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#1
第096回国会 商工委員会 第11号
昭和五十七年四月十五日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     市川 正一君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     大森  昭君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬雄君
    理 事
                岩本 政光君
                野呂田芳成君
                村田 秀三君
                市川 正一君
    委 員
                上田  稔君
                大木  浩君
                金丸 三郎君
                川原新次郎君
                楠  正俊君
                斎藤栄三郎君
                松尾 官平君
                森山 眞弓君
                阿具根 登君
                大森  昭君
                高杉 廸忠君
                田代富士男君
                井上  計君
                森田 重郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   安倍晋太郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        真鍋 賢二君
       通商産業省基礎
       産業局長     真野  温君
       通商産業省基礎
       産業局アルコー
       ル事業部長    石川不二夫君
       工業技術院長   石坂 誠一君
       資源エネルギー
       庁長官      小松 国男君
       資源エネルギー
       庁石油部長    野々内 隆君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    福川 伸次君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  川崎  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       臨時行政調査会
       事務局主任調査
       員        田中 一昭君
       大蔵省主計局共
       済課長      野尻 栄典君
       食糧庁業務部需
       給課長      武田  昭君
       通商産業省通商
       政策局経済協力
       部長       宇賀 道郎君
   参考人
       新エネルギー総
       合開発機構理事
       長        綿森  力君
       新エネルギー総
       合開発機構理事  松尾 泰之君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機
 構への移管のためのアルコール専売法等の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、下田京子君が、また、昨十四日、瀬谷英行君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として市川正一君及び大森昭君が選任されました。
#3
○委員長(降矢敬雄君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 市川正一君が一時委員を異動されたことに伴い理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に市川正一君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(降矢敬雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案の審査のため、同法案の審査中、必要に応じ新エネルギー総合開発機構理事長綿森力君及び同理事松尾泰之君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(降矢敬雄君) 次に、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明並びに補足説明は、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○高杉廸忠君 私は本法案の審議に当たりまして、わが国のエネルギー対策の方向など関連をして以下伺いたいと思います。
 まず最近のエネルギー事情について伺いますが、最近のエネルギー事情は世界的に石油の需要か低迷をいたしまして、産油国側も生産削減、原油価格の引き下げなどでこれに対応しようといたしております。石油は世界的にだぶついている状況にあると思います。これは石油の価格が高騰し過ぎまして主要先進国が脱石油化、省エネルギーの推進等に努めたこと、また世界的な景気の停滞でエネルギー需要が伸びなかったことなどがその背景であると考えます。しかしながら、世界の主たる産油地帯であります中東地区の政治情勢はイラン・イラク戦争の激化など、依然として不安定でありまして、石油を政治、外交の最大の武器としている中東産油国の政策から見ますと、中東情勢のいかんによっては第三、第四の石油危機が起きかねない状況にあると思います。
 わが国は御承知のとおりに国産エネルギーをほとんど持たない、また石油への依存度が高く、しかもその多くを中東地域から輸入している現状であります。したがって、わが国としてはエネルギーセキュリティーの観点からも最近の原油の一時的な需要緩和だけでは決して楽観できないと思いますが、通産省はわが国をめぐる最近のエネルギー事情についてどのように分析しているのか、まず伺う次第であります。
#9
○政府委員(真鍋賢二君) 最近の国際石油需給の見通しにつきましては、ただいま高杉先生からお話があったとおりでございます。先進消費国の石油消費の大幅な減少等を背景に緩和基調で推移しており、またわが国においても近年省エネルギー及び石油代替エネルギーの開発導入が着実に進展いたしております。しかし、中長期的に見た場合、先生いま御指摘がございましたように、中東情勢が不安定でございますし、また産油国の資源温存志向等によりまして、中長期的な石油需給の逼迫化の見通し等国際石油需給の先行きに懸念材料が非常に多いわけであります。したがって、エネルギーの石油依存度、輸入依存度はきわめて高いという脆弱なエネルギー供給構造を持っておるわが国といたしましては、今後ともエネルギーの安定供給はきわめて重要な課題として受けとめております。
#10
○高杉廸忠君 わが国の石油需給動向について伺いますが、わが国のエネルギー需給構造は、エネルギー革命の中で石炭中心から石油中心に大きく変革をいたしまして、昭和五十二年当時は石油への依存度が七五%にも達していました。このため六十五年度までに石油への依存度を五〇%に引き下げることを目標にした長期エネルギー需給見通しが作成されたものであると理解をしております。
 石油中心のエネルギー需給構造を持つわが国は、経済成長とともに石油の需要量も着実に増加していったため、長期エネルギー需給見通しでは、長期的な石油供給量の確保目標を東京サミットで合意された下限値であります年間三・六六億キロリットルとしたものと思います。しかるにその後の輸入量は、昭和五十四年二・八億キロリットル、五十五年二・五億キロリットル、五十六年は二・三億キロリットルと推定され、最近は年々減少する傾向にあります。石油に対する依存度も全体の三分の二程度まで低下していると考えます。こうした傾向は石油価格の高騰に対応した省エネルギーの推進、景気の低迷による需要の減退といった一時的な原因が理由なのかどうか。それともエネルギー需給構造が脱石油の方向へ向かっているのかどうか。最近のわが国の石油需給の動向と今後の見通しについて通産省の考え方を伺う次第です。
#11
○政府委員(野々内隆君) 御指摘のように最近の石油製品の需要は減退ぎみでございまして、大体二年続きましてここ一〇%ぐらい前年に比べて減少いたしておりまして、燃料油の内需は五十四年度の二億三千三百万キロリットルから五十五年度には二億九百万キロリットルへ、また昨年五十六、暦年で見ますと二億キロリットル割りまして一億九千九百万キロリットルというふうに相当な早さで減少いたしておりまして、その原因は御指摘のような構造的な問題と、それから景気循環に伴います一時的な問題、二つに分けられるかと思います。
 で、どちらにどの程度のウェートがあるかというのは、これはなかなかむずかしい問題でございますが、品種によって異なると考えられております。たとえばガソリンの場合には、需要が横ばい傾向から大体一%程度の上昇、これは省エネルギーが相当進んでおりまして、乗用車一台当たりのガソリン消費量というのは通常年間一キロリットルぐらいでございますが、これが徐々に減少してきております。それと自動車保有量の増加というものが相まちまして大体年間一%ぐらいの増加でございます。それから、ナフサは石油価格が景気の低迷から落ち込んでおりまして、これは景気動向と言っていいかと思います。それから、灯油につきましては一産業用灯油は景気が悪いということと、それから他の燃料への転換、両方で相当程度落ち込んでおりますが、民生用の灯油につきましては、消費節約もございますが、徐々に増加をいたしております。それから軽油、A重油につきましては大体横ばいから若干の増で、これは景気循環的なものがあるかと思います。それからB、C重油、これは構造的な変化が非常に大きくあらわれておりまして、たとえば、従来鉄鋼、セメントが大きな需要家でございましたが、これがほとんどゼロになっております。それから電力の場合も急激に落ち込んでおりまして、これが脱石油が進んでいると言えるかと思います。
 今後の見通しにつきましても、長期的な見通しは現在検討中でございますが、全体としては弱含みか若干の増という形でございますが、中身を見ますと、ガソリンとか軽質油については若干の伸び、それから、ナフサ、B、C重油につきましては減少、こういう需要構造の変化を伴いながら徐々に当面増加するというのが見通しかと考えております。
#12
○高杉廸忠君 次に、石油備蓄政策の方向について伺います。
 五十七年度予算では、エネルギー政策として、石油備蓄対策の推進及び原子力の開発の二本の柱が大きな柱になっているように思うのですね。しかるに、その石油備蓄については最近の国内需要の低迷に加えまして、長期引き取り体制のために原油の方はどんどん入ってくるということで、どこの石油会社も相当な備蓄を抱え込んでいる状況にあると思うのです。
 こうした状況の中で、石油備蓄の推進とはいかなることを行うのか、これが第一であります。現行の石油備蓄法の民間備蓄、これは九十日間体制です。これを他の先進諸国の水準まで引き上げることを検討するのかどうか、これも、ひとつあわせて伺います。
#13
○政府委員(野々内隆君) 日本の石油は御承知のようにほとんどが輸入に依存をいたしておりまして、欧米に比べまして、そういう意味で国際的な情勢に対して非常に弱いということは言えるかと思います。そのために備蓄というものが非常に大きな意味を持っておりまして、現在二つの方法で備蓄をいたしております。一つは民間企業に対しまして、法律によりまして九十日の備蓄を義務づけるという方法と、もう一つは、政府が石油公団の保有という形で国家備蓄を進めるという、この二つの方法によっておるわけでございます。
 それで、民間備蓄の方は、通常でありますと四十五日程度の備蓄がございますと国内の供給には不足がないわけでございますが、緊急時に備えて九十日まで義務づけるということをいたしておりまして、このために、この超過分につきましては特別会計によりまして援助を行っております。
 それから、もう一つの方は国家備蓄でございまして、これは民間ではなしに国家が行うということで、この民間の九十日備蓄の方は、そのときの石油消費の動向によりまして、日数は九十日でございますが、量自体は変動するということでございますが、しかし国家備蓄の方はそのときの変動に関係なく計画的に積み上げていくということで、六十三年度に三千万キロリットルを保有するということで進めております。政府の予算の、備蓄の増強というのはこの民間備蓄に対する助成ということと、もう一つはより大きなウエートがありますのは、国家備蓄を計画的に推進していく、こういうことでございます。
 したがいまして、民間の九十日備蓄につきましてはすでに法律で規定されておりますので、これの引き上げというのは現在検討いたしておりませんが、国家備蓄につきましては今後とも計画的な積み上げをやっていきたい。欧米では大体輸入の百七十日分ぐらいを持っておりますが、わが国ではまだ民間、国家足しまして百二十日まで至っておりません。したがいまして、今後はこの国家備蓄の計画的な推進ということに中心を置いていきたいと考えております。
#14
○高杉廸忠君 資料によりますと、民間備蓄五十七年度一月末で見ますと百四日程度こうなっております。国家備蓄についてはいまお話がありましたが、現行はどういうようなことになっておりますか。
#15
○政府委員(野々内隆君) 二月末現在で民間備蓄が百丁六日、それから国家備蓄が十六・八日、合計百十八・四日分持っております。
#16
○高杉廸忠君 次に、石油の長期的な需給見通しとそれから石油代替エネルギーの開発についてお尋ねしたいと思います。
 現在石油は世界的に需給が緩和していますけれども、これは原油の供給が潤沢になったからではなくて、消費国側が石油の価格の高騰に押されて脱石油化、省エネルギー化を進めたため石油の需要が落ち込んだことがその原因であるとこういうふうに考えるのです。石油は資源的にもあと三十年程度で枯渇をするものと言われております。産油国側も長期的な資源温存政策で臨んでいるし、また、中東情勢いかんによってはいつ供給が途絶するのかわからない状況が続いていると思います。こうした観点に立って、政府は石油の長期的な需給見通しについてどのような見解を持っているのか、これを伺います。
#17
○政府委員(真鍋賢二君) 先ほど高杉先生に最近のエネルギー情勢の分析で指摘いたしましたように、確かに昨年末石油需給は緩和基調にあるわけでございますけれども、中長期的に見た場合、需要面では特に発展途上国の大幅な伸びが予想されるわけでございます。また、供給面では産油国の資源温存政策の強化が予想される等、世界の石油需給が再び逼迫化する可能性があるという見方が非常に多いわけでございます。
 先生いま御指摘ございましたように、今後とも石油は中東諸国から大部分が供給されるわけでございますから、そういう状況を勘案しましてこれらの対応をしていかなければならないと思うわけでございます。わが国におきましても産油国との関係をより強化し、なおかつ、自主開発の推進、石油備蓄の実施等によりまして石油の安定供給の確保を図っていくとともに、引き続き先進各国とも協力して省エネルギーの推進、代替エネルギーの開発の促進に努力していく必要があるかと思います。
#18
○高杉廸忠君 次に、石油代替エネルギーの柱について伺いますが、政府は石油代替エネルギーの三本柱に、まず原子力その次に石炭、LNG液化ガス、これを挙げているわけですね。特に原子力に主力を置いていると思うのです。しかしながら原子力は安全性の確保の面から国民の間にも不安が大きく、アメリカのスリーマイル島の原発の事故を初め、わが国でも敦賀原発が予想外の放射能漏れ事故を起こす。こういう問題が多いと考えるわけです。石油代替エネルギーとしては、当面、需給実績の確実な石炭、LNG、これを柱として、長期的には新エネルギー開発を推進すべきである、こういうふうに思いますが、この点はどのようにお考えになっておりますか。
#19
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話がございましたように、脱石油を図るという前提に立ちまして、石油代替エネルギーの開発導入の当面の担い手という形では原子力と石炭とLNGとこの三本柱に頼るという形をいたしておりますし、さらにそれ以外、純国産エネルギーということで水力とか地熱、こういうものについても相当の力を注ぐということにしております。それからさらに、いま先生お話ございましたように、中長期的には、日本の持ち味を生かし、技術開発を生かすという観点からも石炭液化、太陽光発電等新エネルギーの開発をすると、こういうことによりまして、長期的にわたったエネルギー構造の強化を図っていく、こういう観点で進めているわけでございますが、御指摘のございましたように、原子力については問題があるから石炭、LNGにしたらどうかというお話でございますけれども、エネルギーにつきましては、量の問題とあわせましてコストの問題もございます。コストの観点から立ちますと、原子力というのが安定供給、それからコスト、この面では最もすぐれているわけでございます。それから、石炭につきましては、確かに資源面では石油に比べて非常に豊富でございますし、埋蔵量も多いわけでございますが、LNGの方は、現段階では油に比べてかなり余裕がございますけれども、どちらかといいますと、石炭もLNGも石油との関係でコスト問題が将来上がってくる問題がございます。そういうことを考えますと、しかも石油の今後の価格その他の上昇に対しまして十分チェックできる体制、それから全体としてのエネルギーコスト、安定供給という面を考えますと、やはり原子力というのが日本の場合には当面の石油代替エネルギーの柱としては最も重要なものだというふうに考えております。こういう観点から、原子力開発を今後とも国民の理解のもとに、また安全性について十分確保しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
 ただ、同時に中長期的には御指摘のような新エネルギーの開発、これが必要でございまして、いまNEDOを中心に、石炭液化、太陽光発電等を初めとする新エネルギーの開発に今後とも予算措置、それから民間の協力、こういうことで研究開発努力をしているという段階でございます。
#20
○高杉廸忠君 海外炭の開発輸入対策、こういうことについて次に伺うのですけれども、石油代替エネルギーとして石炭が見直されていると思うのです。国内炭は供給に限りがありますと、増大する石炭需要を賄うためにはどうしてもやっぱり海外炭の積極的導入を図らなきゃならないと考えるわけですね。海外炭の採鉱と導入促進のための助成の推進、これは新エネルギー総合開発機構の主要な業務の一つである、こういうふうに思うのですが、どのような点に留意をして導入の促進を図るつもりなのか、開発、輸入対策について伺いたいと思います。
#21
○政府委員(福川伸次君) 海外炭、特に一般炭につきましては、最近石炭の見直しという機運によりまして、最近の一年間で申しますと、前年に比べて六割ないし七割程度の増加ということで推移をいたしております。いま御指摘の今後の考え方はどうかということでございますが、私どもといたしましては、いろいろ民間各界の御意見あるいは学識経験者の御意見を伺うべく、海外炭問題懇談会というのを設けておりまして、そこで考え方の集約を昨年夏いたしました。
 その第一点は、一つは地域、供給源の多角化ということでございます。石油の教訓を生かすべく、できる限り石炭の供給源を地域的に多角化していこうということが一つの考えでございます。従来、オーストラリアに非常に多くを依存をいたしておりましたが、オーストラリアは、御高承のとおり、労働力に制約がある。労働ストライキ等の多発が見られるというようなことから、できるだけこれを多角化しようということで、中国、アメリカ、カナダ等にいま分散化を図っておりまして、ウェートは徐々に高まりつつありますが、第一の考え方は、石油の教訓を生かすべく地域別に多角化したいという点が第一点でございます。
 第二点は、これは、輸送問題が非常に重要な物資でございますので、輸出国の山元の開発から輸出国側におきます鉄道輸送ざらに積み出し港湾、それから外航船の確保、さらに日本の国内の受け入れのためのコールセンター等、私どもはこれをコールチェーンシステムと称しておりますが、そういったものをシステム的に展開するインフラの整備を行っていく必要があるという点が第二点でございます。
 それから第三点は、さらに将来に備えまして、利用いたします炭種をできる限り拡大していくということでございます。二百年分とか二百五十年分と言われておりますが、だんだんと、いいものばかり掘っておりますと、そこにはそれでも制約が出てまいりますので、低品位炭等を利用し得るような技術開発を進めていくということでございます。液化、メタノール化、あるいはガス化といったようなことがその方法になろうかと思いますが、将来に備えまして利用炭種の拡大を図っていくということがその考え方でございます。
 それから第四番目は、民間の協調体制の確立を図り、それに政府の支援体制をつくる。こういうことで、実需に合いました民間の引き取り体制をつくりますと同時に、いま先生が御指摘になられましたNEDOを通じました助成を図っていく、こういう点に集約できようかと思っております。
 私どもといたしましては、新エネルギー総合開発によりまして探鉱資金の低利融資、それから開発資金の債務保証、さらに国内のコールセンター等の建設につきましては日本開発銀行の低利融資といったような助成を講じておるわけでございまして、今後とも海外炭の長期安定的な確保に遺漏なきを期するよう努力してまいる考えでございます。
#22
○高杉廸忠君 いま海外炭の助成の問題をも含めて伺ったわけですが、国内炭の対策について、その方向についてお尋ねをいたしたいと思うのですが、国内炭は貴重なエネルギー資源でありますが、合理化の推進により炭鉱の閉山、採掘現場の奥部あるいは深部、こういうふうなことによって年間出炭量は目標の二千万トン体制を大きく割り込んでいる現状だろうと思うのです。千七百万トンあるいは千八百万トンで推移している現状にあると思うのです。
 また、昨年十月の北炭夕張炭鉱の事故のような重大災害が発生をし、同鉱はまさに経営危機に陥っている実情であると思うのです。石炭鉱業は保安対策の確保に万全を期しつつ、国産資源の安定、有効活用を図るために、その安定化のための諸施策の推進を図るべきだと思うのです。今後の国内炭対策のあり方について、基本的な方針を伺いたい。
#23
○政府委員(福川伸次君) いま先生御指摘のとおりに、保安の確保というのは石炭鉱業のすべての基礎であると考えております。昨年八月第七次政策の御答申を石炭鉱業審議会からちょうだいいたしましたが、その中でも保安の重視ということが強くうたわれておるわけでございます。御指摘のとおりに、私どもも、国内の石炭というのは貴重な国内にありますエネルギー資源でございますし、それから諸外国に依存いたしますよりは供給の安定性が高い、こういうことから、この資源の活用を図っていくべきであると考えております。
 しかし、また一方、全く経済性を無視していいというわけではございませんで、その活用を図るに当たりましては私企業体制をベースにしながら経済性との調和、経済性と安定性との調和に留意しながらこの国内の開発を進めていく、こういうことであろうかと思っております。第七次政策におきましてもそういった考え方に立って石炭企業の労使の自助努力とさらに政府の施策と需要業界の協力と、この三者の協調によりまして石炭鉱業の自立を目指していくという方向で努力してまいる考えであります。
 その中でいま大体千七百五十万トン程度の水準で生産水準が推移をいたしております。それにはいま御指摘の北炭夕張の事故等がございましてやや出炭が落ちておりますが、考え方といたしましては、現状程度の生産の維持をまず基調としておる。安定的に長く現在程度の生産水準を維持をしていく。さらにまた需給の状況が好転をし、また石炭鉱業の企業の体質が強化されてまいりますれば、さらに消滅鉱区の再開発あるいは将来においては新鉱の開発ということも期待し得るわけでございまして、考え方といたしましては現状維持を基調としながら将来において二千万トン程度の生産水準の達成を目指すという考え方で取り組んでまいる考えでございます。
 かかる観点に立ちましてことしの三月に石炭鉱業合理化法の五年間の延長と所要の改正をお願いをし成立をいたしましたわけでありまして、今後その施策に遺憾なきを期する考えでございます。
#24
○高杉廸忠君 次に大臣に伺いたいと思ったんですが、まだいらっしゃいませんから、引き続き質問をいたしますが、政府の総合エネルギー調査会が昭和五十四年八月に作成をした長期エネルギー需給暫定見通しは、その後のエネルギー需要の変化によりまして見通しが狂ってきたためにその見直し、改定作業が進められていると聞きます。この改定作業のポイントですね、それから骨格となるものはどのようなものか、それから基本的な考え方を伺いたいと思います。
 そしてさらに通産省はこの長期エネルギー需給暫定見通しが決まり次第、これに基づいて石油供給計画や電力施設計画などの長期計画を次々に作成をしていく方針、こういうふうに聞いているんです。その中で相互の関連性に留意しながらこのようなエネルギー源多様化への具体的取り組みですね、あり方、この基本的展望を私は通産省は示すべきだと、こう思うのです。
 どう考えるか、これを伺い、また長期エネルギー需給暫定見通しの改定後に、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律の第三条に規定されて、昭和五十五年十二月三日公表された石油代替エネルギーの供給目標も改定されるのかどうかですね、これもひとつあわせて伺う次第です。
#25
○政府委員(真鍋賢二君) 大臣がお見えでございませんので全部を私が包括して答弁できるかどうか、その点は疑問でございますけれども、私の聞いておる範囲内のことを答弁申し上げまして、なおその他のことについては補足なりまた大臣がお見えになったときに答弁をお願いいたしたいと思います。
 長期エネルギーの需給見通しにつきましては、最近のエネルギー情勢がいろんな変化をしてまいっておりますので、それらの情勢にかんがみて総合エネルギー調査会需給部会において鋭意検討中でございます。その検討しておる柱を三つほどに、区分してみますると、一つには昭和六十五年度のエネルギー需要について現行見通しの七億キロリットル相当程度の引き下げを目指すことにいたしております。もう一つには、石油代替エネルギーについては、可能な範囲でその供給増加を努めなければならないということでございます。もう一つ、西暦二〇〇〇年におけるエネルギー需給の基本構造をどのように展望するかというこの三つの柱について、現在需給部会におきまして慎重審議をいたしておるところでございます。
 現在、最終段階に来ておりますので、今月下旬ごろにはその報告が行われる見込みと聞いております。その他の問題につきまして、関係局長から答弁をさしていただきます。
#26
○政府委員(小松国男君) いま政務次官から答弁申し上げましたような形で検討が進められておるわけでございますが、その中で第三点として二〇〇〇年のエネルギーの需給についても検討が行われているというふうに答弁申し上げたわけでございますが、その観点は、いま先生から御指摘がございましたように、長期的な観点に立ってそれぞれのエネルギーの供給項目についてどうあるべきかという姿を描いてもらおうということで現在御審議をいただいておるわけでございまして、それが今月下旬には報告という形で出てまいるということになっております。それを踏まえて私どもとしてはそれぞれのエネルギー項目についていろいろの審議その他を行うわけでございます。
 まず電力につきましては、電気事業審議会の需給部会、ここでこの長期需給見通しを前提に置いた形での電力についての需給見通しが報告されるということになりますし、それから石油代替エネルギーの供給目標、これにつきましては、先ほど先生からお話ございましたように、この答申を受けまして、私どもとしてはそれぞれの代替エネルギーの供給目標を改定していこうというふうに思っております。それからさらに、石油供給計画につきましても、この長期需給見通しを前提として石油につきましての供給計画を策定するということでございます。
 こういうそれぞれのエネルギーの供給目標につきまして、二〇〇〇年を目指す中長期的な一つの想定を描きまして、その中でそれぞれの政策を進めるということでございます。そういう観点で六十五年度というのが一つの目標地点ではございますが、他の代替エネルギー、特に原子力その他の発電はもちろんでございますが、新エネルギーにつきましては相当長期のリードタイムが要るわけでございますので、長期の目標を立てまして、それに向かって研究開発を進めるということが大事でございます。そういうことで六十五年度というのはもうついそこに参っておりますので、七十五年度に相当する二〇〇〇年のエネルギーの供給構造ないしは需要構造を描いて、そういう中長期的な観点からそれぞれのエネルギーにつきまして、その供給体制の整備を図っていく、こういうことでエネルギー政策を進めてまいりたい、かように考えております。
#27
○高杉廸忠君 次に、新エネルギー開発の基本的な方針について伺いたいと思うのですが、アルコールなどバイオマスを含む新エネルギーは、再生可能な無限なエネルギーであることに大きな特徴があると思うのです。現在使用されているエネルギーは主として化石エネルギーであり、資源量は有限であります。使用とともにいずれ資源は枯渇のときを迎えると、こういうふうに考えるのです。石油については可採埋蔵量のすでに四五%が採掘をされてしまったという説があるんです。一方、エネルギー需要の方は永遠に続くものでありまして、化石エネルギーに頼る限り将来は大きな需給ギャップにぶつかることになる、こういうふうに思うんですね。このために超長期的には資源量が無限であるかまたは再生可能なエネルギーを主力に考える必要があると思うのです。
 こうした観点から新エネルギー開発に取り組むべきであるというふうに考えるんですけれども、政府の基本的な考え、これをまず伺う次第であります。
#28
○政府委員(小松国男君) いま先生から御指摘がございましたように、現在私どもが頼っているエネルギー資源につきましては、それぞれ埋蔵量それから将来の見通しについての不安定な部分が相当あります。特に石油につきましては、その埋蔵量から言っても、当面非常に需給が緩和しておりますが、中長期的にはこれが逼迫する。それからさらに、埋蔵量その他の点で相当な不安があるということでございます。それから石炭につきましては、石油に比べますと相対的に資源量が豊富でございますが、これにつきましても当然一定期間で、これが使われるということになりますと、その先の問題がある。こういういろいろの事情がございまして、全体的に見まして、現在はエネルギー供給という面から見ますと、これから二〇〇〇年のある特定の時代になって核融合とか、先ほど先生がおっしゃられた太陽エネルギーのような再生エネルギー、こういうものが自由に使える、技術開発が進められる間は、むしろエネルギーの谷間の期間だというふうに言われておりまして、こういう期間をどうやって乗り切っていくかということで、私どもとしてもいろいろの研究開発を進めているわけですが、そういう中長期的、さらに長期的な観点に立ちますと、現在の資源、その他に頼る以外に技術開発、さらには再生可能なエネルギーとしての太陽エネルギー、バイオマス、こういうものについての研究開発を進めるということが非常に大事だというふうに思います。
 そういう観点で、特に将来の有限の資源に頼るエネルギー構造から、技術開発その他を踏まえて、再生可能エネルギー、しかも供給量の面で非常に潤沢にあるそういう分野での技術研究開発、これを進めることは非常に大事だということで、私どもとしても、その研究開発に相当な期間を要するという前提に立ちまして、現在からそのための研究開発に全力投球しているということでございます。
#29
○高杉廸忠君 お忙しい中おいでいただきました理事長に次に伺いたいと思うのですが、五十七年度の新機構の新エネルギー関係の施策について伺いたいと思います。五十七年度について新エネルギー総合開発機構が担当をする新エネルギーの研究開発計画として主要なものを、どのような内容なのか理事長に伺いたいと思います。
#30
○参考人(綿森力君) NEDOの理事長をやっております綿森でございます。日ごろ御指導いただいておりましてありがとうございます。いまの高杉先生の御質問にお答えいたします。
 NEDOの新エネルギー部門は石炭、太陽、地熱、この三つを大きな柱といたしまして、石油代替エネルギーの技術開発に努力をいたしております。
 その中で、まず石炭エネルギーにつきましては、豪州に豊富にございます褐炭を液化するプロジェクト、これに大きく力を入れております。なお、褐炭以外の歴青炭系の液化につきましては、国内で三つのプロジェクトを進めておりまして、現在まではパイロットプラントを建設する段階にございましたが、いずれも三つが完成いたしまして、いよいよ本年からこれを試験運転して検討する時代に入ってきております。そのほか石炭につきましては、海外炭の加工を目指す民間のプロジェクトに対しまして融資、債務の保証などの助成を行っております。
 次に、第二の柱であります太陽エネルギーにつきましては、太陽の光と太陽の熱と二つございまして、太陽の光につきましては太陽電池の低コスト化を技術開発の中心といたして進めております。また、太陽熱の発電につきましては、仁尾町につくりました一千キロの太陽熱発電所の実験研究を続行しておる段階でございます。
 三番目の柱であります地熱エネルギーにつきましてはいろいろの調査をやっておりますが、特にアクセントをつけておりますのは、地下三千メートル程度の大規模の深部地熱開発ということの研究をいたしておりまして、その有力な地点を探し、また数カ所を特定の場所といたしまして、研究を続行しておる次第でございます。
 その三つが大体の柱でございますが、その他、風力の利用、水素の製造、新型電池の開発等も行っております。
#31
○高杉廸忠君 次に、新エネルギー財団の役割りについて伺いたいと思うのですが、新エネルギー開発のための民間の団体として、関係企業の共同出資による新エネルギー財団がありますが、その財団の役割りと機能、これについて伺います。また、新エネルギー総合開発機構とどのように協力をしていくのか、これもあわせて伺います。
#32
○政府委員(小松国男君) 新エネルギー財団でございますけれども、これは、石油代替エネルギーの開発導入に関しまして、産業界を中心とします各界の総意を形成するための協力支援団体ということでできておるわけでございまして、これは民法に基づいてできました財団法人でございますけれども、業務としては、そういうことでございますので、一つとしては新エネルギー技術の開発、実用化の促進のための民間の意見の取りまとめ、取りまとめた意見を関係機関等へ建議をし意見具申をする、こういうのが一つの仕事でございます。それからもう一つは、これは新エネルギー総合開発機構とも関連をするんですが、水力とか地熱とかその他のローカルエネルギーにつきまして、これを普及また促進する事業ということをいたしておるわけでございます。
 こういうことで、主としては意見をまとめまして関係機関にそういう面についての意見具申をする、あわせて代替エネルギーについての普及促進活動ということでございますので、これと新エネルギー総合開発機構との関係ということになるわけですが、新エネルギー総合開発機構の方は特殊法人ということでできまして、新エネルギーの実用化段階を目指す研究開発ということで、先ほどエネルギー総合開発機構の理事長からのお話もございましたような形で、石炭液化、太陽光発電と、こういう新エネルギーの大規模複合技術の実用化のための開発とか、それから資源面で、地熱とか海外炭の開発、こういうものについての調査とか融資とか債務保証ということをいたしておるわけでございまして、相互の関係ということになりますと、こういうことで、官民一体の研究開発機関ということになるわけでございますが、一方、新エネ財団の方は、民間機関として、民間の意見をまとめ、それからさらに研究開発された問題を民間で普及促進していく、その分野を担当するということでございます。ただ、そう申し上げましてもきちっと分野が分かれているわけではございませんで、相互に連携をとりながら、お互いにその関係を密にして、両機関の効率的な運営を図るということが、今後私どもとしても努めていかなければならない問題だというふうに考えております。
#33
○高杉廸忠君 次に、政府の石炭液化・ガス化技術の開発の方向について伺います。
 五十六年度予算で予定されていたSRCプロジェクト、日、米、西ドイツ三国による石炭液化技術開発計画、これは中止となりましたが、政府は石炭利用の拡大を図る上で石炭の液化・ガス化技術開発をどのように進めるつもりなのか、これを伺います。
#34
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話のございましたSRCIIプロジェクトは残念ながら中止となったわけでございますが、石炭液化・ガス化というのは、いわゆる石油に直接かわる代替エネルギーということで、私どもとしては今後ともこの研究開発を進めることが非常に重要だというふうに考えております。こういう観点に立ちまして、SRCIIプロジェクトは中止になりましたが、その研究成果は今後とも生かしていきたいというふうに考えておりますし、それ以外に石炭液化としては、サンシャイン計画に基づきます歴青炭系の液化三方式を実行いたしておりますし、さらに、豪州との関係で褐炭液化の問題、それからさらに国際共同開発プロジェクトのEDSプロジェクトヘの参加、こういうことで、石炭液化については今後ともその研究開発についての推進を図っておるわけでございます。それからさらに、石炭ガス化につきましては、高カロリーガス化、それから低カロリーガス化、それぞれの技術開発を進めて・おりまして、将来、他の代替エネルギーの場合は石油に直接かわるわけではございませんけれども、石炭液化の場合にはこの研究開発の成果が、今後のコストいかんによっては石油そのものにかわり得るということでございます。
 それからガス化については、その多様な用途、こういうこともありますので、しかも資源埋蔵量その他から見て、石炭は石油に比べていろいろの面ですぐれておるということもございますので、私どもとしては将来のエネルギー政策として石炭の液化・ガス化には重点的にその予算を投入し、その研究開発を推進してまいりたいというふうに考えております。
#35
○高杉廸忠君 SRCIIプロジェクトについてはお答えありましたが、このEDS石炭液化計画の今後の見通しについて伺いたいと思うのですが、アメリカのエクソン社を中心とするEDS石炭液化技術開発グループ、一九八〇年代後半にも完成を予定していた実証プラントの建設をしばらく見合わせる見通しと伝えられているんですがね、このプロジェクトには政府も五十七年度予算で七億五千五百万ですか、補助金を計上しているんですね。このEDSについても今後の計画が中止されたとするならば、政府はどのように対応していくのか、この点をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#36
○政府委員(野々内隆君) EDSのプロジェクトにつきましては石炭処理量一日当たり二百五十トンの大型のパイロットプラント建設、これが五十五年三月に完成をいたしておりまして、六月以降石炭を入れましてテスト運転がもうすでに実施されております。現在までにその運転の成果につきましては大型の石炭液化プラントとしては史上最高と言っていいと思いますが、連続運転五十八日間というものを達成をいたしておりますし、稼働率も八〇%程度ということで非常に高稼働でございます。さらに、液化の残渣物の再循環方法というような研究も進んでおりまして、現在までのところ、プロセスの研究につきましては順調にいっているというふうに考えていいかと思います。
 先生御指摘のような新聞記事が出ました直後、エッソ日本の社長オーエンズ氏が私のところへ参りまして、本社からの指示に基づくものということでエッソ本社としてはこの計画を中止する考えは全くない、今後も計画的に進めていきたいということを申しておりましたので、私どもといたしましてはこの計画は今後も順調に進められるものというふうに期待いたしております。
#37
○高杉廸忠君 次に、日本、オーストラリア共同の石炭液化プロジェクトについて伺いたいと思うのですが、日本がオーストラリア政府と共同して現地で開発を進めている石炭液化プロジェクトですね、新エネルギー総合開発機構が中心となって当たっていますけれども、このプロジェクトの今後の見通しですね、これはどうなのか。
 それから新機構の理事長にちょっと伺いたいのですけれども、世界的な石油だぶつきで石炭液化の開発スピードが落ちているのではないかと、こういうふうに思うのです。いまこそ日本が一歩先んじて石炭液化技術の確立を図ることが必要だと、こういうふうに述べられているのですね。予算等の必要な措置をさらに私は充実をさせるべきではないか、こういうふうに考えるのですけれども、いかがお考えですか、お伺いしたいと思います。
#38
○政府委員(石坂誠一君) 御質問の前半の部分について私からお答え申し上げます。
 御指摘の日豪のエネルギー協力の中における石炭の液化計画でございますが、これは豪州のビクトリア州にある非常に水を含んだ褐炭を液化するという計画でございます。御案内のとおり、石炭に水がたくさん含まれておりますと、これを運ぶにも、非常に運搬においていろいろな意味でぐあいの悪いところが出るわけでございます。したがいまして、これを何とか利用しようということは豪州側でも一生懸命考えておりまして、これの技術的な開発について日本にも協力を求めてきたという、そういういきさつになっておるわけでございます。
 私どももいろいろ検討いたしまして、水を含んだものを運ぶということが不利ならば現地においてこれを液化するということによってメリットが出ないか、あるいはまた考えてみますと、いままで余り利用されていないという原因は、水を含んでおるために一般の石炭のように簡単に使うことができないということもあるかというように考えまして、これに踏み切ったわけでございます。現在、五十トン・パー・デーのプラントをいま現地に建設中でございまして、これは五十九年度までに完成するという見込みでおるわけでございます。その後これを運転いたしまして、見通しといたしましては六十二年度くらいまでには運転を終了し、それをベースに経済的技術的な見通しが立てば、これをデモンストレーションプラントのような大規模のものに持っていって、さらにこれの実用化を図るというように考えておるわけでございます。普通の石炭と違いまして、普通には使いにくい炭であるということが一つの大きなメリットになっておるわけでございます。
#39
○参考人(綿森力君) 後半の分につきましてお答えさせていただきます。
 確かに世界的に石油はだぶつきの現状でございますけれども、これは一時的なものと考えておりまして、このときにこそ日本が一歩先んじて石炭液化の技術を確立する絶好のチャンスであると私は確信いたしております。それにつきまして、先ほど御説明申し上げましたように、NEDOでやっております仕事もパイロットが完成いたしまして、これからいよいよ成果を見、これをさらに大きなデモンストレーションプラントに持っていきますのには、確かに多くの資金が必要でございます。
 参考までに五十五年度のNEDOの新エネルギー関係の予算は百八十億円、五十六年度は三百八十億円、五十七年度は要求五百十億円というように、どんどん伸ばしていただいておりまして、その成果を図るわけでございますが、いま御指摘のようにこれがさらにデモンストレーションプラントになってまいりますと、非常に大きな金が必要かと思います。またこういうもののリードタイムを考えますと、多くの金が必要であると存じますので、これにつきましては許される限り予算の、資金の確保に御努力していただきたいと存じておりますけれども、何しろこういう時代でございますので、私どもといたしましても、先ほど国内の三つの方法というようなことを説明申し上げましたが、それにつきましても効率的に有効的にこれをいかに集約したらいいかということを検討いたしまして、最も金がかからなくてしかも成果の上がる方法を考え出してこれに対処するべく努力いたしております。
#40
○高杉廸忠君 せっかく大臣がお見えでありますから、いま理事長からのお話もありました。大臣、どういうふうにお考えになりますか、ちょっとコメントいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(安倍晋太郎君) それぞれお答えをいたしましたように、いま石油の需給というのは非常に緩んでおるわけでありますが、しかし長期的に見れば石油の資源というのはなくなっていくわけでありますから、やはりわが国として石油依存度が非常に高い立場上、どうしても代替エネルギーの開発というものについてはこういう時期にこそ力を尽くして基礎を固めておかなければならぬ、こういうふうに考えております。そういう意味において、この石炭液化の事業等につきましては先の長い話ではございますが、いまのうちに地盤を固めるということで、政府としても今後とも力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#42
○高杉廸忠君 次に、アル専部門と新エネ機構統合の趣旨について伺いたいと思います。
 アル専部門を新エネルギー総合開発機構に統合したことは単に便宜的な行政機構の整理統合であって、新エネルギー開発とアルコール製造専売事業とは何の関係もないのではないかと、こういうふうに思うのですが、両者の統合がどのような具体的な趣旨によるものなのかどうか、これをまず伺います。
#43
○政府委員(真野温君) 先生御案内のように、現在日本の国内におきまして発酵法によるアルコールを製造いたしておりますのはアルコール専売事業の中での国営工場でございます。歴史的経緯から見まして、当初この発酵アルコールというのが燃料アルコールとして戦争中活用された。その後工業用アルコールとしての用途に活路を見出しまして、戦後この技術をもって製造を続けてまいったわけでありますけれども、最近に至りまして御指摘のような石油情勢の変化のもとにおきまして石油代替エネルギーとしてのアルコールの活用、すなわち燃料アルコールの利用ということが新しく非常な重要性を帯びてまいったわけでございます。そういう意味におきまして、この発酵法によるアルコールの製造ということが再び新しいエネルギー源としての資源のソースとして重要な意味を持ってまいった状況にございます。そのため、新エネルギー総合開発機構の方におきましては、いわゆるセルローズの分解発酵等のアルコール製造技術開発を推進するということになっておるわけでありますが、その場合に従来この発酵アルコールの技術を有しておりました国営の工場及びそこにおいて行われておりましたいわゆる生産技術の改良、これが新しいエネルギー開発としてのアルコールの製造、燃料アルコールの利用のための基礎になってまいるということが一つ挙げられると思います。
 なお、そのほかに現実的な問題といたしまして、現在アルコールの国営工場は相当の物的な施設を有しております。そのような物的施設が直ちにこういった新しい発酵法による燃料アルコールの開発のための大規模な試験研究等にも活用できる、こういう意味におきまして、従来アルコール専売の製造部門において持っておりましたいわゆる技術的な蓄積及び物的な施設がこの新しい新エネルギー開発としての燃料アルコールの開発に活用される。
 こういう意味におきまして、単にアルコール専売事業に基づく発酵アルコールの製造ということのみならず、それに関連しまして新しいエネルギー開発への一つのスタートのステップに非常に役に立つと、こういうことが両者を一体化いたしまして有機的にこの相互の関係を活用してまいるということで今回新エネルギー開発機構の中にアルコール専売事業の製造事業を移管いたしたいと、こういうふうに考えた基本的な趣旨でござい・ます。
#44
○高杉廸忠君 次に、新機構とバイオマス研究開発についてお尋ねをいたしたいと思うのです。
 新エネルギー総合開発機構はバイオマスエネルギーの研究開発について具体的に取り組んでいるのかどうか、これをまず伺いたいと思います。
 それからまた、今後はバイオマスについてはどのような研究テーマを取り上げる予定か、これをあわせて伺い、さらにバイオマス研究のためには地熱、石炭液化のようなプロジェクトチームがないように思うのですが、研究体制、これはどういうようにするのか。以上の点について伺いたいと思います。
#45
○政府委員(小松国男君) 現在NEDOは、確かに基本的にいまやっている主要なものは、先ほど来申し上げておりますように石炭液化とか地熱等の大規模復合的な技術開発、こういうものが中心でございますが、バイオマスにつきましても、基礎的なものとして技術動向調査、それから経済的なフィージビリティースタディー調査というようなことをやっております。そういうことで具体的な研究開発プロジェクトを現在NEDOが持っているわけではございません。
 ただ、今後の問題といたしましては、アルコール製造部門が移管されるわけでございますので、このアルコール製造部門に蓄積されました技術力、ノーハウ、設備、人的資源、これを活用いたしまして燃料油の研究開発にNEDOといたしましても本格的に取り組んでいくということにしたいというふうに思っておるわけでございます。
 すでに民間でも新燃料油開発技術研究組合その他での研究開発も進めておりますが、こういう新エネルギーにつきましては新エネルギー総合開発機構が中心的な役割りを果たすべきであるというふうに考えておりますので、そういう民間の研究開発との総合的な連携、それからその中で具体的なテーマの取り上げ方、こういう問題を踏まえまして来年度以降は特に本格的なそのプロジェクトの問題についても検討に入りたいというふうに思っております。
 さらに今回この製造部門が移管されるに伴いまして、製造部門と技術研究開発部門についてはできるだけ問題が起こらないように区分経理とか担当理事を置くとかいろいろやっておりますが、アルコール関係の研究開発ということでは特に研究開発室八名の要員を置きまして、そこで従来蓄積されております国営工場の技術、ノーハウ、これを生かして燃料用のアルコールの技術研究開発にも本格的に取り組むという体制を整備いたしております。こういうスタッフとか機構につきましては、今後ともその充実を図りまして、燃料用アルコールにつきましても新エネルギー総合開発機構が中心になって全体の研究開発体制の推進を図っていく、かように考えておるわけであります。
#46
○高杉廸忠君 新燃料油開発技術研究組合ですね、これをちょっといまお答えがありましたから伺いたいと思うのですけれども、このバイオマスの利用促進を図るために二年前、昭和五十五年度から六十一年度までの七年間にわたる施策ですね、これについて発表いたしましたが、その後の進捗状況について伺いたいと思います。
 それからいままでの成果があればこれをまた伺い、それからバイオマスからのアルコール生産技術の開発を行うために、その主体として新燃料油開発技術研究組合が設立をされて、六十一年度までの予定で研究開発、これを進めておられますが、いままでの技術開発の状況ですね、それから補助金の累計といいますか、五十七年度予算について、これをちょっとお示しをいただきたいと思うのですね。
 で、今回の法改正によって新エネルギー総合開発機構に新燃料油研究部門が設置されるということでありますが、この組合でのアルコール燃料研究との関係ですね、関連、これを伺いたいと思います。
#47
○政府委員(真野温君) 先生お尋ねの第一点に関連しましてお答え申し上げます。
 現在バイオマスのエネルギー利用促進のためには大量であり、かつ安価、かつ安定的な原料資源の確保、供給ということが必要でございますが、その場合に、わが国の場合、こういった原料資源が自然のままではなかなか大量には供給できないわけでありますが、基本的には海外の資源というものを今後活用してまいらなければいかぬと思いますが、同時にわが国に賦存する未利用資源の活用ということが非常に大きな要素になってまいると思います。この観点からセルローズ系のバイオマスからのアルコールの生産、これが非常に必要になってまいるわけでありまして、このための発酵技術というものがまた同時に必要になってまいります。ただ、その辺の技術がまだ未確立でございますので、御指摘のように五十五年度から六十一年度まで七カ年計画という形でセルローズの分解発酵技術の開発を推進しているところでございます。
 これまでのところその研究成果としてはセルローズの分解活性の高い菌体が発見されておりますほか、いわゆる連続発酵方式により大幅な効率アップを図るということができるようなそういう固定化酵母によるアルコール生産技術についてもパイロットプラント段階にまで進み得るというような開発成果を得ている状況でございます。現在まだ途中でございますが、そういうような成果も着々と出つつある、こういう状況でございます。
#48
○政府委員(野々内隆君) バイオマスからのアルコールの生産でございますが、利用技術といたしましてはいま基礎局長が申し上げましたように一つはセルローズの分解の発酵技術、もう一つは固定化酵母の発酵技術、この二テーマにつきまして昭和五十五年度から御指摘の研究組合において研究開発を実施いたしております。
 まず第一のセルローズの分解発酵技術につきましてはセルローズ資源の工業的な分解発酵技術、これを開発するものでございまして、五十五年度にバガス、これはサトウキビのしぼりかすでございますが、このバガスを一日当たり二十四キログラム処理するそういうベンチプラントの設計、建設を完了いたしまして、五十六年度から運転研究に入っております。
 それからもう一つの固定化酵母の発酵技術、これは既存の発酵技術に比較いたしまして高効率かつ大規模なアルコール生産に適したプロセスを開発する、こういうものでございまして、現在糖みつを一日当たり千リッター処理するそういうパイロットプラントの建設を完了いたしまして五十六年一月から運転研究を実施いたしております。
 これらの二テーマに対する補助金につきましては五十五、五十六年両年度の累計で十二億六千九百万円支出をいたしておりまして、五十七年度の予算につきましては十一億一千六百万円を計上いたしております。
#49
○政府委員(小松国男君) いま御説明いたしたように新燃料油研究組合の方はバイオマスに関しますセルローズの分解発酵技術、それから固定化酵母の発酵技術という開発を進めているわけでございますし、それから今回アルコールの製造部門がNEDOに移行をされるわけですが、アルコール製造部門自身も工業用アルコールの観点ではございますけれども、技術開発ということで発酵の連続化技術とかそれから高効率脱水蒸留技術、こういう一連の技術開発を進めておるわけで、こういうものも当然燃料用アルコール実用化の開発には活用できるわけでございますので、この両方の技術開発、これは相互に非常に密接な関係がございます。
 こういうことでNEDOといたしましては当然製造部門が持っております技術力、ノーハウ、これは今後活用してその研究開発に役立てるわけですが、同時に新燃料油開発技術研究組合が行っております技術研究開発、これにつきましても相互に連携を密にいたしながらその関連性を保った上で新たな燃料油の研究開発を進めていきたいというふうに考えております。
#50
○高杉廸忠君 バイオマス対策の通産省予算でのアルコール特会で行われてきた燃料用アルコールの製造技術研究について新エネルギー総合開発機構へ移管後はどうなるのか、これを伺います。
#51
○政府委員(石川不二夫君) アルコール専売事業の方でやっております燃料用アルコールの技術開発でございますが、いろいろな開発の個別の技術があるわけでございますけれども、アルコール専売事業の方では五十六年度におきまして、フラッシュ発酵法という新しい方法でございますが、そういうものでありますとか、それから省エネルギー蒸留法の開発のためのパイロットプラントを設置いたしております。それから五十七年度におきましても、高分子膜を使いますアルコールの分離法のための試験研究のためにベンチプラントをつくる予定でございまして、五十七年度におきましてはいま申しましたような設備を使いまして試験研究を実施したいと、こういうふうに思ってます。
 移管後でございますが、これらの研究開発を引き続き続けていきますと同時に、国営工場がこれまで蓄積しておりました技術力でありますとかノーハウ、あるいは現有の設備、人的資源、こういったものを活用いたしまして、新燃料油開発技術研究組合がやっておりますような研究部門を含めまして、広く国の内外において開発されております個々の技術をトータルな燃料アルコール製造システムとして結合しまして実用化を目指した研究開発を図っていきたい、こういうふうに考えております。
#52
○高杉廸忠君 新聞の報道によりますと、通産省は新エネルギー総合開発機構に委託をして石油火力発電所のメタノール転換等実証試験を昨年度から六十年度までの五カ年計画で進めていく予定と伝えられているんです。メタノールは天然ガス、石炭、木材、農業廃棄物など多様な原料から製造することができる液体燃料で、脱石油の観点から利用が注目されているところですが、五十七年度予算額及び五カ年の事業費について伺います。
 また、今後の事業計画及びメタノール供給可能量、経済性、環境安全性の見通し、こういう点についても伺います。
#53
○政府委員(川崎弘君) メタノールは御指摘のとおり単に随伴ガスといいまするような天然ガスだけではございませんで、いろんなところからつくれるということもございまして、私どももこれが既設の石油火力の燃料転換ということで大いに利用できるんじゃないかということを考えております。
 それで御指摘のように五十六年度からNEDOに委託いたしまして、メタノール燃料の供給の可能性、それから環境に対する影響、もしその影響があるとすればそのための防止策ということを検討していただいているわけでございます。五十七年度におきましては一体どの程度の供給可能量があるか、あるいはそれを日本に持ってきて発電所でどういう形態でたけば経済性が出るかというふうな経済性等の調査と、それから先ほど申しました環境安全性実証試験費ということで六億九千六百万円を計上いたしております。
 今後の事業計画でございますが、私どもはこの現在進めております調査あるいは実証試験の進捗状況を踏まえまして具体的に事業費等は検討してまいりたいというふうに考えておりますけれども、将来の見通しということでございますが、これはまさしくいま行っております調査の結果によって出てくるわけでございますが、たとえば来年度以降どういうことをやるかと申しますと、先ほど申しましたようにメタノールを使った発電をどういう利用形態でやれば経済的になるかという経済性の評価の問題でございますとか、メタノールのトータルな供給システムのあり方の問題、こういうことの検討をやるのと同時に長期的な調査研究の必要な環境の調査、環境安全性の実証試験というのを続けてまいりたいと考えております。われわれとしましては、そういうことをやった結果といたしましてLNGとして利用するには不可能な天然ガスであるとか、将来の活用が非常に期待されております褐炭、この辺を使いましてメタノール原料として有効利用いたしまして、これが発電用に十分経済性が持てる、またその環境安全性の問題におきましても十分導入して問題ないというふうな実証ができることを期待いたしております。
#54
○高杉廸忠君 次にガソホールの研究開発の現況について伺います。
 アルコールの燃料用使用については、ガソリンにアルコールをまぜたガソホールの形にすれば具体性があると思うし、海外ではブラジルが価格的にもガソリンと十分引き合う段階になってきていると言われているんです。わが国の場合ガソホールの開発利用についてはどの程度まで進んでいるのか、現況について伺います。
#55
○政府委員(野々内隆君) ガソホールを初めといたしますアルコールの混合燃料の実用化を図るためには、一つは製造面で価格を安くするという必要があると思いますが、そのためには安い原料を利用するということ、それから生産のプロセスを改善する、こういう必要があるかと思います。もう一つは、利用面でどういう問題があるかということを解決する必要があるかと思います。
 この生産面につきましては、先ほどお話し申し上げましたように、連続発酵技術でありますとか、あるいはセルローズの分解発酵技術の開発というようなことを現在進めておりますが、利用面ではいろんな調査をいたしておりますが、特に進んでおりますのが先生御指摘のアルコールとガソリンをまぜてこれを自動車燃料に利用すると、こういう問題でございます。これは五十五年度からアルコールをガソリンに混入いたします比率を五%から二〇%まで各レベルでテストをいたしておりまして、これがどういう影響を与えるかという調査をいたしております。現在までのところでは、現在市中に走っております自動車を全く改造調整をしないでこのガソホールを利用いたしてみますと、やはり性能面で若干の問題、たとえばNOXとか問題が生じておりますが、ただ、こういうものは調整をすれば、あるいは調整改造をすれば技術的には対応可能であるというふうに考えておりまして、あとは経済性の面、これについて今後検討をしていく必要があろうと思います。
 それから自動車以外にもアルコールと他の石油製品を混合して使うというものも検討いたしておりまして、今後液体燃料としてのアルコールの利用、こういうものについては実用化の検討をより積極的に進めていきたい、かように考えております。
#56
○高杉廸忠君 専売アルコールの需要見通しについて伺いますが、専売アルコールの需要は昭和四十年代以降着実に増加をしているんですね。四十年と比べますと二・五倍に、四十五年と比べても一・五倍に需要は拡大をしている状況にあるんです。今後経済の安定成長下において長期的な需要の見通しですね、どのようになるのか、この点をまず伺いたいと思います。
#57
○政府委員(真野温君) 先生御指摘のように専売のアルコール、つまり発酵法により製造されましたアルコールにつきましては、従来非常に安定した成長を遂げてきております。ただし、二度の石油危機の直後に若干減少を示したことがございますが、それ以外は安定的に非常に着実に増大しております。今後日本の経済成長に伴いまして、同様にこのような安定成長が続けられるものと期待しておりますが、この発酵アルコールの場合には特に主として食料品関係に用途がございますので、消費というのが非常に安定的に増大しておる現状におきまして、この傾向はさらにそういった需要面からも裏打ちされるものと期待しております。
#58
○高杉廸忠君 長期エネルギー需給見通しにおけるアルコールの位置づけ、これについて伺いますが、アルコールも石油代替エネルギーとして大きな期待がかけられると思うのですね。現在のエチルアルコールの生産量は工業用が十六万キロリットル、酒用が二十四万キロリットルの年間四十万キロリットルであると思いますけれども、これを燃料用として一〇%ガソリンに混合したガソホールをつくるとなると三百四十万キロリットル程度になると思うのですね。工業用アルコールの生産は今後とも増大していくものと見られていますけれども、政府は長期エネルギー需給見通しの中で、石油代替エネルギーとしてアルコールをどのような位置づけをしていくのか、これを伺います。
#59
○政府委員(小松国男君) 現在長期需給暫定見通しにつきましては総合エネルギー調査会で御検討をいただいておる段階でございまして、恐らく今月下旬にその答申がなされるわけでございますが、その考え方といたしましては、石油代替エネルギーの開発導入を最大限進めるということでいま議論がされております。その一環といたしまして石炭液化の問題、それからこういう燃料用アルコールというものが試算されておるわけでございますが、現在どういう数量でどういう形、位置づけであるかという点につきましては目下審議中でございますし、具体的な数量をどういう形で計上できるかといったことにつきましては、コストの関係また市場動向との関係もございますので、確定的に一定の数量を一定の時期に位置づけるということはなかなかむずかしいと思いますが、いずれにいたしましても、そういう問題も含めまして、現在長期需給暫定見通しの審議の過程でその議論が行われております。近くその報告が得られるものというふうに期待しております。
#60
○高杉廸忠君 燃料用アルコール生産のための技術開発について伺うのですが、わが国のアルコール発酵技術は世界的にも優秀であると思うのです。燃料用アルコールとしての開発は一向に進んでいないように思うのですが、このためには安価で豊富に存在をする原料の開発ですね、これが必要不可欠であると思うのです。たとえば稲わら、もみ殻、廃木材、都市ごみなどからセルローズを取り出してアルコールを生産する技術開発を進めることが必要であると思うのです。その実用化の見通しと将来性はどうか、こういう点をまず伺い、また現在アルコール専売事業における研究開発体制、これはどうなっているのか、あわせて伺いまして、年間の開発関係予算、これはどのぐらいになっているのか伺います。
#61
○政府委員(真野温君) 御指摘のように、わが国の発酵技術は世界的にも非常に高い水準にあると思っております。ただ、同じように技術的な面での優秀性だけでは燃料用アルコールの開発のためには不十分でございまして、御指摘のように製造コストの大半というのは原料コストでございますから、それが安価、大量に供給されるということが必要であるわけでございます。その点につきまして、燃料用アルコールの実用化が進んでおりますブラジルとかアメリカに比べて割り高となっており、それが燃料用アルコールの将来の利用について問題になる点は御指摘のとおりでございます。したがって、わが国では燃料用アルコールの実用化を図るためには、わが国に賦存しております未利用資源の活用ということから、安価でかつ安定的な原料確保を図るそういう意味におきましてセルローズ系のバイオマス資源を活用するための技術開発、これを先ほど御答弁申し上げましたようなセルローズ分解発酵技術についての七カ年計画での研究をいたしておるところでございます。通産省といたしましては、これらの技術の実用化を目指しました技術開発、これを引き続き充実してまいりたいと思っておりますし、それによりまして一九九〇年前後にはその実用化を図るということをめどにいたして推進いたしておるところでございます。
 なお、それに対応いたしまして、アルコール専売事業の現在の研究開発体制でございますが、これにつきましては、現在発酵アルコールの製造のための技術開発、基礎的な、改良技術を含めまして、そういう技術開発をいたしておりまして、五十五年度には約五千五百万円の研究開発費を投入いたしております。五十六年度には一億三千万円投入いたしました。五十七年度には、現在のところ、この法案の結果によりまして、半年でいこうということになりますれば、半年分といたしまして三千二百万円の研究開発費が投入されるということになろうかと思います。また、これに対応するいわゆる技術開発でございますが、現在、アルコール専売事業におきましては、本省、工場含めまして十八人程度のものが研究開発業務にそれぞれ従事をいたしておる、こういう状況でございます。
#62
○高杉廸忠君 先ほども理事長さんからお答えをいただきましたが、新エネルギー機構移行後の研究開発体制の充実、これについてさらに伺いますが、アルコールについて新エネルギー総合開発機構移行後の研究開発体制の充実を図る必要があると思うのです。一応新機構には研究開発室を新設することになっていますが、人員は八名しか予定されていないと聞きます。人員とか施設面とも不十分であると思うのですが、これをさらに充実をしていく必要があると考えるんですけれども、どのようにお考えになっておりますか、伺います。
#63
○政府委員(真野温君) 現在、先ほど申し上げましたように、燃料アルコール製造のための技術開発、技術の改良等に、工場等含めまして十八人程度の人員が従事いたしております。これは工場の場合はオン・ザ・ジョブ・スタディーと申しますか、現場の改良技術等も含めました形になろうかと思います。新機構におきましては、機構の本部に技術開発室というものをつくりまして、そこで御指摘のような研究スタッフ八名を擁して今後の技術開発をいたすということをいまスタートにおいては構想いたしております。今後の研究開発につきましては、一つは従来からあります発酵アルコールの製造事業、それに関連します生産技術の改良、開発という分野におきまして、いま申し上げましたスタッフにおいてスタートいたしますと同時に、今後も必要に応じて適宜充実いたす所存でございます。ただし、現在行われております工業用アルコールの安価な供給という側面から、いたずらに膨大な研究開発費を工業用アルコールのコストに投入するわけにはまいりませんので、新しい燃料アルコールの開発という側面においては、いわゆるNEDOの本来の業務として別途の予算なり必要なスタッフ等も今後必要になってまいると思います。そういう意味におきまして両様のいわゆる現在の生産技術の側面と将来の燃料アルコールの総合的な開発、この二つの分野において今後必要な施設あるいは人員の投入を行うということになろうかと思います。
#64
○高杉廸忠君 次に、五十四年十二月の閣議決定に至った経緯について伺いますが、アルコール専売事業について行政改革計画を決定した昭和五十四年十二月二十九日の閣議決定に至った経緯、これについて伺います。
#65
○政府委員(真野温君) 五十四年十二月の閣議決定に至る前に、五十一年の一月から公共企業体等基本問題会議というのが設置されまして、二年以上にわたりまして審議いたしました。五十三年六月に意見書をとりまとめております。この意見書によりますと、アルコール専売事業については製造部門は民営、流通規制は税制が適当ではないかと考えられるが、経営形態の変更には種々の問題点があるので、当分の間専売制度を維持し国営工場は全額政府出資の特殊会社とする等の方策が考えられるが、さらに具体的措置については政府において慎重に検討すべし、こういう意見書が提出されております。これを受けまして、政府部内におきましては通産大臣の私的懇談会でありますアルコール専売事業制度問題懇談会という場を設けまして、そこでさらに具体策につきまして検討いたしておりましたところ、その後いわゆる石油代替エネルギーとしての燃料アルコール開発の必要性が高まってまいりまして、その面からの総合的な検討をいたしました。その結果、現在の発酵アルコールが将来の再生可能な燃料エネルギーということとして活用される方向も必要となってまいりました。このような情勢を織り込みまして、工業用アルコールの製造段階における経営形態のあり方について改めて議論をまとめたわけでございます。その結果としまして、先ほど申し上げました五十四年の十二月二十九日の閣議決定として現在のアルコール専売事業の中におけるアルコール製造事業につきましては、新エネルギー総合開発機構に移してその事業部門とする、こういう基本方針を閣議決定いたした次第でございます。
#66
○高杉廸忠君 お答えいただきましたが、閣議決定の「五十五年度以降の行政改革計面の実施について」の中で、「アルコール専売事業については、当面専売制度は維持することとするが、製造部門については、二年以内に新エネルギー総合開発機構の事業部門とするとの基本方針の下に、所要の施策を推進する。」こういうふうにしているのですね。これは、いわゆる三公社五現業を三公社四現業とする公共企業体等の制度始まって以来の画期的な出来事であると、こういうふうに思うのです。アルコール製造の事実行為を国から他へ移管する行政上の、行革上の意義ですね、これは何にあるのですか。その意義について伺います。
#67
○政府委員(真野温君) 現在アルコール専売事業におきましては、いわゆる固有の専売行政事務と申しますか、いわゆる工業用アルコールと酒税等の賦課されます飲用アルコールとの流通の区分、それに必要な流通の規制という、こういう行政的な分野と、いま一つが発酵アルコールの製造事業という事業行為と、二つ包含しているわけでございます。この二つにつきまして専売事業、専売制度のあり方につきましてこれを税制とすべし等の意見もございますが、現在日本に定着しております専売制度を維持する方がより効率的であり、より安定的であるという判断から専売制度を維持する、その場合におきましていわゆるアルコールの製造事業、専売事業のもとにある製造事業につきましては本質的にやはり企業経営的な事業でございますが、それを効率化するという側面、観点からこれをより企業経営的な運営ができる特殊法人NEDOの事業部門に移管いたすことといたして、その場合におきましていわゆる現在のアルコール専売事業につきましては、基礎産業局、私どもの方のアルコール事業部の中におきまして八百八十七名の定員を擁しておりますが、そのうちただいま申し上げました経営の効率化のためにNEDOに移管いたしたいと思いますアルコール製造事業の定員五百七十二名はいわゆる行政職として国家公務員の数から縮小されるわけでありまして、裏返して申し上げますれば、現在のアルコール専売事業の中のいわゆる専売固有の行政事務的なものが集中して国の行政として行われる。他方、アルコールの製造という、より経営的効率性を求める部門につきまして、これは新エネルギー開発機構のもとにおいてより効率的な運営を行われるように分離する、こういう形になろうかと思います。その場合に、国営事業でございますといろいろな法的な規制、たとえば国有財産法でありますとか物品管理法でありますとか、こういうような法的規制も現在は受けておりますが、特殊法人NEDOの場合におきましてはそういう面での制約もなく、より弾力的、効率的な経営が行われる、こういう形になることが想定されるわけでありまして、そういう意味におきまして固有の行政的な分野とより企業経営的な分野との分離と、それに応ずる統一した経営なり事務の運営ということを期待しておるわけであります。
#68
○高杉廸忠君 アルコール専売制度は御承知のとおりに昭和十二年にアルコール専売法の制定によってアルコールの製造販売及び輸入のすべてを包括するいわゆる完全専売形態をもって発足したものであると存じます。ところが、今回の法改正案によりますと、アルコールの製造のみを新エネ機構に移管をし、専売制度はそのまま維持するということでありますね。その理由ですね、これは何にあるんですか。その点を伺います。
#69
○政府委員(真野温君) まず、現在アルコールが専売制度、あるいは諸外国の一部には税制制度をとっている国もございますが、アルコールについてはそういう意味で何らかの規制が、特別な規制、特別な制度が設けられております。その背景は、基本的に申し上げましていわばアルコールにつきましては二つの大きな用途、一つは酒類としまして飲用に供される、こういう分野でございまして、この場合には各国とも高額の消費税を課すると、こういう形になっております。いま一つは工業用のアルコールでございまして、この場合には工業用原料といたしまして低廉安価な供給が必要である、したがってこういった高額な消費税等は課されない、こういう分野でございます。したがって、同じアルコールにつきましてこの二つの分野を分けませんと、いま申し上げました税制の面における酒税の通脱が起こるわけでありますし、他方いたずらに税を課した場合には工業用原料としての低廉安価な供給ができなくなるわけでございます。そういう意味におきましてその両者の流通を分離し、規制するということがただいま申し上げました専売制ないしアルコールに対する税制規制の根源でございます。したがって、税制をとっておる国におきましてもこういった流通規制が付加して行われておるということでございますので、そういう意味におきましては実態は専売制度で行われているのと変わりございません。むしろ税制に移った場合には新しい別途の制度、たとえば戻し税制度でありますとか保証金の供託制度、こういった新しい規制も生ずると、こういうことから現在安定的に運用されております専売制度はこれは維持した方がいいと、その方がいろんな混乱もなければ新しい制度的な規制、複雑化もないということから、専売制度につきましてはこれを維持するという基本方針を持って、その中におきましていわゆるアルコールの低廉安定供給のために製造についていかなる効率化を図るべきか、こういうふうに考えて検討いたしました結果がただいまの法案ということになるわけでございます。
#70
○高杉廸忠君 行管からおいでいただいていると思いますけれども、三公社五現業の改革などを検討しています第二次臨時行政調査会第四部会、この審議状況について簡単で結構ですから伺います。状況ですね。
 それから、聞くところによりますと、各事業に思い切ったメスを入れる方針は再確認をしたものの七月の基本答申ではそれぞれの事業の問題点を指摘するだけにとどめて、具体的な改革案は基本答申には盛り込まないことにしたようでありますが、こういうことがあるのかどうかですね。それが第二であります。
 それから、五現業のうち、この法案でことしの十月に新エネルギー総合開発機構に移管することにしているアルコールの専売事業の経営形態について第二次臨時行政調査会第四部会における審議、これがどうなっているのか合わせて伺います。
#71
○説明員(田中一昭君) 初めの御質問でございますが、第四部会は御存じのとおり官業と民業の役割り分担のあり方を基本にいたしまして、三公社五現業、その他の政府直営事業及び特殊法人等のあり方、合理化等を調査審議することになっておるわけであります。当面の基本答申に向けましては、第四部会といたしましては、三公社それから五現業、特殊法人等の合理化を中心に進めておるわけでございます。ただいま御質問で五現業を基本答申の中でどういうふうに扱うかということでございますが、部会において現在その扱いは検討されておるわけでございますけれども、三公社に関する検討状況等を勘案しながら決められてくるものと思います。
 そこで、新聞等にいま高杉先生おっしゃいました扱いのことがちょっと出ておりましたが、三公社問題がかなりヘビーな問題でございますので、その他の問題につきましてはできるだけの努力はするけれども、一次答申におきます三公社の扱いのように基本的な方向といいますか、それと当面どうしてもやっていただくべき問題にすべきではないかというふうな御議論が出ておるということでございまして、まだ扱いが決まったわけではございません。
 それから、アルコールの問題でございますが、本日も法案審議が行われておるわけでございますけれども、この事業につきまして第四部会としましては、事業の現状、それから経営形態についてのいままでの経緯でございますね、それから新エネルギー総合開発機構移管の内容あるいは改正法案等につきまして通商産業省からヒアリングを行ってまいりました。そのあり方等を含め審議を進めてきたわけでございます。基本答申でどう扱うか、あるいは最終答申においてもどういうふうな方向で扱うかという問題につきましては、特にほかの問題とは別に、なおこれから議論が行われる予定になっておりまして、五現業の中でも扱いが決まっていない部分でございます。
 以上でございます。
#72
○高杉廸忠君 時間が迫りましたから、大臣にもお答えをいただきたいと思うのですけれども、アルコール製造を新エネルギー総合開発機構に移管した場合、その後のアルコール製造は国の機構の中でどのような体制で行われるのか、これを伺い、さらに機構への移管に伴う地域経済への影響について伺いたいと思うのですが、現在国営アルコール工場は全国に七工場あるんですね。すべて農村地域に立地しておりまして、農村地域及び原料生産地域の経済振興に国営工場は大きな寄与をしていると思うのです。
 そこで、伺いますが、この国営工場が特殊法人である新エネ機構に移管された場合、原料を生産している農村地域の経済振興に悪影響を与えるようなことがあってはならないと、こう思うのですが、この点政府はどのように考えているか。
 また国営アルコール工場に従事している職員のことはもとよりでありますが、工場がある農村地域の経済振興の上から見ても、仮に新エネ機構に移管された後にあっても、現在ある七工場は絶対に維持する、これが必要であると考えるんです。この七工場を堅持することについて、大臣のひとつ御決意も伺いたいと思っております。
#73
○国務大臣(安倍晋太郎君) アルコール製造部門の新エネ機構への移行は、将来の民営化ということの経過措置ということではなくて、まあ多年にわたる経営形態についての検討の結論と、こういうふうに理解をいたしております。これを踏まえて、新エネ機構移行後のアルコール製造部門は、従来国営工場が果たしてきたこの公益的な機能を引き続き果たすとともに、新たに燃料アルコールの開発、実用化を進める上でも重要な役割りを果たしていくべきものと考えておるわけであります。
 また、この国営製造事業各工場は従来から地元の雇用、地元の地域の農産物の原料としての利用等を通じまして、各工場所在地域の安定に寄与してきたわけでありますが、機構移行後におきましても、これら各工場は引き続き地域社会に貢献をしていくことが要請をされるわけであります。また燃料用アルコールの開発、実用化を進める上でも、これらの国営工場において蓄積をされた工業用アルコール製造の設備、ノーハウ等を活用するという意味で七工場が重要な役割りを果たしていくべきものと考えております。
 移行後のアルコール製造事業の生産体制につきましては、新エネ機構が決定をすることになるわけでございますが、現在の七工場の稼働率がかなり高い、その上、今後とも発酵アルコールの需要が安定的に増加すると、こういうことが予想されることから、近い将来において現在の生産体制を縮小するための一部の工場の切り離しといったようなことが行われることはまずないと、こういうふうに考えております。
#74
○高杉廸忠君 新エネ機構への移管は民営移行のための過渡的なものであってはならない、このように存じます。私は、今回の法改正案の質疑を終えるに際しまして、確認の意味で大臣にさらに伺いますが、今回の法改正案によりますと、国営アルコール製造をいわゆる民営に移行せずに、特殊法人の新エネ総合開発機構に移管することにしています。職員の方々の身分上の問題及び地域経済振興上の問題などから、今回のこの措置が将来民営に移行するための単なる過渡的なものであってはならないと思いますが、大臣の意思確認の意味で伺いたい、このように思っております。
 同時に私は、本法案の審議に際しまして、エネルギー問題を中心に石油依存から政策転換への問題提起、新エネ機構あるいは研究開発についての期待を含めて指摘をしてまいりました。今回の法改正によりまして、アルコール製造事業の移管に伴い、長い間わが国の国営アルコール事業に携わってきた職員の人たちに敬意を表するものであります。同時に、今日まで貢献された職員の人たちの身分の問題あるいは労働条件、退職金、年金、その他の諸点については触れられませんでしたが、これらの点につきましては、後ほど大森委員等から御指摘があり、御質疑が行われると存じます。私はこれらの諸点については、断じて不利益になってはならないと思うのです。国営アルコール事業の歴史と、長い間国益に、地域経済振興に寄与し貢献されたこれらの職員の人たちは、本人の意思によらないで移行するわけでありますから、移行に際しても、また移行後の処遇についても十分な配慮を講ずべきであると存じます。
 本法案の質問を終わるに際しまして、大臣よりこれらについての所見、そして御決意を伺いまして、私の質問を終わります。
#75
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の移管措置は、先ほどからしばしば申し上げておりますように、行政機構の簡素化及びアルコール専売事業の効率化を図るためのものであります。まあしかし、同時に国産糖みつであるとかカンショ、ミカン、果汁、廃みつ等の国産農産物の使用、工業用アルコール需給の円滑な調整等の公益的配慮を踏まえる必要があり、このためアルコール製造の国営形態を廃することとしつつ、かかる公的な配慮と効率的事業運営を両立させ得る新エネ機構に移管するものとしたものでありまして、したがって新エネ機構への移管を民営の一里塚というふうには考えておるわけではございません。
 なお、職員の方が今回移られるわけでございますが、これはいま御指摘のように、本人の意思ではなくて、いわゆる政策決定に基づいて、今回国会の審議を経て法律改正の結果、その措置が決まるわけでございます。したがって、こうした方々の不利益にならないように配慮することは当然のことと私も考えております。そうした立場に立って、今後通産省としてもあらゆる角度からこれに対して対処してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#76
○高杉廸忠君 終わります。
#77
○委員長(降矢敬雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#78
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#79
○大森昭君 アルコールの専売事業の経営形態の変更としての法案が提案をされているわけでありますが、率直に申し上げまして今日までアルコール専売事業の経過は、毎年国庫納付金の事業益金を納付しておりますし、その事業の運営はきわめて円滑にされておりますし、また国営工場のある鹿児島にいたしましても、熊本も、愛媛も、静岡も、千葉も、茨城も、それぞれ地方の議会で国営として存続をしてもらいたいという決議もされておりますし、業績もよくて地元と大変うまくいっているわけでありますので、全く機構を変更するというようなことは必要ないのじゃないかと思うのでありますが、現実問題としてこれは法案が提案されておりますし、また午前中高杉委員の方からいろんな質疑を行っておりますので、基本的な問題は重複をいたしますから質問をいたしませんが、とにかく職員のすべてが今日の状態の中で移行をするということについては大変不安を持っております。したがって現実問題の処理ということになりますと、各項目にわたって少し質疑をしたいと思いますが、これはあくまでも新機構にいくということがいいという立場ではないのでありますが、現実問題としての将来の事業のあり方だとか、あるいは身分のあり方についてどういうぐあいになってくるかという視点で質問したいと思います。
 まず初めに、製造部門が新エネに移行するわけでありますが、もう私が言うまでもないわけでありますが、通産省をやめましてそして新機構へ行く、こういうことになるわけですね。そういうことになりますと、この新機構に行く人たちは公務員としての身分で従来業務に専念をしてきたわけでありますが、退職金だとかあるいは年金だとか、いろんな問題が当然それぞれの対象者には生じてくるわけでありますが、移行に当たっての職員のそういうもろもろの問題について今日現在明確になっておりませんと、この法案を通過をさせて新機構に行ってもらうという運びにはならないと思うのでありますが、事務当局は今日までどのような形態で対応する組合と交渉を行ってきておるんですか。
#80
○政府委員(真野温君) 今回のアルコール製造事業のNEDOへの移管につきましては、二年前の閣議了解の後いろいろ組合側とのお話をしておりましたが、具体的な対応策につきまして、一つは昨年の暮れの新しい予算を編成する、予算要求をつくる段階におきまして組合側の要望なり制度変更に伴ういろいろな問題点について幾つか処理いたしておる点がございます。しかし現実問題として身分変更に伴いまして予算以外のいろいろの制度的な面、御指摘のような退職金の問題、年金の問題等につきましては、これまた現在の制度の移行に当たりましての問題点を具体的に私どもと組合との間において詰めてまいりまして、基本的な方向といたしましては、移行に当たりまして製造事業に係る職員が国家公務員の身分を離れる、新エネ機構の職員になる、これはまず基本的な形でございます。その際におきまして、従来、国家公務員として受けておりましたいろいろな退職金、年金制度、これはその制度上退職という形で処理する形が基本原則になるわけでありますが、さらにそれが新エネ機構に移りまして、新しい新エネ機構の退職金規定なりあるいは厚生年金制度に移行すると、こういうふうに、原則的になるわけであります。
 その間にいろいろなもちろん移行上の問題がございまして、これは単に退職金、年金以外にもいろいろな勤務条件、新しい労働条件等について全体的にどういう形になるか、こういう点であろうかと思いますが、これらを含めまして総合的に、これは当然国家公務員という制度と特殊法人の職員という制度なり身分の違いによりまして内容が違うわけでございますので、そういうのが移行した後、総合的に見まして不利益の生ずることのないように、もちろん個別に重要な問題も含めましてこれを是正するということでいろいろ検討をしておる段階でございますけれども、御承知のように新エネ機構移行の時期が十月一日を目標にいたしております。制度的には、その移行の前にいろいろな新エネ機構の予算制度その他と調整をいたすのが従来の一応の基本的な、時期的な筋になっております。
 それ以前におきましても、むしろいまの状況におきましても私ども労働組合及び関係の省庁、さらに今後移行すべき新エネ機構との間で具体的な問題を含めて公式、非公式に調整をしておる、こういう状況でございます。
#81
○大森昭君 まあ、大臣、それぞれの工場には長い歴史がありますし、そしてまたこの工場を目指して公務員になるために、恐らくそれぞれの地域によってはいろいろあるでしょうけれども、アルコール工場が最高の職場として、恐らく刻苦勉学して工場に公務員になるために入ったと思うのでありますが、そういう人たちが、端的に言いまして、本人の意に反して実は新機構に行くということが恐らく工場に働く人たちの真意だろうと思うのでありますが、まあ閣議の決定だとかあるいはいろんな経過の中で新機構に行くわけでありますが、そういう方々について心情的に大臣はどういう気持ちをお持ちでしょうか。
#82
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはやはりいまお話しのように、本人の意思と関係なしに国の政策の変更といいますか新しい政策決定によりまして行くわけでございますから、いろいろと複雑なそれぞれ職員の方は気持ちを持っておられると思うのですが、まあわれわれとしては行政機構の簡素化、効率化、あるいはまた新エネ機構におけるいわゆるアルコールの燃料化というふうな新しい事業を拡張するという意味において、一つの将来的には大きな意味を持った方向であろうと思うわけでございますので、ぜひともひとつ行っていただきたい。じゃ、それに当たっては、やはり不安な気持ちが、職員の皆さんにないようにと、これが大事なことじゃないかと思うわけです。それは通産省として、そうした職員の皆さんが移行後の新機構における勤務について不安を生ずることのないような最大限のやっぱり努力をしてあげなければならない、これが私のいまの率直な心情であります。
#83
○大森昭君 まあ効率化、能率化というところは多少意見が違いますが、しかし大臣が言われましたように、移行に当たって最大限に不利益がないように、そしてまた新しい機構の中で一生懸命意欲を燃やして業務に専念をしてもらうということの気持ちのようでありますから、どうかひとつ身分上の問題だとかあるいは処遇上の問題について最大の大臣の対処の仕方を要望しておきたいと思います。
 そこで、いま初めにいろいろ御答弁がありましたけれども、具体的に十分にまだ両者意見一致していないようでありますが、今後どういう形で実際に確定していくという考え方でいるのか、それからまた、新機構に行けば当然この法案に出ていますように、公労法の改正、労組法の適用、これは従来と違ってまた新たな角度での対応ということになるんですが、この法案通過後における処理と、それから十月一日以降新機構に入ってからの労使関係については何かお考えがありますか。
#84
○政府委員(真野温君) これからのいわゆる新エネ機構におけるあり方、職員の待遇等につきましては、現在も公式あるいは非公式の調整をいたしておりますが、この法案の御通過いただきました後は、もしそういうことになった場合には、私どもとしては新エネ機構側にもこれの受け入れ体制についてぜひしっかりした受け入れ体制の組織を考えていただきたいと思っておりますが、それに対して私どもの方と始終連携をとり、私どもの方は現在いわゆる五現業、現業でございますから労働組合との間で協議を続ける、それとともに関係省庁、これまた多々ございますので、それとの調整を図ると、こういうことに相なろうかと思います。
#85
○大森昭君 そこで、初めにまず国家公務員法の第七十八条の第四号によりますと、こういう機構に移るわけでありますから、したがって、まあいわゆる行政の改廃あるいは過員を生じた場合、本人の意に反して降任及び免職することができるという規定がありますが、この移行に当たって、まさか本人の意に反して降任だとか免職するようなことはないと思いますが、七十八条第四号の発動ということについては考えられておらないと思いますが、どういうふうに今日労使で確認されていますか。
#86
○政府委員(真野温君) 御指摘のように、現在国家公務員法七十八条第四号におきましては、「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」には、人事院規則の定めるところにより、職員をその意に反して免職することができる、こういう規定がございます。規定としてはそういう形になっておりますが、私どもとしましては、むしろ今回の新エネ機構への移行がアルコール製造事業としての効率化、これは何も経営面の問題よりはむしろアルコール製造事業に従事する職員が安心して、かつ安定的に働ける、そういう環境と条件を整えることが経営の効率化の基本条件であると考えておりますので、むしろそういった条件を整えることによって、先ほど申し上げましたような規定を援用することなしにアルコール専売事業の方々が円満に移行できるように最大限の努力をするというふうに考えておりまして、現在のところそういうような免職規定を活用するということを基礎に置いて考えていることはございません。
#87
○大森昭君 まあ移行前に労使で最大限の努力をするということでありますから、原則的には工場に働いている方は工場に残るということでありますが、しかし冒頭申し上げましたように、公務員としてとにかく入って、通産の本省だとかあるいは通産局だとかへ行ってひとつ通産行政をやってみたいという方もいるかもわかりません、中には。これはわかりませんが、もしか仮にそういう方が、公務員として残りたいというような方があった場合に、この希望を充足させるような労使協議を行う考え方はありますか。
#88
○政府委員(真野温君) 現在アルコール専売事業のNEDOへの移管に当たりまして、移管されるべく製造事業に従事されておられる方々、これは引き続きアルコール製造事業に従事する形で移行されることになろうかと思います。その場合に、われわれといたしましては、いま申し上げました新しいNEDOにおける製造事業の円滑な運営ということの確保がまず第一であろうかと思います。他方また、いま先生御指摘のような国家公務員としての希望、そういう仕事を続けたいという希望等も十分わかるところでありますが、ただし従来のこういった製造事業の円滑な運営のため、引き続きアルコール専売事業における製造事業にNEDOにおいて従事されることを期待するわけであります。また、全般的に申し上げまして、現在の定員、制度その他から見まして配置がえ等にはなかなか限界もあろうかと思います。したがいまして、今回の移管措置に関しましては、私どもと労働組合職員と十分協議いたしまして極力円満に移行できるようにいたしたいというふうに考えております。
#89
○大森昭君 いや、いまのお話ですと、期待と限界、それは私の方も十分わかっているんですが、しかし期待と限界があっても、後段でいま局長ができるだけ円満に労使で話し合いをしたいというところに重点を置いた答弁だというふうに聞いていいですか。
#90
○政府委員(真野温君) さようでございます。
#91
○大森昭君 そこで、実はいま主として工場などの問題で提起をしたんでありますが、工場以外にも今回のもう五百三十六名がこの新エネ機構に行くんでありますが、この三百二十八名は収納だとか販売だとか検査だとか取り締まりなどの業務をやってますね。したがって、その中から振り分けるわけでありますから、国家公務員として残留する人とそれから新機構へ行くという問題と二通りになっていますね。そこで、残留する人は従来公労法上の適用者でありますから、ことしの春闘はストライキ抜きでいま調停段階に入っているようでありますが、いずれにしても通産局に残ることになった場合に、従来公労法で給与決定をしておったものとの差が出てくると思うのでありますが、新機構へ行かないで残った人たちですね、この方たちは何か給与の是正をするのか何か処置をしないと、今度は新機構へ行った人と残った人は全体の通産省の人たちとの整合性を求めなきゃいけないと思うのですが、その辺のところは、残った方たちの給与についての切りかえというのは一体どういうことになるのか説明していただきたいと思うのですが。
#92
○政府委員(真野温君) 現在のアルコール専売事業の職員のうち通産省に残る職員の給与切りかえ等の問題でございますが、これの決定につきましては、この法律について国会の御賛同を得まして通過した後、具体的な移管の実施の際に人事院と協議して決める形になっております。私どもとしましては現に一般職の給与法が適用されている省内職員と新しく現業職員から一般職の職員に移られる残留職員の方々との均衡を十分考慮いたしまして、現行法の許す限り配慮を行うように努力してまいりたいと思います。
#93
○大森昭君 答弁としてはわかるんですが、移行前に恐らく残る人、行く人というのは希望をとるんだろうと思うのでありますが、いわゆる残る人たちですね、通産局あるいは通産省に残る人たちの給与は配慮をするというのですけれども、それは労使間である一定の合議というか協議というか、大体公労法の適用職員というのは賃金決定は労使が合意をしてということになっているわけでありますが、そのことも現にあるいまのアルコール専売の組合と話をしながら給与切りかえについて相談をするのか、それとももう組合は関係なく、というのはアルコール専売自身は向こうへ行っちゃうわけですから、残る人は通産省の方々と一緒になるのかどうかわかりませんが、いわゆるその切りかえをする問題については、アルコール専売の組合と協議をして決めるのかどうかというのはどうなります。
#94
○政府委員(真野温君) 原則的に申し上げまして一般職の職員につきましては人事院規則の定めるところにより給与その他の待遇を受けるわけでありますが、現業職員の立場を離れた場合にはいわゆる団体交渉によってそれを決定されるということにならないと思います。ただ、現実問題といたしまして現在私ども同じ通産省の中の職員でございますから、通産省の職員として一般職におりますし、先ほどの残留される職員の方々、従来現業としての扱いを受けておられた方々、これについての現在の給与条件等は十分私ども把握いたしまして、それが新しい人事院規則による給与準則の適用を受けるという際には、十分いろいろな均衡の是正に努めるように考えてまいりたいと、またそういうことを実際に、これはもちろん先ほど申し上げましたように人事院といろいろ交渉を要するマターでありますが、そちらの方に交渉して実現してまいりたい。こう思います。
#95
○大森昭君 あのね、要望しておきますから、こういうふうにやっていただきたいということだけ私の意見を言っておきますが、いま八百何名いますね、アルコール専売のいわゆる組合に。その中でいまあなた方が最高最大の努力を払って不利益を生じないということにすれば原則的に新機構に移行になるということになりますね、七工場の人は。ところがいま私が言いましたような収納だとか販売だとか検査だとか取り締まりの方々の中から、いいですか、この三百二十八名ぐらいの中から、これも後で出向の人が出たりなんかするから数は的確じゃありませんが、三十数名これは新機構へ行くわけでしょう。そうすると三百二十八名の対象で、その中からまあ三十八名でも三十六名でもいいですわ、それが新機構へ行くと残る人が出ますね、残る人が。その人たちというのは現在の賃金は仲裁が出て労使で決定している賃金なんですよ。いいですか。ですからその人たちの賃金を今度移管後に公労法適用職員の人たちが今度は一般の給与法によってそれを調整するということになりますと、今度は残留を希望していいのか移行を希望していいのか非常に混乱が起きますから、できるだけ残る人たちの給与はどうなるかという仕組みを明確にして、希望をとったりあるいは新機構に行っていただく方は、協力していただける方は行ってもらうというふうにして、いま答弁できればいいのですけれども、なかなかまだあなたの方検討しているのだろうと思いますから、そういう仕組みでひとつやっていただくことを私は要望しておきますが、どうですか。
#96
○政府委員(真野温君) 先ほどちょっとお答え申し上げましたが、現在のアルコール専売事業に従事している職員、これは御指摘のように給与特例法適用職員でございまして、団体交渉等によって決まったいろいろな条件なり適用を受けておる。それが一般職にかわるわけでありますから、その場合に一般職の給与法の適用になる。この場合、先ほどのアルコール専売事業に従事する職員の給与制度につきましては現在の一般職の職員の給与制度とは必ずしも一致しておりません。同一でございませんで、直ちに従前の給与がそのまま左から右に行くわけではございません。行政改革というこういう特殊な事情でございますので、現に一般職給与法が適用されている政府部内の部内職員との均衡を考慮してやるということは私ども基本的に実現したいと考えておるわけでありますが、御指摘のように現在の八百余名の専売事業に従事されている方のうち三百十三名が一応現在の一般職の職員として残る形になろうかと思います。その場合に、御指摘のように条件等が非常に不明確であるということのないように、できるだけ新機構におけるいろいろな待遇条件の詰めとあわせて両方調整していくと、両方早期に明らかにしていくというようなことをいたしたいと思います。ただしこれは私どもの考えでございまして、関係省庁なり関係するところは必ずしも同一でないとかいろいろ事情もございますので、できるだけそういう意味での政府部内、各省庁の協力を得てそういう形にしてまいりたいというふうに考えております。
#97
○大森昭君 できるだけという言葉がありますからね、そのできるだけということは最大限という意味なんだろうと思うのですが、私が言っていることはよくわかるでしょう。三百十三名の方はいままで賃金の決定というのは調停だとか仲裁だとかいろいろありますが、労使間で決めた賃金なんですよね。今度三百十三名以外いわゆる五百三十六名の方が新機構へ行っちゃうと。行っちゃうでしょう。新機構へ行ってから新機構でどういうふうにランクづけするとか、賃金をどうするかというのはきょうお見えの新機構の理事長さんなんかとお話をするという場がありますね。その残った三百十三名というのは、最大限できるだけという言葉がありますが、一般の給与の人と均衡を図るというわけですよ。そうすると、従来は労使で決定されたものが、いわゆるいま通産省の場合には人事院勧告でやっているわけですから、労使で話し合いは多少しているでしょうけれども、個々人に君は学歴がこうで勤続はこうでだから一般職員と比べたらこうなんだよと言われただけでは、長い歴史の中でお互いに労使で協議をしてきた賃金が新機構が発足する、同時かあるいは発足後かよくわかりませんが、賃金が勝手に一般給与法で、あなたはこうなるんですよと言われたのじゃこれは残った人も大変ですから、できるだけ移行前に残留組の人たちもこういう賃金になりますよという話を、現にあるいまのアルコール専売とよく話をしてくださいよと、こう言っているのですがおわかりですか。いいですね。
#98
○政府委員(真野温君) 先ほどの御質問、そういう御趣旨と了解しまして御答弁申し上げたわけでございますが、基本的にそういう方向で努力したいと思います。
#99
○大森昭君 そこで、残留の職員はそういうことなんでありますが、今度新エネ機構に行くわけですね。この七工場の人だとかあるいはさっき言った三百十三名以外の人で出向がどうなるかわかりませんが、いずれにしても行くわけでありますが、これは行く先は現にいまある新エネ機構の職員が適用されておる給与にランクづけされるのじゃないかと思うのでありますが、この特殊法人の今度職員になるわけでありますが、現にいるいわゆる新エネ機構の職員との均衡を考えながら新エネ機構の給与規定を適用するということになるだろうと思うのですが、理事長、どういうふうにお考えですか。
#100
○政府委員(真野温君) 仮に新エネ機構に移行するという場合における職員の給与の体系でございますが、この支給基準については制度上のたてまえを申し上げますと、新エネ機構が通産大臣の承認を得て決めることになるわけでございます。ただ具体的には、現在の新エネ機構の現行の給与体系というものは一つ現に存在しておるわけでございます。他方、現在アルコール製造事業、アルコール専売事業の職員として受けている給与水準なり待遇がございます。また同時に、現在アルコールの専売事業の業務の内容、製造事業の業務の内容というものと、それから新しく移るNEDOの業務の内容、これは必ずしも同一のものではございませんので、その辺の業務内容の差等も十分考慮しなけりゃいかぬ点があろうかと思います。そういう間で基本的に新しいNEDOの職員としてのできるだけ一体的な扱いを基本といたしまして、いま申し上げたような違い、相違点も踏まえて新しい給与体系を考えていくと、こういう形になろうかと思います。現在のところ直ちにNEDOの給与体系に行くのかあるいは先ほど申し上げましたような現在のアルコール専売事業における給与体系あるいは具体的な職種の違いを反映した別途の体系になるかと、その辺はまだ調整いたしておりませんが、基本的には新しい新エネ機構の職員としての一体感を持ち得るようなそういうような給与体系を基本にして考えてまいることになろうかと、ただしいまの点、私どもの方の希望なり現在の考え方でございまして、今後機構の当局者と具体的に相談してまいる、こういう形になろうかと思います。
#101
○大森昭君 そうすると、あれですか、移行後は新エネの給与体系にするかどうするかあるいは独自な問題で俸給体系をつくっていくかどうかというのは別にして、十月一日に移行する人たちのいわゆる十月一日現在の俸給表というのは、移行前にお互いに組合と話をつけて十月一日からの俸給表というものは確定をして出発をしていくと、移行して勤務についていくと、こういうことに理解していいのですか。
#102
○政府委員(真野温君) 制度的に申し上げまして、新エネ機構における給与体系の決定権あるいは給与体系の適用につきましては、これは新エネ機構の理事者と新しく移行される職員あるいは場合によれば職員団体等があればそういうものとの話で決まるわけでございます。ただ円滑な移行ということから、現在アルコール専売事業で受けておられる待遇について、それを基礎として新エネ機構の現在の給与制度、その他の条件等を調整いたしまして、事前にできる限り新エネ機構と私どもの間でいろいろ相談してまいりたい。その際に私どもとしては新しい機構に移られる職員の方々の円満な移行、希望の持てる職場にすべくそういう面での組合とのいろいろな調整もいたしてまいる所存でございます。
#103
○大森昭君 私は幾らでどうなるかということを本来わかってからこの法案の審議をしてもらいたかったのですが、それはさておいて、そこまで言うと少し無理だから、しかし、無理じゃないのですよ。本当はこういう法案を出して新機構へ行っていただきますと、しかし、新機構に行くに当たっては賃金はこうなりますよ、あるいは福利厚生施設はこうなりますよということを本当はきちっとしてやってくれれば、何も私ども総体的に判断してそういうことになるならこれはいいじゃないかということになるんですけれども、それが不明確である、非常に。不明確で移行してもらう法案ばかり提案されても大変迷惑なんだけれども、それはさておいて、しかし、いまの局長の答弁じゃよくわからないのだけれども、十月一日に新機構に行くわけでしょう。十月一日以降は新機構の理事者が、通産省の制約もある、大蔵省の制約しもある、いろいろな制約があるにしても当事者能力は持つわけだよ、そうでしょう、新機構の理事者側は。陰でいろいろの制約はありますよ。幾ら理事長が、よし、優秀な職員でいっぱい働いているから少し賃金上げようかと言っても、それは通産省がにらみをきかせている、大蔵省がにらみをきかせているからなかなかそうはいかないにしても、当事者能力はいずれにしたって新機構は持つわけでしょう。その話じゃなくて、十月一日に行くときには新機構の理事者側も入るのか、通産省も入るのかわかりませんが、確定してから、十月一日から行くんでしょうねと聞いているんですよ。
#104
○政府委員(真野温君) そういたすように努力したいと思います。
#105
○大森昭君 そこでちょっと、私も大変勉強不足なんですけれども、新機構も発足して一年半ぐらいになるんでしょうか、十分勉強していないのでありますけれども、いま局長からお話がありますように、移行に当たって最大限余りトラブルがないように、そしてまた、処遇も不利益にならないようにと努力されているようでありますが、受け入れ側の方として、いま新機構では公務員じゃないわけでありますから、いろいろな形でいわゆるアルコール専売と比較していいものもあるかもわからないし、また悪くなるものもあるかもわからないし、それから、新機構というのは一年半発足して今日まできているわけでございますが、今後の新機構の、これはちょっと質問が無理かもわかりませんが、ますます発展していくことを願って新しくつくったのでありますから多分そういう答弁になるだろうと思いますけれども、この新機構というのは今日までいろいろやってきているんだろうと思うのですが、受け入れ側として、一体いまのアルコールの方々を受け入れてどういうふうになるかなというような、具体的な問題はいいですが、総論的に何かお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#106
○参考人(綿森力君) お答えいたします。
 新エネルギー機構におきましては、現在までに石炭の液化、太陽光発電、熱発電それから地熱エネルギーの利用等の石油代替エネルギーの技術開発をやっております。そのほか、海外炭資源の開発のための融資、債務の保証などをやっております。それから、地熱の資源開発のための調査などと同時に、石炭鉱業合理化関係の事業といたしまして国内炭の助成事業、それから、国内炭鉱整備事業、電力用炭の販売事業、これだけをやっておるわけでございます。言いかえてみますと、新エネルギーといたしましてやっておりますのは、石炭関係の仕事、それから地熱関係の仕事、それから太陽のソーラーエネルギーの仕事、その三つに集約されるかと思います。
 今度アルコール部門がNEDOに移管されることになりますならば、この従来持っておりました技術を使いまして燃料用のアルコールという方向に持っていこうという大きな夢がございます。このバイオマスのエネルギーというものの利用につきましては、大きな将来が期待されるわけでございまして、こういう方向に新エネルギー機構としては伸ばしていって、いままで三つの柱と言っておりましたものを四つの柱として伸ばしていきたい、こういうように考えておる次第であります。
 それにつきまして、幾ら組織ができ上がりましても、前提となりますものは円滑な労使の関係であろうかとこう思います。先ほどから諸先生方から御指摘のように、公務員であった方々が新しい組織に移るのでございますから不安なことがあろうかと思うのでございますが、移行前におきまして通産省の方で労働組合と十分な調整を行っていただいて、そしてその調整された結果をいただいて規定化していきたい、こういうように考えておるわけでございます。
#107
○大森昭君 大変力強い御回答をいただきまして、ぜひひとつ行かれる方が不安のないように、そしてまた理事長さんのもとでこれは一生懸命働くわけでありますので、そういう意味合いでぜひひとつ四本柱を完全に抱えてやっていただきたいということを重ねてお願いをしておきます。
 そこで、いずれにしても今日現在では多分に不明確なところがたくさんあるわけでありますが、とにかく移行前には通産省としてアル専の組合と協議をして責任を持って引き継ぐことにするということで理解していいですね。
#108
○政府委員(真野温君) 新エネ機構の協力を得まして、そういうふうにぜひいたしたいと考えております。
#109
○大森昭君 そこで、いま新エネ機構というのは労組法の適用になっているんですが、労働組合というのはあるんですか。
#110
○参考人(松尾泰之君) 現在新エネルギー機構の中の労働組合の組織といたしましては、九州支部に約四十名の組合員から成る労働組合がございますが、これは労働組合法の適用を受ける組合ではございません。
#111
○大森昭君 そうすると、いまの新エネ機構というのは就業規則が優先をして、それからまた、経営者側の方がつくっております給与準則が有効に適用されていくということですね。今度は恐らくアルコール専売のいま組合があるわけですから、そのまま移行すればその組合になると思うのですが、そうなれば当然労組法の適用がありますし、ストライキなどというのはやたらに打つことがいいという意味じゃないのですが、公労法の改正も提案されていますから名実ともにスト権もあるわけですね、当然団交権もあるわけですから。そうすると、いままでのいわゆる就業規則だとか給与準則が一方的に有効に適用されていくということじゃなくて、労使で話し合って、いわゆる就業規則が変更になったり、給与準則が変更になったりという、そういうふうに理解していいですか。
#112
○参考人(松尾泰之君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、少なくとも労働組合がございますアルコール事業部門につきましては、組合側の同意を得たそうした労働協約に基づいて就業規則なり給与規程が決められることになるわけでございます。
#113
○大森昭君 新機構の皆さんも従来と違いまして今度アルコールの皆さん方を受け入れるに当たっていろいろな変化が生じますので、十分労使が円満にいきますように対処していただきたいと思います。
 そこで次の問題でありますが、本来、退職金の問題はいろいろな議論がありますが、賃金後払い説だとかいろいろなことがありますが、しかし日本の慣行としては、いずれにいたしましても、勤続をいたしましてやめる際に退職金をいただきまして、いわゆるライフサイクルといいますか、老後の設計を立てていくというのが大体日本流の社会常識なわけでありますが、しかし、今回は、通産省はみんなやめていただいて、退職金を払ってということになりますので、どうもそういう意味からいきますと、従来のサイクルが変わるようになると思うのでありますが、この点について引き続いてやる方法だとか、何かそういうことはとれなかったんでしょうかね。また、途中で全部一斉に退職金を支払うということについて、多分私の考えでは、また新機構に入って、大体、終身雇用制度ですから、日本の場合は、退職金なんかは逓減方式になっていくんじゃないかと思うのでありますが、一たん途中で区切られてまた入っていくということになると、通算して年金なんかも余りよくないのじゃないかというように感じるんですが、この辺は何か検討してますかね。
#114
○政府委員(真野温君) 現在、アルコール専売事業の職員の方の受けておられます退職金あるいは年金についての規定なりそういう制度、これにつきましては、新エネ機構に移った場合にこれを継続する方法なきや、こういうことも検討いたしました。現在の制度上、これを継続することはなかなかむずかしいという形で、一応この法案にございますような制度、つまりこの法案に正面からは書いてございませんけれども、国家公務員としての退職金、退職規定あるいは国家公務員の共済組合の共済年金、これについては移行について退職という形をとりましたときには通算されない。しかしながら、新しい機構において新しい職場の退職金規定あるいは厚生年金の規定を直ちに適用を受ける、こういう形にいたしたわけでございます。その際に、私ども、もちろん十分いろいろ交渉経過を踏まえ、検討いたしましたのは、それによって著しい不利益等が生じないように、具体的なケースも含めて、あるいはいろいろな制度上のものも含めまして、総合的に見てどうであろうか、いろいろ検討したわけであります。新しいNEDOの退職金規定と国家公務員の退職金規定を比べますと、基本的にはやはり必ずしも不利にならない。ただ、若干の場合に、わずかながら不利が認められる場合がありますけれども、継続した場合には年金等で逆に不利になる、こういう形でございまして、給与、退職金、年金含めまして総合的に見ますと、必ずしもそう大きな不利益はない、あるいは有利な場合も出てくる、こういうような状況でございます。一応、原則的に制度の継続ということをせずに新しい身分関係に基づいて処理いたすようにいたしたい、こういうふうに考えておる状況でございます。
#115
○大森昭君 いろんな角度から経営形態の変更が出ているんだと思うのですが、ただ、大臣、大臣のときじゃないでしょうから、これは前のときだと思うのですが、実際問題として、行政改革でこういうことをやるとかやらないとか言いますが、いま私は個人の生活のいわゆるライフサイクルからの話をしたんですが、行政的の立場からしたってこれは話にならぬですよね。郵政省が電電公社と別れた際だって、一々退職金なんか払っていませんよ。当然引き継がれていくというのが、これは普通の形でありまして、その法律一本、どこかで新しいことをやるときは新しい法律をつくったっていいのですよ。いままでにないからといって、全部退職金を、これ何十億か、六十億か何か出すわけでしょう。生活の態様は変化が来るし、行政的な支出は一括でもって支払いをしなければいけないし、こういう、私に言わせると何をやっているかわからないと言いたいのですが、少なくとも、これから行政改革あるいはいろいろなことが行われると思いますが、ぜひひとつ通産大臣、こういう経験などを生かして、新機構に行くから退職金を支払って清算しちゃうとか、そういうようなことのないように、これは、この法案とは関係ないです。これから恐らく三公社五現業の第四部会の問題もありますから、どういうかっこうになるかわかりませんが、こういうときには特別な法案を一本つくっておけばそれで間に合うわけですから、こういうことが頻繁に行われるなんということは、これは、ますます行政改革をする上でも大変な混乱が起きますよ。したがって、こういう問題などについては新たな対策を立てて、行政改革がいいとか悪いとかといま議論をしているわけではないのでありますが、対処をしていくというような考え方を私は持っておりますか、どうでしょうね。
#116
○国務大臣(安倍晋太郎君) いろいろのことがあると思いますが、しかし、先ほど私が申し上げましたように、移行に当たっては、不利益なことがないように、そうして円滑な形で移行できるように、ひとつ通産省としても最大な努力をしたい、こういうふうに思っております。
#117
○大森昭君 大臣、法案が出ているからそう言わざるを得ないけれども、私は、いまこの法案審議に当たっては大臣の言われることでやむを得ないと思うけれども、そうじゃなくて、これからの問題として、個人のやはり退職金というのは、もらって、それで老後の設計を立てるということが、途中で崩れるでしょう。勤続五年の人も、十五年の人も、二十年の人も、みんな退職金をもらうわけです。そうでしょう。五年の人は五年でもらって、バイクでも買おうか、車でも買おうかと考える人もいるかもわからぬ。あるいは二十年の人は、少し余分にもらったから家でも建てようかと考えるかもわからぬ。しかし、おおよその人というのは、公務員として就職をして、働いて、最後に年金をもらってという計画を立てているわけですよ。そういうことが狂う。それは個人の生活上の問題だから、それはさておいて、加えて、退職金を払うわけでしょう。国のお金を払うわけですよ。そういう形の中で行政改革をしようというのは少しおかしいのじゃないですかということを、この法案とは関係なく、これは答弁要りませんよ、大臣、考えておきませんと、今後一々機構が変わるたびに退職金を支払っていくようなことをやっておったのじゃ、これは鈴木総理に言ってもらいたいのだけれども、命をかけると言ったって、これは命のかけようがない。たとえば郵政省を公社化する、特殊法人にする、電電公社を特殊法人にする、そのたびに金なんか払わないでしょう。払えませんよ。大変なことになっちゃいますものね。三十五万もいる電電公社の人を特殊法人にするからといって退職金を清算してごらんなさいよ。ただ、アルコール専売は小さいから、五百人ぐらいだから、この際退職金でも払って特殊法人にしてしまおうなんということなんだろうと思うけれども、そういうことじゃ行政改革も思うようにいかないし、個人の生活も狂うしという意味で言っているのでありまして、この法案自身についていまさらそう私が言っても、これは大臣がじゃそうしましょうかということになりませんからそれは別でありますが、どうかひとつ、いま大臣が言うように、不利益をかけないということの中にそういうこともあるということを示唆しただけの話でありますから、それはそれでいいです。
 次に移りますが、そこで、今度は退職金の話は別にいたしまして、今度は年金の問題であります。この年金も、これまた、途中で全部一斉に切れてしまうわけであります。共済年金から厚生年金に移るわけでありますが、そのために年金が中断をされる。もちろん通算のやり方もありますから、共済から厚生年金通算方式も、別な法律でつながるのもあるのでありますが、しかし、いずれにしても、共済から厚生年金にということになると、大変、まあ勤続年数にもよりますが、不利益が生ずるんではないかと思うのでありますが、この辺についてはそれぞれの勤続年数などを勘案して十二分な検討をしておりますか。
#118
○政府委員(石川不二夫君) 今回の移管措置の実施に伴いましては、移行します職員が機構におきまして安心して勤務できる条件を整備するということを第一義に考えておるわけでございますが、原則的に移行職員が一たん通産省を退職しまして、それによりまして国家公務員共済組合から脱退いたしまして、年金面では厚生年金保険の対象になるわけでございます。で、そういう方々が全体を通しまして、本来ずっと通産省におったならばどうであっただろうか、国家公務員共済組合の組合員でずっとあればどうであっただろうかというようなことと比較になるわけでございますけれども、ひとつライフサイクルの長いいろんな条件を仮定した上で見なくちゃなりませんので、かなり不確定な要因も伴います。そういったことを仮定した上でいろいろ個々のケースにつきましてそれなりに推定は行っておりまして大筋は把握しておるつもりでございます。いずれにいたしましても、移行後の職員が移行後も基本的に同種の業務を継続するということでございますので、移行後において総体的に見て諸待遇において不利益が生ずることのないように努めていきたいと、こういうふうに思っております。
#119
○大森昭君 いずれにしても年金の問題は個々の勤続年数によりまして一概に言えませんから、ですから、綿密に計算をしていただきまして、同種の中で不利益が生じないようにぜひひとつ取り扱いをやっていただきたいと思います。
 そこで、移行に当たって厚生年金に移行するもの、いわゆるアル専共済組合のすでに年金の受給者ですね、すでに年金をもらっている方々というのは、これは厚生年金に入るのか入らないのか。いわゆるいま移行していく方だけが厚生年金になっていくのか、あるいはすでにもう年金をもらっておる人たちの、その人たちは現にもらっているわけですからその負担をするわけでありますが、その辺の関係ですね、いわゆる共済年金の支給に支障があるのかないのかよくわかりませんが、その辺はどうなんでしょうか。
#120
○政府委員(石川不二夫君) すでにアル専を退職されまして年金受給資格者になっている方、あるいは年金をもらっている方につきましては、アルコール専売共済組合は国家公務員共済組合連合会に入っておりまして、そちらの方でそういった長期経理のことをやってもらっておりますので、今回の措置によりまして何ら影響はございません。
#121
○大森昭君 ちょっといま答弁を聞いていなかったからあれですが、いずれにしても年金制度について支障のあるようなことはない、こういうことですね。
#122
○政府委員(石川不二夫君) すでに年金受給者になっている方は影響はないということでございます。
#123
○大森昭君 ああそうですか。
 そこで、今度新機構への移管に当たりまして、いずれにしてもいまの人たちはいわゆる公務員の年金を失って新しい機構の方々とともにその年金のシステムに組み込まれるわけでありますが、そのときに、国家公務員共済組合法の第百二十四条の二に規定されております継続長期組合員の取り扱いということになるのかどうか、この点はどうですか。
#124
○政府委員(石川不二夫君) 国家公務員共済組合法の百二十四条の二に、各省庁等から特殊法人に出向しました一般職員につきまして、継続長期組合員になれるということが規定されておるわけでございます。この制度は退職手当法の方と絡みがございますわけでございまして、現行のルールでは一応その期間が五年間ということになっております。そういったことで運用の趣旨並びに期間ともにそれぞれの制約があるわけでございます。
 ただ、二十年以上の方は、国家公務員共済組合におりまして退職年金の受給資格を得ているわけでございますが、それ未満の方はないということでございます。
#125
○大森昭君 いま共済組合で住宅貸し付けだとか一般貸し付けだとかいろいろ借りていますわね、アルコール専売の人たちはね。今度新機構に行くと、共済組合というのが新機構にあるのかないのかよくわかりませんが、これは退職金をみんな払うわけだから、一切借りているものは全部返せということになってこれは移行するんでしょうかね。
#126
○政府委員(石川不二夫君) はい。共済組合によります住宅貸し付けにつきましては、退職しますときに全部返すということを条件に貸し付けておりまして、かつまたその範囲内で貸し付けているというのが実情でございます。
#127
○大森昭君 いや、それはやめるときは返すという約束をしたってね、大体初めから新機構に行くなんていうことはだれも考えてないわけだからね、勝手に新機構に行ってくれと言って、あなた、やめるんだから、そういう約束だから金は返せというのは、まあそれは二万や三万の金を借りているというならいいけど、住宅貸し付けなどは相当高額だと思うのですよね。もちろん退職金の範囲内ということなんでしょうけれども。こういうのは、全部返してもらうわけですか。
#128
○政府委員(石川不二夫君) はい。共済組合から借りております住宅貸し付けにつきましては、退職いたしますときに返すということになります。
#129
○大森昭君 そういうふうになっているのはわかるんだけれど、それは一般的にはそうなんだけれど、退職するというのは、普通の人は、病気にでもなれば別ですが、大体自分は住宅建てるとき三十年くらい――三十年はちょっとオーバーたな、まあ十五年とか二十年ぐらい勤めてからやめるということで住宅の計画なんか立てるわけですわな、普通。そうでしょう。だから、事業部長がそういう言い方をするなら、ちょっとここのところ逆に私、聞きますがね、新機構は住宅貸し付け制度なんてあるんですか。
#130
○参考人(松尾泰之君) 共済組合ではございませんが、内部の互助組織といたしまして共済会というものを設けていますが、これはそれぞれ役職員が俸給の一定の比率のものをそこに拠出すると同時に、機構の方からそれに見合うものを補助するという形で冠婚葬祭あるいはレクリェーション等の費用に充てております。その中で貸付制度がございまして、住宅資金につきましても二百万円、年利六%で融資する、こういう制度は一応設けておりますが、何分にもまだ資金が十分でございませんので、目下のところは運用を停止いたしております。
#131
○大森昭君 どうも細かい問題をやるとこれは切りがないのですが、いま一般的に特殊法人が賃金が高いとかなんという議論もあるようでありますが、勝手につくった特殊法人ならいろんな批判を受けてもいいのでしょうけれども、問題は僕はさっきから基本的に言っているんですが、公務員として就職したんですね、その方々が本人の意に反して新機構に行くわけですよ、そうでしょう。いや、きょうは係の方もおられますが、通産省に入ったつもりでいて、突如として新しいところへ行けということで退職金を渡します、年金も中途半端ですなんて、だれも行きませんよ、本当にこれは。住宅貸付も、借りた金はもうやめるんだから返すのはあたりまえだなんというような、きょうの段階ではそういうことなのかわかりませんが、私はそういうことをやっている限り、少なくとも冒頭じゃないけれども、公務員法に基づいて生首は切りませんということなら、みんな通産省に残りなさい。無理して行くことはないということになっちゃうのですよ。私はそういうことをさせたくないし、円満にやってもらいたいから質問をしているんですがね。ですから、いまの段階ではいろんなことが、まあ答弁直ちにできないかわかりませんが、少なくとも本人の意に反して公務員をやめて新機構に行くというときに、住宅貸付を、貸した金をふんだくってやるようなことまでしなければできないなんて情けなくないかね、本当の話。きょうは答弁要りませんが、そういうことを言えばもう切りがないのでありますが、どうかひとつそういうことについて最大の努力をやっぱりしていくということはどうですか、総括的に言って。
#132
○政府委員(真野温君) いま御指摘の点、実は私どももいろいろ新機構に移る場合の従来のアルコール専売事業の職員の方々に対する待遇と違ってくるいろいろなポイントの一つというふうに考えていろいろ検討したわけでございます。ただ現在までのところいままでの制度、その他から実態は以上のとおりでございます。私どもその点につきましては、必ずしもこういう制度そのものが、いまある厚生年金の制度あるいは新エネ機構の共済制度というそれぞれの制度上の限界がございますので、直ちにそれを完全に修復するといいますか、是正することができない点は苦慮しているところでございます。
 しかしながら、そういう意味で、新しい職場における職員の方々のそういう不利益の是正の問題については引き続きなおいかなる方法があるか検討してまいるつもりでございますし、現にそういうようなことも考えて検討しておるわけでございますが、何分いま申し上げたような、まさに先生御指摘のような制度上の違い、これは必ずしも公的な国家公務員制度なり、給与制度あるいは厚生年金等の制度ではございませんで、むしろそういう貸付制度のような一つの団体の運用の準則で決まっておる点でございますので、それの団体の全体としてのバランスを維持する点から限界が出ておるのは事実でございます。
 したがいまして、そういう制度上の問題に特別の措置をとることはなかなか困難な実情にあるということを、先ほどから、私どもの担当部長あるいは新エネ機構からお答えしたわけでありますが、十分そういう点につきましても真剣にわれわれとしても何らかの方法はないか引き続き検討してまいりたいと考えておるわけであります。
#133
○大森昭君 まあ部長の言うこともわからないわけじゃないのですがね、ただ、きょう実は私は、この質問をするに当たって、特殊法人というのはいろいろあるわけですな。だから、特殊法人をつくって、たとえば運輸省から行く特殊法人、郵政省から行く特殊法人、農水省から行く特殊法人、その方々を全部呼んで、一体、あなた方が特殊法人を設立して行くときにどういう対応をしたのですかという、いや実は一人一人、総括してやるところがないらしいからやろうと思ったんですよ。だから、私の言っているのは、そういうことをやると時間もかかるし、いま現実問題じゃないという人もいるかもわからぬけれども、いま部長が言うようなことで特殊法人をつくって、特殊法人に人を移行してもらうなんていうのはないのですよ、私の常識からいくと。したがって、多くの点でマイナス点があるがゆえに、特殊法人に行っている方々は給与を現行のときよりかもよくして、給料だけ見ると非常にいいというけれども、しかし実際にはすべての問題がかかわるでしょう、国家公務員という立場の中で。身分の保障から始まって年金から退職金から、いろいろな問題があるわけだ。したがって、そういうものが、いま部長が言うように、制度上満たされない部分を処遇だとか俸給の面でカバーしているから高いのであって、賃金が高けりゃ何でもかんでもむだなことだということにはならないのですよ、そうでしょう。
 いま新機構へ行くわけでありますが、たとえば厚生施設なんていうのはどうなんですか。公務員、アルコール専売の方と比較してもいいのですが、新機構に行ったらよくなるんですか、ちょっと新機構の理事さんに聞くけれど。
#134
○参考人(松尾泰之君) 厚生面と申しましてもどの範囲で比較したらいいか、いろいろ基準がございますけれども、たとえば住宅につきまして、現在機構が所有しておる住宅を貸し付けるというものもございますが、必ずしも十分な戸数を備えているわけではございません。また、保養施設、運動場等につきましても、人員の規模等の面から、まだみずから所有するという段階には至ってはおりませんけれども、できるだけ他の所有している施設を利用するという方向でそういう面の充実を図っていく方針で、逐次進めております。
#135
○大森昭君 大蔵省来ていますか。――いまいろいろ、共済組合制度だとかいろいろな問題で質疑をしているわけですが、一体こういうことがしょっちゅう起こって、いろんな議論がされて、進めるといってもなかなかこれはむずかしい問題になるんで、今後のこの共済制度だとかあるいは公務員の共済制度などについて、特に大蔵省は何か見解を持っておりますかね。
#136
○説明員(野尻栄典君) お答え申し上げます。
 私どもの国家公務員の共済年金は、自然に退職されていく方々の脱退率とか、それに対して新規に採用されてくる方々の補充率、そういうことで、全体の現役の職員の数と年金受給者になられる方々の数との総体を見ながら年金の財政計画というものを仕組んでいるわけでございます。したがって、自然退職していかれる方々はあらかじめ計算上入れておるわけでございますけれども、こういうふうな行政機構の簡素化等の観点から大量に退職者が発生するというようなことになりますと、確かに公務員の共済年金の成熟化を促進するという、いわば予定外の問題が生じていることは確かでございます。しかしながら、そういう問題はあるにいたしましても、基本的には現在の共済年金というものが相当スピードを上げて成熟化をしていくことが見込まれておりますので、将来の財政問題につきましては非常な心配をしているところでございます。
 これはアルコール事業部におられた方々の脱退者の方に限ったわけではございません、国家公務員全体でございますが、そういう意味では、将来の年金財政を踏まえた給付水準のあり方とか支給要件の見直しとかあるいは他の公的年金制度、厚生年金等との整合性とかあるいはその給付の調整、いわゆる制度間格差の解消と申しますか、こういう基本的な問題につきまして抜本的に改正して、検討していかなければならない時期に来ているというふうに認識しております。このために、私どもの方では国家公務員の共済年金を中心として地方公務員、三公社、それらの職員の共済年金全体を通ずる将来の展望をどういうふうに確立していくかという、そういう観点から昭和五十五年の六月から大蔵省内に共済年金制度基本問題研究会というものをつくりまして、おおむね二年程度の検討期間を経て先生方の御意見をいただくという手はずで、現在検討が進められております。間もなくその二年目が来るわけでございますが、先生方からいただいた意見をもとにいたしまして今後の共済年金の抜本改革の方向づけというものをさらに検討していきたいというふうに考えております。
#137
○大森昭君 それじゃ議事に協力する意味で、余り細部にわたってここでやっても、恐らく労使間でもいろいろ努力をしていると思いますから、この辺で打ち切りますが、ただ、私は正直に申し上げまして、何回も繰り返して言っているんですけれども、アルコール専売事業部門に働いている人たちは、もう本当に心から喜んでこの新エネ機構へ行こうなんて考えている人は一人もいないのですよ、はっきり言いまして。しかし、今日までの経過の中で新機構へ行かざるを得ないかなという気持ちになっているようであります。したがっで、そういう意味からいけば、最大限努力をしていただきませんと移行をさす通産省のお役人の方々は、まあ適当に、法律を無理やり通して、行っちゃったわい、あとは新機構と適当にやってくれなんというのじゃ、これはもうさっきの理事長の決意で大変温かい言葉をいただいているわけだけれども、新エネ機構は大変ですよ、今度は、受けとった方は。現にある新エネ機構の職員の人たちと差がついてみたり、受けとった理事者側の方はもう大変なことになりますよ、そうでしょう。
 しかも、これはここで議論しているから、新エネ機構の問題だけ議論していますが、政労協という組合がありまして、住宅公団から始まってあらゆる特殊法人の状況というのは全部あるんですよ。そうすると、そういう総体の中で新機構というのはどういう位置づけになっているのかという問題だって問われるわけですよ。いまここでやっているのはアルコール専売の人たちが置かれている状態と、新機構に行く場合の移行だけの議論をしておりますが、そうじゃないんですよ。世の中には相場もありましてね、そういうことになってくると、適当にというと語弊がありますが、先程からの最大の誠意を持って移行に当たって努力をするということは、それを信じますが、そのことが達成できないで新機構へ行けば、それは新機構の方が大変になるから私はいろいろなことをさっきから言っているんですよ。
 そこで、少なくとも早目に労使でよく話をして円満に新機構に移行できるような体制ができなければ、大変なことになります、率直に言って。したがって関係組合となお一層の綿密なる協議をしていただくということで、あと余り細かい問題は質問をこれで打ち切りますが、そういうことで総括的に理解していいですか。大臣、いないけれども、まあ局長でいいです。
#138
○政府委員(真野温君) 私どももいままで通産省の職員として、アルコール専売事業の方たちと一緒に仕事をした仲でございまして、その意味におきまして今回の機構改革によりましてたまたま国家公務員としての身分を離れられ新エネ機構の職員に移られる、それに伴ういろいろな不安感あるいはいろいろな問題というものは私ども率直に受けとめて、できるだけ誠意を持ってこれに対してこたえていかなければいけない立場にございますけれども、そういう意味におきまして、先生御指摘のような基本的な精神のみならず、具体的に移行に当たりまして移行までの間に十分納得のいくような労使間の話し合い、調整、それに基づいての各省庁あるいは新エネ機構との連絡調整、これにはもちろん私どもとして誠意を持って当たるのみならず、必ずこれを実現するように努力いたしてまいりたいと思います。
#139
○大森昭君 じゃ、最後に、労働条件、処遇の問題だけじゃなくて、さっき理事長さんからもお話がありましたけれども、もっと具体的にアルコール事業における今後の重要性の問題、総括的にありましたけれども、やはりこの処遇の問題と同時に、一体事業の運営がどうなっていくかということがアルコールにいま働いておる方の一つの大きな問題ですね、やはり将来展望をきちっと計画を立てて、それでそこに新しく新機構に来られるアルコールの従業員の方々がやはり自信と勇気と長期的な展望に目覚めて仕事をするというような具体的な政策といいますか、そういうことについても、まあできることとできないこと、ありますがね、移行前になるたけきちっと展望を示せるものを示していただいて、処遇と同時にひとつ新しいここで一生懸命業務につけますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#140
○政府委員(真野温君) ただいまの先生の御指摘の点、御意見、いずれも私どもとして十分心にとめて実現を図りたいと考えております。当然新エネ機構の側におきましても、先ほど理事長からお答えございましたように、これに合わして協力していただけるようお願いしつつ、また私どもの行政的にできることについて最大限の努力を傾けたいと思います。
#141
○大森昭君 最後に。大臣は御用があったんだからいいのですが、まず、さっき処遇の問題いろいろやったんですよ。しかしなかなかまだ移行前ですから不明確ですから、これ以上詰めても余り国会の場にふさわしくないですからひとつ誠意を持って労使でよく話してもらいたい。まあたくさんあるんですよ、問題は。もう本当に腐るほどあるんですけれどもね。それをやっていただくのと同時に、午前中、高杉委員の方からもいろいろ全体のエネルギー政策の中で、またさっき理事長さんからもお話がありまして、アルコールの問題について誠意を持ってもっと新しい角度で画期的にやるというので、力強い決意をいただいたんですが、まとめて大臣がそういうエネルギー政策の中でのアルコール分野における政策の問題あるいは処遇の問題、総括して一言答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
#142
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまいろいろと御意見も拝聴したわけでございますが、これは政府として決定をしてここに法案の御審議をお願いをしておるわけでございますが、われわれとしては、このアルコール専売事業は新エネ機構に移す、アルコール専売事業を効率的に進めていく。同時にまた、新エネ機構の理事長も申し述べましたように新エネ計画の新しい柱としてこの燃料アルコールの分野で大きく取り組んでいきたいと、そういうことですから、本人の意思と関係なしに政策決定で行くわけでありますが、新機構に移っていただいて自信を持ってといいますか、大いに希望を持って働いていけるようにしなきゃならぬ。それには移るまでの準備段階でいろいろの問題があることはよく承知をいたしております。その点についてはこれから通産省が中心となりまして、組合の方とかあるいは機構の方とかあるいは関係当局とも十分話を詰めまして、先ほども申し上げますように安心して移っていただけるような体制に持っていきたいと、私もそういう面で全力を尽くしたいと考えております。
#143
○大森昭君 じゃ、どうもありがとうございました。
#144
○田代富士男君 最初に安倍通産大臣に申し上げておきますが、何かきょうはミッテラン大統領との会談が予定されていらっしゃるということを聞いておりまして、私の質問の時間と重なっておりますが、時間が参りましたら立っていただいて結構でございますから、前もって私から申し上げておきます。いらっしゃる間は御答弁をいただきたいと思います。
 最初に、今回の法改正は同僚議員からも午前中から質疑が行われておりますが、行政改革の一環であるということでありますが、アルコール事業の製造部門が特殊法人に移管されるといたしましても、私もいろいろ資料を集めて検討いたしましたが、全体としての軽量化が進められているわけではないし、どこを指して行政改革ということが言えるのであろうかと、私も受け取り方が非常に納得できない現在の心境でありますが、この点まずお答えいただきたいと思うのです。
#145
○政府委員(真野温君) 今回アルコール専売事業の製造部門を新エネルギー総合開発機構へ移管いたしますその趣旨は、行政機構の簡素化とアルコール製造事業の効率化、専売事業の効率化に資するということを目的にしてと、こういうことでございます。その場合に、まず現在のアルコール専売事業につきましては、いわゆる専売管理の事業、この中には特に飲用アルコールと工業用アルコールの流通の規制を必要とする現在の制度上の問題から、いわゆる行政的な意味での専売事業と、いま一つ、発酵アルコールにつきましてこれを国営工場で製造するという二つの事業を組んでおるわけでございます。まずこれにつきまして、基本的には専売事業を維持するという前提のもとにおきまして製造事業の効率化を図る。製造事業は御案内のように企業経営的な管理職務の遂行を基本といたしますので、それにつきましては現在の国営事業という形よりも新しい特殊法人でのもとにおきまして、国営事業としてのいろいろな法的な規制その他を排除いたしましてより効率的な経済運営を行うということによりまして、製造事業そのものの効率化を図る。他方、アルコール専売事業そのものにつきましては行政事務としての専売事業に専心すると。こういう現在の基本的には二つの違った専売事業の中身をそれぞれの目的に応じて管理される体制をつくるということが一つバックラウンドとして基本にございます。
 その結果といたしまして、現在のアルコール専売事業の中におきまして製造事業に関連する部門、これは現在の行政機構の中からなくなるわけでございますので、行政機構そのものとしては、たとえば一つは現在の国家公務員の定員、アルコール専売事業中の国営工場の製造事業に従事する職員の部分に当たります五百七十二名というものが縮小される形になりまして、公務員全体としての数の減少を生ずる。他方、現在アルコール専売事業におきまして国営工場の管理に当たりますいろいろな機構がございます。その部分については簡素化を図るという形が予想されておりまして、具体的には現在の通産省のアルコール事業部という機構の中におきまして、アルコール事業部長あるいは職員管理室というような国営工場の職員管理等を中心にいたしております部門の廃止というものを生ずるわけでございます。
 他方、新エネ機構のもとにおきましては、従来の国営製造部門が担ってまいりましたアルコールの安定的な供給確保と、こういうことに対応しましてより効率的な経営形態のもとでの運営を図る、こういうことになるわけでございます。
 他方、新エネ機構の側におきましては、新しいエネルギーとしてのいわゆる燃料アルコールの開発、これに今後精力的に手がけてまいりますが、その場合におきまして、現在の国営アルコール工場の持っております技術、あるいは必要な施設、これを新しいエネルギー開発という意味での研究開発の分野においてより有効に活用すると、こういう意味におきまして総合的な新エネルギー開発を図る、こういう効果をもたらすものというふうに考えておるわけでございます。
#146
○田代富士男君 ただいまも御答弁いただきましたが、二つの違った専売事業の中身に応じて今後どのようにやっていったら一番効果が上がるかという、こういうことも行政改革論議の中で検討されたことと思いますが、そのときにアルコール専売につきましてはかつて民営論が盛んであったことは御承知のとおりだと思いますが、今回の法改正では特殊法人への移管ということになりましたが、これはお尋ねいたしますが、恒久的な措置なのか、それとも過渡的な措置で将来においてたとえばアルコール製造部門はNEDOから切り離して民営化されることになるのか、ここらあたりが明確であるようで明確にされておりません。もし私が申すような将来民営化されるとしたならば、今回どうして一気に移行しなかったか、なぜ一気にそこまで持っていくことができなかったのか。もしそういうことがないとするならば、せっかく行政改革の論議の中で民営論が盛んであったにもかかわらず、そういう貴重な論議を経ての結論の尊重をどのように受けとめて今回のこういう措置に踏み切ったのか。これはやはり大事な方向性を示すものでありますから、通産大臣もお出かけの前でございますが、これは大臣からできたらお答えいただきたいと思います。
#147
○国務大臣(安倍晋太郎君) アルコール専売事業の製造部門の新エネ機構への移管の方針につきましては、行政機構の簡素化及びアルコール専売事業の効率化の観点から国営形態を廃することとしながらも、各般の公益的な配慮にかんがみまして民営化が適切でないと、こういう判断の上に立って決定をされたわけでございます。すなわち、アルコール専売事業がアルコールの低廉かつ安定的な供給の責任を果たすためには、製造についてもその担当部門は国またはこれに準ずる特殊法人による国の直接的な管理のもとにおける製造にゆだねて製造の継続を確保し、かつ需給の円滑な調整を図ることが必要である。従来国営化ではアルコールの長期的な安定供給等の観点に立って国産糖みつ、カンショ、ミカン果汁の廃みつ等の国産農産物の利用を図ってきたわけでございますが、今回アルコール製造事業を廃止するに当たってもこれを継続する必要があり、かかる観点からもこのような公益的な配慮と効率的事業運営、これを両立させる特殊法人に製造を移管させることが適切である。またアルコール製造部門の新エネ機構への移行は将来の民営化への過渡的措置と、いまそういう御質問もございましたが、そういうものではなくて、多年にわたる経営形態についての検討の結論であると理解をいたしております。これを踏まえまして、新エネ機構移行後のアルコール製造部門は、従来国営工場が果たしてきた公益的機能を引き続き果たすとともに、新たに燃料アルコールの開発、実用化を進める上でも重要な役割りを果たしていくべきものと考えておるわけでございます。
 重ねて申し上げますが、民営化への過渡的な措置ではないということでございます。
#148
○田代富士男君 アルコールは特殊なものであるから、低廉かつ安定供給のために国が直接製造管理をしていって、公益性、効率的な配慮をしていかなくちゃならないという立場から、こういう体制をとっていらしゃいますけれども、そういうお話でございますが、現行の専売制のもとにおける工業用アルコールの安定的な供給体制を改めて税制に移行していった場合、どのようなデメリットが考えられるのか。だから、お酒の場合は御承知のとおりにメーカーによって自由競争が行われているわけでございまして、そして、酒税法で国の一般会計への収入、相当部分がこれによって賄われていることは御承知のとおりでございます。こういうことを考えますと、工業用アルコールも需要がある以上は、競争原理のもとで安定供給と国の収入確保はこれは可能ではないかと私は思うわけでございますが、専売制度を、いま申されたような理由でとおっしゃいますけれども、維持する趣旨は何なのか。私はお酒の場合も例を挙げましたけれども、どうでございますか。
#149
○政府委員(真野温君) 現在アルコールが専売制度のもとに置かれておりますのは、御指摘のように飲用アルコール、これに対しまして高額の酒税が課されておる一方、同じアルコールでありますが工業用のアルコールにつきましては、これは工業用の原料といたしまして低廉安価な供給が必要とされる、こういう同じアルコールに対して二つの違った機能と申しますか、要請があるわけでございます。そういう意味におきまして、現在専売制度のもとにおきましてこの二つの用途に応じた流通の規制、これをいたしておるわけでございます。その場合に、専売制という形で流通規制を行っておるわが国のような場合のほかに、御指摘のように税制によりましてこの二つの分離された機能を遂行しておる国がございます。
 ただ後者の場合におきましても単に税収を上げるというだけではなくて、その二つの用途に応じたアルコールの流通規制という規制業務が不可欠でございまして、現在税制をとっております国、たとえばアメリカにしましてもイギリスにしましても、そういう意味での流通規制が税制のもとにおいて同じように行われておる。かたがた日本の場合には、専売制度が昭和十二年以来ずっと定着いたしまして、それに応じた流通なり製造の形態ができておるわけでございますが、これを仮に税制に改めました場合には、かえって制度的に複雑になる要因を含んでおりまして、具体的に申し上げますと、税制の場合にはいわゆる戻し税制度でありますとか、事前にある程度供託するという意味でのボンド制度というような新しい規制なり制度というものを必要とする。それにまた加うるにいろいろな流通面におきまして流通がかなり複雑化し変更を生ずるということから、移行に伴ういろいろな混乱も生ずるわけでございます。そういう意味におきまして、諸外国においても税制をとっておる国と専売制を維持しておる国、二つございまして、大方を申し上げますと、ヨーロッパの大陸諸国は大体イタリアを除きまして専売制をとっておるわけでございます。他方、アメリカの場合にはこれはまた州の権限がございまして、税制をとっておる州とそうでない州と二つある。イギリスは税制と、こういうふうに区々分かれておりまして、そういう意味におきまして同じ目的のために二つの制度があるときに、現在効率的に運用されておる制度、これを基本的に維持する方がかえって全体の混乱を招かないという問題さらに税制になりますと、先ほど申しました新しい制度措置が必要になるという問題がございます。
 また、それに応じて必要な規制が税制、つまり税務署でありますか、税当局によって行われる。その間現在の専売制度との間の調整なりスタッフの養成等もございまして、そういう意味において、新たないろいろな行政負担がかえって生ずる形になってまいります。そういう意味におきまして、基本的には現在の専売制度を維持する方が効率的であるというのが検討の結果での私どもの判断でございまして、そういう意味におきまして、専売制のもとにおいて製造事業により効率的に運用する、こういう方向で考えたのが今回の法案でございます。
 もう一点、工業用アルコールについてはいわゆる競争面でこういう専売制度がどうかという点でございますが、従来発酵アルコールにつきましては、民間の製造事業において製造されております合成アルコールとの価格競争というものは、現に存在しておるわけでございまして、そういう意味におきまして、合成アルコールとの比較で常に合理化なりコストダウンを図ってまいりました経緯がございます。そういう意味におきまして、全くそういう意味での競争はないわけではなくて、合成アルコールによる競争というものは現に存在しておるわけでございます。したがって、ある時期第二次大戦後におきましては、石油価格が非常に低廉でございました時期には合成アルコールの方がコストは安いという状況がございまして、発酵アルコールの方はどうしても原料などの制約からコストが高い状況がございましたが、しかしその後、石油価格の上昇によりまして現在はほとんどこのコスト差はなくなっておるわけでございます。
 他方、こういうような合成アルコールの競争によりまして、民間の発酵アルコールの事業というのは途中で休止いたしたわけであります。しかしながら、国営の工場におきまして、現在まで発酵アルコールの製造及びその技術的発展が図られまして、価格は維持されてまいったわけでありますが、それが今後新しい石油危機以後のエネルギー情勢のもとで、新しいバイオマスでありますとか、燃料アルコールの開発の基礎的な技術として再び活用される時期に参ったわけでありまして、長期的に見まして、こういう技術的な面での国営工場による技術ポテンシャルの保持ということが、将来に向かって再び活用される時期に参ったわけでございまして、こういうアルコールの制度そのものにつきまして、専売制度というものを基本に置いて、そういうような発展を遂げてまいりました経緯を考えますと、やはり安定的な発酵アルコールの製造事業の継続というものを図るために、現在の専売制のもとにおいてこれを継続するということが妥当ではないかというふうに考えて、この法案ができ上がってきた次第でございます。
#150
○田代富士男君 NEDOにアルコールの燃料化を研究開発させるということは、NEDOの設置の本来の目的、現行の事業の内容から理解できるわけでございますが、アルコール専売事業のうち、NEDOになじみのないと思われます製造事業部門でございますか、これを行わせるということは、これは一体いかがであろうかと私は理解しにくい面があるわけでございますが、しかも現在のNEDOの規模よりも大きいものが受け入れられることになりますが、これは反対であるならば理解しやすいですが、これは反対に小さなものが大きいものを受け入れるというようなことが、これをもって合理化ということが言えるだろうか、本当に私は理解できないところでございますが、ここらあたりはどのように思っていらっしゃいますか。
#151
○政府委員(真野温君) 現在のアルコール専売事業、これは御指摘のように八百余名の職員を擁しておりますが、このうちの製造事業部門、これが大体五百七十二名ぐらいの定員の縮小を、国家公務員としての定員の縮小を来すと同時に、そのうちの五百三十六名の方々が定員としてNEDOの方へ移って製造事業を行う、こういう形になろうかと思いますが、確かに人的規模は大きいわけでございますが、今回のこのアルコール専売事業を新エネルギー総合開発機構に移管する決定は、実は二年前に行われておりまして、ちょうどNEDOの発足の時期でございまして、そういう意味におきまして、NEDOの発足のときにその一つの要素として当然考えておったことでございまして、たまたま時期が一つずれたわけでございます。また、単にアルコール製造事業を国営形態からこれを変えるということ、これは民営論も多々ございましたが、いろいろな公益的配慮から特殊法人であるNEDOへ移す、そういう決定をいたしました背景には、現在まで、先ほど申し上げましたような専売事業のもとにおきまして発酵アルコールの製造及びその技術的な発展を続けておりまして、この製造事業につきまして、その技術的な基盤、これが今後の新しい燃料用アルコール開発のスタートとしての生産技術として活用し得るという意味におきまして、単にアルコール製造のための技術だけではなくて、新しい燃料用アルコールの開発のための技術基盤としてNEDOへ移管する、そういう意味におきまして同じ技術がより多角的に活用され得ると、こういう性格を持っておりまして、そういう意味におきまして一つのものをより有効に活用する、こういう趣旨も入っておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、新しい機構におきまして、確かに従来の新エネルギー総合開発の研究開発の事業とこういう製造事業というのは、仕事の形態、業務の内容等異なる点はございますが、ある意味におきまして、そういう技術というものを介在させましたときには、新しいエネルギー開発のための一つの基盤を新エネ機構に付加する、こういう要素がございまして、単に人間の数とかそういう機構だけではなくて無形の技術的なポテンシャルを移管する、こういうところに大きな意義がまた考えられるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#152
○田代富士男君 新エネ機構移管後の職員の身分また待遇等について、改正法の内容以外で現時点で確定的な点は何であるのか、また具体的な説明もお願いしたいと思いますが、同僚議員からもただいま質疑がされましたが、給料等についての基本的な考え方、これも重ねてお尋ねしたいと思います。
#153
○政府委員(真野温君) 新エネ機構に移管後の現在のアルコール製造事業に従事される職員の方々の待遇につきましては、基本的には国家公務員としての身分を離れ、特殊法人でありますNEDOの職員たる身分を取得する形になろうかと思います。
   〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕
この場合に、いわゆる給与面あるいは退職金、年金等のいろいろな制度上の変革を生ずるわけでありますが、基本的に申し上げまして、私どもはそれを総合的に考えまして不利益のないよう是正するという方向で、いろいろ各方面と調整いたしております状況にございます。
 その場合に、新しいNEDOにおける給与の問題、これにつきましては基本的には現在の新エネ機構、NEDOにおける給与体系、それと現在のアルコール専売事業におきます給与体系、給与水準、それから先ほど申し上げましたような新エネ機構の中におけるいわゆる研究開発業務、あるいは石炭合理化の業務、それと今回のアルコール製造事業という業務、こういった業務の違いを十分勘案しまして、新エネ機構としての一体化された運営の可能なように、新しい意味での給与水準が必要になってまいると思いますが、基本的には新エネ機構の職員としての一体感を持つような給与体系を基礎にして、いま申し上げました種々の観点での調整を図ってまとめてまいるつもりでございます。
 この点につきましてはなお新エネ機構が当然責任を持って決めるべきマターでございますが、私どもとしては現在の職員の待遇その他を踏まえて事前に十分新エネ機構とも調整し、関係省庁との調整を図って妥当な待遇、給与条件等を確保してまいるように現在いろいろ調整中でございます。
#154
○田代富士男君 NEDOへの移管に伴いまして移行していく職員の待遇につきましては、同僚議員の質疑もありましたとおりに、通産省、NEDO労組などの間で鋭意詰められていくし、ただいまも調整を図っていくということで期待をいたしますが、その他の面、たとえば人事管理などについてはどうなるのか。また研究開発の専門家の集団でありますNEDOに、アルコール製造という全く分野の異なる事業の人たちが吸収、合併されることになるわけなんですが、その点どのようにそういう身分の点におきましては配慮をされるかわかりませんけれども、こういうような面をどのように今後対処されていくのか。受け入れ側のNEDOの理事長もお見えになっていらっしゃいますが、基本的お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#155
○参考人(綿森力君) お答えいたします。
 NEDOにおきましては、現在新エネルギー関係の開発導入という仕事と石炭鉱業の合理化という二つの仕事をやっております。これにまた新しく工業用アルコールの製造というものを分担することになるわけでございます。先ほどから御指摘のように、工業用アルコールの製造という現業部門がこれに来るわけでございますが、前にやっておりました新エネルギー開発の導入、あるいは石炭鉱業合理化の部門と多少性格が異なっておりますので、この製造部門を担当する専門の理事を一人置いていただくことになっておりますし、さらに二十人の管理部門の要員が予定されております。この管理部門の人たちを十分に活動させまして、NEDOの従来の仕事と同時にアルコールの製造ということをうまくまとめていきたい、こういうように考えておるわけでございます。このアルコールの製造というものの中におきまして一番大切なことは、前回から幾度も言われておりますように、労使関係の円満なる理解ということが一番大切でございますので、これにつきましては通産の方と労働組合との間で十分打ち合わせをして処理をしていただきたい、こう思っております。
 今後の工業用アルコールの製造というものは、先ほど申し上げましたように、燃料用アルコールというバイオマス資源の開発という大きな仕事につながりますので、これもぜひ大きく伸ばしていきたい、こう思っておるわけでございますが、これにつきましても、将来は人材あるいは資金の面につきまして関係者の御協力がないとできないことでございますので、特にこれをお願い申し上げて進めていきたいと存じております。
#156
○田代富士男君 アルコール事業部がこれまで進めてきておられました事務の簡素化または事業の合理化などの計画は、そのままNEDOに継承されるわけでございますが、
   〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕
それとも新たにこの問題もNEDOで、移管してから検討されるのか。ここらあたりがどうなるものかと私考えているわけでございますが、アルコール事業部がこれまで進めてきたこれらの事務の簡素化、事業の合理化等の経緯を踏まえつつも、やはり新しい機構のもとへ移ったら新しい機構のもとで新しい計画に基づいてやる方がよいのではないかと思いますが、ここらあたりをどのように整理し、どのように持っていこうとお考えでございましょうか。
#157
○政府委員(真野温君) 御指摘のように、アルコール専売事業は、従来、国営工場では、省力化でありますとか、省エネルギー投資でありますとか、あるいはさらに新しい未利用資源の活用でありますとか幅の広い技術開発、合理化投資を進めてまいりました。現実に生産性の面でも非常に大きな成果を上げてきております。
 具体的に申し上げますと、昭和四十年度を一〇〇といたしますと昭和五十五年度は三〇六というような指数、これは物的生産性の指数でございます。そういうような成果も得てきているところでございます。このような合理化というのは、基本的には先ほど申し上げましたようなできるだけ低廉安定の工業用アルコールを供給するという、こういうアルコール製造事業の使命、目的に応じて対応してきたわけでございますが、基本的にはアルコール専売事業のもとにおきまして、新しくNEDOで製造されるアルコールも、従来同様専売制度のもとで流通するわけでありまして、工業用アルコールとしてより低廉、安価な供給を行うという基本的な方向は変わりませんので、それに応じた合理化、技術開発というのは従来どおり続けられるべきものと考えておりますし、またそういうような実際の必要性も多々あるわけでございます。
 他方、新しいNEDOにおきましては、従来の発酵アルコールの製造技術、これが新しい燃料アルコールの技術開発の一つの技術基盤として活用されるわけでございまして、そういう意味におきまして、新しい燃料アルコール開発という新エネルギーの、まさに開発のための一つの重要な部門であります燃料アルコールの開発につきまして、技術的な面でのさらなる発展なり投資ということが別途この新エネルギー開発という事業、研究開発事業として今後行われるわけでありまして、いま申し上げましたように、アルコール専売事業としてのアルコールの製造事業、そのために必要な合理化、コストダウン、それによって低廉な工業用アルコールを供給するという使命を他方で果たしながら、その技術的なノーハウなり、施設を新しい燃料アルコールの開発という研究開発部門に同時に活用するという形で新しい使命をまた同時に持ってまいる、こういうふうになろうかと思います。
#158
○田代富士男君 ただいま、いままでは合理化に励んで、昭和四十年を一〇〇とすれば五十五年が三〇六という生産性の指数を上げることができた、こういう点については評価することができるわけですが、いままで飲用への転用防止策をやっておいでになりましたけれども、具体的にどのようにやっていらっしゃったのか。こういうことを御説明いただきたいと思いますが、それと同時に、これを確認するに要する人員はどういう人員でおやりになっていたのか。今後こういう点の人員は合理化し削減することはできるのかどうか。もし削減した場合にこういう転用防止策はどうなるのか。その場合には、たとえば抜き打ち検査制というような新しい対策も考えるべきではないかと思いますが、そこらあたりの問題はいかがでしょうか。
#159
○政府委員(石川不二夫君) アルコール専売制度におきましては酒税を課さない、低廉な価格で工業用アルコールを供給するわけでございまして、これが飲用へ転用されることがないようにいろんな措置を講じております。まず、アルコールの製造者とか、それからアルコールの売りさばき人に対しましては帳簿書類をつくりましたり、あるいは製造とか貯蔵設備を検査を受けるというふうなことを義務づけております。それから工業用アルコールを買いました需要者に対しましては、その用途に応じまして変性措置、これは飲めないようにする措置でございますが、そういう変性を施しますほか、このアルコールが適正にそれぞれの工業用の用途に使用されたことを確認するというための使用済み検査などを行っておるわけでございます。
 それから、こういった措置に要する人員の合理化でございますけれども、この検査取り締まり業務のうち、たとえば飲用への転用防止のために変性をやるわけでございますが、これにつきましては近年飲食料品工業用を中心に需要が非常に多様化しております。そういったことで、それぞれに適した新しい変性剤、要するに不可飲措置をするものでございますが、そういうものの開発をしておりますし、やりまして、需要側の要望にこたえるとともに、一方におきましてこういった業務を増加いたしますものですから、変性業務の合理化、効率化をやりまして解決をしております。たとえて申し上げますと、工業用アルコールを変性します場合に需要者の工場なり事業場に行ってやると大変手間がかかるわけでございますが、いろいろ工夫いたしまして発送元で変性をするというふうなことも一例でございます。
 さらに、使用済み検査でございますけれども、ある程度期間以上工業用アルコールを購入使用しておる需要者でありまして信用ができるというふうなものが多うございまして、そういったケースにつきましては書類審査ということによりまして、その業務量の軽減を図るというふうなこともやってきております。
 それから、抜き打ち検査でございますが、アルコールの製造者とか売りさばき人あるいは工業用アルコールの使用者につきましては、従来から検査取り締まり上必要と認めます場合には随時立入検査をすることができるということになっております。
#160
○田代富士男君 それからNEDOに移管後もアルコール工場が地域に与える経済的な影響を考えていかねばならない。これは一番大事なことではないかと思うわけでございますが、そこで原料供給の農家あるいは雇用の上で急激な変化を与えないようにするために、これは同僚議員もいろんな立場から御質問されましたけれども、あわせて大事なことではないかと思いますが、具体的にどのように配慮されているかお聞かせいただきたいと思います。
#161
○政府委員(真野温君) 現在の国営アルコール工場につきましては、御指摘のように地域農産物の活用でありますとか、あるいは地域への雇用の貢献ということが非常に重要な機能となっております。そういうような公益的な面での国営アルコール工場の機能を引き続き維持するという趣旨から、直接民営化ということよりはむしろこういった特殊法人NEDOのもとに、移管するという形をとったわけでございまして、さらにこれを具体的に実現するために、新しいNEDOにおける製造事業に対するアルコール専売事業、これは国の方に残るアルコール専売の業務の中でいろいろ具体的に確保してまいる措置が必要であろうかと思います。それにおきまして、新しいアルコール専売法におきましては、機構が製造を行うに際しまして事業計画を作成いたしまして、その中でいろいろな原料別の生産計画も明らかにしていく。その認可の段階で必要な調整を行う。それによって従来国営工場が果たしておりましたような地域への貢献ということを同じような形で引き続き維持する方法がとれるというふうに理解しておるところでございます。
 なお、新しい国内でのいろいろな原料の利用につきましては、これまた技術開発の面で、従来、たとえばいわゆる果汁の廃みつを活用いたしまして新しくアルコールの製造に使いました経緯がございまして、その量はわずかではございますが、全体の中では少ないわけでございますが、急激にふえておる状況でございます。そういう意味で、国内でのいわゆる新しい未利用資源の活用等にも十分技術的な面でも配慮するように、これからいろいろな事業計画の中で私どもとして新エネ機構と相談しながらつくってまいるようにいたすつもりでございますし、またそういうような制度的な裏打ちも一応あるということでございます。
#162
○田代富士男君 次に、長期エネルギー需給暫定見通しの見直し問題について質問をしたいと思いますが、総合エネルギー調査会の策定いたしました長期エネルギー需給見通しは、御承知のとおりに昭和六十五年までにわが国のエネルギー構造の中の石油依存度を五〇%まで引き下げることと、そのために石油代替エネルギーの積極的開発の推進を図ることを目標としておりますけれども、その後の省エネルギーの進捗あるいは石油需要の低迷あるいは原発立地のおくれなどによりまして、当初示されました目標数値が実態と合わなくなってきているために現在見直し作業が進められておりまして、見直し作業はいつごろ完了するのか、また見直しの主な内容はどのようになるのか、これは大臣がいらっしゃったらお尋ねしたいと思いましたが、政務次官が見えていらっしゃいますから、政務次官から御答弁いただけたらと思います。
#163
○政府委員(小松国男君) 先生お尋ねの長期エネルギー需給見通しでございますが、昭和五十四年に報告をいただきました需給見通しが、その後御指摘のようないろいろな状況で変わってまいりまして、特に省エネルギーが進みまして、その関係でエネルギーの需要見通し、これが相当低くなるというような状況にもなってまいりましたので、それを踏まえまして現在総合エネルギー調査会の需給部会の中に企画専門委員会というのを設けましてそこで御検討をいただいておるわけでございます。検討の内容といたしましては、全体としてのエネルギーの需要見通し、現在の暫定見通しは昭和六十五年度石油換算で七億キロリットルということになっておりますが、これが需要の低迷ないしは省エネルギーの進展に伴いまして相当これを下回るだろうと、こういうことで総体的な需要がどうなるかという点についての見直しが第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、脱石油を図るという代替エネルギーの開発導入の観点に立ちまして石油代替エネルギーの供給がどこまで可能であるか、これを最大限努力するという前提での見通しをやっておるわけでございます。さらにエネルギー政策につきましては、長期的観点からこれを進める必要がございますので、西暦二千年、昭和七十五年におけるエネルギー需給の基本構造を展望する必要があるのではないか、そういう展望も含めて検討して、そういう長期的視点に立って今後エネルギー政策を進めるためにそういう展望も含めた見通しの検討を現在いただいておるわけでございます。そういうことで、現在大体最終的な取りまとめの段階に入っておりまして、今月下旬には報告がいただけるのではないか、かように期待をいたしております。
#164
○田代富士男君 ただいまも御答弁いただきましたが、わが国を取り巻く厳しいエネルギー情勢から石油の代替エネルギー開発というのは、これは至上命題ではないかと思うわけでございます。現在は御承知のとおりに世界的に石油の需給緩和が続いておりまして、価格も一応は安定をしております。いまこそ石油代替エネルギーについて、資源と技術と経済性及び量と実用時期等を尺度に冷静な現状評価を行いまして、これに優先順位をつけて長期計画及び基本戦略を立てるべきであると思いますけれども、これに対する通産省はどういう対応をされようとしているのかお聞かせいただきたいと思います。
 それと同時に、新聞の報道によりますと、通産省は石油需給の緩和により石油代替エネルギーの開発導入が停滞する傾向を示し始めたことを懸念いたしまして、その促進策を抜本的に見直して、近く総合エネルギー調査会に代替エネルギー部会を新設して開発のビジョンづくりに取り組み、また新エネルギー総合開発機構の評価を含めまして現行の代替エネルギー開発策を見直すと、このように伝えられておりますけれども、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか。基本的な構想及び部会の新設の時期はいつごろになるのか、メンバーはどのようになるのか。これも大臣にお尋ねしようと思いましたが、いらっしゃいませんから、政務次官いかがでございますか。
#165
○政府委員(小松国男君) いま先生御指摘のように、現在の石油需給というのは非常に緩和をいたしておりますので、そのために石油価格も低迷し、それからエネルギー危機の問題についてももうすでにそれは遠のいたんじゃないかというような御意見もございますが、私どもといたしましては、こういう情勢は必ずしもそう長く続くわけではないと。特に日本の場合に石油依存をほとんど中東に依存しておるという問題がございますし、さらに石油につきましては、中長期的には発展途上国、産油国の石油需要というのは相当伸びてまいりますので、しかも石油資源の賦存状況、その他からまいりまして中長期的には石油需給は逼迫してくると、こういう観点に立ちまして、日本のエネルギー需給構造をできるだけ安定したものにしていく、このために代替エネルギーの開発導入が最も急がれるエネルギー政策の基本的な問題であるということで、石油代替エネルギーの開発導入を推進しておるわけでございます。
 その中で、こういうものについて長期的な計画のものに、かつ重点的に進めたらどうかというお話でございますが、全く私どもも同感でございまして、代替エネルギーは原子力を初めとし、また特に新エネルギーにつきましては技術研究開発のリードタイム、これも長いわけでございますので、長期的視点に立ちまして計画的にこれを推進する必要があるわけでございます。ただ、技術研究開発というものは基礎的な問題から始まりますので、どうしても当面総花的な面も出てまいります。ただ、これもある進捗段階に応じまして、できるだけ重点的、計画的に、しかも対象をしぼって効率的に進めると、こういう観点が非常に重要でございますので、こういう観点で石油代替エネルギーの開発導入を進めていきたいというふうに考えております。
 そういうことでようやく石油代替エネルギーの開発導入が軌道に乗りつつあるわけでございますが、この段階で石油代替エネルギーの開発導入のあり方について、本格的に将来の展望を踏まえ今後の進め方について議論していただく必要があるんではないか、こういう観点に立ちまして、現在、総合エネルギー調査会の中に石油代替エネルギー部会を設置しようという動きがございます。これは、大体今月末をめどに総合エネルギー調査会の中にこういう部会を設けていただきまして、その中でただいま申し上げましたような石油代替エネルギーの今後の開発の進め方、そういう総合的な視点に立ちましたいろいろの御審議をお願いいただこうということでございます。
 そういう趣旨に基づきまして、当然メンバーはそういう石油代替エネルギーに関します分野につきましてすぐれた知見と経験を有する学識経験者で構成されるということになると思いますが、具体的なメンバーにつきましては現在総合エネルギー調査会の方で人選をいただいている段階でございまして、まだ最終決定に至っておりません。その段階でまた御報告さしていただくというふうに思っております。
#166
○田代富士男君 昭和五十四年の八月に策定されました総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給暫定見通しの供給量の目標の中で、バイオマス等の新エネルギーは、六十五年度の総エネルギー供給量に占める割合は五・四%、このように示されておりますし、また七十年度のそれは七・六%とかなり大きなウエートを与えられておりましたが、この分野の進み方というのが必ずしも速くないというのが実情ではないかと思います、御承知のとおりだと思います。しかも、エネルギーの需要が落ちてきて長期エネルギー需給見通しも、いまも私が質疑いたしましたとおりに見直し作業が進められている中で、新エネルギー、特にバイオマスエネルギーを再度評価するならばどういうことになるのか、政策を強化して促進する方向をとるのか、あるいは開発速度について見直すべきなのか。これも通産大臣にお聞きしたいと思いましたが、政務次官、いかがでございますか。
#167
○政府委員(真鍋賢二君) 午前中にもお話があったかと思うのですが、長期エネルギー需給見通しについては、現在、総合エネルギー調査会の需給部会の企画専門委員会において慎重に審議中でございまして、今月下旬をめどに御報告をいただけるものと期待をいたしておるわけでございます。したがって、具体的な成案についてはまだ御報告をいただいておりませんので、これまでの審議においてバイオマスエネルギーを含む石油代替エネルギーについては可能な範囲でその供給の増加に努めることとされておるわけでございます。
 私もこういう代替エネルギーについてのいろんな方策を考えておるわけでございますし、私的なことでございますけれどもわが地元にも太陽熱発電プラントというその未来エネルギーに対していま実験をいたしておるところでございまして、そういうものを総合してこれからの対応をしていかなければならないのじゃないだろうかと思っておるわけでございます。いずれにいたしましても、今後とも新エネルギー供給量の拡大の一環として、この先生御指摘のバイオマスエネルギーの開発に努めていかなければならないと思います。
#168
○田代富士男君 次に、新エネルギーの持つ役割りについて質問をしたいと思いますが、現在使用しているエネルギー源の石油、石炭、天然ガスは御承知のとおりに化石燃料であります。ウランも鉱物であります。まあいずれも資源を採掘してしまえば枯渇をするものであります。特に、石油の場合は可採埋蔵量の四五%をすでに採掘をしてしまったと、このように言われておりますけれども、この勢いでいくならば、あと二十年か三十年しか資源がもたない、いろいろな説がありますけれども、一応こういうことが言われております。このため、長期的に使用しても再生可能なエネルギーの利用推進を図ることが重要と言われるわけなんです。まあ政務次官も地元の話をされましたけれども、そういうような観点から新エネルギーの役割りについて通産省はどのような認識を持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#169
○政府委員(小松国男君) 石油代替エネルギーの開発につきましては当面はどうしても原子力、石炭エネルギーと、こういうものに頼らざるを得ませんけれども、将来的な問題、さらにこれを補完するエネルギーとしては、先生御指摘の再生可能エネルギーを最大限に利用していくということが重要であるというふうに考えております。
 そういう観点でコスト面その他では若干問題がございますが、たとえば中小水力、それから太陽エネルギーの利用、それから風力、さらにバイオマス、こういう再生可能エネルギーにつきましても私どもとしては研究開発の分野、それからそれを地域その他で十分利用できる体制の整備と、こういう観点からその利用開発の促進を図っておるわけでございます。特に、こういうエネルギーにつきましては、利用する立場から見ますと若干密度が低いとか、それからコスト面でも先ほど申し上げましたが若干問題がある、こういうこともございますので、どちらかといいますとローカルなエネルギーとしての使い道がかなり大きいという問題もございます。こういう観点で地域経済の振興の視点も取り入れましてこれの当面の利用促進を図ると同時に、将来に向かいましては技術研究開発を推進すると、こういう観点で両面の措置を講じながら将来に向かっての再生エネルギーの開発導入の促進を図っている段階でございます。
#170
○田代富士男君 科学技術庁の資源調査所が四月一日に、「バイオマス資源のエネルギー的総合利用に関する調査」の結果を発表いたしました。御承知のとおりに、それによりますと全国で利用可能なバイオマスは約一億百八十万トンになっておりまして、一年間のエネルギー総需要量の中の約一割に当たるという結論が出されております。石油にかわりましてバイオマス資源がエネルギー源として大きな可能性を持っているということを示しておるわけでございますが、いまもお話がございましたが、政府は今後バイオマス資源につきましてどのような開発促進策を持っているのか、また財政面からの助成措置についてお聞かせいただきたいと思います。
#171
○政府委員(真野温君) 先生御指摘のように、現在日本全体で利用可能なバイオマスエネルギーは一億百八十万トン、こういう調査所における報告が出ております。
 さらに、バイオマスにつきましては、先ほどから御指摘のように、一つは再生可能であるということ、またさらに現在未利用の廃棄物の利用も可能である、さらにそういった意味で人間の活動しておるところに存在しているという意味におきましてもローカルエネルギーとして非常に有利に活用できる等、いろいろな利点がございます。そういう意味におきまして、量的のみならず質的にも非常に有利なエネルギー源でございます。
 そういう意味におきまして、基本的にこれを促進するということは先ほど資源エネルギー庁長官からお答えを申し上げたところでございますけれども、ただこの場合にいろいろな技術的な面での開発がなお多々必要であるところでございます。
 大きく申し上げまして、一つは原料であります作物の哉培収穫技術の面、それから第二はそういう新しい原料、産業廃棄物やいわゆる未利用廃棄物の利用という意味で、新しい廃棄物とかセルローズの利用という意味での変換技術の面、それから第三にはこれを使う側での利用技術の面、大きく申し上げてこの三つの面でのいろいろな技術開発が総合的に開発されませんとこういった未利用の有効なエネルギーの活用ができないわけでございまして、そういう意味でこういった三つの側面について計画的にいろいろな研究開発をしてまいるということが必要であろうかと思います。そういう意味で現在わが国で未利用の廃棄物をいかに利用するかという観点に立ちまして、将来特に実用化の可能性の高いと思われますセルローズ系の資源につきまして新しい変換技術の開発、利用技術、分解技術の開発を現在いたしておるところでございますが、そのほかにも大量に賦存する多様なバイオマスの一つとしましてメタン発酵技術でありますとか、木材ガス化技術等こういった分野での実用化のための調査研究も進めておるところでございます。今後ともそういった技術開発と全体的なシステムをかみ合わせながら、どういう形でこういった未利用エネルギーを活用していくかということについて引き続き着実かつ積極的にこういった研究開発を進めてまいる必要があろうかと思います。
#172
○田代富士男君 ただいまもお答えいただきましたとおりに、三つの側面の研究開発と同時に全体的なシステムの研究開発をやっていかなくちゃならないということでございますが、科学技術庁資源調査所の調査報告によりますと、さらに生産された地域内で効率よくバイオマス資源を利用するため今後は地域内の実情に合ったエネルギー利用システムが必要であると考えると、このように述べられておるわけなんです。いまの答弁にもありましたとおりにこれは大事なことではないかと思うわけでございまして、ローカルエネルギーとしてのバイオマス試験の開発には、通産省だけでなくして地方自治体とも協力していかなければこれはならないのではないかと思いますが、通産省といたしまして、ここらあたりに対して今後どのように対策を講じていきたいと考えていらっしゃるのか、またいままでこういうことに対してどういう対策をやっておいでになられたのか、そこらあたりをお聞かせいただきたいと思います。
#173
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話ございましたように、バイオマスの地域内での活用、特にローカルエネルギーとしての活用ということは、これは国産エネルギーの量的拡大という問題、それから地域経済の振興と、こういう観点からも非常に重要であるというふうに考えております。ただ、どうしてもコストが若干割り高につくとか、地域的に偏在するとか、そういう欠点もございますので、こういう問題を補いながらその利用拡大を図るということが今後の課題ではないかというふうに思います。
 従来通産省といたしましても、先ほど先生が御指摘のように、これは主として地方自治体が中心、それから民間団体が行うということになっておりますので、まず地方自治体がこういうローカルエネルギーの活用につきましては、たとえば事業化のフィージビリティー調査とか、事業計画の策定調査とか、こういうものを都道府県がいたしておりますが、これに対しましてそういう可能性調査のための補助金を国が地方公共団体に出すとかということもいたしております。
 それからさらに地方公共団体または民間団体が行っております地域エネルギーの開発利用モデル事業、これに対して、これは太陽熱とか地熱とか廃棄物を利用するとか、いろいろのモデル事業がございますが、これに対して事業費の補助金を出す、それからさらに民間団体が行ういろいろの融資のための基金造成のための補助をすると、こういうようなことをして地方公共団体ないしは地方の民間団体のこういう開発促進、利用促進に対しまして国も助成を従来から行ってきているわけでございますが、今後ともこういう面におきましてはそういう利用のためのいろいろの助成とあわせまして、技術開発その他の面について国が協力する分野も非常に多いわけでございますので、地方公共団体、関係民間団体とも協力しながら、この面での活用を図ることによって国産エネルギーを最大限に活用するという立場で政策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#174
○田代富士男君 これはまた海外の問題として考えられることは、発展途上国、とりわけ非産油発展途上国にとりまして石油代替エネルギーの開発としてその多くが配置する熱帯、亜熱帯は御承知のとおりにサトウキビあるいは芋類等のバイオマス資源の生産力が非常に高いわけでございまして、それからのアルコール生産が注目されているわけでございますが、こうした要求にこたえるためにわが国はタイ、フィリピン等各国と技術協力やフィージビリティー調査等の国際協力を行っておりますけれども、その進捗状況、特に事業費についてまた今後の見通し、五十七年度の予算額等を国別にひとつ御説明をいただきたいと思います。
#175
○説明員(宇賀道郎君) 御指摘のとおり非産油発展途上国に対しまして代替エネルギーの技術開発を推進するというのはわが国の経済協力の中でも重点項目の一つとなっております。御指摘のように東南アジアのいろいろな国々に対していま実施しておりますアルコール製造に関します技術協力の進捗状況について御説明申し上げます。
 まず、タイでございますが、タイにつきましては日本の財団法人発酵工業協会、これがタイの工業省科学技術研究所と共同研究ということで、昭和五十五年度から四カ年計画で、キャッサバという芋の一種でございますが、これを原料といたしまして現地に適した工業用アルコール製造技術を確立する、そのための実証プラントを設置するということの作業が進んでおります。五十五年度からスタートいたしまして、五十六年度には一・五キロリッター・パー・デーのプラントの設計と一部試作が行われまして、五十七年度は引き続きこれの製作が行われる、五十八年度に完了するということになっております。予算は、日本側の負担が全体で六億二千万円、これの四分の三をわが国が補助するということになっておりまして、五十七年度の補助金は二億二千六百万円という予定でございます。このプラントは五十八年度に現地に据えつけまして実証試験を完了するという予定で進んでおります。以上がタイでございます。
 それから次にフィリピンでございますが、フィリピンにつきましては御承知のようにサトウキビが非常に多いわけでございますが、既存の技術を使いましてフィリピンのサトウキビを原料としてアルコールを製造する、アルコールからガソリンに使うというようなものにつきましてのフィージビリティースタディーをやってほしいという要請がまいっております。これを受けましてわが国の国際協力事業団、JICAがフィージビリティースタディーを昭和五十五、五十六の両年度に実施いたしましてこれは完了しております。所要予算は全部で約八千七百万円、結論として一定の前提のもとにある程度採算性があり得るんじゃないかというような結果になっております。したがいまして、五十六年度に完成しておりますので五十七年度予算は特に計上されておりません。
 それから最後にインドネシアでございます。インドネシアにつきましては、産油国である関係もありますし、かつまだいろいろな資源がございますので、現在JICAの無償援助ということで考えられておりますのは、一種の標準プラントをつくりましていろいろな原料をいろいろな条件でつくった場合にどういう効果があるかという基礎的な実験をやろうということを考えておりまして、これのために必要な建物でありますとかあるいはプラント、これを無償協力という形で現地に設置するということを考えております。五十七年度分が幾らになるかということは、現在いろいろ準備的な向こうとの交渉が進んでいる段階でございますのできっかりした数字は出ておりませんが、これは約十五億円ぐらいになるんではなかろうかというふうに考えている状況でございます。
#176
○田代富士男君 次に、アメリカやブラジルにおいてはアルコールをガソリンに混入いたしましたガソホールが実用化されておりますけれども、この実情を御説明いただけないでしょうか。
#177
○政府委員(石川不二夫君) 燃料アルコールはアメリカ、ブラジルにおいては政府の長期計画のもとですでに大量に生産されておりまして、ガソリンに混入をされて使用されております。
 まず、アメリカでございますが、一九七九年にアルコール燃料開発利用政策というのが策定されまして、燃料アルコール計画が推進されておるわけでございますが、一九八〇年の実績で約三十万キロリットルが生産されまして、ガソリンに混入使用されております。
 それから、ブラジルでございますが、これはもっと大々的でございまして、一九七五年に国家アルコール計画というのが策定されております。そして国家アルコール委員会が中心になりまして、燃料アルコール計画を推進しているわけでございますが、一九八〇年現在におきまして、燃料用アルコールとしまして約三百七十万キロリットルが生産、使用されております。これは、アメリカと違いまして混入率が二〇%と多うございます。それからさらに、これは含水アルコールといいまして九五%でございますが、このアルコールだけで自動車を走らせるというのもございまして、そういう二通りございます。そういったことで、ブラジルは最も大々的にこの燃料アルコールの利用が行われておるというところでございます。
#178
○田代富士男君 いまアメリカ、ブラジルの現状をお聞きいたしましたが、わが国においてアルコール燃料の将来性はどう見通していらっしゃるのか、特に現在の技術上の問題は何であるのか、こういう御説明をいただきましたアメリカやブラジルがやっていることに対しまして、さらにそれをどのように評価をし、研究をされていくのか、そこらあたり御答弁いただきたいと思いますが。
#179
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話ございましたように、アメリカとかブラジルではすでにガソリンにアルコールを混入して使うというようなことで実用化されておるわけでございますが、わが国といたしましても、石油に直接代替するような燃料ということで、これについての将来性については着目いたしておりますし、長期需給見通しでも、これについての研究開発に対して今後努力していくということで政策を進めておるわけでございますが、アメリカ、ブラジルと比べましてまず一つ一番大きく違うのは、原料事情が違うということでございます。そのためにどうしても日本の場合には現在のアルコールの価格というものが高くなっているということでございまして、まずこの供給面における原料問題、特にコスト面の解決を図る必要がある、こういうことで、低廉かつ大量供給をどうしたらいいかと、こういう面での技術開発を今後積極的に進めまして、コストの安いアルコールを製造する、大量にしかも製造するというようなことになりませんと、なかなか実用化に持っていけない、そういう面での研究開発がまず必要でございます。
 一方、利用面でございますが、これもすでにいろいろの研究開発が進められておりますが、それが実際に使用された場合の使用機器にどういう影響を与えるか、それからその関係についてのいろいろな技術開発、どういうものが要るかとか、こういうことでいろいろの研究開発を進めておりまして、いわゆる供給面、利用面両面にわたって現在研究開発を進めておるという段階でございます。こういう研究開発を進めることによりまして、そういうコストの問題、それから利用面でのいろいろな問題、こういうものを克服すれば、当然日本としてもこれが利用される時期が来るというふうに考えておるわけでございます。
 現在エネルギー全体の立場からいたしますと、これがいつの段階で実用段階に持っていくかというのはなかなかむずかしいわけですし、特にコストとの関係から申し上げますと、石油価格との関係、これにコンペティティブな価格になってくるということが大事でございますが、そういういろいろの事情がございますので、いつごろをめどにこれを実用化するかというのはなかなかむずかしいわけでございますが、少なくも一九九〇年代前後には実用化の段階に持っていきたいということで、鋭意研究開発を進めているところでございます。
#180
○田代富士男君 日本の国内の石油価格の上昇に伴いまして発酵アルコールと合成アルコールがコスト的に同じものになってきたのが現在ではないかと思うわけでございますが、そういうことから、民間工場においても再び発酵アルコールの製造が行われる可能性がないのかどうか、ここらあたりはどのように受けとめられていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#181
○政府委員(石川不二夫君) 最近の二度の石油ショックがございまして石油が上がってまいりまして、その結果以前はかなり安かった合成アルコールが最近では発酵アルコールと余り違わなくなってきているわけでございます。やや詳しく申し上げますと、現時点ではまだ若干合成アルコールの方が安いということでございますが、現時点の技術なり原料事情で申しますと、当面はこの状態が少しは続くんじゃないかというふうに考えております。
 ただ、先ほど来いろいろ議論がされておりますように、いろいろ発酵アルコールの技術開発等が進みますというと、だんだんと発酵アルコールが有利になってくるということも考えられるわけでございまして、それにつれまして発酵アルコールの需要がさらに伸びるということも考えられますが、こういった場合におきましては、まずNEDOにおきまして発酵アルコールの生産を増加させるということがあるわけでございますけれども、民間企業に対しても発酵アルコールの製造委託を行うということもあろうかと思います。ただ、具体的にはその時点になりましていろいろの種類別、つまり合成アルコールか発酵アルコールかといった種類別の需要でありますとか、あるいはコストの関係等々を勘案して最も最適な方法で製造が行われるというふうに考えております。
#182
○田代富士男君 次に、これはお米を利用いたしまして飲料用アルコール以外のアルコールの原料として使用したらどうかということを私は新しい提案を含めて申し上げたいと思いますが、そこでまず最初に過剰米の保管数量及び保管料を最近の年度ごとにお示しいただきたいと思います。
#183
○説明員(武田昭君) 過剰米の在庫状況と保管料でございますが、五十七年三月末で過剰米の在庫数量は約三百万トン程度でございます。また、これに要します年間の保管料はトン当たり約七千円ということに相なってございます。
#184
○田代富士男君 ずっと最近の年度ごとに言ってください。
#185
○説明員(武田昭君) 失礼いたしました。
 五十四年から申し上げます。五十四年三月末の在庫数量六百五十万トン、五十五年三月末五百三十七万トン、五十六年三月末四百三十五万トン、五十七年三月末の見込みが、いま申し上げました、三百万トンでございます。
 それから保管料でございますけれども、五十四年度に要しました保管料三百七十億円、五十五年度三百四十億円、五十六年度二百五十億円、それから五十七年度が百六十億円になるものというふうに見込んでございます。
#186
○田代富士男君 いま概略の数字を示していただきました。農水省の資料によりますと、過剰米のために保管料がこの三年間で九百六十億円かかっております。この後五十七年度、五十八年度の二年間で概算二百十億円かかる予定になっていると、このように承っておりますが、またこれまで工業用、輸出用、飼料用として毎年八百億円から一千八十億円売却されておりますけれども、輸出用向けの数量は変動が大きく、五十七年度はそのために安い飼料用として大量に処分される予定になっておりまして、五十八年度も同様と見込まれておるわけでございますが、特に五十七年度以降まで持ち越された三百万トンの古米のうち飼料用としてトン当たり三万三千円で売却した分とこれから飼料用に売却予定の分は五年前に廃棄処分しておけば会計上の損は少なくて済んだと考えられておるそうでございますが、一体こういうことに対してどのように受けとめていらっしゃるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#187
○説明員(武田昭君) 御指摘のように保管料という観点から考えますと、これをできるだけ早期に処理をするということが大切であるのは御指摘のとおりであるわけでございます。ただ他方、私ども過剰米というものはいわば高く買って安く処理せざるを得ないというものでございますので売買差損、売り買いの損をできるだけ少なくする、そういう観点から工業用、輸出用、それからえさ用と、こういう順番で優先的な処理を行っていくというようにいたしておるわけでございます。そういうことで保管料という観点からは御指摘のようなことがあるわけでございますけれども、他方、売買差損という観点からできるだけ有利な処理の仕方をするということで、申し上げましたように工業用、輸出用とそして最後にえさ用と、こういう順番で処理をしているわけでございます。
#188
○田代富士男君 いま申されたとおりに売買差損をできるだけ少なくしていくように考えているということでございますが、恐らくこういうお米をこういうふうに活用しなさいと発言した人は私が初めてだと思いますが、農水省といたしましてこのお米を飲料用アルコール以外のアルコールの原料として使用することを考えられたことがありますか、どうですか。
#189
○説明員(武田昭君) 御指摘の工業用アルコールにお米を使っていただければというのは、私どももそういうことができれば大変ありがたいと申しますか、そういう用途というものを希望をいたすわけでございます。
 そういう意味で私どももいろいろと通産省とも御相談もしているわけでございますけれども、やはり通産省さんの方でもこれが果たして使用できるかという実験もなさっておられますし、技術的には使用可能である、ただ廃液処理に問題があるというようなお話も伺っているわけでございます。ただ一方、もう一つ価格の面があるわけでございまして、そういたしますとこれを工業用アルコールに使う場合にはやはり輸入糖みつ価格に見合う価格というのが、仮に現在の設備を利用して小規模な生産を行われる場合にもそういう価格水準であることが必要であると、こういうお話がございます。そこで、この輸入糖みつに見合う価格というものでございますけれども、私ども処理をしていく場合に、現在一番低いのが飼料用の価格でございます。したがいまして先ほども申し上げましたように、できるだけ有利な価格で処理をするという一つの原則もあるものでございますから、その全体の価格のバランスの中でどのようにこれを考えていいのかという問題がございまして、それから他方そういう設備的な問題もあるように伺っておりまして、これまでのところ本格的な実施が残念ながらなされるに至っていないという状況でございます。
#190
○田代富士男君 いま農水省からお話を聞きましたが、通産省としてはアルコール原料として古米を検討されたことございますか。
#191
○政府委員(石川不二夫君) ただいま農水省さんの方から御説明がありましたこと、私もその一部として農水省の方からも相談を受けまして検討をし、実験もやっておりまして、それでその結果、私どもの考え方として申し上げましたことをただいま御説明があったようでございます。
 大づかみに申し上げますと、大体飼料米として提供をされる程度の価格ですと工業用アルコールの原料としてつり合うわけでございますが、大量に使用するとなりますと廃液処理といいますか、公害防止の問題がございます。少量ですとその範囲で飼料に利用するとか、そういったことが可能ですが、大量になりますとそういった適切な設備投資をやりまして公害防止の費用をかけなくちゃならないというのが現在の事情でございます。
#192
○田代富士男君 いま申されましたとおりに、価格の点では飼料用の米は私がお聞きしたのではトン当たり三万三千円というように聞いておりますけれども、だからこういう点から考えますと、通産省としましては輸入糖みつ価格に見合うべき価格ということでございまして、通産省とするならば飼料用米の価格ぐらいとおっしゃいますが、どのくらいの価格だったらばペイするとお考えですか。
#193
○政府委員(石川不二夫君) ただいま申し上げましたように、条件のいい工場で廃液処理に余り経費とコストがかからないというふうな条件でやりますと三万五千円から四万円ぐらいの間が可能かと思いますけれども、大量に使いまして相当の公害処理費をかけなくちゃならないという場合には、もう少し安い値段でないと工業用アルコールの原料として少し割り高じゃないかというふうに思います。
#194
○田代富士男君 いま申されましたとおりに三万五千円から四万円の間であればペイをすると、ただし廃液処理の問題があるということでございますが、こういうところを今度の開発研究されるときに、少なくとももう七年前の米がまだそのまま倉庫に眠っている、そうしていまお話いただいたとおりの大変な保管料を払っているわけでございまして、それでこのように飼料用のお米よりも高く売れる身近にあるものをやはり活用をしていくということが食管会計のことも考え、またそのように開発していくために身近にあるものを利用できるという、ここに廃液処理の問題だけでこれを踏み切ることができないと言うならばこれは研究する余地があると思うのです。だから、ここらあたりを農林水産省あるいは通産省、そういうような省のエゴでなくして国民的な問題から全体的なシステムから研究開発を今後していかなくちゃならないというこういう御答弁もありましたけれども、こういうふうにこれは考える余地がある。研究開発をして新しい一つの打開策として大いなる効果を上げることができると思うのですが、これは、大臣いらっしゃらないのですが、政務次官いかがでございましょうか。
#195
○政府委員(真鍋賢二君) 大変貴重な御意見でございますし、各省間のエゴを取り除いて今後検討さしていただくべき問題だと思います。貴重な御意見だと思います。
#196
○田代富士男君 これはいますぐできるというわけにはまいりませんけれども、やはり農水省としても飼料用米よりも高く買っていただくんですから、これは絶対希望されることでしょう、どうですか、農水省として。
#197
○説明員(武田昭君) 私どももぜひこれがアルコール用に使われるのであれば大変ありがたいことだと思うわけでございます。ただ、価格の点で、若干細かいことになって恐縮でございますけれども、申し上げましたように、私ども、えさの価格が一番安い価格である、ただえさの価格というのは、御案内のとおり、国際穀物市場の価格によって変動をいたします。それとの見合いで私どもの売り渡し価格を決めておりますので、現在は、先ほど御指摘いただきましたように三万三千円台でございますけれども、つい数カ月前までは三万九千円台だったということもございまして、その辺の価格のバランス論というものを、私ども過剰米処理のいろいろな、工業用なり、輸出用なり、えさ用なり、全体の価格のバランス論というものをやはり考えなければいけないわけでございますけれども、おっしゃいますように、私どもといたしましても、今後とも通産省と十分連携を密にいたしまして、御指摘の米の使用というものについて十分検討してまいりたいと思っております。
#198
○田代富士男君 NEDOの理事長がいらっしゃいますけれども、いま私新しい提案をしましたけれども、こういうところの研究開発を一つの提案として出しましたけれども、いかがでございましょうか。
#199
○参考人(綿森力君) そういう新しい原料を利用して国家のためになるものがあるなら、非常にありがたいことだと存じております。
 ただ、私どもはまだこのバイオマスは、傾向といたしましては昭和七十五年ごろ一千万キロリットルぐらいのバイオマスエナジーが世界的に出るであろうということは存じておりますけれども、量的にやはり大きなエネルギーになることを希望いたしておりますので、ぜひ検討さしていただきたいと存じております。
#200
○田代富士男君 じゃ、もう質問最後にいたしますが、通産大臣がいらっしゃいませんから、このアルコールの専売事業の行政の推進、さらにエネルギー政策の推進というものは今後大事なことではないかと思いますから、そういうすべてのものに対して指導監督されます通産省としての決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わります。政務次官から。
#201
○政府委員(真鍋賢二君) 大臣にかわりまして決意のほどを披露いたしたいと思います。
 わが国では、昭和十二年以来、アルコール専売制度のもとで半世紀近くにわたってアルコールの生産・流通を管理し、品質の高いアルコールを安定的に供給してまいったわけでございます。この間アルコール専売事業は、特別会計のもとで毎年度相当の事業益金を出しまして、国庫に納付してまいったわけでございます。また、このほか地元の雇用の拡大とか地元原料の活用により地域経済上重要な役割りを果たしてまいったわけでございます。
 したがって、アルコール専売制についてはこれを存続させるということでございますし、またこの新エネルギー機構移管後は、専売制のもとで、燃料アルコールの技術開発の促進、アルコール製造事業の一層の効率化等に努めてまいりたいと思います。
 エネルギー政策の推進については、エネルギーの石油依存度、輸入依存度が高いという日本の脆弱なエネルギー供給の構造を踏まえまして、エネルギー問題の克服はわが国にとって重要な課題であるわけでございます。このためにわが国としては、石油の安定供給の確保、石油代替エネルギーの開発導入の促進、省エネルギーの推進を基本方向とする総合エネルギー政策を推進しているところであります。今月下旬に総合エネルギー調査会から長期エネルギー需給見通しが報告されますが、今後この見通しを踏まえてエネルギー政策を官民挙げて重点的かつ計画的に推進していく所存でございます。
#202
○委員長(降矢敬雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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