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1947/10/09 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第10号
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1947/10/09 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第10号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第10号
  付託事件
○地方分權の確立に關する陳情(第二
 十三號)
○經濟緊急對策中、料理飮食店の措置
 に關する陳情(第二十九號)
○料理飮食店の措置に關する陳情(第
 三十五號)
○料理飮食店の休業に伴う藝妓營業に
 對する措置に關する陳情(第三十七
 號)
○地方自治連盟の即時解散に關する陳
 情(第三十九號)
○地方分權の確立に關する陳情(第五
 十四號)
○特別市制實現に關する陳情(第百十
 三號)
○地方公共團體職員の給與に關する陳
 情(第百二十二號)
○地方公共團體職員の暫定加給國庫補
 助その他に關する陳情(第百三十五
 號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百三十七號)
○特別市制實現に關する陳情(第百五
 十四號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百五十七號)
○道路交通取締法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百六十五號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百八十號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百八十六號)
○特別市制實現に關する陳情(第百八
 十九號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百九十四號)
○特別市制實現に關する陳情(第百九
 十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百十七號)
○兵庫縣武庫郡の取扱いを都市同様と
 することに關する請願(第百二十八
 號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 二十五號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百二十九號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百三十號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 四十號)
○地方公共團體職員の給與に關する陳
 情(第二百四十二號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百四十六號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 五十號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百五十三號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百五十七號)
○特別市制實現に關する陳情(第三百
 五十八號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 五十九號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 七十二號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百七十七號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百七十八號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 七十九號)
○特別市制施行反對その他に關する陳
 情(第二百八十一號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百八十六號)
○地方官公廰職員待遇改善費國庫補助
 に關する陳情(第二百九十號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 九十三號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 九十七號)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○地方自治法の一部を改正することに
 關する陳情(第三百八號)
○特別市制實現に關する陳情(第三百
 十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百四十一號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百六十六號)
○特別市制實現に關する陳情(第三百
 七十三號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百七十四號)
○町内、部落會廢止後の措置に關する
 陳情(第三百八十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百九十六號)
○地方財政及び地方行政に關する調査
 承認要求に關する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月九日(木曜日)
   午前十時二十六分開會
  ―――――――――――
  本日の會議に付した事件
○道路交通取締法案
○地方財政及び地方行政に關する調査
 承認要求に關する件
  ―――――――――――
#2
○委員長(吉川末次郎君) これより常任委員會を開會いたすことといたします。本日は先般來豫備審査をいたしておりました道路交通取締法案が衆議院で修正可決されまして、こちらの方へ囘付されて來たわけでありますので、でき得まするならば、本日中に質疑討論を、更に進めまして採決をする時間があれば、採決するところまで進みたいと思つております。尚それが済みました後で、先般お話申しておりました地方財政及び地方行政の中央調整機關の問題につきまして、小委員會を願いたいと思つておるわけであります。
 それで先ず先に道路交通取締法案の、衆議院より囘付されて參りました修正案、皆さんのお手許にすでに届いていることかと思いますが、念のために私から申上げますと、最後の附則の第一行のところに、「この法律施行の期日は、政令でこれを定める。」と最初の案にありますのを、「この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。」、このように衆議院で修正して囘付して參つたのであります。その外の點は變つたところはないようであります。それで先ず、この衆議院の修正に對する當局の意向を一應聽取して置く必要があると思います。内務省公安第二課長の原さんから御説明があるそうですが、發言を許可してよろしうございますか。
#3
○委員長(吉川末次郎君) それではどうぞ。
#4
○説明員(原文兵衞君) 衆議院で、附則の法律の施行の期日を政令で定めるようになつておりましたのを、「昭和二十三年一月一日から、これを施行する。」と修正いたされましたのは、法律の施行の期日は政令で決めてはいけない、これはやはり法律で決めなくてはいけないというような申入れが關係方面からありましたそうでありまして、そうしますと、この法案を通しておきまして、又この法律の施行の期日を定める法律を作るという二重の結果になりますので、一つはこの法律は現在道路交通の取締に根據となつておりまするところの、道路取締令、自動車取締令、竝びに各府縣令である道路取締規則、これらが今年一杯でその效力を失うということになりますので、大體來年の一月一日から施行したいというふうに考えておつたのでありますが、實は自動車取締令にありましたところの自動車の構造、装置竝びに車輛檢査の點が、運輸省關係の道路運送法案の中に入れられまして、こちらからは除かれたことは前に御説明した通りであります。その關係で運輸省關係の道路運送法案とこの道路交通取締法案を同時に施行しなければならないというようなこともありまして、一應施行の期日を政令でお互いに連絡をとつて定めようということに當初なつておつたのでありますが、先程言いましたように、施行の期日は法律で決めなくてはいかんということになりまして、衆議院の方からそのようなお話もありましたので、私の方としましては運輸省と連絡をとりまして、運輸省の方も只今委員會で審議中でありますが、同じく法律施行の期日を道路運送法案においても、昭和二十三年一月一日からと修正されるということの話合がつきましたので、衆議院の方にもそのように修正して頂く方が、こちらとしても改めて又施行についての法律を出す必要もなくなりますし、はつきりして結構なことでありますからそうお願いした次第であります。
#5
○委員長(吉川末次郎君) 尚本法案について御質疑のある方は御發言願いたいと思います。
#6
○岡本愛祐君 二、三お尋ねいたします。
 まず第一條に「道路における危險防止及びその他の交通の安全を圖る」云云とありますが、その他の交通の安全というのは具體的にどんな事柄を豫想しておられるか、それをお尋ねします。
 それから第二點といたしまして、これは打合會のときにも質問いたしまして御答辯があつたのですが、この第二條の四項に「車馬とは、牛馬及び諸車をいう。牛馬とは、」云々「諸車とは、人力、畜力その他の動力により運轉する軌道車又は小兒車以外の車をいう。」というわけで、小兒車ということが出て來ているのです。ところが、それ以後には小兒車というものは全然出て來ていない。そこで小兒車はどこを歩くのか、第三條によつて左側を歩くのかということも分らん。又四條において「歩道と車道の區別のある道路においては、歩行車又は車馬は、その區別に從つて通行しなければならない。」とある。ところが、軌道車の方は勿論軌道によつて動くのだから分りますが、この小兒車はどこを歩くのか。これは小兒車は當然歩行者に包含するのだというようなお答えでしたけれども、何かそこに一抹割切れない點があるのです。小兒車を歩行者が押して歩くから歩行者とみなすとかいうような、何か條文が少し足らないように思いますが、法文の形としては少しまずいことろがあるのじやないかと思います。その點をお尋ねいたしたいと思います。
 それから第九條第三項に、「都道府縣知事は、運轉免許を受けた者が不具廢疾者となり、又は故意過失により交通事故を起したときその他特別の事由の生じたときは、」とありますが、その「特別の事由」というのはどういうことを豫想しておられるのか。又そのあとに「又は必要な處分」とありますが、これはどういうことをするのか。それもお尋ねしておきます。
 それから第十條第四項に、「都道府縣知事は、自動車道で運轉する自動車について、第一項乃至前項の規定にかかわらず、最高速度の制限を定めることができる。」とありますが、この「最高速度の制限」というのは、專用の自動車道ですから早く速度の制限を定めることを豫想しておるのだろうと思いますが、或いは專用自動車だけれども、嶮しい危ない所など速度の制限を遲くするということも豫想しておられるのか、その點を念のためにお尋ねいたします。
#7
○説明員(原文兵衞君) 第一點の、第一條の「危險防止及びその他の交通の安全を圖ること」云々とありますのは、危險防止が事故防止の原則でありますが、實は交通の事故防止……消極的な事故防止だけでなく、廣い意味では事故防止になるかも知れませんが、交通の圓滑を圖るというような意味も若干この法案に含まれておるのであります。それは事故防止のためだけであるならば、即ち危險防止のためだけであるならば、自動車は一番遲いスピードで走つたらどうか。例えば時速五キロとき十キロとか、歩行者と同じようなスピードで走つたら、これは殆んど危險はないのじやないか。或いは危險防止だけのためであるならば、交叉點における信號の方法、例えば一方の通行を十分間やらせる。そうしてそれをぴたつと止めて、他の方向の交通の流れを十分間流させる。それでも危險防止のためだけならば或いは目的を達するかも知れないのでありますが、それではいわゆる交通の圓滑と申しますか、そういう方が全然無視されてしまう。交通の圓滑が無視されますと、やはり廣い意味では危險防止ということも事故の原因となることもありますので、直接にはやはり交通の圓滑は防止されるのだということで、この交通の安全というのは、むしろこの安全というところに交通の圓滑化も含めるというような意味を含めておるのであります。ただ實はこの法律に使われます言葉は、そのまま交通方法の教育といいますか、或いは標語というようなものに使われますので、交通安全であるとか、或いは危險防止というのが直ぐそういうふうに役立つ。又そういうふうにして一般の方々の交通知識の向上ということを圖りたいと思う點も含まれておりますので、交通の圓滑ということを圖るということがどうもぴつたり行きませんので、そういう意味も含めまして「交通の安全」というふうに書いてあるのでございます。
 それから二條で、小兒車以外の車といつて、小兒車はその後さつぱり出て來ないというお話、誠に御尤もなのでありますが、これは四條における歩道、車道の通行の區分、横斷その他必要な事項を命令で定める、その命令の中に小兒車の通行の方法を規定いたしまして、この法律とその命令とを……實はこの法律につきましては、最初に御説明したかと思うのでありますが、法律に書いてあることも、殆んど命令には成るべく擧げたいというふうに考えておりまして、そうして命令だけで、大體その命令を讀めばその目的を達する。交通に關する規則を知ることができるというふうにしたいと思つておるのでございますが、命令の方にはその點を細部に亙つて詳しく書きますので、まあ法文としてこの法律だけを見ますと、何かこうちよつとおかしいような感じを確かに與えられるのでありますが、實質上は不便のないようにいたす、というふうに命令の方を準備しております。
 それから運轉免許の取消し若しくは停止處分、その他必要な處分をする場合における特別な事由を生じたときといいまするのは、運轉者が事故を起さなくても、或いは不具癈疾になりませんでも、この法律に始終違反しておる、例えば無謀な操縱を何囘も繰り返しておるような運轉者につきましては、たまたまその無謀な操縱によつて事故が起きなくても、そういう運轉者に對して運轉免許を取消すというようなことを豫定しておるのであります。
 それからその項の最後にありまするところの「取り消し若しくは停止し、又は必要な處分」、この「必要な處分」と申しますのは、運轉免許を一定期間、例えば三ヶ月なり半年なりという間運轉免許を停止をしておるその停止期間中に、或いは期間を限らずに若干時日停止をして置きまして、その停止期間中に、指定しておるところの自動車學校に入學させるとか、或いは講習會を開いてその講習を受けさせる。そうして何時間講習を受けたら又運轉免許を復活してやるというような、そういう特別な必要な處分をしたい。まあ停止中に再教育をする。そういう再教育の處分をするということを豫定しております。
 それから自動車道の最高速度でございますが、これは自動車道は主に自動車のみに使用する道路でありますので、一般道路におけるよりも自動車の最高速度の制限を高くする。例えば一般道路におきまして時速三十二キロの制限でありまするならば、自動車道におきましては時速五十キロの制限をというようにまでその制限を高めるというようなことを豫定しておるのであります。その場合におきまして見通しの利かぬ曲り角であるとか、急坂路であるとかいうような場合には、その區域に交通標識を用いまして、その區域内の最高速度を制限するということは當然考えておるところであります。
#8
○小野哲君 この機會に私から四點について、政府に對して質問をいたしたいと思います。
 先づ第一は、この道路交通取締法案は、提案の理由その他の御説明によりますと、綜合的に規定した。又統一的な性格を持つておる。又中にはアメリカの交通統一法典等の趣旨をも取入れた。こういう御説明があつたのでありますが、今囘我が國といたしましては交通取締りに關する畫期的な法制が整備されることと相成りまするので、これに伴つてこの交通取締法案の趣旨を十分に具體化することが必要であろうかと思うのであります。終戰以來道路交通の取締りにつきましては關係方面の指示もありまして、非常に交通秩序の保持の上において效果が擧がつて來たと見受けるのでありますが、この問題は交通取締りに携つております警察官の數の問題でありまして、この種の良い法律ができました場合において、これを實行いたします上につきましても、十分なる警察官吏を保有して置く。警察官吏の努力に俟たなければならない點が非常に多かろうと思うのであります。從いまして政府はこの交通取締法の趣旨に則つて、交通秩序の維持或いは災害防止、危險防止をやられるために、警察官の増員をお考えになつておられるかどうか。この點が第一であります。
 それから第二は、この法律案を施行されますについて、どの程度の經費をお考えになつておるか。これが第二でございます。
 次は先程申しましたように、畫期的な道路交通取締に關する法制が整備されまするこの機會を捉えまして、この法律の目的にもありますような、危險防止その他に關しましての何らかの運動を展開いたしまして、一層いい交通秩序の状態を作り上げて行くという積極的な努力が必要でありますし、又國民の協力を得る所以ではないかと思うのでありますが、この種國民的な運動を展開する等の措置について、政府は準備をされておりますかどうか。この點を伺いたいと思います。
 最後に、聞くところに依りますれば、我が國の警察制度につきましては、相當の改革があるやに伺つておるのでありますが、いま確定的にその内容をお聽きするということはどうであらうかと存じますけれども、假りに將來相當警察制度の上に改革があるものといたしました場合におきまして、この道路交通取締法案との關係におきまして、これが圓滑なる運用ができますかどうか。この點についての政府のお見通しをお漏らし願えれば大變結構であると思います。
 以上四點についてお答え願いたいと思います。
#9
○説明員(原文兵衞君) この法律ができまするならば、その機會に交通秩序の維持向上、交通道徳の昂揚というような點につきまして一層努力を拂いたいということにつきましては、實は十分考えておるのであります。お尋ねの最初の交通取締警察官の數を増員する考えがあるかどうかということにつきましては、實は現在警察官の總數というものは、御承知のように九萬三千なのでありますが、これを増員することは種々事情がありましてなかなか困難なのであります。從いまして交通だけでありませず、警察の諸般の事務、殊に治安關係が非常に終戰後よくないという現状におきまして、この限られた數の中の警察官を交通取締りの方に相當多數廻すということは非常な困難があるのであります。併しながら交通警察の重要性に錘みまして、警視廰等におきましては、特に警視廰が一番問題になるのでありますが、終戰後相當の努力を拂いまして、警察事務を一部他の方に移譲するとか何とかいうことを機會ある毎に努力いたしまして、警視廰でいいますと、現在本廰に二百名、第一線に七百五十名の交通警察の專務員がおるのであります。併しながら交通取締り竝に指導の徹底を期するためには、尚全國的に見てその數は十分でありません。お尋ねの際にもありましたように、今後警察制度の改革については相當研究しなければならん點もありますし、從いまして警察の取扱いまするところの事務についても改善しなければならん點が相當あるのではないかと思うのであります。その際には警察官の總數の若干の増員ということも行われるのじやないかというふうにも考えております。ただそういうふうになりましても、交通警察という點につきましては、やはりこれは道路上の事故防止、交通の取締りという點は飽くまでも警察の責任であり、義務であるというふうに我々も考えますし、この點につきましては關係方面も同樣な考えを持つておりますので、交通關係の警察官の充實ということにつきましてはそういう際におきまして可能でありますし、又是非やりたいというふうに考えておるのであります。
 次に、この法案を實施するにつきましての費用について計費しておるかというお話でありましたが、これは次の法案を實施する場合の運動といいますか、國民的な交通道徳の昂揚、或いは交通規則の遒守というような運動を展開することと關係して來るのでありますが、この兩點を一つにしてお答えいたしますると、只今實はこの法案が通りまして施行になります際を期しまして、お話にもありましたように、全國的に交通規則の遒守、交通秩序の維持、交通道徳の昂揚というような點につきましての大きな國民的な運動を展開したいというふうに考えまして著々準備中であります。これは勿論いろいろな方法もありますので、有らゆる機會を利用し、有らゆる方法を講じたいと思うのでありますが、特に今度この運動を展開するに當りまして、重點を置こうと思つておりますのは、小學校の教育の時間に、これはもう殆んど正課にして、交通教育というような時間を是非設けて貰い、小學校の兒童に全部この法律から拔萃しました簡易な圖解入りのやうな交通規則、交通讀本といいますか、そういうようなものを配付して、これを教科書として交通教育を施す。又それによりまして兒童を通じて家庭への交通規則の徹底ということを期したい。これをまあ重點といたしまして、この外映畫によるところの宣傳指導でありますとか、或いはポスター、その外交通に關するいろいろな展覧會、その他の催しというようなことも考えておりますが、一番重點は小學校兒童竝に中等學校の下級生といいますか、そういう者を對象として、ぱつと花火的に散るのではなしに、この機會に始めまして、その後ずつと恒久的に交通の時間を設けて、教育を通じて本當にやつて行きたい。地に著いてやつて行きたいというふうにこの法の徹底の運動を考えているのであります。
 そういたしまして、現在これらに要する費用として計費して實は豫算を作つておりますのは、大藏省とこれから折衝しなければならないのでありますが、私の方でその費用として豫定しましたのは、只今申上げましたようないろいろな運動に要する費用として、私の方で實は大藏省にお願いしようと思つて豫定しましたのが、約一千萬圓ばかりの費用になるのであります。最後の豫算は、實は作つておりますが、只今手許にございません。
 それから最後の警察制度の改革につきましてこの法律とどういうような關係になるかという點につきましては、交通取締り、交通事故防止のための交通取締り、いわゆる交通警察ということが警察の責任であり義務である。それは假りに現在の警察制度がどう改革されましても、交通につきましては當然どこでも同一に取締りをし、同一な規則によつて取締られなければならないのでありまして、そういう場合におきまして全國的に、又は綜合的であり、統一的である法律というものが特にその效果を發揮して來るのではないかと思いますが、假りに警察制度が變更されましても、交通警察につきましてはむしろ從來より一層重要視されて運用されるのではないかというふうに私は考えておる次第であります。
#10
○小野哲君 只今の政府委員のお答えによりまして、大體この道路交通取締法案が實施されました場合においての政府の御措置の内容を伺つたのでありますが、もう一點私が先程伺いました中に、この法律案を施行するについて直接の經費はあるのかないのか、この點のお答えを願いたいと思います。
 それから又、警察官の増員については、將來警察制度改革の時期に考慮されるように御努力をされておるように伺つておりますが、單に交通警察官ばかりではないと思いますが、治安維持のためには警察官の増員をして行かなければならないと思いますので一層の御努力を御傾倒願いたいと思います。尚將來の警察制度の改革を豫想いたしましてのお答えも私全く同感でありまして、そういう場合においてこそ將來の道路取締令或いは自動車取締令等を統一いたしまして、道路交通取締法典ができ上つたという場合の效果が十分に發揮されるのではないかということを期待いたしておるものであります。
 尚先程警保局長がちよつとお出でになりましたので私から伺いたい、又希望も申上げたいと思つておつたのでありますが、おいでにならなくなりましたので、警保局長に對する質問を保留いたしたいと思うのでありますが。
#11
○岡元義人君 小さなことでありますが、ちよつとお伺いしたいのですが、一月一日から實際にこの法令が施行されるということになりますと、地方の實際の業者というものがこの法令によりまして燈火その他の準備、そういうことまでしなければならんのですが、十分政府としては一月一日からできるということをお考えになつておるか。
 それから字句について一つだけ、第九條の取締りの中で事故を起したときの免許状の取消しですが、「同種」ということが書いておりますが。その「同種」は自動車の種類というぐらいに解すべきであるか。自動車の種類でも幾通りもありまして、自家用或いは營業用、それから又特殊自動車というようなものがあるのですが、これに對して一つ教えて頂きたい。
 それから免許證は都道府縣において發行するわけでありますが、この免許證の融通範圍はどういう工合に、自動車取締令の中にあるのでありますか。徹廢されますとどういう工合になるかということをお伺いしたいと思います。これは別のことになります。それからこの運轉免許は四項にもありますように或る府縣におきまして試驗に合格して運轉免許を受けますならばその運轉免許はどこへ行つても日本國内においては通用するということになつております。
#12
○委員長(吉川末次郎君) ちよつと速記を止めて……
#13
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて。
#14
○黒川武雄君 街頭を歩きましても、婦人警察官の交通取締をやつておりまするのは、非常に和やかに明朗に感じますが、交通取締につきましては、特に婦人警察官を一つ多數に採用し、殆んど婦人警察官を以て當てられるように私は希望するのであります。
#15
○説明員(原文兵衞君) これはやはり婦人警察官の採用につきましては、警視廰なり、各府縣の警察部のいろいろな實情がございますので、私の方で以て一律にそれがいいということにも言い兼ねますることと、もう一つは、確かにお話のような非常に和やかな良い點もあるのでありますが、實は婦人警察官は、現在交通警察官として、福岡なんかでは、自分で以つて交通信號をやつておるような所もありますが、東京邊りでは、歩行者に對する補助的な役目をやつております。交通信號を自分でやるということは、何と言いますか、肉體的にも相當な勞働なのでありまして、まだ一律にどちらがいいというような結論にも達しておりませんので、それともう一つは、今は各府縣警察部それぞれの實情がありますので任せております。私共の方でも結論を得ておりませんので、今後婦人警察官を餘計にやりたいというようなことにもお答えできない状態にあります。御了承願います。
#16
○小野哲君 警保局長がおいでになりましたので、關聯しました事項について總担的な質問をいたしたいと思います。
 道路交通取締法案の施行によりまして、交通秩序の保持のために警察官の増員が要るのじやないかということにつきましては、先程説明員から御答辯もあつたのでありますが、交通取締りばかりじやなく、治安全體の問題として、警察官の増員は誠に焦眉の急ではないか、かように思うのであります。先般來、或いは受刑者の脱獄事件が起つてみたり、いろいろ社會の治安、又國民に對して不安を招いておるような實情でありますので、さような點から申しましても、どうしても治安維持に必要な警察官を確保するということが是非必要であるということは、これは私から申上げるまでもないのであります。現状においては一定の數によつて制約されておるのでありますが、何らかの機會にこれが増員を實現するように、勿論政府は常に努力を續けられておると思いますが、一層の御努力を願いたいと思うのであります。これは警察官の増員についての政府の御措置を伺いたいというのが第一點であります。
 次は治安の維持につきまして、東京のごとき大都市の治安を維持しなければならんということは申すまでもないのでありますが、同時に東京を取巻いておる周邊地區の警察力を整備する。例えば千葉縣であるとか、或いは埼玉縣であるとか、そういうふうな周邊地區の警察力を充實するということが、結局東京都の治安の維持と關聯いたしまして必要なことではないかと思うのであります。然るに將來警察制度が改革されまして變化が起りますような場合におきましては、これらの點について缺くるところが生じはしないか。言い換えれば、東京を中心とした一定の地區における治安維持というものを考えなければならないに拘らず、餘りに分權的な状態になる虞れがないかということを非常に懸念いたすのであります。現状におきましても、周邊地區の人口當りの警察官の配置數は、東京に比べて非常に手薄なのであります。そのために全體としての治安維持をいたして行くということが困難な状態にあるのではないかということを私共は見ておるのであります。特に今申しました將來の警察制度の改革に伴いまして、この點についても只今から相當研究もし對策も講ずる必要があるのではないか。先程の増員は勿論是非必要でありますが、同時に現在の配置されておる警察官の人員につきましては、その合理的な再配置を考える必要があるのではないか。増員の點と再配置竝びに警察制度の改革に伴いまして、特に東京都を中心とした地區的な治安維持に對しましての政府の御所見を伺いたいと思うのであります。
 尚最後に警察官の待遇改善につきましては、先般も懇談會の際にいろいろ御所見を伺つたのでありますが、特に交通取締りに從事いたしておりまする警察官は、警視廰の管下におきましても七百數十名にも上つておりまして、屋外勤務に從事いたしております關係上、屋内の者とは餘程趣きが違つておると私は思うのであります。從つて増員によりまして、一人當りの負擔量を輕減いたしますと共に、その警察官の待遇を改善して行く、こういう措置を取ることが、一面道路交通取締法の適切な執行ができるのではないか、これは理の當然であろうと存じます。さような意味合におきまして、交通關係警察官に對して何らか特別の御措置を取つておらるるか。又將來お取りになろうとする心構えがあるか。この點を伺つて置きたいと思います。
#17
○政府委員(久山秀雄君) ちよつと速記をお止め願いたい。
#18
○委員長(吉川末次郎君) 速記を止めて。
#19
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて。
#20
○政府委員(久山秀雄君) 最後に、交通警察というふうな非常に繁劇な勤務に專念いたしております者に對しまして、特別の手當を支給するというふうなことを特に考えねばならんという點につきましては、私共もそう考えるのでありまして、それはまあ交通警察ということだけに限りません。普通の刑事警察等につきましても、相當そういつた面で優遇いをたしませんと、自然そういうことに對して非常に熱心に能率を上げて活動をするということもできないのでありまして、これはもう警察の能率を維持する治安維持という觀點から、警察官に對しまする特別の手當制度というものにつきましては、これも前々から絶えずそういうことでの要求をいたしておるのでありますけれども、何しろ御承知のような財政の状況であり、一般の政府全體の職員の給與の問題に關しましても、とてもそれが思うように行かない、先ず一應の俸給のみにつきまして、或る程度安定的な状態に達した上で、そういう手當の問題を研究するということになつておるのでありますが、いつまで經ちましても、本來の俸給そのものが常に職員一般につきまして不安であり、動搖しておるというふうな状況で、そういう具體的な警察官の或る種の勤務者に對しまする手當というふうな問題にまでなかなか思うように問題が進んで行かんのでありまして、こういう點につきましても甚だ遺憾に考えておるのでありますが、現状はそういうふうな状況でありまするが、それは新らしい制度に切替つて參りますというふうな時期におきましては、そういう面につきましても何らか思切つた改革がいたされませんと、ただ徒らに制度のみ變りまして著しく警察の機能というものが低下を來すというふうなことになりますことを非常に心配いたしておるのでありますが、これにつきましてもいろいろ悲觀的に考えられることばかり多いのでありまして、只今お話の問題は是非そうありたい、又そうでなければ治安維持は困難であり、能率ある警察活動はむずかしいと思うのでありますが、なかなか思うように參りません。そういう状況でありまして、甚だ申譯ない次第でありまするが、そういう状態に相成つておるということで、一つ御了承を頂きたいと思います。
#21
○羽生三七君 議事進行について、この警察制度に關する問題は、他日又論議の機會があると思いますが、どうでありましようか、我々相當意見を持つておるのでありますが……。
#22
○委員長(吉川末次郎君) その機會はあると思いますが、小野委員はこの議案に關聯して主としては話になつたのだろうと思います。
#23
○小野哲君 よろしうございます。
#24
○委員長(吉川末次郎君) 他に御質疑はございませんか。
#25
○奧主一郎君 思いつきのことでなんですが、この道路交通取締法案を、交通量の非常に多い東京だとか大阪のような所と、又地方の小都市の交通量の非常に少ない所と同じ法案で以て取締られる御意思ですか。
#26
○説明員(原文兵衞君) この法律は、全國的に全部この法律の下にはいて取締りをし指導をするというふうに考えております。交通量の非常に少い所で、案外事故としては大きな事故が起るようなこともありますし、交通規則の性質といたしまして、やはり全國的に一様なものでないと非常に工合が惡いというような點もありまして、同様にやりたいというけうふうに考えております。
#27
○奧主一郎君 いわゆる交通道徳の勵行と申しましようか、交通量の多い所では、自然に通行人も止むを得ずというとおかしいですが、守らなければ危險があるから、その意味からいつても、よく勵行されますが、地方の小都市においては、餘りにこれでは嚴格過ぎて、通行人も勵行ができないし、又處罰を受けるいわゆる取締られる方の側につきましても、非常に苛酷じやないか、又煩雜じやないかと實は思うために、田舍の小都市、何と申しますか、そういう所では、少しこの規則では無理ではないか、こういうふうに考えたものですから、ちよつとお伺いいたしました。
#28
○中井光次君 この問題に關聯してちよつとお尋ねして置きたいと思います。先程警察制度の問題に觸れて參りましたが、その問題については、改めて他の機會があると思いますが、この治安の問題でありまするが、現在の状況を毎日見まするというと、凶惡の犯罪の報道が毎日の新聞に一二を下らない。而してその檢擧の状況はどうであるかというと、この點は一度伺いたいのでありますが、必ずしもそうよく進展しておるのかどうかという疑いを持つておるのであります。ともかくもこういう事實が發生しておることそのことにおきまして、非常な治安上の不安があるのであります。これらの點につきまして、その後政府においてお考えになられたところとか、或いはその後の檢擧の状況というようなものにつきましてなるべく速かな機會において、私はお話を承りたいと存ずるのであります。
#29
○委員長(吉川末次郎君) それは委員長の方におきましても考慮いたしておりますので、できる限り御趣旨に副うように取運ぶようにいたしたいと思つております。他に本議案に關しまして御發言がありませんですか……。
 御發言もないようでありましたら、これからこの法律案につきまして討論に移りたいと思うのであります。それで念のために申上げて置きますが、法律案は、先程申しましたように、衆議院で修正されました案が即ち我々が今取扱つておるところの法律案であるということをよく御意識を願いたいと思うのであります。討論につきまして御意見のある方は、先ず贊否を明らかにしてお述べを願いたいと思うのであります。御意見ございませんですか。
#30
○岡本愛祐君 この法案に對して贊成であります。但し先程も質疑のときに申上げましたように、政府當局におかれましては、この法案による整理というものは、相當骨が折れるものであるということを考えられるのであります。というのは、尾燈を點けるとしてありますが、實際に地方未端におきましては「ろうそく」一本だつてなかなか手に入らない實情にあるのでありまして、この點につきましては十分に、お含み願いまして、そうして贊成の意を表します。
#31
○委員長(吉川末次郎君) 只今岡本委員から、本法案に對しまして贊成の意見を御開陳があつたようでありますが、他に御意見がなければ、これより採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
#32
○委員長(吉川末次郎君) それではこれより採決いたすことにいたしたいと思います。法案は、先に申しました通り、衆議院の修正を得ました道路交通取締法案であります。本法案を原案通り可決することに御贊成の方々は御起立を望みます。
#33
○委員長(吉川末次郎君) 全員一致と認めます。從つて本法案は、衆議院の修正通り可決すべきものと決定いたしました。
 尚本院規則第百四條によりまして、本會議で委員長がいたします口頭の報告の内容につきましては、豫め多數意見者の承認を得なければならないことになつておるのでありますが、これは委員長におきまして、本法案の内容及び本委員會における質疑應答の要旨、竝びに討論の過程における岡本委員の御贊成の御意見、その他の方々の御意思及び表決の結果等を私より報告いたすことといたしまして、御承諾を願つたことにいたしまして御異議がございませんでしようか。
#34
○委員長(吉川末次郎君) それでは御異議のないものと認めます。
 尚本院の規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出いたしまする報告書には、多數意見者の署名を附することになつておりますこと、御承知のことだろうと思うのであります。それで本議案を可とされました方々に順次御署名を願いたいと思うのであります。
#35
○委員長(吉川末次郎君) それでは御署名を順次願つております間に次の議事に入りたいと思うのであります。
 御承知のように先日の懇談會で御相談いたしました結果、地方財政及び地方行政の調査に關しまして、地方機關の設置の當否、及びこれに必要な法令の立案をするために調査の必要があるだろうということになつたのでありますが、つきましては參議院規則の第三十四條第二項によりまして、議長に對しましてこの地方財政及び地方行政に關する調査承認の要求をしなければならないのであります。それで右のような要求をいたしたいと思うのでありますが、御異議ございませんでしようか。ちよつと速記を止めて……。
#36
○委員長(吉川末次郎君) それでは速記を始めて。それでは豫め右のような小委員を設けますことに御異議ございませんか。
#37
○委員長(吉川末次郎君) 御異議ないものと認めます。尚右の調査承認要求書の作製等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、よろしうございましようか。
#38
○委員長(吉川末次郎君) 御異議ないと認めます。
#39
○岡本愛祐君 動議を提出いたします。
#40
○委員長(吉川末次郎君) 岡本委員から動議がありましたが、御異議ありませんか。
#41
○委員長(吉川末次郎君) 御異議ないと認めます。
#42
○岡本愛祐君 小委員の員數は九名とせられまして、その選定については委員長の御指名を頂くことの動議を提出いたします。
#43
○委員長(吉川末次郎君) 岡本委員の御動議がありましたが、小委員は委員長において指名せよということでございますが、御異議ございませんか。
#44
○委員長(吉川末次郎君) それでは小委員を指名いたします。
   鈴木 直人君  小野  哲君
   岡本 愛祐君  中井 光次君
   岡田喜久治君  黒川 武雄君
   羽生 三七君  阿竹齋次郎君
   吉川末次郎、全員九名であります。御異議ありませんか。
#45
○委員長(吉川末次郎君) 御異議がないものと認めます。尚小委員は本調査に關する議長の御承認があつたときに確定するものでありまして、その以後に御活動を願うということに法規上なつておりますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
 尚引續いて懇談會の形で右の問題に對する意見の交換をいたしたいと思つております。もう時間がないようでありますから、委員會は今日はこれくらいで散會することにいたします。
   午前十一時五十二分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     吉川末次郎君
   理事
           中井 光次君
   委員
           羽生 三七君
           奧主 一郎君
           大隅 憲二君
           草葉 隆圓君
           黒川 武雄君
           岡田喜久治君
           岡本 愛祐君
           岡元 義人君
           小野  哲君
           駒井 藤平君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   内務事務官
   (警保局長)  久山 秀雄君
  説明員
   内務事務官
   (公安第二課
   長)      原 文兵衞君
ソース: 国立国会図書館
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