くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第096回国会 決算委員会 第7号
昭和五十七年四月二十三日(金曜日)
   午後一時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     中山 千夏君     山田耕三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 静夫君
    理 事
                井上  孝君
                亀井 久興君
                高橋 圭三君
                内藤  健君
               目黒今朝次郎君
                峯山 昭範君
    委 員
               大河原太一郎君
                岡部 三郎君
                河本嘉久蔵君
                北  修二君
                仲川 幸男君
                福田 宏一君
                降矢 敬雄君
                森山 眞弓君
                佐藤 三吾君
                瀬谷 英行君
                鶴岡  洋君
                安武 洋子君
                柄谷 道一君
                三治 重信君
                森田 重郎君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       外 務 大 臣  櫻内 義雄君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  小川 平二君
       厚 生 大 臣  森下 元晴君
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
       通商産業大臣   安倍晋太郎君
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
       郵 政 大 臣  箕輪  登君
       労 働 大 臣  初村滝一郎君
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       自 治 大 臣  世耕 政隆君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  伊藤宗一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
        ―――――
       会計検査院長   大村 筆雄君
        ―――――
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長兼内閣総
       理大臣官房審議
       室長       石川  周君
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  佐藤徳太郎君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  伊従  寛君
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       警察庁警備局長  山田 英雄君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       防衛庁長官官房
       長        夏目 晴雄君
       防衛施設庁総務
       部長       森山  武君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   守屋 友一君
       科学技術庁長官
       官房長      宮本 二郎君
       科学技術庁長官
       官房審議官    高岡 敬展君
       外務大臣官房審
       議官       松田 慶文君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  勝君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主計局次
       長        宍倉 宗夫君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       国税庁次長    小山 昭蔵君
       文部省体育局長  高石 邦男君
       厚生大臣官房総
       務審議官     正木  馨君
       厚生省環境衛生
       局長       榊  孝悌君
       厚生省薬務局長  持永 和見君
       厚生省年金局長  山口新一郎君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       農林水産省経済
       局長       佐野 宏哉君
       農林水産省構造
       改善局長     森実 孝郎君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     小島 和義君
       農林水産省畜産
       局長       石川  弘君
       農林水産技術会
       議事務局長    岸  國平君
       林野庁長官    秋山 智英君
       通商産業大臣官
       房審議官     斎藤 成雄君
       通商産業省貿易
       局長       中澤 忠義君
       通商産業省基礎
       産業局長     真野  温君
       通商産業省基礎
       産業局アルコー
       ル事業部長    石川不二夫君
       特許庁総務部長  向阪  浩君
       中小企業庁長官  勝谷  保君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
       労働大臣官房長  松井 達郎君
       労働省労働基準
       局長       石井 甲二君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設大臣官房会
       計課長      梶原  拓君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省河川局長  川本 正知君
       自治大臣官房長  石原 信雄君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     大嶋  孝君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
       自治省税務局長  関根 則之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       内閣官房内閣参
       事官       羽毛田信吾君
       会計検査院事務
       総局次長     肥後 昭一君
       会計検査院事務
       総局第一局長   佐藤 雅信君
       会計検査院事務
       総局第三局長   坂上 剛之君
       会計検査院事務
       総局第四局長   高橋  良君
       会計検査院事務
       総局第五局長   丹下  巧君
   参考人
       年金福祉事業団
       理事長      八木 哲夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十三年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十三
 年度政府関係機関決算書(第九十一回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第九十一回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第九十一回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和田静夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中山千夏君が委員を辞任され、その補欠として山田耕三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(和田静夫君) 次に、昭和五十三年度決算外二件を議題といたします。
 本日は締めくくり総括質疑第一回を行いますが、質疑に先立ち、まず昭和五十二年度決算における警告決議に対し、その後内閣のとった措置につきまして、大蔵大臣から説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#4
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十二年度決算に関する参議院の審議、議決について講じました措置の概要を申し上げます。
 政府は、従来から決算に関する国会の審議、議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、昭和五十二年度決算に関する参議院の審議、議決について、各省各庁において講じております措置を取りまとめ、その概要を御説明申し上げます。(一) 会計検査院の検査機能の拡充強化につきまし
 ては、会計検査院の機能の重要性を考慮し、昭
 和五十七年度予算において、検査業務に従事す
 る職員の増員及び会計検査情報処理業務経費の
 増額を行っているところであります。
  また、会計検査院が検査の目的を達成するた
 めの所要の措置については、内閣官房副長官か
 ら当面の実行可能な措置について提示があり、
 これを受けて、関係各省庁は所管の政府関係機
 関に対し、会計検査院の検査等への一層の協力
 を指導したところであります。(二) 男女の差別の解消につきましては、昨年5月
 「婦人に関する施策の推進のための『国内行動
 計画』後期重点目標」を策定し、その実現に向
 けて鋭意取り組んでいるところであります。特
 に同目標においては、婦人差別撤廃条約批准の
 ための国内法制等諸条件の整備に努めることを
 重点課題としており、すでに、各省庁において
 批准のための諸条件の整備を進めているところ
 であります。
  また、本条約と関連する現行国籍法の改正に
 つきましては、昭和五十六年十月三十日法務大
 臣から法制審議会に対し、諮問を発し、法制審
 議会における調査審議が開始されたところであ
 ります。法制審議会においては、出生子の日本
 国籍取得に関する父系優先の血統主義を父母両
 系の系統主義に改めることの可否及び外国人配
 偶者の帰化条件における男女差の可否について
 も調査審議されるものと考えております。(三) 公害防止事業団の業務管理体制の改善等につ
 きましては、債権の保全と事業目的の遂行に万
 全を期するため、公害防止事業団に債権保全業
 務担当係を設置したところであり、また、建設
 施設の譲渡を受けた事業者に対し、建設施設に
 係る担保権の設定または移転、共同利用者以外
 への当該施設の貸与等あらかじめ公害防止事業
 団の承諾を得なければならない事項等に関し、
 譲渡契約の内容の周知徹底を図るよう指導した
 ところであります。
  今後とも、公害防止事業団に対して指導監督
 の徹底を図ってまいる所存であります。(四) 日本私学振興財団が私立大学等に交付してい
 る経常的経費の国庫補助金につきましては、従
 前から私立大学等を設置する学校法人の経理処
 理について学校法人会計基準に基づき適正に行
 うよう指導するとともに私立大学等経常費補助
 金の交付及び利用についても、私立学校振興助
 成法等の法令の規定に基づき厳正かつ効率的な
 執行を期してきたところであります。しかしな
 がら、本議決の趣旨にかんがみ、各私立大学に
 対しては、文部事務次官通達を発し、私立大学
 に負託された社会的責務の重大さにかんがみ学
 校法人の経理の不適正処理等の事態の根絶と社
 会的不信感の払拭に全学を挙げて取り組むよう
 指導したところであり、また、日本私学振興財
 団に対しても、補助金の交付等について法令の
 規定により一層厳正な態度で対処するよう注意
 を喚起し、指導を強めてきたところでありま
 す。
  今後とも、学校法人に対する指導の徹底を図
 るとともに補助金の執行の適正に心してまいる
 所存であります。(五) 富士見産婦人科病院等一部医療機関の不祥事
 等につきましては、国民の健康と生命を守る重
 要な責務を有する医療機関に対する国民の信頼
 を損なうものであり、まことに遺憾でありま
 す。
  今後、再びこのような不祥事が起こることの
 ないよう都道府県に対し、住民からの通報に十
 分配慮するとともに関係部局間の連絡を密に
 し、無資格者による医療行為の防止、病院管理
 の適正化を図る等医療機関に対する指導監督を
 徹底するよう厚生事務次官通達等を発し、ま
 た、都道府県衛生主管部局長会議等各種会議の
 場を通じ指導を行うとともに指導体制の強化を
 図るため、新たに厚生省医務局に医療監視専門
 官を設置することとしたところであります。
  なお、都道府県等の医療監視員に対しては、
 医療監視講習会等を開催し、その資質の向上を
 図っているところであります。(六) 農業者団体等が実施する国庫補助事業につき
 ましては、過大精算等の不当な事態の再発を防
 止するため、都道府県等に対し、事業実施主体
 の計画内容の審査及び竣功検査を厳正に行うよ
 う農林水産大臣官房長通達をもって趣旨の徹底
 を図ったところであります。(七) 財団法人日本消費者協会における横領事件に
 つきましては、日本消費者協会に対して、昭和
 五十五年九月八日に定時監査を行い、当該業務
 及び財産状況の監査結果に基づき、日本消費者
 協会における監査制度等の充実強化等につい
 て、強力に指導したところであり、これを受
 け、日本消費者協会は、財務面で内部牽制制度
 を導入することとしたほか、昭和五十五年度決
 算からは公認会計士を監事に委嘱して経理監査
 の徹底を図ることとしたところであります。
  今後とも、日本消費者協会に対しては、指導
 監督の徹底を図り、協会事業が健全に遂行され
 るための措置を積極的に講じてまいる所存であ
 ります。(八) 日本電信電話公社の会計経理につきまして
 は、その事態の重大性にかんがみ日本電信電話
 公社に対し猛省を促し、日本電信電話公社がそ
 の総力を挙げて綱紀の粛正を図るとともに、不
 当、不適切な処理の絶滅を期すべく厳正な措置
 をとり、監査体制の強化、会計処理手続の見直
 しなど適正な予算執行及び会計処理の態勢を確
 立するよう指示を行ったところであります。
  その後、日本電信電話公社におきましては、
 総裁みずからを委員長とする業務執行改善推進
 委員会を発足させる等、全組織を挙げて綱紀の
 粛正と厳正な予算執行態勢の確立等に努めてい
 るところでありますが、今後とも、適切に指導
 及び助言を行いつつその成果を見守っていく所
 存であります。(九) 地方公共団体等が事業主体となって実施して
 いる国庫補助事業の執行につきましては、かね
 てより年度内完成に努め、やむを得ない事情に
 より年度内完成が困難な事業については、法令
 の規定に基づき速やかに繰越手続をとるなど適
 正な執行を図るよう指導を行ってきたところで
 ありますが、事態の重要性にかんがみ、関係各
 省庁においてそれぞれ「未竣功工事の防止につ
 いて」の事務次官通達等を発するとともに、各
 種会議等を通じて地方公共団体等が実施する国
 庫補助事業について、適正な執行管理の徹底、
 工事等の出来高の厳正な確認、予算の繰越手続
 の遵守等についての指導を強化してきたところ
 であります。
  なお、今後とも、このような事態が生じた場
 合には、補助金等に係る予算の執行の適正化に
 関する法律に基づき国庫補助金等の交付決定を
 取り消し、その返還を求める等その態様に応じ
 て厳正な措置を講ずることとし、より一層国庫
 補助事業の実施及び経理の適正化に努めてまい
 る所存であります。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(和田静夫君) それでは、これより総括質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○目黒今朝次郎君 運輸大臣にお伺いしますが、私は国鉄問題については二十六日の総理質問でやろうと準備をしておったわけでありますが、けさの朝日新聞を見ましてびっくり仰天をしておるところでございます。私も国会に来てから、国鉄問題については運賃緩和法の問題、財政再建法の問題についてはおのおの運輸委員会の理事をしながら、ずいぶん真剣に議論をしてきたつもりであります。そういう点で、現在臨調においていろいろ議論されておることについては、それなりの理解を示しながら、社会党の私も特別委員会の一分会の小委員長として、国鉄問題についてはそれなりにいま真剣に取り組んでおるところであります。
 それで、運輸大臣にお伺いしますが、この朝日新聞のこの記事は、寝耳に水と言っちゃ語弊がありますが、これは運輸省で、大臣として正式に決定されたものを、朝日新聞がこれをちょっとお借りしたかどうか知りませんが、これがもう省議の決定として、運輸大臣の手元で決定された内容であるかどうか。また、臨調に報告したと言われておりますが、臨調に運輸省の正式案として報告がなされているのかどうか、その辺を、二十六日の総理質問のかかわりがありますから、この取り扱いについて、運輸大臣の責任ある答弁をお聞かせ願いたい、こう思うんです。
#7
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私もけさの新聞を見てびっくり仰天したのでありまして、驚かれたのはあなた一人じゃないんです。私はもちろん運輸大臣を拝命して以来、国鉄の再建問題ということがきわめて重要な課題であることはよく認識をしておったし、その限りにおいていろいろと検討したことは事実であります。また、昨今の臨調の五月ないし六月答申と言われるものの中にも、国鉄の再建案がきわめて重要な項目であるということも、直接ではありませんが、新聞紙上を通じて知っておったので、前々からいろいろと検討しておったものを一応少しずつまとめておったところであります。
 このような段階において、運輸省は行政府として国鉄に対する責任を担当しておるんでありますから、これらの改革案その他が単に第三者の手によってなされるということについて、ただわれわれはそれを放任しておくわけにもいかない。われわれの立場はわれわれの立場として、国鉄の再建、もっと重要なことは、せめて民鉄並みの経営能率を上げるような組織体に変えるということ、もう一点は巨額な財政資金あるいは税金によって赤字を埋めるような体質を、何とかその事態から解き放していくということについての考えをまとめつつあったところであります。あの案は、したがいまして、一応の私の試案といたしまして、臨調にも、土光会長には一応の説明をいたしたことは事実であります。そうしたような意味におきまして、臨調側でこの案がいろいろと今後は検討されるであろうということを期待しておるところであります。
#8
○目黒今朝次郎君 予算委員会の一般質問の段階でも、あるいは昨年の行革国会における行革法案等、運輸委員会の合同審査の段階でも、当時の運輸大臣は、運輸大臣としてはいろいろ再建に対するお話はあるけれども、いわゆる国鉄財政再建措置法、これで決まった、計画で決まった六十年度まで三十五万人体制をやると、これが運輸大臣の至上命令だと、しかし貨物等の問題については条件変化が一部あって、手直しの必要があるであろうという点は、終始一貫、運輸大臣の答弁として私は承ってきたわけであります。したがって、運輸大臣としては当面六十年度まではそのものに全力を注ぐというのが私は担当大臣としての責任ではないか。われわれ社会党も三十五万の問題についてはいろいろ議論があった。しかし、今日の厳しい情勢から、社会党内部でもいろいろ議論して、国労、動労や、あるいは全施労、全動労、四つの組合についても現在の情勢を十分話して、いわゆる三十五万人体制に対する同じ土俵に乗って最善の努力をすべきじゃないかという点で、われわれも少々恨まれながらも、組合と組合員に話をして土俵に乗せたところであります。
 そういう、われわれが真剣に努力をしておるときに、監督官庁の運輸省がこういうものを出すというのは、一体だれが出したのか。あなたがいみじくもこれは知らなかったと言ったとすれば、あなたの部下が、鉄監局長かだれか、だれがこれを朝日新聞に提供したのか。その責任の問題について、やっぱり私はあなたに問わざるを得ない。この前あなたもたまたま予算委員会で、私の質問に、いろいろな人がいろいろの案を持っていると、だから、かつての鉄監局長であった住田氏にしても、いろいろなことを言うことはいいじゃありませんかと、それは私も尊重します。運輸省案という固有名詞がつく以上は、私は、いままでの大臣答弁とはその性格が違うと、こう思うんで、もう一度このニュースが朝日新聞に流れた責任の所在はどうしてもらえるんですか。大臣に改めて聞きたい、こう思うんです。
#9
○国務大臣(小坂徳三郎君) あなたも御承知のように、新聞社あるいはマスコミの活動というものは、われわれが全く意図しない方面から、意図しない形で行われるのが通例であります。この本日の朝日新聞の記事そのものも、どこからどのように出たかということについて、またその出所について、私らとしては全く関知しないところでありますから、それについての御答弁はひとつお許しをいただきたい。
 また、私としましては、過去における予算委員会その他において、一応決まっておりまする経営改善計画を完全に遂行するということがきわめて重要な当面の任務であるということは確かに申し上げました。しかし、一方において、あの計画を遂行しましても、六十年度における国鉄の補助金を差し引いていただいても、なおかつ一兆四千億ないし五千億の赤字の出るという体質をそのままにしておくわけにはいかないのでありまして、それをいかようにして改善していくか、そしてまた、将来の体系をどうするかという研究をすることは、委員としてもお認めいただけることだと思います。
#10
○目黒今朝次郎君 それでは確認しますが、この朝日新聞のトップニュースが、朝日新聞の取材の自由ということでやったということでお逃げになることは結構です。
 しかし確認しますが、この案は今日時点で運輸省案ではない、こういうことだけは確認できますか。
#11
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は私なりに国鉄の再建に責任を持っている者の一人として、いろいろな案を考えても自由だと思うし、またそれが、私が担当大臣であるから運輸省案と言われてもやむを得ないかと思います。しかし、私はもう少し幅の広い立場で、国鉄の再建ということは一運輸省のよくなし得ることでないことはあなたもよく御承知のとおりだと思います。したがって、多くの方々の御議論を十分にいただきながら、この大問題を国民的課題として解決するのが正しい方向であるという認識は十分に持っておるわけでございます。
#12
○目黒今朝次郎君 だから、それはあなたがそういうことを考えることについては私は御自由だと言うのです。ただ、今日時点で運輸省案という固有名詞が使われているけれども、そこまではまだ至っていない、現在は検討の段階だ、その検討の段階の中にこういう考えを持つ一つの案もあるでありましょうという程度に考えていいのか。もうある程度コンクリート化した運輸省案として受け取ったらいいのか、これは二十六日に総理質問をする関係があるから、その取り扱いについて確認を求めているんです。
#13
○国務大臣(小坂徳三郎君) 一応小坂試案としてお考えいただいて十分です。
#14
○目黒今朝次郎君 小坂大臣がどういう経歴で、どういう考えを持っている方かはわれわれも長い間で知っていますから、この案は小坂試案というふうに受け取っていいということを正式に表明した、こう受け取っていいんですか。
#15
○国務大臣(小坂徳三郎君) 結構です。
#16
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、私はこういう大事な問題は、取材の自由と言えばそれまででありますが、十分お互いに運輸委員会の場で、衆参両院の場で、あるいは自民党の交通部会、わが党の運輸部会等も通じていろいろ議論をしてきた経緯がある。あるいは国会のいろんな諸附帯決議がある、そういうことも十分に考えて、こういう問題の取り扱いについては十分慎重を期してほしいと、こういうふうに要望しておきたいと思うんですが、いかがですか。
#17
○国務大臣(小坂徳三郎君) 御希望として伺っておきます。
#18
○目黒今朝次郎君 御希望でなくて、そういうことについては同意できないのですか。それは取材は勝手だと、どんなことをやろうと勝手だと、こういうふうに何といいますかな、捨て鉢といいますか、けんかの答弁といいますか、そうならそういうふうにわれわれも覚悟を決めて、けんかならけんからしくわれわれも受け取ってけんかしますよ。要望ですから聞きおく程度でなくて、お互いに運輸委員会という場を通じて、今日まで議論してきた問題ではありませんか。そういうことについて、社会党のわれわれとしては、こういうようないろんな波紋を波及する問題であるから、慎重に取り扱ってほしいという行政上の要望を、聞きおく程度ではちょっと、なめるのは結構ですが、あなたは財界の大物でありますから、私は国鉄の一機関士でありますから、なめるのは結構ですが、やはり討論の場として、労使の本当の協議が大切だと言っているなら、そんな捨て鉢的な答弁はちょっと慎しんでもらいたいと、私はそう思います。答弁は要りません。
#19
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私の答弁が不適当であった点は反省をいたしますが、やはり政府案といたしましては、決めるまでにはやはり閣議の決定も要ります、省議も要ります。そして、またもっと重要なことは、現在臨調において国鉄再建の計画をいろいろと検討しているところでありまして、この案が決まって、それが政府として了承するということになって、初めて私は、当然これが運輸委員会その他において論議されるものではないかと思っております。したがいまして、私の現在のたまたま新聞紙上に出されました案は、今後これらの問題を政府内部、あるいは関係のところでいろいろと議論をしてもらいたいというわけでありまして、そのような意味のものであるということを御了承いただきたいと思っています。
#20
○目黒今朝次郎君 釈明は御自由でありますが、われわれには、われわれとしても対応する腹があります。国鉄問題いろいろ言われていますが、国労のかつての中川委員長亡くなりましたから、十年前のマル生でとことんまでいじめられた生き証人は、現在残っているのは私一人でありますから、それらの問題を振り返ってみると、いろいろあなたに言われなくても、われわれはわれわれなりに言いたいこと、あるいは国民全体のために考えなければならないこと、われわれもわれわれなりに、私も私なりにいろいろ反省もし、あるいは検討もしよう、あるいは真剣に取り組もうとこう思っておる段階でありますが、最近のいろんなやり方から見ますと、私もはらわたが煮えたぎるぐらいしゃくにさわる点もありますが、ここでそんなことをあなたにぶつけたってしようがありませんから、後ほどゆっくり運輸委員会の場で議論をいたしましょう。きょうは緊急に呼び出して申しわけありません、御退席になって結構であります。
 それで、私はこの前の委員会の引き続きで、若干残っている問題についてお伺いいたします。
 林業労働者の問題で、民有林の皆さんが非常に大変だということにあるわけでありますが、これも私は昨年の予算委員会の質問の段階で、当時の亀岡農林大臣も、この民有林労働者の環境がそんなに悪いとは知らなかったという答弁をして、農林大臣が中心になって、労働省あるいは大蔵省と話し合って、最大の努力をすると、そういうふうにお答えになっておるわけでありますが、この民有林の振動病認定患者の昭和五十五年と昭和五十六年、認定患者はどの程度あるんでしょうか。去年の予算委員会では、五十四年度までは説明あったんですが、五十五年度、五十六年度、認定患者はどの程度か、まず労働省、五十五年と五十六年の認定患者数を教えてください。
#21
○政府委員(石井甲二君) お答えいたします。
 民間林業における振動病患者の発生状況につきまして申し上げますが、労災保険の業務上認定者によりまして把握をいたしますと、五十五年度につきましては八百二十一名であります。五十六年度はまだ集計ができておらないということでございます。
#22
○目黒今朝次郎君 そうすると、昨年の予算委員会で指摘したことが、政府の努力で少しは効果を発揮して、民有林の認定患者も下りカーブと、こうなっていることはそれなりに努力を多としたいと思います。ただ反面、労働省と林野庁が行っておる健診の割合が、依然として四〇%から四七、八%だと、こういうことについては間違いございませんか。
#23
○政府委員(石井甲二君) 健診の状況について御説明をいたしたいと思います。
 労働省では、昭和四十八年度以降、毎年健康診断を巡回方式によって行っております。最近の状況を申し上げますと、昭和五十五年度では、第一次健康診断の受診者数が一万四千七百人ということでございます。全体をどれだけカバーしているかということでございますが、林業における雇用形態は、先生御承知のように、非常に特殊な形をとっているわけでございます。また請負関係かそうでないか、必ずしも明確でない、あるいは雇用期間の問題がございまして、把握が非常にむずかしいわけでございますが、定常的にチェーンソーを使用しているというわけではない方もおりますが、すでにこれまで振動障害健康診断を受けたことのある者は三万三千人、割合にして四八%程度ではなかろうかというふうに考えています。
#24
○目黒今朝次郎君 去年の予算委員会では四三%でしたから、四八%、五%だけ受診率が上がっている。しかし、全体から見るとまだ四八%、半分の方は健診を受けてないと、こういう現状だと思うんです。ですから、認定患者が減ったり、受診率が上がっているという点は努力は認めますが、全体の半分がまだ残っていると、こういうやっぱりまだ異常な状態だと、こう思います。林野庁のこの「林業における振動機械使用者の実態調査報告書」、これはもらいましてきのう全部目を通してみました。きょうは時間がありませんから、ひとつ林野庁、労働省が中心になって、林野庁あるいは労働省、あるいは渡辺大蔵大臣、お金かかることですから渡辺大蔵大臣の方にも銭の方のめんどう見てもらって、少なくとも来年の決算なり、予算委員会では、六〇%台を超えると、そういうことを目標に、最大の努力を三者間でしてもらいたいなあと、こう要望申し上げるんですが、これは時間がありませんから、中心になる労働大臣の見解を聞いてこの問題は終わりたい。ひとつ健診率の拡大に御努力願いたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#25
○国務大臣(初村滝一郎君) この巡回健康診断というものは、いま局長が御答弁しましたように、去年のときに答弁したのは四三%、ことしが四八%、まだ半分近くあるじゃないかというようなお尋ねでございますが、私どもはやっぱり今後とも労使関係及び関係の行政機関等の理解と協力が必要ではなかろうかと、そういう意味において振動障害防止対策の充実を今後とも図って、先生おっしゃるとおりの六〇%近くまで持っていきたいと、かように考えております。
#26
○目黒今朝次郎君 ひとつ要請いたすと同時に、大蔵省、林野庁の御配慮をお願いしておきます。
 次は、同じく去年の予算委員会でお話ししたえさ米の問題について、えさ米というのは余りぴんとこないんですけれども、しかし、いま農産物の自由化が問題になっているという点では、とらえようによっては大変大きな国民的な課題、農民から見れば大変な課題だと思うんでありますが、去年の予算委員会の答弁で、当時の亀岡農林大臣は、この問題については最大の努力をしてみたいと、できれば減反問題なども含めて、予算の裏づけを含めて最大の努力をしてみたいと、こういうふうに亀岡農林大臣が答弁しておるわけでありますが、このえさ米問題について、この一年間を振り返って、総括して、農林省はどういう締めくくりをして、五十七年度予算で計上されておるのか、その辺の総括をひとつ農林大臣から聞かしてもらいたいと、こう思います。
#27
○国務大臣(田澤吉郎君) えさ米の問題でございますが、これは御承知のように、いま米の過剰解消のために水田利用再編対策の二期対策をいま進めているわけでございますが、この二期対策を集団化し、定着化するためには、転作作物のメニューをたくさんやはり農家の方に示すことが農林省の役割りだと、こう考えます。したがいまして、水田をそのまま活用すると、水田の効用というのは非常に大きいものですから、活用するとすれば、いずれもえさ米の研究というのは非常に大きな役割りを果たすと思うのです。私はこの水田利用再編対策から、新しい農業をつくろう、芽を育てようとするならば、どうしてもこのえさ米の研究が大きな役割りを果たすものと、こう考えますので、私、就任早々この筑波の研究所へも参りまして、技術の方々とも懇談をして、何としても早い機会にこのえさ米の品種の定着ができないものかと、こうお願いをしてきたのでございますが、御承知のように品種の定着をするためには、これまでも稲においては十年ないし十五年かかるわけでございますから、今日の技術をしても、なかなか七、八年ぐらいはかかるのじゃないだろうかと、こう言われております。また、やはり食用の米とこのえさ米とを区別しなきゃいかん。大きさだとか、あるいは色の関係だとか、あるいはこのえさ米はやはり安い価格で販売することが必要でございましょうから、耐冷性だとか、病虫害に強い品種、しかも余り多肥性の品種であってもいけないというようなことから、非常に研究がむずかしいということを私もこの試験所へ行ってようわかりました。しかし、先ほど申し上げましたように、水田利用再編対策を有効にやはり定着させるためには、えさ米の役割りというのは非常に大きいものですから、できるだけ早い機会に定着をするように努力をさしているわけでございまして、今後もこのえさ米については積極的に取り組んで、この品種の定着をさして、水田利用再編対策の転作作物としての存在を位置づけたいと、かように考えているわけでございます。
#28
○目黒今朝次郎君 これは農林省でも把握していると思うんですが、全国三十五の県でいま取り組みが始まっているわけでありますから、いま農林大臣の言うことについてもむずかしい点があると思うのでありますが、何と言ったって、穀物三千万トンのうち二千万トンがえさですからね、やはり大事な私はウエートを持っていると、こう思うんです。
 もう一つ、このえさ米の問題で通産大臣にお伺いいたしますが、アルコールの問題について、現在トウモロコシからアルコールをつくっているという実験が、アルコール専売の工場と民間の工場で行われております。私もアルコール専売の工場には現に行って、現地を見て、いろいろ説明も受けておるわけでありますが、このアルコールがつくれると、こういうことになりますと、やはりいま農林大臣が言った食糧面から来る問題、アルコールがつくれるとなれば、いわゆるエネルギー化の問題、両面からえさ米問題は十分検討するに価値があると、こういうふうに思うわけでありますが、通産省でいろいろ提出をされておる段階で、このトウモロコシ、あるいはトウモロコシと同じような成分のいわゆるえさ米、これからアルコールができるということについて、その可能性あるいは研究の研究体制の現状、そういうことについて、通産大臣から一言お答え願いたいと、こう思います。
#29
○国務大臣(安倍晋太郎君) 通産省でもいろいろと検討しておると思いますが、局長から答弁させます。
#30
○政府委員(真野温君) 現在、御指摘のように、私どもの国営のアルコール工場におきまして、えさ米を利用しましてアルコールを製造する方法について若干研究いたしておりますが、現在の状況を申し上げますと、一つは原料価格、つまりえさ米の価格がトウモロコシ等に比べてどのくらいであるかということになると、かなり割り高になる状況でございます。
 それからもう一点は、えさ米を使用してアルコールをつくる場合には、いろいろ廃液処理の面で、公害防止施設を相当建設いたさないといけないということで、かなり現実に、大量つくる場合には高価にならざるを得ない状況でございます。したがいまして、むしろこのいまの二つの問題をどう解決するかということを総合的に検討いたしませんと、実用化ということは大量では現在無理の状況にございます。この点につきましては、いまの原料価格、えさ米価格が将来どうなるか、どうやってそれを有効に利用できるかを含めて、農林水産省とも連携をとりながら検討中と、あるいは研究開発を進めると、こういう体制でございます。
#31
○目黒今朝次郎君 局長ね、私も出水工場で現に見せられたし、また見てもきたんですが、いろいろな生産コストが高いとか、そういうことは別問題として、十分技術的に見れば、えさ米からアルコールの製造は可能だと。まあ公害とか何とかいろいろありますね、附帯事項は。附帯事項はいろいろありますが、価格の問題とか、そういうことを一応抜きにして、専門的に見れば、このアルコールの製造は可能だと、そういうふうに現段階では受け取ってもいいんでしょうか。コストの問題とか、公害の問題は別です。
#32
○政府委員(真野温君) 現在まで、御指摘のようにアルコール工場、幾つかで実験いたしております。ただ、これはいずれも少量でございまして、大量生産に至るまでにはなおそのほかの技術も必要でございますので、研究室段階では可能という形でございます。
#33
○目黒今朝次郎君 トウモロコシが可能でありますから、えさ米も可能ということでありますが、あとはいろいろな問題点をどういうふうに組み立てて大量化していくか。
 それで、農林大臣に一言お願いしたいんですが、このえさ米はやっぱり畜産農家、実際にえさを必要とする畜産農家との複合経営といいますか、複合テストといいますか、そういうことがやっぱり一番現実的じゃないかと、こう思うんですが、この畜産農家との結合ということについては、農林省は積極的に指導しているのかどうか。していなければ、私はやっぱりそこのところを積極的に指導してもらいたいなあと。もう東北の農家を歩きますと、非常にそういう点の希望が強いんでありまして、この件に対する農林省の姿勢をお聞かせ願いたい、こう思うんですが、いかがですか。
#34
○国務大臣(田澤吉郎君) 水田の裏作としての、やはり転作としてのえさ米というだけじゃなくして、それがそのまま畜産のいわゆる関係と連携をとらなきやならないのでございますので、そういう点ではこのえさ米はホールクロップとしても、サイレージとしても活用できる方途などを考えながら、やはり畜産農家と密接な連携をとりながら、この研究は進められているということは御理解いただきたいと思うのでございます。
#35
○目黒今朝次郎君 大臣も東北でありますから、いまこの問題は、秋田、新潟あたりを中心に、青田刈りに対する農民の抵抗といえば変でありますが、青田刈りに対する農民の何とも言えない気持ちから発想されて、いろいろな先生方の協力を得て、全国三十五都道府県に広がっているという現状を踏まえて、さらに今日貿易の自由化問題で農作物が非常に苦境に立っているという点も含めて、若干時間かかりますが、大臣言うとおり、五年か七年かかるだろうとこう言われておりますが、ひとつ粘り強く農民と日本の食糧安定のためにがんばってもらいたいということを要請しておきます。
 時間がありませんから、最後に公取にだけちょっと聞かしてもらいたいんですが、これは四月の十六日の日経新聞を見ますと、獣医師会の最近のやり方について公取が監査に入った、一定の指導、監査をしたと、そういう記事があるわけでありますが、監査に入った理由と、指導、監査をしたというその指導、監査の中身が、具体的に本当であるならば、どういう指導をしていらっしゃるのか、公取からお答え願いたいと、こう思うんです。
#36
○政府委員(橋口收君) 日本獣医師会の構成メンバーである都道府県獣医師会、あるいはその下の地区の獣医師会の一部におきまして、独占禁止法違反の疑いのある行為が幾つかあったわけでございまして、主な行為としましては、たとえば新たな開業に対して制限を加えるとか、あるいは狂犬病の集合注射というのがございますが、この集合注射に対して参加を認めないとか、要するに構成メンバーに、新しい獣医師が構成メンバーになるのを阻害したり、あるいは構成メンバーになりましても実績のない医師に対しましては、狂犬病の集合注射というようなチャンスを与えない、こういう行為が幾つか見られたわけでございまして、私どもは独占禁止法の立場から調査をいたしまして、一部の獣医師会ではすでにそういう事態が改善をされておりますし、また、まだ改善をされていない獣医師会につきましては、いま折衝いたしておるところでございまして、多少まあお話が古くなりますが、日本獣医師会そのものは、独禁法に対しましては大変厳粛な考え方を持っておられまして、構成メンバーである都道府県獣医師会、あるいは地区の獣医師会に対しましては、独禁法に触れないような配慮をすべきであるという通達もすでに出しておられます。そういう事情も考慮いたしまして、いま幾つかの地域につきまして調査をいたしておりますが、いわゆる大変に厳しい措置をとるかどうかは、今後よく考えてみたいと思っております。
#37
○佐藤三吾君 いまの質問の問題もありますが、私はきょうアメリカの副大統領も来ることでございますが、農産物の自由化の問題について、ちょっとただしておきたいと思うんです。
 御存じのとおりに、農産物の自由化の問題については、アメリカから強い要求がございまして、二十二品目の自由化をめぐって、いま焦点になっておると思うんです。この問題をめぐって、経済企画庁を中心に、大蔵、外務、通産、農水各省庁で五月七日の第二段をどうするかということでめぐっておりますが、新聞報道をいろいろ聞きますと、まだ定まってない感じがしてなりません。
 先ほどの本会議で農林水産大臣の答弁を聞きましたが、しかし、けさのNHKの放送と若干違うんですね。NHKの放送になりますと、農林水産省も若干第二段に含めざるを得ない、それは条件つきとして、二十二品目をやめる、完全自由化の要求をやめる、こういう前提がつくならばやむを得ない、こういうような報道がなされておる。なかなか新聞によってもいろいろ違いが出てきて定かでないので、この問題については、私はきょう関係大臣、経済企画庁がまとめておると思いますが、経企庁長官、それから大蔵、外務、通産、農水各大臣のどういう思惑、そして話し合いをしておるのか、これをまずお聞きしたいと思うんです。
 一体六項目を入れるのか入れないのか、二十二品目に対する自由化の問題について、各省間の違いというのはどこにあるのか、ここら辺をまず明らかにしてほしいと思います。
#38
○国務大臣(河本敏夫君) いまお話しの問題につきましては、目下関係各省で協議中でございまして、まだ結論は出ておりません。
#39
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま経済企画庁長官のおっしゃるように、いま調整中でございます。
#40
○国務大臣(田澤吉郎君) 農林水産物についての自由化につきましては、先ほど本会議で御答弁申し上げたような状況でございまして、第二段対策については、目下検討を進めているという状況でございます。
#41
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま各大臣が申し上げておるように、関係省庁の間で折衝をしておる、こういうことでございます。
#42
○国務大臣(渡辺美智雄君) 同様でございます。
#43
○佐藤三吾君 通産大臣ね、あなたのところはこの問題については第二段に入れるべきだ、こういう立場を持っておるんじゃないんですか、農産物の問題については入れなければいけない。それから外務大臣も同様の立場じゃないんですか。そこら辺があるんならひとつ答弁してもらいたいと思うんです。
#44
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、これまでのいきさつ等もありまして、非常に重要な問題でございますし、現在いまお話しいたしましたように、いま関係省庁間で鋭意調整中ということでございます。
#45
○国務大臣(櫻内義雄君) 御承知のように、アメリカで作業部会を持っていろいろ検討して、その際物別れになってガットへ持ち込む、こういうようなことであったのが、その後アメリカ側が若干の品目をこの第二段の場合に入れ込むようにという、そういう希望を持っておるように聞いておりますが、それに基づいての関係省庁間の協議をしておる、こういうことです。
#46
○佐藤三吾君 いずれにしても、五月七日に調整を終わって第二段を決める、こういう日程については、経済企画庁長官、動いたりするということはないんですね。
#47
○国務大臣(河本敏夫君) その予定であります。
#48
○佐藤三吾君 私は、率直に言って、この問題で特に農水と通産の間に、かなり議論の対立があるということが報じられておるんですが、しかし、きょうも御存じのとおりに、日比谷で全国の農民団体の皆さんが、この問題の反対を叫んで決起集会をやっておる。農民の皆さんから見ると、五月七日の第二段に入れるか入れんかということは、まさに日本の農業にとって、崩壊するかしないかの岐路にある、こういう危機感を感ずるんですね。私も農民出身ですが、最近の自由化攻勢の中で、日本の農業ほど被害を集中的に受けているところはないと私は思うんです。しかもそれが土地条件の劣悪な態勢もありましょう。各国との競争ができないという部分もございましょう。しかし、いま起こっておる一番大きな原因というのは何かと言えば、対米、ECを含めて、貿易上の摩擦をもろに受けておると、こう言っていいんじゃないかと思うんですよ。ですから、そのもろに受けるところじゃなくて、なぜ摩擦が起こっておるか、そこの原因をただして、そして問題解決を農民についても説得するというならわからんことはないと思うんですがね。それを農民がなぜ受けなきゃならんかというその怒りが、私は日本農民の今日のこの貿易問題、自由化をめぐっての一番大きな怒りになってきておるというふうに思うんですが、私はアメリカの立場を見ましても、一千万の失業者があるということで、大変な騒ぎになっておる。だから、アメリカとしては、そこまで日本の商品が来るなら、農業の面でもひとつ関税を取っ払って自由化すべきじゃないかと、こういう要求もわからぬでもない。しかし、その処理の仕方を見ると、どうも原因というか、もと起こしのところについては一切手を触れずに、そして農産物の自由化という方向に来ておることについては、私は政策の誤りというか、見直しの仕方に問題があるんじゃないか、そういうふうに思うんです。すでに国会でも五十五年の四月ですか、全会一致で決議しておりますし、きのうの衆議院の農林水産の委員会でも決議しておりますように、これは容易ならん事態というふうに考えます。
 そこで、私は通産大臣にちょっとお聞きしたいと思いますのは、このアメリカ、ECに対する貿易摩擦の一番の原因というのは、日本の、たとえば電気、たとえば自動車を含んで、デトロイトのように全部壊滅状態になるような、無秩序な輸出に起因する点がたくさんあると思うんですが、こういった問題について、どのように規制をして摩擦を解消しようとしておるのか、まずその点は通産大臣としてこういう事態の中でとろうとしておるのかについて、お聞きしておきたいと思うんです。
#49
○国務大臣(安倍晋太郎君) 去年からことしにかけまして貿易摩擦が厳しくなりまして、いま火を吹いているという状況ですが、これがやっぱり起こった基本的な要因というのは、アメリカ、ECの第二次石油ショック以来の経済の非常な厳しい状況であろうと思います。特にアメリカもECも一千万人以上という失業者が出ておると、そういう中に貿易のあり方等についての批判も出てきたことは事実であります。貿易摩擦自体については、これはアメリカと日本、あるいはアメリカと日本とECという場合もありますけれども、アメリカとEC間においても、貿易摩擦が起こっておるわけでございますが、しかし日本に対しては、アメリカあるいはECとも、非常に強い姿勢で臨んでおります。これは一つは日本からアメリカに対して百数十億ドルというインバランスがあると、あるいはまたECに対しても百億ドル以上というインバランスがあると、もう一つは日本とアメリカとの貿易の関係において、アメリカから見れば非常にアンフェアであると、そのいわゆるインバランスが拡大をしておる、それから貿易のあり方がアンフェアである、こういうことが、アメリカにとりまして日本に市場開放を求める大きな要素となっておる、こういうふうに考えております。そういう中にあって、確かに日本の輸出が伸びておるわけですが、私たちは自由貿易は守っていかなきゃならない、しかし、そのためにはやはり相手の国の立場というものも考えなきゃなりませんから、自由貿易の中において、できるだけ集中豪雨的なあり方というものは避けるべきであるということで、たとえば自動車だとか、あるいは鉄鋼であるとか、あるいはまたテレビであるとか、IC製品であるとか、そういうものについては、自主的な立場で自粛というふうなものを続けてきておるわけでございます。特に自動車につきましては、八一年、八二年と、こういうことで自制措置をとってまいりました。これはアメリカも特に八二年度の自制措置については、非常に評価をいたしておるんではないだろうかと、こういうふうに思うわけでありますが、全体的に、とにかく日本の市場開放を求めておる中で、われわれとしても自由貿易を守っていかなきゃなりませんから、あらゆる分野につきまして、これは工業製品の分野だけではなくて、あるいは商慣習の問題もあります、あるいはまたハイテクニックの先端技術の分野における問題もありますし、関税の問題もありますし、あるいはサービス貿易の問題もあります、輸入手続の問題もありますが、そういうものを全体的に含めて、日本はできるだけのひとつ市場開放措置をとりたい、こういうことで昨年から努力をして、そして今日に至っておる。そしてまた、今回もさらに第二弾として、市場の自由化の措置を総合的に講じようというところで、いま調整を進めておるというのが今日の実態でございます。
#50
○佐藤三吾君 私は、いま通産大臣から自粛措置ということについてお話しございましたが、それがやっぱり有効に効いていないんじゃないかという感じがしてなりません。ですから、そこら辺はもっと強い自粛規制措置というものも検討してみてもいいんじゃないかと、そういうように思うんです。
 それから同時に、これは新聞情報ですから憶測で大変恐縮なんですけれども、何か外務省、それからまた後ほど官房長官に聞きますが、官房長官の談話とかいうのを見ますと、外圧の方に非常に何というんですか、気を使い過ぎて、できればひとつ譲るべきものは譲ってというかっこうで、後退する面が非常に強いような感じがしてならんのですね。先ほど農水大臣から非常に力強いあいさつなり、本会議の答弁ございましたが、私はやっぱりここは実態をどう理解し合うかという点が解決の決め手になると思うんですよ。ですから、アメリカはアメリカの事情から出発して要求しておるわけですから、しかし日本でどうしても譲れんところは、これは譲れませんということをきちっと言った方がいい。そういう意味で、たとえば農産物の場合には、七十三項目から二十二まで、特に水産除くと十九まで、ぎりぎりのところまで残存輸入制限の品目が来ておるわけですね。ここはやっぱりそういう意味で、農水大臣が先ほどの決意のようにきちっとする、それを内閣として意思統一をする、こういうことが大事じゃないかと私は思うんですが、農水大臣決意ございますか。
#51
○国務大臣(田澤吉郎君) 本会議でも御答弁申し上げたのでございますが、農産物の自由化に関しましては、三月の九日、十日に日米貿易小委員会を開きまして、その結果、牛肉、柑橘については、これは一九八三年まで合意されておりますので、それ以後の問題の協議をいつ開くかということで、話し合いの結果、十月の日米の適当な時期に話し合いを進めようと、こういうことになりまして、あとの残存品目についての話し合いは、作業部会でやろうじゃないか。作業部会も、お互いその国の事情を思い切って話し合おう。それも、話し合った結果感情的にならんようにしようじゃないかということで、作業部会を設けたわけでございまして、それが四月の十二、十三日ワシントンで開かれたわけでございます。その結果、アメリカは非常に強い姿勢で、やはり貿易の完全自由化を要求するものでございますから、わが方としては、とてもそれはのめるものじゃない、現在のいま御指摘のような日本の農林水産業の状況でございますから、それはとてものめませんということのお返しをしたわけです。その結果、アメリカはもう作業部会はじゃやめようと、それでガットの二十二条協議に上げざるを得ないと、しかもアメリカは二十二条協議は二国間の一般的な協議であるから、対決を意味するんじゃございませんよということを付記しながら、その会議は終わったわけなんです。その後、いま外務大臣の御発言にもありましたように、その後いろんな情報が流れてきているわけでございますが、私としては、やはり作業部会で決定された結果を踏まえて、しかもアメリカの要求の真意をこれから十分検討しながら、これに対応していかなければならない、かように考えておるのでございますから、農林水産省としては、農産物の日米間の交渉のスケジュールは一応私はできているんじゃないだろうか、かような考え方でおりますものですから、しかし、今後内閣としての先ほど申し上げました第二弾の問題については、これから検討し合いますけれども、私の考えとしては、そういう考えを持っているということを御理解いただきたいと思うのでございます。
#52
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま農水大臣も言われましたように、言うべきことは言う、やるべきことはやらなきゃならん。言うべきことで、たとえばアメリカの高金利政策に対してわれわれは厳しく批判もしておりますし、アメリカの輸出努力をもっとやれということについても、強く求めておるわけでございます。やるべきことの中でも、どうしても日本の立場からできないことがあるわけですし、しかし、できることはこの際やはりやっていかなきゃならん。こういうことで、これは政府の中は私は一致していると、こういうふうに思います。そういう中で具体的に調整を進めておるわけでございますが、先ほどちょっとお話がございましたけれど、もっと輸出の工業製品等について自粛の措置をとるべきだと、こういうお話がございますが、私はこれはちょっと異論があるわけです。というのは、やはり日本というのは自由貿易で成り立っておる貿易立国でありまして、これは輸出に制限措置をとるということは、日本経済の縮小というものにつながっていく、国民生活の低下ということにもつながりかねないわけでございますから、自由貿易を守る中で、われわれとしてはできる限りのそれは外国との協調関係を進めていかなきゃなりませんから、自制措置というものはとらなきゃならんし、その限りにおいて私たちは相当な自制措置はとっておると思います。これ以上、とにかく何でもかんでも輸入を抑えていくということは、日本経済の将来を見ましたときに、これは得策ではないと、こういうふうに考えております。
#53
○佐藤三吾君 だから、通産大臣ね、あなたがおっしゃるように、自由貿易を守るという立場に立って、縮小じゃなくて拡大していくと、この点はやっぱり堅持をして、その中における限度というものがあるというお話なんですがね、それは私わからんでもないんです。ただ、そのために農産物の自由化のぎりぎりのところまでこれは取っ払うべきだとか、こういう姿勢というものはよくないんじゃないか。農産物の問題については、二十二品目というのはまさに私はぎりぎりだと思うんです。そしてもしここが破れますと、たとえば、アメリカが提案しておる六項目提案の中に出ておりますが、ああいう形でやられますと、なし崩し的にアメリカ人の一部農家の皆さんが言っておりますように、自動車や電気製品はどんどんいってください、そのかわり食料品についてはアメリカの物で日本を賄いますと、こういうことになっては大変だと思うんで、そこら辺がいま経済企画庁長官が調整をしておるところだと思うんですが、農産物については、いま農林水産大臣から御答弁ありましたように、まさに私は限度が来ておるという観点に立って、この辺はぜひまとめていただきたいし、第二弾は決めてもらいたいと、こういうふうに思っておるわけです。しかし、その辺が内閣としてどういうふうな意思統一になるのか。これは官房長官にお聞きしたいと思うんですがね、きょうは副大統領も来るわけだし、この問題も出てくると思うんですが、何か官房長官のきょうの新聞読みますと、大河原大使を招いた外務省の席の中で、若干のこの六項目提案についてはやむを得ないんじゃないか、こういう仕切り直しという表現の中で、そういう記事が出ておりますが、そういうことなのか。そうじゃなくて、むしろやっぱり農林水産大臣の先ほどの御発言にあったような方向で、農業問題はもうプログラムは決まっている、十月以降だと、こういうような方向で対処しようとしておるのか、この辺だけ聞いておきたいと思います。
#54
○国務大臣(宮澤喜一君) 仕切り直し云々と申しました意味は、大河原大使が先般の農業グループの四月十二日でございますかの会議の扱いについて、アメリカ側内部に行き違いがあったり、いろいろしたようでございまして、日本側に誤解があったわけではない、アメリカ側の内部のいわば行き違いといいますか、そういうことであったというふうな大河原大使の報告でございましたので、それはそれでわかったと、アメリカ側としては、それについてはそういうこととして、次の段階での了解を日本側に求めたい云々ということのようでございますから、それはしかしその前の段階についてのことをひとつきちんと説明をしてもらった上で、その上でアメリカ政府がこう考えると、こういうことでないと、こちら側も明快に物事を整理するわけにいかないのでという意味で仕切り直しという言葉を使いましたけれども、それから後の日本側の対応につきましては、これは農林大臣が言われましたように、できることはできるだけやるのはよろしいと思いますが、できないことはできないということに尽きるであろうと思っております。
#55
○佐藤三吾君 わかりました。
 ひとつ経済企画庁長官を含めて、これ以上なかなかいま大詰めの段階ですから言えないと思いますから、これ以上この問題は触れませんが、ぜひ日本農業を守る立場に立って、この問題の処理をひとつ、第二弾の決定をしてもらいたいということだけ申し上げておきたいと思います。
 それから、次にグリーンカードの問題でちょっとお聞きしたいと思うんですが、官房長官、最近、何というんですか、変なことが起こるというか、いつ何が起こるかわからないというか、こういう感じがこの問題ではするんですが、自民党の皆さんが、今度グリーンカードを廃止をするということに三百名の議員が署名なさったと、それをめぐって田中政調会長が四月六日に三百名の署名というものは無視できないということで、三年間延期の方針を決めたということが伝えられておるわけです。これは率直に言えば、不公平税制是正の一環として、政府提出法案として、共産党を除く野党の賛成のもとに成立した法案ですから御承知のとおりです。まだ法律が施行に入る前に、もうこれはだめだと、こういうようなことが起こること自体が、私は承知しかねるわけですけれども、その理由が金やゼロクーポン債に流出するとか、また民社党の春日さんの言っているのは、個人的な見解のようでございますが、プライバシーの問題云々と、こう言っておりますが、プライバシーの問題と言えば、サラリーマンはもうほとんど捕捉されておるわけですから、サラリーマンについてはプライバシーはなくていいのかという論議も出てこようし、どのくらいゼロクーポン債なり、金に流れているのかと見ると、これはほとんど微々たるものであって、五十六年度の個人金融資産の増加分の一・五%というんですから、そう大した問題じゃない。しかし、私はもっと異なものを感ずるのは、当時政調会長で、そうしてグリーンカードを推進する中心になった安倍通産大臣、通産大臣が官僚にだまされたとかなんとかと新聞に流されておりますが、反対の立場に立っておると、田中政調会長も当時は通産大臣で内閣におって、推進の立場にあった。そういう話がちらほらこう出てくる。それから、河本経済企画庁長官はもう前々からこの問題に反対であったと、こういう話も近ごろ出てくる。これは私は異に感ずるんですけれども、一体この本音はどうなのか、せっかくですからきょうはぜひお二人からお聞きしたい、こう思っておるわけです。いかがですか。
#56
○国務大臣(安倍晋太郎君) このグリーンカードに関する法律につきましては、私が自民党の政調会長をしておるとき国会を通ったわけであります。私が先頭に立ったわけではありませんが、政調会長としての責任はもちろんあるわけでございますが、法律が通りましてからずっと全国を回ってみますと、全国各地で必ずこのグリーンカードに対する批判が、批判といいますか、不安が各所で出てまいりまして、いろいろと御指摘を受けたわけでございます。
 たとえば、このグリーンカードはまさに背番号制であるとか、あるいはまた国民の金融資産がもう裸になってしまう、あるいはまたこのままで定期預金等を続けていけば、二重課税等になってしまう、だからこうした状況が続くなら、われわれは金とか物にかえなきゃならんとか、そういう声を随所で聞いたわけでありますし、また御案内のように、金融についてのシフトが非常に起こってきたことも事実でございます。
 そんな状況を見まして、これはこのままで五十九年から実施していいんだろうか、法律をわれわれの責任で通したわけですけれども、しかしいいんだろうか、まだ時間があるわけだから、もっと国民のそうした不安をなくするような措置を講ずる必要があるんじゃないか、こういうことで、私も大蔵省とも相談をいたしました。党内でも議論をいたしたわけでございまして、何も官僚にだまされたとかなんとかということを言った覚えはありませんし、まだ法律は実施していないんですから、このままでは国民の不安がずっと増大してどういう事態にならんとも限らん、だからやはり国民の不安をなくするために措置ができないものだろうか、こういうことで議論をいたしまして、その結果、私が政調会長をしている時代に、政令等につきまして不安をなくするということについての措置が講ぜられるようになったわけでございます。そこで、これなら相当PRをすれば、国民の皆さんにもグリーンカードについての納得をしていただけるんじゃないか、こういうふうに思ったわけでございます。
 その後入閣をいたしましたし、今日に至るまではいまのグリーンカード問題については、いろいろの議論がその後起こっておりますし、いろいろな問題も起こっておるようでございますが、あえて私がこの問題について特別に発言をしたり、そうした行動をとったりと、こういうことは一切しておらないわけでございます。
#57
○国務大臣(河本敏夫君) 私は公式の場でグリーンカード反対である、こう言ったことはありません。日本は法治国でありますから、法律があれば従わなければなりませんし、法律が廃止になればこれは従う必要はない。法律をつくるかつくらないかということは、これは国会が御判断される、こういうことでございます。
#58
○佐藤三吾君 いや、国会が御判断するわけだけれども、これは内閣提出法案ですよ。河本さんもそのときには内閣の一員で、そしてこの案について出してきた、こういう経緯があるわけです。ところが、最近のいろいろなニュースや、報道を見ると、お二人が反対しておる、こういうふうなことを聞くものですから、まさかそんなことはなかろうと思いますが、しかし、そういうこともたてまえと本音とかいうのもございますから、そういうところが三百名の署名が、しかも与党の中にできておる、こういう実態を、異常な状態を生んでおるんじゃないかと私は思うんですよ。何かこの一番の旗振りは、刑事被告人の田中角榮さん、こういうことも出ております。また、安倍さんの方では金業者から四百万の後援会費をもらった、献金を受けたとか、そういうことで急に方向が変わったということでは私はないと思いますよ。思うけれども、現実にはそういうことがあるものですから私はお聞きしておるわけですけれども、そうしますと、安倍通産大臣は若干の手直しをしましたよね。そのことによって、この制度はやっぱり実行せなきゃいかんと、こういう立場に立っておる。それから河本経済企画庁長官は、この問題については法律どおり施行しなきゃいけないと、こういう現在の心境である、そういうふうに受け取ってよろしいですか。
#59
○国務大臣(安倍晋太郎君) あのときは、ああいう形で収拾したわけですけれども、しかし、その後またいろいろと問題が起こりまして、これは党内でそれだけの議論が出ているわけですから、それだけまた新しい認識が生まれたんじゃないかと思います。そして、あれだけの決議になったわけですから、それだけの理由は私はあるんじゃないかと、こういうふうに思いますが、しかし、いまここで、私もいま政府の立場でありますから、これに対してどうだこうだと言う立場にはありません。これはやっぱりいまさっき河本長官もお話しになりましたように、法律によって決まったわけでありますから、法律が変われば、またそれによって決まっていくというのが法治国家のたてまえじゃないかと、こういうふうに思います。
#60
○国務大臣(河本敏夫君) この法律ができましたのは五十五年の三月でございまして、私は、当時は内閣に入っておりません。法律に対する見解は先ほど申し上げたとおりでございます。
#61
○佐藤三吾君 どうですか、大蔵大臣。これはさっき通産大臣もPRが足らんからこういうことが起こったんだと、ちらっと言いましたが、もうすでに朝霞では六十億かけてコンピューターセンターをつくっておる、先に成立した五十七年度予算では百五十億の賃借料を組んでおる、こういうような状態の中で、いま通産大臣の答弁を聞きますと、党内の新たな情勢も起こっておるということで、しかし閣僚としては憲法に基づいて、法律は守りますということなんですが、これがひっくり返ることになりますと、これはえらいことになると思う。不公平税制の問題一つにしましても、もしくはいまの財政再建という観点から言ってみても、大変なことになると思うんですが、どういう見解をお持ちですか。
#62
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も、大蔵大臣は憲法と法律を守るわけですから、法律がある以上、法律どおりにやる、あたりまえのことでございます。
 私といたしましては、世界じゅう、先進国が総合課税を行っている。日本において分離課税を行っているのは珍しいと、世界の中では。総合課税にすべきだということが一つです。それで、分離課税をなくして総合課税にする、賛成なんです。しかし、世界じゅう、主要先進国においては、所得税で最高税率が七五とか、あるいは住民税が一八と、両方で九三が最高税率になります。こういう国は私は寡聞にして知りません。アメリカが五五、所得税なら五〇%、それからイギリスが六〇とか、フランスが六〇とか、ドイツが五〇幾つとかということでありますから、諸外国に右へならえをして総合課税にするんならば、当然最高税率というものは、諸外国と大体同じようなものにしなければいかんじゃないか。そうしないと、何か資産所得については根こそぎ取っちまうみたいな話になって、これは現在の為替の自由化の中で、資金の移動が行われないという保証はありません。したがって、私としては、それを五十九年から実施をするという場合において、それはそれでよいが、最高税率というものはやはりそう非常な格差ができないようにすべきじゃないか。現実に金利の問題を一つ取り上げても、アメリカは高金利という中で、インフレが進んでおるからまだブレーキがかかっておりますが、日本よりも倍の金利だということでドルへシフトする、円が弱くなってドルが強くなって、その結果はインフレの要因をつくっているという事実でございます。それと同じようなことが所得の面で行われることは、私は好ましいと思っておりません。したがって、これについては実施と同時ぐらいに、最高税率というものは手直しをして、なだらかに直すべきであるという持論を一つ持っております。
 それからもう一つは、非課税貯蓄というのが日本にはありまして、これも余り例は少ないと私は聞いておるのですが、ともかく、これがどうも乱用されておる。去年一年間に個人の資産、金融資産が三十五兆円ふえたと言われております。中身を見ると、分離課税というのがあるんだから、そこへいっぱいシフトしそうなもんだが、そこへ行かない。これは二兆円ぐらいしかどうもふえていない。総合課税の金融資産が大体四兆円くらいしかふえていない。課税部分が合計六兆、非課税部分がその課税ベースから逆算してみると二十二兆前後どうもふえておる。こういうことは本当に一人三百万円、あるいは郵便局はともかく三百万、銀行が三百万、国債が三百万、こういうものが守られているのかなと、非常な疑問が実はあるわけであります。国債が意外と個人では――銀行はたくさん持っておりますよ、個人で持っている国債のふえ方というものは非常に少ない、微々たるものである。それは、どうしても銀行、郵便局という金融機関にたくさんシフトしている、非課税が。これがもし乱用されていると困る。ところが、ときどき国税庁は摘発するわけですよ。ついしばらく前でありますが、最近、神奈川の方でも一件数億円、数千万というのがしょっちゅう出てくる。通帳何十冊、何百冊。架空名義あるいは同じ自分の名義とか、それが実際わからない。こういうふうなことでは困るわけでありますから、やはり非課税貯蓄については、きちんと、恩恵で税金をとらないんですから、それは恩典なんですから、それは厳格に限度を守ってもらわなければ困る。ということになりますと、やはり、私は非課税貯蓄については限度を守らせる、しかしながら、税率については世間並みに直すというようなことが並行的に行われる必要がある。また、資産合算制度というものがありますが、これなども総合課税の中で、なぜ女房の、妻の持参金の資産所得まで亭主の方へ合算しなければならんのか、こういうことは私は制度的にもおかしい。だから、本来ならば、これは総合課税に移行という段階で、ワンセットでこれは議論すべきものではなかったかと私は思っております。しかし、そいつが取りこぼされたということも事実。したがって、私は、まだ時間があるんだから、そういうものについては直すべきものは直して、そしてやはり総合課税移行――所得税の大変革でありますから、それについては、諸外国から見て余り急激なものであってはいけない、やっぱり同じようなものにすべきだということを言っておるわけでございます。
 それからもう一つは、背番号問題。こういうものは完全に誤解に基づいているわけでございまして、そういうことはないんです、これは。残高が幾らであるかも全然わからないんです、グリーンカード制というのは。その非課税の貯蓄の部分、届けた部分だけが要するに一人九百万の限度をオーバーした場合はオーバーした分が課税貯蓄に回ります。オーバーしないようにしてくださいというチェックだけのことでございまして、残高累計がわかって、そこから資産が追及されるというようなものではない。そういう誤解もたくさんございますからPR不足ということも言えるだろう、そう思っておりますので、そういう誤解を解くように、ともかく大いにやらなければならんと思っておるわけです。ところが国会が忙しくて、毎日朝から晩まで張りつけで、とても党とも交渉の暇もないというのも実情でございます。
 以上が私の見解であります。
#63
○佐藤三吾君 いや、大蔵大臣、PRの足らん部分はあなたの方の役割りですから、いまあなたの言い分はよくわかりましたが、しかし、自民党内における三百名ぐらいの署名という、これは私見たことないんですが、そういうのがやられてくると、やっぱりさっき通産大臣がちょこっと言いましたが、法律は守りますと、しかし、法律が変わった場合にはまた変わった法律を守りますと、こういうような何か含みのあるような発言もございましたが、私はやっぱり不公平是正の観点から言っても、それから、いまの財政再建の問題から言っても、さっき大蔵大臣が言っておったように、非課税をきちっと守らしていくということに不徹底な部分がある、そこから出てきておるうみみたいなものが私はやっぱり総合課税制度に対する反対、グリーンカードに対する反対という、そういう勢いになってきておるんじゃないかと私は思うんですね。ですから、これは内閣の責任においてきちっと実行に移さしていく、こういった態度を堅持していかないと、大混乱が起こるというような気がしてならんわけですが、官房長官、総理は本会議答弁では法律は守りますと、こう言っているわけです。ところが、いまその法律を変えようとしておるわけだから、議員立法でもって、たとえば三年間延期するということは、中身は何かというと、なし崩しに廃止しようということでしょう。ですから、そういうような動きに対して、官房長官として内閣の番頭という立場からどう対処していくのか、ここら辺について、もう時間ございませんけれども、御見解を承っておきたいと思うんです。
#64
○国務大臣(宮澤喜一君) 自民党の中で、この問題について非常に多くの署名が集まっておるということは聞いておりますけれども、党の正式機関でこの問題をどうするということは、まだ議論をしているようには承知しておりません。したがいまして、もしそういうことになりますれば、政府としての考えを党の正式機関に説明をいたそうと考えております。政府の考えというのは、ただいま大蔵大臣が述べられたとおりの、そういう線の上のことと存じますけれども、まだしかし、自民党としてはそういう正式機関での討議をしておるようには存じておりません。また、政府の方から税法の改正案を提案するということは予定をいたしておりません。
#65
○佐藤三吾君 ぜひひとつそこら辺は、大蔵大臣も大変だろうけれども、堅持をしてもらいたいということをつけ加えておきたいと思います。
 郵政大臣にちょっとお聞きしますが、この問題で郵便貯金が減額したと、こういうようなお話を聞くんですが、この問題については一体実態はどうあって、どう対処しているのか、これだけ聞いておきたいと思います。
#66
○政府委員(鴨光一郎君) お答えいたします。
 御指摘のことにつきまして、全銀協が試算をしたというふうな新聞記事が出ておりますことは、私どもも承知をいたしております。ただ、その内容につきましては、私ども大変疑問を持っておりまして、五十六年度の郵便貯金の伸びでございますが、伸び悩みはいたしておりますことは事実でございますが、対前年で八一%、対目標比八六%というふうなぐあいで、伸び悩みはいたしておりますけれども、実際的な数字といたしましては、新聞記事にもございますように、七兆六千億円ほどの増加を示しているということがございます。
 それから、なお限度額管理ということは、当然郵便貯金法上の問題として、私ども常に努力をいたしておるところでございますが、預入のときに郵便局の窓口で本人の確認をさせていただく、その上に全国一本で名寄せをいたしております。その結果、限度額を超過しておられる方々につきましては、減額の措置をさせていただいておるわけでございます。それが昭和五十五年度におきましては四万九千件、約五百九十億円ほどございまして、こういったところからいたしましても、その新聞の記事にございました数字がどういう根拠で推計されたのか、私どもといたしましては、理解いたしかねているところでございます。
#67
○佐藤三吾君 結構です。大臣、答弁もらわんままで悪いけれども、かわりに局長の方でいただきましたから。
 次に、院法改正問題についてお聞きしたいと思うんですが、これは官房長官と私とずいぶん長い議論をしてきたんですが、もう会期も来月十九日という、そういう差し迫った状況になっております。たしか一月の十九日だったと思いますが、この決算委員会で官房長官と、今国会に出すのか出さないのかということで議論した際に、長官の方では、なかなかそこまでいってないというふうな御報告だったんですが、これは私は予算委員会の議論をずっと見ましても、理由が、各省庁が不一致だからとか、最近は与党の中が不一致だからとか、かわりに機能強化をしたと、こういうようなことで問題をすりかえておるというように私は思うんですね。これは何もいまの鈴木内閣の問題でなくて、福田さん、大平さんの時代から、御承知のとおりに国会答弁を通じて国民に公約したことだし、さらにまた国会の決議が再三再四衆参両院でやられてきた経緯もある。そういう問題を省内が一致をしないからとか、それから与党の中に不一致が出たとか、こういうことで国民に言いわけができるだろうかという私は疑問を持つわけです。自民党の皆さんも含めて、国会決議では一致してやったわけですね。それほど国民にとっては当時衝撃が大きかった、ロッキード事件にしたって、グラマン、ダグラスにしても。その裁判ももう終結に近づこうという段階で、なお今国会に出さない、こういうことについては私は承服しかねるわけですけれども、官房長官一体どういう御見解なのか承っておきたいと思うんです。
#68
○国務大臣(宮澤喜一君) 自民党の中にそのような有力な議論がございますことは仰せのとおりでございますけれども、問題は実はそれよりも、国会に提出して御審議をいただくべき原案が、政府部内で合意に至らないという点にあるわけでございます。この間の経緯につきましては、何度か佐藤委員に申し上げておりますし、また御承知でいらっしゃいますので省略をいたしますが、私が何度か調整を試みましたけれども、微力でそれが成功いたしません。したがいまして、国会に提出すべき成案を閣議として得ることができないという状況が続いておりました。そこで、昨年の七月に各省庁の事務次官に対しまして、この法改正は検査院の原案のままでは内閣として決定に至ることは困難である。したがって、会計検査院と関係省庁との間で引き続き調整についての検討を願いたい。なお、この間、しかし検査院の検査業務の強化ということは、これは必要であるということにだれも一致していることであるから、その点については各省庁がさらに協力をするとともに、関係の金融機関にその点周知をさしてもらいたい、こういうことを各省庁事務次官に通知いたしますとともに、会計検査院の事務総長に対しましても同様のことをお知らせをいたした、こういう経緯でございます。
#69
○佐藤三吾君 まあ言うならば機能強化と、肩越し検査とか、そういうところに協力を求めたということでしょうね、いまの答弁は。しかし、五十五年度の決算検査を見ますと、依然として百八十件七十億の不当事項が指摘されていますね。これは八%の調査の結果が出てきている内容でございますから、それを類推しますと約一千億近い不当事項と言ってもいいんじゃないかと思うんですがね。そこら辺の実態を今度の五十五年度で見ますと、特徴的なのが補助金とか政策融資、貸付金、工事、こういうところがぐんといみっているわけですね、不当事項の中に。肩越し検査は、これは検査院にお聞きしますが、やっておるわけですが、その中で実態報告を見ると非常にずさんな事例が出されておりますが、検査をやるに当たって、私がこの検査報告を見て感ずることは、政策融資の融資額の消化の方に力点が入って、そしてその結果今度は借りる方の業者の方は親方日の丸だからということで借り得だと、こういう気配が感じられるんですけれども、こういった肩越し検査をやっての感触というか、いま私が申し上げたような点についてどう受けとめておるのか、それが一つ。
 それから、いま長官はああいうことをおっしゃいますが、今度の検査報告を見ると、輸銀や開発銀行の関係のあれが出てないんですが、これは肩越し検査をやったんですか、やらんのですか。
#70
○会計検査院長(大村筆雄君) 肩越し検査をやっての感触がどうであったかということと、それから、輸開銀に対して肩越し検査をやったのかどうかという御質問だと存じますが、もう何回も申し上げておりますから、十分おわかりいただいておることと存じますが、検査院法制定は昭和二十二年でございまして、その後現在のような政策金融機関が続々とできたわけでございまして、その間の検査院法の権限の不足を補うために、必要な場合には肩越し検査で貸付先まで検査に回る、要するにそれを肩越し検査と申しておるわけですが、融資の内容自身はもう御存じのとおり、これは租税資金を元としての出資金とか、補給金、あるいは国民の零細資金を原資とする財政資金でやっておるわけでございますから、そういう背景のもとに、必要な場合は融資先まで行っておるわけでございますから、そのことにつきまして、各機関のうち特に非常に融資件数が多くて、また審査能力が比較的低い場合には、どうしても融資の内容にずさんなものが相当あり得るわけです。そういうことで、もう三十年になりますか、大多数の融資機関に対しましては、問題なく肩越し検査を実施いたしまして、その間毎年のように検査報告に不当な事態を御報告申しておるところでございます。したがいまして、審査能力の比較的高いところにつきまして、かつそういういま輸・開銀という御指摘ございましたが、融資行が十行でございますか、銀行が二銀行、そのほか融資関係の事業団、公団ございますが、その中でも輸・開銀はずば抜けて審査能力がこれは高いわけでございまして、しかも融資案件も比較的相手が大きな企業、あるいは中堅企業でございますし、プロジェクトも大きい関係で、融資案件も少のうございますから、審査内容は相当しっかりしております。したがいまして、銀行へ参って検査をすることによりまして、個々の融資案件の内容について十分な御説明をいただける、したがって、その間肩越し検査をする必要がなかったわけでございます。まあ昨年はと、今度の検査報告に何も載っていないじゃないかという御質問でございますと、昨年は、昨年末の検査報告を出すに当たりましては、肩越し検査の要求はそういうことでいたしておりませんから、そういう不当な事態が認められる案件がございませんので、検査報告には載せてないということでございます。
 それから、肩越し検査につきまして感触はという仰せでございますけれども、ただいま御指摘ちょっと一例としてございましたように、金融がタイトの場合と緩慢の場合がございます。緩慢な場合には、したがいまして資金運用部もわりあい資金も集まりますし、各政策金融機関の融資規模も比較的ふところが広いわけでございます。かつまた民間からも個々の業者の方は借りやすいということで、どうもだぶつきぎみの場合はとかくそういう傾向になりがちだということも一概には否定できないところだと存じます。したがいまして、そのことがひいてはまた租税資金による出資金の増加あるいは補給金の増加等も招くわけでございますから、目的外の融資その他につきまして、審査は十分やらないで、そういうずさんな融資があります場合には、十分な検査をいたしまして、毎年のようにそういう場合は検査報告に掲記し御報告申し上げておるとおりでございます。
#71
○佐藤三吾君 いや私が聞いておるのは、五十五年度決算のあれを見ると、政策融資――いわゆる貸付金、補助金、工事、こういうところが不当事項として今度はかなり数字が上がってきておるわけですね。問題はそういうところになぜ上がってきたのか、逆に言えば、さっき官房長官は肩越し検査でもって協力するようにということを通達を落としたと言うんですが、その結果こういうことになったのか、それとも、そういう中で輸銀や開発銀行がないのは一体どういうことなのかと、こうお聞きしたわけです。
 私は、検査官としてこういう問題をやった中で、私自身がやっていないから肩越し検査というものの実感というのが出てこないから、果たして国会決議をしまして、そうして検査院が院法改正案を出した、その出したものが肩越し検査でかわることができるのかどうなのか疑問を持っているわけです。官房長官のようにはすっきり割り切れない。そういう意味で聞いているわけですが、いかがですか。
#72
○会計検査院長(大村筆雄君) 肩越し検査でもってかわり得るかという御質問でございますけれども、先ほど官房長官御答弁ございましたように、さらに各省によく検査院と相談して詰めるようにという指導をなさったという御答弁ございました。各省の御見解をときどき承ってみますと、たとえば、先般もたしかこの席で御答弁があったわけでございますけれども、一体検査手法――私どもが今回院法の内容に載せております検査手法というのは、まさに肩越し検査そのものを院法にこれ載せておるわけでございます。したがって、別に肩越し検査の手法と違った手法をやろうとしているわけじゃないわけです。それから、たとえば防法改正というのは、これは肩越し検査の法定化ということでありますけれども、この調査権自身はお断りになったところで別に罰則があったりなんかするようなものじゃない、非常に微弱な権限でございますけれども、もうこのごろはそんなことをおっしゃる方は政府部内にはないと思いますけれども、一時は強制立入調査権限を与えることになるんだと、大変なことだという言い方をされる方も政府部内にはあったわけです。これはとんでもない誤解であります。
 それから、先般も、それ以外の改正内容につきまして、現在検査院法上は、国または公社の契約の相手方、その場合、工事または物品納入の相手方に対しては検査ができるということをはっきり明定してあるわけです。最近のように役務関係の契約が相当ふえますと、最近工事等に見られますように、あるいはその他の物品納入に見られますように、談合問題等の事態を見ますと、役務関係につきましても、相当な金額の役務関係があるわけでございますから、これも放置できないわけであります。バランス上当然のこととして、役務もこの際検査の対象にする必要があるんではないかという点につきましても、いまだにどうも疑問的な御答弁しかしてないと、そういう状況でございますから、恐らく官房長官の方とされましても、さらにそういう点を政府部内でもっと勉強して詰めなさいということで御指導いただいているんだと存じます。
 肩越し検査でもって間に合うのかということでございますけれども、私ども院法改正通りましても、いきなりこんなものでやろうと思っているわけじゃないんでございまして、従来どおり肩越し検査でまずお願いして、何らかの理由でもって、どうも検査院が見ましても、だれが見ても、これはおかしいぞという貸付案件について、肩越し検査でいかしてくれということに対して十分に御説明いただけない、あるいはそれもお断りになるというような場合は、これは調査権に基づいてやらにゃいかん場合もあり得る、そういう場合を想定しての調査権でございますから、私どもの検査手法はあくまで肩越し検査が原則、調査権を仮に発動することがありましても、検査手法は肩越し検査と同じ検査手法をとるわけでありますから、特に調査権が与えられたからと言って、その調査権を乱用しようとかなんとかということでもございませんし、肩越し検査をいままで御協力いただかなかったところに対しても、今回は官房長官の格別の御指導で、政府部内に、それらのいままで協力しなかった機関に対しても、肩越し検査には十分協力するようにという指導通達出していただいたわけでございますから、私どもは必要な場合は肩越し検査をやることによりまして、十分な検査成果を上げるように努力してまいりたいと思います。
#73
○佐藤三吾君 中曽根長官、これいま第二臨調で財政再建を含めて議論いただいておりますが、いわゆる検査院の検査結果を見ましても、十五兆円の補助金の乱費の問題なり、政府資金融資が五十四年度決算でたしか残高が四十九兆円あったと思うんですが、恐らくいまは六、七十兆円になるんじゃないかと思うんですけれども、そういった融資先に対する検査の適正化、こういったものが院法改正になっておるわけでございますが、それで、その中身については、いま検査院長からお話があったように、肩越し検査をやるためには、院法改正が必要だと、そういう前提としている院法改正案が、もう福田さんが国会で答弁いただいてから約四年になるんですかね、官房長官のところでとまっておるわけですよ。これは行革という観点から見ても、私はやっぱりこたえなきゃならない課題だと思うんですが、どうですか。あなた自身はこの問題についてどういうふうに受けとめて、そして、院法改正についてどういう考え方なのか、お聞きしておきたいと思うんです。
#74
○国務大臣(中曽根康弘君) この問題は国会方面の御要望が強く意として持ち上がったものでありますので、政府といたしましても、取り扱いを慎重にして、誠意を込めてやらなければならん問題であると思っております。ただ、各省との調整の関係で、官房長官が非常に苦労しておるところでございますので、官房長官の調整を見守っておるというのがわれわれの態度であります。恐らく官房長官もいろいろ各省の意見も聞いてみて、そして、それぞれの理由があると、恐らく各省は民間活動が活発になるのをこれで阻害されると、そういうようなおそれを抱いているのではないか、あるいはまた法律ができるというと、院長や検査員がいかに慎重な態度をとっても、それはひとり歩きしてくる、そういうような場合も考慮しているのではないかとも想像されますが、それらの点について、官房長官が各省との間にいかなる調整をおやりになるのか、見守っておるという状態であります。
#75
○佐藤三吾君 さあそこで見守られておる官房長官ね、これさっき検査院長にも言いましたように、肩越し検査をするためには院法改正が必要だと、こう言っておるんです。しかも、それぞれ内部監査ございますね。輸出入銀行なら輸出入銀行にしても、開発銀行にしても、どこにしてもあると思うんですね、内部監査が。それから所管省庁の監査体制もあるでしょう、指導監査も。しかし、それがやられておるにもかかわらず、こういう事件が次々に起こってくるわけですね、融資先で。ですから、検査院の監査が必要になってくる、こういうのが院法改正の趣旨だと思うんです。しかし、院法の中身についてはもう御承知ですからここで言いませんが、非常にそういう点を配慮した改正案であることは間違いない。こういう法案ですから、これは今国会に出さないのか、それとも出すのかという問題もありますが、官房長官として、何かこう見ておると、もうこの防法改正問題についてはできるなら消していきたい、もうこういう議論がないように院法改正を葬り去りたいと、こういう発言のような感じもするんですけれども、今国会に出すのか出さんのかという問題と、もう一つはこの院法改正問題の処理をどうしようとするのか、そこらについてあなたの御意見をお伺いして、この問題を終わりたいと思うんですが、いかがですか。
#76
○国務大臣(宮澤喜一君) 会計検査院のお立場からすれば、いろいろにお考えの上で、各省庁にも受け入れやすいと思われる改正案をお出しになったものと存じますけれども、それでもなお各省庁の立場から言えば、先ほどいろいろお話もありましたような観点で疑問が氷解しないと、こういうことでございますので、私としては、昨年の夏に一応私の手元における調整を中断をいたしまして、もう一度各省庁と会計検査院との直接のお話に問題をお返しをしたいということであります。なお、その間、会計検査院の検査機能の強化ということについては、これはお互いに異議のないところでありますから、できるだけ各省庁も協力をしなければならない、こう思いまして、そのことを各省庁に伝えるとともに、関係金融機関にも周知方を依頼をしたと、こういう経緯でございます。
#77
○佐藤三吾君 そうすると、官房長官としては調整行為はもうしないということで検査院の方に戻したと、こういうことですか、はっきりしてください。
#78
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の七月に、各省庁の事務次官、それから会計検査院の事務総長に対しまして、直接の調整をお互いにしてみてほしいということを、内閣官房副長官からお伝えをしてございます。
#79
○佐藤三吾君 わかりました。これはひとつ二十六日に総理とやりましょう。
 そこで、次に移りますが、談合問題でちょっとお聞きしたいと思います。
 建設大臣、十四日ですかね、あなたと談合問題で議論しましたのはね。あなたは中建審の答申をもとにやっておると、こういう答弁だったんですが、私が十四日の日に問題提起をしましたのは、予定価格というものがもうこういう公然たる事実として、事実上秘密でなくなっておる。それはだれがどうしたかと言えば、いわゆる発注者、政治家、OB、こういうものを通じて漏れてしまっておると、そこに談合が存在する、こういう点が国会の議論の中では浮き彫りになってきたんじゃないか。しかも、これは主として公共事業二十兆円をめぐってほとんど全部でやられておるといって過言ではないのじゃないか。こういった事態をどう再発防止をしていくのかという観点に立って、私は予定価格はもうこの際公表したらどうかと。同時にまた、それに基づいて競争入札の結果と経過についても公表すると、こういった方法をとったらどうかということを問題提起したんですが、きのうの新聞を見ますと、土工協の方が私と同じような提案をやってきていますね、一番いまの談合のメッカというか、一番中心になっておったところが。これを見まして、私はやっぱりなるほどと、土工協の皆さんも決していまのあり方については、当事者としても賛成しておったんじゃなかったんだなというような気もしたんです。しかし、いずれにしても再発防止という観点に立って考えてみますと、やっぱりいかにして政治家なり、そのための天下りとか、おみやげつきの天下り、こういったものをなくしていく方法は、やっぱり競争入札という方法しかないんじゃないか。しかも、土工協の意見を見ますと、中小企業については保護する立場から若干の指名制度を残すというようなことを出されておりますが、この考えについて建設大臣の見解はいかがですか。
#80
○国務大臣(始関伊平君) ただいま入札制度の改善に関連いたしまして、いろんな点の御指摘がございましたが、そのうちで入札結果の公表という問題につきましては、去る三月三十日に中建審から正式に答申をいただきまして、ただいまそれを実行に移すべく準備中でございます。多分六月一日には建設省傘下の各発注機関につきまして、それが実行できるだろうと考えております。そういったようなことをだんだんやってまいりまして、いよいよ中建審の仕事として最後に残っておりますのが、入札制度の改善をどうするかということでございまして、ただいまお話がございましたが、土工協をも会員とする日本建設業団体連合会という非常に包括的な大きな団体で、何かいろいろ相談しまして、一般競争入札に移行することについて検討しようじゃないかということを決定したということが新聞に報道されておるわけでございます。これはなかなか大きな問題でございまして、もしああいう大きな団体でいろいろ論議を重ね、検討を続けた結果、その団体として正式に意見が決定すれば、これはこれで相当注目すべきことだろうと存じます。それで、御承知のことと思いますが、土工協も日本建設業団体連合会も中央建設業審議会の委員を出しておるわけでございますから、そこで決定すれば中建審の方に持ち込むと、新聞報道にもそう書いてございましたが、それを受けまして中建審で議論をすると、こういうことになるわけだと思うんでございまして、この委員会等におきましても、なぜ指名入札制度をやっておるかということにつきましては、たびたび御説明申し上げました。非常な長所もございますが、同時にまたこれがいろんな弊害を生む源泉になっておるんじゃないかというような御指摘もございまして、それにはそれでやっぱり傾聴すると申しますか、反省しなければいかん点もあるというふうに私自身も考えておりますが、いずれにいたしましても建設省としては、ただいま申し上げましたような各民間団体の意見をも受けまして、その結論が得られると思うんでございます。その結論が得られましたその暁には、建設省にお申し出があると思いますので、その所要の改善措置を講じたい。予定価格の問題等につきましても、その一環として、まずその意見を聞きたいと、かように存じております。
#81
○佐藤三吾君 いま建設大臣からきょうはすっきり答弁をもらいましたから、私は結構だと思います。そういう方向で、ひとつぜひ競争入札を原則とする方向を基本において、中建審の今後の答申を推進してもらいたいということだけつけ加えておきたいと思います。
 そこで、この談合問題について国会であれほど議論になったんですが、どうもやっぱり国税庁、警察の動きがこの問題鈍いようでございますが、いまどういう取り組みをやっておるのか、それだけを聞かしていただきたい。
#82
○政府委員(小山昭蔵君) お答えいたします。
 建設業者が入札に際しまして同業者等に支出いたします談合金、あるいはこれに類似した支出金の取り扱いにつきましては、税務上はこれは支出した会社の交際費として課税すると、こういうことになっております。また、その支出に際しまして、これを外注費等経理上仮想隠蔽に当たる行為があるという事実が把握されました場合には、これに対して重加算税をもって臨むという厳正な態度を打ち出しているところでございます。
 本国会におきまして御論議いただきました牛久沼の工事に関係いたしました各業者につきましても、東京国税局並びに関東信越国税局におきまして、十分その実態を調査いたしました上で、ただいま申し上げましたような方針に従って、それぞれ適正、厳正に処理することといたしておるところでございます。
 なお、これに関連いたしまして、建設業者等の同業者団体が、上納金あるいは特別分担金等の名目で、会員から徴収いたしました資金を、談合金であるとか、その他の支出金に充てておるというような場合の課税上の取り扱いにつきましては、国税庁におきましては、これは当該団体が現実にその金を支出いたしました時点におきまして、その使途に応じまして、個々の会員が直接交際費、あるいは寄附金を支出したものとして、これらの会社に対して課税すると、こういう取り扱いをいたしているところでございます。
 そこで、昨年十二月にこの種の取り扱いの趣旨を徹底を図るために、各国税局に対しまして、これらの同業団体に対する指導の充実と、各会員である会社に対する課税の適正化について、特に指示をいたしたところでございますが、その後におきましても、建設業界につきまして、いろいろとこの種の事案が報道等されておるというような事態を踏まえまして、この三月、建設業界の同業団体に対し、早急に各国税局並びに税務署は接触をとりまして、十分これを指導するようにということを重ねて注意いたしたところでございます。
#83
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。
 かねがね申し上げておりますように、警察は適正な刑罰権の行使を通じて、結果として公共工事の公正に寄与してまいると、こういう立場で、一連の談合をめぐる問題に対処しておるわけでございます。本日も横浜地方裁判所を舞台といたします競売をめぐる入札事件に着手したわけでございますが、ことしに入りまして五件の談合事犯の検挙を見ておるところでございます。なおまだ幾つかの件におきましては、それぞれ容疑性ありとして内偵中の事件もあるわけでございます。これまた御案内のことと思いますが、今日の刑罰法令では、公正な価格を害し不正な利益を得る目的をもってする談合が、これが処罰の対象になるわけでございまして、これは昭和十六年の刑法の改正のときにも、そういう目的罪にすることによって処罰の範囲を狭めようと、こういうことで両院協議会まで開いて決められた法律でございまして、したがいまして、目的罪としての立証をしてまいらなければならんと、そういうことで通常の事件よりはより多くの捜査上の技術も要るし、立証上の困難も伴うわけでございますが、私どもといたしましては、今日の談合の持つ政治的、あるいは社会的、あるいは財政的意味を踏まえて厳正に対処をばしておると、こういうことでございます。
 なお、談合と非常に密接な関連のある贈収賄事件についてでございますが、昨年も百十二の事件を贈収賄事件として各県の県警が検挙いたしておりますが、そのうちの六十二は公共工事に絡む事件でございます。ことしも三十八の汚職事件を現在までに検挙いたしておりますが、そのうちの二十一件はこれまた公共工事に絡む問題でございます。したがいまして、私どもは現行の談合罪、これを厳正に適用してまいる。特に私どもといたしましては、今日の状況からいたしまして、悪質で証拠の明白なものについて、やはり一罰百戒の効果を挙げる、そういう方向で私は談合の問題に取り組むべきであると、このように考えて第一線を指導しておりますし、それから、談合と密接な関連のある、これは受注、発注両側を処罰し得る贈収賄について、従来以上に積極的に取り組むように、このような指導をいたしておるところでありまして、なかなか先生方ごらんになっていれば、成果がどしどし出ないではないかと、こういう立場からの御指摘だと思いますが、そういう方向で努力をいたしておりまして、逐次成果を挙げていきたいと、このように考えております。
#84
○佐藤三吾君 お聞きのとおりでね、建設大臣。先ほど私が申し上げたように、それをなくしていくという観点でも、いま警察から報告がありましたような実態をひとつ含んで、ぜひひとつ競争入札の談合再発防止のそういった制度を確立してもらうように、私から強く要求しておきたいと思います。よろしいですか。
#85
○国務大臣(始関伊平君) 承知いたしました。
#86
○佐藤三吾君 次に、天下り問題で質問したいと思いますが、この問題は参議院の予算委員会でもずいぶん議論になっておるんですがね。私も議事録を見まして驚いたのは、年金福祉事業団について見ると、役員の天下りも問題ですが、いわゆる一般職員の天下りが大変多い。中身を見ると、七割が厚生省からの出向組、天下り組というか、こういう実態にあるんです。プロパーの職員は三一%しかおらない。私はその中身を見ますと、管理職員二十一名、その下の調査役が十三名、これは全員出向天下りですね。それから係長三十三名中三十一名が天下り、事務職員八十六名中四十七名が天下りということで、上だけじゃなくて、全部が天下りというか、出向組になっておる。まるで厚生省の分室みたいなかっこうになっている。こういうことをしなきゃならんという理由は一体何なのか。予算委員会の答弁見ますと、業務の関係からそうせざるを得ないということを言っていますが、社会保険庁が一番主力になっている。社会保険庁はいわゆる保険料の徴収ですわね。ここは仕事が全然違う。融資をしたり、こういった仕事の内容から見ると、社会保険庁からの出向ということはあり得ない。ところが、現実はそういう実態になっている。これに対して、総理を初め答弁を見ますと、これはまことに遺憾なことだと、したがって、厚生省に言って早急に是正させるよう指示をしたと、こういう回答が出されているんですが、にもかかわらず、この実態が改善されてないということは一体どういうことなのか、厚生大臣とあわせてお聞きしたいと思うのです。
#87
○参考人(八木哲夫君) 先生御指摘のように、年金福祉事業団の職員構成につきましては、現在百七十一名中出向職員が百十七名、プロパー職員が五十四名ということで、六八・四%が出向職員ということでございます。
 確かに、事業団の仕事につきましては、年金の還元融資ということで、年金制度に非常に関係の深い社会保険関係の方々の出向が大きなウエートを占めているわけでございますが、特に最近の問題としまして、一番大きな理由といたしましては、年金福祉事業団の事業量がここ十年間程度の間に急速に伸びてまいったということでございます。四十八年以来、従来は事業主に対します厚生福祉施設への貸し付け等が中心でございましたが、新たに被保険者に対する住宅資金の貸し付けがふえるとか、あるいは担保資金の貸し付けがふえますとか、大規模基地の事業がふえるとかということで、事業規模が非常な急速な勢いで拡大してまいりまして、ここ九年間に、四十八年に比べまして事業計画が、資金量にしまして四十八年千五百十億というのが、最近五十七年度では一兆を超すということで、七倍以上に伸びているわけでございます。
 一方、職員の定数というのはなかなかそう簡単にはふえないということで、事業量の伸びに比較しまして三〇%程度しかふえておらないということもございますので、どうしても急速な事業量の増に対応するというためには、即戦力をとらなければいけないというようなことで、社会保険関係の行政経験を有する方に、どうしても優先的に業務に当たっていただくというようなことがございましたので、プロパーの職員の比率というのがなかなか上がってこなかったわけでございます。ただ、できるだけこういうような事業量の増に対応しますためにも、仕事の機械化を行いますとか、それから提携化を行うというようなことをいたしまして、特に社会保険関係は年金の資格記録等、業務課におきましてコンピューター処理をやっておりますので、年金福祉事業団におきましても、オンラインを結ぶというようなことで、機械化関係を非常に急速に進めるというようなことから、特に機械化関係の人を中心にして持ってまいりましたが、いずれにしましても従来より落ちついてまいりましたので、できるだけプロパーの職員をふやしてまいりたいということで、従来、余裕がございませんでしたけれども、これからは新規学卒者も採るということで、ことしは四人、ここ数年来ないことでございますが、新規学卒者を採用いたしまして、将来の方向としましては、できるだけプロパーの職員をふやしていきたいという方向で進んでおるところでございます。
#88
○佐藤三吾君 そういううそを言っちゃいかんですよ。いま言うように、業務量がふえて、定数が足らんからできるだけ即効的な職員を採用しなきゃならんと、そういう意味で出向が多いんだということをあなた言ったわけですが、そんなうそを言いなさんなよ。そんならなぜこの出向組がたった一年でくるくる本庁帰りをやっておるんですか。管理職にしたって、一般職にしたって、一年か二年で皆帰っちゃうじゃないですか。そんな業務量に伴って人員を入れようとするなら、じっくりそこに腰はめてベテランを養成するというなら別ですよ。年金福祉事業団の人事のこの異動状況を見ると、一年で皆帰っちゃうじゃないか、今度も三十名四月一日付で退職して、そのうち二名は事実上退職だよ。ところが、二十八名は厚生省に帰っちゃうじゃないか、そして厚生省からまた新たに二十八名来ているじゃないか。一人の人間をずっと追ってみると、大体一年ぐらいでくるくる帰っちゃうじゃないか。そんなあなた、でたらめ言いなさんなよ。私はどっちに原因があるかわかりませんよ。厚生省の方が五%と一遍定員法で抑えられるものだから、その逃げ場に使いよるのか、それともおたくの方でそれを受け入れるという特殊条件があるのか。そういうようなことが、たとえば医療金融公庫の中でも、この間逮捕事件が起こりましたね、不正融資で。これは何かと言えば、言うなら上の方がくるくるかわっていくから、プロパーでああいう仕事ができるわけですね、言いかえれば。だから、私はやっぱりここら辺は責任を持った体制をつくるんなら、もっとプロパーをふやして、そうして仕事の習熟度を増していく努力をすべきじゃないかと、こういう観点で言っておるんですからね。そんなでたらめはやめなさいよ。
#89
○参考人(八木哲夫君) 今回四月の人事異動で、御指摘のように出向職員につきましての人事異動が二十数名ございました。ただ、今回の出向しました職員の平均在職期間は二年十カ月でございます。私どもとしましても、できるだけ長い期間いていただきたいということがございますけれども、やはり出向職員が相当のウエートを占めておりますので、定期の人事異動というのはどうしても行えない面もございますので、できるだけ長期間勤務すると。それから逆に出向職員で参ります場合にも、社会保険関係で特に機械関係をやった方ということをできるだけ中心にやっておりまして、現在、機械関係をやった職員は八十八人ぐらいが対象になっているというふうに記憶しております。ただ、いずれにしましても、私ども長期計画としまして、できるだけプロパーの職員をふやしたいと、当面の目標としましては、プロパーとそれから出向職員の比率を五〇対五〇ぐらいに持っていきたいという目標のもとに進めておりまして、先ほど御答弁申し上げましたように、ことし初めて最近にない四人という採用をしたという点を御了解いただきたいと存じます。
#90
○佐藤三吾君 五〇対五〇にするわけだな。間違いないね。
#91
○参考人(八木哲夫君) 目標といたしまして五〇対五〇にいたしたいということで考えております。
#92
○佐藤三吾君 厚生大臣どうですか。
#93
○国務大臣(森下元晴君) 年金福祉事業団の目的は、もう御承知のように、お預かりいたしました年金の積み金を効率的に使用していくと、これが目的でございまして、そのために職員をいかに配置したらいいかということに尽きると思います。そういうことで、佐藤委員の御指摘のように、一年交代とか、二年交代とか、短期間で職員の出入りをする。これはいい点よりもむしろ悪い点が多かったと私も思っておりますし、早くこのプロパーの職員がすべてをやれるような状況に持っていくのが効率的な経営であると、このように実は思っておるわけでございまして、いま事業団の方から御説明いたしましたように、当面職員総数の二分の一程度にするように、改善方の指導をいたします。
#94
○佐藤三吾君 ぜひひとつ、やっぱりプロパーでないと仕事は責任持ってできませんよ、腰かけでは。そこら辺ひとつ大臣も理事長もきょう二分の一にするという約束ですから、これひとつ具体的に実施をしてもらいたいと思います。きょうは時間がございませんからこの程度にとどめます。
 それから、次に学校給食の問題で、文部大臣も見えておりますから、時間ございませんから一言聞いておきたいと思うんですが、兵庫県の姫路市の学校給食業務ですが、これが欠員八名の補充問題をめぐって、ずっと昨年の暮れからこじれておったんですが、労使の交渉の中にあって補充をするという確認をしておった。ところが、新学期が始まって四月十日の土曜日に、突然八名の補充はせずに下請に委託をした、こういう事件が起こっておるわけです。学校名は白浜、大津茂、それから広畑第二小学校、この三つの小学校の給食業務が下請になったわけですが、その問題をめぐって、これは労働協約違反の問題でもありますし、団交権否認の問題もございますし、さらに調べてみますと、職安法四十四条に違反する委託契約にもなっておる、こういった点が出されておるわけですね。この問題で、十二日に組合員が出てみますと、これは月曜日ですから、十日は土曜日ですから、そうして日曜日を置いて月曜日に勤務をしてみますと、むしろ警察官二十名を動員して組合員を排除すると、こういうようなトラブルに発展しておるわけです。これは今後運動が発展してくると思いますが、こういう事例に対して文部省はどういうふうにとらまえておるか、まずお聞きしたいと思います。
#95
○国務大臣(小川平二君) 姫路市におきまして五十七年度の学校給食を実施する際に、一部の小学校の調理業務を民間業者に委託をしたということを聞いておるのでございますが、その詳細について承知いたしておりませんので、ただいま兵庫県教育委員会を通じて調べておるところでございます。
#96
○佐藤三吾君 警察はどうですか。
#97
○政府委員(山田英雄君) お尋ねの事案につきましてお答え申し上げます。
 四月十一日に、姫路市の教育長、それからただいま御指摘の三つの小学校の校長から、連名でそれぞれ所轄警察署に警備要請書が提出されたわけでございます。それによりますと、各小学校の学校給食の調理業務を民間業者に委託した、そのことに関して市の従業員組合が給食調理に対する妨害を行おうとしているために、学校の教育活動に重大な支障を来すおそれがある、したがって、所要の警備を要請するということでございました。こうした要請に基づきまして、折しも交通安全運動の期間で大変警察は多忙であったわけでございます。しかも、児童が大ぜいいる小学校という特別の状況もあったわけでございますが、そうした事情を勘案しまして、ただいま二十名とおっしゃられましたが、各小学校ごとに私服の警察官を三名ないし五名、特に少数に限定しまして、十二日の朝から配置し所要の警戒を行いましたが、それぞれの小学校ごとに二十名程度の組合員が集合したようでございますが、格別の不法事案の発生はなかったと報告を受けております。いまお尋ねにございましたような組合員を警察官が排除するというようなことも全くなかったわけでございます。
#98
○佐藤三吾君 労働省はいかがですか。
#99
○政府委員(関英夫君) この事件につきましては、先生からお話を伺いまして初めて知ったわけでございまして、現在私ども詳細をまだ十分知っておりません。
#100
○佐藤三吾君 たとえば、施設や設備、用具、資材、こういうものについては学校の所有するものを使うわけですね。そうして使用人については、学校長、栄養士、給食主任、こういう者の直接指示のもとにやる、こういう内容になっておるんですね、契約を見ると。これは職安法四十四条との関連でどう思いますか。
#101
○政府委員(関英夫君) 先生も御承知のとおりに、職業安定法四十四条で、労働者供給事業が一般的に禁止されて、労働組合以外については行うことができないわけでございますが、契約によりまして、請負契約だというような形式をかりて、実質的に労働者供給事業を行うということのないような判断基準といたしまして、幾つかの点を省令で列挙してございます。
 その中に、一つは、派遣された労働者の指導監督を派遣元といいますか、いまの場合で言えば民間会社が使用者として指揮監督することとか、あるいは設備その他資材等は会社の方で用意するとか、あるいはまたはその行う業務が規格的なもの、あるいは専門的な、あるいは熟練した労働といいますか、そういうものであること等、幾つかの要件が定められておるわけでございます。
 そういう意味で、この姫路市の教育委員会の民間会社への委託というものが、そういう職安法の禁止する労働者供給事業に当たるのか当たらないのか、いろいろ問題点があろうかと思いますが、その契約の内容なり、あるいは実態なり、十分調査いたしませんと、何とも現在のところは申し上げかねるわけでございます。
#102
○佐藤三吾君 もう時間がございませんからこれでやめますが、文部大臣、いま言ったように、この事件は職安法四十四条に違反するような事例の内容にも当たると思います。早急にひとつ調査をして、そうして報告いただきたい。労働省も同じです。よろしいですか。
#103
○国務大臣(小川平二君) 仰せのようにいたします。
#104
○国務大臣(初村滝一郎君) 労働省としても早速事態を調査しまして、早く結論が出るように善処いたします。
#105
○峯山昭範君 私はきょうは特に公共事業の入札のあり方の問題につきまして質問をしたいと思っております。それからあと、地方財政の問題、それから私的諮問機関につきまして質問をいたします。
 特に、最近日本全国で、建設工事、公共工事に対しまして、談合の問題が日本全国至るところで起きております。そういうふうな関連から、きょうは初めに談合の問題について建設大臣並びに行管庁長官、自治大臣、それから公正取引委員長、会計検査院長の皆さんにそれぞれ御見解をお伺いしたいと思っております。
 特に、最近談合が日本全国にまたがりまして、国の事業だけではなくて、それぞれの地方自治体におきましても、いろんな談合の問題が新聞報道等でなされております。したがいまして、地方自治体の談合の問題につきましても、後ほど自治大臣にお伺いをしたいと思っております。
 そこで、初めに建設大臣にお伺いをいたします。きょう初めに談合という問題についての大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
 談合というのは、これはいいか悪いかといいますと、悪いに決まっているわけであります。しかしながら、業界の中にもあるいはしかるべき識者の中にも、談合というのはやっぱり必要悪じゃないかというふうなことを言う人もおりますし、そういう考えも根強くあるわけであります。そういうふうな中にありまして、これは建設業法の所管大臣といたしまして、談合という問題が特に刑法の中で定められておりますし、また建設業法の中でも、いわゆる刑法の談合罪の遵守義務もあるわけですから、そういうふうな面から考えてみますと、談合という問題は基本的にどうあるべきかと、何が談合で、これからどうすべきかというふうな問題は、いま審議会で検討していらっしゃるわけではありますけれども、やっぱり大臣の基本的な認識を、初めに公共工事の最大手の発注者であります建設大臣から、率直な意見としてお伺いしておきたいと思います。
#106
○国務大臣(始関伊平君) 談合の疑惑が昨年の夏ごろから全国の至るところで指摘されておりますことは大変残念でございます。
 いまお話のございましたように、業界の一部、あるいは世間に必要悪ではないかという議論のあることも承知いたしておりますが、一体私どもは談合はその態様のいかんを問わず、この程度の談合ならいいとかなんとかいうことは全然考えておりません。その理由はもう申し上げるまでもございませんが、第一に競争入札制度で落札者を決めるというのがいまの根本のたてまえでございますのに、競争によらずに業者の話し合いなり、あるいは一部のボスなどの采配で決まってくるということでは、何のために入札制度というものがあるのかわからんことになります。これが第一点でございます。
 それからもう一つは、公共工事は、これはいずれも国民の金、国家の金でありますから、それを業界の人たちの話し合いで、あるいは特にボスか何かの采配、裁量で決まるということになりますと、これは国の金を私するということにもなりますし、そういったような点から申しまして、私どもは談合と名のつくものはすべてこれは不当なものであり、好ましからざるものである、また正当化されるべきものではないと基本的に考えております。
 談合の対策につきましては、いろいろあるのでございますけれども、私はこの問題につきましては、すでに起こってしまった談合に対する国としての対応と、それから談合というものが起こらないように入札制度その他を変えるという問題と、大きく二つに分けることが必要だと思います。
 前の方の談合の疑惑が起こったという場合の対処につきましては、これは行政管庁としての建設省よりは、むしろ司法機関並びに準司法機関と言われる方面の国家機関の責任に属する分野が多いのでありまして、一罰百戒という言葉もございますが、その方面の勇断を私は期待したいと考えております。
 もう一つ、建設省の立場から申しますと、やはりこの入札制というものが何か空洞化しておるようなことでございますと、談合が起こりやすいわけでございますので、この入札制度を合理化し、改善いたしまして、そして入札制というものが本当の意味の競争入札になるようにやってもらいたい。つきましては、中建審という学識経験者も含めました権威のある機関がございますので、その審議を待ちまして、入札制度についての根本的な刷新を図ってまいりたいと、かように存じておる次第でございます。
#107
○峯山昭範君 大臣、いかなる談合行為もいかんと、それはそうでしょう。しかし、談合行為というのは何ですか、これ中身は。どういうことを談合行為と大臣はおっしゃっているのか、そこのところをもう少し明確に教えていただけませんか。
#108
○国務大臣(始関伊平君) 談合には刑法の談合罪に言う談合もございますし、また公取の方で競争制限行為としてのシステムと申しますか、そういったような意味の談合もございますが、私どもが一般に談合と申しますのは、ある公共工事の受注を一緒にいたします者たちが、意思の共謀によりまして、特定の者を落札者と決めまして、その者が落札するように協力することであると、邪魔をしないことであると、かように存じております。
#109
○峯山昭範君 よくわかりました。一つの公共工事について、それを落札しようとする者が、意思の共謀によりまして、一定の方法によっていわゆる落札者を決めると、こういうことですね。ということであれば、大臣、先日の衆議院の予算委員会におきまして、わが党の矢野書記長がダムの工事について大臣にお尋ねをいたしました。それで、当時大臣にもあの一覧表をお見せいたしまして、いろいろと検討いただきました。あのとき大臣は、この四十七年に建設省からお出しいただきました資料が私の手元にもあるわけでございますが、いわゆる大臣の御答弁によりますと、計画一覧表なる資料、これ資料が存在し、談合行為の疑惑を起こしたことはまことに遺憾であると、こういう大臣の御答弁だったわけですね。そして、その後事務当局から談合行為はなかったと、こういう建設省としての見解も出たわけであります。しかしながら、これは私の手元にもあるわけでありますが、この資料によりましても、これ少なくとも当時指摘されました全部で十九件のいわゆる工事の中で、まるっきり表と違った工事案件というのは一件だけでございますね。そして、そのほかの分については、まるまる当たった分が八件、そしてその中の大部分といいましょうか、主体をなしておるあれからいきますと、これは後でいわゆる大手の工事会社によその地元の業者がついたとか、本当に一部加わったとか、あるいは二社でやる予定のところが一社になったとかいうだけでございますね。こういうふうな点からいきますと、いま大臣がおっしゃった、これは少なくとも土工協の皆さん方が一つの特定の工事に対しまして、それぞれ希望を出して、建設省では偶然そうなったとおっしゃっておりますけれども、実際は一つの工事に対しまして、自分のところはここを受注したいという希望を出して、そしてやっぱり業界で話し合っているわけですね、実際は。そして、話し合ってできた表がここにあるこういう表なんですね。ということは、大臣が言ういかなる、何といいましょうか、いわゆる公共工事について談合の意思の共謀によって、一定の方法によってという、その談合ということになりませんか、これは。私は、談合はなかったという事務当局の発言がありましたが、実際はそういうことをすること自体がやっぱり談合になるんじゃないでしょうか。
#110
○国務大臣(始関伊平君) 先ほどちょっと申し落としましたが、先ほど申し上げましたような定義によりまして、談合というものはすべて許容すべからざるものである、これは基本でございますが、しかし、その態様の中で、態様のいかんによりましては刑法の談合罪になる、また、公取の方のいろんな取り締まりの対象になると、こういうことでございますので、どこまでが違法と言えるのか、またどういう手段方法によって違法が立証されるのかということは、ややニュアンスの違う問題だと、かように考えております。
 そこで申し上げたいのでありますが、行政官庁としての建設省には、談合を談合と断定するだけの法的な根拠を持っておりません。手続法はございますけれども、これはたとえば談合罪で起訴されて、罰が決まったというような場合に、これは業法の立場で営業停止とか、悪いのは許可の取り消しとかいうことをやるのであって、自分自身がこれは談合行為だということを決める立場にないということをひとつ御理解いただきたいと思うのであります。
 なおまた、ただいまお示しになりました予算委員会の初めのころに出されました資料でございますが、これは、ここに捜査当局の方もいらっしゃるかと思いますけれども、捜査当局が捜査を開始するきっかけになるかもしらんという程度のものでございまして、いろいろ説明資料はございますけれども、その資料そのものが談合を断定する資料にはとうていなり得ないと、かように存じております。
#111
○峯山昭範君 大臣のおっしゃる意味はよくわかります。ですから、建設業法の二十八条によりましても、これは確かに談合という問題について建設業法の中にうたわれているわけではありませんね。それはよくわかるんです。それじゃ、ちょっと違う角度から大臣申し上げてみます。要するに、少なくとも総工事費が数百億、そして工事期間が十数年間に及ぶ。細かいことじゃございませんから、大臣のお考えで御答弁いただいて結構です。要するに工事費用がもう数百億、工事期間がこれは数十年、しかも大手の業者がそれこそ数十社、あるいはまあ数社かもわかりませんが、あえて多く言いますと十数社がジョイントして、大型の工事をやる。しかも、その工事が全国五十カ所にも上る、こういうふうな全国的な大プロジェクト工事をやる場合に、業者間相互のいわゆるこの調整ですね、これを実際に何らの調整もなくて、こういうふうな大工事がまともに順調に達成できると大臣はお考えなんでしょうか。
#112
○国務大臣(始関伊平君) 当時、私どもの方の政府委員からも詳細申し上げたのでございますが、工事費が全体で幾らだと、それからそこにできますダムの高さがどうだとか、容積がどうだとかいうようなことは、外に発表いたしまして、地元との了解を求めなければいかんということでございますので、先般あの資料の中に示されましたいろんな数字などにつきましては、これはいわば公知の事実であって、別に秘密のものが漏れたとか、なんとかいうべきものでないものの方がむしろ多いと、かように存じております。
 それから一体十九件のうちで、いま正確に御指摘になりましたが、完全に合っているというのは八、九件で、あとは全然違うか、あるいはジョイントでやりますと、二、三のうちの一社が違っておるとか、いろいろなことがございまして、ただいまのお話はだれかが采配を振って業者を決めるとか何とかいうことなしに、それが決め得るのかということでございます。それはそれで一つの論点でございますけれども、だからといって、それを裏返して、これは談合が行われたんだということを断定するのは、ちょっと私は論理の飛躍があるし、またちょっと刑事訴訟なんかいろいろな参考とすべきあれはあると思いますけれども、そういうものに合致しないと、かように存じております。
#113
○峯山昭範君 あの大臣ね、ちゃんと質問聞いて答弁してもらいたいですね。私が言うていることの全然答弁になっていないんですよね。ぼくは前段の質問といまの質問はまるきり違う質問をしているわけです。要するに私たちが示しましたこの全国の土建業界がつくった、土工協がつくったこの資料、これは大変な五十数件にわたる工事事業ですね、しかもそういうふうな問題について、工事期間というのはもう十数年にわたるわけです。工事金額も多いわけです。こういうふうなものの超大型のこの工事が、全国的なこのプロジェクトの工事が、実際問題として、いわゆるこういうふうな大手の業者の人たちの話し合い、あるいは何らの調整なしに、こういうふうなのが十分施工できるのかどうかと聞いているわけです、私は。
#114
○国務大臣(始関伊平君) 最終的には競争入礼で工事の落札者が決まるわけでございますが、その前に、談合というものがなければどうにもしようがないじゃないかと、こういう御指摘と思いますけれども、私どもはやはり入札の結果決まってきたものと、かように存じております。
#115
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、工事の規模が非常に大きい工事である。それから、それぞれの工事が相当長年月にかかる工事でございます。でございますので、それぞれの企業にいたしましても、大手の業者といたしましても、それぞれの業者といたしましては、大変に大きな規模の工事をやっていくわけでございますので、先生のおっしゃるような点がないとは言えないと思いますが、私どもはそういう仕事をそれぞれの競争原理の中で、調和的に公正に適正に執行してもらいたいというふうに思っているわけでございまして、そういう実態があるから、だから、話し合いというものがあってもやむを得ないじゃないかということは、ちょっと私どもはそれは言える筋のものではないというふうに思っているわけでございます。
#116
○峯山昭範君 しかしね、これは大臣ももう一回聞いてもらいたいんですけどね、実際問題として、大臣はこの業界の皆さん方が、いろいろな研究会なり何なり、あるいは連合会なりをつくって、あるいは話し合ったり、あるいはこういうことをすることはもう一切いかんと、全面的に否認をなさっているのか、あるいはやっぱりどこかで調和点を設けて、何らかのいわゆる今後の指針として、こういうことは談合ではない、こういうことは談合であるというふうなものがもうちょっと明確にならないといけないんじゃないかということを言いたいから一生懸命言うとるわけですけどね、これだけ大きな事業をやる場合、工事をやる場合、局長も先ほど調和ということをおっしゃいましたけれども、そこら辺の調和点をどういうふうにお考えなのかと、大臣どうですか。
#117
○国務大臣(始関伊平君) そこら辺の調和点をとおっしゃいますけれども、入札の方式が指名競争入札であります限り、それは入札で結果を出すよりほかないわけでございまして、もしその前にいろいろなことをやるようなシステムがあれば、たとえば土工協の別機関として建設同友会というものがございましたが、あれは解散をいたしました。一つのシステムがあって、それが何か采配を振っているということであれば、これは独占禁止それから公正競争の確保に関する法律の方でそれに対する対応が図られると、こういうことでございまして、結局競争入札の制度を改善いたしまして、本当の意味の競争入札が、競争によって入札が図られるようにしようということが、入札制度改善の要点である、その方向にいま努力をしておる、こういうふうにお答えを申し上げたいと思います。
#118
○峯山昭範君 どうも大臣の答弁わかりませんね。今度は局長お願いします。大臣がわかんなくて局長に聞かなくちゃならないなんて、こんな情けないことないわけですけれども。局長、大臣の答弁は、あれは要するにそういう調整機能は一切いかんと言っているんですか、あるいはどこかで調和点を見出さなければいかんと言っているんですか、どっちですか。
#119
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。
 先ほど私お答え申し上げましたのは、非常に大きな事業であり、その社の運命を左右するような大きな仕事というものを、たとえ自由に競争していったからといって、たとえば一社、二社で全部が全部やれるものではないわけでございます。でございますので、それぞれのわが国の建設業界の総力を挙げて取り組むべき問題でございまして、ただそれぞれの事業をどういうふうにやっていくかということが、特定の人のどうとか、あるいは話し合いというようなところで行われるというよりも、公正な競争の場を通してその中で調和的なものが出てくるというそういう競争原理の中における調和というものが必要だということを申し上げたわけでございまして、基本的に大臣の見解と同じだと私は思っております。
#120
○峯山昭範君 大臣の見解とあなたの見解は違うなんて言ってないですよ。大臣は調整機能が必要だと言っているのか、必要でないと言っているのか、どっちなんだと聞いたわけですね。
#121
○政府委員(吉田公二君) 調整的なもので決められることがあってはならないという趣旨でございます。
#122
○峯山昭範君 いわゆる調整機能は要らんと言っているわけですね。
 それじゃ局長にお伺いしますが、この土工協の皆さんがおつくりになった建設省の工事一覧表ですね、これは少なくとも業者の皆さんがこの表をつくるに当たりましては、いわゆる業者の皆さん方の希望をずっと聞いて、そしてどこの工事を取りたいかという希望を聞いて、いや私は向こうの工事を取りたいという希望を聞いて、そしてこの表をつくった人は希望を聞いてただ一覧表にしたのではなくて、表をつくるに当たりましては、少なくともその会社の工事能力とか、あるいはその工事のいわゆる持っている仕事量とか、そういうふうなものも勘案して、そして希望によってある程度ふるいにかけてそしてつくったものですね。そうですね、どうですか。
#123
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。
 当時の関係者からその作成の経過を、事情を聞きましたわけでございますが、いま先生のおっしゃいますように、四十七年ごろに合理化委員会の関係の各社におきまして、あらかじめいろいろと勉強しておったものを、希望の強いものを整理したということでございまして、そういったものを非常に希望がたくさんあるものは、幾つかにしぼりなさいといったようなことは言ったということでございますが、そういった意味で希望を整理したということでございまして、そういう事情でございました。
#124
○峯山昭範君 私の言ったとおりじゃないですか、結局。それはそうでしょう、私の言ったこと違わないでしょう、違うのですか、何かいろいろ言っていますけれども。
#125
○政府委員(川本正知君) 先生のおっしゃいました希望を、いろいろと工事の仕事の手持ちとか、そういったものを勘案して、整理をしたというような意味の整理じゃございませんで、希望がいろいろとあちこちのダムを希望しておると、そういったときには、一番その中で希望の強いものを言いなさいといったようなことでしぼったと、そういう説明でございます。
#126
○峯山昭範君 そういうふうにして、いわゆるこの合理化委員会が調整機能を発揮して、そしてこの一覧表をつくったわけですね。こういうふうな調整機能という問題については、これは大臣はどういうふうにお考えですか。そういうふうなことはもう全くやるべきではないとお考えですか。
#127
○国務大臣(始関伊平君) 冒頭に申し上げましたが、あらゆる意味の談合を排除するということでございますから、調整機能が必要だということを認めれば、これは先ほど申し上げましたことと真っ正面から矛盾することになりますので、それは認めるわけにまいりません。ただ余りいろんなことを申すとこんがらがるおそれがございますけれども、非常に大きな工事でその準備のために二年も三年も調査なり研究を続ける必要がある。しかも工事受注の適格者というものは数が少ないというような場合には、随契というほかのシステムもあるわけでございますから、そういったようなほかの方法による方が、かえってすっきりするのじゃないかという場合もあろうと思います。今後そういったような、よく議論されておりますが、制限づき一般競争入札ですね、それから指名入札、さらに随契と、こういったようなものを契約の種類によりまして適当にあんばいいたしまして、公正な入札、受注者の決定を今後図ってまいるべきだと、そういうことは中建審の審議によりまして、これから決定さるべき問題だと、かように存じております。
#128
○峯山昭範君 そこで、大臣も先ほどから何回もおっしゃっておりますように、建設省自身の見解によりますと、この一覧表は落札者の一覧表ではありませんと、こうおっしゃっておるわけですね。正確に言いますと、正確にこの表と一致しているのは八件だけでございますと、八件は偶然にそうなったものでございますと、こう言っておるわけですね。そして他の十一件のうち、完全に違っているのは一件でありまして、そしてそのほかの分については、いわゆる主体となるところはほとんど違ってないわけであります。何でこういうふうになったか、その理由につきまして、建設省自身は、業者みずからが、いわゆる自己調整に基づいて、自分のところはどこをやりたいというその調整に基づいて、それぞれの入札に、自分が取りたいというところに一生懸命力を入れて、そしてそれぞれ競争力を強めて、そして入札をしたからこういうふうになったんでしょうと、こうおっしゃっているわけであります。これは建設省が言っておるわけですね。しかし、これは静かに冷静にこの問題を考えてみますと、結局大臣、この膨大な工事も最終的にはほぼ業界の皆さん方が集まって、調整したとおりになっているわけですね、結局は。大臣はさっきから八件だけで、あとは違うとおっしゃっていますけれども、これは私は具体的に申し上げてもいいんですけれども、特定の名前も出てまいりますので、きょうは余り言いませんけれども、これはたとえば一つの工事なんかにいたしましても、一つはA社がやることになっておった。ところが表ではA社だけれども、地元の業者がいて、その地元の業者がA社の下にジョイントを組んだというだけの違いです。ですから、結局この一件だけが違うだけで、あとはほとんど合っているということになるわけです。ということは、結局指名競争入札も結局その名目だけ指名競争入札であって、実際は、この業者の皆さん方の談合によって結局入札が決定されていると、こういう印象はぬぐい得ないものがあるわけですよ、大臣。ですから、私は建設省でこれは全く談合ではございませんと言って、一生懸命おっしゃっていますけれども、これは実際そういうふうになっているということが強烈に印象づけられておりますし、私たちもそう思うわけでありますが、大臣、どうですか。
#129
○国務大臣(始関伊平君) それだけの資料をもちまして、犯罪行為やなんかにつながる談合であると断定するにはもちろん不十分でございますが、いまお話のございましたような疑惑を受ける点があるとすれば、私どもとしては大変遺憾であると申し上げるほかございません。
#130
○峯山昭範君 したがって、大臣、先ほどから同僚議員からもちょっと質問がございましたが、この指名競争入札というのは、結局指名される業者を選ぶために、数社あるいは十数社が選ぶために、その指名の中に入る、そのためにいわゆる官庁の優位というものがうたわれておりまして、この指名競争入札というのは、やっぱり業者の皆さん方の方がかえって一般競争入札に移行した方がいい、そういうふうな話が実際あるわけでありますが、この問題は非常に深刻な問題でもありますし、またいま審議中の問題でもありましょうけれども、この問題についての大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
#131
○国務大臣(始関伊平君) 指名競争入札の指名ということについて、いろいろの論議があることは私も十分理解をいたしております。指名競争入札によってだれが利益を受けるかと申しますと、指名のグループに入る業者自身が一番利益を受けるわけでございまして、私は業界全体の会合で指名競争入札を排除するんだという決定ができるかできないか、これは大変疑問だと思っております。しかし、指名ということに関連いたしましていろんな論議があるわけでございまして、その点は私どもも十分理解をいたしておりまして、しからば指名ということをやめてどういう方法があるのか。一般競争入札と申しましても、百社、二百社、五百社が殺到してきたのでは困るわけでございますから、そこで指名入札にかわる制度としては、制限つき一般競争入札、制限つき公開入札制度というようなことが申されておるわけでございまして、この制限というものをどういうふうにつくって、指名競争入札にかわる合理的な公正な入札制度ができるかということは、まさに検討を要する重要な問題だと認識をいたしております。
 それから、何遍も申しますが、中建審におきましてはそういう意味におきましていわば核心に迫った検討をいまから初めてもらう、こういうことでございます。その結果を待ちまして、私どもも形骸化した指名入札制度という御批判があると思いますが、そうでない本当の意味の入札制度をひとつ確立してもらいたい、かように強く念願をし、また努力をいたす所存であります。
#132
○峯山昭範君 次に、それじゃ公正取引委員会にお伺いします。
 先ほどから質問いたしておりますように、特に公正取引委員会の分野で問題になることが幾つかあります。先ほどから土工協の問題をテーマにいたしておりますので、それを例に挙げますが、四十七年のダムの業者の希望を調整をいたしまして、この一覧表をつくっているわけであります。この一覧表につきまして、私たちはこれは落札者予定表だと、こういうように言っているわけであります。しかしながら、建設省はいやそうではない、こう言っているわけであります。そこで、いま大臣からもお話ございましたが、一般競争入札にしたら百社二百社押しかけて大変なことになるという大臣の御答弁もいまございました。そういう点からいきますと、この一覧表は、少なくとも全国のたくさんのダムの工事ができる登録業者の中から、それは幾つあるのか知りませんが、たくさんの業者の中から、いわゆる業者の皆さんが調整ないし集約して、そしてこの一覧表をつくったというのはこれは事実であります。そうしますと、これはやはり独禁法上問題になりませんか。
#133
○政府委員(橋口收君) 矢野委員が御提示になりました計表は、私どもとしましても重要な情報の提供として受けとめておるわけでございます。この計表が作成されたかどうかにつきましては、建設省の方で確認をされまして作成されたという事実は明らかになっております。問題はそれから先でございまして、この計表がどういう場で、どういう経過で作成されたか、だれが責任者であるか、また作成された計表の意味なり、内容が、先生がおっしゃいましたように明らかに競争制限的な内容を含むようなことを予定した計表であるかどうか、つまり先ほど来議論がございますように、現実の入札予定者を決定するための計表であるかどうか、そこが問題でございますから、私どもとしましても、この計表の持つ意味につきまして、いま解明を急いでおるところでございます。ただ、先生からお話ございましたように、これはかなり前に起こった事件が含まれておりますので、その実態の究明はそれほど容易ではございませんし、また率直に申しまして、こういうふうに資料が公開されたわけでございますから、本当の意味での物証が得られるかどうかという問題もございます。いずれにしましても矢野委員にもお約束をいたしておりますし、また参議院の予算委員会でも田代委員にもお約束したところでございますから、お約束いたしましたことにつきましては、的確に実行をしたいということで、いま作業を進めておるところでございます。
#134
○峯山昭範君 そこで、これは直接この問題でなくてもいいわけでありますが、落札者が少なくともこの一覧表と一致した。それは偶然ともとれましょうし、あるいは大型の投資だから、それぞれの希望のところへ建設省が言うように、それぞれの業者が一生懸命努力をして、そして自然に競争力も強くなって実際落札したと、そういうふうにもとれるわけでありますが、そういうふうないわゆる一覧表、あるいはこれからもこういうのをつくる可能性もあるわけですね。そういう点から、こういうことはやってもいいのかどうかという問題が一つ。
 それから、もう一つは、この種のいわゆる調整ですね、この種の調整の許容される限界というのがありますね、ここら辺まではやっていいけれどもこれから先はいかんぞというのが、やっぱりなけりゃいかんと私は思うのですけれども、ここら辺についての公正取引委員会の委員長の見解をお伺いしておきたいと思います。
#135
○政府委員(橋口收君) 原則論で申し上げまして、需要につきましての情報の交換、つまり、たとえばダムで申しますと来年どのくらい発注があるだろうかということにつきまして、業界の団体で情報交換する、それは差し支えない行為だと思います。問題はそれから先でございまして、現実に受注予定者を決定するような行為であれば、それは計表の形であれ、またそれ以後の現実の受注活動であれ、いずれもこれは独禁法に触れるわけでございます。ただ、ダムの問題ではございません、私どもが幾つか独禁法違反事件を取り扱いまして痛感されますことは、たとえば巨大なダム工事、あるいはトンネル工事、こういう技術度の大変高い工事につきまして、実際上受注予定者というものは自然のうちに決まるわけでございまして、実際決まっておりますのを指名競争入札する形をとっているわけでございまして、これは先ほど大臣がおっしゃいましたように、実質的には随契とそう違わないわけでございます。したがいまして、私どもの希望としましては、そういう技術的な難易度から見て、特定の業者しかできないような工事につきましては、指名競争入札制度ではなくて、随意契約で契約をするということがむしろ妥当ではないかということで、非公式ではございますが、そういう意見は建設省に申し上げておるところでございます。
#136
○峯山昭範君 それでは、次に行政管理庁並びに自治大臣にお伺いをいたします。
 まず、行政管理庁長官にお伺いいたします。
 特に、最近談合という問題が厳しく取り上げられております。特に行政管理庁といたしましても、昨年の八月、行政事務運営の公正確保にかかわる体制及び手続に関する調査というのが行政監察として行われておりますけれども、特に談合という問題について、やはり私もずいぶん読ませていただきましたけれども、もう一歩踏み込みが足りないんじゃないか、そういう感じがするわけであります。そこで、この行政管理庁として談合という問題に対して、いまどういうふうにお取り組みになっていらっしゃるかという点を行政管理庁長官にお伺いをいたします。
 それから自治大臣に対しましては、特に最近地方自治体におきましても、この談合という問題がずいぶん出てきております。特に全国を見てみましても非常に数が多いですね、いろいろな自治体で。こういうふうな自治体に対しまして、自治省といたしましてどういうふうに指導していかれるか、この点をお伺いしたいと思います。
#137
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政管理庁といたしましては、まず談合はよくないとはっきり割り切って進めております。それで、昨年八月に勧告を出しましてトレースをしておりますが、勧告の中で強く主張してありますのは、一般競争入札の比率が非常に少な過ぎる、一般競争入札に移行するようにと、そういうことを強く言っております。最近、建設関係の当事者等でそういう方向に目覚めてきたということは、われわれ大いに歓迎しておるところでございます。やはり一般競争入札というものが、会計法上正道として強く求められているとわれわれも感じておりまして、そこへ、本道へ戻すということを力強くこれからやっていきたいと思っております。
 なお、勧告に基づきまして、指名競争の数をふやすとか、あるいは審議会をつくるとか、そういう小さな手直しも行われましたが、やっぱり何といっても本則は一般競争入札というものを重視するということではないかと思っております。
 それから、特殊法人についてはまだやっておりませんが、特殊法人についても追跡してやろうということになりまして、現在やらしておる最中でございます。特殊法人についても厳しく監察をやって、そして意見を出してやろうと思っております。
#138
○国務大臣(世耕政隆君) 契約事務を行うときに、その経過と結果が国民の目から疑惑に満ちて見られないようにすることは、現在目下の急務だと思います。
 そこで自治省といたしましては、一つには指名業者をふやすべきである。二つ目にはその名前を公表すべきである。三つ目には入札の経過と結果を原則として公表すべきである。こういう方針に基づきまして、指名競争入札の運用を改善して、契約の公正、信用を確保していく、こういうことを念願としているものでございます。
 これにあわせまして、一般競争入札制度の欠点を直しながら、たとえば制度つき入札制度の導入などを考えながら検討していくのが望ましい、こういう観点に立ちまして、ことしの一月二十一日、自治省の財政課長名で各地方自治体に通達を出しております。二度目に、四月九日、事務次官名で同じく通達を出すとともに、また全国総務部長会議などの場におきましても、この趣旨を徹底させているところでございます。今後とも関係省庁といろいろ打ち合わせまして、機会あるごとに指導してまいりたいと思っております。
#139
○峯山昭範君 人事院総裁にお伺いをします。
 いわゆる談合という問題で、人事院がタッチする面といたしましては、談合というのは業者同士でございますから、公務員の皆さんが直接談合にタッチするということはないわけですね。しかしながら、一番の問題は、公務員は業者の皆さんに公共工事を発注するという側にあるわけですから、一番の大きな問題は、入札に当たりましていわゆる予定価格が漏洩をする、こういう点が特に公務員の服務、あるいは天下り、そういうような面で一番問題になってくるんではないかと、私こういうふうに思うわけでありますが、特に談合という問題にしぼりますと、そういうことでよろしゅうございましょうか。
#140
○政府委員(藤井貞夫君) こさいにいろいろ検討してまいりますれば、いろんな点が出てくると思いますが、端的に申して、公務員の側から見た場合に、一番問題の中心になりますのは、ただいま先生が申されました予定価格を漏らすということ、この一点に詰まってまいるのではないかと思います。
#141
○峯山昭範君 私もそう考えているわけであります。ところが、建設省にいつも私たちがお伺いをするわけでありますが、この予定価格の漏洩という問題は、当然いかなる場合でも、そんなことはありませんという明確な答弁が返ってくるわけであります、これはまあ当然なことでありましょうけれども。しかし、秘密の厳守、予定価格を守るという秘密の厳守という問題は、これは入札制度の中では生命と言ってもおかしくないと私は思っております。そういうような中で、絶対に制度的に漏洩あるいは漏洩の疑惑のかかるようなことがあってはならないし、またそんなことをしてはいけないわけであります。
 そこで、もし、公務員制度、あるいは刑事制度、いろんな制度の上でもしそういうことが漏れたというふうな場合は、その人に対してはどういうふうな処罰、あるいは対応がなされているのか、その点についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
#142
○政府委員(藤井貞夫君) もしもそのようなことがございました場合におきましては、国家公務員法自体において秘密を漏らしてはいけないということの規定がございまして、これの違反に相なります。したがいまして、その法律の規定、百条でございますが、国家公務員法百条の規定に違反をいたしますので、その違反の事実が仮にございました場合は、これに対して二つの対応がございます。
 一つは、要するに懲戒事由に触れるわけでございますから、懲戒権を発動するということが出てまいります。
 それからもう一点は、今度は刑事責任の問題でございまして、これも法律の規定に従いまして、秘密を漏洩したということに対しましては、刑罰規定が現存をいたしておりますので、警察当局並びに検察当局の発動ということの二重の措置が講ぜられることに相なるわけでございます。
#143
○峯山昭範君 そこで人事院総裁にお伺いをしておきたいんですが、国家公務員法の百条の違反ですね、守秘義務ですね、それでその処罰義務等もあるわけでありますが、特に官吏の場合は刑事訴訟法の二百三十九条ですね、これは特に告発義務というのがありますね、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」、要するにそういう悪いことをしている人がいたり、あるいは知っていたりした場合は、告発せにゃいかんわけですな。そういうふうな事例はいままでありませんか。
#144
○政府委員(藤井貞夫君) 告発義務の規定の現存ということは、私自身も承知を十分いたしておりますんですが、従来のところ、これに基づいて告発をいたしたという例は私としては存じておりません。
#145
○峯山昭範君 官房長官御出席になっていらっしゃいますが、ここら辺の公務員の綱紀粛正という点からいきまして、いままで一回もないんだそうであります。特に談合という問題いま建設省等で御検討いただいているわけでありますが、この刑訴法の二百三十九条というのは、非常に大事な問題であろうと私は思います。同じ仲間だからこれは告発しない方がいいということになっているのかもしれませんか、こういう問題についてはどういうふうにお考えでございましょうか。
#146
○国務大臣(宮澤喜一君) 従来、政府部内、人事院を含めまして、政府部内でそれにつきまして余り検討をなされたことがないのではないかと考えておりますので、一度政府部内で検討いたしてみたいと思います。
#147
○峯山昭範君 大分時間が過ぎてまいりまして、後の質問の関係がございますので多少急いでいきます。
 建設省、公共工事の予定価格のあり方についてお伺いをしたいと思います。
 特にこの予定価格というのが、最近わが決算委員会におきましても、指摘事項の中で、不正事項の中で、非常に多くなってきております。予算価格の積算が高過ぎたり、あるいは積算ミスというのが非常に多くなってきておりますが、ここら辺の問題について、建設省としてはどういうふうにお考えかということが一点、それから、検査院の方としては、この問題についてどうお考えか、両方お伺いしておきたいと思います。
#148
○政府委員(丸山良仁君) 予定価格の積算ミスにつきましては、大きく分けて二つの場合があると思います。
 一つは、現場条件の把握や、工法の検討が不十分なために、工事の実態にそぐわない予定価格を組んでしまうという場合であります。この点につきましては、積算書の審査等が何段階もございまして、その審査の段階におきまして発見される場合が多いわけでございまして、検査院から御指摘を受ける例もこれについては余り多くはございません。
 それから、第二番目の問題は、ごく単純な錯誤によるミスでございまして、たとえば長さを面積と間違えてしまうとか、面積を体積と間違えてしまう、その結果膨大なる積算ミスを行うと、こういう場合があるわけでございます。この点につきましては、電算機等を使っておる関係上、なかなかチェックができなかったという問題があるわけでございまして、検査院からの御指摘もございまして、現在のところ、積算を行った者と、これをチェックする者と分けまして、十分なチェックをさせるとか、あるいは類似の工事の例を見まして、おかしいではないかというようなことを発見させるとか、また基本的には公務員の資質の問題でございますから、研修制度の充実というようなことを行っているわけでございまして、特に今回の事例にかんがみまして、去る一月二十九日に次官通達をもちまして、厳重に指導をしているところでございます。
#149
○会計検査院長(大村筆雄君) 御承知のとおり、公共工事の総額と申しますのは、地方負担額等も含めまして、いわゆる二十数兆円に上ると言われるところであります。これは、仮に一割間違えば、もう何兆ということになる。先ほどからお聞きしているとおり、御指摘のような事態が行われておるといたしますと、当然のこととして何兆かという国損を、あるいは地方の負担の損失を招いているわけでございますから、私どもといたしましては、契約の実態、あるいは入札の実態、あるいは落札の実態にかんがみまして、従来から予定価格の積算、あるいは施行状況を特に重点を置いて検査してまいって、その結果毎年のごとく指摘事項が検査報告に上がっていることは御承知のとおりでございます。これはきわめて遺憾なことでございまして、私どものきわめて少数の人間が、少数の個所について指摘した結果ではございますから、私どもといたしましては、私どもの指摘した事態が一体いかなる原因でもってそういう事態になったのかということを、指摘された受検機関におきましては、十分原因を究明されまして、同じ原因に基づく同じ事態が、検査を受けない個所においても発生していないか、発生するおそれはないかということは、十分これは御検討をいただかなければいかんわけでありまして、また、そのことによって将来も発生をぜひ防止していただかなければいけない。これは毎年のように同じ指摘を繰り返さなければならないということは、きわめて遺憾とすることでありまして、先ほど建設省の方からしっかりやるという御答弁ございましたが、ぜひともしっかり御指導いただきまして、来年度以降こういう指摘が二度と繰り返されることのないようにお願いしたいと思います。
#150
○峯山昭範君 大変時間が短くなってまいりましたので端的にお伺いします。
 要するに、工事予定価格はどうして漏洩するのか、そこら辺のカテゴリーをもう少し解明する必要があると思いまして、いろいろ研究をいたしているわけでありますが、端的にお伺いいたしますが、最近特に公共工事につきましては、いわゆる事業主体の設計、積算の事務能力というんですか、これが大変不足しておると、こういうふうに私は聞いているわけであります。先ほどコンピューターが間違って云々という話もございましたが、コンピューターが間違うというよりも、コンピューターに入れる人が間違って、コンピューターは正確にやっているわけでしょうから、ですから、入れる人が足りなかったり、いろいろしているでしょう。そうしますと、そこで直轄公共工事について、設計あるいは積算について、建設省はどういうふうに外注をしているのか、その外注の最近の様子について端的にお伺いをしておきたいと思います。
#151
○政府委員(丸山良仁君) 第一次の定員削減が始まりましたのが昭和四十三年でございますが、それ以来現在までに建設省の定員は二〇%削減されております。それに比べまして、事業量は実質で二倍、したがいまして、一人当たりの事業消化量は二・五倍となっております。そういうような関係から、設計業務につきましては、原則として外注という形に相なっているわけでございます。ただし、積算につきましては直営で行っております。
 そこで、設計の場合に、業者とコンサルタントとの関係で、予定価格等が漏れるではないかという御指摘かと存じますが、積算は直営で行っておりますから、そういうことはないわけでございますけれども、特に注意をいたしまして、コンサルタントに対しましては、守秘義務を課するとともに、そのコンサルタントと役員系列が濃厚であるとか、あるいは資本系列が濃厚であるようなゼネコンに対しましては、指名を行わないようにいたしております。
#152
○峯山昭範君 なるほどよくわかりました。要するに、人が減ったから外注せざるを得ない、工事はふえておると、こうおっしゃるわけですね。それで、設計は外注しているけれども、積算は外注していない。これはそこら辺に問題があるんじゃないかと私は思うわけです。実際に建設省の中に、建設物価についてのいわゆる担当部課というのは、この間私調べたんですけれども、余りないようであります。
 そこで、聞くところによりますと、私の手元にもきょうは余りごついので本物は持ってこなかったんですけれども、表紙だけコピーしてきたんですが、建設物価はいろいろあるらしいんですけれども、土木設計積算マニュアルとか、いろいろ設計の積算するための資料ですね、そういうようなものがいろいろあるようであります。したがいまして、こういうふうな資料に基づいて積算をしていくわけなんですね、そうですね。
#153
○政府委員(丸山良仁君) 御指摘のとおりでございます。
#154
○峯山昭範君 そうしますと、逆に、先ほど官房長がお答えになりましたいわゆる設計の委託業者に対しては、設計の委託業者と人事面あるいは受託資本、そういうようないろいろな関連がある建設業者については、設計を委託したその設計の工事については入札に参加させないということでありますが、これもじっとじっくりよく考えてみると、裏返して言えば、設計をした人はこれはもう中身は全部わかっているし、大体積算の値段もわかるということですな。
#155
○政府委員(丸山良仁君) 先ほども申しましたように、積算については直営でやっているわけでございますから、明確に把握するということはコンサルタントはできないと存じますけれども、長年の経験、あるいはいま御指摘のございましたように、物価版等の資料を使っているわけでございますから、そういう点を勘案いたしますと、予定価格に近いものを把握することは、それほど不可能ではない、このように考えているわけでございます。
#156
○峯山昭範君 ですから、わかるということじゃないですか。大体わかるから、こういう通達を出して、そんなことはいかんと言っているわけでしょう。ということは、逆に言えば、そういう人たちは守秘義務とか何とか言っていますけれども、今度は私の方が設計したから絶対外には漏らしませんよと、しかし、あなたのときには私教えてもらわなきゃいかんから、人事面も何にも関係ないけれども、結局裏では、皆さん方の知らないところで、まるまる裏ではツーツーでつながっているから、結局われわれがいつも決算委員会で入札する金額を見ると、間違った分まで含めて金額が合っていたり、いろいろするんじゃないかなと私は思うわけですが、そんなことはありませんか。
#157
○政府委員(丸山良仁君) そういう御指摘をしばしば受けるわけでございますが、われわれといたしましては、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、それを確認することはできないわけでございまして、そういう御指摘を受けないように守秘義務を課すとか、あるいは資本系列の同等、類似のものについてはこれを発注しないとか、そのような注意をいたしているところでございます。
#158
○峯山昭範君 大体ほぼ認めているわけですな、裏でつながっているということを。
 そこで、この問題につきましてはそのくらいにしまして、あとたくさん大臣お見えになっていますので、皆さんに質問をしたいのでありますが、特にきょうは官房長官においでいただいていますので、先にそっちの方を片づけたいと思います。
 官房長官、私が前々から何回か官房長官にお尋ねをいたしております私的諮問機関の問題であります。これは非常に重要な問題でありますので、この際お伺いをしておきたいのでありますが、きょうは時間がございませんから、官房長官がわかりやすく申し上げます。
 この八条機関につきましては、これはもうこのいきさつは一々説明しなくともおわかりでしょうけれども、国家公務員法の改正という問題が、過去何回か出てまいりまして、そのときにただし書きで、この私的諮問機関を自由につくれるようにしたいというあれがあったわけです。しかしながら、それは衆議院は通りまして、参議院の内閣委員会で廃案になったといういきさつがあるわけです。これはもう御存じだと思います。そこで、その後昭和三十六年の三月二十三日に、これは当時の池田内閣総理大臣と林法制局長官が政府の見解として述べているわけであります。これちょっと長いですけれども読んでみます。
  国家行政組織法第八条は、一つの意思決定機
 関を前提として規定したものである。したがっ
 て、閣議決定等で設置されている懇談会等は、
 行政機関としての意思決定をするのでなければ
 第八条には抵触しない。国家行政組織法による
 と、行政機関として意思決定する調査会、審議
 会、懇談会等は、これはもう法律によらなけれ
 ばならない。要するに意思決定する調査会は法律によらなきゃならない。
 しかし、ただときどき問題についてお互いに民
 主的な意見を交換し合うというものであるなら
 ば行政機関と言えないのではないか。民間の
 方々の率直な意見を聞き、互いに話し合って、
 そしてそれについてその意見の参考と申します
 か材料にしていくということはやむを得ない。
 また必要な場合もある。これが一つの行政機関
 としての意思決定をするということはいけな
 い。その意見が行政機関としての意見になると
 いうようなことは厳に慎まなければならない。
 その名称のいかんにかかわらず、実態が八条の
 機関に当たるものであれば、もちろん法律で設
 けなければならない。要するに問題はその実態
 である。何人かの人をある問題についてずっと
 呼んで委員各自の個人個人の意見を聞く、これ
 はいまの八条には抵触しない。しかし、一つの組織体をつくって、その組織体としての意見を
 そこで出させるということはこの八条に該当す
 る。そういう二つの明確な線があるわけであ
 り、閣議決定等で懇談会を置く場合はその前者
 に引きつけて考えており、十分けじめをつけて
 八条に抵触しないよう注意している。
 ちょっと長かったけれども、これが当時の林法制局長官と池田内閣総理大臣の見解であります。これに基づきまして、行政管理庁並びにいろいろなところから、審議会のあり方についてあれが出ているわけであります。
 そこで、非常に問題なのは、いわゆる私的諮問機関というのが非常にたくさん出ております。そして、きょうは幾つか例を挙げて申し上げますが、一つは、戦没者追悼の日に関する懇談会というのが先日ありました。これは懇談会の答申を受けて――答申ではないとおっしゃるかもしれませんけれども、いまありましたように実態としては文書になって、きちっとして本になって出ておりますから、これは答申じゃないかと私は思います。
 さらに、あと時間的な問題ありますから、細かく申し上げませんが、私の手元にここに電気通信政策懇談会提言というのがあります。これは、この提言によりまして、現実に今度内閣委員会に法律がかかりまして、その法律が先日成立をいたしました。結局、これも私的諮問機関の答申に基づきまして、いわゆるその法律が出される、大臣の答弁も初めから終わりまでこの提言に基づきというお話がございました。ところが、これ一遍見ていただきたいのでございますが、大臣。この提言の中身を見てみますと、すべて委員の名前なり何なりきちっとした大変な中身になっております。全く八条機関と何ら変わるところはないと思っております。こういうふうな八条機関に違反するような、いわゆる最近の内閣の私的諮問機関の設置というのが非常に多過ぎるわけであります。これは非常に重大な問題でありまして、何回か申し上げておりますけれども、いまだに解決しないという、この様相があります。官房長官としては、この問題についてどう対応していかれるか。
 さらに、中曽根行政管理庁長官といたしましては、何回も政府に対しまして、あるいは各省庁に対しまして注意を促しているわけでありますが、いまだに守られていない点があるわけでございますが、この点に対してどうお考えか、御答弁をいただきたいと思います。
#159
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど当時の林法制局長官の答弁を御引用になりましたが、その考え方は伝統的に今日まで私ども受け継いでおるつもりでございます。
 すなわち、審議会は国家行政組織法第八条の規定によるものでございますから、法律をもって設置されるいわば行政機関であると考えてよろしいと思います。それに対しまして、いわゆる私的懇談会は、そのような行政機関ではございません。したがって、機関としての意思決定を行うということはない、いわば一人一人の有識者に意見を求める煩を避けると申しますか、そのかわりにしかるべき場所に何回かお集まりを願って、そういうところで話を聞かせていただく、そういう性格のものとして考えなければならないと思っております。この点は峯山委員が従来から何度も御指摘になり、私どもの注意を喚起しておられますところでございますから、十分注意をいたしておるつもりでございます。
 ただ――ただと申しますか、その際、実際問題といたしまして、先ほど戦没者の追悼についての私的懇談会についての御指摘がございましたが、行政の立場から申しまして、狭い意味で役所の中だけで決める、判断をするのはどうかな、やはりある程度広く、いわゆる有識者のお話も聞いてみたい、しかし問題は、比較的限られた、時間的にも長く時間がかかる問題ではないので、まあまあ、いわば余り経費的にも、あるいは法制的にも重い形をとらずに、しかも役所の独善にならないように、御意見を聞きたいというような場合に、この懇談会というのは、けじめを間違いさえいたしませんければ、大変に実は行政の立場からは有意義なものである場合が私は少なからずあると思っておりますので、ただいま電気通信政策懇談会についてのお話がございまして、この内容を実は私よく存じません。懇談会というものの対象として適当であったかなかったか、いまにわかに判断ができませんけれども、そういう性格の御意見、有識者の御意見を聞く方法、これも国家行政組織法という、そういう大変に重い形をとる必要のない、それに至らないような場合には、あってもいいのではないか。ただその場合、先ほどお述べになりました伝統的な法制局の林さん以来の考え方は、十分注意をして、留意をして守ってまいらなければならないということは御指摘のとおりであると思います。
#160
○国務大臣(中曽根康弘君) 従来峯山さんからいろいろ御注意をいただきまして、行管庁としても気をつけてきたところでありますが、われわれの努力がまだ足りないために、各省の首脳部や、あるいは閣僚の中で、八条機関との差をまだ自覚しない、認識度の薄い人もいるのではないかという気もいたします。そういう意味におきまして、官庁の上層部について、このことを強く認識させるように、さらに努力してまいりたいと思っております。
#161
○峯山昭範君 官房長官ね、僕はまだ官房長官自身がおわかりになっていないのじゃないかと思うんです。いや、官房長官のおっしゃる、有識者の意見を聞くということは、大事なことだし、必要だと思います。だから、そのために国家行政組織法を改正して、そしてそのことは何となくできるようにしようということで法律まで提出されたわけです。その問題につきましては、これは国家行政組織法を改正して、ただし書きを入れるという規定をしたわけです。ところが、それが衆議院で通過いたしまして、第二十四国会です。そして、二十五国会であれしまして、参議院に送付されたわけです。そして、参議院ではこのただし書きを入れるかどうするかということで、さんざんもめまして、二十六国会におきまして、このただし書きが削除されたわけです、審議会の問題。それは何で削除されたかといいますと、これは政府の意向ですね。「臨時的な審議会の設置を、一々国会に諮らないで、政令で設置することは、国会の審議権を無視するものである。これらの設置を法律事項から外し、政令にまかせるような規定を設けると、これが乱用され、審議会等の濫設を招き、これが政府の責任回避の隠れみのに使われるおそれがある。行政機構改革の本来の目的から言っても、実際のあり方から言っても、これは政令に移すべきでなく、すべて法律によって設けるべきものである。」というのが参議院で修正した理由です。ということは、大臣も、要するにあれでしょう、わが国は法律に基づいて行政を行い、いわゆる法律に基づいていろんなことをするという国なんですから、少なくともその法律がある以上はきちっと守るようにしなきゃいけない。この間、郵政省の郵政大臣以下事務局の皆さんもその本や何やかやについては、八条機関に抵触しているとか何とかいうことを全く知らない。だから、その政府の法律を提出したことについても大臣は委員会の席上にも、その私的諮問機関の答申に基づいて私はこれを提出しました、それに基づいてこうするんです、ああするんですという答弁が平気で返ってくるわけです。そういうことをしちゃいかんと総理がきちっと言っているわけです。大臣は終わってから、私は知らなかったんで勘弁してくれということであのときはやもなくその法律は通りましたけれども、現実にそういうふうな実情であるということをもう少しやっぱり御認識をいただいて、それでもしどうしてもこれは大臣がおっしゃるように、ちゃんとしなくちゃいけないというんであるならば、法律を改正してやるべきであって、そして、法律がある以上は、やっぱり法律を守らなくちゃいけないというのが私たちの主張であり、考えであろうと私は思います。特に、これは行政府と立法府との問題でありますので、この点はさらにもう一回官房長官のこれからのこれは閣議における何なりきちっとしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。官房長官の御答弁をお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。
#162
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘になりましたように、参議院で修正、削除になりましたゆえんのものは、そのような行政の責任をあいまいにする、立法府との関連においてもそのような心配のあるもの、すなわち拘束力を持つような意見、決定というものは法律によって設けられなければならないということと存じますが、それは先ほど中曽根長官が言われましたように、私ども行政の責任にある者は常に知っていなければならないことでありまして、もしそうでないケースがございましたら、それは当然知って申し上げなければならなかったところであろうと存じます。それでございますから、将来いわゆる私的懇談会というようなものを仮に考えるといたしまして、その意見が行政を拘束する、あるいはそれに基づいてかくかくの行政をいたしますというようなものとして扱ってはならない、そういう意見があることを行政の参考にするということはよろしいのでございましょうけれども、それが拘束力を持つ、あるいはそれそのものが行政の決定にそのまま当然になるといったようなものとして考えることは誤りである、そういうふうに認識してまいりたいと思います。
#163
○柄谷道一君 最初に、大蔵大臣に予算執行の結果生ずる不用額と予算編成の関係についてお伺いしたいと思います。
 大蔵省は、五十五年七月の「歳出百科」の中で、財政再建の課題を述べておられます。その中には「わが国財政は、歳出総額の三分の一を国債でまかなうという異常な状況になっています。財政によるインフレを回避し、国民生活の安定と経済の発展のためには、財政再建、すなわち国債依存体質からの脱却が急務となっています。財政再建に当たっては、まず歳出の徹底した合理化・効率化を進めることが必要ですが、その実をあげうるかどうかは、国民全体の理解と協力にかかっている」まあこう主張されているわけでございます。私は、ここで、主要な経費を説明して、また国民の理解のもとに歳出の見直しを行い、資源の再配分の調整、所得の再配分、経済の安定化という財務の機能を十分に発揮させようという願望がこの中には盛り込まれている、こう思うのでございます。
 きょうは時間の関係で、その内容について一々意見を述べ質問することは避けたいと思いますが、また別の機会に行いたいと思いますが、一点お伺いしておきたいことは、ここで言う「歳出の合理化・効率化」の中には、論述の筋から見まして、不用額を最小限にとどめるという意図は含まれていないと推定されるわけでございますが、いかがでございますか。
 簡単にお願いします。
   〔委員長退席、理事目黒今朝次郎君着席〕
#164
○政府委員(宍倉宗夫君) 不用額の発生につきましてはいろいろな原因があろうかと思います。大きく申し上げますと、予算成立後、予見しがたい事由の発生によって生ずる不用もありますし、それから予算の有効な執行や、節約の結果、不用が生ずるという場合もございます。それから支出の仕組みに問題があるとか、予算の見積もりに問題がある、こういった場合もなくはないと思います。ただいま先生がおっしゃいました歳出の合理化、あるいは効率化、そのことの中に、不用額を最小限にする意味も含まれているのかと、こういうお尋ねでございますが、私いま申し上げました三番目の話というのは、いま先生のおっしゃったことと結びつく話でございます。そういった、何といいますか、限定的な分野におきまして、歳出の合理化、効率化ということは、不用額を最小限にするということとつながる面があるということだと思います。
#165
○柄谷道一君 私は、不用額を出したらいかんと言っているんじゃないですよ。それは節約して不用額を出す、これはもう当然のことでございますが、予算編成と深いかかわりのもとに出る不用額というものはあるだろう。そこで大臣、大臣は「歳出百科」を持って全国行脚されたんですね。好評、不評いろいろ出ておりますけれども、その中で不用額、いま局長の言われました意味での不用額についてへどういう位置づけをしてお話しになりましたか。
#166
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはどういう位置づけをしてといっても、局長が言ったとおりでありまして、不用額は、節約できるものは大いに節約してもらいたい。たとえばインフレ問題でも、予算編成当時インフレ率を高く見込んでおったところが、非常にインフレ率が低かったというような場合は、購入単価等も違いが出てくるわけですから、そういうものは予算があるからといって、物価が上がらなかったのに、上がったなんて買われたらたまったものじゃない。そういうことは細かいことでも注意をして、それはむしろ予算を節約をさせるというようなこともしてもらいますし、それから不可抗力の不用額というのもございます。それは特に輸銀の資金とかなんかのような場合は、相手国が、中国が突如として調整とか整頓とか始まっちゃって、契約成るべきはずと思ってやったら契約が成らんとか、そういうものもありますから、私は要するに不用額というものをいっぱいつくれとは言っておりませんけれども、きめ細かい検討をした結果、不用額が出ることは決して悪いというふうに思いません。ただ、別に予算編成時に、ずさんな見方をして、それで不用額を出したということはこれは悪いわけでございますから、そういうことのないように注意しなきやならん。したがって、これはいろんなそのときの条件によって、私は不用額が出たから全部悪いということも言えないし、当然出すべきものは出してもらわなきゃならん。予算の節約ということはそういうことで行われるわけでございます。
#167
○柄谷道一君 予算の節約によって出る不用額、それから予期せざる理由によって生ずる不用額、私はこれを問題にしようとしているわけではございません。ただ五十三年度の一般会計歳出決算額を見ますと、歳出予算現額三十四兆六千六百八十五億円に対しまして、三千二百三十四億円の不用額が出ております。この比率は〇・九三%に相当しておるわけでございます。この〇・九%程度という比率は、数カ年度を私が概観しただけでも、毎年続いているこれは状況でございます。さらにこの不用額の発生状況を予算と対比してみますと、第一位通産省一二・九%、第二位労働省二・二八%、第三位厚生省一・六九%、そして第四位に財政当局の大蔵省が入っております、一・四四%、第五位が農水省の〇・六二%となっているわけですね。しかも一億円以上のものを拾うと、大蔵省の財務局、税関、それから通産省の通商産業局、鉱山保安局、労働省の労働保護官署、職業安定官署が目につくわけでございます。しかも、これは一例でございますけれども、たとえば厚生省の臨時生活福祉給付金、労働省の特定地域開発就労事業費等は、連年、毎年多額の不用額を生じているということも出ております。
 そこで、私は当然支給、支払いの対象になる者の立場に不利を与えない、こういうことは十分配慮すべきではございますけれども、しかし大蔵省として、より予算編成の際に積算の基礎というものを十分にチェックして、より適切な見積もりを行って、そこで予算執行の結果、予算編成上の手抜かりによって生ずる不用額というものは少なくともその絶無を期すというのが、私は予算編成に当たる当然の大臣の姿勢ではないか、こう思うのでございます。同感というお答えがいただけると思いますが、大臣そのとおりでございますか。
#168
○国務大臣(渡辺美智雄君) 同感であります。
#169
○柄谷道一君 ぜひそのような姿勢で予算編成に対処願いたいと、こう思います。
 そこで、次に私は情報公開の問題を本日はお伺いしたいと思います。
 私は三月三十一日の内閣委員会で、山形県金山町ではすでに条例が制定された。神奈川、埼玉の両県では五十八年度実施に向けて準備が急速に進められている。また、ほとんどの都道府県で情報公開条例の検討が行われ、市町村におきましても、私の承知するところ三十五市、三区、二町で条例制定の検討が行われておる、こういうことを指摘いたしまして、どうも政府の姿勢は臨調待ちという理由で消極的ではないかという印象を受けたわけでございます。
 そこで、自治大臣にお伺いするわけでございますが、情報公開にかかわる機関委任事務と、条例の関連等については、私は政府が早急に方針を定めて、明確に地方自治体に指示しなければ、地方の混乱というものを増幅させるんではないかと、このように思うんですが、自治大臣いかがでございますか。
   〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕
#170
○国務大臣(世耕政隆君) この山形県の金山町の情報公開条例制定に関連して機関委任事務についての御質問でございますが、これはまあ原則としまして、この機関委任事務に関するものは、大体従来から固有の事務というふうに自治省でも地方団体でも大体考えているところでございます。
 ただし、ですから、その情報公開の条例の対象となるわけでございますが、この情報公開の場合には、その地方自治体の長が判断しながら、適正に判断したり、その責任において機関委任事務の文書を公開するのは構わないんですが、ある特定のものに関しては、これは主管大臣の許可を得るべきであろうと。それ以外のものはその地方の首長の判断によって公開しても差し支えないであろうと、こういうふうに私どもは考えているものでございます。
#171
○柄谷道一君 私は、この委任事項と条例の関係は、また別途御質問したいと思います。
 しかし、いま地方で問題になっておるのは、機関委任事務について、その情報公開はいかにあるべきか、これが地方では問題になっているわけですね。したがって、少なくともその方針を明定して指示するということがおくれればおくれるほど、自治体の混乱は増幅すると、こう思うんです。その認識だけをお伺いします。
#172
○国務大臣(世耕政隆君) 機関委任事務の委任者である国が特定しない事項については、地方自治体の判断と責任において公開しても結構であると、こういう見解を持っております。
#173
○柄谷道一君 するとちょっと答弁食い違ってくるんですね。最初の御答弁は、許可を得てと、こう言われたんです。いまの御答弁は、中央から特定するものは別ですよと、それ以外は地方自治体首長の責任と判断において委任事務といえども公開していいと、これがいまの答弁ですね。後者の方が正しいんですか。
#174
○国務大臣(世耕政隆君) 結局は同じだと思います。主管大臣の方からこれは発表して困るということは、いままでの経験ではほとんどないんでございますが、ただ、その内容によっては、いろいろ国の機密に属することもあるでしょうし、個人の機密に属することもありますので、特定のものだけ、これは危ないなと思うようなものは、主管大臣に相談をしてしかるべく発表するかどうかをすべきであろうと。そのほかのことは、その地方自治体の長が責任と判断において発表しても結構であると、こういうことでございます。
#175
○柄谷道一君 そこで、行管庁長官にお伺いしますが、その際、私の質問に対して行管庁長官は、何を特定するかというこの基準については、できるだけ早い機会にその基準を示したいと、こう議事録読んでもあるように答弁されているわけです。そこで、行管庁長官としては、なるべく早い時期にというこの時期はいつごろを目途にしていらっしゃるんですか。
#176
○国務大臣(中曽根康弘君) この前御答弁申し上げましたことも補足しながら申し上げてみたいと思いますが、原則的には、法律的に委任者の了解を経て受任者は公開できると、これが一応のへ理屈であります。しかし、行政の実態を見ますと、委任された仕事の中でも、多分に固有事務に同じような、あるいは固有事務よりももっと軽易なものも含まれている場合があります。元来、固有事務と委任事務の性格をどうするかというような問題が論争されていい問題で、臨時行政調査会におきましても、委任事務の中で固有事務に入るものが相当あるんじゃないかという議論もあって、その境界変更、繰り込みの検討もいまやられているという状態であります。そういう状態にあることも考え、そして公開するという場合に、各省でばらばらであっても困ると思うんです。厚生省はここまでやる、文部省はここまでやる、労働省はここまでやる、ばらばらであっても困ると思うんです。そういう意味において、先ほどの自治大臣の答弁もございましたが、原則的に中央省庁が特定してこれは困るというようなものは、斉一にする必要がある。そして、これ以上は結構ですというものの分界点も国民の目の前や、自治体の目の前にはっきりさせる必要がある。そういう意味において、自治省が大体中心になって、行管も必要あらば手伝いますから、ここまではやったらどうかと、これ以上はこういう条件下ならば留保してはどうかとか、そういう基準を決めて、境界ラインを引いて、それで各省別にも大体整合性のとれるような形の基準をつくって行うことが理想的である、そう考えておるわけです。そういう意味で、いま臨調でも国と地方の仕事の範囲を見直しておりますから、それともにらみ合わせて、臨調とも協力して、この問題を解決していきたいと申し上げておるのでありまして、前向きに柄谷さんのおっしゃる方向で進んでいるのがわれわれの考え方であります。
#177
○柄谷道一君 そこで、情報公開に関する法律が今後制定されたとしても、私はそれが有効に機能するためには、その前提として公文書の管理、保存体制というものの整備が不可欠であろう、こう思うのでございます。この問題につきましては、五十五年五月二十七日の閣議了解事項として「情報提供のための手続・窓口の整備」を決めておられますが、あわせて情報の体系的分類、保管、保存方式等の全般的な見直しを行うという閣議の了解事項があるわけでございます。
 そこで、行管庁にお伺いいたしますが、この閣議了解を受けて、情報提供に関する改善措置のうち、これらの体系的分類、保存、保管というものについて、各省庁がその後どう取り組みどの程度の整備が図られたと把握していらっしゃいますか。
#178
○政府委員(佐倉尚君) いまの先生のお話の五十五年の閣議了解でございます。これに基づきまして、政府部内で各省庁から係官による文書管理改善に関する会議というのを何回か開いております。その中でも、いろいろ分類がございますけれども、ただいまの情報公開問題に関する連絡会議、過去十回ぐらいやっております。
 それから、各省庁でどういうふうに文書管理の状況だというお話でございますが、これも調査項目等を決めまして調査しました。それで現在その結果はまだ出ておりませんけれども、まとめている最中でございます。
 ただいまのは政府部内におきまして鋭意取り組んでいるということを申し上げた次第でございますが、さらに先生の御指摘もあり、ただいまの閣議了解の今後の検討事項のうち、ここに示されておりますような項目につきまして、さらに十分議論を進めていきたいというふうに考えております。
#179
○柄谷道一君 じゃ、自治省はこの件に関しまして、地方の公文書の問題についてどういう指示をし、どうその結果は進展していると把握していらっしゃいますか。
#180
○政府委員(石原信雄君) 先ほど御指摘の閣議了解がされました昭和五十五年の五月二十七日でございますが、その翌日に官房長名をもちまして、この閣議了解の内容を各都道府県、指定都市に通知いたしております。これに基づきまして、それ以前からも各地方公共団体におきましては、この情報の体系的な整備には努めておるのでございますけれども、この通知後も引き続きそれに努力いたしておりまして、団体によってかなり差がありますが、この面での改善努力は相当成果を上げているものと、このように見ております。
#181
○柄谷道一君 努力はしておる、成果を上げているものと思うと、こういう御答弁でございますけれども、その基礎的な前提条件を整備しなければ、法律をつくったって有効に機能しないわけですから、ぜひその作業を促進をして、国民の期待というものに、そういう事務方の理由で、実施というものがおくれることがないように、この点は要望いたしておきたいと、こう思います。
 そこで、官房長官にお伺いしますが、情報公開の制度化と非常に深いかかわり合いを持つのは、各官庁の極秘、マル秘の扱いでございます。それが適切な基準で行われているかどうか、これを見直す必要があるとこう思うのでございますが、現在各省庁に何件の極秘、マル秘指定の文書が存在するんでございますか。
#182
○国務大臣(宮澤喜一君) これは御通告がございましたので調査をいたしましたが、秘密文書として指定されております件数、昭和五十六年中に、防衛庁のみは五十五年だそうでございます。指定された件数を各省庁から聴取したところが、全体で約十六万件、そのうち極秘が一万件、秘が十五万件あるそうでございます。
#183
○柄谷道一君 その扱いが適正かどうかがこれは情報公開の意義を生かすかどうかにかかわってくると私は思うんでございますが、それらのリストを、これは内容は発表できないわけですから、件名のリストを後ほど御提出願えますでしょうか。
#184
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの御要求は、その十万件ばかりのものの件名を出せと、こういうなにでございますか。
#185
○柄谷道一君 全部の件名を書けと言ったら、これは大変な作業ですから、私は、どういう種類のものが何件、どういう種類のものが何件、いわゆる分類をして、種別ごとにリストを御提出願えますかと、こういうことでございます。いますぐじゃないですよ。
#186
○説明員(羽毛田信吾君) 内閣官房としてはいまのところ把握をいたしておりませんので、各省庁に照会をいたしまして、そういう形でとれるかどうか、照会をいたしてみたいと存じます。
#187
○柄谷道一君 そこで、官房長官、さらにお伺いをしますが、各官庁の秘密文書の指定が省庁別に悪意的に行われておったのではこれは問題だと思うんですね。当然統一された基準というものがあってしかるべきではないかというふうに思うんですが、いまそうした統一基準というものが存在し、そのルールに従ってこれらの扱いがされているわけでございますか。
#188
○国務大臣(宮澤喜一君) これは聞くところによりますと、昭和二十八年ごろからそのような努力がなされておるようでございます。最近のところでは、昭和四十年に事務次官会議の申し合わせ、それから、昭和四十七年内閣参事官室からの通達等々で、それらについての通達をいたしておりますので、そのような努力は行われておると申し上げることはできると思います。
#189
○柄谷道一君 では官房長官、この際、情報公開法の制定が大変今後大きな問題になるわけですけれども、そうした基準というものについて、この際改めて見直しを行って、いわゆる整合性のある基準というものをつくるという検討のお考えはございませんか。
#190
○国務大臣(宮澤喜一君) そこで、一番最近のものは恐らく昭和四十七年の通達による分類かと存じますが、これが情報公開との関連において、よく考えられておるかどうかという点には問題があろうと思います。検討させていただきたいと思います。
#191
○柄谷道一君 昭和四十七年五月二十六日に、内閣官房の首席内閣参事官から通達が出ておるんですが、その中に、極秘、秘のほか、部外秘または取扱注意の区分を設けている官庁が見られるが、今後、部外秘または取扱注意という区分を廃し、そういうものは申し合わせによるマル秘によることとすること、そういう通達が行われているわけです。
 私、このストックの量が幾らかわからないんですが、五十六年度の数字を見ますと、常識的に考えて、企業機密に関する問題を多く扱っている通産省、それから労働安全衛生法関連で化学物質の有害性調査にかかわる業務を持っている労働省、さらに科学技術庁、これは極秘及びマル秘の数はゼロなんですね。この理由は、こういう通達は出ておるけれども、まだそれが十分に徹底しないで、部外秘とか、取り扱い注意という文書扱いがされているためにゼロになっているんですか。これを簡潔で結構ですから、通産、労働、科学技術、三省からお答えをいただきたい。
#192
○政府委員(斎藤成雄君) 御指摘の通達の基礎となっております秘密文書等の取り扱いに関する昭和四十年の事務次官会議申し合わせでは、極秘と秘と二つに分けてございまして、御存じのことでございますけれども、極秘は、秘密保全の必要が高く、その漏洩が国の安全、利益に損害を与えるおそれのあるもの、それから秘は、極秘に次ぐ程度の秘密であって、関係者以外には知らせてはならないものというふうに厳しい規定がございます。私どもはこの通達に従いまして極秘、あるいは秘というものを設けておるわけでございますけれども、それ以外の区分というのがこの通達にございません。しかし、事の性質上、文書の中には極秘あるいは秘に当たらないものでありましても、未完成の文書であるとか、各事業者の個別の事情にかかわる文書などで、取り扱いについて慎重な検討を要するものがございますので、これにつきましては取り扱いに慎重を期するようにすべてを公開するということでないかっこうで運用しているわけでございます。これはいま御指摘のございました内閣官房内閣参事官室主席内閣参事官の取り扱いについての通達の中にも、「秘密文書として取扱う必要はないが、業務の遂行上慎重な取扱いを必要とする文書については、取扱い上の注意を明記すること。」ということがうたってございますので、私どもはこの考え方に沿って、秘密文書ではないけれども、扱いに注意をしておるということでございます。
#193
○政府委員(宮本二郎君) 科学技術庁でございますが、昭和五十六年度におきまして、秘または極秘とした文書はございません。また秘文書、極秘文書以外に取り扱い注意等の区分は別に設けておりません。ただ、ただいま通産省の方からと同じような事情でございまして、それ以外でございましても、未完成のまだでき上がっていない原稿的なもの、文書、それからそれぞれの個別の内部事情に係るようなもの、こういうものにつきましての取り扱いについては慎重な検討を加える、そういうものにつきましては取り扱いを注意させるようにいたしておる次第でございます。
#194
○政府委員(松井達郎君) 先生御指摘のように、安全衛生の関係、特に新規化学物質の有害性の調査制度というのがございますのですが、このような関係のものにつきましては、公表前の新規化学物質の名前とか、あるいは製造のプロセスとか、こういうものは個別企業の持っておりますノーハウに関係するわけでございますので、慎重な取り扱いが必要でございます。このようなものについては、私どもは秘としての指定は行っておりませんけれども、取り扱い上慎重にやる必要がございますので、この点はそういう点を明記しまして、慎重に文書管理を行っているところでございます。
#195
○柄谷道一君 そこで官房長官、お聞きのとおり、通達によって極秘、マル秘は、基準は検討してみようというお話でございました。しかし、部外秘その他は通達は守られている。しかし問題は、取り扱い上注意をしなければならん文書というのが、いまのところ各官庁で恣意的に決められておるわけですね。これの内容、量というものは膨大なものだと思うんです。そこでこの問題についても、情報公開を契機として、やはり各省庁通ずる一定の基準というものがないと情報公開の実は上がらないと、こう思うんですが、この面もあわせて御検討を願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#196
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和四十七年五月二十六日の通達が、現在これで、先ほどから柄谷委員の言われますようなこととの関連で十分でありますかどうか、一遍検討させていただきます。
#197
○柄谷道一君 ぜひ国民の期待にこたえて、私は秘密のものをどんどん出せと言っているわけではないわけです。しかし、片や国民には知る権利というものがあるわけです。何を公表すべきではないか、何は公表すべきか、これがやはり内閣として一定の基準のもとに執行される、そういう体制づくりが必要である。ぜひその面での抜本的な検討を官房長官に要請いたしておきたいと思います。
 そこで、科学技術庁長官にお伺いしますが、どうも私はわからないことがいっぱいあるんですが、一例を挙げますと、放射線照射によるバレイショの発芽防止に関する研究成果報告書及びその付録の問題でございます。昭和四十六年に科学技術庁は研究成果報告をまとめられました。それを受けて厚生大臣は、四十七年に安全であるとのお墨つきを出されました。またそれを受けて、四十八年に農林省はこれを実施されたわけですね。ところが、実施されてから後、昭和五十年になりまして、多くの消費者から、その安全性に対する疑問が出た。そこで、根拠資料の提出を求めた。しかし、その際は実験結果のデータ、分析結果というものは公開を拒否された、またその存在すら明らかにされなかった。ところが、昭和五十六年の四月に、朝日新聞が取材いたしまして、その内容が明らかになった。すると、科学技術庁は幻の資料をその際にぽんと出された。こういう一連の事件があるわけですね。
 そこで、これは端的にお伺いしますけれども、この研究報告と付録はマル秘扱いにしておられたのですか。もしマル秘扱いをしていたとすれば、昭和四十年四月十五日の事務次官会議の申し合わせに従いまして、正当な理由を付して解除の手続をとらねばならんと、こう思うんですが、いかがでしょうか。どうも摩詞不思議な幻の資料問題がありますので、明確にお答えいただきたい。
#198
○政府委員(高岡敬展君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の放射線の照射によりますバレイショの発芽防止についての研究成果報告でございますが、これにつきましては、いま御指摘のとおり、昭和四十六年六月に報告書を取りまとめまして、公表したわけでございます。問題はこれに付随いたします研究データを収録いたしました付録でございますが、これは記者発表などのときに公表いたしておりません。でございますが、この報告書そのもの、あるいはその付録も含めまして、文書として、秘密文書という性格のものではございません。と申しますのは、たとえば、この付録と同じレベルの研究データが収録されておりますものが、毎年私どもで原子力の平和利用の研究成果報告書というものが出ておりますけれども、それに毎年の成果を出しておるわけです。ですから、このジャガイモといいますか、バレイショの研究成果報告書の、いわゆるいま御指摘の付録の部分ですね、付録の部分で、研究の成果をまとめたものでございますけれども、それのもとになるデータは公表されておるわけでございまして、いま御指摘のような秘密文書という扱いではございません。
#199
○柄谷道一君 ちょっと事情はいまの御説明と違うのです。これやりとりしておってもしょうがないでしょう。
 そこで、科学技術庁長官に、これは一つの一例として挙げたわけですけれども、この種の研究というのは国家機密に属する問題でもないのですね。重大な企業秘密でもない。個人のプライバシーに属する問題でもない。当然安全性について疑問が出て、しかもマル秘扱いでないと言われるわけですから、取り扱いに注意をする必要もないだろう。そういう要求が出た場合は、こと人の健康と生命にかかわる問題ですから、こういう分析とデータによって安全性があると、こうしたんだというようなものは、これは堂々と発表され、公開されてしかるべきものではないか。それが十数年にわたって幻の文書として存在した。こんな慣例が今後残っていけば、私は情報公開なんか全く意味がないと思うのです。その点長官どうお感じになりますか。
#200
○国務大臣(中川一郎君) 科学技術の成果について、あるいは審議経過について、秘密にしなければならないことはございませんで、いまのバレイショ関係のことについても、何か請求者と役所側の対応の行き違いがあったようで、決して隠しているわけじゃなかったのです、いま審議官言ったように。そういう点について誤解があるようですから、われわれとしては隠すつもりがありませんので、誤解を受けないように、努めて公開をしていくというふうに努力していきたいと思っております。
#201
○柄谷道一君 そこで自治大臣に端的にお答えいただきたいのですが、機関委任事務にかかわる公文書の情報公開について私も取り上げましたが、また今月十三日衆議院内閣委員会でも答弁されております。私は、いままでの答弁ずっと読みまして、こういう理解をしていいですか。
 機関委任事務も、情報公開条例の対象として差し支えない。ただ、この場合、国があらかじめ特定するものは除かれる。そして、それ以外のものは地方自治体の首長の判断と責任において公開し得る、こう理解していいですか。イエス、ノーでお答えください。
#202
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のとおりと理解しております。
#203
○柄谷道一君 行政管理庁長官のお答えもいろいろいままでの速記録ずっと読みますと、多少ニュアンスが変わってきておるようでございますが、いま自治大臣のそのとおりというその解釈と一致いたしておりますか。
#204
○国務大臣(中曽根康弘君) これは先ほど申し上げましたように、自治省あたりが間に入って、一つの基準をつくったらいいと。各省がばらばらでもいかんし、しかし、時代の趨勢は地方分権という形にもなっておるのであり、固有事務と機関委任事務の性格の差はほとんどないようなものも多いし、住民に密着した地域的な仕事は住民にやらせる、そういう原則をやはり確立した方がよろしいと。そういう考えに立って自治省が間に入って基準をつくったらいいのではないかと、前から申し上げているとおりであります。
#205
○柄谷道一君 自治大臣と行政管理庁長官の見解は一致しておると、こう受けとめておきます。
 そこで、法制局長官にお伺いしますが、地方自治法百五十条ですね、これには「普通地方公共団体の長が国の機関として処理する行政事務については、普通地方公共団体の長は、都道府県にあっては主務大臣、市町村にあっては都道府県知事及び主務大臣の指揮監督を受ける。」と、こう明定されておるわけでございますが、私の解釈は、これは事務の統一性を確保する必要があるという趣旨に基づくものであって、ただいま両大臣の言われました趣旨の運用を行ってもこれにもとるものではないと、こう理解して間違いございませんか。
#206
○政府委員(角田禮次郎君) 法律解釈としては、地方自治法百五十条の規定に基づく主務大臣の指揮監督権は、機関委任事務にかかわる情報の公開についても当然及ぶと思います。ただし、主務大臣の具体的な指揮監督を受けなければ、地方公共団体で情報公開ができないというわけではございませんから、大体いま両大臣の言われたような運用は、この規定のもとにおいても可能だと思います。
#207
○柄谷道一君 もう一点法制局長官にお伺いしたいんですが、機関委任事務の管理、執行によって作成された公文書ですね、これもたてまえからすれば主務大臣の指揮監督のもとで、首長の判断と責任において処理されるということになろうと思うんですが、旧府県制以来、地方自治法が施行されている現在まで、一貫してその管理は知事の担当事務とされておりまして、今日まで中央政府が、法令に特別の定めがあるものは別でございますが、それ以外に指揮監督を行った事例は私はないと、こう理解いたしております。
 また、たとえば公告手続とか、縦覧手続、登記簿の閲覧等は、例はございますけれども、それ以外のものはきわめてその例は少ないと、こう理解しておるわけでございます。
 そこで、私はこの文書の管理について、いままでのような実態を踏まえて、法制局はどのような解釈をお持ちなのでございますか。
#208
○政府委員(角田禮次郎君) これには両面があると思います。機関委任事務に係るものでありましても、文書の管理自体は一般には地方公共団体の事務と考えることは可能だと思います。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、その文書の内容が機関委任事務に関するものであるときには、機関委任事務の処理という面から、主務大臣の指揮監督権も及ぶと、こういうことであろうと思います。
#209
○柄谷道一君 防衛庁長官、それじゃお伺いいたしますが、情報公開という機運は全国的に高まっているわけですね。ただ、その中で防衛庁関係では、機関委任事務として駐留米軍の損失補償申請、自衛官の募集、駐留軍労務者の雇い入れ提供、解雇、労務管理、給与の支給、福利厚生というようなものもあるんですね。そこで防衛庁長官としましては、これらの内容を公開の対象にするとお考えなのか、問題は特定しようとお考えなのか、軍事機密は特定の部類に入ると思うんですが、いま私の挙げましたような問題に対する長官のお考えを、これは具体的にどうするこうするは別として、基本的なお考えを伺っておきたい。
#210
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生いま御指摘の例を挙げられましたけれども、そういう防衛庁が地方公共団体に委任をしております事務の中には、個人のプライバシーに関係するものもありますし、部隊行動に関係するものもありますし、また米軍との関係から非公開とされているものも含まれておりますので、これらのものは公開になじまないものと考えておりまして、地方公共団体もこれらのものは公開しない取り扱いをするものと考えております。
#211
○柄谷道一君 じゃ、厚生大臣にお伺いしますが、いま厚生省関係で、世論として公開が要求されておりますのは、食品添加物の許可、規制に関する資料とか、厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会に提出された実験データとか、新薬の許可申請に関し、厚生省に提出された副作用などの安全性データ、さらに水俣病、六価クロムなどの公害に関する行政資料、さらに化粧品公害に係る化粧品の内容成分、いわゆる化学物質、こういったものが絶えず話題が噴き上がってくるわけでございますけれども、個々の問題はいいですから、厚生大臣として情報公開に当たっての基本的なお考えを示していただきたい。
#212
○国務大臣(森下元晴君) 厚生省にはずいぶん機関委任事務もございまして、全省庁のうちで約二六%ぐらい占めております。そういうことでございまして、私は公開の考え方について、二つの面を実は持っておりまして、情報は公開すべきであるという考え方、また同時に、その裏には極度に秘密を守ってあげなければいけない問題と、そういう二つの問題を持っております。そういうことで、厚生省は御承知のように、国民の生活に非常に密着したものが多い。原則的には、私は必要な情報はできるだけ多く公開するべきであると、こういうように実は考えておりまして、その方針でまいりたい。
 ただ具体的に申し上げますと、生活保護の問題、それから精神衛生とか、結核医療、こういう個人のプライバシーの問題をどうするか。それからいま御指摘のいろいろ新薬が出ますと、この資料について発表しろというような問題も実はあります。これも私はできるだけ発表すべきだと思いますけれども、ままこの企業秘密というものがございまして、販売また経営に公開することによって大きな不利益をこうむると、またその反面しないためにいろいろ公害等の手当てがおくれると、非常に矛盾した面を持っておりまして、むずかしいわけでございます。しかし考え方として、私は統一的に、臨調でもただいまそういう面では将来出される予定と聞いておりますから、ただ厚生省だけがすべて考えずに、やはり大きな立場からこの点は公開すべきであると、この点はやはり機密を守るべきであると、そういう一つの基準の上に立って、はっきりしていく必要があると、このように思っております。
#213
○柄谷道一君 通産省もその公文書の中には企業機密にかかわるものが非常に多いと推定されるわけでございます。そこで、情報公開とその企業機密性を多く持つ通産省として、どういう基本姿勢で対応しようとしておられるのか、お伺いします。
#214
○国務大臣(安倍晋太郎君) 機関委任事務の適確な処理のためには、都道府県職員と通産省の職員とが緊密な連絡をとるということが最も肝要であると、こういうふうに考えておりまして、通産省としましても、平素から都道府県と密接な連絡をとって、機関委任事務の処理に当たって扱う申請書類、これにはずいぶん企業秘密等があるわけでございますが、その取り扱い、あるいは管理等につきましても、適確な機関委任事務の処理の一環として、都道府県庁を必要に応じて指導いたしておるわけでございますが、いままでのところは問題はないと、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ、極秘とか、秘とかいう概念がどこまで及ぶかは、これはなかなか社会経済の実態の変動に応じて変化もするわけでありますが、しかし、典型例はともかくとして、これらの概念は一義的に決めがたい面もあるわけですが、政府としてはやはり統一的な運用というものに努めることが必要であると、こういうふうに考えておりまして、通産省としても、今後関係各省と足並みをそろえながら、政府全体としての統一的な見解、統一的な運用を図ってまいりたいと考えております。
#215
○柄谷道一君 最後になりましたので、これは答弁求めませんが、私たちは昭和五十五年五月十五日に衆議院に公文書公開法案を提出をいたしまして、情報公開について積極的に取り組んでまいりました。きょう時間の関係ですべてを尽くし得なかったわけでございますが、私は一つには政府の統一的運用というものがなければならない。このためには自治省、行管庁、さらに必要によりましては官房長官が中心になっていただきまして、統一した運用の基準というものを早急に御検討願わなければならないと思いますし、また極秘、マル秘、さらに参事官通達三項によるその取り扱いに慎重を要するものという文書のあり方についても検討し、その準備を進めていかなければならない。同時に、自治省といたしましても、また行管庁としましても、文書の体系的分類、さらに管理保存というものの整備というものを図っていかなければならない。こういうものが一体になって、初めて法制化の基盤というものが確立されると、こう思うのでございます。
 答弁を求めたいと思いましたが、時間がまいりましたので、これで終わりますけれども、十分この意を体して検討をされることを強く求めまして、私の質問を終わります。
#216
○委員長(和田静夫君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 次回の委員会は四月二十六日午前十時に開会し、締めくくり総括質疑第二回を行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト