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1982/03/16 第98回国会 参議院 参議院会議録情報 第098回国会 予算委員会 第7号
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1982/03/16 第98回国会 参議院

参議院会議録情報 第098回国会 予算委員会 第7号

#1
第098回国会 予算委員会 第7号
昭和五十八年三月十六日(水曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     井上 吉夫君
     岩崎 純三君     岡部 三郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         土屋 義彦君
    理 事
                嶋崎  均君
                関口 恵造君
                長谷川 信君
                藤井 裕久君
                赤桐  操君
                矢田部 理君
                大川 清幸君
                立木  洋君
                伊藤 郁男君
    委 員
                井上 吉夫君
                板垣  正君
                大島 友治君
                大城 眞順君
                岡部 三郎君
                長田 裕二君
                梶原  清君
                後藤 正夫君
                坂元 親男君
                田沢 智治君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                林  寛子君
                村上 正邦君
                八木 一郎君
                粕谷 照美君
                勝又 武一君
                瀬谷 英行君
                寺田 熊雄君
                山田  譲君
                吉田 正雄君
                和田 静夫君
                太田 淳夫君
                桑名 義治君
                中野 鉄造君
                三木 忠雄君
                佐藤 昭夫君
                田渕 哲也君
                前島英三郎君
                江田 五月君
   国務大臣
       内閣総理大臣   中曽根康弘君
       法 務 大 臣  秦野  章君
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  瀬戸山三男君
       厚 生 大 臣  林  義郎君
       農林水産大臣   金子 岩三君
       通商産業大臣   山中 貞則君
       運 輸 大 臣  長谷川 峻君
       郵 政 大 臣  桧垣徳太郎君
       労 働 大 臣  大野  明君
       建 設 大 臣  内海 英男君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    山本 幸雄君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 後藤田正晴君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖縄開発庁長
       官)       丹羽 兵助君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       齋藤 邦吉君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  加藤 六月君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  谷川 和穗君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       塩崎  潤君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       安田 隆明君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  梶木 又三君
   政府委員
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       内閣法制局第一
       部長       味村  治君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       管理局長     加藤 圭朗君
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       内閣総理大臣官
       房広報室長兼内
       閣官房内閣広報
       室長       小野佐千夫君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    菊池 貞二君
       総理府人事局長  藤井 良二君
       警察庁長官官房
       長        太田 壽郎君
       警察庁刑事局保
       安部長      大堀太千男君
       警察庁警備局長  山田 英雄君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       北海道開発庁総
       務監理官     楢崎 泰昌君
       防衛庁参事官   新井 弘一君
       防衛庁長官官房
       長        佐々 淳行君
       防衛庁防衛局長  夏目 晴雄君
       防衛庁経理局長  矢崎 新二君
       防衛施設庁長官  塩田  章君
       防衛施設庁総務
       部長       伊藤 参午君
       経済企画庁調整
       局長       田中誠一郎君
       科学技術庁研究
       調整局長     加藤 泰丸君
       国土庁長官官房
       長        宮繁  護君
       国土庁長官官房
       審議官      荒井 紀雄君
       国土庁長官官房
       会計課長     金湖 恒隆君
       法務大臣官房長  根岸 重治君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       外務大臣官房長  枝村 純郎君
       外務省北米局長  北村  汎君
       外務省欧亜局長  加藤 吉弥君
       外務省条約局長  栗山 尚一君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  勝君
       大蔵省主計局長  山口 光秀君
       大蔵省主税局長  梅澤 節男君
       大蔵省証券局長  水野  繁君
       文部大臣官房長  高石 邦男君
       厚生大臣官房総
       務審議官     小林 功典君
       厚生大臣官房審
       議官       新田 進治君
       厚生大臣官房会
       計課長      坂本 龍彦君
       厚生省公衆衛生
       局長       三浦 大助君
       厚生省公衆衛生
       局老人保健部長  吉原 健二君
       厚生省環境衛生
       局長       竹中 浩治君
       厚生省医務局長  大谷 藤郎君
       厚生省薬務局長  持永 和見君
       厚生省社会局長  金田 一郎君
       厚生省児童家庭
       局長       正木  馨君
       厚生省保険局長  吉村  仁君
       厚生省年金局長  山口新一郎君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       林野庁長官    秋山 智英君
       通商産業大臣官
       房長       柴田 益男君
       通商産業大臣官
       房審議官     斎藤 成雄君
       資源エネルギー
       庁長官      豊島  格君
       運輸大臣官房長  犬井 圭介君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       郵政省電気通信
       政策局長     小山 森也君
       労働大臣官房長  加藤  孝君
       労働省職業安定
       局長       谷口 隆志君
       建設大臣官房長  豊蔵  一君
       建設大臣官房総
       務審議官     吉田 公二君
       建設大臣官房会
       計課長      牧野  徹君
       自治大臣官房会
       計課長      大塚 金久君
       自治省行政局選
       挙部長      岩田  脩君
       自治省財政局長  石原 信雄君
       自治省税務局長  関根 則之君
       消防庁長官    砂子田 隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
   説明員
       日本電信電話公
       社総裁      真藤  恒君
   参考人
       金属鉱業事業団
       理事長      西家 正起君
       日本銀行総裁   前川 春雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十八年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(土屋義彦君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和五十八年度一般会計予算、昭和五十八年度特別会計予算、昭和五十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ─────────────
#3
○委員長(土屋義彦君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 昭和五十八年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君、金属鉱業事業団理事長西家正起君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 なお、出席時刻等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(土屋義彦君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#6
○委員長(土屋義彦君) これより和田静夫君の総括質疑を行います。和田君。
#7
○和田静夫君 総理、あなたが総理になられましてから、中曽根さんはこういうことをおやりになるんではないだろうかという、あれこれのうわさが非常に立ちました。たとえば内政に限って言えば、デノミをやられるのではなかろうか、あるいは解散・総選挙をやられるのではなかろうか、改憲を政治日程にのせるのではなかろうか、あるいは増税なき財政再建を軌道修正するのではないかなどなどたくさんあるのでありますが、これらの中には総理自身が記者会見などで示唆されたものもございました。どうも私は、そういう意味では不透明な感じが、一体どうなっているんだろうかということで、いたします。
 そこで、中曽根内閣は、国民に安心を与える、それも任務の一つとされているわけでありますから、これらの問題について明快なお答えをまずいただきたいと思うのでありまして、まず、デノミはおやりになりますか。
#8
○国務大臣(中曽根康弘君) いまお挙げになった諸項はみんなやらぬと言っていることで、デノミもやりません。
#9
○和田静夫君 それでは第二に、あなたは首相臨時代理時代から大地震対策に熱を入れてこられたと言われている、熱心に地震対策に対処してこられたと言われるわけですが、その決意を聞かしてください。
#10
○国務大臣(中曽根康弘君) これは熱心であります。今度国土庁長官に腕ききの新進政治家になっていただきましたが、これはやはりその腕前を見込んで、特に防災関係を考えて加藤六月さんにお願いしたわけであります。官房長官にまたお願いいたしましたのも、いざというときに一番強いのはこの方ではないかと思って後藤田さんにお願いした。これはやはり大地震等も頭に置いて考えたことであります。
#11
○和田静夫君 それじゃ総理、いまこの瞬間に直下型地震が発生したときにはどのようにされますか。
#12
○国務大臣(中曽根康弘君) これは手順がすべて決まっておりまして、まず総理官邸へ地震関係の閣僚が全部参集いたします。そうして各省庁からの情報をキャッチして、それに伴う必要な措置をどしどしやっていくと、こういうすべて手順が決まって、毎年九月一日には予行演習もやっております。
#13
○和田静夫君 いや、いま私とやりとりしているこの瞬間です。
#14
○国務大臣(中曽根康弘君) これはもう総理官邸に全部、閣僚及び党の首脳部が集まって、適宜必要な指令をどんどん出していくと、こういうことになると思います。
#15
○和田静夫君 消防庁編の「地震の心得」というのは御存じですか。
#16
○国務大臣(中曽根康弘君) 読んだことがございます。
#17
○和田静夫君 その十カ条のうちの一番先にはそう書いてないんですが、いまここで起こった場合。
#18
○国務大臣(中曽根康弘君) われわれは公の立場にありまして、まず職務を遂行するということが第一で、身の安全ということも、いろんなこともあるでしょうけれども、ともかく総理官邸へ全員集合して、そして通信の問題とかいろいろあるでしょうけれども、そしてそれに要する、要するに中枢部をすぐ形成しなければいかぬと、そういうことだと思っております。
#19
○和田静夫君 自治大臣。
#20
○国務大臣(山本幸雄君) 大地震が発生した場合、こういう場合に火災等が起きて非常な被害が予想される。消防といたしましては、そういう場合の応急活動の中核体になる消防のいろんな施設、あるいは設備というようなことをいまやっております。
 それから大規模地震対策特別措置法というのができておりまして、それによりまして業務計画もできており、特に地方公共団体でこういう地震防災強化計画、あるいは地震防災応急計画というような計画もつくっていただいております。
 また、市町村レベルでの自主防災組織の育成指導、あるいは防災訓練の実施、あるいは地震が起きた場合のいろんな対応の仕方の知識の普及、そういったようなことをいまやっておりまして、消防庁としてできるだけのいま対策の推進をやっておるところでございます。
 また、「さくら」衛星というのを利用しまして、通信施設の整備もして、地方との連絡に万全を期したいと、こういう準備をやっているところでございます。
#21
○和田静夫君 私は、総理の御決意のわりには実は実際の対策が立ちおくれているのではないかと思いましたからそういうふうに取り上げてみたんですが、国土庁が三月六日に発表された広域防災基地構想ですが、この構想の中には、首相官邸が壊滅的な打撃を受けた場合を想定して、第二首相官邸を立川につくるというものがあるわけですが、首相官邸が壊滅的な打撃を受ける地震というのはどの程度ですか。
#22
○国務大臣(加藤六月君) 首相官邸は、関東大震災のときに帝国ホテルが窓ガラス一つ落ちずになったと同じような構想において建てられておりますから、普通の場合なら関東大震災程度のものには耐えられると考えております。
#23
○和田静夫君 壊滅的な打撃を受ける地震とはどんなものかと聞いたんで、そういう地震が起こる可能性はやっぱりあると踏んでいらっしゃるわけですか。
#24
○国務大臣(加藤六月君) なるべくならそういう地震があってほしくないというのが国民全部の希望でございますが、しからば、壊滅的打撃というものをマグニチュードでどの程度に見るかということは、関東大震災当時のわが国、特に東京その他の建築基準法、建物あるいは都市計画その他によって相当変化いたしておりますから、どの程度が壊滅的打撃かということについてはちょっとわかりかねるのが本当のところではないかと、こう考えております。
#25
○和田静夫君 これは事務当局、それじゃ。
#26
○政府委員(荒井紀雄君) わが国におきましてどういう地震が発生が可能であるか、恐れられているかということでございますが、首都圏につきましては、一つは相模トラフ沿いの地震がございます。これは一九二三年関東大震災の震源域でございますけれども、これにつきましては、近い将来は大規模地震が発生する可能性は薄いというふうに考えられております。
 それから房総仲でございますが、これも先ほどの相模トラフの東側に相当するわけでございますけれども、若干判断材料は十分でございませんけれども、東京からかなり遠い震源ということでございまして、首都圏に大被害をもたらす可能性は小さいというふうに考えられております。
 それから駿河トラフ沿いでございます。これは一八五四年の安政東海地震以来百三十年経過しておりまして、これは大規模地震対策特別措置法によりまして予知体制が組まれております。これは、したがいまして発生の可能性はあるということでございますけれども、この東海地震の東京に対する影響は震度五以下というふうに想定されておりますので、比較的被害は大きくはならないのではないかというふうに考えられております。
 それで、一番可能性が高いといいますか、これは比較的小規模の地震ではありますけれども、都市直下の浅いところで発生しました地震でございまして、これは場所によりましては、またその震源の深さによりましてはかなりの局地的な大きい被害を発生するおそれがあるということでございます。これに対しましてわれわれは鋭意災害対策等の推進に取り組んでおるところでございます。
#27
○和田静夫君 新進気鋭な国土庁長官ですが、首相官邸が壊れるくらいの地震があれば、一般の家庭やビルというのはどういうことになりますか、被害状況の全体をちょっと想定してみてください。
#28
○国務大臣(加藤六月君) いままでいろいろな統計数字を発表したり何やかやいたしておりますが、具体的問題でございますので、政府委員から答弁いたせます。
#29
○政府委員(荒井紀雄君) 現在の被害想定は、各地方公共団体にそれぞれおやりいただいておりまして、東京都の二十三区につきましてはすでに発表されたものがございます。死者が三万五千、負傷者六万余ということでございます。なお焼失面積等につきましては約三分の一程度が焼失する。倒壊家屋それから焼失家屋が百四十万棟というふうな被害想定が出ておりまして、これらに基づきまして地域防災計画等によりましてそれぞれの対策を講じております。そこで、しかしながらさらに都市の、要するに都市型災害といいますか、そういうものの発生要因というものを考えまして、私どもはさらにこれを精緻なものにすべく、被害想定調査を現在実施しておる最中でございます。
#30
○和田静夫君 広域防災基地構想そのものが、一般の庶民感情としては政府だけが安全なところに逃げ出して、残余の国民は勝手に死になさいという印象がどうも強いんですね、私は。地震対策としてはこういう構想というのは二義的であって、本来もっと進めなければならない対策があるというふうに考えるんですが、これは総理、自治大臣、国土庁長官、いかがです。
#31
○国務大臣(加藤六月君) 先生がおっしゃいました政府高官が逃げるような広域防災体制ではないかとおっしゃいましたが、そういうことはございません。中曽根総理は、仮に総理官邸が壊滅的打撃があったら、テントを張ってそこでがんばるぐらいの気概を持っておられます。もちろん、各大臣もそういう気概で当たろうといたしておるわけであります。ただ、立川の広域防災基地の問題について、一部間違って報道されたことがそういうようになるのは大変遺憾に思っております。あの基地は、食糧の備蓄とか、医療関係とか、あるいは無線通信施設とか、そういう問題を幅広く取り上げて検討しておるわけでございまして、政府がそこへ逃げるという印象があるとすれば大変残念に思っておる次第でございますので、はっきり申し上げておきます。
#32
○国務大臣(山本幸雄君) 震災対策は、特に大都市が問題であろうと思います。大都市の中でやはりそういう町づくりもしていかなきゃならないし、また、いざそういうことが起こったときは、やはり末端の国民の間に自主的な防災体制、防災組織というものをしっかり考えておく、計画しておくということは非常に大切なことだと考えております。
#33
○国務大臣(中曽根康弘君) 防災計画はできておりますし、また東京の場合におきましては、東京都知事を中心にその対策ができておりますが、私はやはりもっと演習をやる必要があると思っておるんです。演習をやると人心が騒がしくなるというので、いままで遠慮していた気味がありますが、直下型の大きな地震が起きた場合には、恐らく陸橋は全部落とされるであろう、そうすると自動車が途中でみんなえんこしてしまうし、中には火災を起こすものも出てくるかもしれぬ。そういうふうになると、救援するといってもヘリコプター以外には間に合うものはなくなるかもしれぬ。ヘリコプターのおりられる場所を全部点検してあります、二十三区の中においては。小学校のグラウンドとか、みんなそれはできております。おりたことはいままで余りないわけです。しかし、そういう場合に一番役に立つのは自衛隊なんです。自衛隊の場合も習志野の空挺団が江東地区へ来るとか、あるいは群馬県の十二師団がこっちへ入ってくるとか、そういう計画がみんなできておりますが、せめてヘリコプターのおりる訓練ぐらいまでも実はやりたい。しかし、いろいろそういう人心に対する影響等もありましてやっておりませんが、ぜひある程度可能な範囲内において訓練、演習をやるチャンスをぜひつくりたいと思っております。
#34
○和田静夫君 自衛隊でなくたって、私たちが言っている国土建設隊でもそういうことは十分できるわけですから、特に自衛隊を強調する必要は何もないんですが、一千億円もかけて第二首相官邸をつくるくらいなら、私は一つの提案をいたしますが、その金を民間住宅の耐震改良融資に回す、よほど地震対策としては私はその方が効果的だと思っているんです。住宅金融公庫の融資に低利の耐震改良融資を新設して、そしてそれに利子を補給するというようなことが考えられるわけですが、これは全くの一案でありますが、どうですか。これは総理、一遍決断すればそういうことはできるんじゃないですかね。
#35
○国務大臣(加藤六月君) 立川基地の問題につきましては先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、木造その他の耐震耐火的なものに建てかえるという問題につきましては建設省所管でございますが、政府としては住宅対策の一環としても、この木造を耐震耐火に、強いものに建てかえること、特に東京都圏内においては強力に東京都庁と相談して推進しておるところでございます。
#36
○和田静夫君 融資制度は、これは大蔵省どうですかな。
#37
○国務大臣(内海英男君) 財源等の問題もありまして、ぜひそうはしたいと思っておりますけれども、なかなかむずかしいと思います。
#38
○和田静夫君 大蔵大臣どうですか。
#39
○国務大臣(竹下登君) 不勉強でございまして、観念的には理解できますが、現実的な仕組み等から考えますと、私にはいまお答えするだけの準備がございません。
#40
○和田静夫君 事務当局どうですか。
#41
○国務大臣(中曽根康弘君) それも一つの御選択であり一つの御見識と思います。しかし、これは政策選択の問題であろうと思います。
 私はいま防災対策見ておりますと、やはり長期的にがっちりした構えをつくっておくことは非常に大事であると思うのであります。そういう意味において、直下型の大きな地震が起きた場合の食糧とか、あるいは燃料の備蓄とか救急作業の根拠地がどうしても要ります。そういう意味において立川地帯をその救援の根拠地にする、そういうことはやはり大事な仕事ではないか。そこへまた救援作業のための中枢基地をつくって、いざというときには、東京はもうだめになったという、もしそういうことが起きた場合にはそちらで作戦指揮をとれるという、中枢基地を用意しておくということも大事で、第二首相官邸というようなそういうものではない。そういう大地震の際の作戦中枢基地を予備的に用意しておく、そういう意味であるというふうに御解釈願えれば、私はそれも一つの政策選択である。どちらを選ぶかといえば、私はいま一番なくて必要であるというのはやはり立川にそういう予備基地をつくることの方ではないか。もちろん耐震構造の建物をつくっていくことも大事でございますから、そちらの方も並行して行うべきであると思いますが、そちらの方はある程度はやっておるわけです。ところが、片一方の予備基地というものはほとんどゼロの状態でございますから、政策選択としては私はそちらの方も大事であると考えております。
#42
○和田静夫君 融資制度など考究する余地はありますか。――建設大臣、あなたの答弁はわかりました。事務当局、一体具体化するあれはあるのかどうか。
#43
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。
 住宅金融公庫の増改築の融資がございますので、そういう希望を持っている方については増・改築融資ということで対応できることになっております。
#44
○和田静夫君 低利の部分というのはだめ、私が言った。低利補助なんていうのはだめなのか。
#45
○政府委員(吉田公二君) 増・改築ということで個別のものについては対応いたしておるわけでございますが、また非常に広域的な観点から対応すべきところ、こういうものについては避難拠点等東京都においても逐次やっているところでございます。
#46
○和田静夫君 建設大臣、私の提案ひとつまじめに受けとめて少し検討を深めてください。
 もう一つ、総理、内政問題ですが、安保臨調を構想されているということが言われているんですが、その真意はいかがですか。
#47
○国務大臣(中曽根康弘君) そういうものを構想しているということはございません。
#48
○和田静夫君 こういうことは渡米前に駐米大使とお話になっていないということになりますか。
#49
○国務大臣(中曽根康弘君) 全然そういうことございません。
#50
○和田静夫君 総理、あなたは八紘一宇を平和主義のシンボルというぐあいにお考えですか。
#51
○国務大臣(中曽根康弘君) これはその人その人の哲学と信条によるので、学説もいろいろあるだろうと思います。しかし、私は八紘一宇という言葉には戦前の限定された意味が非常に強くありまして、私自体はそういうものはとりません。
#52
○和田静夫君 総理府総務長官、ことしの建国記念日は昨年よりもひどかった。建国記念日の論争はこの間決算委員会で十分時間をかけてやりましたから、ここで再現を私はいたしませんが、あのとき、ことしの状態を見たならば再検討するということが政府側と私の約束になっているわけでして、ことしの状態は政治色、宗教色が鮮明に打ち出された、しかも大東亜戦争の理想として八紘一宇がいわゆる高らかに唱えられた、こういう状態になっています。来年の後援は当然思い直すべきだと思うんですが、いかがですか。
#53
○国務大臣(丹羽兵助君) お答えさしていただきますが、ことしの建国記念の日、これが政治色を大変帯びたように見受けられる、これについては来年度はどうするかという、政府は後援、総理は後援しないかどうかというお尋ねでございますが、私も実はその建国記念の日に式典に参列さしていただきました。これは法律で決められた国民が心からこの建国の記念日を祝ったり、国の将来を考えるという日でございますから、できるだけ国民全般がこの式典に参加してお祝いをすると申しますか、祝うという日でなくちゃならぬと思います。また政府はそういう方向で後援する指導をとってきたんでございますが、ちょっと考え方によりましては先生の御指摘のようなふうにも見受けられる面もございますので、今後私ども後援いたしまするときには十分先ほど私の申し上げたような後援する趣旨に沿うような、みんなして喜び祝っていくような式典にするようにさしていただきたい、こう思っております。
#54
○和田静夫君 もうくどいことは言いませんが、この間二月九日決算委員会で十分二時間かけてやっておりますからあれですが、総理、大変これはひどいものであったことはもう御存じのとおりですよ。その後総理府総務長官の談話も出ていますし、総理もそれを追認されるようなお考えを新聞で発表を見ましたけれども、これはぜひ見直されるべきである、そう思いますが、いかがですか。
#55
○国務大臣(中曽根康弘君) 建国の日は国の誕生日でありますから、それをお祝いするということは自然の感情で好ましいと思いますし、またむしろ奨励さるべきであると思います。ただ、いま総務長官が申し上げましたような考えを私は持っておりまして、いわば国の誕生日ですからハッピー・バースデー・ツー・ユーと、ケーキにろうそくを立てて家族がそろって、生まれた家族がろうそくを吹き消す、ああいうような形でハッピー・バースデー・ツー・ユーというような感じで、全国民が周りに集まってそのろうそくを囲む、そういうようなタイプのものにしてほしい。ちょうどメーデーがそういうふうになってきましたね。国民メーデーといって、赤ちゃん抱いてきたりする、ああいうふうなタイプのものにしていくのが好ましいと私そう思っておりまして、来年からはぜひそういうふうに模様がえされんことを期待しておるわけであります。そうすれば私は出ていくつもりです。
#56
○和田静夫君 政府が主催するなどというようなことまで考えてもらっちゃ大変困るわけでございます。
 次に移りますが、私は二月の実は決算委員会で、中川一郎さんの自殺問題あるいは私の友人松本幸男代議士の自殺問題などをむしろ薬害の公害であるという、いわゆる薬公害であるという観点に立ってかなりの論議をさしていただきました。睡眠薬の多用が抑うつ症を呼ぶ、自殺を誘引する、あるいは松本さんの場合は降圧剤の乱用、使用間違いが躁うつ症を呼ぶ、そして、自殺を誘引する、これは製薬会社から医家向けに渡っているところの薬の使用の中の警告の中に入っている文言であります。そういうことをやってまいりましたが、今回の場合また薬の問題が出ていまして、厚生省からいただいた資料、「新総合消化酵素製剤エクセラーゼカプセルの消化吸収面よりみた効果」、これは厚生省へ提出されたのはいつですか。
#57
○国務大臣(林義郎君) お答え申し上げます。
 事実の問題でございますから、事務当局から答弁させます。
#58
○政府委員(持永和見君) お尋ねのエクセラーゼの申請でございますけれども、エクセラーゼのカプセルの申請が昭和五十年の十一月二十六日でございます。エクセラーゼ錠の申請が昭和五十一年の二日十二日、エクセラーゼ顆粒の申請が五十二年の十日二十一日の申請でございます。
#59
○和田静夫君 提出者はだれですか。
#60
○政府委員(持永和見君) 申請は製造メーカーとしての明治製菓でございます。
#61
○和田静夫君 この資料によると、二十匹のビーグル犬を使ったとされていますが、五十一年四月の丸山助手の講演では十六匹、それから日薬理雑誌論文では二十匹、こうなると、すでに五十年の十一日の時点でデーターが捏造をされていたのは明らかですね。
#62
○政府委員(持永和見君) お答えいたします。
 先生御指摘のビーグル犬の数の問題でございますけれども、私どもの申請書によりますビーグル犬は二十匹ということになっております。それから五十三年の一月の資料では二十匹、それから御指摘のように薬学会に発表いたしました資料では十六匹、それから何か生データでは十五匹というようなことを言われておりまして、その数については確かにそういう違いがございます。
#63
○和田静夫君 この学会誌発表データとこの申請データというのは数値がばらばらなんですね。その時点で明治製菓が気づかなかったというのはどうもおかしい。学会誌には明治製菓の武田課長に対する謝辞があるわけですね。この論文を少なくとも武田課長は読んでいたということになりますね。
#64
○政府委員(持永和見君) 御指摘のように、学会の発表では武田さんに対する謝辞が載っております。私どもいまこの件については、明治製菓に対しまして事実の解明、事実調査を指示しているところでございます。
#65
○和田静夫君 この学会誌では、消化管のいわゆる模型実験も昭和大の名前で発表されているわけです。そうすると、昭和大学はこの実験をやった事実はありませんか。
#66
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘のような記述もあるかと思いますが、その点についていま昭和大学の中で現在調査を急いでいるところでございます。
#67
○和田静夫君 いつごろまで。
#68
○政府委員(持永和見君) 昭和大学の調査、私どもお聞きするところによりますと、二十二日に理事会をやって、そこで結論を出したいということでございまして、その結果を持って文部省と私どもに報告していただく、こういうことになっております。
#69
○和田静夫君 それで、学会誌ではとにかく昭和大がやったことになっている。申請者の名義と違う。そうすると、どうも厚生省は学会誌掲載論文を知って当然だと思うのですが、これはどうなんですか。
#70
○政府委員(持永和見君) 先ほど御説明いたしましたように、承認は五十年から五十一年にかけてでございますが、学会の発表はその後でございます。したがいまして、学会誌に載りましたのはその後でございますので、承認の時点では私どもとしては学会誌の中身については承知できなかったというような状況でございます。
#71
○和田静夫君 じゃ、その後はお読みになったわけですか。
#72
○政府委員(持永和見君) その後はちょっと、それは私、事実関係調べさしていただきます。――一般的には文献というのはたくさんの文献がございます。したがって、原則的には承認後の文献について全部のフォローができているという状況にはないわけでございます。
#73
○和田静夫君 いやいや、これについては。
#74
○委員長(土屋義彦君) 和田君、お立ちになって御質問願います。
#75
○政府委員(持永和見君) これについては、恐らくいま申し上げたような原則で確認というような立場まではいってなかったと思います。
#76
○和田静夫君 明治から昭和大への委託研究費は幾らですか。
#77
○政府委員(持永和見君) 御指摘のこの消化酵素剤に関する委託費としては百万円ということを私ども聞いております。
#78
○和田静夫君 この添付資料の提出者である明治製菓がデータ捏造にかかわった疑いが、私は読めば読むほど、勉強すればするほど非常に強いのですがね、厚生省、どう考えていらっしゃるのですか。
#79
○国務大臣(林義郎君) 和田議員御指摘のお話は新聞にいろいろと出ているところでございまして、私も新聞の記事は読んでおります。ただ、現在、昭和大学でそういった事実があったかどうかということを学校の中におきまして検討中でございまして、先ほど薬務局長から御答弁いたしましたように、近々その結論を持って文部省及び私の方に御報告があるということでございますので、その結果を待とう、こういうふうな態度でございます。もし御指摘のような明らかな申請データに対する改ざんの事実がありとすれば、これは大変遺憾なことだと私は考えているところでございます。
#80
○和田静夫君 まあ二十二日ですから、あと一般質問に継続すればどうせわかることですが、消化管模型による消化剤の効力試験は、昭和大学の行ったインビボ、つまり動物実験を補足する目的で行ったとされるわけですけれども、この消化管実験と動物実験というのは、どういう関連性を持ちますか。
#81
○政府委員(持永和見君) 一般的に申し上げますと、試験管の方は試験管の中での消化吸収作用を見る試験でございます。それから動物実験の方は生体内、ビーグル犬という生体を使いまして、その中での生体における変化を見る試験ということが言えるかと思います。
 ただ、一般的に消化酵素剤につきましては、私どもといたしましてはそういった生体試験ということまでの要求はいたしておりませんで、一般的には消化管、試験管を使っての試験、規格試験と安定性試験と、それからほかのものとの同等性、ほかの製品との比較試験、そういった三つのものを最低の資料として要求いたしておるものでございます。
#82
○和田静夫君 そうすると、この二つの実験結果を照合されたことはないわけですかね。
#83
○政府委員(持永和見君) それは明治製菓からの申請資料としては添付されておりますから、その中身については確認をいたしておるところでございます。
#84
○和田静夫君 データ捏造の謀議は五十年の十一月Xデー、それには明治製菓の武田課長が同席していた。したがって、日時、参加者、場所を明らかにしてください。
#85
○政府委員(持永和見君) いま先生御指摘の問題につきましては、昭和大学の中の実験がどういう形でどういう参加者のもとで行われたかということでございまして、この点について現在昭和大学の方で調査中ということでございます。
#86
○和田静夫君 厚生大臣、明治製菓の役割りは何だったのかという全貌を明らかにする必要があると思うんです。それは要請しておきます。明治製菓の開発第二部に全資料があるわけですから、これは厚生省、その辺も考えてやってください。
#87
○国務大臣(林義郎君) お答え申し上げます。
 薬の申請をしましたのは明治製菓でございますから、当然明治製菓は第一義的に責任が私はあると思いますし、御説のようなことにつきましても、当然にいろんなことが出てくれば調査を進めなければならない、こういうふうに考えております。
#88
○和田静夫君 エクセラーゼの販売量、使用量は。
#89
○政府委員(持永和見君) 販売量と申しますか、私ども月間の販売額を申し上げてみたいと思いますが、月間の販売額は約三億円というふうに聞いております。
 それから、エクセラーゼはおよそ一日三カプセル使うような薬でございます。
#90
○和田静夫君 これはいわゆるゾロゾロ薬品なわけですが、そうなりますと同社の前製品であるサナクターゼあるいはプロクターゼ、あるいは他社の競合薬品、たとえばセブンイーですね。科研製薬ですか、これらも吟味する必要が出てくるんじゃないかと思うんですが、そういう必要はありませんか。
#91
○政府委員(持永和見君) 全体としての消化酵素剤の問題の御指摘でございますが、このエクセラーゼの調査結果がどうなりますか、それによって中身を十分検討さしていただきまして、ほかの社のものについて、あるいは他製品についても中身の吟味が必要ということであれば、私どもそういう形で進めさしていただきたいと思っております。
#92
○和田静夫君 以上の論議を踏まえまして、時効の問題もちろんありますから法律的にどうということには、もうここでならぬということになればそれまでですが、法務、警察、どういうふうにお考えになりますか。
#93
○政府委員(前田宏君) 御指摘の問題につきましては、ただいま厚生省の方から御答弁こざいましたように関係当局の方で調査中ということでございます。したがいまして、事実関係がそれによって明らかになるわけでございますから、その段階に至りません現段階でどういう犯罪が成立するかということはお答えもできませんし、また調査中という段階でそのことについていろいろ想定をしてお答えするというのも適当でないというふうに考えております。
#94
○政府委員(大堀太千男君) お尋ねの件につきましては私どもも報道された内容程度のことしか承知をしておりませんし、いま厚生省当局を初め鋭意調査をされておられるところでありますので、その結果を待って対応したいと考えております。
#95
○和田静夫君 次に移りますが、臨調答申のほんの一部についてだけ本日は尋ねておいて、あとは一般に譲りたいと思うのですが、まず官房長官、地方事務官問題、これは第二臨調では御承知のように大激論が交わされました。本来結論が出るような空気ではなかったんですが、実質的には多数決で国という答申が出ました。この問題は国会決議あるいは第一次臨調、さらに昨日の竹下大蔵大臣の言葉をかりれば、権威ある税調と言われたんですが、権威ある地方制度調査会などではたびたび地方に移行するということがはっきりした問題であるわけであります。政府としては今後どのように対処されますか。
#96
○国務大臣(後藤田正晴君) 第二臨調の最終の五次答申を一昨日ちょうだいしました。その中でいま御質問の地方事務官廃止をしなさい、そして大部分は身分を国に移して一部分が地方だと、こういうふうな答申になっております。政府はこの第二臨調の答申については最大限にこれを尊重して実施をするということをお約束しているわけでございますから、政府の基本的考え方はそれに沿って処理を原則としてやっていきたいと、こう考えておるわけでございます。
 御質問の点のみならず、それ以外の点につきましても臨調の内部でいろんな議論が交わされて厳しい意見の対立があったものもあるやに承知をいたしておりますが、臨調としてはそういった中での激しい対立意見をお互いの話し合いの中で克服をして一応結論が出ているわけでございます。その結論を政府は尊重しようということですから、そういう態度で政府としては臨みたい。ただ、あなたいまおっしゃるように、いろんな機関から従来御議論のあるところでありますし、そういった点はこれから実施の段階においてやはりわれわれとしても頭の中に置いて処理しなきゃならぬ、これはもう当然のことですけれども、原則としては臨調答申を尊重してまいりたいと、かように考えております。
#97
○和田静夫君 両院が満場一致決議を上げたものが、いわゆる議会制民主主義のその議会を離れたところでもって逆の結論が出てくる、そういうものが生かされるというようなことは、それは議会制民主主義の本質からいっても大変許せる問題じゃありませんから、いま官房長官がかなり含みのある御答弁に相なりましたが、激論があって多数決的に決められたものについてはこれは十分に配慮されながら政府としての結論をお出しになると、こういうふうに意見を述べておきます。
 補助金ですが、せんだっても問題にしました「今後の財政改革に当たっての基本的考え方」についてですが、臨調、財政制度審議会等による改革方策の実現に努めるわけなんだが、この補助金についても昨日答弁を聞きましたが、そういう改革方策で実現をする、こういうことでしょうかね。
#98
○国務大臣(竹下登君) これは私どもいわゆる臨調最終答申に示されました事項、これらにつきましては、従来も臨調から御指摘なすったことは、五十八年度予算においてもいろいろな合理的措置を講じてまいりました。しかし、継続的に今後このような手法で協議しようというような経過的に残っておるものもございます。今度、五十九年度以降の予算編成に当たりましては、まさに公的部門の分野に属する施策のあり方及び国と地方との間の費用分担のあり方の見直し等々を行いまして、その改革方策の実現に最大限の努力をしなければならない。具体的な三十二項目でございますか、これらが対象として大いに対応さるべきものであると心得ております。
#99
○和田静夫君 総理、補助金について、五十六年度予算審議の際にかなり私議論したのですが、補助金整理の現状についてまず総理の御見解を承りたいと思います。
#100
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調答申及び予算委員会等におきます各党の御質問等を見ますと、やはり補助金の整理を勇断をふるってやらなければならぬ、そういうときにきているように思います。ただ、いろいろ因縁もございますし、また中によりましては必要不可欠のものもございます。そういう点で選択眼を厳しくしながら、やはり補助金の整理をやっていくと、あるいはメニュー化とか、さまざまな工夫をこらすようなことも必要ではないかと思っております。
#101
○和田静夫君 実は私、今度のこの予算委員会が始まってから決算委員会からここへ入ってきたものですから、事前に配付された資料を読む機会また入手する機会を持っていませんでして、昨日わが党の勝又委員と補助金問題の論議を聞いていて、各省の大臣の答弁が非常に抽象的に終始をしているので、実はどんな資料が出ているのだろうかということを読んでみたのです。それで、まず補助金の件数が大分減ったようなのですけれども、しかし、きのう総理も言われましたように、金額はふえている、こういう状態です。件数が大幅に減りながら金額がふえているからくりというのは私はさっぱりわからない。
 そこで、各省のこれ読みました。びっくりしましたなあ。運輸省などは一つもわからぬですね、これ。これはどういうことなんです。廃止した補助金の主なものは一件だけしか上がっていないですね、運輸。あるいは郵政、これも一件だけ合理化したとしている。ところが大蔵省の資料は五件になっている。運輸省もそうですが、文部省も資料要求の項目をすりかえて、これはまあ文部省すりかえ答弁というのは非常にうまいのですけれどもね、資料まですりかえちゃってね、主な補助金というような形にしているわけだ。予算委員会が要求したのはこの合理化補助金件名と金額なんですね。主な合理化補助金名を要求した、こういうことになっているのです。
 委員長、この資料お読みになったかどうか、いや、もう当然お読みになっていると思うのですがね、私はきのうの晩びっくりしてけさまでかかったのですがね、何にもわからないです。何にもわからない。これはね、各党が持ち寄って、私も理事の経験がありますがね、理事会であなた方満場一致で決めて、委員長の名前で政府に要求した。出てきたところの資料は参考の資料にならない。これは委員会に対する侮辱であるばかりじゃなくて、予算委員長に対する大変な侮辱ですよ。これは責任の所在を明らかにしてもらいたい。こんなものじゃ検討できません。
#102
○政府委員(山口光秀君) 大蔵省の方で取りまとめまして、新規補助金あるいは整理合理化補助金等の所管別内訳を件数、金額、それぞれ御提出申し上げておりますが、これは当然のことでございますが、関係各省と打ち合わせと申しますか、調整しました数字でございますので、政府としてはこの数字で間違いないと思いますが、なおこの内訳について、各省それぞれ提出されている資料について、この総括表との不突合についての御疑問かと思いますが、それにつきましてはそれぞれ該当の省からお話し申し上げるということになろうかと思います。
#103
○和田静夫君 では、まず挙げた運輸省、郵政省――環境庁、文部省、郵政省、運輸省。
#104
○委員長(土屋義彦君) 和田君、ちょっと立って発言してください。
#105
○和田静夫君 さっき言ってあるんだ。
#106
○国務大臣(長谷川峻君) 運輸省関係を御報告します。
 五十八年度の運輸省予算においては、臨調第一次答申に指摘された一割削減の対象となる補助金等の総額一千三百八十億円を千四億円として、対前年度比三百七十六億円の大幅な削減を実施しました。補助金等の総額でも前年対比三百十億円の削減を実施しているほか、五十四年十二月の閣議決定に基づく補助金等の件数整理について目標を達成しているところであります。引き続きその整理合理化に努めてまいるつもりであります。
 なお、詳細は政府委員をして答弁させます。
#107
○国務大臣(桧垣徳太郎君) お答えをいたします。
 五十八年度の郵政省所管一般会計における補助金の予算予定額は総額で三十三億二千百万円、前年度の予算額補正後に比べますと、補正後が三十二億六千百万円でございましたので、六千万円の増加となっておるわけであります。ただ、この中には人件費の増加等義務的な自然増分が含まれておりますので、これらを除いた削減対象部分だけで見ますと、五十八年度の予定額は九億一千三百万円で、前年度予算額九億四千六百万円に対して三千三百万円の減となっておるわけでございます。
 詳細は政府委員から答弁させます。
#108
○国務大臣(梶木又三君) ちょっと内容をよく承知いたしておりませんので、調べて後ほどお答えいたしたいと思います。
#109
○政府委員(高石邦男君) いま提出した資料を至急取り寄せてお答えしたいと思います。
#110
○委員長(土屋義彦君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#111
○委員長(土屋義彦君) 速記を起こして。
 暫時休憩をいたします。
   午前十一時十四分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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