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#1
第096回国会 予算委員会 第11号
昭和五十七年三月十八日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     下条進一郎君     伊江 朝雄君
     山崎 竜男君     熊谷太三郎君
     志苫  裕君    目黒今朝次郎君
     太田 淳夫君     宮崎 正義君
     山中 郁子君     立木  洋君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     伊藤 郁男君     田渕 哲也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         植木 光教君
    理 事
                井上 吉夫君
                岩崎 純三君
                土屋 義彦君
                松尾 官平君
                竹田 四郎君
                矢田部 理君
                田代富士男君
                沓脱タケ子君
                柳澤 錬造君
    委 員
                伊江 朝雄君
                岩動 道行君
                板垣  正君
                岩上 二郎君
                亀長 友義君
                木村 睦男君
                熊谷太三郎君
                藏内 修治君
                源田  実君
                古賀雷四郎君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                谷川 寛三君
                長谷川 信君
                藤井 孝男君
                堀江 正夫君
                宮田  輝君
                村上 正邦君
                片岡 勝治君
                片山 甚市君
                寺田 熊雄君
                丸谷 金保君
               目黒今朝次郎君
                安恒 良一君
                山田  譲君
                大川 清幸君
                中野 鉄造君
                三木 忠雄君
                宮崎 正義君
                立木  洋君
                伊藤 郁男君
                田渕 哲也君
                野末 陳平君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       法 務 大 臣  坂田 道太君
       外 務 大 臣  櫻内 義雄君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  小川 平二君
       厚 生 大 臣  森下 元晴君
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
       通商産業大臣   安倍晋太郎君
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
       郵 政 大 臣  箕輪  登君
       労 働 大 臣  初村滝一郎君
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       自 治 大 臣  世耕 政隆君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖縄開発庁長
       官)       田邉 國男君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  伊藤宗一郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  原 文兵衛君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  松野 幸泰君
        ―――――
       会計検査院長   大村 筆雄君
        ―――――
   政府委員
       内閣法制局第一
       部長       味村  治君
       国防会議事務局
       長        伊藤 圭一君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       内閣総理大臣官
       房会計課長
       兼内閣参事官   鴨澤 康夫君
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       仲山 順一君
       臨時行政調査会
       事務局次長    佐々木晴夫君
       臨時行政調査会
       事務局主席調査
       員        山本 貞雄君
       北方対策本部審
       議官       橋本  豊君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  相場 照美君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  伊従  寛君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       防衛庁参事官   新井 弘一君
       防衛庁参事官   上野 隆史君
       防衛庁参事官   冨田  泉君
       防衛庁長官官房
       長        夏目 晴雄君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁経理局長  矢崎 新二君
       防衛庁装備局長  和田  裕君
       防衛施設庁長官  吉野  実君
       防衛施設庁次長  多田 欣二君
       防衛施設庁総務
       部長       森山  武君
       防衛施設庁施設
       部長       伊藤 参午君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   三井 嗣郎君
       科学技術庁原子力
       局長       石渡 鷹雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    赤羽 信久君
       環境庁長官官房
       長        山崎  圭君
       環境庁長官官房
       会計課長     森   孝君
       環境庁企画調整
       局長       清水  汪君
       環境庁水質保全
       局長       小野 重和君
       沖縄開発庁総務
       局長       美野輪俊三君
       沖縄開発庁振興
       局長       藤仲 貞一君
       国土庁長官官房
       長        福島 量一君
       国土庁長官官房
       会計課長     中村 博英君
       法務大臣官房長  筧  榮一君
       法務大臣官房会
       計課長      河上 和雄君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       法務省入国管理
       局長       大鷹  弘君
       外務大臣官房長  伊達 宗起君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省欧亜局長  加藤 吉弥君
       外務省条約局長  栗山 尚一君
       外務省国際連合
       局長       門田 省三君
       大蔵大臣官房会
       計課長      吉田 忠明君
       大蔵大臣官房審
       議官       矢澤富太郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       吉田 正輝君
       大蔵省主計局長  松下 康雄君
       大蔵省関税局長  垣水 孝一君
       大蔵省国際金融
       局次長      大場 智満君
       国税庁次長    小山 昭蔵君
       国税庁直税部長  吉田 哲朗君
       文部大臣官房会
       計課長      植木  浩君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省学術国際
       局長       松浦泰次郎君
       文部省管理局長  柳川 覺治君
       厚生大臣官房総
       務審議官     正木  馨君
       厚生大臣官房会
       計課長      坂本 龍彦君
       厚生省公衆衛生
       局長       三浦 大助君
       厚生省医務局長  大谷 藤郎君
       厚生省薬務局長  持永 和見君
       厚生省社会局長  金田 一郎君
       厚生省児童家庭
       局長       幸田 正孝君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       厚生省年金局長  山口新一郎君
       社会保険庁医療
       保険部長     入江  慧君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       農林水産省経済
       局長       佐野 宏哉君
       農林水産省構造
       改善局長     森実 孝郎君
       農林水産省畜産
       局長       石川  弘君
       農林水産省食品
       流通局長     渡邉 文雄君
       農林水産技術会
       議事務局長    岸  國平君
       水産庁長官    松浦  昭君
       水産庁次長    山内 静夫君
       通商産業大臣官
       房審議官     斎藤 成雄君
       通商産業省通商
       政策局長     若杉 和夫君
       通商産業省貿易
       局長       中澤 忠義君
       資源エネルギー
       庁長官      小松 国男君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        高橋  宏君
       中小企業庁長官  勝谷  保君
       運輸大臣官房長  角田 達郎君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       運輸省航空局次
       長        山本  長君
       海上保安庁長官  妹尾 弘人君
       郵政大臣官房経
       理部長      奥山 雄材君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
       郵政省簡易保険
       局長       小山 森也君
       郵政省電気通信
       政策局長     守主 有信君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省都市局長  加瀬 正蔵君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
       消防庁長官    石見 隆三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     御園生圭輔君
       会計検査院事務
       総局第三局長   坂上 剛之君
       会計検査院事務
       総局第四局長   高橋  良君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      橋元 雅司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(植木光教君) まず、一般質疑についての理事会における協議決定事項について御報告をいたします。
 審査日数は六日間分とすること、質疑時間総計は八百四十一分とし、各会派への割り当ては、自由民主党・自由国民会議及び日本社会党それぞれ二百六十一分、公明党・国民会議百四十五分、日本共産党及び民社党国民連合それぞれ五十八分、新政クラブ及び第二院クラブそれぞれ二十九分分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(植木光教君) それでは、これより片岡勝治君の一般質疑を行います。片岡君。
#6
○片岡勝治君 過般、私は総括質問にも参加させていただきましたが、その具体的な内容について、さらにこの機会を利用いたしまして質問を続けさしていただきたいと思います。
 第一番目には、防衛問題についてでありますけれども、そのうち最初に文民統制、いわゆるシビリアンコントロールに係る問題について二、三お答えをいただきたいと思います。
 最近、軍拡の旗が高く振られまして、各方面で論議が行われております。このことは私も大変結構だと思うわけでありますが、しかし、いわゆる退官自衛官、しかも最高幹部クラスの自衛官で退職をした後の言動について、率直に言って非常に不快な感情を持つわけであります。具体的に申し上げますならば、自衛官のうち退職間際にいわゆる政府の防衛政策に対して批判をする、あるいは具体的に防衛庁の政策に反対するような言動をする、こういうことが間々あるわけでありまして、こういうことについて、まあ、やめちゃった者は言論が自由だと言えばそれまででありますけれども、防衛庁としてどのような御感想をお持ちか。
#7
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生仰せのように、近代民主主義国家におきまして政治の軍事に対する優先がぜひとも確保されていなければならないことは仰せのとおりでございます。防衛庁におきましても、基本政策の決定に当たりましては内部部局、また、各幕僚監部等の責任者がそれぞれの立場から隔意のない意見の交換を行い、それらの議論を踏まえまして、防衛庁長官がこれを決定することにしております。したがいまして、いろいろの御発言があるようでございますけれども、そういう特定の発言によって防衛庁の政策決定が左右されるというようなことは決してないわけでございまして、いわゆるシビリアンコントロールが形骸化しているというようなことにはならないというふうに考えております。
#8
○片岡勝治君 そういう発言があったからすぐ動揺して云々ということではないであろう、それはそうだろうと思うのですけれども、そういう現象に対して何か御感想があるかどうかということを伺っているんです。気分がよろしゅうございますか。いま具体的にこれから申し上げますけれども、そういうような言動に対して何か感想があるか。なければ、ないということをはっきり言っていただければ結構なんです。
#9
○国務大臣(伊藤宗一郎君) いろいろ傾聴すべき意見もありますし、また、傾聴に値しない意見もあります。
#10
○片岡勝治君 たとえば、こういうことを言っているんですよ。「日本は防衛政策を決めるにあたって制服の意見をきかない。重要な防衛政策――専守防衛、非核三原則、GNPの一%以内、大綱など――の決定には必ずしも制服の意見が反映していないんです。」国会でまずキャッチフレーズが決められる。言葉が先にできる。「それが防衛政策や第一線部隊を拘束していく。専守防衛などは政治用語だ」こういうことを言っているんですよね。これはもちろん退官した人ですよ、本人。どうですか、こういうことは。
#11
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 専守防衛はわが防衛政策の基本でございまして、これは少しも曲げてはならないものと考えております。
#12
○片岡勝治君 いま、たまたま専守防衛だけ取り上げましたけれども、われわれ国会としても聞き捨てならぬ言葉なんですよ。しかも、これは竹田統幕議長ですか、前統合幕僚会議議長までやられた方ですよ。いわば自衛隊の現場の最高責任者。そういう人が、いや実は専守防衛なんて政治用語だと。それから非核三原則、GNP、大綱というのは基本大綱でしょう、防衛大綱、これはキャッチフレーズが先に決まるのだ。それは前統幕議長が言っているんですからね。こういうことについてどう思いますか。間違いだったら間違いと防衛庁、はっきり言うべきじゃないですか。
#13
○国務大臣(伊藤宗一郎君) まあ、それぞれ表現の自由、言論の自由、発表の自由もございますので、すべてこれをそうではならないというわけにはまいりませんけれども、私も就任以来、若干のそういうような御発言を耳にしたり日にしたものですから、好ましくないようなことにつきましては何人かの方とお目にかかって意見の交換をし、できますならば、われわれがいま堅持しております防衛政策について、たとえ退官後といえども、われわれの防衛政策に御協力をいただくように努力をしたという経緯もございます。
#14
○片岡勝治君 防衛白書について、私は本会議でも批判をいたしました。日本の防衛政策について私は多くの意見を異にする一人でございますけれども、それはさておきまして、防衛白書で何を言っているかといえば、防衛庁の防衛の考え方はこうだ、こういう点について国民の理解を求めたい、コンセンサスを求めたいと、相当情熱を傾けて説いているでしょう。しかし彼らは、冗談じゃない、あんなものはインチキだと言わんばかりの評判じゃないですか、自衛隊の幹部は。もしそういうことを許しておくのならば、防衛白書でそういう国民のコンセンサスなんということを書かない方が気がきいているのじゃないですかね。しかし、私はもっと非常に何といいますか気分を悪くするのは、みんな退職間際の発言ですよね。どうせ首切られたってもともとだ、マスコミで騒がれれば退職してから防衛評論家になる、雑誌に記事が載れば有名人になって食うに困らない。こういうやり方については厳しく糾弾すべきだとマスコミは言っていますよ。つまり防衛庁の政策について反対し抵抗する、そういうことを退職間際にやれば退職後の生活の保障になるんだ、こうマスコミは言っているんですよ。そんなことをやっていてあなた方が防衛白書で、こういうことは大げさかもしらぬけれども、偉そうなことを言っていたって、国民は嘲笑しますよ。どうですか。
#15
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 一つ一つの発言がどういうことであるか全部私も掌握しておりませんけれども、御指摘のようなことがあるということは潔い態度ではないというふうに考えておりますし、また、いやしくも何年間か自衛隊の中にあって、自衛隊の健全な成長のためにそれなりの努力をされた方々が、退職間際にそういうような発言をされるということは、先ほども申し上げましたとおり潔い態度ではないというふうにも考えておりますし、そういうようなことで、先ほども申し上げましたとおり就任以来何人かの方にお目にかかって、われわれがいまとっております、またあなた方がつくり上げてきた自衛隊が、なお一層健全な成長をしていくために十分な御協力をいただけるように話し合いをした経緯はあります。
#16
○片岡勝治君 いわば自衛隊の先輩クラスということであるかもしれませんけれども、しかし、こういうことを少なくとも許しておくということについては、仮に言論の自由があるにせよ、私はけじめをもう少しつけるべきだと思うのですよ。しかも、退職間際に暴言を吐いて、首になってもともとだというような魂胆があっての上では、それは許すべからざることだと思うのですよ。すべて例がそういうことですからね。現職中にやれば退職させられるということで、退職間際をねらってやるなんというのはひきょうですよ。こういう点についてはひとつ、現に自衛隊の幹部の皆さんが相当数いるわけでありますから、現職のうちに厳しく教育をして、二度とこういうことによって国民のひんしゅくを買うようなことをなくすべきだと、この点をしかと申し上げておきたいと思うわけであります。
 次に、F4の問題につきましても、昨日も矢田部理事初め皆さん方からいろいろ論議がされましたけれども、この取り扱いにつきましても文民統制というものがその機能を果たしていない、私たちはそう見ざるを得ません。これはわれわれだけではなくして、新聞等の社説まで取り上げて、一体文民統制、シビリアンコントロールはどこへいったのか。総理も知らない、大蔵大臣も知らない。そういう中でこっそり予算が組まれ、そしてたまたま衆議院において大出議員の指摘があったからこういう問題になりましたけれども、それがなければこっそり改修されたに違いない。こういう事例を見ますと、せっかく防衛政策について政治的なチェック機能を果たすべき第一段階の、もちろん国会もそうでありますけれども、国防会議の機能が果たされていないではないか、こういうことを言わざるを得ない。この点について、つまりF4に係るシビリアンコントロールについて一体どうお考えなのか。
#17
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 本委員会におきましても再三申し上げておりますように、御指摘の今回のF4EJの試改修というものは代表機一機に対して行ってみます一つの試みの改修でございまして、これが成果が得られまして将来本格的に能力向上のための改修をするかどうかということは、そういう成果を見まして判断をすることになるものでございまして、したがって今回の試改修は、防衛庁長官の責任と権限の範囲内で行い得るものであるという考え方で予算をお願いをしておるわけでございまして、シビリアンコントロール上問題があるというふうには私どもは考えていないのでございます。
#18
○片岡勝治君 試改修をするのだからどのくらい金がかかるとか、あるいはそれによってどういう機能になるのか、そういう点でということだけならばいいけれども、一つの理屈であろうけれども、この統一見解によれば、その機能は、最近の軍事技術の進歩を考慮すれば、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるとの誤解を生ずるおそれはない、これはF4に係る将来の問題までも拘束する判断ですよ。単なる改修ということを越えて、F4は攻撃的脅威を与えるものではない、こういう判断をしたんでしょう、防衛庁長官は。これはもう国防会議なんか必要ないんですよ、こういう判断によって改修をするということは。仮に国防会議に諮っても、この考え方をひっくり返すことが行政上でき得ますか、政治的に。そういう可能性はありますか。
#19
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほど申し上げましたとおり、この試改修によりまして所期の成果が得られまして、約百機程度に及ぶF4EJを量産改修するという場合には、国防会議に付議することになるものと考えておりまして、その際、ただいまの先生の御論議なども踏まえ、国会全体の御論議なども踏まえまして、爆撃機能の改善を含む能力向上の内容については国防会議において検討、判断されることになるわけでございまして、その国防会議の検討、御判断にわれわれはまつということになるわけでございます。
#20
○片岡勝治君 そういうことにはならないんでしょう。すでにあなたは、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるとの誤解を生ずるおそれはない、そういう判断をしたのですよ。そもそもこういう判断は、そのあなたの答弁から言えば国防会議でやるべきなんでしょう。国防会議に諮って改めてそういう判断についてやると、こういうことですけれども、もうやっちゃっているじゃないですか。このことを国防会議に諮って、これをひっくり返すということは事実上でき得ませんよ、それは防衛庁が判断をして。だから、シビリアンコントロールというのは、事実上国防会議なんというのは名目だけに終わってしまうではないか。つまり防衛庁の統一見解は、いろいろな段階のシビリアンコントロールがあるわけでありますけれども、それを乗り越えて、一段階乗り越えてすでに判断をしちゃっているではないかということなんですよ。あなたの判断がそのままずっと今後持続するということになれば、何も国防会議に諮る必要はないじゃないかということになるんですよ。この点についてはどうですか。
#21
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 今回の試改修についての判断は、私、防衛庁長官の権限と範囲内でやらしていただいたわけでございますけれども、いやしくも百機以上の、百機程度の量産の能力アップということになりますならば、相当な防衛力の増加になるわけでございますから、それは私が一機について判断をしたということとはまた別の角度から、国防会議で御論議なり検討なり御判断をいただくということになるわけでございまして、防衛庁としては、そういう検討なり判断の結果、百機程度のものについては御判断を仰ぐということになるわけでございます。
#22
○片岡勝治君 百機まとめて判断をするのじゃなくて、一機一機この飛行機の性能を検討した上でやるわけでしょう。つまり、攻撃的脅威を与えるかどうかは、百機だったら与えるのであって、一機だから与えないという判断でこの改修についていろいろ意見があるわけじゃないんですよ。一つの飛行機の機能を判断していままでストップしてきたわけでしょう。まあこれをいつまでやっていてもしようがありませんから、そういうことを考えてみましても、シビリアンコントロールというものが機能していない。これは衆参審議を通じましてもそういう点は厳しく指摘されているわけでありますから、十分な配慮をお願いをしたいと思うわけであります。
 次に、防衛白書の問題でありますけれども、白書についてお聞きいたしますと、閣議決定によるもの、それから各省が自由に、自由にといいますか、閣議決定を経ないで出せるものも相当数あるわけでありますけれども、いやしくも日本の防衛政策について、防衛庁のみ、防衛庁の判断のみでこの日本の防衛の現実及びその展望を出すということについては問題がある。まして最近、総合安全保障政策ということが強く言われているわけでありますから、私は、防衛白書については政府の防衛政策、そういうふうにいたしまして、もう少し広い視野に立って日本の防衛政策を国民に訴えるなら訴えるという方針をとるべきである。この点についてはいかがですか。
#23
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 毎年出しております防衛白書は、従来も、先生御指摘のように総合安全保障の必要性、総合安全保障という角度からその必要性に言及をするとともに、防衛問題に対する国民の認識なりコンセンサスを的確にやらせていただくということに資するために、わが国の防衛をめぐる諸問題についてできる限り冷静かつ客観的に記述をしておるわけでございます。
 また、そのためには、部外の方々の御意見等も十分拝聴しておるようでございますけれども、私も就任以来、早速五十七年度の防衛白書の作成に取りかかっておるわけでございますけれども、従来以上に、先生御指摘のような、広範な国民を代表する方々の御意見もぜひ五十七年度の防衛白書に取り入れたいということで、若干のミーティングなども私を中心にいまやっているところでございまして、なお、先生の御指摘のことは、特に念を入れて広範な国民のコンセンサスが得られるような、そういう防衛白書をつくり上げたいと目下努力中でございます。
#24
○片岡勝治君 閣議決定を経ない白書が、私の手元に資料があるので見れば十九、閣議決定を要するものが十二あるわけでありまして、内容を見ると、たとえば経済白書などは閣議決定を経ないで出せる。この白書の発行について、もう少し整理統合する、あるいは重要なものは閣議決定をする、こういう何といいますか見直し、再検討を私は必要とすると思うのですが、これは官房長官、何かその点についてお考えあれば、この際、御発表いただきたいと思います。
#25
○政府委員(夏目晴雄君) 政府全体の白書類の取り扱いについて私の口から申し上げる立場にございませんが、防衛庁の白書については、ただいま先生の御指摘のとおり、閣議決定を要するようなものになっておらず、現行のやり方としては閣議に報告し了承を得ているという意味で、政府全体の意思統一が図られているものであるというふうに理解しております。
#26
○片岡勝治君 それじゃないんですよ。了承を得ないんですよ。ちょっと政府の、いまの防衛白書じゃないんですよ、白書全体のこと。
#27
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は恐縮でございますが、私も従来余りつまびらかに存じておりませんでしたが、確かに二種類ございまして、閣議に報告をするものと閣議で決定をするものとあるようでございます。
 そうして、閣議で決定いたしますものは、法律の規定によりまして国会に対する報告を義務づけられているもの、これらが主として閣議決定を受けて国会に報告されておる、それ以外のものは閣議に報告をされておる、こういうふうに分けられておるように聞いております。
 なお、私自身つまびらかでございません点もございますので、もう少しいろいろなことを検討させてみていただきます。
#28
○片岡勝治君 次に、非核三原則について、あるいは事前協議について二、三さらに質問をしたいと思います。
 非核三原則は、日本の自主的な一つの憲法による、あるいは専守防衛による基本政策でありますけれども、この国際的といいますか、世界的な意義、影響力というものが非常に大きいと思うんで促すが、政府はどのようにその点を考えているか。
#29
○国務大臣(櫻内義雄君) 非核三原則の問題でございますが、このことは、わが国の重要な方針として国際的にも明らかにしておるところでございまして、それなりの各国は評価をし関心を持っておるものと思います。
#30
○片岡勝治君 私は、もっと積極的にこのように理解をするわけです。
 日本の非核三原則というのは、日本の防衛あるいはもっと広い意味の軍事という立場から考えてみても、将来とも核兵器を持たない、つくらない、持ち込ませないということは、こういうことを言っていると思うのです。日本は核兵器によって攻撃はしませんよ、核兵器によって他国を脅迫しません。だから、われわれは核兵器を持たないし、つくらないんだ、こういう積極的な意味があると思うのです。しかし、そんなことを言ったって、アメリカの核兵器がこっそり持ち込まれているではないかというような批判がもし出てくるとすれば、もはやそういうことを言ってもそれは口先のことになる。したがって、非核三原則の最も日本は重要な段階に来ておりますけれども、それは何かと言えば、絶対に持ち込みを許さない、これをあくまでも遂行していけば、堅持していけば、世界に対する日本の非核三原則の影響力の大きさというものを示すことができるわけであります。いま、率直に言って、このことが非常に重要な課題になっているわけであります。
 そこで、私はこの前も申し上げたのですけれども、核の抑止力について、日本が非核三原則を持っているから核の抑止力について余り発言力がない、アメリカに対してとやかぐ言うわけにはいかないというもし論理があるとすれば、それは大きな間違いであると思うんですが、この点については政府はどういうお考えですか。つまり、非核三原則とあなた方の言う核の抑止力、この関係について。
#31
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 今日の国際社会の平和と安定が、核を中心とする東西間の軍事力のバランス及びそれに基づく抑止の上に保たれておりますことは、否定のできない現実でございます。したがいまして、非核三原則を堅持しているわが国としては、いかなる核の脅威に対してもアメリカの核抑止力に依存をしているわけでございまして、このような核抑止力というものは、わが国の防衛のためには必要なものと考えております。
#32
○片岡勝治君 それじゃ矛盾があるでしょう。それで核軍縮を、総理みずから行って、でっかい演説をぶとうということですからね。この点はどういうことなんですか。
#33
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 私がいま申し上げました米国の核抑止力は、アメリカの核兵器がわが国の防衛のために使用され得る可能性があるという事実、事態に基づくものでございまして、このようなアメリカの核抑止力が働く上で、アメリカの核兵器が日本の領域内に存在しているという必要は必ずしもないものと考えております。したがいまして、非核三原則とアメリカの核抑止カベの依存が矛盾することはないと考えております。いずれにいたしましても、わが国としては、いかなる核の脅威に対しても、アメリカの核抑止力に依存することによってわが国の平和と安全を確保することとしているものであります。
#34
○片岡勝治君 この点はひとつしかと心得て、いまも御答弁がありましたけれども、日本の領域内に核の存在を必要とはしないと、つまりあなた方の言う核の抑止力というものを、仮にその論理を妥当なものといたしましても、日本の領域内に核を必要としない、こういう明確な答弁ですから、この点はしかと心得て非核三原則を厳守していただきたい。したがって、核抑止力があるのだから非核三原則についても多少の配慮をしなければならないという意見が最近出てきているようでありますけれども、それは誤りであると、こういう点を明確にひとつここで御発言いただきたいと思います。
#35
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 防衛政策上、非核三原則はあくまでも堅持してまいらなければならないと考えております。
#36
○片岡勝治君 核の抑止力について云々でありますけれども、私は日本が非核三原則を厳守することについていささかの矛盾はない。むしろ非核国に対して核保有国はその安全を保障すべきであると、こういうことが、この前も指摘されたとおり核防条約なんです。しかも核軍縮をやれと、こういうことがいま核保有国に課せられた政治責任であるわけでありますが、この責任を果たしていないのは米ソを初めとする核保有国である。そういう点を明確にして、核軍縮その他、軍縮にひとつ努力をしていただきたいと思うわけであります。
 さて、前回も指摘いたしました事前協議の問題でありますが、政府それから外務大臣の答弁の中で、佐藤元総理の発言を引用いたしまして私の質問に答弁いたしました。しかし、私もその速記録の前後をよく読んでみますと、必ずしも政府の答弁は佐藤元総理の答弁を正確にその趣旨を理解していない。つまり、ここで言っているのは、具体的に申し上げれば、米軍の重要な装備なり配備なりの移動がある場合には事前協議をしなさいということであるけれども、たとえばその軍の編成がどうだ、あるいは海軍の場合には、一機動隊の移動の場合でありますけれども、その場合に、戦艦が何隻で巡洋艦が何隻で潜水艦が何隻で、その潜水艦には核兵器がある、ない、そういうことまでは、これは軍の機密にわたることだから発表できないかもしれない、この答弁をずっと見ると、そういう趣旨なんです。これを質問したのは当時社会党の楢崎さんであったわけでありますけれども、そういう軍の具体的な秘密事項について、これは発表できないのは当然だろう。そうでないものについては発表する、そういうふうに確認をするということで結んでいるわけですよね、答弁を。それに対して反論がない。ですから私は、つまり事前協議の公表あるいは非公表の問題については、この前の答弁とはちょっと趣旨が違う。この点を指摘しておきます。これは理事会預かりになっておりますから、私がここでさらに質問を続けるということは理事会の方にも御迷惑がかかると思いますので、この点を指摘するだけでこの項は終わっておきたいと思います。
 次に、科学技術関係について二、三お伺いをいたしますが、最近、古くなった原子炉をつくり直すというようなことが新聞紙上に報道されましたが、それについての基本的な考え方についてお伺いをしたいと思います。
#37
○政府委員(石渡鷹雄君) お答えいたします。
 その任務を完了いたしました原子炉の廃止の処置につきましては、安全性の確保を大前提として、なおかつその跡地の有効利用にも十分配慮して行う必要があるというふうに考えているわけでございます。
 わが国の場合、実用発電炉の廃止ということが現実の問題になりますのはまだ十五年程度先のことと考えておりますが、国土の狭溢なわが国の状況を勘案いたしまして、一層経済的かつ安全な解体技術の技術開発をいまから進めておく、そしてこの国情に適した対策を確立しておく必要があるというふうに考えているわけでございます。
 先般、原子力委員会に設置されました廃炉対策専門部会の報告書が提出されたわけでございますが、この原子炉の廃止の基本的な考え方といたしまして三点を掲げてございます。
 まず、安全の確保ということでございます。これはやはり作業環境の放射線防護、さらには、周辺公衆への被曝の防止等に対して万全を期すべきであるというのが第一点。第二点は、炉の廃止措置後におけるその敷地の有効利用ということでございます。それから第三点は、廃止をいたしますに当たって地域社会との十分な協調を図ると。これは当然のことでございますが、この三つの点が基本的な考え方として掲げられております。
 こういうことを考慮いたしまして、現在、諸外国におきます経験から、なるべく早く解体撤去して更地にしてさらに有効利用するという方向が基本になりますが、その中間段階において密閉管理あるいは遮蔽隔離という処置も考えられる。いずれにしろ、最終的には再び発電所の用地として継続利用されるのが望ましいということでございます。これは一つの専門部会の考え方でございますが、いろいろむずかしい問題も確かに含まれておりますので、この報告書を受けまして、さらに原子力委員会といたしましてそこに含まれております諸問題について検討をいまから進めまして、廃止処置が円滑に実施できるのだという体制を確立しておきたいと、このように考えている次第でございます。
#38
○片岡勝治君 原子炉の問題につきましては関係付近住民が非常に大きな関心を持っているわけでありますから、関係住民との話し合いを十分やって、民主的に運ぶよう切望しておきます。
 この際、中川長官にお伺いいたしますけれども、この前どなたかの質問の答弁で、科学技術についてもっと軍事的研究をやるようにしろというようなことについて、残念ながらいま科学技術関係についてはそういうシステムになっていない。残念ながらという言葉を使っておるんですが、そうじゃなくて私は、胸を張って、おれは幸いにして戦争技術、科学技術の研究の責任者ではない、平和のための科学技術研究だという、そういう姿勢を国民は期待していると思うのですよ。この点について長官どうですか。
#39
○国務大臣(中川一郎君) 先般の御質問に対して、確かに残念ながらという言葉を使いましたが、残念ながらという意味は、御期待にこたえられないという意味で残念ながらであって、この研究ができないことが残念であるということではありませんで、科学技術を担当する者としては胸を張って平和的な科学技術について一生懸命やっていきたいと、こう思っておる次第でございます。
#40
○片岡勝治君 中川さんもその顔に似合わずやさしいところがあると、やっぱり平和のためにおれはがんばるといういまの発言について私は見直しました。大いにがんばってください。
 次に、軍事技術研究について一つ心配することは、アメリカとの技術協力については、ずばり言えば、アメリカの核戦略というものの一翼を担うということにならざるを得ないと思う。核弾頭そのものについての研究あるいはしないかもしれぬけれども、それを運搬する機能あるいは誘導する機能、そういうものが当面の私は軍事技術の緊急な課題になっておると思う。それに日本が協力するということについては、これは憲法上問題があるのではないか。あるいは非核三原則の上でも、あるいはまた武器輸出の上でも関係があるのではないか。この点について、関係大臣のひとつ見解を承りたいと思います。
#41
○国務大臣(安倍晋太郎君) 軍事技術につきましては御承知のように、武器輸出三原則並びに政府の見解によりまして、武器技術の輸出並びに提供は行わないと、こういうことになっておるわけでございますが、御承知のように昨年来アメリカから武器技術についての交流が求められております。これは、いままでアメリカが一方的に日本に対して武器技術を提供しておる、これに対して一方交通でなくて相互交流にすべきだと、こういう要請があるわけでございます。そうした情勢の中に政府といたしましては、安保条約との関係もあるわけでございますので、そういう点も踏まえながら目下関係省庁間で検討を進めておるわけでありますが、まだ結論には至っておりません。
#42
○片岡勝治君 結論が出ていないということでありますからやむを得ませんが、私はそういう点で、つまりアメリカの核戦略を中心にしたそれを補完する技術協力というものが当然出てくると思うので、この点については日本のこれまでの基本政策に基づいて、断固たる態度でもって臨んでいただきたいと思います。
 次に、本会議でも私は質問をいたしましたが、米軍ジェット機の墜落事故のその後の状況、つまり事故原因が明確になったのか、責任はどこにあるのか、補償は完全に解決したのか。あわせて、厚木基地の、現在非常に騒音が激しいということで最近市長がじきじきに施設庁あるいは防衛庁に陳情に来たと思うのですけれども、一体このことは、どうしてそのような最近騒音が激しくなったのか。これまでの方針に反して米軍が猛烈な練習をやっておりますけれども、その規制はどうなっているのか。この点をあわせてお答えいただきたい。
#43
○政府委員(吉野実君) 横浜の米軍機墜落事故のその後の状況でございますけれども、米軍機墜落事故による損害賠償につきましては、四十九世帯について完了いたしまして、なお四世帯が残っておるということになっております。特に、先ごろ亡くなられた和枝さんにつきましては、これまで医療費、看護料等を月々支払い、またその療養にはできる限りの御協力をさしていただいたわけですけれども、このたび不幸な事態になって、まことにお気の毒といいますか悲しみにたえないわけですけれども、遺族賠償、慰謝料等につきましては今後誠意をもって対処する考えでございます。なお、現在までに事故関係の補償費の合計は五億二千万をちょっと超えているところであります。
 それから、責任の追及の話がございましたけれども、この事故は横浜市で発生したのでありますけれども、原因については、当該航空機のエンジンのアフターバーナーの組み立て不良が原因となって火災が発生し墜落したと、こういうふうに判明しているわけです。米軍といたしましては、アフターバーナーの組み立て不良の防止措置についてマニュアルを改正するような措置をとったり、また航空機の整備点検、飛行の安全を引き続き最重点事項とするなどの事故再発防止に努力していると私どもは承知しておりますが、政府としては、今後とも米軍に注意を喚起し、事故の防止に最善の努力を尽くしてまいりたい。なお、パイロット等の刑事責任については、私どもの所管ではございませんけれども、昭和五十五年十二月、横浜地方検察庁が不起訴処分の決定を行ったと、こういうふうに承知をしているわけでございます。
 次に、厚木の飛行場における米軍の訓練の話でございますけれども、空母ミッドウェーが長期間入港しておりまして、それに関連しまして操縦士の練度を維持するために着艦着陸訓練が必要だと、こういうことで、今月十日までの間、着陸訓練が行われたと承知しております。訓練の時間はおよそ五時から十時までということでございますが、日によって機数は異なりますし、一日に五機ないし十機程度と、これまた承知しているわけです。この種の訓練は必要不可欠なものとは考えますけれども、夜間にわたることでもありますので、訓練の実施に当たりましては、合同委員会の合意によりまず各種の規制並びに周辺地域に対する安全について重々配慮するよう私どもの方からも申し入れておりますし、米軍もそれを尊重していると私どもは承知しているわけでございます。
#44
○片岡勝治君 そういう米軍の方に申し入れをしていると言うけれども、ほとんどそのことが実施されていないんですよ、現実には。市長の方の請願、陳情があったと思うんですが、どういうことを訴えていますか、市長の方は。
#45
○政府委員(吉野実君) 綾瀬、大和、相模原及び座間の市長から文書によりまして抗議が来ておりますけれども、夜間の着陸訓練の自粛を要請する、受忍の限度を超えることがある、飛行訓練の停止について米側に要請するよう要望する、訓練の自粛を要望する、合同委員会合意の厳守を要請する、以上の趣旨の抗議であります。
#46
○片岡勝治君 いまの市長の指摘のとおり、合同委員会の基準といいますか、そういうものが守られていないよと、こういう指摘ですから、これはもう防衛施設庁の方ですか、そういう現実に対してただ申し入れをしただけでは市民は納得しませんよ。
#47
○政府委員(吉野実君) 厚木のミッドウェー艦載機の着陸訓練につきましては、だんまりで米軍が実施したわけではございませんので、その前にわれわれの方に何回も接触がありまして、こういう形でやりたいと、たとえば四機で飛びたい、こういう話がありました。私の方は四機ではいかぬと、合同委員会の合意によれば二機であるよと、そういうことで向こうと調整をして、それを守るということで訓練のスタートをしたような次第でございまして、われわれの方として手をこまねいていたわけでは決してございません。
#48
○片岡勝治君 これは国会でも問題になったのでということで再度厳重に申し入れをして、その後どういう状況か施設庁でも調査をしていただきたい。お約束できますか。
#49
○政府委員(吉野実君) 常にこういう訓練をやっておるわけではございませんので、長期間ミッドウェーというか航空母艦が停泊していると、そういうときにどうしてもその艦載機のパイロットのために訓練が必要だということで、今回われわれの方でやむを得ないだろうと、こういうふうに言ったのでありまして、年がら年じゅうやるという性質のものではございません。国会でも、もちろん先生の御趣旨も十分存じておりますので、私の方は再度米軍に対して、合意議事録といいますか合同委員会の規制の範囲内で厳守して、しかも事故を起こさないようにということをさらに徹底させようと思っております。
#50
○片岡勝治君 次に外交問題についてお伺いいたしますが、最近――最近というか、きのうおとといですが、ソ連からヨーロッパの核の凍結等を含む軍縮提案というか、そういう提起が行われたわけであります。これに対して各国それぞれ反応をいたしておりますが、日本としてはこの提案についてどう受けとめておられますか。
#51
○国務大臣(櫻内義雄君) ブレジネフ書記長の中距離核ミサイル新規配備の凍結のことでございますが、このSS2〇の性能からいたしますと、仮に今回の御提言のような欧州部において配備を凍結いたしましても、ウラル地区に配備されておりますならば欧州はその影響下に置かれる、こういうことでございまして、果たしてこのブレジネフ書記長の言われておることが、現実にそういうものの配備を削減してもらいたいという、そういう要望に沿うものかどうかということについては疑念があるわけでございます。
#52
○片岡勝治君 アメリカの方はいわゆるゼロオプション構想といいますか、そういうものを発表してソ連が全面的に拒否をする。今度はブレジネフ提案があればアメリカが拒否をする。率直に言って、こんなことを繰り返していて一体核軍縮ができるのかどうか。私はアメリカに対しても大いに意見があるし、ソ連に対しても、一体社会主義国が云々と胸を張るのならばもう少しソ連でも考えでいいのではないか。いずれにいたしましても、こういうことを繰り返しておって、今度の軍縮総会はただ各国が来て演説をして終わるという、そういうことになりかねないと思う。
 そこで私は、日本が非核三原則を持っておるということもこれあり、やっぱりこういう機会に日本として、つまりアメリカの言うことだけを聞くのじゃなくて、それを受けとめるのではなくて、もう少し第三者といいますか米ソから離れて世界的な、国際的な立場に立って、日本としてはこう思うと言うようなことがこういう機会に、あらゆる機会にあっていいと思うんですが、日本の発言は全然見えない。さびしいと思うんですよ。これについてひとつ外務大臣何かお考えがありますか。
#53
○国務大臣(櫻内義雄君) 片岡委員のおっしゃることは私も同感でございます。そこで、現在米ソ間におきましては、昨年の十一月三十日以来中距離核戦力の削減交渉というものが行われておるが、これはなかなか進まない。しかし、何とかこの交渉が前向きに進むように期待をしておるわけでございますし、また西側先進諸国は、オタワ・サミットの協議の模様をごらんいただきましてもおわかりのように、でき得る限り低いレベルの軍事力の均衡と、そういうことを期待しておるわけであります。
 さらに、核軍縮のことにつきましては、鈴木総理はこの委員会の席上、あるいは本会議場を通じましてしばしばおっしゃっておられるわけでありますが、日本は被爆国として核軍縮の徹底は期したいと、そのことは来るべき軍縮特別総会においてもそのことを中心として日本の主張をしたい、こういうことを申しておるのでございまして、片岡委員のおっしゃっている御趣旨については私も同感するものがございます。
#54
○片岡勝治君 時間もありませんので、さらにこの問題について論議をしたいのでありますけれども、他の委員の質問に譲りまして、まあ率直に言ってこういう機会をどんどん使って、利用してお互いのコンセンサスを求めていく、その努力をぜひ日本がやるべきだ、日本が先頭を切ってやるべきだと、こう思うわけです。あと、この外交関係で二、三お伺いしたい事項がありますが、時間の関係上省略をさせていただきたいと思います。
 次に文教関係で、この前総括質問で質問をいたしました。新聞に載った資料を提出をしてくれ、こういうことを申し上げたところ、けさほどメモが届いて、これは秘密だから公表できない、こういうことでありますが、その理由。
#55
○国務大臣(小川平二君) 教科書の検定に際しましては、申請されております図書が教科用として真に適切であるかどうかということを厳正な態度で判断をいたしております。その際、一つの手法として、採点による方式を用いまして一定の点数以上を合格とする、かようなやり方を教科用図書検定調査審議会が用いておりますことは事実でございます。これは、判断を公正かつ客観的ならしめるという趣旨から見て適切なやり方だと考えておりますが、申すまでもなく、あらかじめ基準を設けてやっておることでございまして、配点の操作をしておるというような事実はございません。
 資料を提出せよという御要求でございますが、これは教科用図書検定調査審議会の内規でございますから、従来これを外部に公表するというような扱いはいたしておりません。したがいまして、にわかにお求めに応ずるということは遺憾ながらいたしかねる次第でございます。
#56
○片岡勝治君 新聞にも公表されておるのに、国会で要求してどうしてくれないんですか。
#57
○国務大臣(小川平二君) これは、申し上げましたように、教科用図書検定調査審議会がみずからお決めになった内規でございますから、それにふさわしい取り扱いを従来いたしてきておるわけでございます。ただ、たってのただいまお申しつけでございます、国会からの御要求がありますれば、まず審議会の御意見を承った上で決定いたしたいと思います。
#58
○委員長(植木光教君) 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#59
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。
 本問題につきましては理事会で協議いたします。
#60
○片岡勝治君 教科書に関係していつも教科書無償の問題が予算編成期に論議されますけれども、これを何か材料にして予算の揺さぶりが行われているわけです。そういうことを二度と繰り返さないために、はっきりこれは大蔵大臣からも御回答いただきたいのですよ。教科書無償、いつもそれを揺さぶりをかけられていろんな予算獲得の材料に使われる、そういうことは今後一切やらない、こういう点、大蔵大臣、文部大臣の考え。
#61
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はそれとまた違う考えを持っておりまして、ともかくこういうような財政事情であるから、月割りにすれば小学生で二百円ぐらい、中学生でも三百円足らずというようなことで、教科書が各家庭で持てないというような経済事情にはない、したがって税金で出すか各自が持つかというだけの話でございますので、何とかこれらについては御理解いただけないかということで、むしろ文部省等に対しまして御理解をいただくために大蔵省の方はやっておるというので、それがなかなか理解点に達せられないで現在に至っているというのが実情でございます。
#62
○国務大臣(小川平二君) これは改めて申し上げるまでもないことでございますが、この制度を導入いたしました趣旨は、憲法の規定しております義務教育無償の精神をより幅広く実行に移していこうというのがこの制度の趣旨でございます。次の時代を担う少国民に対して、りっぱな頼もしい国民になってくれよ、こういう願いを込めて国が贈っておるプレゼントでございまして、国と生徒児童を結びつけておるただ一つのきずなでございますから、あくまでこれは堅持すべきものだと考えております。
#63
○片岡勝治君 文部大臣のひとつ決意を信頼をいたしまして、今後の御検討をお願いをしたいと思います。
 最後に、行革に関連して一、二申し上げます。
 昨日ですか一昨日、行革委員会でパーティーを開いたそうでありますが、まあ、たまにこういう間があっていいと思うんです。そのことを私は追及をいたしません。行革に並行してということではないけれども、いま各種の審議会がたくさんありますね。これがどんどん審議をしているわけで、そのこと自体悪いものではありませんが、道路審議会が最近提言を行った。結論から言えば、道路は大事だと、道路予算は削るな、こういう予算獲得のいわばバックアップ。各種審議会がいまどんどんどんどん審議を継続をしているわけですが、こういう活動についてと、臨調、行革について長官はどういうふうに考えておられますか。
#64
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会は包括的な行政の検討をやっております。道路審議会とかあるいは社会保障制度関係の審議会とか、それは一つの特定の項目を中心にしてやっておられます。特に審議会によりましては非常に中長期的な、遠大な国策を述べているのもございますし、あるいは目前の対処的方策を述べておるのもございます。道路審議会のような場合は、かなり国民の願望を踏まえたウィッシュフル・シンキングといいますか、そういう長期的願望を込めた理想案のようなものを多分に盛ってお書きになっておるので、これはそれとして長期的視野から考えらるべきものであると思っております。しかし臨時行政調査会は、かなり目前の問題と中期的な問題等も含めて的確な処理を要するという観点からいま審議を進めておりまして、おのずから性格が違う点があると思います。したがいまして、違う点は違う点、合致する点は合致する点、よくわれわれがのみ込んで、われわれが実施の段階において総合的に判断すべきものである、このように考えております。
#65
○片岡勝治君 各種審議会が一生懸命に審議しているけれども、そんなものはもういいというようなことではならぬと思うんですよ。それだったら審議会はストップかけたらいい。それはそっちでやらせる。行革の方は、臨調は臨調でそういうものは目なかけそと言わぬばかりの態度では。そういう点を効率的にやるのが行革ではないかというふうに言いたいんです。
 最後に、ノーマライゼーションという問題につきましてもこの前本会議で質問をいたしました。効率を尊重すもだけでもし行政というものを考えていくならば、身体障害者の活動の分野がなくなる。これは公務員だけではありません、社会全体の中に障害者もいるんだ、そういうものも含めて社会というものは形成されていかなければならない。
#66
○委員長(植木光教君) 片岡君、時間が参りました。
#67
○片岡勝治君 そういうことを考えてみますと、ただ効率だ、小さな政府だなんというような論理だけで行革を進めていけばやっぱり弱者切り捨てになる、そういう点を私は非常に心配するんです。この点について長官の基本的な考え方をお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#68
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調は、ただいま行っております作業の一つの基準に、活力ある福祉社会の建設ということを目指しております。活力ある福祉社会という考え方は、いろいろ人によっては違うと思いますけれども、本当に救済を必要と思う人、あるいは社会的に皆がいろいろ慎重な考慮を必要とする部面、そういうものについては十分な考慮なり手当てをすべきである。しかし、むだなところとか、いわゆるばらまき福祉と思われるような点は、これは勇断をふるってカットしなければならない。そういう重点と価値基準を決めて的確な判断をしていきたいという考えに立脚しておりまして、身体障害者の問題等については、真にその手当てを必要とする部面については決しておろそかにするものではない、このように考えております。
#69
○片岡勝治君 終わります。(拍手)
#70
○委員長(植木光教君) 以上で片岡勝治君の一般質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(植木光教君) 次に、伊江朝雄君の一般質疑を行います。伊江君。
#72
○伊江朝雄君 開発庁長官にお伺いしたいのでありますが、沖縄振興開発特別措置法の延長法案の提議に当たりまして、その経過を顧みまして私はここに長官に対して深く敬意を表します。同時に、また、政府の特別な御配慮によることに対しましても感謝を申し上げたいと思うのでありますが、そういうことでいよいよ沖縄の第一次振興計画は十年の歩みをたどってこの三月の末には終わるわけでありますが、第二次振興計画というものが法案が成立いたしました段階では策定されるということになる。第一次の振興計画は、御承知のとおり本土との格差、いわゆる社会資本あるいは国民所得の格差を是正していくということが大きな柱だったと思うのです。第二次振興計画もいま申し上げたとおり計画の策定中と聞きますが、端的に言ってこの柱は第一次の振興計画と比べてどういうふうになるのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
#73
○国務大臣(田邉國男君) お答えをいたします。
 第二次沖縄振興開発計画につきましては、現在沖縄県におきまして計画の素案を検討をいたしておるところでございます。今後、沖縄県とも十分の調整をいたしまして、その振興開発の向かうべき方向というものと、そして施策のあり方を明らかにしてまいりたい、かように考えております。
 また、沖縄の経済社会の現状を見ますと、引き続き各方面におきまして本土との格差の是正を図る必要がございます。また同時に、沖縄の特性というものを積極的に生かして、そして自立的な発展の基礎条件というものを整備していく必要があろうかと考えております。
 特に、沖縄の経済社会の自立的発展への新しい段階に来ておると私は思われますので、活力ある地域社会を実現をしていく、そのためにも就業の場の確保、そしてまた産業の振興というものを図っていかなければならない、かように考えております。
 このように、第二次の計画におきましては、基本的には第一次の計画を踏襲をいたしてまいりますとともに、第一次計画の期間中における社会資本の整備を踏まえ、沖縄の経済社会の状況にかんがみまして、産業の振興により重点を置いてやっていく必要があると考えております。
 以上です。
#74
○伊江朝雄君 いま仰せのとおり、自立的な経済条件を整備していくということでありますが、これからいろいろな施策が行われるだろうと思うのですが、私は沖縄の特性を生かすためにはいろんな方法があるだろうと思うのでありますけれども、そのうちの第一は、やはりあそこの立地条件、つまり亜熱帯地域の立地条件を生かす第一次産業というものに対して少し目を当てなきゃいけないじゃないかと。つまりは農産物、たとえば本土の端境期には向こうからの出荷が、最近は非常に野菜の出荷が多いと聞いております。そういったようなことも含めて、農産物、水産物、また最近は花卉類の栽培によるところの本土市場への出荷が非常に多いと聞いておる。そういったことも踏まえての座標軸をつくっていただくことがまず第一であろうと思うのでありますが、その際に、やはり沖縄は遠い、沖縄自体が遠隔の離島であります。そうしますと、やはりこの端境期に野菜がどんどん送れるという状態であるにかかわらず、輸送の問題、言うならば流通の問題を解決しなければ、いかに自立的な経済発展と言ってもそれはできない。そういった自立的発展のためには流通問題を解決しなきゃならない。流通問題は一つは輸送であり、一つはその流通に対する政府の助成が必要であろうと思うのです。
 まず、その輸送の問題については、隘路があるというふうにも聞いているし、現状どうなのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#75
○政府委員(渡邉文雄君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、ここ数年、特に冬場の沖縄の温暖な気候を利用しまして野菜、花卉等の生産が非常にふえておりまして、内地への移出も非常にふえております。たとえば野菜で申し上げますと、五十年から五十五年の間に十二倍にふえるとか、花卉でありますと三年間の間に約二十倍にふえるというようなことで非常に急激にふえておりますが、御指摘のように輸送問題が一つ頭の非常に痛い問題でございます。
 たとえば花卉で言いますと、非常に急激に伸びたということもございまして、いままでのところは大部分航空機によって内地に持ってきたわけですが、この輸送能力の観点で約満杯になってしまっておるという現実もございますし、それから航空機輸送の場合には、何といたしましても輸送のコストがかかるということもございますので、何とか品質の保持を図りながら海上輸送をするという方策がないかということで県ともよく御相談をいたしておったわけでございますが、野菜につきましても花卉につきましても、今年度、五十六年度から冷蔵コンテナ輸送に切りかえることにつきまして始めておりました。ことしの一月ないし二月から実施に入っております。それで、まだことし初めての試みでございますので、その経済効果等十分把握し切れてはおりませんが、これを何とかうまく育てることによりまして、先生御指摘のような輸送あるいは流通問題等につきましての隘路を何とか打開し、御指摘の沖縄の立地条件を生かしました農業の振興というものにお手伝いをしてまいりたいというふうに考えております。
#76
○伊江朝雄君 具体的に助成措置をちょっと言ってください、局長。
#77
○政府委員(渡邉文雄君) 野菜につきましては、五十六年度、輸送合理化対策推進事業ということで冷蔵コンテナを十五台、経済連に助成を申し上げております。補助額にしまして五千万円ということで行っております。花卉につきましては、海上輸送実用化対策事業ということで千九百七十万余の予算をもちまして同じく冷蔵コンテナの助成をいたしております。
#78
○伊江朝雄君 それ、今後続けていくのかどうか。
#79
○政府委員(渡邉文雄君) この予算につきましては、私ども、沖縄の農業振興上大変重要だということは十分踏まえておりますので、五十七年度も予算でお願いをしてございますが、県庁ともよく御相談の上、できるだけ御要望の趣旨が実るように努力してみたいというふうに考えております。
#80
○国務大臣(田邉國男君) ただいまお尋ねの沖縄の農産物、水産物の振興につきましては私も同感でございます。沖縄はわが国の唯一の亜熱帯性の気候地帯でございますし、本土のいわば端境期における野菜や花卉等の供給基地として発展していくことが期待をされております。今後とも積極的に沖縄の特性を生かした野菜、花卉の振興を図ってまいる考えであります。
 私も、先般、沖縄の離島及び本島の農業視察をいたしまして、大変にすばらしい野菜、また果物等をつくっておる状況を拝見いたしまして、これを本土に輸送することは沖縄の農業振興に大きく役立つものではないか、かように考えております。
 これらの本土向けの野菜、花卉の輸送対策につきましては、いまお話もございましたが、沖縄開発庁といたしましても重要な課題でもございます。今後とも関係省庁と十分打ち合わせをいたしまして、沖縄農業振興のために最善の努力を払ってまいる考えであります。
#81
○伊江朝雄君 その御認識は非常に私は結構だと思うんで、今後ともやっていただかなきゃならぬですが、そういった第一次産業の助成のためには、やはりいろんな問題があるだろうと思うのです。たとえば水の問題、農業用水の問題が解決しない、それから基盤整備がまだまだ十分に行われていない、また特殊な病害虫が果樹類にあるというふうなことで、これについての逐一の施策は当然のことながら進めていただかなきゃならぬ。そうして、それさえできれば、やはり私は本土の端境期に限らず、食料のいわゆる給源基地になるだろうと思うのです、これ農産物に限らず水産物につきましても。ですから、そういう意味におきまして、今後ともそういった基盤整備、たとえば漁業にいたしましても、やはり漁港の整備であるとか、船舶はほとんど十トン以下の船が多いというふうなことでは、せっかくあれだけの海を控えて、しかも中国は二百海里の制限していない、そうなると自由にとれていける、いまのところは。それが残念ながらそういった漁業にしても基盤の整備ができていない。農業にしてもせっかくの太陽熱でもって露地栽培ができるのに、基盤整備も、水も余り十分ではない。水についてはいろんな施策をやっていただいておりますけれども、今後ともそれをやっていただきたい。そして本当に、先ほど長官がおっしゃいましたように、自立経済の基盤を十分に育てるということが前提条件だと思いますので、これは御答弁要りませんが。
 そこで、またもう一遍戻るんですが、流通問題というのは、やっぱり運搬ですから、あとはその輸送の問題になるわけですから、その運ぶについて航空機の利用というのが非常に多いはずです。それが速達性を要求する、鮮度を落としてはならないという基本的な条件があるわけでありますから、その場合に、航空機についての特別の運賃が設定されているやに聞いておりますが、その辺のところについて、運輸省、御答弁いただきたいと思います。
#82
○政府委員(山本長君) 輸送の面で、沖縄と本土間の輸送を円滑にする、かつまた地域の振興に資するようにしていくという観点から、運輸省におきましても沖縄−本土間の航空運賃の水準自身をできるだけ可能な限り抑えていきたいというところから、たとえば着陸料を減ずるというふうな措置によりまして、水準自身をできるだけ抑えていくというふうなことを全般的な施策としてやっておりますが、先生お尋ねの貨物につきましては、地場産業の振興という面も考慮いたしまして、特定品日の割引運賃というものを設定しているところでございます。
 那覇から本土の主要都市、路線といたしましては東京、大阪、福岡、各地に行っておりますけれども、こういった主要都市に向けて発送される食料品、花卉につきましても、品目によりまして、あるいは重量によりまして相違はございますけれども、一番大きな最大の割引率としては四割というふうな制度が設けられておるところでございます。
 こういった制度を通じまして、地場産業の育成に航空の立場から配慮をしているという状態でございます。
#83
○伊江朝雄君 それはありがたいことですけれども、この端境期の輸送ですからシーズンが限定されるわけですよ。そうすると、場合によっては航空貨物として大変能力が不足するという苦情を聞いておるんです。それについては今後どういうふうに対処していかれるのか。
#84
○政府委員(山本長君) 沖縄と本土の間におきましては、東京、大阪、福岡、名古屋、鹿児島、熊本、長崎、宮崎等の地点と結ばれており、また主要な地点でございます東京、大阪、福岡につきましては、ジャンボジェット機あるいはエアバスと言われる大型機が導入されて輸送力の確保に努めておるわけでございます。
 先生お尋ねのように、沖縄−本土間の貨物輸送につきましては、ピークとボトムという時期的な差が非常に落差が多うございまして、ボトムの時期とピークの時期では数量的には三倍あるいはそれを超えるような差がある、こういうふうな季節的な大きな差がございます。本月の三月はそのピーク時でございます。
 輸送とその輸送力という関係を見てまいりますと、通常の時期と申しますか、平均的な状態におきましては余裕を生じておるという状態でございますけれども、このピーク時におきましては輸送される貨物がわりあいに軽量であるにもかかわらずかさばるという点からスペースが不足する、こういう事態が生じていることも事実でございます。
 こういったことに対応いたしますために、積みつけを効率的に行うというふうな方法を講じますとか、あるいはある地点との間でのスペースが足りないというときには、先ほど申し上げました各地点を経由して、つまり、東京に行く輸送力が不足しておるというときには福岡を経由して輸送する、この場合、運賃は変わりませんけれども。まあそういった便法と申しますか、ピーク時にはそういった方法をとりまして輸送を確保している。
 こういった状態が現状でございまして、そういった方法を通じまして輸送ができるだけ安価になるように運輸省としても努力し、また利用者を指導していく、こういった観点で努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#85
○伊江朝雄君 そういう努力をぜひやっていただいて、ピーク時というのとオフピークがやっぱり偏っているわけでありますから、十分な配慮を今後とも船舶も含めてやっていただきたいと要望しておきます。
 いままでの私の質問は、亜熱帯地域という立地的な条件に基づいての今後の計画に対する意見を申し述べたのでありますが、今度は地理的な位置の問題から言いまして、沖縄の国際的な、何といいますか観点、特に東南アジアに対するですね。そういったものに対して、その特色――位置、地理的条件を生かして沖縄経済開発の浮揚を図るべきじゃないかというところから、いまの第一次の振興計画の中では、例の自由貿易地域という構想があるわけです。もう古くて新しい話でいつも出るんですが、さっぱりその中身が進展しない。そういった構想は現在どういうふうになっているのかということを絶えずわれわれは心配するのでありますが、音だけは聞こえるけれども中身が余りわからない、どういうふうな状況になっておりますか。
#86
○政府委員(美野輪俊三君) お答えいたします。
 自由貿易地域につきましては、先生御案内のように、本土に他に例を見ない制度でございまして、このために、これまで沖縄県におきましても、また私ども沖縄開発庁におきましても、どのような構想でこれを実現していったらいいかということを種々検討をしてまいったところでございます。それに加えまして、やはり沖縄におきます産業基盤の整備のおくれと申しますか、あるいは用地の選定難といった条件も加わりまして、先生御指摘のように、いまだ指定されておらないという状況にあるわけでございます。
 現在、県におきましてはこの自由貿易地域をどういう性格のものとして、また、どういう業種をそこに立地させるか、あるいは用地をどこに選定するかというような点、具体的に種々検討をしておると承知しております。
    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
私どもといたしましても、この一次計画期間中におきます産業基盤整備の進展、あるいは工業用地等につきましても、現在ようやくその造成等が緒についてきたというような状況を踏まえまして、この二次振計の期間中にはそれらが具体化されることを期待しておるわけでございますが、そういった今後におきます沖縄の産業振興の重要性につきまして、先ほど大臣からも答弁があったとおりでございます。私どもといたしましても、その中のまた一つの産業振興の核となります製造業等の振興の一つの有効な手段といたしましてこの自由貿易地域制度を考えておるわけでございまして、このような県の検討、それから私どもにおきますまた私どもとしての検討、こう相まちましてこれの具体化を図っていきたい、このように考えておるところでございます。
#87
○伊江朝雄君 せっかく自由貿易地域につきましては税制上の特別な配慮もあるわけなんです。ですから、検討している検討しているだけじゃ進まないので、そういった税制上の特別措置があるんだということで大変やっぱり魅力のあるこれは制度だと思うんです。したがって、こういったことは第二次振計の中でぜひひとつ、第二次振計のしかも前半において実現をさせていただきたい、そういう御努力を願いたいと思っております。
 そうしますと、いよいよ自由貿易地域として、東南アジア地域あるいは中南米でもいいんですけれども、向けられる基地としてなった場合には、やはり先ほども私が質問いたしました荷物の輸送の問題から今度は人の輸送の問題に変わってくるのですよ、姿が。開発庁や外務省の御努力によって沖縄に国際センターというのができる、東南アジア向けのですね。そういったようなことになりますと、非常に行ったり来たりのふくそうが出てくる、貨物のふくそうよりも人のふくそうの方が非常に大きくなってくるということになると、やはり空港の足の問題を確保しなきゃならない、空港の整備をしなきゃならない。したがって、現地からいつも言っておるのは那覇の国際空港、いまは国際空港としての位置づけはできていても、いずれ容量が詰まるだろうというふうに思っている。それならば、そこへひとつ大きな国際空港を設定してもらいたいという要望があるのですが、これについてはどういうふうに考えておりますか。
#88
○国務大臣(田邉國男君) お答えをいたします。
 私も先般沖縄へ参りましたら、沖縄の各界の皆さんから沖縄の大那覇国際空港の要望がございました。いま御指摘もございましたように、那覇空港は現在国際線の定期便が乗り入れております。そのためには税関、そして入国管理事務所あるいは検疫所の施設の整備はされております。これらの施設の一層の充実を図りまして今後国際航空需要の動向、あるいはまた国際航空会社の乗り入れ希望等を勘案しつつ関係機関と協議をしてまいりたい、こう考えております。
 なお、那覇空港のターミナル施設は狭隘でございますし、また、それらの施設が分散をし、旅客に不便をかけておるということは事実でございます。それらを早期に集約をし、整備をする必要がございます。その具体的な案を運輸省と相談をしながら検討を進めているところでございます。しかし、本格的なターミナルの完成には非常に強い御要望もございまして、私ども、これを実現をするということに対しましては前向きには考えておりますけれども、いかにしても日時を要する関係がございますので、その間暫定といたしまして現在のターミナル施設の拡充を検討する必要がある、かように考えておる次第であります。
 以上です。
#89
○伊江朝雄君 これについて運輸省。
#90
○政府委員(山本長君) ただいま長官がお答えになったことが基本的な考え方として運輸省も全く同じような考えでおるところでございます。
 那覇空港は、先生御存じのように、国内線の重要な拠点でございますが、同時に、東南アジアに向けてのもう一つの玄関になっておるという状態でございます。この空港の整備について、復帰以来運輸省としても整備に最大限の努力を努めてきたと思っております。現在も、沖縄空港の国際線空港としての機能を高めるために、現在の滑走路二千七百メートルでございますけれども、これを三千メートルに延長するといった事業を実施しておるところでございます。
    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕
また、長官がおっしゃいました、ターミナル地域が狭うございまして各施設が分散をしておる、こういう実情から、ターミナルの改善拡充というものを図るために、整備計画策定のための検討を行っておるところでございまして、関係省庁及び地元との話し合いも必要でございますけれども、できるだけ早く成案に持ち込めるように努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 また、いわゆる大那覇構想というものが地元にございますが、運輸省といたしましても大きな関心を持っておるところでございます。今後とも沖縄地区の内外の航空需要が伸びていくということが予想されますので、それらの動向等を勘案しながら検討をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#91
○伊江朝雄君 将来の輸送動向を見ながら検討をしていくということでありますから、これはぜひひとつ沖縄の将来の国際的な立場としての立地を考えての検討を続けていっていただきたいというふうに要望をいたしておきます。
 それから、足の問題ばかりの話になるのでありますが、モノレールの構想は現実一体どういう状態にあるか、ちょっと開発庁からお聞きしたいのです。
#92
○政府委員(藤仲貞一君) お答えいたします。
 先生御案内のとおり、沖縄には鉄道軌道がございません。陸上交通は主として自動車に依存しておる状況でございまして、特に、那覇市内の混雑が激しい。そういうことで、昭和五十六年度から都市モノレールを那覇市内十一・一キロメートルにわたって敷設するという実施計画調査に着手しております。また、これと並行いたしまして、モノレール関連の道路の用地につきましても鋭意その取得を進めておるところでございます。
#93
○伊江朝雄君 那覇の人口がいま三十万人と聞いておるのですよ。そうしますと、これは那覇だけのモノレールということでは交通渋滞の解消に相ならない。したがって、那覇市を中心にして周囲に那覇都市圏というものが、相当の人口の急増が行われていく。そうしますと、将来やはり道路交通の改善という立場から言文は、この一本のモノレールだけではどうしてもさまにならない。やはりそういった那覇を中心とした都市圏、聞くところによると、六十五年には六十五万人ぐらいの推定になるんだそうでありますが、そうするとやはりループ化しなければ都市交通の改善にならない、こういうことだと思うのですよ。
 そこで、大臣もちょっとお聞きいただきたいのですが、運輸大臣と両大臣ですね。これは私も受け売りなんですが、人口が三十万ぐらいの都市では、東西か南北に一本のいわゆる定時大量輸送の鉄軌道が必要だと言われる。それが五十万になるとこういうふうな状態の鉄軌道が必要である――鉄軌道にかかわりませんよ、モノレールも含めてですね。こういうのが必要だ。それ以上越しますとやはりループ的なものが必要だというのが交通学者のある人の意見なんです。またもう一つの意見としては、都市の人口の発達の周辺地域に居住する分布は、時計の針が回るような方向で回っていくんだそうですよ。それで円周を描くんだそうです。東京を中心にしてごらんになればまさにそういう状況になっている。沖縄の那覇も長官ごらんになれば、まさに南からずっと北へ回って、また東へ行って、また南へ回ってきている。こういうふうなことでループを描いているんです。そして、六十五年には那覇の中心の人口の二倍以上になるのだと、こういうことを言われておるんですよ。その意味から言いまして、どうしてもやっぱりループ化を将来検討しなければならない。これについてはどう考えますかね、開発庁。
#94
○政府委員(藤仲貞一君) 那覇圏の人口の推移につきましては、先生御指摘のとおり、今後かなりの増加が見込まれるわけでございます。先般、沖縄県において実施されましたパーソントリップ調査によりますと、将来の那覇都市圏の人口は、昭和五十年の五十七万人に対しまして、昭和六十五年には六十四万人、昭和七十五年には六十八万人と推計されております。したがいまして、この人口増に伴う交通量の増加が見込まれるわけでございます。こうした交通量の増加に対応しまして、いかなる交通体系を整備していくかということが今後の課題でございまして、先生の環状モノレールという構想は、こうしたことに対応する一つの新しい御提案だと考えます。
 ただ、都市モノレールにつきましては、これは釈迦に説法かもしれませんが、輸送需要、それから採算性、あるいはまた他の交通機関の関係等、検討を要する問題もございます。それからまた、関連する道路、街路、そういうものの整備に相当の日時と巨額の事業費を要する、こういう事情もございますので、私どもといたしましては、現在実施計画調査中の路線、これは放射状の一本の路線でございますが、まずこれの完成に全力を挙げていきたい、かように考えております。御提案の環状モノレールの構想につきましては、今後かなり長期な構想の一つとして検討をしていくべき問題ではなかろうかと、私どもはかように考えておる次第でございます。
#95
○伊江朝雄君 ちょっと時間がないものですから、もっとたくさん沖縄問題について聞きたいのですが、別途の機会に譲りたいと思うのですが、ただ一つ、このモノレールができましたら、やっぱり沖縄の那覇市の都市交通の形態が変わってくるだろうと思うのです。たとえばバスですね。あそこは公共輸送機関としてはバスしかない。バスの輸送形態が変わってくるだろうと思う。それについては運輸省、どういうふうに再編成の問題を含めてお考えになるのか最後に承っておきたいと思います。
#96
○国務大臣(小坂徳三郎君) 一般的に申し上げますと、やはり公共輸送につきましては、先般の予算委員会でも御答弁申し上げましたが、非常に重要な問題でございまして、財源の問題その他これを準備をしていくということがまず第一義的に努力をしなきゃならぬ点でございますが、沖縄の交通再編成につきましては、いま私から明確な御答弁を申し上げる用意がございませんので、改めてまた御回答をさしていただきたい、お許しをいただきたいと思っております。
#97
○伊江朝雄君 沖縄問題はこれで終わって、次は国鉄問題について御質問をしてまいりたいと思います。
 いま、国鉄の問題が論議されない日はないんですね。それだけいろいろ指摘されているということは、やはり国民も大きな関心があるし、国鉄もしっかりしてほしいという、そういった納税者としての国民の目がそういうことだろうと思うし、また、現実国鉄の中身を見ますと、いろいろ問題点として考えさせられざるを得ない問題点が多々出ている。ある意味では、総裁以下針のむしろに座っているような非常につらいお立場だろうと思うのだけれども、私はむしろこれは天の声だと、これを直す絶好の機会じゃないかというふうにも考えるのですが、その問題についてはまだ後から御質問しますが、そういった国鉄の論議の中で、国鉄の財政再建というものは一体どういうものであろうかということで、受け取り方が非常に区々にわたっているのですよ。この際くどいようでありますけれども、改めて、財政再建の目標というのはどういうものかということを端的に、皆にわかるように平易にちょっとおっしゃっていただきたいと思います。
#98
○説明員(高木文雄君) 財政再建という言葉から皆様がお受け取りになりますのは、それによって国鉄の赤字がなくなる、収支が均衡していくということでお受け取りになるのがむしろ常識であるかもしれないのでございますが、現状はなかなかそういう状態にはございませんわけでございまして、六十年時点で将来に向かって収支均衡をする基盤をつくるということでございまして、全部つっくるんで考えますと、現在いただいております助成金を、約七千三百億円の助成金をいただくといたしましても、なお六十年時点で一兆円の赤字が残るということでございます。それでは一体いかなる意味がということでございますけれども、しかし、そういう中におきまして約一万キロに及びます幹線部分につきましては、一万キロというのは大体お客様の数で申しますと、いま私どもの乗っていただいておりますお客さん全体の八五%以上になるわけでございますが、その一万キロ部分につきましてはぜひともこれは収支均衡をすると、六十年時点で収支均衡をするというふうに考えておりますし、また、営業外損益を別にいたしました、つまり利子負担等を別にいたしました全体損益におきましても、六十年時点で黒字にもちろんなるということを前提にしておるわけでございます。ただ、その前提としては特定人件費を初めとする幾つかの問題について行財政上の御援助をいただかないとやっていかれないということであったわけでございますけれども、まあ現在の財政再建とかなんということとの関連もございまして、これをどうするかというのがいまの計算をいたします場合でも大前提になるということでございます。
#99
○伊江朝雄君 よくわかったような、ちょっといろいろ問題があるのですが、財政再建という、財政という冠がつくわけですから、端的に言えば私の承知しているところでは全営業収入に占める人件費の割合が五十五年度は七〇%である、決算で。それを昭和六十年度、つまり財政再建の目標の年度にはそれを五一%にするのだというふうに聞いておるのですが、全収入に占める人件費の割合の面からいって、私のいまの数字は間違いありませんか。
#100
○説明員(高木文雄君) まさにお示しのとおりでございまして、国鉄経営はほかの製造業と違いまして非常に人件費比率が高いものでございますから、この人件費比率を下げなければいけない。その場合に、現在の私鉄の状況とか、あるいは国鉄が黒字でありました時点の状況とかからいいまして、対収入人件費比率を五〇%ぐらいのところまで持っていくということが一つの大きな具体的目標となっております。
#101
○伊江朝雄君 その目標に到達するのには、それは険しい道であろうと思うのですよ。ところが、経済理論からいうと、少ない人間でよけい働いて増収するんだと、したがって収入の中に占める人件費の割合を落とすのですから、これは経済理論からいうと非常に単純なんですよ。ですから、これはたどる道は非常に険しいのだけれども、ぜひこの目標を達成してもらいたいと思うのですけれども、この際、いろいろ言われているのだけれども、総裁、これ自信ありますか。
#102
○説明員(高木文雄君) どうしてもそこへ持っていかなければ、とてもいま描いております計画にはならないわけでございまして、ぜひともそういうふうにしなければならないと考えておりますし、できると考えております。
#103
○伊江朝雄君 それはそうでしょう。まあ総裁、体を張ってもやってもらわなきゃならない。
 そこで、この目標を達成するのに障害になるおそれのあるものは何であるかということが次に問題になってくると思うのです。端的におっしゃってみてください。どういうことが障害になるだろうというふうに予想されるのか。はっきりと言っていただきたい。
#104
○説明員(高木文雄君) 具体的には、そのためにいわゆる三十五万人体制をとろうとしているわけでございまして、これは五十六年分につきましていまちょうど年度末で鋭意労使間で話し合いをしたり、それからわれわれはわれわれでいろいろ対策を考えたりしておりますが、この三十五万人体制というのはまずできるという見通しを持っております。
 もう一つ問題は収入の問題でございますが、収入の問題につきましては、御存じのように最近経済活動が一般的に低調であるということもありまして、五十六年度に関する限りはなかなか思ったようにいってないということが一つと、中でも貨物の問題というのが問題になっておりますが、これらにつきましては、そうした経済情勢なり私どもの収入状況なりに照らしながら、もし収入が落ちるということであればまたそれに対応した取り組みをしないことには、なかなか人件費比率が五〇%にならないということでありまして、これが最大の心配事でございます。
#105
○伊江朝雄君 そうすると、六十年度以後はどういうふうになるのですか。目標を達成するという自信があるし、ぜひそれに向かって全努力を傾注すると。それじゃ、六十年度以降の問題についてはどうお考えになりますか。
#106
○説明員(高木文雄君) この現在の計画を最終的に御承認いただきます時点におきまして、私どもが政府にお願いをいたしております行財政上の措置等につきましては、私どもには私どもなりの案があるわけでございますけれども、それについては御回答いただいていないわけでございまして、私どもといたしましてはどうしても六十年時点においてしかるべき行財政上の措置をお願いしなきゃならぬと考えておりますし、六十年以降につきましてはその点をどういうふうに御措置願えますかによりまして、大変親方日の丸的発想で恐縮ではございますが、その見通しをつけていただきました時点において初めてこの計画をつくり得る状態にあると考えておりまして、現時点で六十年時点以降どうなるか、これはあくまで幹線については収支均衡の上にもさらに黒字になっていくと思いますけれども、地方交通線その他の構造的な問題についてはなかなか私どもでは処理ができにくいわけでございますので、いまの段階でどうなるかということについては私どもも確信を持った御答弁はいたしがたいというふうな状況にございます。
#107
○伊江朝雄君 政府からの助成をいただく、現在もいただいている、その状況の中でいろいろと指摘されている問題は、これはどうしても解決しなければならない、それが前提なんですけれども、これはまた後から私質問します。
 そこで、いまいみじくも総裁言われたように、三十五万人の体制にしなきゃならぬということになると、十四万人を減らさなきゃならぬ。十四万人減らして、業務量はふえていくわけでありますから、ふえていかなきゃならないわけでありますから、新幹線の開業もあるし。それで、七万人を新規に採用される、そうしてやっと三十五万人に到達する、こういうことになっていると思うのです。
 そうなると、その十四万人が卒業するということになると、現在国鉄は恩給年金を受給しているのが遺族扶助料の受給者も含めて三十一万人と言われている。そうすると、それをプラスすると四十五万人になる。ですから、三十五万人で四十五万人を賄うという、共済の制度から言うと大変なこれは成熟度だと思うのですね。
 だから、共済年金がただでさえいま困っているという。したがって、国鉄の財政再建の促進法が閣議で決定されたときに、その了解事項の中に、国鉄を三十五万人体制にするためには年金問題についての抜本的な対策を講じなきゃならぬというふうに閣議了解事項の中にあった、これは一体いまどうなっているのですか、年金対策については。どういうふうにしようということになっているのか、御説明をお聞きしたい。
#108
○説明員(高木文雄君) 私どもの中で、その方面の識者の方々にお集まりいただきまして研究をした結果としましては、いまたくさんいろいろ年金システムございますけれども、やはりいろいろな給付の内容とか、それからこれまでの掛金の状況とか、あるいは財政からいただいております御援助とか、恩給とのつながりとか、そういうことを考えますと、比較的よく似ているのが国家公務員共済と各公社共済でございますので、まず、その国家公務員共済を中心とする共済について統一的なものをつくってはどうかと、それは結果的には国鉄にとっては非常にありがたいわけなんでございます。
 そのほか年金共済がたくさんございます。地方の職員の共済とかたくさんございますけれども、いま、そこまで一緒になるとかならぬとかという問題は大変むずかしいので、とりあえず国家公務員なり三公社なりが一つになったらどうかというのが現実的な案ではなかろうかという結論になっておりまして、いまそれを中心にして共済の主務官庁であります大蔵省の中におきまして御検討をいただいているところでございまして、この夏前にはおまとまりをつくっていただけるというふうに伺っておるわけでございます。
#109
○伊江朝雄君 運輸省はどうですか。事務当局で結構です。
#110
○政府委員(杉浦喬也君) ただいま総裁が申し上げましたように、年金問題は国鉄の非常に重大な問題でございます。これにつきまして、国鉄自身の検討も行われておりますし、また、われわれも検討いたしております。ただ、国鉄の共済年金だけを取り上げて解決しようとしましても、これはどうにもならないということでございますので、やはり年金全体に問題は波及するであろう。ただ、その場合に年金全部をやるということはなかなか困難でありますので、ともかくいま総裁が申し上げましたような四つの公務員グループにつきまして、これを何とか一本化という方向でいけないものかというふうに、現在大蔵大臣の諮問機関でございます研究会におきまして検討を続けておるやに聞いておるわけでございます。その検討結果を待ちまして、私ども十分対応してまいりたいと考えております。
#111
○伊江朝雄君 五十九年度には共済年金はパンクすると言われているわけですから、ぜひその大蔵省の検討の結果も踏まえて、この問題に対する抜本的な対策を立てていただきたいことを要望しておきます。
 さてそこで、もう時間も余りないんですけれども、いま論じられている国鉄の問題の中で、私は少なくとも大きな問題として三つ観点があると思うんです。一つは、労働問題の処理に端を発するところの職場規律の乱れの問題、これをどう改めるか。その職場規律の乱れがひいてはいろんな不祥事が起こる、この間の名古屋の運転事故の問題にもあるように、それが不祥事故につながっているという問題の解決をどうするかという問題。二つ目には、国鉄の経営組織のあり方の問題。三つ目には、これは昭和二十四年に国有鉄道が発足して以来、もう絶えずついて回った、古いけれども新しい論議としての国鉄の公共性が問われる、企業性とは何であるかが問われる。この三つの問題がいま大きな議論されている問題だと思うわけです。したがって、順次これについて御質問を申し上げていきたいと思うのです。
 まず第一、最近、国鉄は労働問題の処理のために経営組織を変えなきゃならぬじゃないかという議論が一部にあります。いまの公共企業体が発足した動機は、昭和二十四年にいわゆるマッカーサー指令と申しますか、ああいった勧告によって労働問題を処理するという立場から、当時の特別会計であった鉄道が運輸省から離れて独立した。これはあくまで労働問題処理の立場から国鉄の経営組織が変わったわけであります。今日、労使関係の乱れによるところの問題を前提にしまして、労働問題処理のために国有鉄道の経営組織の問題について議論される一部の議論がある。私はこれ逆じゃないかという気がするのです。国鉄というのは、労使の問題の処理のためのことももちろん大事であります。一番大事なことであります。しかし、国有鉄道の置かれている立場というのは、やはりいかにして安全を確保するか、いかにして輸送の効率を上げるのか。そして、よってもって公共性をいかにして充実していくかという立場から組織論というのは論じられるべきなんだと思う。労働問題処理だけから、そういう観点から、国有鉄道の経営組織を論ずるというのは少しおかしいと思う。大臣、それについてどうお考えになりますか。
#112
○国務大臣(小坂徳三郎君) 伊江委員のおっしゃることは、きわめて私は当然のことだと存じます。国鉄そのものがやはり公共性のある、しかも有力な効率的な輸送機関であるということを実現することが最大のねらいであります。しかし、また同時に、御指摘のあったような現在の労働問題と申しますか、こうした問題もやはりその前段としては避けては通れない問題ではないかと思いますが、やはりこれは一方だけを重視して対策を考えるということでなしに、先ほどおっしゃいましたような公共性、効率的な輸送機関再生と、これが最大の眼目であると考えております。
#113
○伊江朝雄君 国鉄の現業組織が六百種の職種に分かれているわけです。この職種がおのおの自分の責任を果たしていれば列車が安全に動くような仕組みになっているのです。有機的に関連するようになっているのです。それを統括するのは現場長なんです、第一線の。その現場長が最近、この二、三年来言っていることは、現場の第一線においては現場長、管理職を含めて非常に多忙である、雑用が多過ぎる、この訴えが非常に強いのですよ。私は現場長が、そういった運転の保安と輸送の効率化を図るために第一線でがんばってもらわなきゃならぬ現場長が、それ以外の問題で多忙をきわめるということは非常に残念なことだと思う。しかも、その多忙である、雑用が多過ぎるという背景を見てみると、何と管理職が、職員の突然の休暇、いわゆる無届け休暇によってその代務をしなきゃならぬというケースが非常に多い。こんなことでは私はいかに国有鉄道が輸送の安全ということでがんばろうとも、現実、その統括してやらなきゃならぬ第一線の現場長、管理職が雑用に追われたり職員の代行をやらされているような状態が続くならば、非常に安全状態の不安な状態になるのじゃないかと、こういうおそれがあると思うのです。総裁、これについてどういうふうにお考えになりますか。
#114
○説明員(高木文雄君) 鉄道のシステムはかなり複雑でございまして、いまお示しのように、各現場現場がその責任を一〇〇%全うするということによって初めて安全、正確、また快適なサービスが提供できるわけでございます。すべて基本は現場の秩序といいますか、職務規律といいますか、そういう問題に基本があるというふうに考えておりますが、どうも残念ながらその点について一時ほどではないにしても、まだまだ問題があるわけでございまして、これをどのようにして昔のように戻していくかということが私ども責任者の最大の仕事であると思っております。ぜひ各方面の御協力を得ましてその姿勢の立て直しを図ってまいりたいというふうに考えます。
#115
○伊江朝雄君 これは各方面の協力というよりも、私は総裁、内部の問題だと思うのですよ。内部の問題ですから、これは各方面の協力というよりも、やはり中の労使の姿勢の問題につながってくる。それは先ほどもちょっと申しましたけれども、本当に体を張ってやらなきゃならないことなのです。旧来の陋習がたまっていて、社会常識的に見て非常にこれは糾弾されなきゃならないという実態を幾つも私は知っておりますし、またそれを非常に憂える一人であるし、また、私自身も国鉄の出身ですから、かつての国鉄時代のことを考えて贖罪の念もある、正直申し上げて。本当にこれは体を張ってやらなきゃならないんですけれども、もう一遍労使問題に言及しての総裁の考え方、これの処理の仕方をお聞きしたい。
#116
○説明員(高木文雄君) 一つは、まず職員自身が、何といいますか、企業意識、まあよく親方日の丸とかいろいう言われますけれども、国鉄一家意識とか言われますけれども、企業意識についてどうもまだ欠ける点があるというふうに考えておりますし、それから労使問題と言いましても、単に鉄道の労使問題だけではなくて、社会全体の労働問題との深いかかわり合いがあるわけでございますし、そういう意味において私は皆様の御協力も得ながらということを申し上げたわけでございますが、しかし、何はともあれ他力本願ではいけないわけでございまして、われわれ自身が職員の一人一人に呼びかけることによって、つまり、よく言われます意識革命を起こすように誘導することによってのみ解決の道があるだろうと考えております。これまでもそういう気持ちでやったつもりでございますけれども、なかなか抜きがたいものがありまして、思うようにいっていないわけでございますが、御指摘のように経営の状態を十分認識しつつ、そして私どもの役割りというものを認識しつつ、一人一人の職員が行動をする。そして、それがまたいわゆる労使問題にも展開をする、反映をしていくということでなければならぬと考えております。
#117
○伊江朝雄君 ぜひ全力投球をしていただきたいと思うのです。もうつぶれるかつぶれぬかの瀬戸際ですからね。これは組合も組合の論理があるのでしょうけれども、実家がなくなればどうしようもないのだから、それはやっぱりがんばってもらわなきゃならない。そういうふうで、ひとつ腹に力を入れて、総裁やってくださいよ。
 次に、最近国鉄は輸送量が減った、シェアが減った、したがって独占性を失った、しかるがゆえに国有鉄道には公共性がないのだという議論がある。これについては、大臣どうお考えになりますか。
#118
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私はそうは思っておりません。もちろん私鉄その他公共輸送機関は非常に発達をしていろいろと活動の面も広げておりますが、まだまだ国鉄そのものが公共性を失っておるとは思わないのでありまして、この点に対する認識がいろいろと現在論じられているように聞いておりますけれども、やはりこうした公共性というものが国鉄にはまだ色濃く残っておるし、また、これを残すことが今後の再建にはきわめて重要な課題であるというふうに私は認識しております。
#119
○伊江朝雄君 そのとおりだと私は思うのです。もしシェアが減らないものが公共性だと言うならば、新幹線と山手線が公共性があってほかはみんな公共性がないという議論に相通ずる非常に危険な思想だと思うのですよ。
 そこで、私、一体採算がとれなくても確保すべき公共輸送は何であるかということを自問自答してみたのです。その一つに北海道の例をとってみました。北海道について考えられる限りの思い切った合理化施策をやったら一体どういうふうになるのだろうということで私自身がシミュレートしてみたのです。材料はもちろん国有鉄道からですが。北海道の出身の議員さんには悪いのですけれどもね。
 いま北海道には三十六線あるんです。三十六線で、国有鉄道が経営合理化、再建のための昭和六十年度までにもはやもう鉄道機能としての使命を終わった線というのが、これが第一次で昭和五十八年度まで、第二次で昭和六十年度までということで合わせて二十三線あるわけです。それで、この二十三線のほかに、さらにあと残るべき八線というもの、これは地方交通線です。これを全部やめてしまうと、残るのは五線である。そうして、これも運賃を本州の運賃に比べて五割アップする。そうして、北海道におるところの鉄道関係の職員が現在三万二千人、それを二万人にする。そのほか、いま国鉄が負担している市町村納付金を全廃してもらう。公団から借りている借り料も全部払わない。国有鉄道が借金しているその借金の利払いの負担部分も払わせない。そういうことをやってみてどうなるかという試算をしてみた。すると、現在五十五年度の決算で、北海道だけで二千二百億なんです。それがいまのような思い切ってまあほとんど実現不可能だと思われるものをやって六百億の金が赤字として残るのです。これ一体だれが負担するかという問題がある。したがって、私は、採算がとれなくても確保すべき公共輸送というものはやはりあるんだ、したがって、そういう意味において、労働問題の処理のためから組織をいじって、たとえば北海道は特殊な法人をつくってやらせるというならば、一体その費用負担はだれがするのだという問題になれば、いまの国鉄にはできないからほかの特殊法人をつくる、こんなような理論につながるようじゃ、私はこれは単なる議論としては承るけれども、実現性がないと思うのであります。これに対する答弁は要りませんけれども。
 いま公共性の問題を言いましたが、第三番目の問題として申し上げたいのは、一番問われてるのが、やはり労使間の規律の乱れをいかに早く片づけるかという問題は先ほどもちょっと申し上げましたから、繰り返して申しませんが、以上の三点から考えましてこれからの国有鉄道というのは、私はここに列車のダイヤを持ってきました。もう時間がありませんから簡単に言いますが、このダイヤの中には二万七千本入っているんですよ、列車が。この二万七千本が毎日動いている。それを支えているのは職員だ……
#120
○委員長(植木光教君) 伊江君、時間が参りました。
#121
○伊江朝雄君 はい。
 その職員の中で、仮にさっき言ったような管理者が職員の代務をやらざるを得ないというかっこうで支えているとしたら人ごとなんです。ですから早くその問題を正常に直していただきたい。最後に総裁の所信、決意を聞きまして私の質問を終わりたいと思います。
#122
○説明員(高木文雄君) 財政再建と申しましても、何としてもいまお示しのように全体としてうまく運営ができるようにすることであり、その基本として労使関係、職場規律といったような問題の立て直しが必要であるということは十分認識をいたしております。大変御注意を賜りましたが、その線で取り組んでまいるということを申し上げたいと存じます。
#123
○伊江朝雄君 終わります。(拍手)
#124
○委員長(植木光教君) 以上で伊江朝雄君の一般質疑は終了いたしました。
 午前の質疑はこれまでとし、午後一時十五分委員会を再開いたします。
 これにて休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十九分開会
#125
○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。
 昭和五十七年度総予算三案を一括して議題とし、田代富士男君の一般質疑を行います。田代君。
#126
○田代富士男君 私は総括に引き続きまして、一般質問で最初に、不用額と不当事項の問題、第二番目に談合問題、第三番目に年金価題、第四番目に農業問題、第五番目に中小企業問題、第六番目に国鉄問題を取り上げたいと思います。
 最初に、会計検査院長にお尋ねいたしますが、院長として決算検査を実施するに当たっての決意、また検査報告をするに当たって閣内に期待することは一体何であるかお答え願いたいと思います。
#127
○会計検査院長(大村筆雄君) 申し上げるまでもなく、会計検査を実施するに当たりましては、予算の適正かつ経済的、効率的な執行に着意いたしまして、厳正公正に実行しているところでございますけれども、近年、御承知のとおり財政事情が悪化いたしまして、財政再建の必要が強く要請されており、あるいは第二臨調におきまして行財政改革の検討が進められておる際でもございますので、より一層検査成果を高めるべく格別に努力しているところでございます。
 御承知のとおり私どもの検査成果は、これを決算検査報告として内閣を通じまして国会に御提出しているところでございますが、内閣にこれを差し上げるに当たりましては、私どもの検査対象が膨大な検査対象でございまして、私どもの検査はその一部を検査しておるのにすぎませんから、私どもの指摘した点の是正のみならず、同じようなそういう指摘をされた点をひとつ内部的に徹底的に点検していただくことによりまして、同じ原因に基づく不適切な事態がほかの個所にも発生していないか、発生しているおそれはないかということを徹底的に究明していただくことによりまして、今後の不適切な事態の発生の防止ないしは改善を特に期待し、お願いしておるところであります。このことは、関係ある他の機関につきましても、これを他山の石として同じように十分活用していただくよう期待し、お願いしているところでございます。
#128
○田代富士男君 政府は、財政再建の重要課題を抱える今日、特に決算がどのように重きを置かれているかということに対してお考えになっていらっしゃるのか、また検査報告についていかなる基本精神でこれを受けとめられておるのか、ひとつこれは官房長官からお願いします。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府といたしまして、検査院から指摘のありましたことにつきましては、各省庁に対しまして十分にこれを周知せしめるように注意をいたしておりますことはもちろん、同じような誤りを将来にわたって犯さないようにということを徹底いたしておるつもりでございますけれども、なお御指摘のようなことがいまだに散見をいたします。まことに残念なことでございまして、今後十分になお注意をしてまいりたいと思っております。
#130
○委員長(植木光教君) 中野鉄造君の関連質疑を許します。中野君。
#131
○中野鉄造君 ただいま会計検査院長並びに官房長官より御答弁がございましたけれども、これはもう全く重大なことだと思います。これを受ける行政府においては、単に報告のための報告としか受け取っていないのではないかと思われるような節が多々あるわけでございます。しかし、この検査報告を十分に生かすならば、この財政問題を乗り切る一つの大きな力になるのではないかと思うところから、私お尋ねいたしますが、昭和五十二年二月十五日の決算委員会において同僚の田代委員から、最近の十年間における不当事項と批難金額の合計を出し、実地検査率から推定して莫大な税金のむだ遣いが行われていることを指摘いたしております。ところが、その後の検査報告においても同様の傾向が依然として指摘されておりまして、これは一向に改まったとは思われません。
 そこで今回は、各省、各政府関係機関における不当事項をその態様別に昭和四十六年から昭和五十五年の十年間にわたって調べてみました。その結果、十年間毎年同じ態様の不当事項を指摘されている省庁といたしまして、まず大蔵省、これは租税収入の徴収額に過不足がある。厚生省、ここでは保険料収入の徴収額に過不足がある。建設省では補助事業の実施経理に不適切がある。労働省では保険給付金の支給に不適切がある。文部省では公立文教施設整備費補助金に不適切がある。通産省では補助事業の実施経理に不適切がある。郵政省では、これはもう御承知のように、たび重なる不正行為が行われておる。また私学財団では、これは私学経常費補助金に不適切があると、こういったようなことが言えると思いますけれども、これは会計検査院で間違いございませんか。
#132
○会計検査院長(大村筆雄君) ただいまの御発言のとおりでございます。
#133
○中野鉄造君 次に、態様に多様性があるものとしては国鉄、ここでは各種契約、計画、積算など事前準備が不適切である、また農水省では、各種補助事業の実施計画が不適切があると、まあこういうことになっておりますが、この点も間違いございませんか。
#134
○会計検査院長(大村筆雄君) ただいまの御発言のとおりでございます。
#135
○中野鉄造君 そこで、各大臣はこれらの事実に対してどのように受けとめておられるのか伺いたいと思います。
 ただいま指摘いたしました各省は、なぜ先ほども御答弁にありましたようなこういう同じ態様の不当事項が続くのか、その傾向性が依然として絶えないのか、その点をお答えいただきたいと思います。
#136
○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。
 国税庁におきましては、現下の厳しい行財政事情を踏まえまして、適正公平な税の執行に努めているところでございますが、会計検査院から国税の徴収額の過不足につき御指摘を受けましたことを厳しく受けとめております。
 税の執行の現状について申し上げますと、課税対象の増加、取引の広域、複雑化等の事情もございまして、年々その困難さを増しておりますが、国税庁といたしましては、限られた人員のもとでその執行に誤りのないよう努力しているところでございますが、今後さらに事務運営の効率化、職員の研修の充実等の施策を一層こらしてまいりまして、その改善に努めてまいりたいと考えております。
#137
○国務大臣(森下元晴君) 御指摘のとおりでございまして、まことに遺憾なことでございます。
 厚生省に対します指摘事項の中で例年発生しておりますのは、健康保険及び厚生年金保険料の徴収の不足、それと船員保険の保険料の徴収による徴収不足と、この二つが例年続いておりまして、この原因は、一部事業主の報酬に関する届け出が適正に行われておらないことによるものが大部分でございますが、適用事業主に対し実地調査等を強化するとともに、適正な届け出の指導、啓蒙に努め、もって徴収不足の解消に努力いたす考えでございます。
 その他の事項につきましても、指摘内容を踏まえ、有効かつ適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
#138
○国務大臣(始関伊平君) 建設省の所管事業のうちで、特に補助事業につきまして毎年同じような不当事項が続いておりますことは大変遺憾でございます。
 これは積算、施行管理等の適切を欠いたことなどによるものと思いますが、毎年続いておるというのは、補助の対象になる都道府県、市町村等が非常に多いので、同じような範疇のことがあちらこちらに続いて起こってくるということであろうかと思いますが、これはもう財政事情が窮迫しております現在、特に遺憾なことでございまして、今日までも厳正にやってまいったつもりでございますが、今後はこんなことがないように、みずから指摘を受けた事項はもとよりでございますが、先ほど検査院長等からお話がございましたように、他機関における指摘内容についても十分留意しつつ再発防止に努めまして、事業の適正な執行を図るよう強く指導してまいる所存でございます。
#139
○国務大臣(初村滝一郎君) 労働省に指摘されましたのは雇用保険事業の運営に関してでありますが、この保険給付の適正化を最重点項目として私どもは不正受給の防止に努めてきておるのでありますけれども、会計検査院から、なお相当数の不正受給の指摘を受けましたことはまことに遺憾に考えております。最近の不正受給の状況を見てみますと、大分減っておるのですね。減っておりますけれども、その様態を見ると、就職した場合にその事実を申告しない、これが一番不正受給の原因になっておるようであります。
 そこで労働省としては、昨年の七月から雇用保険のトータルシステムを実施しまして、これを利用した不正受給者のチェック体制をしいておって相当減少さしております。今後、さらにこの受給者、事業主に対する制度の趣旨、それから手続の周知徹底及び失業の認定、各種届け出の審査の厳正化を図ること等のことをやって不正受給防止対策を一層強化していく決意でございます。
#140
○国務大臣(箕輪登君) 御指摘のような不祥事がわが郵政省においても毎年発生しておりますことはまことに遺憾に存じているところでございます。
 なぜこのような不祥事が発生するかということにつきましては、いろいろ原因はあろうかと存じますけれども、職員自身の職務に対する自覚の欠如、それと職場における検査、監査に十分でなかった面があったものと考えられるのであります。今後とも、このような不祥事が発生しないよう職員の指導、監督につきましては一層配意してまいりたいと存じております。
#141
○国務大臣(田澤吉郎君) 農林水産省の補助事業についてでございますが、これは毎年不当事項の指摘を受けておることはまことに遺憾でございます。それは御承知のように、農林水産事業が主として多数の農林事業団体等を対象とする間接補助事業であるということに大きな原因があるわけでございます。したがいまして、不当事項については、補助金返還等の厳正な措置を行っております。また都道府県等に対しましては、さらに補助事業の適正な執行についての通達をいたしまして、その再発生の防止に努めるように強く通達をいたしているというのが現状でございます。
#142
○国務大臣(小川平二君) 公立文教施設整備費補助金の執行に当たりましては、厳正な態度で臨みますると同時に、都道府県教育委員会並びに市町制を十分指導いたしてまいりました。しかるにもかかわらず、毎年数件が市町村の事務処理に不十分な点があった等に起因いたしまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けていることはまことに遺憾に存じております。指摘を受けた事例につきましては、関係者に厳重に注意をいたしますとともに、超過交付額の返済を命ずる等、厳正な態度で臨んでおるわけでございますが、今後一層指導の徹底を期しまして、補助事業の適正な執行を図ってまいる所存でございます。
#143
○説明員(高木文雄君) 十年間に御指摘を受けました国鉄関係の件数は三十件でございます。これを種類別に分けますと、工事の設計が不適当なもの、工事費の積算が不適切なもの、工事そのものの施工方が不良のもの、次は、工事と関係なくもろもろの契約、役務契約について、やはり主として積算上問題があったもの、その他というふうになっております。
 大変フィールドが広いということと、年間支払い額、契約額が大きいということにもよりますけれども、相当日ごろから注意をさせておりますが、なおかつこういう件数に上がっておりますことはまことに残念でございます。ただこの御指摘は非常に有効でありまして、その御指摘をその件の処理にとどめず、同種同様の件がその後起こりませんように、この具体的事案を教育材料としてあとの方に反映させておるところでございます。
 大変、年々なかなか件数が減りませんことについては、心苦しく存じております。
#144
○中野鉄造君 終わります。
#145
○田代富士男君 ただいま指摘事項を通じまして次のことが言えると思います。
 一つは、税、保険料を扱う大蔵省、労働省、厚生省におきましては、収入での取り損ないが取り過ぎよりも圧倒的に多いが、今後適切な執行によりまして公平を期するとともに収入確保に努めるべきではないかと思うのでございます。
 第二点は、契約、設計、積算など事前の準備が十分に行われていさえすれば防ぎ得る不当事項の指摘が余りにも多過ぎるという問題でございます。
 第三点は、監督、検査など当然責任を持って行うべき職務をなおざりにした、ために不経済になるケースが幾つもある、無責任な仕事は断じて改めるべきである。
 第四点は、総じて言えることは、この決算検査報告が十分に生かされていないということです。それぞれ自分の省庁や自分の局についてのみ関心がいっていて、他省庁の不当事項を他山の石とする資質に欠けるところがあるのではないか。ただいまも会計検査院長がこの趣旨のことを申されましたけれども、官房長官、代表いたしまして、どのように受けとめられ、どのように今後やっていこうと思われますか。
#146
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたように、不当事項あるいは非違事項、毎年御指摘がありまして、これは各省庁に十分注意するようにと徹底をしておるつもりでございますけれども、先ほども御指摘がありましたように、似たような事案が起こってくる、大変に遺憾なことでございます。十分注意をいたしまして、今後各省庁よくさらに徹底いたすように、内閣としても努めなければならないと思っております。
#147
○田代富士男君 次に私は、昨年の本予算委員会の総括質問におきまして、過去十年間における決算から各省庁で発生している不用額の実態を明らかにいたしましたが、その後政府は財政の効率的な運用についてどのように姿勢を改め取り組んでこられたのか、大蔵大臣御答弁願います。――大臣からお願いします。
#148
○国務大臣(渡辺美智雄君) 予算は適切に組むことが大切でございますが、いろんな経済情勢の変化その他で不用額が起きることが再々ございます。中には、いろんな財源づくりのために、減税のために不用額をもっとつくれとか、あるいはベアのための不用額をどこかで節約をしてそういうふうに回すようにしろというようなこともたまにはございます。しかし、それは正道ではないわけでございまして、やはり適切に執行されるように見積もるのが当然なことなんですが、なかなかぴしゃっといきかねるということも事実でございます。しかし、特に会計検査院等で指摘をされた輸銀等の莫大な不用額、これについてはかなり締めてかかっておりますので、相手の国の事情で執行できなくなったようなものは別として、かなり最近は巨大なものが残らないようになってきておることも事実でございます。
#149
○田代富士男君 まだまだ改めるべき点があると思います。
 そこで一つの例といたしまして、五十一年度から五十五年度までの五年間における一般会計の退職手当につきまして、所管または組織別に調査をしてみました。そうしたところ総体的に言えることは、この退職手当が予算執行の段階で退職手当以外の項目に使われていること、つまり流用等が頻繁に行われております。そのため、当初より相当の減額修正されているにもかかわらず、なお歳出予算現額に占める不用額の割合が非常に高い、かつ不用額そのものの額も大変大きいということが判明いたしました。一般会計における退職手当の不用額と歳出予算現額に占める不用額のパーセンテージと金額を五十一年度から五十五年度の五年間にわたって報告してください。
#150
○政府委員(松下康雄君) 退職手当の予算現額と不用額について御説明を申し上げます。
 昭和五十一年度でございますが、予算現額千八百九十二億円に対しまして不用額三百五十九億円、その割合は一九・〇%でございます。昭和五十二年度予算現額千九百六十二億円、不用額百五十七億円、率は八・〇%でございます。昭和五十三年度予算現額二千二百億円、不用額六十五億円、率は三・〇%でございます。昭和五十四年度予算現額二千五百一億円、不用額三百四十五億円、率は一三・八%でございます。昭和五十五年度予算現額二千五百十九億円、不用額百三十一億円、率は五・二%でございます。
#151
○田代富士男君 具体的に明らかにしたいと思いますが、年度別に五年間における不用額のパーセンテージの高い省庁のワーストファイブについて、大蔵省から報告してください。
#152
○政府委員(松下康雄君) 昭和五十一年度につきましては、環境庁が八〇・六%、総理本府七一・一%、人事院六一・五%、大蔵本省四三・九%、外務省四三・七%でございます。昭和五十二年度、環境庁七二・九%、自治省六三・〇%、内閣官房六二・四%、国土庁五九・八%、総理本府五四・三%でございます。昭和五十三年度、沖縄開発庁七二・四%、経済企画庁六〇・六%、国土庁四七・二%、環境庁三七・一%、衆議院二八・九%でございます。昭和五十四年度、国土庁五三・〇%、内閣官房四七・〇%、科学技術庁四六・六%、宮内庁四六・五%、総理本府四三・六%でございます。五十五年度、国土庁九八・二%、経済企画庁七二・七%、内閣官房六二・九%、環境庁六〇・一%、外務省五二・一%でございます。
#153
○田代富士男君 いまの発表によりますと、五年間のうち四回登場する省庁が環境庁と国土庁です。三回登場するのが総理府と内閣官房です。それぞれの省の各大臣、長官は、なぜこういうことが起きるのか、このことについてどう考えていらっしゃるかお答えいただきたい。
#154
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。
 環境庁における退職手当につきましては、たとえば定年制度が確立していないというような事情もございまして、退職手当それ自身の正確な見積もりを行うことが大変むずかしい状況にあるわけでございまして、そういうことの結果、これまで不用額を出してきたと、こういうことは事実でございまして、その辺は大変遺憾に思っておるところでございます。
 五十七年度におきましても、予算の従来の執行等を十分考えまして見積もりを行っているところでありますが、今後ともできるだけ適切な見積もりを行うように努めてまいりたいと、かように考えております。
#155
○政府委員(鴨澤康夫君) 内閣官房につきましては、定数が非常に、世帯が小さいということもございまして、一人の方のおやめになるかどうかということの見積もりを誤りますと非常に大きくパーセンテージに響きます。そういう関係もございまして、従来そういう不用額を出しておりますが、今後よく努力をいたしまして正確な見積もりをするようにいたしたいというふうに考えております。
 それから総理本府につきましては、御指摘のように過去五十一年から三年度までは非常に不用額が多かったわけでございますが、その後少し、何といいますか厳しい見積もりをいたしまして、幸い昨五十五年度及び現在の五十六年度につきましてはほとんど不用額を出す状態ではございません。これにつきましてもなかなか正確な見積もりがむずかしゅうございますが、引き続き正確な見積もりをするように努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#156
○政府委員(福島量一君) 御指摘のように、国土庁の退職金の不用額の比率は、五十一年度を除きまして高いのは事実でございます。ただ、国土庁の場合は大変職員数が少ない上に、他省庁からの出向者が大半を占めておるという事情のために、退職者の数は大変少のうございます。ある年によって二、三人の退職者の数がぶれますと、それによって、額はそうでもないんですけれども、比率が非常に上下するという事情がございまして、それがいまの不用額の比率を高める一つの原因であろうかと思っております。私どもといたしましては、できるだけ厳正な見積もりをいたしまして御指摘のような事態が生じないよう努力をしておるつもりでございます。現に、昭和五十六年度につきましては不用額の比率はきわめて低くなる見通してございます。
#157
○田代富士男君 じゃ次に、この五年間を通観して、退職手当につきまして多額の不用額を発生きしているところ、これを調べましたらたくさんございますが、代表いたしましてワーストテンの各省庁名はどことどこか、また金額もあわせて御説明いただきます。
#158
○政府委員(松下康雄君) 五十一年度の大蔵省が百九億一千百万円でございます。五十四年度の法務省が六十三億六千二百万円でございます。五十四年度の大蔵省が五十三億九千二百万円でございます。五十四年度の防衛庁が五十億五千八百万円でございます。五十一年度の法務省が四十三億一千万円でございます。五十二年度の大蔵省が四十一億九千二百万円でございます。五十四年度の労働省が三十九億九千二百万円でございます。五十一年度の農林省が三十九億八千七百万円でございます。五十一年度の運輸省が三十二億九千二百万円でございます。五十一年度の裁判所が二十四億四千九百万円でございます。
 以上が十省庁でございます。
#159
○田代富士男君 いまの報告によりますと、ワーストテンのうち三度登場するのが財政当局の大蔵省です。これは問題じゃないかと思います。大臣いかがですか。大臣どうですか。ぐあいの悪いことはほかの人ですか。
#160
○政府委員(松下康雄君) 退職者の見積もりというのがはなはだむずかしいものでございまして、私どもの職場では全体におきまして国税庁の五万人を初めとしまして相当数の職員がございます。これらの中で実際にこの勧奨退職に応じて現実に退職していく人員がどれぐらいあるかということを人事当局が見積もりを立てましてそれらに基づいて予算を計上するわけでございますけれども、結果的に相当に狂う場合があることは御指摘のとおりでございまして、私どもも予算を主管する立場から申しましても、もっと努力をして適正な見積もりをするように努めなければならないと考えておるところでございます。
#161
○田代富士男君 この退職手当についてはさらに考えねばならないことがあるのではないかと思います。それは御承知のとおり、補正予算の編成の時期になれば毎年度の退職についてある程度の見込みがつくものがわかるわけなんですから、この退職手当に対しては十分にメスを入れられてよいと思いますが、それが入れられてないという実情でございます。
 そこで、補正予算における不用額全体の修正減少について昨年取り上げたときにも指摘しておいたとおりでありますが、特にこの退職手当に対してメスを入れるだけでも少なくとも毎年数十億から百億以上の国債発行を抑えることができる、そうしますと後々の支払い利息も抑えることができるわけでございますが、この問題を今日まで見逃してきた財政当局の責任は重大であると思います。いま局長が申されましたけれども、ワーストテンの中に三回も登場する、大蔵省が顔を出すということは、これは大臣、局長の答弁じゃなくして、大臣自身が反省し今後改善する決意を述べなければならないと思うのですが、どうですか、大蔵大臣。
#162
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本当に不用額は出さないようにしておりますが、先ほど言ったようにいろいろな事情で出ることがございます。不用額が出るということは別に国債を発行するということではございませんので、その分国債を発行しなくて済むという場合もございます。
#163
○田代富士男君 あなたね、いま期せずしてやろうかというような簡単なことをおっしゃったようだけれども、大臣がやれば、そんな答弁の、そういう姿勢ですか。何か、何でもないような、おれやるかというような、そういう軽い決意でしていらっしゃるのか、軽い考えなんですか、どうなんですかその態度は、けしからぬと思いますよ。
#164
○国務大臣(渡辺美智雄君) 決して軽い考えではございません。ございませんが、どうしてもいろいろな見積もりでございまして、退職金の場合には、定年制が裁判官とか検察官というような場合は何人やめるということがはっきりしているわけです。それ以外の場合はどうしてもはっきりしないというようなことのために、この不用額が出るということはございます。だからと言って国債がよけいに発行されるわけではないということを言ったわけであります。
#165
○田代富士男君 じゃ談合問題に移ります。
 行管庁は昨年八月「行政事務運営の公正確保に係る体制及び手続に関する調査」結果というのを発表して、その中で公共事業の入札のことに触れております。これは行政監察ではなくして単なる調査ということで、ああせい、こうせいという勧告を出してない。入札の問題はきわめて重要なことだし、不正など許すわけにはならないわけでございますが、しかし、このことを見てみますとトーンダウンをした調査になっておるのではないかと心配される面がありますが、勧告に踏み出すべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
#166
○国務大臣(中曽根康弘君) 行管当局がやりますものには勧告と調査とあるそうです。それで効果は同じだそうであります。監察として出たときには大体勧告として出す。調査として出たときは通知として出す。同様にこちらからこちらの見解を申し述べでいろいろな諸処置を要求している、報告を要求する、そういう点においては変わっていない由であります。
#167
○田代富士男君 建設大臣の諮問機関に中央建設業審議会がございますが、ここで入札合理化専門委員会が発足いたしましたが、建設大臣は入札の今日の状況をどう思っていらっしゃるのか。
 また、いままで談合があると発言した大臣は一人もおりません。これは刑法に触れるからだし、犯罪の実証がむずかしいから当然であったとも言えますけれども、しかし、こういうような政府の姿勢が入札問題そのものを深刻化したとも言えるのではないかと思います。今回政府としては、入札問題をどういう不合理があると考えているか。談合が大なり小なり慢性化しているということを認めるかどうか。お願いいたします。
#168
○国務大臣(始関伊平君) お答えをいたします。公共工事の発注に対してさまざまな疑惑が指摘されておることはまことに遺憾であります。談合行為が果たして行われておるかどうかということでございますが、この問題につきましては、これはたとえば検察庁でありますとか、公取委員会でありますとか、最終的に一種の司法機関もしくは準司法機関としてこれを捜査して確定する機関もあるわけでございますが、発注官庁は、一般はもとより私どもの方も、これは談合であるということを最終的に決定するような立場にはないと、かように存じております。
 しかしながら、その疑惑があることでも大変遺憾でございますので、建設省は建設業の指導、監督の立場にある機関といたしましてこういったような状況にかんがみまして、昨年の十一月には、主要な建設業団体に対して関係法令の遵守について指示をいたしました。
 また、本年の一月二十九日には事務次官名をもって、全国の建設業団体に対してその徹底方を通知させたところであります。
 法令違反の事実が生じた場合について、建設省はどういう立場にあるかと申しますと、建設業法に基づく監督処分、これは営業停止等でございますが、従来から厳正な処置をとっているところでございます。今後とも厳正適切に対処してまいりたいと、かように存じております。
 それから、建設省の責任に属する事項といたしましては、非常に大きな発注官庁でもございますので、入札制度の合理化対策等についてこれを是正する、不適切な点があればこれを改めるということでございますが、御承知のとおり現在、中央建設業審議会に調査、審議をお願いしているところであります。建設省としては同審議会の結論を待って早急に改善策を実施する考えでありますが、建設省は直轄工事につきましては、競争参加者の指名数をとりあえず昭和五十七年度から、つまり四月一日からなるべく二十名とするなど当面の措置についてこれも一月二十九日に事務次官から通達をさせたところでございます。
 とりあえず以上御報告申し上げます。
#169
○田代富士男君 会計検査院が毎年、公共工事の積算が誤ったために落札額が割り高になった事項を指摘しておりますが、そのために発生した不当金額は五十三年度以降五十五年度までだけでも五十五件、四十三億四千三百七十一万円に上がっておりますが、この中から五十五年度の検査報告から首都高速道路公団の工事の問題を取り上げてみたいと思います。この工事の正しい予定価格は十四億九千百八十二万円でなければならなかった。これは検査院が指摘しております。にもかかわらず誤って十七億七千九百九十万円と積算した。これは私の方の調査で明確でございます。ところが指名競争入札したのに十七億七千六百万円で落札した。これは予定価格が漏洩したとしか思えないんですが、どうですか、この実態。
#170
○政府委員(加瀬正蔵君) 首都高速道路公団の工事につきまして御指摘のような積算ミスが生じましたことはまことに申しわけないと思っております。ただ、私も先生御指摘のように非常にこれはおかしいという感じがしたものですから、具体の書類を現場から取り寄せて詳細に点検をいたしてみました。そうしますと、この積算に当たりましてあらかじめ設計図面から必要な材料というものを抜き書きしまして資材の総括表というものをつくりました。その資材の総括表から設計書のデータシートというのにその数量を転写いたします。この際に公団で非常に簡単なミス、大変申しわけない不注意なんですが、ミスをいたしまして、本数と長さのメートルとを間違えて転写をしたということがございます。さらにその発注に当たりまして現場説明を行いますが、現場説明を行う際に設計書のデータシートの中から金額を抜きまして数量を書いたものを設計書として業者にお渡しいたします。そのお渡しした資料に基づきまして金額を入れて、コンピューターに入力しまして業者としての積算をいたすわけでございます。そういう段階で業者の方も公団の渡した設計書のデータシートを信用して金額を記入したということでございまして、これは大変申しわけないんでございますが、公団側のミスを業者がうのみしたという結果でございまして、よく調べてみましてもその間に談合等のことがあったために非常に価格が近かったということではないのではないかと私どもは考えております。
#171
○田代富士男君 いまそこでどういう説明をされましても、間違った高い金額で発注されたものがいま申し上げたような金額になりまして、これは事前に漏洩し、談合を示す証拠ではありませんか。大臣どうですか。これだけはっきりした金額がわかっているのに、どうですか。
#172
○国務大臣(始関伊平君) 予定価格が外部に漏れないようにということは、非常に厳重に注意をいたしておるところでございまして、さような事実があるとは考えておりません。しかし、ただいまの都市局長が御説明申し上げましたように、何か大変な計算違いをしたようでございまして、またそれがそのまま受注価格にはね返ったということにつきましては、大変遺憾で申しわけないことに存じております。
#173
○田代富士男君 遺憾ということじゃないです、その事実をどうするのですか。間違って出した高い価格がそのまま落札されている、どうなんですか。まことに遺憾だけじゃ済まされません。
#174
○国務大臣(始関伊平君) その点につきましては、その後是正の措置を講じたと思いますが、詳細は政府委員から答弁いたさせます。
#175
○政府委員(加瀬正蔵君) 先ほどもお答え申し上げたのですが、現場説明をしまして、その際に金額抜きの設計書が業者に示されるわけでございます。その金額抜きの設計書には、この工事の場合PC鋼のより線の緊張工の工数が入るわけでございますが、それを入れる際に延長と本数とを間違えて誤記した。これは誤記したものを公団側から業者に示したわけでございますが、それに基づいて積算をした結果、こういう数字が出たわけでございまして、予定価格の漏洩によるものではないと私どもは確信しております。
#176
○田代富士男君 これは民間の会社と違いまして公団ですよ。会計検査院長、いかがでしょうか、これ。どう思われますか。
#177
○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。
 事態につきましては先ほど来のお話のとおりでございますが、この件は非常に金額も大きいということ、それからもう一つ入札の経緯でございますね、こういう面から見て私ども非常に問題の重さを見まして、内部の契約の公正が確保されているかどうかと、そういう点についても十分に調べ、当局側もそれに対応されてお調べになったようでございますが、何せ発注側の検査しか私どもは担当いたしておりませんので、談合の事実という点については確認ができなかったということでございます。
#178
○田代富士男君 この五十五件は、積算過大とか不適格とか誤りとかいろいろありますけれども、積算が何らかの手違いで過大となっても、それがそのまま契約額の割り高となって公共事業費のむだ遣いとなるその原因は一体何であるのか、あるいは指名競争しても公正競争が行われていない。そして予定価格の漏洩があるということでどうすることもできないわけなんですが、このようなことに対しましてもう一度、私は建設大臣にお尋ねをいたします。競争が阻害されているのではないかと思いますが、どうですか。
#179
○国務大臣(始関伊平君) ただいま御指摘をいただきました案件について申しますと、あの工作物の中に入れますピアノ線の長さ、メーターと入れる本数とを間違えて指示をして、それに基づいて受注者側も計算したということでございまして、積算をする根拠を発注側が間違って指示したということでございますから、本件でいわゆる予定価格が漏れたからこういう結果になったというふうには考えておりません。ただいま政府委員から御答弁申し上げたとおりであります。
#180
○田代富士男君 会計検査院長、どうでしょうか。
#181
○会計検査院長(大村筆雄君) 公共事業を執行するに当たりまして、実際の価格より計算間違いということで高く予定価格がつくられ、しかも入札を見てみますと大体一番入札で決まってくる。落札価格というのが予定価格にほぼ近いところで落札されているという点、こういう点は最近の新聞報道等によりまして、談合等の疑惑ということが指摘されているところでございまして、こういう点、これは発注者側がもっと真剣になりまして、ひとつ審議会等で十分御検討いただきまして是正改善措置を速やかにおとりいただくよう期待しているところでございます。
#182
○田代富士男君 公取は、独占禁止法で、取引の競争が制限される場合、これを取り締まるという責任がありますけれども、談合入札問題に対してはどう対処してきていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
#183
○政府委員(橋口收君) 入札談合問題と独占禁止法とのかかわり合いにつきましては、当委員会でもしばしばお答えをしているところでございますが、昭和二十二年に独占禁止法が施行になりましてから今日までの間、入札談合問題につきましてそれぞれ必要な措置を講じておるわけでございますが、昭和五十二年に法律が改正になりまして以降、この問題に対しまして法的な措置がとりやすくなったという環境がございますので、最近五年間をとりましても十件の入札談合問題についての法的な措置を講じておるわけでございますし、その十件のうちの三件は物品の購入に関するものでございますが、七件は工事関係のものでございます。これはいずれも官公庁の発注にかかわるものでございます。
 私どもとしましては、今後も入札談合の問題につきましては必要な措置を講じてまいりたいということをかねてから申し上げておるわけでございまして、事業者あるいは事業者団体が一定の取引分野における競争を実質的に制限するような行為をとりました場合には、これは独占禁止法に触れるわけでございますから、そういうものにつきましては必要な措置を勇敢に講じてまいりたいというふうに思っております。
#184
○田代富士男君 談合入札が継続的に、また制度的になされている場合は公取委は発動すると言われておりますが、いま静岡の問題なんか調査していらっしゃいますが、その他に取り上げられていらっしゃる事項がありましたら、いまもお話がございましたが、もうちょっと具体的に御説明いただきたいと思います。
#185
○政府委員(橋口收君) 入札談合と独禁法とのかかわり合いにつきましては、法律問題と政策上の問題とございます。
 法律上の問題につきましては先ほど概括的に申し上げたところでございますが、一定の取引分野における競争が実質的に制限される態様というものはどういうケースであるかということを考えてみますと、多くの事業者あるいは事業者団体の行為の背景にある種の規約なりルールが存在いたしまして、その規約ないしルールの実現として個々の談合行為が行われる、こういうケースが大変多くあるわけでございまして、われわれとしましては、そういうものにつきましてルールの排除、規約の廃棄ということを政策の目標にいたしておるわけでございます。
 ただ、そういうふうに申し上げますと、一定のルールなり規約の存在するものだけが独禁法の対象になる違法な談合行為であるかのごとき印象を与えるわけでございますが、これはたしか先週の志苦委員にもお答えしたところでございますが、個々の談合行為でございましても、その規模あるいは地域経済の影響等の問題がございますから、そういうものにつきましては、個々の談合につきましてもケース・バイ・ケースで法に触れるかどうかを判断したいというふうに考えておるわけでございまして、個々の談合行為は独禁法の立場から申しまして違法な談合行為ではないという法律解釈を持っておるわけではございません。
#186
○田代富士男君 公取の制度上、取り上げたら最終的には審判維持上堅実主義で臨むことはわかりますけれども、公共工事の入札をめぐる一つの中核的存在でありますし、土工協のトップが談合調整の責任をとって総退陣したということは御承知のとおりでございますが、公取はそこに取引上の競争制限が継続的に、制度的になかったとの認識を持っているのかどうか、お尋ねいたします。
#187
○政府委員(橋口收君) 御質問の御趣旨ちょっと十分掌握いたしかねたわけでございますが、私どもの行政体験から申しますと、ある種の談合行為が行われる背景には先ほどもちょっと触れましたような業界を通じてのルールなりあるいは規約の存在があるケースが多いわけでございます。ただ、そうは申しましても、偶発的な理由によりまして何らかの理由で談合が行われるということもあるわけでございますから、そういうものにつきましては強い法的な措置をとるつもりでおるわけでございますが、お尋ねの趣旨が、制度として談合行為が蔓延しているかどうかという点であろうかと思いますが、この点につきましては、先ほど来建設省の方からお答えがございますように、中央建設業審議会で制度改善につきましていろいろ検討をしていただいておるわけでございまして、私どもとしましても、現在の発注、入札のあり方によってある種の競争制限的な行為が発生する場合もあるわけでございますから、もとを正すという意味におきまして制度なりシステムなりを変えていただく、改善していただくということは大変望ましいことだというふうに考えております。
#188
○田代富士男君 衆議院の予算委員会で公明党の矢野書記長が指摘いたしましたダム工事につきまして、土工協の真機関の調整したとおり計画書に決められた業者が十年間にわたって日本全国のダム工事の九割以上を施行した事実が明らかにされたわけでございますが、公取は独禁法上当然発動すべきでありますし、建設省は談合を排除する行政機能も責任もありません。だから、公取は建設省とは違いまして独自にみずからの責任と権限を自覚すべきではないかと思いますが、どうですか。
#189
○政府委員(橋口收君) 土工協のあり方につきましては関心を持っておるところでございまして、一体どういう組織を持っているのか、どういう運営ないし機能を持っているのか、また土工協の中にどういう小委員会があるのかという問題等につきましては関心を持っておるところでございまして、衆議院の矢野先生から御指摘をいただきましたもろもろの件数につきましては、その際お約束をいたしましたように、建設省と御相談してまず事実関係の実態の究明を行うべきだと、こういう考え方のもとにいま実態の究明をしている最中でございまして、ある程度の資料も得られておりますが、建設省御所管以外の事業もございますので、そういうものの調査にもう少し時間がかかろうかと思いますが、いずれにしましても矢野委員にお約束したことは確実に実行したいというふうに思っております。
#190
○田代富士男君 衆議院の予算委員会で公取委員長が、談合行為の行われた後一年を経過すると、時効で公取は取り上げられなくなるという説明をされておりますけれども、そのとおりですか。
#191
○政府委員(橋口收君) 先ほどもちょっと触れたのでございますが、昭和五十二年に独占禁止法が改正になりまして、それ以前は進行中の不当な取引制限あるいは不公正な取引方法に対しまして、そういう行為を将来に向かって排除する、そういう機能だけが与えられておったわけでございますが、五十二年改正によりまして、過去の行為に対しましても一定の時間的範囲内のものであればこれに対しまして排除措置、必要な措置を講ずることができるようになったわけでございます。これが一つの契機になりまして、すでに結了した入札談合行為に対しましても法のやいばをふるうということができることになったわけでございますが、ただ法律には制限がございまして、一定の行為が結了した以降一年以上経過した場合には措置がとれないということになっておりますので、ある種の談合行為に対しまして談合行為としての行為が結了いたしましてから、談合の結果として受注予定者というものが決定され、受注者が工事を行うということになりますと、もうすでに競争の状態はなくなるわけでございますから、そういう談合行為が行われました時点から一年たった後におきましては、法的措置はとれないということは矢野委員にお答えしたとおりでございます。
#192
○田代富士男君 今回のダム工事についての談合行為というのはいつから始まり、いつ終わっていると認識していらっしゃいますか。
#193
○政府委員(橋口收君) これは先ほどお答えしたとおりでございますが、その個々の談合行為が独立したものであるかあるいはその背後にある種のルールがあるかどうか、それによって違うわけでございますから、現在は、まず行われました入札、発注の行為の事実関係の実態を究明することが先決だということで、いま事実関係の究明を急いでおるところでございます。
#194
○田代富士男君 いま事実関係を調べていらっしゃいますけれども、資料によりますと三月二十八日ではありませんか。そうしますと一年を経過すると時効ということになりますと、一年目に当たるのが五十七年の三月二十八日になる。きょうは三月十八日です。あと十日しかないわけなんです。ここで問題指摘しなければ公取は時効成立を待って、そして見逃してしまうことになるのではないか。こうなりますと責任の放棄、権限の放棄、これでは談合を正そうという姿勢ということは言えないのではないかと思いますけれども、あと十日間、これはどうするんですか、公取委員長。
#195
○政府委員(橋口收君) 独占禁止法は、独占禁止法秩序が侵害されている状態を可及的速やかに是正するというのが本来のねらいでございますから、いわゆる犯罪の摘発とは性格を異にしておるわけでございますから、たとえば談合行為について申しますと、先ほどもちょっと触れましたように、一定のルールなり規約の存在が立証されますれば、それは談合行為は現存しているということになるわけでございますから、私どもとしましては、個々の行為がいつ結了したかという問題も大切ではございますが、その背後にルールなり規約の存在が立証されるかどうかということを最大の関心事としているところでございます。
#196
○田代富士男君 人事院にお尋ねいたしますが、天下りについて談合との関係を見直すと言われたけれども、その後どういう調査を行っていらっしゃいますか。
#197
○政府委員(藤井貞夫君) 談合に関するいろいろ問題が起きておりまして、これについての考え方なり見解というものは、それぞれ関係の省庁の大臣等から御説明のあるところでございますが、われわれ人事院といたしましてこの問題について大変関心を抱いておりますのは、これは御承知のように服務の面でございます。
 服務の面と申しましても、これは私は二面あると思います。一つは、契約担当の事業を官庁関係において担当しておる職員の側、これの服務の問題がございます。それからもう一つは、いわゆる天下りと申しますか、関係のある企業に就職をいたしました者との関係がどうなっておるかという問題、両面あると思います。
 この点は、もし仮に公務の側でもっていわゆる談合なるものを促進するといいますか、拍車をかける原因になっておるとかということになりますればこれは大問題でございますので、そういうことが絶対にあってはならないという点から注意をいたしておりまして、この問題が起きました直後、直ちに関係省庁の責任者の担当官会議を開きまして、その点についての注意をるるいたしまして、いやしくも服務に違反することのないようにという厳重な注意をいたしたわけでございます。
 それと並行いたしまして、いわゆる天下りと談合の関係というものについても、もし天下った者と官庁との癒着等があって、そのために何か不正が起きるというようなことになりますればこれは大変でございますので、その点についても注意をして見守ってきておりますが、今回のことがございましたので、私たちといたしましては、特に、いわゆる企業への就職の問題につきましては関係のあるところから、たとえば建設会社に行ったというような場合は、営業とか契約担当に従事することはこれはまかりならぬということは厳重に言っております。そういう点の注意を各職員に対して徹底をするようにということを、さらに厳重に申し渡しておりますことが第一点。
 それから第二点といたしましては、先生も御承知のように、この点は三等級以下につきましては各省庁に委任をいたしております。委任をいたしておりますが、その委任されている部分について厳正な基準に従って処置をされておるかということについては、日ごろ注意をもって監査もいたしておるわけでございますが、その点について最近の事例では、遺憾ながら就職についての認可がないのに、就職をした事例がありました。そういう点について、今後絶対にそういうことのないように注意をしていただくように、るる注意を申し上げたところでございます。
 なお、もう一点申し上げますと、そういうふうに注意をいたしておりますけれども、建設会社等に就職をいたしました者が二年の法定期間の間に当初の予定と違って、たとえば平職員で入った者が取締役、役員になるという場合にはもう一度承認が必要であるというふうにいたしております。そういう場合におきましては、たとえばその職員が入りましてその後、経過として何か契約額が大変多くなったとかそういうような事例があると、これはやはり相当問題でございますので、そういう審査の場合におきましては、そういう点も一つ加味をして審査をさらに厳重にしていくというような点もあわせ考慮していく方がいいのではないかというようなことも含めまして、先刻来のお話が出ております建設省の審議会等のこれに対する対処策もございますので、そういう点もにらみ合わせながら、さらに厳正に規制を強化すべきであれば強化していくということをあわせて検討いたしておる段階でございます。
    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
#198
○田代富士男君 ではこの談合問題の最後に、鈴木内閣といたしましてこの談合問題を解決するためにどのような処置を講じていらっしゃるのか、官房長官、代表してお願いします。
#199
○国務大臣(宮澤喜一君) 先日来しばしばこのことが問題になりまして、総理大臣としてもきわめて遺憾に存じておりますことは申し上げたとおりでございます。関係各省庁の綱紀をさらに引き締めますとともに、先ほど人事院総裁からもお話がございましたが、いわゆる天下り等々につきましてはなお十分注意をしてまいらなければならないと存じます。
 それからまた具体的には、中央建設業審議会等等において、これをどのように今後そのようなおそれを排除するかについてただいま検討願っておりまして、その結果によりまして今後の処置を講じてまいりたいと考えております。
#200
○田代富士男君 では、次に年金問題に移りますが、わが国は世界の最長寿国の一つになっておりますけれども、わが国の高齢化は諸外国に比べてどういう特徴があるのか、まず御説明をいただきたいと思います。
#201
○国務大臣(森下元晴君) わが国の人口構造は次第に高齢化しておりまして、六十五歳以上の老齢人口の割合は、昭和三十五年の五・七%から昭和五十五年には九・〇%まで上昇しております。厚生省の人口問題研究所が昨年十一月に発表した将来人口推計の結果によれば、人口構造の高齢化は今後も急速に進展いたしまして、昭和七十五年に一五・六%と現在の西欧諸国並みの水準に達し、昭和九十五年には二一・八%のピークに到達すると見込まれております。
 老人一人を支える生産年齢人口の数は、昭和三十五年の十一・二人から昭和五十五年は七・四人まで減少しておりますが、将来は七十五年に四・三人、九十五年には二・八人まで減少するものと見込まれております。
#202
○田代富士男君 ただいまも御説明がありましたが、高齢化のスピードとその程度が激しいという特徴から考えまして、一つは老人の雇用問題をどうするかということが大きな問題ではないかと思います。
 労働省は雇用問題について、老人人口の増加に対応する適時適確な措置を用意されているのか、お尋ねいたします。
#203
○国務大臣(初村滝一郎君) 労働省といたしましては、今後の本格的な高齢化社会のもとにおいてわが国経済社会の活動を維持、発展させていくためには、高年齢者にふさわしい雇用と就業の機会を確保することが重要であり、このことはわが国の社会経済政策の最重要課題と考えておるわけであります。このために六十歳定年の一般化の早期実現、それから六十歳代前半層においては、高年齢者雇用確保助成金による六十歳を超える雇用延長の制度化の促進、パートバンク、シルバー人材センターによるこの層の多様な就業希望に応じた就業機会の確保、さらに各種助成金の活用による高年齢者の再就職の促進、こういうような総合的な雇用対策を推進してまいる考えでございます。
#204
○田代富士男君 生きがいのある職場をどのように老人のために確保していくかということが最大の課題ではないかと思います。今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、年金について厚生大臣にお伺いいたしますが、まず、社会保障制度の重要な柱の一つであります年金のあり方と、年金に対します認識を最初にお尋ねしたいと思います。
#205
○国務大臣(森下元晴君) 年金制度に対する認識と将来のあり方についてでございますが、来るべき高齢化社会において、増大する高齢者の生活費をいかにして賄うかは、社会全体としても重大な問題であります。その中で、公的年金は中核的な役割りを担うものでございまして、わが国が本格的な高齢化社会を迎える二十一世紀においても、制度が健全かつ安定的に機能できるよう、長期的な視点に立って検討を進める必要があると考えております。
 なお厚生省といたしましては、次の財政再計算期における制度改正は、今後の年金制度のあり方を方向づける上で重要な意義を持つものと期待いたしたいと考えておりまして、すでに関係審議会に検討をお願いし、さらに事務当局にも鋭意作業を進めさせていただいているところでございます。
#206
○田代富士男君 そこで、厚生年金の将来の財政の見通しというものはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また、年金の財政はこのまま推移したらわずか九年後には赤字に転落するとも言われておりますし、また現在のまま推移したとしたならば給付水準はどのようになっていくか、お答えいただきたいと思います。
#207
○国務大臣(森下元晴君) 現行制度を前提として推計いたしますと、厚生年金保険においては、三十年後には被保険者数は一・三倍となるに対しまして、制度の成熟化に伴い老齢年金受給者数は約五倍となり、給付費は八倍となる見通してあります。また、国民年金においては、被保険者数は現在とほぼ変わらないものと見込まれておりますが、三十年後には老齢年金受給者数は一・七倍となり、給付費は三・七倍となる見通してあります。
#208
○田代富士男君 まあ年金は高いにこしたことはありませんけれども、一方、これを支える人たちに大きな負担を強いることになるとしたら、これまた納得が得られるということは言いがたいわけでございまして、厚生省の資料によりますと、将来保険料率が現在の三倍の三五%に達するということが示されておりますけれども、そのような高い率の保険料は負担できるはずがないと思いますけれども、そこらあたりはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#209
○国務大臣(森下元晴君) 給付と負担のバランスの問題でございますが、今後の年金制度のあり方を考えるに当たりまして、年金給付と保険料のバランスということは大変に重要な要素であると考えております。わが国の年金制度の成熟化が進んでまいりますと、平均的な年金の加入期間は三十五年ないし四十年になってまいりますので、年金水準は相当高いものとなります。それはいまおっしゃったとおりでございますが、その際の現役労働者の負担、その生活水準とのバランスというものをどう考えていかなければならないかということが非常に大事な問題だと思っております。そういうことで、今後の年金制度の方向を考える際にはこういった点にも十分留意しながら慎重に検討していきたい。田代委員がおっしゃいましたような給付と負担のバランスの問題、これは将来の年金問題の大変大きな問題でございますので、厚生省としても十分この問題に配慮してやっていきたいと思います。
#210
○田代富士男君 もう一度ちょっと重ねてお尋ねしますけれども、近い将来到達するでありましょう年金財政の危機に対して、大臣としてどのように解決をしようとしていらっしゃるのか、柱だけでもよろしいですから御説明いただきたい。
#211
○国務大臣(森下元晴君) 日本の先進国でございましたヨーロッパ諸国におきましては、保険もそうでございますけれども、年金問題についてはいろいろ検討を迫られると聞いております。果たして高負担、高福祉がいいのか、また高福祉、中負担がいいのか、なかなかいろいろ組み合わせがむずかしいようでございまして、それぞれ社会福祉問題、社会保障問題の中で年金問題、いわゆる老後の保障問題をいかにしていくか、また公的年金がどの程度中核的な意義を持つか、いろいろ企業年金等の問題も含めまして、年金も一つの考えるべき時代に来たというふうに受けとめておりまして、やはり活力ある福祉社会をつくるために、また老後の幸せを求めていくためにもいかにしたらいいか、なかなかむずかしい問題でございまして、厚生省もこの問題につきましては、社会保障制度の大変重要な問題として取り組んでいく所存であります。
#212
○田代富士男君 私もいろいろ厚生省の説明をお聞きいたしましたけれども、支給開始の年齢をおくらしたり、また保険料率を引き上げたりすることで財政問題を乗り切ろうとされておりますけれども、年齢のあり方から考えてどうであろうかと私も疑問を持っている一人であります。
 また厚生省の資料によりますと、先ほど触れました老人の雇用問題に関して、老人に雇用機会が与えられれば年金財政は解決をしていくと考えられている節もありますけれども、それは私は本末転倒ではないかと思います。年金財政のために老人の雇用を考えるのでなくして、老人自身の生きがいと豊かな老後のためにこそ職場が提供されるべきであって、そのためにはまず高齢化社会にふさわしい労働政策が優先すべきではないかと思うのでございます。老人の雇用問題を年金の財政事情にあわせて考えていくとするならば、必ずや老人自身の共感を得ることはできないと思いますけれども、この点の考えはどうでしょうか。
#213
○国務大臣(森下元晴君) 御指摘のとおりでございまして、決して年金のために雇用問題を考えるべきでない、老後の安らぎと生きがいのために適当なお仕事を求めていただく、こういう考えでございます。この年金制度と雇用問題の有機的なつながりの中には、そういういろいろな深い意味があるということを踏まえて、老後の幸せと、そのためには健康保障、そして年金、いわゆる生活保障のために全力を挙げることを申し上げます。
#214
○田代富士男君 老人雇用の問題が優先的政策であるということを前提にいたしまして、年金制度と雇用政策の二つがどのように関連を持っているのか、
    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕
政府として長期的な展望でどのように取り組んでいくのか、ここらあたりが問題ではないかと思いますが、労働大臣、お考えいかがでしょうか。
#215
○国務大臣(初村滝一郎君) 雇用政策と年金政策の関係については、基本的には、将来高年齢者に生活の不安を与えないと、そしてまた、両者の機動的連携を図ることが必要であると考えております。したがって、年金の支給開始年齢の引き上げ等については、かかる観点を踏まえながら検討をしていかなければならない、かように考えております。
 そこで、労働省としては、今後の本格的な高齢化社会のもとでの高年齢者の雇用問題の重要性にかんがみまして、先ほども御答弁申し上げたように、雇用政策を強力に推進してまいる考え方でございます。
 それからなお、従来から雇用政策と年金政策の関係については厚生省と協議をしてまいったところでございますけれども、今後とも必要な協議を重ねて、雇用政策と年金政策の合理的関係を確立してまいる考え方でございます。
#216
○田代富士男君 いま両大臣からいろいろお話がございましたが、高齢化社会に対応した老人雇用政策と年金政策があるという感じは私は受けません。政府といたしまして、これは一体となって取り組むべきことではないかと思いますが、官房長官は、この問題についてどのように調整していくお考えであるか、お答えいただきたい。
#217
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど関係両大臣がお答えをいたしましたとおりでございますが、よく両省の間で調整をしてまいりたいと思っております。
#218
○田代富士男君 次に、農業問題についてお尋ねいたしますが、最初に、今後二十一世紀へ向かっての日本の動静をどう見ているのか、お答えいただきたいと思います。
#219
○国務大臣(田澤吉郎君) いま農林水産業の置かれている現状というのは非常に厳しゅうございます。国際的に見て、対外経済摩擦に見られるごとく、あるいはまた、中長期的に見て、世界の食糧の需給状況が非常に不安定であると。さらに国内的には米の過剰、それから兼業化あるいは混在化、さらには経営規模拡大の渋滞、さらに老齢化等の問題を抱えているわけでございまして、こういう中で、私たちは何としても食糧の安定供給、さらに国土自然環境の保全ですね、さらには経営の規模拡大等の仕事をしてまいらなければならないわけでございますので、私たちとしては、長期の展望に立って生産性の向上を図ると。それも、国内で生産できるものは極力国内で賄うという独立国日本のこの立場を維持しながら、国民の需要の動向に応じて農業の再編成を図る。そのためには、何としても農業技術の開発、普及が必要でございます。
 それからもう一つは、経営規模を拡大するために、幸い農地三法が制定されましたものですから、これを基本としていわゆる農用地増進法を軸として経営規模を拡大して、やはり国際競争に対応できるようなたくましい魅力のある農業をつくりたいと、これが二十一世紀への日本農業のあり方でございます。
#220
○田代富士男君 それに、いま二十一世紀の問題、お尋ねいたしましたが、現在の農政はまさに補助金農政とも言われるのではないかと思いますが、そのわりには余り効果が上がっていない状況ではないかと思います。先日当予算委員会の盛岡公聴会へ私も参りましたときに、弘前大学教授の吉永芳史公述人が現在の農業全般に対しまして過保護農業という批判をされておりましたけれども、これらの批判をどう受けとめてらっしゃいますか。
#221
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど申し上げましたように、農業の環境が非常に厳しい中で、私は新しい農業をつくるために努力をいたしている。たとえば、いま米が過剰である、これを解消しなければならない、そのためには水田利用再編対策というものをいま進めておりますけれども、このことは、単に米の過剰ということを処理するだけじゃなくして、水田利用再編対策というこの補助を中心にして新しい農業への方向づけをしようということなのでございまして、そういう意味では私は農業の補助金というものはそれなりに大きな活力があると思うんです。これまでともすれば補助金というのは各部局からばらばらに提案して、それてそれぞれの目標を持って進めたのでございますが、今回は私たちは、一つの新しい農業を目指す目標にしながら補助金を統合メニュー化形式をとりまして、新地域農業総合対策だとか、あるいは畜産総合対策等に見られるような補助金を有効に活用する、それは地域の自主性あるいは創意工夫で新しい農業がつくられるような形にしたいということでございます。
 いま、新しい農業の芽生えは点として生まれております。私はそれを線にして、面にしていかなければならない、そのためにはどうしても補助政策というものは必要だと思うのでございます。たとえば、日本の経済にとってみても、いま代替エネルギーの問題が研究されております。この代替エネルギーの補助金というのは民間に補助されているのです。これは日本の経済に活力を与えるための補助金なんです。農業だけじゃございませんよ。日本全体の経済の振興のためには補助金がなければ私は成り立たないと、こう思いますので、単に農業だけが何か閉鎖的で、何か保護的であるという見方は大きな間違いだと思うので、そういう点はひとつ皆さん考えていただきたい、こう思いますので、どうぞ温かい御理解をお願いいたします。
#222
○田代富士男君 ただいま大臣は、点から線へ、線から面へのそういうあれを持っていかなくちゃならないということでございますが、具体的な問題でお尋ねします。
 干拓事業の代表的なものとして秋田県の大潟村がございますが、大潟村の事業は当時モデル農村として各界から注目を浴びました。しかし、入植後十年たった現在どうなったのか。御承知のとおり淡水化された場所が家庭排水、工業排水の処理がされないままに池に流入して、しかも海に流してその自浄作用も受けることもできないために、わずか十年で水質が汚濁するという問題が起きております。また、肝心の営農について見ますと、政府の奨励する米作も途中で減反政策に切り変わり、畑作になり、それにもかかわらず農民が苦しさの余り、しかも価格保障のある米作についついつられて米作をしたために、実のなるかならないかのうちにいわゆる青刈り問題が発生するなどの問題を起こしていることは御承知のとおりでございますが、そして結局は日本の平均農家の畑地よりははるかに大きな耕作地を相手にするために金が余りにもかかり過ぎる、農業経済が行き詰まってしまったということでありますけれども、農民のこの悩みをどのように受けとめてあげられますか、また、どのように見ていらっしゃるのか、お答えいただきたい。
#223
○国務大臣(田澤吉郎君) 干拓事業については、御承知のように、わが国は国土が狭隘でございます。さらに、先ほど申し上げましたように新しい農業を進めるためには、経営規模の拡大が必要でございます。そういう意味から言いますというと、干拓事業というのは非常に重要な役割りを果たすわけでございます。ただ、それを運用、進める段階では、先ほど申し上げましたように、米の過剰というこの条件をひとつ私は念頭に置いていかなければいけない。もう一つは、環境影響評価というものを十分配慮しながら、やはりこれらの仕事を進めてまいらなければいけないと思うのでございます。
 そういう点で、八郎潟のいわゆる干拓の役割りというものは、それなりに私は大きく評価してよろしいと思うのでございますが、その後の運用等について、ちょうど八郎潟の干拓ができた前後は米の過剰という、米不足の時代から過剰の時代への転換の時代でございますので、その作目について非常な混乱があったと思うのでございますから、そういう面で多くの問題があったと思います。しかし、私たちは、そういうこれまでの大変なプロセスを今後生かしながら、営農等について万全の対策をとってまいりたいと、かように考えます。
#224
○田代富士男君 もう一つの例といたしまして、長崎の南部総合開発計画という大干拓事業計画がありますけれども、現在までの経過を説明してください。
#225
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。
 これは、昭和二十八年から調査を開始いたしまして、四十年から事業に着手しましたが、一回中止した経過がございます。現在の計画は、長崎県等の強い要請によりまして、都市用水と周辺畑地のための水源開発と、それからもう一つは、畑地の造成を目的とする事業ということで、四十五年から調査を開始、四十八年から実施設計に移行したわけでございます。そこで、いろいろ地元において問題があったわけでございますが、干拓が行われます諫早地帯につきましては、漁業問題、漁業補償に関する了解がつきまして、昨年の十一月に協定書が締結されたわけでございます。
 それから関係県、佐賀、福岡、熊本、それに長崎ということになるわけでございまして、これと九州の農政局とが五者委員会をつくりまして、地元の意見等も取り入れまして、計画規模の縮小を調整してきておりまして、去年の十二月に、計画規模縮小案について技術的、経済的観点から異論なしということで、縮小案が一応のまれたという形になっております。
 ただ、実は事業実施区域外でございます佐賀とか福岡とか熊本の有明漁連とか、さらに長崎の島原海域の漁協に、事業に反対があるわけでございます。私どもといたしましては、十分今後話し合いを続けて、合意を得ることがやはり事業着手の前提だろうと思っております。
 ことしの予算におきましては、実は大臣の強い御指示もございまして、長崎地域における今後の水需給なり水の開発コストの比較等も含めた調査費、あるいは土地の今後の地価の動向等も含めた、需給等の動向も含めた調査費二千万を計上すると同時に、設計費と事業費等三本立てで計上しております。
 私どもといたしましては、先ほど申し上げました、いわゆる反対のある地域の基本的な合意が得られない限り、事業に着手することは目下はむずかしいのではないかということで、調整を続けているところでございます。
#226
○田代富士男君 そこでお伺いしますが、有明海沿岸における水産物についてでありますが、水産物の特徴と生産量についてお伺いいたします。
#227
○政府委員(山内静夫君) お答え申し上げます。
 最近年次で、五十四年の有明海の生産量といたしましては、漁業で十四万トン、養殖業で十一万トン、合計二十五万トンとなっております。
 漁業の中の主な魚種といたしましては、貝類が十一万トンでございまして、養殖業ではノリが十万トンとなっておりまして、貝類とノリを合わせまして約八割に当たる二十一万トンと、こういう数字になっております。
#228
○田代富士男君 水産庁は、これらの水産物に対しまして干拓事業がどういう影響を与えるのか、調査をされましたか。また、調査の結果から見て、今回の干拓事業を水産庁としてどう見ていらっしゃるのか、お尋ねします。
#229
○政府委員(山内静夫君) 埋め立てあるいは干拓、電源立地等におきましての影響調査等につきましては、元来事業主体が行うこととなっております関係で、水産庁は現在直接この調査をやっておりません。
 水産庁といたしまして、一般的に干拓等につきましての基本的な考え方といたしましては、漁業環境への影響が事業者によって事前に十分され、それから影響を軽減するための措置が十分講じられる。あるいはまた、関係漁業者の理解と納得を得て進めてもらう必要があると、こういう考え方に立って対処をしているところでございます。
 本件につきましては、有明海の湾奥部にありまして広大な干潟を持っているということ、あるいはノリ養殖業あるいは採貝業その他沿岸漁業が行われているほかに、魚介類の産卵・生育場となっているところでございます。これらの計画されている干拓につきまして、九州農政局が学識経験者をもっていろいろ委員会をつくりまして、検討結果をまとめておるわけでございます。それによりますと、諫早湾が消滅することによりまして影響がある程度あるということはわかっておりますが、具体的にどの程度の被害になるかということにつきまして、はっきりしたことがまだわかっておりません。先ほど構造改善局長がお話し申し上げましたとおり、今後におきまして、五者委員会等におきまして、これらの規模とかあるいは影響調査等につきまして再度やると、こういうことを伺っておるわけでございます。
#230
○田代富士男君 いままで各地の干拓事業には、淡水化で水質汚濁等環境問題が起きておりますけれども、この南総開発について、環境庁はどういうふうに関心をお持ちでしょうか。
#231
○国務大臣(原文兵衛君) 実は御質問の南部総合開発計画につきましては、環境庁としては正式にはまだ承っていないのでございます。しかしながら、いま農水省の方からいろいろと御答弁もございましたように、この計画はいろいろな経緯があります。さらにまた、反対意見等もあるということを情報として十分お伺いしておりますので、そういうような点に心を配りながら、今後この計画がより具体化した段階で、公有水面埋立法によりまして、主務大臣から私どもの方に意見が求められるものと考えております。
 なお当庁としては、その時点で、干拓地の造成による生物とかあるいは潮流等への影響、干拓後の事業の実施等に伴う水質への影響、また工事に伴う影響等につきまして、公害の防止、あるいは自然環境の保全という面から、万全を期する観点から慎重に審査の上、所要の意見を述べるなど、適切に対処してまいりたいと思っておるところでございます。
#232
○田代富士男君 最後に、農林大臣は補助金は大切であるというお話がございましたけれども、これだけの多額の補助金を投入して行われております、かつての大潟村の農民泣かせみたいになったり、あるいは南総計画に見られるように、ずさんな計画が進められておりますけれども、この点に対しまして農林大臣いかがでございましょう。
#233
○国務大臣(田澤吉郎君) 長崎のこの南総問題につきましては、かなり古い経緯がございまして、私は大臣就任早々この問題に直面いたしまして、非常に重大な問題だと、しかし、これまでの経緯から見まして、やはり事業は進めてまいらなきゃいかぬ、しかし、地元あるいは漁民等の意見を十分参考にしながらこの事業は進めてまいらなきゃいかぬ、こう思いまして、私としては、先ほど局長から答弁さしましたように、慎重な態度でこの事業に当たりたいと、かように考えております。
#234
○田代富士男君 じゃ、中小企業の問題に移ります。
 中小企業経営は低迷を続けておりますけれども、現状についてどのように掌握していらっしいますか、大臣からまず御説明いただきたいと思います。
#235
○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在、内需が非常に低迷をいたしております。そういう状況の中で、中小企業の経営状況も悪いわけでありまして、特に大企業と中小企業の格差が開いていっておる、こういう跛行性が拡大をしておることを私は非常に心配をいたしております。
 設備投資をとってみましても、大企業の方の堅調の伸びに比較すれば、中小企業の方は昨年に比べて落ち込んでおるというふうな情勢でありますし、また、中小企業の倒産の方も高率である、昭和五十六年度は史上三番目というふうな状況にあるわけでございます。
 私たちは、そうした状況の中で、これ以上中小企業の状況が悪くなるということは、日本経済にとっても非常に重大な影響が出てくるわけでございますので、この動きというものを非常に注目しながらいま見詰めておるわけであります。
#236
○田代富士男君 特に中小企業の息切れ倒産が急増しておりますけれども、年度末の三月が再び倒産件数の発生が大きいのではないかと予想されますけれども、倒産防止に対していかなる施策を購じていらっしゃるのか、お答えいただきたい。
#237
○国務大臣(安倍晋太郎君) 中小企業の倒産防止対策につきましては、中小企業の倒産に伴って発生する経済的な、あるいはまた社会的な混乱を未然に防止するという観点から、これはきわめて重要な政策課題であると考えておるわけです。
 このために、特別な金融措置、信用補完の特例措置、倒産防止共済制度及び特別相談事業等の倒産防止対策を総合的に実施をしなければならないわけでございまして、われわれは、これまでもそうした防止対策が制度的にもでき上がっておりますので、これを機動的に運営をいたしまして、倒産防止を行っていかなければならない、こういうふうに考えております。
#238
○田代富士男君 中小企業金融公庫並びに国民金融公庫で実施しております倒産対策貸付制度についてお伺いいたしますが、パンフレットに取扱期間の制限の注意書きがありますけれども、どういうわけであるのか。これ、小さな字で書いてあります、私も見ましたけれども。特別融資が始まって以来続いているわけでありますから、これは恒常的な制度としたらどうだろうかと私は思うのでございます。さらには、貸付枠の拡大こそ検討すべきであると思いますがどうであるのか。また、倒産におびえる中小企業経営者に精神的な支えとなるのではないかと思いますが、お答えいただきたい。
#239
○政府委員(勝谷保君) 先生御指摘のように、中小企業金融公庫の倒産対策貸付制度は、倒産が高水準にある時期に中小企業の連鎖倒産の拡大を防止するための緊急的措置といたしまして設けられている制度でございます。
 具体的には、関連企業の倒産により経営の安定に支障を生じている中小企業者に、必要な資金を優遇した条件で貸し付けるものでございます。
 このような趣旨にかんがみまして、本制度の延長につきましては、半年ごとに倒産の水準等を勘案しながら見直しを行っているところでございます。現実的には五十二年以来、引き続いて半年ごとに伸ばしておりますので、ずうっと続けているのが現状でございます。
#240
○田代富士男君 中小企業向け官公需について、毎年七月ごろの閣議で方針を決定されておりますが、毎年わずかながら伸びているようでありますが、しかし、中小企業者の受注機会の増大のためにはまだまだの感がいたします。官公需実績について、どのような状況か、説明をしていただきたいと思います。
#241
○国務大臣(安倍晋太郎君) 中小企業者の官公需の受注機会の増大のために、いまお話がございましたように、毎年度官公需の中小企業向け発注目標とその実現のための具体策につきまして、閣議で決定をいたしておるわけでございます。この結果といたしまして、五十五年度の中小企業向け発注比率は三六・五%の目標に対しまして、三六・三%の実績を上げました。これは過去最高の達成率であり、五十六年度につきましては、さらに目標を三六・八%と高めまして、その実現のために関係各省庁は努力を重ねておるところでございます。
 このような毎年度の目標を向上させまして、その実現のために着実に努力を重ねるという方式は現実的でありまして、かつ実績を上げてきておると、こういうふうに考えておりますので、これは堅持してまいりたいと、こういうふうに存じております。
#242
○田代富士男君 国の契約で中小企業向け官公需の全体に占める割合が平均より下回る官庁をひとつ挙げていただきたい。
 そして、五十三年、五十四年、五十五年のパーセントの数字を出していただきたい。
 また、公社公団も同じく御説明をいただきたいと思います。
 それと同時に、中小企業向け官公需の伸びない理由は何であるか、監督官庁としていかにお考えになっていらっしゃるか、あわせてお答えいただきたい。
#243
○政府委員(勝谷保君) 先ほど大臣からもお答えございましたように、五十二年度以来官公需の実績は、毎年着実に、ふえているところでございます。五十二年度の四二・六に対しまして五十三年度四二・五、五十四年度は四三・一、五十五年度は四三・八、これは国の方でございます。
 この国の方の関係で、平均を下回るものはどこかという御指摘でございますが、数字は、平均を下回っているものは衆議院、参議院、最高裁、総理府、外務省、運輸省等がございますが、これらのところでも年度別に見ますと着実に伸びているところもございますし、非常に高いところで若干低下しているところもあるわけでございます。
 公社公団等の合計も大体着実に五十二年度の二七・七%から五十二年度は二九%、五十四年度は二八・八%、五十五年度は三〇・三%とふえておりまして、平均を下回っておりますのは、電信電話公社、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、日本鉄道建設公団等でございます。
 ここらの理由につきましては、毎年閣議で方針を決定していただいておりまして、適格組合等も着実に伸びてはおりますものの、いかんせん事業が中小企業に向かないもの等々もございまして、残念なところでございますが、各省庁力を合わせまして、その増大のために鋭意努力をいたしているところでございます。
#244
○田代富士男君 公社公団の実績は、国と比較してずいぶん少ないわけでございますが、閣議決定が十分に生かされてないのではないかと思いますが、大臣どうでしょうか。
#245
○国務大臣(始関伊平君) お答えを申し上げます。
 公社公団等の事業につきましては、その規模が非常に大きくて、それから技術的にも高度なものを要するということからいたしまして、さような結果に相なっているのだと思いますが、しかし公社公団の中でも住宅・都市整備公団等がございますが、これらにつきましては、分離発注あるいは逆に発注を受ける方の側の協同組合等を結成させましてこれを極力引き上げると、こういう方向で努力をしておるところでございます。
#246
○田代富士男君 官公需適格組合について御説明いただきたいと思います。
#247
○政府委員(勝谷保君) 官公需適格組合につきましては、この認定を申し出まして国や県でその認定をいたしているものでございますが、実は閣議決定の中で「事業協同組合等の活用」というものがございまして、国等は、「法令の規定に基づく随意契約制度」云々によりまして、受注機会の拡大を図るためにこの適格組合を活用しろということになっているわけでございまして、適格組合は逐次その数を伸ばしておりまして、五十六年十二月末で三百八十一ということになっております。この受注の額も逐次ふえておりまして、五十五年度で受注額が四百十二億円ということになっております。
#248
○田代富士男君 ただいまの適格組合制度を積極的に活用いたしまして官公需の拡大に努力すべきではないかと思いますが、いかがですか。
#249
○政府委員(勝谷保君) 官公需適格組合の活用につきましては、毎年度閣議決定されます「中小企業者に関する国等の契約の方針」の中におきまして、これらの組合の積極的活用を図るよう定められますとともに、官公需の中央、地方の推進協議会というのがございますが、この協議会の場でその活用の促進のために鋭意努力をするように打ち合わしているところでございます。また、適格組合の体質を強化することによりまして、その活用の拡大を図るために、希望する組合に対しましては全国中小企業団体中央会を通じまして専門の指導者を派遣して受注体制の整備に当たっているところでございます。
#250
○田代富士男君 十六日の閣議におきまして、公共事業前倒し発注七五%以上を目標とするようになされたそうでございますが、中小企業向け発注についても促進すべきであると思いますが、通産大臣はどのようにお考えでしょうか。
#251
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御指摘がございましたように、五十七年度には公共事業上半期集中という方向が打ち出されたわけでございますが、中小企業の官公需につきましても、上半期に並行して集中をするように今後とも最大の努力を払ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
#252
○田代富士男君 中小企業で経営者が死亡した場合に、株式保有に総体的に多額な相続税がかけられまして会社を手放さなくてはならないというケースができていることもしばしば耳にいたしますが、通産省は、事業継続の税制面での円滑化をいかに考えているのかお答えいただきたい。
#253
○国務大臣(安倍晋太郎君) 通産省としましては、中小企業の事業経営の継続と後継者への円滑な事業承継を図ることがきわめて重要であると考えておりまして、中小企業の承継税制の改善が図られるよう努力を行っておるわけでございます。このために、昭和五十七年度税制改正においては、取引相場のない株式の評価方法の改善と、個人事業者の場合の土地の課税価額の軽減を要望してきたところでございまして、この結果といたしまして、取引相場のない株式の評価方法の改善につきましては五十八年度から実施するという方向で今後検討するということになったと承知をいたしております。したがって、今後とも大蔵省とも相談をいたしましてその具体策の検討を進めまして、中小企業者の要望が反映をされるようにやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
#254
○田代富士男君 東京都第二位の工場数を抱えます墨田区で、中小企業の後継者問題について意識調査をされたところ、親の後を継ぐということを希望している者が六二%という結果が出ております。このことから、将来事業の相続について税制面が大きな圧迫となることが予想されるわけでございますが、ただいまも通産大臣からも話がありましたが、大蔵省として税制面からも中小企業者を支援していくべきだと思いますが、どうでしょうか、大臣。
#255
○国務大臣(渡辺美智雄君) 税制面からも、実は中小企業はいまでも税率などで法人税等は支援をいたしております。ただ、相続税の問題で――日本の税金はだれでも公平、平等でございます。相続税の中で特に承継税制の話が一つあります。これは、一番わかりやすく言えば中小企業の財産を相続するときに、たとえば土地のようなものも、東京だって実際は坪何十万円という農地を、何千円か知らぬがうんと安く評価をしているのだから、それと同じようにうちの工場の土地も評価しろと、こういうようなお話が主たるものであります。これは非常に実はむずかしい問題でございます。まあ東京都の農地について恩典をやっておるのがいいのかどうかという問題が別にございますが、一般の農地の問題であったならば、これはもう農地であっても、農業振興地域では自分の土地で自分の土地でないようなものであります。壊廃はできない。自由にならない。また一方、農業政策上農地の細分化というものは困る。したがって事前贈与とか生前贈与とか、あるいはまた相続税の場合、安い評価をやっております。それと全く同じということは、これは私はむずかしいと思いますが、ただ機械の評価とかあるいは宅地の評価、特に同族会社によっては株の評価の話をしておるわけでございますが、これらについては、評価の方法等について合理的で、なお説明がついて、不公正にならないで、何とか方法はないかというようなことで今後とも検討をしていきたいと、そう思っております。
#256
○田代富士男君 次に、名古屋駅構内の事故についてお尋ねしますが、寝台列車「紀伊」は、定員何名に対して何名乗車していたのか、また寝台列車の乗車効率はどうなっているか御説明願いたい。
#257
○説明員(高木文雄君) 申しわけございません。いまちょっと定員の数を頭に覚えておりませんが、大体乗車効率は二五%ぐらいで余り高くなかったわけでございます。
#258
○田代富士男君 みどりの窓口が二十三時で取り扱い中止でありますが、二十三時以降発車の寝台列車というものがありますが、これらの列車を利用しようとする旅客に対する切符の販売はどうなっておりますか。
#259
○説明員(橋元雅司君) お答え申し上げます。
 指定券類の発売につきましては私どもコンピューターでやっておるわけでございますが、そのコンピューターは、当日の発売額の集計あるいは翌日の発売のためのいろいろな書きかえ作業がございまして、二十三時以降五時半までその作動を停止をいたしております。したがいまして、その間に発車ないしは運転中の夜行寝台列車につきましては、二十三時以前に、その駅におきまして必要な枚数を従来の実績に照らしまして予測をいたしまして、十二分に確保をいたしておきまして発売を申し上げるということになっております。
#260
○田代富士男君 じゃ、用意した切符の枚数を超えてお客さんが来た場合はどう対応するのですか。
#261
○説明員(橋元雅司君) 十分な数を確保しておりますので万々そういうことはないと思いますが、時に二十二時以前にたたき出しをいたさなかったり、あるいはたたき出してもなお異常にたくさんのお客様がおいでになるという場合にそういうことがあるわけでございます。その場合には、別途販売センターにおきまして空席状況の把握をいたしておりますので、販売センターと十分連絡をいたしまして、お客様を必要により列車のところまで御案内をいたしまして車掌等によく連絡をいたしまして御乗車をお願いするというような措置をいたしております。
#262
○田代富士男君 いま常務理事がお話しになったことと実際は余りにも違うということを申し上げます。
 これは私がいただいた手紙でございます。十二月二十八日の夜、大阪午後十一時五十八分発の列車に、東京の告別式のために三人の人が切符を求めに行きました。そうしたら一枚だけしかなかった。やむなくそのあとの二人は明くる日の飛行機か新幹線で行こうということで、とりあえずホームまで見送りに出ました。寝台車はお客が三分の一も乗ってない。それで車掌さんに、空席はないかと聞きますと、たくさんあいておりますよと。十号車は一人も乗っていなかった。その一人も乗っていないところへどうぞお乗りくださいと、こういうことで乗ったわけなのです。その三人が買いに行った後に若い男性も買いに来ていたけれども、切符がないということでホテルに行ってしまった。車掌さんに聞いたところが、コンピューターがスイッチを切られているので切符売り窓口は開いていても、もぐもぐ言って説明が聞けなかったと。切符は売っている、席はがらあきなのに買えない、売らない、これはどういうメカニズムか、国鉄の体質をまざまざと見た感じです。国会にて追及のほどよろしくという手紙です。いまの説明とずいぶん違うのです。
#263
○委員長(植木光教君) 時間が参りました。
#264
○説明員(橋元雅司君) 大変残念なケースでございます。そのような場合には先ほど申し上げましたように空席状況の把握が非常に不十分であったかと私ども想像いたすわけでございますが、今後そういうことのないように先生の具体的なお話もよく取り調べまして指導いたしたいと、このように思っております。
#265
○田代富士男君 じゃ大臣と総裁から。
#266
○説明員(高木文雄君) いまの機械を使います切符販売制度は、非常にいい面もありますが、いま御指摘のようにいろいろフリクションを起こしている面もございます。そうしたものについては、一つ一つ少しでも改善をしてまいりたいと思います。いろいろそういうふぐあいの点について御注意を賜りますれば、直せるものから少しずつでも直してまいりたいというふうに思っております。大変恐縮に存じます。
#267
○国務大臣(小坂徳三郎君) 国鉄再建の非常に緊急な事態の中でただいまのような具体的なお話を承ったことは、大変にまたわれわれにとりましては重要な情報でございます。また、今後ともそうした具体的な事情、お話を十分承って、今後の運営について万全を期するように努力をいたしたいと思います。
#268
○田代富士男君 以上です。(拍手)
#269
○委員長(植木光教君) 以上で田代富士男君の一般質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#270
○委員長(植木光教君) 次に、丸谷金保君の一般質疑を行います。丸谷君。
#271
○丸谷金保君 この間の総括のとき時間切れになりましたが、総理、大蔵大臣等に、二日酔い、夏ばて、疲労回復というのを聞きました。いずれもこれは病気でないというお答えでございますが、厚生大臣、これらは病気でしょうか病気でないでしょうか。
#272
○国務大臣(森下元晴君) 二日酔い、疲労は病気であるかないか、これは程度の問題によりましては病気であるし、また病気でないということ、私実は後で教わりました。軽いものは病気でない場合もございますし、重い場合には病気であると、いろいろその判断はまちまちであるようでございます。この前は大体皆さんのお答えは病気でないというお答えをしたように思います。
#273
○丸谷金保君 業務局長、これは急性アルコール中毒症ですわね。それで業務局長はどういう見解ですか。
#274
○政府委員(三浦大助君) 急性アルコール中毒と申しますのは、お酒を飲み過ぎまして肝臓の解毒作用がおくれておるような場合をいうわけでございます。
#275
○丸谷金保君 私は、業務局長に聞いたのです。というのは、業務局長四十六年通達に出ているからなので、業務局長のひとつ……。
#276
○政府委員(持永和見君) 四十六年通達で、疲労回復というような薬効を表示した場合にはいわゆる医薬品の対象になり得るという通達内容がございます。二日酔いについては、直接の二日酔いそのものはございませんけれども、やはり二日酔い防止というのは身体機能に影響を与えるというような解釈の場合もあり得るかと思っております。
#277
○丸谷金保君 薬効というのは病気に対して使う言葉ですか。
#278
○政府委員(持永和見君) 薬効というのは薬品の効果でございますから、予防、診断、治療というような場合の効果とそれから身体の機能または構造に影響を与えるというような場合のそういう効果ということでございまして、薬効というのは、医薬品の分類はそういう形で分類されておるということでございます。
#279
○丸谷金保君 医薬品と言えば薬のことですわね。薬は病気の予防、治療その他に使うものではないのですか、腹が減ったときに、要するに生理作用に使うものですか、どちらですか。
#280
○政府委員(持永和見君) 先ほど御説明いたしましたように、薬事法におきます「医薬品」というのは、一つは病気の予防、診断、治療、そういうものを目的とするもの。もう一つございまして、もう一つは、動物または人間の体の機能または構造に影響を及ぼすことを目的とするというものがあるわけでございます。
 その中で二号のところでございますけれども、これは医薬品でございますから、医薬品というのは先生御承知のとおり薬事法の上では国民の保健衛生を確保するというような見地からそういう意味での医薬品の規制をしておるということでございまして、そういった意味で保健衛生の確保上必要な規制をしておるということでございますから、仮に食品というようなことになりますとこれは当然薬事法上の対象にはならないと思います。
#281
○丸谷金保君 私お聞きしているのは、おなかすいたときに生理的な要求に基づいて食するのは薬でないでしょう、薬は主として病気に対する予防、治療その他でしょうと、こう聞いているのです。
#282
○政府委員(持永和見君) いま先生おっしゃった限りではそのとおりだと思います。
#283
○丸谷金保君 そうしますと、業務局長通達によると、たとえばコンフリーだとか植物性の酵素、こういうふうなものは薬だということを言っているのですが、大蔵大臣ちょっと、大蔵大臣はどうした――それじゃそっち。
#284
○政府委員(持永和見君) いま先生おっしゃいましたコンフリーでございますけれども、これは私どもの方の、先生御指摘になっております局長通達で、幾つか、物の成分本質なりそういうことで分類いたしております。その分類の中で、「伝承、慣行等により医薬品的効能効果を有するものと期待して使用されている物」というものの中に入っております。これは医薬品側からのこういうアプローチをしておるわけでございますが、コンフリーが必ずしも食品として使用されるということがないということを申し上げているわけじゃございませんで、医薬品として使用される場合も当然あり得るわけでございますから、そういった場合に医薬品として使用されるような場合にはそれは医薬品としての規制の対象になりますというようなことだというふうに理解をお願いいたしたいと思います。
#285
○丸谷金保君 だんだんわからなくなるのですが、大蔵大臣は自分で自炊すると聞いていた、自炊を。ベニバナ油でコンフリーのてんぷらなんてやったことないですか。
#286
○国務大臣(渡辺美智雄君) ベニバナ油だとか米ぬか油、それからイワシの油、サバの油、やせます。非常にいいです。
#287
○丸谷金保君 ベニバナ油というのはリノール酸が含有されておって非常にコレステロールにいいと、こういう話を聞いたことございませんか。
#288
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことでしょう。やせるそうですから。(「太っているじゃないか」と呼ぶ者あり)ですから、私は毎日食べませんけれども、あれを毎日食べりゃやせるというので愛用をいたしております。小っちゃいのしか買いませんよ。大きいのを買うと酸化しますから。
#289
○丸谷金保君 業務局長、いま大蔵大臣が、ベニバナ油のてんぷらを揚げて新聞記者がなんか訪ねてきたときに、これはリノール酸が入っていてコレステロールにいいよと言ったら薬事法違反ですね、勧めたら。
#290
○政府委員(持永和見君) いま先生御指摘のようにベニバナ油は、それをてんぷら油みたいな形で御使用になることは、たとえそういうような表示がございましても、これは薬事法違反にはならないというふうに私ども理解しております。
#291
○丸谷金保君 でもあれでしょう、通達によるとベニバナ油は薬だと言っているのでしょう。
#292
○政府委員(持永和見君) 先生も御承知と思いますが、ベニバナ油は分類によりますと、「通常の食生活において食品として使用される物」ということでございまして、食品として使用されるということを前提にした分類になっております。
#293
○丸谷金保君 そこで厚生大臣、これは私はこの問題を何回か取り上げて、その都度厚生大臣がやはりこれはちょっと無理だと、この通達。ということを前々回園田さんその他からお聞きしたことがあるのです。答弁を引き出しているのです。ところがそのときも私は言ったのですが、局長連中そばでせせら笑っているよと。あなたもうすぐかわるんだと、大臣何を言ったっていまの大臣過ぎればこれはパアだと、こう言ってますよと言ったら大分色をなした、気色ばんでおりましたけれども、結局そうなんです。いいですか、一方ではなぜああいう答弁しかできないかというと、栄養改善法というのがあるのです。栄養改善法の十二条、公衆衛生局長ちょっと読んでください。
#294
○政府委員(三浦大助君) 栄養改善法の十二条でございますが、これは特殊栄養食品の標示を決めておりまして、十二条「販売に供する食品につき、栄養成分の補給ができる旨の標示又は乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等の特別の用途に適する旨を標示をしようとする者は、厚生大臣の許可を受けなければならない。」。
#295
○丸谷金保君 そこで、結局許可を受ければ、この十二条によって体によくても食品という方に入るのです。私は前から言っているのです。だからダブルゾーンだと、ここら辺をはっきりする法律がなくて、食品衛生法と薬事法で取り締まろうとするから無理があるのだということを何遍も言っているのだよ。そう思いませんか、大臣。食品であり、薬であるのですよ。
#296
○国務大臣(森下元晴君) この問題につきましては四十六年の業務局通知で示されている医薬品の定義に基づきましていろいろございまして、それが裁判にかかりまして、一応判決では支持を受けたわけでございますけれども、ただいま丸谷委員がおっしゃるような御趣旨等もございまして、同通知の具体的内容について、食品形態の変化等を踏まえまして、実は現在見直しているところであり、業界の御意見等も聞きまして、将来見直していきたい、実はこういう所存でございます。
#297
○丸谷金保君 これは大臣、必ずそういう答弁をするのだけれども、大体一年くらいの間にかわるとまたもとへ戻るのです。今度戻らないようにしてくださいね。これはなぜこういうことが起こるか、法務大臣、北海道でスイマグと、それからクロレラが摘発されたけれども不起訴になったという状況がございますけれども、それを御説明してください。
#298
○政府委員(前田宏君) ただいま北海道で二件の事件につきましてお尋ねを受けたわけでございますが、これが該当するかどうかと思いますけれども、一件は昭和五十三年の三月に札幌で札幌の地方検察庁に送られた事件のことではないかと思いますが、これはいわゆる広告違反という疑いで警察から送られてきたわけでございますけれども、その広告内容等によりましてそれが特定の医薬品についての広告であるというふうには認められないということで、いわゆる嫌疑不十分ということで不起訴になっておる事件がございます。それから、もう一件は昭和五十四年の四月に釧路の地方検察庁で取り扱いました事件でございますが、これは一応薬事法の違反に当たるけれども、いろいろな情状等によっていわゆる起訴猶予ということで不起訴処分にした、こういうケースがございます。
#299
○丸谷金保君 それは起訴猶予でなくて不起訴処分でしょう。処分書ありますよ、池田町で起きた事件。
#300
○政府委員(前田宏君) 起訴猶予もいわば不起訴の一体系でございまして、起訴猶予の場合あるいは嫌疑不十分の場合、いろいろと不起訴の中に種類があるわけでございます。そういう意味で、委員のおっしゃる書面というものがどういうものかと思いますけれども、不起訴の中のいわば起訴猶予というふうに御理解をいただきたいわけでございます。
#301
○丸谷金保君 厚生大臣、いろいろそういう点でのトラブルが四十六年の業務局長通達を中心にして全国にあるのです。池田の場合なんかも、これは処分にならなかったし、本人は裁判をやりたいと言うけれども、どういうわけか裁判に持ち込まないのですよ、いいですか。ところが、それは奥さんで、だんなさんは教育委員長をやっていたのです。そういうことになる前に、手入れがあったというだけで辞表ですよ。後からそれは不起訴になったと言っても、新聞はでかでかですしね、社会的なそういうあれは回復できないのです。こういうことが、詰めていくと全部これは局長通達によってということなんです。それで、裁判も維持できないというふうなことで不起訴処分にすると、そういうことで非常にあいまいなあれなんです。
 実は、なぜこういう問題が起きるかといいますと、現在栄養は非常に過剰だと言われております。しかし、実際にはそれはカロリー計算で過剰なだけで、ミネラルだとか、微量要素、こういうものは欠乏しているのですよ。そのために成人病なんというのはどんどんふえてきましたよね。そうして、その結果、非常に一般の国民も心配になってきた。それから、一方では食品添加物だとか、農薬だとか、いろんな点で加工食品がはびこって、これらがみんなカロリー計算だけで栄養がある、栄養があると言っているから、栄養時代でありながら逆に言うと栄養欠乏時代と、こういうことになってしまっているのです。ここら辺に健康食品に国民が飛びつく要素があるのです。これは僕は、いまの栄養の表示方法に問題があると思うのですが、どうなんでしょう。
#302
○政府委員(三浦大助君) ただいま先生御指摘のとおり、栄養指導というのはカロリー面だけでやってはだめなわけでございまして、その他のたん白質とか、ビタミンあるいはミネラル、こういった栄養成分の面も考慮して、栄養全体のバランスを考えて行うべきでございまして、厚生省といたしましても、従来から、そういう形で指導をしておるわけでございます。
 それから、表示の問題でございますが、いろいろな加工食品が普及しておりますけれども、この中にどんな栄養成分がどのくらい含まれているかということを明らかにするということは、私ども、食生活の改善にとりまして大変重要なことであると考えておりますので、こういう加工食品のようなものの栄養表示制度のあり方につきましては、現在調査研究を進めておりまして、その研究がだんだんまとまりつつあるわけでございます。
#303
○丸谷金保君 局長はそう言いますけれども、たとえばここに公衆衛生審議会の日本人の栄養所要量というものを私、持っているのですが、これでも結局は総熱量しか書いてないんですね。こういうものしか出していないで、それでもってどういう指導をやっているんですか。食品なんか買ったって全然わからないでしょう、どれだけ微量要素が入っているか。
#304
○政府委員(三浦大助君) 日本人の栄養所要量につきましては、五年に一遍ずつ改定をしておるわけでございまして、その中にはカロリーもございますし、たん白質、カルシウム、鉄、それからビタミンA、ビタミンB、ビタミンB2、ナイアシン、それからビタミンC、ビタミンD、こういうものを年齢区分を細分化いたしまして、また個人の体重当たり、食塩の摂取量、そういうものも含めて総合的に日本人の栄養所要量というものを決めておるわけでございます。カロリーだけで決めておるわけではございません。
#305
○丸谷金保君 決めたって、国民わからぬでしょう。どうやってわからせているのですか。それを聞いているのです。
#306
○政府委員(三浦大助君) これはわからないというお話でございますが、これは、栄養指導員というのがございまして、この辺に周知徹底させまして、この表を見ますと、二十代、三十代ぐらいのところの年齢階級別のこういう栄養所要量を決めております。したがいまして、年齢区分を細分化しておりますので、個人の体重当たりからこれは換算できるような仕組みになっておるわけでございます。
#307
○丸谷金保君 インスタントラーメン買ったときにそういうのがわかるようになっていますか、どうです。
#308
○政府委員(三浦大助君) 申しわけありませんが、私インスタントラーメン、表示を細かく見たことはございませんです。
#309
○丸谷金保君 それじゃその他の加工食品どうです。
#310
○政府委員(三浦大助君) 加工食品ときどきJASなんかでいろんな表示をしてあるのは見たことございます。
#311
○丸谷金保君 してあるのもあるということですな。
#312
○政府委員(三浦大助君) そういうことでございます。
#313
○丸谷金保君 私はそれじゃ困ると言うのです。国民は買うときにわからないんだよ、カロリー計算しか。ですからインスタントラーメンばかり食べて栄養欠乏でもって死んだなんていう話もあるでしょう。そういうことになっちゃうんだよ、カロリーだけあればいいと思っちゃうから。そういう表示を国民に知らせる、食品買うときにわかるようにするというふうな考え方は大臣にございませんか。
#314
○国務大臣(森下元晴君) 加工食品の栄養表示制度のあり方については、現在調査研究を実施しているところでございますので、この結果を踏まえまして対処をいたしたいと思います。
#315
○丸谷金保君 大臣御存じかと思いますけれども、アメリカでもやはり加工食品が非常にふえて、熱を加えたりいろんなことで微量要素を、ビタミンだとかカルシウム、鉄、そういうものがどんどん減ってしまうものばかり食べちゃいかぬということで、ラベリング法というのができて、五年間の経過措置をもってそういう微量要素も加工食品にはちゃんと書きなさいということになってきましたね。日本もちょうどアメリカの後追いしているのです、食品でも。農業関係で後で御質問しようと思っているのですけれども、すでに加工食品が日本人の食生活の中の六八%と言われている、どんどんふえているのです。そういう段階で、大臣いま今度の予算に出ている日本型食生活定着促進対策というのはどういうことをやるのですか。
#316
○国務大臣(田澤吉郎君) これは日本型食生活というのはまず米の消費拡大、それから国民のいわゆる保健と生活に豊かさを与えるために、米を中心にして、魚、野菜、適当な肉を配量することによって豊かな食生活をしていただくということでございまして、先生御承知のように、理想的な栄養としては、脂肪が三〇、炭水化物が五八、それからたん白質が十二というのが理想でございますわね。それで筑波大学の鈴木教授によりますというと、赤ちゃんのころはわれわれはたん白質と脂肪を主体にしたいわゆる母乳で育ってきた。それから成人になるに従いましてたん白質あるいは脂肪、炭水化物のバランスをとりながら生活をすることが理想的な食生活なんだと。ですからだんだん脂肪を少なくして、他のものに移行していくという形式が一番よろしいと思うので、そういうことはやはり米飯を中心にして、適当な副食を配するということが理想的でございますので、しかもまた自然食を食するということが、いま加工食品でまた外食は六〇%以上の生活を私たちは営んでおるときに、こういう食生活こそ日本人にふさわしいものだということで奨励をしているような状態でございます。
#317
○丸谷金保君 どうも私はどっちかというと理論型でない実際型なものですから、そういうことを言われてもよくわからないんです。たとえば朝飯のメニューどういうものを考えていますか。
#318
○国務大臣(田澤吉郎君) 御飯とみそ汁とノリとおしんこというところが適当だと思います。卵も入りますね。
#319
○丸谷金保君 それに牛乳を入れるとなお理想的になるんですがね。それで、問題はみそなんですがね、いまのそのみそ、もう三日か四日で速醸しちゃうみそ御存じですね。こういうもので一体日本的な食生活のみそ汁になるとお思いですか。
#320
○国務大臣(田澤吉郎君) やはりみそは自家用のものが一番よろしいのでございますが、なかなか最近農村においても自家用のみそをつくる家庭が少のうなってまいりました。しかし、いまのインスタントのみそは私は好ましいものじゃないと、かように考えますけれども、市場にありませんものですから、これはそれを食せざるを得ないと、使用せざるを得ないという状況でございます。
#321
○丸谷金保君 私は三年みそを宿舎へ持ってきて食べているのでね、買うみそ食べませんけれどね、実はいまの好ましくないという中には、たとえばこういうものが入っているのですよね。炭酸カルシウム、グリセリン、脂肪酸エステル、コハク酸ナトリウム、第一燐酸ナトリウム、ポリ燐酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サッカリンナトリウム、メチオニン、ビタミンB2、ビタミンA、そしてそのほかと、こんなにいろんなもの入っているから、しょうゆもそうなんです、いまのね。これじゃかなわぬというところで、なるたけ自然食という運動が起きてきたわけ。そうすると、その自然食運動は日本的なやはりそれなりの合理的だった生活に戻そうとすると、業務局長通達ではさっと抑えられるのだ。何かわけのわからない。これ法務大臣ね、憲法三十一条、それに基づく罪刑法定主義というのはどういうものでしょうか。
#322
○政府委員(前田宏君) 罪刑法定主義と申しますのは、犯罪になる行為は明確に法律で定められていなければならない、こういうことであろうと思います。
 先ほど来の薬事法の問題でございますが、私も一応罰則との関係で関心はありますけれども、要するに一つのものでも、使用目的によりましていわば二面性を持つということで、医薬品として流通するといいますか、そういう場合には薬事法の問題が起こる、食品として扱われる場合には食品として扱われると、こういうことではないかというふうに思います。
#323
○丸谷金保君 そこが罪刑法定主義できちっとしてないものですからね、そのときの調べた人の印象で、これは食品として扱っているからいい、これは薬事法違反だというふうに、同じ事案でも一つの県では薬事法違反だし、一つの県では食品で差し支えないと、こういうふうなことありますね、業務局長。
#324
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘の問題、先ほど刑事局長お答えになりました北海道に関連する問題じゃないかと思いますが、一方愛媛県でそういう事件が起きているようでございます。これは警察当局がいま捜査中でございますので、私どもとしてまだ具体的な結果は聞いてない段階でございます。
#325
○丸谷金保君 大蔵大臣、日本酒の中に延命酒というのがあるのです。これは薬効をうたってるんでないと、酒だからいいということになっているのです。同じやつが延命茶になると、同じ字書いてこれは薬事法違反だと、こういうことになりますね。
#326
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘の延命茶というのは、漢字で書きました延命茶の問題だと思いますが、これにつきましては、その成分が普通のお茶と違う、昔から薬用のものとして日本人がずっと使っておった問題もございまして、そういう意味で延命茶、漢字で書きました延命茶につきましては、これは医薬品に該当するのじゃないかという解釈をしたようでございます。日本酒の問題は、これは明らかにお酒でございまして、これは食品でございますので、日本酒に仮にそういった名前のものがあったとしても、これは薬事法違反にはならないというふうに私ども考えております。
#327
○丸谷金保君 酒ならよくてお茶なら悪いといっても、これは一般の世間ではわからないんですよね、これじゃね。
 それじゃ、もう一つ聞きますが、たとえば糖尿病患者は医者と相談して飲んでくださいというワインは薬事法違反になりますか、なりませんか。
#328
○政府委員(持永和見君) いま先生御指摘の例は薬事法違反にならないと思います。
#329
○丸谷金保君 じゃもう一つ、糖尿病患者のワインとなったらどうなりますか。
#330
○政府委員(持永和見君) ワインというのは、これは食品の分類でございますから、これについてはなりません。
#331
○丸谷金保君 うそなんだよ、それ。私はそのことでドイツでそれが出ているから、同じものを日本でも出せると思って厚生省へ行ったら、それは薬事法違反だからだめだと言われたのだよ。そういうことがあるのだよ。
#332
○政府委員(持永和見君) 私はその事実まだ聞いておりませんので、聞きまして、調査いたしまして御報告さしていただきたいと思います。
#333
○丸谷金保君 厚生大臣、こういうふうにとってもわからないのだよ、この通達じゃね、どうにでも解釈できるの。これじゃやっぱり困るんで、もう一度この通達、もっとたくさんあるけれども、時間がないから先へ進まなきゃならないので、やっぱり十分見直すということについてもう一回ひとつ御発言いただきたいと思います。
#334
○国務大臣(森下元晴君) 先ほども申し上げましたように、見直しますことをお約束いたします。
#335
○丸谷金保君 それから、公取もこの健康食品とか自然食品というものについて、基準つくるということになって大分研究しておったようですが、どうなりましたか、あれ。
#336
○政府委員(橋口收君) 自然食品、天然食品あるいは健康食品等の表示の問題につきまして、昭和五十一年当時でございますが、何らかの意味での不当表示に関する運用基準案を検討したことはございます。ただ、自然食品とか、健康食品、自然とは何か、あるいは健康とは何かということにつきましては、いろいろな意見があるわけでございます。また、その与えるイメージにつきましても、人によって相違があるわけでございます。ことに消費者団体は、自然とか、健康とか、こういう文言は用うべきでないという意見を強く持っておるわけでございまして、全体としてコンセンサスを得ることば困難でございます。したがいまして、私どもとしましては、一般的に基準を定めることは現在のところ考えておりません。ただ、先生御承知かと思いますが、個々の商品につきましては、必要に応じて公正競争規約を設けまして、その規約の中で表示の基準を決めておるわけでございます。必要があれば幾つかの例を申し上げてもよろしいと思いますが、現在は個別の商品につきまして規約で定めるという方針をとっております。
#337
○丸谷金保君 いまみそを例にとりましたけれども、ざわっとするような添加物がいろんな食品にたくさん入っているんです。ですから、それから自分の生命守るために、何か買いたいと思っても、一方ではそれを規制する法律があると、それでなかなかむずかしいからきちっとしたものができないと。やはり早急にアメリカのようなラベリングあるいはドイツのレフォルムのような、そのダブルゾーンになるところは国がやっぱり責任持って、そうでないから取り締まりの方もわからなくなってしまう。これぜひやってもらいたいと思います。
 それで次は、前回、またやはりこれの続きなんでございますけれども、農業問題で、乳価の問題に関連して表をお上げいたしました。きょうはもうごらんいただいたと思うのでお上げいたしませんけれども、総理大臣は、できるだけ国内でできるものは国内で使うべきだと、そういう農林大臣時代の公約は、私はいまでも大事にしなきゃならぬと思っている、いわゆる自給率を高めるということを言っているのですが、実は牛乳ですね、国内でこれだけ余って、これはある意味では第一次から第三次酪近の成功だと思うのですよ、非常にどんどんできるようになってね。そしたら途端にこれは余っているからだめだと言って、いま生産制限。しかも一方では酪農近代化事業ということで、補助金だけでなくて、先ほど大臣も言っておられたように、補助金のほかに自分の金をつけて、借金をして機械を買ったり、土建屋さんへの支払い、それを回して七十頭を百頭にしようと思ったら待ったです。百頭にして借金を返すつもりでいたから七十ではだめなんです。たくさんしぼり過ぎると牛に飲ませなきゃならないというふうなことになっているわけですね。この責任、一体農林省どうしてくれるんです、これ。北海道の農家、酪農民は一戸平均三千万、多いところは五千万から一億というんですよ。
#338
○政府委員(石川弘君) 最初に、乳製品でございますが、御承知のように乳製品につきましては国内の生産が順調に伸びてまいりまして、現在乳製品で輸入いたしておりますのは、御承知のように国内において価格面においてとうてい外国製品でなければ使えないようなもの、たとえば飼料用の脱粉でございますとか、そういうもの。それからもう一つは、国内の価格では全く間に合いません、たとえばカゼインのようなもの、そういうもの。それから生産が必ずしも十分じゃなかったナチュラルチーズといったようなものに限られております。一般輸入につきましては、ここの四年間すべて停止をいたしております。そのほか御承知の調製食用脂の問題がございまして、昨年から事前確認制をとりまして、調製食用脂の輸入自身は昨年より一五%程度抑えているわけでございます。したがいまして、従来生乳換算二百万トン程度のものが入っていると言われておりましたが、すでに百八十万トン台を超しております。
 それからもう一点、御指摘の北海道の酪農の負債問題でございますが、御承知のように大変経営規模が大きくなりますスピードが速うございまして、その間の資金調達を借入金でやっておりました。それにつきまして順調な回転ができなかったものにつきましては、昨年長期低利の負債整理資金をつくりましてこの借りかえを行うというような措置をとっているところでございます。
#339
○丸谷金保君 19品目の中で輸入制限をしているといっても、擬装乳製品のはどうなるんです。
#340
○政府委員(石川弘君) ただいま御説明しました調製食用脂、それからココア調製品、この二つがいわゆる擬装乳製品と言われているものでございまして、片一方の調製食用脂は、先ほど申し上げましたように昨年度から事前確認制をとりまして輸入業者の自粛も仰いでおりますので、量といたしましても一五%程度の削減に、なっております。
 もう一つのココア調製品につきましては、これはチョコレート原料でございまして、価格面におきましても、もしこれを抑えました場合でも結果的にはチョコレートの輸入がふえるというようなことがございまして、それからもう一つは他に全く利用できないというものでございます。昨年に比べまして若干輸入が伸びておりますので、私どもの方といたしましては関係業者を指導しまして、前年程度に抑えるようにという行政指導をいたしております。
#341
○丸谷金保君 いまの局長さんのお話を聞きますと、国内の在庫もそういうことでだんだん少なくなってきた、乳製品は伸びる。ところが、実際に生乳需給見通し、農林省の立てた見通しによりますと、五十四年まで順調に進んできた需給見通しが五十五年、五十六年になると今度は逆に一人平均ずっと下がっていますわね。この間、表をお渡ししているように、下がってきているのです。本当は上がっているのに下げたんですよ。下げた量で需給見通しを立てたから余った牛乳捨てろということになったわけだね。実際には需給見通しは、一人平均だって絶対にこんなふうに下がっていませんよ。五十五年の一九・二六から五十六年一八・九三なんかに下がっていないのを下がった計算で需給見通しを立てて、だからそんなにたくさん加工原料乳要らないんだということで抑え込んだ。そして乳業会社の在庫一掃ということに農林省は協力しましたね。先日も申し上げたように、乳業各社一斉に増益と、こういうかっこうになったですね。まさに酪農民を犠牲にして第四次酪近までの計画までどんどんどんどんふやさせて、借金もさせて、政策的に指導して、これは大蔵大臣なんかも責任あるんですよ、農林大臣のときに指導したのだから、一生懸命やれと言って多頭飼育、多頭飼育とね。そして今度はそっちを抑えて在庫一掃。諸外国に比べれば日本の在庫なんていうのは一番少ないですよ。十分の一以下ですよね。これじゃ農民はたまったものではないと思うのだけれども、どうですか、農林大臣。
#342
○国務大臣(田澤吉郎君) 酪農生産につきましては、御承知のように昭和五十一年から五十三年までは大体七%から八%の成長を見たのでございますが、ただいま御指摘のように五十四年から成長が鈍化したと。したがいまして、五十一年から五十二年までにいわゆる酪農生産に投資した分がいま大きな負担になっているというふうな現状でございまして、今後私たちは、やはり計画生産を進めてまいりまして、少なくとも二%前後の成長を進めて酪農の生産の安定を図りたいと、こう考えておりまして、しかし、じゃこれまでの負債をどうするのかという点については、これまたこれとして処理をしていかなければならないと、こういう対策を考えております。
#343
○丸谷金保君 五十七年度の予算の中で、加工原料乳の補給金について予算はふえているのですか。量をふやすと言ったって、予算がふえていなければ量はふやせないでしょう。
#344
○政府委員(石川弘君) 前年同様の四百六十五億を計上してございます。
#345
○丸谷金保君 前年対比ふえているのですかと聞いているのです。
#346
○政府委員(石川弘君) 同額でございます。
#347
○丸谷金保君 大臣、どうやって二%ふやすの。
#348
○政府委員(石川弘君) 補給金の算定に当たりましては、従来とも前年同額を計上いたしておりまして、現実に価格を決め――この価格といいますのは、御承知のように安定指標価格でありましたり基準価格でありましたり保証価格を決めまして、その中で必要な財源を賄う、そういう方式でございます。
#349
○丸谷金保君 運輸大臣がいまちょっと何か、外国の大統領さん来ているというので、その方の質問まとめて先にやらせていただきますが、食糧備蓄に関連してシーレーン、これはいま防衛庁の方で盛んににぎやかな論議になっていますけれども、一体外国からいま入れている船舶の輸送総トン数どれくらいになりますか。
#350
○政府委員(永井浩君) 現在日本が輸入いたしております海上貨物でございますが、五十五年度で六億二百万トンでございます。
#351
○丸谷金保君 そのうち、日本の船舶はどれくらい運んでいますか。
#352
○政府委員(永井浩君) 日本船が運んでおりますのが二億二千五百万トンでございまして、そのほかに日本の船会社が用船いたしております外国の船を含めて、いわゆる日本商船隊と申しておりますが、これが二億トンございますので、日本商船隊としては四億トンでございまして、日本船だけの比率で申しますと三七・四%、外国用船を含めました日本商船隊としては七〇・六%でございます。
#353
○丸谷金保君 問題が起こったときに、外国の船というのはそれでも日本に物を運んでくれるとお考えですか。これは、大臣、ひとつ輸送関係ですから。
#354
○国務大臣(小坂徳三郎君) そういう危険性を考えて利子補給を行って、いわゆる日本船の継続的な保持を図っているところであります。
#355
○丸谷金保君 補助金というのは農業だけじゃないですね。幾ら出しています。
#356
○政府委員(永井浩君) 日本商船隊の整備につきましては、ただいま大臣からお話し申し上げましたように、昭和五十四年度、五十五年度、五十六年度の三カ年でいわゆる利子補給という制度で商船隊を整備いたしております。それからそのほかに開発銀行と市中の協調融資によります計画造船ということで、わが国の商船隊の整備を図っておるわけでございます。
#357
○丸谷金保君 いまレポ船の関係が北海道で問題になっていて、読売あるいは文芸春秋等で取り上げられているのです。こういうものの監視をするのは運輸省でございますね。
#358
○政府委員(妹尾弘人君) レポ船に関しましては、海上保安庁それから警察あるいは公安調査庁が協力いたしまして情報入手に努めております。
#359
○丸谷金保君 大蔵省、関税法の中で北方四島を外国とみなすみなす規定がございますが、ちょっと読み上げてください。
#360
○政府委員(垣水孝一君) 関税法の規定によりまして、政令で定める本邦の地域は外国とみなすことができるようになっておりまして、北方四島は外国とみなすという政令の規定がございます。
#361
○丸谷金保君 ただ、水産については除外規定ございますね。ちょっとそれ。
#362
○政府委員(垣水孝一君) 除外規定と申しますのは、水産につきまして、外国で本邦の漁船等が採取しましたものについて関税を免除するという規定がございますが、外国とみなすという点が除外というわけではございません。
#363
○丸谷金保君 運輸大臣、海上保安庁が――レポ船というのは大体向こうへ行って魚をとってくるのです。これ関税では国内とみなす、逆に今度また、そうしますと、一体何を取り締まるんです、海上保安庁はレポ船の。
#364
○政府委員(妹尾弘人君) レポ船につきましては、その摘発の場合の適用法令というものに関しましては、現在北方四島の法的取り扱いというのが各法令により若干違いますけれども、主として関税法違反あるいは検疫法違反、こういったようなもので……
#365
○丸谷金保君 検閲……
#366
○政府委員(妹尾弘人君) 検疫です。関税法違反あるいは検疫法違反、こういったような犯罪の容疑ということで取り締まりを行うことになっております。
#367
○丸谷金保君 関税法違反にはならないのですか、魚をとってきても。それから海の上だけで帰ってきた場合には検疫法どういうところで違反になりますか。
#368
○政府委員(妹尾弘人君) 現在までにレポ船関係で検挙いたしましたのは、昨年の一月に警察の方においてレポ船を一件検挙いたしておりますが、これは関税法違反及び検疫法違反ということで検挙し、立件いたしております。
#369
○丸谷金保君 法務省、その事犯はどういう違反なんですか。
#370
○政府委員(前田宏君) いまお話しのございましたように、関税法違反と検疫法違反と両方あるわけでございます。先ほどの関税法につきましては、いわゆる北方領土と申しますか、あそこは関税法の扱いの上では外国扱いということになっているわけでございますから、そこへの密輸出ということになるわけでございますし、また検疫法の面では、いわゆる四島の一つの島に寄港した船が検疫済み証あるいは仮検疫済み証の交付を受けるという手続を経ないで国内の港に船を入港させるという点におきまして検疫法違反ということになるわけでございます。と申しますのは、検疫法の面でも関税法と似たような扱いをしているからでございます。
#371
○丸谷金保君 そうすると、とにかく大蔵省の関税法だけが取り締まりの根拠法なんでございますか。あと、ないのですか。
#372
○政府委員(前田宏君) 関税法は、いまお話しのございましたように大蔵省関係でございますし、検疫法はむしろ厚生省の所管であろうと思いますが、そういう二つの法律あるいは漁業法違反、これは農林水産省関係になるかと思うのですけれども、そういう違反も考えられるわけでございます。
#373
○丸谷金保君 考えられるのじゃなくて、どういうふうな法律の根拠に基づいて検挙し、処罰したかを聞いているのです。
#374
○政府委員(前田宏君) 先ほども申しましたように、具体的な事件につきましては、関税法違反、検疫法違反、さらに北海道海面漁業調整規則違反、この各違反によりまして警察から送致を受け、検察庁におきましても処理をしたわけでございます。関税法違反の面ではいわゆる通告処分という制度がございますので、そちらの方で処理をされておりますけれども、検疫法違反と、いま申しました漁業調整規則違反ということで刑事手続で処理されているわけでございます。
#375
○丸谷金保君 じゃ、運輸大臣、時間だそうですから、もう一問だけ聞きますが、竹島の現況について海上保安庁からの報告を受けておりましょうか。大臣、大事な問題なので、報告を受けていなければいないでいいです。
#376
○国務大臣(小坂徳三郎君) 竹島につきましては、就任以来まだ報告を受けておりません。
#377
○丸谷金保君 どうぞ、それじゃ。
 防衛庁長官、竹島の現況について防衛庁の知っている情報をお知らせください。
#378
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生も運輸省の方にお聞きのとおり、竹島の状況につきましては自衛隊が直接監視するというようなことではございません。したがって、具体的に申し上げることは困難でございますけれども、特段の変化はないように承知をしております。
#379
○丸谷金保君 運輸大臣も防衛庁長官も知らないというのはちょっと驚きましたね。
 運輸省、どなたか状況を知っている方いないんですか。
#380
○政府委員(妹尾弘人君) 竹島につきましては、昭和二十九年に韓国に不法占拠いたされましてから、海上保安庁といたしましては、外務省の要請により、適時、毎年一回程度でございますが、それ以来数十次にわたりまして巡視船を同島周辺海域に派遣し、同島の状況を視察いたしております。最近では昨年の八月に同島の視察を行いまして、同島には灯台一基のほか兵合あるいは見張り所あるいは種々のアンテナ等々、こういったようなものが施設されて警備兵も数十名いるというのが現在の状況でございます。
#381
○丸谷金保君 昨年十二月三日のNHKホールの全国町村長大会ですね。「北方領土の早期復帰とともに竹島の領土権の確立」という、町村長大会で議決までしている事項なんです。それを防衛庁長官も運輸大臣も所管の大臣として知らない、まだ報告を受けてなかった。
 それで外務大臣、これは外務省は再三にわたって韓国との間でこの問題については交渉をしておりますということを言っているのです。ところが昨年の外交青書、この中にもその記録が何も残っておりませんし、それから最近外務省から取った「最近における韓国との外交折衝」の中にも竹島問題一言も触れられてないんです。外務大臣もこのこと知らないのですか、不法占拠。
#382
○国務大臣(櫻内義雄君) 私の手元には、ごく最近の場合を申し上げますと、昭和五十六年十一月十九日、同年八月二十八日の海上保安庁による巡視結果に基づき口上書により抗議をいたしました。昭和五十七年一月二十日、訪韓中の藤井アジア局審議官より非公式に提起をいたしました。ごく最近はそういうことでございます。
#383
○丸谷金保君 私は韓国に対する六十億ドルがとやかく言うのじゃないのですがね。どうも竹島の扱い方はちょっと何か消極的過ぎる。韓国ということになると。これとかくのいろいろ韓国とのうわさありますね、昔からソウル地下鉄汚職が云々とか。どうして日本政府は韓国との関係だとそんなに遠慮しなきゃならないのですか、外務大臣、どうなんですか。
#384
○国務大臣(櫻内義雄君) 丸谷委員は御承知であろうかと思いますが、決して韓国に対して遠慮をしておるわけではないのでありまして、一九五二年から一九八二年の本年の一月現在まで五十六回の抗議申し入れを行っているところでございます。
#385
○丸谷金保君 経済協力のいろんな交渉をしていて、それと絡みの話にはなぜならないんですかということを聞いているのです。
#386
○国務大臣(櫻内義雄君) これは日韓国交回復の折に、紛争問題はどう処理するかと両国の間で交換公文がございまして、そういう問題については話し合いによる解決をしようと、こういうことにいたしておりますので、こちらで何かある、それじゃあちらはどうと、そういうやり方をいたしておらない。竹島問題は竹島問題、経済協力は経済協力でやっておる次第でございます。
#387
○丸谷金保君 北方問題について総理府と外務省のそれぞれ支出している五十七年の予算について。
#388
○政府委員(橋本豊君) 五十七年度予算案におきましては、北方領土問題対策協会に対する補助金として五億五千二百万円を計上しております。前年度に比べ二三%の増となっております。当該補助金の主な内訳は、啓蒙宣伝、県民会議の設置、運営等に要する経費として三億七千五百万円、北方地域旧漁業権者等貸付業務補給費として九千六百万円、これは利子補給等でございますが、それと別海北方展望塔、仮称でございますが、これを五十七年度に建設する予定でございまして、この関係の経費が八千百万円でございます。
#389
○丸谷金保君 望郷の家。
#390
○政府委員(橋本豊君) 別海北方展望塔でございます。
#391
○丸谷金保君 外務省の予算はどうなんですか。
#392
○政府委員(加藤吉弥君) 北方領土復帰期成同盟に関する補助金の予算でございますが、ただいま手元に資料がございませんので取り寄せております。後ほど正確な数字を御報告させていただきます。
#393
○丸谷金保君 資料要求で私の方はもらっているのだから、そっちだって持っているはずだがね。
#394
○政府委員(加藤吉弥君) 失礼いたしました。いますぐ取り寄せて御報告申し上げます。
#395
○丸谷金保君 じゃ待ちましょうか。それともこっちのやつを渡しましょうか、そちらへ。
#396
○委員長(植木光教君) 速記とめて。
    〔速記中止〕
#397
○委員長(植木光教君) 速記起こして。
#398
○政府委員(加藤吉弥君) 申しわけございませんでした。
 五十五年度予算決定額は二千三百九十八万八千円、五十六年度の決定額は二千九百六十八万三千円でございます。五十七年度の要求額は三千四百八十九万円となっております。
#399
○丸谷金保君 竹島問題についての総理府及び外務省の予算どうでしょう。
#400
○政府委員(橋本豊君) 総理府は北方地域に関する事務は行っておりますけれども、竹島問題は所掌外でございますのでございません。
#401
○政府委員(木内昭胤君) 竹島に関連いたしましては領土問題調査費ということで二百万円を御配慮いただいております。
#402
○丸谷金保君 島根県に行きますと、やっぱり北方と同じように「帰れ竹島」という看板も出ているのです。
 防衛庁長官、知らぬということないと思うのだけれども、自治省にお伺いしますけれども、竹島はどこの町村に属して、交付税の関係どうなっておりますか。
#403
○国務大臣(世耕政隆君) 竹島は島根県五箇村の一部でございます。したがって、島根県及び五箇村に関する面積として数えて交付税を計算しております。
#404
○丸谷金保君 このれっきとした日本の領土が不法占拠されているのですが、防衛庁というのは国土防衛をしないのですか。
#405
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 外務大臣からも先ほどお答えがございましたように、竹島はわが国固有の領土でございますが、現在、外国によって不法に占拠されております。しかしながら、竹島の問題につきましては、いずれも戦後ないし占領前後の混乱の中から生じて今日に至ったものでございまして、それぞれ日韓間の懸案としてあくまでも平和的に解決すべきであるとの立場に立って対処してまいっておりまして、自衛隊が対処すべき問題であるとは考えておりません。
#406
○丸谷金保君 私は防衛庁長官に、防衛庁というのは国土の防衛をしないんですかと聞いたんです。
#407
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 憲法の許す範囲、また専守防衛、それぞれの基本的防衛政策にのっとりまして有事の場合には国土を防衛する義務がございます。
#408
○丸谷金保君 農林大臣、実は漁業権が設定されておりまして、五十八年まであそこは。それで、漁民がイカだとかウニをとりに行くと発砲されることがしばしばある。ことしはないんです、まだ。五月になるとまた始まるのです。そういう状況を御存じですか、漁業権の行使ができていないという。
#409
○国務大臣(田澤吉郎君) 竹島周辺につきましては、領海十二海里を設定いたしまして……
#410
○丸谷金保君 どっちが。
#411
○国務大臣(田澤吉郎君) 日本がです。五十三年に設定いたしたわけでございまして、ところが韓国から日本漁船の退去を要求されているわけでございます。――済みません、韓国です。どうも恐れ入りました。そこで、それに対して日本が抗議をして今日に至っているわけでございますが、これについては外交ルートを通じて安全操業の問題を極力お願いをしているというのが実態でございます。
#412
○丸谷金保君 外務大臣、外交ルートを通じてやっているそうですが、先ほど報告あったけれども、何か課長さんとか局長さんがやったくらいで、日韓定期閣僚会議その他もあるのですが、そういうところでは議題としてやらないのですか。
#413
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどは最近の経過を申し上げましたが、昭和五十六年八月の外相会談及び同年九月の定期閣僚会議においては本件問題を取り上げ――失礼しました。そうではありません。これは間違いです。それはしなかったということが書いてある。最近閣僚間におきましては、昭和五十一二年九月の第十回同韓定期閣僚会議の際、園田外務大臣より日韓両国の長期にわたる善隣友好関係の確立という大局的見地から取り上げて朴東鎮外務部長官との間で話し合いが行われております。昭和五十五年三月の全斗煥大統領就任式に出席するため訪韓した伊東外務大臣が本件問題を提起したが、進展は見られなかったと、そういう経過になっております。
#414
○丸谷金保君 北方領土も、私は全千島だと思っておりますし、外務省はソ連に請求権はないという答弁を私にはしていることもあるのです、サンフランシスコ条約に判こを押していないんですから。しかし、それと同じようになぜ竹島の問題は国民的な課題として政府は取り上げようとしないのか。これもう少しはっきりしてもらいたいと思うのですがね。
#415
○国務大臣(櫻内義雄君) これは先ほど申し上げましたように、一九六五年の六月二十二日に交換公文によりまして竹島のような紛争地域がある、紛争問題がある、こういうことからそういうものに対する取り扱いが明記されておるのであります。日本国外務大臣椎名悦三郎より大韓民国外務部長官李東元閣下に手紙が出て、それに対してまた李東元外務部長官から椎名悦三郎外務大臣あての文書が来ております。「両国政府は、別段の合意がある場合を除くほか、両国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとし、これにより解決することができなかった場合は、両国政府が合意する手続に従い、調停によって解決を図るものとする。」、こういうことが主たる内容でございます。
 なお、調停という場合には国際司法裁判所への提訴ということが考えられるのであります。これについては遺憾ながら韓国側の合意が得られずに今日に至っております。
#416
○丸谷金保君 実は私はいまもう一回なぜこの問題を出したかというと、実は最近これはレポ船と同じような空気が出てきているのです、竹島に。何日と何日は韓国の監視船はいないから行って漁をしてもいいよ、と。その日行くとちゃんと来ないのだそうです。そういうルートができつつあるのです、いま。いいですか。ところが、法務省、ここの場合には取り締まるあれ何もないでしょう、どうなんです。竹島あたりレポ船起こったらどうします。
#417
○政府委員(前田宏君) どういう行為が行われるかによると思いますけれども、先ほど来のようなことでございますと扱いは異なることになろうかと思います。
#418
○丸谷金保君 レポ船のような問題が起こったときに取り締まる法規がないでしょうと聞いているのです。
#419
○政府委員(前田宏君) 先ほど申しましたように、北方領土の問題につきましては関税法とかあるいは検疫法とかいう問題ございますが、御指摘のように竹島の問題につきましてはそういうことは当てはまらないだろうということを申したわけでございます。
#420
○丸谷金保君 現実にそういう状態があって、北方四島については、まあ不十分かしらないけれど、関税法でわずかにみなし規定がある、片っ方も同じような状況があって何にもないということでこれいいのですか。どなたか、たくさんこれだけ大臣いるのですから答えてください。
#421
○国務大臣(櫻内義雄君) 重ねてお答え申し上げますが、日韓国交回復当時の経緯、すなわち先ほど申し上げました交換公文に基づいて日本としては対処していかなければならない。したがって、われわれとして非常に遺憾なことが多いのでありますが、何としても外交交渉の上で話し合いてやる以外にはないということから、ただいま丸谷委員の御批判するようなそういうことがいろいろ言われますが、隠忍自重するよりいたし方がないと、こう思っております。
#422
○丸谷金保君 ちょっと答えにならないのですよ。すでにそういうような状況が起こっているのです。私は二、三日前に電話して、境港、大臣の選挙区、それから県庁に行って前にも知事にお会いしました。現にそういうふうな空気になってきて、何日と何日は監視船いないから魚とっても大丈夫だということがちゃんと流れてくるようになってきているのですよ、いいですか、ちょうど北方と同じような状態が。無法でいいのですかと聞いているのです、それで、法律がなくても。
#423
○政府委員(垣水孝一君) 先ほどから先生の御指摘のように、北方領土についてはレポ船というまあ周知の違反行為が行われているようでございますが、韓国の場合には島に近づくこともできないというようなことで、さしあたり関税法として特別外国とみなして取り締まりするという手当てをする必要がない。関税法は輸出入の秩序を維持するということを目的としているものでございますので、交通、交際のないところについては特別の手当てを関税法の目的からはすることが不適当だと現在のところは考えております。
#424
○丸谷金保君 北方だってわが国固有の領土でしょう。そこには関税法のみなし規定をつくって、片っ方は要らないと。もしトランジスタラジオだとかいろいろ持って日本海の漁民が出かけていってそういう行為を行ったら、それから法律つくりますか、そうしたら。
#425
○政府委員(垣水孝一君) 繰り返して申し上げますが、レポ船の場合には、たとえばラジオだとかコピー機だとかそういうものと交換をするとか、そういうふうに本来すべからざる輸出が行われているわけでございます。そして、先ほど御答弁申し上げましたように、その海域でとった、本邦漁船がとった魚については関税法上無税にするということになっておりますので、実際に竹島の周辺で海産物のみをとってくる場合については、関税法の目的からは特別の手段を講ずることがないと、こういうことを申し上げたわけでございます。
#426
○丸谷金保君 どうもちょっと違うのだが。
 この問題それじゃ、ちょっともう時間ありませんから、大事な……。
 また乳価に戻るのですが、どうですか、いまのように農民の方の犠牲の上に、それからしかもそれは農林省の政策を忠実にやってできた借金なんです、みんなね。これ、生産を制限されたり、それから先日も出したように、ほかの物資どんどん上がってくるのに、乳価上げないで外国とペイにせいなんて言ったって、そんなことになるはずがないですよね。一体北海道の農民にもう酪農やめろというのか。そうしたらいままでの借金どうしてくれる。農林省どうしてくれます。
#427
○政府委員(石川弘君) 北海道の酪農につきましては、御承知のように経営規模も大変拡大をしてまいっておりまして、いまやECの水準を超えるぐらいの経営規模を持っているわけでございます。先ほども申しましたように、発展の過程で非常に早い投資をいたしております。そういう関係からまだその投資を十分生かし切れない段階で生産が非常に過剰になってまいりまして、酪農製品の値下がりになったと。結果的には酪農製品が値下がりになりますと農民がその所得を確保しにくい状況ができ上がるわけでございまして、何年かの生産制限によってようやく乳製品の需給の均衡が見られるような事態がやがて来るという情景が見えてきたわけでございます。したがいまして、そういう形での経営を継続いたしますために、昨年から御承知のように長期低利の資金枠を設けまして、そういう既存の債務で償還が不能なものについては借りかえるという措置をいたしているわけでございまして、こういう政策をじみちに展開することによりまして北海道の酪農経営の安定を図るという基本的方向でやっていきたいと考えております。
#428
○丸谷金保君 負債整理は、あれは焼け石に水と言うんだ。あれじゃだめなんだよ、あれだけでは。もう次の日からまたふえてきているのだから。
#429
○政府委員(石川弘君) 御承知のように、昨年から始めております負債整理は単年度の施策ではございませんで、毎年その経営の収支を見直しながら、必要なものについて五カ年にわたりて再建計画を立てながら融資をしていくという方向でございます。先生御承知のように、昨年大変北海道の酪農について不幸な事態がございまして、災害に遭いまして自給飼料が非常に劣悪になってきたとか、あるいは昨年はえさ価格が非常に高騰しておった。これにつきましては、最近えさ価格は下がってきておりますけれども、そういう悪い条件の中で昨年からことしにかけて非常に経営が苦しくなってきたという事情はございますけれども、ことしの生産条件はむしろえさ価格の引き下げ等の要因もございます。それから何と申しましても経営規模は相当な規模になっておりますので、これを有効に活用するという方向で、それからもう一つ、負債整理は単年度の措置ではございませんで、五カ年継続しながら再建をしていくという方向でございますので、これらの政策をあわせまして健全な発展の方向へ持っていきたいと考えております。
#430
○丸谷金保君 それじゃ局長、えさの価格どうして乳価決める前になると下げて、終わると上げるんだね、毎年。
#431
○政府委員(石川弘君) 私ども上げ下げするわけではございませんけれども、御承知のようにえさの価格につきましては、国際穀物相場が下落をしてまいりまして、昨年の七月に約五%程度、ことしの一月に約七%程度の下落となっております。これを製品の方に反映させているわけでございます。購入飼料、要するに輸入飼料につきましては一番大きい要因が穀物相場でございます。もう一つがいわば為替相場でございますが、いまのところ為替相場につきましては若干不安な面もございますけれども、国際穀物相場につきましては、御承知のように昨年の豊作とか世界各国の穀物需給事情等を見て将来的に安定いたしておると見ておりますんで、私は、たまたま昨年の場合は決めた当時に上がったという事態もございましたが、ことしの場合はそういう事態はいま直ちに予想する必要はないし、むしろ、たとえば今度の改定期が七月でございますが、七月までにはほぼ安定して推移するのではないかと考えております。
#432
○丸谷金保君 生産制限の問題はどうします。
#433
○政府委員(石川弘君) 結果的には生産制限をいたしまして、非常に過剰に在庫をしておりました乳製品がだんだん正常在庫へ近づいてきた。そのことは御承知のように、過去四年間安定飼料価格を極端に下回り、非常に極端な場合は一〇%以上も下がっておりました乳製品価格が、ほぼ五十二年の水準に戻ってきたという問題でございます。現在はなお酪農部門につきまして放置をいたしました場合には、相当程度、先ほど大臣がお答えいたしましたように、五十一ないし五十二年はほっておきますと七%とか八%の増産ができる体質を持っておりました。今後はやはり二%か三%程度の伸びに対応するような体質に変えていかなければいかぬわけでございますので、当分の間やはり生産を調整する、調整することによって製品価格を維持し、結果的に所得を上げていくという方向は今後も続けざるを得ないと考えております。
#434
○丸谷金保君 そうすると、第四次酪近の計画変更をするのですか。
#435
○政府委員(石川弘君) いま直ちに計画変更する必要はないと思っております。要するにあの計画の中で考えておりましたような水準をほぼ維持できると私ども考えておりますが、要はかなり伸びる体質を持っておるものを少し方向を直すということでございますので、直ちに四次酪近の計画を見直すつもりはございません。
#436
○丸谷金保君 多頭飼育、多頭飼育と奨励したのは一体どこなんですか。
#437
○政府委員(石川弘君) 経営をいたします場合に、やはりまあ北海道でございますと三十八頭平均ございますけれども、そういう規模になりましたことによって、たとえばEC水準とか、そういうものを目指せることになったわけでございます。問題は、私ども多頭飼育がいかないと言っているわけではございませんで、伸び方が急速過ぎたところに起きました需給ギャップでございます。やはり多頭飼育の方向は必要でございます。ただ、どんどんどんどん大きくしろということではございませんで、自給飼料の面におきましてもおのずと土地の制限がございます。したがいまして、いまの多頭飼育というようなものを急速に伸ばしていくのではなくて、やはり経営の質的な改善と申しますか、いまあります土地だとかあるいは資本装備というようなものを有効に使えるような形に定着をさせていきたいと考えております。
#438
○丸谷金保君 大臣、いま聞いておったと思うのですが、とにかく加工原料をつくっている酪農民がそれで非常に困っているわけ。そして在庫を一掃して乳業会社だけがばかにもうかっているのです。これは余り言うと大蔵大臣、それでは補給金の方を少し減らして乳業会社から取るかなんという話になったら困るという心配をみんなしているけれども、この間からの話で自給力を高めて農民を大事にすると大蔵大臣言っているからその心配はないと思うのですよね。ですから、ひとつその点でがんばっていただきたいと思うのですが、どうですか大臣。
#439
○国務大臣(田澤吉郎君) あくまでも酪農生産者を保護する、奨励するという意味で今後も政策を進めてまいりたいと考えております。
#440
○丸谷金保君 乳業会社を保護する政策じゃございませんね。
#441
○国務大臣(田澤吉郎君) そのとおりでございます。
#442
○丸谷金保君 じゃ時間がございませんので、もう一つ構造改善についてとかくの批判がたくさんあります。しかし、まあ全部が全部悪かったとも思いませんが、やはり批判は批判として問題点もあると思いますので、特にきょうは一つだけこれ要望したいのですが、お答えを願いたいのです。実はとにかくああいう……
#443
○委員長(植木光教君) 丸谷君、時間が参りました。
#444
○丸谷金保君 はい。
 事業をやりますと、新しい機械新しい機械、新しい施設新しい施設なんです。ところが、たとえば離農者とかいろいろなのが出たりして、多少中古でも使えるような農機具なんかたくさんあるんですがね。こういうものもったいないですから、安くて補助金も少なくて済むのだし、これらを補助事業の中にぜひ入れてやっていただきたい。そうすると、これは会計検査院の方がとてもうるさくてだめだというのが下部での話になるんです。検査院、長くお待たせしましたが、検査院の方もそういうことないと思うのですが、そこら辺についての農水省の今後の対応の仕方についてひとつ御答弁願って終わりにしたいと思います。
#445
○政府委員(森実孝郎君) 実は新しい構造改善事業におきましては、既存施設とかあるいは資材の有効利用を見て必要があると認められる場合には、増改築とか併設とか古材の利用を認めたわけでございます。ただ、現実には先生御指摘のように必ずしもこれが軌道に乗っていないということは事実でございます。私どもといたしましても、周知徹底を図ると同時に、検査院等とも協議をしながら、そういったものの評価方法とか企画設計の簡易化とかあるいは書類の簡素化等所要の改善を行いまして、こういった意味でも農家負担の軽減とか補助金の効率的な利用に努めてまいりたいと思います。研究させていただきます。
#446
○説明員(高橋良君) 私ども、実態を承知している立場から農水省の方から御相談があれば種々御相談に応じたいと、かように考えております。
#447
○委員長(植木光教君) 以上で丸谷金保君の一般質疑は終了いたしました。(拍手)
#448
○委員長(植木光教君) 次に、熊谷太三郎君の一般質疑を行います。熊谷君。
#449
○熊谷太三郎君 大分おくれているようでございますから、はしょって簡単に質問を申し上げます。
 原発の全運転員に資格制度を与えていただきたいと、こういうことでございます。エネルギー政策の遂行上最も必要な原子力発電の立地難がまだ解決しないことや、なかなか解消しないことや、これを解決する最大のかぎが安全性に対する理解の普及にある点につきましては、時間の都合もありますのできょうは触れませんが、そのささやかな一環であります原発運転員の資格制度につきまして、お伺いかたがた御要望、御要請を申し上げたいと考えるのでございます。
 かねてから私どもの待望しておりました原発運転員の資格制度がいよいよ実施の段階に入りまして、本年六月以降、資格認定を受けました運転責任者がそれぞれ任務につくことになりましたことは、原発の推進を図ります上でまさに画期的なことでありまして、この御措置に対しましては心から評価をし、敬意を評するものであります。
 そこで、この機会にお願いしたいことは、運転責任者以外の一般運転員に関しましても一日も早く資格制度の導入を期せられたいことであります。言うまでもありませんが、未曾有の原発事故と言われましたスリーマイル島事件もその発端は運転員の安全法規違反がきっかけであります。それから、昨年日本におけるスリーマイル島版として全国を騒がせました日本原電事故もまた設備の不備が主因ではありますが、もし運転員が正常な運転に当たっていましたならばあのような騒ぎにまでなることは防止し得たのではないかと言われております。
 過日の参議院のエネルギー特別委員会における所信表明におきまして、安倍通産大臣は、原子力を初めとする石油代替電源の立地については、安全性の確保を大前提として住民や国民の理解を得つつ強力に推進すると述べられ、また中川科学技術庁長官も同じく原子力の研究開発利用については安全性の確保に万全を期すと述べておられますが、このような安全性の確保のためには運転員の資質を向上させることが何よりも必須の問題であると考えるわけであります。もちろん、資格制度がないからといって運転員の教育、訓練には万遺憾なきを期しておられるであろうことは信じて疑いませんが、単にそれだけでは政府の安全性に対する熱意ないし誠意は十分住民や国民に浸透することはむずかしいと考えるのであります。たとえば、いかに権威のある大学に学びましても、国家試験に合格しなければ医師として認められず、またどんな信用のある自動車学校などを卒業しましても、これまた試験に通らなければ運転手としての資格が得られないのと同様、原発運転者としての資格認定を受けなければ原発は運転させないという制度が確立され、そしてこれに課せられました義務の遂行が十分期し得られるようになってこそ初めて原発の安全性確保に関する国民の理解が一歩前進するのではないかと考えておるわけであります。この問題につきましては、一般運転員の資格制度導入については現行制度の実績を踏まえつつ今後の課題として検討していきたいということでありますが、一日も早く御検討の結論が出まして、原発の全運転員の資格制度が一日も早く実現することを心から念願するものでございます。
 原発の担当者であられます通産大臣、また原子力平和利用の推進者であられます中川長官並びに原発の安全を確保する責任者であられます原子力安全委員長の率直な御意見を簡潔に一言承りたいと考えます。
#450
○国務大臣(安倍晋太郎君) 原子力発電所の安全性に関しましては、設備面の安全性の確保のみならず運転員の資質、技量の維持向上を図ることがきわめて重要であると考えております。このため、従来から運転員の教育、訓練は十分行うように指導してきておるところでございますが、さらに強化する観点から、通産省としましては一昨年十二月に原子炉等規制法の規則の一部を改正をいたしまして、運転の責任者について資格認定制度を設けたわけであります。本年六月以降、本制度で認定を受けた運転責任者が各原子力発電所に配置されることになっております。運転責任者以外の一般運転員に対しても、資格制度を広げることにつきましては現行制度の実績を踏まえつつ今後の課題として検討してまいりたいと存じております。
#451
○国務大臣(中川一郎君) 熊谷委員御指摘のとおり、原子力行政は安全が第一であることは言うに及びません。特にスリーマイルアイランドあるいは敦賀の発電所の事故の経験にかんがみ、運転者の資質を向上するということはきわめて重要でございまして、いま通産大臣から御答弁がありましたように、その手始めとして、責任者について資格を持ってもらう、こういうことでありまして、今後さらに一層前進するように努力したいと思いますし、なお当庁が所掌いたしております研究炉について直ちにこの制度を入れるということはなじまないのではないかと思いますが、実用炉に近い「もんじゅ」とか、あるいは現在の「ふげん」、こういったものにはこういった制度を取り入れて趣旨に沿っていきたい、こう思っておる次第でございます。
#452
○説明員(御園生圭輔君) 原子力安全委員会といたしましても、ただいま両大臣から御答弁がありましたように、原子力発電所の運転につきましては運転責任者などの資質の向上が非常に重要であるというふうに考えております。
    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕この分野におきましても、両省庁の今後の施策の充実を促してまいりたい所存でございます。
#453
○熊谷太三郎君 それでは、次の問題につきまして、公共工事の発注につきまして一言承りたいと存じます。
 昨年以来、いわゆる談合事件が明るみに出まして国民の批判を受けているわけでありますが、政府としましてはこの批判をどう受けとめておられますか、また、これに対してどういう対策を進めておられますか。先ほどのお答えにもあったと思っておりますが、重複するかもしれませんが、簡単にひとつお答えを願いたいと存じます。
#454
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。
 昨年来、公共工事の発注に関連いたしましてさまざまな疑惑が指摘されておりますことはまことに遺憾に存じております。わが国の建設業は非常に高い世界的水準にある、こういう産業であるだけに、こうした指摘がされていることは私どもは本当に残念に思っております。こうした状況にかんがみまして、昨年の十一月に当時建設大臣名をもちまして、関係建設業団体の代表者に対しまして、関係法令の遵守方について指示をいたしました。またさらに、ことしの一月二十九日に事務次官名によりまして、すべての建設業者団体に対しまして、そうしたことの徹底方を通達してまいったところでございます。従来も法令違反の事実が生じました場合には、建設業法に基づく監督処分を行うなど、従来から厳正な処置をとっておるところでございまして、今後とも適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
 なお、入札制度の合理化対策等につきましては、現在中央建設業審議会に調査、審議をお願いしておりますところでございますが、この結論が出されました場合には建設省といたしまして速やかにこれに対処してまいりたいと思っております。
 なお、公共事業の発注庁といたしまして、建設省といたしましては、審議会の結論を待って改善策を実施するということはもちろんでございますが、当面、建設省直轄工事につきまして、競争参加者の指名数をとりあえず昭和五十七年度からなるべく二十名にするなどの当面の措置につきまして去る一月二十九日に事務次官より通達したところでございまして、総合的に対処しているところでございます。
#455
○熊谷太三郎君 現在、公共工事の発注はほとんどいわゆる指名競争入札制度によっているわけでありますが、これによりまして長年にわたる膨大な量の公共工事が円滑に消化されてきたのでありますから、その実績は一応高く評価すべきであると考えておるのであります。けれども、それではこの制度が長所や利点ばかりで少しも短所や欠点がなかったかと言えば、必ずしもそうとは断定できないと思います。政府はこの現在の制度につきましてどうお考えでございましょうか。短所や欠点はないと思われますか。また、あるとすれば、どういう点が短所であり欠点であるか、もしお差し支えなければ御所見を簡単に承りたいと思います。
#456
○政府委員(丸山良仁君) 公共事業は国民の生活に重大な関係のある事業でございますから、この工事が適確、厳正に施工できることが最も重要であると考えられるわけでございます。工事が遅延したり、あるいは手抜き工事が行われました場合には国民に非常に迷惑をかけるわけでございます。したがいまして、工事の発注に当たりましては、適正な工事ができるような施工技術を持ち、また経営的にも安定している業者を選定する必要があると考えているわけでございます。したがいまして、その目的を果たすための制度といたしましては、百年に及ぶ長い間指名競争という形で原則的に進められてきたわけでございまして、指名競争制度はそれなりに非常にすぐれた制度だとわれわれは考えているわけでございます。しかしながら、先ほども計画局長から御答弁申し上げましたように、いろいろと入札に当たりまして疑惑を招くようなこともあることも事実でございます。したがいまして、この制度につきましては、やはり指名ということで人数が限られる関係上、業者間で話し合いがしやすいという欠点があると考えているわけでございます。したがって、この欠点を除去し、なおかつ工事が適正にできるような方策を確立する必要があるとわれわれは考えているわけでございまして、そのために中央建設業審議会におきまして鋭意その問題を検討していただいているところでございます。
#457
○熊谷太三郎君 いろいろ承りましたが、なかなかいまおっしゃったような話で、そういういろんな弊害がなかなか除去されるとは思いませんが、詳しい話はまた他日に譲ることにいたしまして、私はこの際、現在の指名競争入札とは多少違った制度、たとえば米国あたりで行われております条件つき公開入札制度のごときものを一部導入し、その利害得失を十分比較調査された上で、よりよき制度を取り上げるといったような前向きの検討をされたらどうかと考えておりますが、そのような検討をなさるお考えはありませんか。一応承っておきたいと存じます。
#458
○政府委員(丸山良仁君) 制限つき一般競争入札のお話でございますが、いま中建審におきましてこの制度も検討していただいております。ただし、問題は、現在建設省が行っております一般土木の例で申しますと、これは関東地方建設局の例でございますが、AからEまでの五ランクに業者を分けているわけでございまして、A業者でございますと二十社程度、B業者でございますと百社程度でございますが、C業社になりますと六百社、D業者になりますと千三百社、E業者で千社というような数になるわけでございまして、これらの業者をどのように適正に制限をして、優良な業者だけに制限つき一般競争をしてもらうか、ここに問題があるわけでございまして、この点を中央建設業審議会でいま御審議いただいているところでございます。
#459
○熊谷太三郎君 ただいまこういう条件つき公開入札についても、いろいろ御検討を願っているということを承りまして大変意を強くするわけであります。まあ公開入札という言葉だけにとらわれますと、いろんなこと、たとえば大手が安く受注して、弱い中小企業が圧迫されるといったような誤解を与えるかもしれませんが、本場の米国の実例が示しておりますように、条件つき公開入札でありますから、条件のつけ方によりまして、そのような点は十分に確保することができると思うわけであります。この条件のつけ方によりまして、わが国の現在の制度以上に中小企業の保護、育成などを図ることもできるわけであります。
 実は私は、公共工事の発注におきましては、率直に言いますと、このような条件つき公開入札制度をとることが業者の資質を向上させる点からも、公共の利益を確保する上からも、さらには中央、地方を通じ、わが国の政治をより清潔、明朗なものとするためにもぜひ必要なことと考えまして、昭和三十九年、ちょうど小山長規建設大臣の当時でございましたが、そのとき以来その所信を申し上げて政府御当局の御検討、御善処を要請してまいりましたが、今日までいまだに一顧だにも与えられませんことは、きわめて残念であると思っているのであります。この際、建設行政を担当される建設大臣と国費の費消に最も重大な関心を持つ立場におられます大蔵大臣の御所見を承ることができますならば、まことに幸いでございます。
#460
○国務大臣(始関伊平君) お答えを申し上げます。
 現在行われております指名競争入札制度の利害得失につきましては、ただいま官房長からもお答え申し上げたのでございまして、利益といたしましては、大事な国民の財産である公共工事を完全に仕上げるためには、工事の能力、信用、特に技術力におきまして十分な素質を持つ者を選ぶということが大変大事であると思います。同時にまた、公共工事の発注に当たりましては、公正でかつ自由濶達な競争をやらすことによりまして、できる限り受注の価格を低くする、また、ただいま熊谷さんからおっしゃいましたように、中小業者の資質を高めると、いろんな要素があるわけでございまして、そういったような点から見まして、ただいま御指摘になりました条件つき公開入札制度、アメリカでやっておるということの内容はまだ十分承知いたしておりませんが、より一般的競争入札制度というものをどの範囲で日本の場合に当てはめられるかということが、実は中建審にわれわれが審議をお願いしておる、また、向こうで問題を取り上げておるわけでございますが、その中の最も重要な課題であるというふうに考えておる次第でございまして、ただいま多年にわたる御経験からくるりっぱな信念のようなものをお述べになりましたので、そのお話も詳細中建審の方に伝えまして、鋭意ひとつ努力して間違いのない結論を出したい、かように存じております。
#461
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省といたしましても、多額の財政支出をするわけでありますから、入札制度には重大な実は関心を持っております。したがって、制限つき公開入札というのはどういうようなことなのか、具体的に細かいことは私わかりません。わかりませんが、やはり一定の資力とか、あるいはいろんな実績とか、そういうものを調べてやるのでしょうから、日本の指名競争入札とどこが違うのか、そういうようなことにつきましては、建設大臣が現在中央建設業審議会を開いてその公共工事の入札の問題につき審議をさしておるというところでございますから、その検討結果を踏まえまして、今後とも必要に応じ適切な処置を講じてまいりたい、こう考えております。
#462
○熊谷太三郎君 最後に、ホテルの防災につきまして一言お尋ねをいたします。
 先日、ホテル・ニュージャパンに火災が起こりまして、死者三十二名を含みます六十六名の死傷者を出しましたことは、申すまでもなくまことに遺憾であります。死傷者を出しましたホテル火災は従来にも幾つか前例がありますし、今後もかような高層ホテルがだんだんふえていくのに伴いまして憂慮すべき事態の発生が十分予想されるわけでありますから、その対策の強化はきわめて急務であると考えるわけであります。ところが、それにつきまして少々腑に落ちない点がありますのでお尋ねしたいと思いますが、端的に申し上げまして、このような防災対策上、最も重要な点は何でありますか、自治省の方にちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
#463
○政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。
 ただいまお話がございましたように、去る二月八日未明、ホテル・ニュージャパンで大きな災害が起こりまして、私どもまことに残念に存じておるわけであります。
 御質問にございました防災対策上の最も重要なものは何かということでございますが、私どもは、防災対策上最も重要視すべきは、何にも増して人命の安全確保であろうというふうに存じておるわけでございます。
    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕
 いまお話にもございましたように、高層建築物が最近、都市におきましては非常にふえてまいってきておりますが、御案内のとおり、高層建築物は外部からの消火活動あるいは救助活動がその建物の構造上、非常にむずかしいことは事実でございます。したがいまして、高層建築……
#464
○熊谷太三郎君 防災対策上最も重要なのは何ですかということに対しまして人命の尊重であるというお答えをいただいたわけでございますが、それで十分でございます。
 それでは、この人命の安全を期しますためには、一体何が大切であるか、これはお伺いしないで私の方から申し上げたいと思いますが、防災と言いますと、防火もありますし、一つは避難という問題もありますが、私は、人命の尊重といったてまえから、その安全を期しますためには、避難体制の完璧を図るということが一番大切ではないかと考えておるわけであります。防火ということももちろん関連のある重要な関係ではありますが、避難に比べればむしろ間接的だということが言えると思います。
 そこで、これも重ねてお伺いしたいと思いますが、申し上げることにいたします。この避難の問題を直接担当される部署は消防庁であろうと思います。間違いありませんか。(「大蔵大臣がいないとおかしいぞ」と呼ぶ者あり)
#465
○政府委員(石見隆三君) 避難につきましての、第一義的には、御案内のとおり、各旅館、ホテルが消防計画を作成いたしまして……
#466
○熊谷太三郎君 避難の部署はどこかとお聞きしているので、消防庁でしょう。
#467
○政府委員(石見隆三君) 部署につきましては、それぞれの消防機関が旅館、ホテルを指導いたしておるところでございます。
#468
○委員長(植木光教君) 速記をとめて。
    〔午後五時二十四分速記中止〕
    〔午後五時五十八分速記開始〕
#469
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。
 本委員会の主管大臣であります渡辺大蔵大臣が本委員会を中断をさせるような事態を引き起こされましたことは、きわめて遺憾であり、ここに厳重なる注意をいたします。
 熊谷君の質疑は本日はこれまでとし、明日午後二時委員会を再開することといたしまして、これにて散会いたします。
    午後五時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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