1982/05/24 第98回国会 衆議院
衆議院会議録情報 第098回国会 議院運営委員会 第24号
#1
第098回国会 議院運営委員会 第24号昭和五十八年五月二十四日(火曜日)
午後三時三十六分開議
出席委員
委員長 山村新治郎君
理事 瓦 力君 理事 山崎 拓君
理事 北川 石松君 理事 鹿野 道彦君
理事 小里 貞利君 理事 広瀬 秀吉君
理事 渡辺 三郎君 理事 山田 太郎君
理事 西田 八郎君
奥田 敬和君 狩野 明男君
北口 博君 北村 義和君
熊川 次男君 古賀 誠君
近藤 元次君 桜井 新君
高橋 辰夫君 野上 徹君
羽田 孜君 船田 元君
保利 耕輔君 清水 勇君
中村 茂君 渡部 行雄君
東中 光雄君 甘利 正君
委員外の出席者
議 長 福田 一君
副 議 長 岡田 春夫君
事 務 総 長 弥富啓之助君
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委員の異動
五月二十日
辞任 補欠選任
清水 勇君 山口 鶴男君
甘利 正君 阿部 昭吾君
同日
辞任 補欠選任
山口 鶴男君 清水 勇君
阿部 昭吾君 甘利 正君
同月二十三日
辞任 補欠選任
青木 正久君 山崎 拓君
羽田 孜君 瓦 力君
大久保直彦君 山田 太郎君
東中 光雄君 寺前 巖君
同日
辞任 補欠選任
寺前 巖君 東中 光雄君
同月二十四日
辞任 補欠選任
狩野 明男君 船田 元君
北口 博君 熊川 次男君
近藤 元次君 奥田 敬和君
桜井 新君 羽田 孜君
川本 敏美君 中村 茂君
同日
辞任 補欠選任
奥田 敬和君 近藤 元次君
熊川 次男君 北口 博君
羽田 孜君 桜井 新君
船田 元君 狩野 明男君
中村 茂君 川本 敏美君
同月二十三日
理事羽田孜君、青木正久君及び大久保直彦君同
日委員辞任につき、その補欠として瓦力君、山
崎拓君及び山田太郎君が委員長の指名で理事に
選任された。
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五月二十四日
内閣総理大臣その他の国務大臣の資産の公開に関する法律案(和田一仁君外二名提出、衆法第一六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
中曽根内閣不信任決議案(飛鳥田一雄君外四名提出)の取扱いに関する件
米国下院情報特別委員会における証言問題等に関する調査派米議員団の報告
本日の本会議の議事等に関する件
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#2
○山村委員長 これより会議を開きます。まず、決議案の取扱いに関する件についてでありますが、本日、日本社会党の飛鳥田一雄君外四名から、中曽根内閣不信任決議案が提出されました。
本決議案は、本日の本会議において議題とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。なお、本決議案の趣旨弁明は、日本社会党の飛鳥田一雄君が行います。
討論につきましては、自由民主党の奥田敬和君から反対、日本社会党の渡辺三郎君及び日本共産党の瀬長亀次郎君から賛成討論の通告があります。
討論時間は、おのおの十五分以内とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。また、本決議案の採決は、記名投票をもって行います。
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#5
○山村委員長 次に、本日の議事日程第一ないし第三は、これを延期するに御異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。─────────────
#7
○山村委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長の説明を求めます。#8
○弥富事務総長 まず最初に、動議によりまして、中曽根内閣不信任決議案を緊急上程いたします。社会党の飛鳥田一雄さんが趣旨弁明をされます。次いで自民党の奥田敬和さんから反対、社会党の渡辺三郎さんから賛成、共産党の瀬長亀次郎さんから賛成の討論がそれぞれ行われます。採決は記名投票をもって行います。内閣不信任決議案の議事が終わりましたら、動議で、議事日程を延期し、散会ということになります。
以上でございます。
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議事日程 第十九号
昭和五十八年五月二十四日
午後一時開議
第一 昭和五十四年度一般会計歳入歳出決算
昭和五十四年度特別会計歳入歳出決算
昭和五十四年度国税収納金整理資金受払計算書
昭和五十四年度政府関係機関決算書
第二 昭和五十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
第三 昭和五十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
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#9
○山村委員長 それでは、本日の本会議は、午後三時五十分予鈴、午後四時から開会いたします。─────────────
#10
○山村委員長 次に、次回の本会議及び委員会につきましては、後刻理事会において協議いたします。この際、暫時休憩いたします。
午後三時三十八分休憩
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午後六時三十二分開議
#11
○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。先般、米国下院情報特別委員会における証言問題等に関する調査派米議員団が本院から派遣されまして、調査してまいりました。
この際、その調査の概要について、派米議員団を代表して、瓦力君から報告のため発言を求められておりますので、これを許します。瓦力君。
#12
○瓦委員 御報告をいたします。米国下院情報特別委員会における証言問題等に関する調査派米議員団は、先般、議院運営委員会理事会の決定に基づき、米国下院情報特別委員会における証言問題等に関して調査するため、本院から米国に派遣されましたが、このほど調査を終わり、去る二十一日、無事帰国いたしました。
議員団の報告書は、追って議長あて提出すべく、目下鋭意取りまとめ中でありますが、とりあえず、私から口頭をもちまして、調査の概要はついて御報告いたします。
議員団は、山崎拓君、山花貞夫君、山田太郎君、中野寛成君、正森成二君、小杉隆君及び団長を務めました私、瓦力の七名をもって構成されました。
議員団は、去る五月十七日夕刻、成田を出発し、現地時間の同日夜、ワシントンに到着いたしましたが、早速、翌五月十八日午前十一時から、米国議事堂内の各種非公開聴聞会等のための特別室において、下院情報特別委員会エドワード・P・ボーランド委員長(民主党)と会談いたしました。この席には、同委員会の委員であるJ・ケネス・ロビンソン議員(共和党最上席)及びノーマン・Y・ミネタ議員(民主党)も同席されました。なお、さきに同委員会で証言を行ったFBI情報部長のエドワード・J・オマリー氏も同席いたしました。
なお、御参考までに申し上げますと、この委員会は、下院の常設委員会の一つとして、一九七七年に設置をされましたもので、主に、中央情報局(CIA)及びその他の情報関係機関の活動状況の調査、これらの機関の組織の検討並びに予算の審議を所掌しており、現在は、民主党九名、共和党五名の十四名の委員で構成されております。
昨年の七月十三、十四の両日、この委員会において情報活動に関する非公開の聴聞会が開かれ、その席で、CIA副長官ジョン・マクマホン氏、元KGB少佐スタニスラフ・レスチェンコ氏及びFBI情報部長エドワード・J・オマリー氏が証言を行い、その証言録が、昨年十二月九日に公表された次第であります。
会談の席上、まず、ボーランド委員長からあいさつ並びに昨年の聴聞会開催の趣旨についての説明がありましたが、それによりますと、聴聞会の目的は、当時、米国において活発化していた反核平和運動についてKGBがどのような影響力を及ぼしているかについて知ること、及び、そのために、広く、ソ連の積極工作、すなわちアクティブ・メジャーズの方法論について知ることにあり、レフチェンコ証言も、その一環として行われたものであるとのことでありました。したがって、証言において個人の名前を挙げることは要求しておらず、聴聞会での証言においては、証言録に載せられている一人を除き、個人の名前は一切挙げられていない旨、特にボーランド委員長から説明がありました。
次いで、私から、議員団派遣の趣旨について説明いたしました後、あらかじめ各党間で打ち合わせの上、取りまとめました五点の質問項目につきまして、私から代表して質問を行いました。
その第一は、「貴委員会は、昨年七月に聴聞会を開き、その内容を昨年十二月に公表したが、レフチェンコ亡命後三年を経た時期にこれが行われた背景は何か」ということでありますが、これに対しては、ボーランド委員長から、聴聞会の目的は、米国における反核平和運動に対するKGBの浸透の状況について知ることにあり、その参考として、かつて、KGBのメンバーであり、かつ、外国、すなわち、日本における積極工作にかかわっていたレフチェンコ氏の証言を徴したものであって、聴聞会開催の時期については、米国における平和運動が活発化してきたのが、ちょうど昨年の中ごろからであったことによるものである旨の説明がありました。
第二点は、「貴委員会が、レフチェンコ氏の証言を信憑性ありとしている根拠について若干の御説明を願えないか。また、今後、さらにレフチェンコ氏を呼ぶ考えはあるか」というものでありますが、これについては、ロビンソン議員から、レフチェンコ氏は、強制によることなく、みずからの自由な意思によって亡命したものであって、亡命後、当局からの厳密な調査を受けたが、信用できない証言を行う理由は全く見つからなかった旨の説明がありました。また、参考として、FBIのオマリー氏からは、レフチェンコ氏は膨大な量の情報をもたらしたが、亡命後、米国の情報担当官との間で徹底的な情報交換を行ったところ、その内容は、米国側が従来から蓄積していた情報とよく一致したこと、及び、KGBにとって大きな打撃となるような重要な情報を彼がもたらしたこと、の二点から、その内容に信憑性が認められる旨の説明がありました。
なお、レフチェンコ氏をさらに喚問するか否かについては、ボーランド委員長から、情報特別委員会がレフチェンコ氏の証言を求めた目的はすでに達成されており、今後さらに彼の証言を求める考えはない旨の答えがありました。
第三点は、「ソ連の積極政治工作の実態如何。とりわけ、日本におけるKGBの組織、活動目的、活動方法及び成果につき、レフチェンコ証言その他に基づき、貴委員会の知るところをお教え願いたい」というものでありますが、これについては、ボーランド委員長から、日本におけるKGB活動についての証言は、レフチェンコ氏の証言のみであり、日本については、すでに公表されている七月の聴聞会以上に何も情報はないとの答えがありました。
第四点は、「昨年十二月に公表されたレフチェンコ証言には、削除された部分があるのか。あるとすれば、その内容如何」というものでありますが、これに対するボーランド委員長の答えは、自分の知る限り削除はない、レフチェンコ氏の個人的なことで公表されなかった部分があったかもしれぬが、実質的な部分では何の削除もないと確信しているというものでありました。
最後に、「KGBの諸工作を防止するための方策如何。米国における手段及び議会の役割についてどう考えるか」を質問いたしましたが、これについては、ロビンソン議員から、情報特別委員会は、情報にかかわる諸機関の予算を審議し、そのことを通じ、積極工作を防ぐための資金を供給するのが責務である旨の発言がありました。
会談約一時間で、本会議のためボーランド委員長及び他の二人の委員は退席いたしましたが、われわれは、せっかくの機会でありますので、引き続きFBIのオマリー氏から、FBIの活動状況、並びに米国におけるソ連の積極工作の実態等について説明を受けました。この内容は、参考までに、別途報告書に記載いたします。
オマリー氏に対し、団員から、「昨年十二月の証言録の公開は、FBIあるいはCIA等の許可を得て行われたものか」、「証言録でその後十三名の米下院議員の氏名が公表されたが、FBIはこれら議員と接触をしているか」、「周恩来遺書問題について」、「レフチェンコ証言の内容は自らの評価を高めるため、やや誇張されている面はないか」等の質問がなされましたが、これについては、「証言録の公開については全く委員会独自の判断で行われたものである」こと、「米国民に対するFBIの調査についてはノーコメントである」こと、「周恩来遺書問題についてはCIAの関係であって、FBIは関知していない」こと、また、最後の点については、「自分は個人的にレフチェンコ氏をよく知っているが、自分を高く売り込むために誇張された情報を提供するようなことはありえない」旨の答えがありました。
以上の会談の後、十二時四十五分ごろに退出いたしました。
米国下院情報特別委員会における調査を終了した時点で、議院運営委員会理事懇談会での申し合わせに基づき、議員団は解団し、以後は、各党それぞれの立場で独自に行動することといたしました。
独自の活動のうち、日本社会党を除く六名が、同じ日の午後五時から、下院議員会館のヤング議員の事務室において、同議員立ち会いのもとに、レフチェンコ氏本人と約二時間半にわたり会談を行いましたことを、この際、付言いたしておきます。
これにつきましては、調査議員団としての活動ではありませんが、後刻、各党の御同意が得られれば、参考として、その概要を報告書に添付することも検討いたしたいと存じております。
以上で調査の概要についての報告を終わります。
#13
○山村委員長 派米議員団の皆様方には大変御苦労さまでした。─────────────
#14
○山村委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明二十五日水曜日午後一時から開会することといたします。また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後六時四十三分散会