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#1
第096回国会 逓信委員会 第6号
昭和五十七年四月十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     宮本 顕治君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     宮本 顕治君     山中 郁子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         勝又 武一君
    理 事
                長田 裕二君
                長谷川 信君
                前田 勲男君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                成相 善十君
                西村 尚治君
                片山 甚市君
                福間 知之君
                太田 淳夫君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  箕輪  登君
   政府委員
       郵政大臣官房長  澤田 茂生君
       郵政大臣官房経
       理部長      奥山 雄材君
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   説明員
       大蔵省理財局資
       金第一課長    安原  正君
       郵政大臣官房首
       席監察官     永岡 茂治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。箕輪郵政大臣。
#3
○国務大臣(箕輪登君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便貯金の預金者貸し付けの限度額を引き上げることを内容とするものであります。
 郵便貯金の預金者貸し付けは、預金者の生活上の必要を満たすため、定額郵便貯金等の預金者に対してその貯金を担保として貸し付けを行うものでありまして、その限度額は、現在一人につき七十万円でありますが、預金者の利益の増進を図るため、これを百万円に引き上げようとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日といたしております。
 以上、この法律案の提案理由について御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(勝又武一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○福間知之君 郵便貯金の預金者貸付制度というのは昭和四十八年に創設されたものでございますが、当時、郵便局が庶民金融に乗り出すということについて貯蓄機関としての性格を逸脱するのじゃないかということで、民間金融機関などが猛烈な反対運動を展開した経緯がございます。そして、かなり大きく政治問題としてクローズアップしまして、国民の注目を浴びたことは記憶に新しいところでございます。私は、預金を担保に一定限度内の貸し付けを行うということは、いわゆる民間金融機関における一般的な金融というものではなくて、貯蓄をされている方々、国民の方々に対するサービスという仕事の範疇に属するものではないか、そういうふうに思います。貯蓄機関として、したがって当然この程度のことは行うべきものであって決して不都合ではない、そういうふうに考えるわけでございますが、冒頭に、まず預金者の貸付制度というものについての基本的な考え方、その貸付制度というものの性格、これについて当局の見解を明確にしていただきたいと思います。
#6
○政府委員(鴨光一郎君) お答えいたします。
 郵便貯金の、ただいま御審議をいただきます預金者貸付制度でございますが、御指摘のように、また現在郵便貯金法に規定をされておりますように、日常生活での資金ということで不時の出費が利用者の方々にございます場合に、その預金者の方の持っておられます郵便貯金そのものを担保といたしまして、小口、低利かつ短期の貸し付けを行うということで利便をお図りをするということ、そのことによりまして、本来でございますと郵便貯金を解約していただくというところを一時的なつなぎをいたしまして、本来の、もとになりました郵便貯金の継続的な利用をしていただくという趣旨のものでございまして、このことが国民の健全な資産づくりあるいはひいて貯蓄心の高揚に資するものであるというふうに考えております。
 ただいま申し上げましたようなことでございまして、この制度はいわば貯蓄の一環をなすものである、つまり貯蓄を解約、払い戻しされるということのつなぎといたしまして、一時的な日常生活資金を郵便貯金を担保にしてお貸しをするということでございますので、新たな信用を創造するいわゆる金融とは性質を異にしているものであるというふうに私ども考えているところでございます。
#7
○福間知之君 そういう小口で、低利で、しかもそう長い期間じゃないという意味においては大変常識的だと思いまするし、いわば貯蓄の延長線上の範疇のものだという意味で理解をしたいと思います。しかし、創設された当初、国民的な理解が十分でなかったかして必ずしも予想したほどに利用が広がらなかった。それは貸付限度額がやや控え目であるということにも起因するのかもしれませんけれども、その後この貸し付けの状況というものはどういう推移をたどって今日に至っているか、簡潔で結構ですが、わかりやすく御説明願いたいと思います。
#8
○政府委員(鴨光一郎君) 預金者貸し付けでございますが、昭和四十八年の一月から取り扱いを開始させていただきました。当時は貸付限度額十万円ということでございまして、その当時の利用状況でございますが、貸付件数、初年度と申しますか、年度で申しますと四十七年度に当たります。これは実際問題、四十八年の一月から三月までの三月間でございますが、七十四万件でございました。平年度になりました翌四十八年度の利用件数が約三百二十万件ということで、以後、年々の平均で申しますと約七%の伸びが続きまして、五十五年度におきましては約五百十万件ということになっております。なお、五十六年度の数字でございますが、現在、件数的に把握をいたしておりますのは五十七年の一月末の数字でございますが約五百万件、一月までで五百万件でございますので、年度間で申しますと、前年度の約五百十万件はかなりオーバーをするのではないかというふうに考えております。
 それから貸し付けの金額の方で申し上げますと、先ほど申しました四十七年度の三カ月分、これが三百七十一億円でございます。翌四十八年度の金額が千五百四十億円、件数の方は年々七%と先ほど申し上げましたが、金額の方は年々平均にいたしまして二七%の伸びに相なっております。それで途中を飛ばしますが、五十五年度におきましては約七千六百億円という数字でございまして、五十六年度は先ほど件数で申しました一月末現在の数字で約七千二百億円ということになっております。
 なお、この貸し付けをいたしましたお金は年度の途中におきましても償還していただいておりますので、実際のお貸し付けしているものの現在高は五十七年の一月末現在で約三千二百億円ということに相なっております。
#9
○福間知之君 いまの御説明によりますと、ここ五十五年度ぐらいからあるいは五十六年度ぐらいからかなり伸びているように思うわけですけれども、それは五十五年度から貸付期間を従来の六カ月から一年に延長されたり、弁済を一括から分割弁済方式、そういうものを取り入れられたということがその一つの伸びた要因として考えられるわけですか。
#10
○政府委員(鴨光一郎君) 先生御指摘のように、貸付期間それから返済方法でございますが、五十五年の四月に、それまでの貸付期間六カ月というのを、これは政令上の措置でございますが、一年に延長をいたしてございます。それから返済方法、これは省令でございますが、同じく五十五年の四月一日から、従来の一括返済ということから二回に分けて弁済をしていただいてもよろしい、こういうことでそれぞれ改善を図ったところでございます。
 その結果と申しますか、これは五十五年度以降の利用ということになりますけれども、利用といたしまして、確かにそのことに伴うもの、あるいは一般的な経済情勢、あるいは家計の状況といったものもあろうかと思いますが、数字的に申し上げまして、大幅に利用の数字が伸びているという事実がございます。それからもう一つの側面から申しましても、貸付期間内に弁済がないというものも中にあるわけでございますが、この数字につきましても、この貸付期間の延長、それから分割弁済をとるようにいたしました五十五年度におきましては、改善いたします前の状態から見まして、その件数が三分の一というふうに減っております。弁済がないという状態が、やはり期間が延びた、回数がふえたということで減ってきたのではないかというふうに見られるわけでございまして、これもまた、ただいま申しました弁済方法の改善に伴う影響であろうかというふうに私ども受けとめております。
#11
○福間知之君 この郵政省の資料の中で「預金者貸付けの弁済状況」という五十四年と五十五年の比較表が出ていまして、一般弁済件数が圧倒的に多いことは言うまでもないんですが、この法定弁済件数というやつですね、これはどういう内容のものかということが一つと、それから五十四年と五十五年を比べますと、五十五年は五十四年に対して三分の一に法定弁済件数が減っていますね。これは、いま申されたように期間が延びたとか返済回数がふえたとかいうふうなことによるものですか。
#12
○政府委員(鴨光一郎君) 御指摘の資料でございますが、それは預金者貸し付けの弁済状況を御説明するための資料でございまして、五十四年度の弁済件数が四百六十万件ほどございます。五十五年度におきましては四百三十二万件ほどあるわけでございますが、そのそれぞれにつきまして、一般弁済と申しますものが五十四年度は四百三十万件、法定弁済が約三十一万件ございまして、この法定弁済と申しますのは、先ほど申しました貸付期間内に弁済がございません場合に、この貸し付けの対象になっておりますものが定額貯金であるとかあるいは積立貯金であるとかいうものでございますが、法律上、この期間内の弁済がございません場合には、その契約を改めていただきまして、いわゆる通常貯金という形にする中でその期間内の弁済を法律上させていただくという形のものが、これがまた先生の御質問のお答えでございますが、法定弁済と称しております。
 それで、いま申しました数字で申しますと、五十四年の件数が総弁済の件数の約四百六十万件のうち約三十一万件ほどでございまして、率にしまして六・六%ということに相なっておるわけでございます。これに対しまして、先ほど申しました五十五年度の約四百三十二万件のうち、一般弁済が四百二十二万件ほど、そして法定弁済が九万五千件、これを五十五年度の法定弁済の割合で申しますと二・二%、総弁済件数が五十四、五十五、若干程度ではございますが違っておりますけれどもほほ同じという中で、片方は約三十一万件、片方が九万五千件ということで、絶対数の上におきましても、それからパーセンテージの上におきましても約三分の一になっているということでございまして、これが先ほど申しました弁済方法の改善に伴う効果であろうというふうに分析をいたしているものでございます。
#13
○福間知之君 これは後ほど申し上げる貸付限度の引き上げとの関連で考えた場合に、五十五年度は弁済件数減っていますね。先ほど局長のお話では五十五年度の貸付高が七千六百億と申されましたか、実質三千二百億円ぐらいだということでございますが、仮に貸付高七千六百億円の二・二%ですと大したことありませんね、百六十億円くらいですか、そういうことだと思うんですが。貸付限度額を仮に引き上げていく、そして利用状況がふえるということになると、必ずしも五十四年度の法定弁済件数六・六%が翌年度に二・二%、三分の一に減ったということで今後も減り続けるということはどうもなさそうですね。多少これは法定弁済件数ふえていく、定期積立貯金とか定額貯金とか、そういうものを通常預金に切りかえなきゃならぬというふうな件数はふえていく、こういう危険があると思うんですけどね。
#14
○政府委員(鴨光一郎君) いまの御質問にお答えする前に、先ほど私ちょっと勘違いをいたしまして、法定弁済をいたしましたときに通常貯金になると申し上げましたのは、大変失礼いたしましたが、これは法定弁済の対象になりました定額貯金なり積立貯金なりを解約いたしまして、その貸付額と利子分を差し引いて弁済に充てていただいた残りを預金者の方にお支払いをするということでございます。大変申しわけございません。訂正をさせていただきます。
 なお、御質問のございましたこの件数でございますが、利用状況そのものとして、先ほど申しました貸付高あるいは貸付件数、いずれも年々増加をしてきております。そういった中で弁済方法の改善ということがございまして、いわゆる一般的に弁済をしていただくという形の弁済がふえてくるであろうということが申せますと同時に、返しやすくなったという意味におきましても、逆に貸し付けを比較的気軽にやっていただくという意味での貸し付けがふえていくであろうというふうに考えております。
#15
○福間知之君 いずれにしても、法定弁済などということをふやさないようにすることがまず肝要だと思います。一般民間の金融機関の場合はかなり厳しくこの点やっているようでございますので、いまこの統計に出ている程度の低い法定弁済適用ということで何としても抑えていかないと、これがウエートが高くなってきますと郵政省の貯金貸付事業としてはやっぱり民間のそれとは違って格段にまた社会的にも問題が出てくると思いますので、御留意を願いたいと思います。
 それから今回いよいよ貸付限度額を七十万円から三十万円アップの百万円を目指す、こういうことでございますが、この百万円というのはどういう根拠で設定をされた金額ですか。
#16
○政府委員(鴨光一郎君) いま御審議をお願いしております貸付限度額の引き上げは百万円にお願いをしているわけでございますが、その引き上げをいたそうとしております理由でございますが、一つは、利用者である国民の皆様方が引き上げを強く要望しておられるということがございます。調査によりますと、現行の限度額を引き上げてほしいという御希望がその調査の対象者の半数に達しているという状況にございます。
 それから利用される目的、日常の資金ということでございますが、現在の経済社会の状況からいたしまして、結婚の資金あるいは教育の資金といったことでゆうゆうローンを利用されます場合、そのほかにもいろいろな目的はもちろんあるわけでございますが、そういった目的から見ましても百万円ぐらいは必要なのではないかということがお貸しをする立場から考えられます。
 それから同時に、いまの先生御指摘の弁済との関係でございますが、それからまたこの制度の趣旨ということとも関連をいたしますけれども、返済ということを考えました場合に、これは額が大きくなりますと返済がだんだんむずかしくなってくるということになるわけでございます。ただ、現在の社会経済の状況からいたしますと、たとえばサラリーマン一般のボーナスの支給額というふうなものを一つのめどとして考えました場合に、一年間二回に分けてというふうな条件の中で、しかもそれなりの貯金をしていただいているという状況から考えますと、百万円ということであるならばそう御無理なく返済をしていただけるのではないだろうかということがもう一つございます。
 それからもう一つは、民間の同種のローンの、いわゆる同種と申しますのは預金者のいわゆる預金を担保にした預担貸しと称しておりますが、その種のローンの限度額も百万円になっている、こういったような事情を勘案いたしまして百万円に引き上げたいというふうに考えているところでございます。
#17
○福間知之君 いろいろいま考え方の御説明がありましたけれども、民間金融機関の総合口座における預担貸し、これが百万円ということが主な当面の目標設定の一つの指標であり、あるいはまた限界というふうにお考えかと思うんですけれども、これはまた後ほど民間金融機関の貸し付けともあわせて質問なり見解を申し述べたいと思います。そういう考えで百万円ということについてはほぼ妥当な考えじゃないか、こういうふうに当面は思っております。
 次に、この貸付制度を創設された当時の郵政省の御説明によりますと、預金者貸付制度というものは貯金の払い戻しにかえての一時的な貸し付けだ。先ほどの御説明でも、預金を払い戻して貸し付けるのじゃなくて担保にして貸し付けるということで、ある意味では、私流に言えば、預金を引き続き行っていただきながら、その延長線上で不時の出費に対応するきわめて低い限度で貸付制度を行う、こういうふうに理解をしています。そこで、財政投融資計画の原資にはいささかもその程度の貸し付けは影響を及ぼさない、そういうふうにずっと当局としてはおっしゃってまいりましたけれども、現在でもその見解には変更はございませんか。
#18
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほどからお答えいたしておりますように、このゆうゆうローンと申しますものは、本来ですと郵便貯金の払い戻しをされて日常生活の資金に使われるというケースで、一時的なものでありました場合にはそのつなぎ資金的に融通を申し上げるという制度でございます。預金者の預金を担保にいたしておるものでございまして、したがいまして、これに要する貸付資金というのはもともと資金運用部に預託されずに、従来ですと、この制度がなければ払い戻されていたであろう資金の一部が貸し付けに充てられているというものでございます。そういう意味におきまして、この制度によって財政投融資計画の原資に影響を及ぼすことには征らないというふうに考えているところでございます。
#19
○福間知之君 そうしますと、この制度が創設されましてまだ十年に満ちておりませんけれども、しかし、この間、限度額を五回も引き上げてきていますね。先ほどのお話のように、当初十万円未満という十万円水準から出発をしまして現在七十万円になっているわけですけれども、五回ばかり限度額引き上げの法改正が行われてきた、こういうふうに承知をしておりますけれども、貸し付けの金額が多少ふえてきた、あるいはまた利用の幅が拡大した、しかしその結果として特段に財投の原資に悪影響を及ぼしてきていない、こういうふうに理解されるわけですね。そうしますと、ここらで預金者一人についての貸付限度額というものの制度をやめちゃったらどうか、それで担保とする貯金の九割ぐらいまで貸し付ける、そういう考え方をとってもいいんじゃないか、こういうふうにも考えられるわけです。この点はどのようにお考えですか。
#20
○政府委員(鴨光一郎君) 確かに預金を担保といたします貸し付けということでございますので、先生御指摘のような考え方も一つの考え方といたしまして当然あり得るわけではございます。ただ、この制度創設の趣旨からいたしまして、またその結果としての現在ございます貯金法の規定からいたしますと、やはり預金者の生活上の必要を満たすというポイントがございまして、小口あるいは低利、短期といった意味での日常の生活費金を貸し付けるという趣旨がございますので、一つの考え方ということではございますけれども、その点についてはなお慎重に考究をする必要があるのではないだろうかというふうに私ども受けとめているところでございます。
 なお、預金者貸付制度の改善ということにつきましては、ただいまはこの百万円の引き上げということでお願いをいたしておりますけれども、当然、今後の利用状況あるいは利用者の方々の御要望といったことには十分関心を払いながら、利用者の方々の利便にかなったものにしていこうということにつきましては十分関心を払い努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#21
○福間知之君 民間の金融機関における預金を担保とする貸し付けというのは一体どういうふうな条件で行われているのか、私素人で詳しくわかりませんけれども、わかりやすくひとつ御説明いただきたいと思います。
#22
○政府委員(鴨光一郎君) 民間金融のいわゆる預金担保貸し付けの貸付条件でございますが、貸し付けの限度額、これは総合口座の場合、総合口座と申しますのは民間でございますと普通預金と定期預金を組み合わせた形のものでございますが、その総合口座の場合におきましては、担保といたします定期預金の額面金額の九〇%、この九〇%というのは郵便貯金の場合と同じでございまして、また金額も百万円までというふうにされております。ただし、総合口座以外のものにつきましては額面金額までというふうにされているというふうに承知をいたしております。
 それから貸し付けの期間でございますが、これは担保とする定期預金の満期までということになっておりまして、その満期は、民間の場合、区分といたしまして、三カ月、六カ月、それから一年、二年、三年、こういう区切りのそれぞれ期間がございます。それぞれに対応する期間の貸し付けということになっております。
 それから貸し付けの利率でございますが、これは郵便貯金につきましてはまだお答えをしてございませんが、〇・二五%ということでございますが、民間の場合もそれぞれ担保といたします預金の利率に経費率ということで〇・二五%を加えたものということになっております。ただ、先ほど申しました分類の中での三カ月定期につきましては、この上乗せをいたします経費率として〇・二五ではなくて〇・七五を適用されているというふうに承知をいたしております。
 以上のようなことでございまして、預金担保貸し付けの貸付条件につきましては、郵便貯金と民間金融機関とはおおむね同様のものになっているというふうにわれわれ考えているわけでございますが、なお、民間のいま申しましたような条件は私どもそれなりに把握をいたしているところでございますが、預金担保貸し付けの利用状況そのものにつきましては、公表された資料がございませんので、私どもつまびらかにいたしておりません。
#23
○福間知之君 民間の総合口座による貸し付け、これは金額で百万円、限度比率で九〇%、こういうお話ですね。大体、郵便貯金の貸し付けとそれは見合っているわけですね。ところが、民間の金融機関は個人対象の貸付業務というのは主たる業務じゃないんですね。法人、企業、団体等に貸し付けるということが民間金融機関の主たる業務ですね。それは業務の採算からいっても、小口の貸し付けを数多くやるよりは中規模、大規模の貸し付けを数少なくやる方が効率的ですからね。したがって、民間金融機関における個人貸し付けというのは、まだ今日の状況でも国民の期待に十分沿うところまでいっていない。逆に言えば、私は、郵便貯金はこういう法人、企業、団体等に貸し付けるということよりも個人に対する貸し付けというものに力を入れていい性格の事業だ、そういうふうにも思うわけです。そういう点では、必ずしも銀行の総合口座に視点を合わせることもないんじゃないか、そういうふうにも考えるわけでございまして、当面この七十万を百万にするということは一応是と考えますけれども、いま申し上げたような民間金融機関と郵政省の預金貸付制度というものとの性格の違いを考えまして、また国民の期待を考えてみますと、もう少し金額の引き上げ等について思い切った制度として展開をしたらいかがなものか、そのことがかえって国民の期待にも沿うし、また郵政省の貸付制度としてもより中身の濃いものになっていくのじゃないか、そういうふうに思うんですけれども、これは郵政大臣の御決意を含めて、ひとつお聞きをしたいと思います。
#24
○国務大臣(箕輪登君) 福間先生御指摘のとおり、確かに私も先生の御指摘は理解ができるわけであります。そういう御意見を踏まえながら、今後の利用者の利用状況あるいは利用者の要望等を慎重に注意を払いながら検討さしていただきたい。
 一つ、つけ加えて申し上げますと、先ほどから先生並びに政府委員からの答弁の中にしばしば出てくるように、この制度の趣旨だとかあるいは法律の趣旨から申しまして、小口である、低利である、そして短期に返してもらうのだというような日常生活の一時的な資金であるというようなことから考えてみますというと、そういうことも含めながら、よく利用者の要望、そういう動向を考えて検討さしていただきたい、こう考えます。
#25
○福間知之君 鴨局長ね、局長も先ほどおっしゃったし、いままた大臣もおっしゃったんだけれども、小口だ、あるいはまた低利だ、短期だという面からすると、おのずから客観的にも一つの貸付限度額というようなものについても一定の限界というものがあります。しかし、マル優の枠も三百万円ということでおのずから限界が設定されているということを考えれば、今回仮に百万円に引き上げたとしても、まだ三百万円まで二百万円この落差があるんですよね。私の視点はそういうところに一つあるんですけれども、そこらは、今回の法改正は別にして、これ以降やはりさらに引き上げというものを考慮をしたい、こういうお考えなのかどうか、最後にお聞きしておきたい。
#26
○政府委員(鴨光一郎君) 大臣からもお話ございましたように、ゆうゆうローンの性格というものが法律制定の趣旨からもあるわけでございます。仮に額の制限なしに九〇%ということにいたしました場合に、現在の御指摘のような預金の限度額ということからいたしますと、貸付額が九〇%といたしまして最高の貸付額が二百七十万円というふうなことに相なるわけでございますが、そうなりますと返済というふうなことからも必ずしも容易ではなくなる。そうなりますと、また一時的な日常の生活資金の払い戻しにかえてのいわばお立てかえというふうな点からもどうかなという面があるわけでございますが、先ほど冒頭の御質問でもお答えをいたしましたような当然利用者の方々からの御要望といったこと、あるいは経済社会全般の動向といったことからする、利用目的からする必要金額といったもの、私ども、実は五十七年度には実現を見るに至りませんでしたけれども、本体の方のいわゆる郵貯の限度額引き上げもかねてから実現を強く希望いたしているものでもございます。
 御指摘のような限度額の引き上げというふうな事態も含めまして、経済社会の状況あるいは利用者の方々の御要望といったものがいろいろ変化をしてまいります場合には、私ども当然そういった情勢の推移あるいは御要望の内容といったものを十分受けとめながら、そういった利用者の方々の利便にできるだけ沿うような、御期待に沿うような改善をしていきたいということで常に関心は怠らないつもりでございます。
#27
○福間知之君 今回は百万に引き上げるという改正案でございますので、いま申されたことも、また私が申し上げたことも今後改めて当委員会でも審査をする機会があろうと思いますので、その間の一般金融機関の動向あるいはまた国民生活の状況の変化などを考慮して考えるべき時期が来るだろうと思いますので、その程度にとどめておきたいと思います。
 次に、郵貯資金の自主運用の問題でございまして、かねがねこれも少なからず重大な問題として当委員会でも口の端に上してきたところでございますが、政府の公的な資金として他の政府資金とともに大蔵省の資金運用部で一元的にこの郵貯資金は運用をされてきております。しかしながら、郵貯資金は利用者が数ある貯蓄機関の中から郵政省・郵便局を選択して任意に預けた貯金であり、その集積であります。そういう面から銀行預金などと特段に変わらないものであると考えるわけであります。任意に特定の銀行あるいは郵政省の郵便貯金というものを選定したということだと思うのであります。したがって、この郵貯資金の性格について、まず郵政当局並びに大蔵当局から御見解を承っておきたいと思います。
#28
○政府委員(鴨光一郎君) 先生御指摘のように、郵便貯金というのは任意に行われた貯蓄であるということはそのとおりでございます。それと、全国津々浦々にございます郵便局におきまして、国民の皆様が健全な資産形成を目的として蓄積をされた貯蓄であるという性格がございます。当然、社会保険料というふうなことで法律に基づいて行われる掛金でもございません。また、税金のように強制的に国が徴収したものとも異なっているわけでございます。こういう性格を有します資金でございますので、われわれといたしましても、お預かりをした立場からまた御利用者の皆様の御要望という点を考えますと、この資金というものは確実で、かつ、できるだけ有利に運用する、そのことで預金者のニーズにも、このニーズが非常に多様化してきておりますので、この多様化したニーズにもおこたえすることができる。それからまた、全国的に集められた貯蓄であるという点からいたしますと、地方への資金還元といったことにも配慮をすることが必要であろう。同時にまた、郵政省といたしましても、いろいろ経営責任というふうなことが外部からも言われている点にかんがみまして、みずからの経営責任を明確にするという点からいたしましても自主運用というふうなこともわれわれの念願といたしているということを申し添えさせていただきたいと思います。
#29
○説明員(安原正君) 郵便貯金の性格でございますが、郵政省御当局からもお話がございましたように、郵便貯金が全国のあらゆる階層から集められる資金である、国民の一つの貯蓄手段であるということはそのとおりであろうかと思います。そういう貯蓄という観点から見ました場合に、銀行預金と変わらないものであるということは言えようかと思います。ただ、郵便貯金の制度は国の制度でございまして、それから国の信用をベースにしたものでございます。そういう意味で国の信用、制度を通じて集められる資金という性格をまた一面持っておるわけでございまして、したがってそういう国の資金である以上は公共性に配慮して運用していかなければならない、そのことが望ましいということであろうかと思います。そういう意味で公共性の増進に寄与するような形で他の資金とすべて一元化いたしまして、全体の政策の重要性に即しまして、あるいは財政金融政策との整合性も図りながら運営をしていくというのが望ましいわけでございまして、そういう見地に立ちまして、現在そういう運用が行われておるということであろうかと考えております。
#30
○福間知之君 財政投融資をめぐる物の考え方、これはまた別にいたしますけれども、私は第二の予算と童言われている財政投融資、資金運用部資金、これについては時代の変化というものをもっと考えていかなきゃならぬ、こういうふうな観点に立って考えておりますけれども、それは後の問題に譲るといたしまして、郵政省当局にお聞きしますけれども、郵便貯金法第二条におきましては、「郵便貯金は、国の行う事業であって、郵政大臣が、これを管理する。」と定められておるわけであります。また、郵政事業特別会計法第一条におきましては、「郵政事業を企業的に経営し、」云々と記載されております。したがって、郵政省は郵貯事業を企業的に運営する経営責任というものを持っている、こういうふうにも思うわけですね。
 郵便貯金あるいは貸付事業というものを行う上で企業的にやっていかなきゃならぬということになると、企業の経営というものにはおのずから運営責任者に責任があるのは当然であります。しかも、一般の企業、これは製造であろうと販売であろうと、これは非常に多面的な企業活動というものがそこには認められておるわけですね。しかし、それに比べれば、郵貯事業というものは貸し付けをして多少利息をちょうだいする、一方において郵便貯金をしていただいて貯金金利をお支払いする、そういう範疇ですね、大まかに言いますと。一般の企業は新しい製品をどんどん自主的につくって販売をする、あるいはまた余裕資金でもって自由に効率的な運用を図る、こういうスタイルとはおよそ違うわけですね。
 したがって、企業的運営あるいは企業的運営上の責任を果たすということは、言葉をかえれば集まったお金をより効率的に運用をするという一点に私は尽きると思うんですよ。また、その効率的運営が効果を上げ得ない限りは、この預金者貸付制度などというものの中身を豊かにするとか、国民のニーズによりおこたえするような商品として提供していくとか、そういうことには大幅に制約を受けるわけですよ。だから、先ほど申した貯金法だとかあるいはまた郵政事業特会法だとかに明記されている基本的な考え方は、いま言った資金の運用をいかに効率化するかということに収歛されてくると思うんですね。そういう点で、現在のこの大蔵省における一元的な運営ということは、言うならば資金運用部への預託利率のさじかげん一つで郵貯事業の収支状況が大きく左右されてしまう、郵政大臣の責任において管理をするというふうな法律の精神からはこれは外れている、こういうふうにも考えられるわけでありまして、それで果たして責任ある企業的運営ができるのかどうか。郵政省としては、どうお考えですか。
 また、大蔵省は、その点、先ほどのお話のように、国の信用なり国の資金としてこの事業を行っているんだから当然公共性を第一義としなきゃならぬ、こういうふうな御説明もありましたけれども、その御説明に関する限り私は否定しませんが、だけど、それの具体的な点になりますと、じゃ一元的資金の運用が公共的であって、郵政大臣の管理のもとにやや郵政省の恣意をもって運営することが非公共的だ、こういうふうにはとても私は考えられないのでございますけれども、その点を含めて、これは大蔵省から御見解を伺いたいと思います。
#31
○政府委員(鴨光一郎君) いろいろ御指摘を受けまして、いささか答弁が長くなるかもしれません。
 まず、郵政事業特別会計法の規定でございますが、ここの第一条では、先生お話しございましたように、「郵政事業を企業的に経営し、その健全な発達に資するため、特別会計を設置」する、これは郵政事業特別会計法でございます。それから郵便貯金事業につきましては、郵便貯金法の第二条で、「郵便貯金は、国の行う事業であって、郵政大臣が、これを管理する。」とあるのは御指摘のとおりでございます。それから一方、郵便貯金特別会計法、これは法律の第一条でございますが、「郵便貯金の事業の健全な経営に資し、その経理を明確にするため、特別会計を設置する。」、これは郵便貯金特別会計のことでございますが、そういう規定になっておりまして、この郵便貯金特別会計法につきましては表現的には必ずしも企業的経営というふうにはうたわれていないわけでございますが、事業運営に携わるものといたしましては、当然企業的かつ効率的な運営に努力するということでございます。
 一つの例でございますが、経費率につきましても、私どもの経営努力ということで年々低下をしてきておりまして、民間金融機関と比べまして、ダイレクトな比較が適当かどうかは別といたしましても、低いものであることには間違いがございません。
 それから収入の面でございますが、現在のところは資金運用部への預託が法律的に定められておりまして、その場合の預託利率は、大蔵大臣の方で財投金利ということで政策的要請を考慮して非常に低くなっているのが常でございます。その結果、事業運営上の収入の大部分を占めます預託収入というものが、金利的に申しましても、国の借金でございます国債などの金利と比べまして、あるいは一般的な他の政府保証債なども含めます長期金利に比べましても常に低い実態になっているということでございまして、そういう意味では、私どもといたしましては経済社会の中での金利の自由化といったことからも経営責任がより明確になるような観点から制度の改善を図って自由化に対応していく必要があるであろうというふうに考えているところでございます。
 また、自主運用という点での基本的な考え方でございますけれども、資金をお預かりをしたものが運用するというのは金融界ではいわば常識的なことでもございます。同時にまた、われわれ外務職員あるいは一般の職員も含めまして、窓口の職員等も含めまして、皆様方からお金をお預かりする、お勧めをする努力もいたしておるわけでございます。したがいまして、直接に貯蓄をされる方々のお気持ちというものも、それからまたわれわれの苦労といった面でも、いわば肌でそういった状況というものを知っているということが申せるわけでございまして、そのお預かりをした立場、それから皆様方の貴重な財産である、資産であるという点からも、当然のこと、先ほども申しました経営責任ということからも、私どもが直接運用することがよりふさわしい運用になるというふうに確信をいたしているところでございます。
 それから先ほども触れました預託利率との関係でございますが、郵便貯金特別会計は独立採算ということでございますが、この収入は資金運用部からの預託金利子収入をメーンにいたしております。そして、その収入で預金者の方々にお支払いする利子とわれわれの業務の取り扱いに必要な経費を賄うという仕組みになっておるわけでございます。いまのような仕組みの中で申しますと、この郵便貯金特別会計の収支と申しますものは、いま申しました預託利率と貯金利率との利差、それと郵便貯金の増加状況といったものに左右されるわけでございます。
 もとより、この郵便貯金事業というのは、民間の企業と異なりまして利益を出すということを目的にはいたしておりません。したがって、収支そのものにつきましては長期的に相償する、相償うということになるように努めているわけでございますが、お金の面で申しますと、貯金の金利が、これは貯金法にもございますが、民間の預貯金金利に配意して決められる。一方で、この収入に対応いたします預託利率は、先ほどから申し上げておりますように国債等の長期金利に比較しても常に低い。たとえて申しますと、国の借金でございます国債等の利率と、応募者利回りと申しますか、これと私どもの資金運用部への預託をしております利率との差が常にあるわけでございます。これを私どもが預託利率のかわりに国債等の利回りを適用いたしますと、五十五年度の数字で申し上げましても約二千四百億円ほどの増加が試算できるわけでございまして、言うならばそれだけのものを国の財政に寄与している、もっと言わせていただけば納付金をそれだけ納めているという形にもなるわけでございまして、私どもといたしましては、そういったことで集めたもの、お預かりをいたしましたものとしてみずからの運用をする。もちろん、そのことのためには、先ほどお話のございました公共的な資金であるということには当然配意をするということが必要でございますけれども、そういうことにも配意をしながら、みずからの経営責任をも明確にするという観点から自主運用の要求をしているということでございます。
#32
○説明員(安原正君) 郵便貯金の事業が企業的に運用されなければならないという御指摘がございました。確かにそういう一面はあろうかと思いますが、郵便貯金は重要な金融制度の一翼を担っておるわけでございます。預金残高で申しまして三〇%にもなる大きなシェアを占めておるわけでございまして、郵便貯金制度が全体の金融秩序に合った形で運用されなければならないということも重要かと存じます。
 それから先ほども触れましたように、国の信用、制度を通じて集められるというものでございますので、国の資金として公共目的に沿った形での運用が必要である、そういうことで統合運用が最も望ましいということで現にそのような運用をやっておるわけでございます。ただ、それでは公共性だけが強調されるのかということでございますが、その点につきましては資金運用部資金法の第一条に目的が定められておりまして、「その資金を確実且つ有利な方法で運用することにより、公共の利益の増進に寄与せしめることを目的とする。」ということで、公共の利益の増進と、あわせてできるだけ有利な運用を行う、この二つの要請を調和させて運用するようにということが法律上要請されておるわけでございます。私どもは、いま申しましたような基本的な考え方に立ちまして、いま御指摘の金利の問題にも対処しているわけでございます。
 資金運用部の預託利率の決め方でございますが、全体の各種の金利の体系がございますが、その体系の中で、一方で預託者の利益にも配慮しながら、他方でそういう公共目的のための融資をやっていかなければならないという政策金融上の要請というものの調和を図るという見地で定めておるものでございます。金融情勢、金利動向、全体の動向の中で決められますので、絶えず必要に応じて変動することになるわけでございますが、具体的に現時点におきます。その預託利率、これは七・三%と決まっておりますが、それと定額貯金の三年物の利差をとってみますと、現時点では過去最高の一・三という利差が確保されておるわけでございます。私どもとしましては、いま申しましたような基本的な考え方に立ちまして、全体の金利の中で適正な利差の確保に努めてきておるところでございます。したがって、そういうふうな形で決められる金利というものを前提としまして、郵政省御当局の方で責任ある事業運営の努力をしていただく、そういうことではなかろうかと考えております。
#33
○福間知之君 いま両省からのお話がありましたけれども、やや具体的にお聞きをしますと、いま鴨局長の話では、やはり資金運用部の預託利率は人為的に低く抑えられている、これは国債の応募者利回りと同じであったとした場合に五十五年だけで二千四百億円言うならば損をしているんだ、逆を言えばそれだけ国に納付しているんだ。これは郵政省の資料によりましても、四十年から五十五年度まで一兆四千億円余り言うならば増収があるべきところなかった、こういうふうに言われておるわけですね。ここなんですよ、大蔵省に私お聞きしたいのは。これは一兆四千億であるか、一兆二千億であるかは別にいたしまして、要するに運用部資金によって郵政省のいわば取り分が少なくなったということについて、それをどういうふうに改善したらいいのか。一元的な運用をすべきこれは資金なんだということだけで一歩も出ないんですね。ここ議論があっても、何か改善策ないかどうかということですね。
 私なりあるいは私の所属する党も、必ずしもそれを全部自由に郵政大臣に使わせなさい、こう申し上げる気はありません。一つの考え方としては、直接運用の資金のこの規模は当面郵便貯金の当年度増加額と満期償還額の合計の半分程度を自主運用することから始めてはどうか、あるいはまた単に国債だけでなくて、先ほども話に出ておりました地方債その他の債券あるいはまた全国の預金者からお預けいただいたという意味で地方への還元融資、あるいはまた財政投融資はもちろんですが、いま課題になっている個人貸付制度の充実、そういうふうに対象を考えるということで現在よりももっとバラエティーに富んだ運用を集まったお金の面でやっていくという考え方ですね、具体的な金額あるいはまた方法については密接に大蔵当局と相談をするにしても。
 いまのように、いわば資金運用部資金で一元的に運用する、そこで大蔵省が国債を購入する、国債の購入が五十年度以降すっと拡大をしてきて、いま財政再建上の問題としてクローズアップをしているわけですけれども、国債の発行と引受人が同一の主体で行われているということであれば、国債を減額するあるいは発行をゼロにするという、そういう政策を推し進めていく上でも少し問題があるんじゃないか、そういうふうにも思います。要するに、その資金配分を市場メカニズムを通じて行えるようにするためにも、あるいは国債発行というものに歯どめをかけていくという具体的なてことしても自主運用というものに道を切り開くべきではないか、こういうふうに思うわけですけれども、いままでの大蔵当局の言うならば考え方をやはりここらあたりで切りかえていくという、そういう気持ちがあるのかどうか。これはまたぞろ今後、来年度の予算編成でも問題になると思いますので。
#34
○説明員(安原正君) まず、預託金利の問題でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、私どもとしては全体の金利体系の中でバランスをとって適正な水準に設定しているというぐあいに考えております。
 もう少し具体的に申しますと、郵便貯金につきましては、現在、民間の類似の定期預金等とのバランスをとって設定されているわけでございます。他方、そういうことで私たちがお預かりしましてそれを政策目的に運用させていただいておるわけでございますが、その具体的な、たとえば財投機関における基準金利の水準につきましては、その時点における民間の長期金利とのバランスをとって設定しておるということでございます。したがって、預託金利はその間で決められるわけでございますが、全体としての預貯金金利の水準、それから長期金利の水準、そういう両方をにらみ合わせまして、バランスをとって預託金利の水準を設定しておるということでございます。そのときそのときの状況によってある程度変動しておりますので、たとえばいまの時点でとると国債のクーポン金利の方が預託金利よりも高いではないかという御指摘でございますが、若干その金利の性格が異なっておるわけでございまして、いま申しましたように、預託金利は基本的な考え方に立って安定的に設定しておりますが、国債金利につきましてはある程度市場の状況で決まってくる、変動しておるというような面もございまして水準が異なる場合もあるわけでございますが、いずれにしましても全体の金利の中で適正な水準設定が行われておる。それは決して恣意的なものではなくて、そのときそのときの市場、金融情勢の動向を反映したものとなっているというぐあいに考えておるわけでございます。
 それから第二点目の、郵便貯金資金を自主運用して、もう少し有利に運用できるようにすべきではないかという点でございますが、この点につきましては、再三繰り返しになるわけでございますが、現在の統合、一元的な運用というものが最も適当であるというぐあいに考えておるわけでございます。その点につきましては、やはり国の大きな資金でございます。したがって、全体の財政金融政策との整合性を図りながら、そのときそのときの重要な政策目的にバランスのとれた資金配分をやっていくということがぜひとも必要かと思います。こういうふうな統合運用というものは現にわが国の財政制度の基本的な枠組みに取り組まれておるわけでございまして、郵便貯金を少しでも自主運用するということは、こういう財政制度の基本に大きな影響を与えますので、とり得ないというぐあいに考えておる次第でございます。
#35
○福間知之君 郵政当局はどうですか。
#36
○政府委員(鴨光一郎君) 私どもが、五十七年度において実現はいたしませんでしたけれども、要求といたしまして自主運用を要求いたしました中身でございますが、先ほど来申し上げておりますように、郵便貯金というものは国民の皆様の貴重な財産である、そういうことから預金者サービスの充実という点から当然確実、有利に運用する、もちろん国の機関ということで公共性に配慮した運用をも行っていくというふうに考えているところでございまして、ただいま大蔵省の方からお話のございました統合運用という意味の問題につきましても、私ども十分自主運用いたしましても配慮は可能であるというふうに考えております。
 なお、五十七年度の予算要求の内容といたしましては、先生からもお話がございましたように、国債等各種債券の引き受け、あるいは地方などへの資金の還元、それからこれまでございました財投機関等に対する運用といったことを含めまして、当年度の増加額と満期償還額の合計額の約四分の一、三兆五千億円程度を一つのめどといたしまして要求を組み立てたわけでございます。現在の郵貯の残高約六十八兆円からいたしましても、この三・五兆という絶対額は決して小さなものとは申せませんが、六十八兆という総額との比率におきましてもそう大きなものではないというふうにわれわれ考えているところでございます。
 それから国債の金利との関係でございますが、私ども先ほど来申し上げておりますように、郵便貯金の資金の入り口と出口ということで、入り口と申しますものが預託収入、出口が郵便貯金の支払い利子ということになるわけでございます。それが現在、預託が義務づけられているということでございますけれども、非常に大きな流れといたしまして、現在、金利の自由化ということがございます。そういったことに対応するという意味におきましても、われわれ弾力的な効率的な経営という観点から市場の金利を反映した形での自主的な運用を行う必要があるというふうに考えております。
 それから国債の金利の変動があり、ばらつきがあるということは事実でございますけれども、先ほど申し上げました預託利率との開きと申しますものは、ここ何年かをとりまして平均をいたしましても常にその間に利差があるということが申し上げられるわけでございます。
 それから資金運用部との関係で申しまして、この国債の引き受けという点。私どもが要求案として考えておりました中に国債の引き受けというものがございますが、現在、資金運用部資金の一部が財政投融資と国債の引き受けに運用されているというのが実態でございます。郵便貯金が仮にこの国債を直接お引き受けをするということがございましても、財投には影響がないのではないか、少なくとも国債に関しましてはそういうことが言えようかと思います。
 それからまた、われわれが直接、国債をお引き受けをするということになりますと、国債の発行、引き受けが同一主体であることから生ずるであろう問題というものを防ぐことができましょうし、また、先ほど来申し上げておりますように、郵便貯金事業といたしましての経営責任というものが、いまあれこれ言われております経営責任が運用の面でもより一層明確になるということからこの自主運用をさせていただくということが、六十八兆全部と申し上げているわけではございません、そういった面からも望ましいのではないかというふうに考えている次第でございます。
#37
○福間知之君 時間が参りましたので、とどめなきゃならぬので、まだまだお聞きしたいことがあるんですけれども、大蔵当局のお話はこの場ではそれ以上には出ないと思いますけれども、御答弁の中でも触れておられましたように、金利の自由化というのは時代の趨勢であるし、国際的な環境からいってもこれはやはり避けて通るわけにはいかぬ、こういうふうに思います。
 聞くところによると、日銀当局も短期の証券とか債券等については自由化に踏み出している、しかし大蔵省の方はどうもまだそこまで踏み切ろうという気がないというふうにも聞いております。その真偽のほどは別にいたしましても、自由化が進んでいくという過程では、言うならば資金運用部資金の使い方についてはやはり私は考えなきゃならぬ。臨調あたりでも資金運用部資金の一部になっている厚生年金の原資、それをもっと効率的に運用すべきだという意見もあるやに聞いておるわけです。もちろん厚生年金の原資の倍ぐらいは郵貯資金でございまするから、これは資金運用部の大宗をなしている。それだけにこれの自主運用はまかりならぬという気持ちがあるのじゃないかと思うんですけれども、しかし最近の資金運用部資金の貸し付けの対象別ウエート、こういうものも昔のそれに比べれば大分変わってきているように思います。
 たとえば地方債のうち資金運用部資金によって引き受けられているものが、昭和四十年代は六〇%程度だった、五十年代に入ってからはかなり低下をして五十五年度では四三・八%、十数%資金運用部資金によって引き受けられているウエートが下がっているわけであります。だから、私は自主運用をしたところで資金運用部資金にこれから大きな悪影響は出るとは思わないし、多少ともこのウエートを私はむしろ上げていくべきだ、そして民間金融機関の引き受けを減らすことによって、民間金融機関が本来、民間企業、団体に貸し付ける資金余裕が生まれることの方が望ましい。むしろ地方債などという公共債はこれは資金運用部資金でふやしていくということの方がいいのじゃないかと思うんですけれども、そういうふうな観点だとか、あるいはまた資し付けの面で見ましても、銀行等の貸し付けというのは、やはり小口の、しかも短期のものということに主が置かれます。冒頭申し上げたように、これは銀行の企業経営効率上の問題でして、どうしてもそういうことになっている。
 民間金融機関の個人融資のシェアというのは現在でも一〇%程度だ、こういうふうに聞いております。これはいまの国民的ニーズからすればきわめて不十分だと思います。しかし、それは銀行の持っている企業への貸し付けを中心にした性格、あるいはまた個人貸し付けにおける小口の事務手続が大変繁雑でコスト高になってしまう、余りメリットがないというふうな事情、そういう点で貸し付けが民間金融でも個人に対してはなかなか伸びない。むしろ個人の方から言えば、最近、長期にわたって住宅ローンの貸し付けなどを期待する向きがあるわけですけれども、これは住宅金融公庫の方にその責めを負ってもらおうというふうなことからして、やはり民間銀行としては余り積極的ではない、行われても大変金利が高い、こういう現状だと思うんです。したがって、私はむしろこの預金者貸付制度というものが、将来的にはやや長期にわたって、あるいはまたいろんなバラエティーに富んだ貸付制度というものを花開かしていくということがむしろ公共のためにふさわしいのではないか、そういうふうに思っております。
 時間が参りましたのでこれでやめますが、いずれにしても、国の金融制度というものが、郵貯の問題も含めまして、大きな変革期を迎えておりますので、私は、ぜひこの郵政省の郵貯事業もひとつ新しい時代に向かって、過去の経緯に余りとらわれないで大転換をやってもらいたい、その前提として資金の自主運用というものをこれからも積極的に推し進めていくべきだ、そういうふうに考えるわけでございます。
 最後に、いままで申し上げたことについて郵政大臣の所見と決意をお聞きして、終わりたいと思います。
#38
○国務大臣(箕輪登君) 大変貴重な御意見を特に拝聴いたしまして、感銘を受けた次第でございます。
 御指摘のとおり、現在の経済金融環境の変化、大変変革が求められているときだと思いますし、金利選好の高まりなど、国民の金融サービスに対するニーズも高度化並びに多様化してまいっていることは御指摘のとおりでございます。そうした中で、もっぱら国民個人個人の預金、そしてまたその預金者に対する貸し付けも郵政省やっているわけでありまして、そういう点から見ますと、民間の企業とは全く同じ預金であっても違うわけであります。したがって、国民のそうした素直な金融に対するニーズ、変化するニーズ、多様化してきたニーズに対してわれわれもその対応を考えていかなければならないときに参っていると思います。
 特に、資金の運用については、いま承っておりますと、どうも事務当局の考え方は大蔵と郵政とはかなり隔たりがあるようでございますけれども、直接運用については両方に理屈はあるようでありますけれども、これは事務的にも、また私も閣僚の一人として将来ともに詰めていかなければならない、こう考えているところでございます。事務的にも詰めさせますし、また私自身もこの直接運用については大蔵大臣とも不断の詰めをやっていきたい、こう考えております。
#39
○太田淳夫君 それでは、法案のことにつきまして基本的なことだけ質問させていただきますが、ただいま同僚委員からも御質問ありましたので、多少重複する点があると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 最初に、法案の中身でございますが、今回、預金者貸し付けの限度額を引き上げることにされたわけですけれども、これが七十万から百万ということでございますが、ここには「預金者の利益の増進を図るため、」とございますが、百万にしなければならなかった理由というものはどのようにお考えでしょうか。
#40
○政府委員(鴨光一郎君) ゆうゆうローンの限度額を百万円に引き上げていただきたいということで御審議いただいております理由は、一つは国民の方々が引き上げを強く要望しておられるということでございまして、私どもの調査によりましても、現行の限度額七十万円を引き上げてほしいということを希望されている方が全体の半数に達しているということがございます。
 それから二番目に、ゆうゆうローンというものは日常の資金ということで貸し付けを求められるものでございますけれども、その利用目的からいたしましても、当然結婚資金あるいは教育資金といったことからの御利用になるわけでございます。現在の国民の経済生活といった面からいたしまして、あるいは社会経済の状況からいたしまして、こういった目的から見ました場合の額として百万円程度は必要なんじゃないだろうかということが推定されるわけでございます。
 それから先ほども御議論ございました返済の面も当然考えなければいけないわけでございまして、貸し付けをいたしましたけれども返済ができないという場合にはいわゆる法定弁済という形になりまして、そうなりますと解約をされるのと同じことになってしまうわけでございます。その意味では、無理なく御返済をいただくためには、現在のところ百万円というふうな額がまあまあ無理なく返済をしていただける額ではないだろうかというふうに考えます。
 それからもう一つの理由といたしましては、民間におきましても同種のローンの限度額が百万円になっている、こういったことも私どもが百万円に引き上げたいという理由でございます。
#41
○太田淳夫君 貯金局の調査されました利用状況を見ますと、十万未満の利用の割合が四三%ということで非常に多いわけでございますけれども、以下、段階的にずっとここに出ておりますが、七十万円でも八・三%という約一割近い方の利用があるわけでございますが、むしろ貸付金額が大きい方が利用者の需要も多いと考えられるんですが、その点はどのように把握されていますか。
#42
○政府委員(鴨光一郎君) 昨年の九月に調査をいたしました預金者貸し付けの一人当たりの貸付金額、段階別に見ました場合にいま先生御指摘のようになっておりまして、七十万円、要するに限度額いっぱいに貸し付けをいたしております方々のものが八・三%ございます。十万円未満のものが四三%という数字もございますが、上の方、五十万円から七十万円までのところを見ますと八・三%、これはたまたま七十万円限度いっぱいの利用者の方と同じ比率になっているわけでございますが、先生もお話しございましたように約一割、天井のところが一割というふうなことになってまいりますと、これは過去の経験に徴しましても、この限度額を引き上げるべき状況を示す一つの指標かというふうに私ども受けとめているわけでございます。
 もちろん、このような過去の貸し付けの伸びの状況という数字から見ましても、四十八年の一月一日に制度の創設をお認めいただきましてから四十九年、五十年、五十三年、五十四年と、金額にいたしまして二十万、三十万、五十万、七十万円というふうにそれぞれ引き上げをしていただいておりますが、その間、貸付件数それから貸付金額ともどもに年々増加をしてきているというのが現状でございますので、今回の引き上げを認めていただけますならば、またこれまでのような御利用の増加が見込めるのではないかというふうに私どもは考えております。
#43
○太田淳夫君 五十五年の郵政省の調査された結果があるんですけど、これは貸付希望金額ですね、預金者の方々がどれだけの金額を希望されているかというおたくの方で調査されたやつですけれども、これを見ましても百万までという方が半数以上ですけれども、あと百五十万円までとか、あるいは二百万まで、あるいは貯金額の九〇%までという希望をされている方がかなりみえるわけですね。いま局長さんからお話がありましたけれども、確かに四十八年に創設されましてから五回目ですか、改正が行われてきたわけですけれども、こうして見ますと、現在設定されています貸付限度額、これが現実の国民生活に即してないということが考えられるのじゃないかと思うんです。民間の金融機関でもいま担保の九割までは貸しているということを考えてみますと、やはり貸付限度額を百万にするということを取り払って担保の九割相当額を貸し付けるということにしても支障ないのじゃないかと思うんですね。何回となくまた法律改正ということで出されてみえますけれども、この際、もっと思い切って法改正を必要としない程度までに拡大をしておくこともいま必要じゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#44
○政府委員(鴨光一郎君) 先生の御指摘は、現在の貸付限度額を金額ではなくて比率、現在で申しますと現在高の九〇%という比率の面でだけ限定をしておけばいいのではないか、こういうふうな御指摘かと思いますが、そのような考え方というのは当然一つの考え方としてあるわけでございます。ただ、そのようにいたしました場合に、先生御案内のように、現在の郵便貯金の預入の限度額、本体の方でございますが、その限度額が三百万円でございます。それの九〇%ということになりますと、最高で二百七十万円というふうなことに具体的にはなってまいります。この預金者貸し付けの制度の趣旨でございますが、法律にもございますように、国民の日常の必要な資金ということでございまして、立法当時の小口、低利かつ短期の日常の生活資金を貸し付けるという制度の趣旨もございまして、これは国民の経済生活の状況あるいは一般的な社会経済の状況といったものも当然われわれとしては勘案しなければいけないわけでございます。今回は百万円ということでお願いを申し上げておりまして、御指摘のような点は当然われわれとしても常に頭に置きながら慎重に考究をしていかなきゃいけないものだというふうに考えております。
 なお、貸付金額が高額になりますと、どうしても御返済いただくという面でなかなか無理も出てくるということでございまして、これもまた立法当時、本来なら解約して払い戻しをされるべきものの一時的な資金のお立てかえをすることによって貯金を継続をしていただく、こういう趣旨からいたしましても、返済がむずかしくなってくるということになりますと、いかがなものかなという面がございます。そういうことから社会経済情勢の推移等を見ながら一定の金額面での限定をするということもまた必要なことではないかというふうに現段階では考えているところでございます。
 また、一面、返済期間につきましては、五十五年の四月、二年前でございますが、六ヵ月から一年に延長をいたしましたし、また分割の返済というふうなこともいたしているわけでございますが、いずれにしましても、利用者の皆様の利便にかなうような制度として維持をしていくべきことはわれわれ常に注意を払っているところでございます。
#45
○太田淳夫君 そういう国民の利用される方々の利便にかなう制度をいろいろと考えてみえるということですが、いま貸付期間のことについてもお話あったわけですけれども、やはりこの問題につきましては、担保もありますし、利息も払ってみえるわけですから、いま一年ということでお話ありましたけれども、必ずしもそれでなければならないということはないと思うんですね。やはり一年半とか二年とか、あるいは一般の民間銀行ですと三年とか五年とかいろいろありますので、それぞれの貸し付けられた金額に応じてそれは考えられるということも必要じゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#46
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほども触れましたように、貸し付け申し上げる期間につきましても、それから弁済の回数につきましても、私ども利用者の方々のお立場を考えながらいろいろ改善を図っていくべきことは当然でございますが、二年前に先ほど申しました期間の一年の延長、それから弁済もそれまで一回でございましたものを二回に変えた、こういうことからいわゆる法定弁済、一般的な弁済ではなくて法定の弁済にかかわる件数もそのとき以降約三分の一になってきたというふうな事実もございますので、百万円に引き上げをお認めいただくといった場合、結果といたしましてこの返済金額がふえる方も出てくるわけでございますが、いまのところ、この一昨年改正いたしました貸付期間あるいは弁済回数といったもので何とかそう御不便はおかけすることはないのではないかと考えているのが私どもの現在の考え方でございます。
#47
○太田淳夫君 そうすると、いま申し上げたような期間の点についてもいろいろと考えられることは、いまのところないということですね。
 それからこの制度を創設した当時は、貸付原資の枠を一千億円として翌年度から郵貯資金増加額の一%をこれに加えた額を原資枠として運用を行うということでございましたけれども、そうすると、現在の貸付原資の枠はどのくらいになっておりましょうか。
#48
○政府委員(鴨光一郎君) 貸付原資につきましては、ただいま御指摘のように四十八年のスタート当時一千億円ということで、考え方といたしましては、その次年度以降、利用の実態を見ながら郵便貯金の新規増加額の一%程度を加えたものにしようということにしてきたわけでございます。昭和五十七年度の貸付原資の枠といたしましては六千五百億円が予定をされるわけでございまして、五十六年度の末、一月の実績で申しまして――ただいま申しました総枠は五十六年度五千八百億に当たります。それで、それに対します実績、これは残高ベースでございますが、五十七年一月末の残高が三千二百二十億円ほどでございまして、まだかなり余裕がございます。総枠が五十七年度は約七百億円ふえて六千五百億円になりますので、この枠という面ではまだ十分対応をしていけるというふうに考えております。
#49
○太田淳夫君 ですから、いまお話しのとおり、貸付原資枠が六千五百億円ということでございますけれども、現在の貸付金の残高は約三千億円程度ですから、まだ枠にはかなりの余裕があるのじゃないかと思うんですね。ですから、いますぐと言ってもこれは無理でしょうけれども、やはり将来の検討事項としてその貸付制限額を、百万円でなきゃならないという枠を外すとか、あるいは期間のことを私申し上げましたけれども、それを延ばすとか、そういうことが再検討される余地としてあるのじゃないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#50
○政府委員(鴨光一郎君) 制度の趣旨は、小口、低利かつ短期の日常生活資金をお貸しする、こういう趣旨でございますけれども、貸付制度そのものの、いま御指摘のような側面からの改善につきましては、私ども、郵便貯金というものは当然御利用者のための、また御利用者あっての郵便貯金でございますので、そういった利用状況あるいは御要望といったものを今後とも十分踏まえて対応しなければいけない。また、そういう御指摘のような余地と申しますか、考慮すべき余地はあるというふうに考えております。ただ、当面は、先ほど申し上げましたような現状でも十分御要望にもおこたえし得るのではないかというふうに考えているわけでございます。
#51
○太田淳夫君 御要望申し上げても、いまおっしゃっても、そういういろいろな制限があるから、やはりその制限の枠の中でしか利用されないという面があるんじゃないですか。枠を変えればさらに利用者がふえるということも考えられるのじゃないかと思うんですが、大臣、その点どうでしょうか。
#52
○国務大臣(箕輪登君) 先生のお話は私もある程度もっともだと思うのでありますけれども、何といっても制度の趣旨が、先ほどから何回も言っているように、小口であるということ、低利であるということ、そして短期の日常生活の資金だ、こういうふうになっておりますので、おのずから限度額もこの辺でどうか。今度七十万から百万にするときも、大蔵省の反対ありましたけれども、その趣旨を踏まえながら百万円ぐらいでどうだということで落ちついたわけでございますけれども、やはり先ほどからのお話を聞いていると、そんな貸し付けの限度額を決めないで預金の九〇%にせよ、こういうことになると、やっぱり返済のことも考えなければなりませんし、たとえば定率で九〇%となりますと、私どものいま要求しているのは、来年も要求をしたいと思っておりますけれども、貯金の限度額三百万円を五百万にしてほしい、五百万の九〇%、四百五十万になります。仮にそうなった場合に、四百五十万をさて、ボーナスは少しずつ上がってきたとはいうけれども、果たしてこれ返済がどうなるかというようなこともございまして、非常におっしゃることはわかるのでありますけれども、これからも検討事項として検討したいと思いますが、預金者の貸付制度の改善については、やはり今後の利用の状況だとかあるいは利用者の要望に注意を払いながら、利用者の利便にかなったものを検討していきたい、こう考えております。
#53
○太田淳夫君 限度額を三百万から五百万へ要求されるということですが、五百万の九〇%、四百五十万というようなことは、なかなか借りる方はないと思うんです。限度額いっぱいまで貯金できる人というのは、それは借りる必要がないんじゃないかと思うんですね。大体二百万程度ぐらいまでのことじゃないかと思いますが、一度よく御検討いただきたいと思います。
 それでは、最近の郵便貯金の増加状況はどうでしょうか。また、郵貯の伸びが低調になっているということですが、この分析はどのようにされていますか。
#54
○政府委員(鴨光一郎君) 郵便貯金の近年の増加状況でございますが、五十三年度以降、一般的な基調といたしましては伸び悩みの状況にございます。ただ、先生御承知のように、五十五年度につきましては一時的な急増があったわけでございますが、これを除きますと一般的に伸び悩みの状況にございます。五十六年度、先ごろ終わったわけでございますが、これもまたその延長線上にございまして、純増加額で申し上げますと三兆一千六百六十億円、前年度実績の対比で五一%になっております。いま申しました一時的急増のあった五十五年度でございますので、その前年度、五十四年度と対比した数字がございますが、これで見ましても七六%ということでございます。なお、私ども純増加額に元加利子を加えた総増加額という数字も持っているわけでございますが、これで見ました場合の数字は七兆六千三百八十七億円ということで、これは前年度の実績に対しまして八一%という状況でございます。
 それからもう一つの指標といたしまして、五十六年度、郵政省といたしまして郵貯の増加目標額を、これはいま申しました総増加額でございますが、同時に、それは財政投融資の計画額でもあるわけでございますが、これを当初八兆九千億円というふうに予定をいたしておりましたのに対しまして七兆六千三百億円余ということでございますので、これは目標の八六%という率になっております。
 このような不振の原因ということでございますが、伸び悩みの要因といたしましておよそ三つを考えております。
 一つは、郵便貯金というのは、これは御承知のように個人の利用が大宗を占めているわけでございます。その個人の皆様の家計可処分所得というものが郵便貯金と密接に関連をしてきているというのが過去の数字で示されているわけでございますが、御承知のような経済の安定成長という状態がございますために、この家計可処分所得の伸び率が低下をしているというのが一つの大きな要因でございます。
 それから二つ目には、住宅ローンとか進学ローン等々、各種の消費者ローンというものが年々増加をいたしております。したがって、その返済の負担というものが大きくなっているということが積極的な意味での貯蓄の増加に影響を与えているというふうに考えております。
 それから三番目といたしまして、よく言われておりますが、国民の利用者の皆様の間に金利選好の高まりがある。その中で金融資産の選択が非常に多様化してきているということでございまして、国債、株式といったものへの志向、あるいは最近、期日指定定期とか、あるいは新型の貸付信託といった有利な商品がいろいろ開発をされている。私どもこういった新商品ということは、かねがね官民ともども、国民、利用者のためになるサービスとして可能な限り努力をしていこうというふうに申し上げていたところでございますけれども、そういった金融資産選択の多様化が進んできているということがもう一つの原因であろうかというふうに分析をいたしております。
#55
○太田淳夫君 金利選好が強まったことが郵貯の激減を招いたというお話等々ございましたが、いま三つの理由を挙げられたわけでございますが、そのほかにも、せんだって当委員会でも同僚委員のいろんな議論の中でございましたが、グリーンカードの見直し論の行方を見守るとか、あるいは脱税防止のための名寄せを実施する、そういうことも今回のこの郵貯の伸びが低調になった原因になっているんじゃないか、こういう指摘もあるわけです。その点はどうでしょうか。
#56
○政府委員(鴨光一郎君) グリーンカードにつきましては、一昨年の所得税法改正で五十九年の一月からこれが実施をされることが決まっておるわけでございますが、郵政省といたしましては、その所得税法改正が、いわゆる利子配当等の分離課税制度というものが不公平であるということから総合課税に移行するための措置として、その一環としてグリーンカード制度なるものが必要になったということで私どもこれに参入をしたわけでございます。郵便局におきましては、このグリーンカード制度が実施をされます五十九年以降におきましては、郵便局へ貯金をしに来られる利用者の方々からこのカードを提示をしていただくということで本人確認をさせていただくわけでございますが、グリーンカード制度のない現在におきましても、御承知のように郵便貯金は三百万円という限度額がございます。したがいまして、私どもはこれまでもいろいろな形で利用者の皆様方の本人確認ということはいたしてまいっておりまして、それを受けましての地方貯金局における名寄せということも厳格にやってきているところでございまして、特別にグリーンカードによって本人確認をするようになることが特別の影響を与えている、あるいは与えることになるとは考えておりません。先ほど申しましたようなもろもろの事情が郵貯の伸び悩みの原因であるというふうに分析をいたしている次第でございます。
#57
○太田淳夫君 いまこのグリーンカード制度につきましては部分的に反対論もいろいろとあるわけでございますが、いまのお話を聞いてみますと、もちろんこの分離課税制度を総合課税制度にするということで賛成されたのであって、分離課税制度がまた存続されることになったら郵政省としてはこのグリーンカード制度について反対ということでございましょうか。
#58
○政府委員(鴨光一郎君) 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、分離課税制度から総合課税制度へ移行するための措置であるというふうに受けとめているということで御答弁をさせていただきたいと思います。
#59
○太田淳夫君 いま低調の原因の一つの中に金融機関のいろんな新型の商品の開発ということが挙げられましたが、そういう新しい商品が開発されることによって定額貯金の有利性が低下したというか、差がなくなってきたということがやはり一つあるのじゃないかと思うんですね。そうなりますと、やはりいろいろと国民が、現在の金利の動向、低下しておりますが、そういう中で、いろんなニーズによってやはりいろんな金利を選びながら、新しい商品あるいは自分に適したものは何かということでいろいろ選択されるわけですけれども、先ほどもちょっと触れてみえましたけれども、官民あわせての新商品の開発ということですが、やはり郵政省としても国民のそういったニーズに応じたような短期的なものあるいは中期的なもの、そういった貯蓄のサービスということも必要じゃないかと思うんですが、その点の見解はどうでしょうか。
#60
○政府委員(鴨光一郎君) 基本的に、私どもできる限り経営状況等を勘案しながら、利用者の皆様の御期待に沿うサービスなり商品なりを提供していかなければいけないと常々考えているところでございますが、特に最近、利用者の方々が収益性それから流動性、これを兼ね備えた貯蓄商品を強く選好されるという傾向にあるというふうに私ども考えております。その中に郵便貯金一般の中で特に定額貯金が浮かび上がってまいりますが、従来からも、対比されます民間の定期預金との比較において定額貯金が全般的に有利ということではございません。期間の短い場合には民間の定期預金、長くなりました場合には定額貯金、こういうふうないわば一長一短と申しますか状況があったわけでございます。
 先ほどもお答えいたしました期日指定とか「ビッグ」、「ワイド」といったものにつきましても、こういう席で問題点というふうな言い方を申し上げるのはどうかと思いますが、一つの要件といたしまして申し上げますなら、期日指定定期につきましては一カ月前の通知というふうなことが払い戻しの際に必要であるとか、あるいは「ビッグ」と言われます信託関係の商品につきましては確かに高利回りという点がございますけれども、反面、金利そのものが変動制であるというふうなこと、それから「ワイド」というのは利付金融債につけられております愛称でございますが、取り扱いの店舗が限定されているとか、いわばそれぞれの業種あるいはそれぞれの商品によりまして多様なお客様のニーズにそれぞれの状況に応じて対応できるというふうな仕組みになっていると思います。
 もちろん、総じまして、冒頭申し上げましたようにいろいろな形でのニーズに対応していくということが必要なわけでございますが、郵便貯金におきましても、当然国民の皆様にとって魅力のある商品なりサービスなりを提供しなければいけないと考えております。具体的に申し上げまして、現在のところではこの四月の一日から定額貯金の利子の支払い方法に工夫をいたしました愛育貯金というものを発売をいたしております。また、この六月からは自動払い込みサービスといったものを提供いたしたい。これは民間ではすでに十年前から行われているものでございますけれども、私どもも遅まきながらこういったオンラインサービス、自動払い込みは一つの例でございますけれども、オンラインに乗せ得るもろもろのサービスを通じましてお客様のニーズにこたえたいというふうに考えているところでございます。
#61
○太田淳夫君 先ほど大臣は、預入限度額三百万円を五百万円にということでお話ありましたが、私ども考えてみますと、四十八年の十二月に百五十万円から三百万円に引き上げられて、約八年間以上にわたりまして据え置かれているわけですけれども、この間に消費者物価というのは約二倍まで上昇しておりますし、やはり現在の国民の経済生活に対応していけなくなっているのじゃないかと思いますし、大臣のそのお考え、私たちも賛成でございますけれども、現在ネックとなっている問題点や、あるいは今後の方針についてお聞かせ願いたいと思います。
#62
○政府委員(鴨光一郎君) 預入限度額の引き上げの問題でございますが、現在三百万円になっております。これを五十七年度の予算要求の際にも五百万円に引き上げたいということで要求をいたしたわけでございますが、郵便貯金は、税法上限度額の範囲内での郵便貯金という前提でございますが、非課税ということになっております。したがって、この限度額を引き上げますと、そう大きな額ではないと考えておりますけれども、引き上げた分に関連します利子に対する課税分がいわば減るということになってまいります。つまり、そういった税制にかかわるということでございまして、現下の厳しい財政事情のもとからそのような形での、額としてはそう大きなものと私ども思っておりませんけれども、いずれにしてもこの厳しい財政事情のもとで税制にかかわるということから実現に至らなかったものでございます。
#63
○太田淳夫君 いま住宅積立貯金及び進学積立貯金について実施されているわけですけれども、その概要あるいは最近の利用状況、これについて説明願いたいと思うんですが。
#64
○政府委員(鴨光一郎君) 御質問の住宅積立貯金制度でございますが、これは国民の住宅取得のための資金需要にこたえるために住宅積立貯金、これは郵便貯金の積み立てでございますが、三年、四年あるいは五年の間におおむね五十万円を積み立てていただいた預金者に対しまして、郵政大臣が住宅金融公庫等に融資のあっせんを申し上げるという制度でございます。その場合、住宅取得を目的として計画的に積み立てをなさった預金者の方々に確実に必要な資金の貸し付けをして差し上げる、そのあっせんをするということでございます。この貯金を行った預金者の方は、一般の公庫貸し付けに割り増しといたしまして最高で現在では百七十五万円の貸し付けを受けることができるようになっております。
 それから進学積み立てについてもたしか御質問があったと思いますが、進学積み立ての制度の方は、高校、大学等への進学に伴う家計の一時的な負担を軽減するということのために、これは一年ないし三年の間でございますが、最高五十四万円を限度として預金者に積み立てをしていただく。このような預金者の方に郵政大臣が、これは国民金融公庫等でございますが、融資のあっせんを行うものでございまして、その場合は、いま申しました最高五十四万円以内の積立金額と同額の範囲の貸し付けを行うというシステムになっております。したがいまして、入学等に必要な資金はこの積み立てられたお金と貸付額とで積立金額のいわば二倍の資金を活用できるという仕組みになっております。
#65
○太田淳夫君 そちらからもらった資料によりましても、利用状況が多少落ちてきているのじゃないかという感じがするわけです。これは貯金の預け先と貸付主体が分離していることから、またサービスの内容が国民の要望に十分こたえていないということから利用がだんだんと低下しているのじゃないかと思うんですが、やはりこういう制度があるのですから、もっと内容を充実してもっと利用しやすいような方策を考えるべきじゃないかと思いますが、その点どうですか。
#66
○政府委員(鴨光一郎君) 御指摘のように、住宅積み立ての利用状況につきましては、新規の預入件数が昭和五十五年度は対前年比九七%、五十六年度、これは二月末現在の数字でございますが、対前年の同期比で六三%というふうなことになっております。
 進学積み立ての方は、新規預入件数は昭和五十五年度で七万四千件、対前年比一一六%、五十六年度は二月末現在で六万九千件、同じく前年同期比一一四%というふうな状況でございますが、できるだけ国民の皆様のニーズに合わせてという御指摘の点につきましては、住宅金融公庫の住宅積立貯金の預金者に対する貸し付けにつきましては、これは現在、住宅金融公庫法改正案が別途国会に提出されておりますが、その案の予定するところによりますと、ことしの十月からでございますが、新たに既存の住宅、中古マンションの購入資金、それから大型住宅の建設資金や購入資金を貸し付けの対象にする、住宅積立貯金の預金者に対する貸付対象ということで、御希望の皆様の住宅の取得がしやすいような改善が案の中で予定をされております。また、貸し付けの金利につきましても、従来これが割り増しという形で、一般貸し付けの分に割り増して貸し付けられる形になっていたわけでございますが、従来の利子のつけ方が、貸付利子でございますが、住宅積み立てをやっておられた方が割り増し貸し付けをされる場合に、一般貸し付けの分と合わせて総体に加重平均ということで一律六%という貸し付けの利子が適用になっております。それを今回改めまして、一般貸し付けに当たる額につきましては住宅金融公庫で通常貸し付けをお受けになる場合と同じ金利が適用になる、そして割り増し貸し付けの分につきましては財投金利を適用するということで、これまでの加重平均でございますと、場合によってこの加重平均で一律にしている数字が、今回改正される結果出てまいります利子の総額との間で不均衡になっているというケースがございます。これが改善をされるということに相なるわけでございます。
 それから進学積立貯金の預金者につきましては、これまでにも、これは五十四年の手当てでございますが、貸付対象の拡大をいたしました。それからこれはこの四月からでございますが、積み立てをしやすくして、また貸付金をできるだけ多く借りられるようにするためのボーナス時等の積み増し預入というふうな取り扱いを設けるといった改善を行ってきております。もちろん、今後とも引き続き制度の改善には努めてまいりたいと考えている次第でございます。
#67
○太田淳夫君 先ほど公共料金等の自動振り込みの実施が六月ということでございましたが、郵貯懇でもいろいろとこの点については指摘をされているわけですが、一部に報道されておりましたけれども、郵便局を利用される投資家がその郵便局の総合口座などを利用されて自動的に引き落とす形で証券会社に積立金を入金できる制度を郵政省としてはいま認める方針のようですが、こうなりますと、やはり投資家にとって非常に便利だと思うんですが、その点は研究を進められておるわけですね。
#68
○政府委員(鴨光一郎君) ただいま先生お話しの点は、恐らく昨日でございましたかの日経の新聞記事のことかと思います。私どもその記事が出ましたことは承知をいたしておりますが、これは本来的な自動払い込み制度にかかわるものでございまして、自動払い込みそのものにつきましては、郵政省としましてこの六月一日から、先ほどもちょっと触れましたように、実施をしようということで、具体的には東京、大阪、愛知などの二十四の都府県で取り扱いを開始することにいたしております。
 この自動払い込みの対象でございますが、電力、ガス、水道、電話料金、NHKの料金といった公共料金を初めといたしましての各種料金あるいは手数料といったものを取り扱いの対象にいたしておりまして、条件として、定期に継続して利用されるもので一回の払い込みが百件以上という条件で利用されるということであればこの自動払い込みの制度を利用していただける、こういうことでございます。
 したがいまして、あの記事では証券会社と提携してというふうな表現になっていたわけでございますが、通常言われます提携と申しますのは、いわば両者の意思が合致をして手を結ぶ、こういうことになるわけでございますけれども、この自動払い込みの御利用者という立場で考えましたときには、われわれから見まして、先ほど申し上げましたような一定の条件、たとえば定期に継続していただくというふうな条件、あるいは一度に百件以上というふうなこういう条件に合致しているかどうかということが利用していただく場合の判断基準ということになっておりまして、この基準に合致したといたしますと、利用される結果として相手が証券会社の場合でもそのような利用が可能になろうか、自動払い込みの条件に合致した場合の結果というふうにわれわれ考えているわけでございます。
#69
○太田淳夫君 先日、これは四月の九日ですが、衆議院の大蔵委員会で大蔵大臣は、五十九年度の一月のグリーンカード制度実施の際に高齢者預金利子を非課税扱いにするいわゆるシルバー預金の創設を打ち出してみえるわけです。具体的にはまだあれでございましたが、そういった考え方を述べられておりますけれども、わが国はやはり急激な高齢化社会を迎えておりますし、こういった三百万の枠では現実に即していないと思うんです。したがいまして、そうした高齢化した人たちの福祉を考える場合に、年金では限界がありますので、また活力ある社会をつくるためには、このシルバー預金ですか、その考え方が必要じゃないかと思うのですが、郵政省としてはどのようにお考えでしょうか。
#70
○政府委員(鴨光一郎君) 大蔵大臣が先日の委員会で御答弁になったこと、私どもも承知をいたしておりますが、どの程度大蔵省の方で詰められたものかにつきましてはまだ必ずしも明確に受けとめておるものではございません。ただ、シルバー貯金というふうな意味合いにおきましては、私どもがかねて要望いたしておりましたものとかなり共通点もあるように理解をいたしております。
 御指摘の、郵政省の方の考え方ということでございますが、私ども基本的に、日本の社会が高齢化の傾向を高めているという中におきまして、老後の経済生活の安定と充実ということが非常に重要な、しかも差し迫った国民的な課題であるというふうに考えております。そういうことから、高年層の方々が努力をして蓄えられた預貯金に貯蓄上特別の優遇を加えるようにしたらどうだろうかということで、私どもの構想といたしましては、五十五歳以上の世帯主の郵便貯金につきまして、一般の預入限度額三百万円とは別枠で一千万円の枠を設けてこれを非課税で預入できるようにする、私どもこれをシルバー貯金というふうに愛称をつけているわけでございますが、それを五十七年度の予算要求にも出したわけでございます。これもまた、いわゆる本体の方の三百万円から五百万円への引き上げが税制に関するものであると同じ意味合いにおきまして、税制との絡みで現下の財政事情等から実現を見るに至らなかったわけでございますが、郵便貯金そのものが国民の経済生活の安定向上あるいは健全な資産形成に寄与するという趣旨からいたしまして、特に高齢者の方々のための、いま申しましたシルバー貯金につきましては、ぜひ早期に実現をしたいということで努力を傾けていくつもりでございます。
#71
○太田淳夫君 大いに努力をしていただきたいと思いますし、大臣、どうでしょう。今度、五十八年度予算のいろんな問題もありますが、大蔵省とその点、大蔵大臣も発言されておりますので、この点の実現について努力していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#72
○国務大臣(箕輪登君) ただいま鴨局長からお答えしたとおりでありまして、五十七年度でぜひ実現したいと考えて交渉しておりましたけれども、残念ながら現下の厳しい財政状況、しかも税制に関する問題でございまして、これがお聞き届けいただけなかったのでありますが、五十八年度を目指して、せっかく大蔵大臣もそういう気持ちにななってきたようでありますから、ぜひこれを実現していきたい、こう考えております。
#73
○太田淳夫君 そろそろ時間も迫りましたし、先ほど同僚の委員から郵貯の自主運用の問題についていろいろとございました。私どもも、大蔵省の皆さん方いろいろと郵政省とは対立した考え方を持っておみえになること、前の委員会でもいろいろと論議があった点でございますが、やはりこの自主運用につきまして、やはり国民の金融資産を充実していくことが国民福祉の充実の上で重要であるという立場から考えますと、大蔵省の立場というのは個人金融の充実をやはり無視しているのじゃないかと思うんですが、その点どうでしょう。
#74
○説明員(安原正君) 個人金融についての考え方でございますが、私どもといたしましては、郵便貯金を初めとしまして各種の国の資金を資金運用部の方に統合いたしまして、これを政策的な見地に立ちまして、いろんな公共目的に即するように運用を図っておるわけでございます。それを毎年、財政投融資計画という形で御審議をいただきまして、その計画に即して運用をさしていただいているわけでございますが、財政投融資計面をごらんいただきますと御理解いただけると思うわけでございますが、私ども使途別分類というのを公表いたしておりますが、その中でやはり一番大きなシェアを占めておるのは住宅対策でございまして、住宅金融公庫、住宅公団、年金福祉事業団等を初めといたしまして各種の住宅関係の金融あるいは住宅建設そのものを進めている機関があるわけでございまして、これらの財投機関を通じまして、個人の方が住宅建設をされる、その場合の政策的な金融を補完的に行わさしていただいておるというのが大きな事業でございます。それからあと、これは個人と申しますか、あるいは企業と申しますか、重複するわけでございますが、やはり国民金融公庫を通じまして比較的小規模の企業に対して必要な運転資金あるいは設備投資資金というものを供給いたしております。もう少し大きな企業の場合には中小公庫による資金供給もあるわけでございまして、こういった中小企業金融も財投計画の中で大きなシェアを占めておるということでございます。そういうことで、個人金融につきましても財政投融資として対応し得るものについてはできるだけの努力をしておるということでございますので、御理解賜りたいと思います。
#75
○太田淳夫君 大蔵省のお考えについては、マクロ的な面から私は否定するものじゃないんですけれども、やはり何といっても個人無視の金融政策や、あるいは銀行の産業向け融資一辺倒、このやり方は変わらないと思うんです。ですから、郵貯がその部分についての役割りを担っていく以外にないのじゃないかと思うんですね。
 そこで、先ほども局長の方からお話がありましたけども、資金運用部資金の一部が国債引き受けに回ってるのでございますし、その資金運用部の国債引き受けは郵貯の自主運用に結びつけてやっぱり考えるべきじゃないかと思うんです。この郵貯の自主運用の利点というのは、やはり国債発行に歯どめがかかるという点もあろうかと思うんです。現在、資金運用部の国債引き受けというのは、国債発行する局も引き受けろ局も同じ局の資金第一課と国債課の取引でやっているわけですから、極論すれば歯どめがないのじゃないかと思うんです。しかし、郵貯の自主運用というのは、この郵貯資金の運用を通しての国債引き受けですからより市中消化に近いものになるのじゃないかと思うんですが、その点いかがお考えですか。
#76
○説明員(安原正君) 先ほど来申し上げておりますように、郵便貯金につきましては他の資金と合わせましてこれを一元的に統合管理するということで資金運用部資金というものを形成いたしておりまして、それを中心といたしましてそのときどきの政策的な要請にこたえるべく運用を行っておるわけでございまして、こういう統合運用の仕組みというのがわが国の財政制度の基本に組み込まれておりますので、これを一部とはいえ変更するということは財政制度の基本にかかわる問題でございまして、とり得ないというぐあいに考えております。
 国債引き受けにつきましては、私ども資金運用部資金で最近ではかなりの引き受けをやっておるわけでございますが、資金運用部による引き受けにつきましての基本的な考え方について若干説明をさしていただきたいと思います。
 御承知のとおり、国債につきましては、現在の状況ではできるだけこれを圧縮していかなければならないということはそのとおりでございまして、財政政策の高い見地からできるだけ財政規律を強めていくということで、消化の状況等も十分勘案しまして、国債をできるだけ減額していくということが最重要課題として取り上げられて、予算編成の過程で努力が行われておるわけでございます。そういうことで、どうしてもこれだけは発行しなければならないという国債が決まりました場合に、その消化につきましては市中消化を原則といたしておるわけでございます。ただ、現在の金融情勢、それから国債発行の必要性ということから、資金運用部としてある程度補完して国債の引き受けを行うことにより全体としての円滑な消化を図っていかなければならない、こういうことで資金運用部としても引き受けを行っておるわけでございます。
 その場合には、引き受けの条件というのは市中消化と同一条件ということでやっておりますので、現在のような国債引き受けにつきまして特に問題はないと考えております。それで、その場合、特に重要なのは、どの程度の国債引き受けをするかにつきましては、全体の資金運用部資金の原資の状況とか、あるいは国債の市中消化の状況とか、それから財政投融資の各機関の資金需要というものを十分見きわめまして、全体としてバランスのとれた形で国債引き受けと財投計画ということに配分をやっておるわけでございまして、いまの仕組みが適当であるというぐあいに考えております。
#77
○太田淳夫君 国の財政の基本にかかわる問題だということでございますけれども、やはり郵政事業そのものも、郵貯事業そのものも、その当時とは大きくさま変わりをしてきている現状でございますし、いろいろと大蔵省としてはそれぞれの立場もあろうかと思いますけれども、民間でもいろいろと研究機関がありまして、そういうところの意見としましても、むしろ郵貯の自主運用によって責任体制がより明確化されてくる利点があるんじゃないか、あるいは経営意識の一層の高揚が図られるんじゃないか、そういうことも勘案していくと国債等の公社債の引き受け程度の自主運用はむしろさせるべきじゃないか、こういう意見もいま出ているわけです。それがやはり一つの大きな経済情勢、社会情勢の流れの中にあるんじゃないかと思いますし、その点もっと柔軟な考え方を大蔵省としてもとる時代が来てるんじゃないか、私はそう思うわけでございますが、局長、いかがですか。
#78
○政府委員(鴨光一郎君) 自主運用につきましては、私ども資金を集めた機関という立場からみずから運用するということがある意味では本来の姿であろうというふうに考えております。また同時に、いま先生が御指摘ございましたように、学者の先生方からも郵政省が直接運用することによって経営責任が明確になるという御指摘もございますし、郵政省といたしましてもそのように考えているところでございます。もちろん、その経営意識という面につきましては、自主運用のあるなしにかかわらず、常にわれわれ配意をしてきているところでございますが、自主運用をやることによりまして、先ほど申し上げましたような点のほかに、サービスの改善あるいは資金の性格に応じたふさわしい運用が可能になるだろうという見地から要求をいたしているところでございます。
 対象といたしましての国債につきましては、郵政省がこれを直接引き受けるということでも特段の違いはなかろうかというふうに考えておりますし、また国債以外の運用の面につきましても、先ほど大蔵省からお答えあった幾つかのポイントがございますけれども、その辺は私ども勝手に運用するという意味での自主運用を申し上げているわけではございませんで、国の財政政策といったものとの兼ね合いは、もし自主運用を認めていただけるならば、当然、財政当局とも十分に意思疎通を図りながらやっていくつもりでございまして、その点の懸念もなかろうか。私ども、先ほどから申し上げておりますように、国民の皆様から、しかも全国津々浦々でお預かりをしているというここからいたしましても、国債をお引き受けする、あるいは地方へ還元をする、それを直接われわれ貯蓄される方々の御事情あるいはお気持ちといったものも肌で承知をしているつもりでございまつ。決して財政問題にそごを来すこともなく、またわれわれ責任を持って運営もしていけるというふうに確信をいたしております。長年の念願でもございますので、今後ともこの実現に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#79
○国務大臣(箕輪登君) いま大蔵、郵政の事務方の話を聞いておりますと、まだまだかみ合っておりませんけれども、私といたしましては、関係の向きと十分話し合って、その実現にこれからも努力してまいりたいと考えております。
#80
○太田淳夫君 終わります。
#81
○委員長(勝又武一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
  午後零時三十六分休憩
     ―――――・―――――
  午後一時三十一分開会
#82
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#83
○山中郁子君 今回の法律改正に直接関連いたしましてお伺いをしたいと思っておりましたのは、貸付金総額の制限額の引き上げの問題でございますけれども、先ほど太田委員からも詳しいお話がございまして郵政省の見解もお伺いいたしましたところですので、これは省略をいたしますが、この点について一つだけお尋ねをしておきたいと思っております。
 それは、預金者の希望やそうした動向もよく把握をしているというお話でございましたし、こうしたものにこたえるためにも努力はするという御返事だと承りましたので、ひとつ、ぜひ具体的に、来年度何らかの貸付限度額の引き上げに対する計画というか検討をされる用意がおありかどうか、そこだけちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
#84
○政府委員(鴨光一郎君) いろいろな意味で利用者の皆様方の御要望におこたえすべく、各種の検討はいたすつもりでお答えをいたしておりますわけでございますが、来年度どうするかという点につきましては、ただいま当面、現在の七十万円を百万円に引き上げていただく点についての御審議をお願いしているところでございますので、これから先の課題ということで考えさせていただきたいと存じております。
#85
○山中郁子君 強い国民の希望でもございますし、具体的な御検討が進められることを私からも期待もし、要望もしておきたいと思います。
 次に、ひとつ貯金にかかわる犯罪に関連いたしまして、それに対する対策とか、どうしたことが原因になっているのかということについてお尋ねをいたしたいと思います。
 これは五十六年の三月に発覚をした横浜地方貯金局の職員による三千四百万円に上る現金詐取裏作なんですけれども、簡単に事件の概要を初めにお教えいただきたい。
#86
○説明員(永岡茂治君) 先生御指摘の事件は、元横浜地方貯金局の第五貯金課第二原簿係の職員でありました神代ヒデ子が、昭和五十四年七月十二日から昭和五十六年三月十八日までの間に三千四百五十四万円余りの定額郵便貯金を詐取したものでございまして、まことに遺憾に存じているところでございます。
 この犯罪は、すでに払い済みとなって別に保管されております他人名義の定額郵便貯金預入申込書に記載されている払い済みという表示を抹消しまして未払いのようにしておき、さらに住所、氏名を自分の妹の名義に偽造した上、メモをしておきまして、後日、近隣の郵便局に出向き、このメモをしておいた記号番号の貯金証書を焼失したという旨し出まして再交付請求を行い、地方貯金局から新たに貯金証書を入手して、再び郵便局の窓口に出向いて払い戻す等の方法によって詐取したものでございます。
 なお、犯行の動機でございますが、職場の同僚と親密な関係になり、その者との旅行や競馬等の遊興費に窮したものであり、神代ヒデ子はすでに懲役一年六カ月の実刑判決が横浜地方裁判所で言い渡され、現在服役中のものでございます。
#87
○山中郁子君 そうしますと、どういう点が業務上の――実際に業務が行われているその盲点みたいなものがあったわけですわね。それが利用されたわけなんですけれども、どういう点がその犯罪に利用されたのか、郵政省としてどの点を反省されてどのような対策をこの事件に照らしてされたのか、あわせてお伺いをいたします。
#88
○政府委員(鴨光一郎君) 犯罪の発生につきましては、私からも大変申しわけなく思っておりまして、心からおわびを皆様に申し上げる次第でございます。
 このような犯罪を発生させました原因ということでございますが、私ども当然、発生をいたしましてからいろいろな面からの検討を行ったところでございますが、まず一つ言えますのは、地方貯金局での犯罪でございまして、これは御承知かと思いますが、郵便局のように直接窓口で現金の取り扱いをするというふうなことがございません。そういうことで管理者の間でもこういうところで犯罪が発生することはよもやあるまいというふうな気持ちが働いた面も否定できないと思います。
 それからもう少し具体的な点で申し上げますと、当時、預金金利の引き上げに伴います預けかえによる事務繁忙という事実がございました。そのことの関連で現在高通算といわれます措置が遅延をしていたという点がございます。それからまた、払い済みの表示方法を赤のフェルトペンで線引きをするというふうなことで簡素化をした、こういったことが犯行をやりやすくしたのではないかというふうに考えている次第でございます。
#89
○山中郁子君 その現在高通算ですね、これが先ほどの事件の概要の御説明の中でも五十四年の七月から五十六年三月までというお話でしたので、一年七ヵ月に多分わたると思うんですけれども、この間、現在高通算が行われていなかったということになると思います。行われていなかったのかどうか、この現在高通算はどういう基準で行うことになっているのかどうか、その辺あわせてお尋ねをいたします。
#90
○政府委員(鴨光一郎君) 私ども定額貯金の現在高通算ということをやっておるのでございますけれども、これはいま御案内のようにオンライン化というものが進行いたしております。そのオンライン化が行われますと必要でなくなるわけでございますが、そのオンライン化していないいわゆる手作業処理に関連をいたします定額貯金について行われるものでございます。定額貯金につきましては預入後十年間預け入れができることになっておりますが、同時に、据え置き期間の六ヵ月を過ぎますとお客様の御都合によって払い戻しは随時行われる、こういう仕組みでございます。
 これらの預入金額それから払い戻し金額の記録でございますが、これらは所定の帳簿を作成いたしまして行うわけですが、これを府県別に経理をいたしております。いまのいわゆる現在高通算と申しておりますのは、所定の時期に、この帳簿面の計数とそれから実際の預入申込書の計数というものをそれぞれ計算をいたしまして、相互にその帳簿面のものと実際に査算をいたしました申込書の計数とが合うかどうかを確認する作業でございます。
 横浜地方貯金局におきましては、五十二年の八月からオンライン処理が開始されたわけでございますが、これに伴います通帳の切りかえ作業、それから事務取扱方法の変更等が行われましたほかに、利率引き上げに伴う預けかえといったことで事務がふくそういたしておりまして、そのために五十四年六月から五十六年にかけまして事務処理がおくれたという事実がございます。
#91
○山中郁子君 その間にいわゆる現在高通算が行われていなかったわけですね。私は、その実情はいまおっしゃっていらっしゃるんだけれども、今後の問題としてだって、金利変動の場合に預けかえという事態は起こるわけね。ですから、何か基準みたいなものあるんでしょう、何カ月に一回はやらなきゃいかぬとか。それが一年七カ月にわたってやられていなかったというところにやっぱりちゃんとした反省点を置かなければまた出てくるという可能性があるわけで、そこをはっきりさせてほしいと一つは思っておりますけれど。
#92
○政府委員(鴨光一郎君) 金利改定と申しますものは、当然御指摘のようにこれからもあり得ることでございます。金利の上げあるいは金利の下げという形でございますが、この金利改定等の際の事務処理につきましては、地方貯金局、あるいは横浜の場合でございますと現在貯金事務センターということになっておりますが、それらの局所におきます今後のオンライン計画の進捗によりまして、金利改定の際の事務処理自体大幅に効率化されるという側面があることをこの際ちょっとつけ加えて申し上げたいわけでございますが、何にしましても、正規取り扱いの徹底を図るということは当然でございます。
 それから申し落としましたが、先ほどの現在高通算は規定によりまして年一回ということになっておるわけでございますが、この辺を含めましての正規取り扱いの徹底を図るように指導していくことはもちろんでございます。同時に、各地方貯金局の正規取り扱いの励行、あるいは防犯措置等について会議等を通じて徹底を図ることが必要でございますが、同時に、やはり犯罪と申しますものはどうしても職員個々の自覚によって防がなければいけないという問題がもう一つございます。私ども、そういった点につきましては、こういう起こりました事件につきましては大変おわびしなければいけないわけでございまして、これからの問題といたしましては、職員の防犯意識、認識の確立ということをも含めましていろいろな形での正規取り扱いの徹底、周知を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#93
○山中郁子君 一年に一回やることになっているのが一年七カ月にわたってやられていなかったというところが一つあるんですけれども、一年に一回で果たして適切なのかどうかは議論のあるところだと思います。ただ、それがもっと短いサイクルで行われるようになって、それが実際に現実に行われていれば未然にも防げるし、早期にも発見できるということも十分考えられることだということだけ申し上げておきたいと思います。
 それで、この問題の、いま局長おっしゃった実際の申込書と帳簿面との照合、実際、現在高通算というんですか、この作業を、私、大阪の地方貯金局や京都の地方貯金局の話を聞きますと、大量にアルバイトを動員してやっている実態があるというふうに伺うんですけど、それで昨日もちょっと郵政省の方にその辺の実情をお調べいただくようにお願いをしておきましたんですが、大阪地方貯金局の場合で結構ですけれども、第一貯金課から第七貯金課までたしかあると思いますが、そこの現在員と、そこでアルバイトがどのぐらいやっているのか。特に繁忙をきわめたと言われている一昨年の夏の時期は相当程度に入っているというふうに聞いているんですけれども、そういう人たちがこの大事な現在高通算の仕事をやっているというふうに伺っているんですが、その辺は状況どうですか。
#94
○政府委員(鴨光一郎君) 大阪貯金局での場合というふうに御質問ございましたけれども、大阪貯金局の中の貯金課関係の現在員は四百名でございます。
 この定額貯金の預けかえに伴います繁忙に伴う非常勤の職員の雇用でございますが、大阪の場合、延べ人員にいたしまして約三万五千名ということになっております。これは五十五年の四月から十月までの間における非常勤職員の雇用の状況でございます。
 私ども、要員の配置に当たりましては、当然、事務量の動向に即しまして適切な配置を行うよう常に配意をしているところでございますが、一時的に事務量が増加をいたしました場合には、本務者の時間内及び時間外の勤務によりますほかに、御指摘の非常勤職員の雇用によって対処をしているわけでございますけれども、この非常勤職員に受け持たせます仕事と申しますのは、当然のことに本務者の補助的な仕事といったことにウエートを置いてやらせているというのが実態でございます。
#95
○山中郁子君 きのうお尋ねしたのは、私が聞いているのは、たとえば一つの課で一昨年の夏の繁忙をきわめたという時期に三百五十人のアルバイトが入っていたというふうに伺ったんですね。いま例えば、貯金課全体で四百名の本務者である。そうしますと、一つの課がどのぐらいなのかということは、課によって多少の違いはあるんでしょうけれども、百人はいかないですね。せいぜい五、六十人から七、八十人。そこに三百五十人のアルバイトが入っていたというふうに伺ったものですから、そういうことが実際あるのか。そして、その人たちが繁忙をきわめたときのいわゆる現在高通算の仕事に当たっていたという話を伺っていましたので、その辺、実際そういうことがあったのか。そして、現実にことしの三月でも六十人から八十人のアルバイトが入っている。そういう人たちによる現在高通算の仕事が現に行われているというふうなお話も伺っているので、それをちょっとお尋ねをしたかったわけですけれども、お答えの中でははっきりした御調査がいってないようですので、それはまた追って実際の調査をいただいた上で教えていただくことにいたします。
 いずれにいたしましても、この三千四百万の欺取の問題で明らかになるように、そうした現状の仕事のあり方の中から、実際の国民の大事な貯金を保全するという部分がアルバイトの方たちによって行われているということがあるとすれば、それはいかがなものかというふうに思っておりますので、その点についての郵政省としての対応をやっていただく必要があるのではないか、こういうふうに考えているわけで、一応、今後の改善の方向として御認識を伺っておきたいと思います。
#96
○政府委員(鴨光一郎君) お答えいたします前に、先ほど五十五年の四月から十月というふうに申し上げましたが、訂正をさせていただきたいのは、大阪の場合十二月まででございます。大変申しわけございません。
 それで、貯金課の現在員約四百名でございまして、その中で、先ほど申しましたように、非常勤を当時、いま申し上げました期間、約八カ月でございますが、その間に三万五千名ほど雇用をいたしておるわけでございまして、この間で三万五千名を採用いたしたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、非常勤につきましては、当然本務者がやるにふさわしい仕事は本務者がやるという前提で、一時的な事務量増加をいたしました場合にはそれに対します補助的な仕事をやらせる。したがいまして、先ほどの格差という問題につきまして、実際の帳簿面とそれから証拠書で当たりました数との具体的な突き合わせというものは本務者がチェックを行っているということでございます。
 これから先の問題といたしましては、先ほども申し上げましたように、こういうことが起こらないように今後とも十分配意をして、正規な取り扱いの励行あるいは防犯意識の高揚に努めたいというふうに考えております。
#97
○山中郁子君 私が伺っているのは、四百名の本務者がいたそのときに、一昨年の夏の繁忙のときにアルバイトは何人いたのかということを最初から何回も伺っているんですけれども、それは何カ月で何万とおっしゃるけれども、それじゃそこの期間は何人いたんですか。毎月同じ人数いたわけじゃないでしょう。そのときによって違うわけでしょう。忙しいときはたくさん入れるわけでしょう。そのことを伺っている。だめよ、ちゃんと答えてくれなきゃ。それはまた後で教えてくださいな。四百人のところに、そしたら何百人いたのか、アルバイトが。そういうような仕事の状況であったのか、それを伺っている。きのうもそのことはお尋ねしてあるんですから、ちゃんと聞いて、調べることはちゃんと調べてくださいな。それはいいですね。
#98
○政府委員(鴨光一郎君) ただいまの点で一番繁忙なとき、先ほど申し上げました五十五年の四月から十二月までの間、延べで三万五千人の雇用をいたしました中で、最繁忙時の雇用人員を申し上げますと、大阪貯金局の場合、約四百人でございます。
#99
○山中郁子君 本務者と同じ数だけのアルバイトでもって仕事をしていたという仕事の実情があるということでしょう。わかっていろなら最初からちゃんと答えてくださいな。
 それで、次の問題ですけれども、郵便料金の引き上げが、私がこの逓信委員会でいろいろお尋ねをするようになってから二回ありました。二回目は法定制緩和の問題もついていまして、かなり長時間いろいろほかの皆さんと一緒に議論したわけですけれども、その中で一つの問題意識として私が持っておりましたことは、会計制度が事業別に明確にされていないことによってさまざまな問題が起こるということを郵便特会の面から幾つか問題にもし、明らかにしてほしいということでお尋ねもしてきて、明らかになった部分がないわけじゃありませんけれども、かなりやはり基本的に問題が残るという状態でありました。今度は、この貯金の問題に関連して、そういう貯金の側からその点について若干解明をしていただきたいというふうに思いまして、余り時間がないのですけれども、お尋ねをしておきたいと思います。
 郵貯特会の損益計算書を五十七年度予算で見ますと、郵政事業会計へ繰入五千百九十一億円とあって、そのうちの事務取扱費繰入五千百四億、そのほかに八十六億が営繕費繰入というふうになっていますけれども、この点は郵政特会ではどこに受け入れられているのかをまずちょっと教えてください。
#100
○政府委員(奥山雄材君) お答え申し上げます。
 先生御承知のとおり、郵政事業につきましては、郵政事業特別会計を通じまして郵便並びに郵便貯金、さらには簡易保険といった三事業を効率的に運営するために一つの会計で処理することにいたしております。
 そこで、先生お尋ねの郵貯特会から郵政特会への繰り入れ関係でございますが、郵便貯金特別会計法第四条の規定に基づきまして、「郵便貯金の事業の業務の取扱に関する諸費及び同事業の業務に必要な営繕費は、郵政事業特別会計の歳出として支出するものとし、これに要する財源は、」「予算の定めるところによりこの会計から郵政事業特別会計へ繰り入れる金額をもって充てるものとする。」という規定がございます。先ほど先生が御指摘になりました郵政事業特別会計へ繰り入れる額五千百九十一億円のうち事務費の繰り入れが五千百五億円でございまして、設備負担金八十六億円につきましては受け皿といたしましては郵政事業特別会計のいわゆる建設費の財源といたしまして受け入れることにしております。具体的に申し上げますと、郵政事業特別会計の建設勘定の中の財源といたしまして減価償却費三百九十三億円、借入金五百十四億円並びに設備負担金として百九十五億円が計上されております。その中の八十六億円が郵便貯金会計の分担分でございます。
#101
○山中郁子君 そうしますと、資本勘定の他会計より繰り入れされているというものの中の八十六億が貯金からだというお話だと思うんですけれども、そうしますと、そのあとは、その他会計からというのの残りはこれは簡保だというふうになるわけですか。ちょっとそれだけ確認さしてください。
#102
○政府委員(奥山雄材君) まず、建設勘定の財源内訳として繰り入れられまして、さらにこれが資産勘定を通してバランスシートに資産として計上される経過をとることになります。先生御指摘のように、資本勘定のうちの建設費財源としての設備負担金百九十五億円のうち郵貯会計分が八十六億円でございまして、残りが簡保会計でございます。
#103
○山中郁子君 つまり、ここはまたその繰り入れのところが貯金と保険がはっきり分かれてないわけでわからないわけね。出す方は八十六億で貯金から営繕費で出すというふうになっているけれども、受け入れる方は簡保と一緒になっているということが一つあるんです。
 それから事務取扱費としての繰り入れしている部分の対応する支出はどうなっているのかということをお尋ねしたいんですが、余り時間がないので、きのうちょっと説明を伺ったところによると、為替貯金費として四千二百七十六億円というふうになっているそうですけれども、これの為替振替分と貯金ですね、その分の内訳というか区分、これを教えていただきたい。
#104
○政府委員(奥山雄材君) まず、前段の郵政特会への受け皿の方では簡保会計からの繰り入れ分と郵貯特会からの繰り入れ分が一つになって明確に区分されていないではないかということでございますが、これは先生御承知のとおり、郵貯特会と簡保特会とは最終的に郵政特会にリンクされまして郵政特会として一本で支出が行われます関係上、郵政特会という受け皿においては一本の費目で計上されるのが至当だというふうに考えております。
 また、後段の四千二百七十七億円という予算上の為替貯金費の内訳でございますが、この点につきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように、まさしく為替振替関係の運営経費もこの中に計上されております。しかしながら、送金決済手段としての為替振替業務並びに貯蓄業務としての郵便貯金業務はいわば金銭業務として一体的にとらえられるのが至当だというふうに私ども考えておりまして、特に昨今のようにオンラインが進みまして三業務が一体的にリンクされた段階では、この三業務はセパレートすべきでなくて一本でむしろ経費は計上するのが最も適当であるというふうに観念しておりますし、また民間の金融機関におきましても郵政省の振替業務に相当する当座預金はまさしく預金でございますし、また諸外国の金銭業務を見ましても、これらは一体的に経費が計上されているのが実情でございます。したがいまして、予算上は郵便と為替貯金と保険年金と電気通信という四つの事業に大別して予算を計上することに私どもとしてはしておる次第でございます。
#105
○山中郁子君 私が申し上げているのは、郵貯特会は為替振替入っていないわけでしょう。入っていないんですね。そこのところの問題を申し上げて、片方は郵貯特会で、片方は為替貯金費となっていますでしょう。だから、当然これは分計がでさるはずだと思うので、どういうふうに分けられるのかということでお尋ねをしているんですけれども、それは込みでわからぬ、こういうお話ですね。それはそういうものとしてわかりました。つまり、これもわからないわけです、この予算書見たのではね。
 それからもう一つの問題としては、やっぱり減価償却があるんですね。減価償却費を見ますと、これも三百九十二億円ということで出ているんですが、これも当然のことながら郵便、貯金、保険、電気通信、それぞれの分があるはずなんですけれども、これの区分、それから区分が幾らずつになるのか、その根拠を示していただきたい。
#106
○政府委員(奥山雄材君) まず、為替貯金費四千二百七十七億円の内訳があいまいもことしたものではないかという御指摘だと存じますが、私どもといたしましては、予算の経理上の区分は明確にいたしております。ただ、先ほど申し上げましたように、為替振替、貯金というものは金銭業務として一体的にとらえることが至当であるという見地からこれを一体として予算上計上する方式をとっているということでございます。あえてその中身を申し上げますならば、為替振替に要する経費は四千二百七十七億円のうちの三百億円程度ということでございます。
 それから後段の減価償却費の三百九十三億円についてのお尋ねでございますが、昭和五十七年度の予算で申し上げますと、五十六年度末における固定資産、これを四つに区分いたしまして、固定資産台帳から建物と工作物と郵便関係の機械器具と、貯金、保険の電子計算機関係の機械の四分類に区分いたしまして、それぞれの耐用年数に応じた総合償却率を求めて定率法によって計算をいたしております。その結果三百九十三億円になるわけでございますが、その分担比率を出すに当たりましては、たとえば郵便の区分機のように郵便事業に帰属させることが適当であることが一見明らかなものは事業別の区分として直ちにそれぞれの会計事業の分担として帰属させまして、建物のように共同して三事業が使うようなものにつきましては、それぞれの事業別の使用面積の比率を求めて分計することにしております。その使用面積比と申しますのは、これは各郵便局から、全局でございますが、業務概要表というものを私ども毎年とっております。その業務概要表の中にそれぞれ事業別の実際の使用面積を書き込ませることにしております。それをサムアップいたしまして、その比率によって分けるということでございます。そのような分担基準によって分計いたしました結果を申し上げますと、減価償却費三百九十三億円のうち、郵便分担分が二百七億円、為替貯金関係が百三十四億円、保険年金関係が五十一億円、電気通信関係が一億円ということでございます。
#107
○山中郁子君 郵便と保険をちょっともう一度おっしゃってください。
#108
○政府委員(奥山雄材君) 郵便事業が二百七億円、保険年金関係が五十一億円でございますが、あえて申し上げますと、これの内訳を示していないのは、これも先ほどの郵貯特会からの繰り入れと同様、郵政事業特別会計といういわば総合勘定に集約されて支出されることになるからでございます。
#109
○山中郁子君 そこのところを私言っている。そこのところというのは、おっしゃるように総合でやるからこうなるんだ、分けてないんだ、こうおっしゃっているので、私が申し上げているのは、分けなければわからないではないかということを申し上げているので、そこはちょっと頭に置いておいてください。
 それで、本省関係の設備の償却にかかわる分担、つまり総係費関係ですね、それはどういうふうになって、どういう根拠で分担されていることになりますか。
#110
○政府委員(奥山雄材君) 総係費の分計についてのお尋ねでございますが、総係費五十七年度予算で四千二百五十億五千二百万円でございます。この総係費と申しますのは、御案内のとおり、本省あるいは郵政局あるいは研修所、病院、さらには現業部門における郵便局長あるいは庶務会計部門といったような共通関係の部門の経費を総括したものでございます。この中身によって分計の基準が幾つかの要素に分かれますが、簡明に申し上げますと、それぞれの業務費の事業量に応じてそれぞれの総括的な経費、つまり総係費を分計するのが一番至当であろうということで、おおむねはそれぞれの事業別の業務取扱量、それを端的に反映するのが定員でございますので、さらに申し上げますならば四事業の定員比に帰属するものが多いということを申し上げているわけでございます。
#111
○山中郁子君 そうしますと、特定局の場合の、つまり無集配特定局の借料は、支出費目は需品費に入っているというふうに伺いましたけれども、これの四事業の分担はどういうふうになるんですか。やっぱり定員ですか。
#112
○政府委員(奥山雄材君) 特定局の借料関係は総額で五十七年度予算二百三億円でございますが、この分担割合も、先ほど申し上げましたように、定員比によって分計いたしております。分計いたしますと、郵便関係が九十億円、為替貯金関係が七十二億円、保険年金関係が三十億円、電気通信事業関係が十一億円ということになっております。
#113
○山中郁子君 その定員の比率で分ける、いわばだんじて分けるわけですよね。そういうふうになった場合にいろんな矛盾が出てくると思いますことの一つに、この無集配特定局の借料のたとえばいまの分け方が出てくるんですね。無集配特定局の場合には、郵便の仕事は全体の比率から見ればうんと少ないわけでしょう。保険の方が多いですね。それが全体の定員比でもってこの支出が事業別に分けられるということになると、かなりやっぱり実際とは違った分担にならざるを得ない。この特定局の部分を考えてみますと、そこのところはどうしても矛盾が出てくるのではないですか、理論的に言っても。
#114
○政府委員(奥山雄材君) 私の説明が言葉不足で大変失礼いたしましたが、特定局の借料につきましては、あくまでも特定局における四事業の直接定員比でございます。普通局分は入っておりません。
#115
○山中郁子君 そうしますと、特定局の場合には定員比率では分けられないですよね、一人の人がいろんな仕事をするわけですから。小さなところで一人で、郵便もするし、貯金もするし、保険もするという事態だってあり得るわけでしょう。その特定局の定員比率というのは出るんですか。私はあくまでも仕事のウエートでもって出す以外にないのじゃないかと思うんですけれども、その辺はどうですか。
#116
○政府委員(奥山雄材君) お答え申し上げます。
 特定局の定員比と申し上げますのは、先生が御指摘になりましたように、端数のついたものを全部サムアップいたしまして、全国集計いたしましてラウンドな数字にしたものでございます。確かに個々の周あるいは個々の人をとってみますと〇・何人というような端数がつくわけですが、それらが一人の人として、あるいは一つの単独の局所としてまとまった場合にはいずれも整数になります。分計定員と呼んでおりますけれども、その分計定員を全部全国的に合計いたしまして、それも特定局部分だけでございますが、その事業別定員比率によっております。
#117
○山中郁子君 それはわかりました。
 それで、いまの減価償却もそうですし、いまの特定局の借料もそうですし、大きく言えば総係費四千二百五十億ですね、これの四事業の分担はやっぱりかなりこういうふうにして細かく伺っていかないとわからないわけですよね。それで、郵便が赤字だとか、やれ貯金はどうだとか、簡保はどうだとか、保険はどうだとかというふうな議論に政治的にもなるわけでしょう。その場合に、この予算書を私たちが見ても相当突っ込んで語を聞いてみないとさっぱりわからないというような仕組みになっていることが、私はちょっとやっぱりどうにか考えていただく必要があるのではないかと思っているわけで、これがかねてからの問題意識なわけですけれどもね。
 それで、もう一つの問題として、資産の問題でお伺いするんですけれども、郵便貯金会館だとか貯金局センターコンピューターなどの設備はいわゆる貯金プロパーの資産ですね。そうしたものについては幾らになるのか。というのは、この予算書をどうひっくり返して見てもわからないんですよ。それはどこかでわかるようになっているんですか。
#118
○政府委員(奥山雄材君) 郵政事業特別会計の固定資産総額はわかります。これは貸借対照表で一兆七千四百億円というのが出ております。これらの中に、それぞれの事業別の分計がどうなるのかわからないではないかという御質問かと思いますけれども、この中身といたしまして、郵政特会では、郵政特会法の七条によりまして資産イコール資本という仕組みをとっておりまして、いわゆる負債勘定はございません。そういうふうに貸借対照表で借方と貸方がバランスするようになっておりますが、その貸方の方の他会計からの繰入資本、これがいわゆる設備負担金のいままでの累計分でございます。五十七年度末で三千四百四億円余が計上されているかと存じますが、この三千四百四億円のうち郵便貯金からの設備負担金として繰り入れた総額がこれまでに二千百八十二億円というふうになっております。この分が郵政会計の、先ほど申し上げました一兆七千四百億円の資産の一部として化体していることは間違いございません。
 しかしながら、これはあくまでも一部でございまして、貸借対照表をごらんいただければおわかりかと存じますが、その貸方科目の中には、資本といたしまして他会計からの繰入資本のほかに固定資産評価積立金がございます。つまり再評価による積立金とその他の要素も入っておりますので、これらも当然貯金会計並びに保険会計の持ち分といいましょうか、割り掛け分として帰属させなければならないものが入っておりますので、これを貯金会計分が幾ら、保険会計分が幾らということを分計することはやっておりませんし、また三事業が一体として運営されている、つまり貯金と保険がかつての電電公社のように飛び出すことを予定しない限り、この三つの事業は一つとしてゴーイング・コンサーンであるという観念をとっている以上、これは現在の方式で私どもは適当ではないかというふうに考えております。
#119
○山中郁子君 そうすると、わかるのは一兆七千四百六十億のうちの二千百八十二億円が貯金の資産としてある、部分としてね。それだけがわかる。それの実際の倍以上に上る固定資産評価積立金の部分は、これは一緒なんだからわからぬ、こうなるわけでしょう。そうすると、経営上の大切な指標である償却率が出てこないわけですよ、減価償却。お金は出すけれども、償却率がどうなのかということは経営上の大きな指標でしょう。それが貯金なら貯金、あるいは郵便なら郵便、簡保なら簡保というふうにして出てこないんですね。そして片方で独立採算だといって、郵便の場合、たとえば赤字だから値上げだ、こうなるわけでしょう。そこのことを私は郵便料金の値上げの問題のときからずっと一貫して申し上げてきた部分なんですけれども、この機会に私はいまそのことを解明したいと思って取り上げたわけですが、お話の経過の中でも、要するに貯金の資産が大体どのくらいあって、そしてその償却率がどのくらいで、したがって貯金事業はこうなんだということがちっともこれで出てこないという、そういう問題があるので、私はやはりどうしても少なくとも大きな部分の四事業で、そんなに何十事業もあるわけじゃないんですから、そういうものをきちんと反映するような会計制度にしなければならないというふうに思っています。
 これは四十二年の六月に行管庁が郵便貯金に関する勧告として出されたものの中にもその点がありまして、こういう指摘になっているんです。貯金事業について「事業全般の経営状態をは握することが困難であり、」「郵便貯金事業の経営実態を明確には握するため、事業別分計方式の合理化を推進し、」「会計制度全般の再検討を行なうこと。」という指摘があるんですね。それから「また、現行の事業別分計制度は、人件費、消耗品費等の事業経費を主たる対象とするものであり、固定資産等物的資産の各事業の持分等は明らかにされていないため、それとの関係では握されるべき事業別のコスト、正味資産および剰余金の具体的態様、経営成績の長期的動向等についての検討が不可能であり、そのため、これら会計諸報告の経営管理手段としての価値はきわめて低いものとなっているといわざるを得ない。」、これが昭和四十二年に指摘されているわけです、行管庁から。
 それからいま郵貯の問題についていろいろ銀行側からの問題があるんですけれども、この「郵便貯金に関する私どもの考え方」という銀行サイドで出したものの中で、こういうことを言っているんですね。「郵政省は予算審議等を通じて、必要な事項はディスクローズしていると主張しています。しかし、郵便貯金特別会計の予算書を見ても、経費については、郵政事業特別会計へ一括繰り入れした金額の記載があるのみで、明細はおろか、人件費と物件費の区別さえなされていないのが実情です。」、こういうことを言っているんですね。そして少なくともここでは、「他事業に押しつけられている郵便貯金事業の経費は、五十四年度では、少なくとも一千億円はある」と推計すると、こう言っている。私は、またこの一千億円の推計の根拠がどこにあるのかというのがさっぱりわかりませんけれども、少なくとも銀行サイドからこういうクレームをつけさせないような郵政会計の会計制度の整備ということはどうしても必要で、それは銀行だけの問題ではなくて、国民の目にもう少しわかるような会計制度にしなければならないであろうという立場から、きょうのこの貯金法の改正の機会を使いまして若干の時間たださせていただいたわけですが、最後に、ひとつ郵政大臣から御所見を承りたいと思います。
#120
○政府委員(奥山雄材君) その前に、一言触れさせていただきたいんですが、資産関係の分計が明確でないのではないかという御指摘がございましたが、先ほど申し上げましたように、設備負担金として繰り入れられました額が二千百八十二億円と、そのほか再評価積立金として積み立てられたもの、これを推計して分計することは可能でございますし、内部作業としてそれはやっております。
#121
○山中郁子君 じゃ、教えてください。
#122
○政府委員(奥山雄材君) それを推計いたしました結果四千七百億円でございますが、つまり二千百八十二億円と再評価積立金に係るものを合わせまして約四千七百億円でございます。これがいわば郵貯会計に係る固定資産の持ち分というふうに考えていいかと思います。しかしながら、あくまでもこれは抽象的、観念的な分計の問題でございまして、他会計からの繰入資本並びに固定資産評価積立金といいますのは、先ほど申し上げましたように、民間で言う資本剰余金のような一種の抽象概念でございますので、これを三事業を一体としてのゴーイング・コンサーンでやっている以上、計算上の分計はして私どもの勘定としては明確に経理しておりますけれども、これを予算書上に分けて出すというようなことはいかがかというふうに考えております。
#123
○山中郁子君 そうしましたら、いまの分計の仕方でもいいですから、一兆七千億の資産の四事業の分計ですね、数字は、いま出てなければ後で結構ですからいただきたいと思います。それがよろしければ、大臣に先ほどの立場からの所見を伺いたいと思います。
#124
○国務大臣(箕輪登君) 郵政事業は、郵便を初め為替貯金、あるいはまた保険年金などの事業を郵便局という同じ窓口で国民にサービスの提供を行っておるところでございますが、それぞれの事業は独立採算を旨としておりますので、各事業の運営に要する経費を明確に区分する必要がございますが、予算においてもできるだけ明確に表示するようにしているところでございます。しかしながら、先生御指摘のように、予算上必ずしも明確でない部分もございますけれども、政府予算としての形式、他の特別会計その他でも、一般予算でもそうでありますが、こういう一つの形式があってなかなかわかりづらいのです。うちの郵政事業だけが特に不明確だということではないのでありまして、御質問いただければだんだんわかってくるわけでございますが、大体こんなようにできているのでございまして、しかし貴重な御意見として今後の参考にさせていただきたい、こう思います。
#125
○中村鋭一君 朝からの委員の質問の中で何回も指摘されておりましたけれど、五十六年度一兆二千億円も郵貯の伸びが下回っているという事実、それに対して鴨さんは、景気低迷で民間の皆さんが使える金が減った、それから金利選好ムードが高い、あるいは民間の金融機関が多彩な新規商品を開発しているから、だから郵貯が低迷しているんだ、そういう御説明であったと思いますけど、一方では、やはりグリーンカード制が五十九年初頭から実施されることにちなんで、いち早くそれを市民の皆さんが警戒をされてシフトをしているんじゃないか、こういう見方もあるんですけれど、鴨さん、そういう見方は全然当たっていないとお考えですか。
#126
○政府委員(鴨光一郎君) グリーンカード制度の実施につきましては五十九年からということでございまして、私ども、郵便貯金につきましては預入をする際にグリーンカードを提示していただくということで、いわゆる総合課税制度への移行ということを前提にこの制度に参入をしたわけでございますが、いま御指摘の郵便貯金の伸び悩みの状況につきましては、私ども三つのポイント、つまり一つは家計可処分所得の伸び悩み……
#127
○中村鋭一君 それは私申し上げましたので、結構でございます。
#128
○政府委員(鴨光一郎君) そのほか二つございます。
 で、グリーンカード制度がという御指摘でございますけれども、グリーンカード制度につきましては、一昨年の三月に法改正がされまして、それからその年、二度にわたりまして大蔵省と法律外の実行面での措置につきまして話し合いをいたしました結果、合意が成立をいたして決着をいたしているわけでございますけれども、こういった状況の中でグリーンカード制度がどういう影響を及ぼすかということにつきまして、私ども必ずしもつまびらかにいたしておりません。恐らくは特段の影響はないのであろうというふうな理解でございますが、一般的に申しまして、私ども郵便貯金をお預かりをしております立場からいたしますと、今後の郵便貯金の増加に及ぼすもろもろの要因あるいはその動向といったことについては十分に関心を持ってこれからも注意を払っていきたいというふうに考えているわけでございます。つまりグリーンカード制度がどのような影響を与えるであろうか、あるいは与えてきただろうかという点については、必ずしもつまびらかではないということでございます。
#129
○中村鋭一君 必ずしもつまびらかでないとはいいましても、いまお挙げになりました三つの理由以外に、やっぱり一兆二千億も見通しを下回るというのは、敏感な国民の皆さんがシフトをしておられると思わざるを得ないと思うんですね。ですから、必ずしもつまびらかではないとおっしゃいますけれど、そこはひとつつまびらかにしていたたいて、それでないと、これからの郵貯の伸び率を見通すにも、グリーンカード制が実施されるということが国民に対してどういう影響を与えているかということを考えませんと的確な見通しが立たない、こう思うんですけど、そのことは十分考慮に入れていただけるわけですね。もう一度お尋ねいたします。
#130
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほども申し上げましたように、私どもグリーンカード制度というのは分離課税制度から総合課税制度への移行ということを前提にいたしまして、私どももこれに参入をすることにしたわけでございますけれども、私どもといたしましては、具体的には郵便局の窓口に来ていただくお客様方に、五十九年の一月からはグリーンカードを原則的には提示をしていただくということになっておりまして、こういった点は利用される方々に、世上よく言われておりますように、いわゆる一般的な預金者についてはグリーンカード制度があったとしても税制面で特段の影響はないではないかという指摘もあります反面、いま申しましたような利用者の方々が、郵便局もそうでございますが、一般的に預貯金をされます際にグリーンカードを持っていかなければ預貯金ができないというふうな意味での心理的な影響、あるいはもっとグリーンカード制度そのものについての十分な理解、周知がされていない、あるいは理解の行き届いていないことによって何か預貯金することについて非常に不自由な状態になってきたというふうな、そういった心理的な側面もあろうか、そういった点も含めまして私つまびらかでないということを申し上げているわけでございます。
 何にいたしましても、現在は、そういう制度の実施を控えた現在の状況の中で、私どもそういった点がどのように影響しているのかつまびらかにいたしておりませんけれども、今後ともそういった点の影響、これはグリーンカードの実施の影響のみにとどまりませんが、もろもろのそういった要因については常に配意をし、あるいは注意を払っていくつもりでございます。
#131
○中村鋭一君 非常にわかりやすくお答えいただきまして、ありがとうございました。
 大臣、いま貯金局長もおっしゃいましたけど、グリーンカード制というのはやはり総合課税でなければ意味をなさないと思うんですが、一部には分離課税を存続して、そしてグリーンカード制は実施するということも聞きますし、現に自由民主党や民社党の一部で見面し論が展開されていることもよく御承知だと思いますが、賛否はひとまずおいて、少なくとも、大臣、分離課税を存続してそしてグリーンカード制を実施するということには、大臣としてはこれは反対でございますね。
#132
○国務大臣(箕輪登君) そもそも、このグリーンカード制度に郵政省が参入いたしましたのは、総合課税に移行するという前提で参入をしたわ付でございます。自民党の中でも、また先生の所属政党の中でもいろいろ議論のあることは私も承知でございます。自民党総務会も再検討するということを言っておりますが、その方向がまだよくわからないわけでありまして、したがって、その将来の問題についてコメントすることは差し控えたい、こう考えるわけであります。
#133
○中村鋭一君 郵便局の窓口で、いわゆるオンラインサービス、これが五十三年以来ずっと拡大してまいりまして、今度は振替ですね、たとえばNHKの受信料も水道代も郵便局で振り込みができる、こういうふうになるわけですね、この六月からですか。一方で、金融犯罪が多発しておりますね。非常に知恵のある人がいて、とにかく機械を開発した電電公社の職員が、自分が開発した機械を利用して多額の窃盗を行う、こういう時代でございます。郵便局は、元来、いわゆる専門の金融機関ではなかったわけでございまして、専門のたとえば民間の金融機関ですら知恵のある人はあれだけの金融犯罪をいま犯しているわけですから、将来、このオンライン化が全国津々浦々の数千の郵便局の窓口で実施されますと、そういった犯罪に対する防止策、チェックということが大変重要な課題になってくると思うんですけれど、郵政省ではすでにそういった面についてのたとえば防止策、チェックの仕方等については研究をしておいでになりますか。
#134
○政府委員(鴨光一郎君) 私ども、確かに郵便局におきましては貯金以外にも郵便、簡易保険といった仕事を一体的に扱っておりますことは事実でございます。もちろん、いずれもお客様、国民の皆様との接点ということでございまして、それぞれの事業を通じまして犯罪防止ということは、お客様へのサービスということとあわせまして大きな柱であるというふうに自覚をいたしているところでございます。したがいまして、オンライン化の行われているところ、いないところにかかわらず、私どもといたしましてはその防犯に心しなければいけないと考えておりますが、その点では窓口におきまして、まずは貯金の場合、正当な権利者の確認を十分に行うということが基本でございます。
 そういうことで、預金者の方からのたとえば通帳盗難というふうなことの届け出がございました場合には、これはむしろオンライン化によりまして払い渡し警戒をすれば直ちに預金者の方の保護ができるというふうなメリットも一面ではあるわけでございます。しかしながら、御指摘のような形で犯罪をもくろむ者がいないとは言えない。その点につきましては、私ども部内、部外を問わず、そういった犯罪が起こらないようにするためのもろもろの配慮は、先ほど申し上げましたような考え方に立って十分にいたしているつもりでございますが、具体的に申し上げまして、事務処理に当たりましては、特にコンピューター関係の機器類の使用あるいは管理、それから各種帳票類の管理、あるいはプログラムの管理などを特に厳重に行う、それから業務取り扱い上、書類事務と現金事務の分離といった形での職員相互の牽制措置を行う、もちろん電子計算機の操作に関連のあります部署につきましては、そういった出入といったもの、あるいはいろいろな関連いたします資料、データ等への接触の状況といったものを的確に把握をしてチェックをしていく、こんなふうなことに配慮をいたしているわけでございます。犯罪というものは人間が起こすものでございます。したがいまして、特に私ども、お客様に御迷惑をかけない、また事業の信用という観点からも部内で犯罪を起こすことがないようにという点は、部外者犯罪ももちろんでございます、部内犯罪を起こさないということのためには何よりも職員の防犯意識というものが肝要であろうかということで、先ほど申しました個々の具体的な機器類の使用、管理といったことのほかに、機会あるごとに職員を指導いたしまして防犯意識の高揚といったことに努めているところでございます。
#135
○中村鋭一君 一番最後のところを私お伺いしたかったんですよね。いまあなたは相互に牽制するようにしたいということをおっしゃいましたね。しかし、上から指示をしたり管理をしたり相互に牽制させるということは、どうしてもお互いの、場合によっては不信感を招きかねません。牽制するということは、相手が犯罪を犯す可能性があるから、だからお互いに牽制し合うということになりますから、それは大事なことですけど、それよりも何よりも全郵政職員が一丸となって倫理感を高めて、士気を高揚して、国の仕事でありましても窓口においては国民に対するサービスでございます。ということは、民間の金融機関のサービスに徹しておりますあのやり方も大いに参考になるんじゃないか。小さなことですけれど、たとえば笑顔で応対をする、あるいは常に清潔な服装をしてお客様に愛される、そういう郵便局であり窓口であってもらいたい。そのためには、常にやっぱり郵政職員の士気を高め、倫理感を高める、そういうところに最重点を置いてやっていただきたいと思います。
 七十万を百万に限度額引き上げ、これ大変結構なことなんですけど、いまは結婚式の費用だけでも百万ぐらいすぐかかるわけですね。つい先日も大阪のホテルプラザでは十六組の結婚式でした、おとといの日曜日ですね。ロイヤルホテルは二十四組の結婚式が挙げられ、披露宴が行われているわけです。最近、皆さんホテルで披露宴をおやりになります。最低でもホテルの費用だけで百数十万かかるわけですね。というふうに見てくると、百万円に引き上げたというのが妥当かどうか、もっと思い切って引き上げてもいいんじゃないか、そういう考え方もあるんですけど、この辺、局長、どのようにお考えですか。
#136
○政府委員(鴨光一郎君) ゆうゆうローンの貸付限度額を百万円に引き上げるようにお願いをいたしておりますのは、先ほどもお答えを申し上げておりますが、四点ほど私ども把握をいたしております。一つは、国民の皆様からの御要望、それから一つは、いま先生御指摘ございましたように、結婚、教育といった問題がございますが、そのほかにも、もちろん日常の生活資金が必要であるというふうなことで、額の小さなものももちろん御要望があるわけでございます。いずれにいたしましても、そういった目的から見ての百万円への引き上げという側面がございます。
 また、私どもの立場からいたしますと、民間でも同種のローンの限度額が百万円といった点も今回の改正をお願いしている理由でございますけれども、反面、私どもがいま行っておりますゆうゆうローンと申しますものは、あくまでも預金を担保にいたしました貸し付けでございまして、本来ならば解約してそのお金を払い戻されるというのを、一時的な資金のつなぎという形で貸し付けをして差し上げるという趣旨のものでございます。したがいまして、その点からいたしますと、このお貸しをしたお金を返していただくということによって本体の貯金を継続していただくということになるわけでございますが、その場合の返済という点から考えますと、この百万円というものが、私ども引き上げをお願いしております立場からはまあまあ無理なく返済をしていただける額ではないであろうか。
 仮に、現在の限度額三百万円の枠の中で、額の制限なしに、いま適用されております比率九〇%というものを適用いたしますと二百七十万円というふうなことになってまいりまして、本来、立法当時の小口、低利な融資というふうな点からいたしましても、百万円というところからさらにそれを進めるということにつきましては、これはもちろん郵便貯金の限度額そのものがこれからどうなっていくか、われわれは引き上げを要望いたしておるわけでございますが、そういったことやら、一般の社会経済レベルと申しますか、それからまたお借りいただく国民の皆様の日常生活、経済生活そのものがどんなぐあいになっていくか、そういった面をもろもろこれからの課題として考慮をさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
#137
○中村鋭一君 そこなんですね。ですから、経済の実勢とか、国民のお金の使い方に対する考え方が変わってきているわけですね。一例としていま私、結婚の披露宴のことを申し上げたんですけど、やっぱり一生一度のことですから、百五十万、二百万かかったって、いい式、いい披露宴を挙げたい、そういう時代に現実になっているわけなんですね。それがぜいたくであるかないかは、これはまた別の次元になります。現実がそうなっているわけですね。とすれば、思い切って貸付限度額をもっと引き上げるという考え方、したがっていまの三百万の枠を五百万にするとか、そういう考え方も当然出てくる、こう思うんですけど、いま郵政省が考えておられる限度額、いまマル優の枠三百万ですね、これは幾らぐらいまでが妥当であるとお考えでございますか。
#138
○政府委員(鴨光一郎君) 限度額につきましては、現在、法律上三百万円になっておりますが、五十七年度予算の要求の際に郵政省といたしまして引き上げを要求いたしました額は五百万円でございます。現在のところ、要求をいたしました当時と日がたっておりませんので、そこいら辺が適当な額ではなかろうかと考えているところでございます。
#139
○中村鋭一君 この七十万を百万に引き上げる、それをさらにもっと上げるためにも、三百万のマル優の枠をなるたけ、大臣、早い機会に五百万ぐらいに引き上げていただくようにせっかく御努力をお願いしておきたいと思います。
 それから返せる限度とおっしゃいました。そこのところをお尋ねしたいんですけど、せっかく七十万を百万にしても、返す期限が一年になっていますわね。ボーナス百万とおっしゃいますけど、中小企業の従業員の皆さん、年間百万円ボーナスを取っている人そうないと思いますよ。ですから、この一年というのをもっと長期に、たとえば一年六カ月とか二年とかいうふうに返済期限の年限を引き延ばすという、そういう考え方はありませんか。
#140
○政府委員(鴨光一郎君) このゆうゆうローンにつきましては、一つは、いまお願いをいたしております限度額の引き上げということが貸し付けを受けていただく方々にとっての一つのポイントであろうかと思います。同時に、いま先生御指摘のように貸付期間を延ばすという問題、あるいはその期間の中での弁済の同数をどれだけにするかという問題があるわけでございますが、私ども一昨年の四月に、いま申しましたこの貸付期間につきましては、従来六カ月というふうにいたしておりましたものを一年にさせていただいております。それから同じ五十五年の四月に、それまで一回でございました弁済を二回にしていただいても結構であります、このような措置をいたしているわけでございますが、このことによる影響かと思いますけれども、五十四年度と五十五年度におきます弁済の中で、自発的にお返しいただけなかったために法定弁済という形になりましたものが、五十四年度は総弁済の中の六・六%ございました。これが五十五年度には二・二%という比率になりまして、実数的にもほぼ三分の一ということになっておりまして、私どもこういう数字を見まして、先ほど申しました期間あるいは回数の改善が御利用者の皆様に喜んでいただけたのかなと思っているわけでございまして、当然この回数あるいは期間というものにつきましても限度額と同じようにわれわれ常に頭に置いておかなければいけないことと思っておりますが、当面は、いま申し上げましたような一昨年の改正の効果があったということで現状でよろしいのではないかというふうに考えているところでございます。
#141
○中村鋭一君 それが見解の相違でして、民社党が衆議院で態度を保留しておりましたのは、はっきり言えばこの一点にあるわけですね。
 いま鴨さんは、これで十分皆さんにお喜びいただいているんじゃないかとおっしゃいましたけれど、やはり百万以上のボーナスを取っている人でも、たとえば住宅ローンの返済等でお金が多方面に出ていきますから、ですから、この返済期限の延長の問題と割賦の回数をふやすということは、利用者の皆さんが喜んでいらっしゃるというところに甘んずるのではなくて、さらに積極的にサービスを徹底するためにも、この割賦回数をふやすということ、それから期限を延長するということにつきましては、ひとつこれからも積極的な御検討をお願いしておきたいと思います。
 最後に、この郵便貯金は財投に活用されているわけですけれど、今回のこの限度額の引き上げもその有機的な活用の一手段ということになると思いますけど、大臣、どうでしょう。もっともっと、せっかく皆さんからお預かりするお金でございますから、郵政省もさらに百尺竿頭一歩を進めて民間の金融機関に負けぬ多彩な、早く言えば商売を展開するお考えはございませんか。
#142
○政府委員(鴨光一郎君) 私ども、郵便貯金を皆様に御利用いただくという点については、常に国民のニーズに即応したサービスを提供して普及促進を図るということを念頭に置き、それがまた肝要なことというふうに考えているところでございます。
 こうした考えの中で具体的な事例で申し上げますと、この四月から愛育貯金というものを取り扱うことにいたしております。これはお子様の成長の節目に必要な出費の助けとなるように定額貯金の利子の支払い方法を工夫いたしまして、二年目、四年目、六年目に利子だけを受け取っていただく、一方定額貯金としての有利性は残しておく、こういうふうな仕組みのものを取り扱いまして、六日現在の数字でございますけれども、これまでに約九千件の御利用をいただいているわけでございます。私ども、この種のものの出足といたしましてはかなり順調な出足ではないかというふうに受けとめておるところでございます。
 もちろん、このほかに、基本的なオンラインサービスを利用しましたサービスというもの、これはオンライン化そのものが非常に膨大な計画でございまして、昭和四十八年から、たびたび申し上げておりますように、昭和五十三年に具体的な端末機の設置に取りかかっているわけでございますけれども、このそもそもの目的がお客様へのサービスの向上、それから事業の合理化、効率化という点にございますので、本来、予定をいたしておりました総合通帳のサービスであるとか、あるいは給与預入、それから六月からではございますが、自動払い込みのサービスといった形でいろいろな利用者のニーズに応じたサービスを図り、大いに御利用いただこうというふうに考えているわけでございますが、基本はあくまでも国民の皆様によりよく、より便利に御利用いただくということを念頭に置いてこの努力をしているということでございます。
#143
○中村鋭一君 最後に、郵政大臣に御所見をお伺いして私の質問を終わりたいと思いますが、たとえば郵便局でお借りした金を返すのに、一年という限度じゃなくてその期間を延長する、あるいは分割返済の回数をふやすということも含めて、郵便局が本当に、いま局長もおっしゃいましたように、国民のニーズにこたえる、真のサービスに徹する、その信念を貫くならば、これは大蔵省も民間の金融機関を圧迫するとかなんとか言って容喙も介入も制肘もできないと思います。その点につきまして、大臣のサービスというものについての御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#144
○国務大臣(箕輪登君) 従来から国民のニーズにこたえてサービスをしなければならないと努めてきたところでございます。ただいま局長から答弁いたしましたとおり、各種のオンラインサービスだとか新しい商品ということで、とりあえず四月一日から愛育貯金を始めたところでございます。そういうことから考えてみて、従来からも努力をしてきましたが、これからも国民のサービスについては考えていきたいと思います。その国民のサービスの中で、先生御指摘のゆうゆうローンの貸付限度額、とりあえず今回は百万円までひとつお認めいただきたいと御審議を賜っているところでありますが、将来の問題として、この限度額についてもまた貴重な意見として私ども参考にしてまいりたいと考えております。
 さらに、償還期限の問題、あるいは償還のいま二回のやつをもっと細かくした方がいいのじゃないかという、これもまた貴重な御意見として将来参考にしてまいりたい、こう考えるところでございます。
#145
○中村鋭一君 ありがとうございました。
 終わります。
#146
○委員長(勝又武一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようでございますから、これより直ちに採決に入ります。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#148
○委員長(勝又武一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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