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1949/03/24 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 電力問題に関する特別委員会 第12号
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1949/03/24 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 電力問題に関する特別委員会 第12号

#1
第007回国会 電力問題に関する特別委員会 第12号
昭和二十五年三月二十四日(金曜日)
   午後二時十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電力問題に関する調査の件(電産ス
 トの経過に関する件及び昭和二十五
 年度電力割当及び料金の見透した関
 する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(飯田精太郎君) 只今から第十二回電力問題に関する特別委員会を開会いたします。本日は、電産ストの現状及び経過、昭和二十五年度電力割当及び料金の見透し、電力需給調整規則改正案の三件について、政府側の説明を聽取いたします。政府の関係官の揃いました順序によつて順次やつて行きたいと思います。
 最初に、昭和二十五年度電力割当につきましては、二十二日に一応説明を聽取したのでありまするが、不十分でありますので、本日引続き調査を続けることにいたします。安本の動力局長から御説明願いたいと思います。
#3
○政府委員(増岡尚士君) 過日一応、当時できました程度で御説明をいたしたのでありまするが、その際年間の電力の割当量即ち標準料金で割当てるべき量を決定する場合の石炭量を、どれだけ見込むかという問題について第一番に説明をせよというお話でありましたし、それから電力の地区別、需要別の割当案を資料として提出するようにというお話がありましたので、本日は先ず第一番に、年間三百万トンを標準料金で割当てることに算定をいたしました計算について最初に御説明を申上げまして、尚お手元に差上げました現在できております大口電力の業種別の割当案、それから地区別の割当案、これはいずれも第一・四半期のものでありますが、これについて御説明をいたしたいと思います。尚その際参考資料として年間及び第一・四半期のいわゆる野放しの需要がどれだけあるかという想定数量について一応計算したものを参考資料として御提出することにいたしております。で第一番目の件につきましては、物価庁の第三部長から説明して貰います。
#4
○政府委員(川上為治君) 二十五年度の電気事業の收支の関係から見まして、電気料金を現在以上に仮に引上げないということにいたしまするというと、基本の石炭の割当をいたしますのを大体三百万トン程度にしなければならないかという点につきまして、私から簡單に御説明申上げます。
 お手元に配付してございますが、二十五年度電気料金原価と現行料金原価比較というのがございますが、十二月の十三日に料金を引上げますときに作りましたのが現行料金原価と言いまして、それが二十九番目のところに合計五百五十億四千四百九十六万三千円という数字が出おるわけであります。これが即ち石炭を四百六十五万トン焚きまして、そうして石炭の価額につきましてはマル公の……即ち九月までにありましたマル公の大体一割引ということにしまして、三千三百三十七円の石炭代を見込みまして作りましたのがこの五百五十億程度に原価がなつておりまして、それが基本料金だけで行きましても、大体三割二分二厘程度従来よりも上るという数字になるわけであります。ところが二十五年度におきましていろいろな問題がここに起きて来たわけであります。その小さいものはいろいろありますけれども、大きなものとしましては、やはり石炭代の問題、それから税金の問題、この二つが極めて大きな問題であります。で最初に書いてあります二十五年度原価補正調というのと比較いたしまして御説明いたしますというと、役員給與を二千七百三十六万円殖やしておる。それから給料手当を九億九千八百八十九万六千円殖やしておる。それから燃料費が三十六億五千五百十一万七千円殖えております。それから電球の取替費、これが二億九千五百五十二万二千円、それからその次の特別費、これはいわゆる固定資産税、それから附加価値税、そういうのもでありますが、それが六十六億四千三百六万八千円、それからその次の減価償却が六億七千二百八十四万、それから税金が一億七百十八万三千円、支拂利息が二億二千六百六十八万八千円、法定準備金が八百八十二万五千円、株主配当金が一億六千九百七十六万五千円、これだけが大体どうしても殖やさなければならないのじやないかというふうに私共の方で考えまして、それを一応計算いたしますと、五百五十億よりも百二十五億五百二十六万四千円、これだけ殖えるというような計算になるわけであります。従つて二十五年度の補正原価としましては、先程申上げましたように六百七十五億五千二十二万七千円、これだけになるかと考えられるのであります。
 そこでこの中で一番大きいものは、石炭の問題と、それから特別費即ち税の関係でございます。石炭代につきましては、先程も申上げましたように、この三割二分アップのときにおきましては平均五千八百カロリーの炭を四百六十五万トン焚きまして、その九月頃のマル公が三千七百一円ということになるものを大体一割引にされまして……当時の予想から見まして大体一割引にしまして、三千三百三十七円にこの原価を組んでおるのであります。今回におきましては、その後石炭の値段の状況を見ますというと、必ずしも一割程度下つていない。むしろ運賃等の引上によりまして、石炭代は、最近におきましては上級炭については上つておるというような状況になつておりまして、果してこの三千三百三十七円で、そのままこれをどこまでも維持することが適当であるかどうかという点につきまして相当の疑問があるわけであります。日発会社或いはその他の方面におきましては四千円以上を実際必要としているのだ、こういうような話もありますけれども、私共の方としましては、いろいろの各地方の石炭の値段を見まして、大体三千八百二十円程度が現在においては妥当ではないかというようなふうに考えまして、この三千八百二十円と、それから数量が四百六十五万トンというのが相当殖えまして五百一万トン焚くということにいたしますというと、ここに書いてありますように三十六億五千五百十一万七千円程度、若干原価において増額をしなければならんというような問題が出て来るわけであります。そこでこの石炭代について、果してその程度見るべきかどうかという点については相当疑問があるかと思うのであります。この問題につきましては私共の方としましても相当研究の余地がありまして、司令部等の意向も現在いろいろ聽いておりまするが、果して三千八百二十円程度に上げられるかどうかという点も相当疑問があります。ただ最近石炭の値段は若干下向きになつているような傾きもありますので、この三千八百二十円というのを取ることがどうかという点につきましては、尚検討の余地があると思いますけれども、現実の問題として四千円近い、或いはそれ以上の炭を仮に買つているといたしますれば、三千八百二十円というのもあながち高い値段ではないのじやないかというようなふうに考えられるわけであります。この点が今度の二十五年度のこの補正原価の最も大きな要素の一つであります。
 それからもう一つはこの特別費のところにあります六十六億四千三百六万八千円という、この数字でありまするが、これは二十五年度においてかかるでありましよう。この税金は固定資産税、これは今国会でいろいろ議案に上つておりますが、この固定資産税、それから附加価値税、それから印紙税、住民税、その他水利使用料、道路占用料、その他いろいろあるわけでありまするが、この固定資産税というのが従来の地祖とか、或いは不動産税とか、そういうようなものに代つてかかるわけなんでありますが、これが今月は相当大きなものがあるわけであります。この六十六億というのは、これは最初計画したときよりもそれだけ余計になるのでありまして、税金そのものの増額としましては、この料金原価のところで八十二億ということになつております。この八十二億の中現行料金に入つておりまするのが十五億七千万円程度でありますので、差引六十六億増になるということに相成るわけであります。この六十六億増の中で先程申上げましたように、一番大きいのは固定資産税、これが五十八億八千六百万円、それから附加価値税、これが五億九千二百八十万円、それからその他印紙税とか、住民税とか、そういうものが従来よりも若干殖えておりますので、それを合計いたしまして六十六億程度上るということになりますが、この固定資産税につきましては、今直ちにこの税を考えるべきかどうかという点があるわけであります。それはまだこの法律が通りませんので、果してこの税がかかるかどうか分りませんけれども、仮にかかつたといたしまして、この固定資産税の評価基準をどんなふうに決められるかという点が非常に問題があると思うのでありまして、私共の方といたしましては関係官庁の方といろいろ相談をいたしておりまするが、その点がまだ実ははつきりしていないのであります。今提案されておる法律によりますというと、来年の一月に税金は二十五年度は一遍に徴收するというようなふうに聞いております。それから二十六年度以降におきましては年間四期に分けて徴收することになつております。それからその課税の対象物につきましては、時価によりまして、とにかくその時価の一・七五%を掛けるというふうに私共の方では聞いておるのですが、その時価というのを大体どの程度に見るかという点が非常に問題であるかと考えられるのであります。そこで私の方といたしましては、一応その時価を一杯に考えて見ますというと、固定資産税につきましては、少くとも二十五年度において五十八億程度がかかるというふうに考えられるのであります。従つて今直ちにこの問題を考慮に入れて、或いは四月から料金改訂の問題にこれを組み入れるべきかどうか、或いは割当の方で調整すべきかどうかという問題につきましては、固定資産税そのものをどの程度果して現実に取るかという点に一に縣かつておるのではないかというように考えられるのであります。そこでそれがまだどうもはつきりしてない。併し一応一杯に見ると五十八億は固定資産税として取上げられるということになるというふうに考えますというと、附加価値税等を入れまして六十六億の原価増になるということに相成るわけであります。この問題は、仮に来年の一月に徴收されるというようなことであれば、その際これを考えて料金で組むなり、或いは暫定的に金融の措置を講ずるなり、そういうふうな措置をしたらいいのではないかというような問題が出て来るかと考えるのでありますけれども、一応私共の方として二十五年度の收支関係から見れば、六十六億というものが、仮り固定資産税を一杯に取るとすれば、これだけはどうしても原価増になるというわけであります。それからその他の大きなものといたしましては、給料手当の九億九千万円程度がありますが、この九億九千万円というのは、実はその三割二分アツプのときに今の賃金ベースであります七千百円というのは認められなかつたわけでありまして、ベースといたしましては五千三百五十八円、このべースで、それから外にいろいろなものを入れまして大体七千百円ベースに近いところで認められたわけであります。それは関係筋から、企業三原則の関係もあつて七千百円ベースをそのまま認めることはできないというような強い意向もありまして、実質的には大体それと同じものを認めて貰つたのですが、まだ九億程度実際は足りないということになりますので、ここでは七千百円ベースそのもので行くと、大体プラス十億程度の経費増が見込まなければならんというような、現実の姿をとりましてここに入れたわけであります。それからその他小さいものがいろいろありまするが、大した数字でもありませんので、いずれにしましても今申上げました税の関係と、それから燃料費の関係と、それから給料、手当、これがその大部分を占めておりますが、合計いたしまして、百二十五億程度はどうしても原価増になるということに相成るわけであります。そこで五百万トン焚いて、そして六百七十五億の支出を仮に賄うといたしますれば、現在の現行料金を上げないで、そして割当をどの程度にいたして、そして超過料金はそのあと取るとして、どれくらいの今度は收入の予想になるかという問題になるわけであります。この收入の計算につきましては、まだ不十分な点もありますが、大体これくらいになるんじやないかというようなふうに私共の方で計算をいたしておるのでありまするが、三百万トンの石炭を焚いて、それはいわゆる割当の方に入れる。それからあとの二百万トン程度はこれは火力の方の收入にする。そして石炭全部で五百一万トン焚くという計算で行きますというと、收入が六百五十八億五千万円程度になるわけであります。この六百五十八億五千万円に対しまして、先程申上げましたように、六百七十五億五千万円程度の経費になりますので、約十七億程度の赤字が出て来るという計算になります。即ち三百万トン見込みましても、そして残りは全部超過料金に廻しましても、現行料金を維持する限りにおきましては、どうしても更に又十七億程度は赤字が出るというような計算になるのであります。従つて仮に現行料金をどうしても是正しないで、上げないで、そのままにするといようなことになりますれば、三百万トン程度くらいしか割当の方には焚けないというような計算に相成つて来るわけであります。この十七億のマイナスに対しましては、二十四年度の黒字が或る程度出ますので、そちらの方らら埋めたいというような考えを持つておるわけであります。二十四年度の下期におきまして、どれくらいの黒字が出るであろうかという点につきましては、まだ決算いたしておりませんので、はつきりとした数字は分りませんが、特に私共の方としましては、一月、この割当以上に四億キロワツト・アワー程度余計出ておりますし、二月におきましても、四億四千万キロワツト・アワー程度出ております。三月におきましても約四億程度のキロワツト・アワーが余計出あおりまして、勿論その中には、追加割当が十二月におきまして約一億ありますし、それから一月、二月、三月におきましてもサープラスがやはり各月一億程度がありますので、そういうものも考えますというと、大体六十五億程度の従来よりも大体收入増になるんじやないかというふうに考えております。併しながらこの六十五億に対しまして、第三・四半期までに相当の欠損を日発及び配電会社においてはやつております。その欠損が約四十億程度ありますので、それを差引きますというと、二十四億程度結局繰越利益金が出て来るというようなことになるかと考えられます。この二十四億の中には、勿論配当をするものもこの中に入つて来るわけなんですが、これを仮に来年度に繰越すというようなことになりますというと、これに更に又或程度の税金がかかつて参りますので、こういう繰越をしまして、まあこの年間において三百三十万トン程度焚くというような計算に一応考えいおるわけであります。
 今申上げましたように、私共の方の計算としましては、この二十五年度の補正原価の中に非常にはつきりしない点が二つあるわけでありまして、一つは石炭の値段がどういうようなふうに今後動いて行くかという問題が一つ、それからもう一つは、税金が、即ち固定資産税が、これは一杯にかかつたときを見ておるのだけれども、果してこれがどれくらい取られるかということがまだはつきりしていない。この二つの点がありますので、料金を四月におきまして、今直ちに、じやこの程度は引上げるというようなこともなかなかむずかしい問題でありますし、それかといつて、これを直ぐ頭に置いて、第一・四半期の割当ての調整をするということも非常に問題でありまして、結局こういう点がもう少しはつきりしてから、二十五年度の割当計画等につきまして、或いは又どの程度料金を一律に上げるかという問題につきまして研究しなければならないんじやないかというふうに私共の方は考えておるわけであります。以上申上げましたように、三百万トンを一応二十五年度の計画として見込みました私共の方の概略の数字を申上げました次第であります。
#5
○委員長(飯田精太郎君) 電産の争議の問題につきましては、関係大臣を呼んでおるのですが、全部揃えることは事実上むずかしいと思います。それで争議の経過と現状の説明は、只今資源庁の長官が見えておりますから、長官から一応伺つて置いて、関係大臣が見えたならば、その大臣に対して御質疑だけを一つして頂きたいと思います。
#6
○栗山良夫君 労働省関係の方は資源庁の長官で洩れなく併せて経過報告があるわけですか。おやりになれるのですか。その辺を一つ……。
#7
○政府委員(始関伊平君) 電産の争議の従来の経緯と現状につきまして、便宜私から御報告申上げたいと存じます。
 電産組合が、昨年の十月以降の新賃金といたしまして一万三千円ベース、現行は御承知のように七千二百円ばかりでございますが、一万三千円ベースを要求いたしまして、十一月の十一日に、中労委に調停を申請いたしたのでざいますが、中労委では二月の七日に至りまして八千五百円ベースの調停案を労資相方に提示いたしました。この八千五百円ベースの調停案につきまして、中労委が加えました説明書はここにございますが、中労委の調停の趣旨といたしましては、大体こんなふうに申しております。
 昭和二十四年の十一月十一日附の組合申請の賃上げ要求は二つの根拠に立つておると思われる。一つは協約によつて獲得されましたスライドの原則が十分に実現されていない。第二には、従つて又、最近における電産の賃金の上昇の率でございますが、上昇率が他産業のそれに比べまして著しく下廻つておる。こういう二点から見まして、まあこの二つの理由というものは十分に考慮せられなければならない。その二点に関する限り要求の正当性は認められる。併しながら三原則とか、或いは九原則とかというものの下における賃金問題は、單にこれだけでは解決されないので、別に会社側の支拂能力について愼重なる検討が必要とせられる。それで支拂の能力の実情には困難な問題があつて、当委員会、つまり中労委といたしましても容易に最後的な見解に到達し得ないのでありますが、昨年の十二月に行われました頃の料金改訂の事情に顧みますと、形式的には一応皆無であるというふうに言わなければならない。と申しますのは、賃金引上の余裕を持つた料金改訂というものは全く認められていないからであるというふうに申しておりますけれども、この二、三年の間において会社の経理の実情を仔細に検討いたしますと、企業努力による相当の改善の跡が見られる。今後におきましてもこの努力が継続されるならば相当の余力の出て来ることが想定されるのでありまして、つまり利用率の向上でありますとか、或いは石炭効率の増進、或いは送配電ロスの減少、その他企業努力によりまして收入の増加、或いは逆に支出の減少というふうなことが今後相当期待されるのではなかろうか、どういう根拠に基くのか分りませんが、第一・四半期においてそういうものが大体十一億円ぐらい浮かんで来るだろう、そういたしますと、その右の一部を従業員に下さすことは決して不当ではないというようなことを申しております。それから第二点といたしまして、この給與体系を直す。そうすることによりまして基準賃金の額というものは或る程度上がるのではないか、つまり基準外給與の比率が高過ぎるから、そのうちの一部を基準内に取入れまして、一般の従業員が均等に受け得る給與とすることが必要である。大体この二つの考え方を以ちまして、この八千五百円ベースというものが成立つのではなかろうかというふうなことを中労委としては申しておるわけであります。
 この中労委の調査案に対しまして組合側は、三月の一日に不満の点を七ヶ項目を挙げまして、調定案を拒否いたす回答をいたしました。それから会社側といたしましても、三月の二日に至りまして、賃上げの財源等についての確信がまだてきないという理由を以ちまして、差当り受諾不能という回答をいたしました。
 まあその結果と申しますか、御承知のストが始つたわけでございまして、第一次の停電ストは三月の五日に、三月の五日の電産本部のスト指令に基きまして、九日から十六日までの期間におきまして、大口工場、小口工場、それから官公庁に対しまして一時間乃至二時間の停電ストを行い、それから更に第二次の停電ストといたしまして、三月十七日から二十二日まで二時間乃至四時間の停電ストが行われました。電産におきましては第三次のストといたしまして、二十三日から二十五日までの間におきまして、大口工場には六時間以内、官公庁に対しましては八時間以内、一般家庭に対しましては十分間の停電ストを実施しようということになつておるように承知をいたしております。こういうような情勢に相成つて参つたわけでございますが、御承知のように昨日から中労委の中山委員の提起によりまして調停に基く斡旋が開始せられております。この斡旋に応じます場合の経営者側の態度といたしましては、一応三月のところで問題を切りまして、一月から三月までの分といたしましては、臨時手当として中労委の裁定にございます八千五百円と従来のものとの差額に当るような額、これを一千……ちよつとここに資料を持つておりませんが、一千百円内外だつたかと記憶いたしますが、月その程度のものを出す。それから尚昨年の十月と十二月の間の分に充てるというような含みも持たせまして、一人当り二千円程度になるかと思いますが、そういうものを、今度配当もいたしますので、配当と同じような額を経営者にも出すという意味合におきまして、これを出すということの案を出しておるようでございます。尚こういうものが出せますのは、先程物価庁の方からも御説明がありましたように、三月の異常な豊水によりまして予定外の收入がございまして、それによりまして過去の電力会社の赤字の補填が相当できて、尚趣旨といたしましては、雨が余計に降つた場合の利益というものは、これは将来の渇水に備えまして、言わば火力の準備金的な意味で将来に繰越すということが一番望ましいと思うのでありますが、過去の赤字を埋め、将来に繰入れるのでありますが、尚このなかに若干は配当と賃上げ……この場合は臨時手当の形のようでありますが、そういうものに充当したい、こういうような考え方のように存じます。そこで問題は專ら四月以降の……專らと言いますと何でございますが、四月以降の分についての経営者側の考え方は、この三月までと同じような、或いはそれを下らないような給與を出すように努力する。こういうような言い方をいたしておると思います。で昨日の斡旋を始める場合におきまして、大体中労委の案というものを中心にやろうじやないか、それからストライキは組合の方で自主的に処理するその他二、三の了解事項ができまして、そういう線の下に斡旋が続けられておる、こういうような段階でございます。
 本日までの停電ストにつきましては、時間の短い関係もございまして、生産の方面にもそれ程の影響を與えていないと思いますが、この中労委の斡旋によりまして、できるだけ早く事態が收捨されますように、私共といたしましても希望いたしておる次第であります。
 以上簡單に経過と現状の御説明を申上げました。
#8
○委員長(飯田精太郎君) 法務総裁が今お見えになつておりますが、何か御質問がありますか。
#9
○栗山良夫君 法務総裁に二、三点お聽きしたいと思いますが、先ず第一点は、法務総裁から今度の電産のストに対して地方に取締の指令をされたことがありますか、ないか、この点伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(殖田俊吉君) 特別に取締の指令を出したことはございません。
#11
○栗山良夫君 私は最近地方の或る県に行きまして、地方地検から、本省からこういう指令が来たというので写さして貰つまものを、二、三枚に亘つて細かく書いてあるのを拜見いたしましたが、それは若しあなたが御納得が行かなければいつでも写しを取つて提出いたしますが、それでも今のような工合におつしやいますか。
#12
○国務大臣(殖田俊吉君) それは特に指令というのではありません。それは解釈を統一いたしまして、そうしてまとまつたものを、訓令と申しますか、通牒のようなものをやつたことはありますが、取締ではありません。
#13
○栗山良夫君 そうすると指令の定義になりますが、その文書の通牒の中には、こういう場合には躊躇することなく逮捕すべきであるとか、こういう場合には禀請すべきであるということを書いて、一つの行為の発動の指示になつておりますが、私はそれを常識的に指令と考えたのです。実務はどうでも構いませんが、そういうものをお出しになつておることをお認めになりますか。
#14
○国務大臣(殖田俊吉君) それはもう時々あることでございます。
#15
○栗山良夫君 そういたしますと、そういうような時々とおつしやつたのですが、電産の今度の争議行為というものは、過日私が本会議で質問いたしましたときも鈴木労働大臣は……、今日も私もう一應確めようと思いますが、明白に、極めて合法的な行為であるようで敬意を表すると言つておりますが、既にストライキは拔打にやつておるのではなく、既に事前に新聞を通じて公表しておりまして、非常に秩序立つた、禎人の秩序を考えながらやつておる行為に対して、そういうことをお考えになるというのは、電産争議行為のなかに何か含みのあるものであるということを政府がお考えになつておるのか、その他何か事情があるのか、その点はお伺いしたい。
#16
○国務大臣(殖田俊吉君) でありまするから何も発動いたしておりません。若しそれに該当することがあつたらばということでありまして、それはもう当然の注意であります。
#17
○栗山良夫君 発動していないということでは、そういう理由にはならないと思います。やはり法を運用する上においては……それは後の問題でありますが、そういう言訳はないと思います。そうするとそういう取締の対象にされる法的根拠はどういうところから来るのでしようか。
#18
○国務大臣(殖田俊吉君) まだ取締の対象にはなつていないのであります。検察庁といたしましてはいろいろな事態に対して、それに処する具体的態度を予る指示して行くということは、これは立派な検察運用を行う所以でありますので、あらゆる場合に、泥棒はこうして捕える、火つけはこうしてやれと言うことは始終あるのであります。それであるからといつて、何も電話産を取締るわけでもなんでもない。電産のストライキが若しそういうようなことになつた場合にはこうだ、こうせいということを言つたのであります。これは適当な注意であります。
#19
○栗山良夫君 禀請事項はよろしいですが、禀請でなくて地方で独断的にこういう事態が起きたならば取締れというような内容もあるわけでありますが、それについて、そういう事態が起きたならばという仮定で行われたと申しまするけれども、もう今地方ではそういうことを一任されたような通牒が出ています以上は、中央の考えなしにどんどん行為が行われるわけであります。それに対して、今、そういうことは労働運動に対する一つの取締行為になるわけですが、行為である以上は法律的にどういうところを根拠としてそういうことが行われるのか、その点を一つお聽きしておるわけです。
#20
○国務大臣(殖田俊吉君) それは行政の権限でありまして、取締つてはいないのであります。若しこういうことが起つたらこういうふうにして取締るのだということを教えたので、何もこれを取締れとも何とも言つておらないのです。
#21
○栗山良夫君 あなたは取締つていないということを前提に言われるけれども、そうでない、現実にあなたが東京で御存じのないうちにそういう事態が若し向うで起れば、向うの検察庁はすぐ発動するどしよう。そうするとその発動する瞬間には何か法律的に根拠がなくちやできないわけです。
#22
○国務大臣(殖田俊吉君) その法律的根拠は、暴行であるとか、法律的根拠を示して、こういう根拠の場合には取締をしろ、法律行根拠がなくて検察が取締なんかできやしません。それは絶対にできません。
#23
○栗山良夫君 そうしますと、もう少し私は碎けて申しますが、そうすると、それはマッカーサー元帥の二月一日のストライキ禁止のあの指令に準拠せられたものか、或いは不当労働行為と断定してやられるのか、その点をお聽きしたい。
#24
○国務大臣(殖田俊吉君) 少し事柄を、何と申しますか、遠くの方をお考えになつておるように見えますが、そうではないのであります。マッカーサーの指令というのは多分あなたのおつしやるのはゼネストのことでしよう。今ゼネストの問題は何にも起つてはいません。こういう場合はゼネストとするという考え方、定義はあります。こういう場合はゼネストと考える。こういう場合はゼネストではない、これは予め解釈は一定いたしております。それはありまするが、今は具体的にはそういう問題はちつとも起つておりません。それから今お話のように、取締といつても取締つてはいないのでありまして、そういう今のような訓令に該当する事項が起れば、それはわざわざ東京に訓令を仰ぎませんでも、直ちにその現場の検察陣が発動できるように準備をいたしておるだけでありまして、それはいつでもあることでありまして、何も電産に限りません。ただストライキの問題がいろいろ出て参ります。これは非常にむずかしい問題でありまするから、ストライキというようなものは今おつしやるように、ともすれば彈圧と言われますから、そういうことのないように十分に法律に準拠して、そうして法律的な取締をするように、予めこれは正当な注意であります。私共は当然いたすべきことをいたしておるのであります。法的根拠と言われますが、それ自体が法的根拠でありまして、検察というような権力を行使するものといたしましては、常日頃からさような心掛けを以て十分に準備をしておくべきものと思うのであります。
#25
○栗山良夫君 私の申上げておるのとちよつとピントが合わないのですが、今の国内の労働法規というものはこれは私は優先法であると心得ておりますが、政府がゼネストというものを如何ように御解釈になりましようとも、現在の労働法規には総罷業という言葉は一字もありません。全部同盟罷業です。総罷業なんという名目で政府が取締を行うことはないわけです。従つて国内法規で以て労働運動を取締る場合には、恐らく私は労働組合法の中にある不当労働行為、そういうような点に附随した條文によつておやりになるだろうと思うが、その点を明瞭にして頂きたいと思います。
#26
○国務大臣(殖田俊吉君) 具体的に問題が起りませんと、それに如何なる法規を適用するか分りません。普通の場合は栗山さんのおつしやつた通りであります。併しながらゼネスト、二・一ストの指令に当るようなゼネストが出つて処置するでありましよう。令具体的にその事態も起りまして、そうしてお前はそういう解釈をしたのは怪しからんじやないか、或いはこの法規を適用したのは怪しからんじやないかとおつしやれば、そのときにいろいろ御相談ができますけれども、今から全然仮定のことに立つて私は一々議論をするわけには参らないのであります。
#27
○栗山良夫君 それは非常に詭弁ですよ。ということは、こういう事態が起きたならばこれによつて取締れと通牒を出されておるのです。それならば或る起きる事態を頭の中に画いておられる。あなたが、起きなければこういうことは答弁できないということでありますが、あなたの頭の中にはこういう事態が起きたならばこうしてやろうということをはつきりと明瞭に現れておるわけであります。そこで私は聽しておるので、そういう詭弁を弄されては困る。
#28
○國務大臣(殖田俊吉君) それは私とあなたの考えの違うところでありまするが、こういう事態が起つたときにそれを具体的にどういう事態に当嵌めるかが問題なのであります。それは抽象的には私がいろいろ今申上げた通りでありますが……。
#29
○栗山良夫君 具体的に言いましよう。あの通牒の中には、県別に全部出ていますよ。そうして広範囲に停出するような場合にはこうしろどうしろということが書いてあります。一つの県の中だけで広範囲とお考えになりますか。或いは地方的と考えられるか、或いは全国的と考えられるか。
#30
○國務大臣(殖田俊吉君) 今事務当局から聽いたところによればその県別の、こういうことで取締れというのではなしに、そういう場合には禀請をして訓令を仰げということを言つておるそうであります。勿論軽徴なものは現場限りで処置せよというように予め解釋を統一して與えておるわけであります。一向それで私は差支ないと思います。
#31
○栗山良夫君 そうしますと何ですか、電産の方は、国方の皆さんに御迷惑のかからないようにというので、一応合法的に秩序立つて漸を逐つて争議を展開して来ておる。これに対して、どうも電産は信用がならんから一本ちやんとしたものを事前に手配をしておこう、電産の中には何か穩かでないものがある、こういうようなお考えの結果なんですか。全然電産には信用ができんとこういうことですか。こういうことになると鈴木労働大臣の言明とは全然違うので、その辺のところを一つ明らかにして貰いたい。
#32
○國務大臣(殖田俊吉君) 決してそういうふうな信頼ができるとか、できんとか、そういうことでありません。現に御趣旨のように電産のストライキにまだ何らの発動もしておりません。だから電産は立派にやつておるのでありましよう。だから決して取締るということはない。但しそれが電産が統一ある立派なストライキをやるが、いつどういうふうに外れるかも知れませんが、外れたときには、そういうことがあつたときには、電産に限りません。いろいろなストライキ皆同じでありますが、外れたときにはどうするということを予め言つておるのであつて、決して御心配になるようなことは決してないのであります。
#33
○佐々木良作君 今のお話を聽いておつて分らなくなつたから一つお伺いしたいのですが、栗山君の話によると、そうしてそれに答えられた法務総裁の話によりますと、広範囲な停電がなされた場合には、こつちの指導を仰ぐということになつておるそうですが、そういうふうな広範囲だと地方で考えて、そうして中央にどうしましようかと言つて来たときに、どの程度を広範囲と考えられ、どういう措置を採られるつもりでそれを言われたのですか。
#34
○國務大臣(殖田俊吉君) それこそ具体的に広範囲であるか、広範囲でないか、中央で判断しなければ分りません。電燈の個数は幾つとか、工場の数は幾つとか、そう機械的には決められないのであります。それを地方だけで判定させては危險でありますから、中央にもつて参りまして、皆で以て、これはどうも広過ぎる、これは全国的であるという判断を中央でいたしたいというので、その用意のためにさような訓令をいたしておるのであります。若し地方で勝手に、これは全面的だ、これはゼネストだと判断されることは困りますから、それをしないように注意しておるのであります。その他それに類します注意をこまごまと與えておるのであります。それを栗山さんは取締つておると言われるが、目茶な取締をしないように予め注意をしておるのであります。
#35
○佐々木良作君 それじや具体的に、第三次スト指令が出ておるそうであります。大口六時間以内、官公庁八時間以内というような状態が起つた時には、これは広範囲と考えられますか、考えられませんか。
#36
○國務大臣(殖田俊吉君) 指令が出ておつたにいたしましても、事実上の状況を見ませんとそれは判断できません。
#37
○佐々木良作君 そうなると、それはどういうことになるのですか。大口の工場というのは初めから分つておる工場です。そうしてその中で六時間か五時間か知りませんが、六時間の場合と五時間の場合があるかも知りませんが、やつて見ないと分らんと言われるが、工場も分つておるし、やられる時間も分つておる。そうすると何処が分らんことになるわけでありますか。
#38
○國務大臣(殖田俊吉君) 私共はそれを具体的に今取締るつもりならばやりますけれども、取締るというように、断圧のつもりは一つもございませんから、機動的でありますから、そういう事態が起つてから初めて考えるのでありまして、その時には、その大口がいくらになるか分りませんが、たつた一つや二つの大口ならば問題でないでありましよう。それは全面的に国民生活に非常な影響を及ぼすということがなければ、取締の対象にならないのであります。それを今から検察が電産のことばかり考えておるならば、それはそうでしよう。併し非常にいろいろな問題がありますから、そう細かく実は考えておりません。その時になつて出たところ勝負であります。
#39
○栗山良夫君 大体殖田総裁のお考えはよく分りましたが、まあ私共は取締る方針でない。余程のことが起きない限りはないというように了解したわけでありますが、そうしますと、伺つておきますが、電産が争議を決議したというので大あわてにあわてて、そうして官房長官たる人があのような狼狽極まるような声明を出されましたが、あれはあなたに事前に相談があつたのか、なかつたのか。増田長官一人の個人的な意思の決定であつたのか。その点明瞭にして頂きたい。
#40
○國務大臣(殖田俊吉君) 私は当時のことはよく記憶いたしませんが、ゼネストというようなものがどんなものか、ゼネストになつたら取締れるかというような話をしたことはあります。ありますけれども、それを政府の意思がこうであると決定して、これを発表するというようなことを相談は私はなかつたように思います。それは増田君のお考えでその見るところを以て発表されたものと思います。
#41
○佐々木良作君 法務総裁だけでなくて、むしろ主管官庁を中心として包括的に聽きたいのですが、停電の声明が出て、停電の状態が出たのは、大体九日か十日頃から入つておりますが、それから現在まで、主管官庁としてはこの争議行為に対して具体的な解決方針なり、或いは解決に努力されたことがあるかないか。あつたとすればどういうことをやられたか。
#42
○栗山良夫君 それはまだ各大臣が来るでしよう。
#43
○佐々木良作君 それでは私は通産大臣が来てから今のことを大臣に質問いたします。
#44
○委員長(飯田精太郎君) 法務総裁に御質疑はございませんか。
 大臣が見えるまでこの問題を保留しまして、前の続きに入りたいと思います。先程の説明に対して御質疑はございませんか。
#45
○村上義一君 二三お伺いしたいのですが、基準料金に入る右炭は約三百万トン、火力料金に入る石炭は約二百万トンという御説明だつたと記憶するのですが、これを各一・四半期毎に分けて一つ伺いたい。
#46
○政府委員(増岡尚士君) 三百万トンの場合は、この前、資料を差上げてあると思いますが、この前の昭和二十五年度割当計画概案というのに書いてありますが、第一・四半期は四十五万四千トン、それから第二・四半期は六十五万七千トン、第三・四半期は八十四万四千トン、それから第四・四半期百四千トンであります。
 五百万トンの場合は、概略第一・四半期が九十三万五千トン、第二・四半期九十五万五千トン、第三・四半期百四十四万トン、第四・四半期百六十七万トンであります。
#47
○村上義一君 尚株主配当金がそれぞれ、現行と二十五年度と双方にありますが、これはG・H・Qの方は了承しておるでありましようか、これを認めておるでありましようか、伺いたいと思います。そして何分に予定されておるか……。
#48
○政府委員(川上為治君) 三割二分配当のときは八分配当としまして一応見て貰つておりますが、今度増額になるという点は、増資を大体三十億というふうに考えてあります。その分だけ更に原価の方で余計に殖えて来るということになります。
#49
○村上義一君 二十三の雑損失という内容はどういうようなものか、それから二十七、二十八、三十、これを一つ御説明願いたい。
#50
○説明員(藤田勇君) 私から方説明申上げます。
 雑損失は御承知の通り現場及び本店あたりにもございますが、例えば貯蔵品の運搬中における損失とか、或いは又粉失による損失、こういつたいろいろなものがございます。但し寄附金のようなものはここには計上していない、かように存じております。
 それからその次の二十七でございます。特別改修費の償還金というものを現行料金において八十七億計上しておりますが、その前にすでに百二十億程度の特別改修費の償還金というふうな必要なものが四十三億幾らしか計上されておりませんが、その間の差額を借入金を以て工事をさしたことがございます。その他五ヶ年間ぐらいで償却しようということで、條件付きで前々回の料金改正のときにやつております。その場合における償還金、こういうことに相成ります。従いましてこれはもう二、三年いたしますと全部なくなつてしまいます。その代りに現行料金におきましては八十七億五千円というのが計上されております。
 それからその次の自家用電力動員費、これは六億ぐらいになつておりますが、これは昨年の四月一日から九月十五日までの石炭鉱業の自家発電に対しまするところの自家発電の費用と、それから電力会社から買う電気料金の差額を補給する途が講ぜられました。その補給金の差額が大体六億程度でございます。それから九月十五日以降の分はどうしたかと申しますと、これは石炭価格が自由になりましたので、これは損害賠償の補給金の対象にならない。それだけ高く売つてもいいじやないかというようなことで、九月十五日までの補給金を計上しました。それが大体六億という数字でございます。従いましてこれも残りの今度の二十五年度の原価補正額のうちに三億ございますが、あとの三億はすでに第四・四半期で償還済であります。従いましてあと三億は二十五年度の分で償却いたしますと、もう永久に消える数字でございます。
#51
○政府委員(川上為治君) 九十万トン焚くということになつておりましたが、実際はこれは、三月末日までにならなれれば分りませんが、約七十六万トン程度焚くということに相成つております。先程も申上げましたように、下半期において、大体繰越六十五億くらい出て来るだろう、こういう石炭代で焚かなかつたものを全部引つ括めて、こういう計算が出て来るわけであります。
#52
○門屋盛一君 そうしますと、この四・四で焚き余した右炭は、もう二十五年度には繰越さないわけですか。
#53
○政府委員(川上為治君) その石炭は勿論二十五年度に繰越して行ける計算になります。又二十五年度に獲得する石炭は或る程度のものを二十六年度に残して置くというような形になります。
#54
○門屋盛一君 実際にどうなるのですか。第一・四半期の石炭の割当は、四・四で余したものだけ余分に見てあるのじやないですか。
#55
○政府委員(増岡尚士君) この二十四年度の收支でどれだけ收益があるかということは調べて見なければ分らんのでありますが、豊水の関係で石炭も焚かなかつたという関係で、明らかに相当の利益があるわけでありますし、石炭の関係は今門屋さんのいわれるように、先程申しましたように、標準料金に年間三百万トンを織込むとすれば、第一・四半期は四十六万四千トンばかりになりますが、大体三十万トン程度のものを第一・四半期から石炭として繰越して七十四万トンということになつております。
#56
○門屋盛一君 この三十万トン、一・四の方に余分に持込んだものはどういう割当ですか。やはりそれだけを全国に平均に割当てたのですか。火力地帶にいくらか余計割当ててあるのですか。
#57
○政府委員(増岡尚士君) それはあとで割当の関係で、差上げました資料で御説明すればよいと思うのでありますが、大体この前も申上げたと思いますが、従来の各地における需要の状況に応じて、水力が足りない県には火力が多く入るということで石炭の配分をいたしております。尚従来の実績ということだけでなく、そこに更に現在の需要が、各地区にどういうふうにあるかということも考慮に入れまして、水力の足らない地区には多く入つておるという関係であります。
#58
○門屋盛一君 そうすると、結論的に言いますと、水力の足らない地区の方に少しでも余計増してあると考えてよいのですか。こういうことを聽くのはおかしいのですけれども、大体四・四の豊水期で、まあなんですね、追加割当に類するような余剩電力を貰つたのは、水力地帶が貰つたのであつて、火力地帶では何ら余剩電力の恩惠に與つていないわけですから、だから料金の負担を……、四・四の料金というものは石炭を九十万トン焚くというので料金が決まつておる、それで割当てられているのですから……、そこが豊水のために水力地帶は非常に恩惠に蒙つておる。火力地帶は恩惠を蒙つていない。のみならず今度一・四の割当の基準になるものが、四・四の実績を基本としているということになると、いつまで経つても電力の足らない所は足らない。実績が基本になつておるのだから、いつまで経つても救われない。僅かのことだけれども、三十万トンでも余つたものは、やはり火力地帶の方に主として割当てられるべきものじやないかと思いますが、それに対する御意見を承りたい。
#59
○政府委員(増岡尚士君) 大体水力の足らない所に多く入つております。
#60
○栗山良夫君 もう時間が大分経つて来ましたが、大臣がまだ見えませんが、今日の議事の進行上これはどういうことになりますか。若しそれで大臣の御出席がまずいようでありましたら、電力関係の問題は余りできないので、私ちよつと割当のことで二、三お聽きしたいことがあるのですけれども……。
#61
○委員長(飯田精太郎君) 通産大臣は衆議院の方に出ておられまして、今呼びに行つておるそうでありますから。
#62
○栗山良夫君 ではその前にちよつと割当のことで伺います。今度の割当に、まだ内容をよく伺つておりませんので、私全貌的なことはあとで御説明を伺つてお聽きしたいと思いますけれども、特に最近の農業政策から言いまして、例えば農事電化の料金がああいうふうになつているので、非常に工合が惡いということは私前々から申上げておる。これに対しても何らかの対策が立てられておるようでありますが、更に肥料関係なんかにいたしましても、非常に重要なる問題が、料金の改訂或いは割当に含まれておると思います。私が調べたところによりましても一番問題になるのは硫安なんですが、硫安には御承知にようにガズ法と電解法の両方あります。ところがそういうものを何ら……これは工場別に相当違うのです。而も工場のユニツトは外の産業と比較して相当大きいものです。そういうものについて、一束に査定して、個々の硫安工場の生産工程の内容に亘つての割当の心配ができていないように私は思う。これは非常に重要な問題なので、数点お聽きしたいと思いますが、第一点は、安定本部の硫安の生産計画の遂行のために要する電力の中に、いわゆる余剩電力が入つておるわけでありますが、そういう余剩電力というものが生産計画の中へ織込まれておる場合に、政府としては果して責任を持つてその余剩電力を供給せられるのかどうか、その点を先ず伺います。
#63
○政府委員(増岡尚士君) すでに御承知だと思いますが、現在のいわゆる余剩というものは割当ての対象になりませんので、割当切符というものは出ませんけれども、ここに計算してありますところの余剩は、一応水を平水として考えた場合には当然出る余剩水力であります。従いましてこれが必ずどこかで使える性質のものでありまして、これを見込んでやるということはそう無理でもないというふうに考える。大体そういう性質の余剩でありますから、これを余剩が使える性質の工場、産業に大体或る程度のものは使われるものだという想定をいたしまして、それを元としてと言うか、それと組合せて常時電力を割当てておるのであります。それで最初に申しましたように、余剩は切符を出しませんから、常時のごとく極めて確実だというものではありませんが、性質上出るものであれば使えるということで、使うことができる工場に配当をすると言うか、配電会社を通じて行くようにするということになるのでありますが、その点については大体余剩についても、この程度のものをこの工場にやる、余剩が出た分についてはこういうふうなやり方でやるということを予め計画を立てて、配電会社、需要者にもこれを通知して置きまして、それが大体切符がなくとも予定通り行くように措置をするという考え方で、余剩を繰込んで割当てておるのであります。
#64
○栗山良夫君 硫安工場は余剩をとにかく消化し得る能力を持つておる工場なので、問題はそういうところへ余剩が確実に渡されるかどうかということになるわけであります。これは生産計画の中に入つておるから私は問題にするので、生産計画の中に入つていなければ問題でない。それをもう一つ進めて申しますと、今度の電解関係の電気料金を見ますと、大体トン当り四千キロワツト電解工場だと要るそうでありますが、一割くらい火力料金が入りますと、もう殆んど現在の政府決定の硫安価格では採算割れをしておる、こういうことになつております。一割というと丁度八十銭のところが八円になるわけですから、十倍になるわけです。だから全然経営ができなくなる。そこで問題は折角余剩を使おうと思つても、常時の数量が或る程度確保されないと工場の最低運転に支障を来たすということになるわけですね。これは国の決定した硫安価格そのものがそういう工合に動かない、これをコンスタントに抑えてあるわけです。そうして料金だけで操作をいるわけですから、そういうことが起つて来る。そういう場合に硫安工場のいわゆる最低運転をやるために電力の割当というものをどういう工合に考えておられるか。例えば第一・四半期のあれで見ますと、一番まあ額の大きいところですと、名古屋の或る工場のごときは第一・四半期で以て、今の通りの割当で行くと最低の操業に必要な常時電力に対して、標準枠内で、標準枠の料金高の枠で行くと、九百三十万キロワツト・アワー足りないということになる、これを火力料金があるから火力料金でどんどん使つたらいいじやないかとおつしやいますが、そうすれば今言つたようにずつと料金が高くなつてしまつて、現在の政府の決定しておるものではできない。これは非常に大きな矛盾だと思うんですが、それはどういう工合にお考えになつておりますか。
#65
○政府委員(増岡尚士君) お説のように肥料等の工場におきましては系列の問題がありますから、むやみに電力をつけても半端なことでは動かんということは我々承知しております。従いまして硫安等、石炭窒素等については、全部工場別に開いて検討してやつております。従つて今お話のようなことは絶対にございません。
#66
○栗山良夫君 そうするとあれですか、一応まあ、これは砕いて申上げますと、硫安工場の中にもいろいろな生産工場を持つておる工場があるので、それを個々の工場が現在の政府決定の硫安価格で十分に作業のできるような工合に電気料金の操作をするために、標準電力料の枠についても十分な考慮を拂うということでよろしうございますか。
#67
○政府委員(増岡尚士君) 大体それでいいと思います。それで或いはお手許にある資料がいろいろ作業をした途中の資料で不都合な点があるかも知れませんが、先程も申しましたように、一つ一つの工場に開いてやつておりまして、十分標準料金で或る程度のベースで確実に入る、それにサープラスをつけるという考えでやつておりますから、火力のベースではサープラスが食えないというような計算はいたしております。
#68
○栗山良夫君 そうしますとですね。これは非常に硫安工場の方の関係者も心配しておられて、心配というよりも非常に不安を持つておるようですから、直接工場の個々の査定は動力局長のところじやなくて通産省でそれはおやりになるわけですね。通産省の方と、そうして安定本部の方とはよく御連絡を取つて頂いて、そうしてそういう工場の繰業に支障が来るというようなことのないようにやつて頂きたいと思うのであります。
#69
○政府委員(増岡尚士君) 御趣旨の程は拜聽しました。常に化学肥料については今のような問題がありますので、毎度密接な連絡を取つてやつております。現在のところは一応先程も申上げましたような考え方でプラン等も、大体というか、全く意見を一致して決めるところまで進んでおります。
#70
○栗山良夫君 もう一度私くどいようですけれども申上げておきますが、私が今ここに持つておる表ですと、十八工場の中で……、これは東洋高圧の砂川の工場から旭化成の延岡まで入れて十八工場の中で、今言つたように作業工場に必要な常時電力に相当な不足を来たすと思うのでありますが、日東化学の八戸工場から始めまして、三菱化成の黒崎の工場まで七工場あります。その中一番大きいのが名古屋の東亜合成、その次が東海硫安、四日市、こういう工合にずつとありますが、併しそれは或る程度、恐らく農林省で発表せられたのか、或いは通産省で通告されたのかどうか知りませんけれども、一つ一つその数字について検討して見て、こういう意見が出ておるので、今あなたのおつしやつた意味をそのまま百パーセント信頼しておきます。
#71
○政府委員(増岡尚士君) 念のためにお答えしておきますが、その表を私は見ておりますが、それからあとで調整をしたわけであります。
#72
○委員長(飯田精太郎君) 兼岩議員より委員外議員質問の要求がありますが、許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員外議員(兼岩傳一君) 私は委員外で特にお許しを得まして戰争の被害を受けた不幸な、生活に悩んでおる市民の一部の方に、非常に不合理に、弱い者いじめの電気料金のために苦しんでおられる問題について調査し、且これに対して物価庁側の明快な解決の結論を得るように、いい結果を得るように質問を進めて行きたいと思います。で現在都には定着寮七十四ございまして、不幸な引揚者の方の寮が、戰災者の方々の寮が七十四、そうして小さいものでも二十五世帶、大きいものでは吉祥寺の百十六世帶、で四千に近い世帶が七十四の寮に住んでおられるのであります。その方々が去る三月十二日に参議院会館で集られまして、以下申上げますが、電気料金の問題で集りを催されて、社会党、労農党各党共お願いしたけれどもおいで願えないので是非出てくれろというので、日曜日、日も傾いて私が特に呼ばれまして、私近い所におります関係上出たのであります。以下申上げます問題は一政党の問題でなく、一議員の問題でなくお聽き取りを願つて、よい解決に落着くようにお願いしたいのであります。内容は私は四つに分けて整理して、簡潔に物価庁に質問を進めて行きたいのであります。
 第一に本問題の内容でありまするが、従来これらの定着寮に住まわれている方は、大体六〇キロ━━一〇〇キロの電燈を各世帶でお使いになる。四世帶乃至五世帶の共同で、お勝手に一燈と、便所に一燈を使つておられる。そうしてそれに対して大体、多少の違いはありますけれども、大体四十円乃至五十円一ケ月にお拂いになつておつたのであります。ところが十二月の中旬に電気料金の改訂がございましたために、それが何と一躍これが非常に高いものになつたのであります。数字を申上げますと、例えば足立の友和寮は一戸平均これは三百円になつたのであります。港区の青南莊においては、実は五百円になつておるのであります。吉祥寺におきましても、十一月には七十円であつたものが、現在三百円になつておる。ラジオ、電然は全然使つていないのであります。これらの原因はどこにあるかと申しますと、メーターが一つ乃至二つしか沢山の世帶に対してない。従つて、二十キロまでは二円四十銭という安い料金で計算したのでありますが、そのあと十円十銭という高い値段になつて、それが遂に十二月の中頃までには一戸当り四十円五十銭になつて、それが三百円五百円という法外な値段に上つたのであります。物価庁はそのような事実を知つておられるかどうか。知つておられるとすれば、どのような考慮を繞らしたことがあるか、これが先ず第一点、お伺いしたい。
#74
○政府委員(川上為治君) 今度の電力料金の改訂に当りましては、特別な例外措置というのを全然認められなかつたのであります。従つて、例えば農事用の料金の問題につきましても、従来は灌漑、排水用につきましては、約三割程度の割引を行つていたんですが、いろいろこれも交渉いたしましたけれども、認められておりません。今のアパートとか、或いは引揚寮とか、そういうような所におきましての今回の電気料金の適用につきましても、今おつしやつたような非常にお気の毒な問題が起きておることを私共の方としましてはよく承知しておりまして、これは電気料金を改訂する前からいろいろ折衝をいたしまして、こういうものは特別な割引なり或いは措置を採つて貰いたいということをいろいろ交渉いたしましたが、今回の電気料金の根本の考え方としまして、電気料金の方でそういうような特別な割引をすべきじやない、それは別な方面において措置をすべきであるというような見解があります。その後におきましても引続いていろいろ折衝をいたしておりますが、この農事用の問題とか、或いは引揚寮の問題、或いはアパートの問題とか、そういうような問題につきましては、今日まで実は実現されていないのでありまして、私共の方としましても何らかの方法でこれを措置をしなければいけないと考えております。尚こういう所は一日も早く世帶別のメーターを取付けて貰うように、日発の方に私共の方はいろいろと要請いたしておる次第でありまして、よくこの問題につきましては存じておりますし、何とかしなければならんというふうに考えておるわけであります。
#75
○委員外議員(兼岩傳一君) 僕は四つに分けてお尋ねしようと思つていたのですが、あなたは少し先の方の答弁までなされましたが、今の熱心に交渉云云と言われたのはどういう交渉ですか、それと、それから僕はアパートやデパートのことは、これはお尋ねしておるのではありません。戰争の損害を受けて非常に不幸な困窮な生活をしておられる人のことをお尋ねしたんです。向うの交渉というのはどこと交渉しておられるのですか。
#76
○政府委員(川上為治君) この問題につきましては、電気料金を改訂します前から引揚寮の問題も捉えまして司令部の方と交渉いたしました。
#77
○委員外議員(兼岩傳一君) そこで、これについて引揚寮の人達がその後十二月の中旬以後どういう措置を採つたかと申しますと、先ず関配に参りまして、数回に亘つて関配の業務課長と交渉をしたんでありますが、ところが業務課長の方は、又これはもう少し後で論議して見る必要がありますが、今第三部長の言われたように、司令部の命令であるというだけで以て、てんでこの問題を受付けようとしていない。それで何を提案したかと申しますと、提案したのは大口需要という形を止めたいならば、定額にして、六十ワツトについて百十四円余り、百ワツトについて百七十一円という、こういう高い料金で話を付けるならいたしましようと、ところが実はこういう押付けがましい権力的な弱い者いじめの答弁でなくて、もう少し合理的な解決方法があるのであります。例えば、僕が考えるに、現実の問題として三十世帶乃至百十六世帶、平均して五十世帶、六十世帶の人達が住んでおられるので、それに対してメーターが一個しかない。これに対してメーター一個を付けるに幾らかかるか、千八百円、約二千円近いものがかかる。そうしてこれがこのような困窮した人に負担できるか。従つて私の考えるのは、当然現実がかような観念上の問題でなくて、現実にそういう多数の世帶があられるのだから、メーターは仮に一個或いは数個であるとしても、これは特に何世帶というふうに考えて、定額二十キロ以下の安い、安いと言うか、皆富裕なる市民もこの料金で拂つておりますが、そういうのと同じに計算するという、そういうことがこの引揚者及び戰災者……個人的の欠陷からそういう不幸なものになつたのでなくて、戰争の損害のためにそういう不幸な立場にあるのです。この次に質問いたしますがゐ困窮者の問題と関連して来るので、当然社会政策的に考えなければならん。さつきあなたがアパートやデパ泊トのことを引かれたことで、あなたの考え方の程度が分るのですが、我々はそういうことを論じているのではなくて、社会政策的に見ても、又国家としても当然そういう考えがあればこそ、私達はこの定着寮というものを都営においてやつているので、そういうような特殊な立場から、私が今申上げたような、そういう合理的な解決方法を考えられたことがあるかどうか。若し考えられたとして、これが実行できないならば、業務課長が言つているように、総司令部に行つて聽いてくれという、そういう冷酷なる関配の言い分が正しいのかどうか、これをもう一回はつきり聽きたいのであります。
#78
○政府委員(川上為治君) 関配の業務課長がどういうような御返事をされましたか、私も聽いておりませんが、恐らく関配の方でもいろいろ司令部の方にも交渉し、又我々の方としましてもいろいろ交渉しましたが、なかなか捗りませんので、先程申上げましたようなことの返事になつたのではないかというふうに私共は考えます。別に私はアパートと引揚寮を混同して言つているわけではありませんけれども、ただ例として、いろいろ特別な割引制度を採らなければならんものが相当あるのであるけれども、いろいろそういう具体的な問題で折衝もしたんだが、今日まで実現されなかつたということを申上げたのでありまして、尚これにつきましては、非常に問題は深刻であるというふうに私共は考えておりますので、成るべく一日も早く各世帶ごとにメーターをつけて貰うように、各配電会社の方にはやかましく催促もいたしておりますが、尚社会政策的に特別な措置を講じて貰わなければならん、それを、電気料金の割引で行くか、それが実現不可能であれば別な方法で行くか、という点につきましては、関係方面ともいろいろ相談をいたしまして、この問題を何とかして解決したいと考えておりますが、私共の今日までいろいろ努力しておりますのは、一日も早く各世帶ごとにメーターをつけて貰うということと、それから割引という方面に対しまして極力努力をしておりましたので、外の社会政策的な方面につきましては、まだ十分な考慮が拂われていないことを私自身としましても甚だ残念に思つているのでありますが、まあそういうような状態になつております。
#79
○委員外議員(兼岩傳一君) この解決の方法につきましては、今部長の言われるのと違つた、もつといろいろな解決方出を僕はまだ持つているのでありますが、もう一つの、現在これを契機にして、その後困窮した人達が更に困窮され、どういう問題が起きているかということをもう一つ申上げて、それに対して政府の考を聽きたいのでありますが、現在まで、十二月にこの料金が改惡されるまでは、これらの引揚寮の中には大体一割程度の、百世帶住んでおられるところでは十世帶ぐらいの方々が、生活保護法によつて生活の保護を受けておられ、従つてそのような生活の困窮した方には、以前は電気料金を免除しておつたのであります。ところが今度の十二月の改惡によりまして、それらの免除がなければ、これは今部長も触れたのですが、そういうものがなくなつてしまつた、それが一つ。もう一つは、法外に高くなつた。五倍、七倍、場合によると十倍にもなつたために拂えなくなつた人、つまり生活保護法で免除していた人はこれは取れない人なんです。取れない人から取らなければならなくなつたこと、それから法外な値上げのために電気料金が拂えなくなつたために、例えばここに私の住んでおる青山の青南莊の実例がありますが、そのために滯納は約五万円の滯納ができた。これに対してどのように集金に骨をおつて見ても、二万二百円しか集金ができなかつた。そのために十二月からの未拂のために、最近とうとう電気を切られてしまつたというような事態、これは青南莊の一例でありますが、他の七十四の寮におきましても、大同小異の悲劇が発生しておるのであります。そこで部長にお尋ねしたいのは、このような困難な事態が発生しておることを知つておられるかどうか。それから生活保護法で、困窮しておる、もう生活そのものが成立たないので政府から補助を受けておるような人から、この苛酷なる電気料金が一体取られると考えておられるかどうか、それをちよつとお尋ねしたいと思います。
#80
○政府委員(川上為治君) そういうような事実につきましては、私共の方としましては、先程から申しましたように改訂以前からいろいろ事情を大体聞いておりまして、なるべく割引制度が再実施されるようにということをいろいろお願いしたのですが、先程申上げましたように、今日に至るまでこれは実施されていないのですが、そういうような事世は私共の方としては知つております。
 それからそういうような事実に対しましてこの料金をどうしても取れないと思うかどうかという点につきましては、これは私共の方としましては、十分調べまして、どうしてもそれはお気の毒で取れないというようなことでありますれば、或いは別の方法で措置をしなければならんのじやないか、こういうように考えております。
 尚この問題につきましては、私共の方としてももつといろいろ実情を調べまして、関係方面と相談いたしまして、極力善処いたしたいと考えております。
#81
○委員外議員(兼岩傳一君) こういう国会のその場だけの、言葉だけ綺麗におつしやられるだけではこれは甲斐がないのです。一体部長は知つておる、知つておると先程から繰返して言われておりますが、寮を実際見られたことがあるのか、若しないとすれば、よく分つておるということは関配関係の人達から聞いておられるのか。或いは本当に苦んでおられるのか。或いは本当に苦んでおられる都会の人からでもじきじきその問題を知るべく努められて知つておられるか。どの程度知つておられるか。
 それからもう一つ、関係筋との交渉と言いますが、一体どういう立場からどういう人と、どういうふうに、どの程度の真劍さを以て交渉されておられるか、その真劍に交渉しておられるという内容をちよつと聽きたいのですね。
#82
○政府委員(川上為治君) 真劍に交渉しておるということを具体的に一々挙げるのもどうかと思うのですが、私共の方としましては物価庁にもちよいちよいそういう方がお見えになりますし、又関配の方からもお話でありますし、改訂前からもいくらもそういう話を聞いております。私はその点につきましては或いは十分くまなく知つておるということは申上げ兼ねるのでありますけれども、そういう御様子については私共の方は大体知つておるということを申上げても差支ないと思うのですが、それに対しましてどういうような措置を今日まで取つたか、取らないかという点につきましては、先程から再々申上げた通りでありまして、私共は極力この問題について、関係の方面と言えば單に司令部だけではありませんで、或いは厚生省とか、或いは都庁とか、そうした方面にも関係がありますので、そうした方面といろいろ協議して善処したい。こういうふうに考えております。
#83
○委員外議員(兼岩傳一君) 僕はこの問題について一週間以前からもう内容は明らかにしてお尋ねしたのですが、この問題について監督官庁として全責任を会て善処すべき義務を持つておられる官庁はあなたのところではないのですか。他に責を転嫁するような立場なら、そういう廻りくどいことをしなくとも、我々は直接責任を持つて厚生省その他に聽かなければならないのですが、そうでなく、それらは会議されるだけで、結局はこの問題に関しての最後的の責任当局はあなたのところではないのですか。
#84
○政府委員(川上為治君) 電気料金を割引するとか、或いはこれを免除するという問題につきましては、成る程私のところがその主管の省に当つておりますが、電気料金をどうしても割引することはできない。且つ又免除することもできない。それに対する対策については又別な官庁が主管の官庁だと私共の方では考えております。
#85
○委員外議員(兼岩傳一君) これからの善処なんですが、どうも部長は、私の今まで聞いた、ほかの方も聞いて分ると思うが、真劍に本気にこの問題を採上げて、真劍にこの問題の解決を図られたと口に言われるけれども、どうも十分そうだと受取れん筋が多いのでありますが、それは省略して、結論として僕は二つの案を出してみたいと思うのですが、先ず第一に、生活困窮者の免除という問題は、一体誰がそれに反対するか。そんなものはアメリカであろうと、日本であろうと、イギリスであろうと、そんなことは社会政策の常識であつて、そういうことをここで論議するのさえおかしい。却つてこれは当然そんなことが分らないというような非常識な者を説得できんというのはどうかと思うのです。その点はあなたは、こういう、生活そのものが既に成立たないで政府に補助を受けておる人から、かような法外な電気料金を、一戸当り三百円とか、五百円というような法外な電気料金が取れると考えておるかどうか。それらに対して本当に真劍に交渉されたかどうかという点が一点。
 もう一つ僕は解決方法が、その他についても解決方法が一つ乃当二つ、いろいろあるといいます。途は一つじやないと思うのでございます。一つの案は、先程言いましたようにメーターを一つ付ければ、一戸当り又二千円というような負担がある。これは到底その不幸な市民諸君が堪えるところじやないから、それを無料で都なり、関配なりで全額持つて付けるというなら、そういう方法もいいと思う。もう一つ、それができないとすれば、そういうものを付けなくても、観念的な問題でなくて、実際に沢山世帶がおる。メーターが一つであつても差支ないと思います。それらの世帶に許された二十キロというものは当然世帶に二十キロを掛け合せたものの料金だけは定額の料金で計算する。免除でも何でもない。当り前のことです、観念的に……。規定に捉われている考え方が余程観念的であつて、実際は五十世帶なり、七十世帶なりおられるから、そういう計算方法を採るということ、これでも解決するのです。このつまり生活困窮者の問題と、二つの解決……ちよつと僕が考えただけでも二つの解決方法があるのじやないか。それに対してここでそれらの解決ができると約束されるか、できないか。それを一つ明確に答えて頂きたいと思います。
#86
○政府委員(川上為治君) この場でその通り、今おつしやいました通りの二つのいずれかで解決するということを私の方で約束することはできません。即ち先程申上げましたように、料金の免除という点につきましてもいろいろ交渉をいたしたのですが、今回の電気料金の制度の性質上なかなかこれは今日まで認められておりませんので、免除ができなければ別に或いは助成金とか、そうした方面で電気料金が現実に拂われなかつたようにしなければならない。そういうふうな措置も私はあるかと考えられるのであります。それからメーターを無料にする問題につきましても、ここで直ちに無料にしますということを申上げることはできないと思うのでありますが、やはりこれも今申上げましたメーター代を拂うことができないというようなことがありますならば、これは又他の方法で措置をしなければならんと考えられるのであります。
 以上申上げましたように、今おつしやいました二つの方法につきましても私の方としましてはいろいろ折衝したが今日まで実現せられてないということでありますれば、又今後どうしてもこれは実現できないというようなことになりますれば、他の方法で措置をする以外に私はないのじやないかというふうに考えておりますので、その他の方法で措置するところは、先程申上げましたように主管官庁も違いますので、そちらの方と私の方でよく相談をいたしまして、何とかしてこの問題は善処したいと考えております。
#87
○委員外議員(兼岩傳一君) もうすでにこの滯納問題でその電気の切断問題も起き、そうしてそのことで非常に問題を起して不幸な人が一層不幸な立場に置かれておる。私はこの質問はこれで打切りますから、今僕のこの物価庁にお尋ねした三つの問題について、この次の機会に一つ僕なり同僚板野君なりに、どういうふうに善処されたか明快に答えて頂くことにして質問を打切りたいと思います。そうしてただこの問題を私は達成できるまで徹底的に問題の根源を明らかにして行きたいという今後の私の態度を申し添えまして、一つ至急善処せられんことを要望して質問を打切ります。有難うございました。
#88
○栗山良夫君 只今の兼岩君の御質問は私も大賛成なんで、実は昨年の十二月十七日でしたか、あの料金改訂がなされた直後に、本会議で質問をしましたときに、何か七項目か八項目質問いたしました一番最後に、同居家族の問題を特に私取上げて質問したわけであります。あの当時の稻垣通産大臣が、今部長のおつしやつたような工合によく分つたような意味でなく、一応計算してみたけれども同一メーターでやつても大したことはないということを答弁されたわけであります。これは速記録に残つておりますから御覽願いたいと思います。その後稻垣大臣に会うと、いつも追求しては善処を要望しておつたのであります。まだ解決してないということは甚だ遺憾に堪えないのであります。私は前からいろいろ経験があつたわけでありますけれども、そんなメーターを個々につけないでも、兼岩君から言われた第二点で、明らかに独立の世帶であるという証明さえあれば標準額の二十キロワツトというものを殖やして、そうして直ぐに善処するようにこれは早速私は努力せらるべき問題であると思います。これはどこへ行かれても了解のつくことだと思うし、電気業者もこんなことで理屈に合わないような收入増加を図ろうというような考え方は私はないものと思う。従つてこれこそ本当に政府の努力が足りないと言われても仕方がないと思います。実情がよく分つていないと言われても仕方がないと思います。大きな問題なんですけれども、私がこの前質問したときには、大きな電気料金という大構想の中から考えるときには、割合小さい問題は忘れ勝ちだけれども、特に一項目取上げて質問した意味もそこにあるのです。国会で取上げれば、すぐに物価庁では、この一つの大きなああいう画期的な料金制度の変更というときには、いろいろ矛盾点が沢山あるわけであります。そういう矛盾点は当然関係筋で修正するのに吝かでないという言明があつたのですから、速やかになされるものである。こういうことを信じて私は質問したのだけれども、もうすでに数ケ月経つておるのにまだ直らないということは誠に遺憾であると思う。従つて緊急に一つお願いしたいと思います。
#89
○板野勝次君 それに関連してお尋ねしたいのですが、先程からのアパートの問題にしましても、今栗山君からいいましたが、大体一つの世帶とアパートを見ておるというのが吉田内閣の方針なのですか。それから農事用の電力についても、今まで三割引になつておつたものをやらないということになれば、農村の電化もうまくは行かない。併しそうやつて来ておるのは吉田内閣の方針であるかどうかということをこの機会に政務次官から承つておきたいと思います。
#90
○政府委員(宮幡靖君) 遅れまして、前後の関連がよく分つておりませんので、或いはお答えに副わない点があるかも知れません。吉田内閣の方針であるかというお尋ねでございますが、まあ只今伺つておると、非常にまずい面が沢山あるようでありまして、こういうまずいことを強いてやろうというのが吉田内閣の方針であるとは、私は申上げ兼ねるわけでありまして、この点は一つ御了承を頂きたいと思うのでありますが、ただ申上げておきたいことは、私共はこれは物価庁なり、安本の立場、或いは国内的の政府の各セクシヨン間の連絡が惡いというお叱りを受けることを覚悟してまあ申上げるわけでありますが、昨年の十二月十三日から実施いたしました料金制度に対しまして通産省の立場におきましては極めて不満の状態に置かれております。これの改正ということにつきましては常に毎日論議を続け、而も国内の連絡は勿論、その関係筋に対しましても根本的に改正をいたすということに努力を拂つておりまして、或いは従来のセクシヨナリズムの観念から行きますと、通産省、殊に資源庁の立場というものは、行き過ぎておるという御非難を受けるのではないかと思つておりますが、さような区々たることに拘泥いたしまして、全国民と言いますか、国民大衆の利益に背き、一電気会社等の利益に偏在いたしますところの料金制度か存置すべからざるものである、かような信念でいろいろやつております。ただ時期が非常にずれて参りまして皆さんな御迷惑を掛けることは、非常に申訳ないことだと思いまして、ただそういうことをあやまつただけで解決する問題でありませんが、その辺の代りに是非とも次の機会はこれをもつと合理的なものにするという努力をいたしたい。私共は昨日も省議で検討いたしまして、司令部の交渉に移しておりますが、電気需給調整規則並びに関連告示改正要項というものを一応作りまして、一応今まで需給調整の欠陷のありましたものを是正する点を出しております。これを交渉いたしまするその内容につきましても、尚検討を要するもの……御指摘の農業用の灌漑電力、農業用の深夜電力、誘蛾燈のごときは、オフ・ピーク時のものでありますから、基本料金を年間取るとか、高い料金を適用するということになりますと、これはもう電気行政というものは論外であろうと思います。これはどういうお叱りを受けましても、誰が考えて見ても常識だという線に持つて参りたいために努力いたしておりますので、甚だ強い言い方になつて恐縮になりますが、間違つたものが正しいものになるということは、熱意如何によつて必ず解決し得るものだ、こういう考を持つて、弛まずやつております。根本的に申しますと、現在火力、水力の料金の算定の方仕にも、御専門の方々でありますから私から申上げるまでもなく御承知だと思いますが、本年は、二十四年度で申しますと、四百六十五万トンの火力発電を焚くことになつております。そうして、動力は水の状況によつて、変化もありましようが、これを全部焚きまして、そうして電力を十分に出た時のみを標準とせず年間の平均等によりまして算出いたしましたもので、いわゆる標準の電力料金というものは水力、火力を搗きまぜたものでなければならんと思います。それがために例えば九十銭が一円二十銭に上りましてもそれでよいじやないか、こういう観念の下で私は考えております。でありますから、これはいろいろむずかしい意味もありますが、御質問の点が私にはつきりしませんので答弁になりませんかも知れませんが、努力だけはいたしておりますので、どうぞ御了承頂きたいと思います。
#91
○板野勝次君 質問の要点は、先程から栗山君が言いますように、アパートにしましても、メーターが一つであつても、世帶数が仮に五十世帶あれば、それで基準量の二十キロなら二十キロというものを五十軒に割当てて行けばメータ一つであつてもよいわけである。先程から物価庁の部長に対する兼岩君の質問から、結論は何かどうも外の方へ、外国の方に行つて交渉しておるというふうに聞えて来たので、そういうアパートの基準的な割当にしても、メーターが一つしかない場合は、五十世帶であつてもそれは一世帶に見られて来ておるということは、何と考えても常識を逸脱しておる。而もそれは今政務次官のお話からすると、官庁のセクシヨナリズムから来ておるということでありますけれども、セクシヨナリズムから来ておるといえども、現内閣の責任じやないのだろうかという点をお尋ねしておるわけなんで、一つの官庁がどうやつたからといつて、そのやり方の非常識を吉田内閣が責任を負わないというわけには行かない。そういうアパートに対する方針にしましても、或いは又兼岩君が非常に悲惨な状態にある家庭の電気料金の免除、その他の措置について見ても一向にできていない。それが関係方面と話をされておるということでありますが、吉田内閣として取上げて来て、そして確たる態度を示しておられるのが現在出されておる電気料金の地域差、或いは又アパートの問題、農事用の電力に対する問題だと思う。そこで私はそういつたいろいろな非常識なこと、無茶なことが行われておるのは吉田内閣の対策としておやりになつておるのかどうか、その点をお聽きしておるのであります。
#92
○政府委員(宮幡靖君) 先程説明の仕方が惡かつたのでありますが、非常識と認められること、正しくないと認められることは、どういう方面から考えても内閣の政策としては行いにくいのでありますので、これがどうぞ、まずいところを直すという努力を拂つておりますし、又その実現を期しておる、その関係におきましてはむしろ各担当の省、或いはその他の庁等におきましての意見の不一致等もあるくらいに努力しておる。かような工合に、惡いところを直さない、非常識なことを行なつておつても吉田内閣の政策だということは、そうであるとは申上げかねるし、そうでないと申上げる以外にはお答えの適当な言葉を只今発見しないわけでありますが、どうぞさよう御了承を頂きたいと思います。
#93
○板野勝次君 併し今の電気事業のいろいろな問題についての責任は、やはり何とあなたが言葉を曖昧にされて見ましても、吉田内閣の責任においてやられておるはずだと思うのに、そうでないのならば電気事業のいろいろな問題については内閣は一切の権限をみずから拠棄されておるのかどうかといつて問いたいぐらいなんです。その点は飽くまでも責任を負うという態度を明かにして貰わなければ、一小役人に答弁を求めておるのじやないのですから、そういう点は一応明確にして貰いたい。それが一つと、それから栗山君が申しましたアパートの問題にいたしましても、それから先程の定着寮の問題にしましても、採るべき方法は早急採り得ると思う。吉田内閣の方針としてこういうやり方は間違つておるということを明確にされて来れば、即刻閣議において決定して適当な措置が採られ得るはずであります。それが安本だ、物価庁が、或いは厚生省だといつて、各官庁の、セクシヨナリズムが今弊害をなしておるからのように見せかけて、実は内閣自体がこういう差迫つた問題を処置することの責任を回避しておるとしか見えないわけであります。これを早速お取上げになつて内閣としての方針を明確にされる誠意をお持ちになつておるかどうか、この見解を一つ承つておきたい。
#94
○政府委員(宮幡靖君) 間違つておるところ、惡いところは直すという誠意を持つておるということは、話し方はまずかつたが申上げた筈であります。又板野さんのおつしやる通り吉田内閣に責任があるという決定的な段階になりますれば、これは当然国会の権威に掛けましても、内閣の責任態勢におきまして当然責任のあることだと考えます。ここで私は責任ある答弁は……言業の言い廻しはどうあろうとも、内閣の失政は内閣に責任があるものだと私共考えております。ただまずかつたところを直す熱意があるかどうかという問題ですが、是非その努力を続けて参りたい。実はその内容をぶちまけて恐縮でございますが、内輪の話を申上げますと、何とかしてこの過渡期の間違を一刻も早く直して行きたい、こう考えておるのが、現内閣の一構成であります通産省の考え方である、こういうことを申上げたわけでありますので、どうぞ御容赦を願います。
#95
○栗山良夫君 今日は通産大臣に電産争議の解決のことで伺いたいと思つておりましたが、何か委員会が非常に御多忙で来られんようでありますから、政務次官にお尋ねします。それから資源庁の長官もお見えになつておりますので……これは非常に今最終段階で早く争議を解決しなければならん時でありますから、政府は恐らく省議にも、閣議にも掛つておることであろうと思いますから、明瞭にお答え願いたいと思います。
 先ず第一点は、先程政府委員から御説明のありました二十五年度電気料金原価と現行料金原価比較というものについて、詳しく御説明を伺つたのでありますが、その結論を一言で申しますと、電気事業の経理というものは、税金の問題、或いは燃料の問題、この二つだけを取上げても明瞭でありますように、政府の政策によつて非常に大きな枠が嵌められておるということは明瞭に言えるわけであります。そこで私が申上げたいのは、こういうような電気事業に対するいわゆる言われておる企業努力というものはどういうところにあるのか、それを先ず伺いたい。
#96
○政府委員(宮幡靖君) 専門家の栗山さんのお尋ねで企業努力の定義というようなことは私には申上げるに適当な言葉はなく、ぼんやり分る程度でありますので、私が専門家に御説明申上げることはどうかと思いますので、どうぞ御判断頂きたいと思います。ただ企業努力は人員淘汰を前提として行われるというような考え方をしておらないということを申上げて置きます。
 それで電産争議解決の問題は、これは大臣が来てから申上げるのが適当と思いますが、昨日中労委の中山委員長がお見えになりまして、再び斡旋に乘り出すというので、政府の意見を聽きたいということでおいでになりまして、ちようど一時頃でありました、その時にお示しの案は或いは資源庁長官から申したかと思いますが……。
#97
○栗山良夫君 簡單で宜しいのです。一問一答いたしたいと思います。
#98
○政府委員(宮幡靖君) それでは、そういうことで企業努力の内容につきましての技術的の説明は差控えさせて頂きます。ただ人員淘汰が前提であるということは考えておりません。
#99
○栗山良夫君 私の考えを余り付度されて御答弁がありましたが、私はそういう小さい構想で申上げておるのではない。企業努力とか企業の合理化というものは、今ここで言われたように政府の政策的な形で電気事業の経理というものが相当圧迫を受けておるということを申上げておる。あなたも今ここで首を二度振られましたが、(笑声)そういう形なのです。そういうところまでも企業合理化の枠の中に入るとお考えになつておるのか、入らないとお考えになつておるのか、その点を伺いたい。そういうことにまで責任を持たなければならないのかどうか。
#100
○政府委員(宮幡靖君) 恐らく企業の合理化ということは、その企業の自主性を尊ぶことであろうと、かように考えております。従来やつて参りました線を通じます方式は、行き過ぎた干渉も数多くありまして、恐らく合理化を妨げたという事実も数々あるのではなかろうかと、そこでまあ電気事業の再編成なんということも起りまして、企業努力というものが創意工夫で行われるというような面が開くようなことになつて参りましたので、只今通産省でやつております電気事業に対する勧告は、概ね経理という点に重点を置いておりますので、その点はどうぞ御承知を願いたいと思います。
#101
○栗山良夫君 そうしますと、先程御説明があつたように、電気事業は、企業努力の改善によつて各四半期ごとに現在の状態においても十一億くらいの余裕が出ておると、こういうことを言われたのですが、これに対して中山調停委員は、経済の三、九原則の枠内において、今度の電産の調停案に対しては、事業者は支拂能力あるものと認めると、こういうことを言われておるわけです。そうすると、今のあなたの言われたような形で行けば、企業合理化、いわゆる企業努力というものが確実に十一億出ておると、この二十五年度のあなたの方でお作りになつた收支計算はどういうふうになつておるか知りませんが、純粹の形で電気事業体の中で企業の合理化を行つたもので十一億出ておると、こういうことになつて、それを基にして三、九原則による支拂をする能力が可能であるという、こういう労働委員会が認定をしておりますが、あなた方は、中山委員長のこの言葉をそのままお認めになるかどうか、それをお聽きしたい。
#102
○政府委員(宮幡靖君) お示しの十一億の黒字が出ておりますというのは、二十四年度の問題ですか。
#103
○栗山良夫君 それでよいのです。それだから私はさつきから念を押しておるのですよ。この計算はどうなつておつても構わない。これは政策でなつておるのだから……。明かに十一億という黒字は企業努力で出たと認められておるから、二十四年度出たのだから、二十五年度も続くべきものであると、こういう意味で申しておるのです。
#104
○政府委員(宮幡靖君) よく分りました。企業努力で黒字の出ておるということを基本といたします中山さんの御案でありますが、これに対しまして、二十四年度までの措置と、二十五年度に亘ります措置と、分れて御相談がありました。それで二十四年度までの措置はよろしいと思いますが、後の方の二十五年度でも、二十四年度の企業努力の結果黒字があるからやれるのかということは、企業努力の結果さようなものが出た場合には、それをお使いになることは差支ないと思うが、これから企業努力をするから、それによつてやるという予定は立てにくいという方針なんでございます。
#105
○栗山良夫君 そうしますと、私は二十五年度のことは止めまして、二十四年度のことを申上げます。二十四年度に十一億の黒字が企業努力によつて出たということは、政府も言われた。中山さんもこれに対して、三、九原則の枠内において支拂能力があるということを認定しておる。これは先ず政府の見解は一致しておる。こういう状態にありながら、政府は何故中山委員長が調停された一月以降における賃金ベースの変更を賛成されないか、その点を伺います。
#106
○政府委員(宮幡靖君) ベース・アツプの問題は、関係筋の指令によります三原則の違反となるかならないかを検討しなければ述べられないと、かような立場におきまして……。
#107
○栗山良夫君 今私は順を追つて責めて行きましたよ。こう押えて来て、あなたはそういうことをはつきりと認められたではないですか。経済の三原則ですね。一昨年の十一月出たのですかね。あの三原則には、賃金ベースの変更をしちやいかんと書いてありますね。けれども、企業合理化をやり、企業努力をやつて、余剩が出て来ればその限りにあらずと、はつきりと書いてある筈です。だからそこをさつきから申上げておるので、あなたも、いつも明答をされておるのだから、十分お分りになつて言つておる筈だと思います。
#108
○政府委員(宮幡靖君) それでありますから、先程念を押しましたのですが、二十四年度のお話ですか。
#109
○栗山良夫君 二十四年度でいいのですよ。
#110
○政府委員(宮幡靖君) ですから、二十四年度でありましたら、企業努力と申しますか、黒字の根拠は別といたしまして、我々の方で取つております数字は、第四・四半期六十四億九千四百万円、過年度の経費を引きましても二十四億三千四百万円というものが出たと、これは異常豊水によります料金制度のゆがみから出たものでありまして、我々が率直に申上げれば、これは全部が企業努力の結晶だとは認めておらないと、こういうことを申上げておるわけであります。
#111
○栗山良夫君 それだから、二十四年度に六十何億余つたとか、二十何億余つたとかいうことは一言も申しておりません。私はそういうものが企業努力の結果から出たとは考えないから、一言も申上げておりません。さつき政府委員の人が、十一億が企業努力の改善によつて出たということを発言されたから、私はその数字をそのまま申上げておる。だから、幾ら余剩が出ようとそんなことは問題でありません。ただ経済の三原則の枠の中で支拂能力があるという、而も支拂えるか支拂えないかということは、結局この企業努力によつて行われるのだという経済三原則がありますから、その金がたまたまここに出たから申上げておるのです。問題を余りこんがらかさんようにお願いしたい。
#112
○政府委員(始関伊平君) 先程の私の説明がちよつと不十分だつたかと思いますが、先程申上げましたのは、中労委の調停案の説明を今日読み上げましたので、企業努力によつて一・四半期十一億余というものが出ておるというのは、中労委の見解なんです。私共は、十一億円というものが企業努力の結果出たという説明に対しては、実は納得できておらないのでございます。
#113
○栗山良夫君 それでは重ねて資源庁の長官に伺いますが、電気事業は昨年頃から一生懸命にロスの逓減もやりましたし、その他擅用の取締もやり、あらゆる努力を拂つて相当な企業努力の実績を挙げた筈でありますので、その数字をどういうふうにお掴みになつていらつしやいますか。僕は真劍にやつておるのですから、はつきり答えて貰いたいのです。いい加減なことをおつしやつたらいつまででもやりますよ。
#114
○政府委員(始関伊平君) 十一億円というのは、只今申しましたように、中労委の数字でございますが、いろいろな改善によりまして若干経費の浮いた分があるだろうということは、想像いたしますけれども、これがどの程度であるかということは、はつきりは分りかねると思います。ただそういうようなものがございましても、従来の賃金の関係等につきましても、それは料金の中に織り込んである賃金と実際のあれと違うものでありますから、それを補つて尚余りあるという程度には至つておらないということは確かだと思います。
#115
○栗山良夫君 今の、企業努力が行われたろうけれどもその内容が分らないなんとおつしやることは、私が素人なら別ですよ、素人なら別だけれども、私は或る程度知つておるのですよ。そういうものを、そういう答弁をされるのは、甚だ奇怪であると思う。例えば、それでは何故電力局は三一・何%の送電損力があつたのを今日まで段々縮めてテーブルをお作りになりますか。これは擅用のロスの逓減であると言つておられる。この具体電な数字をあなた方は事業費から取つておられる筈です。取つておられた以上は、果して企業合理化のものか、或いはその外のものであるかということは、十分にチエツクされる筈だと思う。そういうことはされないで、電気事業の監督というものはあり得ないと思う。だから政策による收支バランスがどう出ようと、そういうことを私は今問題にしておるのではなくて、純粹に電気事業なり電気事業の從業員が一昨年以上企業合理化のために努力した労務をどの程度に評価されておるか。その実績を掴んでおれば別ですけれども、これは一番今までの電気事業の問題の頂点に何回となく上つた問題なんです。具体的にちやんとお掴みになつている筈です。それを申述べて頂きたい。そういうその場限りの答弁では私は了解しかねる。
#116
○政府委員(始関伊平君) 只今の栗山さんのあれに対しまして、後程調べました御答弁申上げます。
#117
○門屋盛一君 ちよつと中座しておつたのですけれども、ここへ入つたとたんに十一億という数字が出て、それを言つておるのはそれは通産当局が調べたのではなくして、中労委の数字である、中労委の数字をここで御説明なさるのが本筋か。あなたは今政府委員として來られておつて……。栗山さんの言われる通りですよ。今電気事業再編成という開闢以来の問題にぶつかつているところの資源庁長官が、現在の電力の実績が……これくらい明らかなことであつて、現在労働争議の起きておる問題で、ここで当然お調べになつていなければならんのに、今お調べになつておらんということは、職責上それで当り前だと思つておられますか。我々国会に遊びに出ておるのではない。政務次官どうお考えですか。(「大臣を呼んでくれ」「冗談半分じやない」「委員会を飜弄しているではないか」と呼ぶ者あり)
#118
○政府委員(宮幡靖君) 最初ここにお伺いしましたときに伺いましたのは、間違いがあるかも知れませんが、十一億ということは、十一億があつたらばどうだと、こういうお尋ねでありますが、それについてお答えしたところが、その十一億は私の方で認めた十一億であるという前提なら、栗山さんの御意見の通り我々の立場上よくないということになろうと思います。それで前の方と関連してないので、資源庁長が、それは中労委の案の十一億ということで初めて了解したわけでありまして、いろいろ重大な問題でありますので、委員各位の立場上或いはお気に触つた点もありましようけれども、そのようなわけで、国会を侮辱するとか何とかいう意味ではございませんので、この点お許しを願います。
#119
○門屋盛一君 中労委の数字を覚えて来られるくらいの資源庁長官が、資源庁自体の数字をお調べになつておらんということはないですよ、労働争議が起きておるのだから。停電ストがもう起きている。お調べになつておるのが本当ですか、お調べにおつておらんのが本当ですか。これはどうも当然当局として、監督官庁なんですから、唯一の……。外ではできないのだから。そんな心構えじやできないじやないか。
#120
○栗山良夫君 私は憤慨したわけでも何でもありませんけれども、一番重要な、今争議に際会しておる。政府の方の、片方の方は直ぐ取締れといつておられるし、片方の方は、江口さんがいわれたように、早く解決するような努力をされなければならんという、この解決の中心が経済の三原則の枠内で解決するかどうかの問題です。そうしてその解決の中心は、企業合理化で果して実績が挙つたか、挙らないかということが中心なんです。理論からいえば。そこのところの中心点をやつているのに、専門家の方の話がちつとも進まない。そんな答はない。それで特に私の申上げたいのは、企業合理化は、中山さんが十一億という金をどこから出されたか存じません。存じませんけけども、先程申上げたように、ロスを軽減したということは、統計表に現れておる。ちやんと出ている。私もこの間頂いたものを持つておる。それから御承知の通り今年の新卒業生を従業員に採用していない。今年の新卒業生を、電気事業のような公共事業が大巾に吸收しなければ、日本の失業問題というものは解決しない。青少年の将来から言つても非常に工合惡いと思つている。そういう電気事業ですら、新制中学から上まで全部ストツプという思い切つたことをやつている。こんなことは電気事業初まつて以来初めてです。私は昭和五年の一番不景気のどん底に電気事業に初めて入りましたけれども、あのときの電気事業の経営者だつて、やはり一定の人数だけは必ず採用している。そういつたような思い切つたことをやり、その他いろいろな合理化をやつておりますよ。その数字が主管官庁にちつとも到着していなければいいけれども、必ず到着している。今までの、何回となく事業者と政府との間の話合の状態を仄聞すると、殆んどそこが中心になつていると私共認めざるを得ない。ですから、そういうふうにして企業合理化で出おれば……、先程あなたが言われたように、これは政策的な收支計算書であつて、企業合理化には、直接枠の中に入らないということを確認しておるのだから、そうすると企業三原則による枠内での賃金ベース変更ができるかできないかという結論を出すときに非常に重要なことです。そこを私は申上げておるのです。私はもう一遍最後まで申上げて置きます。そうして而もこういう工合に私が理屈的に押して行つた言葉に対して、否定するならば否定されて、而も電産争議が中央労働委員会のああいう中立的な構成機関の指示したように決定しないというなら、これは正に吉田内閣の惡政であると言わなければならん。これは国鉄裁定の問題も同じことです。私はそこまではつきりと事態を明瞭にしたいから先程から申上げておるのです。そこのところを一つ明瞭にして貰いたい。
#121
○政府委員(宮幡靖君) その点はもう専門家の栗山さんのお話でありますから、最初から私のような素人でもよく分りましたが、これから企業努力をしてベース・アツプをするという問題なら、これは只今耳を藉さないけれども、企業努力があるからこうやるのだ、そうしてこういう結果が生れた、これに対しては拒むものではないのだということを中山さんにも申上げたということを申上げ掛つたところで、それはあとでと言つて止められたので、恐らくこれがお話の焦点であろうと思います。そういう意味に私共は取つております。
#122
○栗山良夫君 それは調停書が二十五年の一月から八千五百円の賃金ベースをやれるとこう書いてある。それで二十五年の三月までは本年度ですから、これについてはもう実績として、賃金ベースの変更に何故政府が応じられないのかということを経済三原則を元にして申上げておるのですが、それから今申上げた二十四年度の企業合理化なり企業努力の成果が現実に現れたとすれば……二十四年度一ケ年間で消滅したものなら私は申しません。而もその企業合理化は依然として続いておるわけです。二十五年度も恐らく続くでしよう。二十六年度も沢山な経営の刷新やなんかがあるでしよう。だからこそ二十五年度だつて賃金ベースの変更はできる。從つて二十五年一月から、中山委員長の調停通りに賃金ベースの変更はできるものである。こういう確信を持つておるわけです。それだからそれを申上げておるのです。
#123
○政府委員(宮幡靖君) よく分りました。それで中山委員長から御相談のありましたのは、昨日のお話では、二十四年度は一月からこの方は、これはすでに経過しておるのであるから、経過しておることは実質的の給與でやるだけであつて、二十五年度は企業努力によつてベース・アップができる見込があるから、この点に対する政府の考え方はどうであるかという質問であつたのです。それでありますから、企業努力の結実としてその結果が現れて、ベース・アップをするということには拒む理由はないだろう、三原則から言つてもこれはいいだろう、そういう方針で賄いたい、こういうことを申上げたので、はつきりしております。中山さんの申上げたのは……、それで一月から三月までの問題は既往の問題ですから、実質において調停案の線を実施すればそれで一応妥結の見込みがあると考える、こういう前提要件の下に相談を受けたのでありますので、その点御了承願いたい。結局精神といたしましては、企業努力の結実によつて現れたもので、而も配当もしようという段階におきましては、労働者の賃金を抑える必要はないと考えておりますので、その時期等は、中山さんにおきまして、実質は一月になる、実際は二十五年度になる、こういう説明をこまごま承りまして、その御説明については一々御尤もな理論がある、併し方針としましては結果によつて考えるべきことであつて、これから合理化するという、これから出るからそうしようということについては一応賛成はできない。こういう意味に私申したのであります。
#124
○門屋盛一君 政務次官の言われるのは分るんだけれども、調停委員会の方で数字を出したのに対して、監督官庁であるところの資源庁は、この調停委員会の数字が是か否かくらいの判断のつかないようなお調べをやつているんですか。それをはつきりして下さい。
#125
○政府委員(始関伊平君) 二十四年度下期の実績において、予定外の收入があつたことは非常にはつきりしておねのでありますが、これが企業努力の結果による分と、自然現象の結果による分とあるわけでありまして、その企業努力による分が幾らかということは取調べまして後刻お答え申上げたいと思うのでありますが、ただ今日まで電力料金の中に見込まれました賃金ベースよりも実際問題少し高いベースに入つておりますので、今日までの企業努力による改善が今後の賃上げにすべて充当するものであるかどうかということについては若干問題があるというふうに考えております。
#126
○栗山良夫君 それは今実際に含んでおる賃金ベースよりも実際に拂つておる価格の方が高いと言われましたね。その問題について申上げますけれども、今言つたように成程二十四年度第一・四半期は相当ないろいろなことで黒字になつたことも私は認めるのですけれども、第一・四半期、第二・四半期、第三・四半期、このときにも企業努力は続いておるわけです。そうして而も赤字であつた。何故赤字であつたかという原因をあなたは考えてみたか。これは若し政府が言われる通りに赤字であつたとすれば、これは政策的な電力事業に対するいろいろな施策が誤つたからこういうことになる。そう言わざるを得ない。現実に先程あなたは認められた。この二十五年度の收支計算書で言われたそれと同じことなんです。問題は、例えば私調べたのですけれども、賃金水準の面を考えても、今これは二十四年の十一月分の賃金統計ですけれども、電産の七千百円に対して、全国のこれは産業平均がどれだけになつておるか。九千百三十円。それから全工業平均が八千七百三十六円。それから金属は一万一千二百三十一円。化学は九千七百九十八円。それから商業、これは銀行が入つておるわけですが、商業は一番高くて一万二千十五円。交通が一万二十七円、鉱山が九千二百四十六円。こういう工合に普通の工業、賃金統計によるあらゆる産業の中で電気事業というものは、私が記憶するところでは一番下から二番目です。下の方から二番目ですよ。そういうような状態に現在なつておる。これを改善しようと思つて中山委員長は一生懸命にやつておると私は考える。それに対して今あなたが言われたような言葉は、それは事実を表現されたかも知らんけれども、電気事業の振興を一生懸命助成しておられる監督官庁の長官としては少し言葉が足りないと思う。表現の方法が少し穏当でないと思う。こういう事実をお考えになつておるかどうか。それから特に電気ガスは一万一千七百十二円ですよ。電気ガスは一万一千七百十二円だけれども、これは電産の中の七千百円と、ガス事業の非常に高い賃金を算術的に平均しただけなんです。算術的に平均してこういうことになるのですから、ガス事業が非常に高くて、電気事業が低い。それを合計して一万一千七百十二円だから、電気ガス事業は非常に高いように思われるけれども決してそうではない。そういう点をよくお知りになつておるかどうか、そこのところを私は伺いたい。
#127
○政府委員(始関伊平君) 只今栗山さんのお示しになりました他の産業との比較の問題は、大体承知いたしております。ただこの問題につきまして非常に我々の苦慮いたしております点は、その今後における企業努力によつて経費が浮んで来るという点がはつきりいたしておればよいのですが、その点がはつきりいたしませんと、結局現実の問題といたしましては、先程安本や物価庁から御説明申上げました標準料金の中に織り込む石炭代ですね。これが現実の問題として相当減らざるを得ない。七千二百円から八千五百円のベース・アツプといたしまして、年間二十五億乃至三十億ぐらいになるようでございますが、これが石炭に換算いたしますと八十万トン内外というようなことになる。若しそうでなければ、先程も申しましたように現実に今後改善されればよいのでありますが、そうでなければそれに見合う赤字が実はこの第一・四半期のあれによつて折角消しました赤字が大きく出て来る。現実にはそういう点に悩みがあるのであります。
#128
○栗山良夫君 どうも問題の焦点が明らかになつていないのだ。電気事業が赤字になろうが黒字になろうが、そんなことは私は問題にしていないのです。電気事業が幾ら赤字になつたつて潰れはしません。決して潰れはせんと思う。ただ問題はそういう赤字になつたり黒字になつたりすることが、普通の一般企業と違つて非常に大きな政府の経済政策、大きな、何と言いますか、うねりの中で行われている。それだから事業者がどうしようと誰がどうしようと何とも処置ないことになつて来るのですよ。そういう場合だから、少くともそういう事業における従業員の労働の再生産力を確保するためには、今申上げたような経済の三原則で企業努力だけはできないということになれば、これだけを常に監視されて、そうしてそれだけの形においての労働の再生産力の維持ということが、政府の積極的にやらなければならない義務である、こういう仕事をやつておられる以上。それは私は石炭にしても……石炭は違いますが、肥料工場にしても皆そうだろうと思う国家統制を非常に強くやつている仕事においては。にも拘わらず今一番労働の再生産力を確保し得るかし得ないかという重要な問題について、調べて見なければ分らんというようなことでは、あなたはよくこの数字は知つておるとおつしやるけれども、私はちつとも本心からお分りになつておるとは考えられない。ということは、行政の面でそういうものを強く打出して、そうして労働相なり或いは官房長官なり或いは首相にまでも進言して、こういうようなことをやろうというような御熱意がはつきりとは考えられない。特に私共聞くところによると、政府は今後の賃金ベースにおいては非常に大きな、そういうことをしないようないろいろな施策を講じられておるということを聞いておる。そういうことが事実であるとすれば、私は大変なことだと思う。だからその点は、今日は大臣が見えないので誠に残念なんだけれども、政務次官から篤と一つお伝えを願つて置いて、若しうまく行かなければ私はまだ何回でも来て頂いてやります。私はそういう信念を持ち自信を持つておるので、どこまでも御議論をいたします。そうしてこういう問題が、電産の争議が年中行事のように起きているけれども、こんなことを一日も早く止めて貰いたい。よい気持で労働に従事し得るように政府が積極的に僕はやるべきだと思う。
 それから今の企業努力の問題は甚だ了解しかねるが、数字的な説明は緊急的に頂きたいと思う。
#129
○政府委員(宮幡靖君) これは御希望のお話でございます。こちらからお言葉を返すようになつては恐縮だと思いますが、実は昨日中山委員長とお会いしまして、勿論大臣の立会でやりましたのですが、御承知のように兼任の関係がありまして、今言つた通り従来の企業努力の概数、或いはその状況等も或いは知らないかも知れないということで、主としてお話合をいたしまして、そのあとに分れましてから労働大臣とも別個に懇談をいたしまして、御指摘の官房長官にも大体の経緯を、どういう結論になるべきかということについて意見を率直に申上げ、必要がありますならば、私は一政務官でありますけれども、総理にも会いまして、よく心からこの実情を訴えたいと思うのでありますが、ただ許される枠内において最大の努力をいたしましてお報いするという所存であります。結論といたしましては、先程から申上げましたように、企業努力をこのくらいしたらこうなるだろうというふうに、これは或る意味におきまして結論がベース・アップになつても私は止むを得ないものである、こういう信念の下におきまして、もつとこれを立場を変えて申せば、もう少し迎合的なお言葉で言えるのかも知れませんが、現在政府の立場としてはそういう止むを得ないというような言葉を使うよりしかたがない。その点について無関心であり、現在賃金ベースの予算上にあまいところがあるというようなことは常々心得ておりまして、施策にあまいところがありましても、一生懸命でやつて行きたい。かような考を持つておるということを御了承願いたいと思います。尚今後本問題その他につきましては御叱正を頂きまして、一つでも間違いを正して参りたいとかように考えておる次第でありますから、何分よろしくお願いいたします。
#130
○栗山良夫君 私は政務次官に分つておいて頂きたいのですが、企業努力というものは、その期なり、その年度でぽんぽんと独立して生産されて行くものではなくて、これはずつと一遍やり直せば積算されて累積されて行くものだから、そこのところを一つ明確にお分りになつて頂きたいのですが、今のお話では何回聽いても同じようなことをおつしやるけれども、そういうような企業努力ということをお考えになることは通産政務次官として甚だ遺憾だと思います。そういうものではないと私は思います。
#131
○政府委員(宮幡靖君) お答え申上げます。これは栗山委員と企業努力の定義について議論をしても始まらんのでありますが、若しすべての状況が自己の企業だけの中で判断いたし、勘案いたしました施策が、そのまま行われ、他のあらゆる会社情勢その他のあらゆるものに支配されないとすればお説の通りだということは私はよく分るのであります。併しながらいろいろな関係で、それが今までやつて来た一つの監督官庁の監理とか圧迫というようなことになるのかも知れませんが、とにかくその企業が独自に考えた以外の條件、それが好條件であればプラスになり、惡條件であればマイナスということになりますので、これは議論するのじやありませんけれども、企業努力それ自体の解釈については、決して根本的に栗山委員の考えておりますことと違つておるとは私は考えておりません。むしろこういう所でお話をするのが話しにくいと考えておるのであります。
#132
○門屋盛一君 私はこれは政務次官にも資源庁長官にも、よく分つておると思うが、分つて置いて頂きたい。分つておると思うのですが、お分りになつていないかも知れないと思うのでありますが、今企業努力の問題が出ておるのでありますが、今政務次官はその企業だけでなしに、社会全般ということを言われたのでお分りになつておるかとも思い、又お分りになつていないかとも思われるのでありますが、何故かといいますと、終戰以来日本のあらゆる産業にいろいろと無理がいつておるけれども、何に一番皺寄せしているかといえば、これは電気に一番皺寄せしていると思う。この点どういうお考を持つておるか。それから今問題になつておる電産争議のことを取上げましても、その皺寄せされた電気が犠牲になつておつたのは、外の物価が非常な暴騰をし、公共性の強い鉄道運賃を郵便料金までもずつと値上げをした。その率と電気、ガスの値上げの率と比較いたして見ましても、電気料金というものは非常に低位に置かれておると考える。それで電気料金の値上りを迫る度ごとに、この参議院の委員会でもたびたび問題になつたのでありますが、常にその適正な料金値上げができずに今日に至り、その料金値上げのできない結果、従業員の待遇というものもよくできない。料金の値上げができないために赤字経営になる。赤字経営であるから従業員の待遇はよくできないということが繰返されて来て、逐にドツジ・ライン、三原則と窮地に追込まれてしまつた。この後で料金改訂があつたわけです。この料金改訂の問題でもお取上げになる場合に、通産省にしても、又物価庁にしても、この電気料にすべての産業が皺寄せされておるというお考でなしに、一気にこれを野放しに地域差料金に持つて行こう。今まで皺寄せされてお持たものが一気にそれを千切つてしまつたら、皮の足らんところが沢山にできて、もうどてつ腹を出してしまうようなことになるのであります。それくらいに現内閣は電気事業というものに対しては御認識がないのではないか。宮幡政務次官は閣内でも非常に熱心にやつて頂いておるから、これはお分りになつておるのだろうと思うが、そういう点がお分りになりにくいのではないか。それで皺寄せされておる電気の中で、その犠牲には何がなつて来たかというと、電産従業員がなつて来ておる。赤字だから上げられない、赤字だから上げられないということで、過去二ヶ年間というもの、ずつと遅れ遅れになつて来ておる。今私は企業努力とか何とかいうものは、企業そのものが、従業員が幾ら努力しても経営方針が惡いときには、これは利益として現れて来ない。それから今度は経営者側からいうと、経営意欲というものが今の組織では痺れ薬に掛つたような調子である。日発総裁、九つの配電会社の社長というものは、どうして経営をうまくやろうかということは今まで考えていなかつた。近頃は多少考えておるが……。そんなのの犠牲には皆従業員がなつて来ておる。そういうことをやはり考えて行かなければならん。それで私は今資源庁長官を色をなして怒つたのだが、そういうことは行政府としてはありのままの記録を残して置いて貰わなければならん。政府委員としての御答弁はありのままの御答弁でよいと思う。何が政治的な意図を加えて、こう言わないと今の内閣が困るとか、こう言つたら内閣が困るだろうというようなことを考え考え答弁しようとするから御答弁が間違つて来るのだと思う。恐らく電力局長が現存しておる限り、日発、配電会社を通じてどのくらいの企業努力が行われておるかということは相当はつきりしておる。計画も、量もはつきりしておるわけだ。どうか、従つてこれから御答弁下さる折にも、又資料を出して貰います折にも、政治的の意味を含まずに、ありのままで出して頂く。殊に再編整備という大きな開關以来の問題をこれからやつて行かなければならないのだから、その資料それ自体に政治的の意味が含んでおつたら、とんでもない間違いだ。数字を見るときに非常に見にくくなる。こういうことを率直に今お願いして頂く。殊に電産争議というような非常に危機に来ておる。先程政務次官が見えて、まだ暇がないからやらないと言うが、すでに危機一発というような、そういう場合に、その事業を直接監督されておるところの役所で、それらの基本数字が調べてないということは……どうもお忙しいでしよう、徹夜して、政策がぐるぐると変る、変るたびにその資料を揃えて置かなければならないから、お忙しいのは分るが、基本資料として動かんものはあるだろう。余り日にちの経たん中にどれだけの企業努力かということはずつと現われておる筈だから、仲裁委、調停委員会で出された資料を反駁するくらいに官庁の方には正確な資料がなくてはならんと思う。私の考え方が間違つておつたら、御指摘願つてもよいが、一つその通りお願いいたします。
#133
○委員長(飯田精太郎君) 大分時間も延びましたので、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。次回田来週の月曜日午後一時から地域別、業種別の電力の割当、それから電力需給調整規則改正案について御質疑を願いたいと思いますから、御出席を願います。
 それではこれで散会いたします。
   午後五時十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     飯田精太郎君
   理事
           石坂 豊一君
           門屋 盛一君
           赤木 正雄君
           板野 勝次君
           水橋 藤作君
   委員
           栗山 良夫君
           島   清君
           吉田 法晴君
           北村 一男君
           小林米三郎君
           中川 以良君
           岩木 哲夫君
           鎌田 逸郎君
           田村 文吉君
           村上 義一君
           佐々木良作君
  委員外議員
           兼岩 傳一君
  国務大臣
   法 務 総 裁 殖田 俊吉君
   国 務 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   資源庁長官   始関 伊平君
   経済安定事務官
   (動力局長)  増岡 尚士君
   経済安定事務官
   (動力局次長) 中川 哲郎君
   経済安定事務官
   (物価庁第三部
   長)      川上 為治君
  説明員
   経済安定事務官
   (物価庁第三部
   勤務)     藤田  勇君
ソース: 国立国会図書館
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