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#1
第096回国会 運輸委員会 第5号
昭和五十七年四月一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桑名 義治君
    理 事
                井上  裕君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
                黒柳  明君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安旧 隆明君
                山本 富雄君
                育木 薪次君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
                田  英夫君
                徳永 正利君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  角田 達郎君
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸大臣官房会
       計課長      大塚 秀夫君
       運輸大臣官房観
       光部長      西村 康雄君
       運輸省海運局長  永井  浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       海上保安庁次長  勝目久二郎君
       行政管理庁行政
       監察局監察官   加藤 武久君
       法務省氏事局参
       事官       稲葉 威雄君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    新藤 恒男君
       国税庁調査査察
       部調査課長    草野 伸夫君
       建設省都市局都
       市計画課長    田村 嘉朗君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      橋元 雅司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○昭和五十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、昭和五十七年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、昭和五十七年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (運輸省所管及び日本国有鉄道)
○旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 前回に引き続き、予算委員会から委嘱かありました昭和五十七年度総予算中、運輸省所管及び日本国有鉄道についての予算を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○井上裕君 まず、航空局長にお願いいたします。
 きのう港湾整備計画のいろいろなお話がありましたが、第四次五カ年空港整備計画、成田空港を控えておりまして、いろいろな騒音対策問題、そういうことでこの五カ年整備計画、概要でよろしゅうございますので、簡単にひとつお答えを願いたいと思います。
#4
○政府委員(松井和治君) 第四次の空港整備五カ年計画は、昭和五十六年度を初年度といたしまして、昭和六十年度までの五カ年計画でございますが、昨年の十二月十一日に閣議決定が行われたわけでございます。
 この第四次の空港整備五カ年計画におきましては、私どもといたしましては、国際交流の増大に対処するとともに、国内航空ネットワークの充実を図りますため首都圏並びに近畿圏における空港の整備を一層推進する、と同時に地方空港のジェット化を進めるということを一つの柱にいたしております。この結果、私どもの計画どおりにまいりますならば、現在三十のジェット機の発着いたします空港が計画期間達成後は三十九になるというふうに予測をいたしております。
 また、第二の柱といたしまして、ただいま御指摘ございました空港と周辺地域との調和を図りますための空港周辺環境事業を進めていきたいというふうに考えております。
 それから第三番目に、航空交通の安全の向上を図りますための航空保安施設の整備を図ることといたしておりまして、現世代の航空保安施設につきましては、ほぼこの五カ年計画で主要な航空路監視レーダーとか、あるいはVOR、DMEといったような現世代の航空保安施設はほぼ完成に近づくということを期待いたしておるわけでございます。
 この五カ年間の総事業費は一兆七千百億円でございまして、空港の整備に九千三百億円、環境対策に五千百億円、航空保安施設の整備に千八百億円、調整費として九百億円、かような形になっております。
#5
○井上裕君 次に、私はいま新聞で問題になっておりますアカデミースター号につきまして御質問いたしたいと思います。座礁した経緯であるとか、そういうものはもう新聞で、また当局からの説明も聞いておりますので、概要だけひとつお話しして、簡単にお答えを願いたいと思います。御案内のように、いま座礁しております千倉町というところはアワビ、サザエ、ヒジキ、テソグサ、そういうものの産地でありまして、特に漁業者が――春花というんですか、そういうものが非常に変動が多いために漁業専従者が非常に多い町なんです。そこで、この春いその解禁を待っているときあのようなショックを受けたわけです。現地千倉町におきましては、対策本部を設けたり、さらにまた千葉県におきましても副知事を本部長にしてすぐ対策本部を設けて、お見舞い金一千万を上げて、地元選出の国会議員団はすべて現地へ行き、また党の国会議員団会議もして、これは千葉県だけの問題じゃないということでいま行われておりますが、そこで非常に私どもが不審でならない点、またはっきりしないことが多々ございますので、これをひとつ御質問いたしたい。
 親会社が香港所在であり、登録上の船主はリベリア籍、そして保険会社はノルウェー、定期船契約者はジャパンライン。
 それで、きのうも衆議院の運輸委員会あるいは農水、さらにまたそういうところでいろいろ質問されておりますから、それをひとつ全部避けまして行います。
 それで、私どもきのう、衆議院の森代議士が現地へずっと詰めっ切りでいて、きょうも町長、知事さんとも連絡をとって――きのうのこととけさのことはもう変わっております。すでにもう船体がきのう等のあらしで、これから来るわれわれは台湾坊主と言うんですが、そういうしけで、大分もうきのうとけさの状態は違っているということですが、ごく簡単にそのお答えをお願いをいたしたい、このように思うわけであります。
 現在一番問題なのは、海上保安庁からの資料によるとリベリア籍と言っているんですが、新聞はきょうも――これきょうの朝日新聞もパナマ船籍、どちらがこれは本当であるか。またそのような船主に、どこへ補償問題、そういう問題をした方がいいか。それをごく簡単に、ここが主体であるということをひとつお願いいたします。
#6
○政府委員(勝目久二郎君) 船籍等の関係について申し上げますと、アカデミースター号の登録上の船主はアカデミースター・シッピングということで、これはリベリアの法人でございます。当該船舶の船籍はパナマでございます。それで、用船者はジャパンラインということになっておるわけでございます。
#7
○井上裕君 そこで、もう何回も申し上げますが、いままで質問されたことは重複を避けます。いまの油の流出問題、これは千三百キロリッターのところを、いわゆるA重油が百、それから千二百残ったC重油、それが六百キロリッターは取っている。あとの六百キロリッターは流出しているであろうと一われておりますが、潜水夫が入って船底から取ったら海水だったということですけれども、その六百は現実に船底とか何かにないものかどうか。その油、まず油の問題を聞きたいと思うんです。
#8
○政府委員(勝目久二郎君) 残っておりました燃料油のうち、汽缶室部門にございました燃料油につきましての瀬取りは七百キロ終わっておるということは先生御指摘のとおりでございます。
 船体の中央部の二重底の中にあった燃料がどうなっておるかということでございますけれども、まだ詳細な調査ができていない状況でございますが、ポンプで引いてみますと一応海水ばかり出てくるという状況でございますので、大部分はすでに船外へ流出したのではないかというように考えております。
 今後、積み荷の瀬取り等の作業を実施するわけでございまして、油がさらに残っておるというような状況が判明いたしましたならば、速やかに措置をするように関係者を指導するという考えでおります。
#9
○井上裕君 千二百キロリッター、それで六百だけは確実に取ったと。その六百、これはいまよその海ですと、油というのは大変な被害だということですけれども、その油は確実にないということを、ひとつよく潜水夫に頼んでお願いしたい、これは要望します。
 この、いま油よりも一番困っていることは粉炭、石炭の粉の泥状化したもの、特に寒いうちは固まっちゃうが、そういういわゆる粉炭、これがいま約五万五千トンといいますか、それだけあるということで、この五万五千トンがまだほとんど取られていない。第三管区海上保安部の横浜からもいろいろな手をとって1函館からはおとといの朝着いたそうですが、おとといもきのうもしけでやっていただいていないと。その五万五千トンの粉炭が油とまじってもうすでに海水へ落ちているというようなことですが、この五万五千トンの粉炭の処理ですね、瀬取りというんですか、その問題がどのくらいの期間かかるのか。それからまた、きょう現在、現地の山口大治という本部長の話だと、けさ早く沼田知事の連絡があったそうですが、船が傾いて、素人考えでは取れないんじゃないかというような、非常に何というんですか、最終的に非常に困ったことになった、こういうことのけさの状況をお聞きになっておりますか。これは海上保安庁も現地にもうずっと泊まり込みで十四日間行っているわけですから、ここで現地の海上保安庁は非常によくやっていただいておるそうですが、そういう連絡はこちらの海上保安庁の長官あるいは次長のところに毎日のように届いているのかどうか。私どもは現地にみんな行っていますから、私自身も現地へ行っておりますし、各国会議員もヘリコプターで見、また現地にずっと行っているわけですから、そういう点をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#10
○政府委員(勝目久二郎君) 現地の作業の状況につきましては本庁も逐一報告を受けております。それによりますと、、積み荷の粉炭五万五千トンということでございますが、一部流出はしておるものの、大部分はまだ船内に残っておるという状況でございます。ハッチをまだ全部開放するに至っておりませんので、一体幾ら残っておるかという量が確認できない状況にあるわけでございますが、そのような、内部がどうなっておるかということを含めての作業も早急に進めることといたしておりますし、それから積み荷の粉炭そのものの瀬取りも、これも早急に行うようにということで、関係者に強く要請してきたところでございます。
 アカデミースター号の用船者でありますジャパンラインの依頼をも受けまして、日本サルベージがけさの午前八時から瀬取り作業を開始いたしております。現地はこのところ荒天が続いておりましてずっと待機中であったわけでございますが、そういうことで、けさ八時から瀬取り作業を開始いたしております。私どもとしては、できる限り急いでこの瀬取り作業を完了するようにという指導をしているわけでございますが、やはり海上の気象、海象条件等に影響されるところも非常に大きいわけでございまして、そのような状況、それから船体の現在の状況等をも勘案いたしまして、できる限りの促進をするようにということで、今後とも強力に指導いたしたいと、かように考えております。
#11
○井上裕君 くどいようですが、一部粉炭を取ったということですが、きょうの八時から取り始めた。荒天というのはきのうのしけのことですね。好い天じゃなくて荒い天ですね。
 そこで、いままでのどういうような状態で取っていたのか、それがよく漁民に理解ができないんですね。まあ大きな機械を持ってきて、いわゆる海上での仕事ですからこれは大変であろうと思いますが、いまの答弁ではどのくらいの量が入っているかわからないというようなことですけれども、五万五千トンというのはこれはどこから出た数字か。積んだうち五万五千トンたのか。これは非常にむずかしい計算であろうと思いますが、いま粉炭がどのくらいあるかわからない、相当流出していますからね。大体、概算で結構ですけれども、五万五千トンのうちどのくらい残っていて、どのくらい流出したのか、それが第一点。
 もう一つは、鋭意努力しますということでございますが、いまの答弁は。これは会社、そのジャパソラインが関係しているというので、私どもジャパソラインの幹部に電話で聞いたんですが、やっぱり二十日間ということを言っているわけですね。それは日にちの問題も二十日間と言うのなら、もっと大きな作業でそれを十日にやれないものかどうか。
 それから、先ほどと重複しますが、けさの状態では、もうそれは海上保安庁の現地からお聞きになったと思いますが、きのうと違って、座礁していますから沈没はないけれども、船が傾いている。これが割れた場合に――そういうことの見通しが、われわれはやはりもういままでの見通しが非常に悪い方に行っていますので、そういう点を非常に警戒しているわけです。その二点、ちょっとお聞かせいただきたい。
#12
○政府委員(勝目久二郎君) 残量につきましては、一部流出をしておるということはわかっておりますが、まだ量につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり確認するに至っておりません。
 それから海上での作業につきましては、その実施状況について、地元の方々も非常に強い関心を持っておられるということは当然でございますので、どのような作業を実施し、また今後の目標はどういうことであるというようなことにつきましては、地元の方々にも十分御理解いただけるような説明なり、連絡の方法を考えたいというように考えております。
 それから、最後に御指摘のございました天候がと申しますか、海象条件が、昨日あたりのしけ模様で船体にややねじれを、座礁したままややねじれているのではないか、あるいはもっと悪くすると大きな亀裂を生じるというようなことにたるのではないかという御心配もあるようでございます。私どももそのような点は注意して状況を見守っているところでございますが、作業日程をできる限り促進できるよう、さらに関係者を指導していきたいと、そのように考えております。
#13
○井上裕君 いや、大変くどくて申しわけないんですが、天候がきょうみたいにすばらしい天候と、やっぱり荒天もありますし、そういう点で非常に急いでいるんですよ、現地は。後でいろいろ出てきますが、早く船を引っ張っていって沖でもって解体するということは、これはお金がかかるかもしれぬけれども簡単だと言うんですね、現地の皆さん、海上保安庁の人あるいは専門家に聞いても。それよりも海上で荷物を取ること、これが非常に大変であると。これはもう何としても早くやっていただきたい。これはやっぱり現地の皆さんの、第一線の人たちの希望でもあるし、だからその日にちですね。二十日ということを言っているんですから、そうしたらこれは黄金をかけてもっと早く、二十日なら十日にしてやるというようなことをしませんと、結局いま漁民は一日も出られないわけですからね。出られないどころか、もう海上保安庁でも幹部の方がおいでになっていると思いますが、現実に全部漁民は出て油のその作業を手伝っていたわけですね。一日も漁に出られたいと、そういう状態でいますので、後でこの漁業補償問題も、きょうは法務省もおいでいただいていると思いますのでお聞きいたしますが、そういうことで、ちょっといまの次長の答弁では、なるべく早くやりますということはわれわれでもそれは言えることで、この二十日間というのは、向こうで二十日間ぐらいでできるということを言っていますが、正直、知事も町長もこれじゃ十日でできるんじゃないかということも言われている。この点ひとつ、くどいようですけれどもお答え願いたいと思います。
#14
○政府委員(勝目久二郎君) 積み荷の瀬取り作業につきましては、その方法、使用する機材、作業の安全性、それから二次汚染あるいは二次災害が起きたいような方法を十分講ずるというようなことを総合的に検討する必要もございます。けさほどから一部の積み荷の瀬取りは始めておりますが、そのような状況をすべて検討いたしまして、早急に全体の作業が終了するようにということでいま急いで検討している状況でございますので、何日というように日を限って申し上げることはいまの状況ではなかなかむずかしいと思いますが、方向といたしましては、同じようなことを繰り返して恐縮でございますが、できる限り早くこの作業を終わらせたいということで考えておる次第でございます。
#15
○井上裕君 与党の質問で大変申しわけないのですが、こういうことが日本の近海で起こったことはありますか、それが第一点。
 それから、いま国会をやっておりまして海上保安庁長官、次長もお忙しいと思いますが、現地にあなた方いらっしゃいましたか。
 これだけの被害というのが日本にかつてあったかどうか。
 ひとつ三点を。
#16
○政府委員(勝目久二郎君) 粉炭がこのように大量に積まれた船の事故というのは、いままではございません。
 それから、今回の事故に際しまして本庁からは行っておりませんが、現地の三管の本部長が直接現地を視察し、指導しておる次第でございます。
#17
○井上裕君 これはやはりいままでで初めてのことで、一番大きいことであろうと思うんですね。これは私ども千葉県で起こったことですが、よそでも起こり得る可能性がある。これはやはり現地の方々の士気を鼓舞するためにも、ぜひひとつ現地へ行って状況を見て、それは漁民がどういうようなことで集まっているか、そういうことも報告だけでなくひとつぜひおいで願いたいと、これは要望しておきます。でき得れば、行った結果をお知らせ願えれば大変幸せです。
 そこで、あんまりぴったりした回答を得られないわけですが、じゃ、向こうで言っております二十日以内にはこれはできますか、このことは。非常にこれは気にしているんです。これからの災害補償の、いわゆる漁業補償の問題にもかかわってまいりますので、その点もひとつ。ここでもうちゃんと文書で二十日と出ておりますから、それ以内にはできることは確実ですか。それはいろいろ時期的に、もう解禁を待ってすぐ行いたいわけですが、それができないというようなことで、早く取ってもらいたい。そういうことでくどく質問をしているわけです。
#18
○政府委員(勝目久二郎君) まだ実際に作業に当たるサルベージ会社等の意見も聴取しておりませんので、ジャパンラインの方で二十日というようなことを言っておられるということは承知いたしておりますが、実際に二十日以内で揚げられるかどうかという点についての確信は、実際に作業に当たる者からはまだ聞いておりません。これから行われる予定の作業の全体につきましてのいろいろな面からの検討をいたした上で、具体的な日程――日程と申しますか期間が定まるものだというように考えているわけでございます。
#19
○井上裕君 君まあこれはこんなにくどく言っても、天気が続くかどうかわかりませんので非常にむずかしいことと思いますが、これ以上やってもこれは平行線ですね。だから、何としても早くやっていただきたい。できるだけのことをしていただきたい。県も、お金はありませんがとにかく一千万をお見舞い金として差し上げました。それで対策本部として、臨時県会でも開いてこれは知富も対処しなくちゃならないという大きい問題にたっております。かつて白浜のすぐ隣で、やはり小麦粉がやったとき、そのとき一億の利子補給を出して、それで八千万返ってこたかった。それも漁民が返せなかったわけです。そういう例もいまあるわけです。ここで県としても相当の、早く手伝うということに県、現地の対策本部がもう本当に血みどろの闘いをしておりますので、ひとつ、いつになるかわからないとか、可及的に早くやるというようなことでたく、現地へ行って督励して、そしてありとあらゆることをひとつぜひしていただきたいと、このように私お願いいたします。
 次に、先ほど言ったように、船籍もまた船主も、それからいわゆる保険会社も全部他国で、それで用船をやっているのがジャパンラインということで、非常にこんがらがった状態です。きのう実はその専門の民事局の検事さんをお呼びしていろいろお聞きしました。聞けば聞くほどこの国際法のことはわからなくなってくる。こういうものは、これは今度の事件になって初めてわれわれわかったんですが、そこで、法務省の前に、ちょっといままでの漁業補償のいわゆるあり方、またその問題について、わかるだけで結構ですから、あとは法務省にお聞きいたします。
 三月二十九日の午後一時から第一回の話し合いを持ったわけです。これはアカデミースター・シッピソグという会社と行ったわけですが、そのときの話では、船主側は、船体保険四千トンで十億、それから積み荷、これは粉炭――重油と書いてありますが、粉炭だと思いますが、十一億六千万。これは水島へ行く川鉄との契約であったと思いますが、保険金について、船会社は損しないわけです。それからまた積み荷の方もこれは損しない。保険金につきましてはすべてそういう状態になっている。ところが、肝心の漁民補償、いわゆる漁業補償については具体的な回答が全くないわけです。これは結論が出ない。その一番大切な、いま漁に行けないそういう人たちには何らの補償もない。ちょうど十九日からもうきょうで十四日になりますが、地元漁民は生活を脅かされている。あるいは、漁師ですから殺気立って、この問題を解決しないと、港を通る船はもう実力行使でとめちゃうということも言っておるんだそうですが、そこは良識ある町長とかそういう方々が抑えているけれども、その問題のときに、きのう三十一日に、国際法に物すごく権威のある成田弁護士、これは全漁連の弁護士ですが、成田弁護士から漁業補償で対策本部に話し合いがあったそうです。それによりますと、まあこの金額はちょっといろいろな点で言えませんが、現在千葉県で、これは推定じゃなく、毎年この地域の生産高が十一億ある、生産高十一億。そういうものを含めて考えたときに、非常に微々たることであった。で、迷惑料と、何百という漁民が漁に出られない、すぐそこで漁業補償の一億円を要求したけれども、これもナシのつぶてであったということで、いろいろ問題があるわけですが、そこで非常にむずかしい法律があるでしょうが、いままでの漁業補償に関しまして、法務省には詳しく後で聞きますが、そういうような事態になった場合、これは海上保安庁で答えるかどこで答えるかわかりませんが、一年間の生産高、それと粉炭が藻に絡んじやう。そうした場合にはこれは二年あるいは三年、あるいはその漁港が全滅になっちゃうしかない。そういうようなこともひとつぜひ考えて、当局のおたくの方で、一応指揮下にあるわけですから、船主会社に対しましてーこれも日本のジャパンラインを通して言うのか、船主会社直接に、このリベリアのパナマ船、リベリア籍で船主がパナマ国籍ですか、これは非常にむずかしいんですが、数字は後で申し上げますが、そこへあなた方の方で誠意を持ってこういうことはやれという命令は出せますか。これは国際法で出せないですか。ちよっとそこのところをお尋ねします。
#20
○政府委員(永井浩君) この船が外国船籍でございますので、法令上直接日本政府の監督下にあるわけではございません。そういった意味で、いわゆる命令というものは出せないと思いますが、ただ、用船者でございますジャパソラインを通じて誠意を持って対応するようにという指導はいたしたい、このように考えております。
#21
○井上裕君 その指導ですけれども、ジャパンラインが関係しているからそこへは言えるわけですね。わかりました。
 法務省にお聞きいたします。
 きのういろいろお聞きいたしまして、船主相互保険、PI保険、これが何か、一九五七年のいわゆる船主責任制限条約、この日本の批准が一九七五年、国内的にはしたそうですが、そこで今回の船は三万三千四百四十二トン、この純トン数、これはいろいろた船室とかそういうものを引いたやつです。それが二万二千八百一・二四トン、これに二十三円掛ける千倍、そうするとこの額が五億二千四百四十二万八千五百二十円、この数字が出てくるわけですね。これは国際法によって最高の金額であるということで、これは査定される可能性もある、こういうことです。で、船主はもう損はしない。荷はもう損はしない。五億二千四百四十二万八千五百二十円、この金額の中には船の解体料、そういうものも含まれて齢るということを聞いておりますが、その点ちょっと一つだけお聞きいたします。
#22
○説明員(稲葉威雄君) 現在の船舶の所有者の責任の制限に関しましては、いわゆる難破物除去責任と申しますか、それに要した費用は責任制隈の対象にはならないということになっております。したがいまして、解体と申しますのはいわゆる難破物の除去ということの御趣旨でございましたら、それは責任限度額の範囲外であるというふうにお答えすることになろうかと思います。
#23
○井上裕君 ちょっとよくわかりませんが、その五億二千――まだ端数がつきますが、五億二千四百四十二万、それは全部漁業補償にいただけるわけですか、そういう場合は。私の聞いた範囲では、いま大体船を持っていって解体するのが約十億近くかかると。そうすると、その漁業のいわゆる生産高の金額の四分の一ぐらい、それぐらいしかこの漁業補償には出ないというような法律があるそうですが、その問題はどうなんでしょうかね。
#24
○説明員(稲葉威雄君) 私ども余り事実関係をつまびらかにいたしておりませんので、どの部分が、どういう債権が、果たしてこの事故に関連してその船主に対して請求できる債権であるかということはわかっておりませんので、それが全額漁業被害に充てられるか、それともどういう案分の割合になるのかということはわからないわけでございますけれども、法律上は、漁業被害とそれから積み荷の被害でございますね、これがこの場合には大きな費目でございましょうと思われるのです。で、船休引き揚げの関係の費用というものは、いま申し上げたように船舶の所有者責任法の対象外であると、抽象的にはそうたっております。
#25
○井上裕君 積み荷のあれはこれには入っていないんじゃないですか、積み荷の問題は。積み荷は積み荷で積み荷の会社と保険会社が契約を結んでおりますので、これは入っていないんじゃないですか。この中にすべてが入っているんですか、五億二千万に。その点もう一つ。
#26
○説明員(稲葉威雄君) もちろん荷主の関係は多分保険でカバーされるのだろうと思いますけれども、ただ、保険者代位という問題がございまして、それによって荷主が責任を――債務不履行責任があるわけでございます。荷物を安全に目的地まで運ばなければたらないという義務があるわけでございますが、それを、どういう理由でかわかりませんけれどもとにかくやらなかったということでございますから、それに基づく損害賠償責任というのが本来はあるわけですね。それをカバーするために保険を掛けているわけでございますから、その保険について保険会社がてん補いたしますと、その権利を保険会社の方で代位するという関係になります。ですから、その関係がどのようになるかはっきりいたしませんので、まあ事実関係によるわけでございますけれども、抽象的にはそういう債権も、責任制限債権としてその責任限度額の中の一部分を分け前としてもらうことができるということに法律上はなっております。
#27
○井上裕君 私どもは、やはり五億二千万という、これが最高の補償であるという形のもとで、いろいろなものが引かれて、それで漁業補償に関するものはもう本当に微々たるものになっちゃう。まあこれからのことは、これまた農水関係あるいは水産庁にいろいろなお願いをするしかありませんのでこれ以上申し上げられませんが、日本は、一九七五年にわが国でこういう批准をしたということで、この金額を――まあこの事件はもうこれでしようがないですから、これから先この金額をスライドして上げるようなことはできないものですか。
#28
○説明員(稲葉威雄君) 実はこれは国際条約に基づいて現行の法律はできておるわけでございますが、一九七六年にそれを改定する趣旨の新しい国際条約ができました。これは限度額を四倍ないし一・四倍ぐらい、船の大きさによって違いますけれども、引き上げるということになっております。それを今国会で批准をしていただくということで、すでにその批准案件は外務委員会の方へ出ておりますし、それからこの船主責任制限法も衆議院の法務委員会の方で現在審議中でございます。したがいまして、限度額を上げる方向で現在法律上の手当てをしつつあるということでございます。
#29
○井上裕君 そうすると、この国会でこれが批准が通れば、このケースは新しいあれになるわけですか。
#30
○説明員(稲葉威雄君) この法律は施行が公布から二年内で政令で定める日ということになっておりますので、その施行前に起こった事故につきましては現行法が適用になるということになります。
#31
○井上裕君 時間が参りましたのでやめますが、海上保安庁にひとつ。いろいろ新聞が書きまして、今度の千倉、例の漁港に曳航したということは、これは海上保安庁としては、やはりどうしてもそういうようなことで、自分たちが最高のことでこれを曳航したというわけですか。そこのところをひとつ。
#32
○政府委員(勝目久二郎君) 当時の海上模様は、大変低気圧が近づいておりまして非常に危のうございました。そこで、まず乗組員の救助ということを第一に考えまして、乗組員をまず救助したわけでございます。その後は船主の依頼いたしましたサルベージ会社の曳船が参って作業をするということにしたわけでございまして、それも大変な荒天で、結局有効な曳航作業というのができないうちに恵天候のもとで岸に近づいて座礁をしてしまったということでございます。
 当庁の作業といたしましては、あのような大型船を曳航するような能力はもともとあるわけではございませんので、当庁はもっばら人命の安全に重点を置き、かつその場の曳船作業だ施時の作業を注意深く見守っておったけれども、悪天候のため残念ながらああいう事態になったというように考えております。
#33
○井上裕君 最後にひとつ。運輸大臣、いまお聞きのとおりでございます。そこで、日本でこういうことはなかったわけですから、そういう大きい問題が起こったということで、現地も県も対策本部を設けて頭をひねっているわけですが、大臣としてひとつわれわれに最高のお約束をしていただきたいということは、早く海上保安庁を督励して抜き取り作業をやっていただく、また、最大の漁民補償、これは運輸省の管轄かどうかわかりませんが、そういうような指示を運輸省の管轄でできる大臣としてぜひお願いをいたしたい。これは要望でなく、大臣にひとつ御所見をお伺いいたしたい、こう思うんです。
#34
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま井上委員からのこの事故に対してのいろいろな御心配の様子と、また、この対策その他が大変手ぬるいという現地の漁民の方々の気持ちを非常に率直にお話しいただきまして、私といたしましてはきわめて重大なことだと考え、また、この件につきましてはすでに森衆議院議員からもたびたび大変強く対策の促進方についてお話をいただいておったのでありますが、なかなか天候の事情等もあって、保安庁としてもベストを尽くしていると思いますが、遺憾な点もあったかもしれません。いま井上委員からのお話もございましたので、われわれとしてはともかくベストを尽くしてこの問題に対しての促進を図るということをここで申し上げさしていただきたいと思います。
#35
○梶原清君 私は、まず新幹線とか空港とかの環境対策ないし周辺整備のあり方を取り上げてみたいと思うわけでございます。
 たとえば目下国鉄当局の手で進められておりますところの東北新幹線の大宮以南の線区、これは聞きますところによりますと、現実的には国鉄と関係機関との間で協力体制が実りつつあるようでございます。しかし、こうした新幹線の場合をとって考えてみますと、現在は新幹線を建設いたしますのはもちろん国鉄でございます。その公害対策を担当するのもまた国鉄というたてまえになっておるわけでございます。周辺住民の方々から、騒音、振動、テレビの受信対策、こういう立場から、新幹線の両側に相当幅のグリーンベルトを建設をしてもらいたい、こういう要求が出てくるのは自然の姿でございます。ところが、これに対して現在あのように膨大な赤字を出しております国鉄がこれに応じ切れるかどうかということになりますときわめて疑問でございます。防音壁を建設するのがせいぜいだと、このように見受けられるわけでございますが、仮に国鉄当局の手でグリーンベルトを設置するといたしました場合に、用地はもちろん国鉄用地でございますので、さくを打ちましてこの中へ入っていただいてはいけないという立入禁止措置をとらざるを得ない。木を植えるわけでございますが、管理がなかなか行き届きませんので、どうしても雑草も生える、そして害虫も発生する、のら犬なども生息するということになりまして、再び地元住民からの苦情を受けざるを得ないようになってくるのではないか、このように予想されるわけでございます。
 もしこれをグリーンベルトとしないで、国鉄が担当する国鉄の手によるグリーンベルトとしてでなくて、都市公園として整備するとしたならどういうことになるかということでございますが、そうした場合には、新幹線の公害対策としての機能と都民の憩いの場所としての都市公園としての機能、この二つの機能が同時に達成できるわけでございます。一つの土地が公害対策としてあるいは都市公園として多目的に利用できるわけでございまして、御案内のとおり、広域的な基幹交通施設の建設ということが、地域社会との調和を保ちながら円滑にかつ能率的にできるのではないだろうか、このように思うわけでございます。
 ところが現在の姿を見てまいりますと、役所がどうしても縦割り組織になっておる。私は縦割り組織がいけないと言うわけではございません。やはり縦割り組織でなければならないと思いますけれども、しかし、こうした問題につきまして対処する場合に、建設省にお願いに参りましても、建設省は建設省なりの事情もあるわけでございましょうし、ゼロシーリングといった予算上の制約もありましょう。そういうことで大変困難と苦労が伴うというのが実態ではなかろうか。そこでこのような新幹線といったような広域的に大変役に立つ基幹的な公共事業につきましては、計画の段階から政府が一体となって、具体的に申しますならば、国土庁、大蔵省さんも入っていただいて総合行政的に取り組んでいただくということが大切ではなかろうか、必要ではなかろうかということを痛感をいたしておる次第でございます。
 御案内のとおり、昨年の六月にオープンをいたしました新秋田空港、これはジェット機の飛ぶ非常にりっばな飛行場でございますが、そしてまたこれはつけ加えますと、秋田県知事が管理する第二種空港になっております。空港を取り巻きます六百ヘクタールの用地をファミリー・ピクニック・ゾーン、スポーツゾーン、青少年教育ゾーン、それから県立中央公園等々が着々整備をされておるわけでございまして、空港と周辺との調和がうまく図られておる、こういうことでございまして、模範的な空港でございますが、これも一人の知事のもとで推進された総合行政の立場からできたことではないだろうか、このように私は理解をしておるわけでございます。
 実は私、運愉省に勤務をいたしておりますときに、空港問題、とりわけ大阪国際空港の騒音問題と長らく取り組んでまいりました。詳しいことは割きますけれども、四十二年に航空機騒占防止法が制定されまして以来、四十九年には大阪国際空港周辺整備機構を設置をいたしまして騒音対策に取り組んでまいりました。五十六年度でも一年間に六百億円の資金を投入をいたしまして民家の防音工事、土地の買い入れ、移転補償等々を進めておるわけでございます。仮に移転補償ということ、土地の買い入れということにつきまして申し上げてみますと、従来、集落があって音がやかましいからというので出ていきたい、土地の買い上げをしていただきたいということが地元から話が出ます場合に、法律のたてまえは、地主からの、民家からの申し出によってこれに対処するということになっております。したがいまして、集落のうちの一軒一軒が逐次歯が抜けるように抜けていくわけでございます。集落がいまさらまだらになってしまう、こういう状態になっておるわけでございます。このあいた土地を、国有地でございますので適切に管理をしなければいけない。それには防音さくをつくってそして跡へ芝生を植えなければいけないというような手数もかかっております。そして残った方の住民の方から申しますと、だんだんいままでおった人の一人抜け二人抜けしていきますので、残った人の住環境というのが非常にみじめな状態になりつつあるわけでございます。一方、こうした土地を面的にまとまった形で有効利用を図るということもなかなかできない。といいますのは、先ほど申しましたように、移転補償が申し出に基づいて任意に買い上げていくという制度になっておりますために、その点がむずかしいわけでございます。
 したがいまして、私は思いますのに、どうしてもこの空港の周辺対策に都市計画の手法を取り入れた総合行政的な取り組みを進めていかなければ効率的に周辺対策ができない。広域的に必要な飛行場の施設とか、そして周辺の地元の方々との調和のある仕組みというものを考えようとします場合に、どうしてもいまの取り組み方ではなかなかうまくいかないんではないか、このように考えておるわけでございます。
 五十二年の四月に大阪国際空港にエアバスを導入いたします際に、私が担当しておったのでございますが、周辺市、周辺の府県にお願いをいたしまして、こうした取り組み方をぜひ一緒になってやってもらいたいということを申し上げまして、覚書も交換をいたしてまいりました。しかし、いまのような取り組み方ではなかなか十全を期すことができませんので、ぜひとも公共事業、とりわけ、広域的に大変な役立ちをしながらしかも周辺住民にはいろいろと迷惑のかかるこうしたものを円滑に推進していくための手だてを考えなければいけない。それには政府全体となって、一体となって政府並びに政府闘係機関が計画の段階から周辺整備も含めて取り組んでいく、こういう姿が望ましいのではないだろうか、こういうことを心ひそかに考えておる次第でございます。なかなか唐突に申し上げましてもむずかしゅうございます。私自身考えましてもむずかしいわけでございますが、そうしたことを考えておりますことを御披露申し上げまして、できますれば大臣から、国務大臣として御所感を承れれば幸いに存じます。
#36
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま梶原委員からのお考えをお述べいただきましたが、やはり実務を長年担当された方としてのきわめて傾聴すべき御見解であると思います。
 ただいまの秋田空港の場合のようなきわめてすばらしい実例もあることでありますから、また運輸省といたしましても、運政審の答申にもございますが、交通社会資本は効率的かつ計画的に実施するという段階でございまして、いまや問題は、新幹線もそうでありますし、空港もそうでございますが、同時に、環境保全対策というものがこの交通社会資本そのものの強化のためには欠くことのできない要素になってきたという認識を持つべき段階だと思います。
 したがいまして、先般来当委員会におきましてもしばしばいろんな形で総合的な対策の樹立というようなものの御議論がございまして、私も御議論を承りながら、何とかそうした線が実現されるのが当然のことではないかと思っておりまして、検討をさらに共体的に進めたいというような心境でございます。また、いろいろな面においてお教えをいただくことも多々あると思いますが、私のただいまの心境を申し上げまして、今後の御指導をお願いしたいと思っております。
#37
○梶原清君 次は自動車局長にお尋ねをいたしたいわけでございますが、全国に現在区域トラックが三万四千事業者ほどあると思います。それの九十数%が中小零細規模の事業者である、きわめて過当競争の状態にあって、運賃ダンピングが残念ながら常態化しておるというのが実態でございます。御承知のように、きわめて労働集約型の産業でございますが、新二・九通達の労基法上の基準さえ守るのがなかなかできないというような実態にあることも御案内のとおりだと思います。
 一方、道路も、自動車がどんどんふえまして交通渋滞になる、それだけにトラック事業の経営の能率というものも落ちてくるわけでございます。一部には公害問題も発生しておる、トラック事業者の経営環境というのは月に年に悪くなりつつある、このように見受けるわけでございます。私の承知しておりますところでも、赤字になって倒産をしつつある、倒産をしたという会社も出ております。私はこういう立場でございますので、運転資金を何とかしてもらいたいというお話も多々承っておりまして、めんどうを見つつあるわけでございますが、そうした立場に立って考えてみますと、私は現在の道路運送法上の免許制というのは絶対維持をすべきである、そして新免を抑制をしていかたければいけない。そうすることによって経営基盤を強化をし、輸送秩序を改善し、全体として効率のある、効率的な物流体制を確立するということがきわめて大切になっておるんではないだろうか、このように思うわけでございます。
 いままでのことを振り返ってみますと、二十年、三十年来、区域トラックの免許というのが常態化をいたしておりまして、新免がどんどん出ておるわけでございます。陸運局の主な仕事と言えば、新規免許申請事案の処理に明け暮れておるというのが実態ではないか、このように思います。白ナンバーでまず実績を稼いで、そして申請をすればやがては免許になると、こういうことで事業者がふえつつある。一方、いま申しましたように、倒産をしつつある、一部また倒産をしていくという実態にあるようでございます。
 そこで、私は道路もそれから石油資源も非常に貴重な資源でございますので、これの有効活用を図るという意味から、どうしても区域トラックが現在恐らく五、六〇%だと思うわけでございますが、その実車率を高めていくという努力、トラック業界全体として実車率を高めていくという努力をしていかなければいけないと、それこそがわが国とわが国民にとって最も利益になるのではないか、このように考えておる一人でございます。そこで、こうした問題につきまして運輸省がどのように考えておられるのか、このことをまずお尋ねを申し上げたいと存ずるわけでございます。
#38
○政府委員(飯島篤君) いま梶原先生御指摘のとおり、トラック事業をめぐる経営環境あるいは制約条件、非常に厳しいものがございまして、最近の景気の停滞に伴いましてそれが一層深まってきているところでございます。トラック運送事業は、御案内のように物流体系の中できわめて重要た役割りを果たしておるわけでございまして、事業の適正な運営と公正な競争の確保、さらには利用者の保護、安全の確保、公害の防止というような観点から、現在の道路運送法に基づきます免許制等の基本的な規制の枠組みにっいては将来にわたって必要であるというふうに考えております。
 なお、この規制緩和の問題につきましては行政管理庁が監察をされておりますし、それから公正取引委員会がOECD理事会の勧告を受けていろいろ勉強しておられるようでありますが、臨時行政調査会の方はまだ事務局から現状をヒヤリングをしたという程度でございまして、具体的な見解はどこからも示されておりませんが、機会あるごとに私どもの考えなり現状をよく認識していただきたいというふうに考えております。
 次に新規免許の問題でございますが、従来から需給関係を含む免許基準に適合するか否かについて厳正な審査を行って処理しているところでございますが、当然のことながら今後ともこの方針を堅持していく考えでございます。先ほど申し上げましたように、昨今の情勢はかなり厳しいものがございますので、五十三年の不況時における処理方針等も参考にしつつ陸運局で処理をするよう指導してまいりたいと考えております。
 それから輸送秩序の問題にっいては、従来からいろいろと努力していることは先生よく御存じのとおりでございますが、五十七年度からはトラック協会の輸送秩序改善指導員に準公的な裏づけを与えるための陸運局長からの委嘱制度の発足を要請いたしておるところでございます。
 また、実車率向上を図り効率的な輸送体系を形成すべきではないか、まことにお説のとおりでございまして、私どもといたしましては、近促法に基づきます構造改善事業の推進、特に会員のあっせんについて輸送情報システム等の開発等を促進いたしているところでございます。昨年、総合型構造改善事業の推進を含めて各府県のトラック協会で計画の策定をさせているところでございますので、私どももこれを側面的に大いに助成といいますか、協力をしてまいりたいというふうに考えております。
#39
○梶原清君 運輸省の行政、自己批判も含めてざんげのようになるわけでございますが、えてして許認可行政という色彩が強かったと。業界の方々の声を聞きますと、運輸省は免許で生むけれども後のめんどう見が全くないという批判を受けておるわけでございます。たしか四十三、四年だったと思いますが、中曽根運輸大臣のときに、許認可行政から誘導行政に転換せよというお話がございました。きわめて適切な表現でございます。しかし、私は許認可行政から誘導行政へという場合の許認可行政をやめる、免件制をやめるということでは誘導行政は絶対にできない、免許制を維持してこそ、堅持してこそ初めて指導行政なり誘導行政ができる、このように考えております。
 たとえば四十六年に、許可、認可等の整理に関する法律というのが通過をいたしまして道路運送法の一部が改正になりました。そして、軽自動車を使用して貨物を運送する事業が従来の免許制から省令による届け出事業に変わったわけでございます。その結果、沖縄をごらんいただきましても、四十七年、五千数百台の軽貨物車がタクシー営業の類似行為をやっております。それが今日におきましてはたしか五百二、三十台になっておると思いますけれども、軽貨物自動車がタクシーと全く同じ営業をやっておる。つかまえてみまして、あなたはお客さんを運んでおるではないかと申しますと、運転手の方は、これはお客さんではない、女の方が持っておるハンドバッグなり買い物袋が荷物であって、このお客さんはハンドバッグという名の荷物の付添人でございます。監視人でございます。こういうことでまかり通っておるのが今日でございます。沖縄総合事務局の運輸部長を拝命します者は、全部それとの折衝でもう大変な毎日を送っておるはずでございます。現在の道路運送法のたてまえからしますと、無免許営業ならば取り締まれる。無免許営業で取り締まろうとするときには、反復継続して違法をしておる、お客さんを運んでおるということを証拠をつかまなければ取り締まることができなくて結局何もできないでおるというのが実態でございます。しかもそういう軽貨物車のグループの人が、弁護団を立てまして運輸当局を常に攻めてきておる、座り込みをしたり、いろいろやっておるというのが実態でございまして、これが行政簡素化のための許認可整理法の落とし子であったと言っていいんではないだろうか、私はこう思っております。同じことが、もしトラック事業につきまして免許制が撤廃されるならば大変なことになるというふうに私は思うわけでございます。
 そこで、このことはさておきまして、いま自動車局長が行政管理庁の監察を受けていろいろ訓査を受けておるというお話がございましたので、行政管理庁の方におきましてどのような調査が行われ、どのような進捗状況になっておるのか。的なことかもしれませんけれども、お話をいただきたいと存じます。
#40
○説明員(加藤武久君) 行政管理庁といたしましては、現在陸上貨物の輸送補完事業に関する行政監察を実施中でございまして、昨年の十月から十二月にかけまして、私どもの出先機関を動員をして全国規模の陸運局等に対する実地調査を行っておるところでございます。陸上貨物の輸送補完事業につきましては、近年トラックによる輸送の長距離化が進むなど輸送構造が大きく変わってきておりますので、各種の規制が実態に即応したものとなっているかどうか、簡素化の余地があるかないかという観点から行政監察を行うことにいたしたわけでございますが、トラック事業につきましては、わが国の社会経済に重要な役割りを果たしている事業分野でございますので、方向を誤っては大変でございます。関係方面の意見をも十分聴取いたしまして、妥当な結論をまとめていきたい、このように考えております。
#41
○梶原清君 ぜひ慎重なお取り組みを願いたいと存じますし、また、自動車局におきましても、高度経済成長を遂げておるときなら別といたしまして、安定成長の時代に入り、とりわけ非常に景気の冷え込んだ状況にありますだけに、新規免許の抑制を考えていくということでお願いをいたしたいと存ずるわけでございます。
 それと関連することでございますが、従来からございました運輸事業振興助成交付金、この制度が五十七年度に切れるように思っておるわけでございますが、これも引き続き存続できるように最大限の努力をお願いをいたしたい、このように考えております。
 次に、昨年の七月の六日に運政審の答申がございまして、その中に総合運送取扱業制度を創設するという話が出ておるわけでございますが、どういう構想なのか、時間の関係もございますので、まず概略お話しをいただきたいと思います。
#42
○政府委員(石月昭二君) 総合運送取扱人と申しますのは、先生御承知のように、現在の運送取り扱いの制度というのは、交通機関別にそれぞれ取扱人の資格要件その他が決まっておるわけでございます。しかし一方、現実に経済の高度化と申しますか、産業構造の高度化と申しますか、物流の需要というのは非常に多元化してまいりまして、質の高いサービスというものが要求されておる、そういうサービスというものに物流事業者のサイドとしてこたえていくというのがこれからの方向であろうというのが運輸政策審議会の認識でございます。そういう認識に立ちました場合、現実には、たとえば全国至るところにいろいろな交通機関を利用して運送する、そのときに、一つの運送取扱免許でもって、各交通機関を利用できる制度があればよろしいのではないか。現実にも、荷主はどの交通機関を使ったということに関心があるのではなくて、その所要時間と、またそれに要する運賃ということが関心事でございますので、そういう荷主ニーズに対応する制度として、抱括的に各輸送機関が使える総合運送取扱人制度をつくるべきであるという御提言でございました。
#43
○梶原清君 私は、率直に言わせていただければ、消極的な立場におるわけでございますが、それは別といたしまして、新しい制度を導入するということになりますと、いろいろ影響も出てまいりましょう。先ほど申しましたように、軽トラックだから免許制を外したと思ったらタクシーの方へ影響が出てきた、こういうように、予期せざる、予想せざる影響というものもあるわけでございますので、ぜひ、利用者なり、関係業界の意向を十二分にお聞きをいただいて慎重に取り組んでいただきたい。将来、招来されるであろう影響も十分見定めた上で取り組んでいただかなければならないのではないか、このことを御要望申し上げておきます。
 それから最後になるわけでございますが、前の運輸政策審議会の答申で、地域旅客交通分野において、自家用自動車を積極的に活用していく、積極的た活用を図っていくということが打ち出されておりました。
 それからまた聞きますところによると、過疎、バスのうちでお客さんの非常に少ない、乗車密度五人未満の第三種生活路線に対する補助もこれから打ち切っていこう、こういうような方針であるやに聞いておるわけでございます。そこで、私は大変これを心配をして、おるわけでございますが、最近におきまして、第三種生活路線の補助対象路線がどのような実態にあるのか、前に補助を出しておった、それでこういうぐらいなところがやめて、そしてこれだけがまだやっておる、こうしたような概況をまず自動車局長から教えていただきたいと存じます。
#44
○政府委員(飯島篤君) 五十五年度に補助を受けました第三種の生活路線のその後の状況でございますが、九百三十六系統全国でございましたが、三種生活路線でなくなった系統、これは需要を喚起して二種へ格上げをした、あるいは路線を再編成をしていまのように二種に格上げした、あるいは会社が黒字になった、それから休廃止をしたというようなことで三種生活路線でなくなった系統が二百四十二系統でございました。五十六年九月末で、六百九十四系統ということになっております。ただ、新規に赤字になったりあるいは二種から需要が落ちて三種になったりして補助を受けるというような系統はまた別にあるわけでございます。
#45
○梶原清君 私は地方旅客交通分野において、どのように今後施策をしていったらいいかということにつきまして、一家言と言ってはいけませんが、私なりの一つの構想を持っておるわけでございます。
 いままで大きいバスを、がらがらのバスを走らせておった。お客が少なくなったから減便をする、やがてはそれを廃止する、こういう姿を、こういうパターンをたどっておったわけでございます。時には廃止路線代替バスもありましょうし、いろんな施策もしてきました。しかし、基本的にはそういうことではいけないのではないだろうか。バス会社が、自分のテリトリーとするところにつきましてはやはり輸送の責任を持っていただく。子会社をつくって小型バス専用で、親会社のいままで運営しておりました第三種生活路線を管理委託を受けて連営をする、小型のバスで運営する。貸し切りバスもやる、幼稚園等の特定輸送もやる、何でも屋をやる、こういう形がいいのではないか。小型のバスできめ細かな輸送体制をとつていくということが私は適切ではないか。運転者も、小さいバスでございますと年寄った人でも大丈夫でございますので、親会社の中高年齢の運転手を子会社の方へ移していく、こういうことで取り組んでいってもらってはどうだろうかと、こう思うておるわけでございます。何でも屋の稼業的にきめ細かた愉送体制をとる、こういう考え方でございます。親会社と子会社が資本的にもつながり人的にもつながれば、輸送秩序の問題もございませんし、業務提携の実も上がる、こういう構想を持っておるわけでございます。白地に絵をかくようなわけにはいきませんけれども、逐次そういう方向に切りかえてもらう。
 そのためには、道路運送法上の管理委託の規定も存分に使う、あるいは車を何でも使えるように弾力的な運用をさせるということが必要になってくるのではないか。そうした体制がとれるまでは現在の第三種生活路線の補助を打ち切っていただいたのでは困る。あくまでも補助は続けておいていただいて、逐次そういう方向に移していくということが大切ではないか。今日のように厳しい財政事情でございますので、第三種生活路線の補助を切りたいというお気持ちはわかりますけれども、しかし、そうした配慮をしていく中で取り組んでいただいてはどうだろうか、こう思っておるわけでございます。これは私の要望だけを申し上げるわけでございまして、御回答をいただくのはちょっとむずかしいかと思いますが、私はそういうふうに考えております。
 同時に、現在、自家用バスが全国に十四万一千台もございます。それのうちの相当部分は違法行為をやっておるはずでございます。無免許営業まがいの営業をやっておるわけでございます。そのことは二つの問題点がございまして、一つは安全の面からの出題でございますし、第二に輸送秩序という面からも問題でございますので、このn家用バスによる営業類似行為を取り締まっていかなければならない。しかし、現在、なかなかその手だてがないわけでございます。通常は運転手が車持ちでホテルとか旅館とかレストランに入り込んでいく姿のものでございまして、なかなか証拠が出てこないということでございますが、何とかこの自家用バスの取り締まりをできる手だてを考える、またこの取り締まりを励行していただきたい、このように考えておるわけでございます。もしそういう点につきまして御答弁がございますならばお聞かせをいただきたいと思います。
#46
○政府委員(飯島篤君) まず最初に、三種の生活路線の問題でございますが、昨日も御答弁申し上げたとおり、五十五年から三年の間に、輸送需要を喚起するとか路線を再編成するとかいたしまして路線バスとして存続し得る条件を整備する。また、市町村代替バス等の代替交通手段を整備する等、地域の実情に合った対応が選択されることをいっも期待をいたしておるわけでございますが、これらの進捗状況を見ながら、今後の補助制度のあり方についてよく勉強してまいりたいというふうに考えております。
 また、御提案がありました、このようなバス路線の維持について別会社への管理委託方式というものが考えられないかというお話でございますが、コスト低減という観点から、運行管理、整備管理等の安全性についての措置、事故の場合の責任の明確化、事業遂行能力などの点に配慮しながら、今後検討さしていただきたい。現に、タクシーを経営している会社にこういった路線の経営を委託しているケースもございます。
 それから、自家用バスの問題でございますが、先生御指摘のとおり、非常に重要た問題でございまして、五十五年度におきましては八十一件、五十八両の車両使用停止処分を含めまして四百八十五件の自家用バスによる不法行為について処分を行っているところでございます。五十三年八月の通達によりまして、登録の際に車両の保有理由等を把握したり、法令遵守についての誓約書をとるというようなことでチェックをいたしておるわけでございますが、今後も関係機関の協力を得ながら取り締まりに努力してまいりたいと考えております。
#47
○梶原清君 終わります。
#48
○江島淳君 ことし、今年度から予算審議の最初の試みとして、各委員会に委嘱審査がされるようになったわけでございますけれども、これがどういうふうに予算に生かされるかということがこれからの課題ではないかと思っております。そういう意味におきまして、幾らかでも突っ込んだ運輸関係の予算ができればということで御質問をいたしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思うわけでございます。
 きのうのいろいろ議員からの御質問をお伺いしておりますと、今度の新大臣も、総合交通政策に関する確立ということが最重要引き継ぎ事項としてあったというお話でございます。
 私は、交通予算の合理的な配賦と中しますか、いろいろ片方では空港問題があったりあるいは港湾問題があったりあるいは鉄道問題、道路問題という点がございますが、この総合的な交通政策の確立で最も欠けておるのが、この場合には道路が入っておらないということじゃないかと思うわけでございます。したがいまして、運政審で総合交通体系についてというりっばな本を書いて出しておられますけれども、それに関しては道路を含めたことが余り言及されておらない。また、きのうも建設省からの御答弁によりましても、道路は余り関知しておらないんだというお話でございました。
 しかし、やはり基本的には、いまは道路を外した交通体系の議論ということはおよそ無意味だと思うわけでございます。そういう意味におきまして、これは将来的には運輸省ということからさらに交通省というふうなことへでも脱皮して総合的な交通政策をしなくちゃならぬじゃないかという感じがするわけでございます。
 また、たとえば北海道を取り上げましても、北海道開発庁が年間に数千億円の投資をしておる。そうして道路をつくり、港湾をつくっておる。しかし、鉄道に関してはこれは全くそれと関係ない予算でやられておる。総合的な北海道の開発ということを考えた場合には、鉄道も含めて、今日にでも輸送ができるような交通機関ということでの位置づけが考えられて、それに伴う予算の配分があってしかるべきじゃないかと思うわけでございます。
 きのうも、引き継ぎ事項で最重点事項という点でこれから取り組むというお話でございましたが、いまのこの道路も含めておらないということに関してこれから大臣がどういうふうに総合交通政策に取り組んでいかれるかというお心をまずお伺いさせていただきたいと思うわけでございます。
#49
○国務大臣(小坂徳三郎君) 総合交通の問題でございますけれども、いま御指摘のある、道路の問題というものがやはり運輸省としてはたかなか手の届かないことは御承知のとおりであります。
 したがって、こうした日本の行政機構が非常に縦割り行政であるということの一つの妥協点として、経済企画庁に総合調整の機関が置かれてあると思うのであります。きのうも小柳委員の御質問に答えたのでありますが、私も企画庁長官のときに実は同じような御質問をいただいて非常に弱りました。これは運輸省が主体的にやるものじゃないかということで、当時の運輸大臣とも大分やり合ったこともあるのであります。そこに、今度はより高度の日本の社会構造の変革の中での道路という問題が非常に大きくクローズアップされておりまして、実は昨日の御質問以来、ごく少数でありますが、私が役所に帰ってから、総合交通体系というものを、ただ観念論的な議論でなしに、やはりこれを何とか進めることが日本の社会秩序やすべての問題に非常に大きな影響を持つと思うんだが、いまの現状ではなかなかこれを――企画庁あたりの総合官庁に任せるということがいいのだろうけれども、しかし、企画庁では何にも実務を持っておらぬのでありますから、要するに各実施官庁からのいろんなリポートや報告や考えをただ聞いて、それをただ紙の上でつづり合わせるだけのことでありますので、果たしてそこが本当の意味での総合的な対策の推進力になるのかどうか。自分の体験から申してもそれはなかなか不可能であろうと思うのでありまして、しかし問題は、道路との関係となりますと、きのうも大分建設省はきついことを答弁しておりましたのでこれはなかなかやっかいだなと実は思ったのでありますが、しかし、こういう問題をやはり幅広くわれわれがここで議論し、また委員会において議員の各位からそういう問題の御指摘をいただいているということは、確かに縦割り行政そのものを少しこの辺で調整をしていくという段階だろうと思って、それなりに運輸省としてはこれから検討してみたい、そんな意欲を実は昨日以来持っておるということを御答弁させていただきます。
#50
○江島淳君 いま大臣から大変前向きの御答弁があったわけで、きのうも企画庁のお話を聞いておりますと大変に心もとない返事でございました。実際に金を持っておらない官庁の悲哀じゃないかという感じがしたわけでございますけれども、どうぞ、やはり総合交通政策の確立ということを一番の課題として取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 それから次に、この地域交通の運政審の内容にちょっと触れさせていただきたいと思うんですが、いろいろな地域交通対策ということで、きのうのお話でも、議論でも、道路管理者も含めていろいろな各地域に、たとえば鹿児島等も総合交通対策を考えておるんだという話でございました。しかし、私たちが感じますのは、たとえばこれは国鉄の赤字路線とも関係するわけでございますが、常に地方に行きますと、撤去する議論ばかりが先に行っておりまして、総合的に交通をどうするかということが大変におくれがちでございます。きのうの御答弁によりますと、そういうものはなかなか時間がかかるので、まず最初の火め粉を消すために赤字線を撤去するんだということでございますけれども、私は逆に、総合交通の話をして、その中で赤字線を撤去するということに議論を持っていかなければ発想が逆ではないかというふうな感じがいたしておるわけでございますが、それに関しまして一言御答弁をお願いしたいと思うわけです。
#51
○政府委員(杉浦喬也君) きのうも御答弁申し上げましたように、国鉄問題に関連する鉄道と自動車のあり方の問題、それから、それらを含めまして地域交通全体のあり方の問題、なかなか地域と期日におきましてうまく調整がとれないということは事実でございます。できれば、先生いま御指摘のように、全体を考えてその中で国鉄ということがあるいは正論かとも思いますが、現在緊急の国鉄、この事情というものを何とか法律に基づく措置といたしまして緊急に実施をいたしたい。そうすることは地域の実情を無視するものではないわけでありまして、やはり鉄道というものにかわるべきより効率的な交通機関というものをあくまで前提にし、それを確保するということがそのねらいでございます。したがいまして、そうしたことを実施をした後におきまして、さらにそれらを含んだ総合的な地域交通の観点での議論が後に行われたといたしましても決して矛盾をするものではないというふうに考えるわけでございまして、鉄道がどうかという点についての別途の判断、すでに鉄道特性を失ったというそういった判断、こういうものは過去の経緯等を見ましても余り変わらないのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#52
○江島淳君 いまのお話の中での赤字線の処理方法なんですけれども、きのうの広田先生の御質問にもありましたけれども、ローカル線から出ている赤字は国鉄全体の中に占める赤字の中では幾らかというふうな御質問で、大変にパーセンテージとしては少ないということだと思うわけです。そして、やはり赤字は幹線系から出ている赤字が非常に多いということからまいりますと、私の感じておりますのは、まずやっぱり一番大きいところをねらってやって、そして赤字幹線対策というものをまず強力に国鉄は推し進める、そしてそれに二歩ぐらいおくれて赤字線対策というものがいくということになって、先ほどの総合交通政策等も考慮して進んでいくということになると、地方の皆さん方からも非常に納得されるんじゃないかと思うわけですけれども、その幹線系とかなんとかのいわゆる赤字対策というものは進まないで^赤字線だけの方がむしろ先に進むという感じを非常に地方の人たちは強く受けておって、そのために、なぜ交通弱者をいじめるのかという議論が出てきて、非常にそれが皆さん方の憂慮の種になつているということでありますので、私の考えますのは、まずやはり幹線対策を前にやって、それの効果が出てから赤字の原因でもある赤字路線も、これもなおざりにはできないからというふうな方策を立てるべきじゃないかと思うわけでありますけれども、いまは全くその逆でいっているというのが皆さんの印象なわけです。これに対してはどういうふうにお考えになるかということです。
#53
○政府委員(杉浦喬也君) いま先生の御指摘の内容につきましては、地方線対策を実施する際に、各地方の沿線の方々が、いわば反対論の一つといたしまして、この路線を仮に廃止してもその廃止効果が非常に少ないではないか、いまもっとでかい赤字を出している幹線、これに対する対策というものを優先すべきであると、いま先生御指摘のようなお話が各地に出たことはもう確かでございます。
 もちろん、数字的にも幹線の赤字というものは非常に大きいということは全く事実でございまして、決してこれをなおざりにいたしまして国鉄再建ができるということはもう絶対なや齢ほであります。いまの経営改善計画におきまして、経営合理化のいわば量的な最重点項目は、やはり幹線に対する徹底的な経営改善ということに向けられていることは御承知のとおりであります。したがいまして、順序が逆ではないかという之とではございますが、赤字対策という意味におきまする対策上の重点項目はやはり量的には幹線に向けられているというふうに御理解いただきたいと思いますし、また量的にきわめて少ないからそれは要らないんじゃないか之いうことにつきましては、法案の審議の過程杉おきましてもいろんな議論がございましたが、鉄道特性というものに着目いたしますと、やはりこうした、人が乗らないという、そういう事態というものを何とかやはり新しい姿で見直しをする必要があるという観点がこの地方交通線対策の主たる目的になっておるわけでございますので、量的には少なくても、ぜひ実行をすべきものだというふうに考えておるところでございます。
#54
○江島淳君 私はこの赤字線対策はなおざりにしてもいいと申しておるわけじゃなくて、これからの赤字を解消していく戦略として、まず幹線対策を行って、それから二歩か三歩か下がったぐらいのところで赤字線処理がいくということがやはり国民のコンセンサスを得る方法じゃないかと思うわけでございますので、よろしくお願いしたいと思うわけです。
 それから、大変に時間がございませんが、次に地方中核都市の交通処理ということについて一言お聞きしたいのでありますけれども、大都市の交通は大体地下鉄でも掘ればいいんじゃないか、それから小都市の交通はバスでいいんじゃないかと。私は、やはり問題になるのは五十万から七、八十万ぐらいの都市の交通が一番盲点じゃないかと。地下鉄をつくるには人間が少な過ぎるし、バス輸送では多過ぎるということで、それに対して新交通システムとかいろいろ考えられまして、モノレールであるとか、あるいはいろいろな新しいデュアルモード・バスだとか、そういうふうなことが言われておりますけれども、なかなか具体的な発足を見ておらないということで、ここが一番谷間じゃないかという感じがするわけでございます。そういうことについて、この運政審の答申などでもう少し具体的な提案がされておるのかなと、先年お伺いしましたら、運政審の答申が出るまでその総合交通体系に関するいろいろなことは待ってくれというお話がございましたから、もう少し具体的なことがあるのかなと思ったんですが、なかなか精神論的なことがたくさん書いてありまして具体的たことがありませんけれども、そういうことに対して、全体的にもう少し具体的なことがこの中にも盛り込まれてしかるべきじゃないかと思いますが、この中核都市の交通に対してはどういうふうに具体的には考えておられるかということを一言お聞きしたいんです。
#55
○政府委員(石月昭二君) ただいま先生お話しのように、最近の人口の動向を見ておりますと、地方中核都市というようなところでの人口の増加が、Uターン現象等の結果かと思いますけれども、非常にふえておることは事実でございます。また、一方輸送機関の物理的な輸送可能量という面から申しますと、バスの場合には、最大限に考えましても一万人ぐらいが限度であると。それから、やはりそれから上ということになりますと、やはりバスでは対応できない、そういうような状況が地方の中核都市にそろそろ出ている状況でございます。したがいまして、こういうところにはそれよりも輸送力の多いモノレールでございますとか、そういうものを導入しなきゃならぬ。
 一方、そういう都市には大体鉄道経営というようなものについてのノーハウのないところが多うございますので、また制度面から見ましても、これらの中量輸送機関というものはかなりコストが高うございます。なかなか私企業としては成立しがたいということでございますので、それを私企業として成立させるためにも何らかの助成制度というものをもう少し充実し、確立する必要がある、また、整備主体というものについても配慮する必要があるというような御指摘を賜っておりまして、私どもこの線に沿って検討していきたいというぐあいに考えている次第でございます。
#56
○江島淳君 これからも、こういう具体的な、たとえば広島とかあるいはいろいろその程度の駅のことについても、具体的にいろいろ御指導していただきたいと思うのでお願いする次第でございます。
 それから次に、この答申の中に、整備新幹線と在来線との関係というところがリファーしてございます。それにつきまして、少しお聞きしたいと思うわけでございますが、一昨日の新聞発表でも、整備五新幹線に関することが出ておりました。それに対して、きのう広田先生からの御質問に対して、大臣が大変前向きの答弁をしておられました。私はこれを大変評価するものでございます。それは一方ではこの大変な財政困難なときに、さらに新幹線をという声もあるということはわかります。しかしやはり、その地方については陸の孤島になっているとか、あるいは高速化に対して飛行場もなかなかむずかしいし、非常にそういう点においては交通の利便が悪いということで、地方、地方の国民のニーズが非常に高いということも事実でございます。このわが運輸委員会の先生の、野党の先生方の中でも、その御出身のところの方々にお聞きしますと、これはやっぱり必要なんだと、各論的には皆さんそうおっしゃるわけでございますが、なかなか総論的にここで話をすると、そんたものは必要じゃないんじゃないかということでございます。したがいまして、いまの整備新幹線をどうやって進めていくかということが、やはり政治としても必要じゃないかと思うわけでございます。
 また、いま国鉄再建が大変に言われておりますけれども、この議論を聞いておりますと、いずれも昭和六十年を目指した議論でございまして、昭和六十年以降には国鉄をどうするのかといった計画というものが余り議論されておらないと私は思うわけでございまして、国鉄は昭和六十年で終わるわけじゃございませんから、やはり二十一世紀まで生き延びていって国民の足となるためにはどうすると、そういう点に関する議論も大いにやっていく必要があるんじゃないかと思うわけでございます。それと、一方では非常にいま財政再建が言われておるところでございますから、これが国鉄の経営を圧迫しちゃいかぬということもまた大きな意義があると思うわけでございます。
 したがいまして、そういうことから観点を考えてやっておりますと、この運政審の中には、新幹線も必要ならば大いに整備しなさい、それからそれと並行しておる在来線についても維持するという見地も含めてこれを行うことを検討すべきだというふうなことがリファーしてございますが、私の考えとしてはこれと全く逆で、むしろ鉄道はもう相当年月が来たので、新幹線をつくるということは在来線のスクラップ・アンド・ビルドだという考えに徹して、新幹線がなければなかなか合理化がむずかしいのも、新幹線が来たからということで大いに合理化を進めていく、そして在来線においては徹底した人員の削減を図るというふうなことをやってこそ、初めて新幹線プラス在来線の足したものの経営効率というものがそれほど国鉄の経営の足を引っ張らないようになるんじゃないかなという考えをいたします。
 したがいまして、新幹線もつくる、在来線もキープするということは、非常にきれいごとでありますけれども、現実的には大変に経営に圧迫をするので、新幹線ができたらば在来線はもう相当な思いでそれを切って、そのかわり新幹線もいままでの考えよりは駅をたくさんつくる。それから在来線は、先ほど申しました地方中核都市を中心とした通勤とか、そういったものの使命に切りかえていって、いままでと相当発想転換をした在来線にして、人間もそれも非常に大幅な削減をするということにすべきだと思うわけでございます。そういう意味においての御意見を簡単に伺わしていただきたいと思うわけでございます。
#57
○政府委員(杉浦喬也君) 新幹線のあり方につきましては、基本的にはこれは国土の根幹をなすような幹線輸送体系ということからスタートしておるわけでございますが、現実の問題といたしましては、高速の都市間輸送ということを担うということにたるわけでございます。過去の新幹線の完成におきまして大きなダイヤ改正が行われております。それはいま全く先生がおっしゃいましたように、新幹線の役割りというものを都市間高速輸送の分野に高めるということをまず考え、また同時に、それと並行いたします在来線につきましては、これはむしろその中核都市なりあるいは都市近郊の通勤、通学輸送というようなものに重点化するというようなダイヤを組んできておるわけでございます。東海道、山陽というような新幹線の開通に伴いまして、従来在来線の優等列車、特急等の列車はほとんど新幹線に移行をいたしまして、ゼロに近くいたしております。そのかわり、そうでない在来線の一般輸送につきましては、わりかし短距離の地域内輸送というようなものに使命を与えまして、場合によりましては一部分在来線の整備をそれとともに行いまして、通勤、通学等の輸送に十分対応するような形でダイヤを組みかえてきておるわけでございますので、運政審では、新幹線のあるところとないところと、ないところの在来線についても整備が必要ではないかというような意味合いかと思いますが、新幹線と在来線が並行する部分につきましては、全く先生がいまおっしゃいましたような政策を現実にとっておるところでございます。
#58
○江島淳君 ここに書いてありますのは、在来並行線ということが書いてありますので、在来並行線についても相当に維持をすべきであるということを書いてありますので、要するに新幹線やなんかにいい優等客を取られておりますから、在来線はもうどうやっても私はそんなに経営成績が上がらないと思うわけです。しかし、実際問題として地元の皆さんからはこれも残せという話がありますので、なかなかその辺の駅を無人化することもむずかしいし、大変にその辺が足を引っ張っている原因じゃないかと思うわけであります。新幹線をつくるということのかわりには、そういうことは思い切った縮減をするぞということをやはりある程度行政の面からもやらないと、それはもう何も、どれもこれもあった方がいいというのが地元のどうしても思うことでありますので、その点がいまのような、こういうふうな在来線も相当手入れしても云々というようなことであったのでは、国鉄の経営の圧迫の原因がとにかく新幹線と並行の在来線であるということは間違いないのでありまして、ですから、これがそうなるとすれば新しい新幹線もできないということになりますので、その辺の発想を相当に実際に転換していかないとこれはむずかしいんじゃないかなと。そうしてでも新しい新幹線というものは整備するということは決して国鉄の財政の足を引っ張るものではないというふうに私は考えるわけでございます。
 それともう一つ、この新幹線に関して、テレビなどの報道では、駅は決まったけれどもなかなか着工はむずかしい、いまのあれでは。新幹線の財政的なことが、裏づけが全然できておらぬというような報道でございましたけれども、これに関して今後の、どういうふうにこれを――私はやはりそういう国鉄の財政あるいは再建のことを圧迫したい範囲において、とにかくスタートするということはその地元のニーズに対することとしても必要であると思うわけでありますけれども、それに対する今後の見通しというものをお聞かせ願えれば幸いなんですが。
#59
○政府委員(杉浦喬也君) 今後の整備新幹線の現状と将来でございますが、ともかくこの前新聞に発表されましたように、環境影響評価、これを実施をいたしませんとスタートができないということで、その環境影響評価の前提でございますルートと駅につきまして、一応の内定を県知事と相談をしながらいたしますということが現況でございます。これから環境影響評価を、約二カ月ぐらいかかると思いますが、実施をすることになります。
 その後がなかなか非常にむずかしい問題を抱えるわけでございまして、御承知のように、財政問題あるいは助成問題というものが控えておるのでございまして、公的助成というものをどうしたらいいかと、これをかなり手厚く考えませんと、これからの整備新幹線は非常に輸送量が少ないところに入ってまいりますので、国鉄財政に与える影響というのが非常に大きいわけでございます。そういう意味におきまして、この財源問題、財政問題を今後片づけていかなければならない。大変むずかしい問題だというふうに考えておりますが、十分関係の省庁と連絡をとって検討を進めたいと思っております。
#60
○江島淳君 その大変むずかしい問題についても、勇気を持ってお進めいただくことをお願いする次第であります。
 それから、今度は貨物の方でございますけれども、先日も御質問に対する高木総裁のいろいろお話を伺っておりまして、私は、国鉄の貨物が非常に足を引っ張っておるという話でございますけれども、いまのエネルギーの状況、日本の国土の状況ということから考えますと、やはり鉄道の貨物をまだまだそんなにだめだということにしないのが、日本経済から言っても、国民経済から言っても大変に大切なことじゃないかと思うわけでございます。
 たとえば、私は広島に三年間ほどおったわけでございますけれども、そのときに、広島の国道二号線が八本松のところを通っております。そうしますと、八本松の国道のところに十トン積みのトラックがもう延々として東京の方に向かって走っておる。見ますと、皆長崎ナンバーをつけた鮮魚トラックの列が皆東京の方に行っておる。片やこれと並行しておる国鉄の方の路線を見ますと、貨物列車が十五両か二十両ぐらい走って、普通ならばあすこでは鉄道のさらに後の方にも補助機関車をつけたくては上れないような勾配でございますけれども、それが要らないくらいの軽い牽引でもってからから走っておる。これを見て、どうしてこういう長崎から東京まで行くようなことが――普通ならばトラックは十トントラックに運転手が一人乗っておる。片や鉄道の方ですと、少なくとも六百トン、七百トンに機関士が乗っておるんだと。これと比較してみてトラックの方がさらに採算性があるというのはどうしてかなというふうな感じがしてならないわけでございまして、そういう意味においても、国鉄にまだ載せるということが国民経済的からも大変に必要じゃないかと思うわけでございます。
 そういう意味において、じゃなぜそれがそうなったのか。それは、言われておるように国鉄の職員が余り働き度が足りないからなったのか、あるいはトラックの方は非常に中小企業でありまして、労働基準法とかなんとかというものを無視して、とにかく使い捨てでもいいから働けということでやっておると。鉄道の方はそういうことができないので非常にその辺のことが困るのであるということなのか。あるいはそういうふうな労働基準法的なこととか、いろいろ諸般の政令、法令を、禁則を犯してやっておるということならば、これはまたこの対策を講じなければ日本全体のためにもまずいんじゃないかと思うわけでございます。
 それともう一つ、時間が非常にありませんので、鉄道の貨物が非常に落ち込んでおるということは、私の考えとしては、要するに鉄道が小運送を持っておらない。アメリカに私行きましていろいろ向こうの鉄道の人たちに聞いてみますと、アメリカの鉄道は必ず自分で貨物の自動車を持っておる。したがいまして、お客から貨物を受け取ると、これはトラックに載せて運ぶべきか、あるいは列車に載せて運ぶべきか、そしてまた、向こうに着いてもトラックで自分の会社で運ぶというような、そういうふうな一貫輸送でやっております。ところが日本では、フロントにお客さんが持ってくるのを待っておるという状態であります。一方、貨物運送の方は、運賃負担力のあるものは自分でトラックのターミナルをつくってどんどん長距離を中継していく。運賃負担力のないものははい国鉄さんというふうにして持ってくる。したがいまして、いかに国鉄が企業努力しても、そういう一貫体制というもの、一体となって運営できるような体制でないとなかたか貨物はむずかしいんじゃないかという感じがするわけでございますが、そういうことについて国鉄の方から御意見をお伺いしたいと思うわけでございます。
#61
○説明員(橋元雅司君) いろいろ御意見承りましたが、私どもとしては、基本的には鉄道貨物輸送というのは効率性の高い輸送機関であると考えております。しかしたがら、現在の私どもの実態が大変コスト面でも割り高になっておるという原因が大変大きな障害としてあるわけでございます。昨日もいろいろ御議論ございましたけれども、やはり駅及びヤードにおきまする入れかえ業務に大変大きな人手と時間をかけておるということでございます。したがいまして、こういった入れかえ業務を今後徹底的に見直していく、できればヤードを使わない貨物輸送に徹底的に体質改善を図るということが喫緊の課題ではないかと考えておるわけでございます。
 それから、先ほど先生ちょっと小運送の問題にお触れになりましたが、小運送問題というのはなかなか古くて新しい問題でございます。確かに諸外国では直営たいしは子会社、系列会社によってそれを行っておるところがございます。しかし、わが国におきましてはもう鉄道百年、やはりこれは通運事業者の仕事として行われておるわけでございます。ときたまこの通運との連絡協調に欠ける面があって、戸口間一貫輸送が円滑に行われていない事例も問々あったわけでございますが、昨今におきましては、やはりその辺パートナーとして十分機能するような、いろいろ連携を深めるための施策あるいはインセンティブな仕組みをつくりまして、そういった障害を取り除く努力をいたしておるところでございます。いずれにいたしましても、私どもはやはり駅から駅までの拠点間直行輸送をできるだけコストのかからない効率的な輸送に切りかえていく、それと、発あるいは着の小運送事業者ときわめて緊密な連携をとって、相ともに鉄道輸送における戸口間一貫輸送をシステムとしてきちっと確立したいという気持ちでおります。
#62
○江島淳君 大変時間がないのではしょりますけれども、最後に一つ、航空協定についてのことを御質問したいと思ったんですが、時間がございませんので、この航空協定についてきのうも御答弁ございまして、いろいろお話を伺ったんでございますけれども、私の感じましたのは、むしろいまアンフェアだとか言われておるのは非常に貿易問題である、そして貿易問題とこの協定とは関係ない、切り離していくんだというふうな御答弁でございましたが、むしろこの際に、貿易問題もアンフェアなところは是正していくんだから、航空協定もアンフェアなところは是正していこうじゃないかと。これは対象が、農村議員の先生と航空関係の議員のアメリカの先生とは違うから余り関係ないんだということかもしれませんけれども、それでも一般を啓蒙する意味において、そういうフリクションは、アンフェアだアンフェアだと言うけれども、航空協定においてアンフエアだと、逆のアンフェアがあるということをもう少し声を大にしてもいいんじゃないかという感じがいたします。それに対する御所見を簡単にお願いしたいと思います。
#63
○政府委員(松井和治君) 私ども、今回の交渉で先生御指摘の日米間の不均衡の是正について大変強く主張をしたつもりでございます。しかしたがら、残念ながら合意に達しなかったわけでございますが、その根本にございますのは、簡単に申し上げますと、日本側は、不均衡というのは日米企業の運営する基盤というものが機会が均等に与えられていないと、これが不均衡であるということを主張しておりますのに対しまして、アメリカ側は、現在の日本企業と米国企業との得ている収入の額がほとんど同じである、したがって不均衡は存在しないというような言い方をしております。要するに、不均衡があるかないかという基本的な認識において町米双方に相違があるわけでございまして、私どもの、あくまでも機会が均等であるということを強く求めることは正論であると信じておりますし、たかなかむずかしい認識のずれはございますけれども、今後とも不均衡の是正のために引き続き努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#64
○江島淳君 先ほど申しましたように、この運輸行政の何といっても一番大切なのはその総合交通政策に関する推進方だという感じがいたしますので、まあ企画庁長官もされたその大臣がおられますので、今後ともにこの点を最重点項目として進めていただくようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#65
○委員長(桑名義治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時九分開会
#66
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#67
○黒柳明君 国税庁はお見えですか。昨日の一部マスコミに日本郵船のことが出ておりましたですね。何か百億の申告漏れと四十二億の追徴金。大体概要は新聞で読みましたので、一応大ざっぱに状況を教えていただけますか。
#68
○説明員(草野伸夫君) お答え申し上げます。
 国税当局がお尋ねの会社に対して更正処分をしたということがニュース面で流れておることは私も承知しておりますが、ほぼそういったことがあったということは否定いたしませんけれども、その具体的な内容につきまして、この席で御答弁を申し上げることはお許しをいただきたいと存じます。
#69
○黒柳明君 済みませんが、もう一回。ちょっと聞き損なっちゃった。
#70
○説明員(草野伸夫君) じゃ、重ねて御答弁申し上げます。
 国税当局が更正処分をしたということがニュースなりあるいは新聞で流されておるということは承知しております。ほぼそういったことがあったということは否定いたしません。ただ、その具体的な内容につきまして、ここで御答弁を申し上げることはお許しをいただきたいと存じます。
#71
○黒柳明君 別に、私も新聞で読みましたから。国税庁というのはやっぱり口がかたいということを、十七年の国会のあれでよく知っておりますけれど、新聞に出ていたことは大体あのとおり間違いがないと、こういう認識はいいわけですね。
#72
○説明員(草野伸夫君) 先生ただいまおっしゃったとおりでございます。
#73
○黒柳明君 今度は運輸省の海運局に。利子補給というのはどのぐらいやっているんですか、日本郵船は。五十六年分だな、出ていたのは。
#74
○政府委員(永井浩君) 五十六年度はいま手続中でございますが……
#75
○黒柳明君 五年か、それじゃ。済みません、五十五年。
#76
○政府委員(永井浩君) 五十五年度を申し上げますと、十三億三千八百万でございます。
#77
○黒柳明君 日本郵船だよ。二百三十五億というのは、これはどういうあれだ、こちらに資料もらったが。
#78
○政府委員(永井浩君) 二百三十五億と申しますのは、利子補給を過去からずつと受けておりまして、利子補給契約後十五年間は、一定の利益が出た場合には返還はいいのでございますが、その義務の残っております額が二百三十五億でございます。
#79
○黒柳明君 五十五年度末のものが二百三十五億と、こういうことですね。
#80
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございます。
#81
○黒柳明君 それで、利子補給の返還の条件というのはどういう条件があるんですか。
#82
○政府委員(永井浩君) 利子補給の返還の条件と申しますのは、税引き後の利益が資本金に対しまして一〇%以上の利益が出た場合に一定の比率によって返還すると、こういうことでございます。ただその場合に、船舶建造積立金という制度がやはり同じ法律上ございまして、それも限度額一〇%でございますが、その積立額をした場合には、その積立額を除いて一〇%利益が出るということでございます。
#83
○黒柳明君 一〇%という。国税から一応きのう新聞に出た内容のとおりだという御返事をいただいたんですが、運輸省は当然この補給をする方ですが、これはどういうことなんですか。いつごろからこういう事実関係を知ってあるいは調査をしていたんでしょうか。国税が先に指摘したということで運輸省としても後追いになったのか。その点どうなんでしょうか。
#84
○政府委員(永井浩君) 国税の関係について私どもがお答えする立場でございませんが、一方、運輸省といたしましては、利子補給法上利子補給を受けております会社の経理を監督しておるわけでございます。それで、日本郵船が五十五年度決算の中におきまして、経理の処理の方法について新しい考え方を導入したと、こういう事実は承知しておったわけでございまして、それについて、まあ経理の会計処理につきましてはいろんな考え方がございますので、それが妥当なものであるかどうかという点につきまして検討を進めてまいったわけでございます。それで、特にその点につきまして専門家の意見を聞く必要があろうということで、去年の四月に日本公認会計士協会にその点の新しい経理基準の妥当性につきまして文書で意見照会をいたしております。一年近く会計士協会で御検討たさったようでございまして、去る三月五日にその回答が出てまいっております。
#85
○黒柳明君 そうすると、運輸省の方でも、経理の仕方は若干こうあるけれども、一応目をつけて公認会計士の方にお願いをしていた、その前に国税の方が指摘した、こういうことで、公認会計士の方は返事はもう来たんですか。その返事はどういうことなんですか。
#86
○政府委員(永井浩君) 公認会計士協会に意見照会をいたしましたのは昨年の四月でございます。それで返事がございましたのが本年の三月五日でございます。
#87
○黒柳明君 どういう返事だったか。
#88
○政府委員(永井浩君) 具体的に申し上げますと、意見を照会いたしましたのは、借船料、つまり船をほかの会社から借りてまいりますその借船料につきまして、航海に対応する費用として計上する方法と、それから期間に対応して計上する方法、これは日本郵船が今度新しく採用した方法でございますが、この二つの方法が考えられますが、いずれの方法が合理性があるか。さらにいずれの方法も合理性があるといたしましても、その新しい経理処理を採用した場合に継続性というものを尊重すべきではないか。この二点について意見照会したわけでございます。これに対しまして、公認会計士協会の回答では、運航費用の計上については企業のそれぞれの運航実態に最も適した方法をとるべきであると。つまり、いろんな考え方がありますと。いずれも合理性があるということが第一点。しかしながら、一遍採用いたしました会計処理方法はみだりに変更してはいけないということで、継続性について十分配慮する必要があると、この二点の回答をもらっております。
#89
○黒柳明君 いずれにせよ、今回国税の方から百億の利益があったと、こう指摘されると、当然これは利子補給の返還を求められるというケースになろうかと思うんですが、その検討はどうなんですか。
#90
○政府委員(永井浩君) 私どもとして、先ほど申し上げましたように、国税当局の処分とは別個にこの経理処理につきまして検討を進めてまいりまして、いま申し上げましたような回答をもらったわけでございます。ただ、この公認会計士協会の回答につきましてはきわめて基本的、抽象的な表現になっておりますので、これを行政べースに移すためにはより具体的な基準というものをつくる必要があろうと、このように考えております。そういった意味で、いま内部で検討をしておるわけでございますが、その具体的な基準ができ上がりましたらば、この基準に当てはめまして日本郵船のこの経理の処理について監査をしたいと、このように考えております。
#91
○黒柳明君 ただ、それは運輸省の立場としてやられているわけですが、いずれにせよ国税からこう指摘があれば、その利子補給の返還というものを求める方向で検討せざるを得ないと思うんですが、どうでしょうか。
#92
○政府委員(永井浩君) ただいまも申し上げましたように、具体的な物差しは現在検討、準備中でございますが、少なくとも継続性については問題があろうかと、このように考えておりますので、利子補給の返還を含めまして検討をしております。
#93
○黒柳明君 そうすると、金額までは、まだ物差しができていないからあれですけれども、どのぐらいになりますか、三十億ぐらい、四十億ぐらい。
#94
○政府委員(永井浩君) これは非常にまだ具体的な物差しがないので何とも申し上げかねるわけでございます。仮に国税庁の御判断と思われるものを日本郵船から聞いておりますが、そういうものを仮に前仇といたしますと、ただいま先生から御指摘のような金額になろうかと、このように考えます。
#95
○黒柳明君 三十億ぐらいになるかもわからないということですね。そうすると、何ですか、いただいた資料でも、全部五十五年末で四、五十あって、合計が一兆二千四百億あるわけですね。この中でさらに国税の更正決定を受けたところはまだあるんですか。いまは日本郵船だけですけれども、この四十社ぐらいありますけれども、更正処分を受けたところはまだほかにもあるんですか。いま日本郵船だけのことを言ったわけですけれども、何社ありますかな、全部で。四十三社ありますね。それでいまは日本郵船のことですけれども、ほかにも国税の更正処分を受けたところはあるんですか。
#96
○政府委員(永井浩君) 国税関係の更正決定を受けたかどうかについては私どもも承知いたしておりませんが、日本郵船と同じような経理区分をしております会社といたしましては二社ございます。
#97
○黒柳明君 それはどことどこですか。
#98
○政府委員(永井浩君) 昭和海連と第一中央汽船でございます。
#99
○黒柳明君 そうすると、それは五十五年度末で幾らぐらいの利子補給をしているんですか。
#100
○政府委員(永井浩君) 先ほど申し上げました国庫納付の義務残高は、日本郵船で申し上げますと二百三十五億に対応する金額といたしましては、昭和海運が七十五億、それから第一中央汽船が四十五億、こういうことになっております。
#101
○黒柳明君 そうすると、全部の四十三社、これは運輸省なりの調査というものはしているんですか。やっぱり国税待ちですか。まだ物差しができないから、できた後にまた調査を始めるんですか。これはどうでしょう。
#102
○政府委員(永井浩君) この新しい日本郵船等が採用いたしました経理基準につきましては、従来の考え方と違うわけでございまして、これにつきましては従来から利子補給法上の監査をやっておりますが、特にこの三社についても監査をしたい、このように考えております。
#103
○黒柳明君 三社は監査されるんですから、さらに四十三社で莫大な利子補給が出ているわけですね。それは従来からつかみ取りだなんて言われている筋もあったわけですけれども、私は素人なんで余りわかりませんけれども、すると、ここで日本郵船がいま国税から指摘され、さらに二社が一応その経理内容について運輸省もやっぱり調べなきゃならない。あと残るところは四十社です。利子補給受けておる。それについては総体的にやっぱり何らかのこの経理について目を通すという気持ちはあるんでしょうか。
#104
○政府委員(永井浩君) これは従来から三年のローテーションでこれらの利子補給を受けた会社を監査いたしております。それで、そのたびに過去三カ年分の経理を監査するということで、各社とも毎年の経理を見ておるわけでございます。そのほかに必要に応じて特別の監査、こういうことも行っております。
#105
○黒柳明君 運輸大臣いま局長のおっしゃったことを踏まえまして、何か国税に指摘されて、要するに運輸省の方がちょっと後追いじゃないか、こんた感じはします。直接の責任官庁としまして。ですから、この三社につきましては物差しをつくらなきゃならないことも当然です。ですけれども、私申しましたように、何か利子補給につきましては従来から余り芳しからざるうわさがあることはあるいは大臣も当然お聞きかと思うんですが、この際、この四十三社全部と言うと、そうじゃないところが中にあったらおしかりを受けますけれども、膨大な額ですから、これは行革の一環として必要なわけでありまして、これは先般の予算でもわが党の委員が取り上げたことがあるんですよ。そのいろんな前向きの御返答もいただいたわけですが、それを踏まえて、私もここであえて繰り返しの質疑は避けたいと思うんですが、こういう事実が国税から指摘された局面を踏まえますと、やっぱり運輸省としましても相当な、いままで三年ごとに監査しているからいいんだ、こういうわけにいかないんじゃないか、こういうふうに思いますが、ひとつ国税の更正処分を受けたということも含めまして、また、公認会計士から昨年から一年がかりで意見書も出たということを踏まえまして、大臣、今後これについてどういう処置をとられるか、御意見をお聞かせいただけますか。
#106
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私も日本郵船の件は新聞で見まして驚いたのでありますが、しかし、国税庁側が百億円と称するものについて公表したとは言えないそうでありますが、新聞には出ておるんですが、往々にして経理の処理方法が国税庁の考え方と民間の経理でやります考え方とは違うものがたくさんあるんです。それで、それが一々脱税であるというような指摘を受ける場合と、一種の整理方法の相違ということで円満に話がつく場合が非常に多いのでありますが、昨日の新聞によれば脱税的雰囲気で公表されたように思うのでございまして、それならばそれでもっと明確な国税庁の考え方をはっきり言ってもらわなくちゃ困る。
 私は、いま委員が御指摘になりましたように、利子補給というようなことは、これは大変重大なことでございますので、今度のことを契機にいたしまして、この経理の操作ミスというようなことでなしに、やはり国民の税金をいただいて利子補給を受けておる造船企業全般の襟を正して、また、われわれもそうしたことをやっておる行政官庁としては、やはりこうした問題にっいて厳正に対処していかなくちゃいかぬというふうに思っておるところでございます。
#107
○黒柳明君 国税庁、どうですか。大臣から質問を受けるなんて、一課長として非常に光栄だと思うんですけれども、確かにそれはマスコミの報道を見た範囲ですけれども、これは要するに脱税的な感じをやっぱり読んだ人に与えたことは間違いありません。また、大臣がおっしゃったような民間経理というものについても国税の考えとニュアソスが違う面もあるわけでありますが、そうならそうとしてもっとはっきり物を言ってくれと大臣に質問されたんで、答えてくださいよ。
#108
○説明員(草野伸夫君) 海運業における借船料というものの税務上の取り扱いということの見解をという御質問かと思います。
 税務上の取り扱いにつきましては、海上運送のために要する費用のうち貨物費それから燃料費、港費その他その運送のために直接要するものは運送収入の収益計上との対応関係、いわゆる収入と対応する関係において損金に算入する、こういう立場をとっております。借船料は一般的には運送のために直接要する費用であるからやはり収益対応で損金算入の扱いをする、このように税務の経理上は考えております。
#109
○黒柳明君 これは局長さんに、もう当然そんなことは御存じのとおりだと思うんですけれども、どうですか、借船料の国税としての扱いを運輸省から見ますとどういうふうに思いますか。
#110
○政府委員(永井浩君) 企業の会計処理につきましてはいろいろな考え方がございまして、どれが正しくどれが間違っているというようなことではないと思います。公正妥当な経理の処理方法というものが幾通りもあるケースもございます。周税庁は税法上の御判断で一番適切と思われる判断をされたのだと思います。私どもといたしましては、やはり利子補給法上一番公正妥当であるという基準を速やかに明確に定めまして、それによって処理したい、このように考えております。
#111
○黒柳明君 いずれにせよ、昨年の四月から公認会計士協会に一応意見書で問い合わせたんですから、いわゆる何といいますか、日本郵船の借船料の利子の圧縮操作みたいなものは運輸省としても当然目をつけていたと、この点は間違いないわけですね。全然正常であったとは思わなかった、これは間違いないわけですな。
#112
○政府委員(永井浩君) 先ほども申し上げましたように、第一点は、そういった経理処分が妥当であるかどうかということと、仮に妥当であった場合に、一つの経理区分を採用してそれを頻繁に変えるということがいいかどうか、この二点の意見を照会したわけでございます。現在の抽象的な意見ではございますが、前者については、いろいろな経理方法が考えられるので、どれがだめだとかということではないという返事をいただいております。
 第二点につきましては、やはり継続性というものが重点である、尊重しなければならない、こういう回答でございますので、少なくともその継続性の問題については私どもも問題ありと、このように考えております。
#113
○黒柳明君 わかりました。もう大臣に御答弁いただくまでもないと思います。
 今度はニュージャパンの方に焦点を移しまして、大臣も、ニュージャパンの実際の、国際観光ホテル法から言うともう所轄の責任者なんですが、このニュージャパンについて余り――余りというか、国会の場でたしか発言されたことがないような記憶があるんですけれども、四月、もう間もなく横井さんが国会へお出になるわけですね。ですからまたそこで火を噴くと思うんですけれども。
 建設省、いらっしゃいますね。ニュージャパンの前に、コーヒーショップというのか、フルーツショップというのか、建物がありますね。あの建物が建っている道路、道、あそこはどこの所有ですか。
#114
○説明員(田村嘉朗君) ホテル・ニュージャパンの前にフルーツパーラーのようなものがございますが、この敷地がどういう状態かということについて東京都に照会したわけでございます。これは昭和二十一年の三月に都市計画決定されました東京都市計画道路の幹線街路環状二号線の区域内でございます。また、この区域内におきまして、昭和四十八年の十一月に都市計画事業の認可がございましたわけでして、その事業地内にあるようでございます。
#115
○黒柳明君 それで、それは都道ですね。都市計画法、都道ですね。
#116
○説明員(田村嘉朗君) はい、そうでございます。
#117
○黒柳明君 大臣、話はこういうことじゃなくて、国際観光ホテル法の問題で大臣にお伺いしたいんですけれどもね。ニュージャパンにつきまして感情的ないろんな発言もあるかと思うんですが、その感情的というものをさておいて、やっぱり怒りというものはこれは正当な面が相当あるわけですね。いまの建設省の話によりますと、ニュージャパンの前にフルーツパーラーみたいなものがあるんです。そこは完全に都市計画法にのっとった道路、都道、そこにニュージャパン所有1これは又貸しなんです。又貸しの人はこれはまあ関係ないんであえて申し上げませんけれども、ニュージャパンがつくった建物があるわけですよ、フルーツパーラー、コーヒーパーラー。そういうことで間違いありませんな。
#118
○説明員(田村嘉朗君) この建築につきましては確認しておりませんで、だれがつくったかということは私どもの方では存じておりません。
#119
○黒柳明君 ええ、そこはもう建設省の守備範囲じゃないんで、私どもが聞いたら、いわゆるニュージャパンのもので、それでニュージャパンがある人に又貸ししていると、こういうことなんです。ですから、言うならばこれはもう――ちょっとこういう例はどこかにあるでしょうかね。そこらにある都道、国道に建物をつくっちゃってそこで商売やるというわけですよ。これこそちょっとね。屋台一つ引っ張ってラーメンやるんだって許可が要るわけですよ。食品衛生法の許可がどうなのか、あるいは地元の警察との許可がどうなのか。ところが、天下の一等地の都市計画法の中に入っている都道に建物をつくっちゃった。そこでフルーツパーラーをやる、コーヒーパーラーをやる。いま現在あるわけです。私はきのうから調べたら、一時現在壊したと言うんだけれども、壊したのは隣の建物で、まだあるんですよ。まさかそんな手回しがいいはずないと思ったら、まだ壊していないわけでありまして、又貸しされているうちは非常にこれは迷惑なことですね。商売をやっている。ニュージャパンが建てて、しかも都道にそういう建物を建てたと、こういうことなんです、いま建設省の調査によると。
 まずこれは、もう何も大臣にどう思いますかなんてことをお伺いするまでのことはないと思うんですけれども、どうですか。また、こういう運輸省が日院観光ホテル法にのっとって認可を与えたホテルが、そういう都道を勝手に占有して、それでそこで商売をやっていたなんてことをお聞きになって、どうですか。
#120
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私もこの国際観光ホテル整備法を盾にとって三百代言みたいなことは言いたくないので、まあそういうやり方は、いま御指摘のようなことは大変これは間違ったことだし困ったことでございまして、いずれにいたしましても、この整備法そのものは、御承知のような、もっと外人客を接遇するにふさわしいホテルをたくさんつくってやろうと、こういうような趣旨の法律でございますが、いまのようなことは、もう明らかに建築法にも触れるでありましょうし、また一つのホテル経営の中においてのモラルの問題もございましょうし、こういうことはきわめて遺憾なことであると思います。
#121
○黒柳明君 これはあれですか、これから遺族に対するいろんな折衝も行われるんでしょうけれども、これはもう当然横井さんと亡くなられた人の問題ですけれども、やっぱり運輸省として、直接責任がある立場のいまの国際観光ホテル整備法について、これはもう認可の取り消しはしたんですか、ああいうけしからぬところだからと言って。
#122
○政府委員(西村康雄君) 今回のホテル・ニュージャパンの火災の発生については、ホテルの経営上まことに遺憾な点が――ただ火災を発生させたというだけじゃなくて、経営上いろいろな問題点があるということは、この際皆さん外部からも指摘されているところですけれども、私ども、国際観光ホテル整備法上現在登録を受けているわけですが、この登録については、このまま経営を継続するのはまことに不適当だというふうに一般的には考えております。したがいまして、この登録を取り消すという方向で現在検討をしております。
#123
○黒柳明君 大臣に御答弁いただくまでもなく、部長さんがもう取り消す方向でということですから。ただ、横井さんも、もう商売できないやと、こんなことを先週におっしゃっていましたから、その面はこれはもう結論が出たような感じがいたします。
 ただ、国際観光ホテル整備法自体、そこにもう一つやっぱり問題があるんじゃないでしょうか。確かに建築法とか消防法とかと違った面で、いわゆる国際的な整備されたホテルに認可を与えるわけでしょうけれども、そうするとやっぱりその中で、なかなか内容的にどういう対象をもって認可を取り消していいのか。認可を与えるときは厳しい条件があるからと思いますけれども、いざとなった場合には、もう一回認可を受けたところは、取り消しというのは、よっぽどこのニュージャパンみたいなことがなければ取り消しできないとなりますと、私もこの法律を見ますと、やっぱりちょっと運輸省の方でも、過去には認可を取り消したらかえって逆に告訴されたというようなこともあったということで、「申請者のホテル業の経営が著しく不健全又は不確実である」とき。この「著しく不健全」「不確実」とはどういうことかというようなこと、ここらあたりも含めて、当然このニュージャパンの先例をとるまでもなく、やっぱりどんどんどんどんこれからホテルは建ちますし、国際的に日本が云々なんということはもう言うまでもないことでありまして、そういうもう完全に国内外の人たちが信用して、そしてそれに対して厳しい基準を設けて認可を与えるわけですから、そうなりますと、今度は認可を与える条件、まあここに敷術しますと時間が長くなりますのですけれども、実際に「不健全」「不確実」という内容なんか非常にあいまいですね。かえって認可を取り消して、あるいは消防庁みたいにマル適じゃないのを出すと逆に営業妨害になるとか、やっぱり行政の方が、いろいろこれだけの事件を、これだけの悪質な条件を持ちながら弱い立場にもあるという状態があるんだと思うんですが、そうなりますと、やっぱり法律をもうちょっと整備しないとだめな局面が、いまのニュージャパンもその一つの見本でもあるのかなと、こう思うんですが、こんな点いかがですか。
#124
○政府委員(西村康雄君) ただいま先生から御指摘のように、現在の国際観光ホテル整備法で、今回のホテル・ニュージャパンのような火災の場合でも、登録を取り消すということになりますと、いま御指摘のように、「ホテル業の経営が著しく不健全又は不確実」ということが一番これに該当するということだろうと思います。ということになりますと、実際に非常に抽象的な概念で決められていますと、具体的に処分をするということについては非常に要件を明確にしていく必要があるということで、直ちにどうこうということが大変むずかしいということも、また御指摘のとおりでございます。
 そういう点から申しますと、私ども現在、国際観光ホテル整備法というのは、そもそもは防災上の問題を正面からこの法律自身で規制するというたてまえはとっていたいわけで、こういう点は、建築基準法なり消防法なりがもっぱら防災の問題はチェックする。私どもの運輸省でまたこれをチェックしますと、二重行政の問題も起きるわけで、これは専門の省庁にお願いするということでまいったわけですが、しかし、現実には消防法令違反あるいは建築基準法令違反というホテルが存在するということもまた厳たる事実でございまして、こういうものを長く置いておくということは、非常に国際観光ホテルというものが一般に信頼が高いということを考えますと、そういう状態を長く放置していくような法制というのは具体的に実際にまずいだろう。消防法あるいは建築基準法等で直ちに是正ができるということを実は期待していたわけですが、現実の法の運用ではむずかしい、実際にそれには限度があるということでございますので、私どももそういったことに、そういう違法の状態があるということ、それを現実に受け取りまして、それに即応できるような法制というのを今後検討していかなければいけないというように考えております。
#125
○黒柳明君 これは全体から見ますと、いままでは陰に隠れていた問題で、八万のうちの二千ぐらいが国際観光ホテル整備法にのっとっていわゆる認可を得ているところなんですが、そういう「適」マークがあるとかないとか、国際観光ホテルであるかどうかなんというのはわからないで一応泊まっていた、こういうケースが多いわけですから、これを契機にして、ニュージャパンの悪例を契機にしてそういう問題がいま論議をされるわけですから、大臣、いま部長さんがおっしゃいましたように、ひとつ早急にこの国際観光ホテル整備法の内容を検討しまして、一日も早く国際的に安心できるホテルを認可する、こういう方向でいきませんと、建築基準法やあるいは消防法の後追いになるようになります。本当はそういうものの上にこういうものが安全だというものがなきゃおかしいわけですよ。建築基準法あるいは消防法にのっとってどうかなんというお客さんは一人もいないわけです。そんな人は。階段がどうなっているか、出口がどうなっているかということを吟味して入るわけじゃないわけですよ。それは何か不慮の事故が起こった後に違反があったとか不適だったとかいうことでありまして、その上に、海外のお客さんなんというのは、国際観光ホテルとして認可をもらっているということが、そういう建設省や消防庁の守備範囲までも全部含めて運輸省の認可というものを、それが安心の一つの原因になるわけですから、法的にはそういうふうに違った守備範囲、所轄官庁が違う、そこらあたりもどうするということに果たしてなるかどうか別ですけれども、少なくともいま現在のこの運輸省の守備範囲だけでもひとつ早急に検討すべきじゃなかろうか。あるいはそれと同時に、やっぱり横の連携もとっていかないと、国際的な信用を得るような国際観光ホテル整備法、それにのっとって認可されているホテル、こういうふうにたらないのじゃないでしょうかね、横の各省との連携も。その点いかがでしょう。
#126
○国務大臣(小坂徳三郎君) もういま委員がお述べになったことは全く同感でございまして、私は、国際観光ホテルというならば、当然防災あるいは防火、安全ということが十分立証された上のことではないかというふうにも思うのでございますが、その辺のところが非常に盲点があって、今回のようた非常に悲惨な事故が起こったわけでございます。
 われわれといたしましては、現在観光ホテルとして登録認可をしているところをいまシラミつぶしに一生懸命調べておるところでございます。しかし、これはやっぱり消防とかあるいは建設省とか、そっちの方の方々も一緒にやってもらわないとどうにもならぬという点がたくさんございます。しかし、いずれにいたしましても、認可を出しておるからには責任を多少持たなくちゃいけないわけでございますので、いま各省庁とより緊密に連絡をとりたがらもう一回洗い直しをやる、そしてその実態を明確にして、観光ホテル登録という問題について根本的に考えを見直していくというふうに進めてまいりたいと思っております。
#127
○小笠原貞子君 まず最初に、日本郵船の利子補給の問題についてお伺いしたいと思います。
 大臣もこの問題については余りお詳しくいらっしゃらないかと思いますけれども、実は先ほど局長が、会計原則の継続性という問題から考える〉これは問題があるというふうなことをちょっとおっしゃっていましたけれども、私はこういう事態が起きるということは、もうあの当時から必然的に予測できたわけでございます。それは昨年の三月の二十五日の予算委員会でこの問題についてお伺いいたしました。局長もそのとき御答弁いただいておりましたし、去年のことでございますから、よもやお忘れにはなっていらっしゃらないと思うんですが、そのとき私は、会計の操作によって利子補給金を返還しなくてもよいようにという基準が変更されるということはこれは会計原則の継続性からしてもおかしいということを申し上げたわけでございます。そのとき局長は、議事録を見ますと、「私ども未実現利益の排除等望ましいということで指導してまいりました航海完了基準」を逐次実施していくというふうにお答えになっていらっしゃるわけなんです。しかし、今度の事件は、私が指摘したとおり、いままでの積み切り方式から航海完了方式という形に変えたわけですね。そういうことで利益を薄めて利子補給金を返さなくてもいいというような操作をされたわけなんです。これがそのとおりになってきているわけですね。だから、経費を今年度に繰り入れて、そして利益を薄めるということが現実に私が指摘したとおりになっているわけなんです。
 それで、日本郵船のやり方を見ますと、借船料の経費を、いままで積み切り方式だったのを、私が指摘したときには、これは局長も御指導なすっていると思うんだけれども、航海完了方式という形に変えて、そしてその利益を薄めるために、今度また積み切り方式みたいに今当期の経費に入れるというやり方になってきているわけですね。そうすると、結局利益を隠すために、もうあの手もこの手もいつでも自由に使えるというようなことになってしまうのではないか。だから、私が指摘したとおりになったということは大変残念なことなんですけれども、そのとき局長は胸を張って、航海完了基準の方式にしていくと、こう言われたわけなので、私はここで一言申し上げたいのは、やはり政治を担当していらっしゃる専門のおたくが、私が予測してこういうことがあると言ったときにもっと謙虚に聞いていただくべきではなかったのか。その姿勢がないところにこういう問題が起きてきた。そういうことから、私は政府としての責任をどう考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#128
○政府委員(永井浩君) やや事務的なお話で恐縮でございますが、海運会社におきましては、商行為が二つの会計年度にまたがって行われる。つまり、たとえば五十六年度に荷物を受け取って出航いたしまして、到着して荷物をおろすのが五十七年度と、こういうケースが非常に多うございます。この場合に、それらの収益、費用をどのように各会計年度に計上するかという方法がいろいろございまして、従来から積み切り基準、つまり荷物を積んで出航するときの年度に計上する方法と、それから航海完了基準……
#129
○小笠原貞子君 それはわかっているんです。
#130
○政府委員(永井浩君) 私どもは四十九年以来、航海完了主義が未実現利益を排除するという意味で、一番会社の健全な経営を反映できるんじゃないかということで船会社を指導してまいったわけでございます。これにつきましては、現在もその方針は変えるつもりはございません。ただ、この航海完了主義の中で、費用を収益対応で計上するかどうか、あるいは期間費用化してそれぞれの年度に区分するかどうかという、いわば航海完了主義の中で、いろいろ費用の経費につきまして考え方が分かれているわけでございまして、日本郵船の今度の方法は、従来収益対応で、航海完了のときに経費を計上していた借船料等につきまして、これを期間費用化してそれぞれの年度に分けて計上しようと、こういう考え方でございます。したがいまして、その点については全く新しい考え方でございますので、公認会計士協会に意見を聞いたわけでございまして、航海完了主義全体といたしましては、私どもはいずれも合理性はあると思いますけれども、一番妥当な考え方ではないか、このように考えております。
#131
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいましたけれども、結局共体的には、その費用を今年度に繰り入れるということも自由になってくるわけですよね。だから、やっぱり利益隠しにはあの手この手が使われるという、そういう心配があるわけですよ。だから、やっぱりその辺のところはきちっと会計の継続性と、そしてきちっと利益隠しをしないでやっていかなければ、幾ら補給金なんと言ったってそれこそむだ遣いされてしまいますからね。そういう点を私は指摘したわけなんですよ。会計の継続性から言っても、利益隠しにあの手この手と使えるということでは困るということですから、その趣旨ではきちっとやっていただきたいと思うんですが、よろしいですね。
#132
○政府委員(永井浩君) そういう意味におきましては私ども全く同じ考えでございまして、そういった意味で専門的な第三者に意見を照会したと、その回答を尊重いたしまして今後処理していきたいと、このように考えております。
#133
○小笠原貞子君 大変いろいろ考えて、利益を隠すというのは専門家ですから、だからもう相当具体的に細かく考えてやっていただかなければたらないと思うのです。先ほどもおっしゃっていたけれども、当然これは不当なものだと、返還をさせるという立場でやっていただきたいし、また、ほかの船会社、大手の海運会社なんかもどういう手を使っているかわからない。そういう点も踏まえて具体的に御調査もしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#134
○政府委員(永井浩君) 利子補給対象会社につきましては、毎年度の経理内容を私ども監査いたしております。必要に応じて特別監査ということも行っております。その点については厳正に処理してまいりたいと、このように考えます。
#135
○小笠原貞子君 厳正にやっていただきたいと思います。
 それでは次に、マイカー利用の問題について伺いたいと思うのです。
 昨年出されました運政審答申の中の地方、バス問題について、私お伺いしたいんですけれども、いま行革という名のもとに、補助金の性格を全くと言っていいほど無視して、画一的に打ち切りというようなことが臨調からも出されているわけなんです。地方バスに対する補助金の一部打ち切りもその一つであると。ところで、運政審議会、これ七月に出されたんですけれども、ここで「地域旅客交通政策のあり方」というのが出ているんですね。ここのところで、何カ所も出てくるんですけれども、マイカーを積極的に活用するということがたくさん述べられているわけです。特にこの中で、「過疎地域等においては、相互扶助の見地から自家用車を使用する者とその利用を希望する者を地域的組織の力により結びつける自家用車利用の導入を検討する。」ということがここではっきり述べられているわけですけれども、地方公共交通機関を預かる責任者としての運輸大臣は、この見解をどういうふうにお考えになるでしょうか。――ちょっと大臣。
#136
○国務大臣(小坂徳三郎君) 事務的にまずお答えを……。
#137
○小笠原貞子君 事務的じゃないですよ。これ基本的な問題なんですがね。
#138
○政府委員(石月昭二君) お答え申し上げます。
 運輸政策審議会の答申ですと、先生ただいまお話しのように、マイカーの活用ということを検討しろという御答申を受けております。この考え方は、御承知のように、マイカーと申しますのは非常に機動性、随意性に富みまして、非常に広く活用されているという実態がございます。確かにまあ大都市のようなところではマイカーの活用につきましてはいろいろ制約もございますが、地方ではマイカーというのは非常に活用範囲が広い輸送機関でございます。一方、地方の過疎交通の状態を見ますと、現実には利用が非常に減りまして、バスとして企業として成り立たないというようなケースもございます。そういう場合におきましても、やはり公共交通といたしましてお年寄りであるとか学生であるとか、通院の方々というような方の公共交通の足を確保する必要があると、そういう観点でバスが成り立たないところにつきましてマイカーの活用というものを検討しろという御答申でございますので、私どもとしましては、その答申の意を受けて、マイカーの実態を調査し、またはどのようなところで使えるかということをこれから勉強してまいりたいというぐあいに考えておる次第でございます。
#139
○小笠原貞子君 大臣、いま事務的なこととおっしゃいましたけれども、数字だとか、そういうものは確かに事務当局の方からお答えいただかなければならないかと思いますけれども、やっぱり地域の交通の問題というのは、もうまさにこれは政策の問題でございまして、そして非常に深刻な問題でございますので、まあすべて大臣にというわけにはいかないかもしれませんし、まだそこまで考えていないとおっしゃるならそれでも結構でございますが、なるべく大臣に御質問させていただいたときにはお答えいただきたいということを一言申し添えたいと思います。
 で、いまいろいろと理由をおっしゃいまして、確かにそういう理由もございますでしょう。しかし、相互扶助の精神でやれと、まあボランティア活動としてというようなことも前におっしゃいましたけれども、そういう相互扶助の精神だとかボランティア活動というようなものでこれが済むのならいいんだけれども、そうじゃないのじゃないかと。たとえば道路運送法というような法律から考えても、これはいろいろ問題があるのではないかと、そう思うわけなんですけれども。また大臣にちょっと伺いたいんだけれども、こういう道路運送法などから関連いたしますと、大臣としても運輸省としても何も問題ないというふうにいま考えていらっしゃるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#140
○国務大臣(小坂徳三郎君) 運政審から、こういう非常に過疎地帯の公共交通についてまあみんな考えあぐんでいるところに、それなら自家用自動車というものも使ってみたらどうかというサゼスチョンだと思います。私は、だからいいとか悪いとかという議論の前に、果たしてそれじゃ自家用自動車というものがそういう公共的な任務にたえて一体動くのかどうかというようなことも、頭の中ではとてもだめだろうという考えもたくさんあると思いますが、しかし、せっかくのニューアイデアとして出された運政審の答申でもございますので、まあわれわれとしては、それをひとついろいろ検討したいというような気持ちが現在主体なのでございます。したがいまして、これがやっぱりだめであればだめであるように、またわれわれと行政は考えたくてはならぬと思っておるのでございまして、御満足のいく答弁であったかどうかわかりませんが、率直なことを申し上げました。
#141
○小笠原貞子君 何よりも大事なのは、やっぱりこれ輸送機関ですから人命が大事でございまして、車という交通手段で運ぶということになると、この問題についていろいろ制約があるのではないかと。そしてまた、それをいつでもただでというわけにはいかない、やっぱりお礼もしなければならないというようなことになると、これは白タクと同じ性格になるのではないかとか、それから今度のハイタク――タクシー会社があったりそれからバス会社があったりということになりますと、その経営に対してやっぱり一つの圧迫になるのではないか。その輸送の責任、安全というものは一体どういうふうになるのか、事故が起きたときはどういうふうになるのだと、いろいろ大変な問題がはらまれていると思うんですけれども、それについてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#142
○政府委員(石月昭二君) まさにただいま先生が御指摘にたりましたような問題点を究明しなければ、この制度というものは実施に移せない問題と考えております。
 したがいまして、私どもといたしましては、当面現実に公共交通というものが市町村代替。ハスというようなものでカバーできない範囲というのはどういう地域なのかという、まず地域の意向を究明しなきゃなりません。
 それから二番目には、やはり事故がありました場合にきちんとした損害の補償制度をとらたきゃなりませんし、その場合には、一般の乗用車よりも保険料率をどうするかというような問題もあろうかと思います。
 三番目には、まさに先生おっしゃいましたように、かなり日本の場合には、バスのほかに、タクシーをも含めまして広範な範囲で輸送機関が存在しておりますので、そういう輸送機関との間の調整をどうするか。これによってたとえば既存の輸送企業というものの経営の基盤が脅かされるというようなことのたいようなことに配慮しなきゃならぬ。そのような諸点を含めまして、これから学識経験者等を集めまして勉強してみたいという段階でございます。
#143
○小笠原貞子君 これから勉強ということになるとおっしゃいましたけれども、実はすでにこの問題にっいて調査されているということをおたくの方も御存じだと思いますけれども、これは北海道で五十一年の九月にいろいろアンケートを出しまして、札幌陸運局と学者の方々とで構成している地域交通問題研究会というのがありまして、これでこれだけにまとめられているわけでございますね。その中で、通勤、通学以外でバスを利用するという場合にはどういうときに利用するのかということをアンケートで質問をしているわけなんです。それを見ますと、こういうふうに言っているわけですね。自家用自動車がない、これは当然自家用自動車は使えません。また二番目には、自家用車があるけれども運転してくれる人がいないということであきらめている、これが二〇・五%ございますし、それから自家用車はあるんだけれども、使いたいというときに、畑へ行って働いていたりというようなことで、車はあるけれども運転してもらえない、車を使えないという人が一七%。それからまた四番目には、自家用車よりバスの方が安くて安全だからというようなことのアンケートが集約されております。それを計算いたしますと、自家用車を持っておる全世帯の中でも、三七・六%の人は自家用車だめだと、こういう答えになってくるわけなんですね。だから、自家用車があってもこれを使うということにはストレートになかなかいかないということがこの表の中から私は読み取れたわけなんです。
 それからまた、相乗りになりますね、自家用車に乗せてもらう。そしたら相乗りすればいいじゃないかという質問に対して答えているのが、たまにはいいけれども、いつでも相乗りにするということは、北海道弁で言えば煩わしいと。なかなか頼んだりなんか煩わしい、気がねだというのが二二一九%。そういうのがございます。それから、もう全くそんたのは反対だというのが二・六%ですか、反対だというのもある。こういうのは、時間がございませんからこの資料全部出すことはできませんけれども、やっぱり車はある。確かに過疎地域の自家用車というのは保有台数がふえていますよね、都会なんかに比べて。だから、外形的に見れば自家用車はあるけれども、いろいろいま言ったように、車はあったってみんな遊んでいるんじゃないから、仕事をしていれば、ちょっと行きたいよと言ったときに畑から上がってきて出てくるかというと、なかなか大変だということと、それから今度、先ほども勉強するとおっしゃいましたけれども、やっぱり交通事故のときにどうするんだという問題が非常に大きな問題として指摘されているわけですね。
 そうすると、法的に言っても、そしてまた実際使おうという立場から言っても、大変不可能だというふうに私は見たわけなんですけれども、いま言ったようなアンケートの結果についてどういうふうにお考えにたりますでしょうか。
#144
○政府委員(石月昭二君) ただいま先生のお話のアンケートにつきましては、私、知っておりませんけれども、自家用車の共同利用の問題につきましては、民間の交通学者を中心といたしましていろいろそういう検討が行われている。特にイギリスにおきまして自家用車の公共利用というものが制度的にも導入されておりまして、そういう観点から学術的な研究もなされていることは事実でございます。
 私どもの方といたしましては、この答申にもございますように、自家用車の活用の前には、タクシーを含めたやはり公共交通機関の多面的利用ということを申しておりますので、たとえばタクシーの相乗り制度というようなものを過疎地にも導入するというようなことについても、いま一段の検討も要ろうかと思います。この前提といたしまして。
 なお、一般的に自家用車、現在、相乗りその他が行われているものを全部法的に追認をするというようなことを考えているわけではございませんで、ごく限られた公共交通機関に恵まれない方々の地域を限りまして、なおその場合に、何らかの地方公共団体でございますとか、そういう公的な主体を仲介いたしまして、きちっと秩序のある中でそういうものを限定的に導入していくということが、今後の財政的な制約の中で国民のモビリティーを豊かにする一つのまた方法であろうという御提案でございますので、その趣旨に沿って勉強していきたいと考えておる次第でございます。
#145
○小笠原貞子君 それからもう一つ、いわゆる交通弱者という言葉が、よく犠牲になるから使われるんだけれども、交通弱者と言えば高年齢の方とか、それから通学の小中学生とか、まあ病人なんかも入りますけれども、この交通弱者がどれくらいになるかというので、また、ここでアンケートの世帯で調べてみましたんですよね。そうしたらこれは、滝上町というところでは、世帯のうち五〇・四%が交通弱者を抱えております。それから浦幌、これは北海道ですけれども五六・二%。音別という釧路の広域圏ですけれども、これは六四%の世帯は交通弱者を抱えている。平均しますと、五八%の世帯が交通弱者を抱えている。そして運転もできないというような方たちでございますから、だからそういう実情もこれから十分に頭に入れて御検討をいただかなければならない、そう思うわけです。
 これについて御存じないとおっしゃいましたけれども、札幌陸運局も一緒に入っておりますし、具体的にこれは調査しておりますし、学者なんかの意見としてもきちっとまとめられておりますので、ぜひこれも参考になすって、交通弱者や地域の方たちを守るという上で本当に自家用車というものがそんなに利用できるのかどうか。私が心配いたしますのは、そんな問題をはらみながら、具体的にまだ検討されていないのに、この運政審のを見ますと、もう次々、次々出てくるんですね、自家用車の利用ということが。だから、これに流されないで、本当に利用する者の立場に立って十分な御検討をいただかなければ解決しないと思うので、その点は御要望を申し上げたいと思います。
 それでは、この要望を申し上げて、今度はそれにつながってまいります第三種生活路線、いわゆる五人未満の路線に対する補助打ち切りというのが当委員会でもいろいろ言われておりますけれども、地方バス路線運行維持対策要綱というのが出されておりますね。その要綱の中に、「地域住民の福祉を確保すること」となっております。これは当然のことだと思うんですけれども、この考えは運輸省としてもいまもお変わりなくていらっしゃいますでしょうか。その点が一つ。
 それから続いて、五人未満路線――第三種生活路線ですね、補助というのが五十年度から予算がつきまして行われたわけなんですけれども、どういう理由でこの補助を出すというふうになったのか、時間もあれでございますので、簡単にその経緯をお答えいただきたいと思います。
#146
○政府委員(飯島篤君) 地域住民の足を確保するということは非常に大事なことでありまして、私どももその方針に何ら変更はたいわけでございます。
 それから、いま三種路線について、五十五年度にこういう現在の形になぜたったのかという……
#147
○小笠原貞子君 いや、五十年度から補助をつけるようになったでしょう。だから、そのときにどういう理由で補助をつけるようになったのかというそのいきさつですね、それを簡単に。
#148
○政府委員(飯島篤君) この地方バスに対する補助制度は、それぞれの節目でいろいろ強化策がとられてきておりまして、一つの段階として五十年にいろいろ見直しが行われました結果、三種路線についても補助を行おうということになったと記憶いたしております。ただその場合に、これについては五年間ということで大蔵省との間では話ができておったというふうにはっきり書き物で残っております。
#149
○小笠原貞子君 まずこの要綱にも書いてありますし、それからいまもおっしゃいましたように、その地域住民の福祉と足を守るという立場については、いまも変わりがないということははっきりおっしゃったわけですね、先ほど。その立場は変わらないということでございますね。
 それで、その五人未満の路線について補助をつけるようにたったということでございますけれども、大蔵省としてはやっぱり財政の問題があるから、これは打ち切りたいということは当然だと思うんですけれども、大蔵省の考えを私は聞くのではなくて、運輸省として、この地方バス、そして第三種の生活路線のバスについてどういうふうに考えていらっしゃるか、運輸省としてのお考えを伺いたいと思います。
#150
○政府委員(飯島篤君) 先ほどの五年が過ぎまして後に、五十五年度でこの制度の見直しを行ったわけでございますが、確かに乗車密度が余りにも少なく、企業として維持していくということは非常に困難であるということから、まあいろいろな選択がありますが、これはるる前にも申し上げておりますので省略いたしますが、そういう地域の実情に合った方策を選択をして、三年間でひとまず補助を打ち切ろうということで五十七年度まで予算が継続しているというのが現時点の状態でございます。ただ、それ以後につきましては、そういったいろんな選択の進捗状況を見ながら考えてまいりたいということでございます。
#151
○小笠原貞子君 もうちょっとはっきりお考えを聞きたいんですけれどもね。運輸省としては、地域の問題を考えて、住民の福祉の問題、足の問題を考えたときに、これはやっぱり守るという立場に立ってやるべきだというふうにお考えになっているんですか。
#152
○政府委員(飯島篤君) 選択の方法として、需要の喚起、路線の再編成で路線バスとして存続し得る条件を整備するということがまず一番望ましいわけでありますが、その次には市町村代替バスという、代片交通手段として地域住民の足を確保するという道もございますし、地域によっては単独補助で維持をするケースもありましょうし、やむを得ない場合は休廃止ということも考えられるということで、地域住民の足を確保すると申し上げましてもやはり程度があるというふうに考えておりますが、何回も繰り返して申し上げますが、いま申し上げたようないろいろな地域の実情に合った対応の選択の進捗状況を見てまた考えさせていただきたいということでございます。
#153
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいましたけれども、それじゃちょっと聞いてほしいと思うんですけれども、これは五十年度から補助が出るというときの議事録なんです。これは四十九年九月十日、参議院の運輸委員会の議事録なんです。このときにこう言っているんですよ。四十七年度にまあいろいろの制度ができたけれども、「五人以下の路線は少なくともこれは経済政策、交通政策のらち内の問題ではなくて、社会政策的な問題である。したがって交通政策としては、五人未満の路線というものは、少なく上も民営バス事業としては将来整理したほうがいい」という考え方がいままであったと。しかし、それがそうはいかないんだというので、こう言っているんですね。「現実問題といたしましては、」「五人未満の路線はたくさんございます。そして、これが現に地域の足を確保いたしており」ますと、だからこれに、いままで出さなかったけれども、目玉として政策を転換して、これを出そうというふうに言っていらっしゃるわけなんですね、その運輸省の答弁というものは。そして岩間議員が、そのときは徳永運輸大臣だったんですけれども、五人未満は優先的に拡大して前進させていくために努力していくべきだということを申しましたら、大臣も、「今後もそういう方向で努力してまいりたい」と、こういうふうにお答えになっているわけなんですね。だから、この補助をするというようになったときには、運輸省としても毅然とした方針を考えていらしたと、そしてまた具体的には、「これは暫定ではございませんで、現在の補助要綱の続く限り、ほかの補助の制度と同じように続けていく、」恒久的なものであるということで、はっきり議事録にも残っているわけなんですね。
 それがいま伺うと、非常に姿勢が後退をいたしております。こういう問題について国会で、運輸省としては地域の問題を考えて、これはもう政策的な問題だからこれを補助しなきゃならぬというので、もうがんばってやると言いながらこれが実行されないということは、国会審議に対する強い言葉で言えば侮辱であるし、住民に対する背信行為だというふうに私は言わなければならないというふうに思うわけですね。時間がありませんが、いろいろおつしゃるだろうけれども、やっぱり初めの姿勢は、運輸省はそういう立場でこの問題に取り組まれた。そうすれば、やっぱりいろいろの問題があるとおつしゃるだろうけれども、、地域住民福祉の立場から考えても、これはやっぱり検討して、打ち切りなんて言わないで、努力していくいろいろな検討をしてもらいたい、検討するのが当然だと思うんですけれども、それの御努力をいただけますでしょうか。
#154
○政府委員(飯島篤君) いま先生の御指摘にあったとおりの発言があったかと思いますが、その中で、「現在の補助要綱の続く限り、」ということでございまして、当時、何回も申し上げますが、五年間ということで実施をするということになったものでございます。それを見直しの際、五十五年において、一つの系統について三年間、その間にいろいろなことをやってみようということにたったわけでありまして、地域社会の問題としてこれは考えていただく面が強いのではないか。それから、実態といたしまして、乗車密度が二人未満とかいうような系統も非常に多うございます。ですから、その辺はまたいろいろ考えまして今後のあり方を詰めたいと思っております。
#155
○小笠原貞子君 切らなければならないという立場ではなくて、切ってほかのものにかわるということが不可能な場合には、当然これはやっぱり補助を続けていくという立場にも立たなければならないと思いますけれども、その点、いろいろだ立場で御検討なさるのが当然だと思うけれども、地域住民の足をなくしてしまうというようなことは絶対にしないと。安心してそこで生活できるようにという立場では御検討いただけると思うんですけれども、よろしゅうございますか。
#156
○政府委員(飯島篤君) 何回も同じお答えになって恐縮でございますが、そういった地域社会の問題としてどのような対応を国なり地方公共団体がするかということでございまして、私どもだけで考える問題でもたいというふうに考えられます。しかし、先生の御指摘の点もよくわかるわけでありまして、来年度の予算要求時期までにいろいろな方策を考えてみたいと考えております。
#157
○小笠原貞子君 時間がたちますので、それじゃその辺にしまして、具体的に伺いたいと思います。
 五人未満路線の現状について、どうなっておりますでしょうか。五十年度、五十五年度、五十六年度予算で、各年度ごとの事業者数と系統数と走行キロと輸送人員、どうなっていますでしょうか。そして五十六年の系統数は幾らになっておりますでしょうか。
#158
○政府委員(飯島篤君) 五十五年度の補助対象系統、三種路線でございますが、全国で九百三十六系統でございます。そのうち三種生活路線でなくなった系統が二百四十二系統。したがいまして、五十五年度時点で補助をいたしました系統で、五十六年九月末三種の生活路線として残っておりますのが六百九十四系統でございます。それから、事業者数は五十五年九月末現在で九十一でございます。それから、実車キロは千八百六十二万四千キロでございます。なお、五十年時点の三種生活路線の系統数は七百三十八系統でございます。
#159
○小笠原貞子君 五十六年度の予算ベースで補助の対象になっている系統というのは幾つですか。
#160
○政府委員(飯島篤君) 千八十三系統でございます。
#161
○小笠原貞子君 そうしますと、五十年が七百三十八系統だったのが、五十五年に九百三十六系統になって、そしてその中から二百四十二が整理されたというようなことになるわけですね。そうしたら、五十五年度の九百三十六から二百四十二を引きますと六百九十四にならなければいけないのに、いま伺った五十六年度の予算ベースでは一千八十三系統があるということですね。一千八十三系統というふうにまたこれふえていますんですけれども、そうすると、それは六百九十四でいいはずなのに一千八十三ということになると、三百八十九系統というのが新しく第三種の補助対象となったということにたると理解するんですけれども、それでいいわけですね。
#162
○政府委員(飯島篤君) 五十五年度の補助対象系統は九百三十六から六百九十四に落ちたわけでございますが、それ以後に、会社が赤字になったり、二種から三種になったりというようなものがございまして、いまのような数字になったわけでございます。
#163
○小笠原貞子君 ここで私が申し上げたいのは、五十年度が七有三十八から五十五年が九百三十六になり、二百四十二が整理されたけれども、五十六年には一千八十三と。だから、どんどんどんどんふえているということですね。いろいろ理由があって、会社が赤字になったりということになってくるわけですよね。そうすると、だんだんだんだんそういう路線がふえてきていると。だから、減ってきたから補助をたくそうというのなら話はわかるんだけれども、ふえていくのに補助をやめてしまうということになると、たくさんの人たちが犠牲にされてしまうし、市町村に代替させるということになっても、これはまた後で質問をいたしますけれども、決してなまやさしいことではございません。だから、この第三種がふえていくというのに補助金を減らしてしまうというのは、重ねて言いますけれども、地方住民にとっては大きな問題になるということだけここではっきりさせたいと思うわけなんです。
 それでは、北海道の士別軌道というバス会社があるんですけれども、これは何系統で、第二種と第三種の内沢、どうなっておりますでしょうか。
#164
○政府委員(飯島篤君) 先ほどの点で誤解があるといけませんので補足させていただきますが、三年で打ち切りというのは、系統ごとに三年で打ち切りということでございますから、この三種に対する補助制度そのものが五十八年度からなくなってしまうということではございません。
 それから士別軌道の件でございますが、五十六年度におきまして、一種が三系統、二種が五系統、三種が八系統、合計十六系統でございます。
#165
○小笠原貞子君 いまお答えになりましたように、十六系統のうち八系統、つまり半分が五人未満の路線です。だから、五人未満で打ち切られたらもうこれは重大問題になる。代替も自治体が困難だ、一体どうしたらいいのかというのでバス会社でも悩んでいると。それから第二種の系統が五系統いまあるんですけれども、これも三種すれすれのところなんですね。今度運賃値上げということになるとまた乗る人が少なくなると、これもまた三種に落ち込む可能性は非常に多いということで、これは大変だという不安がございます。バス会社も苦労しているけれども、同時に住民の負担も非常にふえてきて大変なことになっているわけです。
 これは朝日町という町なんですけれども、ここの高校生のバス代は二万一千三百六十円なんです。二十キロ離れた士別というところの高校へ通っているんですけれども、朝日町が援助して実際はその子供さんは一万八千四百八十円ということにたるわけですけれども、二人いれば四万円近いというような出費になるわけで家庭としても大変だと。今度は、三番目に町はどうなのかと調べてみましたら、士別軌道に補助しているのが約二百四十万六千円です。それから通学生に対する補助は三百二十九万、小中学生に対する補助が約百八十万九千円。これで合計しますと約七百五十万五千円なんです。そのほか、代替バスの損金というのが二百八万ございます。じゃ、おたくの自主財源はどれぐらいですかと聞くと、自主財源一億七千万のうち、交通対策費だけでも一〇%近く占めると、こういうことにたるわけなんで、これが会社も大変だ、住民も大変だ、自治体も大変だということの実際なんでございますね。
 そういう問題について、大臣、時間がないから一言、どうですか。これは大変だと思いますか、大変じゃないとお思いになりますか、一言でお答えください。
#166
○国務大臣(小坂徳三郎君) 自治体にとっても会社にとってもえらいことじゃないかと思います。
#167
○小笠原貞子君 本当に大変なことだと思うのでお考えいただきたいと思うんです。
 時間もございませんが、最後に代替バスについて伺いたいと思うんですけれども、代替バスを運行しております全国の自治体の数と系統数及び走行キロ、輸送人員を、時間がありません、簡単にお願いします。
#168
○政府委員(飯島篤君) 代替バスの運行状況でございますが、五十五年九月末で、市町村数で百四十、系統数で三百十九、実車キロで七百五十八万五千キロでございます。
#169
○小笠原貞子君 これ大変な数になるんですよね。
 輸送人員はわかりますか。
#170
○政府委員(飯島篤君) 輸送人員は、統計としてはっきりいたしておりません。
#171
○小笠原貞子君 輸送人員がわからないとおっしゃいましたけれども、わかろうと思えばわかるんです。おたくの力で手配してくだされば。
 それで、北海道だけは私調べてみたんですよ。そうすると、自治体四十五、系統百二十六、そして輸送している人員というのが五十五年で約百六十一万三千人なんです。百六十一万三千人というのがこれで運ばれているということをしっかりと大臣も考えていただきたいと思うんです。
 それでは、五十五年度の全国と北海道の代替バスの損益金額、補助金というようなもの、わかりましたらお答えいただきたいと思います。
#172
○政府委員(飯島篤君) 五十六年度におきまして代替バス、全国で三百二十三系統でございます。補助金の交付実績は、車両購入費補助が三千万、それから初度開設費が百万、運行費補助が一億五千六百万ということになっております。北海道だけについてはちょっといま持ってまいっておりません。
#173
○小笠原貞子君 全国の欠損額とそれから補助金、その総額をちょっと。つかんでいらっしゃらなきゃつかんでいらっしゃらなくていい。
#174
○政府委員(飯島篤君) 代替バスの場合、人件費にっいては補助対象にいたしておりません。なぜかと言いますとほかの事務をやっておったり……
#175
○小笠原貞子君 いや、理由はいいです。数字だけ。
#176
○政府委員(飯島篤君) いろいろな仕事をやっておりますので、割賦その他むずかしい要素がありますので把握できない。したがって欠損額も実態を完全につかめないということでございます。
#177
○小笠原貞子君 実態をつかめないとおっしゃいましたけれども、たとえば運輸省から各陸運局へ出していらっしゃるんですよね。これは各都道府県別に調査項目に応じた方針を記載して局合計を記載することというようなものを出していらっしゃるわけなんですよ。だから、おたくの方でつかもうと思えばつかめるんですね。人件費補助を出していないというのはわかっています。だから、それの分についてはわからない。しかし、その他のどこの町のどこに何ぼ払ったというのは、おたくが出せと言えば一遍に集まってきますよ。私ちゃんと持っているんですもの、これ。
 北海道だけ見ますと、欠損額は五億五千五百七十六万九千円です。そして国と道の補助で一億一千七百七十五万の補助を受けております。差し引き四億四千万というのが補助を抜いた欠損になるわけですね。そしてその上に、いまおっしゃったように人件費というものが加わってくるわけですから、地方自治体にとってはもう大変な問題なんですよね。だから、当然、欠損をこれだけ抱えて、それでまた補助を打ち切られてというようなことを抱え込むということになったら地方としてはこれは大変だと、だから代替バスを使えばいいじゃないか、やればいいじゃないかと言っても、やりたくたってやれないという実情があるということを私はきちっと数字でつかんでいただきたいと思うんです。それで、代替バスの収支状況というのを、これも全道全部出ていますから見ましたけれども、たとえば、十勝の芽室町というところでは、欠損額が四千四百四十九万円です。補助金が百六十万六千円です。その差、実に四千二百八十八万四千円。つまり、補助金というのは欠損額の二十八分の一になるということになりますよ。大変な欠損を出しています。標茶町では、千六百八十二万一千円の欠損を出していて、補助金というのは百二十七万七千円、その差は一千五百五十四万四千円、補助金の十三倍もの欠損を出しています。陸別町では、二千五百九十万四千円、補助金は二百万、実に補助金の十三倍もの欠損というのを出しているわけなんですね。そういう実情を、やっぱり勘定だとかなんとかじゃなくて、おたくで出されているんだから、具体的に全国的に集約をしてもらいたいと思うんです。そして、そういう数字から見て、これは大変なものだなというのが数字を見て初めてわかっていただけると私は思うんですよね。そういう意味で、いま全国はわからないとおっしゃいましたけれども、全国の問題について、大変お手数かけますけれどもぜひお調べいただいて、これをどうしたらいいかということを御一緒に考えていきたい、そう思うわけでございます。
 こういうことを考えますと、最後に一言大臣にもお伺いしなければならなくなるわけですけれども、こういう第三種路線だとか、そして代替バスといってもこの財政ではそうはいかないよというような問題は非常に深刻でございますので、都会にお住みになっていらっしゃればわからないと思うんですけれども、ぜひ十分実情をお聞きいただいて、そしてそれなりの補助とかそれなりの手だてというものをやっていただかなければ、地方にもう住むなということになります。やっぱり地方あっての日本ということも考えなければいけませんので、そういう意味でこうした地方公共交通の問題についての大臣の御決意のほどを伺わせていただきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、国鉄総裁、申しわけございませんが質問を次に譲らせていただきたいと思います。本当に申しわけございませんでした。どうも済みません。
 それじゃ、最後に大臣の御決意のほどを伺いたい。
#178
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま具体的な数字、そしてまた生活実感、地方の実情等について大変細かな、また貴重な御意見を承りました。私は、本来やはりこうした実情と申しますか、実態に触れた行政が最も大切であるという考えを持っております。なかなか運輸省も大組織でございますけれども、それぞれの地方にそれぞれの役所もございますので、今後はできるだけそうしたところの実態を把握しながら運営に万全を期してまいりたい、そのように思っております。
#179
○小笠原貞子君 どうぞよろしくお願いします。
#180
○柳澤錬造君 国鉄の運賃の値上げの率の問題でもって若干お聞きをしてまいります。
 鉄監局長、この前も言っていましたけれども、もう一回整理をしていきたいと思うんです。あの昭和五十二年の運賃法定制緩和法案が成立をしてできたんですが、あのときの当初の政府の案は物価変動率に黒字のときも五%、それから赤字のときは一五%上積みをする運賃値上げをしてよろしいというのが政府の原案だったわけです。ところが、それが衆議院に行ってかたり大幅な修正をされたわけたんです。その辺のところの判断がどうも国鉄なり運輸省と私との間の理解が大分違うようだと思うので、まず鉄監局長の方から、あの衆議院でもって大幅に修正をされた内容というのはどういうことだったんだということを御説明をいただきたいと思うのです。
   〔委員長退席、理事小柳勇君着席〕
#181
○政府委員(杉浦喬也君) 当時の事情につきましてちょっと私も失念をいたしておりますが、運輸大臣の認可し得る幅につきましては大変いろんな問題があったと、いま先生おっしゃったとおりでございまして、結果的には物価変動率というものに集約をされた経緯がございます。詳しくはちょっといま手元にございませんので、正確なお答えができません。
#182
○柳澤錬造君 これは総裁の方も、それから大臣の方も、いま鉄監局長とあれですから聞いておいていただいて、それで少なくともあの衆議院であれだけ大幅修正されたことについて、いま鉄監局長が明確な答弁ができないというところに私は問題があると思うんです。
 私の方から申し上げますけれども、あのとき衆議院から参議院に来て、衆議院で修正した内容についての説明があったときに、加藤議員は、政府案を不信任する気持ちでもって大幅修正をいたしましたというのが冒頭の言葉なんです。
   〔理事小柳勇君退席、委員長着席〕
そして、具体的な内容の中でも特に重要なポイントは、収支均衡のバランスを図ることをやっちゃいかぬと言っているんです。それから、従来は運賃値上げをすると利用者が減る。その利用者が減った分をさらに上積みを積み上げてやるやり方をしてきたわけなので、言うならば一〇%の運賃を値上げをしたいと思うならば、実際には利用者が減って実質的には七%ぐらいしか上がらない。それじゃ困るから、一〇%上げようと思ったらそこへ三%上積みして、それで二二%の運賃値上げということをやってきたわけです。それは禁じられたんです。で、利用者減によるマイナスは営業努力でカバーせいということもきちんと言われているんです。あのときに。
 それからさらには、明確に言われておったことは、言うならば物件費と人件費の上がった分だけ、これだけのぎりぎりのものだけを認めるんだと。それだけのことを国鉄総裁と運輸大臣に権限を持たせるんだと。もちろん、ですから先ほどの、黒字のときも五%から、赤字のときは一五%からといった上積みなんというのはもってのほかという形で、あの衆議院段階で削除されてきた。
 そういういま私が申し上げた点に立つならば、あれ以降やられてきた運賃値上げのやり方というのは、これはあのときも議論になって、じゃ幾ら上がるんだというときに、運輸大臣なり運輸省の方は、いや上げるのはそれは国鉄総裁の方がやることなんですと、私の方は認可をするだけのことなんですと言って、運輸省の方は幾ら上がるということについての答弁はなかったわけだけれども、この辺はかたりあの緩和法案のときに議論になったところなんです。高木総裁の方からも、この値上げ率の名目と実際の収支の方の実質増というものはもうイコールなんですと。従来のようなやり方というものは一切今回はもうやらないことになったんですと言って、これは総裁の御答弁もあったわけなんですけれども、いまの私のそれをお聞きになって、鉄監局長、どうなんでしょうか。
#183
○政府委員(杉浦喬也君) 当時の経緯も、ただいま先生おっしゃいましたような運輸大臣あるいは国鉄総裁からのお答えが、いま一部当時の議事録等も見ておりますが、確かにおっしゃいました点の答弁をしておるようでございます。
 特に、最後におっしゃいましたいわゆるその実質の値上げ率と、それからそれが名目的に違う、名目値上げ率というものは一致させなければいけないというような御議論に対しまして運輸大臣もお答えをいたしておりますが、いわゆる実質イコール名目であるというようなふうに理解をいたしたいというふうにお答えをしておることは事実でございます。したがいまして、その趣旨に沿いまして、昭和五十三年度の運賃改定におきましては、一般の公表賃率につきまして、名目、実質ともに運賃改定は一四・八%というふうに両方とも合わせた形で運賃改定を行うということをいたしたわけでございます。
 ただ、まことに申しわけなくまた残念でございますが、実際にやってみますると、それだけの名目の運賃改定をやりましても、なかなか実態、まあこれは経営努力というものが足らなかったせいもあると思いますけれども、客離れということがどうしても出てまいります。したがいまして、実際に得た実収というものは率がやはりダウンするということ。そうしたことがどうもやはりどのように努力いたしましても顕著になってまいりまして、したがいまして、前からやっておりますようないわゆる客離れの率、まあ逸走率といいますか、運賃弾性値、そうしたようなものを、もう一回それ以後、五十四年度以降、過去の実績に照らしまして検討をし直して運賃改定を毎年考えてきたと。そのときにお答えをいたしました、名目イコール実質という気持ちは変わりませんけれども、遺憾ながら実態がそれに合っていないということでございますので、現在の改定運賃の考え方も、実収に対しましてこのぐらい客離れがあるものと予想いたしまして名目運賃改定率を申請し、認可をしておる実情でございます。
#184
○柳澤錬造君 局長、それじゃ答弁にたらないんで、私がこれを取り上げたのも、いっか直るだろうか直るだろうかと見ておったんだけれども、直らないので、ことし予算委員会で取り上げることにこうやってしたわけなんで、大臣ももうしばらくお聞きになっていただいて結構ですが、いまもいみじくも言われて、思うように上がらないからと言われているんだけれども、あの五十二年のいわゆる運賃法定制緩和をするときに、率直に申し上げますけれども、野党がみんな反対している中でわが党が賛成に回ったんです。それで、すべての物価が国会で議決をしなければ値上げができないならば別だけれども、ほとんどの物価というものは自由にみんなやっておって、それで国鉄だけ手足を縛って、そうして当事者能力を持たせないで国鉄再建せいと言ったってできるわけないじゃないか。だから、それは値上げはもう国鉄が当事者でもってやって値上げすることはよろしいと。そのかわり、いままでのような形ではやっちゃいかんので、そこがどこが歯どめになるかということはかなり議論がされたわけなんです。
 それで、このままほって、この歯どめを外したら三七%上がるとか、いや、われわれが計算すりゃせいぜい一二%だというようなことまで議論をして、それで、いまもいみじくも局長が言われた、いわゆる利用者減によっての減収ということは積み上げて値上げしちゃいけませんと。それは営業努力でカバーせいと。それで、いまもいみじくも逸走率という言葉が局長から出たが、これももう高木総裁みずから、もう今度は逸走率を値上げに加えることはできなくなったんですということを明確に総裁みずから答弁しているわけなんですよ。
 だから、収入が減るかふえるかでなくて、私の一番大事な点は、せっかくここでもって、国会でああやって法案を決めるときに決められた約束はきちんと守ってもらわにゃ困るわけです。私どもとしたらたまったことじゃないです。
 ところが、現実にそれから後というものは、減価償却費も入れてしまえば、借金の金利の支払いもその値上げの中にほうり込んできて、そうしてそれを全部やって、それをぶっかけてずっと値上げをやってきているわけでしょう。それが間違いですと言っているんです。もう物件費と人件費のこれだけのぎりぎりの上がる分だけしか見ないんですというのがあのときに私どものものについて衆議院で修正した責任者からの答弁なんです。
 ですから、その辺の点が、思うように収入がありませんからとかあったとかのことではなくて、やっぱり法案を決めるときにきちんとこの国会で議論をして議決をしたその精神に反したことをしてきているんですということを明確にしていただかにゃ困るんですけれども、その辺を明らかにしていただきたい。この点はもう総裁からの御答弁をいただきたい。
#185
○政府委員(杉浦喬也君) 確かに名目イコール実質になるように努力をしなければいけません。これはそのつもりで国鉄も努力をしてまいったわけでございます。ただ、残念ながらその努力が現実には実っていないということも事実でございまして、しからばその分だけ運賃を下げるかということになりますが、そうなりますと所定の実収は得られないということにもなります。この辺の矛盾がございますので、その後やむを得ず実収の率を、実収の額を獲得するための実収率に対しまして名目率をプラスしておるという結果になっておるわけでございますが、今後とも努力目標といたしましては、当時お約束なり御答弁申し上げましたように、名目と実収を近づける、イコールにするように努力するということはすべきであるというふうにお約束を申し上げたいと思います。
#186
○説明員(高木文雄君) 当時も私、この席でお答えをする役をやらしていただいておりましたので、多少当時のこととの関連で御答弁申し上げたいと思います。
 五十二年にいまの国会での慎重な御審議をいただきましたときに、ただいま先生からおっしゃいましたようなポイントについて非常に御熱心な議論があったことは鮮やかに記憶をいたしておりますし、また、いま申されたような点が非常に問題になったことも記憶しております。
 そこで、それを受けまして五十三年に第一回の改定があったわけでございますが、そのときの改定率は旅客が一六・四、このときにはその後の御説明でも名目、実収とも一六・四ということで、いまお話がございましたような形での御説明を申し上げたわけでございます。ところが現実には、実は旅客について申しますと、私どもの旅客輸送は戦後ずっと伸び続けてきたわけでございますけれども、これは輸送量が伸び続けてまいったわけでございますが、五十年から五十一年にかけてがピークでございまして、これは運賃改定の影響もございましょう。しかし、そのほかに急激に高速道路が延びるとかあるいは飛行機の機材が非常に大型化するというようなことが影響いたしまして、実はちょうどあの法案御審議をいただきました当時以後今日まで、わずかではございますが輸送量は減るという傾向になってまいりました。これには大変苦慮いたしておるわけでございまして、いろいろ割引営業政策をとりましたり、いろいろな切符、たとえばフルムーンというような切符を考えましたりいろいろして増売努力はやっておるのでございますけれども、どうしても少しずつやはり減りぎみなのでございます。
 そこで、あの当時の気持ちといたしましては、一方において多少値上げがあれば国鉄離れが起こることもあり得るけれども、片っ方において増収努力をすれば十分その分をカバーし得ることになり得るという前提でいろいろお答え申し上げましたけれども、それは三十年代、四十年代さらに五十年ごろまでの傾向からいたしましてそういうことができるというつもりでお答えしたわけでございまして、いま考えてみますと、非常に先を見ていなかったと言われればそのとおりでございます。しかし、明らかにその当時から高速道路が猛烈に延びますし、飛行機の機材が急激に大型化いたしましたので、私としては相当一生懸命やっているつもりなんですけれども、どうしても少しずつ減るということになりまして、そうした輸送の実態ということから、当時私が御答弁申し上げました心、気持ちあるいはまた表現と結果とがなかなかうまく一致しないという事態がその後続いているわけでございます。
 そういう点を御理解いただき、私としましても、いま柳澤先生おっしゃいますように、そうしたことを頭に置きながら、私どもの法案に御賛成いただいて、当時、そういう御意見を委員会においても本会議においても御表明いただいたことはよく記憶をいたしておりますので、何はともあれ結果としてどうも先生がお考えになっておったような考え方と離れた結果になってきておる、私どものスタンスもどうもそうなっておるということは率直に申し上げてそのとおりでございますし、深くおわびをいたさなきやならぬのでございますけれども、さはさりながら、なかなかそめ増収といいますか、輸送量の伸びが思うようにならぬということもまた事実でございますので、その当時と今日との事情の変化等も含みながら御理解を賜りたいと、そしてまたおわびを申し上げたいと思う次第でございます。
#187
○柳澤錬造君 大臣おわかりいただいたと思うんだけれど、結局、昭和五十二年のときの国鉄運賃法定制緩和法案をこの国会で審議をしたときの立法精神に反してその後の運賃値上げをやってきましたと。国鉄の方もそういうかっこうで、お客はいま総裁言ったように減つちまったから、何とかして収入をふやさなきゃならぬと言って少し水増しでもって値上げの案をつくり、運輸省も運輸省でもってそれを認めてまいりましたということ、いま言われたことはそういうことにたるわけで、それで、そのことを私、大臣に確認せいとは言いませんが、さらにこれは鉄監局長、そうして運輸審議会の中にダブルチェック機関を設けて厳重にやりますと言ったあのことはどういうやり方をしてきたんですか。
#188
○政府委員(杉浦喬也君) 当時、やはり同じ五十二年の国会におきまして、運輸大臣がダブルチェックシステムということで厳重にやりますということを申し上げました。これにつきまして五十三年の運賃改定に当たりまして、国鉄運賃専門調査員制度、こういうものを創設をいたしまして、これは運輸審議会のいわば参考意見、御意見番というような感じだと思いますけれども、いわばダブルチェック機構の形をとりまして、それで構成メンバーといたしましては、組合の方、それから消費者の方、それから荷主、地方公共団体、報道関係、それから学識経験者、こうした六分野の方の立場をそれぞれ代表する六名の方を毎年運賃の改定の都度お選びさしていただきまして、この専門調査員の方が、たとえば公聴会なりあるいは参考人の意見聴取なりあるいは国鉄自身の聴問会等におきまして参加をしていただきまして、そこでいろんな立場からの御意見を忌憚なく発表をされる、そうした御意見を参考にいたしまして運輸審議会が答申をつくるというようなことで現在まで運用をしておるところでございまして、この点は当時のお約束どおりダブルチェックシステムでやっておるというふうに申し上げられると思います。
#189
○柳澤錬造君 これは、あのときに大臣の方から委員会にそういうダブルチェック機関を設けてやりますという提案があって、それで私の方からも、それじゃ単に、学識経験者というものも入るだろうけれども、それだけじゃなくて、家庭の主婦の代表とか労働組合の代表とか、それから農民の代表とか、そういうものも含めてそれでやっていただきたいということを申し上げたときに、大臣の方からは、それは結構だと、それだけではなくて、OLの代表も含めようじゃないか、消費者の代表も含めようじゃないか、学生の代表も含めようと。そして思う存分そこでもってディスカッションしてもらうような、そういうものをつくりましょうという答弁があった。それで、いまの局長のお話だと、そういうことをやったんだというならば、それはどういう背景の人が、少なくともつくったらそのメンバーぐらい、こういうのでつくりまして、こういう人たちを選びましたぐらいのことを私は少なくとも一言運輸委員会に話があってもいいと思うんですよ。全然そんなこといままでもなかったことだしね。それで、せめてそこでもってその名前を挙げて、どなたがそのメンバーになっているのか発表してくれませんか。
#190
○政府委員(杉浦喬也君) いままで、今回で五回目でございますが、毎回メンバーは変わっております。で、今回の五十七年の改正の場合の運輸審議会におきまする国鉄運賃専門調査員のお名前と申しますか、肩書きを申し上げたいと思いますが、まず、消費者団体関係の方といたしまして、主婦連の常任委員をせられている方お一人、それから労働団体関係者といたしまして、全交運の顧問をされている方お一人、それから荷主の団体関係者といたしまして、日本包装技術協会常務理事の方をお選びしております。それから地方公共団体関係者といたしまして、日本自転車振興会理事をお選びしております。それから学者、評論家の方といたしまして、東京大学の教授の方をお選びしております。報道関係者といたしましては、毎日新聞の論説委員の方をお選びしている、このような選任をさしていただいております。
#191
○柳澤錬造君 それで、こんなことは言わなくたって皆さんもおわかりだと思うけれど、運輸省の中に運輸審議会があるわけでしょう。その運輸審議会の中にもう一つダブルチェック機関のそういうものを各界の代表を含めてやりましょうと言ったそのときに、そのメンバーが、その運輸審議会を掌握している運輸省のあなた方が選んでそれをというのならば、そんなもの八百長とは言わないけれども、御用機関みたいなものじゃないですか。むしろ、皆さん方と立場の違うところからそういうメンバーでも出していただいて、そして十分に御審議をいただきたいということでなければ、皆さん方がそんたものを選ぶんだったら、何もそれは運輸審議会でやるのと同じことでもって、せっかく当時の運輸大臣が、ダブルチェック機関を設けて十分にそういう点についてはやりますと言った精神は、そこには生かされていないことになっちゃうわな。
 したがって、もうこれ以上申し上げませんけれども、最後に、運輸大臣はお聞きになっておって、少なくてもこれは運輸大臣の責任ではないけれども、過去において昭和五十二年以来運賃値上げについて、あのときの法の改正をするときの立法精神に反したことを今日までやってきたんだという立場に立って、それはやっぱり大臣から最後にお答えをいただきたいと思うんです。
#192
○国務大臣(小坂徳三郎君) 先般の予算委員会におきましてあなたからも御質問ございました。以来私らも大変この問題について、いろいろな面で過去において運輸大臣がどのような発言をしたのか、またあなたがどんた発言をされたか、議事録などでいろいろと検討をしたのでありますが、やはりいま御指摘の、いわゆる名目改定率と増収率とが違うということは、ただいま事務当局並びに国鉄総裁からも、これはちとまずいというようなお話があったので、しかし、これもまたやはり国鉄が大変赤字なんで、私が弁解する必要はないと思いますが、なるべくその赤字の率を少たくする、あるいは増収額というものをある程度確保したいというような気持ちから、やはりこうした知恵が働いたのではなかろうかというふうに思います。そうしてまたこのことは、大変にお約束が違うということであるならば、今後はこの点について直さなくてはいけないたというふうに思います。
 それからもう一つは、これは私当時の議論には全く参加しておらなかったのでわからないのでございますが、要するに物価などの変動率というもが運賃改定の基礎になるということで、CPIとかWPIとかあるいは賃金とかいうもののファクターで、一応のこれを総合した物価変動率というものを出し、これで一応その前年あるいは前々年の経費に掛けて、この変動率を掛けて出した数字がいわゆる運賃改定の上限だという認識を運輸省では持っているようであります。したがって、この運賃改定というものを実際やるときにはこの数字を超してはならぬというようなことから、表を見ますと、五十三年以来今回の五十七年の改定要望、増収予定というものも、常にこうした数値の内側にとどめておるのでございまして、この辺のところが、五十二年の国会においても物価変動によるコスト増が上限だというような議論の中で御議論いただいているように思うのでございまして、そういう面から見ると、問題は、物価変動率によって算出された改定限度額というものと、現実に運賃改定して増収をさせていただきたいという額が限度額を超えなければいいのではないかというような、そのような考え方がどうもあるように私は昨今聞いておるわけであります。
 したがいまして、こうしたことに対しての意思をもう少し先生方との間で詰めてみたければ、議論がいつも水かけ論になってしまうというふうにも思うのでございまして、この点については多少答弁がそれておったかもしれませんが、お許しをいただきまして、やはりこうした問題を具体的にもう少し詰めて御理解をいただくということが大変大事ではなかろうかという感想を持っております。
#193
○柳澤錬造君 ですから大臣、いま言われた物価変動率の算出のあれはいいんです。それではじき出していって、そこに減価償却費から金利まで今度はやるところに一つの問題があって、人件費と物件費のぎりぎりの上がり分だけなんだということがもうあのときは言われておったんです。
 それからもう一つは、これは運輸省がつくったか、国鉄がつくったか知らぬけど、いまの比校の内側に大臣は入っていますと言うけれど、その比較が、実際の増収額とその法定で決められた限度額で比較しているから、先ほど総裁も言っておるように、お客さんが減っちゃったから、思うように収入がなかったからはまっているんです。この実質的な増収で比較してはいけませんということは明確になっている。それから、赤字であってその穴埋めをという、この国鉄の再建のために何をするかは別の問題であって、その収支均衡、バランスをとるためのこともやっちゃいけませんということも明らかになっている、そういうことをねらったやり方、それもいけませんよ、禁止しますよということも。ですから、その辺でもって御理解をいただいて、だから私が言ってるのは、五十二年の運賃法定制緩和法案を決めたときの立法精神に反したことをしてきているんですということなんです。
 それから今度は、国鉄があれだけの大きな赤字を砲えているんだけれども、国鉄の再建のためにどうするかということ、これは全然別な問題ですから、そういう点でもって理解もしていただき、いままでのやり方の間違いということだけはおわかりをいただきたい。後これからどうするかは、いままでの、じゃと言って、これまさか間違ってましたんで引き下げますなんていうことは、これはできることじゃないんですから、後のことはどうするかはぜひお考えをいただいて、この点を終わりたいと思います。
 それから、木四公団の方はいたいんですか。本州四国連絡橋、いないですか。――連絡いっていないの。――いないのなら仕方がない、終わります。
#194
○田英夫君 車検の問題を若干伺いたいと思うんです。私事ですが、私自身が自動車運転手でありまして、本日ただいま私の車は車検に行っておりますので、まことに身にしみる切実な問題でありますから、ユーザーの立場ということで伺っておきたいと思います。
 まず最初に、道路運送車両法の一部改正ということで、今国会にすでに改正案が提出されておりますから、いずれこの委員会で議論をしなければいけない問題でありますが、緊急といいましょうか、臨調から異例の抗議のような形の声明が出たといういきさつがあります。定期点検に対して十万円の過料を科すという問題に焦点を当てて臨調から抗議という形になっているわけで、こういう事態に対して、すでに法案は国会に出ておりますけれども、政府としてはどういう対応をされるおつもりなのか、まず伺いたいと思います。
#195
○国務大臣(小坂徳三郎君) 今度の改正法につきましては、自動車の安全の確保とか、公害の防止というものにつきましては現行の水準を維持していくということ、これが一点。それからまた、国民負担の軽減にも配慮していきたいということ。さらに、自動車のユーザーが自動車の保守管理について自主性を持って大いにこれを極力尊重してやっていただきたいというようなことを主体にしているものでございまして、大体こうした面につきましては、臨調からの提言については大体、おおむね盛り込んだという考え方で法案を作成したわけでありまして、もちろんこの間においてもずいぶん事務当局と臨調の間でいろいろと意見の交換がなされたと聞いておりますし、こういうようなことで、過料ということが国民の、ユーザーの負担を大変増大させるんだというような形で抗議が出されたのでございますが、しかし、われわれとしましては、やはりただいま申し上げたような自動車の保守管理、安全確保、公害の防止というようなことを現業部門としては何としても貫いていかなくちゃならない立場にあるので、そうしたことについてできるだけ保守管理について積極的にユーザーの側も御協力を願いたい。そうした意味におきまして、ごくたまに行われるであろう陸運事務所における抜き打ちのような一種の調査に対して、もしもそれがなされていない場合にはしかるべくそれをやってほしい。しかも、なおかつそれがなされぬ場合には、とがめ料というのはいささか言葉が悪いのかもしれませんが、こうした保守管理を励行してほしいという意味で過料をお願いしたいと、こういうわけでございます。
 いずれにいたしましても、臨調側からあのような形で発表がなされまして、私の方としましては、これを国会の御審議の中でどのようになさるか、むしろ、国会の御審議の中でこの臨調の意見に対してどう対応していただくか、そうしたことを見守っていきたいという気持ちでございます。
#196
○田英夫君 御答弁で、政府側からは提案どおりということで進められるということでありますから、その前提に立って伺いたいと思いますが、まず、十万の過料という問題は二つの点で非常に問題だと思いますね。
 一つは、臨調でも指摘しておられるとおり、本来、今回の改正というのは国民の負担を軽減するという基本の上に立っていると。いまも大臣御答弁にありましたとおり、これが一つの柱であるはずですが、大体一万円から一万五千円ぐらいの定期点検の費用に比べて、これをやらないと十万円の負担をしょわなければならない。やらないから悪いんだと言えばそれまででありますけれども、こういう形で国民に負担をかけるという問題、それほどのことだろうかということがユーザーの側からすれば当然出てくることだと思います。
 もう一つの問題点は、本当にそういう罰則を設けておいてこれが適用できるのかという、つまり、法を定めておいて実際は適用不可能な法律であるというのは一番法としては慎まなければならない、一番悪法になるわけで、いわゆるざるであるということがわかっていてこれを決めるということは一番悪いわけでありまして、いまも御答弁にありましたが、陸運事務所で抜き打ち的に検査をするというようなことは、四千万台ある車に対して全くこれは非現実的なことであり、従来から実は、罰則はありませんけれども義務という形ではあったわけですから、これは私自身も含めて、私の周囲でもこれをやらなかった――やっている率が大体六〇%程度だそうでありますけれども、残る四〇%の人が何らかの形で捕捉されたという話は全く聞かないのであります。この二つの点、つまり、国民に負担を負わせるということと、しり抜けじゃないか、ざる法にたるじゃないか、この二つの点について運輸省はどういうふうにお考えですか。
#197
○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。
 まず、国民負担の軽減という問題でございますが、私どもといたしましては、法律で義務化されたものを適正に履行している人を前提といたしまして国民負担の軽減という議論をいたしたわけでありまして、定められた義務を履行しない人について負担が重くたるということについては若干問題が違うのではないかというふうに考えます。
 また、この罰則を設けて適用できないのではないかというお話でございますが、大臣のお話にもありましたように、運輸技術審議会におきまして、安全、公害の水準維持のために定期点検の励行は非常に重要であるということを強く指摘されておるところでございます。そして、その励行策として三つのことを検討しろということになっておるわけでありまして、一つは記録簿、一つは定期点検標章、それから一つは街頭検査の強化、それ以外に「等」というのが答申についておりますが、私どもといたしましては定期点検標章につきましては、国で法律により制度化する以上は、貼付しなかったユーザーに対して罰則をつける必要が生じる、あるいは定期点検義務違反自体にも罰則をつけるべきじゃないかという議論にまで法律論としては発展していくものでございまして、これを見送ることにいたしたわけでございます。
 その次に、街頭検査の強化という指摘がございましたが、ユーザーの自主性をできる限り尊重して、いま申し上げた定期点検の義務自体、あるいは記録簿の車への備えつけの義務違反などにつきましては直接罰則はつけることといたさなかったわけであります。そして街頭検査、これは春夏秋等の交通安全運動あるいは年末年始の総点検等に、陸運事務所の職員が街頭へ出まして車をチェックいたしましていろいろ指導をするわけでございますが、この指導を実効あるものにするために、先ほどから御指摘にたっております。ユーザーが定期点検をしていないことがわかったときに点検をするよう指示し、半月以内に実施報告を求めることとしたわけでございます。指示違反だけでの罰則はございません。実施報告をしたいという段階で初めて過料ということになるわけでございますが、この制度は点検の励行を図るための最低ぎりぎりの制度として考えたものでございます。この制度は過料を科すことが目的ではございません。要するに定期点検の実施率を高めてもらいたい、要するに有効な行政指導ができるようにしたいということが目的で導入を考えたものでございます。
#198
○田英夫君 まあ、お話を伺っていると、なるほど日本のお役所のこういう考え方が日米貿易摩擦につながったり、ああいう問題を起こすんだという感じが、つまりお役所式という感じがしますよ。何かお役人さんというと、率直のところ、自分たちの権限というものを使って上から統治をしていこうという気持ちが強過ぎる。これが日本の非常に優秀な官僚制度でありますけれども、最大の欠点じゃないんですか。いまわれわれの気持ちからしたら、毎日車を運転していて、そんながたぼろの車、いつ車がとれるかわからない車に乗るばかはいないんですよ。そういうユーザーの心理という側から問題を考えずに、お役所の机の上で、自分たちは車の問題を管轄しているんだぞという気持ちがいまの局長の答弁にはにじみ出ているわけです。そこから改めなければ、この問題の正しい解決というのは出てこないと私はあえて申し上げなければならないと思いますよ。そこのところが、根本が間違っているんですよ。ですから、お役所式にそんなのはできもしないですよ、大体。
 それじゃ伺うけれども、陸運事務所の人は一体全国で何人いるんですか。
#199
○政府委員(飯島篤君) 概数でございますが、検査に従事している職員は陸運事務所の中でも千人でございます。その中で検査官が約半数。それで、この職務を行いますのはその検査官ということに相なります。実際の街頭検査をいたす場合は、補助者としてあと二、三人が付随するという形で行っているものでございます。
#200
○田英夫君 総数は全国でどのくらいいるんですか。
#201
○政府委員(飯島篤君) いま申し上げたように、検査関係の職員は約千人でございます。
#202
○田英夫君 車が四千万台あるんですよね。だから、私が先ほど申し上げたとおり、全く非現実的たんですね。それで、抜き打ち的にたまにそういう車の摘発をすると。まさに江戸時代のお上みたいな感じがしますよ。そういうことで庶民がふるえ上がって点検を励行いたしますというような考え方というのが私は気に入らないんですよ。それが間違いだと言うんですよ。
 そんなことで点検を励行させようというよりも、その前にわれわれ運転者というのは、自分が死ぬのはかなわぬから、けがをするのはかなわぬから、自分の車がどうかなるのはかなわぬから、ちゃんと自分の車はいつも点検をし保守すると、それができない人はガソリンスタンドで見てもらったり、いろいろそういう手を打つというのが当然の心理なんですね。そういうことをまず考えたいで今度のようなことをお決めにたったということは、まあ全くこれはお役所式と断定をいたします。
 そこで、とにかく最近の車というのは――いままでの車検、定期点検の考え方というのは、終戦後私も経験がありますけれども、まあ本当にいつえんこするかわからない。車がとれちゃって、タイヤだけどこかへすっ飛んでいっちゃうというような車があったころの考え方の上に立っているんじゃないんですか。いまは車が非常によくなった。世界一の車ですよ。そういう中で交通事故が残念ながら多発しておりますけれども、それじゃ車の側に問題があって、つまり整備不良であるとか、あるいは故障というような、車の側の原因で起こった事故というのは全体の事故の中で大体どのくらいのパーセンテージになりますか。
#203
○政府委員(飯島篤君) 交通事故のうち、車両的原因による交通事故件数というものの把握というのは、実際には必ずしも十分にできがたい点がございます。御案内のように、警察は事故が起きますれば早期現場処理という形で処理されますので、その原因分析が特に車両に起因するかどうかという点について、警察側の目的が違いますので、完全に把握ができないというのが実態とされております。
 そうは言いましても、私どもの警察庁からいただいている資料によりますと、検査対象車両数の、死亡重傷事故のうち、一・三%が車両に原因があるものの割合だというふうになっております。
 なお、交通事故について大体世界の各国の常識といいますか、大体五%から一〇%ぐらいが車両の技術的欠陥に起因しているのではないかというふうに言われております。なお、こういった事故だけでなくて、私どもとしては、たとえば路上故障によっていろいろ他に迷惑をかけるという問題も決して無視できないと考えられますが、日本自動車連盟のロードサービスの件数は年間百二万件に及んで知ります。
 それから排ガス、騒音等の公害の発生問題もあるわけでございます。
#204
○田英夫君 いまおっしゃったとおり、事故自体も実は年々減少しておりますけれども、その中の車両に原因がある事故というのは、五十四年度で一・三%というのが警察庁の資料による数字。しかも、五十年以降を見てみても、五十年が三%、五十一年が一・九%、以下ずっと減ってきて、五十四年度が一・三%。交通事故全体の中で一・三%ですよ、車両に原因があるというのは。そういう中で、どうしてある意味では強化に等しいこういう改正をおやりにたるのか。定期点検というもの自体、私自身の気持ちからすれば六カ月、一年というような間隔の定期点検は要りませんよ。車検のことは後で申し上げますけれども、定期点検も、やるとしてもせいぜい一年、しかもそれは従来どおりの義務という形で十分である。そのためにこの一・三%がふえるというようなことはあり得ない。これがいまの車の実態ですよ、乗っている側から見て。それからいま、JAFのことを言われましたけれども、このごろは女性ドライバーも多いですから、JAFの出動回数をもって事故と直結させるのは大間違いでありまして、それこそタイヤがパンクしたから来てくれという、そういう人たちがむしろ非常にふえているということでありますから、このJAFの出動回数ということで数字を挙げられたのはいささかこれは違うということも反論をしておきます。
 それで、車検自体については今回新車に限って二年を三年にということにされるわけでありますけれども、これは将来はもっと延長するというお考えがあるかないか、まず伺っておきたいと思います。
#205
○政府委員(飯島篤君) 運輸技術審議会の答申の「はしがき」におきまして、「なお、検査・整備制度のあり方については、今後とも所要の資料の整備に努め、自動車技術の進歩等に対応して適時に見直しが行われることが必要である」という指摘も受けておりますし、臨時行政調査会の答申におきましても同趣旨のことが指摘されております。
 私どもとしては、今回はこういう制度改正を行ったわけでありますが、いつということは申し上げられませんが、しかるべき時期にまた相当自動車技術の進歩等があって状況が変われば見直しが必要であろうというふうに考えられます。
#206
○田英夫君 これは、私はそういうことはないと信じたいのでありますけれども、今回のこうした御提案の背景に、いろいろ整備業界との問題がマスコミなどでは言われているわけですね。そういうことは絶対にもちろんあってはならないのであって、車の実態、つまり非常に性能がよくなってきている、故障も少なくなってきているという実態。それから、先ほどから繰り返し申し上げているユーザーの心理、そういうことをまず基本に置いて、そしてそういう中で定期点検はどのくらいの頻度でやったらいいのか、そして車検というものはどういう頻度で、しかも内容的にはどの程度のことをやったらいいのか、こういうことを決めるべきであって、定期点検並びに車検ともに、従来は内容についてもきわめて厳し過ぎるといいますか、不必要な、過剰整備という感を免れなかったと思います。足回りなどは、本当に数千キロしか走っていないにもかかわらず、全部部品をかえさせられる。その費用をユーザーが負わなければならない。三万キロ走っていようが、三千キロ走っていようが、期限が来れば同じように部品を交換しなければならない。この辺はきわめて不合理だと思います。
 大体、自分たちで、いわゆるオーナードライバーで運転している人たちと本当に仕事で走り回る人とはうんと違いますから、自動車の使い方については非常な差がありますけれども、大体たらしていくならば、新車の場合、従来の二年はもちろん、今回の三年にしても相当内容を軽減して十分大丈夫ということが言えるんじゃないかと私自身も思いますし、専門家の人たちもそういう意見が多いようです。したがって、定期点検は一年、そして車検はせいぜい新車の場合四年、その後三年ごとという程度のことで十分じゃないかというのが私の意見ですけれども、それはそれとして、いまお話しになりました、将来に向かってはということを非常に慎重におっしゃいましたけれども、もう一回伺いますが、いまの私のようたそういう考え方に近づけるお気持ちはありますか。
#207
○政府委員(飯島篤君) 制度変更につきましては、運輸技術審議会で、相当長期にいろいろなデータをもとに技術的、専門的に結論を出していただいたと受けとめておりますので、いますぐにさらに見直しをするというふうには考えておらない次第でございます。
 先生のおっしゃることも十分わかるのでございまして、私どもも決してユーザーの立場というものを尊重しないわけではございませんで、今度の制度改正に随所にユーザー参加の具体的な促進策を考えておるわけでございます。
 また、点検の内容につきましても、御案内のとおり、六カ月点検については項目の大幅な簡素化を図る必要がある。「日常点検の一環として、自動車の構造・整備に関する技術的な知識を有するユーザーであれば自らでも実施しうるものとし、国、メーカー等が適切なマニュアルを作成する」ということで「ユーザー参加を推進する。」と。また、新車時初回の六か月点検は廃止するということで答申をいただいたわけでございます。
 また、十二カ月及び二十四カ月点検についても、「項目については若干の簡素化が可能」という御指摘がございますので、これらはいずれも省令――六カ月点検の廃止は法律事項でございますが、その他については省令事項でありますので、しかるべき時期に法律が通りましたら専門家等を集めて詰めたいというふうに考えております。
#208
○田英夫君 いま、いままでの制度でやった場合――内容もですね、二年に一度の車検の場合で、二千CCクラスだとユーザーの負担はどのくらいになっているとお考えですか。
#209
○政府委員(飯島篤君) これは一つの試算でございますが、また、平均的なデータ等を使って試算をしたわけでございますが、二十四カ月の点検整備料金が六万一千五百円、十二カ月点検整備料金が一万五千五百円、六カ月点検の整備料金が一万二千円という実態になっておるということでございますが、今度の制度改正によりまして、自家用乗用車の新車を通常二車検目前に代替される方が多いということでございますので、四年十カ月程度使用した場合は、現行制度の場合は二十一万四千円ぐらい払っておられるだろうと。今度の制度改正によって、新車初回の六カ月点検の整備料金がゼロ、以後の六カ月点検整備料金が半減するとして試算いたしますと八万二千円ほど軽減されるのではないか。これはまあもっとも一つの仮定でございますが、そういうふうに見ておりますが、そのほかに、さっきちょっとお触れになりました定期交換部品の延長についても、メーカーの方で、「ユーザー負担軽減の観点から、交換時期の延長等の措置がとられることが望ましい。」という指摘もありますので、そのようにメーカーを指導してまいるつもりでありますが、これによっても負担軽減がさらに図られるのではないか。
 そのほかに、先ほど申し上げた六カ月点検を御自身でやるというケースもございましょうし、また、車検を受けに来る場合に、きちっと整備した後で御自身で検査場へおいでになる、なりやすくするということにいたしますれば、その辺の代行手数料等も節約できるのではないかというふうに考えたわけでございます。
#210
○田英夫君 冒頭申し上げたように、この問題は法案が出てきているわけですから、いずれまた議論をする機会がありますけれども、一つこの機会に伺っておきたいのは、ユーザーの負担ということで、今回車検が新車の場合二年から三年になると、いわゆる自賠責保険と重量税というものを三年分まとめて払わなければいけない、したがって、車検時における負担は非常に増大するわけですね。ただでさえ一般の庶民にとってはこの車検の負担というのは非常に大きな負担なんですけれども、そこへもってきて重量税と自賠責保険を三年分まとめて払わなくちゃいかぬ、こういうことになりますので、今回の改正に伴って、重量税は、たとえば納税を年ごとにする、単年ごとに単年度に払っていけるようにするというようなこと、自賠責も同じことですけれども、そういう形で払うようにできないものだろうか。これはユーザーの側からすると非常に切実な願いだと思いますが、いかがですか。
#211
○説明員(新藤恒男君) 重量税の関係でございますけれども、御承知のように、重量税につきましては車検時にお納めいただくということになっているわけでございます。これが新規の車につきまして新たに三年ということにたりますれば、二分の三倍という納付額をお納めいただくということになるわけでありますけれども、いまの重量税の考え方で申しますと、車検を受けることによって走行が可能になるという法的な地位あるいは利益というものに着目しまして課税しているという性格のものでございますから、これが三年になったということで、分割して納付するというふうな形にはなじまない性格のものであるというふうに考えておりまして、現状のままで私どもは今後とも継続していくというふうに考えております。
#212
○田英夫君 そういうことをお聞きすると、ますますもってユーザーの側はいきり立つわけですよ。これはもう本当にお役所式にきちんと皆さんの側はお考えになって、それなりの論理はおありになるんだと思いますけれども、それじゃやっぱり本当の政治にならないと言わざるを得ないので、大臣、この法案というのは、いまの国民と政府の関係の中で、何かある意味では象徴的な問題のような私は気がしているものですから、だからこそマスコミも非常にこの問題について関心を持っておられるのだと思いますけれども、ぜひこの国会の審議を通じて、この間に運輸省としてもあるいは政府としても十分にお考え直しをいただきたいということを申し上げて、大臣の御心境を伺って終わりたいと思います。
#213
○国務大臣(小坂徳三郎君) まず第一点でありますが、行革の方で国民負担の軽減ということを旗印にしてよく言っております。私は何もここで議論するつもりはないのですが、いまおっしゃったような重量税にしても何にしても、それをどうするんだということもやはりついでにひとつ行革でも言ってもらわなくちゃ、これはわれわれだけの責任におっかぶせられて、いま田さんから大変御批判をいただいたのだけれども、そこがちょっと片手落ちでございます。率直な感想を申し上げるとそうであります。
 それから第二点は、行革でおっしゃることは何でもやりますということになっておるのでございますが、しかし、国会でいろいろな面からの御議論があることを当然私は予期しております。もう一つは、これは余り表に出ない、そしてまた先ほど田委員からはちょっと違う角度から御発言があったので申し上げたいのでありますけれども、こうした今日までの車検制度というものに関連して、非常にたくさんの零細企業の整備業者がおるということ、そしてまたこの人たちの生活というものは、今日まで長く続いてきたこうした行政措置の中で一定の生計を得ていたといち事実もございます。いまそれらの方々がこうした改革によってこれほどの損害を受けるかということについては非常に深刻な話題にたっておりまして、私らのところにも大変に多数の方々がおいでになって、どうしてくれるのだというようなお話が日々続いておるわけでございます。そのようなこともやはり一つの、行政改革ということはいいことでありましょうけれども、一方において非常に零細な多数の人たちがこれで生計を得ているという、一つの事業部門と申しますか、そうしたものもあるということをやはり考えざるを得ないということも御理解をいただきたい点でございます。
 そんなようなことでございますが、いずれにいたしましても、国会において十分御論議をいただいてこの車検法の御審議を賜りたい、私らは率直にそのように考えて対処してまいりたいと思っております。
#214
○委員長(桑名義治君) これをもって、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管及び日本国有鉄道についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#216
○委員長(桑名義治君) 次に、旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小坂運輸大臣。
#217
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま議題となりました旅行業法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 近年、所得水準の向上等により、国民の旅行に対する意欲は年々着実に高まってきており、旅行は、いまや国民生活にとって不可欠のものとなっております。国民が旅行するに当たっては、旅行業者を利用することが広く普及しており、特に旅行業者が企画、募集する主催旅行が大いに利用されておりますが、これとともに旅行業者の活動をめぐってしばしば紛議を生ずるに至っております。
 このような状況に対処して、旅行に関する取引の公正を維持し、旅行者の保護を図っていくため、旅行業者の適正な業務運営を確保していく必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次に、この法律案の概要を申し上げます。
 第一に、主催旅行を実施する旅行業者について営業保証金制度の充実強化を図るとともに、主催旅行に同行する主任の添乗員については、一定の研修等を義務づけることといたしております。
 第二に、旅行業務取扱主任者の職務についての準則を定め、旅行業代理店業者の所属を明確にする等、旅行業者の業務運営の適正化を図るための規定を整備することとしております。
 第三に、不健全旅行等への関与の防止対策として、旅行業者及びその従業者が旅行地の法令に違反するサービスに関与することを禁止することとしております。
 第四に、旅行業者の業務運営の改善に関し行政庁が必要な命令を行えることとし、旅行業協会の業務に会員を指導する業務等を加えることとするほか、処分を受けた者に対する登録拒否事由を厳格にする等所要の改正を行うこととしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#218
○委員長(桑名義治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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