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#1
第096回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
昭和五十七年四月二十八日(水曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     太田 淳夫君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中野  明君
    理 事
                後藤 正夫君
                高平 公友君
                八百板 正君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩上 二郎君
                長田 裕二君
                片山 正英君
                上條 勝久君
                源田  実君
                杉山 令肇君
                鈴木 正一君
                長谷川 信君
                藤井 孝男君
                吉田 正雄君
                佐藤 昭夫君
                小西 博行君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      宮本 二郎君
       科学技術庁計画
       局長       下邨 昭三君
       科学技術庁研究
       調整局長     加藤 泰丸君
       科学技術庁振興
       局長       原田  稔君
       科学技術庁原子
       力局長      石渡 鷹雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    赤羽 信久君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        高橋  宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       法務省刑事局総
       務課長      井嶋 一友君
       外務省国際連合
       局原子力課長   金子 熊夫君
       資源エネルギー
       庁長官官房原子
       力産業課長    田辺 俊彦君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電課長   戸倉  修君
       建設省道路局企
       画課長      萩原  浩君
       建設省道路局国
       道第一課長    信高  裕君
   参考人
       日本原子力船研
       究開発事業団専
       務理事      倉本 昌昭君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (科学技術振興のための基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中野明君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、太田淳夫君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(中野明君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中野明君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に塩出啓典君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(中野明君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に日本原子力船研究開発事業団専務理事倉本昌昭君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(中野明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#7
○委員長(中野明君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、科学技術振興のための基本施策に関する件を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○吉田正雄君 きょうは三点についてお伺いをいたしたいと思います。
 第一点は、先般四月二日の本委員会においても若干取り上げました、新潟県における原発をめぐる問題についてお伺いをいたしたいと思うわけです。
 第二点は、核燃料サイクルに関して、特にいわゆるプルサーマル、プルトニウム燃料の利用等についてお伺いをいたしたいと思っております。
 それから第三点は、六十年に筑波研究学園都市で開催を予定されております科学博覧会の、特に予算関係についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず第一点の、新潟県に関連をして現在いろいろ取りざたをされております第三の原発についてお伺いをいたします。
 これは、昨年の十一月十三日の本委員会におきましても、新潟県で第三の原発のうわさが流れておる、県議会でも取り上げられたのだけれどもどうなっておるのかということをお尋ねをいたしました。そのときに、通産省の方からは「調査をいたしましたが、電力サイドにおきましていまそういう具体的な動きは一切ないというふうに承知をいたしております。」という回答があったわけでございますし、原子力局長の方からは「きょう初めて伺ったところでございます。」という回答があったわけです。それから、中川国務大臣の方からは「いずれの場合でもそうですが、科学技術庁が関係するプロジェクトの土地問題については御指摘のないように」、つまりいろいろな疑惑があるような、そういう指摘がなされるようなことのないようにということで、新潟の問題については同じく「初めて聞いた」と、「御指摘のようなことのないように慎重に対処をしていきたいと思います。」こういう答弁がなされたわけですね。
 そういうことで、特に新型転換炉、ATRに関しては、科学技術庁といいますか、原子力委員会が中心的にこの研究開発等については進めておいでになったということで、一時、一部に、ATRについては新潟県か青森県に建設されるのではないかというふうなうわさも流れたのですけれども、主管官庁、原子力委員長であります科学技術庁長官が、そんなのは全然知らない、新潟県に建設予定なんというのは全く考えていないというふうなことでありましたから、そういう点で、私は、これは事実無根ではないか、こういうふうにそのときは思ったわけです。
 ところが、今月に入りまして、またもやこの問題が再浮上をしてまいったわけです。何で今月に入って再浮上してきたのかということなんですが、これは、大臣も御承知のようにこの四月二十五日に新潟県知事選挙が実施をされました。その選挙演説を兼ねたわけではないのでしょうけれども、四月六日に、実は元総理大臣の田中角榮氏が新潟県を訪れたわけです。そして、ある業界の創立二十周年記念祝賀式に出席をして、七百人を超える土木建設業界関係者の前で祝辞を述べたわけです。
 その際、景気浮揚策、新潟県の将来展望というふうなものについて触れまして、そしてそこでどういうことが言われたのかということですけれども、こういう趣旨のことを言っておるわけです。新幹線や高速道路網というのは、六十年までにでき上がる。その後の景気浮揚のために、公共投資にかわるものとしてもう一つ原発を持ってこよう。その規模は大体五百万キロワットくらいと。去年の話のときには三百万キロワットということだったんですが、今回何か五百万キロワットという雄大な構想にふくれ上がったようなんですけれども。そして設置場所については、これも前からちらちらとうわさに出ておったのですが、出雲崎という説と、もう一つは新潟県の北の方、県北の村上の近くというふうなことも一時期言われておったんです。この日の話の中では、二区なら――というのは村上の方ですね、二区なら一番外れがよい、だが三区の代議士が二区の世話までするのはおかしいから、それから四区はつくるところがないから、結局巻と柏崎の間につくろうと思っていると、こう述べておるのです。
 そして、さっきの、六十年で新幹線や高速道路網が終わってしまうという言い方の中で、大体新潟県のそれらを含めた公共事業の費用というのが年間三千億円くらいになっている、こういう言い方もしておるわけです。だから、これがみんな完成してしまえば、公共事業というのはなくなって、不景気になっちゃうというふうな意味合いから、そういうことをおっしゃったのではないかというふうに思っております。しかし、これは、去年の九月の県議会で、知事が、地元の知事がそういうことは全然知らないのだからそういうことはないだろうと。そしてさらに、電力会社にもその事実を問い合わせてみるということで、東北電力、東京電力、電源開発株式会社の三社に問い合わせた。ところが、そういう計画というのはないということが明らかになった。私はうそをつかないと、こう言って、去年の九月二十八日の県議会で答弁をいたしております。にもかかわらず、またこの四月の知事選挙の最中に、いま言ったようなことが公然と打ち上げられたということなんですね。
 そこで私は、本当に知事が知らないのかどうなのかという点に一つ疑問があります。それは、この前の委員会でもちょっと申し上げたと思うんですけれども、巻原発について、いまの知事が副知事時代に、自分の部下であった、現在白露産業株式会社の社長ですね、五十嵐乕吉という人を中心にして、土地買収を行った、これは事実です。知事がどこまで関与したかというのは知事は否定をいたしておりますが、これは県民はだれもそんなことを信用しておりません。ということで、巻原発用地の買収をめぐって、当時の副知事というものが相当地位利用をしたのじゃないかということが、盛んに飛び交っておるのですね。
 そこで、さらにそのときに、もう一つ重要なことは、この巻の原発が正式に県に申し込まれたのは昭和四十六年の五月十七日なんですけれども、それより三年前の四十三年の十二月に、私どもが聞いているところでは、当時の副知事がいま言った白露産業の五十嵐氏と土地買収に当たった高隆不動産の高野氏と夕食をともにしたときに、高野氏が副知事――これは現在の知事ですよ、に対して、県が計画中のシーサイドラインは原発の関係でどうなるかという質問をしたところ、副知事は、心配は要らない、それは道路は迂回するから心配ないんだと、こう言って答えたということを、この高野という人が証言をいたしておるわけです。
 そういうことで、巻原発にかかわって、出雲崎というふうにうわさをされておるところのこの第三の原発については、とにかく知事のそういう従来の経過もあり、それから何といっても中央の政界における大変な影響力を持っている大政治家の発言であるということで、あるいは単なるうわさでなくて――御本人は明確にそうおっしゃっているわけですね、これを持ってくるんだとおっしゃっているわけです。そうすると、裏で通産大臣だの科学技術庁長官が一枚かんでいるんじゃないだろうかという、そういううわさもひそかに飛んでいる。まあ、私は清廉潔白な科学技術庁長官がよもやそんなものに関係しているとは思っておりません。しかし、毎年のようにこういう疑惑と思われるようなうわさが飛んでおったり、一部の政治家が指導力を発揮して思うところへ持ってきたなどということになったんでは、私はこれ大変な話だと思うのです。
 そこで、再度お尋ねをいたします。まず通産にお伺いいたしますが、このうわさをされておる土地というのは、長岡にあります大光相互銀行という会社、これも何百億という乱脈経理、これでもって大変問題を起こした銀行です。刑事事件にもなっておるわけですけれども、この子会社でありますグリーン興産という会社が、このグリーン興産という会社は四十八年の四月に設立をされておりますが、これが、ゴルフ場用地として裏保証融資で買収をした土地というのが、この出雲崎のうわさをされているところなんですが、約九十六ヘクタールです。ところが、その後、ゴルフ場用地として買収してきたのに、このゴルフ場開発の工期の延長届けを県に出したまま放置をされているのです。それから、隣接の山林地も今後買収しようと思えば買収できるというふうなことで、うわさの土地というのはここなんですよね。
 したがって、通産にお伺いいたしたいと思いますのは、先般もエネルギー長期見通し、これの見直しされたものがこの四月に発表になりましたが、この電源開発の中に新潟県が予定をされておるのかどうか。東北電力、東京電力等、あるいはATRに関係をすればこれは原子力委員会になりますが、現在盛んに話し合いが行われているようですけれども、そういう中に、立地というと十年ぐらいかかりますから、そういう長期的な展望に立ってあらかじめ大体この辺という見当をつけられると思うのですが、そういう計画の中にはこれが予定をされておるのかどうか、最初にそれをお伺いします。
#9
○説明員(戸倉修君) ただいま先生御質問の、先般改定をされました長期エネルギー需給見通しでございますが、これは御承知のように昭和六十五年度を目標とするものでございます。ただ、この目標の数字自体は個々の地点を積み上げて決めたものではございませんけれども、先生も御指摘のようにあと十年足らずということでございまして、一応、電気事業者から提出をされました五十七年度の施設計画をある程度念頭に置いて、考えて見込んだものでございます。したがいまして、今回策定いたしました長期エネルギー需給見通しの中においては、そういう地点を対象としては考えていないということでございます。
#10
○吉田正雄君 去年の九月の新潟県議会における時点でも、問い合わせをされた、そのときにはなかったと。これがまた問題になって、きのうも、その辺をもうちょっと通産としても確かめておいてもらいたいというのですが、長期見通しと並んでいまのところは入ってないとおっしゃっているのですが、その点間違いないわけですね。
#11
○説明員(戸倉修君) 電力会社の計画には入っておりません。
#12
○吉田正雄君 そこで、科学技術庁長官にお尋ねをいたしますが、ATRと絡んだり、あるいは軽水炉になるのか、その辺ははっきりいたしませんけれども、いずれにしても、いつまでもこういううわさというものが後を絶たないということは、非常に問題ではないか。いまの話では、電力会社の立地計画の中に入っていないというんです。それから科技庁長官は、この前、初めて聞いたと。特にATRなんて全然話にならないということをおっしゃっておったんですけれども、私は、科技庁長官と原子力委員長の両方の立場があると思うんですが、原子力行政の最高の責任者として、そういううわさがいつまでも流れておるということは不本意ではないかと思うのです。
 いわんや、何か裏でもって、密室の談合ではございませんけれども、そんなことでもってこういう計画が進んでいって、最終的にはいまのゴルフ場に誘致がされたなんということになったら、これはもう私は決定的な不信感というものを県民、国民に与えるものではないか。中川長官までがそうであったかというふうな、とんでもないことになるのじゃないかと思うのですが、この点、どのようにお考えになっておりますか。
#13
○国務大臣(中川一郎君) いろいろのうわさに一々答える必要もないかと思いますが、ATRの実証炉の候補地をいろいろ探しておりますが、まだ結論を得ておりません。その候補地の中に、いま御指摘の土地は一切入っておりませんし、そこへ後でひょっこり出てくることはありません。
#14
○吉田正雄君 建設省にお伺いします。
 この問題に絡みまして、北陸地方建設局の発行した五十六年度の管内地図ですね、これですけれども、これを見ますと、国道百十六号線のバイパスがこの地方を通るということになっておって、地元の新聞でも大分問題になりましたのは、いまうわさをされておるこのゴルフ場の近くにぐっと湾曲をしてバイパスが行くような地図になっておる、こういうことなんですね。
 ところが、これに対して、北陸地建の松村哲男道路計画課長がどう言ったかといいますと、一連の政治力介入の疑惑というものを否定をしながら、単なるミスだから五十七年度の地図では訂正しますと。疑惑があるような場所ならこんなミスはあり得ない、地図をかくときに手が滑ったのだと思う、こういうふうに答弁しているんです。ミスというのは、これが表へ出て明らかになったことがミスなんであって、実際はそうじゃないのじゃないか。
 そこで、きのうちょっと建設省の方の担当者から、実際はどうなんだと聞いたのです。そしたら、この管内図の線引きを見ると、確かにそこのとろは湾曲していると。しかし、もとの図はそんなに湾曲いたしておりません、しかもこれは未発表ですと。最初のちょっと曲がりかけたところまでは一応路線は決定しているけれども、あとは未発表だというふうな言い方なんですが、この点について説明してくれませんか。
 どうして、未発表であってもここに線が引かれた。なぜ、このバイパスがここのところに、ずうっとこちらへ入ってきたのか。というのは、国道百十六号線とそれから越後線、これは並行して走っておりますが、この国鉄と国道を越えていま言われたゴルフ場のところへずうっと入るような形で、皆さんのもとの地図でもかかれておる。これは、なぜこういう線が引かれたのか、ちょっと聞かせてください。
#15
○説明員(信高裕君) 一般国道百十六号、いま御指摘の点でございますが、出雲崎バイパスにつきましては、昭和四十六年度から調査に着手しております。ほぼ五十一年度ごろまでに、現に御案内のように非常に大規模な地すべり層が広範囲に展開しておりますので、そういう地すべりの問題でありますとか、前後の線形等を勘案いたしまして、出雲崎町豊橋の終点から和島村の村田において現道に接続するまでの、約八・三キロのバイパスの計画ルートを固めたものでございます。
 このバイパスの事業の進め方でございますけれども、全体の事業の進展を考えながら、区間を区切って逐次ルート発表を行って用地買収を進めてまいるという方針のもとに、昭和五十二年にこの区間のうちで松本から乙茂までの区間についてルートを発表いたしまして、その後五十五年に豊橋から松本までの区間についてルートを発表し、現在用地買収と改良工事の一部を行っております。
 管内図に村田までの区間が載っているという御指摘でございますが、管内図におきましては、すでに事業を実施している出雲崎バイパスの全区間の概念図を、管内事業の概要の御説明のために記載したものでございます。
 それから、いわゆる現道と国鉄を越えて北側に移りました件につきましては、現地の地すべり層の状況とか、それと道路計画と照らし合わせまして、北側の方しか行けないという結論のもとにそういう計画になったわけでございます。
#16
○吉田正雄君 いずれにしても、この予定をされている、これは建設省のもとの図面ですね、ここの点線のところ、予定線ですね。これが、いま指摘をされたグリーン興産のゴルフ場の近くであることは間違いないでしょう。
#17
○説明員(信高裕君) いわゆるゴルフ場の予定地があるということは、最近新聞報道などによりまして承知いたしました。
 詳細につきましては、これを現地で直接測量をしてみないとはっきりわかりませんけれども、出雲崎の町当局に問い合わせましたところ、バイパスルートはこの予定地からかなり離れているというふうなお話を受けております。
#18
○吉田正雄君 最近わかったということなんですけど、四十八年の四月にグリーン興産は設立をされて、そしてすぐ用地買収に入っているんですよ。だから、何も最近わかったわけじゃなくて、前から、ここは一大ゴルフ場にするということで、これは北陸地建の人がわからぬわけがないのですよ。地元の人だってみんなわかっているわけです。九十六ヘクタール買っているんですからね。ゴルフ場の中にもちろん点線を引くわけにはいかぬでしょうけれども、これがこの近くまで来ていることは間違いないのです。したがって、この図が出る前に、ゴルフ場が開設されるのでバイパスはそっちへ曲がるだろうといううわさが当時もうすでに出たということなんです。だから、いま初めてわかった問題じゃないのです、北陸地建の皆さんにしたって。それは、建設省の本省の方では現地のそんなことまでは一々おわかりないだろうと思うのですが、北陸地建の皆さんがわからぬということにはならない。わからぬということになったら、道路行政は全くつんぼ桟敷で進めておったのかということになるのでして、そんなことはあり得ない。
 それが最近今度はいよいよ、ゴルフ場用地と言っておったのが、原発用地だということにだんだん変わってきた、うわさとして。あるいは、さっき言ったように、単なるうわさでなくて、持ってくるとはっきりと大政治家が言っているわけですから、これはだれだってそう思いますよ。ここへ来るのじゃないかというふうに思うのは当然なんです。客観的に考えると、すべてが調子よく、バイパスはそっちへ曲がるわ、あらゆるものの客観的な情勢というものがずうっとつくられていっているということですから、特に最近の政治不信と絡んで、信用しちゃならぬ方のことを信用するようなそういうムードになっておる。つまり、原発が来るだろうという。一部の人は、いやあれは相変わらずの大ぶろしきと土建業界に対するサービス発言だとか、そういうことを言う人もありますけれども、そうでなくて、やっぱり来るのじゃないかというふうに思っている方が非常に多いわけなんです。きのうの建設省の説明では、まだ国道を越えていった地区の点線というのは未発表ですと。未発表だといったって、もう地元の人はみんな、ここへ走るだろうということを知っているんです。そういう点では、私は、北陸地建が疑惑に手をかして、道路をわざわざそこへ持っていっているというふうに疑われても仕方がないと思うのです。
 これは、もちろん変更する気はないわけでしょう。まだ発表していないとは言っているけれども、用地買収とかなんとかというのは、さっきもおっしゃっているんですが、これはどうなんですか。
#19
○説明員(信高裕君) 現在の路線を変更する考えはございません。
#20
○吉田正雄君 そうなりますと、これは大臣よく聞いておいていただきたいのですが、この間の巻の原発もそうなんですよ。シーサイドライン、原発用地に関係がない、副知事が買いますと言ったとおりになっているのです。これがまたうわさのとおり、原発用地のところへぐうっと行くようになっている。もちろん用地の中には入っていませんよ。用地の中には入っていませんが、建設には持ってこいの、近くにずっとバイパスというものが通っているということなんです。
 もう一つお尋ねしたいのは、出雲崎を通っている県道が、国道に二本昇格したということは間違いないですかね。
#21
○説明員(萩原浩君) お答えいたします。
 国道昇格の問題でございますが、これは昭和五十六年四月に今回新たに追加指定をいたしてございます。それで、この追加指定に当たりまして、先生御指摘の県道長岡出雲崎線並びに県道新潟寺泊柏崎線が国道に昇格いたしてございます。
#22
○吉田正雄君 私は国道昇格がけしからぬと言っているのでなくて、必要なものについてはできるだけ市町村道は県道に、県道は国道に昇格をしてもらいたい、それは変わりないのです。いま疑惑が持たれておりますので、それと結びついてということになるとこれは大変なので、お尋ねをしているのですが、そこでお尋ねをしたいのは、国道に昇格をする基準、このときに国道に昇格したのは全国で何本、と言ったらいいのですか、何キロといいますか、ここでは何キロなのか、それをちょっと聞かせてください。
#23
○説明員(萩原浩君) 五十六年四月に追加いたしました路線は、全部で八十三路線、延長で五千五百四十八キロメーターでございます。そのうちの二十四路線は、既存の一般国道を構成する路線を延伸する等の起終点の変更でございまして、残り五十九路線が新たに追加指定したというものでございます。御指摘の長岡出雲崎線は、国道三百五十二号線として昇格をいたしましたけれども、これは従来の三百五十二号線の起終点の変更ということで昇格いたしましたものでございます。一方、新潟寺泊柏崎線は、国道四百二号といたしまして今回新たに指定をいたしましたものでございます。
 指定の基準につきましては、道路法の第五条に一般国道としての要件が規定されておりまして、この二本はおのおのこの第五条の第一項第三号該当路線として指定をいたしてございます。なお、指定に当たりましては、法の要件のみではなく、さらに詳しい採択基準を設けて採択をいたしたものでございます。
#24
○吉田正雄君 そこで、これは通産と大臣によく聞いてもらって、原子力行政の担当責任官庁あるいは担当責任者として明確に、見解なり、態度と言ったらいいのですか、そういうものを私はお聞かせ願いたいと思うのですが、いまその地図でもごらんになっておわかりのように、点線のところのすぐ上、北側ですね、海に面したところ、そこの九十六ヘクタールがグリーン興産のゴルフ場用地として買収をされておるのです。そこのところを点線がずうっと走っているということなんです。国道とそれから国鉄を横断して海側の方にずうっと行って、今度は横にすうっと並行して走っているということなんです。すぐその北側に、上の方にゴルフ場用地がある。そこがいまうわさをされておる原発用地なんです。
 そして、地元の町長はどう言っているかというと、大政治家の方がいろいろ配慮をされて、あるいはあり得るかもわからぬというふうな言い方をしておりますし、隣の寺泊町の町長は、町長はというよりも町議会は、そんなものが来たら寺泊観光はふいになってしまう、大変な事態だということで、いま地元ではこれが大きな問題にされているところなんです。
 そこで、そういううわさどおりに原発が設置をされることで大きな利権を生んでいる、特定の土地ブローカーが大もうけをしている、それが政治家に政治献金として入っていく、俗に言う金脈になっておる、こういうことなんですね。これは現に柏崎、巻の場合はそうだったのです。したがって、少なくとも、あらかじめこれだけうわさをされ、しかも現に計画がないというところにまた大きな政治力で原発が設置をされる、誘致をされるということになりますと、日本の政治経済、そういうものがわずか特定の政治家によってすべて動かされる、意のままになるというそういうことになりかねない。もうますます国民の政治不信に拍車をかけるようなものだと私は思うのです。
 そういう点で、私は、担当大臣あるいは担当官庁の通産省として、何もここだけしか立地、これ以外にないなんという問題ではないわけですから、こういう黒いうわさが渦巻いているところに立地すべきでないと思うのです。これがまたまかり通るなんということになれば、やっぱりそうかということになりますので、これは中川長官としては不本意でしょうから、ここできっぱりと、そんなことはないということの決意を披瀝してもらうべきではないかと思うのです。いかがですか。
#25
○国務大臣(中川一郎君) 電発の責任者は通産省でございますので、先ほど通産省から答弁がありましたように、私もエネルギーの長期見通しの基礎データといいますか、ちらっと見ましたが、入っておらないようでございます。そちらの方については私の責任ではありませんが、事ATR、実証炉についてはそのようなことにはならない、このことははっきり申し上げておきます。
#26
○政府委員(高橋宏君) 私ども、今後の日本のエネルギー政策の中で原子力はやはり非常に重要な代替エネルギーの柱であるという観点から、今後も安全第一に進めていかなければいけないという考えを持っております。今回の長期エネルギー需給見通しにおきましても、その考えが出ておるところでございます。その推進に際しましては、特に立地段階から国民の皆様の、あるいは地元の皆様の理解と協力が不可欠でございますので、そういうようなことにもとるような進め方はよろしくないというぐあいに考えております。御指摘の点につきましては、私ども、電気事業者の計画等の中において現在そういうものは承知しておりませんし、ないものと思っております。しかしながら、今後原子力を推進してまいります上におきまして、地域の皆様方の、あるいは地域開発と関連したそういういろいろな御検討の中で、そういうことを参考にしながら電気事業者あるいはわれわれが活動をしていく、こういうような形になろうかと思うのでございます。私どもは、そういう観点から、国民の理解と協力を得ながら進めるという基本的な立場で今後も進めてまいりたいと思います。
#27
○吉田正雄君 私は、まだ電源開発の各電力会社の施設計画の中にもこれはのっかっていないということですから、あくまでも現在においては通産省としてはあり得ない、こういう答弁なのはわかります。
 しかし私は、将来に向けても、これだけうわさをされ、疑惑を呼んでおるところの立地は避けるべきではないか。あり方として、筋として私はそう思うのです。だから、そういう点では、先ほど来科学技術庁長官にも申し上げておりますのは、直接の許認可権はないとおっしゃっても、原子力行政の面から見るならば最高の責任者なんですよ。そういう疑惑のところへ、特定の人が言ったらもうすべてそれが実現するような、そういう原子力行政というものが私は政治不信を招いておるというふうに思うので、そういう面からも、疑惑の土地に原発などというものは考えるべきではない。筋としてそういうふうにいくべきではないかということを申し上げておるのでして、その点についてはどうですか、通産省。
#28
○政府委員(高橋宏君) 先ほどもお話しいたしましたように、発電所の立地につきましては、そういう疑惑がありまして、不信が起きるということが、原子力推進にとっては一番マイナスのある点だと思っております。したがいまして、そういう疑惑がないように、関係者がその努力をするということが第一だろうと思っております。そういう考え方で、御質問の点につきましても対処していきたいと思っております。
#29
○吉田正雄君 大臣は特にございませんか。
#30
○国務大臣(中川一郎君) 原子力行政のみならず、国の行政は国民の信頼というものがなくては推進できませんので、そういう疑惑を持たれるようなことのないようにしなければならぬし、疑惑のあるようなところに積極的にやるようなことは避けて、国民から信頼される立地というものに配慮していきたいと思います。
#31
○吉田正雄君 それでは、そういうことで、ぜひきちっと対処をしていただきたいと思います。
 この問題はその程度にします。
#32
○国務大臣(中川一郎君) 補足させていただきますが、疑惑があるないという問題については、これは私も疑惑があると断定したわけではありませんので、一般論として申し上げておきます。
#33
○吉田正雄君 次に、核燃料サイクル関係のところで、プルトニウム利用についてお尋ねをいたします。
 最初に、プルトニウムが、ウラン資源が少ないということを理由にしたり、あるいはウラン資源の有効利用というふうなことで、軽水炉への利用、あるいは新型転換炉、高速増殖炉の開発ということでその利用が進められておりますけれども、当初に、プルサーマルかATRかということで、炉型選択、開発戦略というものを、基本的にここが一番問題ですから、どういうふうにお考えになっているのか、お聞かせ願います。
#34
○政府委員(石渡鷹雄君) お答えいたします。
 使用済み燃料の再処理に伴ってプルトニウムが生じてまいります。私どもといたしましては、このプルトニウムも有効に利用していくべきだ、このように考えているわけでございます。先生御指摘のように、このプルトニウムを利用しようといたしますと、新型転換炉あるいは軽水炉におけるプルサーマル、この二つの方法が当面の使用の方法ということになるわけでございます。将来は高速増殖炉、こういうことになっていこうかと、この辺が基本的な考え方でございます。
 まず、新型転換炉につきましては、プルトニウムを実際利用いたしまして、昭和五十四年以来「ふげん」で実績を重ねてきているということでございまして、今後その実績を踏まえまして実証炉をつくっていきたい、こういうことで、現在関係省庁あるいは電力業界といろいろ相談をしていただいておるという状況でございます。
 一方、軽水炉におきますプルトニウム利用ということにつきましては、まだわが国では実際の軽水炉にプルトニウムを含んだ燃料を入れたという実績がございません。今後いろいろ研究を進めていく段階にある、こういうことでございます。なかなかそう簡単な話ではございませんで、プルトニウム燃料の装荷量の制限もございますし、それからいろいろな濃度の燃料も用意しなくてはならないといったようなことが技術的にございます。それからもう一つ、非常に大きな問題といたしまして、軽水炉でプルトニウムを燃やすということ自体が、核不拡散という国際的な問題とどう絡むのか、日本においてやりたいという場合に、国際的な理解を得るということが不可欠な要件でございます。
 そういういろいろな問題を含みながらも、わが国といたしましては、新型転換炉でも燃やすし軽水炉でも燃やすことができるようにしておきたい。そういう選択肢を持った姿で、当面のプルトニウム利用を考えてまいりたい。恐らく、高速増殖炉が実用化いたします二〇一〇年ぐらいまでの間は、そのように二つの選択肢を両方とも持っておきたいというのが基本的な戦略というふうに申し上げられるかと思います。
 なお、この機会に、日本でプルトニウムの問題がどういうような形で起こってくるかということをきわめて概括的に申し上げますと、現在東海の再処理工場が動いておりまして、ここからプルトニウムが出てくるということ。それから、海外に委託しております再処理からプルトニウムが出る。これは、日本が所有権を有するプルトニウムが生ずるということ。さらには、第二再処理工場が稼働いたしますと、そこからもプルトニウムが出てくる、こんな形になるわけでございますが、少なくとも第二再処理稼働時まではわが国におけるプルトニウムの需給状況は比較的タイトでございまして、大量のプルトニウムがたまるというような事態はないわけでございますが、第二再処理工場の稼働に伴いまして生じてくるプルトニウムをどのように利用していくかという、その時点での問題に対応するために、いまから新型転換炉の実証炉、さらには実用炉の開発を進めていきたいし、また軽水炉におきますプルトニウムの利用ということも技術開発を進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#35
○吉田正雄君 現在もうすでに一部プルトニウム燃料が使用されておりますけれども、その詳しいプルサーマル計画の内容についてお尋ねをしたいのですが、まず最初に、研究開発といいますか、実験とその現状がどうなっておるのかということでお尋ねします。
 プルトニウム燃料については、いつごろから開発をされて、実際にはいつごろから使用され始めたのですか。「ふげん」に現在使われておると思うのですが、ことしの一月二十九日に動燃が発表したところによりますと、四十七年から製造開始をしたと。四十七年というと大分前、十年前なんですけれども、このとぎには日米原子力協定の面からしてもそういうことが許されたのかなどうなのかなという感じはするのですけれども、現在まで五十トンだと。そして、八百キログラムのプルトニウムが生産をされたということなんですが、その五十トンの内訳はどうなっておるのか、ちょっとお尋ねしたいのです。
#36
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。
 モックスと申しておりますが、プルトニウムが約二%程度入った燃料をつくっているわけでございまして、その製造量が五十トンを突破したというのがことしの初めでございます。これは「ふげん」に全部装荷をするということで、「ふげん」用の燃料製造の原料にしたわけでございます。
#37
○吉田正雄君 去年の十一月十三日の委員会のときにも、原子力局長は、百十二トン程度再処理をしてきて、プルトニウムは六百四十キログラムだとおっしゃっておったのですね、去年の十一月。ところが、この一月二十九日の発表では、もうプルトニウムは八百キログラムだというふうに動燃事業団は言っているのです。物すごいんです、ふえ方が。それはそれとして、これは「ふげん」用だとおっしゃっておったのですが、いまの動燃の発表ですと、「ふげん」に三十六トンで、残りは高速増殖炉の「常陽」に使っておるのだと。こういうことで、「ふげん」だけじゃないんですね。これはどうですか、ちょっと食い違っておるようなんですが。
#38
○政府委員(石渡鷹雄君) 失礼いたしました。一部「常陽」の燃料にも使われております。
#39
○吉田正雄君 そこで、将来の実験といいますか、試験、開発といいますか、対象炉として、言われているところや新聞報道等によると、美浜一号炉あるいは福島一号炉というふうなことが言われておるのですが、軽水炉利用についてはそういうことですか。
#40
○説明員(戸倉修君) ただいま原子力局長からもお話がございましたように、わが国といたしましてはプルトニウムを有効に利用していくということが必要でございまして、当省としても、軽水炉におけるプルトニウムリサイクルについての実証試験を進めることとしているわけでございます。
 ただいまお尋ねの、プルサーマルの具体的な計画でございますけれども、まず、PWRにつきましては、関西電力の美浜原子力発電所一号機におきまして、四体のモックス燃料を装荷し、照射試験を行うということが計画をされているわけでございます。また、BWRにつきましては、通産省におきまして、昭和五十年から五十四年まで、日本原子力発電株式会社の敦賀発電所にモックス燃料を装荷するという想定で、安全性等についての調査を行ってまいったわけでございますが、これを今後どういうふうに進めるかという計画については、ただいままだ固まっておりませんで、検討を続けている段階でございます。
 なお、福島については、ただいまのところ具体的な計画はまだございません。
#41
○吉田正雄君 敦賀、五十四年まではわかりましたが、本格的に軽水炉で利用するというのは、いつごろから開始をしようというふうにお考えになっていますか。
#42
○説明員(戸倉修君) ただいま御説明を申し上げました関西電力美浜の試験は、これは実証試験でございまして、実用規模での実証試験というのが引き続き必要であるというふうに考えておりまして、これにつきましては、現在、総合エネルギー調査会の原子力部会におきまして所要の調査、検討を行っている段階でございます。
 なお、美浜の実証試験をいつからやるかということでございますが、これは、私どもの設置変更許可等はすでにおりておりまして、現実に燃料体も美浜の発電所の中に運び込まれておりますけれども、工事計画の認可あるいは輸入燃料体の検査等の手続もございますし、地元の御理解を得ながら今後進めてまいる、こういう計画で考えているわけでございます。
#43
○吉田正雄君 これは私直接見ていないのでわからないんですけれども、いまおっしゃった通産省の総合エネルギー調査会の原子力部会の中のプルトニウム・リサイクル小委員会、村田浩原研の顧問がこの小委員会の委員長というか座長をやっていると思うのですが、そこで二月の二十三日に何か審議方針というふうなものが出されたようなんですけれども、そこでは、燃料の成型加工が高くつき、発電コストも高くつく。従来の軽水炉発電と比較して、際立った有利さがない。もし実施するのであれば長い歳月にわたる実証研究開発といいますか、そういうものが必要じゃないかというふうなことが述べられておるということなんですが、それはそうですか。
#44
○説明員(田辺俊彦君) 先生御指摘のように、いま原子力部会で、プルトニウム・リサイクル小委員会、村田先生のもとで議論を進めていただいているわけですが、御指摘の資料に関しては、私担当課長でございますが、覚えがございません。しかし、今後の検討のプロセスで、プルサーマルが本格化するということをどう具体的にしていくのか、そしてその条件になるのが、御指摘の、燃料加工がどういうふうにスケールメリットを持って、経済性を持っていくのかということだろうと思っております。その辺につきましては、今後、あと数カ月の間具体的検討を進めた上で、またいろいろ御報告をさせていただきたいと思っております。
#45
○吉田正雄君 いまの小委員会の審議方針というのか、それは別段秘密でも何でもなくて、すでに一部でも報道されたりしていますから、それを資料として後でいただけますね。
#46
○説明員(田辺俊彦君) 非常にまだ整理されていない資料があるかと思いますが、それらを除きまして、先生のところにまた御報告に参りたいと思います。
#47
○吉田正雄君 いまのモックス、これは、どんな割合、どんな組成で、どの程度燃やすというのか、もうちょっと具体的に聞かしていただきたいのです。
#48
○説明員(戸倉修君) 美浜一号の場合のプルサーマルの実証計画でございますが、天然ウランに約四%のプルトニウムを加えました酸化混合燃料、モックス燃料を四体炉に装荷をいたしまして、大体三サイクルの期間、これは定期検査の期間がございますがそれを三回経過するということでございますが、これを燃焼させまして、その結果を見る、こういう計画でございます。
#49
○吉田正雄君 プルトニウム利用については、いろいろ利点が前面に大きく出ておるのですけれども、問題もまた多くあるのじゃないかというふうに思っておるわけです。
 「ふげん」の場合にはもうそういうことで設計をされている原子炉ですからいいのですけれども、軽水炉への利用というふうなことになりますと、問題がいろいろ出てくるのではないかというふうに思うんです。特に、ウラン炉心の設計を変えないで、現状のままでプルトニウム燃料を利用するのだということになりますと、燃料棒の入れ方とかいろいろ問題があると思うのですが、その辺、現状ではどういうふうになっておりますか。
#50
○説明員(戸倉修君) プルサーマルにつきましては、先ほども申し上げましたように、わが国ではまだ実証の経験がないわけでございますが、国際的には、先生も御承知のようにINFCEの場におきまして評価がなされておりまして、諸外国で、多数の照射実績をもとにいたしましてプルサーマルは基本的技術は確立しておる、現在の軽水炉で十分行えるというような評価が出ておりまして、私どもとしては、安全面での基本的な問題はないというふうに考えております。特にアメリカとか西ドイツでございますが、ここでは現実に商業用軽水炉での照射実績が多数ございます。それからわが国でも、日本原子力研究所におきまして研究炉での試験実績を積み重ねられておりまして、プルトニウム燃料を軽水炉で燃やすことについての技術的な問題はないというふうに考えております。
 具体的にどういうようなことになるのかというようなお話でございますけれども、先ほども申し上げましたように、燃料自体がモックス燃料でございまして、ウランの中でプルトニウムの占める割合が数%、四%程度を予定しているわけでございます。そういう少ない割合でございますし、制御棒の周辺にはモックス燃料を装荷しないというような設計上の配慮を行うことによりまして、制御性等の低下が起こるようなことはないというふうに私ども考えております。
#51
○吉田正雄君 いまおっしゃった、制御棒の周辺にはプルトニウム燃料棒は置かないというのは、これは遅発中性子が少ないということで制御上問題が出てくるということをおっしゃっていると思うのですが、熱中性子の吸収がウランよりやや多いわけですね。したがって、局所的な出力変動、いわゆるピーキングが大きくなる傾向があるということが指摘をされているのですが、これについては、いままでの実証試験ではどういうふうな結果が出てきておりますか、あるいはどういう対策を講ぜられようとしておりますか。
#52
○説明員(戸倉修君) 先生のいまお話しの熱中性子の吸収の問題、確かに御指摘のように若干増加することは事実でございますが、それが燃料棒の安全性とか出力の大幅な変動等に与える影響というのは非常に微々たるもので、私ども安全性には問題はないというふうに考えております。
#53
○吉田正雄君 心配がない、安全じゃないかということですが、まだわが国における実証試験等が余り進んでいないのじゃないか。いまの答弁を聞いておりまして、西ドイツ等とか外国ではというふうなことで。それだけに、これから問題の解決に向けていろいろなものがあると思うのです。とりわけ、安全性の問題でもいろんな点が指摘をされておりますので。
 そこで、その安全性の問題でちょっとお聞きをいたしますと、製造工程で、御承知のように、被覆管に密封されるまではグローブボックス等の密封性のインクロージャーというものが必要だということなんですが、この点、一体現在動燃事業団ではどういうふうなことでやられているのかということと、それから臨界制限量は今度は小さくなってくるわけですね。それだけに、核物質の一回ごとの使用量とか、あるいは装置、形状の制限というのを相当厳しくしなければならないのじゃないかということも指摘をされておるのですが、これらの基準とかそういうものについては、現在はどのようになっておるのか、実際はどういうふうに行われておるのか、わかったらお聞かせ願いたいと思うのです。
#54
○政府委員(高橋宏君) お尋ねの件でございますが、お尋ねの件につきましては、プルサーマル特有の問題ではございませんで、FBR燃料あるいはATR燃料を含めましてプルトニウム取り扱い全般に共通する課題かと思っております。そういう点につきましては、普通のウラン235と違いました特別な配意は当然行いながら製造していく、あるいは管理していくということになろうかと思います。御指摘のように、プルサーマルを本格化するに際しましては、モックス燃料の製造体制をどういうぐあいに持っていくかということが一つの課題になろうかと私思っております。センシティブなものでもございますし、官なのか民なのかということもございます。そういうことを含めて検討してまいらなければならないというぐあいに考えております。
#55
○吉田正雄君 余りここで細かいことをお聞きしても仕方がないと思いますが、それでは、燃焼後の処理ですね、使用済み燃料の処理というものをどういうふうにされるのか。これは日本の再処理工場でやられるのか、あるいは外国にまた依頼をするのか。処理済み後のものをまたどう処理するのか、その辺ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#56
○説明員(田辺俊彦君) 御指摘の、処理済み後の使用済み燃料でございますが、将来再処理することとなると考えております。具体的にどこで再処理するかにつきましては、まだ確定しておりません。第二再処理工場の運転の今後のタイミング等々をにらんで、関係者間で協議していくことになろうかと思います。
 また、プルサーマル燃料の再処理技術については、軽水炉燃料の再処理技術により基本的に確立しておりますので、その意味では問題ないかと思っております。
#57
○吉田正雄君 ちょっとさっき聞き忘れたのですが、そうやってずっと実証あるいは研究が進んでおるわけですけれども、軽水炉へ商業ベースで実現するというまでには一体何年ぐらいかかるというふうに思っておいでになりますか。
#58
○説明員(田辺俊彦君) いまの点につきまして、まさに、先ほど御指摘の原子力部会プルトニウム・リサイクル小委員会におきまして検討を進めております。現在のところ、途中でございますので詳しく明らかにできませんけれども、先ほど御答弁がありましたように、まず小規模の実証計画を進めまして、その後実用規模の実証試験を経た後、各種のアセスメントを経て、商業的利用に至るというふうに考えております。一九九〇年代の半ばごろが一つのめどとなり得るかと思っております。
#59
○吉田正雄君 それでは、ATRに関してもうちょっとお尋ねをしたいのですが、ことしに入りましてから、ことしだったと思うのですが、中川長官が新型転換炉の実証炉建設について電力業界に対して要請をされたということで、東電の豊田正敏常務を委員長とするATRの特別委員会というものができた。そこでもって六月ごろに向けて結論を出すべく検討が行われておるということが報道されておるわけですが、いままでのこの経過がどうなっておるのか、また、言われているように六月ごろに結論が出るのかどうなのか、その点についてお尋ねをいたします。
#60
○政府委員(石渡鷹雄君) 先生御指摘のように、本年一月に原子力委員長から原子力委員会の参与の方々にお願いをいたしまして、原型炉「ふげん」の実績を踏まえて次の実証炉の建設に移りたい、ついてはその建設についての合意形成について御協力をお願いしたいというのが第一点、それから、もし実証炉建設ということになりますと、だれがその実施主体になるのかという問題がございますので、その実施主体につきましての推薦をお願いしたい、この二点について協力要請を行ったところでございます。これを受けまして、先生御指摘のように、電気事業連合会におきまして新型転換炉実証炉に関する特別委員会が設けられ、現在検討中である。できれば六月にも結論をというタイミングで、いろいろ検討を進めていただいているところでございます。
 私どもといたしましても、なるべく早い機会に、そういう実施主体の推薦も含めました何らかの御回答を得たいものというふうに希望している段階でございます。
#61
○吉田正雄君 時間も余りありませんので最後にお聞きをいたしますが、いまの、豊田常務が委員長をやっておりますATR特別委員会の初会合が二月の十八日に持たれた、そこでATRの実証炉化とそれからプルトニウム軽水炉利用との比較を今後の検討項目の一つにするということが決定をされておるということで、多分間違いないと思うんですけれども、なぜこういうことが検討項目になっているのかと言えば、これは通産にも関係するんですが、通産省は、ウランがある時期になると需給関係が逼迫するのでプルトニウムの軽水炉利用が必要だということをおっしゃっているわけですね。ところが、どうも経済的には引き合わないのじゃないか。確かに西独が西側では一番経験を持っておるということなんですが、それでも商業化というのは十年先になるのじゃないかということが言われているわけです。そしてさらに、専門家の間では、ウランというのは二十一世紀に入っても供給不足になるということは考えられない、プルトニウムの軽水炉利用というのは成型加工が大変で非常に高価なものにつくのじゃないかという指摘があるわけですね。
 そして、電力会社が必ずしもATRの建設に積極的でないというのは、一方で高速増殖炉の研究開発が進んでおるという中で、海の物とも山の物ともつかないATRに多額の資金をつぎ込んでも、その商業性、経済性から見ると、軽水炉と比較したり高速増殖炉と比較して、必ずしもどうも有利とは考えられないのじゃないかと。しかもそれが、十年先になるのか十五年先になるのかわからない。ところが一方、高速増殖炉というのは十年後には商業化を目指して着々と進んでいるということで、そんなむだなことをやる必要があるのかなという意見が専門家、原子炉の専門家の間にも、学者の間にもありますし、それから電力サイドですね、経営側にもどうもそういう点で二の足を踏んでいる嫌いがあるのじゃないか。
 そこで大臣みずからが足を運ばれたというふうなことも言われておるのですけれども、そういう点で、基本戦略として、いま言ったような観点からして、プルトニウムの軽水炉利用というものとそれからATRの開発というものが果たして一体原子力利用という観点から考えた場合に理にかなっているのかどうなのか、いま言ったような点からどういうふうにお考えになっているのか、これをお聞かせ願いたいと思うのです。
 つまり、経済性も悪い、それから将来の発展性を考えた場合、一方に高速増殖炉あり、それから軽水炉は軽水炉でそれなりに一定の成績を上げている、ウランもそんなにすぐ十年や二十年でなくなるというふうには考えられないというときに、一体ATRの開発というのはどうなんだろうか。またプルトニウムの軽水炉利用というのは果たしていいのかどうなのかという点、お聞かせ願いたいと思います。
#62
○政府委員(石渡鷹雄君) まずATRの問題について申し上げますと、試算によりますと、確かに実証炉の段階では軽水炉に比べまして、実証炉一基だけを考えますと八割ぐらい高くなるという試算もあるわけでございますが、これがある程度商業化の段階になりますと三割高ぐらいまで下がってくるだろう、現在考えられております実証炉につきましては六十万キロワットの規模でございますので、このスケールアップを考えればもう少し経済性も出てくるのではないかという、経済性につきましては以上のような見通しでございます。
 まず基本的な考え方といたしましては、プルトニウムを使うという事態に備えて、現在原型炉「ふげん」から実証の段階まではやっておこう。これで研究段階は完結するわけでございまして、その次の商業化に移るかどうかという時点でもう一つの判断がその時点で下されることになろうかと考えております。その時点での判断の大きな要素は、逆に、軽水炉におきますプルトニウムの利用ということがどれだけの経済性を持ってやり得るか、またいろいろな核不拡散上の国際的な理解が得られるかどうかという問題もかかっているわけでございまして、私どもといたしましては、少なくとも実証炉の段階まで進め、研究開発は完成させて、次に進み得る体制だけはとっておきたいということで現在考えさせていただいているところでございまして、そういう観点での検討を進めてほしいということを先般原子力委員長から関係者にお願いをしたということでございます。
 その先をどうするのだということまでは現在の段階では判断をしないという基本的な考え方をとっているわけでございます。
#63
○説明員(田辺俊彦君) 軽水炉のプルトニウム利用につきまして補足的に説明させていただきますが、先生御指摘のFBRの実用化の時期に関しまして、これはいろいろ十年後、十五年後、二十年後とございますが、私ども、かなりの期間がまだ実用化までにあると思っております。その間の再処理から生じますプルトニウムをどう使うかということで、将来、プルトニウムは自前のエネルギーということでもございますので、それを有効に活用していくということがまず重要であろうと思っております。それから、特に、再処理後のプルトニウムができました場合には、できるだけ速やかにそれを有効活用するというのがむしろ核不拡散上有効であろうかという考え方にも立っております。
 御指摘の経済性につきましては、確かに、ウランの今後の価格の動向、市場の動向、それからモックス燃料加工の量産化に伴う経済性の向上ということがキーポイントになるかと思います。その点につきましてさらに検討を進めて、また御報告できるようにいたしたいと思っております。
#64
○政府委員(石渡鷹雄君) ちょっと補足させていただきます。
 確かに、ウランの市場等につきましては必ずしも現在の時点で明確な見通しがないわけでございますが、いずれにいたしましても、わが国として、将来のエネルギー供給源、供給の安定性という意味から弾力性を持っておきたいというのも、新型転換炉開発に踏み切った大きな要因であるわけでございますので、そういう意味で、少なくとも実証炉段階までは進めて完成させておきたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、経済性の問題でございますが、軽水炉と比較すると確かに高いということを申し上げたわけでございますけれども、すでに石油あるいは将来大幅に伸びてまいるでありましょう石炭等と比較してみますと、それなりに競争力はあるのだという見通しもございますので、必ずしも経済性で非常に劣るということではないという点はぜひ御理解を賜りたいと存じます。
#65
○政府委員(高橋宏君) 一言つけ加えさせていただきますが、私ども、プルトニウム利用を考えますときに、三つないし四つぐらいの観点から考えなければいけないと思っております。
 一つは、資源論でございます。ウランは無限ではございません。そういう意味の資源論と、それからもう一つは、再処理したプルトニウムは、いま原産課長が言いましたように、国産エネルギーとみなせるという点からの資源論でございます。二番目は、おっしゃったように経済性かと思います。発電コストです。それから三番目は、いわゆるエネルギーセキュリティーという観点かと思います。バーゲニングパワーという意味にも当たるかと思います。そういった観点から考えなければいけませんが、西独等におきましては、さらにこの考えのほかに、将来のFBRへの技術の習熟の一つのプロセスという観点もあるようでございます。プルトニウムのハンドリングがFBRにとって決定的な技術になる、かつ経済性を左右するのもプルトニウム燃料のプロセスが重大なキーを握る、その事前勉強という意味もあるようでございます。そういう観点からプルサーマルにつきましては考えたいと思いますし、ATRにつきましても考えていきたいと思っております。
 なお、使用済み燃料の最良の今後の処理の仕方としましては、やはり再処理をして有用なものは利用する、そうしてこれ以外のものはコンパクトにして貯蔵するというのがベストであろうという方針を私どもとっておりますので、そういう前提に立ちますと、プルトニウムを利用する考え方はさっきのような考え方をベースにしていく、単に経済性だけで進めるのは必ずしも適当ではないのじゃないかと思っております。電気事業者がそこに着目するのはこれは当然だと思いますので、その限りにおいては私は結構でございますが、私どもとしては、プラス広い意味の評価というものを加えて指導してまいりたいと考えております。
#66
○吉田正雄君 次に、再処理とそれからプルトニウムといいますか、濃縮ウランもそうですが、原子力の軍事転用の問題についてお伺いをいたします。
 外務省からおいでいただいて大分お待たせいたしましたが、最初にそれでは外務省の方にお尋ねをいたします。
 昨年来、アメリカにおいては、民間のプルトニウムを軍事利用するという方針がレーガン政権によって出されたということが報道されております。そういうことで、核不拡散条約とは逆の方向に世界の情勢が向いているのじゃないか。イラン、イラクから南アフリカあるいはパキスタン、さらにはアルゼンチン、ブラジル等、第二核クラブ結成の動き等が盛んに伝えられております。
 そこでお尋ねをいたしますが、非核三原則と日米安保条約との関係についてお尋ねをするのですけれども、その前に一つ、国連における核不使用決議というのが、いままでたしか十回、一九六一年の第一回から昨年十二月まで十回、行われているわけですね。この日本政府の態度を見ますと、外務省からいただいた資料ですと、最初、日本は第一回目は賛成をした。ところがその後ずっと棄権をしてきて、昨年、一昨年の二回については今度は反対に回っているということなんですね。その理由もいろいろ言われております。単なる決議で具体性がないとか、効力がないとか、あるいはアフガンの侵攻問題が出てきたというふうなことで、単なる核不使用決議では何ら実効性がないというふうなことを言われておるのですが、当初、第一回目は賛成でありながら、その後ずっと七回が棄権で、最後のここ二カ年の態度は反対に回ったという、その真意をお聞かせ願いたいと思います。
#67
○政府委員(淺尾新一郎君) 実は、核不使用の問題についての国連決議については、私直接の担当でございません。そこで余り権威あるお答えはできないわけでございますけれども、日本政府の態度が賛成、棄権、それから反対というふうに変わってまいりましたのは、いま吉田委員が御引用になりましたやはりその決議の内容、あるいはそのときの国際情勢、それから提案者の意図、そういうものをしんしゃくして態度を決定してきたというのが、私の理解でございます。
#68
○吉田正雄君 直接担当者でないということでもありますので、これ以上突っ込んでも回答は出てこないのじゃないかと思うんですが、私は、情勢が変わったからということほど危険であり、どんどん軍拡の方向へ行くのじゃないかというような心配をしているのです。
 それはそれとして、非核三原則は、御承知のように核を持ち込まず、つくらず、持たずということになっているのです。この核を持ち込まずという内容なんですけれども、これが、安保条約との関係で、すでに二原則になっているのではないか。実質的には持ち込まずというのが空洞化されているのじゃないかということが盛んに言われておるのです。去年六月の衆議院外務委員会で園田外務大臣が、非核三原則に言う核持ち込まずとは、核の貯蔵、配備、領海、領空の通過、寄港等を含め、それらすべてにノーというのが政府の解釈であり、立場であるというふうに明確に答弁されていますが、その点はいまも変わっておりませんか。
#69
○政府委員(淺尾新一郎君) 政府の立場は変わっておりません。
 もう少し詳しく申し上げさせていただけば、御承知のとおり、安保条約六条というのがございまして、六条に基づく交換公文、その中の一つの規定の中で、米軍隊の装備における重要な変更というのが事前協議の対象になっているわけでございますが、その内容については同じときに、同じときにと申しますか、当時の交渉当事者であった藤山大臣とマッカーサー大使との間で、ここに言う軍隊の装備における重要な変更というものは核弾頭及び中長距離ミサイルの日本国への持ち込み及びその建設であるというふうに了解されているわけでございます。
#70
○吉田正雄君 そこで、もう一つ、今度は日米安保条約の立場から言うと、かつて佐藤総理が、非核三原則でなくて実は四原則というふうなことを言われたことがある。私は、現在の日米安保条約というのはアメリカの核の傘というものが当然想定をされておるのじゃないか、いい悪いは別です。そう考えますと、どうも二律背反的な内容を持っているのではないか。一方で、日米安保条約を容認しておるということですから、アメリカの核の傘というものを容認している、核抑止力に頼っている。一方において、非核三原則で核は持たず、持ち込ませず、つくらずということで、一切核というのは入れないのだということになっているわけです。したがって、ラロック提督の発言や、一昨年、去年あたりの例のライシャワー大使の発言等に見られるように、現実にはどうも核というのが持ち込まれているのではないか。特に、日本に寄港する艦船の八割方にはどうも核が積み込まれているんじゃないかというのが軍事専門家の間ではほぼ常識だ、こういうふうに言われておるわけです。ただ、それが明確に装備の重要な変更だということで事前協議になっていないだけであって、それについては一切ノーコメントというのがアメリカの方針だということなんですね。
 そこで私は、ノーコメントはノーコメントとしてお尋ねをしたいと思いますが、もし仮に現実には実はそうであったというふうなことで、寄港とか一時通過の艦船、航空機等に核が積まれておるということについても許可といいますか、事前協議があった場合には、外務省としてはどういう立場をおとりになりますか。
#71
○政府委員(淺尾新一郎君) まず第一に、非核三原則、それとアメリカの核抑止力に頼るということでございますが、核の抑止力に頼るということは、日本の領海、領土あるいは国内に核がなくて、日本の外にアメリカの傘があってあるいは核の抑止力があって、それが機能するというふうに私たちは考えているわけでございます。
 それから第二の点、仮にということでございますが、私たちはそういう仮にという事態はないというふうに確信しております。と申しますのは、先ほど申し上げましたような、事前協議についての岸・ハーター交換公文あるいは藤山・マッカーサー口頭了解ということによって、いまお挙げになりましたような、艦船であろうと核の持ち込みが日本に行われる場合、これはアメリカは当然事前協議の対象として日本に相談をしてくる義務を負っているわけでございます。歴代の大統領が、安保条約が発効して以来、日本国民の核についての特別な感情に背馳しないということを何遍も誓約しておりますので、その誓約に反するようなことはしていないというふうにわれわれは考えております。
#72
○吉田正雄君 つい先般、韓国の航空機が日本に修理のために飛来をしておったというふうなことも報道されたんですが、確かに表向きはいまの答弁のとおりだろうと思うのですが、実態はどうもそうではないというふうに国民の多くは思っているのではないか。特に、ライシャワー元大使のイントロダクションの内容というものが、どうも日本政府の言っているものと食い違っておるというふうに私ども思っておるのです。しかし、ここで仮定のものについては答弁できないというふうな答えもあるのですが、いずれにしても、日本政府としては、一切の核について、答弁されたとおりの態度を今後も堅持をされていく、情勢の変化とか何かということでなくて、堅持をされるということは変わりないわけですね。
#73
○政府委員(淺尾新一郎君) 歴代の総理大臣が言っておられる点でございまして、この点について変化はございません。
#74
○吉田正雄君 いよいよ六月に国連の第二回の軍縮特別総会が開催をされるのですけれども、核不使用決議に対する日本政府の態度がくるくると変ってきた、賛成から棄権に回り今度は反対に回ったというのは、そのときどきの情勢の変化が一つの大きな理由になっているんですね。そうすると、非核三原則も、情勢の変化ということを理由にして変わり得る危険性がどうも私はあるのじゃないかと思うのですが、これ以上言ってもなかなかそれ以上の答弁というのは出てこないと思うのですが。
 科学技術庁長官、これは前にも一回私はお尋ねをしたんですが、安保条約との関係です。私はやっぱり矛盾していると思うのですよ、何だかんだ言っても。二律背反的な要素を持っている。非核三原則と安保条約という二つのものは、そういう関係にあると思っているんです。同時にまた、もう一方日本は、非核三原則であると同時に、核不拡散条約にも加盟をし批准しておるわけです。いずれも、憲法九十八条によって条約遵守の義務をわれわれは負っているわけですね、憲法上。
 そこで、科技庁長官、原子力委員長として、日本の原子力はあくまでも平和利用に限る、軍事利用はやらないのだということが原子力基本法にも盛られておるし、そういうことなんですけれども、情勢が変化をしたから核は認めるんだなどということになったのでは、何が基本法なのかさっぱりわからない。情勢によって常に変わっていくのでは私は困ると思うのです。そうでなくて、そういう情勢にならない努力が私は前段として最大限行われるべきなんであって、情勢に身を任せ、時の流れに身を任せておって、情勢が変わったからしたがって核武装もやむを得ないなんていうことになったのでは、これは大変だと思うのです。
 そういう点で、科技庁長官、原子力委員長として、あくまでも非核三原則については堅持をすべきだし、情勢がそういう方向に向かうように、軍縮、核廃絶の方向に向かって日本政府は主体的に努力をすべきじゃないか。単なる決議だけでなくて、米ソ両国あるいは核保有国に対して、やはり核兵器の廃絶、それは段階的にいろいろな方法はあろうと思うのですけれども、最終的には核廃絶、軍縮の方向に向けて努力をすべきだという、そういうアクションを日本政府は積極的に起こすべき段階に来ておると私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のとおりでございまして、核を含めた軍縮というのは人類の理想でございます。もし核が使われるというようなことになったり、あるいはまた核が競争して拡大されるということは、これはもう人類の不幸であることには間違いがありません。でありますから、これは科学技術庁長官のみならず、おおよそ政治を志す者のすべての原理原則だと思うのです。そういうことで努力はしますが、また抑止力という一面も、これは避けて通れない現実の問題としてございます。その辺、抑止力を踏まえつつ、長期的には核を含めた軍縮、核の廃絶、こういうことへ努力していくべきだろうと思います。
 また、私の担当します原子力の発電、平和利用については、これはもう法律に厳然とうたってあることでございまして、これが軍備あるいは軍事に使われるというようなことが断じてあってはならない、不退転の問題だと思っております。
#76
○吉田正雄君 これは担当が違うというのですが、もう一回外務省にお聞きします。
 第二回国連軍縮特別総会に、鈴木総理は早々と出席をしたいというふうなことをおっしゃっておったんですが、日本政府の態度としては、私は、世界の情勢がこうだから核不使用決議案に反対だなんて、いかにもそれじゃ核の使用に賛成のような、そういうふうに受けとめられる、こういうことでは問題だと思うのです。そういう態度というのは、それはどういう決議案が出るかわからぬとしても、おおよその見当はつくと思うのですね。やっぱりこれは反対ということで臨まれるのですか。どういうことなんでしょう。
#77
○政府委員(淺尾新一郎君) 現在、外務省としても、国連総会、軍縮特総に臨む態度を検討しております。その中で、核の不使用という決議案が出るかどうか、これもまだはっきりといたしておりませんが、やはりそのときの態度は、核の不使用の決議案それ自身の内容を十分吟味した上で態度を決定すべきであるというふうに考えておるわけであります。
#78
○吉田正雄君 これは要望ですけれども、私は、核抑止力という中で、戦域核兵器、戦術核兵器がどんどん拡大をしているということでは問題なんであって、そっちに向くのでなくて、核抑止力にも頼らない核廃絶という、そういう中で人類が平和を追求していくという原則的な立場に立たないと、だんだんおかしな方向に流されるのじゃないかと思うんです。そういうことで、日本政府として、余りアメリカやソ連に気がねをするのでなくて、唯一の原体験国として、私はやっぱり、核兵器廃絶に向けての積極的なむしろ主導権をとった動きというものを、世界に向けて行うべきだと思うのです。これは要望しておきます、これ以上言ってもしょうがないですから。外務省の方、結構です。
 時間が余りありませんので、質問の方も簡単にしますので、答弁の方も簡単にお願いをいたしたいと思います。
 アメリカが、民間のプルトニウムというものを軍事転用するのだという方針を昨年出したということを聞いておるわけです。それと関連をして、バーンウェル再処理工場がいま閉鎖状況にあるわけですけれども、これを今度日本、アメリカ、イギリス、西ドイツの四国が共同でひとつ再開させようと。約十億ドルといわれるこの経費について、日本政府が一〇%、約一億ドルぐらい出そうというふうな話になっておるということが報道されておるんですが、それは本当でしょうか。
#79
○政府委員(石渡鷹雄君) バーンウェルの再処理工場の再開に際しまして、少なくとも、米国政府からわが国政府に対しましてそのような申し入れを行ったという事実はございません。また、二国民間ベースでそういったようなうわさと申しますか、そんな話がちょっとあったということは耳にしておりますが、いずれにせよ、正式なものとしては受け取っておりません。
#80
○吉田正雄君 正式な申し入ればないということなんですが、正式な申し入れがあったらどうされますか。
#81
○政府委員(石渡鷹雄君) 現時点で、この再処理工場を運営するという立場にございますアライド・ゼネラル・ニュークリア・サービス社が、本当にそういうことを考えているのかどうかという点につきましても定かでございませんので、ただいまの時点でのお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#82
○吉田正雄君 実は、フランスが例のパキスタンの核に向けて援助をしておるということは、これは事実なんですね。さらに、イラクに対してもずいぶん援助しておる。それから、イスラエルと南アと台湾が研究共同開発をやって、一昨年の九月に例の核実験をやったということも、これはアメリカの発表した情報によってもほぼ間違いないだろう、こう言われておるのです。したがって、平和利用という言い方の中で、もうどんどんと核拡散が進んでいるわけです。また、ブラジルとかアルゼンチン、これに対しても西ドイツ等が盛んな売り込みをやっておるのです。核開発は間もないだろうと言われておるわけですね。特に、パキスタンはことしじゅうに核実験をやるのじゃないかぐらいのことが言われておるわけなんですが、私は、アメリカがまだプルトニウムが足りない、一体幾ら核兵器を持ったら満足するのか、大変なことだと思うのです。
 日本は、第二再処理工場をいま建設計画を立てて、本年じゅうぐらいには立地についてのめどをつけたいというふうなことを言われておるわけですけれども、さらに電力会社で、第三再処理工場等もいずれは必要になってくるだろうというふうなことも言われておるのですね。そういう点で、アメリカで民間のプルトニウムを軍事転用するんだということが明確になった段階では、私はいまのバーンウェルの再処理工場の再開に日本が手をかすようなことはやるべきじゃないというふうに思うのです。まだ話がないといっても、そういう計画が明らかであるならば、それは手をかすべきではないと思うのですが、どうなんですか。
#83
○説明員(田辺俊彦君) 先ほどの原子力局長の御答弁に補足いたしますと、現在、バーンウェルの再処理工場に関しまして、外国に出資を要求して、具体的に公式に申し込んでいるという例はございません。ただ、アメリカの政府といたしましては、できればそれを再開したいという希望は持っているようでございますが、アメリカ産業自体が、まだその再処理工場のバーンウェル工場に対してどう取り組むかはっきりしていない段階でございます。
 それからあと一点。わが国におきまして、政府ベースでは先ほど局長から御答弁いただきましたが、民間ベースにおきましても、一切出資をもって参加するということの動きはございません。
#84
○吉田正雄君 最後まで一通りさっと聞きます。
 ラアーグとウィンズケールからの返還廃棄物対策です。いつごろ返ってくるのかということ、契約がどうなっているのか、経費はどれくらいかというふうなことですね。
 それから、これは質問の中で先日出されたバックエンドコストの根拠、廃棄物、廃炉まで含めたコストはというふうなこと、これを言ってもこれは時間がありませんから、また改めてやります。
 それから、濃縮作業の問題です。現行法規からまいりますと、これが抜けているのじゃないかと思うんです。というのは、現行法の体系をずっと見ますというと、核燃料サイクルの主要な段階ごとに事業または施設に着目した規律というものを置いて、これに含まれない核燃料物質等の利用を包括的に使用許可制にかかわらしめているのですね、この法律体系は。そうでありますので、このような法のシステムは、核燃料サイクルのプロセスに、ある意味では忠実なんです。かつ、わかりやすいんです。わかりやすいんですけれども、しかし現在の段階制規制は、わが国の原子力利用の発展過程に対応したものであって、現行法がつくられたときのいきさつからしても、濃縮作業ということは余り考えていなかったということなんですね。
 そこで、濃縮は、法律で列挙をしておる製錬だとか加工のいずれにも、この法律が制定されたいきさつからすると含まれておらなかったと見るのが正しいんです。だから、いま濃縮がやれるというのは、動燃事業団法によってしか法的な位置づけはない。しかし、これはきわめて重要なものであって、付随的なものではないわけなんです、濃縮というのは最も重要なものですから。単なる実験研究という動燃の段階ではそれはある程度成り立つのですけれども、実用化、商業化の段階では、私は当然、この濃縮というのは、きちっと法改正をして、明確に位置づけなければならない重要な内容だというふうに思っておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#85
○政府委員(石渡鷹雄君) 返還廃棄物の問題でございますが、ことし初めにそのスペックを提示してくるというような予定であったわけでございますが、まだその提示がございません。若干先方の作業がおくれているという事情があろうかと思っております。実際廃棄物の返還が始まりますのは、一九九〇年の初めごろから始まるのかなと、このように予想しているところでございます。
#86
○政府委員(赤羽信久君) 原子炉等規制法におきまして、確かに濃縮という文字が出てまいりません。これが、立法当時濃縮が完全に無視されていたのか、予想されていなかったのか、経緯としては必ずしもわからない点がございますが、現在の法律の解釈からまいりますと、御指摘のように、まず原料を製錬する、そしてそれを原子炉で燃える形の燃料に加工する、そういうステップを踏んでいるわけでございます。その「加工」の定義におきまして「核燃料物質を原子炉に燃料として使用できる形状又は組成とするために、これを物理的又は化学的方法により処理することをいう」とございます。核燃料物質、すなわちこの場合は天然ウランでございますが、それが原子炉で燃えるような形に持っていくということでございます。そして内容としましては、形または組成――組成と申しますと、結局ウラン235の分量、これを適当なものにするということがございます。それから方法としては、物理的または化学的方法と指定してありまして、たとえばガス拡散法や遠心分離法ですと物理的な方法になるわけでございますので、法律上は完全にカバーされていると解釈できると思います。
 なお、事業の指定につきまして、そのほか具体的な細かい問題について法令整備が必要かどうかは、具体的な問題になったときにさらに検討させていただければよろしいかと思います。
#87
○吉田正雄君 どうも、いまの説明ではやっぱり私はちょっと不十分だと思うんです。これは、法制定の経過をよく御存じの方はおわかりだと思うのですけど、当時濃縮というのは日本では全く考えられておらなかったし、アメリカから供給を受けるということでやってきたということで、製錬、加工のこの加工の中に入れるというのもちょっと無理がある。濃縮というのはきわめて重要な段階でして、そこへちょっとくっつけるような、そういうものではないわけなんですよね。そういうことで、私は、無理のない法体系にするためにも、この点は将来きちっと、実用化、商業化の段階がいずれ来ると思うので、検討された方がいいのじゃないかというふうに思うんですけれども、その点どうですか。
#88
○政府委員(赤羽信久君) 御指摘でございますが、ただいま御説明申し上げましたように、法文上は技術的に考えましてぴたり入っているように思われます。その意味で根本的な考え方を変える必要はないかと思われますが、先ほど申し上げましたとおり、何か実際上の問題が出てくるということでございましたら、その点はそのときに検討すべきかと思われます。
#89
○吉田正雄君 それから、核不拡散条約との関係、あるいは核物質防護――この条約には日本は入っていません、何で入っていないのかちょっとお聞きしたいんですが、最近、そういう観点で情報の公開が非常に厳しくなってきたということで、逆にそのことが核拡散の隠れみのになっていくという危険性があるのじゃないか。あるいは、民間で濃縮作業をやるということになりますと、今度は企業秘密というふうな言い方で、どうも危険な方向に行く心配なしとしないというふうなことなので、この濃縮であるとか再処理の情報等の公開についてはどういう基準をお持ちなのか、いまはないと思うのですけれども、どういうふうに判断をされておるのか、現状ではどうなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#90
○政府委員(石渡鷹雄君) 公開の基準がどうなっているかという御質問かと存じますが、先生御承知のように、原子力の研究、開発、利用の成果の公開ということにつきましては、確かに一律的に定めるということはむずかしゅうございまして、個別、具体的なケースごとに考えていく必要があると存じます。特に商業上のノーハウ――企業機密という言葉になりますが、こういう問題につきましてはやはり財産権の保護という観点から判断されるべきでありましょうし、一方、核不拡散という観点からは、国際的に機微な技術については核不拡散という観点からの判断が下されるべきだと考えております。また一方、核物質の防護という体制の問題からの判断もあろうかと存じます。
 以上のような配慮を払いながら、研究、開発の成果につきまして、成果の公開ということに対処をしてきているところでございます。で、全く公開されていないということではございませんで、以上のような配慮のもとに、それなりに濃縮なりあるいは再処理につきましての成果の公開ということも部分的になされているわけでございまして、全く隠し込まれているというような御心配はないというふうに私ども考えているところでございます。
 また、民間で行われております濃縮の研究、具体的には旭化成の化学法による濃縮でございますが、これらにつきましても、安全審査書類を公開したというような実績もございますので、この点も御指摘申し上げたいと存じます。
#91
○吉田正雄君 この問題については、何も濃縮、再処理だけでなくて、安全局長がおいでになりますが、かつて赤羽さんとも論議をやったことがありますけれども、最近どうもその危険性なしとしない、ずるずると行っちゃうんじゃないかという心配もあるので、いずれ改めてこの問題についてはもうちょっと時間をかけて論議をいたしたいと思っております。
 時間が参りましたので、最後に一点。
 例の国際科学技術博覧会が六十年に筑波で開かれるということなんですけれども、実は、きのうの関係閣僚会議で、これは座長が中川科学技術庁長官ということになっておりますが、六十年開催の科学万博についての会場建設、それから運営費のうち百九十億円を競輪、競艇、地方競馬などの公営競技の収益金で賄うということを決定したということなんです。
 私は、財源難の折から、俗に言うギャンブルですね、こういうところから金を持ってこなきゃ足りないということはわからぬわけではないのですけれども、しかしやはり、まさに万国博覧会なんです。その会場建設だとか運営費というものを、公営ギャンブルの売上金、収益の中から回さなきゃならぬなんということでは、どうも万博に傷がつくのじゃないか。こういうことになりますと、またここに変な何か、だれかが絡んでいるんじゃないかなんというようなうわさ、話が出てまいりますと、せっかくの中川長官のあれにもどうもいい影響も出てこないのじゃないかという心配をするのです。
 そこで、お尋ねするんですが、一体この万博の収支をどういうふうに計算されておるのか。百九十億円というものをギャンブルの売上金から回さなきゃどうにもならないのかどうなのかということと、それから、そこからの百九十億円はこれは単に寄附という形でやるのか、あるいは、法律でも何かつくって、強制的に百九十億円というものを捻出しようというのか。その辺がどうもはっきりしないんですが、これについてお聞かせください。
#92
○政府委員(下邨昭三君) 科学万博を開催するに当たりましては、五十四年の十一月に閣議了解がなされまして、その際、会場建設に関します国庫の負担割合を過去の博覧会よりも低減するとか、あるいは、会場運営費につきましては国庫によりますいかなる負担、助成も行わないというようなことにされております。また、臨調の第一次答申におきましても、民間資金を含めまして多様な資金の活用を図り、極力国庫の負担を抑制するというようなことが述べられております。
 このために、博覧会協会の会場建設費につきましては、国庫負担によりますほか、地方公共団体からの補助金、あるいは民間からの寄附、それから三公社によります協賛広告の実施、寄附金つきの切手の発行、協賛宝くじの発行とか、いろいろなことによりましてその経費を賄うことにいたしておりまして、博覧会のいろいろな経費を集めることに努力をしておりますが、一部は公営競技からの収入を予定しているものでございます。
 また、博覧会の運営費につきましても、閣議了解によりまして、入場料等の自己収入により賄うことにされておりますけれども、なお不足する部分がございますので、これも公営競技から収入を得たいということで予定しているところでございます。
 公営競技の収益金は、自転車競技法とかモーターボート競走法等によりまして、公益の増進等を目的とする事業の必要な経費に充てるというようなことになっております。科学万博の開催の目的は、御案内のとおり、科学技術の重要性に関しまして国民の理解を深めるということ、それから科学技術についての国際交流に寄与することでございます。したがいまして、科学万博に必要となります経費につきまして公営競技収益金を活用するということは、その法の趣旨にものっとったものであると考えております。
 この科学万博の開催に当たりまして公営競技資金を活用することにつきましては、博覧会の準備、運営の主体でございます博覧会協会が、過去の博覧会とかオリンピック等の例にならいまして、関係方面にお願いをいたしております。この件につきまして、昨日開催されました第二回の国際科学技術博覧会関係の閣僚会議におきまして、この科学万博に対し公営競技から協賛が得られるようにあっせんに努めるということが了解されたわけでございます。
 この協会に対しましては、単なる補助と申しますか、寄附と申しますか、そういう形で出されるものでございます。
#93
○委員長(中野明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時五十分まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時五十一分開会
#94
○委員長(中野明君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、科学技術振興のための基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○上條勝久君 中川大臣が御就任になりましていま二期目であります。科学技術の振興に関する予算というのは、これが行政部費でありますためになかなか従来から予算がつきにくかった。おかげをもちまして、大臣御就任以来大変な御努力をいただいて、見るべきものがあるということは、私は大変心強く思う一人であります。大臣は、自民党のニューリーダーである、私もそう思っておりまするし、しかも非常に発言力の強い実行力のある大臣であります。日本の科学技術を制する者はいずれは日本を制する者である、それだけ科学技術というものがわが日本にとってきわめて重要な行政ではないか、かように私は確信をいたしております。
 御承知のとおり、緊縮予算編成という声の中で来年度予算要求の時期を迎えようとしておる今日でありますが、各省庁前年並みという画一を原則とする財政当局の考え方は、私は、安易ではあるが民生を安定し国力を増進する道ではないのじゃないか、かように思います。行財政の改革にいたしましても、切り捨て御免ということが原則であるならば、よりよくするという改革という名前は私はなじまないのじゃないか、こういう気がしてなりません。このことを前提といたしまして、率直に若干のことについて政府にお尋ねをいたしたいと思いますが、時間がありませんので、細かいがたがたは要りませんから、簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
 その一つは、諸先進国の例を見るまでもなく、日本の安全保障の中核をなすものは、先ほど申し上げましたとおり、私は科学技術の振興開発を図ることがわが日本の宿命的な緊急な課題であると考えております。行革のこの機会に、そういう観点から、科学技術庁を科学技術省に名称をお変えになっていただきまして、そして将来の大事な科学技術行政の推進の強化の基を固めておいていただく御決意はないだろうか。
 これは中川大臣ならできるのじゃないかという気がしてなりません。ただ、日本の行政機構というのは、いままでの伝統であるとか枠に非常にこだわる傾向が、私も役人をやった経験があります、私は型破りと言われてきたわけでありますが、ある。そういう傾向がある中で、調整機能を持っておる科学技術庁を省に改めるということについては、かなり政府の中においてもいろいろな御意見があろうと思うし、あるいはまた科学技術庁の事務御当局にもそういうような御見解があるかもしれないと思いますけれども、しかし、御承知のとおり、諸外国で省という、翻訳すれば省というところでこれを取り扱っているところもたくさんあるわけでありまするし、科学技術の重要性ということから考えれば、これはひとつ中川大臣在任中に、何か、できざるまでも、一刻みでもいいから刻み込んでおいてもらいたいと思います。
 きょういまはおいでになっておりませんが、社会党の大先輩である八百板委員から、たしか大臣御就任のときの委員会ではなかったかと思いますが、ひとつ大臣、科学技術庁を省にして大いにがんばりませんかというようなお話がちょっとあったように記憶をいたします。このことなら余り野党の皆さんにも私は反対がないのじゃないか。行政改革の際でありますが、人は一人もふやさなくていい、予算はそのためには一つもふやさなくていい。ただ名前を、設置法に庁とあるのを省に改めるというだけのことでありますから、何とかそういうことが考えられないか、非常にむつかしいようであれば、一歩をひとつ進めておいていただければ大変ありがたい。これが第一点であります。
 それから次に、この前も委員の御発言がありましたが、日本の科学技術研究費は国が三〇%で民間が七〇%という大臣のお答えでありました。きょうは前の大臣もおいでになりますが、これはもうずっと以前からの状態がそのまま来ておるわけでございます。また数年前から、技術会議等からも、あるいはまたその他の関係機関からも、少なくとも民間と国と折半ぐらいまでは何とか努力をしてもらえぬかということは、私もじかに陳情を受けた記憶があるわけでございます。そういうことから、これをひとつ、これまた大臣の馬力で、渡辺大蔵大臣にげんこつぐらい食らわせても取ってもらえぬかなと。しかし、おかげで、御努力で調整費をつけていただいておりまするので、その調整費の一部をそちらの方へ運用していただくということができれば、これもまた一つの考え方じゃないかというふうに思います。いずれにしても、科学技術の開発振興のために、民間だけに依存するのじゃなくて、国もやっぱり、厳しい財政の中ではありますが、画一的ではない、重点的な予算の編成という観点に立って、そういうことがお願いできないかなと、こういう気がいたすわけでございます。
 それからその次に、これはちょっとむつかしい問題でありますが、わが日本の国は四方海に囲まれた島国でありまして、いずれはこれを何とかしていかないと、緑の環境も保全しながら、増加する日本国民の利用面積も確保していかなければならぬということを考え、また資源なりあるいは地震対策等々から考えますときに、世界各国で、非常に進んだ科学技術、人工衛星を初めといたしまして、地上から宇宙開発に至るまで刮目すべき技術の進歩を見ていることは御承知のとおりでありますが、一たん地下になりますと、海底を含めまして、現在点々と調査されてはおりましても、二、三百メートルの地下の調査がされておる程度のものにすぎないと私は思っておるわけであります。
 それで、これはぜひひとつ、ほかのことと違って、行き当たりばったりではいきませんので、やはり早いうちから長い目で将来を、百年先を考えながらこの技術の新しい開発に取り組んでいきませんと、なかなか五年や十年で開発できるものじゃないと私は思います。そういう意味から、地下千メートル程度をめどに、探査に必要な新技術の開発にぽつぽついまから取り組んでいただくということは無意味なことではないと考えますが、この点についての政府のお考えを伺いたいと思います。
 時間がありませんので一通りずっと私の質問をしてしまいますから、御了承をお願いいたします。
 大臣は、所信表明を初めといたしまして、いろいろな機会に、原子力行政の推進の重要性を説かれております。これは、まさにそのとおりでございます。そして、安全性の確保を大前提としておるということをおっしゃっております。このことは大変大事なことと思います。安全性の確保のために万全の御努力を願うことは、これはもとよりでありますけれども、安全性に対する国民の理解がどうも不十分のような気がしてなりません。これは、PR努力の不足なのか、あるいはまた、頭から、よその国のいろいろな例等を引用しての、反対のための反対なのか。このことは、私も、個々の例について十分時間をかけて勉強いたしませんと、軽率にどちらだという判断はできません。しかしながら、必ずと言っていいほど、先ほど午前中も吉田委員から御発言がありましたが、この原子力関係のことになりますと、原発を初めとして選挙の争点に非常になっておる、なりがちである。原子力関係の施設等があるところにおきましては、首長選挙等があると、必ずと言っていいぐらい争点になっておる。これはもう御承知だと思います。
 このことは、企業努力もさることでありますけれども、正しい住民の理解が不十分であるということも否めない事実ではないかと私は思うのです。仮に、仮にですよ、極端な反対のための反対活動によって住民に誤った認識を持たせる結果になるようなことがもしあるとすれば、それは、相当な対応が必要なことは当然でございます。このような場合に、政府として、いろいろな許可であるとか認可であるとかいうようなものを与えられる、あるいはまた指導をされるお立場にあるわけでありますから、安全性に確信があって、そして地方から要請があれば、私は、政府として思い切って有効に対応することが、住民に正しい理解を与え、さらには国益のためになることである、かように確信をいたしておりますが、その点についてどうお考えになるか、お考えを伺っておきたいと思います。
 これと関連いたしますが、国民に広く原子力行政について理解を与えるために、特に科学するということに関心を寄せる共有性を持っておる子供たちといいますか、私は少年少女は非常に科学というものに関心を寄せる共有性というものを持っておると思うのでして、しかも、その子供たちに日本の将来を担っていただかなきゃならぬ日はそう遠くないと思うのです。したがいまして、そういった少年少女たちに対するPR、これも非常に大事じゃないかなと思うわけでございます。その方法としては、わかりやすい、そして売店にあって、子供たちが親に小遣いをもらってでも買って、どんどん読んで、再版、再版されるような、しかも内容が間違いのない、そういう絵本やら漫画によるわかりやすい普及努力ということをしてはどうかということを、実は私も、科学技術庁にお世話になっておる当時から皆さんに申し上げてきたのでございます。
 おかげで、電力会社、あるいはまた科学技術庁におきましても、これに類するものが近時出されておるということは大変いいことであると思いますけれども、私が拝見したところでは、まだまだ不十分じゃないかなと。そして、多少遠慮されておるところがありはせぬか。やはりこの安全性ということは、大臣仰せのとおり、原子力行政を推進する上における大前提条件でありますから、安全性に間違いがないのだという確信が政府にあるならば、私はその確信に立ってはっきり物を言ってもらいたい、こういう気がするわけであります。したがって、そういうこともひとつ考えていただいてはどうだろうか。役所ではそういうことはなかなかやりにくいし、また、電力会社がやりあるいは何とか事業団がやる等々では、ばらばらになります。できればそういうものは科学技術庁で監督指導していただくかどうかして、そして総合的に一本化したような形で、民間の団体でも法人でも結構ですからおつくりいただいてでも、やっていただく価値が十分ある。
 国民に誤らない正しい御理解、認識をいただくということが私は大事であると思いますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
 最後になりましたが、科学技術庁には、科学技術功労賞とか、そういう表彰する賞はどういうのがありますかね。ちょっと事務局から、途中ですがお答えをいただきたいと思います。
#96
○政府委員(原田稔君) 科学技術功労者表彰、研究功績者表彰、科学技術振興功績者表彰、創意工夫功労者表彰、創意工夫育成功労学校を表彰するもの、原子力安全功労者表彰、以上六つございます。
#97
○上條勝久君 私は、お世話になっておりましても、そのうちの二つか三つしか知らない。いまあなたから伺って、六つもあるということを初めて知ったわけです。これは、私の不勉強ですから私が悪いので、皆さんが悪いわけじゃないが、いまお話のあった六つのいろいろな賞がある。この賞によって、科学技術に携わる人たちの労をねぎらい、あるいは励ましを与え、感謝の気持ちをあらわすということは、わが日本に長くなじんできた大変いい習慣であると私は考えます。叙勲はこれは触れませんが。今日、大変残念でありますけれども、少年の非行が、警察に聞いてみると非常に大変なことですね。それから、住民に不当な迷惑をかけるような共同行為もあるかもしれません。また、日本のシンボルである国旗を四本も五本も乱用して国会周辺を叫び回るような、そういうことがある。その中で、この賞なり表彰によって素直に感謝の心を持つということは、私は特に政府の場合必要な心であると思う次第でございます。
 しかし、実際は都道府県なり市町村を通じて推薦してくるということになると思うのですが、いろいろ聞いてみますると、知ってはいるのでしょうけれども、国民には全くわかっていない。また、知っておる都道府県が、これを活用して科学技術庁に進達するというようなことも、非常に消極的である、こういう気がしてなりません。したがって、運用がきわめて不行き届きである。だから、どうかひとつ、これはもう事務的なことですから、都道府県知事なりその他に十分連絡をしていただいて、さらに認識を持たしていただいて、そして審査の結果これはいいというものについては、これをどんどん活用していただくように御配慮を願いたいと思いますが、どういうお考えであるか。
 以上の点について、まだ時間はありますけれども、簡明にお答えをいただいて、与党でありますから、なるだけ質問時間を節約していきたい。理事さん方にも申しわけありませんので、よろしくひとつお答えをお願いいたしたいと思います。
 第一点については、大臣から一言。
#98
○国務大臣(中川一郎君) 上條委員から非常に理解のある前向きのお尋ねでございまして、担当する者としても感謝にたえません。
 第一番目の、科学技術が大事な時代になったので省にしてはいかがかという御提案でございます。
 実は、科学技術庁というのは、各省庁で行っております科学技術関係の施策を総合的に調整をする、これが主目的でございますし、また、それに関連をして、各省庁に任せるよりは、たとえば原子力開発研究というようなこと、宇宙あるいは海洋開発、最近ではライフサイエンス、こういったものは直接やった方がよかろうと。この二つの任務を帯びているかと存じます。二十一世紀に向かっていよいよ科学技術が大事であるということは、日本のみならず世界の風潮ともなっており、フランスでも、ミッテラン大統領が就任すると同時に、科学技術については予算を毎年一七・八%伸ばそうというような大変な前向きのことをやったということをこの間言っておりました。これは、当分、かなり長い期間続けるのではないかというふうに言っておりました。それから、研究技術省というものを設置し、シュベーヌマンという少壮、大変な実力者を担当大臣とする等、そして日本にも勉強したいということでやってこられる、この姿勢に私も感服をいたしたのでございますが、わが国でも、そういった新しい気持ちで取り組む必要があるというところから、予算の面あるいは制度の面ではかなり、財政の厳しい中ではございましたが、前向きにやらせていただいておるわけでございます。
 できるなら省にしてはどうかなと、私もこういう感じは持ちますが、いまの総合調整機能というものを主体とする以上は総理府にあった方がいいのかなという感じも持ちますし、一方また、臨調の問題もございます。そういったことも考えながら、せっかく御提案でございますので、私も、総理等とも相談をしながら、どうあることが一番いいことか、ひとつ大きな研究課題とさせていただきたいと存じます。
 あとは各担当局長から答弁いたしますけれども、原子力の必要性についていま否定する人は、まことにありがたいことに、ないわけでございます。ただ、安全性について非常にまだ理解が得られない、こういうことは本当に残念なことだと思うのです。しかしながら、安全性については、研究を始めてから二十五年の月日が流れております。それから、東海村で原子力の熱をいよいよ出すという炉を開発してから、十九年になっております。現在では、二十四カ所ですかの百万キロワットに近い発電所が、毎日といっていいほど操業しているわけでございます。このように、歴史的にもまた数の上からも、大変進んでまいりました。入口においてはいろいろな議論はありましたが、さてやってみて、これはまずかったというのはまずまずないわけです。
 若干のトラブルはございました。しかしこれは故障であって、機械である以上故障があるのは、当然とは言いません、申しわけないとは言いながら、故障のあったことは事実ですが、人身事故等についてはまずまずない。この信用性だけは、最近国民の間に定着してきつつあるのではないか。炭鉱の事故あるいは燃料タンクの事故等、同じエネルギーを扱う施設において比べてみても、原子力の開発というものはもう定着をしておる。これは日本だけじゃなくて、世界じゅうを見ても、大変な発電量をやっておりますが、人身事故までいって大変なことになったという例は見ないわけでございますので、世界的な例を見ても信用がいただけるのではないか。いま信用されないというのは、何かまた別に理由があるのではないかと思うのであります。
 これからも、安全第一で、国民の信頼を受けるように、そして安全なものであるということの周知に、一遍にはできませんけれども、粘り強く歯を食いしばって関係者一同非常な決意で取り組み、ぜひとも国民の信頼をいただいて、二十一世紀に向けて、エネルギー事情があらゆる意味で厳しくなってくることでございますから、後世の人によくやったということで喜ばれるようにひとつがんばっていきたいと思いますので、この上ともの御協力をお願い申し上げます。
#99
○政府委員(加藤泰丸君) ただいま先生から御質問がございました地下構造の調査技術の点につきまして御説明申し上げます。
 地下構造の調査は、ただいま先生からも御指摘がございましたように、資源に乏しいわが国の資源の有効な活用、利用という面、あるいは地震、噴火等の予知といったような防災の面にとりまして、きわめてこれは重要な技術である、私どもさように心得ておる次第でございます。
 地下構造の調査技術といたしましては、大きく分けまして、地質調査、あるいは重力、磁気等を利用した物理探査、あるいはガス、地下水等の分析を行いますところの地球化学的探査、あるいは従来からやっておりますところのボーリング調査、最近では飛行機、人工衛星等を利用しましたリモートセンシング、各種の技術がそれに適用されます。これらの技術のかなりの部分はすでにもう実用化の段階にございますが、しかし、技術は何と申しましても日進月歩でございます。政府としましても、これらの新しい技術開発に今後積極的に取り組んでいかなければならない、かように思っておりまして、たとえば、最近の新しい技術と目されますところの、空中物理探査技術であるとか、あるいはマルチチャンネル反射音波探査技術であるとか、いろいろな新しい技術が世界でも注目をされておりますけれども、これらの技術につきましては、通商産業省の地質調査所等の試験研究を初めとしまして、先ほど先生からございました例の科学技術振興調整費も一部これにすでに割いてやっております。
 なるべく早い機会に、先生がおっしゃいますような一千メーター程度を目指すところの新しい地下構造の探査技術が完成いたしますように、私ども鋭意今後とも努力を続けてまいりたい、かように思います。
#100
○政府委員(下邨昭三君) それから、わが国の科学技術の研究費の官民負担割合を、現在の三対七から、欧米先進国並みに、できるだけ早く五対五に持っていくべきではないかという御質問でございました。
 従来、わが国の科学技術の研究開発につきましては、御指摘のとおり、民間の活動に負うところが多かったわけでございます。国といたしましても、リスクが大きく、またその開発に長い期間を要します先端科学技術や、また基盤的、共通的な科学技術、また気象とか防災とか、その性質上国が行うべき科学技術等につきまして、それらを中心にして積極的にその推進に努めてまいったところでございますが、今後ともその一層の充実を図っていくことが必要だと考えております。このような状況に対処いたしまして、厳しい財政事情の中ではございましたけれども、科学技術関係予算につきましては、いわゆる一般歳出の伸びを上回る努力をしてきたところでございます。特に、五十七年度の予算におきましては、ゼロシーリングという厳しい財政事情の中でございましたけれども、科学技術関係予算につきましては対前年比で三・五%増を計上いたしております。
 研究資金の確保につきまして、今後とも最大限の努力を重ねてまいりたいと思います。
#101
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。
 原子力行政の根幹がその安全性の確保にあるという点につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げたところでございます。ただ、国民の正しい理解を得る、そのための施策ということにつきまして先生から御提案があったわけでございますが、なかなか技術的にはめんどうくさい内容でございますので、これをわかりやすくという点に非常に苦労していることは事実でございます。ではございますが、いろいろな手段を講じて努力はさせていただいておりますが、まだまだ不十分である、その成果が上がっていないという点につきましては、深く反省をいたしております。
 特に、先生のただいま御提案のございました、国がやる分もありましょう、電力会社がやる分もございましょう、そういうことを国全体として総合的にとらえて対応すべきではないかという点につきましては、私どももそういう点に十分配慮をすべきであるという問題意識を持っておりますので、今後ともこれは急ぎましていろいろ検討させていただき、総合的な対応策という点に重点を置いて今年度考えさせていただきたい、このように思っている次第でございますので、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げたいと存じます。
 それから、なお一言、表彰の制度につきましてでございますが、昨年度から原子力関係で、原子力安全功労者表彰制度という、六つのうちの一つに新たにこういう制度を設けました。「原子力の日」を目指しまして、毎年原子力の安全に功労のあった方々を表彰していくという制度を続けてまいりたい。このような制度ができましたということを御報告させていただきます。
#102
○政府委員(原田稔君) 現在六つの表彰制度がございますが、先生御指摘のとおり、この制度につきましての普及と申しますか、PRと申しますか、それが十分浸透をしているかというと、必ずしもどうも私自身も十分とは言えないのじゃないかという感じを持っております。従来のルートであります、各県なりあるいは各省庁を通じてりっぱな人を推薦していただくというルートにつきまして、なおひとつ充実して熱心にPRをしていきたいと思っておりますが、そのほかに何かうまいルートがないものかどうか、その辺もあわせて真剣に検討していきたいと思っております。
#103
○上條勝久君 いま、開発研究費、それはゼロシーリングの中でというお話がございましたね。そのとおりだと思うのです。そのとおりだと思うのですが、私は、前提として申し上げたように、科学技術というものがいかに日本の宿命的な重要な課題であるかということは、これは主計局長なり大蔵大臣だってわからぬはずはないと思うんです。ですから、本当に局長さんのところで御検討いただいて、少なくとも民間五〇%、国が五〇%というものの裏づけ等もきちっとつくっていただいて、そして、まあ予算なんというのは私はこれは力での分捕りだと思うんですよ。だからそれは、あなたの言うことを聞かなきゃ、主計局長のところへどなり込んでだ、そして、聞かなけりゃ査定も何もさせぬぐらい暴れまくったっていいと思うんですよ、確信があれば。私なども、そうやった経験がございます。どうかひとつできるだけ、大臣もおいでになることですから、いまお話もありましたが、重ねて前向きの御努力をお願いしておきたい、こう思います。
 終わります。
#104
○塩出啓典君 長官にお尋ねをしたいと思います。
 中川長官は、科学技術庁長官に就任して以来、科学技術立国ということを一つのスローガンとしてこられたわけであります。私も、軍事大国も困るし、経済大国も最近はいろいろ貿易摩擦で非常に問題も多いわけですので、そういう中で、科学技術立国というものは非常にいい方向ではないか、このような気もするわけですが、中川長官の考えておられる科学技術立国というものはいかなる内容を持つものであるか、将来日本の国をたとえばどのような国家にしていきたいとお考えであるのか、このあたりをお聞かせいただきたいと思います。
#105
○国務大臣(中川一郎君) いま世界経済は大変厳しいところにございますことは御承知のとおりでございます。その中でひとり日本が、問題はあるけれども優等生である、むしろ恨まれるような状況にある。一体それはどこに原因があったのだろうかと振り返ってみると、いろいろ理由があるのですが、その中の一つに、産業界が中心になって科学なり技術というものを吸収し、そしゃくし、産業化をしたということがあって、これが高く評価をされておるわけでございます。
 さて、二十一世紀に向かって今後どうなるのかということになっていくと、資源の乏しい、国土の狭い日本がこれからも力強く生き抜いていくのにはいよいよ科学技術というものを大事にしていかなきゃいけない、こういうことになるだろうと思います。
 そこで、科学技術といっても、日本ではいままで、産業科学あるいは改良科学は民間を中心にして栄えておったというか、うまくやっておったわけですが、基礎科学、先端的科学、こういったものについては外国に依存する傾向にあったわけです。ところが、貿易摩擦その他の関係で外国からなかなか先端技術が入りにくくなった。そこでこれからは、日本もかなり力もついてきたことでございますので、こういった先端的、基礎的あるいは創造的科学について根っこからひとつ取り組んでいこう、こういう内容にしたい、こう思って、予算の面あるいは制度の面でそういう柱も立てたわけでございます。一つは新流動研究システムによる創造科学の推進、もう一つは科学技術振興調整費というものを科学技術庁に計上しまして、各省庁連絡をとりながらそういったことをねらいとした研究をしていく、こういうことにしたのもこのためでございます。この制度に対する予算については、かなり前向きでつけているつもりでございます。
 かくて、日本の将来について確実なものにしていくのと同時に、世界経済あるいはまた特に第三世界、開発途上国への技術協力あるいは技術援助等を通じて、科学技術をもって世界に貢献する日本であるべきだ。これに対しては世界も大きく喜んでくれるであろうし、御指摘のように、軍事大国であってはもちろんなりませんし、経済大国だけで過ごせるものではない。やはり第三世界を中心にした世界に貢献できる日本になるためには科学技術が絶対大事だ、こういう考え方のもとに、いま申し上げたような内容でスタートをした。これは一、二年のことですからまだ十分ではありませんけれども、今後さらに長い努力を重ねて目的を達成したい、こう思っておる次第でございます。
#106
○塩出啓典君 長官は、たとえば、世界のこういう国を一つの目標としているとか、そういうのはありますか。たとえばフランスのような国だとか、具体的に科学技術立国としてこういう国を目指しているとか、そういうような御意見はありますでしょうか。
#107
○国務大臣(中川一郎君) 原子力開発で言うならフランスがやっぱり相当先を走っている、あの国に追いつかなきゃならないということでありましょうし、宇宙開発で言うならばアメリカ、フランス、特にアメリカの宇宙開発というものは大変なものである、これに追いつけるかどうか、最善の努力をしなきゃならぬなあと。ライフサイエンス等のこれからの先端技術としては、日本もいいところに来ているなあ、この辺あたりで相当世界に貢献できるものがあるのではないか、こういったことに力を入れていきたい、こう思っております。そのほかいろいろございますが、大きく言えばそういうことになろうかと存じます。
#108
○塩出啓典君 この間、中央公論の四月号が送られてきたわけで、これは全国会議員に送られたようでありますが、たまたまその中に、先般ノーベル賞を授与された福井教授のノーベル賞授与式がスウェーデンのストックホルムで行われた。それに京都大学の沢田総長が出席をされて、その感想というか、そういう文章が載っておりまして、私もちょっと読ませていただいたわけでありますが、ノーベル賞というのも八十年の歴史があるそうですけれども、スウェーデンという国はやはりノーベル賞というものに国家の存立をかけているというか、そういうことがこの文章には書いてあったわけであります。
 たとえば、「国家存立の条件を個性的なやり方で考えている国はすべて偉大な国であるという意味で、スウェーデンはまさに偉大な国である。学問を大切にする、と言ってしまっては余りにも当り前の表現になるが、スウェーデンのお国柄の一面はまぎれもなくそういうところにある。」「五百人程の候補者・推薦者が世界中の国々に散在してはいても、最終選考を行うのはスウェーデン学界なのである。だからその反面で、知性の審判者あるいは司祭者としての自分達の権威を確実なものにするために、ありとあらゆる努力を払っているように見える。」また、「スウェーデンの学界の素晴らしい特徴は、世界のどこのものであれ、優れた学問に対しては実に鋭敏な感受性を持っていることである。発展途上国まで含めて、世界中の学問の動向に対して、たえずアンテナを働かせているという感じである。そのことは、先に述べたこの国特有の国家的自意識、すなわちノーベル賞というものに国家の存立を賭けねばならないという強い文化的自負心と無関係ではないように思えた。」このように書いているわけです。
 要は、どうも、スウェーデンという国のノーベル賞というものについて、八十年の歴史があって、世界のいろいろなすぐれた研究に目を光らせている、そして本当に選定を誤ってはいけない、そういうことがある意味では世界の国々との交流を深め、また尊敬を集め、そのことが一つの安全保障にもなっておる、こういうことを書いておるわけで、その最後の方で沢田総長も「今回のスウェーデン滞在中に、日本の国家的存立の条件を、スウェーデンの在り方と思いあわせる形で、強く意識し続けたのであるが、我が国の世界の中での存在理由は、一義的には科学技術立国ということであろう。ただその場合、応用的、加工的科学技術を性急に追い求めるのではなく、独創的技術の開発に結びつく学術研究や基礎科学の面の充実こそが、もっとも肝要であることを忘れてはならない。」このように書いておるわけです。いま特に、基礎研究あるいは独創的な開発に結びつくそういう研究の充実であると。
 そういう点では、いまの長官のお話を聞きますと、このスウェーデンのような国とは多少趣が違うような、そういう気もしたわけですが、私はやっぱり、本当に科学技術を通して世界の国々から信頼と尊敬をされるような、そういう日本の国をつくっていこうという意味で、スウェーデンのこのような姿勢は大いに参考になるのじゃないか、一つの面でですね、そのようにも感じたわけですが、長官のお考えをお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(中川一郎君) スウェーデンは歴史も長いわけですから、世界的にりっぱな国だ、科学技術について大変見習わなければならない国だということができますが、日本も、おくればせながら、先ほどお話がありましたように、科学技術を通じて世界に貢献できる日本にならなければならない。そしてそれが国家の安全保障にもつながるという意味では、私の考えているところと大体粗筋では一致しているんではないか。日本でこれからノーベル平和賞、日本平和賞なんというわけにはまいりませんけれども、日本は日本なりに、これから時間をかけて、世界に貢献できる独創的な研究というものをやっていきたいということでは一致しているかと思います。
#110
○塩出啓典君 そういう点で、いま長官はそういうわけにいかぬと言われましたけれども、日本も日本版ノーベル賞という、同じ名前ではいけないと思うんですけれども、そういうような賞を設ける。軍事費はほかの国よりは少ないわけですけれども、経済協力費もあわせてそういうような新しい賞、そういうものを検討する考えはございませんか。
#111
○国務大臣(中川一郎君) よく研究させていただきます。
#112
○塩出啓典君 それから、ことしの大臣の所信表明の中で、特に科学技術会議の総合調整機能の強化、そういうことで、科学技術振興調整費が六十億円で前年の一・八倍になっておる。これは中川長官が大蔵大臣と大変に談判をして大臣折衝で取ったというように新聞では書いておるわけで、長官の力を入れている目玉の一つだと思います。それから、昨年から始まりましたいわゆる流動研究システムによる創造科学技術の推進、これも昨年の六億円が約二十億円にふえておる。そういう意味で、こういうマイナスシーリングも言われておる中でこれだけふえているということは非常にうれしいことであるとともに、それだけに、使い道というか、そういうものを本当に真剣に、また国家百年の大計に立って使っていかなければならないと思うわけであります。
 科学技術庁としては、この二つの項目の使い方、テーマの選定、そういう点にはどのような心構えで臨んでおられるのか、これをお伺いしたいと思います。
#113
○政府委員(加藤泰丸君) お答え申し上げます。
 ただいま先生からも御指摘がございましたように、また大臣からも答弁申し上げましたように、私どもは、このゼロシーリングという非常に厳しい中におきまして、科学技術会議のいわば調整能力を大いに発揮するという意味でついたこの調整費をいかに有効に活用するかという点については、きわめてそれを真剣に受けとめて取り組んでいるつもりでございます。
 昭和五十六年度の調整費につきましては、予算が三十三億五千万であったわけでございますが、これにつきましても、先ほどから出てございます先端的基礎的な研究のようなものに大いに重点を置くべきだといったような基本方針、これは科学技術会議が定められました科学技術振興調整費活用の基本方針でございますが、これに基づきまして有効にテーマを選定し推進を図っておるという段階でございまして、具体的に申しますと、五十六年度の場合は、たとえば首都圏における直下型地震の予知及び総合防災システムに関する研究であるとか、あるいは最近のライフサイエンスの中心テーマでございますDNAの抽出、解析、合成技術の開発に関する研究であるとか、そういったいずれもこれからの新しい科学技術分野で大きな基礎になるようなテーマを選定しましてこれに新規に取り組んでまいってきているわけでございますし、またそのほかに、これからは大いに国際的にも共同研究をしていく必要があるといったような観点から、インド洋、太平洋プレート境界海域における地質構造に関する研究といったようなものにもこれを有効に活用してまいっておりますし、また一部、たとえば覚せい剤の乱用者対策であるとか、あるいは深部採炭に伴う大規模ガス突出対策といったような、きわめて喫緊の結果を求められているような研究課題にもこれを支出している。あるいはまた、将来の研究開発の調査、分析等に関しまして、長期的に見た場合のわが国の社会、経済の存立、発展を図るための科学技術研究開発の方向はいかにあるべきかといったような意味での調査、研究等にこれを使っております。なお、先ほどの流動研究システムを中心としました創造科学の推進制度も、これをもって創設をさせていただいたわけでございます。
 ところで、昭和五十七年度は、先ほどもお話がございましたように、その額も振興調整費につきましては六十億円というような枠をいただいているわけでございますが、これにつきましては、たとえばライフサイエンス、極限科学技術、材料科学技術といったような、いずれもこれは将来志向型のテーマでございますが、これは科学技術会議等が中心になってその課題等を提案し、そしてまた各省庁からもいろいろな意見をいただきまして、現在その課題の選定を進めているわけでございます。百三十課題程度がいま集まっておりまして、これにつきましての課題を、科学技術会議運営会議のもとに設けられました研究調査委員会において、専門的な立場からその選定を行っているといったような状況でございます。
 なお、先ほどの先生の御質問の中で、特にその選定に当たりましてはどのような点に配慮をしているのかというところが一つの御質問の要点かと存じますが、そういったような点につきましても、私どもは、なるべく広く各界の英知をこれに結集してテーマを選定していくというような姿勢でこの作業を進めているわけでございまして、たとえば、先ほど申しました研究調査委員会におきましても、そのメンバーは第一線級の学者あるいは研究者、その中には産業界も入っておりますけれども、そういう方々の意見を十分に聞きながら課題の選定も行っておりますし、また、研究を進めるに当たりまして推進委員会というものをそれぞれのテーマ別に設けておりますけれども、そういった推進委員会の意見を通じまして、学界あるいは産業界並びに官界のそれぞれの研究者、学者の意見も十二分にこの課題選定等につきましても反映できるように運営をしているというような状況でございます。
#114
○塩出啓典君 これ、きょうは余り時間もございませんので細かいことは申しませんが、特にこれは長官に私お願いしたいことは、このテーマを選ぶことは本当に大事なことだと思うんですね。
 私たち、各地方の大学へ参りましたときに、文部省の科学研究費等につきましても、余りいい話は聞かないわけですね。ボスの教授、学界のボスにつながっておるとすぐもらえるとか、科学研究費がほかのものに化けているとか、それは一部にある話かもしれませんけれども。また、地方の大学等で、これはなかなかいい研究をやっているなと思うと、なかなか研究費がなくて、その人はもう一月の七割ぐらいは金集めに回っているとか、こういうような話をよく聞くわけであります。流動研究システムの昨年の選ばれたテーマにしても、いろいろな批判があるわけで、私は批判が正しいということを言っているのではないわけですけれども、いずれにしても本当に衆知を集めてやってもらいたい。
 ノーベル賞というのはこれは結果を選ぶわけで、われわれのこれはこれからの研究をどうするかということで、その違いはありますが、スウェーデンの学界の、世界の人が注目している中で本当にすばらしい正しいものを選ばなければならない、そういう気持ちでいつも世界の国々にアンテナをめぐらせているという、そういうような精神を体して、このテーマの選定に、最大の成果を上げるように努力をしてもらいたい。そうして、福井教授も、昭和二十七年の文部省の科学研究費六万円によってなされた研究が、今回の受賞対象のフロンティア電子理論、この研究の嚆矢になったそうでありますが、私は、この基礎研究を考える場合、科学技術庁が選んだそのテーマの中から二十年、三十年後に世界に評価されるものが出るような、ノーベル賞が出るような、そういう成果の出るような選定に当たってもらいたい、このことを強く長官に要望したいわけですけれども、その点どうでしょうか。
#115
○国務大臣(中川一郎君) 全くそのとおりでして、科学技術振興調整費を設けたのも、従来のような、しがらみと言ったら悪いんですが、いろいろ問題があるようでございますのでして、科学技術庁で担当いたしております科学技術会議がありまして、その下に科学技術の運営会議をやるための研究調査委員会等を設けまして、本当の専門家に集っていただいて、そういったところで真剣に検討していただいてせっかく課題の選定の適正を期したい、こう思ってやっておりますので、御指摘の趣旨に沿うよう努力してまいるつもりでございます。
#116
○塩出啓典君 それから、特に長官は官産学の共同に力を入れていくということをずっと言われておるわけでありますが、これは、私たちもその方向は非常にいいのじゃないかと思う。民間が、絶えず大学とも連携をとりながら新しい知識を吸収していく、また大学も、いたずらに象牙の塔にならずに、民間とも接触をして社会が何を要求しておるかを知る。そういうことで官産学連携をとっていくということは非常に私はいいと思うのでありますが、ただ、一つは、いわゆる学問の、学園の自治というか、なかなか大学の教授の中にはうるさい人もいるわけですし、そういうような問題と、一方では、産と学が変なまた癒着になっても困るわけであります。
 そういう中で官産学の連携を強化していくということは非常にむずかしい問題だと思いますが、科学技術庁としては、この問題について、具体的にどのような形でこれを進めていこうとされているのか、これを伺っておきたいと思います。
#117
○政府委員(加藤泰丸君) いま御指摘の産学官の連携の問題でございますが、先ほど大臣の方からも答弁がございましたような、課題を評価し選定する研究調査委員会の構成は、現在十三名でございます。その構成メンバーは、産業関係の代表が四人、学界関係が七人、それから官界関係が二名といったようなことでもってこの調査委員会は構成されておりまして、こういった調査委員会におきまして課題を選定する際におきましても、産業界の意見あるいは学界の意見等が十二分にこれに反映されるようにまず一つの配慮がございますし、また、選定されました課題を私たちが実際に推進していくという場合におきましても、なるべくそういった民間の活力が利用、活用できますように、民間の活力が利用できるような面につきましてはそういったようなところにも金を配分いたしまして、その力を十分にかりるように予算の適正な執行に当たりたいということで、そのような努力をしているわけでございます。
#118
○塩出啓典君 それでは次に、原子力機器の輸出の問題についてお尋ねしたいと思います。
 わが国も将来、原子力発電所、そういう関係の技術においても大きく前進をしていかなければなりませんし、わが国の技術が世界的にも安全性の面において高く評価されるようになってもらわなくちゃ困るわけで、そうなれば当然輸出という問題があると思います。しかし、御存じのように、原子力発電所あるいは原子力関係の機器の輸出というものは、場合によっては軍事転用につながる、そういう危険性もあるわけでありますが、わが国のそういう管理体制はいまどういう形になっておるのか、これをお伺いしたいと思います。
#119
○説明員(田辺俊彦君) 先生の御指摘がございましたように、わが国は、原子力につきまして、原子力基本法に基づきまして、平和目的に限る、平和利用に強くコミットしているわけでございます。また国際的には、核拡散防止条約にも加盟しているところでございます。さらに、具体的に、原子力資材の輸出に関しましては、ロンドン・ガイドラインと申しまして、原子力貿易に関する紳士取り決めがございます。これにも参加しているところでございます。そのような状況、そのような基本的姿勢に基づきまして、平和目的利用の精神を貫くべく、わが国から外国に供給する原子力資材が平和目的に限って利用されるということを確保するというのが、現在の政策の基本でございます。
 具体的に申し上げますと、上記の考え方を踏まえまして、原子力資材につきましては、外為法の輸出貿易管理令上の要承認品目として厳格に対処している、平和利用に限って使われることを担保しているというところでございます。
#120
○塩出啓典君 昨年の四月七日の衆議院の科学技術委員会におきまして公明党の草野委員が質問をした問題でありますが、パキスタンから、インバーターという、これは周波数変換器でございますが、場合によりますと遠心分離機に使われる機械、そういうものの引き合いがあった。ところが、調べてみると、遠心分離機というものは貿易管理令に載っているけれども、インバーターというものは載っていないと。そういう点で、たまたまこれはほかの理由で輸出はされなかったわけですが、まさに輸出される寸前にあったわけです。こういうことでは困ると思うのですが、この点はその後どうなりましたでしょうか。
#121
○説明員(田辺俊彦君) 先生の御指摘にございましたインバーター、周波数変換器は、ウラン濃縮装置のある意味では重要な部品でございます、附属設備でございます。それで、昨年の同委員会におきまして私御答弁申し上げましたが、実際問題として、通産省の行政指導もあり、インバーターはパキスタンに輸出されなかったということを確認いたしました。
 また、そのとき、草野先生より、輸出貿易管理令の要承認品目の外ではないかとの御指摘がございました。
 私どもとしては、原子力資材に特定的に使われると見られる品目に関しては、行政指導によっても万全を期し得るという御答弁を申し上げましたが、先生の御指摘も踏まえ、またその後の政府部内の検討を踏まえまして、昨年九月十二日に、ココムリストの見直しを行いました際に、原子力関係資材の要承認品目の見直しを行いました。その際、御指摘のインバーターにつきましては、従来はウラン濃縮設備本体ということで、先生御指摘のとおりでございましたが、その附属装置も要承認品目とするということで、十月九日付の輸出注意事項「輸出貿易管理令の運用について」において、ウラン濃縮設備の附属装置に、五百ヘルツ以上に周波数変換が可能な周波数変換器が含まれることを明らかにしたわけでございます。
 周波数変換器につきましては、これは繊維装置にも使われるわけですが、五百ヘルツと特定いたしましたのは、それだけのヘルツを有するインバーターはウラン濃縮装置に使われるおそれがあるということで、厳重な要承認品目リストの中に入れたということで、対処しております。
#122
○塩出啓典君 そこで、輸出貿易管理令にはそのように含まれているわけですが、通産省がそれを、これはいい、これは悪いという承認の基準ですね、それは、いまいわゆるロンドン・ガイドライン、そういうものを基準にしておるというお話でございますが、これは、ロンドン・ガイドラインを基準にしておるということだけであって、もうちょっとちゃんとそういう、法律とまではいかなくても、政令をつくるとか、具体的な取り決めが必要でないのかどうか。
 ロンドン・ガイドラインというのは、確かに資料としていただいたわけですけど、たまたまロンドン・ガイドラインであって、わが国の条例等の中には全然出ていないわけで、ただそれを適用しているという、そういうことではちょっとまずいのじゃないか、ちゃんと一つの規定というか、そういうものが必要ではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
#123
○説明員(田辺俊彦君) 先ほども申し上げました輸出貿管令におきましては、ロンドン・ガイドラインにおきまして明記されている品目、これをすべて明挙をしてございます。品目的にはそういうことで明確になっているわけでございますが、その承認のチェックの際に私どもは、ロンドン・ガイドラインが要求しております保障措置、それから核物質防護、さらに平和利用の担保を明確に確認した上で、この輸出許可をする、あるいは不承認とするという措置をとっているところでございまして、私どもといたしましては、実態上あるいはさらに法律上を含めまして、現体制で万全を期していると考えているわけでございます。
#124
○塩出啓典君 それから、昨年の総合エネルギー調査会原子力部会の報告書の中では、原子力発電プラント輸出のための基盤整備、こういうことが書かれておるわけでありますが、現在余り日本の日立や東芝、三菱等の原子力発電所が輸出されたという話はまだないわけですが、部品とかそういうものは、あるのかどうか。
 そういう状況と、それから今後の見通しというか、あるいはまたこの基盤整備というものにはどういうことが必要なのか、その点お尋ねしておきたいと思います。
#125
○説明員(田辺俊彦君) 先生御指摘いただきましたように、わが国におきましては、原子炉の輸出というものが現在まだございません。先進原子力国に関して、その点はおくれている状況にございます。しかしながら、また、わが国原子力産業の力が次第に育ってきていることは事実でございまして、資材、部品に関しまして、かなりの引き合い、そしてかなりの輸出が行われているということでございます。たとえば、原子炉設備に関しましては、二次系に関しましてはかつて例がございますし、また、ジルコニウム等の原子力資材に関しても少しずつ引き合いがございます。ただし、私どもは、先ほど申し上げましたように、貿管令、核不拡散の精神にのっとりまして厳重なチェックをしているということでございます。
 それから、今後の輸出政策でございますが、原子炉及びそれに伴う資材に関しましては、通産省としましては輸出振興という立場はとっておりません。しかしながら、後発原子力国の石油代替エネルギー化、エネルギー政策に協力するという観点から、必要ならば輸出がし得るように、いまから長期的な視点で基盤整備を行うべきだという考え方で、先生御指摘のエネルギー調査会原子力部会の報告を踏まえまして、いま種々準備をしているところでございます。もちろん、そういう平和利用にコミットし、核不拡散に徹底した上で、ケース・バイ・ケースに厳重なチェックをした上で、しかし日本の原子力産業はそこまで育ってまいりましたので、そういう中で輸出の道を見出していくこともあり得べしと考えているわけでございます。
#126
○塩出啓典君 それでは次に、本国会に提出予定法案として科学技術庁は何件かの検討中の法案があるという資料をいただいたわけでありますが、この四件とも本国会に提出されることはない、こう理解していいわけですね、もう日にちも余りないわけですから。
#127
○政府委員(原田稔君) 大体そのとおりでございます。
#128
○塩出啓典君 そこで、核物質防護条約、いわゆるPP条約、これが一九八〇年の三月署名のために開放されたが、最近までに署名国は三十三カ国になっておる。うち三カ国が批准をしておるそうであります。大体米国、ソ連、イギリス、フランス、西ドイツ、イタリア、カナダ、そういう原子力先進国グループは全部一九八〇年じゅうに署名を済ませているわけでありますが、わが国とオーストラリアはまだこのPP条約に署名をしていない、とりわけ日本の対応のおくれが非常に目立っておる、こういうように言われておるわけでありますが、核物質防護条約というものは、簡単に言えばいかなる内容のものであるのか、わが国の対応がどうなのか、それから今後の見通し等についてですね、これはどちらにお聞きすればいいのでしょうか、まず外務省からお尋ねします。
#129
○説明員(金子熊夫君) お答えいたします。
 先生御指摘の核物質防護条約いわゆるPP条約は、御指摘のように、一昨年の三月三日に署名のために開放されております。その前に四回ほど各国政府の代表による会議を行いまして、こういう形でまとめたものでございます。そこで、署名に開放されましてから今日までに、御指摘のとおり三十三カ国が署名をいたしております。さらにユーラトムもまた別途署名をしております。それで、批准国につきましては、御指摘のとおり三カ国でございまして、国名はスウェーデン、東独、フィリピン、以上の三国でございます。
 この条約は、核物質が国際輸送にある間いかにして防護されるべきであるかという問題意識でもってつくられた条約でございまして、これは核拡散の防止とそれから原子力平和利用に徹するわが国の立場からいたしまして有益な条約であると考えまして、日本政府は、この条約採択会議には終始積極的に参加したわけでございます。したがいまして、私ども外務省といたしましては、この条約にはわが国としてもひとつできる限り早期に加入すべきであるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、この条約締結の条件となります条約上の個々の規定につきましては、これを現行の国内法上いかに担保するか、どの程度まで現行の国内法で担保し得るのかというような問題につきましては、まだ若干検討を要する点がございまして、関係省庁の協力を得まして鋭意検討しているところでございまして、ただいま現在、この検討作業を完了するに至っておりません。したがいまして、現時点で、いつの時点に日本としてこの条約に署名加入できるか、批准できるかという見通しについて、申し上げる段階ではないわけでございます。
#130
○塩出啓典君 これは、何か、法務省関係で特に国内の法律の問題点になっている点はどこなのか、その点を。
#131
○説明員(井嶋一友君) お答えを申し上げます。
 この条約の第七条に、各国が国内法によって処罰すべきとされておる犯罪が定められておりまして、(a)項から(g)項までそれぞれの行為が定められております。この犯罪処罰の条項につきまして、国内法的にどう整備するかという問題が御質問の趣旨だろうと思います。
 私どもといたしましては、現在、わが国の国内法の現行法体系におきまして、核物質に関します諸規制については、所要の行政措置がとられておりまして、また、それらの行政規制につきまして所要の行政罰則が定められておる、整備されておるというふうに考えておるわけでございますが、本条約を批准いたしますことによりまして新たに、先ほど御説明がありましたような、核物質防護のための規制といったものを含んだ、いわゆる核物質防護体制の整備というものが必要であるかどうかというまず判断が必要であろうかと思っております。その必要性の有無につきましての検討がまず必要であろうというふうに思っております。
 その場合、もちろん条約七条によります処罰規定を国内法化するための国内法整備も必要になるわけでございますが、その刑罰規定のみ法律として定めるのか、あるいは、先ほど言いましたような、他に必要とされる規制措置が必要であればまずそれを考えて、その行政措置とあわせて一本として、これを担保するものとして行政罰則あるいは罰則といったものを手当てすべきではないかという、その点につきましてなお検討を要することがあるということでございます。
 なお、若干この罰則の関係について御説明申し上げますと、先ほど申しました七条によります要請に基づきましていかなる行為を犯罪として処罰すべきであるかということにつきましては、この条約の解釈として必ずしも明らかでない点もあるわけでございますが、現行の刑法あるいはその他のいわゆる刑罰関係の国内法に照らしますと、構成要件的に見ますと、ほぼ必要な罰則規定はすでに設けられているというふうに考えております。しかしながら、本条約は、単に国内における当該行為のみを処罰するものではございませんで、国際的な核物質の輸送の過程において行われる行為といったものを想定してこれらの処罰を義務づけておりますので、これを効果的に行うための国際協力の必要性といったような観点からは、次の二つの点が私どもとしては問題になるわけでございます。
 一つは、条約の八条によりますと、ただいま申しました条約七条に規定する犯罪のすべてを、いわゆる刑法上申しますところの、すべての者の国外犯ということで処罰することになるわけでございますが、現行刑法上、この条約七条に規定しておりますような行為は、すべての者の国外犯とはされておりません。したがいまして整備が必要であるということになるわけでございますが、その場合、他のすべての者の国外犯とされております犯罪との比較その他におきまして、どの程度までそういった国外犯に含ましめるかどうかという点が、まず一つ慎重に検討されなければならないというふうに考えております。
 さらに、本条約七条によります犯罪は、いわゆる引き渡し犯罪とすべきであるというふうに条約上定められておりますが、いま申し述べました国外犯に関する考慮と同じような意味におきまして、条約七条に規定しております犯罪をすべて引き渡し犯罪として含めるかどうかという点につきましても、他の引き渡し法上の類型との比較その他も検討する必要があるということでございまして、なおそれらの諸点を検討する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、法務省といたしましては、関係各省との協議を通じまして、核物質防護体制の整備ということのためには、協力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#132
○塩出啓典君 私たちも、核物質を防護するために非常な高度の警察国家になっても困るわけですが、しかしまた、危険な物質を守り、国民の生命と財産を守っていくという立場からこれは考えていかなければならない問題ではないかと思います。
 そういう点で、これは科学技術庁のお考えを聞いておきたいわけです。いまのお話だと、かなり国際協力のような点もこの核防護条約にあるわけで、わが国はイギリスとかフランスとかアメリカとか、そういう国々との間にも核物質の輸送関係があるわけですから、そういう点から考えると、この法案に対する対応がわが国だけがおくれるということは非常によくないのではないか、やっぱり早急に署名もし、批准のできる方向に持っていかなければならないのではないか、このような気がするわけですが、科学技術庁としてはその点どういうお考えでしょうか。
#133
○政府委員(赤羽信久君) 先ほどから答弁がございましたように、この条約には、分けてみますと、各国が国内的にしっかりやれという面と、それから国際的なつながりのところをきちんとやれという面と、両方あるかと思われます。
 御承知のように、国内的には、現在の原子炉等規制法に直接の規定はございませんけれども、安全対策、それから核物質の保障措置、そういったことの規定がございまして、これを総合的に運用することによりまして、私どもとしては、十分な核物質防護措置が現在講じられてきたと考えております。むしろ、わが国の治安のよさということも加えてでございますけれども、国際的にも、わが国の防護措置の水準は高いという評価を外国からも受けているわけでございます。さらに加えまして、原子力委員会の中に核物質防護専門部会というのが設けられまして、昨年三月に、講ずべき具体的な措置の答申がございました。これによりまして、国内ではどういった防護措置をとればいいという一つの目安になるものが示されておりまして、これを下敷きにしまして、規制法の運用あるいは行政指導によりまして各施設の措置を充実させてきているわけでございます。
 そういうことでございますので、国内的には特に際立った法令的措置がなくても十分な状態を確保していけると考えておりますが、御指摘のような、国際的なつながりの問題、それから国際的に形を整えるという面では、やはりPP条約への加盟ということも十分考えなければならないわけでございます。ただし、先ほどの答弁にもありましたように、非常にむずかしい要素がたくさんございまして、各国とも、連絡は若干とっておりますが、国内法とのつながりに検討の手間を要しておるようでございまして、なかなか批准にまでこぎつけるにはまだ時間がかかりそうで、わが国でも、検討の方は怠らずにやりたいと思いますけれども、関係各省とそのむずかしい問題についての調整、総合的な対策を鋭意進めていきたいと考えております。
#134
○塩出啓典君 最後に長官に。
 先般、長期エネルギー需給見通し、こういうものが発表されまして、昭和六十五年度、七十五年度における長期的な見通しが発表されたわけであります。大分いままでの計画と変わってはきているわけですが、しかしそういう中で、原子力発電の電力の中に占める比率というものはかなり高くなってくるわけであります。そういう意味で、原子力発電の安全性、そういうものを担当する長官として、今後どういう点に力を入れていくのか、その御決意を承って質問を終わりたいと思います。
#135
○国務大臣(中川一郎君) 原子力につきましては、一つは研究開発をしっかりやっていかなければいかぬということがございます。しかしながら、もっと大事なことは立地問題でございます。立地問題は、安全に対する地元、国民の認識ということでございまして、言ってみるならば、安全性についての問題が一番だと思っております。
 そこで、今日までも安全については最善の努力をしてまいりましたが、今後とも、安全については、対策を講ずると同時に、実態面で事故が起きないように、事故が起きますと信用を一遍に失墜いたします、事故がない、安全なものであるということを国民の前に示すことが一番大事だと思いますので、安全性について十分の確保、十分の対応をいたしまして、ぜひとも国民の皆さんの理解をいただいて、長期エネルギーの中における原子力発電というものを目的どおり達成したい、こう思っておるわけでございます。
#136
○佐藤昭夫君 一昨日中川長官が青森へ出向き、話し合いをされてきましたように、最近「むつ」問題が再び世論の注目を集めておると思うのですが、こうした点で、きょうは「むつ」問題を中心に幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず、佐世保における「むつ」の改修工事の進捗状況、これがどうなっておるのか。佐世保を出港するという現地との約束はことしの八月末、その六十日前までに内閣総理大臣に届け出なければならないということで、したがって事実上のタイムリミットは六月までというふうに理解をするわけですけれども、それまでに工事は完了をするのか、事業団にお答えいただきたい。
#137
○参考人(倉本昌昭君) 現在佐世保で私どもが行っております遮蔽改修工事でございますが、遮蔽改修工事の方はその大半の工事は順調に進んでおりまして、現在配管設備の復旧でございますとか保温工事、塗装工事、船体部等のものが若干残っておるわけでございますが、これらの工事も六月末までにはすべて完了する予定でございます。なお、別途行っております安全性総点検関係の補修工事も現在順調に進んでおりまして、これもあわせて、遮蔽改修に関連をいたしました工事は六月末までには完了をいたす予定でございます。
 あと、八月末までの間に、出港のために、さらに入渠工事あるいは出港のための臨時航行検査等を受ける予定でございまして、これらも八月末までには完全に終わり八月末までに佐世保を出港できるという予定で、現在それが進んでおるところでございます。
#138
○佐藤昭夫君 そこで、問題の制御棒の駆動試験はいつ、どこで、どういう形でやる予定ですか。
#139
○参考人(倉本昌昭君) 制御棒の駆動試験につきましては、今後長崎県側の、県の方の地元の関係者の方々に試験の内容、方法等について十分事前に御説明を申し上げることにいたしておるわけでございます。そして、長崎側の地元の関係者の御了解をいただきました上で、佐世保でこれを実施したいと考えておるところでございます。実施時期につきましても、これは地元側と御相談をしてまいらねばならないのでございますが、事業団といたしましては、改修工事が終了後速やかにこれを実施したいという希望を持っておるところでございます。
#140
○佐藤昭夫君 どういう形で、どういう内容で制御棒駆動試験をやる予定ですか。
#141
○参考人(倉本昌昭君) 制御棒の駆動試験でございますが、これは現在私ども、制御棒といいますのは原子炉の中に現在十二本持っておるわけでございます、十二本ございまして、制御棒は、実際炉を運転いたすときには、これらをグループで二本とか四本とかいうことで操作をするわけでございますが、今回の試験といたしましては、これらの一本ずつにつきまして、その一本ずつそれぞれが確実にきちんと計画どおり動くかどうかということについての試験をいたすことにいたしておるわけでございます。
#142
○佐藤昭夫君 私どもが聞いているところでは、いまの御答弁は佐世保においてできるならしたいということでありますが、佐世保の現地ではこの制御棒の駆動試験を行うということについてかなり強い反対があるということで、もしも佐世保でできないという場合にはどこでやることになるのでしょうね。
#143
○参考人(倉本昌昭君) 私どもといたしましては、地元の関係者にこの試験の内容、方法等につきまして御理解をいただけるよう御説明を申し上げて、佐世保で実施をしていきたい、かように考えております。
#144
○佐藤昭夫君 あなた方の願望はわかりましたけれども、しかし、いままで願望どおりにいっておりませんね。この工事の期限だって、願望どおりにいっていないわけでしょう。佐世保側の方で、制御棒の駆動試験について、どうしてもそれはもうここでやってもらっては困るという強い反対意見もあるということも事実ですし、ということで、願望どおりいかない、それができないということになった場合には、どこでやるのか。そういうことは全然念頭に置いてないということなんですか。
#145
○参考人(倉本昌昭君) 私どもといたしましては、地元の方々に御理解をどうしてもいただこうということで、現在、これからお話し合いをしてまいりたい、かように考えております。
#146
○佐藤昭夫君 逆に尋ねましょう。
 それならば、大湊でやるということもやり得ることなのか、やれることなのか。大湊ではできない、佐世保で反対をされたからといって大湊に持っていってそこで制御棒駆動試験をやれないというふうに考えているのか。どうですか。
#147
○参考人(倉本昌昭君) 私どもといたしましては、今回行います制御棒の駆動試験は、これは安全性総点検の一環ということで考えておるわけでございます。これはもう当初より、そういうことで地元にも御説明をしてまいったわけでございます。また、今回この駆動機構の試験を行います意味といたしましては、今回の遮蔽改修工事でこの駆動装置の取りつけ個所が以前と変わっておるわけでございまして、その取りつけがきちんといっておるかどうかという工事の確認という意味もございまして、これらにつきましては工事の終了、また総点検の終了という意味も持っておりますので、さような意味で、改修工事完了という面から見ますと、制御棒の駆動機構試験は佐世保で私どもとしては何としても行いたいということで、地元の御理解を得たい、得るべく努力をしてまいりたい、かように考えております。
#148
○佐藤昭夫君 同じことばっかり繰り返されても、こちらの質問の目的に合っていないわけですね。
 あなた方は願望しておっても、そのとおりにいかなかったらどうするのですか。私はさっきも尋ねているわけですけれども、大湊については、例の昭和四十九年十月の四者協定、すなわちできるだけ速やかにもう撤去する、あの四者協定の内容、あるいはその後の昭和五十六年五月の五者共同声明、これに照らして、大湊で制御棒駆動試験はやれないということですね。だから、あなた方は、佐世保で何とかやりたいという願望を持ち続けておるということですか。
#149
○参考人(倉本昌昭君) 制御棒の駆動試験といいますのは、これは技術的な観点から考えますと、場所は佐世保でなければどうしてもできないというものではございません。しかし、今回の試験につきましては、先ほど申し上げましたように、工事完了、総点検の完了という面から、これはぜひ佐世保でやりたいということでございます。
#150
○佐藤昭夫君 もうこれだけ繰り返し聞いてもそこまで言われるんですから、したがって、佐世保で反対を受けてできなくなったからといって、軽々に大湊で制御棒駆動試験をやるというような考え方は持っていないというふうに、はっきりここで確認をしてよろしいんですね。
#151
○参考人(倉本昌昭君) 今回の総点検、遮蔽改修工事の観点からいたしますと、佐世保で私どもとしては今回のものはやりたいということでございます。
#152
○佐藤昭夫君 遮蔽改修が正しく完了したかどうかの検査、試験は、これまたいつどこでどういう内容でやるのですか。
#153
○参考人(倉本昌昭君) 遮蔽改修工事につきましては、私ども基本計画、基本設計を実施いたします段階で、放射線漏れの原因がどういうところにあったのかということについての原因を究明し、あわせてこの改修計画が妥当なものであるかどうかということを確認いたしますために、原研にございますJRR4という遮蔽実験炉を使わせていただきまして、ここで実物大の模型の実験を行いますとともに、遮蔽についての信頼性の高い解析コードによりまして、原因究明についての解析並びにこの新しい計画についての解析を実施いたしたのでございます。
 この実験の結果、確かに、原因の究明に当たりましては、前回の放射線漏れについては、前の設計に基づいての解析を行った結果、やはりああいう漏れが出るということもわかりましたし、またその漏れについての解析結果は、大体測定をいたしましたと同じような結果を得ておるわけでございまして、また、今度の計画に基づきまして解析をいたしました結果、今回私どもが行いましたような改修を行えば放射線漏れは十分防げるということを確認いたしまして、この改修に取りかかったわけでございます。
 また、この改修につきましては、当然のことではございますけれども、原子炉規制法等に基づきます設置変更許可申請をいたしまして、その安全審査も受け、この設計またそれに基づきます工事の施行方法でよろしいという御認可をいただきまして工事を実施いたしてまいったのでございますが、その工事の過程におきまして、遮蔽体の製作及び据えつけの各段階につきまして、材料についての検査、またでき上がりの寸法検査、溶接検査、さらに外観検査等、所定の検査を行ってまいりました。これらの工事が完全に行われておるということを確認をいたしておりまして、前の解析に基づきこれらの遮蔽体が所期の遮蔽性能を十分有し、その工事がきちんとできておりますので、放射線漏れはこれによって改修できたと、私どもは自信を持っておるところでございます。
#154
○佐藤昭夫君 監督官庁の科技庁にお尋ねをいたしましょう。
 核燃料棒はすでに十年もたつ古いもので、その健全性に関する疑問について、私は当委員会でも何回か取り上げてきたわけですけれども、現状は、冷却水を監視して、放射能の漏れもない、だから健全だと、こういう形で間接的に確認をしておるというだけであるわけですね。しかし、実際にいよいよ「むつ」が実験航海に入るというような段階に入る前には、一度は直接に点検をしないわけにはいかないと思うのですけれども、いつ、どこで、どういう形で燃料棒健全性の点検はやるんですか。
#155
○政府委員(石渡鷹雄君) 先生御指摘のように、一次冷却水の定期的なチェックによりまして、燃料棒の健全性ということにつきましては確認をしているつもりでございます。そういう意味で、次の段階一試験に入っていくということは可能であるというふうに考えておりますが、その時点におきましての状況を見まして、さらにこの問題については検討をする必要があるとは思っておりますが、現時点では、燃料棒を直接チェックするという必要はないというふうに考えている次第でございます。
#156
○佐藤昭夫君 現在は直接燃料棒を点検するというそういう計画はないと。政府は、大湊への「むつ」の回航と、関根浜に新母港を建設するという問題を現地に要請するに当たって、「むつ」がもしも実験航海中に万が一事故を起こした、そういうような場合に、そのときは関根浜に一遍ひとつ入港させてくれということは、現地に協力要請をするに当たって明示しているのですか。
#157
○政府委員(石渡鷹雄君) 昨年五月二十四日の五者共同声明におきまして四点が触れられているわけでございますが、その第三点に、「むつ」の大湊港への入港、停泊に当たっての取り扱い及び大湊港の定係港の取り扱いについては今後協議するということになっておりまして、大湊港に回航後の扱いにつきましてはすべて今後五者で協議をする事項でございます。その先の話になりますので、今日の段階でどうこうするということを御報告する段階に至っておりません。
#158
○佐藤昭夫君 今後の協議事項だと。私は、政府の側がこの問題を明確にしていないのは、当面現地の反対が強くならないように、これを何とかいわゆる切り崩すための方策として、当面はそのことを言わないと。しかし将来、もし事故が起こったときにはそれは当然入港させてほしいと、こういうことを打ち出す、こういう考え方を持っているということじゃありませんか。
#159
○政府委員(石渡鷹雄君) 五者共同声明の精神は五者間の信頼関係によって成り立っているものでございまして、大湊港への回航、また外洋への母港の建設ということは一体となっているわけでございます。そういう意味で、今後各段階において五者協議の上物事を進めていこうということでございまして、政府が一方的にどうこうということでは物事が進まないという話し合いになっているわけでございます。
#160
○佐藤昭夫君 角度を変えて聞きましょう。
 それならば、いま進めようと考えている関根浜の母港計画、この母港の建設計画の中に、事故や故障が起こったらそれをどういうふうに修理するかという、この修理機能を関根浜の母港計画の中に含めて計画をしているのか。そういうことはしていませんね。私はそう思っている。かつての大湊、これについても、そういう修理機能というものはなかったということで、ない。現在の関根浜の計画について、そういうものは含まれていないということですね。
#161
○参考人(倉本昌昭君) 私どもといたしましては、「むつ」自体につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、この改修工事、補修工事で「むつ」の安全性並びに健全性は十分確保できると確信をいたしておりまして、前回のようなことは起こらないという自信を持っておるのでございますけれども、先生がいまおっしゃいました関根浜の新定係港に修理施設を設けるかどうかということにつきましては、今後、本船の維持管理またさらにその後の整備等を考慮しまして、施設についての必要性の有無を含めて詳細な検討を行っていきたい、かように考えておるわけでございますが、本件の検討に当たりましては、地元の関係者等とも十分御相談をしてまいりたい、かように考えております。
#162
○佐藤昭夫君 関根浜の計画の中に修理機能を含めて考えるかどうかというのは、今後の検討課題、今後の協議課題だというふうに言われている。しかし、常識的に考えれば、もしも何かの故障が起こって修理をせんならぬという場合に、それをどこで修理してもらうかということが当然頭の中にあってしかるべきですね。そのこともいまのところは念頭に上っていない、それも今後の協議の課題だと、こう思っているということですか、科技庁。
#163
○政府委員(石渡鷹雄君) 基本的には、大修理を要するような事態ということがないように現在改修もし安全性の総点検もやっているわけでございまして、それは機械でございますから何か微細なことが絶対起こり得ないとは申し上げません。その場合の修理機能というのが一体どういうものであるかということでございまして、定係港内で簡単に修理できるにとどまるということ、いまのところ、そういうことでなければならないということで修理、総点検を行っているということでございます。
 したがいまして、大規模な修理機能が云々ということについては、まあそんなことが必要になるような事態がないようにというのが今日の姿勢でございます。
#164
○佐藤昭夫君 中川長官、あなたが一番この総責任者、総監督ですからね、もう一遍お尋ねをするわけですけれども、大修理をしなくちゃならぬようなそういう事故は起こらぬはずだ、改修をやるんだから今度は起こらぬはずですと。そもそもの前のあの「むつ」のときにも、そんなことは起こるはずがないと。起こる起こると言うのは、科学を信頼しない無知な人間の言うことだという言い方で、がっかがっか進めてきて、ああいうことが起こったという経緯ですね。いまさらここで私が申し上げるまでもないと思いますけれども。
 ですから、絶対に事故が起こりませんというようなことはこれは言えないはずです。それを、そういう言い方で、それに備えて、どこで一体そういう場合に修理をするかということについて、いまのところは念頭に置いていないというやり方は、従前の場合と同じように、全く無責任な、行き当たりばったり的な開発計画ではないか。事故を起こしても、一体どこの港へ入れてもらうか、どこでその修理をするのかということももちろんはっきり決まっていない。具体的なプランも念頭にない。こういうことで「むつ」開発、原子力開発行政というものがまたもや進められようとしているのじゃないかと私は強く指摘せざるを得ぬわけですけれども、一体、この点について総監督としての中川長官としてはどう思いますか。
#165
○国務大臣(中川一郎君) 前回そういうことがあったことは事実でございますし、また、機械ですからどういうことが起きるかわからないということも事実でございましょう。
 ただ、前回は、もう少し待てと言うのを無理して出たところに問題があると思うのです。私は、こういう問題は、地域や地元の皆さんとよく話し合って、納得の上で物事を進めていけば、その出た結果についてもまた相談に乗ってもらえると思っておりますので、絶対事故がないとかは申しませんが、そういうことも含めてすべて納得ずくで、地元の反対を押し切って、おまえたちは無知だというような頭でやらなければこの問題はうまくいくものと、こう考えておりますので、余り悪いことばっかり考えないで、ひとついい方向での御協力もお願いしておきたいと思います。
#166
○佐藤昭夫君 絶対に起こり得ないというふうには言わないけれども、しかし、前回とは大違いだ、御安心いただきたい、こういう言い方ですけれどね。しかしこれは、陸上に設置をしています原子力発電所の原子炉についても、ずいぶん事故や故障が続出しているということはもう否むべくもない現実ですね。そうして、船に載っけている舶用炉とそれから陸上の原子炉と比べてみた場合に、事故の起こりやすさという点では一体どっちが起こりやすいと思いますか。船の方がより安全だというふうには、これこそ物事をきちっと見詰めていけばそんな結論にはなりませんね。どうですか。
#167
○政府委員(石渡鷹雄君) 一般的な常識的な判断といたしまして、振動等が加わるわけでございますから船の方が条件は厳しくなるというふうに考えるのが常識的な判断と思います。
#168
○佐藤昭夫君 船の方が厳しいと。政府や事業団がよく言われるのは、「むつ」の開発を続けていくということは二十一世紀の原子力船時代を迎えるために必要なことだ、こういうことで強調をされているわけですけれども、そもそも「むつ」の炉は日本の原発の炉の中で比べても最も旧式の部類で、一体この「むつ」の開発によってどういうデータが得られるというのでしょうか。
#169
○参考人(倉本昌昭君) 「むつ」の原子炉でございますが、先生がおっしゃいましたように、確かにこれは比較的初期の設計であるわけでございますけれども、これは実験船ということで計画をいたしまして、もちろん船のものでございますから小型でございますが、基本的にいわゆる加圧水型の原子炉として必要な実験、特に舶用炉として行われなければならない実験が行えるようなことで計画をいたしたわけでございますが、実験炉ということで、設計につきましては非常にコンサーバティブと申しますか、安全サイドの設計になっておりまして、そういった面で特に実用炉のように経済性とかといった点からは、技術的に非常に余裕を十分持った形の原子炉であるわけでございます。
 それで、そういった面で、試験が終わりましていよいよ原子力船としての実験航海というものが行える段階になりますれば、私どもといたしましては、舶用炉としての基本的な炉についての各機器、またシステムとしての各種の炉としての特性に関するデータ、将来の経済性のある炉に対して必要ないろいろなデータをとっていこうという考え方で実験計画をこれから具体的に組んでいくわけでございますが、特に舶用炉といたしましての特性は、船舶という観点から、船の動揺でございますとか、船の振動とか、あるいは舶用としての負荷変動というような、陸上とは若干異なりましたいろいろな条件下での原子炉の特性というものを安全に持っていくことが必要でございますので、それらの条件下でこのプラントがどういう挙動をしていくかという面で、今後の設計に必要な各種の、炉特性でございますとか、あるいは原子炉のプラント特性でありますとか、原子炉の制御特性でございますとか、また、放射性物質の管理の問題等についての実験と申しますか、いろいろデータをとることを目的とした実験航海を何回かやって、そういうようなデータをとっていきたい、かように考えておるわけでございます。
#170
○佐藤昭夫君 いまのあなたの答弁の中でも、たとえば船の動揺に伴うそういう舶用炉としての特性、それからさらに負荷変動に対するどういう傾向が出るか、こういう問題がある。しかし、たとえば負荷変動の問題、これについても、陸上の炉についてそれならばもうきちっとその問題が解明をされているか、負荷変動問題が。解明できてないです。目下、研究開発中でしょう。そこがはっきりしないままに、船に積み込んでおる舶用炉についてそれがどういう特性を示すかということについて、「むつ」の実験研究によってこれのデータがきちっと出るということになりますか。
#171
○参考人(倉本昌昭君) これは、私どもといたしまして、やはり本船自身について臨界試験から各段階的に出力試験をやっていくわけでございますが、その出力の各段階段階に応じてこれらの特性をはかりながら、またどういうような挙動が出てくるかということを押さえながらデータを積み重ねていき、また、本船の運転を行いつつ、この本船自身の性能も把握をしながら進めていく。これによって、その辺の、どのような負荷変動に対して炉の対応ができるかというようなところも、段階的にこれをきちんと押さえていくことを考えておるわけでございます。
#172
○佐藤昭夫君 もう一つお尋ねをしていきたいと思いますけれども、今日まで政府、事業団は、原子力船時代の到来というのはいわば歴史的必然だ、こういう論法で展開をされているわけでありますけれども、しかし、いずれにしても、政府としては実用原子力船というのは民間に任すという方向に立っている。その肝心の民間団体の意見、たとえば最も最近のもので言いますと、昭和五十七年の三月二十四日に出されているわけですけれども、日本原子力産業会議原子力船懇談会、ここの検討チーム、それから日本船主協会原子力船問題検討幹事会、ここの検討チーム、この連名で出されておる検討結果、その概要は日刊工業新聞三月二十九日号にも紹介をされているわけでありますけれども、そこの結論としては、技術的な側面から見て、また経済性の側面から見て、パブリックアクセプタンスの諸問題、こういう点の検討をしてみて、原子力船運航のための諸条件整備のためにはいまだ相当の年月を必要とする、一九九〇年代初期にこれが実現することは期しがたい、こういう結論を出しているわけであります。また、国際的に見ても、原子力船の入港を受け入れるそういう協定、これはまだどこも批准をした国はない。船をつくったって受け入れてくれる国がないということではこれは船の役目を果たさぬ、こういうことになるわけです。
 こういった点から考えてみて、政府としては依然、原子力船時代というのは必ず来るのだ、こういうふうに引き続き強弁をされるのか。私はやっぱり、もう一遍政府としては、よく冷静にこの事態を考えるということで検討をやってもらう必要があるのじゃないかと思うんですけれども、長官、どうでしょうか。
#173
○政府委員(石渡鷹雄君) ただいま御指摘がございました原産会議あるいは船主協会を中心としての検討の現在時点での結論でございますが、先生の御指摘の部分もございます。最終的な結論といたしまして、したがって原子力船の研究開発は国家的レベルで促進されることが望ましい、海運業界としてもノーハウの提供等可能な範囲で最善の協力、努力をしていく必要がある、こういう結論でございまして、確かに一九九〇年代初期の原子力船の実現は私どももそうなるまいと思ってはおります。
 ちなみに、昭和五十四年十二月に出されました原子力委員会におきます原子力船研究開発専門部会の報告書によりましても、二十一世紀に入るころには原子力商船の導入が相当進んでいる可能性があると予想しているところでございます。したがいまして、私どもは来世紀に備えて原子力商船の技術を日本として蓄積しておこうという姿勢で臨んでいるところでございまして、現在の「むつ」の実験船としての十分な活用、あわせて経済性を追求した舶用炉の開発といったことをあわせ着実に行いまして、来世紀にそういう事態が参りましたときに日本にはその技術が何にもなかったということのないようにやっていきたいというふうにお願いしているわけでございまして、そういう方針のもとに現在の原子力船開発の諸問題に対応しているところでございます。
#174
○佐藤昭夫君 私どもは、当委員会でも、また今国会における衆議院の予算委員会の総括質問でも、この一千億に近い「むつ」開発が大変大きな国費のむだじゃないかということを再三指摘してきたけれども、問題の重大性はそういうむだという問題だけにあるわけじゃない。
 きょうも私幾つか取り上げましたけれども、「むつ」の改修自体が、安全性の確証もないままそれが手抜き改修で事足れりという形でどんどんと進行させられようとしている。具体的にきょうも、十年もたっておる核燃料棒の健全性の直接確認、これがプログラムに入っていないということもはっきりしたわけでありますし、また、二度と「むつ」の事故は起こらぬという前提で、もし事故が起こったときにどこの港に入れるか、起こったときにどこで修理をするか、こういう問題もいまのところは考えていないというこういうずさんな計画だという問題とか、あるいは、舶用炉について陸上での研究も十分蓄積をされてないまま船に載っけてこれをどんどんやっていくというこういうやり方が、結局前と同じような過ちを繰り返すのじゃないかという私どもの指摘に対して、十分な答えが出されていないという状況だと思うのです。
 それから、原子力船時代が到来をするかどうかという話で、あなたは、別の面でこういうことも書いていますということで得々としておっしゃっているわけだけれども、御紹介をしたような原産会議とか船主協会とか、ここらあたりが遠慮しいしい、控え目な表現を使いつつ、しかし早急にそんな原子力船時代というそういう時期ではありませんと、それは実現が期しがたいのだというふうに報告の中で述べておるここの部分を政府としてはどういうふうに読み取るかという点が、全くあなた方の姿勢として私はないと思うのです。
 いずれにしても、このすべてにわたっていま政府が進めている方針には誤りがないのだ、こういう断定の上に立ってどんどんと事を進めるというやり方になっているわけですけれども、中川長官、どうですか、「むつ」並びに原子力船のあり方について、もう一遍、いろんな各界から意見が出ているというこのことについて、広く出されておる意見に耳を傾け、本当に誤りのない、事自然科学行政に関する問題でありますから、そういう自然科学という立場から見ても誤りのない方向というのはどういう方向なのかということについて、もう一遍よく振り返って検討をする、そういう場をつくるということについてぜひ政府としては考えてもらいたいというふうに思い、私は最後にちょっと長官にお尋ねをしておきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#175
○国務大臣(中川一郎君) われわれは二十一世紀に向けて必要であるという立場をとっておりますし、先生はそういうものは必要ないという立場に立っておりますし、それ以前に、原子力発電というものは全部だめだというもう全然否定的な立場から、悪い面だけをとらえて、そして純真な人をどちらかというと惑わすと言ったら悪いけれども、不安を与えるような部分だけを取り出して言う。そうではなくて、われわれは国民に対して責任を持っているのです、二十一世紀に向かっても。そうすれば、その時代になったら石油がなくなるわけです、これを否定する人はないでしょう。二十一世紀に入っていくと石油がなくなってくる。それじゃエネルギーはどうするんだと……
#176
○佐藤昭夫君 まだ断定できる局面じゃないですよ。
#177
○国務大臣(中川一郎君) 断言できるぐらいのことでしょう、これは。有限のものであることだけは間違いない、何年違うかだけの違いなんです。それに対しては、若干の金がかかり、若干の問題はあっても、やはり長期的にわれわれは責任を持っておりますから、ただ批判だけしておればいいという立場ではないんです、われわれは。国民に対して責任を持っておるとすれば、いろいろ問題はあろうけれどもその中で最善を尽くしてやっていきたいということであって、二十一世紀になって、舶用炉が必要なときに、共産党の反対があったからやめましたでは済まないんですよ。われわれは、いかなる反対があろうとも、断じてその時代にも責任を持つということからどうしても必要なものであり、いろいろな人の意見は聞きますけれども、あなたから言われたからといってここで思い直す気持ちはさらさらありません。
#178
○佐藤昭夫君 ちょっと。私の尋ねている点についてあなたはお答えしていないのでもう一遍言っておきますけれども、いろいろそういう意見があるというその現実の上に立って、いま一度「むつ」のあり方、原子力船の今後のあり方について出されている意見によく耳を傾け、議論をする、そういう場をつくっていくという考えはないかということを聞いている。
#179
○国務大臣(中川一郎君) われわれはいろんな人の意見を取り入れている。それに反発をして、おまえはだめだと言っているのじゃないんです。この原産会議の報告書だって、いま民間がやれと言っても現実性はない、だからこういう基本的なことは政府においてしっかりやってくれと、こういうことであって、何も、その一部分だけをとらえて現実性のないことだけ言うから、不安を与えるようなことを言ってもらっては困ると言っているのであって、この会議の結論だって、政府が責任を持ってやりなさいということであって、それ以外にまた権威あるところから貴重な御意見がありましたら十分耳を傾けてやりますが、何でも反対のあなたから言われたからといって思い返す気持ちはさらさらありませんと、重ねて申し上げておきます。
#180
○佐藤昭夫君 本日は終わります。
#181
○小西博行君 まず、大臣にお伺いしたいと思います。
 きょうの委員会の質疑というのは、所信に対する質疑ということになっておりますので、肉眼で見て、そして肉眼の程度の質問をさせていただきたい、あんまり顕微鏡的なことはやめさせていただきたいと思います。
 そこで、大臣は、すでに大臣になられまして約二年になろうかと思います。その最初の所信は九十四国会だったと思います。今回が九十六国会ということでございまして、所信をいろいろ比較させていただきました。そういたしますと、もうほとんど内容につきましては同じような感じがしているわけでございます。ただ、大臣になられてすでに二年という月日が経過しておりまして、ずいぶんいろいろな方面の勉強をされたのじゃないかという感じがいたしております。したがいまして、その中で、九十四あるいは九十五回の国会の所信に対して、この九十六回というのは、どういうところに特に重点を置いて所信表明をなさったのか、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。
#182
○国務大臣(中川一郎君) 私は、一昨年科学技術庁に長官として就任いたしまして、科学技術の重要性というものを強く認識いたしました。
 そこで、一つは、科学技術を重要政策として政府並びにわが与党の柱として取り入れてもらうことが大事なことである。幸い、党においても、政府においても、最重要政策に加えていただいた。
 次は、予算の面において、ゼロシーリング等厳しいときではあるけれども、国費の投入について政府が力を入れるという姿勢を示していただきたいということ。
 第三番目には、科学技術をやっていくに当たって何が必要であるかと振り返ってみたところ、わが国は改良型技術、産業技術ではすぐれておるが、先端的技術、基礎的技術については立ちおくれた面が多い。そこで、流動研究システムによる創造科学技術の推進ということで特別研究を行っていくという仕組みをつくったこと。
 もう一つは、科学技術庁が科学技術会議の調整機能による、バランスのとれた一体性のある産官学が協力してやれるような調整機能を持つべきである、そのためには、振興調整費というようなものを持って、実質的な調整ができる機能を付与したいこと。
 こういうことが柱でございます。こういうことを柱とし、目玉として、就任した昭和五十六年度の予算をつくったつもりでございます。
 かくて、二年目でございますが、二年目は、五十六年度に敷いたレール、いま言ったようなことをさらにスピードを上げていく、こういうことを基本にして取り組んだ次第でございまして、そういう意味では、予算の面においても、あるいは制度、仕組みについてもだんだんと強化をされてきた。大きな流れを言えば、そのほか、原子力が必要であるとか、宇宙開発が必要であるとかというそれぞれの項目も重要でございますから、そういった従来からやっていることも進めると同時に、私が大臣になってつくったレール、目玉、柱、こういうものを育てていきたい、こういうことが基本かと存じます。
#183
○小西博行君 科学技術の問題は、非常に多岐にわたるし、しかも専門的な分野にわたっておりますので、どちらかといいますと、私どもが考えまして、海洋開発、この部分が何か一番おくれているといいますか、予算の面から見ましても少しおくれているのじゃないかという感じがするんです。ただ、何が重要であるかということになりますと、個人的に皆さんがそれぞれの意見を持っておられるので、果たして長官は何を重点的に考えておられるのかなと。所信表明というのは、科学技術だけじゃなくて、私、文教にも所属しておりますけれども、大体、最大公約数的なものが各専門家から上がってまいりますので、それを調整するという感じがいたします。そういう意味では、もう少し重点的な中身、何かそういうものが資料として欲しいなといつも思うわけです。予算の大きさから見て、どうも原子力関係というのは何としても一番大事なのかな、こういうつかみ方は私どもでもできるわけですが。
 そういう意味でお伺いしたわけなんですけれども、たくさんの長期計画の中で何かこれだけはどうしてもというか、あるいは原子力関係はこれはどうしてもエネルギーの問題でやらなければいけませんからこれは現実問題ですが、将来の方向としては、さっき申されました流動研究システムといいますか、科学技術振興調整費というのがずいぶん、三十三億五千万、これは五十六年、五十七年が六十億、こういうように予算がふえておるのですが、これはいろいろ調整配分すると思うんですけど、実際本当にこの金額だけで私は研究開発というものの成果が上がるのだろうかなと感じるわけです。
 というのは、前回も御質問申し上げましたように、各省庁にわたるような費用になりますので、その辺のところを果たしてどういうつかみ方をされているのかなと。研究成果ということにまたつながってくるわけなんですけど、実際に長官がやっておられて、具体的なデータといいますか、報告書といいますか、どういうかっこうで長官のところに上がってくるのでしょうか、実際の成果が。
#184
○国務大臣(中川一郎君) 流動研究システムによる創造科学の推進も昨年つくった仕組みであり、しかも昨年の秋に発足していま取り組みかかったということでございます。したがって、成果をまだ報告を受ける段階にはきていない。
 しかしながら、これは科学技術会議でも議論になっておりますが、研究成果の評価もこれは大事なことだということで、今後その評価システムというものもしっかりしていこうということでございまして、御指摘の点については、やがてことしの秋あるいは来年には一年目の結果も出てくるかと思いますので、その辺の評価については、十分報告を受け、評価委員会等をつくって評価をしていただいていいものにしていきたい、こう思っておる次第でございまして、まだ評価をする段階には至っていないのでございます。
#185
○小西博行君 そこでお尋ねしますが、何といっても、大学関係の研究機関というのが研究開発にとって私は非常に大きいと思うのです。ただ、流動研究システムということで大学の優秀な先生方も動員するということでは、一つの手始めとしては大変いい方向に進んでいるのじゃないかと思うのですが、全体の大学の先生方から比べると、非常に人数が少ないわけです。そういう意味で、これから先、大学関係の先生方を刺激するというのでしょうか、協力してもらうといいますか、あるいは具体的なテーマを決めて研究をお願いするといいますか、そういう何か具体的な御依頼といいますか、協力体制が私非常に必要じゃないかなと思います。
 文教側の方からもまた私は、大学の研究というのは大切だということをやっているわけですが、これは、大学の自治ということがいつもひっかかってくるわけです。その辺の兼ね合いといいますか、その辺が一つ将来の研究開発に非常に大きな影響といいますか、効果をあらわしてくる要素じゃないか、このように考えるんですけど、大学を刺激してもっと協力をいただけるような体制というものはどのように考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
#186
○政府委員(下邨昭三君) わが国の科学技術の振興にとりまして大学というものが大きな位置づけを占めているということは、御指摘のとおりでございます。
 現在、わが国でおくれていると言われているものが革新的、独創的な科学技術の開発であるということでございまして、そういう面について、大学の先生方の御協力を得ながら、今後とも自主技術の開発を進めていかなければならないと考えております。
 当庁におきましても、基礎科学におきます大学の役割りの重要性ということにかんがみまして、これまでも政策の立案段階、企画段階から研究の実施段階に至りますまで広範囲にわたりまして大学の頭脳の活用ということは十分考えてきたつもりでございますけれども、創造科学技術制度におきましても、大学の頭脳を流動的に使わしていただく、あるいは調整費の活用の面におきましても、大学、産業界、国立機関協力して研究成果を上げていくというようなことで、取り組んでいるところでございます。また、大学に対しまして研修生を派遣するとか、大学の研究者に客員研究員として国立機関の中に入ってきていただくとか、そういうようなことにつきましてもわれわれとして努力しているところでございますが、当庁といたしましては、今後とも大学のポテンシャルというものを十分使わしていただいて、国全体として効率を上げていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#187
○小西博行君 科学技術会議と大学との関係というのは、かなり密接な関係で、いろいろな論文の交換とかいうようなことは実際やっておるのでしょうか。ちょっとお尋ねしたいと思うのですが。
#188
○政府委員(下邨昭三君) 科学技術会議はわが国で最高の、科学技術についての政策審議機関ということでございますので、個々の論文についてそこで審議をするというような立場ではございません。しかしながら、先ほど申し上げました、たとえば研究調整費をどういうふうに活用するかというようなことにつきましては、科学技術会議の運営会議の下に研究調査委員会というようなものを設けまして、そこに各分野の研究の専門の人に来ていただいていろいろ議論していただき、その中からどういう課題を選んでいくかというようなことをやっていただいております。そんなことで、事前評価あるいは中間評価、あるいは研究成果が出てまいりますとその事後評価というようなこともやる体制をとっておるところでございます。
#189
○小西博行君 科学技術庁の問題をちょっとお尋ねします。
 科学技術庁の中には、当然、理化学研究所のような法人を持っておられて、具体的な研究もやっておられる。同時に、予算の配分とか、調整機能的なものをやっておられる。これは、人によっては、むしろ予算配分とか、後のチェックといいますか、そういうものを中心にやった方がいいのじゃないかとか、あるいは、研究をもっとふやすべきじゃないかとか、いろいろな御意見があるのですが、長官はどういうようにお考えなんでしょうか。どういう形の科学技術庁というのが理想というようにお考えなんでしょうか。
#190
○国務大臣(中川一郎君) これはなかなかむずかしい基本的な問題でございまして、科学技術庁が本来持つべき機能は、各省庁が行っております試験研究の調整機能、そこにあるわけでございます。
 そこで、先ほどの質問にも関連するのですが、残念ながらというのか遺憾ながらというのか、大学に関しては調整機能を持っておらないわけでございます。ここらにも実は問題があるのではないか。しかし一方、大学の自治ということで、だれにも侵されないという立場も有力にあるわけでして、今後この辺をどう調整するかが一つの課題だと思っております。ただ、調整機能はありませんけれども、先ほど申し上げた創造科学の研究はこれは産官学の連携がどうしても必要でございます。学が抜けてもこれはなかなか成果を上げない。そこで研究員等に研究について協力をしてもらうというようなことで、だんだん交流を深めていくようにいたしたい、こう思っております。
 それから、科学技術庁が持っております試験研究の法人、これをどの程度科学技術庁が持っておっていいのか。いまありますのは、原子力とか宇宙、海洋、ライフサイエンス、技研等でやっております。こういったものは、最小限やはり科学技術庁が持つのがいいのではないか。各省庁に関係をいたしますし、各省庁がそれぞれに機関を持ったのでは効果も上げにくいというところから、科学技術庁が一括してこれをやっていくという仕組みはこれは育てていくべきだ、こう思っております。理想を言えば、もう少し調整機能も、六十億程度で大学を除いて調整いたしておる、私は五百億ぐらい持ったら相当幅広く調整ができるのじゃないかというようなことで、できれば五百億ぐらいに育てていきたい、こういうことを大蔵省なんかにも申しており、総理にも話しておるところでございます。
 ただ、先ほども指摘があったように、この調整機能なり、あるいは先ほど申し上げた流動システムの創造科学の推進等、これがまずくなればこれは芽が消えてしまうということでございますので、ぜひとも、しっかりしたやり方によって着実にこれを前向きにしていきたい、こう思っておりますし、もう一つは、根本的に、もう少し科学技術というものについて、各省庁が持っております試験研究機関までもこちらが実質やれるような仕組みにすればより合理的かなとは思っておりますが、臨調その他もあり、各省庁の立場もありますから、そこまで踏み切ることはなかなか容易じゃないけれども、長期的課題としては、科学技術庁が調整機能をどこまで、あるいは試験研究機関をどこまで持つのがいいか、十分考えておくべきことだろうと思っておるわけでございます。
#191
○小西博行君 法人というようにおっしゃいましたけれども、たとえば理化学研究所なんかへ行っていろいろ伺いますと、日本の体質かもわかりませんけれども、何となく、ある程度研究業績を上げ、ある年代に達しますと、管理職になってしまうという傾向が強いんですね。だから、専門職というのは管理職になる前の段階というのがこれ、一般企業でもそういう傾向がまだあるわけです。専門職として非常に高く遇していくという方向が本来の姿じゃないかなと思うのです、特に研究者に対して。
 ところが現実問題は、やっぱり組織がありますからね、部長がいて、課長がいて、さらに主任がいて、その下に研究者が何人かいるというのが普通の形態じゃないかと思うのです。一般の企業では、その辺のところにいち早く気がつきまして、最近ではもう、研究所は所長さんが一人で、あとは主任で全部統括していくというようなやり方をしております。そして専門的な能力中心にフルに発揮していただく。つまり、管理職的な煩わしい仕事は別の方にやっていただいて、研究業績を上げていただくというような体制が、私は非常に大切じゃないかなと思う。
 そういった意味では、科学技術庁に所属する研究機関というのは私はわりあいやりやすいのじゃないかという感じがしておるわけですが、その辺に対する考え方はどうなんでしょうか。
#192
○政府委員(原田稔君) 理化学研究所の例を申し上げますと、私は、理化学研究所の場合にはその辺は、いろいろ問題が多うございますが、わりあい工夫をしているのではないかという感じを持っております。たとえば、主任研究員という制度がございますが、これはその人の能力に応じまして、年齢を問わず、場合によりますとある程度高齢の方、また逆にある程度若い方も主任研究員ということになっていただいて、研究の中心になっていただいております。そういう意味で、私は、理化学研究所の場合には、まだまだ不十分な点はございますが、そういう点ではかなり進んだ制度を持っているのではないかという感じを持っております。
 御指摘のように、それは理研だけではなくて、科学技術庁の傘下の試験研究機関、そのすべてにわたってそういったような緩やかな制度をつくるということが、今後に課せられた非常に大きな課題ではないかというぐあいに考えております。
#193
○小西博行君 どうなんですか、普通の民間の研究員というのは、研究が進みますと夜を徹して研究をやりますね。しかし、政府に関係した研究機関というのは、ある程度時間制約があるというか、その辺が私はかなり民間とは違うのじゃないかなという感じがしておるのですが、そういうことはございませんか。
#194
○政府委員(原田稔君) 私どもは、逆に、やはり研究者の方々は、研究に夢中になりますと、もう夜中の十二時過ぎまでも研究をやっている例が本当に間々ある。光熱費ですとかの予算等の制約がありまして、そういった点でかなり厄介だなあというような、逆なそういう声も聞いている状況でございまして、その点は私は、研究者の方々の共通性という点からいきまして、民間もあるいは特殊法人もあるいは国の研究機関も、余り変わらないのじゃないかなという印象を持っております。
#195
○小西博行君 それでは、次に移ります。
 先ほどの調整機能をやられて、研究に関することについて、いろいろな予算を各省庁に配分していくわけですね。その場合に、行革という一つの大きな課題がありますが、前々から私質問しているのですがなかなかいい回答が戻ってきませんが、各省庁で同じような研究をやっておられますね。たとえば、農林省関係でも、あるいは理化学研究所へ行っても、ライフサイエンスのことについては相当やっておられる。そういうのは、二つあるから競争でいいじゃないかという考え方もあると思いますが、同時に、各大学の中にも非常に著名な先生方がおられる。
 その辺の一応の、相関図という言葉が当たるかどうか知りませんが、日本ではたとえばライフサイエンスについてはこういうところで研究されているという、具体的なそういう整理した資料があったらいただきたいと思いますが、それはどういうかっこうになっているでしょうか、ありますでしょうか。
#196
○政府委員(下邨昭三君) ライフサイエンスのことをいま御指摘でございますが、ライフサイエンスについては関係各省がたくさんございます。それぞれの立場で、別の目から見ての研究をしているというのがございます。そういう別の目から見て研究しているものを集めましていろいろ討議をするということは、研究成果を上げる上に非常に重要なことだと考えております。そのために、私どもといたしましては、科学技術会議に、ライフサイエンスにつきましての先端的基盤的研究開発の基本計画について御諮問をいただきまして、現在その案を検討しているところでございまして、その成果が出ますと、どういうところでどういう研究をやって、どの点を伸ばすべきか、どういう位置づけにすべきかというようなことが明確になってくるものと考えております。
#197
○小西博行君 その資料を早く整理して、もし粗いものでも結構ですが、ぜひ教えていただきたいと思うのです。
 われわれ自身、そういう情報というのがほとんどございませんで、自分でいろいろ本を読んだりして見つけるだけで、そのことが全体的にどのぐらいの資料なのかというのがよくわからないわけです。ですから、一方的な話になる場合がありましてね。私は、全体を知りながら部分について質問をしていくという体制が本当じゃないかなといつも自分自身で悩んでおりますので、ぜひそういうものを整理して、いただきたいと思います。
 それから、長官、前回の科学技術のこの委員会のときにちょっと質問させていただいて、長官から同意いただいたと思いますが、特に科学技術庁の中のいわゆる技術屋ですね、技術的な専門家と言ったらいいでしょうか、これは、年齢的に非常に若い人でも、私は技術的な分野では非常にすぐれた人がたくさんいらっしゃるのじゃないかな、あるいは、いない場合には、優秀な人材を集めていかなきゃいかぬと思うわけです。
 そういう意味で、どうでしょうか、技術的な分野の方々というのはややもすると冷や飯を食う可能性があるということを長官はこの前言われたんですが、具体的にどういう形で育てるか。技術的な問題について非常に意欲を持ち、内容的にも充実している方々がいる。科学技術庁ここにありというような、科学技術庁の中にそういうシステムをつくっていかないと、私はぐあいが悪いんじゃないかと思う。何か予算の配分だけで飛び回っているような、たった私二年ですけど実はそういう感じも受けておるんですけれど、どういうぐあいに具体的に、技術屋さんあたりの専門能力を科学技術庁の中で生かすように考えておられるか、これは約束していただいたら一番いいのですが、考え方を教えていただきたいと思います。
#198
○政府委員(下邨昭三君) 非常にむずかしい問題でございますが、当庁に関しましては、技術屋だからといって冷遇されるというようなことはないと思います。
 技術系の中でも、専門的な分野で十分こなしていくという方面に向いている人、あるいは技術行政的な面について能力を持つ人、いろいろございますので、その特性を生かしましてそれぞれの職務につけるというようなことで、それぞれに伸ばしていくということを考えております。
#199
○国務大臣(中川一郎君) 前回申し上げたのは、たとえば農水省なんかは技術屋さんは局長にもなれない、もちろん事務次官にもなれないというようなことで、言ってみれば試験を通った人の天国というようなところがあるわけですが、科学技術庁は、幸い局長もたくさんいらっしゃいますし、また事務次官も大体技術屋さんがなるということで、そういう意味では特徴のある役所だと思うのです。したがって、新しく入られる技術屋の人もかなりいい人が入ってきているのじゃないか。特に私は、国民の皆さんが科学技術が大事だと使命感に燃えれば、いい人も入ってくるし、またいい人がしっかりがんばるのだろうと思うのです。
 科学技術立国ということが言われ、ミッテラン大統領がああいう考えのもとに筑波学園都市もわざわざお名指しで見られる、こういうような最近の空気、あるいは、昭和六十年の科学博等で、若い人を含めて国民の皆さんに科学技術が大事だという認識が高まってくれば、おのずからいい人も入りまた励みがいにもなっていくのじゃないか。特別技術屋だからどう待遇するとか差をつけるとかというようなことも大事なことかもしれませんが、そういう背景、期待感、使命感、こういうものをつくっていくことが大事なことじゃないか。そういう意味では、最近技術屋さんが誇りを持ってきたのじゃないかという私は自負を持っていて、単なる予算だけではない、技術屋が非常に生き生きとして、少なくとも科学技術庁では非常に最近張り切ってやっているように見えておりまして、私は非常に喜んでおるところでございます。
#200
○小西博行君 民間の一般の製造メーカーでもそうなんですけれども、一回技術屋の分野から離れて外へ出ますね、そうしますと、もう二、三年もするとずいぶん技術的な格差ができまして、なかなかもとのポジションに返れないという現実感があるんです。私は、いま長官が言われたように、科学技術庁の中は、非常に優秀で、常に勉強されていて、実感として、たとえば理化学研究所の中の様子をよく知っているということであれば、それで十分だと思うんです。
 しかし、たとえば地方へ行きますと、これは全然だめなんです。地方でいろいろ民間の企業のお手伝いをしております、たとえば工業試験所というのがありますね。これは繊維も何もいっぱいありますけれど、たとえば工業試験所なんかで見てみますと、一般の民間に指導に行くわけですね、たとえば機械の使い方とか、あるいはバイトの研削の角度であるとか、いろんな指導に行く。ところが、現実、試験所にある装置というのは一番古いのですね。民間ではもうNC旋盤がどんどん入って、コンピューターをセットすればいける。だから、感心するわけです。指導する側が、行って、なるほどりっぱなものがありますなということで、感心して帰るということになる。私、十五年もやっておりましたからね。うっかりすると、そういう形にいつの間にか逆転してしまって、もうしようがないから、中央からの圧力で、だめだ、金貸してやるからというような、何かそっちの分野でもって管理してしまうというようなふうに、試験所なんかはわりあいそういう傾向が強くなってきておるわけです。
 それと同じとは言いませんけれども、科学技術の分野というのは、特に最近のライフサイエンスや何かというのになりますと、もう一年違いますとぐっと内容が変わってくると思いますので、その辺のところを、特に私はいい人事交流のやり方というのはないだろうかなと思うのです。科学技術の振興ということは長官がいつも言われて、日本の将来はそれしかないんだと言いながら、実際科学技術庁の中を見ると、ややおくれているといいますか、そういう雰囲気になっていたのでは大変危険じゃなあ、管理、監督もできないのではないか、そういう感じがするものですから、そういうものに対する具体的な省庁の中での対応の仕方というのは、科学技術庁だけが特別というわけにはいかないのでしょうか。私よく省庁の中のことはわかりませんが、何かそういう体制が科学技術庁の中には必要じゃないかなという感じがしておるんですがね。
#201
○政府委員(原田稔君) 先生御指摘の、地方の試験研究機関が非常に最近おくれていて、むしろ民間の方が進んじゃっているという傾向にあるのは事実でございます。昔ですと逆でございまして、それが地方の産業を指導していったということでございますが、最近は、情報ですとかその他万般に進んでまいりまして、特に産業構造が変わってまいりまして、地場産業と密着していた地方の試験研究機関というのが、地場産業自身が変わってまいりましたから、そこで地方の試験所の意味というのは非常に問題になってきている。各自治体とも、これを一体どう考えたらいいかというのが実は非常に大きな課題でございます。
 私どもも、地方における科学技術の振興ということで、大変小さいわけでございますけれども、いろいろな会議を開いたり、その他である程度の努力をいたしておりますが、たとえば通産省ですとか、その他各省におきましても、それぞれ、各地方の試験研究機関の能力の向上を通じて国全体の科学技術水準を上げるということで、ようやく腰を上げていろいろな施策に乗り出している、こういう状況でございまして、地方の側のそういう問題意識、中央の側のそういった問題意識、両々相まって逐次改善する方向にあるのではないかというぐあいに考えております。
#202
○小西博行君 科学技術の分野は特にそういうことが言えるのじゃないかと思うんですが、先ほども申し上げたように、特殊法人をつくってやっておられるわけですが、その中で、研究者の自己啓発、さっきいろいろ賞をいただけるとかいろいろありましたけれども、何か自己啓発の方法というのがないだろうかなということをいつも感じるんです。というのは、研究開発にしましても、やっぱり一つのグループで研究開発をやりますから、どうしてもその主任さんの名前が出てしまう。実際のアイデアというのはたとえば一番若い人が持っていたとかというのがたくさんあるわけですね。そこで、何となくあの上司とは気が合わないとか、わりあいそういう個性の強い人が多いものですから、そういうことに対する自己啓発のやり方ですね。
 私はある先輩から聞いたのですが、人間の能力というのには、まず吸収力だとか、あるいは保持力だとか、あるいは推理力、保持力というのは記憶力、推理力というのは応用性ですね、こういうものがあると。この三つができれば大体東大に入れるということをよく言うんですね、人の話を聞いて、よく記憶して、応用問題ができるということ。ところが、最近はそうじゃなくて、創造性という新しい分野、これが一番大切だということが言われているわけです。長官がいつも言われるように、そのとおりだと思うんです。それからもう一点は、自己啓発ということだと思うのですね、人間の欲求の中で。おれはやった、若いわりにはできたんだというか、何かそういう自己啓発的なものをより喚起できるような、そういう研究的なものを、これは少なくとも科学技術庁の関係ですから、私はいろんな実験を試みてもいいのじゃないかと思うんです。
 たとえば、文部省関係の大学についてこうやれと言ったら、それはとんでもないと言って怒られますけれども、少なくとも科学技術庁の中というのは大学の研究機関とは全然私は異質であっても構わない。何か目的を決めて、その目的が達成できるようなシステムなり、あるいは人間性を喚起できるようなそういう方法というのを、私は思い切ってやってみたらいいんじゃないかなと思う。
 そのために研究機関があるわけで、それがうまくいけばこれは恐らく大学の中でも十分取り入れていくのじゃないかな、そういう感じがしておるものですから、長官、いままでどおりの、理化学研究所は従来どおりやっておりますとか、あるいは、一つテーマがふえましたとか、あるいは、予算をここへ渡すとこれだけよくなりますという非常に総花的な大ざっぱなことじゃなくて、そういう研究者を本当に刺激できるようなね。大体いい研究開発をやっているのは二十歳代ですからね。ノーベル賞物というのは大概二十代の後半か三十代の前半という現実を見ても、そういうことが何か自由にできるような体制をぜひつくっていただきたいなと思いますが、何か具体的に、計画的にやっていただけませんでしょうか。
#203
○政府委員(原田稔君) 先生のいまの問題は、非常に大事な問題だと思っております。基本的には、日本の社会の何と申しますか、一種の縦社会の関係と、あるいは横社会といいますか、ヨーロッパ的な横社会の関係の問題にも連なる問題ではないかと思います。
 一つの実験といたしましては、昨年度から発足いたしました創造科学制度、これがまさに横割りで、それぞれの組織というものをいわば無視してといいますか、それを乗り越えて、腕に自信のある方々が集まって一緒にやろうと、こういうことでございまして、これは私、日本のみならず世界で見ても非常に特異な実験ではないかと思っております。まだ日本全体の研究の量なりシステムからいきますと非常に小さな力ではございますが、こういったようなものを突破口にして、何とか創造的な革新的な技術の芽が日本でもできるような土壌をつくってまいりたい、かように考えております。
#204
○小西博行君 もう一点なんですが、創造性豊かな人間性ということを長官はいつも言われておるのですが、私は本当は学校にそれを期待しておるのです。
 ところが、いまはやっぱり、小学校、中学校、高等学校を見ましても、自分が意欲を持ってというのはわりあい少なくて、さっきの自己啓発がほとんどなしに、できない子は、もう本当におまえはばかだということを何百回と繰り返されながら育ってきておりますし、管理社会ですから、先生方も教科書を全部教えなければいかぬということですから、楽しくて、自信を持って、ああ褒められたという機会というのは、ごく一部の子供しかないわけです。ほとんど落ちこぼれていくというのが現状なんです。そうしますと、大学か、あるいは大学を出てから実際に産業界なりあるいは官庁へ入って、それから自己啓発というものが実際的に生まれてくるのじゃないかと思う。
 そういう意味では、研究機関として非常に新しい一つの方向づけが、私はやり方によってはこの法人の中で生まれるのじゃないかなという感じがしておるのです。ですから、その点をぜひ真剣に考えていただきたい。何か、口では皆さんおっしゃるんです、文教関係でもそればっかり言うのですけれども、現実の文教行政を見ますと、全然そうじゃなくて、まるで管理社会の一員をつくっているようなもので、私は、その中に、新しいそういう自己啓発のある、創造性豊かな、やる気のある子供さんというのが生まれる確率は大変少ないんじゃないかなという感じがしてならないものですから、せっかく長官のところにそういうものがあるのですから、その中で、思い切って、何か新しい企画でぜひ進めていただきたい、このことをお願いします。
#205
○国務大臣(中川一郎君) 基本的ないい御意見を承りまして、ありがとうございました。
 まだ持ち合わせておりませんけれども、ひとつ研究させていただきます。
#206
○小西博行君 では、最後になりますけれども、これからの研究開発というのは、産学官といいますか、そういういろいろな形態の中で研究開発をやっていく。その中心はやっぱり科学技術庁である、私はもう当初からそう思っておりまして、中川大臣が来られたから思い切ってやられるだろうということで、今日までこうやってやらしていただいておるわけですが、私は、これから先、いわゆる時間帯ですね、研究開発の時間帯というようなもの、工程管理といいますか、工程評価計画表といいますか、そういうものを何か一つの位置づけとして置かれて、そして一区切りずつのこの評価をしていかなきゃいかぬだろうと思うのです。
 いまの場合はそういう評価様式もないという御意見でございましたけれども、そういうもので、何かたとえば、予算だけで押さえるのじゃなくて、具体的に、半期ごとでも結構ですから、半期ごとには、計画に対してこうだったというような前向きなものをこういう委員会の中で報告していただくような、そういう体制ができれば、われわれもいろいろ研究する場合に目標ができて大変助かると思うのですし、国のためにも非常にプラスになると思いますので、そういう具体的な長期計画あるいはそれに合わせた細かい短期計画、そういうものが立てられないものかどうか、研究していただきたいというふうに思います。
 これは、できればお答えをいただいて、最後にしたいと思います。
#207
○政府委員(下邨昭三君) 先ほども申し上げましたけれども、科学技術会議におきまして長期的な計画というものを立ててきております。分野別にも、具体的な計画をつくっていこうということで、エネルギーの問題、防災の問題について計画を立てております。ライフサイエンスについていま立案の最中というようなことでございまして、そういう計画に基づいていろいろと進めていきたいと思います。
 評価につきましては、なかなかむずかしい問題でございまして、それぞれ適正な評価をしていかなければならないわけでございますが、事前評価、事後評価、中間評価もございますし、また評価の目もいろいろございます。政策的な目で評価する場合、学術的な評価をする場合、技術的な評価、経済評価、いろいろございまして、それぞれの立場でいろいろ違ってまいります。また、研究段階におきましても、基礎研究の段階のもの、応用研究の段階のもの、開発研究の段階のものとそれぞれ違ってまいると思いますけれども、それらにつきましても、どういう評価をするのがいいのかいろいろ調査をしているところでございまして、その成果を待ちまして具体的に進めていきたいと思います。
#208
○小西博行君 終わります。
#209
○委員長(中野明君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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