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#1
第096回国会 決算委員会 第8号
昭和五十七年四月二十六日(月曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     山田耕三郎君     中山 千夏君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     北  修二君     田代由紀男君
     森山 眞弓君     関口 恵造君
     福岡日出麿君     宮澤  弘君
     三浦 八水君     大島 友治君
     塚田十一郎君     井上  裕君
     瀬谷 英行君     小谷  守君
     黒柳  明君     中野 鉄造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 静夫君
    理 事
                井上  孝君
                亀井 久興君
                高橋 圭三君
                内藤  健君
               目黒今朝次郎君
                峯山 昭範君
    委 員
                井上  裕君
               大河原太一郎君
                大島 友治君
                岡部 三郎君
                河本嘉久蔵君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                仲川 幸男君
                福田 宏一君
                降矢 敬雄君
                円山 雅也君
                宮澤  弘君
                粕谷 照美君
                小谷  守君
                佐藤 三吾君
                本岡 昭次君
                黒柳  明君
                鶴岡  洋君
                中野 鉄造君
                安武 洋子君
                柄谷 道一君
                三治 重信君
                森田 重郎君
                中山 千夏君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鈴木 善幸君
       法 務 大 臣  坂田 道太君
       外 務 大 臣  櫻内 義雄君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  小川 平二君
       厚 生 大 臣  森下 元晴君
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
       通商産業大臣   安倍晋太郎君
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
       労 働 大 臣  初村滝一郎君
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    世耕 政隆君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  伊藤宗一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
        ―――――
       会計検査院長   大村 筆雄君
        ―――――
   政府委員
       内閣官房副長官  池田 行彦君
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  伊従  寛君
       警察庁長官官房
       会計課長     森田 雄二君
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       警察庁刑事局保
       安部長      谷口 守正君
       警察庁警備局長  山田 英雄君
       行政管理庁長官
       官房会計課長   品川 卯一君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       防衛庁参事官   石崎  昭君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   守屋 友一君
       経済企画庁調整
       局長       井川  博君
       科学技術庁長官
       官房審議官    高岡 敬展君
       環境庁長官官房
       会計課長     森   孝君
       国土庁長官官房
       会計課長     中村 博英君
       法務大臣官房会
       計課長      河上 和雄君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
       外務省中南米局
       長        枝村 純郎君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    村田 良平君
       外務省経済局長  深田  宏君
       外務省経済局次
       長        妹尾 正毅君
       大蔵大臣官房会
       計課長      吉田 忠明君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  勝君
       大蔵省主計局次
       長        宍倉 宗夫君
       大蔵省理財局次
       長        小幡 俊介君
       国税庁直税部長  吉田 哲朗君
       文部大臣官房会
       計課長      植木  浩君
       文部省社会教育
       局長       別府  哲君
       文化庁次長    山中 昌裕君
       厚生大臣官房総
       務審議官     正木  馨君
       厚生大臣官房会
       計課長      坂本 龍彦君
       厚生省医務局長  大谷 藤郎君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       厚生省年金局長  山口新一郎君
       厚生省援護局長  北村 和男君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       農林水産大臣官
       房経理課長    宇賀神治夫君
       農林水産省経済
       局長       佐野 宏哉君
       通商産業省貿易
       局長       中澤 忠義君
       運輸大臣官房長  角田 達郎君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       郵政大臣官房経
       理部長      奥山 雄材君
       労働大臣官房会
       計課長      高橋 伸治君
       労働省労働基準
       局長       石井 甲二君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       労働省職業安定
       局高齢者対策部
       長        加藤  孝君
       建設大臣官房会
       計課長      梶原  拓君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       自治大臣官房会
       計課長      沢田 秀男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     肥後 昭一君
       会計検査院事務
       総局第一局長   佐藤 雅信君
       会計検査院事務
       総局第二局長   堤  一清君
       会計検査院事務
       総局第三局長   坂上 剛之君
       会計検査院事務
       総局第五局長   丹下  巧君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十三年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十三
 年度政府関係機関決算書(第九十一回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第九十一回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第九十一回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和田静夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十四日、山田耕三郎君が委員を辞任され、その補欠として中山千夏君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(和田静夫君) 次に、昭和五十三年度決算外二件を議題といたします。
 前回に引き続き、締めくくり総括質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○安武洋子君 まず私は統合演習についてお伺いをいたします。
 五月に実施をされます統合演習は、これは毎年行われております統合幕僚会議の演習だと思いますけれども、CPXすなわち指揮所演習と実動との組み合わせと理解して間違いございませんでしょうか。
#5
○政府委員(石崎昭君) おっしゃるとおりでございます。
#6
○安武洋子君 では、このCPXはいつから始めるんでしょうか、その期間は何日ぐらいで、場所は市ケ谷なんでしょうか、それとも防衛庁の本庁なんでしょうか。
#7
○政府委員(石崎昭君) CPXを何日から始めて何日間やるかということは、いま最終的な詰めをやっておりまして、まだ何日の何時とか、細かいことは決まっておりません。それから何日間という点は、まあ四、五日から一週間ぐらいのことになろうと思いますが、これもいま最終的な詰めをやっておりますので、期間も完全に固まっておりません。近々固まると思います。
 それから場所ですが、去年は市ケ谷でやりましたけれども、ことしはいまのところ六本木でやろうというつもりで考えておりますが、これも最終的ないろいろな場所のアレンジをしまして、確定はしておりませんが、おおよそそんな心づもりでおります。
#8
○安武洋子君 六本木といいますと、防衛庁本庁でございますね。それを一応想定なさっていらっしゃるということですが、このCPXは結局内局――シビリアンが参加をするんでしょうか。
#9
○政府委員(石崎昭君) 統合訓練のCPXに文官が参加する問題について、一部の新聞がそういうことを書いたこともありますけれども、そして私どももそういう必要があるということは認識しておるんでありますが、ことしの統合訓練では、文官が参加してやるということはちょっと準備が問に合いませんし、いろいろ細かい詰めるべき点が残っておりますので、ことしはできない。したがって、文官はことしは参加しないというつもりでございます。
#10
○安武洋子君 ことしは全く参加をさせる可能性はないけれども、必要があるという認識だから、来年以降は参加をさせていこうという方向であるというふうに確認してよろしゅうございますね。
#11
○政府委員(石崎昭君) おっしゃるとおりでございまして、ことしはちょっと無理ですが、来年果たしてできるか、これもちょっと私は確言できませんけれども、将来の課題としては必要なことだということを認識しておりますので、いずれ可能なときが来ればやらなければならないと思っております。
#12
○安武洋子君 それでは実動はいつから始まるんでしょうか。そして大体いつまでの期間を考えてなさるんでしょうか、そして場所は一体どこなんでしょうか、またそれに参加をしていく規模というのはどれぐらいで、目的は何なんでしょうか。大変たくさんお伺いいたしましたが、実動はいつからいつまで、場所はどこで、規模はどのぐらいで、目的は何かということでございます。
#13
○政府委員(石崎昭君) まず時期でございますが、これはCPXと同じように、目下細かい点の詰めをやっておりますので、正確な日時までは決まっておりません。五月の下旬ぐらいをめどにしましていま検討しております。いろいろな条件が整った日時を選んで数日間、これも検討しておりますけれども、やることになると思います。
 それから、場所でございますが、去年は御存じのとおり、北九州、対馬方面を場所に選んでやりましたが、ことしは東北方面から北海道方面へ兵力の輸送をするという内容で、そっちの方面を場所にしてやりたいという腹づもりでいま検討をしております。
 それから参加の規模でありますが、これも、何もかも検討段階で決まっておりませんで恐縮なんですが、これも正確にまだ固まっておりません。しかし、おおよその見込みとしては、大体去年並みになろうかと思います。つまり参加規模が全部で一切合財入れて陸海空一万ぐらいの規模になるんではなかろうかと思っておりますが、どういう部隊が何人ずつ、どういう役割りをという細かい点はいま検討段階で、近々結論が出せるのではなかろうかと思っております。
#14
○安武洋子君 東北の方から北海道に輸送をというふうにおっしゃいましたが、ただ漠然と、東北と言っても広うございます。北海道と言っても大変広うございます。まだ検討中ということではございましょうが、大体東北のどこら辺から北海道のどこら辺に輸送を考えてなさるんですか。
#15
○政府委員(石崎昭君) 地元の方々の御了解を得たり、御支援を得なければなりませんので、場所が最終的に御了解が得られて、発表できる段階になりませんと、どの場所というふうに具体的に申し上げることがまだできないわけでございますが、おおよその腹づもりとしましては、東北の太平洋側の適当な場所に輸送する部隊を集めて、そこから北海道方面へ送ると。北海道のしからば行き先はどの辺になるかというと、これまた太平洋側ということで、いましかるべき場所を考えて地元の方々の御了解が得られるような作業をやっているところでございます。
#16
○安武洋子君 私は、こういうものは国民にすべて明らかにしてやるべきだと思います。そして内局が参加をするということを検討なさっていらっしゃるということについては、これは私はやはり有事法制、これを実行段階として足を踏み入れていくというふうなことではないかということで、こういうことはなさるべきでないということを申し上げとうございます。
 そして、時間の関係上リムパックの問題について伺ってまいりたいと思いますが、現在リムパックが行われております。これに参加をいたしております海上自衛隊が、アメリカの海兵隊の上陸支援の一環として、艦砲射撃を行っていたのではないかというふうな、わが党の立木議員の質問が二十二日ございましたが、それに対しまして石崎参事官が、自衛隊の艦砲射撃は数日後なので、関係はないと、こう御答弁なさっていらっしゃいます。
 そこで、お伺いいたしますが、自衛隊だけでなくって、アメリカの海軍の艦砲射撃も数日後に行われるわけなんでしょうか、あるいは行われたのでしょうか。
#17
○政府委員(石崎昭君) アメリカの艦砲射撃がいつ行われたかは、実は私は正確に知りません。自衛隊のやっていることについては逐一細かい計画を立てまして、それに従って実行させて、また、結果についての報告も受けているわけでありますから、それはわかるんでありますが、他国の行うことについては私は正確に知りませんし、また他国がどういうことをやっているかについて、日本国の政府委員でありますから、他国のことについて御説明するという立場でもないわけでありますが、自衛隊の場合は、さっき申し上げましたように、海兵隊の上陸訓練が行われた数日後に、実際に艦砲射撃の訓練が行われました。したがって、この前立木委員に私が御答弁申し上げましたとおり、海兵隊の上陸訓練と海上自衛隊の行った艦砲射撃訓練とは、実際は無関係であるということがはっきりしているわけでございます。
#18
○安武洋子君 自衛隊の艦砲射撃はいつ行われたんですか。
#19
○政府委員(石崎昭君) 失礼しました。ちょっと私勘違いしておりまして、すでに済んだと思ってましたが、現地時間の二十六日ですから、きょうは日本は二十六日でありますが、これからちょっと時間がおくれて行われるという予定でございます。ちょっと勘違いしておりました。すでに終わったと思っておりましたが、そういうことで、二十六日に自衛艦は艦砲射撃訓練をやるというふうに訂正さしていただきます。
#20
○安武洋子君 日本時間に直しますと、きょうの何時ごろですか。
#21
○政府委員(石崎昭君) 時間までは私はつかんでおりません。現地の射撃する目標になる場所の都合もありましょうから、大枠はまあ海上自衛隊の部隊に指示してあるわけでありますが、現場の都合で多少前後したりする可能性もありますので、何時ということは承知しておりません。
#22
○安武洋子君 ハワイ島への海兵隊の上陸というのは、これは艦砲射撃なしの上陸だったんでしょうか。
#23
○政府委員(石崎昭君) しばしば申し上げてきたとおり、海兵隊の上陸訓練には自衛隊は一切関与しておりませんので、上陸訓練がどういう形で行われたかは、私どもは必要がないことなので知らされてもおりませんし、知りません。ただ、現地へ多数の新聞記者団が行っておりまして、米側から海兵隊の上陸訓練についていろいろ発表があったり、説明があったりしたようでありますので、そういうものを通じて知っているわけであります。
 そこで、最初申し上げましたとおり、自衛隊は海兵隊の上陸訓練に関与しておりませんので、その上陸訓練に際してどういう武器が使用されたか、これは公式には申し上げる立場にもありませんし、わかっておりません。
#24
○安武洋子君 立木議員の質問に対して、艦砲射撃というのは数日後にずれて行うから、まあきょう行われるわけですけれども、それは上陸作戦とは関係ないんだというふうな御答弁ですけれども、艦砲射撃というのは、そもそも上陸作戦の援護のために一体となって行われるはずなんです。それを切り離して、後で別にまとめてやる、数日ずらしておやりになるということは、実際の演習では、これはそこに練習弾であろうと、実弾であろうと、そういうようなものを飛ばすということは、これは大変危険も伴いますし、そういうことはやらない。しかし、これは演習の本当の想定上では元来組みになっているもの、これは上陸支援ということで演習の想定上はなっているということではないんですか。
#25
○政府委員(石崎昭君) 艦砲というものがどういう機能を果たすかということになりますが、水上の目標を撃つこともあれば、空に向けて撃つこともありましょうし、地上の目標に向けて撃つこともある。それらのいろいろな持っている機能を確認し、射撃の技術を高めておくということが海上自衛隊の艦砲射撃訓練の目的でございます。つまり武器の性能を高度に発揮するための熟練のために艦砲射撃訓練が行われたわけでありまして、アメリカの海兵隊の上陸を支援するために艦砲射撃をする、訓練をするという目的は自衛隊は何ら持っていないわけでございます。装備している武器の性能を試し、技術を練磨する。だからこそ上陸訓練が行われた日とは全く無関係に、何日もたってから、別途アメリカが提供してくれた場所に向けて射撃の訓練をする。全く切り離されたかっこうで行うわけでございます。
#26
○安武洋子君 実技の練磨といいましても、一体実戦のときに全く役に立たないような実技の私は練磨というものはないと思います。艦砲射撃というのは、明らかに上陸作戦と一体になって行われるからこそ、数日後ずらしてしたとしても、私はやはり演習の想定上は上陸作戦に対する支援活動という想定に基づくものであろうと思います。といいますのは、本日も毎日新聞とか、読売新聞などが報道いたしております。これは海上自衛隊の指揮官の伊東隆行一佐、この方は二十四日に「しらね」の艦内で記者会見をなさっておられます。ここで、上陸作戦の行われたときは、護衛艦はハワイ島の四百キロの海域にいたけれども、しかし上陸作戦のとき、われわれは空母機動部隊を支援してきたのだから、米海兵隊の作戦に間接的に支援したことになるかもしれないと、こう認めておられます。現場でこういうふうに認めておられますけれども、私はこの訓練内容は何であったかということは明らかにしていただかなければならないと思います。
 まず、新聞では、極東有事に関して、この目的というのはやっぱり三海峡封鎖の作戦の一環として行われたのではないかというふうなことも言われております。
 お伺いいたします。この演習内容、そしてこの演習の想定、目的、これをはっきりさせてください。
#27
○政府委員(石崎昭君) まず最初の、艦砲の射撃訓練というものが将来どういうことに生かされてくるのか、したがって、艦砲射撃訓練というものがどういう目的を持っているのかということについてでございますが、艦砲が地上の目標物を射撃するということは、持っている性能の一つをテストし、練磨するということはさっき申し上げたとおりでございますが、これを練磨すること、練磨した射撃技術が何にしからば生かされるか。この問題は、実は防衛局長が御答弁した方がいい問題かもしれませんが、もちろん自衛隊の諸活動のために練磨した艦砲射撃技術は生かされるわけでございまして、今回ハワイでアメリカの海兵隊が上陸訓練をやるのに役立てるための訓練ではなかったということは、もう何遍も申し上げたとおりでございます。
 それから、次のどういう想定、シナリオでリムパックが行われているのかという御質問でございますが、これはしばしば国会でも申し上げてきましたとおり、リムパックではいわば――適当な言葉がありませんが、しばしば私は戦略想定という言葉を使っておりますが、戦略想定とも言うべきものはございません。訓練を遂行するに必要な戦術的な想定はございます、これがなければ訓練になりませんので。たとえば、対潜訓練をやる場合には、どのくらいの潜水艦がどう襲ってくるかという想定がなければ対潜訓練ができませんから、そういう種類の想定はございますし、また防空訓練をやる場合に、航空機がどのくらい、どういうふうに攻めてくるか、これも想定がなければ防空訓練がなり立ちませんから、そういう想定はございますし、そのようにそれぞれの訓練項目に応じた必要な戦術的な想定はリムパックでたくさんいろんな種類の想定がございます。しかしながら、それらの戦術的な想定を全部包み込むような大きな戦略的な想定とでも申すべきものはございません。したがって、何遍も申し上げておりますとおり、特定の海面をどこの国が分担して守るとか、あるいは特定の国をどこの国とどこの国が共同して守るとか、あるいは極東のどの地点にどういう問題が発生した場合に、リムパックに参加している国がそれぞれどういう対応をするとか一その種の戦略的想定に類するものはないのでございます。
#28
○安武洋子君 現場でじかにこのリムパックに参加をしておられる、しかも指揮官、この方が二十四日に記者会見をして発表なさった。この方の発言をあなたは否定をなさるんですか。
#29
○政府委員(石崎昭君) 現場で指揮官が発言した内容というのは、どの点を御指摘なのか私よくわかりませんが、現場へ行っている指揮官は、出発前に防衛庁長官から命を受けて、任務をはっきり与えられて行っておりまして、何遍も申し上げておりますとおり、法令に準拠し、わが国の政策の枠組みの中で一切の訓練が行われるということは十分承知して現地へ行っているわけでございます。したがって、そういう原則に反するような訓練が行われるはずはありませんし、そのようなことを疑わせるような発言をするはずはありません。どういう点をお取り上げになっているのか私わかりませんので、その点はちょっとお答えしょうがありません。
#30
○安武洋子君 私がさっき申し上げたのは、この伊東隆行一佐が記者会見で、上陸作戦のときわれわれは空母機動部隊を支援してきたのだから、米海兵隊の作戦に間接的に支援したことになるかもしれないと、こうおっしゃっている。私はこのことを現場の方が言われているからこそ問題にしている。あなたは、任務、法令、枠組み、これすべて知っているはずだと。原則に反するような訓練に参加はしていないはずだと。では、この方は原則に反し、こういう枠組みからはみ出したということになるわけですか。
#31
○政府委員(石崎昭君) 現地の指揮官の伊東一佐が発言したとおっしゃる点は、私どもが受けている報告によれば、そういう上陸作戦にかかわり合いを持ったというような発言を伊東一佐はしておりません。おりませんので、そのようなことは言っていないと思います。
#32
○安武洋子君 記者会見で言われたことを報道されている。そういうことは言わないとそこにいないあなたが否定をなさる。私は調査をして、直ちにどちらが真実であるかということを明らかにしていただきたいと思いますし、やはり現場で発言なさった方が正しかろうと思います。
 そこで急いで聞きますが、今回の空母は、「レンジャー」以外に参加をしていないんでしょうか。それから、今回の参加艦艇の各国別の隻数をお聞きいたします。
#33
○政府委員(石崎昭君) 各国の参加隻数は、アメリカが艦艇四十七隻、カナダが三隻、オーストラリアが六隻、ニュージーランドが一隻、わが自衛隊が三隻。以上が参加国の参加艦艇の数でございます。
#34
○安武洋子君 空母は。
#35
○政府委員(石崎昭君) 空母は「レンジャー」が参加しているということは聞いておりますが、そのほかの名前については私はいまつかんでおりません。
#36
○安武洋子君 では、早速つかんでいただいて、この参加艦名リストを資料として出していただきたいと思います。よろしゅうございますね。
 リムパックに参加しておりますアメリカの主要な指揮官モロー少将が記者会見をなさっておられます。日本の自衛艦がアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの軍艦から攻撃を受けた、そして海上自衛隊が米軍以外の参加部隊と共同演習を行ったと、こういうことを明らかにされております。
 リムパックに関しましては、政府は五カ国の同意がない限り、内容については国会といえども公表できないと、ずっとこういうことを言ってこられている。一体、モロー少将の発表に当たって、だれが日本側は相談にあずかったのか、この発表に同意をしたのか、こういうことをお伺いしますし、また、それなら日本側も発表すべきではないかと、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#37
○政府委員(石崎昭君) モロー少将がどういうことを記者団に対して発言するかについて、日本側に事前の御相談はございません。全くモローさんの御自分の発意で行われたのではなかろうかと思います。
#38
○安武洋子君 五カ国の同意した発表文章にも名前を連ねている指揮官のお一人です、このモローさんは。そして、現場でじかに記者会見をなさって発表されております。ということになりますと、これは、アメリカ側が日本にも知らせないで、約束違反、機密漏洩をしたことになるんですか。それとも現場の制服が独走して、内局は全然知らない、あなたたちは知らない、まさにシビリアン・コントロールでなくって、アメリカン・コントロールになるわけなんですか。私は、こういうふうな重大な集団的自衛権に抵触するようなこと、これをあなたたちは五カ国の同意がなければ発表できないんだ、発表できないんだと、国民にも国会にも何も明らかにしないままにこういうことをずっと積み重ねていっておられる。そのことをこういうかっこうで隠蔽することは私は許されないと思います。やはり個々の内容すべてを国民に、国会に明らかにすべきです。
