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1949/04/30 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 地方行政・大蔵・文部連合委員会 第1号
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1949/04/30 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 地方行政・大蔵・文部連合委員会 第1号

#1
第007回国会 地方行政・大蔵・文部連合委員会 第1号
昭和二十五年四月三十日(日曜日)
   午前十時二十六分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
  地方行政委員
   委員長     岡本 愛祐君
   理事      吉川末次郎君
   理事      堀  末治君
   理事      岩木 哲夫君
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           山田 佐一君
           林屋亀次郎君
           木内キヤウ君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           米倉 龍也君
           濱田 寅藏君
  大蔵委員
   委員長     木内 四郎君
   理事      波多野 鼎君
   理事      黒田 英雄君
   理事      伊藤 保平君
   理事      九鬼紋十郎君
           天田 勝正君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           平沼彌太郎君
           櫻内 辰郎君
           油井賢太郎君
           小宮山常吉君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           藤井 丙午君
           板野 勝次君
           川上  嘉君
           木村禧八郎君
           太田 敏兄君
  文部委員
   委員長     山本 勇造君
   理事      若木 勝藏君
   理事      藤田 芳雄君
           河崎 ナツ君
           河野 正夫君
           岩本 月洲君
           岡崎 真一君
           小野 光洋君
           西川 昌夫君
           大隈 信幸君
           竹中 七郎君
           星   一君
           梅原 眞隆君
           來馬 琢道君
           西田 天香君
           堀越 儀郎君
           三島 通陽君
           岩間 正男君
           鈴木 憲一君
 ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政平衡交付金法案(内閣送
付)
  ―――――――――――――
   〔岡本愛祐君委員長に着く〕
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政、大蔵、文部連合委員会を開会いたします。地方財政平衡交付金法案の予備審査でございます。本日は大蔵委員の方、文部委員の方に主として御質疑願います。
#3
○木内四郎君 この内容に対して伺う前にちよつと一つ伺つて置きたいのは、最近まで標準義務教育費に対する法案が提出されるということであつたのですが、まだ提出されておりませんが、今期国会中には勿論提出されない御方針と承知してよろしうございますか。
#4
○國務大臣(本多市郎君) お話の通り標準義務教育費の法案を準備して関係方面の承認を求めておるのでございますが、まだ承認を得るに至らないでおります。それでは今明日中に承認が得られる見通しがあるかと申しますと、それについては只今のところ確信がないような状態であります。
#5
○木内四郎君 私共或いは誤解であるかも知らんけれども、何か義務教育費というのは標準的な義務教育費に紐を付けて交付しようというような考えから出発しておられるようなふうに伺つておるのですが、この法案の第三條の第四項によると、国は交付金の交付に当つては、條件をつけたり使途を制限してはならないというような條文も入つておるので、若しお出しになるとこの規定と矛盾するような気持もするんですが、今後においてはやはり政府では出そうという考えの下に話を進められるんですか、如何ですか。
#6
○国務大臣(本多市郎君) 従来の補助金のように紐を付けて交付するという趣旨ではないのでありまして、平衡交付金法のその精神と矛盾しない範囲内におきまして、標準義務教育費を地方をして尊重せしめるというような趣旨から一つの標準を示して、そうして特別な財政上の不可能という理由のない限りはその標準を尊重さして行きたい。その法律によつて決して地方の財政運営を拘束するという趣旨ではございませんが、どこまでもこの標準によつて財政的な特別な事情がない限りはこれを尊重する、若しそれと相違する場合には文部大臣等から地方財政委員会に勧告或いはその平衡交付金についてのいろいろな措置を要求することができると申しますが、そういつたことによつて標準義務教育費に適当な額を地方をして確保するように指導するという趣旨のものでございます。
#7
○木内四郎君 そうすると、再度に亘つて国務大臣から御答弁を頂いたのですが、その結果として今期国会にはそういう法案を出されない、今度出される場合においても、今出しておられる地方財政平衡交付金の精神及び規定と相容れないような性質のものではない。こういうふうに了解してよろしうございますか。
#8
○国務大臣(本多市郎君) 原則としてはそうなることと存じます。併し今後義務教育に対しまする法案が更に再検討されて提案される、それとの調整上どうしても平衡交付金法に何らかの改正、或いは制限を要するというようなことになりましたならば、そういう場合にはその標準義務教育費法案の附則等で適当な調整が行われるものと考えております。
#9
○河野正夫君 質問をする前に地方行政委員会の各位に対して文部委員長が御挨拶を申上げることになつておりましたが、只今ちよつと所用で出ておりますので、私代つてこの法案の非常に山積しておる際に時間をお割き下さつて連合審査委員会をお開き下さつたことに対して感謝の意を表します。更に文部委員会といたしましては昨日会議を開きまして、この連合審査会においてばらばらに余り時間をかけて我々だけのこういうような質疑を繰返すことは他の委員会の諸君に対して失礼であるというような考え方から相当質問事項も打合せて参つておりますのでその点お含み置きを願い、我々の質問は限定されておりまするので我々の質問したいと思う点だけはお許しを願いたいと思うのであります。私は十二、三ヶ條の極めて細かい点をお尋ねいたし、それを通じて全般的に教育関係の疑問を明らかにして行きたいと思うのであります。
 第一に本案の第二條の第六号におきまして測定單位のことが出ておるのであります。この測定單位の具体的な基準はどういうことろにあるかということを承わりたいのであります。
#10
○国務大臣(本多市郎君) 法案を御覧下さいますと表が出ておりますが、測定單位の記載した表がて出おりますが、十二條あたりだろうかと思います。
#11
○河野正夫君 私の承わりたいのはその表の中に、例えば教育関係についていろいろ兒童数、学級数、学校数ということも出ておりまするけれども、それに対してどういう基準で測定するのであるか、もつと具体的なことを承わりたいのであります。
#12
○国務大臣(本多市郎君) その人口数、学校数、学級数というようなものはそれぞれ地方団体から資料を提出させまして、それによつて地方財政委員会がその数を決定いたします。その單位当りの、單位費用につきましては、これは関係行政機関である文部省の意言も徴しまして、財政委員会が單位当りの費用を決定することになつております。これは本来ならば法律として置きたいのでございますけれども、本年そこまでの調査がまだできませんために本年に限り地方財政委員会が決定することにいたしております。
#13
○河野正夫君 それは私の質問の第二点に関連するお答えもあつたわけでありますが、私はこの第七條の單位費用の問題でございまするが、その具体的な基準の決定に際してこれは地方財政委員会が主として行うところでありまするが、その地方財政委員会はこの專門的な部分に対して、事は必ずしも教育にのみ止まらない、或いは厚生、労働関係のものもありましようし、産業、経済関係もございましようが、そういう專門的な事項に関して地財委が如何にして具体的な基準を決定するか、それについて何程かのはつきりした目安を承つて置きたいと思うのであります。ただ單に教育については文部省の意見を承わりますという程度であるのか、更に又これは文部省ばかりではなくして教育について言いまするならば、教育の重要な権限は教育委員会にあるわけです。その教育委員会との関係をどう考えられるかといつたようなことについて承つて置きたいと思うのであります。
#14
○国務大臣(本多市郎君) これは地方財政委員会がそれぞれ実施しておりまするが、府県市町村の教育関係の費用に関する資料を各地方団体に求めまして、それと更に関係行政機関である文部省からも意見を、資料を求めることは義務ではございませんが、当然求めることができることになつておるのでありまして、求めてそれらを資料といたしまして地方財政委員会が本年は附則で定めるということになつております。
#15
○河野正夫君 第三にお尋ねを申上げたいのは、この教育基本法、学校教育法、或いは教育委員会等を通じましてこの教育立法の根本精神は教育に関する不当なる干渉の廃除ということが一つの主要な目的になつておると思うのであります。それ故に地方に行つて見ましても例えば都道府県については知事の管轄権であつた教育を教育委員会の手に移しておるのであります。そしてもとより財政権は持つておりませんけれども、この教育委員会が教育予算については原案を作り、更に知事が異つた予算を作成する場合に、委員会の予算とその意見書とを地方議会に提出しなければならんという程になつておるのでありまして、事教育に関する限りは知事と教育委員会と二本建になつておると私は思うのであります。然るにこの第五條でなかつたかと思いまするが、本法案の第五條においてはこの單位費用の点については都道府県知事が資料を提出することになつておりまして、義務教育に関する大部分のことについての権限を持ついてる教育委員会の意見書を添付するということにしていないのであります。この点は教育の諸法規の立法精神と相反するものではないかと思いまするが、その点如何でございましよう。
#16
○国務大臣(本多市郎君) 丁度これは地方財政委員会の意見と政府の意見とが反する場合に、国会までその意見を提出して国会の最後的判断に俟つというその調整方法を採つておるのと同じでありまして、地方においても地方議会の最後的な判断というもので解決せられることでございまして、その必要がありますれば、関係行政機関でありますから、地方行政機関は教育委員会にも意見を聞くことができないわけではございませんけれども、併し余りに複雑することになりますので、知事を通じ、又知事の下、教育委員の意見もそこに反映しておるわけでありますから、知事が意見を附して地方財政委員会に提出するということで遺憾なくやれると思います。
#17
○河野正夫君 どうも本多大臣が坐つたままお答えになるのは、参議院規則に違反するのではないか、尤も委員長がよろしいとおつしやればいいのですが、そのために御答弁が甚だ明瞭を欠くのであります。議員が立つて質問をし、大臣が坐つて答えるというのも、甚だ礼を失しておると思うのであります。
#18
○委員長(岡本愛祐君) 河野君に申上げますが、この前の大蔵委員会の例によりまして、今日は着席のままお答えを許したのであります。明確に御答弁を願います。
#19
○国務大臣(本多市郎君) 質問される方が立つておられると、私も恐縮いたしますから、質問する方が立つなら、私も立つてやることにいたしますが、委員長から今日は坐つてやれというお話ですから……
#20
○河野正夫君 質問を続けますが、只今のお答えでは甚だ不十分であります。都道府県知事が資料を提出する場合に、教育委員会の意見書を添附しなければならないということになつておれば、事は明瞭であります。ところが地方において教育委員会と都道府県知事とが、財政的な問題について対立しておるような場合、この場合に教育委員会の意見書を添附しないのが普通ではないか。そうして地財においては、主としてこの都道府県知事の資料によつて審査するということに当然なるわけであります。この点について、文部大臣の御意見と本多国務大臣の御意見と、いずれも承つて置きたいと思うのであります。
#21
○国務大臣(本多市郎君) 只今お答えいたしました通り、その意見が知事の意見でございます。知事の意見が当然議会等でも聽取され、更に常に地方団体内の教育委会員と連絡しておることでございますから、知事の意見一本にして資料を提出して貰うということで、教育委員会の意見が無視されるということにはならないと、こう考えております。
#22
○河野正夫君 只今の御説明は、もつと堀り下げると、内務省の地方行政一元的なあの時代の考え方を、国務大臣はまだどつか頭の隅に持つていらつしやるのではないか、こう思うのです。事教育に関する限りは、いわゆる教育委員は、これは教育知事とも呼ばれるくらいに自主性を持つておるものであります。勿論財政については、根本的には知事が只今のところは、遺憾ながら権限を地方議会と共に持つておるわけでありますけれども、併し地方議会に提案する場合でも、教育予算については、教育委員会と反する予算を出す場合には、その意見を求め、意見書を添付しなければならないことになつておるのであります。この原則を、特にこの平衡交付金支給等に当つての、單位費用の計算等においては貫く必要が十分にある。先程木内委員からの質問に対するお答えでも、政府はまだ標準義務教育法について、断言はしておらないし、本多国務大臣も、平衡交付金の方の伝えられるがごとき、或る種の政府の原案を修正した場合の精神と背馳しない標準義務教育法というものも考えられるようなお答えであつたと思います。そのくらいにこの法案が必要なことを考えておられる、その精神ならば同時にこの教育委員会の意見書を添附するということを規定する必要も十分にお認めになつて然るべきじやないかと思うのですが、その点如何でしようか、これは文部大臣も関連してお答え願いたい。文部大臣は、要するに教育委員会法の擁護者として、この点についてもう少し積極的な態度をおとりになる筈でありまするが、この点についての所見を承つて置きたいと思います。
#23
○国務大臣(本多市郎君) 知事市町村長の意見、これはその地方団体全体を代表した意見であると考えております。地方議会等において決定せられる前においてその団体間に教育委員会の意見、或いは理事者側の意見というものがあるでしようけれども、それはその段階におけることでございまして、この知事市町村町が意見を附して出す場合の意見は、これは理事者、議会、教育委員会等を含む地方団体全体の意向とかように考えております。
#24
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 河野さんの御意見のような点については、法律上の規定はないわけであります。併し地方長官としても教育ということは無論重大視されるでしようし、委員会としては無論自分の主張には強力に主張されることでしようから知事に対しまして、委員会から強力な要望をするというようなことは無論できるわけでありまして、ただ法律的にお話のような点が規定されておらないということは事実だと思います。
#25
○河野正夫君 その点についてはくどくなるので質問を打切りますが、本多国務大臣の御説明では、尚教育委員会法の精神も本当に御理解なさつていない点を遺憾と存じます。それから文部大臣の御説明では法案の不備をお認めになつておるかどうかということがはつきりしておらない、法案が不備であるが、併しながら運営において教育委員会が相当強力に事を行う意思を持つておる場合には、私の質問の要旨は円満に事実上解決できるであろうという希望的観測に過ぎない。それで本当に教育委員会法なり教育の自主性を尊重するというその気持を大臣が持つていらつしやるとすれば、これはこの法案の閣議決定前に十分にこの点が修正をされるように大臣の方から要求されておるべきだと思います。けれどもこれは意見ですから打切ります。
 次に第四に承わりたいのは、第十條の二項に地方財政平衡交付金については、いわゆる財政需要額を財政收入額との差額を基準として按分するということになつておるのであります。このいわゆる差額の集計が平衡交付金となるのでなくて国家予算における平衡交付金が少い場合その地方の今言つた差額の総計よりも少い場合には当然これは按分比例をされて比例配分によつて各地方団体に渡されるわけで、そういたしますると單に教育費ばかりではございません、財政需要費の中に教育費も他の経費もないけれども、それが平衡交付金が少いために結局需要費を減額して事を実施しなければならないということになり、これを教育の点について言うと教育費用が減額せられ、従つてそこに給與が減額せられるとか、兒童の教育の施設が非常に不十分にされるという可能性があるのであります。この点について地方自治庁としてはどういうふうにお考えになつておるか、又文部大臣としてもどうお考えになるかを承わりたい。
#26
○国務大臣(本多市郎君) この前衡交付金法に基く算定法によりました金額と、国会で最後的に決定して頂きます国家予算の上の平衡交付金の金額と、これが完全に一致するということは、なかなかそういう場合のみを考えることはできないと考えられますので、従つて差額を出しまして、その差額の交付の際には、これを按分する。かような方法を採ることにいたしておるのでございます。その結果若し少いときには、地方の財政需要が圧迫を受けやしないかというお話でありますが、若し甚だしく少い場合には、地方の教育費のみならず、全般的に経費において、それぞれ圧迫を受けることになるのでございまして、これは法の精神にも示しておりまする通り、甚だしく少いような決定は、政府といたしましても、そういう提案はいたさない考えでありまするし、国会の方でも愼重にその点はお願いいたしたいと考えている次第であります。そうした場合、特に教育費のみがひどく圧迫を受けるようになりはしないかという点でございますが、この義務教育の重要なことは、地方団体、又地方団体のそれぞれの議会におきましても十分認識しておられることでありますので、特に教育費について甚だしく圧迫を受けるというようなことは考えられないのでございます。ましてや今回の地方税法と、今回の平衡交付金が一体となりまして、普通な規模の地方行政をやるのには、財政需要に困らないという財政計画になつておるのでございますから、従来のごとく何らかの特別な地域の事情によつて給料の不拂いを生じたとかいうような問題は、今回の地方財政の確立の結果は、そういう場合は生じないと考えています。
#27
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 地方財政の状況が甚だしく困難で、平衡交付金の予算が非常に不十分であるという場合には、たしかに河野委会のおつしやつたような欠陷が教育方面、その他に起きるわけであります。併し地方財政につきましても、地方財政の状況と睨み合せてできるだけの予算、計上はするわけでありますから、地方財政の非常に困難な事情のない限りは大体妥当な計上が行われるものと思います。又地方財政などの非常に窮迫している場合におきましては、十分の地方行政費のための交付金、予算の計上ができない、河野委員の心配されるような教育につきましても、それがために相当の支障を来すということがありましても、まあ財政的にどうしても非常な困難があるという場合は、これはやはり止むを得ないことでありまして、中央財政、地方財政の状況に応じてやはり予算は計上されなければならないというところから来るかと思います。
#28
○委員長(岡本愛祐君) 皆さんに申上げますが、只今衆議院の地方行政委員会におきまして、地方行政平衡交付金法案の討論採決に入るそうでございます。それで本多国務大臣二十分程退席いたしますから、十一時になつたら退席いたしますから、どうぞその間は小野政務次官並びに荻田次長が残つております。それに御質問願います。
#29
○河野正夫君 次に第五項として測定單位を決定することを、地財委の規則に委ねておるのであります。これをなぜ法律によることにされなかつたのかということを承つて置きたいと思うのであります。本年度においても千五十、この千数百億に上る国費の支弁については相当にこれは政府若しくは国会の注目するところでなければならんわけであります。然るに地財委というのは、この法案によりますると、政府も国会の意思も入れない。全く地方団示の連合体のごときものだと解釈してもいいかと思う。この地方財政委員会によつて、その規則が制定せられ、それに基いて平衡交付金の支出が決定されて来るわけです。そこでこれはむしろその基準というようなものも、国会によつて決定することによつて、初めて国費が、地方の費用じやありません、国費が如何に支出されるかということについての国会議員の職責も盡せると思うのであります。この点を全然政府、国会の見解を入れる余地のないようにした点の理由をついでに承わりたいと思うのであります。
#30
○国務大臣(本多市郎君) 誠に御尤もな御質問でございまして、測定單位は出しておりますけれども、その單位当りの費用につきましては、これは法律を以て制定したいと政府も考えるのでございます。その單位当りの費用の算定には、最前も御質問のありました通りに、教育費についての兒童一人当りの單位費用は幾らであるかというようなものの計算に、相当の手数を要するのでございまして、それを法律に定めますことは、誠にお話の通り御尤もなことであると思うのでございますけれども、本年は法律に盛り込むにはまだ結論に到達しておりませんので、地方財政委員会において、関係行政機関、地方団会から資料を集めまして、千五十億の配分に適応するその單価を入れて行きたいと思います。地方財政委員会規則で定めて行きたいと考えております。更にこの平衡交付金の交付額の決定について政府意思が介入しないようなことになるではないかという御趣旨でございましたが、この点につきましてはでき得る限り政府意思は、意思に拘束されることなく、この地方財政委員会という地方団体の代表的性格を持つておる、独立性のあるここで責任を持つて配分せしむるということが妥当であろうと考えております。
#31
○河野正夫君 今のお答えには意見として承服いたし難い点がありますが、一人で余り時間を取るといけませんから打切りいたします。ただ念のために承つて置きたいのですが、只今の御答弁は本年度は間に合わなかつたから、地方財政委員会規則というものによつて決めると、けれども将来においては法律を以て決めるように手続をとるとこういうことを今明瞭にせられたと了解してよろしうございますか。
#32
○国務大臣(本多市郎君) その通りでございます。
#33
○河野正夫君 次に承わりたいのは二十五年度において、予算においては義務教育費総額二百四十七億というものがあるのであります。ところがこれが平衡交付金というものの交付に当つて、この法案が通過した場合は恐らくあの予算書の全文には平衡交付金にするか、義務教育費といるかは、内閣の決定によるとなつておつたかと存じますが、この法案が通過すれば当然この二百四十七億は平衡交付金の中に入るだろうと思うのであります。予算の説明書を見ても平衡交付金と括弧して書いてあるので、多分そうなると思いますが、そういたしますと、第三條ではなかつたかと思いますが、條件を附けてはならないという規定を関連しまして、義務教育費の支出が如何にして保証せられるか、二十五年度について限つて見て、この義務教育費がどうして保証せられるかということについて承つて置きたいと思うのであります。これに関連いたしますると先だつて通過いたしました平衡交付金に関する暫定、あの暫定法に附則におきまして、この平衡交付金法が実施せられるまでは義務教育費国庫負担法の規定は適用しない、併しこの法案が若しも通過いたした場合には、その附則の規定がなくなりまするので、義務教育費国庫負担法そのものは活き返るわけであります。適用を受けるわけであります。そういたしますると、義務教育費国庫負担法に基いて政府は小中学校の人件費については半額を国庫が支出する業務実、予算の面において義務教育国庫負担費というものがない。こういうことになりますると、政府は一体法に規定するところの義務を履行しないという責任をどうするのであるか。この点に関連してやはり先程お伺いした本年度の義務教育費として説明せられ、併しながら恐らく政府は平衡交付金に繰入れるであろう二百四十七億はこの法案の性質から言つて條件を附けないというに拘わらず、何とか義務付けなければならないその点の保障と更に今申上げました義務教育費国庫負担法の方が政府に負わしている義務を政府は如何にして遂行しようとするか。この二点をはつきり御答弁願いたいと思います。
#34
○国務大臣(本多市郎君) 義務教育費は市町村の責任でございまして、市町村がこの全体的な予算を適正に運営することによつて保障するのでございます。平衡交付金は地方団体に一般財源として一般財源に繰入れらりるのでありまして、特にその平衡交付金の特定部分について何費という制限はしないで、一般財源として政府も交付し、向うも繰入れるのでございます。従つて全く地方団体の自主的な運営に俟つわけでありまして、この点におきまして地方団体が義務教育費が自己の責任であるということは十分認識して適正に運営する責任があるわけでございます。それでは義務教育費国庫負担法はどうなるかということでございますが、これは標準義務教育費法案の附則で廃止することになつているのでございますけれども、若しこれが今国会で成立しません場合には廃止することの、これは適用を保留いたして置きまして、次の機会に廃止いたしたいと思います。
#35
○河野正夫君 それは法律無視になります。その次の機会に廃止するという、廃止するまではその法律は嚴格に言つて適用されなければならない。その適用を保留するという権利は政府のどこから生じて来るか。一体この内閣はしばしば法律があるにも拘わらずその法律を適当に保留したり、適用に解釈し直すくせがあると思います。今の本多大臣の保留いたします、如何にして保留する権利が生ずるか。それは法律を以てしなければ保留できないのである。その点如何ですか。
#36
○国務大臣(本多市郎君) これはお話の通りしばしばこうした問題は起るのでありまして、平衡交付金というものが平衡交付金法によつて配分され、更に予算上の財源もないことでございまして、廃止すべきものをこうした事情でその廃止が国会に間に合わないということになるのでございますから、次の年度内の国会で廃止すればいいものと考えております。
#37
○河野正夫君 もとより暫定法が通つているのでありますから、或る意味では四月までは問題は起らんと言えましようけれでも、そう事は簡單に相済まんのであります。これは意見になりますから中止いたしますが、最後にこの点に関して一つ本多大臣に注文を一つだけして置きたいと思います。と申しますのは、本多大臣は大臣であると同時に自由党に所属される議員でございます。ところがこのこういうふうな問題が起つたのは、法案の方に、いろいろ関係筋と了解に達しないで、ちぐはぐになつたということは了解いたしますけれども、一方において予算関係の法案、予算の基準たるべき法案というものが、まだ提出せられないうちに予算が強力に国会を通過してしまつたということから来るのではなかろうかと思うのであります。義務教育国庫負担費を支出するところの、政府は義務を負うていながら予算がないのでございますから、ということになつたのは、そういうふうな予算審議と法案審議との並行しない点から出て来るのだろうと思うのであります。そういう意味で、如何に多数とはいえ、国会審議をかくのごとく妙な形に追込んだ責任はやはり自由党が負わなければならぬ点が相当ある。今後そういう点につてい自由党の方々にも十分徹底するようにして頂きたいと思います。
 時間がありませんのでもう一つ私の質問をして終了したしますが、附則の八項に、「地方配付税の額等」と、こうありますが、この「等」という中には義務教育国庫負担費を含むかどうかということを承わりたい。
#38
○国務大臣(本多市郎君) 含まないと存じますが、政府委員から「等」という意味を説明いたさせます。
#39
○政府委員(荻田保君) 八項の「地方配付税の額等」の中には廃止になりました負担金等を含ますつもりでございます。従いまして義務教育費国庫負担金等も含まして出すつもりでございます。
#40
○木内四郎君 附則によりますと、交付金総額の中の十分の一に相当する額が、二十五年度二十六年度に限り経過的に特別交付金にするというふうに書いてあるのですが、その第四項によりますと、「特別交付金は、第十二條の測定單位によつては捕そくし難い特別の財政需要があること、交付金の額の算定期日後に生じた災害等のため特別の財政需要があることその他特別の事情があることに因り、交付金の額が財政需要に比して過少であると認められる地方団体に対して、当該事情を考慮して交付する。」こういうことになつているので、こういう事情は昭和二十五年度二十六年度のことに限つたことではないと思うのですが、特別交付金というものを二十五年度と二十六年度に限つている趣旨はどういうことですか。
#41
○政府委員(荻田保君) 御質問の通りだと思います。二十七年度以降もこのような事情がありまするから、何らかの措置を考えなければなりませんか、差当り二十五年度二十六年度につきましては特に大きな地方財政の移り変りがございますので、一割程度必要と認めまして、経過規定として置いたのでございますが、その間におきまして十分研究いたしまして、二十七年度以降も何らかの形において残るようになるものと考えております。特にこれを二十五年度二十六年度に限りましたのは、いろいろ理由もございまするが、主としてシヤゥプ勧告の中にもそのような規定がございましたので、一応その通り規定したのでございます。
#42
○木内四郎君 それからもう一つ伺つて置きたいのは、第十五條の二項において、「基準税率は、地方税法第一條第一項第五号にいう標準税率の百分の七十に相当する率とする。」ということが規定してあるのですが、これは国家の財政需要に相当大きな影響があるのですが、これを百分の七十というふうにされた理由はどういうところにあるのですか。
#43
○政府委員(荻田保君) この百分の七十にいたしましたのは、一つはつまり地方税の百分の七十と、それから地方財政平衡交付金の額、この両者を合せた額が結局基準財政需要額になるわけでございます。従いましてその額を一杯に見る、つまり標準税率一杯に見ますと、大体その地方団体で取つておりますところの税金と平衡交付金をすべてここに分類いたしまして、経費に割付けてしまうという恰好になりますので、勿論その使途につきましては先程お話が出ておりますように、税金をつけるものではございませんけれども、余程このように分けてしまいますことは如何にも地方の財政の自主性を害うものがあると考えられるのでございますので、そのような意味で成るべくつまり基準財政需要というのは最低のどうしてもやらなければならない仕事だけを掴えてやつたのでございまして、勿論地方団体は標準税率を以ちまして、取りますだけの税額を使わなければ普通程度の仕事はやつて行けないものだと考えております。それから第二にこの配付に当りまして、基準財政需要額から財政收入額を引くわけでございまするが、その財政收入基準、財政收入額を標準税率一杯で規定いたしますると、大体標準税率で税を沢山取れば取るだけ交付金が少くなるという結果になつて参ります。従いまして、各地方団体は殆んどその徴税努力というものをいたさないわけでございます。少し取つて置けばそれだけ交付金に貰えて楽な財政ができるということになりますと、国費を通じましての濫費になりますから、七十程度は見て置いて、あとの三十億は自由財源として、従つて税を沢山取ればそれだけ自由な財源もそれだけ入り得ることができる、こういうふうにいたしたいためでございます。
#44
○木内四郎君 今の御説明、ちよつと私は了解しかねるのですが、基準の財政收入額を算定するときには、標準税率によつて一応算定して、一方基準財政需要額を算定するときには、これはさつきお話のあつた方法によつて算定をして行く、財政收入額の算定については標準税率そのままではいけないのですか。
#45
○政府委員(荻田保君) この基準財政收入額プラス平衡交付金の額というものが、基準財政需要額に一致するように計算しておりますので、こちらを全部見てしまいますると、やはり基準財政需要額というものをずつと上げなければなりませんので、そういう意味で先程申しましたように、地方団体の自主制がなくなるというようなことになりますから、成るべく安く低く、最小限度の経費を見るというような意味で基準財政需要額を定めておるわけでございます。
#46
○委員長(岡本愛祐君) ちよつとお話りいたしますが、高瀬文部大臣に御質問がなければ退席したいというお申出でがざいますが……
#47
○河野正夫君 実は本多国務大臣と共に質問しようと思つておつたのですが、お急ぎのようで保留したわけですが、高瀬大臣はお帰りのようですから質問いたします。第二十條に、この平衡交付金の支給額等の決定に対しての不平、不満があるときの聽聞の規定があるのでございます。ところがこれは政務次官でもよろしいからついでにお答えを考いたいのですが、地方財政委員会の決定に対して、不平のある人の聽聞を聞く人も又地方財政委員会であるというのは甚だ当を得ないのではないか。少くともまあ私文部委員会の関係から質問するのですから、教育費について申しますと、教育委員会の代表等を加えた第三者の特別委員会というものによつてこの聽聞を行うというような必要はないか、或いは又そういう特別委員会でなくとも審議会等々によつて、地財に附随してこれらの聽聞を公平に処理する何らかの機関を必要としないかということであります。これについて文部大臣は教育の擁護者として教育委員会法の精神を最もよく理解せられる方として、何らかの法案審議に、立案過程において意見を持たれなかつたかどうかということを承つて置きたいと思うのでございます。と申しますのは、先程からの文部大臣の御答弁を承つておりますると、平衡交付金法案の、これは勿論擁護者とすれば閣議決定で出て来たのですから当然でしよう。それを擁護する余りに標準義務教育費の必要を御自分でぶちこわしているような答弁ではないか、私は甚だ不満です、その点についてこういう聽聞のような場合にでも教育委員会の代表などが聽聞に参加する、第三者的なものかどうかその特別な審議会に教育委員会の代表を加えるというようなことは、これは主張されて当然であつた筈です。これは兒童福祉にしてもその方面の方を入れるといつたようなこととも相関連を以ちまして、その点につきまして大臣のお引見を承わりたいと思うのであります。
#48
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 異議の申立、聽聞の條文は地方団体として、他方団体が地財に対して異議の申立をするという場合だと思います。それで先程本多国務大臣から説明がありましたように、交付金というものは、教育費のため幾ら、土木費のため幾らということで交付されるわけでありませんで、一括した金額で交付されるわけでありますから、特に教育方面の代表者としてこの交付の異議の申立をするということにはならないのではなかろうかと思います。無論地方団体がそういう申立をするにつきまして、交付金が不足するということになれば、教育費方面にも影響するわけでありますから関係は非常に深い、その点では関係はございますけれども、異議の申立、それに対する聽聞ということになりますと、地方団体としてこれをやるということがやはり至当ではないかと私は解釈をいたしております。私の先程の答弁等が義務教育の水準を確保しようとする文部大臣としての責任の立場からいつて甚だ矛盾しておるところがありはしないかというような御質問もございましたが、私は決してそうは考えておらないのでありまして、義務教育費の確保に関する法律案を一方において強力に主張いたしておるわけであります。この平衡交付金法は一般法としてこれが成立をして、その中で地方行政費の中の義務教育費についてだけは別の特殊な理由によりまして、特別な措置を必要とするというところから強力に私は主張しておるのであります。一般法としての意義というものと、義務教育費確保に関する法律の特殊な理由に基く特別法の意味とはやはりそこに違いがあるということは当然ではないかと思います。
#49
○政府委員(小野哲君) 河野さんの御質問に対してお答えいたしますが、只今のこの法律案の第二十條の聽聞の問題でございますが、この聽聞をやります場合におきましては、この法律案の條文にありますように、関係地方団体にいつてこの途を開いておるのであります。而してこの対象となりますものは、地方財政委員会が各地方団体に対する交付金の金額を決定する権限を持つておりますので、従いまして交付金の額の算定の基礎についていろいろ問題が起つて来たというふうな場合において、この規定を活かして行くことに相成るのであります。この地方財政委員会が、御承知のように、この設置法律案の中にも示しておりますように、相当独立性を持つていますし、又地方財政平衡交付金の運用に関しましては、個々の交付金の決定をいたす権限をも與えられておりますような関係もございまして、できるだけ地方団体の意思を聞く機会を設けることが地方財政委員会の運用の上から申しましても民主的なことに相成ると考えておるのでありまして、従いまして交付金の額の算定の基礎について問題が生じた場合における措置でございますので、この点を御了承願いたいと思うのであります。尚河野さんが言われましたように、何らか特別の機関を設けてはどうか、こういうふうなことも一応考えられる御議論であろうかと思うのでありますが、先程申しましたように、算定の基礎の問題にかかつておるのでございますので、改めて法制的な機関を設けることは必要はなかろう、かように考えた次第でございます。
#50
○河野正夫君 今の大臣のお答えはむしろ次官のお答えによつて補足されていると思う。私のお尋ねしたのは、その算定の基礎についてのいろいろな苦情がある場合に、その算定の基礎になるいろいろな、教育費もありましよう、産業費もありましようし、厚生費もありましようが、そういうことについての地方団体の苦情というものを取上げる場合には、相当にその專門の人の意見を聽く必要がありはしないか。地財委それ自身が決定したのに対して地財委が事情を聽いてやつても、恰かも今まで文部省が教育予算を要求しても査定を受けて、それに対してしばしば再要求すると同じような状況になりはしないか。ただ問題は公開の聽聞という点だけが違つているようになるのであります。その点もう少し第三者的な、或いは專門的な人を加える必要がある。その算定の基礎にはそれぞれの費目があるので、その点お聽きしたのであります。
#51
○政府委員(小野哲君) 只今の私のお答えが少し足りなかつた点があろうかと思うのでありますが、この点はこの法律案の第十二條にあります測定の單位の問題と関連があると思うのであります。御承知のように地方財政委員会が各地方団体に対する交付金の額を決定いたします場合においては、それぞれの地方団体から資料を取るわけであります。又関係行政機関からも十分に意見も聽くことになつておるのでありまして、従いまして地方団体が地方財政委員会に資料を提供いたしました場合、即ち測定單位に属する数値の関係につきましては、すでにまとまつたものとして出して来るであらう、かように思うのであります。従いまして数値の問題に関して不服なり、或いは異議なりその他の問題がありました場合におきましては、やはり関係地方団体について聽聞の途を開くということが理論上も正しいのではなかろうか、こういうふうに考えているのでありまして、従いましてこの数値の問題を取上げる場合において、他の第三者その他を交えることは必要ないのではないか、こういう考えを持つているのであります。
#52
○木内四郎君 先程私が質問を留保しておつたのですが、この基準税率は、標準税率の百分の七十にするという規定を置いておられるのですが、これは地方財政にそういうゆとりを置いて行こうというお考えだと思うのですが、又考えようによつては今度の地方税法の税率が高過ぎるから、それでここに百分の七十というふうにしているというふうなお考えもないじやないと思うのですが、実際問題は標準税率まで行かないで百分の七十ぐらいのものが多いというお考えですか。それとも税率が高過ぎるからこういうふうにしたということですか。
#53
○政府委員(小野哲君) 只今木内さんから御質問ございましたが、この標準の基準財政收入額を算定いたします場合において、基準税率を取る、その基準税率は標準税率の百分の七十にいたしました。理由は先程荻田次長からも詳細御説明いたしたのでありますが、これはこの法律案を提案いたします基本的な考え方から出ているのでありまして、御承知のようにこの当該団体の法定普通税の收入見込額を一定の基準税率によつて客観的に捕捉する、こういうところに一つのこの法律案の狙いがあるわけであります。従いましてこの基準税率は地方財政に対しまして彈力性を残して置くことが必要である。又かたがた地方団体の徴税意欲の減退を防止するということをも考慮に入れることが適当であろう、こういうふうに考えました結果、地方税法で定めている標準税率の百分の七十に相当する率を、交付金の関係における基準財政收入額を算定する場合の基準税率、かようにいたしたのでありまして、只今御指摘になりましたように、地方税法の施行によつて相当多額の税收があり、又考えております標準税率が高いところに置いているからゆとりがあるのではないか、こういうふうな御意見のように伺つたのでありますけれども、これは決して主要な、又基本的な考え方には入つておらないのでございます。
#54
○木内四郎君 只今の御趣旨の点は分りましたが、次に第十四條、ちよつと細かな点ですが、分りかねるものですから、……十四条の一項の終りに「この法律で定める。」とあるが、勿論附則によつて二十五年においては適用しないということが規定してありますけれども「この法律で定める。」という以上は、何かこの法律に單位費用が掲げられなければならんと思うのですが、その点はどうですか。
#55
○政府委員(荻田保君) 実はその通りでございまして、本当から申しますけば、それぞれの測定單位に対しまする單位費用をずつと書くべきなのでありますが、本年度は間に合いませんので一応「この法律で定める。」という精神を謳いまして、附則におきまして二十五年度に限つて規則で定めるという規定をしたのでございます。従いまして二十六年度以降はこの場所を整理いたしまして、ここにずらつと單位費用が列挙されるようになると思います。
#56
○木内四郎君 この單位費用を法律で決めてしもうということですな。ここに掲げる……
#57
○政府委員(荻田保君) その通りでございます。
#58
○木内四郎君 それからもう一つ伺いたいのは、これはちよつと私は誤解しておるかも知れんけれども、第三條の第一項と、第十條の二項の関係です。これは私は多少矛盾があるのじやないかという気がしておるのですが、第三條の第一項においては、予算に計上するのは、財政需要額と財政收入額の差額を補填するために必要且つ十分な額を国の予算に計上しなければならない。この財政需要額が財政收入額を超える場合における当該超過額というものは、これは現に財政需要額と財政收入額は標準的なものじやないのですね。三條の第一項におけるところの予算の基礎は、財政需要額と現実の財政收入額との差額を補填する必要に且つ十分な額を国の予算に計上しなければならない。十條の二項におきましては、その計上した額を「基準財政需要額が基準財政收入額をこえる額にあん分して算定する。」ということになる。第三條によつて、国の予算に計上されたものを、この十條の二項による方式によつて按分した場合に、現実に超過額を補填するために必要且つ十分な額が行くということになりますか。
#59
○政府委員(小野哲君) これはおつしやいますような多少矛盾があるわけでございますけれども、これはどうしてもこうやるよりいたし方がないのでございます。と申しますのは、国の予算を作りますには前年度、具体的に申しますれば九月とか、……従いましてそのときに翌年度の、ここに書いてありますように、財政需要額と財政收入額とを本年度の見込で測定し、それを補填するために必要且つ十分な額を国の予算に計上するわけであります。従いまして現実に各地方団体に交付すべき交付額を算定いたしますときに、ここに出ておりますように当該年度の四月一日現在の資料、成るべく接近いたしますところの資料を用います。従いまして必ずしも初めに国の予算で見積りまして、地方の費用を現実に分けましたときの資料と同一でないわけであります。従いましてこの総額というものが両者必ずしも一致しない。従つて現実に分けます場合には、総額をこの後で算定いたしました数字に按分するよりいたし方ないのであります。従いましてその場合にいわゆる全部差額に対して百だけのものが行きますれば、或いは九十五行つたり、八十八行つたり或いは百行つたり、百三行つたりするというようなことがあるわけでございます。これはその程度のことでございますれば、大体この必要且つ重要な額を計上するという国の義務にも反しないと思います。仮に若し非常に二割も三割も違うというようなことがございますれば、これは何らかの補正の問題が起つて参ると思います。
#60
○木内四郎君 今のその点に対しては、只今の御説明の通りだと思うのですが、第三條の第三項をも併せて、やはり考える必要があると思う。三項においては、「交付金の総額を、財政需要額が財政收入額をこえる地方団体に対し、衡平にその超過額を補てんすることができるように配分しなければならない。」こう書いてあるのですが、これは三條の趣旨です。三條の現実の財政需要額が、財政收入額を超過した分に対して補填する、而も三項においては現実の「財政需要額が財政收入額をこえる地方団体に対し、衡平にその超過額を補てんするように配分しなければならない。」と書いてあります。そうすると、十條の二項というのは今私が質問しまして御説明願つたように、「基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額にあん分して算定する。」ここに規定の上に多少矛盾があるのではないかという気がするのですが、殊に今お話のように第三條の一項というのは、前の年に決めるのであつて見れば尚更財政の現実の需要額と収入額を基礎として国の予算に計上しないで、そこにおいてこそむしろ基準の財政需要額と基準の財政収入額を考えた方が適当じやないかというふうな気が楠車々ですが、そうすると第十條の二項とも又第三條の三項とも趣旨が合つて行くのではないかという気がするのですが、その点はどうですか。
#61
○政府委員(荻田保君) 三條の三項によりましてこのように書きましたのは先程申上げましたようなことを予想してでございますが、第一項によりまして「超過額を補てんするために必要且つ充分な額」と書いてありますが、現実に分けるときには今申しましたような按分になりますので、必ずしも各団体に対してその額を全部保障するということはできないわけでございます。従いまして「衡平にその超過額を補てんする」ということが書いてございますのは、すでにここにおきまして「衡平に」というところに重点があるのでございまして、足りない場合には足りないように衡平に皆が持ち、超過するときは超過するように皆が衡平に分けて貰う、つまり按分の場合の比率を同一にするということをここですでに予想してこういう條文になつておるのでございます。
#62
○木内四郎君 この点は私は疑問があるのですが、第三條の三項においては現実に財政需要額が財政収入額をこえるその超過額を衡平に補てんする。第十條においては基準財政需要額が財政収入額を超える額に按分してやるのだから、三條の三項の趣旨に必ずしも合わないと思うのですが、この点はこれ以上質問いたしません。
 それからもう一つ伺つて置きたいのは、第六條の一項などに関係するのですけれども、又同時にさつき伺つた三條、十條に関係するのでございますが、千五十億は二十五年度ですが、今後においても或る一定の金額は計上されると思うのですが、それで足らんというような場合にはどういうふうになるのでしようか。足らんという場合はないというつもりですか。万一それが地方団体の財政需要と収入との差額を補填するのに足らんというようなことがあるとしたらどういうふうになるのでしようか。
#63
○政府委員(荻田保君) 実は本年度は非常に変則的でございまして、先に総額が決まりましてから各団体に対しまする分け方の配分額を決定する。而もその際にいろいろ先程から御指摘がありましたような單位費用というものをこれから決めるというふうになつておりますので、仮にこの千五十億で以て大体そのように定めた額に足りない、非常に足りないというような場合が頭の上では予想されるわけでございますけれども、併し一千五十億を決めましたのは、二十五年度の地方財政収支をいろいろ見積りまして、その結果一千五十億で差支えない、こういう数字を出したのでございますから、非常に率直に申上げますれば一千五十億を以ちましてこの差額が全部補填できるように、この單位なり何なりを決めるということになつて来るのでございまして、この点非常に矛盾することになります。併しながら飽くまでもその限度は何もそう無理にこじつけるのではなくて、その程度であれば二十五年度の地方財政がやつて行ける。この方法等は違いますけれども、地方財政の見積りを立てましてそのように作つておるのでございます。従いまして現在の見通しといたしましては、勿論一千五十億を以ちまして十分補填できると考えております。今後新たなる事情で新らしい財政支出を要するような事情が起りましたら、それはそのときに補正予算なり何なりを考えなければならないと考えております。
#64
○木内四郎君 もう一つ伺つて置きたいのですが、第十二條の一項とそれから二項の問題ですが、実はよく分らないのですが、この一項においては「測定單位は、地方団体の種類ごとに左の表の中欄に揚げる経費についてそれぞれその下欄に定めるもの」例えば橋梁費或いは道路費でもいいのですが、その測定單位というものは道路の面積、橋梁の面積、それから第二項において、「数値の算定方法については規定で定める。」ということになつておりますが、そうして、第十三條において人口とか或いはその他によつていろいろ考慮すべき要素もあるらしいのですが、道路などはその面積によつて必ず交通量を測るわけにも行かんと思います。又橋梁についても同様だと思います。又その地方団体が必ず十三條に挙げているような要素だけによつて考えられないと思うのですが、余りにも形式的なものになりはしないでしようか。
#65
○政府委員(荻田保君) この平衡交付金を分けますのにつきましてたしかにおつしやいますように実状をそれぞれ考えますれば、非常にむずかしいと考えなければならないと思います。併しそれでは平衡交付金の配分額につきまして地方団体の主観的な意思が働くような虞れがございますし、それと同時に又事務的にも非常にむずかしくて、明瞭性を欠くというようなこともございますので、成るべく簡單なものを使いたい、簡明で客観的に誰でもはつきり分つておるというようなものを基礎にしたい、こういう考えで作つたのであります。従いまして道路等につきまして道路の面積だけでこれを測定いたしますと、たしかにそのための弊害もあるかと思いますが、その点につきましては、成るべくこの十三條の補正によりまして適当な補正を加えたいと思いまして、例えばこの五号の「面積、河川の延長その他測定單位の基礎をなすものの種別」、今おつしやいましたように国道、府県道、市町村道につきましては、それぞれ單価を決める。寒冷地帯或いは積雪地帯によりましては、これによりまして補正するとか、或いは測定單位の数値の帰属する市町村の規模、或いは市の中の交通頻繁な所と農村部分とは單価を決める、変えるというような方途を講じて、成るべく実情に合うように、而も客観的な基準ということは飽くまで堅持して実情に合うようにいたしたいと考えております。
#66
○委員長(岡本愛祐君) 外に政府委員に御質問ございませんか。
#67
○油井賢太郎君 「基準財政収入額は、」というこの参考書類の中のやつですけれども、その中で、基準財政収入額は、これを財政需要額から財政収入額との差額の九〇%との額との合算額としては、どうもこの文句は見当付かないのですが、これを説明して下さい。これは道府県市町村別財政需要額及び財政収入額等の見込額調、それの備考の四ですが……
#68
○政府委員(荻田保君) 基準財政収入額は先程申上げましたように、標準税率を以ちまして計算いたしました税額の七〇%を取るということでございます。
 基準財政需要額は……これは少し書き方が確かに間違つていると思います。要は基準財政需要額はこの財政収入額の七〇%と、それから平衡交付金の九〇%、つまり一〇%は特別交付金になりますから、その合算額を以ちまして基準財政需要額になるようにしたい、こういう意味なんであります。
#69
○油井賢太郎君 さつき木内委員の質問に対して千五十億の問題ですけれども、これは千五十億というものを予算で上げたときは、もうあらゆる方面から数字をちやんと基礎にして作つて予算に上げたのですか、そういうふうに解釈していいのですか。
#70
○政府委員(荻田保君) ここに出ておりますような詳しい配分の方法まで全部予想したわけではございませんが、大体の骨組を考えました。それと同時にそれよりもむしろ全体の二十五年度の枠を、つまりたびたび申上げております四千八百億の歳出を必要とする、そういう計算をいたしまして、それに対しまして使用料、手数料がどれくらい取れる。それから地方債どれだけ、それからあと千九百億の地方税を取る。そうして残りが千五十億、つまり千五十億の平衡交付金を以てすれば四千八百億の歳出に対処するだけの財源がある。こういう結論を出しまして、千五十億を決めたわけであります。
#71
○油井賢太郎君 この点はこの前地方税を説明して貰つたり、或いは質疑応答のあつたとき、この算定の方法についてたびたび尋ねましたが、まだ算定方法の基準が決まつてないというようなことで、そのときは回答願えなかつたのですね。而も資料も出して頂けなかつた。ところが今になつてもう会期がたつた二日しか残つてないというようなときになつて、こういう厖大な資料を出されてもなかなか審議は容易じやない。この責任は一体どういうふうにおとりになるおつもりですか。
#72
○政府委員(荻田保君) この平衡交付金自体の配分の方法等につきましては、確かに交付金法の提出が遅れましたので、資料も非常に遅くなりまして恐縮でございます。ただ四千八百億が来年度の地方財政においては歳出になるというような資料はすでに予算審議中当時、地方税審議当時から渡してあるわれでございます。
#73
○油井賢太郎君 どうも專門にやつておられる方なら、この表を見て一目で分るかも知れませんが、我々の方でずつと見て検討するには余り日数が少いから、万が一事が起きても、これは決して委員会の責任じやないということは予め政府委員においても了承されて頂きたい。
#74
○岩間正男君 異議なし。
#75
○藤田芳雄君 本多国務大臣はまだ見えませんか。
#76
○委員長(岡本愛祐君) 国務大臣に今連絡しておりますが、予算について質問がまだ長いので、まだ手が離せないと申しましたので、早く来て呉れと今催促に行きました。
#77
○藤田芳雄君 ちよつと大臣が見えてから質問したいと思います。
#78
○委員長(岡本愛祐君) 外に政府委員に御質問ございませんか。
#79
○岩木哲夫君 基準財政需要額の問題でありますが、国税は減免して地方税を増税する、地方自治財政を強化するということは特に復興経済、国の経済を建直して行かなければならんという観点から、中央における財政経済政策が一部地方に委譲転換されたという観点も成立つのであります。従つて二十五年度の地方財政地方予算が八百六十何億膨脹しておる。もとよりこれについては公共事業費の三百億もありましようが、その場合においてこれらの膨脹された歳出財政というものは、国が減税によつて操作のできない経済対策、復興対策というものを、ただ地方の自治だという観点に囚われず、総合的な国家経済復興計画の線に沿うてやらなければいかん。これについては或いはその都道府県ごとに特殊性があるのでありまして、例えば炭鉱地区である九州であるとか、東北であるとか、北海道とか、或いは電源開発に必要なる府県であるとか、或いは貿易地区であるとか、或いは大阪のごとき商工業地区であるとかいつたような工合にそれぞれ特色がある。その特色かあるという産業復興計画をただ基準財政需要額のごとき橋梁や土地面積の基準であるとか、單純な学校数であるとか、兒童数であるとか、或いは商工業の従業者数であるといつたようなものであるとか、こういつたところの財政基準額を測定する上においての観点が、相当今後においては、特に二十五年度乃至はそれ以後においても変革されなければならん、そうしないとこうただ漠然とした地方の自治強化であるとか、財政確立であるとかいう観点で、どちらかと言えば国家復旧経済に関連しない資金が地方に無駄に使われるということはないけれども、発展経済に資するところが乏しいというところは大いに考慮せねばならんというような点について、将来平衡交付金の性格というものはどうあるべきかということは、よく政府も検討せねばならんと私は思う。そういう点を初めての制度におきまする平衡交付金のときから、考慮あつて然るべきだと思うのでありますが、将来政府はこういつた点に対してどういう平衡交付金の形というものを向けて行くつもりであるかを、一応お聽きして置きたいと思います。
#80
○政府委員(小野哲君) 岩木さんからの御質問は、極めて同感し得る問題だと私も存じます。我が国の産業復興計画が国及び地方を通じて考えて行かなければならない問題も多々あると思うのであります。今回の平衡交付金制度を設けました基本的な考え方、並びにこれが運営に関する基本的な原則等は、すでに御了解を得ておると思うのでありますが、その場合におきましても只今御指摘になりましたように、地方にはそれぞれの地方色がございます。又その事務或いは事業の遂行に当りましても、それぞれの特徴があることは否めない事実であります。従いましてこの平衡交付金の額を決定いたします場合におきましても、この法律案にもございますように、或いは地方の人口密度であるとか、その他の関係を考慮し得る途を開いておるのでありまして、これらの点につきまして、各地方公共団体の規模なり或いはその事業なり、或いは事務の遂行の在り方によつて、平衡交付金の制度の運用によつて、或る程度マツチし得る途が開かれるのじやないかと思うのであります。それと時同に地方財源を確保する途といたしましては、一面地方財政の調整を図る意味合を持つておる地方財政平衡交付金制度の活用に俟たなければならないと同時に、或いは戰災都市の復興であるとか、或いは公共事業或いは失業対策の遂行に当りましては、一面他の面における即ち地方債等の措置によりまして、或いは又特に国が地方公共団体に対してその事業の遂行を奬励いたしたい、こういう目的を持つた補助金の交付等によりまして、或い程度その地方団体における国自身が考えておりますような仕事を遂行させるべく措置ができるのではなかろうか、かような考えを持つておるのでございます。従いまして岩木さんが今言われましたような御趣旨も、今後の地方財政平衡交付金制度の運用に当りましては取入れることができると、かように考えておる次第であります。
#81
○委員長(岡本愛祐君) 大臣がお帰りになりましたから、先程御質問の通告がありましたから油井君どうぞ。
#82
○油井賢太郎君 今度のこの交付金制度は、一定の基準がちやんと決まつていて、或いは委員会或いは政府等において、勝手に事情に応じて、或いは情実に応じて加減するようなことはできない精神だろうと私は解釈しているのですが、それでいいですか。
#83
○國務大臣(本多市郎君) お話の通りでございます。
#84
○油井賢太郎君 それを伺つて私は安心したのですが、実は最近或る地方の小さな都市で市長の選挙戰があつた。そのときに自由党から応援に行かれた財政通の或る代議士が、若し我が党に所属する市長を選挙するなら、この市に対して平衡交付金の配分を相当増額することを我々努力するというふうな演説をやつて、大分人気をとつた。これは甚だ怪しからん話だと思う、そういうようなことを若し自由党の内部においてお互いに申合せでもして、こういう宣伝方法で行こうというようなことがあるのでは、これはどうも国政上実に重大なことだろうと思います。これは若しそれが実事だとすれば、大臣としてどういう責任をおとりになりますか。
#85
○國務大臣(本多市郎君) これは私がどうという、その人に対する責任を左右する権限はございませんけれども、そういう事実がございましたら、全く誤つたる話でございますので、党の方にも報告いたしまして、さようなことをやることは我が党の信用を失墜することであるということを強く要求をいたしたいと思います。
#86
○油井賢太郎君 殊に参議院の選挙も間近に迫つておることでもありますし、政府側並びに與党側においては、この点二度と過ちを犯さないように御注意を申上げて置きます。
#87
○藤田芳雄君 大臣にお聽きしたいのですが、教育につきましては、国が普通教育を義務付けておる。それに連関して、結局国では義務教育費の国庫負担法といつたようなものを出して、それの裏付をしておつた。併しながら憲法の二十六條から見ますならば、当然これは全額国庫で負担すべき性質のものだと思いますが、それについての大臣の御所見を承わりたいと思います。
#88
○国務大臣(本多市郎君) 憲法の精神は、全く国家の責任ということになつておりますが、どの事務をどの機関が扱うかということにつきましては、又別の法律で定まるのでありまして、今日義務教育の責任は地方団体の義務であります。
#89
○藤田芳雄君 義務教育は地方団体の義務、責任であるというのは、どういうところから根拠が出て来るのですか。
#90
○国務大臣(本多市郎君) この義務教育費を支弁し、義務教育を実行いたしますのは、市町村の義務である。法律でそう定まつておるわけでございます。
#91
○藤田芳雄君 それはどの法律に定まつておるのか、お教え願いたいと思います。
#92
○政府委員(稻田清助君) 只今お話にありましたように、憲法の趣旨を実施いたしまするために、教育に関する法律が施行されておるわけでございます。学校教育法におきましては、義務教育に関しましては、原則として当該設置者負担という趣旨を明らかにいたしております。又これに対しまして従来義務教育に関しまする市町村立学校職員給與負担法というものがありまして、一部の給與が都道府県の負担になつておる点が明らかになつておるのであります。
#93
○藤田芳雄君 そこで今の御説明によりますというと、義務付けたものは国家であるが、その経費の負担及び事務の遂行は市町村であるということを明らかにされたのでありますが、これは私共今まで考えたものと非常に違う。而も今までの義務教育というもの及びそれの経費負担というものについては、憲法でも明らかなように無償にする、国庫が負担をするのが当然であることを謳われておりましたに拘わらず、現政府におきましては、これは国庫の負担すべきものでなく、市町村の負担であるということを明らかにされたものと私解釈するのでありますが、そういうお話でありますと、いわゆる教育の機会均等或いは国家で保障されている義務教育というものの根本が崩れて来る。従前この教育の経費を市町村で負担したために、いわゆる機会均等というようなことや普通教育の公平ということが期せられなかつた。いわゆる財政的に豊かな市町村においては優良な教員、優良な施設を持つてやつて行く。貧弱な市町村においては満足な教室は得られず、或は教員の給料さえ支拂うことができなかつた。然るにこれが、半額国庫負担法が施行されましてから、その惡弊が非常に是正されて来た。然るに今又現政府になつて、経費やなんかについては市町村で義務を持つものである、責任者であるということになりますというと、再びそうした教育の不公平が出て来るのでありますが、それに対しての責任と申しますか、或いはそうしたものの起きないように如何なる方策をお持ちなのか、或いはそれに対する責任は如何にとられるのか、この点を伺いたい。
#94
○国務大臣(本多市郎君) 義務教育に対する機会均等の点でありますが、この点は今回の改正によつてより以上確保されるようになるのでございます。地方団体の財政力の相違から、この義務教育に対するいろいろな相違があり、特に貧弱と申しますか、財政力の少いところでは、普通の規模の義務教育の行政さえできないというようなところが生じて参りますことは、これは一にその財源が確保されておらないから、財政が豊かでないからであると思います。そうしたところへ今回は平衡交付金によりまして基準財政需要額を満たすまではこの平衡交付金で補填されることになるのでありますから、地方団体が適正に運営いたしまする限り、今までの弊害はこれによつて是正することもできると考えております。
#95
○藤田芳雄君 そういたしますというと、只今のお話からしますならば、そうした貧弱町村には多くの平衡交付金が渡されるが、一体それはどこでどういう形において保障されるのであるか。同時に法案から見ますというと、その平衡交付金なるものについては内閣及び国家その他において紐付の形をしてはいけない、要するに貰つたものは貰つたものでどこで使つても勝手だ、実質的に考えればそうなつて行きますが、尚今の大臣の話は逆の方向へ行く可能性が多い、そうしたものに対しての監督と言いますか、或いは御指導というものは、如何なる方法で行われるのか、その点を伺いたい。
#96
○国務大臣(本多市郎君) 財政需要額の不足額を補填するということを確保するのが、この平衡交付金法であります。この平衡交付金法は、基準財政收入額を算定し、基準財政需要額を算定いたしまして、その差額は原則として補填するというのがこの平衡交付金法でありまして、その点はこの法律によつた確保されるのでございます。但しその平衡交付金はどこまでも地方団体の一般收入になるのでございまして、従来の補給金或いは国庫補助金等のように紐付のものではないのでございます。併しこれを若し極端に教育費の方を削つて外の方へ廻わすということになりますと、御承知のように教育というものが欠陷を生ずることになるでありましよう。この点につきましては、地方自治団体におきましても義務教育のごとき如何に重要な仕事であるかということは、十分認識しておられる筈でありますから、さようなことはないように公正に運営して貰えるものと考えております。それでは若し万一甚だしく適正を失した場合にどうするかという点につきましては、地方財政法或いは地方自治法上これを監督し、又是正するの方法が残つておるのでございます。
#97
○藤田芳雄君 只今の大臣の希望的な観測の形に現われて来るならば誠に結構だと思うのでありますけれども、現に標準義務教育費の法案が出るということに対しましては全国の市町村長から、どこから出た資料か知らんけれども非常にいい加減な非常に市町村の財政を拘束するがごとき内容で、中央のどこかから出て使用され宣伝されてか各町村長なり村議会の議長名を以て反対陳情が沢山来ておる、反対の根拠は又私案として計算されたところの標準單価三千二百円ですか、それが多過ぎるという点から来ておるらしいのですが、事実は決して多くないことは、その道に携つている者はよく知つているわけです。然るにそれが多いという故に拘束されることが困るという陳情が出ておる、その立場から見ましても、恐らくは大臣が今言われたように義務教育費が十分に取り得るという資料にはならないのであつて、むしろ逆にそれが多過ぎるから減したいという意図の下に反対陳情が出て来ておるということが分るのであります。それが而も大部分なのであります。そういたしますというと、実施しない以前に明らかに義務教育費が非常に減額されるという見通しが却つてここに出て来るのです。それに対しまして、只今お聽きすれば地方自治法とか他の法律によつて是正し指導し得る面があると思いますので、その点は一つ遺憾のないようにして頂くようにお願いしたいと思います。
 次に先程大臣の御答弁の中に、義務教育費国庫負担法は一応保留した形にする、併し将来何らかの形においてこれを是正しなければならん、是正するときはいわゆる標準教育費法案というようなものを出す、現在は計画したときにはその中で……それが出たときは義務教育費の国庫負担法を取除くような内容を盛つたものであつたという御説明があつたのであります。言い換えれば、今の地方財政平衡交付金法というものは、標準義務教育費法というものがついて初めて完全な形の法律になるのであつて、それがなければ現在としては不完全なものと思われるのですが、その点大臣のお考えを伺いたい。
#98
○国務大臣(本多市郎君) これは考え方によるところだろうと存じます。この平衡交付金法によりまして別にどこに欠陷を生ずるという関係はないと考えます。更に標準義務教育費法案に対しまして、府県市町村地方団体において相当反対がありましたという事実でございますが、これにつきましては、政府が最後的に決定いたしました標準義務教育費法案は、これは地方財政の自主性と矛盾しない程度になつておるのでありますが、当初実はこの義務教育費に関する限り別の法律を以て全然その金額まで法律上定まつてしまうというような趣旨のものになつており、これが伝わりましたために予算審議権等の関係から地方団体にも相当の心配をかけたことと存じます。(「誰がしたのか」と呼ぶ者あり)これはそういうことになりますと、地方団体が心配されるのは無理もないと思うのでございまして、約地方費の半額近くを占むる義務教育費が、外の地方団体の経費とは考慮されることなく全然法律上これが決まつてしまうということになりますと、この部分に対する地方議会の審議権もなくなることになりますので、そうしたことが閣議の最後的決定前における案の中から考えられまして、それで最後的決定もないうちに心配された結果がそうした運動になつたものではないかと思つております。それでは平衡交付金法を実施する場合この標準義務教育費の法案は必ず一緒でなければならんか、こうなりますと、これは平衡交付金法によつてすべて平衡交付金の配付はするのでございますけれども、標準義務教育費については更にその重要性に鑑みまして、より尊重されるように支出の標準を示すということをやつておいた方が、教育費の施設を確保する上においてよいのではなかろうかと政府も考えているのでございます。その趣旨を以て司令部に承認を求めておるのでございますが、未だ承認に至らないために提案することはできませんけれども、そういう趣旨のものでございますから、その法案がなければ平衡交付金法の実弁に支障を来すという程までは考えておらないのでございます。
#99
○藤田芳雄君 私は、先程この委員会の質問にもありましたように、義務教育費国庫負担法というものが活きておりますのに、それに対しての予算を何ら計上もせず、而も予算の審議過程において予定されたものが平衡交付金法案であり、同時に標準義務教育費法案だ、それによつて当然義務教育費国庫負担法というものが廃止されて行くという前提の下にあの予算が組まれたのだ、然るにそうした手続が行われない。要するに義務教育費国庫負担法というものが活きているものとするならば、それは予算を計上しないことは行政上の政府の大失点であります。形式的であろうと何であろうと、とにかく予算を計上するならば分るのでありますが、何ら計上されておらん。而もその法案が出されないということ、だからこの点、これは議論になるかも知れませんけれども、政府の責任をどこまでも追究しなければならん問題だと思うのでありますが、そうしたものが残つている以上、私は平衡交付金法というものが不完全なものであると考える。それを廃止するなら又別問題である。その廃止法案も出ておらん。結局は私は今の大臣のお話にもあるように、義務教育というものは、もともと国家で義務付けたものであるから、その点国家で或る程度保障してやることが、やはり国民に対する国家の義務である。その意味から言つても標準義務教育費法というものでできるだけ早い機会にでき得べきものだと思いますが、それに対して大臣はどうお考えになつておるのか。いま一度お聞きしたい。
#100
○国務大臣(本多市郎君) 標準義務教育費の法案については、閣議によつても決定して提案いたしておることでございまして、この平衡交付金法の精神と矛盾しない範囲内におきまして教育費が尊重されるように財政制度を、法律を設けることには私も賛成でございます。
#101
○岩間正男君 私は一点だけお伺いしたいのでありますが、先程からこのいろいろと義務教育費法の全額国庫負担の問題が出ておるのでありますが、これに対していろいろな説明がありました。併しこれは大臣の説明を聞いておりますと、少くとも日本の教育の自治上から見て、非常にこれは違う。食違いがある。こういうことをはつきり申上げなけりやならん。私共は日常の地方教育に触れており、それから今までの日本の教育の歴史の中にタッチして来た。そういうところから申上げるのでありますが、例えばなぜこれは中央で予算をはつきり組まなければならないか。国家財政の中に教育費というものをはつきり独立させる必要があるか。こういう点については何らこれは説明されておらない。ところが実際におきましては、これは今まで地方に委したところが、地方の財政が非常にばらばらである。そこに水準が非常に違う。更に又地方に委せることによつて、例えば教員給のごときは地方の権限が非常に強化されて、例えば市町村を見ますというと、これを支給する側の理事者、町村長とか、それから町会議員、村会議員、こういう人達の権限が非常に強化されておる。そうして何か教員は町村で飼つて置くのだと、こういうようなことを現に放言した町村長などもあつた。議会の議員などもあつた。そうして学校を圧迫した。従つて教員の教育に対する自主権というものが非常に侵害されておる。そういうことが大きく教育を破壊した原因であり、又教育を無力にした、そうして又戰争に繋がらした原因であつたのであります。従つてこういう点を完全に再び戻さない。そのためにこれは日本の憲法によつてそれが規定されておる。更に又極東委員会の教育制度刷新に関する指令によるというと、はつきりこのことがやはり規定されておる。というのは、つまり地方財政が非常にむらがある。従つてそこに地方財政を委しておつたんでは、日本の教育の機会均等ということを確立することができない。然るに日本の教育改革において、三六制を実施したのでありますが、六三制実施の一番根本的に大きな眼目は、教育の機会均等を確立するということであります。従つてそれを確立するためには飽くまでもこれは国家財政の中に教育費というものをはつきり取り、そうして最低限度のものを確立する。こういうところにあつたのであります。然るに今度の吉田内閣の採ります。採つておる方法は、我々の見るところによると、これはドツジ・ラインによるところの教育政策の変更であることをはつきり認めます。又シャウプ勧告によるところの行政面のこういう点について方向がはつきりして来ている。こういうふうに考えるのであります。従つていろいろな先程からの大臣の説明があつたにも拘わらず、これは実施して見れば分るのでありますが、こういうようなやり方でやつたならば、恐らく教育はばらばらになり、そうして教育の裏付であるところの予算の確保ということはできないために、そこから教育の破壊というものが大きく導かれるということは大きく断言することができると思います。これは今日から断言することができる。若しそういう事態が起つた場合に、政府はどういうふうに処置しようとするか。この責任をどう負わんとするのであるか。この点について今日私ははつきり大臣の見解を質して置くことが重要であると思いますので、この点について伺います。
#102
○国務大臣(本多市郎君) この義務教育を中央集権的にやる方が適当か否かということにつきまして、私共はこの教育のことは中央集権的にやるよりも、今日の地方団体に相当の財源を與えまして、この地方団体にやらせる方が適当であると考えております。問題は今日の市町村というものに対する信頼の問題であると存じますけれども、今回のこの財政制度の改革によりまして、今日まで自治制発達を阻害しておりました財政的な事情も相当これで緩和されて参りますので、それによりまして地方自治体は十分に今日の義務教育というものを担当して行くだけの能力があるものと考えておるのでございます。
#103
○岩間正男君 先程は希望的観測ということが述べられておりますが、希望的観測ではしようがない。私共は我が日本の教育の歴史の中に立ち、過去に陷つたものを再び繰返さないということを決意しておる。それに対して財政的の裏付をどうするかというようなことが一番重要な問題になつておるのであります。そこで私はこういう議論をしておる。ところが本多国務大臣は一体どういう観点から、例えば私が挙げたような地方財政がばらばらで、そうして地方に財政を讓つたために、地方の教育が非常にボスによつて左右される、こういうものを今度の法案でどのように一体救済すると考えられるか。この点が何ら説明されないということは、私は今の説明に承服することはできない。少くとも我々は歴史的な過去何十年の間に陷つたものを、自分の体験で見て来た、血の出るような体験をして自分で掴んで来ておる。従つてそういう方法では絶対に駄目だということが断言できると思います。ところが今言つたような説明で、私はその説明の中にそういうことが説明させられておるのだと思う。その説明をさせておるものがあると思う。アメリカの教育の方法はそういうこととは違います。地方の財政に移して、地方自主性をやるということをお話になるが、アメリカの地方財政と、同じだという前提に立てば、そういうことはできますかも知れませんが、まるで違います。もう向うは長い歴史があり、従つて積み重ねられておる。ところが日本の地方財政はがらがらである。がらがらになつておるところに今言つたよう理想論を植えて、地方に分権する。こういうことではこれはできないことははつきりしております。
 それからもう一つ問題になつておるのは、教育の財政をどこから負担するかということと、地方教育の内容と分権を混同されておると思いますが、こういう点をもう一点伺います。
#104
○国務大臣(本多市郎君) これは丁度御心配になつておることを今度の改革によつて改善されるということを私共は思つております。地方財政がばらばらになつておるというその御趣旨は、恐らく地方財政はその市町村によつて貧富の懸隔が多かつた、そのために施設ができなかつた、そのためにそういうことができなかつたという意味じやなかつたかと思うのでございますが、今回はこの平衡交付金法によつて標準規模の行政にするだけの裏付になる財源というものが確立するのでございますから、これによつて教育の面においても、標準規模の施設は財源の裏付がありますので、ばらばらであつたというような、非常に貧富による差別が多かつた、その結果は貧弱町村は最低限度のことさえできなかつたというような問題がこれによつて解決されるのでございます。
#105
○岩間正男君 もう議論になりますから、これは幾らやつてもしようがありませんから……、ただ私はとにかくそういう事態が、今説明されたような事態が、俄かに起り得ないということははつきりしておると思います。従つてそういうような事態が起つた場合に政府はどのような態度をとるか、又その責任をどうするかということを聞いておるのですから、この二点について端的にお答え願いたい。
#106
○国務大臣(本多市郎君) これは従来の心配された弊害が是正されるという確信のある制度でございますので、どういうことでございますか、今お話のようなことは今までは仮にあつたとしてもそういうものが起らないという確信のある案でございます。
#107
○堀越儀郎君 関連して一点だけ……。先程藤田委員の質問に対して大臣が答えられましたことについてもう一応念を押して置きます。それは標準教育費の問題が出ましたときに各地方団体から非常に反対の声が起つたのであります。ところが大臣のお考えによるとこれは最後の閣議決定を見ない前の事情によつて反対運動を起した、いわば誤解に基くものであり、本当の真意を悟つておらないものである。結局あの地方自治団体の反対というものはいわれなきものであると、こういうように我々は感ずるのであります。ところが地方自治団体の反対意見というのは相当の輿論を構成しておると思うのであります。そうするというと、この輿論というものは誤まれる観点から、誤まれる立脚点から出ておるものは我々は思うのでありますが、これに対して一応地方自治庁の責任者である大臣と文部省の責任者の方に御答弁を願いたいのでありますが、誤れる輿論の是正運動、啓蒙運動というものをされたのであるか、或いは今後されるつもりであるか。その点文部省と地方自治庁の両方から承つて置きたいと思います。
#108
○国務大臣(本多市郎君) 全く誤まつた輿論というものはそれが次々に国民を誤まつた考えに陷れるのであります。今日地方税法等につきましても、誤まつた考えからこれに対して非難を浴びせるような輿論の多いことを政府といたしましては遺憾に思つております。この地方団体が標準義務教育費法案に対しましての反対運動にいたしましても、政府が最後的に案を決定いたしましたものについても尚且つ反対するということは政府としては遺憾に思いますけれども、地方自治団体の方々が自主的のこれは考えでやられることでありまして、丁度今日の政府案である地方税法に反対することもこれは政府としては残念に思いますけれども、如何とも仕方ないことと思います。
#109
○堀越儀郎君 甚だ残念に思う、遺憾に思うておられますが、地方自治法の上から考えてそれに対して適当なる措置をおとりになるのがいいのじやないかと私は思うのでありますが、特に希望を申上げたいと思います。それから文部省としてはこれに非常に重要な関連があるのでありますが、地方自治庁の方では遺憾に思う、残念に思うとはおつしやつておられますが、積極的な措置をおとりになるようでありませんが、文部省としてはどうされるつもりであるかお伺いいたして置きたいと思います。
#110
○政府委員(稻田清助君) 政府において輿論指導という点につきましては、これはまあ語弊がありまして申しにくいのでありますが、義務教育の水準を維持するのも必要であるという点につきまして一般の方々が十分に御理解願うように我々といたしましては今後と雖も念願しております。
#111
○河野正夫君 関連してちよつと……。今の堀越委員の問題とされた点は本多国務大臣御承知ないかどうか知りませんが、その誤まれる輿論構成の元兇があなたのお膝下におるという噂が專らである。そうして若し証拠を提示せよというのなら出せる。ですからむしろこの際自治庁の名誉のためにもこれはむしろその誤まれる輿論なることを自治庁が率先して啓蒙する必要がありはせんかと思うのであります。
#112
○国務大臣(本多市郎君) 実はこれは最終的決定前の話を申上げて如何かと存じますが、打ち明けてお話を申上げますと、政府が最後的に決定いたしました、修正して決定したのでありますが、その前に出て参りました原案につきましては私も反対でありました。地方自治庁の、勿論私の部下もこれに対しましては地方自治制擁護の立場から何とかしてこれを修正しなければならんというので、そういう意見も示したことと存じます。併し閣議で平衡交付金法、又地方財政の自主性というものと調整をいたしまして最後的に決定いたしました案につきましては地方自治庁一人もこれに反対しておる者はないのでございます。それが誤まり伝えられておりますことは不徳のいたすことでございますので、今後十分戒めましてさようなことのないようにいたしたいと思います。
#113
○河野正夫君 さような陳謝の辞があつたので私もこれ以上追及いたしませんけれども、併し閣議決定以前に、如何なる決定の線が出るかも分らないときに或る、それも政府部内における或る試案が出たのに対して直ちにこれを外部に流して反対行動をとらせるような、これは一種の政治運動であります。国家公務員がかくのごとき政治運動をしていいかどうかということは重要な問題である。だから今後かくのごとき国家公務員の埓を越え、而も国会でそれぞれのいろいろな希望意見も各会派共に殆んど標準義務教育費法については持つておる。民主自由党と称せられた当時においても党議において或る程度まで線が出ておつた。我々も又考えておつた。そういうものについて一官僚がこれに対して、つまり国会の議員団の意思に反するようなことを政治行動するというようなことは嚴に戒めて貰いたい。
#114
○国務大臣(本多市郎君) 御趣旨は十分了承いたしました。あの場合は、実は私の地方自治庁には地方自治委員会というものがございまして、そこではすべて法案を審議して貰うことになつております。自治委員会議設置法のこれは使命でございまして、地方団体に関係のあるものはそこに付議しなければならん。そこは今回の財政委員会と同じように地方団体の代表的な立場の人を以て構成しておりますので、そこに出しました資料、或いはそこの意見がそれぞれの市町村長の組織する団体、そういうふうなものを通じてそういうふうになつたことと存じます。又一面私の立場から申しますと、文部省が閣議に提出するまで、最後的決定になるまでやはり同じ立場にあつたと思うのでございますが、全国の教職員組合、教育委員会等の人達が相当自治庁の部下に対しても圧力的な運動もあつたのでございまして、こうしたことはお話の通り今後は相共に戒めて行きたいと存じます。
#115
○岩木哲夫君 ちよつと一言……、私は今本多国務大臣のお話に承服できない一点をこの際明確に指摘して置きたいと思う。本多国務大臣は地方税法においても国民が誤まつた考えを持つておると言われておる。これは由々しき言葉でありまして、我々の観点によりますれば、今回政府が出された地方税法はその起案、基礎とされまする資料提供上に対しまして重大なる疑義、欠陷があるのであります。ややともいたしますればこういう陳腐な、又測定、積算の基礎を誤まつた資料を土台としてシャウプ勧告団に提供してこれが立案されたということに第一の大きな問題があると思うのであります。第二は政府は現下の日本の経済状態というものをどういう考え方を持つてこの地方税法の増税という観点に結び付けておるのか。現下の日本の経済状態は尚占領管理下にあつて本当の自由というものは許されておらない。本当の自由貿易も、自由企業も許されておらない。殊に厖大なる二十四年度、二十五年度の債務償還をして、金融を政府は統制をして、政府の意図する企業にのみより融資しないということが大体の主因になつて今日のデフレなり、今日の経済状態なり、現下の日本の自立経済の構想というものは今後に残されておるのであります。そういう日本の現下の経済状態の真相に対する把握、或いは観点というものにも相当疑義があるにも拘わらず、今回国税を減税すると言つておりますが、国税の減税ではないのです。これは減收なんです。であるから先月末において尚一千億の滞納があるごとく……。国税が減税だと称して地方税を増收するというところに、而も経済客体の基礎的な観点に大きな誤まりがあるのみならず、こうした誤まりがあればこそ吉田総理はマッカーサー元帥に一年間のこの法律の延期方を懇請したではないか、みのならず與党である自由党が厖大なる修正案を司令部に要求したではないか、これは即ち本法案に対する欠陷があることの証左でありまして、殊に全国民が非常なる反対運動をして非常なる悲痛な反対の声を挙げておるときにこれらを主宰する本多国務大臣がこれが考え違いであるということの一言で始末されるということは私は大きな間違いでありまして、これは議論になるかも知れませんが、この際我々の考え方を一言申上げて置きます。(「同感だ」「取消しを要求」と呼ぶ者あり)
#116
○国務大臣(本多市郎君) 政府は確信を持つて提案をしておるのでありまして、只今お話のありました減税にならんという見方でございますが、これは誤まりであると思います。政府は国税において昨年度の当初予算に比較して九百億の減税、この減税は不景気のための自然減收であると、こういうふうに言われるのでありますが、さようではないのでございまして、それぞれ税率、基礎控除等の引下げによりましての減税が自然課税標減の減少に伴う減があるとすれば、この上に更に生ずるわけでございます。地方税において四百億増税になると考えておりますが、差引ましても、五百億の当初予算で比較すると減税になると確信を持つておるのでございまして、更に今回のこの地方税制その他これに関する財政制度の改革は地方自治のこれは強化であり、発達の基礎になるものであるという確信を持つております。又今日までの地方税の非常な不均衡をこれで是正できると確信いたしておりますので、それと違つた見解は、政府の立場からは、誠に我々の努力の足らない結果理解して頂けんことを残念に考えております。
#117
○委員長(岡本愛祐君) この程度で地方行政、大蔵、文部連合委員会を閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(岡本愛祐君) それではこれで散会をいたします。
   午後零時三十二分散会
 出席者は左の通り。
  地方行政委員
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           堀  末治君
           岩木 哲夫君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           山田 佐一君
           林屋亀次郎君
           木内キヤウ君
           西郷吉之助君
           柏木 庫治君
           鈴木 直人君
           米倉 龍也君
  大蔵委員
   委員長     木内 四郎君
   理事
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           平沼彌太郎君
           油井賢太郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
  文部委員
   委員長     山本 勇造君
   理事
           若木 勝藏君
           藤田 芳雄君
   委員
           河崎 ナツ君
           河野 正夫君
           岡崎 真一君
           梅原 眞隆君
           堀越 儀郎君
           三島 通陽君
           岩間 正男君
  国務大臣
   文 部 大 臣
   通商産業大臣  高瀬荘太郎君
   国 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   文部事務官
   (初等中等教育
   局長)     稻田 清助君
ソース: 国立国会図書館
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