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#1
第096回国会 運輸委員会 第10号
昭和五十七年五月十三日(木曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     和田 静夫君
     田  英夫君     宇都宮徳馬君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     青木 薪次君
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     宇都宮徳馬君     田  英夫君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     田  英夫君     江田 五月君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桑名 義治君
    理 事
                井上  裕君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
                黒柳  明君
    委 員
                伊江 朝雄君
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                竹田 四郎君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
                江田 五月君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
   政府委員
       内閣法制局第四
       部長       工藤 敦夫君
       運輸大臣官房長  角田 達郎君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       警察庁交通局交
       通企画課長    福島 静雄君
       警察庁交通局交
       通指導課長    桑田 錬造君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    新藤 恒男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小坂運輸大臣。
#3
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 今日、自動車は国民各層に普及し、国民生活に欠くことのできないものとなっておりますが、最近における自動車技術の進歩、使用形態の変化等に伴い、自動車の安全と公害の問題をめぐり少なからぬ状況の変化が生じており、他方、自動車整備の適正化に対する社会的な要請も高まっております。
 このような状況に対応して、昨年十月と本年一月に新しい時代に即応した検査、整備制度のあり方等について運輸技術審議会から答申が提出されるとともに、本年二月臨時行政調査会からも同趣旨の答申が提出されるに至っております。
 本法律案は、これらの答申の趣旨を踏まえ、検査、整備制度の改善及び自動車分解整備事業者による整備の適正な実施を図るため、これを提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、自家用乗用自動車について、初めて自動車検査証の交付を受ける場合の当該検査証の有効期間を現行の二年から三年に延長することとしております。
 第二に、自家用乗用自動車であって、初めて自動車検査証の交付等を受けた後継続して使用されているものについては、最初に行うべき定期点検を行うことを要しないこととしております。
 第三に、定期点検の励行を確保するため、運輸大臣が自動車の点検及び整備に関する手引きを作成公表するとともに、定期点検を行っていない自動車について、陸運局長が点検を指示することができることとする等所要の規定を整備することとしております。
 第四に、自動車分解整備事業者が遵守すべき事項に関する規定等自動車整備事業の業務運営の適正化を図るための規定を整備することとしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成をいただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(桑名義治君) 以上で趣旨説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○広田幸一君 最初に、今度の法案が出るもとになりましたのは、中曽根行政管理庁長官が一昨年の十一月に、いまの車検制度というものは見直す必要がある、それは国民の負担を軽減することと行政の簡素化、こういうことでこの法律ができる発端になったわけで、非常に国民の関心を生んでおるわけですが、非常に関心が高まってきたというのは一体どういうところにあるだろうか、やっぱりそういうところからさかのぼって考えていかないと、今後のこういう目的とする法律というものはうまくユーザーのためにも整備業界のためにもよくない、こういうふうに私は思うわけでありますが、そういういままでの流れというか、そういうものについて少しお聞かせいただきたいと思います。
#6
○政府委員(飯島篤君) ただいま提案理由でも触れているところでございますが、今日、自動車は四千万台を数え、自家用乗用車は二千二百万台を数えるに至っております。国民各層に自動車が普及いたしまして、国民生活に欠くことのできないものになっているのでございます。
 一方、最近におきます自動車技術の進歩、使用形態の変化などに伴いまして、自動車の安全と公害の問題をめぐり少なからぬ状況の変化が生じてきております。また、過剰整備あるいは手抜き整備の防止等、自動車整備の適正化に対する社会的な要請やユーザー側からの国民負担の軽減の要請も高まっているところでございます。
 このような背景におきまして、新しい時代に即応した検査、整備制度の改善及び自動車分解整備事業者による整備の適正な実施を図ることが要請されておりまして、これが本法律の改正に期待が寄せられているという理由だと考えております。
#7
○広田幸一君 きのうも本会議でただしたんですけれども、二十六年に車検制度というものができまして、三十七年に定期検査の制度が導入されて、二十年たっておるわけですね。いま局長もおっしゃったんですけれども、この間には非常に自動車がふえた、多様化した。自動車を取り巻く環境というものは非常に変わってきておるわけですね。非常に変わってきておる。そういう中で、法律だけは、制度だけはそのままずっときたわけですね。ですから、悪い言い方をすれば、行政管理庁長官があの提言をしなかったならばこういう法律の改正というものはなかったじゃないか、そういうふうに思うわけですが、ですから私は、そういう一方では二十年の間にもう車自身はよその国に比べても一番性能もいいし、飛びすぐれてよくなっておるというような状況の中で車検制度と点検、整備だけがそのまま残っていったというのは、僕は非常に行政としてそういう情勢の変化に対応するという努力というか、創意工夫というか、物を改善をしていこうという、そういうところが惰性的にきたように思うんですが、どうでしょうね、そういう点は。
#8
○政府委員(飯島篤君) 現行の道路運送車両法は昭和二十六年に御指摘のとおり制定されたものでございます。おっしゃるように、その後、車社会がいろいろ変わってきております。ただ、急激なモータリゼーションに伴いまして、むしろ安全の確保、公害の防止の観点からいろいろ規制の強化が要請されていたことも事実でございます。逐次こういった車社会の変化に対応いたしまして所要の改正を行ってきたところでございます。
 まず、検査証の有効期間につきましては、昭和二十七年に、旅客運送事業用自動車につきまして一年から九カ月へ短縮するとともに、自家用乗用車等については一年から二年に延長をいたしました。また、昭和三十七年には、幼児専用車、レンタカー等について二年から一年に短縮をいたしております。また、昭和四十七年には、三、四輪の軽自動車を検査対象に加えることとしたところであるなど、検査制度につきましては数次にわたって改正を行ってきております。
 また、点検、整備制度につきましては、昭和三十八年に、それまでの整備勧告制度にかわりまして、定期点検、整備制度を設けたところでございます。それ以降、点検項目等を定める運輸省令におきまして、昭和四十三年に排出ガス関係の点検項目を追加いたしました。一方、自動車の性能の向上等に伴いまして、昭和五十四年には、自家用乗用車等につきまして点検項目の見直しを行い、若干の簡素化を図りました。こういったことで、適宜見直しを行ってきたところでございます。
 今回、検査、整備制度のあり方について運輸技術審議会の御審議を願ったところでございますが、そのはしがきにも指摘がありますように、検査、整備のあり方につきましては、今後とも所要の資料の整備に努めまして、自動車技術の進歩等に対応して適時に見直しを行っていくことといたしたいと考えております。
#9
○広田幸一君 局長がおっしゃったのは、部分的にいろいろやった程度であって、やっぱり今度のこの法律改正で問題になりました、車検制度の期間を三年とし四年にするとか、そういう延ばすというようなことと、それから定期点検自体の性格をどうするかというようなところには余り前進がないと私は見ておりますが、もし私の言っていることが違いだったら、いや違いますということで言ってもらえばいいと思うんです。
 そこで昨年諮問されたときのあのころの感じを言いますと、いまの運輸省として自動車局として、この車検の期間を延長するということに対してはきわめて消極的であったと思うんですがね。だけれども、政治的ないろんな圧力というか、そういう意見もだんだん強くなって、仕方なしというか、そういう表現はあれですけれども、消極的にそういうふうな対応をしてきたと、こういうふうに見ております。私はなぜそういうことを言うかというと、あの二年が三年、当時は行管としても、実際は新車といわず全部の車両に対してやっぱり三年一律と、こういうふうな意見もあったと思うんですね。だのに新車だけに変わったというような経過から見まして、その辺に何かすっきりしないようなものがあると思うんですが、そういうすっきりしないものはなかったと、順序を経て運輸技術審議会でずっとやってきて結論を出したと、こういうことになりますかな。
#10
○政府委員(飯島篤君) 本件に関連いたしましては、まず昭和五十五年の十二月の二十九日の閣議決定におきまして、「自動車の検査の在り方について、速やかに関係審議会等の意見を聴取して、検討を行う。」ということが決められまして、これを受けまして二月の二日、運輸技術審議会に、新しい時代に対応した自動車の検査、整備のあり方について専門的、技術的な観点から御審議を願うことといたしたわけでございます。
 審議会におきましては、各種の実験を含むデータの収集、解析にかなり時間を要しましたが、これに基づきまして、いま申し上げましたように、自家用乗用車について新車のみ三年という結論をいただいたわけでございます。
 なお、本件が問題になったときに行政管理庁等から、マイカーについてオール三年という話があったのではないかというお話でございますが、検査の有効期間につきまして行政管理庁あるいは臨時行政調査会から具体的な御意見は一度も伺ったことはございません。私どもは、本件につきましては安全の確保、公害の防止、省エネルギー等の観点から、所要の技術的なデータを集めた上で、専門的に検討すべきであるということのみを当初は申し上げておったわけでございます。
#11
○広田幸一君 私は技術者でないのでわかりませんが、この中古車が三年にならなかったという理由をひとつ簡単に御説明願いたい。
#12
○政府委員(宇野則義君) 運輸技術審議会で検査のあり方について議論をされました。その過程におきまして、現在の町に走っております車がどういう状態で走っておるかというチェックをしながら審議をしたわけでございます。その結果といたしまして、車齢が新しい段階、すなわち検査で言いますと第一回目の検査の時点では、その車の重要部位におきますふぐあいの発生率が、数字的に申し上げますと一六・九%という数字になっておりますが、それが二回目以降の、車齢で言いますと四年、六年、八年、こういうふうに順次古くなるに従いまして、いま言いました重要部位のふぐあい個所の発走率が四〇%、五一・八%、六一・七%、こういうふうにふえてきておるわけでございます。
 そういう状態のもとで検査期間を当たりまして、初回を三年にするという一つのケースを、機械系の信頼度、故障発生率等を推計する手法といたしましてワイブル解析という方法があるわけでございますが、そのワイブル解析の方法を使いながら、期間を延長したらどうなるだろうかという推計をいたしたわけでございます。そういたしますと、新車初回の検査証の有効期間を現在の二年から三年に延ばしても、その状態のもとではいま言いましたふぐあい個所の発生率がそう変わらない。しかしながら、第二回目以降の車検の期間を三年に延ばしますと、これが現状に比べましてかなりその発生率が高まってくるという推計がなされるわけでございます。比率的に申し上げますならば、大体二〇%ないし二五%程度現在のふぐあい発生状況よりも悪くなってくると、こういう推計がなされるわけでございます。したがいまして、安全サイド、安全面から考えますと、新車の三年というのが限度ではなかろうかという結論になったわけでございます。
 それから一方、もう一つ車の管理をする上で社会的に大きな問題になっております排出ガスの劣化状況、これが一つやっぱり大きなファクターになるわけでございまして、この排出ガスの劣化状況をやはり同じように審議会で審議をし、検討を加えたわけでございます。これにつきましては、新車から車を使ってだんだん年数がたちますと、排出ガスの状態は悪くなってまいりますが、新車の段階から三年に延ばした状態では、まだ新車規制の平均値をオーバーしない状態で維持できるだろう。ところがその第一回目の検査期間を三年に延ばしまして、さらに次の検査期間を三年に延ばしたという推定をいたしますと、今度は車齢にして六年目でございますけれども、六年目にはその規制が最大規制値をオーバーしてくる、こういう推定がなされるわけでございまして、これらの現状におきます車の実態を踏まえた上で、これまで経験のない検査期間の延長ということでございますので、実際の実績はデータとしてはございませんけれども、これらの手持ちのデータを分析解析しながら、検査期間を延長したらどうなるかという推計を先生方にしていただいたわけでございます。その結果、結論といたし決しては、法案に織り込まれておりますように、新車初回の検査期間は三年に延ばすことは可能である、しかしながら、二回目以降の有効期間は現状の二年が適当であると、こういう結論に至ったわけでございます。
 その他の車種についても、同じような形で各種の車種について検討いたしましたけれども、そういうふぐあいの発生個所等の実態からいたしまして、現状の検査期間が適当である、こういう結論になって答申となったわけでございます。
#13
○広田幸一君 わが国の乗用車の平均車齢、車の年齢ですな、これは私の聞いておるのでは大体四年半、四年と半年ですか。日本の車はずいぶんいいんですが、それでも四・五。それから外国の方は九年とか十年とか、こう聞いておるわけですが、いまおっしゃったそういうものを決めるときに、現実においては平均車齢が四・五であるという、そういうことも頭に描きながらそういうふうな決定をする判断の材料にはならなかったかどうか。
#14
○政府委員(宇野則義君) ただいま先生から御質問いただきました、わが国の乗用車の平均車齢についてでございますが、先生いま四・五年という数字でおっしゃいましたけれども、この四・五年という数字は、現在町じゅうを走っております乗用車の平均率齢が四・五年でございます。これに対応いたします諸外国の車齢を申し上げますと、アメリカの場合は六・五年でございます。それから西ドイツの場合は五・五年ということでございまして、日本の四・五年に比べまして二年ないし一年外国の方が長くなっております。
 これは一つの理由が考えられるわけでございますが、御承知のように、わが国のモータリゼーションが非常にここ近年になって急激に増加をしてまいりました。そういうことから新車の混入率というのが非常に多うございます。そのためと、それからこれは一つのユーザーの志向であろうかと思うのですけれども、やはり新車志向が強いと、こういうようなことから、比較的わが国の平均率齢が外国に比べて短いということになっておると思うわけでございます。
 ちなみに申し上げますと、毎年の新車販売のその国の保有台数に対する比率を申し上げますと、日本の場合は、これ五十五年の数字でございますが、暦年におきまして、乗用車の保有台数に対しまして一二・一%が新車でございます。それがアメリカの場合は七・三%でございます。それから西ドイツは一〇・四%、こういう数字でございまして、日本の新車の比率が非常に高いということが言えると思います。そういう新車を平均いたしまして先ほどの平均車齢というのが出てくるわけでございます。先生住は外国が十年とか九年というふうにおっしゃられましたけれども、もう一つ実は車齢といいますか、寿命というのがございます。これについて簡単に御説明申し上げますと、これは現在の、いまの時点での車の車齢ということではなくて、一つの車が生まれて死ぬまでどのくらいの年数使われるであろうかということを統計的に調べた数字でございまして、私ども平均寿命と言っております。これは死ぬまでというのはなかなかとれませんが、毎年出てくる新車がだんだん廃車をされて半分になるときの、いわゆる半減率と言いますけれども、その時点をつかまえて平均寿命と、こう言っておりますが、その平均寿命について申し上げますならば、五十五年度の統計でございますが、日本は八年九カ月ということになっております。米国が十年四カ月、それから西ドイツが十年六カ月という数字になっておりまして、これは確かに日本の場合は一年数カ月短いわけでございますが、最近の推移を挑めてみますと、だんだん米国あるいは西ドイツに近づいてくる傾向で日本の平均寿命というのが伸びてきております。
 以上でございます。
#15
○広田幸一君 それで、平均車齢、平均寿命、いずれにしても日本が短いわけでしょう。それで、そういうふうになるのは新車の書きかえの率が高いと。高いわけでしょう、これはよその国に比べて。それはいわゆるよくいままで言われてきた車検とか、点検に金がよけいかかり過ぎるから、だから早くかえてしまった方が、回転を早くしてしまった方がいいんじゃないか、こういうことがよく言われますね。言われておるわけですね。現実にユーザーなんかがよく言っておるわけですね。そういうことが影響してそういうふうに短くなっておると、こういうことはありませんか。
#16
○政府委員(宇野則義君) 先ほども一部御説明申し上げましたけれども、わが国のモータリゼーションの進展が昭和三十五年から四十五年、この辺が一番ピークになりまして、毎年車の増加率にいたしまして十数%ずつ伸びてまいりました。このファクターというのは、すべて新車をつぎ込んでそれだけ車がふえてきたわけでございます。最近その増加率は落ちてきておりますけれども、まだ依然として諸外国に比べますと増加率は高うございます。そういうところから、新車が、どうしても車の保有台数の増加に新車でもってそれを補充しているという形になっているというふうに感じておるわけでございまして、ただいま先生御指摘のように、車検の関係の経費が高いことが一つのファクターではないかという御趣旨でございますけれども、私ども諸外国の整備料金等もいろいろ調べてみますけれども、アメリカあたりもかなり整備料金というのは高くて、いろんなトラブルのもとになっておるという情報も入っております。必ずしもその整備にかかわる諸経費が高いためということではないというふうに考えております。
#17
○広田幸一君 部長、それ、私もデータを、そういう資料を持って言っておるわけじゃないですけれども、よく新車にかえるときに、とにかく車検に行けば十数万円取られる点検もある、まあそれを中古車にしてそれでかえてしまった方がいい、何せとにかく料金が高いと、こういうことを言っておるということを聞いておられませんか。それは間違いであるんだけれども、そういうことがユーザーの中で話されておるというふうには聞いておられませんか、どうです。
#18
○政府委員(宇野則義君) 先生がおっしゃるような話は承っております。聞いております。
#19
○広田幸一君 聞いておるけれども、それは間違いであるということかな、それは。どういうふうに言うんですか、それは。ユーザーに対してはどういうふうに指導をしていくんですかね。
#20
○政府委員(宇野則義君) 先生おっしゃいましたように、私もそういうお話は聞いております。いまのユーザーの中に、かなりやはり車というものに対する価値観というんでしょうか、この認識が外国とかなり違うものがあろうかと思います。これだけ普及してまいりましたけれども、まだユーザーがマイカーというものをステータスシンボル的な感覚で使われていると、こういう環境がまだ依然としてあると思います。そういたしますと、中古車を買うよりは新車をと、使いたいという希望がかなり強く出てくる点が一つあると思います。
 それからもう一つは、これは何といいますか、車の流通問題あるいは自動車の販売政策とも関連があろうかと思いますけれども、中古車を下取りをして次の新車に買いかえる、そのときのいろんな条件等で、先ほど先生御指摘ございましたように、整備をしながら検査を受ける時期に、ちょうどそういうセールス、販売政策との関連で車検を受ける前に買いかえると、こういうケースもあることは事実だと思います。
 今回、検査期間の延長ということになりますと、この買いかえ時期がどういうふうになるか、見方は二つあると思いますけれども、一つは、最初が三年になったのでその三年で買いかえようという感じの人もあると思いますし、二回目の車検の五年で買いかえようという人もあると思います。この辺は厳格には推定しにくいところでございますが、外国と、やはり車の社会といいますか、ユーザー層といいますか、この辺の認識の違いもかなりあるのではないかというふうに考えております。
#21
○広田幸一君 専門でないので私も自信があって聞いておるわけじゃないんですけれども、いろいろ世の中のそういった声によって聞いて、それで部長、これはできるだけ省エネルギーの面から言っても、日本のそういう車をできるだけ長もちをさせるような方向に指導していくというのが私はいいんじゃないかと思うんですよ。その点そうでしょう。そうすると、いまそういうユーザーの中に思い違いとかいろいろあるでしょう。そういうものに対して、どういうふうにして、省エネルギーの見地からも指導していくというようなそういうことをいままでやられたことはありますか。そういうことは必要ないということなのか、その点どうです。
#22
○政府委員(宇野則義君) いま先生がおっしゃられました件について、省資源の見地から車の寿命を長く使ってくださいというような直接的な指導といいますか、これはいままで実はなかったかと思います。ただし、私どもがこの運輸技術審議会でもそういう議論が出まして、この省資源の時代だから車はなるべく長く使ってやるべきではないか、こういう御意見も確かに出ております。いま私ども省資源、省エネルギーという見地から一つ具体的にやっておりますのは燃費の問題、燃料消費量をなるべく効率のいいものにしようということで、これは法律をもとにいたしまして、メーカーが車をつくる際のターゲットもつくりまして指導しているところでございますが、全体的に言いまして、今後の省資源、省エネルギーということも当然頭に入れながらいろんな施策を考えていかなければいかぬと思っております。
#23
○広田幸一君 後で質問するようにしておりますけれども、いわゆる業界の修理の需要が下がるということでしょう。それをいかにして伸ばすかということですね。そういう場合に、やっぱりこの車齢を長くするようにすれば修理をする機会というものは出てくるわけでしょう。そういうふうな意味で私は、整備業界としても、工場としてもそういうふうにできるだけ修理をする需要の機会を伸ばすということも必要ではないかと。ただもう期限が来てしまったらこうやってしまうというような、その辺の知恵というものがいままで足りなかったのではないか、こういうふうに私は思うわけですね。その点いかがでしょう。
#24
○政府委員(宇野則義君) 先ほど御説明いたしましたように、車齢が古くなってまいりますと車の傷みぐあいがかなりひどくなってくる、そういう状態になってくるわけでございますので、整備需要というものはだんだん率的には高くなってくるというのは先用のおっしゃるとおりでございます。そういうことが確かにあるわけでございますけれども、やはりユーザー対整備工場との関係で一番の問題点は、その整備をしたときに整備料金を払うわけでございますが、その技術的な整備内容の問題だとか、あるいは整備料金の適正かどうかという、ここらあたりの信頼感、信頼度との兼ね合いで、古い車で修理個所は多くなるのだけれども、当然それに見合う手直しの技術を買って金を払うという信頼感ができ上がってくれば、そういう状態がかなりだんだん傾向的に進んでくると思います。したがいまして、現在、いまの整備工場対ユーザーの閥の信頼感の回復ということでもって、これは運技審の中間答申のときにも出ておるわけでございますけれども、そういう整備業界に対する指導もやっているところでございます。
#25
○広田幸一君 それから、これもよく問題になってきておるんですが、日本の場合は車検の前に二十四カ月の点検、整備をして車検に行くわけですね。外国――外国全部そうということかどうかわからぬですが、外国の方では車検をして、そこにいろいろとここはまずい、ここは直しなさいという指摘を受けて、それで工場へ持っていって整備をするということになっておるわけですね。どっちがいいんですかね、これは。どうも診てもらってからお医者さんに行くという方がいいように思うんですが、この辺についてはどうもいまの車検制度で前に行くというのはやっぱりまずいと。また、法律か制度か、それ自体にも、車検の前に二十四カ月の定期点検をしなさいという、そういうものはないんでしょう。これはユーザーが勝手にどうにもできることだけれども、いまの運輸省の方針としては前にしなさい、こういうふうになっているわけでしょう。この辺はどうです。
#26
○政府委員(宇野則義君) 定期点検制度の一番の基本にもかかわってこようかと思いますが、先生も御承知のように、日本の場合は定期点検の制度が法律で定められておりまして、車検、整備という言葉になっておりますけれども、現在のマイカーについて申し上げますならば、六カ月点検、十二カ月点検、それに二十四カ月点検というのがあるわけでございますが、その二十四カ月点検というのがちょうど自動車の検査証の有効期間の二年というのに合っているわけです。諸外国におきましても検査の制度はございまして、欧米におきまして、特にヨーロッパが明確になっておるわけでございますけれども、二年あるいは一年、あるいは三年といったような形でやっておりますが、それと同時に実際の点検、定期的な点検というのは諸外国の車でもやられておるわけでございます。
 そこのところで、先ほど来申し上げておりますが、わが国の自動車社会、モータリゼーションの歴史というものと、それから現状におけるユーザーの認識といいますか、車を使われる方の意識とが若干違うところがございまして、現状を申し上げますならば、先生御承知のように、定期点検の制度があっても実施率が五〇%とか六〇%というような形でしか実施をされていないという実態が現にあるわけでございます。そういう実態と、それからそういう歴史的な経緯を踏まえたわが国におきます車をお持ちの方の意識というものを踏まえてまいりますと、やはりここで定期点検の制度を使いながら普及徹底をさせる必要があるということが一つ言えようかと思いますし、特に今度検査期間というものを延長した場合には、運技審の答申でも強く指摘をされておるのでございますが、中間の点検を含めまして定期点検の励行ということのウエートが高まってくるということから、実際の定期点検の実施率を高めようということを実は考えておるわけでございまして、検査の前にいま言いました車検、整備が行われているということが現状でございますけれども、先生おっしゃいますように、あるいは外国のような形で検査をした結果ふぐあい個所だけを手直しをするとした場合に、いま言いましたユーザーにおきますところの定期点検、整備の確実な履行が確保されなくなるおそれがあるということ、それからもう一つは検査の性格になるわけでございますが、分解等によって細部の状態まで確認しているものではございません。したがいまして、定期点検、整備前の自動車について検査を行うということにつきましては現状において適当ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#27
○広田幸一君 今度の過料制度で、過料制度の目的は実施率を高める、こういうところにあると言われておるんですけれども、いま部長がおっしゃったので、この実施率がいま五〇%、県によっては六〇のところもあれば六五のところもあるわけですけれども、なぜ実施率が上がらないか、こういうことについて運輸省としてデータをとっておられますか。――ありませんか。なければないでいいですよ。なぜ実施率が上がらないかという理由をよくわかるように説明してください。
#28
○政府委員(宇野則義君) ちょっといまはっきりした記憶がございませんが、定期点検の実施率がどういう状態になっているかということにつきましては、私どももアンケート調査等によりまして調査はしておるわけでございますけれども、定期点検をなぜ実施しないのかということについてちょっといまはっきりした調査結果を持ち合わせておりませんのでお答えできかねると思います。
#29
○広田幸一君 それは部長、いけませんぞ。実施率を高めなきゃならぬというのに、現状は五〇%と。なぜ上がらないのかという原因を究明せずして上げよう、上げようと、それを過料制度によって上げようというのは全く科学的な根拠がありませんよ、そうでしょう。私の感じですけれども、私の近所に優秀な運転手がおります。それはもう十分に自分でできるんですよね。ほとんど自分でやっておるわけですよ。ところが、なぜ六カ月点検、十二カ月点検、また六カ月、二十四カ月点検に行かなきゃならぬかという非常に疑問を持っているわけですよね。そういう人もたくさんあるわけですよ。だから、いまのこういう点検制度に対して非常に不満を持っているわけですよ。しかし、そういうふうに法律で決めてあるから行かなきゃならぬというわけでしょう。中には、いまごろ女の人が多いんですけれども、私の家内も実はもう十年選手で運転してますよ。これはほとんどもうディーラーに頼んでます。お前やれと言ったって、自分では――ついほとんど行っていますが、特に女の人はそういうのが最近多いですね。そういうなのはもう制度として行くようになっておるから、あすこに行って頼んでおきゃそういうふうになるという、そういうものになれてしまっているわけですね。そういうものがなかったら、自分が運転するんですから、もしも故障があったら自分の命が危ないわけですから、それは運転者は自分の車はそれなりにやっぱり管理してますよ。整備工場に持っていって全部任せるにしても、やっぱり自分の車は自分でやらなきゃ自分の命が危ないし、自分の主人を乗せて回るんですから、これはもう大変だと言って、それはもう本当に真剣ですよ。だから私は、そういう人たちが、何しに行くんだと言う人もあるし、それから片一方ではもう任してしまっているという、この辺のやっぱり人間の心理というものをよく把握しないと、ただ五〇%だからずるけておる、だからお前は罰するということの発想は、いけませんぞ。それで、いま部長がおっしゃったように、五〇%がなぜ上がらないかという根拠がつくられていないというようなことは、それは私は運輸省のまさに官僚的な二十年間のそういう考え方が、今日のユーザーがいろんな面で不信感を持っているということじゃないでしょうかね。どうでしょうね、その点は。
#30
○政府委員(宇野則義君) ただいま先生御指摘のような内容につきましては、運輸技術審議会の審議の過程でかなりやはり問題が出てまいりました。ユーザーの多様化という問題が一つ大きく浮かび上がってまいりました。先生おっしゃいましたように、非常に優良といいますか、いいドライバー、ユーザーも確かにおられるわけです。それから一方においてボンネットもあけたこともないというようなドライバー、ユーザーもおられる。非常に多様化をしてまいりました。そういう状態の中で、車もかなり構造的に進歩すると同時にかえって複雑化した面もある。そういうものを踏まえながら、これからの検査、整備制度を考える、特に点検制度を考えていく場合に、やはりユーザーの自主性といいますか、参加をこれを当然求めるべきであるということから、ユーザー参加ということを進めるための手段というものをひとつ考える必要があるのではないか。
 その一つといたしまして、今度法律の案にも出ておりますが、六カ月点検の初回は廃止をいたしますが、この六カ月点検の内容はかなり簡素化できるのではないか。その簡素化された時点では、ちょっと技術的な知識のあるユーザーならばみずからやろうと思えばできる程度のものになるだろうと。そういう点検については、ユーザー参加を求めるために、運輸大臣は、答申では「教則」と書いておりますが、法案の中では「手引」ということで法案に織り込んでございますが、点検、整備のチェックの仕方だとか、知識の向上のために運輸大臣が手引きをつくって一般に公布をして、ユーザーの知識の糧にしていただいて、そうすることによってユーザーの参加を促していこう、あるいは車の管理責任というものに対するユーザーの意識を高めていこう、こういうことが運輸技術審議会の答申の中でも指摘を受けておりますので、それらを踏まえまして、今回の法案の中にもそのような項目を織り込まさしていただいておるわけでございます。
#31
○広田幸一君 私の言わんとするところに答えてもらっていないような気がするわけですけれども、いま部長がおっしゃったことはよくわかっておるわけです。今度の法律の趣旨はそこにあるわけですから、一つの大きなものは。各ユーザーが自主的に自分の車は管理できるようにさせると、こういうところにねらいがあるわけですから、そういうねらいがあるのに過料制度をするということは――過料と言ったって、これはもう罰金ですから、とにかく最高十万円取るということですから、そういうようなものをなぜ入れただろうかというところが一般ユーザーや国民の間に不満というよりも理解しにくいわけですね、これは後でまた言いますが。
 そこで、そういうふうに考えてきますと、さっき言いました六カ月、十二カ月、六カ月、十二カ月の二十四カ月で今度は車検するわけですからね。この場合はもう現に車検をするわけですからね。ですから、私は車検をして、それからお医者さんのところに行ってもいいじゃないかと。薬局ですよ、そうなってくると。いわゆる薬をもらいにいくという、工場に行ったらいいじゃないかと。そのことはいまもそうなっておりますからね。いま私が言ったって変わることはないでしょうが、そういう考え方は間違いでしょうかということですわ。当を得ていないかどうか。いわゆる国民の経費負担という原則から言うといかがなものだろうかということです。いけないならいけない、いいならいいと言ってください。
#32
○政府委員(宇野則義君) 現在のわが国におきます車の管理の実態というものをベースに考えた場合には、やはり定期点検の普及ということが、履行ということが一つの大きな課題ではなかろうかというふうに考えておりますので、そういう課題に対しましては現在のわが国で実施しておりますような形での定期点検、それから整備、検査という体系が適当ではないかというふうに考えております。
#33
○広田幸一君 私も素人ですから、これからちょっと勉強さしてもらいます。それは私は、もう車検するんですから、あしたは行くわけですからね、やっぱりその場合は見てもらってからお医者さんのところへ行ったらいいじゃないか、こう思いますよ。
 それからもう一つは、さっき部長おっしゃったですけれども、今度は六カ月点検はないと。それから項目は簡略になるとか、いろいろ参加の道が開かれておるわけですが、もう一つは、いままではユーザーが車検場に持っていかなかったわけです。みんな指定工場とか認証工場に頼んでやっておったわけですね。ところが、今度はそれが直接ユーザーが持っていきやすくなっておりますね。そういうふうになっておるわけですね。これは法律としては、いままで車検場にユーザーが持っていけばよかったんですけれども、何かそういういろいろ工場の関係とか、いろいろ理由があって、要するに運輸省の方としては、直接ユーザーが車検場に行けないような指導をしておったわけでしょう。行けないような指導と言うと変だけれども、事実上は行けないような状態になっておったわけですよ。今度は答申で、点検、整備が確実に実施される自動車については、ユーザーがみずからでも検査がスムーズに受けることができるよう配慮する必要があると、こうなっていますね。だから、そういうふうに検査システムを改善する必要があるんじゃないかと思いますが、これの改善策はいかがですか。
#34
○政府委員(宇野則義君) 先生御指摘のとおり、運輸技術審議会におきましてそういう御指摘も受けております。したがいまして、私どもユーザー参加ということを先ほど申し上げましたけれども、そういうものも合わせながら、定期点検を確実に実施している車について、ユーザーみずからが車検場に持ってきて検査を受けるということを環境的にもできやすいようにこれから考えていきたいと思っております。ただ、いろんな環境の改善ということを十分検討していかなければならないと思っております。現状において申し上げますならば、整備工場が代行するというのがもうほとんどすべてと言っていいくらいのが現状でございますけれども、今後ユーザーがみずから持ってきた場合にも受けやすい、まごつかなくて済むようにという、具体的に言いますと、車検場の場内の案内から始めていかなきゃいかぬだろうと思いますけれども、そういうことを踏まえましてそういう環境づくり、ユーザーが受けやすいような状態に持っていくように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#35
○広田幸一君 部長、それでどういうところにネックがあるんですか。直接行くでしょう。行けなかったのにそれを改善するわけでしょう、これからやるということですから、どういうところに問題があって、それを解消するためにはどういうふうにやったらいいか。お金がいっぱい要るとか、人間が要るとか、その辺はどうです。いままだわかっておりませんか。
#36
○政府委員(宇野則義君) 先生御承知のように、陸運事務所が非常に現在、業務量がふえて混雑しておりまして、現状では整備工場が検査の手続を代行しております関係上、非常になれた人が来ておりますので、ずっとスムーズに検査事務作業が進んでおるわけでございますが、それにいわばユーザーがたまに入ってこられるということになりますので、非常にまごつく点があろうかと思います。そういう点をどういう形で解消していくかということになると思います。ユーザーが来るということは、整備工場に払ういろんな手数料的なもの、経費は減少すると思いますが、自分自身の時間は費やさなければ仕方がないということ、これはもうユーザーの選択に任してよかろうかと思います。そういうことで、直接来られた方について車検場でまごつかないように、先ほどちょっと申し上げましたように、陸運事務所の窓口にも一応の案内はありますけれども、それから市検場のコースにも案内はございますけれども、現状のような案内でいいかどうか、もう一遍見直しをしなきゃいかぬ点もあろうと思いますし、それからコースの中に幾つかの機械が入っておりまして、そういう機械にかけていく順番がございますけれども、そういう機械にかけるに当たってのユーザーとしての注意事項だとか、そういうものもPRをしつつ準備を進めていかなきゃいかぬというふうに考えております。
#37
○広田幸一君 せっかくいわゆる参加、参加と言っておるわけですから、ですからいろいろ問題があったとしても、運輸省としてはそういう方向に向かって努力をしていくと、こういうことですね、部長。そうでないというと、こういうふうに答申でも言っておるわけですから、こんな答申が出ておるのにいま部長はやるんだかやらぬのだかわからぬような話だったですけれども、どうです。
#38
○政府委員(宇野則義君) ちょっと答え方がまずかったかと思いますが、答申を受けてのこの趣旨に従いまして前向きの検討を進めたいと、こういうことでございます。
#39
○広田幸一君 次のことは、これはいままでそういう質問があったかどうか知りませんが、まあ私もこの間からいろいろちょっと勉強しておりまして、ユーザーが車を買うという立場になるときに、メーカーがいかにしてよけいに車を売るかということを――本質的にそうなんですからそういうことでいいんですがね、メーカーはとにかくよけい売らにゃいけんわけですから。それで検査をしたときに車両の不良のものが出るわけですね。そのときの理由を、不合格になったというのがあるわけでしょう、たとえば〇〇会社のこの型の自動車はここが悪いとかここはいいとかという、そういうデータが出てくるわけですね。そういうものはユーザーが買うときの選択する一つの目安になると思うんですね。いろいろまあ会社の方は宣伝をするわけですけれども、そういうものを、こういう会社の自動車はこういう点で失点があったとか、そういうことを天下に知らしめるというようなことですね。まあこの間もあすこの大きな火事が起きて、あれを契機にとにかく大分チェックしましたね。私はあれはいいことだと思います、された旅館は大変だと思うんですけれども。やっぱりそこまで情報化社会になっておるわけですから、それぞれのみんなが責任を持つという意味で一つの方法だと私は思うんですがね。以前はなかなかそういうことをやるとメーカーの方が嫌ったということでありますが、でもだんだんとみんなの認識が変わってくるわけですから、そういうことを公表するというようなところまではまだまだいっておりませんか。
#40
○政府委員(飯島篤君) いま先生の、継続検査の時点における自動車の銘柄別あるいは部位別の整備個所、いわゆるウイークポイントの調査というものをやって、その結果をユーザーに情報として提供してはどうかという御指摘だと思います。これにつきましては、五十六年度は十万台分の調査について一千万の予算を計上しております。答申の御指摘もありますし、先年御指摘のような要望も多うございますので、五十七年度はこれを三十万台分にいたしまして、三千四百万円の予算を計上しているところでございます。その結果に基づきまして、今後どういう形で整理して公表をしたらいいかも検討しながら、御指摘のような線で努力をしたいというふうに思っております。
#41
○広田幸一君 じゃ将来はそういう検査の結果というものを公表するような方向で考えていくと、こういうことでありますね。そうしますと、メーカーはやっぱり努力しますから、私はいいことだと思うんですよ、それは。
 それから、さっきから出ておりますいわゆる検査項目というのが大分減るわけですね。六カ月、十二カ月、二十四カ月。これは省令で決めるわけですね。そういうことですね。それで、まあ何ぼと何ぼにするということだろうと思うんですが、どういうことを基準にして項目を削減されますか。これはもう国民というか、ユーザーが知りたいところなんでね。具体的にわかっていなくても、大体こういうふうなことを基準にして削減をしてまいります、そういう答弁をいただければ結構です。
#42
○政府委員(宇野則義君) 運輸技術審議会の答申で、特に六カ月点検の項目につきましては大幅に簡素化が可能であろうという指摘をいただいておるわけでございますが、これは現在の車の傷みぐあいをずっと調べてまいりまして、その実態を調べた上で、一応抽象的ではございますが、大幅にということを言っておるわけでございます。特に先生御指摘のように、物差しといいますか、これについて申し上げますと、そういう実態を比較しながら、一つは信頼性、耐久性が向上した部品、部位等、それから構造上機能低下が少ないと見られるもの、それから六カ月という改まった時期じゃなくても、日常の使用状況から判断できる部位、それから「仕業点検」、これは現行の法律の言葉でございますが、法案の中では「運行前点検」という言葉に変えております。この仕業点検にゆだねてもいいと思われる部分、こういうものを中心に自動車の部位を洗い直して簡素化を図っていきたい。
 ただ、ここで一つ今後省令で具体的に決める場合に問題が出てまいりますのは、ふぐあいが偶発的に起こるというような装置、これについてはちょっと用心をしておかにゃいかぬということが一つ。
   〔委員長退席、理事小柳勇君着席〕
それからふぐあいが発生した場合に安全上大きな影響を与える。具体的に言いますと、ブレーキ装置の部位等でございます。そういうものはやはりそれなりに配慮が必要であろうというふうに考えております。
#43
○広田幸一君 次は、点検、車検を受ける場合、物すごく走行しておる車もあれば、年に何回かしか走っていないというような、いわゆる走行距離によって乖離ですか、開きがあるわけでしょう。実際その車検や点検を受ける場合、おれの車はこれだけしか走っておらぬのに点検するのかというような苦情が出てくるわけですが、そういう場合の走行距離制というものを導入したらどうか。こういうことはいままで言われてきたことじゃないかと私は思うんですがね。だけれども、メーターがかえられるということがあって、なかなかそうはいかないんだと、こういうことがあるんですが、でもここまで技術が発達したわけですから、走行距離計を、メーターをかえさせないような工夫ができれば、おれは一年間にこれだけしか走っておらぬ、あれはこうだ、おれのやつはそんなに見てもらう必要ないじゃないかという、ユーザーに対する要望というか、一方では不満にこたえる道でもあると、こう思うんですが、そういうかえられないメーター、走行距離計ですか、そういうものができないのかどうなのか。どうですか。
#44
○政府委員(宇野則義君) 走行距離計が逆転しないという装置につきましては、現在まだ考えられておりません。現在の技術で金をつぎ込んでということであれば、考えられないものはないのではないかというふうにも感じますけれども、実用的なものができるかどうかということについて申し上げますならば、現在まだございませんし、それから走行距離計が、逆転だけでなくて、やっぱりふぐあいを起こして部品の取りかえだとかいろいろなケースが出てまいります。そういう点で、走行距離計をどこまで信頼するかというのは一つの問題があろうかと思います。
   〔理事小柳勇君退席、委員長着席〕
 ただ、先生から最初に御指摘がございましたように、定期点検に走行距離制を導入したらどうだと、こういう御意見につきましては、私どももすでに一般にそういう御意見が出ているということは承知いたしております。それで、運輸技術審議会でもこの走行距離制の導入についての議論がなされております。結論といたしましては、現在これだけ普及してまいりましたマイカー族二千数百万台の車を管理する過程で、走行距離管理というのが非常にむずかしいのではないかということが一つ。それから、車の劣化といいますか、車の傷む場合に、走ることによって傷む部分と、それから時間がたつことによって、使わなくても時間がたつことによって傷む部分と、いろんな部分がございます。そういうところから、ある部位についてはどうしても期間ベースに当然しなければぐあいが悪いというような部位もあるわけでございます。それから、先ほどお話し申し上げました走行距離計の管理の問題、これらを踏まえますと、内容としては当然再検討する必要があるけれども、結論としては現在の期間制が適当ではないかという結論で答申をいただいておるわけでございます。
#45
○広田幸一君 次は、整備業界の経営の実態、これは大臣にお聞きしますが、きのうも言ったんですけれども、いま整備業界は大変な状態だと思います。今度の法の改正に当たって、整備業界が物すごく、とにかく車検の期間は延ばしてもらいたくない、それから点検の削除もやめてもらいたいという猛烈な反対があったことは御承知のとおりであります。それは別個の問題として、とにかくこういうものが、法律が通ると二〇%、三〇%も業界が転業、廃業しなきゃならぬと、こういうふうなことを言われておるんですが、いまの業界の実態というものはどういうことなのか。なぜそういうことになったのか。その辺をひとつ系統的に、余り時間がかかってはいけませんが、問題はどういうところにあるかということで御説明願いたい。
#46
○政府委員(飯島篤君) 現在認証を受けております自動車分解整備事業者は、五十五年六月末現在で七万七千工場、従業員約五十七万人ということでございますが、そのほとんどが経営基盤が脆弱な小規模零細工場でございます。工員数五人以下の工場が全体の七割近くを占めておりますし、十人以下になりますと九〇%を超している。ところが、これまでは自動車保有台数の大幅な伸びが年々あったわけでございますが、最近になりまして伸び率が鈍化してきております。また、自動車技術の著しい進歩がありまして、故障などの発生が減少しておるというような状況で、整備需要量の伸びが停滞をし始めております。一方、地域によっては工場数が依然として増加をしているというようなことで、自動車分解整備事業を取り巻く経営環境というものは非常に厳しいものになってきつつあります。今回の制度改正によりまして一番影響を受けます六十年におきまして二千七百億円ぐらい、マクロで見まして約七・一%ぐらい、制度改正後五年間の累計で四・四多、八千五百億円程度の減収が考えられるのではないかというようなことでございます。
 現在業界では、昭和三十九年に中小企業近代化促進法に基づきます業種指定を受けて以来、企業の近代化を推進いたしております。そして企業体質の強化を図ってきておりますが、五十四年の七月からは、企業の協業化、協同化等の企業集約化事業に加えまして人材養成等の知識集約化事業を合わせました総合型構造改善事業を昭和五十九年度末を目途に進めているところでございまして、私どももこうした自助努力他側面的に推進しておるところでございます。
#47
○広田幸一君 今度の法律の改正によって、車検の期間が二年が三年になるわけですね。それから定期点検を削除するところもあるわけですね、新車の場合は六カ月。そういうことによって、いまおっしゃったような相当業務量が減るという量と、それから、それでなくても、いま局長がおっしゃったように、いわゆる需要がだんだん減ってきておりますね。それから性能もよくなると、こういうふうな状況がありまして、仮の問題ですが、今度法律を改正しなくても相当過当競争等によって廃業、転業が出てくる、人員の整理が出てくるというふうなことの分析はどうされていますか。今度の法改正は、さらにそれに拍車をかける。まあそれは業界の方をあなたの方がそういうふうに調査をしているわけですね。拍車をかけるんだけれども、いまの状態においても相当なそういう状態があるかどうか。
#48
○政府委員(飯島篤君) 現在実施しております、先ほど御説明いたしました各構造改善事業におきましても、ある程度の転廃業を見込んでそれに対する対策を立てておるところでございます。
 具体的にいまちょっと数字を持ち合わしておりませんが、体質改善で協業化、集約化を進めますれば、それに伴って当然に転廃業問題は起きるわけで、今度の制度改正による影響ほどではございませんが、それなりの対策を推進しているところでございます。
#49
○広田幸一君 この再検工場には、指定工場と認証工場と国の直轄のものがありますね。いまこの比率はどういうふうになっていますか。
#50
○政府委員(飯島篤君) 先ほど、分解整備事業の工場数は申し上げたわけでありますが、その七万七千工場のうち専業が六四%、ディーラー系が二九%。従業員数は約五十七万のうち専業が四九%、ディーラー系は四一%ということになっております。特に専業の場合は、そのほとんどが経営基盤の脆弱な小規模零細工場でございます。五人以下の工場はディーラー系が四七・五%であるのに対しまして、専業の方は七八・四%、八割近くが五人以下という状況でございます。また売上高を見ますと、専業が四七%、ディーラー系が四三%。工員一人当たりの売り上げが、専業が年間八百三十万円、ディーラー系は九百八十万円というような状況でございます。
#51
○広田幸一君 こういうふうになったのは、一番大きな原因は何ですか。
#52
○政府委員(宇野則義君) 整備事業は、車の伸び、保有台数の伸びと大体比例する形で伸びてきておりました。昭和三十年代の後半から四十年代にかけまして、急激に保有台数がふえてくる過程におきまして整備工場がぐっとふえてまいりました。それがだんだん車両数のふえ方が減ってきて、しかも一台当たりの整備需要が減っている。したがって、トータルとして、ようやくトータルの整備需要というものが横ばい、年によって多少前後というような形になってきたわけですけれども、それに対しまして、整備工場は開業に対する諸経費等が比較的企業としては少なくて済むということもございまして、その車の伸びを追っかけていくような形で整備工場がふえてきたというところに一つの問題点があったのではなかろうかというふうに感じております。
 したがいまして、私どもがこういう整備業界のこれからの問題を考えますときに、どうしてもやっぱり体質の強化をしていかなきゃいかぬし、過剰な供給力がある場合にはそれを適宜、適正な状態に持っていかなければいけないということから、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、昭和三十九年から中小企業近代化促進法に基づきますところの近代化の作業を始めたわけでございます。これも非常に整備工場の経営者の方々の中で十分認識をし自覚されておられる方々は、これらの近代化の作業に参画されまして、それなりの自助努力といいますか、企業努力を進めつつ立ち直ってきているところもあるわけでございますが、現在七万八千工場がございますけれども、非常に数多い整備工場令部がそういう認識までに至っていないという点が現在の状態ではなかろうか。したがいまして、三十九年に近代化を始めましてから構造改善事業というものを進めておりますし、現在、五十四年度からは、総合型構造改善ということで近代化、企業体質の強化に向けて作業をしておる最中でございます。これを私ども機会あるごとに業界に徹底をし、そういう作業に参画するようにという指導をこれまでしてまいってきておる状況でございます。
#53
○広田幸一君 そういう業界を指導しているのは直接だれがやるんですか。陸運事務所がやるんですか。たとえば協業化、協同化というような問題がありますね。この間、私のところの鳥取県では初めてできましたね。何か中国では初めてのようなことを言ってましたね。だから、そういうスローガンはいいんですけれども、どうも実際はやっていない、できていないのは一体どういうところにあるかですね。
 それで、いまおっしゃったような過剰でしょう、過当競争ですよ。過当競争が生まれれば、ディーラーが、大きいところがどんどんどんどん取ってしまいますよ。みんな外交員が行くでしょう。販売外交員が行ってみんな取ってくるわけですよ。だから、零細な五人以下のところは本当に大変なんですよ。そういうところの実態をどういうふうにやっていくか。実施率を高めることによってその企業を助けるという、私はもうそのことはきわめて安定性のない、持続性のないことだと思うんですよ。これから各人がどんどん自分の車は自分でもってやるというのが法の精神でしょう。そうなってきますと、やっぱり工場に行かぬようになりますよ。ですから、いかにしてそういう企業努力をして、そしていわゆる正常な修理の需要を伸ばすかというところに努力をしないと、実施率を高めると言ったって私は伸びないと思いますわ。それはまた後の問題ですがね。
 ですから、そういう業界に対する指導というものはどこまでやっておるんですか、実績はどういうふうに上がっておるんですか、そしてだれが指導しておるのか。私は運輸省のそういった人は、技術者は多いけれども、経常的に指導する能力の人は少ないんじゃないかと思うんですよ。まあやれやれと言ってやったと。はやらぬから借金はどうするかというようなのがたくさんありますよ、それはね。そういうところは一体どうするか。その辺のことを真剣に考えないと、実施率を高める、それによって過料制度をするというようなことでは絶対に業界は救われない。本質的にそう私は思いますよ。
#54
○政府委員(宇野則義君) 業界の指導の点についてでございますが、整備業界が七万八千工場ございます。これは全国に散らばっておるわけでございますが、これらの工場の一つの集まりといたしまして、現在では各県単位に整備振興会という団体がございます。ここがこの整備事業関係の管内といいますか、県内の集まった団体になっておるわけでございます。そこでいろんな整備業に対する指導もやっておるわけでございますが、最近の構造改善を推し進める体制といたしましては、県単位で商工組合をつくってこの構造改善の作業を進めるということになっております。
 ただ、先生御指摘のように、だれがやっておるかということなんですが、私ども運輸省といたしましては、陸運局に担当の課がございます、そこの担当官を本省に集めまして研修をするわけでございます。まあ会議もいたしますけれども、そのときにこういう中小企業、特に整備業をベースにした企業経営の指導の仕方といったようなものも含めまして、構造改善の作業を進めるにはどういうふうにしたらいいかというような指導を内部的にもいたしております。それから陸運局の担当官のほかに、各県単位に陸運事務所に整備の担当が、これは専門官でございますけれども、おりますが、これを通じましてまた各県ごとにする。私ども、きめ細かい指導をしないことにはマクロな話をしても始まらないという認識は十分持っているつもりでございまして、県単位で指導する際には、現在の車の保有台数が市町村別、地区別にどういう分布になっておって、そこにどういう工場がどのくらいの規模で分布しておるか。そこで、その地区における保有台数と工場の整備能力との比較をしながら、過当の地区なのかまだこれで十分いける地区なのかというような判断をすると同時に、過当な地区の場合には、それらの地区におきましてどういう形で合理化を進め、やっていったらいいかというような検討をさせるというようなことをやっておるわけでございます。
 それで、先ほど先生のおっしゃいました、協同組合をつくって経済事業をやっておるというところが全国で四百三十二、これは五十六年の三月末現在でございますが、四百三十二の協同組合ができて経済活動を含む協同化作業をやっております。それから協業組合というもう少し結びつきの強い組合がございますが、これが同じ五十六年の三月末の時点で三百七十九全国でできております。この協業組合はほとんどが民間車検工場になって、組合員の協同によるところの民間車検工場を経常をいたしております。そうすることによりまして、企業の合理化を図りつつ車の整備需要を確保していこうという努力を個別にはいたしておるわけでございます。構造改善の作業の中でそういう協業組合をつくって、工場をつくるような場合に融資の手配をするとか、あるいはそういう制度に乗っかった場合に税制の恩典があるとかいったようなこともあるわけでございます。あるいはそういうものをいろいろ活用しながら今後指導してまいりたいというふうに考えております。
#55
○広田幸一君 いまおっしゃった、組合が二つありますね、四百三十二と三百七十九、五十六年現在。これは一つの目標があるわけでしょう、計画が。その計画に対して何十%ぐらいですか、これは。
#56
○政府委員(宇野則義君) 先ほど申し上げました教字は五十六年三月末の数字でございまして、協業組合の数は三百七十九組合でございます。
 それで、現在総合型構造改善計画というものを進めておるわけでございますが、この計画の中で、五十四年度から五十九年度までの全体計画といたしましては、協業・協同組合、これは事業の集約化ということで、協業・協同組合のどのくらい参画をしてつくろうという全体計画は五百九十二グループを予定されております、計画といたしまして。
#57
○広田幸一君 五十九年までに。
#58
○政府委員(宇野則義君) 五十九年度まででございます。それで、この五十九年度までの全体計画に対しまして、五十四年から五十六年までの実績は四百四十四グループということになっております。さらに五十七年度、今年度の計画といたしましては、その内訳になるわけでございますが、八十九グループが今年度の計画のうちに入っておると、こういう実態でございます。
#59
○広田幸一君 それはいつ立てられた計画ですか。
#60
○政府委員(宇野則義君) この現在行っております近代化作業は、総合型構造改善計画と言っておりますが、五十四年度に策定したものでございます。それから目標年次は五十九年度でございます。
#61
○広田幸一君 私も実態をよく知らずにしゃべってもどうかと思うんですけれどね、需要関係が、点検需要というかな、需要が非常に下がってきておりますね、さっき言ったように対象者数が減っておるわけですから。ですから、これはかなりもう考えないと、現実にこういう制度ができる、できぬにかかわらず、私はこの人員の整理、廃業、転業が出てくるような感じがするんですよ。それは運輸省の責任だと思うんですよ。この辺どう思っておられますか。全く零細な、もう四人、五人で精いっぱいやっておられて、賃金も非常に低い、そういうところをどう救済するかというようなこともやっぱり重大な問題だと思うんですよ。
#62
○政府委員(宇野則義君) この総合型構造改善計画は、先ほど五十四年度から五十九年度までの五カ年の計画で申し上げたわけでございますが、毎年見直しをやっておりまして、当年度どういう需要推定をしてどういう形で持っていくかという見直しはその都度やっておるということでございます。
 それからもう一つ御指摘の、零細企業が今後どういうふうな形になっていくかということの御心配でございますが、やはり認証は受けて事業をやっておるわけでございますけれども、私どもこれから指導してまいります過程におきましては、個々の企業、個々の事業者がやはりそれなりの自助努力というものをやっていただく必要がありますし、そういう企業、業界側の自助努力とあわせまして私どもも適切な指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#63
○広田幸一君 自己努力という問題は、きのう私も言ったんですけれども、自己努力が足りませんな。やっぱりこの法定点検制度というものがありまして、とにかくユーザーは持ってきてくれるに決まっておるんだと、そういうふうな観念に私は行政もなっておると思いますよ。それから整備工場もなっておると思います、全部がそうじゃありませんけれども。しかし、いまではそういうふうなことにいかなくなりましたから、過当競争ですから、一生懸命勉強していますよね。しかし、いままでが、とにかく法律制度があって車は持ってくるものだと、こういう観念があって、みずからが努力をしてこの企業の安定的なあれをやろうという自己努力が欠けておったと思いますよ、これは。そういう面ではいま部長が言われたとおりです。それなくして、とても、過料制度によって実施率を高めることによって需要拡大をしていこうというような考え方では、私はもうとても実施率は上がらないと思うんですよ。みんながもう自分の車をやり出しますから、行かないわけでしょう。別の方法でどういうふうにして生きるかという問題を考えないと、いままでのような考え方ではいけない。もし運輸省がそういう考え方できておったとするならば、この時点でもう頭を切りかえてもらわなきゃならぬと、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#64
○政府委員(飯島篤君) 先年御指摘のとおりでありまして、制度だけに頼って安易な経営に陥ることのないように業界としても十分自覚をすべきでありますし、昨今ではいろいろ問題になっているような諸問題について適切な対応をして、ユーザーの信頼の回復を図っていくということも必要だろうというふうに考え、またそういった方向で指導をしてまいりたいと思います。
 いま構造改善事業についてるる御説明をいたしましたが、それ以外にこの種の事業については、いわゆる事業規制的な観点での参入抑制ということはとりにくい性格の事業でございます。ただ、実情としては、先ほどお話がありましたような一つの系列によります企業拡張あるいはのれん分けというようなことが行われておりますが、そういったものも、業界自身よく客観状態を自覚して、抑制に向けて努力をすべきであろうというふうに考えております。
 私どもといたしまして、今回の法改正の中に、直接規制の参入抑制ではございませんが、認証基準に事業適確遂行能力といいますか、必要な経理的基礎というものを加えたわけでございます。これは、設備について結構多額の資金が要りますし、開業当初において運転資金について一定のものが必要であるということで、いままでのような、一定の設備と技術があればよろしい、あるいは一定の資格のある従業員があればよろしいというような規制を若干改めたわけでございます。そして、今後新規参入がありましても、こういった経理的基礎があるものについてのみ認めるということによりまして、経営が不安定なために業界全体の秩序を乱すというようなことがないように少しでもしたいというふうに考えたわけでございます。
 また、それ以外に、現在行政指導によりまして新規認証の抑制を先ほど申し上げた方向で指導するほかに、いわゆる分野調整法というような法律がありますが、大企業などが参入してくるというような場合には、この分野調整法の適用あるいはこれを背景に行政指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#65
○広田幸一君 そういう努力を期待します。いずれにしても、認証基準がありましていままでの七万八千というものは認可しておるわけですから、認可した以上は、それはやっぱり運輸省も責任を持って指導していかなきゃならぬ。大臣、どうでしょうね、この辺のことは大きな問題ですが。
#66
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私もこの整備事業業界のことが大変気になっております。そしてまた、委員の仰せられたような、だんだんと自分で修理をする人もふえてくるでしょうし、いままでは法律の陰で営業ができたものが、だんだんこれも時の流れの中で変化をしていると思います。こうしたときに、ただいまいろいろな面からこの業界についての示唆に富んだ委員のお話は、大変私もありがたいことだと思っておりまして、今後もさらにいろいろな行政的な面でのバックアップだけでなしに、やはり大きな社会の変化というものを、業界自体あるいは個々の企業の経営者の人々が感じ取って対応していくというような方向をいろいろな面から育てていく必要があると思いますが、いずれにいたしましても本日の御指摘は大変ありがたい御指摘だったと思っています。
#67
○広田幸一君 この際もう一つ聞いておきますけれども、指定工場が大体六〇%でしょう、いまシェアが。じゃなかったですかな。それで将来、行政改革ということでこの指定工場をずっとふやしていこうという、国の直営でなくて指定工場に持っていこうというふうな考え方があるのかないのか。そうなってくると、問題がこれはちょっと心配されるんですけれども、こういうふうに需要が少なくなってくる傾向がありますから、よりサービスするという面もあるでしょうし、やっぱりそこに過剰整備であるとかあるいは手抜きとか、別なまた心配される面もあるわけですが、そういうことになっちゃいけないわけですが、指定工場をさらにふやしていくという方向なのか、減らして国がもっと直接に責任を持っていくという方向に行くのか、その辺のことがわかっておれば聞かし
 てもらいたいのです。
#68
○政府委員(飯島篤君) 民間車検の拡大につきましては、先ほど申し上げました五十五年の十二月の閣議決定におきまして、引き続き拡大の方向が打ち出されております。また、運輸技術審議会の中間答申におきましても、この問題につきまして触れておるわけであります。同じような方向を打ち出しておるわけでございます。
 ただ、先生御指摘のような需要の減退という問題以外に、地区によっては投資に見合う整備需要が望めない場合がある。特に都市部におきましては、建築基準法による立地規制とか、騒音、振動、水質汚濁の公害規制あるいは地価の高騰というようなことで、なかなか施設設備の拡充がむずかしい、また当事者の資金力が弱いというようなことで、地域によってはその促進は必ずしも容易なものではないということも事実でございます。しかし、民間能力の活用ということで行政事務の簡素合理化に資するということでございますので、指定整備の拡大については、地域の実態に応じましてきめ細かく対応しながら指導をしていきたい。具体的には企業集約化等の構造改善事業の推進によりまして、認証工場を指定工場に格上げしていく、あるいは経営改善指導の充実、これも構造改善事業の推進によりまして、非指定工場の生産性を高めるというような指導が必要だと認識いたしております。引き続きそういう方向で努力をしたい。
 またこういったことに伴いまして、御指摘のような過剰整備等の問題が起きないよう適切な施策を講じてまいりたい。今度の法案の遵守事項の中でも、過剰整備の禁止あるいは手抜き整備の禁止、不正改造等の禁止というようなことも決める予定でございます。
#69
○広田幸一君 もう一つ、これはちょっと時間がかかりますから……。
 過料制度の問題について、ここでひとつ確認をしておきたいと思うんですが、いま私がいろいろと言ってきましたように、実施率を高めることによってこの企業の経営を維持改善していくということは、私は本質的に間違っておると思います。
 そこで、この過料制度が――簡単に言ってくださいませ、大体わかっておるわけですから。過料制度ができれば実施率が高まるというふうに認識しておられるかどうか。
#70
○政府委員(飯島篤君) 過料制度ではないのでありまして、点検指示制度でございますが、この点検指示制度によって直ちに実施率が著しく向上するというようなことはちょっと予測できないものでございまして、やはり定期点検というものは、基本的には自己責任に基づいて実施をしていただくということでございますので、ユーザーの自動車の技術なり構造なりについての認識を深めていけば、あるいは点検、整備の必要性についての意識の高揚を図っていくということが大事であろうというふうに考えております。
#71
○広田幸一君 これは大臣になりますか、局長になりますか。きのうの答弁でも、きょうは行政管理庁長官はいないわけですけれども、当初長官の答弁と大臣の答弁とが食い違っておったように思ったんです。後で両方が一本化され、大臣の方向に長官の発言も訂正というか、そういうふうになったようでありますが、一つ問題になっておりますのは、いわゆるその対象をダンプカーとか暴走族、そういうものに適用するのであって、一般の乗用車には適用しないと、こういうふうな発言があったように思うんですが、その辺のところは、これはもうどういうふうに区分けをしておられるのか。そういうことができるのかどうなのか。法律ができてしまったらひとり歩きするわけですから、大体をこう分けて法の適用というようなことはあり得ないと思うんです。また、私はきのうも言ったんですけれども、最初政府の方から説明をしたときに、そういう区分けをして適用するというふうなことは全く説明を聞いていないわけですがね。いつそういう話が出たのか、その辺をひとつよくわかるように説明してもらいたい。局長でも大臣でも結構です。
#72
○政府委員(飯島篤君) 点検指示の運用につきまして、衆議院の審議の段階では、運用には慎重を期すると、性格は行政指導的なものであるということを御答弁申し上げ、ある運輸委員からの御質問に対して、重点は、人員等の制約もあり、おのずからしぼっていかざるを得ないでしょうということは御答弁申し上げたわけでございます。
 この定期点検というものは、先ほども申し上げましたように、自己責任に基づくものであるという基本に立って、点検指示制度の運用は慎重を期すことが必要だろうと考えられます。
 それから点検指示の対象は、制度的には、定期点検を行っていないすべての車両でございますが、制度の趣旨及び街頭検査におきます要員の制約等から、不正改造車、違法な行為を行っている白トラやダンプカーその他の整備不良車等を中心に行うものといたしまして、これ以外の車両については運用上の行政指導でございます勧告にとどめることにいたしたいという旨を、先般の本会議で運輸大臣から御答弁申し上げたところでございます。
 なお、そういった重点をしぼることについて法律上問題はないかという御指摘も含んでいたかと思われますが、合理的な理由のある範囲内で扱いを異にすることは禁止されていないというふうに考えております。
#73
○広田幸一君 私、ちょっと左の耳が聞こえないものですから、いつもそう言うのですけれども、わかりにくいのですけれども、どういう答弁であったか、あるいは食い違っておったら教えてもらいたいと思うんです、指摘してもらいたいと思うんですが、こういうことですか。ダンプカーとそれから暴走族のようなそういう悪い人、そういうものを対象にして過料をいわゆる科せるという、過料を科せられるというんですか、そういう罰がつくというのはそういう人たちをやるんであって、一般の乗用車にはそれは適用しないと言ったんですか。その辺のことをはっきりしてもらいたいということ。
 それからもう一つは、ダンプカーといえども、これ生業なんですよ。私は、ダンプカーの人がこれ聞いたら本当に怒ると思うのですよ。どうでしょうね、それは。ダンプカーの事故を起こす率はあるかもしれませんけれども、それはもう生業ですからね。これをダンプカー、ダンプカーといって本会議であんなことを言ったら、これは全く差別でございまして、法のもとにやっぱり人間は平等であるという原則から言いますと、私は、近々にダンプカーの組合から文句が出ると、そういうことを心配して――私が言ったわけじゃないわけですが、まあそういう意味で、その辺をよくわかるように国民に言ってもらわないといけないと思いますし、区分けをしてやるなら区分けをしてやるように、きちっと法律の中に書いておかないと問題が起きるじゃないかと。法というものはひとり歩きするものですから、大臣や局長がそんなにいつまでもおられるわけじゃない。ずっとこれから、だれがどういうふうになるかわからぬわけですからね。そういう意味で、わかるように直せばいいわけですから、その辺をちょっと言っていただけませんか。
#74
○政府委員(飯島篤君) 単純にダンプカーあるいは暴走族だけを対象に点検し、制度を運用すると申し上げているところではございません。不正改造車、違法な行為を行っている、これはたとえば、過積載とか差し枠など違法をやっているようなケース、あるいは営業類似行為をやっているというような白トラとかダンプカーというようなもの。それから、一般乗用車については全く適用しないというのではなくて、整備不良の状態で走っておられるような車などを中心に指示については行うということを申し上げたのでございます。点検指示を、制度の趣旨なり安全性の確保という観点から一定の対象にしぼっていくということについては、合理的な理由があるものというふうに考えている次第であります。
#75
○広田幸一君 いままでにわれわれが聞いてきた内容と全く――全くというか、かなり違っているわけですね。いままでは要するに、チェックされて、そのときに記録簿を出して、そして点検をしてなかったということなら十五日以内にそれをやってきなさいと、そしてもう一遍注意する、何回も注意するというように言っているわけですね。そんなにすぐそれを適用するものじゃないと言っているけれども、やっぱり制限もあるわけですから、その場合にはするということになるわけでしょうが、過料を科すということになるわけでしょうが、それがやっぱり基本ですかね。そればっかりのようにわれわれは思って、そういうやり方は実態に合わないんだと、法の精神から言って合わないんだと言ってきたわけでしょう。それが途中になって、いやそうではなくて、ダンプカーとかそういう暴走族に適用するんだというふうに変わってきたわけでしょう。それは私はきわめて、何というか、この議会というか、委員会に対する正しい姿勢というか、答弁でないと思うんですよ。ごまかしであると思うんですよ。行政管理庁長官も閣僚会議でそんなことを言ったということでありますが、これは絶対問題になると思いますよ。だから、その辺のことをもっとはっきりしてもらって、われわれに説明があったとおりであるかどうか。ダンプカーとか暴走族というのは、気持ちの中にはそういう車に比較的不整備なところがあるから、そういうふうなところを特によく注意して見なきゃならぬと、こういう意味なら私はわかると思うんですよ。だけれども、それとそれとを重点にして、こちらの方は余り大して見ないんだと、こういうふうな言い方になりますと、法律ですからね、これは。その辺をひとつ大臣いかがでございますか。
#76
○国務大臣(小坂徳三郎君) 昨日本会議で御答弁申し上げたとおりのことを繰り返すしかないのでありますが、私は、これは委員会でございますので申し上げたいことは、この法案につきましては、特に過料の問題についてはいろいろと御議論のあることはよく承知しておりますし、また衆議院におきましても、この問題について非常に長い期間いろいろの御議論を拝聴したわけであります。われわれとしましては、やはり議会の御決定と申しますか、それに一応問題を投げかけて御審議にゆだねるということを衆議院では御答弁申し上げておりますし、それが、そうした衆議院の審議の成り行きその他から見ましても、われわれとしてはこの辺で一つの運用上のスタンスを決めるべきではないかということから、参議院の昨日の本会議においての御答弁になってきたわけでございまして、やはり衆議院における御議論は、こうした形で法運用に際しての政府の方針というものを申し上げたわけでございまして、御理解を賜りたいと思っております。
#77
○広田幸一君 きのうも総理大臣は、参議院の御審議を待って、それを尊重していきたいと、こういうことを言っておられるわけでございまして――参議院できのう言っておられるわけですから、まあ大臣のおっしゃったこともわかりますが、いまなお私のこれからの発言としましては、きのうの本会議でも言いましたように、いまのままの制度としていくならばわれわれとしてはどうも納得できないと、こういうことをやっぱり言っておきます。
 それから、せっかく大蔵省がお見えになっておりますから言っておきます。
 きのうも本会議で言ったんですけれども、前向きな答弁をいただくことができなかったんです。一例として言いましたのは、この自動車の重量税を還付してもらいたい、返してもらいたい、こういうことであったわけですけれども、大蔵大臣のおっしゃったのは、全く返さないということでもなかったし、何か困った問題だと、こういうふうに最後は言われたように私は記憶しておるのであります。これは本当に返そうと思えば返せる問題ではないかと思うんですが、返さないという、その辺の事情をよく説明願いたい。
#78
○説明員(新藤恒男君) 自動車重量税の問題でございますけれども、御承知のとおり、自動車重量税は、車検を受けます際にお納めいただいているという性格のものであります。
 この自動車重量税の性格につきましては、四十六年に創設されました際にいろいろ御議論があったわけでございますけれども、そのとき以来、この自動車重量税の性格というものにつきましては、車検を受けますことによって走行が可能になるという――むずかしい言葉で恐縮ですけれども、法律的な言葉で恐縮ですけれども、走行が可能になるという法的な地位、あるいはそういう利益というものに着目して課税される一種の権利創設税であるというふうな説明がこの法案の審議の際にもなされているわけでございます。
 基本的にそういう自動車重量税の性格なものでございますから、車検を受けるということによって走行が可能になるというふうな地位が得られます段階で課税かどうかが決まるということで、その後その車が廃車になろうが――と申しますと、ちょっと言葉はきついかもしれませんけれども、その後の問題につきましては考慮しないという、一定の性格としてそういうものであるということでございますので、基本的な性格でございますから、廃車の場合に還付するということは性格的になじまないということで、従前よりこの廃車還付のお話があったのでございますけれども、私どもといたしましては、税の性格からしてとり得ないものであるということで御説明を申してきているわけでございます。
#79
○広田幸一君 自動車重量税ができたときの目的というか、精神というのは、車が道路を走って傷める、だから、それの代償として設けられたというふうに私は聞いておるわけです。とすれば、三年のものが一年後に何かの事情で廃車になった場合は、もうその車は二年間走らないわけですから――これは単純にそう思うわけですよ。そうすると、それは返してもらいたいというのが車を持っておる者の気持ちじゃないかと思うんですが、その辺で、いま権利創設税とおっしゃった。私もこれはよくわかりません。竹田先生の方が詳しいから後で追及してもらいたいと思いますが、そういう法律というものは、制度というものは変えようと思えば変えられるわけですから、今度の法律の趣旨というものは国民の負担の軽減をするというのが柱の一つになっているわけですから、私はそういう意味で、大蔵省もその方向に向かって努力すればできるし、すべきではないかと、こういうふうに思っています。
#80
○説明員(新藤恒男君) 重量税の創設のときの目的でございますけれども、確かに道路の損壊をもたらすということも一つの理由だったわけでございますけれども、それ以外にも、交通事故を起こすとか、あるいは公害を巻き起こすとかいう広い範囲での社会的費用を走行がもたらすという点に着目して、使用者に課税をお願いするという経緯でできておるわけでございます。そのときの議論でそういうふうな形で説明をしておりますし、その後の性格も現在は変わっていないと思いますし、基本的な税の性格でございますから、その権利創設税という言葉がやや法律的なものでございますけれども、そういう性格から見まして還付というのは従来からできないということで御説明申し上げてきておるわけでございます。
#81
○竹田四郎君 ちょっと一言。
 権利創設税というのは、具体的にはどんな税金が権利創設税なんですか。いまの自動車の重量税以外に具体的にはどんなのがそういうことになるんですか。何か、当時細見さんの話では、登録免許税みたいなものだと、こういうようなことをおっしゃっているんですが、いまあなたは登録免許税ということを言っていませんから、権利創設税というのは、具体的に、ほかにいま大蔵省が持っている税金の中でどういう税金が権利創設税なんですか。
#82
○説明員(新藤恒男君) いま先生おっしゃいましたように、この法案ができましたときに当時の細見主税局長がこの性格について申し上げたわけです。そのときのことをちょっと、短いですから読み上げさしていただきますけれども、自動車重量税は、自動車が車検を受け、または届け出を行うことによって走行可能になるという法的地位、あるいは利益を受けることに着目して課税される一種の権利創設税であり、従来、各種の権利の得喪、移転等に際して課税が行われている登録免許税と類似しているものであると考えている、というふうな説明をしております。
 権利創設税はほかにあるかということでございますけれども、むしろ登録免許税に類似しているということだろうと思います。
 この具体的な性格をやや敷衍して申し上げますと、登録免許税ですと、仮に、建物を建てました際に登録をするわけでございますけれども、それが一たん建てた後で火災に遭って焼けてしまったという際に、その一たん納めた登録免許税をお返しするかということでございますと、それはお返ししないという、そういう形での一種の登録免許税的な類似の性格のものであるということで考えておるわけでございます。
#83
○竹田四郎君 あなた、私の問いに正確に答えてくれていないんですが、登録免許税に類似しているものということですが、じゃ、具体的にどういうものがあるんですか。類似しているというのは、これはよくわからぬですが、類似というのはどこまで似ているのかわからないから、これを言えばまたあなたたちは、類似している、同じものじゃないと言って逃げるんだろうと思いますが、これと同じようなものというのは具体的にどういうのがそうなんですか。固定資産税の登記料みたいなものですか、あるいは弁護士さんとか税理士さんの登録のときの切手代みたいなものなんですか。その辺をもう少し正確に答えてください。後であなたにすぐ逃げられると困るからね。逃げられると困るから、本当に正確に答えてください。
#84
○説明員(新藤恒男君) 権利創設税そのものとしてほかに税があるかということでございますが、それはちょっといま思い浮かばないわけでございます。登録免許税として先ほど類似するものと申し上げましたけれども、登録免許税というものが、たとえば先ほどのような建物を登記するとかあるいは弁護士の登記をするとか、そういう形で、権利の創設とかあるいは移転とか、そういう際にその段階に着目して課税するという性格の税でございますから、それと類似しているということでございます。
#85
○竹田四郎君 そうすると、権利創設税というのはこれしかないんですね。登録免許税とは類似はしているんですが違うんですね。その辺はっきりしてください。
#86
○説明員(新藤恒男君) 登録免許税も、権利創設という、先ほどのような登記をすることによっていろんな意味での法的な保護を受けるという性格のものでございますから、そういう意味では、登録免許税も一種の権利創設税というふうに考えていいと思います。
#87
○竹田四郎君 また後で伺います。
#88
○広田幸一君 終わります。
#89
○委員長(桑名義治君) 午後二時十分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十三分開会
#90
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○黒柳明君 この問題、いろいろ問題点がありますけれども、まず第一ラウンドの質問で、限られた時間でございますので、一点だけにしぼってお伺いしたいと思います。
 それは、昨日の本会議でもちょっと、中曽根長官と運輸大臣の答弁が、私なりにちょっと食い違いがあるなというような感じがしました。中曽根長官の方がきょうは出られませんものですから、それについて長官の方の真意はただすわけにいきませんですけれども、恐縮でございますけれども、運輸大臣、過料の点でございます。その対象、何か暴走族であるとか、ダンプカーであるとか、巷間いろいろうわさされておりまして、きのうも中曽根長官はそんな趣旨の発言をしたわけでありますが、運輸大臣の場合には若干ニュアンスが違ったかというふうな受けとめ方をしたんです。そのくだりだけで結構なんですけれども、もう一回ちょっとお話しいただけますか。
#92
○国務大臣(小坂徳三郎君) 昨日御答弁申し上げたことが中曽根長官と多少食い違ったのではないかという御趣旨のただいまの御質問でございますが、われわれはそうは思っておりませんので、私から申し上げたことが、中曽根長官も十分理解をしておるし、食い違いはないと思いますので、改めてもう一度ここで昨日の御答弁申し上げたとおりを申し上げたいと思います。
 問題は、やはり自主的に点検、整備をしてもらうということが、特に自動車を利用する方々にとって大きな社会的な責任である。公害とか、安全を守っていくということであると思うのでございます。この場合の点検指示の対象といたしましては、制度としては定期点検を怠っているすべての車両が対象になるわけでありますが、しかし、制度の趣旨並びに街頭検査というものがきわめて限られた人員によっていたす等の制約もございますので、不正な改造車あるいはまた違法な行為を行っている白トラックやダンプカー、さらに他の整備不良の車両を中心にして行うというのでございます。これ以外の車両につきましては、運用上の行政指導である勧告にとどめることといたしたいと、これが私たちの見解でございます。
#93
○黒柳明君 そうすると、整備不良の車両を中心にという、一言で言うとそんなニュアンスかと思いますけれども、そうすると、その整備不良の中に暴走族も入るのであって、整備不良であるならばいわゆる白ナンバーは全部入ると、こういう理解でいいわけですね、局長。
#94
○政府委員(飯島篤君) そのとおりでございます。
#95
○黒柳明君 その点何だか、これはどうしてこういうような誤解が出たかと言ったって、私どもが局長にその原因をただすのが妥当であるかどうかわかりませんけれども、私どもも勉強する過程において、衆議院での審議を踏まえて、何か対象になるのは特定のものである。改造車、これは見てもわかるのです、素人なんかが見て。よくお正月あたり、特別なときに若い者が改造車を引っ張り出してもうすっ飛んで静かな町を動いている。これは素人から見ましても、とんでもない車を引っ張り出しているなと、こういうふうにわかる。あるいは暴走族といったってこれはもう外見すぐわかるわけでしてね。こういうものが対象のすべてである、あるいは対象の大部分であるというようなニュアンスで受けとめられるような審議もあったのかなと、そういうような誤解を受けるような質問あるいは答弁もあったのかなと、あるいは、失礼ですけれども、活字やなんかでそういうニュアンスを私たちは感じているのかなと、こんなことなんですが、審議を深める前提としまして、これはどこでこういうような誤解みたいなものが生まれたんでしょうかね。
#96
○国務大臣(小坂徳三郎君) 多少、白トラックとかダンプカーとか、あるいは暴走族という言葉が出たのは、衆議院の委員会における審議のときでございました。こうしたものが対象になるのかというような御質問があったのでありますが、もちろん、それが整備不良あるいは不正改造車というようなものである場合には当然それはかかるであろう。そしてまた、結論的に言うならば、整備不良重等を中心にして行いますという答弁をしたのでありますが、その最初の、違法な改造した自動車であるとか、白トラックであるとか、ダンプとか、そういうものを具体的に相当明確に出されたので、そっちの方の声が大きかったせいもあるのじゃないかと思いますが、われわれははっきりとそのときから申し上げていることは、整備不良単等を中心に行いますということを申し上げた。それじゃ一般の人はどうなんだというようなお話までは進んでこなかったのでございます。
#97
○黒柳明君 そこで、いま大臣の言葉を受けまして、それじゃ一般の人はどういうふうになるのかということが、なかんずく過料条項がついたということについての疑惑と私はあえて申したいんですけれども、これはまた後ほどのお楽しみに取っておきたいんです。ぜひお聞きいただきたいんですが、その前提として、一般の人はこれどういうふうないままでとこれからの違いが出てくるんでしょうか。この法案が成立したと仮定した場合におきまして、いままでとこれからとどういう違いが出てくるんでしょうか。
#98
○政府委員(飯島篤君) 現在定期点検制度というのがあるわけでございますが、これについてはユーザーの義務ということになっておることでございます。この点は何ら変わりはございません。
 それから、今回の改正案で定期点検記録簿というものを充実することにいたしております。これは現行法でも整備をする義務が決められておりますが、今回の改正で、様式を統一するとか内容を充実するというようなことをいたします。そして保存期間もいままでよりは省令で五年ぐらいに延ばそうという考えでおります。これは一つは、ユーザー御自身のために、整備事業に頼んだ場合に過剰整備されないようにするという意味で記録簿を整備するという意味もございます。そしてそれを車に備えつけをするという義務を新たに制定をいたしております。ここまでの各種の義務には、すべて現在と同様、新たに設けました備えつけ義務を含めまして何ら罰則はございません。
 それから具体的にいま問題になっております点検指示制度でございますが、条文に基づいて御説明させていただきますと、五十三条の二で、「陸運局長は、自動車について、定期点検整備記録簿の有無及び記載内容その他の事項を確認した結果第四十八条第一項の規定による点検が行われていないことが判明したときは、当該自動車の使用者に対し、点検が行われていない期間及び自動車の種別、用途等に応じ運輸省令で定める技術上の基準により点検をし、並びに必要に応じ整備をすべきことを指示することができる。」こととしたわけでございます。「この場合において、陸運局長は、併せて当該点検の後最初に行うべき同項の点検の時期を指示する」ということになるわけでございます。それで、この指示を受けました自動車のユーザーの方は、「当該自動車について同項の技術上の基準により点検をし、及び必要に応じ整備をした上、」「点検の結果、整備の概要その他の事項を定期点検整備記録簿に記載しなければならない。」ことといたしております。またこの指示を受けましたユーザーの方は、「当該指示を受けた日から十五日以内に、当該指示に基づいて講じた措置について、前項の定期点検整備記録簿の写しを添えて当該指示をした陸運局長に報告しなければならない。」というのが新しい規定でございますが、この制度がユーザーの自己責任に基づいて定期点検は行われるべきものであるという基本をできるだけ尊重をいたしまして、いま御説明した、最後の報告義務の違反について秩序罰である過料を科し得るということにいたしたのでございます。そして、いま大臣が御説明をいたしましたように、この規定の趣旨は、点検の実施にかかわる行政指導を実効あらしめるためのものである、また、自主的な定期点検の実施の確保を図るのがねらいであるということから、運用について一定の方針を御説明いたしたわけでございます。
 その運用の方針についてでございますが、整備不良車両というのは、現在の五十四条に、「自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態」というのが述べられておりますが、これが整備不良車両ということになるわけであります。したがって、こういう状態にある車というのは、車種にかかわらず、一般の車も該当するケースがあるわけでございます。そして、このような状態にある車については、いま御説明を申し上げました点検の指示をするということにいたしたいという方針を御説明したわけでございます。したがって、こういった車は、現在整備命令という制度がありまして、ユーザーに対しまして、「保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために必要な整備を命ずることができる。」こととされておりますが、この整備命令、ないしはこれに実際には、実務上は整備不良車両につきましても、整備命令を出すケースと、警告をする場合と、口頭注意というような場合とがございます。そういった整備不良車両について、過去の定期点検の状況を、先ほど申し上げたような手段で、陸運局長とありますが、実際には陸運事務所の検査官が確認をいたしまして所要の指示をするということになるわけでございます。したがって、そういった人たちは、その指示を受けて必要な点検をし、整備をいたしまして、記録簿に記載をし、十五日以内に指示に基づいて講じた措置について記録簿の写しを添えて陸運局長に報告をするということになるわけでございます。
#99
○黒柳明君 いまのお答えの中からちょっと三、四点お伺いしたいんですけれども、まず定期点検の記録簿、これを備えつける義務があるわけですね、これは罰則規定はない。もしそれが備えつけてなかったときにはまずどういう処置がとられますか。忘れちゃった場合、車の中になかった場合。
#100
○政府委員(宇野則義君) 街頭検査等で運転者に定期点検の記録簿の一応提示を求めるという行為をして、それでなかったと。そのときにドライバーの方が忘れたと、置き忘れたとおっしゃるか、あるいはそんなものは持っていませんとおっしゃるかわかりませんけれども、現になかったという場合には、車の状態はそれなりに、整備不良といいますか、安全基準に適合しているかどうかというような街頭のチェックをするわけでございますが、そういう車の状態をチェックした結果と勘案した上で、もしその車が非常に状態が悪くて、いわゆる整備不良の状態にある車のような場合には、その記録簿について、いまそこで持っていなかったにしても、もし自宅に置いてあるとすれば一度後ほどお見せくださいというようなことで指導するケースもあろうかと思います。あるいは車の状態が非常によくて、その時点では保安基準に適合した状態、整備不良の状態でないような場合にはその場の注意でとどまるケースもあろうかと思います。
#101
○黒柳明君 そうすると、どこで線を引きますか。たとえば五十四条のこの整備の状態をこの次質問したいんですけれども、その前に、その整備命令を出す車にい言ったことが通用するのか。それとも。命令は出さなくても、整備不良だと、こう判断した車全部に適合するのか、そのあたりの線引きはどの辺になりますか。
#102
○政府委員(飯島篤君) 先ほど、整備不良車であっても実務上は命令を出すケースとそれ以外のケースがあるという御説明をいたしましたが、一応この点検指示の対象は、整備不良車すべてにつきまして定期点検記録簿を見せていただいて、その実施状況をチェックをする。そして、実施をしていなかったときに初めて指示ということになるわけでございます。
#103
○黒柳明君 そこはわかったのよ。だからそれで、備えつけの義務、それについて備えつけてなかったとなった場合に、どういう行政指導なり勧告なり命令なりをするんですかと、こういうことをいま聞いているのよ。整備不良車であった、これは前提でいいんですよ。それが二つに分かれるわけでしょう、整備命令をすぐ出すのと、勧告だけでとどまるのと。まだここまでです。五十四条の方までまだいかないんですけれども、その備えつけ義務にもかかわらず、なかった。だって、免許証やなんか持ってなかったら大変でしょう、これは。だけれども、いまのこの新しい法案の成立ということで……。それを聞いているの。
#104
○政府委員(宇野則義君) いま先生がおっしゃいました整備不良車であったという前提のもとに、定期点検の記録簿を携行しているかどうかということを確認して、持ってなかったという第二段があるわけですけれども、その場合には、定期点検を実施しているかどうかを本人に一たん聞くという段階も入ってくると思いますけれども、それでなおかつ定期点検を実施していないというような状況のもとにあれば、今度はその記録簿を、最寄りといいますか、一たんお持ちをいただきたいというような指導がその次の段階に入ってこようかと思います。
#105
○黒柳明君 何だか余りよくまとまってないね。
 運輸省の中庭にマイカーが並んでいるんでしょう。ここにいる方かどうかわからないけれども、ここにいる方だってもしかすると定期点検をやってなくて、すぐこの法案が成立すると自分の車にかかわってくるんですよ。だからのほほんとして、そんなことはおれのことじゃないと思って聞いているととんでもないんですよ。もうちゃんと調べてあるんですから、課長さんだって五、六人いるんですよ、点検していないで車をぽこっと置いてある人が。今度は人のことじゃないんだよ。案外自分の足もとに火がついているのがわからないんだよ。
 ですから、ひとつもうちょっと――はっきりしない点ははっきりしないでいいと思いますよ。これからまた政令で決めたりなんかする点もあるんでしょうけれども、いま言ったことはどうもはっきりしないな。整備不良車ということを前提でいいですよ。街頭の検査でつかまった、つかまったというかな、いまもう九万台というのがあるわけでしょう、いまの能力の中で。
 それで、備えつけの義務があるんだから、本来なら全部見せなさいと、これはもう当然ですよね。ですけれども、整備不良車、こういうことの前提があるんですから。だから、整備不良じゃないというものについては、いま言った備えつけの義務はあるけれども、本当はこれは矛盾なんですな。整備不良車じゃなくたって備えつけの義務は別なんですな、定期点検しているかどうか。だけれども、それはいいですよ。整備不備の車だ。その場合になかったときには、要するにあなたはやっていますか、やっていませんかと言われた場合に、グリーンカードと同じように、だんだんこれは国民に周知徹底されます。まだ法案が審議されているうちには何となくわからない点がありまして、身近なことと思ってない。現にここにいる人だって、自分のことなのに身近なことだと思っていない人がいると同じ。国民の皆さん方全体には、やっぱり失礼ですけれども認識が深くいっていません。ですから、きちっとした基準を――これから決めるんだというんならそれでもまたいいと思うんですよ。
 いま現在、要するにおまえ定期点検はやったのかと聞いたら、ええやったと言うに決まっているじゃないですか。過料というものがもう成立した場合に定着していけば、これはおれやってないなんて言う人はいないじゃないですか。じゃ、やっているとなったら、そうするとそれの備えつけの義務というものはもう素通りになっちゃうんですね。そうなるともう空文に等しくなるわけですか、やっているという返答が来れば。
#106
○政府委員(宇野則義君) 今回の定期点検の制度につきましては、大臣を初め局長もお答えになりましたけれども、ユーザーの自主性を尊重するということから、その面におきましてはユーザーをある面では信頼をせざるを得ない形になっております。必ずしも全部を、一〇〇%疑いをかけるというわけにはまいりません。そういう意味では、ある程度は信頼をしなきゃならないのですが、法律上は、定期点検を実施していない、行われていないことが判明したときはということになりますので、定期点検を実施したかしなかったかというチェックを何らかの形でしなきゃならないと思います。
#107
○黒柳明君 そうすると、いま陸運局がやっている、一応九万台のうちに整備命令を出すのが千台ぐらいだと。一万八千ぐらいが不備だと、その千台。そうすると、いまのお言葉ですと、整備不良である。そして六カ月の点検の義務を負わせる。それをはっきりするために備えつけの義務を、責任を負わせる。だけれども、それがない場合に、整備不良と見ても、一千件の整備命令と、勧告しないあとの一万七千件ぐらいについては、備えつけなくても――あるいは備えつけない方がいいわけですな、ユーザーとしては。備えつけているとわかっちゃうわけですよ、点検したかどうか。備えつけていないと信用するしかないわけですから。そうなると、要するに備えつけの義務は新しい改正法で起こってきたけれども、備えつけていると損だから備えつけておくなという指導を私たちはした方がユーザーにとっては利点がある、こう考えていいわけですね。
#108
○政府委員(飯島篤君) この制度の趣旨が、いま整備部長も答えたように、ユーザーの自己責任という基本をできるだけ尊重するということで、いま御指摘の記録簿についても、ユーザー御自身もメリットがあるということで、まず法律で義務づけをいたしますれば備えつけていただけるものという信頼の上に立って制度を組み立てておるものでございまして、いまるる御説明を申し上げましたように、口頭等でいろいろ確認をしたり、あるいは一定の期間を置いて記録簿を持ってきてくださいということを言ったりはいたしますが、最終的には信頼関係の上に立つしかないというふうに考えております。
#109
○黒柳明君 私は、ちょっとそれは大臣、矛盾していると思うんです。こういうことですよ。何でこの法案が問題になっているか。定期点検、これを厳密にさせる。確かにユーザーが自分の身を守るために整備なんかやるのはあたりまえ、だけれどもまだまだそういう自覚がないと言っては失礼ですけれども、そういう中において、ある程度法で規制せざるを得ない。これはある程度私も認めざるを得ませんよ。それが全部悪いと言いません。しかしながら、その定期点検の義務を課しても半分やっていない。しかも、不良車が陸運局の街頭チェック、わずかの労力、わずかの時間だけでもうんとある、こういうことでしょう。それだから、いわゆる過料を科してまでも点検の義務促進をやらざるを得ない、公審のために、安全性のためにと、こうでしょう。それは何によってわかるかというと、備えつけ義務というものをさせるその定期点検の証書でしょう。それがなければ、その次に発展しないわけでしょう。ところが、いまはその義務はあるけれども、整備不良車とわかっても、それがなければ信頼するよりほかない。点検やってますか、やってますと。そうしたら、この過料なんということは全く空文じゃないですか。現実としてはどうですか、大臣。私の意見は間違っていましょうか、非常に明快だと思うんですけれどもね、これ。
 いまの両局部長の答弁を踏まえると、要するにいまの備えつけのものがないと点検しているかどうかわからないんです。そうすると、信用せざるを得ないんでしょう。点検やってます、六カ月やってます、ああそうかと。そうすると、それより後の行動というものは全く起こせないんじゃないですか。いわゆる十万円の過料なんというものについて、取ることが目的じゃありませんと、まあこのことはもう理解した上でですよ。だけれども、法律の中にそれは明示されているんでしょう。そうすると、これはないに等しいじゃないですか。
#110
○政府委員(飯島篤君) 対象はいま御説明しておりますような整備不良車であり、かつ記録簿を法定された義務どおり備えつけていないと、また、口頭でもその辺が何といいますか、余り妥当なものと思われないと、いわば言葉は悪いかもしれませんが、悪質なドライバーというような場合であれば、別途百条で報告徴収及び立入検査権がございます。したがいまして、この百条の適用について、要するに適用ができるのではないかというふうに考えてもおりますが、なお法制的に詰める必要があるかと思っております。
#111
○黒柳明君 そんなことを、百条までなんか僕は言っているんじゃないの。あくまでもユーザーは信用せざるを得ません。定期点検の記録簿、それを備えつける義務を生じさせます、この改正案は。だけれども、ない場合には、口頭で定期点検やっていますか、やっていますと。信用せざるを得ません。それじゃ、それ以後のものはすべてもう法律に明記してあってもないと同じじゃないですかと私は言っているんですよ。いわゆる過料条項、罰則規定というものはないと同じじゃないですかと言うんですよ。ただし、その範疇でも、いわゆる整備命令をすぐ出すやつ、これは私はそうじゃないんじゃないかなと、こんな感じがしますよ。だけれども、整備命令をすぐ出さないで、いわゆる行政指導、勧告だけで報告も何もとらない、そのシステムは変わらないわけでしょう、これからも。変わるのは、やっぱりその六カ月、十二カ月点検の標章を常時持たして、それを見るよりほかないわけでしょう。それがないものについて信頼すると言うならば、ユーザーの方はそんなものを車に備えつけない方がいいわけじゃないですか。それで、道路検問に遭って、おまえ不備ですよ、整備していますか、ああしていますと、それでおしまいじゃないですか。ただし二つに分けますよ。整備命令を出す車とそうじゃないもの。出す車についてはそういう処置じゃなかろうかと。悪質であるのがわからない、百条を適用されるかわからない。そうじゃない範疇のものについては、定期点検の、その備えつけの記録簿を持って歩いたら損じゃないですか、そしたら。それを出したら点検してないことがわかっちゃうんだもの、どうですか、この点。もうこれ以上繰り返しませんぞ、僕は。適切な答弁が出なかったらこれでおしまいです。
#112
○政府委員(飯島篤君) 基本的には繰り返し同じことになりますが、信頼関係で処理せざるを得ないし、非常に悪質な場合であれば百条の報告徴収及び立入検査権を発動する、このような罰則はあるわけでございます。
 それから、もしそういう事態が一般的になれば、またその段階で手だてを考えざるを得ないと思います。
#113
○黒柳明君 じゃもう一回聞きましょう、具体的に。私の車がブレーキがちょっと甘かった、ライトをちょっと整備していなかった。これは確かに整備不良として範疇に入るでしょう。半年、十二カ月の点検をやっていない、義務づけられている標章を車に持っていない、こうなったときにつかまる。整備不良じゃないか、これはもう明らかですな。ライトがちょっと暗いぞと。さあおまえ備えつけの義務のあるものを持っているか、持っていない、じゃ六カ月前点検をやったか、やっているよ、こう言う。それじゃそれでおしまいですな、これで。いまのケースはそんな悪質じゃないよ、いまのケースは全然悪質じゃないよ。
#114
○政府委員(飯島篤君) 専門家である検査官が口頭でいろいろ具体的に質問する過程の中で、実際に六カ月点検をおやりいただいたかどうかということはかなりの確度で確認できるのではないかというふうに考えておりますが……。
#115
○黒柳明君 いいですか、そんな答弁しちゃって。かなりの確度で六カ月点検やったかどうか検査官がわかるということを、いまここでそんなことを言って大丈夫ですか。その問題だけで突っ込まれたらまた大変なことになるよ。街頭の検査官がそんなことをやっていますか、できますか。六カ月点検、十二カ月点検をやっているかどうか、かなりの範囲でわかるなんということをいまここで局長断言していいですか。
#116
○政府委員(飯島篤君) わかると申し上げたのではなくて、お話をいろいろ伺って、具体性があるかどうかをお聞きすることによって判断できる場合もあると、ちょっと……。
#117
○黒柳明君 そんなくだらない答弁やってだめだよ。場合もある、仮定もあるなんということを私は言っているんじゃない。法案が出ているんだもの、過料問題が重大な問題になっているんだもの。われわれは廃案を目指しているんだもの。これはもう検査官が、インチキ言っているのかもわからない、そういうケースもあるだろうと、そんなことを言っているんじゃないんですよ、私は。具体的に明快なケースを取り上げているんですよ、まだ。いまの局長の答弁は――まあ、答弁と言うよりか、これはもうあたりまえのことでしょう。その中のまず第一段階をいま言っているだけだ。まだ五十四条のこともある。その次のこともある。こんな、聞いている中において、こいつは六カ月点検をやっていないんだけれどもやっていると言ってうそをついているんだろうなんて。そういう人は国会に呼んできて、要するにいろいろな、議院証言法なんか全部要りゃしない。その人をわきに置いて、あいつはうそをついているかどうかみんな鑑定してもらうんだな。
 これはちょっとおかしいわ大臣、言っていることが。私が言っているのは、これいこじなんでしょうかな、大臣。私が言っているのは非常に論理正しいと思いますよ。検査官が街頭で要するに信用するということが前提、これは結構ですよ。だけれども、信用するということが前提ならば、要するに半年のチェックをやっているかやっていないか、そんな口頭で何十分かかるのか、何分かかるのか。外見の整備不良、それはわかりますよ。だから、私はそれをやるのは当然だと言うんですよ、当然だと言うの。これは罰則規定だって、厳しくしたってあたりまえ。自分の身のためだもの、社会のプラスになりますから。だけれども、いまのこれはそういう範疇とちょっと次元が違うんですね。しかも、なぜこういう過料、罰則規定を設けたか、その接点というのは、いま言ったように、定期検査をやっているか、やっていないかでしょう。それについては公害と安全、それに対して防止をすることでしょう。それについて全面的にユーザーを信用すると言うならば、その後の過料なんというのは必要ないじゃないかと言うんですよ。その標章を持っていないで、やってるよと言ったら、ああ信用するよ、結構だよ、ライトをちょっと直しておけと言えば、いままでと何にも変わりない形じゃないですかと。これをさっきから同じことを繰り返し繰り返し何回も言っている。
 だから、逆に言うとね、あえて私はこんなことを言う立場じゃないでしょうけれども、果たして信用というのはどこまでの信用ならいいかということも、一つのやっぱり今回の法律の中で明文化するのか、あるいは運用上のきちっとしたものを明確にするのか、必要に迫られるのかもわかりませんけれども、ともかくいまのところは全くその定期検査のそれを持っていること自体がユーザーには損であると。持ち歩かないで、やってます、やってますと言って、そして直ちに整備命令を出されない範疇の車ならば、全くこの改正法が通らない、現行法と同じシステムでまかり通っちゃう。であるならば、わざわざ改正なんかする必要ないんじゃないですか。しかも、この過料制度を持たなくたって従来から百条というものがあるわけでしょう、いまくしくも言ったような。これ私の言っていることは理路整然、明快じゃないでしょうかな。以上、御名御璽ですな、これ以上は。
#118
○政府委員(飯島篤君) 非常にむずかしい御質問であれなんですが、悪質な場合は、先ほど触れましたように、百条、これは罰則、これはたしか罰金だったと思いますが、ついておりまして、それによって手だてを考えざるを得ない。ただ、仕組み全体として、秩序罰ということを報告義務違反につけたということで、仕組み全体としてはユーザーの自主性をできるだけ尊重しているという意のところをお酌み取りいただきたいと思います。
#119
○黒柳明君 これはもう同じことの繰り返しですから、一回ちょっとじっくり聞いてください、自民党議員の方。私は現在において法律、政令、これからの運用の仕方、いろいろあるんですから、それをはっきりさせればさせるでいいと思いますよ。だけれども、何だかはっきりさせたくない、だから強いて同じことを言わなきゃならないんだ、というようなことだと私は納得できない、こういう立場なんです。その問題については確かにいままで考えて――まあそこまで言う必要はないな、こっちは何も局長でも部長でもないんだから。どうしてもいまの答弁はおかしいですよ。一回ちょっと話を聞いていただけますか、理事会をやって。それじゃなきゃ話が進まないもの。(「次回の委員会の中で」と呼ぶ者あり)だって、これから発展さすんだよ、僕は。きょうはこの過料問題だけに集中しようと思っている。
#120
○委員長(桑名義治君) ちょっと速記やめてください。
   〔午後二時五十分速記中止〕
   〔午後三時五分速記開始〕
#121
○委員長(桑名義治君) 速記を起こして。
#122
○黒柳明君 すみません。時間をまたとらせまして申しわけありません。
 それから先ほどの答弁の第一段階ですね。それから第二段階は五十四条です、整備不良。現行法におきましても、整備不良で命令、直ちに整備しなさいというものと、まあ行政勧告あたりで済ますものとあるわけです。これはいままでやってきたことですから、常識的なものといいますか、基準があったと思うんですけれども、これはこの次は、いままでの現行法、そうじゃなくなるわけですよ。厳しくなるわけですね、言うならばある意味においては当然ね。厳しくなるかならないかと言ったら、厳しくなるということがこれ正確ですね、ユーザーにとっては。そういうものですと、やっぱり検査官のその場で見ての気分で、あるいはいままでの感覚で、常識で、これは整備不良だとか、これはすぐ整備をやらなきゃならない命令を出すとか、こういう気分というか、いままでの基準で――基準があるのかどうかわからないのですけれども、やられちゃちょっと今度は困るわけなんで、どうなんですか、いままでも、整備不良車、それから命令を出す、直ちに整備せよ、そこらあたりの線引きというものは明確にあったんでしょうか。タイヤの減り方が何ミリ以上いけないとか、ライトが薄暗いのはいいけれども消えているのはだめだとか、こういう基準というものはあったんでしょうか、整備不良車、そういう中において。
#123
○政府委員(宇野則義君) 現在あるいはこの改正法案の中にも入っております整備命令、整備不良車に対する整備命令の取り扱いにつきましては、街頭検査等で処理するわけでございますけれども、そのときに、法律に基づきます命令を出す場合と、行政指導的な勧告、警告にとどめる場合とあるわけでございますが、その一応の基準といたしましてこれまで実施してきた中で考えておりましたのは、整備命令の対象になる車というものはもちろん前提として保安基準違反という前提があるわけでございますけれども、その中でも、たとえば差し枠を取りつけた大型ダンプ、これは差し枠を取りつけること自体が保安基準違反になるわけでございますけれども、そういうダンプだとか、あるいはよく暴走族がやっております、俗に言う不正改造でございますが、車の高さを低くして走るというような単、あるいはタイヤのボデーからのはみ出しを防ぐためにフェンダーにオーバーフェンダーというのをつけるようなケースがございますが、こういうような車高を下げるとか、あるいはオーバーフェンダーをつけるというような車、とかく暴走族に多いわけでございますが、こういうような車に対しましては整備命令を発する。そのほかに保安基準違反の中でもかじ取り装置だとか、あるいはブレーキ装置といった車の重要保安部品、部位にその保安基準の不適合個所がある場合、この場合には整備命令の対象にいたしております。そのほかにも、保安基準違反があるんですが、たとえば球切れだとか、あるいはタイヤがまる坊主になっていたと。取りかえれば済むわけですけれども、そういうような状態のもとにあった整備不良車両につきましては、警告ということで処理をいたしております。
#124
○黒柳明君 そうすると、やっぱり整備命令を出す車というのは非常に特殊な限られているものであると、そういう範疇に暴走族とかいう言葉が使われているわけだと思いますが、そうすると、自家用車、一般のいわゆる整備不良、これは命令というものはほとんど出されない。いわゆる勧告、警告、やってきなさいよと、こういうものであるという認識は間違いはないわけですか。
#125
○政府委員(宇野則義君) ただいまお答え申し上げました中で、同じ保安基準違反の部位について重要保安部位と、こう申し上げました。走行装置だとか、あるいはブレーキ装置が保安基準に違反している状態にある、こういうものにつきましては、暴走族ということとは関係なしに、一般の車であっても整備命令を出すというケースはこれまでもございましたし、そういう考え方でまいりたいと思います。
#126
○黒柳明君 そうすると、整備命令を出す中で一般の車というのはどのぐらいの率を占めてきたんですか、いままで。
#127
○政府委員(宇野則義君) これまでの統計の中では車種別の統計が実はできておりません。装置別の統計ということでいままで私ども処理をしてまいっておりますが、大きい比重を占めますのは走行装置の中で特にタイヤを中心にいたします走行装置の不良、それから灯火関係の不良、これがウエートとしては高うございます。それからそのほかに、街頭検査等で排ガスのチェックをしておりますが、これはエンジンの装置不良ということにしておるわけでございますが、排ガスの状態が不良であると、これがその次に次いで大きいと。それでそのほかの部位につきましては比率的にはかなり少のうございます。
#128
○黒柳明君 そうすると、その車種別の中で自家用車に該当するようなものというのは大体どのぐらいの割合を占めていますか。
#129
○政府委員(宇野則義君) 車種別には内容がわかりません。
 ただいま申し上げました走行装置の比率が高いとか、あるいは灯火関係の比率が高いと申し上げましたのは装置別でございます。
#130
○黒柳明君 わかりました。
 そこで、結局今改正案が一番問題になるのは、その整備不良車と、事故率〇・〇七五%しか事故の中で整備不良はないとか、あるいは死亡事故が二・一%だとかいろいろ数字が出ておりますけれどもこの整備不良で事故を起こす車、これがどのぐらいあったのか、これが統計的につかまれていれば非常に説得力があると思うんですよ。と言うのは、確かにわずか労力の中でも九万台で一万八千も整備不良車はつかまえる、こういうことになると。それがそれじゃ事故に直接間接結びつくというデータでもあると、これはもうとてもじゃないけれども現行法では疑問点があるぞと、こういう説得力が出てくるわけですけれども、警察の方もこれは相当事故で調査されているかと思うんです。ここらあたりは運輸省の方あるいは警察の方、両方から、どうなんですか、事故車と整備不良との因縁、因果関係というものは、何かデータ的に、あるいはいままでのこの調べの中でどういう傾向にあるとか、そういうものはどうなっておりましょうか。
#131
○説明員(福島静雄君) お答えいたします。
 昭和五十五年中の検査対象車両によります全人身事故件数は四十万七千六十一件ございます。御質問の整備不良車両による事故につきましては、私ども統計上車両的原因による事故というとらえ方をいたしております。その発生件数は二千六百四十七件でございます。同じく検査対象車両の死亡事故件数は六千七百八十五件ございますが、そのうち車両的原因による死亡事故の発生件数は官四十三件でございます。警察の把握しております数字では以上のような状況になっております。
#132
○黒柳明君 何%ぐらいになりますか、それ。
#133
○説明員(福島静雄君) 最初に申し上げました全人身事故につきましては〇・六五%であります。死亡事故につきましては二・一一%という比率になっております。
#134
○政府委員(宇野則義君) 日本の国内におきます事故につきましては、私ども警察でとられました資料を使っておるわけでございますけれども、私どもがこれから自動車の安全、公害問題でその対策を考えなければならないとして考える場合には、事故と故障という問題もあるわけでございまして、かなり広い範囲から検討はしなければなりませんが、現在私どもは直接的には数字はつかんでおりません。ただ、諸外国等の文献も一応把握をいたしておりますが、その一つの文献といたしましては、西ドイツにおきまして技術監督協会というところがございますけれども、そこのスタッフのつくった論文によりますと、外国で警察の取り上げた車両的原因による事故件数というものは大体、国によって若干の出入りはございますけれども、一・四%から五・八%の率になっておるという、そういう数字に対しまして、警察とは別の角度から公的機関が事故原因の追跡調査を行った結果の数値によりますと、平均的に申し上げまして交通事故の五ないし一〇%が主として車両の技術的欠陥に起因しているというふうに述べられておるわけでございまして、さらに交通事故の一〇ないし二〇%が車両の技術的欠陥が主原因あるいは副原因になる、または事故の拡大要因になっているというふうに言われておる。こういう論文は私どもの方で調査をいたしたわけでございます。
#135
○黒柳明君 事故発生のうち整備不良が〇・〇七五なんてよく数字が使われておりますが、それはどういうことなんですか。いま警察の方のあれは、これは当然いま言った〇・〇七五と、人身事故と死亡、〇・六と二・一、これとは範疇は違うんですけれども、よく活字になっている、全事故の中の整備不良になると〇・〇七五なんていうのを見るんですけれども、これはどういう数字なんでしょうか。
#136
○説明員(福島静雄君) 御質問の数字につきましては、私どもちょっとはっきりどういう性格の数字だということをいまここで申し上げることはできないわけでございますが、私どもが従来国会等で御質問がありました際に申し上げてきております数字はただいま申し上げた数字でございまして、事故の原因調査の上で把握している数字といたしましてはただいま申し上げた数字ということになっております。
#137
○黒柳明君 これは私ここに何もないんですが、局長、〇・〇七五というのは、これは通常言いならされた言葉になっておりますわね。これはどういう積算の数字なんですか。事故の中の整備不良が〇・〇七五と。これ定着しているじゃないですか、この数字。これはどういうあれなんですか。
#138
○政府委員(飯島篤君) 警察の交通事故処理というのは早期に現場で処理するという使命もおありのようでありまして、なかなかわれわれの整備不良車両のチェックも一定の制約のもとに外観で限られた機器でしかチェックができないということが前提にあるわけでありますが、先生がよく引かれる〇・〇七五というのは、私どもが承知しておりますのは、警察庁の資料で全交通事故件数、五十四年で四十七万千五百七十三件のうち整備不良車両運転による事故件数三百五十五で〇・〇七五という数字がいままで発表されております。ただ、この場合は整備不良車両運転というのは、これが第一当事者による主法令違反別全事故件数のうち整備不良車両運転による件数を示すということで、第二、第三の原因として車両的原因が挙げられているものの件数ではないようでございます。
#139
○黒柳明君 ということで、もうちょっと具体的に教えてよ、そちらの資料だから。ちょっとわからないんだ、ぼくは、いま説明したのでは。
#140
○説明員(福島静雄君) 交通事故が発生いたしました場合に、主法令違反がどういうものであるかということは、事故に伴う法令違反別の整理をいたしまして件数は計上しているわけでございます。
 そこで、ただいま自動車局長から答弁されました数字とは若干異なりますが、昭和五十六年中に交通死亡事故が八千二百七十八件発生したわけでございますが、そのうち主法令違反として整備不良が挙げられているものが七件でございまして、まあパーセンテージにいたしますと、四捨五入いたしまして〇・一%という数字になるわけでございますが、御指摘の数字はそういう観点から取り上げたものについてではないかというふうに理解をいたしております。
#141
○黒柳明君 そうじゃないんですよ。私はこの今回の改正法が全面的に悪であるかなんということについては、まだまだこちらも勉強してかからなきゃならない分野もあるなという認識は持っているんですよ。これは絶対廃案だなんということは、思ってますけれども、まだまだ認識がない。それで評価している部分もあるんじゃなかろうか。そういう面で勉強もしなきゃならない点が多々あるなとこういうふうにも思ってるんですよ。あながちこっちがいろんなことを勉強して知り尽くしちゃって、それでいやがらせ質問をしている面だけじゃないわけです。
 そうすると、なぜこの改正案がいけないかというと、やっぱり国民の世論、それを代表するマスコミ、整備不良で事故がないのに、つながってないのに、それを今度は点検を無理にやらして、車両の性能もきのう言ったとおり向上しているのに、道路の整備もできているのに、日進月歩車の質がよくなっているのに、それをまた六カ月だ、十二カ月だって無理な点検をさせる、やらない者には十万円の過料だなんて、そういう論法じゃないでしょうか。ですから、その根拠になるのが、いま言ったように事故発生に整備不良が〇・〇七五と警察庁の資料でこうなった。だからそれをもっと具体的に説明してもらいたい。それについて第一、第二、第三なんて出てたでしょう、それを説明してくれと。だからいままで国会で答えてた二・一とか〇・六五か、先ほどの〇・幾つ、それはまあいいですよ、それで。だけれど、そういうものが国民世論に誤解を与えているのかもわからない、もしかするとね、そういう数字が先行して。私は誤解であるかどうかわかりませんよ。だから、誤解なら誤解でやっぱりそういうものを払拭しなきゃならないんじゃないですか。私たちの認識も改めなきゃならないよ。そのためには、私が知っている限り、勉強した範囲、見た限り、聞いた限りでは、事故に結びつく整備不良車は少ない。それは〇・〇七五だというのはもう頭の中に当然みんなあるわけですよ。それを具体的に説明してくれと、こういうことなんです。警察庁の資料だから。
#142
○説明員(福島静雄君) 交通事故が、人身事故が発生いたしました場合には業務上過失致死事件あるいは致傷事件として送致するわけでございます。あわせまして、それに伴う道路交通法令違反も立件いたしまして、同時に罪名として付して送致をするわけでございます。その場合の一番主たる道路交通法令違反上の罪名が整備不良であったというものの件数が先ほど申し上げた数字になるということでございます。
#143
○黒柳明君 主たるものが整備不良。それが主たるものが整備不良で、あとの死亡が二・一、それから人身が〇・六、そうすると、それはどうなんですか、主たるものの中にそういう分類別ができるんですか、また。主たるものが〇・〇七五だと。そうすると、主たるものじゃないものがあるわけですな。それが九九・九二五というのがあるわけでしょう。主たるものが整備不良、その中に、いまおっしゃった、三つの数字をおっしゃった、それが入るんですか。そうすると、分母と分子の数字がちょっと違ってくるんですけれどもね。
#144
○説明員(福島静雄君) 二つの性格の数字を申し上げたわけでございますが、最初に御答弁を申し上げましたのは、現場で交通事故の原因調査をする場合に、要するに車両的な原因、つまり何らか整備不良個所があるということが事故の原因として関与しているというふうに判定いたしましたものが二千六百四十七件で、比率で申し上げますと〇・六五%あるというふうな把握になっているわけでございます。
 もう一つの方の数字は、これはあくまで法令違反として送致をする場合の罪名として立件したものの件数ということでございまして、両者のとらえ方が若干違っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#145
○黒柳明君 立件というのが抜けているわけですよ、われわれの認識の中には。あるいは失礼ですけれども、マスコミの活字の中にもそれが抜けている。その抜けている分を私たちが読んでいるから、なんだ整備不良と全然関係ねえじゃないかと。にもかかわらず、おかしいじゃないかと、こういうようなことになるんですな。局長どう、いま教えてもらって認識を改めましたか。
#146
○政府委員(飯島篤君) 貴重な御指摘でございまして、いま警察庁の答弁されたとおりだと思います。
 それで、実は運輸技術審議会でも、交通事故の原因分析について、車両的原因がわが国でどうであるかということをやはり追跡調査をするべきではないかという御指摘も受け、今後努力をいたしますということでございました。ただ、私どもがこういった問題を判断いたしますデータとしては、重要部位がどういう走行キロあるいは時間がたつと劣化をしていって、それが事故に結びつく可能性が出てくるかということ等も、排出ガスの装置が経年でどういうふうに劣化をしていくかということ等から詰めて議論をした次第でございます。
#147
○黒柳明君 外国の例で追跡調査なんかしているなんという国はあるんですか。そんな例をお持ちなんですか。
#148
○政府委員(宇野則義君) 先ほど申し上げました西ドイツの技術監督協会のスタッフという人の論文によりますと、年次も違いますが、国も違いまして、幾つかの国で追跡調査といいますか、徹底調査という形で事故を追跡したようでございます。それで、たとえばの例で申し上げますと、西ドイツのラインランド州の技術検査協会では、千件の事故を取り上げまして徹底調査をした。その結果、最も高い確率といいますか、最も高い確率で、大体車両の技術的欠陥が四・八%ぐらいを占めるのではないか。また、その他の確からしい副原因まで含めますと一九・三%ぐらいが車両の技術的欠陥によるものではないか、こういう調査結果、こういうものが幾つか国によってあるわけでございます。
#149
○黒柳明君 正式な行政機関で調べて発表しているなんという例はないんですね。何かどこかから頼まれて、委託されて第三機関がやったなんというのは。何とか協会なんておっしゃったから、そんな感じがするわけですけれど、正式などこかの国の、運輸省なり交通局なりがやってこういう数字が出たというようなものはないんですね。あるいはそういう国自体がないんでしょうか。
#150
○政府委員(宇野則義君) 私どもも、運輸技術審議会で審議を始めるときにかなり手を尽くして調べたつもりでございますが、残念なるかな、政府公式の数字というのはなかなか手に入っておりません。
 それで、先ほどラインランド州技術検査協会と申し上げましたが、これは日本語で訳すと協会になるわけでございますが、ドイツのいろんな機器の検査、検定をやっております、いわば準公的な機関、特殊法人的な機関でございます。
#151
○黒柳明君 準政府機関が、副原因も含めると二〇%近く車両不備という可能性があると、こういう調査を出したと。そうするとどうなんでしょうかね。何回も言いますように、いわゆるそういう整備不良というものが事故につながるということが現実問題としてデータとしてある、可能性がある、あるいはあったとなれば、これはもう人ごとじゃないわけでして、法律どころじゃない。法律がなくたってやっぱり自分で、ユーザーの責任守備範囲に入るわけですけれども、まあ先ほど局長さんもそんなようなニュアンスのことを、できればなんということをおっしゃったですけれども、警察の方は、これはまあ事故が起こりますんでそのときに調べるということとで、やっぱり陸運局のやるというのはおのずから権限も範疇も目的も違うわけですけれども、警察の場合には起こったものについてこうやるわけで、むしろ陸運局の方は予備的な処置も含めて、安全性、公害の排除ということも含めてのやっぱり処置であるわけですよ、事後に対しての。これは恐らく追跡調査という言葉がいいのかどうか。それから事故に結びつく整備不良というものは、その可能性というものをあくまでもデータで出していくことが今回の改正法のやっぱり一つの義務であり、説得を持たしめる一つの方法でもあるんですけれども、まあいま現在はお持ち合わせない、そんなこともできない、やったこともないと。そうすると、これはどうなんですかね。改正法がもし実施、施行されればそんなことはもう必然やる必要はないんだということになるのか、あるいはそれでもなおかつそういうものをやらなきゃならないというお考えがあるのか、その点いかがですかね。
#152
○政府委員(飯島篤君) 今度の改正いかんにかかわらず、今後努力をすべきテーマであるというふうに考えております。
#153
○黒柳明君 大臣、まだ過料の問題でほんの入り口に入っただけでもう先ほど十五分ブランクをあれしちゃったんで申しわけなかったんですけれども、先ほど一つペンディングの問題がありまして、これは次回までにしっかり答弁いただくと、こういうことです。
 ただ私、この後にもう触れなきゃならないということである程度予告しておいたんですけれども、問題は、こんなことはもう長くなりますんで全部皆さん知っているから割愛しますけれども、またマスコミ的にも国民の世論としても、いわゆる過料あるいは罰則十万円が出た、非常に疑惑があるとか、こういうのは私たち疑わしきは発言せずという私のたてまえなものですから、もう疑惑なんというのはだめだ、裏づけがなければやっぱり発言もすべきじゃないと私は思っているんで、いま調べ中ですけれども、それでもどうしてもやっぱりこの十万円の過料というものがふわっとこう出てきた中にはどうも納得し得ないような経過があるんです。ですから、たとえば二月八日の例の整備業界の総会。まあ大臣も出られたですな、局長も出られたようですな。何も与党・自民党、政権党ですから、業界のめんどう見たり……。え、局長、何。出たか出ないか聞いているの。いま言いますよ、いま言いますから。
#154
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私はそれに出ておりません。
#155
○黒柳明君 あ、出ていない。大臣は出ていないのか。局長か。済みませんね。
 そういうところに出て、まあ出たこと自体を悪いとは言ってないですよ。いろんなところであいさつしたりあるいは政権党ですから、与党がいろんな業界のめんどうを見たり、こんなことはいい面で、やっぱり政治家に選ばれたんですから。ただし、そこにいまのこの法案審議との疑惑があるとやっぱりうまくないと思うんです、疑惑が出てくると。まして、それが何か決定的なものであればなおさらうまくないですよ。ですけれど、決定的なものがあるなしにかかわらず、やっぱりこれだけの重要法案ですから、ましてその過程において何かこうおかしいぞというようなものが尾ひれがくっついているんですから、だから、そういうときにやっぱり疑惑を持たれるような行動は政治家はすべきじゃないと。これは当然だと思うんですね。そんなこともあります。私はまだそんなことについて、時間がもうありません、発言する機会もありませんけれども、この次は、運輸審議会が答申し、臨調がこれをどう受けとめ、あるいはその十万の過料、それがどういうふうにくっついてきたのか、このあたりの経過も踏まえてまた十分にお伺いしたいと思うんですが、ひとつ大臣その前に、先ほどの局長、部長の答弁、それも何かこうすっきりしない点がある。何かこうあいまいな点がある。その点につきまして、この次、いつになるのかわかりません、常識的には十八日。まだ時間がありますから、そうするといまのこの答弁、これはもうきちっとしてもらうことはお約束しましたから、だからそれ以外のこともよくもう一回勉強しろと、局長、部長、勉強しなさいと、それじゃないとまたこの次の委員会で同じような醜態はうまくないぞと、こういうようなこともぜひ指示していただいて、もう法案は提出したんだからあとは時間がたてばこれで成立なんだと、こういうお考えを召されないで、ひとついまのこの何かあいまいなまま、たった一つのテーマをこうしぼって、その三分の一ぐらいの中でも明確、不明確な点が出てきました。ひとつ大臣その点ぜひ留意されまして、次回あるいは次々回、委員会のたびに何かこうあいまいな答弁が出ないように、ひとつこの際まず第一ラウンドの本当に入り口に入ったばかりの質問なんですから、要望をいまからしておきたいとこう思いますんで、よろしくお願いします。
#156
○国務大臣(小坂徳三郎君) 黒柳委員のただいままでの御質問並びに御意見、大変傾聴に値するものと存じます。われわれは、いずれの場合もそうだと思いますが、法案の御審議は国会の御審議にゆだねるわけでございますので、ただいまのいろいろな御発言や御意見に対しまして、十分われわれも明確なお答えをすべきであるという態度で今後臨みますので、また法案の御審議についてよろしくお願いをしたいと思っております。
 ただ、一言だけ申し上げたいのでありますが、この過料についての問題でございまして、先ほど中途で発言をさせていただきましたが、私はこの整備業界の組織には無関係であります。また、その総会などに出たこともございません。
 それからまた、この十万円という金額につきましてでありますが、私もなぜ過料が十万円なのかということを聞いたのでございますが、しかし、これは一応秩序罰と申しましょうか、転居届みたいなものであるというわけでございますから、転居届を怠っても同時にやはり過料はついております。しかし、この十万円というのは非常に高い金額ではないかと申したのでありますが、たまたまこの十万円という金額は、今年度の政府全般の過料というものについての統一した金額が十万円であるということを法務省で決定をしたので、それでわれわれはこの法案の中で十万円という金額を明記したわけでございます。
 そのような事情もございますが、繰り返して申し上げますが、この法案はあくまでも運輸技術審議会においての答申というものを十分踏まえたものでございまして、その間にいろいろな政治的な配慮等を、入れたい人もあったのかもしれませんが、入っておるとも私は思いません。そうした意味におきまして、非常に多数の方々に関連のある法案でございまして、先ほど来申し上げておりますように、この御審議についてはよくわれわれは耳を澄ませて国会での御議論を拝聴して、そうして実施の場合に間違いのないようにしてまいりたいと、そのような心構えでおりますので、一言ごあいさつさせていただきます。
    ―――――――――――――
#157
○委員長(桑名義治君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、田英夫君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
    ―――――――――――――
#158
○小笠原貞子君 まあこの法案が、非常にいま関心が高まっているいわば重要法案だなどと言われているわけなんですけども、この法案の中を見ますと、評価すべき点は確かにあるわけなんです。いままでの二年だったのを新車は三年に車検を延ばすと、それから最初の新車に対する六カ月点検はなくして、そして六カ月から後の点検も項目を減らすというような、そういうユーザーにとってもまた一般的に考えても非常に評価できる点というのは確かにあるわけなんですよね。しかし、それに今度また全く、何と言いましょうか、おかしな形で入ってきたのが、いま問題になっている十万円の過料という問題。この二つが入りまして、その入り方も非常にすっきりしていないというような中で、いまきょうの質疑を聞いていても、非常に問題がここから出てきているのだなということをつくづく感じたわけなんですよね。
 そして、この法案の提案によって、いろいろ衆議院から始まって質疑が進んでいるわけなんですけれども、整備業界の中からも、これじゃもう全く業界が悪者にされる、この過料ということはわれわれにとっても行き過ぎだ、われわれにどれだけメリットがあるのかということの声が出てきていますし、それから臨調から、そうして自民党の中からもおかしいというような声が上がっているというのは、ニュース、マスコミを通じていろいろ聞かされていることなんですね。いままでもいろんな法案が出されたけれども、こんなにがたがた初めから問題が出て、そしていろいろの答弁を聞いていてもすっきりしないというような法案は、ちょっと珍しい法案の審議になっているなと、そう言わざるを得ないわけなんです。
 そこで、私もちょっと整理する立場からこの経過を踏まえて伺っていきたいと、こう思うわけですけれども、四月の二十七日の閣議で、新聞でこれ拝見いたしました。閣僚からの意見だとかそれから疑問が出されたと。新聞報道によりますと、政府の統一見解をまとめる必要があると、宮澤官房長官が記者会見で発育なすったということも伺いました。
 そこで、法制局にお伺いしたいんですけれども、政府の統一見解を出すためにということだったんですけれども、その統一見解の作成というようなことに関して意見を聞かれたか。そして、その作成の作業というようなものを進められていたかということです。そして、もし進められていたならば、その内容についてお答えいただきたい。まず最初にお願いします。
#159
○政府委員(工藤敦夫君) ただいまの件につきましては、まず本件が実体問題が中心であります。ひいては法律の運用問題が中心になる、こういうことと考えられます。まず関係の方々の間で協議が行われる。その間で法律制度的な問題がございますればいつでも私どもは相談に乗る、こういう体制にございます。ただ、いままでのところ、本件に関しましては御相談いただいていることはない、こういうことでございます。
#160
○小笠原貞子君 じゃ、警察庁の方はどうですか。実際に取り締まりをやる警察庁というような形で、ひとつここのところで統一見解を出すためにもいろいろ御相談があるというようなことを新聞で見たんですけれども、そういうような御相談を受けていらっしゃるか。そして作業を共同してやっていらっしゃるか。そういうような事実がありますかどうか。
#161
○説明員(桑田錬造君) ただいまのところそのような御相談はございません。
#162
○小笠原貞子君 そういうことなんですね。
 だから、政府として統一見解を出さなきゃならないというようなことが発言されて、そしてそのときの四月二十七日の同じ新聞ですけれども、読売の夕刊を見ますと、宮澤長官が、「運輸省の局長答弁で、果たしてよいのか、問題はある」とはっきりおっしゃって、だから、「政府として意思統一しておかないと、ルーズな結果を招く」と記者会見でも発言されていると。ですから、私としましては、きのうの本会議での大臣の答弁だとか、それからきょうのいろいろな答弁というようなものも、政府の関係者が協議済みの統一見解だというふうに承るべきなのかなと、そう思っているんですけれども、それはそう承っていいんですか。
#163
○国務大臣(小坂徳三郎君) 宮澤長官がどのような発言をされたか、私実は知らないのでございます。が、しかし、政府内部におきまして、昨日総理からも答弁いたしました。また私からも答弁いたしました。これが政府の統一的な見解であるというふうに御理解いただきたいと思います。
#164
○小笠原貞子君 まあそれじゃ、それを政府の統一見解としての御答弁というふうにお答えいただいたので、そういうふうに見ていこうと思うんですけれども、そこへ来るまでがちょっとややこしかったですね。今度はいろいろと閣僚の中でも御発言があったりいたしましてね。御存じないとおっしゃったって、大臣、新聞は読むんでしょう毎日、朝。新聞にちゃんと書いてあるんですからね、有力紙にみんな書いてあるんだから、知らないなんて言わないでくださいよ。
 それで、またさっきから問題に出ているけれども、ダンプと暴走族というのがこんなにも大きく問題になったというのは、問題にされなければならないような発言が次々続いたわけですよね。これ、適用するのはどこなんだというと、主にとかいろいろおっしゃるけれども、まあダンプと暴走族というふうなことを大きくお出しになっているわけです。これからもそういうところを重点にというふうにおっしゃいましたけれども、街頭検査というのをなされていると思うんですけれども、その街頭検査を実施なさる中で、ダンプの点検というようなのはどれくらいの割合になっているんでしょうか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。
#165
○政府委員(宇野則義君) 街頭検査の実績といたしましては、五十五年度におきまして約九万三千台ほどが街頭検査の対象になっております。その車種の内訳といたしましては、私ども統計的に集計をいたしておりません。
#166
○小笠原貞子君 全然統計というのはとってないんですか。どれくらいその中で、検査した中でダンプがどれくらいだというのをとってないはずないでしょう。とってないんですか。
#167
○政府委員(宇野則義君) 街頭検査九万三千台の内訳といたしましては、約二〇%は整備不良の状態にあるという結果はつかんでおりますし、さらにその一万九千台ほどの整備不良車の中の内訳といたしましては、装置別にどういう状況であったかということの集計をいたしております。
#168
○小笠原貞子君 それで、ダンプというものを対象にしてというような数字はないとおっしゃるわけですか。発言はダンプ、ダンプとおっしゃるから、私もダンプって聞いているんですよ。
#169
○政府委員(宇野則義君) 私どもが街頭検査をこれまで行っておりますけれども、その際に世間的にいろんな交通安全上の問題で対象になるのは、ダンプといったような大型車のトラックが対象になることが多うございまして、また私どもも実際ダンプカーを対象に街頭検査を実施するというようなケースもあるわけでございまして、そういうところから、世間的に問題になっております不正改造車あるいは過積載のダンプということで例示を挙げておるわけでございます。
#170
○小笠原貞子君 午前中も広田議員からおっしゃいましたけれども、ダンプだって正しく生業としてやっていらっしゃるんだから、それをダンプと暴走族と一緒にしちゃって、そしてダンプと暴走族の車だというふうなことがうんと大きく出されているわけでしょう。そして、いまもまたダンプにそういうのが多いというような考え方から、ダンプを重点にしてというような点検の仕方になるだろうというふうなこともおっしゃっていますよね。
 そうすると、ダンプというのがどういうふうにいままで見た結果、そういうのは不良整備だったということがあって初めてダンプを重点にしなきゃいけないという根拠がなければ、ここを重点にするという問題にならないと思うんですよね。それが、全くその根拠がなくて、そして、あれはダンプは大きいから目立つから、だからそういうところでやろうかな、なんというようなものじゃないと思うんですよね。だから、そのダンプはどれくらい点検なすって、どれくらいの割合になっているかということくらいが全く出てこないというのはおかしいと私は思うんですよね。
#171
○政府委員(宇野則義君) まあダンプカーという言葉を使いますけれども、これまで、今度のこの点検指示制度の対象として、例示として挙げられておりますダンプカーという言葉の場合に、不正改造を伴うようなダンプカーあるいは違法なというような言葉をつけた形でダンプカーを限定した言い方をしてきたと思います。
 それで、先ほど先的の御指摘は、整備不良とダンプという結びつきでございますけれども、私ども交通安全の一翼を担っております立場といたしまして、大型車の事故防止というようなことを考える場合に、どうしてもダンプカーというものが他の車種に比べまして、
   〔委員長退席、理事小柳勇君着席〕
事故率あるいは一件出たりの死者数が高いというような数字がございますので、そういう大型車の事故防止を図る際に、運輸省の立場としてその車をチェックするということをやってきておるわけでございます。
#172
○小笠原貞子君 こればかりに時間とってられませんから次に進みますけれども、私どもが調べていきますと、ダンプというのは決して多い数字ではない。やっぱり圧倒的多数の乗用車、小型貨物車というのが数にいきますと相当多いというのはこれは事実で、数字も調べれば出てくると思うんですよね。
 先ほどおっしゃったように、一般乗用車については勧告や指導にとどめるというような御発言があったわけですよね。そうすると、整備不良というようなことでは当然それは直しなさいよというような勧告がなされるということになるわけですけれども、整備命令で現行法でいまでもやれるというふうに私は考えるわけですよね、そういう整備不良だというような問題は現行法でも。いろいろ専門の方や現場の調査官の方にも伺ったりいたしましたら、やっぱり現行法でもその趣旨は十分できる。あえて法律に新たに制定するということは必要でないではないかという意見が多数だったわけですよね。そうすると、こういう法律ができてしまうと、先ほどもおっしゃったように、ひとり歩きをしていってしまう。そうすると、非常に不備な、思わない問題が派生してくるということになってくるという心配が必ず出てくるわけですよね。
 だから、いまの法律でどこができないんですか。いまの法律ではなぜできないんですか、そういう、不良整備の車に勧告してというようなことが。そこのところをちょっと教えてください。
#173
○政府委員(宇野則義君) 現在の現行法によります整備命令、これは具体的に車が自動車の保安基準に違反しているか、あるいは違反するおそれがあるか、そういう状態を確認したときに整備命令というものを出せるようになっておるわけでございます。今回の法案の中に織り込んでおります点検指示、これは定期点検を実施しているか否かということでございまして、整備命令の具体的な内容になっております保安基準の違反ということとは別の問題になるわけでございます。
   〔理事小柳勇者退席、委員長着席〕
#174
○小笠原貞子君 それで、過料の問題に入るんですけれども、先ほどから話を聞いても、どうしてもこの過料というものを何としてでも入れなければならないというところに非常に何かこだわりがあるということが、私は聞いていて大変ここのところが問題なんだなと。その証拠に、この法案についていろいろ政府から聞きました。一月、二月にレクを受けたときにもそんな話は一切なかったですよね。話がないどころか、においもなかったと言っていいと思うんですね。一体この過料の問題について、運輸省はこの条項を盛り込んで成文化するということをお決めになったのはいつの段階なんですか。
#175
○政府委員(飯島篤君) この点検指示制度というものを検討いたしました経緯でございますが、自動車の安全の確保あるいは公害の防止のために定期点検整備の励行を図る必要があるということは、運輸技術審議会の答申におきましても強く指摘をされているところでございます。このために運輸省では、運輸技術審議会の答申に指摘されているような定期点検記録簿の充実とかあるいはステッカーの制度化とか、街頭検査の強化とかというようなことについていろいろ検討をいたしたわけでございますが、ステッカーを国で制度化するというようなことになりますと、定期点検義務違反あるいはステッカーの貼付義務違反そのものに強制力を持たせる、したがって、罰則をつけるというような議論に発展しますので、そこまでいくのはいかがかということで、ユーザーの自主性をできる限り尊重して、短期点検の実施について街頭検査などでの行政指導を実効あるものにするために、最低限必要な制度として点検の指示及びこれに基づく報告に関する制度を設けることにいたしたのでございます。
 その検討をし始めましたのは、立法作業を始めまして――御答申を受けて直ちにかかったわけでございますが、いろいろ法制局を含む関係省庁との調整をいたしまして、三月の閣議前の段階で、点検指示制度及びこれに準づく報告についての秩序罰という結論を出したわけでございます。
#176
○小笠原貞子君 何月。
#177
○政府委員(飯島篤君) 三月の上旬でございます。
#178
○小笠原貞子君 警察庁にお伺いしたいんですけれども、これまで日整連の方から、定期点検の実施率を向上させるための施策について道交法などに盛り込みたいというような相談が行ったでしょうかということ。
#179
○説明員(桑田錬造君) そのような要望等は受けておりません。
#180
○小笠原貞子君 もし今後来たらどうします。どういう態度になりますか。
#181
○説明員(桑田錬造君) そのような要望がもし参りますれば、その段階で検討いたします。
#182
○小笠原貞子君 二月十二日付の日刊自動車新聞というのがあるわけですけれども、ここに、「日整連・整商連 定期点検実施率向上へ 罰則規定導入を 関係機関に要望」と、初めて今後こうした働きかけをしていく考えを明らかにしている。運輸省もこのころ日整連から要請を受けたと思うが、ということは、つまりちょうど二月十二日に新聞に出ていたわけですよね。そして、三月にそれがいよいよ具体的に入ってくるというように時期的にはなってくるわけでございますけれども、日整連からそういう要望をお受けになったことありますか。
#183
○政府委員(飯島篤君) 具体的にどういう条文をつくってどういう罰則をという要望は一切受けておりません。ただ一般的に、実施率の向上について運輸技術審議会の段階から、向上策を考えるべきであるという話は出ておったわけでございます。
#184
○小笠原貞子君 同じ新聞記事なんですけれども、ある国会議員が短期点検に罰則規定を設けろと主張しているということが載っているわけなんで、運輸省としては、これまで特定の国会議員から罰則の導入について相談なり要請を受けたというような事実がありますか、ないですか。あったら、どなたでしょうか。
#185
○政府委員(飯島篤君) ございません。
#186
○小笠原貞子君 運輸省としてはそういうことはありましたとはおっしゃらないと思ったんですけれども、いろいろ調べさせて各方面から出されているものを見たんですけれど、私はこれを見て、ははあ、なるほど具体的だなと、こういうふうに思ったんです。
 日整連ニュース三月号というのに出ていたわけなんです。これは二月の八日、第三十六回日整連総会で、自動車整備議員連盟の事務局長をしていらっしゃいます梶原さん――いらっしゃらないですね――梶原参議院議員がここでごあいさつをなさっていらっしゃるわけなんです。その中身はどういうことを言っていらっしゃるかといいますと、運技審並びに運輸省の言っていることはおかしいと、安全と公審防止に役立たない、むしろ後退につながると私は確信していると、こういうこともおっしゃっております。それから、この車のいまの売れ行きの趨勢から励ますと業務量は非常に減ってきている、そしてそれは予想されているような業務量の減少にとどまらずもっと大変な落ち込み方になる、だから整備業者の皆さん大変なことですよと、こういうふうにごあいさつの中で言っていらっしゃるわけですね。そしてその中で同時にまた、「それじゃ梶原に何かの案があるのかということですが、一つは定期点検の実施率を向上させるために罰則を設けたいということです。」と。つまりここではっきりと、定期点検の率を高めるために、そして業者の皆さんの仕事が減る、それを防ぐためには罰則を設けなければならぬということをおっしゃって、そしていまやらなければ半永久的にできないよと。それでその後パーティーがあるんだけれども、私は各関係方面へ行かなきゃならないから、だからここで失礼するというようなことまでおっしゃっているわけなんですね。
 先ほど大臣いろいろとおっしゃいましたけれど、やっぱり時期的に、全然この罰則、十万円の過料なんというのが問題になっていなかったのが急に問題になってきたと。いろいろ具体的に詰めていきますと、非常に答弁がすっきり出てこない。本当に法律というものをお出しになるからには――いままでこんなにごたごたする内容というのは出てこなかったですね、私も十五年国会にいますけれどね。そうすると、やっぱりこれは巷間言われるように、全くいままで予測もしていなかったような過料の問題、十万円の問題がある何者かによって突っ込まれてきた。そこで非常に急にこれを押し込まなければならないというので、十分な準備や十分な整合性やというものがないままにこれが入り込んじゃったから、質問を深めれば深めるほどいろいろと問題がこれから出てくるということは予想されるわけなんですね。それを参議院議員の梶原先生が言って、罰則でなきゃだめなんだよなんて、こうおっしゃって――この法律は一体運輸省がつくったんですか本出に、と言ったら、いや、運輸省がつくったと、こうおっしゃるんですけれども、何かいままでと違った非常にずさんな法案になっているんです。いまこの問題を取り上げましたけども、大臣、こういう動きに対して、私が言うんじゃなくて、いろいろ巷間言われているし、週刊誌なんかにも言われているし、なるほどそうかなという大方の感想も出てくるわけなんでございますけれども、御感想、大臣としてはいかがでございますか。
#187
○国務大臣(小坂徳三郎君) 感想を申し述べることは差し控えたいと思います。
 それからもう一点でありますが、少なくともこの車両法改正につきましては、臨調並びに運輸技術審議会等から車検についての改正ということが強く叫ばれておりまして、そうした問題についての対策としての法案の改正ということを運輸省としては全力を挙げて作業したわけでございますし、またそのときに最も重要なことであるのは、いわゆる公害問題に対しての自動車のいまの立場でございまして、公害対策を緩めるならばあるいはまた大変違った結論になるかもしれませんが、この自動車の起こしている公害というものに対して現状の水準を守らなくてはいけないということになれば、どうしてもそこに一つの技術的な線を引かなきゃならぬ、それが新車三年ということに落ちついた等々のいきさつもございまして、そうしたものをさらに公害の防除と申しますか、こうしたことのために点検制度の確立を図るべきであるというようなこと、さらにそれを徹底するためにいわゆる過料制度というものまでも導入したというわけでございまして、これが一部の勢力によって特に法案化されたということでは絶対にないと私らは確信しております。そしてまた同時に、こうした改正案を国会の御審議にお願いをしているわけでございますので、われわれといたしましては、衆議院段階におきまして毎回御答弁申し上げたことは、委員会のあるいは国会の御審議にゆだねますということを再三言明をしてきておるわけでございまして、その方針は、衆議院が無修正のまま通ったわけでございますが、いまわれわれの心境は、やはり参議院においての御審議にお任せをするという基本的な姿勢をまだ守っておるわけであります。
#188
○小笠原貞子君 日整連の常勤役員並びに事務局幹部の経歴について伺いたいと思います。専務、常務、部長について簡単に前歴をお述べいただきたいと思います。
#189
○政府委員(宇野則義君) 日本自動車整備振興会連合会の事務局の職員について申し上げます。
 専務理事堀山健、元運輸省でございます。昭和四十五年に振興会に入っております。それから常務理事関保彦、これは昭和四十五年に振興会に入っておりますが、これは運輸省でございます。それから上川修二、これは教育部長でございますが、これは従前から振興会に在職をいたしております。それから小林誠、指導部長でございますが、これも同じく従前から振興会に在職をいたしております。それから井倉界、総務部長でございますが、これも従前から振興会に勤めております。それから辻野国弘、企画部長でございますが、この方も従前から振興会に勤めております。それから試験部長杉浦秀昭、これは五十二年に運輸省から参っております。
 以上でございます。
#190
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいましたけども、堀山さんだとか関さんだとか、主要なポストの方というのが運輸省からいわゆる天下りになってきている。これなんかももうすでに雑誌や週刊誌なんかでも書かれているわけですけれども、今度の十万円の過料の問題でこれが大きくクローズアップされてきたわけですね。日整連の幹部、自動車議員連盟、運輸省と、こういったあらゆるところで見られるようなパターンが、この中が過料導入の震源地というふうな見方を国民がするのも、マスコミがするのも私は必然だと思うということを言わざるを得ないわけですよね。
 そういう意味で、この過料というのは、きょうはまだごく初めのところで伺っていったわけで、この次にもっと具体的に伺っていきますけれども、やっぱりここに非常に根深いものがあるし、それから急に入れられて、そして非常に矛盾した点も持ちながらもというような非常にすっきりしない問題があるということ、そしてこれが政界とのつながりも出てきているというふうなことを考えると、非常に大きな問題になってくると思うんです。ですから、そのことだけきょうは指摘いたしまして、そしてあと業者の問題にちょっと入っていきたいと思うわけで、これも時間の関係上たくさん言えないと思いますが。
 まず、この改正で非常に打撃を受けるのは業者の方だというふうに言われているわけですけれども、このごろ専業の業者というような方じゃなくて、大きいところがどんどん入ってきていますね。そういう問題というのは、やっぱり私はほうっておけないというふうに思うわけです。午前中の質疑の中で、いろいろと業者の方たちの指導というようなことをなすっているというふうなことをおっしゃいました。それで、その地域で過当であるかどうかというようなことも考えて、検討して、業者に対する指導をしていくというふうなお話ございましたけれども、いま言われております大手なんかのこの整備点検業務への準備、進出というような、そういう点なんかはもうおつかみになっていらっしゃいますでしょうか。
#191
○政府委員(宇野則義君) 自動車の整備工場を開業して営業するためには、陸運局長の認証を受けなければならないということになっておるわけでございますが、この手続規定の認証というものは、認証基準に適合している場合には認証をしなければならないということになっております。そういうような制度のもとでの整備業界でございまして、現在約七万八千の整備工場がございますけれども、先般来話に出ておりますように、かなり整備需要の頭打ちということから、企業としての苦しさがだんだん増してきております。その中にありまして、先生いま御指摘のいわゆる大企業が進出するということについて、私どもも実態は数字的にはつかんでおりませんけれども、全国の中で幾つかの地区でそういう事案が問題になっているということは承知をいたしております。
 そのときにどういう指導をしておるかでございますけれども、その地区が過当競争の地区であるかどうかというような判断をすると同時に、現在の現行法にあるわけでございます、分野調整法がございます。この分野調整法を直接適用したことはございませんけれども、こういう分野調整法というような現行法に照らし合わせまして、現地におきましていろいろ地元同士で話し合いをしながら円満に解決するように指導をしておるところでございます。
#192
○小笠原貞子君 具体的に私は伺ったわけね。たとえばどういう大手がどういうところに進出してこようとしているかというような情報はおつかみになっていらっしゃいますかと聞いたんです。
#193
○政府委員(宇野則義君) 個別にはつかんでおりませんが、話といいますか、情報として入っておりますのは、石油業界が進出をしているという話と、それから農協と言っておりますけれども、農協の整備工場が進出をしている、そういう場合に現地でとかく問題になりがちでございます。
#194
○小笠原貞子君 先ほど営業の指導をするというふうにおっしゃって、過当かどうかということも考えてとおっしゃったけれど、やっぱりいま問題なのは、業者が非常に小さい中でディーラーの大きなところがまた整備工場もつくるということになるし、それからいまおっしゃった農協もそうですよね。それから西武が出てくる。それからデパートの丸井今井というのが駅前にありますからね、ここが全部点検整備場を持つとか、そういういろんな問題が巷間うわさされて出てきているわけですよね。そういうのが出てきますと、これが物すごい打撃になるわけですよ。だから、点検が義務づけられて、それじゃ整備業者の皆さんのところに仕事が回ってくるかといったら、そうじゃなくて、今度は整備業者の中にも大手がどんどんどんどん入ってくると、こういうことになりますでしょう。そうすると、整備業者の方たちの生活と営業を守るということになれば、やっぱりどういうところがどういうふうにいまの苦労していらっしゃる業者を痛めつけているのかというようなことを見ながら御指導もなさらなければ、一般的な指導だけではちょっと業者の方たちは浮かばれないと、そう思うんですよね。
 そうしますと、そういう問題をいまのところはお聞きになったという程度で、これからそれをキャッチしてどういうふうに対処するかというような、そこまではまだ考えていらっしゃらないということですか。
#195
○政府委員(宇野則義君) 新しい工場ができる場合には、冒頭に申し上げましたように、陸運局長の認証という行為があるわけでございまして、認証工場の問題につきまして私どもも指導はいたしておりますが、個別的には、現地の陸運局長がそれぞれの管轄におきまして、先ほど申し上げましたような法律等を引用しつつ円満に対処できるように指導をしているところでございます。
#196
○小笠原貞子君 だから、業者の方たちは、大変な苦労がこれからも押しつけられてくるんじゃないかともう不安がいっぱいでいらっしゃるということを言わなければならないわけなんですよね。そうしたら、たとえばいま業者の方たちが一番苦労していらっしゃるのは、われわれは業者として整備事業が海門、だけれどディーラーの方は売るのが専門なわけでしょう。売るのが専門なのが今度は点検にどんどん入ってきちゃうよということで、それじゃわれわれ業者の方も、いい車をお得意さんに、おなじみに売りたいよというようなときには、それじゃそれを売るということになれば、どこから仕入れてくるかというと、直接メーカーから仕入れができない。そうするとディーラーから仕入れしなければならない。そこでマージンの幅が非常になくなってくるということですよね。今度またそういう方たちの意見を聞きますと、やっぱりもう販売専門のところが整備もやるのなら、整備専門だなんて言わないで販売もやらしてくれよと、こうなってくると、やっぱりこの自動車を販売するという仕事に対しても、これから先どういうふうな道を開いていったらいいのかというその問題もかかってくると思うんですよね。業者の方たちがこの間いらして、いろいろお話を伺ってみたら、本当に御苦労なすっていらっしゃいますね。ディーラーはメーカーからいろいろと部品なんかも安く仕入れられるけれども、整備業者の方たちはそう安くは仕入れられない、マージンも薄いということでしょう。車を売ったって、もうディーラーの方で値下げしてしまえば全然太刀打ちできない。だけれどもやっぱり一台車を売ったら自分の方にこの次の整備が回ってくるかと思っていろいろサービスをしたりというようなことで、本当に出血サービスみたいな形でやっているというお話ですよね。
 そうすると、この法律によってユーザーもちょっと大変だなという問題が出てくるし、それと一緒に今度は本当の整備業者というものもこれで仕事がふえるというそういう保証も何にもない。そうすると、一番底辺で苦しんでいる者同士が対立させられ、けんかさせられていくというような形になってくるわけですよね。そうすると私は、ここのところで運輸省としても、整備業者が転廃業するためにというのではなくて、その業者の方たちを本当に守れるようなそういう道というものを具体的に考えていただかなければならないと、そう思うんですけれども、そういう大手の業者に対してだとか、ディーラーの進出に対してだとか、そういう問題について、大臣もひとつ考えていただきたい。どういうふうな形でこの整備業者の方たちの御苦労にこたえていくかというような何かのいい対策というものを考えていらっしゃるかどうか、最後にお伺いしたいと思います。
#197
○国務大臣(小坂徳三郎君) 先ほど来の御質問にもたびたび出てまいりました整備業界五十万の人たちが働いております職場でございますし、企業数にしても約八万あるので、非常に膨大な一つの企業群だと思います。しかし、皆さんが認識されていると同じような形で非常にいま困難に立ち向かおうとしているわけでございますので、われわれといたしましては、やはりこの整備業界全般を今後現状維持したらさらによい方向に進めるということについて、現在省内において積極的にいろいろな政策を考えているところでございます。こうした現状のいろいろな法案関係もございますので、まとまりがまだないのでございますが、方向だけは明確に、ただいままで担当の者から御答弁申し上げたような線で守っていくということを中心に考えてまいりたいと思います。
#198
○柳澤錬造君 大分けさからもう議論されておりますから、余りダブらないようにと思っていますが、私は、この法案というのは、運輸省が出した法案では珍しいほど、木に竹を接いだようなおかしな法案だというように思うんです。何といいましても、この過料の十万円をくっつけたというところが理解がいきませんし、それらを中心に若干御質問してまいりたいと思います。
 最初に、昨年運輸技術審議会から答申がありまして、ことしに入りまして二月十日に第二臨調から答申があったわけなんです。これらについて、運輸省としてどういうふうに受けとめておるのかということをまずお聞きをしたいんです。特にこの第二臨調からは、こういうふうな文句で答申に盛り込まれているんですが、
  自家用乗用車の定期点検整備及び検査につい
 ては、国民負担の軽減の見地から、次の措置を
 講ずる。
 1 定期点検整備については、新車の初回の六
  か月点検を廃止するとともに、点検項目の簡
  素化を図る。
 2 検査については、新車の新規検査の検査証
  の有効期間を現行の二年から三年に延長す
  る。
 3 整備事業者に対しては、基本整備料金表の
  掲示、整備内容・交換部品の説明等に係る指
  導を徹底し、ユーザーの信頼確保を図る。
  なお、定期点検整備及び検査については、自
 動車技術の進歩等に対応して、今後とも適時に
 見直しを行う必要がある。と言っておるわけです。これについてどういう受けとめ方をしておりましたんですかというのが第一の質問。
#199
○政府委員(飯島篤君) 臨調の第二次答申で、いま先生から御指摘がありましたような諸点について答申があったわけでございます。
 ここで御指摘をいただきました定期点検整備については、新車の初回の六カ月点検の廃止については法案の中へ盛り込んでおります。それから点検項目の簡素化については、これは省令段階で六カ月点検について大幅な事項の簡素化を図る、十二カ月あるいは二十四カ月点検については若干の簡素化を図るということで検討をしていきたいというふうに考えております。
 それから検査について、マイカーについての新車新規検査の有効期間の延長は、御案内のとおり、法案の中へ盛り込んでおります。
 それから第三点の、「整備事業者に対しては、基本整備料金表の掲示、整備内容・交換部品の説明等に係る指導を徹底し、ユーザーの信頼確保を図る。」ということでございますが、これを含んだ整備事業の運営の適正化については、運輸技術審議会の中間答申にも指摘されているところでございます。これらにつきましては、法案の中に分解整備事業者の遵守事項を定める根拠規定を設けまして、省令段階ですべて盛り込み、必要があれば改善命令を出せるようにもいたしましたし、事業者団体の事業にも今回の改正で加えておるところでございます。
 なお以下については、今後の問題というふうに受けとめております。
#200
○柳澤錬造君 局長、それは答弁にならないの。私が読み上げたのを復唱しているだけであってだね。
 それはそれでさておいて、だったら、何で答申になかった過料十万円というのをこの法案に入れたんですかということをはっきりしてください。
#201
○政府委員(飯島篤君) 自動車の定期点検整備が、安全の確保、公害の防止のために重要な役割りを果たしておるということで、今回の制度改正に際しまして、その一層励行を図る必要があるということは、運輸技術審議会の答申においても強く指摘されているところでございます。臨時行政調査会については、この件については特段触れておられないわけであります。私どもは、この運輸技術審議会の答申をいただいた後におきまして、臨時行政調査会にも答申内容はるる御説明をしたところでございます。それで私どもとしては、運輸技術審議会で指摘になりました定期点検の励行策について、いろいろ法制技術的に検討いたしました結果、ユーザーの自主性をできる限り尊重して、点検の実施にかかわる行政指導を実効あらしめるための最低限必要な制度として、点検の指示及び報告義務、及びこの報告義務違反についての過料を科し得る制度を新設したものでございます。
 なお、国民負担の軽減という見地に反するのではないかということでございましたら、新たな義務を課するものではないわけで、定期点検は法定で義務化されておるわけでございまして、その励行を図るための措置であり、また、先ほどから申し上げておりますように、運用について慎重も期しますし、定期点検を実施しており、あるいは点検の指示に従って所要の点検整備を実施していただけるケースがほとんどというふうに考えておりまして、具体的に過料を科するようなケースはきわめてまれと考えておりますので、国民負担の軽減云々という御指摘とは何ら矛盾しないというふうに考えております。
#202
○柳澤錬造君 もう一度申し上げますけれども、局長、私の聞いていることに答えてください。
 先ほど答申をどう受けとめたんですかと言ったならば、これこれしかじか、このように忠実にこの法案の中に入れておりますというのが局長の答弁。だから、だったら第二臨調からそんな答申をしていない十万円の過料をなぜここへ織り込んだんですか言ったならば、肝心なそのことに何にも答えていない。十万円の過料というものを法案の中に織り込んでおりまして、それでこれを適用される者はきわめてまれだから国民負担の軽減には影響しません、そんなあほな答弁ありますか、あなた。
 これは、ですからもう一回、それはそれでいいですから、大臣の方からお答えいただきますけれども、余りにもでたらめ過ぎるから、土光第二臨調会長がわざわざああいうかっこうをして、一つの声明というか、意思表示までしたわけです。かなり御立腹でした、私も知っておりますけれども。あの第二臨調の土光会長が、わざわざああいうかっこうでこの運輸省案についての不満を表明したことについて、運輸省はどういう受けとめ方をしているんですか。
#203
○国務大臣(小坂徳三郎君) 土光会長から直接のお話ではなくて、新聞紙上で、第二臨調の道路運送車両法の一部改正についてという所見が報道されたことをわれわれは知ったわけです。それで、私のこれは個人的な見解でありますが、こうした意見を出されるならば、直接法案の作成の責任である運輸省に対して、第二臨調から、明確な文書なりあるいは口頭によっても結構でありますが、直接のお話があってしかるべきだというふうに申したのであります。
 しかし、それはそれといたしまして、非常に不満であるというような意味のものをもらったのでありますが、とれには、別に私官僚的なことを言うわけじゃございませんけれども、第二臨調としての判こもなければ何もない、このプリントだけです。でありますから、私はこういうような形で、確かに御不満だったのかもしれませんが、やはりこういう問題を本当にそれでは議論をさせてもらえるのならばいいのでございますが、なかなかそういう時期もないままに、党並びに政府、そして国会関係で法案の提出がどんどんと進んでしまっているというわけでございます。
 私は、いま本日のすべての課題は、基本的に見て道路車両法改正がだめだとおっしゃっている意見はないと思うのですが、問題は過料の点にあるというふうに私も認識をいたしております。またこれは、先般来の衆議院の委員会におきましても、毎回大変皆様方から御意見をいただいたところでございます。私はその御質問に対しまして、これは何も特別な、政治的と申しますか、そうした意味でつけたものではないのであって、自主点検の励行を促進するというか、維持するというために、罰則よりも秩序罰の方がいいのではないか、これは運輸省で考えた考えのようでございますが、そうしたもので過料制度がいいのではないかということで御提案申し上げているわけでございます。これが大変にいかんという御意見は十分承っております。したがいまして、これの運用につきましては、十分委員会並びに国会の御議論を尊重して、われわれとしては過ちのないように今後に当たってまいりたい、これは先ほど来申し上げている気持ちでございまして、どうか、そうした意味においての御審議を、またいろいろな御意見を十分に承るということを、われわれは何も困ったことだとも何とも思っておりませんので、どうかひとつ十分に御意見を賜りたいというふうに思っているところです。
#204
○柳澤錬造君 大臣の答弁、直訳すれば、直訳というか、もう手っ取り早く言えば、参議院の審議にゆだねます、参議院で修正なさるというんならそれは何にも文句も言えません、それにも受けて立ちますと、そういう意味に受けとって、その関係は私は終わりたいと思うんです。
 次に、これはどなたでもいいんだけれども、この法案を出すについて運輸省としては、自動車の性能というものが昔から見てよくなったという判断をしたんですか、それとも悪くなりつつあるというような判断をしたんですか、どちらなんですか。その辺がどう考えても……。私は昔から見ればはるかによくなった、だから自動車も売れるし、みんなも乗るようになったんだし、日本における自動車メーカーの生産も多くなったと。昭和三十五年にはわずかに五十六万台しかつくっていなかったんです。十年たった四十五年には五百四十五万台になった。十倍に伸びているんです。それで、今日五十五年ではもう千百十七万台。しかも、そのうちの半分以上は外国に輸出をしているわけですよね、約六百万台。外国においても、日本の車の性能はいかにいいかといって売れているわけなんです。まさか、昔から見て車の性能も悪くなったということではなくて、よくなったといって、それに見合っていろいろの法を改正をしていくのはあっていいと私は思うんです。ところが今度は、そうやって二年を三年にするというようなことは、大変いいことをおやりになるわけだけれども、片方で何かバランスをとるつもりかどうか知らぬけれども、逆に今度は十万円だと言っている。だから、私は木に竹を接いだという言い方をしているわけだけれども、自動車の性能は昔から見てよくなったという判断をされたんですか、悪くなったと判断をされているんですか。きわめて初歩的なことをお聞きします。
#205
○政府委員(宇野則義君) 自動車の性能につきましては昔に比べますとよくなってきております。それから、特に五十三年の排ガス規制を契機に、性能が国際的に見まして上位の車に到達するという技術の開発に役立ったということになっておると思います。
#206
○柳澤錬造君 その辺、いま言われた五十三年の排ガス規制もそうだけれども、皆さん方は、日本の車にはあの排ガス規制を適用して、外国の車には適用しなかったでしょう。それをやられたらどうにもなりませんといって外国から言われて、それはよろしい、いたし方ない、認めてあげようと言って外車は適用しなかったわけです。それほど日本の車の性能がよくなってきているのに、何で今度ここでやらなければいかぬのですか。この定期点検の実施率の向上を図るというのが今度は一つの目的にあるわけだけれども、いままではその五〇%ないし六〇%しか定期点検を受けていないからこれを上げるんだと言うんだけれども、従来、定期点検が五〇%ちょっとぐらいしかされておらなかったという理由は何なんですか。どうやってこれを上げようとしているのかということをお聞かせいただきたいのです。
#207
○政府委員(宇野則義君) 従来、定期点検の実施率は私どもときどき調べておるわけでございますけれども、五〇%ないし六〇%といったところの実施率にとどまっておるわけでございます。それを実施しないユーザーの方々の直接的な意見はまとまっておりませんけれども、個々のユーザーの、車を使う上の安全あるいは公害の見地からの社会的責務を果たすか果たさないかといったような認識を含めまして、ユーザーの方々の認識の程度によりまして実施をする、しないということで分かれておるのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。
 なお、今後の定期点検の実施率の向上ということを実はうたっておるわけでございますが、これは、運輸技術審議会で検査期間の延長ができるかできないかということを議論し審議をする過程におきまして、途中の段階での定期点検というものがどうしても必要になってくるということから、その定期点検の励行とあわせて検査期間の延長というものが可能であるというふうに結論をつけられておるわけでございます。
 と申しますのは、新車の初回、自家用乗用車について二年から三年に延長するということになりますと、数字的に申し上げますと、ゼロから三、二、二という形で検査がめぐってくるわけでございますけれども、自動車に使われております部品、特に定期交換部品等の交換時期との関係から、その中間におきます定期点検というものが適切に行われていないと、せっかくの定期交換部品等の寿命の延長を考えましても、それが適正な時期に交換されないというような結果にもなってまいりますので、この検査期間の延長との関連におきまして、今後従来以上に定期点検の重要性というものが強く指摘されたわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、車の性能、新車時におきます性能がよくなってきておりますから、そういうことを踏まえた上で定期点検の中身につきまして、項目につきましては特に六カ月点検はかなりの簡素化が可能であるというふうに結論づけておりますし、十二カ月点検あるいは二十四カ月点検につきましても若干の簡素化が可能であるというふうに結論づけられておるわけでございます。
#208
○柳澤錬造君 大臣もお聞きをいただきたいし、それから局長も、いま御答弁なさった部長の方もよく聞いてほしいんですが、車検制度はいつできたんですか。一番最初にやったのは岡山県、明治。それから東京でもって明治四十年に一年間のを始めて、全国的には大正八年に内務省が自動車取締令をつくって一年ごとの実施ということを始めたわけなんです。だから、全国的に言えば大正八年から一年ごとにやってきたわけですよね。そして昭和二十七年に乗用車だけ二年というふうにして、それで来年五十八年になるわけですか、今度はそれを三年にするわけでしょう。あなた方がお考えになったって、いままでの自動車のそういう性能の向上といいますか、そういうふうな機械の向上から考えたら非常にテンポが遅いと思うぐらいですよね。そういう点から考えていったならば、二年を三年にするのも遅いくらいであって、何だかんだと言っても確かに事故が起きている、これはもう先ほどからもお話が出ておるように、それは言うならばドライバーの運転ミスがほとんどでしょう。自動車の整備が不良だったといっての事故というものは、さっきから言っているように一%ないんです。皆さん方が、そういう点から言っても、朝からきょうもやっているんだけれども、私がじっと聞いておっても、法案の内容がいいか悪いかは別問題にして、質問する方に皆さん方自身が答弁するのについても、自分で自信を持って胸に落ちるような答弁ができないというのは私はそこにあると思うんですよ。あなた方自身だって、そうやって提案していながら、それは政府だから言わざるを得ないけれども、納得してこれがいいんだというふうには私は思っていないと思うんですよ。その点どうです。
#209
○政府委員(飯島篤君) 今回の運輸技術審議会の検査・整備制度のあり方についての答申は、実験を含みます各種のデーターを技術的、専用的に解析をした結果出していただいたものでございまして、現時点で適切なものと受けとめております。また、検査の有効期間等についてたまたま西ドイツも同じような時期に検討をいたしたようでございますが、有効期間については日本と同じ結論になったようでございます。
#210
○柳澤錬造君 だれがそんな質問したんですか。聞いたことに答えてください。運輸技術審議会が答申したものを中心、そんなことは初めからわかっていることで、もうこのことは過ぎてきたから何度も何度も言わぬけれども、運輸技術審議会であれ第二臨調であれ、その答申の中には入っていない十万円の過料を何でくっつけたかという、これは運輸省の責任ですよと言ってそれを私は聞いているわけだ。あなた方自身が自分の胸に落ちていないから、朝からいろいろの質問を受けたって、あなた方が納得させられるような答弁ができないのはそこなんですよと。局長自身だって、これは、うんいい法案だなんて思っていないと思うわけなんです。
 それはそれでさておいて、それでいまの点の〇・〇七五%というのは、これは黒柳委員の方からも出されていろいろさっきも議論になったのだけれども、これは警察庁の方も来ておるからなんだけれども、一応一つの定説みたいになって、言うならば、事故が起きた中で整備不良車の事故というものはその事故の中においての〇・〇七五%ぐらいですというように一つの実績でもって言われており、衆議院段階でもそれは議論されていることです。ただ、ここへ受け取った参考資料の中の数字になるとそれが少し変わってきて、一・三%ぐらいのいま数字になってきている。どちらにしても一%前後でしょう、四十何万台からの事故が起きた中でもって。四十二万六千七百台というのが私の調べたのの数字になって出てくるわけなんです。その中で一%前後なのがいわゆる車の整備不良における事故、あとの九九%というのはドライバーの運転ミスにおける事故なんですよ。何でわずかその一%あるかないかのそのところに目くじらを立てて、そのためにと言って十万円の過料というものでもって縛りつけなくちゃいけないのですか。おやりになるならばこの九九%からのドライバーの運転ミスにおける事故、これをどうやって防ぐかというのが運輸省でありあるいは警察庁であり、それぞれが、いま政府が考えてこの事故を減らすことに取り組まにゃいけないわけなんです。どうしてそういう本末転倒というか、逆立ちをしたようなそういうお取り組みをなさるのですか、そこを明らかにしてください。
#211
○政府委員(飯島篤君) またおしかりを受けるかもしれませんが、事故原因の解析というものはもっとする必要があるということ、それから、こういった制度の検討に当たって、これだけではなくて、現に路上故障で他人に迷惑をかけておるのが百万台を越しておる、あるいは公害の分析によりますとやはり五十三年規制車について実験をいたした結果がやはり三年、二年という結論にならざるを得ないし、それから定期点検を確実に実施する必要があるという結論をいただいておるわけで、自主性を尊重をしたぎりぎりの制度として点検指示及び報告義務制度を設けたわけでございますが、本件につきましては先ほどから大臣が御答弁なさっているとおりでございます。
#212
○柳澤錬造君 何言っているんだかわからないですよ。
 じゃ角度を変えてお聞きするんですが、定期点検を行っている車について点検の指示をしてその結果の報告を求める、それで忠実にやってなけりゃそこでいよいよ十万円の過料というあれが出てくるわけだけれども、どうやって指示をなさるのですか。
#213
○政府委員(飯島篤君) 文書によっていたします。
#214
○柳澤錬造君 いや、私が聞いているのはそうではなくて、いままでの質疑の中でもありましたように、街頭に出ていってと言って、その実績は九万台ですということもわかっておるわけなんです。その九万台チェックをした中で二割程度が不良車ですというのがいままでの実績ですということも言われているわけですよ。仮に九万台ということをやられても、さっきからもうこれも出ているように四千万台。四千万台だけれど、ここの適用になるのが約三千万台ぐらいあると思う。年間に九万台ぐらい街頭でチェックをしても、その車の寿命そのものが五年ぐらいたてばどんどん変わっていっちゃうわけでしょう、みんな新しいのにかえて。年間に九万台ぐらいチェックをしていってそれでどうやって言うならばその目的を達することができるのですか。その辺についても、ここではその中の二割程度が不良車だといってそいつを取り上げていくわけだけれども、そのわずか千五十八人の検査官でどういうふうな処理ができますかということです。
#215
○政府委員(飯島篤君) いま先生御指摘のとおり、全国千五十八人の検査官、延べ出動人員二千五百二十二人、出動回数八百四十四回の街頭検査に当たって定期点検の励行の行政指導をするわけでございます。確かに比率も少のうございますし、これだけで実施率がどんどん上がるというふうには私ども認識いたしておりません。基本的にはユーザーの、利用者についての構造についての知識を深めていただく、あるいは意識を高揚していただく、このために、今回の制度改正に伴いましても、手引きをつくったり、六カ月点検についてはユーザー参加の道を開いたり、検査についてはユーザー自身が検査場へ来る体制を整備するというような施策もあわせて進めていこうということで、総体として定期点検の実施率の向上を図ってまいりたいということでございます。
#216
○柳澤錬造君 局長、じゃまた角度を変えて、先ほどから私が言っておりますように、ドライバーの運転ミスによって起きている事故が四十万を超えているわけです。それでいわゆる車の整備が不良だったために起こす事故というのは四百台か五百台か、その程度のものしかないわけです。いまこの法案がねらっているのは、そのわずか一%の車の整備不良車についての取り締まりを厳しくしようとしているわけです。九九%の四十万台を超えるいわゆるドライバーの運転ミスにおける事故のこれを防ぐ方が必要であり、そのことの方が政府にとっても大切なことではないんですか。それを放置をして、わずか一%のそちらを何でそういう目くじらを立てて過料までくっつけておやりになろうとするんですか。そこがわからないと、さっきから聞いておるんですよ。
#217
○政府委員(飯島篤君) 現在ある警察の把握しておられるデータでは先生のおっしゃるような数字になるかもしれませんが、潜在的な事故原因としてはかなりなものがあると言われている交通の安全との関連での整備、適切な整備の励行、さらに路上故障が百万台を超えている、この結果他人に相当の迷惑をかけている、あるいは沿道の住民等の健康、生活環境に公害問題で社会的な問題を投げかけているというようなものを総合的に考えて、今後の整備制度あるいは検査制度のあり方というものを検討していただき、これに基づいて立案をしたということでございます。
#218
○柳澤錬造君 私はまだ――その路上の何ですか。不法駐車のことか、百万台というのは。
#219
○政府委員(飯島篤君) 路上故障。
#220
○柳澤錬造君 路上故障。それはまだとまっている場合だわね。これは警察庁の方もいらっしゃるから、あえて答弁はどうでもいいんですけれども、不法駐車をして西銀座からずっといるのを、あれはもう警察庁では手に負えませんという答弁をしているんですよ、私たちにはどうにもなりませんと。それから、いまの路上故障という場合も、まだそのことによって、隣近所に迷惑は与えているかしらぬけれども、いわゆる人身事故やなんかに発展しているわけじゃないんだけれども、局長、私が聞いているのは、この法律は事故を起こした四十数万台の事故を起こしている中の一%しかないんですよ、車の整備不良ということによっての事故は。九九%はドライバーの運転ミスにおける事故なんです。この一%についての過料十万円で取り締まりをというよりかも、九九%のこっちの方をもう少し対策を講じて、その事故を減らしていくということの方が最優先課題じゃないんですか、なぜそれをお考えにならないんですかとさっきから聞いているんだけれども、その答弁があなたないんだ。
#221
○政府委員(飯島篤君) 交通安全のためにドライバーに対する対策を立てる方が重要ではないかというお話でございますが、それはもちろん当然それなりに大事なことであるというふうに認識いたしております。
 営業用については、先生御存じのとおりいろいろと指導をいたしているところでございますが、一般的なドライバーに対する施策は警察庁の方で適切に推進をいただいているというふうに認識いたしております。
#222
○柳澤錬造君 そのドライバーについて何をなさると言っているんだか聞こえなかったから、もうちょっとはっきり言ってください。
#223
○政府委員(飯島篤君) 営業用のバスあるいはトラック、それからタクシー等については運行管理者の研修あるいは運転者の適正診断というようなものを推進いたしまして事故防止に努めているところでございます。
#224
○柳澤錬造君 これは大臣のお考えを私聞きたいんですが、四千万台から車が走っておって、かなり走行距離が違うんですね。それで、昭和四十五年度の数字を見ますと、月間でもって六百キロ以上走っているのが六二・一%、千二百キロ以上走っているのでも二五・九%と、四分の一からは千二百キロ以上走っている。それが昭和五十五年になりますと、六百キロ以上が四一・五%と、やや下がってくる。三百キロ未満というのが三一・七%、約三分の一というのは三百キロ未満でいるわけだ。言うならば、車を持っていても土曜か日曜か、そんなときぐらいしかに使わないようなのがかなり多いということだ。だから、そういうふうに、三百キロ未満というんだから百キロ、二百キロもあるわけだけれども、かなりの車がそういうのがいる。片方では千キロぐらいも結構走っているのもいる。それが六カ月なら六カ月という、そういう暦の日にちでもって切って点検を受けろというふうなことのあり方というものが果たして適切なのかどうなのか。六カ月だとか十二カ月とかというのは、区切りがいいからそういうのもあってもいいと私は思うんだけれども、同時に走行距離で、そういうぐあいでもって百キロやそこらだったら六カ月走ったって六百キロぐらいしか走ってないわけですから、そうしてくると、そういう走行距離からの歯どめのようなものも設けて、こういう車検なんかの点検というようなものについてのもう少し手直しもあっていいと思うんだけれども、その辺のお考えをお聞きしたいです。
#225
○国務大臣(小坂徳三郎君) きわめて技術的な、専門的なことでございますので、足りないところは担当官から御答弁申し上げますが、私らもやはり乗っている距離によってある程度のランクづけはできないものかということはもちろん考えたのでございますが、しかし、技術的に車の公害対策であるとか、いろいろな問題から見ますと、走る、走らないにかかわらず、時間がたつと老化する、劣化するといういろいろなパーツがあるようでございます。したがいまして、もちろん距離によって摩耗する部分も多いのでありますけれども、時間の経過によって劣化するパーツも非常にあるというようなことから、距離である程度の仕分けをするということをだれも考えるようでございますが、どこの国もまだしてないというようなことで、結局期間で区切っていくというのがどうも世界的な傾向であるというような話でございました。こうしたことも技術審議会の方でいろいろと検討してもらった結果が、やはり区切りは期間の方がいいんじゃないかというような結論になったと聞いております。
#226
○柳澤錬造君 もう時間がなくなりました。外国にないこともないんですよ、大臣。西ドイツなんかの場合も若干それに似たようなことをやっていて、それから大蔵省の方、時間が参りましたのでこの次にお預けをしておきますので、きょうは申しわけございません。わざわざお残りいただいたんですけれども、一応時間で、終わります。
#227
○江田五月君 長丁場になりましてお疲れでしょうが、最後ですので質問をお許し願いたいと思います。
 この車検の問題については車の性能が昔と非常に違ってきている、あるいはその台数も非常に違ってきている、いろいろ車をめぐる環境というのが大きく変わっていて、そこで前々から、いまのこの車検の制度は見直さなければいけないのではないかということが議論になっている。それで今回のこの改正案になっていくのだと思いますが、どうもきょうの議論も、おおむね点検指示制度、過料を伴った点検指示制度が本当に妥当なのかどうかにかなりしぼられているようでありまして、私もまずその点伺っておきたいと思います。
 この過料を伴った点検指示制度を設けた趣旨といいますか、なぜこれが必要なのか。従来のものの一体どこがいけなくて、過料を伴った点検指示の制度にしなければいけないという判断になったのか。突然、どうもこういうものが出てきたものですから、皆戸惑う、全然わからない。大臣、局長、部長の答弁を聞いてみてもどうもわからない。恐らく皆さんもそれほど自信がないんじゃなかろうか。ひょっとしたら、参議院で早くその点修正してくれたらいいのにというぐあいに思っていらっしゃるのじゃないかという気すらするのですが、一体、なぜこういう制度が必要になったのですか。ちょっとわかりやすく答えてください。
#228
○政府委員(飯島篤君) 今回の検査、整備制度の見直しをした結果、定期点検なり検査なりについての制度改正を実施をした場合に、定期点検についての重要性というのは非常に高まってくる、特に十二カ月ごとの点検についてはそうであるという運輸技術審議会の認識が強く出されたわけでございます。そして、「定期点検の励行策」として、「定期点検整備記録簿の整備の励行、定期点検標章の制定、街頭検査の強化等の検討が必要である。」という御指摘をいただいたわけでございます。私ども、これに基づきまして、法制技術的にどう受けとめるかということで関係省庁とも検討をしたところでございますが、ステッカーを法制化するということは、定期点検義務あるいはステッカーの貼付義務それ自体に罰則云々というような議論に発展しかねないということで、それを見送ることにいたしまして、陸運事務所の職員等が街頭検査の際に有効な行政手段ができるようにするための最低限の制度として、御説明している点検の指示及びこれに従い点検を実施し、報告をしていただくと。先生よく御存じのとおり、通常、義務を履行されることが整備命令等におきましても実態でございますので、ユーザーの御協力がいただけるのではないかというふうに考えられますので、最後の報告義務違反に秩序罰をつけたわけでございますが、実態上これが運用されるというケースはまれであろうというふうに考えたのでございます。あくまでも自主的な定期点検の実施の確保というものがこの制度のねらいでございまして、ただ、大臣が先ほどから申し上げておるように、先生方の御意見をよく伺って今後考えてまいりたいと思っております。
#229
○江田五月君 どうもよくわからないんですがね。
 点検の要請が高まるんだと、制度を改正すると。その定期点検、特に十二カ月点検をやる要請が高まるんだというのは、それは新車の車検を三年に延長するからですか。
#230
○政府委員(宇野則義君) 定期点検が現在六カ月、十二カ月、二十四カ月という半年ピッチで動いておりますが、それともう一つ、検査期間が現在二年ピッチで動いております。今回の法改正の法案に従いますれば、初回三年で後二年、二年という形になってまいります。それで自動車の部品の中には、走行距離とともに傷んでくる部位もございますし、寿命が予測できないために、一定時期ごとに取りかえを推奨するようないわゆる定期交換部品があるわけでございます。そういう定期交換部品が現在は一年とか二年とかという形で、いつの時期かといいますか、検査の時期、大体二十四カ月ピッチの時期には重なってきているのが現状でございます。ところが、運輸技術審議会で検討する過程におきまして、この定期交換部品等につきましても、部品によってはもう少し安全性を確認した上で寿命が延ばせるものがあるのではないか、そういうものは寿命を延ばしていくべきだという指摘も受けておりますし、ただいま申し上げましたように、初回三年、次回以降二年ということになりますと、定期交換の時期とちょうど検査の時期とがずれてくる形になります。
 そうしますと、現在若干の批判を受けておりますように、検査のときに重なっております二十四カ月点検が過剰整備ではないかという御指摘もいただいておるわけでございますが、今後の定期点検というものが、できるだけ適正な整備を行うように、過剰整備にならないように考えていきますと、検査の時期における二十四カ月点検とは別に、また十二カ月点検というような時期に、この定期交換部品等を適正な時期として交換をしていく、こういうことが出てまいるわけでございまして、そういたしますと、必ずしも検査の時期にいろんな部品を交換するのではなくて、その中間においても必要な時期に必要に応じて交換していく、こういうことが適正な整備につながるのではないか。そうしますと、中間の定期点検というものが、従来にも増して定期点検の実施ということが重要になってくるというふうに結論づけられたわけでございます。
 しかしながら、先ほど来話がございますように、車が性能向上してきた、あるいは使われ方が変わってきたという、こういうことを踏まえた上で、定期点検の項目につきましては、それぞれのピッチに応じて簡素化が可能であるから、それはそれで十分検討する必要があるという指摘とあわせまして、新しい形の制度をつくってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#231
○江田五月君 丁寧なお答えをいただいてありがたいんですけれども、いささか実のところうんざりもするわけで、もうちょっと端的にお答えを願いたいんですがね。
 一つは、制度改正というのは新車の車検が三年に延びる。もう一つは、部品の、パーツの交換の時期と車検の時期とが必ずしもぴたりぴたりと合っていかないようなことにこれからなっていく、だから定期点検は大切なんだ。しかし、三年に延びることの方を言えば、最初の新車のときから数えて二十四カ月目の定期点検だけをそれじゃこうがっちりやっていただくというふうにすればいいじゃないかと。そのほかの定期点検まですべて過料まで伴って強制しなくてもいいじゃないか。あるいはその部品の関係にしても、過料まで伴った定期点検の強制というのをしなくてもいいんじゃないかという気がするんですがね。そこまで、制度改正によって定期点検の要請が質的にそこまで高まっている、変わったものになっているというふうにはとても考えられないんですがね。
 どうも私ども、いろんなこう美意識というものがあると思いますけれども、何か義務というものを一度課してみると、その義務が何が何でも履行されなきゃいけないんだと、罰則――この場合は行政上の秩序罰ですが、そういうものまで課してもとにかく一〇〇%履行を確保しなきゃならぬのだという、そういう性質の義務もあろうと思いますけれども、しかし、世の中の法律上の義務というのはそういうものばかりじゃないんで、まあ国民の自主的な判断によって自主的に履行されるものが望ましいというような場合もありましょう。あるいはそういう罰則などのサンクションを用いずに、いろいろ指導その他で義務の履行を確保していくというようなことが望ましい場合もありましょう。現に定期点検にしても、整備工場の方から、あなたの定期点検の時期が来ておりますよ、どうぞお持ちくださいというようなはがきが来出したのはつい最近のことじゃないですか。これまでそういうことはやってなかったんじゃないでしょうか。そういう整備業界の方の定期点検確保のいろいろな知恵と努力とがいままでなかった。それを、急に何かこの過料というようなものをサンクションにして実行しようという。
 私は、先ほど局長は新たな義務を課すものじゃないんだとおっしゃったけれど、これは全く質が違うと思うんですよ。いままでは、車検のときにはこれはユーザーの方が保安基準適合性を車検という形で自分の努力で確保しなきゃいけない。しかし、車検のとき以外のときは、罰則を伴わない定期点検というのはあるけれども、罰則という点に関する限りは、むしろお役所の方が保安基準に不適合であることを証明して整備命令を出す、使用停止をする、懲役なり罰金なりを科すと、そういう立て方だったんですね。車検のときにはユーザーの方が保安基準適合性を確保する、そのほかのときには公務所の方が保安基準不適合性を証明してユーザーに保安基準適合性を確保させるという、そういう立て方だったんですね、いままでは。今度はそうじゃないんですね。今度はこれが変わって、車検のときにもそれから定期点検のときにもユーザーの側が保安基準適合性を自分で確保しなければならぬという、そういうふうな変化になっているんですね。これは全然この質が違うと思うんですがね。どうしてそういう質の違う、法体系上性格の違う制度をつくらなきゃいけなかったんですか。
#232
○政府委員(飯島篤君) 先ほど制度改正だけで定期点検の重要性が高まったと申し上げたのでありますが、定期点検の項目の簡素化についてどちらかというと考え方を変えているわけでございます。いままではベターであるものも令部取り込んで、まあよく批判されます、たとえば六カ月なら四十六項目というような決め方をしておったわけですが、今回は最小必要限のものに限ろうではないか。それで使用形態が違うような場合は、これはまさにユーザーの判断でそれは対応してもらおうという思想が打ち出され、また、ユーザーがこの車の管理についての主体なんだと、これはまあ法律的にはいままでもそうだったと思うのでありますが、それを特に運技審の答申等では強調をいたしまして、ユーザーの認識を高めていただく、またユーザーもそのかわり参加できるような仕組みをいろいろ考えでいこうと、またそのために手引きなどもつくって、国もユーザーのそういった意識の高揚に努めようという前提で、そういう整理された形での定期点検というものについてはユーザーの責任というのはむしろ重くなっておるので、ひとつきちっとやってくださいという考え方をとったわけでございます。したがいまして、私どもの方も街頭検査の際に行政指導を強化する必要があるだろうということからこういう仕組みを一応立案したというわけでございます。
#233
○江田五月君 何か義務を課すともう全部こういう過料というようなサンクションまでつけてこれを実行させなきゃならぬというのは、私はこれは官僚的美意識だという気がしますね。もうちょっと世の中の美意識というのはいろんなものがありますから、ちょっと余りそう官僚的美意識にとらわれてやってしまうとおかしいんじゃないかと思いますが、定期点検を必要最小限のものに限っていったと。しかし、六カ月点検は確かに必要最小限のものに限っていった。十二カ月点検もなるべく簡素にしていった。そのかわりだんだんと押せ押せになってきまして、後ろへ後ろへ延ばされて二十四カ月点検から、何もかにも外すというようなわけにいかなくなったから、二十四カ月点検は相変わらず分解整備をしなきゃならぬ個所がたくさん残っているという、そういう形に、これはこれから検討されるんでしょうが、なるんじゃありませんか。
#234
○政府委員(宇野則義君) 現在の定期点検の制度は六カ月、十二カ月、二十四カ月となっておりまして、二十四カ月のときには当然のことながら六カ月の内容を含んでおります。これはもう先生御承知のとおりだと思います。そういう制度の中で、車の性能向上あるいは部品の寿命の延長あるいは車の使われ方の変化、こういったものを踏まえて検討してまいりますと。先ほど申し上げましたように、六カ月点検の部分についてはかなりの部分、それで特に六カ月点検がかなりの部分というのは先生おっしゃいましたのと一部合致するところがあるんですが、六カ月ごとに点検する必要はない、十二カ月でもいいだろうと、こういうものが出てくるわけですが、これはいわば六カ月ごとをやってたのが一回ごと間引くという形になるものですから十二カ月でふえるわけじゃございません。そういう意味で、性能向上等に伴いまして全体的には逐次簡素化されていくと、合理化されていくという形になろうかと思います。
#235
○江田五月君 しかし、それにしてもその過料まではやはり要らない。これはやっぱりバランスの問題ですからね。こういうものはやはりすべてバランスの問題なんで、とにかく何が何でも履行確保をすればいいんだと、履行確保を、ちゃんと法に従ったことさえやっていれば何も義務を課すわけじゃない、特に悪いことが起こるわけじゃないんだからと。だけれども、法に従ったことだけやってもらわなきゃ困るからこういうことをやるんですよとこういう罰則を加えるということになるのならば、罰則なんて重い方がいいんで、世の中の法律違反は全部死刑にしてしまえばいいわけですからね、それなら。そうじゃないんで、やっぱりそこはバランスの問題があるわけで、そこでそれほどにこの定期点検の必要性がもうどうしても高まっているというなら、それならばこの定期点検を受けていない車についてはすべて点検の指示を出し報告を求めて、その違反には過料を科すんだということにならなきゃおかしいわけです。ところが、どうもそれではこれは困るぞと。大変な国民に対する負担が増していくぞ、臨調の精神にも反するぞと。そこで大臣、先ほどおっしゃったのは、不正な改造車、違法な行為を行っている白トラック、ダンプカー、その他の整備不良の車両に対してこの点検の指示から続くこの手続を課していくんだと、そうメモをとったんですが、それでよろしいですか。
#236
○国務大臣(小坂徳三郎君) そのことなどを中心といたしましてということでございまして、われわれの方から注意を喚起いたしまして、それにちゃんとこたえてくれればそれでよろしいということであって、こういうものが全部過料の対象になるとは限らないということでございます。
#237
○江田五月君 その不正な改造車など整備不良の車については、これは交通安全週間などに見つかりますね。そうするとこれはどうするんですか。整備不良の車は点検の指示をされるんですか。整備不良の個所の整備命令というのはお出しにならないんですか。どうなるんですか。
#238
○政府委員(宇野則義君) 交通安全運動の期間中等で街頭でやりましたときに発見といいますか、判明いたしました保安基準に違反しているような車につきましては、その保安基準の違反個所を適合させるように整備命令を出すということになるわけでございます。その整備命令を出す場合に、先ほどもちょっとお答え申し上げましたけれども、重要部位が不良個所なのか、あるいは比較的軽い個所が不良個所なのかによって、若干、行政指導的な面でとどめる場合と、整備命令という法律上の手続をとる場合とあるということでございます。
#239
○江田五月君 いやいや、整備命令は、だからその不良個所の重要性に応じて出したり出さなかったりと。
 点検の指示はどうするんですか、定期点検の指示。
#240
○政府委員(宇野則義君) 整備不良車が判明した場合に、その車が定期点検を実施していないということが判明いたしますれば、そういう車に対しては指示をするということになります。
#241
○江田五月君 そうすると、整備不良個所については、たとえばライトが片目になっていると。その程度だと整備命令まではいかないですわね。ちゃんと直しておきなさいよと、定期点検の指示だけをされると。定期点検をしていない場合には、いまの整備命令かあるいはその指導をするだけで、まあそれ以上はできないですわね。そういうことでいいんですかね。
#242
○政府委員(宇野則義君) いま具体的の事例につきましては、行政指導的な方法であります警告という形で指導いたしております。
#243
○江田五月君 どうも、整備不良の車両等を中心としてこの保安基準適合性を担保するということならば、従前の整備命令から続く手続だけで十分なんじゃないだろうか。行政指導の手段を確保しておきたい、そのために過料という制度が要るんだというようなお話もあるようですけれども、もし行政指導の手段を確保しておきたいなら、定期点検の指示をして、そしてその報告を求める。報告のない場合には、たとえば保安基準に適合しているかどうかのチェックのために、たとえば車を持っていらっしゃいと。それでチェックをして、保安基準に適合していなければ整備命令を出すというような形でやりさえすれば、何も過料というような国民に財産上の負担を課す制度をとらなくても、行政指導の手段というものは十分確保できるんじゃありませんか。
#244
○政府委員(飯島篤君) 街頭検査で整備不良車を排除すると申しましても、実務上は排ガステスターとかハンマーぐらいしか持ってやらないわけです。したがいまして、主として外観検査で見得る範囲で整備不良車を発見するということで、気持ちとしては、整備不良の状態のまま走っておられるような方ならば定期点検をおやりになっていないおそれもかなりあるのではないかという趣旨で、定期点検の記録簿等でその実施状況をチェックさせていただく。定期点検は、別に項目が決まっておって、たとえば十二カ月点検であれば一個所を分解整備幸してチェックをするという項目がございます。そこまで街頭検査では見得るわけにはいきませんので、併用という話になるわけでございます。
#245
○江田五月君 いまのは、私の質問ももうちょっと詳しく質問しなければあるいはおわかり願えないのかもしれないけれども、ちょっと質問の趣旨と違うんですがね、答えは。
 まあそれはいいとして、それでは定期点検というのは非常に形式的なものですね、ある時期に点検をしているかどうかという。ところが、車なんというのは別にその時期に修理をするだけとは限らないわけで、何か不都合があればいつだって修理などはするわけですからね。そうすると、たとえば整備簿などを見本して、定期点検の時期には定期点検をしていないけれども、その直前に何か、たとえばブレーキがちょっと調子が悪くなったとかなんとかでこの定期点検に必要な個所の点検はやっているというような場合には、これは定期点検義務を履行したことになるんですか、ならないんですか。
#246
○政府委員(飯島篤君) そういうケースは当然弾力的に運用する所存でございます。このことは衆議院でもお答え申しております。
#247
○江田五月君 弾力的運用といったって、これはこの構成要件といいますか、形式的には当たってしまうわけですね。形式的には当たってしまう、しかし、幾ら何だって、そんなしゃくし定規に運用するのはおかしいじゃないかという程度のことは、それは過料までつけて強制するのがおかしいということにむしろなるんじゃないか。
 ですから、たとえばその場合の点検の指示、まあいつごろそういう整備をしているか、これによって変わってくるだろう。三カ月前か五カ月前か、あるいは整備簿で見て、整備をした内容もいろいろあるでしょう。それによっていろいろ変わってくるんだろうと思いますが、何かこの点検の指示を出すか出さないかについて行政裁量というものが非常に大きなものになってしまうんじゃないか。それほどの裁量によってこの過料というところまで行くか行かないかが決まってしまうというのが本当にいいのか。まあいまの、定期点検に法律上ぴたりと当てはまる時期に点検整備をしていなくても、十分まあそれに、保安基準適合性を担保し得ると考えられるそれに近接した時期に必要な点検整備をやっておれば、これは弾力的に運用して、定期点検は実質的にはやっていると考えるということならば、そうすると、たとえば十二カ月点検などの場合に、あるいは二十四カ月点検もそうですが、特に十二カ月点検。分解整備を要するところは、まずブレーキですね。あるいはブレーキのみと考えてもいいんでしょうかね。そのブレーキの部分だけを定期点検という形ではなくて整備をして、そのほかのところは自分でチェックするというんですか、というような形で済ましておる。これでも定期点検、十二カ月点検の義務は履行しているというふうに判断されるんですか。
#248
○政府委員(宇野則義君) 自分でやれるものを自分でやって、それから残りの部分、自分でやれない部分を整備工場に依頼してやるという方法も、方法としては考えられます。
 ただ、点検という項目はそれぞれの定期点検の時期によって決まっておりますので、それらはすべて一応点検の対象にしていただく。そういうことが今度の定期点検記録簿の中で十分記載をしていただけるように今後考えていきたいというふうに考えております。
#249
○江田五月君 この過料というものが一体どうして出てきたのかということについて、いろいろな話が、それほど証拠によって裏づけられているというわけではない。しかし、まあいろんな話がある。ある程度証拠によって裏づけられていると言ってもいいのかもしれませんですね、その業界の新聞、雑誌などにいろいろ出てくるというようなところを見ますと。
 さて、運輸大臣、四月の一日にこの運輸委員会で田英夫委員が質問をしたときに、大臣は業界の事情についてお答えくださっておりますね。余り表に出ないことではあるけれども、というような趣旨で、零細企業の整備業者が非常にたくさんある。その生活が大変なんだと、深刻な話題であって、大臣のところにも大変に多数の方々がおいでになって、どうしてくれるんだというような話が日々続いておる。行政改革も必要だけれども、一方で零細な多数の人が生計を得ているという、そういう事業部門であると、このことも考えなければならぬのだということをお答えになっている。これは別に、このお考えは変わったわけじゃないんでしょう。
#250
○国務大臣(小坂徳三郎君) まさにそのとおりであります。
#251
○江田五月君 さて、その場合に、この過料ということによって定期点検を強制していくことがこういう業界の仕事の確保に役に立つ、そして、業界の皆さんに制度の改革による急激なショックをやわらげることになる、生活破壊的な変化をやわらげることになる、そういう機能を持つということは、これは大臣、お認めにはなるでしょうね。
#252
○国務大臣(小坂徳三郎君) われわれの運輸省における試算でございますが、大体初年度で約二千七百億円ぐらい整備業界の収入が減るであろうと、五年たちますと約八千億だというような試算がございますから、私はそれだけの膨大な企業の営業が縮小する可能性があるということは、これは大変なことではあるというふうに思っておるのです。もちろんユーザーの方から言えば、この点検なんてめんどうくさいことをしたくないのは当然なのでありまして、しかし、これと整備業者との生活の問題とはまた別個の問題でありまして、私はその時点で田さんにお答えしたときに、この過料制度というもので二千億もあるいは累積されれば八千億にもなる落ち込みを、とてもそんな程度のことでどうこうって考えたこともないのであります。そのことをきょうたまたま御質問いただいたので御答弁さしていただいてありがたいのでございます。
 そんな意味でございまして、でありますから、自動車局に対しては、整備業界の現状とそれに対する対応策というものをもっと詰めて実のあるものに早くしろと言って盛んにいま催促しているところでありまして、先ほど来も江田委員ほかの皆さんからその問題について強いお考えをお述べいただいておるので、これは大変私も考えておることは間違っていないというふうに考えておるところでございます。その対策がいまここで明確に申し上げられないのは大変残念でございますが、方向としてはもっと大きな国の運輸行政の中でやれることだけはひとつやって差し上げたい、そんな気持ちでおります。
#253
○江田五月君 この過料をユーザーに科すことによって仕事を確保して何とかやっていくんだというのは、私はこれは経済人としてははなはだ安易に流れるというか、堕落しているというか、そういう感じさえするんですね。確かに幾ら制度の改革が必要なんだと言っても、その制度の改革によってかなりの規模の人たちに生活破壊的な影響が出てくることはこれは何とかしていかなければならない。中小企業の一つや二つつぶれたってどうしようもないんだというようなわけにはこれはいかない。それはそうなんですが、しかし、一方で何とかしろ、何とかしろと言ってきたって、この関係についてはこれはもう国家賠償的な意味で賠償をしろというような声もあったわけですけれども、そういうことには当たらない。補償の対象ということにも当たらない。それは本四架橋のときだってそうですよね。そうじゃないんで、やはり時代が変わっていって、その時代の変化に伴っていい制度をつくっていくというときに、いままでの制度の中で事実上得ていた利益がなくなったからといって、それをすぐに補償だ賠償だということにはそれはなっていかないんで、時代の変化に伴って自分の自助努力、創意工夫で新しい方向を、生きる道をつくっていくと、これが日本経済がこれまで大きくなってきた秘密でもあろうし、さらにその活力ある福祉社会ということを目指していくとしても、その活力が社会に生まれてくるゆえんですね。ですから、私もこの整備業界の関係の雑誌で、実は先ほども話がありました梶原議員と対談をさしていただいたんですが、そこでも言ったんですけれども、補償とかなんとかで整備業界の皆さんが何かこう腕を組んで運輸大臣のところへ行って何とかしろと談じ込むと、そういうことじゃなくて、たとえばさっきの定期点検を、時期が来ておりますが、どうぞお持ちになってくださいというようなはがきをお客さんに出していくとか、いろいろありますよね。あるいはもっとサービスをどういうふうにしていくか、これについて自分たちの創意工夫を重ねていく。そして、その中である程度はそれは淘汰されていくこともあるでしょう。それはしようがない淘汰であって、ただ、そういうしようがない淘汰が生活破壊になってしまわないように国で多少の援助をしていく、あるいは誘導をしていく、指導をしていくというようなことは、これは必要なんでしょうがね。そういうことこそ必要だという気がするんですが、大臣は官僚上がりじゃないわけでして、第一級の日本でも有数の経済人でいらっしゃるんで、むしろ大臣の方から整備業界に、ひとつ何といいますか、活を入れるといいますか、そんな甘ったれたことじゃだめですよ、もっと自助努力でやりなさいという、そういうおしかりがあってもいいんじゃないかという気がするんですが、いかがですか。
#254
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、いままで御議論にあった、過料を取るということでそれで整備業界が生きていけるなんということは、数字から計算したってあり得ないことでございます。したがいまして、ただいまの江田議員のお話は当然そのとおり私も思っているのでして、できるだけ早く業界の方々にお目にかかって、ひとつ生きる道をお互いに考えようじゃないか、われわれもできるだけのことをしたい。それについてはやはりある程度のファンドが要るのでございますが、そうしたファンドを何とかして政府としても準備をしてお助けをしなければいけないなと、そのファンドをどうやってつくるかということをいま自動車局に課題として出していろところでございます。
 いずれにいたしましても、大きな時代の変化の中で起こるいろいろな事象に対して、いま委員のおっしゃいましたとおり、すべてこれを何か税金で補償するなんということはとてもできることじゃございません。ましてや、繰り返して申し上げます、が、千人ぐらいの程度の人間がチェックして、そして見つけたことについて、報告をしない者に対して十万円というものをかけてみたところで、一体年間幾らになるんだと試算してみたって、全くそれは問題にならない金額でございますから、そんなことでないのでございまして、今後零細企業に働く方々、私の選挙区にもたくさんおられまして、こうした方々が非常に苦しんでおることもよく見ておるので、自動車行政の一つとしまして努力をさせていただきたいと、そんな気持ちでおります。
#255
○江田五月君 終わります。
#256
○委員長(桑名義治君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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