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#1
第096回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第6号
昭和五十七年四月二十八日(水曜日)
   午前十一時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     秦   豊君     前島英三郎君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     斎藤栄三郎君     高木 正明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  稔君
    理 事
                中西 一郎君
                降矢 敬義君
                村上 正邦君
                福間 知之君
                多田 省吾君
    委 員
                井上  孝君
                小澤 太郎君
                小林 国司君
                斎藤栄三郎君
                高木 正明君
                田沢 智治君
                玉置 和郎君
                名尾 良孝君
                中村 啓一君
                鳩山威一郎君
                円山 雅也君
                野田  哲君
                宮之原貞光君
                大川 清幸君
                峯山 昭範君
                近藤 忠孝君
                栗林 卓司君
                前島英三郎君
   委員以外の議員
       発  議  者  金丸 三郎君
       発  議  者  松浦  功君
       議     員  青島 幸男君
       議     員  中山 千夏君
   国務大臣
       法 務 大 臣  坂田 道太君
       自 治 大 臣  世耕 政隆君
   政府委員
       自治省行政局選
       挙部長      大林 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(第九十五
 回国会金丸三郎君外四名発議)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上田稔君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、秦豊君が委員を辞任され、その補欠として前島英三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上田稔君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 この際、お諮りいたします。
 委員外議員青島幸男君及び中山千夏君から本法律案の質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(上田稔君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、まず青島君に発言を許します。青島君。
#5
○委員以外の議員(青島幸男君) 前回の委員会におきまして、私は今度の法改正の理論的な根拠あるいはたたき台になります資料提出を要求いたしました。昨日資料として私どもの方にお渡しいただきましたものは、この法改正の論理的な根拠あるいは立法根拠になるとはゆめゆめ思えないほどのものでございます。さらなる詳細な資料をお出しいただくことを改めて要求いたしますから、委員長並びに理事の方々にこの旨十分御検討いただきたいと思います。
 残りの時間は保留させていただきます。
#6
○委員長(上田稔君) ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(上田稔君) 速記を起こして。
 ただいまの資料要求については理事会においてお諮りをいたします。
 次に、中山君に発言を許します。中山君。
#8
○委員以外の議員(中山千夏君) 前回、ふさわしい人をより得やすい制度になるかどうかということについてもっぱらお話を伺ったのですけれども、きょうも少し最初にそのことに触れたいと思います。
 まず、法務大臣にちょっとお伺いをしたいのですけれども、裁判官というものもやはりよりふさわしい人を持つ必要が国民にとって非常にあると思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
#9
○国務大臣(坂田道太君) そのとおりだと思います。
#10
○委員以外の議員(中山千夏君) その裁判官の場合、よりふさわしい人をどのような方法で選んでいるんでしょうか。
#11
○国務大臣(坂田道太君) これは私の所管ではないものですから、最高裁判所からお答えいただきたいと思います。
#12
○委員以外の議員(中山千夏君) それでは、私が少し承知しているところで話を進めたいと思いますけれども、裁判官の場合ですと、司法試験があって、その後研修の中で裁判官になるという意思を抱いた人たちも、それぞれその裁判所の中で適正である、ふさわしい人であるかどうかということを見ながら裁判官として登用していくというふうに裁判所の方で伺ったことがございます。
 そうすると、議員の場合、ふさわしい人として選ばれるかどうかというのが、裁判官で言えば司法試験なり何なりに当たる部分が、現在のところ選挙そのものに当たっていると私は思うのですけれども、発議者はどうお考えになりますか。
#13
○委員以外の議員(金丸三郎君) 仰せのとおりだと思います。
#14
○委員以外の議員(中山千夏君) 改正案ということになりますと、そういう性格を持った――つまり現行法では、選挙というものの中で一般の人々、資格を持っている有権者の選択によってふさわしい人々が選ばれていく。ところが、改正案になりますと、その選挙以前に何の法的資格もない者が何の法的基準にもよらずにふさわしい人を限定してしまうことになると私は考えるわけです。
 現行ですと、発議者の方も何度も言っておられるように、全然制限がないわけではなくて法に定められた制限がありますね。だけれども、それは年齢とそれから刑罰に関する若干の条項等でして、大変に範囲の広い法的限定だと私は思うんですね。ふさわしい人の法的限定、つまり立候補者の法的限定が非常に広い。それから今度選ぶ側の人のことを考えますと、やはり年齢の基準、それから選ばれる側の人と同じ規定が若干年齢以外にある。そういう全有権者がふさわしい人を選ぶことのできる法的資格者だということに現行ではなっていると思います。
 ところが、改正法ではふさわしい人の法律的な限定、つまり立候補の権利が著しく狭められると私は思うんですね。そして、有権者の方を考えましても、ふさわしい人を直接自分が選ぶという、こういう権利は取り上げられまして、その権利にあくまで固執するという有権者は、何度も発議者がおっしゃっているように、やむを得ないといって選挙から締め出されてしまうわけです。現行法でいきますと、人より党を選ぶ有権者にも、それから党より人を選ぶ有権者にとっても、ひとしく選ぶ権利を保障しているわけですね。その現行法に比べると、改正案は明らかに有権者の権利をも、そして立候補者の権利をも著しく狭めるものだと私は考えるのですけれども、いかがでしょうか。
#15
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私どもは有権者、選ぶ人の側から考えてみました場合、現在は個人本位の選挙制度になっておりまして、しかもたびたび申し上げましたように、百名内外の候補者があり、その中から一人を選ばなければなりませんので、選ぶ権利としては、選ぶ立場から見ましても現在の全国区の制度はなかなかむずかしい制度である、かように考えておるということはたびたび申し上げております。したがいまして、それにかえて政党がいわば中間と申しましょうか、候補者を選択して、そして一括して八千万の有権者に提示して判断を求めるということでございますので、一面から申しますというと、有権者のサイドから選びやすくなる面も私はあるのではなかろうかと思います。選ばれる人の立場について見ますというと、仰せのとおり全く個人の人が立候補できないという点では現在よりも制限が出てまいることはそのとおりでございますけれども、選挙全体を有権者の立場、選ばれる人の立場、同時に選挙運動にまつわりますいろいろな弊害、そういうものを総合的に判断いたしまして、個人本位の現在の立候補の制度よりも、政党が名簿をつくって候補者を提示して国民の判断を求める方が私どもはよろしいのではなかろうかと、かように考えてこのような案を提示したわけでございます。
#16
○委員以外の議員(中山千夏君) 提示なすったくらいですから、改正案の方がよいとお考えになっていらっしゃることはよくわかっているわけです。ですけれども、本当にいいかどうかということについてわりあい個々に細かく提案なすった理由についてお話をしたいと思っているものですから、全体的なよしあしは別といたしまして、その有権者の権利あるいは立候補者の権利が狭まるのではないかという御質問を申し上げたわけです。そして、いまお答えの中で確かに立候補者の方の権利は狭まるであろうとおっしゃいました。有権者の場合には、ちょっとお話のすりかえが私はあると思うんですが、選択がやさしくなるということをおっしゃって、権利が狭まったか狭まらないかということにはお触れにならなかったんですが、私が説明しましたように有権者の権利、投票する側の方の権利も現行法よりは狭まるのじゃないですか。
#17
○委員以外の議員(金丸三郎君) 有権者の方は、どのような候補者に投票するかという基本的な権利については私は変わりはないと、このように思います。制度の問題として立候補がどのようになるかという問題じゃございますまいか。立候補につきましては、全く個人ではできなくなるという点については現在よりもいわば制限が設けられるかと思います。これはそのように申していいと思いますけれども、有権者の権利と申しましょうか、選挙資格を持っておる人については私は変わりがない。立候補の制度の問題であって、これは法律事項として立法政策で国会で決める問題であって、それによって法律が決めればよろしいのではなかろうか、立法政策の問題に帰着するのではなかろうかと、私はこのように考えるものであります。
#18
○委員以外の議員(中山千夏君) 法律的なことは私は暗いですけれども、これは簡単な理屈だと思うんです。つまりいままでは党よりも人を選ぶという人も、人よりも党を選ぶという人も等しく選挙に参加できるという広いふところがあるわけですよ、現行法は。ところが今度は、いまおっしゃったように立候補者に制限が加わったために、個人に投票したいという意向を持っている人は投票できなくなるわけですね。どうしても個人に投票したいということに固執をすると、これはいつも金丸さんがおっしゃっているように、やむを得ないということでそういう方は投票できないというふうになってしまうわけです。だから、どう考えたっていままでと全く有権者の権利は同じなんだということは言えないと私は思うのです。どうでしょうか。
#19
○委員以外の議員(金丸三郎君) たびたび申し上げますように、有権者のサイドと立候補しておられる候補者の立場とがあるわけでございますが、私は有権者の立場から見ますというと変わりはない。立候補の制度についていまは個人本位の立候補の制度になっておる。それを政党のいわば政党本位といいましょうか、というように今度はがらっと変えるわけです。
 だから、立候補の制度として拘束名簿式の比例代表制によって変わってくるので、これは私やっぱり立法政策の問題としてやむを得ないと申しましょうか、有権者が候補者を選ぶにつきまして、個人個人が立候補なさる選挙と政党本位で候補者が選ばれてくる制度で今度は制度が違ってくるのだから、これは立法政策の問題として私はやむを得ないと申しましょうか、の問題で、結局立法政策として、従来のように個人本位の選挙制度がいいと考えるか、いろいろな問題がございますので、政党本位の団体のいわば立候補の制度に変えるのがいいのか、私はやはりそこの問題に帰着するのではなかろうかと思います。
#20
○委員以外の議員(中山千夏君) 余り時間もありませんので、この問題をおわかりいただくのはあきらめます。
 次に、またちょっと裁判官の場合の例を出しますけれども、裁判官の場合は定年がありますね。議員の場合は定年がありませんね。これはどういうことだとお思いになりますか。
#21
○委員以外の議員(金丸三郎君) 被選挙資格については衆参両院に二十五歳、三十歳という制限がございます。それ以上の人であればいわば政治的な判断能力を十分に備えておるという考え方のもとに立候補が認められているわけで、それ以外に制限がございませんのは、一に有権者の判断によって決定されることだからほかの制限が設けられてないと、このように考えます。
#22
○委員以外の議員(中山千夏君) 全く私もそのとおりだと思います。それで、裁判所の方とこのことについてちょっと私もお話をしたときに、やはり同じようなことを言っていらっしゃいました。つまり選挙によってもし有権者が老齢な方をふさわしくないというふうに考えた場合には淘汰されていくだろう、だから議員の場合は定年がないんでしょうというふうに裁判所の方もおっしゃっていました。
 こういう考えは私はすごく大事だと思うのですね。たとえ有権者が老齢議員を多く選ぼうと、それから金権候補を選ぼうと、それから女だとかタレントだとか、または身障者だとか、そういういろいろな人たちをどんなふうに選ぼうと、それは有権者の選択を尊重して選ばれた人はみんな議員としてふさわしい人として認めていこうと、これが民主主義の基本ではないかと私は思うのです。
 それが改正案ですと、簡単に言いますと、この言葉も何度も発議者がおっしゃっている言葉ですが、各政党の良識にふさわしい人の選択がまず任されてしまうわけですよ。ここが私よくわからないのですけれども、つまり有権者の一人一人の方たちの良識に任せようというのは非常に納得できるわけです、民主主義だからなるほどそうなんだなと。ところが、まず最初に各政党の良識を信じろ、良識に任せろと言われますと、何によって私たちは各政党の良識を信じなければならないのかなと思うのです。その根拠を示してほしいのです。
#23
○委員以外の議員(金丸三郎君) 各政党の良識にまつと私はお答え申し上げておりますが、その根拠と申しますと別にございません。やはり各政党は究極的には自分たちの政策を実施したいわけでございますから、選挙に臨む以上はできるだけりっぱな候補者を選び、一人でも多くの国会議員を当選させて、そして目的の達成に努められるのが当然であろうと思いますので、各政党は良識によってりっぱな候補者を私は名簿にお載せになるだろうと、こういう意味で申し上げておるわけでございます。
#24
○委員以外の議員(中山千夏君) 私は時間がありませんので次に移りますけれども、これは大変なことだと思います。つまり各政党の良識というものが今度の改正案になりますととても大きな問題になってきますね、まず候補者名簿の選択が行われるときに。その候補者名簿を選択されたそういう政党しか有権者が選べなくなるわけですから、個人つまり一人一人の有権者の意向であの人この人というふうには選べなくなるわけですから、とても重要な問題ですね。その重要な各政党の良識というものが何によって成り立っているのか、各政党の良識に任せなければならないということが何によって成り立っているのか、その根拠が全然ないというのは私は大変な問題だと思います。
 次に、有権者にとって候補者の選択が著しく困難な現状というのを一つの理由に挙げてらっしゃいます。これが改善されるかどうかをちょっとお伺いしたいのですけれども、今度政党本位の選挙にしようとなすっているわけですから、まず有権者にとりまして政党とは何かということが大変問題になってくると思うんです。一般の政党に対する認識が高くなかったら政党本位の選挙というのは混乱するだろうと思います。
 有権者の政党に関する認識ですとか、それから各政党間の違いについての認識を調査なすったことがございますか。もしございませんでしたらどのように感じていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
#25
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私は、わが国におきましては衆参両院の選挙、それから都道府県の知事の選挙、それから都道府県の議会の議員の選挙、これは相当に政党的に行われておる実情にあると思います。また、この委員会を見ましても、わが国の重要な政党が集まっておいででございます。私どもは、政党は法律で余り規制ができない、やはり選挙の後で政治的な考えが変わりましたりして新しい政党ができたりするわけでございますので、その現実も無視することはできませんけれども、現在わが国におきましてほぼ政党が出そろっておる、と言うと何か大変言い分がおかしゅうございますが、日本にはれっきとしたいま政党が存在をしておる。この政党がやはり国民の評価を得て、各種の政治的な活動あるいは文化的な活動あるいは経済的な活動、いろいろな活動を行っておられるのでございますので、私は国民といたしましては衆参両院に政党として現在ございます政党を信頼しておると、かように考えてよろしいのではなかろうかと思っております。
#26
○委員以外の議員(中山千夏君) またちょっとお答えがずれているんですが、信頼しているかどうかを伺っているのじゃなくて、政党というものについての認識、それから政党間の違いについての国民の認識というものがどのようなものであるか調査されたことがあるか、あるいはないとすればどのように感じていらっしゃるかということをお伺いしたのですけれども。
#27
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私どもが調査したことは記憶にございません。国民が各政党をどのように考えておるか、そういう調査につきましては私よくわかりませんけれども、また国民が各政党をどのように考えておるかということは、ほぼ常識的に保守的な政党あるいは革新的な政党、また各政党のそれぞれの政策につきましては国民は相当に理解をしておられる。世界各国つまびらかではございませんけれども、日本の選挙民の政党や政策に対する理解は相当高いと、このように考えてよろしいのじゃなかろうか、私はそのように考えております。
#28
○委員以外の議員(中山千夏君) ぜひ一度調査をなすってみていただきたいのですが、なるほど政党に対する認識が高いというふうに考えていらっしゃるなら、こういう案をお出しになることも理解できる気がします。
 ですが、私も調査というものは見たことがありませんけれど、金丸さんと全然違う感じを持っています。それはちょっと例を挙げてみたいんですけれども、巷間非常に多々あることを、私の目で見ましたことを例に挙げてみたいんですが、まず第一に会派と政党の混同というのは一般社会では普通なんですよ。もちろん院内会派と政党とは違うものでして、たとえば二院クラブは院内会派ですね。それから院内の場合は自由民主党・自由国民会議ですか、と言ってもこれは院内会派で、けれども外で活動する場合には政党というものがあるという別がありますね。私もこう政治に深くかかわるまではそんなことわからなくて、二院クラブというのは政党かと思っていました。こういう考えを持っている方がすごく大いんですよ。会派と政党というのを混同している方が多いんですね。これは参院の政党化が大変に進んで、そして政党の院内での拘束力が強いため、これはいいとも悪いとも私は評価していませんよ、強いためだといべふうに私は原因を考えています。
 それからもう一つは、あるAという政党とそれからBという政党、あるいはABCという政党の混同というのが一般では大変よく見られます。もちろん余り自民党と共産党を混同するというような人は珍しいんですけれども、社民連と新自由クラブとか、それから私なんかは革自運という、これも政党とは何かということを突き詰めていくと、われわれは政党ではないと考えているけれど、政党とも理解できるというような団体ですが、その社民連に私は社民連の一員として、これは新聞の調査ですけれども、一員として入れられたことがございます。こういう政党の混同というのは、これも私の原因推測をしたものですけれども、政党の内容広報が行き届いていなくて、そして選挙のたびに名やイメージばかりの宣伝を行ってきたせいじゃないかなと私は考えているわけです。
 それからもう一つは、投票するときに、参議院の場合です、自民党の支持者が、明らかに自分は自民党支持であるとおっしゃっている方が全国区では反自民党のタレントに入れてしまう。あるいは地方区では非常に自分にいろいろな縁のある政党の方に投票して、全国区では無所属タレント候補に投票するなどという例がごく普通なんですね。そうじゃなかったら、たとえばわれわれでいくと、単純に言うと、全国区で高い得票を得たから地方区に行けばとれるかというと、そうはいかないというのはそのいい証拠だと思うんですけれども。こういう現象が起きるというのは、やはり選挙のときに各候補が名前ばかりの宣伝をしてきたせいじゃないかなと私は思います。それと金や地縁、血縁の選挙を行ってきたせいなんだろうと思います。
 それからもう一つ、これは重大なことなんですけれども、報道機関ですね、新聞社などでも、政党というものは何なのかということについてはっきりした基準というのがないようなんですね。これは私たちが革自連をつくって七七年に選挙に臨んだときに、各新聞で非常に扱いが違うのでわかったことで、新聞社に電話をして各新聞社に聞いてみますと、各新聞社によって政党扱いをするところしないところというふうに非常に違いがあるわけなんです。つまり報道の中でも政党というものの認識は確定していないというのが私の見方なんです。
 それで、有権者にとってこういう現状の中で政党を選ぶことが人を選ぶことよりも簡単だというふうには私にはとても思えないのですけれども、いかがでしょうか。
#29
○委員以外の議員(金丸三郎君) わが国の政党全部を考えてみました場合に、国民のサイドから見ましてきわめてはっきりわかっておる政党も私はたくさんあると思います。政党の中でまだ少数政党でございましたり、比較的最近に結成された政党もございますから、その政党の政策の違いとかいうような点について国民が十分に理解しにくい場合もこれは私はあろうかと思います。これは今後やはりそれぞれの政党が国民に対する理解を深めていただくような努力が必要なのではなかろうかと思います。
 それから、政党の基準がはっきりしないということでございますが、これは私は政治団体なのか政党なのかということになりますというとなかなかわかりにくいと思います。これはわかりにくいのが現実であろうと思います。だから、そこはやはり政党なりとして扱われるような実態をその政治的な団体がお備えになることが大事なので、これは政治活動自身によって単なる政治団体なのか政党の扱いを受けるようにするか、その団体の御努力のいかんではなかろうか、私はかように考えます。
 また、現実の国民の投票の問題でございますが、地方区と全国区につきましては私は異党派投票が普通とは思いません。やはりどちらかと言えば、保守系の人は地方区にも保守系の地方区の人に投票をし、全国区もそういうふうに投票をする。ただ保守にしようか革新にしようか迷っている方もございましょう。また、信念として保守だけれども、個人的に全国区の人をよく知っているからということで異党派投票があるのも私は事実であろうと思いますけれども、日本の最近の投票の傾向から申しますというと、革新かあるいは保守か、あるいは先生方のようにどの政党にも属さない純粋の無所属の方の方がいいという国民もあることは私は現実だと思いますが、総じて申しますというと、革新的な考えを持つ有権者は地方区も全国区も革新的な候補者に入れ、保守系の人は両方そうする、私は多くはそういう傾向ではなかろうか、かように考えます。
#30
○委員以外の議員(中山千夏君) そんなことはないみたいですよ。この間の選挙が終わった後で新聞社の方がコンピューターで出した私の票の分析というのを見せていただきましたら、もう保守から革新までいろいろ入っているという状態でしたし、それだけ有権者の方々が政党のこともよくわかり、なおかつその個人も見て選んでいらっしゃるとすれば、先日青島さんも指摘なすったように、党が一つのセットをくくって出す、その中のメンバーをまず見てその人たちがどういう人たちかということを見る、それから政党自身のどの政党が自分はいいかということも考えるという二重構造よりは、ある人々の名前が書いてあって、この人はどういう人で何党に属しているかというその一人一人を選んでいった方がずっと簡単だと思うんです。
 これはちょっと自治大臣にお尋ねいたしますけれども、よりややこしくなるのじゃないかという心配、不安はお持ちになっておられないですか、本当に。いかがでしょう。
#31
○国務大臣(世耕政隆君) 別に余り持っておりません。
#32
○委員以外の議員(中山千夏君) 投票所に参りますね、そうすると、具体的にはいまは立候補者の名前を書いた紙が張ってありますね。あれは今度からはどうなるんですか、具体的には。それをちょっとわかったら教えてください。
#33
○政府委員(大林勝臣君) 投票所における設備といたしましては、現在は個人名の立候補者がくじの順番で掲示されておるわけでありますが、恐らくこういう新しい制度になりましたら、各政党から候補者名簿が出てまいりますから、各政党の候補者名簿を従来の個人の掲示にかえて投票所の記載台の上に掲示をするというかっこうになろうかと思います。
#34
○委員以外の議員(中山千夏君) 細かいことですけれども、いままで現行ですと抽せんで掲示する順番というのは決めていたそうですね。今度は政党が抽せんをするということになるわけですか。
#35
○政府委員(大林勝臣君) そのあたりは結局、政党の名簿の並べ方、これを抽せんによって決めるということになると思います。
#36
○委員以外の議員(中山千夏君) 私はよけいややこしくなって選挙管理が大変であろうというふうに思うんですけれども、時間がありませんので次の問題に移ります。
 多くの候補者にとって膨大な経費を要する現状が改善されるだろうかということです。私はなぜ違法まで犯して名を売ろうとするのかというところがどうしてもわからないんです。一握りの有名人がたくさん得票してしまうとあとみんなおっこっちゃうというならわかるわけです。だけれどもどうしたって上から五十人は入るわけでしょう。そうしたら、みんなが違法を犯すほどの良識のないことをやらなくても、良識内でやっていても条件は同じなわけですから順番に五十人は当選するわけですね。その中でどうしてやたらにお金を使ったり時には警察につかまったりしながら選挙をやるんですか。
#37
○委員以外の議員(金丸三郎君) 中山先生は特別にお強いからそういう御経験やら御心配がないかもわかりませんけれども、たびたび申し上げておりますように、現在の全国区の選挙を個人本位で行いますと、地域は広大でございますし、有権者の対象者は多うございますし、やはり一年、二年前から準備していかなければなりませんので、買収とかそういうようなことじゃございませんけれども、私は準備のために非常に多額の経費を要しておる、これが実情なんだと、かように考えます。
#38
○委員以外の議員(中山千夏君) 私は広過ぎたりすることが原因じゃないと思うんですよ。それだったら衆院の選挙とか地方区の選挙で違反が出るわけないでしょう。だから広過ぎることが原因じゃないのじゃないですか。
#39
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私どもは広過ぎるからだと、このように思います。衆議院につきましていろいろやはり金がかかりますが、これはまた選挙区が小さくて、複数の人で激烈な戦いが行われますので、激烈だから必要な面があるんだろうと思います。
#40
○委員以外の議員(中山千夏君) やはりいまおっしゃったことが参議院全国区にも当てはまるんじゃないですか。激烈だからだと私は思いますよ。つまり、とにかく五十人当選すればいいやと思って立候補しているわけじゃなくて、どうしてもみんな自分が当選したいと思うわけですね。それで自分が当選するためには人よりも一票でも多く集めなければならないという考え方があるわけですよ。私はそれが特に悪いとは思わないわけです。つまり、議員にならなければ自分の政治的な意図というものを実現できない、どうしても当選したいという考えは、プロの政治家の立場としてはそれなりに私、認められると思うわけです。だけれど、それだから違法も辞さないと、それから非常識なお金の使い方も辞さないということになりますと、これは良識の問題になってくると思うわけなんですね。残念ながらいまは、多くの方が事前運動も含めて、金丸さんもおっしゃっていらっしゃるように、違法か違法でないかは別としまして、ぎりぎりのところで多額のお金を使っているということでしょう。そうですね。
#41
○委員以外の議員(金丸三郎君) そうでございます。私はやはり非常に広大な選挙区であることが現在の全国区の選挙にたくさんの経費が必要になっておる大きな原因の一つだと思います。
#42
○委員以外の議員(中山千夏君) 私は広大だからだと思わないのですよ。広大な選挙区だってみんなが、これはちょっと軍備と話が似ていますけれど、つまり向こうがこれだけやればこっちもこれだけやると、だんだんふえるわけですよ。広大だって、みんなが良識の上で申し合わせをして、そのための法律だってあるわけですから、その上でみんなが良識的なお金の使い方をしていたらふえないわけですよ。だけれど、お金がどんどん使われていくというのは、やっぱりほかならぬ自分が当選したいという気持ちが――それはプロの政治家として決して悪いことではないと思います。そういう気持ちがあるからだと私は思うんですね。
 そうすると、現在は実質的に政党主体の選挙になっていますね、いまの状態は。その中で立候補してたくさんお金を使っている方々というのは、ほとんど全員がこれは政党に属する方でしょう。
#43
○委員以外の議員(金丸三郎君) 政党には属しておりますけれども、個人本位でございますから、選挙に要する経費は政党が全部はとても私は賄えていないと思います。個人個人の候補者がやはり努力をなさって事前に必要な経費をば賄っていらっしゃる。選挙でございますからもちろん立候補した方はぜひとも当選したいということで一生懸命に御努力をなさる。これがエスカレートする面もございましょうが、参議院の全国区の制度を考えてみますと、やはり北海道から沖繩まで八千数百万の有権者がいるということが全国区に大変な経費がかかっておる大きな原因だと、これは認識の相違かもわかりませんけれども私どもはそういう考えでございます。
#44
○委員以外の議員(中山千夏君) 認識全然違いますね。それから一般の世間では、広過ぎるからというよりも、広過ぎることはむしろ副次的な原因でして、その前に自分が当選したいという気持ちがあるからやはりどんどんお金がエスカレートしてかかっていくんだというふうに思われていますよ。で、当選するために現在多くの人たちが法改正を促すほどの多額のお金を使っていらっしゃるというお話ですね。そうすると、そういう人たちの多くが政党に属していらっしゃる。その方たちががらっとかわるわけじゃないわけでしょう。そうすると、政党本位の選挙になったって、やはりほかの党より一票でも多くとりたいし一議席でもふやしたい。そのためにはうんとお金を使ってしまうということになるだろうと当然思います、いまの良識があるとはとても思えないお金の使い方を見ていますと。それから名簿式にしますと、やはり順位の下の方にいる方は当然必死になるだろうと思いますよ。そんな中で党全体と立候補者たちが良識を失わずにいられるというふうには、現状から見てとても私には考えられないんです。ですから、金のかからない選挙には絶対ならないと私は考えています。
 時間がないので次の問題に移りますけれども、これはもう少しお話ししたいのですけれども次の機会に譲って、四番目に、「政党が議会制民主主義を支える不可欠の要素となっており、また、国民の政治的意思形成の媒介として重要な機能を果たしておる現状に目を向ける必要がある」と、こういうふうに言っておられますね。目を向けた結果としてやはり政党政治の質的な向上というものが得られないといけないのではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
#45
○委員以外の議員(金丸三郎君) 今後そういう方向で私は各政党とも当然御努力をしておいでになると思います。
#46
○委員以外の議員(中山千夏君) 先ほど読ませていただいた文章の中で「政党」と書かれているのは、既成の有名な政党のみを指すわけですか、それとも一般的な政党という意味ですか。
#47
○委員以外の議員(金丸三郎君) 一般的な政党と考えております。
#48
○委員以外の議員(中山千夏君) ではお伺いしたいのですけれども、政党政治の質的な向上を考える場合に、新しい政党、それから小さな政党、こういうものの価値をどのように考えておられるでしょうか。私は新政党の誕生や小政党の伸長、進出などというものは、その可能性が高いということは政党政治の質的向上にプラスではなかろうかと思うのですが、いかがでしょう。
#49
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私もそのように思います。
#50
○委員以外の議員(中山千夏君) そこでまたわからなくなっちゃうんですけれども、そのようにお考えにならないんであればこの改正案は筋が通っていると思うんですよ。これは何度もおっしゃいますが、現行選挙で有名人の人は楽だという感じでおっしゃいますけれども、その有名人と無名人の得票のありようといいますか、そういうものが改正になればそのまま政党の上にあらわれてくるわけじゃないですか。既成の有名な大政党が著しく有利になって、そして新政党や小政党の進出は現在以上に困難になる、これは普通の理屈だと思うんですね。この点でも私は反対なんですが、いかがですか。
#51
○委員以外の議員(金丸三郎君) 比例代表という制度は、私から申すまでもございません、少ない得票でございましても国民の有権者の意思を国政に反映させるためにそれに応じた議席の配分を行うという制度でございますから、私どもは大政党に有利、小政党に不利ということはないと思います。また政党の活動は平等でございますから、これはやはり大政党と言わず、あるいはまた小人数の政党と言わず、それぞれ御努力をなさってそれぞれの政党の拡大にお努めになっていくであろうし、おいでになればいいのではなかろうか、かように考えます。
#52
○委員以外の議員(中山千夏君) 比例代表制の問題じゃなくて、つまり最初に票が集まるときの状況について有名人と無名人みたいなことが出てくるんじゃないかということを私はお伺いしたのですけれども、それは次の機会に時間がないので譲ります。
 法的なことは金丸さんお詳しいと思うのですけれども、選ばれる者がその選ぶ方法について決めるという、選ぶ方法を選ばれる者自身が決めていくというようなことがほかに例があるんですか。
#53
○委員以外の議員(金丸三郎君) これは制度として国会の立法によるものでございますので、私は国会で決めてそれでよろしいのだと、ほかに決める人がむしろない、かように思います。
#54
○委員以外の議員(中山千夏君) ほかにはあるのですか、ないのですか。
#55
○委員以外の議員(金丸三郎君) 御質問の趣旨を私が的確に把握しておらないかもわかりませんが、選ばれる人が決めるか決めないかということ、選ばれるというわけでございますから一つの組織体だろうと思います。その組織の中で選ばれる人をどういう方法で選ぶかということは、その組織自身が持っておる規則と申しましょうか規約と申しましょうか、その中で決められることではなかろうか。どうも御質問を私は的確に把握しておるかわかりませんけれども、そういうことではなかろうかと思います。
#56
○委員以外の議員(中山千夏君) 私は、むしろ選ばれる者が、議員が寄ってたかって選ばれる方法を決めてしまうということがもし法的に正しい、根拠のあることだとしましたら、まずその法律をちょっと検討してみなければいけないのじゃないかと思うんですね。といいますのは、プロの政治家たるもの、自分が当選したいと考え、またちゃんとした政党が自分の党が権力を伸ばしたいと考えるのはある意味で当然のことだと思うのです。現にこれはある党の議員ですけれども、自分はこの案に反対だけれども名簿の上位を党から約束されたので賛成に回った、党を離れて自分は当選が望めない以上仕方がないんだということを言っていらっしゃるのを私は聞きました。ですから、自分が当選するため、党の権力を伸ばすためという考えが、こうした法の改正を考えるときにそういう意思が働かないということは常識からしてあり得ないと思うんですね。ですから、どんな案にせよ立案審議を第三者機関にゆだねる、もしくは法をつくってその施行の日をせめて二十年先に延ばす、ここにいる人たちは関係がなくなっちゃうと、そういうことを絶対考えるべきだと私は思うのです、そうじゃないとおかしいと。いかがですか。
#57
○委員以外の議員(金丸三郎君) この法律案を提出するに至りましたここ十年来の経過についてはたびたび申し上げたとおりでございまするし、また手続としては憲法の第四十七条の規定からいたしまして私どもは国会で決めて何らおかしいことはないと、国民の前で堂々と公開の委員会、本会議の席で討論をして決められていくのであればそれでいいのではなかろうか、かように思います。
#58
○委員以外の議員(中山千夏君) ぜひとも堂々といろいろな参考人だとか何かも呼んで、討論をしていただきたいというふうに私は思いますが、きょうは時間ですのでこれで終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
#59
○委員長(上田稔君) 午前の質疑はこの程度とし、午後三時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三分開会
#60
○委員長(上田稔君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、斎藤栄三郎君が委員を辞任され、その補欠として高木正明君が選任されました。
    ―――――――――――――
#61
○委員長(上田稔君) 休憩前に引き続き、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#62
○宮之原貞光君 いままでの本委員会におきます質疑を承っておりますと、第二院としての参議院のあり方と本法律案とのかかわりが集中的に審議をされておったようでございます。そして、それは憲法制定時の論議や占領軍の一院制への意向等が紹介をされながら、参議院全国区は職能代表が強く期待をされておったということ、あるいはまた衆議院のチェック機能という特色、特質があるとして、そういう特色が、本法案によってこれらの問題が一挙に崩壊をするような向きの御意見が多くあったと思うのでありますが、私は提案者にお聞きいたしたいのでございますが、その参議院の特質なり全国区制が実施をされたところのいろいろな経緯から見て、文字どおり政党本位の選挙制度を採用することによって崩壊をするのかどうか非常に疑問に思うのでございますが、この点提案者の明確な御答弁をまずお聞かせ願いたいと思います。
#63
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私は崩壊するような心配は全然ないと思っております。
#64
○宮之原貞光君 実は、その問題と関連をしますけれども、この制度の採用によって参議院が政党化する、促進をする、このことに対して提案者のいままでの答弁を聞いておると、どうも参議院の政党化は好ましくないのだけれども現実に政党化しておるので云々というような消極的な答弁に終始をしておられるような感じがしてならないのです。参議院におけるところの政党の役割りということを考えてみると、好ましくはないのだけれども現実の問題として仕方がないのだからいいじゃないかという論理でございますと、これ以上政党化を促進するような方途はとるべきでないという論理とつながっちゃうのですよ。だから、そこらあたりが、本当に提案者側もそういう立場に立って、好ましくないのだけれども現実が政党化されておるんだからこれはこうなんだと、こういう論理ですかね。そこのところをもう少しはっきり聞かしてもらいたいのです。
#65
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私は、日本の政治が全体といたしまして政党を中心に運営されるようになってまいっておると、これは国の段階と、また少なくとも地方におきましても、都道府県の段階におきましてもそういうふうになってまいっておる、このように思います。これを望ましいと言うかどうかということは別にいたしまして、私はわが国のような自由な選挙制度を前提にいたしますならば政党化が自然の趨勢である。また、現に参議院に例をとりましても政党によって運営をされておるのでございますから、私はそれはそれとして参議院の運営は政党によって行われてしかるべきではないか、かように思うわけでございます。
#66
○宮之原貞光君 いまの御答弁ならわからぬでもないですけれども、いままでのやりとりを聞いておって、どうも私、先ほど指摘したような、余り望ましくはないのだけれどもしようがないのだという――もし、だったとすればこれはちょっとおかしいと思いますし、私どもはそういう消極論にくみしないんですよ、率直に申し上げて。いわゆる憲法の強く期待しておるのは、わが国の議会民主主義において政党が重要な地位を占めておる、それでまた国民の政治的思想、意思を国会へ反映させるところの媒介としての重要な機能を持っておるという点を考えると、これは参議院の政党化ということは好ましくないことだ。これはやっぱり自然の成り行きとして私は当然だと思っているのですよ、この点は。
 ただ、しかし問題は、それだから参議院の特性を考慮するならば、どういうじゃ参議院の特性を政党化の中に生かしながらやっていくかというのが、私はやはり参議院に与えられたところの課題だと思う。その点第六次の選挙制度審議会の答申の中に盛られておるのを見てみましても、参議院が公選制をとることを認める限り政党化は避けることのできないところの問題なんだから、むしろその前提の上に立って参議院のあり方をどうするか、その制度のあり方をどうするかという論理の上に立っておるんですね。私はこれでなければまた間違いだと思うのです。
 したがって、それならばその参議院の政党化という中でこの参議院の特色を維持し発展をさせるためにはどういう手だてが必要なのか。そういう面で見ますれば、このいまの選挙制度が果たしていいのかどうかという問題と、いま一つは言われて久しいところの参議院の機能、機構が果たしてこのままでいいのかどうか、この二つの面が並行して積極的なやはり改革ということがなされなければこの課題に答えることはできないと私は考えるのでありますが、その点提案者はどうお考えになりますか。
#67
○委員以外の議員(金丸三郎君) 全く同感でございまして、私はたびたび申し上げておりますように、わが国の国政全般が政党を中心にして運営されるようになってまいっておりますので、参議院の政党化は自然の趨勢であり、現にそのように行われておる。これは参議院の機能を十分に果たしますのには、このこともたびたびお答えを申し上げておりますように、参議院の選挙制度と、それからただいま御指摘のございましたように参議院の機能あるいは機構、この面から参議院らしい働きができるようなふうに考えてまいらなければならない。選挙制度の改正の面と、参議院の運営あるいは機構の改革の面と、大きく申しますと二面ございます。現在は選挙制度の改革のことを御提案を申し上げておるわけでございますが、仮にこれが成立をしたといたしますならば、私は機構あるいは機能の改善の面に今後さらに積極的に皆様方と御一緒に取り組んでまいらなければならない、まいるべきだ、かように思っております。
#68
○宮之原貞光君 これは先般たしか栗林委員も指摘をされておったと思いますが、憲法制定時及び参議院の選挙方法制定時の議会の論議は、参議院の特色を打ち出すための選挙方法がやはり論議をされておったと思います。これはそのときの議事録を見れば明確でございますが、たとえば二十一年七月七日から七月十九日までの帝国憲法改正案特別委員会の議事速記録を拝見いたしましても、当時の金森国務大臣は、参議院の選挙方法として七つないし八つの方法が論議をされているということをその中で紹介をしている。いわゆる推薦制からいろいろなものを含めて、さまざまな方法が論議をされている。いろいろな論議のいきさつの中から現行法というものが一応できたようでございますが、さらばといってそれは現行法が最善最良のものという形で認識をされて現行法で落ちついたものとは必ずしも言えないと私は見ておるのです。
 また、現行法が実施をされて三十五年しかならぬからまだこれはいじるのは早いのじゃないかという論理にもくみするわけにはまいらないのです。それだけに、少なくともこの参議院の特色というものあるいは特性というものを生かすという立場から見まして、現行制度のあり方という問題が少なくとも多くの識者から問題点があると指摘をされておるところの今日の状況を見れば、お互いがやはり虚心坦懐に、一体その問題点は何か、ここのところを本委員会でも十分本音を出し合って私は議論していいのじゃないだろうかと思う。それを現行法礼讃論の立場に立ってけしからぬけしからぬと言うのは率直に言っていかがかと思うのです。
 それだけに、問題は、皆さんの方も自分の提案にこだわることなく謙虚に意見を聞き、それぞれの政党もやはり自分たちのこれに対する問題点というのを出し合ったところの論議というのが私は必要であるんじゃないだろうか、このように考えるのでございますが、その点提案者としてはあくまでもやはり自分の提案に固執をされながらやられるというお気持ちなんですかどうなんですか、その皆さんのお気持ちのところを少し聞かしてもらいたい。
#69
○委員以外の議員(金丸三郎君) たびたび申し上げておりますように、私どもは私どもの案がベストとは思っておりませんので、各党また委員の皆様方からよりいい案の御提示がございますならば私どもは十分にそれに耳を傾けてまいらなければならない、かように考えております。
#70
○宮之原貞光君 この委員会をずっとお聞きしておって、どうもお互いに本当のところを出し合って質問をしたり、あるいは答弁と申しますか受け答えがないような気がして、まあ感じでございますけれども、隔靴掻痒の感を免れないのです。たとえばよりふさわしい人材がより得やすくなるとか選挙費用が云々と、こういうような答弁、受け答えは、それはそつがないかもしれませんけれども、しかしそういう言い回しになりますと、勢い集票能力云々という物差しではかるのが一体候補者としてこれの何が悪いんだ、集票能力即国民の支持じゃないか、こういうやはり御意見が出たり、あるいは金がかかる云々という問題になりますと、選管への届け出はそれならばインチキかとか、事前運動をあなたは認めたのかと、こういう論議があるのでございますが、どうですか皆さん、実際皆さん選挙をやられる方々ですけれども、選挙も実際に特例の方を除いて金がかかるというのは事実じゃないでしょうかね。そこのところを、(「かけるから悪いんだ」と呼ぶ者あり)かけるから悪いんだって、どの政党だって相当かけていますよ、これは。特定の人を除いてはですよ。それはタレント性のきわめて高い優秀な方は何にもされぬでも当選される方はありましょうけれども、私も二回ほど選挙をしてみて、本当に駆け回りましたよ、それは。その費用がどこから出ているかは別にしてね。だから、そこらあたりの問題をどうしてお互いが本音を出し合って議論をできないんだろうかと、こういう感じがしてならないのですけれどもね。
 ただ、率直に私は申し上げて、今日のこの選挙、全国区のあり方の問題点についてはやはりお互いに問題点を出し合う必要があると思うんですよ。いまのこの全国区の実際の選挙を見ておりますと、けさほども有権者側から見た場合どうだこうだというお話があったんですけれども、まあ特例の方を除くという私は特例をつけますよ、その方以外は、一般論で申し上げますれば、これは八千万を超えるところの大有権者団ですね、これで百人前後の候補者の中からふさわしいところの意中の人を見つけるということは、現実の問題としては私はやはりなかなかむずかしいと思うのですよ。そのため勢い投票が、タレント候補の得票率が高いという傾向、人気投票的な要素がないとは言えないんですよ、これ。このことがいい悪いは別にいたしまして、こういう傾向を生まざるを得ないというこのことは私は多くの方は否定できないんじゃないかと思いますよ。あるいは候補者の問題にいたしましても、それはそれだけの党でいろいろ苦労をして候補者を判断されると思いますけれども、しかしすぐれたところの学識経験者というこの物差しよりは、何よりも強力な組織がその人のバックにあるのか、あるいはまた資金力がどうかというのも重要な選択のやはり基準になっているということも事実じゃないでしょうか。
 私は、こういうやはりお互いの体験の中から経験をお互いに実際出し合った上で議論しないと、よりふさわしいとはどういう意味だ、どういうふさわしい中身だ、こういうことで、選挙運動、選挙法という具体的ないろいろな生臭さを伴うところの問題点が、議論が果たして尽きるだろうかということを私は率直に申し上げて疑問に思うのですよ。それだけに、これらの問題についてもっともっと掘り下げたやはり議論をしない限り前進はないというような気がしてならないのです。
 これは費用の問題にいたしてもそうですよ。これは確かに特定の方を除いては先ほど申し上げたようにかかるのです。ただ、それが本番のときにかかるのか事前運動にかかるのかわかりません。しかし、事前運動というのは禁止されておるのですから。しかし、瀬踏み行為というものは認められておるわけですから、この瀬踏み行為において多くの方々が相当やはり一年ないし二年間走り回っておるということも事実じゃないでしょうか。
 こういう問題点をお互いが、この中にたくさんの全国区の経験者の皆さんもいらっしゃるわけですから、出し合う中で、一体果たしてできるんだろうかどうか、個々の議論をしていただくならば、私はやはり現行法がよりベストだ、変えるべきでないという論理にはならぬと思う、特定の方以外は。また、そういう問題があるからこそ今日の問題点になっておるんじゃないでしょうか。その点提案者の側はどうお考えになるのですか。やはりよりふさわしい人を出すためにとかいうことなんですか、どうなんですか。本音のところを少し聞かしてください、私は決して揚げ足を取ろうと思いませんから。
#71
○委員以外の議員(金丸三郎君) 今日この参議院の全国区の改正の問題が論じられております原因の一つは、ただいま御指摘がございましたように、大きな選挙区であり、また瀬踏み行為なり一年、二年の事前のいろいろな準備に余りにも金がかかり過ぎるという点からであると思います。
 それから同時にまた、私どもが比例代表制を採用しますゆえんは、参議院にふさわしい人を選び得る一つの方法として適当ではないか、こういうことで申し上げておるのでございます。あるいは私の説明のいたし方が悪かったのかもわかりませんけれども、この制度改正に取り組みました理由と申しましょうか経緯と、そしてこの法律案がねらっておりますこと、これをあわせて申し上げておるわけでございます。
 ただいま御提言がございましたように、各委員の方それぞれ私は真剣に意見をお述べいただいておるのだと信じておりますけれども、できるだけ意見をお述べいただきまして実りのある議論が行われ、できるだけ早く私どもの案に対する御結論が得られるように私どもは衷心願ってやまないところでございます。
#72
○宮之原貞光君 私は何もいままでの議論が真剣でないとは申し上げてないです。もう少しお互いに本音を出し合って議論すれば、これはよりよい共通の方向性というのは出てくるんじゃないだろうかということを期待するから申し上げるのです。
 この問題はそれだけにいたしまして、もう一つの課題の参議院の機構改革の問題です。私はこの間も質問しましたけれども、これはやっぱり車の両輪だと思うのです、率直に申し上げて。いまのこの選挙制度の改革の問題と、いま一つの機構の問題を積極的にお互いがやっていかない限り、これはやはり衆議院のコピーだとかどうだとかいうそしりは免れぬと思う。それだけに、私はこの問題は与党の皆さんももっともっと真剣にやはり考えてもらわなければ困ると思うのです。どうも、この間も質問しましたけれども、そのお答えが非常に率直に申し上げて誠心誠意やろうという意欲がこう出てこない。勢い、ははあこれは選挙制度だけ改めるところの党利党略じゃないかと、こう勘ぐられたってしようがないことになっちゃう。残念ながら、またこれらの問題については、いままでの御質問者の中には参議院の特性特性と言いながら肝心かなめのこの機構改革の問題については余り強調されておらないのですけれども、私はこの問題もまた避けて通れない問題だと思うのです。この二つがない限り衆議院と違ったところの参議院の味はこれは出せませんよ。
 そこでお聞きをするのですけれども、この第六次の選挙制度審議会の方針なり報告書の中にもずっとこう出ておりますところの参議院の改革の具体的な提示の問題について、一体提案者の皆さんは、これはむずかしいとかここだけはやろうじゃないかとかいうことで議論をなされたことはおありですかね、あったら若干そのことについてお聞かせいただきたいと思うのですが。
#73
○委員以外の議員(金丸三郎君) 御指摘のように私もこの参議院の機能を高めると申しましょうか、のために選挙制度の改革の面と参議院の機構の改革の面、これは車の両輪のようなものであると考えております。ただ、私どもは選挙制度の改革の方を担当いたしておりまして、参議院の機構の改革につきましてはまた私どもの党には別に担当の人もあるわけでございます。改革の方向としては恐らくは私は皆さん宮之原先生の御意見と同じであろうと思います。従来そういう方向で努力をいたしてまいりましたけれども、思うようにまいらないような点はございますが、これがまた一つの参議院の機構改革というのが少なくとも現在における院内の各党共通の関心事でございますので、今後私どもは選挙制度の面は一応別にいたしまして、参議院の機構改革については真剣にやっていかれることを心から期待いたしており、また私どももそのために努力をいたすつもりでございます。
#74
○宮之原貞光君 法案提出者という立場になるとそういう御答弁しか出てこないと思うのですが、しかし幾ら形式的にはおたくの方が個人的に提案者の形にしても、与党という皆さんの意思統一の上になされたことは間違いないでしょう。係が違うからじゃなくて、やはりこの問題は、本質的に参議院の権威を高め、参議院の機能あるいは参議院の特色を維持し発展させるという立場に立って一緒に議論をされて、たまたま法案としている、あるいはまたやり方としてやるのは別にしても、議論されたところは別にしても、皆さんの中で私は同時にこれは議論されてしかるべき値打ちのあるきわめて重要な問題だと思うのです。ただその点で申し上げますれば、率直に申し上げて与党の皆さんは、これに対するところの取り組みがきわめて、きわめてというのは妥当かどうかは別にいたしましても、消極的じゃないでしょうか。
 かつて議長のもとに設置をされたところの参議院改革協議会、この中の遠藤小委員長というのはおたくの方から出た方でしょう。たくさん私はその小委員長案を手元に持っておりますけれども、なかなか改革に対するところの意欲的なものを出されておるんですよ。少なくともこれに出たところの与野党の議員が賛成したから小委員長の案が出たと思うのです。ところが結果はどうですか、肝心かなめの皆さんが自分のところが出したところの小委員長を見殺しにするような結果に終わっているでしょう、現段階におきましては。六つも七つも具体的に提言されている、たとえば調査会の新設の問題、委員会の再編の問題、決算審査のあり方の問題、請願審議のあり方の問題、さらには自由討議のあり方の問題、先議案件の増加という問題など具体的に提言されているんだ。しかしいままで採択されたものはただ一つだけじゃありませんか。予算委員会におけるところのいわゆる委嘱審査をやる、従来の分科会にかわるようなものだけで終わっておる。もちろんこれが最初にして最後だと思いたくありませんけれども。これだけ遠藤小委員長から、参議院の機能を高めるために、あるいは権威を高めるために、そしてまた特色を発揮するためにという、政党政治という現実を踏まえて出されたところのものが日の目を見ないでそのまま放置されて、余り皆さんの中でも議論が出てこないというこのあり方は一体いかがなものだろうかと思うのです。
 私が先ほどからも申し上げているように、このこととこの選挙制度の改革というのは、まさに二つ相まったときに文字どおり今日の政党政治という中におけるところの参議院の特色を維持発揮できるところの大きなよすがと思っているんです。こういう立場に立つがゆえに、この点もっともっと私は皆さんの方で議論されてしかるべきだと思いますし、このことを提案者にこれ以上申し上げるのは酷かもしれませんけれども、やはりあなたも与党の有力なメンバーの方なんですから、一体これに対して、単なる答弁でなくして、今後の課題としてどうなんだという決意のほどをちょっとお聞かせ願いたいのですが、いかがなものでしょう。
#75
○委員以外の議員(金丸三郎君) 従来も選挙制度の改革に並行いたしまして参議院の機構の改革協議会に出されました案を私どもも検討いたしてまいったのでございます。その結果がこのようになっておりますことはただいま御指摘のようでございますけれども、今後やはり参議院の機構の改革を行って参議院らしい活動ができるようにいたすために、私も参議院の一名として、また与党の議員の一人として今後とも一生懸命努力をしてまいる決意でございます。
#76
○宮之原貞光君 次に申し上げることも参議院のあり方にかかわるところの問題でございますが、いま私どもが審議をしておりますところのこの法案を見て強く感じますのは、いわゆる小会派に対するところの配慮がきわめて薄いということを一つの問題点として指摘せざるを得ないのです。創設時と異なって政党化が進み、政党中心の運営がなされているものの、衆議院と異なって参議院は小会派がきわめて多い。しかもその小会派の皆さんがそれぞれ特色のある優秀な方ばかりである。国政の中でその方々が大きな影響力を与えるということを私どもはやはり見落としてはならないと思うのです。
 したがって、参議院の運営のこれを見たときに、いかに政党本位の選挙方法を採用する場合でも、この特色は可能な限り私は維持されなければならないと思っておるのでございますが、どうもそういう観点からこの法案を見ますと、名簿提出要件の政党等に対するところの規制を政治資金規正法第三条の二に言うところの確認団体と同一にされておる。となりますと、当然その確認団体の範疇に入らないところの小会派の皆さんが現実の問題としてあるんですよ。実際、私ここでお聞きしたいのは、この名簿提出要件というものの政党等の規制を政治資金規正法第三条の二に言う確認団体と同一にしなければならなかったところの理由、一体これは何なのか、ここのところをお聞かせ願いたい。
#77
○委員以外の議員(金丸三郎君) 確認団体という制度はもう相当の期間わが国で認められておる制度でございますので、政党要件を考えました場合これと整合するのがいいのではなかろうかと私どもは考えまして、それとの整合性を考えて政党要件を決めたわけでございます。ただいま御指摘のような点は確かにございますが、この点はなおよく御意見を承りまして私どもも研究をいたしてまいろうと、かように考えます。
#78
○宮之原貞光君 他の法律との整合性を重視をされる、それも必要だと思いますがね。それを重視する余り、この参議院におけるところの現実の小会派の存在、またその比重というものをお互いが軽視してはならないのじゃないか、こう思うのです。そういう点から見ますれば、これは選挙運動とのかかわりもそうでございまするけれども、現在でも衆議院選挙初め多くの選挙を見ると、確認団体以下の政党、いわゆる十人以下のところのものは、やはりある程度政治活動というのは認められる仕組みになっておるわけですね、現行法では。けれども、そういうところの問題からなぜ確認団体の整合性云々と、確かに一つの論理としては泡沫候補が出過ぎるとどうだこうだという物の見方もあると思いますけれども、私が先ほど申し上げましたところの今日の参議院におけるところの議会運営の実態ということを考えると、当然この確認団体といわゆる名簿届け出の要件とは要件が異なってもいいのではないだろうか、このように考えるわけです。
 それから、すでにお読みいただいたと思いますけれども、わが党はその点を考慮いたしまして、三人以上の所属の国会議員を有するとか、直近の国政選挙において二%以上の得票率とか、あるいは五人以上の候補者を有するということをいわゆる名簿届け出団体の資格として考えるべきだという物の考え方に立っておるところの案を示しておる。このことは先ほど私がるる申し上げたように、今日の参議院におけるところの小会派の実態、あるいはそれをどう生かすか、こういうことも考慮しながら考えてみたわけなんですけれども、この私どもの提起に対して御検討していただいたことがあるならば御見解を承りたい。また、検討するに当たってのお気持ちがあればこの際聞かしておいていただきたい。
#79
○委員以外の議員(松浦功君) ここにもいただいております社会党御提案の法案を拝見いたしまして、一つのりっぱな考え方であるなという気持ちを持っております。ただ、先ほど金丸委員からお話を申し上げましたように、どういうものを政党として考えるかというときに、やはり現行法とのつながりを考えるという方がわかりやすいという観点から五人、十人という法案を出したわけでございます。したがって、今後社会党案を御検討いただいて、それに対する質疑等を通じて納得できるものがあれば、私どもはそういう形で姿を変えるということについて異議を持っておるわけではございません。十分検討させていただきたい、検討に値する案だと、こう思っております。
#80
○宮之原貞光君 関連をしていま一つの問題点は当選人の数の決め方の問題ですね。実は先日、近藤委員からもこの資料をいただいて、また御本人の御質問の中にもあったんですが、この自民党の内部資料だとしていただいたものを見せていただきますと、どうも本法案のドント式配分は、いままでの死票が議席に結びつくという上で最もメリットの多いのは自民党であるということは間違いないと、こういうことがここに出ておるんですね。これは私が試算をしてみてもやはりそのことは否定できないと思うのです。これはなるほど御自分でおつくりになったんだから、自分の党が有利になるようにと考えられるのも無理ないかと思いますけれども、しかし何といっても皆さん政権政党なんですから、しかし参議院のいろいろな議論をされてきた、あるいは今日あるところのいろいろなものを考えていただくと、私はやはり試算の上では小会派により有利に反映をされるというこの修正サン・ラグの方式というのを、もし皆さんのこのドントが党利党略でないと言うのならば、それぐらいの雅量を示してお互いに議論をさせるぐらいのあれはありませんかね。どうなんですか、この問題について。
#81
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私は御意見は十分に拝聴いたしたいと思っております。またたびたび申し上げておりますように、過去の得票数といわばドント式、サン・ラグ方式という方程式もこれは公知のものでございますので、過去の得票数を基礎にして各党がどういうふうになるかはこれは何ら隠すいわれがないわけでございます。私は公に論議をされて分析をしていただいて結構だと、こういうふうに思っております。
 私どもは、八千二百万の有権者でやはり五十名が当選いたしてまいる比例代表制をつくります場合、八千二百万の有権者の立場から見ますとどの方式が最もわかりやすいかと、単純明瞭な比例代表の方程式とサン・ラグ方式とでは、私ども国民の立場から見ますというと、わかりにくさという点に非常な違いがあるように思っております。ただ、これは私どもも党利党略で言っておるわけでは決してございませんので、その点は十分に御論議をいただきたい、かように考えます。
#82
○委員以外の議員(松浦功君) いま金丸委員からお答えを申し上げましたのでそのとおりなんでございますが、私どもいろいろと法案づくりの過程においてこの問題を勉強させていただいたのでございますが、一番公平で大政党にも小政党にもどちらにも偏らないという案は全く単純比例方式以外にないと思うのでございます、理論的には。ところが、単純比例方式というものをとりますと、こういう本にも書いてあるんですが、「アラバマのパラドックス」ということで非常に妙な結果が出る事例がございまして、法案には書けないということがわかったのでございます。そういうことがございますので、一番わかりやすいしかも世界で一番たくさん使われている方法はなんだろうかということでドント式ということにしたと、この経緯だけはひとつ御理解を賜りたい、こう思っております。
#83
○宮之原貞光君 皆さんの立場は立場としてお聞きをしておきますが、わかりやすくと言ったって、八千万の国民がみんなその中身を知らなければ投票できないというわけじゃないでしょう。これは最後の集計の計算方法なんですから、国民がドントだから自民党に入れよう、修正サン・ラグだから公明党に入れようと、こうやるんじゃないですよ。国民にわかりやすい、わかりやすいと言っても、お互いにより平等で、あるいはまた小会派にも政治的な配慮をするところの方法は何なのか、これでしょう。
 また、国民がこれを知らなければ投票できないわけじゃないんですよ。それは確かに単純比例代表方式もあるでしょう。しかし、やっぱり拘束比例代表制ということになると、小数点以下の端数をどうすくい上げるかということも現実の問題としては問題が出てくるわけですよ、実際問題の中では、採用の中では。そういうことをすると、それはすでに西欧諸国で、いろいろな国々でさまざまの方法がとられていますね。だから、どちらの方法が多いからと私は言っているんじゃない。それなりの国が多種多様の歴史的な経過、いろいろなものがあるんだから、せめて、やはりこの参議院選挙というルールをつくるんだから、可能な限り共通の土俵というものを一致させようというぐらいの配慮があっていいのじゃないでしょうかね。
 だとすれば、やはりこの問題にしても私はきわめて重要だと思うのです。私も私なりに四十六年、四十九年、五十二年、五十五年の選挙結果によるものをずっと機械的にやってみましたよ。あるいは無所属、諸派の方を一人一党と見るのか、一つのグループと見るかによっても違いますよ。違いますけれども、それはこういう論法でまいりますと確かにおたくの方はマイナス一ぐらいになってきますね。けれども天下の政権政党でしょう。しかも、参議院の特性を生かすというかっこうになっていくと、先ほども申し上げましたようないろいろな会派、グループがあるんですから、やはりそれを生かすような工夫というものがあれば、それくらいの度量とあるいはまた共通のルールづくりをしようという配慮があっていかがなものであろうかと思うのです。これはここで即答は求めませんけれども、ひとつ誠意を持って十二分に検討してみてくださいよ。それはお約束できますね。いかがでしょう。
#84
○委員以外の議員(金丸三郎君) 貴重な御意見でございます。私どももいろいろ検討をいたしたのでございますけれども、ただいまの御意見はせっかく社会党としておまとめになった重要な案でございますので、私どもも十分に検討させていただきます。
#85
○宮之原貞光君 時間の関係で先へ急ぎますが、次は制度改革のこの間からいろいろ議論をお伺いをいたしますと、いずれが先かという優先順位の問題が大分二、三の皆さんから指摘をされました。この選挙制度よりは定数改正とか政治資金規正法の改正が先だと、それをほっぽらかしてこれだけやるのはけしからぬという御意見もありました。私はそれなりにその御指摘も理解できるわけでございます。しかし、どれが先でなければならないとは言いませんが、少なくともやはり問題になっておるところの定数是正の問題と政治資金規正法の問題も、本委員会におきまして積極的に討議をし議論し、一つの方向性を出さなければならないところの問題点だと思うのです。このことは間違いないと思うのでございます。その点、提案者の方としてはこれらの問題についてどうお考えになられておりますか。
 どうもこの間からの御答弁をお聞きしますと、基本認識は同じだと、しかし検討中で意見が一致しないんだとか、あるいは政府側の答弁をお聞きしますと、いやむずかしい問題で、皆さんまず議論をしてくださいと、こういう逃げの姿勢が見えるのです。私はやはりこの問題も、この法案を審議する上でそういう態度ではこれは衛生上好ましくないと思いますね。その問題についてはやはり積極的に、次の機会とかなんとかでなくて、積極的に出す用意を示しながらこれを議論するということでなければこれはいかがなものかと思いますがね。この点改めてお聞きしたいのですが、どうなんですか。
 これは自治大臣からもお聞きしたいのです。それは皆さんの問題ですからというような逃げの姿勢では、率直に申し上げてどうかと思いますよ。現にもう数次にわたるところの裁判所の、上級、下級いろいろな裁判所を問わず出ておるわけですから、定数問題等についてね。この間も申し上げたように、このことは歴代の自治大臣が常に逃げ腰なんですけれども、せっかくこの問題の議論をされておるところですから、いろいろこれで要らぬ勘ぐりをされるよりは、皆さんもう少し積極的な姿勢を見せていいのじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#86
○委員以外の議員(金丸三郎君) 地方区の定数是正の問題並びに政治資金規制の問題、私どももできるだけ早く結論を得たいと思って鋭意検討いたしておるところでございます。できるだけ私どもも早く結論を得て、皆様方と御一緒にこれらの問題に取り組んでまいりたい、かように考えております。
#87
○国務大臣(世耕政隆君) 大変手痛い御指摘でございます。ただ、事柄が総定数をどうするかという問題で、これは国会の構成に関する事柄になってまいります。それからもう一つは、選挙区別定数の変動は、また各党の勢力分野に非常に大きく影響してまいりますので、大変高度な政治判断が必要かと思います。
 その点で、決して私どもの自治省の方は逃げるわけではないんでございますが、これはやはり政府がイニシアチブをとるということよりも、国会の各分野の方々がよく御協議いただきまして、われわれの方もそれに協力をしながら、立法府自身が中心になって解決に当たるのが最も必要であり、最も合理的ではないかと思っておる次第でございます。
#88
○宮之原貞光君 それは確かに立法に係るところの問題ですが、せめてその議論をしようじゃないかという土俵づくりのあっせんと段取りぐらいはされたらいかがですか。これだけ問題になっておるんだから、たとえばこの委員会に小委員会をつくって、この中で議論をしようじゃないか、してもらいたいという土俵づくりぐらいは、僕はやっぱり行政府の仕事だと思うんですがね。それさえも過去これだけやかましい問題だけどもやられてないんですよ。どうですか、ひとつこの際土俵づくりのために検討してみましょうぐらいの御答弁をいただけませんか、大臣。中身はまだここでやってみなければわからぬけれども。
#89
○国務大臣(世耕政隆君) これはわれわれの方でも検討させていただきますと、そのように現段階ではお答えしておくものであります。
#90
○宮之原貞光君 ひとつ大臣の御就任中に、在職中に結論を出していただきたいと思います。
#91
○国務大臣(世耕政隆君) 全然いままでやってなくはないんですが、まだ発表する段階ではない。ただ、土俵づくりを目指しましてひとつ努力してみます。
#92
○宮之原貞光君 政治資金規正法の問題はどうなんですか、大臣。この間、大臣のだれに対する御答弁でしたか、何か八条の問題は希望的なあれは意見だというふうに大臣の御答弁いただいたように聞いたのですが、本当にそうなんですか。
#93
○国務大臣(世耕政隆君) 法律、その政治資金規正法、現在の規正法自体が個人献金の方がいいというような希望的な見方をしてるのは事実でございます。しかしながら、法律はそういうふうなことになっているんですが、現実問題として、これはどこの政党も同じだし、個人献金がほとんど集まってこないという、こういう現実がございます。そこで個人献金に対する評価でございますが、個人献金が絶対的に善であるという根拠というものもなかなかとらえがたい面があるので、この点が一つ問題だと思います。
 ただ、事柄は、まあ自民党、社会党、それから共産党、公明党、新自由クラブ、いろいろな政党があって、それは無所属の方もあるんで、これはもう各党いろいろ、すべて個性を持ったりっぱな政党でございますが、各党のよって立つ財政的な基盤というのはみんな異なったものを持っておられると思うので、ですからこの政治資金規正法の及ぼす一番問題点になるのはそういったところにありますので、これを政府だけで検討事項としてどんどん進めていくということがなかなか、非常に不可能に近いほどむずかしい。
 そこで、こういったむずかしい二つの項目、個人献金がいいかどうかということ、それから政府が検討を進めていくべき性格のものとしては余りにも各党の財政的な基盤に密接な関係があり過ぎるということ、この二つの面から、どうしてもこれは各政党の皆様のお知恵をかりなければ政治資金規正法というのはなかなか言うべくして新しい分野の展開は困難ではないか、このように考えておる次第でございます。
#94
○宮之原貞光君 この問題は大臣、実は一昨年の十一月十九日の本委員会で問題になったんですよ。これは鳩山先生が委員長時代で、選挙部長も同席しておられたと思いますけれどもね。当時の石破大臣――亡くなられてちょっと言い過ぎてお気の毒だと思ったんですが、石破大臣に大分私はこの問題でいろいろお尋ねをしたんですよ。けれども石破大臣のお答えも、まあいまの世耕大臣よりは単刀直入に言われて、ちょっと揚げ足取られた嫌いがありましたけれどもね。あれなんですよ、第八条は明確に、いいか悪いかじゃなくて、これは「五年を経過した場合においては、新法の施行状況を勘案し、政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途及び会社、労働組合その他の団体が拠出する政治資金のあり方について、更に検討を加えるものとする」というんですよ。いまごろいいか悪いかじゃなくて、検討をやっぱり好むと好まざるにかかわらずせざるを得ない課題なんですね。ほかのものはやっていかないとは書いてない。しかしそのことをやっぱり検討しなければならぬ。もう六年、七年でしょう。ですから、やはりあなたの方で検討を加えたらこうだったとか、あるいはここに問題点があるというのを出すところの少なくとも最低のおたくは行政府としての責任はありますよ、それは。私はもうあえて申しますけれども、あのときには紛糾して、結局石破大臣から、「五年前云々の答弁に関し誤解を招くような表現であったことは遺憾でございます。私の申し上げた趣旨は、五年前につくられた法律だから守らなくてもよいと申し上げたものではなく、五年間の施行状況を踏まえて広く検討したい旨を申し上げたものであります。もちろん、検討の方向としては、法律に」云々と、こういうふうにやはり明確に言われておるわけですから、少なくとも幾ら大臣がかわられても自治省は厳然としてあるわけなんですから、これはやっぱりその方向で検討しておいていただきたいということだけを、私は時間がありませんから、この機会にきちんと申し上げておきたいと思うのです。
 もう一つは、これは議案書ですけれども、罰則問題なんです。確かに政党本位の選挙となりますと、いわゆる連座制の適用ということがきわめてむずかしくなるということは私も承知しておる。しかし、このおたくの法案の十六章、罰則の二百二十四条三のすなわち「名簿登載者の選定に関する罪」は、その規定が私はきわめてあいまいだと思うのですよ。だって、こうでしょう。「名簿登載者の選定につき権限を有する者が、その権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はこれを要求し、」云々と、これが罰だと書いてあるんだけれども、これは具体的にどういう場合を指すんだろうか。たとえば自民党という政党の中でこれを適用しようと思えばどういうことになりますか。「権限を有する者」はおたくの方ではどういう者で、その行使に当たってやった者と、これはきわめてあいまいで、私はこれはざる法みたいじゃないかと思うのですけれども、これはちょっと具体的におたくの方でのやり方に適用するとすればどういうことになりますか、ちょっと説明してくださいよ。
#95
○委員以外の議員(金丸三郎君) 「権限を有する者」というのは、各政党ごとに名簿の作成機関と申しましょうか、候補者の選定の機関と申しましょうか、これを届け出ることになっております。「権限を有する者」というふうの抽象的な表現になっておりますのは、私どもの自民党の場合とまた皆さん方の政党とでいろいろと違うと思われますので、それで名簿に登載することを協議し決定する機関の構成員と申しましょうか、これが私は権限を有する人だと。抽象的な表現になっておりますのは、各政党ごとにそのような名簿の作成機関が異なりますので、それでそういうような抽象的な表現になっております。
 たとえば、自民党で平たく申しますと、これはまだ決定をいたしているわけではございませんけれども、たとえば党の三役でございますとか参議院の自民党の役員の方々からある程度の方は恐らくはその名簿の選定機関の構成員に入っていかれると思います。それが何名になるかどうかこれはまだわかりませんけれども、そのような自民党の三役なりあるいは参議院の自民党の役員の方が名簿の選定の機関の構成員になりますというと、これがいわゆる権限を有する人ということになりまして、そういう方々が請託を受けるということをそこでは規定し、そしてそういう場合には処罰をして、名簿の作成が公正に行われることを担保しようと、こういうふうの意図に基づいて規定をしたものでございます。
#96
○委員長(上田稔君) 宮之原君、ちょっと時間が過ぎていますので……。
#97
○宮之原貞光君 いままで時間余った人もおりますから、途中でおやめになった方があると思いますので、もう一問だけ。
#98
○委員長(上田稔君) 短くやってください。
#99
○宮之原貞光君 それならば、私はどうもわからないんですよ。「権限を有する者」というのは、いまの説明だったら、明確にどうですか、選定機関の構成員その他の選定の職務を行うところの者が云々と、より明確にすれば、そもそもいわゆる選定を行う機関というのは自民党なら自民党、社会党なら社会党、各政党違うんですけれども、少なくともやはりきちんと決まるんですよ。少なくともそういうことぐらいはぼくはきちんとしなければぐあいが悪いと思うのですね。
 これはもう時間がありませんから、わが党はそういう一つの案を出しておりますから、これは皆さん改めてくださいよ。それだけ申し上げて質問を終わります。
#100
○委員以外の議員(松浦功君) 御提案をいただいております社会党案の内容を拝見いたしますと、「名簿登載者の選定につき権限を有する者」ということがより具体的にしかも適切につかまえられる案文のようでございますので、この点については十分前向きに検討させていただきたい、こう思っております。
#101
○中村啓一君 宮之原委員が大変御熱心に御質疑になりまして、私はそれだけ時間を少なく質問をするようにということでございますので、やや短い時間に幾つかの質問なりをお伺いいたしたいと思います。
 わが党の円山委員から先般、憲法とのかかわりあるいは法律の問題点というような点を中心に質問をされておりますので、私は主として制度の面でお伺いを申し上げたいと存じます。
 その前に、手元に宮之原、福間、本岡三議員が発議をされました社会党の改正案を昨日ちょうだいすることができました。私はこの案を拝見をして、鋭意御苦労になって作成をされた、まず私はわが党の金丸議員を初め発議者がお出しになっております案に賛成をしておる者ではありますが、宮之原委員を初めとされるこの案については大変敬意を持って拝読している最中であります。そして、ただいま宮之原委員が仰せになりました参議院全国区制をめぐります基本的な問題意識、それは私は共通に感じております。そういう気持ちに立って質問をいたしたいと思います。
 最初にお伺いをいたしたいと思いますのは、宮之原委員もお話しになりましたが、やはり政治と政党というもののかかわりを基本的に何と考えるかということが私はやはり一番大きな問題であろうと存じます。
 実は、私自身は、昭和三十六年に選挙制度審議会設置法が設けられ、選挙制度審議会が発足をいたしました第一次から第七次の間のほとんどの期間を、約十年でありますが、審議会の中で勉強させていただいた経験がございます。その間、先般も御指摘があって恐縮をいたしておりますが、多田委員も特別委員としていろいろ御指導をいただいたことをいまも大変光栄に存じ、恐縮に存じておるのであります。
 いずれにしても、選挙制度審議会で十年の論議が重ねられました。その間、もう二十年前になりますが、私は審議会の特別委員の青木正さん、島上善五郎さん、それから一般委員の宮沢俊義さん、高橋雄豺さん、この中には物故をされた方ももう出られまして残念に存じますが、四人の委員のお供をして西ドイツ等を中心にヨーロッパの制度をつまびらかに調べる機会もございました。私自身の実感といたしまして、先般、きょうは御欠席でありますが、栗林議員が政治風土について論及をされましたが、私はドイツを初めヨーロッパの国は本当に政党が機能して、政治と政党は切り離しては考えようもない、人々の政治的な気持ち、政治的な欲望というものは、政党あるいは政治団体というパイプを通じないでは現実のものにならない、そういう考え方が本当に一人一人の選挙民にしみ込んでいるということを痛切に感じました。政治の実際にも選挙民の意識にも、本当に深く政党あるいは考え方を同じくする政治団体とともに行かなければならないという気持ちが根づいております。私はその点については大変感服というか、身をもって政党の重さを感じたわけでございます。
 私はここで演説をするわけではありませんけれども、いかなる政治的立場からも自分は中立だ、自分は政治的に無色だ、そういうお考えのグループがありますが、しかし政治的に意見を述べるという場合に、本当に政治に中立であるということがあり得るだろうかなと、そういう基本的な疑問を持っております。とにかく、宮之原委員が指摘になりましたように、参議院は良識の府であるべきだと言われますが、しかしやはり政治の府であることは言うまでもございません。したがって、私は参議院の選挙制度について政党が主体になっていく、そしてその中で参議院としての良識を発揮をしていくというのが基本的なあり方だと思われてしようがないのでございます。
 そういう意味で、発議者――たまたま私は前にはこの制度の発案に参画をしたことがございましたが、一年半ほど政府の側におりましたので、残念ながらこの立案の過程をつまびらかにいたしておりませんので、発議者にお伺いをいたしたいと思いますが、私は本来選挙制度は、参議院の制度も含めて、やはりもっと政党の重みを大きくしていくべきではないかと、そういう政治と選挙のかかわりということについて特に強く感じておりますが、その点についての発案者の御所見を伺いたいと存じます。
#102
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私はわが国はいわゆる民主的な選挙制度をとっておりまする国々の中でも最も自由な公正な選挙が行われておる国の一つであると思います。この選挙を前提といたします限り、わが国ではやはり政党的な選挙になってまいり、現に衆参両院とも政党によって運営が行われ、また広い意味でわが国の政治が政党によって行われておることは厳然たる事実であり、それは素直に認めることが私は自然の趨勢ではなかろうかと、かように思います。
 選挙制度の中に政党をどのように取り入れていくかということはきわめて大事な問題でございます。衆議院の選挙法もございますれば参議院の選挙法もあるわけでございます。参議院の選挙法としては、この全国区の特性にかんがみまして、私どもは政党による拘束式の比例代表制を採用することがよかろう、こういうふうに考えたわけでございまして、今後国の政治が政党によって推進されますと同時に、参議院の現在の全国区の制度は政党を主体とすると申しましょうか、によって選挙が行われることになって、それによって従来のいろいろな弊を除去しつつ、いい人を参議院に選べるようにいたしますことが適当であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
#103
○中村啓一君 私は議員になりまして五年余りでありますが、この二十年間約五十カ国を回りまして、もっぱら選挙の仕組み、選挙の実際を調べて回っております。そういう私の実感をもっていたしますと、私は少数の意見を大切にする仕組みはぜひとらなければなりませんし、そういう意味で、前島委員あるいは青島委員、中山委員の御発言のいろいろな御意見は一生懸命耳を傾けて聞いておりましたが、私は全国区の選挙制度を比例代表制にしていくということが、むしろ選挙民の意思、特に少数グループの選挙民の意思をも正確に生かしていく道ではないかというふうな感じがいたします。
 実は私、昨年たまたまイスラエルで選挙が七月にありまして、その前後にイスラエルに参りました。発議者の金丸議員に御同行をいたしたわけでありましたが、私はあのイスラエルで大変いろいろ考えさせられる面が多うございました。とにかくユダヤ人は三人いれば五つの政党ができるというくらいに非常に議論好きでありまして、めちゃくちゃに議論好きであり、しかもその議論はやはり政党というパイプを通じてやっていかざるを得ない、そういう気持ちが横溢をしております。したがって、イスラエルの国の選挙区はもとより全国一区になっておりまして、名簿投票制であります。
 イスラエルでは七月選挙がありましたが、それまでは十五の政党が議席を占めておりました。去年の七月選挙で、やはりそれだけ議論好きで政党好きの国民ですから、三十六の政党が名簿を提出して争いました。そして、まあ今度の選挙はたまたまその直前にイラクの原子炉爆撃があったり、いろいろな意味で緊張した雰囲気もあったのかもしれませんが、十の政党が議席を占めました。そのうち、十を超える政党は二つだけでありまして、六つとか四つとか一つという議席を有する政党があとの八つでございます。いずれにしても私はあのイスラエルの選挙制度を見まして、なるほどわれわれがいま考えている方式を彼らは彼らなりに生かしてやっているな、そういう実感を得ました。
 とにかく、ユダヤ人のあの風土で感じますけれども、彼らの一番大事にしておりますユダヤ教のそもそもの発想は、全会一致の結論というものは無効だ、そういうサンヘドリン、昔の国会と最高裁判所をかけたようなユダヤ教の古いシステムがありましたが、そのとき以来、全会一致の審決は無効である、そもそも人々はいろいろな意見があって当然なんだ、大変個人的な国でございます。そういう国が最もふさわしい制度として、しかも少数の発言を何とか確保していこうという意味合いで、私は比例代表制というシステムを採用しているということを一番身近に見まして、なるほどな、教えられる面が多うございました。
 青島委員がいろいろ言われました。現在むしろ政党離れが進んでいる、そういう中でこういう制度をとることは云々というお話もございました。私は確かにそういう層があることは否定できないと存じますし、そういう方々が進んで政治に入っていただける制度でなければいけないと思います。しかしその場合に、たったひとりで政治が本当に実っていくということは、一般論としては、制度論としては無理ではないか。やはりある一定数の基礎の上に立って、そういう政治的な立場を背景にし、バックグラウンドにおいて私は制度は組み立てられていくのが本当の政治制度として好ましいのではないか、そういうふうに感じております。
 同じようなことは、この二月にオーストラリアの上院選挙がたまたまありました州に参りまして、その州の実情も調べてまいりました。そういうことを申しますとこれ長くなりますのでできるだけ短く申し上げますが、いずれにしても選挙制度として少数意見を最も合理的に生かしていく方式が私は全国を選挙区とした比例代表システムである。地方区あるいは衆議院には別の役割りがございます。全国区について本当に政治的な役割りをさらに高めていくべき方式としては、私は今回自民党が提案をし、基礎的には参議院の社会党が御発案になっておりますもの、こういう方式が好ましいと存じます。
 発議者はそういうお考えで提案されたと思いますが、私は発議者にお伺いをいたしたいと思いますが、その点について、そういう基本認識について発議者の御所見をお伺いをしたいと存じます。
#104
○委員以外の議員(金丸三郎君) ただいまるると御意見をお述べいただきましたが、基本的な点においては中村委員のおっしゃいますことと私ども全く同じでございます。
#105
○中村啓一君 先般、栗林委員、前島委員等からつまびらかにされましたが、いまの全国区の仕組みを採用する前後の経緯、それにつきましてはすでに十分な論議がありましたのでここで繰り返すことは控えますが、私は当時の全国区制をつくらざるを得なかった責任者でありました坂千秋という内務次官がおりました。その方は前に北海道庁長官をおやりになった方でありました。その人とその後しばらくたって、制定後かなりたって話し合ったのでありましたが、中村君、実は自分はあのときに、ぜひ全国区は比例代表制でいきたい、そう考えた。しかし、といっても三十五年前の実情では比例代表制なんてむずかしいことを言われたって間に合わない。また、世の中の実情が直ちに比例代表制になじむかどうか自信がないということで、自分としては次善の案としてあの案を作成した。第一回、第二回はそれなりに有効であったけれども、やはり本来的に政治の責任は政党が持つというようなことになってきて、大分世の中変わってきましたねというお話をした直後に、残念ながら坂さんも亡くなりました。
 私はつくづく思いますけれども、確かにこの制度をつくり始めた初めのころは、日本にいま発議者と認識を同じにしていましたような政治風土、いわゆる政党が国民の間に根をおろすということではなかったと存じます。しかし、現在ではかなり政党政治というものが日本で私は発展をし、日本なりに政党政治ができ上がってきたというふうに考えております。したがって、もとより私は単に既成政党だけで、それだけでいいのだというふうには毛頭考えておりません。どんどんと政治グループが新しく進出をされる余地は当然必要ですし、そういう道を大切にしながらも、政党あるいは政治団体、政治グループが責任を持って政治に当たっていけるようにする、そういう仕組みにするということは、いまや三十五年前の坂さんの述懐とはかなり変わってきている、そう私は信じておりますが、そういう点について発議者はどのようにお考えになっておいでになりますか、お伺いいたします。
#106
○委員以外の議員(金丸三郎君) 結論的に申しますならばただいまの御意見と全く同感でございます。
 昭和二十年代を振り返ってみましても、経済あるいは思想あるいは政治、非常に日本は混乱いたしておりました。立候補者も全国区は二百名に及んだと思っております。そういういわば混乱の状態でございましたので、やはり比例代表制ということがなかなか受け入れられにくかったと思います。今日はその後政治も安定し、経済生活、社会生活、これらの面も非常にわが国は安定してまいりました。そして、重要な選挙がずっと行われてまいっておりますので、私は先ほども申し上げましたように、国会議員の選挙は言うまでもなく、都道府県議会の議員の選挙、これも非常に政党的に行われておる、また都道府県知事の選挙につきましても相当程度行われておる。これが現実で、そういう意味で政党の、政党がと申しましょうか、が国民の間に相当に根をおろしてまいっておる、私はそのように認識をいたしております。
#107
○中村啓一君 今度発議者が御提案になっております制度は、初めは一票制をお考えになり、その後二票制ということで論議と曲折を経ているように承知をいたしております。たしか西ドイツも戦後同じような経験をやりまして、初めは一票制でまいりました。選挙区ではこの人を考えこの党派の人を考える、比例代表では違った党派を考えるということは、いわゆる異党派投票は選挙民の政治的な立場としては一種の分裂であるという考え方が、あの当時の議論好きというか論理的な発想になじんでいるドイツ人としてはあるいは当然であったかと思います。しかしやはり自分の選ぶ代表者はこの人だ、しかし政党はおれはこの政党にしたいという、そういう自由を認めないということは実際の選挙民の気持ちになじまないということで、一回だけ一票制をやった後、切りかえたように承知をしております。
 私はいまでもあの投票用紙をもらって頭にこびりついているんですが、投票用紙、一枚の紙ですが、ズィー・ハーベン・ツワイ・シュティンメン、それだけドイツ語を知っているんですけれども、「Sie haben Zwei Stimmen」と大変大きく印刷をした投票用紙でございました。そして選挙区の候補者名を選定する欄と政党を選定する欄が違っておりました。その後、しかし異党派投票はドイツの国では定着をしておりますが、異党派投票をする人は大体三%、極端に多いときで五%近いという状況ではあります。
   〔委員長退席、理事中西一郎君着席〕
 いずれにしても、いろいろな論議が党の立案の過程であって二票制をおとりになることになった。私自身はそれでよかったと思っておりますけれども、論議の経緯において何か格別いま申し上げましたこと以外に議論をされたかという点についてお伺いいたします。
#108
○委員以外の議員(金丸三郎君) この結論に到達します過程にはいろいろと意見がございました。全国区につきまして政党本位の拘束式比例代表制をとるのであれば地方区の選挙と一緒にして政党本位の選挙制度を考えたらどうかと、それを徹底していけば一票制になるのではないかということであったわけでございます。しかし、なおまた翻って考えてみますというと、地方区も一つの選挙であり、全国区比例代表制も一つの選挙であって、実態は二つの選挙でございますし、それから現実に異党派投票がございますので、これを一票制で解決をしますというとなかなか困難であり、実質上は二票のようになってしまわざるを得ませんので、やはり地方区に一票、比例代表制に一票という二票制の方が簡単明瞭でわかりやすいだろうということで、このような結論に達した次第でございます。
#109
○中村啓一君 私の質問時間はあと五分ちょっとでありますので、いろいろお伺いしたい面がありますが、もう一つ、二つお許しをいただきたいと思います。
 比例代表システムで全国区選挙をやっていく。それにつきまして比例代表候補者のための選挙運動は、この原案でまいりますと「選挙公報」と「新聞広告」と「政見放送」になっております。私自身は、極力政党がリストアップしてこの人だということで押し出していくわけですから、そういうリストをされた方々の選挙運動はできるだけ可能な限りにおいて幅広く認めたいという基本的な考え方を持っておりますが、原案でこの三つにおしぼりになった。そしてその三つといいましても、今度は政党が責任を持ってリストアップした方々に対する投票を求めていく運動でありますから、従来の選挙公報なり新聞広告、政見放送とはかなり違ったやり方をお考えになる。いや、これは政党が考えることですから発議者に余り立ち入ってお伺いすべきでないかもしれませんけれども、いまの三つの運動方法で足りるとお考えであるかどうか。あるいは大きな方向としてこれらの三つの運動はどういうふうに今後展開されていくかというような点について、簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。
   〔理事中西一郎君退席、委員長着席〕
#110
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私どもは政党本位の運動になってまいりますので、政党は日常活動もいたしておるわけでございますから、政党本位の選挙運動としてはこの三つの公営の方法でよかろう、かように考えたわけでございます。これがどのようなふうに展開されてまいりますか、これは仮にこの法律が成立をして実施になるといたしますれば、名簿の作成方法などと同じように各政党でこれは知恵をしぼってこられる点であろう、このように思っております。
 これだけでいいかどうかという問題でございますが、私どもも社会党の案を拝見いたしております。選挙運動の方法と、あるいは政党の定義と申しましょうか、とも関連がございまして、この点は私どもはさっき冒頭から申しておりますように、私どもの案がベストとは、そううぬぼれておりませんので、よく勉強をさせていただいて、ベターな案が得られますならばそのように努力をいたすべきは当然であろう、こういうふうに考えております。
#111
○委員長(上田稔君) 中村君、もう時間がありませんから……。
#112
○中村啓一君 四十四分ということでございますので、あと二分やらせていただきます。
 よく発議者のお考え方はわかりました。したがって時間の関係もありまして答弁は要りませんが、先ほど来お伺いをしあるいはお答えをいただいたような基本的な考え方は、この宮之原、福間、本岡三議員の発議の案と私は基本的には変わっていないというふうに存じます。また新自由クラブも同じような発想でいま進めておられるように承っております。いずれにしても、あるいは栗林委員に恐縮ですが、民社党でも小沢私案なるものが発表されておりますが、とにもかくにも私は相当多くの政党が同じような土台と申しますか、基本的な認識と立場に立ってよりよい全国区制度を目指しているというふうに考えておりますので、何とぞこの案を土台にぜひ早く成立をさせていただきますことを念願をして、終わりたいと思います。
#113
○峯山昭範君 私はきょうは時間が非常に短いそうでございます。本来ならば、きょうから私は主に憲法との関連におきまして発議者に対しまして質疑をさせていただきたい、こういうふうに考えておりました。しかしながら時間的な関係もありますので、きょうはその序文として、特に憲法と多少関連がありますが、いままでの参議院改革のいきさつ並びにこの参議院の選挙制度の問題等を含めまして、ほんのわずか、初めの方だけを議論してみたいと思います。
 参議院改革というのが私たち議会で取り上げられ、特に参議院で重要なテーマとして取り上げられましたのは、少なくとも私が記憶する限り昭和四十六年であると思っております。もちろんそれまでも参議院改革についてのいろいろな議論があったのはこれは当然であります。しかし御存じのとおり、当時発議者は鹿児島の知事をやっておられたと思いますが、参議院におきましては私たち野党が推薦をいたしました河野さんが議長に当選をされまして、その後すぐ参議院改革協議会というのが発足いたしました。
 実は私、そのときに参議院改革協議会の委員になりまして、それ以来十年、特に参議院改革の問題について取り組んできたわけであります。本当にこの十年間、連続して参議院改革に取り組んでこられた自民党の議員さんは、私が見渡したところいまのところ一人もいらっしゃいません、全部交代をしておられます。そういうような観点から、いろいろな問題がいっぱいあります。特に先ほどもいろいろ出てまいりましたけれども、特に参議院をよくしていこう、まあ政党化という問題がありますけれども、確かに政党化はどんどん進められてきたけれども、これ以上政党化してはいけない、何とか参議院をよくするために党利党略を抜いて、本気でこの参議院をよくするために取り組もうというのが参議院改革に取り組んだ人たちの決意であったと思います。
 特に参議院におきましても、参議院のこの改革協議会におきましていろいろな学者や文化人の皆さんにおいでをいただきまして、参議院がどうあるべきかといういろいろな御意見をお伺いいたしました。また「参議院に望む」という論文も出していただきました。これは当然発議者は、これらの問題についてはすでに文書として出ている問題でありますからお読みになったと私は思っております。そういう方々が主にどういうことを望んでおられたのか、これは発議者も十分わかっていらっしゃると思いますが、御存じでございましょうか。
#114
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私も読んで承知いたしております。
#115
○峯山昭範君 どういうこと、みんな大体一致していることが一つだけあるんです。ずっといろいろな御意見ありました。その中で一致していることが一つありました。どういうことだったですか、読んで御存じだそうですから言ってくださいよ。
#116
○委員以外の議員(金丸三郎君) 多くの人が政党化は望ましくないというような意見であったように承知いたしております。
#117
○峯山昭範君 要するに、いまおっしゃるように党議拘束はできるだけ緩和していただきたい。それでいわゆる政党化は望ましくないというふうな御意見が大体いろいろな御意見の中に一貫して流れておりました。そのためにわれわれとしては、この国民の皆さん方の、しかもその後のたとえば「参議院に望む」という論文なんかは、決して私たちが特定の人を指定して論文を出していただいたのではなくて、大きく論文を公募して、国民の皆さん方の中から出していただいたわけです。したがって無差別に出していただいたわけです。それを議運の委員会といたしまして議運の理事の皆さん方が読みまして、あるいは参議院改革協議会の皆さん方が集まりましていろいろやったわけですね。ということは、その皆さん方の御意見というのは政党化してはいかぬという御意見がもう集中してありました。この集中してあったこの御意見に対して、今回の法案はこれは全くその逆の方向へ行くわけであります。
 われわれは本当を言いますと、自民党の議員さんも含めてこの問題について本当に何回か議論したことがございますけれども、やはりみんなの国民の要望とは違う方向に今回の法案が成り立っている。もう泣いても泣き切れないという話もありましたけれども、ここら辺のところに対しては発議者は、読んで御存じだということでありますが、その中身も含めましてそれをどういうふうに感じておられるか、やっぱり発議者の御意見を私はここできちっとお伺いして、次の質問に入りたいと思っております。
#118
○委員以外の議員(金丸三郎君) 基本的に申しますというと、私はわが国の政党政治、また参議院の現実が政党会派によって運営されておるという実情、それからわが国のように参議院の選挙につきまして直接選挙の制度をとっておる以上は政党化が自然の流れであり、三十数年の参議院の全国区の歴史はまさにそのように流れてまいってきておりますので、この論文の考え方とは基本的には違っておると、私はこのように思います。
 基本的には、現実にこのように政党的に審議が行われておるわけでございます。それをどのようなふうにして参議院の機能を発揮するかということは、先ほど宮之原委員からも御指摘がございましたように、私どもが真剣に考えるべき問題で、それは選挙制度の改革からと参議院の機構の改革と両面から車の両輪として取り組んでいかなければならないし、また今後きわめて大切な重要な問題である、このように考えております。
#119
○峯山昭範君 発議者、私の言うことをよく聞いておいてもらいたいのですけれども、要するにピント外れの答弁では困るわけです。
 参議院が政党化しつつある、それは発議者のおっしゃるとおりです。そのことはいわゆる参議院がつくられた当時から予想されたことであります。いまあなた方が問題にしている問題は、これは初めからそうなるんじゃないかということで非常に心配された問題なんです。きのうきょうできた問題じゃありませんよ、そうでしょう。それは私がいまここで言うまでもなく、当時参議院ができるときからそういう議論はあったわけです。
 たとえば、これは参議院ができるときに当時の齋藤国務大臣ですが、これは臨時法制調査会、昭和二十一年のことでありますが、これはあなたもよく御存じのことでありますが、当時から言われているわけです。いわゆる全国区の問題について齋藤国務大臣が相当全国区制に反対をしたわけです。反対して、いわゆる選挙運動の方法が非常に困難であること、あるいは選挙費用の標準が立ちにくいこと、あるいは地方区と全国区の候補者の見分けが非常にめんどうであること、あるいは補欠選挙ができないこと、そういうふうないろいろな問題があるから私は反対なんだと、こう言うたわけです。だけれども、反対であるけれどもそれでもなおかつこの法案は、当時の部会長は金森さんですね、部会長が、これは確かにそういうふうな難点はあるけれども、どうしても参議院は衆議院と違った種類のものを出したいという当時の部会の意向等があって、そしてこの法律が成立したいきさつがあるわけですから、当然いま私たちが議論している問題は初めから予想された問題であることは事実ですね。
 そして、しかも私が言っておりますのは、要するに参議院がいま多党化し政党化が進んできている。特に、昭和四十三年、四十六年、そして四十九年といわゆる小数会派の皆さん方がどんどん出てきた。そして参議院が多党化してきた。多党化してきたから私たちは何とか参議院は参議院としての特徴を出すようにがんばろう、そういうことでいろいろな、たとえば小数会派の発言の確保とか、それは改革協議会の中でずいぶんやってきた。しかし、そこで私たちが、さっきも論文の話をしましたけれども、論文やそういういろいろな学者の皆様方の御意見は、いわゆるこれ以上政党化を進めないでほしいというのがあなたの御答弁にありましたように希望だったわけです。だから、それを制度論と一緒にしてひっくり返して言ってもらっては困るわけです。
 われわれは、やはり国民の要望というのは参議院はこれ以上政党化しないでほしい。確かに政党選挙ですから政党化されます。されますが、それを何とか政党化しないで参議院の運営をもう少し何とかうまくやる方法はないか、そこに焦点をしぼって、あるいはたとえば党議拘束の緩和とかいろいろな問題が、たとえば政党の中には党議拘束徹底的に緩和しちゃいかぬ、徹底的にやれというところもあるわけでしょう。そういうふうな議論の中に、やはりこの党議拘束の緩和とかいろいろな問題を含めて、国民が要望しているわけですから、政党化はこれ以上進めないでくれということ。
 だから、その国民の期待にこたえるためには、要するにあなたのおっしゃるように、制度論として政党化が進んできたんだからしようがないじゃないか、そういうようなことじゃ済まない問題でしょう。国民の期待にはこたえてないのじゃないですか、どうなんですか。
#120
○委員以外の議員(金丸三郎君) 私は、わが国の政治の流れから申しまして、政党化が自然に進んでまいっておるということを直視して、そして選挙制度の改革の面からこの制度を提案をいたしたわけでございますが、国民の要望にございます点は、選挙制度というよりも参議院の機構の改革あるいは運営の改善、これに真剣に取り組むことによって期待にこたえるようにいたすべきではなかろうか、かように考えます。
#121
○峯山昭範君 そういうことは全く答弁になっておりませんよ。あなたは、特にたとえば「参議院に望む」という論文を議運の運営委員会で募集したときに、皆さんがどういうふうに考えているかということを十分考えて、それであの論文を募集したわけですね。そういうふうないろいろな基調から考えてみても、ただ機構改革だけで対応できる問題じゃないでしょう。やっぱり全国区というこの制度が参議院にとって非常に大事な制度である。しかも、この政党化を百八十度――百八十度とは言いません、全体として政党化が進んできているわけですからそれはやむを得ない点もあるでしょう。しかしながら、その全国区を国民の期待を裏切って百八十度も政党化してしまうということについては、私はこれはもうとっても納得できません。しかし、この問題だけやっておりますと時間がありませんから、もう一つだけきょうはあれしておきたいと思うのです。
 それは、そういうふうにして参議院改革協議会が進みました。その一方、参議院改革協議会のときに皆さんと打ち合わせたことが一つあります。それは何かというと、参議院改革協議会では、選挙制度についてはこれは公職選挙法改正特別委員会というのがあるからそちらの方で議論をしようということになりました。したがって、参議院改革協議会では、公選法については特別な具体論については話し合いをしてないわけです。
 それで、私は当時参議院改革協議会とともに公選法改正の特別委員会に参りまして、当時参議院というものがいろいろ国民から指弾を受けましたし、衆議院のカーボンコピーじゃないかということを言われました。したがって、参議院をよくするために何とかしなくちゃならないということで、当時この公職選挙法改正特別委員会でもう何回も理事会を開いて、いまわれわれが参議院としてやるべきことは何かということを申し合わせをいたしました。これは当時いらっしゃった方もここに二人いらっしゃいますけれども、その申し合わせが昭和四十九年十二月四日、これは公職改正特別委員会に小委員会を設置いたしました。これは御存じですか。――小委員会を設置いたしまして、余り細かいことは御存じないかもしれませんが、当時参議院を改革するためにどうしたらいいかということで、要するに運営方針というのを決めました。これは全会一致ですよ、私の申し上げておりますのは。
 その運営方針というのは、「公職選挙法改正に関する特別委員会の決定により、国民の意思を民主的且つ公正に国政に反映させ、金のかからない選挙実現のため、各党合議による当面の議題につき検討するものとする。」ということで、まず一番初めに「当面の検討事項」として、「1 参議院地方区の定数是正」ということで、その2、3、4とあるわけですが、「2 政治資金規正法の改正」、「3 選挙公営に関する件」、こう続いているわけですが、地方区の定数是正をやろうということが当時の公選法の理事会での各党一致した意見だったわけです。公選法のこの問題御存じでございましょうか。
#122
○委員以外の議員(金丸三郎君) 小委員会のそのことにつきましては承知いたしておりません。
#123
○峯山昭範君 あなた方は、要するに参議院の公職選挙法の改正、今回のこの全国区を提出するに当たっては、いままでの経過がどういうことだったかということぐらいはきちっと調べて提案しているんでしょう。いままではいわゆるこの公職選挙法改正特別委員会でどういう議論がなされたか、そんなことぐらいは、各党一致できちっと決めたことを守らないで、そんなばかなことないでしょう、そうじゃありませんか。要するに、あなた方は自分たちが自信を持って出したとおっしゃっておりますけれども、この全国区制の議論をするに当たってなぜ地方区を落としたんですか。逆に言えば、いままでの議論の経過というのは全く無視ですか。
#124
○委員以外の議員(金丸三郎君) 地方区の定数の是正の必要なことについては私どもも重々承知しておりますし、したがいまして今日まで検討もいたしてまいっております。できますならば全国区と地方区と一緒にして改正をいたすのが望ましいと私どもも思いますけれども、いろいろと地方区は地方区で問題もございますので、私どもとして結論が得られませんので、今回は参議院の全国区の比例代表制の改正だけをやりたい、こういうことで提案をいたした次第でございます。
#125
○峯山昭範君 そういうようなお考えだとまさに党利党略じゃないですか。要するに、私がいま申し上げております「当面の検討事項」の中身につきましてはこれは全会一致で決めた方針ですよ。あなた方自民党も、この参議院の地方区の定数是正についてまず一番先にやる、これがこの小委員会の決定じゃないですか。そんなことを知らなかったんですか、御存じだったんですか。
#126
○委員以外の議員(金丸三郎君) その点は承知いたしておりませんでしたが、地方区、全国区とも長い論議の経過がございますので、私どもとしては全国区の方について結論を得ましたので比例代表制として改正案を提出いたした次第でございます。地方区の問題については決して小委員会の結論を無視する気もないわけでございますし、またできるだけ早く是正をいたさなければならないと考えておりますけれども、まだ結論が出ておりませんので、全国区の改正についてだけ改正案を出した次第でございます。
#127
○峯山昭範君 発議者は結局いままでの経過も十分知らないでそういう全国区の問題に云々するなんということはとんでもないと私は思いますよ。しかもまだこの問題についていろいろ議論がありました。その後まだ幾つもあるんです。金丸先生ね、幾つもあるんですよ。その後この問題について自民党でずいぶん検討したわけです。それで、なかなか検討したけれども自民党としての回答がまとまらなかったので、その後、いわゆる参議院の地方区についてどうなっているか回答しろと言って、さんざんわれわれは自民党としての回答をどうする決意なんだということで迫ったわけです。
 それで、そのときの自民党の回答が、「六月十三日付をもって自民党における検討経過の現状を回答いたしましたが、」これはその前に検討経過というのがあるんです、経過だけのところがあるんです。「その後、」経過の後ですね、今度は三回目の回答として、「その後、自民党案の策定に極力努力したところ、尚、党内において、一、参議院選挙制度の改革について、現在最も世論の批判になっているのは、全国区の問題であり、従って地方区と全国区は同時に行うべきものであるとの論が極めて強い。二、地方区の定数改正についても、地方代表たる性格を一層明確にするため、むしろ一人一区制にすべきであるとの論が相当に強力であること等のため、最終的党議決定は現在不可能である。」こういうあれが出たわけです。
 このときにはわれわれは当時地方区をやれというふうにさんざん言ったわけですね。ところが地方区は結論が出ない。しかし地方区も全国区の方もこれは同時に行わなければいかぬ。そのときの回答でも、やはり地方区と全国区を一緒にやってくれというふうな回答だった。これは途中経過です。ところが、最終的にはどうなったかと言いますと、実はわが党は共産党さんと同時に反対をいたしておりましたので、自民、社会、民社の三党との申し合わせが出てきた。
 その最終的な申し合わせはどうかというと、「参議院地方区の定数については、人口の動態の著しい変化にもとづき、これを是正する要あることを認め、次期参議院通常選挙を目途として実施するよう取り計らう。この場合公職選挙法改正の過去の事例を参照するものとする。なお、全国区の改正については別途検討をすすめる。」これが最終だった。ということは、いずれにしても地方区の定数是正について必ずやりますといういままでの経過があるわけです。
 参議院地方区の定数是正について全く何というかほったらかしにして、いわゆる全国区だけをぽんと出してくるなんというのは、たとえばわが公職選挙法の特別委員会でそこら辺の各党の議論も十分詰まらないうちに社会党さんも別に出しているじゃないですか。きちんと詰まらないうちにあなた方が独自でそういうふうないわゆる全国区の法案を出すなんというのは、やはり選挙の土俵でしょう、そういう土俵づくりをする場合に単独立法というのはわれわれは納得できない、いかぬと私は思うのです。
 そういうふうな意味では二つお答えをいただきたいのですが、いままでの経過についてどうお考えなのか、よく御存じだったのかどうか、その点についての御答弁をまずお伺いしておきたいと思います。
#128
○委員以外の議員(金丸三郎君) 詳細は存じませんでしたが、地方区の是正について与野党間でいろいろ話し合いが行われてきたことは私も承知いたしておりました。したがいまして、五十三年から私がこの問題を担当いたします際にも、地方区の問題、全国区の問題、両方実は検討をいたしてまいっております。先ほど来申しておりますように、地方区につきましては定数是正の必要性は認めつつもなお私どもとして結論が得られませんでしたので、今回は結論の得られた参議院の全国区の方につきまして改正案を提案いたしたような次第でございます。
#129
○峯山昭範君 だから、自民党だけの都合でそんなことをやっていいのかと言うのです。社会党案が出るのを待ち切れなかったのじゃないですか。そういうふうなことじゃ――参議院の選挙制度を議論する場合に、それはやはりしんぼう強く粘り強く議論を重ねて合意を見出してやるべきじゃないですか。われわれ参議院の改革協議会でそれは意見の対立することもずいぶんありますよ。ありますけれども、本当に粘り強く涙が出るほどみんな苦労してやっています。あなた方のやり方は全く党利党略以外の何物でもないじゃないですか。だから、そういうふうな意味でここで明らかになったことは、発議者がいままでの経過を何にも知らないで出しているということだけは明らかになりました。全く無責任きわまる提案であるということは、これだけは明らかになりました。(「何にも知らないということないよ」と呼ぶ者あり)何にも知らなかったじゃないですか。いままでの経過について知らなかったことだけは明らかです。
#130
○委員長(上田稔君) お静かに願います。
#131
○峯山昭範君 そこで、法務大臣に一言お伺いいたしておきたいと思います。
 これはこれから憲法問題についての議論をしなければなりませんので、その根幹になる問題でありまして、もうすでにいままでも出ている問題でありましょう。その問題で特にいまの憲法の基本原理から考えまして、国民主権ですから国民に主権があるわけです。そういうような意味で、特に選挙法、特に国政レベルの選挙、その中でも特に定数是正とか、いわゆる不均衡であるから是正をしてもらいたいという国民からの要望、訴訟、これはいままでどういうふうな訴訟の事件が提訴されているのか。これは私の手元にも資料がありますけれども、いろいろ細かく言えば切りがありませんので、特に国民から提訴された件数、これはいろいろあると思います。衆議院の定数是正、それから参議院の定数是正、それから参議院全国区に関する問題、この三つにしぼって、件数だけで結構です、どういうふうになっているかお教えいただきたいと思います。
#132
○国務大臣(坂田道太君) この問題は、件数につきましては自治省からお答え申し上げたいと思います。
#133
○政府委員(大林勝臣君) 戦後の定数関係訴訟としましては、衆議院の定数関係訴訟としまして総数五十件、それから参議院の定数訴訟としまして総件数九件、こういうことになっております。
 なお、その中で違憲判決のおりました訴訟は衆議院につきまして過去四例ございます。
#134
○峯山昭範君 これは提案者によく考えてもらいたいのですけれども、いわゆる憲法で言う基本的人権という問題から考えて、国民の立場から言いまして、何はともあれこれは違憲の疑いがあるのじゃないかということで提訴された問題、これはやっぱりわれわれ国会としては一番先にその問題を取り上げないといけない、そうでしょう。
 そういうような意味でいきますと、いま選挙部長がおっしゃいましたように衆議院では五十件、これは年度ごとには話がありませんでしたが、私の手元にある資料によりますと、昭和三十五年に一件、三十八年に一件、四十七年に五件、五十一年に十三件、五十四年に十四件、五十五年に十六件、合計五十件です。これだけの提訴が行われて、衆議院ではそれぞれ判決も出、いろいろやっているわけです。そして、選挙法の改正等も行われました。参議院の地方区の定数是正につきましては、現在まで、三十七年以来九件にわたってこの定数不均衡という問題で提訴がなされているわけです。
 少なくともこの地方区の定数是正という問題が国民から提訴されて、そして最高裁あるいはそういういろいろなところで裁判が行われているわけです。やっぱり国民が何とかしてもらいたいという強力な要望があるのは、これはある面から言えば、具体的に憲法論をやっているわけですから私はこう言っているわけですが、少なくとも地方区を何とかしなくちゃいけないという意見が強いというのは明らかじゃありませんか。全国区については何にもないじゃないですか。それは確かにお金がかかるとかなんとか、そういうふうな問題はあります。それは皆さんの御意見であって、そういうことはこうなりますよという意見は初めから、参議院をつくるときからある意見なんですから。
 そういう点からいきますと、参議院地方区をきちっとして、そして私は全国区を考える、それが順序じゃありませんか。順序が逆さまになっている。その点についてどうですか。
#135
○委員以外の議員(金丸三郎君) 違憲の問題また地方区の定数是正の必要性につきましての各党間の話し合いのことは御指摘のとおりでございますし、先ほどもお答えを申し上げますように、私がこの問題にかかわりました昭和五十三年からもう地方区の定数是正の問題は実は真剣に検討してまいっております。また、私の以前から地方区の定数是正につきまして自民党としてもいろいろな検討や案がございました。恐らくはそのことも御承知かと思います。ただ、やはり地方区の定数是正をどのようにいたしますかは、地方区のあり方の問題、あるいは全体の定数の枠の中で是正をするか人数をふやしてやるかというような非常に重要な問題がございまして、いろいろと論議は続けておりますけれども結論が得られませんで、全国区の改正について提案をいたしたわけでございます。
 全国区の改正につきましては、御指摘もございましたが、三十数年前から指摘された問題点が今日も依然として問題であり、やはり私どもは現実の論議からいたしまして全国区でも早く是正をいたしますことがむしろ必要ではないか。したがいまして、昨年、通常国会において提案をいたし、臨時国会を経て今日に参っておるわけでございます。相当前に私どもとしては提案をいたしたわけでございますので、この点も御一緒にひとつお考えいただいて、できるだけ早く御審議をいただきたい、こういうふうに希望しているわけでございます。
#136
○峯山昭範君 三十数年前から問題だったとあなたはおっしゃっていますけれども、確かにあなたのおっしゃるとおりなんですよ。三十数年前問題だったけれども、いわゆる選挙運動の方法に困難があるとか、選挙費用の標準が立ちにくいとか、あるいは有権者に地方区と全国区の候補者の見分けがめんどうだとか、補欠選挙ができないとか、こういうふうな問題が三十数年前からあった、だからあなたは改正しなければいけない、こう言っているわけでしょう。ところが、三十数年前この選挙法をつくるときに、こういうふうな問題があるけれどもそれ以上に大事な問題があった。だから、そういうふうな困難な問題があったけれども、それをあえて、それ以上に参議院の全国区というのは必要であったわけです、そう言ってます、当時。だからできたんです、参議院全国区というのが。それがなければ参議院全国区というのはできないわけです。ですから、そういうふうな意味ではあなたのおっしゃっている理論というのは成り立ちませんよ。
 私は、きょう十四分までという持ち時間ですからもうこれ以上やりませんが、いずれにしても次回のこの委員会におきまして私は憲法問題の基本的な問題についてあなたにお伺いをしたいと思います。
 以上、本日はこれで終わりたいと思います。
#137
○田沢智治君 委員長。本案の質疑を終局することの動議を提出いたします。(「何を言うか」「賛成」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)
#138
○委員長(上田稔君) ……起立多数……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)……質疑は終了いたしました。……休憩いたします。
   午後五時十八分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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