くにさくロゴ
1949/03/27 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 労働委員会 第8号
姉妹サイト
 
1949/03/27 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 労働委員会 第8号

#1
第007回国会 労働委員会 第8号
昭和二十五年三月二十七日(月曜日)
   午後二時三十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○労働組合法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(平野善治郎君) それでは只今から労働委員会を開会いたします。先ず労働組合法の一部を改正する法律案を議題に供します。法案の説明を政務次官からお願いいたします。
#3
○政府委員(新谷寅三郎君) 只今議題となりました労働組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。労働組合法におきましては、地方労働委員会の定数は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各五人でありまして、例外として東京都地方労働委員会のみは、その事務が多量でありますため、中央労働委員会の定数と同じく各七人となつているのでありますが、改正労働組合法の施行の実績にかんがみまするに、北海道、大阪府及び福岡県の地方労働委員会につきましては、その事務は他の府県の地方労働委員会の事務に比しまして相当繁忙でありまして、その事務の処理を迅速にし、労働組合法及び労働関係調整法の施行を円滑にいたしますためには、これらの地方労働委員会の定数を増加する必要が認められるに至つたのであります。尚これにつきましては、昨年秋行われました第四回の労働委員会連絡協議会におきましても、定数の増加が強く希望されたところでございますので、ここにこれら地方労働委員会の定数を、東京都地方労働委員会の定数と同じく、使用者委員、労働者委員及び公益委員を各各二人増加して各七人といたしますために、この法律案を提出いたしました次第であります。
 何とぞ御審議の上速かに可決あらんことを切望いたします。
#4
○理事(平野善治郎君) それでは只今政務次官から提案理由の説明がありましたが、これから質疑を行いたいと思いますから、御質疑のある方はお述べを願いたいと思います。
#5
○原虎一君 審議いたします前に、別に労働大臣の出席を言つておかなかつたのですけれども、今日は大臣はざうなんですか。
#6
○理事(平野善治郎君) 先程大臣が見えられまして、今日は司令部の方と打合せの関係がございましてそちらの方に行つておるからという話でありましたので、委員長の方から了解を與えて向うが済めば来て貰うということにしてあります。
#7
○原虎一君 北海道と大阪、福岡、この三カ所に二名ずつ殖やして七名ずつの委員にするのでありますが、その他にも陳情している県が、例えば愛知、神奈川と、これなんかは労働省自体どう考えているんですか。
#8
○政府委員(賀來才二郎君) 只今原委員から御指摘の通りに、神奈川県、愛知県、兵庫県からも定数を増加して貰いたいという意向が示されておるのであります。と共に、全国地方労働委員会の協議会におきましても、これは特別に指定はなかつたのでありますが、これらの県において、定数を殖やして貰いたいという御意向が示されておるのであります。そこで労働省といたしましては、昨年本法案の改正を審議せられましたときに、東京都を取敢ず七人にするということになりました際、いずれその他の府県につきましては逐次研究をして必要が認められるに至つたならばやるということにいたしておりました関係もありまして、いろいろ研究をいたしたのであります。その結果一つの方針といたしましては、実は関係筋におきましてもこの日本の労働委員会の委員定数は五人づつでも多きに失するという考え方を聞いておつたのであります。それはそれといたしまして、日本の実情といたしましたはいろいろな沿革もあり、又実際の状況の問題もありますので、そういう御意向に拘わりませず、まあ最小限度でやつて行こうということでやつて参りました。で、この増加いたしまする標準といたしましては、労働組合数、事業場の数、労働組合員数、争議発生件数、争議の労働委員会の調整件数、調停その他をやつた件数、それから資格審査の件数、不当労働行為の取扱件数、これらの状況を比較をいたしまして、今度の大阪、福岡、北海道は東京に次ぐ順位にあるということになりましたので、取敢ずこの三府県を選んだのであります。
 そこで神奈川はどうなるか。いろいろ研究をいたしてみますと、争議件数、二十四年の十二月から八月の争議発生件数と、それから二十三年及び二十四年の争議関與件数、調停いたしました件数、これは大阪に次いで福岡、北海道と相前後する状態ではありますけれども、三者構成を以て処理いたしますところの調停件数におきましては、この件数の程度でありますれば別に五人五人で支障はないと思われるのであります。尚調停件数以外の不当労働行為の取扱の件数、これは昭和二十四年の一月から八月の平均を取りますと、福岡県一人当り五・三件、大阪府が二・二件で、それに対しまして神奈川県は〇・九件、全国平均が〇・六件になつておるのであります。従つて又管内の労働組合数、事業場数等はいずれも大阪府、福岡県及び北海道よりずつと少くなつております。資格審査件数を見ますと、全国平均以下になつておるのであります。又管轄指定をやつておるかどうかということを見ますと、二十四年にただ一件だけ管轄指定をやつておるという状況でありますので、目下のところはまだ増員をする必要がない。
 愛知県は労働組合数、事業場数等は、大阪府、福岡県及び北海道は相前後しておりますが、争議発生件数は、いわゆる地労委の調停件数、取扱件数及び資格審査件数等いずれも全国平均以下の状況であります。不当労働行為の取扱件数が北海道よりやや上廻る程度であるという現状でありますので、これも目下のところ五人でいいのじやないかという考え方を持つております。
 兵庫県は労働組合数、事業場数等におきましては、愛知県同様大阪、福岡、北海道に次いでおりますが、地労委の争議関與件数、不当労働行為件数及び資格審査件数等は、いずれも全国平均と相前後する状況であるわけであります。管轄指定というのも一件しかないのであります。さような関係から取敢ず目下のところでは五人でよかろうという考え方を持つておるのであります。この三府県を指定いたしました理由は、先程申しましたように、労働組合数、事業場数、労働組合員数或いは取扱件数等をずつと比較したわけでありますが、この他にもう一つの理由としては、大阪府にありましては、私鉄関係で、あの大阪を中心にして関係府県に及んでおります私鉄があります。それで兵庫、京都、奈良等に関連いたしますところの、三府県以上に関連する争議を大阪でたびたび扱わしておるのであります。
 福岡県におきましては、金属工業或いは電産、或いは石炭等で、やはり九州一円、乃至は二、三府県に関連するものを取扱わしておるのであります。ところが京都、兵庫、或いは愛知、神奈川なんかが少い。北海道におきましては非常に区域が広いので、委員の数はやはり七人でありませんと現地調停ということをよくやりますので、札幌におきましては委員定数を欠くということがありまして、どうしてもこれは七人に殖やさなければ機能の発揮ができない。こういう神奈川、愛知、兵庫とは事情が違います理由もあるわけでありまして、かような意味におきまして目下のところでは、この三府県に止めたい、これは先程申しましたように、関係筋の意味もありまして、最小限度に止めたい。この点は関係筋と連絡しましたところが、この三府県については止むを得ない事情であると認められて七人にすることを認めよう。こういうことになつておるのであります。併しながら我々としましては、その筋の意見はともかくといたしまして、やはり原則としては成るべき最小限度に止めて置きたい。委員の数を殖やすこと自体が委員会の能率自身をどうこうするということでもないと思うのでありますが、併しながら飽くまで将来も絶対に殖やさんという考え方ではないのでありまして、もう暫くこの三府県の実情の推移を見ました上で考慮いたしたい。今回につきましてはこの三府県で行きたいとかように考えている次第でございます。
#9
○原虎一君 今労政局長の説明がありましたけれども、この説明書に参考資料が出ておりますが、これは資料を調査した期間がちつともないのです。ですから期間ははつきり言つて貰わんと、成る程説明はよく分りますけれども、いつからいつまでの間にやつたか、期間のずれによつて、例えばそれ以上に神奈川県は事件を多く扱つたかも知れない。そういう問題が出て来ますね。
#10
○政府委員(賀來才二郎君) お手許に差上げました資料の書き方が不十分でございまして、この点申訳ないのでございますが、大体二十四年の一月から八月までの資料が主になつているのでありまして、組合員数等は昨年の調査の現在でやつておりますが、取扱件数につきましては、二十四年の一月から八月までというのを主といたしているのであります。
#11
○原虎一君 もう一点は、今度増員する三府県と同様な、又これに近い状態に来れば増員の可能性が生ずるかどうかこの点をお伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(賀來才二郎君) 我々の考え方といたしましては、この三府県と同様の状態になりますれば、やはり同じような取扱をすべきものだと考えている次第でございますが、先程ちよつと申しましたように、関係筋の意見といたしましては、日本の組合法の委員定数は多きに失する。御承知の通りに、アメリカにおきましては一人乃至三人という程度でやつて相当能率を上げている。今数が多いから適当でないという意見がございますので、その点の調整につきましてはここに申上げるといたしまするならば、非常に困難な状見にあるのではないかと考えております。
#13
○原虎一君 労政局長の答弁で、日本の労働組合の数の実情、要するに日本の労働組合運動、及び労働組合ばかりでなくて資本家陣営においてもアメリカの比ではないのです。その点を関係筋からそう言われるから困難だと言われるが、もつと実情からして……一体労働省、労政局長は、日本の実情から必要なのか、日本の実情から必要だけれども飽くまで関係筋はそれを承解しないのか。原則的にやつぱり労働省は少数委員がいいのだ、日本のような細かい組合は、職場組合が主になつているような労働組織状態において、アメリカのような五十万百万というような大組合の産業別の組織は強力になつている国と同じように考えているように聽えるのですがそうじやないと思いますけれども、これは日本の労働省自体がどう考えているのかはつきりしない。その点を私は聽きたい。
#14
○政府委員(賀來才二郎君) 労働省といたしましては、今日までの五人、五人、五人の編成がこれは武過ぎるという結論には達していないのでありまして、御指摘のように、日本の労働組合運動の現状或いは使用者の置かれておりまする経済上の環境の問題の内容、所在等も考えまして、さような結論を出しているわけではございません。ただ将来に向いましては、この労働委員会の編成の数につきましては、研究の余地はあるということは考えておりますが、目下今日まで来ました現状から、将来も必ずこれをその関係筋の意見のように感じなければならんと考えているわけではございません。ただ先程私が申しましたのは、我々といたしましては、今度の三府県と同じように他の府県でも必要が生じて来ましたならば、そういうふうに考慮したいと思つておりますけれども、関係筋はかよう、かようの意見を持つておりますので、その際にはやはり非常にそういう意見を向うが言いまして至難なような状見が出るのではないかということを申した次第であります。
#15
○理事(平野善治郎君) 他に御質問ございませんか。……他に御発言もないようでありますから、質問は終了いたしたことに取扱つて差支ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○理事(平野善治郎君) 御異議ないものと認めます。尚本日の委員会は都合によりまして質疑の段階までに止め、討論及び採決は次回に讓りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○理事(平野善治郎君) 御異議ないものと認め、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           平野善治郎君
           城  義臣君
   委員
           原  虎一君
           一松 政二君
           田村 文吉君
           中野 重治君
           鈴木 清一君
  政府委員
   労働政務次官  新谷寅三郎君
   労働事務官
   (労政局長)  賀來才二郎君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト