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#1
第096回国会 建設委員会 第5号
昭和五十七年四月一日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     園田 清充君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     宮之原貞光君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田 正雄君
    理 事
                坂野 重信君
                谷川 寛三君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上 吉夫君
                井上  孝君
                岩崎 純三君
                中村 啓一君
                堀内 俊夫君
                大木 正吾君
                宮之原貞光君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  松野 幸泰君
   政府委員
       北海道開発庁予
       算課長      服藤  収君
       国土庁長官官房
       長        福島 量一君
       国土庁計画・調
       整局長      白井 和徳君
       国土庁土地局長  小笠原正男君
       国土庁水資源局
       長        高秀 秀信君
       国土庁地方振興
       局長       柴田 啓次君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省都市局長  加瀬 正蔵君
       建設省河川局長  川本 正知君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田熊初太郎君
   説明員
       国税庁長官官房
       企画官      西崎  毅君
       自治大臣官房地
       域政策課長    藤原 良一君
       自治省財政局財
       政課長      持永 堯民君
       自治省財政局地
       方債課長     森  繁一君
       消防庁予防救急
       課長       荻野 清士君
       日本国有鉄道建
       設局長      杉浦  弘君
   参考人
       住宅金融公庫理
       事        関口  洋君
       北海道東北開発
       公庫総裁     新保 實生君
       日本道路公団理
       事        森田 松仁君
       本州四国連絡橋
       公団総裁    尾之内由紀夫君
       地域振興整備公
       団副総裁     中橋敬次郎君
       住宅・都市整備
       公団理事     星野 孝俊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、昭和五十七年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、昭和五十七年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(北海道開発庁、国土庁)、建設
 省所管、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田正雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、本州四国連絡橋公団、地域振興整備公団、日本道路公団及び住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(吉田正雄君) 昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省、国土庁及び北海道開発庁所管、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫を議題といたします。
 昨日に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○三木忠雄君 住宅宅地対策について、きょうは焦点をしぼって質問をしたいと思います。
 特に、内需振興策として、住宅建設百三十万戸というのが非常に重大な課題になっているわけです。この問題に関しては、やはり建設大臣として非常に責任のある問題だと私も思うんです。後から細かく詰めたいと思いますけれども、この百三十万戸の住宅建設という問題について、具体的にどのような対策を講じていこうとしているのか、まず、その点について。
#6
○国務大臣(始関伊平君) ただいま御指摘になりましたように、内需拡大、景気浮揚の非常に大きな柱として五十七年度の住宅建設百三十万戸という計画が決定されておるのでございまして、大変重要な問題だと存じております。
 従前は、大体年間百五十万戸程度の住宅建設の水準であったわけでございますが、五十四年度石油ショックを境にいたしまして大分落ち込んでまいりました。五十六年度などは、やはり百十五万戸程度にとどまるだろうということでございます。でございますから、百三十万戸と申しましても、なかなかこれは容易でないということを十分に認識いたしました上で、五十七年度の予算の編成、財政投融資計画の決定、さらに住宅、土地税制の改正等に当たりまして、私どもの感じでは、いまの政府の力で動員できる政策手段はすべて動員いたしましてこの計画に取り組んでおるわけでございます。
 中身につきましては、またお尋ねによりまして申し上げますが、御承知のように、政府機関で直接にやりますいわば公共賃貸住宅というべきものがございます。それから住宅金融公庫、それから年金福祉事業団の融資によるもの、さらに労働省の方で大分前からやっておりますが、財形資金による住宅融資、こういったような政府の特別の政策手段の及ぶ範囲、これが百三十万戸のほぼ半分だと思います。それ以外にもう一つ、銀行ローン等を中心にしてやりますもの、これはいわば純粋の民間住宅というべきものと、種類が三つに分かれるものでございまして、ただいま申し上げましたような政策の効果が具体的にはどう出るかということは、四月、五月、六月の着工統計に出るわけでございます。
 ただ、明るい要素といたしましては、去る一月の末から三月の一日まで、新しい住宅政策のうちの貸付限度額の引き上げたけ前倒しいたしまして実行したのでございますが、これは非常に好調でございまして、六万戸の募集に対してほぼ倍、十一万九千戸くらいの申し込みがございました。これは一つの明るい要素だと思っておりますが、なお今後とも各方面の御理解と御協力をいただきまして、全力を尽くして、ただいまお話しいただきましたように大変重要な問題でございまするので、この百三十万戸の建設の完遂に努めてまいる、かように存じております。
#7
○三木忠雄君 住宅局長、具体的に昨年の、昨年というか、この三月ですね、まだデータは出てないかもしれませんけれども、おおよそ大体どのくらい昨年度の計画はできたと見ているわけですか。
#8
○政府委員(豊蔵一君) 現在は昭和五十七年の一月までの建築着工統計のデータが出ております。これによりますと、昭和五十六年度は四月から一月までで建築着工統計によります新設住宅の着工戸数は九十六万五千戸というふうになっておりまして、前年度の同期に比べまして六・二%、六万戸の減少ということになっております。したがいまして、今後二月、三月がどのような着工状況になるかなかなかはっきりわからないところがございますが、おおむね年度間を通じまして百十五万戸前後になるんだろうというふうに推計をいたしております。昭和五十五年度が百二十一万四千戸程度でございましたので、それから比べまして若干減少しておるというような状況でございます。
#9
○三木忠雄君 その減少した原因というのは、具体的にどのように分析をされておりますか。
#10
○政府委員(豊蔵一君) 端的に申し上げますと、住宅の価格と取得能力の乖離ということが大きな原因であろうかと思われます。その中でも特に五十四年から五十五年にかけまして地価及び建築費が上昇したこと、また、金融引き締め等によりまして金利の負担の増加がこれに加わったこと、また、いわゆる一般の勤労者世帯の所得が伸び悩んだこと、こういったことが現在のような低迷を来している要件としての大きなものであろうかと思っております。
#11
○三木忠雄君 可処分所得等の問題等を含めまして、昨年の悪い原因がことしの予算で、あるいはその後の対策によって百三十万戸達成するための土壌はでき上がっている、こう見ていますか。
#12
○政府委員(豊蔵一君) ただいま申し上げました要件のうちの地価につきましては、本日各紙で発表になっておるようでございますが、国土庁の方でなさっていらっしゃいます地価公示価格を見ましても、増勢といいますか上昇率は鈍化している傾向があらわれておりますし、また、建築費につきましては昨年来ほぼ横ばいであるというような状況でございます。
 いま申し上げましたことに加えまして、私どもといたしましては、特に政府関係の公的な金融政策につきまして格段の改善を図ったところでございまして、住宅金融公庫あるいはまた財形融資等につきましては金利の引き下げを初めとするいろいろな改善措置を講じておりますし、また、住宅、土地税制につきましても近来になく大幅な改正を行うことといたしております。一方、民間の住宅ローンにつきましても、四月中旬から、現在八・三四%でございますが、八・二二程度に引き下げるというようなことにもなっておりますので、そういった点につきましても相当の取得能力の補完ができるかと思います。なお、五十七年度の経済全体の流れの中での問題にはなりますが、物価の安定あるいは経済運営の総合的な対策を講じますことによりまして取得能力というものも着実に向上する、このように見ているところでございます。
#13
○三木忠雄君 そうしますと、百三十万戸のうち公的住宅の方は約六十六万戸ですか、あと民間ということになりますね。この数字はおおよそそんな見当ですか。
#14
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの方で扱っております公的な住宅建設計画につきましては、ただいま先生お話がありましたように、六十六万戸余りの予算となっておりますが、ただ、建築着工統計で出てまいりますのは新設住宅でございますので、いまの六十六万数千戸の中には住宅改良、増改築といったようなものもございますし、あるいはまた財形の融資等につきましては若干公庫の融資とのあわせ貸しといったようなものもございますところから、いわゆる新設、着工統計であらわれます数字といたしましては、公的資金住宅は約六十万戸というふうに御理解いただいた方がよかろうかと思っております。したがいまして、仮に純粋の民間資金住宅と合わせまして百三十万戸ということを一応考えます場合には、その純粋の民間資金住宅は約七十万戸程度というふうになろうかと思います。
#15
○三木忠雄君 そこで、公的住宅の方はきょうは時間がありませんので、民間の七十万戸の住宅建設について、特に宅地開発の指導要綱等も含めた問題で具体的にいろいろ伺いたいと思うんですが、その前に、国土庁長官、けさの新聞で地価の公示が発表になっているわけですね。これはどういうふうに国土庁長官はごらんになっていますか。
#16
○国務大臣(松野幸泰君) お答えいたします。
 四月一日、きょうですが、土地鑑定委員会が発表した地価公示によると、昨年一月一日から本年一月一日までの地価変動率は全国で御承知の七・四%の上昇となっている。これは五十六年地価公示の変動率九・六%を下回っております。
 これを用途別に見ると、全用途の全国平均以上となっているのは、住宅地八・三%、宅地見込み地八・二%、準工業地七・四%の住宅に関連する用途の地域となっており、その他の用途の地域はいずれも全用途の全国平均を下回っている。また、五十六年地価公示と比較すると、すべての用途で変動率が鈍化しており、特に三大圏を中心に住宅に関連する用途の地域の変動率の鈍化が著しい。
 次に、地域別に見ると、三大圏の変動率七・三%が地方都市の変動率七・四%をわずかではあるが下回っており、三大圏の中でも東京圏の変動率六・八%が最低となっている。また、これを五十六年地価公示と比較すると、三大圏、地方都市とも鈍化しており、中でも東京圏を初めとする三大圏の変動率の鈍化が目立っている。
 ここ数年、効用増のほか、需給の不均衡を主な要因として地価は上昇してきたが、最近地価変動率が鈍化してきたのは、実質所得の伸び悩み等に起因する住宅建設の低迷、マンションの売れ行き不振等を反映して土地取引が低調に推移していること、物価、金融など経済情勢が比較的安定して推移していることなどによるものと考えられます。
 今後の地価の動向としては、地価に関連する諸指標の動向から見て大幅な上昇はないと考えているが、国土庁としては、今後の地価の動向については引き続き厳重に監視してまいりたい。
#17
○三木忠雄君 いろいろ読まれたんですけれども、端的に言ってもう地価は鈍化の傾向にある、こういう判断をしてよろしいわけですか。
#18
○国務大臣(松野幸泰君) そのようにいろいろの統計から考えております。
#19
○三木忠雄君 いろいろな分析の仕方があると思うんです。東京はたとえば六・二の鈍化傾向であると言うけれども、実際上東京で宅地あるいは住宅を購入しようとしても三千五百万、四千万、こういう実態で、実際に住宅購入はできない。したがって売買が端的に言えば行われなかった、こういう問題じゃないかと思うんです。したがって、少量出た売買の物件に対しては相当な値上がりをしているわけです。平均的には六・二と言うけれども、実際上はそんなに、地価公示の地点の選び方にもよりますけれども、やはり鈍化現象というよりも宅地供給が少なかった、こういうふうな見方が言えるんじゃないかと思うんですけれども、この点についてはどうですか。
#20
○政府委員(小笠原正男君) 五十年代に入りましてから宅地供給量は全体として減少傾向にございます。ただ、一昨年来この減少傾向に歯どめがかかったというふうに私ども判断しておりますが、ただその総数量、これは決して、根強い住宅宅地需要に対してはまだまだ不足であるというふうに思っておりまして、本年以降さらに土地税制その他いろいろな方策を重ねることによりまして、もう少し供給量をふやしていかなければ、居住水準の向上を中心といたします住みかえ、建てかえという根強い住宅宅地需要には追いつかないものがある。したがって、さらに供給増大の努力を関係省庁とともに進めていく必要があるというふうに判断をいたしております。
#21
○三木忠雄君 宅地供給量を各省庁協力してふやしていくと言うんだけれども、宅地供給量を構造的にふやしていく具体的な手法ですな、税制の問題がすぐに口には出るわけでありますけれども、その他宅地供給するためのいろんな手順、手だて、この問題については国土庁はどのように考えておりますか。
#22
○政府委員(小笠原正男君) 宅地供給の増大としてはこれ一つが決め手というわけにはまいりませんで、総合的な対策を講ずる必要があるというふうに考えているわけでありますが、これからの住宅宅地需要を考えますと、たとえば最近では、人口なり世帯数の増加傾向というのは大変鈍化をいたしております。それから婚姻件数も減少をしております。さらには大都市に対する人口の社会増も減ってきておるというようなことで、需要構造がかなり変化をしておるというふうに判断をいたしておりますが、そういう中で、とにかく、かつて大都市に流入した方々が曲がりなりにも住宅の手当ては一応済ませたけれども、先ほど申し上げましたようにこれからは居住水準を向上させるための欲望というのはかなり強いわけであります。
 そこで必要なことは、一つは建設省が昨年作成をいたしました宅地供給見通しにありますように、既成市街地の中の土地の高度利用によって宅地供給量をふやすということ、従来同様新市街地の宅地供給量をふやすということと二つが基本であるというふうに考えているわけでありますが、新市街地の方につきましては、たとえば企業その他いろいろな人が持っている土地にいたしましてもかなりのものが市街化調整区域の中にある。そういう開発適地に対して開発許可の申請をいたします場合に相当な時間がかかる。こういう開発許可事務のスピードアップでありますとか、あるいは開発しようとします場合にかなりの開発負担金を自治体から徴収されるということ、さらには、開発しようといたしましても関連公共施設の整備がおくれている、これを先行させなければいけない、こういうような開発をできるだけ速やかに行うための諸施策を講ずることがきわめて重要な問題であります。
 それから、土地を売る機会をねらっていた方々もかなりいるというふうに判断をいたしておりますが、そういう人たちの供給力を増すための、意欲を増すための税制の改正でありますとか、そういうことを通じて農地の宅地化の促進を図るというようなこと。既成市街地の中につきましては、最近の需要がかなり都心に近い便利なところに対する需要が増大をしている傾向にあるというふうに判断をいたしておりますが、これらに対しましてこれも税制の中でございますが、立体買いかえ制度の創設推進等によりましてできるだけ既成市街地の中の土地の高度利用を図る、あるいは木賃アパートの建てかえを進めていただく、さらに商業地のみならず住宅向けの都市の再開発を進めるといったような各種の方策を講ずることによりまして、需要に適合した宅地供給の促進を総合的に図っていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
#23
○三木忠雄君 国土庁は、具体的にいろいろ施策はやっているんだけれどもなかなかうまくいかない、各省庁をコントロールできないいろんな問題点があるんじゃないか、網だけはうまく張るんですけれども、一向に実効は上がっていない、こういう点が私あるんじゃないかと思うんです。きょうは具体的に宅地開発の指導要綱の問題、いま先ほど述べられましたけれども、五十三年に一遍、この宅地開発指導要綱の問題については建設大臣と自治大臣が議論をされて、何かいろいろ各自治体に指導されたんですか、自治省、まず答弁願いたい。
#24
○説明員(藤原良一君) 地方公共団体に対する指導といたしましては、毎年度各都道府県知事あてに事務次官名で通達を出しております。これは当該年度の地方財政運営に関する通達でございますが、その中で開発指導要綱による行政指導が適切に行われますように繰り返し通達しておるところでございます。通達の内容といたしましては、開発業者から受けております寄附金等につきまして「受益の程度等を勘案し、その受入れ及び使途の適正化に配意すること。」、あと一点は、「収支の内容の明確化に努めること。」、こういった内容が主たるものになっております。
#25
○三木忠雄君 建設省、この宅地開発指導要綱、自治省は負担金だけの問題あるいは寄附金の問題に重点を置いて指導されておりますけれども、民間の住宅建設、たとえばことしは七十万戸、民間デベロッパーの力というのは相当な民間住宅促進のために大きな影響になると思うんですけれども、各自治体で指導要綱がばらばらである、この点で開発業者は困っているわけですね。良質な低廉な宅地を供給しようとしても、各自治体における開発指導要綱がばらばらであるために非常に困惑を来しておるというのが実情じゃないかと思うんです。この実態については建設省はどのようにごらんになってますか。
#26
○政府委員(吉田公二君) デベロッパーの立場から申しまして、先生のおっしゃるような考え方が非常にございますことは私どもよく承知しております。ただ、宅地開発指導要綱自体が出てまいりました要因と申しますのは、人口の非常な特定の都市への集中ということに伴いまして、地方公共団体が関連公共施設の整備等について非常に大きな負担がかかる、これの対策として発生してきたというわけでございまして、それぞれの地方公共団体が地域の実情に応じまして生活環境の整備とか、あるいは財政負担の軽減というような意味でそれぞれの判断で制定しておりまして、開発の規模でございますとか数量でございますとか、それから公共団体の財政の内容でございますとか、両者の関係がいろいろでございますので、画一的な負担基準というようなものをつくるのはかなり一律に律し切れない面もございます。全国的な統一基準、これはデベロッパーと申しますか、宅地の需要サイドから見ればこういうものが望ましいというわけでございますけれども、非常にむずかしい面がございます。
 ただ、指導要綱の中には、いわば社会通念に照らして行き過ぎるという面もございます。先ほど御指摘ありました五十三年のときの会合もそういった意味で建設、自治両省で行ったわけでございますが、このような中でもどちらかと申しますと、私どもとしては自治省に財政当局としてのお立場という意味での協力もお願いしたわけでございます。現在自治省と共同いたしまして宅地開発指導要綱の内容あるいは運用というものについて調査をいたしているわけでございますが、その結果を踏まえまして、行き過ぎている面もあるわけでございますので、こういったものを是正する等の必要な対策を講じてまいりたいと思っている次第でございます。
#27
○三木忠雄君 具体的な問題になってきますと調査をし、これからいろいろやられるんでしょうけれども、具体的に建設省としてたとえば公共公益負担の実態というものについてどのように認識し、掌握をされているんですか。
#28
○政府委員(吉田公二君) ただいま申し上げましたように、実態として公共団体側の立場、それとデベロッパーの立場、それぞれあるわけでございますが、ある意味においてやむを得ないと見られる面もございます。ただ、その内容、運営の仕方についていささか行き過ぎではないかというものもございます。ここらを総合的ににらんで適切な指導をしていかなければならないわけでございますが、その基本にございますのは開発に伴う関連施設の負担そのものにあるわけでございますので、こういったものの対策といたしましていわゆる促進費に当たるような制度、これは昭和五十三年度からスタートしたものでございますが、そうした制度もございますし、また開発主体によります立てかえ施行という問題、これは住宅・都市整備公団でございますとか、地域整備公団、これは自分で立てかえをすることもできます。また公共団体や地方の公社、民間デベロッパーに対しましては、金融公庫の融資によりまして立てかえをいたしまして地方自治体自体の負担の繰り延べを図るというようなことも講じております。
 こういった公共団体の負担そのものを軽減していくと、当面、少なくとも事業段階におきます負担が非常に高くなることを、後年度にずらしていくというようなことなんかの制度の拡充にも努めているわけでございますが、そのほかにも、ただいま申しましたように、指導要綱自体が若干行き過ぎているという面もあるわけでございますので、そういう点については関係省とも協力して指導してまいりたいと思っている次第でございます。
#29
○三木忠雄君 指導要綱の行き過ぎがあるという、これは建設省も確かに認めているはずだと思うんです、私ですらわかるんですから。この問題をやはり解決しなきゃならないと思うんですね。実際にこの公共公益負担の割合がどの程度が適当か、これは各地方によっていろいろ地域に差があるのは私も十分わかります。建設省としてもここだと言いずらいのはわかるけれども、余りにも行き過ぎがあり、たとえば五四%も五五%も取られる地域もあれば四〇%の地域もある、これじゃ宅地が、結局は購入者に全部上乗せされてくる、こういう問題に絡んでくるわけです。したがって、建設省としてある程度の法規制じゃないけれども、公共公益負担というのは大体どういう関係の施設でどの程度のものが負担すべきであるか、こういう程度ぐらいのガイドラインは建設省が出すべきじゃないかと思うんですけれども、この点についてはどうお考えになりますか。
#30
○政府委員(吉田公二君) この点も若干歯切れが悪くて恐縮なんでございますけれども、土地の事情もございます。開発する地域によりまして、地形その他から非常に造成に当たって有効宅地率が下がってしまうという土地もございます。どちらかと申しますと、現在開発している土地においては比較的そういう土地の可能性が多いわけでございますし、特に排水問題等を抱えまして、調整池等を設ける必要が出てきた場合なんかについては、そうした特殊事情から有効宅地率が減るということもございます。ただ、私どもが見ておりましても、全体の市街地の整備の水準から見まして計画的に大きな開発をする場合には、それなりにりっぱな市街地としての整備水準をとりたいという希望と申しますか、そういうものがあることはそれとして認められるわけでございますけれども、その内容自体が非常に高過ぎる水準ということもあるのではないか。一般的に私どもの調査によりますと、特殊の地形等のところは除きまして、面積的に申しまして、公共公益施設というのは大体四〇%ぐらいのところにおさまるのが妥当ではないかというふうに思っておるわけでございます。
#31
○三木忠雄君 一概に、開発地域がいろいろ違いますから同じようにしろとは言いませんけれども、ある程度、四〇%なら四〇%が適当であるというあれはむしろガイドラインを、建設大臣、これは後で細かくあと二つ三つ聞きますけれども、まとめて早くこういうガイドラインを国が示すべきじゃないかと思うんですね。余りにもばらつきが多過ぎて開発ができない、あるいは住宅宅地供給ができないというような問題が、それは結局は宅地が住宅一戸建設費を含めて三千五百万−四千万として、大体サラリーマンが手の届かないような住宅がつくられているという実態があるわけです。この負担のいろいろな割合を考えてみましても、用地費が四三%、建設費が、公共関連施設ですよ、三四%とか、あるいは開発負担金が二三%取られている、こういうふうな実態がおおよその実態として出てきているわけです。公共施設あるいは公益施設等についても消防施設までつくれとか、下水道も、住宅をつくる地域以外の下水も含めてやれとか、いろいろ指導要綱があっても、その地域の各自治体の行政を担当する人間の感覚によって違ってくる、こういう問題が非常に多いわけです。こういう問題は、やはり建設大臣、公共施設等の問題を含めた点についてはどうお考えになりますか。
#32
○国務大臣(始関伊平君) 住宅建設の前提の要件といたしまして、宅地をなるべく安い、適正な価格で供給してもらわなければならないわけでございますが、そういう場合におきまして、ただいまお話のございました宅地開発に伴う負担金の問題が大きな問題になっておって、私は自分では経験が少ないのでありますが、確かに当該市町村長などの性格等によっても多分の差異が出てくる、このように考えなきゃならぬかと思いますが、建設省といたしましては、公共事業そのもの、また関連の公益事業と申しますか、千億の予算があるわけでございますが、そういうものの有効利用等とあわせて、さっきからお話が出ておりますように、必ずしも一律には申しかねると思うんでございますけれども、さらに自治省、国土庁とも相談いたしまして、もうちょっとはっきりしたガイドラインを出すようにという目標で、今後さらに検討を進めてまいりたい、かように存じております。
#33
○三木忠雄君 これはもう至急やってもらいたいと思うんです。
 それから、公共負担の軽減策ですね。公共負担だとかあるいは協議の開始の日程だとか、いろんな問題点があると思うんですけれども、この公共負担等の軽減策について、どういう問題点を考えればその公共負担等の軽減策は考えられるか。具体的に言えば、宅地開発に伴って分譲するまでの間に公共施設の負担であるとかあるいは金利の負担であるとか、協議期間の長さの問題だとか、いろんな点が何点か考えられると思うんですけれども、いま宅地分譲をする、あるいは住宅を分譲するに当たって、やはりこの負担を軽減する方法としてどういう方法が考えられますか。
#34
○政府委員(吉田公二君) 一般論といたしまして、これから仕事をするケースというものもございますが、先生の御指摘は具体のプロジェクトがまずああということからスタートいたしまして、そういったものについて具体にどういう策があるか、こういうふうに受け取らせていただきますが、まず関連公共施設というものについて、できるだけ公共的なサイドで実施し得るものについては公共的なサイドから整備をしていく。このために建設省では、促進費ができます以前からそれぞれの公共施設で大規模な宅地開発に関連いたしましては公共事業を実施しているわけでございますが、五十三年度以降、促進費につきましては当初三百億でございましたのが、今年度五十七年度におきましても、一応国費一千億ということで要求しておりまして、こういったものがかなりきめ細かく活用されているという点はございますが、さらに先ほど申しましたような立てかえ施行等によりまして、公共団体の負担を軽減していくとか、あるいは公共事業等のまた促進費なんかの裏負担についての起債の運用でございますとか、そういうことによりまして直接的な負担を減らしていく。
 それから、立てかえ施行におきましては、特に学校でございますとか、後年度の補助と結びつけていくようなものについてはフルに活用していくというようなこともございます。
 それから、開発許可に要します期間も、開発の規模が大きくなってまいりますと、御承知のとおりもうほとんど公共団体の全行政に関連するほどの影響があるわけでございますので、つまり事前協議から始めまして、市町村あるいは県段階、各団体についてのいろいろな機関との間に非常に長い期間かかっているということも承知いたしておりまして、私どもといたしましては、そういったたとえば県段階において調整する機構をつくられまして、その調整する機構の窓口のところで関係当局を集めて……
#35
○三木忠雄君 具体的には問題を後で詰めますから、要点だけ言ってくれればいい。
#36
○政府委員(吉田公二君) そういったことを総合的に指導していきまして、特にまた、先ほど申しましたような指導要綱の行き過ぎ等についても適切な指導をしていく。そういうようなことで、申しますれば、直接的な事業費の軽減を図っていくとかあるいは立てかえをしていくとか、あるいは開発許可の運営の改善を図っていくとか、また行き過ぎた指導要綱の是正を図っていくとか、そういうことを総合的に進めていくべきだと思っております。
#37
○三木忠雄君 いろいろおっしゃられましたけれども、私、いま一番業者が困っているいろんな問題点、四点だけきょうちょっと意見を伺っておきたいと思うんです。
 一つは、過大な公共施設の整備水準の見直しの問題です。二つ目には、施設整備に対する助成強化と負担金の軽減の問題です。三つ目には、開発に要する協議期間の短縮、いまもおっしゃられましたね。四つ目には、長期低利の公的融資の拡充と強化というこの問題。あとこの負担金を軽減する方法はいろいろあると思いますけれども、大きく分けて私は、この四点の問題を建設省が、ガイドラインなりあるいは指導なり拡充強化を図ってやるならば、これは民間の宅地供給のいろんな手だてが前進するんじゃないかという考え方に立つわけです。
 したがって、過大な公共施設の整備水準の見直し等についてはやはり国が、先ほども四〇%と言われましたけれども、よく検討されて、公共施設で五五%も六〇%も取られたり、あるいはあるところでは四〇%とかこういうばらつきのある、地域によっていろんな開発状況は違うと思います。しかしながら、ある程度のガイドラインは示してあげるべきではないか、この点を私は強く要望しておきたいんですけれども、これは実態調査ができるまではこういう問題の見直しはやらない、あるいはガイドラインはつくらないという、こういう考え方ですか。
#38
○政府委員(吉田公二君) 確かに、いま膨大な作業をいたしまして、自治省と共同で調査をしているところでございます。この結果によって判断をした方が適切な面もございますが、そのほか可能なものにつきましては、できる範囲から判断して実施できるものは進めてまいりたいと思っております。
#39
○三木忠雄君 それから、施設整備に対する助成の問題ですね。ことしは公共関連施設一千億、これは自治体の裏負担との問題があるわけですね。この点について、この一千億の関連公共施設が具体的にどういうふうに有効に機能しているのか、あるいは各自治体でその裏負担がうまく適用されているのかどうか、この点についてはどうですか。
#40
○政府委員(吉田公二君) この一千億の促進費につきましては、公団でございますとかあるいは公共団体、地方住宅供給公社あるいは民間デベロッパー、いろいろのところで関連して必要とするものを、市町村を経由いたしまして県段階にまとめまして、県を通じて私ども伺っているわけでございます。その中で優先順位と申しますか、そういうものも判断いたしますが、おおむね計画として出てきたもので、適正なものについては対象として採択させていただいておりますが、これが近年におきましては非常に大きな効果が生じているというふうに私ども判断しております。
 ただ、裏負担の問題について御指摘ございましたが、これにつきましては、公共団体によってはもちろん公共団体の裏負担ということでそのままに公共団体が負担されているところも多いわけでございますが、公共団体によりましては、その裏負担について全部であるとかあるいは一部であるとか、開発主体に負担を求めているところもございます。こういった点につきましては、実態上やむを得ないと見られるものもございますが、根本的には、さらにたとえば、地方債の充当の問題でございますとかというようなことも改善を図りまして、現在でも一般の地方債と同じように運営されておりますが、こういった点についても私どもは関係当局とも御相談して、そういったものの円滑な負担が可能になるように努力もいたしまして改善を図ってまいりたいと思っておるところでございます。
#41
○三木忠雄君 この事業の裏負担について自治省は具体的に調査しましたか。実態はどうなっているか、自治省。
#42
○説明員(森繁一君) ただいま御指摘のありました促進事業に係る地方負担の問題につきましては、この促進事業が一般の公共事業の補助金とは若干異なる面がありますので、この点にも私ども留意をしながら、促進事業の円滑な実施を図りますために、地方公共団体の財政状況などを勘案して、必要があると認められます場合には地方債による財源措置を講ずることといたしておる次第でございます。
 ちなみに、五十六年度におきましては、これは精査が全部済んでおりませんが、地方負担に対しまして約百三十七億ばかりの起債の許可をいたしております。これはいずれも当該地方公共団体の財政状況等を勘案したものでありまして、地方公共団体の要望どおりの起債の許可をいたしております。
#43
○三木忠雄君 この裏負担の問題で、負担金を開発負担金等で賄っているという実態が比較的多いという話もあるんですけれども、その点はどういうふうに考えていますか。
#44
○政府委員(吉田公二君) これも財政の全体として私が全部調べておるわけじゃございませんが、デベロッパーあるいは公共団体のいろいろな方の意見を聞いた中では、そういうケースはあり得ると申しますか、ないわけではないというふうに思います。
#45
○三木忠雄君 その裏負担をしないとすれば、この事業の趣旨に反するんじゃないんですか。補助金の適正化法からいってちょっとこれ矛盾するんじゃないですか。これは自治省の方ですか、建設省ですか。
#46
○政府委員(吉田公二君) 本来促進費の事業自体も公共事業でございますから、その施設の管理者である公共団体が負担してもらうことが望ましいと申しますか、原則であろうと思います。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、事業の規模、内容、そういうものと公共団体の財政的な力というものとの相関関係から決まるわけでございますので、先ほど申し上げましたように、その裏負担をもって実際やっている公共団体も多多あるわけでございますが、必ずしもそうできない公共団体が負担を求めることもある面ではやむを得ないというふうに認められる面もあると思います。
#47
○三木忠雄君 やむを得ないというこの問題が行政サイドでいろいろばらつきがあったり、困るわけですね。私はこれらの問題はもう少し明確にしなきゃならないと思うんです。やはり自治体の裁量も結構ですけれども、裏負担金の問題が、開発業者によると、いろいろ自治体の意向によってずいぶん左右されてくるというこの問題は、やはりもう少し明確にしなきゃならないのじゃないかと思うんですが、これはいかがですか。
#48
○政府委員(吉田公二君) その自治体の懇意によってということであれば、これは私は適当でないと思いますが、先ほど申し上げましたように、公共団体の力とその開発の全体の量でございますとか各年度の負担と申しますか、そういったものとの関係が自治体ごとにいろいろの関係があるわけでございますので、その中で非常に自治体として負担にたえないというところがあるとすればやむを得ないというふうに考えられるわけでございますが、先生の御指摘につきましては、私ども宅地供給に責任を持っている立場といたしましては、もう先生のおっしゃることは胸にしみるような感じがいたすわけでございますが、実態上やむを得ないところがないわけではないという感じを申し上げているわけでございます。
#49
○三木忠雄君 大臣、これは大臣の判断ですね。これはやっぱり行政サイドではなかなかむずかしい問題かもしれないけれども、開発負担金の問題に対する性格あるいは基準の明確化をすべきじゃないかと私は思うんです。やはり地域によっていろいろ違うというのは、ばらつきがあるということ自体、あるいは任意の寄附といいますけれども、実際的には強制の寄附なんです。それをしないと開発許可がおりないんです、開発負担金を出さないと。それは結局そこに変な癒着の問題が起こってくるし、いろいろいやな問題が起こってきているわけですよ。また、開発負担金を多く取られて、それが結論的には、最終的にはユーザーの負担になってくる。この問題は公共関連施設等の問題を含めてやはりルールを明確にすべきだと思うんですけれども、大臣の意見はどうですか。
#50
○国務大臣(始関伊平君) 宅地等の開発をいたします場合に、ただいま御指摘になっておりますような点での地方自治体との関係が大変むずかしい問題になっている場合がしばしばあるということは、私も実際見聞いたしまして承知をいたしております。確かに地方の自治体が寄附をデベロッパーに強要するというような形になる場合もあるんじゃないかという気がしておりますけれども、いま申し上げましたようないろいろむずかしい点もございますけれども、やはり調査と検討を進めまして、ひとつ結論を得て、この問題が比較的はっきりするように今後一層努力してまいりたい、かように存じております。
#51
○三木忠雄君 これははっきりしておきませんと行政訴訟が起こってきますよ。もう、現にそういう動きがあるんでしょう、九州の方でも。したがって、こういう問題は私、一概に全部こうだと割り切れる問題じゃないかもしれないけれども、開発負担金等の問題は明確にしておきませんと行政訴訟の問題が起こってくるんで、やはりこれは寄附行為になってくるし、法律的にもまずい問題だと思います。したがって、きょうは法律的な問題で論争するつもりはないけれども、実際に補助金の問題あるいは開発負担金の問題等について、余り強要の問題が起こってきますと、これはやはり行政訴訟の問題になってくると思います。された場合には行政側は弱いと思いますよ。この点で明確にルール化しておくべきではないか、この点を強く申し上げておきたいと思うんです。
 それから次に、開発に要する協議期間の短縮の問題です。これは実態はどのくらいで大体事前審査から許可がおりて、宅地分譲までどの程度の期間がかかっていると理解されておりますか。
#52
○政府委員(吉田公二君) これも開発の具体の中身によってかなり差があるわけでございます。
 まず第一番目に、その対象の区域が市街化区域であるか、あるいは市街化調整区域であるかということにおいて非常に大きな差がございます。
 それから、開発の規模、それから開発する場所のいろいろの条件、たとえば排水でございますとか水道の供給でございますとか、そういった基本的な条件において非常にむずかしい問題を抱えているというようなところにおきましては時間が長くかかるわけでございますが、市町村、府県のいわゆる事前協議段階から始めまして許可までいくという間の――ちょっと私いま正式の資料を持ってこなかったので申しわけございませんが、大体通常のもので言えば二年から四年ぐらいはかかっていると思います。特に市街化調整区域などで非常に大規模な仕事をやるというようなケースにつきましては、土地利用の問題から始めますので、こういうところについてはもっとかかっているものもあると思います。
#53
○三木忠雄君 これはいろいろあると思いますけれども、長いのは六年も八年もかかっているというのがある、あるいは各課回るのに二十課も三十課も回らなければならない、そのために書類があっち回りこっち回りしてずいぶんかかって、金利負担だけでも大変だという悲鳴を上げている小さなデベロッパーもいるわけです。優秀な宅地を供給しようとしても、その窓口で時間をかけ過ぎて、実はまいっている例が非常に多いんです。この問題について、やはり開発許可に対する具体的な手続あるいはやり方等についてもう少し宅地供給の協議会とか、何か窓口をしぼって、そして早くそれを解決できるようにしませんと、これは宅地供給といったってなかなかできっこないですよ。ことしから手をつけたって、五年先、十年先じゃ、住宅百三十万戸やるとかあるいは百万戸やるとか言っても、実際宅地の問題が一番大きな問題なんです。こういう点について、やはり自治体と建設省――住宅局になるのかどうか知らないけれども、もう少し詰めてね、各都道府県にしてみますと、宅地開発の大きな許可申請というのはそんなにべらぼうな数が来るわけではないと思うんです。そういう点をもう少し明確化、具体化、手続の簡素化、こういう問題について取り組む意思がありますか。
#54
○政府委員(吉田公二君) 公共団体のサイド、またデベロッパーのサイドと立場が違いますので、見方は、私どもは両方の意見を聞いておりますので、それぞれに理由があり、それぞれの理由の中にもっともな点があるので、私ども最も苦慮するところでございますが、公共団体におきましては、特に市町村の行政で申しますとほとんどの行政に絡む問題でございます。
 公共施設だけで申しましてもいろいろございますし、あるいは学校だとか、保育所だ、幼稚園だ、それから水道だ、あるいはごみの処理だとか、それから下水の問題もございます。そのほかのいろいろの関連施設、先ほど先生おっしゃいました消防とか警察とか、場合によれば文化財とか、そういったものが全部絡んでまいるわけでございますので、公共団体のそれぞれの行政がそれぞれに一生懸命でいらっしゃるという意味においての大変さというのはあるわけでございますが、御指摘のように、そういう開発という問題に的をしぼって、一つの調整的な機構をつくっていただいて、その調整的なところで適切にさばいてもらう、そういうことによって開発許可をされるものについては一日でも早く許可してもらうということについて、私ども従来からも指導してきておりますが、さらにこういった御趣旨を体しまして真剣に指導してまいりたいと思います。
#55
○三木忠雄君 これも大臣、意見を伺っておきたいんですけれども、これは国土庁長官にもなるのかな、宅地の供給だから。
 実際に用地の保有期間が長過ぎるんですよ。たとえば許可がおりるのに五年から十年かかっているのは、これ建設省が調べた資料を私も見ているんですけれども、三六%ぐらい、五年から十年かかるのは。三年から五年が二二%、一年から三年が二七%、こういうデータが出ているわけです。長いのは五年から十年、三六%、三分の一が五年から十年かかっているわけです。これはもう大変ですよ。用地を取得してから分譲するまでに十年かかる、あるいは八年かかる。これじゃ先行き、経済見通しもどうなるかわからぬですよ。こういう問題を解決するために、やはり宅地の協議会とか、何か窓口をできるだけしぼって――各自治体にいろんな問題点があると私思うんです。言い分もあろうかと思いますよ。宅地開発なんかしてくれるな、こういう意見があるかもしれませんけれども、ここらの問題をもう少し簡素化し、ルール化し、具体化していくという方向について建設大臣、どうお考えになりますか。
#56
○国務大臣(始関伊平君) 宅地の開発をいたしますとそこに住宅ができる、少し大きく言えばそこに市街地のようなものができるわけでございますから、大変複雑な問題がいろいろと絡んでくるということはいま計画局長の申したとおりだと思いますけれども、しかしいまお話しのように、五年も十年もかかるということではこれは非常に困るわけでございますし、またその間いろいろと経費もかかる。第一、行政改革というものが言われております際にそういうことでは困る、そういう意味でも困るわけでございますので、ただいまサゼストいただきましたような方向につきまして今後真剣に検討を重ねまして、結論を得てこれを実施に移すようにいたしたい、かように存じております。
#57
○三木忠雄君 これは早く結論を出してもらいたいと思うんです。いろいろな自治体の意見もあろうかと思いますけれども、行政簡素化の意味からも、効率化のためにもしっかりやってもらいたいと思うんです
 それから、もう一つの問題として、宅地開発に対する公的融資の問題です。金融公庫の融資が、公共住宅と民間の開発等には金利の問題だとかあるいは土地取得の問題等で融資の条件が大分違っているわけですね。これは実態はどうなっておりますか。
#58
○政府委員(吉田公二君) 住宅金融公庫の宅地造成の融資ということで見てまいりますと、現在の時点におきまして、公共的な機関の行います宅造に対します公庫融資は年七・二五%でございます、金利でございますが。民間の場合は八・二五%でございます。
 それから、融資対象の地域でございますが、これは公的宅造については全国でございますが、民間宅造の場合は三大都市圏と人口二十五万以上の都市という範囲になっております。
 それから、融資対象の規模でございますが、これは公的宅造は一・六五ヘクタール以上のものが対象になってございますが、民間の場合には、特殊なものを除きまして、五ヘクタール以上というふうになっております。
 また、融資率でございますが、公的宅造の場合には取得費及び造成費の八〇%、それから民間宅造の場合には公共施設の用地費の三〇%、造成費の五〇%というのが原則でございます。
#59
○三木忠雄君 公的な場合と民間の場合といろんな差は幾分やむを得ないと思いますけれども、民間住宅で七十万戸建設しようとしているわけでしょう。公共の方はこういう金利あるいは融資条件、民間の方は一生懸命やはり優秀な、低廉な、良質な住宅を供給しようとして努力している、こういう問題から考えますと、余りにも差があるんじゃないかと思うんですけれども、これは住宅局長の立場から見てどうですか。
#60
○政府委員(豊蔵一君) 住宅金融公庫の宅地開発に関します融資につきましては、従来それなりのいろいろな長い経緯がございまして現在計画局長がお答えいたしましたような状況になっているわけでございますが、今後の課題として私どもも検討させていただきたいと思っております。
#61
○三木忠雄君 検討しているうちに民間住宅建設は終わっちゃうじゃないか、あと十年なんてね。だから、良好な住宅地を提供しようとするんだから、建設大臣、これは民間と公共との差別が余りにもはなはだしい一つの例じゃないかと思うんです。それまでのいろんな経緯はわかりますよ。しかし、住宅をしっかり建設しようと一生懸命努力しているのに、土地の取得も全然だめだ、それから造成費も差がある、こういう状態では適正な競争というのはおかしいじゃないですか。民間の方は一生懸命努力しようとしてもそういうところで差をつけられてしまっているんだもの、なかなか民間のデベロッパーだって苦しむんじゃないですか。
 この問題で、大臣として、民間にそれだけの住宅建設を依頼すると言ったら言葉は悪いかもしれないけれども、促進しようとしているわけなんだから、この住宅金融公庫の融資条件とか金利の問題とかについてはやはり考えるべきじゃないかと思う。これはいま住宅局長から言えば検討しますという話だけれども、検討というのは大体やらぬということの代名詞のような言葉だと思うんだ。私はたから揚げ足を取るつもりはないけども、やはり政策判断の問題だ、大臣の判断の問題なんだ。本当に住宅を促進しようという腹構えがあれば、やはりこういう問題に緩和策を考えなきゃいけない、あるいは暫定期間を設けて、この期間だけでも住宅を本当に促進するんだという立場があれば、やはりそういう策を講ずるのが当然の姿じゃないか、こう思うんですけれども、大臣の所感を伺っておきたいと思います。
#62
○国務大臣(始関伊平君) 百三十万戸の住宅建設を促進いたしますために、冒頭に御質問に応じて申しましたように、いわゆる公的金融の問題を中心にかなり努力をいたしまして見るべき成果もあったと存じておりますけれども、どうもまだ手の回っておらない点もあるようでございます。建設大臣の判断だけではまいりませんで、協議すべき機関も多いようでございますが、ただいまの御指摘も、これはごもっともだと思いますので、今後余り遅くならないように、真剣に善処してまいりたい、かように存じておりますのでよろしく。
#63
○三木忠雄君 宅地開発の指導要綱の問題については、時間も参りましたのでこれ以上論議はしませんけれども、実際に要綱の見直しというか、要綱のガイドラインというか、建設省としてはリーダーシップをとってしっかりこの問題にけじめをつけてあげなければ、地方自治体も、端的に申し上げると、東京のたとえば町田市なんかの場合も、一番最初に指導要綱をつくったんです。それを改定しようといったって、これはできないわけですな、正直言って、前のデベロッパーが怒っちゃうわけです。そういういろんな複雑なものがあるわけです。したがって、政府の住宅政策の一環としてガイドライン程度までしろとか、いろいろの点は、建設省がいろいろ実態調査をいまされているわけですから、その中からやはりガイドラインを示してあげるべきではないか、それは低廉な、良質な宅地を供給する立場として大事な施策の一環ではないかということを私は強く感じますので、先ほどるる述べた問題については、早急な手だてをしていただきたいということを特に要望しておきたいと思うんです。
 もう時間がありませんが、最後に、今度の新しい政策は非常に私いいと思うんですけれども、木造賃貸住宅の総合整備事業の問題、これは新しい本年度の目玉として建設省が取り組んでいることは非常に結構だと思うんです。これは具体的にどういうふうな見通しを持ってやっていかれようと考えているのか、この点について伺っておきたい。
#64
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十三年度の住宅統計調査によりますと、木造共同建ての民営の借家の専用住宅、いわゆる木賃アパートと称しておりますが、これが全国で約三百三十万戸ばかりございます。そのうち三大都市圏には約二百四十万戸程度が集中しているわけでございますが、これらのいわゆる木賃アパートの大半が、規模、構造、設備、環境といったような面におきまして、必ずしも水準がよくないというような現状にかんがみまして、昭和五十七年度からこれらの木造賃貸住宅の対策を積極的に進めるために、いまお話がありました木造賃貸住宅地区総合整備事業制度というものを創設いたしたいと考えております。
 その概要は、三大都市圏の木造賃貸住宅の集中しておる地区におきまして、地方公共団体が整備計画を定めまして、この計画に従って賃貸住宅の経営者等の方が住宅の建てかえを行う場合、その除却費の一部を公共団体が補助をする、また、共同化して建てかえる場合には、さらに共同施設の整備費あるいは設計料の一部を同様に公共団体が補助する。さらに、これらの木造賃貸住宅が特に密集しておりますような地域につきましては、公共団体がみずから木造賃貸住宅を買収除却いたしまして、道路、小公園等の公共施設を整備する。こういったような公共団体にかかります費用につきまして、国がその費用の一部を補助しよう、こういったような制度の概要でございます。
 私どもといたしましては、とりあえず昭和五十七年度は国費一億五千八百万円を計上いたしまして、各地区の現況調査、整備計画の作成、あるいはさらに住宅の除却、そういったような仕事を実施したいと考えておるわけでございます。そういうようなことでございますので、今後私どもはこういったような事業を、都市の環境の整備、土地の高度利用、住宅の居住水準の向上、こういった総合的に非常に効果のある制度であると考えておりますので、関係の公共団体とも十分御相談をいたしまして、これらの事業が非常に伸びていくように推進をしてまいりたいと考えているところでございます。
#65
○三木忠雄君 ことしは地区数は土地区になっているわけですね。これは大体どの地区がどうだということは具体的に一決まっているわけですか。
 それから、もう時間がありませんので、来年度以降、ことしは調査費を含めて一億五千八百万、今後大体どの程度の予算規模を考えて木賃の建てかえ住宅を促進していこうと考えていらっしゃるのか、この点について伺って、私の質問を終わりたいと思うんです。
#66
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十七年度の事業計画につきましては、ただいまお話がありましたように、約土地区程度を考えておりますが、これは予算が成立いたしましたならば、私ども早急に関係の地方公共団体と御相談をさしていただきたいと考えておりまして、その御相談をする中で、地区の状況あるいは地元の住民の方々の意向といったようなものを踏まえながら、木造賃貸住宅が多数密集しており、その相当部分が老朽化して、また空き家も相当出ている、そういったような地区で公共施設の整備がおくれているようなところを重点的に、取り上げてまいりたいと考えております。いままでのわれわれの作業の中である程度の地区等が、各公共団体から候補として私どもの方に伺わしていただいておりますが、まだいまの段階でどこの何地区というところまで申し上げるのは、もう少しその熟度が高まりますのを見定めたいというふうに考えております。
 今後どの程度ということになりますと、実は国の補助はいま申しましたような公共団体が除却費とか共同施設整備費等につきまして助成をいたします場合の補助でございますが、また、現に上物を建てる場合には、たとえば住宅金融公庫あるいは私どもが要綱で実施しております特定賃貸住宅等の利子補給、あるいは公的機関の融資といったようなものもあわせて実施したいと思っておるわけでございます。
 たとえば、そういう中で住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅等の実績を見てまいりますと、一時は、一番多いときには全国で約二万戸程度のこれらの利用の戸数があったわけでございますが、最近は一万四、五千戸程度のところまで落ちておるということを考えますと、いまのような制度の創設がこれらの融資をさらに活力あらしめるというようなことになろうかと思いますので。私どもも、どのくらいという戸数の明確な目標というものはまだ具体的に定まっておりませんが、過去最高であった二万戸を超えるところは何とか実施をしたいというふうに考えているところでございます。
#67
○二宮文造君 続いて若干質問したいと思いますが、五十七年度の建設省所管の公共事業関係費、これは事業費ベースで十二兆三千八百二十八億円、これに地方単独事業費の三兆八百九十五億円を加えますと、前年度に比べて三・五%の伸びが見込まれております。これは事業費のベースです。これを事業量ベースで見た場合はどうなりましょうか。
#68
○政府委員(丸山良仁君) 本年度の予算の編成に当たりましては、ゼロシーリングということが決められたわけでございます。したがいまして、一般会計の事業費の伸びが見込めないということから、財投といまお話のございました地方単独で伸ばすということで、いま御質問のありましたように、事業量で名目三・五%という事業費ベースになったわけでございますが、本年度の建設省所管の事業費のデフレーターでございますが、これを本年度は大体三・三%と見込んでおりますから、おおむね実質事業量は昨年度並みになっておる、このように考えております。
#69
○二宮文造君 私はやや落ち込むんじゃないかなという感じを持っておりますが、まあいいでしょう。
 そこで、これは予算委員会でも議論になっておりますが、当面の大事な課題でございますのであえてお伺いをしたいわけですが、公共事業予算の執行方針について伺いたいわけです。
 御承知のように、昨年の十月−十二月期の実質成長率がマイナスになった。それを受けまして、去る三月十六日でございますか、閣議で、低迷を続ける景気のてこ入れ、当面のてこ入れ策として五十七年度の公共事業のいわゆる前倒し、上期の契約目標を上乗せしようというふうなことになった。閣議では七五%以上というふうにおおむね話があったようですが、その後、参議院の予算委員会で経企庁長官なりあるいは総理が八〇%をその目標にというふうなことを答弁されております。これは予算案の成立を待って総合的な景気対策を実施するということによってはっきりするだろうと思うんです。しかし当面、担当大臣である建設大臣、これは政府がこれまで景気の先行きを楽観していたのがあわててこういう方針をお立てになった、こういう感じがするわけですが、大臣の目指す目標値は一体どこにありますか、どこに置いてやられますか。
#70
○国務大臣(始関伊平君) ただいまお話にございましたように、去る三月十六日に閣議を開きまして、五十六年度の第三・四半期におきまして、先行きを楽観してたかをくくっておったというわけではございませんが、世界的な不況によりまして日本の頼りとしておりました輸出の増勢が鈍化いたしたわけでございまして、また輸入も増大いたしまして、いま御指摘になりましたように〇・九%のマイナス成長になったということからいたしまして、それに対処いたします、手っ取り早く政府が行い得る手段としては、やはり一つは公共事業の前倒し、もう一つは先ほどから御審議をいただいております住宅建設を、これも言葉を使えば前倒しということになろうかと思いますが、できるだけこれを進める、こういうことで大体の御相談をいたしまして、いまお話のございますように七五%以上ということを目途といたしまして検討を進めて、その点は予算案の通過後閣議で決定しよう、こういう運びになっておりますことは、ただいま御指摘のありましたとおりでございます。
 七五%か八〇%かという問題でございますが、従来のいろんな実績もございますし、また建設省では建設省の地建や工事事務所、また各公団、さらに地方自治体等について調査をいたしまして、七五%程度なら執行体制の整備ができるというふうに考えておるわけでございまして、目標でございますからそれ以上になっちゃいかぬということではないと思いますけれども、そういうことでただいま、そういうことに決まった場合にはどんどん契約を進めまして、契約を結ぶについてはやはり設計をどうするとか、第一、予算が一般道路というふうになっております場合にはどこをやるか個所づけを決めなきゃなりませんので、準備を進めておる段階でございます。
#71
○二宮文造君 要するに、七五%以上というところで執行体制の整備を急いで前倒しを実施したい、こういう大臣の御意向でございますが、それがまた後を引くわけです。たとえば政府関係機関や公社、事業団などを含めました公共事業の総額は、五十六年度は執行を急ぎましたから繰り越しが前年度に比べて三千億円程度少なくなるんじゃないか。それに前倒しが加わるというようなことになりますと、下期の公共事業の息切れがもうすでにどうも予測されるわけです。そこで、大臣はそのことを心配されて閣議の席上でも、下期の公共事業について適切な配慮をしてほしいとかいうような発言をされたようでございますが、適切な措置、これはどういうことをお考えの上でやられたのか。また、政府部内でも、四月じゅうに何らかの形で事業を追加したい、こういう方針を宣言するというふうにも聞いておりますけれども、また別の報道によりますと、大型の建設国債を発行して、そしてその息切れをとめなきゃならぬというふうな報道もございますし、それらも含めて大臣の所見をお伺いしたい。
#72
○国務大臣(始関伊平君) 三月十六日の閣議におきまして公共事業の執行の前倒しについて大体の方針を話し合った席上で、ただいま二宮委員から御指摘のございましたように、下期の問題が当然あるわけでございますから、これにつきましては機動的に適切な配慮をしてまいりたいということを私から申しておきました。それが建設国債の発行であるのかということになれば、当然補正予算というようなことにもなるわけでございますが、
   〔委員長退席、理事茜ヶ久保重光君着席〕
予算のいま御審議をせられておる最中にそういうことを申すのも適当でない。また、前倒しによりまして民間の投資等も盛んになるという可能性もございますし、また一説によりますと、本年下期には世界的に景気の好転があるという見通しをする者も多い。でありますから、そういったような下期の景気の動向を見まして、それに応じまして機動的にかつ適切な対策を講ずべきであるというふうに考えて、いま申しましたような提案をいたしたわけでございますが、この点につきましては、三月十六日の閣議におきましては、私の話を聞いてもらったということでとどまっております。
 それで、前倒しの方は予算が通過いたしますとすぐに具体的に決めていただく、こういうことになるわけでございますが、下期の追加的な措置が必要かどうか、また、やるとすればどういう措置をやるかということを具体的に審議するのは、四月中にもということではございませんで、ちょっとおくれて、景気の動向を見ながら、何月ということは申しかねますが、少しおくれてそういう決定をするようなことになるだろう、かように存じております。
#73
○二宮文造君 いま大臣も遠慮しながらお話しされているので、私の聞きたいところはちょっと抜けて答弁がされているようでございますが、これは自民党の中でいろいろ協議をされた、そして下期対策で、先ほど申し上げたように下期には相当のてこ入れをしなきゃならぬじゃないか。たとえば建設省の試算によりますと、いわゆる一〇ポイント執行率が上がりますと五十七年度の下半期は前年度より一兆四千億円予算減を来すことになる。したがって、それをカバーするためには建設国債を一兆二千億円ぐらい出さなきゃならぬ、そうしててこ入れをしなければならぬというふうな建設省内で試算をされておる。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
また、これがきわめて強気でございまして、これもまた試算と言われておりますけれども、一兆円の建設国債を発行しますと、建設国債発行一年後に二千四百億円、三年後で五千億円の税収増になる。あるいは産業界の生産を刺激して年間二千三百億円生産増をもたらす。三つ目には、内需拡大で年間一千億円の輸入増となる。財政赤字というのはほどほどで、景気回復と国際収支の不均衡を解消する。まことに強気な発言でございますが、こういうふうな建設省の試算は大臣も恐らくお聞き及びでございましょうし、この辺の感触はいかがでございましょうか。
#74
○国務大臣(始関伊平君) 建設省も公共事業を担当いたしておりますので、仮に一兆円の公共事業費を減らせばその経済的な効果がどうか、波及効果は、生産全体への影響はどうか、雇用促進に及ぼす影響はどうか、あるいは税収への影響はどうかといったような点につきまして、担当の部局がございましていろいろ検討をする。まあしょっちゅう勉強しておることは事実でございますが、ただいま御指摘の資料は昨年の十一月ごろにでき上がった資料でございまして、何かのかげんでつい最近ある新聞にこれは掲載されたようでございますが、建設省が特に一兆円の公債増発を目指してそれをPRするとか、そういう特定の目的を持ってやったものではないというふうに聞いております。いずれにいたしましても、こういったような問題については、ある意味から言えば早くやった方が安心して公共事業を進め得るという長所もございましょうが、いろんな政治関係もございますので、先ほど申し上げましたように、適当な時期にまたこれを閣議等で検討をしていただく、こういうことにしたいと思いますけれども、それはちょっと予算案が成立した直後ということではございません、若干の時間を置いてからということになるものと存じております。
#75
○二宮文造君 重ねてですが、確かにそれは昨年の十一月に試算されたのがこのごろになってひょんな拍子で飛び出してきたということでございますが、自民党でそういう議論をしたのが三月の十日付の新聞に出ております。それからまた、その後を受けて十六日の閣議で大臣は、下期対策として適切な処置と、それはやはり符節を合わすような感じがあるのではないかと私は推測するわけです。
 もう一つ、先般来国会におきまして、いわゆる住民税を含めての所得税減税というのが大きな議題になりまして、やはり個人消費を拡大をするためには所得税減税をやらなけりゃならぬ、そのためには財源対策として何らかの手を打たにゃならぬ、しかもそれは五十七年度にやるべきだというふうな国民の強い要望がある。それを受けて、あったかなかったか知りませんけれども、やはり政府としても下期あたりを目指して、補正の時期あたりを目指してもろもろの要素も加えてひとつ政策の変更もしなきゃならぬじゃないかというふうな話もちらりほらりと出ているわけです。私は、ここは建設委員会でございますから、減税問題について大臣の答弁を伺おうとは思いませんけれども、しかし、下期のいわゆる景気対策、公共事業の財源、こういうことではその建設国債等々を含めたてこ入れというものも当然議論をされなければならないじゃないか、適切な措置と大臣がおっしゃったのはそれを頭に置いておっしゃったのかどうか、その一点をお伺いしたい。
#76
○国務大臣(始関伊平君) ただいまいろいろとお話がございましたが、余りはっきりと申すわけにはまいりませんが、大体御指摘になりましたような気持ちで閣議で発言した、このように御理解いただいて結構だと思います。
#77
○二宮文造君 公共事業のてこ入れも大事でございますけれども、減税の財源もまことに大事でございますので、この点もひとつ国務大臣として国民の御期待にこたえるように御配慮いただきたい。
 それで、ただ一点自治省にお伺いしたいんですが、自治省では、地方単独事業を奨励するために、単独事業を多く実施する自治体に普通交付税を重点的に配分するという方針を決められたようですが、交付税の本体である普通交付税を景気対策のために重点配分というのは、過去に二十九年度でしたか、交付税制度が始まって以来初めてのことではないか、こういうふうに私感ずるんですが、これはどうでしょうか、また、配分方法等についてはどういう御見解を持っておられますか、自治省にお伺いしたい。
#78
○説明員(持永堯民君) ただいま御指摘ございましたように、単独事業に関連いたしまして交付税を傾斜配分するということは従来とっていなかったわけでございます。
 いまお話ございましたが、必ずしも私どもは景気対策ということではございませんけれども、単独事業を推進する。御案内のとおり、単独と申しますのは比較的細々した事業といいますか、身の回りの仕事が多いわけでございまして、そういった事業を進めていくということ、あるいはそういう事業をたくさんやる必要がある団体というのはやはりそれなりに財政需要がある、いまそういう観点から交付税の傾斜配分ということを考えるのも一つの方法ではなかろうかということで考えておりますが、ただ、技術的な問題もございまして、どういう算定方法をとり得るのかということも非常にむずかしい問題があるわけでございます。したがいまして、現在のところはそういった措置をとることの是非自体、あるいはもしそういう措置をとるとすれば、どういう方法がとり得るのかということについていろいろと調査研究あるいは検討を進めている、そういう段階でございます。
#79
○二宮文造君 私は、このほかにも公共事業の執行のやり方について、従来、用地費だとか補償費だとかに食われて期待したほど他の投資の呼び水になっていない部分もあった、この辺もぜひ御検討願いたいし、さらにはまた、中小建設業が非常に厳しゅうございますので、これらについても特にこの時点で配慮を願いたいというための質問も用意しましたが、時間がございませんのでこれは要望にとどめて、もう通告してございますので、その辺の建設省の御配慮をお願いして、次の問題に入りたいと思います。
 次は、少し分科会式になりますが、本四公団がことし五十七年、総額で千九百七億七千三百万円、これらの事業費をもって今年度もいわゆる本四架橋について事業を進めていっていただくわけでございますが、当初、児島−坂出ルートの一ルートと、それから神戸−鳴門の中の大鳴門橋、それから尾道−今治のルートの離島関係で大三島橋とそれから因島大橋、これで一ルート三橋、こう言われておったんですが、その後追加されまして伯方・大島大橋、この一ルート四橋がいま工事中でございますが、それぞれ供用開始の年度をひとつ御説明願いたい。
#80
○政府委員(渡辺修自君) お答え申し上げます。
 供用開始の年度のおただしでございますが、神戸−鳴門ルートの大鳴門につきましては大体いま六〇%程度の進捗をいたしておりまして、供用開始年度は五十九年度というふうに考えております。次に、真ん中の児島−坂出ルートでございますが、進捗率が大体二三%でございまして、供用開始につきましては昭和六十二年度を予定をいたしております。次に、尾道−今治ルートにつきましては、地域開発橋ということで因島大橋それから大三島大橋、これがすでに完成をしておりまして、次に、伯方・大島大橋が工事中でございます。これらの三橋を合算いたしまして大体進捗率が八〇%程度でございまして、大三島橋はすでに五十四年度に供用いたしておりますが、因島大橋につきましては五十八年度末を予定をいたしております。伯方・大島大橋につきましては工事が始まったばかりでございまして、まだ供用開始年度は未定でございます。
#81
○二宮文造君 ただいま伺ったような工事の進捗でございます。
 大臣、冒頭にちょっと認識を新たにしていただきたいのは、地方の都市で一つ大型のスーパーができますと人の流れが変わりまして、ショッピング街が全く傾向を変えてしまうわけですね。私は瀬戸大橋の場合はまさにそれに相当する大変な夢のかけ橋が実現をしますから、夢が実現するわけですから、それに対する流れの変更というのはそれぞれの地域に重大な影響をもたらすだろう。またその点で、たとえば瀬戸大橋が六十二年に供用開始がされるということになりますと、まず交通体系の整備、これはもう供用開始までに何とか片づけなければ橋ができても混雑をする、大変なことになります。
 それから、架橋と同時に進めなきゃならぬのはルートの周辺の環境対策とか、それからまた緩衝緑地帯だとか、サービスエリアの設置とか、あるいは地域のそれぞれの都市下水路の問題とか、これは架橋と同時に進めていかなきゃなりません。さらにまた、架橋で影響を直接受ける、たとえば旅客船の事業者あるいは従業員の転業とか転職対策も早く方針を決め、具体論をつくらなければなりませんし、あるいは港湾関係の雇用問題への対応というのも重大な課題になりましょうし、さらにまた、今度は橋ができた、そしていわゆる関係方面で物流拠点をどうするのだとか、あるいは地場産業をどういうふうに育成をするのだとか、観光開発の問題とか、瀬戸大橋が供用開始されることによっていろいろな課題が生まれてくるわけです。
 しかも、私は高松に住んでおりますから特に感ずるわけですけれども、現在四国への道は宇高の連絡船で年間五百万人の人が運ばれております。この連絡船が全くなくなるわけです。そうしますと、従来交通のいわゆる四国の玄関、こういうことであった高松市の駅頭の問題もこれまた重大な変革を要請されるというようなことで、橋はどんどん進捗率を進めていきますが、それに対するやらなきゃならないこと、地元県にしてもあるいは関係市町村にしても鋭意努力をしておりますけれども、これらについての問題が山積をしているわけです。これはいま冒頭に大臣の答弁をいただくつもりはございません。ですが、ひとつよくこの実態を認識をしていただいて、問題点の処理を、架橋の供用開始と同時にやらなきゃならない問題については督励をしていただきたい、こういう大臣の認識を新たにしていただきたいということでこれから質問を続けてまいりたいと思うわけです。これは大変なことでございます。
 まず、細かい問題から入ってまいりますが、櫃石島とかあるいは岩黒島とか、与島とか、これはちょうど橋の橋脚になるわけですね。これは公団に質問いたします、橋脚になるわけです。ところが島民の方は、自分たちは橋げたになるのはいやだ、せっかく橋がかかるのだから自分たちも何とかその恩恵に浴せるように、また、あわよくばこれを契機にして島の観光開発もしたい、こういうような要望を、まず利用したいということ、緊急のときにでも何とか利用したいということ、それからまた、将来ともに自分たちは積極的に橋の恩恵をこうむりたいというようなことでいろいろ公団と折衝し、関係市町村も入って設計変更していただきましたね。要するに、橋を利用できるようにそれぞれ構造を変えていただいた。バスストップも地上までおろしていただくように橋の設計を変えた。しかし、これは一体どういう趣旨でしょうか。いまの言われるところは、緊急自動車が出入りをする、そして、島民の方はいま自動車を持っていないから、島内道路は開通してないから島民の自動車の利用というのは考えてない、こういう公団のお考えのようですが、これは現時点ではそうかもしれませんが、緊急自動車が出入りできるほどに公団の方は配慮をされたとすれば、将来この島民の方が、島内の道路も整備をし、そしてその橋を利用できるように道を開く用意はおありになるのかどうか、総裁にお伺いします。
#82
○参考人(尾之内由紀夫君) 当公団で児島−坂出ルートの基本計画を決めていただき、また、工事の実施計画を承認願って仕事をしておるわけでございますが、基本計画あるいは工事実施計画には、このルートの連絡施設としていわゆるインターチェンジとしまして岡山県サイドで三カ所、それから坂出市におきまして二カ所、こういうふうにいただいております。したがいまして、いまお話しの櫃石、岩黒、与島の三島につきましては、いわゆる連絡施設ではございませんでバスストップとして計画をしておるわけでございます。したがいまして、いまお話しのようにバスストップでは自動車の出入りはできません。したがいまして、一般の方がバスを利用できるような施設を考慮しておるんでございますが、緊急時における救急車あるいは消防車等の出入りについては少なくともそれが利用できるようになっておることが望ましい、また、そういう御要望も大変強かったものでございますから、当方といたしましてはただいまお話しのようなバスの利用施設と緊急車の出入ができる構造にいたしておる、こういう次第でございます。
#83
○二宮文造君 大臣、お聞き及びなんです。島がありますでしょう、島が橋げたになっておるわけです。上をバスが通るわけです。島民の方がバスを利用するためにバスの停留所を地上までおろしたわけです。それだけじゃどうも島民の方も心配で、緊急自動車も入るようにしてくれという要望があって、緊急自動車も入れるように、たとえばらせん状だったのを構造を変更しまして緊急自動車が入れるようにもした。ところが、いまの公団の考えでは、バスがおりることと緊急自動車が出入りすることだけ考えているわけです。しかし、島の人は自分たちも出入りできるように、利用できるようにやってもらいたい、こういう要望を持っていますが、大臣、どうでしょうか、これは当然そうすべきじゃないでしょうか。
#84
○国務大臣(始関伊平君) ただいまお話のございました島内への連絡道路を介する島民の自動車による本四道路の利用につきましては、連絡道路の構造的制約等種々の問題がありますが、今後の島内道路の整備状況、それから島民の自動車利用の実態等を踏まえて研究を進めてまいりたい、かように存じております。
#85
○二宮文造君 いや、もう研究を進めることは要らないんです。島民は当然、とにかくいま過疎になってきているわけですから、で、橋という二十世紀の最大のいわゆる観光資源ができるわけでしょう。そうしますと、それを一つの自分たちの生活の場にも利用したい、これは当然でしょう。また自分たちも出入りしたい、こういうことですから、島内の連絡道路、島内の道路整備ができれば当然利用できるわけですから、研究するではなくて、これは島民も利用できる道を開く、こういう方向で御検討いただきたい。
 もし、いまの橋の連絡道路の中に、島民の使用にたえないような連絡道路の設計があるなら、若干手直しをしてでも将来に備えたそういうやり方にしていただきたい。といいますのは、これは六億円程度の事業費で、四億五千万円は公団が、そして残りは県と市が負担をして、島民の要望にこたえてバスストップを下までおろしてきたわけですから、若干手を加えれば島民の使用にたえるんじゃないか。まだでき上がっておりませんから、素人目から見ては設計図だけ見たんではわかりませんけれども、将来の島民の利用を含めたそういうものにしていただかなければ、せっかくの宝物が島民にとってはそれこそ高ねの花になってしまう。これは十分に御意向の中に入れておいていただきたい。これはお願いしておきます。よろしいですか、大臣。
 それから今度は、これも非常に細かい問題になりますけれども、瀬戸大橋の効果を一層高めるために、通行車へのサービス、安全確保など道路管理的な見地からも香川県側の方にサービスエリアを設置してもらいたいという要望もございますし、それから坂出地区の緩衝緑地帯の整備、それからまた同じく坂出市の川津地区、これはインターチェンジができるようになっておりますが、この地域は冠水地域なんです。したがいまして、都市下水路の早期整備というのが求められております。こういうふうなことで、しかもその下水路の早期整備が施工期間が五十六年から六十五年というふうな計画のようでございますが、これはやはり架橋の完成に合わさなければ意味がないんではないか。ですから施工期間の短縮を図るべきではないかというふうな要望もございますけれども、この点について、簡単で結構です、御報告願いたい。
#86
○政府委員(加瀬正蔵君) 坂出市の川津都市下水路は、延長四千三百九十メートルの水路とポンプ場の整備が内容になっております。御指摘のように六十五年度までに完成する計画となっております。しかし、この都市下水路は本四架橋児島−坂出ルートの坂出側着地点のインターチェンジ予定地周辺の浸水を防除するための事業でございまして、現在インターチェンジ工事と調整を図りながら都市下水路の整備を進めておりまして、全体が完成するのは六十五年でございますが、供用開始時点でインターチェンジ予定地周辺の浸水防除に支障がないように整備を図りたいと思っております。
#87
○政府委員(渡辺修自君) サービスエリアのお話がございましたが、大体サービスエリアは五十キロ置きというのがいままでのやっております標準でございます。そういったことで、この児島−坂出ルートにつきまして延長が約三十八キロでございますから一カ所ぐらいつくりたいということでございますが、いまのところは岡山県倉敷市につくることを予定をしておるわけでございます。
 それから、周辺の環境対策等のお話も坂出地区でいろいろあるようでございます。私どもといたしましては、道路として必要な用地をとるということをまず考えてまいりたいと思っておりますが、さらに関係市町村等とお話をいたしまして、これに公園等を加えまして緑地を形成するというようなお話もあるようでございますが、その辺は十分お打ち合わせをしながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#88
○二宮文造君 五十キロも三十八キロも大した問題ではございませんし、それぞれやはりその地元の利害というものも考慮しながら地域の方では要望しているわけですから、決まったものだから動かせないというようなことではなくて、それは運用の問題で整備をしていただけばできるわけでして、そういう要望があるということを頭に置いておいていただきたい。これほど地域の方も期待を持って架橋に臨んでいるわけですから、なるべく最大限その期待、要望にはこたえられるような姿勢を用意していただきたいと思うわけです。
 それから一番問題は、いわゆる本四架橋ができた、それに対して今度はその受け入れの道路の整備です。これがなかなか事業主体がばらばらになっておりまして大変なことですが、道路局長、一一言挙げするのもめんどうですから、横断道から縦貫道、それから国道、バイパス、それから事業主体のばらばらな臨海産業道路、これらの見通しについて概略御説明いただきたい。
#89
○政府委員(渡辺修自君) 関連する道路といたしまして、ただいま御指摘のようにいろいろあるわけでございますけれども、一番基幹になります高速道路関係でございますが……
#90
○二宮文造君 要するに、瀬戸大橋の供用に間に合うかどうかというところに視点を置きながら御説明いただきたい。
#91
○政府委員(渡辺修自君) わかりました。
 まず、四国横断自動車道でございますけれども、つい先日の一月二十日の国土開発幹線自動車道建設審議会で高松−善通寺間を追加をいたしたわけでございますけれども、これはそういったことでございますので、残念ながら六十二年にはちょっと無理かと思うわけでございます。しかしながら、それにつながります区間、善通寺から川之江の間、それからこの横断道ではさらに飛びまして、高知県に入りまして大豊−南国間というのがすでに整備計画が出ておりますが、この二区間につきましては若干用地買収等のむずかしさはございますけれども、橋の供用開始の六十二年に間に合わしたいというふうに考えておるわけでございます。
 次に、縦貫道の川之江から土居間でございますけれども、これにつきましてもすでに工事を始めておりまして、瀬戸大橋の開通時点に間に合うものというふうに考えております。
 その他の区間につきましては、先ほど申し上げました高松−善通寺間、それから西条から川内の間をついこの間整備計画に追加をいたしたわけでございます。そのほかの区間はまだ基本計画ということでございますので今後の問題になろうかと思います。
 それから、国道関係でございますが、御承知のとおり、十一号線関係のバイパスにつきましては坂出の区間あるいは高松等々すでに大分進めておるわけでございます。なお、坂出から西に参りますと、丸亀周辺でのまだバイパス等の計画がございますが、これはもちろん橋の完成に間に合わせるつもりでございます。
 それから、そのほかに国道の補助事業として実施しております何本かの国道がございます。これは主として香川県と徳島県を結ぶもの、あるいは香川県内で琴平から豊浜の方に向かうものといったような補助国道があるわけでございます。これらもそれぞれ整備を進めておるところでございまして、中にはトンネル等が残っておるものもございますが、予算の状況等によりますけれども、私どもは鋭意進めていく所存でございます。
 そのほかに、前国会でも先生からおただしがございましたけれども、いわゆる臨海産業道路というものがございます。街路事業、道路事業、一般有料道路事業あるいは埋め立て、さらに土地区画整理という各種の手法を活用いたしまして高松から多度津に至る間の工事を進めているわけでございます。これにつきましては、橋までにいろんな各種事業がございますけれども、これらを総合いたしまして多度津までの第一期区間の全線は供用をさせたいというふうに考えている次第でございます。
#92
○二宮文造君 いま国道があれこれあれこれということでちょっと総まとめにして御説明をいただいたわけでございますが、国道十一号では高松南、坂出・丸亀、高松東、こういうバイパスがございます。国道三十二号では円座とか綾南とか満濃の各バイパスがございます。それからまた国道三百十九号の丸亀−善通寺間のバイパスの完成、これも必要だろうと思いますが、これらを分けてもうちょっと説明をいただきたいのと、それから今度は高松から東の県が主体になっております国道百九十三号のバイパス、それから国道三百十八号と国道三百七十七号の道路改良の整備、これらについてもうちょっと御説明いただきたいと思います。
#93
○政府委員(渡辺修自君) まとめてちょっと省略をいたしまして失礼をいたしました。
 まず、国道十一号の高松バイパスでございますけれども、延長二十・五キロにつきましてすでに全線二ないし六車線で供用済みでございます。このうち一部につきましていま暫定二車線のものを正規の六車線に広げる工事をやっておるわけでございますが、これは五十七年度を目途に完成をいたしたいというふうに考えております。
 それから、同じく国道十一号の坂出・丸亀バイパスでございますけれども、坂出市の西庄で現国道の上を橋でまたいでおります区間から丸亀市までの十一・八キロにつきまして暫定二車線で供用済みでございます。したがいまして、残っております。その東の部分から高松バイパスにつなぐ部分につきまして、五十七年度を予定しておりますが、暫定二車線による供用を考えてまいりたいというふうに考えております。
 それから、丸亀市原田町内の一・三キロメートルにつきましては、これは後で申し上げます三百十九号の善通寺バイパスと直角に交わっておる区間でございますが、これとあわせましてこの本四児島−坂出ルートの供用に合わせまして供用できるようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、国道十一号につきましてはもう一本高松の東があるわけでございまして、大川郡の津田町から高松市上天神町に至る区間でございますけれども、そのうちの一部区間につきまして、つまり高松市林町から上天神町間三・三キロにつきまして昭和五十六年度に事業に着手をいたしました。いまそのための事業の詳しい調査、設計等を行っておるわけでございますが、区画整理が予定されておるものですから、それらの進捗状況に合わせて事業を進めてまいりたいというふうに考えております。
 三百十九号の善通寺バイパスは先ほどもちょっと触れたわけでございますが、これは四国横断自動車道の善通寺インター関連事業ということでもございます。この区間一・八キロメートルにつきましては、この横断道の供用時期に合わせて供用を図りたいというふうに考えております。
 次に、補助事業関係についてお尋ねがあったわけでございますが、国道百九十三号でございますけれども、一応一次改築は全部完成をいたしておりまして、高松市付近の混雑区間におけるバイパスの改良事業を行っておりまして、また、徳島県内に入りますと脇町等でバイパスをやっている、こういう状況でございます。
 三百十八号につきましては、これはまだ改良が全部終わっていないわけでございます。一次改築区間でございまして、特に香川県と徳島県の県境における峠越えの難所の解消ということで、トンネルを掘る必要がございます。これを今後続けてまいりたい。
 それから、国道三百七十七号はすでに一次改築が完了しておりまして、交通安全対策としての舗道の整備を行っておるわけでございます。
 以上、三路線につきましては今後ともそういったそれぞれの必要に応じました事業を推進してまいるというふうに考えております。
#94
○二宮文造君 わかりました。
 次に、今度は国鉄の問題に入りますが、これは非常にまだ時間があるということで、国鉄、運輸省の方もまだまだ計画が固まってないという前置きをされておりますので、非常にいま質問がしにくいわけですが、しかし、関係市町村あるいは自治体としては早く方針を決定をしていただきたい、これはもうすべて大動脈になるわけでございます。そこで、そういう前置きをしながら、いつごろまでに事業が完了するのか、またその前に、いつごろまでに方針が決定をするのか、そういうことを私はぜひ明らかにしていただきたいという意味で質問をするわけでございます。
 予讃本線、高松−多度津間の線路の増設工事、これは昭和三十六年の四月に運輸大臣の認可がおりておりますけれども、坂出−丸亀間がまだ完了をしておりません。この区間の複線化の見通しと、それから本四備讃線がいま計画されているところでは宇多津まで電化を予定をしている。しかし、四国は電化のところが一カ所もございません。したがって、とりあえず高松−多度津間でもとなりましょうが、四国の電化の問題は一体どうなるのか。それからもう一つ、丸亀駅並びに坂出駅を中心としました連続立体交差の工事、これは丸亀はすでに用地買収が始まっておりますが、完了の見通しはどうなのか、一応この三点、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#95
○説明員(杉浦弘君) お答えいたします。
 まず第一点の坂出−丸亀間の線路増設でございますが、この一区間だけが、高松−多度津間の複線化が四十五年ごろ終わりながら残っておった点でございますが、これは本四備讃線関連でおくれておったわけでございますが、昭和五十六年度から工事につきましても着工をいたしておりまして、本四連絡橋の完成時期を目安にして完了するように工事を現在進めでございます。
#96
○二宮文造君 複線。
#97
○説明員(杉浦弘君) はい。
 それから、もう一点の電化の問題でございますが、これは本四備讃線の基本計画が電化になっていることでもございますし、それから本州方の方の宇野線の方も、これはすでに電化が完了しております。したがいまして、四国島内の電化をどうするかというその範囲あるいは着工時期の問題でございますが、現段階のところでは輸送需要の動向等を今後考えていきながら、そういった電化の範囲、それから着工時期等を決めていきたいというふうに思っておりまして、現段階ではまだ確定はいたしておりません。
 それからもう一点、丸亀、坂出の連続立交の件でございますが、丸亀高架につきましては、先生も御存じのとおり約一年前、昨年の三月に都市計画決定いたしまして、現在工事着工のいろいろ準備中でございまして、準備ができ次第、大体本四完了時点までには完了するように私どもとしても考えております。それから坂出の方は、現在調査の取りまとめ中でございまして、まだ都市計画決定の協議も参っておりませんけれども、私どもの考え方は、現在調査がほとんど完了しつつございますので、あと都市側といろいろ相談しながら進めてまいりたい、かように考えております。
#98
○政府委員(加瀬正蔵君) いま国鉄の方からお答えがあったとおりでございますが、私どもといたしましても予讃本線の丸亀駅を中心とする二・八キロメートルの区間につきましては、瀬戸大橋の架橋を踏まえながら中心市街地の道路交通の円滑化のための連続立体交差事業を実施しているわけでございます。五十六年の三月に都市計画決定しまして、九月に事業認可等の所要の手続を終えまして、今後用地買収を進めまして、架橋の完成と時期を合わせるべく事業の進捗を図ってまいりたいと存じております。
 それから、坂出駅を中心とする約三・三キロメートルの区間につきましては、五十七年度の新規事業として事業に着手する予定になっております。
#99
○二宮文造君 国鉄さんに伺いますが、電化の方針はいつごろまでに決めるんですか。
#100
○説明員(杉浦弘君) 最初先生の方のお話もございましたそういう若干の時間もございますけれども、私どもの方といたしまして、現段階で最初に先生の方からのお話もございました人の流れ等がいろいろ変わるという、そういう状態がまだちょっと十分につかみ切れておりませんので、なるべく早くその辺の動向をつかみながら、なるべく早い時期に決めたいとは思っておりますが、現段階ではちょっと時期につきましては申しかねる次第でございます。
#101
○二宮文造君 なぜ四国の電化、特に私は高松−多渡津間どこう指定して申し上げたかと言いますと、要するに、それが本四のいわゆる国鉄のダイヤにきわめて影響をしてくるわけです。したがって、もうロケーションが全く変わってしまうんです。ですから、これはやるのかやらないのか。やるとすればどの区間をやるのか、これは早急に国鉄としては方針を決定をしませんと、要するに地元はもう右往左往するわけです。国鉄の方は架橋が供用されるまでに決めればいいということのようですけれども、人の流れが変わってくるわけですから、これは早く方針を決定をし、そして地元の皆さん方との協議をして、なるべくリアクションが大きくないように、激変しないように考慮される必要があるというので、方針は早く決定されるべきではないかと思います。
 ということは、その次に、それではいま国鉄としては宇多津まで本四備讃線が入ってきますが、本四備讃線と予讃本線との連絡は一体どうお考えなのですか。
#102
○説明員(杉浦弘君) お答え申し上げます。
 本四備讃線と予讃線との連絡方法でございますが、海峡側から参りました本四架橋は、北浦の地区で高松方とそれから松山方とに二手に分かれまして、そして現在の坂出−丸亀間の予讃本線を少し海側に移設をいたしまして、そしてそれぞれ高松方につきましては新開付近で取りつける。それから松山方につきましては宇夫階付近、ここで新宇多津駅というものを計画をいたしておりますので、その付近でドッキングいたしまして、両側に行けるように計画を考えておるということでございます。
#103
○二宮文造君 いや、ですから、したがって、電化で入ってくるのですか、在来のディーゼルで岡山から入ってくるのですか。
#104
○説明員(杉浦弘君) 御質問の件でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、岡山方からは少なくとも最低限そのあたりまでは電化なんですが、それだけでは効率的に十分だとはもちろん考えておりません。したがいまして、あとどの範囲までを電化するかということを現在検討中であるという意味でございます。
#105
○二宮文造君 そうしますと、新宇多津駅は乗りかえの地点になるんですか、ならないんですか。
#106
○説明員(杉浦弘君) その辺につきまして、全体の輸送需要の動向とあわせまして輸送計画、それから運転計画が現段階では非常に立てにくいものですから、その辺の勉強をただいましながら今後決めていきたいというふうに考えております。
#107
○二宮文造君 だんだん細かい問題に入ってきまして、答弁がしにくい問題ばかりお伺いするわけですが、非常に影響性が大きいということはもう御承知だと思いますので、早急にということも、早急に決定してもらいたいという説明の一端として聞いていただきたい。
 そこで、宇多津地区におきましては、地域振興整備公団と宇多津町が共同しまして新宇多津都市開発整備事業というものをやっております。時間がありませんからこのあらましは結構としまして、総体の面積と、それから鉄道用地をどのように予定しているのか、あるいは鉄道用地の国鉄への引き渡し時期はいつなのか、この辺のところをお伺いしたい。
#108
○参考人(中橋敬次郎君) いまお尋ねの新宇多津都市整備の仕事につきまして、総面積は約百九十ヘクタールでございます。その中で、事業地区内の鉄道用地は約十三・二ヘクタールでございます。それにつきまして、私どもは現在宇多津町から委託を受けました土地区画整理事業の本体工事をやるわけでございますけれども、その鉄道用地につきましては、宇多津町と本四公団との間でいろいろ協議をなさっておりますけれども、それにつきまして本四公団が予定をされておりますところの鉄道工事の着工に間に合うように私どもの方の作業を進めてまいる予定でございます。
#109
○二宮文造君 国鉄さんに伺いますが、十二ヘクタールの鉄道用地、これは引き込み線までずっと入って、そして伺ったところによりますと新幹線として二車線、それから在来線として二車線、これだけの軌道を予定しているというように聞いているんですが、それだけのものが入ってまいりますと、新宇多津駅ではいわゆる乗りかえをしたり、機関車のつけかえをしたりというふうなゆとりがこの十二ヘクタールではむずかしいんじゃないでしょうか、いかがですか、国鉄さん。
#110
○説明員(杉浦弘君) いま十三・二ヘクタールと申し上げますのは、本四備讃線に必要な用地と、それから国鉄の予讃線の移設に必要な分と両方含めての中身でございますが、いま先生のおっしゃいました新宇多津駅で、新幹線の問題はちょっと将来の問題でございますが、在来線につきましてはECが主体でございますので、そこで機関車のつけかえとかそういうことは考えておりませんで、予讃線のスルー分とそれに加えるところの本四備讃線から入ってくる必要な着発線、そういった分を新宇多津駅では考慮いたしておりまして、先ほど来申し上げておりますように、まだ輸送計画その他全体が決まっておりませんが、運転輸送の流れとしてはスムーズなことででき得るという配線で考えております。
#111
○二宮文造君 私も余り国鉄の細かいことには知識がないんですが、しかし地形的に考えてみまして、いわゆる瀬戸大橋を渡ってきた本四備讃線はそのまま多度津へ入って、多度津でもろもろの、今度は四国が電化しておりませんから、土讃線とかあるいは予讃線に振りかえる、そうでなければ操車の余地が新宇多津駅ではもう面積的にない、こういうふうに素人考えをするわけです。しかし、そういうふうになりますと、この新宇多津駅は莫大な投資をしまして地域を整備しまして、大変な面積の区画整理事業をやって、そうして結局鉄道の通過駅の町になってしまう。いわゆる区画整理事業のメーンスローガンがここで空中分解するような傾向にあるわけですね。ですから、これは国鉄のダイヤがまだ決まってない、方針も決まってない段階でこういう予測をするのはきわめて乱暴ですけれども、これもまた関係地域の方には大変な影響を与えます。したがって、ここでもまた国鉄の方針、ダイヤ編成の方針を早く決定をする、こういう必要があるということを私はつけ加えたい。
 並びに、いま年間五百万人の乗降客が高松港に、四国のいわゆる玄関として入っておりますが、この宇高連絡船はどうなりますか。
#112
○説明員(杉浦弘君) この点につきましても、今後の輸送需要の見込み、それからそれに伴う輸送計画等と非常にかかわりがございますので、現段階ではまだ検討中でございまして、お話できるような結論はまだ得ておらない段階でございます。
#113
○二宮文造君 もう肝心なところが全部方針が研究中、勉強中で地域の人はかたずをのんで国鉄の方に目を向けているわけです、恨みを持ちながら。本当に恐らく私は宇高連絡船はなくなると思います。ですから、国鉄としては乗員をどうするかという問題が出てきましょうし、これらも早く決定をしていただかなきゃならぬ。
 それからもう一つ、これは本四公団にお伺いしたらいいのか、国鉄にお伺いしたらいいのかわかりませんが、瀬戸大橋に鉄道が乗りますね。これはやっぱり借り上げするから借料というのは国鉄が払わなければならぬわけでしょう、どういう話になっているんですか。
#114
○参考人(尾之内由紀夫君) 本州四国連絡橋公団法によりますと有償で国鉄に利用させる、こういうことになっております。
#115
○二宮文造君 大臣、ちょっとこれ聞いておいてくださいよ、後でこれは処理してもらわなきゃならぬ問題です。これはいろいろな計算法があると思いますけれども、むずかしいと思いますが、もし借り上げ料が有償である、国鉄が負担しなきゃならぬということになりますと、何かいまそういう鉄建公団がつくったものを国鉄が有償で借り上げるときに一つの試算の方法があるそうですね。いろいろな試算方法がありましょうが、まことに概略、いろいろな物差しを当てて瀬戸大橋の有償による借り上げ料というのは一体幾らくらいになるか、これはまことに概算で結構です。
#116
○説明員(杉浦弘君) いま先生のおっしゃいました建設公団から有償で借り受ける線のあのCD線の方式で、全くの概略でございますが、試算いたしますと、年間約五百億円程度になるというふうに考えております、
#117
○二宮文造君 ところで、いま四国の島内の貨物を含めた国鉄の運賃収入は年間幾らですか。
#118
○説明員(杉浦弘君) 収入が約三百億前後であったかと思います。
#119
○二宮文造君 大臣、四国島内全部の貨物も含めた国鉄の運賃収入が三百億、橋の借り上げ料が有償ということになると概算して五百億。これは早晩詰めなければならぬ問題ですね、おわかりでしょうか。もし、これを国鉄に負担させますと大変なことになる、また赤字がふえる。国鉄は頼まれて橋に鉄道を乗せるんじゃないといばっています。乗せてくれと言うから乗せるのに、それに四国の運賃収入の倍払わなきゃならぬというようなことになると大変なことだと、問題になっております。これはひとつ詰めなければならぬ問題として御記憶いただきたいと思います。公団の総裁も、そういうことですから、もうとっくに御承知のことだろうと思いますが、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 そのほかに、いろいろ冒頭に申し上げましたように、離職対策とか、それから後々の地場産業の育成の問題だとか、それから物流基地の問題だとか、問題は山積をしているわけです。ただ単に架橋が進捗すればいいということではなくて、それこそ最初に申し上げたように、地方都市では一つのスーパーができただけでも人の流れが変わる、これほどの大事業でございますので、やはり架橋までにやっておかなければならないものは何か、また影響としてこれを整備をしなきゃならぬ問題は何か、また、架橋と同時並行で進捗しなけりゃならぬ事業は何か、そういうふうなことで恐らく地元の公共団体も大変な財政支出といいますか、いま厳しい財政の中から財源をひねり出しちゃ仕事をやらなきゃならぬ。しかも、供用開始が六十二年ということでございますので、とにかく間に合わさなきゃならぬ。したがって、国庫補助事業の枠の拡大とか、あるいは地方債の元利償還金に対する利子の補給だとか、あるいは特別交付税の増額だとか、財政援助措置の強化を求める声が強いわけです。これらについては特段の配慮をしながら、最大限のリアクションをなくするという方向で大臣も指揮監督をしていただきたい。
 ちょっときょうは舌足らずになりました。時間の関係で、もっともっと問題点をえぐりながら大臣の認識を改めていただき、応援をしていただきたいという気持ちもございましたが、ちょっと足りませんでしたけれども、こういう実情でございますので、大臣の配慮をよろしくお願いしたい。いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(始関伊平君) 本四架橋の供用開始、開通によりまして、これが四国地方にございます四つの県とそこにいらっしゃる住民の皆さん、また産業などに対しましていわば劇的な、革命的な影響を及ぼすものであるということにつきましては、先ほど来御指摘をいただいております問題点によりまして私といたしましてもさらに認識を深めました次第でございます。
 この本四架橋の建設は、建設、運輸両省が主務省といたしまして基本計画を公団に指示して、公団を監督して建設を推進しているところでございます。いままでお話ございましたように、本四架橋の関連道路事業問題、環境問題、航行安全問題、旅客船問題等の諸問題につきましては、それぞれの問題ごとに総合的かつ適切に処理する体制を整えておりまして、今後とも関係各省、関係地方公共団体等の連絡、調整を密にして、本州四国連絡橋の建設を円滑に推進してまいりますとともに、この建設の完成に伴ってこれが周辺の諸事情とうまく調和いたすように、私といたしましても今後ともできる限り御協力を申し上げたい。
#121
○二宮文造君 財政援助。
#122
○国務大臣(始関伊平君) 地方自治体等に対する財政援助問題、また国鉄の問題、いろいろ問題がございまして、一つ一つが非常に深刻な大きな問題だと存じておりますが、ここまで参りますと何とか解決をせにゃならぬことでありますから、お隣に国土庁長官もいらっしゃいますが、協力いたしまして善処してまいりたい、かように存じております。
#123
○委員長(吉田正雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十四分開会
#124
○委員長(吉田正雄君) ただいまから委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#125
○上田耕一郎君 まず、ホテル・ニュージャパン火災に関連して、ビル防災対策についてお伺いします。
 死者三十二名を出したあの火災は全く人災そのものだったと思うんですけれども、大阪千日ビル火災、熊本大洋デパート火災で消防法と建築基準法の改正、これが車の両輪だということになり、消防法の方はスプリンクラー設置その他改正は済んだわけですけれどももう皆さん御存じのように、建築基準法の改正の方は遡及適用問題が削除される、必ず新立法をやるという約束が国会で何回もあったにもかかわらず、結局行政指導に終わるという結果になったわけです。私も本委員会で当時四回この問題で質問に立ちました。そのとき、建設省の言い分はそれは言い抜けだ、言い抜けじゃ済まない、もし事故が起きたら建設省の責任が問われるということを強く強調しておきましたけれども、今度のホテル・ニュージャパンのあの火災も、その建設省の責任が問われるという事態だったと思うんです。当時、この委員会でも非常に問題になりました行政指導のための建築物防災対策要綱の技術的基準ですね、これが問題になるんだが、ホテル・ニュージャパンの場合、あの中の非常時照明対策、縦穴対策、最終避難経路の確保、非常用の開口部の確保、この四つの問題は一体どういう状況にあったのか、お答えいただきたいと思います。
#126
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘ありましたように、昭和五十四年度から建築物防災対策要綱に基づきまして、いわゆる特殊建築物につきましての既存不適格のものに対する対策を立てたわけでございます。この要綱が制定されましてから、東京都におきましてはホテル・ニュージャパンにつきまして調査いたしました結果、非常用照明対策をすることが必要であるということで指導をしておったところでございまして、昭和五十九年の三月までに実施するようにという指導をしておったところでございます。
 なお、その後におきます一斉点検等によりましていろいろと指導しておりましたところ、ホテル・ニュージャパンの方からは五十七年度末までにその措置をとるというようなことで、都の指導によりまして実施をしてもらうようにしておったところでございます。
#127
○上田耕一郎君 いや、非常時照明対策だけじゃなくて、縦穴対策、それから最終避難経路の確保、非常用開口部の確保、その四つが大問題なわけですね。そのあとの三つについても答えてください。
#128
○政府委員(豊蔵一君) この点につきましては、建築物の防災対策要綱に基づきましてそれぞれいまお話しありました非常時の照明対策、縦穴に対する対策、最終的避難手段を確保する対策、あるいはまた屋外からの侵入が可能な開口部を確保する対策等がございますが、これらにつきましてはそれぞれ一定の技術的基準に基づきまして判断をするわけでございます。その判断をいたしました結果、この建物につきましては非常用照明対策を実施することが必要であるということで、この点を指導をしていたところでございます。
#129
○上田耕一郎君 結局五十七年三月までにはやるという答えだったけれども、やらなかったわけですな、向こうは。
#130
○政府委員(豊蔵一君) ホテル・ニュージャパンからは、昨年いろいろな行政指導を続けておりましたところ、五十七年度末までに実施をしたいということで報告があったというふうに聞いております。
#131
○上田耕一郎君 この問題は結局、法律による強制力を使うのか、それとも行政指導かということが非常に問題になったんだけれども、行政指導ではなかなか実が上がらない、これは消防庁の方でもやっぱりそうだったと思うんですね。それであのような惨事が引き起こされたと思うんです。
 消防庁にお伺いしますが、防災設備不適合の業者の公表問題、これは消防庁の公表基準はどうだったのか、また、今後その公表を拡大する方針なのかどうか、お伺いいたします。
#132
○説明員(荻野清士君) お答えを申し上げます。
 自治省消防庁が昨年五月に全国の消防機関に通知をいたしました公表制度は、御案内のとおり、消防法違反の対象物に対しまして措置命令を発する、その期限つきの措置命令に違反をして、期限内に何らの措置を講じないものにつきましては公表するという基準を示しておるところでございます。
 それから、今回の東京消防庁が独自に発表されたものでございますけれども、これはいま申し上げました公表制度とは別個に、特例の措置としておやりになったわけでございまして、私どもは全国的には昨年通知をいたしました公表制度で指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#133
○上田耕一郎君 特例措置といいますけれども、人命にかかわるものなので、今後さらに強化していただきたいという要望を申し上げておきたいと思います。
 私は、五十四年の三月二十二日のこの委員会で、行政指導ではだめだということを言いながら、行政指導の結果を一年ごとに国会に報告してほしいという要望を申し上げました。当時の渡海建設大臣からそのようにしたいという答弁をいただいているんですけれども、行政指導の結果どのような実績にいまなっているでしょうか。
#134
○政府委員(豊蔵一君) 建築物防災対策要綱に基づきます防災改修の進捗状況につきましては、昭和五十六年九月末現在でございますが、当初千二百九十一件ありました改修を要する建築物のうち六百十九件のものが改修済み、百四十九件のものが工事中、三百六十二件のものが改修計画を提出しておりまして、現在改修計画未提出のものは百六十一件となっております。
#135
○上田耕一郎君 もう少し細かな資料をいただいておりますけれども、三年間に改修完了するということになっている物件のうち、物品販売関係ですね、これは五十三%が未改修、劇場、飲食ビルは四九%が未改修という数字なんですね。五年関係、これは旅館、ホテルは五年ということになっておりますけれども、旅館、ホテルは五〇%未改修で、百三十三件、この数字でいいんでございますね。
#136
○政府委員(豊蔵一君) ただいまお話ありました物品販売あるいは劇場、地下街等のいわゆる三年物につきましては、対象の建築物が八百三十九件、そのうち改修済みが四百六件、未改修のものが四百三十三件でございます。ただ、そのうち工事中のものが百一件、計画書を提出しているものが二百六十七件ございますので、これらはその後の半年間に相当の改修が進んでいるものと見込まれます。残っております未計画のものは六十五件、八%というふうになっておるところでございます。また、五年物につきましては、四百五十二件のうち改修済みが二百十三件、未改修のものが二百三十九件、こういうふうになっておりますが、同様にその内訳を申し上げますと、工事中のものが四十八件、計画書の提出済みのものが九十五件、また計画書がまだ提出されておりませんものが九十六件、このように相なっております。
#137
○上田耕一郎君 局長はなるべく数字を少なくおっしゃるんだけれども、計画書が出ているのがこれだけあると言われてね、工事がまだ始まってないわけです。三年たって五二%未改修と、三年物が。五年物も未改修が五十三%。工事中、計画提出があったとしても、これは本当に命にかかわるもので、実態は私はやっぱり国民の命と財産を守るとは言えないものだと思いますね。それで行政指導の方がいいということを、私の質問に当時の救仁郷住宅局長は何回も言われました。
 たとえば、五十四年三月二十二日の委員会では、私がなぜ強制力を使わないのか、そういうことをうんと言いましたら、結局法律によって一律の基準でやるかどうかというのは判断の問題だ、一律の基準でやるよりも行政指導の方がむしろ総合的にやれるというので、その方がいいんだという強弁までされたんですね。私はこの結果を見ると、そういう行政指導に任したということが、まだ半分しか進んでいない。ホテルだけでもまだ危険なものが百三十三もあるという状況なんですから、やはりきちんとホテル防災関係に、ホテル防災を含める法律をつくって遡及適用を強制力を持ってやることが必要だったと思わざるを得ません。
 とにかく、最初は遡及適用をやる方針だったころ、全国で二千三百棟、二千六百億円必要だというふうに言われていたものが行政指導に後退し、しかも技術基準がうんと後退したわけですね。その結果、本委員会でも答弁がありましたが、千三百棟だけやればいいというふうに、数も一千棟減ってしまう。金額もスプリンクラーをつくったにしても百数十億円でよくなってしまうという状況になったわけですね。この点、私はこの遡及適用の法律化問題、義務づけ問題、これはやっぱり今度のその後の結果に照らして、ホテル・ニュージャパンの大火災問題も含めて、改めて本格的に検討すべきだと思いますけれども、この点、建設大臣にお伺いいたします。
#138
○国務大臣(始関伊平君) 御指摘の問題でございますが、同じ防災対策に資する設備をつくるにいたしましても、建設の当初からやる場合と、後からそれを追加してつける場合とでは工事の難易、また所要の経費等にも非常な違いがあるようでございまして、のみならず、全体の数もただいま住宅局長が申しましたように、千三百足らずということで、新しくふえる性質のものではございません。また、この改修の場合の設計等も画一的なものではなくて、その場に適応できるような方法でやれるというような意味合いにおきまして、行政指導の方がいいということになったと思います。
 同時にまた、これはもう御承知のとおり、一度遡及条項を含めた改正案を出しまして、それが衆議院の方で否決されてしまったというような経緯等があって今日に至っておると思います。今日の段階でもなお法改正を検討すべきではないかという御意見であったと存じますが、この点は行政指導によるやり方で、今日まですでに相当部分が解決いたしておりますし、今後も特にこれを督励いたしまして、そういう成果を上げてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#139
○上田耕一郎君 衆議院で否決されたとおっしゃるけれども、自民党と民社党が遡及適用条項を削除したんですね。その後、衆議院の建設委員会で附帯決議がこれは満場一致で決まっていまして、これはやっぱり新しい法律を制定すべきだということになっている。その衆議院の満場一致の委員会の決議を踏みにじって、法制化をやめて技術基準を後退させ、行政指導に後退させたんです。私は当時、国会の意思を踏みにじった間違ったやり方だということを指摘したと思うんです。いま大臣、そうお答えになりましたけれども、今後私は、どうしてもこの問題を国民的な立場で政府も見直さざるを得ない、もうすでに見直さざるを得なくなっているというように思うんですね。そういう答弁がありましたけれども、さらにもっと突っ込んで検討をいただきたいと思います。
 さて、このホテル・ニュージャパンの社長さんは横井英樹氏で、彼の、あえて言えば悪らつぶりが今度の問題でもいろいろ問題になりました。彼が白木屋乗っ取りをやったときの一緒にやった仲間に鈴木一弘という人がおりまして、この人は今度ニュージャパンの火災の問題で横井英樹評をテレビに登場して述べたということですけれども、この鈴木一弘氏が私がこれから質問する鳥屋野潟問題の房総観光の社長として鳥屋野潟の買い占めを行った人物なんですね。妙なところでホテルニュージャパンと鳥屋野潟とが人間関係でつながってくるということがあるわけです。私は鳥屋野潟問題についても四十九年の十一月十五日の参議院決算委員会、それから五十六年四月七日本建設委員会で、二回取り上げました。先日二月の十九日から二十一日まで現地調査団として参りまして、鳥屋野潟その他田中新金脈問題を調べてまいったんですけれども、鳥屋野潟問題もいま非常に新しい状況になっているわけです。
 これももう皆さんよく御存じのことと思いますけれども、県の方で区画整理方式であそこを公園化するということになり、換地率を十対一ということを一応ある案として出てたわけですね。田中ファミリー、最初房総観光から田中角榮、日本電建に行って、ぐるぐる回っていま浦浜開発というものが持っておりますけれども、百八十ヘクタールの鳥屋野潟のうち八十三ヘクタールの湖底を買い占めているわけです。私はいつかそれこそゴーゴリの「死せる魂」のチーチコフみたいなものだと、死んだ農奴じゃなくて沼底の死んだ土地を買い集めて金もうけしようとしているんだと言ったことがありますが、八十三ヘクタール十対一で埋め立てたところと取りかえられますと八・三ヘクタールなんですね。二万五千坪なんです。あのところの地価がいま一平米約七万円と言われていて、そうすると大体五十億円なんですね。だから全くただで田中ファミリーが手に入れた沼の土地、蓮潟の方の金だけでもおつりがきちゃったんですから、もう鳥屋野潟は全部ただで手に入った。それが何と五十億円にいまなっている。あそこを今度新幹線ができますと、駅から一・五キロの非常に近いところだ。新幹線が開通すればたちまち七十億円になるであろうと言われている。県庁もあの付近に移転するであろうと言われておりまして、新幹線が開通して県庁が近くへきますと、恐らく百億円近い金額に八・三ヘクタールの土地代はなるのではないかというふうに現地の新聞その他はやっぱり見ているわけですね。そういう非常な大問題になっているということをまず御承知おきいただきたい。
 それで、ところが新しい問題が起きましたのは、いま新しい裁判が鳥屋野潟について行われているわけであります。信濃川河川敷、これも私は何回も取り上げましたが、あれもずっと裁判が続いているわけですね。あれは農民二人の裁判なんですが、今度の鳥屋野潟の裁判は田中ファミリー側、浦浜開発の方が裁判を起こしたわけなんです。あそこの地権というのは江戸時代から非常に複雑な経過がありまして、私もかなり調べましたが、いろいろ契約書だとか共有問題、総有問題など、裁判で最高裁まで行ったような非常に複雑な経過があるんですけれども、この浦浜開発が県に買い上げてもらうためにも複雑な相続関係、権利関係、これをけりつけなければ売ることができないわけです。いままでかなり進んでいるんですけれども、残った件数が幾つかあるわけです。それを二つ浦浜開発が裁判にしたわけです。
 一つは、笠原惣内という人など四人の地権相続で、これが十九名相続権者がいるわけです。この十九名に対する裁判。それからもう一つは、佐藤与松さんというたった一人の人なんですが、この人の相続関係者が九十二名いるわけですね。その九十二名に対する裁判を行ったわけです。それで、こういう地権者の人たちにいきなり呼び出し状が来たわけです。あなたは二月十二日に出廷しろと、被告扱いなんですな。被告扱いというか、被告になっているんですから。それで答弁書を出さなかったり出頭しない場合は訴状に書かれていることを認めたものとして取り扱われ、欠席のまま裁判されることになりますというのがいきなりこの十九名と九十二名のところへ届いたわけですね。私も被告になった人たちに何人か先日会いましたけれども、みんなもうかんかんなんですよ。いきなり被告扱いされて裁判に出てこいと。田中側の方は、みんな裁判費はこっちで持つから出ないでくれと、放棄してもらえれば相続権放棄というので全部土地は自分のものになると思って。みんなかんかんになっちゃいまして、しかも相手が田中ファミリーだと、正義の問題にもかかわるというので、十九名の場合には十八名の方が怒って受けて立つということになった。これが二月十二日に第一回の口頭弁論がありました。九十三名の口頭弁論は二月二十五日にあったわけです。それで、大体これで田中側の思惑は完全に外れて、恐らく十年以上もまた長期裁判になるだろうと現地で言われている。
 それで、こうなりますと、先ほど言った鈴木一弘を初めとする田中角榮、日本電建等々の、一体どうやってこれを買ったのかという鳥屋野潟の土地買い占めの経過そのものも裁判によって争われるということになるんですね。だから、信濃川河川敷と鳥屋野潟と、新潟県内の大金脈事件二つがともに非常に長期の裁判になるという状況になっているわけですが、こういう裁判の問題、ある程度事情を承知しておりますか。
#140
○政府委員(川本正知君) ただいま先生お話しの裁判の件でございますが、建設省はこの訴訟事案の当事者でもございませんし、事案の詳細にわたっては承知しておりませんけれども、湖底の土地につきまして浦浜開発が地権者の相続人に対して、いま先生おっしゃいましたような所有権の確認と共有持ち分の移転登記手続を請求している、そういう事案であるということは聞いております。
#141
○上田耕一郎君 さて、そうなりますと、所有権確認裁判が非常に長期にわたってくるということになると、区画整理方式による問題の解決がむずかしい問題をやっぱり抱えるということになるわけですね。それで私どもはこの状況で、まず第一に鳥屋野潟の公有水面の私権を残したままで治水、公園事業を行うことが最も適当なのではないかというように提案している。四十九年十一月十五日の参議院決算委員会で私がこの問題を取り上げたとき、当時の小沢建設大臣はこう答えている。「いまの鳥屋野潟の水面をそのまま維持して公園にしていくという場合には、私どもとして、それが民有であろうとなかろうとそう大きな支障はない。」と、参議院決算委員会で当時の小沢建設大臣がそう答えておられる。私、今度行ったときに関副知事などにも会いました。県側も、何も区画整理でなくて、湖面のそういう私権が残ったままでもやれる、理論的、法律的に可能だと思いますということを言いました。それから北陸地建にも行きましたら、北陸地建の局長も、新河川法では私権が認められておりますので、公園並びに治水事業を私権があっても行うことはできると思います、そう言われておりましたが、建設省の見解はいかがでしょうか。
#142
○政府委員(川本正知君) 河川法におきましては、堤外民地の存在を認めておりますけれども、河川管理施設の設置等の河川工事を実施する際には、原則として民地を買収することとしておりますけれども……
#143
○上田耕一郎君 もうちょっと大きな声で、聞こえないんだ。
#144
○政府委員(川本正知君) 失礼しました。一般的に言いますと、潟の中の民地におきましてしゅんせつ工事を実施いたします場合には、工事の施行につきましては所有者の承諾を必要とするわけでございます。承諾が得られない場合には河川管理者が当該土地について所有権などの権限を取得する必要があるというふうなことになります。現在の鳥屋野潟において実施しておりますいわゆる河川環境整備事業によるヘドロしゅんせつでございますが、これは地権者の施行承諾を得て実施しているものでございますので、当面そういった障害はございませんが、現在行われておりますしゅんせつ工事は全体のうちのまだごく一部でございます。将来行われますしゅんせつ工事についても承諾が得られるかどうかということは、現時点においてはわからないというのが実態でございます。
#145
○政府委員(加瀬正蔵君) 公園について申し上げますと、現在都市計画決定されている全体面積が百九十二ヘクタールほどございます。それから事業認可を受けているのが鳥屋野潟の南側の農地の部分の十七ヘクタールでございまして、この十七ヘクタールに関する限りは、現状では執行に支障がないと考えておりますが、全体計画が事業認可されまして事業化される段階では、やはり公有化されることが本来事業の推進上は望ましいと考えております。
#146
○上田耕一郎君 ただ、公有化しますと、国会でもあれだけ大問題になった田中ファミリーへ何と時価五十億円の不当な利益が転がり込むということになるわけですね。参議院で五十年六月六日警告決議が満場一致で本会議でも決議されているんですが、この田中金脈問題でね。資産形成の過程においての問題、徴税の公平化、厳正を期する、こういう信濃川河川敷などをめぐって疑いを持たれているような行為について十分調査をする、事後処理に遺漏のなきよう、妥当な行政措置を講ずべきであるということが国会でも本会議で決議され、政府もこれは誠意を持ってやるという答弁をしているわけですね。だから、いま局長言われたように、公園をやるときに全部公有化した方がそれはいいでしょうけれども、こういう大問題が起き裁判で長期化されるということもあり、国会決議もあるので、だから所有者が、たとえばしゅんせつその他のことについて承諾があれば公園事業も私権を残したままやることは可能だと思うんですけれども、その点いかがですか。
#147
○政府委員(加瀬正蔵君) 法律的には可能だと思います。
#148
○上田耕一郎君 三月二日に新潟の県議会二月定例会で、共産党の福島県議がこの問題を取り上げている。君県知事は、いまのところ区画整理方式でやろうとしているけれども、福島県議の言う一部買収借地方式、必要があればまた地元で検討し変更することにやぶさかではございませんと、そう県知事も答えているんですね。この点を一つ私は挙げておきたいと思うんです。
 だから、この公有水面の私権は一応残したままで、金脈がこんなになっているんですからね、そこのところは一応そのままにして必要な買収、たとえば高水敷だとか埋め立てですね、こういうところは一部買収してやる、しゅんせつは地権者の同意をもって行うということでこの公園、治水事業を早急にやってくれというのが県民、市民の要望なので、それを進めるべきだと思うのですね。
 三つ目の問題は、八十三ヘクタールの国に対する寄附の問題。これも私は何回も国会で問題にして、当時の田中首相が、予算委員会で三回、国に寄附してもいいということを首相が予算委員会で明言したんですから。私は決算委員会で、当時大平さんが大蔵大臣だったんだが、じゃ田中首相にここから電話をかけろというふうに迫ったこともあるんですけれども、その土地の問題を、寄附の問題を私は去年の四月七日、本建設委員会で取り上げました。「首相の約束した寄付という問題も入っているのですから、参議院の決議でこれはきちっとやるということなので、田中元首相に寄付の問題も政府としてやってみるということも含めておやりになりますか。」と、こう聞きました。斉藤滋与史建設大臣は、「具体的な問題が出た時点でそういうことをも考えて、その事態に対処してまいりたいと考えます。」、そう答弁されたんですね。
 そうすると、その後この公園化の問題、まさに都市計画決定も済み、全体じゃなくても行われ、具体的な問題として出てきている。裁判問題もそういう展開があり、また県議会では県知事が、やり方についても検討することにやぶさかではないという答弁もしている段階なので、いよいよ具体的問題が出てきたので、当時の首相が国会で、ただで寄附してもいいということを三回述べた問題として、今度は建設大臣始関さん、斉藤建設大臣を引き継いで、寄附の問題も含めて考えたいと思います、という答弁があったんですけれども、やはり田中さんに、これは寄附すべきだ、約束を守ったらどうかという態度で臨んでいただきたいと思いますが。
#149
○国務大臣(始関伊平君) この問題は何か大変複雑で込み入った経緯もあるようでございまして、大変申しわけございませんが、私も理解の程度がどうも十分でございません。河川敷の中にある土地の問題でございますし、また、公園などの問題もございまして都市計画の関係もございますので、われわれ建設省サイドとしても重大な関心を持つべきは当然であろうと思いますが、こういった込み入った問題になりますと、やはり現地におきまして新潟県知事が中心になりましていろいろ努力しておられるようでございますから、その知事のやっておりますことの経過を見まして、そしてわれわれとしても最終的な判断を固めていきたい、こんなふうに考えております。
#150
○上田耕一郎君 県のやることを見ていたいと。これは県ももちろん関係しますけれども、国会でこれだけ問題になったものですからね。信濃川河川敷のときは丸山官房長が団長になって調査にも行かれましたね。やはり国も大きな、重大な関心を持つべき問題なんです。全国的にあれだけ国民が関心を持った問題で、国会が何回も決議もし、政府も答弁をした。ところが、それがいつの間にかどこかへ行ってしまって、首相が、これはもうけるつもりでないんだから寄附してもいいんだと三遍言ったところで五十億円ですよ。五十億円も田中ファミリーに金が転がり込もうとしている。
 そういう問題をそのままやっぱり政治として見逃しておくべきではないと思うんですね。ひとつ重大な関心を持って、厳正な態度で国会決議に従って大臣がこの問題に処していきたいという決意をお伺いしたいと思います。
#151
○国務大臣(始関伊平君) ただいまお話がございましたが、われわれも重大な関心を持ちまして、さっき申し上げましたように県の方の動向も見きわめてこの問題に善処してまいりたいと存じます。
#152
○上田耕一郎君 鳥屋野潟問題はその一つですけれども、いま長岡、新潟では、田中新金脈というのが非常に重大な問題として浮かび上がりつつありますね。やはり裁判費用だとか、広がってふえていく田中軍団の維持費用その他その他の政治資金が要るんでしょうね。そのために長岡、新潟で田中ファミリーがむしろ法律も無視して勝手気ままに公共工事を勝手に取ってもうけるという事態が始まっているんです。だから、それまで越山会のいろいろな土建業者が大体均てんに仕事を持っていたのに、ほとんど特定の田中ファミリーが吸い上げちゃうわけですな。それで不満が起き、内部告発が起き、社会的糾弾が強まっている。越後道路サービス問題、国会でも取り上げられましたが、それもその一つです。
 さて、道路公団にお伺いしますが、私も現地に行って調べましたが、道路公団が越後道路サービスに発注している関越自動車道の試験除雪、これについて木村組、丸山建設、魚沼産業に越後道路サービスが下請に出していたという事実はありますか。
#153
○参考人(森田松仁君) 御指摘のとおりでございます。
#154
○上田耕一郎君 そうでしょう。建設業法で禁止している一括まる投げでしょう。契約に違反していたんじゃないですか。
#155
○参考人(森田松仁君) 私の方で、この関越自動車道越後川口−長岡間の除雪作業を請け負っております越後道路サービスにつきまして、実態を調査いたしましたところ、越後道路サービスが当該作業の一部を下請に出していたことは事実でございます。ただ、その下請につきましてこれは契約書上手続が要りまして、通知手続を必要といたしております。その手続がとられていなかった、こういう事実が判明いたしております。
#156
○上田耕一郎君 私、ここに契約書を持っていますけれども、下請に出す場合には届け出が要ると契約書に書いてある。しかしそれをやらないでやったわけです。私は道路公団の小林地長岡工事事務所長、その方に会って、下請に出しておるじゃないかと言ったら、いや労務提供だ、労務提供だと言ってがんばるんですな。何も小林所長が弁護する必要はないんでね。ところが、そういう弁護の態度を当時おとりになっていた、非常にこれは残念な問題だったと思うんですね。
 さて、この越後道路サービスは県も処分をし、それから建設省も必要な指名停止その他の措置をとりました。きのうこの越後交通、これは田中ファミリーの長岡における中心的な会社ですね。この越後交通に対しても県が処分を行いましたが、建設省並びに関係公団としては越後交通に対する指名停止その他の措置をおとりになりますか。
#157
○政府委員(丸山良仁君) 建設省といたしましては、きょう付で一ヵ月の指名停止処分を行っております。しかし関係公団につきましては、これは関係公団それぞれで考えることでございまして、建設省から指示はいたしておりません。
#158
○上田耕一郎君 道路公団はいかがですか。
#159
○参考人(森田松仁君) 建設業法違反の内容を検討しました上で、早急に厳正な措置をとりたいと考えております。
#160
○上田耕一郎君 次に、二月十七日の参議院予算委員会で、佐藤昭夫質問で、指名に当たって田中ファミリー会社を優遇している問題を取り上げた。そうしたら丸山官房長はそのとき、代表取締役が複数以上のはまずいんだと、そういう態度をとっておりますと言われました。私、現地に行きまして酒井孝長岡国道工事事務所長にお会いしてそのことを言ったら、そんなことは聞いてない、代表取締役二人はいかぬということは聞いてないと言うんです。あなた建設省に入ってどのくらいかと言ったら、三十年になります、三十年になったけれども全く知らないんですな。それから堀北陸地建局長に聞きましたら、そういう通達も何もないけれども、社長がダブっているという会社を指名するのはいかぬというのはこれは常識でございますという答弁があったんです。今度新たに初めて通達をお出しになったんでしょう。そうすると、三十年やっていてもお役人で知らない方がいらっしゃるということは、常識じゃなかったということですね。
#161
○政府委員(丸山良仁君) 前回私が御答弁申し上げたんですが、そのときに、いままで代表取締役がダブっている場合に指名をしないということは申し上げませんでした。これは議事録をお調べいただくとわかると思いますが、今後配慮いたしますと私はお答えしております。そこでその配慮の結果、この三月三十日付をもって官房長通達で、そういうものについては指名を行わないように注意を喚起しているところでございます。
#162
○上田耕一郎君 次に、信濃川河川敷の土地を買い占めた室町産業の問題ですね。あれは越山会の女王と言われる佐藤昭女史を社長にして信濃川河川敷買い占めのためにつくられた幽霊会社だったと思う。あの土地買い占めについて何でも宅建業法の免許もしてないのにあれだけ土地を買っていいのかということも何回もここで取り上げましたが、継続して業としてやってないんだからいいんだというようなことが建設省から言われたんですね。ところが今回、室町産業の問題が週刊朝日で取り上げられました。私も早速きのう買って重大な関心を持って読みまして、それである程度調べました。ただ、時間がなかったのでまだ私の方も完全な調べがついておりませんけれども、立花隆氏が今週の週刊朝日で室町産業について書いたことはほぼ事実じゃないかと思うんです。きのう東京都庁に行って室町産業の免許申請書並びに添付書類を写してまいりましたが、週刊朝日に載っている決算書だとか免許申請書だとかほぼ大体このとおりだといままでのところ確認できるわけです。
 それで、まず大問題はこの取引主任、週刊朝日ではM子さんということで本名を述べておりません。書類を見るとちゃんと本名が書いてあります。しかし、立花隆氏がわざわざM子さんと言って本人のプライバシーを守る措置をとられているので、私も申し上げませんが、建設省としては東京都庁へ行って調べればすぐこの人の名前はわかるわけです。それで、この取引主任の登録が全くこの本人は知らない。届け出によれば去年の六月から室町産業に勤めていることになるけど、本人はかつて越後交通にちょっと勤めたことがある程度で全く知らぬというんですよ。それは登録するだけの本人は資格は持っているけれども、全く本人に無断で取引主任として書いてある。これはやっぱり虚偽の記載だと思うんです。宅建業法第五条に虚偽の記載はしてはならぬということをはっきり書いてあるんですが、この取引主任の登録をこういうインチキをやっているということは、私は非常に重大問題だと思うんですけれども、建設省の調査とそれから見解を求めます。
#163
○政府委員(吉田公二君) 私ども、東京都の方から一応報告は受けておりまして、専任の取引主任者が一名いるということは聞いております。何分先生と同じく私も昨日この週刊朝日を読んだということで急遽照会したわけでございますので、問題は、申請時から専任の取引主任者であったのかどうか、そこら辺のところは本来、免許権者であります東京都がぴちっと調べてくれるべきはずだと思います。いまのところ私どもその調査の結果を聞いておりませんので正確にお答えはできませんが、申請時から専任の取引主任者がいないとすれば御指摘のような問題はございます。
#164
○上田耕一郎君 もしここに立花氏が書いたような、またわれわれもその同じ疑惑を持っているんですけれども、この取引主任が事実でなかったということになれば、これは免許の取り消しに当たるんじゃないでしょうか。
#165
○政府委員(吉田公二君) 実態を調べた上で判断されるべきものでございますが、法律に抵触するということは御指摘のとおりでございます。
#166
○上田耕一郎君 法律に抵触するというんだが、第六十六条の免許の取消しというのに、「八 不正の手段により」「免許を受けたとき。」というのもありますでしょう。「虚偽の記載」は第五条にありますね。私は当然これは免許取り消しに当たると思うんです。
 それから、免許取り消しになった場合、役員についてはどうなりますか。
#167
○政府委員(吉田公二君) 免許取り消しがありました場合に役員は一応連座いたしますので、五年間は宅建業の免許を受けることができないことになります。
#168
○上田耕一郎君 五年間ですか。
#169
○政府委員(吉田公二君) はい。
#170
○上田耕一郎君 ちょっと、それは何条ですか。五年か、二年かと思ったら。
#171
○政府委員(吉田公二君) 免許基準の第五条の一項の二号でございます。
#172
○上田耕一郎君 そうすると、なかなかやっぱり大変なことになるんですね。というのは、この室町産業は代表取締役が入内島金一です。田中角榮の刎頸の友と言われる人物ですね、刎頸の友は何人もいるんですけれども。それから片岡甚松、これが代表取締役、これは越後交通の社長ですよ、片岡甚松。私、この間越後交通に面会に行ったら、いないと言う。そのうち、社長室に隠れて将棋を指していたということを、だれかがドアを開けたらわかりましてね、いるじゃないかということになって、それでもどうしても会いたくないというので、私も会わないで帰ってきた。それで、そのとき三階にも参りました。三階の奥へ行きますと、室町産業の小さな部屋がありました。ちょっとこう小さな看板がかかっておりましてね、いつも人はいないというのが越後交通に聞いた証言でした。それから庭山康徳取締役でしょう、風祭康彦、こういう田中ファミリーの重要人物が室町産業にはやっぱりかかっているので、免許取り消しになるとこの役員全体に及ぶという事実を確認したい。
 それからもう一つ、これも週刊朝日でこれは問題だと言っているんだが、信濃川河川敷の長岡市への売却、半分売ったわけですな。室町産業の宅建業者としての営業行為として行われたが、このとき取引主任者が立ち会わなきゃならぬようになっている。ところが全く行われていない。これも重大問題で、これは免許取り消しの理由だということが書いてありますが、もし長岡市への信濃川河川敷の売買ですね、こういう取引主任者が立ち会っていなかった、説明もしていなかったということになると、どうなりますか。
#173
○政府委員(吉田公二君) 不動産の取引に当たりまして、重要事項の説明ということについては取引主任者が行う、あるいはまた三十七条によりまして、書面交付する場合に取引主任者に記名押印させるということは条文上規定されております。でございますから、この事実関係を調査する必要はあるわけでございます。
 ただ問題は、形式といたしまして、そういう意味で宅建業法に抵触しているということは事実でございますが、問題は、御承知のとおりに、この土地の売買というのは、一般の取引とはちょっと異なった性格がございまして、宅建業法それ自体が、いわば一般の消費者というものを対象にいたしまして、消費者の保護を図るために、取引に当たりまして基本となる重要な事項というものを取引主任者という資格を持った者が明確に説明をして消費者保護を図る、こういったものを法目的としている法律でございます。ところが、この取引自体は、これは先生よく御存じのとおりいろいろな経緯の中で、重要事項ということ自体は、むしろこういった取引主任者が説明するという次元でなしに、もっと基本的なところで行われている取引でございますので、この取引がこの宅建業法の法意として考えている、形式的にはもちろんでございますけれども、内容的に言って、宅建業法が考えている法意の上から見て形式的な意味での適用と申しますか、法違反だということについてはいかがかなという感じがいたしますが、これも実態を調べてもらってみなければ何とを言えないと思います。
#174
○上田耕一郎君 始関建設大臣、この問題もまた長い経過があるんですけれども、いまお聞きになったように、この室町産業という会社が宅建業法の重大な違反、本当に免許取り消しを予想されるような、もしそれが事実とすればやっているわけですね。この点について、建設省として責任を持って調査していただきたいと思いますが。
#175
○国務大臣(始関伊平君) 客観的事実を明確にいたしまして、法に照らして適正な措置をとるということでございまして、ただいまお述べになりましたような方向で善処してまいりたい、かように存じます。
#176
○上田耕一郎君 今度は国税庁にお伺いしたい。
 全く田中角榮がやっていることは、許すことのできないことを次々とさまざまな問題をやっているわけですね。脱税の疑いを立花隆氏は、この週刊朝日で連載ですから、これは第何弾になるのかな、第六弾ですね。私も愛読しておりますけれども、次々に疑惑を出しているわけですね。
 この室町産業関係だけでも、まず第一に、国税庁が以前税務調査をやったとき、田中ファミリーに一億六千万円の追徴課税をやったと。そのとき田中さんのうちの、田中角榮の私邸の使用人、これを全部室町産業の社員として、そこから給料を払っているということで、これは損金算入は否認するというので追及したというのですね。ところが、今度調査してみると、依然としてこの室町産業の社員というのは田中角榮の私邸の使用人なんですよ。一度やられても、依然として全く同じことをやっているという問題が一つ続いている。
 二番目に、株転がしをやっているのですね。私ども共産党も、田中角榮首相に対する公開質問状をあの当時出しましたけれども、その中でやっぱり脱税の疑い一株転がし、土地転がしによる脱税の疑いを提起しました。ここでも同じく田中ファミリーの理研ビニルの株百七十万株など、いろいろ例が出ていますけれども、これは五十四年の税法改正によって、いま同一銘柄二十万株以上の取引がある場合には課税するということになっているんで、この批判は明らかであろうということが指摘されている。それから土地転がしもそうですね。関係会社の間でもうころころ土地転がしをやっているわけですな。これは土地の短期譲渡なので重加算税が要るのではないかと言うのですね。それからいろいろ費用をくっつけて会社を赤字にしておいて、それで脱税をねらうというのは、東京ニューハウスと新潟遊園との関係でこれも大問題になり、国会でも追及されたわけです。
 そうしますと、東京ニューハウスとか新潟遊園とか浦浜開発とか室町産業とか、こういう田中関連の会社、これをめぐる脱税の疑惑が公的なものであるこの雑誌でも、週刊朝日でこれだけ問題になり、一般の新聞でも問題になり、国会でも追及されている。国税庁いかがですか。重大な関心を持って、改めてこの田中ファミリーの関連会社――室町産業、新潟遊園、東京ニューハウス等々について税務調査を行うべき時期であると思いますけれども、いかがでしょうか。
#177
○説明員(西崎毅君) 御答弁申し上げます。
 この場で個々の納税者たる法人の課税内容につきまして答弁することは差し控えさせていただきたいわけでございますが、一般論といたしまして、わが国税庁におきましては、内部の資料、それから諸種の情報、こういうものを総合勘案いたしまして、それで課税上弊害があるというような問題については適正な措置をとるという、こういう方針で臨んでいるところでございます。
#178
○上田耕一郎君 この立花隆氏の記事は、最後にこう書いてある。「国税庁、司法当局、国会、都議会、新潟県議会、長岡市議会はぜひとも、以上の各疑惑解明に取り組んでいただきたい。田中は以上の機関のすべてを、つまりは国家そのものをナメきっているのである。公権力が一私人の無法者にこれだけナメられたままでよいのだろうか。」と、こう言っているのです。私は、これは一文筆家の言葉として見過ごせない問題だと思うんです。とにかく、少なくとも一時元首相だった人物でしょう。一時首相だったんだ。それが五億円のロッキードからもらった疑惑で裁判になって、それも全くもらっていないと言って否認して裁判やっているわけですが、それだけじゃないんだ。それだけじゃなくて、こういう税務とか財務とか株に詳しいんでしょうね、それを全部調べて、こういうインチキ会社をうんとつくって、それで自分の使用人も全部給料払わして、使用人だけじゃないですよ、水道費用から電気料から全部そこでやっているようですな。それで土地転がし、株転がしをして脱税をして勝手なことをやっている。
 しかも私は、この室町産業なんていうのに宅建業法の許可を与えているということ自体が全くけしからぬと思いますね。このもらったものを見てみましても、東京都のものを見ても、五十四年から五十五年は全くゼロですよ。事業、売買実績はゼロだと自分で届け出ている。この一年間、話は幾つかありましたが、すべて折り合いがつかず、実績として何も上げることできませんでしたと言うのだな。信濃川河川敷のためだけに、それと株転がしのためだけにつくっている会社ですよ。今度更新ということで、三年目にここで問題になったんだけれども、こういうインチキ会社に宅建業法の許可を与えて、取引主任も本人も全く知らぬというような、こういうことのもし裏に元首相というのがやっているということになれば、これは建設省としても絶対放置できないことだと思うんです。きょうこの問題を取り上げましたが、建設省並びに国税庁、いま一般的な答弁がありましたが、やっぱり国民の疑惑にこたえて、国民の信頼にこたえて厳正な調査をやっていただきたい、このことを最後に要望して、質問を終わります。
#179
○栗林卓司君 住宅宅地関係の問題を中心にしてお尋ねをまずしてまいりたいと思います。
 建設白書の中を拝見しますとこう書いてあります。「宅地問題は、より明確に大都市地域なかんずく首都圏、近畿圏を中心とした問題となってきており、」、これはいろんな問題点を含めて宅地政策の基本方向ということでまとめてある文書です。当然、建設白書に書いてあるんですから、内容についてはそのまま同感のことだろうと思います。後を続けますと、「今後は、この問題にどう取り組んでいくかが、宅地政策の最大の課題である。この見地から、大都市地域に焦点を合わせた宅地政策の展開に一層力が入れられるべきである。」、これも書いてあるとおりだと思うんです。宅地問題がすぐれて首都圏、近畿圏を中心にした大都市地域の問題になってきたということと、これに焦点を当てながら宅地政策の具体的な展開が求められている。宅地がそれではなぜこのような供給不足から、片方では地価の上昇を伴いながら深刻化してきたのかという点については、この白書の中ではいろいろ理由がありますけれども、有力な原因が関連公共公益施設費の問題がありますと、こう指摘しているわけです。それも私は全くそのとおりだと思うんです。
 以上のことを踏まえながら、昨年、ことしと一千億の住宅宅地関連公共公益施設費を予算計上しておりますが、その対象地域を今回は拡大をされた。拡大をされた理由というのは一体那辺にあるんだろうか。繰り返しますと、千億を二千億にしました、したがって拡大しました、これはわかるんです。千億はそのまんま。ここでは首都圏、近畿圏を中心にした大都市地域に宅地問題が集中的にあらわれている、そこにどう取り組むかが問題なんだと重点志向の白書では言っているわけですね。ところが実際には、今回対象地域を拡大をした、いわば薄まってしまうという態度をおとりになった理由は何でございますか。
#180
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、住宅宅地関連公共施設整備促進事業につきましては、従来から三大都市圏、県庁所在都市の通勤圏及び通勤圏内人口五十万以上の都市の通勤圏を対象として実施してきたところでございますが、五十七年度におきましては、この対象地域を通勤圏人口二十五万以上まで拡大することといたしております。この地域につきましても、都市化の現象の中で相当程度の住宅宅地需要が見込まれる都市地域でありまして、かつまた、現に大規模な団地開発の計画が進められつつあるというようなことから、かねてから公共施設整備を担当いたしております地方公共団体からも強い要請があったものでございますので、これを受けまして、数年来懸案としておりました事柄であったわけでございますが、今回対象地域というふうに拡大をしたわけでございます。もちろん、そういう中で、今後事業の実施動向を見ながら適切な事業費の配分を行っていく必要があると思いますが、通常の公共事業費とこの関連公共施設の整備促進事業費と組み合わせまして、有効に大都市圏においても十分対処できるようにしてまいりたいと考えております。
#181
○栗林卓司君 お伺いする前に、ひとつまた予備的に伺いたいんですが、従来の対象地域は三大都市圏が一つ、もう一つは県庁所在地、三つ目が通勤圏内人口五十万以上の都市の通勤圏、最後の通勤圏内人口五十万以上の都市の通勤圏というのはどういう意味でございますか。
#182
○政府委員(豊蔵一君) ある母都市及びその通勤圏内でありますところの周辺の地域を含めました人口が五十万以上になるといったような地域を考えているわけでございますが、そういったような実質的な相当規模の人口集積のありますところは、いわば、いまお述べになりました県庁所在地都市と同様の程度の住宅宅地需要があるというようなことから、従来からこの地域も対象としているところでございます。
#183
○栗林卓司君 いまの御説明なんですけれども、何か都市化の現象の著しい、しかも通勤圏内五十万というと、五十万が何か集積して存在しているような感じを与えるんだけど、この通勤圏というのは通えればいいわけでしょう。通勤できるということを考えますと、相当田舎の方まで入るわけです。したがって、通勤圏内五十万ということは相当田舎の方の宅地開発まで助成をするんだという意味ですね、内容は。
#184
○政府委員(豊蔵一君) 最近におきまして、かなりの規模の住宅宅地開発を行います場合には、既成の都市内あるいはそのごく近接した地域ではなかなか適地が少なくなっておるというようなことから、相当程度の規模を持った住宅宅地開発を行うという場合には、やはりいま申しましたように、若干の広がりを持って、実質的にはその母都市においてお勤めを持っておる、またそこへ通うといったようなことができる程度の圏内でこのような造成が行われるのが通常でございますので、また、この関公の促進費といいますものは、規模の小さいものではそれほど必要性がないわけでございまして、相当程度のまとまった規模のものにおいて必要となる道路とか公園とか下水道といったようなものの整備に特に充てるわけでございますので、若干の広がりは考えておいた方がより実情に即しているということで、五十三年度の発足当初からこのような地域も含めているわけでございます。ただ、余り田舎で、そして母都市に通勤しない、客観的に見てそのような状況にないというようなところの宅地開発はこの制度の趣旨ではございませんので、運用上採択に当たりましては十分その点を考慮して実施しているというような状況でございます。
#185
○栗林卓司君 一、二例を挙げてお尋ねをします。細かいことですから御存じないかもしれませんが、思いつくままに拾い上げたんで、他意はございません。
 長野県の牟礼村、これは主体が村なんです。町でもないんですよ。町でも市でもない、牟礼村。牟礼村に五十三年以降九千四百万、一億六千四百万、五千六百万、九千七百万と出ている。関連公共費の整備というのは都市施設の整備ですから、したがってそこにある人が住むということになると、それはどこの田舎であろうと村であろうとしなきゃいかぬということは、それはそうなんだけど、冒頭申し上げましたように、いまの焦点というのは大都市圏である、都市地域であると言っているときに、のんびりと長野県の牟礼村――牟礼村といいますのは長野市を含めて通勤通学者が千人しかいない。この牟礼村というのは飯綱山の下です。となれば大体の感じはおわかりになると思う。
 ここでやっていけないと私は言ってない。千億はふやしてないその限りある財源の中で、しかも重要なのは都市地域なんだ、首都圏なんですと言っていながら、通勤圏五十万という言い方になると、強引に数字を集めていくとこの牟礼村が対象になる。ちなみに過去の人口調査によりますと、相当強引に集めても圏内人口は四十二万しかない、これは集めようによりますから、これとこれを足せば五十万だと言うかもしれませんけれども。これは現在ですよ、それをさらに通勤圏内人口二十五万まで拡散をしたら一体所期の目的が果たせるのか。都市地域に重点対策を打てというのは白書にも書いてある、それからしていかがお考えですか。
#186
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘の牟礼村につきましては、私もちょっと資料を持ち合わせませんので具体的なお答えはできませんが、先ほど申し上げましたような、新しく対象にいたしました地域というのは、そういったような都市化の流れというものの中で、いわば県庁所在地ではございませんが、地方の中核都市と言われる都市でございますので、そういったところにおきましても人口の増加傾向が著しく、また、これに伴う住宅宅地需要というものも大きいというところから、今回要望等もありまして地域に入れることにしたわけでございます。
 ただその際、従来の基準でまいりますれば、三万戸以上あるいは十六ヘクタール以上といったような基準になっているわけでございますが、このような地域を従来と同じ基準で団地を拾うというのはいかがかということで、当然のことでございますが、相当程度の大規模な団地の場合に限って運用をいたしたいというふうに考えているところでございますので、そういった規模の相当大きな団地の開発がある場合には、これは大都市ではなくても、やはりそれ相当の公共施設の整備というものが必要になってまいりますので、今回新たに入れることがやっぱり必要であろうかというふうに判断したものでございます。
#187
○栗林卓司君 都市化現象と軽くおっしゃいますけれども、村ですよ、仮にも。それで、村という行政区画では都市化が進展したんでしょうがないから、町村合併をして市にしようかという動きはなかったわけですね。
 それから、もう一つ例を申し上げますと、福井県の今立町、これは今立町という町が施行主体、これに五十六年度八千万。これも、繰り返しますが、つけていかぬとは言いません。今立町はどこかといいますと、鯖江市の郊外というよりも鯖江市からぐっと権現山の方に入ったところです。それは都市化という言葉では呼べないですよ。均てんのある日本の開発を考えますと、つけてはいかぬとは言わない。それと白書の認識と違い過ぎるではないですか。しかも、千億はふえてないんです。見ておりますと、最初はこれはスタートは三百億でした。三百が六百になり九百になり千になり、その過程でいま申し上げたところが逐次採択になっている。今度は通勤圏二十五万で結構だと。どこかおかしいとお考えになりませんか。
 じゃもう一つ例を挙げて言いますけれども、今度は近くでいきます。御宿町。御宿町はどこに通うんですか。
#188
○政府委員(豊蔵一君) 恐らく、首都圏全体の中での開発の計画でございますので、東京へ通う者もありましょうが、また千葉市内等へ通うといったようなことなども想定いたしまして、その開発を進めているものと思います。
#189
○栗林卓司君 御宿は、御存じでしょう、房総半島の向こう側ですよ。そこから千葉市に通うと軽軽しくおっしゃいますけれども、それは往復何時間かかるのか知りませんけれどもね。それでいいですか。御宿がどこかに通勤圏でつながっているというのは無理だって、そんな説明は。冗談じゃないですよ。
 私はこういうことだと思うんです。最初は首都圏における関連公共施設費、これはもう首都圏の自治体ではまるで手に余る。したがって何とかしようではないかと。してみると、始まってみると、何でじゃ首都圏だけに金を使うんだという形になって、横並びの議論がやはり日本では起きてきて、そうなると、本来の趣旨を離れてあっちでもこっちでもになる。今度は通勤圏五十万が二十五万まで拡散をされた。しかし、出発点は白書に書いてあるとおりなんだと。そうでしょう。しかも、地方の自治体は、首都圏と違って、自分の会もしくは通常の補助金でやろうと思えば、それはできないことはない。それ以上に、首都圏はいま深刻な宅地状況にある。となれば、今回二十五万に拡散というのは、これはやめたらどうですか。
#190
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のように、私どもといたしましても、住宅宅地問題というものは三大都市圏特に東京において大きいというように考えておりますので、そういった地域に重点的に事業も実施したいと考えているところでございまして、また、いま御指摘の関連公共施設の促進事業費につきましても、五十三年度発足以来逐次拡大充実をさしてきております。したがいまして、運用の問題といたしまして、本当に緊急性の高いもの、必要なところに必要な予算の配分をするといったようなことを十分に心がけつつ、この制度の運用をしたいというふうに考えております。
#191
○栗林卓司君 心がけつつなさっていないからこういう質問になるんです。そういうありきたりの答弁を私は求めているんじゃないんです。察しはつくんですよ、大体。つくんだけれども、余りがある予算ではなくて、限られた予算でしょう。しかも、困っているのは首都圏の都市地域であります、そこではもう地方公共団体でさえお手上げなんですと。お手上げの結果どうなったかというと、それぞれに宅地化指導要綱つくって、もう入ってくるなど言わんばかりでありますと。どうしようもないから、せめて関連公共費を三百億つくって、六百億にして、九百億にして、で、去年は千億にしたわけですね。だから本来の趣旨に従って仕事をしてくれないとこれは千億取った意味が全くないじゃないですか、ここまで拡散しちゃったら。だから、五十万を二十五万というのはやめなさいと言っているんです。
 大臣、伺いますけれども、この関連公共施設費がなぜ首都圏で特に問題になるか、道路を例にとって言いますと、都市計画道路の整備状態は一体どうなっているか。多くを調べる暇がないもんですから近いところだけ調べました。東京、川崎、横浜、都市計画道路ですよ。その道路ができてないから、それもつくれと言って民間デベロッパーに負担をさせられるから土地の値段ががたんと上がってくる。したがって、その道路関係は国が一部めんどうを見てやろうかというのがこの制度の趣旨ですから。その都市計画道路は、東京の場合もう戦後三十年たって四二・七、川崎が四五、横浜に至っては二九・八、ここに本来は問題があるんですよ。
 では、道路局に伺いますけれども、この整備状況というのは満足しているんですか。
#192
○政府委員(加瀬正蔵君) 都市計画道路の整備状況につきましてはおっしゃるとおりでございますが、都市計画街路の整備というのは非常に事業がむずかしゅうございまして、全国のレベルで言いますと大体もうちょっと低い数字で、三〇%をちょっと超えたぐらいのところでございます。したがいまして、これで満足しているわけでは決してございませんが、今後も鋭意その整備に努めてまいりたいと思っております。
#193
○栗林卓司君 この都市計画道路というのは、実際にビルなんかの建築許可を与える場合にどう聞くかというと、ああ、あすこに計画道路がありますからいずれ通りますと。通ることを前提にすると、そこに高層ビルを建てられても十分さばけますという答弁が返ってくるんです。これは各自治体全部そうなんです。自治体の実態はどうかと言ったら、もうこれは自分でやる自信は毛頭ない。家がびっしり建っちゃった、そこにどうやって新しい宅地をつくっていくのか、その関連公共施設の環境をどうやってしていくのか、大問題ですよ。
 では伺いますけれども、首都圏の関連公共費として負担しているようなものを推定すると、年間で一体幾らぐらいになるんですか。
#194
○政府委員(豊蔵一君) いまのところちょっと手元に細かい数字はございませんが、五十六年度のいまの関連公共施設整備促進事業費を三大都市圏とその他の地域に分けて考えました場合、事業費といたしまして三大都市圏には千二百億円余り、国費といたしまして七百三十七億円程度を予定しておるところでございまして、恐らくその大半が首都圏というふうに考えられようかと思います。
 また、これに伴う通常の一般公共事業費につきましてもほぼ同等程度、あるいはそれ以上をこの住宅宅地関連の施設整備に充てているというようなことでございましょうかと推測いたしておるところでございます。
#195
○栗林卓司君 推測をするとしますと、土地価格の約半分が関連公共工事施設費に相当するという推計があるんだから、土地取引高の半分が当たると見るのが一番手っ取り早い推定なんです。それは千億、二千億の額じゃないですよ。その関連公共費に対して国が支出するのは千億しかない。地方に拡散するゆとりはどこにあるんですか。
 重ねて聞きますけれども、通勤圏五十万でさえさっきみたいなところで事業が採択されておるわけだから、いわんや二十五万なんといったら千億は全部日本のどっかに散らばっちゃって、肝心かなめの首都圏の一番困っているところには出ようがないじゃないですか。
 重ねて聞きますが、通勤圏五十万、これを二十五万に対象地域をふやすというのは、これはやめなさいと言っているんです。
#196
○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、先生御指摘のように、三大都市圏におきますところの住宅宅地の対策のために重点的にこの費用を使うというふうな考えでございますが、五十万以上の通勤圏の都市あるいは二十五万以上の通勤圏の都市につきましても、決してそういったような住宅宅地の問題がないわけではございません。
 ただ、そういったようなことを運用で十分方向を明らかにするために、今回二十五万以上の通勤圏の都市に対象地域を拡大いたしたいと考えておりますが、その場合、先ほど数字として申し上げませんでしたが、従来は住宅の戸数といたしまして三百戸以上または十六ヘクタール以上といったような基準にいたしておりますが、今回の拡大に伴います予定といたしましては、戸数といたしましては千五百戸以上また宅地開発の規模としては五十ヘクタール以上といったような相当の規模のものに限って運用したいというふうに考えておりますので、首都圏等におきますような対象採択事業とは相当異なった大規模なものである。それにはまた当然のことながら公共施設の整備費というものも相当多額に上るであろう。当然のことですが公共団体の負担も大きくなるということから、そのような基準とともにこの程度の拡大ということを考えたわけでございます。もちろん、将来ますますこういったような事業の必要性が高まり、また、財政事情が許しますならばこういった一千億を拡大し、必要な事業に対応できるように措置してまいりたいというふうに考えています。
#197
○栗林卓司君 それは今後の政府として財政見通しを立てる中で、千億なんてけちなことを言わないでふんだんに使えると、まさかそういう見通しを立てておいでではないと思いますよ。五十六年でさえ歳入欠陥がささやかれ、五十七年度ではもう必至ですよ。五十八年度予算をどう組むのかがいま最も深刻な問題であるときに、いずれはふやしてなぞと、そういうゆとりも気楽さもいまはないと言うのです。
 大臣、これ県別が書いてあるでしょう。ここにずっと数字が埋まっているのは、これだけ散らかっているんです。白書では、土地問題はいまや明らかに三大都市圏の問題なんですと言っていながら、肝心かなめの一千億はこうやって散らかっている。こうやって散らかる習性が日本の政治にあることは私はよくわかっているんです。わかっているけれども、それをやったんじゃいまの宅地問題が解決しないと言うんです。これはよくよくお考えいただいて、通勤圏人口二十五万以内にまで拡散していいのかどうか、真剣に御検討いただきたいと思います。
 こういう散らかった中で、では一体、公的開発と民間開発とどっちがどうかと言いますと、大ざっぱな数字で申し上げますと、約六割が公的開発、約四割が民間開発に向けられているんです。ところが、実際の開発状況はどうかと言いますと、昭和五十三年の数字だけをとって申し上げますと、民間開発が四二%、公的開発が一七%、どっちにしても公的開発が民間開発より多いということはない。なぜこれが千億の使い道になると公的開発が約六割を取っていってしまうんだ。そこでいろいろささやかれますのは、公的開発は身内のものだ、どうしてもそっちにまず千億取ってしまう、そういう傾向は強いんだというクレームを私は聞いたことがある。これも日本の政治風土の中では十分あり得ることだと思う。
 そこで、じゃしようがないねと決めつけておれるかというので、また白書に戻りますけれども、白書で言っていますのは、「今後の宅地供給について、民間に期待される役割は大きいものがある」、その程度ですよ。「住宅宅地関連公共施設整備促進事業制度の一層の活用を図る等、このための措置を検討する必要がある。」、この住宅宅地関連公共施設整備促進事業というのはいま言ったやつです。六割が公的開発に持っていかれちゃう。この辺も見直す必要がありませんか。
#198
○政府委員(豊蔵一君) 事業の実施に当たりまして、先ほど申しましたような採択基準等を設けておりますが、従来、御指摘のように公的開発の方にかなりウエートがかかっておった状況がございます。これは量だけで申しますと、確かに民間開発の方が多いかと思いますが、採択基準に合致するようなものが相対的に少ないということが一つあったかと思います。しかしながら、また一面におきまして、こういったような制度を五十三年度から発足をさせましたが、十分に御理解いただけないといいますか、十分に周知徹底していないという面もあったかと思います。五十三年度当時は公的開発の方に対する配分が七二%でありましたが、五十六年度におきましては、ただいま御指摘ありましたように六〇%をちょっと超えるという程度に比重が変わってきておりますので、そういった面からも今後良質な住宅宅地開発を進めていっていただく、またこういった制度の活用を図っていただく、そういったことによりまして、逐次こういった問題はバランスのとれたものになるんじゃないかというふうに考えております。
#199
○栗林卓司君 逐次とおっしゃいますけれども、おたくでおつくりになった白書で緊急な問題として指摘をしているんで、逐次じゃだめなんです。ですから、そういう答弁を私は聞きたくて質問に立っているんではありません。いろんな事情も察しはつきます、だけれども、これは言葉だけで片づけられたのでは困るんだということを私は申し上げているんです。
 以上のような状況の中で、千億が大分地方の方にかじられてしまった。したがって、では問題の三大都市圏に幾らいっているかと言いますと、昭和五十六年の場合、東京圏が三百七十六億、中京圏が六十八億、大阪圏が百八十四億、ざっと見渡して六百億前後しか行ってないんだけれども、これは東京、中京、大阪圏、三大都市圏の申請は全部漏れなく採択したんですか。
#200
○政府委員(豊蔵一君) ただいま申し上げました採択基準に該当いたしますものにつきましては、三大都市圏について優先的に取り扱っております。
#201
○栗林卓司君 通勤圏内二十五万に拡散すると。だけど採択基準の平米を上げたり大規模化をもってして重点的にしたいという御回答があったんだけれども、本当は逆で、三大都市圏が開発できる平米というのは、いま基準は十六ヘクタールですね、これじゃ大き過ぎるんじゃないですか、もっと五ヘクタールとか四ヘクタールとかそこまで落とさないといけないんじゃないですか。
#202
○政府委員(豊蔵一君) そのような要望が関係の公共団体から強くありますし、私どももそういう問題につきましては検討をさせていただいております。ただ、現段階におきましては、この基準によりますものも相当の量になっておりますし、また一面財政状況等もありますので、当面はこの基準でいくということにいたしたいと思っております。といいますのは、やはりこの程度の規模になりますことによって、関連の公共施設、いわば公共団体が整備すべき道路とか都市公園とか下水道、河川といったようなものがおおむね必要になってくるというふうに考えられる点もございますので、そういったようなことと、また地元の実情等総合的に勘案しながら、今後の検討とさせていただきたいと思います。
#203
○栗林卓司君 予算を組むというのは優先順位を決めるという意味ですからね、平たく言うと。優先順位を決めるというのが政治の仕事でもあるし、行政の仕事でもある。ですから、あなたは優先順位を決めなければいけないんですよ。優先順位は白書では三大都市圏だと言っている。三大都市圏の方では、十六ヘクタールなんというのじゃ大き過ぎてだめだ、もっと小さくしてくれないと申請が出せないと。となったら、そちらの声をまず聞こうではないか、それで千億もう使ってしまってまだ足らないんだとなったら、地方の方はそれこそ地方自治体の力でやってくれと。その交通整理をしていくのが行政であり、その交通整理の結果が出てくるのが予算でしょう。優先順位を聞いているんだよ、篤とお考えを願いたいと思います。
 国土庁にお尋ねしたいんですが、これは私も初めて知ったんだけれども、国土総合開発、正式の名前は国土総合開発事業調整費でございますね、五十六年度でいいますと予算が百十三億。この使い方として取扱要領を国土庁計画・調整局でつくっておいでになるんだけれども、中を拝見すると、住宅宅地関連公共施設整備促進事業に関連して「公立文教施設、保健衛生施設、社会教育施設、社会福祉施設等の建設事業を調整対象事業とすることができる。」という趣旨のことが書いてありますね。この条項というのは、これは使われているんですか。
#204
○政府委員(白井和徳君) 先生御指摘のような条項は、住宅宅地関連公共施設整備促進事業に関連いたしまして条項を改正したところでございます。
 その実績でございますが、公益施設についての建設事業そのものの実績は五十六年度まではまだございません。
#205
○栗林卓司君 いろんな学校施設、ひどいところは、ところによっては消防署から警察まで含めてこの関連公共公益施設費負担問題というのが深刻であることは、国土庁は土地の所管官庁ですから十分御存じだと思うんです。申請がなせないのか疑問にお考えになりませんか。
#206
○政府委員(白井和徳君) この申請がないということは、一つは、関係省庁が自省庁予算の適切な執行によって対応しているというふうにわれわれ考えております。したがいまして、関係省庁からの要望がないので五十六年度まで実績がない、こういうふうにわれわれは判断しております。
#207
○栗林卓司君 これはほかの省庁の答弁だったら、はあそうかといって聞いていられるんだけれども、国土庁でしょう。その答弁は通らないと思いますよ。じゃ何で文部省が言ってこないんだと文部省に催促したことありますか。
#208
○政府委員(白井和徳君) この条項を改正したときに、文部省並びに厚生省等関係省庁に通達を出しまして、必要な要望がある場合には国土庁に持ってくるようにというふうに通達しております。
#209
○栗林卓司君 それは変えたときには御連絡申し上げますと。それでその連絡の前提としてそのときに予算も組んだんでしょう、五十六年度、さっき言った百十何億だよね。で、予算が組んであって、ないと、使わないで残ってしまうわけだから、予算は決まった以上は全部使っていくのが筋道ですからね。そうなったら、連絡したあれについておまえのところはどうなんだ、まさか音さたがないほど世の中が平和であるわけがないという照会を一遍でもしたのかと聞いているんです。
#210
○政府委員(白井和徳君) 毎年度いたしております。
#211
○栗林卓司君 出てこない理由としては、どうお考えになっていますか。
#212
○政府委員(白井和徳君) 先ほども申し上げましたように、関係省庁の自省予算で適切に処置しているというふうに考えております。
#213
○栗林卓司君 いまのところまた繰り返すけれども、国土庁の係官でなかったらそう答えていいと言うんです。深刻なことは百も承知でしょう。文部省にしたってどこにしたって、これは予算を削られちゃってひいひい言っているわけでしょう、実際は。だから、それは役人答弁としたって通らない。
#214
○政府委員(白井和徳君) 先生御存じだと思いますけれども、国土総合開発事業調整費の性格でございますが、これは関係省庁の公共事業の進度調整というものを適切に行いまして、よって事業の完了によって効率化を図るということが基本的な趣旨でございます。
 したがいまして、関係省庁からの要望があった場合に、国土庁としてそれを調整いたしまして、必要な予算については大蔵省と協議した上でつける、こういう仕組みになっておりまして、ついた予算についてはまだ関係省庁に移しかえる、こういうことでございますので、関係省庁を通ずる要望が第一義的に重要であるというようにわれわれは考えておるわけです。
#215
○栗林卓司君 そういうお答えしかできないのかもしらぬですけれども、もし本当にそう思っているんだったら基本的にあなたの考えは間違いだ。だって、こういう関連公共施設費、なぜこれが出てくるんだ。なぜ出てくるかというと、各省庁の施策の進度調整がついてないからなんだよ。それがあらかじめついていたらこんなことで騒がなくて済むんだ。人は来るわ、学校を建てなきゃいけないわ、地方自治体がつくろうといったって税金はまだ入ってない。そうでしょう。都市計画道路にしたって二七%しかできてない。これがちぐはぐだから、ちぐはぐの進度調整を、一般の市民が土地を買うのに倍乗せしてめいめいが負担をしている。負担をした結果、固定資産税まで払っているんだよ。そうでしょう、実際は。だから、あなたのところはこう変えたわけでしょう、それがわかっているから。ですから各省庁間の調整ができないって、もともとついてないのをどうつけるか、これが国土庁の仕事ではないんですか、この問題に関して。
#216
○政府委員(白井和徳君) 先ほども申し上げましたように、国土総合開発事業調整費というものは地域の開発保全上主要な事業と認められるもの、それの調整対象事業と調整関連事業相互に進度の不均衡が生じた場合にその効果を発揮するためにつけるということになっておりまして、住宅宅地関連公共施設との関連において公益施設が、もし学校がないという場合には、文部省から要望があれば当然それは対象になる。ただいままでのところは、文部省自前の予算において住宅宅地関連公共施設との対応はできている、そういうふうに考えておるわけでございます。
#217
○栗林卓司君 そうしますと、いまわれわれが議論しているこの内容は五十七年度予算に幾ら計上したのですか。
#218
○政府委員(白井和徳君) 調整費につきましては事業別内容というのはございません。
#219
○栗林卓司君 いや、事業別内容はないんだけれども、腰だめである数字を決めるんでしょう。
#220
○政府委員(白井和徳君) 五十七年度につきましては、関係省庁からの進度調整の要望によって結果として決まるということでございまして、いまのところ、先ほど先生に申し上げました百十四億という予算がついているということでございまして、内容別にはついておりません。
#221
○栗林卓司君 時間がなくなりましたので次の問題に移りますけれども、国土総合開発事業調整費取扱要領の中に、わざわざ項を起こして、住宅宅地関連公共施設整備促進事業云々と四行入れたのは、千億では足らないから、足らないというのは、千億というのは建設省のことだよ、国土庁じゃないですよ。とにかく、千億では足らないような状況もあるからあれこれ総がかりで取り組もうという気持ちがあったんでしょう、もともとは。だから本来は、この関連公共施設についてこの国土総合開発事業調整費を使うというのは例外なんだよ。だけれども、あえてそこまで踏み込んだというのはその問題意識があったからだと私は思う。あったから連絡をし、注文があったら言ってきてください、こう言っているわけでしょう。だけれども、ちっとも言ってこないんですということで済んでいるんだろうか、済むんだったらこれは削除しなさい。いいです、お答えは結構です。国土庁としていま問題の分野に対してどういう協力ができるのか、できないのか、これも篤と御検討いただきたいところだと思います。
 時間がありませんので、最後に一つだけ伺いますが、住宅公団の一般会計からの補給金、予算を拝見しますと、今年度はゼロになっています。ちなみに昨年は当初予算で二百十億、その前の年が六百六十五億それぞれついておりましたけれども、五十七年度ではきれいさっぱりゼロと、こうなっておりますが、これはゼロで構わない、十分やっていけるということだと理解してよるしいですか。
#222
○政府委員(豊蔵一君) 住宅・都市整備公団の利子補給金につきましては、その取り扱いが従来いろいろなやり方がありまして、当初予算に計上した場合、あるいは当初予算に計上いたしませんで後ほど補正予算等で措置した場合、あるいはまた、前年度の決算の確定を待ちまして処理した場合等々いろいろ年度によって差があるわけでございます。五十六年度におきましては、その一部を見込んで計上いたしまして、補正予算でお願いいたしまして全額をお願いしたところでございますが、五十七年度につきましては当初におきまして計上しておりませんが、これらの措置につきましては、五十六年度の決算が確定いたしました段階で、財政事情等勘案しまして速やかに適切な措置はされるものと考えております。
#223
○栗林卓司君 五十六年度の決算が確定した段階で適切な処置をどう講ずるんですか。
#224
○政府委員(豊蔵一君) ただいまの段階でどのような方法でどのような措置を講ずるかということは直ちには申し上げられませんが、ちなみに五十六年度についての措置を申し上げますと、五十五年度におきます決算が確定されまして利子補給の必要額が明確になりました段階で、補正予算におきまして八百二十一億円余の補給金の追加の措置をいただいたところでございます。
#225
○栗林卓司君 いや、去年で言いますと、六百二十六億、当初予算が二百十億ですから締めて八百三十六億になったわけで、六百二十六億の補正予算で措置をしたというのは私も知っているんです。ただいまは五十七年度予算を審議しているんだから、口が裂けても補正ということは言えないといったてまえですね。いいですか、五十七年度予算を審議中に補正ということは言えないんですよ。だから五十六年度の決算が確定するのを待ってどう処置をするんですかと聞いているんです。
#226
○政府委員(豊蔵一君) 五十六年度の決算の確定を待ちまして、その後財政事情等勘案しまして、速やかに適切な措置を行いたいというふうに考えております。
#227
○栗林卓司君 ですから、いつやるんですかと聞いているんです。端的に言うと五十八年度予算でやるんですか。それより道がないじゃないですか。いま五十七年度当初予算の審議をしている委嘱審査の真っ最中なんだ。いいですか、補正予算ということは口が裂けても言ってはいけないんです。実際どうかというと大蔵省の財政中期展望でも五十七年は千八十七億だよ。五十八年度が千二百六十八億、五十九年度が千四百七十九億、これは大蔵省の財政中期展望でもこれだけ日本住宅公団に対する補給金としてかかるはずでありますと、あの渋ちんの大蔵省ではじいている。これが何でゼロなんですか。予算の組み方としてどこかおかしいんじゃないですか。
#228
○政府委員(豊蔵一君) 先ほどお答え申し上げましたように、従来旧住宅公団の時代におきますところの利子補給金につきましては、その予算計上方式は年度によりかなりの相違がございまして、そのときそのときの財政事情のもとで最も適切と考えられる方法をとってきたものでございます。そういうようなことでございますので、たとえば昭和四十三年度から五十二年度までは当初予算に計上いたさなかったこともございます。また先ほども申し上げましたが、当該年度の補正予算あるいは予備費等で処理していただいたこともございます。また一面、四十六年度におきましては、四十年度から四十五年度までの収支差を累計をいたしたものを四十六年度の予備費で措置したといったようなこともございますので、今後の取り扱いにつきましては、決算確定後財政事情等を勘案しまして適切な対処がなされるものと思っております。
#229
○栗林卓司君 五十六年度で仮に決算のお金が余ったからといって、余っているのをちょっとこっちへちょうだい、五十七年で使いますからというわけにはいかないんですよ。向こうで余っているけれども横目で見ながら、五十七年度で言えば、補正予算を組まなければその金は支出ができない、そうですね。いいですか、五十六年で仮にお金が余ったってそれは五十六年のお金なんだから、五十七年はたとえ同額であろうとも別に予算を組んで決めなければそれは支弁ができない、そうでしょう。だから整理をして申し上げますと、ゼロと書いたのは欠陥予算だと私は言っているんだ。当然なこととして補正予算を前提に置いている、そういうことになるでしょう。
#230
○政府委員(豊蔵一君) この数年間の、たとえば五十三年度、五十四年度につきましては、前年度の決算見込み額を当初予算に計上いたしたこともございます。しかしながらまた一面、四十三年度から五十二年度までは当初予算に計上いたしませんで、決算が確定しました後に必要な措置を講じたということもございます。その際の措置の仕方につきましては、当該年度の補正予算または予備費により対処した場合もございますが、また四十年度から四十五年度のように、四十六年度におきましてその間の数年分の累計収支差を清算をしたというような、いろいろなケースがございますので、一つの財政事情の中でのいろいろなやり方の中でとり得る一つの方法であろうかと考えましてこのような予算案をお願いをしているところでございます。
#231
○栗林卓司君 大蔵省でさえ五十七年度で千八十七億、五十八年度千二百六十八億かかるでしょうと、あの渋ちんが言っているんですよ。というのは、なぜかかるか、これは利子補給の穴埋めでしょう。だから、これは予算に載せないわけにいかないんです。それとも穴埋めしないのか。しかも、こうした重要な内容を将来の課題に棚上げしちゃって、五十七年度当初予算はゼロ、したがってゼロシーリング、オーケーなんですというのはいかにも見え透いた欠陥予算ではありませんか。将来になって、ことしの下期になって五十六年度の決算状況を見る、あれこれ考えながら手を打つというのは、それはやっていい。どっちにしてもかかることは目に見えている、補給金なんだから。処置は別として、何らかの対策を当初予算で講じておかなかったら穴があいちゃうでしょう、予算として。それはその分だけ処理が決まらないんだから予備費をふくらましてもらってもいい。とにかく腰だめで、処理は別として、どんと一千億計上したっていい。ゼロなんだもの。あなたは従来はとおっしゃったけど、従来はそうやってああやってしなければいけなかったほどこれは絶対に要るんだって。そうでしょう。それがなんでゼロなんだ。
#232
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、住宅・都市整備公団の借り入れました借入金に対する支払い利息と家賃等として回収されます利息収入相当額との差額があることは事実でございます。それで、それはまた国の一般会計から従来補給をいただいております。しかしながら、その補給の仕方につきましては、過去十数年の間におきましていろいろなやり方がございました。今年度当初予算には計上してございませんが、昭和四十三年度から昭和五十二年度までもそういったような措置をとり、後ほどそのときそのときの財政状況に応じまして補てんをしたというケースもございますので、今回もいろいろな状況から、従来そのような方法もとっておったということで、決算が確定されました後におきまして、最も適切であるという方法により措置をするというふうに考えているわけでございます。
#233
○栗林卓司君 いまの答弁で全く納得してないんだけど、時間が来ましたので一遍これで切ります。
    ―――――――――――――
#234
○委員長(吉田正雄君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として宮之原貞光君が選任されました。
    ―――――――――――――
#235
○江田五月君 初めての試みである予算の委嘱の審査も大分長工場になりまして、最後です。
 わが国も戦後三十六年、とにかく廃墟の中から国づくりを始めて、いまGNPで自由世界第二位という大きな経済力を持つところまで来た。この戦後の国土の再建そして発展について、建設省、あるいは国土の適正な開発にとって国土庁が果たされた役割りというのを高く評価することにやぶさかじゃないですが、同時に、いま高度成長の時代から低成長に移行をしてくると、もう経済がどんどん大きくなっていく、GNPがどんどん伸びるというそういう時代が終わって、低成長。まあなかなかトンネルの中をくぐりながら、その先が見えてこない。仮に先が見えてくるにしても、それはもう前のようなバラ色の時代ではないということになってきているわけですね、昭和四十八年のオイルショックを契機にして。しかし、決してオイルショックが原因になったということよりも、むしろ経済の本質的なあるいは構造的な要因、原因でこういう低成長への移行ということになってきていると思います。経済活動の量がこれまでは非常に大切だった。しかし、そろそろもうどういう質の経済活動が営まれるかということが非常に大切なことになってきていると思います。
 ところが、高度成長のときには行け進めでどんどん開発を進めてくる。特に日本の場合、オイルショックというようなことが景気にかなりブレーキをかけ、方向を変えていかなきゃならぬ。そこでどうしてもきしみといいますか、あつれきがいろいろなところに起こってくる。
 私はこの委員会で、たとえば去年のちょうどいまごろ、砂糖の原糖の――原糖というのは砂糖の原料ですね――倉庫を、ある砂糖工場がつくろうとした。そして、コンクリートのパイルをどんどん打ち込んだんですね。一メートルぐらいな間隔でかなりの広い土地に打ち込んだ。その途端に経済の状況ががらっと変わって、砂糖のそういう倉庫が要らなくなってしまった。そこで、そのままほったらかしておったら、そのコンクリートのパイル、これは中が穴があいているわけですね。そこに、あす入学式を迎えようという子供が落っこって死んじゃったという。
 とにかくもう、そういう経済活動の質ですね、安全とかあるいはうまくバランスがとれているとか、環境と調和がとれているとか、そういうようなことが非常に大切なことになってきておるので、建設省も単なる発注官庁、実施官庁ということだけでなくて、安全とか調整とかそういうものにもっと注意を向けていかなきゃならぬ。いろんなプロジェクトがペイするのかどうかということも真剣に考えなきゃ、いままでのようにつくればとにかく経済はどんどん大きくなる、人口はどんどんふえる、だから必ずペイしていくんだということではなかなかないという時代が来ている。また私は、実は行政改革の話の中で、国土庁はもうやめちゃえという話があるわけですが、これにくみしないんで、そういう実施官庁だけでなくて、いわゆる調整官庁としての国土庁とか環境庁とか、こういうものの役割りというものはむしろこれからだんだん重要になってくるんじゃないかというような感じを持っておりまして、ひとつそうした点できょうは多少具体的な問題を質問してみたいと思います。
 まず最初に、建設行政あるいは国土行政に携わっていかれる両大臣に、いま私が言ったようなこれまでのとにかくどんどんつくれということでない、行政の質というもの、安全とか環境とか調整とか、そうしたものに重点を置いた方向に変わってこなきゃならぬのじゃないかということについて一体どういう所見をお持ちか、非常に抽象的なことなんですが、伺っておきたいと思います。それじゃ国土庁長官、その後建設大臣。
#236
○国務大臣(松野幸泰君) いまの御意見、私全く同感でございまして、きょうは、私の方ではありませんけれども、午前中の質疑の中に瀬戸大橋を建設する、それができると国鉄から一年間に五百億円の通行料をもらわなければならない、四国全体で三百億しか運賃が上がらない、こういうこともどうだというような質疑がありましたが、こういうことなどは国土庁としても調整官庁として大変重要なことだと思って傾聴いたしておりましたが、いまの江田議員のおっしゃること、私も大いに検討しなければならぬと考えております。
#237
○国務大臣(始関伊平君) ただいま江田先生から御指摘の点でございますが、何と申しましても、やはり建設省の立場から申しましても国土の安全ということは非常に重要な点だと考えております。建設行政の理想を一言で申しますと、安全で潤いのある国土環境を整備いたしまして、これで活力のある福祉社会をつくるんだということでございまして、安全の問題につきましては、地震の問題もございますが、建設省の担当に属することで安全問題と申しますとやはり川の問題、治水の問題ですね、洪水の防止の問題等があると思うんでございますが、こういう問題につきましては特に注意を払っておるわけでございます。
 それから、建設省の公共事業は別でございますが、その中に有料道路というような問題がございまして、これは後進地域の開発の原動力になるということでございますが、これはなかなか利用度は少ないということでございまして、こういったような点にも問題があるような感じがいたしております。
 それからもう一つ、従前、産業が発展いたしまして経済が成長し、それによって国の税収入等がふえまして、これで公共事業をやっていくということがございましたし、また逆に公共事業を進めることによりまして、最近のオイルショックなどに当たりましても、これで内需の拡大、景気の回復をやってまいった、こういうような点もあるわけでございますが、経済のいま江田さんがおっしゃいましたように成長率は全体的に低くなりまして、従前のような大きな成長ということは期待できないと思いますけれども、しかし四%とか五%とかという程度の成長率でも、公共事業による内需の拡大とか景気の刺激とかいうことが問題になるわけでございまして、やはり建設行政には今後ともそういったような役割りも含んでおる、かように存じております。
#238
○江田五月君 そこで、まず最初に、水資源の問題について伺いたいと思います。
 ここできょう問題にしたいのは長良川の河口ぜきの問題ですが、その前にひとつ水資源というものの考え方について、水資源は、昭和三十六年、水資源開発促進法と水資源開発公団法が基本になってその後開発をされてきた。もちろんまだ地域によって水不足というものが恒常的に常時存在しているような地域もありまして、まだまだもう水問題というのは終わったんだということではありませんが、しかし全体として見るとどうも三十六年当時に、あるいはその後四十年代の初めのころに考えていたものとかなり様相が変わっているんじゃないかということが言われておるわけです。ここに、手元に新聞の切り抜きが一つあります。これは朝日新聞ですか、「わたしの言い分」というのがある。大阪大学工学部教授の末石冨太郎という人が語ったことを新聞記者が書いてあるわけですが、水道は第二の国鉄になるんじゃないか、あるいは足りないんだろうか余っているんだろうか、どっちなんだろうか、どうも水道というのは何か足りない、だからみんなが水を使うのを一生懸命に節約すれば水道料金は上げなくて済むんじゃないかと思っていたら、最近はどうも逆で、水をこのごろ余りみんなが使わないから水道料金を上げなきゃならぬというようなことになってきたんじゃないかとか、何か水道、水というのは使っても節約してもどっちみち値上げをされてしまうものなんだろうかというようなことが国民の中で疑問になってきている、工業用水というのは大量に余っているんだということを報道している新聞記事もある。東京、大阪などで給水能力の三割しか使われていない、京浜葉、京阪神、東海、九州北部の四大工業地帯を合わした利用率が五割を切っているというようなことが言われておりまして、果たして一体、これから水の需給の予測というのはいままでの予測でいいんだろうかということが非常に大きな問題になっているわけです。
 そこで、全体としてこの水資源の問題をどうこれから見直していかれるのか、三全総との関係などについてお答えをいただきたいと思います。
#239
○政府委員(福島量一君) 手違いで担当の局長が参っておりませんが、私の知り得る範囲内でお答えさしていただきたいと思います。
 御案内のように、私どもの水需給の問題は、昭和五十三年、つまり三全総の策定されました翌年に長期水需給計画というのをつくりまして、それを基本的な方向づけとして現在に至っているわけでございますが、先ほど三全総云々のお話もございましたように、最近におきまする出生率の変化とかあるいは人口動態の変わり方、さらには経済構造の変化、つまり製造業から第三次産業へのシフトがかなり進むといったような非常な動きが出てきております。そういったことに伴いまして、将来における水需給はどうかという点について改めて再検討すべくいま見直し作業に入っておるという状況でございます。
 工業用水等につきましてのお話がございましたが、確かに御指摘のとおり、工業用水の量としては、実は需要量は減ってきているようでございますが、内容的にはいわゆる再生利用と申しますか、そういうことはかなり進んでおるというようなことも一つございますし、それから地域的に申し上げますと、大都市周辺では確かに需要は落ちてきておるようですけれども、少なくとも需要量は現象的には減ってきておるということでございますが、地方都市を中心に都市的生活様式と申しますか、そういうものの普及がありまして、いわゆる生活用水というものの需要はふえておるというようなこともございます。そういった状況も勘案しながら、マクロの面もさることながら、地域別にブレークダウンした水需給というものを求めてつくり上げていきたいというのがもう一つの水需給の今後の検討課題の大きな柱になっておる、かように聞いております。
#240
○江田五月君 長良川の河口ぜきの問題を聞くというふうにお伝えしてあるはずなんですが、どこでどう連絡が食い違ったのかよくわかりませんが、どうも不思議ですね。
#241
○政府委員(福島量一君) ただいま担当局長が、急遽、間もなく着くはずですが、ちょっと私の方では通告が来ておらなかったものですから……。
#242
○江田五月君 全体の見通し、見直しの問題、三全総との絡みなどのことも言っておったはずなんですが、それはしようがありません。
 そこで、そうしますと、長期水需給計画を再検討すべく見直し作業を進めておられるということでありますが、どうもこの長期水需給計画の一環としての木曾川水系についての水資源開発基本計画、昭和四十三年に決定されて、四十八年に改定をされた計画ですね。これは愛知、三重、長野、岐阜か、この四県、木曾、長良、それから揖斐三川で百二十・五トン毎秒取る、とりあえず八十六トン毎秒の施設をつくる、そのうち二十二・五トンを長良川河口ぜきで取るんだというこの木曾川水系水資源開発基本計画、この計画も、これは根本からもう崩れているんじゃありませんか。
#243
○政府委員(川本正知君) 本来的には国土庁の所管のことでございますが、私からお答えさしていただきたいと思います。
 ただいま先生お話ございました木曾川水系におきます水資源開発基本計画、これは昭和四十八年に策定されまして、今年の三月にごく一部の変更がなされました。その計画におきましては、目標年度を昭和六十年度に置きまして、いま先生おっしゃいましたような数字を目標としておるわけでございまして、長良川河口ぜきにおきましては、いまおっしゃった水道用水及び工業用水を毎秒二十二・五トン確保するということになっておるわけでございます。東海地方におきます水需要の動向につきましても、確かに先生おっしゃいましたように、わが国経済が安定成長期に入っておるということ、あるいは水を使う側にいたしましても、節水意識が非常に高まってまいりました。また、先ほどお話もございましたように、工業用水につきましても水利用の合理化といいますか、そういったものへの努力が高まって、それによって需要動向というのは変化してきておるのは事実でございます。
 全般的なことにつきましては、先ほどお話ございましたように、全国的に長期の水需給計画のフォローアップを三全総に基づいて国土庁の方でおやりになっておるというふうに私どもも聞いておるわけでございますが、水資源開発事業そのものは、特に長良川河口ぜきにいたしましても同様でございますが、計画から完成まで大変長時間を要するものでもございます。いろいろと水需要の変化の原因はございますけれども、今後とも人口は、一時よりは増加は鈍化しておりますけれども、着実にやっぱりふえていくであろう。また、生活水準の向上ということも、やはりスローテンポではありますけれども続くであろう。都市機能の進展ということもございます。あるいは工業生産の形態の変化、そういったものもあるわけでございまして、それぞれの地域の志向を含めた長期的な、総合的な見地から水需要を想定していかなきゃいかぬ、そういうふうに思っておりまして、そういったことからいきまして、やはり長良川河口ぜきの事業というものは着実に、長期的に、計画的に推進していく必要があるんじゃないか、そう思っておるところでございます。
#244
○江田五月君 着実に、長期的に、計画的にというお話ですが、いずれも言葉は非常に簡単ですが、中身は何もないんじゃないですか。
 いまの基本計画の前提となった各種の数字というものが、たとえば人口についても大いに違ってきている。あるいは産業の発展のことにしても、三重県四日市コンビナート、御存じのとおりですね。この水資源開発基本計画策定のときに前提としていたような、四日市のコンビナートがどんどん大きくなる、第二次、第三次と、どんどんこう広がっていくという状況は、もう、まずないですね。常識的に考えて、あそこにいままでと同じような四日市コンビナートがどんどんふえていくということはもう考えられない。これは公害の問題もあるし、同時に産業構造というものが大きく変わってきたということもありましょう。あるいは産業自体の水の使い方ですね、工業出荷額がどんどんふえていけば、水の需要がどんどんふえていくだろうというこの関数関係が変わっちゃったわけですね。工業出荷額が伸びたって水の需要はふえていかない。それは、経済の構造も変わってきただろうし、同時に水の高度利用といいますか、回収率というか、これも大きく変わってきた。こういう産業の拡大と水の需要との比例関係がいままでと違ったという。あるいは節水思想、節水機器、あるいは料金体系などで節水型の社会が、こちらは工業用水じゃなくて、生活用水の方ですが、できてきている。
 そういうことを前提に置いてこの長良川河口せきの問題を具体的に考えてみますと、どうもいまの計画の毎秒二十二・五トン、これを愛知と三重に半分ずつ分けるんだと。治水分が千分の三百七十四ありますから、これは三分の一が岐阜県、三分の二が国ですか、しかし千分の六百二十六の工事費の方は愛知と三重で半分ずつ出すんだという。さあ、特にその三重県などですね、毎秒二十二・五トンの半分の水を無理やり買わされて、需用費の千分の三百十三払わされると、いま嫌だとは言えない立場だと思いますが、本当は困ってるんじゃないですか、これ。どうなんですか。
#245
○政府委員(川本正知君) 中京地域といいますか、愛知県、岐阜県、三重県三県を含めた地域におきます近年の水需要の動向というものを見てみますと、生活用水、いわゆる水道用水等でございますが、こういった生活用水につきましては、五十年以降傾向は鈍化しておりますけれども、まだ増加の傾向でございます。また工業用水につきましては、四十八年ごろをピークにいたしまして水需要量が減少しておると、確かにそういう傾向はございます。
 その工業用水につきまして申し上げますと、先ほど先生おっしゃいましたような回収率の向上であるとか、あるいは節水機器の普及、そういったようなことから、河川、いわゆる淡水の取水量が減少しているという傾向が確かにあるわけでございますけれども、工業出荷額と水需要量との相関が狂ってきたのじゃないかということは確かに事実だろうと思います、そういった関係で。
 ただ、技術の進歩といったことからいきますと、回収率の向上ということが私どもといいますか、当初予測しておりました水需要の傾向から比べますと非常に前倒しに進歩をしたというふうなことが一つ考えられるわけでございまして、今後はその回収率の向上もある程度限度に来ているんじゃないか、これ以上回収率がどんどんまた上がるといいますか、向上するということは余り期待できないんじゃないか、考えられないんじゃないか、ほぼ限界に達してきているというふうにも考えられます。そういったこと、あるいは工業出荷額にいたしましても、今後ともやはり増大していくことは事実であろうというふうに思います。
 そういったことからいきますと、工業用水が一時的に減少はしておりますけれども、今後長期的な将来というものを考えますと、相当の量がやはり必要になってくるんではないか、そういうふうに考えられます。
 特に中京地域、特に先生お話しの三重県の木曾川下流部、河口部に関係いたしますような地域は特別でございますが、地盤沈下が非常にひどい地域でございますし、そういったものの地盤沈下を防ぐということの強化のためには、地下水から水を取っておりますのを川からの河川水に水源を切りかえるという必要もございます。渇水時に安定した取水が困難ないわゆる不安定取水といったものも地域的には少しございますし、そういったものの解消ということも必要でございます。そういうことからはやはり水資源開発は今後とも必要になるんではないか、そう思っておるところでございます。
#246
○江田五月君 水が第二の国鉄になるんじゃないかという心配はまさにそのあたりを心配してるんですね。長期的には需要はふえるんじゃないか、まあどういう数字に具体的に基づいてそういうことをおっしゃるのかですね。百年先には何とかなるだろうというようなことで、いまどかっと資本を投下して一体だれがその投下された資本を払うのかということですね。ちゃんとペイアブルなものであるのかどうかということを考えながらやっていかないと、何か将来を考えて、転ばぬ先のつえでやっていけばいいだろうということではもういけない時代が来ているんじゃないですかということです。
 あるいは地下水、地下水をくみ上げる、それでは困る、地盤が沈下しているから、だからこちらの水を使ってくださいよと。ところがなかなか企業というのは、そう簡単に水を持ってきたから、さあ使え、ただで使わしてくれるんならいいですよ。しかし一体幾らのお金で使わしてもらえるのかですね。日本はソ連のような、ああいう経済の国じゃないわけですから、これを使えといって押しつけるわけにはいかないわけですからね。この長良川の河口ぜきの関係では水の料金とかあるいは工事費とか、こういうものは一体どうお考えなんですか。
#247
○政府委員(川本正知君) 長良川の河口ぜきの総事業費が五十四年度の価格ではじいたものが約一千百七十億円というふうな総事業費になっておりますが、そういたしましたときの水の単価が、毎秒一トン当たりの単価で換算いたしますと、毎秒一トンの水を開発いたしますのに三十二億六千万円かかるというかっこうになっております。
 ただ、ほかのたとえば山の方に大きなダムを、いろいろ木曾川水系にも考えておりますが、そういったいわゆるダムと比べますとやはり河口ぜきの水の方がうんと安く生み出せるわけでございまして、たとえば、いま阿木川ダムというダムを施工しておりますけれども、これにつきましてはやはり九十億円を超える一トン当たりの開発単価ということになっておりまして、そういったことからいきますと、長良川河口ぜきの方がまだ割り安な水が生み出せるということでございます。
#248
○江田五月君 連絡の手違いだったと思いますけれども、しかし、局長、河口ぜきの問題というのはわりにいろいろ猜疑心を持って見ている人たちもたくさんいるんです。答えにくいから出てこなかったんじゃないかなんというふうに思われたらこれは非常に困る、私も困ります。いまピンチヒッターの皆さんに答えていただいておったんですが、長良川の河口ぜきの問題を引き合いに出しながら、一体水資源のことをこれからどう考えていくのか。先ほどのお答えですと、これから再検討すべく見直しの作業をやっているところだということですが、どうも木曾川水系についての水資源開発基本計画もかなり根本から変わってきている。その中でこの長良川河口ぜき、それは将来のことを着実に考えて計画的にとおっしゃるけれども、言葉だけで具体的な数値は全然わからない。毎秒二十二・五立方メーター取って愛知と三重に両方に渡して果たしてペイするのかどうか、この建設費は一体だれが払うことになるのか、料金は一体どのくらいになるのか、そういうことが全然わからなくて、しかもいま補償というものはどんどん上がっているわけですね。いろんなことの名目で補償を取ろうという、これも余りいい風潮じゃありませんけれども、そういうこともあって、そういう細かな配慮をしながらこういう事業をやっていかないと第二、第三の国鉄を幾らでもつくることになってしまうんで、どういう覚悟でこれに取り組まれていくのか。ほかにまだ環境上、安全の問題、承水路がどうだとか、しゅんせつがどうだとか、魚の問題がどうだとか、いろんな問題がありますが、ひとつ局長、これは見直していただけないですかね。
#249
○政府委員(高秀秀信君) おくれて参ってまことに申しわけございません。決して答弁を逃げたわけではございませんので、その点は御了承いただきたいと思います。
 いま先生お話のように、この中京地域といいますか、中部地域について、私どもは木曾川の水資源開発基本計画を昭和四十五年から六十年までというものをつくってやっておりまして、先般も御承知のとおり、先月の二十六日の閣議でこの木曾川の基本計画の一部改定をしたところでございます。
 本地域について申し上げますと、現在私どもが四十五年度より六十年というのは、前のいろんな経済情勢を勘案して需要がどのくらいあるであろうというようなものを推定をいたしております。その時点では毎秒約百二十一立方メーターぐらいの需要があるだろう。その中に河川局長から答弁があったと思いますが、長良川等の供給計画も含むわけでございますが、ただし、その時点では供給施設は約八十六立方メーターだけが施設として確定している。全体のバランスとしては毎秒約二十一立方メーターのものが施設として確定をいたしておりません。ただ、したがって、本地域全体としてはまだ水が足りない、供給施設が不足しているというような状態でございますが、個々の施設に対応しては、いま先生がお話しのようにいろんな問題がございますので、私ども先ほど申し上げましたように、基本計画は昭和六十年度末を目標にいたしておりますので、いま御審議をいただいております予算案にも当該地域につきます水需要その他の調査費を計上いたしまして、六十年度はすぐ来るわけでございますので、先生いまお話しのように、社会環境の変化に対応いたしましたような検討をするという段階になっております。
 ただ、人口とか工業出荷額は、先般も申し上げましたけれども、工業出荷額につきましても、大体計画より若干下回っている程度でございますけれども、ただ回収率で、たとえば工業用水について申し上げますと、私どもは、昭和六十年に六八%ぐらいになるだろうというのが、五十四年末でもう七七になってきているというような社会環境の変化もございますので、先ほど申し上げましたような調査をして改定の準備をするといいますか、そういうことをいたしているのが現段階でございます。
#250
○江田五月君 たとえば、ここに三重県が昭和五十五年二月にまとめられた「北勢地域における水需要予測調査」というのがあります。これで見ますと、長良川の河口ぜきからいただく水は、仮に工業出荷額の伸びを年率五・九五%として、昭和七十五年にやっと九万一千トン・パー・デー。五・九五%も一体工業出荷額が伸びるだろうかという問題がありまして、これが四・九五%を全国平均だとすると、長良川の河口ぜきからは要らないということを三重県の方では予測をしているというようなぐあいですから、ひとつ十分検討していただきたい。このせき本体は一体いつごろ着工されるんですか。何かもう決まっておるんですか、どうなんですか。
#251
○政府委員(川本正知君) 河口ぜきの建設につきましては、実は長良川河口ぜき、先生御承知かとは思いますけれども、これは利水だけの目的じゃございませんで、長良川の治水上もきわめて重要な施設でございまして、五十一年の九月に長良川大水害がございまして破堤事故まで起きた、またそれが現在、水害訴訟まで地元から起こされておるということもございます。そういった大事件があったわけでございますが、こういったことから治水を促進する必要があるわけでございますが、河口ぜきはその長良川のしゅんせつが可能になりますように、塩水の遡上の防止といったことからの治水上の目的もございます。それが一番大きな目的、大きなものだろうと思いますが、それとあわせて都市用水の供給をやるということでございます。そういう効果があるわけでございます。
 現在、河口ぜきの進捗状況でございますが、岐阜県知事さんから五十五年の九月にせき本体工事の着工に同意をしていただきました。それに基づいてこれから、これからといいますか、せき本体工事の着手に必要な漁業補償の交渉を現在進めておるところでございまして、五十四年九月までには三重県の桑名漁連、五つございますが、その漁連のうち四つの漁協について同意を得ましたけれども、なおまた同意は得られていない漁協もございまして、そういうことから、本体工事の着工の見通しがまだついていないということでございます。現在は、そのせきの本体の付帯的な工事でございます漏水対策の防止工事あるいは各輪中対策工事、そういったものを実施しておるところでございます。
#252
○江田五月君 さて、経済環境の大きな変化に伴って建設行政に対する国民のニーズというものも次第に変わってきているということを言いたいわけでありますが、建築物の安全ということも非常に重要な課題です。
 先般、ホテル・ニュージャパン火事で三十三人亡くなる。このホテル・ニュージャパンは建築基準法上の違反というものがあったわけです。あるいは、違反とまで言えなくても既存不適合という形での欠陥もあっただろうと思いますが、ちょっと時間が非常に少なくなりましたが、どういうものがあったか、簡単に教えていただけますか。
#253
○政府委員(豊蔵一君) ホテル・ニュージャパンにつきましては、去る三月の火災が発生いたしましてから、特定行政庁であります東京都の方が立入調査をいたしました結果、配管の区画貫通部の埋め戻しが不十分である、パイプシャフトの壁の欠損があるといった点につきまして、建築基準法の違反事項が判明したわけでございます。また、昭和五十四年の四月から施行いたしております建築物防災対策要綱に基づきまして、東京都の方がホテル・ニュージャパンにつきまして調査をいたしましたところ、非常時の照明装置あるいはまた防火区画等につきまして既存不適格といったような問題がありましたので、これらの問題につきましては同要綱に基づきまして、基準に従って非常時の照明対策を指示いたしまして、早期に改修計画書を提出させまして、防災改修を行うように指導しておったところでございます。この要綱に基づきます期限は、一応昭和五十九年の三月末ということになっておりましたが、その後五十五年の五月にホテル・ニュージャパンから東京都に対しまして、五十七年度中に実施するという報告があったところでございます。
 また、先ほど申し上げました建築基準法違反の事項が判明いたしましたものですから、東京都におきましては三月二日付で違反事項の是正完了まで二階以上の仮の使用禁止命令、また、後日是正の本命令を行う旨のあらかじめの通知を行いまして、これに従いまして三月十日付で違反事項の是正完了時までの二階以上の使用禁止命令、また、一階及び地階のメーンパイプシャフトの壁の欠損及びパイプシャフトの点検孔等の壁等の欠損の是正命令を行ったということでございます。
#254
○江田五月君 たとえば、いまのは配管の穴を完全に埋めておかなければいけないのが埋まっていなかったということですね、これは通常の確認申請をやって、確認をして、そして設計者に監理をさせる、そして完了して完了届けを得て完了検査をするということでわかるんですか、わからないんですか。
#255
○政府委員(豊蔵一君) このホテルにつきましては、昭和三十三年の三月から同三十九年の七月までにわたりまして数次にわたって確認を受け、建築あるいは増改築等を行って現在に至ったものでございます。ただいま御指摘ありましたように、確認を受けましてから竣工いたしました場合には完了届を提出し、また、その完了届を受けた建築主事は完了検査を行うということになっておるわけでございますが、完了検査のときにおきましては、外からその建物を見まして基準法に適合しておるかどうかという判断をするわけでございますので、ただいま申しましたような配管等につきましての区画貫通部の埋め戻しが不十分というのが、これがどの段階で行われたかわかりませんが、外から一見目視しただけではなかなか発見しにくい状況であったかと思います。
#256
○江田五月君 こういうホテル、大ぜいの者が本当にこう自分の身の安全を託してしまうような施設が、建築基準法適合性を実はだれも確認できないというようなことになっている。私はこれは法の欠陥じゃないかという気がするんです。つまり、どの建物も全部そうしろというようなことではありませんが、特に安全上必要な建物の場合は、もう時間が余りなくなってしまいますから、簡単に申し上げます。
 たとえば、いま工事監理者による監理の制度がありますけれども、これなども監理をさせる場合には一級建築士、二級建築士でなきゃならぬ。しかも、こういう建物については監理者を置かなきゃならぬという規定の立て方ではあるけれども、監理をきちんとしなきゃならぬ、監理の不行き届きがあった場合はこういう罰則がある、そういうような立て方になってないんですね。
 あるいはまた、中間検査というような制度もないわけじゃありませんが、しかし、これは特に何かの手段をとろうという場合に、その前提として中間検査ということがあるだけであって、ホテルのようなあるいは病院のようなものの場合には、このポイント、このポイント、このポイント、特に安全上必要な、しかも後からではわからないものについて、そのときどきで中間検査をするというようなことですね。あるいは完了検査についても、いま完了してから四日以内に完了届を出す。七日以内に完了検査をしなきゃならぬ。七日までに完了検査に来なかった場合には使用制限はもう解けちゃうわけですね。こういうことでいいのかどうかということについても、ひとつ建築基準法をしっかり安全という観点から見直さなきゃならぬじゃないかと思いますが、いかがですか。
#257
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、現在建築基準法の運用において中間検査というものを行っております。しかしながら、現在の法的な体系といたしましては、完了届を受け、これに基づきまして完了検査を行うというふうになっているわけでございます。
 ところで、建築物というものは、建築の当初から完成までいろいろな工程を経て行われるわけでございますので、その工事の各段階におきまして適正な工事が行われるように、建築士によりますところの十分な工事監理が絶対不可欠であるというふうに考えております。私どももこの建築士の工事監理というものをもっと強化充実するための方策につきまして現在検討中でございます。この建築士の行う工事監理の強化充実とあわせまして、私どもといたしましても必要に応じまして中間検査というもののあり方、これは法的な規定をも含めて検討したいというふうに考えているところでございます。
 また、完了検査が必ずしも十分行われていないというようなこともないとは言えませんので、これらの建築主事によりますところの執行体制の充実も考えなければいけませんが、また一面、関係各省との連絡会におきまして検査済み証を交付したものでないと、たとえば旅館業法等に基づく業の許可は行わないといったような関連を関係各省間で持ちまして、有機的になお実効の上がる措置をとるということで実施しているところでございます。
#258
○江田五月君 これは、いまおわかりになればお教えいただきたいんですが、ニュージャパンの場合に、三十三年の三月から三十九年の七月まで数次にわたって建築、増築等があった。その都度完了検査というものをきちんと、書面でなくて現場に赴いてやっていらっしゃったかどうか。それが完了検査に合格する前の使用というものはなかったかどうかですね。完了検査前の使用というのがあったんじゃないか。あるいは、完了検査もどうも書面だけだったんじゃないかという感じもするんですが、おわかりですか。
#259
○政府委員(豊蔵一君) これは、特定行政庁であります東京都におきまして実施したことでございますが、私どもが報告を受けております限りでは、各段階におきまして建築確認を受け、また完了検査も行ったというふうに聞いております。
#260
○江田五月君 いずれにしても、国民皆、非常にホテルというものの、もう泊まる方ではわからないわけですから、しっかり安全を確保してほしいという強い希望を持っているわけで、ひとつ遺漏なきようにお願いしたいと思います。
 さて、多少話が変わりますが、いまわが国の経済も非常に大きくなってきた。いろいろな要因から外国との間で貿易摩擦というものが起こってきておる。一方で、この建設業に関してひとつ海外に出ていって大いに注文をとってきて仕事をしなさいという、そのことがいいんじゃないかということも最近言われておりまして、私もたとえばアメリカあるいはEC、こういうところの日本との間の貿易摩擦というものとかなり趣を異にして、建設受注を海外に求めていくというようなことは、これからあるいはわが国の建設業にとって一つの進むべき道ではないかという気もいたします。
 これは、日本がどんどん出ていってとにかく荒らしてくるということでなくて、その現地へ行ってそこの資材を使い、あるいはそこの人たちに働いていただいて、日本の技術なりノウハウなりを移転していくというようなことでもあるし、南北問題解決なんて、いろいろありますけれども、日本経済が具体的に世界の経済ともっとうまくリンクしていくというようなことを考えますと、こういう海外受注ということをこれから考えていかなきゃならぬと思います。最近検討されているということでもあるし、それからこの予算を見ても、それほど多くないようですけれどもついてはおるようですが、どういうお考えでいるのかを伺っておきたいと思います。
#261
○政府委員(吉田公二君) わが国の建設産業の海外活動、これは先生御指摘のように、開発途上国におきます最も立ちおくれている経済社会の基盤施設の整備を進めるとか、雇用機会を創出するとか、あるいは建設技術というものを移転するとか、そういうことでその国の経済発展、民生の安定に大きく寄与する、また、わが国の建設産業自体にとっても安定的発展に資するものでございますので、今後とも大いに促進する必要があると基本的に考えております。
 わが国の海外建設活動は、従来東南アジアが中心でございましたけれども、石油を背景といたしまして中東諸国での受注というものも増大しておおりますので、急速な伸びを示してきておりまして、海外法人分と合わせますと、昭和五十四年度におきましては受注額は約六千二百億ぐらいまでいっておりました。これが昭和五十五年度におきましてはイラン・イラク紛争の影響もありまして若干減少いたしまして、約五千五百億円となっておりますが、本年度はまたこれがかなり伸びるというふうに見ております。
#262
○江田五月君 昨年の六月の十日ですか、建設省が通達を出して、業界に軍事施設の受注はしちゃいけないということを指導した、その指導を徹底させることになったということが報道されておりますが、今後とも軍事施設などに対する注文をとって、どんどん外に日本の建設業界が軍事施設をつくってくるというようなことは、これはやらさないお考えと伺っていいですか。
#263
○政府委員(吉田公二君) これはわが国の武器輸出三原則の線にのっとるわけでございまして、直接戦力に連なるような武器を製造する工場でございますとか、あるいはそれ自体が直ちに戦力になるような施設をつくるというようなことについては厳に戒めている、そういった工事については、わが国としては平和国家の立場からいたさせないということで、関係各省で一応そういう疑わしいものについてはチェックするシステムをつくっておりますので、そういう方針で進んでいるところでございます。
#264
○江田五月君 いまの点について、一体何が軍事施設かというのは確かにむずかしい問題がありましょうが、そういうむずかしいところへちょっと入るのはいま時間がありませんからやめておいて、軍事施設、直接戦争と結びつくような施設に対する受注はやめるという方向は将来とも堅持していくものであるのかどうか、これは大臣にも伺っておきたい。
 それからもう一つ、海外受注というようなことになりますと、これは建設省だけでやっていこうと思ってもなかなかいろんなむずかしい点がある。たとえば、外務省あるいは通産省、その縦割り行政の枠を越えた検討の体制を整えていく必要があるんじゃないかと思いますが、その点もひとつあわせて伺って、質問を終わります。
#265
○国務大臣(始関伊平君) お答えを申し上げます。
 建設業の海外進出の問題は、日本の建設業の立場からは非常におくれておった分野でございまして、今後とも推進してまいりたいとは思っておりますが、しかし、いま計画局長から申しましたように、これが軍事施設のようなものの受注は今日までも控えておりますし、またそれを各省の連絡会議でチェックいたしまして、今後ともそういう方針でまいりたいと思っております。
 なお、海外進出ということになりますと、外務省はもちろん、それから通産省等の関係もございますが、これらの各省と連絡をいたしまして、特に、たとえば保険とかなんとかいう問題になりますと、通産省あたりで持っておる制度が役に立つかもしれません。われわれが中心になりましてこれを一層推進してまいりたい、かように存じております。
#266
○宮之原貞光君 短い時間でございますが、一昨日に引き続きまして、奄美群島の振興開発の問題につきまして二点ほどこの機会にいろいろお聞きをしておきたいと思います。
 その一つは、奄美群島の道路整備の問題でございます。
 新奄振法の振興開発計画にもありますけれども、住民生活の広域化と輸送需要の増大に対処をし、開発効果の浸透と施設の高度利用が可能になるように各島々の中心地または港湾と各集落を結ぶ島内ネットワークを整備確立をし、住民生活圏の一体的形成を図るための道路の整備ということはきわめて重要なことであるわけでございます。その点、五十八号線を中心といたします主要地方道、一般地方道の改良、舗装等に今日まで鋭意努力をしていただきましたところの建設省なり国土庁の肩入れにつきましては、高く評価をいたしておるところでございます。特に、二月早々に群島内の一般地方道三線を主要地方道に指定をし、その整備に非常に力点を入れる姿勢を示していただいておる点は、群島民の等しく感謝をしておるところでございますが、そこで、道路の整備充実という立場から道路局長にお聞きをいたしたいと思うのでございます。
 同群島の基幹道路五十八号線を中心にしますところの今後の二次改築の整備のあり方について、まずその方針をお伺いをいたしたいと思います。
#267
○政府委員(渡辺修自君) お答えいたします。
 奄美本島の五十八号につきましては、延長が九十一キロメートルでございまして、先生御高承のとおり、五十六年度をもちまして一応一次改築を完了することになっております。しかしながら、奄美の道路整備の歴史的経過がございまして、まだ峠であるとかそういったところで幅が狭く、非常に交通の難所になっておる区間があるわけでございまして、本茶峠等がそれに該当するわけでございます。現在これを二次改築ということで整備を始めているところでございます。
 まず、本茶峠でございますが、これは名瀬市と奄美空港を結ぶという区間になるわけでございますが、昭和五十五年度より千五十五メートルのトンネルを含む本格的な二次改築事業に着手しております。五十六年度につきましては、改築関係の予算約十八億円余りの中で十二億円をこれに充てるというようなことで、大変重点を置きまして整備を進めているわけでございます。今後ともこの本茶峠の早期の開通を図るべく努力をしていきたいと思っております。
 その他の交通隆路区間でございますが、大規模な改築を必要とする区間といたしましては、名瀬市平田町から名瀬市朝戸間の朝戸峠というのがございます。それから、大島郡住用村東城から住用村西仲間に至る間の三太郎峠というのもございます。これらの区間につきましては、補助事業として実施いたしております国道でございますので、鹿児島県におきまして昭和五十六年度より調査に着手をいたしております。
 昭和五十七年度も県による調査が引き続き行われる予定でございますが、その内容といたしましては、交通量、概算事業費をもとにいたしました経済調査、それから三太郎峠につきましては、現在通っておりますところと別の谷を非常に長いトンネルで抜かなければいかぬというような事情がございますので、地質概査等の調査を行うという予定になっております。
 こういった両峠を、いつ、いかなるときに事業採択するかという点でございますが、県の調査検討の成果を見た上で、交通需要、事業規模、事業費、経済効果、それから本茶峠の例に見られるようないわゆる地域間の結びつき、こういったことを総合的に判断をいたしまして決定をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#268
○宮之原貞光君 もう少し具体的にお聞きしますが、いまもお話ありましたように、本茶トンネルの方はことしから本格的な掘削が始まるわけですね。そういたしますと、いまお答えいただきましたところの朝戸の問題、あるいは三太郎峠の問題は一応五十七年、五十八年と県で調査をして、本茶トンネルはいまのところでは六十年完成だと言われておりますね。その前年の五十九年あたりからの事業採択を行う段階で国自体でも調査をして、要すれば本茶の終わるところの段階でこの二つの峠のトンネルを同時に手がけたい、こういう御計画なんでしょうか。現地から見れば一番それが望ましいんですがね。その点ちょっとお聞かせいただきたい。
#269
○政府委員(渡辺修自君) 先の話でございますので、的確なお答えはいたしかねるわけでございますけれども、いまのような厳しい経済情勢でございますと、まだ両トンネルに同時にということはあるいはむずかしいかもしれないという気がするわけでございます。私どもとしては、先ほど申し上げましたように、これは県知事さんに管理をしていただいておる国道でございますので、国が直接調査をするということはございませんけれども、県の調査の中を十分検討さしていただきまして、どうするかという方針を県と御相談しながら決めていきたいというふうに思っておる次第でございます。
#270
○宮之原貞光君 そうすると、見通しとしてはいろいろな財政上の問題もこれあるので、本茶トンネルの完成するところの時期で、この朝戸トンネルあるいは三太郎峠のいずれかを事業採択して、一つから始めていきたいと。その場合に、交通需要ですか、言うならば経済効果ですね、それから事業規模、事業費、さらには本茶峠による地域間の結びつきということを総合的に判断をして、いずれかを決めたいという考え方だと理解してよろしゅうございますか。
#271
○政府委員(渡辺修自君) そのとおりでございます。
#272
○宮之原貞光君 そこでお聞きしますが、まだ十分な調査はできていないと思いますけれども、現段階で両者の交通量なり、あるいはまた事業規模、事業費というのはどれくらいだろうというふうに試算をされておりますですか、お聞かせをいただきたいと思います。
#273
○政府委員(渡辺修自君) 交通量につきましては、私ども三年ごとに交通情勢調査というのをいたしておるわけでございますが、奄美本島におきますこの周辺の観測点といたしましては、名瀬市の中に一点、それから大島郡住用村西仲間に一点ございます。そこで、この両トンネルはこの中間にあるわけでございますので、具体の数字をつかんでおるわけじゃございません。したがいまして、類推をしなければいけないわけでございますが、三太郎峠につきましてはおよそ十二時間交通量で八百五十台程度、朝戸峠では十二時間当たりおよそ千五百台程度と推測されるわけでございます。正確な交通量につきましては、県でやっておりますこの調査の中で明らかになると存じております。
 事業規模でございますが、まだこれも調査の継続中でございますのではっきり申せません。およそ三太郎峠で七十から八十億円ぐらい、朝戸峠でやや低目でございますが、六十ないし七十億円程度ではないかと推定をいたしております。
#274
○宮之原貞光君 現地なり県の資料を見ますと、確かに朝戸は大体千二百メーターぐらいの隧道になりますね。それから三太郎が二千五百ぐらいと言われていますから、算術計算でも大分事業量は違うのではないだろうかと思いますが、交通量ということもきわめて重要ですから、それは道路局長自体も御存じだと思いますけれども、三太郎峠を越えるやつはみんな朝戸を通る。しかしながらまた、朝戸のところは三太郎に行かないところの名瀬市の古見地区という一つの集落と申しますか、地区があるわけなんですね。これは私は名瀬市政の要覧からこう見ますと、古見地区は、人口は一九七一人、六百九十四世帯です、五十五年の五月一日現在。あるいは御承知のように、中学校一、小学校二、農耕地も、上流に大川ダムがあって、二百五ヘクタールの畑地がある。あるいは漁港もそこに一種漁港として、漁獲高は年々上がっておるわけでありますが、昨年度で一億四千万前後も上がっておるわけでございます。
 いま道路局長から類推だとお話いただいたように、当然両者には交通量も相当違っておるのではないだろうか、こう見ておるわけでありますが、いずれにいたしましても、先ほどの御答弁は、こういう交通量とか事業規模とか、あるいは本茶の地域間との結びつきということを考慮して、総合的に判断をするということに相なるのだと思いますが、これは私どもとしては、可能な限り現地は早く決めてもらいたいという御要望が強いのでございますが、そういうこと等を勘案いたしまして、大体五十八年の県の調査の終わった段階前後に最終的には事業採択を決められるというふうに判断しておいてよろしゅうございますか。
#275
○政府委員(渡辺修自君) そのように考えております。
#276
○宮之原貞光君 もう一つ道路関係でお聞きをしておきたいと思いますが、御承知のように、国道五十八号線が四十七年の四月に、沖縄の復帰みやげとしてここだけ切り離して決められたんです、全国的な国道の決められる時期でありませんでしたが。その当時の経緯をいま私振り返っておるんですが、実はこの問題について当時の沖縄委員会やら地方行政委員会でいろいろ議論をしたんです。当時道路局長はたしか高橋さんだったと思いますが、五十八号線は、沖縄の那覇市から沖縄本島北部の辺戸岬、それからずっと海上を通って鹿児島の桟橋から県庁までという、言うならば、海上がずっと長いという形の、根拠法は道路法五条一項の一のところを根拠にして設定したんだ、こういう説明があったわけです。当時私はその問題について、沖縄復帰という政治的な意味合いから見てもそれは結構でしょうと。しかしながら、本土と沖縄の間にたくさんの島々があるわけです。いま私が質問しておるところの奄美群島もありましょうし、それから種子島、屋久島という島々もあるわけですから、せっかく海上を走るというなら、それぞれの中間の島々をこの五十八号線が、当然その道路もその中に組み入れられてしかるべきじゃないか、こういうことを強く申し上げたことがあるんです。そのときに、建設大臣は西村さんでしたけれども、このことについては今後鋭意努力をする、こういう一つの経緯がございまして、それから二年後でしたか三年後でしたか、いわゆる種子島の五十八号線と大島本島の五十八号線が一応設定をされたわけなんです。
 しかし、それからすでに七年、八年も時が経過をしておる。交通量も、当時から見ますと著しく他の島々でも多くなっている。だとするならば、当然他の島々のいわゆる道路、特に主要地方道あたりはもう対象になってしかるべきだと思うのでございます。しかし、これは昨年皆さんは決定をされたから、またいま直ちにという形には相ならないわけだ。大体この周期を見ておると、七年前後ぐらいかかっておるわけです。私は、少なくても次の段階ではこれらの問題について、本土におけるところの交通量といういろんなものをしゃくし定規に当てはめるのじゃなくて、そういういろんな経緯の中から生まれてきたところの五十八号線ですから、そこには特別のこれらの問題に対するところの前向きの配慮というのがあってしかるべきじゃないだろうか、こう思うんですが、その点局長としてはどうお考えでしょうか。
#277
○政府委員(渡辺修自君) 五十八号につきましては、先生がいま御指摘になりましたとおり、道路法第五条第一項の規定を使いまして指定をいたしたものでございます。したがいまして、これは海上を通るので何ら差し支えはないわけでございますが、島々の結びつきであるとか、そういったことを勘案いたしまして、種子島、奄美本島というものがその後追加されたわけでございます。やはり国道として上陸をするということになりますと、その辺の具体の事情を勘案して判断する必要があろうかと思います。たまたま、いまのところその後の追加はいたしておりませんけれども、もし国道の追加をするチャンスがありましたときは、もちろん全国にわたりまして、さらにいろいろな観点から考慮する必要があろうかと思っております。何と申しますか、たとえば鹿児島本土との結びつきだけであるというようなところにつきましては、国道が特に立ち寄るという必然性が少ない場合もあろうかと思いますし、その辺は実情を十分調べなければいけないというふうに考えております。
#278
○宮之原貞光君 そこは余り、まだ五、六年先だから、もう少し積極的な意欲がなければそれは実現しませんよ。何も私は鹿児島との対比で言っているんじゃない。沖縄県庁と鹿児島県庁との間にできている道路でしょう。そうすれば当然そこの間の島々というのがその中に漸進的に組み入れられてこそ五十八号線の使命を達することができるんじゃありませんか。そういう見地から、私は積極的な対応を建設省はやらなきゃならぬと思うんです。この点所管大臣は国土庁長官ですが、これは奄美群島の振興発展の問題ですから。私は、これは建設省とのやりとりだというふうに皆さんのんびり構えられておったら困ると思うんです。あなたは振興開発にとって非常に責任のある人なんだから、その点どうですか、もっと積極的にこれは建設省にも働きかけることへの用意はございませんか、いかがでしょう。
#279
○国務大臣(松野幸泰君) かつて私は奄美に行きましたときに、奄美には国道が一本もないという陳情を受けたことがあるわけでございます。いまお説のような経過で国道があそこに一本できたということでございますが、その問題に対していろいろ御高説があったわけでございますが、私は全く同感でございますので、建設省によく積極的に呼びかけて御期待に沿うように努力いたします。
#280
○宮之原貞光君 ひとつ建設大臣、所管の大臣もそう言うんですが、いかがでしょうか。
#281
○国務大臣(始関伊平君) 奄美群島に属する島々を国道でつなぐという構想が私ちょっとよくのみ込めないんでございますが、賢明な道路局長もおりますので、重要度を考えて今後善処すると申しておりますから、局長の判断を尊重して、それに基づいて私ども努力をいたしたい、かように存じております。
#282
○宮之原貞光君 これは離島苦ということを御存じない皆さんにはびんときませんかもしれませんけれども、やはり一昨日の答弁じゃないですけれども、均衡ある国土の発展ということになりますと、本土と離島に差ができたんじゃこれは大変でございますから、ここのところはやはり今後五、六年、ずっと大臣おられるかどうかわかりませんけれども、いずれにしても次々の後任者に明確に、これは君宿題だぞと、ここのところは十分おっしゃっていただいて、御答弁のように実現さしていただきたいということを私この機会にお願い申し上げておきたいと思うんです。
 時間がありませんので、次に、水資源の問題について、今度国土庁の局長さんにお聞きしますが、実はこの問題は、五十四年三月の新奄振法の延長問題のときにも私、本委員会で強く指摘をしたんです。当時の佐藤地方振興局長は、五十五年度から県も全県の水資源開発計画を本格的に進めるようになっていますから今後に期待をしてくださいとか、あるいはまた、奄振法の条文の中にはないけれども、振興開発計画の中に水資源の確保という条項を入れたんですから請う御期待という答弁があったんですが、どうもその後の三年間を見ておりますと、事この水資源の開発という問題は進んでないんですが、これはどうなんですか。本当に進んでおるという御理解なんですか、どうですか。担当局長のちょっと答弁聞きたいんだけれどもね。
#283
○政府委員(柴田啓次君) いまお話がございましたように、奄美群島の振興開発計画におきまして、社会基盤の整備という章の中に水資源の確保というのを一項目立てまして、水資源の確保というものを大事な問題として考えているわけでございます。奄美群島は雨量こそかなり多いのでございますが、地形あるいは地質の問題がございまして、その水がなかなかに利用ができない。しかも主たる産業というのはサトウキビでございまして、そのサトウキビは生育をする際に大量に水が欲しい、こういうようなことでございまして、水の問題というのは大変大事な問題だと思うのでございます。特に昨年は非常な干ばつがございまして、たしか昨年の八月は徳之島のあたりでは一カ月に九ミリしか雨が降らなかった。私も枯れたサトウキビというのをずいぶん見せていただいたのでございますが、水資源の開発は非常に大事だと思うのでございます。
 いままで何をやってきたかと申しますと、土地改良事業の一環といたしまして、ダムをつくるというのをやっているわけでございます。たとえば大川ダムというのは五十五年に完成をしておりますし、それから徳之島におきましていま二つの大きなダムというのをやっておりまして、そのうちの神嶺ダムというのは間もなく完成に至る、こういうようなかっこうになっておるのでございます。いま一つは、ため池が奄美にはかなりございますが、かなり老朽化しておりますので、この老朽ため池の整備というのを進めているわけでございます。
 それから、やはり長期的には水源開発の調査ということが大事だと思うのでございます。その場合にやっぱり決め手になりますのは、地下水をどう利用するかという問題にかかってくるんではないかと思うのでございます。農林水産省の方におきましても、農林水産省の予算におきまして、地下水ダムの築造の可能性のある地点につきまして、五十四年度から一億余りの金をかけまして、五十八年を目標にして地下水ダムによる水資源開発基本計画を作成する予定で進めておりますし、それから県の単独事業といたしましても、水源開発の総合調査あるいは地下水ダムの開発調査というようなものをいま進めている段階でございます。恐らく五十七年度あるいは五十八年度の段階になりますればそれらの結果もまとまってくる。また、農林水産省の方の調査におきましても、地下水ダムにおきましてかなり有望だというようなところも出てまいっているわけでございます。こういうものを生かしまして地下水ダムというものを考える、それからもう一つはため池の整備というものをやっていく、そのような形で進めていくべきだというふうに考えているわけでございます。
#284
○宮之原貞光君 えらい局長には悪いんだけれども、私はあなたの答弁を聞いておって、先ほど読んできた三年前の議事録と全く同じなんですよ、これ残念ながら。あのときにもう大川ダムの話も出たし、徳之島の神嶺ダムの話も出ておるんですよ。それで、県で調査をします、地下水の資源の調査中でもありますと、全く同じなんです。三年間たっておるんですよ、これ。これはあなたの責任だとは言わないけれども、ちょっともう三年もたてば、あのときからこうなりましたというのを聞きたいんですよ、率直に申し上げて。だから勢い私もこれまた三年前のことを言わなければならぬ。あのときも申し上げたんです、たとえばサトウキビと水の話、あなたがおっしゃったとおりなんです。それで、昨年の干ばつもそのとおりなんです。御承知のように、奄美群島の中の徳之島は、それこそもう積極的な農地の整備が行われておるわけです。これが完成をしますと三千六百ヘクタールのサトウキビ畑ができるんです。ところがこれが完成しますと、これは本当にサトウキビの文字どおり生産量を上げようとするならば一千八十トンの水が必要なんだ。けれども、まだ神嶺ダムが放水されておらないだけに、まだ現実には十二あるところのダムだけれども、このダムが老朽化して使えない、あるいは小規模のためになかなか役に立たないということから百九十トン前後しか使ってないんです。言うならば、絶対量が足りないんです、これは徳之島の例。あるいは去年の干ばつから見ますと北大島の笠利の場合も同じですよ。空港におりてみるとずっときれいにやられておる。けれども肝心かなめの水があの辺は丘陵地帯だから全然ないんです。あるいは永良部、喜界、与謝にしてもサンゴ礁ですから文字どおり地下水の開発ができなければこれはだめなんです。それだからこそ水資源の開発ということは大事だと言ってあなた方は三年前の開発計画の中に組んだんでしょう。けれども、悪いことだけれども、全く同じ答弁ではこれは大臣いかがと思うんです。だって地下水の問題はもうすでに沖縄の宮古島で成功しておるわけでしょう。それならば調査調査で何年もじんぜんと日を過ごすことなく、積極的に一島でも取り入れてやっている、もういよいよ工事に着手しましたというのなら話はわかるんですけれども、これはいささかテンポが遅過ぎると思うんです。大臣いかがでしょう、これは私は局長に言うのは酷と思いますけれども、もう少し開発計画の中で非常に大事だと言うならば、そこにも金を向けてもらわなければ困るんです。ところが、率直に申し上げて港湾の予算が幾らあった、漁港の予算は幾らあった、道路が幾らあったということで終わっているんです。それも私は大事だと思うんですけれども、将来の産業の発展ということを考えるならば、向こうはキビ産業しかないわけですから、農業しか。うらはらの問題なんです、これ。それだけにきわめて大事だと思うのですがね。もっと、いかがでしょうか、積極的にこの問題に対処するところの決意はございませんか。それで私が一年後、二年後質問したときには今度はいいような答えが出てくるように、いかがでしょう。
#285
○国務大臣(松野幸泰君) 大変貴重な御意見を承りました。十分ひとつそういう三年前と同じような答弁をしないように調整に最善を尽くしますから、よろしくお願いします。
#286
○宮之原貞光君 時間が参りましたから多くは申し上げませんが、これは予算獲得だけじゃなくて現在の奄振法の中にも欠陥があるんですよ。沖縄の振興開発法は明確に事業目的の中に水資源の開発という事業目標があるのです。残念ながら奄美の振興開発法の中には何にもないのです。それをやかましく言うものだから、法律じゃなくて別の事業計画の中にあるだけなんです。だから予算折衝をするとこの問題は非常に弱いんです。奄振の中に水の問題についてあるのは、いわゆる水道法のあれは三条ですか、これにありますところの三条の三項ですね。簡易水道しか水の問題はないんです。そうすると、簡易水道はおかげさまで各部落もう徹底しておるのだ。だから皆さんの予算を見たって簡易水道予算というのはどんどん減らしておるでしょうが。もうそういう時代じゃないんです。まさにああいう離島も積極的に広域地域の水資源の開発をやらなければどうにもならぬところに来ておるのです。だから私はこれは申し上げておきますけれども、五十九年度の新しい奄振法を実施するときはどうするか。ここの中でもやはりこの法律の中身についても検討してもらう、同時に、もうそれを一歩越えなければならないところの事態にあるというところの認識を私は事務当局も大臣も十分持っていただいて最善の努力をしていただきたい、こういうことを心からひとつお訴え申し上げて、時間ですから終わりたいと思いますが、最後にそのお気持ちをお聞かせ願いたいのです。
#287
○国務大臣(松野幸泰君) 十分検討させていただきます。これは検討じゃなしに実行するように努力します。
#288
○宮之原貞光君 検討じゃなしに実現に努力してくださいよ。
#289
○委員長(吉田正雄君) これをもって昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省、国土庁及び北海道開発庁所管、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#290
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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