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1947/10/01 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第8号
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1947/10/01 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第8号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第8号
  付託事件
○地方分権の確立に関する陳情(第二
 十三号)
○経済緊急対策中、料理飮食店の措置
 に関する陳情(第二十九号)
○料理飮食店の措置に関する陳情(第
 三十五号)
○料理飮食店の休業に伴う藝妓営業に
 対する措置に関する陳情(第三十七
 号)
○地方自治連盟の即時解散に関する陳
 情(第三十九号)
○地方分権の確立に関する陳情(第五
 十四号)
○特別市制実現に関する陳情(第百十
 三号)
○地方公共團体職員の給與に関する陳
 情(第百二十二号)
○地方公共團体職員の暫定加給國庫補
 助その他に関する陳情(第百三十五
 号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百三十七号)
○特別市制実現に関する陳情(第百五
 十四号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百五十七号)
○道路交通取締法案(内閣送付)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百六十五号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百八十号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百八十六号)
○特別市制実現に関する陳情(第百八
 十九号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百九十四号)
○特別市制実現に関する陳情(第百九
 十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百十七号)
○兵庫縣武庫郡の取扱いを都市同樣と
 することに関する請願(第百二十八
 号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 二十五号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百二十九号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百三十号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 四十号)
○地方公共團体職員の給與に関する陳
 情(第二百四十二号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百四十六号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 五十号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百五十三号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百五十七号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 五十八号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 五十九号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 七十二号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百七十七号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百七十八号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 七十九号)
○特別市制施行反対その他に関する陳
 情(第二百八十一号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百八十六号)
○地方官公廳職員待遇改善費國庫補助
 に関する陳情(第二百九十号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 九十三号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 九十七号)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○地方自治法の一部を改正することに
 関する陳情(第三百八号)
○特別市制実現に関する陳情(第三百
 十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 三百四十一号)
○靜岡刑務所囚人逃走事件実地調査班
 の報告
  ―――――――――――――
  委員の異動
九月三十日委員佐佐弘雄君辞任につ
き、その補欠として岡元義人君を議長
において選定した。
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月一日(水曜日)
   午前十時二十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方分権の確立に関する陳情(第二
 十三号)(第五十四号)
○靜岡刑務所囚人逃走事件実地調査班
 の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉川末次郎君) ではこれから治安及び地方制度常任委員会を開会することにいたします。先ず最初に新しく鹿兒島縣から御当選になりまして本日初めて本委員会に御出席になりました参議院議員の岡元義人さんを御紹介申上げます。
#3
○岡元義人君 どうぞよろしくお願いします。
#4
○委員長(吉川末次郎君) 次に本日の議題になつております。陳情第二十三号及び第五十四号の地方分権の確立に関する陳情につきまして、先般内務省の当局からこれに関する意見の開陳を求めましたところ、その中で專らこの問題は行政調査部において中心となつて、この問題の件を取纏めていられるというような意見の開陳がありましたので、本日特に行政調査部から前田部長のお出を願つて、更に政府の説明を承わることにいたしたいと思います。
#5
○政府委員(前田克己君) 中央官廳の地方出先機関の問題でありまするが、現在細かいものまですつかり数え上げますと、約三万に上つております。ところがこの中には実際問題として地方分権という見地から、そう問題にする必要のないものも多数あるのでございます。今回の地方自治法の改正案で、地方行政機関を作るには國会の承認を経なければならんということが規定されまして、その場合に例外となつておるのは相当あります。これはすでに御承知と思いますが、司法行政及び懲戒機関、鉄道の現業官署、電信電話及び郵便官署、文教施設、國立の病院及び療養施設、航行施設、氣象官署、公安建設機関、営林署並びに專ら國費を以て行う工事の施行機関、これらは別に國会の承認を経ないでよろしい。こういうことになつておるのであります。で、この数が相当に上りまして、約一万五千、その半分少し多くなるのであります。これはこの中で郵便の特定郵便局というのが約一万三千ぐらいあります。この外今読み上げましたものを除きますると、大体半数は出先機関ではありまするけれども、そう特に地方分権という立場から問題にする必要はないということになるのでありまして、結局後、問題の対象になりまするのは一万四千三百ばかりになるのであります。これについて現在の地方團体が完全に地方團体になつた、その立場から眺めまして、整理の余地がないかどうか。これが一つの研究題目になるわけであります。それで地方の出先機関の整理という問題もいろいろの見地からこれを眺め得るのでありまして、只今の最も大きな問題としては地方團体との権限の分配、そういう意味から問題になりますが、更に廣く國費の節約という見地からも問題になり得る。こう思うのであります。それから中には権限が非常に交錯をしておる、一般の人に非常に分りにくくて迷惑する。そういう立場からも問題にし得るものがなしといたさないのであります。併し現在政府といたしまして特に取り上げて研究をいたしておりますのは、最近の輿論の趨勢、或いは府縣側の要望、或いは議会よりの要望に應えまして、地方自治の総合性を、著しく牴触するようなものは、これは整理しなければならん。こういう見地から研究をいたしておるのであります。で從つてこういう立場からも問題を取上げますると、出先機関でもその管轄区域が府縣より廣く、特にブロツク別に設けられておる機関が相当あるのでありまして、これらは直接には府縣に対してそう邪魔になるものでありません。一應これは今囘の研究からは二次的にいたしておるのであります。特にこの廣域出先機関の整理の問題は、これを突き詰めて行きますると、現在の地方團体の、つまり府縣の区域が現在のままで宜いかどうかという問題に突き当るのでありまして、これは相当研究を要する問題でありますが、非常に大問題でありまして、ちよつと短時日には解決できない問題と思うのであります。これらの問題と合せまして、今少しく後日の問題にいたしております。
 それから第二に出先機関の中に、相当臨時的の性質のものがあるのであります。これは特に復員関係のものでありまして、復員廳の関係が相当ございます。例えば復員連絡局、地方復員局、掃海、管船部、こういつたものがあります。それから尚、復員に関連いたしまして、地方引掃援護局、こういうものもあります。で、これらのものはその性質上、ここ一、二年で大体その任務が終るものでありまするし、又設立されておる場所も非常に片寄つた場所にありますという関係上、こういうものまで手をつけますと却てごたごたして、ごたごたしておる中に、その存在の期限が來てしまうというようなことで、これも先ず除けて考えて宜いのではないか。こう考えておるのであります。そういうふうにいたしまして、段段問題を狭くつづめて参りまして、後どういうものが整理の対象として爼上に上つて來るかというわけでありまするが、その大部分はここ半年乃至一年ぐらいの間にできたものが問題になるのでありまして、結局これは府縣が完全に自治團体になりまして、府縣に対する委任行政では、中央の行政が思うように行い得ないという見地からできたものが非常に多数であります。又同時に、それが府縣側から申しますると総合行政を害なうという見地から問題になるのであります。その二、三の例を申上げますると、臨時物資需給調整法に基く指定生産資材割当規則による割当事務を行う官廳が地方に沢山あるのであります。これは戰災復興院の建築事務所、内務省の國土局の地方駐在官、文部省の地方駐在官、農林省の資材調整事務所、地方商工局の出張所、運輸省の自動車事務所、この六つは只今申上げました指定生産資材割当規則による割当事務を行う官署でありまして、その設立の地域も総て府縣と同じういたしまして、從つて全部で数が四十六ずつあります。この点が、生産資材の割当ということは、それぞれの府縣において、その地方の実情に即して行うべきであるというので、府縣側からは最も苦情のある点であります。併し又中央の各省の立場から申しますと今日となつてはこういうことを府縣に委てせ置いては、非常に地方的な利害に囚われて生産資材の割当が行われ、全國的の統一を害する。どうしてもこれは國の直接の出先機関を以て行わなければ工合が惡いというのでありますこれが先ず大きな問題になるものだと思います。それから終戰連絡事務局の地方事務局、その出張所であります。終連は中央でも先に問題になつておりますし、地方ではこれは府縣に渉外課というものがありまして、この関係で屡屡ごたごたを生じておるのであります。ただこれは臨時的の機関と見れば見れないこともありませんが、併し終戰連絡事務局の如きは、今後相当長い期間続くものだということも考えられるのでありまして、これもこの管轄区域が府縣と同じというようなもの、而もその所在地が特に渉外の相手となります向うの軍司令部、そういう大きな相手方のないものについては、できるだけ都道府縣に委讓した方がいいじやないか。こういう議論があるのでありますそれから屡屡問題になりまするのに、農林省に存在いたします一連の地方機関でありまして、即ち木炭事務所、食糧事務所、作物報告事務所のこの三つが屡屡問題になるのであります。これにつきましてもその可否の議論はいずれも両樣であります。それから建前といたしましては、この木炭事務所、食糧事務所について申しますれば、これは農林省が全國的な需給の調節をやるために存在しておる機関でありまして、各府縣にあるのは、その自分の管轄内の、その府縣内における需給の均衡に当るのでありまして、やる仕事は違つてはおるのでありますけれども、しかし各府縣に存在しておりまする食糧事務所というのは、結局その府縣で供出せられました食糧或いは木炭というものを買入れまして、これを中央の計画に從いまして他に輸送する。一部はその府縣の消費に当てるというようなことをやつておるのでありまして、実際問題といたしましては、府縣はこの両事務所と相当緊密な連絡をとつて仕事をいたしております。又それだけその間に摩擦のできる場合もあります。これを府縣に統合した方がいいか惡いかということは相当両樣の議論がありましてむずかしい問題であると思うのであります。それから作物報告事務所と申しまするのは、極く最近できましたものでありまして、作物の收穫の状況を國みずからの力によつて取調べるというのであります。各府縣に事務所がありまして、更にその出張所が全國に約二千あつて作況の報告をいたしておるのであります。これも最近の情勢を見ますると、府縣の報告にばかり頼つておつては收穫高の実況というものがなかなか正確に掴みにくいということも事実であります。併しながら又この作物報告事務所というようなものから別の報告が行きまして、それから出る供出が府縣から言わせますれば、天降り的に自分のところへ割当てになる。それは府縣の行政の責任者としては、もう承知できないものであるというのも御尤もな話であります。又現在の作物報告事務所というのは、設置して以來日も尚浅く、十分な力を持つておらないという点からも非難があるのであります。これらは最近の農林省の供出割当の会議の模樣等から考えまして、非常に可否を決するのに迷う問題でございます。それから問題になつておりまするものだけを申上げますると、次は最近できました労働省の出先機関が問題になるのでありまして、労働基準法の施行のために、地方労働局というのがブロツク別にできます。尤もこれは現在全然設置されておりません。ただ法律上規定があるだけであります。その下に各府縣に地方労働基準局というのが、これは現在設置されております。これが府縣の労働部というものと全然別の系統で仕事をいたしております。尚この労働基準局の外に公共職業安定所というもの、これは公共労働安定所といわれておる箇所もありまするが、これがやはり全國で五百ばかりあります。これも國の機関として存在をしておるのであります。労働省の出先機関は、一方において縣に労働部というのがありまして、労働組合法や労働関係調整法の実施の仕事を扱つておりまする関係上、出先機関が二つに分れておるという関係から問題になりまして、何らかこれは整理の必要があるのではないかと思われるものでありますこの外にも出先機関というのは、先程申上げましたように沢山ございまするが先ず府縣の自治問題との関連におきまして直ぐ問題になつて参りまするのは以上のようなものであると思うのであります。私共の方でも、こういうものを捉えましてつぶさに個々的にその性質を究め、又関係省とも打合せをいたしまして、できるだけ整理し得るものは整理をしたい。かように考えておるのであります。ただこの問題につきまして御留意を願いたいと思いまするのはこういうものを整理いたしましても、その事務は残るのであります。從つて結局その事務は府縣に持つて行くということになるのであります。その場合に財政的の問題がありまして、こういう國の委任行政を府縣にやりましても、府縣としては財政的には甚だ迷惑な場合が少くないのでありまして、やはり國といたしましては財政的に相当これが補助金の形になりまするか。分與税、分與金の形になりまするかは別といたしまして、その負担を囘避するわけにはいかんのであります。從つて國費の節約という見地からは、この地方出先機関の整理というのは、あまり多くの期待は置けないということが言えるのであります。
 それから少しく行き過ぎな問題になりまするが、府縣にこういう行政を委讓いたしました場合にも、純然たる國の事務でありまするから、これを府縣の吏員としての公吏にその仕事をやらせる。或いはそれに当る仕事はやはり國の官吏たる身分を有する者にこれを扱わせる。こういう問題があるのであります。これは今の財政負担の問題とも関連をするのでありまするが、中央機関から申しますと、以前のように府縣の人事権というものを握つておりませんから、成績の上らない者、或いは中央の指示に從わない者を轉任したり又首をきるというようなことも自由に行えない現状では、その仕事の性質にも鑑みまして、一部分は官吏たる身分を有する者に扱わせる。但しこれは府縣知事の指揮の下に府縣廳に勤務する者、かような形をとる場合も相当あり得る。こう考えております。大体私共の方で今研究しておりまする樣子を申上げますと、以上の通りであります。
#6
○委員長(吉川末次郎君) 御質問がありましたら…。御質問はありませんか。
#7
○阿竹齋次郎君 只今政府の御説明なさるように、できるだけ出先機関を整理したいと、こういうのでありますから、それ以上私共は聽かなくてもいいのですが、いろいろ詳しい御説明を聽きまして、私はこう思うておるのであります。その制度よりも人間の問題が大いにあると思つておるのであります。
#8
○委員長(吉川末次郎君) 外に御質問ありませんか。
#9
○岡本愛祐君 國家事務と、その外の地方の自治團体の事務との線の引き方はどういうところで引いていらつしやるか。又それがはつきり引けますか。
#10
○政府委員(前田克己君) それは実は学問的な、非常にむずかしい問題であります。府縣自治團体の、元を申しますれば総て國家事務でありますが、これを如何に分配するかということになるのであります。そのはつきりした線は引いて引けないことはないと思います。ただこれにつきましては、学問的に研究いたしましても、いろいろな議論がございまして、幾通りの結論も出て來るので、結局その意味において、非常にむずかしいということになるのでありまして、只今のところ、まだそういう理論的な研究は私共の方でも不十分であります。併しこの問題が結局根本的にしつかりした理論的な立場から研究いたしませんと、その場限りの議論になります。今実は都内でそういうことも研究いたしておるのでありまするが、具体的の問題の方が非常にやかましくなつたために、こういうふうな個々の機関をとり上げて問題にするその方が、先走りいたしましたような状況であります。今少しく時日をお仮し下されば、一應理論的にももう少しはつきりしたことを御説明し得るのではないかと思つております。
#11
○岡本愛祐君 尚伺いますが、私共は実はこの問題は先ず第一にこれは國家事務である。これは地方公共團体の事務である。こういうふうに分けると、一應公共團体の事務と思われるものを中央官廳の出先機関がやつておるものがあれば、それは地方自治團体の方に移した方がいいではないか。それからもう一つ國家事務であつても、地方自治團体に委讓し得るものはどれだけであるか、ということの研究をして、そうして委讓し得るものは速かに委讓する。こういうふうに理論的に解決しないと、なかなかこの問題はむずかしいと思うのであります。そこで前者の地方自治團体の事務に属するものであると認められておるもので、今出先官廳がやつておるものがありますか。それを伺いたい。
 それから委讓でき得ると思われるものが、今段々御説明がありましたけれども、その中で数から言つてどのくらいのお見込みか。それも一つお尋ねいたします。
#12
○政府委員(前田克己君) 本來地方團体の事務でありまするが、國がこれをやつておるというものは、現在のところないと思います。只今私が申上げましたような問題になりまするものも総てこれは法令に根拠がありまして、國がこれを行うのであるという建前が明らかになつておるものばかりでありまして、この点は現在のところないと思います。
 それから先程申上げましたように、大体特別な性質のものを除きますると一万四千三百くらいあるのでありまするが、それで只今申述べましたような機関を仮に全部整理いたしたといたしますると、約一万くらいの数が整理されると思います。
#13
○柏木庫治君 官吏の出先の仕事を、官吏の身分にして、そのまま縣知事の指図を受けておる。こういたしますと縣知事の方でも、それから官吏の方でも、そこになにか割切れないものができるのではないか。それを是非官吏の身分でなくてはうまく行かないというはつきりした根拠はどうお考になつておるのか。ここをスムースに行かれるような機構になさらないと、先に言つた氣まずいものが両方に残りはせんかと思うのであります。この点についてのお考を承りたいと思います。
#14
○政府委員(前田克己君) 御尤もな仰せでありまして、行政を委任いたしまする以上、すべて各府縣の純粹な吏員にこれを扱わせるというのが本筋であると思います。その場合でもおのおの法令の定めによりまして、中央機関は府縣廳を監督し得るのでありますからこれでいけば一番いいと考えております。ただ何分にも新しい地方自治が辷り出した最初でありますもので、それだけではうまく動かない部面があるものでありまするから、関係者といたしましては、先程私が申上げましたようないろいろの要望があるのであります根本的には成るべく官吏でなく、公吏たる府縣吏員にやらせるのがいい。監督の方法も別になりまするし、又極端なる場合には、知事の彈劾というような方法によつて追求する途もありまするから、成るべくそういう方向に持つて行きたいという点は全く御同感でございます。
#15
○羽生三七君 先程の政府委員の御説明は大要分りましたが、そこで私の考えることは先程政府委員のお話の中に仮に中央の出先官廳を整理して見ても國費の点については大して節約にならないというお話でありましたが、それはその通りでしようけれども、私はその点はあまりこの場合に問題にしなくてもいいのじやないかと思うのであります。むしろ府縣の行政の統一の面で非常に障害があるという点を私たちは考えて、この問題を重要視しておるわけでありますが、例えて申しますというと、先程お話になつたこの労働省関係の出先機関等が必要であるかどうかということは、私は非常に疑問があります。尚各省の資材調整事務も、私は大して國が地方まで出張つてやる程の意味がないと思うのであります。その理由は、府縣全体に対する割当という一定の基準があるならば、その府縣内における調整は当該府縣知事みずからの責任においてやるべきことでありまして、末端までそんな指図をする必要はないと思います。又同時に末端まで中央が指図できない理由もあるのであります。それは例えば食糧関係におきましては、末端等に行き渡るまでの機関を大体持つておるようでありますがそうでないその他の機関におきましては、大体縣廳の所在地だけでありまして、そうするというと地方事務所の所在地等における取扱い、或いは直接その消費関係者となる当該出張所との関係者との間の調節というものがうまくとれない。第一その末端の実際の実情が殆ど分らないのであります。又若しその末端の実情の分るまで、悉く下までその出張所を延長されて行つたならば、これは到底國費がこれに堪えられないし、さような繁雑なことは更に我我としては困るわけであります。こういうように考えて見まするというと、特殊な調査で、府縣あたりの調査に委して置いては、國全体の実情を正確に把握することができないというような性質のものにおいては別であるし、或いは先程お話をされましたような、すでに鉄道とか、或いは通信等の既定のもの、或いは又臨時的なもの、こういうものは除きまして、先程私が申上げた各省の資材調整関係とか、労働省の出先関係並びに戰災復興院の出張所関係、こういうようなものについては、私は嚴重にその性格が檢討されていいのじやないかと思うのであります。從つて私は國費の点はまず第二の問題といたしまして、第一には当然これらの行政が、地方の自治的な新しい性格を持つた地方自治制に適合するや否やという見地から改めて十分なる御檢討を要望したいと思います。
#16
○阿竹齋次郎君 同じようなことを二度申して済まんのですけれども、いよいよその整理にかかられるという政府に対しまして信頼をいたします。そうしてその結果を実は見せて貰うことにいたしたいと思いますが、そこでその出先機関の人物の身分です。この官吏と言われましたが官吏というばかりではまずいので、地方廳を監督でき得るという人格がなければならない。全部とは言いませんけれども、政府出先官吏の人たちが、その力量のないことを笑われておる実例があります。私は名を申上げてもいいのでありますが、笑われない尊敬せられる人物を派遣して貰いたいと思います。
#17
○政府委員(前田克己君) 地方出先官廳の整理の問題は、大体議会方面ではできるだけ整理した方がいいという御要望が強いのであります。それから私共も政府の方針に從いまして、整理し得るものは整理しようということで、先程のような考で仕事をいたしておるのであります。ところが今までこれを各関係省に当りましたところでは、全部廃止に反対であります。ところがその廃止に反対の理由にも、又各省の口から聽きますと、相当の理由があるのであります。甚だ差し出がましいことでありまするが、若しお暇がありましたならば、この委員会におかれましても問題になつておりまするような、出先機関を持つ各省の当事者をお呼び下さつて、その云い分も一應聽いてやつて頂ければ大変仕合せだと思います。その上で又御判断を願えれば非常によいのではないか。かように考えておる次第であります。
#18
○委員長(吉川末次郎君) 只今行政調査部の前田政府委員からも意見の開陳がありましたが、この問題は御承知のごとく、先般來本委員会におきましてその筋からの申入れもありまして、極めて大きく重大なる問題として取上げて、実地調査もこの間東京都に就いて行いましたし、又それぞれ委員の方が各地方の府縣へお出でを願つて、更に周到なる実地調査をすることにもなつておるわけであります。それが本日はたまたま宮城縣知事の千葉三郎君外五名並びにその他の当路者から陳情がありましたことに関連いたしまして、御審議を願つたわけでありますが、本委員会としましては後日恐らく、この國会に内務省から提案されるだろうかとも思つております自治法の改正の問題等に関連して、特に皆さんの御審議を願つておるわけなんでありまして、この陳情書をどういう形において我々が採択するかということは、自治法の改正等と関連いたしまして、今日我々の態度を決定することはまだ早いのじやないかと思つておりますので、この陳情書の取扱につきましては、この程度で審議を止めまして、次の議題に移りたいと思つておりますが、よろしうございますか。
#19
○委員長(吉川末次郎君) それではそのように取計らいます。次には先般靜岡刑務所の逃亡者の問題に関連いたしまして、治安上重大な問題として、特に出張して実地調査をして頂きました委員の方々から、実地調査の結果についての御報告を伺いたいと思います。岡本委員。
#20
○岡本愛祐君 議長から指名を受けまして、司法委員三名、治安及び地方制度委員三名、それは濱田寅蔵君、中井光次君、岡本愛祐、この三名であります。それが靜岡市に出張いたしまして靜岡地方檢察廳、靜岡刑務所、靜岡縣廳等につきまして視察をいたし、調査をいたしました結果を御報告いたします。九月二十一日、日曜日に東京を出発いたしまして、二十二日の午前中は靜岡檢察廳を訪問し、檢事正から事の成り行をいろいろ伺いました。午後は靜岡刑務所を視察いたしまして、当時の刑務所の責任者である元の所長野村氏から説明を聽きました。翌日二十三日は、午前中靜岡縣廳へ参りまして、縣知事、縣警察部長、それから縣の刑事課長、これらから治安上に関する見地からの意見をいろいろ聽きました。二十三日の午後は又靜岡刑務所に参りまして、いろいろ疑問といたしましたところ、それにつきまして、今度は囚人の中から事件に関係の薄いものを選びまして、三人について、いろいろ調査をいたしました。その結果を総合いたしまして御報告いたしたいと思います。
 主として司法委員会に関係することでありますが、治安上も亦非常に関係いたしますので、三十分程時間を頂きます。この靜岡の刑務所における囚人の暴動事件及び集團逃走事件、これは二つになつておりますが、これが相関連いたしておりまして一つの繋がりを持つております。九月の六日に暴動事件が起りました。それは靜岡刑務所に收監されております戰時窃盗罪、詐欺罪等で懲役五年を言い渡され、昭和二十年三月六日から服役中の前科八犯池谷八十吉というものがあります。当年三十五才、これは本籍は靜岡市の用宗ここの者であります。これはあとで関係がありますから申上げておきます。滿期は二十五年の三月六日でありますこれがこの事件の中心人物、これは班長と申しまして、靜岡刑務所のみならず、今の刑務所では、こういう囚人の少し顔利きに対しまして、班長という役目を與えまして、そうして刑務の補助に使つており、又その班々の者を統轄をさしておるのであります。これが一番腕つ節が強くて、相撲も一番強いで、前科八犯であり、非常に幅を利かしておつた。これが成績がいいというので、九月六日にこの服役者の或部分が仮出獄を許されました。これはいろいろな規定がありまして、それによつて仮出獄が許されたのです。その仮出獄のときに、自分も入つておる。こういうふうに、まあ大体の樣子から思つておつたのです。そこでこの刑務所のこれは職員ですが、文書係の看守の増井安春、これは二十五才で、昨年の七月に任官いたしております。これに尋ねたのです。そうすると増井という看守は、まああなたも入つておるだろうというような、そうはつきり申したかどうかよく分かりませんが、本人ははつきりそう言わない。九月六日仮出獄する者があるという意味を話したので、あなたが入つておるとはつきり言わなかつたと本人は申しておるよしでありますけれども、ともかくこの池谷にとつては、自分も入つているという印象を與えるような言葉で返答した。そこで池谷は大いに喜びまして、これは親分でありますから、刑務所内の自分の班、これは第一班でありますが、第一班で、あすこの相当大きな、民間ならば資本金百万円ぐらいの工場に当るような工場を本人が親玉でやつている。そこの第一班の一同、又他の班長連に今日仮出獄になりますという挨拶をいたした。この点について疑問があります。これは後で申します。そういうふうに私共は聞きました。当日今日仮出獄になるという挨拶廻りをした。ところが本人は実は九月六日に仮出獄になる中には入つていない。それは十月何日でしたか。十七日でございましたかその日に入つておるのであつて、九月六日には入つていない。そこで他の者は出て行くのに、本人は残されたという結果になつた。そこでその子分共が騒ぎ出した。六日の午後三時頃に、他の班長に第一班の中の副班長宮原直樹これは逃亡した一人でありますが、この間千葉の柏附近で捕まつたあれであります。副班長の宮原直樹、それから小俣博、こういう者が十二三名戒護課長と申しまして、主としてそういう囚人の戒護の方のことをやつておる課長吉林という課長に面会を求めまして、何か詰問をしておる樣子なのです。そこで所長の野村瀧雄は、これは現在所長を罷めまして、今は刑務所附になつております。所長は高知の刑務所から轉任して來た人が新たな所長になつておる。その野村瀧雄は会議室に参りまして、そうしてその戒護課長、庶務課長立会の上で、これらの連中に会つたのであります。ところがその班長連は池谷の面子を立てて今日出してくれということを迫つたのであります。所長は、増井看守…、この問題の増井看守を呼んで、そういうことをお前言つたかどうかということを、囚人の迫つて來ている中で問い質すということは、所長としてまずいことであつたと私は思います。とにかくそれを呼びまして聽取をした。そうしたら暗にそういうことを傳えたというようなことをまあ白状と申しますか。申述べたわけであります。そこで所長は、そうじやないのだ。今日はお前が出る番になつていないと縷縷説明いたしましたけれどもなかなか肯きません。それで所長は、この仮出獄の権限は刑務所長の権限にないのだ。大臣に許可を得なければならんというので相当頑張りましたが、どうしても承知いたしません。もうそろそろ不穩な形勢が出て來まして、その外にも外の囚人がなんだなんだというわけで出て参りまして取り囲むというような状況になつて來ました。それで所長は、池谷は十月十七日に仮釈放をするようにという指令が來ておるということをこの時漏らしまして、指令が來ておるから、まあ九月八日まで二日間待て、その間に本省指令を受けて早く出してやることができるからということを申したのであります。班長はその保証を求めました。それをあなたは保証してくれるか、必ず九月八日に仮出獄さしてくれるかという保証を求めました。所長は絶対の保証はできないからまあ委せろと言いました。そこで怒りまして、二、三の者が興奮して、そこにあつた椅子を振り上げて増井という看守を殴つたのであります。これは相当頭部に負傷をいたしまして倒れました。これは囚人が外へ運んでしまつた。所長も、もういよいよ混乱になつて來ましてそこらのものを打つ壊したりなんか乱暴をしますから外に飛び出した。まあ逃げたわけであります。で受刑者はそこらの面会室その他所長の部屋などを破壊をいたしまして、手に角棒を持つて、あそこの刑務所は燒けたものですから、今建直しをしようというので、いろいろ材木が轉がつております。これも非常に危險で、その棒を持ちまして所長の制止するのも聽かず暴行を働いてガラスや戸なんかを手当り次第壊し始めた。これの人数は第一工場第一班の者を主体として六十名くらいの者が暴れ出した。所長は方々逃げて廻つた。或受刑者は所長に出刄庖丁を持つて迫つて行つた。もう拾收できないことになつてしまつた。そこで所長もその時頭を殴られまして、そうして六日乃至十日の傷を負つた。胸には拳大の打撲傷、左の足の内側にも打撲傷を負つた。こういうようなわけで、これは仕方がないと所長は思いまして、池谷をそれじや仮釈放にすれば鎭圧することができる。こう観念しまして、それじや出すことにするということを声明しました。そこで一應鎭まつたわけであります。そうごたごたしておりますうちに、刑務所の職員が靜岡の警察の方に電話で連絡しまして、警察官が自動車に乗つて應援に來た。そのとき丁度一應鎭まつておりましたから、所内に警察官を入れますと又暴動が起ると、こういうふうに見ましてまあ遠慮して貰いたいというので署長外一名を事務所内に入れただけで、あとは門外で待つて貰つた。署長なんかが入つて來たのを見て又受刑者は興奮をいたしまして危なくなつて参りまして署長達も所外に出て貰つたというわけであります。それでまあ所長の申しますには、池谷を仮釈放にすることを独断でしたのは非常手段で止むを得ない。非合法なことであるけれでも、あとで本省の方で追認をして貰えば合法になるだろう。こう思つたと言つております。そこでその事件は一應治まつたのであります。ところが今度は池谷が、自分のために暴力行爲に出たのであるから、どうか一つ自分の顔を立てて、暴力行爲に出た者は処分しないようにして欲しいということを申しまして所長に文書にしてくれ、一札入れてくれということを迫つたのでありますところが所長はこれを諾かないと又暴れられるという臆病風に誘われて仕方がありませんから九月六日の事件は円満に解決し、一切水に流す。所長野村某、池谷八十吉殿という認印を押した一札を入れたのであります。それで囚人共も手を取合つて泣いて喜んだ。こういうことでありますところがまだ後があります。班長連は池谷が仮釈放になるということになつたものですからそれを見送らしてくれということを戒護課長の古林を通じて申込んで來たのであります。一應所長が断りました。然るになかなか班長連が肯かない。仕方がないから代表一名に見送らせようということを考えた。ところがやはり肯きません。もうそのときは午後九時頃となりまして、又暴動が再燃しそうになつて來た。仕方がないから、それじやトラツクで送らせようということにしたのであります。先程申しましたように、池谷の家は靜岡市内の、少し離れておりますが、市内の用宗という所にある。そこまで送るのだというふうに思つておりました。ところがこのトラツクには看守長が二名、副看守長が一名看守が一名つきまして、運轉手は丁度正規の運轉手がいないので囚人の運轉のできます者に運轉をさせまして送らしたのでありますが、用宗へ送らないで、ずつと数十里離れました袋井という所、掛川の西、そこまで送つたのであります。池谷の姉の家であります。翌日午前七時頃無事に帰つて來た。これも段々調べて見ますと、池谷の姉の家では、帰つて來たというので、受刑者なんかに酒を出しておる。ついて行つた看守なんかも飮まないと又暴れられるというような心配から一緒に酒を飮んだ。こういうことになつております。これは刑務所で所長が話しておる。これらの変なことの続出は暴動を何とかして防止したいというので止むにやまれず非常手段としてやつたのだというふうに弁護しております。そこでその暴動事件は大体そんなことで治まつた。ところがこれは檢察廳にも勿論直ぐ報告をいたしております。檢察廳の方では本省と打合わせなければなりませんから、檢事正も本省に参りますし、それから刑務所長も本省に参りまして司法省の指揮を受けたのであります。ところが司法省においてはこれを強硬に一つ処罰しなければいかんという方針になりまして、集團暴動に対して徹底的に糺明することにしまして、それで警備を整えなければなりませんから申落しましたが、靜岡の刑務所は大体定員三百名の所に六百十九名入つておる。その警備に当たりまして看守が五十五名、一人当りの受持数が十一人以上になつておる。で、非常に手薄でありますから、東京から應援にやつたのです。その應援は十日に、逃亡日の前に着いておるのです。逃亡した前日に所長はもう帰つておりまして、徹底的に糺明することになりましたので、班長級を集めまして、いよいよ明十日は檢察廳の取調があるから多少の犠牲は出ると思うが、まあ一札入れたけれどもこういうことになりや仕方がないからおとなしくするようにという訓戒を與えましたところが、話が違うというので大分ごてた者もありましたけれどもまあ仕方がないというので、そのところはおとなしくしておるのだろうと、こういうふうに見えた樣子をしておりました。併しそこで逃亡しなければならないという決意を抱かせたということになるのであります。で、どうして逃亡したかと申しますとその小俣というのが逃亡の方法として戒護課長の部屋にあります鍵箱の中から鍵を盜み出しまして、そうして門を開けようという計画を立てたのであります。そこでその六日の乱暴で鍵箱なんか壊れてしまいまして、鍵は別のところへしまつたわけでありまして、外部と通ずる門の鍵は、戒護課長の抽出しの中にしまつてあつた。で、そこには当直の部長がおりますから、なかなか盜めない。そこで前申しました東京から應援が参りましたから、その夜具を出さなければならん。その夜具を囚人が出すのですが、出すから部長さん一つ立会つて呉れといつて部長を連れ出しまして、その留守に机の中から盜んでおります何故その鍵がそこに入つておるか分つたかと言えば、それは流石囚人であつてそういうことは直ぐ分る。どこに隱してあるということは直ぐ分る。そのために盜んだその鍵で西門を開けて、そうして十日の午前二時三十分頃に集團逃亡をしたのであります。それじや東京から應援に來た者はどうしておつたかということであります。これも生ぬるいお話ですが、まだ不穩な状況も見えるし、まあ明日一つよく言い聽かしてから配備をして貰おうというようなことで、当日は中に配備をしないで所長の部屋に待機をしておつた。又いろいろ相談をしておつた。その中に逃にげられてしまつた。こういうことになるのであります。そこで例の餅の話であります。これは前日の午前九時頃に炊事場の者を強要しまして、この班長連が暴動のありました夜から警備の補助に就いておるのでありますが、これは班長の方から要求しまして警備の補助に就かしめました。そうして夜警をやつておるから、そこでその間食に餅を搗けということで餅を搗かした。それで逃亡には関係がないのだというのが檢察廳の調でありましたけれども私共が囚人なんかに聽きましたところでは、そうでなくてやはり持つて逃げる積りであつたらしい。ところが、まあ他のいろいろな荷物を持つて逃げるので、邪魔になるというので、置いて行つたということが正しいのじやないかと思つております。餅を搗きました所も見て参りましたが、立派な石臼で、立派な蒸籠でふかしまして、これがどうしてそういうことをしておることが看守に分からなかつたかと疑いたいのであります。これは氣が附かなかつたのだと言つておりますが、まあ氣が附かなかつたのでなくてまさか逃げる準備とは思いませんから見逃しておつたのじやなかろうかと思います。その糯米なんかも倉庫から盜んだものであります。そこで門を…、これは推定ですが二時半頃に開けて逃げた。その門は内側からだけしか鍵がかからないので逃げたあとで締められなかつた。それでそのあとを見廻りの看守がそれを発見しまして、どうして開いておるのだという疑を持つたのです。併しまあ逃げた事実がはつきりしないからというので、直ぐ靜岡警察署の方に逮捕を要求しなかつたのであります。これも手落があつたと思います。一時間二十分程遅れて靜岡警察署に通知が行つた。警察の方としては手配が遅れた。それで逃げられてしまつた。こういうことになります。これが大体逃亡の筋であります。そこで靜岡縣の方で三名捕われまして、それからあと二名が又捕われまして、今四名程まだ捕まりませんこの事件に関しまして、靜岡縣廳、縣知事、それから警察部長、刑事課長につきまして、治安上の立場から意見を聽いて見た。こういうように申しております。率直に言えば、刑務所側は九月六日の暴動後囚人が何をやるか知れないというので、一同非常に心配をしまして、班長連に警備の補助をやらしたことがある。これが最も惡かつた。これは囚人なんかを警備の補助に使うことはなるだけやつてはいけないということになつておる。それをやらした。これは暴動後嚴重にそういう者は監房に入れるべきであつた。それから餅を搗くのに相当時間がかかつた筈だ。看守の知らない筈はない。何のために餅を搗くか。それを看守が調査もしないで上司にも報告しなかつた。これは恐らく後難を恐れて、看守よりか班長とか殊に池谷なんかの方が勢力が強いのですから、後難を恐れて默つていたのだこれは規律の紊れておつた証拠だ。それで逃亡の事実が門が開いておることによつて、はつきりしないでも先ず逃げて、おると思わなければならんのに、門の開いておるのを知りながら、非常通報を警察によこさない。それで時間が非常に遅れた。そこで即刻知らしてくれたら捕えることができたろう。こう言つております。尚警察署の立場として、靜岡の刑務所は靜岡市の中心の元の城跡、あの中にある。で町の中心部、目拔の所にある。これはぜひ市外に移轉して貰いたい。町の風教上から言つても、治安上から言つても非常に害がある。今幸いにまだあすこの刑務所の監房は復興の途上にあるのだから、何とかして外へ出て貰いたい。これは非常に尤もだと思います。
 それからこの刑務所の職員が六百名の囚人に対して非常に少い。これを是非増員をして貰わなければ、しよつちゆうこういう逃亡事件が起きる。是非増員をして貰いたい。それから刑務所の職員の囚人に対する取扱が非常に寛に流れ過ぎておる。行き過ぎである。それで囚人達の言うこと、殊に腕つ節の強い囚人達の言うことは殆んど何でも諾く重労働をやつておる囚人には六合の配給、それからそうでないものも四合の配給というようなことをやつておる。監房の中でラジオも聽いておる歌もうたつておる。新聞も自由に読める。これはもう自由主義、民主主義の行き過ぎである。こういうふうに言つております。中の規律も少し紊れておる。職員の何か惡い欠点を囚人の主だつた奴に握られておるのじやないかというように新聞記事が出ておつたが、何か似通えることがありはしないかと思われますと、こういうふうに申しております。
 そこで大分時間が経ちましたから、又御質問があればお答えすることにいたしまして、私のこの調査に基きましての感想を述べたいと思います。
#21
○阿竹齋次郎君 どうでしようか。その感想は政府の方を呼んで聽いた方がよろしいのじやないですか。呼んで來なくてもよろしければ……。
#22
○委員長(吉川末次郎君) 御報告の続きとして、あとでその締め括りをどうするかということについての御相談をいたすようにしたら如何かと思いますどうぞお続け願います。
#23
○岡本愛祐君 先ず根本としては、私もこの靜岡刑務所事件というものは、民主主義の履き違いが、根本であると思います。これは受刑側にも、戰争後の民主主義、自由主義ということの履き違いがある。又職員側におきましても、この履き違いが非常にある。これは一方には連合國側からのいろいろな指示がありまして、それに戰々兢々としておるという点も見えないではないのであります。併し要するのに民主主義ということを非常に履き違えておりまして、こういう刑を受けて刑務所の中に入れられておるという人に対してあまりに自由であると思います。或年限が経ち、まあ模範囚と申しますか、行状もよろしいという者は、晝の間は自由に所内を歩かしてやる。房の中に閉じ込めていない。又今申したように、警察では朝から晩までと言つておりますが、朝から晩まででもありませんが、ラジオを聽かしておる。それから新聞も読ましておる。どうしてそういう者に新聞なんかが手に入るのかと申しますと、面会所がありまして、正門からその面会所に行きますまでに大分道のりがあります。その間を自由に歩いておる囚人たちの手に入る。それは金も手に入るらしい。いろいろな物が手に入る。看守は見て見ぬ振りをしておるというようなことがあり得るように思います。
 それからこれは戰時中に受刑者を造船所へ使つたり何かいたしまして、その囚人の中の主だつ者に見張りをさしたり何かしておつたことからも影響が來ておるのだろうと思ひますけれどもそういう班長とか何とかいう連中を警備補助に使つた。これも刑務所の自治とか何とか、そういうことから來ておる面もあるのではないかと思います。私はここで行刑の、今の刑務所の政治というものがどうなつておるのかということに疑いを抱くわけでありますが隔離だけの主義なのか。或は懲罰的感化的の意味も……私は大いに持たせなければならんと思うのですが、どうも感化的、懲罰的の方の主義を採つておるとは思えないのであります。隔離さえして置けばよろしいという主義が第一になつておるのじやないかと思います。あの煉瓦塀の高いのを繞らしておれば、あの中は一般から隔離されておるから、その中では民主主義でやつてもよいと、こんなふうな考え方になつておるのではないかというふうに見られるのであります。感化も一向届いておりませんし、況して懲罰というようなことはあまり重きを置かれていないのじやないかと思います。設備は、燒けた刑務所でありますから、非常に不完全であります。バラツク建の狭い不完全な所に沢山な人々を入れております。あれでは惡いことを覚えるだけであつて、決して好い傾向はないだろうと思います。何とかして早くもつと完全な刑務所にすることが必要であると思います。
 職員の素質も非常に惡いようでありまして、これは所長のやり方が惡かつたという点もありましようが、所内の規律は非常に緩んでおるように見えます。警察側が言いますのも、又囚人側から話を聞きましても、信賞必罰が行われていない。惡いことをした者は罰し、善いことをした者は手心を加えてよく扱つてやるということがどうも行われていないのであります。腕つ節の強い者が、何かと言えば腕力を振つて他の囚人などを撲るということが、固より囚人同士撲るなんということは嚴禁されておりますが、これが公然と行われておるのであります。この中心人物の池谷なんというのは、最も腕力が強くて、何かと言えばすぐ撲つてしまう。或囚人が申しますのに、班長連がこんなに骨折つて出そうとしたのは池谷のような乱暴者は早く出してしまつて、そうしてその横暴から免れようという氣持が多分にあつたのじやなかろうかと、こういうふうに言つております。或いはそういう面も大いにあつたのではないかと思う程であります。野村所長は極めて温厚な人でありまして、まあ決断力のない。断乎として自分の刑務所を預かつておる大事な職務を扱つて行くというような人には見えません。極めて善良な温厚な人だと思います。又非常にこれも遺憾に思いますことは、古林という戒護課長の、非常に不公平であり不忠実であつたことであります。これが今度の事件の災いの非常な重大なことになつておると私は見て参りました。今謹愼中で、本人には会つて参りませんでしたけれどもこれは懲戒免官を免れないと思いますこれが常に池谷と一心同体になりまして、池谷の言うことは何でも聽き、池谷の横暴は知らん顔をし、池谷の子分はどんどん炊事場とか何とかへ皆入れます。池谷の自由のきくようにしております。
 それから刑務所の移轉問題、これはもう何とかして靜岡市のため、又靜岡市民の幸福のために移轉をさせなければいけないと思います。これはそこへ建ててしまえば、なかなか移轉もしにくくなると思いますから、あそこにすつかり建ててしまわない内に移轉をしたらいいじやないかということを新任の所長にも話し、知事にも話し、知事も少々くらいの金は縣から出すから、土地も何とか心配するから、どうか移して頂きたい。これは治安上是非とも必要だ。又靜岡市民の風紀の問題からも非常に必要だ。あそこは始終乗り越えて脱獄せられて、いたずらされて困るということを申しております。脱獄も随分多いのです。今年に入りましてからも数囘あります。その度に治安上非常な不安を起す。こう申しております。尤もなことだと思います。
 それから、先に申しました例の挨拶の問題でもあります、これは檢察廳並びに刑務所側、又縣側でも、六日の仮出獄の日に挨拶廻りをしたというふうに申しておりましたが、これは確かにその日にしたと思います。ところがこういうことを私どもは発見したのであります。それは立派な長文の、美文まがいの毛筆で書きました祝辞がある。これは第一班の第一工場の連中から頌徳表を奉つて、今度仮出獄なさるのでおめでたい。娑婆へ出たらしつかりやつてくれということを美文で達筆で書いてあります。そんなものが六日に早く用意ができたということに私は疑問を持つたのであります。段々問いつめて行き、又囚人の外の者に聽いて見ますと、それは数日前であつた。こういうことが分つたのであります。その祝辞を第一工場の者が池谷に渡したのは、六日の当日じやありません。数日前であつた。こういうのであります。そうすると、数日前に池谷の仮出獄ということが近々あるということは、もう分つておつたわけであります。
 それからもう一つここに重大だと思つて私は注意をいたして置きましたのは、八月十三日でありましたか、あそこで火事を起して、工場が一つ燒けました。綿を打直す工場と言つておりますが、その事件が何か関連があるように思いました。段々囚人に聽いて見ますと、それはやはり火をつけたのだ、第一工場の中に高橋というやつがおりますが、それが火をつけた。ところがその戒護課長というのは、それは漏電だということにした。而も漏電の場所も、火をつけたところにしては工合が惡く、漏電にはならないので、別のところが、そこが火元だということにした。では何のために火をつけたかというと、それは大いに働いて消すことにいたしまして、そうして褒美を貰つて池谷を早く出して貰う一つの手柄にしてやろうという氣持があつたのじやないか。こういうふうに思えるのであります。
 まあ以上申上げましたので、大体御想像がつくと思いますが、誠に遺憾極まる事件でございまして、檢察廳の檢事正の方はもう少し待つてくれ。いろいろな調査は希望いたしませんようでございました。調査の内容とか、何とか調べの内容とか何とかがありましても、あまり触れて貰いたくない。又脱獄した連中で捕まつておるのもありますが、それについては聽いて貰いたくないということでありましたから、それには触れないで置きました。一應以上のような御報告にして置きまして、御質問があればお答えいたします。
#24
○委員長(吉川末次郎君) 極めて詳細な本事件に対する調査の御報告があつたのでありますが、調査に関する御質疑等も承りたいと思いますが、岡本委員から実施調査の御報告がありましたのを、單に速記録に留めて置くだけに止めて置きますか。或いは何か外の形にするかというようなことも考えて見なければならんか思つております。
 それからもう一つこの貴重なる御調査に基いて締め括りをつけることの方法でありますが、これは本委員会としては、政治の最高機関としての國会の委員会といたしまして、戰後紊れておりまする一國全体の治安の問題としてこの個別的な問題をそうした國家的な共通の問題としての関連性において取上げておるというところに、本委員会のこれを取上げておる動機があるかと思いますので、そういうことにつきましても、いろいろ御意見も伺つて処置を講じなければならんかと思つておるのであります。そういう点も併せてお考を願いまして、今の岡本委員の御報告に対して御質疑がありましたら…。
#25
○鈴木直人君 この調査は司法委員会と一緒に合同してやつた筈でありますが、この調査の結果については、合同において何か報告でもするようになるのですか。或いは各委員会ごとに報告をして、その後の処置も各委員会ごとにするようなことになるか。その点は委員長としてどんなふうに処置されるお考えですか。
#26
○委員長(吉川末次郎君) この問題は実施調査においでになつたのは、司法委員会の委員と一緒においで願つたのでありますが、これを取上げました動機が、司法委員会と治安及び地方制度の委員会と多少違うところがあるのじやないかと思います。だから私としては、これに対する委員会としての意見書のようなものを発表して政府に進言するというようなことは、個々別々にすべきものじやないかと考えておりますが、そういうことについても御意見がありましたら、お漏らし願いたいと私は思つております。
#27
○鈴木直人君 実施調査をされた委員の御意見は、司法委員長と治安委員長が相談して、その後のことについて話し合うということは必要ないですか。治安委員会は治案委員会だけで檢討して行くということでいいのですか。
#28
○岡本愛祐君 今日、中井委員、濱田委員がお見えになつておりません。私だけの意見を申上げるのもなんですが私といたしましては、司法委員と一緒に調査いたしたことでありますし、又今日感想で申上げたことも、司法委員会の方の関係のことが多いのでありまして、筋道としては、司法委員会との連合で今後の行き方取扱、についてお決め願つた方がいいのじやないかと、そういうふうに私は思います。
#29
○委員長(吉川末次郎君) 処何でしようか。これは合同の委員会としての意見書でもいいと思いますし、個々別々の委員会の意見書でもいいと思いますが、結局結論的の意見書を御起草願つて、そうして更にその意見書を中心にして、政府当局等もその委員会に呼びまして、そうしてそういう決議のようなことをして政府に提出するというような形で締め括りをつけた方がいいのじやないかというのが私の考です。
#30
○村尾重雄君 万事、一應司法関係の人と御相談なすつて、それでその持つて行き方をお決め願つたらどうかと思います。
#31
○阿竹齋次郎君 司法委員会と協議の上で独自の立場でこの調査に出て行かれたのですか……。向うへ行つて実地調査するときに、向うの人々に二度も説明させるようなことになるし、手間も取れてダブるから、一緒に行つて頂いた方がいいわけで、時間的に協同行動を取つて頂いたらどうかと思います。
#32
○池田恒雄君 本来ならば今までと立場も違いますから、この委員会だけの大体の意見を拵えて、それが決定してから司法委員会と打合わせをしたら如何かと思います。
#33
○委員長(吉川末次郎君) これもやはり司法委員会とこちらの委員会で観点が多少違わなければならないのじやないかというふうに考えておりますが。
#34
○鈴木直人君 私も、その観点が違うから、結論として報告なり意見なり、結論としてはそういうことだと思いますが、現にこの前派遣された場合には靜岡縣における行動はよく知りませんが、想像するに司法委員会と治安委員会から派遣された数名の人達が参議院調査團というふうな同一の形の下において團長なんか決つて、そうして観点は違つても同一行動の下にされておつたのではないかと思いますから、それは一應調査團の方々の考え方も参考にする必要があるので、我々だけで以てここで別々の結論を別箇に出してしまうという決議をいたしてしまうことは少し早いのじやないかというふうに考えます。
#35
○委員長(吉川末次郎君) 御尤もです合同委員会は、本問題については開かなかつたわけでありますから、そうすると仮に共通の意見書を発表されると少くともその問題については合同委員会を開かなければならない。
#36
○鈴木直人君 私の言うのは共通の発表でなくていいと思います。もう一度この処理について司法委員長と話し合つて、そうしてこれは別々にしよう。或いは一緒にしようというようなことは、これは司法委員長の意見を聽いてから決めた方がいいのじやないかと、こういうことなんです。
#37
○阿竹齋次郎君 私はそうやれば穩かだと思います。
#38
○池田恒雄君 委員長同士で御相談なさるのも結構だし、それから調査團の方々も、十分にこれが中心になつて、いろいろ説明があつたのですから御相談なすつて、そうしてこの進行をリードして頂きたいと、こう思うのですが併し別々にやるというのは自主的に個個別々の結論を出すということでなくいろいろと解釈したやはり順序といたしまして、細かなことをいろいろ何するために、必ずしも合同委員会等でやるというのではなく、隘路があつたらやはり司法委員会の方とは別に時間をかけて、いろいろ出るだけの考え方を出して、そうして自主的に、司法委員会の方とも意見を纏めて行くような方法で進めて頂いたらいいのじやないかと思います。
#39
○委員長(吉川末次郎君) それでは司法委員会の方や、向うへ行つて頂きました委員の方とも、もう一度よく相談しまして善処するということにしていいですか。
#40
○阿竹齋次郎君 ちよつと報告に基いて質問と意見が述べたいのですが……それでは私は只今の御報告を伺つて、所長が囚人より何等の人格上の尊敬を受けていなかつたということが、大なる原因だと思います。乱脈状態であつたというのは、所長がその職務を行わなかつた。即ち行刑の目的というものが地に堕ちて、囚人に行刑を理解させていなかつたということがいけない。これはもつと調査の方面に重点を置いて頂きたいと思うのです。そこで煙草や酒なんか貰えたそうです。池谷というのは囚人に采配を振つておつたということから、こうも言えるのじやないかと思う。池谷と所長と共謀であつたのじやないかと思います。知つておつたということになれば、所長と池谷の共謀と、こういうふうに言えるのじやないかと思います。確かに暴動状態に陥つたのですから、所長の言行もこれは同情いたしますけれども、これは理由として許すわけには行かない。共謀であるならば罪は免れない。無論免職続いて刑法上の罪人として追訴の手続をしなければならないかと、かように思つておるのであります。それともう一つ、行刑の司法大臣の責任を明かにしなければならんと思います。行刑の問題というものを國民によく納得せしむるように、司法大臣が議会においての責任上の言明をして貰いたい。又そうしなければ國民が安心できない。囚人も行刑を理解できない。
#41
○岡本愛祐君 御尤もで、所長のことについてお答えいたします。私の調べた範囲内において決して所長は共謀とか何とかいうふうなことをする人じやありません。唯如何にも力が弱いのです。囚人に聽いても、所長はあの通りおとなしい人ですからということで、或程度の尊敬はしておるのでしようがまあ馬鹿にもされておるという程度の人だろうと思います。唯戒護課長の評判は非常に惡かつた。戒護課長の評判というものは、誰もよく言う者がないそれで固より所長もその責は免れません。懲戒免官になるか、何になるか、それは今後の調を待たなければなりません。戒護課長が兎に角不適任である而も所長よりも先に戒護課長になつている。所長をないがしろにし、所長に報告しなければならんことも報告しておりません。又池谷と殆どこれこそ通謀しておつたと言つていいような人だろうと、私はそういうふうに思います。
#42
○阿竹齋次郎君 そうでしよう。所長は大変控え目な人でしようけれども、お氣の毒なところは同情しますけれども、第三者から見れば、共謀じやないかというように考えられる。官吏の中に共謀者があつたと思います。即ちそれを追究しなければならない。そうしなければ徹底しないものだろうと思います。
#43
○岡本愛祐君 それからもう一つ言い忘れましたが自動車で……トラツクで袋井まで送つた。その点も追究して見たが、所長はそこまでは知らない。用宗まで送るのだと思つておつた。あとで多小はつきりしない点があつたようにも思つたが、袋井まで送つて、えらい所まで送つたというように感じたと本人も言つております。併し前以て出発する前に、用宗まで送る積りであつたけれども袋井まで送らなければだめですと戒護課長から言われたならば、それじや袋井まで送つてよろしいと自分は言つたろうと、こう言つております。
#44
○柏木庫治君 今調査團のお話を聽きましたが、聽いたならば聽いたところだけを参考として判断するのは結構でありますが、通謀であつたとか、あつたろうとかいうことを参議院のここで私たちが想像をし、口にする……想像することは自由でありますが、口にすることは、これは愼むべきことであると思います。これは若しそうでなかつたときは、非常に参議院のこの委員会が大きな過ちをすることでありましてかくの如きことは、決して我々は口にすべきものでないと信じますので、これは実際はどうであつたか存じませんけれども、所長と池谷と、なんか通謀しておるのだと、こう決めるようなことは、これは速記録から除いて、私たちの言うべきことでないと、こう私は存じます。
#45
○阿竹齋次郎君 私が通謀と言い出したのですが、言葉のきついのはどうも恐縮でありまして、御深切な御注意喜んで拜聽いたしますが、私の言つておるのは、通謀であつたと大体の人が言い得ることができるという程度であります。
#46
○委員長(吉川末次郎君) まあ両方の側の言葉をそのまま速記録に残して置くというような意味のことで……
#47
○阿竹齋次郎君 私はこれは速記録に残して置いて頂きたい。私は共謀だと言うても止むを得んという見方をしております。
#48
○委員長(吉川末次郎君) それじや本日は丁度十二時にもなりましたから、尚多数の陳情書及び請願書等を取扱う予定でありましたが、散会いたします。明日の午前十時から引続いてこの会議室におきまして委員会を開会いたしますから、何卒御出席を願います。
   午後零時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     吉川末次郎君
   理事
           鈴木 直人君
   委員
           羽生 三七君
           村尾 重雄君
           奥 主一郎君
           大隅 憲二君
           草葉 隆圓君
           黒川 武雄君
           青山 正一君
           岡元 義人君
           岡本 愛祐君
           柏木 庫治君
           阿竹齋次郎君
           池田 恒雄君
  政府委員
   総理廳事務
   (行政調査部官
   総務部長)   前田 克己君
ソース: 国立国会図書館
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