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1947/10/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第11号
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1947/10/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第11号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第11号
  付託事件
○地方分権の確立に関する陳情(第二
 十三号)
○経済緊急対策中、料理飮食店の措置
 に関する陳情(第二十九号)
○料理飮食店の措置に関する陳情(第
 三十五号)
○料理飮食店の休業に伴う藝妓営業に
 対する措置に関する陳情(第三十七
 号)
○地方自治連盟の即時解散に関する陳
 情(第三十九号)
○地方分権の確立に関する陳情(第五
 十四号)
○特別市制実現に関する陳情(第百十
 三号)
○地方公共團体職員の給與に関する陳
 情(第百二十二号)
○地方公共團体職員の暫定加給國庫補
 助その他に関する陳情(第百三十五
 号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百三十七号)
○特別市制実現に関する陳情(第百五
 十四号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百五十七号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百六十五号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百八十号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百八十六号)
○特別市制実現に関する陳情(第百八
 十九号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 百九十四号)
○特別市制実現に関する陳情(第百九
 十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百十七号)
○兵庫縣武庫郡の取扱いを都市同樣と
 することに関する請願(第百二十八
 号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 二十五号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百二十九号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百三十号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 四十号)
○地方公共團体職員の給與に関する陳
 情(第二百四十二号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百四十六号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 五十号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百五十三号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百五十七号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 五十八号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 五十九号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 七十二号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百七十七号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百七十八号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 七十九号)
○特別市制施行反対その他に関する陳
 情(第二百八十一号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 二百八十六号)
○地方官公廳職員待遇改善費國庫補助
 に関する陳情(第二百九十号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 九十三号)
○特別市制実現に関する陳情(第二百
 九十七号)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○地方自治法の一部を改正することに
 関する陳情(第三百八号)
○特別市制実現に関する陳情(第三百
 十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 三百四十一号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 三百六十六号)
○特別市制実現に関する陳情(第三百
 七十三号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 三百七十四号)
○町内、部落会廃止後の措置に関する
 陳情(第三百八十六号)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 三百九十六号)
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○特別市制施行反対に関する陳情(第
 四百十一号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月二十日(月曜日)
   午後二時二十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方自治法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉川末次郎君) これより常任委員会を開会いたします。先ず初めに本日参議院公報に会議に付する事件として皆樣にお知らせしてあります地方自治法の一部を改正する法律案が、予備審査のため本委員会に付託されておりますので、右の法律案につきまして内務大臣から提案の理由についての御説明を願いたいと思います。
#3
○國務大臣(木村小左衞門君) 本委員会に付託に相成りました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明いたしたいと思います。
 地方公共團体の自主性と自律性とを更に強化し、新憲法の精神に基づき地方自治の本旨を一層徹底せしめることについては、何人も異論のないところであると存じます。申すまでもなく、地方自治法は、從來の中央集権性を矯め、後見的監督の制度を改めて、地方公共の事務は、住民の創意と責任とにおいてこれを処理せしめることを根本の建前としているのでありますが、地方自治法施行の状況及びその後の情勢の推移に應じまして、この際更に地方公共團体の自主権を強化し、その自律性を徹底して、地方自治の本旨より一層積極的な発揚を図ることが適当であると存ぜられるのであります。よつて、地方事務所及び地方公共團体の協議会の設置、並びに使用料等に関する許可権を整理するとともに、市町村合併等の際における財産処分は、すべて関係團体の自主的協議によつて定めさせることといたしました。又、一面、地方公共團体に委任する國政事務処理のための経費の財源に対する措置及び地方公共團体の長に委任した國政事務に関する手数料の徴収等に関する規定を整備するとともに、いわゆる起債自由の原則を認め、ただ現下の情勢に鑑み、当分の間從來の制度を存続する建前といたしまして、財政自主権を更に強化すると共に、その保障を厚くしたのであります。
 次に國政の運営と地方自治行政との間に適切な調整を図り、一面において、國の絶対必要とする要請を確保すると共に、他面において、地方自治に対する保障を公正且つ民主的な方法によつて維持することは、國家の健全な再建と発展とを図る上において、特に必要であると存ぜられるのであります。最近特別地方行政機関設置の傾向が逐次強まり、現在都道府縣の区域内に設置されている主要なものの数は、約九十に達する状況であります。固よりこのような傾向の馴致されました所以については、現下当面しつつある経済情勢から見て、止むなき事情もあると存ずるのであります。併しながら、これら各種機関の運用の実際を見ますと、或は綜合的地方行政の一環として廣い視野の下に処理した方が、より一層適切であると認められるものがあるやに観取され、國政の適切な遂行を図る上からも、地方自治の円滑な進展を期する上からも今後單に局面的見地から出発した出先機関が濫立される傾向を防止することは特に必要と存ぜられるのであります。よつて今後新に地方行政機関を設置しようとする場合には、國会の承認を要するものとし、以て國会にによつてその間に公正且つ適切な調整が加えられることといたしたのであります。又反面におきまして、地方公共團体の長は、國の機関として各般の國政事務を処理しているのでありますが、その國政事務の処理が法令の規定、若しくは主務大臣の処分に違反し、又は著しくその職務を怠る等の場合におきましては、その遂行を確保する措置を講ずることは、これ亦國政の運営と地方自治行政との間の調整を図る上において、特に必要があると存ぜられるのであります。よつて、地方自治法第百四十六條の知事、市町村長等の彈効裁判の規定を改めて、新たな構想の下に司法裁判所による公正な事実認定を基礎として、國政事務の遂行を強制し、確保する措置を規定することといたしたのであります。
 次に、地方公共團体の意思機関であるに拘らず、從來兎角閑却され勝ちであつた地方議会の積極的活動と円滑な運営を期することは、新しい地方自治の健全な発展を期する上において特に必要でありますので、この点に関し、地方自治法の規定を更に補足する必要があると存ぜられるのであります。今後地方議会の議員は、條例の制定等について、積極的活動を行うことが、愈愈多くなつて來るであろうと予想されますので、そのための調査研究を行い、議員としての識見を養うことは、議員として当然の責務であります。又議会と執行機関との関係におきまして、殊に多くの問題を捲き起すものは予算の議決に関する事項であります。よつて政府は地方議会に対し、官報及び政府の刊行物を地方公共團体の議会に送付し、図書室を必ず設置しなければならないこととしました。又知事、市町村長等の発案権を侵害しない限り、地方議会は、予算の増額修正をすることを防げない旨の規定を設けたのであります。
 次に、選挙の民主化を徹底し、その公正な執行を図ることは、住民自治の本義に鑑み特に必要であることは、申すまでもないところでありますが、過般の選挙の結果等に鑑みまして、これらの点に関し、更に規定を整備する必要があると存ぜられるのであります。よつて補充選挙人名簿の調製を選挙の都度行うと共に、選挙人の年齢及び住所の期間を選挙期日により算定することとし、選挙に参加し得る選挙人の範囲を極力拡充して、選挙の民主化を図ることにいたしました。又地方公共團体の長の決戰投票、又は選挙において一旦有競争の状況になつたにも拘らず、候補者の死亡、辞退のため、候補者が一人となつたときは、無投票とせず、選挙の期日を延期して、第三位の得票者を候補者とし、又は新らたに補充立候補を認めることとして、極力選挙の民主化と公平とを図ることといたしました。
 又更に同一政党の候補者は、二人を越えて各種立会人を出すことができないことといたしまする等、選挙手続の公正を期することといたした次第であります。
 以上が本法律案中に規定いたしましたる主要な改正事項であります。
 尚近く行れる内務省の解体に伴いまして、先般政府はその後継機関として地方自治委員会を設置することとし、所要の法律案を提案いたしましたところ、その後の情勢の推移により、右法律案を撤回し、地方自治委員会の機構について再檢討を加えなければならないこととなつたことは、すでに各位の御承知のことと存じます。從つて政府としては、この後継機関の機構等につき成案を得ました後に、その関係法律案とともに、本法案を同時に提出する予定で準備を進めて参つたのでありますが、何分にも会期も切迫し、その時期を待つていては重要なる地方自治法の改正自体についての御審議を願う期間がいよいよ少くなると存ぜられまするので、とにかく速かに本法律案を國会に提案して御審議を願うことに方針を定め、今会急遽提案いたしました次第であります。從つて本法律案におきましては、從來地方自治法及び衆議院議員選挙法等において内務大臣の有していた権限は、特に重要な権限を内閣総理大臣の権限といたしました外は、すべて一應地方自法委員会の権限に改めてあるのであります。從いましてこの点については、内務省の後継機関に関する成案の決定と相俟つて、本委員会の御審議の途中において適当なる措置を講ずることといたしたく、今回政府がこのような便法を採りましたことにつきましても、又その事情を篤と御了察願いたいと存ずるのであります。
 以上本法律案の提案の理由及びその内容中主要な事項を説明いたしました。尚本法律案に規定いたしました主要事項につきましては、林政府委員をして説明いたさせます。何卒愼重御審議の上速かに可決せられんことをお願い申上げます。
#4
○政府委員(林敬三君) 内務大臣から只今地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の説明を申上げましたが、私から本改正法律案中のその内容をなします事項につきまして、その概要を御説明申上げたいと存じます。
 先ず選挙に関する事項であります。
 その第一は、選挙人名簿の調製に関し、有権者をでき得る限り漏れなく名簿に登載するため、從來の定時名簿主義を改めて、随時名簿主義を採用するとともに、選挙権の要件たる年齢及び住所の期間は、選挙の期日によりこれを算定するようにしたことであります。現在衆議院議員の選挙人名簿については、毎年九月十五日の現在により調製し、十二月二十日を以て確定し、爾後一ケ年据え置かれるところの定時名簿主義を基礎としております。併しこの定時名簿主義によりますと、名簿から脱漏している者、又はこの名簿調製後選挙のときまでに新らたに有権者となつた者は、選挙に参加することができないという不都合乃至欠陷があるのであります。そのため本年一月、昭和二十二年法律第二号といたしまして、衆議院議員選挙法第十二條の特例等に関する法律が制定され、これによりまして、このような者及び海外引揚者を登載する名簿を選挙の都度臨時に調製することとなりましたから、定時名簿主義及びこの臨時名簿主義の併用によりまして、選挙人を正確に且つ遺漏なく捕捉することができることとなつたのであります。この原則は、地方選挙にのみ用いる補充選挙人名簿についても同樣に適用されておるのでありますが、補充選挙人名簿に登載すべき選挙人は、現在ではいわゆる特別選挙権を與えられた者と海外引揚者の一部とに過ぎませんので、敢えて定時名簿を調製せず、選挙の都度随時に名簿を調製してこれに登載することといたしましても別に支障なく、又衆議院議員選挙法との関係におきましても何らの不都合を生する處もありませんので、今回毎年九月十五日で調製する定時名簿は、これを止めることとして、随時名簿一本とし完全なる随時名簿主義を採用することとしたのであります。又選挙人をでき得る限り廣く捕捉いたしますために、選挙権の要件たる二十年の年齢及び六ケ月の住所期間は、選挙の期日によつて、その選挙の期日までに二十年に達する、或いは六ケ月の住所期間を持つという者も、この中に加えて算定することといたしたのであります。
 第二は、選挙の公正を確保するため、同一の政党その他の團体に属する候補者の届け出た者が三人以上各種立会人となることを禁止し、各政派の公平な立会の下に選挙手続を執行せしめ、少数派の利益をも保護するに支障がないようにいたした点であります。
 第三は都道府縣知事及び市町村長等、地方公共團体の長の選挙又はその決戰投票におきまして、立候補の届出期間経過後、又は決戰投票の期日が決定してから選挙の期日の前日までに、候補者が死亡し、又は候補者たることを辞したため、候補者が一人となつたときは、選挙の期日を原則として五日延期し、更に補充立候補の届出をさせ、又は最初決戰投票の候補者となることのできなかつた第三位以下の次順位の者を候補者に加えて選挙を行うこととし、なるべく偶然の事情により無投票当選となることを避け、できるだけ選挙人の投票によつて当選者を決定させることといたした点であります。
 第四は、町村の選挙につきまして、その選挙の実際から考え、立会人の届出期間及び補充立候補の届出期間を一日延長し、選挙期日の前二日までといたした点であります。
 第五に、無投票当選によつて地方公共團体の議会の議員又は長となつた者についても、現行法においては、その就職後一年間は解職投票の直接請求、即ちリコール・システムを認めていないのでありますが、選挙及び投票の民主化を更に徹底する見地から、その期間内においても、住民の直接請求による解職投票を行い得ることと改めたのであります。
 第六に、以上の実質的改正の外、特別投票権の付與の基準、代理投票の方法及び不在者投票の事由並びに選挙事務所の数の制限のごとく、政令中に規定されております事項で比較的重要なものを、法律中にできるだけ具体的に規定いたしまして、以て立法府の権能を尊重いたす方向を拡張いたしますと共に、一般の理解に資するように規定を整理いたしたのであります。
 次は、議決機関及び執行機関に関する事柄であります。
 その第一は、本法律案の提案の理由として大臣より説明がありましたごとく、特別地方行政機関設置の最近の傾向が、地方自治を損うことの少くない点に鑑みまして、政府が今後新たに國の地方行政機関を設けようとするときは、司法行政及び懲戒機関、鉄道現業官署、電信電話及び郵便官署、学校、図書館及び博物館等の文教施設、國立の病院及び療養所、燈台その他の航行施設、氣象台及び測候所、水路官署、港湾建設機関、営林署並びに國の直轄工事の施行機関以外のものは、たとえ駐在機関を置く場合でも、すべて國会の承認を経なければならないこととし、かくの如き國の地方行政機関の設置及び運営に要する経費は、國が負担することの原則を明かにしたのでありまして、これにより地方自治を侵害する地方行政機関の濫設を防止することといたしたのであります。
 第二は、都道府縣知事及び市町村長のいわゆる彈効に関する制度の改正についてであります。
 地方自治第百四十六條は、單に都道府縣知事又は市町村長の彈効による罷免に関する規定であり、且つ彈効裁別は彈刻裁判所においてこれを行うことになつておりますが、かような規定が置かれております理由は、地方自治との間に適当な調整を図つて、國政事務の遂行を確保しようという点にあることと御承知の通りであります。
 從つてわざわざ彈効裁判所のごとき特別の機関を設けて地方公共團体の長を彈効し、罷免するという煩雜な方法によらず、むしろ、実質上にこれらの者が法令や上級行政廰の命令に違反し、又は職務の執行を怠るような場合には、特にこれらの者に対して、必要な措置を講ずべきことを命じ、尚その命令に從わないときは、司法裁判所による事実認定を基礎として、上級行政廰において代執行又は罷免をすることができることとすることの方がより合理的であり、自治権の尊重と國政事務遂行の確保という両面の要請をより適切に調和するものと考えられるのであります。このような理由から、國の機関たる地位おける都道府縣知事が法令の規定又は主務大臣若しくは地方自治委員会の処分に違反することがあると認める等の場合においては、主務大臣は、文書を以て、当該事項を行うべきことを命じ、これに從わないときは、東京高等裁判所に当該事項を行うべき旨の裁判を請求し、その裁判にも從わないときは、東京高等裁判所に対し、実事の確認を求めた上、自ら代執行をし、又は内閣総理大臣においてこれを罷免することができるものとしたのであります。又市町村長につきましても、都道府縣知事が、右の場合と同樣に、地方裁判所の裁判を基礎として、これに対して必要な事項の執行を命じ、代執行をなし又はこれを罷免することができることといたしたのであります。尚罷免は余程の事情のない限り、これを軽々に行うべきものでなく、これを行うのは、本人に尋常ならざる瑕疵がある場合と考えられますので、罷免された都道府縣知事及び市町村長は、二年間都道府縣に属する官吏となり又はすべての地方公共團体の公職に就くことができないものといたしたのであります。
 第三は、地方公共團体の議会が当該地方公共團体の事務に関する調査のため選挙人その他の関係人の証言を請求する場合につきまして、新たに偽証罪の規定を設けたことであります。現在地方公共團体の議会が選挙人その他の関係人に証言を請求する場合、選挙人その他の関係人が仮りに虚偽の陳述をしても、刑法の偽証罪を構成しないため、調査上眞実を期することができないのであります。この事情は、國会と全く同樣であり、國会法につきましても同一の趣旨の改正が本國会において行われる予定でありますので本法律案におきましても、刑法の偽証罪と同一程度の刑罰を伴う偽証罪に関する規定を設けることといたしたのであります。
 第四は、地方公共團体の議会の積極的な活動を助長するため、政府は予算の範囲内において、都道府縣の議会に対して官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に対して官報及び市町村に関係があると認める刊行物を送付するとともに、都道府縣相互の間においては、公報及び適当と認める刊行物を他の都道府縣の議会に送付することとし、又地方議会には、必ず図書室を附属することとした点であります。
 第五は、地方議会の円滑な運営を図るため、地方議会は、都道府縣知事及び市町村長の予算編成権を侵害しない限度において、予算の増額修正の権限を有することを明文を以て規定することに致した点であります。
 第六は、市町村の議会の議員の定数は、総選挙を行う場合以外においては絶対にこれを減少することができないことになつておりますけれども、これは一旦議員となつた者に対して、その任期間議員の地位を保障する趣旨に出ずるものでありますから、市町村の廃置分合又は境界変更によりまして、著しく人口の減少したため、本來の議員定数が減少するに拘らず、尚從來の定数を維持して、補欠選挙を行うのは、いかにも不合理でありますので、このような場合に限り、議員定数は減少することができるものとしたのであります。
 その次は財務に関する事項であります。
 第一に、地方公共團体に対して、國の事務を、いわゆる國体委任いたします場合、これに要する経費の財源について必要な措置を講じ、以てその財政の過重な負担を避け、財政自主権の保障を厚からしめることとしました。又國の行政機関が、地方公共團体の財産又は営造物を使用するときは、当該團体の議会の同意がある場合の外は、必ず國庫においてその使用料を負担すべき旨を明かにいたしたのであります。
 第二は、地方債の許可に関する事務であります。地方債を不要許可とし、自由借入の建前をとることは、地方公共團体の自主自律を重んずる所以であり、又地方公共團体の活動を活溌ならしめるわけでありますが、現下の地方財政の実情及び金融界の状況等、諸般の事情を考慮して、原則として許可は必要としないが、当分の間所轄行政廰の許可を受けなければならないことといたしたのであります。
 第三は、從來道府縣手数料令という勅命に基きまして、都道府縣が一定の國の事務について手数料を徴収し、且つこれをその収入としていたのでありますが、この勅令を廃止して、地方自治中にこれを規定することといたしたのであります。
 最後に、その他の改正事項について一括して説明いたします。
 地方公共團体の廃置分合及び境界変事は、法律又は行政処分によつて行われるのでありますが、この場合において、関係地方公共團体の有する財産処分は、その性質から見て、私法的な事件であり、当事者の意思を最も尊重すべき筋合のものであります。而して現在は、これらの場合の財産処分は、関係地方公共團体が協議してこれを定め、もしその協議が調わないときは、内務大臣又は都道府縣知事がこれを定めることになつておりますが、実際問題として、財産処分について協議が調わないに拘らず、廃置分合又は境界変更を関係團体の議会が議決するということはあり得ないと考えられますし、廃置分合及び境界変更の実際に徴しても、又地方公共團体の自主性及び財産権の処分ということからの実体から考えても、協議が調わない場合、内務大臣又は都道府縣知事が一方的に処分を決定することは適当でありませんので、すべてこの種の規定を廃止することとし、廃置分合又は境界変更は、必ず財産処分について、協議が調つた上でこれを行うことを明らかにいたしたのであります。
 又地方公共團体の自主性を尊重する趣旨より、支廰及び地方事務所の設置に関する條例並に分担金使用量及び手数料に関する條例は、不要許可とし、地方公共團体の協議会の設置、廃止及び規約の変更等も亦すべてこれを地方公共團体の意思に委ね、ただいわゆる所轄行政廰に届出をされることといたしたのであります。その他の改正は、内務省の廃止等に伴いまして規定を整理したものであります。本國会に官吏に関する國家公務員法案が提案されておりますが、これに対應して地方公共團体の吏員、その他の職員につきましても、その身分法を制定する必要がある訳であり、その制定はできるだけ速かに行うことが望ましい訳であります。それで今回第百七十二條に一項を加え、その法律は職員の職階制、試驗、任免、給與、能率、分限、懲戒、保障服務その他身分取扱について規定するものとして、その内容を明かにすると共に、この法律は明年四月一日までに制定すべきことを本法の附則第一條中に明定することといたしました。
 最後に、この法律案の附則中に規定されておりますところの衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法及び昭和二十二年法律第二号の一部の改正について説明いたします。これはいずれも内務省の廃止及び地方自治法の一部改正に伴い、必要な規定の整理をいたしたものに過ぎません。ただ法律第二号は、本年十二月十九日を以て実質上その効力を失うこととなりますので、明年十二月十九日までその効力を存続するようにし、明年一杯、衆議院議員の選挙についても、選挙の都度臨時名簿を調整することとして、補充選挙人名簿が臨時名簿のみとなつたことと対應して選挙に支障なからしめようといたしたものであります。以上を以て本法律案の説明を終ります。
#5
○委員長(吉川末次郎君) 内務大臣及び林政府委員の説明に対しまして御質問がありましたら御開陳を願います。御質疑はありませんか。
#6
○阿竹齋次郎君 こういう大きい問題を前にして私は言葉尻を掴まえると思われるのはいやですが、九月二十四日の委員会に、内務大臣と林地方局長が見えて、そうしていわれた言葉の中に、こういう言葉が入つておつた。地方はまだ手放せぬ。地方は大いに監督する必要がある。それから中央の行政ぶりを地方に見せて、地方に見習わせる必要がある。既設の出先機関は廃止することはできない。こういうふうに御言明になつたのであります。本日只今内務大臣とあなた方からその趣旨の御説明を聽くというと、この間の言葉と食い違つていると思います。私は、この間の言葉はこれから行きますと余りにも誤つておるのじやないかと思います。余りに言葉が過ぎた点がありはしないかといいたい。この点はどう考えていらつしやるのでございますか。この間言つておつたことと、十日か十五日でこんなに根本的に変つて來ることは、審議を進める上において甚だ危險だと思うのであります。
