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1949/02/04 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第2号
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1949/02/04 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第2号

#1
第007回国会 文部委員会 第2号
昭和二十五年二月四日(土曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本学術会議法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○派遣議員の報告
○教育文化施設及び文化財保護に関す
 る一般調査の件(文部省関係予算の
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中耕太郎君) それでは、今日の文部委員会を開会いたします。
 先ず議事日程最初の日本学術会議法の一部を改正する法律案が、本委員会に本付託になりました。以上を議題にして頂きます。先ず政府委員の提案理由の説明を求めます。
#3
○政府委員(菅野義丸君) 提案理由の御説明を申上げます。この法律案は、日本学術会議法の第七條の一部と、第十七條の一部を改正しようとするものでございます。日本学術会議は、我が国の科学者の内外に対する代表機関といたしまして、科学の向上を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させるための機関でありまして、直接国権の行使に参與する機関ではありません。又、その会員は、我が国の科学者の互選によつて就任するものでありまして、国立、公立、私立の研究機関に属するものばかりでなく、広く各層各階の科学者から選出されるのであります。かような日本学術会議の特殊性に鑑みまして、特に国会議員の兼務を認めることにいたしたい、かように考える次第でございます。又、前回の選挙の結果に鑑みまして、会員の選挙権及び被選挙権の資格の基準を明らかにする必要を認めまして、改正を試みたわけでございます。
 以上が本案を提出する理由でございますが、よろしく御審議の程をお願いいたします。
#4
○委員長(田中耕太郎君) 次に細目の説明といたしまして、説明員、日本学術会議事務局長本田弘人君の説明を求めます。
#5
○説明員(本田弘人君) 只今提案理由の御説明がありましたが、それに多少敷衍しまして私から申上げたいと思いますが、第一の点は、その第七條の一部改正であります。お手許に対照表を差上げてありますが、学術会議は科学者の互選によつて成立つものであります。各階各層の科学者が集るところにその大きな意味があるのでありまして、その点におきまして、他の方面からは大体互選されて就任することはできるのでありますけれども、国会の関係におきましては、その点がはつきりしていない。はつきりしていないのみならず、又事実上いろいろな支障が起るのでありますからして、このことをはつきりさして、その兼務が当然できるようにしたい。これが第一の点であります。
 それから第十七條の改正につきましては、これは極めて機械的なことでありまして、学校教育法に短期大学というものができましたから、その一部をはつきり附加えて置きたい。それからもう一つは従来科学者の互選によります際に、その認定につきまして、学会等でただそれを認めるだけでなく、それを科学者であるということをはつきりさせるために、相当の業績の客観的に判定できるようなものを附加えなければならない、こういうことでありまして、このことは有権者の資格をはつきりするために、特に選挙の結果に鑑みまして、このことを附加えたい、こういうだけであります。
#6
○委員長(田中耕太郎君) それでは質疑に入りましてよろしうございますか。別に簡單な改正案のようですから、一般的質疑とか、或いは逐條とか分けないでもいいかと思いますが。
#7
○若木勝藏君 政府委員にちよつとお伺いしますが、第七條の第四項に、「会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。」ということがありますが、入れた場合と入れない場合とどういうふうに違いますか。入れない場合は当然こういうようなこと……、兼ねることを妨げるという解釈ですか。どうしても入れなければならないというのですか。
#8
○政府委員(菅野義丸君) 只今のところでは、大体これがない場合には、国会議員を兼ねることができないというふうに解釈されているわけでございますが、兼ねることを認める場合には、入れることが原則のようでございます。この点いろいろ疑問があつたり、或いは議論が起つたりいたしますので、特にこれをはつきりさしたいというのが、今回これを挿入する趣旨であります。
#9
○山本勇造君 これがない場合には入れないというような今御答弁だつたのですが、現実に、田中君を初めとして四人の議員が現在入つているのじやないですか。
#10
○説明員(本田弘人君) 現行法によりますと、この第四項がない場合になりますと、現在の国会法の第三十九條によりますと、「議員は、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官、各省次官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。但し、国会の議決に基き、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参與その他これに準ずる職務に就く場合は、この限りでない。」こういうことになつております。参議院議員で懸ねられておられる方が四人ありますが、それは国会の承認を得まして、その就任がされておるのであります。ところが衆議院の場合におきましては、第一にこういう原則がはつきりしておりませんと、立候補すること自体ができないわけであります。衆議院議員に……参議院でも改選になりますれば、立候補することができないことになります。こういう原則が、就任の原則が認められますというと、公職選挙法の中でも、政令によりまして政令の中に当然謳われることになりまして、それが兼ねることがはつきりできるようになるわけです。こういう次第になります。
#11
○委員長(田中耕太郎君) 他に御質疑ございませんか。
#12
○若木勝藏君 今の点についてもう一つ伺いたいと思いますが、学術会議の会員の中には、いわゆる国家公務員の方とそうでない方があるようですが、そうするというと兼ねることを妨げないということに対しては、国家公務員の場合には、すでに国家公務員法によつて決定されておるものであるから、第四項の国会議員を兼ねることを妨げないということは別段触れないということになるのですか、その点をお伺いいたします。
#13
○説明員(本田弘人君) 国家公務員……、今の趣旨が私はつきり……少し誤解しておるかも知れませんが、国家公務員、例えば大学の教授、国立大学の教授である国家公務員の場合につきましては、これは国家公務員法によりまして、学術会議の会員は特別職に今のところ指定されております。それで一般国立大学の教授である場合に、それが学術会議の会員を兼ねることには、今のところ何ら支障はございません。ただ大学の教授がたまたま学術会議の会員であるが故に、国会議員を兼ねるということは、そこまでは考えておりません、この案では。この程度でよろしうございますか。
#14
○若木勝藏君 そうすると考えておられないというふうなことの根拠ですね。それはやはり国家公務員法によつて規定されるから考えないということになりますか。
#15
○説明員(本田弘人君) それは学術会議としては、これは国会と一般公務員との関係になりますので、学術会議の立場からそこまで考えていないということを申したのであります。
#16
○委員長(田中耕太郎君) 第十七條の第一項の改正については別に御質疑ございませんか。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて、別に御質疑がございませんければ今日は本案はこの程度に止めておきます。
   ―――――・―――――
#18
○委員長(田中耕太郎君) 次に教育文化施設及び文化財保護に関する一般調査を議題といたします。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
  ―――――――――――――
#19
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて、それでは御異議がございませんければ日程の順序を変更いたしまして、一番最後の議題、派遣議員の報告をお願いいたします。
#20
○鈴木憲一君 四国地方へ派遣されました私達の状況を報告いたします。派遣になりました議員は鈴木、河崎の両議員でありまして、それに文部委員会の專門員として石丸氏、調査主事として瀧氏、それから文部省から一名伊藤君が同行されました。
 派遣期間は一月十二日より二十一日まで十日間であります。
 視察をいたしました概要を御報告申上げます。視察いたしました箇所は、大体香川、愛媛、高知の三県の文教、文化に関する面であります。
 第一に視察の行政当局との関係は、香川、愛媛、高知三県の県知事及び県当局並びに教育委員会、尚丸亀市、西條市、松山市、八幡濱市の市長並びに市当局の方とそれぞれ懇談をいたしました。
 教育施設といたしましては、国立大学及び県立大学併せて四校、高等学校六、中学校三校、二学校四校、盲聾唖学校一校、計十八校を教育施設として視察しました。文化施設としては図書館が三、体育館が一、美術館が一、公園が一、計六ケ所。文化財としましては、国宝に属する城が三、寺が一、仏像が十、史蹟名勝天然記念物では、史蹟が二、天然記念物が二、その他仏像一、庭園一、神社一というので合計十一ケ所の文化財を視察いたしました。
 次に四国四県の教員組合の代表と懇談いたしました。大体そういうような状況でありますが、以下これを少しく実際について御報告申上げたいと思います。
 文教関係でありますが、小中学校関係におきましては、先ずどこでも六・三予算の配分について、四国では非常に強く要望が出ました。その一例を見ますると、愛媛県のごときは六・三制実施による校舎不足とこれに加えて、戰災、震災、風水害というようなことで非常に校舎の破損破壞が多かつたんであります。大分八万坪の不足がある。昭和二十二年から逐年整備に努力をして、現在約六万四千坪できて、不足分の八〇%をここで定遂したけれども、このため約三億五千万円の負担となつた。そのうちで二億八千万円が借金になつておる。で市町村財政に大打撃が與えられておるので、これを何とかして貰いたい。これはもとより国庫の補助を予定してなされたことであるが、今度の二十四年度の補正予算の配分が予想額三千万円ぐらいは貰えるものと思つておつたが、約その二割七分の八百万円で打切られた。以上のようなふうで非常に気の毒な運命に愛媛県のごときは追込まれておる。四国全体を見ましても、この配分の割が割合によい県があるという実情に鑑みられて、本年度の予算の配分には大いにこれを考慮して頂きたいとい要望が非常に強くあつたのであります。尚次のような実情は本年度の予算の配分の際に相当考慮されなければならないんじやないかと私は思うんです。先ず山間島嶼の多い高知とか愛媛とかいう地方では非常に強く要望されたんですが、例えば一町村に数校乃至十校も学校を持つておるという村があるので、こういつたような所に対して生徒一人当り〇・七坪の枠を押付けられるというと、実に困ると、であるから何とかして例外を認めて貰いたい。尤もなことだと見て参つたのであります。
 それから戰災都市のバラツク建築には、非常にもう甚しい老朽のものやなんかがありまして、既成建築とこれを認められるのでは非常に困るだろうと直ちに分るものがあるのであります。例えば高知市の城西中学校のごときは生徒が千四百二十一人もが一教室に七十人、八十人入つておつて一人当りが〇・六坪くらい、運動場は全くないのであります。校舎は軍隊の使用したひどいバラックで、老朽が甚しくて、勿論中から青空が見え、屋根が傾いておる。雨が漏る。一搖れすれば倒れるのではないかというふうに非常に危いように思われました。而もそれに対して市の当局は国から費用が来るまで、当分建築の見込が立たないということを言つております。又松山市の城東中学もこれも古い兵舎を使用しておるが、兵舎で実に薄案くて非健康的で、教室に使用する数が少くて、無理な授業をしておるようであります。而も塀のすぐ向うには新らしい競輪場ができて、教育上からもどうかと思われるのであります。これは先生やPTAが教育に熱心の余り、授業を早めようとしてこういうものを使つてしまつた。そうして今になつてこれを既設校舎に認められて非常に困つておるというような状況であります。
 次は定員の関係でありますが、養護教員や或いは事務職員が全面的にこれを完全に配置して貰いたいということはどこでも言つておることであります。この地方でも同様に非常に強い要望がありました。尚結核性疾患及び産前産後休養代員の完全配置、山間とか島嶼地方の特殊事情に鑑みて定員の特例を認め、増加を認めて貰いたい。中学校の定員一学級二名まで引上げて貰いたい。待遇については給與水準を引上げて貰いたい。研修費の支給を今少し考えて貰えないか。教育職員免許法施行により教員再講習のために、もう少し予算的措置を取つて貰えないと、事実上実習に困るというのである。僻陬地手当を増額して貰いたい。小中学校では大体以上でありました。高等学校関係に行きますと、殊に高等学校の再編成の結果、非常にあちこちに無理ができておるということが明瞭に分つたので、末端の大部分が二つの学校か三つの学校を統合した結果、教室が非常に不足を来たしておる。甚しいのになりますと商業学校、農業学校、中学校が一緒になつて、そこに女学校が入り込んで、どうにもならないような赤態で、施設は中学校の校舎であつたため、職業教育は名目だけで為し得ないというような状態で非常に各県共高等学校の再編成には悲鳴を上げておりました。男女共学は高等学校では大体結果は概ね良好だということを言つておりました。
 次は大学でありますが、大学の先ず第一は施設整備でありますが、これは余程時間と金とをかけなくてはならない状態でありまして、そこに県側ではどこでも非常に熱心ではあつたが、将来の見透しに対して非常に憂鬱な状況を見せておりました、殊に県立大学松山農業大学、高知女子大学、これらを国立に移管して貰いたいという要望が強くありました。地方財政が非常に逼迫しておる折柄でありますから、これは考えてやらなければならんことではないかと思つたのであります。
 地方教育委員会の状況でありますが、いろいろ教育委員会としては問題もあるようでありますが、結局はまあ財政的な問題に盡きるようでありまして、これは全国としても皆同じだろうと思うんでありますが、教育委員会は教育予算獲得のために、教育委員会事務局と県知事及び県会議員の板挾みになつておるというような状態が認識されたわけであります。
 次に教育委員会の要望でありますが、学校基本調査とか、学校衞生統計調査というようなものは知事所管の下にあつて、教育行政が県知事より教育委員会に移つた今日、これを直して頂かないと誠に不便だこの際速やかにこの調査事務を県委員会に移管されるように、統計法の改正を行なつて欲しいという要望がありました。委員会法には調査統計の自課を設けるように指定されとはおりますが、この点をお願いするというような要望が強かつたのであります。
 次は文化財でありますが、大体三県に亘りまする保護の状況は概ね良好のようでありました。併しながら然心な余りこういうものもありました。愛媛県の西條市郊外の保国寺というお寺の庭園であります。この庭園のごときは室町時代を代表する名園であるということは何人も知つておるのでありますが、化定を受けたくないという希望を持つておるのであります、お寺が。それはどういうわけかという、荒らされて困るということであつたのであります。これはやはりそれ相応の保護を受けて永久保存を図るように、尚公開もしなければならんのだ。すでにこういうものは一寺院の所有でなくて、国民全体の文化財であるというような話をよくしまして、早く手続をするようにということを述べて来たのであります。又その反面に八幡濱市の梅之堂という所に仏像のよいものが非常に沢山ある。藤原後期定朝系の名品であるということが発見されておるのでありますが、附近の人々は、まあ漁村関係というようなこともありますが、非常に認識が不足でして、小さな壊われそうな小屋の中に大仏、大きな像を安置しまして、番代りには疎開者を入れて仏像の前に寢起きして、煮炊きしておるというような状況でありまして、これ等なども早く適当の措置を取る必要があると思つて参つたのであります。
 次に史蹟でありますが、珍らしい土居構趾というのが史蹟の中に入つて西條市郊外にあるのであります。これは個人の住宅になつておりますので、天正年間から続いたもので、久門範政という人の住宅及びその庭園になつておるのですけれども、非常によく保存されておりますが、個人所有のものであるから、その保護のためには地方団体や政府は特別のこういうものに対する考慮と協力が必要であろうと特に感じたわけであります。
 次に高知城でありますが、御承知の通り高知は非常に雨量が多く降雨が甚だしい。温度、気候の関係から白蟻の発生が非常に多いのであります。高知は特にこの白蟻の害は日本全国一と言われておるのです。非常な腐朽、損傷をしておるまして、これなどは何か特殊な装置をする必要があるのじやないかとも考えられるのであります。
 それから尾長鶏を特に見せて頂いたのですが、これは土佐に二羽きり今残つておりません。飼育者は戰争中に非常に努力をしまして、よくその保存を全うしたのでありますが、これも個人の所有でありますので、保存のために特別な何らかの考慮が必要であろうと思つたのであります。
 そんなふうに文化財を見て廻つた後の感想としましては、早く文化財保護法というものを通過させて、一日も早く文化財保護の上に強力な措置が取らなければならないということを痛感して参つたわけであります。大体私達が十日間に廻りました叶く概略は以上のごときものであります。報告を終ります。
  ―――――――――――――
#21
○委員長(田中耕太郎君) 鈴木委員の御報告につきまして別に御発言がございませんければ、文部関係予算についての説明を聽取いたします。御異議ありませんければ、寺中作雄君の文部関係の予算について説明を願います。
#22
○政府委員(寺中作雄君) 只今文部省の昭和二十五年度の予算の簡單に集計をいたしました概計表のような表をお配りしたと思うのでありますが、それによりまして大体の文部省予算の概要を申上げたいと存じます。
 最初に第一表にありますように、来年度の文部省予算の総額は百四十六億五百三十九万円であります。これは昨年度三百五十六億六千七百万円に比しまして二百十億余り減つておるのでありますが、これは御承知のように従来義務教育負担金となつておりました文部省予算の相当重要な部分を占める小学校、中学校の教員の国庫負担、それが平衡識金の関係の予算に繰入れられた関係でございます。そこで平衡資金関係、これは政府予算としまして千五十億あるのでありますが、そのうちの二百六十一億三千五百万円というものが文部省関係として計上されておる関係になつております。それから公共事業費の関係は政府の安本の予算になつておるのでありますが、これが五十七億五千万円、これは文部省関係予算といたしましては総計四百六十四億九千四十三万一千円ということになつております。昨年度の文部省関係予算三百八十六億三千七十一万三千円に較ベまして七十八億、約八十億の増額であります。これは政府予算六千六百十四億に対しまして教育予算が七%を占めるという関係になつておりまして、昨年度が五・一%でありましたので、約二%の増額になつたという関係になると思うのであります。
 そこで文部予算といたしましては、そこに詳しくございます文部本省と文部各庁と国立学校と、この三つの部分から成立つておるわけでありますが、先ず文部本省予算の方から申上げますと、その総額は三十八億余りであります。その項目別のごく簡單な集計の表を差上げたわけでありますが、それに従いまして眼に止ります主なものについて多少御説明申上げたいと思うのでありますが、大臣官房の予算としましては、いろいろ会計或いは総務関係の事務処理の外に、ユネスコの事情の調査普及に要する経費というのが五百万円ございます。昨年は四百万円でありましたが、百万円増額いたしまして、これはユネウコ関係の普及に新する協議会或いは調査費、或いは講習会、展覽会というようなものに使われる経費でございます。
 初等中等局関係では、学校教育費基準作成費というのが七十九万円ありますが、これは例の、小学校、中学校の教育費が平衡資金の方に移ります。そのために教育基準経費というものを文部省で割出しまして、そうして、それを地方即ち都道府県或いは市町村において、義務的に基準経費までは出して貰いたいというふうな法的措置を講ずるつもりでおりますので、その基準経費を作成するための事務費でございます。初等中等教育関係には、従来やつておりましたいろいろの事業が沢山述べてございますが、多少目立つものといたしましては、例えば観聽覚教育の経費であるとか、或いは職業教育の経費であるとか、又実験学校の経費であるとかいうふうなものがあるのでありまして、視聽覚教育の関係は別に社会教育局の方に四百五十万円ぐらい計上されておりますので、それを併せて運営いたしまして能率を上げたいつもりでおります。職業教育の関係は二百六十五万五千円でありますが、これは職業教育の審議会或いは番究集会、或いは手引の作成、幹部教育の選成というふうなものに使われるのでありますが、ただ私共として非常に残念に思つておりますことは、実業教育費の補助が落ちたことであります。実業教育費は、昨年百八十万円ばかり計上されておつた経費でありますが、これがシャウプ・ミッションの報告による方針によりまして、補助費はできるだけ整理をして、そうして地方の財源を殖やすから、その方で地方費的なる経費は見て行くのが至当であるというような考えからこれを落されたのでありますが、一面に職業教育振興費の方で百万円余り、事業費とした増額になりました次第でございます。実験教育、実験学校、これは小学校、中学校、或いは実業学校を通じまして、実業学校というのは現在ございませんが、実業課程の高等学校を通じまして、各府県に実験学校を指定して、そこに或る程度の経費を注ぎ込んで、実業教育の振興、或いは小中学校の教育の振興を図りたいという趣旨でございます。
 その次に大学学術局関係でありますが、大学学術局関係では現職教育、即ち小中学校教員の現職にある者の再教育、それに力を入れる予定でありまして、そこに挙げてある金額は二千七百二十九万円であります。これは例の教員免許法の改正によりまして、現在の小中学校教員の資格を向上いたす必要がありますので、大体二万四千三百人の教員を夏期休暇中八十一大学に委嘱をいたしまして、その学芸学部、或いは教育学部において六十日間再教育をやるという経費でございます。再教育の経費は、一般計画としましては、只今申上げましたようなことでありますが、その他いろいろの方法で教員再教育に資するような計画が相当ありまして、予算項目としましては、二十項目に亘つておるのであります。それを合せますと四千四百五十九万円に上るのであります。それから学徒援議会の補助金が昨年より五百万円増額になりました。育英事業費でございますが、これは例の日本育英会に対する貸付金という形で計上される次第でありまして、特に師範学校制度の支止に伴う給費生というものがなくなりますので、育英会でこれを援助する。そういう意味でその大学の教育学部、学芸学部の学生には五〇%の育英資金の貸付をやるという計画等含めまして、継続貸付学生五万三千四百八十四人、新規採用学生四万二千二百十七人、合計九万五千七本一人に対しまして育英資金の貸付を実施する予定であります。それから史料館の整備というのがございますが、これは昨年からありまして、昨年よりも充実を必要とするのでありますが、建物の購入、或いは史料の買上げ、或いは物品の買上げ等に五百六十四万九千円の経費を出しておるのであります。科学研究の費用は、これは昨年来いろいろ問題になりました例の五億円でありますが、その内訳はそこに挙げましたように科学研究費、科学研究奬励費、それから試験研究費、人文科学研究費、民間研究機関補助費、研究成果刊行費というような形で配分して使用される予定になつております。
 社会教育局の関係では、公民館の設備運営費は千九百万円、大体昨年と同額になつております。国民体育大会の経費は、これは昨年まで日本体育連盟の補助金として計上されたのでありますが、団体に補助するという形式は予算作成の上から面白くないというので、政府が直営する形で八百万円の経費をこの国民体育大会の運営費に計上した次第でありまして、昨年よりも四百万円近く増額になつたわけであります。それから演劇教育指導という金が六百二十二万円ばかりありますが、これは例の芸術祭の実施という形で使われる予定でありまして、従来芸術祭というものを実柴したのでありますが、経費なしで、実質上委員会の運営等でやつておるのでありますが、今度は新らしく文化向上の重要性を認識して頂きまして、六百原円余りの経費を芸術祭の実施に使うことにいたした次第であります。国宝の経費は、これは昨年来問題になつておりましたが、約二億円であります。その内訳はそこに挙げましたように日光であるとか、或いは松本城であるとか、姫路城、法隆寺そういうふうなところを中心に、文化財の保護を図る予定になるわけであります。
 調査局の経費としましては、教育調査等という名目で千二百十二万円ございます。昨年に比べまして相当増額になつたわけでありますが、これは平衡資金の移行等によります教育行財政の調査の重要性が非常に増して参りましたので、その方に相当強力を調査事業の実施を必要とする次第でございます。
 管理局の経費としましては、公立小中学校の設備に必要な経費として四千三百十四万三千円がありますが、これは例の六・三制の建築に伴いまして、その内部施設、即ち椅子、机というようなものを整備するための経費でございます。それから学校給食の普及費、これが一千六十五万円ございます。その内訳はユニセフの粉乳を学校給食に使うための経費五百万円、都道府県の学校給食施設を補助するための経費が約五百万円ということになつております。それから私立学退の貸付金、これは大学関係、中等学校関係、それから福井の震災関係等を含めまして二億七千六百六十一万円であります。貸付金の形で私立学校に援助するわけであります。
 本省の経費は大体主なものはそんなものでありますが、尚細かい点につきまして御質問がありましたら、後程お答えいたしたいと存じます。
 それから次に文部各庁でありますが、文部各庁は御承知のごとく七つの研究所その他の施設に対する人件費並びに事業費の経費でありまして、それは総額一億六千九百六十万円でございます。これは極く経常的なものでありまして、格別新らしい事業と申す程のものはないのであります。
 その次に国立学校の経費でございますが、国立学校の内容は、学校の経費と附属病院の経費と、それから附置研究所の経費、三つの部分に分れておるのでありまして、研究費が昨年に比しまして、額にして約倍ぐらいに増額になつております。單価にいたしまして五割くらい増額になる予定でございます。それから従来は農林省内管でありました水産講習所が東京水産大学として文部省に移管になりますし、又運輸省にありました商船学校は東京商船大学として文部省に移管になります経費が、学校の経費の中に含まれておるのであります。
 以上が文部省予算の内容でございますが、ここに挙げましたように、平衡資金の中に約二百六十二億というものが文部省関係として含まれておるのであります。平衡資金の総額は只今申しましたように千五十億でありますが、その中には各省の従来の補助金を含めておるという観念でありまして、各省関係全部を含めまして三百億くらいになるのでありますが、そのうち二百六十二億が文部省関係の補助金であるという関係になるわけでありまするから、文部省としましては、平衡資金の配付ということについては重大なる関心を持つておる次第でありまして、これに関しましては別に法律によりまして、基準教育費の確保を図りたいということについて御相談を申上げる筈になつておるのであります。平衡資金のうちでの教育費の計算は、昨年からいろいろ問題になつたわけでありますが、業務業教費並びに定時制高等学校費として二百五十三億八千七百万円がございまして、小学校につきましては三十三万六千九十一人、中学校については十八万三千九百九十八人、これだけの教員の経費を見ておるわけでありまして、それは昨年は小学校は五十人について一・三五、中学校については一・七というのを、それぞれ一・五と一・八に高めて計算をし、その上に結核療養患者の一・三三%を見たというような計算によつたわけであります。これによりますと、昨年の教員数よりも小中学校合せまして五万八千九百四十六人の増員ができる予定になるわけでありまして、そのうち補正予算によつて一万三百五十人を昨年認めて頂きましたので、実質上四晴八千五百九十六人、約五万人の増員が可能になるという計算になつておるのであります。
 それから平衡資金の中には、尚公立学校の共済組合の補助金六億七千六百二十四万三千円が含まれておりまして、これは短期給付四十七万人余り、長期給付八万一千人余りの共済費が入つておるわけであります。
 それから公共事業費の関係でありますが、公共事業費の関係は、例の六・三制の建築費補助としまして四十五億円、それから戰災の復旧費、それから学校給食の施設費等を合せまして十億円、それから災害復旧の経費といたしまして二億五千万円、全部で五十七億五千万円が文部省関係の公共事業費として予定をされておる関係になつております。尚これ災害復旧の関係は二億五千万円と申しましたが、予算の上ではそういうことになつておりますが、大藏省並びに安本当局と打合せいたしまして、尚実際の使用についてはもつと増額して使えるようにしたいという話合いが成立しておるのであります。それから災害関係では別に総予算の中に二十五年度に予想される災害の復旧費が百億円計上されておるのでありまするので、災害を予想するということはいいことではないのでありますが、そのうち文部省関係の災害がありました場合には、一部は文部省の方で使われるということになるかと思うのであります。
 以上によりまして文部省び並に平衡資金、共公事業費関係の大体の予算の概要を申上げました次第でありまして、その総額が四百六十五億に上るということになる次第でございます。大変簡單でありますが、以上のような状況になつております。
#23
○委員長(田中耕太郎君) 只今の説明につきまして御質疑がございますか。
#24
○若木勝藏君 私一つ伺いたいのは、公共事業費関係の方になるのでありますが、二十四年度の追加予算で六・三制が十五億、それから今度二十五年度の予算において六・三制が四十五億、合せて六十億、こうなつておるのでありますが、大体一般の考え方は、それらは六・三の建築補助費に向けられるところの費用であるというふうに考えておるのでありますけれども、事実とういうふうになつておるかどうか、その内容につきまして十五億の場合はどうなつておるか、それから二十五年度の四十五億についてはどういうふうな内容の配分関係になるか、これについて詳細に伺いたいと考えております。つまり十五億というふうなものは一般に考えられているのは建築費の補助費であると考えられている。その通り使われているか、また他に使われているかということです。
#25
○説明員(佐藤薫君) 飽まで建築費に使われております。又四十五億も建築費に使われております。それでよろしゆうございますか。
#26
○若木勝藏君 建築補助費ですな。その他戰災学校の方について……
#27
○説明員(佐藤薫君) そういう意味でございますか。十五億につきましてはいわゆる六・三建築費に使つたのでありますが、四十五億の中にいろいろ関係各省とも折衝したのでありますが、結論的に申上げますならば、外地引揚の問題やら、或いは盲聾唖の関係も広い意味の六・三制ということになりまして、従来は別額でありましたものが四十五億の中に入つておるという状況になります。
#28
○若木勝藏君 それで重ねて聞きますが、四十五億というものはいわゆる新制中学の建築補助費ということにならないわけですね。
#29
○説明員(佐藤薫君) そうです。
#30
○若木勝藏君 今のお話で言うと、非常に広い意味の六・三制ということになり易い。引揚とか盲聾唖は狹い意味の六・三制でなくて、盲聾唖を含む、或いは外地引揚を含む予算……
#31
○説明員(佐藤薫君) 但し外地引揚と申しましても、やはり個々ばらばらに入りますのは、当該市町村の学校に入るわけでありまして、若し集団的に入りますときには学校を作るのでありますが、一緒の学校と考えているのですが、広い意味の六・三制という中には、概念として入ると考えております。
#32
○若木勝藏君 そうしますと在来から考えられておつた六・三建築費というようなものは、新制中学の増設のためにこれは振り向けられておるというようなことは一般の通念になつている。ところが今のお話で見ますと、そうでなしに、外地引揚者或いは盲聾唖、そういうふうな方面を含む六・三制の広い意味での四十五億であるというようになりますと、これは非常に通念と食違いがあるようになつておるが、最初から文部省としてはそういうようなお考えですか。
#33
○説明員(佐藤薫君) 最初は勿論別額で随分長い間折衝したのでありますが、どうしても別額には取れないで、結果的にその中に含まれてしまつたというのです。
#34
○若木勝藏君 それでは更にお伺いいたしますが、四十五億の中に一般に考えられているところの新制中学の建設費に廻される分に幾らになるのですか。
#35
○説明員(佐藤薫君) お答えいたします。外地引揚の分は六百八十二坪、九百五十七万二千円でございます。それから盲聾唖の関係は七千百坪でございまして、金額で申しますと六千二百二十八万一千円でございます。この合計を申しますと七千七百八十二坪、七千百八十五万三千円というふうな数字でございます。
#36
○若木勝藏君 そうしますと四十五億から今の七千百八十五万円を引いたものは新制中学の建築費でありますか。
#37
○説明員(佐藤薫君) そうです。
#38
○若木勝藏君 それは補助費になりますか、設備費も入りますか。
#39
○説明員(佐藤薫君) それは補助費だけでございます。
#40
○三島通陽君 今の若木委員の御質問に多少関連するのでありますけれども、この六三・制の建築の補助費でありますがね。それの分配の御針を伺いたいのでありますけれども、と申しますのは今度地方へ廻つて見ますと、例えばいわゆる馬小屋教室というようなものをなくするということに非常に努力しておるということは、非常によく分るのであります。この点は非常にありがたいのでありますけれども、そういういわゆる馬小屋教室とか、そういうような非常に気の毒な建築をし直すというために補助金を與えるということは、我々も始終申しまして、実行されて行くので結構でありますが、今度こういうことが出て来ると非常に真面目に村長とか、土地の人が熱心に学校の建築をした、非常に血の出るような思いをして、無理をして学校の建築をした。半分ぐらい出来上つておるとか、八分通り出来上つておるものの補助が薄くなるというような傾向も見え、正直者が馬鹿を見た。教育に非常に熱心に土地を協力をしたというものが馬鹿を見た。どつちかと言えば馬小屋教室で、やつておるということは気の毒でありますけれども、余り教育に熱心でなかつたという者が取り残された。取り残された者に多くの補助金が行くというような形になつて、主として教育に熱心な人々がそういうことに少しく変な心持を持つというような地方が現れて来る傾向がある。この補助金の分配というようなことについての方針は非常にむずかしいことだと思いますが、若し馬小屋教室というようなものを取り残されますれば、我々はやかましく言うでしようし、それをやかましく言えば、先にやつたものはどうするかということで、非常に前のが薄くなる。それでそういうことは痛し痒しでしようけれども、どういう方針ですかということが一つ。もう一つは、県の名前を言つては惡いかも知れませんが、宮崎県のような所でありますが、宮崎県では六・三制の義務教育に非常に熱心に、非常に無理をして、これは多くの血の出るような思いをして、義務教育の建築を急いでやつた。これは或る方面の非常に親切過ぎた指導があつたのでありまして、従つて非常に無理をして高等学校が犠牲になつたというのであります。その犠牲になつておる高等学校を何とかしてやらなければならんという、そういうような立場の方に、そういうようなときに、義務教育の建築が一人当り非常に多く数の上では出て来るのでありますから、現在の上では、そこでどうしても高等学校の方を、犠牲になつた学校を復旧してやろうとそういう補助金というものがむずかしくなりはしないかという心配がある。そういうようなことがいろいろあろうと思いますので、この分配にはむずかしい考慮を要するのではないかと思いますが、どういう御方針であるかお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事木内キヤウ君委員長席に着く〕
#41
○説明員(佐藤薫君) 第一の補助費割当方針について申上げます。誠に御説御尤もでありまして、我々としましても最もその点を苦心をいたしたのであります。併し十五億乃至は旧十五億合計六十億というものは、飽くまで二十四年度の五月一日以降の建築について補助をすべきであるというふうな関係方面の強い指示があり、或いはそういう意味において関係各省と話合をしまして、そういう予算でありまして、従つて只今おつしやる過年度分の認証の分につきましては、最も申訳ないと存じながら、実際に原則としては手をつけることができなかつたのであります。但し昭和二十二年、三年には非常に御熱心にやられて、而も二十四年度以降においても、学校建築を継続しておられるという事実がはつきりいたした場合には、その予算成立後関係方面と最後の折衝をいたしまして、若干その例外としては、そういう場合には〇・七をオーバーする場合においても補助を出すというふうなのが十五億の配分でございます。その十五億なり乃至は四十五億を通じましての基本方針は、要するに今申しましたような二十四年の五月一日以降の建築ということになつておりまして、その場合に六十億の具体的な配分の内訳というものは、とにかく現実に〇・七になつていないものをする。そのために最初四十億でありましたが、その後高等学校の問題が緩和されまして四十四億必要になりましたが、四十四億は〇・七に満たないものに対して補助をする、十六億につきましては原則として全体的に〇・七に更に若干でも引上げる分にして行こう、こういうふうな話合になつておるわけであります。ところが十五億の配分をいたしましたときに、こちらも、我々としても初めからそういう問題は知つておりながらできなかつた面が多かつたのでありまするが、非常に市町村として一括して〇・七坪という計算にどうしても無理があつたのであります。従つてこの四十五億におきましては、例えば一つの村でございましても、非常に通学が不可能である、十何里もあるというような村は、やはり生徒が最低限度通えるというふうな程度にその村を切るということも考えまして、そういうふうに切つた場合に〇・七に行くようなことが取敢ずの問題としても妥当なことじやないか。更に組合立を文部省は従来奬励して参りましたが、組合立は飽くまで組合立の恰好として〇・七坪であるかどうかというようなのを基準にして、認証外では許可をするというようにいろいろ関係方面との折衝の後に緩和され、又緩和されつつある。まだ目下継続中でありまするが、そういうふうな事情を十分に織込みまして、予算の額が十分でございませんけれども、何とか十五億の場合とは違つた、もう少し具体的な、実地に即したような割当をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。但し先程申しました認証外工事の問題につきましては、やはり依然として大きな問題が残つておるわけでありまして、私達もいろいろこの面につきまして、事務的な問題におきましては十分研究を重ねまして、又関係方面にも絶対いけないという最初の段階から、それは非常に気の毒だという段階にまで持つて来ておることは事実でございます。何らかの方便をはつきり我我掴みたいと思つておるわけであります。第二の宮崎県の例でお話しされましたのでありますが、確かに宮崎県から再三事情を聽きまして、関係方面にもこの面は率直に話をいたしました。併しことが高等学校の問題に関連いたしますると、関係方面は最もこの点は几帳面でございまして、飽くまで六・三は優先的にやるべきもので、多少の無理或いは不合理は当分の間やはり我慢して貰うのが至当ではないか、とにかく六・三だけは何とかしてやれというように、確かにその方針は我々も正しい、その面においては正しいと思つておりまするが、尚この面につきましても十分に折衝したいと考えておりまして、こういう問題が若し緩和されれば、又この面におきましての予算の上での原則が違つて来るわけであります。いろいろ研究もし資料も集めておるわけでございます。
#42
○岩本月洲君 只今、三島委員のおつしやつた一の問題ですが、これはこの間私質問の演説でも特別取上げて申上げたのでありますが、実情が非常にどこに行つて見てもこの問題が地方的に言つて、大変な問題になつておるわけでありますから、特に早く手をつけて熱心にやつた面についての、遡つての配分の問題は殊更に一つ努力をして、地方の要求を応えて貰うように特別に一つお願いしたいと思つております。このことを言葉を附加えてお願い申上げて置きます。
#43
○若木勝藏君 四十五億の予算について重ねてお伺いしたいと思うのでありますが、先般来の新聞では、とにかく二部教授或いは三部教授、仮教室がこれで来年度から解消をして行き、非常に明朗な学習ができるというようなことが随分出ておつたのであります。一般もそういうふうな新聞を見まして安心をしておる面があろうと思うのであります。果してこの四十五億、その中から更に外地、盲聾唖学校、こういうような方面の経費を差引かれる現状にありまして、そういう二部教授なり、仮教室なりというふうなものは、四十四億何がしで以て来年度に解消されるでしようかどうか、その実情についてお伺いいたしたい。
#44
○説明員(佐藤薫君) その問題は計数的には今申上げられないのですが、実は先程御質問に御答えいたしたときは、いろいろ関係方面との折衝が緩和されつつある程度に応じまして、又必要な金が殖えるわけなんであります。そこで我々としましては、昨年の暮から十五億の割当をする仕事と同時に、こういうふうな緩和されつつあり、又緩和せねばならないというふうな原則に応じまして、具体的に市町村、或いは都道府県の実情に応ずるような割当をするための基礎資料を作つておるわけでございます。この資料がやはり相当大仕事でありまして、今のところではどうしても二月の二十日頃でなければまとまらないのであります。従つてその頃でなければ、果して四因五億でどの程度現実的に生徒が通える範囲内においての、いわゆる修正された〇・七坪に移るかどうかというふうなことは、計数的にまだ申上げられない段階にあるのでありまして、この点は御了承願いたいと思います。
#45
○藤田芳雄君 平衡交付金の中の大部分が文部省関係のものというお話でございましたが、文部省関係の教育の面に関しての平衡交付金の算出の基礎とでも申しますか、それはどんなふうでお出しになつたのですか。或いはその基礎はどんなふうになつて……
#46
○政府委員(寺中作雄君) 平衡資金の中で約二百六十二億が文部省関係と申上げたのでありますが、その内訳は項目にいたしまして五六項目ございますが、第一が公立学校共済組合需用費の補助金六億七千六百四十二万三千円であります。これは小学校、中学校教員の長期給付、短期給付の経費でございます。小学校の教育の国庫負担金は百五十三億八千九百四十二万一千円でありまして、これは多少計数的に申上げますと、兒童数千百五万六千人と計算いたしまして、それを五十人につき一・五、それからその上に〇・三三%の結核療養教員を加えて計算いたしますと、教員数が三十三万九千九十一人でございます。基準給與は八万一千百八十円となつておりますので、それによつて教員の給與の全額を計算いたします場合に、死亡賜金であるとか、或いは日直、宿直手当であるとか、或いは退官、退職手当であるとか、或いは石炭手当、寒物地手当であるとか、そういう要素を細かい計数によつて計算いたしましたのが、只今申上げました百五十三億という数字になるわけであります。中学校の教育費の国庫負担金は九十二億二千四百十四万四千円でありまして、これも生徒数五百四万四千人に対しまして、五十人につき一、八人及び結核療養教員一、三三%ということで割出しました教員数が十八万三千九百九十八人でございます。給與基準は八万九千七百七十二円であります。それに只今申しました諸手当類を加え、そうしてその二分の一という額を計上いたしましたのが、九十二億二千万円余りということになる次第であります。それから盲聾教育費でありますが、盲聾教育の学校の兒童数は八千四百十人でありまして、教員数は千八百五十人、これは教員千二百六十二人及び寮母五百八十八人という内訳でございます。その基準給與は十万六千四百十六円となつておりまして、これは一般の小中学校の基準経費よりも多少高いのであります。で、いろいろの手当類を入れまして、そして二分の一にいたしましたのが、一億七百二十一万七千円であります。それから定時制高校の教員費、これは生徒数が四十四万七千百九十五人でありまして、それに対して教員数を一万四千四百人と見たわけであります。この方は四割補助として計算をいたしております。以上がいわゆる従来の義務教育費負担金のような形で見られておつた経費でありますが、その外に中等学校教育の委託費、例の私立学校に中学校の教育を委託する経費、これが五千五百九十九万六千円、それから同じく盲聾唖教育に関しまして、私立学校に委託する経費が百九十四万六千円、それから教員保養所の事業費補助、これは三十ケ所にあります教員保護所の事業費を三分の「補助するのでありまして、それが七百五十五万円、その外に交教物資取扱事務費というのがありますが、これは従来自治庁の経費に一括計上されておつたのを、文部省の経費として一応取出して計算の基礎に入れたのでありますが、これが五百三十四万八千円、これは指定生産資材割当事務等を担当する府県の事務員の給與であります。そういうような七八項目に亘りますものについて細かく計算をいたしまして、二百六十一億という文部省関係の平衡交付金の負担が計上されておる次第であります。
#47
○藤田芳雄君 これは今ちよつとお聞きしたのですけれども、いづれあとでその内容の印刷でも頂けるでしようか。
#48
○政府委員(寺中作雄君) 御希望がございましたら……
#49
○藤田芳雄君 できましたら、是非頂きたいと思います。
#50
○政府委員(寺中作雄君) 昨年のやはりこの委員会で、義務教育関係だけ計数の基礎を印刷してお配りしたのでありますが、あれは例の一・五並びに一・八になつていない前の数字で確か計算してあると思いますから、修正したものを資料にいたしましてお配りいたしましよう。
#51
○藤田芳雄君 先程の説明の中に、学校給食の方にユニセフ補助というものがありましたが、ユニセフのものを給食される学校というものは、各都道府県で指定してやらしておるようでありますね。その指定したものに対して、中を開いて見ますと、指定された学校の負担というものは非常に大きなものになり、そうしてそれを受ける子供も、その実費か何か取られて随分大きな額になつておるらしいのでありますが、一体補助というものはどういうふうなことになつておるのでありますか。
#52
○政府委員(寺中作雄君) ユニセフの粉乳を、連合軍の好意によりまして、日本の兒童に配給するということになつておるわけでありますが、ここに予算として計上いたしましたのは、その学校給食費の中で約五百十万円、約半分を占めるわけでありまして、これはユニセフの粉乳が実はただで呉れるというのでありますが、これを各学校に運搬をいたしますために相当の運搬費がかかるので、それはどうしても予算として政府で計上する必要があるということで、運搬費並びに保管料があります。それから多少の事務費であります。それが五百十万円に上るわけであります。只今お話がありましたように、ユニセフの粉乳を配給を受けますと、むしろ指定をされたのを迷惑に思つて、非常に市町村で経費がかかるというようなことも、ときどき耳にするのでありますが、これは従来はやはり個人で、兒童の方で金を出して配給を受けたのでありますが、このユニセフの粉乳の方は、経費はただでありまして、運搬費その他も国費で持ちますから、ユニセフに関する限りは、兒童の負担というものはかからないという関係になります。ただそれ以外のいろいろの罐詰類であるとか、或いは野菜類であるとかいうふうなものについて、多少の兒童の負担というものがかかることになることと思いますが、そういうことで、一般にユニセフを含めまして、給食に関しましては、給食学校として指定をされた学校が、兒童も多少の負担になりますし、その市町村にも負担になるということは、大変迷惑な場合も多いと思うのですが、何しろまあ食事のことでありますから、生活費の一部を持つ関係になりますので、それを全額国で負担するということになりますと、相当厖大な予算を必要とするのでありまして、何十億という予算を必要とするのでありまして、これについても、関係方面においては、成るべく政府予算として全部見ろということも示唆を受けるのでありますが、財政当局との関係からいたしまして、生活費の一部そのものを国費で見るということについては多少の異論もあるので、どうしても或る程度の負担をおかけすることは止むを得ないという事情になつているのであります。来年度のユニセフの関係については、まあ金は要らないということは言えるのでありますが、一般的に給食については多少の負担は止むを得ないであろうということを見込んでおるのであります。
#53
○藤田芳雄君 そうしますと、ユニセフから来る粉乳そのものは無料なんですね。
#54
○政府委員(寺中作雄君) そうです。
#55
○藤田芳雄君 末端に行きましても無料なんですね。
#56
○政府委員(寺中作雄君) そうです。
#57
○藤田芳雄君 実はそれにかかつて来ているので、何とか今のお話のような運搬費とか、或いはそれを作るための人件費だとか、或いは倉庫の保管料とか何とかというものがかかるので、相当高いものについて来る。どうもおかしいと思つていたのですが、これは無料なのですか。
#58
○政府委員(寺中作雄君) はい、来年度は無料になります。
#59
○藤田芳雄君 そうすると今まではそれは各自の負担になつていたのですか。
#60
○政府委員(寺中作雄君) そうですね。本年度一部実施いたしておりますものは、多少の経費がかかるかと思つております。
#61
○藤田芳雄君 多少でなしに随分高いものについているというので、大分いろいろな声が出ているのであります。
#62
○政府委員(寺中作雄君) それは給食事業全般について、まあそういうふうな声があるのじやないでしようか。
#63
○藤田芳雄君 いやそうじやない、例えば設備費とかいろいろなもの、特に指定を受けたのだから立派にしなければならんというのでかかるのでしよう。これは異議がない。そうじやなしに、その頂く粉乳そのものの経費、要するに兒童からも月々徴收しなければならん。これが非常に大きくなつている。
#64
○理事(木内キヤウ君) いいですか。
#65
○藤田芳雄君 まだ一つ、そうすると二十五年度からは無理になるということは確実なのですね。
#66
○政府委員(寺中作雄君) ユニセフに関しては無料になりますが、その他に来年度は相当いろいろなものを給食としてあちらから給與を受けるような計画がございますので、それについてもやはりその輸送費であるとか、保管費であるとかというようなものを全部国で見ろという話があるのであります。これについてはいろいろ折衝いたしました結果、今のところどうしても財政の都合上負担できないという形になつとおりますので、やはりその面については多少の負担をおかけせざるを得ないようなことになるのではないかと思つております。
#67
○藤田芳雄君 国立学校の方なのですが、この国立学校のうちに芸術大学或いは総合大学の中の教育学部には、小学校或いは中学校というような附設の附属学校があるわけなのでありますが、これは国立学校のうちの附属施設の経費に入るものですか、或いは研究機関として、或いは一般経費として入つておるものなのか、或いは全然そういうものは考慮に入つておらないのか、その点一つお聽きしたいと思います。
#68
○政府委員(寺中作雄君) 附属学校は一般の学校の予算の中でありまして、附属施設、ここにあります附属研究所等の施設ではございません。人件費等に含まれておるわけであります。
#69
○藤田芳雄君 実はそれの方の経費というものがやはりそれぞれ、まあ普通にすれば、小学校なり中学校という一つの学校があると同じだけの経費が要るわけですが、やはりそうしたものもこの各附設の学校の学級数なり何なりは、一応今まで通り決められてあつて、そうしてその範囲内でやつているのですか。それともそういうところまでは正確な数字でやつておらないで割当ててあるのか、この点をもう少し伺いたい。
#70
○政府委員(寺中作雄君) ちよつと御質問の趣旨がはつきりしなかつたのでありますが……
#71
○藤田芳雄君 もう少し失礼しますが、例えば学級数にしましても、その附属の小学校及び中学校の学級数をどの大学には何学級までよい、或いは他の学校には何学級まで附設するのだということを決定して、それを基礎にして計算しているのか、或いはそういうことは決定されないで、適当に一般経津の中に織込んであるのかということなんです。
#72
○政府委員(寺中作雄君) 勿論細かく学級数並びに学生の定員は決定をして、そうしてその人間の定員等も計算してあるわけであります。
#73
○藤田芳雄君 そういたしますというと、例えば冬季間なんかになりますと、暖房装置というようなものがあるという場合に、石炭を買うとかいうふうな、まあ細かい話ですけれども、そうした消耗品費ですね、そういうものも庁費としてやはり計上されてあるのかどうかということがちよつと分らないのですが。
#74
○政府委員(寺中作雄君) 暖房費その他の消耗品費は庁費といたしまして計上いたしております。ただいわゆる光熱費というようなものは庁費として計上されたのでは足らない場合が多いのでありまして、大学のことでありますから、研究方面に相当光熱費或いは水道というようなものを使いますので、研究費の中から相当そういうふうな費用を出しておるという関係になつております。
#75
○藤田芳雄君 研究費の中へ、そうしますとそうしたものもみんな含まれるわけなんですか。
#76
○政府委員(寺中作雄君) いわゆる暖房の経費等は庁費として計上しております。一応の経費は……、それ以上に研究用に必要なものは研究費から相当支出するという関係になつたおるのです。
#77
○理事(木内キヤウ君) 外にもう御質疑はありませんか。
#78
○山本勇造君 大分時間が遅くなりましたし、それから又これは二十五年度の総予算ですから、質問はもう幾らでも盡きないだろうと思いますが、引続いてこの文化財保護法の問題をここでやらなければならないので、その点についてだけちよつとお尋ねしたいと思います。
 この五頁のところに国宝その他文化財の保存修理に必要な経費として二億三百四十七万円計上されておりますが、このうちの人に伴う経費というのが三十五万円ありますが、これはどういうのであるかということと、それからここにあるのが大体文化財保護委員会というのができれば、そこへ大部分、殆んど全部行つてしまうのだと思いますが、この外に尚博物館のものも大分あるだろうと思うのですが、博物館はここでは博物館としてちよつと私見たところでは経費は出ていないでありますが、博物館がどのくらいになつておるのか、これをお伺いしたい。
 それから今の人に伴う経費というのが、これは即ち社会教育局の文化課のもの或いは芸術課のものなのであるか、或いは文化課としてはどれくらいになつておるのか、或いは又文化財保護法の方に芸術課の一部が割かれるだろうと思いますが、そういうものはどんなふうになるのであるか、或いはそれ以外に文化財保護委員会の方にどんなものが分れるのか分りましたらそれらの点を、差迫つて我々必要と思いますので、ちよつとそれをお尋ねしたいと思います。
#79
○政府委員(寺中作雄君) ここに挙げました人に伴う経費と申しますのは、いわゆる文部省の文化課に勤務しておる人間等は含まないのでありまして、これは国閉の保存修理のために、姫路城でありますとか……、姫路城がそうでありますが、そういう所に直営で事業をやりますので、純の関係の人に伴う経費でございます。
 それから博物館の方はこれは直轄各部の中で、博物館の費用がありますが、その中の人件費の中に、その人々の費用が入つておるわけであります。只今御質問の文化財保護法との関係でありますが、私共承知しておりますところでは、文化財保護委員会ができました際には、大体現在文化財関係で勤務しております人間のうち七十五名くらいこの委員会の組織として入つて来るだろうという見込みを持つております。文化で十七名、博物館で二十三名、それから保真修理の関係で二十九名、管理関係で六名、そういうことにしておるわけでございます。それで文化財保護法が施行されました場合には、その七十五名で以て用を足すかどうかという問題でありますが、いろいろ事業の拡張、その他事業の円滑な運営のためには尚相当の増員を必要とするという見込を持つておるのであります。その増員の経費はどういうところから確保するかということについても、いろいろ研究いたしておるのでありますが、予算の追加獲得によりまして、その増員が新らしく純増として認められるということが第一の目標でありますが、若しそれができなければ、既定吏員の中からその方に或る程度廻すというようなことを考えましても、この文化財保護委員会の充実を期して行くということをしなければならんというつもりであります。
#80
○山本勇造君 関連してお尋ねしますが、そうしますと、ここの二億三百何万円というものの外に、博物館の九千いくらという金がありますか、この二つの金の外に、保存課の金、並びに今の話だと、芸術課の一部から分れて来るものが入つていないようにちよつと聞き取れましたが、それはそこから分れて来るものはないのでありますか。
#81
○政府委員(寺中作雄君) 芸術課ですか、文化課でなくて……
#82
○山本勇造君 文化のは全部入るのだろうと私は思うが、それから芸術課の一部からも入りませんか。例えば古典芸術保存という問題で、芸術課の一部が入つて来わしませんか。
#83
○政府委員(寺中作雄君) 芸術課からは今のところ入らない見込になつておりますが、古典芸術の保存ということは、一応現在予算に計上されておりますところの経費は、文化財委員会でやります仕事と多少方向を異にするというつもりでおるのであります。
#84
○山本勇造君 さつき言つた七十五名というは、追加予算を取らないで、今まであるものの中からやり繰りの意味ですね。あなたの言う七十五名というのは……
#85
○政府委員(寺中作雄君) そうであります。
#86
○理事(木内キヤウ君) まだ御質問があるかも知れませんが、予算の方はこれで打切つて、又次の機会にしたいと思いますが、如何でございましようか。
#87
○河野正夫君 私遅れて来たので質問が重複するといけませんので、只今質問は保留いたしますが、出席された委員から承わるところによると、本日突然説明されたので、まだ研究の時間も必要だろうと思います。これなんかの審議は又後刻に保留させて頂きたいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#88
○理事(木内キヤウ君) 予算関係の方はこれで打切ります。散会いたします。
   午後零時三十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           若木 勝藏君
           木内キヤウ君
           藤田 芳雄君
   委員
           河野 正夫君
           岩本 月洲君
           大隈 信幸君
           梅原 眞隆君
           三島 通陽君
           山本 勇造君
           鈴木 憲一君
  政府委員
   内閣官房副長官 菅野 義丸君
   文部事務官
   (官房会計課
   長)      寺中 作雄君
  説明員
   日本学術会議事
   務局長     本田 弘人君
   文部事務官
   (管理局教育施
  設部施設課長)  佐藤  薫君
ソース: 国立国会図書館
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