くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第096回国会 建設委員会 第6号
昭和五十七年四月十五日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     宮之原貞光君     松本 英一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田 正雄君
    理 事
                坂野 重信君
                谷川 寛三君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上 吉夫君
                井上  孝君
                岩崎 純三君
                植木 光教君
                堀内 俊夫君
                大木 正吾君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  松野 幸泰君
   政府委員
       国土庁土地局長  小笠原正男君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省都市局長  加瀬 正蔵君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田熊初太郎君
   説明員
       経済企画庁調整
       局財政金融課長  宮島 壯太君
       国税庁直税部法
       人税課長     渡部 祐資君
       国税庁直税部資
       産税課長     平北 直巳君
       林野庁林政部林
       産課長      三沢  毅君
       自治大臣官房地
       域政策課長    藤原 良一君
       自治省行政局行
       政課長      中島 忠能君
       自治省行政局選
       挙部政治資金課
       長        横田 英司君
       自治省税務局府
       県税課長     丸山 高満君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        大津留 温君
       住宅金融公庫理
       事        関口  洋君
       全国地方住宅供
       給公社等連合会
       副会長      千葉利兵衛君
       全国公社自治協
       連絡会代表幹事  市川  準君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政、国土行政及び北海道総合開発の基
 本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田正雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案の審査のため、審査期間中、住宅金融公庫の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、本日、全国地方住宅供給公社等連合会副会長千葉利兵衛君及び全国公社自治協連絡会代表幹事市川準君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(吉田正雄君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。始関建設大臣。
#6
○国務大臣(始関伊平君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来国民大衆の住宅建設に必要な資金等を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、住宅金融公庫の融資について、その効率化にも配慮しつつ、諸般の改善措置を講ずることが必要であると考えられます。
 この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された昭和五十七年度予算に盛り込まれている住宅金融公庫の業務に係る貸付制度の改善等に関して、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法に所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、その要旨を申し上げます。
 第一に、良質な宅地の供給を促進するため、宅地造成資金貸し付けの対象事業として、借地方式による宅地造成事業、特定土地区画整理事業以外の土地区画整理事業等を追加することといたしております。
 第二に、簡易耐火構造の住宅に一定の耐火性能を有する構造の住宅を加え、住宅金融公庫の貸付内容の充実を図ることといたしております。
 第三に、土地担保賃貸住宅資金貸し付けの対象建築物について、階数が三階以上とされている要件を緩和することといたしております。
 第四に、規模の大きい住宅に対する国民の要望にこたえ、良質な住宅の取得の促進を図るため、個人住宅資金貸し付けに係る貸付金について、住宅の規模に応じて異なった貸付金額及び利率で貸し付ける規模別貸付制度を導入することとし、これに伴い一定の規模の個人住宅に係る貸付金の利率の特例を設けることといたしております。
 第五に、個人住宅建設資金貸し付け及び賃貸住宅資金貸し付けの貸付金について、貸し付けの日から十年経過後においては、当初十年間の利率の上限とは異なる利率を上限とする段階金利制を導入することといたしております。
 なお、所得が低額であり、かつ、特に居住の安定を図る必要がある者については、貸し付け後十一年目以降においても、当初十年間における利率を適用することができるよう措置することといたしております。
 第六に、適切な住みかえを促進し、住宅の有効利用を図るため、既存住宅の購入に係る貸付金の利率を引き下げるとともに、貸付条件を法律で定めることといたしております。
 第七に、住宅積立郵便貯金の預金者に対する貸し付けについて、通常貸付分と割り増し貸付分とを分離して貸付金の利率を定めるとともに、みずから居住するため施設建築物内の住宅を購入する場合を貸し付けの対象に加えることといたしております。
 第八に、計画的な貯蓄による住宅または宅地の取得を推進するため、現行の宅地債券制度にかえて、住宅金融公庫住宅宅地債券制度を創設するとともに、債券引受者に対して割り増し貸し付け等を行うことといたしております。
 第九に、公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額を算定するに当たり、著しい建築物価の変動等が生じた場合において参酌すべき費用に関する規定を整備することといたしております。
 第十に、住宅金融公庫の昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度の特別損失について、後年度に国が交付金を交付して補てんすることといたしております。
 第十一に、これらの改正に伴い、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(吉田正雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 ここで、本法律案にあわせて、建設事業並びに建設諸計画に関する調査のうち、建設行政、国土行政及び北海道総合開発の基本施策に関する件を議題とし、質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○大木正吾君 最初に、きのう本会議で大臣に若干質問したんですが、抽象的な面も相当多かったわけですから、少しもうちょっと詳しく聞かせてもらいたい点が二、三点ございますので、そのことから始めさせてもらいます。
 一つは、住宅基本法の問題でございますけれども、衆議院の方でもこれは四月の九日に附帯決議がついておりまして、住宅基本法の制定問題については過去数年間にわたりましてこの委員会でずいぶん議論があったわけですが、
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
これについての準備状況なり、特に気になりますことは、こういった問題に対しまする臨調のいわゆるかかわり合い、この辺のことを配慮してああいうふうに答弁をはぐらかしているのかどうか、この辺のことについて少し事情を聞かせていただきたいんですが。
#9
○国務大臣(始関伊平君) 住宅基本法の問題はかねてからの懸案事項でございますが、いま御指摘のように臨時行政調査会との関係もございますが、それだけではございませんで、ただいま広範な範囲から検討を進める必要がございますし、もう少し住宅政策の根幹になりますような事項が相当程度固まってからでございませんと、基本法の中にどういう事項を取り入れるかということがはっきりしないというような点もございますので、臨時行政調査会の審議経過等も見守りながら広範な検討を行いまして、その上で諸方面との調整を行って法案の国会提案を行うように努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#10
○大木正吾君 心配なことは、やっぱりどう見ましても、世間的に言えば、臨調答申を受けました最近の福祉の後退等がございますから、臨調の方ばっかり目を向けていますと立法府が、国会が、一体何をやったらいいかわからなくなる。ですから、このこと自身はとっくの前からもう話があるわけですからね。どうなんですか、この臨調答申の雲行きを見るみたいなことをやめて、附帯決議ありますけれども、前の方針に基づいて基本方針でもっと早く出したらどうかと思うんですが、そういう考え方はありませんか。
#11
○政府委員(豊蔵一君) 私からちょっと経過等も踏まえまして御説明申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘がありましたように、住宅基本法案の問題につきましては従来住宅宅地審議会からの答申もございましたし、また、各党におかれても御提案のお話がありまして、私どもといたしましても、住宅政策の基本にかかわることでもございますので、私どもなりに具体的な成案を得るように努めてまいっておりますが、また、その内容につきましてはそれぞれにかなり幅の広い御意見がございます。そういったようなことにつきましても、広くコンセンサスを得まして国会に提案の運びにしたいものだということで、従来いろいろと検討を進めておったところでございますが、遺憾ながら現在までまだ十分な調整ができていない状況でございます。
 いまお話がありましたように、第二次臨時行政調査会でも、住宅、土地問題等につきましては重要な施策の問題として検討をされておられるとは聞いておりますが、そのこと自体またどのような御結論になるか私どもも承知しておりません。それも一応私どもは、やはり政府といたしまして方向が出ました場合それを尊重し、また検討の中に加えることは必要であろうかと思いますが、従来の長い経緯もございますので、総合的な立場の中で十分コンセンサスが得られるものをつくり上げることがまず第一に基本であると考えております。先ほど、衆議院の建設委員会におきましても附帯決議でその促進を図るよう決議されておるところでありますので、なお一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#12
○大木正吾君 二兆数千億円の税収欠陥が出ているという大変な財政状態の中でですから、いわば状況といいますか、住宅をつくる環境が経済面から見てよくなっているということは全くないわけだ。そうでしょう。そうすると、あなたがコンセンサス、コンセンサスと盛んにおっしゃるけれども、とにかく、いまから数年前の高成長、安定成長時代といまの状態はまことに違うんだ。そういったことを考えて、もう少しやっぱり――ぐらぐらしておったらいつまでたってもできないわけですから、そういったことをぜひ注文しておきたい。
 同時に、大臣に聞きたいんだけれども、住宅をつくるということは、本年度の公共事業の前倒し発注七五%ですね、前委員会で私が聞いたんだけれども、そのときに、七五%はすべての住宅とか治山治水、道路全部にかかわっての前倒したという話があったんだけれども、住宅はそういうことができますか。
#13
○国務大臣(始関伊平君) 公共事業の前倒しに住宅建設を含むかということでございますが、七五%以上の前倒しという場合の公共事業の中には含まないと理解しておりますけれども、と同時に、住宅建設に関する所要資金の手当て、これは財投などが主でございますが、年間を通じておりますので、これはお客さんが借りに来る限り極力、前倒しと申しますか、上半期から下期のことを考えずにどんどんやりまして、結果としてはいまお話のございましたような前倒しと同じような扱いにするということで政府部内の意思統一ができておるような次第でございます。
#14
○政府委員(豊蔵一君) ただいま大臣がお答え申し上げましたが、若干私から補足させていただきたいと思います。
 と申しますのは、大臣の御趣旨は、住宅金融公庫融資に係る事業、そういったようなものの取り扱いは一般的な公共事業の前倒しとは直接関係がないということでお話を申し上げたかと思います。
 住宅金融公庫は、御案内のように、国民の方々が住宅金融公庫を利用されましてみずからが建てられるというのが一般的な形でございますので、住宅金融公庫が自分で直接仕事をするわけではない。しかしながら、国民のニーズが非常に強まってまいりまして住宅金融公庫の利用者が非常にふえるというような状況でありますならば、それを十分踏まえまして上半期に相当程度の募集を行うように、そういったような対応をしていきたいというふうなことを考えているわけでございます。
 なお、公営住宅あるいは住宅・都市整備公団の住宅等につきましては、これは一般的に道路、河川等の公共事業と同様に、前倒しの執行の中に総合的に入れましてその進捗を図るように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#15
○大木正吾君 大体話はそういうことだと思いますが、この前質問したときに、ばっとすべてのことを含むというふうに答えられたから、そんなことができるはずはないと思っていたんだが、あのときは別の質問をやっておったから聞かなかったわけですが、いずれにしましても、百十五万戸ぐらいしか五十六年度もできていないわけですし、環境は全く変わってない。そうなりますと、相当これは本当に、後段で住宅局長が言った、要するに、公営住宅などに対する手当て、これもしかし、値段が高過ぎたら入り手はないわけだからね。そういう点も含めて考えてもらいたいと思うし、大体住宅政策を景気の調整弁にするなんということ自身が、公的な住宅の場合特に問題じゃないかと私は思っているんだ。その論争はきょうはやめておきますが、いずれにしてもそういうことについて十分に、要するに財投資金にしても、公営住宅にいたしましても、皆さん方がやっぱり住宅を建てる意欲がわくような形にならなければならないんで、そういうところについてきめ細かな行政を指導してもらいたいことが言いたい趣旨です。
 それから、大臣、ちょっとこれは私もこういう場で質問することを控えようと思ったんですが、前の斉藤建設大臣はこういうふうに言っておるんですよ。「国民が快的な生活を享受できる豊かな、住みよい国土を建設する」と言っておりまして、そして始関新大臣は、「安全で潤いのある国土環境を創造し、」と、この後がちょっと気になるんだけれども、「活力ある福祉社会を実現する」と、こう書いてあるんですね。これは官房長がつくったんだか知らぬけれども、この「活力ある福祉社会を実現する」とはどういうことを言っているのか、ひとつ説明してくれませんか。
#16
○政府委員(丸山良仁君) 「活力ある福祉社会を実現する」といいますのは、たとえば第二臨調の第一次答申のときにも、これからの政府の行政の目的は活力のある社会福祉を実現するようにすべきであるということを言われているわけでございますが、この意味は、やはり福祉社会を建設することはもちろん必要でございますけれども、その場合におきまして、単に社会保障だけで生活するというようなことはなくて、能力に応じて働く可能性ある方は働いていただけるような、そういう環境をつくっていくというようなことも含まれているのではないかと私は解釈しているわけでございます。
#17
○大木正吾君 そんなことはわかっているんだ。とにかくあなた、年金だけもらってぶらぶらしておったら早く死んじゃうんだからね、やっぱり仕事がほしい、これは当たりまえなんです。しかし、この意味はそんなものじゃないでしょう。要するに小さい政府に、ガバメントを小さくしていって、それ以外の財政とか一般の金融、経済力、そういったものを、もっと民間の力でもって日本を立て直す、こういう考えなんでしょう。現実にいまどうなっておるんですか、あなたは大蔵省じゃないから答えなくてもいいと言えばそれまでのことだけれども。二兆何千億円の税収減が起きそうなこと、それは大体聞いておるでしょう、おたくの方でも。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
#18
○政府委員(丸山良仁君) 本年度の税収が二兆円以上落ち込むというようなことは私は新聞で拝見しているわけでございますけれども、現在の経済情勢から見るとそのようなことになるんではないかと考えているわけでございます。したがいまして、そのような中にありましてこれからの建設行政を進めていくということになりますと、われわれの基本的な考え方は、やはり建設国債といわゆる赤字国債とはその性格を異にするものではないか、このように考えているわけでございまして、建設省の立場から申しますと、やはり税収を上げるためにも公共事業は三年連続の実質マイナスというようなことではなくて、ある程度の伸びを確保する必要がある。それによりまして税収も確保して、やはり福祉にも回せる、このような政策を講じていくべきではないかと考えているわけでございます。
#19
○大木正吾君 いまの意見、大臣どう考えますか。要するに、いま大分行革があるいは景気かという議論が財界にも政府の中にもあるわけだけれども、いま官房長は明確に、やっぱり景気の方をよくしていかなければ行革はできないという意味のことを言ったんですが、建設大臣の所見はどうですか、いまの意見に賛成ですか。
#20
○国務大臣(始関伊平君) この「活力ある福祉社会」の建設につきまして、私どもの方は国土の環境を整備するという意味からそういうことを促進しようと申しておるわけでございますが、その問題とやや違う立場からの問題と思いますが、いまのような景気の落ち込んだ状況のもとにおきましては、経済社会に活力を与えますためにも、やはり公共投資を拡大するということが住宅投資も含めまして大変重要でございますので、この問題につきましては、前倒しと同時にしかるべき時期に、下期において建設公債の発行、それに伴う補正予算を成立させるというようなことが必要になると思うわけでございまして、いま官房長の申しましたことは私も同感であります。
#21
○大木正吾君 建設省は、大蔵省なり臨調と違って景気優先策をとる、こういうふうに大臣と官房長の答弁から受けとめておきたいと思いますが、確認をする必要もないと思いますが、そういったことでよろしゅうございますね、いいですか。
#22
○政府委員(丸山良仁君) これはどこまでも建設省の意見でございますが、建設省の立場としてはいま申し上げたとおりでございます。
#23
○大木正吾君 それじゃ次に、個別の問題で別のことに入りますが、実は住宅五ヵ年計画につきましてですが、五十六年度から六十年度まで新しい計画で七百七十万戸というものがございますが、これは実際問題、私たちが見ていると、五十六年度も百十五万戸、その前の年も計画から少し落ち込んだと思うんですが、これの積算された根拠なり、あるいはこういったものをつくる経済見通しといいましょうか、あるいは世帯数の問題とか、人口の集中度合いだとか、そういった七百七十万戸ということを、まあめどといいましょうか、荒っぽい感じでもってつくったのか、何か根拠があってつくられたか、その辺のことを教えてくれませんか。
#24
○政府委員(豊蔵一君) 第四期の住宅建設五カ年計画を策定するに当たりましては、当然のことではございますが、将来の普通世帯の増加等の見通し、あるいはまた、建てかえ等を含めます減失等の住宅の補充、あるいはまた狭小、過密な住宅の解消、そういったような事柄の将来の動向を推計いたしまして、また、過去の第三期住宅建設五カ年計画の実施状況等を踏まえまして総数の計算をいたしたものでございます。
 その際、私どもは、昭和五十三年に住宅統計調査を実施しておりますので、それを基礎資料といたしまして、昭和五十四年度から昭和六十年度までの七カ年間におきまして必要な住宅建設戸数を千七十万戸と見込んだわけでございます。そのうち普通世帯の増加等によりますものは四百二十七万戸、空き家等の増加が六十五万戸、減失等の住宅の補充が五百七十八万戸、それが総計千七十万戸になりますが、五十四年度と五十五年度に建設されました戸数が約三百万戸でございましたので、五カ年計画といたしましては、これを差し引きまして総計七百七十万戸程度と見込んだものでございます。
 なお、第三期の五カ年計画におきましては、八百六十万戸を一応見込んで計画を進めてまいりましたが、その実績といたしましては七百七十万戸程度ということに相なっております。
#25
○大木正吾君 これは一昨年ぐらいからとみに住宅建設の戸数は予定をだんだん下回って、去年の五十六年度は大体十五万戸ぐらい下回っているように、まだ最終数字でないかもしれませんが、ことしも大体そういう傾向だろうと思うんです。その本当の理由については一体局長はどういうふうに見ておられますか、なぜこうなっているのかですね。
#26
○政府委員(豊蔵一君) 私ども、住宅建設が昭和五十五年度以来低迷を続けております原因といたしましては、端的に申し上げますと、住宅価格と国民の取得能力とに乖離が大きくなっておるということが最大の原因であろうかと思います。その要因といたしましては、地価の問題、建築費の問題、所得の問題、また住宅金融情勢、そういったような問題が内在をしていると考えております。また一方では、私どもが今後住宅の需要動向を考えます場合には、いわゆる戦後のベビーブーム世代の方々の世帯成長に伴う住みかえのニーズ、あるいはまた年齢の中高年齢化していきます状況における住宅のニーズ、そういったようなものを考えていかなければいかないわけでございますが、高度成長時期におきますような大規模な人口の大都市への流入というものがある程度安定化してまいっておりますところから、やはりいわゆる定住化傾向というようなものが見られております。定住化傾向の中では、一般的には借家から持ち家への住みかえといったようなことがあるわけでございますが、また一面におきましては、状況の悪い場合にはこの需要が潜在化するということも考えられるわけでございまして、そういったようなことを総合的に考えてみた場合に、トータルとしてのいま最初に申し上げましたような価格と取得能力とに最終的には帰着する、そういうところで最近は落ち込んでおるというふうに考えております。
#27
○大木正吾君 いまの大体理由を挙げた個別のことはほぼ私も同意見ですけれども、一番最大の土地の高騰が相当大きな理由でしょうけれども、取得能力の低下、要するに分譲価格なりあるいは売価と購買能力の乖離、これは急に直る状況にはないでしょう。いまの経済状況ですね。減税もやらないと言っているし、また新しくそれは三兆とか二兆とか、三年ぐらい続けて財政再建を延ばしていって、そしてその間に二兆ずつ減税でもしていって、卵を産むような状態になってきたときにはまた別かもしれませんけれども、いまのような要するに固定的な経費がどんどんふえていってしまいますとローンなんかおっかなくて手が出ないんですよ、実際には。そういったことになりますと、七百七十万戸計画それ自身過大じゃないか、見直すべきじゃないか、こういう感じがするんですが、あくまでも景気をよくするために七百七十万戸という数字は目標として置かなくちゃいけないのか、あるいはアフターケアして直すのか、その辺の見解はないですか。
#28
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十六年度を初年度といたします住宅建設五カ年計画のその最初の年度におきまして、いま申し上げましたような建設の戸数の落ち込みが見られておりますが、私どもの住宅建設五カ年計画で考えております目標は、いま申しましたような住宅の必要戸数の算定に基づきます総戸数の見込みも一つの目標でございますが、また一面、最低居住水準あるいは平均居住水準、あるいは住環境水準その他大都市、地方を通じますそれぞれの総合的な住宅、土地対策等につきまして、これを目標として政策的な方向を定めております。そういうことを考えますと、確かに初年度は落ち込んでおりまして、五十七年度もこの建設計画の目標から見ますとなお低い水準ということになろうかと思いますが、私どもといたしましては、この目標の線にできるだけ早く沿えるような施策をそれぞれの状況の中で的確に遂行していくことが必要であろうかというふうに考えておりますので、そういう意味での政策体系は維持し努力をするというふうにさせていただきたいと思っております。
#29
○大木正吾君 局長はそう言うけど、たとえば年間平均で、算術計算しますと七百七十万戸五年間ということは、年間に百五十万戸つくらなきゃいけないんですね。そうすると、もう五十六年度は過ぎたから百十五万戸と推定すればそこで三十九万戸計画が狂っているんですよ。ことしも百十五万戸になったら七十八万戸狂ってくるわけだ。毎年狂っていったら、こんなみっともない計画をあなた持っておられますか。だから、やっぱり新しいこういった状況等について、あなたが説明された中身は私もよくわかりますよ。世帯数の増加テンポの問題とか結婚の適齢期の方々が減ってきているとか、都市、地方の人口流動の問題とかわかりますし、特に最大問題はやっぱり取得能力との乖離の問題ですからね。私は三十九万戸落ち込んで、ことしも三十九万戸落ち込む、三年間には百万戸も落ち込んでしまったら、それは建設省の住宅政策についての国民の信頼はまさしく失われるといいましょうか、なくなってしまいますよ。ですから私は、早急にこういったものについては正直に、たとえば五カ年間は目標としてはこんなものだ、しかし実際にはこれぐらいしかできないという、そういった現実的なものを示してもらわぬと、国会で議論するにしましても余り空疎な、空虚な議論をさせることはやめてもらいたいんで、ぜひ五十七年度については関係局なり関係の委員の方々と相談されまして、ここ二年間ぐらい、これぐらいまで詰めていかなくちゃいけないと。総トータル的には百万戸ぐらい落ち込むかもしれないというような計画ですね、もっと整合性があって、説得のできる話をひとつつくり直してもらいたい。私は五カ年計画を全部直してもらいたいと思っているけども、それができなきゃ、とりあえずの問題として中期的にというか短期的にというか、二年なら二年間というものについて――現に五十六年は四十万戸ぐらい狂っちゃっているわけですからね。そういったことで必要性ということを指摘をしたいし、ぜひやってもらいたい、こう考えているんです。どうですか。
#30
○政府委員(豊蔵一君) 一つ私どもが住宅建設五カ年計画で計算しております七百七十万戸というのと、それから新設着工統計であらわれます数字との間には若干の漏れがございまして、御案内のように新設着工住宅統計というものは建築基準法に基づきます建築確認をしたもの、それが着工した数字として出てきたものを把握しておりますが、都市計画区域外の一般の個人化宅等は確認の手続が要らないことになっておりますし、また若干遺憾ながら必要な手続をとらないものもありますので、別途漏れ率の補正調査等を行っておりまして、大体六、七%程度の漏れがあるというようなことになっております。したがいまして、この七百七十万戸という数字を着工統計のベースに置き直して一応計算いたしますと、大体年間で言いますと百四十五万戸程度と見込むことになろうかと思います。しかし、いま先生からお話がありましたように、仮にそう見込んだといたしましても、五十六年度の三月はまだ出ておりませんが、多分一年間、年度を通じますと百十四万戸台といったようなことになろうかとも思われますが、そういったことを考えますと当初の見込みとは大幅に狂っているわけでございます。したがいまして、私どもは私どもに与えられた政策手段をできるだけフルに使わしていただきまして五十七年度の予算編成をさしていただきましたし、また一方、土地問題というのは非常に大きな要素でございますので、住宅、土地税制につきましても大幅な改正を行ってその供給を促進し、ひいては地価の安定を図るということを進めておるわけでございますが、今後の経済運営といったものが適切に運営されまして、所得も伸びてまいるというふうな政府の見通しでもございますので、何とか一〇・四%の対前年度比の住宅投資の増というものを図り、それを土台にいたしまして五十八年度以降安定した五カ年計画のベースに早く乗せたいというような気持ちで私ども努力しているところでございます。御指摘のように、当初から若干見込みが違っておりますいろんな客観情勢がございますが、できるだけそれらの情勢をわれわれなりに克服していきたいというふうに現在考えているところでございます。
#31
○大木正吾君 その六%程度の住宅の把握漏れといいましょうか、田舎へ行きゃ、でっかいそれこそ一千坪ぐらいある山林をならしちゃって、そして、君のところで一体この中の住宅としての届け出は何坪している、こう聞いたら、にやにや笑って大体五十坪ぐらい、こういう話が出てくるわけです。しかも、その山林をならしたところに住宅を新しく建てている。そういったところはもう登記も恐らくしないでしょうね。そういったもののあることは私らも大体の勘ではわかります。わかるけれども、やっぱり国家の経済計画の中の、しかも景気政策として皆さん方が位置づけてがんばっていて、百三十万戸ということが経企庁から出されて、おたくの方に相談がなかったわけじゃないわけだから、いまあなたがおっしゃったみたいに百十五万戸じゃなしに百四十万戸を超えていると思うんです、こう言うんだったら、もうちょっと企画庁の方と相談されて、住宅政策は百三十万戸でもって国家経済計画ができているんだから、予算の編成のもとになっているのは。そこのところを百四十万戸に直したらいいじゃないですか、直すべきでしょうが。そうしたらあなた、住宅政策を景気に絡ましていくこともないわけだ。
 私は資料として要求しますが、委員長、これはお願いしたいんですが、調査中とおっしゃるならば、六%程度の届け出漏れといいますか、そういったものについての資料を、そんなに急ぎませんけれども、調査過程で結構ですからぜひお届けいただきたい、こう考えて、この議論を終わらしておきます。
 さて、問題はその次なんですが、これはちょっと環境も違ってきて古くなってしまったかもしれませんが、「五十七年度予算のポイント」、「住宅局大幅に前進した住宅対策予算」というやつが建設月報に出てくるわけでございます。ずっとこう中身を読んでいくと、確かに量的には広がった感じはするんですが、国費でもって七千六百九十一億円、住宅金融公庫貸付戸数でプラス三万戸、農地所有者の貸出融資で三年延長とか、幾つか問題が出ています。しかし、これはこんなに大きな見出しを立てて力むほどの中身になっているんですか。本当にこれでもって住宅がよけいに、さっきの議論をもとに返して考えました場合に、百十五万戸、百二十万戸、百三十万戸、今年の経済計画見通しだけでも達成できるというふうに大臣並びに局長は考えているんですか。
#32
○政府委員(豊蔵一君) 五十七年度の住宅対策予算につきましては、たとえば住宅金融公庫の融資につきましての貸付戸数の増加とともに貸付限度額の引き上げ、中古住宅の金利の引き下げ、あるいはまた、財形融資にかかります利子補給制度を創設いたしましたこと等、相当の改善を行っておりますし、また、公団の賃貸住宅につきましては家賃回収コストの引き下げ、また、公営住宅等につきまして住宅の規模の引き上げ、建てかえ要件の緩和等の改善も行いました。また、最近特に課題となっております大都市地域の低質の木造賃貸住宅につきましての建てかえにつきまして、新たに国の補助制度を創設いたしまして、各般の住宅政策を進めるようにいたしておるところでございまして、私どもといたしましては、現在の厳しい財政状況の中で住宅対策につきましては相当思い切った手当てができたものというふうに考えております。もちろんこのことによって十分とは申しません。なお今後とも改善、充実強化の必要は感じておりますが、いわゆるゼロシーリングの中でこれだけの改善を行ったことは、建設省関係の予算の中でも特筆されるのではないかという気持ちを持っておるところでございます。
#33
○大木正吾君 まあそういうふうに説明されれば、べらっと言えばそういうことになるでしょうけれども、国費の住宅関係予算は結局二百億円減っていることはこれは間違いありませんね、どうですか。
#34
○政府委員(豊蔵一君) 住宅対策といたしましての国費につきましては、五十七年度は七千六百九十一億円余でございまして、これを対前年比の国費として見ました場合には、七十七億九千万円余の増加とはなっておるわけでございます。ただ、先生御指摘がありましたのは、このトータルの七十八億円程度の増加ということではなくて、たとえば公営住宅等については二百億円の国費の減少があるんじゃないかというような御指摘であろうかと思いますが、これはまだその事業の実施の中で何とかいろいろと工夫をいたしまして、おおむね前年度並みの事業が実施できるように努めておるところでございまして、また全体としましては、建設省の予算が対前年度比伸び率ゼロというところで、ささやかではありますが一%程度の伸びに国費としてはなっておるということでございます。
 また、先ほど申し上げました住宅金融公庫関係の予算につきましては、主として財投を使わしていただくというようなところから、直ちに……
#35
○大木正吾君 いや、財投はいい、後で聞くから。
#36
○政府委員(豊蔵一君) 一応国費につきましてはそういうことでございます。
#37
○大木正吾君 公団住宅、これは賃貸し関係ですが、これは一万戸から五千戸に減ったんですね。間違いありませんか。
#38
○政府委員(豊蔵一君) 住宅・都市整備公団の五十七年度の賃貸住宅は五千戸ということで、対前年比マイナスになっております。
#39
○大木正吾君 住宅金融公庫の五十四万戸、これが結果的には三万戸ふえているんですが、金利の値上げが前提となっていますね。これは間違いありませんね。金利が上がるんでしょう。
#40
○政府委員(豊蔵一君) 私どもが現在法案で提案いたして御審議をいただいております中で、十一年目以降につきましては当初の十年間と異なった金利とするということで、現在財投の資金の金利が七・三%でございますので、十一年目以降七・三%というふうに考えておりますが、そういう意味では金利が上がることになりますが、当初十年間につきましては従来どおりであるわけでございます。
#41
○大木正吾君 そういったことに加えて、段階金利制の導入とかいろんなことを並べて見ていきますと、苦心してというか、あるいは間口を広げたというか、そういったところはわかるんですけれども、実際問題として現在の住宅需要が落ち込んでいる問題に対する答えとしては、私はやっぱりポイントをずらしているというふうに感じられて仕方がないんです。要するに買い手がつかないわけだから。土地が坪それこそ三千円程度のところだったら仕事はないんだ。働く連中は仕事がない、私らの仲間はね。仕事がないところでもって土地がただ同然だから家を建てたって意味ないでしょう。そういったこと等を考えていきますと、これはずらっとこう並べてたくさん項目を挙げておりますけれども、段階制の金利の問題とか、あるいはこれに便乗して、これから参考人の方に聞こうと思っているんですが、賃貸しの家賃をどういう方法でもってここに突っ込んだか僕はわかりませんが、大臣の説明の第九項に当たるのかな、結局、家賃の問題につきまして値上げするような方向性の道を開いているわけですけれども、そういう点を見ていくと、これはこういうふうに「大幅に前進した住宅対策予算」とか、アメリカのレーガンだって、あんな赤字を抱えながら軍事費増強しながら元本は返せと、元本はね。利息は国で持とうと言っているんですよ。そういったこと等の関係からして、私はこんな大仰なことを書いてもらいたくもないし、同時に、その後の環境も経済状況も悪化しているわけですから、非常にことしの総合的な住宅政策なり予算については、国民に対する見方からしまして余り前進といいましょうか、従前と変わってない。むしろ、臨調答申を受けまして幅広にしたけれども、中身はほとんどもう住宅を建てようという意欲とか、少し金利を安くしようとか、金利を安くした分については、今度はけちくさくわざわざ十平米ぐらい切っているわけでしょう。あんなところを見ていると本当に腹立たしい気持ちがしてくるわけなんです。だからいまの経済状況なり生活状況というものについて、家を建てる方や、あるいは公団の住宅に低家賃でもって入っていただいている方々に対するもう少し気持ちの通った政策にしてもらいたかった。どうも臨調の方ばかり気にしている、こういう感じがしてなりませんが、そういった考え方はこの政策を並べた中の基礎にはないですか、あるでしょう。
#42
○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、現在置かれた財政状況の中でもかなり思い切ったことをお願いしたつもりでございます。
 たとえば、公団住宅につきましても、最近の物価の上昇あるいは地価の上昇等で、新しく供給されます住宅の家賃が高くなるというような問題がありますので、賃貸住宅の資金回収コストを一%引き下げることにいたしたわけでございますが、こういったようなことによりまして立地条件の改善であるとか、規模の増であるとか、あるいはまた家賃の低減ということも図れるというふうに考えておりますし、また居住水準という問題を考えました場合に、いわゆる木賃アパートと通称されておりますような住宅につきましては、最低居住水準未満の率が高いということも考えまして、またそこに、現実にわりといい場所に建っておる、また土地が現にありますので、そういった土地の高度利用を図り環境をよくするというような総合的な目的を持ちましての木造賃貸住宅建てかえ促進事業といったようなものを創設いたしましたが、これに対しまして新しく国が補助制度をしくということも、私は将来にとっては非常に大きな力になるのではないかというふうに考えているところでございます。
 また、現在の住みかえ状況等を見ますと、若い世代の方々は、たとえば中古マンション等がまず手に入りやすいというようなところから、これらにつきましての金利の引き下げも図っておりまして、これをまたこの法案に盛り込んで御審議をいただいているところでございますが、確かに、それでもってすべてがうまくいくかということになりますと、長い時間を要するものもありますし、また、公庫の融資はしょせん融資でございまして、取得能力の補完という役割りであろうかと思いますので、やはり根幹となります地価の問題、所得の問題等がそれぞれの施策が総合的に行われることによって十分円滑に取得能力へのプラスに働くということと関連して私どもができる範囲でこのような政策をお願いしているというところでございます。
#43
○大木正吾君 いずれにしても、日本という国は土地が資産だし、同時に戦後、住宅問題ということを非常に軽視をしながら、民間の市場関係でもってやってきてしまったから、いまさらなかなかむずかしいかもしれません。
 ちょっと話題を変えまして、きょう実は市川さんと千葉さんに参考人としておいでいただいていますんで話題が変わりますが、家賃問題について、この中の三十五条絡みの問題でございますけれども、ちょっとお尋ねいたしますが、冒頭に、千葉さんと市川さんに対して、忙しい中を御出席いただきまして感謝申し上げております。ありがとうございました。
 そこで、建設省に伺いますが、今回の改正によりますと、推定再建築費をもとに算定することとしておりますが、公社住宅家賃は公庫資金を利用しておりまして、その償還のため用地取得費まで家賃に算入しておりまして、厳密な個別原価家賃のはずで、これ間違いありませんね、ここのところは。考え方ですが。
#44
○政府委員(豊蔵一君) 現在の住宅金融公庫法の体系で限度額を定められておりますが、その限度額の算定の方式につきましては、ただいま御指摘がありましたように、土地の取得費につきましても公庫融資を受けております範囲内におきましては、それらの取得費を公庫に返済するというような関係上、これらも償却の費用の中に含むということになっているところでございます。
 また、そのことは個別家賃主義ということかどうかということでございますが、基本としては個別の家賃計算方式であろうかと思いますが、現行の法制上におきましても、住宅相互間におきますところの均衡というものが必要である場合には、部分的には個別採算主義の例外が認められているということでございます。
#45
○大木正吾君 要するに、借りた以外の金を家賃で取るということをしようとすれば、入居者との約束については、これは違反ということになりませんですか、どうですか。
#46
○政府委員(豊蔵一君) ちょっと私聞きそびれまして失礼いたしましたが、この三十五条のルールというものを変えることが入居者の方とのお約束に違反するということではないんであろうかと思っております。
 と申しますのは、三十五条の規定は、せっかく国の政策融資といたしましての公庫の資金を利用された賃貸住宅の管理主体に対しましては、一定のルールに従った限度額というものを設けまして、その限度額以上に取ってはいけないというような規定でございますので、それ以内におきましてそれぞれの具体の家賃というものは管理主体が定められるということになっておりますので、直接に関係がないということであり、また、国の施策の体系としての一つのルールであるということであろうかと思いますので、一応御理解を賜りたいと思います。
#47
○大木正吾君 ことしの一月の十一日に、東京、神奈川、大阪などの六都道府県で構成している公社住宅管理連絡協議会があなたに対して出した要望書ですね、これは現行法の施行規則部分の改定を求めているということになるわけですか、どうなんですか。
#48
○政府委員(豊蔵一君) ただいまちょっとその文書を手元に持っておりませんが、関係の公社の方方から現在の公社関係の賃貸住宅の家賃算定のいわばルールと申しますか、私どもの方の限度額の仕組みが必ずしも物価の変動等に対応した実態になっていないので、そういったような点について是正をしてほしいという趣旨であったかと思います。私どもはそれを検討いたしまして、またほかの公営住宅その他とも比較考量いたしまして、この三十五条につきまして、ある程度の一定の範囲内での限度額の算定の方法につきまして、変更をすることができるような規定をお願いすることが一番いいんじゃないかということで法案にお願いをしている次第でございます。
#49
○大木正吾君 推定再建築費という考え方は一体どういう根拠で、どういう資料で、どういう材料でもって推定するんですか。
#50
○政府委員(豊蔵一君) この推定再建築費の考え方につきましては、基本的には公営住宅法がございまして、公営住宅法に基づきまして、一定の物価の変動等がありました場合の住宅の推定再建築費というものを計算いたしまして、また、もちろんその推定再建築費そのものが家賃等に直ちにはね返るような仕組みではございませんで、その推定再建築費をもとにいたしまして、その差額について三分の一程度をとりましたものをいわば公営住宅の家賃変更に当たりましての限度額の率ということに現在いたしております。これは従来とも長く住宅宅地審議会の御審議を経て毎年定めておるところでございます。いまの御質問の具体的な方策といたしましては、この公営住宅法によりますところの限度額の算定方法といったようなものを一応基本として考えていきたいと思っております。
#51
○大木正吾君 結局、新しい三十五条に関連しましてどんな規則を――ここに手元にはないんですが――つくろうとされているわけですか、原文があったらそこで読んでください。
#52
○政府委員(豊蔵一君) 私どもが考えております新しい公庫法第三十五条第三項で考えております主務省令で定める基準といたしましては、住宅が建設されました後の建築物価の変動等により建設費が著しく上昇した場合のその住宅の経過年数といったものを頭に考えて定めたいと思っております。
 その際、現在の考え方は、著しくというのは、おおむね建築費が五〇%以上上昇したような場合を想定をいたしたいというふうに考えているところでございます。
 そういう場合に、三十五条の二項で限度額の算定方式が定められておりますが、いま申しましたような場合におきましては、その計算につきましての方式を、ただいま申しました公営住宅等で考えておりますようなルールを導入をさしていただきたいというふうに考えているところでございます。
#53
○大木正吾君 そういうものをわざわざつくらなければ、値上げが一切できないということに現在はなっているんですか。
#54
○政府委員(豊蔵一君) 現在の公庫法の規定によりましても、この限度額の計算方式の中におきますところの修繕費であるとか公租公課といったようなものにつきましては、必要な範囲内で推定再建築費をもとにいたしました一定の率によりましてこれを計算するということができることになっておりますので、その範囲内においては改定ができることになっております。
#55
○大木正吾君 そこで、これは千葉さんにちょっとお伺いいたしたいんですけれども、現行法でも家賃の値上げができることになっていると思うんです。たとえば東京の場合ですと、修繕費関係は黒字で、管理費が若干の赤字になっているというふうに都議会関係の方々からちょっと伺っているんですが、現行法によって家賃値上げについて入居者と話し合いなどの努力はされたと思うんですが、されてこなかったわけですか、されたのですか、その辺のことについて少し実情を述べてみてくれませんか。
#56
○参考人(千葉利兵衛君) 公社の賃貸住宅の家賃につきましては、公営住宅とか公団住宅に比べまして家賃に係る規定の整備が不十分でございまして、公営には家賃の変更という規定が公営法にはありまして、それから公団も施行規則で家賃の変更に係る規定がございます。また、物価上昇等経済事情の変動に的確に対応できませんので、一つは公社賃貸住宅の相互間の家賃が相当不均衡になっております。
 それから二番目は、公営住宅家賃の方がわが社の賃貸住宅よりも下回る状況が生じております。
 それからもう一つは、社会資産としての公社住宅を適切に維持するための計画修繕費とか、法令の改正に要する設備改善とか環境整備費用が現状の家賃のままでは著しく不足していることから、公社連合といたしましては国に対しまして制度改正を要請中でありました。
 ところで、いろいろ制度がはっきりするまでは関係機関との協議をわれわれは行ってこなかったんでございますが、具体的に制度が固まりますれば、家賃の改定の際に――先ほど公社より公営が下と言いましたが、公営が上でございます。それで、具体的家賃の改定の際には入居者の代表の方の意見を聞く予定にしておりましたので、現在のところ話し合いをしておりません。
 以上です。
#57
○大木正吾君 話し合いしていないんですか。それは後でまた伺いますが、ついでに市川さんに伺いますけれども、公社住宅の自治協連絡会の代表としてきょうおいでいただいたんですが、いま建設省、連合会から改定の趣旨と必要性について若干意見が出ましたけれども、市川さん御自身はこういった問題についてどういうふうにお考えですか、一般的な問題でまず伺っておきます。
#58
○参考人(市川準君) 御質問にお答え申し上げる前に、住宅金融公庫法の第三十五条の改定に関する国会での御審議の場におきまして、私ども全国の地方住宅供給公社の住宅の入居者に意見を申し述べさせていただく機会を与えられましたことを、まず厚く御礼申し上げます。
 なお、御審議に当たっては、昨日の新聞報道によりますと、当参議院の徳永議長が中国の故朱徳未亡人に説明された、衆議院はとかく数で勝負しようとするが、参議院は理に徹して審議しますというふうに議長がおっしゃられたのを私、読みまして非常に感銘を受けまして、ここで理に徹した御審議をまず入居者代表として切にお願いして、答弁に入りたいと思います。
 さて、御質問の件でございますが、まず第一に、昨年の八月に出されましたいわゆる家賃答申につきましては、私たち公社住宅居住者は実はあの時点でびっくりしたわけでございます。というのは、昭和二十五年に制定された住宅金融公庫法や昭和四十年に制定された地方住宅供給公社法に何だかよくわからないが法律上の不備があると指摘されている。私どもが承っているわが国の中央官庁の官僚の方々は非常に優秀で、そういう方々がつくられた法に不備があったり、それが非常に長い間不備のまま気がつかれないでいたりというようなことが指摘されたということは、国民としてびっくりしたわけでございます。しかし、率直に言って私たちは、そんな不備があったなんということはないはずだと思っているんです。だから、いままでは何ら支障なく運用されてきた法律であることは間違いないんで、不備なんかないんだけれども、全然別の理由できっと何か都合が悪くなったんじゃないか、そういうわけで改定したいというふうに建設省さんがおっしゃっているんではないかというのがこれは庶民感情でございます。つまり、従来のままなら、家賃の構成のうち変更を必要とする部分は物価変動に合わせてスライドができるようになっている。それから物価変動とは全く無関係な金融公庫その他への償還に充てる元本は、変更させる必要がないから変更しないように決めてあるというだけで、非常にあたりまえの規定になっているということだと私どもは理解しております。それを今回の第三十五条の改定は元本まで変更できるようにしようとしているわけで、私たちにはどうしてもそうしなきゃいけない理由、その妥当性が理解できません。仮にこの改定が成立したとすれば、私たちの家賃から剰余金を生むことになります。公社住宅の持つ公共住宅としての役割りも含めて、地方住宅供給公社の性格を変えてしまうことになり、大変なことだと居住者としては受けとめております。
 第二に、私たち居住者は従来から、理由のいかんを問わず家賃値上げ絶対反対というようなことは一度も主張したことがございません。現在のままの改定前の三十五条と、関連する公庫法の施行規則の第十一条及び地方住宅供給公社法の施行規則の第十六条を適用すれば、必要な家賃変更は居住者の合意さえあれば可能なようになっている。つまり、公社の職員の方々の給与に充てる分とか、私ども住まわせていただいている住宅の修繕費とか、あるいは公租公課などに充てる分はそれに見合って変更できるようになっている。われわれはそれに対してやみくもに何でもかんでも反対というようなことは一遍も言ってない。第一それが前回の値上げをしたときの理由だったはずです。しかも、その理由は唯一の理由だったはずです。
 私どもとしては、第三に、建設省がおっしゃっておられる値上げ分の使途について重大な関心を持っております。住宅の計画修繕等に充てる分という御説明がありましたけれども、団地別にその修繕計画を明らかにした上で現行家賃では不足するということが具体的な資料で示され、居住者がもし納得できるなら、現行の三十五条のままで話し合いによる家賃変更ができるはずで、法律を改定する理由にはこれはならないというふうに私どもは考えております。また、建設省は、既存住宅の家賃の値上げ分を新規住宅の高家賃の抑制に回したいという意向もお持ちのようですけれども、住宅に困窮する勤労者が自分の賃借している住宅の建設費を含む事業費の全額を完済しながら、なおかつさらに、他の人の住む新規住宅の経費を負担しなきゃならないということにどのような社会的妥当性があるのか、私どもにはどうしても納得ができないわけでございます。
 また、推定再建築費という考え方の導入についてでございますが、前回の値上げのときのように、家賃の中の維持修繕費にのみ適用するということであれば、その数字の根拠さえ確かならわれわれ納得できないものではありません。しかし、元本である建物の建設費にまで適用するということはとうてい納得できません。なぜなら、全くいま新しく建てたとしたときの計算で家賃を払いながら、もとどおりの古い家に住むということになってしまって矛盾だからです。特に公共住宅として許されることではない、かように私どもは考えております。
 また、建設省がおっしゃる限度額という言い方でございますが、私どもにはその説明は納得できない。なぜならば、前回の値上げのときに、東京の例で言うならば、東京の公社の担当理事の方は、これ以上上げたいんだけれども、これ以上上げちゃいけないという額を建設省に抑えられているのでここまでしか上げられない額だというふうにこの限度額という言葉を使われたんです。先ほど建設省がおっしゃるように、それが一番上で、だからその途中で家賃を決めるべき一番上の数字を言っているんだという数字であるにもかかわらず、各公社は実際に適用するときには、もうちょっと上げたいんだけれども、これ以上上げてはしかられるのでここまでしか上げられない、限度という意味はそういう意味だというふうに前回使われているので、限度額だからそこまで上がるわけではないという説明には納得いたしかねます。
 以上でございます。
#59
○大木正吾君 どうも両参考人ありがとうございました。
 そこで、建設省に話を戻しますが、特にいまの市川参考人の御意見に対しまして、住宅局長、たとえば値上げの使途をそういったものの中に、修繕費など以外に新しい建てるものに対する費用まで含んでいるのか、限度額というものを決めるということはある意味ではこれはカルテルみたいなものでして、結局そこまで上げてもいいんだよと、こうなってしまうのが世の中の趨勢です、経済関係では。ですから、いまの市川参考人の述べられた中で、要するに元本までのことを、少し物価がその後ずっと上がってきているから二十年バックして上げていくという問題と、三つほど問題点が出ているんですが、それについての住宅局長の説明をひとつしてみてくれませんか、わかるように説明してください。
#60
○政府委員(豊蔵一君) 現在の公庫法の三十五条の規定に基づきます基本的な限度額の考え方は、当初の建築費を基準といたしまして一定の方式で算定されました償却費及びこれに必要な修繕費、管理費、公租公課等を積算いたしましてトータルとしての限度額を定めているわけでございますが、住宅が建設されましてから相当の年数がたちますと、物価の変動等によりまして新旧の住宅の家賃のアンバランスというものもかなり大きくなっていることも事実でございます。そういったような場合には、公営住宅なりあるいは公団住宅におきましてもある程度の物価スライドに対応いたしました家賃の変更というものが行われているわけでございますが、公庫の融資に係ります賃貸住宅につきましては、いま申しましたような当初の建築費というようなことになっておりますことが基本でございますので、そのような物価の変動に対応したものになっておらない。また、家賃というものがやはりその住宅の使用の対価であるというようなことを考えた場合には、おのずからなるある一定の変更というものがあってもよかろうというふうに考えているわけでございます。
 ところで、公社等の実情等を伺いますと、現在の限度額の算定方式でまいりますと一般的な日常の維持修繕は何とかなりますが、ある一定年数を経過いたしますと大規模な修繕というものも必要になってまいりますし、また、住宅団地が古いような場合には設備というものも当然更新を必要としております。また、団地内のいろいろな自転車置き場、集会所等々の環境の整備ということも必要になっておりますが、そういったようなこともままならないというようなことでございます。したがいまして、そういった是正をするというようなことが昨年の八月の住宅宅地審議会の答申からもいろいろと指摘をされておるわけでございます。ただその際、推定再建築費といいましても私どもが考えております方式、あるいはまた現在公営住宅でやっております方式は、推定再建築費、すなわち当該住宅を全く新規にいま新しく建設するとした場合にかかるであろう費用そのもの全部を基本とするのではございませんで、公営住宅によりますれば、その差額の三分の一程度を考えてそれを償却するものとして計算したものといたしております。そういったようなことによって十分バランスがとれることにもなっております。
 また、当然のことではございますが、現在入居していらっしゃる方々につきまして推定再建築費による公営住宅方式の計算をいたしたといたしましても、場合によりましては相当大幅な計算上の上昇ということになる可能性がありますが、それにつきましては当然、激変緩和措置というものを講ずるように指導してまいりたいと思っております。当然これは、私どもの申し上げておりますのは、公庫法につきましては限度額ということで一つの上限を決めておりますが、また、公社の賃貸住宅につきましては公社法に基づく一つの家賃の算定基準が定められます。また、設立団体との関係におきましていろいろな助成も受けているところがございます。当分そういったような施策に基づきます処置、それは当然のことでございますが、家賃の算定に当たりまして反映されるものでもあろうかというふうに考えております。
 また、その使途につきましては、現在私の考えておりますのは、いまさっき申し上げましたような計画修繕、団地の環境改善あるいはまた設備の改善、そういったようなものに充てることを考えておるわけでございますが、具体的にはその使途は各関係の管理主体が定められることになろうかと思っております。
#61
○大木正吾君 住宅局長、住宅供給公社の土地は借地なんですか、それとも買い上げているわけですか、どっちなんです。
#62
○政府委員(豊蔵一君) これは具体的にはいろいろあろうかと思いますが、一般的には最近の傾向で見ますと借地方式ということはなかなか少のうございまして、買い上げによりましてその上に賃貸住宅を建てるというケースが多いと考えております。
#63
○大木正吾君 これは本当にあなたの話を聞いていると、まさしく公営と公社の関係のバランスの問題とか、あるいは周辺の、たとえば大規模修繕とか環境整備とか、そういう話は修繕費その他のときに入っている方と話をしたらいいわけですよ、こういうものを新しくつくりますよと。しかし、私がどうしてもわからぬのは、この土地がたとえば二十年前の土地だったら、東京の場合で、恐らく大体二、三十万で三鷹とかあの辺の場合には買えたかもしれません。しかし、土地は別にそこに入っている方々に対してメリットを与えてないです。ただ住んでいるだけなんですね。個人の持ち家でもそうでしょう。二十年ローンでもって借りて、返済すれば返済した分はもうなくなってしまう。しかし、土地は値上がりしていましても、住んで働いているだけのメリットしかないわけで、通勤時間が若干遠いか近いかだけでしょう。そういったものに対しまして二十年もさかのぼって、いわば元本ですね、要するに元本の中の土地は相当大きな部分ですからね、そこまで含めて見直しをする、限度額の一つの参考にする、そういう物の考え方は妥当性が一体あるんですか、ないんですか。これは一体どうなんですか。
#64
○政府委員(豊蔵一君) 現在公庫法の改正でお願いしております考え方は、土地につきましては再評価的なことをしない、建築費につきましてのみ物価の変動が著しいような場合にある程度の再計算ができるというようなことでこの法案はお願いしております。したがいまして、簡単に言いますと、建築費だけの上昇の度合い、そういうものを考えましてある程度の限度額というものの計算方係式を考えるということでございます。
#65
○大木正吾君 建築費とあなたがおっしゃるんだったら、建築費というのは二十年たった家と新しい家とではこれは違ってくるわけですけれども、しかし、逆に言うと古いものは表を少し修繕なんかしてかっこうだけつけておりますけれども、内装の、中の使い方の便利さとか、あるいは老朽さという問題については、まさか二十年前のものが新しい柱になるわけじゃないですからね。そういったことは詭弁ですよ、これはどう考えたって。やっぱり本音ということは、結局公社、公営の家賃のばらつきが起きてきているから、それとの対比で新しい方は少しよけいに払っていただかなければならぬという問題もありましょうから、そういったものを利用しながら、いわば、限度額ですからね、限度額をつくることは一つのカルテルみたいなもんだから、そこまで持っていってもいいんだよという強権的なものだ。私はこう考えるんですよ、社会的に、やっぱり慣行的な面といたしましてね。公社が当然その限度額でもってやってきますよ。それは後で答えてもらいます。
 そこでもって千葉さんにもう一遍伺いますが、これは東京の場合でございますけれども、都議会でもってこういうことがありましたか、百二十億ぐらい供給公社の方で余裕金ができたので東京都の方に返してほしいというんですか、あるいは入れてほしいといいますか、そういったことがあったかどうか。これは御承知だと思うんですが、どうですか。
#66
○参考人(千葉利兵衛君) 私の方は、用地を売りまして百八十億ばかり金が入ってまいりましたので、そのうちの百二十億を、都から財政上の問題もあるのでという要請がありましたので、資金繰りの問題でございますので、資金繰りの面では一応支障がございませんでしたので借入金の一部をお返ししましたという状況でございます。
#67
○大木正吾君 ということは、結果的には、東京都の場合には特別いま赤字が出ているということではないわけですね。
#68
○参考人(千葉利兵衛君) 公社の方は、特に赤字という……、全体的には収支とんとんということになっております。
#69
○大木正吾君 わかりました。
 もう一つ伺っておきたいのは、これは両参考人にお伺いしますが、五十一年に家賃の値上げをたしかやられたはずでございますけれども、その際の供給公社側と市川さんの方とのお話し合いの経過なり結果について双方から簡単に事情を御報告願えませんか。
#70
○参考人(市川準君) 簡単に経過ということでございますので申し述べさしていただきたいと思います。
 まず、前回の値上げについては、私ども、実はきょうは全国公社自治協連絡会の代表ということで呼んでいただいたわけでございますが、あわせて私、東京の事情で申し上げますと、東京の公社自治協というものが、現在はありますが、当時は実はそういう組織はございませんで、われわれは全くもって寝耳に水の家賃値上げを、しかも新聞報道で知らされた。知らされたときはもう決定した後だという状況で、しかも一方的で、かつ個別資料はゼロという状況で値上げ額だけが個別居住者に一方的に通告された、こういういきさつで、私どもはそのことに怒りを覚えて実は団結をしたわけでございます。つまり、値上げが困るとかいやだとかいう前の問題であって、居住者に何の相談もなしにやったということでございます。
 じゃ、われわれには一体どんな相談をしてほしかったのかということを、この機会ですから申し上げておきたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、私どもは家賃値上げ絶対反対ということは考えておりません。私ども勤労者でございますから、同じ勤労者の仲間である公社の職員の方の給料にかかわる部分、それも私どもの家賃の中から支払われているとすれば、その部分については応分の考えを示すにやぶさかではない。それから公租公課が上がっていることも知っています。それから修繕には金がかかることも知っています。私たちが主張してきたのは、その内容を居住者に資料を示して説明して、納得できるようにしてほしかったということなんです。つまり、いままでの、その時点までの家賃収入のうち、維持管理費分が幾ら幾らで、修繕費分が幾ら幾らで、公租公課分が幾ら幾らで、保険料分が幾ら幾らで、それらに対応して管理費分の項目別支出内容がどうなってきて、団地別の修繕費がそれぞれどうなって、団地別の公租公課がどう支払われた結果、経年的にそれらを全部教えていただいて、なるほど赤字になるのはやむを得なかったなとわれわれが納得すれば、その納得したところを出発点に私どもは公社と話し合いたかった。にもかかわらず、前回の値上げに関しては残念ながら、それらの資料をわれわれが強くしつこく要求したにもかかわらず全然明らかにされないまま値上げたけが強行されてしまったということでございます。
 そういう意味で、公租公課の値上げを理由にされて、人工地盤の上に建って、下が都営地下鉄の車庫だと。公租公課なんか払う必要がない団地の人たちは、公租公課の値上がりを理由にされても納得できないのはあたりまえでございます。計画修繕といいながら修繕をやってもらった記憶のない団地の人が、それを理由に値上げたけ先にやられるというときに、納得しろという方が無理でございます。そういう意味で、いろいろな団地の個個の事情に基づいてそれらでわれわれは一緒に闘って、公社と、最終的には残念ながら組織力の弱さもあったわけでございますが、一番大事なこととして七項目の要求に対して公社側が答え、かつその中の一番大事なことは、今後は家賃問題を含む団地の維持管理にかかわるあらゆることは居住者代表と公社の間で定例的な話し合いの場で話し合いながら進めるという一項を確認書という形でお約束をいただいたから、それを契機に私どもは一応前回の値上げを不承不承認めたわけでございます。
 その後昭和五十二年の五月からことしの四月まで、毎月一回の定例的な両者の話し合いの場でいろんな団地の維持管理に関することが相談されてまいりました。しかし、団地の維持管理の一番大事な部分は私どもは家賃だと思っております。しかし私どもに、東京の場合で言えば、公社から家賃の中の維持管理費分その他の費用がこれこれ足りなくなったので値上げをしてほしいとかいう話は、六十回の間一遍もまだ承ったことがございません。私どもの方から家賃をそろそろ上げなくて結構ですかと申し上げる必要は私ども毛頭ないと思っておりますので、公社の方からお話がない間は現行の家賃で、この前上げた分で十分賄われているんだなというふうに私どもは認識をしております。
 ただし、先ほどお話の出た百二十億の余裕金が支払われたということは私どもは非常に心外でございまして、それが出どころが私たちの家賃からではないにせよ、金利の一銭もつかない東京都からの借入金を先に返すという理由がわれわれ居住者に何ら説明されないまま、一方では値上げの話が金融公庫法の改正等でちらほらする中で行われたということに、居住者無視の姿勢ということが私どもが一番心外にたえない理由でございます。
 以上です。
#71
○大木正吾君 千葉さん、どうですか。
#72
○参考人(千葉利兵衛君) 自治協とのお話がいろいろ反対がありまして、六回ぐらいにわたって提示可能な資料も提出して、通算二十八回の事情説明を行って確認に至ったようでございます。私実はそのときおりませんでしたので、一応そういうことでございます。
 それから、いま最後にお話がありました予算の関係でございますが、都公社の場合になりますが、五十三年度で賃貸の管理事業の収支を見ますと六億五百万、五十四年度で四億三千九百万、五十五年度で三億三千八百万という赤字を抱えております。この赤字につきましてはやむを得ず家賃からじゃない収入で補てんしてまいりました。われわれとしましては非常に公社の経営を預かっておりますと、大きく言いますと住宅の建設事業とそれからもう一つ管理事業となるわけでございますが、管理事業の皆さんからいただいている家賃ではやはりなかなか収支が合わない状況でございます。
 なお、補足いたしますと、先ほど申し上げましたように計画修繕で申しますと、公社は屋上防水なんかにつきましては実施基準を十年と決めておりますけれども、実際屋上防水できるのが二十六年というようなことでございます。それで東京都は、都営ですと十三年ぐらいで大体屋上防水を行っているというように、計画修繕の額が五十六年度で積み残した分だけで計算してみますと、主なもので九十五億ぐらいある。この修繕費で賄えるのが大体十一億ぐらいの費用かなと五十七年度で考えているわけなんで、非常にとにかくいまのお家賃ではなかなか管理事業の収支を合わしていけないという状況になっております。
#73
○大木正吾君 ちょっと千葉先生に伺いますが、それじゃあなた、そんなにたくさんの赤字が出ているんだったら、なぜ百二十億円のお金を東京都の財務局の方にお返ししたんですか。
#74
○参考人(千葉利兵衛君) 先ほども申し上げましたように、百二十億の問題につきましては資金繰りの問題でございますので、一応資金の支障がないということでお返し申し上げたということでございます。
#75
○大木正吾君 資金の支障がないと言ったってあなた、赤字が出ている。おたくの決算など私も拝見していませんからどういうものかよくわかりませんけれども、とにかく資金的な余裕ができるということは、こういった赤字がだんだん出てきた場合には、自前でもって銀行から金を借りるなり利息のかからない金でも使うということは大体常識です。そうするとあなたの話はつじつまがちょっとこれは合わないわけですね。
 それから、もう一つついでに千葉さんに伺いますが、いまお話ございました五十二年の五月に、市川さんの方の連絡会がそのころまでにできて、それから大体四年間ぐらいですか、話し合いをずっとやってこられたようなんですが、この場をもっと最大限に利用して円満に、自治会の方でも修繕費その他必要なものがあれば値上げに応ずるにやぶさかでないとおっしゃっているわけですからね。何か住んでいる人と管理している人が角突き合わしてやっているなんていうことは、本当に国民のやっぱり最終的には金などを使って建てているものなんですから、もうちょっと温かみのある話し合いをすれば、こういうルールができてきているならば、あえて私は法改正をしなくたって十分にやっていける、こういうように感じるのですが、この話し合いの内容についてあなたはほとんど無意味と、こういうふうにお考えですか。
#76
○参考人(千葉利兵衛君) 実は相談してなかったという前段の御質問がありましたので、具体的に制度が固まってから御相談しようという先ほど御答弁を申し上げたわけでございますが、今後やはり先生がお話しのように、入居者団体との間でわれわれとしては確認書も取り交わしておりますので、その内容を尊重して十分に自治団体の自治協の代表の方の御意見も聞きながら今後運営していきたいというように考えております。
#77
○大木正吾君 この法案で今度若干改正するということになっているわけですけれども、この法案改正問題については千葉さんは全然御承知なかったのですか。それとも知っておられたけれども連絡会の方とはお話し合いをしなかったわけでしょうか。
#78
○参考人(千葉利兵衛君) お答え申し上げます。
 いままで実は十分にお話し合いをしておりませんでした。
#79
○大木正吾君 それは話はしていないでしょう、恐らく、していないとさっき市川さんもおっしゃったのだから。こういう問題をこれは住宅局長にも関係して両方答えてもらいたいんだけれども、ここにずっと傍聴に何人かの方が来て入っていただいているわけですけれども、とにかくトラブルをあなた方は誘発することばっかり考えているんだよ、役人仕事というやつだね。上からかぶして抑えつける、こういうのは非常にまずいですね。最近市民権というものがあって非常に東京などでは、言えば港の見えるマンションとかね、日が当たらなくて困っている、そういう話ずいぶんありますけれども、マンション業者なんか港の見えるマンション、こういう宣伝なんかしてやっているぐらいですから、市民権というものは非常に大事にされてきている。私は港の見えるマンション賛成とは言えませんけれどもね。だからこういうときにこそせっかくのルールができている話し合いの場なんだから、千葉さんの方を通じながら市川さんの方と、ここはこういうふうに直しますよという話を当然すべきでないかということが一つの問題で、これはぜひ伺っておきたいのです。同時に、元本をさかのぼって、さっき話がありましたけれども、見直すと、こういう話の中に、土地が結局自前のものであればさっき市川さんも言っておったけれども、土地がまず大体毎年か一年置きかに上がっていきます。民間の木賃住宅だとかマンションの場合には、土地が上がりますと家賃が上げられますね。しかしこの場合には土地が自前ですから、そういったコストが土地にかかってこないわけです。そうすると、建物の方がもう二十年もたっちゃったり二十五年たっちゃっているものに対して修理しているものを、いまの価格に近いものにといいますが、それにひっつけていくということは、私は、住宅の見方からしますと、大体民間の土地なりがついた住宅を買ってごらんなさい。二十年たったら全部ただですよ、こんなものは。しかも入っているうちに修繕はちゃんとしていますよ。ちょっと社会常識に反する。土地は自分のものです、公社のものです、建物は修理を若干しましたと。修理をしたって民間の売買の場合には二十年以上のものは全部ただになるんですよ。そんなことを知っている上でもって、とにかく土地の方が、公社と公営の方が、値段のアンバラが起きたから云々という理屈だけでもってやったらたまったものじゃないですよ。だから私は、その問題に対しては、やっぱり住宅局長の指導をしっかりしてもらいたいし、同時に、この大事な法案を通すときに、こういったせっかくつくった自治協がありながらその方に全然話をしないで、やみ討ちに、けさがけでもって切り飛ばすなんてことはやめてもらいたい、これはどうしたって。紛争が起きるばっかりだ、あなたのところで。現地の担当者は大変ですよ、本当に。裁判がまたぼこぼこ起きたらどうするんですか。私はそういった意味でもって、もう少しこの法案については練り直しをしなきゃならぬ、こういう考え方を持っているんです。
 そういった手続を踏んでいるかどうかということと同時に、さっきあなたが答えた中で、土地の方は入っていません、建築関係だけですと、建築関係で修繕費などを若干上げてきたんでしょうけれども、その分にしても、やっぱり家賃が何かアンバランスになった、他と違うからということでウエートが高まったんでは、これは入っている人はたまったものじゃないですよ。そういったことについて、どうも合理的な見解とは私は伺えないんで、もう一遍住宅局長にお答え願いたいことと同時に、千葉さんなり住宅局長に、話し合いのルールをもっと大事にする気持ちがあるかないか、二つ伺ってみたいんですが。
#80
○政府委員(豊蔵一君) この三十五条の改正につきましては、先ほど来申し上げておりますように、最近の物価の変動等によりまして、新旧家賃のアンバランスも生じ、また一方におきましては、この管理のために必要な諸費用が賄えないというような現状の実態等も考えまして、ある程度の限度額の変更につきましての規定をお願いしたいというふうに考えているところでございます。その変更の算定に当たりましては、物価の変動と、また建物の経過年数等を考慮した老朽度合いというものは当然に考慮した算定とすべきであろうと考えておりますし、さらに、具体的な家賃の決定は各管理主体がお決めになることでございますが、それぞれの管理主体が定められる段階におきまして、激変緩和の措置もとるように、あるいはまた、諸種の事情のある方につきましての減免等の措置も従来ともとられておると聞いておりますが、そういったような配慮もお願いをしたいと思っております。
 なお、昨年の住宅宅地審議会からの答申におきまして、現在の公共賃貸住宅の家賃の見直しをするに当たりましては、「それぞれの公共賃貸住宅の性格に応じた適切な手続きに基づく必要なルール作りを行い、家賃の変更が公正かつ円滑に行われるよう配慮する必要がある。」というふうにして答申をいただいております。私どももこういったような趣旨を踏まえまして、各公共賃貸住宅の管理主体に対しまして適正な指導をいたしておりますが、今回の公庫法の改正によります各公社等の家賃を変更するようなことがあります場合には、いまのような指導方針に基づきまして、それぞれの地域の実情に即しながら適正な手続等を定めまして、家賃の変更が円滑に行われるように指導してまいりたいと思っております。
#81
○参考人(千葉利兵衛君) いま建設省からお話がありましたように、私の方といたしましても、次回の家賃の改定までに必要なルールを定めた上で改定を行いたいと存じます。
 なお、今度のいろいろな制度改正で家賃の増収分の使い道も、主として建物の計画修繕は先ほど申し上げましたように、大幅におくれておりますし、あるいは団地環境整備費に主として先は充てられて、新規の家賃とのアンバランスの問題についてはどうするか尊いろんな問題もあると思いますので、自治協ともよく話し合って決めていきたいと思います。
#82
○大木正吾君 国会の場でもってそうすらすらっとあなたは答えられるけれども、五年間も話をしてきたけれども、ほとんど中身はないでしょう。私はこの法案の提出について、全然住宅局長なりあるいは千葉さんの方で、要するにせっかく自治協連絡会がつくられているのに、さっきけさがけに切ったとあえて申し上げたけれども、この方々は全部、この中に知った方がいたら手を挙げてみてもらいたい。この法案が出てみんなびっくりしてすっ飛んで傍聴に来ておるんですよ。しかもさっき局長も答えたけれども、去年の八月六日、住宅宅地審議会でもってその最後に、家賃の変更のルールづくりについて示されていますが、それの主体について適切な手続に基づく必要なルールづくりを行うべきだ、こういうふうにして結んでありまして、それはあなた承知でもって何でやみ討ちかけるのか。もう一遍差し戻して相談したらどうです。私は限度額というやつをとってもらいたい。だって、市川さんの方はちゃんと理由があれば値上げに応じます、こう言っているんですよ。値上げのときに負担限度がこの辺だった、ならばこの辺の修理しかできませんとおっしゃってもいいわけでしょう、結局。そういったことについて、あなた方は国会でもって私らが質問したときだけはきれいごとを言っておいて、行政のときには自分の考えたことをぐうっと押しつける、そんなやり方でこれはもってうまくいきますか。トラブルがどんどん再発したらどういうふうにします。もう一遍もとに返して相談をし直してもらうというふうに考えられませんか。これは住宅局長と大臣、始関さんの明快な答弁をひとつもらいたいんです。私は絶対これは納得できませんよ。
#83
○政府委員(豊蔵一君) 昨年の八月に、住宅宅地審議会から建設大臣に対しまして家賃制度の改善についてという答申をちょうだいしておりますが、その答申をいただくに当たりましては相当の長期間を要しまして、各般各層の御意見をいただきながら答申をいただいたわけでございます。そういうような答申の中で各種類の賃貸住宅につきましての問題点が指摘されているわけでございまして、その中で、ただいま御審議いただいております公的規制がある賃貸住宅のうち、公庫融資にかかりますものあるいはまた公社のもの等につきましては、現在の家賃の見直しにつきまして必ずしも十分制度が現実の時点において適用するようなものになってない。そういうようなものを踏まえながら必要な措置をとるように、また、具体の管理主体が家賃を変更する場合には、先ほど申しましたような必要なルールづくりを行うといったような御答申をいただいておるわけでございまして、それらに基づきまして私どもも、どのような改善のための制度の改正が必要であるかということをいろいろと検討してまいったわけでございます。現在の公庫法の制度におきましては、先ほど申し上げましたような限度額の算定基準になっておるというようなところで、これはやはり、ある程度ほかの公共賃貸住宅とのバランスのとれたものとして一応整備しておく必要があるのではないかというふうに考えたわけでございます。
 そういったような、昨年八月からの答申を受けましてからの事情を踏まえながら検討しました結果、今回このような法案の御審議をお願いするようになったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、各具体の賃貸住宅につきましては、それぞれの管理主体が必要に応じまして関係の入居者の方々とのお話し合いといったようなものを進めていただく。その中で円滑にこれらの家賃の問題が解決することをわれわれは期待しているところでございます。
#84
○国務大臣(始関伊平君) 私は、ただいま御審議をいただいております公庫法の改正案の提案者でございますが、提案者側といたしましては、先ほど来、住宅行政を長い間やっております住宅局長から委曲を尽くした説明を、また当局の立場を申し上げておるわけでございまして、特にきょうは管理者側の代表の方、入居者側の代表の方がここにお見えになっておりますので、いろいろ論点につきまして立ち入った批判なり感想を述べることは差し控えたいと思います。
 ただ、最近十年、十五年ないし二十年の間に日本の物価も相当に値上がりをしているわけでございます。したがいまして、新旧の家賃のバランスというものは非常にはなはだしく乖離しておるということを平常耳にすることが多いわけでございまして、それをある程度是正をいたしまして、再建築費というような考え方を取り入れることも私は常識的に受け入れられるのではなかろうか。同じ供給公社の各住宅団地相互の間に大変なアンバランスがある。また、元来言えば、公営住宅の方が私は安くなっておるはずだと思うんでございますが、逆になっているというようなことをある限度、ある程度において是正するような余地を残す法改正というものは御了解いただけるのじゃなかろうか、かように考えましてこの法案を出しておるわけでございます。
 なお、こういう法案を提出いたします前に、入居者代表の方にお諮りをいたすということが適当であるかどうかについてはいささか疑問を持っておるわけでございますが、なおまた、入居者と管理主体の側のお話し合いというものは、これはこの法律の成立を待ってお話を進めるということでございますので、私はそれについても御批判あるいは御不満もあろうかと思いますが、御了承をいただきたい、かように存じておる次第でございます。
#85
○大木正吾君 大臣、そういう答えでは私はこれはもう納得はできないんです。結局、確かにバランスの問題とかそういったことは必要です。必要だけれども、民間なんかのマンションを見たって、二十年前に建ったマンションと最近のマンションじゃ土地代も違うし建築費も違っていますから、それは差があることは当然でしょう、差がなきゃおかしいんだから。いましかし出しておる案というものは、逆に古いものを値上げしながら新しいものにひっつけようという考え方でしょう。同時に、一番官僚くさい考え方であるところの限度額の問題、これは絶対私納得できません。
 もし大臣がおっしゃったように、常識的にあんまりアンバランスがひどければというような話のニュアンスでもっておっしゃるならば、せっかくつくったこのルールという話もちゃんと審議会の答申の中にあるわけだし、しかも供給公社と自治会の関係の中では、過去五年間で話を六十回もやっているんですよ。そういった中でもってずばっとこの法案が出てくるということは、これはどう考えたって本当に誠意を持って、入っていただいている入居者の方々の気持ちを外した住宅政策と、私は絶対これは言えないと思うんです。同時に、限度額というものはどこへ行ったっていまでは、言えば物価が下がったのは、かずのこ商法でもって、物を買わないから下がったと思いますけれどもね。
 いずれにいたしましても、この問題、こういうふうに限度額をつくっていけば、それはむしろ供給の方を減らして値段の方を上げる、これはもう商売の常識ですから、やっぱりそうなってしまうんです。あくまでもそういったものも含めた話し合いで、しかもルールができているわけですから、ルールの中に戻してもらいたい、限度額をとってね。
 しかも一方の方では、入っている方々は必要な値上げについては認める、全部反対で言っているわけじゃないとおっしゃっているわけですから、そういった気持ちまでわかっていながらこの法案のどっかへちょこっと突っ込んできて、そうして、私に言わせると、何かどう考えてもこれはやみ討ちみたいなものだ。もっと本当は借地問題に対する金融公庫の貸出問題が本論かと思ったところが、調べてみたら大変なものが入っていてびっくりしたんです。
 そういったことについて私は絶対納得できませんから、この問題について再度大臣に、限度額を中心にして修正していただいて、そして関係者の協議をしてもらいたい、こういったことについて答弁をいただきたいし、答弁が納得できなければ理事会でもって相談をしてもらいたい、こう考えています。
#86
○国務大臣(始関伊平君) 大木委員のお立場と御意見は理解いたしますけれども、これは相当慎重な手続、また検討をいたしまして原案が出ておりますので、当局側といたしましては、これを再検討するということは大変困難でございます。何とか御理解をいただくようにお願いしたい、かように存じております。
#87
○大木正吾君 それは、検討されたのはあくまでも建設省の中の住宅局中心の検討でありまして、こういった生き物の入居して生活している方々の立場ということを考えて初めて国の住宅政策は生きてくるわけですからね。そういった順序ということを踏んでいないことは、これは明確になったわけだから、その順序をもう一遍踏み直して、納得が皆さん方できれば、この次にはある一定のゾーンを設けて、限度額にするかどうかとかそういった工夫があって私はいいと思う。ですから、五〇%云々とかそういった形でもって上限を決められたら、みんなひっついできますよ、結局は。
 私は、経済というのはそういった論理だと思って考えていますから、単に住宅問題だけじゃないと思って見ているわけだから、この問題については、せっかくの大臣の答えですが、納得できませんので、この問題の個所についてはぜひ理事会でもって検討してもらいたいことをお願いいたしたいし、いま大臣おっしゃったけれども、関係の向きに相談したといったって、それは建設省の住宅局の中だけで相談しただけでもって、全然こういった方々とは話ししていない。千葉さんは聞いたかもしれませんけれども、市川さんは聞いていないでしょう。そうなりますと、まさしく入居者不在の住宅政策なんです。そうでしょう。せっかくいいことをやろうというんだったら、私たちは、もうちょっとオープンにみんなで気分よく話し合って、お互いに財政厳しいからこういうふうにして少し値上げしてくれませんかとか、こうしましょうとか、そういう話の中でもって、合意と納得の中でもってできれば一番いいわけです。何もあなた、一遍つくっちゃった法律だからこの際直すことはメンツ上できないなんて、そんなばかなこと考えずに、ぜひ大臣、大英断下して考え直してくれませんか、どうです。
#88
○国務大臣(始関伊平君) 大木委員のお話でございますが、こういったような利害関係の対立のはなはだしい問題につきまして、いわば大衆、法律原案の作成につきまして大衆討議にかけるような形が適当であるかどうかにつきましては、私もいささか疑問を持っております。なおまた、住宅宅地審議会というものが各方面の権威者、学識経験者を入れていろいろ検討をいただいたわけでございまして、答申を待って作成したものであるということも申し上げるまでもございませんし、また、衆参両院の建設委員会で住宅問題に特に熱心な皆様の御審議をいただいておるわけでございますから、手続的には余り遺漏な点はなかった、かように存じております。なお今後、この運用につきましてはいろいろ先ほど来御意見が出ておりますが、御意向を体しまして十分に管理主体を指導してまいりたい、かように存じております。
#89
○大木正吾君 役人のメンツもございましょうから、なかなかここでもって修正ということは答えられないかもしれませんが、いま大臣が最後におっしゃった中が大事な問題になってくるかもしれませんが、私は、理事会に対してこの問題について再検討を希望いたして委員長にお預けしておきますから、ぜひその際、附帯決議の中とかあるいはこれに対する運用の問題等を含めて、十分に私たちの申し上げていることは筋道はきわめて通った話を申し上げ、皆さんの方の扱い方がきわめて何といいますか、役人的に上から押しつけだということを申し上げているわけですから、そういったことを含めた取り扱いが、法案の修正の原文ができないとしましても、そういったことが実行上可能な形の、本委員会の審議の終了の際には附帯決議等でもって工夫してもらえることを私は委員長の方に特に希望いたしておきます。
 若干時間が残りましたけれども、千葉先生と市川先生には忙しい中本当にありがとうございました、感謝いたします。
#90
○委員長(吉田正雄君) 参考人の方に申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ本委員会に御出席いただきましてありがとうございました。御苦労さまでございました。
 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
   〔理事茜ケ久保重光君委員長席に着く〕
#91
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#92
○吉田正雄君 当初に、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について若干お尋ねをいたします。
 まず、制度改正に伴う貸付金利についてなんですけれども、これは大臣も御承知のように、昨年秋の行革国会における鈴木総理の発言あるいは建設大臣の発言等におきましても、根幹の金利についてはできるだけ変えない、そういう努力はやっていくんだと、ニュアンスとしてはそれはほとんど変更にならないんじゃないかという受けとめ方が、私は当時国会の論議を通じて皆さんそういうふうに受けとめておったと思うんです。ところがその後、御承知のような内容になってこの法改正案で出てまいったわけですけれども、見方によっては、大蔵省に建設省が押し切られたという見方も成り立つと思うんです。そこで、この点について建設大臣としてはどうして変わったのか、その点をまずお答え願いたいと思うんです。
#93
○国務大臣(始関伊平君) お答えを申し上げます。
 この住宅金融公庫の貸付金利の問題が第二次臨時行政調査会におきまして問題になりましたことは、ただいまお話のあったとおりでございますが、私どもはその当時から基本的な利率の五・五%についてはこれを動かすべきでない、かように主張をいたしてまいったのでございますが、今回の場合も、まずその基本的な金利としては五・五%を維持いたしておるところでございます。それに対しましていわゆる段階金利を採用いたしたのでございますが、この趣旨は、もう申し上げるまでもございませんが、十年程度を経過いたしますと返済負担は所得の伸び等から相当程度緩和されるという実態も勘案いたしまして、十一年目以降は当初と異なる金利とすることによりまして、財政援助を必要とする時期に的確に行う、効率化を図ろうという趣旨でございまして、私どもの解釈では、住宅金融公庫の金利の基本を動かすということとはちょっとニュアンスが違う、かように理解いたしております。
 それで、これは御案内のとおり、利子補給の続く年限は相当に長いわけでございますので、毎年毎年たまってまいりますから、一般会計、一般の財源から出します利子補給金は六千億とか七千億とか相当大きくなることが見込まれております。こういうことでございますと、これは結局住宅金融公庫の資金枠を確保する上にも影響がございますし、なおまた、建設省の中のお話を申し上げますと、これが道路でありますとか河川でありますとか、そういう方面の一般会計の負担における公共事業の進展にも影響があるということでございまして、私どもは、このたびの住宅建設促進のために政府が決定いたしましたもろもろの対策とワンパッケージで考えましてそれと見返りにこの段階金利を認めた、かように考えている次第でございます。御理解をいただきたいと思います。
#94
○吉田正雄君 私の質問が舌足らずの面もあったと思うんですけれども、いまの大臣の答弁は、十年までは五・五%だ、変わってない、それ以降については弁済能力も出てくるだろうからという話なんですね。弁済能力が出るとか出ないとかということはそれは関係のない話なんでして、要するに、従来の根幹金利の五・五%はできるだけ維持をしていくんだというそういう答弁からこのように変わった、段階と名をつけようとどうしようと、変わったことはこれは事実なんですので、そういたしますと、あれだけ総理が国会で答弁をしておって、俗に言う舌の根の乾かぬうちに根幹金利に変更が加えられた。名目は段階金利という中で変更が加えられたということですから、そういう点で私は、いま改正されたこの制度がずるずると財政再建期間を過ぎてもまた財政難を理由にして継続をされていくということになるんじゃないかと思うんですけれども、この点はいまここで明確に答えられますか、どういうふうになるか。
#95
○政府委員(豊蔵一君) 今回、住宅金融公庫法の改正でお願いしておりますいわゆる段階金利につきましては、ただいま大臣からお答えいたしましたようなことで、公庫の将来の補給金の増加に対処するということと、また、十年程度たちますれば借り入れられた方々の返済の負担も相当軽減されるというような実態を考えまして、また一面、公庫の融資条件等につきまして適時的確に改善措置を講ずるということによりまして、真に必要とされる時期に必要とされる政策を実施したいというようなことを総合的に考えまして制度的な改正をお願いしているものでございます。
 したがいまして、昨年の秋にお願いをいたしましたいわゆる行革関連特例法の中に盛られております五十七年度から五十九年度までの三年間の臨時措置ということとはこの制度改正が直接つながるものではなくて、将来にわたる公庫の補給金の問題等に対処するためのものでございますので、十一年目以降の段階期になります金利の水準は七・五%以内で政令で定めるということによりまして、時の財政投融資の金利の状況、その他諸般の情勢を考えまして水準は設定されるべきものかと思いますが、制度といたしましては、継続的な安定した制度としてお願いをいたしたいと考えております。
#96
○吉田正雄君 変えた理由だけ延々と述べられているんであって、それからいままでの答弁も住宅局長の答弁はちょっと抽象的な部分が多過ぎると思いますから、質問に簡潔に答えてもらえればいいんです。後段だけでいいんです、いまの質問に対しては。
 そこで、それはそこでわかりましたが、かつてこの金融公庫が発足して以来今日まで大幅なこういう変更といいますか、そういうようなことはございましたか。
#97
○政府委員(豊蔵一君) 従来いろいろなニーズに応じまして貸付対象の拡大であるとか、あるいはまた公庫の金利が、財投金利が非常に利率が低くなりましたことに対応いたしまして、五・五%という固定金利を五・五%以内で政令で定める金利といったような改正は行ったことがございますが、この段階金利のような考え方の改正は従来は行っておりません。
#98
○吉田正雄君 もうちょっと言いますと、十一年目から五・五から六・五と一%上がるわけですね。そういう大幅な変動、引き上げというものが過去あったかと聞いているんです。五・五が五・二五とか〇・幾らというその変動は、少しずつはありますけれども、これほど大幅な引き上げというものは過去にあったかどうかということを聞いているんです。
#99
○政府委員(豊蔵一君) そういうような点につきましては、かつてはございません。
#100
○吉田正雄君 非常に個人負担が増大をするんですね。十年目以降は収入もふえるから支払い能力がつくんだという大臣の最初の答弁等もございましたけれども、能力があるとかないとかというのは全然関係のない話なんでして、制度から見て私はお尋ねをしているんですが、じゃ、その負担という面から考えた場合に、個人の負担ですね、これはむずかしい複利計算とかなんとかということでなくて、単純に計算をした場合にどの程度増額になりますか。五・五%でずっといった場合と、それから十年以降六・五%になった場合、これは貸付金額等によっても違うと思うんですが、これは六百二十万円ですか、なら六百二十万円として見た場合、どれだけの負担増になりますか。
#101
○政府委員(豊蔵一君) 六百二十万円を公庫から借りられまして、ただいまの段階金利が適用されるというふうにいたしました場合、十一年目以降の毎月の返済額は、当初十年間の毎月の返済額に対しまして四千五百九十四円ふえることになります。また、二十五年間で返済をするといたしました場合、十一年目以降二十五年目までのただいまの毎月の増加額のトータルは約八十三万円ということに相なります。
#102
○吉田正雄君 この段階制金利の問題も、変えたというか、これが出てきた中心的な理由というのは、やはり財政再建というそこに中心があって出されたものだということは、もう疑いのないところなんです。しかし国民にとっては、いままで借りてきた人とこの制度発足以後借りる人との間には、区切るならば、たった一日違いでも申し込み、受け付けが一回変わることによって、いまおっしゃったように八十万からの違いが出てくるということで、大変な負担の差が出るわけですね。ですから、私は将来に向けて財政が再建というか、確立をされた段階では再検討すべきではないかというふうに思っているわけです。いま発足当初からそんなこと言ったって、はいとも言えないでしょうから、そういう私としては希望を持っておるということだけつけ加えておきたいと思うんです。
 そこで、もう一つ規模別の貸付額と金利についてちょっとお尋ねをしたいと思うんですけれども、これだけ住宅政策の中で総理の国会における所信演説等においても、ゆとりのある住宅であるとか、いろんな言葉の上ではいい言葉というものが出てきておるわけです。しかし、ゆとりある住宅とはほど遠くて、昔から言われている遠、高、狭というふうなことが相も変わらず解消されていない。ところが、このいまの規模別を見ますと、いままで百二十平米以下であったものを今度は百十平米以下というふうに変えて、こう三段階にふやしてはおりますけれども、最低部分のところが百二十から百十というふうにかえって切り下げられておる。金額は若干上がっておりますけれども、切り下げられておるということなんですが、まさにこれはゆとりある住宅政策に逆行する区分の仕方ではないか。私は、将来はこれをもっと引き上げるべきではないかというふうに思っておりますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#103
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、現在までは百二十平方メートルまでは五・五%、それかも百二十平方メートル以上のものは比較的規模の大きい住宅ということで財投金利ということになっておりましたが、国民の住宅の質の向上という中で規模の拡大を求める御要望も強いところから、私どもはこの二つの金利体系の間にいわば中間金利の六・五%以内で政令で定める金利というものを設定いたしまして、より規模の大きいストックの誘導を図りたいと考えたわけでございますが、その際、御指摘のように百十平方メートル以上ということで、その部分につきましては若干従来より金利は上がります。それに対応いたしまして貸付金額を十平方メートル分、現在の段階では六十万円でございますが、増加させましてそういったことに対応したい。また、百二十平方メートルから百三十五平方メートルまでにつきましては、財投金利でありましたものがかなり大幅な金利の引き下げになるというところから、百二十平方メートルが壁であったものがかなり規模の大きい方向へ今後動いていくのではなかろうかといったようなことを考えております。その際、将来につきましては、この下限の百十平方メートルにつきましては、国民の住宅の建設の動向の中で平均的な規模水準というものの動向を見定めながら、必要に応じまして改善をするということは十分考えられると思っております。
#104
○吉田正雄君 私は、住宅建設が思うように進まない一つの原因として、規模別に分けて金利が違う、貸付額も違いますけれども、金利も違う。百十平米までだと五・五%のものが百十を少しでも超えたら途端に六・五%になるということですね。いや、その場合には、たとえば百二十平米必要な人は当初に百十平米つくっておいて、翌年あたりまた増設でもってもう十平米つけ加えればいいじゃないかというふうなことを、やっておる人もあるようです。ところがいろんな家庭の事情等で、これは複雑なあれがありましてそれができない場合があるんです。そういたしますと、わずかちょっと基準を超えることによって金利が五・五から六・五にはね上がっちゃうということは、大変な負担差が出てまいるわけです。
 この辺も、税金の税率じゃないですけれども、たとえば百十平米までについては五・五%です、それを超える部分については六・五ですよというなら、これは話はわかるんですけれども、最初から全部六・五ですから、借りる方は非常に深刻になってしまうわけです。そういうことがますます家を小さなものにしてしまっておるということがありますから、この規模別の区分の仕方とあわせて金利のあり方についても、そんなことをやったらめんどくさいとおっしゃるかもしれませんが、コンピューター時代ですからもうそんなのは手数に入りませんから、そういうことで金もうけ主義でない住宅制度なんですから、そういう点でもう少し工夫をなさったらいかがかというふうに思っております。これもいまここでは御即答できかねると思いますから、そういう希望があるということだけつけ加えておきます。
 次に、豪雪地域における高床式住宅に対する割り増し貸し付けが新しく創設をされたという点では一歩前進なんです。私も新潟県で雪国の生まれですから、豪雪地帯の状況というのはよくわかっておりますが、特に北魚沼あたりの山地へ参りますというと四メートルから五メートルの積雪というのは常識なんでして、本当の豪雪になりますともう六メートル、七メートルという、雪おろしじゃなくて雪上げということになるわけです。ところが今度、割り増し貸し付けの額が五十万円と出たんですね。そこで、これは評判がいいかと思いましたら、人を小ばかにしているんじゃないかという意見も結構あるんです。豪雪地の実態をよく知ってないんじゃないか、何を計算の根拠にしたのかと。
 というのは、柱一本をとりましても、東京あたりの柱ですとこれは三寸角で済むんです。ところが、あの豪雪地帯へ参りますと柱の太さというのは普通五寸角ですよ。それからもっとちょっとした家になりますと、昔の全くがっちりした家なんというのは七寸角とかそういうものを使っておった時代もあるんですが、最近はまあ七寸というのはちょっとないんでしょうが、大体五寸は常識になっているわけです。これは石数の計算からしても、三寸角の柱を使うのと五寸角の柱を使うんじゃ単純な計算だけでも三、三が九と五、五、二十五ですから、これは大変な違いになるわけです。
 そういう点で、五十万円というのは気持ちとして出てきたものなのか、何らか科学的な根拠に基づいて出されたものなのか、これはやっぱり現地の皆さんがありがたいと言ってどうも喜ぶような金額じゃないという意見が非常に強いので、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#105
○政府委員(豊蔵一君) 私どもが今回考えましたいわゆる高床式の住宅についての割り増しと申しますのは、基礎を一般の鉄筋コンクリートの通常の基礎に比べまして地盤から上の高さが一メートル以上となるような基礎工事にかかる費用の増高分を計算いたしまして、その費用の八割というふうにいたしたものがこの五十万円ということでございます。
 ただいま御指摘の単価につきましては、本来の豪雪地帯における住宅そのものの一般的な構造等から、その他の地域のものに対して頑丈なものにしなければいけないといったようなところからのお話かと思いますが、それにつきましては、また別途そのような実態等を踏まえまして私どもも地域の問題の区分の問題としても検討させていただきたいと思っております。
#106
○吉田正雄君 私が去年の夏、自宅の玄関のコンクリートをちょっとはがして新しくこれを塗り直したんです。たったそれだけで三十万円取られたんですよ。雪国で本当に床を上げて、車が一台、車庫を兼ねて入れるというところまで、三尺や四尺上げてみたって豪雪地帯じゃ意味ないですからね、その程度上げたんじゃ。大体いま高く上げる方というのは相当高いものに、新しくつくる方は皆そうなんですね。車庫兼にできるくらいのところまでコンクリートでもってずっと高くするんです。それを考えますと、いまおっしゃった計算はそれはそれなりにわかりますけれども、実態からおおよそ外れているんですね。そぐわないものだということで、それは将来検討をする余地があるとおっしゃっておりますから、それはそれでいいんですけれども、とにかくもう少し雪国の実情というものをさらにまた詳しく調査をなさって、この割り増し貸し付けについてはもっと増額をしてもらう必要があるんじゃないか。
 それから、他の一般建築のことはここには考慮になっていないというんですけれども、他の一般建築についても、たとえば新潟市内のまさに三寸角で済む家と、それから五寸角の柱が必要な雪国では建築費用というのは違うんですね。そこまで加味せいというと、いや、じゃ台風のところはどうとかいろんなあれがあると思うんですけれども、あわせて高床式になるわけですから、総合的に判断をされて、この金額も増額をぜひしていただきたい、これは要望いたしておきます。
 次に、今後の住宅建設の見通しなんですが、これについてはけさほどわが党の大木委員の方からもいろいろ質問がなされております。しかし、いろいろ局長答弁等を聞いておりましても、なぜ建設が進まないのかという点については、なかなかわれわれ納得をしずらい、本当の原因はどこにあるのかということがもう一つすとんとこないんですね。住宅建設の現在の最大の阻害要因というのは何なのか。景気が悪いじゃ困るんです、そんなものは。そんなことでもって、だから住宅建設が進まない、こういうことではだめです。そういう状況下にあってなお住宅建設を推進するためにはどういう施策が必要なのか、これが政治であり、政策であるわけですからね。不況だからだめなんだとか、賃上げが思うようにいってないから住宅建設は思うように進まないなんという、そういうことでは理由にならない。
 先ほどもありましたように、五十六年度の場合は確かにこれは確定したようですが、約百十五万一千戸、前年度に比してマイナス九・二%の建設というふうになっておるらしいんですが、この点間違いないですか、五十六年の確定は。
#107
○政府委員(豊蔵一君) 五十六年度はただいまのところ二月までの統計が出ておりまして、それまでの合計で申し上げますと百四万五千戸となっておりまして、五十五年度の同期の期間、すなわち五十五年度の二月までという十一カ月分と比べますと六・四%ばかり下がっておりまして、三月がまだわかりませんが、仮にこのままの状況で推移いたしますと、五十五年度が百二十一万四千戸でございましたが、それに比較いたしまして六万戸から七万戸程度低いことになるのではなかろうかというふうに考えております。この結果は五月の上旬程度になるとはっきりいたすと思います。
#108
○吉田正雄君 計画どおり建設が進んでないと、けさほどの説明でも千七十五万戸のうち何が幾ら何が幾らという説明をなさっておりましたけれども、説明が長引けば長引くほど聞いておるわれわれの方は何が一体原因なのかさっぱりわからなくなってくるということですので、端的にお聞きをいたします。第四期住宅建設計画が五十六年から始まったわけですけれども、計画どおり建設が進捗をしていない主要な原因をどういうふうにとらえておいでになるのか、これは建設、国土、それから経企庁にもお尋ねしたいと思うんです。
 経企庁には、これは経済政策の問題や景気の問題と絡んで住宅建設が景気回復の主要な役割りを果たしておる、あるいは住宅建設というものの経済的波及効果が非常に大きいということを繰り返し言われておるんですけれども、しかし、最近は住宅建設が予定どおりいってないのも事実ですけれども、仮にこれが予定どおり建設されておったとしても、私は景気の回復にはそれほどの大きな力にはならないんじゃないかというまた感じが最近してきているんです。たとえば計画どおり百三十万戸仮に建ったとした場合、期待できるほどの景気の回復につながるのかどうなのかということになってくると、どうもそんな感じはしないと思うんです。そういうことで一つずつ聞きますが、とにかく計画どおり進捗していない現状ですね、何が原因だとお考えになっているのか、各省庁からまずお聞きしたいと思います。
#109
○政府委員(豊蔵一君) 基本といたしましては、住宅価格の上昇とそれに対します国民の住宅取得能力が必ずしも上がっていかないということによる乖離が大きくなったことであると考えております。その際の大きな要因といたしましては、土地の価格、建築費、所得、ローンの情勢といったものがあろうかと思います。
#110
○政府委員(小笠原正男君) 住宅建設不振の原因を一言で申し上げることは困難でありますが、住宅建設五カ年計画でも七百七十万戸のうち約半分が新たに宅地を必要とするもの、半分が新たに宅地を必要としないものということになっているわけであります。したがいまして、新たに宅地を必要とするものにつきまして主な不振の原因は、最近における家計の実質可処分所得の低迷、それから五十四年、五年における地価と建設費の上昇があるというふうに思っております。このほか若干構造要因と申しますか、五十一年、五十二年、五十三年、百五十万戸の中で持ち家と分譲で百万、貸し家給与で五十万という比率が、かなり貸し家の比率が低下をしておる。そのあたりから若干需要構造面での変化も影響をしているのではないかというふうに見ております。
#111
○説明員(宮島壯太君) お答えを申し上げます。
 まず、住宅の低迷の原因をどう考えているかという点でございますが、一つは、中長期的な要因というものが考えられると思います。婚姻の世帯数の増加数が減少をしてきている、それから地域間人口移動が減少している、それから持ち家を中心とした住宅ストックがかなりある、こういう点が中長期的には考えられると思いますが、短期的には、先ほど御答弁もございましたように実質所得が伸び悩んでいる、それによって取得能力と価格の乖離が大きいという点が考えられると思います。
 そこで、第二点の今後の見通し、特に一般論として公共投資というものが効果が少し落ちているのではないかという点でございますが、まず、今後のわが国の成長をどういう形で遂げていくということを考えます場合に、内需中心、その中で住宅に対する期待を私ども持っているわけでございますが、先ほどの実質所得が伸び悩んだ五十六年度と比べまして五十七年度につきましては環境が明るくなってきているということが考えられますので、私どもはかなり期待ができるのではないかと思います。
 それから、一般的に公共投資の効果が経済の成長に対して与える影響が以前と比較して落ちてきているのではないかという御趣旨の御質問でございますが、わが国の過去の高度成長期から第一次オイルショックによりまして五%台の成長になってきたわけでございますが、そのときにおきましても、公共投資の追加によって実質五%を超える成長を昭和五十二年度、五十三年度とやってきている例からも考えますと、まだわが国の経済においては公共投資の実質GNPを押し上げる力というのは相当大きいものがあると考えられます。ただその場合には、もう一方で物価等の動きも十分考えながら検討していくべきものと、このように考えております。
#112
○吉田正雄君 いまの経企庁の景気に対する波及効果についてはまだそれなりにあるというふうな御説明なんですけど、これはもう少し科学的なデータに基づいて検討しないと、観念的に公共投資をやれば景気が回復するんだとか雇用が拡大すると、そう単純にだんだん言い切れない状況というものも出てきているんじゃないかというふうに思うんです。
 そこで、ちょっと具体的にお聞きをしますが、この四月十日に建設事務次官名で通達が出ておるんです。この通達の内容というのは、建設省所管事業の執行について、要するに、閣議で上期に公共事業については前倒しをできるだけやれということで七五%以上ということなんですね。
 質問に入る前に、これは各省庁によって非常に文書の取り扱いが違う、資料の取り扱いが違うと思うんですけど、この通達は私がほかから言われてこれが出たということがわかったんです。で、あわてて政府委員室の方を通じてもらったんです。きわめて重要な内容の通達であり、しかも建設省からも来ていただいて、社会党側ではこれらの問題についてもずいぶんいろんな注文も出したりしておるのに、こういう重要な通達が出て、ほかから回り回って私のところへ来て、建設委員長はこんなの知らぬのか、こう言われたんじゃこれは話にならないんです。これだけじゃないです。三月三十日の通達についてもそうなんですね。だから私は、こういう重要な文書については、これは秘密でも何でもなくて周知徹底させるための文書なんですからね。こういうものは一々いつ出るか私どもにはわからぬわけですから、これは記者クラブへはどうせ出されるんでしょうから、少なくともこういうものについては全部建設委員の皆さん方には配付をされるべきだと思うんです。それを一々資料請求しなければこういうものを配付しないなんていうのは、これは私は手落ちじゃないかと思うんです。国会の審議権を軽視をしていると言われても仕方がないと思うんですが、その点どうなんですか。
#113
○政府委員(丸山良仁君) 従来の慣行からこういうものを先生方にお配りしていなかったことはまことに申しわけないと存じます。今後は必ず御配付申し上げるようにいたしたいと存じます。
#114
○吉田正雄君 そこで、この通達の内容を見ますと、とにかくいいことがたくさん書いてあるんです。しかし、実情を見ますとここに書かれてあることと実態が違う。違うからこういう通達が出たということになるわけでありますけれども。
 そこで、まず建設業界の実態からお尋ねをしたいと思いますが、昨年の倒産件数、負債額というものがどれくらいになっておるのかということと、それからその倒産の主要な原因は何なのかという点についてお尋ねをいたします。
#115
○政府委員(吉田公二君) 民間の帝国データバンクというところの調べの数字で申し上げますが、暦年の五十六年におきます全産業の倒産件数が一万七千六百十件でございまして、その負債額が二兆六千九百十六億でございますが、そのうちで建設業が占めておりますのは五千四十九件、負債総額で五千百億でございます。これは件数で申しまして二八・七%、負債総額で一八・九%でございます。
 それから、そうした倒産の主要な原因でございますが、一番大きな比率と申しますのは、どうも五十六年で申しますと不況型倒産というものが五七%でございまして、それから放漫経営、経営計画の失敗というような順序と思われます。
#116
○吉田正雄君 私の知っている範囲ではこういう倒産件数が非常に多いんです。これは特に官房長に聞いておいていただきたいんですけれども、元請から逐次下請へおりていく、ところが下へ行けば行くほど前渡し金なんというものは下へはおりていかない。したがって零細業者が銀行その他から金を借りるわけですね。ところが結局やり繰りがつかなくて倒産をするということなんです。ところが、その一番下請の業者と資材を売却をしたたとえば鉄屋さんだとかセメント屋さんですね、取りたくても今度は取れないわけですね、倒産をしちゃっているわけです。おやじさんは夜逃げしちゃったとか、ますますもう債権はどこへ行ったかわからない。ところが、この下請と元請との間には明確な契約書もないということなんです。だから債権者はもう泣きの涙なんです。どこにこの債権を請求していいのかわからない。逆に元請はそのことによってむしろもうかるという仕組みになっている現状なんです。そういう倒産の例が相当数ある。新潟県にも結構土建業者は多いんです。
 そういうことで、いろんな通達では中小企業に十分配慮するような内容になっているんですけれども、これがこの通達どおり実施をされるためにはもう少し具体的な条件なりそういうものを付してやらないと、また、それが実施されておるのかどうか具体的に調査を行うとか、報告を上げさせる等のそういうものがないと、また一片の通達に終わる危険性があるのではないかというふうに私は思っておるわけです。特にこれだけ中小企業が倒産、いまのお話ですと五千四十九件、昨年五十六年に倒産をしているということなんで、負債額が五千百億円だということですね。ところが大企業、たとえば大手の住宅会社だけ見ても、大手十社の売り上げ、経常利益、純利益というものを見ますと、五十五年度も五十六年度もそれなりの売り上げと経常利益、純利益というものを上げているわけなんです。だから大手の場合には不況というものあるいは倒産というものはほとんどない、大手の場合には倒産が逆に減ってきているという実情なんです。だからこういう通達、指導が行われているのと逆に、実態は中小零細の倒産は相変わらず続いておるということが言えると思うんです。
 そこで、こういう点はどうなんでしょうか、ランクづけ入札制度というのがいま現在も行われていると思うんですけれども、こういうものを改善をしていくということが考えられないのかどうなのか。特に私は基本的にはこれが一番重要だと思うんです。大手と中小のいわゆる下請、元請の重層構造ですね、ある分野においては仕方がないと思うんですけれども、下請という形でなくて直接そこに発注できる分野までが、一括して発注が行われるためにどうしても下請の形式をとっていくということですので、直接発注できる分野、業種というものをどんどん広めていくということが必要ではないかというふうに思っておるんです。そういうランクづけ入札制度の改善については何かお考えありますか。
#117
○政府委員(丸山良仁君) 先生御承知だと存じますが、たとえば建設省の直轄工事の例で申しますと、五十五年度までは、ABCDEの五ランクに分けているのは現在でも同様でございますが、Aが三億円以上、Bが一億二千万円から三億、Cが三千万から一億二千万、Dが一千万から三千万、それからEが一千万円以下、こういう区分になっていたわけでございますが、昨年度からはAランクの業者は四億円以上、それからBが一億六千万から四億、Cが四千五百万から一億六千万、Dが千五百万から四千五百万、Eが千五百万円以下というように大体五割程度のレベルアップと申しますか、中小が受注できる分野をふやしたようなわけでございます。
 それから、いまお話のございましたように、建設省といたしましてはなるべく中小業者が受注ができますようにこのランク分けをしておりますけれども、上の業者は下におりてこないように、それから下の業者は優良な業者であれば上まで上がれる、こういうような指導をやっているわけでございまして、今後ともその点には十分配慮してまいりたいと存ずるわけでございます。
#118
○吉田正雄君 特に私この通達を見まして、言うことのない内容だと思うんですけれども、ただ問題は、これは新潟県でも新聞に報道されましたように、特定の企業にもう発注が集中してしまうというふうなことが行われる、あるいは経営実体、実績がないのに看板だけでもって受注をして、そして下請におろしていっていたという事実がつい最近出てきた。この委員会でも他党の委員からも取り上げられたわけですけれども、そういうことがあってはならないわけですから、特に私は、官公需の場合についてはやはり建設省が責任を負っているわけですから、地方の建設局にもその点趣旨を徹底をされて、そういう変なダミー会社のようなものはもう調査でわかるわけですから、土建業界というのはみんなお互いよくわかっているんです。そういうことで、そういうものを峻別をしていくということがなければいけないと思うんです。
 それから、支払い代金の適正化とかいろんなことが言われておりますけれども、これは官房長、発注をする、前渡し金が出る、それが一体どの程度下までおりていくのか。そういうことで、私は、元請から下請まで官公需の場合には契約書を明確にさせる、その契約書を一体結んでいるかどうかということも報告をさせる、それから、この通達の中にも必要な金についてはできるだけ落としなさい、こうなっているんですが、それも契約の中では一体どの程度まで前渡し金を下請に落としていくのか、こういうふうなものを制度的に確立をする指導というものを行うべきではないかと思っておるんです。だんだん最近はなくなってきていると思うんですけれども、ある特定の業者では国からの前払い金はポケットへ入れたっきりで、後は下へは全然おろさない。少しでももらいたいなんて言おうものなら、次にはおまえに仕事をやらぬような話になっちゃう。それが、口には出さぬけれども、あうんの呼吸でそういうムードでもって言い出しかねるという、これでは困るわけですから、そういう点で、それらについてはどうですか、いま言ったようなことを今後指導されるといいますか、考えられるんでしょうか、どうなんでしょうか。
#119
○政府委員(丸山良仁君) まず、指名の問題でございますが、最近この委員会でも御批判を受けるような事態が生じていることはまことに残念に思っている次第でございます。
 指名の仕方といたしましては、まず技術的適正あるいは地域性、あるいは業者の信用力というようなものを中心にいたしまして指名をしているわけでございまして、その場合におきましても手持ち工事の状況等も勘案いたしまして、特定の業者に偏らないような指名方法を講じておるわけでございますが、その点については今後とも十分に配慮してまいりたいと考えているわけでございます。
 それから次に、下請前払い金の問題でございますが、これは最近の調査はないと存じますけれども、私が計画局長をいたしておりましたころに調査したことがございます。確かに先生おっしゃいますように前払い金が元請から下請にほとんど渡っていない、こういうような実態はあるわけでございますが、この点につきましては、この通達には具体的には入っておりませんけれども、計画局長通達等をもちましていままでも十分に指導しているところでございます。
 実態は、資材の手当てその他は元請がする場合が多いわけでございまして、下請の希望もとったわけでございますが、下請といたしましては、これは遠慮している面もあるかとも存じますけれども、必ずしも前払い金をもらうよりは資材の手当てをしてもらった方がよろしいというような意見も出ているわけでございます。いずれにいたしましても、前払い金を払うからにはやはり下請まで渡るようなことにしなければならないと考えているわけでございまして、この点につきましても今後とも十分に配慮してまいりたいと存じます。
 それから、下請、元請の契約の関係でございますが、現在、建設省の直轄工事におきましても発注者が下請関係の契約の書類はとっておりません。これを全部発注者に義務づけるといたしますと非常に事務量が多くなるわけでございまして、この点は残念ながら実施できていないわけでございますが、計画局におきまして、下請、元請関係はすべてできるだけ契約書をもってやるように、あるいは契約書までいかない場合におきましても、文書をもって行うように十分指導しているところでございまして、この点につきましては計画局とも相談しまして、今後ともその点の強化を図ってまいりたいと考えているわけでございます。
#120
○政府委員(吉田公二君) 大部分官房長の方からお答え申し上げたわけでございますが、まず、元請と下請との関係の契約の問題でございますが、おっしゃるとおり請書のような形でやられているケースが非常に多かったわけでございますが、昭和五十二年の四月に、中央建設業審議会が「建設工事標準下請契約約款」というものを定められまして、こういう契約書によりまして下請契約を締結すべき旨を定められたわけでございまして、これを受けまして、五十三年の十一月に、「元請・下請関係合理化指導要綱」というものを私どもの方から業界に流しまして、鋭意これの普及徹底に努めておるところでございます。
 それから、前渡し金の問題については官房長が答弁されたところでございますけれども、建設業法におきましては、元請人は前払い金の支払いを受けましたら下請人に対しまして必要な金を支払うよう配慮をすべきものとしておりまして、私どもといたしましてもこの趣旨の徹底のために、年末等資金需要の逼迫するような時期に下請代金の支払いの適正化というようなことについて局長通達を出す等、機会を見てこういった問題について指導を行っているわけでございまして、引き続き努力してまいりたいと思っているわけでございます。
#121
○吉田正雄君 それから、中小零細企業の仕事を確保するということでもいろいろ通達に書かれてあるわけです。そこでもう一歩踏み込んでお聞きをしたいと思うんですけれども、随意契約の範囲をもう少し拡大をしたらどうかと思うんです。これは自治省にもお尋ねをしたいと思っておるんですけれども、そういう点で中央からの直接の随意契約、自治体からの随意契約、従来ですと金額が自治体の場合三十万ですか、建設省の場合が二百万というふうになっております。余りに大幅に引き上げるというのもこれまた問題が出てまいろうかと思うんですけれども、たとえば三十万のものだったら五十万から百万ぐらいの範囲に引き上げていくとか、そういうことが考えられないのかどうかということなんです。契約発注でやりますと、地方自治体なんかの場合には下請におりてくるまでまたこれ二、三カ月かかっちゃうというふうなことでとても間に合わないんです。そういうことで随意契約を、あらゆる職種それから仕事の内容にわたってもう少し地元の中小零細企業に直接仕事が行き渡るような発注方式というものを考え拡大をしていくということで、どのようにお考えになっておるのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#122
○政府委員(丸山良仁君) まず、国の発注でございますが、これは予決令の九十九条によりまして、いま先生おっしゃいましたように二百五十万円以下が随意契約ができるという形に相なっております。それから地方公共団体におきましては、いまのお話のように三十万円ということになっておりますけれども、これはいずれも昭和四十九年に決められたものでございまして、その後物価の値上がり等があるわけでございますから、もちろんこれは建設省の所管の仕事ではございませんからうちで変えるわけにはまいりませんが、自治省あるいは大蔵省に十分相談いたしまして、この点については引き上げるように努力いたしたいと思います。
 それから、最近いわゆる談合問題等が起こりまして、たとえば十社を二十社にするというようなことで相当契約事務がふえるわけでございますから、その点からも随契の範囲は広げてまいりたいというのが建設省の基本的態度でございます。
#123
○説明員(中島忠能君) いまから三週間ほど前でしたか、衆議院の建設委員会で中村茂先生から三十万円を五十万円にしたらどうだという話がございました。私たちの方では、問題意識を持ちまして、随契を広げることにつきまして地方団体の契約担当者とかあるいは地方団体の長とかそういう人からヒヤリングをいたしまして、できるだけ早く結論をまとめたいというふうに考えております。
#124
○吉田正雄君 業者関係でもう一つだけお尋ねをいたしますが、先ほどもちょっと申し上げました三月三十日付の中建審に対する諮問でしたか、「建設業許可制度のあり方に関する調査審議について」ということなんですが、これは登録制から許可制になってきたということで、今回また行管の指摘等もあってこれを見直すということなんでしょうか。これについて審議を依頼されたんですけれども、時間もありませんから私は一言だけお尋ねしたいと思いますのは、どういう形で答申が出てくるかわかりませんけれども、現在の業者数が五十万というのは多過ぎる、だからこれもしぼっていくんだ、過当競争もなくしていく、名目は優良業者を育てるんだという言い方の中でどんどん業界が整理をされていくということになっては問題があるんじゃないか。さらにその中で中小零細業者が特に締め出しを受けていくというふうなことではこれは問題だと思います。だからそういう、まさかための審議要請じゃないと思うんですけれども、何かそういうねらいというものがあるんでしょうか、どうなんですか。
#125
○政府委員(吉田公二君) 去る三十日に御審議を御依頼申し上げたということは事実でございます。御存じのとおり建設業法は昭和四十七年四月一日から従来の登録制度から許可制度に変わりましてちょうど十年になるわけでございます。四十六年当時約二十万の業者でございましたが、現在御指摘のとおり五十万を若干上回る数字になっております。現在のこうした中におきまして、建設業の許可基準というものについても十年間たつ間にいろいろ諸般の情勢も変わってございます。
 それから、御指摘のように行政管理庁におきましては、こういった五十万業者についてすべて許可手続によることが適当かどうか、現在でも許可を要しないで行うことができる範囲というものが定められているわけでありますが、許可を要しないでやれる範囲をもう少し拡大するということはどうかとか、あるいは非常に零細な、零細なと申しますか中小の業者とそれから大きな業者との間で同一の物差しの許可という形をとることよりも、許可をとるものと登録制度というものとをかみ合わせてはどうかというような御意見も出ております。そのほかいろいろな御意見もございますし、また、いまの業種別許可制度の範囲についていまの範囲が適当かどうか、新しい範囲をふやすべきではないかというような御意見もございますので、広い範囲で審議会において御討議をいただきまして、現行の許可制度について見直す必要があるという御意見がございますようでしたらそういった措置をとりたいということでございまして、先生おっしゃるように、零細業者を締め出すとかそういったようなことを目的としてという趣旨では全くございません。
#126
○吉田正雄君 そういうことでお願いをしたいと思うんです。
 現在住宅建設が進んでいない最大の理由というのは、やっぱり宅地の確保というものが十分でないということだろうと思いますし、それから都市の再開発事業等についても土地問題というのが非常にネックになっているというふうに思うんです。
 そこで、宅地の確保についてちょっとお尋ねをいたしますけれども、山手線、環状線の中で坪百万円以下の土地なんていうのはどこを探したってないと思うんです。結局は土地がないから、宅地がないから高いというのはこれは当然需要と供給の関係なんですけれども、現在国が進めております土地区画整理事業というものによって、もちろん土地区画整理事業そのものが宅地を確保するための事業でないということは当然でありますけれども、しかし、区画整理事業によって宅地に転換可能な部分というものも相当出てきておるのではないかというふうに思いますので、この土地区画整理事業を行われてきた事業の実態がどんなものであったのか、その結果少しでも宅地化されたものがあったのかどうなのか、将来若干でも期待できるのかどうなのかという点についてお尋ねをいたします。
#127
○政府委員(加瀬正蔵君) 土地区画整理法によります土地区画整理事業は、いままで三大都市圏におきまして約十一万一千ヘクタールが施行されております。そして、そのうち宅地化されたものがどのぐらいかということでございますが、これは私どもの計画局の調査でございますが、五十四年度にはたとえば土地区画整理事業で全宅地供給量のうちの四四%を占めておる、それから四十一年度から五十五年度までの宅地供給量、これが十六万三千八百ヘクタールほどございますが、区画整理によりますのがうち四万五千七百ヘクタールという状況でございます。
#128
○吉田正雄君 次に、市街化区域と市街化調整区域、もう現状ではかつて行われた線引きが大分実情からかけ離れたものになっておるということが言えると思うのです。たとえば道路一本隔てて片側はもう市街化区域だ、道路の反対側は市街化調整区域だ、しかし調整区域だけれども、その道路にはもう上下水道も通っておる、近くには学校も幼稚園も全部できておる、そして実態としてはもうその周辺はほとんど住宅になっておる、しかし、調整区域であるために虫食い的にそこがまだ建てられなくて土地がすいているというふうなことがあるわけですね。この見直しがなかなかうまくいかない一つの原因として、これは自治省に関係あるんですが、地方自治体としては、見直しをやって市街化調整区域を市街地にしてしまうと、条件が整備をされてないところはまた学校をつくらなきゃいかぬとか、また上下水道やらなきゃいかぬということで大変金がかかる。市議会でうっかりそんなもの提案をしたら、その金はどうするんだということになってくる。
 これは若い方が聞いたらばお怒りになるのじゃないかと思うのですけれども、うっかりどんどん宅地が広がっていくと若い人がどんどん入ってくる。市民税も払わぬけれども、お子さんはどんどんできてくるし、学校は要る、幼稚園は要る、保育所は要るということで、とても実際の負担にたえないのだというようなことから、この市街化区域の見直しというものにはなかなか賛意を表しがたいということが言われておるのですけれども、こんなことをいつまでもやっておったのでは宅地が確保できなくてますます宅地が上がる、住宅建設が進まないということになると思うのです。しかし、一方においては都市の乱開発が進んでいくということでありますから、都市の再開発を当初の計画どおり機能させると同時に、やっぱり住宅建設を促進するためにも市街化調整区域を条件のあるところでは見直すことがむしろ乱開発を防ぐことになるんではないか、地価の暴騰を抑えることになるのではないかというふうに思うんですが、これに対してはどのようにお考えになっておりますか。
#129
○政府委員(加瀬正蔵君) 御指摘のように、良好な住宅宅地を円滑に供給するということを考える一方、市街地の計画的整備を推進するという観点から線引きの制度ができておるわけでございます。御指摘のように線引きの制度ができましてから十数年経過をいたしまして、確かに一部で道路を境にして片方は市街化区域、片方は調整区域というような状況があるかと思います。また、線引き制度というものはそれなりにスプロール化の防止とかあるいは調整区域における地価の抑制とかいうことには効用を果たしているかと思いますが、一方で計画どおりの市街化が進まないとか、あるいは宅地化が市街化区域内でも進まないとか、調整区域の中の開発許可の方針が不適当であるとかいうような御指摘があることも十分承知しております。
 そこで、私どもといたしましては昭和五十五年の九月に、「市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画の見直しの方針について」というものを都道府県に通達しているわけでございます。その主な内容を申し上げますと、宅地の供給に結びつく計画的な市街地の整備が確実な区域を市街化区域に編入するということ、それからもう一つの大きな柱は、ことに大都市地域におきましては、大規模な住宅地開発事業の実施等に当たりまして随時市街化区域に編入する、これは五年ごとの見直しを随時行ってもよいという旨の通達を出しておるわけでございます。これに基づきまして一部の都市計画区域におきまして随時変更の実施など、一定の効果を上げているところでございますが、さらに五十七年度から五十八年度にかけまして多くの都道府県で見直しの作業が進められつつあるわけでございます。そういう状況下にございますので、私どもといたしましても現下の宅地供給施策の重要性にかんがみまして、線引き制度を中心とした都市整備の具体的な方策につきまして、都市計画中央審議会に建設大臣から諮問をして御審議をいただいているところでございまして、御趣旨に沿うような方向で、なるべく速やかに適切な措置が講ぜられるよう努力したいと考えております。
#130
○説明員(藤原良一君) 御指摘のように、地域の実情によりまして公共団体では見直しの時期とか範囲等についていろいろな意見を持っておるところもあろうかと思います。しかしながら、良好な住宅宅地の供給は大変重要な課題でございますので、秩序的な市街地整備ということに配慮しながら建設省でも通達をお出しになっておりますので、その通達の趣旨を踏まえまして線引きの見直し、あるいは宅地供給の促進に自治体としても協力していかなければならないんじゃないか、そういうふうに考えております。
#131
○吉田正雄君 もう一つ宅地確保の問題ですね、まだ公共用地で一般の国民の目から見たときに、あれを開放してもらっていいんじゃないかなと、それは国なり公共団体が将来計画を持って、いま見た目ではそれは更地になっているとかそういうこともあるかと思うんですが、しかしもう少しぐらいは開放できるんじゃないかなというような考えもあると思うんです。それで現在、公共用地として手持ちの、建物の建っていないそういう土地がどれくらいあるのか、わかったら聞かせてもらいたいと思うんですけれども。
#132
○説明員(藤原良一君) 自治体でどれぐらい未利用地を保有しているかという御質問でございますが、自治省といたしましても、普通財産、行政財産別に土地の保有状況は一応把握しておりますが、そのうち未利用地がどれぐらいかということは、実は把握していないというのが実情でございます。
#133
○吉田正雄君 これは建設大臣とそれから国土庁長官ですね、住宅建設あるいは都市再開発計画の最大のネックというのは土地問題なんです。だから、そういう点で私はこれから宅地をどう確保するのか、宅地を確保すると言っても乱開発につながるような、そういうむちゃくちゃな宅地の開発ということを意味しているのじゃなくて、いま申し上げた三点について、土地がない、土地がないと言うんだけれども、本当に宅地を確保する姿勢にまず欠けているんじゃないかと思うんです。そういう点で私の指摘したのはこれは三点ですけれども、土地区画整理事業とか市街化調整区域を市街化区域に変えたらどうかとか、それから公共団体が持っている、国あるいは地方自治体が持っている未利用地で宅地として開放してもいい、そういう未利用地についてはこれは積極的に開放すべきではないか。国が積極的にそういう施策を打ち出さなければ、いつまでたっても土地がない、土地がないということで宅地の値段がどんどん上がっていくわけですから、そういう点ではひとつ英断を持ってこれに取り組むべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#134
○国務大臣(松野幸泰君) お答えいたします。
 合理的な土地利用の確保と適正な地価の形成を図るため総合的な土地対策を推進することは、国民生活の安定と経済の発展を図る上で重要な課題であると考えております。このため、国土利用計画法の的確な運用等により適正かつ合理的な土地利用の確保と投機的な土地取引の抑制を図りつつ、市街化区域内農地の宅地化の促進、住宅宅地関連公共公益施設の整備の促進、いわゆる線引きの見直し、工場跡地、遊休地等既成市街地の高度利用の推進、土地税制の活用等により宅地供給の促進を図る等、必要な諸施策を総合的かつ積極的に講じてまいりたいと考えております。
#135
○国務大臣(始関伊平君) ただいま国土庁長官からもお答えを申し上げましたが、御指摘のように、国有、公有地を含めまして未利用地が大分あるようでございます。また、区画整理をせっかくやりながらまだ宅地として利用のできていないところもかなりある。さらにまた、これはどうも地方の方で余り積極的にやってくれないので困っておるわけでございますが、線引きの見直し等によりましても優良な宅地開発のできる場所も大分あるかというような点を御指摘になったと思いますが、これらの点につきましては、関係各省等とも御相談をいたしましてさらに一層努力をしてまいりたい、かように存じております。
#136
○吉田正雄君 それでは次に、いまも話を出しておきました市街地再開発事業に関連していろいろお尋ねをしたいと思うんですが、これは両大臣、これからお尋ねをすることは、単に住宅金融公庫法の法律の利子が上がったとか下がったとかという小さな問題ではなくて、まさに日本の政治の私は根幹にかかわる問題、あるいは政治倫理にかかわるきわめて重要な問題についてこれから質問したいと思っている。本来であればここへ鈴木総理大臣を呼んでお尋ねをしたいところなんですが、これはこの委員会の性質上呼ぶことができませんから、両大臣は担当の大臣でありますから、十分ひとつお聞きを願いたいと思いますし、今後の施策、行政の上でそういうことが起きないような決意をひとつ持ってもらいたいと思うでんす。
 どういうことかと申しますと、私はこの間科学技術特別委員会で質問もしたんですが、実は新潟県において御承知のように現在県知事選挙が行われています。ところが、この現職県知事が副知事時代に、巻原発の用地買収を自分のかつての部下であった自動車の運転手をやっていた男ですけれども、この男に白露産業という会社をつくらして、それがそこの社長にいまなっているわけです。この五十嵐乕吉という人が中心になって、別途また東北興産という土地買収専門会社をつくったわけです、名目上の代表は別におりますけれども。そして土地不動産会社の高隆不動産、そういう会社も動かして、巻原発建設用地を観光開発と銘打って買収したわけです。坪三百円とか四百円という値段で買った。そして電力会社に売るときには三千円、四千円という十倍の値段で売りつけた。もちろん知事はそんなことはおくびにも出さなかったわけです。私が知ったのはずっと後ですなんて言っておったんですが、知らぬわけがないわけです。
 というのは、当時、副知事と同じ親戚の県会議員のところへ話が来て、その県会議員というのは東北電力の社員であったわけですね。そこから副知事のところへ行って、副知事がいま言った白露産業の社長に話をして、そして土地買収に当たらせた。この経過は非常にはっきりしている、これは事実ですから。ただ知事は、私はタッチしていなかったと言っているんですけれども、タッチしないわけがないんです。そこに原発ができるということは副知事という要職でなければわかるわけがないんです。逆に言うと、そういう副知事という地位を利用して事前に情報をキャッチをする、土地の買収に当たらせる、ただし、それは観光だということで当たらせる。そして電力会社が発表する、今度はその土地会社がそこに土地を売り込むということで、大変な利潤を上げたわけです。
 何でそんな原発の話がいまここに出てくるかというふうに、ちょっと奇異にお感じになるかわかりませんが、それと似たようなことがいまこれからまた行われようとしておるということなのでいま申し上げたんです。
 この前それを科学技術委員会で質問をして、通産省としては、そういう事実があったらこれは大変ですから調査をいたします、科技庁長官も、これは直接の所管ではありませんが、私が仮に所管大臣だとしたらこれは重大な関心を持って臨みますというふうな答弁もやっておりました。そこで、いまの話だけではちょっとおわかりずらいと思いますから、この前自治省に質問したことで、答弁がまだ十分この前のときは得られておらなかったので、繰り返してもうちょっとだけお尋ねをいたします。
 君知事の唯一の政治団体、後援団体は北日本政経振興会、この代表というのがさっき言った自分の部下で自動車の運転手をやっておった白露産業の社長、これがいま北日本政経振興会の代表になっているわけです。で、五十三年度の知事選挙の年になるんですが、小沢辰男代議士の政治団体である政経文化研究会から百五十万円の寄附を受けたことになっていたが、政経文化研究会の支出はゼロになっておる。それから同じその知事選の収支報告によれば、北日本政経振興会からは六百万円寄附をもらったということになっておるんですけれども、振興会の収支報告には百万円だけしか載っかっていないということなんです。いずれかに誤りがある。どちらがうそをついたかうそをつかないかというのは、これは見方ですからあれですが、事実が違っていることだけは違っているわけですね。これはいろいろ調査をしてわかっていることなんですが、自治省にも調査を依頼しておったんですが、この点についてはどうなんですか。
#137
○説明員(横田英司君) お尋ねの件でございますけれども、五十三年に北日本政経振興会は政経文化研究会から百五十万円の寄附を受けておりますが、政経文化研究会ではその支出が計上されておらないことは事実でございます。
 それから、もう一点の君知事の選挙運動の収支報告書でございますけれども、北日本政経振興会から六百万円の寄附を受けておりますけれども、五十二年、五十三年の、五十二年は保存年限がもう経過しておりますので確認のしようがございませんけれども、五十三年分の北日本政経振興会の収支報告書には当該寄附は見当たりません。
 以上でございます。
#138
○吉田正雄君 いま自治省の発表のように、両方の報告が違っているわけですね。これははっきり言ってどちらかがうそをついているわけです。したがって、自治省としては届け出団体の正式な報告に違いがあるわけですから、どちらに間違いがあるのかこれは調査をやってもらいたい。どっちに間違いがあったのか、あるいは届け忘れたのか。これはどうですか、やってもらえますか。
#139
○説明員(横田英司君) いまのようなケースの場合に、御承知のように政治資金規正法の三十一条というものがあるわけでございます。これは形式的審査権というものを規定しておりますけれども、これは、その届け出のありました当該収支報告書自体の問題につきまして、そういった観点から審査をするということになっておりまして、報告書相互間の照合についてまでは規定をしていないものというふうに私どもは理解をしております。
 なお、いまの御指摘の点でございますけれども、五十二年の政経文化研究会の問題でございますが、五十七年の二月二十六日付で政経文化研究会の方から記載漏れがあったということで百五十万円の訂正願いが出されておりまして、受理をしております。
 それから、もう一つでございますけれども、五十三年の新潟県知事選挙におきまして、君知事の収支報告書には六百万円の寄附の受領があるわけでございますが、北日本政経振興会の収支報告書には当該寄附は見当たらなかったわけでございますが、五十七年二月二十四日に、北日本政経振興会から六百万円の寄附の記載漏れがあったということで、これも同じように訂正報告が出ておりますので、御報告を申し上げます。
#140
○吉田正雄君 大臣、お聞きになってわかるように、選挙があったのは五十三年なんです。そしていま私が指摘をしたことは、ことしに入って、知事にそういう間違いがあるじゃございませんかという指摘が行われたわけです。指摘が行われましたから、四年後のことしの二月に入ってあわてて届けを出したということなんです。当時この問題が県会でも取り上げられたときには、そんなことはないというふうなことで逃げの一点張りだったんですが、そういうことだった。
 そこで、国税庁にお尋ねをしますけれども、実は同じく知事が日本赤十字社の新潟支社の跡地の売却に関して、知事自身が一番いい土地を一番広くよけい買ったんです。ところが、他の一般市民の値段の約半値に近い値段で買ったわけです。そして、その購入資金については自分の家を売った金、学校町の土地建物売却代金三千六百八十万円、それから小針の土地売却代金二千二百万円、第四銀行からの借り入れ千三百万円、手持ち自己資金が五百六十万円、合計七千七百四十万円の土地代金を払った。普通で買っておったら一億二、三千万円かかるんですけれども、やっぱり知事なものですから大体半値近い値段で買えたんですね。
 それはとにかくとして、その売った金で、自分の家や土地を処分をしてその日赤の跡地を買ったと言いながら、実は先ほど申し上げました白露産業の五千万円の小切手がそこで使われているわけです。しかも、日赤の跡地を買ったときには、自分の処分した土地等はもう他人の所有に名義でも移転登記をされているわけですから、金が入っているんです。入っておりますから、白露産業から五千万円なんていうのを小切手で払う必要はないわけなんです。ところがそうでない。そして買ったのが五十四年ですか、この五十四年の三月十五日に不動産取得税は申告済みだと言っているんですけれども、これは自分でもう住んでいる家ではないわけですから、所得税の計算をやりますと、学校町の土地建物売却代金が三千六百八十万円ですから、三千万円のあれは、控除がないわけですから、所得税は八百八十三万円、それから小針の土地売り上げ代金は二千二百万円なんですが、これも控除がないわけですから三百五十一万円というふうになるわけです。それからさらに、この日赤の跡地をいま言った七千七百四十万円で購入をしたわけですから、その日赤跡地の取得税というのは百八十六万円にならなきゃいけない。つまり、税金としては千四百二十万円にならなきゃいけないということなんですが、国税庁の調査ではこういうふうな納税になっておるのかどうなのか、どういう調査をされたのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#141
○説明員(平北直巳君) 県知事の申告につきましては、一定金額を超えますと公示がされますので外部に対してもその金額につきましては申し上げることができますけれども、日赤の跡地を買った所得につきましてどういう申告があったかということにつきましては、個別にわたる問題でございますので答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#142
○吉田正雄君 税金というのは、確かに一々だれが何か払ったというのはなかなか守秘義務ですが、この金額に近いものですか、どうですか。――じゃ言葉をかえて言うならば、私の指摘は間違いですか、間違いでないですか、金額が当たっているとか当たってないでなくていいです。
#143
○説明員(平北直巳君) 金額につきましても答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#144
○吉田正雄君 そうすると、それで間違いないと私どもが推察をしても文句は言えないわけですね。われわれの計算ではそうなるんです。
#145
○説明員(平北直巳君) 所得税につきましても法人税につきましても申告がございまして、もしその申告額が間違っている場合と税務署の方で認識いたしましたら、資料をもとにしまして調査をいたしまして、その調査の結果間違っていることが判明した場合には修正申告を出していただく、あるいは修正申告がない場合には更正をいたします。そういう処理を税務署としていたすということでございます。
#146
○吉田正雄君 調査をされましたか。いまこの問題について私が指摘したような観点での調査は、いままで行われたことがありますか、ありませんか。
#147
○説明員(平北直巳君) 調査をしたかどうかにつきましても、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、五十四年当時から新潟県を中心とします地域に発行されております新聞紙上等で、この問題につきまして五十四年当時相当話題になっておりましたので、そういう情報は当然税務署としては知っておりましたから、そういう情報をもとにしまして適正に処理しているんではないかというふうに思っております。
#148
○説明員(丸山高満君) 不動産取得税につきましては地方税でございますので、自治省の方からお答え申し上げさせていただきます。
 いまお話がございました不動産取得税につきましては、同県知事が同県議会におきまして不動産取得税として七十七万五千七百四十円が課税された旨の答弁がなされ、また、その納付につきましては納付期限までに納税がされたと聞いております。なお、不動産取得税は賦課課税でございますので、知事がそういう議会で答弁されたことから御推察をいただけると存じます。
#149
○吉田正雄君 もう一点お尋ねをいたしますが、先ほどの老原発の用地買収に絡んでは東北興産、いろんな不動産会社を動員して土地を買って、中心になったのは先ほど言った高隆不動産とか二、三なんですが、最終的にはその東北興産というものがまとめて東北電力へ売り渡す、窓口は東北興産なんです。大体約二百町歩近くなんですね、百八十八町歩が昭和四十四年から五年にかけて東北電力に売り渡されておるんです。売却代金が約十一億二千八百万円、仕入れ代金が三億八千四百万円、売上粗利益が七億四千四百万円、経費を仕入れ代金の三割と見積もって一億一千五百二十万円、したがって純利益は六億二千八百八十万円になるだろうと推測をされる。推測といっても勝手な推測ではなくて、高隆不動産の社長が実はことしに入ってこれを内部から暴露したんです。そういうことでこの問題が急速に出てきたわけです。
 ところが、東北興産の当時の公式発表や税務申告は、売却代金が六億七千三百五十二万円、仕入れ原価経費が六億二千百九十四万円、純利益が五千百五十八万円、こうなっているんですね。非常に違っているんです。こんなのはでたらめだ、そういうことでこの税金の申告がどうだったのか。これは大分前の話ですから、こういうものの書類が残っておるものかどうかわかりませんが、これはどうですか。
#150
○説明員(渡部祐資君) ただいまお尋ねの件も個別にわたる事柄でございますので、従来から答弁を差し控えさしていただいておりますけれども、さらに御指摘の件につきましては、何分にも十年以上も前のことでございますので、関係書類のチェックを一応いたしてみましたけれども、私どもの帳簿書類の保存期間がすでに経過をいたしておりまして、関係書類が一切保存されておりませんので、御質問にお答えすることができないということを御理解願いたいと思います。
#151
○吉田正雄君 都合の悪い書類というのはなくなっちゃうものでしてあれですけれども、ここに言ったことはほぼ間違いのない数字なんです、これは。私どももでたらめな数字を申し上げているんじゃなくて、しかるべき人たちがしかるべき資料も収集をして綿密に調べた数字なんです。
 そういうことで、大臣、お聞きのとおりこういう十何年前にあったことがいま出てきた。そして現在の知事は、いままではこういう問題が出たり、それから過去二回かつての知事、もう一人の知事がもち代ということで配って知事選に当選したけれども、それでやめなきゃならなくなった知事もありました。それと似たようなことで五十万円のもち代だとか三十万円のもち代というのを、また去年も三十万円のもち代を配ったりしてわあわあになったんですけれども、それまでは清潔、公平な知事だというふうに県民は思っておった。ところが、十何年前のいまのこの原発用地買収の問題や、それから日本赤十字社の跡地の買収をめぐって県知事の地位を利用して一般人よりも半分近い値段でもっていい場所を買うとか、それから税金の申告が違っているじゃないか、一般市民はこんなことは許されませんよということで、いま非常に県民は不信感を持っておるんです。
 そこで、これからお尋ねすることが場合によっては建設大臣の責任問題にもなりかねない、国土庁長官の責任問題にも発展しかねない――いや、皆さんが悪いことをやっているということじゃなくて、ということになりかねない事態になったら大変だと思いますから、そこでお尋ねをいたしたいと思うんですけれども、御承知のように、現在上越新幹線がいよいよ十一月十五日に新潟−大宮間を突っ走る、開業になるということなんですが、そこで新世紀の新潟市に向けてということで、新幹線駅を、従来の新潟市から見ますと裏側と言っているんですが、まあ南側なんですが、ここを都市再開発事業によって見違えるようにりっぱなものにしようということで、新潟駅南再開発事業というのが計画をされているんです。これは御承知のとおりだと思うんです。
 そこで、この住宅金融公庫法の中にも再開発事業等についての融資等の問題、公庫の貸し付け等についてもあるわけなんですけれども、この新潟駅南開発事業の進捗状況は現在どの程度になっておりますか。
#152
○政府委員(加瀬正蔵君) 新潟駅南都市再開発事業につきましては、駅の南側に隣接する二・四ヘクタールの区域で施行されているものでございますが、この区域は、従前、駅前広場、街路等が未整備で住宅が主に立地していた区域でございましたけれども、上越新幹線の開業に伴いまして新潟市の玄関口として整備するために、五十四年度から市街地再開発事業で総事業費行八十七億円で駅前広場、幹線街路等の公共施設の整備とあわせまして商業業務施設の整備を行っているものでございます。
 現在までの事業の進捗状況は、権利変換手続を終了しまして本年夏から建築工事に着手することとしております。昭和五十九年七月に竣工を予定していると聞いております。
#153
○吉田正雄君 私も、二、三日前に新潟市駅南開発事務所へ電話をしてちょっと聞いてみたんですが、五月の二十日には広場は供用開始したいというふうなことを聞いたんですが、そのときに実は意外なことを聞いたんです。意外なことというのは、この駅南開発事業の第一期工事の第一地区のA1棟、これがメインになるわけなんです。その専用部分を見ますと、店舗が九千五百五十五平方メートル、ホテルが一万二千十五平方メートル、約五十五・七%がホテルになっているわけです。三階までは要するにショッピングセンターになりますか、そうなっているんです。ところが、私たちこの建設委員会は去年の七月、この駅南の開発事業を視察に行っているんです。そのときには非常に調子のいい話を聞きまして、ただ三名の地権者がまだ問題がある、納得しかねるということだったんです。その三名の地権者もその後大体納得されたというふうに聞いておりまして、順調に進んでおるかに聞いており見ておったんですが、実は最も重要なホテル部分についてどうもそういかなくなったという話なんですが、それはどうなっておるんですか。
#154
○政府委員(加瀬正蔵君) 御指摘のように、メインの部分にホテルの計画があるようでございますが、現在まだホテルの経営者が決定しておりませんで、入居者を募集している状況というふうに承知しております。
#155
○吉田正雄君 その前に、市街地再開発事業、これは建設省の方からのあれですけれども丁これを見ますと、都市計画決定の段階で知事、それから設計の概要の認可の段階で知事、権利変換計画の認可の段階で知事、こういうふうにこの開発事業については知事が当初から最後までずっと関与してきている、しかも重要な決定、認可については、知事の権限という形できているわけです。だから基本的に聞きたいのは、まずこの開発事業については、建設省は地元の新潟県、市と十分計画を練ってこられた、相談に応じてこられた、多額の補助金も出るわけですから、そういうことでこれは間違いないわけですね。この駅南の開発事業については、知事も十分承知をしているはずですね。
#156
○政府委員(加瀬正蔵君) おっしゃるとおりでございます。
#157
○吉田正雄君 そこで局長、ホテルの状況というのが何かどうもはっきりしないようなんですが、私が三日前ですか聞いたときはどういうことだったかというと、実は東映ホテルにひとつ経営をやってもらおうということで依頼をしておったのだけれども、東映ホテルから断られた。そこでいま、いまですよ、ワシントンホテルと言っていましたかね、に当たっているし、ワシントンホテルの方から、ひとつ経営をやらせてくれないかと言ってきている、したがって留保床分の処分については二、三の生保会社に当たっております、こういう話だったんですが、それは間違いないですか。
#158
○政府委員(加瀬正蔵君) 大変申しわけございませんが、そういう詳細にわたっては承知しておりません。
#159
○吉田正雄君 詳細じゃないんですよ、この駅南開発事業の第一区のメインというのはこの建物になるんですよ。この四階以上というのは、これは宣伝文句じゃありませんけれども、「ハイグレードな専門店と本格派のグルメレストランが並ぶ、プレステージ性の高いファッションタウン。」だ、「四階からは新潟を代表するホテル」だ、こういうことで、この建物というのはとにかく中心なんです。そのメインのホテルがまだ決まってないということでは、これは大変な話になる。もし仮にこのホテル経営者がだれも出てこなかったら、この計画というのも根本的に変更し直さなきゃならない、大変な事態になるんですよ。これはどういうふうにお考えになっているんですか。
#160
○政府委員(加瀬正蔵君) おっしゃいますように、もし最終段階まで決まらないということであれば、これは事業の成否そのものにかかわる大事な問題かと思いますが、オープンまでにまだ時間もございますので、事業者が十分努力をして、それまでにホテルを経営する者を見つけるのではないかというふうに期待しておるわけでございます。
#161
○吉田正雄君 大変な事態になるという言い方は、楽観的だと言えば楽観的だと思うんですけれども、本当にもし引受手がなかったらこれはどうなるのか、根本的に変えなければだめでしょう。将来の見通しもないということになったら、どうなります、これ。
#162
○政府委員(加瀬正蔵君) 立地条件もかなりいいわけでございまして、しかも新幹線が開業するというような状況もございますし、それから旅客人員あるいは宿泊人員の推計等から考えまして、ホテル経営が十分成り立つというように私ども事業を実施するサイドから聞いておりまして、営業開始までには十分にホテルを経営する適格者が見つかるというぐあいに判断しております。ただ、現在までこのような事案について開業までに経営者が見つからなかったというような前例がございませんので、そのようなことにならないように十分に指導をしてまいりたいと思っております。
#163
○吉田正雄君 私の質問を逆にとってもらっては困る。というのは、この駅南計画は、私は初志貫徹に向けて建設省としては全力を挙げてもらいたいという立場で言っているんです。ところが、一番肝心なメインのホテル業者が決まらないというのは、なぜ決まらないのかということなんです。もうオープンが目の前だというのに、肝心のホテル業者が決まらぬで一体どうなるのか。計画が根本変更になるのじゃないか、そういうことで私は言っているんです。
 そこで大臣、聞いてもらいたいのは、当初は新潟駅のこれが線路だとします。ここが従来の繁華街、新潟市内はここです。こっちは裏側といった、これが南側になる。この先が有名な鳥屋野潟です。したがって、新幹線の新潟駅から真っすぐのところを――いま駅前のところを開発をやっている。これが真っすぐ行くと、従来はその先の鳥屋野潟に県庁をいまの場所から移そうという計画が進んでおった。そして、それを念頭に置いて駅南開発事業というものが進められてきた。
 ところが、五十四年になって現在の知事が再選をされた途端に、鳥屋野潟でほぼ決定をしておった県庁移転地が、急遽、われわれ県民から考えたら常識外の日本軽金属の跡地に移転ということになってきたんです。これは大変な話なんですね。大体日本軽金属の跡地というのは十二万坪くらいありますか、十二万坪ぐらいある。あんな跡地なんかだれも買い手なんかないんですよ。というのは、信濃川の川っぷちにあって、しかもあの用地の半分というのはかって川の中の川道だったところなんです。地盤としては、この間の新潟地震で経験済みのようにぐさぐさの土地なんです。新潟駅前だってそうなんですよ。みんなこんなになってかたがったんですからね。ということで地盤が悪い。そんなところにだれも行こうなんて考えておらない、そういう土地だったんです。それが鳥屋野潟から一転して日本軽金属の跡地へその移転が決まったという背景。
 そのとき、新潟県議会の中でもいろんな論議がされたんです。余りにも唐突だったんですね。それまでは副知事がその鳥屋野潟の地権者百五十何人に、今度こちらへ県庁が移転されますから用地のひとつ確保についてお願いしますということで、土地改良区の理事長とかその他にも協力を依頼したりして、地権者百五十何人に協力依頼までやっておった。ところが突然、知事の方から今度はこっちだと言われて、副知事までが頭にきちゃって、知事、それは余りにもひど過ぎますと言って、副知事が知事に食ってかかったという話が有名な逸話になっているんです。
 どういうことかというと、吉田吉平という議員がこういうことを聞いているわけですね。「町にささやかれていることは、最初は鳥屋野潟というような流れが多かったが、またそれもだめになった。」と。それから新潟市営の陸上競技場、これもだめになったと。次から次へとだめになってきたということを言った後、「鳥屋野は革新的な考えを持っている佐野藤三郎氏の」――総裁じゃなくて、これは理事長なんですが、理事長をしているところの「亀田郷土地改良区というものが主力になっておる。だからあれと取引したところで、そでの下なんかもらえっこない、危なくて。陸上競技場に至っては行政庁と行政庁の取引だから、」というのは、この陸上競技場のところへ移転したらどうかという話なんです。これはいま新潟市が管理している。だから、そんなところへ官庁を持っていったってちっともうまみのある話は出てこない、こういう言い方なんです。「そうするとKDDほどではないが、大企業である日軽金なら、もしかするともらえるんじゃないか、」と、こういう質問をぴしっとこうやっているわけなんです。
 これに対して知事は、いや、だれもそんなことをやっている人間はないと思う、こういうことを言っているんですが、とにかく急に、ほぼ決定済みと見られた鳥屋野潟から日軽金跡地へ変わったことでいろんなうわさが流れた。これはうわさというよりも私どもが、これももちろんまだ決定的な段階じゃないですが、考えてみれば、推しはかってみれば考えられないことはない。県は坪十二万で四万坪買ったわけです。あれだけの広大な土地、ちょっと買い手がつかないはずなんですね。だから、十二万でも日軽金としてはこんなありがたい話はない。ところが県庁があそこに移転することによって、もういまでも坪七十万だ、八十万だという話になっている。県庁が正式に移転をしたらあっという間に百万にはなるだろう。そうすると七万坪残っているわけです。それから社宅の跡地が一万五千坪残っていますから八万五千坪ですね。これが百万もしたら、八百億からの金になっちゃうんです。政治献金の百億や二百億なんというのはこれは軽いものです。売れっこない土地が何百億で売れるということになるわけです。本来県庁にはただで出してもいいくらいのものなんですね。
 それはとにかくとして、ところが一体、何でほぼ決定しかけておった鳥屋野潟から日軽金跡地へいったのかということが最近、ああそうかということになってきた。それはなぜかと言うと、局長、よく聞いていてくださいよ、いいですか。この県庁のわきに、同じ日軽金の敷地一万坪とか二万坪を買って、国際興業社主の小佐野賢治氏がホテルを一つここに建てたいという非常に強い意欲を持っているんじゃないか、これは週刊誌ではそう書いてある。ところが週刊誌でなくて別の筋の情報から私のところにも入ってきた。どうもあそこで小佐野賢治がホテルをやりそうだと。地元の新潟日報にも、県庁わきの日軽金跡地に国際興業社主の小佐野賢治氏が土地を買収してホテルをつくるんじゃないか、これについては日軽会社長もあえて否定はしていない。あえて否定はしていないというよりも、これは私がほかを通じて聞いたところでは、日軽金の跡地については県の県庁建設室と総務部が中心になって、その日軽金跡地を欲しいという人についてはそこに申し込んでもらって、そこで調整をとってやるんだ、こういう話も聞いたわけです。
 これは完全に結びついているわけです。それでわかったわけですよ。急遽鳥屋野潟から日軽金跡地へ県庁が変わったというのも、そこに小佐野という大きな力が働いたんじゃないか。さらにその背後に刎頸の友といわれる大変な政治家がおったんじゃないか。その力が働いたから、ほぼ決定をしておった県庁移転があっという間に変わってしまったということなんですね。
 そこで、ここにホテルができますと、これは駅南開発のメインのこのホテルの経営を引き受ける人は考えちゃうわけです。蛇の道はヘビじゃないですけれども、この筋の情報というのは早いわけですから、県庁があそこに移る、移るときにもうそういううわさが流れた。流れれば、ひょっとするとそこにまた小佐野が来てホテルでもやるんじゃないかと考えれば、やってもいいと思っておった東映ホテルだって断わりますね、これは。東映ホテルが断わったというのはいつ承知されましたか。
#164
○政府委員(加瀬正蔵君) 先ほど御答弁申し上げましたように、詳細については承知しておりませんので……。
#165
○吉田正雄君 いいです。御存じなかったわけですね。これもしかしおかしな話なんでしてね。これだけの大事業でメーンのホテルの経営がどうなるかというのを断った、いま率直に言ったら、新潟のこの開発主体はえらいことだと思っていると思うんです。私がちょっと聞いたことをもって、この開発事業に私が何かストップをかけるんじゃないか、きょうそんな質問をするんじゃないかというふうに逆の心配をしておったらしい。そうじゃない、そういう動きがあるから駅南開発事業はこれによって逆にストップしちゃうんじゃないか、そして、新たなる開発事業が新県庁を中心にして小佐野主導のもとに、あるいはもっと大きな政治力を持っている人の主導のもとにそれが行われているんじゃないか、そういううわさがいま新潟県内に流れているということなんです。これは大変なことなんです。これだけ政治の倫理が叫ばれているときに多額の金が流れたんじゃないかとか、今度はあそこの土地の値段がうんと上がる、政治献金の五十億や百億は行っているだろうとか、行くだろうとか、そういう取りざたをされておるということなんです。そして、建設省が意気込んできたこの駅南開発、あるいは新潟市民が大きく期待をしておった駅南開発事業がそんなところからぽしゃっていくということになったら私は大変だと思うんです。一人の政治家や一人のそういう政商によってこれだけの事業というものがおかしくなる、あるいは日軽金の跡地をめぐって多額のそういう黒い金が流れるとか、うわさが流れること自体私は問題だと思うんです。そういうことで私はその辺についてある程度御存じかと思ったら、ここへ来るまで知りませんでしたでは、やっぱりあなたもそれじゃ政治家にはなれないですな。そういうことで大臣、これは特に、建設大臣、責任は非常に大きいんですよ。もしそういうふうなことで、この県庁の新しい移転先にまさに言われているとおりの小佐野賢治氏がホテルを建てる、さらにホテルだけでなくて関連したいろんな開発事業が行われていくということになれば、駅南開発なんていうのはすっ飛んじゃいますよ。いままでかけてきた多額の金というものが一体どうなるか、中途半端になってしまいますよ、これ。そういうことで、私はいま質問をしたことがまさにそれは単なるうわさであってほしいと思うんですが、当初申し上げましたように、巻原発の用地買収をめぐったり、あるいは日本赤十字跡地の買収をめぐっての知事の動きややり方というのを見ていると、これは単なるうわさでなくてやっぱり火のないところに煙は立たぬ式のある程度の根拠あってのうわさじゃないか。だから部内でも怒っている人はおるんですよ。さっき言ったように、副知事が、知事そこまでと言って知事に食ってかかる一幕もあったということはこれは隠れもない事実のようですからね。それから見てもやっぱりおかしな動きであるということだけは事実だろうと思うんです。だから建設大臣がぼやっとしている間に肝心なこの事業がおかしくなったんじゃ困るわけです。建設大臣の責任が問われかねないと思うんです。これはまた政治の倫理からしてもそうだと思うんです。
 そういう点で、まず大臣、いま聞いた話だというふうにお考えかしりませんが、いま聞いた話でもこういうことが仮にあるということは許されないことでしょう、あってはならぬことだと思うんですが、どうですか。
#166
○国務大臣(始関伊平君) 私の答えの前に、ちょっと都市局長の説明を聞いていただきたいと思います。
#167
○政府委員(加瀬正蔵君) ちょっと言葉が足らなかったものですから補足させていただきたいんでございますが、私が詳細を承知してないと申し上げましたのは、県当局から現在聞いておる段階ではまだ二年ほど開業までに間があるものですから、その間にホテルの経営者を探すべく最大限の努力をするということでございまして、個々の業者との交渉の内容を承知しないという意味で申し上げたわけでございますが、事いま先生の御指摘のようなことでありますれば事業の成否にかかわります大切な問題でございますから、再開発事業を予定どおり遂行すべく最大限の努力をさせていただきたいと思います。
#168
○国務大臣(始関伊平君) この二、三カ月来私が直接出席いたしました衆参両院の予算委員会や建設委員会等で、新潟県を舞台にいたしましたいろんな一言で言えばいかがわしい不明朗な問題、土地に絡んでそこに地位の乱用とか職権の乱用とか、また不当な利益がどうとかいったふうなお話を伺う機会が非常に多うございまして、大変残念に思っております。
 ただいまお話しの駅南開発事業の問題でございますが、これはこれといたしまして、これは恐らく母法は都市再開発法であるのかと思いますが、許認可等の手続は県限りでやっているようでございますが、いま局長に聞きますと、建設省の方もそれに対する補助金等の助成措置も講じているということでございますから、何かせっかくやり出しました駅南開発事業というものがうやむやになりますと、いま御指摘のように建設省、建設大臣としても責任の問題が起こってくると思いますので、局長から事情を十分伺いまして、今後方の限り善処してまいりたい、かように存じております。
#169
○吉田正雄君 いま、大臣、局長から既定どおりこの建設に向けては全力を尽くすというお話がありましたので、ぜひひとつそういうことで決意を新たにして取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ところで一つだけ、県庁移転が決まったものですから、これは移ることは移るんですが、そこできのうもちょっと調べてもらうようにお願いをしてあったんですが、新宿副都心部と、それからホテルニューオータニ、いま新築中の赤坂プリンスホテルの耐震設計等についてはどういうあれになっておりますか、ちょっと聞かしてください。それから福岡県庁ですか。簡単にしてください、時間がありませんから。
#170
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘の超高層ビルにつきましては、通常の構造計算のみでは構造耐力上の安全性の確認が困難でありますので、別途地震高等解析等の特別な構造計算を行うこととしております。その安全性につきましては建設大臣が学識経験者の意見を聞きまして個々の建築物ごとに認定をいたしております。その構造の計算につきましては、実際の地震波をコンピューターに入力いたしまして、地震波の最大加速度としては関東大震災における推定加速度を上回る数値として四百ガル以上を用いております。具体的に御指摘がありました新宿副都心におきます各ビルはそれぞれいま申しましたようなことで、ガルで申しますと四百以上、また福岡県庁舎につきましても四百ガルというようなことで計算がなされております。
#171
○吉田正雄君 新しい県庁移転をめぐりまして、地盤が悪いということはもう周知の事実なんですが、これだけ大きな買い物をするのに常識としては事前に調査をすべきですね。ところが、買収契約をやってから地盤調査をやっているんです。順序が逆ですね。その地盤調査の調査結果もここにあります。ありますが、どう読んでももちろんいい地盤でないことは確かです。そこで知事はどう言ったかといいますと、柏崎原発、あすこも地盤が悪いんですけれども、柏崎原発の場合にはいまの一号炉の場合では三百ガルなんです。ところが、今度の県庁では十八階建てなんですが四百ガルだと言うんです。柏崎原発よりももっと地震に耐える建物だと。それほどしなきゃならない悪い地盤だということを逆に言えば証明している。おかげで、当初の建設計画のときには建物の値段が百九十五億六千三百万円であったものが、途端に二百八十六億三千八百万円にまでぼんとはね上がっているんです。これは土地を買った後地盤調査をやったから当然そうなるんです。しかし識者から言わせれば、当然あんな地盤の悪いところに県庁を建てるなんてことは想像もつかなかったわけですね。
 そういうことで、この県庁移転に絡んではいろんな黒いうわさが流れておりますし、駅南開発計画そのものが危うくなるというそういう危険性もはらんでおる状況がありますから、私はやっぱり建設省としては既定方針どおり、この駅南開発計画が途中でとんざするとか思わぬ伏兵に出会って開発計画を根本から変えなきゃならぬなんという事態にならないように、ひとつ決意をもってこの事業に取り組んでいただきたいことを最後にお願いをして、私の質問を終わります。
#172
○井上吉夫君 質問に入ります前に、建設大臣、国土庁長官がおられるところで、ひとつこれから先検討していただきたいという問題を一つだけ投げかけて御検討を煩わしたいと思います。
 本来ならば、農林水産大臣も一緒に並んでおってもらえば一番都合がよかったんですが、出席要求をいたしておりませんので、閣議その他あらゆる機会を通してひとつ御検討いただきたいのは、住宅建築が伸び悩む一つの大きな原因に土地の問題がある。土地が非常に高くなり入手困難であると言われております。私がここでひとつ御検討を煩わしたいと申し上げますのは、たとえば市街化調整区域、あるいは農林サイドで言いますというと農振地域という指定があります。それぞれの政策目的を持ちまして、たとえば農振地域の場合は優良農地を確保するということを最大のねらいとしながら線引きをしているわけであります。しかし、線引きの作業自体は、私が知る限りかなり短い期間に線引きをしたという経過があると思います。こういうそれぞれの政策目的を持っている手法も、結局、宅地としてかなり活用の余地があり、場合によっては宅地として利用してもよろしいという場所についても、大きな制約を受けて建てられない。いま土地が、住宅地が高いというのは、需要と供給の関係でどうしても十分な宅地が得られないというところに一番大きな原因があると思います。
 宅地の開発についていろんな手法が講じられておりますけれども、私がここで申し上げて御検討を煩わしたいというのは、従来の市街化調整区域なりあるいは農振地域というものも含めて、政策目的は政策目的といたしましても、できるだけ早い機会にもう一遍見直す必要があるんじゃないだろうかということであります。同時にまた、見直しによって新しい線引きがなされたといたしましても、その後細かい運用についてやっぱりしゃくし定規で全部縛りをかけるということが実情に合わないということも出てまいります。したがって、線引きの見直しとあわせて運用についても、それぞれの政策目的は生かしながらも、できるだけ住宅用地が確保できるというもう一面の要請にこたえて、そういうことを通してできるだけ優良な宅地ができるだけ安く手に入るというそのことをまずやらないというと、住宅政策の一番初期の段階からどうも問題が前進しないと思いますので、きょうはかかわりの深い両大臣がおられますから、ぜひ頭にとめてしかるべき機会に十分の御検討を煩わしたいと思います。
 それでは住宅金融公庫法、法律関係について入りたいと思いますが、その前に、これは住宅局長で結構でございますが、わが国の住宅数、それと世帯数がどういうぐあいになっているか。どうも世帯数よりも住宅戸数の方が数が若干上回っていて、数の面だけで言うならば住宅は一応充足をしているというぐあいに言われます。その数字をまずお知らせいただきますと同時に、もう一つは、数の関係で世帯数と住宅の数というのが、数だけで言うならば多少残りぎみだといたしましても、その中にはセカンドハウスがあったりあるいは空き家があったり、あるいは最低の居住水準未満の住宅というのがかなりな数に及ぶと思いますので、この機会にそのこともあわせてひとつお知らせをいただきたいと思います。
#173
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十三年の住宅統計調査によりますと、住宅の総数は三千五百四十五万戸と相なっておりまして、世帯総数が総世帯で三千二百八十三万五千世帯というふうになっております。その結果、現在いわゆる空き家と称されるものが約二百六十八万戸というふうに相なっております。この空き家につきまして、昭和五十五年に建設省が首都圏と近畿圏の一部につきまして空き家の実態調査を行ったのでございますが、この地域に存在しますところの空き家のうち約三分の一程度が、狭小または老朽等の要因から利用不能なストックとなっております。また、単身世帯では最低居住水準が満たせますが、二人以上の世帯になりますと適当な居住水準でないというようなものが約三分の一と相なっております。したがいまして、世帯向きのストックといたしまして利用可能なものが残りの約三分の一程度というふうになりますが、御指摘ありましたように、
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
別荘であるとか長期の留守をしておるというようなことでいわば市場に供給していないものもその中に存在しておりますので、市場に供給されておるという意味での空き家は全体の約四分の一であるといったような結果が出ております。
#174
○井上吉夫君 いまの質問の中でもう一つ最低居住水準未満、あなたがいま首都圏と近畿圏の空き家についての老朽が何ぼ、あれこれで実際使えるのは四分の一ぐらいかなという話でしたが、全国的に見て私は、世帯総数とそれから住宅数、その中から使えないものとか最低居住水準未満という数字を開くことによって、これから先、より良質の住宅を求めるという動向はまずおきましても、最低限、最低居住水準未満というものを差し引いて、一体どの程度過不足になっているかということを知りたいためにお伺いしたわけですから、その点答えてください。
#175
○政府委員(豊蔵一君) いま申し上げましたような首都圏、近畿圏の数値が直ちに全国にそのまま使えるかどうかということは、詳細の点につきましては問題があろうかと思います。しかしながら、空き家の存在率というものがおおむね全国にバランスがとれてございますところから、総合的に、先ほど申し上げました約二百六十八万戸の空き家を大局的に見ますと、その空き家のうち三分の二程度はいま申し上げましたような老朽、狭小あるいは最低居住水準に常識的に世帯の方には満たないといったようなものになるであろうかと思われます。また、現在居住をしていらっしゃる方方の実態から見ましても、全世帯の約一七・七%に当たります五百七十万世帯以上の方が最低居住水準未満というふうに相なっております。
#176
○井上吉夫君 概略わかりましたが、建築確認漏れだけでも六、七%あるという御答弁が先ほど同僚委員の質問の中でもありましたから、余り細かい端数までということを要請をいたしませんし、数もいまは聞きませんが、より正確にひとつこの事情を調べていただきたいなと思うんです。
 というのは、住宅建設の五カ年計画、五十六年度を初年度としての計画が、五十六年度の実績から見てとても到達は不可能ではないかという議論がなされたわけでありますけれども、私は、その計画を立てる際に考えるべき基本は、とりあえずは最低居住水準未満、空き家の中でもう使い物にならぬというのは当然のこと数から落とさなければなりません。それだけではなくて、現在居住中の世帯であっても、戦後とりあえず住まいを求めるという要請にこたえて、公営住宅等も含めましてきわめて規模の小さな家、こういうものに住んでおられる方々がかなり多いわけでありますから、先ほどの数で説明を聞きましても、現在居住中のものでも一七・七%、五百七十万戸とおおよそつかんでおられるようであります。そういうものを大体何年ぐらいで解消をし、その後は次なる要請にどういうぐあいに対応していくかということで住宅の五カ年ごとの計画というものを立てられないと、単純に景気等の絡みであるとか、そういうものはいわば建設省住宅局としての本体的なとらえ方ではないと思うんです。あくまでもより快適な住宅というものを日本じゅうにあまねく行き渡らせるためにどのようなテンポで進めていくかという、そういうとらえ方をして計画を立ててほしい、そういう希望を込めていまの質問をしたわけであります。
 ここで別な質問に入りますが、さて、住宅政策の中で低所得階層、それだけに限りますまいが、いわば公共賃貸住宅をもっとつくるべきではないかという論点、それから持ち家住宅の方を要請にこたえて、どちらかと言えばそっちに比重をかけて民間の活力も引っ張り出しながらやっていくべきではないかといういろんな意見があります。そこで、この基礎になるものとして建設省の方で調査されたことがあるのか。言うなれば、国民のニーズは持ち家を求めているのか、あるいは公共賃貸住宅の方をより求めているのか、そういう点について調査されたことがありましたならばお知らせをいただきたい。
#177
○政府委員(豊蔵一君) 持ち家対策と借家対策の進め方につきましては、基本的には旧民の住宅に対する需要に即して考えるわけでありますが、国民の多くの方々が、その世帯の成長に従いまして借家から持ち家へと、最終的に進んでいくライフサイクルの動向があるわけでございますので、そのライフサイクルに応じました借家あるいは持ち家のそれぞれにふさわしい役割りがあろうかと考えております。そういうことで借家対策といたしましては公的賃貸住宅の供給を中心としつつ、また、持ち家対策といたしましては住宅金融公庫融資を中心としながら進めているところでございますが、御指摘の調査したことがあるかという点でございますが、昭和五十三年の住宅需要実態調査によりますと、住宅の改善計画を持っていらっしゃる借家世帯の方々で、新築、購入等持ち家系による改善を計画している世帯が全体の約八〇・七%を占めております。また御案内のとおり、現在の新設着工住宅の統計で見ました場合、昭和五十五年度でございますが、持ち家系の住宅の割合は七三・六%というふうに相なっております。
#178
○井上吉夫君 さらに細かい数字を含めてお伺いをしたいんですが、きょうはその点は一応とめておきます。
 ただ、私がこう申し上げましたのは、一体これから先の住宅に対する国民のニーズというのがどういうぐあいになっていくのか、現在どうあるのか、やっぱりそれに一番素直にこたえるということが住宅政策の一番大根っこに据えられなければ、各都道府県に適当に公営住宅等を配分したりいろいろしますと、どこかに土地を求めてせっかく予算の枠をもらったのだからつくろうというぐあいになって、それに結構空き家が出てくるということでは余り意味がありません。これは都市部と地方の場合とでかなり嗜好動向も違うと思うんです。何といいましても、むだなく事業を進めて有効に予算なりを活用するという視点に立ちますと、より正確な国民の住宅への嗜好動向というものを的確に押さえて、そしてその希望をかなえるためにどうすべきかということを、きちんと中心に据えてやっていただきたいというぐあいに考えるから申し上げたわけであります。
 さて、ここで私は、五十五年十月に内閣総理大臣官房広報室ですから、総理府が調査をした、今後仮に在宅を新築または購入するとした場合の住宅の構造別選好状況という資料があります。これによりますと、従来の私の概念的な認識とかなり違った数字が出ておりまして、しかも、昭和五十一年の九月に前回調べて、この前昭和五十五年の十月に調べた数字がほとんど傾向として同じなんです。
 中身を簡単に言いますと、在来工法による木造住宅を選好するという比率が七五%なんです。これは年代層によって若干の違いがあります。若い人ほどどちらかと言えば非木造というのを求めるという数字が出ておりますが、それでも半分以上です、最低の年代層で見ましても。これがもう四十歳以上になりますと七七から八〇台というパーセントが、木造の在来工法による建物を希望をするという数字が出ております。
 もう一つは東京都区部と十大都市、人口十万以上の市、人口十万未満の市、町村というぐあいに見ますと、東京都区部が一番低くて、前回は六三、今回は五四となっております。そのほかはさしたる変化がなくて、だんだん町村部に行くほどこの比率が高くなって、町村でありますというと、前回八一%が今回八四%になっている。若干中身について申し上げましたけれども、これを全体としてとらえた場合に実は七五%が在来工法による木造住宅。そのほかにプレハブ工法とか在来工法以外のものというのまでとりますというと、その部分が十数%だったと思います。したがって、残りが非木造住宅、これは五%程度というぐあいにかなり低い数字になっております。
 というところから、日本は木の文化と言われる。木の持つ吸湿性、乾燥した時期にはその抱え込んだ湿気を吐き出すという、そういうことを含めて非常に日本人の生活環境に木造住宅というのが歓迎されるという数字をあらわしているのではないだろうか。これはもちろん非常な密集した市街地域とそうでない地域の問題、あるいは耐震性、耐火性、いろんなものを考えなきゃならぬと思いますが、しかしよほどこれを否定する大きな理由がない限り、私はこの希望というものにより対応する住宅政策というものを考えるべきではないかなと思うんです。そのことについての御所見を承りたい。
#179
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、このような世論調査等によりますと、在来工法によります木造住宅に対する嗜好が非常に強いということがあらわれておりますし、私どもも十分承知をいたしております。しかしながら、最近の住宅着工統計で見ますと、従来は七割程度ありましたものが六割程度になり、ごく最近ではそれを若干下回っているというような実態にございます。それは特に都市地域におきますところの土地の問題等がありまして、いわゆる底つき戸建て住宅を求めてはおりますが、実際に取得できないといったようなことで、いわゆるマンション等を求められる傾向が強いといったようなこともあろうかと思うのでございますが、私どもといたしましては、特に地方部におきますところで国民の強い要望のあります木造住宅といったようなものにつきましては、今後ともその振興を図っていく必要があろうかと考えております。
 住宅金融公庫につきましては、五十七年度で、たとえば耐久性にすぐれました木造住宅に対します割り増し貸し付け等を行っておりますが、それ以外に木造につきましての公営住宅の問題、あるいはまた、私どもが現在木造住宅振興モデル事業といったようなものを代表的な県におきまして実施していただいておりますが、そういうようなものを通じまして木造住宅の建築技術の改良であるとか、あるいはまた中小建築業者の方々の業務の共同化であるとか、あるいはまた性能保証といったようなこと等々を通じまして、今度ともこれらの住宅が地域の実情に即したものとして振興することを推進してまいりたいと思っております。
#180
○井上吉夫君 今度の改正の第二番目に、「簡易耐火構造の住宅に一定の耐火性能を有する構造の住宅を加え、」と、この部分もいまの答弁の中に触れられたと思うんですが、これはいわゆるツーバイフォー工法の木造建築のことを指すんですか。
#181
○政府委員(豊蔵一君) 一般的にはツーバイフォー工法のようなものにつきまして、外壁及び内壁等につきまして、一定の耐火性の構造とすることによりまして簡易耐火構造扱いにするということを一応例示として挙げてございますが、ツーバイフォー工法だけじゃなくて、その他の工法のものにつきましても、ただいま申しましたような一定の性能基準に合致しておりますものは簡易耐火構造扱いといたしまして、住宅金融公庫の貸付け限度額の引き上げとか償還年数の延長ということが適用になるように、一定の基準を設けて実施してまいりたいと思っております。
#182
○井上吉夫君 ツーバイフォー工法も若干は普及し始めたというぐあいに承知をしておりますが、これは何も外国から来るものを締め出せということだけで言うわけじゃありませんけれども、ツーバイフォー工法の材料というものはほとんど国内ではなくて、アメリカであるとかカナダから出てまいります角材であります。これから先世界的に見まして、私は木材資源というものは、決していま日本が入れているような数の数量をどんどん輸入できる環境にはない、だんだんむずかしくなってくるという動向にあると見ております。
 しかも、いま木材業界が大変な不振に悩んでいるということは住宅局長も御存じだと思うんですが、もう一つの動向は、全体として徐々に輸入可能な数量が減る傾向にあるというだけでなくて、ほとんどの国が丸材輸出をやめまして、製品輸出というぐあいに急速に切りかえてまいりました。したがって、外材に七割近くを頼っている木材業界というものは、製品の形で入ってくるわけでありますから、業界はその仕事の分量というのは急速に落ちていく。同時に、全体の量が少なくなる傾向にすでに入りつつありますから、自然これは国内産材をもって賄うという比重を大きく伸ばしていかなきゃならない。
 いま、たしか昭和四十八年ぐらいが最近のピークだったと思いますけれども、百九十万戸余りの住宅が新規着工された。五十年に入りましてから大体百五十万ベースで五年ぐらい続いてきて、去年からことしにかけてがた減りをしてきた。まだまだ素材として使う量が外材依存型から急激には切りかえができておりません。全体の量が引っ込んだ。外材もそれにつれて同比率ぐらいで引っ込んだ。国産材についても引っ込んだ。そのことが国産材材価の低迷をもたらした。材価が弱ければ間伐材なんというのは全く計算に乗りませんから、そのことを通して山の手入れというものがどんどん落ち込んでしまう。いま日本の二千六百万町歩ほどの山の中で、大ざっぱに言いまして一千万町歩ぐらいが人工造林に切りかわっておる。これが本当にいい山として育っていくならば、五十年で主伐をするとした場合に、一年に二十万ヘクタールずつ切れます。五十年伐期齢級の山というのはどう少なく見積もりましても一ヘクタール当たり三百立方のりっぱな材が供給できます。
 私も自分で大分山を育ててきましたが、私は、自分が育てた山は一ヘクタールで五十年生なら間違いなく四百立方平均は産出できる自信があります。そのためには適期の手入れと徐伐、間伐というものが進まなければどうにもなりません。しかし、それに造林時期の初期の手入れだけでなくて、十五年、二十年、三十年かかった段階までが持ち出しということになりますと、植えてから金になるまで何十年という年限をかけての造林というのは、どう考えたってこれは伸びようがない。いままさにそういう環境にあります。
 したがって、私はツーバイフォーを否定するわけではありませんけれども、たしか建設省の方も一緒に手伝いながらだと思うんですが、技術センターの方で林野庁と一緒になって新しい、とりわけ間伐材を多く利用する工法の家を研究開発中で、すでに実用段階に入る。まだまだ建築基準法等の適用の関係で、百戸単位というものが実際にやられていないという段階だと思うんですが、セブンバイセブンという工法であることは御承知かと思います。これは強度といい国産材を利用するという側面から見ましても非常に着目すべき、まして木造住宅を嗜好するという嗜好の動向とも考え合わせた場合に、いま申し上げました林業対策あるいは今回の住宅百三十万戸をどうやってでも達成しようではないかというねらいの一つには、単純に住宅政策という側面だけでなくて、これを一つのきっかけにして、関連する大工さんであれあるいは木材業界であれ、そういう多くの層に景気の刺激効果をもたらそうというねらいも込められているはずであります。そのことが本当に生きてくるためには、いま申し上げましたような配慮が特に、必要だというぐあいに思います。
 このことについて、きょうは林野庁も見えていますね。――林産課長と住宅局長からお答えをいただきたい。私の一番言わんとするのは、いままでもある種の連携をとっておられると思いますが、さらに積極的に連携をとって、各省だけで、住宅の政策は建設省でございます、こちらは材料提供という側面と林業育成という側面だけでございますというぐあいに林野庁が考えていたら、受ける国民の側から見れば、よりそれを効果あらしめるということのためには、いままで以上に本当に密接な連携がとられなきゃならぬという、そういう立場に立ってお二人の御答弁を求める次第です。
#183
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘ありました国内産の木材を有効に使いながら新しい住宅建設にこれを生かしていくということにつきましては、かねてから林野庁の方とも御相談しつつ、いろいろと技術の開発あるいはまたこれらの普及等に力をいたしてまいっておりますし、先ほど申し上げましたように、たとえば公営住宅についての木造で進めていくというようなことにつきましても、また林野庁さんとも共同で各地域でそれぞれ打ち合わせの会合を開き、問題点の解明等を行っているところでございます。
 いまお話がありました間伐材の問題あるいはまた集成材の活用の問題等の技術開発もいろいろと進めておりますので、それらの成果をどう生かしていくかということで両省庁協力してまいりたいと思っております。
#184
○説明員(三沢毅君) 林業の振興と木材産業の発展を図るためには、大幅に減少している木材需要の拡大を図ることがきわめて重要であると考えております。
 林野庁といたしましても、所管省である建設省の御理解と御協力を得ながら、木造公営住宅の推進あるいはセブンバイセブン工法住宅の普及推進等に努めているところでございますけれども、先生御質問の御趣意を踏まえ、従前にも増して建設省との連携を深めつつ、あらゆる角度から木材需要の拡大に努めてまいりたいと考えております。
#185
○井上吉夫君 大臣、お聞きのとおりでございます。ともすればそれぞれの役所、それぞれの局なり受け持ちの分野の話にだけついつい目が行きまして、いま申し上げましたような、農林水産省とも連携をとって、どちらの面から見ても大変有効であるという、そういうことについては大臣からも、これはもう局長からはすでに御答弁いただきましたが、絶えず大臣もそういう配慮をして、横の連携をとりながら住宅需要に対する一番有効な手段を打っていくためには関係省ともよく連絡をとれよという、そういう基本的指示なり御見解をひとつお出しをいただけば大変ありがたいと思うんです。そのことを受けて、それぞれの担当は思い切っていままで以上の密接な連携をとっていくと思いますので、大臣の御所見をお伺いしたい。
#186
○国務大臣(始関伊平君) ただいまの井上委員のお話でございますが、私も千葉の方で、非常に小さいんでございますが山主でございまして、そういう面で千葉県で県森連の会長をやっております。お話は非常によく理解をいたしております。
 建設省と林野庁との協力の関係でございますが、私がまるきり物を知らぬ時分に考えておりましたよりは協力体制が進んでおるようでございまして、いまお話の日本住宅・木材技術センターという、両方一緒になったものもできているようでございますが、いまの御趣旨に全く私も同感でございますので、今後両省がますます協力いたしまして木造住宅をつくるということは日本人の嗜好に合っていると思います。また、これが日本の林業の発展あるいは木材業の振興に合うと思いますので、そういう方向で努力をいたしてまいりたい、かように存じております。
#187
○井上吉夫君 午前中から法案内容についていろいろ質疑応答がございました。私もこの中で、せめてこうあってくれたら、全議員はもう少し素直な感じてこの住宅金融公庫法改正の前進という意味で受けとめられたんではないかなと思うことが一つあります。
 それは、五・五%の適用を百二十平米まではそうであったのを百十平米までにしたという、規模別の扱いを三段階に分けたという点が一つであります。その間に百三十五でしたか、より従来の枠以上の、従来は財投金利を適用していたのをもう一つ間を、六・五を設けたということは、その限りで見るならば若干の前進だと思うんですが、百二十平米までは五・五でよかったのが今度は百十平米までになってしまった。ぎりぎりのところの人は、安い金利の方で利用して後で建て増しするかどうかということもなかなかしんどい話であります。最初からやっぱりこのくらいの規模の家が欲しいなという層について、少なくとも百十から百二十の間の人にとっては、いままでよりもぐあいが悪くなったということについては、少なくとも芳しいやり方ではないなという、そんな感じがするんです。
 ただ私は、全体として五百五十万という限度を六百二十万に上げたとか幾つかの枠の拡大、このことは住宅金融公庫の資金だけではどうにもとてもとても、三分の一でやったり下手すれば四分の一でやったりという金額でございますから、どっちみちほかの資金と合わせて使わないというと家は建てられない。だから、そういう意味では枠が若干なり伸びたことは確かに前進でありますが、いま申し上げましたことが一つ残ったなという感じは否めない。そのほか幾つかの割り増し、高床に対しても、あるいはツーバイフォー等を事例として見るような、そういうもの等についても適用をある程度実態に合わして措置しようとされたのは、これは少なくとも私は前進だと評価できると思うんです。
 なぜだろうかな、百二十までというのを百十まで切り込んだのはどういうことなんだろうか。もっと広い、もっと快適な住宅を求める趨勢にあるのになというのを想像すると、私は住宅金融公庫自体の運用全体から見て、どう考えましても財政の事情というのが一つ大きくのしかかってきた、そういう全体枠の中でどれだけのやり方がやれるかなという、ある意味では苦心の策、ある意味では苦肉の策だったのではないかなというぐあいに思うんです。
 そこで、五十六年度と五十七年度と比べて、財投の方で見て後でまたずっとやっていく、赤字が出たら、特別損失については説明の第十にあるように、昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度の特別措置については、後年度において国が交付金でめんどうを見るというぐあいに説明をされております。
 そこで、今回の住宅金融公庫の財投を含めて全体としての五十六年対比がどのくらいの伸びになっているのか。先ほどは、予算についての伸びはほぼ一割、七十数億という説明をいただきました。財投関係を含めて数字がわかっていたらお知らせをいただきたい。
 さらに、もう一つ言うならば、このことによって枠が伸びた。想定される予定どおりの住宅金融公庫の利用数ということで延長いたします場合に、さて五十七年度、五十八年度、五十九年度という各年度の特別損失が一体どのくらい出そうか、細かい数字がわかっていなけりゃ結構ですけれども、そのことについてのお答えをいただきたいと思います。
#188
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十七年度の住宅金融公庫の事業内容を、貸付契約額で見ることがわかりやすいかと思いますのでそれで申し上げますと、五十六年度は三兆三千二百八十億円余でございますが、五十七年度は三兆七千八百二十七億円余というふうに相なっておりまして、そういったような貸付契約額の伸び率という点で見ますと、一四%の伸び率というふうに相なっております。
 それからまた、公庫の補給金の今後の趨勢でございますが、五十七年度は本来の必要額は約三千三百億円程度でございましたが、一部を繰り延べさしていただくということで、五百十七億円を繰り延べることといたしまして、補てんをいたしております予算措置額は二千八百十四億円というふうになっております。
 今後の補給金の伸びがどうなるかということは、これからの公庫の戸数であるとかあるいは事業費の単価であるとかいろいろな要素がございますが、仮に私どもの方で一応の試算でもってしました場合には、五十八年度には何もしない純粋な必要額というふうなことで考えますと三千八百十億円程度、五十九年度には四千二百八十億円程度といったようなことで従来の規模を拡大してまいったこと、また、高金利時代がありましたこと等を反映いたしまして、これから当分の間は累増するような状況に相なっております。
#189
○井上吉夫君 さっき感想として申し上げましたように、いまの後年度の財政による負担を考え、いろんな諸条件を考えるというと、最初申し上げましたように本当は規模別も百十にまで落とすということよりも、せめてこの分は百二十でやりたかったなというのが本音ではなかろうかなと私は推察するんです。大臣の気持ちの中にもそういうものがあったんではなかろうか、そうしてその上の段階についてある水準以上はこれはもう一般のローン、民間ののものを活用しなければならぬわけですから、どこかで区切りをつけざるを得ないということもわかります。そうしてまた、百十から百三十五の間財投金利よりも低い水準の適用をされたという、その細かい配慮というのはわからないわけではありませんけれども、これから先の恐らく何年かたちながら住宅政策をずっと展開をしていかれますというと、この水準というもののとらえ方もまた別な視点から判断をしなきゃならぬということが必ず出てくるだろう、そのときには一たん定めたからもう不動のものであるというとらえ方ではなしに、もっともっと対象を考え、どういう形でやっていくかということを十分考えた、提案の時期にいまその数字の細かいことについての見解を求めようとは思いませんけれども、あるべき方向というものを前進させるという、そういうとらえ方をしていただきたい。
 恐らく大臣は、住宅金融公庫というものが昭和二十五年発足以来受け持ってきた機能というものについては、これまた決して低下するどころか、もっともっと国民の願いにこたえる形でこれからも継続し、前進をさせていかなければならぬとお考えだと思うんですが、非常に抽象的でありますけれども、住宅金融公庫の言うなれば評価、今後の役割りということについての御所見をお伺いをしたい。
#190
○国務大臣(始関伊平君) 住宅金融公庫は今日まで非常に長い間、わが国における住宅建設推進のための最も大きな政策手段として相当の実績を上げてまいりましたことは、ただいまお話のございましたとおりでございます。今後とも公庫の役割りは非常に多いと思うのでございまして、その第一段階がただいま御審議をいただいております公庫法の改正案の中に盛られておるわけでございます。
 いま御指摘になりました点なども、いままでは百二十平米までが五・五、その上は財投金利ということであったのでございますが、百十と百三十五との間に一ランク設けました。百三十五以上は財投金利ということにいたしまして、なるべく大きな家を建てようという人の御希望にもこたえ得るように。したい、こう考えたわけでございまして、お話のように百二十まではいままでどおりとし、その上はいま申し上げたようなことでやれればよかったのでございますが、先ほど申し上げましたように、利子補給の国の負担が非常に大きくなるおそれがございますし、改革案と申しますか、改正案の全体が一つのワンパッケージとして大蔵省との間に取引と申しますか、妥結いたしたわけでございまして、こういう不利になった点も確かにあるわけでございます。その点を考えますと御不満の多いことも理解できます。今後どういう形になりますか、機会を見まして不利になりました点につきましては少しずつ是正するような措置を講じてまいりたい、かように存じております。
#191
○井上吉夫君 実は、前から私ども若干の仲間と議論をしたことがあったわけでございますけれども、財形の持ち家融資の拡充というのを今回やられようとしておられるようであります。本来、住宅金融公庫融資だけで、さっきも申し上げましたように、とても家がまるごと建つわけではなくて、やはり他の民間金融機関等の資金もそれ以上の金額を借り入れをしなければどうにもならない。トータルいたしますと、家を建てるためにはかなりな金利負担にあえいでいる、そういうところに財形持ち家関係の資金、財形貯蓄等含めて活用するという、資金のたまりぐあいもかなりな金額になっているんで、この辺をうまいぐあいに結びつける方法はないかなと思っていたわけでございます。今回、財形持ち家融資の拡充をたしか貯蓄額の従来三倍であったのを五倍で、金額も千五百万か二千万でしたか伸ばすというぐあいに考えておられると思うんですが、そういうぐあいになっているのかということと、あわせてこれに対する貸付金利の引き下げのことについて配慮をされているようでありますが、その内容をお知らせください。
#192
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、従来の財形持ち家融資につきましては、貯蓄額がまだ十分にないというようなこともありまして、貸付限度額が貯蓄額の三倍ということで余りまた十分な額になっておらないということがございまして、これを今回貯蓄額の五倍まで引き上げるようにお願いをいたしておるところでございます。また、本年の十月一日から適用する予定としておりますが、従来この財形融資の金利が国債の発行金利と連動するところがございまして、現在は七・九九%となっておりますが、ほとんど民間の住宅ローンとそれほど変わらないということから、そういう点でも利用を阻害していたと思われます。したがいまして、この点につきましては、当初二年間は六%を限度として二%の利子補給、したがいまして七・九九のときには一・九九%ということになりますが、二年間は六%になるよう、それからまた、三年目から五年目の三年間は一%の利子補給をするということで、初期負担を大幅に軽減するという方策を導入をいたしました。これによりまして財形融資が大幅に活用していただけるものと思っておりますし、その財形融資と公庫の本来の融資とあわせ貸しで御活用していただければ相当の資金手当ができるものと考えております。
#193
○井上吉夫君 各項目について説明を受けたかったんですが、時間もだんだん少なくなってまいりましたので、きょう午前中でしたか、の御質問にもありましたけれども、今度の段階金利による十一年目から後、年次償還の姿がどうなるかというのも資料があると思いますから、後からで結構ですから、細かくまた検討もしてみたいとも思いますので、後で資料をいただきたいと思います。
 そこで、道路局長に一、二点お伺いをいたします。
 現在の道路整備の状況、国道、県道、市町村道別に改良なり舗装率はどういうぐあいになっているか、お伺いをいたしたいと思います。
#194
○政府委員(渡辺修自君) ただいま改良率、舗装率のお話がございましたので、まず改良率の方から申し上げたいと思います。
 昭和五十六年度末で改良率でございますが、道路構造令の規定によります規格改良が行われております率でございますが、一般国道が八四%、都道府県道四七%、市町村道二九%、これらを合計いたしまして三三%ということになっております。
 また、舗装率でございますが、これは実は簡易舗装を含む場合と、そうでないしっかりした本格的な舗装の場合とで数字が異なるわけでございますが、ここでは本舗装の方で申し上げたいと存じます。と申しますのは、簡易舗装しております区間と申しますのは、道路構造令によった規格改良を行った上で簡易舗装をするということはあり得ないわけでございまして、つまり昔ながらの道で幅員が四メートルもあればとりあえず舗装しようというものでございますので、本舗装で申し上げます。一般国道が八三%、都道府県道三八%、市町村道一二%、合計いたしますと一八%ということでございます。
#195
○井上吉夫君 いま御説明をいただいた数字でも明らかなように、国道はかなり広域的な交通の利便ということのために、全国的な経済活動を進めるためにも一番基幹的な要因でありますから、この改良、舗装を一定の計画に基づいて進めていだたくということはきわめて重要なことであります。当然進めていただきたいわけでありますけれども、県道になり市町村道になるにつれていずれもがかなり大きな開きがある。ある側面から見ますというと、市町村道が一番住民の生活に密着したそういう道路であるというとらえ方もできるわけでありますから、今後このことにも特に特段の留意をしていただきたい。本来ならば、ここ数年の改良率なり舗装率というものがどういうぐあいに変化してきたか、充足されてきたかということもお伺いしたかったわけでありますけれども、これもまたいずれかの機会に資料として勉強をさしていただきたいと思います。
 次に、道路整備だけではありません、公共事業全般でありますけれども、特に現在のような冷え切っている景気、しかもこれがよく言われておりますように、特定な業種にもあらわれておりますが、地域間でかなりの開きが出ております。公共事業に大きくその地域の景気刺激を求めざるを得ない地域、そういう地域に対する公共事業の配分というものはやっぱりそれなりの配慮が必要であろうと思うんです。もちろん大根っこには計画に基づく進め方というものもありますから、すべてを景気対策として公共事業を配分せよということは申し上げませんが、やはりいささかの配慮はあってしかるべしというぐあいに思うんですが、どういうぐあいにお考えですか。
#196
○政府委員(渡辺修自君) 地域への配分でございますけれども、これはやはり地域の道路の整備状況、道路交通の状況、そういった観点を考慮して配分をいたすわけでございます。また、先生がただいま御指摘がありましたように、道路もかなり長い期間をかけてでき上がるものでございますから、やはり計画的な執行という点が必要でございますので、景気刺激の面を極端に重視するということはいささかどうかなという点はあるわけでございますが、しかしながら一方、この道路事業は全国津々浦々に展開しておりまして、この効果というものが直ちに周辺に波及する、地域に波及するというものでございます。したがいまして、御指摘のございましたそういった景気刺激の観点という重要性もやはり考えなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
#197
○井上吉夫君 もう時間も余りありませんから、これから二つの点を強くお願いを申し上げ、大臣にもしかと胸にとめていただいて、建設省全体に対する指導をお願いをしたいと思うんです。
 その一つは、言うまでもないことでありますけれども、非常に景気が落ち込んでいる、そのことへの対応として上半期に少なくとも七五%以上の発注をして、景気の刺激効果を公共事業の面からやっていこうということをたびたび関係大臣から説明を受けております。公共事業等がともすれば俗に言う端境期が新年度早々出てきて、業界というのは手持ちがないという状況もあります。年間を通して最も有効な時期に仕事が進められていく、しかもできるだけ平均化されるということがよりいい工事ができることにもつながると思います。広い意味の業者の育成にもつながると思います。そういう点から、せっかくいまのような意気込みでおられるわけでありますから、できるだけ設計等の仕事を早くやって、言われるように、やるつもりでありますだけでなくて、入札を終わって実際に仕事にかかれるという時期をできるだけ早くやるという体制を早急に準備をしていただきたいというのが一つであります。
 もう一つは、私はこの機会に一例を道路関係にとって申し上げますと、いま局長から説明がありましたように、一つには道路整備計画の長期のもくろみでずっとやっていかなければならぬということはわかります。それが基本でありましょう。しかし、景気対策として公共事業に大きく依存しているところにどの程度気を配るかということも、やはりこの配分を通して配慮できる幾らかがあるはずだ。まして、これから先どう動いていくかわかりませんが、公共事業は上期によけい前倒しすればするほど下期が少なくなるわけでありますから、あるいは建設公債の発行でもして補正を組まざるを得ないという事態が出てくるかもしれない。何らかの刺激対策を打たなければならぬとすれば、少なくともそのときの補正なりというものは、どちらかと言えば景気刺激効果というものに重点を置くわけでありますから、通常の場合とは違った、公共事業にうんと頼るところにはよけい配分をするという配慮は、当初予算の配分の場合とはかなり違った視点で考えることが可能だと思います。その方が合理的だと思いますので、そのことに特に留意をしていただきたい。
 同時にまた、人口なり面積なり、あるいは改良率、舗装率あるいは交通量、幾つかの因子をとらえて全国的な従来の配分というものがまさに最も公平妥当で合理的であるかどうかということを検証するということもあってしかるべきだと思います。当然にいままでもそういう配慮をしてこられたとは思いますけれども、できるだけそういう言うなれば合理的な、言うなればある意味では科学的な分析もしていただき、検証もしていただいて、そして従来の配分が神の目で見て一番正しいという前提であれば、毎年の伸び率を全国同じようにして公平かもしれませんが、私は時と事情によって大きく対応も変えていかなきゃならぬし、従来のやり方が最高に正しかったとは必ずしも考えられませんので、そういう合理的基準を絶えずつくり上げ、検証をしながら配分の問題についてもお考えをいただきたいということを希望申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#198
○三木忠雄君 この法改正の問題に入る前に、五十八年度の一つの予算を組む前提としまして、金融公庫法との関係も含め、いま井上委員からもいろいろ補給金の問題で住宅金融公庫の運営の問題が取り上げられておりましたけれども、私も、この住宅金融公庫の補給金の問題が財政上の問題で非常に大きな問題点になってくるんじゃないか、こう思うわけです。恐らく五十七年度も苦労されたと思うんです。五十八年以降この住宅五カ年計画を推進していくのに当たって、住宅金融公庫の果たさなきゃならぬ役割りというのは非常に大きいと思うんです。そうしますと、一般会計からの繰り入れというものは相当な額に達してくることは、これは先ほど来の議論を聞いておっても私はうかがえるわけです。これとこの五カ年計画を推進していく場合、たとえば五十八年度の予算をゼロシーリングにするといった場合に、この住宅金融公庫に対する繰り入れ等の問題についてはどういうふうな態度で臨んでいくんですか。
#199
○政府委員(豊蔵一君) 五十八年度の予算編成の方針はまだ政府としても決めておらないわけでございますが、私どもといたしましては、この法案におきまして五十七年度においては五百十七億円の繰り延べ措置をとらしていただき、そしてその中で公庫につきましては二千八百十三億円余りの補給金を予算化していただきまして、苦しい中にも何とか予算の編成をいたしたところでございます。五十八年度におきましても、公庫の補給金はいまの予定では三千八百億円を超えるようなことになっておりまして、この法律案で認められますならば、一定のルールである程度の額をまた繰り延べさしていただくということになろうかと思うのでございますが、仮にそういたしましても、相当の金額を予算として計上しなければいけないという実情にございます。したがいまして、私どもは五十八年度、国が概算要求のシーリングを定めます段階及び五十八年度の政府の予算案を策定いたします段階、それぞれに応じまして公庫につきましては格別の配慮をしていただき、住宅関係の予算あるいはひいては建設省の関係全体の予算に必要なものが的確に確保できるようなこととして、バランスのとれたように最大限の努力をしなければいけないと考えております。
#200
○三木忠雄君 なるべく私、重複した質問は避けたいと思うんですけれども、ちょっと朝ほどから聞いておりまして、あるいは先ほどの井上議員の質問を聞いておりまして、このままいって果たしてこの住宅金融公庫の運営ができるのかというような感じもするわけです。それとやはり住宅の国民のニーズですね。住宅金融公庫をどのぐらい実際に使ってどの程度の家をつくっていくかというこの問題の計画とこの五計との関係はどういうふうな調整がとれているのかという点が、この財政事情が非常に悪い中でこのまま五計が進んでいけるのかどうかという感じが私はするわけです。ちなみに五十六年から六十年ですか、この五年間の間に予想される一般会計から住宅金融公庫に繰り入れをしなきゃならぬ金額はおおよそどのぐらいになりますか、対前年比で比べていって。
#201
○政府委員(豊蔵一君) 五十七年度は先ほど申しましたようなことで二千八百十四億程度を予算化さしていただき、五百十七億円を繰り延べさしていただいております。これは六十年度以降において国が順次補てんをしていくということになるわけでございますが、同じような考えでまいりました場合に、五十八年度は私どもの一応の推計では三千八百十億円程度が必要になりますが、そのうちどの程度繰り延べをするかということは法律案に基づきます限度の範囲内でどのようになるかということになりますが、仮に五十七年度と同じ方式で計算をするということで五十八年度、五十九年度を考えてみますと、五十八年度が四百九十三億円という計算になります。五十九年度が四百六十九億円という一応の試算になります。それぞれを繰り延べさしていただくとした場合に、いま申しました五十八年度三千八百十億円から四百九十三億円を差し引いたものとして、これはまた金利等をある程度入れないといけませんので、これが三千五百億円余り必要になると思いますし、五十九年度は同様の方式で繰り延べを織り込み済みで計算しまして四千億程度要るということに相なります。六十年度はこの繰り延べの方式がこの法案で認められておりませんから、当然必要な経費とそれから六十年度以降順次国が繰り延べた分補てんしていく経費とを総計いたさなきゃいけませんので、そこでトータルといたしましては、これは試算でございますから狂いがあると思いますが……
#202
○三木忠雄君 はい、了解。
#203
○政府委員(豊蔵一君) 大ざっぱに言いまして約四千九百億円必要かと考えております。
#204
○三木忠雄君 私、数字が少々狂ってくるのは当然ですから、そんなことでどうだこうだ言うつもりはありませんけれども、これだけの一般会計の繰り入れとこの住宅を建設していくという持ち家との問題を分析をしていって、果たしてうまくこの方針と合っていくのかどうか。それと、後で所得との乖離の問題でいろいろ伺いたいと思いますけれども、先ほど来やはりもう少し国民のニーズを分析する必要があるんじゃないかという点を考えるんです。その点はいかがですか。
#205
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、私ども政策を進める場合には、やはり国民のニーズというものをいろいろな角度から分析しまして、できるだけそれに対応するということが必要かと思います。ただその際、自分で努力をしてもなかなか実現できないいろいろな居住水準の向上の問題もございますので、そういった点につきましては、たとえば公共賃貸住宅等を充実させることによりまして最低居住水準の確保といったようなことも考えていかなきゃいけないと思いますが、やはり基本は国民のニーズに従い、またそれぞれの年齢構成、あるいはライフサイクル、そういったようなものに対応した対策が必要であろうかと考えております。
#206
○三木忠雄君 そこで、私は住宅基本法の問題を、いろいろ具体的な問題としてあれだと思いますけれども、きのうも本会議で聞いておりまして、大臣を責めても建設省を責めてもこれはのれんに腕押しの問題ですから、私はきょうは住宅基本法の問題で論議しませんけれども、衣食住のこの住宅の問題というものが国民生活に与える影響というものは非常に大きいわけですから、最低、ミニマムとしても住宅の問題が解決できるような方策を考えていかなきゃならないと私は思うんです。
 そこで、具体的に法改正の問題で一、二伺いたいと思うんです。きょうは実は参考人の方々もいらっしゃればと思ったんですけれども、私の質問がこういう順番でございますので、昼からずっと公庫の役員の人たちをくぎづけしておくのもどうかと思いましたので、同僚の原田議員の方にそちらの方の質問は譲りますけれども、やはり今回のこの法案の中にあめとむちが一緒に織り込まれているという、こういう点に私はいささか疑問点があるわけです。与党の方からもいろいろ御意見があったように、私も率直に見てちょっと無理な法案だなという感じもいたすわけです。したがって、今回のこの法案の中で、国民サイドから見てメリットになる分とデメリットの分をどういうふうに分析をされておりますか。
#207
○政府委員(豊蔵一君) この法案でお願いいたしております幾つかの項目がございますが、実は私どもといたしましては、法案に盛られておりますこと以外に政令で改正できるものと、また住宅金融公庫のいわば基本方針といいますか、業務の運営方針の中で具体的に決められるものといろいろございますわけで、そういったものを総合的に見ていただきたいと思うわけですが、法律の点で申し上げますと、メリットになる点について申し上げますと、既存住宅の貸付金利の引き下げという点があろうかと思います。それから住宅宅地債券の購入者の方々に対しますところの割り増し貸し付けといったような問題がメリットとして挙がります。それから住宅積立郵便貯金貸し付けにつきまして、対象の拡大と金利の分離をすることによりまして若干のメリットがあるかと思います。それから簡易耐火構造の範囲を拡大することもメリットであろうかと思います。それから土地担保賃貸住宅の要件の緩和につきましてもメリットであろうかと思います。それから宅地関係でございますが、借地方式等によりますところの事業につきましても対象範囲に加えること、これらもメリットであろうかと思います。
 それから、率直に申し上げまして、段階金利、すなわち十一年目以降につきましては当初十年間と異なった金利とするといういわゆる段階金利につきましては、その点についてはデメリットになる部分だと思います。それから規模別の貸付金利の設定でございますが、これにつきましては、従来の百二十平方メートルを百三十五平方メートルまで引き上げて、いわゆる中間金利を設定するという部分、その部分につきましてはかなり金利の引き下げ効果がありますのでメリットと思いますが、百十平方メートルから百二十平方メートルまでにつきましては、金利が五・五%のものが中間金利が六・五になるという意味ではデメリットかと思います。ただ、その百十平方メートル以上のいわば規模の比較的大きいものにつきましては割り増しの貸し付けを行うということを組み合わせておりますので、一般の民間市中金利によりますよりやはり公庫の融資によって割り増しがあるということはメリット部分であろうかと思いますので、これはちょっと総合的にまたひとつ御検討いただきたい事柄かと思っております。
 法律について言いますと、以上が概略でございます。
#208
○三木忠雄君 金融公庫法のこの改正の中にいろんなものが盛り込まれているわけですね。したがって、私は当初はそんなに問題ではないような感じを抱いておったんですけれども、これはいろいろ検討すればするほど、どうも細かく見れば見るほどにいろいろ問題点が多いという点を私は感ずるわけなんです。
 メリットの面についてはここで論及する必要ないと思うんですけれども、その問題を提起する前に、これからの住宅政策として、住宅価格と需要側の所得の乖離がどんどんふえてきている、開いてきているわけでしょう。ここの問題が実際に住宅不況の大きな原因になってきている。これを縮める方法を考えなければならない。恐らく住宅を持ちたいという人たちはある程度持ってしまったんじゃないか。
 今回、住宅金融公庫の申し込みが相当多いということを非常に手柄のように言っていらっしゃるけれども、これは後半は必ず私は減ってくると思うんです。業者からも私はいろいろ意見を聞いておりますけれども、これはそんなに応募状況はふえないんじゃないだろうか。そういう点を考えますと、後、購入をしたいというけれども、実際、可処分所得が落ちているここらの人たちをどういうふうにして持ち家を進める方に誘導していくかという、誘導政策というか、言葉は悪いかもしれませんけれども、購入できるような体制をつくるにはどういう手だてをするかということが大きな問題だと思うんです。この点については住宅局長はどうお考えになっていますか。
#209
○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、五十七年度の政策といたしまして、住宅金融公庫を中心とする公的金融、これを公庫を初め財形融資あるいはまた厚生年金の還元融資等、それぞれにつきましてかなり思い切った拡充を行ったつもりでございます。
 また一面、住宅、土地税制につきましても、近来にない大幅な改正を行ったところでございます。そのことによりまして、一つには住宅の立場から言いますと、買いかえ等が進み、また新規の住宅取得につきましてもローンの税額控除も拡充をいたしましたので、これらがプラスになろうと思いますが、やはり土地税制が大幅な改正をすることによりまして特段に土地の供給が促進されるであろう、そのことによって地価が安定するということがやはり大きなプラスになるのではないかというふうに思っております。
 なお、建築費につきましては、御案内のように第二次オイルショックの時期にかなり高騰いたしたのでありますが、最近は横ばいまたは一部反落傾向を示しておりますので、これは安定的に推移していると見てよろしいかと思います。そういうようなことで、私どもの政府の政策手段としてできる事柄はかなり進めてまいったつもりでございますが、やはりこれは一方におきましては所得の伸びというものが、私どもは、政府としましても五十七年度はある程度伸びも期待されるというふうに考えておりますので、これらを総合いたしまして回復するというふうに見ております。
 なお、民間の住宅ローンも、四月十五日、本日からだったと思いますが、八・三四%の金利が八・二二ということで若干の引き下げが行われましたので、これもでき得れば、客観情勢がもっとよくなりましたならば、さらに引き下げを関係省庁にも御指導をお願いしたいと思っているところでございますので、そういったようなことの組み合わせによりまして、少しでも取得能力というものが高まることを期待しているところでございます。
#210
○三木忠雄君 率直に言って、東京あるいは関東通勤圏内でいま購入できる住宅の価格というのは、大体どのぐらいにいま住宅局は分析していますか。
#211
○政府委員(豊蔵一君) これはなかなか取得をされる方々のそれぞれの事情もありまして一概には言えないんでございますが、一般的に関係の方々から伺い、また現実に住宅が伸びている時期等の状況等と照らし合わせてみますと、いわゆるマンションにつきましては平均的な勤労者の所得の四倍程度、それからまた戸建て住宅につきましては、同様な平均的な所得に対しまして五倍程度ということであればかなり建設も進み、また十分取得がされていくというふうに聞いておりますが、現実はこれをかなり乖離しているという状況でございます。
#212
○三木忠雄君 そうしますと、五十七年度の住宅建設計画百三十万戸ですか、これを具体的に各公営住宅あるいは民間と種別に分けて、どういうふうな対策を講じられるわけですか。
#213
○政府委員(豊蔵一君) 政府の住宅建設の見通しにつきましては、全体としていろいろないま申し上げましたような諸要因というものがプラスに向かう、そういったようなことで実質一〇・四%程度の伸びが期待されるであろうというようなことであるわけでございまして、その内容につきましては、詳細な積み上げをしたものではございませんが、それを強いて、私どものいわゆる建築着工統計にあらわれます公的資金住宅の方で、公庫とかあるいは公団、公営といったようなものを、公的資金についての住宅を積み上げてみますと、約六十万戸程度に相なります。したがいまして、残りが民間の自力建設であるというふうに考えていただけばよろしいかと思うわけでございます。
#214
○三木忠雄君 きょうは細かくそこはやりませんけれども、たとえば一つの例を考えていきたいと思うんです。住宅公団で三万五千戸ですか、建設を五十七年度に予定しているわけですね。これは具体的に民間も含めて百三十万戸を景気刺激の一環としてやる計画になっていますけれども、その中のたとえば一例を挙げてみますと、公団の三万五千戸というのは大体どういう方面に、どういう計画で、どれくらいの家賃でできるような形になっているわけですか。
#215
○政府委員(豊蔵一君) この点につきましては、まだ具体的に住宅・都市整備公団から詳細を聞いておりません。現在新年度に入りまして鋭意立地等の検討あるいはまた新規の用地取得等検討していることと思うわけでございますが、一応現在五十七年度の計画戸数三万五千戸のうち、土地の手当てを必要とするものにつきまして、その約七〇%相当分につきましては、現在公団が保有している土地から充てることができるであろう、残り三〇%分につきましては新規の用地取得といったようなものを進める、あるいはまた、従来から持っております用地につきまして、関連公共施設の整備等につきまして、公共団体との協議を促進するといったことによりまして早期活用を図るといったような計画となっておると聞いております。
 五十七年度以降の家賃についてでございますが、まだ具体的に最終的な決定はいたしておりませんが、五十七年度に新たに供給されます賃貸住宅につきましては、今回一%の回収コストの引き下げを行うことといたしましたので、そういったようなことを反映いたしまして、おおむね五十六年度並みの家賃で五十七年度は供給できるものと考えております。
#216
○三木忠雄君 住宅公団が来ていませんから、具体的な資料になって行ったり来たりしませんけれども、三万五千戸の問題については、私資料をよく研究しておいてくれと言っておいたんです。これは景気刺激の一つの実態じゃないけれども、私も見たいんですがね。実際に三万五千戸の公的な住宅を建てるという計画、大臣よく聞いておいてください、三万五千戸を五十七年度中に建てるわけでしょう。まだ土地の取得が実際上できてないというわけだ。これから土地を買って家をつくるわけだ。相当突貫工事をやってやるんだろうと思うんですけれども、設計し発注していく、こういう過程で果たしてできるのかどうか。
 あるいは上半期に七五%発注するとか、いろんな公共事業の発注等の問題を含めたときに、何もかもそう集中して、資材の高騰や土地の値上がりやそういう問題で、果たしてうまくいくのかどうかということは非常に私は疑問だと思って、具体的な問題でひとつ提起しておこうと思ったんです。きょうは余り資料も用意されてないようだから、これでどうこう問題にしようとは思っていませんけれども、そういう点をしっかりやりませんと、百三十万戸の住宅建設と言っても、景気刺激だと言ってもお題目に終わっちゃうんじゃないか。民間七十万戸の方に期待しているのだ、こういう意見かもしれませんけれども、公的住宅の方だって、公営住宅の建設の方すらうまくいかないんじゃないか。
 それともう一つは、やはり公団が持っておると言っても、遊休地が、余りいい方向の土地は持っていないんです。そこへまた建てると、空き家住宅ばかりつくる、欠陥住宅ばかりつくるという結果になってくるわけだ。だから、果たして三万五千戸が賃貸住宅なりあるいは分譲なりに、たとえば東京周辺をつかまえてみれば、都民やあるいは関東近県の住民、そういう人たちのニーズに合ったような公団住宅ができるかどうかとなると、非常に私は疑問だと思うんです。こういう点をよくもう少し分析をしなければならないんじゃないか、こう思うんですけれども、この点はいかがですか。
#217
○国務大臣(始関伊平君) 住宅公団につきましては、せっかくつくった家が空き家になって残っておるというふうな点もございますので、そういう点を考慮いたしまして全体の建設計画が控え目になっておるわけでございます。
 なお、全体の印象といたしましては、住宅局長が申しましたように公団住宅、それから公営住宅等の公共住宅、それから政府が政策金融を行っております公庫からの金融を受ける公的金融による住宅ですね、これが六十万戸ということで、なおあとの半分が、半分と申しますか、半分より少し多いんでございますが、これを民間デベロッパーその他民間の自主的な開発に係るものでございまして、百三十万戸が可能になるかどうかという点につきまして、ある観点から見ますと、政府が政策手段を持っているもの、あるいは自分でやるもの、公的な公共機関でやるものについてはどうも確実性が多いのではないか。また住宅金融公庫の第一回の募集が、この法案を通していただきますと間もなく行われると思いますが、それで見ればわかるわけでございますが、五十六年度の第四回目の募集、これは一月末から三月の一日まで約一月やったのでございますが、これが大変好調でございまして、六万戸の募集に対しまして実は応募は十一万九千幾ら、約十二万でございまして大変調子はよかった。一つの傾向を示しておるとすれば大変ありがたいことだというふうに思っております。
 問題は、政府が直接の政策手段を持たない民間金融による、銀行ローン等による方でございますが、これにつきましてはやはり経済運営の全体がうまくいくかどうかというような点、それから民間購買力がもっとふえるかどうかというような点に関係するところが多いのでございまして、内需拡大のために、あるいは景気浮揚のために住宅建設をやるのであるが、いま申しましたように、住宅建設の目標のうちの半分ぐらいは、いわゆる景気の影響を受けるということでございまして、そちらの方を心配しておるわけでございますが、いま局長が申しましたように住宅ローンも下げてもらうというようなこと、その他いろいろありとあらゆる手段を使いまして、この使命、われわれの責任の達成に努めてまいりたいと思います。
 なお、最初にお話のございました公庫や公団の住宅でございますが、これはどうも私自身の印象で言えば確実性の高い方に入ると考えておるのでございますが、いま御指摘のような問題もあると思いますので、十分に注意をし、なお督励いたしまして確実にかつ有効な住宅を建設してまいりたい、かように存じております。
#218
○三木忠雄君 それでは、段階別金利と規模別金利の問題で一、二伺っておきたいんです。先ほどからいろいろ議論されておりますけれども、三段階に分けられましたね。この百十という限界は何を基準にした限界ですか。
#219
○政府委員(豊蔵一君) 現在の住宅金融公庫の個人住宅の一般の建設の融資をしていらっしゃる方の建設状況の平均が大体九十七平方メートル程度といったようなことも考えまして、また、住宅金融公庫全体の平均が百七平方メートル余りといったようなこと等も考えまして、百十平方メートル程度であれば中心的な利用者の方々につきましては、一応従来どおりいけるというふうに考えたものでございます。また百二十平方メートルというのを一つ区切りにしておりましたが、これでは、最近の一般の住宅の規模をもっと大きくしたいというような御要望等を考えてみますと、それより上を財投金利にするというのはいかにも法律の趣旨からいってもいかがかということで、比較的規模が大きいものというようなものとして百三十五平方メートルというふうにいたしまして、その間に、いわゆる中間金利というものを設定してはいかがかと考えたものでございます。
#220
○三木忠雄君 大きく言えばこれはあるでしょうね。住宅金融公庫の財政上の問題が大きく絡んでいる点でやはりこうせざるを得なかったのかもしれないんですけれども。十一年目から金利が段階的にふえていきますね。そうしますと大体どのくらい住宅金融公庫としてはプラスになると考えていらっしゃいますか。
#221
○政府委員(豊蔵一君) 住宅金融公庫は財投金利の資金を借りてまいりまして、五・五%を中心とする政策金利でお貸しいたしているわけでございまして、その差額分は国から補給金としてちょうだいしておりまして、いわば構造的には赤字を国が補てんしているという状態でございますので、強いて言えば、この段階金利制導入によりまして十一年目以降国が補てんすべき補給金の額が徐々に減ってくるというふうに考えられます。そういうふうに考えてみました場合、十年間は特に効くわけではございませんが、十一年目から少しずつ補給金の減の効果があらわれてまいるわけでございます。たとえば十一年目には、これは全く一定の試算に基づいて条件を与えておりますので少し数字が変わることはありますが、大枠を御理解いただく意味で申し上げますが、十一年目は約六十億円程度、それから十五年目には千五百五十億円程度、それから二十年目には二千五百億円程度といったような、補給金のいわば減の効果があろうかと思います。
#222
○三木忠雄君 補給金の減になるということは、これは大きく言えば一般会計で税で補うか、住宅建設者が補うかという、この問題になってくるわけですね。これはもう観点のとり方によっていろいろ判断の問題ですから、これはいろんな考え方があって、いろんな考え方を持った意見の人がいて私はしかるべきだと思うんです。実際的にはこの段階制金利の導入によって住宅金融公庫に支払う、まあ借りた人たちの負担増になってくるわけですね。それははっきり言えるわけでしょう。
#223
○政府委員(豊蔵一君) おっしゃるとおりでございまして、十一年目以降につきましては当初十年間と異なる金利で返済をお願いしますので、その差額分だけは借り入れられた方々の御負担でお願いすることになっております。
#224
○三木忠雄君 そこがやはり住宅政策の問題として、本当に住みよい環境をつくるという最低限の問題を考えた場合に、この基準の百十とか百二十とかいういろいろな問題も含め、あるいは段階制金利の問題も含めて、住宅を持ちたい人、あるいは最低居住の条件を満たすためにも、政策の判断として住宅の方に力を入れるかどうかという問題の判断になってくるんじゃないかと思うんです。これは建設大臣、ここが大きな問題だと思うんです。反対する人たちは何かというと、やはりもっと条件のいいような、長期で低利な住宅金融公庫の金を借りたいという要望があるわけです。しかし財政上許さないから、このぐらいはいいだろう、あるいは十一年目ぐらいになれば負担が軽くなるから、経済的によくなるからまあ大したことはないだろうという、その考え方のすれ違いが今回のこの法案の問題点になっているわけです。大臣に言えば、提案者だから、いや、これはベターだと言うかもしれないけれども、ここの考え方はもう少しうまくできたんじゃないかと思うんです。率直に大臣の意見を聞きたい。
#225
○国務大臣(始関伊平君) ただいま御指摘になりました二点のうち、特に時期別の段階金利制というものを受け入れるかどうかということが、今度の新しい住宅政策の決定を昨年十二月政府部内、特に大蔵省との関係で進めたわけでございますが、これはまさに問題点でありわれわれの立場としては決断を要する問題点であったというふうに存じております。もちろん財政に余裕がありまして、段階金利制ないしは百十−百二十の間、これは問題が比較的小さいのではないかと思いますが、これは先ほどうちの局長がマイナスのポイントとして挙げました点は、われわれとしては別に喜んでやったわけでもないんですが、しかし、われわれといたしましては今度の新しい住宅政策につきまして先ほど局長が申しましたようにプラスの点と見るべきものはかなり多い。その点を確かめた上で、確かめた上でということはそれをはっきりと大蔵省に認めさせた上で、マイナスの点としてはこれはやはり特定の方々の住宅建設のために税金を使うわけでございますから、限りなくふえるということは困りますし、また第二の国鉄というと何ですけれども、六千億になり七千億になり、これは二十何年と続きますから、それは非常に多くなるということは予想されますので、全体を一つのワンパッケージと考えまして、この点はやむを得ずのんだ。これの方がいわゆるたてまえだけ補給金というものを置きましても、大蔵省がそれを確実に履行してくれないようなひどい状況になりましたら困るわけでございますから、それの方がある観点から言いますと住宅政策の堅実な遂行の上にもよろしかろう、こういう意味で大局的に判断したつもりでございますので、その点はぜひひとつ御理解をいただきたい、かように存じております。
#226
○三木忠雄君 これは行革特例法のときの臨時措置的な問題と違って制度を根本的に改正するわけでしょう。ここがやはり大臣、問題なんだ。だから五十九年なら五十九年、あるいは六十年ならこの五計までの間を暫定的にこうだとかああだとかいう問題になればまた別なんだけれども、制度を根本的に変えていくわけでしょう。それと同時にやはり住宅の計画との問題、今後のあるべき住宅政策という問題とも大きく私は絡んでくるんじゃないかと思うんです。あるいは住宅金融公庫の運営の問題にも絡んでくる問題だと思う。そこらをやはり制度を根本的に変えてしまってそのままずっといくことは、私はある意味じゃ、将来は百何ぼですか、百三十五平米以上の持ち家をしたいとか改築をしたいと、こういう人たちのための住宅金融公庫の融資に変わってくるんじゃないかという考え方を私は見るわけですよ。したがって、これはやはりできれば暫定的な臨時的な問題に考えた方がいいんじゃないかと思う、するわけですけれども、この点いかがですか。
#227
○国務大臣(始関伊平君) 百三十五平米がどうだとか、それから百十と百二十の間はどうだとかいう問題につきましては、今後状況の推移を見ながらこれを若干ずつ是正して消費者の皆さんの御利益になるように検討していくという余地があると思います。
 それから、時期別の段階金利につきましても、財投金利が下がるかもしれませんし、あるいは状況のいかんによりまして財投金利まで上がらずに少し上がる、財投金利よりちょっと下がったところまで下がるとかいろんなことが考えられると思いますけれども、ただどうも私どもの感じとしては、時期的な段階別金利の方はかなりこれは恒久性を持った制度であると認めざるを得ないというふうに感じております。その点をひとつ御理解をいただきたいと存じております。
#228
○三木忠雄君 そこが余り御理解できないんだけれどもな。それをやっぱりもう少し検討した方がいいんじゃないかという、金利の変更等も絶対変えないという考え方ではなしに、やはり将来の動向を見ていろいろ改定するなり善後策を講じていくべきじゃないかということを私は強く言っておきます。
 それから、具体的にこの六百二十万円ですか、今度融資が受けられるわけですね。この人たちがたとえば段階制の金利負担が適用されるようになってきますと、負担増は大体どのぐらいになるんですか。
#229
○政府委員(豊蔵一君) 六百二十万円を借りられた方々が十一年目以降どのようなことになるかと申し上げますと、当初十年間が五・五%でございまして、十一年目以降、現在は財投金利が七・三%でございますから一応七・三%ということで運用さしていただきますと、十一年目以降はその前の年に比べまして増加額が毎月当たり四千五百九十四円ということに相なります。
#230
○三木忠雄君 この問題を考えていきますと、結局は低所得者層の家を持ちたいという人たちも非常に負担になってくる、年代によって違ってきますけれどもね。実際に三十五歳あるいは四十歳から住宅を持った、こう考えますと、五十過ぎるとそろそろ定年の問題を考えてくるわけでしょう。定年制延長の方を政府がもっと積極的に、こういうのを考えてみればわかりますけれども、五十歳なら五十歳で住宅を持つ、こうなった場合に、所得がこれから六十過ぎたら減ってくるという問題も出てくるわけですね。こういう問題が民間のベースでは五十五歳とか定年後に延長した場合には所得を減らせるというこういうふうな約束で労使協調ができているわけですね。こういう業態もあるわけですね。そう考えた場合に、実際に金利負担増になってくるという問題を考えた場合、これは住宅金融公庫だけの融資だけで家が建つわけじゃないですからね、やはり民間ローンも借りなければいけない。相当な負担増につながってくるんじゃないか。したがって私は段階金利を、しつこいようですけれども、十一年目からも当初と同じような計画にした方が、住宅を建てたいという要求にこたえていく方法じゃないか、こう考えるんですけれども、大臣、もう少しこの問題は検討する余裕はないのかどうかですな。
#231
○国務大臣(始関伊平君) ただいま三木委員がお述べになりました見解が大変有力な一方の見解でございまして、それに対していま論争を申し上げる意思はございませんが、先ほど来申し上げておりますような事情でこういうことに決定をいたしました。
 しかも、もう一つ余分なことを申すようでございますが、私ども不動産関係の問題について、あの時分に買っておけばよかったというような感じを持つことがしばしばございますが、昔ほど給与も上がらぬでしょうし、インフレ率も高くはないと思いますが、やっぱり十年、十五年たちますと、かなり今日でも、いろんな午前中も議論がございましたが、新しい公共的住宅と古い公共住宅が非常な家賃のアンバランスがあるということでもわかりますように、十年もたちますとそういった意味で相対的に家賃が安くなると申しますか、返還額が安くなるという現象は多かれ少なかれ今後も続くだろうということもちらっと私どもの考え方の背景にはあるわけでございます。どうかひとつ御理解をいただきたいと思います。
#232
○三木忠雄君 この問題はこの程度にしておきます。
 あと公庫の貸付限度額の拡大の問題です。実際に法律上では建築費の八割ないし八割五分となっているわけですけれども、実際の限度額は四割程度ですね。それは財政上の問題がありますから一概にこれは言えないんですけれども、やはり持ち家が大分進んできたということは認識できるわけでしょう。あとこれから持ち家を進めたいとかあるいは建てかえをしたいとか、いろんな層がいる問題を考えた場合に、限度額をもう少し拡大して戸数を減らした方がベターなのか、あるいはいまの段階で戸数をいままでどおり、あるいはそれ以上にふやしていった方が持ち家が進むのかどうかというこの議論はどうなんですか、これは。
#233
○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、国民の方々に住宅を持ちやすくする、そのためには、実質的には何といいましても限度額の充実かと思っております。ただ、その限度額を充実するために戸数を切った方がいいかと言われますと、つらいことですが、去る五十年度ごろまでは戸数が少ないため抽せんによっておりまして、そのことが非常な御不満があったと聞いております。その後、逐次戸数の改善等を行いまして、現在は御希望がある方には無抽せんでお貸しするという制度といいますか、運用をしておりますので、やはり借りたいという方がお見えになった限りは平等にお貸しできるような戸数の確保もしたい。ただ、中身も充実しないで、ただ戸数を確保するというのもいかがかということから、私どもはまず内容の充実、そしてそれに伴う戸数の確保ということを考えてまいりたいと思っております。
#234
○三木忠雄君 実際に住宅を建てる人たちの利用調査の実態を見ますと、公庫資金が三九・四%、公庫以外の借入金、銀行ローン等も含めて二九・六%、それから手持ち金が約三〇%というふうな比率になっているんですね。これは、いままではこれでいいと思うんですけれども、今後はやはり所得の問題等を含めまして、これから住宅を購入したいという人はもう少し限度額を広げるか、あるいは頭金の問題で実は買いたくても買えない人たちの層がいま非常に多いんですね。私たちも住宅業界の人たちにいろいろ意見を聞いてみると、買いたいんだけど、いまの所得で頭金を三割なり四割を蓄積しているという人たちは限られているわけですね。そういう人たちは、もうすでに家を持てる人たちの階層なんです。だから、そこらの問題を住宅政策としてどうするかということは私は一つの大きな問題点じゃないかと思うんですけれども、この点はどうお考えになっていますか。
#235
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のように、公庫の融資率といいますか、これが全体のいまの実態から見ますと、最近はちょっと四〇%を切る状況でございますが、恐らく五十七年度の改正によりましてこれが少し率が高まるということかと思います。でき得ればこの率ももう少し充実させる、それとまた、他の公的金融となるべく併用していただくという組み合わせかと思います。
 ところで、公庫の立場から見ますと、やっぱり融資というような点がありますので、実際に取得をされようという方々は、まずある程度頭金を持ち、そして残りをいろいろな工夫で長期低利の資金を活用するということかと思いますし、また、余り頭金を全然用意しないでローンだけに頼るということは、逆に返済負担というものが非常に大きくなりますので、そこら辺は、生活設計の中でどのような自分の住宅を取得していくかという計画ともかかわりがあろうかと思いますが、ただ、私どもといたしまして、当初がきついであろうということを考えまして、ステップ償還の期間も五年に延長するといったような工夫もいたしておりまして、何といいましても最初の五年、次にはその次の五年といったのがやっぱり山かと思いますので、そこら辺のところに政策としては厚みを加えてまいりたい。
 それから、今回の法案でもお願いしておりますが、今後いろいろと住みかえを進めることによって住宅事情を改善していくというときに、新築の住宅というには若干手が届かないという場合に、中古住宅ということからまず始めることも考えられますし、これはやはり割り安の面もありますので、これの金利を今回引き下げることにいたしました。そういったものを活用していただくこともお考えいただければと思っています。
#236
○三木忠雄君 中古住宅の問題が出たんで、中古住宅の問題で一、二聞いておきたいんですけど、大体この中古住宅の流通市場の整備はでき上がっているんですか、これからですか。
#237
○政府委員(吉田公二君) 中古住宅の流通というのは最近大変ふえてきております。ある調査によりますと、年間二十万戸程度の流通が行われているという調査もございますが、去る昭和五十五年の宅地建物取引業法の改正によりまして、従来、不動産のいわゆる媒介取引、仲介の取引というものが一般的に口約束によって行われているというようなために、トラブルが多かったわけでございますが、こういったものを明確にいたすために、この法律の三十四条の二に、媒介契約というような条文も入りました。それで、こういった不動産の仲介取引についても法律できちっとした筋道を立てるということでございまして、さらにこの条文の施行につきましては、法律の施行が五十五年でございましたけれども、二年間の猶予を置きまして、その間に業者において十分の内容の趣旨の徹底を図る、あるいは標準約款をつくる、あるいはまた流通機構というものの整備を図るというようなことに鋭意努めてまいりまして、ことしの五月二十日から、こういったものを全部踏まえまして、新しく媒介契約、またそれに伴う一連の不動産業界の体制の整備というものも行ってきたところでございます。
#238
○三木忠雄君 今回の法改正の中で、一戸建て住宅の買いかえの問題については全然触れてないですね。この問題はどうなんですか。
#239
○政府委員(豊蔵一君) 今回お願いしております法律案では、そういう一戸建ての住宅につきましても対象となり得るように制度としてはお願いをしております。ただ現在まで、一戸建て住宅等につきましては、特に木造の場合でございますが、維持、管理の方法等によりましては、その性能、耐久性にも著しく差がございますし、総合的な意味での審査方法、審査体制といったようなものにつきまして、なお検討を要する必要があるということで、五十七年度までは、現在のいわゆる中古マンションに限って対象とさせていただいておりますが、今後こういったような問題を早急に検討を詰めまして、いわば消費者保護という立場からも十分うまくいく、また公庫が融資をする対象のものとしても十分適格であるといったようなことができるような仕組みをつくりまして、広げるという方向を検討してまいりたいと思っております。
#240
○三木忠雄君 五十七年度は無理ですけれども、それは近い将来という問題ですか。あるいは、いま審査体制とか流通市場の整備等も兼ねて、いつごろから公庫の貸し付けの対象にする計画があるのかどうかですね、この点について。
#241
○政府委員(豊蔵一君) 予算的な関係もございますので、そういったことを踏まえまして、私どもは近い将来なるべく早く確立をしたいというふうに考えております。
#242
○三木忠雄君 近い将来ということにしておきましょう、きょうは。なかなか言いづらい問題だろうと思いますのでね。
 いずれにしても、買いかえがふえていますし、中古でも一戸建てを買いたいという人もいるだろうし、そういう点で、やはり審査体制とか流通市場の整備とか、こういう問題は検討を早くやる必要がある問題じゃないか、こう考えます。こういう点でひとついろいろ対策を講じていただきたいと思うんです。
 それから、五月二十日からですか、この前私もテレビをちょっと朝見ておりまして、末吉課長さんが一生懸命やられた。テレビはカットの関係があって、意を十分尽くせなかったらしいんですけれども、専任契約と一般契約があるわけですね。この問題についてはどういうふうな対応になっているんですか。
#243
○政府委員(吉田公二君) 先ほども申し上げましたとおり、宅地建物取引業法改正の際に、媒介契約につきまして書面できちっとした契約をして媒介契約をしなければならない、こういう条文が入ったわけでございまして、これに対しまして、当委員会での御審議の際に附帯決議等の御指摘もありまして、将来の紛争防止というような意味もございまして、標準媒介契約というものの約款を、これは住宅宅地審議会の審議をいただきまして、去る一月二十八日に答申をいただいたわけでございます。
 この標準媒介契約約款の中には、先生御指摘のとおり、専任契約と一般契約と二つございます。物権の依頼者が一業者だけに媒介を依頼する契約を専任契約と申しておりまして、複数の業者に依頼をすることができる、これを一般契約と言っておるわけでございますが、このうちの専任契約の場合は、その専任契約をした業者にいたしますと、依頼者の方はほかの業者に依頼できないわけでございます。そのかわり、その依頼を受けた業者は二週間に一回以上業務の処理状況を依頼者に報告するとともに、依頼に関する情報を広く伝播させまして、成約に向けて積極的に努力するという義務を負うわけでございます。これに対しまして、申しましたとおり、依頼者は他の業者には依頼しないという義務を負いまして、違反すると違約金の請求を受けるということになるわけでございます。また、一般契約の場合は、依頼者は複数の業者に依頼することができるわけでございますが、そのために専任契約ほど業者の方はそこに努力を傾注するという形にはならない可能性があるわけでございます。
 契約期間につきましては、依頼者が長期間拘束されることのないように、これは専任契約の場合に三カ月を限度としておりますが、両者とも大体三カ月を超えない範囲で、依頼者と業者とが協議して決めるということにしているわけでございまして、それぞれ一長一短特徴があるわけでございまして、依頼者の方がこれはという方をとっていただくということになろうかと思います。
#244
○三木忠雄君 専任と一般の立て分けですね、これはやっぱり消費者の方からいろいろな意見もあろうかと思いますけれども、もう少しわかりやすく告知をしていなきゃならないんじゃないかと思うんです。私たちも余りそういうことがわからなかったわけです。五月二十日から法改正になるということで、実際に契約してしまってから、こうだったとかああだったとかいうトラブルが起こってしまっては困りますので、やはりいま住宅問題というのは非常に大変な問題でございますので、どういうふうにこの専任契約あるいは一般契約というものについて消費者の人たちにわかるような告知あるいは徹底を図るのか、この点についてはどうお考えになっていますか。
#245
○政府委員(吉田公二君) 御指摘のとおり、一般消費者の皆さんにこういった標準媒介契約という言葉も非常に受け取りにくい言葉でございまして、十分PRしていくということについては苦心もあるところでございますが、私どもポスターをつくりますとか、あるいは新聞の広告をいたしますとか、あるいは先般お話もございましたようにテレビ等の機会を使いますとか、いろいろな機会にPRをしていくということで、現に建設省といたしまして現在ポスターを作製したりいたしまして、これを公共団体等にも広く掲示してもらうというようなことをいたしております。
 また、業界に対します指導ということでは、答申をいただきました段階からもう数次にわたって講習を行うとかいうことで相当の指導を行っておりますし、また、業界自体といたしましてもこの問題に真剣に取り組んでおります。また、もう一つ問題は契約の内容の問題もございますので、標準約款というのは、これは先ほど申し上げましたように、住宅宅地審議会で学識経験者の御議論を経て固めた案でございますので、この標準約款でやっていただけば余りトラブルが起こらない可能性が強いものでございます。そういうことでございますので、この約款というものが、業者が使われます場合に標準約款であるかどうかというものが一般の方でも一目でわかるような、何かそういった表示方式でもとるとかいうようなこともあわせて考えたいと思っております。
#246
○三木忠雄君 確かにこれ、標準約款どおりに――これは協会として同じパターンの契約書になるわけですか、それとも業者別の専任契約書みたいな形になるんですか。
#247
○政府委員(吉田公二君) 契約は個々の契約でございますけれども、現在行っている指導ないし業界の対応では、大概それぞれの業界が関係メンバーについて同じ標準約款をとるような形になっていくというふうに見ております。
#248
○三木忠雄君 これはよく指導していただきたいと思うんです。やはり契約をしまして、各業者単位に違うのでは、これは同じだと思って専任契約を結んでペナルティーをとられるような形になって、また紛争の種になってくるという嫌いがありますので、これは国民に知らせると同時に、こういう実態もよく監督をしていただきたいということを私は強く要望しておきたいと思うんです、これはトラブルが起こらないように。
#249
○政府委員(吉田公二君) 先生の御指摘、十分肝に銘じまして的確に指導してまいりたいと思います。
#250
○三木忠雄君 それでは次に、宅地債券制度の問題です。住宅局長、メリットの方に取り上げたわけですけれども、この宅地債券制度の実績は実際どういうぐあいにいままでは来たんですか。今度は住宅宅地債券制度の新設でありますけれども、いままでの宅地債券制度の実態というものはどういう状況でございますか。
#251
○政府委員(吉田公二君) 宅地債券制度というものが創設されましたのは昭和三十八年度からでございますが、三十八年度から五十六年度までの実績といたしましては、この宅地債券制度というものは団地単位に出しておったわけでございますが、団地といたしまして四百九十九団地、募集の区画数といたしましては三万八千七百八十八区画、それから宅地債券として払い込まれた金額は二百六十七億九千六百万円となっております。
#252
○三木忠雄君 これは当初考えておったよりも低調だった、こういうふうに通称言われているんですけれども、これは建設省ではどう考えていますか。
#253
○政府委員(吉田公二君) 御指摘のとおり、当初はかなりの数があったわけでございますが、最近に至りまして、大分低調といえばそういう形になってございます。その伸び悩んできたというのはどういうことかということでございますが、傾向を分析してみますと、現在の制度におきましては積立額が譲渡の予定額の三分の一以上なければ優先譲渡しないということになっておりまして、譲渡価格の三分の一というのは相当の金額であるということが一つございます。
 それから、譲渡予定価格の三分の一ということは、逆に言えば、譲渡する方から見れば、その大体三分の一をいただいたということは、処分価格がかなり早い時期から約束するということになるわけでございます。そうしますと、その額でもって譲渡をするということについての非常に心配がある。従来の経過で申しますと、資材等の建設費の高騰であるとか、あるいは公共団体との調整とかいろいろな問題があってその予定とした価格に狂いが生じた場合に、需要者側との間にかなりトラブルと申しますか、需要者の側は従来の発行主体、公的主体が多うございます、公的主体でございますから、そうしたところに信頼していたら、非常に大きな金がかかるということになると大変な生活設計の問題になるということがございますので、そういう不安を持つ事業主体が制度の利用自体に若干敬遠をしたという面もございます。
 それから一定の期間、これは三年とか五年とかという期間を積み立てるという前提でございますけれども、比較的小規模宅地というものが多くなってきた、長期間の積み立てになじまないというようなものが増大してきたというような点の総合からそうなってきたのではないかというふうに思っております。
#254
○三木忠雄君 そこで、今度は住宅をかぶせたわけですね。それで金額を一・五倍の四百五十万まで割り増し貸し付けを行う、こういう形になっているわけでありますけれども、この優先分譲ですね、どういうぐあいに在宅宅地債券の優先分譲を行うような形になるんですか。
#255
○政府委員(豊蔵一君) 新しく今回住宅宅地債券制度をお願いをいたしておりますが、従来の宅地債券制度に加えまして住宅コースというようなものを考えたわけでございますが、それにつきましては、まず、三年または四年半のコースで三百万円の債券を逐次引き受けていただきまして、その積み立てが満了いたしました後三年間、いわゆる公社の分譲住宅とかあるいは公庫融資の団地住宅につきまして優先譲り受けができるようにいたしたいと考えております。これは分譲住宅の各年度の募集状況等を見まして、また一方、積み立てられた方々の積み立ての状況等を見まして、一般の方より相当程度優遇できるように、でき得れば全体としては十分これらの積み立てられた方々の枠が確保できるように考えたいと思っております。
 ただ、特定の団地、特定の住宅に御要望が集中した場合には、ある程度これは抽せんということになろうかと思いますが、簡単に申しますと、分譲住宅を募集されます場合に、これらの状況を考慮いたしまして、住宅債券の資格を持っている方方に優先的に一定の枠をつくりまして、その中でいまのような資格を持っておられる方々が応募できるような仕組みにしたいと考えております。
#256
○三木忠雄君 ちょっとわからないんですが、具体的にどういうふうな優先分譲が行われるんですか。
#257
○政府委員(豊蔵一君) たとえば昭和五十五年度で見ますと、三大都市圏を中心にいたして考えました場合、約六万戸程度の融資付の分譲住宅の募集がございます。で、いま申しました債券を積み立てられました方々の数がそのとき何ぼかということによって枠の決め方が違いますが、私どもは今後着実にこの債券の積み立てを伸ばしていくということを考えました場合、大体その半分ぐらいの戸数を積み立てられた方々の枠のために確保しておいて、そして募集をさせていただくということを予定しております。
#258
○三木忠雄君 そうしますと、債券を買ってないとなかなか住宅が回ってこないというそういう誘導策ですか、これは。
#259
○政府委員(豊蔵一君) そういうふうに考えるのではなくて、債券を積み立てられた方々には抽せん率をよくするといいますか、相当程度低くするということで運用したいというふうに考えております。
#260
○三木忠雄君 宅地債券の金利は幾らですか。
#261
○政府委員(豊蔵一君) これは三年債、五年債、七年債というふうに三つのグルーピングをしたいと思っておりますが、三年債につきましては四・五%、五年債につきましては五%、七年債につきましては五・五%、このように考えております。
#262
○三木忠雄君 そうしますと、たとえば三年でしますと金利が四・五%でしょう。これは三年の定期か国債を買って、抽せんさえうまく当たればこっちの方が率がいいわけです。まあ一・五倍貸すという条件がありますけれども、余りメリットがある方の部類に入らないんじゃないかと私は思うんです。
 それともう一つ、自分の希望するような分譲住宅が見つからない場合、結論的には解約をしなきゃならないわけでしょう。そうすると、細かな話になりますけれども、金利差ということを考えた場合に余りいい制度でもないような感じもするんですけれども、これはいかがですか。
#263
○政府委員(豊蔵一君) いまお話がありましたように、割り増し融資ということも併用してこの制度は考えておりますので、その点のプラスがあるわけでございます。お話のように、どうしても自分が希望するところがないということになりますれば、最終的には単に割り増し融資のみがつくということになりますが、資格がつきましてから三年間という幅がありますことと、いま申しましたような分譲住宅の募集に際しまして、いままでのような実態を勘案しました募集枠の設定ということを考慮することによりまして、十分魅力のある制度としたいと思っております。
#264
○三木忠雄君 まあ、したいという強い願望でしょうけれども、なかなかこれはむずかしい問題だと私は思うんです。
 もう時間も余りありませんのでこの問題は終わりたいと思いますけれども、ここで具体的にいまの債券の問題とあわせて金融公庫のあり方、それから民間住宅ローンのあり方、ここらの機能分担の問題等を含めてやはり住宅ローン、あるいは住宅金融公庫の問題点もそろそろ考え直さなけりゃならないんじゃないか、あるいは機能分担の問題をもう少し考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんですけれども、この点についてはいかがですか。
#265
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、最近の状況を見ますと、住宅金融公庫等の公的住宅金融がそれぞれの分野におきまして相当充実されてきておりますが、また一方、民間住宅金融につきましても、国民のニーズといったようなものを反映しまして、かなり量的な拡大が見られておることも事実でございます。したがいまして、今後の私どもの政策の進め方といたしましては、民間住宅金融と公的住宅金融が両者それぞれバランスをとって、住宅政策の両翼を担っていくということを考えていくべきであろうかと思っております。ただその際、政策金融でありますので、その対象層を的確にとらえ、そしてそれらの方々に必要な資金が行くといったような、効率化、的確化といったようなことも十分今後の運営については配慮していくべきであろうかと考えております。
#266
○三木忠雄君 最後に大臣に、問題として、特に住宅建設業者、特に中小の住宅建設業者の倒産が最近非常に多いと聞いているわけですが、これの実態はどういうふうに認識をされておりますか、住宅建設業について。
#267
○政府委員(吉田公二君) 五十六年度の建設業の倒産、ちょっといま数字が手元にございませんが、大ざっぱにいきまして約五千の業者が倒産しています。建設業でございます。全体の一般全産業の倒産の中では約二八%程度でございます。ただ、ことしに入りまして、一、二、三という一番新しい三月の実績で見ますと、三百数十社でございますか、前年に比較いたしまして倒産教は非常にことしに入りまして減っておるという状態でございます。
#268
○三木忠雄君 これは住宅金融公庫の問題とも絡むんですけれども、住宅金融公庫の業者に対する融資ですね、業者というか、いま空き家住宅あるいは住宅が建設されてもなかなか売れない、売れ残り住宅が大分あるわけです。これで金利負担が非常に大変だという業者が大分私も耳にしているわけです、売れ残りがあって。これから景気をよくするから売れ残りはなくなるというような考え方を持っている人がいるかもしれませんけれども、景気が落ち込んだために住宅購入者が減って、そして住宅はっくったけれども売れないという業者が大分いるわけです。これはやはり自己資金でやっていない。したがって、銀行なり公的機関からもいろいろ借りているわけですね。その金利負担というのが非常に大変なんです。特にこれは住宅関係の業者を守るという意味から考えましても、売れ残りの住宅を抱えている建設業者というものは、これは直接住宅金融公庫と関係ありませんけれども、市中銀行の歩積み両建てで大分苦しめられて、結局非常に経営が思わしくないという状況が多いんです。この問題は一遍よく建設大臣に見てもらいたいと思うんです。やはり三割ぐらいの歩積みをされているんです。はっきり歩積みとは言わない、銀行としてはいろんなうまい手を使っているわけですけれども、そのために結局回転資金等で非常に混乱を来しているという困難な問題があるんです。
 それとあわせて、住宅金融公庫をつける場合に、書類を出してから実際の融資までの間に二カ月かそこらかかるんじゃないですか。そのために中小業者はそれの金利負担をしているわけですね。土地を借りて、金融業者から金を借りて、銀行から金を借り、あるいはまた建築資材等もいろいろ借りている、自己資金でやっていませんから。住宅金融公庫の融資を受けるためには、その借りている分の抵当権を全部抜かないと住宅金融公庫の申し入れを受け入れられないんです。その間が二ヵ月なりひどいのは三ヵ月あるという話も聞くんですけれども、実際その間の金利負担というものは、住宅一戸が一千五百万、二千万という形になってきますので、非常に業者としては負担になっているわけです。ここらの問題をやはりちょっと検討してもらいたいという私たちに寄せられた要望があるんですけれども、この点については何か感じられていますか。
#269
○国務大臣(始関伊平君) 歩積み両建ての問題はかねてやかましい問題だと存じますが、中小建設業者の場合には特に影響が深刻だと思いますので、大蔵省とも相談をいたしまして善処してまいりたいと存じます。
 それから、金融公庫の貸し出しまでの期間が非常にかかるというお話でございますが、これは、ずっとここに金融公庫の総裁も来て聞いておりますので、何かやり方に改善すべき点があるかどうか。いずれにいたしましても、余り待たせなしでてきぱき金融ができるように善処してまいりたい、かように存じております。
 それから、中小建設業者の問題でございますが、政府全体といたしまして、官公需の中小企業者への発注につきまして、たとえば三六・八%とかいうような数字がございまして、なるべく中小企業の方に建設業につきましても発注がいくようにと。こういうことがつまりひいては景気の刺激や国土の隅々まで国民各層に及ぶゆえんでございますから、そういう方針でやっております。なおまた、そのためには工事の分割発注それから共同受注、いろんな問題がございますが、それらにつきましてもいま申し上げましたような見地でいろいろ研究いたしまして、ある程度成果を上げていると思いますけれども、また今後一層努力したい、かように存じております。
#270
○三木忠雄君 それでは、もう時間が余りありませんので、道路の問題で一、二ちょっと聞いておきたいと思うんです。
 日本道路公団ですか、高速道路の料金値上げを申請したんですか、あるいはこれから申請しようというわけですか。料金値上げの問題はどのようになっていますか。
#271
○政府委員(渡辺修自君) 去る四月八日付で道路公団から建設、運輸両大臣に対しまして料金改定の申請がございました。
#272
○三木忠雄君 この問題の取り扱い、大臣はどう考えていますか。
#273
○国務大臣(始関伊平君) 有料道路の値上げがたびたび行われるということは余り喜ばしい傾向だと思っておりませんが、しかし、どんどん建設を進めますと建設費が大分高くなっておりますことと、もう一つは、これは一つの根本問題だと思いますけれども、利用率が必ずしも高くないというようなことがございますので、一つの歯どめをつくりまして、歯どめというのは大体一般の物価の上昇率程度に歯どめをつくりまして、その範囲で、余り高めますと、一遍に五〇%、六〇%上がるんじゃ困りますので、今度は三年目だそうですが、ある程度の値上げはやむを得ないと存じます。なお、こういう物価関係の問題でございますから、経済企画庁の方とも打ち合わせをするようでございますので、物価の立場からの意見も十分に聞きまして、大方の皆さんに納得のできる程度で値上げを実施してまいりたい、かように存じております。
#274
○三木忠雄君 私は、何でもかんでもやっちゃいかぬと言うんじゃないんですけれども、やはり高速道路の問題として、いま大臣も答弁の中に、どんどん建設しているから建設費が高くなるという問題と現在の高速道路との関係をどうするかということなんです。これはどんどん地方までつくっていけば、これは地方にもつくるんでしょうけれども、利用率が非常に低い、国鉄で言えば地方閑散線をつくるわけですよ、道路に。それをつくっていきゃ――当然プール制になっているわけでしょう、いま、したがって、中央高速とか東名とかいうそこらの利用者は相当なアップになってくるわけです。毎回――毎回とは言わぬけれども、三年に一回とかアップしていかなきゃならないわけでしょう。したがって、どんどん建設をするという財源の問題がこれはあると思うんですけれども、地域の発展のために道路をつくらなきゃいけないところも私は当然必要だと思うんです。しかし、そこの有料道路の考え方がこのままでいいかどうかということについての検討はされているんですか、どうですか。
#275
○国務大臣(始関伊平君) いわゆる一般の有料道路につきましては個別単価でいっておるようでございますけれども、一番大きいやつですね、国土開発幹線自動車道、それはプール計算で全国一本でいっております。こういうことになりますと、東名とか名神、ああいう昔からあります利用率の高い道路につきましてはどうもお気の毒でございますけれども、さっき申し上げましたようにコストは高いし、それから利用率は当面少ないわけでございますから、個別原価、路線別の原価でいけということは実際問題として、いわゆる国土開発幹線自動車道、一番肝心な道路の建設をストップすることにもなりかねませんので、私はしばらくの間、国土開発幹線自動車道は一本でプール計算的なやり方でやることにがまんをしていただくよりほかなかろう、かように考えております。
#276
○三木忠雄君 がまんだけれども、がまんの限界でやれている範囲はいいけれども、これは第二国鉄とは言いませんけれども、人件費の問題も全然違いますから国鉄の経営とは全然違うけれども、幹線をどんどんつくっていった場合の、いわば収支均衡がなかなかできないような幹線道路になってくるわけでしょう。ここらの問題はやはりもう少し検討を加えなければならぬじゃないかと思うんですけれども、もう一度答弁願いたいと思います。
#277
○政府委員(渡辺修自君) プール制でございますので、新しい路線を取り込んでまいりますと当然建設費がその分要償還額がふえるということでございますから、料金が上がってくるというのはこれはもうやむを得ないことでございます。しかしながら、やはり利用者の負担増にならないということは考えなければいけませんので、たとえば消費者物価の上昇の範囲内とかそういう歯どめは一応考えてまいりたいと思っておるわけでございます。そのためには、今後取り込みます高速道路につきまして、国土を縦貫します骨格からだんだん肋骨の横断する方向にいくわけでございまして、建設費がかさむわりに交通量が当初は比較的少ないという路線になってまいります。しかしながら、これは国土を有効に利用するという意味合いにおきましてはやはり重要な路線でございますので、五十七年度におきましても予算の要求時点でもいろいろ考えたわけでございますが、こういった横断道の役割りに着目をいたしましたいわゆる財政措置の強化等いろんな手を考えながら、余りお荷物にならないというようなことを考えつつ、しかもこのプール制を堅持しながらうまくいける方法を今後とも探しながらやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#278
○三木忠雄君 うまい方法を考えながら、大体料金の値上げの問題は三年に一回なり、あるいは小刻みにやるという計画が一部報道されているわけですけれども、毎日通勤で通っている、あるいは生活物資を輸送している運送業というところの問題等を考えた場合に、確かに肋骨の方をつくることも大事ですけれども、生活動脈になっている幹線道をどんどん上げていかれたら、これは物価上昇との問題あるいは便乗値上げの問題になってくる危険があるわけです。この点はやはりもう少し配慮をすべきじゃないか、大臣、これはどうですか。
#279
○国務大臣(始関伊平君) プール計算に対する御批判が主であればお答えになりませんが、物価への影響、あるいは道路利用者に対する影響から申しますと、やはりトラック輸送が一番大きい影響を受けるようでございます。ところが非常な長距離を継続的に利用する場合が多いようでございますので、そういうような意味におきまして合理的な値引きをいたしまして、また同時に、業者の納得を得ながら値上げを実施する、かように承知をいたしております。
#280
○三木忠雄君 この料金値上げについては、やはり物価対策上の問題も非常に重要な問題であろうと思いますし、建設の問題は私はもう少し考えなきゃならない問題点もあるんじゃないかということを強く要望しておいて、この問題終わりたいと思うんです。
 もうあと少ししか時間が残ってませんので、あと参考人等に一部関連で私聞いていきたいと思いますので、委員長、この程度で私の質問は終わりたいと思います。
#281
○委員長(吉田正雄君) 本日の審査及び調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時四十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト