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#1
第096回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第4号
昭和五十七年四月七日(水曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月六日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     川原新次郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂倉 藤吾君
    理 事
                山東 昭子君
                福島 茂夫君
                本岡 昭次君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
    委 員
                加藤 武徳君
                梶原  清君
                亀長 友義君
                川原新次郎君
                関口 恵造君
                内藤  健君
                中村 太郎君
                山崎 竜男君
                戸叶  武君
                小平 芳平君
                中野 鉄造君
                江田 五月君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  原 文兵衛君
   政府委員
       環境政務次官   石川 要三君
       環境庁長官官房
       長        山崎  圭君
       環境庁長官官房
       審議官      大山  信君
       環境庁長官官房
       会計課長     森   孝君
       環境庁企画調整
       局長       清水  汪君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  七野  護君
       環境庁自然保護
       局長       正田 泰央君
       環境庁大気保全
       局長       吉崎 正義君
       環境庁水質保全
       局長       小野 重和君
    事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
    説明員
       臨時行政調査会
       事務局主任調査
       員        新野  博君
       警察庁交通局交
       通指導課長    桑田 錬造君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    杉戸 大作君
       農林水産省構造
       改善局建設部開
       発課長      坂根  勇君
       農林水産省農蚕
       園芸局肥料機械
       課長       松居  努君
       通商産業省立地
       公害局公害防止
       指導課長     飯田 善彦君
       資源エネルギー
       庁石油部備蓄課
       長        市川  南君
       運輸省自動車局
       業務部貨物課長  浅見 喜紀君
       運輸省航空局飛
       行場部長     栗林 貞一君
       運輸省航空局飛
       行場部環境対策
       第一課長     米山 市郎君
       運輸省航空局飛
       行場部環境対策
       第二課長     山下 哲郎君
       建設省都市局下
       水道部下水道企
       画課長      幸前 成隆君
       建設省道路局国
       道第一課長    信高  裕君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (公害及び環境保全対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨六日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として川原新次郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(坂倉藤吾君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○本岡昭次君 まず最初に、環境庁の環境行政に関する姿勢を正すという意味で、個人的な名前を出して申しわけありませんが、環境庁石川政務次官の発言の問題について長官にお伺いをいたしたいと思います。
 これは新聞報道でございまして、私が直接耳にし確かめたものでございませんから、若干新聞に頼るということで内容的には十分突き詰めることができませんが、新聞報道もあながちうそを書くということもないだろうし、また火のないところに煙が立たないということもあって、一応新聞に報道されていることは、その意味するところは真実であろうと、このように私は考えて質問をいたします。
 石川政務次官が昨年十二月二十三日、環境庁政務次官就任祝いのゴルフコンペであいさつとして発言されております。その内容は、前後はいろいろあったと思うのですが、新聞報道によるその問題点は以下のような内容です。「環境庁政務次官として一生懸命やると、皆さん方に迷惑がかかるし、逆にやらないと、マスコミにたたかれる。厳正にやりますよ」というふうなことをあいさつの中で述べられた。その集まっておられた方々は建設業者が七割近くあるということで、迷惑のかかるという中身が何であるかということについてはおよそ推察ができます。これは事実であるとすれば大変な問題発言であると思います。環境庁政務次官の姿勢として全くこれは容認できないわけでございます。
 事実がどうであるかという問題もさることながら、次官がこのような発言をしたということを新聞に書かれるということがもうすでに問題だというふうに私は考えますが、長官は、ともに環境行政を進めていく次官として、こうした発言なり、あるいはこうしたことが新聞に書かれて、国民から環境行政そのものが疑惑を持って見られるということについてどのようにお考えか、ひとつ長官のお考えをお聞きしたいと思います。
#5
○国務大臣(原文兵衛君) 私も昨年暮れその新聞を読みまして、これは一体どういうことなのかと思ったわけでございます。きょうは石川政務次官も出席しておりますが、石川政務次官は、御承知のように東京から出ておるわけで、私ももう非常に懇意な仲ですし、石川政務次官の非常に誠実な熱心な、物事に対して非常に積極的であるというような御性格もよく知っておりますが、私はそういう新聞を読みましたので、政務次官に一体これはどういうことなのかということでお伺いしたわけでございます。
 結局、石川政務次官は東京十一区で、青梅の市長なんかもやられて、御出身でございますが、政務次官になると、これは責任も大変重いし、そして大変忙しいというようなことでなかなか選挙区にも顔を出す機会も少なくなるし、また、いろいろと選挙区のことについて選出の代議士として努力するというようなこともいままでのようには十分いかないというような点で迷惑をかけることもあるだろうということ、そういうことも理解してほしいというような意味合いで、あいさつのときに言われたというふうに私はお伺いしているわけでございまして、石川政務次官のそのあいさつが、マスコミの報道でどういうふうにとられたのかということについてはそれは私はわかりませんが、私は石川政務次官のその言葉を信じているわけでございます。環境政務次官としましてももちろん非常に熱心にやっておりますし、環境行政、環境政策の原点に立って、それをしっかり踏まえて一いまも一生懸命務めてもらっているというところでございます。
#6
○本岡昭次君 いま長官は、一生懸命やるということは、環境行政を次官として一生懸命やるということを言っているのだということで、一生懸命やるとどうしても地元にごぶさたがちになる、そういうことが皆さんに迷惑がと。言ってみればそれは筋は通りますね、その話は。しかし、その後に、やらないとマスコミにたたかれる、だから厳正にやりましょうという一連のこの発言の意味するところは、環境庁が環境保全あるいは環境を守る、公害を防止するというようなことを一生懸命やれば、どうしても開発事業あるいはそうした建設業界の仕事そのものを規制し抑制するというふうなことになってくる、だからそういう点ではこれは皆さんに迷惑をかけるということになるでしょうし、また、それをやらないで放置しておるとマスコミの皆さんにたたかれる、だから厳正にやるということで、私の言う方が話としては筋が通るのじゃないかと、こう思うんですよ。
 だから、次官が自分の本旨でないことを新聞に書かれた、また、私がいま言っていることも自分の本意でないというふうにいま思っておられると思いますが、しかしこのようにやはり新聞も全く内容のないものを捏造して書くということはこれはあり得ないことで、いま一度この内容の問題について、そこに次官がおられますから次官の方から、環境行政にこれから長官とともに携わっていく決意というものを改めてひとつ表明していただいて、私自身ひとつ納得させていただきたい、このように思います。
#7
○政府委員(石川要三君) 私ごとで大変委員の皆さん方に御迷惑をおかけいたしましたことをまず冒頭に深くおわびを申し上げます。
 ただ、ざっくばらんにその真相をちょっと申し上げますが、表現として新聞に載っていることは、そのとおり私は発言をいたしているわけであります。それは事実であります。ただ、弁解ではございませんが、私にあえて発言をさせていただくならば、きわめてその雰囲気というそういったような状況、それからあいさつの前後の表現というものが取り上げられておりませんので、むしろこういう席におきましては当然そういう発言はなかったと思うわけでございますが、たまたま夕方環境庁から勉強のレクチュアを受けた後あわただしくそこの会場に着きまして、もうすでに相当時間まあ飲食も行われている雰囲気、きわめてリラックスした状態の中でごく親しい仲間方でございますので、やや漫談的な口調でごあいさつをしたわけであります。
 したがいまして、そのままを言わしていただきますならば、今回はからずもというんですが、実ははかって一生懸命なりたくてなりましたよというような冗談も交えましてごあいさつに入り、その中でいま長官からも言われたように、大変何かとこれから皆さん方とお会いする機会も少なくなり、いろいろな意味で御迷惑の点もあろうかと思いますが、しかし実際レクチュアを受けて環境庁の勉強をすれば、一層この環境行政のむずかしさ、そしてまた大切さというものを痛感していた直後でございましたので、これはやらなければまた反対に怒られるしというような、きわめて冗談まじりのあいさつをしたわけであります。
 そのことがそのままマイクに乗っておりましたので、文字にあらわすとそのようなことになったというわけでございまして、そういう冗談が思わず非常に不覚をしてしまったわけでございますが、そういうようなことで大変御迷惑をかけたと、このようには思っておりますが、私の行政に対する情熱といいますか、その気持ちに関しましては、私も若干地方自治体の長をしておりまして、ちょうどそのころが昭和四十二年から数年でございますので、まさに公害の一番盛んな時代でございました。
 したがいまして、私のそういった市長の在職中も公害問題というものに真剣に取り組んできた一人でございますので、その行政に対する熱情といいますか、考えにつきましては、私は人後に落ちないものを自分なりに持っておる、こういう信念はあるわけでございますので、そのきわめてリラックスした気持ちの中から大変御迷惑をかけたということにつきましては猛省しておりますが、そういうのが実態でございますので御理解をいただきたい、かように思うわけでございます。
#8
○本岡昭次君 リラックスした中での発言だということで猛省しているということですが、私は次官がいかにリラックスした中とはいえ、次官であるという立場を忘れてこうした事柄が述べられるということは、やはり自民党の多数政治の中で何でもやれるのだというふうなおごり、そうしたものが次官というその立場も忘れて思わず、あなたにとっては私は本音だと思うんですよ、その本音がすらすらと出るというふうなことで、非常に緊張感に欠けた状況だということを私は強く指摘をしておきたいと思うのです。
 話は横にそれますが、最近のグリーンカードのあの問題にしても、鈴木総理はこれは絶対実行すると言い、一たん法律で決められたものがまた自民党の内部からこれをひっくり返そう、やめさせようというふうなことが起こる、自民党であれば何でもできるんだというふうな何か非常に数を頼んだおごりというものが私は目につく。だから、次官になったということに対する緊張感も、そうした多数の中の一つだということでこういう発言が出てくるということで、あなたの環境庁の次官としての仕事、そして姿勢、そうしたものについては十分これからも注意しながら見守っていきたい、このように思うのです。
 そこで環境庁長官、最後に環境庁に、そうした自民党、多数党ということからくるおごり、そして何でもできるんだ、国民が反対しようと野党が反対しようと最後は結局数で決まるんだと、環境の問題についてもそのように数で勝負すればいいんだというふうな考えがあるかないか、そこのところをひとつここではっきりと言っていただきたいと思います。
#9
○国務大臣(原文兵衛君) 私は自民党の数が多いからどうのこうのというふうなことは毛頭考えておりません。環境という問題について、これは国民全体の問題でございますし、またわれわれの子や孫に伝えていかなければならない大事な行政であると思いますので、そういう御指摘のような気持ちは毛頭なく、真剣に取り組んでいるつもりでございますので、御理解いただきたいと思います。
#10
○本岡昭次君 それでは次の問題に移ります。
 最近、経団連の方から行政改革の問題を論議している臨調に対して環境行政見直しの要求が文書で出されているというふうに聞きますし、その文書も私はいただいています。そこで、経団連が行政改革についていろいろ発言をしておりますが、その中で環境行政見直し要求というものについて、その本心というのですか、本当に考えていることというのは、従来から産業界と環境庁との間にいろいろあつれきもありましたし、また通産省と環境庁あるいはその他の省庁との間で、たとえばアセス法の問題にしてもあるいは湖沼法の問題にしてもさまざまな対立というものが存在をしていたわけです。したがって、私が危惧するのは、経団連の意図するところも表面的にはありませんが、やはり環境庁というものはこの際行政改革の中で廃止をしてしまえ、そういう省庁をなくせ、あるいはまた国土庁などと統合をしてしまえばいいのではないか、合併させてしまえばいいのではないかというふうな考えがその根本にあるというふうに私は思えてならないのです。
 そこで、臨調での論議が、あるいはまた行管庁としての論議の中に、環境庁の廃止とかあるいはまた合併とかいったようなものがあるのかないのか、その点について臨調にお伺いをしたいと思います。
#11
○説明員(新野博君) 現在、臨時行政調査会では、行政の実態に全般的な検討を加えまして、行政の制度や運営の改善について答申を行うことといたしておりまして、中央省庁の組織の問題でありますとかあるいは総合調整機能のあり方等につきまして第二部会というところで検討をいたしておるところでございます。
 第二部会の検討状況について申し上げますと、これまで年金の問題であるとか、あるいは国土の開発利用、保全の問題であるとか、あるいは対外政策の問題であるとか、複数の省庁に関係する問題につきまして、行政が直面している課題、関係する組織、制度、運営の現状と問題点等につきまして関係省庁からのヒヤリングを行いますとともに、有識者との意見交換を行うというようなことを現在までやっておりまして、今後その改革の考え方等につきまして自由討議を重ねるという段階でございます。それで、そうした中でいろいろなヒヤリングなり意見交換で考え方や意見が出されておるわけではございますけれども、まだ部会として具体的な改革の方向を打ち出すという段階には至っておりません。
 以上でございます。
#12
○本岡昭次君 原長官はこの環境庁の廃止の問題に賛成なさるはずは毛頭ないと思いますが、中央省庁の統廃合の中における環境庁の立場というのですか、そういうようなものをどのように考え、昨年から廃止論なるものがいろいろ自民党内からも出されている状況について、どのようなお考えとそれに対する決意ですか、お持ちですか。
#13
○国務大臣(原文兵衛君) 私は、環境庁を廃止しようとかあるいはどこかと一緒にしろとかいうようなことを聞いてはおりません。そういうようなことがだれかの口から言われたというようなうわさは聞いておりますけれども、私自身はそういうことを聞いておりません。しかし私は、環境行政というのはこれは言うまでもなく、公害の防止、また自然保護その他環境の保全を図って国民の健康で文化的な生活を確保するという重大な使命があるわけでございます。こういう使命を達成するために、環境行政を総合的に一元的に推進するために昭和四十六年に設置された役所でございまして、今後の社会経済活動の増大、変化、さらにまた、よりよい環境を求めようという国民の大きな要求、その要求の高まりの中で私は将来にわたって環境を保全していくためにこれはもうなくてはならない行政官庁だと思っております。
 先ほどもちょっとお答えしましたが、これは国民全体の環境を守るものであり、またそれを子孫に伝えていかなければならないというようなことで、この環境行政を総合的、一元的に推進するということはきわめて必要なことだと思うわけでございまして、私はそういう基本的な考え方に立って、いろいろな問題があっても対処していきたいと思っておるわけでございます。
#14
○本岡昭次君 そこで、昭和五十六年の十二月十一日、経団連の環境安全委員会が環境行政の合理化に関する要望を臨調に提出しております。その中に具体的な個別行政施策についての要望が六点出されていますが、その六点についてひとつ簡単に内容を説明してください。
#15
○政府委員(山崎圭君) 御指摘の五十六年十二月十一日付で経団連の環境安全委員会が臨調の事務局に対して提出した要望でございまして、それを臨調の事務局から私どもが意見紹介という形で入手したといいますか、私どもに意見紹介があったわけでございますが、その個別行政施策という部分と、もう一つは許認可届け出等についての要望と大きく二つに分けております。
 前段の個別行政施策につきましては、第一点が公害健康被害補償制度の見直し、第二点が産業廃棄物対策の推進、第三点がNOX総量規制の合理化、第四点は生活排水対策の推進、第五点は環境アセスメントの立法化問題、第六点が蓄積公害にかかわる行政措置の見直し、こういうものでございまして、いずれも許認可の合理化という問題とはやや性質の違う環境行政施策そのものについての要望と私どもは理解しております。
#16
○本岡昭次君 長官もこの経団連の要望についてはすでに御存じだと思うし、また知ってもらわなければならない問題なんです。私はこの経団連の要望をずっと見ておりまして、行政改革をにしきの御旗として活用して、先ほども申しましたが、この際環境行政の骨抜きを一挙に図ってしまおうという意図が何かありありと見えるような気がします。七月に臨調が答申を出すという状況を踏まえて、経団連の要望に対し環境庁もただ腕をこまねいて見ているというわけでは困るわけで、環境庁としてどのように臨調に対して見解を表明したのか、また長官として経団連の要望に対してどのようなお考えをお持ちなのか、そこをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#17
○国務大臣(原文兵衛君) 臨調事務局から環境庁に対して意見紹介のございました内容につきましては、いま官房長から御説明したとおりでございます。われわれの方としては許認可等にかかわる事項、これにつきましては行財政改革の基本的な考え方を踏まえながら部内でもっていろいろ検討の上、許認可事項等については回答をいたしております。
 しかし、いま六項目ばかり挙げましたいわゆる施策につきましては、これは実はいままでも経団連がいろいろと外に対して言ってきたところでございますが、私どもといたしましては、この問題はこれはもう環境行政の本質的なものにかかわる問題でございまして、私どもは臨調に対して、経団連がこういうことを申してきたから云々ということによって環境行政が変更されるとかなんとかいうことはこれはあり得ないことだというふうに思っているわけでございまして、こういう問題に対して環境庁はこう考えているのだ、従来もこう考えているし、いまもそのとおりだというようなことを参考として臨調の事務局の方にはお話をしておりますが、この問題は私どもは許認可の事項とは別の問題だということで、われわれの基本的な姿勢を崩さないでこれからも当然やっていくのだという考え方を持っているわけでございます。
#18
○本岡昭次君 ぜひ経団連の圧力に屈しないで、一層環境行政が強力にやれるような体制をしいていただきたいということを強く要望しておきます。そのために臨調に対して、環境庁の立場からさらに具体的な環境行政の問題について提案し、また意見を述べる等積極的な働きかけをしておいていただきたいということを申し上げておきます。
 そこで、経団連の要望の中身について具体的に一、二質問をしていきたいのですが、私の質問の時間が午前と午後とに分かれ、長官が席を外されるというようなこともあって、ぜひ長官のおられるときに集中的に質問をしておいた方がいいというふうな考えもありまして、実は一番最後に用意しておりました志布志湾の問題をいまちょっと取り上げさしていただいて、そこで十分論議できなかった問題はまた午後の最終段階に長官がおいでになったときに質問させていただくということで、ちょっと質問の通告を変更して申しわけありませんが、そういう質問を長官が不在になられるということでお許しいただきたい、このように思います。
 そこで、志布志湾の問題なんですが、原環境庁長官が鎌田鹿児島県知事と会われて、そしていままで鯨岡前長官が国定公園の存否にかかわるものとして拒否されていた志布志湾の石油備蓄基地建設計画について事実上の同意を与えられた。しかも、だめだという拒否を県に与えたその段階から三カ月しかたっていない、あるいはまたその二、三日前には地元の人々が要請に来られて原長官と会われて、この志布志湾の石油備蓄基地建設問題について同意を与えないようにというふうな要請について、いやそれについてはまだ私は同意を与えていないし、前の鯨岡長官と意見は何も変わっていないのだというふうな事柄を述べておられながら、二、三日後には知事との間で事実上の同意ができたというふうな前後の事情があるわけなんですが、なぜ三カ月の間で拒否していたものが同意に変わったのか、長官からその間の事情を御説明を願いたいと思います。
#19
○国務大臣(原文兵衛君) 最初に申し上げますが、鯨岡前長官はこの石油国家備蓄基地について拒否をするということはおっしゃっていなくて、実は昨年の九月七日に、いわゆるフィージビリティースタディー案、FS案というものが鹿児島県の方から環境庁の方に言ってこられたわけでございます。それは、志布志湾の浜辺から二百メートルほど沖合いに、いわゆる出島方式の埋め立てによって国家石油備蓄基地をつくりたい、こういうことでございましたが、それでは日南国定公園のうちの鹿児島県側の志布志の景観に非常に大きな影響を与えるので、われわれとしてはこの案では容認できないから代案を持ってこいということを鯨岡長官が言われたわけでございます。
 そして、環境庁といたしましては、浜辺から二百メートル沖合というのは、公園法上は国定公園のいわゆる普通地域でございまして、国定公園につきましては指定は国の方でいたしますけれども、その管理の権限は、管理は都道府県知事がやるということになっていることは御承知のとおりでございます。そしてまた、その普通地域に何かをつくるということは、これは知事に対する届け出ということになっているわけでございます。しかしながら、これはやはり国定公園、志布志の浜辺、松、いわゆる白砂、青松、その景観に与える影響が大き過ぎるから、もっとその影響が少ないような、まあ国定公園の解除につながらず、この景観を台なしにするようなものでない代案をひとつ持ってこいというようなことで鯨岡長官も言われたし、環境庁の方もその方針を私になりましてからもずっと続けているわけでございます。
 そして、環境庁と県当局の間に何回もいろいろと折衝があったわけでございます。環境庁としては、いま申し上げましたように、国定公園の解除につながらないこと、また景観を台なしにするような著しい影響を与えないことと、この二つをしっかりと通して、それに当てはまるようなものでなければならないということで話し合いを続けてきたわけでございます。
 鹿児島県知事が持ってきた代案、これはいろいろな折衝の経過を経て出てきた代案でございまして、二百メートル沖合いに出すというのを五百メートル沖合いに出して面積も縮小する、そうしてまた志布志湾というのはいわゆる弓なりの浜辺でございますが、それの一番南端の方に六百メートル寄せるという代案でございまして、それならば国定公園の解除にはもちろんつながらないし、また景観上ももちろんそれは影響絶無じゃございませんけれども、景観を台なしにするような著しい影響ではないという観点から、その位置ならば、その位置に建設することについてのアセスメントを進めてもいいじゃないかというような意味で検討に値すると答えたわけでございます。また、地元からの陳情の方にお会いしたときも私は、前長官が代案を示せと言ってきている、その代案というのはいま何回も繰り返しましたように国定公園の解除につながらないこと、景観を台なしにするようなものでないことということで、その点につきましては環境庁も何ら方針に変更はないのですというようなふうにお話をしてあったところでございます。
 以上がいきさつでございますが、私が実は知事にこれなら検討に値するというふうに言ったときにも、しかしこれがぎりぎりの限度であって、安楽川以南の浜辺はもちろんでございますが、その前面の海面につきましてもこれ以上は何かをつくるというようなことは認められませんぞということをはっきりと申したわけでございまして、これによって私はぎりぎり白砂青松を守ることはできたと。われわれとしていろいろな法律上の問題がありますけれども、環境庁としてはぎりぎり自然保護の環境庁の姿勢をむしろ貫くことができた、私どもはそういうふうに考えて、これで検討に値すると申し上げた次第でございます。
#20
○本岡昭次君 問題の発端というのか根源というのか、それは昭和四十六年に県がこの海岸を十六キロメートルにわたって埋め立てて臨海工業地帯をつくるという新大隅開発計画そのものにあるわけです。そこで、長官がもうこれ以上開発を進めるというふうなことはあり得ぬということについて確信が持てるというふうなことをおっしゃっているわけなんですが、それでは新大隅開発計画にかかわる志布志湾の埋め立ての問題についていまおっしゃったことは、鹿児島県知事と明確にそして具体的な中身でもってそれは約束され、確認をされ、そして長官として、その石油備蓄基地というのは新大隅開発計画と関係もないし、したがって志布志湾の白砂青松のその景観の土地が埋め立てられるというようなことはもう絶対にないということを責任を持てるというふうなことが知事との合意の中にあったのかどうか、明確にひとつおっしゃっていただきたい。
#21
○国務大臣(原文兵衛君) いわゆる新大隅開発計画というもの自体につきましては私どもは正式には承っておらないわけでございます。しかしながら、新大隅開発計画というものがこういうものであるというようなことはいろいろな方面から耳にも入っておるわけでございまして、その中にこの安楽川以南について一号地とか二号地とか三号地とか埋め立てをして、そこに工場を誘致するとか、そういうような計画があるというようなふうには聞いておりました。
 したがって、そういうような意味を含めて、私は正式には新大隅開発計画ということについて環境庁は何も承っておりませんから、そういう表現は使わないで、安楽川以南については、浜辺を埋め立てることはもちろんのこと、海面にもこれ以上のものをつくることはこれは認められないということをはっきり申したわけでございます。したがって、新大隅開発計画と言われるものの、志布志湾に何かつくろうということであれば、これは私どもは認められない。これは知事にはっきり申しまして、ただ知事は、いままでのそういう地元におけるいろいろないきさつもあったでしょう、したがって覚書を交換するとかというようなことはしておりませんけれども、私は国会の場におきましても、あるいは報道陣に対する発表におきましてもこれをはっきりと申しているわけでございまして、それはしたがって環境庁の方針でございます。
 したがって、今後も一この方針は環境庁として堅持をしていくわけでございますから、新大隅開発計画というのは私、詳しいことは知らないのですが、全然国定公園などと関係のない、内陸部に何か福祉的なものをやるのだとかなんとかというふうなことはこれは私ども関知するところじゃございませんけれども、少なくとも志布志湾についてはこれ以上のものは認められないということは、志布志湾に関する限りいわゆる新大隅開発計画は認められないということと同じことでございます。そういうことをはっきり申しておるわけでございまして、ここでもまたそれをはっきりと繰り返して申し上げたいと思います。
#22
○本岡昭次君 新大隅開発計画という言葉じゃないけれども、それと同じ意味をもって確認をしたということで、それはそれでわかります。しかし、新大隅開発計画そのものが自然環境を破壊するという事柄から環境庁が待ったをかけてきたというこの経緯は、やはり長官もはっきりと押さえてもらわなければ困ると思うんですね。いや私はそんな新大隅開発計画についてはよく知っておらぬということでは困るわけで、そこの関係というものを明確にして今後も対応してもらわなければ困るということについてここで申し上げておきたいと思います。
 そこで、経過の中で、環境庁として代案を持ってきなさいと言った、そしてその代案をただ持ってきなさいということでなくて、ヒントを三つ与えたということを正田局長の方から私たちは聞いているわけなんですが、この三つのヒント、すなわち代案の内容となるべき三つのヒント、それはどういうものであったかということをここで明確にしていただきたいと思います。
#23
○政府委員(正田泰央君) 前長官が鹿児島県知事に対しまして、二百メートル沖のFS案では非常に無理であるということを申し上げた際に、いま先生がおっしゃったような代案を持ってきなさい、その際たとえばこういうところにならないかということをおっしゃったのが三点ございまして、それを後ほど長官から私ども承ったわけであります。
  一点は、志布志港の港湾改定計画地域の中でございまして、安楽川以北の志布志港の港湾計画内が一点でございます。それから先ほど長官がお話し申し上げましたような内陸部、ことに東串良町の内陸部と申しますか、そのようなところはどうか、さらには高山町と申しまして志布志湾の南の方にございますが、高山町の地先海面あたりはどうか。この場合は国定公園の中に当然かかるわけでございますが、普通地域、そういったことにかかるわけですが、その辺で公園区域外をも主体にしてどうなのか。こんなようなことでひとつ考えてみたらどうかと、それ以外にちょっと方法が見つからぬな、こういうことでおっしゃったということを私ども長官から承った次第でございます。
#24
○本岡昭次君 いまおっしゃった三つのヒント、こういうところでひとつ代案をつくったらどうかというところにできておればいいのですが、結局もとあった原案の位置に、二百メートルほど沖に出し、規模を若干縮小して形を変えてというその案に対して、今度は長官がかわれば同意が得られるということは、この前後のいきさつからしてどうにも納得できないのですが、一体その三つのヒントという問題を与え、しかもそれはそれぞれ県において実行されなかった、またもとのところへ戻った、それで次の新しい長官が合意を与えたという、そこの関係は一体どうなるんですか。
#25
○政府委員(正田泰央君) ちょっと事実問題でございますので私からあらかじめ御説明申し上げますが、いま先生の御指摘の点について申し上げますると、三つのヒントのうちで三番目の高山地先の案につきましては、普通地域にわたっておるわけでございますし、しかも波見港という港がございますが、波見港の近辺まで海底の深さの関係から接近しませんとできないわけでございますので、そんなところでぎりぎりどうなんだろうと、こういう点がございました。それから見ますると、それぞれはFS案よりもすぐれているわけでございますが、最後に代案として持ってまいったものは、その三番目の案よりは沖合いに出ている、こういうことでございます。事実として申し上げておきます。
#26
○本岡昭次君 長官の……。
#27
○国務大臣(原文兵衛君) その三つのヒントというのは、いま自然保護局長の方からお話があったようでございます。そしてそういうヒントにつきましても、環境庁と鹿児島県の事務当局との間ではいろいろと検討をするというような点での折衝がある、これは私が長官になる前から引き続き折衝がある。
 ところが、私が聞いている範囲におきまし七は、安楽川以北の志布志港のところにつくるということは、これは非常にそれだけのスペースもなくて、とてもこれはできる相談ではないというような結論になったようでございます。それから内陸部の方は、土質の関係とかあるいはまた農地あるいはその他いろいろな関係があって、内陸部につくったとしても、港からそこへ石油を運ぶ手段とかいろいろなものから考えて、これも実際問題としては実現不可能なことである。それからいま最後に言われた高山の地先に埋め立てる、これはむしろやっぱり国定公園の普通地域にかかるようでございますが、これはしかし技術的にも非常にむずかしいだけでなくて、その後ろ側が断崖の上に県道が走っているようなところでございまして、そういうところにつくりますとこれは非常に安全上問題があるというようなことで、いろいろな点から検討が進められ、そしてその検討は環境庁と鹿児島県当局の間でもいろいろと折衝されたようでございます。
 そして、結局先ほど申し上げました五百メートル沖合いに出して、さらに南の方に六百メートル寄せて、規模、面積も少し縮小するという、これならば国定公園の解除にはつながらないし、まあぎりぎり景観に対する影響も非常に少なくて済むというようなことで検討に値するという結論になったということでございますので、前長官が言われたその線から外れていないというふうに私は確信をいたしている次第でございます。
#28
○本岡昭次君 国定公園の指定解除につながらない、あるいは国定公園の景観を損なわないということで、ぎりぎりの状態でそこにできそうだから同意を与えたということなんですが、その国定公園の指定解除というふうな重要な問題あるいは区域の変更というふうな、環境庁長官として環境を守る、あるいは国定公園の自然を保護する、あるいは景観を保持するというふうな事柄が、わずか二、三百メートルの問題で、あるいはまた六百メートル南へずらすとか、あるいはそれを東へずらすとか、長方形が正方形になるとか、あるいはまた五百四十万キロリットルですかの備蓄を五百万キロリットルに減らしたからというふうなそうした幾つかの部分的な修正が行われたということだけでもって、国定公園の指定解除とかあるいは区域の変更とかいう重要な問題に大きな変化が生じないということはとても私たちには考えられないのです。二百メートルや三百メートル沖に行くとか、あるいは六百メートルどちらかにずれるとかといっても、しょせん志布志湾の石油備蓄基地のできる位置というのはこれは大きな目で見ればもう全然変わらないわけなんですね。
 だから、自然公園法の第二条の二に言う、環境庁としてしっかりと国定公園あるいは国立公園を保護し守らなければならないというその権限の範囲内でやろうとしたことそのものを環境庁が放棄した、そして都道府県知事の権限の問題にそれを譲って、そうしてみずからの責任を逃れた、こういうふうに考えざるを得ない、ここのところはいかがですか。
#29
○国務大臣(原文兵衛君) 法律上の国定公園の普通地域の問題につきましては、知事に対する届け出で済むということは先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、しかしやはり志布志湾の白砂青松というこの景観に影響があるので、それを台なしにするようなものであっては、これは国定公園を守っていく、自然を保護するという観点からわれわれも黙っていられないということで確かに待ったをかけた。そうして出てきた案がうまくないので代案を持って来いと前長官も言われた、それはもうそのとおりでございます。
 私は実は長官就任以来、予算の編成とか、すぐ国会とかいろいろありまして、時間もなくて志布志には行っておりませんけれども、この環境問題に対する専門家等がもちろんのこと志布志に行きましていろいろと検討して、景観上これはもう影響は全然ないことはありません。何かつくるのですから影響はありますけれども、しかしこれだけ沖合いに出し、こういうふうに南にずっと片寄せるならば景観を台なしにするような著しい影響はない。しかも島の周りには百メートル幅の築堤をし、そうして植栽をして備蓄タンクが浜辺から見えないようにする、一つの島のような景観にするというようなことで、これ以上は困るけど、これならばまあまあ直接公園の解除につながらないし、景観を台なしにするような著しい影響ではないから、それならここでもってアセスメントも進めてもいいと、こういう観点から検討に値するという結論を出したわけでございまして、私どもはやはり自然環境、自然を保護するというそういうむしろ立場に立ちながらこの問題に対処してきたという点を御理解いただきたいと思うわけでございます。
#30
○本岡昭次君 検討に値するという意味の合意しか与えていない、その根拠になるのは国定公園の景観を台なしにするような著しい影響はその修正案によってなくなるという判断に立っているということですから、その話を逆に返せば、その景観を台なしにするような著しい影響がこれからの論議の中で、長官も実際現地に行かれて、その景観そのものをみずからの目で眺望されて、そして台なしになるのかならないのか、またそれは地元の人の意見もある、大ぜいの自然保護をいままでやってきた学者またその関係する人々、さまざまな意見がそこに加わって、自然を本当に台なしにしないのか、著しい影響はないのかというその結論をやはりこれからもずっと求め続けて、そして検討に値すると言ったけれども、検討に値するということですが、最終的にいや検討に値しなかったといって、その問題について新しいその観点というものを長官としてお示しになれるという中身ではないかと私はいまのお話でお聞きしたのですが、その点はいかがですか。
#31
○国務大臣(原文兵衛君) 検討に値すると申しましたのは、代案の位置でもってそこを埋め立てて基地をつくるということについて、これはいろいろなアセスメントが行われるわけでございます。潮流に与える影響であるとか、あるいはいま申し上げた築堤、植栽によってタンクが見えなくなるというようなことについても、それがそのとおりできるかどうかとかというような点、そういうアセスメントをやって、そのアセスメントについてわれわれはまたチェックをする、こういう意味でございます。
 この景観について台なしにしない、台なしにするような大きな著しい影響を与えないということにつきましては、先ほど来申し上げましたように、私自身は時間もなくて行っておりませんけれども、これはただ長官一人の目でもってそういうことがはっきり決められるものではございませんで、むしろこういうものに対する専門の人がいろいろな角度からこれを見て、これならぎりぎり認められる位置ではないかということになったわけでございまして、その点については私はこれを変更するわけにはいかない。ただ、実際問題として、このアセスの結果いろいろな問題が起きてきたら、その都度注文をつけるべきものがあれば注文をつけていくというのはこれは当然でございます。
 以上お答え申し上げたいと思います。
#32
○本岡昭次君 景観の問題は後ほどの時間でもう少し具体的に論議をしてみたいのですが、長官、行って見ないからということで、私一人が見て決めるようなものではないということもおっしゃいましたが、いわゆる白砂青松の志布志湾の海岸線、その景観というものをながめる場所ということ、いわゆる松の緑と砂の白さ、それがお互いに調和をとって、そして水の青さというんですか、そういう一つの総合的な景色というものを全体として見る場所というところはどこかということになるわけで、その点いろいろ現地の人たちの話では、一番南側にある、現在の石油基地がつくられているその近くの権現山というところから一望するのが一番志布志湾の眺望がすばらしい、白砂青松、まさにそれが弓なりになってすばらしいんだということなんですよね。しかし、その権現山に立って今度は石油基地を見たときには、その石油基地そのものが真下の視野にあって、そしてそれは石油の基地そのものも見えるような状況になるし、その石油基地を通して白砂青松を見るということで、その景観とか眺望とかいうのは著しく損なわれるというのが地元の皆さんの一致した意見であるわけです。
 だから、一体どこから見てその景観が損なわれないのか、損なわれるかという問題について同意を与えたその根拠というのは非常に問題がある。これはもう一遍再検討して、長官自身がこれは自信を持って絶対に環境は損なわれていない、私が見ても大丈夫だと思うというものが、私が見たってということじゃなくて、長官としてのそうした検証が私は必要であろうと思います。しかも石油基地ができれば当然タンカーが来て石油をそこに入れ、また出すということ。公団の人に聞けば、何年かに一遍はそのタンクを空にしなければならぬというようなことがあって、備蓄基地とはいえ絶えずそこにタンカーが出入りして、石油を出したり入れたりするというようなことが行われなければならないのだという話も聞きました。白砂青松の国定公園の景観のところにそのタンカーが沖に並んで、そしてそこに停泊している、またそれが航行しているというふうなことは、およそ似つかわしくないと私は景観上思うのです。そうした問題について長官はいかがお考えですか。
#33
○国務大臣(原文兵衛君) 景観の問題につきましては、いろいろなところから白砂青松を見るという問題もありまして、それは先ほど申し上げましたように、そういう問題に対する専門的な者が現地にたびたび行ってその意見を総合しているわけでございますので、自然保護局長の方から詳しくお答えさしたいと思います。
#34
○政府委員(正田泰央君) 志布志湾の問題が起こりまして十年間たちますが、この間、延べにして私どもの方の専門家が無数にこの地域を見ております。私自身何回も行っておりますが、景観論につきましては細かいことは除きますが、この地域は昭和二十年代に県立公園でございました。県立公園をベースにいたしまして日南海岸国定公園をつくる場合にこの志布志湾地区を国定公園に入れたわけでございますが、景観の基本はすでに二十年代に把握されております。それからさらに若干地域を拡大いたしまして、三十一年に国定公園の・地域に入れたわけでございますが、最初の県立公園の時代、もちろん国立公園法という法律がございましたが、そのときの法律は国立公園と国定公園だけでございまして法定外のいわば県立公園なんですが、その時点と、それから国定公園に昇格した時点で相当景観の議論というか調査が行われております。
 もちろん景観でございますから総体について行います。たとえば富士箱根国立公園といったような国立公園を指定します場合に、それはもうたくさんの地点から行いますが、いろいろな問題も入っております。さらに、そういったことを考えて、この地域においてもダグリ岬、それからくにの松原という中央地域、それから当該地域の柏原海岸、そういったことを十分念頭に置いて調査いたしてきたわけでございます。
#35
○本岡昭次君 いまちょっと聞こえなかったのですが、権現山からの眺望も、それを聞いた。
#36
○政府委員(正田泰央君) 失礼いたしました。権現山は指定したときの利用計画地域でございまして、権現山については白砂青松の志布志の浜から見たときの大事な山として、志布志湾のいわば点景と申しますか、弓なりの白砂青松に添える景色として特別地域に指定しておるわけでございますが、ここに展望所を設けましたのは、将来、山に登った人がここで休めるようにということで計画をいたしたわけでございますが、利用が全然行われなくて現在設けられておりませんが、全体として国立、国定公園の景観に支障がない、こういうような専門的な判断でございます。
#37
○本岡昭次君 終わります。
#38
○中野鉄造君 私は、去る三日の予算総括質疑の中で原長官に、先ほどから論議されておりますこの志布志湾の石油備蓄問題についてお尋ねいたしましたが、時間の都合であの際お尋ねできなかった諸点について、ここで再びお聞かせをいただきたいと思うわけです。
 あの節も原長官からいろいろと御答弁をいただいておりましたけれども、長官は、鹿児島県の出した修正案について検討に値する案であると言っただけで、了承するとは言っていないと、このように申し述べられておりますけれども、しかしそれは結局オーケーを出したというような表現にならないだけで、事実上のこれはオーケーを出した、了承したということになるのじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#39
○国務大臣(原文兵衛君) 私、あのときのお答えで、これは代案ですね、五百メートル沖に出して六百メートル南に寄せる、規模も小さくするという代案について検討するということも御答弁したわけでございますが、私は了承したわけではないというふうには、そういう御答弁はしておりません。これは、石油国家備蓄基地そのものをつくる、つくらないというのは環境庁の仕事ではない、権限ではないので、それはまた鹿児島県なりあるいは石油公団なり、あるいはまた関係のところとのいろいろの協議があると思いますが、ただ、そこにつくるその位置については了承するわけですね、検討に値すると言ったのは了承するわけで。石油国家備蓄基地そのものが対象というのじゃないというような意味で申し上げたわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、またこの埋め立てをするということになりますと、公有水面埋立法等によって主管庁の方から協議もあるわけでございますから、そういう場合にもいろいろとこのアセスメントを踏まえてのわれわれのこの自然を守るためのチェックはしていくというふうに考えているわけでございます。したがって、私は、ここの位置そのものについては検討に値するということは、これはその位置についてアセスメントなんかやることを了承するということと同じでございますので、それもはっきり申し上げておきたいと思います。
#40
○中野鉄造君 私がお聞きしたいのは、要するに三月九日の閣議後の記者会見で長官は、代案によって県が環境アセスメントを実施することに対して検討に値すると言ったまでで、建設そのものを認めたわけではなく、そうした権限も環境庁にはないと、このようにおっしゃっていますね。それで、私がお聞きしているのは、こういうような発言といいますか説明は、自然公園区域における環境庁のアセスメント着手に同意ということが、これは従来からの事例から考えれば、この計画について半ば同意したということに受けとられてもしようがないじゃないでしょうかと、こういうことを聞いているのです。
#41
○国務大臣(原文兵衛君) その点は、環境庁が石油国家備蓄基地に対してゴーのサインを出したというようなふうにいろいろと報道されたりしておったので、われわれは石油国家備蓄基地そのものを建設していいとか悪いとかというような権限はないので、それは環境庁の仕事の対象外のものである、しかしそこにつくるについては、それが国定公園の景観に与える影響はどうなのかというそういう観点からいろいろと注文もつけ、代案も求め、そして最後にいろいろな折衝の結果出てきた代案は、これはそこの場所ならば、その場所について検討に値すると言ったのだということを、私もそういう権限外のことを私がゴーと言ったなんということはこれは誤解を与えるといけませんものですから、そういう点をはっきりさしたわけでございます。
#42
○中野鉄造君 それで、これからの手続としては、鹿児島県が今後運輸省にこの埋め立て申請を行うということになりますね。それから今度は運輸大臣が環境庁長官と協議する、これが進んでいくということになればこういう経過をたどっていくということになるのじゃないかと思いますが、その段階でまた長官は、アセスメント資料を検討の上、環境保全についてチェックするというようなこともおっしゃっておりますが、それはつまり環境庁として修正案は了承をしたのでアセスメントにかかってもよろしいと、こういうことになるでしょうか。
#43
○国務大臣(原文兵衛君) アセスメントにかかってもよろしいと、そのとおりでございます。
#44
○中野鉄造君 それが先ほどから私言っているように、いままでの事例からすれば非常に環境庁としてはこういうようなことは少なかったので、そのアセスメントに着手してよろしいということは、長官はそうじゃないとおっしゃいますけれども、ゴーサインを出したというふうに受け取られる危険性があるというか、事実地元では、県の方ではそのように思っているようです。
 そこで、鹿児島県の二市十七町の同意も得た強い要望であるということもいままで何回か聞いたことがありますが、それは新大隅開発計画に対してでありまして、一号、二号、三号埋め立てを前提に二市十七町が賛同したものでありまして、今後一切埋め立ては認めないということになれば、その前提が変わったのであって、これはもう話がまた違うのじゃないかと思いますが、その地元の意向ということを前面に押し立てられるならば、この際もう一遍石油備蓄基地のみということでこの二市十七町の意向を問い直す必要があるのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
#45
○国務大臣(原文兵衛君) 私どもの方は二市十七町の意向というものを前提にしてやっているわけではございませんで、あくまでも自然公園法上、また国定公園を守るという、その景観を守るというそういう立場からこれを判断しているわけでございます。
#46
○中野鉄造君 これは、長官そうおっしゃいますけれども、県としてはつくりたくてしょうがないわけですから、そういうようなことでこういう地元の意向意向ということをよく前面に押し立ててこられている、それを長官はいまそのようにおっしゃいますけれども、必ずしもそうではないいろいろなそういう動きがあることも私は承知しております。
 もう一つ別の角度からお尋ねいたしますけれども、大体この志布志湾の港湾改定計画では九十八ヘクタールの造成団地をつくる予定にしていたところ、漂砂や安楽川からの土砂流出により自然にこれは九十ヘクタールほど埋め立てられたというそういう事実がありますけれども、石油備蓄基地についても、これは肝属川があります。また、この計画によりますと、出島や防波堤をつくるということになりますし、その漂砂や浸食、海底地形の変化、こういうものが大きな影響が出ることはこれは十分考えられるわけですけれども、景観という面からだけさほどの影響はないというようなことが先ほどからしばしば言われておりますけれども、そういう目には見えない地形の変革だとかなんとかでいろいろな障害が出ることは多分に想定されるわけです。
 私は佐賀県ですけれども、佐賀県の玄海灘に面したところに九電の火力発電所ができました。これも沖合いに面して少し突き出してつくったわけですけれども、つくる際も絶対に他に影響はない、海岸線に及ぼす影響はないというようなことがその当時言われたのですけれども、しかしできてからわずか二年足らずで、九州では最高と言われた遠浅のあの海水浴場がもう一〇〇%全部なくなってしまいました。全部砂がどこかへ持っていってしまわれたわけです。
 そういう事実もありますし、先月のNHKの、あれはちょっと忘れましたけれども、ニュース解説だったと思いますが、夜のテレビで放映しておりましたけれども、あの有名な四国の月の名所の桂浜と言われたあの桂浜の砂がいまやどんどん沖合いかどこかへ削られていっている。そういうようなこと、それは調査したところ、あの周辺の港湾改修によるものだとか、あるいは沖合いでの砂採掘によるその影響であるとかいろいろな諸説があるけれども、いずれにしてもそういう自然がいま破壊されつつあるというような報道がされておりました。したがって、この景観の面からだけではなくて、そういうような海岸線の浸食だとかあるいは海底地形の変化だとかいろいろなこれは問題が出てくることはもう想像にかたくないわけですけれども、やはりこれは専門家にも十分図っていただく必要があるのじゃないでしょうか。
#47
○国務大臣(原文兵衛君) いろいろな潮流だとか海底だとか、あるいは生物だとかいうようなものに対する影響等については、それをアセスメントでやって、それに対してわれわれの方にももちろんそういうものの専門家がいるわけでございまして、十分チェックをしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#48
○中野鉄造君 そうしますと、この自然環境保全審議会に十分な今後もまた諮問をされるわけですか。
#49
○国務大臣(原文兵衛君) 自然環境保全審議会に諮問するのは、これは一定のいままでもルールがあるわけでございまして、今度の場合もこれはそのルールによっての対象にならないということで諮問はしておりません。ただ、大変社会的にも重要な問題であるというふうにも考えまして、自然環境保全審議会の公園部会に私から十分報告をいたして、そしていろいろな御意見があったことにつきましては、これまたさっき申し上げましたアセスメントにおけるチェック等の場合においてそういう御意見も十分参考にさしていただきたい、こういうような経過をたどってきたわけでございまして、諮問の対象にはなっておらないわけでございます。
#50
○中野鉄造君 その諮問の対象になってはおらない、こうおっしゃいますけれども、この自然公園法第十二条に基づくおそれのある場合ということをこれは適用できると思うのですけれども、そのおそれのある場合というものが、長官のいまの御答弁では、おそれはないということなんでしょうか。
#51
○政府委員(正田泰央君) 本件につきましては都道府県知事の権限というものが第一にございまして、それから環境庁の長官が関与いたします場合は解除問題、指定の解除という場合だけでございますが、本件については指定の解除のおそれがあったということであるのじゃないかということでFS案について審議会の問題があったわけでございます。現在の案につきましてはその解除という問題はないというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、アセスメントの結果及びアセスメントにつきまして、先ほど先生がお示しになりました大気の問題でございますとか、水質の問題でございますとか、あるいは潮流の問題でございますとか、もう万般にわたられると思いますが、そういったものを自然環境保全審議会のいわば国定公園の解除問題としてかけることは考えられておりませんので、御理解いただきたいと思っております。
#52
○中野鉄造君 去る三月四日に環境庁で開かれた自然環境保全審議会自然公園部会で委員の都留一橋大学名誉教授が席をけって退席された、このことについては、これはもう環境庁関係の審議会では本当に前代未聞のことであろうと思いますけれども、学者の良心としてそういう本当になし崩しにされていくその自然破壊への怒りのためであったと私は思いますけれども、こういう自然を破壊していく、それからいまおっしゃった、全然そういうおそれはない、自然環境保全審議会に諮問する必要はない、こういうように判断されたその根拠は何ですか。それが一点と、そしてこの都留教授が途中から退席されたこのことについてどういうふうにお考えですか。
#53
○政府委員(正田泰央君) 前段の根拠の問題でございますが、自然環境保全審議会にかけますものは、国定公園につきましては指定の解除をいたします場合にかけます。それは従来も行っております。たとえば公園を解除しまして国立公園に昇格するというときにはかけた経過はございます。
 それから現在の時点で解除のおそれがある、こういうときには諮問と申しますか、いわば重要な参考意見を聞くということでいたしますわけでございますが、現在の地域、地点は、先ほど申し上げました経過の問題が一点、それから第二点は、ほとんどが公園区域外でございまして、それから公園区域内につきましては七十ヘクタールございますが、普通地域の知事の届け出事項ということになっております。国定公園の解除という本質問題にはつながらない。こういった国立公園、国定公園内に、発電所でございますとか備蓄基地でございますとか、道路とか港湾とかいっぱいございますが、これも同じようなケースというふうに考えております。
#54
○国務大臣(原文兵衛君) 三月四日の自然環境保全審議会の自然公園部会は、九州山地国定公園、それから岩手県の早池峰国定公園、この二つの国定公園を新たに指定してはどうかという意味でもって自然公園部会にその問題がかけられたわけでございますが、ちょうど私は先ほど来申し上げましたように、この志布志の石油国家備蓄基地についてもその位置について検討に値するといったことはこれはやっぱり大きな問題であるので、この部会でもってはっきりと御報告をいたしたいと思いまして、そこで私は冒頭に長官就任のごあいさつを申し上げますと同時に、この新しくかけられる国定公園、これが諮問事項でございますので、それの説明なり、あるいは御論議が終わった後で、私から志布志の石油国家備蓄基地の位置につきまして検討に値するといったことについて詳しく御報告申し上げますということを最初にごあいさつの中で言ったわけでございます。
 そして、林修三先生が部会長であり、自然環境保全審議会の会長でもございますが、林部会長からそれでは新しく提案された二つの国定公園候補地について事務局から説明を聞こうとおっしゃったときに、都留先生が、その前に林部会長にお伺いしたいがということで、いまの志布志の問題をどうして部会の諮問事項にしなかったのかという点を林部会長に御質問されて、その点について林部会長と都留委員の間でいろいろやりとりがありまして、そして都留委員が、それでは私はこれで退席しますと言って御退席になったわけでございまして、私としては、この諮問事項が終わってから、新しくかけられるこの国定公園の問題が終わってから詳しく報告を申し上げて、いろいろな御意見もあって、それをまた今後の参考に資したいと思っておりましたのに、都留委員は御退席されたわけでございまして、大変残念に思っているところでございます。
#55
○中野鉄造君 環境庁は、石油公団が昨年九月にこのFS調査結果を発表したときに、いろいろ当時の鯨岡長官のコメントを出しておりますが、その一つに、備蓄基地の立地について判断を示す必要が生じた場合には自然環境保全審議会の意見を徴するなど慎重な態度で臨むというようなコメントを発表しているわけですね。そして今度は、そういうように先ほどからお話が出ておりますように、その必要を認めないというように非常に急転した。そこのところが私も非常に納得がいかない点なんですけれども、また都留教授も、昨年の九月には環境庁としてはこういうコメントを出しておる、そういう立地について判断を示す必要が生じた場合にはこういうような審議会に諮るというようなことをちゃんと言っておきながら、今度はわずか半年後にはこういうように急変する、そこのところが非常に解せない、納得しがたいというようなお気持ちもあったのじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
#56
○政府委員(正田泰央君) そのときの鯨岡大臣のお話は、いま先生がお話しになったとおりでございますが、
   〔委員長退席、理事本岡昭次君着席〕
FS案で仮に県がそのとおりいく、私どもの方の行政指導に乗っからないでFS案でいくというような場合、これは当然先ほど来申し上げましたとおりに審議会にかけなければいけないのじゃないか、公園の解除につながるおそれがあるのじゃないかということで、かけるという考え方はございましたし、そういう意味で長官がおっしゃったわけでございます。といいますのは、たとえば公園区域外にいわゆる立地するといったような場合には、もちろんアセスメントはいたしますけれども、審議会にかけるというような事項では、もちろん法定事項でもございませんし、かけない場合も当然あるわけでございますが、いまの御指摘の個所はそういう意味でございました。
#57
○中野鉄造君 そうすると、沖合い三百メートルに出すようになっただとか、長方形のものを正方形みたいに形を変えただとか、そういうような修正案が出たということでそういうように非常に急変したということでしょうか。
#58
○政府委員(正田泰央君) 沖合いに五百メートルと申しますのは、二百メートルと質的に違いまして、公園法の計画上いろいろそういった技術がございます。さらに南の方にぐっと寄せまして、北の方の海面を広くする、そして将来の埋め立てを防ぐための海面地域を担保するというようなこと。それから基本的には、もうこれは公園区域外が主体になっておりますので、そういうようなことを含めて、それから公園全体の景観という問題から見た場合に、解除する、ここにできたからあそこの公園をなくしてしまおうということではない、こういう判断をいたしたわけでございます。
#59
○中野鉄造君 通産省見えていますか。――先ほどからいろいろお尋ねしておりますけれども、こういういやしくも国定公園内に何もつくらなくちゃいけないということじゃない。とにかくこういう石油備蓄というものは国家的にこれは必要であることは当然ですけれども、いままでの経過として、ほかにそういう場所を選定するというような努力はなさったと思うのですが、それともう一つは、どうしてもここじゃなくちゃいけないという何か理由があるのでしょうか。
#60
○説明員(市川南君) お答え申し上げます。
 国家石油備蓄基地三千万キロリットルの目標を達成をいたしますために必要な恒久施設の立地につきまして、これを推進していくための手段といたしまして、昭和五十二年以来三次にわたりまして、フィージビリティースタディーと申しておりますが、立地可能性調査を実施してきたわけでございます。これまでに十一地点の立地可能性調査を行ってきたところでございますが、このうち六地点につきまして立地決定を行っております。むつ小川原地区、苫小牧東部地区はすでに工事に着手をいたしておりまして、白島、福井臨工、上五島、秋田と、その他四地区について工事に着手するための準備を行っているわけでございますが、私どもの石油備蓄基地の立地を決定するに当たりまして、非常に大規模な立地であることもありまして、このフィージビリティースタディーの対象とする地点を選定するに当たりまして、資源エネルギー庁あるいは石油公団を通じまして各道県の御希望あるいは事情の調査を行いまして、そこの中から出てきたプロジェクトについて立地可能性調査を行っているわけでございます。
 この志布志プロジェクトにつきましては、鹿児島県の方から強く備蓄基地としての立地を御要請いただいたわけでございまして、これに基づきまして石油公団が第三次フィージビリティースタディーの対象といたしまして調査を行った結果、昨年の九月、技術的、経済的に見まして立地可能性があるという結論が出たわけでございます。この志布志プロジェクトにつきまして、純粋に石油備蓄基地としての立地という観点から考えてみますと、わが国の原油の輸送ルート上、これをオイルロードと申しておるわけでございますが、この輸送ルート上にあるというメリット、それからまた良好な港湾条件を持っているということ、こういうようなことから備蓄基地としてのすぐれた立地条件に恵まれていることが確かでございます。またさらに、全国的な備蓄基地配置という観点から見ましても適当な地点の一つであると考えておるわけでございます。
   〔理事本岡昭次君退席、委員長着席〕
 なお、国定公園との関係についてはきわめて重要な問題と認識をいたしておりまして、このフィージビリティースタディーを石油公団が実施するに当たりまして、景観対策には特に配慮をして実施をすべきであるということで、特別に学識経験者による委員会、景観対策検討委員会というものを設置いたしまして御審議をいただくなど、ほかのプロジェクトもそうでございますけれども、本件については特別にその景観対策について配慮をいたした次第でございます。いずれにいたしましても、今後鹿児島県の実施をいたします環境のアセスメントを含めまして、鹿児島県と環境庁との最終的な御協議の結果、あるいは漁業問題その他県御当局の地元調整の結果を見まして、立地について考えてまいることといたしたいと存じております。
#61
○中野鉄造君 そうしますと、先ほどからお尋ねいたしておりますが、出島方式のそういう基地をつくるとした場合、再度お尋ねいたしますが、いろいろな潮流の関係だとかあるいは海底の地形の変化だとか、そういったようなことについてのまだ絶対大丈夫だというそういう確たる証拠は出てないのでしょう。
#62
○説明員(市川南君) その点につきましては、志布志地区につきましては過去相当のデータがそろっているわけでございますが、フィージビリティースタディーにおいてもいろいろ検討がなされておりますが、基本的には港湾建設に係る問題でございますので、今後鹿児島県の行う環境アセスメントの結果に最終的に判断をゆだねざるを得ない問題と考えております。
#63
○中野鉄造君 それを私は先ほどから言っているのです。鹿児島県としてはつくりたくてしょうがないですから、それに不利になると言ったらおかしいでしょうけれども、いろいろな将来影響が出るというようなそういう結論を出すはずがないじゃないですか。だから、やはり第三者機関的な審議会に慎重にこれを検討をゆだねるべきだと、こう言っているのですが、いかがですか。
#64
○政府委員(正田泰央君) アセスメントにつきましては、公共事業のこれまでの及び現在の考え方によって、運輸省から協議が求められたときに行うこととなると思いますが、先ほど来申し上げましたとおり、本件についてのアセスメントそのものを私どもの方の自然環境保全審議会公園部会、公園の景観を中心といたしました指定とかそういうところをやる部会にかけるということはちょっと考えられない、こう思っております。
#65
○中野鉄造君 終わります。
#66
○小平芳平君 いまの志布志の開発の問題ですが、一点だけ私もお尋ねしておきたいのです。
 四十六年十二月七日、県の計画が発表になった。四十七年八月八日から参議院の当委員会が現地視察をした。そこで反対意見ですね、もろもろの反対陳情やら反対意見を受けたことが当時の委員会に報告されて記録されておりますので、原長官も御存じのことと思います。ところが、先ほど来議論されております国家石油備蓄基地は、当初の案の三万二千人の雇用増、工業出荷額約二兆円というようなものとは全く別のものになっておるわけですね。まさか石油備蓄基地ができたからといって何万人の雇用増ができるとか、それから工業出荷額何兆円というようなものとは全然別なものになっているわけですね。にもかかわらず、なぜここの地域が備蓄基地として最も適当か。いま非常に適当なような答弁がありましたが、片方では工業開発をしようという、片方ではこれだけのそれに反対するという意見がある。そういう十年来の両方の意見が対立してきたということも十分御承知のことと思います。しかし、なぜ原長官はこの案でよろしいと言わんばかりにそういう態度をとられるか、その辺がどうしてもわからないですね。
#67
○国務大臣(原文兵衛君) 小平委員御指摘の昭和四十七年当時の参議院の公環特に対してのいろいろな陳情等があったことにつきまして、私、申しわけないのですが余り記憶をしておりません。あるいは私も委員であったと思いますけれども、出席していなかったかもしれませんし、その点につきましては余りはっきり記憶しておりません。
 ただ、今度の石油国家備蓄基地はいわゆる新大隅開発計画そのものではないと私も思います。先ほど来申し上げましたように、新大隅開発計画というそのものを正式に環境庁は承っておりませんけれども、いろいろな情報等によっても新大隅開発計画そのものではないというふうに私ども理解はしておるわけでございます。ただ、私どもが今度基地の設置についていろいろと検討しましたのは、あくまでも自然公園法上、あるいは自然の景観を守るというそういう観点から検討しておりまして、したがってこの備蓄基地ができることによって雇用がどうなるとか、あるいは地元に対してどれだけの潤いになるのかという観点からの検討じゃございませんで、あくまでも公園法上、あるいは景観というものを守るという観点からの検討でございます。そのことを御理解いただきたいと思います。
#68
○小平芳平君 もちろん環境庁の立場からはそうだと思います。そうだと思いますが、先ほどの御質問にも出ていましたように、ここは非常に環境がすぐれている、すぐれているというその自然環境が、タンカーが次々と出入りするというふうになることが、それがいいという意見と、そんなことをされたのじゃ台なしだという意見と両方あるわけです。長官はどうお考えですか。
#69
○国務大臣(原文兵衛君) 備蓄基地ができれば当然タンカーが入って備蓄基地に油が備蓄されるということになると思います。しかし、そういう点を全部含めまして、先ほど来申し上げましたように、自然公園法上、また景観上という観点から私どもはいろいろと御論議されたような結論に達したわけでございます。
#70
○小平芳平君 これ以上質問しましても同じことになるからやめますけれども、私はこの九州にも生まれていないし、鹿児島でもありませんので、地元ではありませんからよくわからないですけれども、先ほど申しましたような反対運動の御意見を聞きましても、これだけすぐれた自然環境がある、また水産資源にも恵まれているというところが、わざわざタンカーが激しく行き来しても差し支えないとは考えられないですね。まあしかしよろしいです、もう御答弁は要らないです。
 次に、湖沼問題について若干御質問したいのですが、初めに宍道湖・中海の問題について、これは環境庁ができる前からの問題なんですが、ちょっと農水省から簡単に御説明してください。
#71
○説明員(坂根勇君) お答えいたします。
 中海干拓事業につきましては、農業振興の必要から関係地域の方々からの強い御要望もございまして、三十年に直轄調査を開始いたしまして、三十八年度から事業に着工したものでございます。本事業の概要でございますが、関係地域といたしましては鳥取、島根、この両県にまたがってございまして、関係市町村は二県十二市町村でございます。事業の内容でございますが、約二千五百ヘクタールの干拓地の造成とあわせまして、沿岸既耕地約七千三百ヘクタールの灌漑を行うものでございます。
 現在までの事業の進捗でございますが、五十七年度予算執行後の時点で事業費で約六三%の進捗になります。事業の完了でございますが、現在のところ昭和六十三年度の完了をめどに現在事業を進めております。今後の主な工事といたしましては、五つの干拓地区がございまして、この中の最も大きい干拓地でございます本庄地区の干陸、それからこれら五つの干陸されました干拓地の農地整備及び周辺耕地を含めました灌漑施設を実施することとしております。なお、灌漑用水の開発のために必要な中海・宍道湖の淡水化でございますが、工事の進捗に合わせまして環境保全に十分留意いたしますとともに、事業を進めるに当たりまして必要な事項につきましても関係機関と十分な協議調整を図って進めてまいる所存にしております。
#72
○小平芳平君 干拓して農地をつくるわけですか。干拓して農地をいまつくりつつあるわけですか。片方では減反減反で良好なる農地が荒れほうだい、一年お米をつくらないとどれほど農地が荒れるか御存じでしょう。そういうことをしながら片方で農地をつくるというのはどういうわけですか。
#73
○説明員(坂根勇君) 中海干拓事業の営農計画でございますが、先生御指摘のとおり、この事業が発足いたしました時点では食糧の増産と申しますか、こういうような観点でスタートしたわけでございますが、その後、この干拓事業と申しますのが相当長期を要します事業であります関係で、その間に農業情勢の変化も生じてまいりまして、干陸工事が完了いたしました地区内の農地整備に入ります段階で、食糧の需要動向及び配分希望農家の意向も含めまして営農計画を見直し、適切な計画を策定することとしております。現在の中海干拓の営農計画及び土地利用計画につきましてでございますが、昭和五十三年に策定いたしたもので、近年の酪農事情も踏まえまして見直すこととしておりまして、現在調査検討を進めておるところでございます。
#74
○小平芳平君 農業問題はこの委員会の場ではありませんけれども、私がお尋ねしたい点は、淡水化して灌漑用水に使おうということがいま御説明の中にもありましたですが、これに対してもいろいろな意見が出ているわけですね。果たして湖を閉め切ることによって汚染が激しくなりはしないかというおそれがあるわけです。それから干拓して湖を埋めていけば残った部分はさらに汚染が激しくなる、これはもう世界じゅうどこでも具体例がいっぱいあるわけですね。日本でもそういう具体例があるわけです。ですから、この点は環境庁はどう考えておられますか。
#75
○政府委員(小野重和君) こういう海の水が入ってきているような湖を閉め切りまして淡水化するという場合に、一般的に申し上げますと閉鎖性が高まるわけでございまして、そういう点と、それから淡水化をすることによってプランクトンなどが発生しやすくなるというようなマイナス面が一般的にはあると思います。ただ、この中海の場合に水質にとってプラスの面もあるという考え方もございます。一つは干拓によって水の流れがよくなるという考え方、それからまたこれはちょっとむずかしい問題でございますが、いままでは海水が入ってくるわけでございますが、海水は重いわけでございますから下の方に流れてくる。そうすると、何といいますか水の循環が悪い。それが全部淡水化すれば、水の循環がよくなりましてそれが水質にプラスするという考え方もあるわけでございます。
 いずれにしましても、この中海干拓によって一体水質にとってプラスになるかならないかという問題につきましては両論ございまして、この辺の何といいますか、調査あるいは検討、知見についてはこれから、いまもやっておりますけれども、しっかりした知見を持つ必要があるというふうに考えるわけでございます。
#76
○小平芳平君 両論があるといういまの局長の御説明ですが、農水省としては昔計画をしたのだから計画どおりやっていればいいんだということでしょうかね。あるいはどういう事前調査をなさったか、果たして、いま局長が説明した中の汚染が激しくならない、かえってきれいになるというような説明もあったのですが、どういう調査をして、その調査結果を公表していられるか、お伺いします。
#77
○説明員(坂根勇君) お答えいたします。
 淡水化に伴います環境の影響につきましては、従来より留意しておるところでございますが、昭和四十年からこの問題につきまして特別委員会、学識経験者の先生方でお願いしております委員会を設置しておりまして、現在も宍道湖・中海淡水湖化に伴いましての水管理及び生態変化に関します研究委員会を設置して調査を取り進めておるわけでございまして、淡水化に当たっては環境保全の重要性にかんがみまして、いま申しますような十分淡水化に伴います影響を調査研究を行いまして慎重に取り進めておるわけでございます。
 また、その淡水化に当たりましては、淡水化対策の万全を期しますために、塩分濃度を徐々に下げながら湖内の生態系の変化等を観察してまいるといういわゆる淡水化の試行ということを、淡水化を始めます前にいろいろな調査研究結果とも相まちまして進めていく予定にしてございますし、仮に試行期間に異常な事態が生じました場合には、いつでもこの淡水化試行の一時停止等の措置をも含めまして対処してまいるつもりでございます。この調査結果につきましては、ただいま環境庁の方から御説明がありましたような結果でございます。
#78
○小平芳平君 環境庁は調査したわけですか。それからそれは公開して、十分に検討していただいておりますか。
#79
○政府委員(小野重和君) 四十九年に鳥取県、島根県、両県の委託を受けまして環境庁が水質についての検討をいたしたわけでございますが、この場合環境庁自身ということのみならず、学者といいますか、専門家にお集まりいただきまして検討会をつくりまして、そこの検討会で調査検討をしていただきまして、その結果が出ているわけでございますが、先ほど申し上げました水質についての考え方、私が申し上げましたことは、その調査検討会の結果を私は申し上げたわけでございます。いずれにしましても、一応そういうプラス面、マイナス面があるということでございますが、なお調査検討を深める必要があるというような内容になっておるわけでございます。
#80
○小平芳平君 環境庁長官は現地視察を予定しておられますか。新聞にはそう出ておりますが、現地視察を予定しておられますか。
 それから農水省が過去の計画にとらわれてどうしても事を急ごうとするけれども、環境庁は慎重に取り組んでほしいという、これは日刊紙の社説に「中海の水門を閉めるな」という社説が出ております。地元でも非常な関心事でありまして、公明党がアンケート調査を行った。この淡水化によって水質等の環境はよくなるか、それとも悪くなるかという、いまの局長の説明したことを市民に問いかけたわけです。そうしたら、もっと時間をかけて慎重にすべきだ、こういう人が五五%で一番多いんです。それから必要ないのでやめろというのが二七・八%、それから必要だと思うという人が一二・六%ということです。それから水質がよくなるかどうかということについては、悪くなると思うという人が六二・三%、よくなると思うという人は九・九%、わからないという人が二六・五%、こういうわけで、住民の意識としては、もっとよく検討してほしいという意見、それからまた閉め切ったら悪くなるだろうという人がはるかに多いわけですね。長官の御意見を承りたい。
#81
○国務大臣(原文兵衛君) この宍道湖・中海、具体的な私、視察の計画まではいってなかったのですが、時間があれば、ここはもちろん、ここだけじゃございません、諏訪湖だとか琵琶湖だとか霞ヶ浦だとか問題になっている湖沼はたくさんあるわけでございまして、できるだけ時間が都合つけばこれからも視察はしたいと、一般的に申してそういうふうに思っておるわけでございます。
 いまの中海・宍道湖の問題、淡水化するとよくなるという意見と悪くなる意見と何か両方あるようで、私もどうもその点専門家でございませんので何ともいまここでお答えすることもできませんけれども、しかしとにかく宍道湖・中海も現在すでにかなり汚濁が進んでいるようでございます。これはほかの湖沼につきましても、湖沼だけが汚濁がむしろ逆に進んでいるというような非常に憂うべき実態にあるので、私は実は湖沼対策というものについていま真剣に取り組むように環境庁事務当局に大いに指示しているわけでございますが、この問題も慎重に対処をしなければいけないというふうにもちろん思っておるわけでございます。
#82
○小平芳平君 慎重に対処しなければならないという長官の御意見は、公明党の調査の一番多数意見であります。一番多数意見でありますので結構だと思いますが、中海のもう水門ができたわけですね。これをいつ閉め切るか、その辺ちょっと簡単に御説明願えますか、農水省。
#83
○説明員(坂根勇君) 中海干拓の水門の閉塞、閉め切りの時期でございますが、これはただいま申し上げましたとおりに、淡水化の試行的な実施を事前にいたしまして、その結果を踏まえた上で本閉め切りをという段取りをつけておるわけでございまして、先ほどの御説明いたしました中で、その前提を若干御説明いたしますと、当然でございますが、両県並びに関係市町村の本淡水化計画に伴います御了解を得ました上で試行的な閉め切りを行うことにしておるわけでございますし、また、そのほか河川法並びに港則法の手続等もこの淡水化に伴いまして生じてまいりますので、こういうような手続をも完了の上試行的な淡水化を開始する、こういう段取りになってまいるわけでございまして、この試行的な閉め切りでございますが、いま申しました手続、それから準備、こういうようなものが完了いたしますなれば五十七年度に手をつけさせていただきたいと、かように考えておるわけでございます。
#84
○小平芳平君 五十七年度に閉め切るということですか。
#85
○説明員(坂根勇君) ただいま申しました地元の関係者の皆さん方の御了解、それから必要な諸手続でございますが、こういうものが完了いたしますなれば五十七年度にということでございますので、いますぐということではございません。
#86
○小平芳平君 原長官、これは昔というか、ずいぶん前の計画なんでありますけれども、食糧増産が必要だと思って干拓をし始めたという説明を課長さんがしているくらいですからね、大分もう昔の話なんです。それで、干拓して米つくるという、まさかここで米をつくるのじゃないでしょうけれど、だけど、水門をつくって閉め切って、この湖の水を灌漑用水に使おうという計画があるわけですね。これは農家の立場からすれば早くやってほしいということになろうかと思います。そうなるのが当然でしょうけれども、すでに秋田県の八郎潟、岡山県の児島湖のようにもう灌漑用水にも使えないほど汚染が進みつつあるという前例もあるわけですから、ぜひひとつ原長官に慎重にやれということをお願いしたいわけです。
#87
○国務大臣(原文兵衛君) 八郎潟とか児島湖とかいうような例があることを私も伺っております。それからまた、いま干拓して米の増産というような問題については、これは私どもの所管ではございませんが、もちろんわれわれもいろいろな意見を持っておりますが、いずれにいたしましても大事な水質の問題でございますし、すでに汚濁もむしろ進みつつあるというような現状を踏まえまして十分慎重に対処したいと思います。
#88
○小平芳平君 もう一つ諏訪湖についてお尋ねしたいのですが、諏訪湖の場合も水深二・五メートルまでの部分をしゅんせつして埋め立てをした。これは死の湖と化そうとする諏訪湖が一部埋め立てはしたけれども、しゅんせつをしたことによって相当よくなったじゃないかということも言えるわけです。言えるわけですが、ただ置いても底には泥がたまる。それをしゅんせつしては埋め立てていけば、ついに諏訪湖はなくなるわけです。それから面積が狭くなればそれだけ汚染も激しく進むわけです。諏訪湖に対しては、しゅんせつについては建設省ですか、建設省から説明をしていただきたい。環境庁からそういうような埋め立てに対する考えですね。
 それから、いずれにしてもCODの基準値三ppmというのが目標ですが、これは達成できそうもないわけですね。当分達成できそうもない。そこで、湖沼法に期待するところがあったわけですが、その湖沼法もなかなかできそうもないという現状で、環境庁では諏訪湖の浄化に対してどう考えておられるか。
#89
○政府委員(小野重和君) 諏訪湖に限りませんが、湖の水質をよくするためにいろいろなことをしなければなりませんが、水質が悪くなる原因、これは主に三つあると思います。一つはいわゆる有機質、CODではかられるような有機質が外から流れ込むという、そういうのが一つ。それから窒素、燐が外から流れ込みまして、これによってプランクトンなどが発生するという問題。それからもう一つは、ヘドロからいろいろな窒素、燐なども含めましてそれが水に溶け出して、これがまた悪化の原因になる。こういう三つが主としてあると思います。
 しゅんせつにつきましては第三の原因を取り除くという意味があるわけでございまして、非常に役に立つ事業だというふうに思うわけでございますが、しゅんせつしたヘドロをどこにいま捨てるかという問題でございますが、私どもは諏訪湖について、しゅんせつしたヘドロを諏訪湖の周辺に埋めるという計画があるかどうか私ちょっと存じませんけれども、一般論から申しますと、できる限りこの湖の埋め立てには使っていただきたくないとは思いますが、ちょっとその辺の具体的な計画は私よく承知しておりません。
 いずれにしましても、しゅんせつを含めまして、いま申し上げましたような湖沼の汚濁の原因に即して総合的また計画的な対策を立てる必要がある。そしてまた、それに基づいていろいろな諸事業あるいは諸規制を加えていく、こういうことが必要だと思うわけでございますが、そのための一環として私ども湖沼法案の検討を進めておるわけでございますが、同時に、窒素、燐対策もこれも考えなければいけないということで、窒素、燐についての環境基準設定の中公審諮問、これの準備をいま急いでいる、こういう状況でございます。
#90
○小平芳平君 湖沼法案はどんな準備段階にあるか。それから窒素、燐はもうとっくに規制してよさそうなものですが、まだなんですか。
#91
○国務大臣(原文兵衛君) 実は先ほど来申し上げておるように、湖沼は河川、海域に比べて湖沼だけが水質がよくならない。むしろ悪くなってくるというような状況で、私も何とかこの湖沼の水質保全のために湖沼水質保全特別措置法というような法律をつくりたいと思いまして、関係機関と精力的にいろいろと協議、折衝を進めさせたわけでございますが、なかなかむずかしいのが率直に言って現状でございます。しかし、ほうっておくわけにはいきません。
 そういうようなことで、いま水質保全局長からもいろいろな対策を進めるということを申しましたが、いまの燐、窒素の環境基準という問題についても、これは中公審に諮問しなければいけないわけでございますけれども、早急にやっぱりこれもして、またそのほかのそれぞれの大きな湖を持った都道府県でやってもらわなければならぬ点もいろいろありますので、そういうような点につきましても環境庁としていわゆる行政指導といいますか、そういう面もがっちりとやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
#92
○小平芳平君 下水道が完成するまでの間、旅館とか保養所等の排水対策をやってもらわなければ困るというような点ですね。あるいは流域下水道が完成するまでにはどうしても何年かかかるわけです。何年かかかるわけですから、その間に、関係する市町村がたくさんありますので、県が主体になって共通の条例をつくって防止対策をするようにとか、そういうような点で環境庁がやってもらえないですか。
#93
○政府委員(小野重和君) ただいま旅館などから流れる排水、これが下水道が未整備のときにどうするかというような、これは一つの例でおっしゃったのだと思いますが、たとえば生活排水問題について申し上げますと、下水が整備されるまでの間のいわゆる雑排水対策、これが大きな課題でございまして、特に長野県では非常に県独自でいろいろな指導をされておりまして、実際に雑排水対策が相当進んでおります。そういうような実績も踏まえまして、私ども雑排水の適正な処理システムといいますか、そういうものの検討を含めまして雑排水対策にいま取り組んでいるという状況でございます。
 いずれにしましても、雑排水問題のほか、たとえば有燐合成洗剤問題、この問題は長野県におきましても、県あるいは諏訪湖周辺の市町村におかれまして自粛の呼びかけをしておりますけれども、いずれにしましても諏訪湖対策ということになりますと、県それから関係の市町村一体となって取り組まなければいけないわけでございまして、私どもも県とよく連絡をとり、県を通じてそういう市町村も含めまして、諏訪湖浄化の一体となった取り組みをこれからやってまいりたい、かように存じております。
#94
○小平芳平君 環境庁長官が御都合ありますので、長官に対する質問はこの質問で終わりますが、都市ごみの焼却場から堆肥をつくるという、これは全国でいま稼働している施設が十四施設あるというふうに、資料をもらいましたが、そうなっております。それから下水の汚泥から堆肥をつくる、これは全国で六施設ある、現在建設中のものはまだたくさんあるわけです。それで、こうした都市ごみから、あるいは下水の汚泥から堆肥ができると、ごみの再資源化を図ることになるし、また化学肥料で弱っている土地の地力がつけられるということを東京都で盛んに言っているわけですね。東京都でも両方の施設がありまして、夢の島の方は実験だけやり、実験が終わりましてこれから建設にかかるところですが、下水道の方はすでにやっております。こういう点について原長官のお考えだけで結構ですからお聞かせいただきたい。
#95
○国務大臣(原文兵衛君) 小平委員御指摘のいまの都市ごみの堆肥化というようなことにつきまして、これはうまく行われれば資源の有効利用、また最終的なごみの処分量を減らすということにもつながるわけでございまして、環境保全上問題がない限りはこれはやっぱり進めていただくのはいいのじゃないかと私は考えております。
 それから下水の汚泥とかごみ、これらについてはその中に重金属等の有害物質が入っているかどうか、それによって、もし入っていて農用地の土壌が汚染されるというようなことになりますとこれはなかなか大変でございますので慎重な取り扱いが必要だろうと思います。現在、環境庁におきましては、農用地還元にかかわる基準の設定ということにつきまして鋭意検討をしているところでございます。
 以上でございます。
#96
○小平芳平君 いまの肥料ですね、これは堆肥といっても肥料として制約を受けるんだそうですが、農水省の係の方、いまの原長官のおっしゃった重金属の蓄積が一番問題になると思います。その点についてお答えいただきたい。
#97
○説明員(松居努君) 先ほど原長官からお答えのございましたように、いわゆる都市ごみコンポストあるいは汚泥等には重金属が含まれるということでございます。現在、これらの肥料につきましては特殊肥料ということにしておるわけでございますが、その重金属規制は、いわゆるこれらの物質の中にどうしても含まれる重金属の一般的な含有量なり、あるいは土壌中において本来そういう物質が含まれる量なり、さらには各種の規制がございますが、いろいろな関係規制等の数値をにらみ合わせまして、水銀、カドミウム、砒素等についていま基準値を決めておるわけでございます。具体的に申しますと、水銀については二ppm、カドミウムについて五ppm、砒素について五〇ppmという規制をしておるわけでございます。農林省といたしましては、肥料につきまして今後ともこういう基準値を守っているものにつきましては積極的に有効利用を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#98
○小平芳平君 建設省とそれから厚生省ですか、先ほど申しました十四施設と六施設になるかと思いますが、このコンポスト化についての問題点なりあるいは要求なりありましたらお答えいただきたい。
#99
○説明員(杉戸大作君) お答えいたします。
 ごみのコンポスト化につきましては、先ほど長官がお答えになられましたように、厚生省といたしましても、その原料化の観点、それから有機肥料の必要性というそういう社会的なニーズもございまして推進を図るべく努力をしておるところでございますが、その促進を図る上での阻害要因といたしましては、一つはコンポスト製品の流通がなかなか円滑にいかない場合がございます。また、ごみ質が変化いたしまして、ごみの中にプラスチック類とか、あるいは、ただいま先生御指摘の重金属類、これは電池とか螢光灯などに含まれておりますそういったものが混入する場合がございますし、さらにガラス片などが混入いたしまして作業する方が手をけがされる、そういったような問題もございます。また価格の問題、経済性でございます。あるいは悪臭の問題とか貯蔵と運搬、そういったたくさんの問題があるのでございます。
 しかしながら、厚生省では昨年資源エネルギー専門委員会を生活環境審議会の中に設けまして、さらにその関連の研究機関といたしまして資源エネルギー研究会を設けまして、分別収集、このマニュアルをいま作成しておるところでございます。その分別によりまして、ある程度そういう有害ごみを仕分けできるというそういう方向を見出したいと考えております。そのほか総合的にこの推進のためのいろいろ検討を進めておるところでございます。
#100
○説明員(幸前成隆君) 建設省といたしましても、下水汚泥の有効利用を図ることが重要であると考えておりまして、コンポスト化の促進に努めておるところでございますが、そのコンポスト化に当たりまして問題になりますのは、一つは安全性の確保の問題、もう一つは品質の管理、それから流通機構の整備の問題でございます。
 安全性の確保につきましては、先ほどお話がございましたように、肥料取締法におきましてその特殊肥料の有害物質の基準値が決められてございます。これを遵守するように指導しておるところでございます。それから利用者が使いますためには一定の適正な品質の供給が必要でございますので、こういう適正な品質管理の管理体制の整備も指導しておるところでございます。それからもう一点は流通機構の問題でございますが、下水汚泥というのは毎日発生するものでございますが、その利用の方は季節的に変動するところでございます。それから輸送面で地域的に制約があるという事情がございます。それから大都市圏では緑農地が減少するという事情もございます。いろいろ流通面での問題がございますが、農林関係者と十分御相談いたしまして流通面の対策も講じていきたい、こう考えておるところでございます。
#101
○小平芳平君 環境庁は、長官の最後に答弁なさった点がちょっとよくわからなかったのですが、環境庁としては何を研究をしているとおっしゃったか。この問題は各省が関係ありまして、なかなか一省が何かするようなぐあいにいかないわけです。そこで一番問題だと思いますのは、再資源化していくことは非常に重要なことだし結構なことだし、土地がよくなることも結構なことなんですが、重金属が蓄積しはしないかという点があります。
 そこで、いま具体的に答弁がなかったんですが、特に私が申し上げますと、水銀の規制は二ppmというふうに農水省は言われましたが、東京都の例で実験の結果を申しますと一・二ぐらいなんです。それが前後しているという。ですから、規制値内であるとは言いながら一・二と二の違いというのはほんのわずかでしかないわけですが、そういう点大丈夫かという点が気になります。
 そこで環境庁は、最後にお答えいただきたいのですが、どういう検討をしていらっしゃるか。
#102
○政府委員(小野重和君) 肥料としての観点から言いますと、先ほど農林水産省の課長から御説明があったような中身、内容でいま規制しておるわけでございますが、私ども、土壌の保全という面からも見ていかなければいけないということで、いま先生おっしゃいましたような蓄積性という問題もございますので、そういう観点からは一体どういうコンポストの内容、あるいはそれを農地に使う場合の全体の量というような観点もないといけませんので、そういう面を中心にいろいろ検討している、こういうことでございます。
#103
○委員長(坂倉藤吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時開会
#104
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#105
○本岡昭次君 午前中志布志湾の石油備蓄基地問題について質問をしていましたが、長官が席を外しておられますので長官がお帰りになってからまた質疑をさせていただくことにしまして、最初に質問をいたしました経団連が要求しているいろいろな問題のうち二、三取り上げて内容について質問をいたしたいと思います。
 まずその第一は、経団連の環境行政に対する見直しの具体的な項目の第一にも挙がっているのですが、被害補償制度の見直し、つまり大気系公害患者に対する被害補償制度の見直しの問題でございますが、これが経団連から見直し要求が来ているということについて環境庁としてどのようにとらえておられますか。その問題についてどういう考えをお持ちですか。
#106
○政府委員(七野護君) 経団連の公害健康被害補償制度、これの改正に対する意見書というのは、直近では私たちが受け取っておりますのは五十五年の十二月に受け取ってございます。おととしでございます。臨調にも何というのでしょうか意見書を出しておるようでございますが、私たちに経団連から直接意見書という形で提出されたのは五十五年の十二月ということでございます。
 いま先生御指摘のように、その中に大きくいいますと暴露要件の見直しと地域指定の解除、これについての意見だと理解しておりますが、私たちといたしましては、その意見書につきまして費用負担者側から出されております一つの意見というふうに承知しております。この件につきまして暴露要件の見直しや地域指定の解除につきましては、現在この制度をめぐる諸問題の一つといたしまして科学的な見地から検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
#107
○本岡昭次君 経団連からの要求は費用負担者側からの一つの意見だというふうにとらえているということですが、その費用の中に自動車重量税の一部引き当てが財源として充てられていて、それをこの財源として充てることができるのは五十七年度いっぱいだ、こういうふうに私は聞いているのですが、この自動車重量税からの引き当てという問題について、それをさらに延長し五十八年度も引き続いて現行の方式でもって被害者補償ができるというふうに環境庁は確信を持っているのかどうか、そこのところはいかがですか。
#108
○政府委員(七野護君) この健康被害補償制度、この財源のうち自動車にかかわります費用負担につきましては、これは中央公害対策審議会いわゆる中公審の意見具申に基づきまして、昭和五十七年度までの措置として自動車重量税収入の一部が引き当てられておりますのは御案内のとおりでございます。それで、五十八年度以降環境庁としてということでございますが、いま申し上げました前回の中公審の意見具申、この結論を導くに至りましたいろいろな事情、これに特段の変化がないと、私たちはさように考えておりまして、自動車重量税の収入の引き当て方式を今後とも環境庁としては踏襲していきたい、さように考えております。
#109
○本岡昭次君 環境庁としては踏襲をしていきたい、このように考えておられましても、しかし全体としてそれを延長していくことは非常にむずかしい状況にあるというふうに私は聞いているのですが、いまのように大丈夫だろうということで本当に大丈夫なんですか。再度念を押してそこのところの見通しをお聞きします。
#110
○政府委員(七野護君) この費用の負担につきましては、いわゆるppp――汚染者負担の原則に基づきまして原因者負担で行っているわけでございまして、御案内のように煙突から出る煙いわゆるばい煙発生施設これから八割、自動車の方から二割、八対二という形でこの財源を充当しているわけでございますが、この自動車の分につきましては制度発足のときに中公審でいろいろな角度から検討されたわけでございます。この自動車にかかわる大気汚染の現状、これはもう当然あるわけでございまして、その場合にこの自動車にかかわる大気汚染についての財源をどういう方式で取るのかということはいろいろな角度から検討されてございまして、たとえばいわゆる燃料から取ったらどうかとか、たとえば自動車を販売するとき、そういうときに取ったらどうかとかいろいろな方法が検討されたわけでございますが、結局最終的に自動車重量税、これから取るのが現在の方式からいって一番合理的であるという結論が導き出されております。
 確かにいろいろな方法が考えられるわけで、たとえば自動車というのは全部把握しておるわけでございますので、一台一台取るという方式もございましょう。しかし、それは賦課徴収にかかわる費用が莫大にかかるわけでございまして、そういうようなことはとうてい不可能だ。そう考えてみると自動車重量税から引き当てるのが一番合理的また適切であろうという、制度発足時にそういう答申をいただきまして、それから御案内のように二年ないし三年の期限が切れるときに中公審からの意見をいただいて更新してきておるわけでございます。その状況が現在でも私たちといたしましては変わっていない、状況に変化が全くない、さように考えております。そういうことでございますので、五十八年度以降も従来の方針を踏襲していきたい、かように考えております。
#111
○本岡昭次君 長官が不在ですので、次官にいま質疑いたしました問題について、環境庁として責任を持ってその財源を確保をして、そしてこの制度の見直しあるいはまた補償の圧縮、そうしたことが絶対起こらないように、臨調の作業というのはどうしても財源を圧縮するとか制度を見直して個々人の負担にウエートを置いていくとかいったことがその中心になりますが、環境庁が所管している健康被害補償制度というものについて現行と変わらない方法で五十八年度もやっていく、そのために環境庁として必要な手だて、そうしたものをこれから十分やっていく、安心してもらっていいというふうなひとつ次官としてのお考えをここでお述べいただきたいと思います。
#112
○政府委員(石川要三君) 原長官いま不在でございますが、私といたしましても、いま局長の方から答弁されましたようにやはり自動車重量税からの財源の捻出というものがきわめて合理的であるというふうに思いますし、また今後この制度を存続していくためにもそういうような方法が唯一ではなかろうか、こういうふうに思いますので、御趣旨に沿って努力もするし長官にもその旨お話をしていきたい、かように考えております。
#113
○本岡昭次君 それでは次に、大阪空港の騒音問題にかかわるさまざまな問題について質問をさせていただきます。
 昨年十二月十六日に大阪空港公害訴訟に対する最高裁の判決が行われ、改めて、国による空港の設置、管理に瑕疵があり、したがって欠陥空港であるという内容の指摘があって、私は従来からあってはならない欠陥空港だというふうに見ていたんですが、またそういう立場も主張してきましたが、最高裁がそれを認定してくれた、このように考えています。
 御承知のとおりこの訴訟は、十二年間の長期間にわたって大阪空港周辺に居住している人々が公害に対するさまざまな被害を受け、特に具体的には、加重等価平均感覚騒音レベルというのですか、WECPNLという基準では、七十W以上の地域に住んでいる人が百七十万人、八十五W以上の人が十一万人、九十W以上が三万八千人というふうな大変な数に上り、こうした住民の空港の公害をなくしてもらいたいという切実な要求に対する最高裁判所の回答であった、このように考えていますが、この判決に対して運輸省なりあるいはまた環境庁としては行政からの責任というものの重大さを痛感してもらわなければならぬと思います。空港の設置、管理に瑕疵がある、それを現在まで空港として供用させている、この問題について環境庁並びに運輸省の見解を伺いたいと思う。
#114
○政府委員(吉崎正義君) まことに御指摘のとおりでございまして、昨年の判決におきまして過去の損害賠償を認めたわけでありますけれども、その中で五十年五月時点までの国の講じてきた対策が必ずしも十分ではないという判断を下しておるわけでありまして、環境庁といたしましてもこれを厳粛に受けとめておるところでございます。
 なお、その際環境庁では長官談話を発表いたしておりますが、要点が二つございます。
 一つは、判決では原告が求めておりました夜間離着陸禁止を認めませんでしたけれども、法律論は別といたしまして、夜九時以降のダイヤが設定されていないという現在の状況が空港周辺住民の生活環境の改善に寄与しているという事実に照らしまして、今後とも引き続いてこのような状況が維持されるよう適切な措置がなされるべきであると考える、これが一点でございます。この点につきましては、運輸省におきましてもその後飛行中止の措置がとられておりまして、現在のところは望ましい状況にあるのではないかと考えているところでございます。
 第二点は、環境庁といたしましては、従来から空港周辺における航空機騒音の付近住民に与える影響が大きいことにかんがみまして、騒音対策についての勧告、環境基準の設定及びその達成のための総合的対策の推進等各般の措置を講じてきたところでありますけれども、大阪空港は他の空港に比べまして深刻な環境条件にあることを銘記いたしまして、今後とも関係省庁の協力を得て環境基準の達成に向けて最大限の努力をしてまいりたい。この二点が主な骨子となっております。
 そのように判決を厳粛に受けとめ、お話にもございましたけれども、行政の役割りが一層強く要請されるようになったと考えているところでございます。
#115
○説明員(米山市郎君) 大阪空港訴訟に係ります最高裁判決は、過去分の損害賠償につきまして、昭和五十年五月までの事実に基づきまして大阪国際空港の設置、管理に瑕疵があるということで国の責任を認めたこの大阪高等裁判所の判断を是認したわけでございまして、国といたしましても、空港管理につきましての行政の責任を重く見たものという受けとめをいたしておりまして、厳しく受けとめているわけでございます。
 運輸省といたしましては、大阪国際空港に係る航空機騒音対策につきまして、従来から低騒音機の導入、あるいは民家防音工事、移転補償等の周辺対策、この二つの対策を両輪といたしまして積極的に騒音公害の防止に努めてきているわけでございますが、五十年以降かなり改善は見ているというふうに考えておりますけれども、今後とも引き続きそうした対策につきまして一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#116
○本岡昭次君 五十年までの空港の状況についての判決があったと、それはそのとおりです。しかし、いまあなたもおっしゃったけれども、それでは五十年以降今日まで、最高裁が欠陥空港だ、設備あるいはその設置、管理そのものに瑕疵があると言った状況がなくなったかというとなくなっていない、私はこのように考えるわけで、そこで環境庁の方から指摘しているような、いろいろ環境をよくしていく、公害の発生をなくしていく、あるいはまた第二次的に公害を防ぐために周辺対策をいろいろやっていくというふうな事柄はおっしゃるとおりいろいろなされていて、それはそれなりに一定の効果を上げているのじゃないかというふうなことを私も思いますが、しかし大阪空港があの伊丹、豊中、そして阪神間のど真ん中にあること自身が私は欠陥だ、こういう認定をするわけです。とすれば、その空港をなくすか、あるいは欠陥そのものが完全になくなるまで一時使用を中止するか、それができなければ可能な限り減便をやるか、そうした発生源そのものに対するもっと強い措置がとられなければ、DC8よりもエアバスの方が騒音が低いとかいうふうなことではあの大阪空港周辺に生活する住民は救われないと私は強くこの問題については思うのですが、そういう点についてはどのようにお考えですか。
#117
○説明員(米山市郎君) 空港の公共性につきましては、いろいろとこの裁判でも議論をされ、またいろいろな議論がなされているわけでございまして、たとえば大阪を中心といたします利用状況を見ましても他の空港と比較いたしまして一番高うございますし、参考までに申し上げますと、大阪国際空港五十五年の平均座席利用率が六八・四、東京国際空港が六五・八、全国が六四・八というような状況でございまして、非常にそういう意味で利用率も高うございます。
 そういう中でこの空港を供用をしていくために、運輸省といたしましても、先ほど申し上げましたようにまず発生源対策が一番肝心でございますので、そういう意味で低騒音機の導入を積極的に進めてまいってきておりますし、また運航方式の改善等によりまして、できるだけ周辺の住民の方々に迷惑を及ぼさないような運航方式も採用をいたしてきているわけでございます。また便数につきましてもこれまでも数次にわたりまして便数の削減に努めてまいっております。昭和四十七年の五月にジェット機の発着回数が二百六十回でございましたが、これを五十二年の十月にジェット機の発着回数二百回ということに制限をいたしまして、現在もその二百の枠を堅持をいたしているわけでございます。そういう状況の中で、これ以上なかなか便数を減らすというのはむずかしい状況にあろうかと思います。なお、国際的あるいは国内の他の空港から大阪へジェット機を乗り入れたいという強い希望が出されておりますけれども、運輸省といたしましては何とかこの二百の枠を超えないということで現在増便等は認めていない状況でございます。
#118
○本岡昭次君 利用状況が高いから本当はもっと増便したいところだがそれを抑えているのだという答弁であったと思います。しかし、利用状況が高いということがその空港の必要度も高いということに単純にいかないというように私は考えるのです。というのは、大阪空港周辺の住民にあれだけの被害と迷惑を及ぼし、そしてその静寂な環境を騒音でかき乱している、そのこと自身が一体利用する人にとってどれだけ負担としてはね返っているかというと、やはり公共という名のもとに利用者の方に非常に有利に便利に伊丹空港が存在をしている。だから、そういう状況であればあるほどこれからさらに利用者は増大するということになってくるわけで、運輸省が大阪の欠陥空港であるという問題を本当に直視するならば、大阪空港を利用するということについてやはり多くの人たちがちゅうちょする、あるいはまた飛行機を利用しなくて、たとえば新幹線等々によって、近距離はそれによって、それぞれの交通手段を活用するというふうな具体的な交通手段の分野調整とでもいうのですか、そういうようなものを大阪空港でやらなければ、あるいはまた値段の点でもどの空港で乗ってもジェットの発着料が同じであるというふうなことではなくて、国民全体があの大阪空港そのものがどれだけ欠陥を持っているかということを強く認識され、環境を破壊することはどれほどコストが高くつくかという問題をはっきりさせるような特別な措置が大阪空港には必要ではないか、僕はこのように思うのです。
 そういう意味で減便という問題はもっと真剣に考えられてもいいのじゃないかと思うのですが、くどいようですが、いま一度便数を減らしてやると、そして単に防音装置を家々に施してそれで環境がよくなるという二次的な補完的なことじゃなくて、発生源そのものを行政手段によって回数を減らし、そしてそこから来る公害を少なくするということをやってもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#119
○説明員(米山市郎君) 発生源対策につきましては今後ともさらにその改善が望まれるところでございまして、すでにDC8という比較的高騒音の機材につきましては、国内線につきましては大阪空港はこの四月から一便も飛行をいたしておりません。さらに、近くボーイング767というような新しい機材の導入も計画をされているわけでございまして、そういう面で低騒音機の導入を積極的に今後もさらに進めてまいりたいと思っております。
 便数の減の問題につきまして、これは住民の皆さん方からも強く要望はされているところではございますが、現段階でさらに現在の二百便というものを減らすというのはなかなか困難な状況にあるというふうに考えております。
#120
○本岡昭次君 二百便を減らすのは困難だ、しかしそれを増便するということについては考えていないということですが、その次の問題として地域住民が非常に心配しているのは、先ほど環境庁の方からもありましたけれども、午後九時以降の飛行が中止されている、もちろん午前七時以前もそうなんですが、その行政措置が崩れるのではないか、やがて午後九時以降、十時、地域住民の人たちが命の時間だと言っているその時間帯に飛行機が再び飛ぶようなことになるのではないかという非常に強い危惧を持っているわけで、地元の人たちが運輸省といろいろと交渉して、そこのところは安心だというふうなそういう状態に運輸省側がしていないということでこうした不安が強いと思うのですが、この場でひとつ正式に九時以降の飛行中止という行政措置は今後も引き続き維持していく、増便はしないというんですから、心配しなくてもいいという問題をはっきりひとつ言っていただけませんか。
#121
○説明員(米山市郎君) 大阪国際空港におきます夜間の飛行制限につきましては、昭和五十年十一月の大阪高等裁判所の判決を受けまして、五十年の十二月から国内線の九時以降のダイヤは認めておりません。また、国際線につきましても五十一年の七月から一切九時以降のダイヤの設定を認めていないわけで、結果といたしまして九時以降のダイヤはそれ以後現在までないわけでございますが、これにつきましてもいろいろと国際的あるいは国内的な要請は多々ございますが、諸般の状況をいろいろ考え合わせながら慎重に検討をしていく問題だと考えておりまして、当面この九時台にダイヤを設定するということは考えておりません。
#122
○本岡昭次君 いろいろな配慮が後ろにありながら当面ということで、しかし当面というのも三十年も四十年も当面ということもありますから、半恒久的というふうにとらえていいと思うのですが、そういうことですね。
#123
○説明員(米山市郎君) 最高裁判決が出た後、住民の原告団の方々との交渉の場でも当面九時台にダイヤを設定することは考えていないということを申し上げたわけでございますが、それとあわせまして特段の事情が生じて九時台にダイヤを設定するような必要が生じた場合には地元とも相談をするということを申し上げたわけでございまして、そういう意味でこの措置を変更する場合には地元と十分相談をして対処していくというふうに考えているわけでございます。
#124
○本岡昭次君 地元との相談ということについては当然だと思うのですが、やはりそれは地元との合意というふうに言ってもらいたいし、また環境庁が昭和五十年当時に運輸大臣あてにひとつ九時以降の国内線の飛行中止あるいは五十一年には国際線ということの行政措置をしてくれという申し入れをやって続いているのですから、当然その問題については環境庁との話し合い、環境庁との合意、こうしたものも当然必要になると思うのですが、いかがですか。
#125
○説明員(米山市郎君) この九時台にダイヤを設定をしないという措置は、大阪高等裁判所の判決の趣旨を体して運輸省としてそういう措置を続けているわけでございまして、いま申し上げましたように地元の御意見、あるいはもちろん環境庁とも御相談をしながら、もしこの措置の変更が必要になった場合には十分関係機関と意見の調整を図った上で対処したいと思っております。
#126
○本岡昭次君 その必要になったときというのはどういう状況を想定されているのですか。
#127
○説明員(米山市郎君) 現段階で具体的にどうということは申し上げかねるわけでございますが、いろいろな国際情勢あるいは国内的な情勢等、まあ現段階で予測しがたい事情等もあろうかと思います。そういう意味で当面という言葉を使わせていただいているわけでございます。
#128
○本岡昭次君 あなたは運輸省だから諸般の事情とかやれ外国との関係とかおっしゃっているけれども、私があなたと質疑をやっているのは、大阪空港周辺に住んでいる住民、公害の被害者、航空騒音によって被害を受けている地域住民の状況がどうなるかということが九時以降飛行機を飛ばしてもいいかどうかということになるという発想を持ってもらわなければ困るんじゃないのですか。ということは、いま周辺対策ということで防音工事とかいろいろなことをやっておられます、たくさんの予算をかけて。それは言ってみれば、発生源を完全に除去することができないから補完的に第二次的にその周辺に居住している人たちの生活やら健康を守るために措置しているので、そこのところがこれは一〇〇%完璧という状態になって、もうここまで周辺整備が進めばこれは九時以降飛んでもらってもいいのじゃないかというようなことに一ぼくはならぬと思うけれども、一〇〇%そういうふうな状況が起こったときに初めてあなたの言う諸般の状況というものが勘案されるのだ、私はこう見るのですが、環境庁いかがですか。
#129
○政府委員(吉崎正義君) 先ほども申し上げましたけれども、大阪飛行場の騒音の状況というものが今日非常に厳しい状況にあると考えておるわけでございます。そういう状況の中では現に禁止されておる九時以降というものをやはり認めるべきではないのではないかと考えておるわけでございます。
#130
○本岡昭次君 運輸省。
#131
○説明員(米山市郎君) 当面という言葉の中には、先ほど申し上げましたように現段階で予測しがたい状況がどのようなものが出てくるか全く予測しがたいわけでございますので、そういう意味で当面という言葉を使わせていただいておりますが、仮に何らかの必要が生じてきた場合には、先ほど申し上げましたように関係の省庁あるいは地元とも十分御相談をし対処してまいる考えでございます。
#132
○本岡昭次君 どうもあやふやですね。地元住民の方が心配されるのは無理ないと思います。要するに被害を受けている地元住民の立場にあなたが立っていないということですね。だから地元住民の人が安心できない。どこからその諸般の状況、方針を変更する重要な要件が降ってわいてくるかわからぬ、あなたもどういうものかということをおっしゃらない、そういうことでは困るんじゃないのですか。将来に何が起こるかわからぬ、それはそのとおりですよ、予測できないことがいっぱいある。だけれどもはっきりしていることは、現在そこに住んでいる住民がどういう航空騒音によって被害を受けているかということはこれははっきりわかるんですよ。周辺対策、環境整備によって、どのように公害からの被害が少なくなっているか、公害が除去できているか、地域住民の健康が保たれているか、静かな生活が保持できるようになったかということははかれるのですよ。
 だから、そこに基盤を置いて、もうこれならとか、いやこういう状況だからその諸般の状況も考えられるというふうに運輸省の発想は転換せにゃいかぬのじゃないですか。さっきからくどく言っているのですけれどもそれはできませんか。その私が言っている、地域住民というものをまず第一義的に置く、諸般の状況はその後だというふうにはなれぬのですか。
#133
○説明員(米山市郎君) 先生おっしゃられるような点、いろいろな観点から慎重な検討を加えた上で対処してまいる所存でございます。
#134
○本岡昭次君 この委員会は今後何回も開かれますから、私は次の機会に、いまあなたのおっしゃった諸般の状況とかいろいろなこととかいうのをもう少し整理して、具体的にたとえばこういうこと、こういうこと、こういうことというふうにきっちりとひとつ私に答弁をしてください。いまそこで言ってもあなたの一存では言えないでしょうから、この質問は次まで保留を私はして、質問を次に続けます。
 そこで、騒音環境基準達成ということについて昭和四十八年十二月にその基準が告示をされています。そしてそれは十年内に達成するということで、もう十年が来ようとしているのですが、大阪空港に係る環境基準達成の措置ですけれども、やっと最近七十五Wまで落としたということで、一体これは十年間という一つの期間内に環境基準というものが達成できるのかどうかということですね。もしできなかった場合、先ほどいろいろ努力したとおっしゃるけれども、これは運輸省の責任はきわめて重いと思うのですよ、十年以内にやりましょうというそうした基準を示しておられながらね。その基準達成の見通しと、ここまでおくれてきている、もう達成のめどがないというふうな状況に至った運輸省の責任、そういうものをどのように感じておられますか。
#135
○説明員(米山市郎君) 大阪空港周辺におきます環境基準の達成のために、私ども先ほど来申し上げておりますように、一つは発生源対策という面で低騒音機の導入等を積極的に進めてまいります。いま一歩屋外での基準達成というのがなかなか現段階においてむずかしいわけでございますので、環境基準の中にもございますように、それと同等の屋内での静穏を確保するという観点から民家防音工事を積極的にこれまで進めてまいりました。御承知のようにWECPNL八十までこれまで対策区域としてやってきたわけでございますが、その区域につきましては、五十八年度までには希望者に対しましてすべて防音工事が完了できる見通しでございます。
 また、Wの七十五までの区域につきまして去る三月三十日告示をいたしたばかりでございます。で、この区域の対象世帯につきましては、現段階、最終的に工事の執行等についての詰めを行っている段階でございますが、正直申し上げまして五十八年度までにすべてを完了するというのはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えておりますが、これもできるだけ早く完了するように、そう長い期間はかからないと思いますが、一、二年の御猶予をいただければ何とかできるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 また、発生源の面におきましても、先ほども御答弁申し上げましたように、DC8の退役とかあるいは新たな低騒音機材の導入等によりましてさらに改善は見込まれるというふうに考えているところでございます。
#136
○本岡昭次君 いまのところは運輸大臣の責任を私は問いたいですね。だけれどもあなたは運輸大臣じゃないから仕方がありませんが、この責任はやはり十分感じてもらわなければいかぬと思うのです。おくれているし、あなたも一、二年の猶予をくださいと言われましたが、それを責任を持ってやりますということはあなたも言い切れない。これはひとつ責任を持ってやっていただきたいと思います。
 そこで、防音工事に絡む問題なんですが、一般の住宅あるいはまた公共施設の学校、病院等に防音装置をやる、まあ病院は別にして学校ですね、問題は。一般の家もそうですが、そこに防音装置をするとおのずから自然の風を通すというふうなことができなくなりますから、年じゅうどうしても空調施設を設備しなければならぬということで、空調設備もこれは恒久的にもつものではありませんからある時期が来ると取りかえなければならぬというものです。また学校等はそのために大きな工事をやって、そして子供が学校にいる間はずっと空調をやっているわけです。
 だから、それに必要な費用というものが当然自治体に対する負担にそれもかぶさっていっている。もちろん、いやそういう自治体には別途特別のお金をおろしているからそれで賄えばいいのだという答えが返ってくるかもしれませんが、しかしそうした一般的な問題じゃなくて、いま言ったWECPNLの値を落として環境基準というものに皆そろえるのだ、達成させるのだ、それ以上のものをつくらないのだというそうした個別の一つの政策から来ている空調施設の取りつけであろうと思うのです。だから私は、それに必要な費用、そして取りかえの時期が来たらそれを取りかえる費用、工事、そうしたものはこの防音工事そのものを進めていく周辺対策の範疇で処理するのが当然ではないか、このように考えるのですが、そのようにこの問題の対応をぜひしていただきたいということを要望しますが、いかがですか。
#137
○説明員(山下哲郎君) お答え申し上げます。
 現在、周辺対策ということで行っております空港周辺の環境対策の中で、いま御指摘の学校の防音とそれから民家に対します防音工事ということを中心にやっております。ただいま先生御指摘の防音工事に伴い据えつけました空調機、これの古くなりました分につきまして機器の取りかえあるいは空調機を設置することによって必要となってくる維持費等についての御質問でございますけれども、民家防音工事の実施状況につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり民防工事の完了ということで一生懸命やっておりますけれども、なお相当数のまだ民防工事を実施してない世帯等がございまして、これの工事実施に最大の努力をしているところでございまして、現在の段階では空調装置等の取りかえ等については考えてない状況でございます。
 学校等におきます空調機の維持費につきましては、現在設置者でございます地方公共団体等に負担していただいておるところでございます。私ども国としましてはこれについて助成を行うことはいま考えておらない次第でございます。
 なお、航空機騒音対策事業にかかわります地元負担分を軽減するために、各地方公共団体に対しましては航空機燃料譲与税が配分されておりまして、学校等におきます空調機の維持費につきましても航空機燃料譲与税で賄うことが可能ではないかというふうに考えております。
#138
○本岡昭次君 いまあなたのおっしゃる、可能ではないかと思っておりますと言うから、それぞれは皆それでやっているんですよ。だから私は、いまやっておる方法じゃなくて、それは周辺整備という中でその問題を特別に財源として措置をしてやるべきではないかと、このように主張しそのことの要望をしています。だから、これは私の要望として運輸省でその問題について検討をしていただきたいということをここで申し上げて、次の問題にいきます。
 次は、自動車騒音の問題について若干お尋ねをしておきます。
 環境庁が「昭和五十五年自動車交通騒音実態調査報告」というふうなものを昨年の十二月にまとめられて一冊の本として出しておられます。そしてこれに基づいて幹線道路周辺における自動車交通騒音の状況というものを試算をしています。その内容を見ますと、幹線道路周辺の一七%、約二万七千キロメートルで夜間の環境基準を超え、その沿道に住んでいる人は約六百万人に上る、こういう試算をやっているわけです。言ってみれば六百万人の人が夜間環境基準を超えた自動車騒音に悩まされている、こういうことです。長官大変な数だとお思いになると思います。さらにそのうち要請限度ということで、さらにひどい騒音に悩まされている人々が五千七百キロ、沿道人口に直して七十万人というここに試算があるわけで、こういう試算をされたということは私はよくやられたと敬意を表します、事実を明らかにするということがまず対策の第一歩ですから。
 しかし、これを明らかにしただけではどうにもならないわけでして、環境庁としてこういう実態調査をされて、一体夜間に環境基準を超える騒音に悩まされている六百万人、またその要請限度を超える夜間騒音に悩まされている七十万人の人々に対して、一体どういう行政的な措置をして騒音から解放してやるのかという問題の手だてがなければ、これはもう絵にかいたもち、評論をやっているにすぎぬと思うのですが、一体どういうふうな措置を具体的にすでにとられたか、あるいはまたこれからとろうとしておられるか、それについてお伺いいたします。
#139
○国務大臣(原文兵衛君) 自動車騒音の問題は私もきわめて重大な問題だと考えております。ただいま本岡委員おっしゃるとおり、環境庁の調査並びに試算はいま御指摘のあったとおりでございまして、なかなかこれは大変な問題だと思うわけでございます。
 環境庁としましては、具体的には自動車本体から発生する騒音の規制に関しましては、従来から中央公害対策審議会の答申に基づきまして二段階に分けて規制を進めており、第二段階の規制については乗用車について五十七年規制として、また中型トラック、バスについて五十八年規制として実施することといたしておりますが、残された車種につきましても、自動車騒音公害のいまおっしゃったような深刻な現状にかんがみまして、できるだけ早い機会に第二段階達成の目途を得るよう鋭意現在技術評価を進めているところでございます。
 また、交通規制等のいわゆる交通管理、それから道路構造の改善、また沿道の整備等の各般の施策につきましても、それぞれ関係省庁があるわけでございますが、関係省庁の協力を得て一層の推進を図ってまいる所存でございます。
 なお、現在中央公害対策審議会におきまして今後の交通公害対策のあり方ということにつきまして鋭意審議が行われているところであります。審議の内容は大変広範多岐にわたっておりまして慎重な審議を要する問題も多いのでございますけれども、幹線道路等の周辺住民が毎日毎日受けております公害の状況を考えますと、さらに精力的な審議を進めていただくことによりましてその結果をできるだけ早い時期に取りまとめていただいて、これを交通公害対策の総合的な推進に役立ててまいりたい、こういうふうに存じておるところでございます。
#140
○本岡昭次君 いまおっしゃるような措置は総合的に一日も早くとってこの騒音からこれら沿道の人々を解放していただきたいと思うのですが、そこで抽象的な論議じゃなくて具体的な問題で建設省あるいは運輸省もおいででございますからひとつ論議してみたいと思います。
 私はこれを丹念に調べました。北海道から沖繩まで四千三百二十一カ所で測定をされているんです。全部一つ一つずっと私は数字と場所を当たってみました。そしてひどいところひどくないところ等々をずっと見ながらやったのですが、テレビで放映しておりましたのは東京の環七、環八というのですかそこのひどさ、それから兵庫県の赤穂市の有年というふうなところはテレビでもやっておりました。そういうようなことも若干頭に入れながらこれを一つずつ見ていきました。
 なるほど国道二号の兵庫県の赤穂市有年というところの状況は大変なものです。そのひどさかげんでは赤穂の有年よりももっとひどいところがあります。しかし、それは東名高速であったりあるいは首都圏高速の一号であったり、あるいは四車線の国道一号であったりするんですね。ところが、この兵庫県の赤穂の有年というところは国道でありながら二車線、幅が広いところで十メートル、狭いところで九メートルなんですね。そしてそこは四百三十メートルにわたって両側に家がずっと並んでいるのです、街道として。そしてその周辺に九百人余りの人が住んでいるわけで、もちろん警察の方は四十キロ制限をそこに設定してはいるのですが、とにかく夜間においても上端値九十ホンというふうなことになるわけです。朝も九十ホン、昼も夕方もずっとどの測定をとっても上限値は九十ホンというふうな騒音にここに住んでいる人は悩まされているわけで、そして夜中でもひっきりなしに大型の長距離トラックが走って毎時八百台の車が狭いわずか十メートルのところを上下通っているというのですね。
 そのことはこれでも明らかですし実態もそうなんですが、それではそこを一体解消するのにどうするかという問題。この問題はもう数年前に日本一というありがたくない指摘をされたのですが、依然としてやはり日本一なんですね、そういう状況は。それを具体的にどう一体解決したらいいかということなんです。問題はバイパスをつけるかあるいはその交通量を規制するか、大型のトラックをそこを通させないというふうにするかというふうなことが私は常識的に考えられるのですが、建設省、運輸省の方々にお伺いしますけれども、一体そういう地域をこのまま放置できないという結論が出た段階で早急にどういう対策を打たなければならぬというふうにお考えですか、それをお聞きしたい。
#141
○説明員(信高裕君) お答えいたします。
 国道二号の赤穂有年地区におきまして交通騒音の状態が非常に深刻になっておることはわれわれ厳粛に受けとめております。御指摘のようにこの地域の夜間における交通騒音は七十ホンを超える高い値を示しているわけでございまして、これは特に御指摘のように夜間の大型車の通行が多いというふうにわれわれ考えております。
 この地区におきまして国道二号の代替路線としての機能を有します山陽自動車道が先月三十日竜野西から備前インターの間で供用いたしまして、引き続きまして東の方姫路方面の延伸のための事業を現在推進しております。また国道二号におきましても、太子−竜野バイパスなどの事業を進めまして、そういうバイパスへの交通の誘導を図りたいというふうに考えております。いずれにしましてもそういう事業を推進することがまず第一であろうというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、三月三十日に供用しました区間は非常に区間が短うございまして、交通量の転換もさほどないというような結果がいまのところ出ておりますけれども、まあ供用後まだ間もない状態でございますので、なお推移を見守りたいと思っております。現地の有年地区につきましては、今後とも公安委員会等関係機関との連携を保ちながら、騒音対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#142
○説明員(浅見喜紀君) トラック輸送はわが国の貨物輸送体系の中できわめて重要な役割りを果たしておりまして、国民生活の安定を図るという上からも必要な生活物資あるいは産業資材の輸送に当たっておりまして、必要な運行はやはり確保する必要があると、こういうふうに考えております。
 しかし、一方で御指摘のようにトラック特に大型トラックの走行に伴う騒音といったような公害を防止することももちろん重要でございます。私どもとしましては、この問題につきましては、基本的にはバイパスの建設あるいは道路構造の改善等によりまして対処していくことが必要であるというふうに考えております。また、輸送の効率化を図りまして、貨物輸送需要に対して相対的に自動車交通量の減少を図るということも重要と考えております。
 このため、運輸省といたしましては、自家用トラックから営業用トラックヘの転換、トラックと鉄道や海運との共同一貫輸送の推進、あるいは効率を高めるための帰り荷あっせんシステムの研究開発といったようなことを推進しておるところでございます。また、道路利用者としてのトラック業界に対しまして法定速度、法定積載量を完全遵守するということはもちろんのこと、急加速あるいは急停止の自粛といったような運転マナーの向上を図るほか、並行して高速道路が整備されているような区間につきましては、できるだけ高速道路を利用するように指導しているところでございまして、今後ともそういう方向で指導してまいりたいと考えております。
#143
○本岡昭次君 環境庁長官、いまお聞きになっておりまして、こういう本当に自動車騒音による公害を受けている人たちにとって、環境庁の仕事は大したものだ、よくここまできちっと全国の状況をつかんでくれた、まあここまではいいのだけれども、あとをどうするか。建設省やいまの運輸省の話を聞いておられて、それでは一体――私はいま地域を一つだけ特定しましたが、そのほかの騒音に悩まされているところがいまのような話ではこれは何年たったら解決するのかという問題についてもめどがつかないというふうな状況のように思うのですが、環境庁としてもっと強い運輸省、建設省に対するこの問題の話し合い申し入れ、そして環境庁サイドの具体的な方法ですね、こういうふうにしたらどうかとか、もちろんそれを具体化するのは建設省であり運輸省であろうと思うんですが、環境庁サイドからもっと具体的にそれを解決する方法を提案して騒音を一日も早く解消できる条件をつくってやるべきではないか、こう思うのですが、長官いかがですか。
#144
○国務大臣(原文兵衛君) 御承知のように環境庁はそういう調査をしまた試算をしておりますが、率直に言いまして環境庁は実施官庁じゃございませんで、自分でもってここをこうするということになかなかいかない。しかし、いまおっしゃったように環境庁としてもこうした方がいいのじゃないかというような点はこれはもう当然考えなくてはいけません。そういうことで、私率直に言っていまの道路を具体的にはよく存じませんけれども、建設省、運輸省に対して強力に話し合いを進めるようにこれからも努力をして、一日も早く実際に実効の上がる対策が講ぜられるように環境庁としても最善を尽くしていきたいというふうに思っているわけでございます。
#145
○本岡昭次君 ぜひひとつお願いしたいと思うのです。いまの私が指摘しました赤穂の有年地区にバイパスをつくるという問題についても、もっと積極的にこれは建設省が乗り出してもいいと思うし、山陽自動車道ができた、そちらへ車が回ってくれればいいがというふうな期待じゃなくて、やはり道路がそこへできれば大型トラック、貨物輸送のトラックはそこは遠慮してそちらの方へ回すという具体的な行政措置等々もやってやらなければ、高速を走れば金は高くつくし遠回りになるしというふうなことで、どうしてもこれは国道二号線を通る、こういうことになるのですよ。だから、そこのところのひとつ強力な行政指導、そしてバイパス建設という問題をきょうはとにかく要請をしておきたいと思います。まだいろいろ質問したいことがありますので。
 そこで、最後にこれは運輸省に一言だけお尋ねをするのですが、砂利をいっぱい積んだトラックがたとえば東京都内でも走っているのですが、それが一台じゃなくてこう十台近く集団的に砂利を満載した、恐らく超過していると思うのですが、それが走るわけです。ところが上り坂になるとそれが走れない。のろのろ運転できないからその前がずっとすくまでトラックが待っていて後ろの車が全然前へ行けない。それが二車線をふさいでしまうわけですよ、そして後ろをストップさせる、車がずっと後ろへ数珠つなぎ。それで前がすくとやおらエンジンを吹かして集団になってその砂利トラックがううっと上がっていく。ということは、のろのろと普通の自家用車みたいに上がっていけないからそういう措置をとるのです。私はそういう渋滞に二度、三度ぶつかったんですよ。
 こういうふうなことは許せないと思うし、また夜中に宅配する業者がトラックを二台、三台と連ねて、そして夜間それを一時停車させて、そこで荷物の積みかえをやるとか、とにかく大型トラックがいま道路でやっている――違法行為じゃないのでしょうが、しかし全体としては交通を渋滞させるし、また道路を不当にいろいろなことによって占拠をしているというふうな駐車違反的な状況があるのですが、そうしたものはひとつ厳重に取り締まれないものですか。
#146
○説明員(浅見喜紀君) ただいま先生御指摘の一つは過積載の問題でございますが、これにつきましては運輸省、警察、総理府等関係省庁で連絡をとりながら指導しているところでございます。
 それから、そのほかの問題につきましては、交通規則を十分遵守するように今後とも警察等の関係機関とも協議しながら業界を指導するようにしたいと思っております。
#147
○本岡昭次君 十分ひとつ警察と連絡をとってもらって大衆に迷惑がかからないように、あるいはまた渋滞すれば当然そこに排気ガス等の問題で公害も発生するのですから、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、長官もお帰りになりましたから、午前中質問を途中で打ち切りました志布志湾の石油備蓄基地の問題について残りの時間質問をさせていただきます。
 まず第一点、権現山という特定の山、特定の展望地を私が指摘して、そこから見た景観が白砂青松の国定公園として一番すぐれている、そこの眺望が一番すばらしいということになっているが、そこから見た場合に景観は損なわれるのか損なわれないのかという意味の質問を私はしたと思うのですが、そのときの正田局長の答弁が私はよく聞き取れなかったのですが、その権現山というのは下から見る山であって上から白砂青松の志布志湾の海岸を展望する場所ではないのだという意味のようなことをおっしゃったのですが、そういうことをおっしゃったのですか。
#148
○政府委員(正田泰央君) 先ほど申し上げましたのは、権現山は特別地域になっておるわけでございます。公園の計画上大事なところを特別地域と申します。それからそれを守る普通地域というのがございます。その外が公園の区域外でございます。白砂青松は御案内のように特別地域になっております。それから弓形の湾をなしておりまして、そこで権現山というのはわりと植生上も――植生でございますね、植物の関係、そういった面からもなかなかいい山でございまして、白砂青松を含めた景観の一部として山が特別地域、大事な景観と、こういうことでございます。これは公園計画をつくりましたときからそういう景観の理論でございます。それを申し上げたわけでございます。
#149
○本岡昭次君 特別地域であるならばなおさらこれは都合がいいわけですが、そこから見た国定公園の景観ということについて環境庁はどのようにお考えなんですか。
#150
○政府委員(正田泰央君) 先ほども若干申し上げたと思いますが、公園の計画をつくります場合に公園の景観につきましてはいろいろな観点、いろいろな場所から見ます。これは無数にございます。特別地域として大事なところとかいろいろ見るわけでございますが、まず第一に大事なのは、あそこでは下にございます日南地域に近いダグリ岬というところがございます。これが古典的なところでございます。それから中間部にくにの松原、こういうところがございます。それば先ほど典型的なところとして申し上げたわけでございまして、いろいろなところから見ておりますが、どこの国立公園にしても国定公園にいたしましても、総体として景観をとらまえてそして国立公園という景観、それに準ずるものとして国定公園、さらにその下のランクとして県立公園と、そういうランクを決めるための地点でございます。
#151
○本岡昭次君 どうも私の質問に的確に答えてくれてないので時間だけが過ぎてもったいないのですが、この権現山から見る眺望が一番すぐれている、白砂青松が一望のもとに一番よく見えるところだということを地元の方々も言い、そしてその一番いいところから見たら真下に石油基地があって、その石油タンクはまる見えだという状況になる。だからその景観を損なわないという環境庁の判断というものに誤りがある、見なければならないところから見ていないということに対する反論はどうですか。
#152
○政府委員(正田泰央君) 国定公園の指定及び解除問題に当たりましてはすべてのところから見ておるわけでございますが、その地域、どこの地域から見ましても石油の備蓄基地をつくります場合には当然視野に入っておりまするし、全然支障がないとは言えません。それば国立公園、国定公園、県立公園を含めて同じでございます。ただ、ここに石油備蓄基地をつくりまして、この日南の海岸の志布志地区十六キロの白砂青松の公園をなくしてしまうというほどの決定的なそういう景観の障害ではない、こういう意味合いで申し上げているわけでございます。
#153
○本岡昭次君 いや、だから権現山から見てそこの景観はどうであったかという判断をしたのですかしてないのですかということを聞いているのですよ。
#154
○政府委員(正田泰央君) それは当然行っております。すべての地域から行っております。
#155
○本岡昭次君 それで、あなたは白砂青松がなくなるかどうかということの判断が大事なんだとおっしゃいましたが、白砂青松が存在するかあるいはそれが喪失するかという問題は、当初計画の段階でも白砂青松そのものがなくなるわけでもない、ちゃんと海岸から二百メートルなら二百メートルという一つの距離があるのですから。あなたのおっしゃっていることは三百メートル沖へやったから二百メートル沖へやったからといって変わるような条件ではないのと違いますか。
#156
○政府委員(正田泰央君) 白砂青松につきましては御案内のようにあそこの国定公園の重要な地域でございますが、当初、当初と申しますか以前から、その開発問題が進んでおります場合にはこの白砂青松そのものをいじる、こういう計画が昔からあったのでございます。そこで白砂青松というのは国定公園の最も大事な地域でございます。特別地域になっております。したがいましてそれをまず守る、それに手をつけないということが大事なことです。その次に、FS案のような二百メートルの地域においては、白砂青松から外は知事が勝手にできる地域でございますが、この問題の経過から見て、二百メートル程度でこんな幅の広いものではいけないという見解でこれはいけない、こういうふうに申しておったわけでございます。
#157
○本岡昭次君 それでは角度を変えてちょっと質問いたします。
 長官は私の質問に対して、安楽川以南の海岸埋め立ては今後あり得ないということの確証を持っているというというふうにおっしゃり、またそのことは新大隅開発計画による志布志湾の埋め立てもあり得ないということだというふうにもおっしゃったわけです。
 そこで、そのことを前提にしてお尋ねするのですが、環境庁が鹿児島県に対して代案として与えた三つのヒントのうちの一つ、志布志港の近くの埋立地、何か八十ヘクタールほどあるんですか、そこにつくってはどうかという代案を出したということですね。そこは安楽川よりも北東というのですか、南と北に分ければ北側に位置するわけなんですよ。とすれば、安楽川以南というのは私はもう責任を持つとおっしゃったが、北というそのヒントとして与えたそこは一体どうなるのですか。
#158
○政府委員(正田泰央君) 北につきましては、志布志港の港湾改定計画の計画区域内の場所につきましては御指摘のとおりでございますが、あれは港湾改定計画の中でいろいろな港湾の施設を設けるということでかつて認められたものでございますが、その地域内にいろいろな諸計画のかわりにあるいは諸計画と併存して、たとえば石油備蓄基地はそこに設けられない、すでに認められた地域に設けられないというのが前長官の一つのヒントというか、どうなんだ、こういう意味合いでございまして、したがいましてその当時その港湾改定計画で行われました議論の過程におきまして、安楽川の以南は御案内と思いますが文字どおり白砂青松なので、これだけは同じような埋め立てとかそういったことで青松地域、白砂地域をいじるというようなことはしない、こういうことであったわけでございます。それが経過でございます。
#159
○本岡昭次君 そうすると、安楽川の河口から南側とそれから北側と言うのですか志布志港寄り、それが国定公園としての景観を損じるか損じないかという一つの尺度になっているということですか。それでは安楽川の北の方に白砂青松は志布志港までの間にあるのですか、ないのですか。
#160
○政府委員(正田泰央君) 安楽川の以北は、歴史的に見て相当長い期間のうちに志布志町という町が、港湾がございまして、志布志の公園区域の中でその部分は特別地域というものは本当に少のうございました。若干の白砂青松地域だけがございました。それを港湾改定計画で埋め立てができるようにしたのが数年前の措置でございました。現在そこの地域は志布志町の一ごらんになるとおわかりと思いますが、もう密接したところでございまして、いわゆる南に至る十六キロの地域とは質的に全然違っているものでございます。
#161
○本岡昭次君 質的に違うということは実態の問題としてわかりますが、いまの答弁の中に志布志港寄りの方にも国定公園としての特別地域があるということでございましたね。それは間違いありませんか。
#162
○政府委員(正田泰央君) そのとおりでございまして、その志布志町地域及びさらに以北、宮崎に至る過程においても当然公園区域でいいところがございます。
#163
○本岡昭次君 新大隅開発計画は、志布志湾の海岸沿い十六キロに一号用地、二号用地、三号用地というふうに、三つの場所に設定をして埋め立てして、そこにいろいろな工場を誘致する、産業を誘致するという計画を持っておったわけで、安楽川から北側はこれは一号用地というふうに設定されていたところであるわけですね。
#164
○政府委員(正田泰央君) 安楽川から以北、北において若干の面積の部分が新大隅開発計画の一号用地と言われているところに含まれているというふうに私どもは認識していました。
#165
○本岡昭次君 すると長官は、安楽川から以南はこれからそういう開発は行われないということには責任を持つ、知事ともそのことは確認し合っている、こうおっしゃったのですが、その北側のところ、それから埋め立て、いわゆる志布志港に至るまでの間に開発計画の予定地があったわけで、そこには一部にしろ国定公園の特別地域があるということからすれば、まあ勘ぐって言えば北側はそれでは開発しても結構だということにも私はなりかねぬと思うのですよ。なぜ安楽川から以南だけおっしゃるのですか。そこの国定公園全体の特別地域あるいは普通地域というものをなぜお押さえにならないのですか。安楽川以南ということの中に私は疑問を感じますが、それはいかがです。
#166
○政府委員(正田泰央君) 安楽川以北につきましては先ほど申し上げましたように相当開発が行われておりまして、それからそのうちの相当部分につきまして港湾改定計画の区域内になっておるわけでございまして、その港湾改定計画をいたします場合に、国会等におきましても、安楽川以南については白砂青松の残った大事な地域であるからこれについては十分守るようにというお話などいただきまして、そのような措置をずっと講じているわけでございまして、したがいまして私ども国定公園の存廃という問題に関しましては、以南というところに最重点を置いて物を考えているわけでございます。
#167
○本岡昭次君 環境庁がどう重点を置かれようと、ここは国定公園の普通地域があり、特別地域があり、そうしてそこの現状が変更され、そうして国定公園としての指定が解除されたような状況が今後可能性としてあるというふうにいまの話は聞き取れるわけですが、そういうふうな状況を前提にしながらなぜ審議会にかける必要がないというふうなことをおっしゃるのですか。
#168
○政府委員(正田泰央君) いま以北のことにつきまして先生が御指摘になった問題については私どもまだ何も考えておりませんし、全然話を伺ったこともないわけでございますが、審議会の問題につきましては、特に以南の特別地域、現存する特別地域として形式的にも実質的にもりっぱなところ、これがなかりせば日南海岸国定公園の志布志地区においてはもう公園としての存在価値はなくなるだろう、こういう観点で物を見ておったわけでありますが、今回の備蓄基地の設置そのものについてはこの十六キロの国定公園をなくすほどのそういった決定的な影響を与えるものではない、こういう技術的な判断でございます。
#169
○本岡昭次君 安楽川以北は国定公園としての存在価値はもうなくなるであろうというふうなことを環境庁が一つの判断基準として示したらあなた一体どういうことになるのですかね。それは逆の意味で言えばそこは開発しても環境庁は何も言いませんよということと等しいことをあなたはいまおっしゃったわけじゃないですか。そして、こちらに安楽川を挟んで隣接して白砂青松があって、それでこちらは開発されて南側に石油基地があってと。そのような中に挟まれたところが国定公園で景観だ美観だというふうなことになりますか。間違っているのですよ、その安楽川以南と限定されたことが。
#170
○政府委員(正田泰央君) 以北につきましても、港湾改定計画の部分は以北という中のほんの一部分でございまして、これはどこの国立公園でございましても国定公園でございましても、そういった部分的に開発が行われている地域はございますので、私どもはそういうふうに判断いたしておるわけでございますが、以北について――以北というのは宮崎までずっといくわけでございますが、以北について、当該部分について何も私ども伺っておりませんので、その部分に開発がどうこうという問題意識を現在持っておりません。
#171
○本岡昭次君 長官、あなたは安楽川以南ということを非常に強調されますが、されればされるほどその河口から北側はどのように開発されても環境庁として文句は言いませんよと。いまも言ったように存在価値がなくなりつつある、失なっているというふうに局長がおっしゃるんですから。だからあなたは非常に重要なことをおっしゃっている。そこは私が言ったように新大隅開発計画の予定地ということなんですからね。だから環境というのは国定公園がここからここまで白砂青松があるからそこを守ればいいというものじゃ僕はないと思う。だから長官の発言、安楽川以南という問題について鬼の首をとったようにあなたはおっしゃっているけれども、実は大変なことをあなたはそこで言っておられるというふうに私は思うのですが、どう思われますか。
#172
○国務大臣(原文兵衛君) 安楽川以南についてはということを私ははっきり言いましたが、それはいまの白砂青松と言って問題にされておりますところが安楽川以南ということでございまして、以北にも地域はあるわけでございます。いま局長が言われるように日南海岸国定公園というのはずっと宮崎県から鹿児島県。ただ、以北のうちのいま港を港湾局がつくっている、そこはもうすでに開発している。そこに港についての何か形を少し変えるとか倉庫ができるというようなものはもう開発されているところですから、それのことを――だからそれはそういう以南という意味で言ったんで、以北でも国定公園の特別地域やなんかあるところ、そこにもし大隅開発計画があるというのであれば、それはもちろんわれわれは国定公園を守る、国定公園に従って措置をするわけでございまして、以北は何をしてもいいのだと、そういうふうに言っているわけじゃございません。
#173
○本岡昭次君 時間ももう来ましたので、最後に長官にお伺いして終わりますが、いまの長官のお話は、先ほど正田局長はもう国定公園の存在価値を失いかけているのだ、なくなりつつあるのだと。しかし存在価値がなくなりつつあるのだと、そんなことを人ごとのようにおっしゃるのもどうかと思うし、存在価値がなくなりかけたら存在価値があるように守り保護する、そしてそれをつくり出すのが環境庁の仕事だと思うのですけれども、どうも他人事のようで、私はやっぱり環境庁の姿勢というのはもう相当後退したなということを判断せざるを得ぬわけですよ、いまの話で。しかしまあ長官が、いやそんなんじゃない、北は北であっても国定公園だと、これは環境庁としてその開発にOKするものじゃないとおっしゃったから、それはそれできょうはその程度でおいて、また後から時間をかけて論議させてもらいますが、最後に長官にお尋ねします。
 きょうの私の質疑の中のまとめ的なことになるのですが、鹿児島県の計画するこの志布志湾石油備蓄基地建設が国定公園の指定の解除あるいは区域の変更に該当しないので自然公園法第十一条を適用しないし審議会の意見も聞く必要がないという環境庁長官並びに環境庁の態度は自然公園法第二条の二に定める国の責務を放棄するものだ、私はこうきょうは判断をいたします。
 それで、この国の責務とは何ぞやということがこの法律の中に書いてあります。もちろん私が読まなくても御存じだと思いますが、非常に大事な言葉なのでここで読んでみますと、「自然環境の保全は、自然環境が人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであることにかんがみ、広く国民がその恵沢を享受するとともに、将来の国民に自然環境を継承することができるよう適正に行なわれなければならない。」と、その国の責務をここに述べています。これは自然環境保全法第二条に規定する自然環境保全の基本理念であるわけなんです。だから環境庁が、単に海岸から二百メートル沖へ出たとか、あるいはそれがさらに三百メートル沖へいった、あるいは長方形が正方形になったとか規模が若干小さくなったとか、そうした形式的な問題で法律の解釈をして、そして責任を逃れようとする。つまり本来の環境庁が環境行政の基本理念にのっとってやらなければならないという責任を私はやっぱり放棄している、こう思っているのです。
 そのことは、私が冒頭、環境庁なんか要らぬ、つぶしてしまえ、あるいはまたどこかの省庁と統合してしまえという声がいろいろなところにある現在、環境庁そのものがみずから自殺行為をこの志布志湾の石油基地建設問題でやっているのじゃないかということを非常に心配するわけです。環境行政の重要さ、そして原長官の責任とその期待の大きさ、そういうものから再度私は長官に志布志湾の石油備蓄基地建設問題についてその再検討をお願いできないかということをここで申し上げて、そのお答えを聞いて終わりたいと、このように思います。
#174
○国務大臣(原文兵衛君) いま本岡委員御指摘の自然環境を保全してそれを後にも伝えていくという大きな使命、これはもう当然国としての職責も十分果たしていかなくてはならないし、われわれももちろんそういう気持ちでこの環境行政をやっているわけでございます。
 ただ、自然環境を守るために、まあその守る方法としてたとえば自然公園の中でも特別地域であるとか、特別地域はこれは絶対に守らないといけない、そのためにその周辺に普通地域を設けるとか、いろいろなそういう守る手段があるわけですね。そういう手段の中で、今度の問題は普通地域の中の問題でございますけれども、普通地域といいましてもそれが全体の景観に非常に大きな、それを本当に台なしにするような影響を与えてはいけないというので、環境庁として最初の案ではこれはいけないということで代案を求めてきた。
 そういうようなことで、われわれはやっぱりいまの法律上の問題等も考えながら、しかし自然環境を守っていくためにぎりぎりわれわれとしていろいろ努力をして、その結果がいま言った代案に対して、これならばわれわれとしてはその景観に与える台なしにするような影響とも言えないので、ここでもってアセスをしてよろしいというような意味での検討に値するという答えを出したわけでございまして、私どもといたしましては、今後とも自然環境を本当に保全して、そうしてそれをまた次代にも伝えていくというそういう姿勢につきまして、またそういう使命につきましていささかも変わっているところはございません。
 そういう意味で、最初の御質問にも私は環境庁廃止論なんてものはこれはとんでもない話だということも申し上げたわけでございまして、今後ともさらにまたわれわれもこの自然の保護、公害の防止、そうして健康で文化的な国民の生活のためにこれを実施していくというそういう原点を踏まえながら努力をしていきたいと、こう思っているわけでございます。
#175
○川原新次郎君 いろいろけさからの質疑、やりとりをばお伺いしまして、それに関連して志布志湾の国家石油備蓄基地についてのこと等に関してでございますけれども、前鯨岡長官の時代からもこの問題につきましては再三いろいろな機会をとらえまして強くいろいろなことを御要請申し上げてまいりました。ところが、今回原長官の代に至りましても、その前長官の時代から言われたこととほとんど変わらない形で今日まで推移してきたようであります。少なくとも、先般県の代案が出ました。これが出る前までは一口に言うと出されている計画のままでは絶対だめだということは両長官が同様に言われてきたことだと思うのです。それにこたえていろいろな検討を県で加えて代案が作成をされて出されてきた。その時点でこれをば一口に言うと同意して検討されたいということになったと思いますが、この過程を考えてみると、国定公園を守らなければならないという、環境庁の方々あるいは大臣を初めとして、その立場をばいろいろな協議の場で厳しくあるいは強く要請を受けながらも守ってこられた、貫いてきたということ等については非常な評価を申し上げたいと思います。
 ところが、まずけさからいろいろ聞いたり、またとやかく世間で言われることを見ましても、石油基地というものがいかなるものであり、そしてそれをつくった功罪がどういうふうにあらわれてくるかということ等が実際の姿をよくとらえられていないというような感じがいたしますので、あえて私の所見を二、三申し上げて質問に入りたいと思います。
 まず、社会党の先生方が鹿児島に昨今行かれた。そしてその後県庁に、きのうかおとといか知事との折衝あるいは要請にお会いされているようです。その記事が地元の各新聞にこのとおり大々的に報道されて、きのう送ってきました。それでこれを見ると、いろいろありますけれども、この中に石油基地をつくることで地元の人の生活が豊かになると国は言ってきたがそんな例は全国どこにもない、こういうようなことがはっきり指摘をばされているようであります。
 それで、これに対して厳しくけんか、議論しようという気はないけれども、実際を知ってもらう意味におきましてあえて申し上げてみたいと思うわけなんですが、これははばかるようですけれども、世界一の石油基地をば計画し要請し、そして持っていってつくらしたのはこの私です、あの喜入基地を。それでその後でき上がって運営に入ってもう十年を経過いたしております。
 それで、それをつくる当初、あれを考える時分に、まず公害はないのか、いろいろな環境破壊はないのか、自然破壊はどうなっていくかということ等について自分なりのいろいろな検討をいたしました。その過程では、委員長の地元でいろいろな公害問題が盛んに発生しましたね。あの時点であのような公害が起こってこないかということで先生方の地元等も歩きました。なるほどこれはよろしくないという点も多々ございました。所得倍増計画に従って、企業がもうけさえすればいいという考え方の中で、じゃんじゃんいけいけ、どんどんとやらした姿があの辺に点々と出てきたわけなんですね。
 ところが、その後またほかのところも歩きました。これは横浜も石油基地あるいはまた石油製油所等がいろいろございますのであれらをば見ました。ところがあそこへ行ってみますと、これはまあいま恐らくは日本一の石油製油所だと思うけれども、石油製油所というのは御承知のとおりに石油基地あたりとは公害問題についてはこれはもうたいした違いがあるわけですね。あの日石の根岸の石油製油所は恐らく日本で一番大きいのじゃないかと私は思うけれども、これは四十二年に私が行ったその前ですけれども、現在の社会党の委員長の飛鳥田さんが横浜市長時代に先生が認可してつくらしている基地でございます。
 それでもって、あのでき上がったものをとらえて、あれを持ってくる前のあの辺の環境あるいはつくった後の公害というもの等について、何ら支障がないということをあの当時のその下の役人の方々がPRするぐらいの状態であったと私は思っております。視察をしました。それでまた現実に数字もいろいろ指摘をされました。ところが、さすがやっぱり私はその当時から思っていましたけれども、社会党の委員長をあの当時は成田さんがやっておられたわけだけれども、この市長さんは恐らく社会党の委員長クラスの人だろうと私はその当時から思っていましたが、地元ではそんな演説もしたことがあります。帰って、横浜を見ろと、市長の飛鳥田さん、これはもう社会党の委員長クラスの方だと私は思っている。その方が現実に日本一の石油製油所をつくらしてこれをば運営に入っている。そして公害の心配を起こしていない。こういうようなこと等もはっきり申し上げて、反対の方々との対決をしながらあれを進めていったわけでございますけれども、あれをやってみて、新聞にメリットがないとかいろいろなこと書いてあるようですけれども、メリットは大いにあります。
 これは東京のど真ん中にあるいはまた全国の大きな都市にりっぱな企業をどんどん持っていったのと比較するとメリットはないかもわかりません。ところが、全国もう最下位に等しいような財政指数である鹿児島県の中では、あれだけのものを持っていっただけでもこれは成功のうちで、それだからもうそれこそわらをもつかむ思いで何かを求めているのが鹿児島県の現実なんです。
 そういうふうな中で、あれを持っていって税収が大いにふえてきたというのでどういうような数字が出されてきたかというと、私の町もこれはもう全国の劣等の県でありながらその中でまた劣等の町でありました。ところがいまあれをなされてから、県の平均はこれは財政指数が〇・二三ですけれども、あれをなしてから〇・八二というこれはもう県内では他に追随を許さない財政指数の市町村に変わっております。それと過疎も、ほとんど鹿児島県に過疎でない町はなかったわけですから、ところがあれを実施しまして十年足らずで過疎から脱却をしまして、それで人口も大いにふえて過疎から脱却をいたしている。
 そういうふうなこと等から見ましても、また雇用の面から見ましても、雇用がないないと言います。大企業が来たような雇用があるわけはありません。これは倉庫業だということで、持っていったところで百名ぐらいの雇用しかないと思っていなくてはならない。税収は入ってくるだろうということを私は公開の席で説明をしながら持っていきましたけれども、実際は四百五十名、これは完全に企業の中に入って、大きな企業の中に働いている者がそれだけおります。
 ところが、それだけでなくて、その企業を取り巻くいろいろな関連の会社がございます。小さいものあるいは大きなものの出張所ですね、それがざっと四十社ぐらいあります。その中に地元の雇用を含めて、ほとんどが地元を使っているようですけれども、これはざっと二百名使っております。四百四、五十名のほかにです。それと、周囲にやっぱり飲食の関係やあるいは日用品の関係、そういうような商店がどんどんふえて町化しております。田舎であったあの浜が町になっております。そういうようなこと等からしまして、さっき言ったとおり人口増、いわゆる過疎の村から外されたという一つの例ができております。
 それで、その当時非常に反対反対と言いよった、陣頭に立って騒ぎよった労働組合あるいは革新の方々、そういうような方々もおられて私もけんか腰で対決をした時期がありますけれども、それが何にもございません。私が町長をするとき恐らく過半数の町会議員が反対で立ち向かっておったわけですけれども、それができ上がってスタートする時点になったならば全員賛成という形に変わっております。これは間違っておったということか。
 そのもっといい証拠に、いま現実に野党の国会議員なんです。いまおるのです。その人もこれは反対して騒いだ組だと私は思っておりますけれども、ところがそれができ上がって運営に入ってみると公害はない。あるいは心配はない安全な職場であるということを裏書きする何物でもないと私は思うけれども、その人の息子さんを基地にお願いしますということで入れていま働かしているこの現実は、これは何物も心配ないということを物語ると私は思っております。そういうようなこと等からしましてもデメリットあるいはまた心配がない。
 もう一つ景観の問題で、田舎で何にも人が立ち寄る、観光客が立ち寄るようなそんなところではございません。ところがあの基地ができてきましてから、あの基地では人数をチェックされているわけですけれども、いま年間二万五千人が基地の視察に訪れております。もちろん石油業界の専門家があそこの中を知るために勉強に来る人間とは別に、ただ観光客として鹿児島から指宿温線都市、これの通過個所として通るのにあそこを見せなければならない、一つの観光ルートの一環に織り込まなければならないというくらいに二万五千人があの中に入っているというような状況です。
 それから考えてみると、志布志の環境の問題、景観の問題等が盛んに出ましたけれども、私はこれをやることで何も景観が壊されたとか環境が壊されたということはないと思う。私の町にそういうふうに人口がふえてきた。その人たちが、裏の方は段々畑みたいな地域ですが、その地域で海の見える場所、日石基地がありそしてタンカーがたくさん横づけしている、世界じゅうにないいわゆる五十万トンのタンカーが横づけできるのはいま喜入しかないわけですが、それが横づけをしている、またほかの桟橋に船が並んでいる、それの見える場所がみんな住宅地として一番望んで値段が上がっていくということです。それから基地を嫌うというが、環境が悪いものだったらみんな基地の近郊に家はできないはずですけれども、これは環境庁の方でもごらんになってもらいたいと思うけれども、基地の周辺に新しい住宅がどんどんでき上がっていって、ベッドタウンもその辺に寄ってきているという現実を知ってもらいたい。
 特に、海を見たい基地を見たい、そんなことからすると、いま志布志に返って申し上げますけれども、私はあの地域に石油基地をつくってもこれはそう心配されるような――もちろんこれは先ほど長官の話がありますとおりに、国定公園からこれは外さない形において、これはもちろんそこへつくると権現山から見ようがどこから見ようが基地は見えるけれども。ところが見えたにしましても大きくあそこの景観を崩すようなものではなかろうということ等に立ってこれは評価するに足るという話が出たろうと思うけれども、何ら私はあれは心配するものではないと思うのです。
 あそこにいまあれだけのりっぱな国定公園を持っておっても年間だれがあの松林に通っていますかと言うのですよ。何にもあそこは生かされていないと思うのです。この辺の千葉あるいは湘南海岸の辺ならばこれは砂丘海岸だから夏は海水浴場でとてもいいかもわかりません。ところがあの海岸は海水浴は禁じられているところなんです。危険なんです。本当に石のごろごろある危いところですから、海水浴には子供は入れちゃならないと禁じられている場所なんです。そういうふうな場所で、松があって砂を丘から山へ登って眺める、これは結構かもしれませんけれども、それだけで地元住民というものは生きていけるものじゃない。
 だからして、恵まれない住民が言うことは、特に鹿児島は貧乏だが、その中であの大隅というところはそれの八割にも達しない所得がないところなんです。それで卒業生はほとんど出ていっていない、過疎化していっていくというこの現実の中で、あの青い海を眺めてそうして松のこずえを聞いておったら腹がふくれるものではない。またそのままとっておけば全国の観光客がどんどん来てそれこそ国定公園だということであふれて地元が潤うなら別として、いままで長い歴史の中でそれは何にもないわけです。権現山からの展望台が利用されないという話があったようですけれども、それが証拠じゃないですか。
 ところが、これが基地があそこにできてみなさい。逆にそこを通過していった――内之浦に御承知のロケット基地があるわけですけれども、あそこには年間人が相当量来ております。ところがあれはちょうど通過個所なんですね。それを兼ねた一つの観光コースとして、これは喜入の基地がコースになっているように、観光客を誘うりっぱなもう一つの材料にもなっていくと思うのです。何も公害の上でも環境の上でも心配はないのだということをば私は信じておりまして、もう当初からこれは絶対にやらねばならないということであの推進に自信をもって当たっている一員であります。
 そこで、質問を申し上げますけれども、この自然環境は守らなければならない、それはわかります。ところが、環境を守るためにやたらに反対さえすればいいというようなものではないんです。やはりそこに住む地域の住民の福祉とのかかわりが存在するということを考えなければならない。その意味でこの保護をしていくということと公園を利用するということはこれは調和をさせなければならないと思うのです。志布志湾の国定公園は先ほど申したとおり白砂青松ではあるけれども、海水浴は禁止されておる現況では、実際問題として考えると住民とのかかわりというものは十分に深いとは言えないわけなんです。だからしてあの辺の生活は塗炭の苦しみをばいましているわけなんです。だからして守るべきは守って、使うべきは自然保護を考えながら必要限度に使うべきであると考えるわけなんです。これは守るところは守らなければならない。しかし生かすものは地域住民のためにも考えて生かしていかなければならないと思うのです。
 そこで、長官にお尋ねすることは、環境の保全と住民福祉のための利用のあり方について基本的考え方をひとつお伺いいたしたいと思います。
#176
○国務大臣(原文兵衛君) 先ほど小平委員からの御質問でこの石油国家備蓄基地ができた場合の雇用問題のお話がございました。それからまた鹿児島県知事と会っているときに、鹿児島県知事は鹿児島県の県民所得が非常に低いこと、あるいはその中におきましてもこの地域がまた鹿児島県の中でも非常に低いというようないろいろな御説明がありました。そういうことを私どももちろん聞いておりますが、私どもはやはり自然公園を守る、自然を守る。そうしてそれを守る守り方については、自然公園の法律上いろいろな段階があるわけです。そういう観点に立ってこの問題に対して対応してきたわけでございますので、やはり環境庁といたしましてはこの住民の所得とかあるいは雇用というようなことでもって判断するわけにはまいりませんので、やはり自然環境を守るという自然公園法の目的に沿って、しかも自然公園の中には国定公園の中に特別地区とか普通地域とかいろいろあるわけでございます。そういうふうなもので守れるぎりぎりのところはやはり守っていこうということで、そういうことで対応してきた結論が先ほど来いろいろと問題になりました検討に値するという私の結論になったわけでございますので、その点を申し上げて御理解をいただきたいと思います。
#177
○川原新次郎君 次に、通産の方にお聞きいたしますが、先ほどのやりとりの中でちょっと聞こうと思ったことが出たようですからそれは省略しますが、それというのは、石油備蓄の現状とか、あるいはまたいま全国にいろいろつくらしている、九州にもあるが、志布志の港湾条件とか原油輸送上の地理的条件、そんなものをどう見ているかということ等は答弁の中に出たようですから、時間がありませんから省略します。
 ところで、もう一つお聞きしたいのは、景観もいろいろ言われますけれどもこれはやはり無視してはいけない大事なことです。それだからこれも一つの例として申し上げるけれども、私が基地をつくらせるとき、タンクの色彩、あれを日石だけじゃだめだ、土建屋だけじゃだめだ、それはわれわれもわからない。だから色彩の専門家――どういうような学会の人がおるかわからないけれども、環境とマッチさせた色彩をひとつ考え出してくれるようなプロ、専門家がおるだろうと、その方々に現地を見てもらって、そして自然環境にマッチする色彩をとらえてあのタンクにひと塗つってもらいたいということ等の要請をつけたわけなんですが、そういうような形で専門家の意見を取り入れてあの色彩をつけてございます。
 それで、志布志は五百メーター沖に出すと言うけれども、あすこはもう目の前にあるわけなんですね。目の前にあるけれども決して環境が壊されたとかなんとかということでなくて、さきも言うとおりにそのタンクの前に――前というのはじき目の前じゃありませんけれども、おること、住まうことを何も嫌っている状態でないということでわかると思いますが、そんなこと等を今後向こうにやられる場合は、石油公団かあるいは通産が指導されるのかよくわかりませんけれども、自然とよく調和したものを建設の中でも、また色彩の中でも十分考えたひとつ指導をしてもらいたい、こういうふうに思っておりますので、その点についてひとつどういうふうにお考えになっているかをばお尋ねいたしたいと思います。
#178
○説明員(市川南君) お答え申し上げます。
 志布志計画のフィージビリティースタディー――立地可能性調査につきましては、昨年の二月にスタートをいたしたわけでございますが、フィージビリティースタディーに当たりましては、環境上の諸問題、特に景観の問題がきわめて重要であるという観点から、これは鹿児島県及び関係市町村の御意見を十分取り入れながら検討を進めるよう石油公団を指導してきたところであるわけでございますが、このフィージビリティースタディーにおきましては、通常の立地可能性調査で行われるよりもはるかに大きなウエートを置きまして、景観対策を検討をしてきたわけでございます。具体的には、この志布志プロジェクトのフィージビリティースタディーの検討にあわせまして、景観検討委員会というものを設置をいたしまして、関係の学識経験者の方々の審議、御指導を受けまして景観対策案を作成いたしております。
 今後の問題でございますが、石油公団が地元鹿児島県を初め関係行政機関等と意見を調整を図りながら今後の立地について考えていくわけでございますが、この際に十分な景観対策等を講じるように指導していきたいと考えております。
 先ほどおっしゃっていただきましたタンクの色彩の問題、あるいは植生と申しますか景観上のいろいろな観点からの対応策があろうかと思いますが、それらについては慎重の上に慎重を重ねまして、適切な対応策を講じていくことが必要であると考えております。
#179
○沓脱タケ子君 それでは、大臣所信の環境影響評価制度の早期制定問題に関連をして御質問を申し上げたいと思います。
 本題に入る前に、いま志布志計画についての大変熱烈な賛成演説を伺いましたので、一言申し上げておきたいと思っているわけでございます。
 私、きょうこれを御質問申し上げる予定でなかったのですが、私ども考えますのに、石油基地の問題と言えばすぐ思い出しますことは数年前のあの三菱の水島石油コンビナートの大事故、ああいう問題というのは二度と起こしてはならないということを痛切に感じておるわけでございます。同時に自然景観の保全ということがいかに大事かという問題でございますけれども、これは一たん破壊をいたしますと回復がきわめて困難あるいは回復ができないというふうなものでございますので、自然景観の保全というものは、いま生きている私どもの財産であると同時に、子孫に残すべききわめて重大な財産でもあろうかと考えているわけでございまして、そういう点で現地ではいまの賛成演説を伺ってみましたところでは賛否両論があるようでございますが、そういう点では自然環境保全の任務を持つ環境庁長官といたしましてはきわめて慎重にこの問題には対処されんことを心から要望したいと思っているわけでございますが、決意を簡単に最初にお伺いをしておきたい。
#180
○国務大臣(原文兵衛君) 自然保護につきましては、いま沓脱委員が申されたことは私どももそのように考えて、日本のこのいい自然を子孫に残したいという熱意に燃えながらやっているわけでございまして、私どもは環境庁の重要な任務というものをいわゆる少し後退させるとかなんとかいうようなことは毛頭考えておりませんことをお答え申し上げます。
   〔委員長退席、理事本岡昭次君着席〕
#181
○沓脱タケ子君 短い時間ですので早速本題に入りたいと思いますが、関西国際空港の構想では運輸省の案というのが地元に示されていま予備協議が続けられておるところでございます。環境庁にお伺いをしたいのですけれども、運輸省案のいわゆる三点セットという問題について聞いていきたいと思っています。
 昨年の六月に運輸省は、いわゆる三点セットを環境庁にもお示しをしたと思うのですが、これを受け取って環境庁はどうなさっておられますか。
#182
○政府委員(清水汪君) 環境庁、私どもといたしましては運輸省の方から三点セットをいただきました。その後は、現在まで含めましていわば引き続き内容について研究をしている、こういう段階でございます。
#183
○沓脱タケ子君 内容を受け取って検討中ですか。
#184
○政府委員(清水汪君) 検討しているということに御理解いただいてもよろしゅうございます。
 ただ、一つ申し上げますと、空港の計画の言うなれば今後の進みぐあいといいますか見通し、正式な意味におきましてはそういう点が必ずしもはっきりまだ決定されていないようにも思います。そういうことでございますので、私どもの心組みといたしましては、いただいた資料の範囲内で検討をしている、こういう段階でございます。
#185
○沓脱タケ子君 そうしますと、運輸省とのいわゆる省庁間協議というのはやっておいでになりますか。
#186
○政府委員(清水汪君) これは技術上の問題といたしましては、その資料を研究する過程でわからないところがあれば聞くというようなことはこれは適宜やっているように思います。
#187
○沓脱タケ子君 そうすると、評価をめぐって論議をするというふうな協議というのではないのですね。
#188
○政府委員(清水汪君) まだおっしゃったような意味の段階ではないと思います。
#189
○沓脱タケ子君 それで、運輸省は三点セットを地元に提示をいたしまして説明会を開催しておられるようでございますが、何回ぐらいおやりになっておられるのか。それからどういう人たちを対象にしてやられておられるのか。特に一般住民を対象にしてはどういうふうに進めておられるのか。運輸省済みませんがちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#190
○説明員(栗林貞一君) 関西新空港計画につきましては、先生おっしゃいますように昨年いわゆる三点セットと称しておりますものを地元に提示いたしまして協議を進めておるところでございますが、その説明会の点でございますけれども、私どもが現地に出向きまして説明をさせていただいたのが三府県で二十数回やっております。それから私ども聞いているところでは、各府県あるいは市町などの主催で延べにしましたら百回以上の説明会をやっているという、適宜私どもも出席するかっこうになっておりますが、そういうふうに聞いております。
 それで、どういう人を相手にしているかという点につきましては、府県の議員さんあるいは職員の方々などは当然でございますけれども、そのほかにいろいろな各界各層の学識経験者の方、各界代表あるいは特に環境に関する学識経験者の方にお集まりいただく、それから漁業関係の漁連の方方、あるいは市民会館などというところに一般の住民の方々にもお集まりいただくといったことで、非常に広くそういった方々にお集まりいただいて説明会をやってきているというところでございます。
#191
○沓脱タケ子君 いまの御説明ですが、このいただいた資料によりますと説明会の開催状況というのは二十六回ですね。それで漁業関係者の漁連を対象にしたものは三府県一カ所ずつで三回、あとは各府県、市町村の役人を対象にしたものあるいは府県会議員あるいは市町関係の議員ということなんですね。一般住民を対象にしたものというのはこれは二回ですね、八月六日と八日。これはきわめて不十分だと思うのですが、大変な大仕事ですから、地域住民はいろいろと期待もあるし不安も非常に広がるという中でございますので、大変不十分だと思いますが、今後のスケジュールとしては何かお持ちでございますか。
#192
○説明員(栗林貞一君) 現在、私ども説明を何回かやりました後で、地元との意見の交換といいますか、いろいろ質問点もどんどん出していただいて回答を繰り返しているという状況でございます。私ども国サイドが直接出かけていってやりますのと並行いたしまして、府県段階でもいろいろな方々を集めていただいて説明していただいている状況でございますので、私どもとしては必要があればさらに説明をするということで、実はことしに入りましてからまた和歌山県におきまして説明会も開き、できるだけ納得をしていただくという線で進めております。私ども大阪そのほかの府県と話し合いをしながらそういった地域の理解を深めるために努力をしておるわけでございますが、たとえば大阪府においても近々公聴会を催してできるだけ多くの方々から連日意見を聞くというふうな企てもあるようでございますが、私どもとしてもその辺の動きも見ながら適切に対処していきたいというふうに考えております。
#193
○沓脱タケ子君 大阪に関する限り見てみますと、泉州の関係自治体の八市五町の中で一般住民を対象にした説明会や公聴会を開いたのは泉佐野市、それから田尻町だけなんですね。岸和田市は五月から六月にかけて少し広い範囲で市民の意見を聞く計画を持っているというんですね、調査をしたところが。ところが残りの六市四町は計画も何もいまないのです。大阪府はいまお話しのように四月の二十日から七回公聴会を開く御計画を組んでおられます。ところが、その公聴会たるや一人が一カ所で五分間の発言で延べ二十人、それから傍聴者の制限というのが百人です。したがってこれを七回、もう制限いっぱい入ったといたしましても、発言をできる人は五分ずつの発言が百四十人、そして傍聴者は全部で七百人しかないのです。これはさっきも触れましたように地元住民にとっては非常に関心の深いところです。不安もあるところです。ですから、三点セットを住民の中に知ってもらうというためにはこの状態では私はきわめて不十分だと思うのですね。そういう点で運輸省はさらにこれを強化なさるおつもりがあるかどうか、それを簡単にお伺いしておきたい。
#194
○説明員(栗林貞一君) 昨年来のこの協議の進め方といたしまして、各府県をいわば窓口にすると申しますか、窓口にしまして具体的な説明の仕方などを相談して実はやってきておるわけでございまして、それがほぼ一年近くにわたっていままでやってき、また大阪府で申しましたら府におきまして各市町村のいろいろな意見あるいは質問というものを吸い上げて、私どもにも非常に項目の多い質問が来ておりました。それに対して一々答えているという状況でございます。それで私どもとしては相当程度理解を深めていただいたのではないかと実は思っておりますけれども、いま大阪府の方でまたさらに公聴会を考えていらっしゃる、それは大変いい企画であるというふうに私ども考えておりますし、今後の進め方などにつきましては、なおそういった府県とよく連絡をしてみまして考えていきたいというふうに考えております。
#195
○沓脱タケ子君 運輸省にもう一つ聞いておきたいと思いますのは、新空港計画の環境アセスメントなんですね。きょうは環境アセスメントを中心に公害委員会ですからお聞きをしようと思うのですが、時間の関係がありますから私申し上げておきたいのですが、まず環境アセスメントの対象の範囲、それと一つは空港本体、これはもうもちろん当然のことですが、空港の本体計画と連絡橋、これは入りましょうね。それからもう一つは膨大な土取り計画、それから運搬、跡地利用というものがあるのでこの問題、それからもう一つはアクセス交通、この三つというのは少くともアセスメントの対象だと思いますけれども、これは全部入りますか。
#196
○説明員(栗林貞一君) いま先生おっしゃいました環境アセスメントの対象ということでございますが、空港本体とか連絡橋とか、土取り計画とか跡地、アクセスの問題などは当然環境アセスメントの対象にしていかなければいけないと考えておりますが、ただ具体的な進め方といたしまして、現在の段階でマクロ的に環境アセスメントをやりましてそこで計画自体をどうするかというたぐいの問上題と、それから具体的に事業主体が決まってまいりましてそこで具体的な環境アセスメントをやっていくというものでおのずから分かれてくる点はあろうかと思います。
#197
○沓脱タケ子君 そうしますと、現在では空港本体計画と連絡橋ですね。アクセス道路は当然入りますね。土取りの問題は入りますか、当面は入りますか、入りませんか。
#198
○説明員(栗林貞一君) 土取りの問題につきましては、これは私ども現在の段階では土取りを行います場合の環境アセスメント、そのいわばケーススタディーと申しますか、そういうものはやっております。ただ、具体的にもうちょっと視点をしぼっていくということになりますと、これはまだ場所も決まっておりませんし、事業主体が決まつてから具体的にやるということになろうかと思っております。
#199
○沓脱タケ子君 そうすると、アクセス交通はどうです。アクセス交通は入るんですな。
#200
○説明員(栗林貞一君) アクセスにつきましては、アクセスその他のその地域におけるいろいろな活動が将来とも発展していくこと、あるいは計画が進んでいくことが見通されるわけでございますが、そういう点はできるだけ見通して、その上で空港から直接出てきます環境影響行為がどのようにそれに響いていくかということを見通して環境アセスメントを現在やっている、こういうことでございます。
#201
○沓脱タケ子君 そうすると、きちんと計画が決まっていないということで、いまはっきりしているのは空港の本体計画とそれから連絡橋の環境アセスメントだけはきっちりとやるということですか。今後の課題というのはいまお話のとおりですが、それはどうですか。
#202
○説明員(栗林貞一君) その対象の中で実は空港本体と申しますのは、これは現在地元にもお示しし、あるいは関係省庁にもお出ししている分は私どもの運輸省の案として出しておるわけでございますが、それをベースにした環境アセスメントは当然現在のところやっておるわけでございます。そのほか連絡橋の問題についても、具体的に場所をどこにするかという問題は若干あるわけでございますけれども、それはやはり考慮に織り込まれている。それからアクセスの問題につきましても、これはいわば一般の地域の活動といいますかバックグラウンドといいますか、そういうものの計算ということでそこに入っているということでございます。
#203
○沓脱タケ子君 それで、周辺整備計画についてはアクセス以外に当然考えていってもらわなければならないのですが、たとえばいま大阪府で御計画中の前島構想、こういうものは周辺整備計画に入れて、環境アセスメントの中に入れていくお考えがあるのかどうか、それはどうですか。
#204
○説明員(栗林貞一君) 先生おっしゃいますように前島という構想が大阪府にあるということは承知しております。ただ、私どもこの案を提示申し上げた際にそういうことが具体化しているわけではございませんし、まだ構想段階ということも聞いておりますので、いまのところ私どもの方ですぐこれを含めて環境アセスメントをやるということは考えておりませんが、そういった構想が具体化してくるということになりますと、やはりそれはどこがどういうかっこうで事業主体となってやるのかというふうなこととの関連において、恐らくは事業主体が中心になって、いままでの環境アセスメントのいろいろな結果がございます、それを前提にしながら環境影響の評価をやっていく、こういう段取りになるのではないかと考えております。
#205
○沓脱タケ子君 いま前島構想は御承知だとおっしゃっているので詳しく申し上げませんけれども、大阪府としては非常に計画の具体化が進んでおりまして、五十七年度には計画アセスをやる、それから五十八年度には実施アセスをやっていこう、五十九年度には計画決定をやってその年に埋め立て免許も申請して六十年には着工するというふうな御計画のようでございます。したがって私は周辺整備計画の中で非常に大きな条件だと思うのです。というのは、おたくの方で空港本体を埋め立てるというのが千三百二十ヘクタールですか、大阪府が計画している前島構想というのは六百五十ヘクタールなんですよ。そういうものが並んでどかんとできるということがわかれば当然周辺整備計画の重要な内容として考えてもらわなければならないというふうに思うのです。
 そこで、時間の都合もありますからまとめて聞いていきたいと思うのですが、いま運輸省案をいろいろ御協議になっておりますが、これを政府案に固めていく場合、その政府案の中には何が入るのかということですね。一つは本体計画、それから連絡橋、これは当然のことですが、土取り計画とその運搬や跡地利用の計画、それから周辺整備計画は当然自治体等の要求も出ておることでございますし、そのことを含めて大阪府の前島計画、そういうものを全部まとめて入れていくお考えがあるかどうかということをお聞きしたい。
   〔理事本岡昭次君退席、委員長着席〕
#206
○説明員(栗林貞一君) 関西国際空港の計画につきましてはまだ政府案としてどういうかっこうで決めていったらいいか、私どもはできるだけ早く決めていただきたいと思っておるわけでございますけれども、どういうかっこうで、どういう内容で決めていくべきかということについて関係省庁とまだ具体的な話にはなっておりません。したがいまして、いま先生申されましたことに関連して具体的に政府としてこういうふうに考えているという言い方はできないのでございますけれども、私どもの考えとして申し上げさせていただきますと、やはり空港計画とかこれに関連する基本的な事項については、これは当然計画の内容として決めていかなければならないというふうに考えておりますが、さらにそれに関連するいろいろな先生おっしゃいましたような問題があると思います。そういう問題について直ちに最初の閣議決定で、閣議決定と申しますか政府の決定でそういうことができるかどうか、それについては順次国とか地方公共団体とか、あるいは事業主体がどういうかっこうになりますか、決まってくると思いますけれども、それぞれの分担に応じて具体的な計画を決定していくことになり、また国との関連においてそれは政府として決める事項であるかないか、各省庁とも相談の上決めていかなければならないのじゃないかというふうに考えております。
#207
○沓脱タケ子君 私はいまの運輸省案を政府案に固めていく段階でいま御指摘申し上げたような点を全部含めて環境アセスメントをお出しいただくということになるのなら結構なんですが、その幾つかがはっきり決まっていないからということで、経過中にというふうな形を進めていくというふうな未成熟なものになってしまいますと非常に不安が大きくなりますので、その点ははっきり聞かしておいていただきたいと思っているのです。
#208
○説明員(栗林貞一君) 環境アセスメントのやり方といたしまして、現在お示ししております環境影響評価案は、現在の地形に従来のいろいろな港湾計画でございますとか埋め立て計画などを前提にした所要のアセスメントをやるということでやっておるわけでございますが、その後、先ほど先生申されましたような周辺の今後いろいろな整備の事業とかいうことがさらに具体化してきた場合の環境アセスメントのやり方でございますけれども、それにつきましてはやはりいままで順次やってきました環境アセスメントを前提としながら、しかもその結果を十分に考慮しつつ、順次その関係機関と連絡をうまくとりながらアセスメントが行われて、各計画のアセスメントの整合性が保たれるようにやっていくというようなやり方が実際にやるような方法じゃないかというふうに実は考えております。
#209
○沓脱タケ子君 それで、環境庁にお伺いしたいのですが、運輸省案はいまの時点ではまだ採算が合うかどうかわからぬとか、土取り計画も周辺整備計画もどう決まっていくかわからぬという段階、これからも本体計画にも変化が出るかもわからないというふうなこと、あるいは兵庫県案というようなものも浮上したりして位置だって変わるかもわからぬというふうな大変未成熟な状況があります。環境庁として私がお伺いをしておきたいと思いますのは、こういう状況の中で正式協議に出てきます政府案に固まったものが出てくると思うのですけれども、政府案の段階では、環境問題はいま御指摘申し上げたようにすべて解決していることが、すべての問題が含まれているということが前提になろうかと思うのですけれども、それはいかがでしょう。
#210
○政府委員(清水汪君) ただいまの運輸省からのお話を伺ってみますと、この計画が今後ある一つの時点で総ざらい的に何か同じように紙の上に並べられて、そしてぱっと決定するというようなことになるのかどうか、その辺のところも必ずしもよくわからない感じがいたしますけれども、ただ、したがいましてその手順の問題はちょっと後にいたしますと、そこに事業の対象になるであろうと思われる本体とか、いま御指摘の土取りとかあるいはアクセス問題、あるいは前島埋め立て構想、そういうようなものはいずれもかなり影響の大きいものであろう、こういうふうに予想されるわけでございますので、それらについてはやはりそれぞれに適した形のいわゆる環境影響評価という手順を踏んで事業に入るということになっていただきたい。まあ原則的な考え方で言えば私どもとしてはそういう立場からお願いをしていくと、こういうことになろうかと思います。
#211
○沓脱タケ子君 環境庁としてはそういう態度をとっていただけないと困ると思うのです。といいますのは、たとえば新空港ができて供用を開始したというふうな状況になったときには、空港本体とか連絡橋とか、アクセスだとかあるいは前島やその周辺整備計画、こういうものが全部できて同時に動くということになるわけですね。ですから住民にとっては大体その新空港が動き出したというときの環境は一体どないことになっているのだろうかというのが最大のやっぱり関心事なんですね。それがどうなるのかわからぬという不安もあるわけですからそこを一番知りたいと思っているので、非常に不安に思いますのは、個別の計画だけでなくて計画全体としてのいま申し上げた空港本体計画、それから連絡橋、それからアクセス、それから地域整備計画の中の全体の問題もさることながら一番大きな影響のある前島構想、そういうもの全体がどういう状況になるであろうかという影響評価を総合的に解析をして評価をする必要があるのじゃないかというふうに思うのですね。実施主体が違うからといってそれぞればらばらにやられていたのでは住民は非常に不安が大きくなると思いますので、正式の政府案、正式協議のときに出てくる政府案という段階ではこういう総合的な評価、解析というものがきちんと確立していることを環境庁としては要求されるのが当然だと思うのですけれども、その辺のお伺いをきちんとしておきたいと思うわけです。
#212
○政府委員(清水汪君) 幾つかの大きな要素についてそれぞれに評価が行われなければならないということはもう先ほど申し上げたことでございますけれども、たとえば前島の問題について考えますと、それはそれ自体としても明白に公有水面埋立法の手続がまずかかってから工事が決定される、こういう性格のものだろうと思います。したがって、これはこれで間違いなくきちっとしたアセスメントが行われ、私どもとしてもその協議を受けるというようなことは非常にはっきり言えると思います。
 それから土取りのような問題は空港ができるまでの間の問題ということでございましょうし、逆にアクセスの問題は、道路を新たにつくるとなればつくること自体の影響、しかしさらにその後のこれは空港とむしろ一体として活動したときの影響というところに重点がくるのだろうと思います。ですから、これはまだ運輸省ともそういうことを相談しているわけではございませんけれども、やはりこれから相談をいたしまして、そうした点のアクセスについて、何といいますか手抜かりが起きないようにするためにはどういうふうな全体の取りまとめ方をしていったらよろしいかというところに一つのポイントがあるように思いますので、そうした点については今後よく運輸省と連絡をとっていきたい、かように思います。
#213
○沓脱タケ子君 時間がありませんので最後に念を押しておきたいのですけれども、空港とアクセスと前島等と簡単にそう言いましても、それぞれみんな実施主体が違うということでそれぞれの実施主体で環境アセスメントをやるということになりますと、その総体としてどういう環境影響が起こるかという点、これをきちんと環境庁で掌握をして評価していただかないと、これはもうそれぞれの実施主体がそれぞれやったんだからという形では住民に非常に不安が広がると思うのですが、その点はきちんと押さえてやってくださるのでしょうね。そこだけ伺って終わりたいと思います。
#214
○政府委員(清水汪君) それは結果としてそういうふうなことになるようにアセスメントのチェックはやるのが私どもの考え方でございます。
#215
○中村鋭一君 午前中から非常に真剣な質疑が志布志湾の石油備蓄基地問題について行われておりまして、長官は終始真摯な御答弁をされていることに委員の一人として深く敬意をまず冒頭表しておきたいと思います。
 重ねてのお尋ねでございます。確認の意味も含めまして、長官は二月二十五日の記者会見で検討に値する、こうおっしゃったわけでございますが、これはコミットされたのでございますか、単に検討に値するとおっしゃっただけで同意を与えたということではさらさらないのでございますか。
#216
○国務大臣(原文兵衛君) 検討に値すると申しましたのは、いわゆる出島式ではございますが、昨年九月七日のFS案のあの位置では浜辺から二百メートル、そして浜辺の方に向かって長方形になって全体の景観に対して大変威圧感を与えるのじゃないかというようなことで、前長官がこれではだめだから代案を持ってこい、こう言ったわけでございます。そしてそれ以来環境庁と鹿児島県当局の間でここはどうだ、これじゃだめだというようなことでいろいろと折衝があったわけでございます。そうしてその結果出てきたのが浜辺からさらに沖合いに出そう、それは五百メートル沖に出そう、そして面積も縮小する、それから南の方にも寄せる。そうしますと、普通地域にかかるのはFS案の場合には約七〇%でございましたが、今度の場合には普通地域にかかるのは三〇%、七〇%は地域外というようなことになるというようなことで、私どもが条件として言っておりました国定公園の解除につながらない、それから景観を台なしにするような著しい影響はない、その二点においてまあこれならばどうやらぎりぎりだけれども検討に値するのじゃないかと、検討に値すると申しましたのは、この位置でもってこの出島方式でつくるためのアセスメントをするということについて検討に値する、したがってアセスメントすることについては同意をしたと、これはもちろん確認をしていただいておる。ただ、基地そのものを、石油備蓄基地というものはこれは私どもの権限ではございませんので、基地をつくることに私はゴーサインを出したという性格のものではないということも私の口から何回も申し上げているところでございます。
#217
○中村鋭一君 一方で鹿児島県知事に対してはもう今後その埋め立ては許さない、要するにもう海岸線をいじることは許さないということをはっきりと言明されたわけですね。一般の受け取り方としては、石油備蓄基地をつくりなさい、それについて環境庁はとやかく申さない、かわりに新大隅開発計画についてはもう断念をしなさい。決して取引というわけじゃないけれども、新大隅開発計画はもう実際問題としてはあれは実行不可能なことなんだから、海岸の埋め立ても含めて鹿児島県に対して断念しなさい。そのかわりに石油備蓄基地をつくることについて環境庁はとやかくは申さないというふうに受け取られている向きもあるようですけれども、この辺の関連についてお伺いを申し上げます。
#218
○国務大臣(原文兵衛君) 私が鹿児島県の知事に言いましたのは、志布志湾の安楽川以南の海浜また海面についてはこれはぎりぎりの線でこれ以上のものは認められない。したがって海浜を埋め立てるとか、あるいはまた別の海面に何かつくる、別の埋め立てをするとかいうようなことは認められないということをはっきり言いました。いわゆる新大隅開発計画という言葉は私は言いません。それは新大隅開発計画というのは私どもは正式には承っていない、情報としては知っておりますが、正式には承っていないところでございます。したがって、いま申し上げたようなことで、いわゆる新大隅開発計画として安楽川以南あるいはその海面に何かつくろうというものであればそれはもう認められない、こういう結果になるわけでございまして、これは私はもう国会でもはっきり申し上げておりますし報道陣にもはっきり発表しておりまして、環境庁の方針としてこれから貫くと、こういうことでございます。
#219
○中村鋭一君 ということは長官、重ねてのお尋ねですけれども、この石油備蓄基地に環境庁としては容喙も介入もしない、いまおっしゃいましたように備蓄基地をつくるということは環境庁の権限外のことでございますから。しかし一般には環境庁がいけないと言えば備蓄基地はできないんだ、そういう理解のあるときに、海岸線を埋め立てたらだめなんだということを申し渡したということは、一つの取引としていわば認めたのじゃないかという意見があるわけですけれども、じゃ長官はそういうことは絶対ないと、こういうわけでございますね、それとこれとは話が違うわけでございますね。
#220
○国務大臣(原文兵衛君) 私どもとしてはいわゆる取引というような感覚は全く持っておりません。いわゆる自然公園法等の法律上のいろいろなたてまえといいますか手だてがあるわけでございます。その中においてぎりぎりこの国定公園の価値ですね、白砂青松を傷めないで、しかし景観に影響絶無とは言えませんけれども、台なしにするような影響を与えないというぎりぎりのところでもって、私どもは自然公園をその法の精神に従って守っていこうというこの結論を出したので、私どもの方としてはいわゆる取引というようなそういう感覚は毛頭持っておりません。しかし、自然公園法上のぎりぎりの自然を守っていくという、そういう観点からこれ以上のものは認められない、こういうふうに言ったわけでございます。
#221
○中村鋭一君 それを確認をさせていただいた次第でございます。いまの御発言でよくわかりました。
 ただ、それにしても今回の長官の記者会見、あるいは知事に対する通達等がきわめて唐突な印象を与えたことは否めないと思います。前任の鯨岡長官は当委員会においてもはっきりと志布志の埋め立ては認めるわけにはまいらないということをおっしゃっていたと私は理解をしております。それは現実に事務当局の検討等はありましても、前任の鯨岡長官の一つのイデアといいますか、自然というものに対する哲学的と言ってもいいかもわかりません、そういう考え方からしても志布志の埋め立ては認めるわけにはまいらない、こうおっしゃっていたと私は理解をしております。それからすればきわめて唐突な印象を受けるのですけれども、昨年の九月以降の鹿児島県との折衝経過等を踏まえて、今回のそういう記者会見での発言、あるいは知事に対する埋め立ては認めるわけにはまいらないという長官の言明等に至るプロセスですね、経過を事務当局で結構でございますからこれまでにわかっている範囲内でお答えをお願い申し上げます。
#222
○政府委員(正田泰央君) 昨年FS案の発表がございまして、知事からFS案の位置に石油の備蓄基地を設置したいという話がありまして、それを環境庁で検討いたしまして、前長官が知事に対して、これは先ほど来大臣が申し上げられたような意味合いでその案はとてもだめだ、これでは国定公園の景観が台なしになるからほかにいい考えがないのか、こういうことでお話がありまして、さらにつけ加えて、たとえばこういう三点について考えてみたらどうなんだと、こういうようなお話もされました。その後それについて鹿児島県当局は調査をし研究されました。その過程におきまして私どもの方と事務的に、あるいは連絡上のことも含めまして、相当の回数を重ねて法令の解釈問題、あるいは国定公園の指導指針の問題、知事の権限内において処理するべきいろいろな技術的な問題、その他万般にわたっていろいろな照会なり見解の交換がございまして、その三点についていろいろな鹿児島県側の見解の表明がございました。三点についてはなかなか技術的に困難であるという説明もいただきまして、私どももそれについて考えてみた次第でございます。
 そこで、全然もう案が成り立たないわけでございますが、その過程においてさらに鹿児島県ではいろいろ研究されたようでございまして、たとえばもっとずっと沖に出すということはどの程度だったらいいのかとか、あるいはこの程度ならだめなのかとか、いろいろな口頭の断片的な見解がありまして、私どももそれに対して対応をしておりまして、そういったものを全部集約いたしまして、なるべく国定公園の外に出すこと、少なくとも浜から五百メートルという特別地域に準じた物の考え方、さらに全体の面積を小さくすること、それから北側海面を大きくあけること、さらに植栽によってやはり景観を保つこと等いろいろな私どもの見解が集約されまして、二月二十五日に知事が長官のところに持ってまいったのが検討に値すると大臣が発表されたまでの経過でございます。
#223
○中村鋭一君 朝からの審議を伺っておりますと、景観というものに対する考え方、これが論争の一つの焦点にもなっているように思うのです。先ほどの本委員会の川原委員の質問の中にも、景観はなるほど大事だ、しかしすでに開発された石油備蓄基地に観光客がやってきているのが現実だと、たしかそういう御発言もあったと思います。したがって今回もし志布志湾を埋め立てて石油備蓄基地をつくる場合は景観を阻害しないようなタンクの色にしなさいという御発言もあったと思います。私も田舎の出身ですけれども、子供のころはたとえば京都へ出てたくさん連結した電車を見るのが非常に新鮮な驚きでございました。ですから、私はそういう立場はとりませんけれども、しかし一方においては非常に開発された近代的なビル群だとか、アスファルトの高速道路だとか、威容を誇る石油タンク群が新しい観光資源であるという考え方をされる向きもあるかと思います。
 長官にお尋ねいたしますが、もし差し支えなければお考えになっていらっしゃいますいわゆる景観というものの概念をお教え願いたいのでございます。自然景観と言っても結構でございます。
#224
○国務大臣(原文兵衛君) 私どもは自然環境保全あるいは自然公園法上の景観の保護という立場でもって物事を判断してきているわけでございます。したがって人工的な景観ということではございません。そういう立場で、したがって今度の石油備蓄基地というようなものが設けられる、これができる。私どもはアセスのあれをやっているという意味で言ったわけですが、そうなった場合においても、やはりタンクを浜辺からじかに見せるというようなことでなく、できれば海浜、海面、これが一つの島のような形に見えるようにということで、百メートル幅の築堤をしてその上に濃密な植栽をする、植栽のいかんによってはすき間から見えるというようなこともいままでかつていろいろ例があるそうでございますから、そういう点につきましてはこの植栽などについてもアセスにおいて十分チェックをする、そういう考え方の景観ということを私は言っているわけでございます。
#225
○中村鋭一君 ということは、自然景観というものの中にいわゆる人工的な建築物、建造物等があることは、これはとりもなおさず自然景観を破壊することでございますから、公園法の精神にのっとってもかようなことは許すわけにはまいらない、そのように理解してよろしゅうございますか。
#226
○政府委員(正田泰央君) 自然公園法は人の土地の上に公園を設定しておりまして、いわば借りた公園みたいなものでございます、制度的には。アメリカなどとちょっと制度が違います。そこで私権との調整ということが大きな課題になっておりまして、他の環境保全法規とは違いまして自然公園法だけはいろいろな権利との調整とか公益的なものとの調整とか、そういうものに努めないと、私権の制限と申しますか、そういうことはいけないということで法律の仕組みができております。またそういう条文もございますが、そういう観点からいろいろ処理させていただいておるわけです。
 特に自然公園は景観の中でも法律上風景ということを重点に置いてございます。風景と申しますのは当然工作物も入っておって、全国の国立公園、国定公園、都道府県の公園でも、いわゆるいわば自然の植生とか生態系だけで成り立っているわけでございませんで、そういうものは主として原生自然環境保全の方でまいります。そういう観点で、その風景というものはもちろん土地によって時代によって変わってまいりますが、その風景を中心にした制度について、それが決定的にどういうことかというようなことを指定の問題で考えるわけでございます。また個別には都道府県知事がすべての公園について許可をいたしておりますが、恐らくそういう観点で許可をされている、こういうふうに思います。
#227
○中村鋭一君 ということは、公園法によりましても、当然ながらその公園の中に建造物、工作物はあると思いますが、その建造物や工作物というのは、その光景を見た人がなごやかな気持ちになる、いい風景だなと思う、そういう美的感覚というのですか、そういうものを助けるための工作物や建造物であれば当然ながらそれは私もいいと思いますけれども、本来のそういう美的感覚を養うために、その人がそのことによって心を慰められることでない目的のための工作物や建造物が公園内に存在するということはこれは好ましくないのじゃないでしょうか。
#228
○政府委員(正田泰央君) 自然公園法の運用につきましては、当然地域の特殊性に応じまして許可、届け出等によって規制の対応を強めておりますし、それに伴いますところのあらゆる工作物、小は家に至るまで、そういったものについての許認可、届け出を行っておりますが、その場合でもあくまで工作物として周囲の風景にマッチした、たとえば発電所にいたしましても、港湾の施設にいたしましても、道路にいたしましても、そういうような観点から配慮してうまくおさめているというのが運用の姿勢でございます。
#229
○中村鋭一君 ということは、とりもなおさず延長二十キロのこの白砂青松の海岸線、さらには海の部分に至るまで、どう植栽をいたしましても、どう工夫をしてもそこに巨大な石油備蓄基地が出現するということは少なくとも国民の美的感覚には整合しないということを私は指摘をしておきたいと思います。この地方で最初に反対運動が起きましたころからの合い言葉に、スモッグの下でのビフテキよりも青空の下での梅干しを、こういう言葉がありました。このことを私は環境庁の皆さんにもう一度かみしめていただきたいと思います。
 通産省にお尋ねいたしますが、FSですね、立地可能調査、このフィージビリティースタディーの条件というのがいろいろあると思います。朝からのあなたの方の御答弁でも、原油の輸送ルート――オイルルート、それから良好な港湾状況あるいは全国的な備蓄基地の配備計画、こういった諸条件からしても志布志地区に備蓄基地をつくることは非常にいいというふうに御答弁になったと思いますけれども、このFSの中に、たとえば周囲の景観にそぐうかそぐわないか、あたりの自然景観とマッチするかどうか、そういうことについての検討項目は入っておりますか。
#230
○説明員(市川南君) お答えを申し上げます。
 一般的に景観問題は検討項目の一つとして入っております。とりわけ本件に関しましては重点を置いて検討したということを先ほど申し上げた次第でございます。
#231
○中村鋭一君 今回の志布志については重点的に検討したといまおっしゃいましたけれども、じゃ通産省は一生懸命検討をし――FSの中に一般的な検討項目として入っている、それで重点的に検討をした結果、志布志湾に石油備蓄基地ができても景観を一切阻害しないという結論に達せられたわけですか。
#232
○説明員(市川南君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、特に慎重に対処しなければならないということで、学識経験者を含めまして景観対策検討委員会を設置をいたしまして御審議、御指導を受けて景観対策案を作成したわけでございます。
 先ほど先生の御指摘になられました人工的な構造物ができることによって景観が損なわれるかどうか、こういう御議論につきましては、景観についての概念にもよろうかと思うわけでございますが、この志布志湾で景観について考えた概念は幾つかあるわけでございますが、基地をつくった場合にどういうような問題が起こるか、そういうことでこの景観対策検討委員会で検討されたテーマを幾つか御紹介をいたしますと、基地建設地点から見たタンクの違和感を減少させるということ、それから白砂青松との調和を図るということ、また進入道路の配置に当たって既存の松林等に対する影響を最小限にとどめるよう配慮すること、また備蓄基地が地域社会に溶け込んだ空間として形成されるように配慮すること、ほかにもいろいろありますが、例を挙げますとそういうような観点からの検討を加えまして、景観に対する影響ができるだけ小さくなるようにということでの検討をいたしております。
#233
○中村鋭一君 そうお伺いしても、検討項目の一つだとおっしゃいましても、やっぱり通産省としては港湾状況がどうなのか、輸送はどうなのか、むしろそういった通産省としての立場からの配慮が優先していて、景観上の配慮というのは現実には余りなさっていないのじゃないかと私は理解いたします。そうでなければ、先ほど来からの質疑にありましたように、たとえば自然公園法の概念からいってもまた一般常識からしても、あの美しい国定公園の白砂青松の砂浜の沖合い数百メートルに巨大な備蓄基地ができるということが、景観上十二分に配慮して一切阻害しないというような、タンクの色を単にいろいろ学識経験者に聞いて塗りかえたからといってそれが一切阻害しないということには全く相ならぬと私は理解をしておりますので、そのことを指摘しておきたいと思います。
 それからもう一点お伺いいたしますが、橘湾にタンカー群がいま停泊をしておりますね。ごく簡単で結構でございますから、いま何隻の船が何キロリットルの石油を備蓄していつごろから停泊をしておりますか。
#234
○説明員(市川南君) お答え申し上げます。
 三千万キロリットルを目標として実施いたしております国家石油備蓄基地建設の完了するまでの間の暫定的措置といたしまして、昭和五十三年度以来タンカーによる備蓄を実施いたしております。現在のところ九百九十万キロリットル、三十五隻でございます。このうち橘湾におきましては、昭和五十二年度に十隻のタンカーによる備蓄を開始いたしまして、五十五年度に若干増隻を行うことによりまして現在十三隻、三百四十五万キロリットルのタンカーによる備蓄を実施いたしております。
#235
○中村鋭一君 安全上、保安上、それから景観の上から地元の人たちのこれに対する反応はどうですか。もう早く出ていってもらいたいという意見が強いのか、いやいやいつまでもこの湾の中に停泊をしていてくれと言っているのか、率直にお答えをお願いします。
#236
○説明員(市川南君) お答えを申し上げます。
 橘湾でのタンカー備蓄を開始する前と申しますか、タンカー備蓄そのものを開始する前に、海上保安の観点あるいは漁業への影響の観点等がございまして、海上保安庁あるいは水産庁あるいは漁連と関係の省庁、あるいは関係方面と協議をいたしまして制度がつくられているわけでございますが、スタートに当たりまして関係地元については御了解をいただいてやっているわけでございますが、あくまで本制度につきましては国家備蓄基地が完成するまでのつなぎの措置としての位置づけとして御了解をいただいているものでございます。
 また、タンカー備蓄につきましては、タンカーの船齢――船の年齢でございますが、船齢の関係もございまして、その国家備蓄基地が完成してなお続けることがむずかしい問題がございます。
#237
○中村鋭一君 時間が参りましたので最後に一つお伺いしておきます。
 湖沼法案ですね。現在、審議状況――審議には入ってないわけですけれども、従来から前任の鯨岡長官も何とかこれは一刻も早く成案にしたいということをおっしゃっていたわけでございますが、環境庁の現在の対応をお伺いいたします。
#238
○国務大臣(原文兵衛君) 湖沼の水質が非常に悪い状態にある、何とか早く対策を講じませんとせっかくの湖沼が死んでしまうというようなことになっては大変だということで、私も実はそのための湖沼法、水質保全法というようないわゆる湖沼法案を成立させていただきたいと思って、今国会に提案にこぎつけたいと思いまして、関係省庁――一番関係のあったのは通産省でございますけれども、これと精力的に協議を進めさせたわけでございますが、率直に申しましてなかなか意見が縮まりません。非常にこの提案がむずかしい現状にあるということをはっきり申し上げたいと思います。
 ただ、私どもだからといって湖沼が汚れるのを黙って見送るわけにいきませんので、実質的に湖沼の水質を保全するためにやる施策というものについていまこれからまた進めようということを検討しております。
#239
○中村鋭一君 またこれは日時を改めて当委員会でじっくりと質問をさせていただこうと思いますが、最後に申し上げておきたいことは、環境行政というものは現実に対応する――後追いだとか補完的なものではないと思います。これが他省庁と根本的に違うものだと思います。他省庁たとえば通産省は、現実にいまこれこれこういう問題があるからこういう工場をつくりたい、こういう備蓄基地をつくりたい、だからその要請に従ってこういう法律をつくろうということにあるいはなるのかもしれませんけれど、環境庁は百年後の子孫に良好な自然環境と健康を約束するために存在している役所でございます。とすれば、一当然ながら日日他の省庁等から容喙、制肘、介入その他あらゆる一口に申し上げますと環境庁の行政に対する阻害的な要因が出てくるかもわかりませんけれど、環境庁としては勇気を持って、われわれがいましている仕事は現実のきょうのことじゃないのだ、百年後のわれわれの子孫にこれこれこういうりっぱな日本列島を約束するためにやっているのだと、勇気と自信を持って行政に当たってくださることを心からお願い申し上げまして私の質問を終わります。
 長官、もしよろしければ一言。
#240
○国務大臣(原文兵衛君) 環境行政、これは日本の公害がことに急に大きくなったために当初のうちはいわゆる後追い行政みたいなことにならざるを得なかった、応急対策というようなことが非常に強かったのですが、それもかなり技術の開発進歩というようなこともありまして一時的な危機状態は脱したと思います。しかし、まだまだもちろん問題、いまの湖沼の問題等でもこれからどんどんと対策を進めなければならない、あるいは大気汚染の問題でもまだあるわけですよ。やりますよ。
 しかし、私どもはやはり環境行政というのは、いま中村委員がおっしゃったようにいい環境、破壊されたらなかなかこれはもとに戻らない、そういうものを子孫に伝えなくてはならない、それからまた後追いではこれはむしろ資金的にもよけいかかっちゃうばかりなんで、ですから未然防止、環境の破壊あるいは公害の未然防止ということが大事だということで、われわれもそういう点に重点を置いてやりたい。
 実は環境アセスメント法案、いま衆議院の方に提案してかかっているわけでございます。いろいろの御意見もありますが、やはり未然防止という点から一歩でも二歩でも前進することが必要だと思って、私どもも一日も早くこれの成案も得たいと思いますし、またそれはそれとして現実に環境アセスメントというようなものの実施ということについてもいろいろと検討しているところでございます。
#241
○中村鋭一君 ありがとうございました。
#242
○江田五月君 きょうは志布志の件をめぐってずいぶん議論が行われておりますが、この志布志湾のことについてはもう繰り返しになりますので私は質問をすることをやめますが、しかし冒頭やはり環境庁長官に伺っておかなければならない基本的な環境行政の理念といいますか、があると思います。
 先ほど川原委員の方からもお話がありまして、一体地元の住民の生活のことと環境の保護のことと、これが対立する場合にどうするのかということでありますが、確かに過疎地帯あるいは財政力の劣る自治体あるいは所得が非常に低い地域、こういうところを一体どうするかというのは、これはまだ私たちがこれからの日本にとって考えなければならぬ課題ではあることは確かですが、同時に一方で、それじゃそういう過疎の人たちの生活のことを考える場合に、さあそこに高速道路をつけて、大きなコンビナートを持ってきて、鉄とコンクリートでその地域を埋めて金を落としてという、そういういわゆる開発型の方向が果たして正しい方向なのかということがいま大きな問題になって、いまやわれわれの共通の悩みになっているわけですね。
 日本の場合には、高度成長のときに至るところにコンビナートをつくってどんどん開発をし、その結果自然環境の破壊、人間の生命、健康に大きな影響が出てくるという形のいわゆる公害の急症状といいますかを生んで、そしてそのときに私たちは、もういままでのような使い捨ては美徳なんだというような倫理ではこれはどうしようもない、もっと人間というものは、そう人間の知恵というのはやはり限界があるのであって、余り思い上がっちゃいけない。自然環境と十分調和のとれた人間の生活のあり方を考えていかなくてはいけないのだということをもう痛い経験から思い知ったわけであって、そういう経験のもとに環境庁というものが生まれた。
 私は、政府部内いろいろな役所がありますが、これは最終的に物事を決定して実行していくときにはもちろん意思が統一されていなければいけないと思いますが、しかし物事を決定するまでの間で、やはりそれぞれの省庁ごとに、この省はこういうことを大切にするのだ、ここはこういうことを大切にするのだ、いろいろ持ち場持ち場があると思う。環境庁というものはやはり自然環境をしっかり守っていくんだ、自然のエコロジーといいますか、自然の状態というものは人間にとってかけがえのないものなんだということをしっかり踏まえて、そのことを内閣の中でも最も強く推し進めていく、そういう役割りを担わされているのだ。
 環境庁長官は環境庁設置法六条の中で非常に強い力を与えられておりますね。六条の二項では、必要な場合には各行政担当者に対して資料の提出とか説明を求めることができる。三項では特に必要な場合には勧告もできる。さらに四項ではその勧告の結果を報告を求めることができる。五項に至っては内閣法六条の措置のために意見具申ができるのだという非常に強い権限が与えられているのも、まさにそういうところに着目してのことだろうと思いますが、まず最初にその環境行政の基本について環境庁長官はいかにお考えかということを伺っておきたいと思います。
#243
○国務大臣(原文兵衛君) 江田委員もおっしゃったとおり私も環境を保全していくということについて、本当は開発と環境が対立しないように、もう開発というのも環境と一緒なんだ、環境を守るというための開発なんだ、この開発はまた環境をよくするのだというような、そういう意識に皆さんがなればこれはいいと思うのですが、まだまだ開発か環境かというような点が現実にはあることは十分存じておるわけでございます。
 実は私、この夏、地球環境ことに発展途上国の環境がかなり破壊されつつあるという点もあります。そういうところへ行きますと、これは環境だけ守れと言うと、おれたちは一体いつまでも飢え死にするようなことでいいのかと、それもあるわけですから、そういう場合も環境を守ることとそこの開発が一体となって進めるというようなことでこれから進んでいかなくてはならぬのじゃないかと思います。
 そういう観点で、私はやはりそういう理想を持ちながら、現実にもしそういう対立があるとすればこれはやっぱり環境を守って子孫に伝えるという大事な職責を、使命を持っているという、その原点でもってわれわれはがんばっていかなくてはいかぬ、こういうふうに思っておるわけであります。
#244
○江田五月君 ひとつその原点を踏み外さないようにくれぐれもお願いをしておかなければならぬと思いますが、四月二日の予算の委嘱審査のときに私は空き缶の問題についてお伺いをいたしました。そのときは時間も余りなくて不十分だったので、さらにこの問題から入っていきたいと思いますが、この空き缶のことにしてもそうなんですね。経済活動がどんどん盛んに行われるということだけを考えるならばそれは空き缶なんかはどんどんその辺にほったらかしていいですよ。あんなものは何年か、十何年かたてば腐ってそのうち消えてしまいますよ。少々自然が汚れたって、それで人間食うに困るようなことはない、生きていくのに別に困らないということになるわけですが、しかしそういう経済のあり方というものはもうこれからの経済のあり方ではないのだ、自然の環境と十分調和のとれる経済のあり方、生活のあり方でなくてはならぬのだということがこの空き缶問題の出発点でないかという気がいたします。
 そこで、環境庁あるいは政府も去年一年間は、あるいはその前からでしょうが、特に空き缶のポイ捨ては困るのだということで普及啓発活動を行ってこられた。その結果についてはこの前伺いましたし、その後資料もいただきましたが、この前伺ったような散乱状況の変化、これは一体普及啓発活動に成果があったと言い得るのかどうか。どうお考えですか、成果があったとお思いですか。
#245
○政府委員(大山信君) いま先生御指摘の普及啓発活動とその成果でございますが、先生御指摘のとおり六%のところが散乱しなくなった、そういったようなことにつきましては、こういった種類のことでございますので一遍になくなるということはなかなかむずかしいかとは思いますが、この間におきまして政府関係省庁十一省庁全部がそれぞれの所管の分野におきましていろいろ啓発活動をやった、あるいはそういったことがまた地方自治体等の動きあるいはボランティア活動あるいは個人のそういった活動等にいろいろ影響したのではなかろうかと私どもは思っているわけでございます。したがいまして、数字につきましてはいろいろな見方があろうかと思いますが、私どもといたしましてはこの成果があったのじゃないかというふうに理解しております。
#246
○江田五月君 空き缶問題というのは一体何かということですね。四月二日のときにも長官から資源の問題などを考えてもああやってポンポン捨てるのは困るのだというお答えを伺ったと思いますが、一体この空き缶というものが、たとえば道路の端とかあるいは富士山の頂上とか白砂青松の松林の中とか、そういうところからなくなってしまえば、空き缶というものがごみから人間の目にその辺に触れる邪魔者という状態でなくなってしまえば、どこかへ隠れてしまえばそれで空き缶問題は解決がつくのか。それともそうではなくて、全部ごみの中に入って埋立場に全部持っていってしまっても、空き缶が埋め立てされるごみの中に入っている限りはこれはふわふわの土地になってしまってしっかりした埋立地にはならないわけですね。あるいは資源の問題は依然としてそれでは解決つかないわけです。
 そうすると、空き缶問題を解決するということはごみの問題を根本的に解決していく。つまり資源というものを使ってたとえば容器なら容器をつくります。それは使ったら後は捨ててしまうのだという、使い捨ては美徳なんだという物の考え方を変えていって、資源をもう一度また有効に利用できるものはどんどん利用していく。人間の活動というものがワンウエイの活動ではなくていろいろな資源にリターンチケットを持たせるという、そういうことになっていかないと本当の解決にはならないのじゃないか。そういうことになっていかないと、先ほど長官のおっしゃった開発というものと自然環境の保護というものが調和がとれていくんだ、開発がすなわち自然環境の保護に同時になっていくんだというような、そういうものになっていかないのじゃないか、そう思いますがいかがですか。
#247
○国務大臣(原文兵衛君) 先般も私、資源の問題からもこれは大事な問題だということをお答えいたしましたが、私は空き缶問題むしろ広げて廃棄物その他の問題も含めてもいいと思いますけれども、これはそれを路上だとかあるいは空き地だとかというところに散乱するのは環境の問題でもあるし、またいわゆるぽい捨ての中には危険性を伴う問題もあるし、同時にまた大変貴重な資源を失う問題ということでございますから、この資源の問題という観点からも私はこれを重視しなければいけないと思っておるわけでございます。
#248
○江田五月君 一体いま全体として空き缶がどのぐらいあるか、およそ百億個ぐらいあるのじゃないかというわけですね。まあある調べによると、その百億個ほどもある空き缶のうち、大体家庭内で処理されるものが三〇%、アウトドアですね、御家庭の外で処理されるものが七〇%、そのアウトドアのもののうち、もう一遍また家へ持って帰られるものが大体二九%、ごみ箱に入っちゃうものが三五%、その辺に散らかされるものが五%、車からぽんと投げられるものは一%、そんなような数字が出ているようでありますけれども、そのぽい捨てを規制していくというのは、車からぽんと捨てるのは一%、ここだけですね。それだけでなくて自分で飲んですぐ置いてどこかへ捨ててくるものを入れても六%、そのほかの大部分の空き缶というものは、せっかくの資源でありながら缶全体で回収されているものは、鉄の場合に四〇%ぐらい、アルミの場合は三〇%ぐらいというので、かなりの部分がいわゆる使い捨てという形になってしまっているわけですが、こういう状況はこれは長官、自然環境と開発とが手に手をとってということなのかどうか、どうお考えですか。
#249
○国務大臣(原文兵衛君) 江田委員先ほど御指摘がありましたが、いわゆる消費は美徳というようなことはこれは私は反対でございまして、やはり資源は大事にしなければいかぬ。これはもう地球の資源も有限でございますし、環境も有限であるし資源も有限である、そういう意味で私も資源としてこれはもっと何とかしなければいけないなという気持ちを持っておるわけでございます。
#250
○江田五月君 空き缶、まあ一%とは言っても車からぽんと捨てるのはそれはけしからぬことであって、これはどういう取り締まりになっておりますか、警察庁。
#251
○説明員(桑田錬造君) お答えいたします。
 走行中の自動車から物件を投げる行為に対しましては、道路におきます禁止行為違反ということで、道路交通法の第七十六条第四項第五号、これを適用いたしまして取り締まりを行っております。
#252
○江田五月君 罰則はどうなりますか。
#253
○説明員(桑田錬造君) 罰則は三万円以下の罰金でございます。
#254
○江田五月君 それは全部罰金ですか。
#255
○説明員(桑田錬造君) 罰金でございます。
#256
○江田五月君 運転手が投げた場合はどうなりますか。
#257
○説明員(桑田錬造君) この条文は、「何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。」ということになっておりまして、運転手の場合も同乗者の場合もこの規定で……
#258
○江田五月君 犯則金じゃないのですか。
#259
○説明員(桑田錬造君) 犯則金ではございません。
#260
○江田五月君 具体的に最近の事例で言いますとどんな場合があったか、あるいは何件ぐらいあったか、以前と比べてどうか、簡単で結構ですからお知らせください。
#261
○説明員(桑田錬造君) 昨年中の空き缶だけを進行中の車両から投棄して検挙した事例というのは五件でございます。その他の物件は若干ございますけれども、検挙した事例としては五件ということでございます。それから検挙には至りませんが、現場におきまして警告をしたものというものは各県からの報告によりますと大体千五百件ぐらいございます。中には空き缶が対象になったものも多数入っているというふうに考えております。なお、ことしになりましてからも、特に警視庁で検挙した事例でございますけれども、車から空き缶を投棄いたしまして、その後を来ておりました原付でございますけれども、これが急ブレーキをかけてそれを避けたというふうな悪質な事犯がございまして、こういう事例を検挙したということがございます。
#262
○江田五月君 それも一つの方法ですが、しかし警察が検挙することによって人に道徳を守らしていくというのもどうも余りうれしいことではない。しかも、全体としてそのことによって防止のできる空き缶の散乱の数というのは非常に限られているということであって、これはやはりすべてを警察にお願いしますというわけにはいかないことは明らかです。
 そこで、空き缶のことについてもっと何かいろいろな方法を考えていかなければいけないのじゃないかと思いますが、十一省庁でこの空き缶問題について連絡協議会をお持ちになっているということでありますが、ここは普及啓発活動のことだけやっていらっしゃるのか。あるいは空き缶についてどう、たとえばデポジットというようなこともありましょうし、あるいは京都のような方式のものもありましょうし、あるいは全体として回収業者をどう指導育成していくのかというようなこともありましょうし、リサイクルというものを一つの産業として成り立たせていく方法をいろいろ考えるというようなこともありましょうし、そういうような総合的な検討をされているのかどうかを伺いたいと思います。
#263
○政府委員(大山信君) この十一省庁の連絡協議会におきましては、いま先生お話しございましたように、啓発活動だけではなくて、この空き缶問題に対処して国として一体どういうことができるかといった立場におきましていろいろな方面から研究、討議いたしておる次第でございます。それによりまして、各省庁それぞれの所管の中で、ただいま先生お話しございましたように、業界に対する指導とかそういったようなこともいろいろそれぞれの省庁の中で行われておるということでございます。
#264
○江田五月君 それは何か具体的にめどを決めていついつごろまでに何とか一つの成案をまとめていくとか、そういうような作業をなさっているということですか。
#265
○政府委員(大山信君) 日限を決めてやっているわけではございませんが、先般もお答え申し上げましたように非常に関係部門も広範囲でございますし、それに関係いたします省庁も非常に多いものですから、その討議事項も非常に多いということでいろいろな面におきましていろいろな形の議論をいたしておりますので、やや時間がかかっておるといった状況でございます。
#266
○江田五月君 この協議会は会合を定期的にお持ちになっているというようなあり方になっておりますか。
#267
○政府委員(大山信君) 議題の用意、それからその準備等の都合がございまして必ずしも定期的ではございません。しかしできるだけ回数を多く持つようにしてやっております。
#268
○江田五月君 プラスチックごみ問題懇談会というのがありますが、これは何ですか。
#269
○説明員(杉戸大作君) プラスチックごみ問題懇談会というのを昨年設けたわけでございますが、これはPET容器など含みまして、プラスチックというのは最近非常に各般にわたって使用されてまいっておるわけでございます。それが廃棄物となりました場合に、非常に確保が困難な処分地の問題、あるいはその安定化の問題、さらに消却いたしました際の問題、いろいろ各方面にわたる問題もあるわけでございます。そこで、これは関係の省庁、それから自治体、それから関係団体、そういう参画のもとにこの問題につきまして将来の方向を見定めていこうということで持ったものでございます。
#270
○江田五月君 このプラスチックごみ問題懇談会は環境庁は入っているのですか。
#271
○説明員(杉戸大作君) 入っておりません。通産省、厚生省、それから国税庁、農水省、それだけでございます。
#272
○江田五月君 空き缶は十一省庁連絡協議会、プラスチックはまた別と、どうもこう同じごみの問題、同じようにリサイクルなどが課題になってくる問題、同じように自然を汚していく、景観を汚していくというような問題、それがプラスチックと空き缶で全然別々になっちゃうというようなあり方がいいのかどうか。これは長官、一度総合的に何かごみの問題というのを考える機関をつくるようなことをお考えになってはいかがですか。
#273
○国務大臣(原文兵衛君) 私どもいまのプラスチック何とか懇談会というものについて十分承知しておりませんで、確かにこれも廃棄物でありますし、そういうもの全体をどういうふうにやっていったらいいかという点についてはひとつ私自身も検討してみたいと思います。
#274
○江田五月君 プラスチックについてちょっと伺いますが、最近新しい容器、何か新聞の報道によると、容器革命の主役だと言われているのだというPETですか、ポリエチレンテレフタートが飲料水というのですか、具体的にはビールの容器に採用されてきたという話で、これは非常にいいのだという意見と容器公害を招くというような意見といろいろあるようですが、PETというのはこれは何ですか。
#275
○説明員(飯田善彦君) 先生の御質問のポリエチレンテレフタレートでございますが、これはテレフタル酸ジメチルとかあるいはテレフタル酸とエチレングライコールからつくられる樹脂でございまして、その特性といたしましては、たとえば透明性ですとか耐薬品性がいいというようなことで写真フィルムに使われるとか、あるいは寸法の安定性がいいことから磁気テープなどに使われておる。あるいは耐熱性とかそれから電気特性がいいというようなことで電気部品等にも使われておる樹脂でございます。
#276
○江田五月君 これをことしの二月十六日に清涼飲料水の容器として認可したということなんですか。これは厚生省ですか。ちょっと説明しておいてください。
#277
○説明員(杉戸大作君) 先生おっしゃるとおりでございまして、この二月十六日付で食品添加物等の規格基準でございますが、この一部を改正いたしまして、そして告示をいたしたものでございます。
#278
○江田五月君 これでまたもう一つワンウエイ、使い捨ての容器が登場した。何かこのPETというのは非常にいままでの観点からいうと便利がいいものだそうですが、しかし本当に資源の節約とか自然環境の保護とかいうような観点を入れるといいものかどうなのかというのはこれまたよく検討してみなければならぬですが、環境庁はこういう容器が厚生省によって認可をされるというようなことについて関心をお持ちだったでしょうか。どうでしょうか。
#279
○国務大臣(原文兵衛君) 私は実はちょっと存じませんでした。
#280
○江田五月君 PETがどうであるのかというのはこれはよくまだ私もそう詳しいわけじゃありませんけれども、アメリカなどでは飲料水容器の四〇%ぐらいがPETになっているというような話で、しかもこれはプラスチックですから、いままでのほかのその他のプラスチックと比べると燃やす場合でもそれほど有毒ガスも出ないとか熱も高温にはならないとかということのようではありますが、しかしやはり燃やすしか処理の方法がどうも現実にはない。そしてどんどんこういう形で資源がむだに使われていってしまう。あるいはまたここに一つぽい捨てのものができてくるということであって、私は厚生省マターであるとしても、たとえば通産省にしてもあるいは環境庁にしてもこれは関心を持たなければならぬことじゃないかという気がしますが、時間もだんだん迫っておりますが、通産省はこのPETというものをどうお考えですか。
#281
○説明員(飯田善彦君) PETの容器の点でございますが、これは実は私どもの所管ではございませんが、食品の製造業の方でございますが、こちらの方で流通の合理化ですとかあるいはコストの低減等々の観点からニーズが出てきておるのだろうと思います。これの再資源化促進というような観点から見た場合、いまのところまだスタート時期でございますし、その影響についてはよくわからないところでございます。
#282
○江田五月君 流通あるいは消費活動、これは非常に大切なことですが、しかし流通の合理化、コストの低減、これはやはり個別企業の費用のことですね、やっぱり社会的負担、社会的費用というものは流通の合理化とかコストの低減とかというような項目からはどうしても抜けてしまうわけで、社会的費用も含めて考えていくということになりますと、いまのPETのことにしてもやっぱり厚生省だけではなくてひとつ政府の関係各部皆さんそれぞれに関心を持ってやっていっていただきたいと思います。
 時間がありませんのでこれで質問終わりますが、最後にいまの総合的な環境行政というものについての長官の決意だけを伺って終わりにします。
#283
○国務大臣(原文兵衛君) PETというものにつきまして私は存じないので大変お答えもしにくいのですが、しかしながらいま江田委員おっしゃいましたようにこれはやはり総合的な観点からやらなくてはいかぬ。そういう意味で十分関心を持って検討してみたいと思います。
#284
○美濃部亮吉君 きょうの委員会の御議論は志布志問題に集中をしたようでございまして、私も驥尾に付しまして志布志の問題について質問をいたしたいと思っております。ただ、非常に景観の問題が論ぜられましたけれども、私は観点を変えまして、この計画が立てられます石油基地の建設についての立地条件について御質問いたしたいと思います。
 立地条件というのは私は非常に大切ではないかと思います。と申しますのは、大きいタンカーが石油を満載して出たり入ったりする。それでございますから立地条件が非常に悪くてタンカーが遭難をするというふうな事件が起こりましたならば、志布志湾全体に石油が広がって志布志湾の海が死んでしまうということにもなりかねないので、その点から考えましても志布志湾の石油基地をつくろうというときには立地条件というものを景観の問題と並んで重要視しなければならない、そう考えておりますが、長官はどうお考えでございましょうか。
#285
○国務大臣(原文兵衛君) いわゆる暴風雨その他の災害等によってタンカーに事故が起きるとかいうようなこと、これは必ずしも志布志湾だけの問題じゃなくてどこにも共通する問題だと思います。そういうようなことに対して、これはもちろん環境庁だけのことじゃございません、いろいろな所管、運輸省なりあるいはまた通産省なり、いろいろなところと関係するわけでございますが、われわれとしてもそういう点については十分注意をしたいと思っているわけでございます。
#286
○美濃部亮吉君 その点については、志布志湾は特に気象条件から言って危険なところでありまして、台風を初めとして嵐が非常に起こりやすいというところでございます。それで、その気象条件を中心といたしまして、志布志湾の状況に対して非常に完備した意見書が出ております。長官、これはごらんになったことがございましょうか、「志布志湾地域開発計画調査報告書」という、運輸省第四港湾建設局企画課が昭和四十九年三月に出した報告書でございます。これは御存じですか。
#287
○国務大臣(原文兵衛君) その報告書は私は拝見いたしておりません。
#288
○美濃部亮吉君 これは非常に優秀な報告書であると思いますのでぜひとも見ていただきたいと思います。これはいま申しましたように運輸省第四港湾建設局企画課の「志布志湾地域開発計画調査報告書」、昭和四十九年でございますから、昭和四十六年に鹿児島県の大隅開発計画が出まして、それに対するアセスのような役割りを持っておると思っております。
 その前言にこう書いてあります。「志布志湾周辺地域は、そのめぐまれた自然条件から、新全総等において、工業開発適地の一つに取り上げられている。しかし、台風の常襲地帯であることから、強風、波浪をいかに克服するかが、当地域の開発可能性を検討する上での一つのキーポイントになっている。そこで第四港湾建設局では、志布志湾地域における台風特性、船舶待避の問題等を解明することを目的として、」「台風対策基礎調査を実施する」ということで、その実施された調査の報告書がこれでございます。
 そうして、その結論は、港湾は志布志湾にはつくれない、それは台風その他によって非常に危険であるからと。適しないとは明白には書いておりませんけれども、その議論の結論はそうなると思います。これは港湾でございますけれども、油の輸送に巨大なタンカーが出入りする場合、やはり港に不適当な海域にそういうものをつくるということは全く港湾と同じであると思います。
 そうして、この調査をするための調査委員会には、東京商船大学の先生が委員長になりまして、委員には日本大学、運輸省の港湾技術研究所、東亜燃料工業、日本郵船、シェル船舶、東京タンカー等の代表者が出ております。いずれもこの志布志湾地域に特に利害関係を持たない非常に第三者的な色彩を持った学識経験者の方々でございまして、何と申しますか、非常に理想的な委員であると思います。どうお考えでございましょうか。
#289
○政府委員(正田泰央君) 先生の御指摘の点、大変ごもっともと思うのでございますが、私ども環境庁の仕事といたしまして、設置法に基づきまして環境の保全の立場からのみ権限を有し責任を担っておるわけでございまして、その観点から物を考えております。とりわけて今回の問題は、自然公園法の問題というのがかぶさってきたものですから、特に国定公園の問題というものがあったわけでございます。
 そこで、ここが港湾区域ということになりますれば当然埋め立ての認可申請を鹿児島県の知事から運輸大臣に対して行いますので、港湾区域ならば運輸大臣がその埋め立ての是非、技術的にあるいはその他の面から見て埋め立ての是非について御判断されると思います。もしも港湾区域でないといたしまするならば建設大臣が同じことをお考えになると思います。その結果といたしまして、あわせてそれでは環境面からどうかという意見を求められるのが私ども……
#290
○美濃部亮吉君 そういうことは大臣から聞くべきことであって、局長が言うべきことじゃないんじゃないですか。
#291
○政府委員(正田泰央君) いずれにいたしましても、そういう観点から行っておりますので、御了解いただきたいと思っております。
#292
○美濃部亮吉君 大臣にお伺いいたしますけれども、環境庁は、景観とかなんとかいうだけではなくて、環境庁という名前が示すように、ある政策が環境に関係する場合においてはすべて関係をしてくる、自然公園法に基づく自然環境だけインタレストを持つ、そういう役所ではないように思われます。そうしてまた、公有水面の埋め立てについても環境庁の同意が必要である。それで、先ほど中村先生ですか言われたように、非常に強大な権限が与えられている。これは政策が周囲の環境に及ぼす事件についてはすべて意見を述べる義務がある、そういうふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#293
○国務大臣(原文兵衛君) 環境に影響を及ぼすということになりますと、これ全部環境でございます。日本じゅう、地球上全部環境でございますから、何でも影響があると思うわけでございます。それを全部環境庁の対象にするということは、これは環境庁のいろいろな法律がございますが、私はその法律で言われているところではないと思います。ただ環境庁としては、いまの自然環境保全法とか自然公園法、あるいは大気汚染防止法、水質汚濁防止法その他いわゆる公害関係のいろいろな法律がございます。そういうものに関連しまして、公害を防止しあるいは環境を保全するという観点から、環境庁としてはそれにタッチをして環境庁としての基本姿勢に基づいていろいろとチェックもする、あるいはまた要望もするという立場にあろうかと思うわけでございます。
#294
○美濃部亮吉君 大臣、少しおかしいじゃないですか。つまり、タンカーが油を積んで、そうして非常に立地条件の悪い、あらしが非常に来る、そういうところを航海をする。そうすれば、ここでは遭難をした事件がたびたびございます。昔の海軍の軍艦が遭難したこともある。それから運輸省の観測船が遭難したこともある。それからT丸という鉄鋼船が遭難したこともある。そういう遭難事件が起こったならば、その持っている油が流れて、そうして湾全体に広がって海水を汚染して、そうして周囲の漁業はすべてだめになる、そういう重大な影響を及ぼす。だから、私が環境と言ったのは、何もかにもあれするんではなくて、そういうふうな重大な環境汚染と関係をする問題であるから、これにもまたよく研究をしていただきたいと、そういうことを申し上げたのでございます。
#295
○政府委員(清水汪君) 事業活動がいろいろ展開されるわけでございますが、それが環境に影響を持つという点におきまして環境庁に関係してまいりますけれども、ここで一つ前提があるように思います。
 通常の事業活動というものは、たとえば基本的なそういう安全の問題につきましては、その事業を企画する立場においてそのことについてまず十分に検討をして、そうしてこれは大丈夫であると、いろいろのいままでの諸条件の中でこの事業をこういうふうにやることについては事業として大丈夫である、成り立つ、こういう認識があってその事業者は恐らく事業を発案するだろうと思います。しかしながら、そのようにして行われた事業であっても、たとえば大気の問題にせよ、あるいは排出汚水の問題でもおわかりのとおり、それが環境に対してある程度以上に過密になることによってたとえば汚染問題を生ずると、こういうところが問題になるわけでございます。
 したがいまして、ただいま御指摘の問題は全く関係がないということは申し上げません。結果として不幸にしてそのような事故が起こった場合において、これはいまのような御指摘のケースに限りません、日常的にも結果として環境にきわめて好ましくない影響が起きている事態は現にございます。ございますから、事業をやる当初におきましてはあらゆる知恵を働かしてそのような危険防止といいますか、安全確保についてまず慎重にやっていただきたい。
 もちろん私どもが環境影響評価の結果について、今後この件につきましてもいろいろとチェックをすることになりますけれども、ただいまのようなすでにりっぱな御調査があるとすれば、私どももその調査を十分参考にして、そのような点についてどのように配慮をされたかということはやはり前提としては十分納得のいくように説明を伺って取りかかるということにこれはなろうかと思いますけれども、その辺はむしろ私どものところに協議に来る前に、運輸省なりそういうところで恐らく十分チェックされることになるだろうというふうに期待したいと思います。
#296
○美濃部亮吉君 それではこの内容を、非常に二百ページに及ぶ報告書でございますから十分か十二、三分で御報告することはできませんけれども、ごく簡単に御報告をして、そうしてそれでも関係ないとおっしゃるのならば何をか言わんやで、もう言うことはございません。
 これはまず、志布志湾の位置というものを東方の外洋に向けて開いた水深の深い湾である、このため外洋で発達した波やはるかな遠方に発生源のあるうねりが直接進入し、海が深いために勢力が減退せず進入する、こういううねりによって錨鎖切断の事故が多い。これは書いてございませんけれども、タンカーの場合も同じことが言えると思っております。そうして、台風に遭難した事例といたしましては、先ほど申しました旧日本艦隊停泊中の遭難、海上保安庁の観測船の遭難、それから三十年九月の日立造船のT丸の遭難、こういう遭難があるわけでございます。それでこういう遭難がある以上タンカーの遭難も十分に考えられる。それを全く考えないでどうこうしようというのはもってのほかであると思います。
 それで、この地方――大隅半島ですけれども、この大隅半島に台風が来たのは、これは昭和十五年から四十二年までの二十八年間の気象観測の結果でございまして、全国で年平均百九個来る、そのうち大隅半島が最も多くて十二回、それから鹿児島、枕崎が十個、それから房総の南域が十個、それから潮岬西岸が八個、室戸岬が七個、それから宮崎、高知付近がおのおの六個、それから清水、宿毛付近、佐田岬、広島、防府、御前崎が五個、こういうふうになっておりまして、大隅半島は台風が平均して年十二回来るという台風の最も襲来する地点でございます。
 それから台風のほかに低気圧、それから台湾坊主――台湾坊主というのはどういうことかよく知りませんけれども、台湾坊主が低気圧と合併したときに非常に海が荒れるそうでございます。そうして、こういう台風でない低気圧は、昭和三十二年から四十二年の十一年間に風速が十五メートル以上の風が吹いた回数は年平均十五回、それから二十メートル以上の風が二回、それから波の高さ二メートル以上の回数は、うねりで十三回、風波で十四回というふうに書いてございます。
 そこで、そういう台風か低気圧が来たときに船舶がどういう待避の方法をとるか、あるいはとったらよいかということがさらに書いてございます。その場合に、台風時において港の中で停泊することは非常に危険であるからそれはできない、そこで港外に避難しなければならない。しかしながら、志布志湾内においては水深が深くて――水深が深いとうねりが少しも弱らないで来るそうでございます。水深が深くて、二十メートル以上の水深があっては台風時に、低気圧が来たときに泊めておくことはできないのだそうです。その二十メートル以下の場所というのはほとんどない。それだから志布志湾も避難錨地としては適当なところがない。
 それであるからして、志布志湾の場合には湾外に避泊錨地を求めなければならない。しかしながら、志布志湾がそういう安全な錨地を求めようとしても近くに適当な避難港または避難場所がない。最も近い諸港湾まで百三十海里の距離がある。宿毛湾か佐伯湾に着くまでには十時間かかる。台風が接近し荒天状態になっている日向灘を東寄りの風波やうねりを受けながら十時間航海しなければならない。それはほとんど不可能に近い。
 それでございますから――まだまだあるんですよ。それだから都井岬の風が十五メートル、波が二メートルになったならば危険状態に入る。それから湾内がその場合に最高速度の風、最高の波が立つまでに何時間かかるか、そういうふうな計算をいたしまして、港外に避難することを決定するのは台風が来る七十二時間前にやらなければならない。しかしながら七十二時間前には台風の進路は確定することができない。それですから不可抗力だ。それで志布志にいる古い方々は、漁船ですね、台風が来たときにはだれか死ななければ台風は行かないんだというふうなことを言われているほど台風及び台湾坊主、低気圧の影響が激しい。
 それでございますから、こういうところに石油基地をつくって、そうして何万トン、何千トンという石油タンカーが出たり入ったりする。そうして、志布志湾においては一年間に百日は稼働不能であるという結論をこの調査は出しているのです。それだから、それだけであっても仕事が十分にできない、港湾としての働きがないと言わなければならないということが言われております。それでありますからこういうところに巨大タンカーが出入りをするということ、それは非常に危険であるという結論を私は下さざるを得ない。
 私はこの調査書を何度も何度もむずかしいものですから読み返しました。これは運輸省の第四港湾建設局企画課という同じ政府の中の調査書でございます。それでありますから、もしこの志布志湾における石油基地をつくるということに同意をなさるのならば、この立地条件はすべての前提になるものですから、このアセスメントは科学的に間違いであるということを立証するだけのアセスメントでなければ私は石油基地の賛成はとうていできない、また責任者としても、これができるわけはない、そう思いますが、大臣いかがでございましょうか。
#297
○国務大臣(原文兵衛君) 美濃部委員の御心配は傾聴すべきものと私はもちろん思います。ただ、石油国家備蓄基地計画に基づきまして基地の候補地を選ぶにつきましては、これは通産省資源エネルギー庁の問題でございますが、日本の北から南の方にいろいろと候補地を選んでいったわけでございます。それを選ぶにつきましては、もちろんのこといま美濃部委員おっしゃったようないろいろな観点からそれを調査検討をして、そうしてこの志布志も候補地として一つの適地であるという結論が出たと私は承知しております。
 そういうことで、私どもの方といたしましては、それがこの自然公園法上の国定公園にかかわる部分についていろいろと検討し判断し、そして先ほど来いろいろと御論議がありましたようなことについて私は御答弁申し上げましたが、そういう経過を踏んでの結論を出したわけでございます。
#298
○美濃部亮吉君 もう時間ですから一言申しますけれども、石油公団のフィージビリティーの報告、あれは心配ないと書いてあります。しかしながら、これは十年間以上の毎年の台風、低気圧の様相を研究したので、石油公団の観測は枇榔島にわずか一年か二年、年限ははっきりは知りませんけれども短期間いて、そうして台風の来たときの観測などは一切しなかった、そういう報告でございますから、どちらを信頼するかといえばこちらの報告書の方を信頼するよりほか仕方がないというふうに考えます。
 終わります。
#299
○委員長(坂倉藤吾君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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