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1949/04/10 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 内閣・外務連合委員会 第1号
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1949/04/10 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 内閣・外務連合委員会 第1号

#1
第007回国会 内閣・外務連合委員会 第1号
昭和二十五年四月十日(月曜日)
   午後一時三十三分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
  内閣委員
   委員長     河井 彌八君
   理事      カニエ邦彦君
   理事      藤井 新一君
           梅津 錦一君
           淺岡 信夫君
           小林米三郎君
           島津 忠彦君
           横尾  龍君
           大隈 信幸君
           下條 康麿君
           竹下 豐次君
           町村 敬貴君
           堀  眞琴君
           三好  始君
  外務委員
   委員長     野田 俊作君
   理事      徳川 頼貞君
   理事      伊東 隆治君
           金子 洋文君
           大畠農夫雄君
           團  伊能君
           淺井 一郎君
           伊達源一郎君
           佐藤 尚武君
           星野 芳樹君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本政府在外事務所設置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
   〔河井彌八君委員席に着く〕
#2
○委員長(河井彌八君) それではこれから内閣、外務両委員会の連合会を開きます。日本政府在外事務所設置法案、これを議題といたします。政府の説明を求めます。
#3
○政府委員(川村松助君) 日本政府在外事務所設置法案の提案理由について申上げたいと思います。
 日本政府は先にアメリカ合衆議に、日本政府在外事務所を設置することに関する昭和二十五年二月九日付連合国最高司令官総司令部の日本政府宛覚書を受領いたしました。この覚書によつて、日米両国間の通商貿易の振興を図ると共に、米国在留日本人の戸籍事務及び財産問題処理のため、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロスアンゼルス及びホノルルの四ケ所に在外事務所を設置するようにとのアメリカ合衆国政府の招請が伝達され、同時に右の在外事務所の所掌事務、構成等に関する連合国最高司令官総司令部の意向が通報されました。
 政府は、貿易振興及び在留邦人保護の重要性に鑑みまして、アメリカ合衆国政府の招請を欣然受諾したのであります。その後更にシアトルにも在外事務所を設置するようにとの提案がありまして、政府はこれを受諾いたしました。政府は、本件を円滑に且つ速かに実施に移すため慎重に案を練つて参りましたが、今回日本政府在外事務所設置法を制定いたしまして、在外事務所の設置、所掌事務並びにこれに置かれる職員及びその給与について規定したいと存ずる次第であります。日本の国際社会復帰への第一歩を印するものとして、本法案は極めて意義あるものでありまして、我が国にとりまして誠に喜ぶべきことであると思われるのであります。
 以上が提案理由の大要であります。何とぞ愼重御審議の上、御採択あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(河井彌八君) 尚この法律案の内容について御説明を伺いたいと思います。
#5
○政府委員(西村熊雄君) この法案につきまして、その内容を逐條御説明申上げます。
 第一條は、この法律の目的が日本政府在外事務所の設置、所掌事務並びにこれに置かれる職員及びその給与について規定するものであるということを述べております。
 第二條は、先ず日本政府在外事務所が、外務省の在外公館として設置されることを規定しております。在外公館とは、大使館、公使館、領事官等、外務大臣の管理の下に、外国にあつて外務省の所掌事務その他を行う機関を指しております。在外事務所は、平時におきまして領事館が行う事務のうち、特に限られた範囲の事務を行うものでありますが、領事館と同じ建前のものとして外務省の在外公館といたしたのであります。次に、差当つて設置される在外事務所の名称と位置を規定いたしました。