#7
○政府委員(林敬三君) 今のお尋ねについてこちらの考えていることを申上げまして、一つの御了承を得たいと思うのであります。大臣と私がこの前ここに伺いまして、今三つの点、地方は見放せぬ、監督を大いに必要とする。それから第二は中央の行政ぶりをよく見せて見習わせなければいかん。それから既設の出先機関を廃止することはできない。こういうことを言つたというふうに仰せられるのでありますが、これは若しそういうふうにお聽きになつたとすれば私は、余程言葉遣いといいますか、申上げることが足りなかつた。或いはどうしてそういうふうにお聽きになつてしまつたかということを、実は私は誠に自分の至らなかつたようなことを反省するような状態なのでございます。私の今の氣持では、今のと言いますか以前も変つておりませんが、第三の問題から先に申上げますと、この既設の出先機関というものは廃止できない。これは私は、廃止できんとは言つた覚えはないと思うのでございます。これは、なかなか一旦できてしまつた出先行政機関というものには、それぞれできた時のそれぞれの將來に対する理由があり、予算でなり制度でなり承認した政府のその時の見解というものもあり、関係方面との打合せもあつて、そうしてこれを廃止する方向は是非共努力を続けて行かなければいけない。併しながらこれは、なかなか完全に、こういうものをなくすということは非常に困難なことだろう。できるだけこれは廃止するような方向に持つて行かなければいけない。併しながらそれぞれの理由があり、又それぞれの將來の立場から見れば、必ずしも地方機関にだけ委せていけないという止むを得ない理由もあるでございましようし、そういうところからいつて一氣呵成に全部こういうものをやめて行くということ、これは、今直ぐということはこれは困難だろう。併しそちらにはあくまで努力をしていかなければならん。かように以前も考えており、今も考えておるのであります。その中の全部を今廃止することは容易にできないということを申上げたから、そのことを御記憶になつて、そういう御印象をお持ちになつたのじやないかとかように思うのであります。若しそうでありますれば、そこの点私の申上げたように改めて御了承を得たいと思うのであります。それから私は地方はまだ見放すことはできない、監督を大いに必要とするといつたという点、これも私はそういう氣持で、今ばつとそちらから伺うような意味で、これは言つた覚えは毛頭ございません。これは若しお聽きになつたとすれば、こういうことだと思うのです。いわゆる完全なる地方の、特に財政の問題ですが、完全なる地方の自主独立、即ち財政について言えば、好きに起債をしたいだけは起債をして、そうしてそれを現金化して使う。税金を取りたいと思えば取れるだけのものは当該地方團体と相談して取つて行く。そうしてやりたいことをやつて行く。こういうような完全なる自主独立というものは、日本のように四十六に縣を分け、一万あまりの市町村を分けているというところでは、これはなかなか容易なことではないだろう。そういう意味で私は申したのであります。
#8
○阿竹齋次郎君 簡單で要領だけで宜しいのです。
#9
○政府委員(林敬三君) そういう意味で申したわけでございまして、私は地方を或意味において馬鹿にして、中央優越のようなつもりで、地方は見放せぬ。まだまだだという意味でなく、地方の財政行政も自主独立の方に図つて行かなければならぬ。行政についてはそういう方については自主独立になつておりますが、財政については止むを得ず財政上のいろいろの問題があつて、中央と地方が連繋して、或は地方の團体の代弁者になつて、中央の行政に地方が濫りに蚕食されないように弁護し擁護する中央の政府機関が必要じやないか。これは財政だけでなく、行政についても、そういうように中央が蚕食して來る。こういう点については監視する必要があるのじやないか。こういうことを申上げたわけでございます。
 それから地方に中央の行政振りを見せてというのは、私は殆ど記憶いたしておりませんで、これは何かのお話の間違いじやないかと思うのですが、氣持は今申上げたようなところでありますので、一つ十分御了承を得たいと思います。
#10
○委員長(吉川末次郎君) 阿竹さんに申上げますが、どうもあなたの御質問に現われた趣旨と政府委員の答弁とに食い違いがあるようですが、このために速記録もとつているわけでありますから、一つこの次ぎまで速記録をお調べを願つて、更に御質問の箇所がありましたらして頂いたらいかがでございましよう。
#11
○阿竹齋次郎君 そうですね。それで結構ですね。
#12
○岡本愛祐君 只今内務大臣並に地方局長の御説明を拜聽いたしました。そこで私がお尋ねしたいことはこの特別市制の問題であります。特別市を作りますときに、憲法第九十五條「一の地方公共團体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共團体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、國会はこれを制定することができない。」これが現在の地方自治法と絡んで非常に問題になりまして、この五大都市の地方自治制促進運動というようなものについても、非常に問題が起つたことは御承知の通りであります。
 そこでこの憲法九十五條の解釈は、「地方公共團体の住民の投票において」というのが、例えば京都府ならば、京都市だけでいいのか、京都府だけでいいのか、京都府の住民全体によらなければならないのか、この点が論点でありまして、政府におかれましては閣議で、これは京都府の全住民の投票によるのだ、選挙権有権者の投票によるのだというように、閣議の決定がなつておるように思います。そこでこの地方自治法の方で、第三編第一章第一節特別市、第二百六十五條の第二項の「特別市は、人口五十万以上の市につき、法律でこれを指定する。その指定を廃止する場合も、また、同樣とする。」この規定がありまして、それとのいろいろの関聯から、この地方自治方においては、その審議経過によつて見ても、京都市だけの住民の投票でいいのだというふうな前提の下に、こういうような今読んだ地方自治方の規定ができておるように思うのであります。そうなつて來ますと、この地方自治方を改正する機会におきまして、その点をはつきりしておくことが、今後の紛争を根絶することになるのではないか。そこで今度の改正案にはそれが出ておりません。その点についての政府の御見解並にどういうふうにこれをなさるおつもりか、それを伺つておきたいと思います。それが第一点であります。
 それからもう一つ序でにお尋ねいたしておきますが、先程御説明のように、國家公務員法の外に、この地方團体の公吏と申しますか、その公務員法が作られるように、これが明年の四月一日までに制定すべきことを、附則に明記されておるわけでありますが、この公務員法の輪廓はどんなものであるか。大体國家公務員法に倣われるつもりであるのかどうか、それについて伺いたいと思います。
#13
○政府委員(林敬三君) 岡本委員の御質問にお答え申上げます。第一点の、特別市の問題と二百六十五條第二項との関係でありますが、政府といたしましては、新聞その他においても御承知の如くに、憲法九十五條によりまして特別市を作るという法律が若し國会を通過いたしました場合に、これに対する憲法第九十五條に基く住民投票というのは、どの範囲を以てやるのかという点につきましてはいろいろと研究もいたしました。それからいろいろと議論も重ねたのでございます。その結果一番妥当適切なる解釈としては、例えば京都市を特別市にするという場合には、当該京都府全体の問題であるから、当該公共團体、即ち京都市だけでなく、京都府全体の住民の投票を取つて、その投票において多数を制した場合においては、その法律が成立する。かように解釈することが最も適当であるというふうな結論に達した次第でございます。
 そこで第二百六十五條はどういうつもりで書いておるのかということでありますが、これはいわゆる法律で以て規定するということだけを書いてあるわけでございます。その法律が動いて行つた場合に、憲法第九十五條は、この法律に対してどういう解釈を以て、どういうように動くかということは、憲法の解釈に任せておるという建前でこれができておるわけでございます。即ち二百六十五條二項だけがありますが、後は憲法第九十五條の解釈において、廣く京都府全体の投票を取るべしという解釈である場合には廣く全体の投票を取る、狹く京都市だけで足りるという解釈が適切といたしますればさように狹く解釈して行く、いい換えますれば第二百六十五條第二項ではどちらの場合にも運用ができるというふうに規定が相成つておるであります。それで、これだけではいわゆる廣くやるか狹くやるかは解釈が出て参りませんわけでございまして、後は憲法の解釈に從う。そうして政府といたしましては種々論議もいたし考究もいたしました結果、廣く解釈するのが九十五條としては最も適当である、かような結論に到達したわけでございます。勿論併し立法上の問題になつて参りますと、國会が最高の権威を持つておられるところでございますので、國会方面におかれまして、廣く投票をとるべきものであるという注意書と申しますか、そういう規定をお設けになるか、或いは狹く解釈すべきものであるとう規定をお設けになる、その如何に政府は從つて行動して行くことになると存じます。
 それから公務員法の問題でございますが、これは大体、政府の國家公務員法案の内容と趣旨と類似した、歩調が合つたものを作つて頂かなければならないと漠然と考えております。申すまでもなく官吏と公吏とが何か非常に身分的な差異があつたり、取扱上その他において、すべて違いがある。官吏が一段えらくて公吏が一段低いものということに、國全体、世間一般が考えることは、誠に地方自治の発達の上から困ることで、むしろ官吏より公吏の方が場合によつて尊いという、氣魄や見識があり、それだけの制度の整備を以てやつて行くのが妥当じやないかと考えられます。又官吏と公吏との間に、特に專門技術を持つたような仕事になりますと、いろいろ交流なども今後は團々やつて行くことが、自治体の発達にもいいし、又官吏においても民主化の上からいつてもいいのではないかと考えられます。このような点からいつても大体歩調は合つておるべきものではないか、本格的には國に対して、國家から雇われて國民のために奉仕するものと、公共團体から雇われて國民のために奉仕するものと、その間に本質的違いがあるわけのものでもございませんし、大体の歩調は合せたものをお作り願うようにしたい、かように考えております。併しながら又一面において、官吏と公吏というものについてはその業態において、或いはその活動範囲において、分野において、いろいろと違つた点も出て來る。非常に小さな市町村まで、村まで、こういうもので以て窮屈な規定を作つて制限をしたりなんかして縛り上げるという必要も勿論ないであろう。併しながら非常に大きなところでは、或いはそれ以上の整備したものを作らなければならないところも出て参るでございましよう。そこでいろいろにやはり、公吏については公吏独得の色合というものをその間に出して、運用については誤まりなきを期して行くようにいたしたいと存じております。併しこの詳細のところについてはこれから草案を書き上げようというところでございまして、誠に漠然たるところだけをお答申上げるわけでございますが、まだ細かい結論を持つておらない次第であります。
#14
○岡本愛祐君 只今特別市についての御答弁を拜承しました。それで私の承知いたしたところでは、この前、現在の地方自治法が出來ます時に、その議会での政府委員の答弁におきまして、これは例えば京都市なら京都市だけの住民投票でよいのだ、その積りで発案をしてあるのだという御説明があつたのでありますが、それは、それでは今度は政府の方の見解としては訂正をなすつたものと、こう承知してよいのだろうと思いますが、この点を念を押して置きます。
 それからこの憲法九十五條と地方自治法の二百六十五條との関連におきまして、我々の承知いたしておりますところでは、例えば京都市なら京都市を特別市に指定するという指定の法律を出します法律を議会で議決いたします。そうしてその後京都市の住民投票に付するのだというふうに、この前の地方自治法の審議の時にはそういう御説明の下に、そういう仕組になつておつたように思います。そしてそれに対する私共の考え方は、國民の代表者である國会におきまして、京都市なら京都市が、京都市を特別市にする値打がある。特別市にする十分な資格がある。こういう認定をしまして、國民の代表としてそういう議決をし、京都市を特別市にする法律を出す。解除條件附きで出す。それで一度國民の代表としての議決ですから、それは京都府民郡部の方の意見も反映しておる。國会において……。だから今度は住民投票に付するのは、詰り解除條件を成就するために住民投票に付するのは、京都市の住民だけでよいのだ。こういうふうに、現在の制度を強いて解釈すればそういうふうに解釈しておつたのですが、今度政府において九十五條の精神を酌んで、京都府全体の住民投票によらなければならない。こういうふうに解釈されるとなりますと、その間の手続が、やはりそういうふうに今まで通り、私が申述べたようなことにするように考えておられるのかどうか、その点もお尋ねして置きます。私は憲法九十五條の解釈は、現在政府の方でお考えになつておるように、京都府全体の住民投票でなければいけないというふうに私は解釈いたしておるのであります。政府の解釈と全然同一でありますが、その手続のことについて念のため伺つて置きます。
#15
○政府委員(林敬三君) 只今岡本委員からお述べになりました通りでございまして、この前に地方自治法が制定になりました当時の説明は、はその後政府で以て愼重に檢討いたしまして考究いたしました結果、やはりこれは改めて、そうして九十五條の解釈は廣く一般の府民全体からの投票を以て問うべしというのを以て適切妥当なる解釈とするということに相成りましてございますから、御了承を得たいと思います。
 それから手続につきましても、それに基きまして、勿論例えば京都市を特別市にするかどうかということは、法律によりまして廣く國家全体の見地から、京都市、京都府の意向も酌みつつ國家全体の見地から國民全体の問題として國会で以て代表が決めて頂くということの意味で、法律で以てこれをやるということになるわけでございます。その法律が通りましてから後通知をいたしてずつとこれを施行いたして参りますやり方というものは、御承知のごとく自治法の規定に從つて、そうして九十五條の今申上げました解釈に從つて、それぞれの手続を経て行なう。かように御解釈を願つて誤りないと存じます。
#16
○小野哲君 この法律案の審議に関しまして、私から政府の御準備なり或いは御所見を承つて置きたいと思います。先程内務大臣からこの法律案の御提案の理由等について詳細な説明がありました中に、近く行なわれる内務省の解体に伴つて、その後継機関として地方自治委員会を設置するというふうなお話がありまして、これを前提としてこの地方自治法の一部改正法律案を起案されたものと了解するのであります。尚又会期が切迫しておるので、時期を待つていては重要なこの法律案の改正自体についても支障が生ずるのではないか。從つて速かなる審議を願いたい、こういうふうな点も力説されておるのであります。尚又更に審議の途中において、後継機関に関する成案の決定がありました場合においては、適当な措置を講じたい、こういうふうな御意思も明かにされておるのであります。然るにこの御提案になりました法律の内容を見ますると、この後継機関がどういうふうな形で現われるかということによりまして、この法律案自体が相当影響を受ける点があるんではないかということを懸念いたすのであります。從いまして勿論本委員会といたしましては、内務省の解体に伴う諸般の事情に鑑みまして、十分な審議をいたしますと共に、速かに結論を得たいということは、私共の望むところでありますが、併しこの法律案を審議する上について、一体將來どういうふうな形でこの法律案に影響を與えるような事態が起るかどうかというふうな点を、やはり予め念頭に置きながら審議を進めて行くということが、妥当ではないか。かように考えられますので、一体政府はこの法律案を御提案になりますためには、これらの点にどの程度までの準備をされて御提案になりましたか。又後継機関等の構想につきましてはどのような点を御研究されておるか。又その経過はどうなつておるか。こういう点についても御所見なり御準備なりの程を伺つて置きたいと思うのであります。尚附け加えで申上げて置きますが、会期が切迫しておる。こういうことに相成つておりますけれども、すでに会期は四十日延長されることに相成つておりますので、國会における審議の点につきましては何ら支障がないのではないか。かように考えられますので、これらの事情についての内務大臣の御所見を伺つて置きたいと思います。
#17
○國務大臣(木村小左衞門君) 誠に御尤も千万な御質問であります。この自治法の一部を改正する法律案をここに急いで提案いたしましたのは、実は会期が御承知のように二十日までに相成つておりますので、政府の方針といたしましても亦政府の希望がありましても、國会の運営委員会でまあどうせ会期は延長になることではありましようけれども、どれだけの延長になるかということの見透しがちよつとつき兼ねましたのでありますので、とにかく万全の策として何しろこれは直ぐに選挙でも行われる場合があるとすると、直ちに必要な地方自治法の改正であるから、取敢えず一つ早く御審議をお願いしたら宜しいではないかと、こう考えまして、お説のように会期が大幅に四十日も延期になりまするようなことが予定しておりますれば、お説の通りでありまして、そう慌てるわけのものでもなかつたと思いまするが、事この自治法の改正の今回提案しましたことは非常に適切に、直ちに必要な事項でありますので、急いで出しましたという点はそこにございます。で御承知でもございますように、ちよつとこの提案の理由の説明にお断りして置きましたるごとく、先達ての提案の地方自治委員会というものが、一旦提案して御審議を願つておりまする中に関係方面の示唆がありまして、これを撤回しなければならんことに相成りまして、大体これは廃止するというような意向で示唆されたものでありまするけれども、当局といたしましては、どう考えましても地方の自治を完璧させ、自治権をどこまでも独立させて、この趣旨に副うような円滑に民主政治が行われるということには、どうしてなるか。地方の自治團体を代表するものが閣議のいわゆる國政を最高決定する機関に入りまして、そうして地方の言い分なり、又地方の事情なりを國政の閣議に反映させるものが、どうしてもその基盤がなければ地方にとつて非常に不便である。不便のみならず、非常に不利である。地方擁護の面から、何とかしてこういう機関を、例えば地方自治委員会なんというものを何か指導するような建前がまだ残存しておるというようなことでは、内務省解体、いわゆる廃止するところの趣旨にも悖る。やはりいつまでも内務省というようなものの形骸の核心が残つておつて、それがいつまでも委員会というような形ではあるけれども地方を率いて行く。又指導して行くというようなことがいかんということであれば、形を変えてでも、とにかく地方の財政面の問題についてもこのままでこれが全部廃止せられるというと、全部大藏省の所管に区々分けられて、いろいろな方面に大藏省の所管に財政面が附属してしまいまするというと、どうしても税を取られる方に一方に傾いて、地方のどうも主張というものが非常に薄くならないか。そういう点を一つ強調いたしまして、その強調は認められることになりまして、只今何とか名称の変りましたもので、これはまだはつきりしませんが、例えば地方財政委員会とかというようなもので、委員会の委員の数も、或いは前になかつた市長の代表であるとか、町村長の代表であるとかというようなものを加えた委員会でも作つて構成する場合において、再びこれが提案を來たすようなことの運びになりますように、只今その折衝中でありまして、これは私といたしましては、この折衝はやや我々の意思が貫徹するではないか。こう私個人てしては考えておりまして、仮にそうなりました場合におきましては、今回のこの改正は急いでいたして頂きましても、あとで改正を何らする必要もなかろう。このままでそのときに遂行ができて來るものと思いまして提案をいたしましたような次第であります。尚足らざる所を地方局長から申上げますからお聽取り願います。
#18
○委員長(吉川末次郎君) ちよつと速記を止めて下さい。
#19
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて……。
#20
○中井光次君 私は二つちよつと承つて置きたいのでありますが、第一には只今いろいろお話がございまして、内務省の後継機関としての自治委員会に代るべきものを御立案で、大体今週中には目鼻が付くだろうというお話でございましたが、法案として出て來る時期が凡そどのくらいのときになるか、そのお見込を一遍承つて置きたいと思います。
 第二の点は、先程特別市制の問題につきまして、憲法第九十五條、及び地方自治法二百六十五條、その一連の解釈についての御議論もございました。この点につきましては、いろいろ世間に議論があることと存じますので、最後の最高の意思は國会において決定されるものと私も考えることには間違いはないと思いますが、併しこれについての解釈は、先程お話がありました京都市なら京都市の人民投票によるという解釈が、法律制定当時の國会並に政府の意思であつて、さように解釈される。その状況において先般まで推移されておつたものと存ずるのであります。併しながらこの内閣におきまして、改めて險討された結果、内閣といたしては、京都府民一般の投票によるべきものであるということを妥当であると御決定になつたこともこれも了承いたすのであります。從つてその解釈についての内閣の決定というものは、これは恒久的な拘束力を持つものではもとよりないと思います。時々の内閣の解釈によつて右し或いは左するというように承知いたしておるのであります。ただ最後によしんば最初の國会においてそういう意思の決定であつても、時の推移によりまして國会の意思の変更はあり得ることと存ずるのであります。その点に最後は懸つておるのでありまして、内閣の決定するものは恒久的にその決定が確定されたものとは思われないのでありますが、さように解釈してよろしうございますか。
#21
○政府委員(林敬三君) お尋ねの第一の内務省解体後のいわゆる地方局系統の仕事のあとをどういう機関で始末をするかという法案の出てくる時期でございます。これはできるだけ早くいたしたいと思つておりますし、もう大体のところの目鼻は付いて來ておると存じます。それで、まあそんなに遅くならんと思いますが、あと一週間で必らず出せるか、あと十日間で必らず出せるかというところは、いろいろ折衝がございまして、必らずしも明確なるお約束をいたし兼ねるのでありますが、できるだけ早く、少なくともここ十日前後のところで以て凡そお出しし得るような域にいたしたいと思つて、最善の努力を盡す積りでございます。大体警察の方の解体といいますか警察の方の改組、警察制度の改革の法案なり、それからそれに伴う組織、機構というものとでき得る限り一緒にこれは出すくらいにやつて参りたいと思つて、折衝を続けて努力をいたしておる次第でございます。それから特別市の問題につきましては、現在の政府の解釈は、先程申上げました通りでございます。それで根本的に九十五條というものを十分檢討いたしました結果、さような結論に相成つた次第でございますが、併し最高のこれを解釈する機関はどこかということになりますれば、理論的に申しますれば、一番最終にこれを解釈する日本での機関は最高裁判所であろうと存じます。政府は最高裁判所がこう解釈しろという判決が決まれば、勿論それに從つて参るより外ないと思います。併し最高裁判所の判決というもののない間というものにおきましては、政府は政府の解釈に從つて行動をする。一番最善と信ずる解釈に從つて行動をする。そこで國会が若しこれを明らかにする、直接間接に明らかにすることがごとき立法ができますれば、それに從つて行動するということになると思います。一番最高が最高裁判所、その手前が國会の立法、そうしてそれが両方ともないときは政府の解釈で、政府が妥当と信ずるところで行こう。こういうようなことに相成ると考えます。
#22
○中井光次君 只今の御説明御尤もだと存じまするが、さらば遡りまして、自治法が制定せられたる当時におきまする國会は、政府委員の説明の意を諒として決議したと存ずるのでありまするが、その点はどういう御見解を持つていらつしやるか。
#23
○政府委員(林敬三君) あの当時の政府の説明、これは國会もそこのところは聽かれておると思うのでありますが、この自治法の……。國会はどうしてあれを決めたかとうことになりますと、即ち自治法に書いてある法文というものを見て、この法文これでよろしいということで以て國会は決められて、あとその当時のいろいろの説明というものは、これを参考に資せれたと思うのでありまするが、それを決めたということではないと思うのでありまして、飽くまでもこの自治法という法文に書いてありますところを國会は決められた。でその当時の政府の解釈というものを一つの参考にはなさつておつたと思うのでありまするが、併し決められたものはこの自治法を決められた。こういうふうに考えております。
#24
○黒川武雄君 只今地方局長からお話しの中に、警察制度に関する法案も近近にお出しになるということを伺いましたが、それについて一言申したいと思います。先般新聞に発表になりまして以來、警視廳管下におきましても、相当に警察官自身不安を持つておられるように見受けます。つきましては一日も早く法案を上程されて、そうして安心が行つて警察行政に携わることができるように御努力なさることを、特に私お願いしたいと思います。
#25
○國務大臣(木村小左衞門君) 警察制度の改正につきましては、只今政府の草案を練つております。もうかれこれ今週中には結末が付くと思います。決定して参りますれば、直ちに提案いたします。
#26
○委員長(吉川末次郎君) それでは本法案は印刷物で三十頁余にも亙ります廣汎な法案でありまして、本日は当局の提案の説明を聞きまして、それについての皆樣方の御質疑がありましたら、更に愼重にこれを審議することにいたしまして、本日はこれを以て散会することにいたします。
   午後三時四十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     吉川末次郎君
   理事
           中井 光次君
   委員
           村尾 重雄君
           黒川 武雄君
           岡田喜久治君
           鬼丸 義齊君
           岡本 愛祐君
           小野  哲君
           柏木 庫治君
           阿竹齋次郎君
  國務大臣
  内 務 大 臣 木村小左衞門君
  政府委員
   内務事務官
   (地方局長)  林  敬三君
ソース: 国立国会図書館
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