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#1
第096回国会 運輸委員会 第6号
昭和五十七年四月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     穐山  篤君
     柳澤 錬造君     三治 重信君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桑名 義治君
    理 事
                井上  裕君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
                黒柳  明君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                穐山  篤君
                竹田 四郎君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                三治 重信君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
   政府委員
       運輸大臣官房観
       光部長      西村 康雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    桑田 錬造君
       運輸省自動車局
       業務部長     大久保一男君
       運輸省航空局監
       理部長      仲田豊一郎君
       労働大臣官房参
       事官       田代  裕君
       労働省労働基準
       局監督課長    岡部 晃三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○穐山篤君 まず、最初でありますので、今回の法律改正について特徴的なその背景は那辺にあるか、かいつまんで御説明をいただきたいと思います。
#4
○政府委員(西村康雄君) このたび、旅行業法の一部を改正する法律案を提案さしていただきましたが、御承知のとおり、これは昭和五十四年国際観光振興会法の一部を改正する法律案の附帯決議におきまして、旅行業法の全般的見直しということがうたわれたわけでございます。それを受けまして運輸省で検討してきたわけでございますが、今日旅行の状況を見ますと、非常にもう国民生活の中ではきわめて定着している。そしてまた、旅行業者を利用して行う旅行が非常に多くなっておりまして、今後国民生活の重要な一部である旅行というものを国民が享受していくためには、この旅行業者の利用の仕方というものを適正にしていく必要がある。そういう意味で、旅行者の保護ということが従来以上に一層必要性が生じてきたわけでございます。
 ところで、実際に旅行業者を利用することがふえてまいりますと、いろいろ旅行業者の利用の仕方につきましてトラブルがございます。そのトラブルの原因は、一つは旅行業者が旅行者に対して十分問題点を説明しない、あるいは契約違反をするといったような旅行業者のサイドの問題。一方では、旅行者が十分に旅行業者を利用するのに確認をしないというような旅行者側の問題、いろいろございますが、総じて、やはりこういった多くの利用が出てまいりますと大変制度的な多くの問題点が出てまいります。
 特に最近の場合は主催旅行が著しくふえてきた、旅行が非常に普及してきた一つの原因は、主催旅行が伸びてきたということがその大きな原因だと見られるわけでございます。この主催旅行につきましては、旅行業者側につきましては一つは十分な信用がなければやれないという問題、そしてまた主催旅行の旅行内容、これが十分責任を持ったものでなければいけないと、こういった点の主催旅行についての問題が非常に多くなってきているわけでございます。
 また一方、こういった海外旅行がふえてまいりますと、いわゆる不健全旅行というような問題点も出てまいります。さらには、旅行業者のいろんな取引の仕方あるいは旅行業界内の秩序の問題、そういった問題もいろいろと問題点が出てまいりまして、先般の昭和四十六年の改正から十一年たちましたわけですが、その改正後やはりここで一度見直した方がいいということが今回の改正の主要な背景でございます。
#5
○穐山篤君 いまお話がありましたが、旅行業法は当然旅行者あるいは旅行業者というものにかかることは当然でありますが、少なくともこの旅行業法というのは国際旅行と国内旅行、両面を伴うわけですね。そこでもう一つお伺いをするわけですが、久しぶりの法律の改正になるわけですが、この際、たとえば国際観光ホテル整備法であるとか通訳案内業法であるとか、これは旅行に伴う車の両輪のようなものだと思うのですね。最近の数々の不祥事を考えてみますと、旅行業法だけ単独で見直しをするというのには多少問題が残るのじゃないだろうか。その意味で、旅行に関連をするあらゆる分野の法律の見直しというものについてどういうふうにいままで検討されてきたのか、あるいはいまどういう状況にあるのか、改めてお伺いします。
#6
○政府委員(西村康雄君) 観光に関連しました多くの法制がございます。まず、観光基本法という法律がございまして、この中では観光の各般の施策について述べておりまして、外国人観光旅客に対する接遇の向上というような問題、あるいは観光旅行の旅行者の安全の確保あるいは利便の増進、あるいは国民大衆の観光旅行の容易化というような問題、その他観光資源の保護、育成、国土の美化あるいは低開発地域の観光開発、こういった各般の問題がございますし、それぞれに関連して整備法制があるわけでございます。
 ただ、こういった中で特に最近やはり問題を見直す必要があるのは、観光旅行が非常に普及したことに伴いまして、いろいろの点で観光関係のいわば事業の構造というものが少しずつ変化をしてきていると。そういう点では全般の見直しというものをしていかなければならないのですが、はからずも先般ホテル・ニュージャパンの火災が起きました。私ども国際観光ホテルというのは、外国人の十分な接遇のための施設を備えているということが基本でございまして、そういう面について制度を保持してきたわけでございますが、その施設の安全性、特に防災上の問題につきまして、消防法、建築基準法といったような関係法律と協調して国民の安全を守っていくということが法律の仕組みの基本であったわけでございますが、このたび、そういった安全面でも消防法あるいは建築基準法だけに依存してやっていってはいけないのだと、観光関係の法律でもそれなりの対策をもっと強化しなきゃいかぬということになったことが非常にはっきりしてまいりました。実は先般、国際観光ホテル整備法を特に防災面につきまして見直すため部内に委員会を設けることにいたしまして、制度面の問題を中心にこれを検討するということにいたしております。
 それから、ただいま先生の御指摘のありました通訳の問題につきましても、これは非常にむずかしい問題で、実は通訳案内業法制定以来合目まで主要な改正というのはなされておりません。しかし、実際に通訳の構造も変わってきておりますし、外客の来方も変わってきております。そういった点も勘案しますと、やはりこういった点についてもいまの制度でいいかどうかやはり見直していく必要がある。
 そういう点で私どもまず旅行業法の見直しにつきまして全力を挙げてこの二年間取り組んでまいりました。ようやくここで法案を提出さしていただいたわけでございますが、残余の問題につきましても引き続き検討してまいりたいと思っております。
#7
○穐山篤君 総理府に設置されております観光政策審議会の答申を一覧をしてみますと、安全面についての指摘が非常に希薄であるというふうに私ども感じたわけです。最近の内外の旅行も昔のような形態ではありません。多種多様なものが出てきております。したがって、残余の問題という言い方は少し適当でないと思いますが、この際一遍、観光にかかわるすべての分野について、制度面でもあるいは運用面でも全般的に検討をまずしてもらおう。そのうち、法律改正を必要とするようなものもあるだろうし、あるいは行政監督指導で事が足りるものもあるだろうし、場合によりますと施設設備につきましては経過措置も必要になります。あるいは、語学の分野から言いましても早期に養成ができるというものでもありません。その意味では全般的な見直しをやるということについて、大臣いかがでしょうか。
#8
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員の御指摘はまことに私はそのとおりだと思います。
 それで、今回の旅行業法の改正と一緒に、いま部長から御答弁申し上げました国際観光ホテルに関連した、やはり国際観光ホテルにふさわしい施設、そして安全、防災、こうしたものが十分果たせるようなものに変えていくというような見直しをすることをスタートいたしたわけでありますが、ただいまの委員の御主張はまことにそのとおりでございまして、ぜひわれわれとしては、観光政策審議会の方にただいまの委員の御意見をわれわれの方からお伝えをして、審議の対象にしてもらうというふうに考えてまいります。
#9
○穐山篤君 じゃその点はひとつまた理事会でも十分御相談をいただきたいと思います。
 さてその次は、主催旅行と手配旅行の問題についてお伺いをします。今回の法律改正の中でこの主催旅行、手配旅行というのが定義をされたことも特色だと思うんですね。そこで、いろんなケースを調べてみますと、この主催旅行と手配旅行の区分、定義というものが必ずしも竹で割ったように明確でない部分が出てくるおそれが現実にあるわけです。そこで、その主催旅行と手配旅行の区分ということについてもう一度明らかにしてもらいたい。
#10
○政府委員(西村康雄君) このたびの法律改正では、主催旅行、これに対しまして手配旅行というのがあるわけですが、最近の主催旅行の普及が著しいものでございますので、主催旅行を特に取り上げて定義をさしていただいたということでございます。主催旅行につきましては、法律で書いておりますように、その基本の考え方は、あらかじめ旅行の目的、日程、サービスの内容等を旅行業者の方がまず計画を決めるということ、そして第二に、それは幾らで旅行をやるということ、そして三番目にこれを一般に募集して行うという、この三つの要素があるわけでございますが、主催旅行につきましていろいろな形がございますけれども、全部を通じて共通する要素というのはこの三点でございまして、この三点の要素があるものは主催旅行だと考えてよろしいかと思います。
#11
○穐山篤君 その主催旅行にもいろいろな形態があると思うんですが、大別してどういう種類に分かれますか。
#12
○政府委員(西村康雄君) 主催旅行の形態と申しましても、実際に主催旅行で非常に丁寧なのは、出発地の航空機から目的地におきますホテル、そして目的地におけるいろいろな旅行、自動車を使ったり船を使ったりいろいろな旅行、そしてその中でサイトシーイングをする、そしてまた帰ってくるというような完全な形態の主催旅行がございますが、こういうものの中で、それらの要素の幾分かを欠いて行くものがある。それはたとえば極端な場合は、往復の航空機と宿泊先だけが手配されていて、あとの行動は自由だというような意味での、いわば非常に単純化されたそういった主催旅行もございます。こういった主催旅行には往々にして添乗員というのが省略された形で実際に行われるという形があるわけでございます。そんな点で、主催旅行の形はいろいろあると申し上げましたわけでございます。
#13
○穐山篤君 よくパンフレットなんかで見るわけですが、たとえば交通公社主催の主催旅行、これはごく普通の形ですね。あるいは東急でも日本旅行でも同じだ。それから、国鉄と交通公社が共催をする、こういうのもその主催旅行の一つだろうというふうに思いますが、国鉄の主催の旅行というのは法律の上ではどういう解釈をすることになりましょうか。
#14
○政府委員(西村康雄君) 日本国有鉄道の旅行業の業務につきましては、これは旅行薬法二十七条で、「この法律の規定は、国の行う事業には、適用しない。」ということで、また日本国有鉄道法で、この国というのは日本国有鉄道について準用するということになっておりますので、したがいまして、日本国有鉄道が行うものには適用がないという取り扱いになっております。
#15
○穐山篤君 そうしますと、国鉄主催の主催旅行というのはない、あり得ないと。法律の面からあり得ないし、実際もそういうことはないであろうと、こういう解釈でいいですか。
#16
○政府委員(西村康雄君) 国鉄が行うのは、きわめて形式論的に申しますと、この法律で言う主催旅行はあるわけで、同じ実態があれば、それは主催旅行に該当するものがあれば主催旅行があるけれども、この法律の各規定が適用されずに、したがって規制されないと、こういうことになるわけでございます。
#17
○穐山篤君 規制されないというのは具体的にどういう内容になりますか。できるとかできないとか、あるいはこういう場合ならばよろしいとか、具体的にしてもらいたいと思います。
#18
○政府委員(西村康雄君) 旅行業法を適用されますと、まず最初に国に対して登録を受けるということがあるわけですが、この登録は要らないことになります。そして、営業保証金の供託ということがあるわけですが、この営業保証金の供託ということが要らないことになります。そして次に、各営業所には旅行業務取扱主任というものを置くことになっておりますが、これが要らないということになるわけです。そしてまた、今回の法律改正で特に顕著になりました点、添乗員をつけるという問題がございますが、この添乗員をつけるということが法律上義務にされないということになるわけでございます。そのほか、これらの業務を取り扱っていく上でいろいろな規制がございますが、これらの点が働かないということになるかと思います。
#19
○穐山篤君 私はそういうことはみんな承知をしているんです。わかっているわけですが、国鉄が主催の主催旅行、私の先ほどの、たとえば交通公社なり四つの大手の旅行業者と国鉄が共催をするということでの旅行という形式はあるわけですが、国鉄が単独で、旅行業法によらずに、いうところの旅行を商品として組織をすることができるのか、あるいは販売をすることができるのか、その点をお伺いしているのです。
#20
○政府委員(西村康雄君) 現行法では特別に規制されておりません。
#21
○穐山篤君 少し時間がここはかかりそうですから、後でまたもう一遍もとへ戻ってきます。
 そこで、この八二年速報版というのは、たまたま私は甲府の駅から上京するわけですが、そこの旅行センターの前に飾ってあったものですが、「一泊二日一プレイ」といってまあゴルフとセットになっているんですが、片山津、芦原、湯の山というふうなものがあります。これは一泊二食の汽車賃、宿泊、これが明示をされているわけですが、右の欄にゴルフという欄があるわけですね。このゴルフというのは、どうも近畿日本ツーリストの主催旅行の中身ではなさそうなんですね、このパンフレットでいきますと。どうもこれは宿泊のホテル、旅館が改めてゴルフを商品として売ると、そういうものがまとめて一本で表示をされているわけです。この場合に、これを見ていただいて結構ですが、交通費並びに宿泊料というのは主催旅行の方で料金も明示をしているわけですね。そこで、あとゴルフの方の値段も書いてありますが、それは旅行業者、主催旅行を行っているところでは全く関係のない商品なんです。この場合に、主催旅行と手配旅行というのはどこで区分をするのか、これは具体的な問題ですから、その点ちょっと明らかにしてください。
#22
○政府委員(西村康雄君) いまこの席で拝見しましたので、どうも正確なことは申し上げにくいのですが、ちょっと先生の御質問の趣旨が私完全に理解できないのですが、このパンフレットの限りでは、近畿日本ツーリストが旅行業者として宿泊及び交通を含め、そしてゴルフのプレイについても含めた料金をこれは示しているということでございますので、ゴルフづきの主催旅行がと思います。
#23
○穐山篤君 その場合、二通りあるんですね。主催をする旅行業者が全部ゴルフまでセットしてやる場合、これはまあ商品として一貫性があるわけですが、そのゴルフについて当該のホテル、旅館がセットをして、セットしたものをそのパンフレットに掲載をして、まあゴルフワンセット旅行と。いずれも手配とかあるいは主催と書いてありませんので、消費者の立場から言いますと、そのパンフレットを見た限りでは近ツーが、近畿ツーリストが全部その計画を主催をして商品を売ると、こういうふうに見えるわけですが、中身から言うと、私が申し上げたように二通り出てくるわけです。その場合に、前段のゴルフも含めたものを計画をして商品として売る、あるいは料金もいただく、公募もする、この場合には完全な主催旅行でしょうが、その右の欄の薄い字の方のゴルフの部分については旅館手配。ですから、旅館で何か災害、不祥事が起きた場合には主催旅行であります近畿ツーリストが責任を負いますが、そのゴルフの方につきましては旅館の手配でありますので、これは主催旅行であります近畿日本ツーリストには責任がない、こういう問題が具体的に出てくるわけです。そこで、主催と手配の違い、区分というものを、もう一度具体的な例で、それが一番いいんですが、具体的な例でひとつ明快に答弁をしてもらいたい。
#24
○政府委員(西村康雄君) ただいま先生からお話のありましたゴルフの部分ですが、このパンフレットで拝見する限りは全部近畿日本ツーリストが一緒に手配する形になっていて、旅館側が手配するようには私の方は見受けないわけでございます。したがいまして、このパンフレットの限りでは、近畿日本ツーリストが交通、宿泊、そしてゴルフを全部一括して引き受けて手配するということになっているわけでございます。
 ところで、いま先生がゴルフで実際に事故が起きたときの法律責任はどうなんだということでございますが、主催旅行といえども、旅行業法では旅行のサービスに関する手配の引き受けでございます。したがいまして、このゴルフ場自身の管理、運営上の過失あるいは行為によりまして損害が旅客について生じた場合には、直接法律上の責任が出るのは、不法行為の面でも、債務不履行の面でもゴルフ場の経営者でございまして、旅行業者自身についてはないわけでございます。そして旅行業者について過失があるとすれば、あり得るケースは、そのゴルフ場が非常に欠陥のあるゴルフ場だということが非常にだれが見ても明らかなものを手配したという場合には、旅行業者の手配の過失ということが問われる。特に主催旅行の場合には、主催旅行業者の方からこれを提示するわけでございますので、その意味での過失が問われるということはあるわけでございますが、法律上の関係はそういうことになろうかと思います。
#25
○穐山篤君 そのパンフレットの限りでは、ゴルフまで含めてセットで商品が売られている、こういうふうに見えるわけですね。しかし実際は、左側に書いてあります黒い料金の部分、一泊二日の部分だけが主催旅行でありまして、右側の薄いゴルフ場の関係については旅館の手配であって、主催旅行を主催をした旅行業者は情報を提供しただけだという場合、その場合にどこの部分で区分をするか、その点。
#26
○政府委員(西村康雄君) 旅館がいまお話しのようにゴルフ場の手配をしたという場合でございますが、これはこの旅行契約全体の中でゴルフを含めて一応旅行業者が引き受けているわけでございます。現実の手配を旅館がしたということは、旅館が旅行業者の下請をして手配をしたわけでございまして、あくまでも旅行者に対する責任は、旅行業者がまず手配については生ずるわけでございまして、旅館は単なる下請にすぎません。したがいまして、あと現実の事故が起きた場合の法律関係は先ほど申し上げたとおりでございます。
#27
○穐山篤君 少し問題が残っていますが、あとでまたそこは触れます。
 衆議院の方でも大分議論があったようでありますが、たとえば町内会の日帰りの潮干狩りというのが商品としてありますよね。それを、何組か集まりますと、ここの町内会は一号車に乗ってください、ここの町内会は二号車のバスに乗って行きましょう、こういうものについては主催旅行とみなすか、この点いかがでしょう。
#28
○政府委員(西村康雄君) 何が主催旅行であるかにつきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、町内会が初めからまとまっていて、町内会の代表者が旅行業者に対して、こういうふうに旅行を計画して手配してくれということでこの旅行が行われた場合には、これは手配旅行でございます。これに対しまして、その地元の旅行業者があちこちの町内会に声をかけて、そして旅行業者の責任で旅行を催したということであれば、これは便宜上、一号車には何町内会、二号班には何町内会とやっただけでありまして、町内会の区分自身は別に主催であることを妨げないわけでございます。やはり、主催旅行がどうかというものは先ほど申し上げました三つの標準で考えるべきことだと考えております。
#29
○穐山篤君 そうしますと、潮干狩りというものについても手配旅行と主催旅行と二通り形式的には出てくる、こういうことになりますね。いかがですか。
#30
○政府委員(西村康雄君) そのとおりだと思います。
#31
○穐山篤君 そこで、知識のある消費者であればそれほど問題はないんですが、消費者の立場からいいまして、これは主催旅行であるのか手配旅行であるのかということは、それほど、専門家でない限りなかなかその区分、定義、あるいは補償の問題というのは容易に判断がつきかねると思うのです。そこで、いままではそういうことはなかったんですが、この法律改正によって主催旅行とか手配旅行というふうに明示をして商品の販売をする、あるいは仕入れをする、こういうことの表示はどうなんでしょう。私は、その方が消費者にとってもあるいは主催をする業者にとりましても、責任体制を明確にする意味でも必要ではないかと思うんですが、その点いかがですか。
#32
○政府委員(西村康雄君) いまお話してございますが、一般的に考えてみますと、広告を出してお客さんを誘引する、そして、その広告のところで具体的な計画が示され、金額が示されていればこれは主催旅行でございます。したがいまして、これは主催旅行であるということはきわめて外見的に明らかなことでございます。その点で私ども、消費者が主催旅行とか手配旅行であるとかいう言葉を理解する必要はないと考えております。主催旅行の場合では、そのような主催旅行につきまして旅行業者側がとるべき責任を取引の場合に必ず明示させる、こういう条件でお引き受けしますということをあらかじめ明示させることを今回の法律では励行することを強く要求することにしておりますので、その点は、客が一々主催旅行がどうかということを、法律の条文を盾に一々首っ引きで考えるという必要はないので、そこにある旅行業者側が示した旅行書面、ここに書かれたところに従いまして、いろいろな事件、トラブルが起きたときに請求をしていただくということで足りるわけでございます。そういう点では、主催旅行というのは実際に旅行業者側がまずその点十分に心得て取引をすれば、そして主催旅行にかかわる約款で取引を正確にやれば、旅行者保護のために欠くるところないということでございます。
 ただ、先ほど先生が言われましたように、主催旅行である旨をはっきり書いたらどうだという御指摘があったわけでございますが、すでに現在やっておりますように、主催旅行の募集のパンフレットでは、主催だれだれと旅行業者の名前を明示させることにしております。したがいまして、これが主催旅行だということについてはすでに明らかになっているのがもう慣行として定着していると思っております。
#33
○穐山篤君 よく新聞で、まあ新聞でもスポーツ新聞、それから通常の新聞、さらにはこういうあでやかなものもありますけれども、その中で気がつくことがあるんですね。JATA正会員というのは小さく書いてある。そうかと思うと全然書いてないのもある。あるいは準会員というふうな表示のしてあるところもある。これは多少知識のある人は疑念を持ったり、ああなるほど、これはあの系列の下請会社であるなということはすぐわかるわけですけれども、一般の人というのはなかなかわからない。
 そこで、こういう問題ができるわけですね。今回の法律改正に伴いまして主催旅行という定義が出たわけですが、主催旅行にしますと、いろいろ法律上の保護並びに規制あるいは制約というものがたくさん書かれているわけです。それだけ主体性を確立をしてしっかりした主催旅行をしろ、こういうことになるわけですが、余りめんどうな制約というふうに考えますと、本来ならば主催旅行で自分のところの商品を売るわけですが、そうでなくて、それを手配旅行に切り変えてしまう。そういうことが理論上も実際上も起き得るわけです。そういう可能性がこれからはたくさん出てくると思うんです。そういう点についてどういうふうにお考えですか。
#34
○政府委員(西村康雄君) いま先生御指摘のように、主催旅行を手配旅行に切りかえるという例でございますが、実際に考えられるやり方というのは、主催旅行でございますと、これは通常広く募集をする、旅行業者みずから募集をするこの段階を、第三者が募集だけして、そして実際に手配を旅行業者にやらせる。それを、そういう最初の方の募集をするのがいわゆるオーガナイザーと呼ばれているわけでございますが、このオーガナイズするということは、実際に主催旅行の場合にはやはり主催旅行業者が団体性を組織するわけでございます。
 で、手配旅行が主催旅行とやはりそこで区分される最大のメルクマールは、主催旅行をする場合には、参加する人たちの相互のつながりがないということが前提でございます。手配旅行は、初めから団体で申し込んでくる場合には、これは形は手配旅行でございますが、実はその団体がお互いにつながりがない人たちがたまたま臨時にその旅行だけを目的にして集められたという場合には、明らかに手配旅行を擬装した主催旅行というべき形でございます。こういった点については、これまでも実際に例がないわけではなかったわけでございますが、おっしゃるとおり、これから主催旅行についての規制がいろいろとまあ従来に比べまして厳しくなるということになりますと、そのような脱法的な主催旅行が行われる可能性がいままでよりふえるというおそれはないわけではございません。ただ、これはやはり注意して見ますと非常にわかるものでございますので、これまでもそういうのがあった場合には旅行業者に対して厳しく指導してきております。
#35
○穐山篤君 最初、法律の改正をするときから、現実に本来ならば主催旅行がふさわしい商品でありながら、旅程の管理だとかあるいは添乗員の派遣の問題だとか、あるいは保証金の積み立ての問題だとか、いろんな問題が出るために率直に言ってめんどくさいと、それならば手配にするという現実がはっきりしていながら、そこをもう少しきちっと指導監督する、あるいはそういう問題が出た場合にいかなる対策をとるかということをあらかじめ明示をしておく必要があろう。そうしませんと、この責任体制というものが十分に確立をされないおそれが私は十分にあるだろうというふうに考えるものですから、あえてそこの部分について再度お答えをいただきたいと思います。
#36
○政府委員(西村康雄君) 先ほど申し上げましたような形態で、実質的に主催旅行でありながら手配旅行の形態をとるものにつきましては従前から指導してきたわけでございますが、今後この法律が改正されまして施行されました場合には、従来とさらに異なりまして、主催旅行そのものについての規制が厳しくなるわけでございますので、こういった取り扱いにつきましては、具体的にこのようにしろということを関係業界に形を示して通達をし、その間に混乱が起きないように十分注意して指導してまいりたいと考えております。
#37
○穐山篤君 念を押しておきますと、私は、主催旅行あるいは手配旅行の表示をすることが、商品を売る側でもあるいは消費者の立場からも一番適切だと考えたわけですが、それをやらなくてもよろしい、旅行業者が主体的に十分にその責めは負う、こういうことを強調されておりますので、そこの部分については十分に監督者であります運輸省並びに旅行業者の態度をしばらく見守っていきたいと思うんです。しかし、私はその心配のおそれを持っておりますので、そこだけはきちっと念を押しておきたいと思うんです。
 さてその次に、旅行業務取扱主任制度の問題です。
 ここでは、大きく言いますと二つこれから考えなければならぬと思うのですが、その一つは、職務内容について省令で明らかにする、こういうふうにしてあります。それからもう一つ大切なことは、この主任者につきまして資質の向上を図っていくということが業界のためにもあるいは旅行を快適、安全に行うためにも一番いいと思うんですが、まず、その二つの面についてどういうお考えであるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
#38
○政府委員(西村康雄君) 旅行業務取扱主任者というのは、各営業所におきまして実際の旅行業務の取引を行うに当たりまして、その営業所の業務の管理監督を旅行業法に適合したものとするようにしている職務でございます。したがいまして、いまお話がございましたように、その旅行業務取扱主任者が業務を適確にするということが一番重要な旅行業務を適正にさせるためのかなめでございます。
 そこで、今回の法律改正では、取扱主任者の職務として具体的に省令で決めようということでございますが、これにつきましては、各営業所ごとに行っております広告、パンフレット等を実際に営業活動としてやっている、これが法律に適合するかどうかしっかりチェックするということ、それから実際に旅行取引をするという場合に当たりまして、その契約の中身が適正かどうか、約款に適合したものかどうか、これを具体的にチェックするということ、そして契約に従いまして具体的なサービスを手配するという場合に、そのサービスの手配が確実であるかどうかということをチェックする、そのほか、旅行取引に当たりましていろいろな苦情が寄せられた場合にその苦情を責任を持って処理する、こういった業務が旅行業務取扱主任者の業務として考えられますので、ここでこういうようなことを省令で明確に規定していきたいと第一に考えております。
 それから、旅行業務取扱主任者の資質をそういうことで向上させる必要があるわけでございます。一回旅行業務取扱主任者として選任され適法に行っている方たちが、一定の期間たつと能力がなくなるというわけではございませんが、旅行業務を取り巻く諸条件が常に変化してまいります。いろいろな法律制度も変わります。あるいは約款も変わります。さらに、旅行先の状況も大きく変わってくる場合もございますので、やはり旅行業務取扱主任者というものはそういった状況に常に適合していくということが要求されるわけでございますので、必要に応じ、ときどきにこの研修というものをやっていく必要があるわけでございます。国内の旅行業協会ではすでに研修制度があり、その知識を常に新しくするような努力をしております。これに対しまして、まだ一般旅行業に関する旅行業界としてはそのような試みがなされておりませんが、全般のいろいろな職員の研修制度を充実していくという中で、この旅行業務取扱主任者の資質の向上についても、研修制度を通じて十分に配慮をさせていくことが重要だと思いますので、旅行業界、旅行業協会に対してそのような措置を強く指導していきたいと思います。
#39
○穐山篤君 前回の法律改正のときにこの取扱主任者の問題も相当審議をされたいきさつを知っておるわけですが、この主任者がある意味では店舗を代表するということで責任は重いわけですが、法律上はこれはあくまでも企業が最終責任を負う、あるいは全面的な責任を負うというのは前回の法律でも確認をしてあるわけです。今回職務内容について省令で定めるということになりますと、ややその部分が希薄になって、これは企業の責任ではない、取扱責任者の責任だというふうに言いかねないおそれがあると思うのですが、そういう点については従来どおり企業の最終責任という態度は確認をしておいていいわけですね。
#40
○政府委員(西村康雄君) ただいまお話しのとおり、旅行業務の取引の責任は旅行業者にございます。旅行業務取扱主任者はそれを補助する重要な職を行っている者でございますので、旅行業務取扱主任者が仮に業務に過失がございましても、その責任は旅行業者が負うべきものでございます。
#41
○穐山篤君 次に、国内でも国際でもそうでありますが、運賃の問題についていささかお伺いをしておきたいと思うんです。
 最近、私も航空機によります国内旅行あるいは昨年は国際的な旅行も経験をしたわけですが、認可料金と実勢の料金の間には非常に乖離があるというふうに判断をしますが、運輸省当局としてはどういうふうな感想をお持ちですか。
#42
○説明員(仲田豊一郎君) 先生御指摘のように、特に国際運賃につきまして、かつその一部の市場におきましては認可運賃をかなり下回るという事実があるように聞いておりますが、私どもは国際航空運賃の不当な安売りというものは、運賃の市場の秩序を乱すものである、ひいては航空運送事業の健全な発展というものを阻害するというふうに考えております。したがいまして、まことに遺憾であると思っております。
#43
○穐山篤君 最初から謝ったんじゃしようがないと思うんですが、航空法第百五条というのは十分わかっていると思います。この中で一番の問題点というのはどこの項目になりましょうか。百五条の中で一番これは考え直さなければならぬ、あるいは十分検証しなければならぬという部分は第何項に当たりましょうか。
#44
○説明員(仲田豊一郎君) 第百五条は、先生も御承知のように、運賃の認可の基準を定めてあります。第一項は「当該事業の適正な経費に適正な利潤を含めたものの範囲をこえることとならないこと」、第二項は「サービスの性質が考慮されていものであること」、第三項は「特定の旅客又は荷主に対し、不当な差別的取扱をするものでないこと」、第四項は「当該事業を利用することを著しく困難にするおそれがないものであること」、第五番目には「他の航空運送事業者との間に、不当な競争をひき起すこととなるおそれがないものであること」。私どもは現在運賃及び料金の認可をやっております際に、この五項目を基準として判断しているわけでございますが、この五項目、どの項目についても非常な重要なものでありまして、このとおりやるべきものでありまして、これを現在の段階で変えるべきものだとは考えておりません。
#45
○穐山篤君 きょう現在と言ってみても無理でしょうから、最近の国際航空運賃ですね、為替相場で幾らで認可をされておりますか。
#46
○説明員(仲田豊一郎君) 現在の国際航空運賃の建て方はすべて白国通貨建てということになっております。したがいまして、日本発の場合は円で決めており、米国発はドルで決めます。したがいまして、両方のそれぞれの通貨で固定しておりますので、そこには自然に為替変動があれば、その間の換算レートというのは異ってくるわけでございます。現在のアメリカ発のドル建て運賃と日本発の円建ての運賃を為替レートで計算いたしますと、いろいろ割引などむずかしいのですが、大体二百三十円程度ということになっているかと思います。現在為替レートは大体二百四十円をオーバーしておりますが、私どもはこれが非常に著しく乖離するようなことがあれば、日本発運賃を上げるという手段が一つございます。また、一つは向こうのを上げるか下げるか、両方選択がございますが、もう一つは相手国連賃をまた上げるか下げるか、いずれかの手段によって調整が行われると。いずれにしてもこの調整は、国際航空運送協会、IATAという多角的な組織がございますので、この組織を通じて行われておるということが現状でございます。
#47
○穐山篤君 そうしますと、日本、成田から出る場合に円建て二百三十円前後、それからアメリカ、ロサンゼルスでいいんですが、日本の場合にドル建てで円に換算して二百三十円程度と、これは間違いないですね。
#48
○説明員(仲田豊一郎君) 正確には記憶しておりませんが、現在日本発で決まっている円建て運賃、これの往復運賃、たとえば東京発サンフランシスコ、サンフランシスコからまた東京へ帰ってくる、このときに円建てでお払いになる運賃と、それから逆にアメリカの方がアメリカでお買いになって、サンフランシスコから東京へ来てまたサンフランシスコに帰って行く場合の運賃ですね。この運賃をドルと円との間の換算は幾らになっているかという御質問でございましたら、それは恐らく二百三十数円ということだと思います。
#49
○穐山篤君 そこでもう一度元に戻りますが、認可運賃と実勢運賃の乖離が非常に激しいわけです。これを認可料金の方で調整をしていくのか、あるいは実勢といいましてもこれまたピンからキリまであるわけで、最近極端な例があるわけですが、ここをどういうふうに整理をするお考えですか。
#50
○説明員(仲田豊一郎君) 私どもが国際航空運賃を認可いたします際には、原則としてIATAレート、IATAで決まったものを大体において認めていく、IATAを尊重するという方針をとっております。しかしながら、IATAで多数国の企業が合意した運賃でございましても、日本の企業にとって値上げするべき理由があるかないかということは、日本の航空会社の経費、特に燃料等の値上がりがどうなっているかということを詳しく調査いたしまして、理由がある場合に値上げを認めるということで、現実にはIATAで決まりましたから自動的に認可をするというようなことにはなっておりませんが、一応それを基準としながら認可をしていくということをやっております。
#51
○穐山篤君 IATAに加盟をしていない航空会社もありますね。したがって、料金につきましてもまちまちであるということも現実で出す。そこで、わが国航空法の第百二十九条の二というのがあるんですが、これは外国人国際航空運送事業者の運賃並びに料金の認可でありますが、この百二十九条の二というのは、少なくともその前段に明らかにしております第百五条、これがおおむね保障されていなければ意味がないというふうに思います。特に第百五条の二項の五ですね。「他の航空運送事業者との間に、不当な競争をひき起すこととなるおそれがないものであること。」ということを第百五条でぴしっと縛っているわけですね。したがって、百二十九条の二、外国人の国際航空事業者につきましても、第百五条の二項の五というものは精神的にきちっと担保されていなきゃならぬと、こう思うわけですが、その点いかがですか。
#52
○説明員(仲田豊一郎君) 御指摘の百二十九条の二でございます。この条文は外国人国際航空運送事業者の運賃及び料金の設定及び変更の条文でございますが、法的に申しますと、この条文は百五条の運賃の認可基準というのを全く援用しておりません。したがいまして、形式的にはこれにとらわれないと法的には言えると思います。しかしながら、私どもは先ほど御指摘のIATA以外の航空会社に対しましても、実はIATAのレートによるべきこと、それのIATAで決めた運送条件に従うこと、これを条件にIATAキャリアと同じような運賃をいままで行政の方針として認可してきた次第でございます。したがいまして、法的な問題は別といたしまして、私どもは、ノンIATAの航空会社といえどもIATA航空会社と同じレベルでもって運賃及び料金の認可を処理してきたということでございます。
#53
○穐山篤君 運輸省は航空運賃の実態をよくおわかりになっていると思いますが、日本に入っている他の外国の航空会社の運賃、料金で、特にこれはひどいな――ひどいというのは、高い意味でなくて安売りでひどいなと、こういうところは御存じですか。あるいは確認をしたり、時には勧告なり注意をした、そういうことはございますか。
#54
○説明員(仲田豊一郎君) 一部の航空会社でそういうことをやっておるという事実は聞いております。そうして場合によっては、そういう航空会社ないしそれの代理店に対して注意を与えたという事実もございますし、または外国との航空交渉の場においてそういう事実を指摘し、是正しろというふうに申し入れたこともございます。
#55
○穐山篤君 その極端な航空会社に注意を与えて、その後直ったと確認をしましたか。
#56
○説明員(仲田豊一郎君) 私どもが是正すべく申し入れた件に関しましては、その後引き続いて続いているというような報告は受けておりませんので、直ったに違いないと思っております。
#57
○穐山篤君 直ったに違いないという返事では困るんですよ。あなた方は監督官庁ですから、調べて、具体的に直った、直らない、その区別をしっかりしてもらいたい。どうです。
#58
○説明員(仲田豊一郎君) 先生御指摘のとおり、われわれはそういう責任を負っているわけでございますが、実は航空運送業界におきましても、自主的にこういうものを相互にチェックしようという一つのシステムをつくっておりますので、こういう一つのシステムなり、個々の航空会社に対しましても、ダンピングに走らないようにという注意を喚起して、このような遺憾な事態がないように努めているわけでございます。
#59
○穐山篤君 大臣、ここの部分で私はある特定の航空会社の名前は言いません。言いますと、それは皆さん方にもあるいは国際的にもハレーションを起こすでしょう。しかし、皆さんはどこの航空会社の運賃がどうなっているかということはわかっているはずです。ですから、私はしばらくの間者さん方の措置を見守って、いずれまた改めてここの部分についてはきちっと整理をしたいと思うのですが、余りにもダンピングが激しい。たとえば大人の料金をスカイメイト料金ぐらいに下げる、あるいは大人の料金を子供料金ぐらいまでに下げる、こんなことはざらですね。これはまあ航空の秩序の面から言ってみて非常に問題があると思うんです。
 さてそこで、外国の航空会社が日本にダンピング運賃で輸送をしている、われわれはそれを問題にするわけですが、たとえば、ヨーロッパに行ってみますと、日本の航空会社の運賃というのは安過ぎるというふうにヨーロッパでこれまた指摘されている事実があるわけですね。これは御存じでしょうか。
#60
○説明員(仲田豊一郎君) 外国の会社が一部のマーケットで秩序を乱しているという話は聞いておりますが、私どもは日本航空がそのようなことをやっているという話はいままで伺っておりません。
#61
○穐山篤君 まあその点は後でもう一遍確認をしますが、さてそこで、認可料金と実勢の料金の間に非常に乖離がある、お互いにそこは認め合ったわけですね。遺憾であるのでこれはまあ直すということも確認をされたわけですが、さて、法律上、こういう料金の違反があった場合に、罰則があるわけですね。罰則があるわけですが、現在の罰則でいきますとまあ五万円でよろしいと。五万円払えば難を免れるといいますか、そういうことがある。で、まあ再犯、再々犯を犯しましても、それについて特別の厳しい規制というものも法的には明示をされていないで、かつて航空局長から昭和五十一年九月の十日に認可運賃違反についての警告、こういうものが出て、逐次、旅行業界なりに適正化に関する協力依頼が出ているわけですね。その後、私が指摘をしましたように、IATAに加盟の航空会社の運賃もそうでありますが、IATAに入っていない航空会社の料金についても大変なダンピングがまだまだ継続をしている。
 そこで問題は、認可料金と実勢料金を、たとえば認可料金を下げるなら下げる、実勢に近いものに適切に下げる一まあ下げるという言い方がいいかどうかわかりませんが、適正にするということを明示をして、ダンピングを防止するためには、まず基本になるその料金認可のところできちっとして、後ダンピングをしている場合に厳しく罰すると、こういう方法をとらなければ、第百五条にいたしましても、あるいは百二十九条の二にいたしましても、ほとんど死文化してしまう、法律上ていをなしていないということになると思います。その点についての見直しは大臣いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(小坂徳三郎君) たてまえがいささか緩んでおるという御指摘だと思いますが、そういう事実も私は具体的に二、三聞いて知っております。それでわれわれの方の対応といたしましては、日本国際航空運送秩序確立委員会というものを、日本に乗り入れておる各社との間でそうした委員会が設立されておりますので、この委員会の活動を大いにわれわれも支援しながら、不当なダンピングの行われないような方向を誘導してまいりたいというふうに考えておるわけです。また、この認可料金そのものはやはり日本航空を、日本の航空会社を育成するという意味も裏にはもちろんあるわけでございますので、そうした意味から、その実勢価格との間の乖離が非常に激しいということで、たてまえを変えることはいま考えられないわけでございますが、なお御指摘の点もよく踏まえまして、今後の運賃政策に十分対応してまいりたいというふうに考えます。
#63
○穐山篤君 航空運賃というのは旅行業者そのものが値段を決める立場にはないんですよね、率直に申し上げて。どちらかといいますと、国際的に見ましても、航空会社そのものが航空会社の経営その他を考えて、一定の情報を流してダンピングを行う。これは当然だと思う。当然といいますか、そういう成り行きだと私は考えるわけですね。この昭和五十一年九月十日に出されております空監第五百八十一号というものは、航空会社そのものに触れていないんです。これは手続の上では触れようがないから触れていないと思うんですが、認識としては主体であります航空会社自身に問題あり、こういうふうに見ますか、その点どうでしょう。
#64
○説明員(仲田豊一郎君) 御指摘のとおり、その安売りの原因の中でいろいろな要因がありますが、航空会社が全くこれに対して責任がないというようなことではないと思います。大いに航空会社のサイドからもこれを是正する努力ができるし、またそれなりの効果もあるかと思っております。
#65
○穐山篤君 航空代理店というのは、あれは届け出だけでいいんですね。いま私と担当の航空局長とのやり取りの中でおわかりのとおり、そういうダンピングの要素が幾つか介在をしているわけですね。そうなりますと、これから少しでも航空運賃の秩序を確立するためにも、航空代理店の部分も少しメスを入れませんと、届け出だけではどうも防止をするには十分でない、こういうふうに考えますが、この点についての何かお考え方はありましょうか。
#66
○説明員(仲田豊一郎君) 航空代理店はあくまでも航空会社の代理人としての行為をやっているわけでございまして、これの何と申しますか、行動についてのひとつの縛りと申しますか、指導というのは、かなりの部分が航空会社を通じて可能であろうかと思っております。また、ダンピングそのものが航空会社、航空代理店という方向をとられると同時に、またお客さんを集め、商品をつくって売るという面からもやはり考えなくてはいけないと思いますので、やはり両面からこれを追跡していかなければ効果がないんじゃないかと思っております。
#67
○穐山篤君 航空認可運賃実勢の問題について私は完全に了解ができたというふうに思いません。この部分についてはなお引き続き解明をして、ダンピングの防止について十分取り扱いを決めなきゃならぬ、こういうふうに思います。
 さて、その次の問題ですが、例の外国旅行、主として外国旅行になりますが、無届けの航空代理店、もぐり業者という問題について衆議院でも議論になりました。簡単に言いますと、最終的に航空局と観光部の間で相談をして、取り締まり、規制、監督についてはしっかりした対策を立てますと、こういう回答になっているわけです。もうすでに御相談はされていると思いますが、結論はどうでしょうか。
#68
○政府委員(西村康雄君) 先般衆議院でこの問題について御指摘がありまして、私どもこの問題につきましてそれぞれ航空運送代理店の問題、そしてまた実際に航空運送代理店を兼ねている旅行業の問題として実際の問題を対処していくわけでございますが、これにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、一つは日本国際航空運送秩序確立委員会を通じまして、まず航空券の安売りの規制というもの、自粛というものを航空会社を通じて強く指導していくということ、これがまず基本でございます。そしてまた、私ども旅行業法のサイドからは、もぐり業者というものが実際にいるという事実、これを無視できないわけでございますので、これにつきましては、私ども正直なところ、実際の能力不足で十分な取り締まりが今日まで行われることができなかったわけでございますが、もぐり業者というのが航空の安売りをやるという事実につきましては、もぐり業者の取り締まりということを通じましてこの問題を対処していきたいということで、今後実際の業務の十分整理をし、行政の力を十分出しましてこの問題に対処していきたいというように考えております。
#69
○穐山篤君 私の聞いたのは、航空局と観光部で相談をする、こうなっていたわけですね。相談をされて、結論としてこういうふうにいたしますということになったかどうかを聞いているわけです。感想を聞いているわけじゃないんです。
#70
○政府委員(西村康雄君) いまの形が航空局と私どもの今後の行き方、当面の行き方の態度を話し合った結果でございます。
#71
○穐山篤君 そこで、おととしの旅行業者の実績は、五十五年度は三百九十一万とこうなって、五十六年度の推計で四百万台に乗った、こういうふうに数字では言われているわけですが、このほかにもぐり業者が取り扱ったものがどのくらいの人員であるかということはおわかりになりますか。おおむねの見当で結構です。
#72
○政府委員(西村康雄君) ただいまお話しの数字は、日本からの出国した旅行者の数でございますので、もぐりかどうかを含めまして、正規のものと合わせましての数でございまして、もぐりでどのような数が出たということについては承知しておりません。
#73
○穐山篤君 この航空代理店につきましては、私先ほども言いましたように、届け出制になっているわけですね。ごく制度上単純な手法でやられているわけです。これが登録とか認可ということになりますとかなり厳しい制約を受けるわけですが、届け出制になっておりますので、その余地を残しているわけですね。もぐりの余地を最初から残しているわけです。これは明らかに航空法違反だというふうに私どもは思うわけですけれども、もぐりの業者が取り扱った場合の消費者の保護、こういうのを法的にどういうふうに成立をさせようとするんですか。もぐりの業者が取り扱った旅行で、なおかつ災害とか、不慮の事故だとか、そういう問題が起きた場合にはどういう法的な措置になるんでしょうかね。
#74
○政府委員(西村康雄君) いまお話しのもぐり業者が扱った場合でございますが、これにはやはりケースを二つ分けて考えなきゃならない。一つは航空運送代理店として、あるいは届け出をしないもぐりの航空運送代理店として、航空券を売った、その航空券を利用した結果、いろいろな事故が生じた、あるいはその航空券を利用できなかった、そういうような事故があるかと思います。この場合には、あくまでも一つは航空運送代理店としての届け出をしていないというような航空法の問題があろうかと思いますが、その事故に関します責任は、一般的な航空運送券の販売の法律責任としてこれは私法上考えるべきことになりますが、それがみずから航空運送人ではなく、単なる切符を売ったという地位でありますと、これはもともと航空運送が現実になされれば航空運送人の責任になりますし、航空運送代理店として切符を扱っただけであれば、それは手配者の責任ということにすぎないと思います。そして旅行業者の場合でございますと、これはもぐりの旅行業としてそのほかにホテルなり何なりをセットしてやったとなりますと、まさにもぐりの旅行業として問題になるわけで、公法上は無登録営業ということに相なるわけでございます。そしてやはりそのために事故が起きた、航空運送の点で事故が起きた、あるいはホテルについて事故が生じたと言えば、これはやはり手配ということで行っているのであれば、手配自身についてのミスが、過失がなければ、それぞれの航空運送人あるいはホテルの側の不法行為あるいは債務不履行として問題が出てくるということでございます。
#75
○穐山篤君 幾つかのケースがあるわけですね。最初からもぐりの航空代理店ということも言い方としてはおかしいんですが、もぐりが一つある。それが航空券を手配をする、手配といいますか取り扱う。それからなお、そのもぐりの業者がホテルまで全部セットする。これは明らかに全体が違法ですね、違法になります。それから、航空代理店が航空券の取り扱いだけを行うならばこれは問題ないんですが、ホテルの予約、手配その他を含めてセットをするということになりますとこれは薬法上違反になる。幾くつかケースがたくさんあるわけですね。
 そこで、そういうこともできるだけ防止をする意味では、観光部としても考えなければなりませんし、航空局としても、この際単に届け出でなくて、もう一ランク上の登録とか認可とか承認とか、何かそういう方法をこの際検討することも私はいいんじゃないかと思う。明らかに違法行為がばっこしているわけですから、それを十分に規制をする意味でこの際見直しをする、この必要があると私は考えますが、その点はどうでしょうか。両方からお答えをいただきたい。
#76
○説明員(仲田豊一郎君) 違法営業があるようでございますが、それが無届けで航空代理店をやっていたかどうかという問題、また、無登録で取扱業の方をやっていた者、二つあると思いますので、その辺は実態に応じて担当局と相談をさせていただいて適切な措置をとりたいと思っております。
#77
○政府委員(西村康雄君) 旅行業につきましては、先ほど申しましたように、すでに登録制度をとっておりまして、これについては無登録業者の取り締まりということをこれから強化していくわけでございますが、航空運送の代理だけを行っているものにつきましては、この法制につきましてはどのように対処するのが一番効果的か、航空局の今後の検討にまちたいと思います。
#78
○穐山篤君 最近、日本に外国の旅行者がたくさん来るわけです。なかんずく東南アジアから日本に、観光あるいは商品の購入その他を含めて大分激増をしているわけですが、この中で、正規のルートを通して公明正大に入ってくるのもありますが、そうでないものも大分あるやに聞いています。その点、観光部の方でも、あるいは航空局の方でも、実態をどういうふうに掌握をされているか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#79
○政府委員(西村康雄君) 海外からの旅行者の日本への入国につきましては、海外でどのような旅行契約をやっているか、これは海外の各国の問題でございます。これらの旅行者が日本に入国するにつきましては、入国その他の手続をとって入ってくるわけでございますので、入国そのものについてはもぐりということはないと考えておりますが、あと実際に懸念されますのは、それらの方々が日本の国内を旅行するのに、いろんな意味で日本の秩序に反していることを行っていないかどうかというようなことかと思いますが、それについては現実に大きなトラブルなり何なり出ませんと、なかなかそういう実態について私どもが触れることが少ないわけでございますので、その点については必ずしも十分な情報を得てはおりません。
#80
○穐山篤君 まあ情報を得ていないことはないと思いますが、東南アジアから日本に来る。成田なり大阪国際空港ではそれなりに出てきますね。日本の国内の受け入れ体制が、もぐりの業者がやっているのもありますね。それから無免許といいますか、ガイドについてもそういうのをしばしば見受けますね。
 それから、私はよく国会の周りで青ナンバー、白ナンバーの観光バスを点検をして歩いたことがあるわけですが、この観光バスにつきましても、白ナンバーのバスが大分横行している実態があるわけですね。そういうことは御存じだと思いますが、どうでしょう。
#81
○政府委員(西村康雄君) まず旅行業者が扱っている面でございますが、まず、ほとんどの海外から入ってくる、特に東南アジアから入ってくる人たちの取り扱いにつきましては、海外の旅行業者が旅行者と契約をして入国してまいります。したがいまして、これを受けて日本の旅行業者が行っておりますのは手配でございます。国内でのいろいろな旅行の手配でございますので、これにつきましてはもぐりという問題が生じません。私どもいま旅行業法が規制しておりますのは、旅行者と直接契約をする者としての旅行業者でございますので、そういう意味では、海外の旅行業者の下請をするものにつきましてはもぐりかもぐりでないかというような余地が実は生じないわけでございます。
#82
○説明員(大久保一男君) 残念ながら、白バスによります貸し切りバス経営類似行為というのは近年少なからず発生しておりまして、輸送秩序の維持あるいは安全確保の観点から見逃すことのできない問題であると受けとめております。
#83
○穐山篤君 そうしますと、正規の旅行業者と契約をして、そしてあとは日本の場合には手配だけであると。しかし、手配だけであったにしてみても、白バスを使う、あるいは無免許のガイドを使うということは法的には許されていないはずですね。その点どうでしょう。
#84
○政府委員(西村康雄君) 先ほど申し上げましたように、その国内での手配の行為は旅行業法における規制の対象ではございませんので、それらの白バスを使うあるいは無免許のガイドを使うという行為自身につきましては、白バスの提供についての実際の補助というものが成立するかどうか、あるいは無免許ガイドの幇助が成立するかどうかというような面で違法の問題が生ずるかと思います。
#85
○穐山篤君 この点について最後に大臣の決意を聞いておきたいんですが、日本に大いに観光に来てもらうということは政策上必要でありますが、ただ秩序を乱してもらうということはこれは健全な旅行の立場から言ってみてよくないと思うんです。そこで、たとえばガイドの場合でも、英語、フランス語あるいはスペイン語というふうなものについてはわりあいに国内で優秀なガイドがいるわけです。しかし、東南アジアにつきましていいますといろんな言葉がたくさんあるわけですね。したがって、日本で免許を受けたガイドさんというのはわりあいに少ないわけです。そのためにごく手軽に無免許のガイドを使う、こういう余地が現実にあるわけですが、そういうことを全般的にこの際きちっとしないとうまくない、こんなふうに思います。そこで、この外国旅行にかかわるもぐり業荷あるいはもぐりにかかわる諸問題についてこれからどうしていくかということを、最終的にひとつ大臣の決意を、考え方を伺っておきたいと思うんです。
#86
○国務大臣(小坂徳三郎君) 今回の法案に関連して、ただいま委員からきわめて現実的ないろいろな御質問並びに御指示をいただいたわけでありますが、いずれもきわめて日本の国際観光にとりましても重要なことであるとともに、おっしゃるとおり、やはりこの国際観光が増大することは望ましいのでありますが、そのことによって日本の国内のいろいろな秩序が乱されることはまたこれ大いに警戒しなければならぬ二面性のあることをよく踏まえまして、今後ともいろいろな御指摘に対して誠意を持って検討し、また違反があるならばこれに対して十分な厳正な態度をもって臨みたいというふうに考えております。
#87
○穐山篤君 ただいまも触れましたけれども、それから冒頭にも申し上げました。冒頭で私は通訳案内薬法を見直した方がいいなと、こういうことを申し上げたわけですが、最近旅行が非常に多様化、多種化しておりまして、やはり東南アジア向きの通訳案内業というものもこの際積極的に取り上げる必要があるだろう、こういうふうに思います。
 そこで二つ、三つお伺いしますが、現在、ガイドの方々の賃金、労働条件というものを調べてみますと、必ずしも優遇をされているというふうには見え狂いと思うんですね。たとえば通訳案内業の試験に合格しますと、若い人は商社がすぐ引っ張ってしまうという問題がある。条件が合わないでガイドでいきたいという方々の年齢を調べてみますと、最近四十代、五十代が非常にふえてきた。年間の年収を見ましても最高五百万円、これは働く日数によっても違うわけですけれども、平均して三百万から四百万円ぐらいの年収にしかならない。非常に待遇の上で悪いという特徴がございます。これをどういうふうに改善をしていくかということも日本の旅行業界にとりましては非常に必要なことだろうというふうに思います。
 それからもう一つは、通訳案内業法の中にあります国家試験のあり方の問題ですね。これも旅行の多様化に伴ってこの際見直しをする方がよかろう、こういうように考えますが、その点いかがでしょう。
#88
○政府委員(西村康雄君) ガイドの待遇の点でございますが、いまお話ございましたように、ガイドという職業を選ぶにつきまして非常な御苦労があるわけでございますが、そのような意味での厳しい試験を通ってなられたガイドを遇するにふさわしい待遇かという点につきましては、私どもも現状決して十分だと思っておりません。この点につきましては、しかしじゃどういうふうにすればガイドの待遇がよくなるかということでございます。が、なかなかむずかしい点がございます。先ほど先生からお話がありましたように、ガイド試験を通りました者の中で実際にガイドになる者はそう数は多くない。その実態は、実はガイドの国家試験というのが、語学の国の試験としまして最高のむずかしさの試験でございますので、外国語の実力を試そうという者がこれを受けるということもございます。そういった点も一方にあると同時に、実際またガイドになられた方もいろんな形でガイドの仕事をする。もっぱらガイドを専業にする方もございますし、一方で他の職業をしながらあるいは家庭にありながらいわばアルバイト的にガイドをするということで、供給サイドでも非常に多様でございます。また、需要サイドもいろいろな波動の多い仕事でもございます。そういう点でなかなか需給のバランスというのはむずかしい。またガイドというのは、一人一人が個性ある仕事をするという点から、非常にこの市場全体としますと買い手市場にならざるを得ないというような問題がありますので、これはもちろん通訳案内業法自身の問題としても考えると同時に、現実の制度の中でもどういうふうにすればガイドの待遇というのはよくなるか、これは本当に考えていかなければならないことだと思っていろいろ考えておりますが、なかなかいい方策というのが実際に出てこないというのが現状でございます。
 それからまた、国家試験の問題でございますが、先ほどいろいろなお話がありましたように、国家試験の点につきましてはこれは国が現在直接行っておりますが、現在行っておりますがイドの試験の話学の種類というのは八カ国語でございます。したがいまして、先ほどお話がありました東南アジアから来るような、非常に最近は各国から来訪される方が多いわけでございますが、それらの国の方々の需要に応ずるようなガイドというものが供給できない。あるいは、すでにある中国語につきましても、実際に中国語の試験を受ける方の数が少ないという点、そういった面でまだまだ不足する点がございます。ただ、これらの話学につきまして、直ちに――需給の問題でございますので、このような試験を受ける方が多くないと何しろガイドの供給はできないわけでございますので、私どもとしては新しい外国語につきましてはまずその試験の種類をふやすということを少しずつ試みていかなきゃいけないだろうと。どのような言葉についてやるか。これについては、実のところを申しますと予算の面も制約もございますし、また現実に試験官になる人の点でも制約がございます。そういった点でなかなか需要に応ずるようなガイド試験というのはできないのが現状でございますが、こういう点も今後十分に研究しなければならない点だと思っております。
#89
○穐山篤君 じゃいまの点は制度の面でも運用上の面でも検討の要ありと、こういうふうに確認をして、今後の作業にまちたいと思うんです。
 さて、時間が非常に短くなりましたので簡単に申し上げますが、いうところの主催旅行を行う場合に添乗員を添乗させる。それは原則を言いますと、旅行を主催したところがそこの従業員であります添乗員を添乗させる、これが私は原則だろうと思いますが、その点いかがでしょうか。
#90
○政府委員(西村康雄君) いまお話しのように、今回の法律改正では、主催旅行につきまして旅程管理業務というものを特に明記しまして、これを的確にするように措置を義務づけたわけでございます。これに伴いまして、その旅程管理を現実に旅行の先で行う者として添乗員を位置づけたわけでございますので、これは旅行業者の固有の業務でございます。いま先生がおっしゃったように、したがいまして添乗員は当該社員が行うのが通常でございます。
 ただ現実には、海外で自分の会社の添乗員がすべて旅程を管理するということがかえって現実的でない、海外の事情については海外の実際のホテルなりあるいは旅行を手配した向こうの業者が、いわゆるランドと呼ばれておる業者がおります。そのような業者が実際の添乗業務を行った方がべターだということもあります。また、海外の日本側の営業所の職員が現実に向こうで添乗と同じことをやるということが合理的な場合もございます。そしてまた、日本から添乗員を送る場合でも、日本のいろいろな需給のバランス等で、外部から添乗員を仰ぎましてそしてその人たちに添乗の業務を任せるというような例もあるわけでございます。
#91
○穐山篤君 抽象的には私もそういうことがあり得るというふうに思いますが、基準はどういう形で設定をすることになりますか。あるいは、基準を設定した場合にそれはどういう、たとえば政令とか、省令とか、あるいはその他の方法で明示をするのかしないのか、その点いかがですか。
#92
○政府委員(西村康雄君) 今回の法律では、旅程管理を行うための措置を省令で決めることに相なるわけでございます。その一環として添乗員の配置を規定するということになります。したがいまして、その反対に、こういう場合には日本からの添乗員はつけなくていいということを省令で規定していくことになるわけでございます。そのような形で日本から添乗員をつけない場合には、先ほど申しましたように、現地での職員がこれを受けるとか、あるいは現地での手配業者がこれに代行して行うとか、あるいは非常に簡単な旅行でございましたら要所要所だけその旅程管理をチェックするとか、そういうようなことを省令で決めていく予定でございます。
#93
○穐山篤君 その場合は、国際、国内いずれも主催旅行について明示をすると、こういうふうに理解をしていいんですか。
#94
○政府委員(西村康雄君) 国際、国内それぞれの事情に応じまして明確に規定していきたいと思っております。
#95
○穐山篤君 さて、衆議院の運輸委員会で当薬法の審議の際に、添乗員の供給事業の経営形態の問題について大分質問があったわけでして、最終的に、請負という概念になじむかどうか調査をしたい、こういうことになっているわけですが、労働省として検討をされたかどうか、あるいはされた上で運輸省と具体的な相談を行っているかどうか、その点いかがでしょうか。
#96
○説明員(田代裕君) ただいま先生お話しのように、衆議院の段階におきましてこの添乗員のいわゆる派遣形態の問題といたしまして、これが現行の職業安定法に触れるのではないかという御指摘がございました。私ども残念ながら、御指摘前にはその事実等については十分承知をしておりませんでございましたので、直ちに調査を開始いたしました。現在まだ精密な調査の最中でございますので、最終的な結論を申し上げる段階ではございませんけれども、この案件につきましては、一つは主催旅行を行われるいわゆる旅行業者と、それからその添乗員を派遣される会社との間に一定の契約は結ばれて行われている。その契約内容は、いわば業務の請負という内容をもって一応形式上つくられているわけでございますけれども、個々の内容につきまして問題があるというふうな判断がございますので、現在その点について詳しい内容を調べているわけでございます。特に労基法事案につきましては、単に形式的な契約ということでなくて、実態がどうであるのか、特に添乗員が行う業務というものが請負というものの全体になじむ内容になっているかどうか、これが一番の問題でございますので、その点目下鋭意検討を進めている最中でございます。
#97
○穐山篤君 時間があれば具体的なことを私も披瀝をして、当局側からの見解も聞きますが、時間がありません。そこで、少なくともこの業法の成立までの間に、ここの部分について明確にまず当局側の調査を明らかにしてもらう、その結論を当委員会で明らかにしてもらう。そうしませんと、率直に申し上げてここの部分、まあ業界の中でも、あるいは今回の業法をつくり上げる上でも問題を残したままで業法を改正してしまうというのは、私は問題があると思う。そこで、中身は言いませんが、結論として、この業法の審議が完結するまでの間にその情報を提供してもらってその取り扱いを決める、こういうことで大臣、いかがですか。
#98
○政府委員(西村康雄君) ただいまの労働省からの御見解を私どももぜひお伺いして、この法施行までにこの体制を明らかにしていくことが必要だと考えております。
#99
○穐山篤君 私の時間が参りましたが、いまの点、大臣、おわかりのとおり、添乗員の供給といいますか、派遣といいますか、そういう問題について、今回の法律改正を行うに当たってすべて問題の処理をする、こういうふうにいま観光部長は答弁をされたわけですが、このことを含めて大臣の御答弁をいただいて終わりたいと思うのです。
#100
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま観光部長から御答弁申し上げたとおりに運びたいというふうに考えます。
#101
○委員長(桑名義治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四分開会
#102
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#103
○黒柳明君 午前中いろいろ総括的にお話を承りましたので、なるたけダブらないようにと思います。
 また主催旅行ですけれども、これを実施する者の営業保証金を今度は、充実強化するんですか、この改正案。これは結局具体的にどんな内容、どういうことなのか、ひとつ御説明願えますか。
#104
○政府委員(西村康雄君) このたびの改正案の一つの大きな項目が主催旅行に関してのことでございます。今度の改正案では、主催旅行をやる旅行業者につきましては、主催旅行をするかどうかの別をまず登録させるということがございます。そして、この主催旅行をする場合にはさらに営業保証金を積むということを、これは通常手配旅行だけをやります場合より多額の営業保証金を積むということを制度化しようということでございます。
 このような営業保証金に関する制度をつくろうとする背景でございますが、最近の旅行の普及は大変著しいのですが、この旅行、特に団体旅行の過半数は主催旅行という旅行形態で行われております。主催旅行の特色と申しますと、一つは主催旅行の性格に従いましてあらかじめ旅行業者が手配をする、これはホテルなり交通機関なりそういうのを一定の見込みで手配をするわけでございますので、そのための手配の代金をあらかじめ前金で打つということ、そしてさらには募集をするための募集費用、これは新聞広告なりパンフレットをつくるなりいろいろほかの営業所に頼むなり、いろんな募集費用がかかります。こういった点でかなり大がかりにあらかじめやるわけですが、その見込みが外れますと大変な損をする、こういう投機性があるわけでございます。それが第一。
 そして、このために旅行業者は実際には不特定多数のお客さんを集めるものですから、お客さんからあらかじめ旅行費用全額を前受けするということでございますので、旅行をやります前にかなり多くの額の金を預かるという実態がございます。そして主催旅行を同時に何本もやるということになりますと、そこの集められる金額は相当な額になるわけでございます。
 このような投機性のある旅行、主催旅行が、最近のように特に景気が悪くなってまいりますと、ますます投機で自分の経営の沈滞を回復しようということに走りがちでございます。昨年の暮れにたとえばジャンボセブンというような会社が倒産いたしました。そのときに、お客様から預かった前受け金が一億数千万円ございました。これが全部焦げつきということになりまして、旅行はもちろんできない。この迷惑を受けた旅行者は六百人以上に上っております。
 こういった主催旅行の危険性ということを考えますと、何らかの担保をしておかなきゃいけないということになりますが、旅行業法では、あらかじめ旅行業者の債務を担保するために営業保証金制度というのを設けております。営業保証金制度によります額は、従来一般旅行業につきましては主たる事務所につき六百万円、従たる事務所一カ所につき三十万円ずつ営業保証金を積み立てるということになっております。また、国内旅行業者は主たる事務所について二百十万円という金額を積み立てることになっておるわけですが、このような旅行業者の営業保証金だけでは、今日のように大がかりな主催旅行をやる場合には、一たん事があった場合にはとても貯えないという事態が生ずるわけでございます。そういうことで、今回は少なくとも主催旅行をする者については営業保証金の額を引き上げて、お客様の万が一のときの補償に備えるということにしなければいけないということで、今回の改正案では、一般旅行業につきましては、法施行時に一応二千五百万円という額、それから二年後には五千万円にするということを目途にしております。また、国内旅行業につきましては、主催旅行をする者について、主たる事務所についてその金額五百万円、これは法施行時でございます。それから二年後には一千万円にするということで、段階的にその金額を上げて、少しでも旅客の保護ということに備えたいということで、もちろんこの金額は決して旅行者のためにとって十分な金額とは言えませんが、現実の旅行業者の負担という点から言いますと、この程度のものが現状では限度かということでこのようなことにさせていただこうと思っております。
#105
○黒柳明君 万が一の場合にこの保証金が還付されると。還付されるとすると、この改正案を見ますと、ホテル等と旅行者と同等というようなことなんですが、これは旅行者の方にウエートを重くするなんというような考えはないんですか。
#106
○政府委員(西村康雄君) このたびの営業保証金の制度を議論しました場合に、いま先生からお話がありましたような制度の改正について意見が出たわけでございます。営業保証金制度というのを一つの事業をやっていくのに取っている場合、これは業者相互間の取引でございましたら、一方の業者は保証金を積むということを法律上強制するような制度はなかなかこれはないわけで、やはり一般消費者の保護ということが念頭にあるために、このような営業保証金制度というものが設けられている大きな理由があろうかと思っております。
 ただ、旅行業法につきましては、その制定当時の経緯から申しましても、今日に至るまで、旅行業者と取引のある者全部についてこの営業保証金を旅行業者の取引の担保にするという制度で来たわけでございます。これが旅行者の保護に欠けないかという点の疑問が出てくるわけですが、今日旅行業者がここまで発展してまいりました一つの支えといたしましては、やはり旅館等との取引の場合に、旅行業者は御承知のように非常に零細でございます。その零細な旅行業者と取引をすることを旅館側があえてするのは、旅行業者側に営業保証金という備えがあるために、まあある程度信用が少なくても、旅館側が旅行業者と取引をするということが可能になってきたわけでございます。
 そういう点の経緯もありますので、なかなかいますぐに旅行業者の営業保証金について、旅行者のためだけというふうには踏み切れない事情がございます。そこで、このたびの改正に当たりましては、旅行業者サイドで本当に旅館側が安心できるような取引の形を十分に工夫しようと、できるだけ早くそういった点を工夫して、その上で旅行者のための営業保証金制度に持っていくということを、その法律制度の検討に当たりました関係者一同の合意として、そういったことの方向づけを確認いたしております。
#107
○黒柳明君 旅程管理に関する規定が主催旅行だけに課せられていますね、手配旅行にはない。これはどういうことなんですか。
#108
○政府委員(西村康雄君) 主催旅行と手配旅行というのは、今回の法律で初めて区分が明確にされてきたわけですが、契約上にこれはかなり法律上の性質が違う。主催旅行の方は、旅行業者があらかじめ計画を立て、そして旅行者との相談でなく、こういうことで旅行をやるよということをあらかじめ決めて提示して、そして旅行をさせることを引き受けているわけでございます。そういった点では、旅行業者側に最初の提示した計画どおり旅行を遂行するという当然責任が強く出てくるわけでございます。
 今回の旅程管理業務というのは、そういう意味での旅行業者側の責任を合うさせるために、実際の旅程管理――旅行というのは非常に不確定なものでございます。いろいろと未知の部分が多いものでございますので、実際の旅行を遂行するに当たっては、ずうっと旅行を現実に管理していく必要がある、そして最初の約束どおり旅行をさせるということが必要になってくるわけで、これを添乗員その他、そういった公法上の制度で確実にさせようということを配慮したわけでございます。
 なお、手配旅行についてはこのような意味での義務というのはなく、それは旅行者側から依頼されたところに従って手配をすれば足りるということでございます。ただもちろん、旅行者側が特に、その依頼した手配についていろいろと不確定な要素があるから、その場合にはしかるべき対応をせよというような依頼があれば、その契約の趣旨に従って旅程管理をするということは生じてくるわけでございます。
#109
○黒柳明君 そうすると、その内容はどんなものなのか。それから添乗員の研修、これはどういうふうになっていくのか。
#110
○政府委員(西村康雄君) 旅程管理ということは、先ほど申しましたような旅行の計画を最初のとおり遂行するということでございますので、まず最初に、最初の旅行の計画がうまく手配されているかどうかということをチェックすること、それから第二に、旅行を遂行していくときに、旅行サービスを提供する機関からいろいろなサービスが旅行者に提供されるわけですが、その提供を確実に旅術者との間でつないでやる、つまり受領について協力するということ、第三番目が、予定どおりいかない場合に、最初の目的に従った旅程をできるだけ遂行するように手配をし直すということ、第四に、主催旅行は団体でございますので、この団体をまとめて旅行をさせる、こういうことが旅程管理の内容になるわけでございます。
#111
○黒柳明君 添乗員の研修は。
#112
○政府委員(西村康雄君) 失礼しました。
 添乗員につきましては、現在まで旅行業協会が添乗員研修をやってきておりますが、今後とも、この法律が施行されますと添乗員につきましては一定の研修を必要とすることになりますので、そのために旅行業協会に積極的、組織的に添乗者のための旅行研修、旅行業務の研修ということをさせるということを予定しております。
#113
○黒柳明君 いわゆる不健全旅行、買春旅行、こういうものが一つの法改正の口火になったわけですけれども、今回の改正の中には、旅行地に施行されている法令一般、こういうようなことが明示されておりますが、これはどういう理由なんですか。
#114
○政府委員(西村康雄君) 旅行業法で、今回、買春ツアー等も含めまして不健全旅行の対策というのを考えたわけでございますが、そのときに、特定の事項を示さないで旅行地における法令に違反する行為というような形で取り上げましたのは、やはり旅行業者というものがお客さんを連れて旅行をするというときに必要とされますのは、相手国の秩序に従って平穏に旅行をするということが一番重要なことでございます。それによりまして、旅客の保護も図られますし、また今後旅行業者が旅行者を連れてその国へ行くこともできますし、また、その他の日本国民がその国へ旅行するということも可能になるわけで、やはりその国の法令に従って、秩序をもって旅行をするということが一番望まれるわけで、そういう点では、売春のみならず、その他の法令についてもやはり遵守させることが必要だ、そういう趣旨で旅行地における法令とさせていただいたわけでございます。
#115
○黒柳明君 売春のほかにも現地の法令一般を遵守する。たとえばそうするとギャンブル。ギャンブルなんかに連れてって、負けりゃいいですけれども、勝って今度は外為法違反でつかまったというケースになった場合には、これどうなりますかな。売春というのは同じ目的でこうやるのでこれはあれですけれども、ギャンブルの場合には、同じ目的でやっても今度は結果が違いますな。売春の場合も若干結果が違うのかわからないけれども、ギャンブルは、負ければいいですけれども勝った場合ね、それを持ち込んだというような可能性も今後は出てくると。これとの関係はどうなりますかね、そうなると。そうすると、そういうところはやっぱり不健全だから、現地の法令一般に抵触するから、そうすると、そういうところへも連れていっちゃいけないということになると、今度は現地は公認賭博場ですからね。そういう関係はどういうふうにお考えですか。
#116
○政府委員(西村康雄君) 旅行地の法令に違反するかどうかということでございますので、いまお話しのような公認賭博場へ案内するということはこれはむしろ旅行地の風土に合った行動でございますので、それは許されると。
#117
○黒柳明君 だからその結果ですよ、勝った場合、それを持ってきちゃったと。
#118
○政府委員(西村康雄君) しかし、勝ち負けにつきましては、これは日本へ入ってくるときの問題でございますので、旅行地の法令の違反ということではございませんし、またその持ち込み自身は各人がおやりになるんで、旅行業者が関与することではございませんので、旅行業法の問題外とわれわれは考えております。
#119
○黒柳明君 だってそういうところもやっぱり考えないと、それは確かに現地の法律じゃない。持ってくるときでしょう。ですけれども、結局旅行業者がそこに案内したということを因にしてやっぱり結果が出るじゃないですか。そうすると、必ずしも現地の法令一般には抵触しなくたって、外為法違反ということでやっぱり国内法との接点になるわけですよ、それは。そうすると、連れていくことの不健全さというものはその時点ではないわけですな、公認賭博場ですから。だけれども、連れていかなければ――個々のケースですとこれは完全に旅行業者は関係ないわけですからね。どこで買春しようと、不健全なことをやろうとこれは関係ないわけですけれども、やっぱりグループでまとまって、そこの接点に旅行業者、運輸省の少なくとも行政指導の中に入るものが仲介に立ったということ、それについてのやっぱり不健全性をなくすわけでしょう。そうなった場合に、それを因として結果が出る可能性があるし、現にそういうケースはあるわけでしょう。これは税関で一々そこまで日本の場合はチェックしませんな。チェックしないからこれは出ないんですよ。こんなもうけたときだけぽこっと出ますけれどもね。ですけれども、やっぱりそれはそういうところも考えられるんじゃないですか。業者が連れていったことを因にして、国内法との接点においてそういうものが不健全である。不健全どころじゃないですな、これは。法違反ですな。こういうことが結果的に出る可能性もあると。そうなると、やっぱり不健全なものについて排除するということについて、連れていったことは不健全じゃないと、これはもう現地としては結構なことであるということだけれども、その延長線の最後のところは、不健全どころかもう法に抵触するという結果も出すという行動を業者がやるという可能性まで出てくるかもわからない。まあそこまで考えていませんでしたか。これから考える。
#120
○政府委員(西村康雄君) お話しのような事例もあるいは生ずるかもしれませんが、海外へ行きまして、皆さん楽しみのショッピングをする。その場合も非常に大量にお買い込みになる。買うこと自身は非常に結構なことであります。今日の場合ですと、外貨を使うこともまた褒められることかもしれませんけれども、しかしその結果、日本へ持って帰りますときにその多額に買った物を申告なさらないということであればこれはやはり脱税になるわけであります。そういうことも因果関係があると言えば因果関係があるわけですが、そのことが、海外でショッピングをしたことが必ず脱税をするということにはならないわけで、つまり相当因果関係はないわけでございます。したがいまして、先ほどのように賭博で勝ったから必ず外為法違反をするわけでもないので、手続をちゃんとなさればそれはそれでいいわけでございますので、今回の旅行業法ではそこまで手が回りかねますので、ひとつ問題の外に置かしていただきたいと思います。
#121
○黒柳明君 これは大蔵との関係だと思いますけれども、要するに勝って帰ってそんなこと申告する人はいまだかつてゼロですよ、成田だって羽田だって。これは外に置かしてくれと言うんだから私は中に入れませんから。
 大臣、午前中もいろんなグローバルなもっと広い範囲でのあれがありましたけれども、やっぱり不健全な旅行をやめさすということが趣旨だと思うんです。これによって不健全なそういうものが完全に排除される、そうしなきゃならないと思うんですけれどもね。その一つに関連がある通訳案内業法、午前中も若干ありましたけれども、この問題がどうしても絡む。またほかの問題もあると思いますけれども、ただ、この法改正だけをやって全部国際観光がスムーズにいくというわけにいかないと思うんですよ。そういう立場でひとつ、ちょっとこの改正から若干離れますが、午前中も若干触れられましたけれども、通訳案内薬法、これについて、あるいはその法自体の問題じゃなくしましても、通訳、この問題について、もう国際人である大臣は通常どのようなお考えをお持ちですか。たとえば先般鈴木さんが行ったとき、ハリネズミとハツカネズミと間違えて通訳したために大きな問題になりましたですね。それからサイマルやなんかよくもう御存じのとおりのことですけれども、通訳案内業、通訳、この存在と申しますか、その働きと即しますか、これについて大臣、日ごろからどういうような受けとめ方、感触。国際観光にあるいはその発展、健全な進展についてこういうふうに考えているというような意見お持ちですか。
#122
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員御指摘のとおり、通訳は特にわれわれのように外国語のだめな者は全く必要でございます。ただ問題は、特に東南アジア方面で英語だけで通用しないところが大変多いのでございますが、先ほどの午前中の御審議でもいろいろと御指摘いただきましたが、そうした面においてのあらゆる各国語に対してもう少し通訳の幅を広げ、その能力のある人にこうした観光の事業のために活躍をしていただく道を開きたいなというふうに思っております。大変重要な点でございまして、今後検討さしていただきます。
#123
○黒柳明君 私も党の国際局長を十七年やっておりまして、いろんなそういう関係のつき合いが多いので通訳の方にいろいろお骨折りをいただく、そういうことに非常に関心を持たざるを得ない立場なんですけれども、ただいまの現法律のもとでそういう方々、これは需要供給のバランスがありますから一概にどうこうとは言えないんですけれども、やっぱり大臣がおっしゃったようないろんな道を開きたいという反面、非常にやっぱり、疎外視されている、と言うとちょっと極端かもわかりませんけれども、優遇はされていない。冷遇をされていると言ってもあるいはいいかと思うんですけれどもね。ということは、その一つはやっぱり公取との問題もあるのですけれども、使う身分と使われる身分と言っちゃ失礼かと思いますけれども、業者の言いなりにならなきゃならない。これも供給需要のバランスの中に起きてくる問題かと思います。要するに賃金が安いということ、それからもう一つ、もぐり業者、業者が今度は無資格、無免許通訳を使うと。私なんかもそう言われてみると自分でそんなことやったかなというような感じするんですけれども、必ずしも正式な免許を持っている人を使っているかと言いますと、自分も果たしてそうだったかなと。安直にそばにいる能力がある人をちょこっと使ったという例もたしかあるんですね。ですけれども、そういう例を野放しにすると何のための法治国家の現行法であるのか、こういうことにもなるんです。これは大臣の御答弁の範囲じゃないと思うんですけれども、今回の法改正と密接に関係がある分野なんですが、どうなんでしょうかね。非常に大臣はしかるべくいまの改正に、しかもふさわしい立場に立たれた経験をお持ちなわけですけれども、どうしてもこの通訳案内業法、これについて見直し、それから無資格、無免許業者、なかんずく無免許の通訳を使う者についての取り締まり、こんなこともあわせてやらないと、不健全旅行あるいは東南アジア方面に対してのさらに通訳の働く道を広げるというようなことも、これはもう実際にはそのとおりにならないんじゃないかと、こんな感じがしますが、総括的にいま言ったようなことについての御意見はどうですか。
#124
○政府委員(西村康雄君) 通訳案内業につきましては、いまお話をいただきましたように、私どもその業務の重要性については痛感しておりますし、本当にその国を紹介する仕事で、外国へ行ったときにだれでもそうでございますが、自分の歩くところについて詳しく知りたい、そして知ることがその国についての理解、親密度を増すことになりますので、正しい理解をしてもらうためにはどうしてもガイドというものが非常に必要な存在でございます。しかるに、御指摘のように、そのガイドに対する待遇というのは、現実にはお話しのように需給問題が大きなファクターなんでございますが、いろいろな苦労が多い割りには十分報われていないという感じを持っているのは私どもも同様でございます。
 それで、その点を一体通訳案内業法というような制度的な枠組みでどういうふうにできるのかという点については、大変むずかしい問題があろうかと思います。ガイドというものが、一つは供給側から見ますと、雇用形態が、専属ガイドというので各社に一応契約をして常時ガイドに応ずるような態勢をとっている人、もっと強く会社内の社員としてガイドをもっぱらやるような態勢にある人、それから、そうでなくてそのときどきにフリーで仕事をする人と、大きくこういうふうに分けられます。それぞれまた、ガイドに従事する時間数、就業の時間が違いますのは、これらの人々がやはり専属化をどこまで、ガイドという商売を自分のなりわいにしているかということとの関連でございます。たとえば社員ガイドというのは、じゃガイドをもっぱらやっているかというと、ガイドもやりますし、その他の海外の添乗業務もやるということをやっております。それからまた専属ガイドは、やはりガイドの仕事が非常に年間多いのですが、それでもその都度必要に応じて海外旅行くの添乗業務というのにもやはり応募してやっておられます。その他フリーの方はいろいろとその都度旅行業者からの求めに応じ、ガイド協会等の紹介で仕事をなさるということで、非常に多種多様な形態。そしてまた、それらのガイドという職業による収入に依存度も違います。そういう多様なものが供給側でございますし、需要の方も非常に変動しております。
 そういう点では非常に需給のバランスがとりにくいことでございますし、もともとガイドというのはそういう意味では参入規制をすることがまた困難なところでございますので、結局はガイドというものはこういう市場の中でその待遇を決めていかなきゃならないということに相なるわけでございますが、そういう点で、これまではガイド協会とそれから旅行業協会との間で協定がありまして、その料金のいわば下支えというのか、そういったことがなされてきたわけでございますが、公正取引委員会から独占禁止法に触れるおそれがあるという御指摘がありましたので、このような協定というものをやめまして、現在はガイドが個人個人で料金を決めるという形でいるわけでございます。そういう意味では、非常に弱いガイドの立場が一層弱くなったということでございます。
 今後ともこういう形がいいかどうかという点につきますと、私どもは今回の独占禁止法の扱いを含めて、それが現行の枠内で何とかガイド側に料金の交渉の能力をもっとつけるような仕組みができないのか。どうしても現行法で、制度の枠内ではできないということであればまた制度改正ということも考えなきゃいけないわけですが、その制度改正を考える場合にもいろんな制約がやはりガイドということの性質からあろうかと思いますが、そんなことも含めてガイドの待遇を引き上げていくということをひとつこれから考えていかなければいけないし、現在の状況におきましては、もう少し関係者の意見も聞き、旅行業界との話し合いも進めながら、どういうことが可能なのか、考えていきたいと思っております。
#125
○黒柳明君 大臣、いま部長が話したとおりだと私もそういうふうに思うんです。いろんなネックがあると思うんですよ。私も、先ほど言いましたように、そういう非常に接点にいた人間ですからある程度その内容を知っているんです。ただ、最後に部長おっしゃいましたように、今後どういう方法があるか考えてみたいと。これは大臣が一番そういうことについて経験がありますし、いろんな国際問題について熱心に取り組んできた方でありますので、ひとつこの問題、現行法の中でどういうことができるのか。まず初めに私は、無免許、無資格な者を使う業者、ところがその業者がまた無免許、無資格ですから二重にややっこしいわけですけれども、その摘発、行政指導、これはこの法改正施行されるわけですから、この際、部長さん、やっぱりそれについての行政指導、これを、通達をもう一回厳にやってもらいたいわけです。今回の法改正に伴って、改めてのようですけれども、それがどれだけの効果があるかどうか、私自体疑問には思います。ですけれども。やっぱり一歩前進の法改正施行されるわけですから、これを機会にもう一回。やっぱり日本の国を紹介する、しかも苦労されている、しかも非常に知的レベルが高いと、もうおっしゃったとおり。そういう方々にやっぱり外国との接点になっていただいて、より日本を紹介していただくために重要なものですから、そのためにはまず一番初めにできるのは、効果は非常に疑問とは思いますけれども、もう一回無資格な者を使うなと、これについて厳に、厳しくやっぱりやっていただく、これがいま当面の第一歩ではなかろうかと、こう思います。それと大臣も、速やかに、いま部長が言われたようなことを頭に置いていただいて、大臣の職になければすぐそういう協会でもつくって小坂徳三郎会長にでもなって、ぱっぱっぱっぱっと速やかに手を打つんですけれども、現職の大臣ですとそういう手を打つのも現状においてはどうかと思うんですが、ひとつ十二分に考慮に入れて速やかに何らかの手を打っていただきたいと、こう思うんですが、いまの行政通達というか、施行といいますか、これは部長さんの方。それから大臣はいま言った所感について一言。
#126
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまの委員の御要望と申しますか、御指摘はまことに適切でございまして、特に日本を紹介する、あるいはまた日本の旅行者に現地をよく理解させるという意味におきましてきわめて重要な役割りであるガイドあるいは通訳というものに対しての、もう少し地位の安定した、しかも生活のレベルの維持できる方法につきまして特段に配慮いたしたいと思います。そしてまた、特に大手の業界に対しましては、このガイドあるいは通訳に対しての待遇について何らかの方法を考えることを、直接に会って、法案が通りましたら話し合ってみたいと思っております。
#127
○政府委員(西村康雄君) これまでも、外国人の国内旅行を取り扱う旅行業者に対しましては必ず正規の通訳案内業者を使うということを通達してまいりました。そしてまた、登録の更新の際にも、どのような態勢でガイドを使っているか、こういうこともヒヤリングの対象にして、必ず適正なガイドを使うよう指導してきたわけでございますが、いま先生から御指摘のありましたような方向で、なお一層その指導を強めてまいりたいと思います。
#128
○木村睦男君 旅行業法の質問をします前に、ホテル・ニュージャパンの件で、午前中も穐山委員の方から御質問ございましたが、私も一言触れたいと思います。
 ああいった事故で、日本人の旅客のみならず外国人の宿泊客にも大変多くの犠牲者を出したということで本当に残念に思いますし、また、心から亡くなられた方の御冥福を祈るものでございます。
 そこで、ホテル、旅館、これは運輸省の監督のもとにあるわけでございますが、とりわけホテル整備法によって登録を受けておる旅館あるいはホテル、これは相当厳重な監督があると同時に、恩典があるわけでございます。ホテル・ニュージャパンも登録ホテルでございますので、いろいろと政府側から恩典を受けているホテルだということになります。たとえば建設当時の長期低利の政府資金の融資あるいは税の減免等いろいろあるわけでございますが、こういった点で、ホテル・ニュージャパンについては過去どのような助成なり、そういう恩典が与えられておったか、この点をまずお聞きしたいと思います。
#129
○政府委員(西村康雄君) ホテル・ニュージャパンが建設されるに当たりましては、いまお話しのように、政府の財政融資がこれに行われたと聞いております。また、国際観光ホテル整備法によりまして、減価償却資産につきましては耐用年数の特例が認められております。そしてまた、固定資産につきましては、東京都におきましても減免をしてまいったのでございますが、実のところ、ホテル・ニュージャパンの過去の記録につきまして、現在主な資料が関係当局に押さえられておりますので、ホテル・ニュージャパン自身も過去の記録がはっきりいますぐ引き出せないという状態でございますので、若干の時間をいただきまして調べさしていただきたいと思います。
#130
○木村睦男君 いずれにしても、いろいろ恩典を受けておることは事実でございます。
 そこで、今回の事故に対して、私たち一般国民として、テレビ等を見て非常に奇異に感ずることは、やはりああいう大きなホテル、しかも政府登録までしておるホテル、その最高責任者である経営者、この経営者の態度というものがどうもどうかと思われるような感じを皆さん受けておると思うのでございます。登録ホテルについては登録の条件がいろいろあるわけでございますけれども、登録条件の中に経営者についてはどういうことが規定されておるか、あるいはその経営者の欠陥といいますか、何らかそこの経営者としてはふさわしくないといったような事項でも起きた場合には登録の取り消しができるとか停止をするだとか、そういうことがあるのかないのか、その点をお聞きしたいと思います。
#131
○政府委員(西村康雄君) 国際観光ホテル整備法でございますと、これはその営業の譲渡あるいは合併、相続等がございますと、これにつきましては原則としては当然承継ということになっております。ただ、登録につきましては欠格条項がございまして、それはその者が禁治産者、準禁治産者あるいは破産宣告を受けて復権を得ない者であるとか、さらには、法人であるときは法人の役員にこういう者がいるときということで、それに当たりますと、これは登録の取り消しの原因になりまして、取り消しをされることになります。ところで、今回のホテル・ニュージャパンのときには、そういう意味での法人の変更が行われておりません。単に経営の衝に当たる人がかわったというだけでございます。したがいまして、この場合には省令で、現在は役員の変更については届け出があるということになっておりまして、この届け出られた役員が先ほど申しました欠格条項に該当いたしますと、その時点で登録の取り消しをする、こういう仕組みになっております。
#132
○木村睦男君 ニュージャパンは最初たしか藤山さんがおつくりになって、初代の社長は藤山さんだったかと思いますが、その後経営者が一人、二人がわって今日に至っておる。今回の事故がありましたので、報道関係等で藤山さん以後の経営者についていろいろと言っております。そういうことを見ましても、いまの準禁治産者の宣告云々、法律では普通そういう場合しか欠格事項にはしないことも私もわかりますけれども、しかし、わが国で有数なホテル、しかも登録ホテルですから、やはり顔であるところの経営者、これに対しては世間一般に見てどうかなというふうな風評が仮にあるような人が今後社長になるというふうな場合、やはりこれはその法律に欠格条項がないからしようがないということで済ましていいものかどうか、そういう点をどういうふうに考えられるか、また、今後そういう問題については全く考慮の余地はないのかどうか、この辺についてお聞きいたしたいと思います。
#133
○政府委員(西村康雄君) ただいまの御質問、大変むずかしい御質問でございまして、およそ法のもとではだれも平等でございますし、特別の事由がない限りこれを規制する、権利を奪う、制限するというわけにはまいらないのは当然でございます。現在法律で置いています欠格事由というもの以外では、どんなことがそういうことに当たるか。ただ一般に好ましくないというだけではこれはそういうことを差別して扱うわけにはまいらないわけでございまして、実際に過去の経営その他で重大な違法があったとか、そういうようなことについて、これはホテルというものの特質から見て、さらに経営者の要素として加えていくということはこれは考えられることかと思いますが、そういう点につきましては、いままでの立法令に照らしてみましても、正直申しまして、先例は、その法律に違反するとか、その他の法令に違反するというようなことが欠格事由として挙げられているだけでございます。したがいまして、いますぐにどうかというお尋ねでございますが、そういう点についてもう少し検討してみるという余地はあろうかと思いますが、それ以外についていますぐこういう方法があろうというようなことについて申し上げる用意が残念ながらございません。
#134
○木村睦男君 これはひとつ、非常にむずかしい問題ですけれども、将来の問題として研究をしていただきたいと思います。と同時に、登録ホテルに対して、登録条件に合うように常に経営が行われておるかといういわば監査、これが適確に行われておれば、火事があったからいろいろ欠陥が露呈されておりますが、そういった中には、やはり登録の条件に合っていない――ただ消防関係だけじゃございませんが、経営そのものに登録条件に合っていないような点も多々あるのではないかと思う。そうすると、監査を厳重にやっておればそういうことを発見し摘発する。そうすると、それは一体どこから出てくるか、やはり最高責任者、経営者の責任であるというところまで遡及して経営者の責任を問い得るというふうなことも私はあり得るんじゃないかと、このように思いますので、今後、こういう点もひとつあわせて、これは実行の問題ですから、検討というよりも、せっかく政府がそれだけの援助をしてつくったホテルですから、厳重に平素の役所としての監査、監督を励行できるような方法をひとつ考えていただきたいと思います。
 それからもう一つ消防との関係ですが、これは従来、ホテルの登録というものとそのホテルの消防関係とは別の監督系統にはなっておりますが、ホテルを登録するという権限のある運輸大臣としては、やはりホテル全体が旅客のために快適で安全であるということに対する責任は何としてもあると思いますので、現状では消防関係は消防法のことで運輸大臣は関知せざることだということかもしれませんけれども、この点も登録の場合の条件その他の点で今後考究していただきたいと思います。そういうことに関してお伺いをし、この問題について大臣の考えをお聞きいたしたいと思います。
#135
○国務大臣(小坂徳三郎君) 実はニュージャパンのあの火災がありましたときに、登録ホテルであるということで、実は直ちに取り消しをしようと思ったのでありますが、御承知のような法体制でありますのでできないわけでありますので、あれだけの事故を起こしてもなおかつ法ではどうにもならぬということでございまして、その辺は非常に困ったことだと思っております。そしてまた、この登録ホテルないし旅館をつくるということが、日本の観光政策でもっと住みいいホテルをたくさんつくってお客を呼ぼうという、ただそれだけの意味での私は法律だったと思うのでございますが、とてもそんなことでは、これから、他の国々の人もまた日本の人も、政府の登録ホテルである、旅館であるということを信頼して来られてあんなような惨事がまた起こったらこれこそ大変なことでございますので、以来いろいろと検討しましたが、なかなかこれは厄介なことがたくさんあるのでございます。実は全体の法の見直しをしようと思いまして、すでに委員の方々にもお願いを申し上げておりますが運輸省内に委員会を設置いたしました。民間の方もそうでありますが、また関係省庁からも出席してもらうような形にいたしております。全般として安全というものが維持できるということも非常に大きなファクターなんでございますから、そういう面も入れての新しい組み直し方をしたい、そういう考えで、時間がかかって大変なのでありますが、大体年内には結論を出して、ひとつ不名誉なニュージャパン問題に法律的な法制的な趣旨を打ちたいというつもりでおるわけでございます。
#136
○木村睦男君 大臣は御用事のようですから、どうぞ。また終わりましたらひとつよろしく。
 それでは、旅行業法について観光部長に質疑をするわけでございますが、今回の旅行業法の改正が昭和四十六年以来十年ぶりの改正である、しかも、先般の大臣の提案理由の説明を聞きましても、今度の改正には従来の改正にはその例を見ない、何といいますか、大変特色の多い改正になっておると思うわけでございます。たとえば主催旅行、われわれのあれではちょっと主催旅行といってもどういうことかわからぬ言葉ですけれども、これが法律に出てきてこの問題が取り上げられ、それから添乗員の問題についてもそうでございますしそれから旅行代理店の問題についてもそうでございますが、そういうふうな非常にユニークな改正が内容となっておる。そういうことを踏まえて、ここ十年ぐらいの間にこういう法律を改正しなきゃならぬ理由ができたゆえんのものも、旅行情勢といいますか、これの非常な移り変わりがあったからだと思います。この十年間を顧みて、国内旅行それから国際旅行両方に分けて、日本の旅行事情というものがどういうふうに変わってきておるか、ひとつまず簡単にお聞きいたしたい。
#137
○政府委員(西村康雄君) ただいまお話しのような旅行事情の変化ということが今回の旅行業法の改正の一番大きな内容でございますが、特に制度的な点では、先ほども御説明しましたように、主催旅行というものが圧倒的にふえてきて、今日の旅行ブームを支え伸ばしてきたのは主催旅行というものの発展だと思います。実は前回の四十六年の改正当時では、このような主催旅行がこういう形で伸びてくるということの想像は、ほとんどというのか、十分されておりませんでした。そこで前回の改正の旅行業法の枠組みが、旅行業というものの取り扱う対象を確定しようということで旅行業の定義等もしたわけでございますが、その十年間に実質的な旅行の形態というものが非常に大きく変わってきた。そうしてこの主催旅行を通じまして日本人が海外に大きく出て行ったということで、この十年の間に海外旅行の伸びというものはまことに異常なものがございます。昭和四十六年、これは九十六万人が海外に出ておりまして、今日では四百六万人、昭和五十六年でございます。これだけ伸びたのは、ほとんどが主催旅行を容易に利用できるということになったためでございまして、もちろん主催旅行の成功と同時に、各種の手配旅行による団体旅行というものもふえてまいりました。そういうことが今回の旅行の成功の非常に大きな原因だったろうと思います。したがいまして、今回の主催旅行の問題あるいは添乗員の問題、そういったことが一つの大きな柱になったものだと思います。国内の方は、その点につきましてはどちらかと申しますと大きな形態の変化というのは、もちろん主催旅行というものが普及してきたことも事実でございますが、その点では従来のペースを少しずつ主催旅行に傾斜を強めている、こういうことが全体の傾向かと思います。
#138
○木村睦男君 いまの観光部長のお話のように、国際旅行については主催旅行が圧倒的に多いということだそうでございますが、今回この改正で旅行あっせん業者、旅行業者の登録の中に主催旅行をやるということが一本加わって、そうしてそれが加わることによってそのための営業保証金、相当いままでとは違った多額な保証金の積み立てを義務づけておるわけですけれども、そうすると、保証金が二本立てになって、主催旅行をしない一般旅行業者の保証金、それから主催旅行をやるための保証金、二本に分かれるわけです。その金額は非常に違うわけですが、いまのお話のように、一般旅行業者の場合にはほとんどがその主催旅行をやっているという、現状がそうであれば今後はさらにそうなってくると思うんですが、たまたま主催旅行というものを一つの柱を立てて、営業保証金を新たにそれにつけるという今回の改正であるなら、むしろそういう複雑なのはやめて、一般旅行業者については両方含めて営業保証金というものを一本にしたらどうかなと。もう必ずや例外なく主催旅行を、少なくとも一般旅行業者はやらない業者はないと思うんですね。そういう点から考えれば、簡素化といいますか、そういう意味で一本化した方がよかったんじゃないかなという感じがいたします。国内旅行については、いまのお話のように、まだまだ主催旅行というものが十分には行われていないようでございますから、これはまあ別の話として、そういうふうなことはできなかったものかどうか。この業法の改正をいろいろ審議される場合に、いろんな方面から意見を徴せられたと思うけれども、そういう意見は出なかったですか。
#139
○政府委員(西村康雄君) 今回の法律改正をするに当たりまして、非常に関係多方面の方の御意見を伺ったわけでございますが、いま御提案のような形での取り扱いというのは、意見は承りませんでした。
 ただ、実際に申しまして、現在、主催旅行というのは、団体旅行の半数以上は主催旅行で行われております。と同時に、一般旅行業者の場合は、主催旅行に関与した、過去一年間やったことがあるという旅行業者は八割を超えております。しかし、やはり地味に手配旅行だけに徹している。特別な顧客を、ある一定の層の顧客を持っていて、そこの人たちの依頼をもっぱら受けて手配だけをやるという一般旅行業者、中小の旅行業者でございますが、そういう方も少なくないわけでございます。そういう方々はそれなりに堅実にその職務を果たされておりまして、非常に特殊な関係の学会の御要望に応じていろんなことをやるとか、そういう特色を持っておられますので、やはりそういう人たちの仕事を今後も伸ばしていかなければならないということで、主催旅行をやることが全く期待されない一般旅行業者も少なくございませんので、そういう点では主催旅行とその他旅行に分けざるを得なかった。
 それから、国内では、いま御指摘のように二割強の方が主催旅行をやったことがあるということでございますので、これも主催旅行とその他の手配旅行というふうに分けざるを得ないということで今回のような立法の案になったわけでございます。
#140
○木村睦男君 先ほど黒柳委員からも御質問がございましたが、営業保証金を使っての被害者への――被害者といいますか、債権者への支払い、まあ、いまはその旅行業者の不始末で生じた債務というものを旅行者、それから旅館ですか、この二つへ営業保証金から直接支払うということになっておるというふうに聞いていますけれども、そうすると、その旅行業者のせいによって被害をこうむったというものであれば、旅行者、それから宿泊施設のホテル、旅館だけに限らないで、要するにその旅行業者による被害者には営業保証金から直接支払うということがあってもいいんじゃないかと思うし、またないとおかしいなという感じがするんですが、その辺はどういうふうになっているんですか。
#141
○政府委員(西村康雄君) 現在の旅行業法では、旅行業者が負った債務につきまして、その弁済にすべて営業保証金を充てるということではなくて、旅行業者と旅行業務に関して取引をした者、これに対して営業保証金の還付をするという制度になっております。したがいまして、たとえば旅行業者が金融機関から借り入れをする、借入金が返せないということになりましても、これは旅行業務に関して取引をしたわけではございませんので、これについては営業保証金の還付はされておりません。やはり旅行業法が旅行業者の取引について営業保証金の制度をつくったわけでございますので、この旅行業務以外の取引についてまでその債権を保証するというような意味で営業保証金制度を拡張するということは、立法のあり方としては不適当ではないか、そのように考えております。
#142
○木村睦男君 私の質問ももちろん旅行業務に関してですが、たとえばみやげ物屋、みやげ品を売っている店、そういうふうな旅行業務に関連してのそういう場合に、債権者の立場に立つ者はホテル、旅館以外にもあるんじゃないか、こう思うわけですが、それはいろいろ研究してみたけれどもそういうものはないんだということなのか、あったとしても、そういうものは被害がきわめて少ないからまず大口である旅館にだけはと、こういうふうな発想なのか、その点が聞きたいわけです。
#143
○政府委員(西村康雄君) いまお話しのようなみやげ物店でございますが、通常の取引の形ですと、旅行業者はみやげ物店に客を案内するということはありましても、みやげ物店と旅行業務に関して取引をするという形態はないだろうと思います。
 ただ、旅行業者が旅館、ホテルあるいは交通機関外との取引がどんなのがあるかといいますと、たとえば動物園、水族館のたぐいへ連れていくとか、そのほかいろんな、スキー場へ行きましたらスキーのリフトなりあるいはスキーの教師を雇うとか、そういうこともあると思います。そういう形での旅行業務に関連し、旅行業者が直接手配の対象とした取引の相手方というのはいるわけでございまして、これらにつきましては、旅館に限らず、旅館等と平等にこの営業保証金の還付の対象になっているのが現在の制度でございます。
#144
○木村睦男君 わかりました。
 それから次に、旅行代理店業についてですが、今度の改正法では、代理店業がその親元である所属旅行業者、これに一切の責任を最終的には持たすという考えで、親元の旅行業者も一社に限るというふうに決められておる、これは大変結構なことで、従来ともこれがなかったために被害を受けた旅行者というのは相当あったと思うんです。これはやや遅きに失している感もございますが、今回これを入れられたということは非常に結構なことでございますが、そこでその中で、今度は代理店業については財産的な基礎というものは登録要件になっていませんね。というのは、親元が全部責任を持つからいいんだということであろうと思いますが、それはそのとおりだと思います。しかし、いずれのどんな場合でもお客に迷惑をかけるというのは、まともな事業をやっておって迷惑をかけることはまずないので、いろいろとその辺に問題があるわけですが、親元の業者が責任を持つといっても、たとえば旅行代理店がAという親方の旅行業者に属しておるということを、実はそうではなくても印刷物やその他で募集する場合に、A旅行業者というのを名前に入れて仮にやったとしますね、そうして主催旅行を行う。しかし、実はその代理店ではなかったということになりますというと、それは代理店はもう取り消しを受けるし制裁も受けるけれども、それを信じて主催旅行に応じた旅行者はもう後の祭りで、財産的な損害は補てんしてもらう先がないわけですね。だから、もっと安全を期すれば、親元に一切の責任を持たすけれども、やはり代理店業者自身にも何がしかの営業保証金というものは義務づけておいた方がいいんじゃないかという感じがするんですが、一々旅行者が親元の方を確認して、じゃ、その主催旅行に応じようかということは非常に珍しいと思うんですよ、頭からもう信じてやっていますから。そういう場合の旅客の、旅行者の保護というものがちょっとこのために、せっかくいい制度ができておるんだが、ちょっと画竜点睛を欠くなという感じがするんですが、いかがですか。
#145
○政府委員(西村康雄君) いまお話しのように、旅行代理店がみずからのために取引をするような外観でやったり、あるいは他の旅行業者のためにやるような外観でやったり、いろんなケースが考えられるわけでございますが、今回の法律改正では、代理店の取引につきましてはまず親を必ず示せということを、これは公法上の問題でございますが、一応要求しております。したがいまして、旅行業法としては親がその限りでは明確になるように期待しているわけでございます。
 第二に、仮に親の名前を示さないで怪しげな取引をしたという事態があったときに、肝心の代理店自身には何ら財産がないというときはどうなるかということでございますが、商法でも、これは旅行業者の代理店の行為というのは当然これは本人にその効果が生ずるわけでございまして、したがいまして、その点では本人のために示さなくても必ず親の所属旅行業者の方が責任を負うというのが基本のあり方でございます。そういう点で、親のためだということがはっきりしなくても親である旅行業者は責任をとるのがたてまえでございますので、その点につきましては、代理店自身が財産的な備えがなくても、親である旅行業者の方が法律上の責任をとり、そしてその親の方は営業保証金の担保をしてやるということでこの問題が一応カバーされるということにはなろうかと思いますが、親のためでもない、まさに自分のためだけだということを示す、これはもうはっきり言うと旅行業法の無登録営業そのものでございますが、そういう事態に対しましては残念ながらその保証がないということにはなるわけでございます。しかしこの点は、正直申しますと従来の制度でも同じでございまして、現在の代理店のための営業保証金というのは親が積んでおります。それはやはり親に責任が帰属する、責任が生ずるために親が積んでいるわけでございまして、子供の代理店の営業保証という点については制度は予定されておりません。そういう点では現行法と同じような取り扱いでございます。
#146
○木村睦男君 いまのはもぐりの態様を一つよけいふやすことになりはせぬかという心配で、いままでは、代理店の名前だけでやっておると、怪しげな代理店だと思うと確認しますけれども、今度は親との契約のないのに親の大きな会社の名前をぱっと出してそしてもぐりをやれば、みんな信じて被害に遭うんじゃないかという感じがするものだから、もぐりの態様を一つふやすような感じになるのでちょっと聞いてみたわけでございます。
 それから登録は三年目ごとに更新するわけでしょう。いままで旅行業者がよく言っておるのは、更新の手続が、新しく登録をするときとほぼ同等の非常に複雑な更新手続を要求されておるので非常に困るのだと。もうちょっと簡素化、更新ですから簡素化した手続の方法を考えてもらえぬだろうかという声が非常に強いんだけれども、こういう点はどうですか。
#147
○政府委員(西村康雄君) いまお話しのように、私どもも行政簡素化の見地からも、また、役所自身の負担の軽減の見地からも、更新の手続をできるだけ簡素化したいというように思っております。ただ、現実を申しますと、更新のときの審査の要件は、最初の新規の登録の要件と同じ内容になっているわけでございますので、その点では形式的には同じだけの審査をする。
   〔委員長退席、理事黒柳明君着席〕
ただ、すでにわかっている事項、既知の事項というのはやはりこれはあるわけでございますので、その点についてだけは省略は可能でございますので、実のところを言いますと、常時実務をしながら簡素化については担当者も皆考えておりますし、私どもまた今後とも引き続きできるだけ御趣旨のように簡素化に努めたいと思っております。
#148
○木村睦男君 ぜひひとつその線で考えてもらいたいと思います。
 それから、今度の法律改正の中でいわゆる旅行業者の団体の旅行業協会、これにいろいろと仕事がふえておるわけです。たとえば、社員の指導であるとかあるいは調査研究、広報、そういった仕事もやるようにいろいろふえておりますが、旅行業界にこうやっていろいろ指示をされる業務というものは、本来国がやるべきものをこういう団体にかわってやらすという思想なのか、あるいはそうではないが、業者団体にこういうことをやりなさいということで指示をするという考え方なのか、どちらなんですか、これは。
#149
○政府委員(西村康雄君) 旅行業協会が現在いろいろな業務を行っております。御承知のように、旅行業協会というのは旅行業者が集まった社団でございますが、その社団がこのような公的な地位で認められ、特に、弁済業務というような事務を行っているわけでございます。この弁済業務につきましては、これは明らかに営業保証金の供託及び還付にかわる制度でございますので、この業務はまさに国にかわって行っているということだと思います。しかし、旅行業務の取り扱いに従事する者に対する研修であるとか、旅行業務に対する苦情の解決だとかという問題はむしろ旅行業者自身の問題でございます。
   〔理事黒柳明君退席、委員長着席〕法律がこのようなことを旅行業協会の事務にしていますのは、これは旅行業の健全な発達あるいは旅行者の保護ということから見て、旅行業者自身の努力の範囲内の問題をこういう協会というものに組織化された、協会というものに義務づけたというように理解するのが適当かと考えております。
#150
○木村睦男君 旅行業者は必ず関係の旅行業協会のメンバーとして加入しなければいけないのかどうか、その点はどうなっているんですか。
#151
○政府委員(西村康雄君) 旅行業法では、旅行業協会への加入は義務づけておりません。ただ、加入をしようと思う人に対しては門戸は開かれております。しかし、今度は旅行業協会の社員として不適当な行為があった場合には、これは旅行業協会が除名という形でこれを排除することができる制度になっております。
#152
○木村睦男君 義務づけられておらぬということになると、こういう問題がちょっと起こるんじゃないかと思うのは、特に研修問題をこれは義務づけておるわけです。旅行取扱主任者ですか、これは研修を受けなきゃいかぬ。これは国が研修を受けなさいと、こう言っておる。その研修機関そのものは国が持っているわけでもない。これは旅行業協会が研修機関を自発的に持っておる。そこで研修を受けるということになっておるんだけれども、たとえばいまのようなアウトサイダーの旅行業者の旅行取扱主任者が研修を受けようとすれば、おまえはアウトサイダーだからだめだ、こう言われるのが落ちだろうと思うのですが、国が、メンバーであろうとアウトサイダーであろうと、そういう者の研修を義務づけるのであれば、その裏打ちとして、その研修機関はそういう者が研修を受けようとする場合には差別待遇をしちゃいかぬということは厳に指導をしておいてもらわないと非常に不都合な点が起こる。国が研修を受けなさいと言っておいて国の研修機関がないわけですから、それを業者団体の研修機関でやることを前提でそういうことを言っておる以上は、その研修機関はいやしくも国にかわって研修をやるんだ、そういう立場に立って研修業務をやってもらわぬと差別が起こるんじゃないかと思いますが、これはどうですか。
#153
○政府委員(西村康雄君) いまお話しのように、旅行業務の取り扱いに従事する者に対する研修というのは、旅行業協会のメンバーに対して当然行われなきゃいけないわけですが、それ以外の外の者に対しても行うことがやはり原則として必要だと考えております。
 いまお話しのように、今回旅行業法の改正の場合に、研修というのは一般的に必要とされているわけですが、そのための研修機関がなければならない。しかし、旅行業協会の外にいる者がその研修を受けられないということになりますと、研修の機会がない。したがって、添乗の業務を行うことが非常に困難になるという事態が生ずるわけでございまして、法は、やはり旅行業協会が旅行業全般の発展のために研修をすることを期待しているわけでございます。
 これはやや文言上で細かい点でございますが、現在の旅行業法の二十一条の三の「業務」の中でも、苦情の解決につきましては、「社員の取り扱った旅行業務に対する苦情の解決」ということを言っているんですが、研修につきましては「旅行業務の取扱いに従事する者に対する研修」と言って、社員に対するというようなことは限定していないのが法の規定ぶりでございます。
#154
○木村睦男君 そうすると、そういう場合に、社員でないから、あるいは会費を納めないからあなたは研修を受けることはできませんよ、こう言った場合に、じゃ運輸省はどういうふうにするか。
 それからもう一つ、今度この法律で、これも初めて添乗関係の業務というものを一つの柱をつくってもらってこれを指導してやる、こういうことになっておりますが、これは非常に結構なことだと思います。ぜひその線で今後とも十分に指導をしていただきたいと思うんですが、この主任の旅行行程管理者ですか、これも研修を受けよ、こうなっておるわけですが、ここまでくれば、今度はいわゆる旅行を売っている旅行業者ではなくて、添乗者の中からも研修を受けさせなきゃいかぬというふうになるんじゃないかと思います。そうなればさらにアウトサイダーならアウトサイダー的な関係になるので、よけいその研修を受けようと思ってもなかなか受けにくいというふうな場面が今後出てくるんじゃないかと思うので、いやしくも運輸大臣が研修を受けなさい、こういうふうなことを法律で明定された以上は、そういった団体が持っている研修機関は差別をしちゃいかぬぞということは、裏打ちとしてぜひ通達か何かできちっとしておいてもらわぬとその犠牲をこうむる人が出てくるということを心配をしますが、そういうふうな考えはございませんか。
#155
○政府委員(西村康雄君) 今回の法律改正で、添乗業務につきましては研修を必要とすることになったわけでございますので、私どもとしましては、添乗業務に従事する人に対しましては広く研修を充実していただきたいと思っているわけでございますので、その点につきましては、旅行業協会が広く添乗業務を希望する人に対する研修ということを実施するように指導してまいりたいと思っております。
#156
○木村睦男君 ぜひそのようにしてもらいたいと思います。
 それから、これも先ほど話が出ておりましたが、これは航空局にお聞きするんだけれども、外国旅行をする場合の航空券のダンピングですね。きょうもいろいろ話を聞きましたから細かいことは十分知っておりますが、今後できるだけこういうことがないようにするために、航空局として効果のある指導なり規制ができるかどうか、そういう点についてどうしたらいいかということ、何かいい知恵は持っていませんかね。
#157
○説明員(仲田豊一郎君) 御指摘のように、非常に残念なことではございますが、航空運賃のダンピングが一部の市場においてあるということはわれわれも認めざるを得ないわけでございます。
 しかしながら、これをいかなる方法によって根絶し得るかと申しますと、なかなか根の深い問題でございまして、またこれを適正化するためにもいろいろと技術的な困難がございます。
 そこで、航空局といたしましては、航空会社自身がこのような残念な事態を招いている部分、責任というのも御指摘のようにあるわけでございますので、この航空会社を通じまして指導していきたいということをやはり基本にせざるを得ないかなと感じている次第でございます。
 また、航空会社の間で自主的にこのような事態を改善するという動きもございまして、五十五年度に、外国の会社もほとんど網羅いたしました日本を中心とするマーケットの浄化といいますか、適正運賃収受のための委員会として日本国際航空運送秩序確立委員会というものをつくりまして、現実にこの委員会が違法行為を摘発し、そうしてまた航空局にその証拠を提出し、これを何とかしていただきたいということを言ってまいりましたこともございます。これを受けまして、私どもは直接にその航空会社を指導するなり、またある場合には、航空会社のみならず、政府間の航空交渉にもこの問題を持ち出して是正を強く迫ったということもございます。そうして、この例におきましては、当該航空会社はダンピングをやめたという実績を上げております。
 したがいまして、このような一つの自主的な組織、これの自主規制というものを、われわれ政府といたしましても、運輸省といたしましてもこれを支援して、そうして航空会社間において適切な運賃の収受が行われるというような事態に持っていきたいと考えておる次第でございます。
#158
○木村睦男君 ちょうど旅行業者について旅行業協会的な団体ができておって、そこで業者間の指導、育成あるいは研修までやらせておるわけですけれども、こういった航空券の代売をやっておる業者というか、そういう機関を一つの団体的なものに結集して、そして団体的な指導で共同歩調をとらすとか、そういうふうなことも一つの方法じゃないかなと思うが、果たしてそういうことができるかどうか私もちょっとわからぬが、そういうことも考えられないものかどうかという問題としてひとつ研究をしてみていただきたいと思います。
 そこで、もう時間がありませんから、最後に大臣に御所見をいただきたいと思うわけでございますが、今回の旅行薬法の中身というものが、従来の改正とは違って新しいいろんなテーマといいますか問題が入っておる。それだけ旅行の業態、状態というものが非常に変化をしてきておる。これが今後さらにいろいろ変わってくると思うんですが、そういう中にあって、日本は何といっても観光立国を終戦直後から唱えて、そしてあの当時は、いまは貿易の黒字で弱っておりますが、当時は貿易の赤字で非常に弱って、それを助けるのがこの観光事業だということでわれわれも一生懸命やった記憶がございますが、いずれにいたしましても、日本は観光事業というものをのけては今後の発展というものは考えられない立場に置かれておるほど重要な観光行政であると思いますが、その中で、観光と言えば旅行でございます。今回の旅行薬法の改正を機に今後の観光事業の振興をどういうふうに図っていくかというふうなことも含めて、担当大臣としての御所見を伺って私の質問は終わります。
#159
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま木村委員の仰せられたとおり、観光というものはきわめて日本にとっては重要なことであるという認識を持っております。特に国民の生温も多様化しておりますし、また世界じゅうも大変大きく変化をしておるところでございまして、一方から言うと日本人が世界を見ること、また一方から申しますると外国の人々が日本を知ること、私はそうした中のつなぎをするのが政府の観光政策ではないかというふうに思うのでございまして、今回の法改正に当たりまして、一応これは旅行者の安全とそしてまた旅行者保護ということが従来ややなおざりになっていたように思う点がございまして、そうしたことの改正と、また外国に行って日本人が嫌われるような旅行を悼もうというようなことなどを踏まえての改正をお願いしておるわけでございますが、先ほど来の先生の御意見もございますし、また他の委員からも、いろいろと通訳であるとかあるいはその他の業務について非常に重要な役割りを果たす人々に対しての今後の課題もいただいたわけでございます。こうしたことを通して、われわれとして基本的な認識は、きわめて重要な業務である観光行政というものを今後も間違いなく進めてまいることを深く決意をしておるところでございまして、また今後いろいろな面での御指導を賜りたいと思っております。
#160
○小笠原貞子君 今回の旅行業法の改正の主な点といいますと、第一に主催旅行についての確実、安全な実施、第二には旅行業者の業務運営の適正化の諸施策、第三にいわゆる不健全旅行等への旅行業者の関与の禁止、第四に罰則等の強化というような主な点が挙げられると思います。
 私は、国民の海外への旅行というのが非常に要求も高まっている中で、旅行者の被害が大きな問題となったり、また買春ツアーといったような特にアジア諸国民に不評を買うというような事例などをあわせますと、遅まきながら、今回、旅行業者の責任を明確にして旅行者保護と取引の公正をはっきりと明記されたというこの法案については、一つの前進面として評価するものでございます。
 しかし、それじゃそれでいいかというと、まだまだ残された問題がたくさんある。その残された問題を今後どうしていくかということについていろいろ御所見を伺っていきたいと思うんです。
 いま言ったような法律の内容で、しっかりとやっていこうと幾らおっしゃっても、もぐり業者、やみ業者が横行するのでは、登録されたところはしっかりやったってもうそれは野放しになってしまうわけなんで、そのいわゆる無登録業者というようなものの実態というものはどういうふうになっているかということを、運輸省としては、観光部としてはどういうふうに押さえていらっしゃるか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#161
○政府委員(西村康雄君) 無登録業者の実態につきまして、正直申しまして、運輸省では旅行業者の皆さんあるいは利用者の人たちから御連絡をいただいて初めてそういうのがあるかという実態を知るのが実情でございます。非常に遺憾ながら日常の一般的な業務に追われておりまして、実際の取り締まり、監査といった面についてどうしても後手に回るというのか後回しになって、無登録業者の実態を把握してそして旅行者が安全に安心して取引をするという体制をつくり上げていく点についてはまだまだ正直なところ不十分でございます。
#162
○小笠原貞子君 大変率直なお答えをいただいたんですけれども、大臣いかがでございますか。全然手をつけられないなんというのですね。手をつけられなきや、こっちの方を一生懸命やったってどんどんどんどん抜けちゃうんですよ。何とかこの問題についても――何かありますか。いや、やろうと思ってもなかなか大変だというような事情はわかっていますけれども、それについて大臣、やっぱりこのやみのもぐりというのをきちっと押さえて、それに対する対策ということは私はもう初歩的な問題として非常に大事なことだと思いますので、それについての御所見と、大臣としてはどうやっていきたいかということについてお考えを伺わしていただきたい。
#163
○国務大臣(小坂徳三郎君) 所見を申し述べるにとどまるのは大変申しわけないのでありますが、しかし一方において、今回の法改正によりまして登録されたいわゆる本来の意味においての健全な業者が明確になるということが、やはり同時に無登録の人々の存在がまた一面において国民の日には明らかになる可能性があると思うのでございまして、まず一義的に健全な業者を育成していくということに重点を置きながら、あわせてただいま御指摘の実態把握等もできるだけひとつ今後はやってみたいというふうに思っております。
#164
○小笠原貞子君 風が吹けばおけ屋がもうかるみたいな調子で、こっちをきちっとやれば何とかなるだろうとはちょっと心細いですから、いま大臣おっしゃいましたように、具体的にもぐりというようなものを把握するという御努力をお願いしたいと思うんです。
 警繁庁、いらしていると思いますけれども、去年からことしの春にかけまして、フィリピンの自動車の免許証というようなものを持ち込んでというようなことでいろいろお取り調べいただいていると思いますけれども、その簡単な実態というものをお答えいただきたいと思います。時間がありませんから、簡単にね。
#165
○説明員(桑田錬造君) フィリピンのツアーを利用いたしまして、国際免許証を不正取得したという者につきましては、正確な数は、これは統計上は無免許運転ということになっておりまして、正確な数は不明でございますけれども、ただその中で大変重要な事案につきましては私どもの方に報告がございます。
 ちなみに、昨年中の事例で申しますと九つぐらいの県で、延べ、無免許運転を補助した者二十名、それからそれによりまして無免許で運転した者五十一名ということで報告が参っております。
#166
○小笠原貞子君 いまやみのことを申しましたが、大臣お聞きになっていただきたいんだけれども、フィリピンに行けば簡単に運転免許証が取れるよと、一人三十五万から――十七万ぐらいというところもあるんですね。四、五人のグループでもって六日間程度、四泊五日というようなものもございますね。こうやって向こうへ連れていって、そして免許証を取って同本へ連れて帰ると。これ、まさにやみがやっていることですね。こういうのを野放しにされると大変困るということを頭に置いていただきたいと思うんです。
 それだけではございませんで、今度こういう「翼」というの、これは航空新聞から出しておりますんですが、これずっと国会図書館から借りてきまして調べましたら、毎回、毎回物すごい広告が出ているんですね。その広告の中身といいますのは何かと言いますと、これは小型機のライセンスを取るというものなんですね。これはどういう会社がやっているかと言いますと、ロングビーチ・フライヤーズというのがあります。それからアメリカン・フライング・アカデミー、それからARーフライングクラブ、それから日本航空企画というのがあるわけなんですね。これが毎号出ているんですわ。ちょっと、いっぱいあったからどれを使おうと思ったんだったかな、余りたくさんあり過ぎてわからなくなっちゃったんですけれども、これを見ますと、もうとにかくアメリカへ行けば安くてそしてライセンスが取れるよと、男の夢は死ぬまで飛ぶことに夢があるとか、いろいろすてきな言葉が出ているわけなんですね。そういうのを見ますと、やっぱりそうだなと。
 日本で言いますと、飛行機の場合は十六歳から二十五歳までだと十八カ月、約八十時間の訓練飛行時間が要る。費用は二百五十万だというふうになっているわけですよね。それが非常に簡単に行けると。こう書いてあるんですね。「男はいくつになっても鳥になる夢をすてられない」なんてね。「太陽とナウなカリフォルニアの生活&生きた英会話」だとか、これを見たらやっぱり行きたくなりますね。こういうのでどんどん連れ出していくということなんですね。これも全く、伺うとやみ業者なんですよ。
 こういうのが次々と宣伝されますと、これは本当に幾らこっちで一生懸命なすっていても大変だということなので、こういうのももうちゃんと出ているんですからね。だから知らなかったっていうんじゃなくて、いろいろこういうところからお調べいただいて、それに対する対策を考えていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
#167
○政府委員(西村康雄君) 今回御指摘いただいて、実のところ初めてこういうのがあるのを闘いたわけで、大変申しわけなく思っておりますが、実のところ、これはちょっと見たところ、もぐり業者なのか、それとも単に航空留学を誘っているのか、ちょっとわからないところがある。その点については、きょうこういうことを教えていただきましたので早速調べてみたいと思います。と申しますのは、もぐり業者として私どもが対処する場合には、この人たちが実際の旅行手配、航空だとか宿泊だとか、そういうことをお客さんとやっているのか、その部分は旅行業者がやっているのか、ちょっとその関係はこの広告だけでは非常にはっきりしない。積極的にこの人たちがやりますとも書いていないものですからちょっとわからないんですが、十分、いま御指摘のように、もぐり業者としてやっている疑いもないわけではないので、調べてみたいと思います。
#168
○小笠原貞子君 もぐりだと聞いたんですよ、私もその筋の専門家から。だが、いま聞いたから調べますなんて情けない。大臣、本当に情けないですね。しっかりお願いしたい、と思うんです。よろしくお願いします。いろいろ言われましたけども、私が言ったから調べましょうとか、何か事故があったからというようなことではいつも後手後手なんですね。だから、警察が調査なすったとか被害があったというようなことになってではちょっと後手だということなんですね。
 十二条の九号、法案の中で標識の掲示を義務づけて、同じ九号の二項で罰則を新しくお入れになっているわけで、これはいいと思うんですけれども、だから、これを罰則も入れたし義務づけたから、営業所に行けば登録業者であるかどうかというのがわかるというふうにお考えになってこうなすったんだと思うんですけれども、営業所まで行ってということで初めてわかるのでございまして、この旅行業者というのは、御承知のように、中小の場合が多くて、しかも店まで行ってというのではなくて、こう勧誘したりというようなことでやっていますので、ほとんどの店には行っていないですね、そういうたくさんの旅行者に聞いてみますと。そうすると、この点について、登録されている業者かどうかということが、行かなくても、勧誘に来たり新聞広告なんかで出された場合に、これは登録業者なんだよともっとわかるような、そういうことを私はすべきだと思うんですよ。たとえばニュージャパンなんかでも、防災のあれはまだだめですよというのを今度つけるようになりましたけれども、そういうふうに新聞広告でも、政府登録とかいうふうに、みんながそこへ行ってわかるんじゃなくて、行かなくてもその要求にこたえるためにはわかるようにすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#169
○政府委員(西村康雄君) いまおっしゃるように、旅行業務の外交販売というんですか、外務員あるいは通信販売ということもこれは十分あり得ることでございます。店頭で売る場合には、いま先生からお話がありましたように、標識掲示を義務づけ、類似標識については禁止する、こういうことで対処をしておるわけですが、あと私どもは今回の対策として考えていますのは、一つはパンフレット、広告類には、必ず一般旅行登録をしているかどうかとか、そういうような意味での登録の有無を明示する、番号を書かせるということをこれは義務づけております。
 それが一つと、それから実際にはできるだけ営業所で取引をしていただくように、旅行者の方もやっかいかもしれませんけれども、大切な、高い金を使うわけですから、みずから不精しないで足を運んで確認していただくということをひとつ励行していただければ、かなりそういった点の間違いが防げるんだろうと思っております。
#170
○小笠原貞子君 じゃ、次に法案の十二条の十だと思ったんですけれども、交通機関あるいは宿泊機関の原因で事故が生じた場合、旅行業者が一定の責任を持つというようなことになっておりますね。十だと思いますね。これは旅行者の保護と安全な旅行を保証するという点から私は大変結構だと思うんですけれども、一方、いわゆる業者の中に中小が多いというようなことから、経営が、競争が激しくなってというような状態の中で、実情を見ますと、この負担というのは相当な負担になるというようなことが訴えられたり、私も調べてみてわかったわけですね。そうしますと、ここに書かれているように旅行者の安全を保証する、保護をするというような意味からも、これらの保証金については、やっぱりカバーできるような保険制度みたいなものがあったらいいんじゃないかなと、そういうふうに思うんですけれども、運輸省としてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#171
○政府委員(西村康雄君) 今回の法律改正で、主催旅行につきまして、旅程管理業務をひとつ明確にしたわけでございますが、実はこの前提は、主催旅行というものが、手配旅行と違って特別の責任があるよということを前提にしているわけでございます。この契約上の責任を明確にするために、私どもこの法律改正と並行いたしまして旅行業約款の全部の見直しをする。そしてその中で主催旅行というものについてはやはり手配旅行と法律上の性質、責任が違いますので、これを明確に分離して、主催旅行については主催旅行としての責任を明確に定めていこうと。その場合に、特に主催旅行につきましては自分で企画をしてお客さんを誘引してきたわけでございますので、それなりに相応の責任がございます。たとえばどういう交通機関を選んだか、どういうホテルを選んだかは旅客は一切関与していない。そこでいろんな事故が生じた場合の責任、これは一種の債務不履行の責任を新しく考えるべきだということで、その責任を実はいま補償責任ということで約款の一つの案としては方向づけしております。これはどういう事故が起きましても、一応の、一定の限度までは旅行者が満足できるように、旅行業者の手配の過失でなくて、主催旅行するということに伴ってそういう責任を持って、持つことにしてお客様に安心してもらおうと、これが主催旅行の約款改正の重要なポイントにいましているわけでございます。ただ、このような責任は、言ってみますと、旅客一人につき何千万円かの責任を負うということでございますので、非常に主催旅行をするということは大変な責任を負うことになります。これを実際にカバーするためには保険制度というのを必ずやらなきゃいけない。現在損保協会等と保険制度の開発をいま研究しておりまして、この保険制度で十分プロテクトされるということを前提に、約款の方の改正もして、新しい主催旅行のための制度を確立したいと、そういうふうに考えております。
#172
○小笠原貞子君 それじや次、添乗員の問題についてお伺いしたいんですけれども、今度の法案の中で一定の研修及び経験を義務づけて質を向上させると、これは大変結構なことなんです。しかし、旅行者というのは非常にこのごろふえましたし、年間何万という団体の主催旅行をやると、特にシーズンになりますと短期間にもう集中してくるというようなわけでございますね。そうすると、研修というような関係を見ますと、添乗員が不足するのではないかという問題が出てくるのですが、その辺のところはどういうふうに思っていらっしゃるでしょうか。
 それから、続いて添乗員の問題で、大手業者の場合は、先ほどもおっしゃっていました添乗員の派遣会社というようなものがあって依頼できる能力はあると思うんですけれども、中小の場合は大変むずかしいというようなことも伺いましたので、研修の期間などについて、やっぱり今後検討課題としてそういう弾力的な運営というものも図られるべきではないかと思うんですが、その二つについて、済みません、時間がないから簡単にお願いします。
#173
○政府委員(西村康雄君) いまおっしゃったように、中小の旅行業者については大変、添乗員をどうやって確保するかという問題になろうかと思います。それで法律では一応研修が必要でございますので、旅行楽協会では、大手は各社自分なりの自己養成がありますので、ぜひ中小業者を十分に研修をしてもらいたいというふうに考えております。
 また、旅行業務取扱主任者という制度がございますが、この主任者は今度の扱いではそのまま添乗員の主任、チーフの添乗員としての資格を認めていこうということで、各営業所からも応援体制がとれるということ。そしてまた養成をするまでの間、今回の法律の附則では二年間その点については猶予期間を置くことにしておりますので、いまから大いに研修を励ましてやっていきたい。また中小といえども、先ほどの話がありました添乗員の派遣をするところから来てもらって添乗をやってもらうということも当然期待できることでございますので、そういうことも便宜活用してもらいたいと思っております。
#174
○小笠原貞子君 それじゃ次に通訳案内楽者の問題、先ほどからちょっちょっと出ていましたけれども、この通訳案内業者というのは、もうちょっと時間がありませんので、また次に移りたいと思うんですけれども、非常に安いですね。安いですねと言うとおかしいんですけれども、平均を伺いますと、A、B、Cがあってお客さんの数によって違うということなんですけれども、平均一万四千五百円くらいだと伺ったんですよね。そして年間の稼働日数はどういうふうになっていますかといいますと、これも時間がないから言っちゃいますけれども、年間が百五十日ないし二百日と、一日最低八千円から一万八千円ということになると、収入としては非常に低い。ほかに収入があるというようないろんな方もあるかもしれませんけれども、やっぱりこれでしっかりと――通訳案内業というのは日本の顔だと先ほどからおっしゃっていましたので、これについて安いなということをいつもおっしゃっているんです。その問題が一つ。
 それから一日の拘束時間というのを伺いましたら、拘束時間というのも八時間労働なんて決まっていないんですね。大体十時間から十四時間くらい、あるいは十八時間というふうにも言われているんですね。年収で大体三百万前後というのが通訳さんの実態だと。それでなかなか若い後継者が育たない、ボーナスもない、恩給もない、社会保険もないというような状態なんですね。
 そうすると、きょうちょっと労働省に来ていただいたんだけれども、もう時間の制約は全然なくて、着いた時間やなんかで夜中でも起こされます。一日十時間から十四時間も拘束されてしまう、それで賃金は先ほど言ったとおりというようなことで、ちょっと私はこれは働く者という立場から見れば大変だなと思ったんですけれども、こういう点、どういうふうにお感じになりますですか。
#175
○説明員(岡部晃三君) 通訳案内業でございますが、これにつきましては、法律に基づく免許を受けた者でございまして、実際に就業している者の大部分は自営業者であると理解しているところでございます。現在、伺いますと千九百十名の免許取得者がございしまして、そのうち実際に動いておられる方が三百名程度、その中で二百五十名程度の方が専属契約ガイドということで、自営業的な、つまり労働者でない者が多いのではないかというふうにも伺っているところでございます。しかしながら、私どもどうもこの案内、通訳を含めましてガイドあるいは添乗といった部分につきましては、実態を十分に把握しておらないわけでございます。したがいまして、今年度におきましては、たとえば東京におきましては実態把握のために総合的な調査をするという計画を持っております。
#176
○小笠原貞子君 確かに、何と言うんですか、自分の意思でやっているというような、雇用契約の問題なんか考えるといまおっしゃったことも言えると思うんだけれども、やっぱり臨時パートみたいな形で一年契約になっているわけですね。それで、一年契約で、賃金なんかは大体正月から話し合いで改定されて、それでまた来年一年なんですよ。だから一年契約が続いて続いて、何年くらい続いているんだと言ったら二十年から三十年の人がいると言うんですよ。そうしますと、確かに委託された仕事を自分でやっているんだと言っても、一年、一年の契約で十年、二十年、三十年と、こうなりますと、やっぱりそういうことではちょっと割り切れないと。そこのところは働く者の権利という立場から考えて、その実態をお調べになるとおっしゃいましたので、そういう問題も含めて実態をお調べいただいて、どういうふうにするのが好ましいかというような点も私いろいろ伺わせでいただきたい、そう思いますので、今後――いつごろから始められていつごろまでかかるんですか、その実態調査というのは。
#177
○説明員(岡部晃三君) 今年度の監督指導業務計画として、たとえば東京におきましては規模三十人以上の旅行代理店六十軒を計画をいたしております。今年度中にはということでございます。
#178
○小笠原貞子君 来年の三月までね、今年度中ということは。ずいぶん気の長い話だけれども、なるべく早く、そしてなるべくたくさんのところを対象にしてお調べいただきたいと思うわけです。
 それから、問題がたくさんあるんですよね。ガイドさんの試験というのがございますね、御承知のとおり。これはもう大変むずかしい試験なんですね。私もこんなのむずかしくないと思ったら、これ日本観光協会から出していただきましたのを見ますと、合格率平均五・四%ですってね。そうすると、いろいろ実情を聞きましたら、語学力では最高の話学力で、何か大学生も四年くらいになりますと、自分の話学力を試すために外務省の試験とそれからこのガイドの試験を受けると、自分の話学力がどれくらいかというのがわかるというふうに大変高い語学力を持っていらっしゃると。それに加えて、地理、歴史ですか、産業、経済、文化、一般常識ということになりますと、これは大変な、まさに日本の顔として大丈夫だという人たちなわけなんですね。ところが、こういう人たちがいるんだけれども、さっきの業者と同じように、やっぱり無資格業者というのがたくさんいるということなんでございますけれども、これも無資格業者というようなものがどれくらいいてどういうふうになっているかというのを調査されたことおありですか。
#179
○政府委員(西村康雄君) ガイドの無資格というのはなかなか私ども実態が把握できない、そしてこういう点については、ガイドの協会の方からそういう事実があればぜひわれわれに教えてくれという態勢をとってきておりますが、その具体的な指摘というのがほとんど数はありません。一般的に、無資格というのか、これが有償なのか無償でやっているのかが非常にはっきりしない。ボーダーラインなものですからそこははっきりしないんですが、ともかく通訳案内業法による免許を取っている人でない人が実際に案内をしているという例は聞いてはおりますが、その実態については詳細にわかっていないのが実情でございます。
#180
○小笠原貞子君 なかなかそれはむずかしいかと思うけれども、やっぱり雇う方にしてみれば安い方がいいというようなことで、安直に無資格の人たちを雇ってガイドをやらせるというようなことが相当行われていると見ていいと思うんですよ。だけれど、それでは先ほどからの国家試験を設けてというふうな立場での御趣旨だと、正しく日本を紹介するということの必要さからそういうむずかしい試験やなんか決めていらっしゃるとすると、そういう問題を、言ってきたらわかるというのではさっきと同じで、私はちょっと残念なんですね。やっぱりこれからの日本は、働きバチだの貿易摩擦でがたがたやられていますから、正しい日本というものを知ってもらって、最高の民間外交官ですから、そういうものについて、これも大変だろうけれども、実態もちょっと積極的にお調べをいただきたいと、そう思うわけです。
 それで、実は四十九年の四月十日に衆議院の運輸委員会で共産党の三浦議員がこれを取り上げまして、そのときにはこういうふうにお答えになっているんです。高橋(寿)さんとおっしゃいます方が、「十分良質なガイドが確保できるような意味での待遇の改善につきまして、」――賃金の問題などにつきまして、「旅行業協会に対して要請をいたしたい」と、こういうふうにおっしゃっているわけなんですね。さっき賃金が安いと言いましたんですけれども、これはどういうことかと言いますと、日本観光通訳協会というのがございまして、そこに会員になっていらっしゃる方が千五百人いらっしゃると。しかし、賛助会員というのがありまして、これは業者、大きな旅行業者だとかホテルだとかおみやげ屋さんだとか、こういうのが賛助会員というので入っておりまして、この人たちはつまり使う側ですね、使う側と使われる側の通訳さんと一緒になって協会というのができているわけですね。だからそうしますと、賃金上げてくれ、しっかりやってほしいということを言っても、その協会の中では物が言えないと。これは私当然だと思うんですね。へたなことを言ったら、おまえはいいよなんて言われて干されちゃうということでございましょう。そうすると、これは大変なことになるんだなということをやっぱり実態として知っていただかなければならないと、そう思うわけなんですよ。これが本当に通訳さんの団体であればその人たちが団結してということができるけれども、業者が半分入っていて力を持っているのじゃ、ちょっとこれは対等な話し合いができない、ここに任せておいてはこの問題は解決つかないということを私は言いたいわけです。
 先ほど部長さんがこの問題について、待遇を引き上げるということもこれは必要だとおっしゃって、それについては交渉能力をつけるようにということも先ほど御答弁いただきましたね。交渉能力をつけるように検討したいと、こういうふうにおっしゃっているわけなんですけれども、この交渉能力をつけるためにも、またこのガイドさんたち自身の自分たちを守るというためにもやっぱりそういう会をつくりたいと、自分たちの団体をつくりたいということに対する届け――これは届け出制でございますね。そうすると、その方たちが、時間がないからみんな言ってしまいますけれども、自分たちの会をおつくりになったと。いいですか。おつくりになった。もう御承知でいらっしゃいますね。日本通訳案内者連盟というのをおつくりになって、そして一度持って行ったけれども、不備だというので、きちっと整理をされてそしてお持ちになったわけです。そうしますと、運輸省のどなたかは言いませんけれども、先ほど言った日本観光通訳協会というのがあるんだからわざわざつくらなくてもいいではないかというふうなことをおっしゃったということを聞きました。私はこれは言うべき青葉ではないですね。法律によっても十五条によってそういうものをつくれるとなって、届け出制なんだから、だからこれは当然もうきちっと内容ができているんだから、届け出を出されればこれはもう承認されて一人前の団体として認められると私は解釈したからそのはずだと私申し上げたんですけれども、それについてもそのはずだと思いますが、いかがですか。時間がないので全部重ねて言いましたけれども、どうぞお答えをいただきたいと思います。
#181
○政府委員(西村康雄君) ただいまの後の方の通訳案内業法の届け出の問題でございますけれども、どうも私どもの担当の者とお話しに来られた方の行き違いがあったようで、大変そういう誤解が生じたのを申しわけなく思っております。この届け出につきましては、いまお話しのように、当然届け出があれば私ども受理するつもりでございます。ただ、どういう行き違いがあったかという点については、多少まだ私も実態がよくわかりませんが、担当の方からは、まだ書類が何か、表と中身と、言っていることと実態が少しずれているというふうな指摘をしたというようなことを聞いておりますが、それも改めてまた、こちらからの話は先方がよく知っておられると思いますので、機会を見てお話し合いをして、そういう誤解を解いた上で、届け出は速やかに受けつけさしていただきたいと思っております。
 それから通訳案内業の協会の構成の問題でございますけれども、これにつきましては、先ほど私、将来の方向としていま非常にガイドの待遇の問題を何とか改善したいというふうに考えておりますけれども、この現在の協会自身については非常に古い歴史がございます。そして、それはそれなりにガイドの使命の普及に大いに貢献してきたし、現在もそのためのガイドのよりどころになっている協会でございます。そして、ガイド以外の旅行業者等がそのメンバー、これは準会員として入っております。それは実のところを言うと、賛助会費を大いに負担するという意味で入っているので、また、これらの人たちは、実際に職場を確保するという点である面では協力態勢にあると。非常にうまくいっている場合はこれが非常にいいわけですが、料金が不当に低くその結果抑えられることになると問題があるわけで、そういう点も含めて、一体ガイドのための料金をどうやって形成したらいいのか、これがまた公正取引委員会がいろいろと指摘をしたために、いままで協定で下支えしてきたのがさらにそれもできなくなるという事態では非常に困ったことだと私ども思っておりますので、この点も含めて何らかの改善を早急にやりたいと思っております。
#182
○小笠原貞子君 どうもありがとうございました。
#183
○三治重信君 きょうは柳澤委員の御都合によって私が代理で御質問をさしていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 最近の日本人の海外旅行熱、また、非常な余裕ができて旅行する団体、個人が非常にふえている。そのために旅行業者が本当に成長産業として、いわゆる産業としてまで実をなしてきたところであります。したがって、その中で旅行業者の取り扱いをどうするかというので今回の改正になったという御説明はもっともだと思うわけなんです。
 ただここでひとつ、いままでの各質問者へお答えになっていて重複することもあろうかと思うんですけれども、今度、一般旅行業者の保証金を六百万円から二千五百万円、さらに二年置いて五千万円と、こういうふうに非常に急激に保証金を上げる。どうもその保証金の引き上げの理由が中小業者にはよく理解が得られないと、こういう部面も聞くわけです。それが一つ。もう一つは、これは上げるからには、最近のこういうふうな上げなくちやならない理由、すなわち、トラブルの件数とかあるいは業者として保証した金額の推移というようなもの。この業者の中でも、これはわかれば、一般旅行者の方に支払ったものと、それから相手方、利用する交通機関なりホテルなり、そういう相手側に故障が出、迷惑をかけて支払ったというようなことがわかればいいので、これをひとつ、まず最初に御説明をしていただきたいと思います。
#184
○政府委員(西村康雄君) まず、主催旅行にかかわる営業保証金の引き上げの理由でございますが、先ほどからも御説明しておりましたように、主催旅行を行うということにつきましては非常な投機性がある。主催旅行の企画というのが当たれば非常にもうかるし、当たらなければ非常に損をするということで、そういう投機性が強い。加えて、大きな前受け金を受けるということでございますので、一たび倒産したときは非常な損害をお客に与えるというおそれがあるわけで、いまのように、主催旅行が数もふえる、そして一人の業者が多くの主催旅行を同時にやる、そして主催旅行自身の計画が大型化してくるということになりますと、営業保証金というものはどうしても旅行者に対する最後の保塁としてある以上、額の引き上げということが必至の方向になるわけでございます。ただ、実際には中小の旅行業の方もいらっしゃるわけでございますので、それらの方が負担できることでなければならない。そこら辺が営業保証金の額の決め方のむずかしい点で、一方では旅行者、取引をしている方々にとって不満が残るかもしれない額になりましてもやむを得ないという事態が生ずるわけで、その点では、今回の改正でもかなり金額自身の引き上げ率から言いますと非常な大幅でございます。その点では、中小の方に負担感が非常に大きくなるということもまた事実だと思います。ただ、客観的な金額は旅行者の方から見ますと大きくはないということで、その点では、今日の旅行の取引の実態から申しますと、一たん事故があった場合には非常に旅行者の方も不満足な結果に終わるかもしれない水準に推移せざるを得なかったというのが実情でございます。
 そこで、実際に旅行業協会の弁済の実態でございますが、今日の段階では昭和五十六年で日本旅行業協会のこれまでの還付額は二千六百万でございます。また全国旅行業協会の還付額は二千九百万でございます。こういった金額でございますが、これはたとえば日本旅行業協会の場合ですと、昭和五十二年にはたまたま少なくて八十八万七千円、そして五十三年には二百七十万という程度に低い金額で推移しているわけですが、最近になりまして急速にその金額がふえております。これは六百万という限度額を前提にしてこういうことでございます。そしてまた、全国旅行業協会の方は五十二年が六百四十万、五十三年が三百二十五万という程度の金額だったわけでございますが、最近に至りまして二千九百万という額に非常にふえてきているということで、一般の営業保証金に至らないトラブルというのも数少なくございませんで、それらのトラブル、苦情を申し立てられているものが数自身はかなりふえておりますし、それらの中で多くの場合は示談で済んでいるというのが実情でございまして、いま申し上げた営業保証金の還付という事態にまで立ち至ったものは全体のごくわずかでございます。
#185
○三治重信君 しかも、これは登録のための供託制度みたいになっているでしょう。そして供託さして、そしてまた一年たつと五分の一で何というんですか、営業保証金がいいということになるというのは、これまたどういうことなのですか。
#186
○政府委員(西村康雄君) 旅行業協会というのが弁済業務保証金というのをやっておりまして、これが営業保証金にかわって保証金を供託所に納める、その金額について利用者、取引をした者が還付を受けるという仕組みになっております。そのために、旅行業者は営業保証金を供託所に供託するかわりに分担金を旅行楽協会に納付するという仕組みができているわけでございますが、これはやはり相互に共済をするという仕組みでございます。したがいまして、いきなり現在の旅行業法のように、どういう営業実態であるかどうかわからないまま、ともかく、一定の要件があれば登録を受けられるという場合に、まことに営業についてはだらしない者が協会の会員になったということでは、協会全体が共済制度を前提にしている以上、協会の財政を悪化させるということになりますので、一年間は少なくとも自分でちゃんと営業ができたということの実績を見せてくれなければ、これは協会の会員としてその保証社員、保証業務についての資格を受けることはできないということで、一年間の期間を設けたというのが立法の趣旨でございます。
#187
○三治重信君 いや、その供託をとにかく一般業者として今後登録を維持していくためには、三年後には五千万円、とにかく最初の一年間は積まんならぬわけでしょう、違うの。
#188
○政府委員(西村康雄君) 現在、旅行業協会のメンバーである人はその五分の一の額を分担すればよろしいわけでございますので、今日積んでおります額との差額をとりあえず法施行時、これは今日六百万が二千五百万になりますが、それがそれぞれ五分の一の差額でございますので、その差額を納付すれば足りるわけでございます。そしてまたさらにその二年後にはこの額が五千万円になりますが、旅行業協会の会員はその五分の一の千万になるように、さらに実際の金額から申しますと五百万あと積めばいい、こういうことになるわけでございます。
#189
○三治重信君 そうすると結局、言い分はいかにもこれ五千万とか金額は大きく出るんだけれども、実際はその五分の一の金を出せばいいんだから大したことはないじゃないかと、こういうことなんだろうと思うんだけれども、五百万ぐらいだったらそう大中小の企業規模によって段階を設けるほどでもないかもわからぬけれども、いまの御説明の、結局旅行業者も大手やなんか非常に預かり金額がウナギ登りになってくると、それの保証のために必要だということになってくると、むしろそういう協会がやる営業保証金の分担金というものはその売り上げの率によって取るのが当然じゃないか。何か登録のかわりに金を山さしていてそれを営業保証金や損失補償の分担というようなかっこうでやる、しかも定額ということになってくると、その扱う金額がどんどんウナギ登りに大きくなる。また業者間でも扱う成績によって分担をする、大と中小とはえらい格差が出てくる、そういうようなときにこれを全部一律に協会にそういう営業分担金をさすという指導体制というのか、そういう省令のつくり方というのはちょっと中小業者に酷じゃないかな。
#190
○政府委員(西村康雄君) いま御指摘のような問題点、確かにあるわけでございます。今回法律改正をする場合にもそこら辺は十分検討したわけでございます、旅行業協会の人たちも交えまして。それで、現在の営業保証金制度というのは、主たる事務所につき六百万円、そして従たる事務所につき三十万円ということでございますので、実は非常に大手と申すところは、営業保証金のベースで言いますと何千万から億という額になるわけでございます。そういうことで、実は大きな業者というのはやはり従たる事務所を非常に数多く持っておりますので、そこで一応格差は出るということにはなっているわけでございます。ただ今回の場合は、主たる事務所についてだけ営業保証金の引き上げをやったわけで、従たる事務所についてやっておりませんが、これは主催旅行の性格が従たる事務所に余り関係なく、どちらかと申しますと、たとえば新聞広告でやるとか通信販売でやるとかいろんな形でやりますと、余り主たる事務所、従たる事務所ということではない。ただ、むしろ非常に今回の場合でも他の旅行業者を用いるということが多い。千、二千の他の旅行業者の事務所にパンフレットをばらまくということがまた実態でございますので、その点は配慮して、千の事業所を使うごとに営業保証金のベースで五百万円ということにしております。
 これは、そういう形で営業規模を反映さしたわけでございますが、しかしこれでもあくまでも形式的で、実態的な営業保証金の額が取引の額に見合わないというのは御指摘のとおりなんです。それで私どもも、じゃそれを取引の実態に合わせるにはどうすればいいのかと、一つは役所が毎年その取引の実態をチェックした上でその営業保証金を納付すべき額を決めるということも一つのやり方だと思うんですが、私ども役所としても毎年事業者の取引の内容をチェックするということは煩わしいという勝手を申し上げてはあれですが、という以上に、業界、業者の活動の中に一々介入していく、営業保証金のためだけで実態的な営業の中身まで規制するようなそういう介入をすることはむしろよくないというように思いまして、このような制度はとりたくない、できるだけ外形的な形で単純にやりたいというのが制度の考え方でございます。
 それから第二に、そうではなくて、営業保証金ではなくて、それなら保険だとか銀行保証とかそういう制度はどうだろうかということを考えたわけでございますが、いずれの制度も、十分な担保がないと保険機関、銀行等はやらないと。残念ながら旅行業というものはさしたる固定資産がございません。そういう事業でございますので、銀行がそういう意味で取引について保証するということができる対象ではない。もしやりましてもごく大手の数社あるいは一社、二社ぐらいがようやく銀行保証をしてもらえるというような業態でございます。そういう点で、銀行保証という制度もむずかしい。保険も全く同様でございます。そういう点で、今回営業保証金の制度というのは、非常に中小にとってはある程度問題かもしれませんが、しかし逆に、自由に活動できる仕組みとしては、いまのような営業保証金制度を外形標準だけでやるということが一番適当なことで、実際そういう中で請け負う業者はそれぞれの工夫のもとでいろんなことを今後件はしていくということの方が、私はそれの方がよけいな介入がなくていいんじゃないかというふうに考えております。
#191
○三治重信君 御説明の中で、ぼくは役所に介入しろと言っているわけじゃない。ただ、一律に決めただけでそれで十分な保証ができるのかと。どんどんと金額は多くなっていくわけでしょう。だから、それこそ役所が一遍金額を決めちゃうと、今度は直してくれと言ったときにまた役所が入ってくる。どれだけ上げよう、こうしようということになるわけでしょう。だから、売上金額に何%掛ける、この掛ける率さえ決めれば、しかも、それも売上金額に同じ率を掛けるとなるとそれは大手に少し酷になると。そういうことならば、まあ大手の方になってくれば信用もある。そうすると、これは金額の売上段階によって掛ける率を少なくするという手もあるだろうし、いずれにしても、そんなものを決めるのに一々役所が入らなくちゃ業界が決まらぬなんということはないわけなんで、それはその保証金を、そういうふうな売上金額なり決める基準さえ役所がつくっておけば、その要素で業界で決めなさいと言ったってできることなんで、その点もう少し知恵を出した方がいいと思うんです。
 それから、何といっても旅行業者、旅行業、これは新しいニューリーダーの産業として、やはり信用といいますか、旅行者の信用、それから旅行者が十分安く契約できるためには、もしも相手に、ホテルなり交通機関なりに迷惑をかけた場合にはそれは完全に保証されると。だからこの政府に登録した旅行業者にはいわゆる掛け値なしで契約ができると。そうすると、一般の個人がやるホテル料金とか、あらゆるもの、それから交通機関でもこれからだんだん団体割引がある、航空機でも。だから、交通機関も団体には割引がある、ホテルもそういうぐあいになる、そこが旅行業者の手になってくるわけだと思うんですよね。だから、そこのどれだけ割り引くかというのも、結局その業者の信用にかかわるわけなんだ。その信用が結局この保証金だと、こういう裏づけに一つなるわけでしょう。もしも万が一あった場合には、それが保証すると、こういうことでしょう。だから、それがもうピンからキリまでの業者どれもこれも一緒だというのは非常に不合理だと思うんです、外に対する保証が。
 片方では、中小の百社ぐらいに、これだって、もう書いてあるのが五百何十社のうちでたった十社が大体のところを占めている。まあこういうふうになってくると、十社のも、それからそのあとの五百社の方も同じ保証金ということになると、それは実態はそれほど、何といいますか、負担にならぬにしても、非常なこれは悪平等的な考え方で業者が受けるのもこれは当然なことだと思うんです。そこはひとつ、やはりその業界のリーダーはリーダーなりに負担する体制をぜひとってもらいたい。この点は、一たん決めたことだからそれはすぐだけれども、みんな省令なんだから、新しく法律でここで決めるものじゃないわけだから、ひとつ業界の方の中小の業者ともよく意見を聞いて、そうしてそういうふうな一業者幾らということでなくして、売上高なりあるいは資本金の規模なり、そういうもので変えられる手をとるというふうなことをぜひひとつ考えてほしいと思います。
 それからその中でも、いまさっきもおっしゃったように、営業所とかそういうようなものには、金額は現在のものを据え置いたというのも、それはそういう規模に切りかえていく一つの考え方の萌芽が出てくるんじゃないかと、こういうふうに思いますから、ひとつその点はとくと、思いつきで大変申しわけないけれども、検討をしていただきたいと思います。
 それから、一つは、日本の旅行業者がことに東南アジアのいわゆる台湾、フィリピンその他香港、そういうところをやる場合には、これはいろいろさっき問題になっていた通訳とか、そういうものは全部現地の旅行業者がやるのですかね、非常に流暢な日本語で一から十まで全部やると。だから、こちらの添乗員は向こうへ行ったら開店休業で、団体の苦情処理――いろいろ待遇、約束と違うじゃないかとか、あそことどうか、こういうのは変えてほしいとか。また苦情ばかりじゃなくて、希望やそういう取り次ぎぐらいになっている。ところが、それ以外のところの自由圏だと、こちらから通訳を連れていって、その通訳がうまく通訳できるかできぬかによって旅行者の満足がいくかいかぬかが非常に変わってくると。各共産圏へ行くと、これは全部向こう側の、向こうへ入ったら向こうのことで中国でもソ連でもやって、日本の旅行業者は手を出すなど、こういうようなことに実際はなっている。そういうふうなことによって、団体が行くところによって旅行業者の扱い、いわゆる旅行者に対する扱い方が非常に違うわけなんです。だから、そういうものが全然一緒になっているんじゃないかと思うんですが、今度これは旅行業者の業務運営の適正化を図る、こういうふうになっているわけなんで、そういうふうに、旅行者が行く先々によって非常に旅行業者のいわゆる旅行者に対する取り扱いが違ってくるわけですよね。そういうものについての業務運営の適正化というのはどういうふうに考えますか。
#192
○政府委員(西村康雄君) 日本の海外旅行が非常に数がふえております。これらの海外旅行をやる場合の多くは、現地のいわゆるランド業者というのを使って現地の手配をすると。自分の力で海外の旅行手配ができるのは数社でございます。現地のランド業者の中には日本人が主としての海外法人もございますが、多くはまさにその国の資本のその国の旅行業者が引き受けるということで、そこの間には日本の旅行業者と海外の旅行業者との取引の関係が生じます。そうして、その海外での日本人の旅行のマナー及びその海外の旅行業者との関係で非常に場合によっては安く買いたたくというようなこと、あるいは向こうが非常に安く売って、日本の旅行業者に対してぜひ客を送ってくれというようなこと、いろいろな関係が生じてくるわけで、そういった点では、いずれも日本の旅行業者の旅行の取り扱いということが、日本の旅行者が海外でこれからどういうふうに海外旅行をエンジョイできるかということとやはり密接な関係がありますし、日本の評判がどうだということともまた関係するわけですから、日本の旅行業者が海外においてもその取引をするときには十分に注意をしなければいけないわけでございます。そういう点では、今回の旅行業法の適用も海外での行為についてもすべてあるわけでございまして、その点でも、海外の活動についても厳密に法を適用していきたいと考えております。
#193
○三治重信君 いや、余り厳密にされても困るんで、ただ行くところによって違うのを、そういう取り扱いの業務運営を、どこへ行っても同じような一律的な規定だけで済まさぬようにということですから、ひとつそこを間違えないようにお願いしたい。
 今度の内容で、大臣がこういうふうな旅行業者の標準約款をつくって、それに従う、これは非常にいいことだと思うんです。それから旅行業務取扱主任者、これも試験とか何かじゃなくて、職務についての準則をつくるというのは、これは非常にいい考えだと思うんです。
 この二つはいいわけなんですが、もう一つ非常に問題は、旅行業の代理店業者、この代理店業者は代理店業者としての登録であると思うんですが、これと、いわゆる大手と代理店の契約ですね、これがいわゆる下請いじめということにならぬように、これも一定の手数料なり販売手数料なりというものを、個々の契約じゃなくて、標準的なものをきちんと、運輸省でつくらなければこの協会でつくらすなり、そうしないと、ある業者は代理店の業務に三%の手数料、ある薬者は七%の手数料を出すと。それは契約自由の原則、全部、大体こういうふうな大衆を相手にしまたは大衆との業務は、証券取引法でも何でもみんな一定の手数料の基準が決まっているわけですよね。だから、代理店というものをこれからいわゆる一般業者は使っていかなくちゃならぬ。そのときのいわゆる基準的な営業メリットがあるような、しかも不当な取扱手数料でないようにひとつぜひやってもらいたいと思うのと、それからもう一つは、必要な命令というのは、ことに保険契約、いわゆる重要なものについては保険会社との契約の基準を出すというようなことを聞いているんですけれども、これは主に保険契約というのは恐らく旅行者と業者、旅行業者が旅行者に対する保険契約の基準を示す、こういうことだと思うんですけれども、そういうものについて、大臣、業者と代理店とか、それから業者と保険会社との保険契約、こういうようなものについて、やはり一々取引に介入するということじゃなくて、一定の基準を示す、こういうこと。これは命令とか、ある一定の業者を明示するというようなことがあるわけなんですが、そういうことをひとつ望んでおきたいと思うんですが、いかがでございますか。
#194
○国務大臣(小坂徳三郎君) この代理業者といわゆる旅行業者ですか、この関係については、やはり一般的に言うと大きいものが小さいものを大変いじめるという可能性は十分あると思うのでございますが、この旅行の関連は、実態はなかなか代理業が強いようでございます。でありますが、しかしやはりここに代理業というものがとても立ちいかぬようなたたかれ方が許されていいものではないと思いますし、こうした面についてはただいま委員の仰せられたことはごもっともな点がございますので、協会の方にもよくそうした御注意のあったことを伝え、そしてまた、非常に不適正なものがあれば実態を調べて善処するというようなことで進ませていただきたいと思っております。
#195
○政府委員(西村康雄君) それから保険契約の締結の問題でございますが、これは今回主催旅行業約款というのをつくりまして、その中で補償責任というのを義務づけようということなど出てまいりますと、やはりこれが先ほど申し上げましたように保険化しないとやれない、まあ多くの旅行業者は、このような旅行上の責任をとるには必ずまず保険をかけないと自分の方が責任がとれないので掛けるだろうと思います。しかし、その場合、そういうことでありましても保険を掛けない業者が万が一いました場合には、まず保険を掛けるように十分に勧告をし、調査をし、話し合いをして、それでも保険を掛けないということであれば、やはりこれはどんな大手の業者といえども責任をとれないことだと思いますので、そういう事態がございましたら、保険に関する付保命令というのをかけるようなことになろうかと思います。
#196
○委員長(桑名義治君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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