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#1
第096回国会 農林水産委員会 第2号
昭和五十七年三月九日(火曜日)
   午後一時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十二日
    辞任         補欠選任
     高木 正明君     世耕 政隆君
 十二月二十三日
    辞任         補欠選任
     世耕 政隆君     高木 正明君
     神谷信之助君     下田 京子君
 一月二十一日
    辞任         補欠選任
     中野 鉄造君     藤原 房雄君
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     山田  譲君     八百板 正君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     高木 正明君     亀長 友義君
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     亀長 友義君     高木 正明君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     山田  譲君
     下田 京子君     山中 郁子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂元 親男君
    理 事
                下条進一郎君
                宮田  輝君
                川村 清一君
                鶴岡  洋君
    委 員
                岡部 三郎君
                北  修二君
                熊谷太三郎君
                藏内 修治君
                古賀雷四郎君
                三浦 八水君
                坂倉 藤吾君
                山田  譲君
                中野  明君
                藤原 房雄君
                山中 郁子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        成相 善十君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       農林水産大臣官
       房審議官     大坪 敏男君
       農林水産省構造
       改善局長     森実 孝郎君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     小島 和義君
       農林水産省畜産
       局長       石田  弘君
       農林水産省食品
       流通局長     渡邊 文雄君
       食糧庁長官    渡邊 五郎君
       林野庁長官    秋山 智英君
       水産庁長官    松浦  昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (昭和五十七年度の農林水産行政の基本施策に
 関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月二十三日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として下田京子君が選任されました。
 また一月二十一日、中野鉄造君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。
 また一月二十二日、山田譲君が委員を辞任され、その補欠として八百板五君が選任されました。
 また本日、下田京子君及び村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君及び山田譲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(坂元親男君) 農林水産政策に関する調査のうち、昭和五十七年度農林水産省関係の施策に関する件を議題といたします。
 農林水産大臣から所信を聴取いたします。田澤農林水産大臣。
#4
○国務大臣(田澤吉郎君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。
 わが国経済社会は、先進諸国がインフレの進行、景気の停滞等の問題を抱える中にあって、安定した経済成長を維持し、物価も落ちついた動きを示すなど相対的には順調な発展をたどっておりますが、調和ある対外経済関係の形成、財政再建、内需の拡大など多くの課題を抱えております。
 こうした状況の中にあって、引き続き経済社会の発展と国民生活の安定を図っていくためには、国民生活にとって最も基礎的な物資である食糧の安定供給を初め、健全な地域社会の形成、国土、自然環境の保全などの重要な役割りを担う農林水産業について、その着実な発展を図ることが不可欠であります。
 特に、世界の食糧需給には不安定要素が多く、中長期的には楽観を許さないものがあり、また、今後、資源・エネルギーの制約の強まり、高齢化社会の到来、生きがいやゆとりを求める国民の志向の強まりが見込まれる中で、自然の物質循環に基礎を置き、経営者として創意工夫の発揮ができるという特質を持つ農林水産業は、わが国経済社会の安定と安全保障のため一層大きな役割りを果たすことが期待されます。
 翻って、今日のわが国農林水産業をめぐる内外の状況を見ますと、食糧消費や木材需要の伸び悩み、土地利用型農業部門の規模拡大や林業生産活動の停滞、就業者の高齢化の進行、農村社会における連帯感の希薄化、燃油価格の上昇による漁業継営問題などに加え、米国、EC諸国等からの市場開放要求の強まりなどその環境は一段と厳しいものとなっております。
 このような状況にかんがみ、私は、農林水産業に課せられた役割りが着実かつ効率的に果たされることを基本とし、「八〇年代の農政の基本方向」と「農産物の需要と生産の長期見通し」を踏まえ、長期的展望に立って、各般の施策の積極的な展開に努め、総合的な食糧自給力の維持強化と国民生活の安定を図ってまいる所存であります。
 そこで、昭和五十七年度の主要な農林水産施策について申し上げます。
 まず、農業の振興について申し上げます。
 節一は、生産性の向上を図ることであります。
 今後、内外の厳しい諸情勢の中で、食糧の安定供給と農家の所得を確保していくためには、農業の生産性の向上を図り、その体質を強化することが肝要であります。このため、これに必要な各般の施策の積極的な展開に努めていく所存であります。
 生産性の向上を図る上で重要なことは、まず、生産対策について地域の自主性と活力を基盤としてこれを総合的に推進することであります。このため、従来各昨日ごとに行われてきた生産対策を総合的、有機的に実施できるよう、新たに新地域農業生産総合振興対策、畜産総合対策を実施してまいります。
 これとともに、構造政策につきましては、特に土地利用型部門を中心に、技術や経営能力がすぐれ、高い生産性を有する中核農家や生産集団の育成を図るとともに、これらを中心とした地域農業生産体制の整備を図ることが必要であります。このため、農用地利用増進法を軸に、構造政策の展開を図ることを基本とし、地域農業振興のための総合推進方策の策定、農用地利用増進特別対策事業や新農業構造改善事業の推進、農地流動化奨励金の交付等の事業を実施するとともに、農村青少年に対する研修教育等の推進を通じ、農業後継者の育成確保に努めてまいります。
 また、農業の体質を強化する上で、技術の開発普及、情報の整備は欠くことのできないものであり、土地利用型農業に関する技術の総合化、バイオテクノロジー手法の活用等による革新技術の開発推進と新技術の実用化を進めるとともに、普及事業の改善充実、各種統計情報の迅速かつ的確な提供に努めてまいります。
 さらに、農業生産基盤の整備につきましては、排水対策等水田の汎用化のための事業、畑作振興のための事業等に重点を置きつつ、新規事業を極力抑制することにより、継続事業の着実な推進と事業効果の早期発現に努めてまいります。
 第二は、需要の動向に応じた農業生産の再編成を進めることであります。
 地域の実態に即しつつ、過剰なるものから、小麦、大豆、飼料作物等不足するものへ需要の動向に応じて農業生産の再編成を推進することは、総合的な食糧自給力の維持強化を図る上で重要な課題であります。水田利用再編第二期対策の初年度である昭和五十六年度は、目標を上回る成果を上げることができたところでありますが、昭和五十七年度におきましては、一昨年の全国的な冷害と、これに引き続く昨年の東北、北海適を中心とした不作という実情等を考慮して、転作等目標面積を前年度と同様とし、対策の着実かつ円滑な推進を図ることとしておりますので、関係各位の一層の御尽力をお願いいたしたいと存じます。
 また、米の需給均衡の回復を図るためには、これとあわせて、米等わが国の風土に適した食糧を中心とする日本型食生活の定着を図ることが重要であります。このため、わが国の食生活の栄養面でのよさや水田農業として発展してきたわが国農業の特質などについて、国民の理解を得るよう努めるとともに、日本型食生活の定着促進に資すること等を基本として、米、牛乳、果実、水産物等の消費拡大を図ってまいりたいと存じます。
 第三は、活力に満ちた心の触れ合う農山漁村を建設することであります。
 申すまでもなく、農山漁村は、農林水産業の生産の場であるとともに、農林漁業者の生活の場であり、わが国経済社会の安定基盤として重要な役割りを果たしております。兼業化や混住化の進展、高齢化の進行等により住民の連帯感の希薄化や村機能の低下の傾向が見られる今日、地域住民の連帯感を確立し、心の触れ合う農山漁村社会を建設するとともに、農林漁業者の定住条件を整備することは、構造政策の推進や食糧自給力の維持強化を図る上で、一層重要となってきております。
 このため、地域社会づくりについての住民の合意形成を促進するとともに、中小都市に比べても整備水準の低い生活環境を生産基盤と一体的に整備するほか、就業機会の増大や農業者年金制度の充実等を図ってまいります。
 第四は、農産物価格の安定と食品産業の振興を図ることであります。
 価格政策は、農産物価格の過度の変動を防止し、農難所得と消費者家計の安定を図るとともに、価格の持つ需給調整機能を通じて農産物の生産と消費を望ましい方向へ誘導するというきわめて重要な役割りを果たしております。このため、構造政策、生産対策等の各般の施策の展開とあわせて、農産物の特性に応じ、価格安定制度の適正な運用に努めていく所存であります。
 また、消費者の食糧需要の多様化に伴い、流通、加工等を包摂する食品産業は、国民に食糧を安定的に供給する上で農薬と並ぶ重要な役割りを果たしております。したがって、食糧消費の動向に対応して安定した価格で良質、安全な食品を供給するためには、その生産性の向上と体質の強化を図ることが必要であります。このため、中長期の展望に立った食品産業政策の課題について検討を進めるとともに、食品工業の技術水準の向上、卸売市場の計画的整備、小売業の近代化等の施策を総合的に推進してまいる所存であります。
 なお、国民に対する食糧の安定供給を図る上で重要な役割りを果たしております食糧管理制度につきましては、昨年、その制度の基本は維持しつつ、過剰、不足、いかなる需給事情にも的確に対応できるような仕組みとするよう食糧管理法の改正が行われたところであります。今後、その適切な運営を図ることにより、国民の信頼と支持に基づく恒久的な制度として定着するよう努めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げました各般の施策のほか、食糧の安定供給の観点から、輸入の安定的確保に努めるとともに、農産物等の備蓄対策の推進を図ります。
 また、開発途上国等における農業開発の重要性にかんがみ、農業開発協力を一層推進することとし、引き続き協力推進に必要な情報の収集、整備等を行うとともに、国際協力事業団等を通じて技術と資金の両面にわたる協力を進めるほか、協力案件の増大、大規模化に対応するため、新たに農用地開発公団の活用を図ってまいります。
 このほか、農業災害補償制度の円滑な運営、金融制度の充実等を図ることとしております。
 次に、林業の振興について申し上げます。
 林業については、住宅建設の落ち込みを背景とする木材需要の低迷、林業経営諸費の増高、林業労働力の高齢化等からその生産活動が停滞するとともに、木材産業においても業況が著しい不振にあるなど厳しい情勢にあります。このような状況に対処して、わが国の貴重な資源である森林資源を整備し、国土の保全等森林の有する公益的機能の高度発揮、木材等林産物の安定供給、活力ある山村の育成等を図ることは緊要な課題となっております。
 このため、造林、林道等林業生産基盤の整備を進めるほか、新たに第六次治山事業五カ年計画を策定し、治山事業の計画的な推進を図るとともに、マツクイムシ対策について、被害木の伐倒とあわせて破砕、焼却等を行う防除方法を新たに加えるなどその総合的推進を図ってまいります。
 また、山村における定住条件の整備を進めるため、地域林業者等の創意と工夫を生かした林産集落の振興対策を新たに実施するほか、新林業構造改善事業、林業の担い手の育成確保等を推進してまいります。
 さらに、木材産業における不況の深刻化等に対処し、木材産業の再編整備を図るため、製材業及び合板製造業における過剰設備の廃棄、生産方式の合理化等を促進する事業を新たに実施することとしております。
 なお、国有林野事業につきましては、引き続き、経営改善を計画的に推進する考えであります。
 次に、水産業の振興について申し上げます。
 水産業は、海洋新秩序のもとでの各国の規制強化、燃油価格の上昇、水産物需要の停滞等の厳しい事態に直面しております。このような状況に対処し、動物性たん白質の供給源として重要な地位を占めている水産物の安定供給を図るとともにわが国水産業を発展させていくためには、困難な状況にある漁業経営の立て直しを図るとともに、「つくり育てる漁業」を育成し、わが国周辺水域の水産資源の維持培養とその高度利用を進めるほか、遠洋漁場の確保に努めることが肝要であります。
 このため、漁業経営をめぐる厳しい情勢に対処して漁業生産構造の再編整備を推進することとし、その手段としての減船等を円滑に遂行する上で必要な漁業者等の負債整理のための長期低利資金を設けるなど経営安定対策を強化するとともに、漁業における省エネルギー化を促進してまいります。また、新たに第七次漁港整備長期計画及び第二次沿岸漁場整備開発計画を策定し、漁業生産基盤の整備を進め、わが国周辺水域の漁業の振興を図るとともに、漁業交渉、漁業協力等漁業外交面での努力を粘り強く展開してまいる所存であります。
 このほか、漁業災害補償制度について、加入要件の緩和、義務加入対象範囲の拡大等の改善を行うとともに、漁業共済団体の健全な運営を確保するため、累積事業不足金対策を実施してまいります。
 これら農林水産施策を推進するため、昭和五十七年度予算編成におきましては、きわめて厳しい財政事情のもとで、臨時行政調査会の第一次答申等を踏まえ、行政の効率化を図りつつ、必要な予算の確保を図ったところであります。
 また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましても、目下、鋭意法律案の作成を進めているところでありますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 最後に、緊要な課題となっております対外経済摩擦の問題について一言申し上げます。
 私は、貿易の拡大均衡という方向はわが国経済社会の発展を図る上で重要なものであると受けとめており、この観点に立って、東京ラウンドの合意に基づく関税率の段階的引き下げについて、昭和五十七年度に一律二年分前倒し実施するとともに、輸入検査手続等についても可能なものの改善を図ることとしたところであります。
 対外経済摩擦の解消は、基本的には国際経済の再活性化、内需の拡大等の総合的な見地から解決を図っていくべき性格のものであり、また、農産物等の市場の開放には限界があります。
 私は、市場開放の要請につきましては、わが国の農産物等の市場はすでに相当開放され、その輸入量は膨大なものとなっていること、また、残された輸入制限品目は、わが国農業の基幹をなす作物、地域的に重要な作物、沿岸漁業等の振興上重要な品目に限られ、自由化がむずかしいものばかりであることから、国内農業、水産業の健全な発展との調和を図るという基本方針のもとに、慎重に対処していく考えであります。
 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、わが国農林水産業の発展とそれに携わる方々に明るい希望を持っていただけるよう全力を傾けてまいる覚悟であります。
 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
#5
○委員長(坂元親男君) 本件に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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