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#1
第096回国会 農林水産委員会 第9号
昭和五十七年四月二十二日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     北  修二君     井上 吉夫君
     田原 武雄君     岩崎 純三君
     岡部 三郎君     増田  盛君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     田原 武雄君
     増田  盛君     岡部 三郎君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     北  修二君
     坂倉 藤吾君     山田  譲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂元 親男君
    理 事
                下条進一郎君
                鈴木 正一君
                宮田  輝君
                川村 清一君
                鶴岡  洋君
    委 員
                岡部 三郎君
                北  修二君
                熊谷太三郎君
                熊谷  弘君
                古賀雷四郎君
                田原 武雄君
                高木 正明君
                中村 禎二君
                坂倉 藤吾君
                村沢  牧君
                八百板 正君
                山田  譲君
                中野  明君
                藤原 房雄君
                下田 京子君
   国務大臣
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        成相 善十君
       水産庁次長    山内 静夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        安達  正君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用第二課長    今西正次郎君
       水産庁漁政部長  佐竹 五六君
       海上保安庁警備
       救難部海上防災
       課長       竹内寿太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 漁業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○坂倉藤吾君 きょうは、内容に入る前に二点だけちょっと御説明をいただきたいと思う点がありますので、冒頭それにお答えをいただきたいと思います。
 一つは、いま当面の課題になっております日ソ漁業交渉の成り行きの関係であります。関係者、きわめて注視をしておるわけでありますし、今日までの各年におきます交渉の中でおおむねレールが引かれてまいって安定をしてきておるというふうに理解はいたしておるのでありますが、その中間的な状況はどうなっておるか、見通しはどうなのか、出漁期にきちっと間に合うのか、この辺のところの御説明を一つはいただきたい。
 それからもう一脈は、本日も関係者がこの東京に集まって集会を開いておるわけでありますが、いわゆる農畜水産物の輸入枠拡大阻止の問題あるいは自由化阻止の問題、この辺についてたびたび農林水産大臣としての御所見は賜っておるわけでありまして、態度は確認をいたしておるんですが、私どもが心配をいたしますのは、それを乗り越えて政治的に決着がつけられる可能性がないのか、農林水産省の考えております考え方でおおむね前進が、見通しがついているのか。この辺のところについての一つの見解あるいは見通し、こうしたものの説明を大臣からお答えをいただきたいと思います。
#4
○政府委員(山内静夫君) 日ソサケ・マス交渉の経緯、経過等について概略御説明いたします。
 十三日から日ソサケ・マス交渉が始まりまして、十四日におきまして双方が提案を出し合ったわけでございます。
 ソ連側の提案といたしましては、四万二千五百トンの去年の実績につきまして、ことしは三万七千トン。それから一定水域におきます操業期間の短縮、それから新たな取り締まり体制の実施。それから協力金につきましては、自分の放流に要した経費に見合う日本の取り分に対する協力費の要求と、こういう点でございます。
 わが方といたしましては、四万五千トンの要求、こういうことでございまして、その他の問題につきましては前年どおりであると、こういうような主張を続けてきたわけでございます。
 その間、なかなか交渉が進展しませんで、十七日に松浦長官が訪ソいたしまして、再度交渉を始めまして、きのうまで二回交渉しているわけでございます。事務的には取り締まり体制の強化の問題につきましていろいろやりとりがございまして、きのう初めて松浦長官とクドリャフツェフ次官との閥で実質的な交渉が行われたと、こう聞いているわけでございます。会議の内容等につきましてはだんだん主張が近づいたということで、ことしのサケ。マス出漁時期にはほぼ間に合うだろう、こういう話は聞いておりますが、妥結の時期等につきましては細部の詰めがございましてはっきりしたことはここでは申し上げられませんが、恐らく五月一日の出漁には間に合うだろう、こう想定しているわけでございます。
#5
○国務大臣(田澤吉郎君) 日ソサケ・マス漁業交渉につきましては、ただいま答弁さしたとおりで、私たちとしてはできるだけ出漁時期までに間に合うように交渉を進めてまいりたい、かように考えております。
 また、日米残存輸入制限品目についてでございますが、これは御承知のようにわが国としては輸出、いわゆる対外経済摩擦の解消というものはわが国の大きな課題でございますので、これを解消するということはこれは当然進めなきゃならない問題でございまして、そのために、何回もお話し申し上げておりますけれども、昨年の暮れに経済対策閣僚会議を開いて五項目にわたる対外経済対策を決めまして、それを基本にしてこれまで対策を進めてまいっておりまして、その間に第一弾としていわゆる関税率の前倒しあるいは非関税障壁の緩和等を進めてまいりまして、これをやはりアメリカ、ECに政府の機関あるいは民間機関を通じて極力説明をして理解をいただいてまいったのでございます。ところが、その後、江崎ミッションあるいは櫻内外務大臣の訪米等によりまして、アメリカはなかなか厳しい要求をいたしておるわけでございます。そういうような関係もございまして、やはり内閣としては第二弾の対策を考えなければならないのじゃないだろうか、こういう状況にあるわけでございます。
 その間に、三月九日、十日に日米の貿易小委員会が開かれまして、そこでは牛肉、柑橘については一九八三年までは合意されておりますけれども、四年以降の協議についてはことしの十月中に日米の適当な時期に話し合いを進めましょうという合意をいただいております。その他の品目については作業部会で話を進めましょうと、しかも作業部会というのはあくまでもこれは双方の思い切った話をすることにいたしましょうと、私の方も積極的な意見もいたしますので、どうかひとつ感情的にならぬようにしていただきたいということで作業部会を始めたのでございますが、十二、十三日この作業部会が開かれまして、その結果、アメリカは非常に強い姿勢で、もう完全自由化でなければならない、もはや作業部会は開く必要ない、したがいましてガット二十二条の協議に移さざるを得ませんと、しかもアメリカとしては、この二十二条の協議というのは二国間の一般的な協議であるから対決ではございませんよということになりまして、そのまま作業部会というのは終わったわけなんですよ。
 その後、何か電話か電報でアメリカから一つの考え方が出てきております。それは六品目を何とかして緩和できぬかというお話もございましたけれども、しからばその六品目をある程度話し合いをすることによって完全自由化というのは一体どうなるんですかと言ったら、完全自由化はそれは崩すわけにまいらないということでございますので、わが国としてはあくまでも完全自由化で、しかもガット二十二条の協議によるということでございますから、その二十二条の協議のアメリカからの対応を待っているというのが実態でございますので、したがいましていま第二弾と言われる対策とその関係は一体どうなるのかということが新聞紙土でいろいろにぎわしておりますけれども、私はこのことは、もうすでに農産物については協議が始められているものでございますから、他の品目と違う、私はこう思いますので、この第二弾の策定に当たってはこれはなじまないもの、こう思いまして、私は、除外という意味じゃなく、なじまないからこれはそのままにしておいて農林水産省にお任せ願いたいということで、いまそういう考えでおるわけでございまして、今後アメリカのいわゆる出方あるいはアメリカの態度によって私たちは改めてこの問題は考えよう、こういう考え方でおるのでございまして、私たちとしてはあくまでも、これまでも申し上げておりましたように、残存輸入制限一口二十二品目については農林水産関係の基幹をなすものであり、重要な品目でございますので、これは緩和するわけにもいかぬし、撤廃するわけにもいかないという態度をただいまもとっておりますし、今後もとりたい、かように考えております。
#6
○坂倉藤吾君 きょうの本題ではありませんから、いまの大臣の御見解、特にアメリカとの関係についてはいま述べられたような方針が途中で、違うところで解決に向かわれるとか、そういうことのないように、ぜひひとつ監視とそれからそのための努力をお願いをしておきたいと思います。改めてまたその問題についての議論をする場は与えられるというふうに思っておりますので、それに譲りたいと思います。
 さてそこで、この法案の中身に入っていきたいと思うんですが、これは大臣の本年度の所信の中にもありましたけれども、今日の漁業を取り巻く環境というのは、要約をいたしますと、二百海里時代の到来、それから燃油価格の高騰、それからもう一つは魚価の低迷、――これは魚種によって魚価の低迷の問題はいろいろとございますけれども、一応この三つが取り巻く環境としての大変悪条件の柱になっている、これは御指摘のとおりでありまして、したがってそれの柱を考えていきますと、いわゆる水産政策というのはそれを切り離して解決をするのではなくて、この三つの柱についての総合的な観点からすべての政策というものがそこに集中的に総合的に展開をされていかなければいかぬだろう、それ以外にこの悪条件を乗り切っていくという方策はないんじゃないのかというふうに考えるわけであります。
 ところが、具体的に水産政策を見ておりますと、まだまだ総合的というふうに、意思は私は統一されていると思うんですが、実際の施策というのはそれが具体的にそう整理をされていないというふうな感じを率直に言って持つわけであります。
 そこで、大臣の基本的な物の考え方あるいは現状の水産政策の中での物の見方、こうしたところをひとつ御所見を伺っておきたい、こういうふうに思います。
#7
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま御指摘のように、いわゆる二百海里規制の強化あるいは燃油価格の高騰、さらに魚価の低迷、加えて水産物の需要の低迷等があるわけでございまして、非常に厳しい状況にあるわけでございます。したがいまして、わが国の漁業の振興を図るためにはまず総合的に対策を進めてまいらなければならないと思うのでございますが、何さま新しい秩序に対して対策をいま進めている段階でございますので、その総合的な進め方というのはある程度おくれを来している関係もございますけれども、私たちといたしましてはあくまでもいわゆる漁業生産の再編成を図るということが第一でございますが、それとやはり省エネルギーの推進を図りまして、それで経営の合理化をまず図るということが第一でございます。そのためには、それぞれの対策をいま進めておるわけでございます。
 それからもう一つは、やはり栽培漁業あるいは沿岸漁業の整備を図ると。いわゆるつくり育てる漁業というものを積極的に進めなけりゃいかぬ。幸いにして、わが国の沿岸水域は水産資源の豊富な日本列島でございますので、こういう点を大いに活用するということが必要だと思うのでございます。さらに、そのための拠点としての漁港の整備というものを思い切って進めなけりゃならないだろう。さらに、いま日ソサケ・マスに見られるように、漁業外交というのを思い切って進めなきゃいかぬと思うのでございます。私はいまもこの漁業外交については、最近、日ソ間はもちろん、日米間あるいはまた韓国あるいは北朝鮮、それからインドネシアですね、すべて大変な問題を抱えているわけでございまして、特に捕鯨の問題等については大変な問題を抱えているわけでございますので、もちろん外交ルートによることも必要でございますけれども、農林水産省としても独自の漁業外交というものを進めてまいらなければならないということを痛切に感ずるものでございますから、こういう点に思い切った力を入れて、そして新しい資源、あるいは新しい漁場の確保に努力をしてまいりたいと考えております。また、流通だとか加工の合理化を図りまして、と同時にやはり水産物の価格の安定を図る。さらに消費者に対して水産物の普及だとか、あるいは啓蒙をいたしまして、消費の拡大、需要の拡大というものに思い切った力を入れてまいらなければならないと思うのでございます。これをばらばらにやってはいけませんものですから、これを総合的に、早い機会に新しい秩序に合うような形をつくり上げなければならない、つくっていかなければならないというように考えておるのでございますので、どうかひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。
#8
○坂倉藤吾君 考え方に対しましては異論はない。ただ、そういう観点から今日の政策、制度等を検討いたしていきますと、あながちそういう考え方にぴたっと一致をしない部分が非常に多い、これは私は少し問題だと思います。それは単に農林水産省だけで実現ができていくものではない、関係の省庁も協力をしないと成り立っていかない、こういうこともございますので、ぜひそういう意味合いで、視点をそこに据えながら、もう一遍各制度についてのひとつ点検を早急にやっていただきたい、こういうふうに思うんです。これはまあ次に本委員会に付託、審議をされます漁特とも関係をいたしまして、私は大変問題のところだろうというふうに思っているわけでありまして、ぜひひとつお願いをしたいと思います。
 そこで、わが国の漁業を行っております実態といいますか、経営の体質、これから見ていきますと、中小の経営体が今日依然として主流をなしている、これはもう変わりがありませんですね。そうなりますと、その漁業の中核体であります中小をいかに体質的に強化をするかということがやはり第一の課題でなければならぬ。そういう意味からいきまして、きょう論議をいたしておりますこの漁災の制度も、この中小のいわゆる経営の安定ということにきわめて大きなウエートが置かれて今日まで推移をしてきている。したがって、この中小の経営体に安定感を与えていくんだということは、これからも私は続けていかなければならぬというふうに思いますが、そのことについては大臣は御異論はないんでしょうか。
#9
○政府委員(山内静夫君) 御指摘のように、わが国の漁業生産の大半は中小漁業の経営によって賄われておるわけでございます。したがいまして、わが国漁業の今後の発展のためには中小漁業を育成する、こういうことが至上命令となる、こう考えておるわけでございます。このために、政府といたしましても沿岸漁業とか、あるいは中小漁業の振興を図る観点から、沿岸漁業構造改善あるいは中小漁業構造改善事業の推進を図ってきたところでありますし、またオイルショック等におきましても中小漁業経営の不振に対応するために特種の融資措置を講じまして、中小漁業の経営の安定のために資してきた、こう理解しているわけでございます。今後とも中小漁業の経営の安定、改善のためにいろいろの措置を講ずるほか、今回お願いしております漁業災害補償制度の改正もその一環であると、こう考えているわけでございます。
 しかし、漁業災害補償制度だけでは、漁業経営の安定が図られると、こういうわけではございませんので、これ以外、ただいま大臣も御答弁申し上げましたよりに、燃油価格の変動に強い漁業経営体をつくる意味から、省エネルギーの推進と、あるいは漁業生医者団体による自主的かつ計画的な生産構造を再編成する、こういうような経営対策を講ずることを現在図っているわけでございます。
 このほか、栽培漁業の振興、あるいは沿整によります沿岸漁場の整備開発等、つくり育てる漁業の振興、あるいは漁港、漁村生活環境の整備、水産物の流通、加工の合理化、消費の拡大の推進とか、あるいは漁業外交の展開による海外漁場の確保、こういう各般の施策を講じまして、中小漁業の育成に努めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#10
○国務大臣(田澤吉郎君) いま答弁さしたのに尽きるわけでございますけれども、御承知のように、この漁業共済事業は昭和三十九年に制度発足以来、不慮の損害を受けた中小漁業者に対して一千億円ほど共済金が支払われているわけでございまして、それなりに中小企業の安定に大きな役割りを果たしてきたと、こう思います。今回、加入の拡大をいたすということがこの法案の重点事項の一つでございますから、そういう点から言いますと、さらに中小企業の経営に大きな貢献をするのじゃないだろうか。これまで以上に、私は中小企業の安定に大きな貢献をするものと、かように考えておるのでございますので、御理解をいただきたいと思うんでございます。
#11
○坂倉藤吾君 そこで、これは具体的になりますが、確かに中小の強化のために一定の役割りを果たしてきた、これは私もそのとおりだと確認をしたいと思います。
 ところが、それを裏書きをしていくのには、具体的にどれだけ喜んでこの制度の中に参加をしてきておるのかという立場からいきますと、やはり加入率の問題が一つあります。この加入率の問題からいきますと、具体的にはやはりサンマの棒受け綱、あるいはサケ・マス流し網、これが中心になりまして、これを除いてしまいますと、ほとんど中小漁業者の加入が少ない、こういうふうに指摘をせざるを得ないわけです。片方では貢献をしているけれども、貢献をしてきた割りには、特定のところ以外は参加をしていない、こうなりますと、これはやはり加入者がこの法の恩恵をこうむるわけでありまして、加入してない限りはその恩恵に浴さないという制度でありますから、やはりどっかに矛盾があるというふうに言わざるを得ません。したがって、そこのところをどういうふうに評価をしておるのかというのが第一の問題点であります。
 それから、もう一点は、貢献をしてきたけれども、片方では漁済連が五十五年までの赤字百四十八億、五十六年になりますとおおむね百七十億程度になるんではないのかというふうに推定をされるわけでありまして、こういう事態というのは、結果的に見てこの制度の中にいわゆる欠陥というものがあるんじゃないのか。今回のこの改正というのはそういうところを重点的に解消していかないと制度の改正の価値がないというふうになると思うんですね。加入率をどういうふうにふやしていくかということはこの改正の目玉になっていることは私は承知の上でいま御質問を申し上げたいと思います。
#12
○政府委員(山内静夫君) 漁業共済事業は昭和三十九年に発足したわけでございますが、それ以降、不慮の災害を受けた漁業者に対しまして千億円を超える共済金を支払った、こういうことはただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
 この間におきましては、漁業者の経営安定に大きな役割りを果たしてきたと、こう考えておるわけでございます。これからにおきましても、遠洋漁業がなくなりつつある現在ですね、これから期待されている中小漁業の経営安定のためにも本制度を充実強化させる必要がある、こう考えるわけでございます。
 しかしながら、本制度は共済制度の枠内と、こういう考え方がある関係で、あらゆる経営上の問題を全部この制度でカバーするわけにはまいらないと、こういうことでございます。したがって、経営安定のためには今後とも本制度の充実に努めることは当然でございますし、先ほど先生御指摘のように、加入率を高くいたしまして、あまねく漁業者がこの制度の恩典に浴するような方策をとる、これも当然必要だと考えているわけでございます。
 で、このほか先ほど申しましたように、経営の安定のためには省エネルギー化の推進、生産構造の再編成と、こういう問題も強力に進めていく必要がある、こう考えております。
 なお、百四十八億の赤字が生じたことにつきましてはいろいろ批判があると思います。で、制度上の欠陥等につきましては当然反省すべきものは反省すべきである、こう考えておるわけでございます。
 しかし、御承知のとおり、共済事業は過去の被害発生のデータに基づきまして、収支が均衡するように設計されている、こういう考え方のもとに料率が設計されるわけでございます。したがいまして、料率設計時におきまして想定された確率以上に損害が発生した場合、たとえば漁獲量の減少があるとか、魚価の変動であるとか、魚病が発注したと、こういうような場合には当然のことながら赤字が発生せざるを得ないと、こういうような弱い要因もあるわけでございます。それで、こういう意味から制度改善を今回試みまして、これらの発生要因に対しましても、できるだけ抵抗要因を大きくすると、こういうことでございます。で、具体的に申し上げますと、継続契約方式をとりまして共済限度額が大幅に変動しないようにするような措置を設けるとか、あるいは魚価の乱高下が補償水準にそのままはね返らないような方式にする、あるいは魚病の損害等につきましては、そんなにいたく被害をこうむらないような方向をとると、こういうようなことでございます。
 で、反面、設計以上に共済事故が発生したことにつきましては、危険の少ない漁業者が必ずしも十分入らなかったと、こういうことも反省されるわけでございます。したがいまして、今回の改正におきましても、危険の少ない優良の漁業者が加入できやすいようにするような方途を講ずるわけでございます。
 具体的に申しますと、契約締結要件の緩和であるとか、あるいは義務加入対象範囲の拡大と、こういうものを行うほか、先ほども申しました継続契約方式を新設いたしまして、危険の少ない加入者にも安い掛金で入ってもらうと、こういうような方法をとりまして、本制度を充実させたいと、こう考えておるわけでございます。
#13
○坂倉藤吾君 大分問題があるんですがね、まあ述べられておることが私はすべて間違いじゃないと思いますね。一つの枠組みの仲で運営をしていくわけですが、ところが、いままでの実績等を眺めておりますと、制度が大切だから、制度はそれはうまく運営ができていくようにしなければならない、これはまあ当然の話。しかし、制度を守るがゆえに、結果的にその制度の目的とする漁業の経営の安定という立場は一体どうなるのか、この辺がやはり一つの矛盾点としまして、どちらに力点が置かれるのか、ここを疑問視せざるを得ないんですね。この制度というのは、私は正直申し上げて政策制度でありまして、そこには政治的色合い、このことが多分に盛り込まれていくのが当然の話で、そこの割り切りがなかなかなされてない。これは冒頭大臣からも説明をいただきましたように、いま漁業環境を取り巻く条件というのはきわめて厳しい、厳しいということを言い、その中で耐えていくような経営体をどう安定をさせていくのかというのが制度の目的である。その一端として、これは全部じゃなくてその一端としてこの漁災制度が発足をし、今日まで運営をしてきた。ところが、発足をさせた制度を維持するがために若干御しんぼういただかなきゃならぬ分野というものが今日拡大をしてきておるんじゃないのか。ここのところを、私は政策制度であるとするならば、もう少し割り切りをきっちりすべきじゃないのか、いわゆる性格づけの問題としましてね。ここに一点の疑問を挟まざるを得ない。しかも今日の状況の中で、何か災害救済制度的であってみたり、あるいは経営安定政策的であってみたり、ここの性格は一体どうなっているんだろうかというところがどうもあいまいもことしている感じを受けるんでありまして、その辺は一体どうなんでしょうか、きちっとひとつ位置づけをしてもらいたい。
#14
○政府委員(山内静夫君) ただいまの質問非常にむずかしいわけでございますが、漁業災害補償制度は漁船損害補償制度とともに沿岸漁業等振興法第三条第一項に掲げられております国の講ずべき施策のうちの、「災害による損失の合理的な補てん等によって、再生産の阻害の防止及び経営の安定を図る」、こういう規定を実現するための施策であるわけでございます。
 このように、災害補償制度は災害対策として位置づけられておりますが、気象や海況の異変と、こういう自然災害ばかりでなく、資源の豊凶とか価額の変動、突発的な魚病等を含む相当広範囲な事態に対応できるような仕組みになっているわけでございます。
 さらに、本制度の目的は漁業災害補償法第一条にも見られますように、中小漁業者の経営の安定であり、本制度は広義の経営対策の一環をもなすと、こういう考え方もあるわけでございます。非常にむずかしいわけでございますが、いずれにしても、漁業災害補償制度だけでは漁業経営の安定、こういうすべての目的を果たすことができないことは事実でございますから、先ほども申し上げましたように、今後とも漁業主産構造の再編成であるとか、省エネルギー化の推進等、漁業経営対策とかあるいは無価対策、魚病対策等、各般の水産施策を適時適切に講じまして漁業経営の安定に努めてまいりたい、こう考えているわけでございます。
#15
○坂倉藤吾君 まあ、おいおい質問をしていきますから、解明をいただかなきやならぬのですが、いまの答弁では、私の質問には少し答えられていないんでしてね、具体的に聞いていきたいと思いますが、まず、加入率の点から入っていきますと、五十五年度で漁獲共済は二三・八%、それから養殖共済では三六・二%、漁具共済では七・三%、非常に総体的に低いわけですね。本制度が発足をしましたのは、お話がございましたように三十九年ですから、十七年を経過をしている。それから、三十二年の試験実施から数えますと、まさに二十四年間の長きに達しておるんですね。それだけの長期間にわたってきているわけです。その間に漁業を取り巻く環境というのは非常に大きな変動を来していますね。そのことは事実です。しかし、その間に四十二年、四十九年、二回の改正期があったわけでありまして、私はそういう二度の法改正も行っておるという状況から考えてみますと、なぜ基本になるべきこの加入率が低かったんだろうか、ここのところに大きなメスが加えられないといかぬのじゃないのかという点であります。しかも、その名称は補償法なんですね。保険じゃない、補償法。ところが、中身は共済がたてまえになっている。ここに非常に私は基本的な矛盾をもともと抱えておるというふうに思います。
 この共済あるいは保険制度というのは、これはやはりお互いが、加入者が責任を持ち合って、危険率も眺めて経営のできるようにというのが経営の原点になっている。先ほど私が質問いたしましたように、これは補償法という立場で精神を貫いていくとするならば、今日とっておる共済制度に私はもっと補償的な色合いというものがきちっと加わってこなければならぬだろうし、それに取り扱う内容というものが充実をされていかなければならぬ、そのことが加わって初めて政策的な価値というものが増加をし、そして加入者もふえてくる、こういうことに道筋がつながってくるというふうに思うんですよ。そうしますと、今日までの制度の中で一番問題点というのは何かというと、加入対象になる人がその政策的な価値、この制度の価値というものについて価値観が薄かったというふうに総括的には言えるんじゃないのか。この価値観を強くしていくというのがこの制度の中の今日的な一番大きな中心点でなければならぬ、こういうふうに私は理解をするんですが、この考え方というのは間違いでしょうか。
#16
○政府委員(山内静夫君) 御指摘のとおり、漁業共済事業の加入率が低かったと、こういうことは、この制度につきましてさまざまな今日の結果いろいろ赤字等の問題がそういうことによって発生したと、こういう御理解に立ってもある程度の事実であろうと、こう考えておるわけでございます。加入率の低いことにつきまして、今後ともわれわれは力を入れなければならないわけでございますが、加入率につきましては、そうは言っても制度発足当時に比べまして徐々に向止している、これもまた事実でございます。ことに、昭和四十九年に義務加入制度を導入して以降はかなり伸長してきている、これは数字的にあらわれているわけでございます。しかし、一部の漁業種類を除きまして、先生御指摘のように総体的には非常にまだ低い水準にございまして、漁獲共済では二三・八%、養殖共済では三六・二%と、この程度しかないわけでございます。われわれといたしまして、なぜ加入率が低いかと、こういう問題を反省しましたときに、一番初めといたしまして、損害認定を適切に行うために漁業協同組合による共販体制が必要であるわけでございますが、共販体制が整っていない地域があり、これが共済加入ができないと、こういう事情が第一点でございます。それから第二番目といたしまして、共済契約締結要件を満たすことができない場合があると、こういうことでございます。これは後ほど御説明したいと思います。三は、漁業者ごとに危険の発生の程度に差があるために、比較的危険の程度の低いと見込まれる漁業者が共済加入への意欲が非常に乏しいと、こういうことでございます。したがいまして、これら三つを中心といたしまして、どういうぐあいに制度改正をいたしまして加入率を増進させるか、これが非常に急務になるわけでございます。
 今回、当然のことながら、引き続きまして漁業協同組合の育成強化対策を図りまして、漁業協同組合の共販体制をつくりまして漁災制度の素地をつくっていくと、これは当然のことながら漁災制度の仕組みにつきましても、今回、共済契約締結要件のうち緩和すべきものとしては、第二号漁業共済の日数要件の緩和等を図りまして、共済技術上必要に応じて緩和できるものは緩和すると、こういうことでございます。
 第二番目といたしまして、共済事故となる確率が低いもの、こういうものにつきましては、危険の程度に応じまして低い掛金率で加入できる道を開く。具体的に申しますと、継続申込特約制度の創設であるとか、常習病害についての支払い方法の改正、こういうものを講じまして、安い掛金率で多くの人に入っていただく、こういうような方法をとりまして加入の促進を図ってまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
#17
○坂倉藤吾君 考え方が根本的に間違っているとは言いませんけれども、私は、なぜかというのはやっぱり魅力があるかないかが単刀直入に受けとめられる第一の要件だと思うんですね。したがって、先ほどの説明の中にもありましたように、危険発生の程度が少ないと思うところはこれは加入が低い。これはあたりまえの話でありまして、あたりまえのことをあたりまえでないようなかっこうにして加入促進しようと思ったってこれはそうはいきませんわね。やはり物事は常識で進んでいくわけでありまして、入っていることが自分自身の安定につながっていくのか、ここが根本だと思うんですね。そこのところをきちっと見きわめないことには私は制度は生きてこないというふうに思います。それを余りに事務的に取り扱いし過ぎているんじゃないのか。そこのところを余り触れると政府の方の負担が大きくなるから、余りそこへは触れないで何とかしていこうという考え方が根底に流れているように思いますね。どうしても納得がそこのところができないんです、基本的に申し上げましてね。
 それで、今回のこの改正をしたときに加入率というのは一体どういうふうになるんですか。この計画、たとえば何年次には大体どれぐらいまでいけるという話は当然お持ちだろうと思うんですが、この辺は一体どうなっておりますか。さらに、いま説明の中に、共販体制が整っていない地域があると、こう言うんですが、確かに今日のこの系統の末端の組織を眺めてみましたときに、弱いところがありますね。しかしこれは、この制度発足の当時からやっぱり課題になっておったはずでありますね。それでは、その末端のところの組織をどう強化をしていくのか、その強化の方針というのは今日まで生かされてきたんだろうか、こういうふうに考えていきますと、これは冒頭申し上げました総合的の一番基本にかかわる部分なんですね。ここのところなんかはどうも余り進んでいない。これが大いに関連をしているという話になってくると思うんですね。これもかつて私自身がこの委員会の中で論議をした経過を踏まえておりますが、じゃ共販体制強化のために一体どうあるべきなのかということが柱として具体的に相談をされて、こうすればということについて答えておるんでしょうか。私は、余り今日までは答えられていないというふうな見解をとらざるを得ぬのですがね。その辺も含めて、同時にまた当面のこの計画年次と加入の引き上げ目標、達成目標、この辺についてひとつ御説明いただけますか。
#18
○政府委員(山内静夫君) 加入率の向上は、今回お願いしております制度的な手当てとともに、漁業共済団体の加入推進努力、こういうものをまって達成できるものであるわけでございます。水産庁でも、予算の積算を行う意味から、今度の制度改正の効果を試算しまして、平常年度におきまして一〇%と、こういう程度の加入率の増を見込んでいるわけでございます。今後は漁済団体と相談しながら加入目標等を具体的な地についたものとするわけでございますが、現在のところ漁業共済団体の間では三カ年計画をもって一応本年度終了するような計画におきまして、第二号漁業につきましては共済推進の対象となる約九百漁協につきまして今年度末までに加入を七〇%までに持ってこよう、こう考えているわけでございます。今回の制度改正は本年十月以降と、こういうことを予定しておりまして、それ以降契約する者から適用する予定である関係で、実質的な新制度の効果があらわれるのは来年以降である、こう考えているわけでございます。漁業共済団体でも来年以降の三カ年計画、また新たな三カ年計画を立てるわけでございますが、今度の新しい制度改正を踏まえまして新しい加入目標を設定して加入の増進に努めていく、こういう考え方と聞いておるわけでございます。わが方も漁済団体と協力いたしましてできるだけバックアップするような方向で努力してまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
 漁協の共販体制の推進等につきまして、過去これはいろいろ問題があったところでございます。弱小漁協が非常に多いということからなかなか経済事業の単位としての漁協が成立しない、こういうことから、合併助成につきましてさまざまの法律をお願いいたしましていろいろ推進を図ってきたところでございます。で、現在までのところ合併件数が百数十件、こういう数字がございまして、合併参画組合数が四百余り、こういう数字になっておりますが、先先御案内のようにこれで十分と、こういうわけではございません。事業規模等から見ますと農業等に比べまして半分にも満たない、あるいは三分の一、こういう程度でございまして、胸を張って共販体制がすべて十分であると、こういうかっこうにはいかないことは現実でございます。わが方といたしましても、合併助成以外に経営規模の非常に零細な漁協等の整備計画等につきまして検討、相談しながらできるだけ整備強化を図るような方向に持っていくとともに、現在におきましても国際規制等によって経営が不振になっている漁協等の欠損金等につきましては、金利の軽減等を図りまして漁協の内容をよくする、こういうような運動を展開しているところでございます。今後とも漁協の共販体制の確立につきましては、全漁連あるいは関係県ともよく相談しながらできるだけの努力を払っていきたい、こう考えているわけでございます。
#19
○坂倉藤吾君 この加入促進でいまちょっと気にかかったのは、漁済団体が目標を立てるのでそれを農水省はバックアップするんだということですね。バックアップだけでいいんでしょうかね。もちろん自主的に前進をしていく漁済団体の努力というのは当然の話でございますけれども、農水省自体も私はきちっとその辺についての目標設定、そうして推進をしていく計画、これは自前のものとして私はやっぱり確立をしてもらわなければいかぬのじゃないかと思います。漁済団体にそれを任し切りで、自主的に決めたものをバックアップしますよという姿勢じゃこれまた物足らぬ話になるわけでありまして、ぜひその辺は再検討してもらいたい、姿勢の問題としましてやっていってもらいたいと思います。
   〔委員長退席、理事宮田輝君着席〕
 それからこの末端の組織の強化の問題は、これは漁業関係というのは昔からの長い歴史の中でつくり上がってきたものでありますから、大変合併と言いましてもむずかしい課題が山積をしていることは百も承知であります。しかし、その体質がきちっと分析をされるだけにもう少しきめの細かい対応というのが必要なんではないのかということがこれまた次の問題点である。それからもう一つは、この制度がやはり中小に本当に生かされていくということになりますと、その体質改善とあわせてきちっとしたそれぞれの個々の経営が直ちに参画のできるような制度にまで制度自体を検討する必要があるんじゃないのか、これが三つ目の問題。そして私は、これは直ちに回答をもらうというふうな気持ちはありませんけれども、少なくとも今日の漁業を取り巻く環境の中では私は業種別にこの共済の制度を生かしていくというのも一つの方法ではありますけれども、むしろそれこそ総合的に一定の水準のものは漁業関係者、漁業で生きていく者、こういう人については、総合的な一つの共済という制度があって、それにさらに魚穂別のいわゆる特徴点というものを生かしていくような制度に根本的に私は検討をしてみる必要があるんじゃないのか。これは危険分散の立場からいきましても、その業種だけに特定をするから、その業種に集中的にかぶさってくる一つの条件をこれは危険分散できないんですね。だから、むしろ漁業に従事をする人々が、すべてのものについて、何をやっておろうと漁業という大きな枠組みの中でお互いが補償し合っていこう、危険分散をしていこう、こういう発想に私は基本的にもう一遍立って検討をする必要があるんじゃないのか、このことを指摘をしておきたいと思う。いま直ちにその制度でなけりゃならぬというふうに主張いたしませんが、私は、検討の素材としてぜひそれをやっていかないといかぬのじゃないのかというふうに申し上げておきたいというふうに思いますね。その方向の検討はよろしゅうございますか、一遍答弁もらっておきましょうか。
#20
○政府委員(山内静夫君) ただいま非常に貴重なる御意見を伺ったわけでございます。今後いろいろ漁災制度等を検討する場合におきましてただいまの御意見は参考にしてぜひ検討の材料にいたしたいと、こう思っております。
#21
○坂倉藤吾君 大臣、よろしいですか。
#22
○国務大臣(田澤吉郎君) 確かにこの漁災制度、共済制度全体の問題でございますが、これはやはり保険制度でもございますので、この範囲が加入者の多いほどそれだけこの制度が安定するわけでございますから、ただいまの御指摘は確かに貴重な課題だと思いますので、そういう点は今後も検討してまいりたいと思います。
 ただ、先ほど来いろいろ御議論のございますように、この漁災制度は、一つは災害の問題、一つはやはり経営の安定という問題、この二つ抱えている共済制度というのはこの制度だけなんですね。農業共済などはこういうことはございませんので、私は新しい共済制度だと思うんですよ。それだけに問題はたくさんあります。
 それから財政の面でも非常に大きい問題を抱えておりますよね。たとえば省エネルギー対策だとか二百海里規制等になりますというと、その経営の問題と二百海里規制という大きな政策問題と一体どういうように絡ましてこの共済制度を生かすかというような問題などは大きな課題だと思うんですよ。ですから、こういう点をも含めて私は今後、この制度は非常にすばらしい制度だと思いますので育てていきたいと、かように考えております。
#23
○坂倉藤吾君 じゃ、次に移っていきたいと思うんですが、この制度の中心になっております、いわゆる実質的に中心になっている漁獲共済ですね、これは二百海里時代に入ったというのはこれは明確に今日まで来ているんですね、一つの柱になっております。
 そうなりますと、この漁獲共済の中で二百海里時代に入ったいわゆる五十二年から五十四年、この三年間を仮にとってまいりますと、支払い額というのは、ちょっとこれは漁済団体の方と政府の区分の仕方が違っていますから問題があるんですが、総額では三百六十二億、これは間違いがないですね。そのあとこの支払い要因をそれによって分析をしていきますと、不漁が四一%、それから不漁と魚価安、これが三五%、それから二百海里規制による影響と思われるものが一二%、単に魚価安が一二%、これは漁済側の仕分けであります。政府の方はこの二百海里の問題は実は避けて通っておって、不漁によるもの、魚価安によるもの、不漁・魚価安によるものの三区分だけなんです。
 ここで、この漁済側の資料との突き合わせをしてまいりますと、二百海里がそれぞれの立場に分散をされて仕分けられておるような気がするんです。これは私は、二百海里が一つの漁業環境を取り巻く非常に大きな影響を受けて、特に日ソ間なんかは絶えず問題になっているわけでありまして、まさにこれは経営者そのものの問題ではなくて、国際的な課題の問題ですね。
   〔理事宮田輝君退席、委員長着席〕
 そうなりますと、これを共済の制度の中で取り扱っていること自体がきわめて問題だという意識の中から申し上げておるんですけれども、この辺の考え方というのは一体どういうことになりましょうか。たとえば省の方でお出しいただいておりますのは、同じ五十一年から五十四年までに、不漁によるものが百六十四億九千万ですかになっておるわけですね。そうして、総体の四五・五%を占めておる。それから魚価安によるものが五十三億七千万で、約一四・八%、それから不漁・魚価安によるものが百四十三億八千万、これが三九・七%、こういうことになっているわけですね。
 これずっと調べてまいりますと、たとえば先ほど私が漁済側で申し上げたような数字に引き直していくというふうにいたしますと、ちょうど差額でいきまして、不漁によるものの中で十六億三千万、それから魚価安によるものの中で十億二千万、不漁・魚価安によるものの中で十七億、これらがいわゆる二百海里に影響されたと思われる数字に匹敵をすることになるわけでありまして、この辺の区分というのは、私は二百海里が一つの柱になっている限り、明確にした方がいいと思うんですが、いかがなもんでしょう。
#24
○政府委員(山内静夫君) 漁獲共済は、御案内のように、漁期全体を通じまして漁獲金額の総額が補償水準を下回った場合に共済事故としてその差額を補てんする、こういう仕組みであるわけでございます。したがって、この間には漁獲高を増加または減少させる多くの原因が非常に複合的に重なり合っていろいろ結果を生じさせている、こういうことでございまして、共済金の支払いを要因別に分類する、こういうことはなかなか困難な作業であるわけでございます。
 漁済連の区分につきましてもいろいろの観点があると思いますが、ある観点に基づきまして、先生御指摘のような数字が挙がっている、こう考えているわけでございます。
 私の方から漁済連の資料等につきまして二、三御説明を加えますと、漁済連の資料にあります二百海里規制の影響による支払いは、太平洋サケ・マス流し網漁業についての共済金の全部と、沖合いイカ釣り、日本海サケ・マス流し網、サケ・マスはえ網漁業についての共済金の二分の一を仮に計上して合計したわけでございます。
 しかし、先ほども申し上げましたように、魚価の変動と二百海里の規制、これがどういう絡み合いになるのか、こういうことが非常にむずかしい問題でございまして、あわせて資源量の減少であるとか、あるいは回遊不順等の複合的な問題も出ておりまして、一概にこれがすべての要因だとなかなか決めつけるわけにはいかない、こう考えているわけでございます。
 われわれといたしまして、国際規制等を人為的なものと仮に呼ぶといたしますと、自然的なものとどういうぐあいに分けたらよろしいか、こういうことを悩むわけでございますが、なかなか先ほど申したように漁獲金額を増加あるいは減少させる要因は非常に複合的にありまして一概には言えない、こういうことが事実でございます。したがいまして、漁獲金額に減少を及ぼす個々の原因等をはっきり区分することは非常に困難である、こう考えておるわけでございます。しかし、漁獲共済の事業運営の健全性を確保する上では適切な引き受けを行う、これは必要であるわけでございます。仮に外国の二百海里規制が実施された場合、その中の一つとして操業区域が全くなくなった、こういうような場合に損失の発生することが明らかでございます関係で、これにつきましては契約の引き受けを拒否する、こういうこともできるわけでございますし、魚価の変動が見込まれる場合には補償水準を勘案して補償水準を下げる、こういうこともできるわけでございます。
 現実の問題といたしましては、二百海里規制が人為的な影響といたしましてどういうぐあいに影響が及んでくるかという問題につきましては、さまざまなケースがございまして一概にこうだと、こういうことを決めつけるわけにもまいりませんので、実態に即応しましてケース・バイ・ケースで適正な対応をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#25
○坂倉藤吾君 そこが初めから私が納得のできない一つの問題点なんですよ。非常に危険が見通しができるから適切な引き受けということで、申し込みがあってもそれは断ることになる。断ることになるけれども、現実的には経営をしていくのにそこの部分がどっかで見られないと、これは経営困難に直ちに陥ることになりますね。これは共済のあり方の基本の問題になると思うんですよ。
 そうしますと、いま申し上げましたように、今日のこの問題点というのは、確かに自然的な現象と人為的な現象と仕分けは非常にむずかしい。むずかしいけれども、漁業者にとってみればこれは人為的であろうとそれから自然的であろうと、いずれにしてもどっかでその穴埋めが行われていかないことには再生産をしていく基礎自体が揺らいでしまうということになりますね。そうしますと、共済でできない部分は一体どこでその分を見ていくのかということが同町になければ、いまの話は、私は落ちつかないと思うんですよ。だから共済の制度を守っていくのにはこの制度自体が余りに支出が多くなってしまって空中分解するようでは困る、これはあたりまえの話です。したがって、ある程度この共済の枠組みというものをそこで決めていく、これも当然な話です。ところが、枠組みから外れた部分で現実にそこで収益が上がらぬという話になれば、それを一体どこで見ていくのか、これが対置をされませんとね、両方でプラスになりませんと安定しないということになるんでしょう。そこのところは一体どういうことになるんでしょうかね。そこが私は総合的な政策の問題としてどっかで欠けておるんじゃないのかという指摘になるんですよ。これは大臣、基本的にひとつ検討をいただけませんかね。
 それで、いまの二百海里の問題にいたしましても、たとえば現実にそのときの条件からいきまして、たとえば太平洋小型サケ・マス流し網の場合、支払いが三十五億。この三十五億、その原因が一体どうなのかという立場からいきますと、これは明らかにその当時の事情からいって避けられない事情という話になりますと、これを一体共済で支払いをするという話になれば、共済はそれだけ赤字になって不安定になることは明らかなんです。どっかからつぎ込まなければなりませんね。そこの問題の連動をやっぱりきちっきちっと解決をつけていくということが、これがやっぱり水産庁の役割りであり、農林水産省としての最大の任務じゃないだろうか、これは一体大臣どんなもんでしょうかね。
#26
○国務大臣(田澤吉郎君) いま答弁さしたように、二百海里規制を含めてこの問題についてはやはり非常に複合的な様相がございますから、したがいましていまの段階では、やはりケース・バイ・ケースでこれを処理していかなければならないと思うのでございますが、問題は私は残ると思うんです。いま坂倉委員御指摘のような問題が残りますんで、この点についてはやはり今後私は十分検討してまいらなければならない問題だと、かように考えます。
#27
○坂倉藤吾君 これは日ソ関係だけではありませんでして、かつてこれはこの委員会の中でも私問題提起をして善処方をお願いしました。たとえば、二百海里が――カツオ、マグロですがね、行っている間に二百海里の情報が遅くて、公布したそのことがその船団に伝わっていなくて、そして向こうで裁判にかけられるというような事態が起こりまして、そして、それの政府の情報伝達の責任その他も含めて、これはひとつ処理をしてもらいたいという話をしまして、一応これは解決にいきましたが、あれも低利融資ということで、結果的には決着つきまして、実際にはこれは漁業者にとっては大変不満足な解決になったんですよ。しかし誠意は持って解決に当たってくれましたから、私は余り文句は言わなかったんですがね。そういうような状況等が漁業をやっておる形の中では絶えず発生をする問題ですね。ぜひひとついま大臣言われましたように、総体的にどこでどう見ていくのか。そして、あすからの経営が負担にならないでやっていけるようになるのか、それはまあどの業種にしましても親方日の丸でやって大丈夫なんだというのは、これは困りますけれども、私はそれなりの努力をし、その経営者自体が、経営体自体が努力をしておるにもかかわらず、人為的に問題が提起をされた等については共済で見るものと、共済以外で対策を講じるものと、この二つがなければこれはやっぱり不安ですよと、しかもいじめられますよと、ここのところはやはり押さえて、きっちりこれからの一つの新しい政策提起をぜひひとつ田澤大臣在任中にお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それから次に入りますが、ノリ共済ですね、これがなぜ本格実施に至らなかったのか、ここのところは試験実施の段階でデータが不足をしているのか、あるいは基本的にノリ共済について制度上の特段の問題点がいま提起をされておるのか、ここのところの判断と、実施に移せない、あるいはまた、移せる時期というのは一体どういうふうに考えているのか、この辺をひとつ説明いただきたい。
#28
○政府委員(山内静夫君) ノリの特定養殖共済につきましては、新しい養殖技術でございます浮き流し式を中心にしまして加入の促進を図ったわけでございます。しかし、現在ノリの養殖経営は構造的な変化が依然として進行中である、こういうことが言われているわけでございます。
 具体的に言いますと、経営規模が徐々に拡大しているという問題、それから、経営に当たりましてオートマのシステムを徐々に入れまして、なるべく省力化を図っていくという関係で経費率が徐々に変わっている、こういうことでございます。したがいまして、現時点におきまして特定養殖共済がノリ養殖業の実態に十分対応できているかどうか、こういうことにつきまして判断を下すことが非常に困難な状態である、こう考えているわけでございます。
 反面、養殖共済、従来からある養殖共済に対する需要もなかなか根強いわけでございまして、特定養殖共済だけですべて割り切ってしまうと、こういうわけにもまいらないような実情にあるわけでございます。したがいまして、当分の間試験実施を続けるわけでございますが、いつ本格実施するのかと、こういう御設問でございますが、これは先般の参考人の意見陳述の際にも漁済連の副会長が申し上げましたとおり、漁済団体内部におきましてもいまだ意見の統一が完全にできておるわけではございません。したがいまして、わが方といたしましても漁済団体とか、あるいは漁業者等の意向を酌みまして、できるだけ意見の調整を早めて結論を出していきたい、こう思っております。
#29
○坂倉藤吾君 意見の整理をしていくためには、やはり水産庁としまして、これでいこうじゃないかというきちっとした方針を提起をしていただいて、それを柱にする論議をしていきませんと、私はなかなかまとまらないと思いますよ。だから、今日現実にある関係団体での意見調整に任しっ切りじゃ私はやっぱり問題だと思うんです。だから、ぜひひとつ早急に水産庁としての固める案はこれなんだということを提示をいただいて、それでもって集中的に問題を整理をしていただくように特に要請をして、早く本格的にこの制度に乗せられるようにやってもらいたいということを要望しておきます。
 それから、制度上は問題はないんですが、この養鰻、養マスなど今日まで全国的にずっと業界ふえてきておるわけですが、内水面の漁業共済というのは一体どういうふうにお考えになっておりますか、この辺をひとつ伺いたいと思います。
#30
○政府委員(山内静夫君) 漁業災害補償制度は、中小漁業者の営む漁業を対象といたしまして、その経営安定等に資しているわけでございますから、内水面において行われる漁業につきましても当然その対象になるし、養殖業についても対象となるわけでございます。しかし、漁業共済事業の対象種目とするためには、保険の理論が働くために対象母数の全国的な広がりと危険分散の可否と、こういうことを検討しなければなりませんし、あるいは料率設定の問題であるとか、あるいは損害認定の方法であるとか、あるいは事業の執行体制の確立等、いろいろな条件を満たさなければなかなか全国的な規模としてこれを取り上げるわけにはまいらないと、こういう状況になっているわけでございます。しかし、地域のいろいろ需要、要望等あるいは陳情等いろいろございまして、今回の改正によりまして地域的な共済需要に対応するため、漁業共済組合が自主的に行う地域共済事業が創設されまして、地域的な内水面共済を実施する道が開かれたと、こう考えているわけでございます。で、具体的にどのような事業を行うかという問題につきましては、まあ各県組合等の申請を待ちまして、危険分散の可否、あるいはその他の事項を審査した上で判断してその事業がうまくいくような方向で検討してまいりたいと、こう考えているわけでございます。
#31
○坂倉藤吾君 地域共済の形を取り込んでいきますと、たとえば相当集中的にその地域で行われておる養鰻あるいは養マス、こういうことになるんですよね。そうなりますとこれは偏ってきまして、そうじゃなくて、やはりそれぞれの地域の中で経営として生きていくために、むしろ分散をされているところが全国にあるわけですから、そこが入ってきませんと、これがだめなんですよね。だから、地域共済型ではむしろこれはあきらめざるを得ないという話になっているわけです。そこに少しメスを入れて私は考えをただしておいてもらいたい、こういうふうに考えます。むしろこれは地域ではだめなんで、全国だからできる話になります、業種別にいきますと。そこのところ間違いないようにひとつ検討課題に加えておいてください。
 それから次に、契約締結要件のうち、これは条文の中に入ってきますが、漁業の経営日数の下限を九十日から百二十日までの間というふうに幅を持たせることに今度改正されますね。この理由というのは、このねらいはわかるんですが、よくのみ込めないんですよ。というのは一般的に加入をしやすくしていこうという話でいきますと、もちろん資格要件ですから、この資格の条件というのは拡大をする場合は上限をなるべくゼロよりも遠ざける、これが一つの上限を拡大をしていって資格をふやす考え方ですね、それから下限の方はなるべくゼロに近いところまで引き下げてくる、その両々相まって加入資格というのは拡大をされるということになると思うんです。ところが今回のこの改正でいきますと、それに逆行しまして、九十日から百二十日までの間そこにそれぞれの地域で設定をしたので足切りが行われることになるわけです。そうしますと、これはむしろ加入資格の条件を縮めることになるんじゃないだろうか、こう理解をせざるを得ぬのです。そこのところがどうも本来のたてまえである加入条件、加入しやすいような条件というものをつくっていこう、これは義務加入の問題が絡んでいるからこういうふうにしたんだろうというふうに、ねらいはわかるんですがね、むしろそのやり方というのは私は今日問題があるんじゃないのか。そしてこの理由の中に水協法の漁協の正組合員資格がやっぱりそういうふうになっているからと、こういうお話なんですね。とすればむしろわかりやすく、九十日――百二十日の幅と言わないでこの水協法に基づくところの漁協の正組合員資格を有する者というふうに決めてしまえばこれは私はむしろ問題がないんじゃないのかというふうにも思うんですが、その辺はいかがなものであろうか。
 それから、漁業の依存度が低い者が入ってきますと、漁業と言いながらこれは遊漁専門の者だとかなんとかそんなのが入ってきてなかなかこの共済とはなじまない者が相談の対象になるんで、したがって議決がしにくいんだという、こういうことだろうと思うんですが、私はこの依存度が低いからどうかというんではなくて漁業で飯食っているかどうかということの認定の問題が基本ですから、そうなってまいりますとこの九十日――百二十日の幅で、それぞれの地域でそれを設定するというのは今日の社会状況から言ってむしろ民主主義の法則に反するんじゃないのかというふうに考える、いわゆる基本的な誤りを犯すことになりはしないのかという心配をするんですが、いかがなものでしょう。
#32
○政府委員(山内静夫君) 先生御指摘のように、第二号漁業の共済契約締結要件には漁業を営む日数の下限要件が設けられております。で、第二号漁業の連合加入は、――第二号漁業は連合加入制をとっている関係で、漁業依存度が低くて共済加入の必要性のない漁業者が入ってまいりますと漁業者の意思の取りまとめがむずかしい、これはひいては加入の促進が阻害されると、こういうことから現行法では全国一律に九十日を超える者と、こう定められているわけでございます。しかしながら、最近の漁業の動向を見ますと、先生御指摘のように、遊漁人口がふえまして遊漁船が増加すると、これはたとえばの話でございますが、そうしますと、漁業を営む日数が九十日を超える者であっても漁業に対する依存度よりも遊漁に対する依存度が非常に強いと、こういうことからこれらの階層は漁業共済に対する需要が少ないと、こういう事実が発生してきているわけでございます。
 こういう実態を解消するために、九十日以上であっても本当に漁業を生業として営むと、こういう者を対象にする意味から九十日から百二十日までの間、資格要件を上げましてできるだけ漁業を主として働く者が意思の統一を図ってなおかつ連合加入制をとりやすいようにする、これが本制度の改正の要点でございます。この改正は地域の実情に応じまして九十日を超えた日数要件を定めることができるようになっておる関係で、その関係で加入の促進を図ろうと、こういうものでございます。先ほど先生から御指摘のございましたように、共済事業の基盤となっております漁協の正組合員の資格との整合性を確保すると、こういう意味もあるわけでございますし、漁業者の意思の取りまとめを容易にする意味から九十日から百二十日と、こういう範囲で定めることにしたわけでございます。
 もう一つの問題として、しからば水協法の正組合員資格と同じにしたらどうであろうかと、こういう御意見でございますが、これにつきましては確かに漁災制度と漁業協同組合の制度と資格要件につきましては整合性を持たしたわけでございましたが、必ずしもこれを一致させることがなかなかむずかしい、こういうことがあるわけでございます。その一つの要因としましては水協法の正組合員資格は特定第二号漁業者の日数要件を定める際の重要なファクターではあるけれども、両者はそれぞれ目的を異にしていると、これが第一点でございます。それから加入区は原則として漁協の区域ごとに定めることとなっておりますが、共済の場合当該区域が著しく狭かったりあるいは特定第二号漁業者の数が著しく少ない場合には他の区域、たとえば漁協をダブって加入区を定めることができると、こういうような関係で、加入区に二以上の漁協の区域が含まれる場合にはなかなか組合員資格等九十日、百二十日と、こう両組合で分かれた場合に一概に決めることができない、こういうことと、もう一つといたしまして、同一人が二以上の漁協に加入している場合にはなかなか一概に割り切ることができない、こういうことから九十日から百二十日と、こういう間で弾力性を持たせたわけでございます。さらに特定第二母漁業者の要件となる日数につきましては「漁業を営む日数」、こう書いてあるわけでございますが、水協法上では「漁業を営み又はこれに従事する日数」と、従事者も組合員資格として認めている関係で両者が必ずしも一致した概念ではないと、こういうことから九十日から百二十日と、こういう規定にしたわけでございます。
#33
○坂倉藤吾君 そのことで余り論議をしようとは思いませんけれども、しかし問題はたとえば今日の漁業所得を眺めていきますと、これは漁業所得だけで生活が維持できる分野というのは非常に狭まってきていることは事実なんですよ。したがって、漁業所得ということでそれできちっと一家安定をしていくことができれば私はもっと分野というのは明確になってくると思うんですね。そこがないから遊漁云々というような話にもつれてきておるわけでありましてね、したがって、それでもって私はこのところを区分けをすることはいかがなものかなと、率直に言ってあるんですよ。だからこれはとりわけて問題の提起にとどめておきますけれども、私は今日のやっぱり状況から眺めてみまして、枠組みをそれぞれの地域によって判断ができる、いまお話にもありましたように、Aというところは百日にした、Bというところは百二十日にした、Cというところは九十日にしたというふうにむしろ隣り合わせのところあたりでもって区分けが違ってまいりますと、そのことにおけるむしろ混乱の方が出るんじゃないのかという気がするわけでありまして、ぜひその辺の整理ができるようにきちっと指導しておいてもらいたいというふうに思います。
 それから次に、義務加入の範囲の拡大といわゆる国庫における掛金補助率の関係を少しお聞きをしておきたいと思うんですが、いわゆる三号漁業で十トン未満と十トンから二十トンまで、これは義務加入のところでは一〇%、それから連合加入では五%、今日でも差異があるわけですね。この差というのはどういう根拠でこの一〇%あるいは五%出てきたんだろうか、ここのところはよくちょっと理解ができないわけであります。
 それから、今回また二十トンから百トンまでが義務加入の対象範囲の中に組み入れられることになっているわけでありまして、したがってこれを現行の制度で眺めていきますと、全数加入の場合には二十トンから五十トンが四〇%、五十トンから百トンが三〇%。ここにも一〇%今日の制度の中で差がありますし、それから、今回の制度改正から言えば二十トンから百トンまで、これ通しでいくのかどうなのか、この辺のところもあります。しかし、基本的には私はこれは六〇%の掛金保証というのが最低のところで保証されているわけでありますから、むしろこれは統一をして全部六〇%にしてはどうなのかというふうに思うんですが、その辺についての考え方をひとつ明らかにしてもらいたい。
 それから、大型定置と小型定置、これも大型の場合は四〇%、小型の場合は六〇%と、こういうふうになっているわけでありまして、これは中小を育成するという立場で小の方は補助率を高くしたという考え方というのはわからぬではないですが、今日大型定置と小型定置にそれほどの差があるんだろうか、現実的な対応としまして。私どもの地方の大型と小型とを比較をしてみましても、私はその辺の補助率を変える必要はむしろないんじゃないだろうかというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
#34
○政府委員(山内静夫君) 国の共済掛金に対する補助というものは、小規模な漁業者の負担を軽減し、あわせて加入の奨励を図る見地から行われているわけでございます。したがいまして、採貝採藻、二号漁業等小規模漁業ほど補助率を高くいたしまして、三号漁業等トン数階層の大きいものや大型定置では補助率を低くしている、こういう現実であるわけでございます。義務加入の場合では、共済加入の義務づけによる漁業者の共済掛金の負担をやわらげて加入の促進を図ると、こういう見地から義務加入者に対しましては他の補助対象者よりも国庫補助を手厚くしておる、これも現実であるわけでございます。この場合におきましても、一般の補助の場合と同様に、小規模な方ほど補助率を高くしている、こうなっているわけでございます。大型定置、小型定置につきましても同様の考え方でございますし、先生の地区の大型、小型定置等につきましてさほどの差はないと、こういうことも事実かもしれませんが、一応制度的には大型定置と小型定置等につきましてはいろいろ制度の仕分けがしてございますし、現実的にはかなりの差のあるところも結構あると、こういう意味から、小型に手厚く、大型には比較的薄くと、こういう考え方を、先ほど申し上げたとおりの考え方でとっているわけでございます。
#35
○坂倉藤吾君 そういうことになりますと、私はもう少しきめ細かくやったらどうなんだろうかと。これは仕事の面では大変複雑になりますけれども、私はもう少し段階を設けるなら設けるという形にすべきじゃないんでしょうか。
 それで、いま質問しましたように、たとえば今度二十トンから百トンのところは一体どうなるんですか。従来どおり五十トンで区分けをしていく考え方での義務加入と、こういうことになるんでしょうか。
#36
○政府委員(山内静夫君) トン数階層の分け方は従来と同じような考え方でやっていきたいと、こう思っております。
#37
○坂倉藤吾君 次に、継続契約方式の導入なんですが、これは改正の一つの特徴点であるというふうに認識をしています。ただ期間を四年にした根拠というのは一体何だろうか。
 それからもう一つは、継続契約から単年に途中で切りかえると、こういう場合、あるいは解約する場合、こうした場合は一体どうなるのか、そこのところの説明を。
#38
○政府委員(山内静夫君) 継続申込特約の特約期間は一応四年と、こういうかっこうに定めたいと思っているわけでございますが、この四年の根拠は、現在、義務加入におきます義務存続期間が四年であると、こういうことからそれに平氏を合わせまして四年間とする方がベターであると、こういう考え方から四年にしたわけでございます。したがいまして、四年ごとに一回義務加入手続と契約手続を一括して行えばよいと、こういうことで手続の便宜性と義務加入の円滑な実施が図られると、こう考えているわけでございます。
#39
○坂倉藤吾君 次に、養殖ハマチに対する魚病被害給付、これの足切り措置が行われますね。今日の魚病発生の実態、それから共済の持つ共済目的、こういうふうに考えていきますと、実態と目的との関係で足切りをするというのはどうにも時代逆行の感がするんですが、これはなぜそういうことになるんでしょうか。
#40
○政府委員(山内静夫君) 今回、養殖共済におきまして足切りの措置を導入したいと、こういうねらいといたしましては、ハマチ養殖業等につきまして魚病の発生常習地帯がございまして、この共済収支の悪化が他の一般的な養殖漁家について悪影響を及ぼすと、はっきり申しますと、共済金の支払い関係がある特定地区に集中すると、こういうことは全国の漁業共済事業から見て望ましくないという観点から足切り措置を入れまして、そして掛金率を安くして皆さん方に大いに入ってもらうと、こういう考え方からとった措置でございます。
#41
○坂倉藤吾君 結局、今日の養殖の中で確かに魚病が特定地域に多発をする、したがってそこに集中的に給付をしなければならぬ、これは実態としてよく理解します。じゃ、なぜ魚病がそこに特定地域に発生をするのかということになりますと、これは非常にむずかしい話なんですが、いわゆる人為的要素を今日挙げなければならぬ。その人為的要素の中で、たとえば養殖業者そのものが管理あるいは技術の面から見てその魚病発生に大きな要因を持つもの、あるいはその管理、技術の面では大変努力をし適正なことをやっておるんだけれども外因的にそれを食いとめることができない、こういう要素と、大別をすると二つあると思うんですね。いわゆる漁場の汚れ、ここからやっぱり問題点が来るわけです。そうなりますと、私は、この足切りとそうした事情等を考えてみたときに、少し突っ込みが足らぬ、こういうふうに思うんですが、この辺はいかがなものでしょうかね。
#42
○政府委員(山内静夫君) 魚病被害の多発に対しまして魚病対策を充実いたしまして被害の軽減を図ることが第一であると、こういうことは先生御指摘のとおりでございます。水産庁といたしましても、漁場の汚染をできるだけ防止するよう関係省庁とも協力しながら一層の努力を払うとともに、漁業者に対しましても適正な養殖管理の指導を行うことにより魚病の発生を未然に防止する、こういうことを現在やっているわけでございます。これにつきまして通達等によりまして密殖をしないようにと、一つの点でございますが。それから水域についても、こういう水域がよろしいですよと、こういうような指導をしているわけでございます。そのほか、魚病等発生した場合等に備えまして、魚病対策総合検討会の検討を踏まえまして魚病の技術者教育あるいは防疫技術開発等の施策を総合的に現在進めているところでございます。
#43
○坂倉藤吾君 これは大臣のお話にもありましたように、これからの漁業で、いわゆるつくり育てるという立場等を中心にして考えていきますと大変問題が多過ぎるわけですね。今日私どもの方でハマチ養殖の実態等眺めていきますと、かつてはおおむね養殖匹数の中で市場に出す率というのが、いっときは九〇%、低いときでも七〇%ぐらい保持をしておったわけですね。ところが、最近ではおおむね五〇を切ってまいりまして、四六、七%ぐらいいわゆる市場に出せる、こういう状況にまで低下をしておるんですね。そうなりますとそれは結果的に何かと言えば、この養殖場周辺の水質環境がやはり悪くなっておる。これはえさのやり過ぎもあるでしょうし技術的な問題もあるでしょう。ところが過密になっておるところを分散をしようとすれば当然これは外海その他の方にまで持っていくことになる、外海に持っていけば持っていったで今度はあらしその他で大変危険率がふえてくる。外洋等を航行中のたとえば船に綱を切られちゃったというような問題まで発生をしていると思うんですね。幾つかの危険要素が内海でやっているよりもふくれてくることになります。そして内海の汚れの状況ということになりますと、これは水質を一般的に汚染をしている幾つかの要素が全部絡んでくる、これは単に養殖によって汚れたものではない、こういう状況ですね。それを足切りでもって補償するところを少し減らしますよという措置が果たして筋が通るんだろうかというふうにいきますと、ちょっとそれは問題があるんではないか。あるいはカキの養殖等を眺めておりましても、カキ養殖地域の下のいわゆるヘドロ等が蓄積をされましてそのしゅんせつがなかなか思うようにいかないものだから、事業計画その他からいって組み入れられないものだから大変困っておるというような状況もある。しかし、それでもなおかつ生活をしていかなきゃなりませんから、そのことによって維持をしていく、水揚げ率は少なくなってきてもがまんをしてやっていくというようなことがずっと続いてきているわけですね。そういうやっぱり状況を根本的に解決をしていくような課題、そのことと共済制度というものが密接にかかわっていかないとこれは本当の対策になってこないということになるんですよ。これは漁業者の責任だということでそこに押しつけてしまうというのは私はやっぱり問題があると言わざるを得ぬのですが、どうでしょうか。
#44
○政府委員(山内静夫君) 確かに足切り問題いろいろ議論のあるところでございます。足切りによりましてまじめな漁業者があるいは損失をこうむる場面も当然想定されるわけでございます。しかし、現状を考えまして先ほど申しましたような関係でやむを得ずやらざるを得ないという、こういう状況でございます。もちろん養殖管理等十分進みまして非常に健全な養殖経営ができるという段階になれば当然こういう問題は再検討される問題であろうと、こう考えておりますが、現状におきましてはあくまでも地域的に非常に魚病多発がありまして、そこに共済金支払いが偏るという現実からやむを得ざる措置として今回はこの制度の改正をお願いしているわけでございます。
#45
○坂倉藤吾君 ぜひひとつその問題をきちっと指導をするに当たっては、管理に対するところの適正基準、たとえばもう具体的にハマチならハマチの場合は何匹、タイの場合だったら何匹というところぐらいまで私自信を持って水産庁としては指導体制をしくべきだと思うんですね。そしてもちろん一つの養殖のなには決まっていますけれども、一つの湾の大きさその他に合わせまして、ここでは大体どうなんだというところまで具体的に一つずつ私は詰めていく努力というものをこれは業界に任せるのではなくて、水産庁が率先してそこのところまでやっていくべきだろうというふうに思います。通達を出したからそれでよろしいという話では、私は実はちょっと納得しかねる。もう少し具体的に実践的に水産庁としての権威と指導、こういうものを今日求めている、これが状況でございまして、それぞれやっぱり生きていく一つの立場も含めまして、大変今日真剣にそのことが論議をされておるわけでございますから、それにこたえていただくように特に注文をつけておきたい、こういうふうに私は思います。
 それからもう一つだけ聞いておきたいと思うのですが、まあ大型の関係もあるんですが、これは割愛をしまして、漁業共済基金が今度廃止をされてその機能が全く中央漁業信用基金に受け継がれていくのでありますが、これは先般の参考人に対しても私、少し心配なものですからお聞きをしたわけでありますが、この信用基金の財政状況自体も決して今日芳しい方向というふうには言えない。そこへ向けて吸収をするわけでありまして、しかも吸収をした中では多額の借金を抱えておるわけでありますね。これは十年計画で実は解消していこうという立場も含めて引き継ぎになるわけでありますから、ここのところがもしできなかったら一体政府としてはどういう措置をお考えになるのか、あるいはここに吸収をしていって具体的な融資関係その他あるいは補償の問題等も含めて漁業関係を取り巻く金融体制に異常を来さないのか、支障を来さないのか、ここのところの保証を私は明確にお答えをいただいておきたい、こういうふうに思います。
#46
○政府委員(山内静夫君) 漁業共済基金の廃止問題につきましては、先生御指摘のように行政改革の一環としての特殊法人の整理合理化と、こういう観点から行われるものでございます。漁業共済団体の共済基金の支払い資金の調達の円滑化を図る、こういうものが漁業共済基金の機能でございまして、共済事業の健全な運営を確保する上には欠かせない、こう考えているわけでございます。したがいましてその業務を中央漁業信用基金へ承継させる、こういう法律構成にしたわけでございます。それで承継に当たりまして無利息の貸し付けを行うわけでございますが、これが経営収支を圧迫しないように増資とかあるいは利子補給の措置を講ずるとともに、中央基金におきます勘定区分をいたすことによりまして、一方の業務状況の収支が他の業務の運営に支障を及ぼさないようにと、こういう措置も講じているわけでございます。今後とも漁業共済団体への円滑な融資に支障がないとわれわれ考えておりますが、今後ともそういうような方向で指導してまいりまして、円滑な融資に支障のないようにしてまいりたい、こう考えております。
#47
○坂倉藤吾君 それで、この赤字の部分は十年での計画どおりいくのかいかないのか、いく立場で十年計画を立てたのでしょうから、いくという話になるのでしょう。ところが現実にいかなかった場合に、これは省としてはどうするんだというところの腹構えを私は聞いておきたい。出なければこれは率いでして、出るかもわからぬ、出るかもわからぬのだったら、今日、出た場合にどうするかというやつをあらかじめ縛っておいてもらいたい。これは不安でかなわぬわけです。
#48
○政府委員(山内静夫君) いままでの赤字問題等につきましては本法律の改正等によりまして解消すると、そういうような前提でいろいろ進めている関係で、赤字が出た場合についてどうするかということにつきましてちょっとお答えにくいわけでございます。わが方といたしまして、あくまでも今回提案されました法案あるいはその制度等の改正によりまして、赤字解消につきまして全力をふるっていく、こういうお答えをして御勘弁いただきたいと思います。
#49
○坂倉藤吾君 最後にしますけれどもね、これは担保ですからね、担保の約束はやっぱり大臣ひとつ政治的手腕でもって、漁業者にあるいはこの基金に御迷惑をかけませんよと、一言言っていただければ私、安心です。
#50
○国務大臣(田澤吉郎君) いま次長から答弁さしたような内容でございますが、非常に特殊法人の整理統合、合理化によってこういう方式がとられましたものの、心配の面はそういう点だと思うんです。実際、中央漁業信用基金というものの重要性というのは、やはり漁業団体等がこれで支えられているわけでございますし、そういう面から言うと、さらに非常にむずかしい新しい秩序に対しての共済制度をこれと一緒にするものでございますから、いま次長から説明さしたように、いわゆるこの事務は分離して、決して互いに影響のないようにしたいというのが私たちの考えでございます。
 ですから今後そういう点は、私もこの特殊法人を一本にした責任ある者として、今後そういう心配のないようにできるだけ努力してまいりますので、どうぞひとつ。
#51
○川村清一君 防衛庁の問題をやります。
   〔委員長退席、理事宮田輝君着席〕
 最初、法案の審議に入る前に、全然関係のないことでございませんけれども、大事な問題が出ておりますので防衛庁にお尋ねをしたいと思うわけです。
 東京の新聞には余り出ませんので東京では大きな騒ぎもないようでございますが、実は私は北海道の人間でございまして、この四月の三日の北海道の新聞に非常に大きな記事で、見出しが、「三自衛隊が初の上陸訓練 襟裳岬中心に来月下旬」「「本道有事」を想定 一万人が実戦形式で」、「和平の流れ〃奇襲〃 三自衛隊の本道上陸演習」「「道民の感情を逆なで」 野党や労組一斉に猛反発」「サケ、マス漁どうなる」というような見出しで大々的に報道されております。北海道道民には非常な大きなショックを与えたわけであります。私も当時札幌におりましてこの記事を読んで愕然としたわけであります。この新聞社は地元の襟裳町長や漁業協同組合長にインタビューをして意見を求めております。町長も漁業協同組合長もまことに寝耳に水だと、びっくりしたと、何の連絡もない、初めて知ったと、これは漁業に重大な影響を与えるということをコメントしているわけであります。
 そこで防衛庁にお尋ねしたいことは、この記事のとおり、こういう計画がなされておるのかどうか、そしてこの演習というか訓練というのか、この目的は何なのか。しかも陸海空三自衛隊の合同訓練である、いまだかつてない大規模の訓練である、こういうようなことになっているんです。しかも襟裳岬付近と言えば、実は私はその付近に家がありまして、地震で有名になった浦河町というのは私の地元、私の自宅のあるところであります。ごく間近でありますから一層私自身にも大きなショックが与えられたわけでございます。この点、どういう事態を想定してこういう訓練をなされるような計画を立てられたのかどうか。これをまず防衛庁から御説明を願いたいと思います。
#52
○説明員(今西正次郎君) お答え申し上げます。
 まず、昭和五十七年度の自衛隊統合演習につきましては、具体的訓練内容等につきまして、ただいま部内で検討いたしておる段階でございます。ただいま御指摘の地元等におきます報道の内容につきましては、私ども承知いたしておりますが、内容を見てみますと、申し上げましたとおり私ども自身検討中のことでございまして、いろいろ推測、憶測が含まれておるという気がいたします。ということでございますが、せっかくのお尋ねでございますので、水産関係あるいは地元の観点から御関心があろうかと思われることを念頭に置きまして申し上げますと、検討中ではございますが、北海道の方に陸上部隊を輸送することを含む演習ということで検討いたしております。
 また、実施時期につきましては、五月中にも実施をいたしたいというふうに考えております。(「検討中と言ったって具体的になっているじゃないか、ちゃんと言え。」と呼ぶ者あり)
 はい。それから次は、第二点は演習の目的というお尋ねであったかと思いますが、統合演習は、これは外部からの武力攻撃に対する対処行動につきまして陸海空三自衛隊の共同連携要領を統合的に演練するということ、それから三自衛隊の統合運用に関する資料を得ると、そういったことを目的としております。
 それから第三点目は、たしか演習の規模であったかと思いますが、これは統合演習の内容につきましては、申し上げましたとおりいまだ検討中でございますので、全体がどういう規模になるかということは申し上げることはできませんですが、再び地元それから水産関係の観点から御関心があろうかと思われることを念頭に置きまして申し上げますと、先ほど申し上げました陸上部隊の輸送、これは海とか空から行うわけでございますが、その辺を全部ひっくるめまして総数で申し上げますと、まだ検討中ではございますが、大体八百名程度になろうかと、そういうふうに考えております。
 それから次に、訓練実施場所についてのお尋ねがあったかと思いますが、これにつきましてもたびたび申し上げますが、まず具体的内容については、検討中ではございます。検討中でございますことと、それから私どもが希望いたしております訓練実施場所につきまして地元の関係者の方々の御理解と御協力を得る必要がございますので、御説明、御連絡をさせていただいておる段階でございますので、具体的に訓練実施場所についてここだということを申し上げる段階ではございませんので、ひとつ御了解いただきたいと思います。
 それから訓練の想定というお話があったかと思いますが、北海道の方面を念頭に置きまして、統合演習をやりたいということで検討いたしておりますが、これは特別に想定と申しますか、北海道に脅威があるとかないとかそういった情勢見積もりを行ってやっておることではございませんで、御承知のとおり、昨年度は北九州地区で昭和五十六年度の統合演習を実施したところでございますが、自衛隊全体の練度向上という観点からいたしますと、一つの地区に限らずにさまざまな地域で演習を実施する必要があるという観点からいたしまして、今年度、五十七年度につきましては、北海道を念頭に置きまして検討を進めておるということでございます。
#53
○川村清一君 あなたは課長さんですね。
#54
○説明員(今西正次郎君) 課長でございます。
#55
○川村清一君 責任ある答弁をなさっているわけですね。
#56
○説明員(今西正次郎君) さようでございます。
#57
○川村清一君 防衛庁の長官でもございませんし、局長でもありませんので、政治的な観点から質問することは私も遠慮いたしまして、これは農林水産委員会ですからまた別な場所でしかるべき責任ある方に質問いたしますが、あなたはすべて検討中検討中とおっしゃっている。検討中のものがどうしてこのように具体的に報道されるのか、まことに私は了解できない。ちょっと読んでみますよ。「 今回は〃北海道有事〃の事態に東北方面から陸上部隊を増援するとの想定のもとに、輸送途中で目的地の港が敵の攻撃を受けて使用不能となり、やむなく襟裳岬周辺の海岸に直接上陸を敢行するというもの。すでに〃上陸候補地〃に対しては統合幕僚会議の作戦幕僚を派遣、防衛施設庁の協力を得て漁民など地元関係者の了解を取る折衝に入っている。
 上陸部隊は完全武装の陸上自衛隊員約四百人、戦車を含む車両約七十両。青森県の大湊または八戸港から海上自衛隊のLST(一、五〇〇−二、〇〇〇トンクラス)三−四隻に乗り込んで出発、これをミサイル搭載護衛艦(DDG)など数隻が護衛する。この輸送部隊が青森東方の海上に達したとき、航空自衛隊の戦闘機や海上自衛隊の潜水艦、水上艦が輸送部隊を攻撃する。護衛艦グループがこれに応戦する、一方、〃味方側〃の戦闘機も緊急出動して、空中、水上、水中で激しい攻防戦が展開される。」と、ここまで書いてあるんです。
 こういうことを検討しているんですか。
#58
○説明員(今西正次郎君) 先ほど申し上げましたとおり、その記事の内容については承知しておりますが、記事の内容は推測でございます。私どもまだ検討中、具体的訓練内容につきましては検討中の段階でございますので、記平の内容につきまして具体的コメントをすることはこれは差し控えたいと考えます。
#59
○川村清一君 この記事は全く推測であり誤報でありますか。これらの内容を含めて検討しているか検討していないかもコメントできませんか。
#60
○説明員(今西正次郎君) たびたび繰り返しになりますですが、訓練の具体的内容につきましては検討中でございますので、これを発表できる準備が整いました段階で発表さしていただきたいと考えております。
#61
○川村清一君 五月下旬となっておりますが、その内容は決定した時点において発表しますと言うが、それは一体いつごろになりますか。
#62
○説明員(今西正次郎君) 実施時期につきましては、先ほど申しましたように五月中にも実施したいという考えでいろいろ検討、準備を進めておるということでございます。
 発表の時期につきましては、これはまだいつ発表できるということは申し上げられる段階にはございませんので御了承いただきたいと思います。
#63
○川村清一君 農林水産大臣にお尋ねしますが、これと別の問題ですが、御案内のように、昨年日米の海上自衛隊が日本海において合同訓練をいたしました。その際日本海で、日本海のマスはえ縄、流し網のこれは盛漁期でございまして、そのためにはえ縄切断等の事件が起きまして約六千数百万円の被害があった。この問題を取り上げて、私は国会でいろいろ議論いたしました。この問題につきましては、防衛庁はもうその訓練が始まる直前まで農林水産大臣に何らの連絡もなく、もう二万的に進めてやったわけであります。
 そこで、この問題を取り上げていろいろ追及いたしました結果、今後訓練をする場合においては、その場所あるいはその地域におけるところの水産に対する問題、被害、こういったようなものを、いろいろあるので、農林水産大臣に事前に連絡をとって、農林水産大臣の意見を尊重し、その上に立って訓練を実施するということを確約されたわけでございますが、これは日米の合同訓練でなくて日本の自衛隊だけの単独訓練でありますが、こういうふうな問題については、農林水産大臣は何ら関知しないのか、知らなくても結構なのか。そして、いまの問題については全然防衛庁からまだ御相談も何も受けていないのかどうか。この点について農林水産大臣の御答弁をいただきます。
#64
○国務大臣(田澤吉郎君) 一九八一年の五月、日米合同演習の際に、マスはえ縄に大きな被害を与えたというのは御指摘のとおりでございますので、その後、当時の農林大臣としては、まことに遺憾なので、今後こういう演習をしては農林水産省としては非常に遺憾であるから、今後とも注意してほしいと。また、この種の演習を行う場合には事前に農林水産省に連絡をしてほしい、また協議をしてほしいという旨を申し上げてあった、申し上げたのでございます。
 今回のこの五十七年度の統合演習の概要については、防衛庁から連絡がございました。したがいまして、わが方といたしましては、いま御指摘のようにこの地域、予想される地域は御指摘のように沿岸漁業の憎まれている地域でございますので、大変水産業にとって重要な地域でございますので、わが方としましては防衛庁に対して、漁業操業に支障のないように防衛庁長官に申し入れをいたしてございます。
 それは、一つは、漁業操業にいま支障のないように万全な措置を講ずるようにと。もう一つは、どうも陸上――上陸訓練等も行うような情報もあるように聞いておりますので、上陸訓練計画策定に当たっては、やはり北海道――北海道指導漁協連、それから関係市町村と、あるいはまた関係漁協と十分な協議をして、そうして理解を得るような形で進めてほしいという申し入れをいたしているわけでございます。
#65
○川村清一君 大臣は現鈴木内閣の閣僚でございますから、自民党の政策を当然支持する方でありますので、この演習そのものに反対という態度をとれないのかもしれませんが、しかし、これはいままさに核の廃絶、それから軍縮というような方向に世界が動いている。もう世界のこれは世論になっておる。しかも、わが北海道等におきましては、何かソビエトに接している一番近いところでございますんで、最近対ソ、ソ連脅威論といったものが出てきたりしているわけでありますが、はっきり私申し上げておきますが、私、道民の一人として、このソ連脅威論なんというものは北海道にはないんですよ。そのソ連脅威論は北海道から出るんでなくて、東京からもう伝わってきておるということだけはっきり申し上げたいと思います。
 それから、防衛庁の課長はもう検討中、検討中でございますが、しかしながら農林水産大臣に対してこういう計画でやるということをお伝えになったということは、連絡されたということは、これはその内容を示さないで、こういうことをやるから了解してくれと。それに対して農林水産大臣から、ただいまおっしゃったようなそういうことが防衛庁に示達されたと、こういうことなのか。課長、もう一回それははっきりお答え願いたい。
#66
○説明員(今西正次郎君) 現在の状況は政府部内におきまして検討しておるということでございまして、その検討の一過程におきまして防衛庁と農林水産省の間における協議というものは当然ございますわけで、それも含めまして検討中と申し上げたわけでございます。
#67
○川村清一君 検討じゃしょうがないんで、もう少しわかってからまたいろいろ議論をしたいと思いますが、そこで防衛庁の課長にお尋ねしますが、これは農林水産省の方もよく聞いておいてください。
 先ほど坂倉委員から質問がありまして次長の御答弁がありましたが、この日ソのサケ・マス交渉がまとまりますと、五月一日からサケ・マス漁が始まるんであって、太平洋小型サケ・マスはちょうど盛漁期に入るわけです、こういう時期であるということ、五月はね。それからもう一点、今度は襟裳漁業協同組合、あるいは庶野の漁業協同組合の持つ共同漁業権内漁業として、カレイの刺し網だとかあるいはタコの空釣り縄ですね、こういうような漁業、あるいはカニのカニかご漁業といったようなものが行われておる時期でございますので、そういうような訓練をされますというと当然損害が出てくるわけです。その損害は一体だれが補償するのかと、これはまさか漁業災害補償法では補償の対象にならないと思うわけですね、そうですね。そうすると、漁業法、ちょっといま持ってないんですが、三十八条か三十九条にあるあれか、あるいは自衛隊法にある法律に基づいてこれが補償されるのか、これはいずれかによって補償されなければならないんですが、これは自衛隊が補償するんですか。課長御答弁願います。
#68
○説明員(今西正次郎君) お答えいたします。
 日本周辺の海域におきましては大変活発に漁業活動が行われておりますので、自衛隊といたしまして、演習訓練を実施するに当たりましては万々事故を起こすことないよう常に注意をしているところでございます。同時に自衛隊といたしましては、練度向上のためにさまざまな条件、状況下、それから時期におきましていろいろな訓練を実施する必要があることもまた事実でございます。昭和五十七年度の統合演習につきましては、訓練実施場所、それから詳細な時期を含めましてまだ検討中ではございますが、それらが確定いたしました段階で、実施することになりますと、漁業を含めまして関係方面に対する影響につきましては十分配慮して実施をいたしたいと考えております。そういうことでございますので、漁業被害が発生することがないよう、防衛庁といたしましては最善の努力、万善の措置をとりたいと考えておりますが、仮に現実に被害が発生した場合のことでございますが、その被害につきまして国に責任があるときは、被害を受けられた漁民の方々に対しまして国家賠償法の規定に基づきまして適正な賠償をいたします。
#69
○川村清一君 あなたを相手にして議論しておってもこれ以上進みませんから、防衛庁に対する質問は終わります。しかし、これははっきり上司に伝えておいていただきたいんですが、この問題をやるということになれば、北海道では大きな問題も起きます。特にこれは私の家のすぐそばなんですから、私も先頭に立ってやりますから、十分ひとつそれを配慮してやっていただきたいことを申し上げておきます。
 そこで、今度は法改正の質問をいたしますが、時間がありませんので余り突っ込んでやれませんが、坂倉委員が大分されましたので、やらなかった問題等について時間のある限りやりたいと思うんですが、この法改正によって、いわゆる漁業共済基金が廃止になって、そして中央漁業信用基金がそれを承継してやるということになるんです。この時点で共済団体は大体百四十八億円の事業不足金、つまり赤字を抱えて制度改正になるということになるわけなんですが、これは大変なことであります。
 そこで、どうしてこんな百四十八億円も赤字が出たのかと思って、いろいろ資料をいただいて検討いたしました。そして共済団体の収支状況をちょっと検討してみたんですが、どうもわからない点があるわけです。それで、その点についてお尋ねをしたいと思うんですが、昭和五十三年の支払い共済金ずっと検討してみたところが、三号漁業の中に太平洋サケ・マス流し漁業がありまして、それの支払い金が三十五億八千二百十九万六千という莫大な数字になっているわけです。私は、この太平洋サケ・マス流し漁業というのは非常に詳しいんです。恐らくそこにお座りになっている方々より私の方が詳しいんです、これは。昭和三十一年、三十二年に私は北海道の道議会議員をやっておりまして、これは日高、太平洋、ここから発足したものですから、これと取っ組んで大変苦労したんです。そこで三号漁業に入っていることがまず納得できない。どうしてこれが三号漁業に入っているのか。言うまでもなく、これは初め五トン未満で始まって七トン未満になって九・九トンになった。十トン未満の漁業なんです。これが三号漁業に入っているということはどういうことなのか、まずこれを御説明願います。
#70
○政府委員(山内静夫君) 二号漁業につきましては、地区の漁協等が中心になりまして、連合で加入すると、こういう仕組みをとっておるわけでございます。小型サケ・マス等につきましては、十トン未満でございましても非常に業種別の性格が強いということから政令で指定した場合にはその業界自体が全部で漁業共済に入れるような仕組みにする、こういう観点から政令で指定しまして、小型サケ・マスを三号漁業にしたと、こういう経緯があるわけでございます。
#71
○川村清一君 いつからこれは三号漁業になったのか。それから、そうあなたおっしゃるならば、昭和五十四年の支払い共済金を見ますというと、太平洋サケ・マス流しは全然ないわけです。どうしてないんだと言ったら、五十四年からはこれはまた二号漁業に行ったと、こういう話なんです。これはどういうことなんです。一体、十トン未満のものがずっと二号でやってきたところが知らないうちに三号になっておったと、その三号になったのは私は知らないんですよ。これは五トンから七トン、それから十トン未満、九・九トンになったんですから、わからないんですが、今度は五十四年になったら二号に行ったと、そして五十二年、五十三年のときは三号だと、これはどういうことなんですかな。
#72
○政府委員(山内静夫君) 政令に指定したのは四十一年九月六日でございます。それから、政令指定解除したのは五十四年三月二十六日でございまして、その内容につきましては先生御指摘のとおりでございます。なぜこういう操作が行われたかという問題につきまして、非常に言いにくい問題でございますが、小型サケ・マス漁業につきましてはその当時新聞等でいろいろ話題になったとおり、登録上のトン数より実際のトン数がかなり上回っている、こういうことから、この是正という意味でいろいろ道庁を中心といたしまして心労したわけでございます。正常化がなった段階の五十四年になりまして、いわゆる指定を解除いたしまして、従来の二号漁業に戻した、こういうことになっております。
#73
○川村清一君 この共済金の支払いは当然これは漁獲金額を基礎にして算定するわけですから、それでこの漁獲金額は幾らだと、五十二年は幾らだと、五十三年は幾らだと、五十四年は幾らだと、この資料をもらったところが、五十二年は漁獲金額百二十八億二千二百三十七万四千円、ところが五十三年は二十二億七千五十三万六千円、五十四年は百八億二千六百五十二万六千円、これは漁獲金額ですよ。そうすると、五十三年は五十二年に比べてまるで六分の一、五・五分の一ぐらいになるんです。これはどういうことなんですか。これはとても考えられない。漁獲金額というのは、漁獲量に見合って漁獲金額が出てくるんで、――もっとも五十二年に二百海里になりまして魚価が非常に上がりましたから、ですから、大変調を来すことは、これは当然わかるんだけれども、何らかがなければこんなことにならないわけだ。これは先生御承知のような事情によってなんて言われても、あああのことかといったようなことで、大体見当はつきますけれども、しかしこれは漁済団体にしたら大変なことですよ。百四十八億赤字をいましょっているんだ。そして、五十三年に三十二億、五十二年はわずかですわ、五十四年は今度は二号漁業に入ったから二号の方にあるわけだ。少なくとも全部合わせれば四十億ぐらいはあると思う、支払い金額四十億ぐらいは。太平洋小型サケ・マス漁業に対しての共済支払い金は、私の推定によれば四十億はあるだろう。そうすると、百四十八億の赤字をしょって大変だと、まあ今度の法律でいろいろめんどう見てくれて、約半分の七十億は、これは無利子、棚上げということでやってくれていることは評価していますよ、しかし、それにも問題がありますけれども。それでも完全にまだ七十億しょっているわけでしょう。こういう状態の中でこの四十億というのは非常に大きいですよ。次長は御承知でしょう、あの五十二年、五十三年二百海里時代に入りまして日ソ漁業が非常に大変な状態になったと、そこで中型サケ・マス、いわゆる中の流し網、母船式流し網、あるいは北転船の問題、減船等々、これに対して国は一千億以上の金を出しているはずですね。私、いま資料は持っていませんが、当時の農林水産大臣は鈴木善幸さんで、ずいぶん私は議論したんだ。一千億以上のお金が出ているんですよ。そういったようなやっぱり二百海里の時代に入ったことによってこういう問題が出てきておるんだから、これを共済団体に払わせるというところに――どうして一体漁獲量が減ったんですか、そんなに。どうして減ったんです。そんなことは余り言えばこれは影響が大きいから言いませんけれども、漁獲量が減ったら、減ったということは、やっぱり二百海里時代に入っての国際的な関係の中で減ってきているわけです。――だけではない、あなた方の指導が悪いから現在だってたくさんの違反船が出ているでしょう。いま五十六年度において日ソのサケ・マス協定を破って、これは新聞に出ているからはっきり申し上げますが、二十五隻、これは摘発されたんでしょう。しかもそれはいわゆる協定違反で入れない水域に入っていって操業したからソ連の飛行機によって発見されて全部検挙されたというか、――それであなた方は行政処分したでしょう。九十日という行政処分を受けているのが十隻近くあるんじゃないですか。九十日といったら三カ月ですよ、三カ月行政処分受けたらことしはできないでしょう。その船はことしはできないんですよ。船にすれば大損害だ、大損害だけれども、これはそういう違反したんだから自業自得というものでしょう。それを一体国でめんどう見たり、共済でめんどう見ますか、めんどう見ないでしょう。同じじゃないですか。これを共済で払わせるということはおかしいじゃないですか、全額を。どうしてこれ国で見ないんですか。
#74
○政府委員(山内静夫君) 五十三年の太平洋の小型サケ・マス流し網漁業の引き受けに当たりまして、漁業共済組合は、先ほど申し上げましたように、漁船登録上のトン数よりも実際トン数がかなり上回っている船が発覚したと、こういうことによりまして道庁が応急措置をとったわけでございますが、こういう問題を勘案しまして引き受け条件に制限を加えたわけでございます。詳しく申し上げますと、従来の補償水準より二割五分カットして補償水準を設定し、五十三年五月から共済契約を締結したわけでございます。たまたま五十三年の漁期におきましては、非常に多くの漁船が集中した水域に集まった関係で、なおかつ前年よりも魚の回遊が悪かったと、こういうこともありまして、著しい不漁となって漁獲金額は前年の約二〇%強になったわけでございます。したがいまして、共済事故として支払ったわけでございますが、この辺の問題も二百海里の規制の問題であるとか、あるいは自然環境にある要因であるとか、非常に複合するあるいは魚価の問題等ございまして、非常に複合した要因でございまして、すべてこれ二百海里問題であると片づけるわけにはまいらぬと、こういうことから共済金の支払いを行ったわけでございます。
#75
○川村清一君 漁獲共済ですからね、次長。不漁であったからこれは共済の対象になって共済金を支払うんですよ。確かに不漁になったと思う。しかし、その不漁は魚がいなくて不漁になったんではないんですよ、これは。あなたどういうふうに答弁されるかわからぬが、説明できますか。しかも、これは日ソサケ・マス漁業協定の中でやっていることであって、魚をとる水域というものは決まっているし、漁獲量も決まっている、クォータが決まっているわけですね。太平洋小型サケ・マス流し網は、まあかつては総漁獲量が八万トンのときでも、七万トンのときでも大体三千トンです。それで二百海里時代に入って一九七八年、五十三年から二千六百トンになったんだと。これに見合う魚がとれるはずなんですよ。大体その辺の定置を調べれば、定置はきちっととっているんですから、小型だけとれないはずがないですよ。ところが、これは大水からいただいた資料ですが、五十三年には二千六百トンの割り当てに対して千四百四十二トンと少ないですね。それから五十四年になったら二千六百十一トン、五十五年になったら三千百十六トン、それから五十六年には三千一百三十トン、クォータは二千六百トンですが、全部いっている。五十三年だけが二千六百トンの割り当てに対して千四百四十二トンしかとらなかったと、確かに不漁ですよ。しかし、不漁の原因は何かあるわけでしょう、それを全部共済に払わせるということはこれはどういうことなのか。しかも、これは自然現象でも何でもない。ですから、私は、その五十六年に違反した船に対していわゆる厳正な処置をとってもう操業できないように九十日の行政処分をしたということはこれは妥当である、水産庁の行政はしっかりしていると思いますよ。そういう違反をする、規則を破る、こういう漁船に対してはやはり厳正な処置をとるべきですよ。太平洋小型サケ・マス漁業というのは、その発足の歴史から私がここでしゃべれば一時間ぐらい説明してあげますけれども、十トン未満ということを目標にして、いろいろ水産庁に働きかけをお願いし、私も道議会議員としてここへ何回も陳情に来たんですよ。そうして、五トンから始まったんです。そして七トンになって、九・九トンなんですよ、十トン未満なんですよ。そういう北海道漁業調整規則、そういったものを破って、そうして違反的な操業をやった者に対しては厳正な処置をとるべきですよ。そして、もしそれを不漁だからといって救うとするならば、――救うことに私は反対ですけれども、救うならばこれは国がやるべきですよ。これを漁業者全部でもって危険を分散するんだという、掛金を掛けてやっている保険の仕組みの中からそういう者に払う、そしてそれが共済団体に対して大きな負担を与えたということは私はまことに遺憾だと思うんです、これ以上は言いませんが。ですから、ここから言うことは、こういうこともあるんだから、百四十八億のうち七十億は国がめんどうを見てくれた。あと七十億しょっているわけでしょう。もしこれが二十億でも減ったら大変楽になるんですよ。この罪滅ぼしのために二十億ぐらい出したらどうですか。どうですか、これ。それができないとするならば、七十億まだしょっているわけですから、これを支払っていかなければならない。これを支払っていって、さらにいろんな漁業災害が生じた場合にその損害を補てんしてやる、いわゆる共済金を支払ってその事業を遂行していくために、やっぱりこの原資が足りなくなったら大変ですから、今度基金から承継を受けてやる中央漁業信用基金、これがいわゆる漁業者の需要に応じて、いままでと同じように資金がスムーズに共済団体の方に流れていくようなことのために最大の努力を払ってもらいたいということを強く、要請せざるを得ないわけであります。
 いろいろさらに深めてやりたいと思いましたけれども、時間がありませんのでこれで終わりますけれども、最後に、大臣、いま私が言っておったようなことで大体私が何を言おうとしておったかおわかりだと思いますから、大臣の御見解、最後に私が要望いたしました、――先ほど坂倉委員の要望に対してのお答えは非常に歯切れが悪かったので、今度はもう少し歯切れのいい答弁をしていただいて、私の質問は終わりたいと思います。
#76
○国務大臣(田澤吉郎君) 今回の改正によりまして、いわゆる漁業共済基金と中央漁業信用基金が統合、吸収されることになるわけでございますが、そういう関係で中央漁業信用基金もあるいはまた漁済事業もやはり円滑に進められるように私たちはこれからの運営をしてまいりたいと考えております。
 特に漁業共済団体のいわゆる赤字の問題については、いま七十億を棚上げしてこれを処理しようとしているわけでございますが、今後この問題については御心配のないように努力をしたいと考えますし、また中央漁業信用基金についてもその運用の万全を期したい、かように考えております。
#77
○理事(宮田輝君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十七分開会
#78
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、漁業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#79
○藤原房雄君 本日、漁業災害補償法の一部を改正する法律案、この法案の審議をいたすわけでありますが、過日は参考人からいろいろ意見を聴取いたしまして、またこの非常に基盤の弱いといいますか、非常に激変する社会情勢の中で水産業は、最もその波の中に大変な激流をしながら今日までがんばってきたわけでありますが、その中でこの漁災法のまた持つ役割りというものも非常に重要であり、非常に大きな推移の中で当然改革をしなきゃならぬ、こういうことでこのたびそれらの諸問題、まあ大きく分けると三つほど柱があろうかと思うんでありますが、このたび改正いただきまして、私どももこの改正につきましてはそれなりの評価をいたしているわけでありますが、まあ厳しい中小漁業者の立場からしますと、もっと踏み込んでもらいたいというぐらいの気持ちでおるわけであります。この法案のことにつきましては、個々にまた御質問申し上げるといたしまして、漁業という問題に関しましては、現在いま山積する問題があるわけであります。二百海里時代を迎えまして、この世界情勢の中で日本の水産業をどうするかという大きな局面にぶち当たりました。そういう中でみんなで知恵をしぼり合い、いろんな対策を講じたわけでありますが、農林省という名称も農林水産省という、名前変えたから、看板変えたから、中身がどれほど効果が上がるかいろんな議論がございましたが、変えてから少なくとも四、五年はたったわけでありますが、いまだにこの水産関係といいますか、漁業関係につきましてはいろんな問題が山積をいたしておりまして、今日まで水産王国と言われた日本の国も非常に困惑する諸問題があるわけであります。
 きょうは限られた時間でございますので、一つ一つの問題を提起することはできないかもしれませんが、当面いま問題になっておりますこととしまして、政府の基本的な考え方をまずお尋ねをしておきたいと思うんでありますが、一九八二年の日ソサケ・マス交渉ですね、これ水産庁長官もいち早く、というよりいろいろなソ連側の提案がございまして、これは政府側の提案と大分乖離をしておるということで交渉を進めておりましたが、なかなか話が進みませんで、水産庁長官がみずから乗り込んでいろいろ交渉をいたし、きょうの報道を見ますと一応の線が出たようでありますが、最終的には今夜ですか、最終的な結論が出るのではないかということでありますが、漁民にとりましてはこの交渉妥結、その数量とか条件、こういうものも非常に大事なことでありますし、また決まる時期、これによりましてまた出漁、船を出す、これにもまた制限、制約を受けるわけであります。一日千秋の思いでこの様子を見ておるわけでありますが、まだ交渉過程ということですから、具体的な問題についてはどこまで政府としての発表ができるのか、その点はあるわけでありますけれども、非常に関心事であります日ソサケ・マス交渉の経緯と現状、また今後のことについての農林水産省の態度をですね、御説明をいただきたいと思いますが。
#80
○政府委員(山内静夫君) 本年度のサケ・マス漁業交渉につきましては、今月十三日からモスクワで始まったわけでございます。十四日になりまして両国がそれぞれ提案をしまして、前年度実績四万二千五百トンに対しまして日本側は四万五千トン、ソ連側は三万七千トン、こういう数字を提示したわけでございます。
 ソ連側の提示の内容といたしましては、それ以外に一部水域における操業期間の短縮、それから取り締まり体制の強化、それからいわゆるコンペといわれる金額の算定でございますが、これは向こうの養殖費用に見合った金額を日本側に要求する、こういう数字でございます。大体三十九億円、三万七千五百トンに見合った数字として三十九億円、こういう数字を要求したわけでございます。これにつきまして鋭意両方で妥結を図りまして会議を持ったわけでございますが、なかなからちが明きませんで、十七日に松浦水産庁長官がモスクワに行きまして、以後鋭意交渉に取り組んでおるわけでございます。この間トップ会談として二回持たれましてきのうの段階におきましてようやく目安が出てきた、こういう感じを受けておるわけでございます。何とか早目にこの交渉をまとめまして、五月一日の出漁に間に合うような方向で、こういう大臣の御指示もございますから、その方向で現在訓令中でございます。
#81
○藤原房雄君 非常に、当初交渉の段階ではこちらの方の日本側の提案とソ連側の提案では隔たりがあって、どういうことになるのか非常に危惧されておったわけでありますが、それはねばり強い交渉によっていまお話しのような形に落ちつきつつというか、妥結が見られるのではないかという、これはどういう青葉がいいのかわかりませんが、そこに歩み寄るに至るには日本側としましても強く主張したこと、また今日まで努力してきたこと、やっぱりソ連側に対してそれなりの説得力のある条件がなければソ連だってのまなかったんだろうと思いますが、向こうが日本側の提案とやや等しい、そういうところまでのむに至りました。やっぱり日本側のねばり強さだけではなくて、今日まで積み重ねてきたソ連に対しての資源問題を初めとしての今日までの努力ですね、こういうものがこういう妥結点を見出すことになったのではないかと思いますが、やはり主張だけではなくして、これは長い交渉でありましょうから、やはり常日ごろ日本もなすべきことはしなきゃいかぬ、すべてお金で解決するということでは済まされないことであると思いますし、また、資源の保護ということのためにはなさなきゃならないこと、今日までの経過の中でもいろいろあったわけでありますけれども、これは今後やっぱりそういう条件整備といいますか、そういうものを常日ごろから強力に進めておきませんと、ことしはよくてもまた来年どうなるのか、こういうことで今回だけのことじゃなくて、今後ともこういう対ソ交渉、サケ・マス交渉に当たりましては、それなりの水産庁としての方針、それからまた努力、また行政の立場からの先を見通した働きかけというものがなけりゃならない、こう思うんですけれども、そういうことで一応明るい兆しということなんですけれども、今後に対しまして、今回のこういう非常に苦い思いをしたこと等もあわせて、今日までもいろんなことがありましたけれども、この交渉経緯を念頭に置いて、今後どういう点に留意してやろうとするのか、水産庁でもいろんな分析をしていらっしゃるんだと思いますけれども、その間についてはどうですか。
#82
○政府委員(山内静夫君) 今度の交渉のみならず、いつの交渉でも問題になるのが資源の問題でございます。わが方の主張といたしまして、たび重なる減船とそれから違反船の絶滅、こういうような方向でいろいろ努力を軍ねている関係で、ソ連の一部の魚種を除きまして、サケ・マスの一部の魚種を除きまして資源状態は安定している、あるいは増加の傾向にある、これが向こう側も認めているところでございます。
 こういう長い間のいろいろな経緯を踏まえまして、資源的な問題につきましては、従来ほどとげとげしい問題が少なくなったんではないか、これは感じでございます。
 なお、これと付随いたしまして、ことし一番問題になったのは、違反船の問題でございます。実は前年度におきましても非常に厳しい行政罰を加えまして今後違反がないように、違反があることによって日ソ交渉が行き詰まると、こういうことから水産庁もかたい決意で違反絶滅についてのいろいろな行政的な措置をとっているわけでございます。こういう積み上げがいろいろの効果を及ぼして、あるいはうまくまとまるであろうならば、長い間の積み上げ方式によって今回も妥結するであろう、こう考えているわけでございます。今後とも資源の問題であるとかあるいは違反の問題等襟を正すべきものは正して日ソ交渉に当たりたい、これが水産庁の考え方でございます。
#83
○藤原房雄君 大臣、いまお話しございましたように、資源のこと、また違反船のこと、万事相手のあることでありますし、また、漁業レベルだけの判断だけではいかないことも時にはあるかもしれませんけれども、しかし、水産庁ベースとしましては、いまのお話のように、なすべき努力、またルールづくりといいますか、それなりの積み重ねというものが大事なことだろうと思います。
 そういうことで、今後の予算措置やまたいろんな対策上、大臣にはやっぱりそれなりの御決意で永続的にやっていただかなきやならないことがあるんだろうと私は強く思うわけでありますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(田澤吉郎君) サケ・マス漁業交渉の面でいま一番の問題は、やはり資源の安定しているかどうかの問題、あるいはまた違反船の問題で取り締まりの問題が非常に話題になっているわけでございますが、これも結局言うと、長い間の積み上げの結果、ある程度の歩み寄りができているということでございますので、そういう点から考えますと、やはり漁業外交がいかに重要であるかということが理解されるわけでございますので、今後、私たちは漁業外交を含めて、この種の問題については精力的に努力をして、今後やはり漁業外交を通じて新しい資源、新しい漁場の確保のために努力をしてまいりたいと考えております。
#85
○藤原房雄君 いまから数年前ですと日本はもう資源のことを考えずに、とにかく乱獲といいますか、具体的にいろんなことを私どもも聞いておりますが、非常に交渉の過程での障害になっておった。それがまあ一つの努力によりまして、そういう皆さん方の関係当局の御努力によって一つの成果がこのたびのこの交渉の中でそういうものがにじみ出てきたのかなというふうに私どもも考えておるわけでありますが、強力な漁業外交というこの言葉は昔からあるわけでありますけれども、その裏づけになるものの体制の促進ということもこれは非常に大事なことであり、また水産外交、これは大いにひとつ、――田澤農水大臣御就任以来今日までもがんばっていらっしゃったと思いますけれども、非常に大事なところに来ておると思うのであります。
 それで、ソ連のことは、日ソ交渉についてはそれぐらいにしまして、いま一番問題になっているのは日米の間の問題ですね。これはいままで友好国として今日まで非常に信頼を置いておった国柄であったわけでありますが、今日水産物貿易の全面自由化要求、こういうものと絡みましていろんな問題が提起されておるわけであります。いまこそこの漁業外交、ひとついま大臣からお話しありましたように積極的にこれは進めていただかなければならないと思うんです。そういうことから日米漁業関係のことについてちょっとお尋ねをしたいと思うのでありますが、いままで、これは突然降ってわいた話じゃございませんで、やっぱりそれなりの経緯があるわけであります。水産庁にいろいろお尋ねをいたしましたところ、今日までもかなりの努力をしてきたということでありますが、時代の推移の中で非常に大きな問題としていまクローズアップをされておるわけであります。この日米の漁業問題につきまして水産庁として今日まで取り組んできた経緯と現状ですか、まずこの経緯をひとつお尋ねしておきたいと思うんです。
#86
○政府委員(山内静夫君) 日米漁業関係につきましては、昭和五十二年におきまして二百海里をしいたのがソ連よりアメリカの方が早かったわけでございます。こういう事態に対応いたしまして、わが方といたしまして鋭意米国といろいろ交渉を重ねたわけでございます。その当時は背景として二百海里の国際法という関係で国際会議が持たれまして、いろいろ議論も闘わせまして、その範疇の中でいろいろ二百海里規制が行われるであろうと、こういう考え方のもとにわれわれもそれに対応して日米の漁業協定と、こういうものを結んできたわけでございます。この間、幸いなことに漁獲割り当て量につきましてはそれほどの変動がなかったと、もちろん一部魚種につきましては、余剰原則ということから米国の国民が日本漁民にかわってとると、こういうことが一部の魚種については減少あるいはゼロになったケースもございますが、総枠といたしましては大体百万トンあるいは百二十万トンと、こういう線で非常に友好的に推移してきたと、こういうことは言えると思います。
 一方、取り締まり関係等につきましては、オブザーバーを乗せるという問題につきまして違反を絶やすという意味からオブザーバーの乗船の比率が上がってきたと、こういう問題と、それからブロー法によりまして入漁料がことしから非常にかさ上げになったと、こういう問題等ございますが、大局的には日米漁業関係は過去におきましてまあまあの推移をたどってきたと、こう言えると思います。
#87
○藤原房雄君 まあまあの線をたどってきた現状ですね、現状というか、いままでの経緯でありますけどもね、いまブロー法、またさらにアメリカの漁業を保護しようという強い働きかけがございまして、日本側に対しましていろんなことが要求として出ておるわけですね。で、一番切実な問題としましては、過日、日米漁業危機突破漁民大会、関係諸団体の方々がお集まりになりまして、そこで何点かについて強い解決しなきゃならない問題点が指摘をされましたけれども、本年の割り当てですね、半分しか出ていないところへ、しかも四月分がまだ決まっていないということで、関係の出漁しなきゃならぬ方々には割り当てが出ないためにまだ出漁できないという差し迫った、これからどうするかなんというんじゃなくて、もう時期が来ておって、四月の配分云々じゃなくて、もう四月、いま決まらなければ漁期がどうなるのかという、こういう差し迫った問題もありますね。そのほか今後の洋上買い付けについてどうするかという技術的なこととかいろんなお話し合い、こういう問題もありますけれども、差し迫ってのこの底びき関係とか関連する魚種の方々につきましては一日千秋の思いでこの推移というのは見ているだろうと思うんです。
 で、いろいろお話を聞きますところ、アラスカの漁民等につきましてはやっぱり現実的な物の考え方を持っておるようですが、ワシントンの行政府、それと議員の間にはやはり強い日本に対しての圧力といいますか、強い主張があるようですね。こういうアメリカの立場、立場によってもいろいろあるようですけども、それに対応する日本の先ほど大臣のおっしゃったような水産外交というか、漁業外交というやつが、今日までアメリカとは直接ソ連のように毎年何をどうするということで厳しくやってきた経緯は少ないわけで、いま次長のお話のように、比較的いろんなお話し合いはそう極端なこともなく話は進んできて、ここに来てこういう大きな問題になった。そういうことで初めての経験といいますか、今日までの関係性はもちろんあったといたしましても、日米の漁業問題につきましてはここへ来て一つ大きな問題が提起された。これはちょっとソ連との交渉やなんかとは違って、相当な議会に対する、また行政府に対する強力な漁業外交またはそれぞれの立場、立場でのお話し合いというものが進められないとこれはいたずらに月日がたつのじゃないかと思うのです。今日、眼前に問題になっております日米漁業問題について水産庁として人を派遣するということ等もいろいろ聞いておるわけですけれども、今日までしてきたことと、現在いま何をしているかということと、今後はいま考えていることと、こういう問題の解決のためにどういう努力をしているかというこの間のことについてちょっとお聞きしておきたいと思うんですが。
#88
○政府委員(山内静夫君) 米国が前年までと違いまして、本年から年間一括割り当て方式をとらずに、年間に年の当初におきまして半分の割り当てをいたしまして、四月に残りの二分の一、年計画で言いますと四分の一、七月に四分の一を割り当てると、こういう方式に変えてきたわけでございます。で、四月以降の割り当てにつきましては、米国の水産業に対する寄与の度合いであるとかあるいは貿易に対する――米国に対する寄与の度合いを見て割り当てトン数を決めると、こういう考え方のもとにリザーブをしてわが方にいろいろ圧力をかけてきているわけでございます。で、わが方といたしましては、米国の輸入水産物は全世界でナンバーワンの国であると、こういうことを主張しているわけでございます。それから米国の水産業の振興等につきましては、実は前年もジョイントベンチャー関係で一万四千トンの枠というかっこうでよその国よりも比較的非常にスムーズに行った国でございます。こういう点を米国側にいろいろ主張して説明しているわけでございますが、この辺につきまして、米国側としてはジョイントベンチャー枠につきましてもっとふやせと、こういう言い方をしているわけでございます。この背景といたしまして、米国政府といたしまして、アラスカ湾等におけるカニ漁業につきまして非常に許可隻数をふやした関係で、カニの資源がなくなってカニ漁船の働き場がなくなったと、こういうことがカニ漁業についてスケソウに転換させたいと、さりとてスケソウに対する技術がないから、日本の技術協力む求めながらジョイントベンチャーと、こういうかっこうで米国の水産業をよくしようと、こういう感じで物申しているわけでございます。わが方といたしまして、スケソウのジョイントベンチャーにつきましては、過去におきまして、あるいはことしもそうでございますが、必ずしも採算ベースに乗らない事業であると、こういうこと、それから国内とのいろいろの調整の問題等から見まして安易にこれをのめないと、こういうかっこうで現在六万トン程度ならばと、こういうかっこうでいろいろ話し合いをしているわけでございます。しかし、米国としては三カ年で四十万トンと、こういうかっこうの言い方をしまして、ぜひ三カ年四十万トンのスケソウのジョイントベンチャーをと、こういうかっこうで意見が分かれているわけでございます。この間におきまして米国との交渉でございますが、水産庁としては、担当部長、審議官、参事官がたび重なる交渉を続けているわけでございます。現在審議官も行っているわけでございます。むしろ交渉の度合いといたしましては、ソ連以上、ソ連の何倍かの人手をかけて米国との交渉をやり、現在もやっているわけでございます。今後ともこの問題につきまして、四月に割り当てられる四分の一の枠の問題につきましては、早く割り当て内示をするように米国大使館ともどもいろいろ働きかけておりまして、今後ともこの実現を図っていきたいと、こう思っておるわけでございます。近々発表あるやと聞いておりますが、その日その日でだんだん延びていくような現状につきまして、一応焦りもあることは事実でございますが、水産庁といたしましては、できるだけ早く割り当てが内示されるようにと、こういう努力を今後とも続けていきたいと、こう思っております。
#89
○藤原房雄君 人の数ではソ連を凌駕するぐらい派遣をして話し合っているということですが、アメリカはアメリカの行政府または議会、それから現場のお仕事をなさっている方々、それぞれの立場もあろうかと思いますし、こういうことが、ソ連のようにどこにポイントがあるのか、ことしはどこにということで、いろいろなことを積み重ねながらやってくるところと違って、アメリカは、今回こういう大きな問題として、――まあその兆しはあったといたしましても、それだけにこれはもう総力を挙げてやりませんと、しかも二百海里のときもさっきお話しありましたように、アメリカが先導的な、先駆的な役割りを果たした。これはアメリカとの交渉というのは、一アメリカと日本ということではなくて、非常に他国に影響を及ぼすそういう立場といいますか、関係性にあるということを考えますと、これはアメリカときちっとやりませんと、他国にまた波及する、こういうことも私どもは非常に危惧をいたしておりまして、これは一生懸命努力して、きちっと話し合いがまとまればそれにこしたことはございませんけれども、そこに至る道程として、課程として、どういう手だてをどう積み上げていくか、これは非常に政治的な判断として大臣も心を砕いていらっしゃったんだろうと思いますけれども、非常にこれは大事な問題だろうと思います。しかも、四月の割り当てさえも現在まだ決まってないという。まあ近々これが解決するような方向にあるのかどうか。しかも、日米漁業協定というのはことしで期限が切れるわけですね。それで、それを契機にしてもっと厳しい改正草案なんかも考えてるということも言われておりますね。こういうことを考えますと、当面どうするかということだけでなくて、やっぱり長期的な、少なくともアラスカ沖には漁船といいますか、働いてる方々が二万人、加工業者等を入れますと三十万と、こう言われておりますけれども、こういう多くの方々がかたずをのんで見守っており、また、他国への影響の大きいアメリカであるということ等を考えますと、この波及効果といいますか、影響力というのは非常に大きいという、こういうことで、まあもちろんそういうことについては十分お考えの上今日までやってきたと思うんですが、現在の交渉に当たっての、さっきもちょっとおっしゃったのかおっしゃってないのかわかりませんけれども、交渉経過の中で、まあ比較的割り出て等についての問題については早く決まりそうなのか。また、今後この日米漁業協定についてのアメリカの大体強い攻撃といいますか、日本に対する強圧的な、いろんな言いがかりというものは報じられておるわけですけれども、こういうもの等も含めて、農林水産省としましてどのようにお考えになって、今後その手だてを考えてらっしゃるのか。これはさっき大胆がおっしゃったように、漁業外交としていまだかつてない大変な――二日海里の問題もそれは確かに大きな問題でありましたけれども、それに準ずる大変な問題で、ここできちっとしたルールづくりといいますか、歯どめといいますか、そういうものをきちっと手だてをしておきませんと、日本の水産というものはもう後退に後退を重ねる、こういう感じがしてならぬ。そういうアメリカの現状の中で、日本の農林水産省がいま取り組もうとしていらっしゃる姿勢ですね、現存と、これからに向かっての、こういうことについてひとつ大臣の御決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
#90
○国務大臣(田澤吉郎君) 昭和五十二年に二百海里が設定されてから今日まで、余剰原則というものを中心にしてこれまで安定したいわゆる日米間の漁業交渉が進められてきておるのでございますが、今回特にやはり洋上買い付けの問題というのは非常に大きな問題の一つなんですね。そのほか、まあニシンの問題等もございます。そこで水産庁としては、先ほど次長から答弁さしたように、全能力を挙げて折衝に当たっているわけでございますが、なかなか厳しい状況にございます。しかしまあ割り当て制度が年間割り当てから分割割り当てになったということなども大きな変化でございますので、私はやはり、もちろんこれは外交は外務省を通じてやるのがたてまえでございますけれども、私たちもやはり漁業外交というものにもつともっと力を入れなきゃいかぬという感じを特に最近持つようになったわけでございます。これと関連することでございますが、捕鯨問題等につきましても、これもアメリカが中心になっておる問題でございますけれども、これもやはり、捕鯨の加盟国は四十カ国あって、捕鯨国が九カ国というような状況で、科学的にいわゆる捕鯨の資源についての問題よりも、むしろその政治的なといいましょうか、社会的なといいましょうか、そういう問題が話題になっているというようなことになりますというと、やはり漁業外交がいかに必要かと、日常の接触がいかに必要かということを痛感するわけでございますので、今後私たちはやっぱり日米間においても、この漁業外交をもっと積極的に進めてまいらなければならないということを痛感いたしているわけでございますので、今後も四月の割り当てはもちろんでございますが、その後のいろんな漁業交渉についての話し合いを積極的に進めてまいらなきゃならない、かように考えております。
#91
○藤原房雄君 これはまあ、二百海里のときにも大臣のおっしゃったように、漁業外交というのを強力に進めなきゃいかぬ、こういうことであったんです。まあそれはどちらかというと、ソ連の方の交渉が中心的な舞台といいますか、ということであったんだろうと思いますけれども、今日までも手を抜いておったわけではないんだろうと思いますけれども、どちらかというと友好国という信頼関係もございましたし、そういう感がないわけではないと思います。
 いずれにしましても、当面する問題、そしてまた長期的なこれからの問題、特にアメリカにおきましては、新ブロー法案、ブロー法をさらにまた強力にし、漁業を保護しようというような、こういう働きもございますし、漁獲割り出てなんというようなものを法制化しようという、こういうようなことも報じられておりますから、まあそれはアメリカはアメリカの国内事情によって、この問題がいま論議になっているんだと思います。
 日本はとかくに信頼関係にありましたから、今日のようなこんな大きな問題が出てくるという余り予測はなかったんだろうと思いますが、アラスカ近海におけるカニの不漁、そういうことや、また、アメリカ全体として一千万近い失業者がおるとか等のために、国内的なこういう問題のために、いろんなことが出てきたのかもしれません。しかし、日本とアメリカの間では、水産物の貿易関係では輸出入バランス、これは日本の方が二億ドルほど輸入超という赤字ですね。これは品目ごとに比べるわけにはいかないかもしれませんけれども、決して一歩も二歩も引かなきゃならない理由は一つもございませんし、今日まで最も魚を食べる民族として先人が築いてまいりました北洋の漁場、これが今日ここへ来まして二世海里で大きな打撃を受ける、それとともに、その制約の中でいろんなまた工夫をしながら、減船等ですね、共補償等いろんな苦難の中やそれぞれ努力をしながら今日まで参りましてね、ここへ来てまたアメリカに一押しも二押しも押されてしまうということではこれはならぬだろうと思いますから、ぜひひとつ強力な今後の外交交渉、それから積極的なひとつ日本の水産を守るための努力、それはまた日本の国に大きな影響力を持ち、諸外国にまた大きな影響力を与えるこのたびの非常に大事な状況であることを御認識の上、ひとつ対処をしていただきたいものだと、こう思うんですね。
 それと、いま水産物貿易の全面自由化要求というやつで、これまたいろんなのに重ねてきているわけですが、ニシンの輸入割り当て制度の改善要求とか、これはまあ相手のあることではあるんですけれども、やっぱり日本の農林水産省としまして、日本の漁業者、大変基盤の弱い漁業者、そしてまたそれにつながる加工業者、こういうものの体質の脆弱なことはよく御存じのことで、二百海里のときに一番混迷したわけであります。燃料の高い中で何とか努力しなきゃならぬということで今日推移したところへ、こういうことですから、これはやっぱり省としましても最大の努力を振りしぼって当たっていただきませんと、きょう報ずるところによりますと、自民党でも総合農政調査会とか水産部会とか、それぞれで農産物自由化反対の決議をなさったようでありますけれども、これは政府・自民党においても当然のことでありますが、行政府の衝に当たります農林水産省としても最大の御努力を払って、今日まで先人の築いたものを守り抜いていくということでがんばっていただきたい、こう思うんです。大臣のひとつまた御所見をちょっとお伺いしておきたいと思うんです。
#92
○国務大臣(田澤吉郎君) 農産物残存輸入品目については、さきの日米貿易小委員会で牛肉、オレンジを初め、一応の日程が合意されまして、いわゆる作業部会というものを開くことにいたしまして、この作業部会が四月の十二、十三、ワシントンで行われたわけでございますが、その間アメリカとしてはやはり光全自由化を主張するものでございますから、私たちとしては、それはやはり農畜産物にとっても、あるいはまた水産振興上もこれらの品目はとても譲るわけにまいらぬというので反対をしたのでございまして、その後アメリカは、それじゃ作業部会はやめて、ガットの二十二条協議に入ろうということになりまして、しかもアメリカは二十二条協議というのは二国間の一般協議であるから、対決ではございませんよという前提でそれに入らざるを得ないといういまは現状にあるわけでございまして、私たちとしては、そういうアメリカの態度に対しては受けて立たなければならないという態度をいまとっておるわけでございまして、したがいまして、ニシンその他のこの二十二品目の中にある水産物品目については、やはりいまの水産業の現状からして私はぜひともこれはこの現状を守らなければならない、かように考えまして、その決意でこれからの折衝に当たりたい、かように考えております。
#93
○藤原房雄君 このことが主題ではございませんから、私はもうやめますけれども、本題の方に入りたいと思うんですが、さっきもちょっと話に出たんですけれども、日米漁業問題、非常に差し迫った問題もあるんですから、簡単にお聞きするんですが、現在水産庁はいままでにないぐらい人を派遣しているということですが、どこへだれを派遣して、アメリカのどういう機関とどういう折衝をしているかということを、これは細々しいことはいいんですけれども、大所の、こういうところで、こういうことで、こういうふうにやっているという、その辺をひとつお聞かせいただきたいし、それからいつ行って、その推移によって予測ということはこれはできませんけれども、どういう状況なのかということもあわせてちょっとお聞きしておきたいと思います。
#94
○政府委員(山内静夫君) 時系列の時間の問題につきまして、ちょっと私失念しておりますが、ことしになりまして、斉藤審議官が三回、現在斉藤審議官はカナダの問題を含めて渡米中でございます。それから井上海洋漁業部長が一回、それから守矢参事官が前後二、三回だと思いますが、行っております。それに随行して数人、二、三人が行きまして、生として交渉先といたし決しては、国務省、商務省、それから関係国会議員、それからジョイントベンチャーの関係がございますから、地元の漁民がたとえば四十万トンという議会筋あるいは政府筋の要求につきまして対応できるかどうかという問題につきまして、現地へ参りまして、そういう声があるのかどうかと、こういうことを伺っているわけでございます。現地側といたしましては、そんな法外なことはできないよと、こういう声がございますが、なかなか議会筋、政府筋はその声が必ずしも届かないんでなかなかうまいぐあいな結論が出ないと、こういうことになりまして、現在も交渉中でございます。
 なお、この見通しにつきましては、近い将来あるいは今週中くらいには恐らく四月の発表分、たとえばことしの四分の一部分でございますか、恐らくなるであろうというわれわれは見通しを持っておりますが、これは見通しでございまして、確約はございませんが、恐らく今週じゅうぐらいには発表になるであろうと、こう期待しておるわけでございます。
#95
○藤原房雄君 じゃ本題に戻りまして、漁業災害補償法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
 最初に、これは三十九年ですか、つくられて、まあ水産庁の皆さん方からしますと世界に冠たるといいますか、ここまで整備したものはほかの国には余りないぞということをいつもおっしゃるわけでありますが、まあ日本の漁業を守ろう、中小漁業を守ろうということの中からいろんな御努力をなさってこの法律があることは私どもも十分に承知しておりますが、何度かの改正がなされたわけでありますけれども、今度改正するに当たりまして、五十五年の三月ですか、漁業共済制度検討協議会、これを発足させて、そこでいろいろ協議をしていただき、五十六年の七月に答申が出た、これを踏まえて政府は制度改正に取り組んだということですね。この漁業共済制度検討協議会というのはいわゆる国家行政組織法第八条によるところの機関なのか、そうでなくして任意のものなのか、この性格はどうですか。
#96
○説明員(佐竹五六君) これは水産庁長官の私的諮問機関でございます。したがって、国家行政組織法上の位置づけはございません。
#97
○藤原房雄君 その答申というか、各人の、委員の方々の意見をまとめてということですね。――そういうことで、諮問機関ということでなさったということですね。
 で、今度の改正に当たりまして、中身はいろいろあるんですが、三つの柱といいますかね、そういうものが考えられると思うんです。一つは、漁業共済基金の整理とか、二番目には、漁業共済団体の赤字の処理とか、赤字対策及び激変した漁業情勢に対処するための制度改正、こういう一つ一つにこの時点で取り組まねばならない問題だったと思うんでありますけれども、やはりこの法の精神といいますか、漁災法には、「中小漁業者がその憎む漁業につき異常の事象又は不慮の事故によって受けることのある損失を補てんするため、」、「中小漁業者の漁業再生産の阻害の防止及び漁業経営の安定に資することを目的とする。」という法の精神を十分踏まえてのこのたびの改正であろうと思うんですが、私もうがった目から見るわけじゃ決してございませんけれども、この赤字処理対策というもの、これに偏っているという言い方はどうかわかりませんけれども、こっちの方に何か重点を置かれているような感じもしないわけじゃないんですけれどもね。一つ一つの問題についてはこれからまたお尋ねをしてまいりますけれども、この三本柱の中で、これはそれ一つ一つそれなりの強い意識の上に立ってなさった、こういうふうに答弁なさるだろうと思いますけれども、赤字処理対策というものも一つの大きなウエートを、まあどちらかと言うとそっちの方に力が入り過ぎたようなきらいがあるんではないかというような感じがしてならないんですけれども、水産庁としてはこの法案をまとめるに当たりましてどのような所見の上に立って、お考えの上に立って進めてまいったのか、その間の御所見をお伺いしたいと思います。
#98
○政府委員(山内静夫君) 今回の漁業災害補償法の改正は、先生御指摘のように、共済事業の仕組みの改善、漁業共済基金の整理あるいは赤字対策と、こういう三つの三本柱になっていることは事実でございます。
 共済事業の仕組みの改善につきましては、最近のわが国漁業をめぐる諸情勢の変化及び漁業共済事業の経営状況にかんがみまして、漁業共済事業の加入の拡大と、その事業運営の健全化を図るための措置を講ずると、これが第一の柱でございます。
 共済基金の整理と赤字対策につきましては、一緒に御説明いたしますが、漁業共済基金の整理につきましては、共済基金が五十四年十二月の閣議決定によりまして、特殊法人の整理合理化を進めるという観点から五十七年中に整理すると、こういう決定をされたわけでございます。しかし、同基金の機能が漁業共済事業の健全な運営に欠かすことができないと、こういうことから、中央漁業信用基金にその機能を吸収させるための措置を講じたわけでございます。
 赤字対策といたしましては、七十億円につきまして無利子で運用できるようないろいろの手当てをしているわけでございます。
 先生御指摘の赤字対策ではないかと、こういう御質問でございますが、要は漁業者の経営安定のために加入の拡大を図って共済経営の安定を図ると、これは結果的には赤字対策にはなりますが、意図としてはあくまでも加入の拡大を図って漁業共済事業の健全化を図ると、こういうことでございまして、たびたび繰り返しますが、これが結果的には赤字対策に役立つと、こう考えておるわけでございます。
#99
○藤原房雄君 加入の拡大、これは加入率やなんかいままでいただいたデータでもございますが、確かに今日までも皆さん方いろいろ御努力なさったと思うんですけれども、なかなか現状は厳しゅうございまして、それぞれの共済で加入率というのはなかなか上がっておらぬ。これは果樹共済とかの試験的な段階から、私も当委員会におりましていろいろ議論してきたことなんですけれども、なかなか共済制度というのはむずかしい面がありますし、行政府としてどこまでのこの推進役ができるのかという、――制度の仕組みが加入者にとってもう万々歳であれば、それは皆さんお入りになるのは当然でしょうけれども、被害はいつもあるわけじゃございませんし、強制加入ということでなければ、やっぱり自分にとってメリットがなければなかなか加入できない。またはその意識を持たせるということも大事なことだろうと思うんですけれども、中身がよくなれば入るんだということなんでしょうが、今日までも決して中身が悪かったわけでもないし、それなりにその時代の中で最大努力をなさったんだろうと思うんですけれども、やっぱりいままで加入率が低い推移をたどってきたということを反省しまして、ほかの共済なんかと比べて、特に漁業としましてもほかの共済に負けないように、行政としましても漁業団体等のバックアップがなければ、協力がなければできないのは必然だと思いますけれども、これは加入率向上のために行政府としては中身をちゃんとすればいいんだということだけじゃなくて、それを進めるPRですね、進め方とか、こんなことについてはどういうふうに今後進めていこうとお考えなんでしょうか。いままでやっていたままでいいというのか、何かまた特にお考えがあればお伺いしたいと思います。
#100
○政府委員(山内静夫君) 共済の加入率が低い原因としてはいろいろ考えられるわけでございます。
 第一番目といたしまして、損害認定を行うために漁業協同組合が共販体制をとる必要がある、これが第一点でございます。これは漁業共済がPQ方式をとっている関係で、ことさらこの問題が指摘されるわけでございます。
 それから二番目といたしまして、共済契約締結要件を満たすことができないような場合が過去においてたびたび見られたと、こういうことでございます。
 三番目といたしまして、漁業者ごとに危険の発生の程度に差があるため、比較的危険の程度の低いと見込まれる漁業者は共済への加入意欲が非常に低かったと、こういうことでございます。
 この対策といたしまして、制度的に、今度の法案改正をお願いしているわけでございますが、制度以前の問題といたしまして、漁業協同組合の育成強化対策を図って共販体制の整備を図っていく、これが第一条件でございます。その他、先ほど申し上げました二つの要件につきましては、共済契約締結要件のうち、漁業実態の変化や共済技術上の必要性に応じて緩和できるものは緩和すると、こういうことでございます。それから二番目といたしまして、共済事故となる確率が低い者につきましては、危険の程度に応じまして低い掛金率で加入できるような道を開く、これが第二点でございます。
 こういう制度改正ができましても、末端漁業者にこれをPRしなければ画餅に帰すると、こういうことでございます。従来からいろいろ関係組合とも相談しながらブロック会議等でいろいろPRしておりますが、今後とも法改正を契機にいたしまして、この趣旨が末端漁民に伝わるような方向でいろいろ指導してまいりたいと、こう思っております。
#101
○藤原房雄君 漁業団体も農業団体も取り扱う金額が大きい、まあその団体、組合にもよるんですけれども、なかなか周知徹底というのはむずかしい。最近農作業というのはずいぶん機械化されまして稼働時間というか、実際働く時間というのは実質的には、ずいぶん変わっておるんですけれども、漁業関係はそうは農業みたいなわけにいきませんしね、よっぽどそういう機動的な計画といいますか、そういうものでやりませんと、通り一遍の通達だけではなかなか趣旨が徹底しないという点があろうかと思うんです。
 中身のことですが、時間もありませんからここで一つ一つ詳しくお尋ねするあれもないんですが、一つは、共済限度額率ですね、漁獲共済の補償水準。この共済限度額率が要するに過去三年間の漁獲金額ですね、これの平均をとるという。この平均の百分の九十ですか、こういう中身のことになりますと、少しでも災害を受けたときに、それに、再生産に見合うそういう補償がなされることを望むのは当然でありますし、前よりもずっとそういう点ではよくなったという感じがあれば、それなりのみんな関心を持つだろうと思うんですけれども。よくこれは言われることなんですけれども、これは漁獲金額ですから、短期間で案外漁船の燃油とか、それから漁網とか、こういうものが値上がりになったりなんかしますと、生産資材の高騰があったときには、こういう漁獲金額、三年間のやつの平均ということになりますと、なかなかこれはそういう短期的な生産資材の高騰というものがその中に見込まれない面はございますね。これはじゃどうすればいいんだということになりますと、無制限にこの率を上げるというわけにはいきませんけれども、そういう嫌いがある。現場ではそういう話も私ども何度も聞いておるんですが、この百分の九十を何とか少しでも上げるようにしようじゃないかということで、水産庁もいろいろ御努力になって、百分の五上げて、百分の九十五にしようということで御努力なさったようですが、ことしの予算は何か財政当局が非常に厳しいということで実現できなかったようですけれども、それなりに水産庁としては、今度中身をひとつ変えていこうということで御努力をなさったんだろうと思うんですけれども、今回はこういうことで、こういう財政事情の中で思うに任せないとしましても、今後、こういう問題については積極的にひとつ検討しようという、また中身の改善に努力していこうという、こういう姿勢は十分におありなんだろうと思うんですけれども、どうなんでしょうか。
#102
○政府委員(山内静夫君) 漁獲共済の補償水準につきましては、先ほど先生御指摘のように、基準漁獲金額、これは過去三カ年の平均の漁獲金額でございますが、これに一定の魚価上昇率を掛けているわけでございます。これに限度額率を乗じまして算出される。この限度額率が、思想といたしましては、損失の一部が漁業者の負担となることによりまして通常の漁獲努力を期待し、また共済事故発生の確率を一定の範囲内にとどめて事業通常の健全化を図ろうと、こういう考え方のもとに限度額率を設けているわけでございます。したがいまして、オイルショック等によりまして漁獲金額に占める経費の割合が高くなったからといってすぐそのままこれを上げる、こういうことはなかなか現在の共済の仕組み上非常に困難な問題があるわけでございます。現在、平均的な漁業支出の割合等を勘案し決して、法定の百分の九十以内、こういうかっこうでやりまして、これにつきまして、三年ごとに掛金率を改定いたしましていろいろ見直しを行っているわけでございます。いまこれを百分の九十五に上げると、こういう御説もございますが、いま直ちに百分の九十五をとる、こういうことは非常にむずかしい情勢でございまして、今後の検討課題と、こういうかっこうになるかと思います。
#103
○藤原房雄君 いまお話がありました掛金のことですね、この掛金補助限度率ですね、これも限度率を最低百分の六十から最高百分の八十の範囲内ということで設置されているわけですから、保険設計上非常にむずかしいことなんだろうと思いますけれども、やはり加入者をふやす、そしてまたその規模に応じて再生産に支障のないような形でということになりますと、やはり掛金の補助というものについてもこれはそれなりに適当なところというのはこれはあるだろうと思います。現在の状況では、この掛金の補助を受けられる範囲内で契約割合というのを少なくしてしまうという、こういうことでどうしてもこれは頭打ちといいますかね、あるところでとまってしまう。こういうことも、今回の法律でこういう形になりますけれども、今後の課題として、やはり加入をふやすということの中身をよりよくするということの中にはこれもひとつ検討していただかなきゃならない一つの課題だろうかと思うんですけれどもね、このあたりについてはどうお考えですか。
#104
○政府委員(山内静夫君) 補助限度率の思想は、国庫補助の対象となる契約割合の上限であって、これを超える部分に対応する共済金額に対する共済掛金につきましては国庫補助の対象としていないと、こういう性格のものでございます。したがいまして、実質の補助率が名目上の補助率を下回るため、御指摘のような補助限度率をなくせと、こういう御意見が出るところでございます。しかしこの問題は、補助率を含んだ、実質的に国庫補助水準をどうするかと、こういう問題として全体的にとらえていただきたいと、こう考えておるわけでございます。漁災制度におきまして、補助率のほかに補助限度率を設けているのは、比較的掛金負担能力があるため契約割合が高い漁業者、これにつきましては国庫補助水準を頭打ちとしまして、その分を契約割合の低い漁業者に配分することによりまして漁業者の掛金負担能力に応じた助成体系をとっているためでございます。こうした考え方のもとで、補助限度率につきましては、昭和四十九年と五十三年に改定を行ってきましたが、今後も一定の補助水準の中で漁業者相互に対しましてバランスのとれた助成体系となるような方向で実態を見ながら検討してまいりたいと、こう考えております。
#105
○藤原房雄君 ぜひひとつそういう中身で、――これはほかのものと比較するというわけには単純にはいかないのかもしれませんけれども、漁業というのは、まあ畑ですとこれは大体の予測がつくんですけれども、海流はどうなのか、水運がどうなのか、そのときそのときの状況によりまして非常に予測し得ない、こういう、一次産業の中でも漁業というのはそういう点では非常に予測しがたいいろんなことがありますから、それだけに共済制度というのは重みがあるんだろうと思います。共済制度だけで中小漁業業者の基盤の確立ができるわけじゃ決してございませんけれども、金融対策、そういうものとあわせて再生産に支障のないような形で補う、そのためにはやっぱり加入もできやすいこういう形で御努力いただかなきゃならないだろうと思うんですね。
 もう一つ、時間もありませんから余りできないんですが、過日来私も、いろいろ当委員会でもまた予算委員会なんかでも申し上げておったんですが、いま組合一括加入ということになっていますね。たとえば一つの単協で四つ五つ養殖組合とかいろんな組合がございますね。これは特に宮城県とか岩手県とか三陸のリアス式海岸ですと風向きによりまして、同じ町内の組合でも大変な被害を受けるところと受けないところと風向きによってあるんですね。これはおととしの暮れですか、大変な被害がありまして、現地へ参りましたら、ちょっとした湾の方向で風を避けることができた。単協で三年間の漁獲金額によって、それでやるわけですね。ところがその五つのうち一つが大変な被害を受ける、被害額は全体の比率からしますと五分の一、もっと、全滅になっても五分の一ということなんでしょうけれどもね。ですから、そういうことに遭ったときにはこの共済が当てはまらないといいますか、全体の総漁獲金額に比して一つの漁協で、組合で受けた被害、それは共済ですとネグレクトに近いみたいなことになって、実際個々に言うともっと全滅的な被害を受けている方もいらっしゃるんですね。こういうことで、組合として一括加入ということはこれはもう漁協の組織の中でそれなりの意義は私どももわかるんですけれども、何たって経営者は個々であり、しかも一つの大きい単位でこれは入ることになっていますから、個々のやつで被害は相当な被害を受けてもなかなかそれに該当しないということですと、どうもこの制度に対して不信感といいますか、持たざるを得ない。こんなことでいままでも何度か申し上げたんだけれども、現場は余り知らない、皆さん方どうだこうだといろんなことを言っておるんですけれども、こういうものを救うために何らかの手だてをしてもらいたい、こういうことを二、三回申し上げたこともあるんですけれども、今度のこの改正の中でこういうことなんかも念頭に置いて何か手だてはしたんでしょうか。
#106
○政府委員(山内静夫君) 実は前年先生が二回にわたりましてこの問題を追及されまして、そのことを私よく覚えております。今回の改正に当たりましても当然そのことを念頭に置きまして一応対策を講じたわけでございます。
 一般的に申しましてワカメの共済事業は他の採貝採藻業と同様集団加入方式をとっているわけでございますが、これは採貝採藻業が当該漁業に従事する者が多数に上りまして個々の被害認定を行おうとすると事務経費がきわめて増大するということと、それから漁協単位で漁業権が設定されており、加入区全体について被害を補てんすることによって個々の経営の安定に十分寄与し得る等の理由によるものであるわけでございます。
 去年の岩手県におけるワカメの漁業につきましていろいろ被害があったわけでございますが、岩手県のように養殖業のウエートの高い地域におきまして集団としての被害が個人の被害と結びつかないと、こういうようなかっこうから集団加入方式のみでは十分に補てんが行えない、こういう事態が去年は生じたわけでございます。このような地域の特殊事情を背景といたしましていろいろ共済需要が生ずると、こういうことでございますから、今後は不十分ではございますがとりあえず漁業共済組合がこれらの事業を自主的に実施できるような地域共済事業を創設をしまして、これらの対策といたしたいと、こう考えまして今度の法改正におきましても地域共済事業を認めると、こういう方向で対応していきたいと、こう考えているわけでございます。
#107
○藤原房雄君 地域共済という考え方はこれは初めてですね。この中身のことについても一つ一つお尋ねをしなきゃならぬと思うんですが、これはまだ水産庁でも具体的に今後また施行に当たりましてはまた試行錯誤があるんだろうと思います。実態的にはいま一つですか、ハウス養鰻なんかも頭の中に描いているということなんですけれども、この地域共済という、考え方はいいんですけれども、これ具体的に実施するとなりますと、ほかの共済とは補助金や事務経費とかいろんなことについてのことがなかったり、実際これ実施するに当たりましてはまだまだ中身のことについては非常に不明確な点が多いと、こう思うんですけれども、これは現在水産庁として、いままでの感触の中で考えておることと、どういうふうに進めようとしているのか、また現在どういう話があるのか、実現性はどうなのか、その辺のことでちょっとお尋ねしておきたいと思うんですが。
#108
○政府委員(山内静夫君) 現在、地域共済につきまして各県から要望の上がっておりますのは、静岡県のハウス養鰻の関係と岡山県のモガイの関係がございます。今後ともいろいろ要望があればこの要望をもとにわが方としてはいろいろ検討したいと、こう思っているわけでございます。具体的なやり方等につきまして今後の検討の課題になるわけでございますが、危険分散がどうなっているのか、あるいは掛金率がどうなっているか、こういうことをよくチェックしまして、真に漁業者のためになるような地域共済が生まれる、こういうことを期待しまして、そういう方向で解決を図っていきたいと、こう考えております。
#109
○藤原房雄君 これは事務的でもいいんですけれども、それは考え方はわかるんですけれども、具体的な進め方として、まだまだ単独事業として行うにしましても国の保険はないわけでしょう。それからこの掛金の補助とか事務費の補助とか、こういうことになりますと、実際これを実施する段階になりますと非常にこの掛金の高い、また限られた地域でのことですから、実施段階でいろいろな問題といいますか、なかなか実現し得ないんではないでしょうか。まあ日の出の勢いで収入の倍々ゲームが三倍ゲームぐらいでどんどん伸びるようなところならばいいのかもしれませんけれども、そういう業種を頭に描いているのかもしれませんけれども、具体的にさっき申し上げたように、さっき次長さんからもお話しございました三陸のノリ養殖云々という、これとはちょっと話は違うんじゃないですか。制度の仕組みの中である地域の五つある小さい組合が集まって一つの単協を形成しておる。その中で、五つのうちの一つが被害を受けた、こういうものに対して、これはすでに可能性もあるわけですけれども、リアス式のような海岸の中で。こういう総体として三年間の漁獲金額によって平均値を出して、それに対してどうかということですけれども、場所によっては非常に被害を受けた――単協ということなんですけれども、中身を見ますと被害の大きいところとそうでないところとある。そういうものに対してやっぱり壊滅的な打撃を受けたものがどのぐらいだった場合にはどうするというような制度上の考え方をきちっとしないと、こういうものは解決しないんじゃないでしょうか。
 それと、地域共済というのは今度新しく考えられておるんだけれども、実現ということになりますと非常にこれはなかなかすぐには発足し得ない、これからいろいろ中身などについては協議しないと。皆さんもハウス養鰻を頭に描いていると言うんだけれども、これを実現する可能性というのは近いうちにあるというふうにお考えになっているのか、具体的なそういう話というか、そういうものについてはどういうふうに取り扱っていらっしゃるのか。行政として、その間のことについてはどうですか。
#110
○政府委員(山内静夫君) ハウス養鰻につきましては、この前の四十九年の改正以来、ぜひ漁業共済の対象に加えてくれ、こういう陳情が終始あったわけでございます。これにつきまして、ウナギの養殖関係、ハウス養鰻も含めましてなかなかその死亡率等がわからないという原因もございますし、それから養鰻が地域的に偏って全国ベースになり得ない、こういうことから、わが方として即座に取り上げるわけにはいかない、こういう方針をとってきたわけでございます。
 一方、この間におきまして、静岡県の組合は自主的に試験実施を行いまして、ようやく自主的にやれる見通しがついた、こういうことから、今回、制度的に試験でなくて正式にできるような方向に持っていってくれ、こういうことからハウス養鰻等につきましては必ず地域共済ができると、こう確信しているわけでございます。
#111
○藤原房雄君 その地域共済のことはわかりました。わかりましたというか、なかなかむずかしいことだろうと思う。それとさっき私が申し上げた単協の中で、全部が被害を受けたら総計金額として大きなことになるだろうけれども、そうでなくて、五つ、六つ小さい部落単位の組合がありますね、養殖組合とかなんか。それで一つの単協になって、これが一括加入になっているわけですから、こういう一つずつの小さいのがあるんじゃないですから。そうしますと局部という見方になるかもしれませんけれども、しかし、それは一つの湾の中の風向きの悪い一つの組合ですね、これが非常に被害を受けた。しかしながら、総体として一括加入ですから、この被害というものは見られないという嫌いがあるので、こういう問題についてはどうするのかと。これは地域共済ではないでしょう。地域共済は地域共済としていろいろやるんだけれども、こういう一括共済ということのために全体を見る、そのことのために、ある一つの――それは一つの地域として大事な地域なんですよ。何軒かのところが被害を受けたというんじゃないですからね、一区画といいますかね。これはやっぱりその一つの一部落の組合が被害を受けるということですから、一部落の中の何軒かということじゃないわけですからね。わかるかな。小さな湾ごとの組合がそれぞれあるわけですよ。それで幾つかかたまって、かたまってというか、町として漁業協同組合になっているんですよ。この中の一つが被害を受けたという、そういうときには壊滅的な被害を受けても総体としての被害金額が少ないということであり、また大きな被害ではないというようなことになりますと、これはいまの仕組みの中では非常にむずかしいことであったんでしょう。しかし、もう少しきめ細かな配慮をしませんと、加入、加入と笛や太鼓を何ぼ鳴らしても、現実そういうことが起きていることを見ている方々にとりましては、共済というのは非常に冷酷なものだということで、なかなか加入率はふえないだろうと思うんです。
 そのことについてこの前もお話をしておる、そのことだけじゃない、さっきの地域共済のこともあわせてなんですけれども、そういう仕組み上のこと、機構上のこと、これを何らかもう少しきめ細かに見ていくような形がこのたびの改正の中ではあるのか、なければ今後どういうふうに考えていくのか、それについてお伺いしたい。
#112
○政府委員(山内静夫君) 先生御指摘の例のワカメの被害関係でございます。漁獲共済でございますから総トータルの合計額を補償水準との関係でいろいろはじき出した結果、なかなか一地域の被害については対応できない、こういう事実があったことは去年の例で明らかでございます。
 わが方といたしまして、これにどう対応するかという問題につきましていろいろ研究したわけでございます。抜本的な制度改正と、こういうわけにはまいりませんが、今度地域共済でやりたいと、こういう趣旨は現在の漁業共済事業によっててん補されないものにつきまして地域共済聖業ができる、こういう書き方をしている関係で、現在行われておりますワカメの共済につきましては、本則としてのワカメの共済事業をやっていただく、あわせて地域共済として掛金の上乗せが、あるいはこれは今後の検討課題でございますが、別の仕組みをつくり決して部分的にやられた場合にはそこに対して一応共済金を支払うような仕組みでどうかなという方向で現存検討しているわけでございます。もちろん地元の組合との調整がございますから、私ここで一概にこうなるとは断言できませんが、要するに現在の共済事業で見られないものについて見ることができるということでございますから、これを中心に地元の組合と詰めていきたい、こう思っております。
#113
○中野明君 けさほどからだんだんに法案の審議を初め、農林水産業を取り巻く厳しい現況について幅広い議論が行われているわけですが、まず私、最初に非常に心配しておりますのは、貿易摩擦で農林水産物が残存輸入品目をめぐっていろいろとアメリカとの間で問題になっております。
 大臣は、非常な決意でわが国の農林水産業を守るためにがんばっていただいていることは、私どもも高く評価をしているわけですが、先日アメリカでガットに協議の場を移す、二国間で話し合うということになっておったのが、一転してまた態度を変えているというようなことから考えまして、非常に心配をしているわけですが、大臣の決意は決意として、いずれ貿易摩擦については議論の機会をつくっていただけるように承っておりますので、この際、一言だけお聞きをしておきたいんですが、大臣、農林水産省の意思とは別のところで頭越しにこの問題が解決されるということは絶対にないというように私は信じておりますけれども、何かしら雲行きがおかしいような気がしてならぬのですが、大臣の決意を改めてお聞きしますとともに、そういうことについての懸念を払拭していただきたいと思うんですが、大臣のお答えをいただきたい。
#114
○国務大臣(田澤吉郎君) 対外経済摩擦解消の問題については、経済対策閣僚会議というのがございまして、この中で合意されたものがわが国の政府の結論としていわゆる外交交渉にのるのでございますので、その経済対策閣僚会議のメンバーに農林水産大臣も参加しておりますので、そういう点では、私はその場で私の考え方を主張し、私の考え方を理解していただいて、今日私が主張している面をできるだけ貫いてみたい、かように考えておるのでございます。
#115
○中野明君 大臣のその決意を私どもも信頼をいたしまして、格段の不退転の決意で努力をしていただきたいと思います。少し空気が何だかおかしいような気がしてなりませんものですから重ねてお尋ねをしておきました。
 それで、きょうこの法案の問題なんですが、いろいろ意見なり議論が出ておりますが、やはり今回の法律の改正の眼目は大体しぼられてきておりますが、大臣の提案理由の説明の中にも「中小漁業者の相互救済の精神を基調とした共済事業の実施」と、こういうことで三十九年からこれができている。要するに、中小漁業者の相互救済の精神、これが三十九年から実施されてきてどうもいままで徹底をしていないというきらいが私どもどうしても受け取れます。要するに、加入者が少ないということ、それがまた今回の改正の大半の中身は恐らく当初から予想できたことばかりじゃないだろうか。いまになってなぜ加入拡大ということをあわててうたわなければならぬかという、こういうことはもう当初から想定できたことでございまして、ですから、「相互救済の精神を基調とした共済事業」だという、この趣旨の徹底がなされていないというところに一番の問題があるんじゃないだろうかと、このように思います。それでどうして加入がこんなに少ないんだろうかと、これは漁業は農業と違ってむずかしい問題があることは私なりに理解はできます。しかし余りにも、制度が発足して二十年ですか、もう大方二十年になんなんとするのに加入率が二八%とか三〇%とか、こういうことでは財政再建ということで、いまもう国内問題としては行政改革と財政再建というのは国民的な課題になってきております。当然この共済にも国の補助もいろいろと出ておるわけですから、やはり加入者が多いということが国民の理解も得れる、そしてまた運営もうまくいく、こういうことになるわけですから、加入者が少ないということになると、一部特定の人のためにどうしてというような理屈も出てくるわけです。いまそうでなくても農林水産業に対して国民全体の理解がともすれば経済第一主義に流されて、農林水産業の持っている重要性というものを第二義として、経済第一主義で物を考えられるような風潮ですから。ですからやはりそれに対して農林水産省の指導なり、あるいは方針もなるだけ文句のつけられぬような、けちのつけられないような運営というんですか、そういうものがなければ、これはちょっと考えても、こんな少ない加入で二十年もたってこんなんだったら、これは制度に欠陥があるんじゃないかというような言い方をされるおそれは多分にあります。
 そういう点で、今回改正をなさって、現在の制度よりも加入者が有利になる面、ある程度加入者に魅力がなかったらふえてまいりません。
 それから、この間の参考人もおっしゃっておりましたように、あめとむちと、こういうような言い方をなさっていましたが、不利になる面、――極端な言い方をしますと、端的にこの面は有利になりますと、この面はどちらかというと現在より不利になりますと、この面を端的にひとつ説明していただけませんか。
#116
○政府委員(山内静夫君) 漁業共済制度につきまして加入率を高めると、これはこれから、あるいは過去もそうでございますが、非常に至上命題でございます。すべての者が加入すればこのような結果にならなかったと、こういうことにつきましても深く反省しているわけでございます。
 今後加入率の増大につきまして、法制度を通しましてできるだけ加入率が上がるような方向に持っていきたい、こういう点につきましての改正点を二、三申し上げたいと思うわけでございます。
 第二号漁業関係の漁獲共済の日数要件の緩和でございます。従来は九十日以上の者が云々という書き方をしてございますが、九十日から百二十日の閥に資格要件を緩和いたしまして、そして加入者が比較的入りやすいような母集団をつくると、こういう考え方をとっているわけでございます。
 それから、二番目といたしまして、ノリ以外の養殖共済の契約割合を従来単一化していたわけでございますが、これも各漁業者の意向に任せまして単二要件を廃止すると、こういうことでございます。
 それから、過去は共済事故となる確率が非常に低い者はなかなか入らなかったと、こういう実態があるわけでございます。具体的な例を挙げますと、十年ほど前のマグロ漁業は非常に安定的である、底びき漁業も安定的であるということから比較的漁業共済には見向きもしなかったと、こういう事例があるわけでございます。昨今情勢も違っております関係で、今後は継続申込特約を創設すると、こういうような方法で低い掛金率でも加入できるような方向で検討していきたいと、こう思うわけでございます。
 で、御指摘のあめとむちと、こういう関係でございますが、あめという問題につきましては、ただいま申し上げましたことのほかにわずかではございますが、義務加入におきましての補助率のアップの問題があるわけでございます。それから、むちの問題等につきましてこれはどう判断するかという問題もございますが、ハマチの養殖等につきましての三〇%の足切りの問題がございます。これはむちととらえるかどうかと、こういう問題がちょっといろいろ見る人によって違いますが、強いて挙げればそういう点が考えられるわけでございます。いずれにしましても、漁業共済への加入意欲をわかせるような仕組みにすると、あるいはこれと並行して関係団体、あるいは行政庁を含めまして積極的にPRしてすべての者が加入できるような方向にしなければ漁業共済制度、こういうものは健全に育たないと、こういう感じを持っておる関係で、今後とも加入促進等につきましては最高の努力を払っていきたいと、こう思っておるわけでございます。
#117
