くにさくロゴ
1949/02/15 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第4号
姉妹サイト
 
1949/02/15 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第4号

#1
第007回国会 文部委員会 第4号
昭和二十五年二月十五日(水曜日)
  ―――――――――――――
   委員の異動
二月十三日委員深永六郎君辞任した。
同日議長において星一君及び岩間正男
君を委員に指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報答
○理事の互選
○外国語教育及び新制大学に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時四十四分開会
#2
○委員長(田中耕太郎君) それでは只今から槻会いたします。御異議ありませんければ、日程の順序を変更いたしまして、先ず派遣議院の報告を議題にいたします。堀越委員。
#3
○堀越儀郎君 この休会中に関東方面を視察して参りました。委員としては、私と木内さんと、それから同行者としては岸田さんと山木さんと四人で参りました。茨城、栃木、群馬、千葉の四県を詳細に視察いたしました。埼玉、神奈川は機会を見てということにして四県だけに止めたのであります。詳細は種々の資料を集めまして専門員室に傭えて置きましたから御覧頂きます。簡單に大体のことを御報告申上げたいと思います。
 我々主として先方に参りまして視察或いは懇談いたしましたのは、その眼目といたしますのは、教育委員会と事務局との関係はどんなふうに行つているかということ、それから教育委員会の一部改正問題に関連しまして、この前の国会でいろいろ意見の出ておりました教育長の権限強化の問題などのことについて、それから今度の予算で非常に重要視されまする平衡交付金の問題に関連しましての地方の教育予算の問題、それから教員の充実の状況、更にこれをどういう方法で補充して行くかということ。次にはいろいろ細菌取沙汰をされておりまするP・T・Aの問題、それから社会教育の問題、次には教科書配給の状況、更に新制中学の建築費に絡んでの地方の状況など、最後に文化財の保護がどの程度になつておるかということについて、いろいろ調査して参りました。総体的に見ますと、教育委員会が発足されてから、まだ日も浅いのでありまするが、段々とこの運用が円滑に行つておるまうでありますが、事務局との関係も円滑のところが多いように見受けられたのであります。併し結局それは、事務局は実際に教育に堪能の人が集まつておりまするのはいいのでありますが、教育委員会の委員の人によつて相当その間の事情が違うように見受けられたのであります。観察して参りました県、諸県から結論をいたしますと、結局委員会の制度でなしに、委員の入による問題にあるものだという認識を深くして参つたのであります。幸いに我々が参つた県は、委員にその人を得ておりまするので、非常に円滑に遂行され、事務局と委員会との関係が非常に円滑であり、而も熱心に教育方面の仕事に関係しておられる状況を見て心強く思つて来たのであります。この前の国会に提出される予定でありました教育委員会法の一部改正に伴つて、教育長の権限強化という問題が相当に論議の的になる傾向であつたのでありまするが、この点相当突つ込んで事務当局なり、委員会の委員の方の意見を聞いて参つたのであります。事務当局の方は勿論あの原案を支持されるのは十分首肯されますが、教育委員会の委員の人も、あれで結構だ、現実にやつておることを、ただ法文化するだけであるから、ああいう改正に対しては、茂々は異議はないという意見が多かつたのでようであります。我々が参りました県では、その反対の意見を聞く機会はなかつたのでありまして、大体の改正に対して全面的に賛意を表しておられるように受取つたのであります。
 それから予算の関係でありますが、大体本年度の予算は地方の総予算の二五%が全国の平均ということになつておるのであります。つまり地方における教育予算というものは、地方財政の二五%が平均になつておるようであります。我々が見て参りましたところでは、大体二五%から四五%までのようであります。ただ茨城、栃木のような河川に災害を受けて、災害復旧のために当初予算よりは追加予算が殖えた場合に、やはり依然として教育予算がそのまま据置かれることになる関係上、一一%まで下つておるところがあつたのでありますが、それは臨時的の措置であつて、大体二五%から四五%ぐらいのところを組まれておるようであります。今後の中央から交付される平衡交付金の問題については、今度文部省で立案されておりまする義務教育の標準教育費と同じような意味で、普通の平たい言葉で申しますれば、中央から交付されるその交付金に、教育予算に対しては紐付きの予算を是非交付されたい。全般的に自由裁量で地方長官に委されるような場合にはどうしても政治力の強い警察、或いは土木という方面に使われ易い。そうすると又以前のような、十五年前繰返されたような教員に対する不拂いというような不祥事が起る虞れもあり、又非常に弱い教育委員会の財政源を持たない教育委員会の権限から考えて、その完全な義務を遂行する上において非常に苦心をしなければならない、場合によつては節を屈するようなことが起るのじやないかというようなことで、平衡交付金の問題に対しては文部省が考えておられる標準教育費というものは、是非法文化して貰いたい。法律によつてやつて貰いたい。つまり紐付き予算というものを是非実現して貰いたい。これは各県とも同一の希望でありまして、この点を強く要望されていたようであります。この点は我々文部委員としても、十分に考慮を拂つて地方自治庁の考え方もさることでありましようが、教育予算に対して当然我々が力を入れてこの実現を図らなければならないと考える次第であります。
 それから教員の充実の問題でありますが、無資格者の教員の相当いることは、これは各府県とも十分認られたのであります。今後も起る問題であろうと思うのでありますが、各府県とも講習会を開いて、そうして免許状がとれるよう、有資格者になれるよう十分に努力を拂つておるようでありました。又教員自体にしても、講習会には万難を排して参加して、自分の地位を確保する、地位の向上に努力しておる様子が見受られたのであります。この点非常に頼もしく思つて、教員自体の立場から申しまして、又各県の教育委員会の努力に非常に敬意を拂つて来た次第であります。
 次にP・T・Aの問題でありますが、これはやはり依然として寄附金の問題などに絡んで弊害がまだ跡を絶たないように見受けられたのでありますが、併しこの改善に対しては各県とも非常に努力しておる。群馬県のごときは標準P・T・Aというものの結成をいたしまして、その結成に教育委員会なり、地方の有志が努力をして、これに皆見習えというようなふうにP・T・Aの改善に非常に努力しておるような傾向が見受けられたのでありますが、併し何と申しましても教育予算の一般予算から比べて少ない上から、今日、P・T・Aの問題は余程お互いに力を入れないと解決し得られないのじやないか、殊に今度の地方財政において寄付金を百億円にシヤウプ勧告案によつて決められたのでありますが、以前の五百億を四百億削つて百億円までは認めるということでありますが、この情勢では恐らくシヤウプ勧告の線が守り得ないのじやないかという感を深くして参つたのであります。これは先程申しました平衡交付金の問題に関連して平衡交付金の問題が我々の希望するごとく解決されない限り、P・T・Aの問題も同じように禍根を残すのじやないかということを深く痛感して参つた次第であります。
 それから社会教育の問題は行つて参りました県では相当努力を拂つておるようでありますが、まだ十分でないような感を與えられて来たのであります。ただ視覚教育及び巡回図書館というような方面においてそれぞれ新らしい企画の下に努力しておる県を認めて参りましたが、他の一般の社会教育についてはいま一段の努力を拂つて貰わなければいけないのじやないかという感をいたし、その意見を申述べて参つたのであります。
 それから教科書配給状況でありますが、これは図書が多くなるに従つて非常に円滑になつて参りまして、一昨年あたり非常に非難の出ておりました教科書の配給が遅れるために十分な教育ができないというような非難は解除されまして、大体主なものは間に合つておるようであつて、教科書が来ないために生徒が非常に困るというような声は非常に少なくなつて来たようであります。ただ半面に初年級の教科書を早く配給されるために困るというような反対の現象が起きて来たように見受けられたのであります。例えば四月の新学年度から使う教科書が自然その以前に配給をされて、そうして現金を支拂わなければならない。ところが新制中学あたりになりますと、入つて来る人数がはつきりと見通しがつく場合はよいのでありますが、何人入るか分らない、初年級などもそうでありますが、はつきわ入つて来る数を捉えることができないのに教科書だけが先に到着してその現金を学校で立替えて拂わなければならないというようなことで、その資金に困つておる。こういう実情を聞かされて来たのであります。以前のように教科書の配給が非常に遅れるために、教育上支障を来たしたということでなしに、半面において今度反対に一部のものは早く来過ぎる。それを学校で一時預つて金を立替えて拂わなきやならないその金の出所に非常に困つておるという現象、それからもう一つは教科書の使う面が自由にされたために非常に売込みの運動が激しくなつて乗る傾向がある。この点非常に憂慮されて、以前に起つた教科書疑獄事件というようなものが将来再び繰返されることがあるのではないかと、こういう懸念を我々は持つて帰つたのであります。その点も将来考慮して貰わなければならない問題ではないかと思うのであります。
 それから新制中学の建築の問題は、これは申すまでもなく地方としては非常に熱心にやつたために、町村長が地位を去らなければならない、国の補助が少くなつた、或いは遅れたりしたために責任問題も起つたというところが多いのであります。これは非常に全国的の問題でありまするから、我んが行つて地方のみがそういうことが起つたのではない。町村長が責任をとられて辞任問題は、供出米と、新制中学建築の問題、二つが絡んで大部分それによつて地位を去らなければならないという問題が起きておるのであります。つまり供出の問題と、新制中学建築の問題が地方の町村長の命取である。而も両方とも熱心であればある程問題を大きくしておるようであります。これは勿論供米のことは文部委員としては別個のものであり、建築費の問題については教育に熱心に唱道した町村長が最も苦しい立場に追い込まれておるということを見逃してはいけないのではないか。こう思われるのであります。
 最後に文化財の問題でありまするが、見て参りましたところでは大体よく保存されておるようであります。併しその修理更には完全な保存についてはまだ国としても考えなければならない、地方としてももつと関心を持たなきやならんのではないかという感を深くして帰つて来たのであります。併しながら文化財保護法というようなものが国会の方面で論議され、近くこれが成立を見るということが一般によく知られて文化財のことに対する一般の考えが非常に深くなつて来たということは十分に見られるのであります。地方民に対する唱蒙運動というものが今まで足りなかつた。自分の地方に非常に立派な文化賦があるに拘わらず、一部の人しかそれを知らなかつたということが現状でありましようが、国会で文化財保護に対して非常に熱心に論議されておることが反映いたしまして、地方民もそれに呼応して地方の予算を細細ながら盛つておるところもあります。千葉県のごときは啓蒙運動として二十四年度には国宝及び重要美術総覧というようなものを印刷して一般に配付しております。又二十五年度には天然記念物総覧というような図書を発行して更に県民に対する関心を深めようとしておるようであります。こういうふうに今まで文化団体とか、一部の者しか関心を持つておらなかつたのが、国会のこの法案に対する審議の進み方に呼応して、地方がこれに非常に関心を持つて来た。又地方自治体としてもそれに対して幾らかの予算を盛り、更に予算を増して、それに対する保存、保護ということに力を入れようとする傾向が段々顯著になつて来ましたことは、非常に我々文部委員として心強く感じて帰つたのであります。
 大体以上の通りでありますが、各県の極く特殊なものだけを一、二拾つて見ますというと、茨城県においては教育委員会というものが非常に熱心であり、教育長なり次長が教育委員会と協力して常に優秀な成績を挙げておりますので、民政部から教育長及び次長が昨年は表彰されております。こういうことは、教育委員会が発足してから間日が浅いにも拘わらず非常に優秀な成績を挙げておることに対して感謝の辞を述べて来たのであります。
 それから栃木県においては高等学校は週五日制で、つまり現在の六日制を五日制にして、そして最後の土曜日を各自の自習に当て、又は教員の研究及びそれぞれの解放日に当てておりまして非常によい成績を挙げておるようであります。そのために二十日間の有給休暇というものも誰も願出る者がなく、生徒も十分に余裕を與えられ、教師も余裕を與えられて、それぞれの道に進んでおる状況が見られたのであります。分後小中学校にもこれを適用するかどうかは考慮中であるようでありますが、当局としてはまだそれを断行する考えは持つていないようでありますが、父兄の方からは小中学校はこの週五日制というものはやつて貰いたくないという反対意見のようであつたようであります。高等学校の方は成績はいいのでありますが、小中学校まで及ぼすということはまだこれは考慮されなければならないのじやないかと、我々もその感を深くして参つたのであります。それから社会教育の面で栃木県では公民館を非常に熱心に考えておりまして、而も青年団が自発的にイニシアチブをとつて運動を始めまして、立派な公民館を建てております。それに刺戟されて、公民館運動というものが相当熱を上げておるようでありまするし、これは上からの指令でなしに、青年団が自発的に非常に熱心にやつておることを心強く見て参つたのであります。群馬県では、先程申しました標準P・T・Aというものを設けております。この県は社会教育に、非常に熱心に力を入れておりまして、今年度には中央図書館を是非設けて、それを三年間の計画で竣工しようと、次には各地に分館を設けようということで、非常に熱心にやつておるようであります。それから千葉県では、たまたま高等学校の分合問題が論議されておりまして、六十六校の高等学校を四十四校に併合するというこの案でありますが、これは地方の事情も絡みまして、相当政治問題化しようとする傾向にあつたようであります。併し、副知事が非常に熱心であり、教育委員長及び教育長が非常に熱心に斡旋をしまして、各界から委員三十名を選出して、その委員によつて原案を拵えて、教育委員会がその答申によつて併合して行こうと、つまり最低四百八十名から一千二百名を限度として、その標準によつて四十四校に縮めよう。但し、千葉県の特殊事情によつて、実業教育に関しては相当の幅を持たせよう、或いは水産学校のようなものは二百名、或いは農学校のようなものは三百八十名くらいまで認める。それ以外の地方においては、これを定時制の高等学校にしようという案で進んでおるようであります。ところが、この壷時制の高等学校というものに対して、一般の理解が非常に少いようであります。定時制高等学校というものは、これは廃校されるのだというような誤解を招いておるようであります。これは従前の青年学校時代の成績が悪かつた印象が非常に強いために、定時制の高校といえば、これは十分な勉強ができないのだと、よい先生も廻されないのだと、これは廃校に等しいのだというようなことで、その関係地方民が猛烈な反対を起しておるようでありますが、県としては、定時制高等学校というものに対する理解を深めるように努力し、又優秀教員をこれに配置するということによつて了解を得ようと努力しておるようであります。ただ今後は、定時制高等学校というものに対する県民の理解がどこまで進むかということで、この問題は解決されるのではないかと思います。これが解決されれば、千葉県の高等学校統合問題も円満に妥結を見るのではないかということを考えまして、県当局にその線に滞つて努力するよう、我我も意見を申出で、又激励もして参つたのであります。いずれ近くこの問題も、一時政治問題化されて紛糾を見ようとしたのでありますが、円満に解決されることであろうと思うのであります。
 文化財のことは、先程簡單に申しましたが、その中で一、二先方の希望なり、或いは実情に即して我々も考慮を與えた方がよいと思つて参りましたのは、日光の昨年十二月三十六日のあの地震のための災害であります。これは日光の方から、委員長宛及び議長宛に請願が出ておることと思うのでありますが、相当被害が大きいのであります。その中にも、やはり国宝に関係あるものも含まれておるのであります。その震災による復旧費の見込は、総工費が約大百五十三万円、そのうち国宝に属する分が五百十二万程あるのであります。この復旧工事というものは、我々見たところでは、非常に目に立たない石垣の崩れ、或いは基盤の緩みというて、そのまま放置するときには、将来大きな災害が起るのであります。他の文化財の修理と違つて目に立たないことでありますが、この多額の費用が要るのは甚だ遺憾のように思いまするが、今のうちにこの修理をしないと、再びもつとそれ以上大きな災害が起るのではないかということを痛感して参りました。この点請願も出ておることと思いまするから、皆様方の御考慮を願いたいと思つていたのであります。それから千葉県では二十五年度に郷土博物館というようなものを建設して、郷土の古い文事化財を一般に公開し、又一般にその考えを深める事ように努力したいと考えておるようであります。その中の一つとして我々見て参つたのはあの移能忠敬の古跡でありまするが、幸い国庫補助によつて伊能忠敬の居宅は完全に修築を見たのでありますが、その中に保存されておるいろいろ得難い資料が非常に立込んだ、火災の虞れの多い個人の蔵に蔵されておりまする。これを何とか完全な倉庫にして保存したいということが関係地方民の熱心な要望であつたのであります。現在の予算と睨み合せて、到底今直ぐには実現はむずかしいのじやないかと我々考えて来たのであります。将来でき得るならばこういう希望にも副うて得難い資料を散逸、或いは焼失しないように、完全に保存できるように考えて行つた方がいいのじやないかというふうに考えて参つたのであります。
 以上で各県に共通した事柄及びその県における一、二の特異の例を申上げたのでありますが、両詳細なことはいろいろ資料も貰つて参つておりますので、専門委員室でこれを取扱つておりますから御高覧に供したいと思う次第であります。以上を以て今回の関東方面の視察報告を終ることにいたします。
#4
○委員長(田中耕太郎君) 只今の堀越委員からの御報告につきまして別に御事発言ございませんか。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて下さい。
 只今からそれでは理事松野喜内君、委員辞任に伴う理事の補欠互選を行いたいと思いますが、互選の方法は如何いたしますか。
#6
○木内キヤウ君 理事の補欠互選は成規の手続を省略いたしまして、その指名を委員長に一任せられることの動議を提出したいと思います。
#7
○委員長(田中耕太郎君) 木内君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なししと呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないものと認めます。それでは委員長におきまして岩本月洲君を理事に指名いたします。
 それから次にこの機会にちよつと各位の御了解を得たいことがございます。それはお目に止まつたかと存じますが、去る二月十三日の朝日新聞に第一面でございますが、元号を廃止、西暦へ参議院文部委員会で研錠中。と大ぎな見出しで記事が載つております。それで、これにつきましてはその前の日、十二日のことでございました。私のところに朝日新聞の記者がいらつしつて、こういうことが委員会で問題になつておるそうだが、話を聞きたいということで、それで実は私、それにつきまして、それは委員個人としていろいろ意見は持ち、考えて研究もしていることである。併し委員会で全然まだ問題になつてはいないのだ。緑風会の内部等ではそういふうな話はしてはおるのだということを申しました。委員会の問題になつていないくらいだからそれは取上げられては困る。デリケートな問題でもあるからというふうに申して置いたのであります。ところがそれにも拘わらず相当に詳しい内容のことが載つております。これは健だ私として心外に存じたわけでございます。で、この記事につきましては今までお目にかかる機会がありました委員の方方並びに各党の方々にはお話申して御了解を得つつあるわけでございますが、本委員会におきましてもさような事情でございますから、どうぞ御了承をお願いいたす次第でございます。
 それから次に私、ちよつと緊急に質問いたしたいことがございますのでお聞き願いたいと思います。それは外国語の教育の件に関してでございます。御承知のように戰時中は随分外国語の教育、特に英語の教育のごとき、随分弾圧されて甚だ振わない状態にありました。戰争後において文部省ではできるだけ戰前の状態に復帰しようというふうに努力いたしておつたわけであります。こういう時勢になりますと、とかく英語のみが非常に尊重せられて、或いはドイツ語であるとか、或いはフランス語であるとかいう方面の教育は疎そかにされないとも限らないような状態であります。併し日本文化の水準を向上せしめ、又学術の発達に貢献するためには、英語のみならず、ドイツ語なり、フランス語というものも尊重しなければならない。特にドイツは敗戰国でありますから、とかくドイツ語が又疎そかにされないとも限らないということも我々は憂えておつたわけであります。で、むしろ一般的に、英語のみならずドイツ語、フランス語も戰前にやつておつた以上に教育上尊重せられねばならないというふうに考えるのであります。ところでドイツ語は、これは長年の伝統として相当に普及もしており、国会においても随分基礎を持つておるわけであります。併しフランス語の方面は、従来ドイツ語程の重きを置かれていない。フランス語を教授しておつた旧制高等学校の数も甚だ限られておりまして、この戰前の状態を戰後において復活したわけであります。併しながら戰前の状態に後事帰するだけでは、日本が宇和国家文化国家として今後発展して行くためにはまだまだ十分でないのではないか。従つてフランス語をドイツ語の水準ぐらいにする値打は十分ある。殊にこのフランス語の勢力たるや非常なもので、御承知の通りにフランス本国のみならずイベリア半島一帯、それからボーランド、その外北国、北の方の国々、バルカンにも及んでおり、殊に中南米の、つまりラテンアメリカ諸国においては、フランス語はスペイン語なりポルトガル語と同じように知識階級の言葉になつている。外交関係におきましても、英語と並んでフランス籍が国際連合なり、或いはユネスコ等において公用語になつているというようなわけで、いろいろな著書、論文等も英語なりフランス語で出ておるというようなわけであります。従つて日本においても、これから国際人を養成して行くためにもフランス語を奨励して行くということは極めて必要だと思うのです。ところが最近にフランス語関係の人が陳情に来まして、大学では、大学の入学試験では従来フランス語で以て、入学ができることになつておつたのであるが、併し最近の動きでフランス語を止めてしまおうというような意見もあり、又そういう方向に議が文部省において練られておるではないかということを心配して陳情に来た人があるのであります。ざような点につきまして、外国語教育の文部省の一般的方針なり、又特にフランス語についてどういうふうな方針で以て処して行かれるかということを伺いたいと思います。
#9
○堀越儀郎君 それに開通してちよつと私も……それは今委員長からの御質問があつたことに関連しましてロシア語の問題であります。これはまあソヴィエトの共産主義の問題とも絡んで来る問題でありますが、そういう関係があればある程ロシア語というものも一つ我々熱心に関心を持たなければいけないのじやないかと思います。太平洋戰争のときには、アメリカで日本語を非常に奨励して熱心に研究されたということであります。そういうことにも関連して、今委員長の言われたフランス語の問題もそうでありますが、ロシア語という一般問題でなしに、そういう学習について文部省はどんなふうにお考えになつておるか、それも併せて関連して一つお聞きできれば結構だと思います。
#10
○政府委員(剱木亨弘君) 今御質問の御趣旨にありましたように、終戰後、相当外国語が盛んになつて来たことは事実でございますが、主として現在の状況としましては、まあ英語が主として問題になるということは否定できないことだろうと思います。で、大学の方におきまして入学試験におきましても映して一ケ国語だけを重要視するということのないように、できるだけ努めたいと考えておるのでございます。併し基礎になりますのは、どういたしましても、新制大学につきましては、新制高等学校でその教育が行われておるかどうかということが第一に問題になります。新制高等学校におきましては、外国語につきましては、英語だけでなしに、外の外国語も十分教科として取上げることができるように、規定主なつておるのでありますが、実際問題といたしましては、特にフランス諸等におきましては、只今のところまだ私立の学校以外には、公立ではフランス語を正式に採用しておるところはないようであります。併し大学の方といたしましては、入学等に際しましては、特に今年行いまする旧制の方の大学の入学試験につきましては、できるだけ一ケ国語でなしに、二ケ国語以上の中から選択してこれを受けることができるようにいたしますし、学校に上りましては、二ケ国語を、その幾つかの外国の中で二ケ国語を必ず書いて答案を出すようにというふうな方法を採つている学校もあるのでございますが、将来新制大学の入学試験の問題につきましても外国語、成る一ケ国語だけを強制的に課することでなしに、幾つかの外国語の問題を出しまして、その中から自分の最も得意とする外国語によつて答案を出してもいいのだという方向に向いましてできるだけ持つて行きたい。今の新制大学の方はあらゆる学科別につきまして必修的なものは少くいたしまして、そうして各科目に亙りましてできるだけ沢山な問題を我喫の方から出しまして、それからその本人が高等学校において履修いたしました最も自分の得意とする科目で選択して受けられる。数学ならば数学の中でも、それから理学系の科目の中におきましてもいろいろものを選択して受けられるという方針を採つて参りたいと思いますし、又しつつあるのでございますが、外国語におきましてもできるだけそういう方針を採つて参りたいと考えております。尚学問なり文化の水準を向上する上にお直まして、学問のこの基礎となる外国語は必要なことは申すまでもないのでございまして、最近文部省におきまして、実はこの大学院の制度についていろいろ論議をいたしておるのでございますが、大体の方向は決定的なものはまだ決まつておりませんが、博士号を授ける場合におきましては、その基礎條件として少くとも二ケ国語は十分に話することができる、いわゆる理解することができるという程度のものは要求するという傾向にあるのでございまして、そういう傾向が出て変りますれば、十分大学自体におきましても一ケ国語だけでなしに二ケ国語以上に亙りまして学生が勉強する、従つて大学におきましても二ケ国語以上を教えるだけの支度を持つておるということになることと思うのでございまして、ただ單に外国語は英語だけでなしに、他の外国語につきましても十分考慮して参りたいと考えておるような次第であります。
#11
○委員長(田中耕太郎君) 現在文学の方面、これは山本さんの方ですが、ロシア文学とか、或いはドイツ文学、フランス文学、英文学といろいろな文学がありますが、それは流行によつて或る程度まで消長があつたと思いますが、併しこのフランス文学に対する一般インテリゲンチヤの熱というものは、ずつと戰時中及び戰後に至つて変らないで、ますます盛んになりつつあるような状態であります。ところがこのフランス語を教える機関というもの、学校はさつき政府委員からお話があつたように、私立学校而も僅かの私立学校に限られております。そういうわけでフランス語を習う機関が極めて少いので、従つてアテネ・フランセというようなああいうフランス人の経営しておる学校が非常に盛んになつておつたのです。最近に日仏会館で以てフランス学院というものを作りまして、これはアテネ・フランセ以上の、つまり大学院的の高等なフランス文化の研究の機関であります。これはフランス語ばかりでなく、ラテン語とか、或いはギリシャ語もやつておるのです。そういう方面も聽講者が実に多いというわけです。そこでやはり国家としてもその要望に応じて、とフンス語を今後高等学校なり、或いは大学で以ても大いに振興する必要があるのじやないかと思われるのであります。ところでさつきの入学試験の問題でありますが、今年は旧制の学校に入る、フランス語で以て入学試験を受けて入る可能性があるとしましても、若し今後そういう道がシヤツト・アウトされるということであるならば、私立の中学校なり高等学校で以てフランス語をやつていた者が、将来大学に進学する機会がなくなるということでは甚だ困るので、そういう点は今年のみならず、新制大学一本になつた場合においても、そういう入学の道が開かれるでしようか。その点伺いたい。
#12
○政府委員(剱木亨弘君) 実は入学試験の問題は高等学校の教育と密接な関係がございまして、そのやり方如何によりましては、折角できた新制高等学校の調度を誤るという問題もありますので、今高等学校とそれから大学と、両方面からのその方面の権威者を集めまして、入学試験問題については、輿劍に研究を続けておるのでございましてそれでその際におきましても、現在やつております学生の選択によつて受験をすることができるという制度は是非堅持したいと考えております。高等学校で相当な科目が選択制度になつておりますので、如何なる科目を選択して行つても試験を受けることができるという方法を採りませんと、高等学校が選択制をやつた意味がなくなります。外国語につきましても、英語だけ出せば、フランス語をやつた人は入れない、こういう状態に持つて行きたくないのでありまして、いろいろな外国語につきまして問題を出しまして、受ける方はどれか一つ選択して受ければいい、こういう万事法を採つて行きたい。その方向で実は私共研究しておりますので、フランス語とかそういうものを止めるという方向には行きたくないと思つております。
#13
○委員長(田中耕太郎君) これは現在私立学校で以て、フランス諮を主と上て外国語としてやつているような生徒の運命にも関する非常な重大問題でありますし、又フランス語の普及、フランス文化の普及という意味からも重大なことで、若しその道がシヤツト・アウトされるということであると、非常にフランス語をやる者が減る、従つて非常にテイスカレージすることにもなりますから、その点十分只今の答弁されたような方向で以て盡力されることを希望いたします。
#14
○鈴木憲一君 私もこの際、文部省がおいでになつておりますので、大学の教授のことについてちよつとお伺い上たいと思うのですが、如何でしようか。
#15
○委員長(田中耕太郎君) 今の語学の問題はこの程度でよろしうございますか、
#16
○堀越儀郎君 ロシア語に対して…。こういう際でありますから、ロシア語の学生に対して弾圧という言葉は悪いのですが、これを低くするというような意味の措置を採られるということはないのですか。現に北海道でもあり、東北でも行なつておるようでありますが、それが今私立にもありますが、ロシア語に対して殊更に弾圧を加えるというような措置を探られるようなことは決してないですか。
#17
○委員長(田中耕太郎君) 堀越委員の御質問になつたのは、これは中国語についても同じじやないか、そういう点も併せて……。
#18
○政府委員(剱木亨弘君) これは今、ロシア語を主としてやつておるのは、国立ののは外国語大学がやつておりますが、その他のところでも外国語につ要してはいろいろな、置きたいというところにつきましては、激賛定員等の関係がありまして、俄かにできないかも知れませんけれども、できるだけこちらとしては努力して参りたいと考えております。それを止めさゼるということは全然考えておりません。
#19
○山本勇造君 ちよつと一言、劔木氏のさつきの御答弁の中に、博士の問題について申上げたい。外の問題については大体僕はいいと思うのですが、博士の称号なんかを與えるときには、二ケ国語を知つていなくちやならんということが規定の中にも入りそうにもあなたの答弁だと見えますが、それは入るのですか。
#20
○政府委員(剱木亨弘君) その転が非常にまあ論議の対象にはなつております。まだ確定しておりませんが、併し学位を持つ以上は、博士号を持つ以上は、相当広い学識と識見を必要とする。それで研究能力でも相当な能力がなければいかんので、それには少くとも二ケ国語ぐらいはマスターできるくらいな入を必要とするのでないかということで、大体の方向は、皆さん今委員会を開いてやつておりますが、その方向になりそうであるということで、申上げた次第であります。
#21
○山本勇造君 続いてお尋ねしますが、外国でドクターというのを取るときには、そういう二ケ国語以上というようなことが條件の中に入つておりますか。
#22
○政府委員(剱木亨弘君) その点は私よく存じておりませんのでございますが、特別二ケ国語ということを必要要件とするというような、これは今やつておりますのは、各大学から結局コースを持てばアメリカなんかやれるので、日本の場合のように大学院を置きます場合に文部大臣が認可するという制度ではないと思いますので、その基準は自発的に定めた基準でありまして、今国として設置基準を定めるという場合はないかと思うのでありますが、そのために一般的な基準を定めようというのでやつておるのでございまして外国の場合にはつきりそういうことを條件とした例については私一。
#23
○山本勇造君 ただ御参考までに私申ヒげたいのは、勿論広い視野の上に立たなければいかんのですが、外国語を多くマスターしておるということは、これは結構だ。それ自体に僕はあれはありませんけれども、併し学位論文なんかを出す場合に、必ずしもニケ国語を知らなくても、或る一ケ国語でも、非常に特殊な研究題目ならばそれだけでもでき得るんじやないか。或いは又民間の人などであつて学位論文を出すような人は、二ケ国語という制限を附けられたら、学位が取れなくなつてしまいやしないかということを心配する。その意味でちよつと私は御質問したのであります。
#24
○政府委員(剱木亨弘君) その委員会でも相当その点は論議されまして、特に例えば国文学などをやられる方が是非二ケ国語を知らなければいけないかということが論議されまして、決定はしておりませんが、結局原則としては、そういうことを必要とするという程度になるんじやないかと思います。
 それから今ちよつとお言葉にございました大学院の制度につきましては、論文博士の問題と、それから一定のコースを踏みまして、実際に学校に来て何單位を取つて然る後論文を提出してやるコースと、二つのことが非常に論議されておるのでございますが、前に申した論文博士号を認めるかどうかということにつきましては、非常に今意見が纏まりかねておりますので、まだ相当な時間的なあれはかかると思つております。
#25
○山本勇造君 ただ私今のような点につきまして、殊に民間の人などの問題を余程考慮して慣きたいということだけ申上げて置きます。
#26
○鈴木憲一君 お伺いしたいのですけれども、新制大学が発足しましたときに、旧専門学校の卒業生が大学の教授に相当なつております。それらの人がこの際転退職を強要されるんじやないか。又そういうふうに学長等から言われておる向きもあるように聞くのでありますが、そういうようなことが事実あるのか、或いは文部省としてはそういうものに対してどういう意見を持つておられるのか。尚旧制専門学校卒業生が大学教授になつておることは暫定的のことであるか、それらについての御意見をお樹いします。
#27
○政府委員(剱木亨弘君) 旧専門学校、高等学校等の新制大学に切替えます際に、実は大学設置審議会におきまして、やはり大学に相当する教授組織、教員組織であるかどうかということは、認可の基本的な基礎になるのでございますので、新らしく大学に編成されます教授組織について、書類の提出を求めまして、その組織を調べる意味におきまして個々の教授が教授としていいか、或いは助教授としていいか、或いは講師としていいかという個人的な資格を一応全部について当つて見たわけであります。その結果教授、助教授若しくは講師として認められた者と、大学の教護、助教授、講師としてはなり得ないという判定を得た者との二通りございまして、その専門学校の先生でありまして、それらの大学の資格を認められない者の処置につきましてはどうするかという問題が起つておるわけであります。それでこれには二つの方法がございまして、その一つは、現にまだ専門学校が持続しておる限りは専門学校の教授でありますから、その間一、二年あるわけであります。それで研究員とかその他の方法でいろいろ研究して頂きまして、相当に業績が挙つて来ればこれは再審査の上で新制の方に編入を認められる。こういう場合と、それから、どうしても大学の方に行くことのできない者につきましては、今申されたように配置転換でもいたしまして高等学校その他に転換して頂く、こういう方法より他はないと思つております。そのことにつきましては、いろいろ我々としては配置転換を要する者につきましては、十分努力をいたして参つておるのであります。
#28
○鈴木憲一君 続いてその件ですが、現在大学教授になつて認可されておる者については、再審査というようなことは合後行われるのでございますか。
#29
○政府委員(剱木亨弘君) 大学教授になりました者は、一応全部設置のときに大学教授としての資格を認められた者だけが転換しておるのでありまして、それ以外の者はなつていないわけでありますから、大学教授になつた人につきましては、再審査ということはあり得ないと思います。
#30
○若木勝藏君 政府委員にちよつと伺いたいのですが、新制大学が発足した当初において、室蘭工業大学が火災によつて焼失したということは非常に遺憾なことでありますが、併しこの大学は北海道の開発という方面から見るというと、非常に重要な使命を持つておる大学である。これの復旧につきましてどういうふうな状態になつておるかお伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(剱木亨弘君) 室蘭工業大学が焼けましたのは予算編成の時期を過ぎてからでございましたので、本年度のいわゆる二十五年度の予算にその復旧費を計上することは、今日の状況としてはできない状態でございます。ただ焼けましたのは三分の一くらいだつたと思います。それで後非常に無理をいたしまして、大体授業に差支ない程度には取敢えずの応急措置はやつておりますけれども、これを本格的に復旧いたしますのには相当の経費も要ることでございますし、只今地元方面の非常な御熱意ある後援を頂いておるわけでありますが、この二十五年度の災害復旧費その他におきまして、どのくらいのものが入手できるかということは、只今省内でいろいろ研究しておりますが、これは既定予算のうちでは非常に困難なことと思いますので、本当の復旧はやはり三十六年の予算を期待しなければならないかと思つております。とにかく取敢えずのところでは只今できるだけのことはいたしております。
#32
○若木勝藏君 その外にもう三つばかりお伺いしたいのです。
 新制大学ができた場合に古い大学のいわ、ゆる総合大学というような方面はそう問題にならないと思うのでありますが、学芸大学であるとかいうような新らしくできた一方面の大学の実情を聞いて見ますというと、非常に事務局方面に力を入れることが多くして、肝賢の教授方面の待遇なり、或いは研究面なりというものは非常に微弱であるというようなことを聞いておるのでありまして、全国的に一体どういう実情にあるのか、その点を伺いたいと思います。
 それからもう一つは先般参議院の本会議におきまして科学振興の決議案が出たのであります。その際に文相としては最善の努力を盡したい、こういうふうなことを啓弁されておつたのであります。実際二十五年度の予算において科学振興についてどういうふうな方面が計画され、進行されておるか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#33
○政府委員(剱木亨弘君) 新制大学の、特に学芸学部についてでございますが、これは全くお説の通り殆んど大部分のものが中等学校、高等師範学校から転換したものが多いのでありまして、その設備の内容は非常に貧弱でございますし、又教授の研究施設それらのものは全く貧弱でございます。そこで実はこの問題は教員養成の問題と関適いたしまして、私共といたしましては非常に重大な問題であろうかと考えますので、只今極力どういう点を改善して行くべきかという基礎的な案を作るためにできるだけの調査をいたしておるのでございます。ただ終戰後今日大学を作りましたが、この取敢えずの二十五年度の予算におきましても設備費等は相当貧弱でございまして、十分なる設備ができない状況でありますが、その設備費の分配に当りましても特に貧弱でございます学芸学部を対象として考えて行きたい。省将来の計画といたしましてはこの点にできましたら何年かの年度計画を立てまして、基礎的に考えて見たいというふうに今研究をいたしておる次第でございます。
 それから当参議院におきまして全会一致で科学振興の決議を頂いたのでございますが、そのときにはすでに文部省の科学研究費につきましては五億という線が確定いたしておるのでございまして、符この会期中におきましても何らかこの国会で修正をして頂くとかいうようなことはできないかということにつきましてはその後十分努力をいたしておるのでありますけれども、現在の状況では本年度の、二十五年度の予算におきまして予算の修正ということは非常に困難であるように考えております。ただ機会がございましたらできるだけ速かに何らかの形で増額をお願いしたいと考えておりますが、現在のところでは五億の線を増すということは非常に困難なように考えております。
#34
○堀越儀郎君 劔木局長さんが来ておられますのでお伺いいたしますが、いわゆる白線浪人の問題ですが、本年度の卒業生に前から浪人しておる者を合算すると、大体一万七千名と推定されるようであります。今年の收容率は普通なら一万、多少拡張して一万一千五百くらいができるということでありますが、そうすると後の残つた者をどういうふうに救済されるか、今年度で打切りのようでありますが、更にもう一年旧制大学を募集をしてやるというような御計画でもお考えにならないであろうかということをちよつと伺わして頂きたいと思います。
#35
○政府委員(剱木亨弘君) 白線浪人の問題事はこれは非常に困難な問題でありまして、実は大学当局と今まで非常に折衝して参りましたが、十分なる解決を見ないことは非常に残念に思います。ただ本年度におきましては実は各大学に非常にお願いしまして、相当の数の学生定員の増加をお願いしまして、それは極力協力して頂いておるのでありまして、発表になりました定員よりも実際はもつと余計に採つて頂くように考えております。特に文科方面におきましては、相当数、これは文科方面の白線浪人については先ず心配ないであろうと見ておりますし、又理科方面からも転換して来る者がおりますれば、それも相当收容できると、そういうように考えておりますが、一番肝腎な生理学方面には尚相当数これはどうしても残ると思います。そこでこれに対する対策にはもう一回実は入学試験をやつて貰えないかということを、例えば今年の九月頃、学校当局にいろいろ話しておりますれども、これは全大学が皆一致してそれに賛成されることは非常に困難だろうと思います。ただもう一つ私共が期待を特つておりますのは、実は新制大学が本年度の第二学年におきまして、二学年を担当増員して編入試験をして呉れるということは相当に大学が協力して呉れると思います。これで尚残りました分につきましては、新制大学の三年生が来年四月にできるのでありますが、来年四月にできましたときに、実は理科方面で自分の希望した学科に行かない人というのが相当出て参りまして、三年生の理科方面の学科につきましては定員に満たないものが相当できて来ると思います。それに対しまして旧制の高等学校の卒業者の編入試験をやつて貰う、これは相当に数が数字的には出て参ります。そのことによつてどのくらい救済ができるかということは、今度の試験をいたしましてどのくらい残るということを確実な数を握つた上で……尚第二段、第三段を考えておりますが、確定的なことはここでははつきり申上げられない次第であります。
#36
○堀越儀郎君 この旧制大学について只今言われましたところでは相当御考慮を願つておるわけでありますが、この先、進学を絶たれるという人達は思想的に考えて非常に憂慮すべき点があるだろうと思います。今後も引続き一層さような努力を遂げられんことを希望いたします。もう一つ別なことで稻田局長にお尋ねしたいのですが、先程地方の教育事構の視察に参りました報告を申上げたのでありますが、その中に特に地方として非常に要望しておりますることで、それは教育費の問題です。今度の新らしい制度で平衡交付金の中央から回付される場合、教育費というものを地方の財政状態から増えて、非常に有力な政治力のある土木、警察という方面に流れて、義務教育費その他の教育費に少くなるということが多分にあるのでありますので、地方としては中央から廻される交付金を文部省の予算と同じように紐付きにして貰いたい。今文部省でお考えになつておる標準教育費というものを法文化してはつきりしたものにして貰いたいということの希望が地方に非常に多いのでありますが、義務教育の標準教育費の問題としてどの程度の成案ができておるのか、どういう進行状態にあるのか。文部省としてどれだけ努力されるのか。我々む力を合せてしなければならんのですから、個人の文部委員として一つお伺いしたいと思います。
#37
○政府委員(稻田清助君) 只今御質問のありました平衡交付金制度に関連いたしまして、義務教育費を確保する目的を以て特別の法律を制定するということにつきましては、文部省におきましても昨年以来準備して参つたのであります。大体その考えの内容といたしましては、法律自体において義務教育に関する標準経費を定めまして、その標準によつて計算せられた費用を地方公共団体の義務支出にする、大体こういう考えで十分努力いたしておるのでありまするけれども、まだ政府部内におきまして話が纏まりませんので、この国会に提出する運びに至つてないのであります。できるだけ速かに協議を遂げまして、提出の段取りにいたしたいと考えております。
#38
○委員長(田中耕太郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて。
#40
○堀越儀郎君 只今承わりました御答弁で、文部省側の御努力は十分察せられるのでありますけれども、義務教育の標準教育費というものが万一徹底されないときには十数年前のような事情が繰返えされる慮れが十分ありますので、その点篤と御考慮に入れられて、いま一段の御努力を続けられるように希望いたして置きます。
#41
○委員長(田中耕太郎君) それでは一応これで……後は委員会は閉会いたしまして懇談に移つてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないものと認めます。それでは本日の委員会はこれで以て閉会いたします。
   午後零時十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           若木 勝藏君
           木内キヤウ君
           藤田 芳雄君
   委員
           大隈 信幸君
           梅原 眞隆君
           堀越 儀郎君
           山本 勇造君
           岩間 正男君
           鈴木 憲一君
  政府委員
   文部事務官
   (大学学術局
   長)      剱木 亨弘君
   文部事務官
   (初等中等教育
   局長)     稻田 清助君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト