くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第096回国会 運輸委員会 第11号
昭和五十七年七月六日(火曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     田  英夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桑名 義治君
    理 事
                井上  裕君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
                黒柳  明君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                青木 薪次君
                竹田 四郎君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
       発  議  者  小柳  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
   政府委員
       内閣法制局第四
       部長       工藤 敦夫君
       大蔵大臣官房審
       議官       塚越 則男君
       運輸省自動車局
       長        角田 達郎君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       臨時行政調査会
       事務局主任調査
       員        吉田 俊一君
       警察庁交通局交
       通企画課長    福島 静雄君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    伊藤 博行君
       労働省労働基準
       局監督課長    野崎 和昭君
   参考人
       運輸技術審議会
       自動車部会長   亘理  厚君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する
 特別措置法案(小柳勇君外三名発議)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する特別措置法案を議題といたします。
 発議者小柳勇君から趣旨説明を聴取いたします。小柳勇君。
#3
○小柳勇君 提出者を代表し、ただいま議題となりました貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する特別措置法案について、提案の理由及びその内容について簡単に御説明いたします。
 今日、貨物自動車運送事業者は三万数千にも及び、その大多数は中小零細事業者であります。さらに、最近の傾向として、法令で禁止されている自家用自動車による運送行為が横行し、そのことによる事業者の経営の圧迫も強まり、そのため輸送秩序全体がきわめて憂慮すべき事態を招いており、そのことが今日の道路交通事情の悪化と事故、公害の多発といった社会問題にまで発展してきています。
 よって、こうした現状にかんがみ、現行道路運送法の目的をよりよく達成するため、特に一般貨物自動車運送事業の免許基準の適正化をはかるとともに、自家用トラックの営業類似行為等に対する規制を強化し、あわせて貨物自動車の輸送秩序全体を改善するための特別な実施機関を設けて秩序確立のための業務を行うことなどを定めようとするものであります。
 次に本法案の概要について御説明いたします。
 まず第一に、自動車運送事業中、特に一般貨物自動車運送事業の免許については、この事業の性格と今日過当競争の実状にかんがみ、詳細は省令にゆだねることとしますが、一定の特例措置を行い基準の適正化を図ることとし、同時に、免許については五年の有効期間を設けることとします。また、貨物自動車運送事業者の責務として、特に強調すべきこととして、認可運賃の適正収受、輸送状の携行義務、過積載の禁止、運転労働者の過労運転の防止、整備管理者の配置を行うことなどを明確にしたところであります。そして、事業者がこれらの免許基準や責務に違反した場合には、政府は、事業者に対し免許の取り消し処分を含む一定の行政措置を行えるようにするものであります。このことにより公正な競争条件をつくり、貨物自動車輸送の公共性と社会的責任を果たせるような条件を整備しようとするものであります。
 第二は、自家用自動車のうち、特に普通自動車についての使用に関する特例であります。
 これは、すでに百万台を超える普通自家用貨物自動車のかなりの部分が営業類似行為を行っており、かつ、その運転労働者の労働実態はきわめて劣悪な状況にあり、これらのことが輸送秩序全体に大きな影響を与えていると社会的に批判されていることを重視したことによるものであります。したがって本法により、これまでともすれば単なる形式のみになりがちであった自家用貨物自動車の使用届け出について、その使用目的をよりはっきりさせることと、あわせて届け出車両については、その証明書の携行を義務づけるとともに、使用者は、その車両を運転する者に対しても過積載の指示を禁ずるとともに、乗務時間等についても、今後定める運輸省令、労働省令に従うべきことを定めるようにしたものであります。
 第三は、輸送秩序の確立についての実施機関として特別な指定法人の設立とその業務内容についてでありますが、指定法人は、各都道府県を単位として一つずつ組織することとし、さらに、これらを会員とする全国的な連合組織をつくることとします。そして各指定法人は、道路運送法及び本法に違反する行為の防止及び是正を図るための指導や研修、苦情処理、運送事業のための自動車ターミナル、情報管理施設、運転者の休憩施設の設置、運営など輸送秩序確立のために必要な業務を行えるようにいたします。そして、そのための費用は貨物自動車運送事業者の負担とします。
 さらに、これらの業務を円滑に行えるよう、実施機関の中に事業者、労働者、荷主等の代表で組織する諮問委員会の設置や輸送秩序確立指導員を配置するとともに、実施機関からの行政機関に対する意見の申し出や違反行為についての通報など、輸送秩序確立事業実施機関と関係行政機関との協力関係を緊密にすることとします。また、関係行政機関相互においても違反行為については相互通報を行うようにします。
 なお、今日の輸送秩序の乱れを是正するためには、運送事業者及び荷主の相互の積極的な協力が不可欠でありますので、この際、政府は、運送事業者と荷主の団体との間で、必要な場合は一方の当事者からの申し出により協議に応ずることを勧告できることとします。そして、この際、一般貨物自動車運送事業者は、認可運賃によらないものの運賃収受はできないこととし、また、荷主は、認可運賃によらない運送の申し込みはしてはならないことをはっきりと本法において規定することとします。
 また、国及び自治体は、貨物自動車の輸送秩序確立のために、さらに必要な具体策を積極的に講ずべきですが、あわせて輸送秩序確立事業実施機関の適正な運営のための必要な指導監督や助言を行うこととし、また、輸送秩序確立のために実施機関が行う業務及び貨物運送事業者が進める協業化等について、積極的な税制及び財政上の措置を講ずることとします。
 以上で提案理由の説明を終りますが、委員各位におかれましては、慎重審議の上、速やかに御賛同くださることをお願い申し上げる次第であります。
#4
○委員長(桑名義治君) 以上で趣旨説明は終わりました。
#5
○委員長(桑名義治君) 次に、連合審査に関する件についてお諮りいたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案について、公害及び交通安全対策特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(桑名義治君) ご異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(桑名義治君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に運輸技術審議会自動車部会長亘理厚君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(桑名義治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#10
○委員長(桑名義治君) 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○青木薪次君 この審議に先立って大臣に質問をいたしたいと思うのでありますが、道路運送車両法の特にペナルティーの問題について大変問題になっているところでございます。
 各新聞社の社説等によりましても、与野党が国民的な立場に立って審議して、きちんとした結論を出すべきときに来ている。筋の通らないことが多いいまの政治の中に立って、国会は当面の課題にけじめをつけてもらいたいのだ。それについても鈴木首相の姿勢が全く不分明だ。過料制の問題は特にそうである。首相の真意と指導性はどこにあるかということを問いたい。一見積極性を見せても、それが単なるその場しのぎのポーズという疑いが非常に多い。事の流れに身を任せるんじゃなくて、もっともっと真剣に自分の意見というものを吐くべきである、指導性を発揮すべきであるということを訴えておるのであります。
 特に、行革というならば、その理念に逆行した自家用車の定期点検への過料制の導入はその最たるものだ。特に整備業界をパックにする運輸省と自民党運輸族の横やりで行政罰を取り入れて、国民の負担を増大させる改正案は無修正のまま衆議院を通過した。で、臨調だけでなくて、国民の強い批判に目をつぶったままである。良識の府を自任する参議院であるならばきちんとした修正を図るべきである。法の運用でさじかげんをするなどというようなことは、これはいけないことだ。法律というものは一度通れば必ずこれはひとり歩きするんだ。いまのところ、十万円の過料を科すなんということはほとんどないだろうということを言われているけれども、法の運用というものについては、解釈によって拡大解釈されるものである。したがって、この点については参議院でひとつ修正してもらいたい。これがほとんどの各社の大体社説の中心的な論点であるというように考えておるところであります。
 大臣、このような国民のいたたまれない議論というものについて、大臣はどういうように考えられるか。特に民間出身の大臣でありますから、その点については国民は小坂運輸大臣の今後の帰趨について相当な期待を持っているわけでありますが、その点でひとつ本音を吐露する意味で答弁をお願いいたしたい、こう思います。
#12
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま青木委員のお読みになりました社説は、私も全部読んでおります。ただし、多少誤解があるのじゃないかと思うのでございますが、この定期点検をやるという必要性は、もう公害対策でありまた安全対策の一環でございますから、当然これはユーザーが自主的にやっていただくことがたてまえでございます。でありますから、この定期点検をやっていらっしゃる方々にはこの過料は全く関係のないことだと思うのでございます。
 ただ、皆様方もいろいろな面で御指摘いただいているような現状の中で、こうした定期点検をサボるといっても、悪意のあるサボり方と悪意のないサボり方が当然われわれはわかるのでございますけれども、悪意があり、かつまたそうした注意をされてもまたそれを無視するという方たちに対しては、やはりわれわれとしては秩序罰として過料というものを置くのもいいではないかというような考え方に立っているわけでございまして、決してこの過料制度そのものが、法律のひとり歩きによって善意の第三者に対して非常な問題を与えるものと思っておりませんし、またわれわれとしましては、この過料制度そのものを、言うなれば定期点検を励行してもらいたいというために設けておるわけでございまして、その趣旨さえ通れば、この過料というものは善意の方々にとっては全く関係ないというふうに思うのでございまして、この点につきまして、一つの行政運営の方式として過料制度が導入されたというふうに御理解を賜りたいと思っておるわけでございます。
#13
○青木薪次君 最近における自動車の性能の飛躍的な向上とか、道路整備の状況も非常によくなった、さらに、交通事故で車両の原因によるものが全部の事故の〇・七六%とか〇・六五%とかいうように言われているのでありますが、この点について、警察庁はどういうようにお考えになっていらっしゃるか。
 特に、私は、これは車両故障に起因する事故等の推移について運輸省はまた違った資料を出している、この点について、国民に誤解を与えますので、ほとんど車両の事故はなくなってきているんだよという考え方あるいはまたその資料、それからもう一つは、いや、そうじゃない、事故はどんどん起こっているんだという運輸省の発表の数字の提示の仕方、内容という点について大変問題があると思うのでありますが、その点について、ひとつ運輸省の方から答弁を願いたいと思います。
#14
○説明員(福島静雄君) お答えいたします。
 警察におきましては、御質問のいわゆる整備不良による事故と申しますものは、統計上車両的原因による事故というとらえ方をいたしております。
 そこで、昭和五十五年中の交通事故についてでございますが、検査対象車両の全人身事故件数は四十万七千六十一件ございます。そのうち、ただいま申し上げました車両的原因による発生件数は二千六百四十七件でございます。全体の中での比率は〇・六五%となっております。なお、検査対象車両の死亡事故件数につきましては、五十五年中六千七百八十五件ございまして、そのうち車両的原因による発生件数は百四十三件でございます。全体の中での比率は二・一一%となっております。警察が交通事故を処理する過程におきまして調査した結果は以上のような実態になっているところでございます。
#15
○政府委員(角田達郎君) 車両の原因によります事故の統計につきましては、ただいま警察庁の方から御答弁ございましたが、私どももいろいろなところで使っております数字は、ただいま警察庁の方で御説明された数字で御説明をしておるはずでございます。全人身事故が四十万七千、そのうち車両的原因による事故件数が二千六百四十七件、比率にしまして〇・六五%、それから全死亡事故件数が六千七百八十五件でございまして、そのうち車両的原因による事故件数が百四十三件、比率にいたしまして二・一一%ということでございまして、私どもは車の事故全体について把握するような体制になっておりませんので、事故件数自体につきましては警察庁の資料によりましていろいろ検討を加えているところでございます。
#16
○青木薪次君 ですから、この点は非常に誤解を受けると思うんですね。死亡事故件数というものを、全部、車両的原因によるところの事故が起こったらそれみんな死んでしまうんだというような解釈をするということはこれは大変問題がある。そうじゃなくて、たとえば腕を折った、あるいはまた軽傷であろうと三十日以上の重傷であろうと、検査対象車両の全事故件数というものに対して、そういった死亡を含む傷害事故、これもやっぱり対象にすべきである、こういうように考えているわけでありますが、そういう〇・六五%といったような、四十万七千六十一件のうち死亡を含む傷害事故については二千六百四十七件で、これは〇・六五%であるというようなことについて、そういったような数字というものは一切いま使っていないんだというような解釈というものについては若干問題があると思うのでありまして、そういう点から、やはり車両的な原因によるところの事故というものについては、もう今日、年々ずっと少なくなってきているんだというようなことについてお認めになりますか。
#17
○政府委員(角田達郎君) ただいま先生がお述べになりましたように、車両的原因による交通事故件数というのは若干減っております、過去に比べまして。ただしかし、先ほど警察庁の方からあるいは私どもの方から申し上げましたように、全死亡事故件数が六千七百八十五件ございまして、そのうち車両的原因による事故件数が百四十三件、比率にしますと二・一%でございますが、人の数で申し上げれば、百四十三件の死亡事故が車両的原因によるものとして発生しておるわけでございまして、人の数で言えば相当な数の死者ではなかろうかというふうに私ども考えております。
 交通事故に対しましては、これはいろいろな対策があるわけでございまして、警察庁が中心となりましてドライバーに対しますいろいろな交通安全行政、それから建設省などを中心といたします道路の整備、車両の交通の環境の整備、そういうような対策もございます。そのほかに私どもがやっております車両の安全の確保につきましての行政、こういうもの全部を総合的にやりまして交通事故をなくしていかなきゃならぬと私ども考えておるわけでございます。比率にしては少ないではないかというようなお話でございますが、これでも、ゼロになるものならば私どもとしては全力を挙げてこういう原因による事故を減らしていきたいと、かように考えておるわけでございます。
#18
○青木薪次君 きょうは亘理参考人もお見えになっておられまして、本当に御苦労さまでした。
 運輸技術審議会の答申の中でも、「今後とも、所要の資料の整備に努め、自動車技術の進歩等に対応して適時に見直しが行われることが必要である」というように指摘されておられますが、そのことについて、その見直しが行われる必要があるということについてひとつ御答弁をお願いいたしたいと思います。
#19
○参考人(亘理厚君) お答えします。
 今回の答申に当たりまして、その時点におきまして、技術の進歩その他を勘案して、御承知のような新車の初回の自動車検査の期間を三年に延ばすことが可能である、あるいは初回の六カ月点検を廃止してよろしい、あるいは六カ月点検の点検項目を大幅に簡素化してもよろしい、そういうようなことを答申に盛り込みましたが、今後自動車技術はどんどん進歩していきます。したがって、その三年という数字も進歩とともにしかるべく延長されるべきだとも思いますし、それから、六カ月点検というものも部品の寿命その他、あるいは公害防止対策等が進めば、あるいは定期点検の期間を適当に別に定めると、そういうことが起こり得るので、適当な時点において見直しをやっていただきたいということを申し上げたわけであります。
#20
○青木薪次君 今日自動車技術は非常に進歩してきている、御指摘のとおりだと思うんです。本人がとにかく点検するんだと、こういう大前提が今日なければならないと思うのでありますが、道路運送車両法ができたのはたしか昭和二十六年だったと思うのでありますが、ことしは昭和五十七年ということで、三十年近くこの改正が行われなかったというようなことについて、運技審としては、今回、いま亘理先生のおっしゃったような形で答申が出された。それが新車に限って二年を三年にする。初めの六カ月点検は、これは廃止してもいい。問題は、新車だけでなくて継続点検、継続検査を行う必要があるというようなものについても適用すべきであると思うのでありますけれども、この点はいかがでしょうか。
#21
○参考人(亘理厚君) お答えします。
 この審議会が行われました時点におきまして、その時点において新しく出てくる車についてはただいま申し上げましたようなことが言えるわけでありますが、現実には常に大分古い時代に出ている車も現在あります。それらに対しては期間を延長するということはまだ無理である、そういうふうな判断をしたわけであります。
#22
○青木薪次君 運輸省にお伺いしたいのでありますが、平均して車の買いかえをするのは、日本とアメリカ、イギリス、ドイツあたりに比較いたしまして、その数字をちょっと教えてください。
#23
○政府委員(宇野則義君) お答えいたします。
 車の使われ方という先生の買いかえの御質問でございますけれども、車の何といいますか、年齢、車齢と、それから寿命というのと見方が幾つもあるわけでございます。それで先生の御質問は、最初新車を使い始めて車を買いかえるということだとすると、現在たしか日本の場合が四年前後の数字で一たん車を買いかえる、こういう形になっていたかと思います。それで、その車は次のユーザーに、いわゆる二次ユーザーという言葉を使いますけれども、中古車を購入するユーザーの方の手に渡る、こういう流通をやっております。この点につきましては外国等でもそう変わらない数字ではなかろうか、若干アメリカが六年余り、あるいは西独が五年余りということで長い数字になっておりますが、これはいま申し上げましたように廃車するのではなくて、車を新車から次の新車に買いかえる、こういうときの最初の新車の使用期間でございます。
 それからもう一つ、車の寿命という、新車で使い始めまして廃車するまでの年数というのがございます。これにつきましては、最近の五十五年度の数字で申し上げますと、日本におきましては八年九カ月、九年ちょっと切れる期間、車というものが使われるというのが平均でございます。それに対しまして米国、西独が十年余りという数字になっております。わが国も年々この廃車するまでの寿命というのは長くなってきております。
#24
○青木薪次君 私もヨーロッパやアメリカへ行く機会というものが比較的あるのでありますけれども、特にアメリカなんかへ行って、いろいろ自動車の傷みぐあいとかその他を見てみましても、それはもう惨たんたるものですね。日本の場合にはあんな車を見ようとしても薬にしたくもないというようなことでありまして、そういう点から、いま整備部長のおっしゃったように、日本の検査の関係等については、初回検査ということでなくて、中曽根行管長官でさえも継続検査をするものについても二年を三年にすると言ったんですよ。そういう点が、新車だけに限ってまあ言葉は悪いけれどもお茶を濁しちゃったというように言われているわけでありますが、その点どうお考えになりますか。
#25
○政府委員(宇野則義君) 今回法律案の中で、検査期間の延長について、自家用乗用車の新車に限って検査期間を二年から三年にするという案になっておるわけでございますが、この案につきましては、運輸技術審議会で御審議いただいた結論をいただいたわけでございます。
 運輸技術審議会で検討される過程におきまして、いろいろな技術的な調査をいたしております。具体的に申し上げますと、一つは現在走っております車の車検時における要整備個所発生状況という調査をやったわけでございますけれども、そういう調査の結果を分析いたしますと、第一回目の継続検査の際におきます重要部位の要整備個所の発生率というものは比較的低うございます。ところがこれが車が古くなりまして二回目、三回目という時期になってまいりますと、その要整備個所の発生率が高くなってまいります。
 具体的に申し上げますならば、私どもで調査をいたしまして運輸技術審議会に提出いたしました資料の数字では、第一回目の要整備個所の発生率は一六・九%、約一七%でございますが、これが第二回目、車齢が四年になった時点では四〇%という数字になっておりますし、第三回目、これは六年目でございますが、三回目になりますとこの要整備個所の発生率が五一・八%というような数字になっておるわけでございまして、車が古くなると非常に傷みが出てくるということがこの調査から判断をされたわけでございます。
 ただいま申し上げましたこの発生率につきましては、主として安全にかかわる部位の要整備個所でございますが、排出ガスについて調査をいたしますと、排出ガスのアイドル濃度というものを規制しておるわけでございますが、これにつきましても、第一回目の検査の時点では保安基準の値を超えるものは出てきておりません。そういうことから、今後検査期間を変更した場合に、この故障発生率というものがどう変わるであろうかという推定をいたしたわけでございまして、現にそういう実態といいますか、実績はございませんので、推定する以外に方法はございませんが、ワイブル解析法という方法を使いまして、新車の新規検査の有効期間を三年に延長した場合に、その要整備個所の発生率はどうなろうかということを推定いたしますと、ほぼ現行制度と大体同じ率になるというふうに推定されるわけでございますが、これがその二回目の検査あるいは三回目の検査を引き続いて三年ピッチにするということになりますと、この数字が現行の車齢に比べまして二〇ないし二五%悪化してくる、こういうことがそのワイブル解析の中から推定をされるわけでございます。
 それからもう一方、排出ガスの悪化状態の推定でございますけれども、これにつきましても、10モードのガス値というものを現在規制をしておりますし、また測定をしておるわけでございますけれども、この10モードの排出ガス値を調査いたしますと、車齢三年目、新車から三年目まではこの10モードの規制値を超える車は見られない。しかしながら、これが次に続けて検査期間の有効期間を三年にするということにいたしますと、この平均排出ガス量が規制値を超える、こういうことが推定されるわけでございまして、これらの点を運輸技術審議会で専門の先生方に御審議をいただきまして、冒頭に申し上げましたような法案で、自家用の乗用車につきまして、新車の初回の有効期間を二年から三年にすることは可能であるけれども、その次からの検査期間は従前どおりの二年にとどめて車の状態を維持すべきであると、こういう結論をいただいたわけでございます。
#26
○青木薪次君 亘理参考人にお伺いいたしたいと思うのでありますが、自動車部会、整備その他を担当する部会の委員は何人で、どういう方々が就任しておられるか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#27
○参考人(亘理厚君) お答えいたします。
 委員の数は、部会の委員が七人、小委員会が十人でございます。
 それから、委員構成といたしましては、自動車に関する技術の専門家、それからユーザー団体、それから学識経験者、その広い層にわたって関係者に委員になっていただいております。
#28
○青木薪次君 私の聞いているところによりますと、自動車部会の委員が七人だと、それから特別委員が九人だと、こう聞いているんでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
#29
○参考人(亘理厚君) 失礼いたしました。部会の委員の数は七人でございますが、特別委員十名と申し上げましたが九名の間違いです。訂正させていただきます。
#30
○青木薪次君 私のお聞きしたことに間違いないとするならば、この中でいまおっしゃったユーザーを代表される立場の人が少な過ぎるんじゃないかというように考えております。もちろんいまも部長のおっしゃったように、いろいろとお聞きになっていると思うのでありますが、審議の経過でユーザー側の意見を聴取する機会というものがきわめて少ないというように私は聞いているのでありますが、亘理先生、そのようにお考えになりますか。
#31
○参考人(亘理厚君) お答えいたします。
 特別委員の中には、自動車技術会という自動車に関する学術の団体の代表が入っておりますし、日本自動車連盟というユーザーの代表が入っております。したがって、特別委員の構成において、ユーザーの参加割合が少ないというふうに私は思っておりません。
#32
○青木薪次君 ユーザー団体が非常に反発しているんですね。定期点検への過料制度を私は一番問題にいたしているわけでありますが、定期点検項目を簡素化し、ユーザーの自主的管理を推進するとの運輸技術審議会の答申が出た後に持ち出されたもので、道路運送車両法改正案に盛り込まれたのでありまするけれども、第二臨調が、たとえ秩序罰といえども、点検のための新たな担保措置を導入することは、国民負担軽減の趣旨に照らしきわめて遺憾であると表明したということに始まって、車はよくなっていると、しかし、技術の方の関係、業界の代表、それらの皆さんの意見というものを重視するが余りに、なかなか運輸技術審議会においても、今日の自動車技術の発達とか、道路がきわめてよくなったということについて目をつぶっている。ある意味では、整備業界が相当な資金カンパまでして、そして突き上げたということまで聞いているわけでありますが、そういうような中にこの運輸技術審議会の自動車部会の皆さんがだんだんと組み入れられていったということが相当地方で騒がれているわけですよ。ですから、そういうことについて、ユーザーの意見というものが本当に腹の底からこれでよろしいということになったのかどうなのか、亘理先生、もう一度お伺いいたしたいと思うのであります。
#33
○参考人(亘理厚君) お答えいたします。
 私どもは、自動車が正しく整備され、正しく運転されて使わるべきものと思っておりまして、そのためには、ユーザーが責任を持って整備使用するものと思います。そのために今回は、たとえば六カ月の点検項目をきわめて簡素化して、ユーザー自身がおやりになってもよろしいと。ただし、十二カ月点検の場合には、ユーザーがお持ちになってない機械あるいは整備器具を必要とするものもありますので、その項目については専門業者に持っていく必要があろうと思いますが、それについても点検項目を省略化、減少し、同時に、ユーザーと専門業者との間に対話をよくするようにということで、ユーザーが責任を持って自主的に整備する趣旨を通しております。
 しかし、委員会としましては、車を使う限りにおいて、適当な時期にやはり点検をし、あるいは適当な物の交換ということが必要であると思いますので、一応定期点検、新しい答申に盛られた意味の定期点検はしていただきたい。そのためには定期点検整備記録簿の整備及び励行と、あるいは定期点検標章の制定、あるいは街頭検査の強化というような点を検討する必要があることを答申の中で提言しております。したがって、ユーザーに良識を期待するのであれば、そのような励行策を強化することも必要はないと思いますけれども、四千万人を超えるユーザーの広い分布に対し、また一部には不良なユーザーを否定できない現実を考えますと、やはり何らかの励行策というものが必要かと思いました。
#34
○青木薪次君 私の質問をしたことだけにお答えいただきたいと思うのでありますが、外国では、ユーザーが検査場に直接車を持っていって、そして検査を受けて、不良個所の指摘を受けた点を整備業者に整備を依頼する、それで再度検査場に車を持っていく、そして整備されていることの確認を受けるという合理的な検査方式を採用いたしましてユーザーの負担軽減を図っているんです。わが国では、事前に整備を受けていなければ検査が受けられない仕組みになっているんですね。ですから、不良個所がなくても高い整備料金を取られることになっておって不合理だ、これを改める用意はないかどうかというように私は考えているわけでありますから、その点、亘理先生、どうお考えになっていますか。
#35
○参考人(亘理厚君) お答えします。
 整備をしてから検査を受けるということは、日本の現状においてはむしろ外国よりも適当かと思いますが、その整備にいろいろな費用がかかる、あるいは手数がかかるという問題につきましては、現行あるいは今回の答申においても、御自分がなさって検査に持っていくことはちっとも構わないのであります。ですから、そのような、いま先生のおっしゃったようなトラブルがあるとすれば、それは何か別な理由かと私は思います。
#36
○青木薪次君 車検整備の際にどれくらい金がかかるだろうか。保険料、それから税金、検査料、整備料金、この点、整備部長ひとつ説明してください。
#37
○政府委員(宇野則義君) 私どもが調査をいたしました車検時におきますユーザーの負担の平均値について申し上げます。一般のマイカー族と言われる車を対象にいたしまして、たとえば千四百CCクラスの自家用乗用車の検査を受ける際の所要経費でございますが、陸運事務所に車を持っていって検査をしていただくという場合には、国が検査手数料といたしまして千二百円いただいております。それから、検査を受けて検査証の有効期間を更新していただくためには自動車重量税の納入をしなければなりませんし、また自動車税も払っていなければならない。あるいは自賠責保険にも加入していなければならないということがございまして、重量税につきましては、二万五千二百円を納入していただかなければいけない。それから自動車税については、滞納がないことを証する書面が必要となっておりますので、納入してない場合には三万円の一年分の自動車税を納めていただく。それから、自賠責保険に加入していただくというこの保険料が三万二千六百五十円。それから、先ほど御指摘ございました定期点検、マイカーの場合ですと二十四カ月点検でございますが、この二十四カ月点検の整備料金が平均的に言いまして六万円前後の数字になっております。したがいまして、これらの各種の負担、費用を合計いたしますと、大体千四百CCクラスの自家用乗用車におきましては十五万円程度の費用負担、こういうことになっておる実情でございます。
#38
○青木薪次君 千四百CC程度でも大変な金がかかるということが言えると思うのでありますが、走っても走らなくても二年に一回、定期的に車検を受けなければならない現行の制度というものは、私は不合理だというように思うんです。一定距離走行したら車検を受けるように改めるべきではないかと思うのでありますが、走行距離制度を導入すべきだと思うのでありますが、それができない理由とか、その点について、高い視野から亘理先生、ひとつ御意見をお伺いいたしたいと思います。
#39
○参考人(亘理厚君) お答えいたします。
 審議会におきましても、距離制を導入するということは十分審議いたしましたが、この期限を決める大きな要素は自動車、特に部品の寿命といいますか、耐久性でありまして、耐久性につきましては走行距離で決まるものと、耐用年数で、使わなくても年数が来ればだめになるものとありまして、したがってその両方で決めることが合理的かとも思いますが、それは非常にむずかしいことでありますので、現行の年数で決めました。そういうことでございまして、十分将来において自動車の寿命あるいは部品の寿命が延びましたら、恐らく年数と距離というものがだんだん近づいていくものとは思います。
#40
○青木薪次君 どうもまだ納得できないのでありますが、それではもう一度お伺いいたしますけれども、運輸技術審議会の中間答申では、整備料金算定の適正化のため標準整備作業点数表の活用を提言して、そしてこの標準作業点数表と整備料金の関係等について一体どうだろうかという意見というものがいま持ち上がっているんですね。その点についてはどうお考えになりますか。
#41
○参考人(亘理厚君) それは整備業に対してとかくの批判がございましたので、いろいろ検討をいたしまして、つまり作業の標準化ということは何らかの方法でユーザーに知らせるべきである。したがって、その作業に対してはまた単価も知らせるべきであるというような意見は出ておりましたが、そのことに対しては別な制約があると伺っておりまして、また審議会としてはそれ以上のことには進んでおりません。審議を進めておりません。
#42
○青木薪次君 整備料金については、その内訳が不明確な場合も非常にあるんですね。それからどの部品が交換されたのか、それすらはっきりしない場合があるんですよ。現にあるんです。どの点を整備し、幾らかかったかというような点について、整備料金の適正化ということがいまもお話が出たわけでありますが、なかなか地区によってもアンバランスがある。これをきちっとしてしまうと、今度は公取の関係も出てくる。しかし、ある程度の標準化というものがなければ、これはもうユーザーにとってはたまらぬですね。恣意的に金をとられちゃうというようなことを言われる場合があるわけですから。そういう点については、これは大臣にひとつお伺いしなければならぬと思うのでありますが、大変な問題になっております。その点ひとつお伺いしたいと思うんです。
#43
○政府委員(角田達郎君) 先に答弁さしていただきます。
 先生いまお話しになりました整備料金の問題でございますが、お話がございましたように、ユーザーの方からの整備料金につきましての苦情は大変出ておりまして、今回の車検整備の改善の大きな契機となっているんじゃないかというふうに私ども考えております。したがいまして、昨年の十月に運輸技術審議会から整備事業の改善のため、整備制度の改善に当たっての考え方ということで中間答申をいただいております。その中で、先生がいまおっしゃいましたような整備料金の適正化のための具体策を考えろと。たとえばこういうようなことをやったらどうかということでお示しいただきましたのは、標準の整備作業点数表というものをつくりまして、これこれこういうような整備の場合にはこのぐらいの点数がかかりますという点数表をまず業者にはっきりつくらせる。それで、そのある業者なら業者の一時間当たりのレーバーレートといいますか、作業料金、そういうものを事業場にはっきり掲示させて、ユーザーとしては、点数表とレーバーレートを見れば大体どのくらいの整備料金がかかるか御理解できると、こういうような形のものをやるべきだということで、昨年の十月、中間答申をいただきましてから、整備業界の団体に対しまして、至急いま申し上げましたような点についての実行策を検討しろというようなことで指導しておるわけでございます。
 ただいま先生からお話がございましたように、過去においては標準整備料金というものを業界で決めまして、大体こういうような整備については幾らというようなことを決めておったわけでございますが、公取の独禁法との関係もございまして、それが中止になって今日に至ってまいったわけでございまして、ただいま私が御説明しましたようなことで料金の適正化を図っていく、それからお客様には整備の内容をよく御説明する、それからどういう部品を取りかえたかもよく説明をするというようなことを今後十分に業界を指導してまいりたいと、かように考えております。
#44
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま局長から御答弁申し上げたとおりと私も聞いております。ただ問題は、なかなかユーザー自身が技術的な知識がございませんから、ごまかされているんじゃないかというような気分を持つのは、これは人情だろうと思うのであります。しかし、いま非常に整備業界も過当競争でありますし、そうした意味において業界自身も、現状の中で不当な料金を請求することがいかに経営に大きなマイナスになるかということも十分認識しておると思うのでございまして、ただいま局長の申しましたようなことについても、業界自身が大変積極的に協力をして、そして整備料金そのものに対してユーザー側からの不満やあるいは不信を買わないように、そのような方向で努力をしておると聞いております。
#45
○青木薪次君 私は、先日運輸省のある人に、一体この点検整備に一両当たりどれくらいかかるか聞いてみたんですよ。そうしましたら、まあそんなにかかりませんね、五分だというんですね、平均五分だと。五分でもってできるのかと言ったら、さらっと見てしまうと。ちょっとその辺をたたいてみる、下手に点検整備するとかえって悪くなっちゃう、車がいいからね、というようなことを言った人が実はあるわけです。
 で、この旧態依然たる形で点検整備する項目について羅列するよりも、私なんかはもう毎日東名高速道路ひた走りに走っておりますから、ブレーキ装置というのが非常に心配なんですよ。ブレーキ装置なんかについてもコンピューターによって悪いところを知らせるけれども、今度コンピューター自身が悪くなってしまう場合があるんですね。そういうようなこともありますから、そういう点について、点検項目についてもこの際改正すべきだ、こういうように考えているわけでありますが、この点いかがですか。
#46
○政府委員(宇野則義君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、運輸技術審議会の審議の過程におきましても、新しい時代に対応した点検を行い、それに適正な整備を行うべきである、こういう審議がなされたわけでございます。
 したがいまして、今後この定期点検の点検項目を検討するに当たりましては、やはり技術の進歩に対応すべく、部品等の信頼性、耐久性が向上したものだとか、あるいは構造上機能低下が少ないもの、あるいはただいま先生御指摘のございましたように日常の使用状態を絶えず見ることによって判断できるもの、あるいはそれの仕業点検にゆだねていいようなもの、こういうような物差しを当てまして大幅に簡素化をすべきである、こういう指摘をいただいておるわけでございまして、日常点検、それから法律の中では「運行前点検」という言葉になっておりますが、運行前点検の項目の検討、それから六カ月点検、十二カ月点検、二十四カ月点検等の点検項目の検討を現在進めておる段階でございます。
 なお、御参考に申し上げますならば、数年前にもこの定期点検の項目の見直しを行いまして、従来から安全の強化あるいは公害防止ということでずっとこの点検項目は強化されてきておったんですけれども、前回の改正におきまして、現在の車にふさわしい形の点検項目ということで見直しを実施いたした経緯もございます。
#47
○青木薪次君 亘理先生にお伺いしたいと思うのでありますが、いま大臣はユーザーが自動車の知識が余りないと言われたんですが、確かにないでしょう。しかし、それとともに整備業者の場合にも、なかなか、いまも整備部長がおっしゃったように、自動車技術が進歩発展したということになりますと、今度はその整備業者自体が今日の車の近代化に追いついていけないということがいま起こっているわけですね。そういう点について、幾ら自動車部会長がいい提言をしても、問題はオウム返しのようなものであって、政府が本当にそのことを守ろうという気持ちがなければ何にもならないと思うのでありますけれども、いままで議論した中に立って、運輸技術審議会としては、特に亘理部会長としてはどういうようにこの点についてお考えになっておられるか、お伺いいたしたいと思います。
#48
○参考人(亘理厚君) お答えいたします。
 いま先生の御指摘のとおり、自動車のユーザーの知識のレベルも平均的にダウンしておりますし、特に整備の技術者の能力も落ち、また最近の進歩にとても追いついていかないということも考慮されますので、この答申の中ではたしかこの整備員の教育研修ということを一つうたってあると思います。それから、今後やはり勘に頼らない、別の手段で点検チェックをするということも考えていかなければならないかと思います。
 それでよろしゅうございましょうか。
#49
○青木薪次君 あなたも時間的な制約もあるようでありますから、もう少し自動車部会としては政府にきちんと高い視野に立ってひとつ指導と助言といいますかね、八条機関だと思うのでありますが、そういう立場に立って、ある意味では公取のような性格を持った、三条ぐらいの大きな権限を発動するくらい、堪能な皆さんがいらっしゃるわけでありますから、これからひとつそういう立場で提言をしていただきたいということもお願いいたしまして、まだ聞きたいこと山ほどありますけれども、きょうはこれでお引き取りを願って結構でございます。
 運輸省にお伺いいたしたいと思うのでありますが、年々増加する自動車台数に対して国の検査施設の整備が追いつかない、検査場の混雑が続いているという状態だと思うんです。十分な検査が行われないということになりますと非常に問題だと思うのでありまして、今後の検査場の整備計画や検査要員の、増枠をしておらないと言うけれども、この際、検査要員の増員をやらなければこれはもう的確に検査できないと思います。その点についてお伺いいたしたいと思います。
#50
○政府委員(角田達郎君) 車両数の伸びに応じまして検査要員が当然に必要になってまいるわけでございます。ただ、車両数が物すごく急激な伸びでございます。それに比例いたしまして検査要員をふやしていくということになりますると膨大な検査要員が必要になるということで、私ども検査、登録の事務の合理化、それから検査をやる際の機械設備の自動化とかそういうようなものを懸命に努力しているわけでございますが、ただ、やはり自動車の伸びに応じまして検査場のコースの増設等はやっていかなければならないわけでございまして、そのコース増に伴う検査要員の増、こういう現在のような非常に財政状態の厳しい折でございまして、定員増はなかなか政府部内でむずかしいわけでございますけれども、現在のところは私ども一生懸命努力いたしまして必要な増員は確保しているつもりでございますが、五十六年度で申し上げますと、私どもの全国の陸運事務所の検査要員は一千五十八名ということになっております。今後検査施設の増、そういうものに対応した増員につきましてはできるだけ努力してまいりたいと、かように考えております。
#51
○青木薪次君 自動車のメカニズムが非常に複雑になってまいりましたので、いままでも議論したわけでありますが、整備技術の向上が必要だ、自動車整備士に一定期間研修制度というようなものをつくる必要もあるのじゃないかということもこの際提言をしたいと思います。
 それから、特にユニット交換とかアセンブリー交換というようなものが非常に行われておりまして、整備内容が変化をいたしております。そのために整備料金がきわめて高い、青くなってしまうくらいお金を取られるというケースが非常に多くなってきておりますので、その点もいまの問題と符合いたしまして、やはり自動車メーカーへの指導なんかともあわせて検討すべき時期ではないだろうかというように考えているわけでありますが、その点いかがですか。
#52
○政府委員(宇野則義君) 現在の自動車の安全確保、公害防止のために車をどういうふうに守りをするかということにつきましては、先生御指摘のような問題点が幾つかございます。一つは、整備工場の整備工の技術の向上ということが一つございまして、私どもも、これまで整備士という国家検定の制度を運用いたしまして、当初から一定の技術を持った者を有資格者として認定すると、こういう形をとってきておるわけでございますが、いま先生御指摘のように、自動車の技術が日進月歩でございます。したがいまして、現在整備業界に指導しております内容といたしましては、生涯教育の必要があるということで、整備業界の構造改善という近代化の中で、知識の集約化と言っておりますが、ただいま言いました生涯教育をする場を逐次充実していく、こういう指導を現在しておるところでございます。
 それから、ユニット交換の話もございましたが、これも確かに技術の進歩とともにユニット交換でいわゆるブラックボックスというような部品が出てまいりました。したがいまして、これはある意味では車の保守管理の合理化あるいは整備の合理化ということで、ユニット交換ということを推奨してきたこともございます。しかしながら、いま先生御指摘のように経費、費用等の問題もございます。したがいまして、車両構造に見合った形で車を整備していくという大原則を立てながら、個々の部品についてはそれぞれの差が出てくると思います。そういう差を間違いなく整備の際に実施できるようにしてまいりたいということで、先ほど亘理部会長に御質問がございましたように、整備業界でユーザーの方から車の点検整備を依頼された場合に、最初に予診といいますか見積もり等をやりまして、さらに途中で見積もりをした項目と大きく違うようなあるいは費用が極端にかかるような部位が出てきた場合には、その段階においてユーザーの依頼者に対して事前の了解を求めておいて整備にかかるとか、あるいは整備終了後には請求書の明細をつくりまして整備した個所が十分わかるようにする、あるいは交換をした場合には部品等をお示しするというようなきめ細かい取り扱いをしつつ、ユーザーと整備業者との間のトラブルが発生しないように努力をしてまいりたいということで現在指導をしておる段階でございます。
#53
○青木薪次君 いま部長の言ったようなことを励行すれば、それはもう全く満点ですよ。そういう点がないところにいろいろトラブルが起きているということですから、それはひとつ私の質問を契機としてもう一度わかりやすく指導徹底をしてもらうというようにお願いいたしたいと思うんです。
 それから、車検を受けた車で不合格になる、点検整備が不良でね、そういう件数もふえていると聞いておりますが、それは大体どの程度ありますか。
#54
○政府委員(宇野則義君) 車検の際に不合格になる率、私ども再検率と申しておりますが、五十五年度の実績について申しますならば、一三・七%が再検ということで再度車検場に車を持ってきている車でございます。
 過去の推移を申し上げますと、大きな流れといたしましては若干ずつ減少の傾向を示しておりますが、途中の段階で規制が非常に厳しくなる、特に排ガス規制等が厳しくなった時点には一時期的にこの再検率が増加する、こういう経緯もたどってきておるわけでございます。
 一三・七%のおよその内訳を部位別に申し上げますと、やはり比率的に大きいのは前照燈等のランプ関係で不合格になる率が大体三分の一程度ございます。そのほかに非常に重要な部位でございますところのかじ取り装置が六%、それからブレーキ関係の装置が一〇%というようなことで、さらに排出ガスで不合格になるものが八%というような比率を占めておるところでございます。
#55
○青木薪次君 西ドイツやスウェーデンでは車種別に車齢別にこれを公表しているんですよ。日本もそのことをひとつ参考にしていただきたいというようにお願いいたしたいと思います。
 それから、車の過剰整備とか手抜き整備というものが問題になっておりますね。こういうようなものについてはやっぱり厳しく対応してもらいたい、こういうように思います。
 それから、車の不法改造がやはり問題になっております。先日も高松のある業者が逮捕されていますね。この点について件数はどれくらいになってきておりますか。
#56
○政府委員(宇野則義君) 不法改造自体の件数というのはちょっと私どもつかみかねております。
#57
○青木薪次君 これは一応調べてみてください。そうしませんと、このごろ特に不法改造する部品やその他そういうものをつくっている工場ができてきているんですよ。そうしますと、たとえば車検を受けたら、後はスプリングを外しちゃって、そして非常に、車の高さというんですか、低くして走っているとか、マフラーを外しちゃうとか、いろんなことが行われていますよね。それで大きな音をたてて走っているとか、そういうようなことがありますので、それはひとつ厳禁するというようなことについて、私はこの際ひとつ運輸省の決意を聞いておきたいと思うのでありますが、いかがですか。
#58
○政府委員(宇野則義君) 先生御指摘のようにいろんな車の部品、用品というものがいわゆる補給部品というような形で町で売られております。残念なことに、車の部品というのはそれぞれの車に適した部品を使っていただくということでございまして、あるAという車のためにつくりました部品をBという型式の車に使用した場合に、適しているか適していないかという問題が出てくるわけでございまして、必ずしもすべての部品そのものが部品として置かれている状態でぐあいが悪いということはちょっと言い切れない点がございます。したがいまして、これまで、非常に極端な例として例示をいたしますならば、二輪車のハンドルの変形ハンドルというのが実は出回った時期がございますが、こういうものにつきましては、私どもの方で基準をつくりまして、この基準に合致しない変形ハンドルは不正改造に該当するというようなことで指示を出した事例もございますけれども、ただいま先生御指摘のように、私どもも不法改造車というものは追放すべく努力をしてまいりたいというふうに考えております。警察当局等とも十分連絡をしながら、先生御指摘の方向に向かって努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
#59
○青木薪次君 国の検査にかわって検査を行う指定工場における手抜き検査がいま非常に行われ、後を絶たない現状でありまして、この立入検査なんかについてもやっていると思うのでありますけれども、その実情と指導監査官の配置状況とこの監査結果について、簡単に説明してもらいたいと思います。
#60
○政府委員(宇野則義君) 現在、俗に言われますところの民間車検工場、指定整備工場に対する監督を運輸省が実施いたしておるわけでございますが、この指定工場に対します監督状況について御報告申し上げますと、監督要員が五十五年度の数字で申し上げまして二百十三名でございます。この二百十三名が延べ三万七百四十工場に対しまして監査を実施いたしております。これはほぼ一工場当たり年間に一・七回という数字になっておるわけでございますが、この延べの三万工場を対象に監査をいたしました結果、処分、たとえば指定の取り消しだとか、あるいは保安基準適合証というものを発行しておりますが、この発行停止等々の処分をした実績が重大なものについて六十三件ございます。それから、軽微な違反ということで警告にとどめたものが二千七百九十四件ございます。以上が五十五年度の実績でございます。
#61
○青木薪次君 民間車検場と言われる指定工場の指定の状況についてお伺いしたいと思うのでありますが、これは地域的なアンバランスはないだろうか。運輸省は指定率を七〇%にまで高めたいということを言っておるようでありますけれども、これは実現可能だろうかどうだろうか。指定率を高めるためにどんな方法があるだろうかという点についてお伺いしたいと思いますし、指定条件といいますか、それを緩和するということについて考えているかどうかをお伺いしたいと思います。
#62
○政府委員(宇野則義君) 順序を追ってお答えいたしますが、最初に、これも五十五年の数字になりますが、約一万八千工場ほどの指定工場がございます。全国の分布率について申し上げますならば、地区によって若干差異がございます。抽象的といいますか、性格的に言いますと、都会地は非常に立地条件等が厳しゅうございまして、この指定工場の数というものの増加が鈍うございます。それから一方地方都市、地方におきましては比較的そういう条件がいいということから伸びてきておるわけでございます。
 次に、指定整備率でございますが、五十五年度で六割弱、五九・二%だったと思いますけれども、全国平均でそういう数字になっておりますが、これも地域によりましてかなり差異がございます。たとえば北海道地域あるいは新潟区域におきましては、先ほど先生御指摘のように私どもが一応の目標としております七〇%を超えるような状態になってきております。それに対しまして、先ほど言いましたように大都会を持っております地域、東京あるいは名古屋、大阪といったような地域が全国平均よりも低い数字になっておるのが現状でございます。
 次に、指定整備工場の拡大方策でございますが、これまで私どもが指導してまいりました点は大きく言いまして二点ございます。一つは、工場数をふやしつつ指定整備扱いの件数をふやしていくという方法。これにつきましては、現在整備業界が構造改善計画に従いました近代化作業をやっておりますが、この構造改善計画の中で企業集約という方法を取り上げて国が助成をしております。具体的には、協業組合をつくってそこに民間車検工場を置くというような方法で集約化を促進することによって工場をふやすというやり方が一つございます。それからもう一つは、現在あります指定工場が一工場当たりの年間の取り扱い台数をふやす、こういう方法。これにつきましてはかなり個々の企業が内部合理化を図りつつ、料金の抑制とかあるいは低減というようなことも踏まえまして、一工場当たりの取り扱い台数をふやしていくという方法。大きく分けましてこの二つでございます。
 今後の問題点といたしましては、車の伸びがかなり抑えられてきておりまして、従来のように整備需要が爆発的に伸びるという状態を通り過ぎております。したがいまして、これらの二つの柱に従って指定整備の拡大を進めてまいりたいということで努力しておるんですが、そのためには地域別の車両数の分布、あるいは車両の増加傾向、あるいはそこに、地域にあります整備工場の数、こういうものを細かく把握しながら地域別に指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#63
○青木薪次君 現行法上、自家用乗用車と同様の取り扱いになっている軽貨物自動車とか小型二輪車の新車の車検有効期間というものも、これもやはり二年を三年にしてほしかった、こう思うのでありますけれども、そのされない理由についてお伺いいたしたいと思います。
#64
○政府委員(宇野則義君) 運輸技術審議会で、車の維持状態の実態を把握しながら検査期間がいかにあるべきかということを検討してまいりました結果、自家用乗用車につきましては、ただいま先生おっしゃられましたように、新車の初回二年を三年にすることは可能であるという結論に至っておりますが、そのほかの車種につきましてもマイカー、自家用乗用車と同じような手法を使いながらそれぞれの車種について検討をいたしました。その結果といたしましては、要整備個所の発生状況の違い等々がございまして、小型の軽のトラックあるいは二輪車につきまして、やはり現状を維持すべきであるという結論に達した次第でございます。
#65
○青木薪次君 現行法上営業車並みに車検期間が一年となっているレンタルの乗用車ですね、レンタカー業界は、使用実績が自家用乗用車とほとんど変わらないので、車検期間を自家用車並みにしてほしいと希望しているのでありますが、これも前の質問と同じように、その改正されない理由についてお伺いいたしたいと思います。
#66
○政府委員(宇野則義君) 先生御承知のように、レンタカーは現在タクシーと同じような形で検査期間が一年ということになっております。これはレンタカーの使われ方というものが、不特定多数のお客さんを相手に車が使われるということがございまして、厳しいサイドに規制をしておるわけでございまして、レンタカー業界から要望があったことは私どもも承知いたしておりますけれども、レンタカーの使われ方というのが非常にばらばらでございます。必ずしも、走行キロが伸びないというレンタカーの事業者の車もございますし、結構走るという車もある状態でございまして、先ほど言いましたように、レンタカーの使われ方ということを判断した結果、現状に維持すべきではないかというふうに考えておるわけでございます。
#67
○青木薪次君 定期点検の整備については、六カ月点検と十二カ月点検、二十四カ月点検、これらについて、やはりこの点検項目の簡素化ということについて検討する必要な時期にもう来ているわけですね。この点についてひとつ説明してもらいたいと思います。
#68
○政府委員(宇野則義君) 定期点検には、ただいま御指摘ございましたように、自家用乗用車につきまして申しますならば、六カ月点検、十二カ月点検、二十四カ月点検という項目がございます。これらの点検種別ごとに運輸技術審議会でも検討がなされまして、最初に、六カ月点検につきましては大幅な簡素化が可能であるという答申になっておるわけでございます。しかしながら、装置、部位等によりましては、やはり六カ月ごとにどうしても点検をする必要があるという個所が依然として残るわけでございまして、運技審の答申におきましても、ブレーキ関係が主体でございますけれども、六カ月ごとの点検を残すべきだという結論になっております。全体としては六カ月点検はかなりの簡素化が可能であるというふうに判断をいたしておるわけでございます。
 それで、六カ月点検をそういう形で日常の点検にゆだねた方がいいもの、あるいは寿命等があるいは性能が向上したために、六カ月ごとに点検しなくても、十二カ月ごとに点検すれば十分であるというような項目も出てくるわけでございまして、そういうものにつきましてはまた十二カ月点検で実施するわけでございますが、十二カ月点検は十二カ月点検といたしまして、やはり寿命の改善、性能改善あるいは使われ方の、傷みぐあいの実態等を物差しにいたしまして十二カ月点検、二十四カ月点検についても見直しをする必要がある。ただ、十二カ月点検、二十四カ月点検については六カ月点検ほどの簡素化はむつかしいのではないか、若干の簡素化は可能であると考えるということで答申をいただいておりますが、これらの答申に従いまして、私ども、現在それぞれの定期点検につきまして鋭意検討を続けておる最中でございます。
#69
○青木薪次君 定期点検につきましては、新車だけ六カ月を廃止したというこの理由ですね。そして車の性能が非常によくなっているんですから、やはり新車だけでなくて継続車についても六カ月点検を廃止すべきではないかというように考えておりますが、いまも部長から、六カ月点検についてはもう廃止の方向に向かっているというニュアンスを受けたわけでありますが、この点はひとつ前向きに検討すべき時期に来ていると、こう思いますけれどもいかがですか。
#70
○政府委員(宇野則義君) 新車の六カ月点検につきましては、運輸技術審議会でかなり議論がなされたところでございます。
 実態的に申し上げますならば、新車の六カ月点検の際の点検個所等を実際点検をして整備する状態を調べてみますと、使い始めてから最初の時期におきますところのたとえばネジの増し締めといったような非常に調整的な整備項目が多くなっております。一方におきまして新車を売った場合に、売った販売店サイドでの車のアフターサービスという形から、ある半年程度までの無料点検というような形でサービスをいたしております。これらの両方の実態を勘案いたしますと、自家用乗用車の新車については六カ月点検を廃止してもいいのではないかという結論になったわけでございまして、その他の六カ月点検の必要性につきましては、車がだんだん古くなりますと、やはり傷みがだんだん出てくるわけでございまして、新車の六カ月時点での傷みぐあいと古い車の六カ月ごとの傷みぐあいというものは内容的にも違ってきておるのが実態でございます。したがいまして、そういう実態を十分踏まえた上で、過剰整備にならないようなむだな点検あるいはむだな整備をなくすということから、この項目を一応洗い直して合理化を図っていく必要があるということで、制度としては六カ月点検はやはり残しておく必要があるという指摘になっておりますので、その線に従いまして私どもも作業を進めてまいりたいというふうに考えております。
#71
○青木薪次君 私は、年一回の定期点検を充実すれば六カ月点検はこれは必要はないというように考えていますから、これは意見の食い違いというものだと思うのでありますが、しかしそういう方向に私は来ている。いまおっしゃるように、ネジを少し緩んだのを締める程度だったら、これは日常やっぱり自己の責任で点検をする、この基本原則から言ってみてそういうことが正しい。十二カ月点検を充実するということによって六カ月点検は廃止できると、こういうように考えているわけでございます。
 それから、この際、大臣にお伺いいたしたいと思うのでありますが、定期点検整備というものは自己責任で行う、いまも言ったとおりでありますが、これが原則になっているにもかかわらず陸運局長の指示の規定を加えて報告を義務づけて、違反者に十万円の過料を科すということにした理由はどうしても納得できない。もう少しほかに政治的意図があるものだというように考えざるを得ないわけでありますが、ある業界の方ばかり向いているということについては大変問題がある、こう思うのでありますが、もう一度答弁をお願いいたします。
#72
○国務大臣(小坂徳三郎君) この過料につきまして、いま委員からお話のございましたそのような意図は全くございません。これはぜひ誤解のないようにお願いしたいと思っておるところでございます。
#73
○青木薪次君 この罰則を科すことについて臨調は、「たとえ秩序罰といえども、新たな担保措置を導入することは、答申の趣旨に照らし、極めて遺憾である。」と、異例の抗議声明を出しているんですね。この点について臨調の方、ちょっと説明してください。
#74
○説明員(吉田俊一君) 車検問題につきましては、臨調では昨年七月の一次答申、それから引き続きまして今年二月の第二次答申、いずれにおきましても具体的な改革の指摘をしてきたわけでございます。
 この答申では、第一点に国民負担の軽減を図ることを基本としながら、定期点検整備についてはユーザー自身の責任に基づくべきものであるという考え方を指摘したわけでございます。したがって、定期点検整備の励行のためにこのような新しい担保措置を導入することについては、答申の趣旨から見て遺憾であるという背景もございまして臨調の声明になった、このような経過でございます。
#75
○青木薪次君 いまの意見について、土光さんじゃないから、そのとおりのことをおっしゃったわけですけれども、大臣はいまの臨調側の意見についてどういうようにお考えですか。
#76
○政府委員(角田達郎君) 委員長。
#77
○青木薪次君 主任調査員だから局長が答弁するということじゃなくて、大臣が、土光さんが言っていると思って答弁してください。
#78
○国務大臣(小坂徳三郎君) たってのお話でございますが、われわれは今回の車検の問題につきましての改正案は、臨調から言われた基本的なラインは十分満たしておるというふうに思っております。
 先ほど来申し上げているように、過料の問題は、決して他の圧力だとかそうしたものではなしに、自主的になすべき定期点検というもの、善意のユーザーはこれを励行さえしていただくならば過料とは全く関係ないけれども、先ほど来委員もいろいろな面でお話がございましたような、いわゆる不正な整備をした車であるとか、あるいはまたその他前回も御答弁申し上げましたが、いろいろな面での白トラであるとかあるいは暴走等いろいろな問題がございますが、こうしたものに対してのみひとつ過料というものを科して秩序を維持するということをしたらいいだろうというような考えでございますので、臨調側からただいまのようなお話がございましたが、われわれは決して臨調の意図を故意に過料によってねじ曲げたつもりは全くないということを御答弁さしていただきたいと思います。
#79
○青木薪次君 土光さんの怒ったのは、この問題とそれから赤字公債の発行から新しく税の導入をする。増税なき財政再建がおかしくなってきたということについて大変心配しているということを聞きました。
 私は、臨調の提言している問題については大変な意見を持っておりますけれども、ほかのものを持っておりますけれども、いずれにしてもいいことはいいのでありますから、臨調の言っているこういう時期に過料を科すなんということについては、大体思想がよくないというように考えているわけでございます。
 いまの定期点検制度が昭和三十八年にできたんですね。それから何にも問題が発生していないにもかかわらずこの過料制度を突如として持ち出してきた。しかも、この点については、中曽根行政管理庁長官もそういうことについてはおかしいと言っているし、それから運輸省当局も過料を科すということについては全然考えていないという答弁さえ過去にしているわけであります。したがって、これは定期点検の実施率を高めるために必要だということ以外には私はないと思うのでありますが、罰則を導入すれば実施率が高まるというように考えていらっしゃるかどうか、これは自動車局長にお伺いしたいと思います。
#80
○政府委員(角田達郎君) 定期点検の整備につきまして、やってない車につきまして点検の指示をする。それから、指示をした後一定期間内に報告をいただく、その報告がユーザーの方から出てこなかった場合に十万円以下の過料を科すことがある、こういう仕組みを今回御提案申し上げたわけでございますが、この仕組みは、ただいま大臣から御答弁ございましたように、私どもは定期点検整備の励行策、そのためにユーザーの方々に定期点検をやってくださいという行政指導をするわけでございますが、その行政指導をするための最低限のぎりぎりの仕組みである、こういうような考え方でこういう仕組みを御提案申し上げたわけでございます。
 現行法でも定期点検整備は義務づけがされております。ただし、定期点検整備につきまして罰則の規定はございませんが、現行法でも義務づけは一応されているわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど来いろいろ御審議されております車検の有効期間の延長であるとか、それから定期点検の項目の簡素化であるとか、そういうものに対応いたしまして定期点検の整備を励行していかなきゃいかぬということ、これは運輸技術審議会の答申でも強く規定されているわけでございます。したがいまして、車の安全の確保あるいは公害の防止の観点からどうしても定期点検の実施率を上げていきたいという考え方で仕組みをつくったわけでございまして、この仕組みによりまして定期点検整備の実施率を今後向上させていきたいというふうに強く考えているわけでございます。
#81
○竹田四郎君 少し違った観点からお尋ねをしたいと思いますが、まず、運輸大臣は業界で長くお勤めになっていた方ですから、産業界の実情が非常によくおわかりだろうと思いますが、いま陸上貨物運送の経営の現況ですね、こういうのは全体的にどのような状態にある、こういうふうに御判断になっていらっしゃいますか。
#82
○政府委員(角田達郎君) トラック業界の現状でございますが、ただいま具体的な経営上の指標は持っておりませんが、輸送量は過去に比べて相当ダウンしております。路線トラック、それから区域トラック、いずれにいたしましても対前年比で輸送量はまだ減少ということにはなっておりません。四月ぐらいの時点で増加はしておりますけれども、二、三%あるいは四、五%の増というようなことで減少はしておりませんが、まず伸びが非常にダウンしているということ、それからかすかではございますが、いま申し上げましたように輸送量は伸びているけれども、収入の方が輸送量の伸びに応じて上がってきていない、こういうような状況にあるということを承っておりまして、これからの経済情勢に対応して、トラック業界というのは非常に困難な場面に立ち向かうんではなかろうかというような感じを私どもとしては持っておる次第でございます。
#83
○竹田四郎君 そこで、労働省の方にお伺いしたいと思いますが、最近、いま大体局長の言ったような景況だろうと思います。特にトラック業界の業態というのは、大きいのから小さいのまで実はあるということでありまして、競争が非常に激しいということであります。
 そこで、荷主から、競争関係で割り引かざるを得ないということが最近非常にきつくなっているわけです。ですから、私のところへ来るような、私のところへ来るのは小さな有限会社的な業者でありますけれども、一方では労働省の出している「自動車運転者の労働時間等」という通達、新しく新二七通達と、こういうふうにおっしゃられるそうでありますが、一方ではこれ廃止してくれと、こう言うんですね。何とか廃止するように努力してくれと、同じ人がですよ。片っ方では旧二七通達――この人は二・九通達ということを盛んに言っておりましたけれども、二・九通達を政府の方から荷主によく徹底してくれと喜べんですね。相反することを同じ業者が言うわけなんですね。これは、結局自分たちの営業をどう守るかという観点で二つの言い方をしていると思うんですけれども、私なんかの立場では、これはこの通達自体にも最後の方に、「貴職において」「関係労使団体及び荷主団体に対し同様の要請をすることとされたい。」と、わざわざこの通達にもつけ加えられているんですが、いま局長がおっしゃったようなそういう事態がこれからますます起きると思うのです。運輸省も、料金についてはある程度考えるだろうとは思いますが、料金考えたって業者が多いわけですから、これはどうしてもそういう面が出てくるわけですが、労働省として通達の中にもそういうふうに書いてあるんですけれども、最近おやりになったんですか。もしやらなかったとしたら、私はやっぱりトラック業界の発展のためといいますか、あるいは事故を少なくしたり安全運行ができるというためには、さらにいまの時期にそういうものを再度ひとつ明確にさしていく必要があるのではないか、こういうふうに思うのですが、どうですか。
#84
○説明員(野崎和昭君) 先生御承知のとおり、自動車の運転者につきましては、常態的に非常に長い労働時間の実態がございまして、それが過労運転による交通事故につながるというような問題もございまして、私どもとしましては昭和四十二年以来行政の最重点にいたしまして監督指導に努めているわけでございます。
 いまお話ございましたように、昭和四十二年当時はいわゆる二・九通達と言っておりましたけれども、五十四年にさらに内容を充実いたしました二七通達というのを発出して監督指導に努めているわけでございます。もちろんこの通達の実効を上げますためには労使の、両当事者の御理解と自主的な御努力が基本でございますので、この通達の内容を定めます場合にも労使の方にも十分お話しして作成しているわけでございますが、御指摘のように荷主の方の御理解も必要であるということで、昭和五十四年に通達を出しました際に、私どもの方から労働基準局長名で直接荷主の方々に対しましてもお願いの通達を出しているわけでございます。その後も機会あるたびに荷主の方も含めまして御理解いただくように努力しているわけでございますけれども、今後ともさらにあらゆる機会をとらえて周知徹底を図ってまいりたい、そのように考えます。
#85
○竹田四郎君 いま最後に、あらゆる機会をとらえてと言うんですが、国会でも私がこういうふうに問題にしたんですから、この段階で改めて労働省としてそういうことをさらに徹底させるというおつもりはございませんか。
#86
○説明員(野崎和昭君) 必要があればそのような措置をとるということで検討さしていただきたいと思います。
#87
○竹田四郎君 必要があるから私は質問しているんですからね。
#88
○説明員(野崎和昭君) 先生の御趣旨を体して検討いたしたいと思います。
#89
○竹田四郎君 これは運輸省にお伺いするんですが、先ほども青木委員からお話がありました過料の十万円というのは、私もこれはどうしてこんなものがここへ入ってきたか非常に理解に苦しむわけでありますけれども、この過料の十万円、どんな手続で取るんですか。そして、だれが、これは取るべきだ、いやこれは取るべきでない、判断するのは一体だれなんですか。
 そして、その救済措置は一体どうなっているんですか。そういうものがないと、ただ官僚の、あるいはだれがやるか、その判断者の恣意によってこういうものがやられることは私は理解できないわけですが、その辺の説明をしてください。
#90
○政府委員(角田達郎君) 過料を科す手続、それから救済措置の点でございますが、過料につきましては先生御承知のとおり、これは刑事罰ではございませんので刑事訴訟法でやるわけではございません。非訟事件手続法に基づきましてやっていくわけでございまして、まずその手順といたしましては、行政庁が過料を科すべき事案を認知した場合には、その過料を科せられるようなことをやっている人に対しまして、過料を科すべきである、それからその根拠条文、こういったものを記載いたしました公文書で、その人の住所地を管轄をしている地方裁判所に通知をいたします。それでその次に、通知を受けました裁判所は、原則として非公開でございますが審問を行うということでございます。それから裁判所は、必要に応じまして職権探知により証拠調べを行うということをやるわけでございますが、裁判所自身でいろいろな証拠調べをやることがございます。それで原則といたしましては、その過料を徴せられるような方の、被審人とこう言っておりますが、被審人の陳述を聞きまして、また、検察官の意見も求める、こういう手続がその次に出てくるわけでございます。それからその次に、裁判所が今度は決定を下すわけでございますが、理由を付した決定を下しまして、これを被審人本人の方へ通知をいたす。それによって過料を取るという決定の効力が出てまいるわけでございます。
 この決定に対しまして、二番目の御指摘でございましたようなそれを争う手続がどうかということでございますが、この決定に対しましては即時抗告ができる、こういうことになっておりますので、一週間以内に即時抗告をするというような場合がまた出てくるわけでございます。それで、この過料の決定がありましたときには、別途裁判所から検察庁の方にも通知があるたてまえになっておりまして、検察庁から本人の方に納入告知書が送付される。納入告知書の送付を受けた者が、告知書に記載されている金額の過料を検察庁に納付するというようなことでございます。
 大体手順等につきましては以上でございます。
#91
○竹田四郎君 大体、その住所地の地方裁判所に公文書を出すと判断する人はだれなんですか。
#92
○政府委員(角田達郎君) これはたとえば街頭検査で陸運事務所の検査官なりが整備不良車等をつかまえまして、定期点検をやっていないという事実が判明いたしましたときに、点検の指示をし、報告を出していただく。その報告が十五日と法律では規定しておりますが、報告が所定の期間内にありませんときに、これは何遍も行政指導は事実上するわけでございますが、どうしても過料を取るということで処置をしなければならないようなものと認めましたときには、検査官の方から裁判所の方に、この案件は過料を取るような案件でございますというような通知をすることになるわけでございます。
#93
○竹田四郎君 そうすると、その検査官の個人的な心証といいますか、そういうようなものがかなり作用する、こういうことは免れないわけですね。あるいは十五日間ということについても、私はいろいろ特殊な事情というのは人、人によってあり得ると思うんですね。しかし、それもその検査官によって果たして認められるのか認められないのか。いろいろあると思いますよ。病気だって、おまえそれは仮病使っているだろうということもあれば、本当に病気の場合もあるんですよ。そういうのが、ただ検査官の心証によってそういうことにやるということになると、私はこれは故意に、この問題はちょっと、答弁の中でも暴走族だとか特にねらわれているとかというような感じが非常にするわけです。そうなると、検査官の個人の心証によって公文書を出してやってしまう、こういうひとつの何というんでしょうか、魔女狩り的なものはどうして防ぎますか。そして、現実にそれが救済措置はあっても、これだけの手続によってやっていくということになりますと、現実にはこれに応じていくというのは大変なことだと思うんですよ。この辺のことは一体どういうふうに措置をされるおつもりですか。
#94
○政府委員(角田達郎君) ただいま検査官の判断によりまして、いま申し上げましたような手続をとるというふうに申し上げたわけでございますが、検査官が認めまして、当然その上の上司の陸運事務所長の決裁を受けた上で通知するわけでございますが、その運用の細部につきましては、これは私ども法律が通った段階におきまして十分な検討を加えて、恣意にわたらないような運用方針を出先の陸運事務所長あてに通達をする予定でございます。
 先ほど暴走族等と申し上げましたが、これは先ほど来、定期点検整備の指示、過料の徴収というこの一つの仕組みは、定期点検整備を励行していただくための一つの行政指導といいますか、お願い、ユーザーに対するお願いを実効あらしめるための仕組みというふうに私ども考えておるわけでございまして、過料を取ることが目的ではございません。こういうことでございますので、その適用対象につきましても、私ども陸運事務所の検査官、総勢検査担当職員は千五十八名程度でございます。これが春、夏、秋の交通安全運動の期間に街頭に出てチェックするわけでございますので、おのずからチェックする対象というものを重点をしぼらなければならないわけでございます。その重点をしぼる対象といたしまして、これは前回の当運輸委員会におきましても局長あるいは大臣から御答弁申し上げておりますように、違法な白トラとか、あるいは違法な行為をやっているダンプカー、それから整備不良車等を中心にいたしましてこの運用をしていくということで、運用に当たっては十分慎重な配慮をしてやっていく所存でございます。
#95
○竹田四郎君 大体初めはみんなそう言うんです。そう言うんだけれども、大部分の例はおっしゃるような例が多いと思うんですけれども、中にはいま私の申し上げたようなことがないという保証は私はないと思うんですね。いまも運営についてはまだ決まっていないと、こういうお話ですし、やっぱりこれ十万円取るんですからね、十万円という金というのはそう私は安いものじゃないと思うんですよ、取るんですからね。それが間違いによって取られるとかいうようなことが仮にあっちゃいかぬし、あるいはそれがねらわれて、あいつからひとつ十万円を取ってやろうというねらいをつけてそういうふうにやられたとしたら、これはたまらないですよ。その辺は、ひとつこれはそういう間違いがないようにしてもらわないと困るんですがね。これ特に念を押しておきたいと思うのです。
 それから、時間がありませんから十分話ができるかどうかわかりませんけれども、私の方の主張をいたしますと、今度のこの道路運送車両法の改正というのは、先ほども臨調から話がありまして、国民負担の軽減の見地からこれをやれと、こう言っているわけですね。私も二年を三年にするということは賛成です。しかし、この重量税というのはこれは三年取るんでしょう。あるいは自賠責の保険料というのも三年分取るんでしょう。そうじゃないんですか。これは一年一年に戻してくれるんですか、どうなんですか。
#96
○政府委員(塚越則男君) 自動車重量税の関係で御説明申し上げますが、その点につきましては、自動車重量税は車検時課税をしておりまして、その税率はその車検の有効期間が二年のものと一年のものとあるわけでございますが、二年のものは三年のものの二倍になっております。こうしたものとの関連から言いまして、今回新車の分の車検が三年になるということになりますと、現在の二年のものの二分の三倍というような税率になるというふうに考えております。
#97
○竹田四郎君 僕は、これは大蔵省は国民の金をむだに取っていると思うんです。二年で済むものをなぜ三年取るんですか。これ利子分まけるんですか、利子分まけるならこれはいいですよ。自賠責の保険の方はまけるんでしょう、利率分まけるんでしょう。なぜ重量税はいままで二年のものを三年取って、たとえ一万二千六百円ぐらいでしょうけれども、いままでは二年だった。三年だとすればそれだけ余分に預けて置くことになるわけですね、普通の金ならば。これ普通の都道府県税や固定資産税なんかでも一括納めれば利子分を差し引くわけですね、ある程度。重量税だけは三年取って、そこに利子分をまけるということをするのはあたりまえじゃないですか。大蔵省は、ですから三年目については一万二千六百円プラス利子分、利子分だけ多く取っているわけですよ。おかしいじゃないですか。これじゃ国民の負担の軽減どころじゃなくて、国民の負担が多くなっちゃう。こんなばかなことは私はないと思う。
#98
○政府委員(塚越則男君) 自動車重量税でございますが、これは税の性格と申しますか、そういう点を考えてみますと、自動車が車検を受けることによりまして道路を走行し得る権利といいますか、地位といいますか、あるいは利益を受けるという点に着目して課税を行っているものでございます。したがって、簡単な言葉で申しましていわば権利創設税であるというような御説明を申し上げてきたわけでございます。
 そこで、これは保有税とは異なりまして、期間対応というような考え方ではございませんで、権利ができたときにその権利に対するものとして税を取っているという仕組みでございます。そこで一年のものと二年のものと差があるのはどういうことかというお尋ねであろうかと思いますが、その権利についていわば権利の重さと申しますか、そういうものを考えてみますときに、たとえば普通の乗用車の車検一年のものと二年のものがあるわけでございます。仮に一年のものにいたしますと、全く税率が同じ場合には二年のものに比べて一回よけいにといいますか、二年のものでしたら一回で済みますが、一年のものですと二回検査を受けなければいけない。そのときに同じ税率の税を取るということになりますと、それはやはりその自動車重量税を払っている方の間の不公平の問題が起こるということで、いわば権利の重さということで一年のものにはこの税率、二年のものにはこの税率というふうに二倍にしているわけでございます。
 今度、それじゃ三年のものについて取るのはおかしいというお話になりますと、やはり課税の公平という面から問題が起こります。
#99
○竹田四郎君 公平じゃないじゃないですか。金利分が不公平じゃないか。
#100
○政府委員(塚越則男君) それから金利のお話でございますが、これも税率の性格の問題に絡むわけでございますが、権利についてそれが創設されたときに税金を取っているという考え方でございますので、期間対応して前払いをしているという考えではないわけでございます。車検をすることによって、そこで走行することができる法的な地位あるいは利益が出てくる、それに着目して税を取っているということでございまして、ある期間運転をするから、その分の前払いとして納めるという言い方ではないわけでございます。
#101
○竹田四郎君 あのね、あなたの言うのは間違いなんです、はっきりと。
 それでは自動車の車検というものは一体どういう形でできてきたんですか。一番初めから重量税はあったんですか。なかったはずじゃないですか。登録手数料というのが一番初めにあって、昭和四十六年になって、道路が傷んでしようがないから道路財源として重量税を取るということだったわけでしょう。それでは登録手数料はなくなっていますか、どうですか。あるんでしょう。いまだって登録手数料はちゃんとあるんでしょう。昔の車検ができた、車検というのか、車を走行することのできる一つの権利ですか、そういうものは重量税のないときにもあったんでしょう、どうですか。
#102
○政府委員(角田達郎君) 重量税のかかる前から登録の手数料、車検の手数料というものは存在しておりました。
#103
○竹田四郎君 重量税を払わなけりゃ道路を走れないわけでしょう、大蔵省の意見だと。それでは、いま重量税のかかっていない車両というのはたくさんあるんだけれども、それはどういうわけですか、権利のないものに走らせているんですか。
 重量税のかかっていないものにどういうものがありますか、ちょっと述べてください。
#104
○政府委員(塚越則男君) 先生お尋ねの点は大型特殊自動車のことを指しておられるかと思いますけれども、この点につきましては、確かに大型特殊自動車を運行の用に供するためには車検を受けることを必要とするわけでございます。それで、その車検を受けたものについて自動車重量税は非課税という規定が自動車重量税法五条一号として規定されております。
 それで、自動車重量税の権利創設税という性格からいたしますと、大型特殊自動車についても、車検を受けて道路を走行し得る地位を取得する以上これに課税するのが筋ではないかということだと思いますけれども、本税の課税の趣旨は、自動車の走行がもたらす社会的費用について広く負担を自動車の使用者に求めるということにございまして、大型の特殊自動車のように構造的に道路を走行することがまれな自動車についてまでこのような負担を求めることは、課税の趣旨にそぐわないということから非課税としているものでございます。
#105
○竹田四郎君 それでは、まれだということなら自家用車でも余り使わない、週に一回ぐらいしか走らないのに重量税をかけるのはおかしいじゃないですか。
 自動車局長、大型特殊の非課税になっているような車というのはどのぐらいあるんですか。これ、ずいぶん私はあると思う。
#106
○政府委員(宇野則義君) ただいま御指摘の大型特殊自動車は、五十七年の四月末現在で車両数三十万二千二百三十四両でございます。
#107
○竹田四郎君 これだけの車両、そのほかに僕はまだ若干、軽自動車の部類でもあるだろうと思いますよ。こういう三十万ものものはその権利を除外してやる。あとマイカーで日曜ぐらいにちょっと走るのはたっぷり取ってやる。おかしいじゃないですか。
 また、たとえば運転者と所有者の別な場合には、これ所有者にかかると思うんですね。この人は使わない、使わないけれども税金は取られている。私はそういう意味では、あなたの言っているところの、大蔵省の言っている権利創設税ではない。あくまでも道路の傷み、そのための財源として便宜取っている。そのほかのときには取りにくい。便宜取っている私はそういう税金にすぎないと思うんですよ。決して権利の創設などということ、そういうことではないと思う。
 大体、権利が年限切って一年分幾ら、二年分幾らなんというものはありませんよ。弁護士がそうですか。医者がそうですか。そのほかのものにしても、権利を認めるというのは一回認めたら年限はほとんどないですよ。だから、車もそうでしょう。一番初めは新規登録手数料でしょう。その次は検査手数料でしょう。違うじゃないですか。おかしいじゃないですか。どうですか。
#108
○政府委員(塚越則男君) 先ほど幾つかの御質問があったわけでございますが、まず第一に実際に走行することの少ない車両についてかけているのはおかしいではないかという御議論がございました。ただ、この点につきましては、大型特殊自動車というように構造的にそういうことが言えるものと、実際に形状は同じでありますが、これは使うか使わないかというのはしょっちゅう見ていなくちゃわからないわけでございますね、それを区分することができないということによるものだと思います。
 それから次に、所有者についても税金が課されているではないかという御質問があったと思いますが、この点につきましては恐らく自動車重量税法第四条の二項に規定されている連帯的に義務を負うという点の規定をお指しになっているものだと思います。この点につきましては、納税義務者は本来的には自動車の使用者でございますが、使用者が本来この税を納付しましてその確認を受けなければ自動車検査証の交付等が受けられないわけでございますから、納付額の不足ということはほとんどないということも考えられるわけであります。
 ただ、たとえば偽造印紙であってそれを貼付したということが後で発見されたような場合など、納付の際に発見し得なかったというようなことを想定しまして不足額徴収の規定を設けているわけでございますが、その場合に、たとえば親が所有者で息子が使用者といった場合、あるいは会社が所有者でその雇い人が使用者となっているというような場合など、資力のない者が使用者として自動車検査証に記載されるという例もございます。こういう場合に備えまして、本税の適正な執行上、所有者を連帯納税義務者とすることが必要であるというふうに考えたわけでございまして、いわば徴収上の徴税漏れを防ぐというための規定でございます。したがって、これによってこの税の性格が変わるというような問題ではないというふうに考えております。
#109
○竹田四郎君 あなたのおっしゃっていること、私どうも納得できないのです。これは細見卓さんが一番初めつくるときに、権利創設税みたいなものだと。ただそれを受け継いでいるにすぎないと私は思う。だから、これは私は大蔵省は再検討すべきだと思う。いつまでも細見さんの、早急の間に何か言葉の上でつくったことをいつまでも墨守しているなどということは私は正しくないと思うんです。私は法制局にも聞きました。内閣じゃないけれども、参議院の法制局に聞きました。権利創設税はおかしいと言っているんです。それをいつまでも私は大蔵省が墨守するのはよくないと思うんです。そういう意味では、権利創設税ということにいつまでもこだわっているということはよろしくない。
 運輸大臣、いま車というのは金持ちだけが持っているということじゃないんですよ、現実に。そうなれば、いま何か最後に所有者と運転者の話、資力が何だかんだと、こういうふうなことを言っておりましたが、いまそういうことが通用するというふうに私は思わぬですよ。ですから私は、これを三年にすることはこれは賛成です。そのかわり、重量税を一年ごとに取るか、あるいは取りにくいというならば、その金利分というのは当然引くのがあたりまえだ。それでなければ、国が余分に収奪している、こういうふうに私はなると思うんです。
 時間がもう来て、ほかの方に御迷惑かけちゃ申しわけないんですけれども、私は当然重量税は、三年にしたならば、本当なら二年から引くべきだろうと思いますけれども、まあ国の財布の関係もあるでしょうから、三年目については私は引くべきである、あなたの方が幾ら権利創設税と言っても、全く私は――それで私を説得ができたら、そのときにはそれでもいいですけれども、いまのところ私はどうしてもこれは三年目分のものは金利分だけは引きなさい、これが正当だと、こういうふうに思いまして、それで私はきょうは終わりたいと思います。
#110
○委員長(桑名義治君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#111
○委員長(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○梶原清君 冒頭から不適切な表現をいたしますことは慎まなければいけませんので、お許しをいただきたいと存じます。この法律案をめぐりまして、実は私が悪法仕掛け人だというようなことでおしかりの記事が散見をいたしておるわけでございますが、そこで、私のこの問題につきましての基本的な考え方をまず申し上げて、そして、御要望も申し上げたい、このように思うわけでございます。
 まず第一番に、今回この問題が持ち上がってきました背景には、車検整備に対するユーザーの根強い不信感があるということは否定できないところでございます。考えてみますのに、むだなことをすることは全くありません。ユーザーにむだな費用を負担していただくということも絶対に避けなければならないことは言うまでもありません。そこで、検討を重ね、努力を積み重ねて、国民負担軽減ということで表現されておりますところの車検整備に対するユーザーの信頼感を回復していく、このことがまず大切である、私はこのように思います。これがまず第一点。
 それから、従来、社会的な強い要請を受けまして、安全の確保なり公害の防止の施策をずっと進めてまいったわけでございます。政府全体としてこのことを大きなテーマとして取り組んでこられたわけでございますが、御案内のとおり、自動車は便利だけれども、それが走る凶器になってはいけない、公害の元凶になってもいけない、このことは絶対に避けなければならないわけでございまして、安全の確保と公害の防止を絶対損なうことのないように、それが後退することのないように努力をしていかなければならない、このことが第二点でございます。
 第三点といたしまして、整備業界の健全化の関係でございますが、御案内のとおり、現在、整備業界は全国に七万八千工場あります。もちろんディーラー系列の工場もありますけれども、その大半が経営主みずからが油にまみれて営々として働かなければならない零細工場でございます。その整備工場、整備業界が塗炭の苦しみを味わうということではいけない、深刻な打撃を受けさせてはいけないわけでございまして、今日非常に経済が冷え込んでおりますときに、転廃業をしてほかへ移るということもできない。そしてまた全国に七万八千もそういう工場がございます。それの監督をする要員というものも十分でないことは私みずからが承知しておるわけでございます。その整備工場の健全な育成ということを図っていかなければならない。
 以上、国民負担の軽減と安全の確保、公害の防止、最後に整備業界の健全化、この三つを十分配意をいたしながら、均衡のとれた、調和のとれた施策を進めていくということでなければならない、私はそのように理解をしておるわけでございます。
 いままで、この法案を御提出されるまでに運輸省当局では大変な御苦労をいただき、大変な御苦心をいただいたわけでございますけれども、これから残されておる道、これから努力をしなければいけないという部面がより以上多く、そしてより険しい道であると私は思うわけでございます。
 そこで、運輸省当局におかれましては、関係業界を初めとして関係者の意見を十二分に聞く、そして意見を十分すり合わして、実態もいままで以上によく見ていただいて、そして均衡のとれた施策を強力に推進していただく、こういうことをぜひお願いをいたしたい。自動車局長の任意の諮問機関として懇談会を設けておられるようでございますが、この場を大いに活用して、いま申しましたような均衡のとれた、調和のとれた、現実にマッチした施策を強力に推進していただく、こういうことを強くお願いをいたしたい、このように考えておる次第でございます。
 そこで、御質問をいたしますのは、二、三点でございますけれども、まず第一番に定期点検整備の関係についてお尋ねをいたしたいと思います。
 自動車が善良な状態に維持、管理されなければならない、自動車使用者が自動車を善良な状態に維持、管理をするということは、自動車使用者の社会的責任である、私はこう思うわけでございます。工場の中に機械がありますのも、これも常に点検整備をされるはずでございます。それから、エレベーターについても点検整備をしておることはこれはもう御承知のとおり、ましてや大ぜいの人が、またたくさんの車が利用するところの公道を利用するこの自動車が、善良な状態に維持されなければいけないということは当然でございます。したがって、道路運送車両法の一部を改正する法律が昭和三十八年に成立をいたしまして、ユーザーが、自動車使用者が点検整備をしなければいけないという義務規定ができたわけでございます。にもかかわらず、それの実施率が残念ながら五〇%前後にとどまっておる、こういう状態にあることは非常に残念に思うわけでございます。
 今回もいろいろの方々とのお話をいたします中で、また新聞記者の方のインタビューを受けます中で、あなたは定期点検整備の重要性を強調されるけれども、実際に整備不良によって事故が起きておる件数というのは非常に少ないんですよ、〇・〇六二%でございますと。なぜそんなにあなたは定期点検整備の重要性を強調するんですかという記者諸君のお話を受けてきたわけでございますが、私はそれはやはり納得ができない。なるほど警察庁の交通局さんから出ておりますこの資料によりますと、「第一当事者の違反別死亡事故発生件数」、五十五年で七千九百八十五件のうち、整備不良車運転によるものが五件だと、それを計算しますとなるほど〇・〇六二%になる。これでもって点検整備を必要としないんだと、こういうふうに言われるわけでございますけれども、私は納得ができない。
 また、警察庁さんから出されておりますいろんな統計、これも見せていただきました。そこで、交通局さんでいろいろ出しておられます統計資料につきまして、どのような角度から、どのような実態を踏まえて、どのような数字が出ておるのかということにつきまして、わかりよく御説明をまずお願いをいたしたいと、このように思うわけでございます。
#113
○説明員(福島静雄君) 午前中の御審議の際にも御答弁申し上げたところでございますが、私ども整備不良車両による交通事故という観点につきましては、車両的原因による交通事故というとらえ方をいたしているわけでございます。これがいわゆる整備不良車による交通事故であるという認識でございまして、この数字をお答えしたところでございます。
 したがいまして、繰り返して申し上げるわけでございますが、昭和五十五年中の検査の対象になっております車両の全事故件数が四十万七千六十一件、そして、そのうち車両的原因による発生件数が二千六百四十七件でございまして、比率といたしますと〇・六五%になる、こういう数字でございます。なお、これを死亡事故だけに限って見ると二・一一%になる、こういう数字になっております。
 なお、もう一つ別の数字について御質問の中で触れておられるわけでございますが、もう一つの方の数字は、これは要するに交通事故検査対象車両に限らず、全部の人身事故を母数といたしまして、そのうち要するに交通事故を刑事事件として処理する際に、整備不良車両運転という事実を業務上過失致死あるいは致傷の件名に加えまして、道路交通法違反の内容として立件送致をした事故の件数が三百五十五件と、こういうことでございまして、繰り返して申しますが、昭和五十四年中に四十七万一千五百七十三件の人身事故があったわけでございますが、そのうち整備不良車両運転という道路交通法違反をあわせて立件送致いたしました事故の件数が三百五十五件、これは〇・〇七五%ぐらいになる数字でございます。これは、以上御説明いたしましたように、事件処理の観点からの数字でございまして、先ほど申し上げました車両的原因による事故に比較いたしましてかなり限定された性格の数字であるというふうに御理解いただきたいと思います。
#114
○梶原清君 どうもありがとうございました。
 いずれにいたしましても、自動車は非常に便利な乗り物でございますし、そのために今日自動車が四千万台を突破をいたしておるわけでございまして、まさに車社会、そして、運転者の数、運転免許を取得しておられる人の数は四千数百万人に上っておるようでございます。まさに国民皆免許の時代に入っておると思うわけでございます。
 先ほど申しましたように、自動車が走る凶器になってはいけない、公害の元凶になってはならない、これは私は何人も否定することのできない事柄ではないかと思うわけでございますけれども、残念ながら陸運当局が警察庁さんの御協力を得て街頭検査をいたします結果、大体整備不良車が二〇%から二五%ぐらい、時と場所によって違いがあるかもしれませんが、二〇%を切れることがないという、こういう整備不良車の実態にあるわけでございます。整備不良の状態にあることが直ちに事故につながるとは言えませんけれども、しかしながら、自動車を善良な状態に維持しなければいけない。それが、あるほかの要因と重なって重大な事故になるわけでございます。そうして事故が起きた場合に、この自動車事故による死亡事故の四十数%が歩行者である、交通弱者であるというようなことを考えますと、やはり定期点検整備を十分にやっていただいて、的確にやっていただいて、部品の交換も十分的確にやっていただいて、車の維持、管理を十分にしていただく、これが私は大切ではなかろうか、このように思うわけでございます。
 とりわけ、安全の面から言いますとドライバーの方は非常によくわかるわけでございます。体で会得することが、感得することができる。しかしながら、公害の問題、排気ガスとかそういう問題になりますと、自分は余り知らないうちにほかの人に迷惑をかけるわけでございますので、十二分にこの定期点検を励行していただいて、車を善良な状態に維持、管理していくということ、そういう方向に政府としては指導をされなければいけない、十分な手だてを講じられなければならない、私はこう思うわけでございます。
 午前中の御審議に当たりましても、先輩の先生からの御質疑に対しまして、定期点検整備の励行策につきまして御答弁があったようでございますが、重ねて運輸省の定期点検整備の実施率を向上させることにつきましての御答弁、お考えをいただきたいと思うわけでございます。
#115
○政府委員(宇野則義君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、私どもが全国で実施しております街頭検査の結果につきましては、大体二〇%程度が整備不良ということで指摘を受けておるわけでございます。
 それから、さらに事故の件数につきましては、ただいま警察庁の方から御説明がございましたとおりでございますが、私どもの調べました資料によりましても、潜在的にまだ原因として含まれるものは五%ないし一〇%あるのではないか、あるいは副次的な事故、拡大事故まで検討すると大きく二〇%程度まで原因があるのではないかという調査結果も外国で持っておるわけでございます。そういう状態を踏まえまして、私どもは、潜在的な状態にありますところのこの整備不良の状態の車を何とか排除しなきゃいかぬということの一つの具体的な施策といたしまして、定期点検の励行、実施ということをこれまでも指導してまいったわけでございます。しかしながら、残念ではございますが、現状の実施状況が五〇%程度ということでございまして、まだ十分な状態に至っておりません。
 したがいまして、これらの点を踏まえた上で運輸技術審議会の方からも答申をいただいておるわけでございますが、定期点検の励行策を十分考えて、ユーザーの自主性を尊重しつつ、定期点検の実施の向上を図るべきであるという指摘を受けております。そのための幾つかの施策をこの法案の中にも織り込んでおるわけでございますけれども、そのほかに、私ども日常の業務といたしまして実施いたしますところの検査を通じてのユーザーに対する指導啓蒙、あるいは街頭検査等を通じての指導啓蒙というものをさらに充実してまいる必要があるのではないかというふうに認識をいたしておるわけでございます。今後とも十分交通安全のため及び公害防止のために、こういう点に留意しつつ仕事をしてまいりたいというふうに考えております。
#116
○梶原清君 具体的なことで大変恐縮でございますけれども、たとえば排気ガスの状態がどうであるか、こういう問題に対しまして、私はやはり排気ガステスターという適切な器具を利用してみなければいけない、ユーザーが自分の鼻でかぎ自分の目で色を見れば排気ガスの状態がわかる、私はこういうものでは絶対にないのではないだろうか、こういう個人的な考え方を持っておるわけでございますが、今後、いろんな省令等を立案されますときにこうした考え方も十分配意をしていただいて、公害の防止、安全確保ということについて十全の配意をしていただきたいということを御要望申し上げておきます。
 次に、整備業界の関係につきましてお尋ねをいたしたいわけでございます。またあわせて御要望もいたしたいと存じます。
 先ほども申し上げましたように、全国に御案内のとおり七万八千工場ある。その大半が中小零細規模の工場であります。町工場であります。いまでさえ過当競争で大変あえいでおる、苦しんでおる状況でございますのに、最近の数字を見てみましても、毎年千工場から千二、三百工場ずつふえておるのが実態でございます。そこへもってきて今度の制度改正によって仕事量が減ることはもうはっきりしておる。運輸省の試算によりますと、五年間に四・四%、八千五百億円の減収になる、整備業界トータルして八千五百億円、四・四%の減収だと試算をされておりますけれども、私は実際はもっと深刻な影響がもたらされるんではないだろうか。
 といいますのは、五十五年の暮れに車検と定期点検整備の問題が持ち上がりまして、そして五十六年、いろいろ論議が行われました。そこで五十五年と五十六年の定期点検整備の実施率の数字を見てみますと、対前年三・七%、四%近くの実施率の低下を見ておるわけです。すでに低下を見ておる。それが今回の制度改正によってさらに定期点検整備実施率が下がっていくということを前提にし、また運転者みずからが点検をされるような状態になりましたときに、整備業界なり特定給油所の仕事量が大分減ることは私は想像にかたくないと思います。四・四%より以上の影響があると思うわけでございます。そこで、そうした営々として働いておる町工場の仕事量が私の試算では恐らく六%以上七%ぐらい減るんではないか、そうしますと大変な経営難に陥ると、私はそのように思うわけでございます。一方、自動車のユーザーの方からすると、整備工場に対する不信感というのがあると思います。
 そこで、当然考えていかなければいけませんのは、この整備業界がどのように今後あるべきであるか。技術水準も高めていかなければいけませんでしょうし、構造改善事業を積極的に進めて、そして経営基盤の強化も図っていかなければならないだろう、私はそう思うわけでございます。午前中の御審議の際も、民間車検率がなかなか伸びないということでの御質問がございましたけれども、この民間車検工場をふやしていくためにも、いままでの状態のままで、いままでの取り組みだけでいいのかどうか、私はもう一度考え検討をしてみる必要があるのではないか。とりわけ構造改善事業を進める場合の、協業化を進める場合のいろいろの基準について、もう少し実態に即した基準の引き下げとかあるいは手厚い保護とか助成とか、こういうことを積極的にやっていかなければ、いまの状態のままの整備業界のあり方では私はだめだと思うんです。
 そこで、将来、整備業界というものはどういうような姿にあるべきか、どのようなビジョンを持ってやっていくべきかということについて、確立した考え方、統一した考え方をつくり出すべきではないか、そして業界を強く指導していただくという必要があるように思うわけでございます。
 今回提案された法律案では、私が特に心配をいたしております過当競争問題、これにつきましての一つの提案がなされております。新規認証につきましては経理的基礎が十分でなければ新規認証をしないという一つの施策が出ております。それも結構だと思います。しかし、現実に毎年毎年千二百工場ずつふえていく実態、一方仕事量がぐっと減る状態、ここにつきまして私は運輸当局の責任というのは非常に大きいのではないか、このように思うわけでございます。単に運輸省だけでなくて整備業界全部が一体となってこの問題に対処していかなければいけない、困難であるけれども対処していかなければならないと、私はそう考えておるんですけれども、整備部長のお考え方を示していただきたいと思います。
#117
○政府委員(宇野則義君) ただいま先生御指摘のように整備事業が約七万八千工場ございますけれども、大変な時期に差しかかってきておるわけでございます。これまで、整備業の健全化ということで中小企業近代化促進法に基づきますところの近代化の作業を進めてまいっております。現在、六十年三月末を目途に企業集約化と知識集約化を総合したところの構造改善事業を積極的に推進しているところでございます。こういう期に、この道路運送車両法の一部改正がどういう影響を与えるかということで私どもも試算したわけでございますが、ただいま先生から御指摘がございましたように、マクロに見まして五年間で四・四%の影響があるんではないかというふうに試算をいたしておるところでございます。先生御指摘のように四・四%という数字は全国をマクロに見た数字でございまして、それぞれの企業がどういう車を主として取り扱っておるかということによりましてその企業にとっての影響度が変わってまいります。また地域によりましても過当競争ぎみの傾向の強いところとそうでないところにおきましてもその影響度が違ってくるわけでございまして、私どもこれから整備業界を指導するに際しましては、そういうことを踏まえた上できめ細かな指導をしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、これからの整備業が健全な形で推移し、また自動車の安全確保あるいは公害防止にユーザーの方々の御理解を得ながら貢献をしていくためには、それぞれの事業者がみずから努力するということも当然必要でございますし、また厳しい経営環境に対応していくように努力することも必要でございますが、私どもといたしましても、これらの整備業界の実態を十分把握しつつ、それぞれの時宜に適した種々の施策をこれからも推進してまいりたいというふうに考えております。
#118
○梶原清君 最後の御質問でございますが、大蔵省さんにお尋ねをいたしたいと存じます。
 午前中も竹田先生からの御質問がございました自動車重量税につきましての御質問でございます。
 日本の国の税金、たくさん種類がございますが、二年分ないし三年分まとめて税金を納める、前取りをする税金というものが重量税のほかにあるのかないのかということをまずひとつお尋ねをさしていただきます。
#119
○説明員(伊藤博行君) お尋ねの重量税のほかにどのような税で数年分をまとめて取る税があるかというお話でございますけれども、それぞれの税はそれぞれの趣旨に基づいて課しておるわけでございます。全く同じ性格というものは、税によって多少差がございますので、あくまでも類似したという範囲でお答えすることになろうかと思いますけれども、たとえば登録免許税等の場合ですと、登録免許をするという時期において、その数年分ということではございませんけれども、以後の取得する地位に対する税として取得時に一括していただくというようなのも一例として挙げ得るのではないかというふうに思います。
#120
○梶原清君 実は、自動車重量税が創設されましたのはたしか昭和四十六年だったと思います。私が自動車局の総務課長をいたしておりまして、法令とかそうした担当でございますので、重量税の創設に参画したといいましょうか、この問題に取り組んだ経験があるわけでございます。当時、重量税といいますのは、道路損傷の費用を負担していただくんだ、社会的費用を負担していただくんだ、しかも、率もこのぐらいであるということで、政府間で話をまとめたように記憶しておるわけでございます。ところが、最近の御説明によりますと、いろいろ会議録等を読ましていただきますと、この税は権利創設税であると、こういうお立場で御説明をされておるようでございますけれども、どうも生い立ちといいましょうか、私どもが一番最初に御説明していただいたときは、自動車が道路を傷めるから、傷める度合いに応じて費用を負担していただかなければいけないと、こういうことで出発をしてきたように私は記憶しておるわけでございます。間違っておったらまた取り消しをさせていただかなければいけませんが、私はそういうふうに理解をしておる。
 そこで、竹田先生が午前中に御質問されました、現在自家用自動車は一年分のちょうど倍の二年分を納めている、納めなければ登録も受け付けてもらえないし、検査も通してもらえない、したがって走れない、こういう仕組みになっておるわけでございますが、今度三年に車検期間が延長になりますと、三年分まるまる納めなければいけない。税額が三年分ちょうどになっておるんですからと、こういう御説明かもしれませんけれども、庶民の感覚からしましたら、どうもその分、二年目、三年目の分の利子をまけていただくべきじゃないか、それを税額とすべきではないだろうかというふうに思うわけでございますが、これは竹田先生と同じ意見を持っております。これが一つの検討課題である。
 もう一つございますのは、先般の北陸路の豪雪によって自動車が大変に傷んで廃車をするケースがたくさん出ました。その場合に、廃車に伴って当然に自動車重量税の還付を受けるべきではないか、還付をしてもらうべきではないかという声が方々から起きてまいりました。私も、先ほど申しましたように、社会的費用を負担するという考え方をするならば、仮に二年ものの自動車が半年目にそういう廃車になった場合に、あと一年半分は社会的費用を負担する理由がないわけでございますので当然返してもらうべきだと。私はこれが庶民の感情ではないかと思います。ところが、午前中の御回答を聞いておりましても、またいろいろの機会に御説明を聞きましても、権利創設税だからだめなんだと、こういうことになってしまいますと、私は庶民の感情が許さないのではないだろうかと、こう思うわけでございます。理屈は確かにそうだということで御説明されましても、納税する方の庶民の感情というものがこれを納得するわけにいかない、こういうものがいまの自動車重量税の実態ではないかと思います。
 そこで一つの案といたしまして、還付することが大変であれば単年度納付ということはどうだろうかという意見が出てまいろうかと思います。なぜ還付するのが大変か。現在恐らく、私の記憶しておりますところ五千数百億円の税収があります。それの五%を仮に還付するとなりましたら、それだけ税収減になるわけですし、それの取り扱いのための要員なり経費なりというものがこれまたかさんでくる。現在の自動車重量税というのは非常に徴税事務費の少ない、そしてまた一〇〇%納税が担保できる、確保できる税金でございますので、私は、大蔵省さんのお立場からすれば、還付するのはいやだ、困るというお立場をとられることは大蔵省さんのお立場としてはよくわかるけれども、先ほど申しましたように庶民の感情が許さない。そこで一つの妥協案といたしまして、単年度納付にしたらどうか。一年ごとに重量税を納めていく、こういう考え方も一つできてくるかと思います。そうすると、還付問題に対する一つの解決策といいましょうか、一つの前進ということになるのではないかと、このようにも思われるわけでございます。単年度納付ということになりますとこれまた一つの大きな問題が出てまいります。いつ、どこで、どういうふうにして納税するのか、それをどのようにして担保していくのかというような問題が出てまいります。現在は印紙納付の形態をとっておりますから、またそれをめぐる問題というのが出てまいるかもしれませんけれども、しかし、このままの状態で自動車重量税を置いておいていただくことは国民の庶民感情が許さない、私はそう思うわけでございます。
 この車検制度の改正をめぐっていろいろ論議もありますけれども、その一つに自動車重量税のあり方というものがあるのではないか。これにつきまして、この十二月には税制調査会を中心として論議があろうかと思いますけれども、私は、できるだけ前向きの姿勢で庶民の感情にこたえてやってもらいたい、またそれを取り扱っておる整備工場なり販売店というのは非常に弱い立場の人でございますから、その人の立場に立ってこの問題を考えてあげてもらいたい、私はそう思います。整備工場が検査に行くときに立てかえて行っておるわけです。立てかえて印紙納付する。その間にはトラブルがあります、印紙を失ったり何かするトラブルがあるわけでございます。しかしながら、大蔵省さんから言えば、これは勝手にやっておるんだからと、こういうことになろうかと思いますけれども、この重量税をめぐって、私が四十六年に自動車局の総務課長当時取り組んだこの重量税が、そのようないま落とし子を生んでおるということにつきまして、大蔵省さんの本当に前向きの、真剣な御検討をぜひお願い申し上げたい、御要望をするわけでございます。
 御答弁はもう先刻十分わかっておりますが、ぜひこの問題について前向きに取り組んでいただく。それには単に大蔵省だけではこの結論は出ないと思います。いろんな、運輸省初め関係のところとの接触をしていただいて、そして妥当な案をつくり出していただくことを強くお願いを申し上げるわけでございます。御答弁は必ず権利創設税であるとかなんとかいうことになりますので、私はこれはまた政府部内での御検討に強く期待することにしまして、御答弁は結構なのでございますが、もし御答弁いただけるならばお願いいたします。
#121
○説明員(伊藤博行君) 法律的な問題等々、その他いろいろ含まれた御質問かと思います。
 まず、四十六年の創設時といまの説明と違うんじゃないかという点でございますけれども、現在も当時も私どもとしては変えておりません。というのは、権利創設税ということを御説明しておりますけれども、その背景にある考え方といいますか課税の趣旨というのは、やはり車の走行がもたらす社会的費用というのがバックにあることは確かだろうと思います。ただ、そういうものをどういう形で課税をするかという課税の方式というものの法律構成という点からまいりますと、これまでもたびたび申し上げておりますように、走行が可能になるというその法的地位の取得、そこに着目して課税をするという形で重量税が組み立てられておるというのは、当初からまた今日まで変わらず御説明しておる点かと思います。そういった税の性格から見てまいりますと、廃車還付の問題あるいは単年度課税の問題にいたしましてもなかなかむずかしいというのが率直なところでございます。
 最後の御質問の単年度ごとに納付するようにしたらどうかという点でございますけれども、これは法律的な側面は横に置きまして、実務的な面だけを取り上げてみましても、たとえばそのための納付手続をどうするか、これは税務当局だけではなくて納税者サイドにも相当いろいろな問題が出てまいります。あわせて税サイドといいますか徴収サイドのことを考えてみますと、相当膨大な費用なり人員なりを要する問題でございます。そういったような点から技術的にもなかなかむずかしい、それからそもそも論で言えば、権利創設税的な性格を持っておる本税としてはなかなか取りにくいということで、先生の御質問に対してはなはだ意に満たない、御趣旨に満たない答弁になって恐縮でございますけれども、非常にむずかしいという事情は御理解いただけるのではないかというふうに思います。
#122
○梶原清君 これを最後にいたしたいわけでございますけれども、車両法が制定されまして以来の非常に大きな制度改正だと思います。車検制度といいますのは、いままで安全強化、公害の防止を強化するという方向で歩んでまいりましたが、いろんな情勢、周囲の情勢から今回の法律提案になったわけでございますが、いずれにしましても国民の負担をさらにさらに軽減していく努力を積み重ねていかなければならないだろうし、そしてまた安全の確保と公害の防止につきまして、やはり毅然たる態度で臨んでいかなければならない。国民の全部の方が社会的責任が十分であるという人ばかりではないわけでございます。やはりそれ相応の施策、手だてを講じて安全の確保と公害の防止を図っていかなければならない。そして先ほど来申し上げておりますように、整備業界というのは本当の町工場が大半なのでございますので、経営主自身が油にまみれて汗をかきながら営々として働いておる整備業界でございますので、これの健全な発展を図ってやると、こういうことにひとつ十分の均衡のとれた施策を進めていただく、強力な施策を進めていただく、そのためには十分の関係者の意見を聞いて円満な行政をやっていただくということをくれぐれもお願いを申し上げまして、私の質問を終わらしていただきたいと存じます。
#123
○黒柳明君 臨調の調査員の方にお伺いします。
 午前中にもお話がありましたけれども、過料の点につきまして参議院で修正を望むと、こういう異例の談話を出したわけですが、事務レベルで、その時点におきまして、いま運輸省が言っているような、一般ユーザーには過料の問題は関係ないといいますか迷惑を及ぼさないんだと、あくまでも先ほども答弁ありましたように特殊なものだと、改造車だとか暴走族だとかあるいは白トラあるいは過積載のものとか、こういうものだけである、こういう見解をたびたび吐露しているわけでありますが、そういう範疇でもやっぱり過料罰則制度を適用するのはうまくない、こういうことなんでしょうか、検討の段階においては。
#124
○説明員(吉田俊一君) 車検の問題につきましては臨調で遺憾の声明を出したわけですけれども、これにつきましては、新たな負担について問題であろうという問題意識からでございまして、この細部について、私どもも承りますと、適用するのはマイカー等以外のものに限るというのは聞いておりますけれども、臨調の審議の中ではそこまで具体的な点に立ち入った議論は特にございませんでした。
#125
○黒柳明君 たしか衆議院で審議があって、参議院に回ってちょっとブランクがあったわけですね。それから、臨調がそういう異例の談話を出した時期あるいは衆議院の審議の段階におきましても、先般中曽根行管庁長官もいらっしゃったわけですけれども、あるいは自民党の運輸部会の中でも、盛んに一般のユーザーには迷惑かけないんだと、こういう発言の中に、特殊な車というもの、これを対象にするのだ、これだけだと、こういうことで、あるいは運輸省の方もしっかりした決まった見解をもってこれを国会に提案して、そして同じ発言をしてきたのかというのは、ちょっと私も議事録読んでみると疑問かと思うんです。少なくとも与党・政府間の話し合いというかあるいは責任者の発言の中には、何か食い違いがあったと、こういうことは感じていたわけなんです。
 それと、臨調の異例と思われる先ほど言った、土光さんが怒ったのは二つしきゃないと、そのうちの一つにしてはちょっと時間的なずれがあるんではないかというような感じがしてきたわけでありますので、検討のときの事務段階におきまして、果たしてそういう一般のユーザーに迷惑かけない――私はかけないかどうかというのは疑問だと思いますよ。かけないというこの運輸省の答弁が、実際に実施段階においてかけなくて済むという私は認識余りないんですけれども、まず国会における約束はかけないのだと、あくまでも五割というその点検について促進するのだと、この中で若干整備不良車というものを拡大できる、こういうことで特定の車を対象にと、こういう発言があったし、もしこれだと、これだけに限るとすると、あの臨調のいわゆる合理化、国民の負担の軽減、こういうものを趣旨にした臨調全体の姿勢として当然新しい負担をかけるということについては反対なわけです。
 参議院で修正しろと、これはわかるんですが、一般のユーザーに迷惑かけない、限定したものであると。悪、悪いもの、何回も言いますように、いまの運輸省の答弁ですと限られていますね、四つぐらいの例挙げましたね。それだけならば、別にいままでも道路の検査におきましては十万件ぐらいのうちの整備不良が二万、そのうちの千件ぐらいは直ちに整備不良として勧告を受けたその範疇に私も入るのかなと、こういうような認識もあるんですよ。一千件直ちに整備しろと。整備不良と指摘されたのは二万件ぐらいあるわけですな。そのうちの一万九千というのはやっぱり無罪釈放ですね、整備しようがしまいが。ですけれども、一千件についてはこれはもう直ちに改善、それで改善したという返事をとらなきやならない。とってきたと。しかも今度の法律が万が一成立する――もうこれ成立する見込みないですよ、明後日になりますと公選法で爆発しますからね。爆発しちゃったらこんなもの幾らやったって、きょう、あさっての論議なんていうのは、運輸大臣も腹の中では非常にむなしいものを感じながら、自動車局長なんか当事者ですからより、もう新任早々ですから、それで二日いじめられて、後しあさってになったらこれはもうバカーンと変なところで爆発しちゃってあらあらなんていうことになるわけで、私は一〇〇%いまの雰囲気ですともう成立見込みないと思うのです。
 それにしても、私は往々にしまして、失礼な話ですけれども、何か変なものが先行しちゃって、それによって認識が、先入観がありまして、どうも悪だ、悪だなんてことを、私、悪じゃないといって一どうも質問がややこしいな。悪じゃないと思ってないんですけれども、悪だ悪だと言っていることが本当によく認識してみますと、ああそうじゃなかったのかなという時点も、私、十七年間の国会の生活でたまにはある。このケースがそうであるとは言わないんです。臨調のこの発言と、いまの運輸省のたてまえにせよ、あるいは隠されたものがあるにせよ、特定のものについて、明らかにだれが見たって悪いと思うものについてだけこの過料を適用する、罰則規定を適用する、こういま言っている国会での発言、何回も繰り返していることだけに限った場合には、臨調のけしからぬと、参議院で修正せよというこの兼ね合いがどうも私、頭が悪いんでぴんとこないんですよ。
 だから、くどいようですけれどももう一回、臨調の事務レベルの責任者としてさんざんいろんなデータを集めて御論議もされ、それが次長、局長、部会長のところへ行きまして論議され、土光会長のところへ行って異例の談話と、こうなったわけでありますね。ですから、その震源地は主任調査員あたりが最大の震源地であると。会長が別にデータを集めて自分で研究したわけではないわけでありまして、それで発言がぽっと出た。それが間違いであるとか間違いでなかったとか、そんなことは私は探知する材料は何もありません。皆さん方が真剣になって、国家百年の大計の上に立ちまして検討した結果だと思います。その結果が、異例のああいう発言になって、参議院の野党として、反対の私たちとして非常に力をつけられて、質問がやりやすくなった、こういう観点なんですが、それと同時に、ひょっとこの時期的なかみ合いやなんかが果たしてどうなのかな、こういうことも感じられますものですから、いまの運輸省の厳密に限定されたとしたらば――仮定です、これは。したらば、その中においてでも新しい負担の軽減と、こうなるのか、新しいものとなるのか、あるいはそれは新しいものじゃなくて既成だってこういうふうに千件近くのものがあったんだからそれの延長線上となるのか。そうすると、あの談話というものはちょっとやっぱり時点が違っていたのか、そこらあたり、もう一回、ひとつお教えいただけますか。
#126
○説明員(吉田俊一君) その後の国会審議のお答えの中で、この制度は教育啓蒙的な役割りを果たすものであって、対象はしぼった運用にいたしたいというお話は伺ってございます。問題は、その臨調の審議の段階で、そういった前提のもとでどうなるかというところは、実は臨調の声明の背景がこれまでになかったような新たな負担をすることについて遺憾であるということで、その場合の前提として、じゃ、教育普及的なこういった程度であればよろしい、いや悪いと、そこまで詰めた議論はなかったのは確かでございます。
#127
○黒柳明君 そうなりますと、私は、わが党としては全面的に、臨調、土光会長がんばれと旗振りやっているわけですよ、すべての面でね。必ずしも政府・与党が臨調とぴったりなのか、これは疑問ですね。むしろ政府の方は臨調と対決し、あるいは与党の方は臨調を批判しているものが相当ありますね、ある局面においてはですよ。ところが、私たち野党ですけれども、臨調についてはもう大部分のところにおいてがんばれと、後押しをすると、理解を示している政党の一つなわけであります。ところが、私たちもこれを検討した段階において非常に臨調の異例の発言というのは、これはたしかことしの初めあたりでしたかね、それがもう大前提になっていまして、これはもう参議院で修正をかち取らずんば野党の面目なしと、こういう構えでいたわけであります。
 ところが、だんだん審議が進み、みずからも勉強をし、臨調さんも勉強をしてきたと思うんですけれども、そういう段階において、いま言ったような疑問が生じてきた。わが党としてはこれはもう絶対廃案なんです。公選法が十とすればこれはもう九・九九ぐらいの力で廃案の姿勢なんですよ。あたりまえですよ、十万の過料なんていうのは全くおかしいですから、臨調の姿勢が出ているんですからね。普通の諮問機関なんていうのは政府の一〇〇%の意向を酌んで出すのがいままでの諮問機関のあり方、臨調は別だとは言いながら相当やっぱり意思を通じてやっているわけであります。そうすると、これが誤解を相当私は個人的に持ってきた、少なくともわが党でもそれを前提に相当誤解を持っている人もまだいるんですね。そうなると、この問題、主任調査員が全面の権限は持ってないことは私はあくまでも承知の上でありますけれども、部会長、会長あたりによくやっぱり説明をしていただいた方がいいのか、いただく必要がないのか、あるいは異例の談話のまた談話を発表した方がいいのか悪いのか、私はそこらあたりもちょっといまのままでいいのかなというような疑問もあるのですが、これは事務レベルの責任者の方がそういう判断をおできになるかどうか、若干疑問に思うんですが、その上においてなおかつ臨調の政府案に対する批判というものについて、非常に私たち重きをなして今日まで審議の対象にしてきたものですから、一回その点お伺いしたいんですが、いかがでございますか。
#128
○説明員(吉田俊一君) 先ほどもお答え申し上げたとおりでございまして、私、ちょっと答える立場にございませんものですから。
#129
○黒柳明君 わかったわかった。済みませんね、私、頭が悪いんでぐうっと遠回りしたんですけれども、山手線じゃなくて中央線に乗っかればいいんですけれども、余り失礼なこともどうかと思いまして。
 要するに、それじゃいまおっしゃったこと、主任調査員の方だから、やっぱり一番の勉強をされて御意見を上に上げる最高責任者あるいは上の意見を検討する一番の責任のある方ですから、そういう考えの方がいまこの場でお考えを述べたらば、それはやっぱりしかるべきところに言う責任があるのではなかろうか。後それを部会長があるいは会長が受けてどうやろうと、それは勝手ですな。これは主任調査員の関知するところじゃありません。
 だけれども、やっぱりそういう認識に立たれたと、それはいまの時点で立たれたのか、そんなことはもう三月の時点で立たれたのか、いずれにせよ、この正式な国会の場でそういう発言をされたということについては、やっぱりしかるべく上司に報告して、そして吉田さんの考えというものを、私は何も異例な談話を撤回しろなんて言っているんじゃないですよ、誤解しないでくださいよ。そういうものについていままでもちょっと、頭が悪いんでちょっとわからない点があったからと、こういうことを言っているのであります。ですから、そういうものについて一回上司に報告すると、この責任はあるのじゃなかろうか、その御意思はお持ちでしょうかと、こういう質問ですから。
#130
○説明員(吉田俊一君) 折を見て国会内における審議の状況につきましては、事務的に報告申し上げております。
#131
○黒柳明君 済みません、ちょっと聞こえなかった。折を見て……
#132
○説明員(吉田俊一君) 従来、衆議院の審議経過等につきまして、政府部内の対応状況につきましては事務的に報告申し上げてございます。
#133
○黒柳明君 その中においていまのようなことも言っていますか。
#134
○説明員(吉田俊一君) 運輸省当局として、これからの運用につきましてはこういう考え方で運用したいという国会内の御答弁がございますということは、分科会、当面の九人委員会を担当しております分科会において報告はいたしてございます。つまり、臨調としては国会における審議状況をフォローアップして見守っておるという立場でございますので、その経過につきましては御報告申し上げております。
#135
○黒柳明君 報告する。これは報告しなくても、もう国会の審議というのは逐次偉い人はフォローしてると思いますよ。ですから、運輸省当局の答弁、これはもう何十回、そのたびに同じ答えですから、もう聞き飽きるぐらいですから。ですから、それについてはもうさんざんわかり過ぎるぐらいわかっていると思いますな、部会長も。会長はどうかと思うが、部会長あたりはわかっていると思いますよ。そうすると、わかっているけれどもなおかつ臨調としては、この法案、これは新しい負担をユーザーにさせるという考えに、まだ部会長も会長も立っているという判断をお持ちですかね、主任調査員として。
#136
○説明員(吉田俊一君) 何度もどうも歯切れが悪いんで恐縮なんですけれども、臨調の答申の背景としましては、新たな負担を課さない。その場合の新たな負担の中に、国会で御答弁のような運用上の問題を含めた議論までは当時はしてなかったし、その後の経過の中でも議論はしてございません。
#137
○黒柳明君 そうすると、新たな負担の中にはいま言った白トラとか改造車とかも、改造車なんというのはいままでだってやっていたわけですから、過積載なんていままでもやっていたんですから、これは新たな負担に入るという審議はしてたんでしょうか、こういうもの。これは新たな負担の中に入るという――これは新たな負担に入るも入らぬもありませんな、いままでだってこれは罰則の中に入っていたんですから。これは当然新たな負担に入るという範疇にはなかったんでしょうな。
#138
○説明員(吉田俊一君) 新たな負担というわれわれの解釈は、新たに点検の指示及びこれに基づく報告に関して制度を設けて、報告をしなかった場合には過料を科すという制度そのものについて遺憾であると申し上げた次第でございます。
#139
○黒柳明君 そうすると、制度そのものについて遺憾であるから、その制度の運用の仕方まで何回も御答弁あったように検討はしてないと、こういうことです。そうすると、制度の運用について納得すれば、必ずしもその異例の談話というものについて、それは制度そのものだから、参議院で修正しろなんていうことがいま現在においても当てはまるかどうかということは疑問であろうなという感触はありますか。
#140
○説明員(吉田俊一君) 運用上きわめて限定された範囲内で取り締まりの対象をしぼるという御答弁でございますので、これにつきましては従来もやっておったことでございますから、新たな負担といいますか、きわめて緩和された運用にはなるのではなかろうかと思っております。
#141
○黒柳明君 今度のはきわめて緩和された運用になるだろうと思っていたと。何だかわからないけれども……。結構ですよ、済みませんね、お帰りになって結構です。
 それで、いま言った、要するに臨調としては制度の問題だけだ。運用の仕方まではあれしない。そうですよ、時期が違うものね、相当。前ですから。それから、政府・与党の中でも発言者によって食い違った時期もあるわけ。それから、今度は運輸省の中でも意思統一したのか。非常にある意味においてごまかしかと思いますよ。けれども、限定した問題にしぼられてきた、こういうふうな感じなわけですから、ですから問題は、いま臨調が言いましたように、吉田さんが言ったように、そうすると運用の仕方、何を対象にやるか、これによっては必ずしも制度自体が悪になるかどうかというものも疑問になる可能性だけはある、可能性だけは。そこで、そうなると問題は、どうこれを運用して、どう対象をしぼっていくのか。もっと別の角度で言うと、一般ユーザーですな、十万の過料制度を適用されるんじゃなかろうかと、こう思われている、そう私たちも心配している、その方には絶対迷惑を及ぼさないんだと、こういう条件が整えばこの問題というのは、臨調のあの異例な談話、それから審議をした段階において、若干私なんかもそうすると認識の食い違いがあったのかなと納得する局面も出るかわかりません。さあそれに対する答弁ですよ。
#142
○国務大臣(小坂徳三郎君) この法案、衆議院段階におきましてもまた参議院におきましても、国会の御審議を十分われわれとしては踏まえて、そして運用においては十分御意見を尊重してまいりたいということを累次申してまいったわけでございまして、そうしたような衆議院段階並びに参議院における今日までのいろいろな御討議を通じて、この運用につきましてはいま申し上げた、また前々から御答弁申し上げているような方向でこれをやりたい、やるということを申し上げているわけでございまして、国会の御審議を十分踏まえてわれわれとしては運用を図り、また法の今後の運営を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#143
○黒柳明君 だけど、午前中の質問は、法律は一人歩きするから実際に成立しちゃったら危ないんだと。そういう非常に国民のためを、ユーザーのためを思う質問があったし、私も同意見なわけですね。
 そうすると、まあ一番最後から逆算しますと、万が一それじゃ成立したとします。これは万が一なんというのは米ソで核戦争起こる以上に可能性はないんですよ。もうあと三日後ですからね。三日後なんか通過する可能性ゼロですから、そんなものは。万が一通過した場合に、一年間のブランクがあって実施されるわけですな。それで一年、二年たつと、先ほども答弁あったように実施段階がわかるわけです。五割、あるいは精密にいうと年度ごとに出ているわけでしょう。六カ月点検、十二カ月点検、どのぐらいやったかというのは出ているわけですね。それが横ばいなのかアップするのか、一年なら一年、二年なら二年なりに当然出ますね。それから今度は整備不良に対しての取り締まり、これも当然出るわけですね。いままで道路で検査官が忙しいときやっていたときと、こういう何だか国民の、野党の反発を受けながら国会審議をやった、それで誕生した法律、そのもとにおいて、何だ全然変わりないじゃないかと。点検も変わりなきゃ整備不良に対しての捕捉も変わりない。あるいは増加するとか、当然大臣、そういうものは出てきますね。一年なら一年、二年なら二年。
 そうすると、その時点において、これは当然これだけ問題があったものですから、万が一成立して一人歩きする可能性があるといってわれわれ心配もするわけなんです。もうこれは絶対見直しますと。その期限が一年か二年か、これは定かに言えませんですけれどもね。いま言ったように統計は出るわけです。実施、その結果が出るわけですから。それが全然、いまの整備工場との関係みたいに、ユーザーのクレームが多い、だからこういう法案になった、その一つの原因。と同じように、ユーザーからの文句ばっかし来ていたと。実際の整備不良なんというのはいままでとつかむのは変わりない。あるいは定期点検の方もふえてない。そういうようなことがあれば、当然、これは新しい法律というのは生きてないわけですから、うまくないわけですから、その時点においては当然これはもう考える。考えるということはもうやめるということですよ、ユーザーからこう不満が出たり、実績が上がらなければ。
 そういう見直し、見直しといったって一回法律が成立すればこれは大変なことですよ。ですけど、そういう前提でもなければ。これはやっぱりいまのわれわれ野党が言っている意見というのは非常に説得力があるというような感じはするんですが、大臣、そのときまでどういう御身分にあるかどうかわかりませんですけれども、その一年、二年、三年後の結果というものを見て完全にこれを見直す。もしユーザーの不満ばっかし多かったらこれはまた撤回する、このぐらいな気持ちがなければ、やっぱりいまの反対の私たちの心の一分でも動かすという条件にはならないんじゃないでしょうか。いかがでしょう。
#144
○国務大臣(小坂徳三郎君) この定期点検をユーザーが自主的にやってもらうということがもう何よりの根本でありますから、そうした実績が十分に裏づけられる場合には、また同時に違法な、違法と申しますか、不良な改造だとか、あるいはその他の社会的に見ての不当なものがなくなれば当然これは考えなくちゃならぬでしょう。私は自主的な定期点検をみんながやっていただくということが確立されれば、これで法の目的は十分達成しているというふうに思うので、そうした時点の中でまたそれが実証される場合には、いま委員の仰せられたようなことは当然配慮しなければならぬだろうと思います。
#145
○黒柳明君 私が言ったのは逆なんですよ。
 点検が実施されないでユーザーの不満ばっかり起こってくる、そういう時点が成立後一年、二年先に出たら、これは当然その時点で考えて撤回しなきゃならないものだと、こういうことです。それはもう推進されれば、それはある面においてはそれで効果があったかもわかりません、もしかすると。ただし、その裏にどういうクレームが、どういう批判がつくか、これもやっぱり検討しなきゃなりませんよ。ただ単に、実施されたから全部それでいいんだと、こういうわけにもいきませんですね。その陰でユーザーがどういう迷惑をこうむっているのか、こんなこともあわせなきゃ……。ですけど、反対の、効果があらわれなかったとき、定期点検がふえない、ユーザーの不満ばっかし、だから野党が言ったとおりじゃないかと。こういうときにはやっぱり考え直さなきゃならない。そちらに視点、重点を置いているんですけれども、そういうときはもう全面的に撤回ぐらいのことで考え直さなきゃならないと思うんですが、どうですかね、大臣。
#146
○国務大臣(小坂徳三郎君) 黒柳委員のお気持ちはわかるのでありますが、いまこの時点でこの法案を審議しながらこの撤回を予約するわけにもまいりません。これはおわかりいただけると思います。
#147
○黒柳明君 それで局長ですね、いま言ったように制度そのものじゃなくて運用の仕方と、臨調あたりもここまで検討して言ったわけじゃないんだと、そこの運用の仕方ですよ。そうすると、この前、正常化のときの私一番最後の質問が、何か、忘れちゃったですね、もう二カ月前になりますんでね。定期点検の書類を車に常時備えつけることを義務づける。それを検査官がチェックしてそこからスタートする。いままでは、整備不良車はそういうものを備えつける義務はなかったわけですからね、点検の義務はあったけれども。それで、そのカードを持ってなかったらどうなるか。持ってないときに、定期点検をやってなくてもやってますと、こうすれば、これはもうどうしようもありませんと。そうすると、定期点検をしててもしてなくても、その定期点検のカードというんですか、表というんですか、それを車に常時持ち歩く必要はないと、こんな議論を私、たしかしたと思うんですけどね。そのときちょっと私も何か答えが納得できないので、おかしいんじゃないかということでたしか終わったような感じがするんですが、六カ月、十二カ月の定期点検をしない人、それが定期点検のカードを車に備えつけてなかったとき、それで道路で検査官につかまったとき、そんなときは二通りある。整備不良があるということが指摘されたときと、整備不良が指摘されないときと、これも当然二通りがあるわけだ。そのときに、その後に来るものはどういう行動ですか。
#148
○政府委員(角田達郎君) 黒柳先生が前回の参議院の運輸委員会で御質問されまして、そのときの自動車局長の答弁といたしましては、自動車の点検整備記録簿を持っていなくて、それでなおかつ点検をやったというユーザーの方に対しまして、定期点検をやったかやらないか判明する手段としてどういうものがあるかということでいろいろ自動車局長も御答弁したわけでございますが、その中で、一つは車両法の百条の報告徴収権というものがございます。これをまだよく法制的に詰めておりませんが、これを使うことが一つの手だてではないかと思いますというような答弁をされておりますが、これはできません。百条を発動することはできないわけでございます。としますと問題は、定期点検をユーザーの方がやったかやらないかの判明の手段として記録簿のほかに何があるかということでございます。それで、いま御提案しております改正法の規定の条文では、定期点検整備記録簿の有無及び記載内容その他の事項により定期点検整備がなされていないときはと、こういう表現になっておりまして、定期点検整備記録簿を備えつけておられないときも一応法律上は想定の対象にしております。
 したがいまして、定期点検整備記録簿が備えられていないときには、私どもはユーザーの方に、それではどういうような点検をされましたかとか、あるいは点検をされた、整備をされた整備工場のお名前を聞いてその工場に確かめるとか、そういうような手段を用いまして定期点検整備の有無の判明をしたいと思いますが、それでもなおかつ判明しないというような場合があると思います。その場合には、もしユーザーの方が定期点検整備をやられたとおっしゃるなら、後で結構でございますから、定期点検整備をやられたという証明のためにひとつ定期点検整備記録簿の写しを送付していただきたい、こういうふうにお願いをするつもりでございます。それで一定期間内にそういう写しの送付がない場合、再度送付のお願いをいたしまして、その場合には、もし送付がないときには私どもとしては定期点検がなされなかったものと判定しますがというような条件つきでそういうお願いをしまして、送付がないときには定期点検整備がなされなかったものとして判定せざるを得ない、こういうようなことを考えておるわけでございます。
 したがいまして、定期点検整備の判定につきまして記録簿がないというような状態、それから定期点検整備記録簿の備えつけの義務づけ自体に罰則の規定をつけていないということによりまして、判定というものが非常に困難ではございますけれども、やはりその辺のところはユーザーの自主的な責任というものにお任せすべきではなかろうかということで、いま御提案していますような改正法の仕組みを考えた次第でございます。
#149
○黒柳明君 それと、要するに何回も繰り返しておっしゃっている悪質なものだけに限る、それとの兼ね合いはどうなるんですか。要するに、改造車だとか暴走族だとか、それだけに限るのだと、こう何回もおっしゃっているわけですね、一般のユーザーには迷惑をかけないのだと。それといまおっしゃった御答弁との関連性というものは、接点があるのですかね、あるいは全然接点がないのですかね、あるいは全部いまの関連性の中に一般ユーザーも、暴走族というのも含まれちゃうのですかね。その点はどうなんでしょう。
#150
○政府委員(角田達郎君) まず、この定期点検整備の指示制度の運用の対象でございますが、これは先ほど来、大臣、それから私ども何回も御答弁しておりますように、違法な白トラ、それから過積載をやっているようなダンプカー、それから整備不良車等を中心にして点検の指示制度の運用をいたしますという御答弁をしておるわけでございます。したがいまして、ただいま私の方から御説明申し上げました点検指示制度の前提となる整備点検をやったか否かの判定の対象として私どもがいろいろお願いするような車も、いま申し上げました違法な白トラ、ダンプカーあるいは整備不良車等を中心としてこういう対象と全く同じものというふうに私ども考えて運用したいと思っております。
#151
○黒柳明君 そうすると、私が自分の車で定期点検をやって道路でつかまって、それで整備不良個所もない、ですけれども、備えつけの点検表を持っていない、その場合には後で出せなんというわけには……。それはいいわけですね、ダンプカーでも砂利トラでも暴走族でもないんだから。そういうことでいいわけですか。
#152
○政府委員(角田達郎君) 先生がいまおっしゃられたとおりでございます。
#153
○黒柳明君 その点をもうちょっと明確にする必要があるんじゃないでしょうか。私ももしかすると誤解していたかわかりません、そういう点。
 一点だけまだちょっと疑問があるのでまたお尋ねしますけれども、どうしても、何か一般ユーザーに迷惑かける、いやそんなことはないんだと、ここでもうかみ合わないわけですね。運用をしっかりやる、ばか言え、成立しちゃったらしっかりできるわけないじゃないか、もう国会も離れちゃうんだからと、この疑問、それが先行しちゃっている。その一つが、もう帰っちゃったですから文句言えないですけれども、どうしても責任があるわけなんですよ、一部の責任はね。ですから、その点、一般ユーザーには迷惑かけないんだ、そういう限られた車なんだ。それをいま言ったように、たとえばAという一般のユーザーが、いま言った行動で、それで過料までに至らない、点検やりなさいよと、出せと、十五日間来なかったら過料の対象、その手続を午前中もおっしゃったですよね、地元当該の裁判所云々なんて。その範疇にならない、これはもう間違いないんですね、いまおっしゃった。
#154
○政府委員(角田達郎君) いままで何遍も御答弁しておりますように、点検指示の対象は良識のあるユーザーの自家用車ということではございませんので、違法な白トラ、ダンプカーあるいは整備不良車等ということでございまして、等あるいはそういうものを中心にしてということで、一〇〇%の限定はつけておりませんが、少なくとも整備不良車でもないいわゆるマイカー、こういうものに対しましては、点検の指示ということではなくて、行政指導にとどめて運用すると、こういう方針で臨みたいと思っておるわけでございます。
#155
○黒柳明君 それで、いま気になるのはその「中心」とか「等」ということなんです。そうなると今度はやっぱり係官のそのときの気分の問題もありましょうしね、あくまでも整備不良だというふうなことで、後でそうじゃないんだと言ったって、これは水かけ論で、個々の一ケース、一ケースごとに出先と相談するわけにまいらないわけで、実際接触するのは検査するお役人さんと運転するドライバーの方であって、ですから、その「等」とか「中心」というところにやっぱりちょっとひっかかるわけですよ。さらに範囲は拡大するわけですね、いまおっしゃった限定されながらも「等」ということになるので。その「等」とか「中心」というニュアンス、それはどういうことになりますかね。
#156
○政府委員(角田達郎君) 「等」とか「中心」という表現の中身でございますが、いま申し上げましたように、私どもは少なくとも良識のあるマイカー、整備不良車でないマイカーにつきましては、点検指示の制度の対象にするつもりはございません。
 ただ、違法な白トラ、ダンプカーと整備不良車等を中心にしてと、こういう表現を使っておりますのは、それに類するような何か車の形態なり車種なり、そういうものが将来出てくるかもわかりませんので、そういう状況でございますので、その辺を勘案した上での表現でございまして、何遍も申し上げておりますが、整備不良でもないようなマイカーにつきましては点検指示の対象にはしないということは、これはそういう運用をきっちりとやってまいりたいというふうに考えております。
#157
○黒柳明君 まあそうですね、将来どういうものができるかわかりませんから、将来について若干余地を残して「中心」とか「等」と。
 そうすると、四種類ですか、何回も何回も繰り返されているのは。暴走族、改造車、積載のオーバーなもの、それから、いまは白トラとかなんとかおっしゃったですか、そういうものですか。それに、将来まあどういうあるいは車にプロペラができたり羽が生えたりする車もできるかもわからない、コンピューター時代ですからマイコンか何かで。そういう将来的なプラスアルファの余地を残すと。こういうことで当面はこの四種類ぐらいが対象で、将来的に何かあればということで「中心」とか「等」という言葉を使ったと、こういうことでいいのでしょうか。
#158
○政府委員(角田達郎君) そういう趣旨でございまして、私どもはいままでの答弁で申し上げております表現を正確に申し上げますと、不正改造車、違法な行為を行っている白トラやダンプカーその他の整備不良車等を中心にと、こう申し上げております。それで、その不正改造車というのは、これは大体暴走族や何かがやっているような、運転しているような車でございますが、違法な行為を行っている白トラやダンプカーと。この違法な行為を行っている白トラやダンプカーと申しますのは、たとえば積載オーバー、荷物を多く積むために差し枠をやっているとかあるいは過積載を現にやっているようなダンプカーとかそういうようなものでございまして、そのほかに整備不良車、これははっきりと法律で現在の車両法でも限定しておりますが、保安基準に適合していないかまたは適合しなくなるおそれのある車ということで、整備不良車というのははっきり現行法でも限定してございますが、そういう整備不良車等を中心にと、こういうことでございます。
#159
○黒柳明君 局長がそうおっしゃるんだから、大臣ね、もう間違いないと思いますけれども、その「等」とか「中心」ね、これはいま考えられるいままでのものはこれだけだ、将来どういうものができるかわからないから、その余地だけを残して「等」とか「中心」だと。ところが往々にして法律というのは、人がつくって人が運用して人が取り締まるもので、拡大解釈される余地がある。何回も言うようにひとり歩きすると、そういう言葉でおっしゃったわけですけれども。そういうことについては、あくまでも絶対ないんだと、いま局長がおっしゃったものだけに限って、「等」と「中心」というそのニュアンスというのは、将来それに類似したものが何かあらわれる可能性がある、だからそれについてのプラスアルファの条件だけなんだ、こう言われると、私たちもそれは何だとか、それはどういうことかというのはちょっと言いにくいわけですよ、将来何にも起こらないという前提はありませんからね。将来何か起こるという可能性があるとすれば、これは可能性は否定できません。だけれども、そういうものというニュアンスに限定されるということは、大臣もはっきり認識しお認めなされますでしょうね。
#160
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私もそれはきわめて明確に自分でも意識しておりますし、また法の運用の場合に、そういうはみ出した行為で善意の三者に迷惑をかけることはこれはまことにいけないことであると考えておりまして、いま局長が御答弁申し上げたとおり、こうした趣旨は第一線のこの任に当たる者には徹底してよく伝えまして、運用に誤りのないようにいたしたいというふうに思っております。
#161
○黒柳明君 そうしますとね、いまの問題、厳重に守られれば、果たして私たちももう一回考え直す必要があるのかないのか、ここまでは、私、実はいまの私の認識がちょっとやっぱり改まる可能性があるような感じだけします。このままじゃやっぱり局長の方がうまいからね、私もごまかされるかわからない。もう一回、終わりまして、冷静にいまの議事録見まして勉強させていただきまして、それでわが党の見解――もう一回また八日の日もありますしね、連合審査が。そこでまた疑問が出たらお尋ねすると、こういうふうにいたしますけれども、何かそうすると、若干こちらの認識足らずもあったのかなという感じもします。
 それから何回も言うように、運用の仕方、これを厳重に守ることがこれがやっぱり新しい法律の賛否というものについて、是非というものについての限界であるのかなと、こんな感じもします。制度そのものについてあるいは賛成の方も、いいというようなことが直接に、短絡に出るかどうかということもまた疑問であるかな、こんなふうに思います。そうすると、問題になるのはやっぱり整備不良があったり、それからでたらめな車は、これはもう当事者が悪いことはよく認識しているわけですから、そんなことはもうつかまるのはあたりまえ。つかまって、そこでおきゅうを据えられるのはあたりまえなんだ、そんなことは。野放しにする方がおかしいのであって、それはもういまの定期検査ももっとどんどんやって、もっとそういうものはつかまえてもらった方がいいわけでありまして、トラブルなんか起こりようがありませんな。これはあたりまえです。あるいはいままでの延長、同じですから。
 問題は、新しくできた法律で新しいことをやると、やっぱりユーザーは感情的になって、そこでのいさかい、トラブルですな、それが現実的には実質的なマイナスがなくても新法というのはけしからぬと、ユーザーに迷惑かけると、あの過料制度がいけないんだと、こういう可能性がある。という可能性がある一番は、午前中大臣が、定期点検やってれば問題ないんですよとおっしゃったけれども、それは問題あるわけですよ。定期検査やっているのに、しつこく言われるわけよ。いままでは問題なかった、やってなくてもある程度問題なかったですね。
 ところが、今度は定期検査やっていても、その表を持ってないと、忘れてきちゃいますとね、これはまあ罰則、過料がついてないから、義務だけですから。だから、運転免許証とは違いまして、それを持ってないでやってる人なんか、やったか、どこだなんて、こう言われると、今度は検査官の方も張り切ってますからね、新しいのを参酌しようということで。そうなると、そこで今度は要らぬ発言、往復多くなりまして、そこでも当然感情的なことが、実質的なマイナスはなくても、過料、罰金なんということはなくても起こるということは十二分に考えられますね。これはやっぱり余分な行動になるわけで、ユーザーに対して余分な暇をかけるわけで、さっき言った手続がとれるかどうかということは非常に、私前回でも疑問でしたよね、そんなことできるかと。一概に言われてましたけれども、いままで以上に複雑なことをいま御答弁なされたわけですよ。どこでやったんですか、いつやったんですかなんということ、それから十五日以内に報告させる……。全国的なところでそれをやって、フォローなんて、本当にそれは、労力からいっても時間的な面からいってもできるのか。
 だけど、それをやるというんですから、やるというものを、できるのか、できるのかと言っても、これは水かけ論ですからね。やると、そこまでやるとおっしゃるんですからこれはまあやるんでしょうけれども、その対象になる不良車、悪質なものはこれはいいわけで、一般の方もそこでトラブルが起こる可能性は当然出てくるわけです。ここらあたりはどういうふうに解決をすることになるでしょうか。
#162
○政府委員(角田達郎君) 先生がただいまおっしゃったことは、確かにそういう可能性は起きると思われます。一線の検査官なり検査担当職員、非常に仕事熱心であればあるほど生まじめに対応しがちでございますので、ただいままでの国会の御審議の状況を踏まえまして、私どもはそういうようなトラブルが起きてユーザーの方々に御迷惑のかからないように、具体的な指導を一線の者に対して徹底するように最善の努力をしたいと、かように思っております。
#163
○黒柳明君 大臣、これは私の考えで、いまの道交法でお巡りさんが年じゅうやってますな、街頭検問なんか。限られた面でいまの運輸省がやっているような街頭での、検査官がやるようなことは当然できませんね。だけれども今度は、この改正法のもとでは、非常に簡単ないわゆる定期点検の表が義務づけられている、持参することが。検査官もここから始まると思うわけですよ、運輸省の検査、定期的にやるのも。十万台ぐらい、これからも大体このくらいの量でしょう。まず定期点検表を持っているんですかと、ここらあたりから入るわけでしょう。いままでこれがないと、やっぱり整備不良だの一々やるのは、これはお巡りさんがやるには時間的な余裕もありませんしね。ですから道交法との関係でいわゆる定期検査をやっているかどうかという表をお巡りさんが見る行為というものは、あの街頭のチェックの中でも簡単にできるということ、運転免許と同じですから。
 そういうことから、今度は検査官がやるような、持っていなければどうだとかこうだとか、ここまでいくのにはちょっと時間がかかるかなと思いますけれどもね。やっぱり道交法との関係で、いま街頭検問をやっているあの警察の方との関連もぜひ一回考えて、それで横との連携をとりまして、あくまでもそういう義務づけられた点検表を持参しなければならないということでありますので、ここらあたりを見て、それで持っていなかったら持ちなさいよと。そこからすぐ、整備不良かどうかということは全部別ですよ。定期点検をやっていますと。持っていなかったら、やっていますかと、やってくださいと。いわゆる十万台ですから、一年間。それはもう警察が道路でやっているのは何百万、何千万でしょう。となれば、このことで定期検査についての促進はそれこそもう二十倍、三十倍、何百倍促進されるわけですよ。本当に四千万台のうちのわずか十万、そのうちの二万、そのうちの千台、それから今度は、おれもやられたからおまえ持っていろよとか、厳しくなったぞとか、あるいは十万円でけしからぬとか、小坂運輸大臣のときやった、あの運輸大臣はけしからぬ、こういうような話題が広がる。それから今度は定期検査を推進する。
 ところが、このねらいというものは、厳しく取り締まるんじゃなくて、そういう法律の中で要するに自発的にやらせることが主眼であると局長がおっしゃったように、それが趣旨である。となると、やっぱりそういうシステム、そこに触れる人が年間十万じゃ余りにも――出ているのもいままでは反対、反対、成立したってこれは悪法成立なんということになると、余りにもこれは悪いイメージが先行している、あるいは残る可能性がある。であれば、いわゆる道路の検問のときに、定期点検表を持っていますかと、一言、携行してくださいよと。やっていますかと。やっていなかったら、やってくださいよと。このことはもう三秒、四秒でできるんじゃなかろうか。そうすると、定期検査を促進するということには大きな力になるんじゃないか、こう思うんです。これは現法においてはできないわけですけれども、当然ここも考えて、この改正法というものの促進、促進なんというと怒られちゃう。反対ですから、わが党は。この改正法というものを当然絡ませて考えなければならないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうかね。
#164
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま委員のおっしゃられましたことは大変にわれわれにとってはありがたい御忠告だと思います。そしてまた、そういう形で多くの人が検査証を持っておってくれることが、結局公害対策でもあり、安全対策にもなるのでございますから、ぜひその点につきましては事務レベルを通じましてよく自治省あたりとも相談したり、警視庁、警察庁とも相談をさせて、なるべくそのような形でこの点検整備が推進されるようにいたしたいと思います。
#165
○小笠原貞子君 最初に、過料についてお伺いしたいと思います。
 定期点検というのは、おっしゃっているようにユーザーみずからの責任で自主的に行うべきものであるということは当然のことだと思います。そういう立場でいらっしゃるから、運輸省もいままでこれに対して罰則規定というものは設けられていなかったわけでございますね。
 そこで、ちょっと古いのを、ずっと議事録を調べさせていただきました。昭和三十八年三月七日の参議院運輸委員会で運輸省は、定期点検違反についてこうおっしゃっているんですね。「この義務違反に対しましては、罰則の適用をもってこれに臨むというほど強く義務づけるのはいかがと存じまして」罰則はつけなかったということを三十八年三月七日、参議院運輸委員会でこうおっしゃっております。そしてその後、三十八年の七月五日、衆議院の運輸委員会の質疑の中で、「いままで四十九条で整備記録簿を設けさしておりましたが、それを今回やめまして、定期点検の記録簿にいたしまして、この際罰則をやめました。しかしそのチェックといたしましては、検査のときにその記録をチェックする、それで十分だと考えまして、罰則をやめた次第でございます。」と、こういうふうに御答弁いただいて議事録に載っております。
 それから十年近くたちまして、昭和四十七年、参議院で野村一彦自動車局長が答弁されているわけです。で、「罰則をつけて、これを強制するということは、私、二つの点から問題があると思いますが、一つは、法律技術的に、どういう罰則をつけるかということがなかなかむずかしいという点と、それからもう一つは、やっぱりこれはユーザーの自覚にまってやるというべき性質のものであって、事柄の性質上、そういう罰則になじまないのではないかということでございます。」と、つまり、こういう罰則をつけるというのはなじまない、する必要がないと当時国会でおっしゃっていたわけでございます。
 そこで、そういう答弁を国会でなすって議事録にも載っている、ところが、今度あえて過料を科すということになったわけでございますが、その具体的な理由は何なんでございますか、お答えいただきたいと思います。
#166
○政府委員(宇野則義君) まず、定期点検の制度は従来からあったわけでございまして、その実施状況につきましては大体半分、六カ月、十二カ月につきまして五〇%程度の実施率であるという実態はつかんでおるわけでございます。
 この間にありまして、運輸技術審議会で今後の検査、整備のあり方について御審議をいただいたわけでございますが、そのときに、検査の制度と定期点検の制度は現状を踏まえた上でどうしても必要だという基本的な認識にまず立ちまして、しからば検査と整備をどういうふうにしたらいいかということで、検査期間の延長と定期点検の実施というものはいわばペアになった形で技術上の審議がされたわけでございます。
 したがいまして、定期点検について申し上げますならば、車の技術の進歩あるいは使われ方の変化等によりまして、それぞれの期間ごとに実施していただきますところの点検内容については十分見直しをする必要があるということと、検査期間の延長も可能であるけれども、検査期間の延長がなされた時点におきまして、新しい検査期間のもとでの定期点検の実施というものは従来にも増して重要性を帯びてくる、こういう指摘がなされております。
 したがいまして、結論といたしましては、簡素化された状態での定期点検の実施というものはその励行を推進する必要があり、実施率を向上させる必要がある。その一つの具体的な方法といたしまして、先ほど来御審議をいただいておりますけれども、定期点検記録簿の記載内容の充実あるいは車への備えつけ、こういうものも踏まえまして、定期点検ステッカーの制度をつくったらどうだというようなことだとか、あるいは街頭検査を強化すべきであるというような事例を指摘をされておりまして、そういう運輸技術審議会の答申を受けましてこの車両法の改正案を検討してまいりました。
 それで、一つは定期点検整備記録簿でございますが、ユーザーから整備工場に対するいろんな不満の中に、過剰整備があるとか、手抜き整備があるという指摘がございます。したがいまして、そういうユーザーからの不平不満等に対しましても、適正な整備をする、過剰な整備は排除する、こういう必要性を感じまして、それは定期点検整備記録簿にそういう点検記録を残し、あるいは部品を交換した等の記録をはっきり残しておくということによりまして、それから先の新たに行う点検整備等についても適正な整備が行われるようにしようということだと、あるいはユーザーによっては車の整備をする場合に工場が変わる場合もございますし、また不時のときには、旅行の最中とか出先で工場に入らなければならないような状態になる場合がございます。そういう意味で、ある意味での車のカルテを車に備えつけておくことによって、病院に行ったときに十分な適正な診断をしていただけると、こういうことから定期点検整備記録簿の内容の充実と備えつけを法律の中に織り込んであるのが一つはございます。
 したがいまして、そういう定期点検記録簿を備えつけているということと、やはり先ほど来話が出ておりますように、指導、啓蒙的に定期点検を履行していただくに際しまして、できるだけユーザーの自主性を尊重したいということから、そういう定期点検記録簿の備えつけの義務違反に罰則をかけるとかということをせずに、定期点検を実施してないということがわかった場合に、まず私どもの担当職員から定期点検の実施方について指示できるようにしようではないかということで、点検の指示制度ということを考えたわけでございます。
 その後、その点検の指示をいたしますと、当然行政上の実態把握ということから、その指示の結果を把握するということになるわけでございますが、そういうことから報告をしていただくという線も出てきたということになるわけでございますし、またこれまでの御審議でいろいろ御議論をいただいておりますけれども、その報告の義務の違反につきましては、行政秩序を維持するという見地からの秩序罰としての過料が最後の段階で織り込まれておると、こういうことでございます。
#167
○小笠原貞子君 いろいろ御親切におっしゃいましたけれども、短時間でございますから質問した問題についてずばりお答えをいただきたいのです。
 ずばりお伺いしますけれども、この過料をつけなければならないという理由の一つとしては、定期点検が五〇%くらいにしかなってないと、だからこの定期点検を、なるべく多く点検率を広げたい、高めたいというのが一番大きなねらいでございましょう、端的に言えば。それが大きなねらいだと、いままでおっしゃってましたね。局長、うんと言ってらっしゃるから、じゃ、そういうことにいたしますよ。そうすると、いま言いました昭和三十八年ですね、それから今度昭和四十七年、その当時の定期点検率というのわかりますか。わかったらちょっと、それは言ってなかったんだけど。いま五〇%とおっしゃったけれども、三十八年、四十七年にはどれくらいの点検率だったか、それ、質問先へ進めますから、ちょっと調べておいてくださいませんか。
 それじゃまた端的に伺いますけれども、この過料を罰則として科することによって点検実施の効果がどうして上がるんですか。非常に単純な質問なんだから、単純にお答えいただきたいと思います。
#168
○政府委員(角田達郎君) 点検指示、それから報告の徴収、過料というひとつの仕組みでございますが、私ども先ほど来御説明しておりますように、定期点検整備の励行を図るための行政指導を効果あらしめるようにもっていきたい、こういうことで、定期点検整備の義務づけというのが現行法でもされているわけでございますけれども、これをさらに励行していただくように行政指導を私どもの一線の職員がやるわけでございます。その行政指導を効果あらしめるためのひとつの最低限の仕組みと、こういうことで考えたものでございます。
#169
○小笠原貞子君 言いかえると、罰則がつくよということで行政指導は上がるというふうに考えられるということになるわけですよね、私の質問はそういう質問だったんだから。過料を取るということで効果がどうして上がるのかと、こういう質問をしたわけ。そうすると、あなたは行政指導の効果が上がるということは、十万円の罰則をつくること、過料を科することによって効果があるというふうなお答えだと伺ったわけなんですね。
 それじゃ次に伺いますけれども、十万円の過料をかけるとどのぐらい効果が上がるというふうに見ていらっしゃいますか。
#170
○政府委員(角田達郎君) 端的にお答えしまして、具体的に何%定期点検の励行率が上がるというようなことは、非常にただいまの時点では算定困難でございます。ただ、私どもは、そういうような仕組みによりまして励行のための行政指導を真剣にやっていきたいと、こう考えておるわけでございます。
#171
○小笠原貞子君 どれぐらい上がるかわからない、だけど、十万円取るんだからみんなやるだろうなんという、非常に短絡的な物の考え方でお進めになっていると言わざるを得ないと思うんです。
 結局、そういうことになりますと、ユーザーの自主性責任を尊重するとおっしゃりながら、罰則という、直接的な罰則であろうが間接的な罰則であろうが、つまり強制的な手段でユーザーを追い詰めていくということになると言わざるを得ないと思うんですね。過料を科する場合、「第五十三条の二第三項の規定による」すなわち点検を行えとの指示の「報告をせず、又は虚偽の報告をした者」と、こうなっていますね、百十二条の一項二号。この報告に当たっては、また今度五十三条の二の三項ですけれども、「指示を受けた日から十五日以内に、」「指示に基づいて講じた措置について、」「定期点検整備記録簿の写しを添えて」「報告しなければならない。」と、こうなっておりますね、法文どおりにいきますと。過料の対象とする場合、指示に基づいて講じた措置を報告しない者と、こうなっているんですが、指示に従わない、従えない、すなわち点検を実施していない、しかし報告だけは十五日以内に行ったという場合は罰則の対象となるのかどうか、法制局にお答えをいただきたいと思います。
#172
○政府委員(工藤敦夫君) 先生ただいま御指摘の点につきましては、まず、自主的に点検整備を行うことは、罰則がついておりませんが、現在の道路運送車両法の四十七条あるいは四十八条で定められた義務でございます。法律で定められた義務は当然遵守されるべきであると考えますが、仮に、御指摘のように点検、整備を行わなかった旨の報告をした、このときには、報告がなかったとは言えませんので、その報告が虚偽の報告でない限りは、この第百十二条第一項第二号にございます「報告をせず、」これには該当しないだろうと考えております。
#173
○小笠原貞子君 運輸省も同じ見解でいらっしゃいますか。
#174
○政府委員(角田達郎君) そのとおりでございます。
#175
○小笠原貞子君 そうしますと、報告の義務であって、点検することができなかったよという報告でも、それを報告すればそれは罰則の対象とはならないということを法制局、そして運輸省からお答えをいただいたわけでございます。それは確認したいと思います。
 しかし、運輸省のこの過料に対する答弁というのは違っているんですね。これは四月十三日の衆議院の運輸委員会で飯島自動車局長がこうおっしゃっていらっしゃるわけなんです。「当然のことながら秩序罰たる過料というものは、指示した点検を実施し報告をしていただければ科されるわけではございません。」と、こうおっしゃっていますね。それから、「点検の指示あるいは報告についてユーザーの協力をいただければ、当然のことながら過料という問題にはならないわけでございまして、」と、こうおっしゃっているわけですが、点検を実施して報告しなければならないと、こういうふうにおっしゃっているわけですよね。そうすると、いまのようにこの法文の上で解釈をすれば、点検はできなかったよということでも報告をすれば、この罰則の対象にはならないというお答えになっているわけですわね。そうすると、これは点検指示違反についての罰則規定という答弁になっていますから、法解釈がゆがめられちゃっていると、こう言わざるを得ないんですが、どうなんですか、その点。
#176
○政府委員(角田達郎君) ただいまの報告につきましての運輸省の答弁ぶりでございますが、この報告義務は、以前から御説明していますように、一つの秩序罰でございまして、刑事罰と性格を異にするものでございます。点検の指示をいたしまして、その指示を受けた方が報告をされるわけでございまして、その報告がなかったことに対する秩序罰でございますので、先ほど法制局の方から御答弁ございましたように、万一その報告が点検をされなかった場合の報告であっても、報告自体としてはあったことになりますので秩序罰はかからないと、そういうような点で、私どもは行政法上の制裁としては、刑事罰と過料というような秩序罰と、二つの種類がございますけれども、あえてこの秩序罰を選んでこういう仕組みを設定したと、こういうことでございます。
#177
○小笠原貞子君 そうすると、点検はできませんでしたという報告をいたしました。それはこの過料の罰則の対象にはならないとおっしゃいましたね。そのとき一時はいいけれども、時間がたって、その後再び指示を出して、やりなさいというような罰則規定をかけるというようなことはないわけですね、そうすると。一回の、点検できませんでしたという中身であろうと報告をしたら、それで消えるわけですね。改めてまたということはないということを確認してよろしいですね。
#178
○政府委員(角田達郎君) 一たん点検の指示をいたしますれば、その方に報告の義務が法律上出てくるわけでございますけれども、その報告がただいま申し上げましたような状態で、その案件が一たん消えたといたします。その後何カ月かたってまた街頭検査でチェックを受けて、点検がなされていない、そういう場合に点検の指示をいたしたとします。そうすれば、当然のことながらやはりたてまえの上では法律上はその方にまた報告の義務が改めて出てくると、こういうふうに解します。
#179
○小笠原貞子君 それでは、もう一回繰り返しますけれども、初め検査されたと、それで点検できませんでしたという報告を出します。そうするともう報告の義務は終わったんだからこれは消えますね。そうすると、今度またその車が同じようにまた検査されたと、それで報告しなさいよと言われても、それは前とは関係ないわけでしょう。そうするとそのときも、またその人、何かの都合でできませんでしたと、こういうことになれば、それも消えるわけですね。それも前と同じケースなんだから、前は消えちゃったんだから、同じだからそれも消えるというふうな解釈に当然なると思うんですね。
#180
○政府委員(角田達郎君) 一般の良識あるユーザーは、そういうことは間々ないと思いますが、法律の仕組み上はそういう解釈になると思います。
#181
○小笠原貞子君 次に、定期点検を行われるわけですけれども、そのチェックはどういうふうに行われますか。マイカーと営業用と分けて御説明いただきたいと思います。
#182
○政府委員(角田達郎君) マイカーにつきましては、街頭検査で私どもの一線の検査官あるいは検査職員がチェックすると、こういう機会しかないと思われます。ただ、営業用の車につきましては、たとえばあるバス会社で重大な事故を起こしたと、そういうようなときには私どもの検査官、検査職員等が特別の監査をいたします。そしてそこの事業者の全車両について点検、整備の状況を詳細に調べますので、その際に定期点検整備を怠っておれば、当然のことながら整備命令なり、いろいろな法に基づく処置をとると、こういうことであります。
#183
○小笠原貞子君 パスの場合なんかは入って監査ということもあるわけですね。マイカーの場合は街頭だけでございますね。
 マイカーの場合でも、だれかから、あの車怪しいぞという報告が来たり、整備会社から何か情報が来たなんというときには、そこへ乗り込んでいって検査するということはあるんですか。マイカーの場合には街頭だけということでいいんですか。
#184
○政府委員(角田達郎君) 先生がおっしゃるとおり、マイカーの場合にこちらから乗り込んで監査をするということはありません。
#185
○小笠原貞子君 街頭だけね。はい、わかりました。
 過料の対象、先ほどおっしゃったように、報告義務違反に対する罰則と説明されているわけで、報告の形態でございますね、報告するという場合に、定期点検整備記録簿の写し、それから報告書、これは文書で郵送をしていいんですか。本人ではなくてだれかがかわりに持っていってもいいということになるわけですね。
#186
○政府委員(角田達郎君) ユーザーが文書で郵送をされればそれでよろしいと考えております。
#187
○小笠原貞子君 また本人でなくてもよろしいということになるわけですね。
 点検しなくても報告を郵送で済ませるということになると、過料の対象にならない。ということになると、何でわざわざここのところで十万円の過料をつけて、そして点検をしていない点検簿を添えて報告させるというような、そういう、何というのかな、嫌がらせみたいな、非常に、何にもこれをつけた効果がないようなやり方にしかすぎないのではないかと、そう思うのですけれども、その辺はどうなんですか。
#188
○政府委員(角田達郎君) 当初から、点検指示制度の設定しました私どもの目的につきまして御説明しておりますように、私どもは過料を取る、こういうことが目的ではございませんので、定期点検の励行策を図る、そのために私どもがやります行政指導、これにつきましてしっかりやりたい、そういうことで、この行政指導を実効あらしめるための一つの最低限のぎりぎりの仕組みということで御提案申し上げているわけでございまして、ユーザーの自主性を尊重しながら、なおかつ安全の確保あるいは公害の防止と、こういうような観点からその間の調整を非常に苦心をいたしまして考え出した仕組みでございまして、行政指導によって、定期点検の励行策について私ども非常にこれから真剣に努力していきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#189
○小笠原貞子君 それじゃ、ちょっと問題、別にします。
 今度の法改正に当たって、定期点検項目の大幅な簡素化ということが言われているわけですけれども、点検整備をユーザーみずからできるようにマニュアル、手引きを作成し、ユーザーの負担軽減を図るということが一つのポイントと出されているわけですけれども、この法案の重要なポイントについて、まだ項目及びその内容について何ら明らかにされていないわけなんですが、その手引きの項目の中身だとか作成のめどというのはいつごろと見ていらっしゃるんですか。
#190
○政府委員(宇野則義君) 定期点検の簡素化につきましての作業と、もう一つは運輸大臣が公表するところの手引きの作成作業という二つがこの法律改正に絡んであるわけでございます。
 私ども、現在いわば法案審議中でございますが、内々に作業をしておるわけでございますけれども、定期点検の基準の見直しにつきましては、一応の物差しといたしまして、これまでの実績を踏まえた上で、部品等の信頼性、耐久性が向上したもの。それから構造上機能低下が少ないもの。日常の使用状況から判断できるもの。それから仕業点検にゆだねていいもの。この仕業点検は今度の法案では運行前点検という言葉になっておりますが、現行の法体系で言いますと仕業点検になりますが、この仕業点検にゆだねてもよいもの。こういうような物差しを使いながら、現在あります自動車の部位あるいは現行の定期点検の項目を逐次洗いつつある段階でございます。
 具体的に申し上げますならば、特に自動車の中で重要部位を占めておりますブレーキ関係の装置、こういうところでこれまでの実績等を踏まえますと、やはりブレーキペダルの操作状況、あるいはパーキングブレーキのレバーの作動状況、こういったものはやはり六カ月点検のときには残さなければならないのではないかということを考えております。まだ項目が全部煮詰まっておりません。
 それから、手引きにつきましては……
#191
○小笠原貞子君 いつごろまでということをさっとお答えいただけばいいんです。
#192
○政府委員(宇野則義君) この作業の目標といたしましては、法律の施行が法律成立後一年以内に政令で定める日ということになっておりますが、その施行までに十分ユーザーの方々にもPR、キャンペーンができる時間的余裕、あるいは私どもの内部の作業の準備、それからメーカーとか販売店とかいう関係の向きの準備、これらを踏まえまして、できるだけ早く作業を完成したいというふうに考えております。
 先生御質問のように何月何日までという月日につきましては、現在の時点でちょっとお答えができかねる状態でございます。
#193
○小笠原貞子君 何月何日まででなくて、大体のめどというのを。
#194
○政府委員(宇野則義君) 数カ月はかかると思いますが、できるだけ早く整理をいたしまして、事前に十分のPRを進めていくようにしたいと思います。
#195
○小笠原貞子君 数カ月ね。はい、わかりました。そういうふうにはっきりおっしゃればいいのよ。何月何日なんてそんな無理なこと言ってないんだから、大体いつごろをめどといって聞いているんだから、そういうふうにお答えいただきたいと思います。
 もう一つ伺いますが、手引きというと、運輸省としてその内容、マニュアルを考えていらっしゃると思うんですけれども、自動車の種類というのは非常に多様だし、それからメーカーによってもまた性能も特徴も違いますよね。そうすると、整備の仕方も変わってきますよね、一つ一つの車について。各メーカーごとのマニュアルというのが必要になってくるんじゃないかと、そう思うんです。運輸省としては標準的なものをお出しになる。各メーカーごとのマニュアルと、そしてまた、国内だけではなくて外車なんかが入ってきますよね、そうすると、外車の場合は、そのマニュアルはどういうふうにおつくりになるのかということを伺いたいと思います。
#196
○政府委員(宇野則義君) 定期点検の項目の内容につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございますが、各メーカーごとに車が違いますと、装置等も違います。したがいまして、それらの点につきましては、現在も実施しておるのでございますが、点検項目に対応いたしましたメーカーの車種別の点検整備方式というところで、個別の装置等を織り込みました点検整備方式という、まあ国が定めました点検基準と対応するような形で作成して、それを販売店経由ユーザーの方まで周知をさせる、あるいは整備工場に周知させるということをやっております。それから、外車につきましては、当然その輸入車の販売元である販売店がやはりそういう点検整備方式というようなものをつくりまして、外車特有の装置等につきまして、適宜それをユーザーに周知させる、こういうことでやってまいっております。
#197
○小笠原貞子君 もう一つ、先ほど運輸省としての標準的なものは数カ月とおっしゃって、今度はメーカーごと、外車、こうなりますと、またこれで相当の時間的な余裕を見なければなりませんね。そうすると、それは大体どれくらいででき上がるものでしょうか。
 それからついでに、もうこれでおしまいになるから伺いますけれども、そうしたらその手引書というものはユーザーには売るんですか、それともメーカーからお金出して、ユーザーはお金出さないでもらえるんですか。
#198
○政府委員(宇野則義君) 第一の方のメーカー、販売店等が作成いたします手引きに基づく実施マニュアルみたいなもの、これらを作成する時間が必要でございますので、十分作成時間を与えるためにも私どもの方の点検基準というものは早くつくらなければなりませんし、手引きも早くつくらなければならないということでございまして、メーカーによっても抱えております車の数によってかなり前後があると思います。これもやはり数カ月かかるのではないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、この手引きの徹底方でございますが、私どもいま考えておりますのは、新車につきましては、現在メーカーが新車をつくりまして、販売店経由で販売するに際しましてサービスマニュアルのようなものを整備手帳と称してつけております。そういう中に織り込んでユーザーの手に渡るようにいたしたいというふうに考えております。
 それから、使用過程車対策は、実はかなりの数になってくるわけでございますが、この点につきましてもできるだけメーカー、それから販売店等を指導いたしまして、ユーザーの手に渡りやすいようにこれもまた検討する必要があろうかというふうに考えております。
#199
○小笠原貞子君 さっきの数字、もしわかったら教えてください。三十八年と四十七年の定期点検の実施率。
#200
○政府委員(宇野則義君) 定期点検の制度が変わりました三十八年の数字がちょっと手元にございませんで申しわけございませんが、四十二年の時点の数字がございますが、これは自家用乗用車の六カ月点検が五二・九%、自家用の貨物が四九・九%、こういう数字になっておりますが、五十五年に飛びますと、自家用乗用車の六カ月点検が六四・七%という数字になっております。年によって私どもの調査の結果の数字に若干のでこぼこ、出入りがございますけれども、おおむね大体五割ないし六割というような数字になっております。
#201
○小笠原貞子君 ありがとうございます。
#202
○柳澤錬造君 最初にお聞きをしてまいりますのは、これは七月三日の読売新聞の投書欄に出ていた記事なんです。三十一歳の主婦の投書です。
 その要旨というのは、
  免許証を手にしてから二年。主人を駅まで送
 り迎えすることを条件に買ってもらった車も車
 検を迎えた。
  この二年間に走った距離は、わずかに三千キ
 ロそこそこである。
  この車、走行不足によるバッテリー上がりが
 しばしばあるが、六か月ごとの点検も欠かさず
 受けており、これといって悪い所は見当たらな
 い。しかし規則だからと言われれば、車検には
 「はい、そうですが」と従わざるを得ない。今
 回約十一万円のお金が無駄に消えた気がした。
  走行距離を考えに入れない車検制度は、片手
 落ちだと思う。新車に限っては三年に延長との
 話もあるが、加えて、距離の点からも関係者の
 ご一考をお願いしたい。というものです。
 この投書をお聞きになってどういうお感じを持たれたかということが、まず私が最初に聞きたいことです。局長答えてください。
#203
○政府委員(角田達郎君) 車検といいますか、点検整備の料金のお話でございますが、整備料金につきましては、この点検整備の問題が一つの行革の問題として大きく浮かび上がるその一つの大きな柱といたしまして、整備料金が非常に不明朗ではなかろうか、あるいは過剰整備とか手抜き整備があるし、それから整備料金もいま申し上げましたように非常に不明朗ではないか。何を直したのか、それから、どこの部品をかえたのかというようなところも不明朗ではなかろうかというのが大きなこの問題の起こった契機ではなかろうかと思います。
 ただいま先生がお読み上げになりました投書された方も、料金の問題について非常に御不満を持っておられる、十一万円の内容がよくおわかりにならない。それから、そこからひいて定期点検整備というものが一体必要なのかどうかというようなところまで御疑問を持っておられるのではなかろうかと思います。
 私どもといたしましては、その辺のところがやはりこの際の改善すべき大きなポイントだと思っておりまして、昨年の十月の運輸技術審議会の中間答申にも出ておりますように、整備料金の明朗化、それから整備内容につきましても、ユーザーの方々に徹底的によく御理解いただくように御説明をするというような指導を整備業者に対しまして努力してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、この投書の方の場合の整備料金の十一万円というものが妥当かどうか、この中身等につきまして詳細、整備部長からお答えさせていただきたいと思います。
#204
○柳澤錬造君 その十一万円の中身を私聞いているんじゃないのであって、国民の一人の声として出てきたものを行政当局の皆さん方がどういうそれについてのお感じをお持ちになったかということを知りたかったんです。
 次にお聞きしたいのは、そういう点で一般的に六カ月点検、十二カ月点検、二十四カ月点検、特別なものを直したりなんかしたらこれは別ですから、いわゆる一般的に六カ月点検の場合は幾らぐらいかかるものか、十二カ月点検は幾らぐらい、二十四カ月点検の場合には幾らぐらいになるというその金額だけ言ってくれませんか。
#205
○政府委員(宇野則義君) 自家用自動車の六カ月点検、十二カ月点検、二十四カ月点検につきまして、平均的な数字でございますが、六カ月点検が大体九千円から一万二千円ぐらい、それから十二カ月点検が一万四千円から一万七千円ぐらい、それから二十四カ月点検が五万五千円から六万五千円程度、平均的な数字でございます。
#206
○柳澤錬造君 それで、外国の例なんかからいきますと、車検なんというものは日本よりかもっと簡単に済まされているわけで、これはこの前も言いましたように、いまの日本の車の性能はかなりよくなっているということは皆さん方もお認めのとおりなんです。だとするならば、もう少しみんなが簡単に受けられて、そして言うならば定期点検というようなものの実施率が向上するようなことをなぜお考えにならないんだろうか。これは私が言うまでもなく、皆さん方だっておわかりのことだと思うんですが、アメリカの車検というのは、これは州によって違うわけですけれども、大多数の州がやっているところの標準で言うならば、年に一回市の自動車部から車検の通知が来るんです。そしてその指定期間というのは十日間あって、その十日間の中で御本人の一番都合のいいときに行けるようにしてある。そして検査場に行けば、受け付けをしてから完了するまでの時間が約十分間です。費用が五ドルです。大体それでパスをして、いろいろと特別に悪い点があると、その指摘された点は修理工場に行って直してもらいなさいと、こういうことになるというんですね。
 それからもう一つ、西ドイツの場合ですけれども、これは連邦政府の委託を受けた民間団体が扱っているんだそうです。で、車検の時間、これもやはり約十五分くらいで済んでしまう。費用も約二千五百円程度だというんです。車検も大体原則としては二年間。車が古くなってくると、そのときに、あなたは来年も車検を受けなさいよと言われて、実質的には一年でまた受けることになるわけですけれども、さらにそこの中には走行距離も考えてのそういういろいろのことの判断もしているということが言われているんですけれども、どちらにしてもいまの日本のあり方から見ればかなり違っておって、日本の車がかなりそういうアメリカなり西ドイツから劣るというならば、安全性の問題や事故の問題から考えなくちゃいけないけれども、あれだけ外国に車がどんどん売れるほどに出ていっているのですから、そういう点から立つならば、日本のいまの車検制度のあり方そのものをもうちょっと根本的に考えるべきだと思うんですけれども、その点はいかがでしょう。
#207
○政府委員(宇野則義君) 運輸技術審議会で検査、整備の制度のあり方につきまして御審議をいただく際に、私どもも審議会に対しまして、諸外国の資料を提出いたしまして御審議の判断の材料にしていただいたわけでございます。西ドイツの例あるいは米国の例をただいま先生から御披露ございましたが、私どもの方でもそういう大体同じような数字をつかんでおるところでございます。
 ただ、検査の内容につきましては、これまた諸外国等を参考にしながらやっておるのでございますが、検査の内容につきましてはわが国と諸外国の検査とほぼ同じような項目、同じような機械を使って検査をしておるという実態でございまして、今回できるだけ国民負担の軽減を図る。あるいは整備等もそうでございますが、過剰な部分を排除するということから、最近の車の実態に合わせまして、今回の法案に織り込みましたような検査期間の一部延長あるいは定期点検の簡素化ということを結論として出されまして、それを受けて法案に織り込んでおる次第でございます。
#208
○柳澤錬造君 私が言っておることをそこで復唱するようなことの答弁はおやめになっていただきたい、私はわかって聞いているんだから。そのことを運輸技術審議会にもこちらからも出しておりますと言って、運輸技術審議会をそんなところに持ち出さなくたっていいわけだ、これは法案を出してきたのは運輸省なんだから。そういう答弁をするのならば、もうほかのものは全部やめてもいいから過料の十万円を削りなさい。何も運輸技術審議会は過料十万円取れなんて言っちゃいないわけですよ。一番この法案の問題になっているのはそこなんだから。だれがそれをつけたかといったら、運輸省がこの法案を出すときにつけたわけなんでしょう。その答弁できますか。何回聞いたって、きょうだって朝から一番問題の中心になっているところはその十万円のところじゃないですか。ですから、聞いたことにお答えをいただきたい。運輸技術審議会がこうしたんですというような、そういう隠れみののそういうことも使わないようにしていただきたい。
 それから、次に聞きたいことは、この法改正の目的というのは定期点検整備の実施率の向上だということはもう何回も言われているとおりなんですね。だったら、さっきも言いましたように、車を持っている人たちが定期点検を受けやすくしてやるということが私は一つの大事なポイントだと思うんです。受けやすくするということはどういうことかというならば、いわゆる特定スタンドがあるでしょう。で、いまも六カ月点検はさせているはずですわね。だったら、あすこのところでもって六カ月点検だけじゃなくて、六カ月点検、十二カ月点検、両方やらせる形をとれば、何だかんだといってあすこへしょっちゅう来るわけだから、スタンドの人たちは車を見れば、それこそすぐ、ああこれはもう期限が切れているとか、あと一カ月したら期限が来るとかといってわかるわけですよ。それだったら、あすこに整備士がおるんだし、もうあなたの車は期限が切れています、これは受けなくちゃいけませんよということも言えることだし、そういう点のことを考えてあの特定スタンドでそういうことを認めてやれば、比較的そういう形で実施率も向上すると思うのですけれども、その点はどうなんですか。
#209
○政府委員(角田達郎君) ただいま先生がおっしゃいましたように、現在、特定スタンドというところで六カ月点検をやっておりまして、この一万数千店のいわゆる特S――特定スタンドが定期点検整備につきまして果たしている役割りというのはわりあい大きなウエートを占めているんじゃなかろうかと思っております。ただ、十二カ月点検になりますと、これは先生御承知だと思いますが、自動車分解整備事業者としての認証を受けた者でないと行えないような分解整備に該当する項目が一部出てまいりますので、その特S、いまの特定スタンドですと、この認証を受けて、現在のところは受けておりませんので、その辺のところから現状でそのまま特定スタンドに十二カ月点検をやらせる、やってもらうということは、いろいろな制度上の仕組みその他から困難ではなかろうかと思いますけれども、その可能性につきましては、今後の整備事業の動向や何かもさらに考えまして検討していかなければならない問題だというふうに考えております。
#210
○柳澤錬造君 局長、それはぜひ検討してほしいと思うんですよ。
 私の方で調べたのでいくと、六カ月点検というのは年間二百五十万台ぐらいやっているんです、そこで。そうすると、さっき言ったように、六〇%ぐらいがいま点検を受けているわけですよ。そうすると、点検を受けている車の量から見ると約二割ぐらいがその特定スタンドで六カ月点検を受けている形になるわけですね。それで、かなりこの十二カ月点検がむずかしくなれば、これはまた話は別だと思うんです。だからさっきもお聞きしたんですけれども、六カ月点検が九千円から一万二千円、それから十二カ月点検が一万四千円から一万七千円、言うならそれほど違いがないわけですね。二十四カ月になると、これはもういろいろの点でもってかなりむずかしくなるので認証工場でないとこれは無理なことですけれども。ですからそういう点で、むしろ特定スタンドでも十二カ月点検がやれるようにして、それで、そのためにやっぱりこの程度のものをちゃんと装備しなくちゃいけないということになるならば、そのことをちゃんと装備をしなさいと、そのかわり十二カ月点検もやれるようにするし、そしてできるだけ実施率の向上ということも考えてやってくれというふうなことでお考えいただけたらと思うのですけれども、もう一回その点御返事をお聞きしたい。
#211
○政府委員(角田達郎君) ただいまの先生の御提案、非常に貴重な御提案だと思いますので、私どもあらゆる観点から真剣に検討をさせていただきたいと思います。
#212
○柳澤錬造君 次に、これも少し立ち入ったことを聞くようになっちゃうんだけれど、街頭でチェックするわけでしょう、今度は。大体街頭のチェックでもってどのくらいやれるんですか。
#213
○政府委員(角田達郎君) 私どもの第一線の検査職員が年間に延べで二千五百人ぐらい出動いたしまして、警察の御協力を得て街頭検査をやってチェックするわけでございますが、その実績は、大体年間十万台程度というようなぐあいになっております。
#214
○柳澤錬造君 四千万台から走っているのを年間十万台チェックするわけでしょう。平均に一わたりということもうまくいくわけじゃないけれども、何百年もかかることになるわけですよ。そうしてくると、仮にいま十万台をチェックをして、そして、これはいけません、すぐ定期点検に行きなさいという、そういうのがその中でどのくらい出そうですか。
#215
○政府委員(角田達郎君) 約十万台のチェックをいたしまして、その結果、道路運送車両法上の整備不良車として認定されるものが、これは大ざっぱな数字でございますが、約二万台ございます。
 それで、先ほどから私どもが定期点検の指示制度につきましての運用の対象をこういうふうに限定いたしますというふうに御説明申し上げておりますが、そういう整備不良車、いま申し上げました約二万台の整備不良車がその点検指示制度につきましても対象になってくるのではなかろうかというふうに考えております。
#216
○柳澤錬造君 そうすると、その二万台に指示をする。それできちんと点検をして報告書を送ってくるのもあれば、それで送ってくればもうそれで問題なし。ところが、指示をしても、点検にも持っていかないか、あるいは、まあ点検してもらえば報告書は出しますからね、結局点検にも行かないでそのままやりっ放してしまうというふうなのがおると思うけれども、そうすると、それは言うならば過料十万円の対象になるわけでしょう。その過料十万円の対象になるのがその二万台のうちでどのくらい出そうですか。
#217
○政府委員(角田達郎君) 整備不良車として認定されますのが約二万台でございます。ただ、整備不良車の中にも定期点検をやっているものがあるわけでございます。先ほどちょっと私の方で説明が不足いたしましたが、定期点検整備の実施率が五割から六割ということで考えますと、それをそのまま当てはめれば、その半分の一万台が定期点検をやっていない可能性が出てまいるわけでございまして、その車に対しまして点検の指示、報告というようなことになってくるわけでございます。
 ただ、先ほど来御答弁申し上げておりますように、この過料の発動というのはできるだけやらないで、行政指導を実効あらしめるための制度でございますので、行政指導主体にやっていくという私どもの考え方でございますから、その結果過料が科されると、こういうケースは非常にまれなものになってくるのではなかろうかと、かように考えております。
#218
○柳澤錬造君 過料の発動はできるだけやらない考え方です――もちろんそういうものだと思うんですけれど、それで、いま私が聞いて、一万台なら一万台を指示していて、そこからどのくらいがその十万円の過料の対象になるんですかと聞いたんだけれども、いまそのお答えは、なるべくそういうことにならぬようにしたいと。とすると、これだけこの法案について議論が沸騰して問題になっているその過料十万円を、何でそれじゃそんなことまでしてこの法案に織り込まなくちゃいけないんでしょうか。織り込まなくたって、そういういま皆さん方がいろいろ御答弁をなさったり、いま言われているように行政指導の面を発揮をして、それでできるだけ効果を発揮してもらえばいいわけでしょう。その辺が、こう聞いておりますと、暴走族がどうだとか――暴走族なんて全く関係がないんですよ、今度の法改正には。そんなものが出てくることがおかしいわけです。だから、いまというか、いままでずっといろいろな方の御答弁を私が聞いている範囲ならば、過料十万円というあれは、もう削除をしても何ら痛くもなければかゆくもない、この法改正についての精神が損なわれるものでもないんだという判断を私はしたんだけれども、そこはどうですか。
#219
○政府委員(角田達郎君) この点検の指示それから過料の仕組みでございますが、私どもこれ何遍も同じような御答弁を繰り返しておりまして非常に恐縮でございますけれども、車というものはユーザーが自主的に管理するんだと、こういう精神、こういう傾向というものを今後も助長しなければいけませんし、そういう考え方と、それからもう一方で安全の確保、それから公害の防止という観点から定期点検の励行をしていただきたいと、こういうもう一つの要請、それとのかね合いで行政指導を励行するための最低限の制度として考え出したわけでございまして、何遍も申し上げておりますように、過料を取るための仕組みではないわけでございまして、真剣に点検をやっていきたいというふうに私ども考えておるわけでございます。
#220
○柳澤錬造君 だから私が聞いているのはそこなんですよ。そういうことを強調なさればなさるほど、この過料十万円の項は削除してもこの法の精神というものは何にも損なわれないことになるんじゃないですか。大臣、この点はどうでしょうか、非常に大事な点なんです、ここが。
#221
○国務大臣(小坂徳三郎君) きょうの御議論の中で過料の問題が一番重要な問題として提起されておることはよく理解できるのであります。またわれわれといたしまして、この過料制度というものを一つの秩序罰としての、繰り返しの御答弁にもなりますけれども、やはり自主的な点検整備をやってほしいということを、何らかこうした過料という制度によって裏づけをした方がより成果が上がるのではないかということが、端的に申し上げてこの発想の原点であると思います。したがいまして私は、こうした意味合いの過料ということにつきましては、衆議院の御審議のときもそうでありますし、また参議院におきましても、国会の御審議に十分お任せするという姿勢で終始しておるわけでございまして、もちろんわれわれとしては、この法案の過料をつけました点並びにその運用につきましては、先ほど来御答弁申し上げているとおりのことで、一般の善意のユーザーに対しては、この過料というものはただここにあるだけのことであって、実際には何ら適用しないという運営方針を貫いてまいりますが、しかし、この問題につきましては議会における皆様方の御意向を十分尊重していきたいという姿勢でおります。
#222
○柳澤錬造君 やっぱり参議院の良識をもってどうしてもこれは修正をしたいという気持ちを私も持ちますし、他の党もそうだと思いますから、そういう点でもって運輸当局も原案に固執をなさらないように、いま大臣がおっしゃられたんですから、そういう点で御配慮をいただきたいと思うんです。
 局長、最後にもう一つ、この法改正をやることによって事故がどのくらい減るんでしょうかということなんです。
 私が言いたいのは、結局、自動車いま四千万台、四千万台とみんなが言っているわけなんです。で、自動車による事故というのが昭和五十五年で、私の調べたのでは四十一万六千七百件あった。ところが、その中でいわゆる車の整備不良による事故ですね、これはきょうも出ていますけれども、いろいろの数字が出てくるわけだけれども、一般的に警察庁の資料としていままで衆議院でもあちらこちらで使われておったのは、〇・〇七五%という数字がよく言われておった。参議院で参考資料で出されたこれの中からは、四百九十六件という数字で出てくるわけです。それは多少その数字が違って、ただ、きょう警察庁が言われておった数字のあれは、衆議院段階のときにも一度出てきておるんですけれどもね、それはここに出されているこの資料とのとり方が違っているんで、どういう形であの数字を言われているのかはいささか……、私も衆議院の議事録全部読んだんです。それをいま聞いておったってしようがないから。私が言いたいのは、この四十一万六千七百件からの自動車の事故があった。しかし、多少でこぼこがあっても、その中でいわゆる車の整備不良からの事故というのはわずかに五百件前後、あとの四十一万六千二百件というものは、言うならばドライバーの運転ミスなんですよ。
 そうすると、いまこれを十万円の過料でそういう整備不良車をなくしていく、点検もきちんとして事故の起きないようにしようというのは、いまここで言っている五百件前後のこれが対象になるわけなんです。千分の一なんです。千分の九百九十九というのは、これはもうドライバーの運転ミスによって事故が起きているわけなんですからね。だから、そういう点から立って考えいくと、今回の法改正が事故をなくなすという上についての大きな役割りを果たしちゃいないわけなんだ。むしろこの千分の九百九十九のドライバーがもう少し正常な運転をする、その方についての行政指導をするか何かの、これは別な角度でまた警察庁や何かと相談なさらなきゃいかぬことだけれども、その方に重きを置いてくれなければいけないと思うのだけれども、その点についていかがですか。そしてさっき言ったように、事故がどのぐらい減るでしょうか。
#223
○政府委員(角田達郎君) 車両の原因による交通事故の件数、ただいま先生が挙げられました数字と、それから、先ほど警察庁の方が言われました数字と、いろいろなとり方があるわけでございますが、私どもとしては警察からいただいた数字は、約四十万件の人身事故のうち、車両的原因による交通事故の件数が二千六百四十七件、パーセンテージ〇・六五%、それから死亡事故につきましては六千七百八十五件が全死亡事故でございまして、そのうち車両的原因による事故件数が百四十三件、二・一%と、こういうふうに私ども警察庁の方から資料もいただいておりますし、先ほど警察庁の方もそういう報告をされたわけでございますが、これは確かに、先生がおっしゃいましたように、ドライバーの運転ミスによる事故の方が圧倒的に多いわけでございます。
 それで、ではこの交通事故をどうやってなくすかということでございますが、圧倒的に多いドライバーの運転ミスによる事故、これは警察庁を中心にいたしましていろいろな対策がとられているわけでございますし、また、先ほども御説明しましたように、道路の構造からくる運転のミスを誘発するようなケースもあるわけでございまして、それはそれで建設省なりそういうようなところで改善をしていくということでございまして、私どもとしては、このパーセンテージは非常に少なく、また件数も少ないわけでございますが、車両的原因による事故の死亡の件数だけでも年間で百四十三件ございます。こういうようなものは私どもの努力なり、あるいはユーザーの皆さん方の御協力によってぜひなくしていきたいと、こういうような考え方でおるわけでございますので、私どもは、私どもの分担できる範囲内で交通事故の防止に役立っていきたいと、こういう考えでおります。
#224
○柳澤錬造君 もう時間ですから。
 局長、そんなことを私聞いているんじゃなくて、この法改正によって事故がどのくらい減りますかと聞いたんです。それから、警察庁のこれも、いまここでもって私は警察庁にあれしてないけれども、衆議院でこういう答弁をしているんだよ。「整備不良車による交通事故の発生状況についてでございますが、昭和五十五年中の検査対象車両の全人身事故件数は四十万七千六十一件」、整備不良車による事故が四十万もあったらね、大体いま事故そのものが四十万ちょっとなんだから、いかにこの警察庁の答弁というのは間違った答弁をしているかということなんだ。だから、それは一般的には〇・〇七六五あるいは一・三でもそんな悪くないけれども、このような言い方のものが基礎でもって、いまあなた局長言われているのも、きょう言われた基礎と同じような答弁のを材料にしているのだけれども、そこのところは直していただいて、そうして数字が、多少はいいけれども、大部分は、問題はドライバーのミスで、車の整備不良によるというのは本当のわずかなんですよという、そこのところをお考えいただいて、それで事故を減らすにはドライバーの運転ミスをどうやって直してもらうかという、モラルの問題でやらなければいけないのですということをやっぱり注意喚起をしていただきたいということを私は申し上げたいのです。
 時間が来ましたから終わります。
#225
○委員長(桑名義治君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト