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1949/12/20 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号
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1949/12/20 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号

#1
第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第4号
昭和二十四年十二月二十日(火曜日)
   午後一時五十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十九日(月曜日)委員田中利勝
君辞任につき、その補欠として原虎一
君を議長において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○海外残留者留守家族に対する越年資
 金支給に関する決議案に関する件
○在外財産及び持帰り証券処理に関す
 る件
○ソ連地区残留者調査のための証人の
 出頭を求める件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡元義人君) では只今から委員会を開会いたします。
 只今政府側から外務省管理局長倭島英二君、大蔵省稻益為替課長、援護局宮崎次長、田邊援護局長、復員局高山復員課長、以上出席されております。
 本日の議案の第一は、留守家族越冬資金に関する決議案取扱いに関する件及び裏付財源に関する件、この二件でございますが、委員長から今日までの寿議案取扱に関しての経緯を御報告いたして置きます。運営委員会におきまして、この決議は越冬資金と書いてあるが、越冬資金というのは非常に支障があるのではないかという御意見が出まして、なお裏付財源が必要であるから、これは一応大蔵委員会で検討した方がいいのではなかろうかというので委員会省略をば、一応省略しないことにいたしまして、大蔵委員会にこれが付託されたわけであります。決議案でございますので、完全な裏付処置ということは必要ないわけでありますけれども、一応参議院が決議案を出して空文に終らないように一応の目途をつけて置く必要があるのではないか、こういう見解の下に大蔵委員会に付託されたものと考えられるのであります。そこに特別立法処置に関する件、特別立法によらず別途の方途による件、かように書いてございますが、要するにこの内容は、非常に年末も迫つておりますので、立法処置によつて別途に財源等を求めるというようなことは相当な困難性が予想されますのと、従来当委員会で御審議を願つておりました失業保險の適用、或いは大蔵省主計局長の前に述べられた退職手当というような方法等をば今後なお検討いたすことにいたしまして、緊急処置としては、只今お手許にお配りしてございます越冬資金決議案に対する関係法規抜萃から参考としてここにお配りしてございますので、このような方法で行つたらどうかということが考えられる次第であります。一応御報告いたしまして今後の決議案の内容、取扱並びに裏付財源等に関しての各委員の御意見を承りたいと思います。
#3
○中野重治君 私、この前ちよつと出られませんで、それでこの決議案の取扱に関する問題に入る前に、それに関してお尋ねしたいのですが、これは私は記憶違いがあつたかも知れませんけれども、この二千円の越冬資金というものは、言葉がどうであろうとも内容上は、とにかく皆留守家族の者は非常に困つている、難澁している、どうしても、こういう二千円という金を出して貰うように決議するというような話であつたと記憶するのです。そういう意味で私も署名者の一人に加わつているわけですが、これがそれではなくして受取るべく給與の中を二千円今出すのだというふうな話に行くのだとすると、これはただ何と言いますか、格剔抉議案というふうなことにしなくてもできるのではないか。私は法的取扱のことは詳しく知りませんけれども、それで委員会としてとにかく問題にしたのは、受取るべきものを今出して貰いたいというふうな軽い意味ではなくして、実際年の瀬を越すためにはどうしてもこれだけのものは出して貰わなければならない、別に出して貰いたい、そういう意味で問題が取上げられたというふうに記憶するわけです。そこのところは、これは可能不可能ということは問題にはなるのですから、どんな道行きで本来とは少し違つた筋道の方に行こうとするのですか。
#4
○委員長(岡元義人君) 中野委員にお答えいたします。今御質問のあつた点は当初においては多分に今のお申出のような方向で考えまして、別にまだお手許に配つてございませんが、立法措置の原案も作つてあるのであります。併しながら考えて見まして、技術的に年内に間に合わないという公算が非常に大でありますのと、もう一つはお手許に配りました一番最後の今後帰還する者については失業手当の適用者として取扱いするか、河野主計局長の言うごとく退職手当の方途を講ずるか、いずれかの処置を今後検討しなければならない、こういう工合に書いてあるわけですが、この方面にいわゆる重点を持つて行つて取敢えずお正月を過させるという点については、筋の通つた線で押して行つた方が解決が早いのではないかという考え方から、多少方向が変つているという点があるわけであります。併し決議案の内容といたしまして二つの目的があると見なければならんと思います。その一つはこの決議を出すことによりまして、片一方においては、いろいろ政府が工面いたしております財源、この財源の中で、すでに引揚費の十億円というものが先の補正予算で転用されております。こういうことになりますと、只今残つております財源も亦いつどの方面に流用されるか分らないということになりますので、結局結論におきましては、来年三月までにはこの決議案がある以上はいつかは出さなければならない、こういう一つの押さえが効くわけであります。そういう狙いと共に一このお正月のなんに何とかして間に合せよう、これは第五條を抜萃してございますが、第五條の抜萃の意味をよく御検討して頂きますと、今後帰つて来る者の死亡者は相当数が殖えると見なければならんと思うのであります。そういうような前提の下に考える場合には、こういう処置は適切な処置ではないかと考えられますので、一応決議で押さえて行くという方向を持つて行つた方がいいのではないか、かような考え方からこういうふうに進んで参つたので、御了承を願いたいと思います。
#5
○中野重治君 そういうふうに進んだとすると、これは進んでしまつたことですからいたし方ないのですが、私としてはちよつと賛成できがたいのです。それを申しますと、この第五條の問題もありますし、私としては如何なる名目であれ、二千円なら二千円の金が少いものであつても手に渡るということには賛成であつて、決して反対ではありません。併し今の委員長の話を聞きますと、それは一応分りますけれども、併しまるで委員会が決議することによつて、政府が不当に財源を他に転用することに対して予め釘を刺して置くというふうなこともその果す役目の中に入つているようですけれども、こういうことは委員会としては政府が若しそういう資金の流用をするようなことがあつたならばこれを監督するとか、批難するとかいうことならば委員会の任務になるでしようけれども、流用しかねない政府を、委員会の決議を以て食い止めようというふうなことは、私は委員会の任務でもないし、委員会の決議の本来の性質と大分懸れ離れているのではなかろうか。これは勿論一つの決議案がなされた結果政府の誤つた流用というようなことが防がれるということは、これは望ましい、いいことだと思いますけれども、それが予め委員会において念頭に置かれて決議をなされるということは、委員会の自主的な決議というものを性質上傷つけはしないか。
#6
○委員長(岡元義人君) 中野委員にお答えいたしますが、今の問題は多少結果の方を先に申上げましたので、飽くまで留守家族に何らかの処置を講じてやるということが主眼であることは間違いないのであります。それを分り易く裏から申上げたものですから、そういうふうな解釈が成立つたのだと思いますが、一応今日の委員会といたしましては、その何れを採るかということはまだ議題となつておるわけであります。この点お含み願いたい。只今何れを採るか決定はいたしておりませんが……。
   〔委員長退席、理事紅露みつ君委員長席に着く〕
#7
○九鬼紋十郎君 ちよつとお伺いするわけですが、未復員者給與法、そういつた特別未復員者給與法といつた中には、越冬資金を出すという法規はないと思いますが、越冬資金を出すという法規がないと思うのですが、越冬資金の決議ということに、越冬資金と島て出すということになると、法規上の困難性が出て来ると思うのですが、政府の御意見を伺いたいと思います。
#8
○政府委員(宮崎太一君) 只今の御質問にお答え申上げますが、未復員者給與法、特別未帰還者給與法におきましては、越冬資金はありません。若し政府で出すといたしますと、法律を制定して出す必要があると思います。
#9
○九鬼紋十郎君 今の御説明でよく分つたのですが、そうすると、越冬資金として出せないことになると、この決議案を出された趣旨としては、越冬資金でなくして、繰上げていわゆる月額の俸給を出すということになるのだが、むしろこの決議案の名称を何とか変更して出されたら、非常に都合よく行くと思うですが、そういう点につきまして、どなたにか一つ伺いたい。
#10
○理事(紅露みつ君) これは名称を変えても差支ないと思いますけれども、援護局の局長さんどうですか、この点について何か御意見或いはいい思いつきがございますか。
#11
○九鬼紋十郎君 決議案を出すことを計画されたどなたか御説明願いたい。穗積さん御存じないですか。
#12
○穗積眞六郎君 私もよく存じません。これは私も中野さんと同じような疑問を持つております。ですからその名称を変えるのは……、我々が発議者になつた決議案というのがどういうふうに行くのだか、それに対してももう少し御説明承りたいくらいに思つておるのです。
#13
○理事(紅露みつ君) それではこの点は保留して頂きまして、御で御説明をよくして頂くことにいたしましよう。
   〔理事紅露みつ君退席、委員長着席〕
#14
○千田正君 先程から大分この決議案に対する疑義が生じて来ておるようでありますが、一応委員長から、さつきも御説明があつたようでありますけれども、最も有効にこれを施行する方法としてのあれもありますから、簡單でよろしゆうございますから、各委員に徹底するようにお話願いたいと思います。
#15
○委員長(岡元義人君) この決議案の文章の中で越年資金という言葉を使いましたのは、当時この議案を作りますときに、要するに国鉄の裁定に基くところの問題が参議院においても決議となつて出されますし、これと平行して、当然もつと気の毒な状態に置かれているのは留守家族である。そういう観点からこの議案ができましたのでございます。これは一応委員会にお諮りして、委員会の決を一応採つたわけでありますが、そのときの状況から、いわゆる越冬資金というものは非常にもまれて、結局越冬資金という形では出ないというので、片一方側がすでに御承知の通り、昨日決定したようなああいう形になつて出たわけです。そこで当然この越冬資金という字句が少しおかしいのではないかという疑義が生まれて来たのだ、こう解釈するのであります。だからこれをばどうしてもまずいのでありますならば、これは又字句を修正島て、そうしてオー・ケーを取り直すという方法が考えられなければならんと思います。併し一応このままですでにオー・ケーは貰つておるわけです。
#16
○九鬼紋十郎君 今委員長の御説明でよく分りましたが、それで法規としての越冬資金というものは、未復員者給與法にはないのですから、むしろ未復員者の俸給を繰上げ支給する決議案というようなことに、名称を変更して貰つたら私はスムースに行くのではないかと思うのです。
#17
○委員長(岡元義人君) 今九鬼委員から御発言ございましたが、他の委員から御意見ございませんか。
#18
○穗積眞六郎君 これは先程も中野委員からお話がありましたように、一つの問題は越冬資金云々という問題もありますが、もう一つは、そういう貰うべき権利のあるもののうちから内渡しをしようという我々の初めの意思ではなくして、その他にやりたい、これが決議案のときの皆の意思だつたと思うのであります、委員長のあれも、そのために特別立法を作るか、特別立法を作らないで便法があるか、こういうお話なんですか。それとも、特別立法とか特別立法によらずしてとかいうのは、初めの我々の願いはとても駄目なんだから、貰うべきものの内渡しをするために特別立法を作るとか特別立法によらないとかという意味なのですか。そこのところがはつきりしないので、御説明を願いたいと思います。
#19
○委員長(岡元義人君) 穗積委員にお答えいたします。勿論この間の線に副いまして、特別立法をいたします場合の、これはプリントがまだできておりませんでしたけれども、案といたしまして、「未復員者給與法並びに特別未帰還者給與法に基く未復員者並びに特別未帰還者には昭和二十四年末一時金を支給する。前條の年末一時金はこれを二千円とする。年末一時金は法律に定める扶養親族の一人であつて、昭和二十四年十二月分の扶養手当の支拂いを受けた者に法律に定める支給庁からこれを支拂う。第四條、主務大臣はこの法律の施行に関して必要な事項を定めることができる。」こういうふうに実は案もできておるのであります。それでこのどちらで行つたがいいかということを、今日の委員会で皆さんにお考えを願いたいというので、案件として出したのであります。勿論最初の方向はこれで行くつもりで準備をしておりましたが、併しながら緊急に時日が迫つておりますので、又この裏付け財源等についての立法措置については相当な困難性があるのではないかということも考えられるので、今一応ここに出しました案は、それよりもこういう方向で一応ここを凌いで、そうして後で、案に書いてございます通り、失業保險の適用徳か或いは退職手当の方とかによつてこれをカバーするか、いずれかをばお決め願いたい、かようなわけであります。
#20
○穗積眞六郎君 それで特別立法は分りましたが、特別立法によらずして別途のこと、これは今御説明がある筈だつたわけなんですが、これは一体今のように別にやるというのですか、それとも今度の案の貰えるもの中から云々ということの案になるのですか。
#21
○委員長(岡元義人君) その通りです。一応政府側の見解を聞いて見ることにいたしましようか。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#22
○委員長(岡元義人君) 速記を付けて。
 それでは今委員会において一応決議案を出すということが決議されておるのでありますが、これに対しまして、政府側の一応見解をばお聽きしたいと思います。
#23
○政府委員(宮崎太一君) この問題につきましては、主管の官庁は大蔵省でございまして、ただ私共の方が引揚者の援護の責任を負うてやりまする関係上、大蔵省と一体になつて仕事をやつておりまするのでございまして、その点につきましては、この越年資金を出すかどうかということについては、国今の御決定がどうであるかということでございますが、私共の方といたしましては、財源を考えなければならんことになるのでございます。財源につきまして、いろいろ検討をいたしておるのでございまするが、大体五万世帶に二千円全部出すということになりまするというと、一億円の経費を必要とするわけでございます。そこでその一億円の経費が出るか出んかという点でございまするが、これをいろいろ大蔵省と私共の方で検討をいたしておるわけでございます。それからもう一つは、そういう越冬資金ということでなくして、未拂俸給を繰上げて支給するという問題に相成りまするというと、これは現在の未復員者給與法、或いは特別未帰還者給與法によりまするというと、引揚者が帰つて参りましてから、俸給をまとめて渡すというのが法律の建前であるのであります。でございますからして、渡さないのが原則になつておるわけでございまして、これを特別の必要ありまする場合におきまして命令の規定によつてこれを拂えることになるわけでございます。この命令をどう規定するかということによつて、法規的には私は出せるのではないかという気がいたしますが、全部に出すということは、これは原則と例外の関係がございまして、困難であると思いますけれども、扶養家族を持つている人で、而も四年以上も帰らないという、こういう現実を睨みまして省令の規定を工夫いたしまするならば、法規的には行くのではないか、こういう気がいたします。ただ財源の点につきまして、若し二千円全部ということになりまするというと、俸給の繰上げ支給でございますので、法律上当然二千円出せない人がございます。そういう人には金額を殖やさなければなりませんので、一億の経費は要らないわけでございまして、でありまするから経費が若干減るわけであります。それらの点につきまして、政府としていろいろ研究いたしておりまして、関係方面との折衝も大蔵省の方においていたしているような次第でございます。
#24
○千田正君 この越冬資金を出すところの留守家族の対象になる数は、大体援護庁としてはどれだけ考えているのですか。
#25
○政府委員(宮崎太一君) 五万世帶よりちよつと切れる程度でございます。
#26
○九鬼紋十郎君 この頂載いたしました参考資料を見ますと、六万世帶になつておりますが、この食い違いはどうしたものですか。
#27
○委員長(岡元義人君) 委員会からお答えしますが、これは大体今まで調査いたしました範囲において六万世帶、こういう工合に大体数字をこちらとしては概略掴んであります。今の次長の答弁のように、五万世帶というのは恐らく……。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(岡元義人君) 速記を始めて、一応大蔵省側の見解を求めます。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#29
○委員長(岡元義人君) 速記を始めて下さい。
#30
○千田正君 先程宮崎援護庁次長からの御答弁の中に、この対象の留守家族の数は大体五万世帶、この留守家族というのは、地域的にはどこからどこに行つている留守家族を標準にされたのですか。ソ連地区或いは言われるところの中央地区、或いは北鮮地区、そういうものを引括めての五万世帶という意味ですか。
#31
○政府委員(宮崎太一君) この五万世帶の対象につきましては、現在月給を拂つていないで扶養家族手当を拂つている世帶全部でございまして、ソ連地区に限らず南方も総て含んでおります。それから特別未帰還者の方も含めて、そういう計算になつております。
#32
○千田正君 了承。
#33
○委員長(岡元義人君) 外に御質問ございませんか。
#34
○中野重治君 大蔵省の方の話は、これは問題ではありますけれども、一応承つたということにして置いて、さつきの宮崎さんのお話ですと、金の問題のことは大蔵省だが、援護局の方としては、内拂いということならば法規上は一応可能と見られる、こういうお話でしたね。その場合、これは勿論随分法規上いろいろなことを政府がやつているんだから、そんなことぐらいは可能であるどころか、直ぐにもできることと私は考えるのでありますが、やろうとさえ思えば、併し越多資金というふうな名がつくかどうかは別として、そういう新しい法律を作るというふうなこと、在いは新しい法律を作らないまでも、それに代り得るような何らかの便法を講じるということは可能か不可能かという点はどうですか。予算の裏付けをも絡ませた上でですね。
#35
○政府委員(宮崎太一君) 只今の中野さんの御質問でありますが、財源の問題がございまするので、法律を制定すると同時に財源を考えなければなりませんのでございます。その点については、金の方が問題でございますので、法律はこれはもう国会開会中でございますから、財源がうまく行き、妥当性がありまするならば、これは私は問題はないと思います。法律を制定するということにつきましては。ただ私は現行法の範囲において、未だ拂わざる俸給を繰上げて支給するという点については、命令を改正することによつてできるのではないかということを申上げたのであります。
#36
○中野重治君 それは分りましたが、それで大蔵省の方に一つ考えて欲しいのですが、どうですか。
#37
○説明員(岩動道行君) 只今の給與は、大体、帰つて来るまで積立てて置いて、帰つた場合に、一括して支拂うというのが法律の建前になつております。これは原則でありまして、それ以外に命令で決めた場合には、別の支拂いをすることができるということになつておりまするので、この間から伺つております話の内拂いをするというお考は、法律の改正なしに勿論できるわけであります。ただそういう考え方と全然別個に、新たに積立金資金を留守家族に渡す、今までの未支給給與の外に渡すということであれば、これは当然新しい立法を必要とするというふうに考えております。
#38
○中野重治君 新しい立法を必要とすることは私も知つておるのですがね。併し立法をするについては金があるかないかが問題になるわけでしよう。だからその点はどうですか。政府としては、どうですか。
#39
○説明員(岩動道行君) その点につきましては、未支給給與の内拂いをする場合に一応考えております財源は、当然そちらの方に振り替わるということになると思います。内拂いの場合には、本年度に若干のものを拂つて、帰つた来た場合には従つてそれだけ少く支拂いをすることになりますから、来年の予算がそれだけ少くて済むという結果になると思います。それから従いまして、これは予算の、現在考えておる予算の総額としましては全然殖えないので、一番節約になつていいわけでありますが、それとは別個に、追加して年末資金を出すということになりますれば、これは本年度の財源としては、先程の内拂いと同じ財源も使い得るわけであります。ただ来年度においては、その分だけが減るということがない点が相違をしておるという結果になつております。
#40
○中野重治君 問題は、もつとあつさり考えて、金にして一億円かそこらのことだから、つまり新しい法律を作つても、金のことは簡單に運べるのじやないですか。
#41
○説明員(岩動道行君) 本年度は、いずれにしましても、先程申上げたような筋で、ほんの僅かのものしか、一億にならない金しか使えない状態になつております。又来年の予算につきましては、もうすでに近々国会に提案する段取りになつておりまするので、ちよつとこれを只今直ちに変更するということは、政府としては考えておりませんので、やるといたしますれば、その範囲内で何か考慮をするという以外に手はないと思います。
#42
○中野重治君 そうすると、宮崎君のさつきのお話ですね。あれは命令的な措置を講ずるとしても、七千五百万円程度しか動がせないという、こういう意味になりますか。千五百円云々という……。
#43
○政府委員(宮崎太一君) 私の申しますのは、俸給の繰上げ支給をするということについては、法律の改正を要せずして省令でできるということを申上げたのでありますが、金額につきましては、これは二千円になるが千五百円になるかは、財源の問題になるだろうと思いますので、財源の点につきましては、大蔵省の方で検討中であり、又関係方面とも折衝中である、こういうことを申上げたのであります。
#44
○中野重治君 それはよく分りましたが、それで別々に答えて頂いて異議はございませんけれども、それで金は幾ら動くかというと、七千五百万円しか動かないというわけですか。大蔵省から見ると……。
#45
○説明員(岩動道行君) 七千五百万円という金額は必ずしも確定した金額でございませんで、私共が考えております可能なものを考えますれば、それ以下でなければ納まらないのではないだろうかというふうに考えております。
#46
○中野重治君 そうしますと、これを新しく実行するという、我々が最初考えた問題は後でもう一遍考えることにして、受取るべきものの内渡しを年末を控えて何とかやるということができた場合でも、それを受取り得る世帶は五万世帶、或いはそれ未満であり、且つ受取る額は仮に千円ぐらいにしかならないかも知れない、こういうふうになりますか。
#47
○説明員(岩動道行君) 金額の点につきましてはちよつとはつきり申上げ兼ねますが、できるだけ余計を出したい。結局はもう不用額の如何によりますので、その点につきましては目下関係方面と折衝中なので、確定した、或いは概算的な数字はちよつと申上げ兼ねる事情でございます。
#48
○委員長(岡元義人君) ちよつと速記を止めて……。
   午後二時四十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十一分速記開始
   〔委員長退席、理事水久保甚作君委員長席に着く〕
#49
○理事(水久保甚作君) 速記を始めて……。
#50
○千田正君 特に大蔵省並びに援護庁にお願いしたいと思いますが、本委員会において、越冬資金決議に関する問題は今まで十分に討議したと思いますが、この決議案に副いまして効果あらしめるように、政府当局におきましては十分なる御処置を採つて頂きたいと、特に強く要望する次第であります。
#51
○説明員(岩動道行君) 只今千田委員の御発言、十分に了承しまして、できるだけ御趣旨に副うように万全の努力をいたしたいと思います。
#52
○理事(水久保甚作君) ここでちよつと休憩いたしたいと思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○理事(水久保甚作君) それでは二十分程休憩いたします。
   午後三時四十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時十四分開会
#54
○委員長(岡元義人君) 休憩前に引続き委員会を開きます。
 この決議案の取扱について御意見を承りたいと思います。
#55
○千田正君 これは先程も大蔵省に向つて要請してあつたのでありまするが、これはあくまで本委員会においてはこの決議案を上程すべき一応の手続がしてありますので、我々国会の立場から言えば、これを原則としてどこまでも政府側に対しましてはこの実現方を要望する次第であります。同時に決議案の上程に関しましては尚大蔵省或いは援護庁が、関係筋その他の折衝の結果を見てから、こちらといたしましては出した方がいいのじやないかという点を皆さんにお諮り願いたいと思いますが、この点だけ申上げます。
#56
○委員長(岡元義人君) 只今の千田委員の御発言御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(岡元義人君) ではそのように決定いたします。
 では委員長から大蔵当局に要望しておきますが、只今の決議されました趣旨に従いまして、政府においてもこの予算措置等をば至急検討して頂く、尚それと平行して万一の場合においては、こういう方法をできるのだということも併せて一つ御検討願いたいと思います。
  ―――――――――――――
#58
○委員長(岡元義人君) では次の、在外財産及び持帰りの証券処理に関する件につきまして、大蔵当局から、先に「昭和二十四年十一月二十二日附参総庶第六九五号をもつて在外資産に関する調査資料を提出するよう御要求があつたが、在外資産については種々の事情から未だこれについて計数を発表できる時期になつていないので、御要求に応ずることができないから、御諒承願いたい。」とこう言つて文書で回答が参つたのであります。この点につきまして従来この委員会の在外資産処理に非常に支障を来しておりまするので、一応大蔵当局から御説明を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(岡元義人君) 御異議ないと認めます。尚要求いたしまする場合におきましては議長名を以て要求いたしまして、勿論国会法の第本四條憲法の第六十二條に基いて要求したものであることを願いたいと思います。
#60
○説明員(太田亮一君) 在外財産及び持帰り証券処理に対しましての本委員会及び前国会におきましての委員会からもやはり同様の資料の提出の御要求がありましたのですが、これにつきましては前々から大蔵政務次官よりも御説明申上げております通り、資料といたしまして一応整備したものはあるにはあるのでありますけれども、在外財産に関しまする資料につきましては未だこの発表を許されない状況にありまして、今回の御要求に対しましても、御同様の、時期を待つて頂きたいという趣旨の御回答しかできなかつたのは誠に残念でございます。これに附随いたしまして、前回のこの委員会におきまして申上げました通り、持帰りの証券処理に関しましての整理計数につきましては、関係方面の了解を得た上で提出いたすようにいたしたいということを申上げて置きましたのでありますが、只今その手続を進めておりまして、早晩何らかの回答を得まして、税関、日銀等におきまして引揚げ保管いたしております分の計数については資料を提出いたすことができるのではないかとかように心得ております。
#61
○委員長(岡元義人君) 只今の政府説明に御質問ございませんか。
#62
○穗積眞六郎君 ちよつと伺いますが、今の資料提出という中に、これはこの前にもちよつと御答弁があつたように思つておりますのですが、私がちつとはつきりしていなかつたのですが、前々の委員会に次官から、会社財産並びに個人財産の調べはできておる、そうしてこれは若し要求があつたならばそのやり方についていつでも説明する、こういうお言葉がありまして、それに対しても、この前の委員会のときどなたか御質問があつたように思つておるのでございますが、その点はどうなるのでございましようか、どういう方法によつてどのくらいと認定したということに結局なるのかという、そういうような資料も御提出には今はなれない、こういうことなのでございましようか。
#63
○説明員(太田亮一君) 只今のところ、今お話のありましたような、そういうやり方の点とか、そういうものにつきましても、率直に申しますと関係方面の了解を得た上でなければ御説明できないのが実情になつておりますので、そういう点でまだ向うの方に話をいたしましても、まだ了解は得ておりませんものですから、こちらの委員会といたしまして、別々にそういう御希望がございますることは万々承知いたしておりますけれども、まだ御説明申上げられない次第でございます。御了承を願いたいと存じます。
#64
○千田正君 どうも外務省の方のお話は、如何にも何かこれは政治的な大きな問題に関係するからというふうに用心しておつしやるというような感を深くするのですが、実際在外資産のこの問題については、もう引揚者が長い間待望しておることであつて、殊にすでに大体の案を得たかのごとく発表を見ておるので、むしろこの際はつきりして頂きたいと、こう思のですが、一体見透しが、いつ頃くらいというような見当がつきませんですか、この点を一つ承りたい。例えば本年度、本会計年度内においてこれは何とか恰好がつきそうな見透しがあるかどうか、なかなかそれもできないとかいう、何かその辺のはつきりした点をお答え願えば有難いと思いますが、その点を一つお願いいたします。
#65
○説明員(太田亮一君) 本年度内に何とかならないかというような、そういう見透しにつきましては、ちよつと見透し困難でございます。ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#66
○委員長(岡元義人君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(岡元義人君) 速記を始めて下さい。太田課長にちよつと要望して置きますが、前に委員会に許可になつた分と未許可の分との区分をいたしまして資料が一部提出になつておりますから、許可になつた分は差支ないものと考えられますので、その点できるだけ速かにやつて頂くということをお願いいたして置きます。
  ―――――――――――――
#68
○委員長(岡元義人君) それでは次に「3、在外公館借入確認に関する件」でありますが、これは外務省の方が只今来ておられましたけれども、席を外ずされましたので、一応この3案件は他日に讓りまして、(三)の項目に入つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(岡元義人君) それではさように取計らいます。
  ―――――――――――――
#70
○委員長(岡元義人君) ソ連地区残留者調査に関する証人喚問の件でございますが、一応委員会において決定されました方向に従いまして、委員長、理事において打合せの結果、お手許に配付いたしましたような証人を喚問することにいたしたわけであります。尚証人喚問に関しまして鈴木傳吉、佐藤良明、木村慶一、この三名がこのうちに載つておりませんでしたのでありますが、これは委員長、理事打合せ会において御要望がありましたけれども、住所が判明せず、記載しなかつたのでありまして、今日判明いたしましたので、もう三名附加えることを御了承願いたいと思います。
#71
○中野重治君 これ以外に三人加わるというわけですか。
#72
○委員長(岡元義人君) そうです。鈴木傳吉、佐藤良明、尚後程プリントも差上げたいと思つておりますが、それから木村慶一、以上三名です。
#73
○千田正君 この証人氏名を印刷した一番しまいの一ノ瀬というのは一ノ関と違いますか。
#74
○委員長(岡元義人君) そうです。一ノ関です。
#75
○穗積眞六郎君 これはもう一遍プリントし直して下さい。國分萬三郎というのは、名前が違つておりますから……。
#76
○中野重治君 前に決められた証人の数に、三人増加されることには異議がないですが、私としては最近帰つて来た人で、ことに日本新聞関係その他で、或る程度名も知れているし、責任も負えるだろうと思われる相川春喜及び土井……名の方はちよつと今忘れましたが、その二人を是非入れて頂くように要求したいと思うんですが……。
#77
○委員長(岡元義人君) 中野委員に申                            上げますが、一応委員長、理事へ先達て一任するということに決定して、三名の住所が分らずに、ここに書かなかつたわけであります。只今丁度電話等で分りまして、この三名をここに補足したわけなんです。
#78
○中野重治君 この三名の分もその中に入つておりましたか。
#79
○委員長(岡元義人君) 入つております。
#80
○中野重治君 ああそうですか。それから調査要領事項の方に入つてもいいですか。
#81
○委員長(岡元義人君) ええ構いません。
#82
○中野重治君 この調査要領の一部ですね、「第一日、第二日とも同じ課題において証言を求めるが、第二日は第一日の補充証言をなす。」という場合に……。
#83
○委員長(岡元義人君) 中野委員に申上げますが、「証言となす」です。ミス・プリントですから……。
#84
○中野重治君 ああそうですか。細かいことなので速記に取らなくてもいいですが……。
#85
○委員長(岡元義人君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(岡元義人君) それでは速記を始めて下さい。では只今お手許にお配りいたしました要綱において、証人の証言を求めることに御異議ございませんか。
#87
○千田正君 異議ありません。
   〔「異議ない」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(岡元義人君) ではさように決定いたします。外に今日は何か……。
#89
○千田正君 明日は対日理事会が、恐らく今年度におけるところのこの引揚に関する重大なる問題を討議されると思いますが、それは何時頃か様子が分りませんですか。それに対して或いは当方においてその結果を聽くために、委員長若しくはどなたかが向うへ行かれるというような予定になつておりますかどうか、その点……。
#90
○委員長(岡元義人君) 只今の千田委員の御発言に対してお答えいたします。対日理事会は明日十時から開かれることになつておりますが、前例としないということで、両院の議長、副議長だけは特別な方法で考慮して頂く。他の方はやはり少くとも八時頃までに一応並んで御回答が参つておりますので御了承願いたいと思います。尚委員会といたしましては、衆参両院の特別委員長並びに議長ともこれから連絡いたしまして、どなたか行つて頂くように交渉をしたいと思つております。
#91
○中野重治君 簡單なことですが、これはむしろ外務省の人に聽くべきことだつたのですが、若し何か外務省の方から委員長なり委員会の方に話が出た機会に、アメリカのワード総領事が帰国された際、横浜で新聞記者会談で、いわゆる満州地方に今残つている日本人の数についての発表があつたとなつているのですが、あのことに関して日本外務省からは委員長へは何らかの話がありませんでしたか。
#92
○委員長(岡元義人君) 中野委員にお答えしますが、まだ全然ありません。委員長といたしましては、ミス・プリントじやないかということも一応確かめたいと思つておつたくらいであります。
#93
○紅露みつ君 只今の対日理事会の傍聽ですが、これは制限があれば仕方がありませんが、余り嚴しい制限がなかつたら、委員長、理事、或いは外の方も希望者、成るべく希望がある向きは傍聽した方がいいと思いますので、そのおつもりでお打合せ願いたいと思います。
#94
○委員長(岡元義人君) 紅露委員の御趣旨御尤もでございますので、只今申上げましたように、議長、副議長はそういう工合になつておりますが、他の委員はできるだけ行つて頂くように実員長からもお願いしたいと思います。では本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡元 義人君
   理事
           水久保甚作君
           紅露 みつ君
           千田  正君
   委員
          池田宇右衞門君
           伊東 隆治君
           木内キヤウ君
           九鬼紋十郎君
           穗積眞六郎君
           中野 重治君
  政府委員
   引揚援護庁次長 宮崎 太一君
  説明員
   大蔵省主計官  岩動 道行君
   大蔵事務官
   (理財局管理課
   長)      太田 亮一君
ソース: 国立国会図書館
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