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#1
第096回国会 建設委員会 第7号
昭和五十七年四月二十日(火曜日)
  午前十時二十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     北  修二君
     岩崎 純三君     田原 武雄君
     園田 清充君     成相 善十君
     増田  盛君     岡部 三郎君
     大木 正吾君     片山 甚市君
     江田 五月君     田  英夫君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     成相 善十君     関口 恵造君
     田原 武雄君     岩崎 純三君
     北  修二君     後藤 正夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田 正雄君
    理 事
                坂野 重信君
                谷川 寛三君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                岩崎 純三君
                植木 光教君
                岡部 三郎君
                後藤 正夫君
                関口 恵造君
                中村 啓一君
                堀内 俊夫君
                片山 甚市君
                松本 英一君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                田  英夫君
   国務大臣
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  松野 幸泰君
   政府委員
       国土庁土地局長  小笠原正男君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省河川局長  川本 正知君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田熊初太郎君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        大津留 温君
       住宅金融公庫理
       事        関口  洋君
       住宅・都市整備
       公団総裁     志村 清一君
       住宅・都市整備
       公団理事     武田 晋治君
       全国地方住宅供
       給公社等連合会
       副会長      下田 泰助君
       全国地方住宅供
       給公社等連合会
       副会長      椚座 正信君
       全国公社自治協
       連絡会幹事    高橋 唯二君
       全国公社自治協
       連絡会幹事    矢船 良文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査(建設
 行政、国土行政及び北海道総合開発の基本施策
 に関する件)
○治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
   〔理事茜ケ久保重光君委員長席に着く〕
#2
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、増田盛君、井上吉夫君、岩崎純三君、園田清充君、大木正吾君及び江田五月君が委員を辞任され、その補欠として岡部三郎君、北修二君、田原武雄君、成相善十君、片山甚市君及び田英夫君が選任されました。
 また、本日、成相善十君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(茜ケ久保重光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、住宅・都市整備公団の役職員を、また、全国地方住宅供給公社等連合会副会長椚座正信君と下田泰助君、全国公社自治協連絡会幹事矢船良文君及び同幹事高橋唯二君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#5
○理事(茜ケ久保重光君) 前回に引き続き、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案及び建設事業並びに建設諸計画に関する調査のうち、建設行政、国土行政及び北海道総合開発の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○原田立君 建設大臣、改正案の中身はいわゆるあめとむちの両面からなっている、こういうふうに世間で言われておりますし、率直に申し上げて、今回のは改正ではなく改悪されている面が多いんじゃないかというふうに私は思います。ある報道によりますと、建設省は今回の改正は一〇〇%満足している、こういうふうなことが報道されているんでありますけれども、大臣の所見はいかがですか。
#7
○国務大臣(始関伊平君) 今回の改正案につきまして私どもが一〇〇%満足しているというようなことはございません。前回の委員の方の御質問に対して局長が答えましたように、その場所を局部的にとらえてみますと改悪ではないかと言われてもしようがないようなものも、規模別の金利負担、そのうちの百十平米から百二十平米というようなところがちょっと上がったようなかっこうになっておりますし、それから十一年後には段階金利をとることにいたしております。こういう点はどうもおもしろくないという御議論があれば、それはそれでごもっともだと私ども言わざるを得ないのでございますが、ただ、全体といたしましてかなり改善された要点も、限度額の引き上げ、それから貸付戸数の増加、中古住宅に対する対策、いろいろございますが、大体におきましてプラスの方が大きい。そのプラスの部分がどの程度の大きさであるかということとにらみ合わせまして、われわれとしては多少マイナスの面につきましてはがまんして、これを全体としてまとめたということでございます。
 もう御説明を申し上げる必要はございませんが、問題の要点は一般会計から回してまいります利子補給金でございまして、これはかなり長い期間続くわけでございますから、だんだんこう重なりましてかなり大きな額になる、六千億、七千億にもなるという計算でございますので、これでは住宅対策に政府関係の資金を回すことが困難になるという事情が一方にございますし、また、建設省の立場から考えますと、公共事業全体の方に回す一般会計からそちらの方によけい取られるわけでございますから、かなりいろんな意味で支障ができる、こういうような点を考えまして、総合的に全体を一つの問題として最終的に妥結した、これが私どもの立場でございますので、その点はひとつ御了解をいただきたい、かように存じております。
#8
○原田立君 了解も何もないんです。そうじゃなくて、いいところはいい、悪いところは悪いとはっきりしなきゃいけない。それで、規模別金利の改正と段階金利制の導入問題、これは前回わが党の三木委員が十分質問した点でございますけれども、大体住宅金融公庫の融資制度というのは大臣御承知のように、低利でしかも長期の融資によって国民大衆の住宅建設を容易にすることを目的としてつくられた法律でしょうが。そこで発足以来五・五%でずっと今日まで来たんです。これは非常に多とするところなんですが、今回の政府の考え方は、財政負担の軽減ということで、最も安易な方法である利用者の負担増ということにばあっておっかぶせて段階金利制の導入と、こうなったわけです。こういうような安易な方法は私としては容認できない。しかも、住宅金融公庫法の精神から言っても、利用者の全面負担増を求めるやり方というのは直すべきではないか、こう思うんです。再度お答え願いたい。
#9
○国務大臣(始関伊平君) 昨年の十二月中のことでございますが、新しい住宅政策を確立するに当たりまして、一番問題点となったところがただいま原田先生御指摘の点でございまして、これは私どもといたしましても大局的な観点から一つの決断を迫られた問題でございます。こののみました理由は先ほど申し上げたとおりでございますが、なお所得がだんだん上がって、十年もたてば若干貨幣の価値も違ってくる、インフレも進むわけでございまして、そういうような点から見まして、十一年目以降についてはある程度皆さんにがまんしていただけるような段階と申しますか、そういう情勢になるのではなかろうか。なおまた、特に法律に書いてございますが、非常にお困りの方につきましては特別の措置も講ずる、こういったような条件をつけましてこれをのんだというふうに申し上げたいのであります。
#10
○原田立君 大臣は衆議院の段階で、今回の法改正は大蔵省の方から寄り切られちゃったんで、本当はこんなことはやりたくはないんだけれども、やむを得なかったんだというような答弁をわが党の薮仲委員に御答弁なさっておるんだけども、お心は変わりませんか。
#11
○国務大臣(始関伊平君) 大蔵省に寄り切られて、いわばこちらが覇気をそがれると申しますか、そういうつもりでこの案に賛成したということではございません交繰り返して申し上げますが、全体として見まして総合的な判断として、これの方が今後ともいままでのような方式で住宅対策を進めてまいる上に一歩前進だ、これが基本認識でございまして、そもそも強姦されてこうなったというふうには考えておりません。
#12
○原田立君 改正では、貸付限度額を個人用七十万円、マンションが百二十万円まで引き上げるようになっておりますが、これはこれでよしとして、この程度の引き上げで果たして住宅建設促進が大いにできると思っておられるのかどうか。
#13
○政府委員(豊蔵一君) 住宅金融公庫の五十七年度の貸付条件の改正につきましては、ただいま御指摘がありました限度額の引き上げとともに、中古金利の引き下げであるとか、あるいはまた所得制限につきましての引き上げであるとか、あるいはまた融資対象額の限度額の引き上げであるとか、ステップ償還の期間を三年から五年にする等々、幅広い分野で改善を行っておりますので、そういう意味では最近におきましては画期的な改善も加えておるというふうに考えております。
 そういう中で、今後の地価の安定と宅地の供給の円滑化というために税制につきましても大幅な改正を行っておりますし、政府といたしましても住宅建設のためには相当の手を打ったというふうに考えております。したがいまして、これらは五十七年度の住宅建設に相当程度効果があるものと考えております。
#14
○原田立君 これは実際やってみなきゃわからぬけれども、相当効果が上がると言って、そんなに促進できる自信がありますか。今年度、いままで申し込みが一月は大変低かった。だけれども、この二、三月になってばたばたばたっとこう申し込みがふえたというふうに言われておりますけれども、これは段階金利制が入ると非常に不利になる、だからそれは入らないうちに何とか申し込みしちゃおうというんで、ずうっと申し込み数がふえただけの話であって、今回のようなことができたから、個人用に七十万円、マンションに百二十万円引き上げたから大いに住宅促進ができ得るという根拠にはならぬと思うんです。局長、ちょっと考え方が違うんじゃないですか。
#15
○政府委員(豊蔵一君) ただいまの御指摘は、住宅金融公庫の五十六年度の第四回の募集、これが本年の一月下旬から三月の初めにかけまして行われた募集の傾向を御指摘であろうかと思いますが、これにつきましては、貸付限度額の引き上げを五十七年度からではなくて、五十六年度の第四回の募集にも、いわゆる前倒しいたしまして適用したといったようなことも効果があったかと思いますが、また一方、徐々に建築費等も安定してまいりまして、従来から住宅を建設したいという国民の方々がある程度状況の変化を待っておった、そういったようなこともここでプラスになってあらわれたものと思います。
 今回御提案申しております法案が成立いたしました場合には、段階金利につきましては十月一日から適用というような予定にいたしておりますが、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、十一年目以降におきまして当初の十年間と異なる金利としようというものでありますが、十年程度経過いたしますと借金の返済のための負担率というものは、従来の経過から見まして相当大幅に緩和されるというところから、そのことは新しく住宅を建設しようという方々にそれほど影響を与えないであろう、かえってそれ以外に、たとえば十月からは財形住宅貯蓄に関します融資につきまして、当初二年間二%程度の利子補給、それと、その後の三年間につきましては一%の利子補給という公的金融の他の分野におきましても相当の改善をいたしておりますのが適用になりますので、そういったようなこともプラスになって効いてくるのではないか。もちろんその前提といたしましては、経済全体が的確な運用の中で、国民の住宅に対する取得能力というものが着実に回復するというようなことと相まってそのようなことになるものと考えております。
#16
○原田立君 月当たりの償還額が、現在のが改定になった場合に、当初は十年間で三万八千七十三円、十一年目からは四万二千六百六十七円となって、増加が四千五百九十四円となるわけでありますが、その差額からいきますと二千八百八十九円、毎月よけいに十一年以降は払わなければならないとなっている。そうすると、じゃ期限が違いますけれども、普通公庫融資は何年と決まっていましたね。それでいって、十一年目からこう利率が上がることによって、一体どれだけ負担増になるか、計算したことがございますか。
#17
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘ありました、一月当たりの償還金の額が十一年目以降若干上がるということでございますが、それを仮に一般の個人住宅で六百二十万円お貸しした場合、二十五年償還ということになっておりますので、二十五年間そのようなことでずっと続くといたしました場合、十一年目からのアップのトータルの額といたしましては八十三万円の増加になろうかと思います。
#18
○原田立君 マンション。
#19
○政府委員(豊蔵一君) なお、いわゆるマンションにつきまして、これは千百二十万円の限度額にいたしておりますが、これを三十五年間償還するという前提で、十一年目以降返済額の増加をトータルいたしますと、全体で約三百二十九万円ということに試算されております。
#20
○原田立君 だから、決して安いわけじゃないです。それほどいまあなたが言われたようによけい払わなければいけない。ただし、長い期間であって毎月のことだから、月別にすればわずかの金額ということになるかもしらぬ。だけども、そういうようなことを言ってちびちび上げていって、そしてそれによって仮に物価が上昇していく、ところが収入がそれに見合って余り増加していない、現状はそうなんです。大変勤労者の方々は苦しんでいるわけです。
 こんなような状態がずっと続くとすると、さあ今回のように十一年目からぐうっと上げる、局長は、十一年目以降になれば増収するから、そんなのは大したことないじゃないかと言うけれども、そんなのはちょっと考え方としては見えすいた考えで、余り簡単視し過ぎるんじゃないんですか。たとえば、十一年たてば子供が大学にも行かなければいけない、嫁入りもしなければいけない、孫もできるだろうなんというとかえって経済的には負担がぐうっと重なってきて、少しでも安い家賃で入りたい、入っていたいというのは私は人情じゃないかと思うんです。もう十一年目以降これだけの利率の割り増しをしても大丈夫だという根拠がよく私には納得いかない。考え直す気はありませんか。
#21
○政府委員(豊蔵一君) 私どもが、たとえば貯蓄動向調査等におきますところの最近の三カ年の所得の状況等を見まして、これでもって一応の推計をいたしました場合、公庫融資だけじゃなくて他の銀行ローン等も借り入れて、一般的な、平均的な建築を考えました場合、当初の返済負担率はおおむね所得に対しまして一九%程度になろうかと試算しておりますが、これをいま申し上げましたような収入の動向を経年的に見ますと、十一年目程度ではその負担がおおむね一〇%程度、約半分近くまでに負担の率が軽減されるというふうに考えられます。
 ただいま御提案申しております、段階金利制での現行の財投金利で十一年目以降七・三%というふうに仮定いたしますと、十一年目以降はこの数字でまいりますと九・五%程度に下がるところを、若干、一〇・一%程度で、十年目と十一年目との間が負担率が横ばいになる、そして十二年目以降は、一般的な所得の伸びがあるとすればさらにずっと低減されるというふうに考えられます。そういったようなことから見ましても、十年目から十一年目へかかるところでそれほどの負担増の比重というものは大きくないだろうというふうに考えておるところでございまして、やはり問題は、当初の十年間、一番大事なときに的確に公的融資というものを充実をさせて国民のニーズにこたえることの方がより重要である、そういったような制度の改善、充実、そういうものと相まってこの段階金利というものを御理解いただけるのではなかろうか。また、そのためには本年度も相当努力をいたしましたが、今後とも必要な時期に必要な改善を行うというようなことによって、公庫融資及び住宅建設というものが十分促進をされるというふうに考えているところでございます。
#22
○原田立君 住宅金融公庫法施行令第七条には、「住宅の購入価額(購入価額が公庫の認める額を超える場合においては、当該公庫の認める額)」、「の八割五分に相当する金額」を限度として融資する、こうなっているんですけれども、実際問題、おたくの方でもらった資料によりますと、手持ち金が三〇・九%、公庫借入金が三九・四%、公庫以外からの借入金が二九・六%と、法律では八割から八割五分の最高限度額が決められているのに、実際にはこうやって三割から四割というように公庫の借入金が少ない。これは法律と実際と非常に食い違っている。これはもっと公庫借入金を増額できるようにする手だてはないですか。
#23
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のように、公庫の発足当初は実質的に公庫の融資率が高うございました。しかしながら、その後他の公的住宅金融というものも拡充、充実してまいりましたし、また民間住宅ローンというものも発達してまいりました。そういったようなことで、公庫は他のいろいろな金融との総合的な協調の中でその必要な役割りを果たしていくというようなことになっておろうかと思います。
 しかしながら、そうは申しましても、やはり住宅金融公庫の融資というものが住宅を建設される方にとっては一番中心的なものとなっております。五十七年度もそういったようなことを考えまして、融資限度額につきましてかなり大幅な改善を行ったところでございますが、今後とも物価の動向、国民のニーズ、また住宅建設の規模といったようなものを考えまして、貸付対象となりますところの面積の基準の引き上げ、あるいはまた単価の引き上げといったようなものにつきましては一層の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#24
○原田立君 住宅ローンの適正負担割合については所得の何%程度が望ましいと考えているのか、あるいは現実の負担状況はどうなっているのか、一般的にローン地獄で自殺する人さえも出ているのが現実でありますが、その実態を明らかにしてもらいたい。
#25
○政府委員(豊蔵一君) 住宅に対します住居費の負担につきましては、お住まいになる方々、あるいは希望、状況によっていろいろと差はございますが、私ども住宅政策を進めるに当たりまして特に持ち家の場合について申し上げますと、昭和五十年の八月の住宅宅地審議会の答申におきましては、持ち家を持たれる場合の借金をいたしました場合、償還金の負担限度につきましては、所得五分位階層の第三分位におきます標準世帯を考えまして、その場合の負担限度は世帯収入のおおむね二五%程度ということにしたらどうかというように答申で言っておられますが、私どもも、いろいろその方々のお考えによって差はありましょうが、この程度が一つの目安であろうかというふうに考えております。また、公庫融資の利用者の方々についてこの返済負担率というものを見てみました場合に、昭和五十五年の統計でございますが、個人住宅の建設をされた方々、全国平均でいきまして、公庫融資もその他の借入金も全部入れました負担率の平均が二〇・一%となっております。なお、三大都市圏におきます高層住宅、いわゆるマンションといったようなものにつきましての購入された方々の返済負担率は平均二三・九%というふうになっております。
 こういったようなことを考えまして、おおむね住宅宅地審議会の御答申にありますような限度額の率の中におさまっているというふうに思われます。しかしながら、建築費の上昇あるいはまた土地価格の上昇といったようなものを考えました場合には、先ほど申し上げました公庫融資が中心になりますだけにこれらの融資条件というものを十分改善をしていく、そしてまた、本年度実施をいたすことにしておりますステップ償還というようなものを利用することによりまして、当初の初期負担というものの軽減を図る、そういうことによってバランスのとれた住宅取得ができるような制度、運用というものを考えてまいりたいと思っております。
#26
○原田立君 確かに答申では、「第三分位における標準世帯の負担限度を世帯収入のおおむね二五パーセント程度」、こうありますけれども、どうですか、住宅供給公社に入っておられるような方で収入の二五%も家賃に払うような、そんなことをしたらばなかなか大変じゃないか、こんなふうに思うんです。それからまた、いまの話は五十年の八月の答申でありますけれども、持ち家償還金の負担限度額、「所得五分位階層の第三分位における標準世帯の負担限度を世帯収入のおおむね二五パーセント程度とし、世帯の収入階層別、世帯人員別等に応じ必要な調整を行う。」と、こうあります。だけれども、二五%は本当に返せますか。答申は答申として尊重しなければならない点は多々あると思うんでありますけれども、私はある人に聞いたところ、やっぱり月収の二〇%払うのがぎりぎりだ、もう二五%とかそれ以上になったらば窮屈で大変苦しいというふうな話を聞いております。実際、手持ち金が三〇・九%、残りの七〇%が公庫や民間金融機関からの借り入れとなっているんでありますが、これらの点からも、住宅政策の基本的体系を確立し直す必要があるんじゃないか。いかがですか。
#27
○政府委員(豊蔵一君) ただいま申し上げたのは、いわゆる持ち家につきましての償還金の負担率の第三分位の方々の一つの限度ということで申し上げたわけでございます。もちろんこれは、将来の生活設計といったようなものを考えました場合におけるいろいろな要素を検討して持ち家を取得されるわけでございますから、そういったものを一つの限度として審議会では御答申をいただいたわけでございますが、やはり、でき得れば健全な生活設計を立てるためにはそれ以下であることが望ましいし、また、そのことによって庶民の住宅取得というものがさらに容易になり促進されるわけでございますから、そういった意味で私どもは、経済の状況、住宅の事情、そういうものを常に総合的に考えながら必要な対策を的確に打っていく必要があるというふうに思っております。
#28
○原田立君 経企庁は来ていますか。――じゃ大臣、あなたに聞きますけれども、国の経済成長率を五・二%というふうに決めてありますが、これも内需中心の建設関係を充実するということによって何とかこの五・二%の目標を達成しよう、こういうふうに言っているんだけれども、今回の法改正によってこの五・二%の目標は達成できる自信はおありですか。これは本当は経企庁長官に聞くべき問題だろうと思うんだけれども、きょうおいでになってないから、あなたも大臣の一員ですから、お答え願いたいと思います。
#29
○国務大臣(始関伊平君) 経企庁がおらないようでございますから、お答えを申し上げます。
 昨年の十二月中、いわゆる百三十万戸住宅建設計画というものを決定いたしまして、そのためにいろんな政策、手法を採用いたしましたときには、内需拡大を主といたしまして、五・二%の成長率を達成するための大きな柱、こういうことであったことはそのとおりであると了解をいたしております。しかしその後、日本としては大変頼りにいたしておりました輸出が落ち目になりまして、それが主たる原因になりまして、逆に申しますと内需の方は幾らかいいんでございますけれども、昨年の十−十二月期にはマイナス〇・九%というふうな成長減という現象が出たわけでございます。でございますから、われわれといたしましては、先ほど来御指摘のようにいろんな問題点があることは十分承知をいたしておりますが、各方面の御協力をいただきながらこの住宅政策の目標を達成するために努力を続けてまいりたいと思います。
 同時にまた、いまの段階におきましてこの不況対策の有効な手というものがそれほどたくさんございませんので、ただいま御承知のように公共事業の前倒しで上期に、前半期に公共事業費十三兆、十四兆という大きな金があるわけでございますが、使ってしまいますと下期は少なくなりますので、その対策をどうするかという問題もございます。これら全体を総合的にそして機動的に適切に対処してまいらなければならないのが目下の政府の立場でございまして、ただいまの原田委員の御質問に対しましては以上のようにとりあえずお答えを申し上げたい、かように存じております。
#30
○原田立君 中古マンションの購入については、住宅金融公庫の貸付対象となっているにもかかわらず、一戸建ての中古住宅については対象外となっております。いろいろむずかしい面があるようなことを聞いておりますが、一戸建ての中古住宅については対象内に入れるやに、また検討するやに聞いておりますけれども、それは具体的に言って何年ぐらいになるのか、そういうふうな見通しについてお伺いいたします。
#31
○政府委員(豊蔵一君) 既存住宅の住宅金融公庫融資につきましては、現在のところいわゆる木造の中古住宅につきましてはまだ対象となっておりません。これは、木造住宅の場合にはその維持管理の方法等によりまして住宅の性能あるいは耐久性に変動がある、あるいはまた、住宅の評価というようなものにつきましてもなかなかむずかしい点がある、また、ミニ開発等でどちらかと言うと本当に融資対象として適格でないようなものもかなり混在しておるというようなところがございまして、こういうものにつきましては、せっかく公庫が低利の融資をいたします場合、きちっとした審査というものが必要になろうかと思うのでございますが、そういったような審査体制を整備するということも考えながら、どのような住宅について融資をすることが最も適切であるかということをかねてから検討しているところでございまして、私どもといたしましては、できるだけこれらの検討を早く終えまして、現在の融資の対象の範囲を拡大いたしたいというふうに考えております。
 その時期につきましては、ただいまここで明確に申し上げることができませんけれども、できるだけ早く積極的にそういったことが実現しますように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#32
○原田立君 肝心なところになると、大臣も局長もできるだけ最大の努力を払っておるという表現を使うんですけれども、そんなんじゃだめですよ。いつごろこういうふうにするという方向性をもっと示さなければならないんじゃないでしょうか、私はそういうふうに希望したい。
 それで、現在住宅が、古いのにしても新しいのにしても日本の人口の約一割以上のものができ上がっていて、空き家もあるような状況になっている。ところがまた、どんどん今回のように内需拡大の景気浮揚の対策として建設関係を強化する、こうなると、いわゆる買いかえということが希望されてくる、要するに、狭い家からちょっともう少し大きい家、ちょっと遠いところからもう少し駅に近い家、こういうふうにして何とかして買いたいという、そういうのが世の中一般の全体の動きだろうと思う。それは局長みたいにいい家を買っちゃって、もうそこから永久に動かないというのならそれは話は別だけれども、大体の多くの人はそうじゃないと思うんです。買いかえということをいま真剣に考えている。だからミサワホームの社長さん三沢千代治氏が、中古改修に対する政策努力を大いにやるべきであるというふうな議論をなさっているのが四月五日の新聞に出ておりますが、この中古住宅に対する政策をもっとしっかりとした手だてを講じなければならないのではないか、いかがですか。
#33
○政府委員(豊蔵一君) 私どもも、今後の住宅対策は新規の住宅を建設するということ以外に、現在ありますストックの有効活用ということが当然必要であるし、また、これを推進すべきであるというふうに考えております。
 本年度は、御提出申し上げております法案の中で、中古住宅の貸付金利につきまして従来財投金利でありましたものを法定化し、六・五%以内で政令で定める金利ということにお願いをいたしておりますが、これによりましても非常に大きな効果があろうかと思っております。
 先ほど申し上げましたように、その対象といたします住宅の範囲の拡大も大きな課題であるということは十分承知しております。ただ、本年度は金利の引き下げという大きなテーマを実現することに全力投球いたしましたので、これが実現いたしましたならば、次のステップとしては対象範囲の拡大であるというふうに私ども考えております。
 それからまた、流通の促進はこういったような金融の面の充実ということと同時に、やはり流通に対する体制の整備ということも必要でございます。これにつきましては関係の局とも従来から御相談をいたしておりますが、着実にその業界の体制につきましても整備が整いつつありますので、そういったような両面をうまく運用することによりまして国民の皆様方のニーズに沿うようにいたしたいと思っております。
 それからまた、税制関係につきましても、居住用資産の買いかえ特例につきまして新しい税額の控除の制度を発足させましたこともかなり大きな効果があるものと考えております。
#34
○原田立君 本法三十五条第三項、新しくつくった法律は、「建築物価その他経済事情の著しい変動があった場合」には値上げをしてもいいんだというような法律であろうと思うんですけれども、そういう理解でいいんですか。
#35
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のように、現在の公庫法の三十五条関係の規定は、当初の建築費に対しまして償却率を掛けましたものを一つの基本といたしながら、その他必要な費用等を計算いたしましてその合計額を家賃の限度額とするといったような仕組みになっておりますが、物価の著しい変動等がありました場合に適切に対応できるような規定になっておりませんので、今回御提案申し上げておりますのはそのような状況に対応した規定の整備をお願いしたいという趣旨でございます。
#36
○原田立君 この値上げを容易にするような改正というのは私は納得がいかない。
 それで、皆さん方の方からいただいた資料によりますと、どのぐらいの赤字が出ているのかと各個々に調べてもらったのをもらったのでありますけれども、東京都が約三億何がし、それから大阪府になると一億何がし、私の住んでいる福岡県なんかになりますと約千二百万ぐらいの赤字である。そんなような状態なら、何も値上げなどするそういう新たな方法を入れる必要はないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
 またあわせて、こういうことをしなきゃならない理由は一体何なのか。きょうは住宅供給公社の関係で下田さんに参考人として来ていただいておりますし、入居者の代表として神奈川県の会長である高橋さんにもおいでいただいておりますが、いろいろとこの点について若干質疑したいと思いますので、お答え願いたいと思います。
 いまお伺いしたように、局長の方からまず答えてもらいたい。それから下田さんに。
#37
○政府委員(豊蔵一君) 現在の各地方住宅供給公社の賃貸住宅の概況を見てみますと、これは建設年次の古いものの戸数であるとか、あるいはまた、従来の修繕の実績等が公社によりましてかなりの幅はございますし、一概には言えませんが、やはり古い住宅につきましては特に大規模な計画的修繕というものが必要になってきておりますし、最近の周囲の状況にも対応いたしまして、団地の環境の整備も必要になってきております。さらには、住宅そのものにつきましても設備等が周辺の新しい住宅に比べまして陳腐化しておりますので、こういったものも新しいものに更新をするといったような必要があります。このためには、毎月ちょうだいしております家賃から修繕のために計画的に積み立てを行っている、これを的確に運用していくことが必要かと思いますが、そのような修繕引当金のようなものが非常に少なくなってきており、また、これらの修繕に要する費用が年々ふえるために、賃貨住宅の管理につきましての収支は各公社とも赤字になっているという状況でございます。
 そういったようなことを考えまして、私どもは必要な費用をお願いするために、いま申しましたような住宅金融公庫法の三十五条で規定しております建設費につきましては、当初の建設費に比べまして、物価が著しく上昇したような場合には、それらの状況に対応してある程度の限度額の変更ができるようにさせていただき、その限度額の範囲内におきまして、各供給公社がその地域の実情等に応じまして適切な家賃の改定も行い、そしていま申しましたような費用を的確に支出し、よい賃貸住宅の管理を行っていただきたいというふうに考えております。
#38
○参考人(下田泰助君) 公庫法の御審議に際しまして、全国地方住宅供給公社等連合会をお呼びいただきまして、私どもの意見をお聞き取りいただける機会を与えていただきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。ちょっとかぜを引きまして、お聞き取りにくい点は御容赦いただきたいと思います。
#39
○原田立君 時間がないですから、簡単にやってください。
#40
○参考人(下田泰助君) それでは、現行制度ではなかなか建設年度の古い住宅を中心に、計画修繕あるいは設備、環境の改善等の財源が著しく不足をいたしまして、公社経営上大きな問題になっておりますので、横浜市内の一団地の具体的例をとりまして御説明をいたしたいと存じます。
 昭和三十年度建設の横浜市南部の一団地の例でございますが、団地の規模は百三十八戸で、一戸の面積は二Kと二DK、三十六・八平方メートルと四十四・七平方メートルの広さでございます。現行家賃は、二Kの方が八千五百十円、他が一万七百二十円となっております。
 当初家賃は三千七百円と四千五百円でございまして、ここでちょっと長くなりますけれども、家賃の改定の状況を御報告いたしたいと存じますが、昭和三十三年六月一日、家屋の公租公課についてそれまで免税の扱いを公社住宅は受けておりましたものが課税されるようになりましたので、六・二%、二百三十円の値上げをいたしました。この例は、ちょっと両方申し上げますと複雑でございますので、二Kの方について申し上げたいと思います。
 それから、四十五年五月一日、横浜市の特別軽減措置、これはいままで十分の三の課税でございましたが、これが廃止されまして一五・二%、六百円の引き上げになりました。
 次に、四十九年四月一日、昭和四十七年度の推定再建築費算出率を適用及び四十八年度の公租公課の課税標準額の引き上げがございましたので、著しく管理費に不足を生じておりましたので一斉に値上げをしたいということで準備はいたしておりました。ところが、四十八年秋からのオイルショックがございまして、経済的に大変入居者の方々の家計に対する影響が大きいということで空き家のみ実施しようということで、この両者の引き上げをいたしました空き家の分が三九・五%、千七百九十円の引き上げでございます。
 それから、五十一年十二月一日、推定再建築費及び公租公課の評価がえに伴いまして二七・三%、千七百三十円の引き上げを行ったわけでございます。
 最後には、五十五年四月一日、固定資産税の評価がえに伴いまして税金部分のみ五・七%、四百六十円の引き上げでございまして、大体は税金の引き上げの分に応じて引き上げてまいって、一回推定再建築費を使って引き上げた、こういう状況でございます。
#41
○原田立君 大変申しわけないんですが、時間が余りないもんだからごく簡単にお願いしたいと思います。
 従来、私思うんですけれども、たとえばこの種の法律は昭和二十五年に制定されて二十六年から建ち始めた。三十年ごろ建てた建物というのは二十六年、二十七年たっているわけです。大変老朽化していることは、これは事実。だけれども、これを建設するに当たっては、その当時の物価はいまよりもぐっと安かったんですから、当然建設原価が安いはずなんです。だけれども、ずっとたってくればいろいろ多くの国民のニーズが違ってきていますし、生活様式も違ってきていますからいろいろ改造しなければいけないんでしょう。また、昭和三十年とか三十五年あたりの各個人個人のお給料だって少なかっただろうけれども、だんだんベースアップして多くなってきたでしょう。だから管理費、維持費あるいは補修費などというのが上がるのはやむを得ないと思うんです。だけれども、根っこの方の建設費の家賃そのものを上げるということは、これは不公平な話、おかしな話。
 それから、いま説明もあったけれども、空き家のみ値上げの対象にすると言うけれども、そうすると、お隣さんはずっと前々から住まっているから低い家賃、この次のこっちは新しく入ったんでばっと家賃が高い、こういうふうな状態になって、実際問題一つの棟の中にあって非常に何かおかしなことになりはせぬか。建設省としても国としてもこの法案を通して何とか値上げしよう、こういうふうにあなた方は思っているんだから、それだったら、じゃそういう三十年あるいは三十五年ごろ建ったもの、あるいは四十年に建ったもの、あるいは補修しなければいけないようなものに対して計画的に一体どういうふうにしようとなさるのか、どういう計画があるのか、この点はいかがですか。
#42
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど申し上げましたように、賃貸住宅を適正に管理してまいりますためには、日常の細かい修繕は当然でございますが、それ以外にある程度の経過年数に対応いたしまして計画的修繕が必要であろうかというふうに考えております。たとえば、塗装関係につきましては五年程度から始まりましょうし、また、防水あるいは給水関係、排水関係といったようなものにつきましては十年あるいは十五年といったタームで的確にこれを改修していくことが必要であろうかと思っております。そういうようなことから私どもは、公共賃貸住宅の管理主体に対しましては、それぞれの管理主体の事業計画の中で御判断なさることでありますが、一般的な指導方針といたしましては、的確な管理をするようにというふうにお願いをしてまいっているところでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、現在の制度ではこれらの増高いたしてまいります費用というものが十分に賄えないという現状にあることもまた事実でございますので、そういったようなものにつきましてバランスのとれた制度にお願いをする。もちろん、その実行に当たりましてはそれぞれの公社の賃貸住宅の状況、いままでのいろいろな経緯といったものによりましてそれぞれ違うと思いますが、その状況の中でやはり各公社がたくさん管理しております住宅につきまして適切な運営をしていただくということをお願いをしていきたいと思っております。
#43
○原田立君 住宅局長、いまのお話の中の鉄の部分の塗装はどういうふうにやっていくんだというそういう計画、あるいは屋上の防水はどんなふうにしてやっていくのか、あるいはまた、すべての項目にわたってどういうふうに整備していくのか、そういうことはもちろん住宅供給公社の方で決めてあるだろうと思いますけれども、まず、決めてあるかどうか、それから要するに計画が立っているかどうか、それからまた、建設省がそれをきちんと目を通して十分見ているかどうか、まず、下田参考人からその計画をしているのかどうか、それが一つと、それから局長には、十分それを監視しているのかどうか、監督しているのかどうか、この二つをお聞きしたい。
#44
○参考人(下田泰助君) 先ほどちょっと言い落とした点もございますので、つけ加えて御答弁申し上げます。
 計画修繕は、たとえば従来の木製あるいは鉄製サッシの場合は二十年とか、外壁塗装十年というふうに神奈川県ではそれぞれの工種によりまして一応の基準を決めております。それで、現在の経過年数、計画修繕をいままでもやらなければならなかった分に要する経費は、大体昭和四十四年度までに建設をいたしました八千四百戸に対してはいずれもまだ工事未実施の件が多いわけでございます。総額といたしますと四十七億円でございまして、戸当たり五十六万円まだ修理をすべき点がある、こういう状況でございまして、現行制度の家賃でいきますと、修繕費部分では、家賃のおおむね修繕費は千分の一でございますので、大体この前の団地の家賃ですと二千何百円でございます。したがいまして、十数年かからないと現在までの、いままでも、昭和三十年建設でございますから、二十七年たってもまだ外部塗装もやっていない、こういう実情でございます。
 この団地の場合に、いままでそれでは修繕をやらなかったのかと申しますと、鉄の格子工事とか鉄部の塗装、電気幹線の改修、給水管の改修、外壁補修工事――外壁剥離の補修で、ございます、そういったことでいままで六千九百九十二万円を三月までにかけております。これはこの団地の百三十八戸で割りますと二戸当たり五十万六千余円になります。これだけは修繕費の不足を持ち出しているわけでございまして、これだけがちょっと言葉が間違えましたけれども、六千九百九十二万円はこの団地の家賃の修繕費引き当て分の赤字でございます。こんな実情でございまして、一部の修繕費比率をちょっと上げていただく程度ではとても追いつかない実情だということを御理解いただきたいと思います。
#45
○政府委員(豊蔵一君) 計画修繕の基準につきましては、関係の公社におかれましてそれぞれの住宅の状況によりまして若干の差がございますが、一応の基準は考えていらっしゃるわけです。私どもの方といたしましては、各公社の賃貸住宅のストック等によりましても差がありますので、画一的にこういうふうにというようにきちっと決めた指導はいたしておりませんが、日常の業務運営の指導におきまして、そのような点につきまして十分留意をして的確な管理を行うようにという指導をいたしております。
#46
○原田立君 自治協の高橋参考人、大変御苦労さまです。いまいろいろと計画修繕について建設省と公団の方からお答えをいただいたんですが、それについて所感はいかがですか。
#47
○参考人(高橋唯二君) 公社の居住者を代表いたしまして、いまの御質問にお答えしておきたいと思います。
 一例を挙げますと、東京都の場合には五十三年まで一つの目安も実は持っていなかったわけでございます。五十三年の七月になりまして一応の目安となるべき営繕工事実施基準というものをつくったわけでございますけれども、あくまでもこれは希望的願望という内容にとどまっておりまして、その内容であります実施標準経過年数というものにつきましても、先ほどお話のありましたたとえば屋上防水それから鉄部塗装についても、モルタルの場合には五年、アスファルトの場合には十年、それから鉄部塗装の場合には五年という一応の標準経過年数が示してございますけれども、実態はこれにはるかに及ばない内容でございます。
 それで、われわれといたしましても、現在東京都の場合におきましては、公社との間で年度ごとの計画修繕の内容及びその予算額について話し合いをしているわけでございますが、やはり現状におきましては公社の一方的な内容が押しつけられるという形で、居住者側にとっての計画修繕に対する意見がほとんど入れられないという状況になっております。このことが結果として住宅の老朽化を早めているというぐあいにわれわれは理解をいたしております。
#48
○原田立君 住宅局長、あなたはさっきあんまり詳しく掌握していないというふうに言っておられたけれども、そっちの供給公社の方は赤字で大困りだと言っている。こっちの入居者の方では全然やってくれないので大変困っていると言う。これは一体どうするんですか。これは何とかしなきゃいけないでしょう。といって、家賃の値上げでぼぼぼっとこう上げちゃってそれで解決しようというのは余りにも知性的センスのないやり方であって、入居者にばっかり押しつけるようなことになるんだけれども、さて、どうですか、これのきちっとした方策を考えられておりますか。
#49
○政府委員(豊蔵一君) 一般的な修繕につきましては、家賃の一部から修繕積立金といったようなものを用意いたしまして、それによって賄うというのが基本であろうかと思います。その家賃の中からどれだけ積み立てができるか、また、その積み立てられた額が各公社で定められております基準に的確に沿って運用できるかといったような問題につきまして、現在関係の公社でも非常に悩んでいらっしゃるところであろうかと思います。
 私どもも、公社住宅を改良いたします場合、たとえば増築をするとか、あるいは二戸を一戸にするとかといったことも、順次規模の小さい住宅等につきましては関係の公社で一部実施しておられますが、そういったようなものにつきましては、関係の公共団体でも一部助成をしておられますし、また私どもの方といたしましても、公庫の融資につきましてそのようなものを用意することといたしております。
 しかしながら、それはそれといたしまして、大規模な計画的な修繕ということを的確に実施してまいりますには、先ほど申しましたように、やはり必要な積み立てができるようにしておくということも必要であろうかと思います。現行の制度で必ずしもその点が十分でない点もありますので、そこら辺のところも御勘案をいただきまして、制度の改正の中で当然激変緩和を考慮しながら、適正な家賃の仕組みというものを各公社において考えられていただき、そしてまた、その実施に当たってこれは十分居住者の方々の理解をいただきながら、最も急を要するものから実施していくという、公正なそして円滑な措置というものが必要であろうかと思いますし、私どももその点につきましては今後とも十分指導してまいりたいというふうに考えております。
#50
○原田立君 高橋参考人にお伺いしますけれども、先日おたくの方の団体の市川さんがお見えになって、当委員会で、自分たちは家賃の値上げについて拒否するなんていう、そんな考えは毛頭ない、必要であるならば、十分納得がいくならば値上げには応じるというふうな御答弁がありました。
 それで、この家賃変更について、入居者から見た適切な手続による必要なルールづくりというような点についてはどうお考えですか。
#51
○参考人(高橋唯二君) いまの御質問にお答えいたします。
 入居者から見た適切な手続による必要なルールづくりというものにつきましては、端的に言って、そこから最終的に出てくる家賃変更案が全居住者に納得のできるようなものであり、そのような案がつくり得る機能を備えていなければならないと実は考えているわけでございます。
 その機能の第一は、公社と居住者の双方が対等の立場で話し合えるということでございます。第二には、家賃変更の検討に必要な資料の公開の原則を確立するということでございます。
 一口に言って、公社住宅といいましても、その内容は多種多様でございまして、御承知のように、東京の例だけでいきましても、昭和二十六年の入居から昭和五十六年までの三十年間の幅がありますと同時に、地域も、都心から多摩の青梅、八王子、町田に至るまでの広範囲であり、かつ、構造も中層、高層という内容。しかも、団地別な規模からいきますと、十数戸しかない団地もあれば、数千世帯もある団地というような内容になっているわけでございます。それらの問題を未解決のままけみしておりますと、家賃変更の問題を論じますときに、十分な資料がないままに安易な手続がとられるというようなルールがはっきりするわけでございます。
 このような観点からしますと、東京と大阪のように、前回の値上げのときに公社と居住者団体との間で取り交わされました確認書や協定書と、それに基づいて設置されている定期的会合等を持つ場合は、それらを十分に尊重しながら、またそのような常設の場がない府県では、特に賃貸住宅運営協議会というような名称のもとで設置をすることが望ましいんではないかというぐあいに考えているわけでございます。これにつきましては、当然居住者代表と公社側が同数ずつ出席をして、しかも学識のある方々の参加も得て協議をしていくという、要は、ルールの基本はやはり家賃の元本、先ほど先生がおっしゃられましたように、その建設原価というものを変更しないんだということが一つの前提であって、住宅を老朽化させないということを中心にしながら、先ほど出ております維持修繕とか管理事務費、そういう可変部分については、各居住者の納得のできるガラス張りの算定式をつくることが必要であるというぐあいに考えている次第でございます。
#52
○原田立君 どうですか、公社の方。
#53
○参考人(下田泰助君) 私どもといたしましては、先ほどもちょっと触れましたように、家賃の改定については、やはり社会経済の情勢等を十分踏まえて慎重な姿勢で臨んでいるわけでございまして、神奈川県公社の例で、数次に税金その他の値上げをいたしておりますが、そのたびごとに各代表者の会議で明細を説明し、あと個人別に値上げの通知を申し上げた後、各団地の御要請に応じて、多分夜間が多いわけでございますが、そういうところで団地の修繕計画の模様、引当金の残高状況その他を申し上げ、こういう理由で値上げが必要であるということを各団地全部に御説明をして実施しているのが実情でございまして、今後もそういった点でよく入居者の方々の御同意を得て実施するような姿勢を堅持してまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。
#54
○原田立君 高橋さん、大体多くの人たちが持ち家志向といいますか、そういうふうなものを多くの人が持っておる。それはそれなりに私はそう思うんだけれども、といって、持ち家したいと言っても、土地がないから建てられない、建てられないから、どこかマンションあるいはまた団地等に入りたい、こういうようなことで、持ち家志向が強いからといって、公社、公団というふうなものが不必要だとは決して言えないと思うんです。必要だと思うんです。で、あなた方が居住者の立場として、現在の実態と今後に対する希望は一体どういう点がありますか。
#55
○参考人(高橋唯二君) 持ち家志向の傾向ということでございますけれども、やはりこれは幻想であって、われわれとしましては、広い公共賃貸住宅を建てていくべきであるというぐあいに居住者側は考えております。特にわれわれ公社住宅居住者は、公社の住宅というものをついの住みかと考えている人たちが約五〇%以上もいるということでございます。それで、年間約一〇%ぐらいの出入りがある。非常に出入りがあるわけでございますが、その退去する人たちはじゃ持ち家を志向しながら行くのかといいますと、そうではなくて、要するに狭くて子供が育てられないということから移っていかなければならないということでございます。したがいまして、住宅につきましては長い目で見た政策をぜひやっていただきたいということが第一でございます。われわれは、この公社の住宅というものを一生の生活設計をしていくついの住宅と実は定めているわけでございまして、一時的に家賃が高いとか安いとか、そういうことは非常に細かい問題であるというぐあいに実は考えているわけでございます。
#56
○原田立君 住宅局長、どうですか、いまの希望を参考になさって十分検討なされるおつもりだろうと思います。あなたの所感と建設大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#57
○政府委員(豊蔵一君) いまお二人の参考人から伺いまして、私どもも今後の住宅政策を進めてまいります場合に、特に大都市におきまして公共賃貸住宅の必要性を十分痛感いたしております。特に戸数の面についてもそうでございますが、古いストックにつきましては、住宅の規模が狭いあるいはまた設備等が古いといったようなことが、新しい時代に即応した居住水準を考えました場合に当然これを改善していく、そして私どもが目標といたしております最低居住水準未満の方を解消するということが必要であろうかと思っております。そういう意味で、短期的ではなくて長期的に対策を講じろという御趣旨はごもっともでもありますし、なお努力をしたいと考えております。
 ただ、また一面、この家賃の問題につきましては、その必要なものをまた負担の範囲内でお願いし、そしてせっかくのその費用をやはり的確に住宅の管理に運用していただきまして、本当に住みよい住宅管理というものをしていただきたい。そのためには住宅・地審議会の答申にもありましたように、適切な手続に基づく必要なルールづくりを行い、家賃の問題が公正かつ円滑に進められるようにというふうに考えております。具体的には、各公社、地域によっても差がありますし、従来のいろいろな経緯もありましたので、そういったようなものを尊重しながらそれぞれの公社で十分その運用につきましてはお考えいただきたいというふうに考えているところでございます。
#58
○国務大臣(始関伊平君) 公団住宅、公営住宅ないしは公社住宅のように、何万、場合によりますと何十万という入居者のあります場合に、これらのいわゆる住宅の管理主体はいずれも国の補助を受け、あるいは相当に多額な利子補給金を出してもらって住宅の管理運営をしておるわけでございますから、金を貸す立場から、家賃の問題について一定の考え方と申しますか、場合によりますと規制でございますが、示すことは私は当然だろうと思います。
 それで、先ほど来、何で家賃の値上げが必要かということにつきまして参考人の方々を含めまして大分意見の交換がございました。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、理事坂野重信一君着席〕
今回の場合もこの第三十五条の規定の改正につきましては、ここで家賃を直接決めるとかなんとかという考えは毛頭ない、これは申し上げるまでもないわけでございます。ただ概して言えば、抑制的に家賃の問題を考えなきゃいかぬというのが私どもの立場だと思いますが、相当の計画修繕でありますとか環境の整備でありますとか、計画修繕を一歩進めて申しますと建てかえというような問題にもつながると思うのでございますが、家賃問題に関する決め方が余りに窮屈で、中身に入って御相談もできないというようなことでは困りますので今回の改正案が出たと私は了解をいたしております。その範囲内で、これは管理主体である供給公社が主体になりまして、住居人の方々の意見も聞きながら適正に決めていただくということであるわけでございます。
 ここに東京都の場合の、二十五年から始まっているそうでございますが、家賃等の統計もございますけれども、私の口から申し上げませんが、余りアンバランスがあるということはある意味で不公平であると思います。また常識的にもふさわしくない。常識で認められる範囲内において適正な家賃を決めるための入り口をつくっておくということでございますので、両参考人の方々を含めまして委員の方々にぜひ御理解をいただきたい、かように存じております。
#59
○原田立君 以上で両参考人の方に対する質問は終わりにしたいと思います。大変ありがとうございました。
 国土庁長官、地価の問題でお伺いするんですけれども、民間の調査機関での調査によりますと、首都圏一戸建て住宅の場合、昭和五十四年で平均二千九百万円であったものが二年後には三千九百万円、一千万円上がっているんです。それからまたマンションの場合、二千十二万円のものが二千七百万円と大幅にこう上がっているわけなんです。これは明らかに地価の高騰が大きな主な理由だろうと私は思うんです。この前、国土庁が毎年一回行う地価調査によりますと、五十七年の全国平均で八・三%の上昇ということが公表されたんですけれども、住宅地で見た場合には、東京圏では昨年の伸びが一四・一%に対し、ことし五十七年は七・四%しか伸びてないというふうに言われている。この数字はちょっと判断しにくい。それは伸びが鈍化してそうなったんだというのが本当なのか、あるいはどこか調査地点が多少変わってこうなったのか。口のうるさい人の言う意見では、作為的なものがあるんじゃないかということも言っている向きがある。いかがですか。
#60
○政府委員(小笠原正男君) 五十三年、四年にかなり住宅地の地価が上昇いたしました。それからまた反対に、五十五年、六年と大幅に鈍化をしてまいったということがこの三、四年間の地価公示でわかるわけですが、その経緯について若干申し上げてみますと、まず家計の面では、実は五十年代に入りましてから五十四年まで可処分所得はかなり順調に伸びておったわけであります。
   〔理事坂野重信君退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
また五十一年から五十四年にかけまして、住宅公庫の貸出限度額の引き上げでありますとか、民間住宅ローンの金利の引き下げでありますとか貸し出し条件の改善も続きまして、家計の資金調達能力が大いに上がった。一方では、企業の構造様式でありますが、五十三年、四年とかなり金利も低下をしておりまして、五十年代に入ってから販売用土地の新規購入を控えておったものが、新規参入を含めて企業の住宅用地購入意欲が高まったということから、五十三年、四年にはかなり住宅地の地価が上昇したというふうに見ております。
 これが五十五年、六年にこのように鈍化をしてまいりましたのは、実は一つは、勤労者の年間可処分所得が五十五年、六年は実質ではマイナスでございます。それから民間住宅金利、ローンもかなり高水準であるということでありますとか、それから最近の住宅需要の大宗を占めます、住宅需要の変化を反映いたしまして、住みかえのために従来住んでいた住宅を処分をするというケースが資金調達の中のかなり大きな要素になっておりますが、構造要因の変化もありまして中古住宅がなかなか売れないというようなことと、先ほど申し上げましたように、五十三年、四年にかなり地価、建築費が上昇したということから家計の取得能力は落ち込んでおる。それから五十三年、四年に仕入れた土地について、大量に史上空前のマンションをつくったけれどもこれが売れないということで、最近は企業の側からしますと、新しいマンション用地の買い控えが生じておるというようなことでございます。
 こういったような傾向は都市別に見てもうかがわれるところでありまして、調布でありますとか、あるいは浦和でありますとか、川口でありますとか、大量にマンション用地が手当てされたところが昭和五十五年にはたとえば二割も上がると、それの売れ行きが悪いということで買い控えが行われております。最近は、御指摘のような平均の数字以上にさらに鈍化をしているということでございまして、決していわゆる地価公示の選定がえによってこういう数字が出たことではなくて、実勢としてそのような動きになっているというふうに理解をしているものでございます。
#61
○原田立君 長官、この前も本会議場で質問しました。総理から答弁がありましたけれども、国土利用計画法十二条では、「全部又は一部の区域で土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、又は行われるおそれがあり、及び地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあると認められるもの」、こういうふうに決められているわけです。この二つの要件がないと規制区域の指定はできないということになっているんですけれども、実際に地価がこんなに上がっていてどうして規制区域の指定がなされないのか、どうして地価をもっと抑制することに努力を政府としてしないのか、非常に不審に思えてならないんであります。地価の高騰の上昇率が高いときには規制区域にそれだけでもかけるというふうなことをなさるべきだと思いますが、いかがですか。
#62
○国務大臣(松野幸泰君) 国土利用計画法第十二条の規制区域制は、御承知のように土地投機の集中による急激な地価上昇という緊急の事態に対処するために、地域と期間を限定して土地取引についてきわめて強い規制を行う制度であります。最近の地価上昇は、効用増のほか住宅地の需要不均衡が主な原因であり、宅地供給の増大を図ることが急務となっておりますが、このような状況のもとで法改正を行い、土地取引を凍結することは、円滑な宅地供給を阻害し、土地問題を混乱させるおそれがありますので適当でないと考えております。
#63
○原田立君 適当でないだなんと言って、一戸建てのところが、要するに平均が二千九百万円だったのがたった二年間たったら三千九百万になっているんです。一千万もふえたんですよ。こういう事実、これは明らかに地価の高騰が主原因なんです。そんな作文をただお読みになるんじゃなくて、もう少し政治的センスのお答えをいただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
#64
○国務大臣(松野幸泰君) これは土地所有者のいわゆる憲法に基づくところの所有権というものがありまして、これを徹底的に規制するということになりますると、詳しいことは十分申し上げられませんが、なかなか憲法問題の私有財産ということに、規制にひっかかりますというふうに私は考えておりますので、やはりいま御説明申し上げたことがぎりぎりであって、もう一つ言うならば、調整区域というものがあるから市街化区域という区域が非常に狭められておる、それが土地高騰の原因でもあるということは私は承知しておらなければならぬことだと思っております。したがって、いろいろ議論がありますけれども、私としては、調整区域をでき得る限り拡大して市街化区域に入れていく、これが一番いい政策ではなかろうかと考えております。
#65
○原田立君 建設省と自治省が全国三千二百七十八市町村を対象に宅地開発指導要綱の実態をつかむためにこのほど調査をしているということであります。大体五月ごろに何か結論が出るようなお話なんでありますが、現在宅地開発指導要綱を設置している市町村は全体の約三分の一にあたる一千七市町村に及んでいると聞き及んでおります。
 ところで、これで非常に高率な負担金というんですか、それを持ってこなければ建築許可をしないだなんていうところがあるんですね。私も二、三その関係者から聞いて知っているんです。その点の実態はどうですか。
#66
○政府委員(吉田公二君) 宅地開発指導要綱自体は、地方公共団体がそれぞれの地域の実情に応じまして、いわば自主的判断によって制定しているものでございまして、ある意味では、人口の急増等に伴いまして地方財政が追いつかないというような公共団体におきましては、町づくりにそれなりの効果をおさめてきたという面は評価できると思うわけでございますが、ただ先生御指摘のような指導要綱の内容それ自体に、たとえば有効宅地率の問題でございますとか、あるいは負担金の問題等において、社会的通念に照らしまして行き過ぎと見られるものがないわけではないという感じは私どもも持っております。現在自治省と協力して調査しております結果に基づきまして、はっきりさせた上で対応をしたいと思っております。
#67
○三木忠雄君 一つちょっと関連。
 国土庁長官、いまの答弁で、調整区域を広げるという線引き見直しをいま示唆されましたけれども、具体的に何か進めているんですか。それとも、自民党内でも線引きを拡大するという意見がいろいろ新聞に報道されておりますけれども、具体的にも手順を整えているんですか。それとも、いつごろからそれを実施するという考え方ですか、市町村との関係もあるでしょうけれども。
#68
○国務大臣(松野幸泰君) 建設省からも通達を出しまして、市町村の方で拡大をするように指導していただくように私の方から連絡をとってやっております。
 この間ちょっと申し上げましたのは、建設大臣と意見が違ったんじゃないんです。建設省が積極的にやってもらいたいということを私は閣議でも申し上げたんですが、どうしても線引きを見直すということがいわゆる土地がたくさん出てくるということであって、いまのような調整区域でぐっと締め上げておりますると、どうしても狭いところで要するに買い手が集中しますから、私はその方向で今後もよく建設省と連絡とっていきます。いま現在進めております。
#69
○三木忠雄君 計画局長、具体的にどうなっておりますか。
#70
○政府委員(吉田公二君) 私、直接線引きそのものの担当の責任者でございませんが、関連いたしておりますので、お答え申し上げますと、市街化区域、調整区域は、これは新しい都市計画法の中で定められた制度でございまして、おおむね十年以内に市街化するということを、土地の必要度あるいはまた公共施設の整備というものとのにらみ合いのもとに市街化区域というものを定めまして、これについては積極的に市街化を進めていく。調整区域の方は、市街化を抑制していくというたてまえでできている制度でございますが、調整区域につきましてもおおむね五年ごとに見直しをしていくというのが立法当初から法律にも大体考えられているわけでございます。そういったおおむね五年ごとの見直しということが一つのルールとしてあるわけでございますが、去る五十五年の九月でございますが、市街化区域、調整区域、これが宅地供給上一つの問題点であるということはわれわれも認識しておるわけでございまして、これについて必要であり、かつ市街化する上に適切なものについては五年という期間に限らず随時弾力的に考えていく、それから実態に即して可能なものについては進めていくようにという指導をしております。また、市街化調整区域につきましても、従来から二十ヘクタール以上の開発について都市計画上適切なものについての開発許可という制度もあるわけでございますが、これについても事前調整等を円滑に行って、適切なものについては開発許可の運用ということでも進めるようにという行政指導をしておるわけでございます。
#71
○三木忠雄君 最近建設省から、そういう市街化調整区域の拡大という通達かあるいは指示を各市町村に出しておられるんですか。
#72
○政府委員(吉田公二君) 通達として出しましたのは五十五年の九月に出しましたわけでございまして、それ以後公式に文書としては出しておりません。
#73
○原田立君 局長、この宅地開発指導要綱というのは法的根拠がないでしょう。ましてや県の条例にもこういうのは決まっていない。ある市のところで聞きましたら、市の全員協議会で了解をとったから、だからつくっているんだというわけなんです。だけども、こんなことは言うまでもなく憲法、地方自治法、それから財政法、それらは全部法律または条例によったものでなければ課してはならないという規定があるわけでしょう。私もここに地方公共団体が行う行政指導の適法性についての内閣法制局の見解とか、あるいは地方検察庁の見解とかというものを持っているんだけれども、それも同じことなんです。これはやっちゃいけないんです。あるところでは何と千平方メートル以下の開発で建てられた新築住宅一戸につき五十六万円、千平方メートル以上の場合でも四十万円という開発負担金が強制的に課せられている。それから福岡市なんかも五十戸以上のマンションについては一戸当たり二十万円、合計一千万円のお金を持っていかないと判こを押してくれない。明らかに法律違反であり、これはまた別な建設政策の面から言っても、当然これにがかった金はみんな需要者の方へかかるわけなんです。こういうものは当然やめさせるべきだと思うんですけれども、これについて局長並びに大臣の見解をお聞きして、私は質問を終わります。
#74
○政府委員(吉田公二君) 指導要綱は、御指摘のとおり、法律とか条例に根拠を持つというものではございません。実態といたしましては、公共団体がこういったルールを持ちまして、開発を行う方に対しましてこういったルールに従ってやってもらいたいということを提案し、また、開発主体が自主的にこれに応じて行っているという内容になっております。でございますが、その実態の運用について、いわば負担的な運営に近い形のものもあるかと思います。
 ただ、こういったものを一切禁止するということは開発の立場から、私どもは宅地を供給しあるいは住宅を建設するという立場からは、先生が御指摘の点と全く同感の面もあるわけでございますが、逆に地方公共団体の立場に立ちますと、一定規模以上の開発が行われる、あるいは住宅も次々と数が重なってまいりますと、教育施設でございますとかそのほかのいろいろの公共施設、公益施設に対する財政負担につらなってまいりますので、こういったものの対応がそれぞれの自治体の財政の中で賄い切れないという自治体もあることは、これはまた事実でございます。そういった関係から、内容として必要と申しますか、やむを得ない面もあるという認識を持っておりますが、内容として社会通念上行き過ぎたものがあるといたしますればこれは是正させるべきものでございますので、自治省と現在協力して調査を行っているわけでございますが、その結果を待って適切に対処したいというふうに考えているわけでございます。
#75
○国務大臣(始関伊平君) ただいま局長が大体申したとおりと思っておりますが、宅地などの開発に当たりまして都道府県知事が許可の権限を持っておりまして、その際に関係市町村の意見を聞くということに相なっておるようでございまして、このことが時間がむやみとかかる、また、ややもすればちょっと過当な要求が出るという意味において地価を高騰させるとか、宅地の造成を時期を非常におくらすとかいう意味で、住宅宅地政策から申しましても一つの問題点であるというふうに私自身も認識をいたしております。
 この点につきましては、一つには市町村なり都道府県がこのごろでは人口抑制とか申しまして余り住宅の来ることを歓迎しないという空気がある、そういう態度、姿勢にも問題があろうかと思っておりますが、同時にまた、そういうものが来ますと、都市整備上下水道とか道路とか街路とかいろいろ金がかかるという面もあるように思っております。それからもう一つは、農林省との関係なども問題になるわけでございましょうが、私どもは、いま局長が申しましたように、自治省ともよく御相談をいたしまして、また関係の地方公共団体ともいろいろ接触を保ちまして、こういう関係がもっと速やかに、また、世間の常識が納得できるような合理的な範囲にとどまることができるように今後指導に努めてまいりたい。大変おくれがちであることは申しわけございませんが、そのような考えでおるということを申し上げて、お答えといたします。
#76
○原田立君 きょうは時間がありませんからこの点でとどめておきますけれども、この点については納得のいくまで、次回、次々回に至るまでこの問題を取り上げていきたいと思いますから、よろしく御研究のほどをお願いいたします。
#77
○理事(茜ケ久保重光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時七分開会
   〔理事茜ケ久保重光君委員長席に着く〕
#78
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#79
○上田耕一郎君 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 豊蔵住宅局長はこれまでの質問で、かなり大幅な改正が今度あるんですけれども、いろいろメリット並びにデメリットを挙げられました。「その他」を除きますと大体十項目あるわけです。私は、この十項目のうち改善とみなすべきものは、二項目の「簡易耐火構造の住宅の範囲の拡大」、三項目の「土地担保賃貸住宅資金貸付けの要件の緩和」、六項目の中古住宅の金利下げと法定化、この三つだと思います。一の「宅地造成資金貸付けの対象事業の拡大」、それから八の「住宅金融公庫住宅宅地債券制度の創設」、これはちょっと疑問符があります。そのほかの五項目、四、五、七、九、十はすべて改悪だと思います。
 四項目の規模別金利、五項目の段階制金利の導入、七の「住宅積立郵便貯金の預金者に対する貸付金の貸付条件の改善」、それから九の「家賃限度額に係る規定の整備」、それから十の「住宅金融公庫の特別損失に係る補填措置」、中でもこの五の段階制金利の導入と九の「家賃限度額に係る規定の整備」は非常に重大な改悪だと思うのです。ところが豊蔵局長は、メリット、デメリットを数えられるときに、この家賃限度額について触れられなかったけれども、メリットと思いますか、デメリットと思いますか。取る方はメリットで、取られる方はデメリットというのじゃなくて、どういう評価をしているか、お伺いします。
#80
○政府委員(豊蔵一君) 公庫が融資しております賃貸住宅につきましては、それぞれ適切な時期におきまして必要な維持修繕を的確に行うことが必要であり、それがまた居住者の方にとっても利益になることであろうかと思うわけでございますし、また、設備の改善あるいは環境の改善といったようなことも必要であろうかと思っております。公庫の家賃限度額の算定方式につきまして、そういった管理を適正に行うということのためにお願いをしているところでありまして、先だって分類させていただきましたときには、これにつきましてそういったようなことを考えまして、あえてメリット、デメリットの分類を行わなかったものでございます。
#81
○上田耕一郎君 この問題は後でお伺いしますけれども、まず、四の規模別金利からお伺いしたいと思います。
 局長は、この規模別金利についてはやはりメリット、デメリットがかなり複雑だという解説的答弁をされました。これまで百二十平方メーターが区分で、それ以下が五・五%、それ以上が七・五%の金利だったわけですね。新たに百十平米から百三十五平米は六・五%という中間金利を導入した。お伺いしますけれども、そうすると、あなたの分類でも百十から百二十平米の方はデメリットになる。そのデメリットですけれども、百二十平米で借りようとする場合、百十まで五・五%でそれから上が六・五になるんじゃなくて、全部六・五%の金利で払わなきゃならぬということになるわけですね。
#82
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおりでございまして、百十平方メートルまでのものは全部五・五%であり、また百十平方メートルから百三十五平方メートルまでの規模のものは、たとえば今回これらのグループに対しましては一般の百十平方メートルのものに加えて……
#83
○上田耕一郎君 局長、ちょっと違うんだ、もう一度言う。
 つまり、そのことはわかっているんだけれども、百二十平米の家を建てようと思って申し込んだ人は、たとえば六百二十万借りようと、六百二十万全部について六・五%の金利を払をなけりゃいかぬでしょう。借りる分の百十平米までは五・五%であとちょっとふえた分だけ高い金利じゃなくて、全部、全額払わなければだめでしょう、そういう質問です。
#84
○政府委員(豊蔵一君) そのとおりでございます。
#85
○上田耕一郎君 ですから、このデメリットはかなりになるんですね。つまり、これまで五・五%の金利でたとえば五百五十万借りられた。それが今度六百二十万まで借りられるにしても百二十平米の人は全部、全額について五・五%じゃなく六・五%の、つまり一%の高い金利を払わなきゃいかぬ、これは大変なんですね。予算委員会の答弁でしたか、一%金利が上がると十万戸減るという話が出たぐらい一%の金利というのは大変なんです。そういうデメリットの大きさがあるんです。いや、一方安くなった人もいるとおっしゃるでしょうけれども、なかなか現実は静態的には動かない、もっとダイナミックに動くんです。
 どういうことになるかと言いますと、たとえばこれまで百二十平米以上だと七・五%の高い金利を払わなきゃならぬというので百二十平米でがまんしてきた人がいる。この人々が、たとえば地方の在住の方は、今度百二十平米だと六・五%なんだから、同じ六・五%なら百三十五平米までぎりぎり借りようというように考える。実は一番問題になるこの百十から百二十平米というのは公庫申し込みの中で二三%、約四分の一を占めているんです。そうすると、かなりの方々がここを借りているわけです。そこが今度金利が六・五に上がるんだから、どうせ上がるんなら家を小さくするんじゃなくて百三十五平米まで建てようというふうになってきますと、やっぱり五・五%の低利融資の額は国全体としてかなり少なくなる、国の利子補給はかなり少なくて済むという状況が一つ地方に住んでいる方の場合には生まれ得ると思うんです。
 大都市ではどうか。大都市では地価が高いので何とかやっぱり低利融資を受けたい。これまで五・五%だから百二十平米申し込んでいた方は、今度六・五%の金利全部払うんじゃというので百十平米、少し狭い家でがまんしよう、まあウサギ小屋とまでは言わないけれども、皆さんかなり広い家をという傾向が強まっているときに、公庫を借りて建てる方は百二十平米じゃなくて百十平米でがまんしようということになりかねない。こういう点は、新聞紙上その他でも指摘されているんですけれども、どうお考えですか。
#86
○政府委員(豊蔵一君) 今回中間金利を導入いたしましたのは、国民の方々がより規模の大きいものを求めておられる実情にございます。現行の制度では、原則として百二十平方メートルまでのもののみ五・五%で融資し、それを超えるものは財投金利ということになりまして、その利率の差が非常に大きいということで規模の大きくなることが阻害されているといったような要因もございます。地域的にも御指摘のとおりかなり差がある実態でございますので、それらの状況も踏まえて今回新たに中間金利を設定し、規模を大きくする要望に対処しようとするわけでございます。
 その際、先ほどちょっと触れかけましたが、従来の五・五%口の融資の限度額に対しまして十平方メートル分だけ割り増し融資をするということによって、バランスをとったより質のいい住宅の建設を促進しようということを考えたものでございます。したがいまして、先生御指摘のように、百十平方メートルから百二十平方メートルまでの方々の建設というものも確かに二十数%おられますが、それは逆に百二十で抑えられている要素もございましたから、今後改善された面で規模を大きくすることに対応できるようになろうかと思います。
 また、大都市圏におきましては地価及び建築費等も高うございますので、いままでの一般的な傾向を見ますと、一般の住宅では九十数平米というようなのが平均になっております。したがいまして、この百十と百二十の間は利率の上では確かにデメリットの要素を持っておりますが、いまのように新しいニーズに沿った仕組みをつくったということによりましてかなり要望と合った規模というものが考えられますし、いま申し上げましたような十平方メートル分の割り増し融資というものが働くことによりましてそれほどの差はない。かえってメリットの方が大きいのではなかろうかというふうに考えております。
#87
○上田耕一郎君 局長、割り増し融資のことを言われますけれども、百十から百二十平米の申込者というのは先ほど申し上げましたように全体の二三%、四分の一であります。この方々は今度新たに申し込むといままでの金利五・五%が六・五%になる。十一年目からはあとの段階制金利で七・五%になるということになるんです、相当なやっぱり負担なんです。だからそのデメリット、大きな負担を免れようとすると、これは百十平米以下のより小さな家しか借りられないという状況が起きるのは私は不可避だと思うんです。
 しかも、きょうは一般論を述べられないけれども、所得税減税なしが五年連続のそのままでしょう。それから住民税減税なしは三年連続そのままで、公共料金値上げ、国鉄の値上げ等々となっている状況の中だからみんな消費購買力は冷え込んでいるので、そこでどうしてもこの問題では、中間金利を百二十平米から上に設けるのなら私も双手を挙げて賛成だけれども、ここのところに挾んでやったというのはなかなか巧妙で、メリットかデメリットか考えているうちにデメリットをのまされるというやっぱりこれは改悪条項だとしか思えないんです。大都市で皆さん方がミニ住宅化はしないとおっしゃっているのに、不可避的にその傾向を庶民のふところぐあいからいうと促進せざるを得ないというふうに思うんです。
 次に、五番目の段階制金利の導入で、これもきわめて重大な改悪だと思うんです。いまの財政破綻の中で利子補給が十分金融公庫に対しても行えないというので、その分を結局借金を埋めるのにまた財投資金から借りて埋めていく。この逆ざやが広がって、住宅金融公庫が第二の国鉄になるのではないかということが言われているわけですけれども、それをまた利用者の国民の負担で逆ざや解消ということが出てきたわけです。これはまさに国会でも何回か臨調路線、えせ行革単の中で問題になってきたことがいざ法案として出てきたもので、多大のツケを国民に転嫁するもとだとしか思えぬ。
 それで、十一年目になるとかなりいろんな状況で負担はそう重くない、だから十一年目に五・五%が七・五%程度になってもそう大したことはないかのようにおっしゃいますけれども、そうじゃない。ローンを払っている方々はひしひしとそれを感じていると思うんです。私も住宅公庫を借りておりますけれども、だんだんその負担が軽くなることをみんな望むわけです。子供は大きくなるし、教育費はふえるし、毎月毎月それを払っているんです。それが何とかがんばっているうちに軽くなることをみんな願っているんです。それが十一年目から金利が二%もふえるということになると、やっぱり大変なんですね。
 建設省に計算をお願いしました。私どもも計算を一つしてみましたが、新しい貸付額六百二十万円で、これをもし五・五%これまでどおりで木造住宅二十五年の償還期間の場合、償還金の総額が千百四十二万円になり、これは借りた額の大体一・八四倍です。だから二十五年かかって六百二十万円借りて、一・八四倍払う、これはやっぱりなかなかのものですよ。これまでそれだけのものを払わなきゃいけなかった。それが今度十一年目から七・五%になりますと、二十五年間で総額千二百二十五万円を払わなければならなくなります。一・九七倍、借りた額の約二倍になるんです。差額は八十三万円です。だから十一年目から今度金利が上がると、六百二十万円借りた方は八十三万円多く払わなければならなくなるということだと思うんですけれども、大体こういう計算でいいんでしょう。
#88
○政府委員(豊蔵一君) 十一年目以降からの上がります金利を二十五年間総計いたしますと、先生御指摘のとおりになります。ただ、毎月の返済額ということになりますと、仮に五・五%で六百二十万円借りられた方が、十一年目以降は四千五百九十四円多く払っていただくということになりまして、その金額は私どものいままでの傾向値で見ますと、大体十一年目程度には当初の返済負担の半分程度の負担になっているという実態から考えますと、おおむね一年程度若干負担が横ばい、それに近くなる程度でありまして、極端にその負担がふえるというものではないということも御理解いただきたいと思います。
#89
○上田耕一郎君 私は一つ指摘しておきたいことは、調査室の資料でこの償還金の比較例が出ている。これは恐らく建設省から出したデータだと思うんですけれども、この表は非常に被害を少なく見せるための人工的な操作が加えられている。といいますのは、六百二十万円を借りる場合、現行方式としては五百五十万円公庫で借りて、残りの七十万円を普通の銀行からのローンで借りる計算をしてあるんです、八・三四%、二十年と。それで今度の六百二十万円は全部七・五%。そうすると、差額はたった三十一万円だというような表をつくっているんです。やっぱりこれはまずいと思うんです、こういう比較の仕方をしたら。六百二十万円借りると七十万円は普通のローンを借りた場合と比べるんではね。これは金融公庫法の今度の改悪でどのぐらい負担がふえるかという実態がそのまま出ないと思うんです。このことは一つ指摘しておきたいと思うんです。
 それで、こういう六百二十万円を二十五年で借りた方が全体で八十三万円も負担がふえるということになりますと、私は公庫ローン離れを呼び起こさざるを得ないだろうと思うんです、やっぱり金利問題というのは非常にいま重大だから。
 それで、建設戸数が石油ショック後非常に落ち込んで、百三十万戸と言われるものが去年は大体百十五万戸だったわけです。今年度もさらに落ち込むことが予想されている。その建設戸数の落ち込みに対して、こういう金利の値上げがさらに落ち込みを促進するんじゃないかという不安があると思うんです。
 それから、住宅建設というのは内需拡大の目玉、大きな柱だと言われているわけだけれども、内需拡大の目玉と言われる住宅戸数、その戸数を少なくして冷え込みを促進するということについて、建設省は一体どういうふうに考えているのか。新聞報道では、最初大蔵省がこういう案を出したときに建設省は大いに抵抗をしているということを書いてあった。ところが、この抵抗はまことに弱く、これをそのままあなた方はのんで法案として出すところに来ているわけですけれども、その責任はどう考えておられるのか、これは建設大臣にもお答えいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(始関伊平君) 臨調で問題になりましたのは五分五厘という基本金利の問題でございました。私どもは、これはあくまで五分五厘を守り通すべきであるということで、そのたてまえはこれは貫いたわけでございます。
 それで、先ほどからメリット、デメリットについていろいろ質疑応答がございましたが、メリットをとりますために最後に総括的に考えまして時期別の段階金利というものを認めざるを得ないだろう、これが私どもの判断でございまして、すでに上田委員が御自分でおっしゃいましたようにローンの期間はかなり長い、その利子がだんだん重なるもんですから六千億、七千億というようなことになりまして、第二の国鉄になるんじゃないかというようなことをおっしゃる向きもございましたし、また、大蔵省が毎年それを補給することはできませんで、さらに財投で借りましてその利子の不足分に充当する。その点はもっとも後で、今回の改正法律案ではそのようにはっきりとその措置の問題を決めておるわけでございますが、こういったようなことでございまして、全体を見渡してプラスになる部分の方がマイナスになる部分、主たるものは段階制金利でございましょうが、に比べて大きい。ですから、私ども政府の中におる者の感じからいたしますと、これをとってしまいますと、前の方の現実にとったものもどうなるかわからぬというのがわれわれの判断であったわけでございまして、そういうようなことでこういうことになった。
 いろいろ比較の問題はございましょうが、やはり仮に住宅金融公庫という制度がないといたしますと、やはり銀行や何かのローンで借りなきゃいかぬ、そういう場合に比べましてこれはかなりのプラスの要素の多い公的金融手段である、このように考えておる次第でございます。
#91
○上田耕一郎君 住宅金融公庫がない場合なんというのはとんでもない話で、これは銀行もなくて高利貸しばっかりだったらもっと大変だというような話で、そういうことを大臣がおっしゃるんではだめだと思うんだな。住宅金融公庫を皆さん方が育ててここまであるわけだから、それをどうするかということでしょう。
 それで、メリット、デメリット十項目あるんですけれども、やっぱり金額で最大のものは段階制金利です。局長、この制度によって公庫への国からの補助金がどのぐらい軽減されることになりますか。
#92
○政府委員(豊蔵一君) 段階金利制を導入いたしました場合には、十年間は全然変わりませんが、十一年以降国からの公庫に対する補給金が減少してまいりまして、たとえば十一年目は約六十億円、十六年目は約千五百五十億円、二十一年目でとりますと約二千五百八十億円の補給金の減少ということになろうかと思います。もちろん、この数字はある一定の前提を置きまして推計したものでございますので、今後の戸数の変化、あるいはまた、条件の改善等によって動くことは当然でございます。
#93
○上田耕一郎君 つまり十一年目が六十億、十六年目が千五百五十億、二十一年目が二千五百八十億でしょう。私も毎年の全部数字いただかなかったんだけれども、ざっと目の子で計算しても一兆数千億円になるだろうと思うんです、この十年間で。これがつまり減るというのは、この分を借りた方から七・五%に十一年目から上げて、それでもらうというわけです。つまり十年間に国民の負担は、今度の段階制金利の導入で一兆数千億円の負担になるということなんです。だから局長は、十項目あって、このうちメリットの方がデメリットより多いみたいにおっしゃるけれども、それは計量的に計算すればこれが最大です。そうすると、あと少しプラスになってもそんなのは消えてしまって、勤労国民の負担は十年間で一兆数千億円、こういう法案なんです、これは本質がそういうものだと思うんです。だから私どもは、臨調路線のえせ行革の負担を働く国民に負わせるこういう法案には、これ一つだけでも絶対反対だということを強調せざるを得ません。
 その次の問題は、今度の改悪のもう一つの大きな改悪は供給公社家賃の値上げ問題。前にもここでも少し問題になりましたが、公社側から幾つかの要望書が大臣並びに住宅局長に出ています。私も五つ見ましたけれども、その中でとりわけ注目を引くのは、一月十一日付公社住宅管理連絡協議会からの住宅局長あての要望書です。これは大きく一と二に分かれているんですが、二の方は「抜本的措置」と書いてあるんですが、一の方の「現行制度の運用」問題の要望ですね、この要望に応ずるためにはどうなんでしょう、必ずしも法律改正を必要としなかったんじゃないでしょうか。
 大阪からおいでいただいた椚座さん、公社側としては法律改正をやってくれということだったんですか、それとも施行規則あるいは運用のということだったんですか、お答えいただければお願いしたいと思います。
#94
○参考人(椚座正信君) 椚座でございます。
 公社住宅の家賃制度の改正につきましては住宅供給公社の連合会がございまして、かねてから建設省に要望を行ってきたところでございます。全住連の中で賃貸住宅の管理をしておる主要な公社が集まりまして組織しました公社住宅管理連絡協議会からは、ただいま御指摘の一月十一日に要望書を出しております。
 その内容は、現行の法規の制度の枠内で改善すべき事項と抜本的に改善を図る事項とそれぞれ要望したわけでございますが、建設省からはこれについては検討をしているという回答を口頭でいただいております。
#95
○上田耕一郎君 局長、どうなんですか、これは法律改正をどうしてもせざるを得なかったんですか。
#96
○政府委員(豊蔵一君) 一つには、昨年の八月に住宅宅地審議会から家賃問題につきましての御答申がありまして、いろいろな内容を含んでおりますが、その中で、公共賃貸住宅につきまして、その家賃は施策対象層にとって適切なものであるように配慮することということと同時に、また、既存住宅の家賃につきましては物価の変動あるいは新旧住宅の家賃間の不均衡といったようなものを考えて適切に見直しをしていく必要がある、そういう中で公社関係の賃貸住宅につきましてはそれらに関する制度に十分整備されていない面がある、そういったようなことについても検討すべきであるという指摘がございまして、私どもその答申を受けましてからいろいろと検討していたところでございます。また、関係の地方住宅供給公社におきましても、賃貸住宅の管理につきましていろいろと経費がかさみまして、現行制度の枠内ではとても十分なことができないといったような御要望等もありましたので、その後いろいろ検討を重ねました結果、今回御提案申しております住宅金融公庫法の改正で対処するということがどうしても必要であろうかと思いまして、お願いを申し上げているところでございます。
#97
○上田耕一郎君 法改正になるとこれもメリット、デメリットがありますね。メリットはやはりこういう建設委員会で、国会で審議できる、公開で中身を審議できるということがいいので、施行規則改正でやられますと余り審議もできないままになってしまうという点があるんですね。それから他方、法改正をやりますといろいろ法律にかかわって全部ひっかかりが出てくる。今度の三十五条改正にかかわる対象住宅、これは公社住宅以外にもいろいろなものがあると思うんですけれども、その種類と戸数を述べてください。
#98
○政府委員(豊蔵一君) この法律を改正したから直ちにそれが全部適用になるというわけではございませんが、公庫法の三十五条の第二項の規定に基づいて、ある一定限度までしか取ってはいけないよというような規制がかかっております住宅の総数という意味で申し上げますと、一般賃貸住宅が約十三万戸、土地担保賃貸住宅が約十四万戸、そのほかに単身者用の宿舎が約四万戸といったような種類別内訳になっております。
#99
○上田耕一郎君 ですから、三十一万戸がこれにかかわってくるわけですね。すぐ値上げになるかどうかわからぬけれども、限度額が物価変動という理由で上がるというと、それに応じて決められていくと全国で約三十一万戸の方が被害を受ける可能性がある、可能性じゃなくてこれは必然性でしょうな。そのうち公社の方は約十三五尺それだけ非常に大きな規模の家賃値上げになる問題なんです。
 さて、この住宅宅地審議会の家賃答申の中で、土地担保賃貸住宅、農地所有者等賃貸住宅、特定賃貸住宅、公団の賃貸用特定分譲住宅の家賃問題についても、物価、立地条件など社会経済情勢の変化に十分対応可能な方式とすべきだというふうに書いてあるんですけれども、こういうものもやっぱりかかわりができてくるんですか、今後横並びにするおつもりですか。
#100
○政府委員(豊蔵一君) いま申し上げました公庫融資住宅以外にいわゆる農住賃貸住宅、あるいは特定賃貸住宅、あるいはまた住宅・都市整備公団が建設します民営賃貸住宅、それぞれございます。これにつきましても住宅宅地審議会からの答申では、いわば分的性のある民営賃貸住宅の家賃制度のあり方といたしまして答申がございまして、その運用につきましての方針が示されております。
 しかしながら、私どもが考えておりますのは、家賃の変更というのはやはり物価の変動といったようなものが相当大きいときに問題になるわけでございまして、いまお話し申し上げました、いわゆる農地所有者等賃貸住宅とか特定賃貸住宅というものは国が十年間利子補給をしている。で、また十年たちましたら国の援助は打ち切られるというところから、十年間に限りまして家賃の抑制といいますか、規制を行っているわけでございます。おおむね十年間というのは、現在の状況で特段に私どもの方の限度額の考え方をそれほどいじらなくてもある程度やっていける。また、十一年目以降は規制というものがなくなりますので、その中で市場の実勢あるいはまた賃貸住宅経営者のその賃貸住宅の管理の必要な範囲の費用といったようなものをそれぞれ勘案されまして運用されることと思いますので、特段にいまのところ公庫法の改正と連動したいろいろな制度の改正ということは必要はないのではなかろうかというふうに考えております。
#101
○上田耕一郎君 それはいいことですね、いまのところ必要ないと。
 さて、問題はこの答申です。答申には、「地方住宅供給公社の賃貸住宅については、家賃変更の規定が整備されていない。」と、こう断定されているんです。公社法並びに、恐らく金融公庫法の両方関連すると思うんだが、「家賃変更の規定が整備されていない。」と、これは建設省の責任でしょう、そういうふうに非難されているわけだ。ところが、私どもはこれを見ますと、たとえば住宅金融公庫法の施行規則に、有名な家賃十一条があります。ここに詳細に家賃変更について書いてあります。これも、こういうものがあっても、どうなんですか、全く整備されていない法律をあなた方は国会に提案し、それを通し、いままでずっとやってきたという非難をあえてお受けになるつもりですか。
#102
○政府委員(豊蔵一君) 現在の公庫法におきましても、修繕費に関しますところの家賃限度額の算定、あるいはまた公租公課といったものについての算定等は、それぞれ現在の公庫法に基づく省令によりましてもある程度の変更ができることになっております。昨年の住宅宅地審議会におきます答申でもそのようなことは触れておりまして、ただ一般的な変更規定がなくて、住宅の維持管理上必要があるときに維持修繕費が物価スライドすることができるといったような意味で、私、読み方にもよりますが、ほかの公共賃貸住宅とのバランスを考えて、公社関係の賃貸住宅については、制度の上でまだ不十分なものがあるという御指摘かと思いまして、その点は私どもも、従来いろいろ問題はありましたけれども、その規定の整備が十分にできていなかったという点では、審議会の御答申の中の御指摘は甘んじて受けざるを得ないと思っております。
#103
○上田耕一郎君 そういう気の弱いことでは庶民を守れない。個別原価方式という原則に基づけば、これまでの家賃規定、この施行規則の十一条、何ら非難するところはないですよ。個別原価方式に基づけば、この家賃の変更規定はどこかミスがありますか。私は、もう何ら、胸を張って、こうちゃんとした法律ができています、施行規則もちゃんとしています、個別原価方式に立つ限りということだと思うんですよ。ただ、住宅宅地審議会は個別原価方式を崩せと言うから、これじゃ気に入らぬというだけの話で、個別原価方式という方式に立つ限り、この施行規則十一条は何か不備がありますか。
#104
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、個別原価方式という考え方でこの公庫法及びそれに基づく規則についての考え方が従来とられておったと思います。しかしながら、個別原価方式といいましても、物価が著しく変動した場合というようなときにおける問題が残っておりますし、また、広く公共賃貸住宅全体をとらえてみまして、その賃貸住宅相互間に不均衡が生じるといったような場合には、やはりそれに必要な範囲でのバランスをとるということも考える必要があろうかと思います。そういったような意味におきまして、やはりほかの公共賃貸住宅との関係におきまして、規定が若干バランスが欠けておるということは言えようかと思います。
    ―――――――――――――
#105
○理事(茜ケ久保重光君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、田原武雄君が委員を辞任され、その補欠として岩崎純三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#106
○上田耕一郎君 やっぱり問題は、団地をつくるときにも、この公社をつくるときにも、個別原価方式という当然の原則で、これは日本全体そういう原則で最初つくったわけだ。それはお認めになるでしょう。それで家賃方式も決めたわけだ。何ら不備はなかったんです。それがずっとたってきて、どうも不均衡が生まれ出たと。平均衡を崩すためには、平均衡を何とかするためには、皆さん方の頭では、あるいはこの審議会の頭では個別原価方式を崩さざるを得ないと。それをだから、新しく生まれた問題で何とかしなきゃならぬ、そのために個別原価方式を崩そうというのでいままでのは不備だと言っているだけの話で、立場が変わったんだと思うんだな。それなのに住宅局長は、建設省の責任でいままでつくった法律の不備を、立場が変わったいま、そういう、言いがかりですよね、言いがかりをかけられてきているのに、毅然として反論もできない。確かに個別原価方式ならいいんですけれども、不均衡その他考えるとどうも不備もあるかもしれませんというような態度をおとりになっているのですね。これでは建設省として、公共賃貸住宅をもっともっと良質のものを供給してほしいという世論にこたえられない。また、住んでおられる居住者の方々の期待にもこたえられない。
 私は、この答申は非常にけしからぬ答申だと思うんです。私ども共産党は、この答申が出てきたときに、直ちに斉藤建設大臣あての申し入れを行いました。適正な家賃の問題等々言っているけれども、不均衡是正論が最大のねらいだということで申し入れを行ったんですけれども、いまの家賃の規定が不備だと言うのも、全く私はけしからぬ言い方だと思うんだが、それは論拠がまた間違っていると思うんです。先ほど局長はこれにも書かれていると言われたが、こう書いてある。「公社賃貸住宅については、一般的な変更規定がなく、住宅の維持管理上必要あるときに、維持修繕費のみ物価スライドすることができることとなっている
 (住宅金融公庫法施行規則第十一条)。」、これは居住者の方々も非常に問題にしているところです。どうですか、局長、この「維持修繕費のみ物価スライドすることができることとなっている」もいうのは正確ですか。
#107
○政府委員(豊蔵一君) この点につきましては、表現が厳密に言えば正確でないところがございます。たとえば公租公課といったようなものにつきましても、必要がありました場合には取れることができるわけでございますから、そういった点はあろうかと思いますが、流れといたしまして、言おうとしていることは理解できるんじゃなかろうかと思っております。
#108
○上田耕一郎君 いや、とにかく公式に出す答申なんでしょう。みんな委員が何カ月か一年か知らぬけれどもかかって議論したわけだ。家賃問題、一年どころじゃないです、非常に問題になって、何年もやったはずです。その結果社会的に大問題になった答申ですよ。われわれも怒って申し入れをすぐやったんだけれども、その大事な答申の公社賃貸住宅の家賃値上げの根拠となる認識が間違っているんです。あなたもいま、厳密に言えば正確でないと言われた。厳密に言わなくったって、粗っぽく言ったってこれは間違いです。「維持修繕費のみ」ですよ。「のみ」というのは、日本語で、だけという意味だ。「維持修繕費のみ物価スライドすることができることとなっている」、こういう認識は根本的に間違っています。
 この十一条の第五項は、「公庫の貸付金に係る住宅の維持及び管理を行うため必要があると認めるときは、」例の推定再建築費に千分の一・四でしょう。千分の一・四のうち千分の一・〇が修繕費か、そのうち千分の〇・四が管理費でしょう、決まっているわけだ。管理費が物価スライドするという大事な問題を「修繕費のみ」としている。おまけにいま局長が言われたけれども公租公課でしょう。保険金だってちゃんと書いてある。五には租税が書いてある。六は保険の問題も書いてある。そうなるとこの物価が変動してスライドが大体できる、修繕費も管理費も、公租公課も保険料もできるわけです。それを「維持修繕費のみ物価スライドする」ことになっている。これは明らかに間違いですよ。
 こういう認識に立って、これは家賃の一般的な変更規定がないと、ありますよ、一般的な変更規定が、十一条にこれだけ書いてあるんだから。ただないのは償却費だけでしょう。償却費は個別原価主義に立てば入れたら間違いなんだ。だから入ってないんです。それをこういうとんでもない認識をして「のみ」だなんて書いておいて、それで知らぬ人が読んだら、のみか、これはひどいなと思うでしょう。しかも一般的変更規定もないと、それなら公社に当然変更規定を入れるのがあたりまえで、かなりの偉い方が集まっている住宅宅地審議会が何年もやってやったものだから、みんなこれでやっぱりいこうということになりかねない。どうなんですか。こういう間違った認識に基づいて個別原価主義を頭から否定して、家賃変更規定がないというような誤りを書いたこの答申に基づいてあなた方は唯々諾々として仕事を進めるつもりですか。
#109
○政府委員(豊蔵一君) 家賃の決め方というのには、やはりその住宅の使用の対価としての立場からいろいろな決め方があろうかと思います。建設当初におきましては、建設の原価というものをとって考えるのが一つのいままでの公共賃貸住宅の基本の考え方であったと思います。しかしながら、物価が変動して非常にいろいろな費用もかさんでくる、あるいはまた、先ほど申し上げましたように管理しております賃貸住宅相互間にも不均衡を生ずるといったような場合には、その使用の対価たる立場からほかの要素もこれは考え合わせまして家賃というものを決定することはできるのではないかと思います。
 建設当初におきます個別原価主義でありましても、現行の公庫法の体系の中で、一部ではありますがプール制的要素も取り入れておるところでございまして、これがやはりある程度事情が変更した場合におきましてはその原則がもう少し変えられていくということもあろうかと思います。もちろん国が利子補給をして、その施策住宅として建てられております公社の賃貸住宅のような場合におきましては、それが先ほどの答申にありましたように、当然施策対象の方々にとって適正な負担限度の中に入るようにというような問題がございます。また、当然のことでございますが、家賃を変えます場合の激変緩和ということも考えなければいけません。そういったような諸条件の中で、やはり一定のバランスのとれた家賃体系というものは、最初の個別原価主義にのみこだわるわけじゃなくて、ある程度変更されるべきものと思います。
#110
○上田耕一郎君 大臣、どうですか、間違った認識で間違ったことが書いてあるそういう答申を、そのまま訂正しないであなた方は押し通すつもりなんですか。間違っている認識で、間違った提言をしているんです。だから提言の根拠が誤りがあるわけだ、「のみ」と書いてあるから。
#111
○国務大臣(始関伊平君) けさほども申し上げたんでございますが、住宅金融公庫から融資を受けてつくりました賃貸住宅は、つまり国の補助を受けているわけでございますから、この家賃の決定についてある程度の規制をするというのはもう当然のことだろうと思います。しかしながら、一面におきまして住宅供給公社も一つの企業体でございますから、企業体として長い将来にわたって安定した基礎の上に事業の継続ができるということを考えることが必要だし、また、広く世間の納得するような家賃政策をとるということも必要だと考えるのでございまして、たとえば同じ住宅供給公社の家賃でも、古い時代は七千円とかそこら、現在では四万円、五万円になっておる。そういうものが並行して存在しておる。また、公営住宅等との間のアンバランスも大変あるというようなことになりますと、やはり私は、大局的なあるいは総合判断から家賃というものをもう少し常識の納得する範囲に直していくという必要があろう、かように考えるのでございます。
 個別原価主義がどうだとか、いろいろ議論もございましょうが、また、減価償却という考え方につきましてもいろいろ考え方があると思うのでございまして、最も健全なる減価償却の思想によれば、やはり再建減価償却というものが現在世間一般に通用しておる考え方だと思います。いまそこまで私は主張するつもりはございませんが、物の価格でも家賃でも同じでございましょうけれども、何か方程式のようなものをつくってそれに合わしてやるということではなしに、いろいろな要素を考えて総合的に、いろいろな人が納得のできる、そういう家賃でなければならないだろう。ここが出発点でございまして、現状の家賃の規定がこの施行規則の中にございますが、それをある程度直しませんと、いま申し上げましたような立場での家賃の変更について入居者の皆さんと協議すべきものであるとすれば協議にも入れない、こういうことでございますから、そこのところは変更していくということであって、別に具体的な問題をここで決めようというわけじゃございませんで、あとは公社が主体になりまして、入居者の意見その他を聞きながら公正な立場で決定してもらう、その入り口のところを整備しよう、こういう考えであるというふうに考えております。
#112
○上田耕一郎君 論争しても平行線かもしれませんけれども、いま大臣の言われた、最も健全な減価償却の考え方によればという言い方は、かつて建設省が進めた個別原価主義の方式が不健全だったと、みずから自分で石を自分の足の上に落としているみたいな御発言だということだけ指摘しておきたい。
 公社当局が主張している根拠としては、経営上の赤字とアンバランスの是正が今度のことで言われている。
 椚座さん、ちょっと御説明いただきたいんですけれども、維持修繕費と管理費の赤字状態というのはどういう状況でしょうか。
#113
○参考人(椚座正信君) 大阪府公社の場合について申し上げたいと思いますが、維持修繕費とそれから管理費等を含めまして、賃貸住宅の管理事業の収支についてまず申し上げますと、昭和五十三年度で約一億四百万円、昭和五十四年度で九千七百万円、昭和五十五年度で一億二千七百万円程度の赤字となっております。その赤字額につきましては、公社事業全体の中で処理をいたしておる状況でございます。
 維持修繕費につきましては、家賃収入の中で占めます規定の額が、大阪府公社の場合約二万三千戸の住宅を管理いたしておりまして、その額が約十億円になります。この十億円は、現在最近数年間ずっとそのままその年度の維持修繕費に充てております。
 管理費につきましては、多少差がございますけれども、多い年で二千万円、それから三千万円程度の赤字が出ております。これにつきましても経費の節減等に努力をいたしまして、最近まではこの程度の赤字で済んでまいっておりますけれども、物価上昇全般等を考えまして、今後はこれについてはある程度、家賃変更のない場合は赤字金額がふえていくものと考えられております。
#114
○上田耕一郎君 自治協の矢船参考人、居住者団体の方からこの維持修繕費、管理費の実態がどういうふうになっており、皆さん方の補修要求がどういうふうに実現されてきたか、あるいはいないか等々のことについて話していただきたいと思います。
#115
○参考人(矢船良文君) まず最初に、私ども居住者の代表に三たび発言の場を与えてくださったことに深くお礼を申し上げます。
 家賃として私たちがお支払いをしまして公社に集まったお金のうち、維持修繕費とか管理費につきましては、その総額、使われ方ともに居住者にはよくわからないというのが実態でございます。これが私たちにとりまして大変な不満なことでございます。それでもまだその中の維持修繕費につきましては、前回の五十二年度の東京、大阪等の家賃値上げ問題が発生しましてから自治会協議会ができまして、幾らかお示しいただけるようになりました。たとえば東京では約二十九億八千万円の維持修繕費がある。大阪では、いま椚座副会長が約十億とおっしゃいましたが、厳密に言えば、自治会協議会に知らされておりますのは九億六千万円で、ございます。これはことし大分ふえておりまして、ここ二、三年は九億から九億二千万円というややこれより下回る数字が予算として居住者に知らされておるような経緯でございます。
 それからさらに、議員の先生方に公社連合会から営繕工事実施状況ということで、五十一年から五十五年までの公社の修繕費と都営住宅の修繕費を比較して、いかにもこれで見ますと公社の修繕費が一戸当たり少ないような資料が配られておりますが、東京での実態からしますと、この間にかなり大きな数億の差がある。そういった資料がお配りなされておりますが、詳細については、この資料の出どころ、私ども直接いただいたものではございませんので、ちょっと質問もしておりませんので、検討はいたしかねております。
 東京の例でございますが、地震とか台風などの災害時用の積立分だという理由で大幅な額の積立分を各年度の維持修繕費から天引きされてきました。この金額が一年分の維持費の総額に近づくような状況でございましたので、自治会協議会で強く申し入れまして、ようやく昨年、五十六年度は公社さんで言う維持修繕費収入の総額がその年の予算とされました。今年度、五十七年度分につきましては、ため込み過ぎではないかということで私どもが強く申し入れを行いましたことにおこたえいただきまして、今年度の収入約三十億に四億を上乗せしまして三十四億近い予算をお立ていただいたようでございます。
 この特別災害用積立金ということでございますが、三年前でしたか、関東では珍しい台風がございまして、屋上の防水膜が魔法のじゅうたんのように飛んで屋根からぶら下がってみたり、それで雨漏りがしたわけですが、屋上の手すりが風で倒れたり、大きな樹木が根こそぎ横倒しになったりいたしましたが、このときもこの積立金には全く手をつけず、一般予算で修復されてしまったようであります。したがって、私たちは、修繕費につきましては十七、八億という大幅な黒字が東京では残っていると想定しております。大阪でも、年度の額の上下があるということからかなりな額が残っているのではないかというふうに想定いたします。他の地方公社につきましても、余りに資料が居住者に知らされませんので何とも申し上げられませんが、似たり寄ったりではないかというふうに思っております。
 それから、入居者の補修要求の実現度でございますが、けさほどの原田先生の御質問に答えて私ども全国公社自治協幹事の高橋幹事の方から東京の例として、私たち居住者が要求をしましてから営繕工事実施基準というものがやっとできたんですが、その中の数字を見ましても、屋上の防水は十年と定めておるのに実態は二十四年かかっているとか、ベランダの手すりなどの鉄部の塗装は五年と定めているのに、実態は十一年にして初めて塗装されるというような状況でかなりさびが目立っております。この辺につきましても、私どもは長期的な見通しに立って、これだけの工事が必要だからこれだけの資金が必要だと資料を出して話し合おうではないでしょうかと、資料出ての話し合いなくしては、どれだけ家賃に修繕費を組み込んだらいいかということが私たちから見ても想像もつかない、全くわからない話ではないかということを申し入れていますが、公社さんの方からはまだそういう趣旨での御相談はございません。
 それから最後に、管理費でございますが、これは全くやみの中と申しますか、私どもには数字を示しての御説明がございませんので、幾ら収入があるものやら、大体千分の一対千分の〇・四でございますから約四億ぐらいかなと、こういった状況でございます。本当に足りなくなれば、前回値上げのときに大阪とか東京とかで話し合いの確認書ができているわけでありますから、これに基づいて御相談があるだろうというふうに私ども判断しておりますが、そういう御相談もございません。
 それから、東京での例でございますが、公社全体とすれば、つい先日、百二十億円を東京都にお返しになったということでありますから、土地を売ってというふうなことも聞いておりますが、売った全額を全部返したということのようには記事にはなっておりませんでしたので、よくわかりませんが、まだ相当大幅な黒字をお持ちになっているんではないか、このように考えております。
#116
○上田耕一郎君 いまの矢船参考人のお話だと、修繕費は東京も大阪もかなり黒字ではないか、管理費はやみの中だというお話で、椚座さんは、修繕費の方は十億円で、大阪の場合何とかその範囲でやっておる、管理費の方は赤字だというお話でした。
 それで、計画修繕がおくれているということがこの家賃値上げの理由の一つに挙げられているわけですが、これはどうなんでしょう、たとえば団地整備という問題は、これは敷金の利息や団地整備引当金でやっているはずだし、それから改良などという問題は、窓枠のサッシ化、流しのステンレス化などの改良は、たとえば東京都の場合は補助金でやっている。万一の場合でも契約書にある改良のときの値上げで対応できるはずだということが言われている。それからこういうことで計画修繕のおくれといっても、こういう法律改正による新たな値上げをやらないでも手当てができるはずだし、これまでもやっていると思いますけれども、この点、公社、椚座さんの御意見をお伺いします。
#117
○参考人(椚座正信君) お答え申し上げます。
 大阪府公社の場合、ただいま十億円程度の収入でほぼ十億円を支出していると申し上げました。私どもといたしましては、補修の方から言えば、この十億円で満足いたしておるものではございません。計画修繕についてただいま御意見ございましたけれども、私どもの計画の中におきましても、相当量の支出をいたしませんとこの計画が、私どもつくっております内規からすれば相当おくれを生じておることは事実でございます。
 一例を挙げますと、外壁の修繕は、約十五年程度たちますと再塗装いたします。これが大阪公社の場合は約六千戸残っております。金額にいたしまして現在の単価で七億円から八億円ぐらいかかります。あるいはスチールサッシを最近は全部アルミサッシにかえますが、これも千数百戸残っておりまして、金額にいたしまして六、七億円かかります。こういったところが収入の範囲でしか支出ができませんということから非常におくれを来しておるような状況でございまして、これが家賃収入の一年分ではなくてかなりの年数分に当たるということが現実でございます。
 それからもう一つ、そのほかに、たとえば法令の改正によりまして緊急に改修工事を実施しなければならないもの、その他やむを得ない一般修繕あるいは計画修繕で予期しない修繕費を支出するためには修繕引当金を用意いたしております。これにつきましては、たとえば五十七年度におきましてはガス事業法の改正によりまして、ガスのふろがまの設備改修工事を早急にいたす必要がございます。こういったようなことで、たとえば、これは修繕引当金から五十七年度は相当の額を支出するという計画もございますので、健全な賃貸住宅の経営の維持、管理の上から私ども十分であるとは考えておりません。しかも適正な住宅の水準を維持するためには、私どもがこれまで考えておりました計画修繕だけではどうも住宅の老朽化がますます激しくなるということで、大阪の場合は昭和七十年を目標といたしまして中期計画を立てまして、この中で計画修繕の費用を一応現在試算をいたしております。これによりますと、年間十八億円程度を支出していくような計画にいたしませんと、住宅の老朽化がますます激しくなって使用にたえなくなるというようなことが現在試算として出てまいっております。こういうものをいずれ制定化いたしまして、今度法令改正が行われますならばこのような費用の算出について詳細な試算をつくっていきたいというふうに考えております。
#118
○上田耕一郎君 しかし、いまおっしゃった外壁修繕とかサッシ改良、これは新しい法律改正による償却費そのものを推定再建築費による値上げでなくても、現行の物価上昇によるもの、あるいは改良による費用等々でできるはずだと思うんです、いまたとえ六、七億赤字があるとしても。
 さて、公社側が挙げている不均衡是正ですね、これが今度の値上げを推進している一つの重要な問題として結局残ってくる問題だと思いますが、公社としては今度の値上げで不均衡是正をおやりになるつもりですか。豊蔵局長は先日の答弁で、修繕並びに管理等々に、あるいは団地環境の改善に使いたい、不均衡是正に使うかどうかは管理者側の自主判断だということを示唆されましたけれども、椚座さん、いかがですか。
#119
○参考人(椚座正信君) 制度の改正によります増収分は各公社の実情によってかなり差があると存じますが、私どもといたしまして一般的には修繕費、それから団地周辺の環境整備等に主として充ててまいりたいと思います。
 ただ、大阪におきましては昨年公営住宅の値上げをいたしておりますが、やはりこの議論が出ております。そして、いわゆる不均衡是正についての議論も一応なされた上で値上げいたしておりまして、すでに公営住宅の方が公社住宅よりも家賃が高くなっている現象も一部で生じております。そういうことでございますので、新規の家賃の高額化に対処するために一部においてはそのようなことも考えざるを得ないのではないかというふうに考えております。
#120
○上田耕一郎君 公営住宅とのアンバランス、公営住宅の方が高くなっている例がここでも出されましたけれども、あれは二回も値上げをやっているからそうなっているんで、私はつくづく思うんですけれども、公営住宅の値上げのときには余り運動も大きな形では十分でなかったと思うし、国会でも十分審議が行われなかったうちにすっとやられてしまった。それを、あれをやったからというので団地値上げになり、今度の公社値上げになり、あのときもっと戦っておけばよかったとほぞをかんでいる面もあるんですけれども、矢船参考人、入居者の立場からいまの不均衡是正問題、全然やらないというふうにはどうも公社側もおっしゃらないので、御意見を述べていただきたいと思います。
#121
○参考人(矢船良文君) 不均衡是正でございますが、この言葉だけですといかにも安過ぎるところを少し持ち上げることによってより高過ぎるところをどんとこう下げることができるように、事情を知らない方から聞きますと非常に合理的だと思われるようだと思いますが、しかし、不均衡是正と言いましても、今回の特に三十五条改正との関連でこの不均衡是正を考えますと、建設費元本に利息をつけて返していながら、全く別にこれから建つ建物の費用を、たまたま大家さんが同じだからといって重ねて負担してくれ、こういう話になりますので、これはどうしても理解のできないことであります。自分で持ち家といいますか家を建てて住んでいて、十年もしたら隣に同じ大工さんが家を建てるから、そっちがえらく高くつくからおまえさん少し前のが安かったから負担してくれよ、こういうふうなことで請求書が回ってきたような感じがしますので、とてもこの三十五条改正での不均衡是正は私どもは納得できないものであります。
 しからば、新しい住宅が高くていいとは私どもは絶対に申し上げません。これから結婚する若者がいま新しく募集しております公社住宅に入ろうとしますと、非常に高くて入れない状況がございます。土地、建物、資材の値上がり等そういうものがあったのは少なくとも公社居住者の責任ではなかろう。そういったものを見逃して抑えることができなかった建設省に私どもとしては請求書をお出ししたいような気持ちでございまして、不均衡是正、これはちょっと居住者から見れば納得のできないことでございます。
#122
○上田耕一郎君 その不均衡是正に使われ得る可能性があるので、私どもこれには絶対反対ですけれども、すでに自分の分については完済している人が他人の家賃の負担をするというのはどう考えても不合理です。反対なんですが、そういうことが導入され得るものとして今度の法改正が出てきているわけです。
 局長にお伺いしますけれども、この三十五条第三項、今度の問題になっている項目で「建築物価その他経済事情の著しい変動」というのは、五〇%の物価変動ということをおっしゃったように思いますけれども、そういう意味ですか。
#123
○政府委員(豊蔵一君) 私ども、物価の著しい変動があった場合というのをどの程度にとるかというのはいろいろございますが、一応のめどといたしまして、上昇率といたしまして五〇%程度になったような場合というふうに考えておりまして、そのためには相当の年数を経過したものというふうに考えております。
#124
○上田耕一郎君 この中の「当該住宅の建設に通常要すると認められる費用」、推定再建築費ですけれども、これは公営方式に準ずるとおっしゃいました。公営方式というのは、もとの償却費プラス推定再建築費に基づく償却費との差額を三で割って三分の一を足していくわけですね。このことを使うという明文規定を施行規則の改正その他に入れるわけですか。
#125
○政府委員(豊蔵一君) 私どもはいまの新しい推定再建築費を一応頭に置きまして、それに対して減耗分といいますか、そういうものを差し引くといったようなことを考えました場合には、現在公営住宅につきましては定着をいたしております制度、これがいろいろな御審議を経ましてこのような制度となっておりますので、省令におきますところの規定の中にこの基本の考え方を入れ、そしてこれを具体的にこの場合の運用の基準にしたいというふうに考えております。
#126
○上田耕一郎君 省令の中に入れるわけですね。考え方を言ってください。
#127
○政府委員(豊蔵一君) 考え方といたしましては、省令の中では、公庫が主務大臣の承認を得て定める率というふうな書き方をいたしまして、その主務大臣の承認基準というものを公営住宅のこのルールというふうに考えております。
#128
○上田耕一郎君 そうしますと、公営住宅の場合、率が毎年官報に告示されますね、公営住宅法十三条三項に基づく家賃の変更に係る率と。去年の九月二十八日に地域別に発表されておりますが、関東地区で見ますと五十一年が一・四〇、それからずっと下がっているわけです。――四十九年が一・四四ですね。四十八年が二・〇九。すると、先ほどのお話しの五〇%変動を当てはめるというのは、今度値上げになるのはじゃ四十八年より前と。この数字が一・五より多いところを値上げするということになるわけですか。
#129
○政府委員(豊蔵一君) 現在出ております公営住宅の推定再建築費の上昇率を見ますと、大体四十八年以前のものが五〇%を超えていることになっております。そういうことで、その以前のものを対象にし、もちろんこの率ではなくて、実際の率は、先ほど先生からお話がありましたように、公営住宅の方で定めております、簡単に言いますと上昇率分を三分の一した率という考え方で、一つの推定再建築費に基づきます償却額の算定率というものを考えたいというふうに思っております。
#130
○上田耕一郎君 そうしますと、これはどういうことになるんですか。たとえば四十九年はこの場合で言うと一・四四でしょう。この四十九年一・四四が、たとえば来年、再来年これが一・五を超えたらそこの家々はまた値上げになっていく、値上げの範囲に入ってくる、順々に毎年こう広がっていくわけですか。
#131
○政府委員(豊蔵一君) これはやはり物価の変動等を考慮いたしまして定めますので、毎年になるかどうかはわかりませんが、いま先生からお話がありましたように、一・五を超えるような場合に、省令におきましてそういったような対象の住宅を定めることができるようにしたいというふうに考えております。
#132
○上田耕一郎君 さて、著しい変動の場合、建築物価の著しい変動と言うんですけれども、建築物価が下がるときもありますね。下がるときは限度額も下げることがありますか。
#133
○政府委員(豊蔵一君) 物価の変動に対応いたしまして率を定めますので、当然建築費が下がって率が下がれば、限度額の算定の基礎となります率も下げるということに相なります。
#134
○上田耕一郎君 なるべく物価を下げる運動もやらなきゃならぬと思いますけれども。
 さて、局長の答弁では、これを掛けて家賃値上げ額が定まるんだけれども、激変緩和措置をとると言われましたが、その内容はどういうものですか。
#135
○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましても、この限度額の改定を行いました場合に、極端に家賃が上昇するということは決して好ましいことじゃございませんので、激変緩和措置といたしまして、当分の間、従来の家賃より四〇%を超える場合には四〇%まで、また、額にいたしまして七千円を超える場合には七千円までとして、いずれか低い方を適用するといったようなことで限度額を運用したいと思っております。
 ただ、私どもの方のこの制度は、限度額の議論でございますので、具体的な家賃をどうするかは地方住宅供給公社において別途御判断になることでございますので、その点は一応御理解を賜って、限度額の議論としてそのような激変緩和の措置もとっておきたいというふうに考えております。
#136
○上田耕一郎君 激変緩和とおっしゃるけれども、最高が四〇%値上げ、あるいは七千円が限度と言うんで、その限度内でどのくらいにするかは各公社によると言われるけれども、もし七千円目いっぱい取るとすると、私どもはこの率で計算してみたら、どうもほとんど七千円を超えますね。いかがですか。
#137
○政府委員(豊蔵一君) 私が、これは非常に平均的な各年度の現行家賃、あるいは現行の限度額で見ました場合、四〇%でとめるというものが大半でありまして、七千円というのは、ごく最近に建設されたものがそういったところにひっかかるかなというふうに感じておりますので、そんなようなことにはならない、絶対額としてはかなり低い数字になるというふうに、これはマクロの平均的なものの計算の推計でございますから一概に言えませんが、大局的に見ましてそのようなことだと思います。
#138
○上田耕一郎君 公社住宅数が先ほど十三万戸とおっしゃったけれども、四十八年より以前、大体今度の問題が対象になる戸数は全体で何万戸ぐらいですか。
#139
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど公社住宅についての総数が約十三万戸と申し上げましたが、仮に四十八年以前のものを対象として考えたとした場合には、約十万戸程度が対象になろうかと思います。
#140
○上田耕一郎君 七千円よりは下だとおっしゃったけれども、万一七千円で計算しますと、十万戸だと十二カ月で年間約八十四億円ですか。七千円より下だとするとそれより低くなるけれども、一年間で目いっぱいで約八十四億円の負担が入居者にかかってくるということで、私はこの増収分、もしこれが成立して増収分が生まれたとしても、公社側は金融公庫に返すのは全部いままでの規定で返せるわけだから、だから公庫に返さないで、別個の浮き分がこの値上げで生まれてくるわけですな。やっぱりこういうものを、もし生まれてもそれを不均衡是正に使うということは絶対認められない。そもそも私きょうずっと述べてまいりましたように、これまでの規定で、それからまた、入居者側はこの委員会でも何回も代表が発言されたように、やみくもに反対しているんじゃない、納得のいく管理費あるいは修繕費、必要な環境整備等々については話し合いに応ずるという態度もとってきているということも述べられていましたし、今度のやり方による個別原価方式を崩すこういう家賃の値上げ方式の導入は、私どもは絶対認められないということを再度強調しておきたいと思います。
 それからもう一つ、公社側に聞きたいんですが、空き家割り増し家賃、これはやる考えがあるんですか。公団などにあるものですね。
#141
○参考人(椚座正信君) 現在のところ、そういうことは考えておりません。
#142
○上田耕一郎君 それから局長、この公団家賃値上げのときにも委員会の要望として、今回の値上げ増収分は五十四年度以降の家賃抑制財源として使用すべきでないという一項目が入りましたが、やっぱりこういう値上げを家賃抑制財源として使わないという指導をすべきだと思いますが、いかがですか。
#143
○政府委員(豊蔵一君) 公団の家賃値上げの際に、建設委員長から御要望がありました事項の中で、増収分については老朽住宅等の修繕に充て、五十四年度以降、すなわち五十三年の一斉改定でございましたから、翌年度以降の新規の供給住宅の家賃抑制の財源としては使用すべきでないという御要望がありましたことは承知しております。私どもといたしまして、公社賃貸住宅の家賃につきましてもそのような考え方は準用されるものであろうというふうに考えているところでございます。
#144
○上田耕一郎君 家賃答申の最後のところに、「公共賃貸住宅の管理主体は、定期的に既存家賃の見直しを行うこととし、」という一項目がありますが、今回この方式が入ってもし公社側が値上げをするとすると、再値上げということはどういうことになるんですか。再値上げは、また新たに五〇%以上の物価変動が生まれたとき再値上げということになるとお考えですか。
#145
○政府委員(豊蔵一君) 家賃につきましては、先ほどからもいろいろ御指摘ありましたように、今回の改正でお願いしておりますのは、建設費の償却につきましての物価変動に伴う修正ということをお願いしておるわけでございますが、一方で公租公課のこともございますし、損害保険料のこともございますし、それから一般の維持修繕費のこともございますし、そういったようなことがありますので、それぞれの公社におきましてやはり一定の必要性が出てまいりました場合に、また居住者の方々の負担も考慮しながらお考えになることかと思います。したがいまして、これにつきましては昨年の住宅宅地審議会の答申がございましたが、それを踏まえながら各公社でお考えになることだろうと思っております。
#146
○上田耕一郎君 答申は最後に、「それぞれの公共賃貸住宅の性格に応じた適切な手続きに基づく必要なルール作りを行い、家賃の変更が公正かつ円滑に行われるよう配慮する必要がある。」ということをも述べている。先ほど矢船参考人も言われましたように、東京、大阪では公社と自治協の間で協議の場がつくられている。大阪の場合には特に家賃問題に関する協定書の第三項に、公社は家賃変更に係る問題を審議するため、入居者代表を加えた常設機関を設置するということまで決められているわけです。先ほど矢船参考人が、管理費についてはやみの中だと言われましたけれども、住宅金融公庫の通牒、これは公社に出された通牒だと思いますが、昭和四十一年二月七日、家賃算定基準等の改正及び業務処理についての留意事項についてというのですが、「支所は、賃貸人が住宅の維持、管理費の収支状況の説明をするなど賃借人との間に無用な紛争を生じないよう十分指導されるとともに、」という通牒が出ているんです。管理費の中身については入居者側にほとんど説明していないのか、建設省はこの点について修繕費並びに管理費の収支状況について十分な説明が行われるようきちんと指導しているのかどうか、この点お二方にお伺いします。
#147
○政府委員(豊蔵一君) 建設省といたしましては、公庫が融資をされ、また、公庫の承認にかからしめる点がかなりの分野ありますので、公庫に対しまして施策賃貸住宅の管理が適正かつ円滑に行われるように指導いたしておりまして、また、公庫からそれぞれの各公社といろいろ御相談をいたしまして、いまのような趣旨ができるように相談をしているものというふうに思っております。
#148
○上田耕一郎君 大臣、いま東京、大阪の例で、大阪は協定書ができて常設機関もつくって話し合いをやろうというふうにしているんです。これは好ましい一つのモデルとみなしていいんじゃないかと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。
#149
○国務大臣(始関伊平君) お答えをいたします。
 大阪府公社では、家賃変更に関する問題を審議するために家賃審議会を設けることとしているのでありますが、これは同公社が地域の実情等に的確に対応するものとして定めたと聞いております。今後円滑に運用されんことを期待している次第です。
 建設省としては、住宅宅地審議会の答申をいただいているところであり、地方公社が家賃の変更を行うに当たっては、それぞれの地域の実情に即しながら適切な手続に基づく必要なルールづくりに努め、家賃変更が公正妥当かつ円滑に行われるよう十分指導してまいりたい、かように存じております。
#150
○上田耕一郎君 本当に入居者の意見をよく聞いて問題を進めることが不可欠の条件だというのは、公団家賃問題のあの大きな問題、運動からも共通の結論だったと思うんです。今回の公社関係の家賃問題についても、建設省としても公社側としてもそういう教訓を酌み取ってよく話し合いをしていただきたいと思います。
 さて、若干次の問題に移りたいんですが、公営住宅の収入基準の見直しは前から要望が非常に強いんですけれども、この見直しで大蔵、建設両省が大体合意したという報道がありましたが、どういう状況になっているか。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
#151
○政府委員(豊蔵一君) 現在の公営住宅の入居収入基準につきましては、昭和五十四年の十一月に改定したものでございますが、その後の各世帯の所得水準の動向等を踏まえまして、現在その改定の検討を行っております。関係機関とも協議を続けておりますが、なるべく早く政令改正の手続をとりたいと思っております。まだ最終的に定まっておりませんので、公表する段階には至っておりませんが、一部の報道等によりまして近く決まるんじゃないかというふうに書かれておりましたようですが、もう少し時間をちょうだいしたいと思っております。なるべく早く成案を得て施行をいたしたいと思っております。
#152
○上田耕一郎君 大蔵省の方いらっしゃっていますか。――それでは住宅公団総裁にお伺いしたいんですが、話し合いのルールづくり問題これは私も去年の五月七日の本委員会で新公団法の審議の際、公団自治協と公団との間の話し合い問題が中断されたままでいたので、私も取り上げまして、そのとき大分いろいろやりとりがありまして、裁判との関係もあって、最終的には斉藤建設大臣から、「取り持ちをやることをお約束しても結構でございます。」という御答弁をいただいたんです。いつか調査に行ったときに、バスの中で総裁にもこの点私はお話を申し上げたんですけれども、始関さんにおかわりになってこの問題の引き継ぎも受けられていると思うんですけれども、公団当局と公団自治協との話し合いについて建設大臣が中に入って実現するという点は、その後の経過はいかがでしょうか。
#153
○参考人(志村清一君) 先生お話しのとおり、従来二カ月に一回程度自治協とも懇談をしておったわけでございますが、家賃に関する民訴の提訴以来やむなく一切の懇談会を中止しておりました。この件につきましては、さきの通常国会で先生のおっしゃるとおりのいきさつがございまして、建設省の仲介で自治協の代表と六月にお会いいたしまして、その以降懇談会再開について六回ばかり話し合いをしております。私もこの話し合いとは別個でございますが、自治協の方ともお会いをいたしたこともございますが、まだ再開までには至っていないという状況でございます。
#154
○上田耕一郎君 大臣もひとつもっとこれを進めるようにしてください。
#155
○国務大臣(始関伊平君) 斉藤前建設大臣が委員会の席で、ただいま上田委員から御質疑のありましたようなお約束と申しますか言明をいたしましたことは私も承知をいたしております。それでその大臣の答弁を受けまして、昨年の六月に住宅局長が仲介いたしまして、公団自治協代表幹事らと公団担当理事とが会談をいたしたところで、懇談会の再開ということが会談の目的であったと思いますけれども、再開の条件につきまして若干の食い違いがございまして、ただいま条件整備について検討を進めておるということでございます。一日も早く懇談会の再開が図られるよう建設省としても期待いたしておるところであります。
#156
○上田耕一郎君 去年の六月から始めたわけですね。懇談を再開するための懇談を六回もやっているというのではなかなかテンポに合わぬと思んです。そうむずかしいことじゃないんで、当然居住者の代表である自治協と公団側とが話し合いの場、協議の場を設けるというきわめて簡単なことなんで、ぜひ総裁も実現のために努力していただきたいし、建設大臣も、斉藤大臣があれだけお約束になったので、始関さんも進めていただきたいと思います、四月十六日付で公団住宅自治会協議会から「公団住宅家賃の変更における民主的ルール確立のためご援助のお願い」というものも出ているわけですので、ぜひこの点を進めていただきたい。
 ところが総裁は、そういう自治協との間の懇談は六回もやってなかなかまとまらぬというのに、私的諮問機関の方ですね、これはどうも早く進みつつあるようで、「ザ・ニューキー」という新聞の五十七年四月十七日付には、公団が初の諮問機関を設置するということが書かれていまして、これが恐らくルールづくりの一環というものになるのかもしれないんですけれども、この新聞には懇談会の委員の十四名のお名前まで載っています。ところがこの名簿を拝見しても、入居者代表は入っていない、労働組合代表も政策推進労組会議のお一人ということになっているんです。これがルールづくりの一環として、私的諮問機関として設置されてお進めになるつもりなんですか。
#157
○参考人(志村清一君) 私どもといたしましては、前国会でも前総裁の澤田総裁からいろいろお話がございましたように、私どもの仕事が国民生活に非常に関連の深いことでもございますので広範囲にわたっております。さようの意味で、私どもの業務運営全般について幅広く各界の有識者の御意見を伺いたい、かように私も考えまして私的諮問機関を設置することを検討いたしておりますが、実は先生御指摘のように、ある雑誌に云々という記事が大分載っておりました。私も二十日ごろ開けたらいいなとは思っておりましたが、その後、委員の構成とか審議内容とか等々につきましてまだ固まってきておりませんので、現在検討をいたしておる段階でございます。
#158
○上田耕一郎君 来年度にも再び既設団地の再値上げが必至という報道まで出ている時期で、先ほどの公団自治協との値上げ、家賃問題についての協議の場、それからルールづくりをまず入居者との間にもきちんと確立するということをぜひ進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、行管庁が公団の縮小の問題について考えを持っているという報道もあるんですが、臨調の動向とも絡んで非常に重大問題で、国民にとっても非常に大きな、住宅問題の基本にかかわる大問題だと思うんですけれども、建設省の考え方、それから総裁の考え方を最後にただして質問を終わりたいと思います。
#159
○政府委員(豊蔵一君) 現在行政管理庁が五十六年度の行政監察の一環といたしまして、昨年来住宅・都市整備公団の事業等につきまして監察を実施しておられますが、その内容につきましては、まだ現在いろいろ事実関係につきましてそれぞれの部門で突き合わせをしておるという段階でございます。したがって、まだ行政管理庁としての御判断は伺っておりませんが、私どもといたしましては、住宅・都市整備公団の業務の中心となります勤労者の方々に対する良質な住宅の供給というものは、なおその比重非常に高いものがあるというふうに考えておりますし、巷間うわさされております中部地区あるいは九州地区におきましても、最低居住水準未満の方々の比率も結構高うございます。それらに対処いたしますためにも、公団の住宅の建設を、需要動向に応じながら的確に進める必要があるというふうに考えておりますので、そういう考え方を十分行政管理庁当局にもお話し申し上げまして、御理解をいただきたいというふうに考えております。
#160
○参考人(志村清一君) ただいま豊蔵局長からお話のあったとおりでございます。私どももいろいろな問題を抱えておりますが、これらを解決いたしまして、本来の業務である住宅の建設、宅地の開発、都市づくり、再開発といったようなことに懸命に努力をいたしたい、かように考えております。
#161
○委員長(吉田正雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#163
○委員長(吉田正雄君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、北修二君が委員を辞任され、その補欠として後藤正夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#164
○委員長(吉田正雄君) 参考人の方に申し上げます。
 本日は御多忙中のところ、委員会の審議のため御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。御礼を申し上げます。
 この際、本案の修正について松本君から発言を求められておりますので、これを許します。松本君。
#165
○松本英一君 私は、日本社会党を代表し、本案に対し修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 政府原案は、審議で明らかとなりましたとおり、勤労者の住宅金利と家賃を引き上げる内容となっており、福祉切り捨ての第二臨調をよりどころとした鈴木行革路線による国民の生活制度の改悪の一環であります。
 日本社会党は、財界主導、国民不在の行政改革に反対し、国民の参加による国民のための行政改革を推進するよう主張してまいりました。政府は、防衛費の削減、談合入札の解消、不公平税制の是正にこそ力を入れるべきであり、これらに手をつけずしてインフレ、重税、賃上げ抑制に苦しむ勤労国民に対し、いま以上の負担増をもたらすことについては許すことができません。
 政府の住宅政策は、持ち家傾斜、自助努力の強調を根幹としており、公庫の財政問題も持ち家の推進、住宅建設を景気刺激のてこにしてきた結果にほかなりません。しかも政府は、公庫金利の政令加算、公団家賃値上げ、公共住宅予算の削減など住宅行政を後退させてきています。
 日本社会党は、すべての国民に健康で文化的な住宅を保障するのは国の義務であり、国は良質低廉な公共住宅の供給に重点を置くべきであると考えます。金利や家賃の引き上げはこれに逆行し、住宅の確保と改善を国民の負担増に帰結させようとするものであり、政府の責任の放棄を意味するものであります。
 したがって、わが党は政府原案に反対し、修正案を提案する次第であります。
 次に、修正案の概要を御説明いたします。
 第一に、規模別金利制につきましては削除することとしております。本制度における住宅の規模は政令に委任されており、しかも政府は現行の百二十平米以下五・五%という条件を百十平米以下に後退させようとしています。これは、所得のより低い者の金利を引き上げる結果となるものであります。
 第二に、段階金利制の導入につきましても削除することとしております。政府は、十年後の返済金は、勤労者にとってその負担感がきわめて軽微となるとしておりますが、これは高インフレを前提とした無責任な考え方であり、住宅ローン地獄の実情を考えれば認められる措置ではありません。
 第三に、既存住宅資金の貸付金利でありますが、年五・五%以内で政令で定める率といたしました。利用者にとっては中古住宅も新設住宅も同じものであり、中古住宅取得層により資金的な助成を必要とする階層であると考えます。
 第四に、最近の住宅ローンの返済に係る事故の激発を勘案し、新たに貸付金返済猶予制度を創設することとしております。詳細は政令に委任してありますが、三年程度、償還の据え置き、償還期間の延長をおのおのの貸付利息を適用して認めてはいかがと考えます。
 第五に、家賃限度額の規定の整備については削除するとともに、関連して地方住宅供給公社法を改正することとしております。その内容は、第一に、家賃変更についての適切な手続きに基づく必要なルールづくりを行うため、賃貸住宅運営協議会を公社に置くこととしています。第二に、公社家賃及び価格の高騰にかんがみ、その抑制による入居者の住居費負担の軽減のため、出資団体である地方公共団体の公社への利子補給の規定を設けました。
 第六に、改正案中の特別損失の規定でありますが、今後このような特例的措置をとる必要がないよう、政府の公庫に対する利子補給規定を新たに公庫法に設けました。
 第七に、行革特例法についても改正し、金利の政令加算制を定めた第十七条から住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法を削除することといたしました。
 以上が修正案の提案理由及びその内容であります。なお、本修正案の実施に伴う必要な予算は、初年度約二億二千万円と見込まれます。本修正案は、国民の住生活の向上と福祉の増進に重要な意義あるものと考えますので、各委員の御理解のもとに速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
 以上です。
#166
○委員長(吉田正雄君) 以上で修正案の趣旨説明は終わりました。
 ただいまの松本君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。始関建設大臣。
#167
○国務大臣(始関伊平君) ただいま御提案のありました修正案につきましては、政府といたしまして反対であります。
#168
○委員長(吉田正雄君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#169
○片山甚市君 私は、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、政府原案反対、社会党修正案賛成の討論を行います。
 政府原案は、勤労国民の住宅資金金利と公社住宅の家賃限度額の引き上げを内容としておりますが、これは政府の健康で文化的な国民生活の維持、向上に対する責任を放棄し、国民の住宅確保に過酷な負担増をもたらそうとするものであります。
 私は、第一に、財政の効率化を求めるべきは防衛費であり、談合入札、大企業等の優遇税制である。第二に、国の、住宅政策の基本を定める住宅基本法も制定されていない段階において、いたずらに金利や家賃制度を変更することは混乱を招くものであります。第三に、家賃の変更にかかわる改正案について入居者には何ら提示がなく、話し合いも行われていず、適切な手続を欠いているところであります。
 以上の理由によりまして、政府原案には反対するものであります。
 社会党提出の修正案を実施するに必要な予算はわずかに二億円強であります。これに比較し、防衛費は二兆五千八百六十一億円、公共事業費は六兆六千五百五十四億円、大企業等の優遇税制は約二兆円といわれます。
 私には、政府が勤労国民を泣かせて二億円の節約をしようとする方針が理解できません。
 また、社会党が提唱する賃貸住宅運営協議会は、大家と入居者が家賃の変更等に際して話し合いを十分に行おうというものであります。住宅宅地審議会の答申の趣旨、借家法の精神を踏まえたものであります。
 本委料会で参考人として意見を述べた地方住宅供給公社賃貸住宅入居者の代表も、公社と入居者の日常的な話し合いの強化、入居者への資料の提示を強く求めております。また、公社の当局側の代表も話し合いについては十分行っていくと表明しております。修正案は双方の関係の円滑化にきわめて有効であると考えます。
 私は、以上の理由をもちまして修正案の成立を強く希望するものであり、全会派の御賛同を期待することを表明いたしまして、討論を終わります。
#170
○谷川寛三君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、原案に賛成、同法律案に対する日本社会党の修正案に対して反対の意を表明するものであります。
 わが国の住宅の事情は、量的には充足し、質的にも次第に改善がなされてきてはおりますが、欧米先進国に比べますと、なお立ちおくれている部門であることは否めません。また、国民の住生活及び居住環境の改善、向上に対する要望も依然として強いものがあり、今後とも国民の需要動向を見きわめつつ、良質な住宅宅地の供給を促進することはきわめて重要な政策課題であります。
 住宅金融公庫による融資制度は、発足以来、国民に対する長期低利の融資を行うことを通じて居住水準の向上に大きな実績を上げてまいりましたが、今後とも一層大きな役割りを果たすことが期待され、特に、国民の大多数が持ち家の取得を希望している状況を考えますと、公庫融資の拡充によって住宅の建設の促進を図ることは、あわせて景気対策にも寄与することにもなり、その効果はきわめて大きいと考えるのであります。
 今回の改正案の内容を見ますと、宅地造成資金融資の対象事業の拡大、簡易耐火構造住宅の範囲の拡大、土地担保賃貸住宅資金融資の要件緩和、既存住宅資金融資の改善、住宅宅地債券制度の創設等はまさに融資制度の拡充であり、また、住宅の規模別貸付制度は、六・五%金利のいわゆる中間金利を設けることにより、比較的規模の大きい住宅の取得を容易にする効果が期待でき、段階金利制度については、国民の住宅取得は初期負担の軽減が重要なポイントになっているという状況や、他方、公庫融資の多数の希望者にこたえる使命なり財政事情等を考えますと、真に必要な時期に適切な援助を行いながら融資の効率化を図ることもやむを得ないところであります。なお、十年たっても償還に困難を来すような場合は段階金利の適用に特例も設けられており、適切な措置が可能であります。
 以上のような理由により、原案に対して賛意を表するものであります。
 次に、日本社会党提出の修正案の内容である規模別金利制度及び段階金利制度の削除に関しましては、前述のように、この際妥当ではなく、貸付金返済猶予制度も現行法の適切な運用によって十分対応することができるものであります。
 また、賃貸住宅の家賃限度額の改定についての規定削除については、公社住宅等について維持、管理費等の増加や新旧家賃の著しい不均衡等の実態に対処するために必要な規定であり、これらを総合して考えますと、修正案は適切なものとは言えがたく、賛成することができません。
 以上、簡単ではありますが、原案に対して賛成、修正案に対しては反対の意を表明して討論を終わります。
#171
○原田立君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について反対の立場で討論を行うものであります。
 わが国の住宅事情は、衣食に比べて大幅に立ちおくれており、早急な対応が必要だと考えます。ところが、政府の住宅政策は景気対策のための戸数消化に主眼を置き、本来の住宅政策の最も大事な基本である質的向上への配慮や地価対策を怠ってきたためであります。首都圏におけるマンション価格の平均は、民間調査機関の調査によると二千七百万円、一戸建て住宅の平均価格においては三千九百万円と高価格を示し、勤労者の収入ではとうてい購入できない高ねの花となり、完全にマイホームを持ちたいという強い願望は単なる夢となってしまいました。住宅建設を円滑に推進するためには住宅価格の高騰の元凶である地価対策が急務であります。そのためには、国土利用計画法の的確な運用が必要だと考えます。
 国土利用計画法では、土地の投機的取引や地価高騰の著しい地域に対し規制区域の指定ができることになっております。しかし、地価は年々高騰しているにもかかわらず、国土利用計画法制定以来、投機的取引がないということを理由にして指定区域の指定はただの一度も行われておりません。この際、的確な地価抑制のためにも法改正を含め検討すべきだと思います。
 一方、本法律案では、個人住宅建設資金貸付金及び賃貸住宅資金貸付金については、貸し付け後十一年目から金利を引き上げる段階金利制の導入を計画しています。所得の伸びが必ずしも従来のように期待できない経済状況下では、十一年目からの償還額の増額は公庫利用者にとって経済的、心理的に過重な負担を強いることになり、断じて容認することはできません。
 また、戸建て中古住宅取得についても、今年度から貸付対象となった中古マンション同様、貸し付けの対象に加えるよう強く主張いたします。
 最後に、公庫貸し付けにかかわる賃貸住宅の家賃限度額に関する規定の改正で、家賃を引き上げることが容易にできるようになっております。もしこれが実施されますと、住宅によっては大幅な家賃の増額となり、居住者に過重な経済負担を強いることになります。法改正までしなくとも、現行法において維持及び管理に要する費用については増額が可能であり、規定の改正は必要ありません。この際、この条項を削除することを主張いたします。
 わが党は、以上の理由により本法律案に反対し、討論を終わります。
#172
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案政府原案に反対し、日本社会党提出の修正案に賛成の討論を行います。
 政府原案に反対する理由の第一は、段階制金利の導入が国民に大幅な負担増を押しつける大改悪にほかならないからであります。
 歴代自民党政府の進めてきた民間自力建設、持ち家建設主義という国民の自動努力に住宅建設の責任を押しつける政策手段に使われてきたものであったという制約のもとでも、昭和二十五年以来今日まで三十三年間の住宅金融公庫の歩みは、健康で文化的な住宅を必要としている勤労国民に対して、必要な資金を融資してきたという一定の積極的役割りをも果たしてまいりました。
 ところが、今回の改正案は、軍備拡張のために福祉、教育を犠牲にしようという臨調路線に基づくえせ行政改革の一環として、公庫融資についてその効率化を名目に、公庫法制定以来ともいうべき大改悪を目指そうとするものであります。
 すなわち、貸し付け後十一年目以降は七・五%の金利まで引き上げ可能となり、国民にとっては大幅な負担増となる段階制金利の導入がその最大のものであります。これまで最長三十五年という全期間に対して行われてきた政府の利子補給は当初の十年間だけに大幅に圧縮され、その分の政府の負担軽減額、すなわち国民の負担増加額は恐らく一兆数千億円の規模にも達します。これが国民の公庫離れを起こし、住宅建設の一層の落ち込み、景気の冷え込みを促進することは必至であります。
 反対理由の第二は、従来の二段階制の規模別金利を三段階制にランク分けし、若干の引き下げと抱き合わせで金利を引き上げようという規模別金利の改悪であります。勤労国民にとって比較的必要度が高く、現実に利用度の高い中規模の個人住宅の貸付金利が引き上げられるわけですから、この与える影響は大きいと言わねばなりません。第三の反対理由は、公社住宅等三十万戸を超える公庫融資にかかわる賃貸住宅の家賃について、物価変動や新旧の家賃格差などを口実とした一斉値上げの規定を盛り込んだ改悪を行ったことです。
 維持、管理費など、必要な変更規定はすでに整っており、これまでも家賃改定は行われてきたところです。本来、変動させる必要のない償却部分を値上げ可能とする今回の法改正は、昨年以来の国民大収奪、大企業本位のにせ行革を推し進めてきた第二臨調の路線と軌を一にするもので、とうてい容認できないものであります。
 しかも、家賃値上げの算定方式などの具体的な規定については、法律で定めているものでもなく、政令や省令など国会審議にかけない手続で進行させることになります。私の試算では、公社住宅約十三万戸近い賃貸住宅のうち値上げ対象約十万戸、上限を一カ月七千円のアップとすると年間約百億円近い負担増にもなります。管理費や修繕費などの赤字論も、本来、今回の法改正の理由ともなり得ないものであり、このような改悪は直ちに撤回すべきものであります。
 第四は、三カ年にわたる特別損失についての規定は、公庫法に従来なかった全く異質の規定であり、国民へのツケで財政再建なるものを強行しようとするものであります。
 以上、政府原案に反対する基本点について述べましたが、本来、金融公庫が負わなければならない任務は、不況の深まりで極端に落ち込んでいる住宅建設意欲を回復させ、国民の住宅要求を実現させていくことにあります。そのためには、住宅建設費の上昇や地価の値上がりを抑えると同時に、住宅金融の利率をより低利にして住宅建設の意欲を大いに高めるための施策を講ずべきであると考えます。
 社会党提出の修正案は、政府提出原案の改悪部分を修正し若干の改善を加えている点において、基本的に賛成できるものであります。しかし同時に、現行法に立ち戻って見直すというのであれば、より多面的に検討を加えるべきであるという考えを衆議院段階でも表明いたしました。
 こうした点について、今後なお一層日本共産党としても尽力をする決意を表明して、私の原案に反対並びに修正案に賛成の討論を終わります。
#173
○委員長(吉田正雄君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、松本君提出の修正案の採決を行います。本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(吉田正雄君) 少数と認めます。よって、松本君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(吉田正雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、坂野君から発言を求められておりますので、これを許します。坂野君。
#177
○坂野重信君 私は、ただいま可決されました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、第四期住宅建設五箇年計画の目標を達成するため、特に三大都市圏及び地方中核都市における公共賃貸住宅の供給の促進に努めるとともに、住宅政策の拡充を図るため住宅基本法の早期制定に努めること。
 二、個人住宅貸付けについては、貸付限度額の引上げを図るとともに、中古住宅の貸付対象に戸建て住宅を加える等貸付条件の改善に努めること。
 三、住宅の規模別金利に係る一一〇平方メートル及び一三五平方メートルの規模区分については、居住水準の動向、公庫利用者の実情等を勘案してその引上げに努めること。
 四、国及び地方公共団体は、公社住宅の家賃及び譲渡価格の抑制に資するための援助に努めること、また、賃貸住宅の家賃の変更については適切な手続きに基づく必要なルール作りを行い、入居者の理解が得られるよう話合いに努め、家賃の変更が公正かつ円滑に行われるとともに、入居者に過重な負担をかけることのないよう指導すること。
   なお、値上げ増収分は既存住宅の修繕、設備改善等の費用に充当し、原則として新規家賃の抑制に用いないよう指導すること。
 五、借地方式による宅地造成事業に対する貸付けを行うに当たつては、借地契約、当該権利の譲渡契約等について、統一的な契約約款例を作成する等、紛争防止のため所要の措置を講ずること。
 六、住宅ローン返済に関する事故の増加にかんがみ、その防止と返済猶予について適切な運用を図るよう指導すること。
 七、住宅金融公庫の財政の健全確保と公庫金利の長期的安定を図るため、利子補給等の財政援助について特に配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#178
○委員長(吉田正雄君) ただいま坂野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(吉田正雄君) 全会一致と認めます。よって、坂野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、始関建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。始関建設大臣。
#180
○国務大臣(始関伊平君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
#181
○委員長(吉田正雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(吉田正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#183
○委員長(吉田正雄君) 次に、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。始関建設大臣。
#184
○国務大臣(始関伊平君) ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、現行の治山治水緊急措置法に基づき、昭和五十二年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定し、これにより治山治水事業の計画的な実施を進めてまいりました。
 現行の五カ年計画は、昭和五十六年度をもって終了いたしますが、一方、国土の利用、開発の著しい進展に伴い、山地及び河川流域においてしばしば激甚な災害が発生するとともに、各種用水の不足は依然深刻であり、治山治水事業を一層強力に推進する必要が生じております。
 このような情勢に対処するためには、現行の五カ年計画に引き続き昭和五十七年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することにより、これらの事業を緊急かつ計画的に実施して国土の保全と開発を図る必要があります。
 以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一に、ただいま申し上げましたとおり、現行の五カ年計画に引き続き昭和五十七年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することといたしました。
 第二に、新たに治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画が策定されることに伴い、国有林野事業特別会計法及び治水特別会計法の所要の改正をすることといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#185
○委員長(吉田正雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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