 今主管の政務局長が見えましたから、ここで代らして頂きたいと思います。
#6
○政府委員(島津久大君) 第二項は、将来在外事務所が増設される場合に、速かに設置することが要求され、而も国会が閉会中であつて、法律改正の手続によることができない等の場合には、予算の許す範囲内で政令によつて定めることができるようにしたものでございます。
 第三條は、在外事務所の所掌事務を十三号に分つて規定いたしました。これを大きく分けますると、貿易の振興に関する事務と、在留邦人の身分及び財産に関する事務とがございます。第一号は、第二号以下の貿易に関する事務の総括的な規定であります。第二号から第六号までは、いずれも貿易の振興のために欠くことのできない事務でありますし、広く我が国の経済事情を相手国へ、又相手国の経済事情を我が国に伝えると共に、個々の貿易取引につきましても、種々の便宜を図るという趣旨であります。第七号の旅行に関して便宜を供する事務も、又直接間接貿易の振興に寄与するものであることは言うまでもありません。第八号の国籍に関する事務とは、主として国籍法の規定に基く日本国籍の留保、離脱等の処理を指しております。第九号の戸籍に関する事務とは、民法、戸籍法等の規定に基いて、在留邦人の戸籍に関する届出事件を受理して、これを本籍地の市町村長に送付することであります。第十号の証明書の作成とは、在留邦人の便宜を図るための国籍証明、死亡証明等と、貿易の振興を図るための原産地証明、日本品の外国輸入陸上証明等があり、その種類は極めて広汎に亘つております。第十一号の日本人の遺産の保護管理とは、相手国の法令によつて許される範囲内で、日本人の遺産が不当な損害を被ることに防止して相続人の手に引渡すことであります。第十二号は、終戦後面目を一新した日本の諸法令中重要なものを在留邦人に周知させて、それにより新らしい日本の姿を知らしめることを目的としております。第十三号は、在留邦人の保護及び通商に関する利益の増進に関する事務については、以上に述べた事務以外のものであつても、相手国の同意及び連合国最高司令官の許可があれば、これを行い得るという趣旨であります。
 第四條は、在外事務所の所長に関する規定であります。第三條に述べた在外事務所の事務は、すべて所長の名において行われるわけであります。在外事務所が、外務省の在外公館である以上、所長が外務大臣の命を受けるのは当然でありますが、特に第二項に明記いたしました。第三項には所長に事故がある場合に、事務の渋滯を来たさぬように代理に関する規定を設けました。
 第五條は、在外事務所に置かれる職員の身分に関する規定であります。在外事務所に置かれる職員をすべて外務省の職員としましたことは、それらの職員を外務大臣の指揮監督の下に置き、指揮系統の混乱より生ずる無用の軋轢を防ぐという趣旨であります。
 第六條から第十二條までにおいては、職員の給与に関して規定致しました。先づ第六條においては、職員に対しては、一般公務員に対する給与の外在勤手当及び住居手当を支給する旨を規定しました。海外に勤務する職員に対して、その勤務の特殊性に鑑みて、在動手当を支給することは昔から行われたところであり、殊に現下の事情にあつては欠くべからざるものと言えます。住居手当は、職員がその配偶者を同伴する場合に、その生活費として支給するものであり、従来妻加俸と呼ばれていたものに相当いたします。第七條は、在動手当の支給期間、一時帰国の場合の支給等について規定いたしました。第八條は、住居手当の支給期間について規定いたしました。第九條は、在動手当及び住居手当の支給年額及び支給方法について規定しました。別表にあります通り、職員は一号乃至十号の手当を受けますが、個々の職員に何号の手当を支給するかは外務大臣が定めるわけであります。第十條は、手当の日割計算を行う場合の技術的規定であります。第十一條は、事務所職員が、一般の公務員の資格で受ける俸給、扶養手当等の支払を職員が指定する者に支払うことができるようにして、留守家族の便を図つたものであります。第十二條は、職員が住所に扶養親族を同伴する場合は、大低配偶者を同伴している場合であり、住居手当を受けているのであるから、同伴者にかかる扶養手当を支給しないという趣旨であります。
 第十三條は、在外事務所において手数料を徴收する事項及びその額を政令に委任する規定であります。
 附則の第一項は、施行期日の規定であります。附則の第二項は、在外事務所所長が、第三條に掲げる事務を的う場合に、その実体規定を提供するために、従来の法令中、「領事」、「領事官」又は「領事館」とあるのを、それぞれ「日本政府在外事務所所長」又は「日本政府在外事務所」と読替えることとしたものであります。一族を挙げて説明いたしますと、民法第七百四十一條には「外国にある日本人同志が婚姻する場合には、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。」と規定されております。事務所所長が、この法律の第三條第九号の戸籍に関する事務を行う場合の一つとして、婚姻届を受理する場合には、この民法第七百四十一條の規定中「領事」とあるのを「日本政府在外事示所所長」と読替えることによつて行うのであります。
#7
○委員長(河井彌八君) 本案につきまして御質疑がありますれば、この際御質疑を願います。
#8
○竹下豐次君 ちよつとお尋ねいたします。第二條の二項によりまして、在外事務所の増置ということが、予想されておるのでありますが、これは第一項に掲げた五ケ所の外に、どういう場所が予想されておるのでありましようか、お差支えなかつたら伺いたいと思います。
#9
○政府委員(島津久大君) お答えいたします。第二條に掲げました以外の場所につきましても、相当数これは置けそうだというようなところはございますが、これは極く非公式の話はあるようでございますけれども、日本政府に対して今日まで具体的に正式な連絡はまだ参つておりません。どこが予想されるということはまだ申上げる段階に来ておらんようなわけでございます。併し大体この夏ぐらいまでには或いは五、六ケ所実現しはしないかという予想を持つておるわけであります。
#10
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#11
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
#12
○竹下豐次君 それから同じ條の第二項に「予算の範囲内において、前項に規定するものの外、」というふうに書いてあるのでありますが、これは予想されたところについて予算がはつきり組んであるのでしようか。それとも予備費でも使つて増設するということになるのでしようが、そのお心組を伺いたい。
#13
○政府委員(島津久大君) この予算は外務省の二十五年度予算には当時予想が付きませんので計上していないのであります。大蔵省所管で海外払いの予備費がございまして、その中で今度できますところの費用も払われることになつております。尚今後増設されますものも、大体その予算の範囲内でという考え方でございます。額はどのくらいということも見当は付いていないのでございますが、必要ができましたときに予算のやる繰りで出そうという程度でございます。
#14
○竹下豐次君 外のことについて又お尋ねしたいと思います。通産省設置法の第八條には、通商局においては「海外市場、内外通商事情その他通商に関し調査し、統計を作成し、及び情報を提供すること。」こういうことが規定してあります。又第九條には通商振興局においては「海外市場概争品見本その他通商に関する参考品の展務紹介に関すること。」これを規定して、それぞれその所掌の事務の一部を決めているのでありますが、これらの事務は又この本法案の第三條にも在外事務所の所掌事務の一部となつているようであります。そうしますと、通商産業省と直接事務の連絡の必要上、編外事務所の職員に対して、通商産業大臣にも指揮権を与えるということが本当じやないかというふうにも考えられますが、本法案四條を見ますると、そういうふうになつていない。外務大臣の指揮権になつております。その点はどういう理由でありますか、御説明願いたいと思います。
#15
○政府委員(島津久大君) 今回の在外事務所の所管は外務大臣一本ということになつておりまして、外に出て行きます限りは外務大臣と在外事務所長の線が一本しかない考え方でございます。併し只今御指摘になりましたような通商産業大臣の所管事項につきましては、通商産業大臣から外務大臣に協議をしまして、外務大臣を経由して在外事務所長の方に指令が流れるということで、内部的には十分緊密な連絡をとつて円滑な事務の遂行に遺憾なきを期しているわけであります。通産大臣が直接在外事務所長を指揮するという線はとらないことになつております。
#16
○竹下豐次君 両大臣が緊趣な連絡をとられるということは政府の方針で確定しておるわけでありますか。
#17
○政府委員(島津久大君) 御意見の通りでございます。
#18
○竹下豐次君 それからもう一つ簡単なお尋ねをしたいのですが、第八條の第二項によりますというと、職員の配偶者が職員の任地において死亡した場合について規定してありますが、その配偶者が離縁された場合の規定が見えないのであります。離縁された場合はどういう取扱いになるのでありますか。この離縁の場合もはつきり書いて置く必要があるのじやないかというふうにも思つておるのでありますが、その点お伺いしたい。
#19
○政府委員(島津久大君) 離縁の場合は配偶者がなくなるということで、その際の規定は設けてございませんが、当然そういうことになると思います。
#20
○竹下豐次君 ただ死亡した場合とはつきり書いてある。死亡じやないから入らないというふうに解釈するのが、分離解釈としてはそういう解釈が正しいと思いますが、今お話のような解釈ができますか。
#21
○政府委員(島津久大君) 只今離婚の場合には準用されないという解釈をいたしております。
#22
○竹下豐次君 そうすると、それは…
#23
○政府委員(島津久大君) つまり離婚によつと配偶者がなくなつたということで、配偶者については第二項の規定は離婚の場合に適用がない……
#24
○竹下豐次君 そうすると、死亡した場合には、その死亡の日の属する月分までの住居費を出す。離婚された場合には出さないということは、それを二つに区別して取扱う理由はちよつと分らないのでありますが、どういうことですか。
#25
○政府委員(千葉皓君) 只今の政務局長の説明を補足いたしたいと思います。通常離婚などのございます場合は、内地に帰還して離婚するというのが普通でありまして、現地で離婚するという場合は極めて稀であろうと思います。又仮に万一そういう稀な事態が起りました場合におきましても、給与の場合では内地に帰りました上で、離婚したと同じような考え方によりまして、その住居手当の処理、それから給与の請求ということを考えなければならないと思います。特にそのための規定を必要ないと考えるのであります。
#26
○竹下豐次君 ちよつと今の御説明は了解し兼ねますが、内地に帰つたあと、何か補足される途があるのでありますか。
#27
○政府委員(千葉皓君) 内地に帰りますまでは、その婚姻の関係が継続しておるというふうに取扱うことができると考えるのであります。
#28
○竹下豐次君 それはどういう規定でできますか、離婚は離婚の届出を出せば成立するのでしようが、それが内地でそういう場合には特別何か規定が法律でございましようか、それを知りませんから……
#29
○政府委員(千葉皓君) 特にそういう規定はあるかどうか存じませんが、実際の運用におきまして、今申上げましたような措置がとられます。
#30
○竹下豐次君 金銭の支払が法律の根拠がなくして適当な運用によつてやるということはちよつとでき兼ねると思います。足りないところは外務大臣の機密費から補つてやるから構わないということはできるかと思いますが、それでいかぬと思います。それからもう一つは、外国で離婚されるということは余りない例だということですが、それは事実そういうことになるかも知れませんけれども、そういうことはないとは限らないのであります。それをただ御説明のようなことで、規定すべきことを規定しないで置くということはどうかとも考えられるのでありますが、尚その点は今直ぐここでお答え下さらなくても、御研究を下すつて、あとでお答え下すつても結構です。法律関係の……
#31
○政府委員(千葉皓君) 更に研究いたしてお答えいたします。
#32
○堀眞琴君 私質問申上げようと思つたことは、大体竹下さんから質問されたので、もう殆んどないのでありますが、ただ一ケ所、第二條の第二項の問題ですが、説明書によりますと、「在外事務所が増置される場合に、速かに設置することが要求され、しかも国会が閉会中であり法律改正の手続によることができない等の場合には、予算の許す範囲内で」云々と書いてありまするが、予算の範囲内の問題は今竹下さんが質問されましたから、これは措きますが、法律改正の手続によることができない、国会閉会中である。こういうことのために政令で以て増置されるということになりますというと、非常におかしなことになりはせんかと思うのであります。御承知のように、憲法は国会閉会中で緊急のことがあつた場合には、参議院か、或いは衆議院が解散中でも、緊急の親合には参議院が召集されるということになつておるのでありますが、非常に緊急の場合においてすら国会が召集されるということになつているのに、この在外事務所を増産する場合は、それ程私は緊急の必要に迫られるということはないのじやないだろうかという気がするのですが、その点に関してちよつとお尋ねいたしたいと思います。
#33
○政府委員(島津久大君) 緊急性の問題でございますが、通商貿易の関係では、御承知の通り今日まで盲貿易という状態でやつております。今日一日も早く日本の機関を関係のところに出しまして、向うで目を開くということは貿易の促進上非常に緊急なことと我々は考えております。できることなら、この国会開会中法律で増置して頂く方が穏当でございますけれども、まあやつと初めてアメリカにだけできました。その外の東亞地域乃至は欧洲、南米その他の地域、現在貿易協定ができており、貿易が動いておるのでありますけれども、どうしても早い機会に出先を作りたいということは私共としては緊急な問題と考えております。尚又居留民の関係でも、戦争以来今日までいろいろな事務が山積して滯つておるような状況で、これを又在留邦人の多い地域におきましては一日も早く置きたいと思います。当然この設置に関しましては、設置の際には緩急順序もあるわけでございます。この点は政府としましても慎重に考究いたしまして、相手国もあるわけでございますから、濫設というようなことになるようなことは勿論極力避けるように考えております。
#34
○堀眞琴君 確かに通商上緊急の必要のある場合があると思います。併し大体新聞でも予想が発表されておるということでありまして、予想し得ないということではないのであります。緊急の事態というのは予想し得ないことが緊急の事態だ。これが明治憲法の際にもそういう解釈がとられて来ましたし、新らしい憲法になりましても、予想し得ない場合のことを緊急と言つている。予想し得る場合ならば、勿論法律的な手続でそれに対する措置ができると思うのです。ところが今度の場合は予想し得る事柄に属すると私は思う。そういう事柄は、緊急ということのために、政令で以て事務所が設置されるということになりますと、政令の濫用にもなりますし、ひいては法律の解釈に対する重大な問題を惹起すのではないかというふうに考えられるのでございますが、その点については如何なものでございますか。
#35
○政府委員(島津久大君) 只今予想ができるという話でございますが、我々こういうふうに考えておるのでございます。通商貿易の関係と在留民の関係の深いところは、できるだけ多数の国に出したいのは当然の話でございます。ところがこれは相当国の意向があるわけでございまして、置きたいところにも置けないというような状況があるのでございます。そうして一旦置けるというようなことになつて参りまして、それが具体化して参りましたときには、これは遅滯なくやはり日本の方からも応じて話合いほ進めないと、まあ機を失する、こういうことは思うように行かなしい場合もあようなわけでございます。只今予想として新聞などに上つておりますところが、果してその通りに話合いが進むかどうかということも分らないわけでございます。一に具体的に話合いが進む、その進みようによつて、時期、場所というようなことが決まつて来るのでございます。
#36
○堀眞琴君 在外事務所ができるだけ沢山設けられるということについては、私も賛成なのです。決して存外事務所を設置するな、増設するなという意味ではないのです。併しその増設に当つて相手国との間に交渉の必要もありましようけれども、交渉の段階では必ずしも直ぐにその事務所が設置されるということではなくて、相当国との交渉が済んだあとに在外事務所が設けられるという段取りになると思うのです。従つてこういうような問題は、法律上の建前から申しますというと、やはり立法的な手続によつて設けるということを規定する。併し政府は政府として、相手国との交渉をどんどん進められて私は構わぬと思うのです。そういう法律上の手続を履むということが重大なことではないか、こう考えるのですが、その点に誠きましては如何でございますか。
#37
○政府委員(島津久大君) 法律の手続が必要なことは勿論御同感でございますが、交渉というものが数ケ月続いて、その後に正式化するという場合もございましようが、一両日の話合いで直ぐにできるという場合も亦あるように考えるのでございます。そういうような直ぐにも置けるというような場合に、数ケ月空白にして、折角の好機を延ばすということも亦とらないところではないかと考えます。
#38
○堀眞琴君 その数日にしてですか、増置される場合もあり得ると思いますけれども、併しそれは非常に例外的な場合じやないかと私は思うのです。通商に関する事柄、それから居留民の身分や財産に関する事柄は極めて重要な事柄でありまして、そう簡単に二三日で以て折衝が成功して、そうして直ぐ事務所が設けられるという段取りには私はらぬと思うのです。そういう例外的な場合もあり得るとしても、やはり私は立法上の建前から、政令で以て外務省が勝手に在外事務所を設けるというその趣旨には、どうしても賛成することができないのです。やはり法律上の手続をとつて、正式の手段によつて設けるということが最も望ましいことであります。それから又国会の閉会中と申しましても、例えば今年予想されているのは、恐らく夏とか或いは秋とかいうことになるだろうと思いますが、参議院の選挙が済みますれば、いずれは臨時国会が召集されることにもなりましようし、そのときに又改めて在外事務所の設置法に関する修正案を出されるということでも十分間に合うのじやないかと思いますが、その点は如何なものでしようか。
#39
○政府委員(島津久大君) 交渉がどういうふうになるかという予想の問題、これは深く申上げなくてもよろしいかとも思いますが、併し仮に五月の中旬頃に話合いができましたとしまして、次の国会がいつになりますか、私共全然存じませんが、相当の期間待たなければならないということは、如何にもこの情勢から考えまして、遺憾なことと考えておるので、止むを得ずこういうような規定が出ておるわけでございます。勿論それまでにできましたところ、その他は次の国会において又十分御審議を願う機会があることと考えております。
#40
○カニエ邦彦君 この法案が出て参ります前に、政府はこの法律によらずして、すでに在外事務所を置くというようなことが言われておつたのでありますが、私が当然これはもう置かれておると思つておつたものが、今度ここで法律案になつて出て来たのですが、政府の当初の考え方と、この法律案が出て来たというところに、多少当初の考え方とは違つたように考えられるのでありますが、その間の事情を一つ御説明願いたいと思います。
#41
○政府委員(西村熊雄君) 私共は当初はこの事務所をポツダム政令によつて設置するかどうかという点につきましては、この種の事務所を速かに設置する必要がありましたので、このポツダム政令で設置することができるのではなかろうかというように考えたときもございました。ところが案文を練つて行くその外又設置される事務所に認められる職務権限の問題、それから派遣される職員の給与等につきまして、研究して行きますうちに、やはり法律によります政府機関の設置という方式をとることが妥当であろうという結果に到達いたしたわけであります。そういうふうなわけで、今般の法案の提出ということになつた次第であります。
#42
○カニエ邦彦君 そういたしますると、やはり在外事務所を設置するということは、法律によるということが正しいというような御見解のように承つたんですが、そうなりますると、仮に今堀君が質問されておつたようにですね。政令で以てぽんぽんと決めて行く、今後のものを決めて行くということが適当でないように考えられるのですが、その点はどうでございますか。
#43
○政府委員(西村熊雄君) 無論原則といたしましては、お説の通り法律によつて規定して行くべきものと考えております。今度の法案によりまして、在外事務所の権限、職員待遇その他が全部この法律によつて確定されるわけであります。今後設置されることがあります在外事務所は、要するにこの法案による在外事務所の設置の場所が、まま追加されると、こういうことになります。設置の場所が追加される場合にも勿論国会開会中であれば、この法律案の修正と、追加と言いますか、というような形で上程されることがありましようが、先刻政務局長も御説明がありましたように、国会の開会中に、相手国から招請を受け、日本側として至急設置をいたしたいというようなことがあります場合が、丁度第二條第二項にあります必要のある場合と言いましようか、それに当りまして、その場合だけがいわゆる政令の形で設置の箇所を追加すると、こういう途を開いた次第であります。従つて根本の原則はお説の通りの建前になつております。
#44
○カニエ邦彦君 この件については又後程お聞きするとして、この法律によると、施行の日からこれを実施することになつておるんですが、大体現在この法律に出ております五ケ所の職員並びにこれに対する予算は、大体二十五年度にどのくらい見積られておるんですか。
#45
○政府委員(千葉皓君) お答えいたします。現在計画中の事務所五ケ所ございますが、それに努しまして米国側から打合せによりまして、一ケ所に所員が三名、更に補助職員を四名派遣することになつておりますが、五ケ所のうちロスアンゼルスとシアトルにつきましては、只今三名と申しました所員が二名、そうして補助職員が三名、即ち三ケ所につきましては所員が三名、補助職員が四名、それから二ケ所につきましては所員が二名、補助職員が三名、こうなつておりますが、補助職員のうち三ケ所につきましては三名を現地で採用する、二ケ所につきましては、二名を現地の者を採用すると、こういうことになつております。予算につきましては、予算編成の時期との関係がございまして、二十五年度の一般会計予算には在外事務所設置のための予算としては別に計上されておりませんが、大蔵省所管の予算のうちに、海外出張其地海外払関係諸費という費目が設けられてありまして、これは予算総則第九條の規定によりまして、内閣の方におきまして、必要なところにその経費のうちから必要な額を移し替えて支出させることができる規定になつております。外務省におきまして、この規定に従いまして、所要の経費を移し替えて、大蔵省より移し替えて貰つて支出に当てたいと考えております。尚、現在におきまして、在米五ケ所のために約一億二千三百万円という経費を一年間の所要額と考えておる次第であります。
#46
○カニエ邦彦君 これに要する今の職員は定員法によつて別にこの在外公館としての定員法を出されるのですか、或いは外務省のどこかの局の定員によつて行われるのですか、将来、その点はどちらです。職員定員法に……
#47
○政府委員(島津久大君) 定員法の枠の中で考慮しております。
#48
○カニエ邦彦君 そうすると、新らしく定員法をお出しになるわけではございませんね。
#49
○政府委員(島津久大君) 定員増の要求は出さないことになつております。
#50
○カニエ邦彦君 次に第二條の説明の「在外公館とは、大使館、公使館、領事館等、外務大臣の管理の下に」と謳つてあるのですか、従来の大使館、公使館、領事館の外に在外公館というものが新らしく殖えたということに解釈されるわけですか、或いは又従来のそういつたものの別にですね、一時的なものとしての設置なんですか。
#51
○政府委員(島津久大君) 一時的のものでございますが、特に只今のところは殖えたような形になつております。将来は正式の領事館なり、公使館、大使館ができました場合には当然解消することになると思います。
#52
○カニエ邦彦君 次に「差当つて設置される在外事務所ということですが、差当つてという時期は大体どのくらいの時期か。現在のところ政府としてのお見込はどんなふうですか。
#53
○政府委員(島津久大君) これはやはり講和條約の成立までと一応常識的には考えるのでございます。講和條約がいつできますか、どのくらいの期間ということはちよつと見当が付きかねます。
#54
○カニエ邦彦君 最近講和会議についてはいろいろ又早急に行われるようなことが伝えられているのですが、その点については、早急に講和会議が締結されるというような情勢はあるのでございますか。
#55
○政府委員(島津久大君) 講和條約を促進するということは、御承知の通り、去年の秋くらいから非常に積極的になりまして、その後いろいろな客観的條件が出て参りまして、一時講和條約はなかなかできぬというような印象を与えるような情報も出て参つたのでございますが、併しやはり関係国では一日も早く講和條約を、日本関係の講和條約を作るという基本的な考え方には変りはないというふうに考えております。ただよく我々御説明申すのでございまするが、客観情勢というものに左右されますので、非常に早くでき得ることもございましようし、又思うように、努力はあつても成果が上らぬという事態も又でき得るのでございまして、併し勿論我々としましては、非常に早く締結されることを希望いたしますし、可能性も又あると思つております。
#56
○カニエ邦彦君 その可能性の問題ですが、何か最近変つて、そういつた可能性を強くするような情報がございますですか。
#57
○政府委員(島津久大君) 特別の情報は新聞報道以外には参つておりません。
#58
○野田俊作君 今アメリカの在留邦人というものの数みたいなものは、こちらの方で何か調査があるのですか、昔は毎年いろいろ出ておりましたが、この頃は十年ばかり何もああいうものが出なくなつていますが、何かお調べになつておりますか、今お調べになつているなら資料を頂いた方がいいと思います。つまり北米、南米のですね。
#59
○政府委員(島津久大君) 実は最近と申しますか、戦争が始まりまして以来は、正式な統計として出し得るものは持つておりません。従来の戦前のはございますが、その後、死亡、出生その他の動きがあると思うのでありまして、大体その見当は付いておりますけども、従つて今度の在外事務所ができますれば、これまで空白になつております数年間を補正して、できるだけ早い機会において統計を発表したいと、こう考えております。
#60
○野田俊作君 それは古いものなら頂かなくてもいいと思います。
#61
○委員長(河井彌八君) 何か外に……
#62
○野田俊作君 大体私共伺いたいことは、あなたの方の委員の諸君からお聞き下さいましたから、私の方は別にないと思います。
#63
○委員長(河井彌八君) 野田委員長から連合会をもう開く必要なしと、こういう申出がありますが、その通りでよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは連合会はこれを以て終了いたします。
   午後二時二十六分散会
 出席者は左の通り。
  内閣委員
   委員長     河井 彌八君
   理事
           カニエ邦彦君
   委員
           小林米三郎君
           島津 忠彦君
           横尾  龍君
           竹下 豐次君
           町村 敬貴君
           堀  眞琴君
  外務委員
   委員長     野田 俊作君
   理事
           伊東 隆治君
           淺井 一郎君
           伊達源一郎君
           星野 芳樹君
  政府委員
   外務政務次官  川村 松助君
   外務事務官
   (大臣官房会計
   課長)     千葉  皓君
   外務事務官
   (政務局長)  島津 久大君
   外務事務官
   (條約局長)  西村 熊雄君
   外務事務官
   (管理局長)  倭島 英二君
ソース: 国立国会図書館
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