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1949/03/03 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 電力問題に関する特別委員会 第7号
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1949/03/03 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 電力問題に関する特別委員会 第7号

#1
第007回国会 電力問題に関する特別委員会 第7号
昭和二十五年三月三日(金曜日)
   午後一時二十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電力問題に関する調査
 (右の件に関し証人の証言あり)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(飯田精太郎君) 只今から第七回の電力問題に関する委員会を開会いたします。本日は公報で御通知いたしました通り電気事業再編成審議会の答申書を中心としてお話を伺いたいと思います。会長として御活躍になりました松永安左ヱ門氏以下五人の委員の方を証人としておいでを願つております。尚お話を徹底するために松永さんの補佐として活躍された宮川竹馬氏、三鬼氏の補佐として高橋正一氏も又証人としておいで願つてあります。先ず順序としまして、最初に松永さんらか経過の概要と松永案についてお述べを願いまして、そのあとで五人の委員の方にそれぞれのお立場から再編成案と、公共事業委員会に関する中心的の問題点について、忌憚のないお話を願いたいと思います。お話しが一応終りましたあとで質疑をやつて頂くことにいたしたいと思います。
 尚証言に入ります前に、委員の方に御了承を得たいと思いますが、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の第二條及び第三條によりまして、宣誓を行うことになつておりますが、すでに証人から宣誓書に捺印をして頂いておりますので、その点御了承をお願いいたします。それでは最初に松永君
#3
○証人(松永安左衞門君) 私が政府から委員の御交渉がありまして受けた次第は、初め委員長に互選された日は忘れております。そういうことは記憶がありません。それから証言のことでいろいろ時間だとか、或いは物の言い間違いもありましようが、それはいろいろな文献等であとで訂正さして頂くことにいたしたいと思います。そのことで若し間違つて、宣誓に違うというようなことのないように、予めお願いいたして置きます。
 十一月の何日かに委員になり、委員長に選ばれましたときに、稻垣大臣さんのお話によると、大体分割案を一つ決める、それからよく世間で言つておりますレギュラトリー・ボデイ、公益委員会と共にすること、そういうことで議会に提案の都分もあるから、成るべく早く適当な案をまとめて呉れろというお話で、私は自分の一身上のことを申上げますと、非常に年も取つております。又実業界からも長く退引しておりまして、殊に戰争後行われました集中排除法のことなど、実際どんなことになつているのか、それさえもよく知らん立場におります。又取敢えずそういうことをよく了承することは必要であつたのでありまして、外の委員の方はそれぞれ当世のお方でありますから、よく御承知でありますが、私において甚だ分らんこともあつて、そういう方面を調査したり研究したり、自然分割或いはレギュラトリー・ボデイについても、議する面についての正鵠なる目標を掴むことを非常に困難としました。それで第一、関係筋の人にも会つて、向うでむしろ希望を持つておられる問題についてよく了解をして置くことも必要だと思いまして、委員の諸君とも何日でしたか、接して見ました。レギュラトリー・ボデイと分割案とは不可分のものに我々は考えておる。即ち集中排除法によつて、日本発送電を一つのものから幾つものものに分けて、そうして現在の配電区域を七つ上以のものにして、それに加えることがまあ分割の基本方針である。レギュラトリー・ボデイとそれと相併立して、その分割された仕事は、その地域において独占的のものである。又その地域の電力を開発するについては、電気事業以外の治山治水とも重大な関係を持つものである。この意味においてその会社の料金制度或いはその供給、その外が工業並びに民衆に及ぼす影響について相当調整するという意味において、レギュラトリー・ボデイは同じ時から出発したいというのが我々の理想であつた。それから民衆と会社との間の料金についての適当な調和を保つことについても、我々は監督したい。その意味において君方は適当にやつて呉れ。但しできれば七つ以上のものを欲しいという考えで、具体的の話はありませんけれども、そういう希望を可なり詳しく関係筋の方からお話がありました時に、まあ一応委員の諸君と共に引下つて考えて、成るべくそういう線に沿うて勘案しよう。又日本の政府の意向もそういうふうであるとすれば、そういうことについての考え方で答申も考えなければならんということで、皆引下つたわけでありますが、私らどうも外国の方の言うておられる分割方法は、ともかく向う流の考えが余程入つておるので、そのまま受入れて、これを日本の分割に持つて来るということは、どんなものであろうか。併し七つ以上というのは、集中排除法の考えから出ておることで、これはまあ七つか八つ乃至九つというふうに考えます。そうするとどうしたら一番現在の日本発送電を分割して、それを配電会社に加えて新たなる発送電、配電を一貫する責任体制を持つた民有、民営の会社を有効適切に作り上げるばかりじやなく、又同時に将来の電源の開発ということが、即ち最も合理的に最も確実性を持つた開発方法をとられることが必要と思いますし、又公益事業の中でも、我が国の電気の特色であるのは、大体水力発電に基調を置いておりまする関係上、その工事は比較的に長期の工事になり、又資金も固定するものでありまするから、この資金面を賄う上については、もとより自家資本以外の資本を要するとすれば、やはり長期の借入金又は社債、更に進んで外国資本を導入する基礎的の考え方を持つて置かなければならん。言い換えると、適切に早くやり得られることは、現在の配電会社を中心として、これにこれまで活動して来ておつたこの水源地及びそれから発生しておる電力送電線というものを、他の区域にあつても尚且つその配電区域の中に隷属せしめて、そして一貫作業をするということが、右申した財政の処理においても、或いは計算してそれを作り上げる上においても、比較的混雑が少く容易である。それから同時にこれらの配電区域の大きなものについて考えましても、本州の中心をなしておるものは、東から言つてやはりこの関東の区域、それから真中の中部区域、それから大阪の関西区域というものがあります。このうちで中部区域は比較的電源に惠まれておりますけれども、関東の区域にしても、広漠たる武蔵野の平野であつて水力に無論乏しいのです。これはどうしても東北方面の猪苗代の区域、その水源地を使つて東京における火力と調節してこれまで運用しておられることは、日本発送電一つの作用にしても、事実の動きはそういう大体の動きをしておる。やはりこれは復元して、元の姿に還えす方が運用上楽であり、計算上又楽であるということは当然の帰結のように思います。大阪もその通り、中部にも同じくそういうことが言える。そうしますと本州の一番大きな且つ力ある又産業並びに文化の中心であるこの方面のやや見当が付く。そうすると東北の方面或いは中国の方面、北陸の方面、これもそのまま依存して、その特殊性を尊重して置けば、適当な電力区域として存在することができる、而も計算も非常に複雑しない。九州或いは四国、北海道この離島関係は、電力の連絡上比較的別離しております。そのうち九州は関門海峡を通じて中国と送電の連絡があることは御承知の通りであります。これはその連絡をこのまま生かる方式をとつておる。九州も同質く分離された形において、この三島、六配電区域が、九配電区域の現状のまま、一日発がその上に発送電力を分配するということにおいて、速かに且つ適正に、つまり時間的にみても経営的にみても、適当なる区域の分割方法を考えてこれを研究してみようと思います。早速それらの電力需給状態は現在どうなつておるか、それから電力のバランス又はどんなものであるか、又将来開発すればどういう開発の動きも持つておるのか、又これに対しては資金がどんなものであるか、收支はどんなものであるか、現在の料金で收支は償えるものであるかどうかということを、資源局当局にもお願いして計算を作り、自分も又いろいろ材料を持つい、一通りの案を作りかかつておりましたが、配電会社の方面はできましたが、日本発送電方面の計算は、私共十分随意にこれを得ることは少し困難な事情にあります。これらを作ることも容易でない。多少時間をかけておつたわけであります。その間にいろいろな今度の再編成については、例えば自家用の返還の問題も起り、或いは電力を地方自治体でやりたいという御希望も出る。種々の再編成に伴うお話等も、それぞれ一応は伺わんならんというので、時間も費しておりますけれども、殊に気になるのは関係方面の御意向が、我々の考えておるような方式で了解が完全に得られるか得られないかについて、相当の苦労をして調査をしております。これはまあ別問題しいたしまして。次にレギユラトリー・ボデイについて、どうしてもアメリカでも旧来の公益委員会の考え方より、私共アメリカに行つた時分の考え方よりも、多少の違いがあることを発見し、それを日本に適用する場合にうまく行くかどうかということについても、無論学ぶことがなければならんと思いまして、まあ向うに行つて大分いろいろな文献を見せて頂きました。大体において奮発してやればやれんこともあるまいという考ができましたから、それは委員のうちで小池君に法律的のことを委員会でお願いして、小池君が專門にそれを調べました。で私も共にその運営のことについて、私の言ういわゆる九分割をやつた。十分に公益委員の運用で以て会社間の電力の運用を、調整ということができるや否やについて、まあ段々考慮を拂い、小池君の立案を是正して行つて、進んで行つたのでありまして、段々時間が経つに連れて、小池君の考え方も熟して、やや向うの考え方をお取入れができるようなことになつたんです。こういうように段々遅れておりましたけれども、私の方の旧来の配電会社に、日本発送電の一元的に持つております資産の分割を九つに分割して、そしてその配電会社に首尾一貫する機能ある発電力、送電線の機構を附属せしめるという考え方について、いわゆる松永案と称する案が生れたのであります。今日もその後余り変化いたしておりません。
 それを委員会の方に、大分遅れましたけれども、そういうことになつたことの御了承を得て、各委員の御賛同を請いますと共に、こちら側だけ泥が仮に付いても、余りに又関係方面と話が縣け離れておつて、内外の間に徒なる摩擦をしておることは国家のために不利易と考えましたから、同時に政府に御答申申上げない前に、そういうことのよかつた悪かつたは別といたしまして、関係の方面にも、同じく委員に出した案を出しまして、これで御検討願いたい、委員の方にもこれで御検討願つておる。これは委員長として願つておるという意味ではなく、松永が多少電気事業に経験があつたから、自己の経験から、体験からこういうことを各委員に申出たわけであります。そのメモは今日は忘れましたが、私の委員会と、それから向うの関係者ケネデイ氏にもいろいろ意見等を仰いだわけであります。それで経過から申しますと、こちらの方は三鬼君が主に研究なすつて、その研究によると、分断することによつて非常に電力の融通性を妨げる。数字はよく記憶しませんが、大変な数字のロスが行われる。それでこれをどうしても、このままぼんやり松永案というもので以て行けば、長い将来は何とかなるだろうけれども、その過度的の間の欠陷というものは、何か一種の機構を拵えて、オーガニゼイシヨンを実体的に作らなければその欠陷を補うことができんという松永案に対する御批判がありました。そこでまあ尤もなことだと思つて、私はその機構の善悪をいうよりも、むしろそういうロスがあるということであればどうするか。僅かなロスてあつたら無論レギユラトリー・ボデイで調整することができる筈であります。私共関係方面に行つて了解したのですが、レギユラトリー・ボデイの運用は、必ず表電会社間の、ブロツク間の電力の融通契約、或いは売買契約、或いは適当なる臨時の措置をする。その権能によつて特に一つのオーガニゼーシヨン、或いは有機的な、或いは形態的のものを拵えんでもやれるということを了解しておりましたから、このロスが私の考えよりも少いというので、又レギユラトリー・ボデイでやれる程度のものであるというならば、日発のものを分折して殆んどゼロに帰するような分割方法が、三鬼さんの案によると四割何分というようなものはやはり形態として残さなければならんということになると、一つのブロツクの送配電を一貫してやるという体制を作り上げるということとは非常に矛盾しておることになります。これが日発を解体するという……合理化ということが、若しなければ、この合理化の意味とも又違つたような感じも持ちましたために、その必要はないのだろうということを申上げておつたのであります。けれどものそ頃は段々関係方面並びに政府からも一月……、或いは私には通商大臣は一月半ば頃までに成るべくというようなお話があり、資源局長官は月末までにはというお話であつた。関係筋の方では是非月末までにやつて貰いたいというようなお話でありましたので、数字について研究することは非常に困難と認めましたし、又そのために時間を非常に掛けることも好ましくなかつたものでありますから、結局私としては、私はどうもその必要はないと思うたから、私は自分の案に成るべく御賛成願いたいが、御賛成が若し困難なりとすれば、あなか方が融通会社を作つてやるということを多数でお決めになるということに、委員長は何ら委員会を脱退するというまでの私は考えはありませんから、それで委員長としてはその答申案に署名してそういうことになつたということを言いますが、私は大体そう数字が多く出ないという考えを持つておつた。從つてレギユラリトー・ボデイというものは、必ずそういうことを、殆んど何%という間違いもない程、その区間の電力の融通ということは、できると思うたために、あなた方の案にはもう何ら妥協を許さん程賛成いたしません。私は委員長としては、あなた方の案を答申案としますが、よかつたら私の案をちやんと附加して貰いたい。それから非常に皆さんは寛仁大度で、それはいいどころではない、お前が折角勉強して、時間さえあれば随分討論したいけれども、もう時間がないということで、今のところお前が我々の案を答申案に加えることに賛成してあるということならば、お前の案を闇から闇に葬むるということは、無論しない。殊に我々は九分割ということについては全面的に賛成しておる。それからその頃、了度関係方面からも十分割案というものが示されてありました。例えば関東区域はそのままとしましても、猪苗代及び阿賀川の発電所などは別に区域を拵えて、新潟などを含んだ何といいますか、信越区域というようなものを拵えて、それを合せると十ブロックになるわけであります。それはどうも非常に電気のロスを多くするもので一向いい案と思わんから、無論お前のブロック案の九ブロック案に賛成なんだ、これは十分書き入れて、お前の線を完全に書き入れてやろうという大変御寛容な委員からの御了解を得まして、私そのまま答申案は、いわゆる松永案というものを、ここにくつつけて答申した次第であります。それが法的にどうであるとかいうことは一向、法律家でないものですから分りませんですが、その後の経過につきましては、もう私より皆樣が御承知であろうと思います。大体そんなことでありましたと思います。
 これはもとよりその問題は集中排除法から来た問題でありましようし、前に大山委員会というのがあつたときも、まあ余り解決を審議会としても見通されていなかつたようであります。今度集中排除法に基く問題としても一つの解決を見たいというのは、政府並びに関係方面の希望だつたろうと思いまするが、幸いに若し我々の審議会の分割案の中心点となつておりまする松永案というものが、今日でも通ることを大変私は仕合せなことと思うております。それからレギェラトリー・ボデイについては、その後政府で御変更になつて、政府案として出ておるようにも新聞などで漏れ承われますが、これは私が一向関係していないことでありまするが、併してレギュラトリー・ボデイがすべて電力行政をできるだけ民主化して、そうして一つの監督機関というよりむしろ調節機関として、民意による公益事業を推進して行こうという考え方は、やはり現在の時勢に合つておるものではないかと私も思うておるのであります。
 どうぞ私共がそれで政府に答申しておりまするので、この上とも本院における電気関係者の今後御研究を願い、又御援助を願いたいと思います。甚だ簡單でございましたが……
#4
○委員長(飯田精太郎君) 皆樣のお話が済んだあとで御質疑を願いたいと思つておりましたが、松永さんの御家族に御病気がありまして、二時半頃退席したいというお話でありましから、あとには宮川さんが残られますから、細かいことは宮川さんから御答弁が願えると思いますが、松永さんに対する何か御質疑がありましたら、この際御発言願いたいと存じます。
#5
○門屋盛一君 ちよつてお伺いしたいのですが、九分割とか何とかいうことが答で出ているようですが、この案を御検討なさる前に、日本の現在の電気の性質についてはどういうようにお考えになつておつたでしようか。電気というものを只一本の電気としてお考えになつたか、或いは電気の中にはどういう性質を持つておる、性質によつて電気のことを分類してお考えになつたことがあるかどうか、これをお伺いしたい。
#6
○証人(松永安左衞門君) 甚だ恐れ入りますけれども、もう一度御趣旨をははつきり……、電気という……
#7
○門屋盛一君 この電気事業ですね、電気をこう一色の電気にお考えになつておるか、それとも電気の性質によつて、非常に公共度の高い家庭用の電燈、電力とか、次に公共度の強い事業用の小口電力とか、それから立地條件による工業用動力とか、電気を材料とする、即ち原料としての電力とか、こういうように我々は電気にも一つの性質があると思つておるのでありますが、電気に経験の深い松永さんとしては、今日の日本の電気事業の再編成に当つて、電気というものは、電燈も電力も原料用も一つの電気としてお考えになつておるのか、そういうことを何か多少でも分類してお考えになつておることがあるかないか……
#8
○証人(松永安左衞門君) 私お答えいたします。大変むつかしい問題であろうかと思いますし、それから殊に電気を今考える場合は、やはりこの日本の特殊事情ということを、現在の特殊事情ということを第一に考えんならん。それから又時間的にどういうふうにこれが進んで行くかということも考えんならんと思つております。何分電気事業に長く遠ざかつておるので、その後の態勢が、戰争もあり、その前から国有国営の幾らか形式で以て進んで来た電気が、今日のような日本を産業的に再建せなくちやならないというのに、そういう形態的にことで行けるものか、それから特殊の日本に適合する電気を特殊に考えなければならん今必要があるのじやないかというようなことがいろいろ、当然この分析について考なきやならんと思つたのでありますが、丁度今その御質問もその点に触れておるようであるかと思うのでありますが、私は余り前の、昔のことを申上げても、日本の国情も変つております、又外国の事情も変つておりますから、現在では何か取敢えず二つのことを考えなきやならんと思うたのです。一つは電力をサービスしているものは何としてもこれは公益事業である。で公益事業は当然その資本の浪費のないように独占的になる。独占的になることとサービスを完全にすることとの間の調節は、やはりその人の独立した責任を持つた考え方で、経営者がまめに働かなければならん程度の配電会社を作り上げることが、まあ第一この建直しに必要と考えた。けれども、それじや日本はそういう国内的の態勢を整えるだけで間に合うかというと、まあ耐乏生活の時代であり、殊に輸出産業に力を及ばさなければならん日本の状態として、ただ特殊のまあ手を打つということも必要でありますが、單に公益事業であるとか、或いはその責任体制がうまく持てるとか、或いは料金を公平にして行かならんという以外に、打つべき手があるんじやないか。然らば化学工業等、最も輸出に関係のあるような方面に向つている電力の行き方は現在どうなつておるかと考えますると、長い間の軍国的命令の下に働いた一般会社や日発の動きは、多少その電力の配給が偏在していることは免れません。例えば神奈川方面に大きな重工業を起す場合に、東北に起るべき……電力を東京に長い間持つて来ておるといいことは、おのずからそこに困難な形ができて来る。或いは北陸に起るいろいろなカーバイト工業のごときも、その後プール制度になつたために料金が高くなつて北陸では引合わぬようになつている。それがために大阪方面に温存されて、カーバイト工業及びそれに属そる高い料金が、高かるべき料金がプールされておりますから、そこに安い電力を必要といするものが尚且つそこに温存されておるということは、つまり立地的の発達を妨げておるのであります。それは責任体制でやれるとしても、その外に何か手を打たなきやいかんということになれば、どうしてもその配電会社というような組織以外に、自家用発電をやるもよいし、或いは外資を輸入して只見川のごとき大きなものは、配電会社以外の存在として考えなければならんということが、もとよりこの審議に入る前にもう少しそれは考えて真劍に議論したこともありますが、私は日本の電力事情は、單に独占区域における配電を公平適当にするという以外に、一つの原料としてやらなけりやならん立場を別にとることは今後も必要じやなかろうかと思いますが、それは今度私共が與えられた分割案、或いはそれに伴うレギュラトリー・ボデイの範囲のことと考えて、今回我々の編成にはその気分は織込んでおらんのであります。ただ立地的に北陸は北陸の発達あり、大阪は大阪のそれを受けてやる大阪の工業の発達あり、それから又中国のごときは、殆んどあの四国の山に南から来る水力を吸收されておる。四国のごときは非常な大量な水力に惠まれておりますが、中国は比較的に山も低くその立地條件は、四国にとられております。将来の大きな構想から言えば、四国とか中国とかいうことを考えないで、電力の産業化、配電会社といわず産業方面から考える大きな構想から言えば、四国のごときは最も大きな水力を作り上げてそして、これを……
#9
○門屋盛一君 委員長議事進行について……。質問の要点でない他の御意見が多いようでございますが、私の質問しているのは、今度の電気事業再編成に当つて、その分割とか何とかいう方法論はあとで生れて来ることであつて、再編成問題を検討した結果に基いて生れておる。その再編成の問題を御検討なさる先ず第一歩において、我が国の電気の性質ということについてはどういう御判断を下されて、それから再編成のことを考えられたか、こういうんです。簡單に一つお答え願いたい。
#10
○証人(松永安左衞門君) 簡單に申上げます。私は日本の電気の性質の方面から言いますと、やはり日本全体としては大体水力を中心として発達すべき性質のものと思いますが、それから旧来火力で補つておりましたが……
#11
○門屋盛一君 まだ違うようですが……私の聞いておるのは電気を起す方の性質がなくして、現在使われておる電気、現在日本の電気の非常に公共度の高いもの、公共性の強いものとか、立地條件によつて工業用の電力になつておるとか、これらの電力のあるということをお考えの上でこの再編成は立案されておるのか、そういう細々しいことはどうでもいい、電気というものはただ一本の電気である。こういうようにお考になつておるかどうか、これだけをお答え下さればいい。水力を起すか、火力を起すかは別の問題だ。
#12
○証人(松永安左衞門君) そういう意味がとれかねますので……
#13
○門屋盛一君 意味がとれかねると言つても、こんな簡單なことはない、あなた方の委員会の役目は集排法に基いたところの電気事業の再編成である。先ずここに一つのあるものを再編成しようとすれば、現在の形を見ることも必要であるが、現在その形において或いは日発とか九つの配電会社によつて日常使われている、消費されているところの日本の電気はどういう性質に使われておるかということを御検討なさらずに、ただ水力に主体を置くとか火力に主体を置くとかということはこれは最後に起きて来るところの問題であつて、まず現状の日本の電気がどういうふうに使われているかということの点についての、消費の性質をどういうふうにお考えになつたかというのです。消費の性質をもお考えなくして再編成をやられたならば、これはあとはえらい議論になりますから言いませんけれども、これは非常に間違いになつて来ると思う。
#14
○証人(松永安左衞門君) 私はちよつ申上げたつもりでありますが、プールされて、立地的になつていないのはとうに訂正さるべき性質のものであると思つて、電力の再編成を考えてやるつもりで申上げたのであります。
#15
○門屋盛一君 それは違う。私の聞いているのは、先程申上げましたように家庭用電力とか、電燈用電力というものは、これは極端に言いますけれども、北海道の端から九州の端まで一定の非常なる公共度を持つている、電力は。そういうことをお考えになつたか。それからその次に家庭用電力程の強い公共度、高い公共度はないけれども、中小企業のごとき極めて社会の安寧秩序を維持して行く上における民生安定ということの意味からの公共度の強い事業用の小口電力というものをどういうようにするか。その次は立地條件によつて、工場というものはすべての立地條件でできる。先程お話のあつたように、電気の安いところに工場が起らずに高いところに工場が起つているとおつしやいましたが、あなたも事業家だつたのでよくお分りと思いますが、一つの工場を拵えるには、電気が安いから電気の起るところに持つに行く工場もあれば、電気の方は少し高くても他の立地條件がいいから工場を設置する。或いは極端な例を申しますれば、八幡の製鉄所のごときはそうです。それから電気を材料源としなければならない化学工業、こういう電気の需用方面の性質を今度の再編成の中にお考えになつて再編成なさつたか。そういうことは一切お考えにならずにただ総括的に需用供給の面からお考えになつたか、これをお尋ねしているわけです。
#16
○証人(松永安左衞門君) そのお話であれば、あなたの今お話になつたようなことは全部織込んで考えたことを御説明しようと思つて……。あなたはお気に召さなかつたか分らないが、あなたのお考えのようなことを考えて織込んだに相違いありません。
#17
○佐々木良作君 半までと切られておりますから、余り時間を独占されてしまつては困る。ポイントだけを簡單にお尋ねしますから、結論をお答え願いたいと思います。先程の松永さんのお話の中で、この再編成を考えるに当つてその出発点が集中排除法であつたこと、そうしてその辺から出発されたことのお話があり、その精神に基いて日発を解体して配電会社にくつつけるというふうに言われたのであります。そこで質問に入りますがゐ集中排除法によつて指定されておる電気会社は、日発と配電と平等に十の会社が指定されております。その場合に分割すると、つまり小さくするというのは日発だけであり、而も配電には逆に日発を切つてくつつける。まあ端的に言えば倍以上になるという措置になる筈なんですが、その出発点をどういうふうに考えられておるか、これを集排法と関連させて……。その一点だけお聞きします。
#18
○証人(松永安左衞門君) 集排法の詳しい法律的根拠は存じませんが、その後持株会社整理委員会の方々の御意見も聞き、又政府のお考え方も聞いて、私共は現在の日発も解体する、同時に九つあります会社も解体して、それで私の松永案というものは、その解体された九つの会社の上に解体された日発の財産を加える方が計算が非常に楽であり或いは経営上も適正なる区域であるという観点で来たのでありまして、集排法の精神より分量が多いとか、少いとかいうことの考慮は適当なるものでないという考え方で案を出したわけであります。
#19
○佐々木良作君 集中排除法というものは飽くまでも法律的の措置です。法律に基いておるものです。そうした場合に指定されておるのは十の会社、そいつを云々という場合には十の会社が大き過ぎるか或いは現状でもよいかという問題だけが法律の問題です。そして日発を切つて配電にくつつけた方が電気を起すに工合がよい、分配をするのに工合がよいという観点に立つた場合には、後者の観点に立つた場合には、集排法の問題とは別個になります。そして大きさの場合にだけ九つ、十というのが出て来て、その辺に非常におかしい感覚がある。先程松永さん自身の口から言われたように日発を切つて配電にくつつける、こうおつしやつたが、その感覚であるならば、私はそれ自身が集排法違反であろうと思う。電気オンリーの考えで行かれるならば、飽くまで適正規模という場合には、集排法も入らずに、実質的な電気運営のための適正規模が出て来る。それを法律的な集排法による適正規模の考え方と、電気事業運営のための適正規模の考え方と、こいつを混同されておるのではないかと思いますので、集排法と今の配電を倍以上にするということは、差支あるのかないのか、それをどこで確かめられたかお伺いしたい。
#20
○証人(松永安左衞門君) 私の言葉が或いは混同しておつたかも存じません。又配電会社に日発を持つて来てくつつけたいという言葉自身も正しい言葉の使い方ではないことは先程から申上げた通りでありますが、私自身は集排法を中心として分量の点から考えずに、むしろ集排法によつても、或いは経営の面からいつても、これは適正なるものであるということが、私の日発を分割したつまり九会社案というものの根拠でありまして、それを政府が集排法で工合が惡いと言われるようなことは、私はそこまでタッチして考えておらんところであります。
#21
○佐々木良作君 そうするとこういうことになりますか……
#22
○門屋盛一君 佐々木君の発言中だが、議事進行について……。先程委員長が松永証人の御一家の御都合によつて二時半に退席したいという希望が述べられたが、証人でありますから、我々二時半退席ということまでは一応肯けますが、かようなことは宮川証人から聽いて……私はこういうことにはいろいろ個人の考え方もありましようが、松永証人を再び喚問して、そうして出頭を求めて今日の質疑応答で余されたものはもう一回御出頭を求めてやるのかどうかということを前提として貰わなければ、折角我々八千万国民に代つて、委員会が一証人の一身上の都合によつて質疑を十分に終らずに帰えすということは、委員長が一人で御承認になつたようで、御証言をどうなさるのか、ちよつと議事進行について……
#23
○委員長(飯田精太郎君) 若し必要であれば……
#24
○門屋盛一君 まだ質疑の通告者も数多いのでありますが、余すところ五分であります。恐らくこの五分間に質疑が終るとき考えられません。
#25
○委員長(飯田精太郎君) まだ三十分ばかりおられるそうです。それで済まなかつたら又来て貰うということにしたいと思います。
#26
○門屋盛一君 了承しました。
#27
○佐々木良作君 そうすると先程の松永さんのお話によりますと、再編成を考えるに当つて、松永委員長自身では電力の実質的な需給或いは適正規模という点を考えられたのであつて、集排法の拘束による大きさ云々というのは、これは政府が考えるなら考えるとして別な問題である、こういう観点なんですか。
#28
○証人(松永安左衞門君) そうではない。私は集排法によつても又立地的適正規模においてもこんなものが適当だろうと思つております。
#29
○佐々木良作君 お話が違う。集排法によれば、日発と現在の配電会社、十の事業会が現在集排法によつて指定されておる。これはどうも大き過ぎるのじやなかろうかと指定されておる。それが前提です。その場合に十の会社のうち一つだけが大き過ぎるとは言われていない。あとの九つの会社も同樣な立場に置かれておる。そして考えられる場合には、この集排法の措置そのままをすれば、本当はこれ以上やつて大きくしてはならない、或いは十に会社全部を分割しなければいかんというふうに嚴格に考えなければならない。それを融通をつけて考える場合にも限度がある。それを今の配電会社よりも大きく倍にしてくつつけた、それがよいという考え方が、法律的な根拠が出て来るかも知れないが、来るとすればどこからどう聞かれて出て来たか。
#30
○証人(松永安左衞門君) 私はどうもそういうむずかしい法律上のことは非常に分りかねますから、むしろどなたか委員の方もおられますから、よく一つお聞き下さつて……、私は適正であろうと思うてやつたのですがね。
#31
○佐々木良作君 集排法の問題が分らなくて委員長が勤まるわけがない。集排法があつて今の十の会社が指定されておることは御存じでしよう。そうして集排法によつてこの再編成をするのだと先程言われたじやないか。これは私は外の方からも聞きますけれども、その観点を拔きにして委員長が今のように考えるというのはおかしい。だから集排法に抵触せずに配電を大きくし得ると考えられたか、或いはどういう根拠でそれを考えられたか。そうでなければ電力オンリーの考えから電力の融通上或いはこの規模の電気事業を運営するのにこれくらいが一番よいという観点に立たれたのが、ただ電気の立場に立たれたのか、法律の立場に立たれたのかということです。
#32
○証人(松永安左衞門君) どうも返事はできんかも知れません。
#33
○佐々木良作君 それでは留保します。
#34
○石原幹市郎君 この際松永前委員長の御意見を参考に承つて置きたいと思うのであります。再編成に関する根本の問題については意見もいろいろあるのでありますが、とにかく審議会としては九分割案を出された。ところが仄聞すればその筋からは十分割案というものが提示されておるようにも聞いておるのであります。この十分割案は、いわゆる分水嶺によつて大体分割する。府県とか地方の行政区域というものは全然無視されておるように聞いております。私は福島県の関係者でありまするが、福島の一例を取つて見ますと、福島県の中部発電地帶の、つまり会津方面は信州とくつつけい一つのブロツクになり、電源の殆んどない中部と東部が東北に入る、こういうことになるのでありまして、行政区画というものを全然無視されておる。これは私は県というものが、地方行政区画というものが経済、産業、文化、民生、このすべての総合行政の一つの單位になつておるのでありまして、電気のように経済にも、産業にも、文化にも、民生にも非常に関係の深いこれらのものが、行政区画と何ら考慮なしにその地域を分断されるということでは、私は今後運営の上に非常に困るのではないかと思うのであります。そこで九分割案は大体原則といたしまして行政区画の線に沿うておるようにも思うのでありますが、ただこの九分割案に対し、特に松永案に対しては区域外の発電地帶、電源地帶というものを持つということについては、強い反対があるというふうにも聞いておるのであります。それで委員長にお聞きしたいのでありますが、いわゆる区域外の区域内だけ切つてしまつて、九分割の区域内だけで分けてしまうと、いわゆる松永構想というものが全然意義をなさないものになるのかどうか、それからば九分割案というものは考えられないのか、こういう御意見でありまするか、又そういうことも場合によつては考えられるかどうか。電力の融通その他の問題が起りましようが、そういう構想もとり得るかどうかということについて委員長の御意見を一つ聞いて置きたいと思います。
 それからもう一点は、今まで電気の再編成について、発電、送電ということについては非常に論議されまするが、配電の部門ということについては、どうも論議が比較的閑却される、いつでも閑却されておるように思うのであります。ところがこれにもありますように、配電事業というものは結局サービス事業でありまして、電力をすべての面に最も都合よく分配するということが主眼になるのではないかと思うのであります。そこで私は数年前から主張しておるのでありまするが、どうも現在のような広区域において配電事業を行うということはどうもサービスが末端まで行き届かない。殊にこれ又府県の例をとりますが、府県の行政というものと全く無関係に行われておるのでありますが、電力は先程申しましたように、経済にしても或いは農村の電化、無電燈地帶の電力の普及であるとか、いろいろすべての面に関連の深いものでありまして、そういう意味から行きましても、配電事業はもう少し小区域に、できれば府県或いは府県を中心として経済單位の経済区域に行われるのがよいのではないかというのが私の年来の主張でございます。こういう問題について、この審議会においても十分検討された上でこういう答申が出ておるのかどうか、それらの経緯につきまして一応承つて置きたいと思います。
#35
○証人(松永安左衞門君) 第一のお話についてお答えしますが、いわゆる十分割案と称し、或いはその外の案と称し、発送電の仕事を自分の区域のみに限つてやるというような考え方は、例えば東京で申しますと東京というところに火力の設備を置き、それから相当な配電をやつておるのに、他の区域に猪苗代湖という大きな電源があるために、それは別な区域に属して、自分の所有でないというようなことは電力の運営上考えられないということが一つであります。それから第二に、将来毎年発達して行くべき電気の長期資金を採り入れる上から申しましても、長期社債の担保となるべきものが、その発達すべき区域の電力を賄う、その電源の開発は他の区域の人がやるのだということは、電気資金の調整の方において担保を設置する上に困難があります。これが第一に対する簡單なお答えにして置きます。
 それから第二の配電の問題で、もう少し小さくした方がいいじやないかというお説については、いろいろその利害についての考えがありまするが、現在のような電力の発生方面、或いは配置の方面が戰争で傷んでおりますような場合、殊に経営と資金との面を適正、合理化して行きますためには、現在のような情勢において配電区域を余り小さく分け、それに発電の責任を持たせて行くということは事実困難なりと私は今考えております。それで従来の配電会社のものを基礎とした配電区域が適正じやないかと思うのであります。
#36
○石原幹市郎君 第一点は、私は十分割には反対なのです。反対というか、地方の行政区画を無視したようなことをされると困るところが多いと思うのです。数府県が分断されてしまうと思います。そこでどうしても分割しなければならん場合には、九分割の線が止むを得ないのではないかと思うのでありますが、これも仄聞でありますが、九分割に強い反対があるということは、区域外に電源地帶、発電地帶を持つということが、いかん。区域内ですべてのものを賄うような構想でなければいかんというように聞いております。それと歩調を合せる意味で、区域外の発電というものを切つてしまつて、いわゆる関東なら猪苗代湖であるとか、信濃川上流、こういうものを打切つて、関東の区域だけにするというような構想で進むということは、松永委員長が考えておられることと全然相容れないことになつてしまうのかどうか。場合によつては、そういうことも考えられ得ることであるかどうか。その点だけを私は第一点として伺いたかつたのであります。
 それから第二点は、私は発送と配電というものは必ずしも一貫しなければならんということに限つたことはないと思います。発送電の一つの事業があつて、配電会社はそれから買電いたしまして、いわゆる配電のサービス事業だけをやるということも考えられるのではないかということを私は年来考えておるのでありまして、そういう意味で発送電については、或いは全国一貫、在いは九分割それぞれいいと思うのでありますが、配電事業については府県、或いは府県を中心とした経済單位の区域に小さく分けて、サービスが末端まで届くような方法を講ぜられないかどうか。そういうことについて五人委員会において十分審議もされたかどうかという経過について伺つたのであります。
#37
○証人(松永安左衞門君) その経過についてお話しますが、相当そういうことも考慮され、配電会社が大き過ぎるとか、或いはマネージメントを誤るというような場合には、地方自治体なり或いはその他の企業者に許してでも、そのサービスを改善する際に必要があれば敢てこれをやるべき構想を持つておることがよいということに、委員の諸君は一致しておられます。けれども現在の配電区域で先ずしつかりやれば必ずやれるものであるというふうなことが、大体原則となり、前提となつておるのであります。それだけお含み願います。
#38
○石原幹市郎君 第一点は、御意見を聞くようでこれは惡いのでありまするが、九分割の区域だけで、いわゆるたこの足のようなものを全部切つてしまうというような考え方はとれないものでしようか。
#39
○証人(松永安左衞門君) それは、地方自治体その外に場合によつてはそういうことは許し得られるということは、答申案の原則の一つに書いてあると思つております。
#40
○石原幹市郎君 それではお隣の宮川さんで結構なのですが、これはただ意見を求めるだけで、こういうところで聞くのはどうかと思うのでありまするが……
#41
○委員長(飯田精太郎君) 宮川さんはあとに残られますから、松永さんに対する御質問を願います。
#42
○門屋盛一君 先程電気の質の問題ではつきりしないお答えがあつたのですが、今度は、それを預けまして、九地区に分断して独立採算制を採るというのが、経営規模がそれが一番適正であるというふうにお考えになつたのですが、そうした場合に、現在すでに分布されておる産業に及ぼす影響をどういうふうにして防ぐかということは、どういうふうにお考えになるか。
#43
○証人(松永安左衞門君) どうして防ぐかという政策論については、皆議論があろうと思つておりますが、どうもそういう非常な細かい政策の面までは、時間が少くて、今日殊にお答えする材料も持つておりませんが、大体行けるのじやないかと思つております。
#44
○門屋盛一君 この松永案及び委員会案をちよつと読んでみましても、料金とか、電気の需用供給の面がはつきりしない。それは相互の会社の契約によつてやると、需給会社の方の答申案は別問題として、松永案は相互の会社の契約によつてやると、そういうことになつておるのですから、これだけの大きなことを、お考えになるのに、現在分布されておるところの産業にどういう影響を及ぼすかと、その及ぼす影響をどういうふうにして防いで行くかということは、当然この案を決定される上においてはお考えにならなければならんことで、そういうことをお考えにならんとしたならば、あなたのお考えは、日本という平たいこういう国があつて、そうして九分割の電気事業が今起きて、これから日本の産業をやろうというならば、私はそういう質問はしない。併し産業の分布が現在できておるのですから、そのできておる産業に影響を少くしてやらなければ、一昨日の池田大蔵大臣のように、それは潰れるものができてもよいという結論になるのです。だからこれはそうお答えは面倒な資料は要らないので、現在分布されておる産業に及ぼす影響をどういうふうにお考えになつたかということが一つ。そのお答えを得て又あとの質問をいたします。
#45
○証人(松永安左衞門君) 現在の産業も、先刻第一回に申し上げたと思うのですが、随分プール制度によつていろいろ歪められております。それは殊に電力のロスの問題ということをのけては、或いは料金の問題にこれから移つて来るのでありますが、料金の問題は、十二月何日かで、この再編成の行われる前に地域差料金というものを設定して、元のプール制が地域差制になつて来ていることは、御承知の通りであります。それがために現在分布が四、五年間の歴史的の、何と申しますか、プールに温存された工場所在などが影響を受けることは、当然のことのように思うのであります。その当然ということは、潰れるものは潰れろ、勝手にしろというような当然ではなくして、どうせ産業の合理化及び立地的にものが発達して行くということが、電気事業の、殊に配電方面の最も目指してやらんならんことが、すでにそれの編成の行われる前に料金の面から起つただけでも、その影響は、つまりその事業者にとつては一種の惡影響みたいなことを受けておられるのでありまして、これは政策として、この料金に対してはどうするこうするということも起りましようし、或いは編成した後の政策的方面もありましようが、電気自体からいうと、結局さの区域の発電及び配電をできるだけ合理化しまして、そうしてできるだけ原価を引下げ、或いはそこに自家用のあるところは、自家用に向つてその産業家は力を盡される。そうして有用なる産業を発達させることについては、電気会社の人達も共に力を協せて行くというふうなことが非常に必要であろうと思います。
#46
○門屋盛一君 それは分りました。そうすると、次の質問をいたしますが、例えばこの九分断された九州の場合を取り上げますと、そう大した変動は起らない、四年間くらいな惡習慣をこの際断ち切をばよいのだ、こういうふうに解釈されるのですが、断ち切るといたしました際に、現在でも火力の方が六〇%以上発電しておる状態の九州で、今起きておる九州の産業は、やはりプールされた料金の下で産業が分布されておる。でありますから、十二月に行なつたところの地域差料金の上においても、基本割当の上において非常なるプールが用いてある。プールが用いてあるから、現在でも少い打撃ではあるが打撃を受けておる。その少い打撃でさえも、もう行詰つておる産業ができておる。あなたのお説によると、プールというものは全然なくなる。そうして電気がお隣りの中国にでも余つておれば、中国から電気が流れて来るという楽しみもあるのですが、中国も足らない、関西も足らない、結局九州の電気というものは、関東地区か中部地区から流し込まなければならない。これは電気があり余るようになつて、発電業者の方が電気を売つて歩くようになれば、九州の方に電気が来るということも考えられるが、そういうことは今考えられない。結論的に考えることは、現在のまま水力が四〇%、火力が六〇%の発電を続けて行くと、年間を通じましたらどちらも五〇%ぐらいになる。その場合に如何に発電業者が協力し、電力会社が協力するといつても、現在の石炭で火力料金が五円も六円もしておるものと、水力電気の九十銭か一円の、この差というものが殖えたら、九州一円の産業は、細かい数字を見なくても、大打撃を受ける。潰れる産業が多い。これに対するあなたの收拾策なり、どのくらい影響を受けないというのか、その具体的のことがなかつたならば、やはり池田大蔵大臣と同じで、この際潰れるものは仕方がないという結論になるのだが、この点はどうですか。
#47
○証人(松永安左衞門君) 詳しいことは宮川君に讓りますが、大体その九州だけのことについてもう少し原則的なことを申上げて見たいと思う。この化学工業の料金が影響されると仮定します。化学工業というものはカーバイト工業のごとき、單に電力でやるという工業ばかりでなく、三池方面にあるような石炭と結び付いた化学工業が可なりあります。九州にもあります、又よそにもありますが、将来はこれはやはり化学工業は二つに分れて、石炭と結び付いた化学工業、つまり炭素分を必要とする化学工業と、單に水力のみの化学工業とありますが、九州における石炭と組合つた電気の化学工場は、この料金の影響を受けることは比較的少くして、そうして他の方面が若し料金が上つても下つても石炭というものが九州に惠まれておる限りにおいては、この僅かの料金差ということで、九州の化学工業の衰退を来す気遣いはありませんと思います。單に電業のみに依存し、そうしてそれが石炭を足らない水力に附け加えたものを無理に化学工業に使おうという旧来の産業態勢というものは、多少是正されると思いまするが、その代り石炭と結び付いた化学工業において、九州は恐らくは日本の中で一番発達するところにならうと思う。それが私が電気の性質においての先刻のお話に答える意味で、池田さんの言われたような値段でどうでもなるというようなことではない。九州は惠まれたところであつて、成る程石炭が、水力が少くても、その意味において発達する余裕は十分あると思つております。
#48
○門屋盛一君 まあ宮川君に聞けというのですから宮川さんにあとでお聞きしてもいいのですが、私の聞いておるのは極めて簡單なんです。そういうふうにお考えになれば、この分断案が実施された曉、九州の産業は再編成される、再編成されるから九州が発展するのであるというふうに聞えるが、その再編成されるまでに潰れるものは潰れてもいいというお考えですか。
#49
○証人(松永安左衞門君) そうじやなくて、九州に潜在しておる力というものが……
#50
○門屋盛一君 九州に潜在しておる石炭の力といわれるけれども、石炭は今トン当り五千円、六千円しておる。そうしたらこれが電気に化けて来るまでにはキロ当り五円、六円の料金になる、コストが五円、六円です。コスト五円、六円の電力を聞いて、その五円六円のものを五〇%以上使わなければならない、何に使うとしても……現在分布されておる産業及び国民生活をやつて行く上において必要な五十万キロの電気の中に半分火力を使わなければならない、その国民生活に及ぼす影響と産業に及ぼす影響をどうお考えになるか。それは影響があつても仕方がない、あなたのお考えになるように、石炭がある、あるけれども石炭が高いのです。石炭が安ければ問題ないのです。だからその打撃はあつてもいいという思想の下にこの分断案をお決めになつたのか。
#51
○証人(松永安左衞門君) 全くそういう思想であります。九州にある化学工業は……
#52
○門屋盛一君 いや化学工業だけの問題ではない。九州五十万キロの電力を考えてみれば分る。
#53
○証人(松永安左衞門君) それが段々合理的に再編成されて、九州は決して電気のそういう僅かな格差のために変化が起らんということを信じております。
#54
○門屋盛一君 信じられておるだけではいけませんから、それだけ信じられたのなら、あなた程の方がお信じになるならば、嚴密な資料があるでしようから資料の提出を要求します。
 その次に分断実施の時期をいつとお考えになつておるのでありますか。この分断案の実施の時期はいつが一番適切であるか。
#55
○証人(松永安左衞門君) できるだけ早い方がいいと思いますな。
#56
○門屋盛一君 その時期をお尋ねしておるのは、それが産業に対して影響を及ぼさないだけの準備工作の終つたときが適当の時期であるかと思うとお尋ねしたら、早い方がいいという意見です。これを早くやつたら九州の再編成、つまり九州が高い電力で産業をやつて行かなければならん。国民生活は高い電力でやつて行かなければならないという心構えと、察際に準備のできない先に、この分断案を実施してもよいという松永さんの意向を解釈してよろしいか。
#57
○証人(松永安左衞門君) そういう御解釈を前提としてのお話ではお答えできません。
#58
○門屋盛一君 そうじやない。あなたの言われたことは反対……
#59
○証人(松永安左衞門君) そうじやなくて、九州ばかりではなくて、全体の国政の上においてやつぱり一貫作業を適当な時期において早くやられた方がすべての電気の発達のために必要なることと思うております。その間の多少の料金の変化その他については、当壁、政府で然るべき案が立つと思いますが、審議会もそこまでお指図もできないことでありますが、適当な時期といえば早い方がいいと思うのですな。
#60
○門屋盛一君 審議会が指図をして呉れと言つておるのじやない。あなた方の答申案が基礎になつて政府案が出て来る。政府案が出て来たら国会がそれを検討するのですから、おのずから実践の時期は決まつて来ます。この九地区に分断する方が適当な規模であつてよろしいということを御決定になるならば、世の中は電気だけで生きているのではない。すべてのものと関連性がある。この実践の時期はいつである。実践の方法はどういうふうにして、差支のないときに実践するということは当然にこの棟由案に答申すべき重要事項だ。それをあなたは落されている。先ず如何なるときにこの実践をやつたら一番国民経済に急激なる打撃を與えずにやれるかということが考慮されておらん。もう少し極言すれば、この分断案なるものは、国民経済を度外視した電気だけを見ている、電気の答申案です。こういうふうに我々に感じを與えるから、私が敢て質問をしてあなた方の答申案の欠陥をこの質疑応答によつて是生しようと思う。あなたのお答えを聞くと早い方がいい。産業には打撃があつてもよい、こういうふうに解釈してもいい……
#61
○証人(松永安左衞門君) 打撃があつてもいいということはちよつとも申上げていないです。
#62
○門屋盛一君 それではあとで分断された後における各地区の産業に及ぼす影響に対する資料を提供して貰います。
#63
○佐々木良作君 もう時間も少いですし、これ以上松永さんに今ここで聞いてもはつきりとした答えも得られないようだし、こつちも勉強し、向うも勉強して貰うために、又改めて來て貰うことを前提にして松永さんに対する質疑をつよとつ打切つたらどうかと思います。
#64
○島清君 一点だけ簡單に……。この答申案の成案を得られるまでの過程において、水谷君が商工大臣の時代に、電力民主化委員会というものがございまして、大山案なるものが答申をされておりますが、この大山案に対して考慮を拂われたかどうか、それをちよつとお聞きしたい。
#65
○証人(松永安左衞門君) まあすべてに考慮は拂われておる。一切に考慮は拂つておるのでありますから……。どういう程度というと申上げかねると思います。十分考慮を、殊に敬意を表して……(笑声)
#66
○委員長(飯田精太郎君) それでは松永さんに対する御質疑はこの程度にいたしまして、外の方から後刻お話を伺つて又分らぬ点で御足労願うかも知れませんが、今日はこの程度で松永さんに対する御質疑を打切りいたと思います。異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(飯田精太郎君) それでは次に工藤さんに一つお願いします。
#68
○証人(工藤昭四郎君) 電力事業の再分割ということは、先核来お話が出ましたように、集排法から避けられない問題でありますと共に、現在の日本の電力の特殊事情、又日本経済の現状と睨み合せて、それに即するような結論を得ませんと産業に対する打撃が深刻でありまして、折角我々が今努力しておりますけれども、自立を遅られることにもなります。場合によるとそれに逆行するような結果にもなりかねないので、私としましてはその両者を調和して、最善と思われる案を出したいということで努力をして参りました。結論としま島前田只今松永さんからお話がありましたように電力融通会社というものを一つ作つて、そうして九分割するという案を出したわけであります。電力の特殊事情につきましては皆さんすでに御承知であろうと思いますが、一応申し述べます。
 日本は御承知のように水力を主として、火力電気を従として使つております、補充的に使つておるのであります。現在の発電能力から申しますと大体水力は五百八十万キロぐらい、火力は戰後の修復がまだ十分にできておりませんから現在では百八十万乃至九十万キロぐらいだらとうと思います。從つてその比率から申しますと水力が九割五分を占めております。このことを先ず頭に置かなければならんと思います。
 第二は日本の地理的な状況でありますが、非常に細長い形になつておりまして、各地域によつて気候、風土、雨量、降雪の量等を異にしております。而も現在の重要な発電資源は本州中央部のいわゆる日本アルプスの周辺に集まつておるということを考えなければなりません。従つて日本で電力地域を新らしく作つて行くという点になりますと水力資源の獲得ということが重要な要素になつて来るわけであります。
 第三には昭和十四年以来日本発送電というのができまして発電送電事業は一元的にやつて参つております。而も電力料金についてはプールいたしまして概ね全国一本の価格で売るという建前で来ておるわけであります。各産業はその基本事情の上に工場の配置をして参つております。これが過去すでに十数年続いておるということを我々頭に置いておかなければならんと思います。
 尚その次には、現状において電力の需給はアンバランスになつておりまして、供給量が一割強足りません。ところがこれを再編成します場合に従来の日本発送電のような組織をなくすることを仮定いたしますと、その後非常にうまくこれの調整をとりましても、更に一割ぐらいの電力供給量が一時的に減つて来る。これが電力会社と一般産業会社に及ぼす影響は非常に深刻であると考えます。
 尚その次には、電力料金について再編成の結果は非常な地域差が起つて来るという点であります。これは先刻申上げましたように水力発電所の豊富なものを手に保有するのとしないのとでは事情が非常に違つて来るわけであります。この電力料金の地域差が著るしくなつて来ることが、産業に及ぼす影響が重大であることは申上げるまでもないと思います。こういう電力の特殊事情を頭に置きますと同時に、日本産業の現状もよく考えなければなりません。その第一は財戰による打撃が非常に甚大でありまして、戰災を受けた設備も段々復旧せられておりますが、現在では経済の再建は第一歩を踏み出した程度に過ぎません。従つて各産業は非常に弱体であります。尚昨年四月以来安定政策がとられまして、この政策の大転換によつて金融面その他から産業に與えておる影響も考慮に入れる必要があると思います。尚日本の現状から申しますと貿易を中心として日本経済の維持発展を図つて行かなければなりませんが、海外の事情殊にポンド貨の切下げ等から見まして、国内の生産原価を成るべく戰前に引下げて行くということでなけけば国際的競争に打ち勝つて行くことはできないのであります。その意味から申しましても日本産業の現状に急撃な影響を與えることは、これはどうしても避けて行かなければならんと考えます。そういうような日本電力事業の特殊事情と日本経済の現状とを考えまして、答申案に織込みましたような融通会社を持つという構想を考えたわけであります。再分割を若し下手にやりますと、先核来御心配になつておりますような電力の供給量が急激に減つて来るとか、或いは料金差が非常に著しく付いて来るというような現象が起つて参ります。そういう意味から申しますと、電力関係十社が集排法によつて指定されておりましても、経済の実態から申しますと、成るべくこれを大きく分けた方が融通がつき易いわけであります。従つて審議の途中には五分割案というのも出ております。私も一応最初に出しましたのは五分割案を出したのであります。この融通会社につきましては、答申案にも載つていると思いますが、この切替の徹渡期に当つて電力の調整と地域差の緩和に要する最小限の設備を備えました会社を造りまして、過渡的のこのギヤップを切拔けて行くという考え方であります。従つて北の方は電力の調整に使つております猪苗代から、本州中央部を通る送電線の幹線を含めまして、本州中央部の五十サイクル及び六十サイクル両面に切替ができる発電所、その他重要な水力発電所を保有することにしております。尚先核門屋委員から御質問がありましたと別の意味で、即ち電圧とか或いはサイクルの調整とか、そういうふうに必要な火力発電所、即ち尼ヶ崎とか宇満とかという数地区の発電所を含めました設備を保有する融通会社の必要を認めたわけであります。これによ誠て融通会社を動かして参りますと、その切替時における急激な変化が救われるわけであります。そうして答申案にも書いて置きましたように、現在電力事情が非常に逼迫しておる地域につきましては、優先的に電力に開発をやつて参りまして、電力の需給関係が改善せられ、電力が豊富になつたときにこの融通会社を解散する、こういう考え方であります。こういう融通会社を造らなくても公益事業委員会、さつきからお話のありましたレギュラトリー・ボデイで十分やつて行かれるという御意見もあるのでありますが、併し公益事発委員会は飽くまでもレギュレートする機関でありまして、コントロールする機関でもなければ又アドミニストレーションする機関でもないし、主としてやります仕事は勧告であります。而もその勧告を電力会社が受入れない場合には、これに対する罰則というものが載つておりません。従つて力が弱いということと、もう一つは役所のような性格を帶びて参りますが、これが自分の手足となる設備を持つていないことになるわけであります。従つてそこから勧告したり、或いは或るものについては命令したりするのでありますが、それが血が通つておる設備を持つておる場合と違いまして、なかなか意のままに動いて呉れないということが考えられます。電力会社は独占事業、公益事業でありますと共に、又営利を基本とする私企業でもありますので、公益上必要であると言つて勧告しましても、それが算盤に合わんとか、或いは資金獲得ができんとかいうことで、各電力会社が、それを拒否した場合、これを強制する手段がないわけであります。従つて電力が足りないからどこそこの発電所を開発しようと思つても、それが思つたように行かない。こういう点も生じて参りますし、電力の融通につきましても同じような点が生じて来ると思います。公益事業委員会が調整しまして、主として契約によつて電力を供給するということになつて参りますと、契約面では恐らくその不履行の場合の罰則がついて来るだろうと思います。そうしますと、例えば十の電力を供給し得ると思いましても、安全をとつてそれを九にする、八にするという問題が起つて来るわけであります。又或る地点に電力が余つて、その隣接地区がこれを引取ろうという場合に、それを交渉しておりますうちに、水が無くなつて発電力が落ちて来るような場合が往々にしてあるわけでありまして、そこに大きなギヤップが生ずるわけであります。日発ができましたとき、豊富低廉な電力を供給するという理想を持ち、又モットーを持つてやつて参りました。それがその理想通りに実現せられていないことは甚だ遺憾でありまして、日本発送電の縦来の経営の仕方につきましても、これは批判の余地はあると思います。併し現在日本発送電が本社に中央指令所を持つて、あの非常に完備した機構で、全国の発電及び送電事業の統制を一元的にやつておりますので、その点につきましては能率的に行つておると一応考えていいわけであろうと思います。
 以上のような点を考慮しまして答申案を出したわけでありますが、尚先刻石原委員から御質問がありましたような、例えば電力につきましても、電力の生産、輸送、及び配給、即ち小売、こういうふうに分けて行つたらどうか、そういう場合に配電会社については成るべく小いものを沢山作つてらどうかという意見も出たのであります。併しこれも十分検討いたしまして、それにつきましてはさつき松永さんからお話がありましたように、公益上必要があるのに、その地方だけ電力が不十分なような場合には、これは公益事業委員会が勧告をしまして、そうして地方の自治体でも配電事業の経営ができると、こういう條項を公益事業委員会の法律案に入れてございます。
 又自家用の発電につきましては、答申案にもございますように、客観的に見ましてはつきりしております志久見川第一、第二発電所につきましては元の所有者に還元してもいいという意見を出しておりますが、その他の十数の申請につきましては、これはその発電当時の沿革、歴史まで遡つて、更に現在のその地方の電力事情等を組合わせて判断をしなければなりませんので、あの委員会では到底それをやつて行く時間と能力を欠いておりますので、これは新らしくできる公益事業委員会にお任せする、こういうことにしたわけであります。
 尚答申案に附帶事業としまして電力事業に関する技術の研究機関につきましては、これを將来も更に強化育成することにして貰いたいということを希望して置いたのであります。
 私の立場として申上げることは大体以上の通りであります。
#69
○委員長(飯田精太郎君) 御質疑は後に廻しまして、それじや次に三鬼さんにお願いいたします。
#70
○証人(三鬼隆君) 私は御承知の通り、委員といたしましては大口需用家を代表して委員になつているわけでございまして、委員会でも私は終始需用家の立場を代表したつもりで今発言をいたしておるようなわけであります。今日全般的なことは松永さん、工藤さんからお話がありましたので、省きまして、私の立場からのことを申上げさして頂きたいと思います。
 私の立場をはつきり申しますと、先程来いろいろお話に出ています……、私実は一昨年の電気事業民主化委員会でも委員になりまして、大山案と申しますか、あの案をまとめ上げた委員の一人であります。従いまして私が今度委員になれと言われましたときに、私としては良心的にはあの民主化委員会の案そのままを、強く言い続れなければならない立場にあるわけであります。それでそのことを言いまして、尚私附加えて申しますというと、まあ私は鉄をやつておる人間でありますが、鉄はいわゆる分割はできないのだ、現状においてはできないのだと言つて、最後までまあ一本案を言い続れて来た人間でありまして、最後まで私は自主的に、ヴォランタリーに、日鉄は分割してもいいのだということは一言も言わずに、逆にまあ向うの方から、お前の方は分けろと言われて、まて生木を割かれているような立場にいる人間であります。大山委員会の委員としての私の立場、それから一方電力をどう持つて行くかということを考えますると、大体において私は鉄に場合によく似ていると思います。従いまして私大山委員会のときにも、終始発送電は当分の間一本で行くべきであるということを主張した人間でありまするが、それが今度のまあ委員になれと言われましたので、私は立場上私にような者がなることは不適当だということを言つて、まあできれば御免蒙りたかつたのでありますが、と申しますのはその当時の客観情勢を聞いておりますと、大体まあはつきと申上げていいと思いますが、向うの方では七分割以上のものを肚に決るておるのだ、それをまあ今度の民主化委員会にかけて、それを裏附けするというふうな形の審議会じやないかとしうふうに、私は考えてそれを又勧めて来た人にも言つたのであります。ところが事実どうもそうらしい。そうとして見れば、私としてはただ無駄な時間が委員会に使われるだけの話で、私としては非常に不適当だとは思つたのでありまするが、たつての勧めでもありまするし、又考えて見ますと、鉄の場合から行きましても、如何に一本案を叫びましても、最後には落着くところに落着かせられる。何と申しますか諦めもありましたし、むしろこの際大山試案を最後まで支持することはできなくても、分割されても、できるだけ大山案に近いものに持つて行くようにすることが、需用家の立場としての私としてそれについてお骨折するのも無駄じやない。こういうような考えの下に委員をお引受けしたわけであります。審議会の席上でも、私は最初にこの案というものはいわゆる七分割以上、七分割或いは九分割でもいいが、それ以上のつまり大きく分ける案というものは主張してもいいのか、要するにこの審議会というものは、七分割並びに九分割ということが前提となつて、その分け方をどうするかという審議会なのか、それとも又独自の立場で十分意見を言つて全然七分割、九分割と離れた案を樹てることもいいのかという質問を審議会の席上でもしたことがあつたのでありますが、これに対して当局の措置は、それは御自由です。御自由でありますが、併し若し今のお前の言うような答申案が、仮にできたとしたならば、それは恐らく取上げられないで、もう一度審議会というものができて、そこで又検討することになるというような御答弁を頂いたようなことで、そうした答弁を頂きますにつきましても、私としてはこの際分割されることは或る程度締めて、分割されてもできるだけ現在の需用家に迷惑のかからない方向に持つて行くことが、私としての使命じやないか、こう考えて、終始その委員会に出たようなわけであります。
 以上が委員会に臨んだ私の気持でありまするが、それで最初に私考えましたのは、大体工藤さんのお話と一致する点が沢山あると思いますが、最初にこれを七つに分けるなり、九つに分けるなりいたしまして、一旦分たら必ず私は現在日発一本でやつておる融通が不円滑になる。これは当然だと私は考えたのであります。従つて不円滑になつた場合に、現在供給力が一割も減つておるものが、更にどのくらい減るか。まあ、二%や三%のものならば我慢できるが、これは相当なものでは困ることになるが、それを先ず調べて見る。それからもう一つは、現在でも多少の地域差が、最近になつて又なつて来たのでありまするが、従来大体プールに入れて、概ぬ一本の値段であつたものが、いわゆる七つなり九つに分れて、フリー・コンポジシヨンで行つた場合には相当の地域差がつくのだ。この地域差が現在の改正された地域差にも相当痛手でありますものが、これ以上になつたんでは、やはり全産業を脅かすものだろうと考えまして、これがどの程度になるだろうかということを先ず調べて見たのであります。これは申上げるまでもないことで、数年の間プール制の一本電力価格によつてそれぞれ大産業が動いておりまする場合に、これがいわゆる電気本位に考えて、九つなり、七つなりになつて凄い競争で、地域差が或る所では三倍にもなり、五倍にもなるということはつまり現在ある産業を脅かすということは、これは申上げるまでもない、又一方鉄のごとき、その他基礎産業でありますものが、大体価格が統制されておりますことは御承知の通りで)ります。一方において統制されておるものが、料金の方は地域差が三倍にも四倍にもなるということになつたんでは、これはそこに非常に不合理がある。これは尤も考えて行きますと、価格に織り込む場合にいろいろ操作もあるでしようけれども、そういう意味で非常に不合理があるというような点で、地域差がざの程度つくかということを調べて見ました。第三点は開発がどうなるか、今日本全体が非常に電力が不足しておりますが、これが現在日発なり日発一本になつておりますと、いわゆる日本を全体的に見まして、開発計画が比較的合理的なものができ上つておりますが、それが分れて参りました場合には、つまりその分れた、ブロックごとの業績が頭にこびりついて来まして、日本全体として開発すべきものでも、いろいろな経理その他資金の関係でこれを差控える。或いは開発しなくてもいいものを自分の会社の業績向上を図るために、大きくするために、開発するというようなことが想像されますので、これをどうするかという三点につきまして、ここにおります私の方の動力を担当しております高橋でありますが、私は技術屋でございませんので、詳しくこのデータを調べさしたのであります。これが非常に厖大な資料を以て私に答えたのは、あとで又数字的に何かありましたら高橋の方から答弁申上げさせますが、残念なことに私の危惧したことが、皆中つておるようなデータが出て来たのであります。先程工藤さんから申上げました通り、極力融通を行うことにいたしまして、電力量において一一%、最大電力において一五%というような不足が生じて来る。地域差におきましても、或る所では仮りに一といたしますと、或る所で四、つまり、七、八十銭で済む所もあれば、四円近いものになるというような著しい地域差がついて来たのであります。そういう状態になつて参りましたので、私としてはこれはどういうふうにしてこれを解決するか、さつきの開発の問題はその後レギュラトリー・ボデイの審議が進められて行きまして、これで或る程度できると思いましたので、これは大体私の考え方をピック・アップいたしまして、あとの二つの地域差の問題と、電力不足の問題をどうするかということをいろいろと考えて見ますと、結局は暫くは間はここに何か融通会社のようなものを設けて、そうして、従来の日発のやつておつた、私は敢て日発が残れという意味ではありません、日発のやつておつたような操作をして融通を図つて行く。同時に地域差の方はこの日発の操作によつて或る所へは非常に安い電力をやり、或る所へは相当に高い電力をやつて、場合によつたらば零のような……先程来九州のお話が出ましたが、九州のごときは……極端に申しますれば零に近いような電力の腰通会社の方から融通して、それを調節を図るようなことをしなくては、うまくここで立ち上ろうとしておる日本の産業界に非常に混乱を起させるという、私としての考え方の結論を得ましたので、融通会社を設けることに決めまして、然らば融通会社を設けるとどの程度のものをすればいいかということについて、又高橋君にいろいろと研究させました結果、皆さんお聽きになつては少し大き過ぎるんじやないかとお思いになるかも知れませんが、大体現在の日発の保有してある設備の四二%を暫くの間融通会社という形式で残して置いて、これを以て只今まで申上げたようなものの調節を図るという案をでつち上げたわけであります。お手許に差上げてあります答申案の中の松永試案に対する検討というのは、実は私がでつち上げたわけでありまして、これを幸いに工藤さん、水野さん、それから小池さんの大体の御賛同を得まして、そうしてつまりその前に、申し落しましたが、松永さんの試案が出まして御検討願つた結果、先程来松永さんがおつしやつたように、松永さんは反対でありましたが、工藤さん、水野さんは大体同じ考えであつて、その案でいわゆる三人案というようなことで終りまで進んで来たようなわけであります。これは実はその間に松永さんの方からはその融通会社というものを作らなくても、いわゆる公益委員でそういうことができるじやないかというようなお話もあつたのでございますが、これも調べて見ますると先ず先ず絶対にそういうことはできないという確証を得まして、融通会社という案を出して、而も出し方については止むを得なければ私永さんの案を骨子にしまして、それに対して私共のそれに対する一つの修正意見とでも申しますか、そういうような形で二本建で出すつもりでいたのであります。
 ところが最後の段階になつて参りまして、松永さんはそれまでの間に、不足するという点については一向おつしやらなかつたのでありまして、ただ不足する分は私共はどうしても融通会社的なものでなくちや駄目だ、公益委員会ではそういう操作は絶対にできるものではない。松永さんは公益委員会でできる。この意見だけの対立と申しては甚だ何でありますが、なつておつたのでありますが、最後の段階になつて松永さんが、丁度まとまる前日でありますが、分れることによつて電力は不足を来さないという御発議が出たのであります。それで私共としては、どうにもまとめようがなくて、全く平行線を走つた恰好になつたのでありますが、この点は、私は松永さんの非常な紳士的な態度に今でも敬服しておるのでありますが、それでは一つあなた方の案を本当の案として出そう、その代り私の案をそれに添附することを希望するというので、私達も気持よくそれを了承いたしまして、電気事業界の権威である松永さんの意見は、通産省で、これをお求めになるときには、十分にこれを参酌して頂きたいというようなことでまとめたのがこの案であります。それで先程実施はどうかというお話でありましたが、私の考えとしましては、実施の時期は公益委員会ができまして、公益委員会が本当に板に付いた仕事ができるようになつてから分割をして貰いたいという気持を持つておつたのであります。これは申上げるまでもなく、公益委員会というものは、現在の電力局を更に更に強力に持つて行くようなものでありまして、そういう厖大な、先ずぎつちりとできて地についてから、その上で分割案を立てるということを私共は考えておるわけでありますが、答申案にそれが抜けておりますが、私はそう考えておるわけであります。
 時間も大分経つておりますので、一応申上げまして、あと又御質問がありましたら……
#71
○委員長(飯田精太郎君) それでは次に小池さんにお願いいたします。
#72
○証人(小池隆一君) 私は電気のことにつきましては、全くの素人でございまして、電気事業再編成審議会に入りましてから皆さん方の教えを請うたわけでありますが、何せ学生の試験勉強にようなものでありまして、なかなか思うように行かないのであります。従いまして私は素人の健全な常識という建前から、この分割問題につきまして考えて見たわけであります。最初御説明がありましたように、松永委員長がこういうような問題は、やはり関係筋とよく協議をして行かなければ、折角骨を折つても実を結ばない虞れがあるからというようなお話で、GHQの方と定例会見をいたしまして、いろいろな御注意を受けたわけであります。そういうような御注意の趣旨から考えて見まして、或る程度の分割は、これは客観情勢上止むを得ないんじやないかというようなふうに考えられたのであります。実は私共委員になりましてから、先程もお話に出ました民主化委員会の記録を拜読いたしまして、非常に感銘を受けたのでありますが、只今申上げたようなわけでありまして、客観情勢上一生懸命に骨を折つてやつても、結局実を結ばんというのでは甚だ遺憾であると考えまして、これは或る程度の分割は止むを得ないんじやないかというふうに考えたわけであります。それでどの程度に分割したらいいかということにつきましては、先程も申上げました通り、私自身は素人でございますので、その方面に十分のお考えのある他の委員の方の御説明を拜聽いたしまして、素人として考えて、この融通会社案の方に賛成したわけであります。融通会社案につきまして賛成をいたしました理由は只今申上げたのでありますが、その外に私はこういうふうな考えを持つておつたのであります。或いはこれは間違つておるかと思いまするが、ただ私の心境を御説明するために申上げるのでありますが、自由経済に一足飛びに飛び移るということは、理想としてはいいかと思いまするけれども、現在の日本の経済状態を素人として考えて参りますのに、その疲弊の度は極めて強い、ここにおいて直ちに自由経済的な考えを導入するということは、日本産業の破滅を来すものじやないかと私は考えたのであります。従いまして最小限度の被害に止めるということが私共としてなすべき義務ではなかろうかと、こう考えた次第であります。皆様方の中には、お前は経済を知らないでとおつしやるかも知れませんが、私は先程申した通り素人としてそう考えたのであります。
 もう一つ松永案を実施いたしますというと、先程来お話がありました通り、或る地方の産業は壊滅的打撃を受けまして、そのために失業者が巷にあふれるという現象になるので、これは私共国民として到底坐視することはできないのであります。従いまして分割は客観情勢上止むを得ないそうだとするならばできるだけその被害を最小限度に止めるように工夫したいと考えたわけであります。そのためにはどうしたらいいかと申しますれば、要するに我が国におきましては水力が主であつて火力は従である。そうして火力というものは非常に高いものである、コストが高くなればこれでは産業はとても経営できないと思いまして、そのためには何らかの形において料金というものを適正なところに置くように工夫しなければならないのじやなかろうか。そのためにはどうしたらいいか、まあ一番いいのは私はプールがいいと思うのでありますが、どうかこれは客観情勢上うまく行かないような模様でありますので、何らかここに手を打つ必要があるのじやないか。そのためにはやはり答申案に書いてあります通り、融通会社を設立いたしまして、そうして適当なる電力を送つてやるというようにすれば、これは決して私はこの案に対して満足しているのじやありませんが、いろんな事情から判断してまあ次善の策であると考えたのであります。そういう意味合におきまして私は賛成したのでありまして、それ以外の経済的な問題、電力問題につきましては全くの素人でありましてよく分らないのであります。それからもう一つ素人といたしまして融通会社が必要であると考えましたのは、今日日本発送電会社は全国的な規模におきまして給電指令所を設けましていろいろ工夫しておられるのでありまして、それでも尚且つしばしば停電に会いまして私共純消費者として非常な迷惑を受けているのであります。これが若し分断された場合においてどうなるかと考えて見ますのに、これは素人でありますから間違つているかと思いまするが、まあ素人の考えといたしましては全国的に体系的にやつておつてさえ尚且つ十分に行かないのに、分けてうまく行く筈がないというのが私の素人考えであります。そういうような考えからいたしまして、私は何らかの意味におきまして調整する機関が必要じやないか、調整する機関というものにつきましては、松永委員長はレギュラトリー・ボデイでいいとおつしやるのでありますが、その根拠は示されておりません。私は根拠がないことに対してはどうも不安心で賛成ができないのでございます。勿論松永委員長が根拠を示されないのは時間の関係があるのでありまして、決して深く咎むべきことじやありませんが、ただ私共といたしましては、どうしてこれがレギュラトリー・ボデイでやつて行けるかということについて今確証が得られないので、どうも賛成することができないのであります。そういうような点からいたしまして私はやはり融通会社を建てる方がいいのじやないかと考えたわけであります。次に私はこのレギュラトリー・ボデイ即ち公益事業委員会というものにつきましてまあ微力を畫したのであります。この公益事業委員会の大綱を考える場合におきましても、先程も申上げました通り関係方面と或る程度の折衝を持たないというと実が結ばないというので、やはりこれも数回お伺いいたしましていろいろなアドバイスを受けたのであります。そのときのお話では公益事業委員会というものはレギュレートする機関であつてコントロールする機関ではないのだということを念頭に置いて立案して貰いたい、そうして参考資料といたしましてアメリカにおけるこれらの公益事業委員会に関する本もあるからそういうものを見てやつて呉れ、こういうようなお話でありました。そこで私は大体そういう方針の下にこの公益事業委員会に関することを考えたのであります。でこの公益事業委員会に関する法令につきましては、これは相当長い期間がなければ立法することは困難でありますが、限られた時間内においてとにかく或る程度のものを出して見ろ、こういう話でありますので、極めて大綱的なものをここに掲げたわけであります。そこでこの公益事業委員会につきまして一々御説明を申上げる必要もないかと思いまするが、特に問題とないました点について若干申上げて見たいと思います。
 その第一点は、公益事業委員会の性格であります。公益事業委員会にどういうふうな法的な性格を與えるかということにつきましては、私自身も非常に迷いました。委員会におきましても皆様方の御注意を受けましたし、又アドバイスも受けたわけであります。その中で大体二つの意見があつたのでありまして、一つは議会に対して直接責任を負うもので、内閣とは独立した機関にした方がよいという意見であります。もう一つの意見は総理府の外局にした方がよい、こういう意見であります。第一の意見は政治の力により委員会が余り動かされない方がよかろう、こういう考えのようであります。第二の御意見は、総理大臣は政治的な最高責任者である。然るに総理大臣の監督の行届かない独立の機関を作つたとするならば、それは総理大臣としては政治的責任を十分負えないじやないか、こういう議論であります。そこで私はいろいろ考えましたのでありますが、結局私は総理府の外局とする案に傾きましてこれを委員会に、皆さん方にお諮りいたしまして御賛成を得たので、この公益事業委員会の性格は、答申案では総理府の外局であるというふうにしたわけであります。それから只今申上げましたところでもう一つ附加いたしますというと、この議会に対し直接責任を負うところの独立の機関であるとしますというと、憲法違反になるのじやないかという疑いを私は持つたのであります。で結局私が総理府の外局としたということは、一つは独立の機関にすると憲法違反になりはしないかという心配と、もう一つは総理大臣が十分に責任を負われることができないのじやないか、こう心配いたしました結果私はこの外局という案を取つて、この委員会にお示ししたわけであります。それからその次に問題となりますのは、この委員会の委員の資格でありますが、この委員の任免という点でありますが、この委員会の委員の任免は、これは総理大臣によつてなされるのでありまして、そうして衆議院の同意を得て行うというふうにしたわけであります。これも非常に問題でありまして、最初私は国会の同意を得てというふうにしたのでありますが、外国の例等を考えて見、又総理大臣によつて任命されているわけであるから、必ずしも両院の御賛同を得なくてもよいのじやないかというふうに考えたのであります。勿論必ず衆議院の同意を得るという説が絶対に正しいとは考えませんが、併しながら衆議院の同意を得て総理大臣が任命すればよかろうという考えで、そうしたわけであります。それからして次に委員長でありますが、第一回の委員長は総理大臣の指名にせよという御意見がありました。併しながら第一回だけ指名にして、まとは互選にするというのもおかしいというような気がいたしまして、どうせ互選にするなら最初から互選にした方がよかろうという考えで、最初から互選にいたしました。それからしてこの委員になられる方は成るべく政治的には中立ということはむずかしいと思いますが、成るべく中立でありたいというような考えが一方にありましたので、これは私自身もそう考えておりましたが、いろいろな方面でそういうようなお考えもありましたので、そういうような意向を汲み入れまして、現に政党の役員をしていらつしやる方、或いは国会の議員である方、そういうような方とかいうような方は、まあ遠慮して頂こう。それからして現に電力事業を営んでおるような人は御遠慮して貰おうというふうにしたわけであります。但しこれは一年間という制限でありますから、結局この現に政党の役員をしていらつしやつても、それをおやめになつて一年経てばいいだろうというふうにしたわけであります。一年ということは別に根拠はないのでありますが、つまり余りですね、或る政党の例えば総務の方であるとか、或いは偉い方がそのまま直ぐに公益事業委員会の委員になられるということは、その方自体立派な方でありましても、場合によつてはちよつと疑いの目を以て見られるという虞れがないでもない、それでは却つて御迷惑がかかるだろうと、そういう意味で約一年間は遠慮して頂く。一年経てばまあよかろうということにしたわけであります。
 それからその次に委員は五名といたしましたが、五名のうち三名以上が同一政党になるということはいけない。これは結局多数決で委員会は運営されますので、従つて同一政党に属する者が三人以上になりますと、どうしてもその政党の主義政策を自然に反映されるということになる。これは政党に所属せられる方としては当然でありまして、政党員でありながら自分の政党の意向を高度に反映しないということになれば政党員でないのであります。同じ政党の方が三名以上お入りになればその政党の考えが当然そこに現われて来るということになるので、これは公益事業の性格上避けた方がよかろうということで、三名以上の委員になつた場合は、そのうち一名の方はやめて頂くとこういうことにしたのであります。それから委員の任期は五年でありますが、最初だけは任期をずらしまして結局一年、二年、三年、四年、というようにしまして絶えず新らしい方が委員に替わるという案をとつたのであります。尤も再選せられることは差支ないわけであります。それからこの委員が任期前にやめられるという場合であります。その場合につきましては、身心の故障のため、職務の執行ができないと認められる場合、又は委員の職務上の義務違反、その他委員に適しない事項がありと認められる場合、そういうことについては総理大臣が衆議院の同意を得てやめさせるというふうにしたわけであります。勿論これは多数決でやめて頂けるということになつております。
 それからこの委員会の権限は、これは非常にむずかしい点があるのであります。と申しますのは従来の電気事業法とかその他の立法におきましては、大体においてこの統制的要素が入つておりまして、今度の公益事業委員会におきましては、それは成るべくそういう色彩は拂拭してできるだけこの何と申しますか、規整的な性格に直して、そうして必要な場合にはこれは止むを得ないから命令することも、これはしようがないけれども、命令する場合は成るべく少くして、そうして自発的に各会社の方で改めて貰う。こういうまあ方法をとつたわけであります。併しこの草案を御覧になりますと、中にはまだまだこれではうるさいことが、沢山あるというようなお感じをお持ちになる方がおいでになると思いますが、併しながらこれは実を申しますと、新らしくできる筈の各会社はプライベート・カンパニーでございまして、プライベート・カンパニーでありますと、どうしても結局営利追及といふことは、これは会社の常道でありますので、場合によりましては公益事業の向うべき目的を逸脱する虞れがあることは十分心配する余地があると思います。そういうような点からいたしまして、多少この統制的な性格がまだまだ残つておるのでありまして、この点は不徹底であるというお叱りを受ければ誠に止けを得ないと思つております。
 それからもう一つ、これを作りますときに問題となりましたのは、先程もちよつと申上げましたが、日本の電源というのは要するに水力であります。で水力の場合におきましては、水利権という問題が当然起つて来るのであります。ところが従来水利権は、これは地方行政官庁が持つておるのでありまして、従つて地方行政官庁の名前で水利権の許可をしておるわけであります。ところが場合によりましては手続が非常に煩雑であつて、十分に電源の開発ができないというような声をしばしば聞くのであります。従いましてこの手続を簡略にする必要があるのでありますが、一方において成るべく現在の行政組織というものに手を触れないように、現在の行政官庁が持つておるところの権利、権力には成るべく手を触れないようにして欲しいという政府側の御希望がありましたので、この水利権の問題につきましては、成るべく現在の法的機構に手を触れないようにという考えで立案をいたしました結果、これも相当不徹底なところがあると思います。併しながらこれを徹底いたしますると、政府側の御意向にもちよつと反対するようなことになりますし、又実際問題といたしまして現在持つておりますところの各官庁の権利を貰うということは、私は素人で分りませんが、実際上非常にむずかしいから、却つてうまく行かないであらうというこういう御注意を受けましたので、従つていろいろな点を再考いたしまして割合に不徹底でありますけれども、まあこの程度で一応案をまとめて見よう。勿論時間が十分ございますれば、又いろいろ考えてやる方法もあると思いまするが、先程も他の委員の方があつしやいました通り、一月一杯にまとめろというようなことでありましたので、調査研究の行き届かない点が多分に多いと思います。で尚この公益事業委員会のなす仕事は種々ございますが、主なるものは言うまでもなく料金の調整であります。料金の調整、これがまあ一番公益事業委員会として重点が置かれておるところであります。ただ併しながら料金の調整につきましても、これはこの各会社の方からして、これこれの料金で経営したいということを公益事業委員会に申し出まして、公益事業委員におきましてはこの資料を調査して適当であれば認可し、適当でなければ返すということが建前でありまして、公益事業委員会の方で以てお前の会社は一キロワツト幾らにしろというような積極的な指示は與えないというのが原則であります。その他電力の融通につきましても、原則としては勧告をして電力の融通を成るべく円滑ならしめるというのが建前でありまして、万止むを得ない場合において融通命令を出すというふうになつておるのであります。
 それからもう一つの問題はこの電力会社、新らしい電気会社の相互間の問題であるとか、或いは需用者の会社に対する不平であるとかいうような問題につきまして、これは公益事業委員会に申請いたしまして、そうしてその不服を聞いて貰うというような制度を考えたのであります。併しながらどんな小さなことがあつても、どんな根拠のないことであつても、全部を公益事業委員会において取上げるということは不可能でありますので、これは或る程度制限を必要と思いまするが、併しながら根拠のある不平、不満というような点につきましては、これは公益事業委員会において取上げまして、重要な問題については公聽会を開いてその意見を聞いて決定する。又一旦決定したことにつきましても尚不満であればもう一遍不服の申請をして、もう一遍やつて貰うという途が残されてあります。
 尚委員会の決定は決して裁判権を奪うものではありませんので、従つて若し必要とあるならば、この利害関係者は裁判所へ提訴する途も奪われずに残つておるのであります。ただその場合、一つ問題となりますのは、裁判所に提訴した場合において裁判所が事実審理をするときには、公聽会を開いて審理を委員会でしておるのでありまして、その審理事項についてその当否を判断して貰うのが原則でありまして、委員会において主張しない新らしい申立があつたというような場合におきましては、ここにはつきり書いてありませんが、原則として委員会に照会して、場合によつては委員会にそれを差戻して委員会でもう一遍やつて貰うというふうにして進みたいと考えておるのであります。但しこの点は無論裁判所と関係がありますので、場合によりましては裁判所の方の御意見で、これは裁判権の侵害だからいかんと言われるかとも思いますけれども、外国の方では、例えばアメリカの方の公益事業委員会では、大体このような方法を採つておるので、私も一応その案を取入れまして、委員会において審議して決めた事項について提訴した場合は、実際問題については、委員会の審理を基礎として判断して貰うというふうにしたわけであります。
 それから罰則につきまして規定をして置きませんのは、全くこれは時間がないためでありまして、十分時間がありますれば罰則問題にも触れたかつたのでありますが、併しながら罰則問題もなかなか時間の関係上手が触れられませんので、ただ極めて簡單にそこへ挙げて置いた次第であります。
 尚申上げたいこともありますが、あと御質問があればお答えすることにいたしまして、一応私の説明を終りたいと思います。
#73
○委員長(飯田精太郎君) 次に水野さんにお願いいたします。
#74
○証人(水野成夫君) 私は三鬼委員から提示された電力融通会社の案に賛成した一人でありますが、その理由と言いますか、私の賛成の気持と言いますか、それを申上げます。まあさつき小池さんからもお話があつたのでありますが、御承知のように日本の経済が一向に再建されておらん、或いは又、場合によるともつと惡い状態になる可能性を持つておるのでありまして、私は一応規定によりますと小口消費者の代表ということになつておりますが、この委員会は委員長の松永さんが電力界の学識経験者、三鬼さんが大口消費者代表、私が小口消費者代表、工藤さんが金融界の代表、それで小池さんが法律の專門家というようなことで、大体政府でありますか、司令部でありますか、その構想に基いて任命された委員でありますが、私はさつきも三鬼さんから言われたように消費者代表として先ず第一にものを考えて参つたのでありますが、その消費者代表としてものを考えます場合に、一番中心になりますことは、今非常に苦しんでいる経済界というものにできるだけいい影響を與えたい。或いは少くとも惡い影響を與えたくないという気持が中心でありまして、その点から最初考えましたことは、今まで御説明があつたのですが、電力の過不足の問題と、それから私共委員が任命される前に、もうすでに地域差の料金が決定しておつたのですが、この電力料金の問題、もう一つは日本発送電と配電会社という、これは片方は主に電力を生産し、片方は配給する組織でありますが、この二つをどうするかという二つの観点からものを考えたのでありまして、発送電と配電会社について申しますと、私の考えではやはり独立採算制の会社にして競争させ、勉強もさせたらよかろうという、まあ戰争中並びに戰後の発送電や配電会社の経営状況を見ておりまして、そういう強い信念を持つておりました。私個人の考えでありますると、さつきも石原さんのお話があつたのでありますが、配電事業は地方自治体の線に沿つて細分したらよかろう。それでサーヴィス競争をやらしたらよくないかというような考えを持つておつたわけです。と申しますのは、生産をする発送電の方はこれは新規の開発もありますし、それから電力の地域間の融通という点もあつてそう行かないのでありますが、配電というものはこれは本当のサーヴィス業でありまして、地方自治体、まあ民主主義の下で地方の自治権が非常に強化されているのですから、地方自治体の線に沿つてこれを段々に、まあ即座と行かなくとも段々に細分してサーヴィス競争をやらしたらよくないかというような考えであつたのでありますが、段々皆さんの御意見も承わり、いろいろ考えた末に結局電力量の過不足を成るべく少くする。地域差の料金制をこれ以上ひどくさせないという二つの点から、まあ我々の間では三鬼案といつておつたのですが、三鬼さんの提唱された融通会社を含む九分割案、要するに答申案に賛成したのであります。ところが途中で関係筋から十分割案なるものが示されまして、これは非常に詳細な、分水嶺に従つて、村々まで一つ一つ書き入れたが、委員会といたしましては、これをどうするかという一つの大きな問題にぶつかつたのであります。十分割案はよくケネディさんからも説明され、うちへ帰つてからも検討して見たのですが、非常にアメリカ的な考えであるという結論に私達は到達したのであります。今小池委員から、公益事業委員会法についての御説明があつたのですが、その場合でも、例えば非常にアメリカ的な考えがありまして、公益事業委員会というものを、人事院のような内閣と全然関係のない独立した機関にするというような、向うの例を見ますと形が出ているのでありますが、又司令部の方々も大体そういう御意見のように観測したのでありますが、これは非常にアメリカ的な考えでありまして、アメリカの実例を聞いて見ますと、大統領選挙がありますと、大体反対党が政権を取ればこういう重要な、例えば公益事業委員会とか、或いは公安委員会とか、そういうものの委員並びに委員長というものは即時辞表を出して責任を明らかにするのであります。日本におきましては、これは皆さん御存じと思いますが、公安委員会とか或いは最近も国警長官の問題が新聞に出ておりましたが、或いは人事院とかそういう組織は、例えば今の政府が外の党派の政府に変りましても、なかなか辞表を出さないのでありまして、又出すとすれば政局が不安定の場合には非常に頻繁にその委員会乃至委員会の責任者の顔触れが変るということになつて、アメリカと違つて非常に困るのじやないかというような考えで、これも小池さんの案に従つて総理府の外局とする案に賛成したのでありますが、それと同じことが何と言いますか、アメリカ的な考え方が、非常に十分割案というものは強くありまして、アメリカは御承知の通り火力発電所を主として電力を生産しているのでありますが、それともう一つは州の観念、この二つが十分割案には非常にはつきり出ており、私共の考えでは若し十分割案を無理に実施いたしますと、我々の関與している産業界というものは非常に困る。それに一般の消費者も非常に困るという結論に到達したのでありますが、これをどうするかという一つの問題にぶつかつたのであります。私も委員会の末席に控えて見ておつたのでありますが、委員各位とも民主主義の下で委員会というものをどう運営するか、民主主義の下の委員会のあり方ということについて皆さん実に毅然たる、又立派な考えを持つておられまして、少くとも我々はいろいろな各界を代表した委員なんだから、占領行政の下にあるとは言え自分達の信ずるところを述べたらいいじやないかという、期せずして皆さんの意見が一致して、私も勿論賛成したのでありますが、委員会としての考えをはつきりと述べる、そうしておまけに十分割案というものに対してこの答申書の中で、御覽になれば分りますが、はつきりした批判をしております。これは答申もそうですし、松永委員長の案にも十分割案に対するはつきりした批評が出ております。これは司令部の関係筋としては非常に御不満であつたかと思いますが、又或いは政府としても非常にお困りであつたかとも思いますが、併し私達はこの民主主義の下でこの重要な審議会の委員になつた以上、自分達の信念によつて行動しようという一つの一致した考えで、そういう結論に到達したのでありまして、結果といたしましては、まだ新聞なんかで拜見いたしますと、関係筋との了解がつかずにいろいろ折衝が続けられているように聞いているのでありまして、問題は政府と議会に移された形になつたのであります。我々産業資本家から申上げますと、この電力の問題というものは極めて重要な問題でありまして、さつきも門屋さんからその意味の御発言があつたように思つておりますが、非常に一党一派の喧嘩とか、或いはその内紛とかいうものよりも遥かに重大な問題であるように思います。まあ一つよく答申案をお読み願いまして参議院におかれましてもどうぞよろしくその点をお考へ願いたい、こう思つております。
#75
○委員長(飯田精太郎君) 宮川さん、高橋さん何か補足してお述べになりたいことがありましたらこの際御発言願います。尚時間も遅いので簡單に……
#76
○証人(高橋正一君) 私はこの前の電気事業の民主化委員会には、やはり三鬼委員の代理としまして委員会のお手伝をしたような事情でございまして、中にできました小委員会の主査をさせて頂きました。図らずも今日はここにおられる石原さんや佐々木さんとお目にかかつたのであります。今回も又三鬼委員のお手伝をすることになりまして、先程お話のございましたようないろいろな問題の点につきまして、技術上のお手伝を申上げたわけであります。そこで私が貴重な皆さんのお時間を割いて一言申上げたいと思いますことは、先程問題になりましたこの地域間の融通電力という点でございますが、これが現在は日本発送電で全国的にやつておりますが、その結果地帶間の融通というようなことは余り考えずにやつておるわけでありますが、これを九つなり幾つなりに断ち切つて分断いたしますというと、その間に必ず融通電力の阻害を来す事情ができて来る。それがどんな程度の数字になるかということの検討でございまして、その数字は実は答申案に参考資料として出ておりますが、ここで細かく繰返して申上げることを避けますが、昭和二十三年度の実績を検討して見ましたところが、極力融通をして見ましても相当融通の阻害ができそうであるということでありますが、この融通電力というのは一体何だということを先ず考えて見ますと、これは現在日発が本州、四国及び九州を一環としまして、全国的な見地から発電して、これを各地の配電会社に供給しておるわけでありますが、そのやり方はどこの地域に特に電力をやろうということでなしに、大体電力の需給の要求に応じまして全国大体均一的に、それから而もそれをやりますのに最も経済的にやる、この二つの考えが大きな動きを支配しておると思うのであります。ところがこれを分割して考えますというと、或るブロックの地域の境にあります発電所がどうなるかという問題が起き、或る変電所、それがどうなるかの問題が起き、或る送電線を通つております電気がどんなふうになるかという問題が起きまして、そこには今までなかつた新らしい電気の関所みたいなものができるわけであります。ここの関所を通して電気が今度はブロックの会社間に売買されることになるわけであります。ところがこの電気の流れでありますけれども、御承知の通り非常に瞬間的なものでありますが、これは季節によりまして、月によりまして、勿論時間によりまして刻々変化しているものであります。今その変化を、日本発送電はその変化など全然考えませんで、今大体九州にはこれだけ送ろう、関西にはこれだけ送ろう、東北はこのくらいの需用があるからこれだけしよう、そういう関所などあることは今全く無関心にやつておるのでありますが、今度はそこに新しい関所ができて来るということになる。勿論現在ありますその送電線も、そこで全く切断するというならこれは全然融通がないことになりますし、又電気の故障などがありまして通じないということになると、勿論そこで切れてしもうということになるのであります。ところで現在決めてないものを分断したらどうなるかということを調べますのには、ここで実績調査をするより仕方がございませんが、私は私を手伝つて呉れる大勢の人と一緒にこれを分析したわけであります。最近に一番近い記録を得たいと思います関係上、昭和二十三年度の実績をとつたわけでございます。ところが九つなり、幾つなりに分ければ少いという筈の融通電力が実績によりますと、非常に多いのでございます。そこで問題の松永委員長の九ブロック案を対象にとりまして、そうしてされを実際の数字に当て嵌めて見ますというと随分ございまして、実に四十八億九千万キロワツト時という大きな融通電力がその地帶間にやり取りされておるということが分つたわけでございます。これは本州、四国並びに九州の全発電電力量であります。三百十一億四千九百キロワット時ということに対しまして、実に一五・七%になつておるのでございますが、これを非常に好意的に考えまして、普通融通契約ではこのくらいできるということで、極力融通を円滑にするようにいろいろ考えて見ましても、その約四十九億キロワット時の中からして、どうしても三十三億八千キロワツト時というようなものは融通ができない、うまく行きそうもない。これは丁度一〇・九%という数字に当りますし、それから電力が今度はキロワツトで申しますというと、実に一四・八%というキロワツトになつたわけでございます。ところがそれでは松永さんの案と比較して見て一体どうであるか、どの数字が本当かというようなことがいろいろ考えられるわけでございますが、これに対しまして一応松永さんが参考意見として出しておられますものと、ここで一応比較してその違う点をはつきり申上げて置きたいと思います。私共の検討しましたこの融通会社の案の見当におきましては、大体融通電力というものは只今申上げました通り瞬間々々のものでございますから、現在あります送電線を対象といたしまして、そうして松永案のように発電所が他の地域の所へ「たこ」の足のように足を伸して、その供給外にこれを持つて行くというような場合に、一体そこの地域のブロック会社の境になるような発電所、変電所では一体どのくらい電力の融通が毎日あるかという。毎日の時間の分析を原則といたしてこれを行いました。ところがこれは御承知の通り非常に大変なことでありますものですから、一応毎月の数字を検討いたしまして、そうしてそのうちで検討できない或るものは、これは一年間の数字を使う。そうして大体見当のつきましたものは、渇水期一週間、それから豊水期一週間というような毎日の時間の融通電力の出入りを見まして、そうしてこれを判断いたしました。ところがこれに対しまして松永さんのお出しになつた資料には、一年間の需給の数字がどうであるかという、その需給の数字を出しておられるわけであります。つまり例えば関東なら関東の地区に属する発電電力量が、一年にこれだけある見込みであるというわけであります。そこで関東の消費は一年にこれだけある見込みである、こういうわけであります。そうしますと関東は多くなるとか、少くなるとかいうような一年間の総計が上つておるのであります。つまりそういうものが各ブロック地区に一応考えられております。一年間の統計の数字になつておるということになつておるのであります。ところがこれと、それからもう一つ実際の送電線を少しもお考えになつておらない資料が出ております。ところが実際の電力というものは送電線を通して動いておるのでありまして、送電線の数は御存じのように裏の図面にもございます通り、数が決まつております。決まつておる送電線、決まつております発電所を幾つか、成るべく自分の地区に都合のいいように取るわけでありますが、その場合そこに送れる電力もできて来れば、うまく送れないような電力も或る地区には出て来るわけであります。そういうところを全然お考えになつておらない資料でございます。ですからこれはいわば現在の日発につきまして、一応発電所を九つの地区に便宜的に所属して見て、一年間の総計の需要供給の数字がどうなるかということを御覽になつただけであつて、これは地帶間の全国の融通という数字とは全く別個のものでございます。只今申上げました通り、地帶間の融通電力というものは瞬間々々的なものでございまして、例えば或る地点をとつた考えて見ます。どこでもよろしあのでございますが、仮に東北なら東北の日和田という変電所を考えてみますと、これは或る時間には関東から東北に電気が行つております。ところが今度は次の日には逆に東北から関東へ来る。少し東北に水が出れば東北から関東に来る。そうして或る時間には全然関東からも行かなければ又逆に東北から関東へも来ない。どつちにも行かない、休んでおる時間が、これが極めて不規則であります。それはその筈でありまして、つまりそんなことを考えて今発電をやつているわけではないのでありまして、大きな日本の全国的の見地からやつておるわけでありますから、そういう個々の融通点というものは今問題になつていない。今度はそこをこの融通点として新たな契約で行くということになる。而もこの契約が果して円滑に行くかということを考えてみますと、この契約は或る地点を通しまして一方的に始終同じように行つている電力、これなら契約は楽にできますけれども、今日は例えば売つた、明日は買つた。而もそれは時間が極めて不規則である。その量も例えば五万キロぐらい一日に買うかと思えば、その次の日は全然やらない。かと思えば次の日に三万キロから四万キロ逆にこつちの方から差上げたいといつたような契約は、私は不可能とは言いませんけれども、非常に困難であります。而もこれは明日の契約でありまして、現在日本発送電がやつているのは、そのときの発送電力量を見て、一日に何回も全国的に打合せをしながら、それを一本の中央給電司令所で決めてやつているわけであります。ところが今度は全然そういうことがなしに、各ブロックがあつて、その中の電力融通契約を適当に取決めてやるというので、これは普通の常識では考えられないような細かい変動のある電気が、実際現在融通されているわけであります。こういうものは一応融通されないということに判断して行つたわけであります。勿論融通されなくてもそれがその地区へ残りますから利用はできる。併しながら良質の電気としては利用はできない、こういう判断で出して行つたわけであります。で、こういうような細かい問題につきましては、若し又この委員会に時間がございまして、そうして又詳しい調べをしようとおつしやる時間がございましたらば、私できるだけ都合をいたしまして、各地点につきまして、融通地点が全体で四十一ケ地点ございますが、新らしい四十一ケ地点につきまして、大体地区別の、それから或る地点については、毎日の電力を融通された二十三年度の一年間の実績を以ていろいろ又御説明したいと思います。今日は時間がないのでこの辺で止めまして、ただ先程皆さんのお手許へ一つ配付させて頂いたこの図面がございますので、少しの時間を割きましてこの説明をさして頂きたいと思うのでございます。これは現在日本の発電は水力発電が主となつておりますことは、先程来お話のあつた通りでございまして、これは日本海に注いでおります東北にございます阿賀野川の発電所、それから太平洋に流れております中央部にございます木曾川の発電所群、そういうようなものがどんな実際の自然流量を一年間に示しておつたかと言いますのを、ここに表にいたしまして、そうしてこれを両方一緒に運転したらどうなるか、ということを示した実際のこれは図面でございます。現在では日本発送電がいろいろな川を総合して発電するような運転をしておりますから、この二つの川を総合すれば、現在の日本発送電がいたしておりますように、この違つた河川を総合運転して、そうして発電供給力を増加するという線に沿うておるわけでありますが、これを分ければそれが減つてしまうということを、この図で申上げたいわけでございます。そこで少し図の御説明に入りますが、先ずこの下の方の四月、五月、六月というふうに横に書いております下の横の方は、何を示しておるかと申しますと、これは月が書いてございますが、その月の中の細かい、ここには図に書いてございませんけれども、これは一月大体三十日を三つに割りまして十日分として、このぎざぎざの一つ一つのこまの間が一日でございます。つまり昭和二十三年度の自然流量を克明に調べて書いた図面でございまして、木曾川の方のぎざぎざしておる所がこれが流量を現わしておりまして、横の方が毎日々々別になるわけでございます。そうしてこの縦の方の單位は何を示しておるかと申しますと、これは單位万キロワツトと書いてございまして、発電電力を示しております。で木曾川、これは別のそこに貼つてございます紙に、どういう発電所があるということで、木曾川の三浦の貯水池のあります発電所から一番下の兼山の発電所まで、木曾川の発電所群の総計二十七万五千キロというものを対象に取りまして、そうしてその発電が木曾川の自然流量でどれだけできるかという毎日の数字を書き込みまして、それをずうつとグラフで上を辿つて行つた所でございます。ところで、それではこの青い色を塗つてありますAという所、これは何を示すかと申しますと、これは一年間同じように電気が発生できる、確保できる、その電気の発電電力量を示したものでございまして、普通よくこれは渇水電力量と申しておりますが、一年三百六十五日の中で十日引いた三百五十五日確保できるその発電電力、これでは約十二万キロくらいの所になつておりますが、その辺の所がAというので、これが一年中ずうつと青く行つておるわけであります。それからその上の黄色い所、黄色い所はつまりDという所まで行つておるわけでありますがゐそれは何を示すかと申しますと、これは一月以上、つまり三十日以上続けて電気がとれるようなところはどんなところが、どんな月かということをそこに黄色い面積で以て示してあるわけでございます。これがいわゆる特殊電力、こういうことでございます。同じようなことがその上の阿賀野川でやつてございまして、これはBというのが一年間同じようにとれる電力、いわゆる常時電力でございまして、その上の黄色くなつておるEというのは、これはそういう全部が特殊の電力でございます。そこで阿賀野川、木曾川で一つの会社で單独に行つたならば、この国の示す青色の常時電力が一年中供給できて、それから黄色い色のややちぐはぐの電気、それでも一月は大体続きますけれども、そういう電気が供給できる、こういうことを現わしておるわけであります。ところが、阿賀野川と木曾川とを二つ寄せまして、これを総合して、一つの会社で運転した、或いは一つの会社でなくても一緒に同じように運転したということにして、これを発電電力量を考えて見ますと、今度は一年の中、やはり同じように三百五十五日だけ確保できる電力量と言いますのがどういうようになるかと申しますと、木曾川、阿賀野川のそれぞれのAとBを足しました外に、尚そこにCという所がございますが、このCという青色の薄く塗つてあります部分、その部分だけが増加されて来るわけであります。これが余分に出て参ります。ということは、言い換えて見ますと、川によりまして流れる水量が季節によつて違うわけでありますから、それがこう二つ合わさりますと平になりまして、そうして一年中同じような電力が余計出て来る、こういう勘定になるわけでございます。それから黄色い部分はどうなるかと申しますと、黄色い部分は今度は、これではちよつと分りにくいかと思いますが、その上にやや強く濃い黄色い色で塗つてある部分がございます。Fという部分でございますが、これが殖えて来るところでございまして、前の二つの黄色い部分を寄せたものに対しまして今度は少し殖えて参りますが、その殖えるというところは前のCの部分まで一緒にして考えますと、殖えるわけでございまして、今度はこういう考え方になります、結局常時電力が殖える、それからして黄色い部分も今度は殖えるが、それは少し僅かであつて、殖える部分が両方の黄方の部分の上に七%ぐらい殖える。それから常時電力として殖えるCという部分は二五%である。その代り黄色い特殊電力の凸凹した部分ですが、この性質の惡い電気がマイナス四三%、四三%だけ減つておる。つまり惡い電気が減りまして、いつでも供給できるという良質の電気になる、こういうことになるわけでございます。実際の運転はこの外に火力が加わりますから、これと火力との総合になるわけでありますけれども、それを図面に書きますとこれが可なり混雑いたしますので、一応水力の合成の点だけに止めまして、そうしてこういうふうにして総合すれば良質の電気ができるが、分けてしまえば良質の電気が減るということを、技術的な解説をいたしたわけでございます。
 こういうようなわけでございまして、分割してしまいますと、つまり融通点においては今まで行われたような電力の融通が起きない。つまり切れつぱしの電気がそこに残つてしまいます。まあ言葉が惡いかも知れませんけれども、いわばこま切れの電気が残つて来ます。それがその地区に効率的に利用されないということ、これが結局融通による電力の阻害ということになるわけであります。それから貰わない方は、今までそれを貰えば工合よくなつておつたのを、ぐいつと引抜かれるわけでありますから、その全体が極めて工合悪い電気が與えられる。そういうことになりまして、これらを総合いたしまして、約一〇・九%に全国でなる、こういうことが言えるわけであります。
 これが解説でございまして、尚細かい数字につきましては委員長のお手許に、地域間の電力融通についてこの答申案にありました数字の月別及び時間別の細かいものを、この委員会の委員長のお手許まで先程お出しして置きましたから、又御質問なり何なりございましたらば又御説明申上げることにいたしまして、一言附加えさして頂きます。
#77
○証人(宮川竹馬君) 私はこのことについて議論をするというつもりではありませんけれども、ちよつと松永案の事情を述べて置きたいと思います。この松永案では、ここに今あります、皆さんお持ちになつておると思いますが、これの百二頁ですかに、その水力の発電所を本州の中央部において、東北から関東、北陸、中部、関西におきまして、最大の出力の出る時分には大体需用と見合うようなふうに配分をしてあるのですが、この配電会社のこれは工務部長とか或いは給電課長などが集まつて、各社にありまする数字を持合せてやつたのでありますけれども、何分今の会社の組織では、日発の方にすべての発電所の資料がありますけれども、配電会社の方には持合せがない。それでこの資料は一ケ月の水力発電所の、各発電所の発電量によつたものでありまして、毎日毎時間のものによつたものでないことだけは、これはもう明らかでありまするから、その一ケ月の中の細かいことについてはそれは欠けております。一年の水量ではありません。そして大体発電所の設計をいたします場合に、これは一年の水量で発電所の設計はいたしませんが、過去長い程いいのですが、十年とか五年とか水量を見てやりますが、この計算は上期におきましては過去六ケ年、下期の方が過去七ケ年の計算を基にしてやつております。それで平均になつておりますから、豊水の年もあり、又渇水の年もあり、或いは七月に水が出たとか、八月に水が出たとか、その月によつて違いますから、それで割合に平均されております。そしてそれによりまして、電力の足らん場合には一月分でありますが、足らん場合にはそれを融通をする、或いは融通でなくて片方だけの供給になつているものも出て来るわけでありますが、大体十億七千万キロワツト・アワーとなつておりますけれども、これを日に勘定しますというと、その数が殖えて来ることはこれは間違いありません。併しこれは平均をとつてありますから、そう沢山な殖え方にはなつて来ません。ただそういう場合に、実際に融通ができるかできないかということの問題がありますが、これはずつと五大電力が盛んであつた頃が電力の華であつたとか言われますが、その時分のことに遡つて考えて見ますというと、丁度今から二十年ばかり前に池尾芳藏さんが、黒部川の方から送電線を持つて東京へ入つて来た。そして東京電燈と鬪つて、池田さんと結城さんでしたかの仲裁であれは治まつたのでありますが、そのときに東京電燈が東京市電の電力をごつそり持つて行かれた。そして取りました日本電力の方で見ますというと、黒部の電気、あれは不定時の多い電気です、特殊電客の多い電気ですが、その電気を持つて来て鶴見に二万五千キロ二台と思いますが、火力の発電所を造つた。ところがその火力の発電所が一台は予備であるから、常時供給力が非常に少ない。これがお互いに鎬を削つて戰つた両方の間で、丁度小林さんの東京電燈の方では鶴見の三万五千キロを二台持つて、一台が予備になつておる。これは戰いが終つてから後であつたと思いますけれども、この予備を貸してやつて、そうして日本電力の確か二万五千キロが非常用になつた。そのくらい、これはもうお互いに戰つた人が、日本電力の発電機の予備がないために、その予備を貸してやつて、つまり向うの故障の場合は自分の方で供給をしてやる。二万五千キロを代つて供給してやる。そのくらいまでできたものです。
 それから私は東邦電力におりましたが、名古屋で中部電力から二万八千キロの電気を受取つた。そうして冬になると、大阪へ行つておる電気が足りない。それで松永さんは三万五千キロの一台のやつをもう一台註文いたしまして、三万五千キロ二台にして、そうして二万八千キロ受けておるものの中の二万キロを冬の間割いてやつた。そうして常時の電気二万キロというのは、不定時の余剩電気みたいになるというわけです。それでもそういうふうな融通をやつてやつたわけです。そのくらい前の人は公益事業というものに対して、又お互いの間に対してそれだけの理解を持つておつた。今の人がそういう理解が全然ないということは私は言えないと思うのです。これは電気が余つておるときにそれを供給をしてやる。又片つ方が少し足りないときに融通電力という契約をして、融通電力であるからそれはいけない。こういうふうに見るのは間違いであつて、若し又そういうふうなことがある場合には、これはレギュラトリー・ボデイというものがある。そのくらいのことは、昔の人がそういうものがない場合でも完全にできたのです。それが今お互いの間でもできないことはないと思うのですが、レギュラトリー・ボデイが尚その上にあるわけですから、これは私はできて行くと思うのです。これからもう一つ、今の松永案では、丁度木曽川の電気と、そうして黒部川、庄川、神通川の電気を組合せて大阪へ送るようにしておるのです。日本海の電気と、太平洋側に流れておる電気が、大阪へ行つて一緒になるわけです。
 それから関東は、猪苗代を元にした阿加野川の電気、信濃川の電気、それからあと群馬県とか甲州系あたりの太平洋側に向つておる電気、これを一手に持つておるわけであります。
 そうして今この図で申しますならば、丁筋木曽川の電気が余つておる場合に猪苗代へ貯水をするのです。それで阿加野川の方では電気の流れが少くなつて、そうして猪苗代へ貯水をされておるわけになる。これが丁度木曽川の方では十分にあるときに向うので方で減るのでありますから、これはこの通りになるのが当然です。それで阿加野川の減つておるときに、その電気は猪苗代へ溜つておるわけです。そうして冬の用をなしておるわけです。
 それから尚各社に分けますと、そういう貯水関係がどうなるかと申しますと、関係方面で言いますと、三浦貯水池を持ち、大井のダム、小牧のダムその他の少しずつのダムを持つておりますから、これは相当にやつて行けるのです。火力と組合せまして十分にやつて行ける。そういうふうの見解を持つております。
 それら北陸の電気でありますが、これは北陸一方でありますけれども、北陸は今丁度大阪の方のロード・カーヴと組合せていろいろ説明もしておりますが、北陸の方では丁度深夜の方で余計使う、深夜の方で余計使うというだけ水があるときに、深夜に限らずずつと使えるようになつております。化学工業が非常に発達しておるために、あそこでは発電所と工場と直結して非常によく利用されておるのです。北陸の電気の安いのもやつぱりそれである。外の方では電燈、小口電力というものが多い。そうして常時の電気が多い。北陸では大阪で使えないような電気までも夜中に使うのです。これは北陸の方の化学工業をやつておる人が丁度松永委員長を訪ねて来まして、そういうカーヴを持ち、又そういう説明もして行つたのでありまするが、これはもう確いに配電会社の方で調べて見てもそういうようになつております。これは特殊のものを非常によく利用することができるようになつておりまして、僅かに今確かあれは二十何銭ですか、二十銭そこらの電気を使つておるようであります。そういう電気が非常に多くなつておるから北陸が安くなつておりまして、これが普通の定額の電気でやりますとああいう大きな開きは出ない。私はその割合をここで申上げるところの資料を持つておりませんが、大体私が調べたところではそういうことになつております。
#78
○委員長(飯田精太郎君) 何か御質疑はございませんか。
#79
○石原幹市郎君 一つ簡單なことですが、水野さんが先程十分割案には向うの州の場合の観念が非常に入つているとかおつしやいましたが、それはどういう意味だつたのでしようか。
#80
○証人(水野成夫君) それは行政区画で分けまして、そこへ今度十分割案を見ますと、卸売の会社が二つあるわけですね、信越地区と北陸地区、そうしまして九州、殊に京阪神と京浜という大きな産業地帶が発電設備を全然持たないわけです。石原さんのおられる福島の猪苗代など分水嶺で向うへ入るわけですから……
#81
○石原幹市郎君 それではとにかく府県とかいうようなことでなしに、もう一段上の州というような気持で分割を考えておるのだ、こういう意味ですか。
#82
○証人(水野成夫君) そういう意味です。
#83
○石原幹市郎君 分りました。
#84
○佐々木良作君 まだ沢山質問もあるのですけれども、こんな恰好で処置ないだろうと思うのですが、特にポイントは融通電力ができるかできないか、そうして数字の開きの特に……高橋さんと宮川さんとの話もありましたし、これらはもつと委員のいるとき検討しなければいかんことですが、改めて……
#85
○委員長(飯田精太郎君) それでは又改めて機会を作つて、必要な方に又おいで願うことといたしたいと思います。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(飯田精太郎君) 今日はどうもお忙しいところをわざわざ長時間詳細な御説明を頂きまして有難うございました、厚く御礼申上げます。
 今日はこれで散会いたします。
   午後四時五十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     飯田精太郎君
   理事
           下條 恭兵君
           石坂 豊一君
           門屋 盛一君
           赤木 正雄君
           水橋 藤作君
   委員
           島   清君
           石原幹市郎君
           北村 一男君
           中川 以良君
           油井賢太郎君
           鎌田 逸郎君
           安部  定君
           玉置吉之丞君
           結城 安次君
           佐々木良作君
  政府委員
   通商産業事務官
   (大臣官房長) 永山 時雄君
  証人
   前電気事業再編
  成審議会委員長 松永安左衞門君
   国際パルプ株式
   会社副社長   水野 成夫君
   復興金融金庫理
   事長      工藤昭四郎君
   日本製鉄株式会
   社社長     三鬼  隆君
   慶応義塾大学法
   学部長     小池 隆一君
           宮川 竹馬君
           高橋 正一君
ソース: 国立国会図書館
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