範囲内において国が負担する。併しながらその外においては相当沢山のものが従来の例によつて災害が生じた場合において、或る程度の国庫の補助ができるようになるにも拘らず、いわゆる併立主義になつておるのだというお話でありましたが、そういうふうに考えていいもんですか。そうしてそういう場合にはこの法律以外によるところの災害の国庫負担分についての予算は百億以外にとつてありますか。
#121
○政府委員(小野哲君) 只今の予算につきましては、百億の中に包含されて計上されておる、こういうことに相成つております。
#122
○鈴木直人君 先程の説明によりますと、第二條に列挙されておるものとして百億が二十五年度分として計上されておるように聞いておるのでありまするが、それはそうでなくして百億というものは二十五年度に起るベき災害に対するところの一般の国庫が負担すべき総額であつて、そうしてその一部としてこの法律が施行されるものであるとこういうふうになるというと、九十億とか、八十億とかいうようにこの法律によつて国が負担すベきものが少くなつて来る。そうして文部省等においていわゆる学校建築なんかに対する補助、或いは農林省等において一部補助するというような規定が適用されるというようなことになると、なんだかその点が曖昧になつて来るのですが、内訳はどうなつておるのですか。この法律の施行分としては百億のうちのいくらになつておりますか。
#123
○委員長(木内四郎君) 鈴木委員に申上げますが、先程もこの農林関係その他の災害、この第二條の関係で質問があつたんですが、これについてはいずれ国務大臣から御答弁があるということになつておりますが……。
#124
○鈴木直人君 国務大臣はいずれ又……。
#125
○委員長(木内四郎君) その点若し……。今更に学校関係等がありましたですが……。
#126
○鈴木直人君 それは責任じやなくて、内容の実質を明らかにしたいのですから、むしろ国務大臣よりもよく分つておるものに答弁して貰いたい。誰でもいいです。
#127
○政府委員(小野哲君) 鈴木さんの御意見は御尤もで、我々も実はこの法律案に考えております土木施設以外の公共施設として、例えば先程もお話がございました林道とか、或いは水利灌漑施設であるとか、又は学校、病院というような公共施設につきましてもできるだけ、できればその一部でも全額国庫負担の対象に引上げて行きたいとこういうふうな考えで以て研究を進めて行きたいと思つておるのでありますが、本年度の予算として計上されておりますものは本年度に発生すべき災害を対象としておりますので、只今からこの内容についてどれくらいの部分が、どれに該当するかということを明確に申上げることは困難であろうと思うのでありますが、この点につきましては尚将来災害の発生等の場合におきまして、この予算を運営する場合におきまして、十分に研究もいたしたいと思いまするが、将来の問題といたしましては先程来御質問のございましたような施設について更に研究を進めて参りまして、この全額国庫負担の実施状況、或いは地方財政の状況等と勘案いたしまして取扱つて参りたいとかように考えておる次第であります。
#128
○鈴木直人君 今政務次官の言われる内容についてはよく分りましたが、ただ全額国庫負担によるところの法律を施行するために実は本年度は百億だけの予算が計上されておるのだと今まで考えておつたのですけれども、それ以外の分までも含まれておるとこういうふうに今説明あつたのですけれども、そういうふうに解釈していいですか。
#129
○政府委員(小野哲君) 予算案の審議の際における御検討を願つたことと思うのでありますが、本年度の予算に計上されておりまする百億円は昭和二十五年度に発生すべき災害を対象としたものでありまして、言わば予備金と申してもいいかと思うのでございます。
#130
○赤木正雄君 もう一つ……。全額国庫の補助になりますと、それによつて各自治体が非常に助かるわけです。さつき政府御当局のお話では小さい災害に対しては自分でそれを復旧するだろうと、これは非常に善意に解釈された場合で、私はむしろ全額国庫補助になれば、なるべく災害の復旧は自分ですべきものは尚更放棄して、或いは二十六年にどういう法案が出るか知りませんが、やはり全額国庫補助のような法案が出るような予想を以て仕事を放棄するとこういうものが多分にありはせんかという懸念がいたします。それにつきまして私が先ず望みたいのは、現在災害を受けていながら、そういうふうに国の補助がないために放棄しておるもの、これは先ず以てお調べになつて置かなければならん。それを全然放棄して置いて次年度に災害を受けた場合には、これは将来どういう法案が出るか知りませんが、同じように全額国庫補助というような、そういうことをお避けになつて、あらかじめそういうお考えをお取りになつて置くべきだろうと思います。同時にその災害じやなくても、維持修繕の場所に対しても、維持修繕のある場所はあらかじめお考えになつて置いて、それを維持修繕しないために災害が大きくなつて、そうして将来巨額の災害復旧費を要するというような場合には、これはやはり今までと同じように平等に災害国庫補助を與えるものか。余程これは御検討をなさるべきじやないか。それが至当と思いますが、これに対して何かお考えがありましようか。
#131
○政府委員(目黒清雄君) 今の赤木さんのお説には我々も非常に賛成なんでありますが、この法律の三條には維持工事となるべきものは除外になつておるのです。国庫補助の……。で将来こういうことを、維持工事を怠つたために災害が起きたというものに対しては国庫補助をしないというような、二十五年度はそうなつておりますが、これをどの程度まで嚴正に査定するかということが残されておるのでありますが、非常に今度は実際問題としては或る程度嚴格にやらなくちやならんと思いますが、今のように府県の維持費が非常に足りないというような現状におきましては、これを強制的に維持費を計上せしけるという手段を講じさせなければこれは解消しないと思うのでありまするが、本年はこれに対して、一応府県に対しては或る程度勧告はいたしておるのであります。相当維持費を計上しろと、維持が不完全なために起つた災害は将来災害の査定としては除外されるかも知れん、その可能性が多分にあるということを今忠告しておるのであります。実際問題としてそれをどの程度まで嚴正にやるかは実際に見ないと分りませんが……。
#132
○赤木正雄君 それはさつきから私が申上げた通りに、府県の維持修繕に対しては国の起債が認められておらなかつた。これが大きな原因であります。併し今後そういうことも余程お考えになるらしいからして、そのことを特にお考え願つて、国が起債を認めるということならば、余程維持に対する点も違うと思いますが、それは余程政府としてお考えになれば、その点は余程今までのような困難さがなくなると思います。
#133
○委員長(木内四郎君) 他に御発言がなければ……。御質問がなければ連合委員会をこの程度で打切ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。では連合委員会は打切ることにいたします。ではこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会
 出席者は左の通り。
  大蔵委員
   委員長     木内 四郎君
   理事
           黒田 英雄君
   委員
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           平沼彌太郎君
           小宮山常吉君
           藤井 丙午君
  地方行政委員
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           堀  末治君
           竹中 七郎君
   委員
           吉川末次郎君
           黒川 武雄君
           山田 佐一君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           濱田 寅藏君
  建設委員
   委員長     中川 幸平君
   理事
           岩崎正三郎君
           赤木 正雄君
   委員
           佐々木鹿藏君
           安部  定君
           久松 定武君
           北條 秀一君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   建 設 技 官
   (河川局長)  目黒 清雄君
  説明員
   総理府事務官
   (地方自治庁監
   理課)     鵜澤 克郎君
   建設事務次官  中田 政美君
ソース: 国立国会図書館
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