 そもそも、リムパックなんといいますのは、戦術もそれから戦法も違う、こういう各国の海軍がアメリカの指揮下で一体となって行動する訓練なんでしょう。だから、集団的自衛権の行使、これが当然の前提になると思います。私はこういう憲法違反のやり方をやめるべきだと思います。
 ここで防衛庁長官に伺いますけれども、先ほどのモロー少将が発表いたしておりますけれども、これは五カ国の同意がなければ発表できないんだ、発表できないんだと、こういうふうにあなたたちは国会で答弁をなさってこられた。ところがモロー少将は発表なさった。日本側はだれも同意してないという御答弁なんです。それならば、これはアメリカ側の約束違反です、機密漏洩ですから。厳重に私はアメリカに抗議をすべきだと思います。それから、これがアメリカン・コントロールで、あなたたちだけが知らされていないとすれば、私はこんな危険なことはないと、シビリアン・コントロールどころか、アメリカン・コントロールだと申し上げたい。そして、集団的自衛権、この行使に該当するようなこういう訓練から直ちに自衛隊を引き揚げるべきだと、この三点をお伺いいたします。
#39
○政府委員(石崎昭君) 指揮権の問題とか、集団的自衛権行使云々という問題について、防衛庁長官が基本的な立場をお答えする前に、事務的な部分だけ私が御説明いたします。
 国会に何にも言わず、国民の目を隠蔽しながらリムパックをやっている云々という点でございますが、これはもう何遍も国会で申し上げてきましたとおり、リムパックはどういうものであり、どういうことをやり、どういうねらいを持っておるのか、いわゆるその総論の部分については、私どもは逐一詳細に国会で何年もかかって御説明してきたわけでございます。問題は各論の非常に限られた一部については、五カ国の同意がなければ御説明できないということを申し上げているわけでありまして、総論については、できるだけ詳細に国民の理解と支持を得なければならないという立場から御説明をしてきたわけでございます。各論の非常に限られたある部分は、五カ国の同意がなければ言えないと申し上げてきました理由は、各論の限られた部分については、いわゆる戦術、戦法の手の内に属する問題でありまして、これを明らかにすることによって、防衛力が持っている抑止効果というものを傷つけるということでは何もならない、翻って、それは国民に不利益を招くと、こういう理由から各論の非常に限られた部分については申し上げてこなかった、申し上げられないと言っているわけでありまして、総論についてはもう何遍も申し上げますとおり、逐一国会で申し上げてきたとおりでございます。したがって、そのような御批判は当たらないと思います。
#40
○国務大臣(伊藤宗一郎君) いま政府委員からもお答え申し上げましたとおり、国民の自衛隊でございますから、自衛隊が行います訓練等につきましては、できるだけ国会を通じまして、国民に明らかにしてまいりましたし、これからもできるだけ明らかにしてまいりたいと思います。
 ただ、いまも政府委員から申し上げましたとおり、自衛力といいますか、防衛力の本質から見て、どうしても申し上げられないことがあることはぜひ御理解を賜りたいと思います。そういう観点からアメリカのモローさんが言われたことについて、私いま詳細に、正確に把握しておりませんので、どういう発言をされたかわかりませんけれども、そのことはこれから帰ってまいります伊東指揮官以下の話を聞きながら、われわれとして適切に対処をしてまいりたいと思います。
 また、改めて申し上げますけれども、リムパックは米海軍第三艦隊が計画をし、外国艦艇等の参加を得て実施しております総合的な訓練の一つでございまして、その目的はしばしば政府委員からも答弁しておりますように、参加艦艇の艦艇レベルでの能力評価を行い、個々の戦闘場面における戦術技量の向上を図るものでございまして、特定の国を共同して防衛するというような訓練ではございませんので、御質問の背景にございます集団的自衛権の行使を前提としている訓練であるとは考えておりませんので、中止をする考えもございませんし、また今後も機会があればぜひ参加をしてまいりたいと思っておるのでございます。
   〔委員長退席、理事目黒今朝次郎君着席〕
#41
○森田重郎君 実はまず通産大臣にお伺い申し上げたいのでございますが、去る二十四日、総理は総理官邸でブッシュ副大統領と一時間半ほどの時間にわたって、日米間の諸般の問題についての会談をなされたというふうに伺っておりますが、その中で農産物の市場開放問題に触れておられるようでございますが、通産大臣とされまして、その辺につきまして何か御承知の点がございましたらお聞かせをいただきたい、かように思います。
#42
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も二十四日にブッシュ副大統領と約四十分間日米貿易摩擦の問題について会談をいたしたわけでございますが、副大統領と総理との会談はその前にありました。その際私から、いま政府として摩擦を解消するためのいわゆるわが国としての市場開放対策を全体的に取りまとめておるけれども、農産物の問題で、アメリカの日本に対する考え方が初めと変わってきておるということで実は困惑をしておる、こういうふうな話をいたしたわけですが、それにつきましてはさらに説明を加えまして、実は農産物については、農林大臣もおられますが、日米作業部会で話をするということで農林省から局長が参りまして、作業部会が始まったところが、アメリカ側が完全なる農産物についての自由化を求める、同時にまたガット二十二条で協議をする、こういうふうにアメリカ側の方針が伝えられたので、これはそれではガットで十分協議することになったんだな、こういうふうに実は思っておったところが、最近に至ってアメリカ側から何らかの農産物についても一括した対策を日本側が講ずるに当たっては改善措置を盛り込むべきである、こういうふうな主張がなされたということで実は困惑をしておる、こういうことを申し上げました。
 さらに、農産物の問題は大変日本にとってもむずかしい問題であって、非常に政治的なインパクトもある問題であるし、また同時にアメリカでも理解していただかなければならぬことは、農林大臣もしょっちゅう言っておりますように、わが国はアメリカからの最大の農産物の輸入国である、八十億ドルも輸入しておる、そしてそれは年々農産物の輸入はふえておるということであるし、また一方的に日本に対して残存制限品目の完全自由化を求められておるが、アメリカにおいても農産物についてはウエーバー条項十三品目等があって、保護政策をとっておられる、そういうことも理解をしていただかなければならんので、なかなかこれは日本側にとっても非常に困難な課題であるということを副大統領もひとつ理解をしていただきたい、その他の問題については、われわれとしてもこの貿易摩擦を何とか解消するために力を尽くして、いま案をまとめつつあるところである、これは相当評価されると思うし、全体的に日本の方針が明らかになった暁においては、全体的な評価を得て、そして貿易摩擦が解消の方向へ向かうように、できるだけひとつ御協力をお願いしたい、こういうことを申し上げたわけでございます。したがって、それ以上、どうするかというようなことは、これは恐らく総理と副大統領との間でもお話はあったかと思いますけれども、私との話し合いは大体そういうことでございます。
#43
○森田重郎君 ただいま通産大臣のお話を伺っておりまして、若干輸入拡大方針の第二弾について、ちょっと触れられたように私感じたんでございますが、この点につきまして農林大臣にお尋ね申し上げたいんですが、これは新聞報道の知識なんでございますけれども、米側が完全自由化を取り下げる、あるいは取り下げないまでも、段階的にこの点を進めていくというような、そういう一つの条件のもとで第二弾が打ち出されるというような実は記事を見たわけでございますが、この辺は農林大臣いかがなものでございましょうか。大臣としてのお考え、御所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(田澤吉郎君) いま通産大臣から農産物の自由化については大体もう御答弁があったのでございますが、農林水産省といたしましても、農産物輸入の基本的な考え方は、この四月の十二、十三に開かれました、いわゆる作業部会の結果を踏まえながら、アメリカの要請の真意をよく見きわめて、アメリカとの間に協議を進める。それから牛肉、オレンジについては、すでに十月の適当な時期に話し会いをしましようということでございますから、日米間の協議にまつと。しかしながら、御承知のように農産物の残存輸入制限品目、これは農畜産物にとって基幹をなす品目であり、あるいはまた地域の重要品目でもあるし、水産振興のための重要な品目でもございますので、これ以上やはり開放するということは非常にむずかしい状況にございますので、私たちはやはりアメリカとできるだけ話し合いをいたしまして、わが国の実情、あるいはアメリカと日本とのやはり農産物の自由化の実態というものを互いに話し合いをして、今後私たちとしてはできるだけこれは枠の拡大をしないように、そうして話を進めてまいりたい、かように考えているわけでございまして、したがいまして、この第二弾との関係でございますけれども、私は、農林水産省としては、さきの貿易小委員会を踏まえての作業部会でございますから、一応農林水産省としてのスケジュールはできているんだということでございますから、この結果を踏まえて、そしてアメリカの出方を待つというのが、むしろ農林水産省の考え方でございますので、第二弾の関係というのは非常にこれから関係閣僚間で話し合いになりますけれども、私どもとしては、一応のスケジュールができているんだから、この線でアメリカの動きを見ながら進めてまいりたいという考えでただいまおるわけでございます。
#45
○森田重郎君 ただいま農水大臣の御答弁の中で、アメリカの真意を見きわめるというようなお話がございましたが、公式の協議としては、いまお話しのございました二十二条提訴、これが一応公式の結局協議の最終段階というふうに理解をしておるわけでございます。ところが、一方また米側から何か多少こう変わった話が持ち込まれたというようなことについて、大変悩んでおられるやに私承知をいたしておるわけでございますが、こういった点につきまして、どうも副大統領までわざわざこちらへいらっしゃっている、総理もお会いなさっているというような中で、何かその辺の、ガット二十二条提訴はこれはもう既定方針どおりだと、これでいくのだというような、それが真意なのか、あるいはその前に多少弾力的に話し合いの場が持てる、また持つ意思があるかないか、その辺が真意なのか、その辺なかなかこれは非常にむずかしい問題ではございましょうけれども、また把握しづらい問題ではございましょうけれども、つかめないものなんでございましょうかね、いかがなもんでございましょう。
#46
○政府委員(佐野宏哉君) 最近に至りまして、アメリカ側から私どもに伝達をされてきております意向によりますと、アメリカ政府としては、ガットの紛争処理手続をとるということを決めてしまったわけではないという言い方をいたしております。それで、アメリカ側がガットの紛争処理手続に訴えることを決めたわけではないと言っております現状におきましては、日本側の方からガットの紛争処理手続であるというふうに、こっちで決めるべきことではございませんので、でございますから、ガットの紛争処理手続に従って処理をされることになるのか、それとも別の形態での二国間の話し合いによって処理されることになるかというのは、先方の出方にかかっておるという状態でございます。
#47
○森田重郎君 いまガット提訴というものを米側は決めたわけではない、こうおっしゃいましたね。そのニュースソースというのはどこからですか。
#48
○政府委員(佐野宏哉君) バラクロフ公使でございます。
#49
○森田重郎君 どうもその辺に私は余り釈然としないものを感ずるのですよ。
 しかし、時間の関係もございましょうから、質問を前の方に進めさせていただきますが、もう一問通産大臣に伺いたいのですが、これもやはり新聞報道でございますけれども、日米の貿易摩擦、まさにそのたけなわの折に、何かアジア諸国からも貿易問題についての対日批判が非常に強くなってきておるというような記事をたまたま拝見したわけでございますが、この辺につきまして、何かホットなニュースでもございましたら、ひとつお伺いしたい、かように思います。
#50
○国務大臣(安倍晋太郎君) われわれ直接に聞いておる問題はありません。ただ台湾との関係におきまして、台湾に対する出超が非常に大きくなりまして、台湾が制限措置を千数百項目追加して、わが国からの輸出に対する制限措置をとったことは御承知のとおりでありますが、その他の国についても、インバランスは続いておるわけでございますし、こうした日本がいま市場開放を非常に強く求められておるという全体的な空気があるものですから、そういう情勢の中でEC、あるいはアメリカ以外の国からも、日本に対していろんな面で市場開放を求めるというふうな声が出ておるというふうにはわれわれも判断はいたしておるわけでございます。しかし、具体的にどうしろこうしろといった議論とか、要請があっているわけではありません。
#51
○森田重郎君 わかりました。
 次に河本長官にお尋ね申し上げたいんでございますけれども、長官はかねて農産物問題については、輸入制限品目というものを撤廃しても、金額的にはそう大したことはない。農業問題というのは、あくまでも世界経済全体の立場で考える必要がある、こういうような御持論ではないかと思うのですが、河本長官の考えていらっしゃいます米国産穀物による開発途上国援助の問題、かなり私どもの想像するところでは煮詰まってきておられるのではなかろうかと思いますが、その辺について多少具体化等の問題につきまして、お考えがございましたらお聞かせをいただきたいと、かように思います。
   〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕
#52
○国務大臣(河本敏夫君) ただいまのお尋ねの構想につきましては、まだ具体化の段階まではいっておりません。
#53
○森田重郎君 そういうことでございましたら、これはいたし方ないわけでございます。
 次に、行管庁長官にお尋ね申し上げたいんでございますけれども、私もかつて行財政の特別委員というようなことで、何回か同じような御質問を申し上げたことがございますが、当時総理の姿勢にいたしましても、同時にまた行管庁長官、各省大臣の行財政改革に対する姿勢と申しましょうか、政府の考え方等につきまして、私たちが何回か行財政改革につきましての質疑、質問をいたしますと、どうも返ってくる言葉が大体皆さん、かちっと一致しておるとでも申しましょうか、第二臨調の答申を待って、あるいはまた臨調を御信頼申し上げておる、その辺については臨調の結論が出ないことには何とも政府として答弁申し上げることができん、こういうような質問に対する答弁が大変多かったかと、かように思うんです。ところがどうも最近の臨調と政府との関係、関連というふうなものを見ておりますと、けさの新聞等につきましても「裏臨調」というような言葉が使われておったようでございますが、この辺がずっと雲の上にある臨調に政府がいつの間にかかけ上がっていって、そこで一体になった、あるいはまた雲の上の臨調が下の方におりてきて、何かその辺多少政府と一体感を醸し出しておるというな感じがしてならないんでございますが、その辺につきまして、行管庁長官の御意見がございましたらお聞かせをいただきたい、かように思います。
#54
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、政府は法律で臨時行政調査会というものをつくりまして、その委員も国会の御承認を得て任命された、こういう重大な委員会をおつくりしてお願いしているわけでありますから、お願いしている者がその間に自分のものを小出しに出すというのは、これは適当でないので、お願いした以上は、出てくるものを待って、それを点検の上誠実に実行する。ただその間にいろいろこちらの側で勉強しておく、こういうことは大事で、ただし、それはそう簡単に表へ出したりしないで、いざというときに聞かれた場合の用意にとっておく、そういうようなことがやはり頼んだ側の正常な姿勢ではないか、そういう態度を政府は堅持しておるわけであります。
 それから第二に、臨調が案をつくって出してきた場合に、今度は処理しなければなりませんが、私は前にも参議院でも申し上げましたが、こういう三つの考えでやってくださいとあらかじめお願いしましたと言いました。一つは、おのおのの所属を離れて大局的にやってくださいと、それから官民協調でぜひおやりくださいと、それから実行可能な案で、しかも国民の皆さんから見たらよくやったと、そういう案をつくってくださいと、そういうことをお願いしておりまして、日本の社会はコンセンサスソサエティーだと、こう言われますが、やはりある程度国民的合意を形成しながら、みんなでそこで行こうというようなものをつくり上げるのが政治の腕前であると思っております。したがいまして、臨調が独善的になることはこれは余り関心しないので、そういう意味で臨調側においてもいろいろ自分の考えや何かについて打診をして、また、われわれの方も聞かれれば、いろいろ内面的にこの点はこう思う、この点はこう思うと申し上げて、そしてコンセンサスを形成するための手段、便宜を講じておるというのが現状で、当然のことであります。「裏臨調」というような言葉が新聞に出ますが、別にそういう裏でこそこそしているというような問題ではなくして、やはり皆さんの見えないところで、そういう内面的な努力をし合うということは、やはり合意を形成するための大事な仕事であると思います。見えないところであるということを申し上げましたのは、そういう案をつくったり、考えを述べ合うときに、それが事前に漏れたりするようでは、これはぶち壊しになってしまうのはあたりまえですから、したがって、案がある程度決定的になったときには表へ出してきて、そして御批判をいただくということもありましょうが、流動的な過程において、そういうものが出てくることは必ずしも物をつくり上げるゆえんにはならない。そういう意味で、表に出ないところで話し合いをしたり、あるいは連絡をするということは当然のことであります。事案が重大であればあるだけに、そういう合意を形成するのには、手間とそれから配慮を要するので、時間もかかりますし、エネルギーもかかります。そういう努力をしている過程であるというふうに御理解をお願いいたしたいと思います。
#55
○森田重郎君 長官の御答弁を伺っておりまして、ときどきちらちらと運輸大臣の方をごらんになったような感じがしたのでございますけれども、大臣の小坂私案と申しましょうか、この辺につきまして、要点だけをひとつ簡潔に御説明いただければ結構でございます。要点だけで結構でございます。
#56
○国務大臣(小坂徳三郎君) 実はいま中曽根長官がお答えになったとおりのことをわれわれとしては考えておったんでありますが、この国鉄再建問題につきましては、もう実に連日の新聞に各方面から、またいろいろと報道されておりまして、私はそういうことは大変結構だと思っておったんであります。それからまた、一面におきまして臨調でもいよいよ最終的な部会案というんですか、そうしたものをつくろうという雰囲気にあるということでありまして、私はそうした面から国鉄を担当している運輸省の大臣といたしまして、多少やはりわれわれが従来勉強してきたことをひとつ参考にしてもらいたいという考えで私案をつくりまして、御参考までにというつもりでそれをお話ししたところが、ある一紙にそれをスクープされまして、その結果から先般のこの委員会におきましても、目黒さんから大変ないろいろな御質問をいただいたわけでありますが、私といたしましては別にこれを公表するつもりでやったわけでは毛頭ないんでございまして、やはり先ほど来中曽根長官が言われたように、具体的にいい案ができる方がいいと、私はその一つのたたき台として試案をまとめたわけでございまして、これは発表するためにやったのではもちろんないのでございます。その点につきましては、ひとつ森田委員の御了解を得ておきたいと思います。
 内容でございますが、これはきわめてラフに申し上げますれば、国鉄の現在の状態というものは、異常な赤字の累積でありまして、こうしたことが日本の国民経済に及ぼす影響もきわめて重大であるということから、やはり基本は何と申しましても国鉄が現在の私鉄が経営しているような、私鉄並みの能率と効率を発揮するような組織体になることが最もふさわしいのではないかということが一点であります。一番基本であります。
 それから、それを達成するためにも、いろいろな問題が山積しております。たとえば構造問題、構造的赤字問題というようなものもその一つでございます。そのような問題点をある一定の年限の中で消化をしていくということが大変重要ではないかということから、これらの問題に対する試案を考えたわけであります。また何か国鉄の再建の最終形態ということについてもいろいろな議論がございますが、やはりこうした形態を考える場合に、私は私なりの考え方を持っておりましたので、それを一つの形として試案をまとめたことも事実でございます。しかし、いずれにいたしましても、いま政府として経営改善計画を、六十年度まで三十五万人体制と申しますか、そのような案で努力中でございまして、もちろんこれを一義的に達成していくということを促進することがきわめて重要なことであることはよく承知しておりますが、しかし、六十年度末においてそれらの計画をいたしましても、なお一兆四千億というような膨大な年間のいわゆる赤字が出るということがありまして、やはりこれを深度化していく、もう少し深めていくというようなことは非常に重要なことではないかと思うので、それに関する若干の施策を述べておるわけであります。大体私の試案の骨子はその程度のものでございまして、臨調側におきましても、またこれらを十分に参考にしていただいて、いい案をつくってもらえば、政府の方針として、臨調の答申を十分それを尊重して、今後の施策を進めるということについては、私は別にその問題に異議を抱いているものではないということでございます。
#57
○森田重郎君 時間が参りましたので一問だけ質問をさせていただきたいと思います。
 実は、この第一次臨調の結果等を見ましても、なかなか、中には大変成果を上げた分野もあったようでございますが、必ずしも理想的な結果とは言いがたいというふうに私なりに理解をいたしておるわけでございます。私、こういう質問をさせていただきました背景と申しましょうか、これは一部の方がおっしゃっておりますように、どんなにりっぱな臨調答申が出ましても、それがやはり実現不可能なものであってはこれはいけない。したがって、実際に行革を推進する上において、やはりそれが行革の面で現実的に結局効果をあらわしていく、またいけるような意味での改革案でなければいけないというふうに実は考えておるわけでございます。したがいまして、この国鉄問題等については、従来からの赤字もございましょうし、六十年度では国の予算の半分ぐらい、二十四兆円ぐらいの長期債務になるというようなことを言われておりますが、大変いろいろな、年金問題にいたしましても、非常にいろいろな問題を抱えておる、そういう中で、やはり実現可能な一つの改革案というものがなされてこそ、やはり国鉄再建の意義、意味合いがあろうかと、かように思っておるわけでございます。したがいまして、そういう意味では、私は運輸省案と申しましょうか、小坂試案と申しましょうか、それに実は賛成、賛同をする者の一人なのでございますけれども、国鉄再建問題というのはまさに行革の一つの大きな目玉でもございますので、せっかくの御努力をお願いいたしまして、私の質問を終らせていただきます。
#58
○中山千夏君 きょうは、大阪あいりん地区、それから東京山谷地区などにおける労働状況についてお伺いしょうと思っておりましたら、ちょうどけさの新聞に、山谷で「群衆、交番に投石 二百五十人騒ぐ」というような記事が出ておりました。その中に、「東京都山谷対策室によると、四月は例年、求人が少なくなる時期だが、最近はとくに住宅建設などが減ったため求人が激減、都城東福祉センターには「食べ物がない」「寝る所がない」といった生活相談に来る人が急増している。こうしたこともこの日の騒動の背景にあるとみられている。」というふうに書かれてありました。なかなか就業状態がここのところ景気等の関係でよくないようなんですが、どうなっていますでしょうか。どのようにつかんでおられるでしょうか。
#59
○政府委員(関英夫君) 東京山谷地区におきます最近の就労の実態でございますが、こういった地区への労働者が最近ふえてきております。それに対しまして求人は前年と比べると少し減というような状況にございます。山谷地区の上野の公共職業安定所の玉姫労働出張所、これが日雇い労働者の職業紹介を扱っておりますが、最近五十七年一−三月の数字では、求人二百七十二、就労が二百七十二ということでございますが、昨年の一−三月に比べますと、一・八%減という数字になっております。ただ、昨日夜の騒動につきまして、私どももけさすぐ問い合わせてみたわけですが、就労のことからの騒動ではなくて、別の問題で騒動が起きており、けさの紹介状況も平穏に行われているというふうに聞いております。
#60
○中山千夏君 この新聞でもそれが原因だというふうには決して書いてなくて、背景にそういう労働問題があるんだろうというふうに書いてあるわけなんですけれども、一体にやはり就業状態というのは悪いようなんですが、大阪のあいりん地区の方になりますけれども、こちらの職業安定所の様子を見ますと、何か本気にそういう状態を解決する気があるのだろうかという気がしてしまうんですね。それは職業安定所でほとんど職業紹介を行っていない。もちろんほかに組織がありまして、労働福祉センターという財団法人が職業紹介の業務を行っているということなんですけれども、大変私不思議に思うんですけれども、職業安定所が職業紹介の業務をしていないというのは大変不合理ですし、これ法律的に見てもちょっとまずいんじゃないかという気もしますし、どうしてこんなことになっちゃっているんでしょうか。
#61
○政府委員(関英夫君) 昭和三十七年に西成の労働福祉センターという財団法人ができまして、そこに無料の職業紹介事業を許可し、そこがこの日雇い労働者の職業紹介に主として当たっていると、こういう状態で現在に来ておるわけでございますが、それ以前から先生御承知のように、大阪のあいりん地区といいますものは、路上で早朝多数の労働者が集まり、そこに手配師のような人が見えまして、労働者を連れていって就労させる。こういう実態が非常に社会的にも問題を起こし、付近の人々にも御迷惑をかけておったわけでございますが、これを公共職業安定所で扱おうといたしましても、必ずしも労働者がお役所に登録をして、そして役所の紹介でということになじみにくいような形態もございまして、いろいろと努力したけれどもうまくいかない。そこで、国と大阪府と地元の大阪市、三者でこの路上における青空市場を何とか解消しようと、こういうことでお金を出し合いまして、あいりん地区の総合福祉センターというものをつくる。そこにもちろん国の安定所も入るけれども、その中にいままで路上で相対して取引していたものを、その中でやってもらう。そして、みんなで協力して構成する財団法人で、職業紹介だけでなく、生活上の相談、あるいは医療上の相談、その他福祉関係の相談、あるいはその総合施設の中には住宅もあるわけでございますが、住宅相談、そういったようなことを総合的にやって、労働者から親しみを持たれた形で、単に職業紹介ということだけでなく、総合的な対策をやった方がいいんではないか、こういうことで、財団法人を設立し、国としてはそれに無料の職業紹介事業を認めて、そして今日の形態になってきたという経緯があると私は承知しているわけでございます。現在安定所はそれでは何をしておるかということになりますが、安定所として一番大きな仕事は、いわゆるあぶれた人々に対する保険金の支給でございますが、同時に事業主に対します指導、あるいは求人開拓といいますか、そういうようなことを安定所は一生懸命やっている。それとまあ全体の職業紹介状況につきまして、指導監督的立場から安定所が中に入ってやっていると、こういうのが現状であろうかと思っているわけでございます。
#62
○中山千夏君 大体経過とか、現状については承知しているんですけれども、いまの御説明でもちょっとわからないのは、その労働者に親しまれるやり方をなぜ職業安定所がとることができないんでしょうか。職業安定所がすればいいと思うこと以外のことは、労働センターはやってないわけですね。その相対方式というものにしましても、職業安定所でもやはり労働者の希望も十分入れて、ほかの職業安定所では紹介業務をしていらっしゃると思いますし、その親しみが持たれるような運営を職業安定所がなぜできないんだろうかという疑問がどうしても残りますので、なじみやすいとかにくいとかというだけの問題じゃなくて、ほかに何か理由があるんじゃないでしょうか。ちょっと伺ったところでは、やはり職業安定所が非常にこう経費の節減で、あいりん地区に対応するだけの人手だとか、お金だとかというものがなかなか持ちにくいというようなこともちらっとお伺いしたんですけれども、そういう別の何かわかりやすい理由というのがあるんじゃないんですか。
#63
○政府委員(関英夫君) 先生御承知のように、あいりん地区におきましては、早朝のわずかの時間に、一日当たり二千五百人ぐらいの方が就労していく。就労される方があの地区におられる日雇い労働者のすべてではございません。すべての労働者の数になりますと大きな数でございます。そういう人々を相手に、わずかの朝の時間に職業紹介をし、そしてあぶれた方々のうち多くは保険金の支給を受ける、これをできれば公共職業安定所がすべて一貫してやれれば一番いいんでございましょうけれども、安定所としては、限られた人員と予算の中で十分対応できないという面もありますが、同時に労働者の中にも安定所に求職登録すること自体を余り好まないような、非常に自由な生活の中で暮らしていきたいというような御希望もございまして、求職登録、そして職業紹介票を切ってもらって就労していくということに、余りなじまないような方もございまして、三十七年以前に大きな青空市場がございまして、非常に問題ございまして、関係方面とどうやってこれを正常な形に持っていくかということを検討いたしました際に、いろんな事情から、やはりいまのような形がいいんではなかろうかということに落ちついたわけでございまして、現在のような形に落ちついたのが、安定所の人員なり予算面からの制約だけというわけではないというふうに私は承知いたしております。
#64
○中山千夏君 結果として非常にうまくいっているということであれば、そうした方法をとったのもよかったのかなということになるのかもしれません、法律的な問題とはまた別にいたしましてね。しかし、労働福祉センターと、それから職業安定所の二本立てになっているこの形の中で、いろいろと厄介な問題が起こっているということも事実でして、ここに釜ケ崎で働きながら組合をつくって労働問題に対処している人の書いたものがあるんですけれども、これをちょっと読みますと、「二百四十件。これは一年間の労働相談の数です。このほとんどが賃金不払いなんです。手配師や人夫出しから労働者に支払わせた金額の合計は三百二十万二千七百六十二円です。」という報告があります。この手配師というのは、さっきおっしゃった釜ケ崎へ来て労働者を募集して、マイクロバスなどで業者へ送るという仕事なんですね。それから人夫出しというのは、飯場、つまり寄宿舎を持ち、そこへ労働者をプールし、その飯場から業者に労働者をあっせんする。業者が直接飯場へ労働者を迎えに来ることもある。こういう仕事を人夫出しと呼んでいるらしいんですけれども。請負業者からは大体九千円から一万円の労賃が出ているのだけれども、労働者の手に入るのは片づけの比較的楽な仕事で六千五百円くらいだというんですね。これは手配師や人夫出しがピンはねをしている。このピンはねというのはもちろん労働基準法にも職業安定法にも違反している許されないことであって、もちろん労働福祉センターや、職業安定所を通して仕事をしていたら、こういうピンはねにかかることなんかがあっちゃいけないと思うんですけれども、現実にはこうして二百四十件もいざこざが起こって、しかも、こうして働いている人たちが自分で組合をつくって、その組合に一年間に二百四十件も相談が持ち込まれる。労働福祉センターや職安でも、こういういわゆる労働相談というのですか、こういう相談を受けているというお話でしたけれども、そこでの業務も、もしかしたら先ほどの話じゃありませんけれども、相談もなじまないか、あるいはその福祉センターや職安に行くよりも、こういう民間のところへ行った方が、実際解決してもらえる率が高いというのか、その辺のところにも問題があると思うんですね。こういう状態であるということは、その労働福祉センターというものと二本立てにしたことによって、かえってあいまいに、つまり働くときの条件をきちんと決めるとか、これも法律で定められていますけれども、実際現地へ行って聞きますと、労働福祉センターを通して仕事に行くときにも、きちんと契約を行って行っているという例はほとんどないわけです。その労働福祉センターに対するこう指導というのが、直接職業安定所などと違って、行き届かないんじゃないんですか。
#65
○政府委員(関英夫君) 労働福祉センターに対します指導は、安定所として十分に行っておりますし、また労働福祉センター自体が府や雇用促進事業団や、そういったところの現職の方々が役員を兼ねてやっていらっしゃるわけで、そういうところの指導は十分いたしておりますし、財団法人だから無料の職業紹介というのは無責任でいいんだということじゃございませんで、無料の職業紹介事業を大臣が許可した以上、これは職業安定機関でございます、国の機関と同じでございまして、そういったところの職業紹介に法に反することがあってはならないのは当然でございます。ただ、三十七年以前の青空、路上で行われてた状態から見れば、このあいりん総合福祉センターを建てて、そこの中で財団法人のもとで就労していくという形での秩序は、従前から見れば私は大幅に改善したものだろうというふうに思いますが、そうなったからあらゆる違反がすべてないかといえば、現実に先生のお話のように、賃金不払いなども後を絶っていないといいますか、前から見ればずいぶん改善されたと思いますが、いまだにそういう状態があるということも事実だろうと思います。そういう意味では賃金不払い等については基準監督機関と十分連携しておりますし、基準監督機関も申告のあった件はもちろん取り上げて解決に従事しているわけでございますが、なかなかこの辺のところは、大阪だけでなく、東京におきましても、あるいは横浜におきましても、こういった建設関係の就労の実態というものの改善ということには、非常にむずかしい面がございまして、一挙にすべてを改善するというわけにいきませんが、これからも事業の指導を強めて、そういったことのないように努力をしていかなければならない点だろうと思っております。
#66
○中山千夏君 労働福祉センターの役員には、いまおっしゃったような方々のほかに、いわゆる建設業界の方も入っておられますね。労働者の代表が入るというのはむずかしいのかもしれませんけれど、労働者の代表は入っていないわけです。
 ちょっと考えますと、こういうことも聞くんですよ。つまり、求人側ですね、人を求める側が、職業安定所からだとどういう人が来るかわからない。割り当てられてしまうと、どういう人が来るか、その来る人について、労働者についてとやかく文句を言うことはできないけれども、労働福祉センターの相対方式というのは、片一方で労働者にとって自分が働く場所の条件などを選べるという利点がある一方で、労働者を求める側から言っても、働きそうな労働者、よさそうな労働者というものを選ぶことができる、そういう方式になっている。つまり、求人側の都合がかなりあるという話を聞くんですけれども、その辺はどうなんでしょう。
#67
○政府委員(関英夫君) 安定所の紹介に当たりまして、日雇い労働者について輪番的な紹介をやっている例がございますが、これはごく一部の、どうしてもそういうことでできるだけ多くの日雇い労働者に均等に機会を与えなければならないような事情にある場合だけでございまして、職業紹介の本筋はやはり求人者が欲するような求職者を、そして求職者の欲するような求人をあっせんすること、これが本筋でございまして、安定所が行います場合には、特別の場合を除いて、十分職業相談をいたしまして、両者にとって最も適切な紹介をするのが本筋なわけです。ただ、一時に大量の日雇い紹介をしなければならない場合で、しかも求職者に比較いたしまして求人数が非常に少ない場合には、できるだけ機会均等ということで輪番的に職業紹介を行っている場合がございます。その場合には、通常一般的には、何といいますか、単純労働といいますか、だれがやってもできるような求人、こういうものについて輪番的に紹介をする場合があると、こういうことでございます。
#68
○中山千夏君 それからもう一つ、これは何より大問題だと思うんですけれども、労働福祉センターにも求人される方々が登録をなすって、そしてその登録した会社については、それが違法なピンはね業者などではないかということをきちんと調べているということは、現場で福祉センターの方にも伺いました。ところが、実例を見ますと、労働福祉センターで紹介を受けて行った先が、いわゆる人夫出しをやっているところであったり、手配師だったりという例があるわけなんですね。
 それから、報道にはもっとすごいことが書いてありまして、センターに登録している業者の約六〇%は実態として違法なピンはね業者だと、こういうふうに報道しているところもあるくらいなんですね。事実上この六〇%というのが正しいかどうか、もちろん私にもわかりません。しかし、そういう報道がなされるからには、新聞記者というのもいいかげんなことを書くわけじゃなくて、いろいろな例を見、実態を調査したりした上で、こういうことをきちんと責任を持って、新聞社として責任を持って書いているのでしょうから、何らかのことがあるだろう。労働者自体の話を聞いてみましても、そういう例があり、新聞にもこういうことが報道されているということは、福祉センターや、それから職安の方々が、いえ、絶対そんなことはございませんというふうにおっしゃっても、なかなかそうですがって信じられないんですよね。だから、もう少し、もしかしたら書面の上などで調査なすったときにはきちんとした会社であって、その時点では皆さんの方に手抜かりはないのかもしれないけれども、実態としてそういう会社がまじっているかもしれないわけなんです。だから、そんなことは絶対ございませんというお答えばっかりじゃなくて、少し調査をしてごらんになったらいかがかと、私ずいぶんそういうふうに思っているんですけれども、どうです。
#69
○政府委員(石井甲二君) 賃金不払い、あるいは中間搾取あるいは強制労働というような問題についての問題でございますが、労働基準法は先生御承知のように第五条で強制労働禁止、第六条、中間搾取を禁止する、あるいは二十三条、二十四条で賃金不払いということがありますが、現在、定期監督あるいは各所轄の監督署において、その面の監督をいたしております。
 また、たとえばあいりん地区におきましては申告による監督を行っておりますが、いままでのところ中間搾取、あるいは強制労働についての事実はございません。
 また、いわゆる賃金不払いについては十二件ございましたが、これは改善をされております。
 しかし、実態的にはいろいろな問題があるという、まあ一応の先生のお話のような実態も、必ずしも明確ではございませんが、できるだけその労働者がそういう事実があれば、その事実に即して監督署に申告をし、監督をするということをお願いをむしろしたいというふうに考えております。
#70
○中山千夏君 こういう地域には大変ボランタリーの方がたくさん入られまして、労働問題に当たっていられる方もいらっしゃいますし、それか、ら医療問題に当たっている方もいらっしゃいます。そういう方たちを見ていますと、いろいろと問題の多い地域ですから、命がけなんですね。必死なんです。何か問題があったら、それにとにかく早く、効果的に対処しようということで必死でやっていらっしゃる。それに比べまして、いまの御答弁にけちをつけるわけじゃありませんけれど、現地の職安の方、それから労働福祉センターの方に、こんなことを書かれています、こういう問題がありますというふうに申し上げても、いまの御答弁のように、何となく落ち着いていられて、そんなことはございませんというようなことをおっしゃるばかりなんですね。
 私が申し上げたいのは、そういう何か落ち着き払っていちゃまずいんじゃないかということなんですよ。事実、大変たくさんの死者が出る地域でもあります。そういう問題の場所で、普通の行政以上の覚悟といいますか、意気込みで当たらなければならない場所について、落ち着き払っておられるのが私は大変不満でもあるし、不思議でもあるわけなんです。
 ですから、この件はもう一度お願いしますけれども、労働福祉センターでとにかく職業の紹介を受けろと言われて、みんな一応信用して行くわけですね。その信用して行った先が人夫出しだったり、手配師だったりするということは、これは大変なことですから、そういうことがあったら。ぜひ、もっと積極的に調査にも当たっていただきたいし、そういう業者がまじり込まないようにやっていただきたいんです。
 大臣、いかがでしょうか。
#71
○国務大臣(初村滝一郎君) いま中山先生からいろいろとお話を聞きまして、なかなか決まったとおりいかない場合もそれはあるかもわからないと私もいま聞いたわけでございます。したがって、労働者のためにもこういう状況が改善されなければならない、かように考えますので、よく調査をして、そういう点があれば必ず改善すると、積極的に取り組んでいきたい、かように考えます。
#72
○中山千夏君 ぜひよろしくお願いします。
 調査にしましても、私がこの問題を取り上げようと思っていろいろ資料を集めましたときも、労働省の方からいただく資料などより、ずっと民間のボランタリーの方たちからいただく資料の方が詳しいということがあるんですね。もっともいろいろ問題のある地区ですから、行政に当たっていらっしゃる現場の職員の方は大変困難が多いだろうと思うんです。ですけれども、直接労働者とよく接触するということを心がけて、労働者の意見をよく酌み取るようにしていただきたいんです。いまの現状では、私が見ましたところでは、労働者自身の意見を聞く、意向を酌み取るという機構がほとんど見当たりません。何でも労働者自身が労働福祉センターのようなやり方を望んでいるのだと一方ではおっしゃいますけれども、私などが聞きますと、職業安定所でちゃんと職業の紹介を受けたいと言っている労働者もたくさんいるわけです。ですから、労働者が何を望んでいるのかというあたりもよくつかんでいらっしゃらないんじゃないかという気がいたしますんで、労働者の声をよく吸収するようにしていただきたいという、これもお願いなんですが、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(初村滝一郎君) 私は、労働大臣に就任してから、安定所をずっと見て回った、時間の許す限り。このごろ中身をずっと調べますと、専門家が、有能な方が前線に出て陳情を受けていらっしゃる。私は、やはり陳情に来た方々の、何を目的に陳情にやってきておるのか、それをつかむことが大事である。要するに陳情者の身の上になって相談に応じなさいよ、こういうふうに訓示したわけでございますが一そういう精神でやっていけば、やはり不平も相当解消されるでありましょう。したがって、働く方々が本当にこれを望んでおるんだと。それに対する答えを前向きにすべきであるということで、今後、できるだけそういう指導に持っていきたいと思います。
#74
○中山千夏君 ありがとうございました。
#75
○委員長(和田静夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時九分開会
#76
○委員長(和田静夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和五十三年度決算外二件を議題とし、これより締めくくり総括質疑のうち、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 総理に対する質疑時間等につきましては、理事会において協議し、各質疑者に御通知申し上げたとおりでございます。
 それでは、これより質疑に入りますが、まず私が各会派のお許しを得て、決算委員長として総理に若干の質問をいたします。
 第一に、国会の決算審査の重要性を総理がどのようにお考えになっているかという点であります。
 総理は本委員会に、最後の、きょうのこの総括質疑一日のみ、しかも三時間の出席でしかありません。改めて申し上げるまでもありませんが、決算審査は次の予算編成の手引きとなるものであります。いかなる団体であろうとも、決算なくして予算はあり得ないのであります。決算審査はそのように重要な意味を持っておるとわれわれは共通に認識をいたします。総理がわれわれと同じように認識されるのであれば、ぜひ総括質疑全体を通じての御出席方を私たちとしては希望いたしたいと思います。しかも本院では、参議院改革ということで、「政府は決算委員会の審査日程の確保に積極的に協力すべきものとする。」「総括質疑の充実を図る。」「警告決議に基づき採った措置について政府は適時委員会に報告するものとする。」という三事項が実は確認をされているわけでありまして、総理としても今後一層決算審査を重視していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょう。
#77
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいまも委員長からお話がございましたように、決算の審査は、予算の中に組み込まれた政府の施策がどのような成果をおさめておるか、また予算の執行が適正に行われておるかどうか、そういう点を御審査をいただくのでございますから、きわめて重要な審議である、このように私もわきまえております。したがいまして、その決算の審査を踏まえまして、新たな予算の編成に当たりましては、十分その審議の過程で論議されました御意見というものを取り入れていく、また、今後御注意のあった点は、それを是正をしていく等の決算審査の審議の経過並びに結果というものを十分生かしていくという考えを私持っておるわけでございまして、今後とも決算の審査につきましては、政府としてもあらゆる資料の提出、その他を含めて御協力を申し上げてまいる考えでございます。
 また、決算審査に当たっての時間の確保、私を含めた閣僚等の出席の問題、こういう問題につきましては、委員会の運営に関する問題で、理事会その他で、国会でお決めいただきますれば、政府としてそれを尊重いたしまして、努力をしてまいる所存でございます。
 参議院の運営、組織の改革の問題につきまして、熱心に参議院が取り組んでおられることはよく承知をいたしておりますし、その中におきまして決算委員会の重要性というものを取り上げて、その充実した審査を行うという御方針につきましても、十分私どもも承知いたしております。今後とも国会、参議院のそのような御趣旨に沿うように努力してまいる考えでございます。
#78
○委員長(和田静夫君) ちなみに、私が決算委員会に所属をしたのは昭和四十三年でありますが、その翌年昭和四十二年度の決算の総括に当たりまして、当時の佐藤総理は、初めての総括に一回、締めくくりの総括に一回、前後二回御出席になり、翌年の四十三年度の決算に当たっても、当初一回、締めくくりに一回、こういう形を木村決算委員長以下三代にわたる委員長の当時に、実は決算委員会として先例を残しました。その後総理は最後の締めくくりだけにお出ましになるということになっているようでありますが、参議院改革が軌道に乗っておるこの機会でありますので、この先例が生かされますよう、われわれも理事会等を通じて協議、努力をいたしますから、総理の方でもいまの御答弁とおりお受けいただけますよう、意見として申し述べておきます。
 第二に、会計検査院法の改正問題についてお尋ねをいたします。
 検査院法の第一条に「検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」とあることは御存じのとおりであります。これはどういうことを意味するかまず総理に第一にお尋ねをいたします。
 第二に、院法改正問題は、昭和五十二年以来繰り返し繰り返し実は決議をされてきたわけでありますが、いまなお決着がつけられておりません。鈴木総理は、昨年四月の本委員会におきまして、できるだけ早い機会に検査院法の改正の問題に結論を出したいと考えているとの答弁をなさっているわけでありますが、その後一年経過をいたしました。決着がつけられていません。総理は一体何が問題解決の障害になっているとお考えになっているか、これが第二。
 そして第三に、いつまでに国会の決議を尊重する方向で結論を出されるのか、ここまで来た以上ひとつ日時を切っていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょう。
#79
○国務大臣(鈴木善幸君) 会計検査の充実を図るということは、行政を正しく適正に執行してまいります観点から、きわめて重要であると、このように認識をいたしております。
 ただ、会計検査院法の改正の問題につきまして、政府関係の金融機関の融資先に及びまして、立入調査等のことが院法の改正でなされようと、図ろうということでありますと、これは公権力の過剰な介入になるのではないかという議論が一方においてございます。わが国は自由主義経済をとっております関係から、企業活動の自由を確保してやるということが、経済の円滑な発展の上から必要であると、このように考えるものでございます。そういうようなことで、この点につきましては、政府の各関係省庁と院法の改正案との調整ということで、いろいろ検討を続けてまいりましたし、現在も引き続き検討いたしておるところでございますが、結論を得るに至っておりません。宮澤官房長官に私指示をいたしまして、長官を中心に、各省庁の責任者を呼びまして、いろいろ検討も加えてきたところでございますが、妥当と思われる結論を出すに至っておりません。
 そこで、現段階におきましては、会計検査院と各省庁との間のさらに協議、調整に現在ゆだねておるというところでございます。したがいまして、委員長からせっかくのお話ではございますが、いつころまでに院法改正についての政府部内の調整がつき、院法改正の案を国会に御提案できるかということをお約束を申し上げる段階に至っていないことを御了解いただきたいと、こう思います。
#80
○委員長(和田静夫君) 第三に、現下の経済政策と財政再建についてお尋ねをいたします。
 五十六、五十七年度と連続して歳入欠陥が明らかになってまいりました。一方では、五十六年度実質成長率が、政府見通しを大幅に割り込むことは必至の情勢であります。しかも、けさの報道によれば、OECDのエコノミック・アウト・ルックは、世界不況はことしいっぱい続く、回復は来年にずれ込むことになろう。これまで政府は、ことし下期には世界景気が回復するとの見通しに立って、経済運営の見通しを立ててこられたわけですが、これが大幅に実は狂わざるを得ない、皆さん方の答弁の前提が狂わざるを得ない、こういう状態になってきているようであります。政府は五十七年度公共事業の前倒し等の景気刺激策をとられるということでありますが、それだけでは下期息切れが予測されるわけでありまして、そうなりますと、補正で大幅な刺激策を必要とする。当然国債の増発は避けがたいというふうにも考えられる。そういうような情勢下で、総理が約束された増税なき財政再建は、五十九年度特例公債脱却は可能なのだろうか、私は素朴な疑問を持ちながら大蔵委員会等でも質疑を行ってきているのでありますが、総理としてはいかがお考えになっていらっしゃるのか、率直に胸のうちを開いていただければ幸いだと思います。
#81
○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のように、世界経済はまさに激動の時期に当面をいたしておるわけでございます。政府といたしましては、内外の経済政策につきまして、与えられた条件、環境のもとで、あらゆる努力を積み重ねて、今日に至っておるわけでございます。御高承のように、先進工業国、アメリカを初めEC各国におきましても、また東側の国々におきましても、今日第一次、第二次の石油危機の後遺症から、いまだ脱し切れていない。大変なインフレと、失業と、また国際収支の悪化、低成長、苦脳を続けておりますことは御承知のとおりでございます。そういう中にありまして、わが国は国会の御指導、御鞭撻を得ながら、国民各位の御協力のもとに、経済運営の面におきましては、比較的私は順調に今日まで推移することができたと、物価の面においても、あるいは雇用の問題にいたしましても、あるいは国際収支の面におきましても、比較的順調に推移をしてきたと、このように思っております。しかし、ここに至るまでの間におきまして、わが国におきましては、民間経済が非常な低迷を続けました際に、経済に活気を与え、また雇用の問題を確保するために、あるいはまた福祉の充実を図るために、財政を大きく動かして、財政が前面に出てこれに対応してきたというようなことがございました。そういうようなことから、御承知のように五十七年度末におきましては、九十兆円を超えるところの大きな公債残高が残るというような状況下にございます。財政はまさに危機的な状況にございまして、政府はこの際行政の改革と、財政の再建を最大の重要課題として、いま取り組んでおるわけでございます。そういうような前提条件の上に立ちまして、経済政策もその選択の幅というものは非常に狭いわけでございます。アメリカの高金利等の問題もあり、金融政策の弾力的な運用の面においても、いろいろ困難な面がございます。しかし、私どもはそういう厳しい条件下でございますけれども、私は五十九年特例公債依存からの脱却という、これは国民の皆さんに対する鈴木内閣の公約でございます。この公約実現に向かって最大限の努力をしてまいる決意でございます。
#82
○委員長(和田静夫君) 最後は、国費の厳正な使用について伺います。
 会計検査院の指摘する不正、不当な国費の支出が、一向に後を絶たない状況が続いているわけでありますが、財政再建という見地からするならば、不正、不当な経理など許されるはずはありません。
 そこで、会計検査院の指摘を受けて、国費のむだ使いの絶滅を期するために、総理としてはいかなる具体的な手だてを講じられるおつもりがあるのか、伺っておきたいと思います。
#83
○国務大臣(鈴木善幸君) 決算委員会におきましても、また会計検査院からの指摘事項として取り上げられております問題点等がいろいろ出ておりまして、私は予算の執行の適正という観点からいたしまして、まことに遺憾なことがいまだに後を絶たないということを申しわけなく存じておるところでございます。この点につきましては、閣議におきましても各閣僚に対して、この不当、不正なことが行政の中で発生をしないように、厳重に指導、監督をするようにということを強く協力を求めておるところでございます。
 また、公務員の研修、指導、そういう面につきましても、十分各省庁とも力を入れて、今後においてそういうことがないようにということで努力をいたしておるところでございますが、決算委員会におきましても、しばしばその点御叱正をいただいておりますので、今後とも一層政府として努力をしてまいる考えでございます。
#84
○委員長(和田静夫君) 以上で私の質疑は終わります。
#85
○委員長(和田静夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、北修二君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君が選任されました。
#86
○委員長(和田静夫君) それでは質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○目黒今朝次郎君 総理にお伺いします。
 五十六年度の税収が二兆円を超える穴があきまして、通常の決算もできない状態になっております。また総理は、財政再建の目玉として、国民に公約した当初予算の二兆円の赤字国債減額も、この前の補正で三千七百五十億円の追加発行となり、また今回の二兆円の税収の大穴ということで、総理がしばしば言っておった五十六年度の赤字国債減額は、実質的に吹っ飛んでしまったんではないか、このように考えるわけでありますが、いま委員長からもあった財政再建は五十六年はちっとも進んでいないではないかと、こういうふうに受けとめるわけでありますが、これをどういうふうに総理として考えるか、御答弁願いたい、このように考えます。
#88
○国務大臣(鈴木善幸君) 目黒さんから、ただいま五十六年度の税収の当初見込みが大幅に狂ってきておるのではないかと、そういうようなこともあって、特例公債の発行減額についても、補正予算で手直しをする、後戻りをするというような事態にもなってきておると、これは政府としてどのように責任を感じておるのか、また、そういう状況で五十九年度特例公債脱却ができるのかどうかと、こういうような御趣旨のお尋ねがございました。
 税収の見積もりは、その時点におきますところのいろんな資料その他を十分駆使いたしまして、専門家があらゆる角度から検討して、税収の見込みを立てるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、経済の激動の中におきまして、いろいろ当初よりも輸出が大幅に伸び悩んだとか、あるいは物価が予想以上に安定的に推移したとか、いろいろの要因等がございまして、税収見込みにつきまして、相当の狂いが出てまいっておりますことはまことに残念にたえないところでございます。しかし、私は五十九年度にはどうしても特例公債からの脱却を図らなければいけない、こういう固い決意のもとに、これに取り組んでおるわけでございまして、五十八年度以降の予算編成におきましては、情勢は厳しいものを私は感じてはおりますけれども、あらゆる工夫と努力を積み重ねて、この目的を達成をいたしたい、このように考えておるものでございます。その際におきましては、一般消費税のような大型新税というようなものは念頭に置かずに、歳出歳入両面にわたって、思い切った見直しを行う、いままで以上にこの節減合理化につきましては、さらに厳しい姿勢で取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
#89
○目黒今朝次郎君 総理ね、五十六年の税収が二兆円の大穴があいた、この前成立した五十七年度の税収予算が三十六兆六千二百四十億円の確保は、これは非常にむずかしいということを、これは新聞で見たんですが、こういう談話を大蔵大臣は言っている。五十七年度予算が成立して、四月の八日ですか、何か証券関係の大会で大蔵大臣が言ったと。こういう点では予算が発足したばかりで税収が不可能だ、こういう点はちょっと常識では考えられないんですが、こういう点でひとつ、これは直接大蔵大臣からその辺のことを聞かしてもらいたい。
 同時に、総理にお願いしますが、予算委員会で言った赤字国債発行額三兆九千二百四十億は、今年度は増額しないということをここで確約できるかどうか、この二点について総理でも大蔵大臣でも結構ですから、お答え願いたい、こう思います。
#90
○国務大臣(渡辺美智雄君) 四月八日の信託銀行大会等におきまして、収入の見積もりについての予想を申し上げました。これはもうそれ以前に国会等において実は言っている話でございまして、別に目新しい話ではございません。たまたま四月の八日に、二月分の租税収入というものがはっきりした形でデータで発表されることになりました。したがって、正確なデータが出る前は、はっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、二月のデータが出ますと、あとは三、四、五と、こうなるわけでございますが、ここで景気ががらっと変わるというような情勢にはだれも思っておらない、これも事実です。したがって、国会等においても、このままの推移で、もし二月のデータのままで推移するとすれば、どれぐらい当初予算に対して不足するかというお話がございましたので、それは数%、数%でも上の方と、そうすると上の方というと七か八と、そうすると三十二兆に掛け算すればおのずからそこに出てくる話でございますから、金額は言っても言わなくても同じ話であります。しかし、最終的には三月の法人の決算がまだ出ておりません。五月の末日にならないとこれが締め切りになりませんから、最終的にはもちろんわからない話でございますが、二月のまま推移するとすれば、そういうようなこともあり得るということを申したわけでございます。
#91
○目黒今朝次郎君 私は大蔵大臣がどういう答弁をするかと思って、ずっと予算委員会とか、本会議の議事録読んでみたんですが、二兆円の大穴という点を、国会の予算委員会の質問のぎりぎりの段階でも、二兆円という言葉は私はなかったと思うのです。減収があるということは、穴があくということは言っていましたけれども、二兆円という具体的な数字を挙げて言ったというのは、この信託銀行大会が初めてじゃないですか、そうでなければ、どの辺の段階で社会党の質問に答えたかということを逆にこの席で教えてもらいたい、国会の場で、わが党の質問のだれの質問に答えたかということを具体的にお教え願いたい、こう思うんですが、いかがですか。
#92
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の記憶によりますと、七日の日でしたかね、衆議院のどこか、大蔵委員会でしたかの質問だったかと思いますが、七日の衆議院の大蔵委員会の質問でやはり同じ話が出まして、もし、いまの情勢でいくとすればどれぐらいというようなお話がありまして、数%のあるいは見込み違いがあるかもしらん、その理由は、実はもう毎年数%は食い違っています、ほとんど毎年と言っていいくらい、四%から一〇%ぐらいまで、多いときには四十八年の要するに過小見積もりで二〇%の食い違い、五十年は過大見積もりで二〇%の食い違い、そういうようなのがございますが、そんなには違わない、二けたになることはまずないと思います、物価の安定という急激な要素がございますから、例年に従って数%、しかし、これは下の方になる可能性はあるということを申し上げております。
 八日になりまして、統計がはっきり出まして、それでその数%というものも一から九まであるという話ですから、上の方――上の方といっても六か七か、そこらのところははっきり言ってないわけですが、それが二月の趨勢でいけばどうかということになると、上の方ということになると七か八、三十二に七か八――七を掛ければ二兆何千という話になるわけですから、そういうような数字の上から、もしそれを掛け算すればこうだ、それは数字で言っても、パーセントで言っても、実は同じ話でございまして、全然、国会で何にも言わなかったというわけでもないし、それからはっきりした統計が発表されるのが四月の八日である、こういうようなことでありまして、その統計を見ないうちはなおさらあやふやである、いまでも正確なことは実は申し上げられない、こういうことであります。
#93
○目黒今朝次郎君 大蔵大臣はこの二兆円の税収の穴について決算調整資金で穴埋めする、こういう意味の答弁をしておったと記憶しているんですが、これが大体二千四百億程度の現在高だと、いま詳しいことはちょっと出てこないんですが、そうしますと二兆円対二千四百億前後では、もう大変に、この決算のやり方が間に合わない。一体どういうことを考えていらっしゃるのか、現段階で。その考え方を聞かしてもらいたい、こう思います。
#94
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも確定的なことは申し上げられません。申し上げられませんが、そういう質問がありまして、ただわかりません、決算が出ましてからというだけでは、いかにも公式答弁過ぎるじゃないか、大体物には常識というものがあるだろう、ここまでくれば本音の議論を少しやる必要があるという御要望等が野党の皆さんからも非常に多うございまして、それも一つの私は考え方である。仮に、仮定の問題としても、可能性のある仮定の問題もあるし、まるっきり可能性のない仮定の問題もありますから、だから可能性のあり得る仮定の問題ということで、もしそういう場合が万一あった場合どうするかという質問でございますから、まあそれはいまになっては、補正予算を組むというわけにもいかないということになると、法律であらかじめ規定をされるといいますか、準備をされるということがありますと、一つは、決算調整資金。決算調整資金が足りないという場合もあるかもしらん、そういうときには国債整理資金からの繰り入れということも法律上許されておる一つの方法でございますと、したがって、もしそういう事態があるとすれば、補正予算はやらないわけですから不用額をこれ、どんどんつくるといっても、もう三月過ぎちゃっているわけですから、不用額をいっぱいいまからつくるといったって、それは無理な話、これはおのずから集計とってくればわかる。あとは五月の申告をなるべくよけい出させるようなことを慫慂して、これはまだ時間ありますね。もう法人は決算をしても申告これからですから、これは後でひとつ更正されないようにうんと出してくださいとか、あるいはともかく延納を申請しないで、金に余裕があるんだったらひとつ納めてくださいとか、そういうことはできますよ、行政指導である程度は。しかし大きな金額になるかどうかはこれは別問題。したがって、そういうようなものぐらいしか考えられないので、その前の二つの問題が有力な手段としては歳入不足という問題についてとることのできる処置であるということを御説明いたしました。
#95
○目黒今朝次郎君 この決算調整資金法ですね、これは五十三年の二月の九日の参議院の大蔵委員会の議事録を拾ってみたわけでありますが、この段階で政府答弁は赤字決算回避のために補正予算を会計年度末ぎりぎりまで努力をすると、そういう努力をしてももうどうにもこうにもならん、「予見し難い租税収入の減少」ということはもう例外の例外の例外だと、こう五十三年の議事録を見ると出ているわけですね。そうしますと、これは担当している大臣の感覚かどうかしりませんが、補正予算を組んだ時点と二兆円の大穴があいた時点と、わずか一カ月ぐらいしか物理的に離れていないわけですね、一カ月ですよ、違うんですか。ですから、私はつまりこの「予見し難い租税収入の減少」、こういうことから逆算して、二兆円の大穴が大体あきそうだという点は、相当以前に予見されておったのではなかろうかと、したがって、補正を組む段階でもう少し大幅な補正を組むべきじゃなかったのかということを逆説的に私は言えるわけでありまして、この点は少し甘さがあったのではなかろうか、こういうことを言いたいために、この問題を遠回りして指摘をしておるわけでありますが、この件について、私の指摘が当たっているかどうか、当たらないとすれば、どういう条件があったのか、御答弁願いたい、こう思うんです。
#96
○国務大臣(渡辺美智雄君) いまになってみますと、私ももう少し渋く考えた方がよかったのではないか、いまになってみればですよ。しかし、補正予算を提出したのは、ともかく国会が始まってからですが、現実にはもう十二月に一般の予算と同じくあわして決めるわけです、十二月末には。その段階ではよくわかりませんが、それでも私としては、物価が予想以上に安定して、経済見通しというものも秋には変更せざるを得ない、四・一%卸売物価値上がりすると思っておったところが、去年の秋には一・八%、一・六%に変更と、これも御承知のとおりですね。それから小売価格も五・五というやつが、これが四%台に変更と、それからそういうふうな経済的な見通しの変更という問題が一つ起きた、しかし、それが起きたからといって直ちに税収というわけにはいきませんが、過去の四月から七月ころまでの状況を見ると、はっきりしているのが一つあるんです。それはなぜかというと、物価が思ったより上がらないために、伸びないとはっきりしてきたものは、従価税の物品税、これはもう目立って少ない。印紙税、これは倍に上げたわけですが、倍に伸びない、これも金額が張れば張るほど結局売り上げがふえればふえるほど伸びるわけですから、これが伸びない。そこへもってきて、源泉所得税――源泉所得税というのは、これは毎月報告になるものですから、それが残業等が案外減っているというような線から見て、これが伸び悩んでいると、この三つですね、はっきりしているのは。そこでこの三つから考えて、まあこれは予定よりは少なくなるだろう、しかしながら、幾ら少なくなると言われましても、これはわからないわけですよ、数字的に幾らと言われても。しかし、まあその三つだけははっきりしている。だからしたがって、この三つだけは減らさなきゃいかんということになりまして、その三つを中心にして、その四千五百億円程度の減収というものが予想されるものですから、それはもう減らすということに決めたわけであります。
 ところが、予算を決めてみたところが、今度は十二月とか何かの、あるいは一月とかというのは意外と税の方がわれわれが心配したよりもよく出てきたわけです。これじゃちょっと取り越し苦労かなと私は思ったんです、実際は。専門家にも聞いてみて、これじゃちょっとうまくいけるぞと、これ以上へっこむことはないぞと実は思っておったんです。ところが、今度は二月分のやつがまた下がるというようなこともありまして、それが四月になってから判明をしたということであって、補正予算をつくるときはもちろんのこと、その審議中にも、まさか二月の発表ほど税収が伸び悩むというようには考えていなかったというわけでございます。
#97
○目黒今朝次郎君 具体的にいま大臣に聞いておっても、また未知数の数がいっぱいあるわけですからね、処理の仕方もまだいろいろ模索中だということでありますから、どうしても議論が抽象的な話になってしまう。こういうわけでありますから、具体的にこの五十六年度の決算を処理する際に、なお具体的にいろいろな関係について質問をしていきたいということで、きょうはこの辺にとどめておきます。
 それから二番目の問題として、私はこの委員会で、去年の三月二十日から決算委員会で六回、社会労働委員会二回、ヤクルトの問題を取り上げてずっとこの一年間やってきたわけでありますが、これは総理大臣に質問するほどの問題じゃないんですけれども、しかし問題が問題でありますので、ぜひ総理の耳に入れて、総理の考え方などを聞かしてもらいたいと思います。
 これは、一つは六万人に及ぶヤクルトおばさんの労働条件、契約内容、もう一つは本社の上場の際のいろんな裏金の流れ、裏金づくり、そういう問題。これは一般投資家を守る意味からも大事な問題だなあと、こういうふうに問題を提起しました。あるいはヤクルトスワローズの海外における裏金づくりのからくり、これなどについても今日まで私は労働行政上、あるいは証券行政上許しがたいことだということで追及をしてきたところであります。
 具体的には、取締役会における松園社長の言動なり、裏金づくりのいわゆるヤクルト本社の公式の文書を使ったり、金の流れについて銀行のいわゆる振り込みの状況などをやってみたり、あるいはヤクルトおばさんの問題については会社で出している俸給表、社会保険の支払いの原本のコピーなどを示しながら、具体的に私は今日までやってまいりました。そして、関係には大蔵省、特に証券局、労働省、法務省、国税局、公取、ありとあらゆる機会をとらえてやってきたわけでありますが、なかなか問題の解明ができませんでした。
 したがって、これは総理でも、大蔵でも結構なんですが、こういう問題について、やはり疑問が出された問題について、積極的に取り組むという政府側の姿勢がなかったんではないかと、私は率直に今日段階でそう反省せざるを得ません。
 私は全然知らない人ですが、野田さんという方が「ヤクルト・悪の構図」と、こういう本を、野田さんという人は、私は全然面識もない方なんです、これは。面識のない方が私のこの一年間の国会追及の資料をもとにしてこれをつくってくれたわけです。私も送られてきてびっくりしました、これは。これを見ても、やっぱり私は政府の姿勢がなまぬるいと、こういうふうに思わざるを得ないんですが、総理でも、大蔵でも結構ですから、これに対する所感を参考までに聞かしてもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#98
○国務大臣(渡辺美智雄君) 目黒議員からそういうお話があったものですから、それぞれの担当部局に公正、厳正に処置をするようにということは申し伝えてございます。したがって、それによってそれぞれの部局において点検をしてきたわけでございますから、それぞれの責任者から一言報告させます。――きょうは来ていないようでございますので、申しわけありません。
#99
○目黒今朝次郎君 総理、これだけは聞いてください。これは私は、ヤクルトの本社の首脳の一人が、鈴木内閣を称してヤクルト内閣だと、こういいう呼称を使っておるんです。ずいぶん大胆なことを言う方だなと思いました。それで、なぜヤクルト内閣かということを聞いてみますと、一つは昭和五十二年から五十三年、この委員会でも私は提起をしました。提起をしましたけれども、いわゆる個人の議員の名前と金額は発表しませんでした、皆さんの良心を信じて。相当程度のやはり裏金の献金が行われていると、しかも鈴木内閣の閣僚、あるいは自民党の三役なども含まれておるというこの献金の問題が一つ。
 二つは、いわゆる天下り人事。私も調べてみました。どうも国税庁が、こんな関係じゃないのでしょうけれども、国税庁のOBがヤクルト本社の専務取締役をやっていると、これではなかなか国税庁もそれは手が鈍るなと思いました。お調べの方はどうだと思って調べたら、警察庁のOBが常務取締役をやっている。この警察と税金のOBがだんとこう構えているのでは、目黒ごときが何ぼ提起してもちょっと抑えられてしまうと、なるほどいいこと言うなあと思いました。
 三つ目には、私がヤクルトおばさんの問題を提起したときの前の藤尾労働大臣が、私は五十六年の七月二十二日に労働大臣に提起したのですが、その当の大臣が、五十六年の八月二十三日十九時、公務出張中、香港の翠紅楼という中華料理屋で相当程度手厚い御接待を受けていると、私が問題を提起して、それを受けた大臣が別な方で御接待受けているのでは、これまたなかなか進まないなあと。いろいろやっぱりこういう一、二、三考えますと、ヤクルト首脳の偉い人がヤクルト内閣だと、これでは目黒議員が何ぼ提起しても、この問題が進まないわいという、本体がこの辺にあるんではなかろうかなという気がしました。
 それで、総理大臣に提言します。一つは、やはりヤクルトからの政治献金というのは、少なくとも現閣僚や自民党三役はこれは辞退すべきだ、こう考えます。二つ目には、これは前にもあったのでありますが、やはり閣僚になった皆さんは、いわゆる国会で指摘される問題企業からは身を引くということが必要ではないか。三つ目には、天下りの問題は、やっぱり問題企業の天下りということについては見直すべきではないか。第四点、やはりヤクルトおばさんについては人間らしい労働条件、あるいは人間として生活できる請負の契約の内容の改善、これを図るべきじゃなかろうか。以上、四点について総理大臣の見解を聞いて、私はやっぱり引き続きこの問題の追及の矛をやめないと、こういうふうに考えておりますので、いま状況を説明した上で、総理の見解を――ほかの大臣に何ぼ言っても進まないのですから、やはりあなたの見解を、総理大臣として御見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#100
○国務大臣(鈴木善幸君) ヤクルトのどういう役員の方が鈴木内閣と御縁が深いということを言われたか、私その意味がわからないわけでございますが、いま目黒さんからいろいろお話がございました点につきましては、私の考えを率直に申し上げます。
 第一は、内閣の閣僚が営利企業とその営利企業の役員を兼職をするというようなこと、こういうことはあってはならない。厳にこれはけじめをはっきりつけたい、こう考えておるわけでございまして、これは組閣に当たりましても、また昨年の十一月三十日に内閣改造をいたしました際におきましても、閣僚の諸君に、営利企業の役員の兼職につきましては、報酬を受けると否とにかかわらず、絶対に兼職は禁止をしたい。いままで入閣しない時期に、そこの営利企業に役員として関係しておった方は、入閣した以上はそれをやめてもらいたいということをはっきりお願いをいたしまして、それは厳格に守られておると、このように私は確信をいたしておるわけでございます。
 それから、企業からの政治献金の問題でございますが、閣僚になってから、改めて閣僚なるがゆえに政治献金をしたいとか、受けるとかいうようなことは、私は適当でないと、こう考えておりますが、もう十年、二十年と政界に入ってから、その政治活動を友人の立場で、あるいは純然たる後援者の立場で、月幾らとか、年に幾らとかいう形で後援会等に政治活動を支援するために献金をしてこられたと、そういうような関係まで、私はこれはよくないと言うわけにはまいるまいと、こう思います。政治活動にはある程度の資金も要るわけでございますから、純粋な意味における政治活動に対する支援、協力というようなことは、個人であろうと、法人であろうと、私はそれまで禁じるというようなことはいかがかと、このように考えております。
 それから、ヤクルトに対してどの程度の公務員の退職者、OBが顧問なり、あるいは職員なりとして再就職をしているかという点につきましては、私承知をいたしておりませんが、しかし特別な、それによって、もとおったところの官庁との間のパイプ役なり、橋渡しと、利権につながるようなことがあってはこれはいかんわけでございまして、そういう点につきましては、十分高級の役人につきましては、人事院においてそれを十分審査をして、適当な規制を加えると、こういう措置をとっておると思いますし、そうなくてはならない、こう思います。
 ヤクルトにおける労使の関係につきましては、私はこの場で私の立場で申し上げるということは差し控えておきたいと、こう思います。
#101
○目黒今朝次郎君 もう時間がだんだんなくなるから、公取委にちょっと教えてもらいたいんですが、強制臨検というのはどういうことなんですか、強制臨検。
#102
○政府委員(橋口收君) 独占禁止法の規定によりまして、違反容疑事件が発生をいたしました場合に、任意で調査をする場合もございますし、また事件として取り上げて正式に調査をする場合もございますが、この後の場合につきまして、相手方の出頭を求めたり、あるいは書類を提出してもらって調査をする方法と、証拠を押さえる、物証を押さえるという都合から、事務所等に立ち入って検査する場合とございます。後の場合がいま先生のおっしゃった強制臨検だと思います。
 ただ、お断りいたしておきますが、独禁法の場合は、いわゆる警察権の行使としての強制捜査権はございませんから、あくまでも間接強制で、相手方が罰金覚悟であれば、たとえば書類の提出とか、あるいは事務所の立ち入りを拒否することができるという、いわゆる間接強制の調査だけが許されておるわけでございます。
#103
○目黒今朝次郎君 これはぜひ公取の委員長に聞いてもらいたいんですが、五十七年の二月の二十五日、おたくは第一から第四まで審査長がおりますね、どの審査長とは私は名指しはしません、私はわかっています、この審査長外二名、合計三名の方が、ヤクルトの事情に非常に詳しい、まあAさんということにしておきましょう、Aさんを呼び出して、近くヤクルトに強制臨検をやるので、ヤクルトの事情、内容、あなたが、Aさんという人が知っておる中身についてぜひ教えてもらいたいというお話があったそうであります。Aさんはいろいろ考えまして、どうするかと悩んだそうでありますが、やはり目黒議員が提起する問題についてやっぱり解明する必要があるということで、このAさんは思い切ってあなたの方の要請に協力をしたそうであります。ところが、その後いま四月ですね、二カ月たっても何の動きもない。一部そのAさんが話した中身が、むしろヤクルト本社の方にツーツーに通じていると、そういう情報もあるわけであります。私はそれが本当だとするならば、これはもう大変なことだと、国会の審議にも影響しますし、そういう公取という大変なところにある方々の仕事にも影響するのじゃなかろうかと、こう私は非常に疑念を持っておるわけでありますが、こういうことについて、公取の総責任者として、あっていいことか悪いことか、あったとすれば、今後どういうふうにこういうことを取り締まろうとするのか。どうしてもというなら、Aさん、あるいは審査長の名前も私はここに持っています、しかし、名誉を尊重して固有名詞は言いません。こういうことについて公取委員長の見解を聞かしておいてもらいたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#104
○政府委員(橋口收君) ヤクルト問題につきましては、目黒委員からしばしば御質問がございましたし、また御指摘になりました事項の中には、独禁法にかかわる問題も幾つかあるわけでございますから、私どもとしましては、法令的な見地から、また事実を確認する立場から、いろいろ内偵をいたしておるわけでございます。いま先生の御指摘になりました某氏につきまして、いろいろ事情を聞いたことは私も承知をいたしております。それは一回でなくて、かなりの回数事情を伺っておるようでございます。また、それ以外にも関係者から事情を任意で伺った事例もございまして、先ほど先生がおっしゃいました臨検検査、立入検査をまだ行っていないという点につきましてはそのとおりでございますが、どういう方法で調査をするのが最善であるかにつきましては、私どもとしていろいろの角度から検討をいたしておるわけでございまして、いわゆる立ち入り調査がないからといって調査をしていないとか、調査をしないとかいうことではございません。ただ、先ほども申し上げましたように、ヤクルト問題のケースについて申し上げますと、恐らくは特に証拠を秘匿するとかいう必要のないケースでございまして、先ほど先生がおっしゃいましたような、ヤクルトとヤクルトおばさんとの関係等につきましては、まだまだ解明すべき事項が残されているようでございますし、また労働省御当局の方でもいろいろ御調査になっているようでございますから、そういうこともよく伺いまして、その上で最も適当な措置をとりたいということで、いませっかく審査の最中であることを申し上げておきたいと思います。
#105
○目黒今朝次郎君 私は公取委を信じたいと思いますが、いろいろ事情聴取とか、内容の関係に協力をした方がいわゆるお礼返しを受けるような事態のないように、やはり十分に尊重をしてもらいたいし、そのほかにも二つ三つ私あるんですが、時間がもうないのできょうはしませんが、そういう基本的なことを要望しておきたいと思います。
 それから、厚生大臣お伺いしますが、埼玉県知事が五十七年の四月二十二日、地方医療協議会からの答申で、三郷中央病院の健保の取り消しを行ったと、こういうことについて事実かどうか確認すると同時に、どういう内容のためにこういう処分を受けたのか、簡単で結構でありますからお示し願いたい、こう思います。
#106
○国務大臣(森下元晴君) 詳細につきましては関係の局長から説明させますが、この三郷病院の問題につきましては、高齢化時代に入っております老人医療を、悪い言葉で言えば食いものにしたというような、非常にけしからん内容の事件でございまして、厚生省ももちろんいろいろ指導はしておりますが、埼玉県の方でもこの問題について最近処分をいたしたわけでございます。全国的にそういう問題もときどき出まして、りっぱな医者の中で、少数でございますけれども、そういう問題が出るということは、医療行政につきましても、また保健行政につきましても大変な問題でございまして、特に老人保健法というものがただいま参議院で審議をされておりますけれども、そういう意味でも私は老人保健法を早く通していただいて、そういうことがないようにいたさなくてはいけないと、そういう実は感じを持っております。医の倫理の問題にも関連する重要な問題でございます。詳細、処分の内容等につきましては、関係局長より説明をさせます。
#107
○目黒今朝次郎君 いいです。それで、この問題についてはあらかじめ通告しておりましたから、時間がありませんから、警察庁と国税庁にお伺いいたしますが、この事件はいま厚生大臣が言ったとおり、老人を食い物にしたでたらめ医療だ、こうわれわれは受け取っておるわけでありますが、雑誌「宝石」にも、今月号ですか、相当詳しく書いてあります。この内容はほとんど事実のようであります。この事実の中で、警察庁は詐欺容疑になるんじゃないか、こう思うんですが、詐欺容疑で捜査をする用意があるかどうか。また、国税庁は不当所得で調査をする考えがあるかどうか。この問題について警察庁と国税庁から見解を聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#108
○政府委員(中平和水君) 御質問の件につきましては、埼玉県警察におきましては、一応詐欺の容疑ありと、こういうことで県の生活福祉部と連絡をとりながら、関係者からの事情の聴取、資料の提出等を求めるなど、あらゆる角度から積極的に具体的な事実の把握に努めておるところでございます。当然のことでございますが、これは捜査は遂げてみなければわかりません。しかしながら、証拠上刑事責任を問うべき事実があれば、厳正に対処してまいる、そういう方針で臨んでおります。
#109
○政府委員(吉田哲朗君) お答え申し上げます。
 私ども税務行政におきましては、日ごろから医療保健業の課税につきましては特に大事をとっておりまして、全国的な重点調査業種にかねて指定しておりまして、徹底した調査、適正な処理をすることにしているわけであります。そういう意味におきまして、私どもは日ごろからマスコミ情報をも含めまして、各種の資料、情報を収集し、課税上問題があるものについては、的確な措置をとることにいたしております。
 御質問の件の具体的処理につきましては、答弁を差し控えさしていただきたいと思いますが、御質問の事案につきましては、私どもは当然のことながら、十分注目しているということで御了解をお願い申し上げたいと思います。
#110
○目黒今朝次郎君 総理に答弁もらいたいんですが、時間が来ましたから。
 老人を食い物にしてぼろもうけをするということは、私は医療の中でも最も悪質だと思うのです。ですから、いま国税庁と警察庁と労働省三者の方で十分に、公正に、しかも迅速に調べてもらいたい、こう要望いたしますし、私もずいぶんネタを持っていますから、今後とも決算委員会や社労委員会で具体的に質問をしていきたいと思っております。
 最後に、文部大臣にお願いしますが、私は中国孤児の問題について、ずいぶん厚生省あるいは外務省の皆さんからいろいろ勉強さしてもらいました。しかし、この前の四月二十日のNHKを見ても、結論は言葉の問題じゃないかというような気持ちを痛感したところであります。言葉の問題を教える施設が非常に少ない、こういうこともありますので、できれば各都道府県単位ぐらいにこういう日本語を教える何らかの施設を、政府の責任できちっとつくるということが当面一番中国孤児問題で大事じゃなかろうかと、こんなふうに考えますので、文部大臣の見解をひとつこの際聞かしてもらいたい、こう思いますがいかがですか。
#111
○国務大臣(小川平二君) 中国に残留した日本人孤児が、念願かなって帰国をしたけれども、言葉の壁に隔てられて円滑な生活適応ができない。非常にお気の毒なことであり、まことに遺憾なことだと存じております。引き揚げてこられた方に対する日本語の指導は、現在援護、ないし生活指導の一環として、厚生省を中心に各都道府県の援護課を窓口といたしまして、ボランティアの方々の献身的な御協力のもとに行われておるわけでございます。
 文部省におきましては、学齢期にある子弟につきましては、小学校及び中学校におきまして、日本語指導を含む教育上の適切な配慮を行っておるわけでございまして、日本語習得のために特別の教材等をも配付いたしておるわけでございます。
 成人につきましては、五つの都道府県に、現にございまする中学校夜間学校で日本語の習得をいたしておるわけでございます。また、成人のための日本語の指導を充実いたしまするために、五十七年度から文化庁において新たにカセットテープのつきました「日中対訳」という学習書を開発、配付いたしまして、中国引き揚げ者を教えている日本語教員を対象として、東京、大阪の二会場で文化庁主催の研修を行うこととなっておるわけでございます。
 ただいまの御意見でございますが、引き揚げてこられた方々を、たとえばブロック別に集中して相当期間にわたって教育を行うことができますれば、これはきわめて望ましいことであると存じますけれども、帰ってきた方はそれぞれ親元、親類、身元引き受け人のところへ、全国に分散をしておるわけでございますから、これらの方々を一カ所に集中して日本語教育をいたしますについては、前提として解決すべき問題、たとえば生活をどうするかというような非常にむずかしい問題があると存じます。今後引揚者の帰国後の日本語教育を含めた定着対策のあり方につきましては、現在、厚生省、労働省等の関係省庁とただいま検討を進めておる段階でございます。
#112
○目黒今朝次郎君 国鉄問題はこの前小坂運輸相と一回やりましたから、時間が来ましたので次回の運輸委員会でやらせていただきます。終わります。
#113
○佐藤三吾君 時間がございませんから、総理、簡潔にお願いしたいと思います。
 まず第一に天下り人事の問題で、今国会で、御承知のとおりに、新たに民間の天下りに手みやげの工事費がついたり、談合のパイプ役が天下りのOBである、こういう点が浮き彫りになったわけです。このことにつきましては、人事院もこの委員会で見直しをしたい。それから建設大臣も二十三日の委員会の答弁で、土工協が提案しておる、限定つきでございますが、中小について。大手については競争入札を導入してそういう介入の余地のない方向で検討したい、こういう回答をいただいたわけです。
 しかし、総理に私はお聞きしたいのは、そういった上に立って予算委員会の答弁を見ますと、総理も、公共事業の受注業者から政治献金を受けることはよろしくない、自粛したい、こういう御答弁もなされておるようでございますが、この天下り並びに談合入札について、いま申し上げましたように、私は政治家なり、OBというもの、もしくは官僚の介入を阻止するためには、何といっても、競争入札をきちっと導入して、そして予定価格についてはあらかじめ公示をして、そういう余地のない状態をつくっていく以外にない、こういうふうに思っておるんですが、この点についての見解を聞いておきたいと思います。
 それから第二番目に、この問題とあわせてお聞きしたいのは、総理が予算委員会の答弁の中で、年金福祉事業団の天下り出向についてはこれは遺憾だと、したがって、厚生省に是正を指示したと、こういうことを答弁いただいておりますが、この問題は四月一日の異動では、依然として三十名の退職者のうち、二十八名が厚生省に戻って、そして二十八名が新たにまた厚生省から出向しておるわけです。その点を二十三日のこの委員会で厚生大臣、年金福祉事業団の理事長も認めまして、今後は二分の一にしたいと、こういう約束をここでされました。
 しかし、私は二分の一というのは役員の問題に対する閣議決定であって、職員の場合には必要やむを得ざる者以外はプロパーにすべきだ、そういうふうな考えを持っているんですが、総理の見解はいかがですか。
 同時にもう一つ、この問題と関連するんですが、やっぱりこういう認可法人、特殊法人については、これは率直に言って政策目標によって設立され、廃止されるわけです。そういう法人の設立、廃止の実態から考えますと、たとえば鉄建公団もことし廃止する、もしくはいま問題になっておる日本航空機株式会社も廃止をすると、こうなるわけですが、やっぱりそれでは優秀な人材がなかなか集まらないだろうし、職員に落ちつきも出てこないんじゃないかと思うんです。私はプロパーの諸君については、この際、横断人事をこういう法人については導入すべきじゃないか、こう思うんですが、以上三つの点について総理の見解を聞いておきたいと思います。
#114
○国務大臣(鈴木善幸君) 公共工事の問題にまつわるいろいろの疑惑の事件が出ておりますことは、まことに遺憾にたえないところでございます。建設大臣初め、公共工事を発注する官庁の責任者におきましては、当該の業界に対して、法令等を遵守するように強く指導を求めておるところでございますが、建設大臣は中央建設業審議会に抜本的な是正策につきまして、いま、諮問をしておるところでございます。
 佐藤さん御指摘のように、高級官僚の天下り、あるいは政治家が陳情等によってあっせんの労をとるとか、こういうような問題も、そこに介入する余地、影響を及ぼす余地が存在するからでございまして、やはり制度的にそれをなくするということが一番根本の対策であろうと、こう思うわけでありまして、そういう意味合いから、いま御指摘がございましたように、公正な入札にして、その入札参加者あるいは入札の結果等を公表するというような入札制度の抜本的な改正、こういう点もぜひ導入されなければならない問題であろう、こう思っております。
 中間的に審議会の方からいろいろの建議がなされておるようでありますが、そういう点を逐次実行に移して、改善を今後進めてまいりたい、このように考えております。
 それから、年金福祉事業団の職員の人事構成の問題でありますが、これは厚生大臣に私よく注意をいたしておったところでございますが、なかなか職員の異動、入れかえ等におきまして、急に仕事にある程度なれた人間を入れかえて採用をするということは、一遍にはいかない事情があるようでございまして、そういう方向で逐次改善をしていくという報告を受けております。
 なお、特殊法人等の職員の横断的な人事異動の方式を研究してみたらどうかと、こういう御提案でございますが、これは私どもも一つの御提言として研究をさしていただきます。
#115
○佐藤三吾君 ぜひひとつ研究していただきたいと思います。
 次に、グリーンカードについて総理の見解を聞いておきたいと思うんですが、御承知のとおりに、この問題については自民党で三百名の署名を得て、そうして田中政調会長が三年間の延期論であるとか、出されておりますが、二十三日の官房長官、通産大臣、大蔵大臣を含めて私が質問した際に、官房長官から要約して、政府としては改正案の提出をする考えはないと、いまのところ自民党が正式決定をしていないのでと、そういう答弁でございました。しかし、その日の新聞を見ますと、二階堂幹事長が山中税調会長に具体的な検討を公式に指示したと、こういう記事を見ました。そうなれば、これは私は、総裁、幹事長の間に理解がないということはあり得ないと、こういうふうに考えるわけでございますが、総理として、不公平税制の一環として、しかもすでに朝霞には六十億のコンピューターセンターもつくり、同時に五十七年度予算で百五十億も対策費を計上すると、こういうような事態になっておるわけでございますが、この問題について、一体自民党の総裁として、議員立法といえどもこういうことに対して与党から提出する考えはない、こういうことが約束できるのかどうなのか、総理の見解を聞いておきたいと思うんです。
#116
○国務大臣(鈴木善幸君) グリーンカード制の採用、そして総合課税制度を今後やってまいると、そういうことで所得税法の改正が国会でなされまして、政府としてはその改正の趣旨を体しまして、五十九年の一月一日からこれを実施するということで、準備も進めております。したがって、官房長官も答弁をいたしましたように、政府からその改正法案を出すというような考えは持っておりません。
 自由民主党の関係でございますが、きょうも実は政府と党の首脳会議を昼開いたわけでございまして、当面の諸問題について打ち合わせをいたしてまいったところでございますが、幹事長からは、グリーンカードの問題につきまして私に何の報告もございませんでした。私は、党の方で正式にこれを取り上げて検討を始めるという際には、当然大蔵大臣にも、私にも連絡があり、また政府の意見を述べる、これは政府と党と意見の一致を見なければそのように前進するわけにまいりませんから、そのような協議が行われるものと思っておりますが、いまのところそういう点はございません。
#117
○佐藤三吾君 時間が参りましたから、いろいろ聞きたいんですが、きょうはこれでやめます。
#118
○峯山昭範君 きょうは非常に短い時間でございますので、総理、できるだけ端的にお答えいただきたいと思っております。
 初めに国鉄の問題についてお伺いをしたいと思います。
 最近の新聞を読んでおりますと、国鉄に関する記事が非常に多いわけであります。関係記事が載らない日はないと言ってもいいぐらい最近は毎日載っております。その一つは職場規律の乱れについての問題でありますし、もう一つは、国鉄の再建についての記事であります。特に、この職場規律の乱れという問題につきましては、国民からも厳しく非難されているところであります。
 また一方、臨調におきましても、各分野にわたる国鉄の基本的な問題につきまして、現在答申を出すための審議を続けているわけでございますが、そのいろいろな審議の中で、一つの目玉はやっぱり国鉄の問題ではないか、そういうふうに言われております。その中身も、すでに御存じのとおり、分割の問題、あるいは民営論の問題等が各種報道機関から報道されております。
 そういう状況のもとで、もうすでに総理も御存じのとおり、二十三日の日には、突如としてと言っていいのかどうかわかりませんが、運輸省の方から国鉄の再建に関する提案がなされております。これを契機といたしまして、非常に各方面に波紋が広がっているわけでございますが、特に自民党のそういうふうな部門の人たち、あるいは臨調の方では反発ともとれるような報道もなされております。
 そういうような意味で、非常にこの国鉄問題がいま錯綜しているわけでございますが、総理として、こういうような状況の中で、国鉄の再建について、総理自身はこれをどういうふうにして処理していこうとお考えになっていらっしゃるのか、この国鉄再建対策についての総理の基本的な考え方を初めにお伺いしたいと思います。
#119
○国務大臣(鈴木善幸君) 国鉄問題は国民的な大きな関心を呼んでおる問題でございますが、国会におきましても、国鉄の再建整備の問題について法律を通していただきました。それに基づきまして、現在国鉄経営の再建計画というものを立案をいたしまして、これに全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
 また、職場の乱れ等の問題につきまして、国民の指弾を受けるような事例も出てきておりまして、頭を痛めておるわけでありますが、運輸大臣は、この点に関しまして、国鉄総裁に対して職場の総点検というものを指示をいたしまして、これを受けて国鉄総裁は、この職場の総点検に、いままでの悪慣行であるとか、いろんなやみ的な協定であるとか、あるいはやみの手当であるとかいうような、いろんな新聞等でも指摘されておるような問題については、この際毅然たる態度でこれにメスを入れる、再点検をするということにいま取り組んでおると承知をいたしておるところでございます。
 いま政府並びに運輸省、国鉄といたしましては、そういうことに全力を尽くしておりますが、一方におきまして、そういうようなことでは国鉄の真の再建はできないであろう、抜本的な見直しが必要である、こういうような世論もございまして、そういう点から、いま臨調におきまして、国鉄の改革についての抜本的な対策というものを御検討中でございます。それに並行いたしまして、当然責任のある運輸省並びに政権与党であります自由民主党においても、それぞれ独自の立場で研究が進められておる。私は、それは当然のことだと、こう思っておりますが、それが、いずれ臨調からの答申を待ちまして、政府並びに自由民主党として、それをどのように具体的に生かしていくかという際におきまして、私は、いまから勉強しておくことがその際において足しになるであろうと、このように考えておるわけであります。要は、臨調がせっかく独自でおやりになっていることに対して、横合いからいろんなことを申し入れて、混乱を生じないようにということを配慮しながら、勉強は各方面で私は進めることはこれは結構なことだと、このように思っております。
#120
○峯山昭範君 おっしゃる意味はよくわかりますけれども、中曽根行政管理庁長官はいつも言うんですけれども、要するに臨調でいま審議中の問題について、各省庁がいろんな口を挟むということについて、やっぱり遠慮した方がいいというお考えをお述べになっていらっしゃるわけでありますけれども、今回のこの運輸省案というのは、ある面から言うと、臨調の方向と同じような方向ではありますけれども、よく見ると大分違うわけです。そういうふうな意味で、運輸省案がいまこういうふうなときに、先ほど総理がおっしゃいましたように、臨調が真剣に検討をやっている段階で、運輸省案が示されたという意味はどういうふうな意味なのかということと、それからもう一つは、やっぱり最終的には、総理はその臨調の案を実行すると、そういうふうな意向であるのかどうか、これ両方あわせましてお伺いしておきたいと思います。
#121
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいまも御答弁申し上げましたように、いろいろ運輸省としても勉強をしておることではございますが、私は、臨調の御答申を得ました上で、それを基礎にいたしまして、実効ある改革案が国会に御提案できるようにしたいと、こう考えております。
#122
○峯山昭範君 それと、もう一つ国鉄の問題について総理にお伺いしておきたいんですが、この国鉄の問題は組織の問題も非常に大事な問題ではありますけれども、一番重要な問題は労使の問題ではないかと私は思います。特に職場の規律の乱れとか、職員のいろんな問題、これは非常に大事な問題だろうと思います。そういうふうな中で、国鉄に勤めるいわゆる職員の皆さん方が、国鉄の再建にどれだけ国鉄に対する使命感と愛情を持っているかということではなかろうかと私は思います。そういうような点からいきますと、最近テレビやいろんなところで国鉄の組合の皆さん方がずいぶん出ていらしゃいますけれども、いろんな当局のいわゆる調査やそういうようなものに対して、ほんの一部しか調査してない、実情はそうではないということもありますし、あるいはまたその職場のいろんな問題の中で、国鉄再建という問題について、使命感と愛情を失っているんじゃないか、これではどうしようもないということがあるわけでありますが、これは非常にこの国鉄再建についての基本的な問題なんですけれども、こういうような問題について、総理はどういうふうにお考えか、この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#123
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま峯山さんがおっしゃった点が、一番私は大事な点であろうかと、こう思っております。国鉄は国民から過去においては最も信頼をされ、また日本の鉄道、国鉄と言えば、海外でもその正確な、そしてサービスに徹したあの国鉄マンというものは、私は各方面から尊敬をされておったと、こう思います。それが今日いろいろ報道機関等においても、職場の乱れや、あるいは職員のやっておる行為が批判をされるというようなこと、また労使の間にも信頼関係と規律というものが十分確立してないというような点が非常に残念であり、それを正すことが国鉄再建の原点である、根本であると、このように私も認識をいたしておるところでございます。
 ただいま、先ほど申し上げましたように、運輸大臣の指示によりまして、国鉄総裁は全職場の総点検を徹底的にこの際やって、いま御指摘になった点を是正をしていこうと、こういうことに取り組んでおるわけでございます。
#124
○峯山昭範君 総裁にも一言お伺いしておきたいと思います。
 いま総理からも御答弁ありましたが、今回の職場の総点検は、総理の御答弁によりますと、運輸大臣の指示によってということでございますが、これは私も拝見させていただきました。中身はたとえばやみ手当二八%、やみ超勤三五%とか、やみ休暇約三割の職場であるとか、いろいろ本当にわれわれ常識で考えて考えられないようなことがずいぶん指摘をされているわけであります。私はこういうふうな調査というのは、国会やいろんな世論が厳しくなったからやるというのではなくて、やっぱり日ごろやっておかなければいかん問題と違うか、そういうふうに思うわけです。それも要するに国鉄当局が日ごろからきちっとやっておけば、こういう問題は起きないんじゃないか。しかも、調査の結果はまことに憂慮すべき状態であるわけであります。しかし、そういうふうな状態の総裁の責任というのは、これはもう大変なものがあるんじゃないかと、実際そう思っております。
 そこで、総裁は、今日のこういうふうな職場環境になった原因、これはどういうふうに考えておられるのかというのが一つ。そして、こういうような職場を立て直すためにはどうしたらいいかというのが一つ。そして、今後どういうふうにこの問題に対応していかれようとしていらっしゃるのか。この三点をまとめてで結構ですからお伺いしておきたいと思います。
#125
○説明員(高木文雄君) このたび、ただいま総理からも御答弁いただきましたように、いろいろ調査をいたしまして、調査の結果がほぼつかみ得たわけでございますが、ただいま御指摘のように、監督官庁から御指示があって調査をしたというのは、大変恥ずかしいことでございまして、本来、私どもがそれを平素から把握をしていなければならないはずだと言われればそのとおりでございます。ただ問題は、非常に幾つかの職場で乱れがあるということは、かねがねから私どももよく承知をいたしておりましたし、それの是正方については約ここ二年ぐらい、一つ一つの職場ごとに問題点を挙げまして取り組んでまいってきておったわけでございまして、むしろ全般的に手を広げますよりは、重点的にやるべきだという考えを私は持っておりましたので、そういう角度で物事を進めてきたわけでございますが、最近の報道等の関係もあって、このたび全般調査をした結果が、私が考えてたよりもどうもぐあい悪いということがわかってまいりました。調査をすると同時に、是正方を指示をいたしております。実は、本日も現在全国の管理局長を私のところへ集めまして、招集をして対策協議中であるわけでございますが、大体の報告によりますと、かなりの部分は、すでに三月の五日に調査指令を出すと同時に是正指令を出しておりますので、かなりのところではすでに是正が進行しておるという報告を本日受けておったところでございます。
 これはなぜこういうことになったかということにつきましては、きわめて多種多様の要因によるものでございまして、なかなか一言で御説明いたしかねるわけでございますけれども、やはり要は現場の管理に関する基本的な姿勢というものについての、何といいますか、当局側の姿勢に非常に問題があったと思っております。いわば、いろいろな問題との関連で甘くなっておったという問題が一つございます。第二は、普通の民間会社等では考えられない問題でございますけれども、労働組合が多数あるということに関連して、いろいろなこじれた問題が起ってきておることがございます。それから三番目に、何よりも私が残念に思っておりますのは、現場の実態が、現場から管理局に上がってこない、それから管理局からわれわれのところへ上がってこない。それよりも何よりも、毎日の運行をダイヤのとおりやるということに余りにも忠実に進んでおりまして、いわば臭い物にふたをするような空気がかなりあるということでございまして、今回、それを排除して総ざらえをいたしたわけでございます。
 今後の対策といたしましては、いま申しましたように、いますぐやめるべきものはやめるということで、これはできると思いますが、若干の、形式的にはたとえばやみ手当ということになっておりますけれども、勤務の実体を伴っておりますけれども、その実体に即応する給与体系がとられていないということのために、形式的には不当であるところの手当という制度を使って、そしてまあ他の方式で支払われるべきものがそうした形で支払われておって、労働の実体がないわけではないという場合も相当ございますので、これを制度的に直すというようなことをしてまいらねばならんと思っております。いずれにいたしましても、規律を保つということがすべての基本でございますし、赤字がございますとか、あるいは機構を直せとかいうことにつきましても、基本はやはり規律が確立した上での話でなければならんわけでございますので、かねがね注意を払っておりましたが、ちょっとしばらくはほかのことをやめてでも、この規律の立て直しということに最大の力を尽くすように、本日も会議の席上で話し合っておったところでございます。
 いずれにいたしましても大変御心配をかけ、御批判を賜りましたことについて、この席をかりましておわび申し上げたいと存じております。
#126
○峯山昭範君 それじゃ次に、総理に、当面の財政運営の問題についてお伺いしたいと思います。
 これは先ほどからちょっと質問もございましたんですが、まず総理は、新聞報道によりますと、四月の十七日に官邸に渡辺大蔵大臣と宮澤官房長官と三人で、当面の財政運営について御相談をされたと、そういうふうな記事がございました。その中身につきましては、新聞報道によりますと、三点書いてございます。第一点は、先ほどから問題になっておりました、二兆円を超えるいわゆる税収の不足、歳入欠陥をどうするかということ。それから二つ目には、五十八年度の予算編成の基本方針をどこら辺に置いたらいいかという問題。それから三番目には、五十九年度に赤字国債依存体質から脱却するという公約をどうするか、というふうに新聞報道ではなっておりますが、最近の財政運営非常に厳しい情勢にあります。総理としまして、最近どういうふうにお考えか、この問題一つ一つにつきましては後ほど渡辺大蔵大臣にお伺いするとしまして、基本的な問題について総理のお考えをお伺いしておきたいと思います。
#127
○国務大臣(鈴木善幸君) 先般、大蔵大臣、官房長官と私との間で、当面の財政並びに経済の運営の基本につきまして話し合ったことはお話のとおりでございます。
 その中で、経済情勢は非常に内外ともに厳しいものがあると。先ほどもお話がございましたが、世界的な景気の動向も当初予定されたよりも少しずれておるのではないか、わが国の経済動向もやはりそれと同じような傾向にあると、でありますから、五十七年度予算の執行に当たっては、この与えられた予算の中で全力を挙げて景気の回復、これに力を入れていこうと、こういうことが第一点でございます。
 それから、五十八年度予算の編成に当たりましては、これは現内閣の基本方針でありますところの、行政の改革、財政の再建、この基本方針に沿って予算の編成に当たる、そして、当面政府としてはこの税制の問題等については、まずもって五十九年度特例公債依存の体質を脱却するという、この方針をあくまで貫くという前提を動かさない、不動の方針としてこれに邁進をする、したがって、五十七年度予算の編成以上に歳入歳出両面にわたって、もっと思い切った見直しを徹底的にやる、また発想の転換も場合によればさらにしなければいけない、こういうような基本的な方針を大蔵大臣、官房長官と話し合ったところでございます。今後そういう方向でやってまいる考えでございます。
#128
○峯山昭範君 大蔵大臣にこれはお伺いしますが、二兆円を超える税収不足というのが確実になりつつあるわけであります。大蔵大臣は、先ほどの話によりますと、三月期決算の法人税のいわゆる税収を見込まないとはっきりしたことはわからないと、それは五月ごろになればわかると、こういうようなお話であったわけでありますが、実際問題として、それを多少見込んだにしても、いわゆる二兆円を超える歳入欠陥になるということはもうほぼ間違いないんであろうと思います。そこで、この帳じりを大臣としてはどういうふうに合わせるおつもりなのか。この問題については昨日もNHKの報道の中で詳細にやっておりましたけれども、たとえば、先ほどもちょっとございましたが、決算調整資金の取り崩し二千五百億円、それから不用額約三千五百億円、それから国債整理基金からの借用があと残りと、一兆七千億とかなんかNHKで言っておりましたがね。そういうようなことでやったにしても、これは国債整理基金からの借用の場合は五十八年に返さないといけませんね。そういうようなことを含めまして、この帳じりを大蔵省としてはどういうふうにして合わせるおつもりか、その点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#129
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は五十八年度予算編成に絡む話の問題でございます。したがいまして、これは国会中でありまして、どういうふうなシーリング枠にするか、どういうふうにやっていくかという具体的相談を財政当局自身がまだ相談してないんです、実は。これはもう間もなく本格的な検討をしなきゃならんと思っているので、具体的にはまだ決まっておりません、おりませんが、いずれにしても、いま総理が言った方針に従って、徹底的な歳出の抑制、合理化、効率化、そういうものをまず図る。それからやはり景気にも配慮しなきゃなりませんから、日本の景気は世界の景気とつながっておるので、日本だけ特別よくするというわけにもちろんいきません。いきませんが、与えられた条件の中で有効な手段、方法はこれは講じていこう。その一つとして公共事業の前倒し執行というようなものも考えてやるように手配をしておるわけでございますから、経済の持続、発展を図りながら、あとは歳出削減、節減、合理化、また歳入の洗い直し、見直しということも考えていきたいと思っております。
#130
○峯山昭範君 これは最後に総理にお伺いしておきたいんですが、財界もそうですし、今回のこの第二臨調もそうでございますが、この増税なき財政再建というのは、これはもう貫けという意向で一致しているようであります。そういうふうな意味でこの歳出カットについて相当厳しくいろんな面から要望を出しているようであります。総理も七月の臨調基本答申を最大限に活用をして、それで先ほどのお話の中にもちょっとございましたが、歳出の洗い直しを徹底的にやって乗り切れと、こういうふうな基本的な方針を出していらっしゃるようでありますが、実際問題としてそれだけで乗り切れるのかどうか、そのお話も一つの見識としてそれはそれでいいわけですが、非常に現実の問題として厳しいんじゃないか、そう考えるわけです。
 そこで、総理にお伺いしておきたいのですが、いわゆる増税ということですね、あるいは新税ということ、そういうことを導入するということについてはもう現在総理の頭の中にはないと私は思いますけれども、そこら辺のお考えはどうかというのが第一点。
 それからもう一つは、総理が初めからおっしゃっている増税なき財政再建という問題について、どんなことがあってもやり遂げるんだという信念はいまでも変わらないかどうかということ、この二点をお伺いしたいと思います。
#131
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、国民の皆さんの立場に立って考えてまいります場合におきまして、財政再建、五十九年度特例公債の脱却、これは八〇年代以降の新しい情勢に対応するための財政の対応力を回復する、これはぜひやらなければならない、これが国民の皆さんの一致したお考えであろう、こう思います。と同時に、何とか増税というような手段によらないで高度経済成長時代に肥大化したわが国の行財政を徹底的にこの際縮減、合理化して、それから浮いた金でこの財政再建をひとつやってほしい、こういうことであり、またそのためには、いままでの税の中でも不公正と言われる租税特別措置の見直しとか、政府としては今日まで何遍か国会の御鞭撻を得ながらやってきているわけでありますが、国民の皆さんの中にはそういうお気持ちもあろうかと、こう思っております。そういう国民的な考え方、要請の上に立って今後財政の再建及び税制の改正、そういうものに取り組んでまいりたい、こう思っております。
#132
○峯山昭範君 総理の頭の中には増税なんということはもう毛筋ほどもないということですか、いまのところは。
#133
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は一般消費税という大型新税というのは、もう頭の中には全然ございません。それだけは明確に申し上げておきます。
#134
○峯山昭範君 それでは、時間ございませんので、次のシーレーンの防衛の問題についてお伺いしておきたいと思います。
 総理は航路帯の防衛につきまして、先般からこの問題については相当前から議論をしてまいりました。最近になりまして、サミット前に総合安全保障会議を開いて、いわゆる有事の際の食糧、石油資源の輸入確保などについて、基本方針をまとめることにしたと、そういうふうな意味の新聞報道がなされております。
 そこで、総理のいわゆる有事の際の航路帯防衛と総合安全保障会議を開いて決めるという問題についての総理の考え方、基本的な方針についてお伺いしておきたいと思います。
#135
○国務大臣(鈴木善幸君) 先般の閣議におきまして、参議院の秦豊さんからシーレーンの問題について御質問書が出ておりました。それに対して政府として答弁書を閣議で決めたわけでありますが、その際に、伊藤防衛庁長官から、海上輸送路の保護に当たって周辺数百海里、航路帯を設けるとすれば一千海里程度、これを保護できるような防衛力を整備することに、防衛庁としては防衛計画の大綱の中で努力をいたしておりますが、それにしても有事の際においては、それだけでもっては十全でないと考える、したがって、食糧、あるいは資源、エネルギー、石油はもとより、そういうものの国家備蓄というようなことも総合的に考える必要があるのではないかと、こういうお話が出たわけでございます。それに関連いたしまして、経済閣僚その他からいろいろ意見が開陳をされました。そこで、私は締めくくりといたしまして、鈴木内閣発足当時から、総合安全保障が大事であるということで、閣僚会議を新たに設置して、そして日本の安全保障、総合的にいろんな施策を整合性を持って進める必要があるということで、今日まで進めてきたのであるが、今後におきましても十分ひとつ各省でも掘り下げた検討をしてほしい、現に通産省におきましても、大臣の諮問機関をつくって検討を進めております、農林省においてもやってくれております、各省でそれぞれやっておりますが、それをいずれ取りまとめて、全体としての整合性のある総合安全保障政策というものをまとめようと、まとめたいということを自分は考えておるということを要請したというのが経過であり、私はそのように考えておるわけでございます。
#136
○峯山昭範君 これに関連いたしまして、いわゆるサミット前にその安全保障会議を開く御予定でございますか。
#137
○国務大臣(鈴木善幸君) できればそういたしたいと思っておりますが、必ずしもこれはサミットとは関係はございませんけれども、せっかく各省でそういうぐあいに勉強が進んできておりますので、やりたいと思っております。
#138
○峯山昭範君 もう一つ確認したいんですが、総理、このシーレーンの問題につきましては、いわゆる総理の対米公約ではないかという点が、相当いままで何回か議論されてきたわけです。それで総理は、この問題については従来のわが国の防衛政策を述べたにすぎないと、こういうふうに何回か御答弁になっていらっしゃいますね。ところが、実際問題、先日日本にお見えになりましたワインバーガーさんは、やっぱりこのシーレーン防衛に足る防衛力の強化ということで、このシーレーン防衛について相当いろんな強力な要望、要求があるわけですね。
 そういう点からしますと、ここら辺のお考えはどういうことなのか、もう一回、直接お伺いしたことはございませんので、御見解をお伺いしておきたいと思います。
#139
○国務大臣(鈴木善幸君) この海上輸送路の保護につきましての周辺数百海里、航路帯を設けるとすれば一千海里程度、これを海上自衛隊が今後の防衛計画の大綱の中で整備する目標として努力をする。こういうことは、私は訪米する前から、国会におきましてしばしば安全保障の委員会におきましても、予算委員会等におきましても御説明を申し上げて、国会の御理解、御協力をお願いを申し上げておったところでございます。たまたま昨年の五月に訪米をいたしまして、ナショナルプレスクラブで私が講演をいたしましたが、その際に、聴衆の中から質問が出まして、それに対して、わが国としてはそういう方針で防衛力の整備に取り組んでおるんだということを御答弁した。いわばやっておることの日本の政策についての報告でございます。
 そういうことでございますから、アメリカ側の強要に基づいてそういうことをやっているものではない、日本みずからが自主的に自分のこととしてやっているという意味でございますということを、私はるる御説明を申し上げておるというのが偽らざるところでございます。
#140
○峯山昭範君 総理、もうきょう時間ございませんから、あと二点まとめて申し上げますが、総理のシーレーン防衛に対するお考えよくわかりました。実際問題として、航路帯、シーレーン、同じでしょうけれども、防衛構想といいましても、結局は日米間の役割り分担というところがやっぱり問題になってくるんだろうと私思います。それで、その役割り分担をどういうふうにしていくかということになってくるんじゃないかと思うんですが、この問題については総理どういうふうにお考えになっているかということ。
 それから、日米間の役割り分担ということになれば、いわゆるこのシーレーン防衛が憲法の範囲内で対応できるかどうかという問題になってくると思いますね。それで、総理がおっしゃるように、確かに日本の船をわが自衛隊が護衛すると、これは簡単ですね、わかりやすいですね。ところが、実際問題シーレーンを通っている船は、日本国籍の日本の船で、日本の品物を積んで日本に運ぶという、それだけなら問題ありませんが、最近の船の様相というのはそう単純なものじゃありませんね。そういうような意味で、アメリカ国籍の船でも、いわゆる日本人が購入した製品を積んで日本に運んでくると、そういうような非常に複雑な問題が絡んでいるわけです。そういうもの等考えてみますと、シーレーン防衛と言っても、そう簡単なものじゃないということが明らかです。そういうような意味で、日米間のこの役割り分担というものが大きな焦点になると思いますし、それを憲法の範囲内でどう処理するかという問題が出てくると私思うんですけれども、これに対して総理のお考えをお伺いしたいと思います。
#141
○国務大臣(鈴木善幸君) まず、米側が期待をいたしております役割り分担という問題をはっきりしておかなければならんと、こう思うんですが、レーガン大統領を初め、米側の首脳は、私に対して明確に言っておりますことは、日本が自主的に自分の国を自分で守るというために、必要な防衛力というものをしっかりと日本がやってくれれば、米側としてはそれだけ助かるんだと、そして他の方にその力を向けることができると、こういうことであって、アメリカが自分でやらなければならないこと、日本の自衛という範囲を超えてアメリカが従来やっておったことを、それを肩がわってくれと、そういうことを米側は考えておるのではない、そういうことを日本に求めておるのではない、これはもう明確に言っておるところでございます。まずこの点をはっきりと御理解をいただきたいというのが第一点でございます。
 それからいまの海上輸送路、航路帯の保護の問題でございますが、確かに、峯山さんおっしゃるように、単純ではないと思いますが、しかし、私どもは日本の船舶、これを日本の海上自衛隊が守るということが基本でございます。有事の際に、それが一体どういう形の有事であるのか、そういうことはいま平時においては想定が全然できません。できませんが、わが国の海上自衛隊の防衛というのは、日本の船舶を保護する、それが任務である、それを超えないと。あくまでそれは専守防衛であって、集団自衛権に及ぶようなことは、これは憲法が許さないということを十分わきまえてやってまいる考えでございます。
    ―――――――――――――
#142
○委員長(和田静夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森山眞弓君、黒柳明君及び瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君、中野鉄造君及び小谷守君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#143
○柄谷道一君 総理にお伺いいたします。
 サンケイ新聞では「国鉄はほんとうに必要なのか」、こう題しまして「第一部 破産」「第二部 現場」「第三部 赤字地獄」三部にわけまして、すでに三十五回にわたるキャンペーンを行っております。その第三部の締めくくりとして、四月二十一日付の記事の中に次のように記載されております。高木国鉄総裁は四月十四日「日本記者クラブで講演したが、そのさい「国鉄総裁」の立場について、国鉄総裁は手足をしばってプールに飛び込ませるようなものだ、大事なことはなにひとつ自分で決めることができない」と述べて、次々露見する悪慣習について、国鉄は軍隊に似た閉鎖社会であり、何か悪いことが起こると、内でかばい合うからなかなかわからないと語った、こう報告しまして、記者の立場から、総裁の権限は小さいかもしれないけれども、総裁就任以来果たしてその権限をフルに生かそうとしたのだろうか、このような疑問を投げかけますと同時に、「がっかりすると同時に、率直にいっていらだちを感じた。」、そのような感想を述べ、その結びとして、世間では非常識であることが国鉄では常識となっている。国鉄労使は国鉄自身の惨たんたる現状にしっかりと目を据えて、不安を感じ、常識の通用する普通の状態に回復するにはどうしたらよいかを考えるときである、こう結んでいるわけでございます。私としましても全く同感でございますし、国民大方もまたこれに共鳴しているものと思います。
 そこで、総理はこのように新聞に報ぜられました国鉄総裁の姿勢について、どう受けとめていらっしゃいますか。
#144
○国務大臣(鈴木善幸君) 国鉄の高木総裁に対して、いろいろ国民の皆さんの中には、御注文をいろんな角度からなさっておると思います。しかし、いま高木総裁が行っておりますのは法律に基づく国鉄の経営改善計画、六十年までにこれを達成をするという計画をいかにして実行に移すかということに私は全力を尽くしておられると、こう思います。
   〔委員長退席、理事目黒今朝次郎君着席〕
しかし、その目標を達成するに当たって、思わざるいろんな障害、累積したところのいろんな改善を要するところの問題とか、悪慣行、そういうものが存在をする。それに対して、いま日夜悪戦苦闘、それに闘っておられる。これが現在の高木さんが置かれておる立場であろうと、私はそのように理解もし、またその努力に対して、これに感謝の気持ちを持ちながらも、さらに一層の努力を要請をしておるというのが率直な気持ちでございます。
 いまの高木総裁のお話の中にあったという、この総裁としてのいろんな権限、権能という問題について、いまのままでいいかどうかという問題につきましては、かねてからこの点は問題があった点でございまして、今後の国鉄の抜本的な改革、再建に当たっては、そういう国鉄総裁の権限といいますか、職責にふさわしい私は当事者能力というようなものにつきましても、これは十分検討さるべき問題であろう、こう思っております。
#145
○柄谷道一君 私は将来の改革の問題、そしていま総裁が努力しておられること、これはこれで承知しておりますけれども、いやしくも国鉄が今日のような状態になったことに対して、やれ権限はないとか、なかなか閉鎖社会でわからなかったとか、このような言いわけがましいことをするということはふさわしくない。むしろ率先立って、国鉄再建のための陣頭に立たれるべきが総裁の立場ではないか、こう私は思います。
 しかし、この問題は横へ置きまして、政府は五十二年十二月二十三日に「特殊法人の業務内容を勘案し、民間からの登用を積極的に推進する」という閣議決定をしていらっしゃいます。
   〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕
そして、さらに引き続いて五十四年十二月二十八日に、この五十二年閣議決定を「一層厳正に運用する」、これまた閣議決定をされております。そして五十四年十二月十八日には閣議了解事項として「全特殊法人の常勤役員については、国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめることを目標とする。」と決定されまして、民間人からの積極登用の方針を再確認していらっしゃいます。しかし、国鉄においてはこのことは全く実現されておりません。総理として閣議決定の重さ、重みというものをどうお考えでございますか。
#146
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は過去におきまして、閣議でこの特殊法人、国鉄を含めまして三公社等の首脳人事につきまして、民間の知能といいますか、経験といいますか、また活力というか、そういうものを導入をする。それによって硬直化した従来からの姿勢というものを根本的に是正をするという必要のあること、私もそのように考えておるところでございます。電電公社の総裁に真藤さんを煩わしましたのも、そういうような考え方に基づくものでございます。国鉄におきましても、十合さんでありますとか、あるいは石田さんでありますとか、そういう民間の財界の有力な方をお願いをしたということもございます。いろいろの経過があるわけでございますが、それによって国鉄の経営陣、首脳陣の刷新が十分になされたというぐあいには確かに御指摘のように不満足な点があったと、こう思っておるわけでございますが、そういう点を私どもは十分反省をいたしまして、今後の国鉄の改革、改善の一つの糧にしてまいりたいと、このように考えております。
#147
○柄谷道一君 運輸大臣にお伺いいたしますが、ただいま総理よりの御答弁もあったところでございますが、現在の国鉄の役員構成を眺めてみますと、総裁は大蔵省出身、副総裁及び常勤役員十二名、これはすべて、さらに理事である技師長、すべて国鉄出身によって占められております。常勤役員に民間人の登用はゼロでございます。わずかに非常勤理事として三名民間から起用されているにすぎない。これが閣議決定が二回にわたって行われているにかかわらず、現在の常勤役員の構成実態でございます。
 したがって、私は閣議決定も国鉄に関しては馬耳東風と言っては失礼かも存じませんが、全く生かされていないというのが実態でございます。
 監督官庁の責任者である運輸大臣におかれまして、これをどう受けとめていらっしゃいますか、簡潔にお答えをいただきます。
#148
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま御指摘の、閣議決定等の趣旨でございますけれども、一応高級官僚の天下りがいかん。それで、民間からの登用という言葉の中には、部内の人を登用するということも民間からの登用になるんだというような解釈が従来行われていたというわけでございまして、そうした意味におきまして常勤の十八名の役員の中には、国家公務員からの就任者は総裁以下二名でございまして、いま委員の仰せられましたように、純粋の民間人も全役員の二十四名の中の五名が登用されておるわけでございますが、こうした問題につきまして、現今の情勢から見ても、またこのような問題の御指摘をいただいたことは、今後よくわれわれとしても踏まえて考えていかなければならん点ではないかというふうに思います。
#149
○柄谷道一君 大臣、私は形式論を言ってるわけじゃないわけですね。そもそも公社、特殊法人というのはなぜつくったか、それは国の直営ではいかない、その公共事業的要因もあるけれども、その事業運営に当たって、民間の発想、民間の経営のあり方、これを大いに取り入れて効率化を図っていこうというのがそもそも閣議決定を越えて公社なり特殊法人の制度がとられた基本にある考えだと思うんです。私は、総裁が国鉄一家であるために、なかなか実態がわからない。この実態を改革するためには、これ民間で言えばこれは破産会社であり、もう会社更生法の適用会社ですよ。その場合は全経営陣は退陣です。そして、管財人を置いて、労使相協力してその再建の道を求めるというのが民間の常識でございます。
 総理、私はこの際経営陣の刷新、新しい陣容に基づいて国鉄再建を精力的に進めていく、その決意が総理におありかどうか、重ねてお伺いします。
#150
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、いまのままで国鉄の抜本的な再建、再生ができると、このようには残念ながら考えておりません。どうしてもいま柄谷さんもおっしゃったような、思い切った人事の刷新、そして、民間的な発想と活力、そういうものを持った経営の近代化なり、合理化というものを図らなければいけない、そのような意味の人事の刷新ということは、この国鉄の再建計画を臨調からの御答申を近々受けるわけでございますから、それに沿った改革を行う場合におきましては、そういう方向で努力したいと、こう思っております。
#151
○柄谷道一君 国鉄当局がさきに発表いたしました五十五年度職場管理監査結果報告によりまして、私も他の委員会で質問で取り上げましたけれども、これで全国百七十九カ所の重点指定職場の悪慣習、突発休、管理者問題等の実態が明るみに出ました。そして、三月だけ例をとりましても、ブラ勤職員やみ手当、ポカ休、酒飲み運転、追突事故等の規律のたるみ、ずさんな出勤簿管理等々、職場の実態が新聞に取り上げられまして、心ある国民は唖然とした気持ちを持ったと思うのでございます。しかし、今日まで当局の姿勢は、問題のある重点職場は特定された一部職場である、このような姿勢をとっておられたわけでございますが、運輸大臣に二十三日報告されました実態点検の結果によりますと、その内容は省略いたしますけれども、私は職場の荒廃は――非常に広い範囲で、かつ日常的に行われていたという全貌が浮かび上がってきたわけでございます。
 そこで、五十五年のその職場監理監査結果では、全国的に見て現在では職場の状況は落ちつきを取り戻し、かなり改善されつつあると、こう指摘しております、国鉄当局は。また今回行われました調査時点は、激しい世論の批判を受けまして、是正の機運が起こってきた過渡期でございますから、いま審査されております五十三年当時は、さらにこの状態は悪かったということが言えると思うのでございます。私は運輸省と国鉄の対応は、一言で言うならばツーレート、遅過ぎるという一語に尽きると思うのでございますが、長年このような現状を放置してこられましたことについて、担当大臣としてどのようにお考えなのか、またこのことがいま国鉄再建が叫ばれている中で、国民の大きな不信感を買っておるわけでございますが、この国民の不信感をどのように取り除いていかれるお考えなのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#152
○国務大臣(小坂徳三郎君) 国鉄の現場の規律が長年にわたってきわめて困ったことになっておったということは、実は御指摘のとおりでございますが、したがいまして、監督官庁である私どもは、国鉄当局に対しまして、三月四日に全国の職場五千に対し、二十九管理局で、これらいろいろな面で指摘されている事態が本当にあるのかどうか、あるとするならば、それにどのように対応するかということの調査を命じました。今月の二十三日に報告を受けました。それは先ほど委員の仰せられたとおりでございますが、概括して申し上げるならば、五千職場のうちの三分の一がもういかんというような状態である。それで、実はこれは私きょうお昼、国鉄本社へ行ってまいりまして、全国の管理局長と担当者約二百人ぐらい集まっておりました。それで、この調査報告について今後ぜひとも改善してほしいということ、ただそのときになすべきことは長年放置したということよりも、むしろ人間的な気持ちを十分持って、あの中にもまじめに働いておる人がたくさんおるんだから、そういう方々の勇気をくじかないようにひとつしっかりやってくれということを、わざわざ私出向いて申したわけでありますが、こうしたことで、国鉄当局とも全体一本になって、今度はこの悪慣行その他を直したい、大変意欲を盛り上げておりますので、またそうした問題について、委員初め国会の皆様方の十分な御理解をいただいて、御支援をいただくならば、必ず直っていくんじゃないかというふうに私は思っております。
#153
○柄谷道一君 時間の関係がありますので、意見の形にかえておきますが、五十五年度国鉄監査報告、この中で現場管理者のリーダーシップを高め、それを全面的に支援する必要性の指摘がございます。また、今回の総点検結果でも現場管理者の実態が浮き彫りされております。私は、現場の規律を回復し、国鉄を再建に向かわしめるその基盤は、現場管理者の姿勢にあると思うわけでございます。このことに対して実効ある措置をとられますよう、これは要望しておきます。
 大蔵大臣にお伺いしますが、五十六年度末で国鉄は約七兆六千億円の累積赤字を抱えておりますし、これを含めて長期債務は約十六兆円を超えております。しかも、五十七年度予算では一兆三千八百五十三億円の赤字が見込まれているわけでございます。また、国が出す助成は七千三百十九億円でございますが、これは他と比較しますと、住宅対策費とほぼ同額、中小企業対策費の約三倍に相当する額でございます。私は、この行革のかぎは国鉄再建の方策にかかっていると言っても過言ではないと思うわけでございます。
 そこで、私はこのような赤字を出した大きな原因は、社会構造の変化に対応できなかった政府の責任である、第二は、これと同時に職場規律、労使関係の乱れであると、こう思うのでございます。大蔵大臣として、再建問題に関する基本的なお考えをこの際伺っておきたい。
#154
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは私も認識は同じでございます。やはり時代の変化に対応できなかったということが第一ですね。それは競争相手があるわけですから、自動車、道路、船、飛行機、そういう競争相手が出たのに、それに対応できなかった。生産性が上がらない、途中で挫折と、それの問題も一つでしょう。
 それから、やはり高度経済成長以前はみんな黒字なんですね。国鉄も、食管も、健保も大体黒字です。三十年以降がストライキがふえて――その前はストライキがないんですから。ストライキが出てきたのはみんな高度経済成長期になってから。結局は政府に金があったから、対応できなかったものを、ストライキがこわくてぞろぞろ金出した。だから、放漫体質が惰性で続いた。一方、新幹線、その他いろいろなことをやった。いろいろそういうことが全部絡まっていますから。今度は政府にお金がありませんから、また元へ戻ったわけですから、ここで一遍見直してもらうちょうどいいチャンスだと私は思っております。
#155
○柄谷道一君 国鉄再建問題につきましては、時間がもう迫っておりますので改めての機会に、どうせ臨調の答申で出てくるんですから、十分時間をとって議論をいたしたい。
 そこで、最後に行管庁長官と総理にお伺いするわけでございますが、行政組織法第八条と私的諮問機関の関連についてでございます。
 昨日も同僚の峯山委員からの指摘があったわけですが、この問題は昭和二十三年の国会で取り上げられて以来、参議院内閣委員会でたびたび問題になったことでございます。そして、第三十八国会と承知いたしますが、池田総理及び当時の法制局長官から、行政組織法によると、行政機関として意思決定する調査会、審議会、懇談会は法律によらなければならない、個人個人の意見を聞き、意見を交換し合って、それを参考とすることは八条には抵触しないが、一つの組織体をつくって、その組織体としての意見を出させることは八条に該当すると明確にお答えになっているわけでございます。
 これを受けて行管庁は三十六年と三十八年の二回にわたって通達を出しておられます。ところが、もう例を挙げればきりがないんですが、たとえば郵政大臣の私的懇談会である電気通信政策懇談会、この答申の前文には「一定の結論を得ることができた」、「具体的な進むべき方向を示すことができた」と。そして「この提言に盛られた内容の具体化と、提言に沿った着実な施策の展開を期待する」と、こう結んでいるわけです。
 一方、総理の私的諮問機関である金融の分野における官業の在り方に関する懇談会も、意見を取りまとめた。「今後の行政に適切に反映されることを期待する」と、こううたっているわけでございます。私は、日本は法治国家でございます。法治国家のもとにあって、安易な運用というものが行われ、行政組織法が形骸化されるということは許されるべきことではない、こう思います。
 そこで、こういう原因をもたらしましたのは、スクラップ・アンド・ビルドという形式的な方式のために、一つ審議会をつくろうとすれば一つ減さなければならない、その苦肉の策でこういう私的諮問機関が横行し出したと思うんですね。ところが、八条による審議会は現在二百を超えております。不要な審議会はどんどんと整理すべきです。それが行革でしょう。重要な問題は、有期的であっても八条に基づく審議会を設けるべきでございます。
 本件に対する長官及び総理の御所見を伺いまして、私の質問を終わります。
#156
○国務大臣(中曽根康弘君) 私的懇談会の問題は、つとに参議院内閣委員会及び決算委員会等において御指摘を受けておりまして、われわれも慎重に対処しているところでございます。八条機関と言われますのは、共同で機関決定を行い、そして、それを権威的に対外的に表示する、こういうことが基本的な性格とされておりますが、ややもすれば、御指摘されましたような趣旨の懇談会がそういう誤解を受けるようなことになっておりますのは、はなはだ遺憾でございます。恐らく閣僚の中には、無意識にそういう発言をしたり、考えを持ったりされる方もあるように見受けられます。私自体もそういう不認識な時代もございました。そういうこともありまして、閣議その他の機会におきまして、よく法的性格やら、扱いの問題を御認識願うように努力いたしまして、この問題間違いのないように今後処理してまいりたいと思います。
#157
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま行管長官からお答えをいたしましたとおりでありますが、八条審議会と私的懇談会、これは十分区別をして、そして、八条機関を設置できないために、抜け穴としてそういうものをつくっていくというような考え方であってはならない、これは明確にして今後対処していきたいと、こう思っております。
#158
○安武洋子君 リムパックについてお伺いをいたします。
 総理は、今回のリムパックの海兵隊の上陸演習と、それから自衛隊の艦砲射撃、けさ私質問いたしましたときには、艦砲射撃はきょう行うということでしたが、もう行われたのか、まだなのか、その点もついでにお伺いいたしとうございますが、こういうことにつきまして、事前に御承知だったのか、あるいは中間的に御報告をお受けになったのでしょうか、どちらでございますか。
#159
○国務大臣(鈴木善幸君) 八二年リムパックの問題につきましては、これに参加する前に、防衛庁当局から、八〇年リムパックと同じように、戦術訓練が主であって、その訓練に参加することによって、海上自衛隊の技量を高めるということが主眼であると、ある特定の国を集団で守る予行演習、そういうような集団自衛権を想定しての演習参加ではないということを明確に私報告を受け、またそのとおりであるべきだと、このように考えておるわけでございます。
 実際に参加いたしましてからも、そのような方針で行動しておると思いますが、その後の現場における状況につきましては、防衛庁長官から御報告をさせます。
#160
○安武洋子君 総理、よく聞いてください。私がいまお伺いしたことに対して総理一つも答えてくださってない。
 海兵隊の上陸演習と自衛隊の艦砲射撃、これは事前に御承知だったんですか、それとも中間的に報告を受けられたのですか、艦砲射撃はもう終わったのですか、まだなんですかということを聞いているので、もっと端的にイエスかノーかで結構なんです。
 それで、時間がないので、今回のこのリムパック、これは五カ国の同時発表文でございます。御存じですね。これは五カ国の同意がないとリムパックについては発表できないと言われている文書でございます。これも御存じでございますね。ここのところはイエスかノーかで結構ですから。
#161
○国務大臣(鈴木善幸君) 私が答弁申し上げた以外のことは承知いたしておりません。まだ報告を受けておりません。
#162
○安武洋子君 海兵隊の上陸演習と自衛隊の艦砲射撃については、では事前に御存じなかったと、こう承っていいんですね。
#163
○国務大臣(鈴木善幸君) 承知しておりませんし、まだ報告も受けておりません。
#164
○安武洋子君 では、いかに何でもリムパック82、この同時発表文、これが五カ国の承認がなければ発表できないということで、唯一発表された公式文書ですから、御存じはないことないと思います。今度のこの海兵隊の上陸演習、そして艦砲射撃、これはいま世論で大きく盛り上がっていろんな声が出ておりますから、よもや新聞をお読みになっていらっしゃらないことはないと思いますが、これが抜けております。今度のハイライトとも言うべき中心でございますね。そして、今回初めてやられると、艦砲射撃をやるということは自衛隊もお認めになった、これがこの文書の中から完全に抜けているということについて、国民にこういうことをお隠しになって、事前にこういうことを国民に知らせないという方針でやっておられるのかと、こういうことで既成事実を積み上げようとなさるのかということで、総理としては、こういうことは事前に国民に知らせるべきであったというふうにはお思いになりませんか。これもイエスかノーかで結構ですので、総理にお答えをいただきます。
#165
○国務大臣(伊藤宗一郎君) いろいろ御質問なり、御指摘がございましたけれども、それはまだ総理のところまで御報告すべきことでもございませんし、防衛庁長官が十分承知をしていればよいということでございまして、まだ総理のところには御報告をしておりません。
 また、総理からもお話がございましたように、いろいろの御質問、御指摘、いずれもわが自衛隊の戦術、戦技の向上のためにやらしていただいていることでございまして、あくまでも集団的自衛権の行使というものを前提とした訓練ではないということを防衛庁長官からもお答えを申し上げておきたいと思います。
#166
○安武洋子君 総理は私は最高責任者だと思います。最高責任者がこういうふうな艦砲射撃をやるというふうなことを御存じなかったと、驚くべきことです。それから海兵隊の上陸もやるということを御存じないとは、私また驚きです。しかも、自分の国の領土でないというところに行って、他国の領土の、しかもその国民が反対をして命がけで座り込みしている、そういうところに対して自衛隊が艦砲射撃を加える、こういうことは、私は何という神経かと思います。総理は最高責任者なのですから、あなたが命令すれば、自衛隊は帰ってこれるわけですから、こういうことに対しては即刻やめて、やっぱり艦砲射撃なんというのは集団的自衛権行使、これが前提になるわけですし、何よりもいまこういう他国の領土に対して艦砲射撃を加えるというふうなことは直ちに中止し、自衛隊を引き揚げさせるべきだと、こう思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
#167
○委員長(和田静夫君) 内閣総理大臣。
#168
○政府委員(石崎昭君) 総理に事務当局から。
#169
○委員長(和田静夫君) ちょっと待ってください。総理に指名しています。
#170
○政府委員(石崎昭君) 総理に事務当局からどういう御報告をしたかということを事前にちょっと御説明いたします。
#171
○委員長(和田静夫君) 何を言っているんですか。ちょっと待ってください。総理大臣。
#172
○国務大臣(鈴木善幸君) 演習の中身、実態についてまだ何も報告を受けておりません。先ほど申し上げたように、これに参加する趣旨、目的は報告を受け、それは結構だということで私も承認をいたしておりますが、現場においてどういう演練が行われたか、それは何も報告を受けておりません。
#173
○安武洋子君 恐るべきことです。最高責任者のところに、この公式の五カ国共同の発表文書、この中に欠落していることが堂々と行われているというふうなことで、全然そのことを御存じないというふうなことについては私は全くどういうことかと。総理に対して、即刻こういうことを全部調査をなさって、私がいま申し上げたように、自衛隊を引き揚げるべきだということを主張して、残念ながら時間の関係で次に移りますけれども、いまのことは即刻調査をお願いいたします。
 財政問題についてお伺いいたしますが、総理、五十六年度は二兆円を超す歳入欠陥が明白になりました。わが党はことしの初めからこういうことになるんだということを指摘して、緊急の対策を求めてまいりました。それにもかかわらず、漫然と何の対応も示さずに今日に至っております。総理は一体この歳入欠陥を生んだ政治責任をどのように考えておられるのでしょうか。それが一点です。
 そして、五十七年、五十八年度、さらに巨額の歳入不足が見込まれている中で、五十八年度の予算編成が始まるわけです。報道によりますと、昨年度よりもこれは各省の概算要求枠を抑えて、マイナスシーリング、こういうことで予算編成をやるというふうに言われておりますけれども、昨年はゼロシーリングだと、こう言いながら、防衛費は別枠で突出をさせました。五十八年度予算も再び国民生活の方にはマイナスシーリングというふうなことでしわ寄せを持っていく、しかし防衛費は別枠で突出させるのか、私はそこのところをしっかりと伺いたい。防衛費は別枠で突出をさせないというお約束をしていただけるかどうか、そして、予算編成方針をお伺いいたします。総理、お答えください。
#174
○国務大臣(鈴木善幸君) 歳入欠陥が生じたということにつきましては、これは何遍も御答弁を申し上げておりますように、その時点における資料その他のあらゆる材料を中心に、専門家が歳入の見積もりをしたものでありますが、激動する世界経済の中で、日本だけが特別にいいというわけにいかない、いろいろな影響でこういうことになったということは残念であるということを申し上げておるわけでございます。しかし、五十九年特例公債脱却というこの方針は不動でございまして、これは必ず実現をする、そのように御理解を願いたいと思います。
 五十八年度予算の編成はこれからでございますから、いまここでどの面についても申し上げるわけにはまいりません。
#175
○安武洋子君 では、私が御質問申し上げました、防衛費を前のように別枠で突出をさせる、このことだけはやらないと、こういう御方針もお持ちじゃないんでしょうか。そこのところはっきりしてください。
#176
○国務大臣(鈴木善幸君) まだ五十八年度予算については何も申し上げる段階ではございません。
#177
○安武洋子君 じゃ、総理にはっきりと申し上げておきますけれども、昨年のように防衛費予算だけは別枠にして突出をさせ、そして国民生活、こういう面にはゼロシーリングどころかマイナスシーリング、こういうしわ寄せをやるような予算編成、こういうものは断じてやらないという立場に立って予算編成をしていただきたい、そうするべきだというふうなことを私は主張申し上げます。
 最後に、対韓経済援助について一言お伺いをいたします。
 対韓協力のうち、円借款につきまして、この予算は単年度主義になっておりますが、その関係上毎年交渉してきております。今回、数年分の総枠での取り決めを正式に提起されようというふうに聞いております。一体この総枠の取り決めは外交上どういう性格になるんでしょうか、これが一点です。
 それから、今後わが国の事情で情勢が変化した場合、韓国側からクレームをつける権利、これが生じるのかどうか、その点が一点です。
 それからまた、韓国から要請があっても、輸銀からの借款について、いままでの原則を崩して低利に融資をする、そういうことはないのかどうか、これが一点です。
 それから、商品借款についていまの原則を崩すようなことがあってはならないと思いますけれども、そういうことはなさらないかどうか、この四点について総理お伺いをいたします。
#178
○国務大臣(櫻内義雄君) 何か枠でいくようなお感じをおとりでございますが、単年度主義でございます。先方が六十億ドルということを言ってきましたんで、いろいろプロジェクトを提示しておりますから、そういうものを計算して幾ら幾らというようなことが盛んに出ますが、単年度主義でございます。
 それから、輸銀については輸銀の貸し付けの方法によることはもとよりでございますし、商品借款につきましては、これはやる考えは持っておりません。しかし、現在交渉中でございまして、この交渉が進むにつれましても、いまの原則を外れるということはございません。
#179
○国務大臣(鈴木善幸君) 外務大臣が申し上げたとおりでございます。
#180
○森田重郎君 私は参議院改革問題について、総理にお尋ねを申し上げたいと思います。
 ただ、参議院改革問題ということになりますと、行政府の長として、総理というお立場では御答弁しづらいと、こう思いますので、特にきょうは自民党の鈴木総裁というお立場で御答弁をちょうだいしたいと、こう思うわけでございます。
 実は、私自身は参議院改革というのは大体二つぐらいの視点からこれは眺める必要があろうかと、こう思うわけでございます。その第一点は、選挙制度をも踏まえた参議院の抜本的な改正という問題が第一点。しかし、これは仮にもし、最近いろいろ言われております拘束名簿式比例代表制、あるいは非拘束、さらにブロック制であるとか、これは憲法を改正しなければどうにもならんことであろうかと思いますが、推薦制、一部推薦制、間接選挙、いろいろあろうかと思いますが、仮にどういう選挙制度をとってみましても、その制度によって選出されてきた議員の方々が、現在のような参議院の組織、運営のあり方の中では、必ずしもわれわれの希望しておるような参議院像というものは生まれない、したがいまして、組織、運営面の改革、と同時に、選挙制度そのものの改革、この両面から私は参議院の制度改革というものが取り上げられる必要があろうかと、こう思うんでございますが、総裁のお考えをお伺いしたい、かように思います。
#181
○国務大臣(鈴木善幸君) 参議院改革についての自由民主党総裁の立場での所見を求められたわけでございますが、私はまずもって現在参議院におきまして、参議院の組織並びに運営に対する改革、この問題が参議院の議員、各党各会派の大変な御熱意のもとに、これが着々として進められておるということに対して深い敬意を持っておるところでございます。
 そこで森田さんから、組織、運営のほかに、選挙制度そのものも表裏一体のものとして重要であるという観点からお話がございました。私は、参議院のこの全国区制というものにつきましては、かねてから国民の間にいろいろの改革すべき問題点が指摘されておりたところでございまして、わが自由民主党におきましては憲法その他の、国会法等の立場も詳細に検討いたしまして、その許される枠内において、あのような改正案を用意をいたしまして、国会に提案をし、御審議をいただいておるところでございます。これに対しまして、社会党さんにおきましても、独自の改正案を御提案になる、また各党においても、最近非常な関心を持ってこの問題に取り組んでいらっしゃるという状況に相なっておるわけでございまして、私はこの機運の中で、この国会を外してはもう当分参議院全国区制の改正ということは困難であろう、不可能であろうとさえ思っておるわけでございまして、どうかこの際、これが各党各会派の大乗的な見地に立っての互譲の精神で、これが成立いたしますことを期待をいたしておるところでございます。
 組織並びに運営の改善につきましては、今後自由民主党としても、皆さんと一緒に真剣に前向きで取り組んでまいりたいものと考えております。
#182
○森田重郎君 よくわかりました。
 そうしますと、念を押してまことに恐縮でございますが、今国会の終盤の、言うなれば大きな目玉法案が実はこの改正法案にあるというふうに私自身は理解をいたしておるわけでございますが、ただいまの御説明の中で、この全国区の比例代表制案、これについて、自民党総裁としてはこれを強力に推進をしていく、こういうお考えであるかと思いますが、再度御確認をいただきたい、かように思います。
#183
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は自由民主党の改正案に必ずしも一から十まで固執するものではないわけでございまして、どうかひとつ各党各会派でこれが話し合いがつき、成立をいたしますことを念願をいたしておるところでございます。
#184
○森田重郎君 最初の実は御答弁の中で、社会党さんの案に触れまして、若干御説明があったように承知いたしておりますが、二十三日の公選法特別委員会で、新政クラブの秦豊委員が、同日提案をされました社会党さんの案と、それから自民党さんの案との関連についてただしたのに対しまして、金丸三郎議員さんが、こういうことを言っておられますですね。自民党の案が必ずしもベストと考えているわけではない、これはただいま総理御答弁のとおりでございます。よりベターなものにしていく用意がある、そういう意味では、社会党さんの案もこれは十分検討に値するというような意味の御発言があったかと思うんでございます。これは言うなれば、要するに自・社両案のすり合わせに応ずるというようなことと私なりに理解をいたしておりますが、あえて自民党総裁としてのお考えも全くそのとおりであるかどうか、この点を再度質問をさせていただきたい、かように思います。
#185
○国務大臣(鈴木善幸君) 社会党さんの御提案につきましても、私どもこれを高く評価をしております。と同時に、他のまだ法案を御提出になっていない各党各会派におきましても、それぞれ御意見があろうかと思いますので、そういうものもひとつお出しいただいて、そしてできるだけ各党が、まあこういうことであれば、これでひとつ全国区制を改革していこうではないか、こういう形でこれがこの国会で成立をいたしますことを心から念願をいたしておるというのが私の心境でございます。
#186
○森田重郎君 よく理解できました。
 最後に、もう一問簡単にお伺い申し上げたいと思いますが、これまで決算あるいはまた商工委員会等におきまして、貿易摩擦一般につきまして何回か質問をさせていただいておったわけでございますが、きょうの委員会でも前段ちょっとその問題に触れて御質問を申し上げたわけでございますが、総合安全保障的な立場から、貿易摩擦問題をも含めまして総理のお考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
#187
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、今日の貿易摩擦というのは、世界経済が大変苦しい諸困難に当面をしておる。アメリカを初め、EC諸国も本当に大きな失業問題を抱え、インフレに悩み、国際収支の悪化等の問題もございます。そういうようなことから、根本の原因はそこから出ておる、こう思うわけでございまして、世界経済の再活性化を図ることに、私はベルサイユサミットにおいても共通の目標を置いて各国の首脳が協力して努力すべきものだ、このように考えております。
 それをやってまいります際におきまして、やはりそれぞれの国には存立の基盤というものがございます。たとえば、わが国におきましては、食糧の安全保障の問題、こういう問題を無視してやってまいるわけにまいりません。国際経済全体の保護主義の台頭を抑え、自由経済体制を発展をさせる、そのためには各国が互譲の精神で、この問題にも取り組んでまいらなければならないと思いますが、しかし、食糧のような民族の将来にとって非常に重要な問題につきましては、私はやはり慎重な考慮と対策が必要であろう、このように考えております。
#188
○中山千夏君 総理にお伺いいたします。
 決算審議の中で、さまざまな政治の腐敗がいろいろと指摘されました。総理は、いろいろお話を伺っておりますと、政治倫理ということを大変重んじておられるようなので、気苦労なさることが多いんじゃないかと思います。その政治倫理ということで言いますと、本会議での総理のお話を伺いますと、先ほども森田さんの方から話が出ましたけれども、参議院の選挙、全国区の改正がお金のかからない政治、ひいては政治の浄化につながると、そういうふうに考えていらっしゃるように見受けるんですけれども、そのとおりでしょうか。
#189
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、政治倫理の確立を図る、政界の浄化、刷新を念願をする、これが国民の皆さんの願いであろう、このように受けとめておるわけでありますが、その際におきまして、お互いに政治にはある程度の政治活動の資金が要るわけでございますけれども、一番お金のかかるのは何といっても選挙の際でございます。選挙に膨大なお金がかかるということから、いろいろの企業との癒着でありますとか、いろいろな国民の指弾を受けるような問題が発生をするということもあるわけでございますから、私はできるだけ金のかからない選挙制度というものを、われわれは工夫をしていくべきではないか、こう考えております。
#190
○中山千夏君 このたび提案されて、いま審議されております参院の全国区の改正が、お金のかからない選挙になるかどうかという点については、私などはちょっと異論もあるんですけれども、それはそれとしまして、政治の浄化というものは本当に多くの国民が望んでいることだと思います。
 そして、総理は政治倫理ということと一緒に和の政治ということをずいぶん言ってこられましたね、表明なさったし、それから強調もしてこられました。ところが、いま話に出ました公職選挙法改正特別委員会というところのありさまは、和の政治からはこれほど遠いんですよね。ちょっと一度見に来ていただくとよくわかると思うんですけれども、とにかく私も例外的に委員外委員として出席させていただいているんですけれども、どういうわけかけんかの強そうな方がずらりと並びまして、もう理事懇から、理事会から、それから委員会に至るまで、審議の内容をいろいろと検討するというようなことではなくて、もうどなり合ったり、それから、もっと何というんですかね、いわゆる政治的な闘いというものが行われていて、私なんか委員会に出て行くのが毎回こわくてしょうがないという感じなんですよね。それに比べて、いま森田さんが質問なさったことに総理がお答えになっているのを聞きますと、自民案には固執しないとか、それから各党各会派でよろしく審議をしてほしいとか、いろいろな各党各会派のお考えがあろうから、それを一つずつお出しいただいて、そこで折り合ったところで案をつくっていって改正したらどうかというようなことをおっしゃってますけれども、現実は全然そうじゃなくて、よその国の話聞いているみたいなんですよ。
 大体対決法案と言われるものを出してしまいますと、ああいう委員会の状態になるということは、これは政治長くやってらっしゃる方はよく御存じなんだと思うんですね。それで、まず、和の政治ということを一生懸命言ってらっしゃる方が、これは自民党のリーダーとしてかもしれませんけれども、ああいう強硬な反対が予想される法案を提出させてしまったということ、これが一つ自民党のリーダーとしては大変責任があるだろうと思うんですね。それから日本の政治のリーダーとしても非常に責任の大きいことだと、私は思うんです。その上、委員会が一般の国民が見たらきっと非常にがっかりする、何だ国会というのはこんなに変なところなのか、ちょっと言葉は悪いかもしれないけれども、文化程度が低いなって、普通の国民は思うと思うんですよね。そういう委員会というものをつくり出してしまったことの背景というのは、やっぱり法案を出している方は、総理のお話と違いまして、どうしても強硬にこれを通してしまおう、形だけの審議をやって通してしまおうという姿勢があるわけです。そうすると、それに反対する方は反対する方で、形だけやらせてなるものかという、そういう攻防になってくるわけですね。しかも、マスコミなんかでも、強行採決が行われるんじゃないかというような報道がされますし、それから、実際強行採決のにおいがあるような行動を見聞するわけですよね。そういうことがある限り、委員会の中で和の政治と言えるような審議は絶対行われないと思うんです。
 それで、こういう機会、直接お話する機会がありませんでしたので、ぜひそれを総理に訴えて、委員会のあり方が本当に話し合いのできる委員会になるように、そのためには総理が和の政治に背かないと、そして、公選法に関しては強行採決はしないと、それを保証してくだされば正常な状態になると思うんです。ぜひここでその保証をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
#191
○国務大臣(鈴木善幸君) 和の政治というのは話し合いの政治であるということを私は申し上げております。と同時に寛容と忍耐ということもまた申し上げておるところでございます。
 私はこの国会でどのような空気の中で御審議が進められておるかわかりませんけれども、先ほど申し上げたように、自民党の案を絶対のものとして、しゃにむにこれを原案のままで通そうというようなかたくなな考えは持っておりません。十分社会党さんの案にも敬意を表しておりますし、各会派の御意見も十分お聞きしてやっていこうと、こういうことでございますから、御協力をお願いを申し上げたい、こう思います。
#192
○中山千夏君 いま総理がおっしゃった意見は、発議者の方たちにも通じているんですか。
#193
○国務大臣(鈴木善幸君) 十分通じておると思います。
#194
○中山千夏君 私が見ていますところでは、とても通じているとは思えないんですよね。ですから、はっきりとほかの言い回しではなくて、強行採決だとか、それから形だけの審議を強行して推し進めて、何が何でもこの国会で通してしまおうというようなことは私は許さないと、そういう決然とした保証をしていただきたいと私は心から思うんです、委員会に安心して出るために。ぜひお願いします。総理いかがです。
#195
○国務大臣(鈴木善幸君) 一遍参議院のわが党の理事並びに委員の皆さんとも私近いうちに懇談もしてみたいと、こう思っておりますが、どうか和気あいあい裏にこの問題は処理していただきたい、こう思っております。
#196
○委員長(和田静夫君) 他に御発言もなければ、昭和五十三年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#197
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認めます。
 鈴木内閣総理大臣は御退席いただいて結構です。
    ―――――――――――――
#198
○委員長(和田静夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、福岡日出麿君、三浦八水君及び塚田十一郎君が委員を辞任され、その補欠として、宮澤弘君、大島友治君及び井上裕君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#199
○委員長(和田静夫君) これより昭和五十三年度決算外二件について討論に入ります。
 昭和五十三年度決算の議決案はお手元に配付のとおりでございます。
 なお、内閣に対する警告案文につきましては、理事会において協議の結果、意見が一致したものでございます。
 案文を朗読いたします。
    内閣に対し、次のとおり警告する。
 (1) 会計検査院の検査機能の充実強化について
  は、これまで本院において数回にわたり決議
  を行い、その実現方につき政府の努力を要請
  してきたところである。
   政府は、会計検査院の検査機能の充実に関
  し、当面の実行可能な措置を講じてきたとこ
  ろであるが、今後とも会計検査院の行う検査
  の重要性にかんがみ、同院の行う検査の実施
  にあたっては、その目的が十分達せられるよ
  う所要の措置を講ずべきである。
 (2) 近時、宮崎刑務所をはじめ多くの行刑施設
  及び矯正管区において、刑務作業製品展示即
  売会における販売代金の一部等を歳入に組み
  入れないで資金をねん出し、これを別途経理
  し、正規の予算で定められた範囲を超えて、
  材料の購入あるいは即売会の経費等に使用す
  るなど、会計法令に違反する不正な経理が行
  われていたことは、まことに遺憾である。
  政府は、刑務作業という、行刑施設におけ
  る処遇の基礎とされ、受刑者にとっては社会
  復帰のための重要な一手段とされているもの
  に関連して不正な経理が指摘されたことを反
  省するとともに、各行刑施設が行う処遇活動
  が損なわれることのないよう留意しつつ、適
  切な管理運営に努め、もってこの種事態の根
  絶を期すべきである。
 (3) 会計検査院が、決算検査報告において不当
  と指摘した事項の中には、たとえば電気料金
  において、契約電力が使用実績に比べ著しく
  過大となっているため不経済な支払いが行わ
  れた事例にみられるように、同種の事項につ
  いて、多年度にわたり、数箇所の機関におい
  て相次いで指摘されるような事態が見受けら
  れ、しかもその金額が多額に上っていること
  は看過できない。
   政府は、不当経理の絶滅に対する国民の強
  い要望にこたえ、会計職員に対し予算執行に
  ついて一層の注意を喚起するとともに、決算
  検査報告の指摘については、単に当該機関に
  おける是正をもって終ることなく、全体の問
  題として受けとめ、各省庁等においてその周
  知を図り、同種事例の存否の点検を促すな
  ど、予算執行の厳正を期すべきである。
 (4) 国の予算編成にあたっては、その原資が国
  民の税金であることにかんがみ、厳正な見積
  りが求められるのは当然であるが、毎年度決
  算上多額の不用額が発生するなどの事態が繰
  り返されていることは遺憾である。
   政府は、現下の厳しい財政事情の中にあっ
  ては、特に国民から厳格な財政運営が求めら
  れていることを改めて認識し、不用額の発生
  原因については十分調査検討して今後の予算
  編成に役立てるよう努めるべきである。
 (5) 東京芸術大学において、一教官が、大学の
  購入する楽器の選定に関し、収賄容疑で逮捕
  されるという不祥事件が発生し、これを契機
  として、さらに同大学における楽器購入の手
  続きや教官の個人レッスン等のあり方及び学
  生に対する楽器の売買に伴うリベートに関
  し、問題が指摘されるなどの事態が生じたこ
  とは、まことに遺憾である。
   政府は、大学教官が国家公務員であること
  にかんがみ、今回の事件に対しては厳正に対
  処するとともに、指摘された問題について
  は、まず大学当局が自主的かつ積極的な改善
  措置を行うよう求め、今後再び国民の不信を
  招くことのないよう努めるべきである。
 (6) 日本国有鉄道は、諸般の事情により、その
  経営状況が極めて不良となっており、これに
  対し国民の厳しい批判が寄せられている現状
  は看過できない。
   政府は、日本国有鉄道が、真に国民の足と
  して信頼される機関となるために、その経営
  改善について一層配慮するとともに、正常な
  労使関係の確立等について、国鉄当局が実効
  ある処置をとるよう指導監督するなど、万全
  を期すべきである。
 (7) 近年、官公庁が発注する公共事業の入札に
  際し、業者間等において、いわゆる談合が行
  われているとの指摘があり、公共事業の契約
  に関して国民の不信を招くような事態が発生
  したことは、極めて遺憾である。
   政府は、予算の効率的使用の観点からも、
  この種の入札にあたって公正な競争が確保さ
  れ、公共事業の適正な執行を図るよう、入札
  に関する関係法令の運用の一層の適正化を図
  るとともに、早急に実効ある対策を講ずべき
  である。
 (8) 近年、特定の地方公共団体において、町税
  を正規の歳入科目に入れず、別科目で歳入処
  理するという違法な会計処理を繰り返し、普
  通交付税の算定資料に作為を加え、さらに虚
  偽の記載を行うなどして、長期にわたり、不
  当に過大な地方交付税の交付を受けていたこ
  とは、極めて遺憾である。
  政府は、地方交付税が全地方公共団体共有
  の財源であり、地方自治の本旨及び地方公共
  団体相互の信頼関係を基礎として運営される
  ものであることにかんがみ、その基本的性格
  及び役割について周知徹底するとともに、都
  道府県をして地方交付税の検査の徹底と会計
  処理の適正化を図らせ、この種事態の再発防
  止に万全を期すべきである。
 以上であります。
 それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#200
○目黒今朝次郎君 私は、日本社会党を代表して、昭和五十三年度決算外二件に対し、これを是認することができないことを表明し、内閣に対する警告案につきましては賛成するものであります。
 以下、主な反対の理由を申し上げます。
 第一に、五十三年度の財政経済運営は、例年のように、国民生活の犠牲のもとに行われたことは明白であり、公共事業の拡大を政策の中心に据えた従来と変わらない大企業本位の予算であり、これはわが党の主張と基本的に相入れないものであります。五十三年度の公共事業関係費は、予算現額五兆九千六百二十五億円に対し、支出済額は五兆七千九百六十九億円にとどまり、比率にして九七%でありまして、一般会計の平均を一ポイントも下回っているのであります。また、五十三年の完全失業者は、前年より十四万人もふえて、百二十四万人に達する厳しいものです。企業倒産は、倒産件数一万五千八百七十五件、負債額二兆四千七百五十六億円という高水準の企業倒産であり、このうち資本金五千万円以上の企業の分は、百四十五件、負債額五千八百六十二億円でありますから、それ以下の規模の中小企業の倒産が圧倒的多数であって、しかも、倒産の最大の原因は、販売不振であることが明らかにされております。これらの状況は、五十三年度の予算の性格が従来と同様に、基本的には国民のためよりも、大企業本位のものであることを示しています。
 第二に、公債依存の赤字財政が続行されたことであります。五十三年度は、内需振興等のための公共投資の大幅拡大、歳入欠陥を穴埋めするための税収の前倒し、十五カ月予算構想による景気対策等施策を実施し、財政の公債依存度はやや減少をいたしましたが、依然として三一・三%の高率を記録しました。政府は、公債依存の赤字財政を口実に、国民が求めている大型所得減税を見送ったのであります。しかし、五十三年度においては、もし政府が本気になって一兆円所得減税を実施しようとすれば、財源措置は、適切な財政運営により歳入を増大させ、歳出において不急不要経費の査定を厳正にすれば、決して不可能ではなかったのではないか。現に三千二百三十四億円という一般会計不用額を見れば、これが裏づけされておるわけであります。
 第三に、五十三年度は、不正経理が異常な形で噴き出した年であります。会計検査院が指摘した不当事項は、前年度と比べ件数において九十三件から百六十三件へと飛躍的に増大しました。中でも計画の策定や、契約方法が適切でなかったため不経済になったものが、前年度四件六千三百六十万円から、二十一件九千四百五十二万円へと増加しているのが際立っており、補助事業の実施と経理が適切でなかったものも、前年度より増加し、六十七件四千四百三十万円にも達しているなど、不正経理が横行しております。国際的な市場を舞台とした不正経理の疑惑も、ロッキード事件を初め、次々と明るみに出されました。不正経理の根は国内だけでなく、国境を越えて国際的に広がっていることを断じて許すことはできません。
 第四に、公共事業に関する民間業者間の談合による国費のむだ遣いの疑いが濃厚であることであります。公共事業における指名競争入札の際、金額のスケールが巨大なものであり、談合によって生ずるおそれのある国損もまた巨大なものになる可能性があります。談合の構図は、関係業者への高級官僚の天下り、官民の癒着、予定価格の業者への事前の漏洩などによって構成されていることは申すまでもありません。このような状態を今日まで放置した政府の責任はきわめて重大であります。
 第五に、会計検査院の機能、検査権限の拡充強化に関する政府の措置が一向に進展していない点であります。国の財政は、毎年規模が拡大しているだけでなく、会計検査院法制定後に財政投融資が本格的な形態を整え、第二の予算と言われるまでに発展するという新たな変化が生じ、政府出資団体の検査のためのその融資先企業に対する調査権限が法定化されないまま今日に至っており、しかもこの検査の空白地帯においてロッキード事件が発生したことは周知の事実であります。検査院は、検査院法改正案を作成、政府に提示をしているのに、異論の調整がつかないとして事態は進展いたしておりません。しかし、検査院法を改正して検査の制度上の空白地帯を埋めることは、いまや国民的要請であり、しかも、このままでは国会に提出される決算の検査が、制度上十分保障されないことになり、決算審査の上に重大な疑問を残すものであります。
 以上の理由をもって本件決算には反対、委員長提案の警告案には賛成であります。
 政府は今後本委員会における論議を十分に尊重し、警告の趣旨を体して、予算執行の適正化、行政の効率化に万全を期するよう強く要求して私の反対討論を終わります。
#201
○亀井久興君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、昭和五十三年度決算外二件に対して、これを是認するとともに、委員長提案の警告案に対して賛成の意を表明するものであります。
 五十三年当時のわが国の経済は、オイルショックに見舞われた四十八年の秋以降、企業活動の不活発さが主な原因となって国内需要が低迷し、国民の景気回復への期待とはうらはらに、はかばかしい回復を見せなかったのであります。一方、財政の面でも、税収が伸び悩む中で、景気回復のための財政拡大が要請され、特例公債の発行を余儀なくされるという状況にありました。
 こうした情勢から、五十三年度の財政経済運営の課題は、内需拡大による景気の回復、輸出主導型の景気回復によって生じた貿易不均衡の是正等にあり、政府は、こうした内需振興による景気浮揚を図るため、五十三年度予算編成に当たっては、公共事業が五十二年度補正予算と合わせて切れ目なく執行できるよう十五カ月予算を編成したほか、九月には四千六百億円の公共事業追加を中心とした補正予算を編成し、景気回復のための万全の措置をとったのであります。
 また、円高の影響から経営不振に悩む関連中小企業に対しては、中小企業対策臨時措置に基づく中小企業為替変動対策緊急融資を実施したほか、特定の不況地域の中小企業に対しては、特定不況地域中小企業対策臨時措置法を制定して、融資及び事業転換融資の活用による資金確保等財政、金融、税制などに特例を設け、中小企業の経営安定・育成に対して十分な措置をとったのであります。
 こうして五十二年度から五十三年度にかけての切れ目なく、しかも早目早目の財政を駆使した大型公共事業の推進、思い切った財源確保策により、五十二年度までの呼び水政策が効果を上げ得なかったのとは対照的に、五十三年度は、民需が拡大する一方、企業収益も改善し、実質経済成長率は五・七%という拡大を見せたのでありました。
 こうした五十三年度における政府の財政経済運営は、まさに時宜に適したものであったと高く評価できるところであり、賛意を表するものであります。
 なお、五十三年度の予算執行上において、個々の事項について見ますと、本委員会の審査の過程において明らかになった事項、あるいは会計検査院から指摘された事項のように、留意すべき点も少なくありません。政府は、この際、本委員会の警告の趣旨を体して、一層財政運営の効率化と、行政の適正化に努め、国民の信頼にこたえるよう要望いたしまして賛成の討論といたします。
#202
○峯山昭範君 私は公明党・国民会議を代表して、昭和五十三年度決算外二件に対し、是認することができないことを表明し、委員長提案の内閣に対する警告に対しては、賛成の意を表するものであります。
 以下、反対の理由について申し上げます。
 まず、財政経済運営の失敗であります。五十三年度の財政運営の課題は、大量の公債依存からできるだけ早く脱却し、財政の健全化を図るとともに、内需振興により景気を回復軌道に乗せて、国民生活を安定させることでありました。当時、政府のとった施策は、われわれ野党が強く要請した一兆円減税を無視し、公共事業一辺倒の財政運営を行ったのであります。
 その結果、景気はやっと回復軌道に乗ったものの、雇用の改善はおくれ、勤労者の現金給与総額の伸び率は、五十三年、五十四年と引き続いて六%台という、三十五年以来の低率で、国民はもっぱら節約による生活防衛を強いられたのであります。その後も政府は個人消費喚起のための所得税減税は行っておりませんので、国民は低額のベースアップと実質可処分所得の低下で、生活の不安感を捨て切れず、個人消費はすっかり冷え込み、今日、景気回復をおくらせる原因となっております。
 公共事業のために発行した大量の国債は、これまた今日の財政再建の重荷となっております。これらは五十三年度の政府の財政経済運営の失敗によるものと断ぜざるを得ません。
 次に、補助金を初め、財政資金の使用が効率的に行われていない点であります。
 国の補助金で行われている事業の中には、たとえば自然休養村のようにずさんな事業計画で始めたため、事業の実体をなしていないもの、あるいは施設が遊休化しているなど、補助金が効率的に使用されておりません。
 また、森林開発公団が建設する大規模林道のように、事業が計画より大幅におくれ、完成までにまだ相当の年月を要し、その間投下した事業費が長期間休眠している例は委員会で指摘したところであります。財政資金の効率的使用については十分反省されることを求めるものであります。
 次に、電電公社の決算の問題であります。電電公社では五十三年度決算において職員に支給する給与を予算総則等に定められた基準外給与の額を超えて支出する際に、正規の手続きをとらず処理し、しかも、決算書には事実と相違する執行実績を表示したのであります。閣議決定をして国会に提出する決算書に粉飾の表示を行っていたということは、国会軽視と言わざるを得ず、断じて許すことはできません。このような問題のある五十三年度決算は認めることはできないのであります。
 その他、都市緑化事業で、樹木の選定が悪かったため、多くの枯損を出した例、地域住民のための防災整備のおくれなど、生活環境の維持整備にも不十分な点が多々見られました。速やかに改善を要望します。
 最後に、今日のように財政難のときにあっても、予算のむだ遣いについての反省が不十分なことであります。
 五十三年度も会計検査院から不当と指摘された金額が四十五億五千六百九十六万円もあり、国費のむだ遣いは一向に減っておりません。この中には、電力会社との契約を見直さなかったために電力料金を不経済に支払っていた例のように、毎年同じ事態が繰り返し数省庁にわたって指摘されております。これは会計検査院の指摘を政府全体の問題として受けとめて対応するという姿勢に欠け、指摘を受けたところのみ是正するにとどまり、ほかにも同様の事態はないか点検しようという反省がなかったためで、国の財政は血税であるという認識が不十分であると言わざるを得ません。
 国民に税の負担増を求める前に、当然政府みずからがやるべきことを行っていないばかりでなく、せっかくの会計検査院の指摘が生かされておらず、政府の怠慢であります。厳しく反省を求めるものであります。
 以上、反対の理由を申し述べました。
 委員長提案の警告に対しては、政府は十分その意を体して改善に努めることを要望し、反対討論を終わります。
#203
○森田重郎君 私は、昭和五十三年度決算外二件に対しまして、これを是認するとともに、委員長が提案されました警告案についても賛成の意思表示を行うものであります。
 昭和五十三年度予算は、景気浮揚のため公共事業が五十二年度補正予算と合わせて切れ目なく執行できるようにと、十五カ月予算を組み実施されたのでありますが、五十三年度のわが国の経済を振り返ってみますと、国内においては、賃金上昇率が低く抑えられたところから、個人消費は伸び悩み、また、企業の設備投資は依然として停滞を続け、総体として景気回復の足取りはなお弱く、雇用情勢を見ると完全失業者数は百二十四万人で、戦後二番目という最悪を記録し、一方、国外的には円相場の高騰から、輸出関連の中小企業者に深刻な影響を与え、企業の倒産件数は一万五千八百七十五件にも上り、このうち中小企業倒産が一万五千八百二十五件、九九・七%を占めるという国民生活を取り囲む環境は実に厳しいものがありました。
 こうした状況に対処するためには、景気回復が先決だとして、政府のとった公共事業の執行を中心とする積極的な経済、財政運営、あるいは金融政策は、政府の見通しとはうらはらに当初の目的を十分達成するに至らず、きわめて遺憾なことでありました。
 しかし、こうした政府の施策の中にあって、円高不況に苦しむ中小企業者の経営安定のため、中小企業為替変動対策緊急融資等の実施、さらに特定の不況地域については特定不況地域中小企業対策臨時措置法等を制定して、信用保険の特例、税額還付の特例等を講じて、中小企業経営の安定に努めた。これら一連の中小企業対策、あるいは五十二年度の七千三百億円に続いて、五十三年度においても三千億円の減税を行い、国民生活安定に努めた、これらの政策及び努力は一応評価することができ、本件昭和五十三年度決算外二件に対して、私は是認することを表明するものであります。
 なお、政府は、財政執行上、私が本決算委員会において指摘した税収対策、日米貿易摩擦、国鉄再建、防衛力増強等々の問題、さらには会計検査院の指摘した事項のように、予算執行上留意すべき点が多々あることを申し添えるとともに、この際、政府にこれらの諸問題については、早急に改善されるよう強く求めるものであります。
 最後に、政府は本委員会における警告の趣旨を体して、今後一層財政運営の効率化と、行政執行の適正化に万全を期するよう要望して、私の賛成討論を終わります。
#204
○柄谷道一君 私は民社党・国民連合を代表して、昭和五十三年度決算外二件に対し、これを是認できない旨の反対討論を行います。
 五十三年度当初予算には、日本経済が当時直面していた長期的大不況から速やかに脱却し、安定成長に向かうための課題が求められていたのでありますが、政府は、大幅減税を行い、庶民の購買力を喚起して景気を回復させるべきであるという、わが党を初めとした要求に対して、わずかに三千億円の所得減税、四百億円の一時金といい、全く焼け石に水といった対策を行おうとし、一方では依然として高度経済成長時代の発想と同じ、公共投資一辺倒という時代おくれの景気対策を選択したのであります。言うまでもなく、安定的な経済成長は、政府支出、個人消費支出、民間投資のバランスが保たれてこそ初めて成り立つものであり、したがって、すでに五十三年度当初からその景気回復への効果は危ぶまれていたのであります。果たせるかな、政府が目標とした実質経済成長率七%の公約は、五・七%という低い水準にとどまり、その後の景気回復を今日まで決定的に困難になさしめたのは、まさにこの五十三年度の予算執行にあったといっても過言ではありません。
 次に、国鉄問題についてであります。昨年経営改善計画が発表されました。ところがその後の監査報告を見ますと、その計画や意気込みとはうらはらに、むしろ厳しさを増し、国鉄の体質は悪化をしております。
 先般再び運賃値上げを行いましたが、国鉄職員の規律の欠如から大事故を誘発し、さらには、職場における悪慣行が次々と明るみに出され、国鉄は国民から一層遊離を招いてきているのであります。しかも、特殊法人においては民間人を積極的に登用すべしという五十二年十二月の閣議決定があるにもかかわらず、今日まで、国鉄における常勤役員には一人として民間人の登用がなされていない点であります。このように民間の創意工夫、活力といったものを十分に活用するという姿勢に欠けていることも構造の変化に対応できなかった政府の責任とともに、今日の国鉄の破滅的ともいうべき赤字のよって来る大きな原因になっていると思いますので、国鉄当局の猛省を促すものであります。
 次には、今日の教育における現状についてであります。政府は、学校内における教育活動について連絡調整、あるいは、指導助言に当たるという主任の職務の重要性に対して、主任手当を五十二年度以降支給してきたのでありますが、日教組では、半強制的とも言える方法で、本来の手当支給の趣旨とは異なる拠出が行われているにもかかわらず、文部省当局が、これを是正するための方途を何らとろうとしていないことは、政府の怠慢と言わざるを得ないのであり、強く適正化を求めるものであります。
 反対討論の最後に、五十三年度においても、相も変わらず不当事項が数多く指摘をされ、しかもその件数についても、前年に比し七十一件増の百六十四件の多きを数えていることであります。
 また不用額についても、三千二百億円という多額に上っておりますが、これは予算編成時における適切な予算査定が行われなかった結果もあると思うのであります。
 以上のごとく、種々の問題を含んだ昭和五十三年度決算については、とうてい容認できるものではありません。
 最後に、委員長御提案の警告決議案につきましては、賛成の意を表しまして、私の討論を終わります。
#205
○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十三年度決算についてこれを是認できないとする反対討論を行います。
 昭和五十三年度予算は、四年来のスタグフレーションに円高危機が追い打ちをかけ、年間一万八千五百件にも迫る中小企業の倒産、百万人台の完全失業者など、不況が一層深刻化し、日本経済と国民生活が重大な危機に見舞われているもとで編成されました。しかし、五十三年度予算とその執行の結果は、第一に、アメリカと財界の要求にこたえた七%経済成長を至上命令とする財政運営が行われ、そのため、翌年度の税収をも一部取り込み、なおかつ、前年度決算を一兆円以上上回る公債を発行するなど、財政破綻を一段と深める結果を招いたのであります。
 第二に、大企業本位の景気刺激に役立つ大型公共事業には大盤振る舞いを行う一方、社会保障関係費の切り詰め、公共料金の引き上げ、所得減税なしの実質増税など、国民生活には厳しい犠牲を強いるものでありました。
 第三は、防衛面では、P3C八機、F15二十三機の新規契約を行い、艦船建造費を四九%もふやし、また、日米防衛協力指針を取り決めるなど、日米共同作戦体制に向けての危険な展開が一段と進められたのであります。
 第四に、多額の国債発行、翌年度税収の取り込み、国庫債務負担行為の急増、公共事業予備費の復活とその全額減額補正、決算調整資金の新設などによって、財政民主主義の形骸化が一層強められたのであります。
 第五に、財政執行上においても、今日次々と明るみに出されているように、業界の談合入札や予定価格の漏洩など、政、官、業界の癒着によって公共事業が食い物にされていたのを初め、不正経理事件など、検査院報告にも指摘されたごとく多額のむだ遣いが行われているなど、問題の多いものでありました。
 以上申し上げたとおり、五十三年度決算は重大な問題を含んでおり、これを是認することはできません。
 国有財産増減及び現在額調書は、以上の五十三年度予算の執行に伴う国有財産の増減の集計であり、その内容には、防衛庁の船舶や航空機の急増や、大企業向けの政府出資が多額に含まれているところがらも是認できません。
 国有財産無償貸付状況総計算書につきましては、その用途の九九%以上が地方公共団体の公園、緑地であり、かかる目的の範囲での地方公共団体への国有財産の無償貸し付けについては賛成いたします。なお、その管理、運営の実態を示す詳細な資料を国会に提出されるよう重ねて要求するものであります。
 最後に、委員長御提案の警告決議案につきましては賛成を表明いたしまして、私の討論を終ります。
#206
○中山千夏君 私は、一の会を代表して、昭和五十三年度決算外二件を否認し、内閣に対する警告案に賛成する立場から、討論を行います。
 まず第一に指摘したいのは、予算のむだ遣いと公費天国の実情です。中央競馬会に関する私の質疑などでも明らかにされたとおり、特殊法人、財団法人、また関係民間企業への天下りによる政、官、財の構造的な腐敗は、ロッキード事件以後もますます拡大されていると言えます。
 残念ながら、そこに政府の反省の色を見ることはできません。
 また、審議の中でも指摘したとおり、多額の広報予算を、政府の意見広告に利用するなど、そもそも公費についての政府の基本的な考えに誤りがあると思わざるを得ません。予算はすべて国民の血税であることを忘れず、公正に使用されることを私たちは切に望みます。
 そして第二に、むだ遣いが目立つ一方、不合理な財政削減、人員削減のしわ寄せが、非力な人々を圧迫している点が問題です。刑務所における不当経理、被収容者の著しく貧しい衣食、大阪あいりん地区や東京山谷地区における消極的な労働行政、医療行政などは、その一端でありましょう。軍備によりも、非力な人々の人権を守るために使われることこそが、予算の適正な使い方だと私たちは考えます。
 最後に、会計検査院の権限強化の問題を挙げます。予算の適正な運用を促すために、会計検査院の権限を強化せよとの多くの委員の長年にわたる指摘は、まことに的を射たものでしょう。にもかかわらず、政府が院法改正に積極的に取り組む姿勢を見せないまま、次の予算運用へと移行していくことに対して、私たちは憤りを感じます。
 以上、政府の誠意ある積極的な改革を希望して、私の討論を終ります。
#207
○委員長(和田静夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、昭和五十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十三年度政府関係機関決算書の採決を行います。
 第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(和田静夫君) 多数と認めます。
 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#210
○委員長(和田静夫君) 全会一致と認めます。よって、昭和五十三年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。
 次に、昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。
 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#211
○委員長(和田静夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決いたしました。
 次に、昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。
 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(和田静夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決いたしました。
 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、内閣に対する警告について、関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。宮澤内閣官房長官。
#214
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のございました会計検査院の検査機能の充実強化につきましては、政府といたしまして、会計検査の実が上がりますように、今後とも協力してまいる所存でございます。
#215
○委員長(和田静夫君) 坂田法務大臣。
#216
○国務大臣(坂田道太君) ただいま御決議のあった行刑施設等における刑務作業製品展示即売会経理の適正化につきましては、決議の趣旨に沿い、十分な指導、監督を行っていく所存であります。
#217
○委員長(和田静夫君) 渡辺大蔵大臣。
#218
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの御決議につきましては、大蔵省といたしましても十分これを尊重し、各省庁とも連絡を密にして、遺憾なきを期してまいりたいと思います。
 決算検査報告に掲載された不当事項等の周知徹底等につきましては、先般も各省庁に要請し、予算執行の一層の適正化を図ることどいたしたところでありますが、今後ともさらにその周知徹底などを図り、予算を厳正に執行するよう努めてまいりたいと思います。
 また、毎年度発生する不用額につきましては、従来からその発生原因を調査、検討し、できる限り予算編成に反映するよう努力しているところでありますが、現下の厳しい財政事情にかんがみ、今後ともなお一層努力してまいりたいと存じます。
 以上であります。
#219
○委員長(和田静夫君) 小川文部大臣。
#220
○国務大臣(小川平二君) ただいま御決議のございました東京芸術大学にかかわる事項につきましては、文部省といたしましては、厳正に対処するとともに、御指摘のありました問題について、大学における検討を踏まえつつ、今後再び国民の不信を招くことのないよう、一層の努力をいたす所存であります。
#221
○委員長(和田静夫君) 小坂運輸大臣。
#222
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま御決議のありました日本国有鉄道の正常な労使関係の確立等の問題につきましては、国鉄の再建のためには経営改善に全力を挙げて取り組むとともに、労使関係の健全化と、職場規律の確立が必須の条件であり、国鉄において全職場の総点検を実施し、これに基づく是正措置に取り組んでいるところでありますが、さらに一層厳しく国鉄を指導監督してまいる所存であります。
#223
○委員長(和田静夫君) 始関建設大臣。
#224
○国務大臣(始関伊平君) ただいま御決議のありました公共事業の入札に関する問題につきましては、すでに建設業者団体に対し、関係法令の遵守について指示し、あわせて中央建設業審議会に対し、入札制度の合理化対策等について調査、審議をお願いするとともに、競争参加者の指名数の増加等、当面の改善策を講じたところであります。今後とも公共工事契約関係事務の厳正な執行を図るよう、御趣旨に沿って一層の努力をしてまいる所存であります。
#225
○委員長(和田静夫君) 世耕自治大臣。
#226
○国務大臣(世耕政隆君) ただいま御決議のありました地方交付税の不正取得につきましては、まことに遺憾に存じております。
 自治省といたしましては、地方交付税の配分の公正が確保されるよう、従来にも増して指導、検査を強化し、御決議の趣旨に沿って、再びこのような事態の生じないよう努力してまいります。
#227
○委員長(和田静夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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