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1949/01/31 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第8号
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1949/01/31 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第8号

#1
第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第8号
昭和二十五年一月三十一日(火曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○証人喚問に関する件
○大連労働組合の徴收した引揚対策お
 よび難民救済資金の支拂補償に関す
 る請願(第二三九号)
○引揚促進に関する件(秋田県におけ
 る千葉久太郎自殺事件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡元義人君) 只今から委員会を開きます。先の委員会におきまして質問の高砂丸の引揚者のうちから証人を喚問して残留実態調査をいたすように決定されましたが、その日時及び証人等に対してお諮りいたします。
#3
○千田正君 しばしば証人喚問をやつておるのですが、この度は余り人数を多くしないで、最大限六名以内にして欲しいと思います。
 証人の氏名につきましては、先程理事会において大体打合せた人達の氏名を委員長からお諮り願いたいと思います。
#4
○委員長(岡元義人君) 只今千田委員からの御発言もございましたが、先程委員長及び理事打合会の結果人数は大体六名、名前は種村、長命、尾ノ上、内山、板垣、高橋。期日の関係は次の高砂丸入港の関係もございますので、二月六日月曜日にいたすことにいたしまして、尚先日北條委員からの申出がございました間宮丸はまだ入港いたしておりませんので、次の機会にいたすことにいたして、取敢えず以上の六名を二月六日に証人として喚問することに決定して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡元義人君) さように決定いたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(岡元義人君) 尚次の案件の哈達河南開拓団実情調査に関する証人の出頭を求める件でございますが、これは前の国会以来一応問題となつておりまして、請願者から一応事情を聽取するということを決めてございますので、二月三日の委員会に請願者藪崎氏を証人として出頭を求めることにいたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(岡元義人君) さように決定いたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(岡元義人君) 尚案件の四の方を先にいたしまして、請願としても出ておりますが、大連労働組合の徴收した引揚対策及び難民救済資金の支拂補償に関しましては、衆議院よりもこの問題に対しての申入れがございますので、この問題だけではなく、同じような性質のものとして中支におけるところの在外公館が使用したものを送金小切手によつて日本へ持帰つております問題と併せまして、衆議院と二月三日の委員会の後に衆議院との合同打合会を開いて一応検討するということにいたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(岡元義人君) さように決定いたします。
#10
○千田正君 今の大連労働組合の徴收した引揚対策及び難民救済資金の問題と中支那におけるところの持帰り金として政府が指示したことによつて居留民が持帰つた三万円の持帰り小切手に関する件はおのずから性質は異なつておると我々は考えますので、その点については明確な線を引いてお打合を願いたいと思います。
#11
○委員長(岡元義人君) 只今千田委員の御発言御尤もと思いますので、事情十分了承いたしまして取計ろうことにいたします。
#12
○天田勝正君 衆議院との合同打合会でございますが、昨日も衆議院との合同打合会をやつて感じた点は、極めて宣伝的に亘られるごとき打合会なのであります。然るに今回問題になりまする大連労働組合並びに中支那の持帰り金の問題は時目的にも三月前には解決せなければならない事務上の問題もございますので、この審議は実質的にいたしたいと存じますので、でき得べくんば本院の委員会室を使つて、さように取計らいを願いたいと存じます。
#13
○委員長(岡元義人君) 天田委員の申出誠に御尤もでございますので、その趣旨を体しまして衆議院と十分に折衝いたしたいと思います。
 尚もう一点この問題についてお諮り申上げて置きたいと思いますが、衆議院でどの程度までに資料を蒐集しておられるか知らないのでありますが、今天田委員からの御発言もありました通りに、非常に時期的にも急いでおりますので、衆議院から要望がありました場合は、只今当委員会で約半年近くかかつて蒐集した資料でございますが、この資料を衆議院の方に提供するというようなことに対して差支ございませんか。お諮りいたしたいと思います。
#14
○千田正君 その問題はむしろ衆議院の方から特に資料の蒐集に関して参議院側で集めた資料も是非欲しいという懇請があつた場合でいいじやないのですか。又場合によつては同じ資料を集めておるかも知れませんし、若しも我我も又傍聽に参加していておつて、向うの審議する過程において資料の不足なことにおいて審議が十分に捗らないというような場合においては、参議院は紳士的にそれを或る程度補助する意味において、応援する分は差支ないと思います。初めからむしろ提出するという意味よりも向うと打合せした際において、その点は委員長、或いは理事において向うの委員長或いは理事間においてそういう問題について一応打合わされた方が賢明な策じやないかと思います。
#15
○委員長(岡元義人君) 千田委員の御発言御異議ありませんですね。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○淺岡信夫君 ちよつと私、甚だ遅れて参りまして別段異議もないのですが、ちよつともう一遍一つ結論だけのところを一つ御説明頂きたいと思いますが……
#17
○千田正君 今大連労働組合の徴收した引揚対策及び難民救済資金の支拂補償に関する問題について、衆議院の方では合同打合会を開いた後に衆議院においてこれを取扱いたい、こういう向う側の意向だそうであります。その場合に向うで蒐集した資料というものと、それから参議院で我々が蒐集しておる資料とがあるわけでありますが、向うにおいて我々に懇請された場合においては委員会においてこれを応援の意味において提出することは差支ないと思いますけれども、吝かじやないのですが、予め向うの委員長なり或いはこちらの委員長において、その間を打合せた後においてそういう問題を提出するならするということを決定して貰いたいというのが私の申上げた理由であります。
#18
○淺岡信夫君 分りました、了解。
#19
○委員長(岡元義人君) 尚又衆議院でもやりたいというので、一応参議院と衆議院がどのようにしてこの問題を審議するかということは、合同打合会の結果によつて決定すると、こういうことになると思います。
#20
○淺岡信夫君 この請願第二百三十九号ですが、大連労働組合の徴收した引揚対策および難民救済資金の支拂補償に関する請願、この請願というものは、国会が受理し、議院運営委員会から当委員会にあてられて来たものだと思料いたすのですが、そうした場合において国会は衆議院は衆議院、参議院は参議院、この二院において国会は形成されておる。それは衆議院の特別委員会と打合せ、或いは合同審議することも非常に至当とは存じまするが、参議院は参議院の独自の立場に立つておる、この請願に対する、その受理した以上それに対して審議しなければならないことになつておると私は信ずるものであります。そうした立場においてこの委員会は愼重にこの請願というものに対しての動向をはつきりと委員会は委員会自体で決定すべきではなかろうかと、こういうふうに思うのですが、皆さんの御意見を一つ承わりたいと思います。
#21
○委員長(岡元義人君) 只今の淺岡委員の御発言に対しまして御意見ございましたら御発言頂きます。
#22
○天田勝正君 これは請願書の取扱については淺岡委員のおつしやる通りなのです。私共が先程理事委員長打合会におきまして議論した点は、今まで吉村隊事件を扱つたがごとき扱い方を衆議院の方でやりたい、こういう恐らく話であろうという了解の下に議論しておるのであつて、ただこのことはすでに事務的にも三月までに迫つておる問題であるから、今日まで三年間も我々は手をかけて来ておることを最近、急に関心を高めた衆議院が、何かこのニュース・ヴァリユーとでも申しますか、そういうものを狙つたようなことで、持帰り金が当人の手許に返らないというような齟齬を来たしますと、非常に気の毒な問題になるので、我々としてはそういう向きならばちよつと困るということを申上げたのであつて、請願については当然これは本院に対しての請願でありますから、本院において扱う。ただそれをもう一遍世間の関心を買い、それが国民の輿論を喚起する一つの仕事としての役割、そうしたことに対しては、これは合同打合会で一つ決めてよかろう。併しその場合であつても、時間的に間に合うような確信を以て衆議院に当るのでなければ、我々はそれに賛意を表することができない。こういう意味で申上げておるわけでありますから、御了承を願いたいと思います。
#23
○淺岡信夫君 了解。
  ―――――――――――――
#24
○委員長(岡元義人君) それでは次の案件、引揚促進に関する件で、先だつて読売新聞のその後の報道といたしまして、千葉久太郎氏が自殺した原因が、問題の誓約書を書かされましたところのスパイ行為の、いわゆるソ連から引揚げた人達の、幻兵団と言われております、この問題に起因しておるというようなことが出ておるのでありますが、国警から武藤文雄氏が御出席されておりますので、調査されました範囲において説明を求めたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(岡元義人君) では武藤刑事部長。
#26
○政府委員(武藤文雄君) 去る一月二十九日の読売新聞に掲載されました千葉久太郎氏の記事に関してでございますが、早速現地の警察を督励いたしまして状況の調査に当らしておるわけでございます。只今まで分りました範囲を御報告申上げたいと思うのであります。
 当人は秋田県仙北郡金沢西根村、職業は農業、千葉久太郎氏であります。自殺は一月二十四日千葉氏方の板倉、倉庫でございます。板倉の前で縊死を遂げたものでございます。
 本人は本年の一月十八日に占領軍関係の公用で第一復員局連絡課に出頭しております。その後帰宅いたしまして、家の人に対して誰か訪ねて来なかつたと聞いたり、又俺は銃殺されるから云々というようなことを言つたという話であります。そうして東京に出頭した際連合軍から貰つたところの優先乘車証を秋田軍政部に返して来るからと家人に告げて、一月の二十一日に家を出て二十三日に家に帰つております。そうしてその日の夕方から行方不明となつておる。ところが翌二十四日に同家の倉の中、板倉の中で縊死をしておるのを発見したという状況でございます。本人の所持品といたしましては、幻兵団の記事が載つておる新聞、それから優先乘車証、それからお金を六千円、その他を持つておりました。
 こういつた関係から何か幻兵団と関係があるのではないか。又本人の言動等から見て関係があるのではないかというところから警察で調査をしておるわけであります。何しろ本人は死亡いたしました。家人も詳細に状況を知らないようであります。従つと真相の究明には相当現地で困難を感じております。目下督励をして聊かなりとも真相を明らかにしたいというところで努力をしている次第であります。
#27
○委員長(岡元義人君) 何か御質問がございますか。
#28
○淺岡信夫君 政府にお尋ねするのですが、二度上京して二度までやはり司令部に出頭したでしようか。その点は如何ですか。
#29
○政府委員(武藤文雄君) 新聞に二回と出ておりますのでこの点我々もう少し調べて見たいと思つておりますが、一回、只今申上げたように一月十八日に第一復員局の連絡課に出頭したということは確かめて事実のようでございますが、もう一回の点についてはまだ確かめておりません。新聞には二回と出ております。
#30
○委員長(岡元義人君) 外にございませんか。
#31
○淺岡信夫君 そうしますと今大体説明を伺つたのですが、今後の御当局といたしまして、こうした面に対してはやはり徹底的な御調査をお進めになるおつもりでありますか。その点を一つ……
#32
○政府委員(武藤文雄君) この事件については一応自殺というような恰好になつておりますが、いろいろ事情も伏在するということも新聞記事等から想像できるし、又本人の平生の状況からもいろいろ我々としてもう少し調査をすべきものがあると考えます。従つて非常に困難ではありますが、できるだけの力を盡して聊かなりとも真相を明らかにするように努力いたしたいと思います。
#33
○淺岡信夫君 只今の説明で大体了承できると思うのでございます。非常なこうした問題に対して熱意を持つて当局がやられるということを諒といたしまして、この問題は打切られたらどうかと思います。
#34
○千田正君 ちよつと一問国警の方の方にお伺いいたして置きますが、こういういわゆる結社組織的なもの、或いは海外に起されたところのスパイ事件というようなものが終戰後の日本においてはどういう指示の下にこの調査の主権の発動がなされるかという点において一応その調査に対するところの指令関係を若しもお差支なかつたならば伺いたいと思います。
#35
○政府委員(武藤文雄君) 国家警察といたしましては、やはり犯罪という面から調査をいたします。それ以外の点は我々といたしては関與いたしておりません。従つてこういつたこの事件だけは或いは自殺ということがはつきりいたしますけれども、その間に何か事情がなかつたか、或いは別の前の記事等に出ておりました点はやはり何か脅迫を受けておるというような事実があればそういつた犯罪面から取上げて行くというやり方で警察はいたしております。
#36
○委員長(岡元義人君) 外に御意見ございませんか。……ないようでありますが、本日はこれにて委員会を閉じても御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(岡元義人君) それでは本日はこれにて閉会いたします。
   午前十一時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡元 義人君
   理事
           天田 勝正君
           水久保甚作君
           千田  正君
   委員
           木下 源吾君
           淺岡 信夫君
           九鬼紋十郎君
           北條 秀一君
           穗積眞六郎君
           中野 重治君
  政府委員
   警  視  長
   (国家地方警察
   本部刑事部長) 武藤 文雄君
ソース: 国立国会図書館
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