○中野明君 いまお答えをいただきましたが、それでそれなりの目算を持って改正をされていると思うんですが、この改正で加入者がふえると、このようにお考えになって改正を出されていると思うんですが、どの程度を想定をしておられますか。また最終的な目標をどこに置いておられますか。
#118
○政府委員(山内静夫君) 当初の加入率の増加の問題でございますが、予算積算上はとりあえず一〇%の加入率の増加と、こういうことで組んでいるわけでございます。今後二、三年間一応一〇%という目標にいたしまして予算要求をする所存でございます。その後等の問題につきましては、その後の実態等を踏まえまして、どういうぐあいに推移していくか、私の方で予測できませんが、いずれにせよ加入率をふやすような方向でいろいろの策を講じまして、できるだけ加入者がふえるようにと、こういう方向で対応していきたいと思います。
#119
○中野明君 加入者をふやそうとすればどうしても、共済はこれは保険のようなものですから、義務加入というものを――全体的に義務加入になるのが理想でしょうけれども、そこまではとても無理かもしれませんが、義務加入を徹底するといいますか、ふやす以外にないんじゃないかと、私どももそう思います。そして、最初に申し上げましたように、相互救済の精神というもの、これは漁業を取り巻く環境というのは非常に厳しい。しかしながら、日本人の食生活から言って魚というものはどうしても必要で、安定供給してもらわなきゃ困る。だからと言って漁業者が自分の都合のいいときは知らぬけれども、都合が悪くなったら共済に入るというお考えもこれまた困ります。ですから、とにかく漁業者全体にも連帯感を持っていただいて、そして相互扶助の精神を徹底していくということが重要な課題だと思うんですが、いままでやはりそれが徹底しておられるようで徹底していなかった、こう思うんです。その点の反省と今後どういう方法で徹底されようとするのか、何かこんな程度の改正で急にわあっと加入者がふえるというふうに私たちは思えぬわけです。いままでも何ですか二十トン未満は義務加入になっておったようですけれども、十トン以下なんかもう全然話にならぬというようなことですから、そういうことから考えまして、この法案を実施するに当たって、制度を実施するに当たってよほどこれ本気で取り組んでいただかないと同じことを繰り返すんじゃないか。そして何か掛金が下がるから加入者がふえるんじゃないかと、そういうような言い回し方のところもあるんですが、掛金率というものはやっぱり加入者がふえなければ下がりませんから、加入者がふえないで掛金だけ下がったらこれはまたよけい大変ですから、そういう点をもう一度ここで水産庁の方の答弁をいただいておきます。
#120
○政府委員(山内静夫君) 漁業共済制度におきましては漁船保険制度に比べましてあるいは一般の火災保険等に比べまして掛け捨てという考え方が比較的少なかったと、これは事実でございます。掛けた金以上を何とかもらおうと、こういうことがいろいろ働きまして逆選択というようなかっこうでそれが共済の赤字をふやしていったと、これは一つの事実でございます。こういう状態を克服しなければ今後加入が多少ふえたとしてもなかなか共済事業の健全な発展ができないと、こういうことから今回継続加入方式と、四年間を継続して掛けていけばその逆選択的な志向も比較的減ると、したがって掛金率も安くなるであろうと、あるいは二十トン以上等につきまして義務加入制度をしきまして補助金率も上げるし、もっと入りやすいような仕組みにすると、こういうような方法でともあれ加入率をふやしまして漁済の健全な発展を図りたいと、もちろんこの理屈だけではなくて、実際PRする必要もあるから、この辺も地方庁あるいは関係漁済団体とも相談しながら、いかにしてこれを推進していくかという問題につきましては今後積極的にやっていきたいと、こう思っているわけでございます。
#121
○中野明君 この逆選択ということができるということはやっぱり義務加入がないからだと思います。それで私が非常に不思議に思っておりますのは、五十五年末で共済団体の赤字が、事業不足金ですか、これ百四十八億も出ております。現在もっとたくさんあるだろうと思います。だから不足金がこんなに出るということは逆に言えば漁業者はそれだけ助かっているということです。そうですね、不足金が出るということは漁業者の側から見たらそれだけ非常に助かってありがたい制度なんです。こんなありがたい制度なのに加入者がふえない、それはどうしても私理解できぬのです、どこに原因があるのか。それは赤字が出ることを私望んでいるわけじゃありません。赤字が出ないことがそれは健全な運営として望ましいんですけれども、これほど出ているということはそれだけ何らかの形で漁業をしておられる方が助かっている。これは助かるぞと、共済に入っておったら助かるぞという、こういうことがあるにかかわらずふえないというところに何か制度に大きな欠陥があるんじゃないだろうか、このような気がしていかぬのですが、その辺はどうお考えになりますか。
#122
○政府委員(山内静夫君) 過去漁業共済金の支払い関係が一部の漁業種類とかあるいは漁業階層に偏ったと、こういうことは事実でございます。
   〔委員長退席、理事宮田輝君満席〕
しかし、いろいろな話し合いの結果、一応漁業共済金の支払いを受けた者は今後継続的に加入すると、こういう慣習もでき上がっておるわけでございます。したがいまして、加入率は現在低いわけでございますが、徐々に向上していくであろう、これも半面事実でございます。したがいまして、今度の改正を契機にいたしまして従来の実績を守りながら、なおかつこれ以上の加入率の向上と、こういう方向に努めてまいりたいと、こう思っております。
#123
○中野明君 農林省の努力を特に期待をいたします。これは農林省だけじゃありません、関係の漁業団体あるいは漁業組合の指導者も本底にそれを考えないと、このような状態でいきよるとかえって批判が出てくるんじゃないか、それを私たちは憂えます。
 それで、もう一つの不足金が出た原因に赤潮という問題が、五十二年、五十三年に赤潮が異常発生いたしまして大変大騒ぎになったんですが、この機会に、田灘農林水産大臣とは赤潮の議論をするのは初めてなんですが、赤潮というものに対するどういうんですか、基本的なとらえ方、赤潮というのはこれは災害なのかそれとも公害なのか、その辺がはっきりしないとやはりこの共済にも大きな影響を与えてきていると思うんですが、いずれ機会夢見て赤潮の議論はさしていただきたいと思いますが、研究もかなり進んでいるやにも聞いておりますが、それは別の問題として、一体この赤潮という、大変な海が赤潮で汚されるということは、やはり漁業にとってはこれは生産基盤ですから、それが漁業者の意思とは別で赤潮が異常発生する、現在小康を得ておりますが、まだいつ出てくるかわからぬという状況で、しかも内水面にも出ている。地域によって特徴も違うようなんですが、赤潮をどういうふうに農林水産省としては認識といいますか、とらえているか、その辺水産庁と大臣にもひとつ……。
#124
○政府委員(山内静夫君) 赤潮発生の原因につきましては海面あるいは内水面等におきます富栄養化の問題が挙げられるわけでございます。主として燐、窒素、これが主体になりまして、その他いろいろの要件が重なりましてある時点におきまして爆発的に赤潮が発生すると、こういうことが言われているわけでございます。しかしどういう状態が発生した場合に赤潮が大発生するかということにつきましては現在定説がないわけでございます。
 水産庁といたしましても、たび重なる赤潮による被害によりまして漁業者のこうむる損害が大きいと、こういうことから全国の赤潮関係の学者を集めまして、赤潮研究会というかっこうで恒常的にこの問題に取り組んでいるわけでございます。赤潮に対する考え方あるいは究明の仕方は徐々には進んでおりますが、何分いろいろプランクトンにしても何十種類というプランクトンがある、その生態がおのおの十分わかっていないと、こういう状態においてまだ現在完全に解明できていない状況でございます。しかし、この問題は根強く解決しなければならない問題と考えまして、今後とも赤潮問題等につきまして皆さんと協力、チームワークを組みながら解決していきたいと、こう思うわけでございます。
 なお、これが人災かあるいは天然災かと、こういう問題でございますが、これも赤潮発生の原因が必ずしもはっきりしない、太古においても赤潮があったと、こういう記録もございますし、この辺もはなはだあいまいもことして、現在、人災であるか、あるいは天災であるかと、こういう問題につきまして決めつけることは現在の学者の間であながちはっきりした定義ができないんだろうと、こう思うわけでございます。
 しかし、いずれにせよ富栄養化の問題でございますから、工場排水であるとか、それから生活排水であるとか、あるいは農業用水であるとか、あるいは漁業関係の養殖関係の自家汚染の問題とかいろいろ重なり合いまして富栄養化が進行している、これは事実でございまして、この現象をどうとらえるかということにつきまして現在定説がないと、こう考えておるわけでございます。
#125
○中野明君 大臣どうですか。
#126
○国務大臣(田澤吉郎君) いま答弁がありましたように、やっぱり窒素あるいは燐等によってのプランクトンの異常な増殖によるものであるということで、その原因等についてはまだ明らかでないということでございますが、これは災害かどうかという問題は非常にむずかしい問題だと思いますので、いま考えられているのは特約によってこれを救っているというのが現状なんでございまして、今後この範囲をどうするのかという問題についてはさらに検討さしていただきたいと思います。
#127
○中野明君 これ共済にとりましても無関係でありませんで非常に大事な問題です。私は、赤潮のメカニズムが解明できない、これは確かに複合した複雑な要素があるから、ある意味ではわかります。しかしながら、環境庁が一生懸命になっているとか、あるいは公害研究所でやっているとか、いろいろ水産庁ももちろんやっているでしょうけれども、一番やっぱり本気で――一番基本的に影響が多いのは水産庁でしょう。そして、漁業のいわゆる生産基盤が破壊されるわけですから、そうすると、少なくとも学者の意見は意見として、解明は解明として、解明ができるまでは何とも言えませんということでは、これはやはり漁民もたまらぬでしょうし、共済だって、その辺があいまいもことしているというところにやっぱり共済としての性格の問題も出てまいります。ですから、やはり農林水産省としては、赤潮は一応公害なら公害としてもう位置づける、異常発生の場合は公害として位置づけるとかいうような、そういうやはり一歩進んだ考え方を出されないと、解明が済むまではわからぬからだれのせいでもありませんと言っているのではしようがないんじゃないかというような気がするんで、いま大臣、前向きの御答弁をなさっております。今後省内でも大いに検討していただいて、赤潮の位置づけ、これはもう学者は学者として研究はお任せしてよろしいですけれども、水産庁としてはそれがわかるまではこうだというものがあってしかるべきじゃないだろうか、私はこのように思っておりますので、要望はしておきます。
 それで、時間もありませんので、次の問題として、――海上保安庁、済みません、えらい待たせまして。先日、千葉でもパナマ船籍のアカデミースター号が座礁事件を起こして、燃油なり、それから粉炭、これが流れて大騒ぎになりました。ところが、今月の初めに、小さな事件ですけれども、徳島県の阿南市というところに橘浦というところがあります。そこでタンカーと砂利運搬船が衝突事故を起こして、そしてそれの油が流れて地元では大騒ぎをしている。漁業にも被害が出ておるわけなんですが、この状況をちょっと水産庁、どういう状況になっているか教えていただけませんか。――失礼、その前に海上保安庁、この事故の状況をちょっと。済みません。
#128
○説明員(竹内寿太郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、去る四月三日午後九時四十分ごろでございますが、徳島県の阿南市橘浦におきまして、橘港に入港しようとしましたタンカー第八福徳丸、四百四十九総トンでございますが、これと、同港を出港してまいりました砂利運搬船岬秀丸とが衝突いたしまして、タンカー第八福徳丸の積み荷のC重油が約五十キロリッター流出いたしております。もう一つの砂利運搬船の方は若干船主タンクに浸水したという状況でございますが、損害は軽微だと、こういう事故の内容でございます。
#129
○中野明君 衝突の原因はどこにあると海上保安庁では見ておられますか。
#130
○説明員(竹内寿太郎君) この事故原因につきましては、現地の保安本部等におきまして現在海難の捜査中でございますので、詳しいことはいまつまびらかではございません。
#131
○中野明君 まだわかってないんですかね。私が知る範囲では、このタンカーの方が無灯火、全然灯をつけてなかったということで、全面的にタンカーが悪いということになっているやに承知しております。しかし、それはいずれ海難審判で出てくることでございましょうが、こういう非常識な――陸上でも無灯火といったら、もうこれは大変なことなんですが、海の上では、まして、油を積んでいるような船が無灯火で航行しているというようなことについての指導監督といいますか、今後この点については厳重に海上保安庁の方で指導もしていただきたい、このように私、思うわけですが、きょうは時間がございません。水産庁の方から漁業に与える影響、被害、そしてその対策、これについてお答えいただきたいと思います。
#132
○政府委員(山内静夫君) 今回事故のありました橘湾は小型漁船漁業や小型定置網、採貝採藻業が営まれておりまして、主としてタチウオ、イカ、イワシ、アワビ、サザエ、テングサ等が漁獲されているほかに、ハマチ、タイ等の養殖業も行われている海域であります。
 これまで確認されました漁業被害といたしましては、海藻類や定置網、ノリ網等への油の付着や油の防除作業に従事したための休漁被害が報告されております。現在のところ、正確な被害状況については県漁連が窓口となってその取りまとめ作業を行っているところでございます。
 現地では、事故直後から県、市、漁連等がそれぞれ連絡協議会等を設置しまして油の防除作業等の対策に当たっておりますし、四月十日までに湾内及び島嶼の一部を残しまして漂着油の清掃が終了したため、翌十一日から一部の漁協を除いて平常どおり操業を再開したと、こう聞いております。
#133
○中野明君 保険で当然補償が問題になってくるわけでしょうが、船が小さいものですからPI保険では恐らくどうにもならないだろうと、こういうふうにも私たち見ておりますが、国際基金での対応等、その点については水産庁は見通しは大丈夫ですか。
#134
○政府委員(山内静夫君) 現在、油濁事故によります漁業被害の状況については、先ほど御説明しましたように被害の全貌がわからないわけでございます。しかし仮に、被害額が油濁損害賠償保障法第六条に規定する責任限度額を上回る額となりまして、かつ、油を流出させましたタンカーの船主または同船が加入している日本船主責任相互保険組合――ジャパンPIでございますが、が同法に基づく責任制限手続をとることによりまして超過部分について損害賠償が受けられないと、こういうような事態が発生した場合には、被害漁業者といたしましては、当該賠償を受けられなかった被害額につきまして国際募金に補償の要求をすることができると、こう理解しております。
#135
○中野明君 非常にこれ、何か事が起こりますとすべてが漁業者にしわ寄せが来て――私も足摺岬で油の流出を一遍回収する作業に従事したことがありますが、これは大変なものです。
   〔理事宮田輝君退席、委員長着席〕
もうかちんかちんにアスファルトのように固まってしまって、それを移動させるのにまた軽油を入れて溶いてしないとどうもならぬ。ひどい目に遭ったことが何回かあります。保安庁もきょうはわざわざ来ていただきましたが、こういう初歩的なというか、船が運航することにおいて夜、無灯火で走るというようなそんなとてつもないことからこういう事故が起こるということも本当に情けない話でして、今後の指導監督、そしてまた、補償の問題について漁業者にしわ寄せがいかないように万全の対策をお願いを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
#136
○下田京子君 今回の漁災法の改正の理由として、二百海里体制の本格化あるいはまた魚価が大変変動が著しいと、また漁場環境の悪化、そのために共済事故の多発、一方で加入者が相変わらず低いというふうなことで今度法改正が出されているわけなんですけれども、改善の基本といいますか、それは第一に、この制度が漁業経営の安定に果たしてきた役割りというのは正しく評価しなければならないんではないかと思います。同時に、そういう脈から見まして、共済制度の赤字対策ということだけでなくって、今後さらに一層この目的であります漁業経営の安定をどういうふうに果たしていくかということを考えてみなければならないと思うんです。
 そういう点で、今回の改正案の中で義務加入の対象範囲を拡大したとか、あるいはまた継続契約方式の導入、こういうことは一定評価はできるんです。ただ問題は、他の委員もいろいろ言われておりますけれども、果たしてこれだけで今後加入率が大きくふえていくというふうに言えるだろうか。先ほどから答弁聞いていますと、水産庁は五十七年度で約一〇%程度の加入率アップを考えているんだと、こう言っております。しかしやっぱり私が言うまでもなく、現地もそうですし、漁業白書等でも指摘しておりますけれども、実態は燃油の高騰、そして魚価が安い、漁獲も減っているということですから、もう漁業者大変な状態であるわけですね。となりますと、この制度の基本は何かといえば二つだと思うんですよ。一つはやはり国庫負担の引き上げ、そういう中で掛金が過重にならない、そういうものになっているかどうか。もう一つは、やっぱり十分な補償内容になっているかどうかと、これはもう先日も参考人に私もお聞きしました。この点は、関係団体の皆さん方も基本として今後も堅持し、国に具体的な対応をお願いしていきたいと、こう言っておりました。そこで、この点について、大変財政事情が厳しいと言いつつも重大なところでありますので、大臣のひとつ決意といいますか、基本的な姿勢についてまずお聞きしたいと思うわけです。
#137
○国務大臣(田澤吉郎君) 漁業共済事業に対しての国の助成についてでございますが、これは今回の義務加入の範囲を拡大して、まあ百トン未満の漁業にまで拡大をしたと、それでそれに伴いまして義務加入した漁業者に対して従来よりも高い補助率をしておるわけでございまして、まあ五%アップということに相なるわけでございまして、今後、財政が非常に厳しゅうございますけれども、さらに私たちはこの予算に重点的には、まず効率的に配分をいたしまして努力をいたしたいと考えているわけです。
#138
○下田京子君 いま改善面として義務加入五%補助率アップしましたと、こういうお話なんですけれども、大臣、御承知だと思いますが、一方で義務加入とならない連合加入による二分の一以上の加入の場合には反対に五%引き下げておりますよね。これはやっぱり国庫負担の引き上げ改善ということにはならないんじゃないか、この点はどうしても私はやめるべきじゃないか、こう思うわけなんですが、いかがですか。
#139
○政府委員(山内静夫君) 義務加入制度は昭和四十九年の改正によりまして二十トン米満の漁船漁業について導入されたわけでございます。で、その効果は比較的大きくて、徐々に加入率が伸びていったと、こういう考え方のものに今回百トン未満の階層にまで対象を広げて、これをてことして加入の拡大を図ろうと、こういうことでございます。したがいまして、新たに義務加入の対象となった漁業者につきましては従来の高い補助率を適用したことは事実でございまして、これによって改正効果を高めようとしたわけでございます。しかし、反面、先生御指摘のように、限られた財政規模のもとではそれ以外の場合の補助率をダウンすることになったことは残念ではございますがやむを得なかった、こう考えているわけでございます。で、わが方といたしましてはできるだけ義務加入によりまして大ぜいの者が加入できるような、加入するような方向でいろいろ関係団体とも話し合いまして、そういう方向の指導を強くしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#140
○下田京子君 まあ、残念だけれどもやむなしというお話なんですが、本当に加入促進につながるんだろうかという点では大変疑問なんです。つまり、今回二十トン、それから百トン未満の方々を義務加入にということですけれども、金額ベースによりますと、このランクは推定加入率三〇・八%ですね。で、全数加入はその中で八八%になっているわけです。ですから、現在加入しているこの全数加入の人たちがですが、そっくり義務加入に移行するというのは、これは可能だと思うんです。しかし、残りのまあ七割近い未加入の人たちが一挙に義務加入に結びつくんだろうか。つまり、三分の二以上の同意があって、なおかつ全数加入だというところにぽんといくかという問題なんですね。ですから、大変これはやっぱり問題だと思います。
 二十トンから五十トン未満がいままで二〇%の補助だったのが一五%にダウンするわけですし、それから、五十トンから百トン未満が一五%が一〇%にダウンするんです。ですから、繰り返しになりますけれども、まだ米加入の七割の人たちがどうしていくのかということを考えたときに、即義務加入の要件を満たすようなことになるだろうか、私はやっぱり再検討すべきじゃないかなと思うんです。
#141
○政府委員(山内静夫君) 先ほども申し上げましたとおり、水産庁といたしましては、せっかく義務加入制度をつくったわけでございますから、これから加入される方もぜひ義務加入の方向でやっていただきたいと、こう考えておりますし、その方向でいろいろPRもしていきたいと、こう考えております。
#142
○下田京子君 努力をすること、それはやぶさかでない、大いにやっていただかなければならないし、やらなければならないと思います。
 ただ、いま言ったように、それは即加入促進につながるかどうかという、残り七割の部分ということについての明確な答弁にはなかったと思うんですよ。いま次長も首うなずいておりますけれども、義務加入で実際に国庫負担どのくらいいま予算化されたんでしょうか。
#143
○政府委員(山内静夫君) 予算的に申し上げますと、義務加入対象範囲の拡大によりまして、ことしの十月以降でございますから半年分といたしまして、純増といたしまして千九百八十五万五千円を想定しているわけでございます。
#144
○下田京子君 大臣、お聞きだと思うんですよね、約二千万円程度です。お聞きしますと、これは概算段階で義務加入以外の分について引き下げるというふうな内容になっていなかったと思うんですよ。いままでのいろんな改正の段階でとにかく補助率を引き下げたということはなかったことだと思うんです。それだけに、大蔵との折衝の過程で五%引き下げられたと、いろんな事情と言われております。やむを得なかった、残念だったと言われておりますが、やはりこれは今後将来にわたった重大な問題になるんではないかと思うんですけれども、いかがですか。
#145
○政府委員(山内静夫君) 従来義務加入制になる前の段階におきまして、非全数の場合におきまして、非常に入っている者が少なくて、その実質ダウンが四十数万円と、こういう数字でございます。したがいまして、補助金の額から言いますと、片や二千万と、こういう数字でございますから、額がふえたと、これは事実でございます。しかし、御指摘の点もわかりますが、今後この問題等につきまして、いろいろ国庫補助の問題等、いろいろ体系的によそとのバランスであるとか、あるいは漁災制度の中のバランス、こういう問題がございますから、今後の検討課題とさしていただきたいと思います。
#146
○下田京子君 今後検討するということですから、あえてまた申しませんけれども、一つだけは、金額ベースで言えばいまお話しになったとおりです。しかし、制度が後退したというのもまた事実であって、まあ皆さんの方としては、大蔵との今度の折衝の段階でまた原点に戻って考えていくということですから、ぜひそういう態度で臨んでいただきたいと思います。
 次に、純共済掛金に対する国庫補助の割合の問題でお尋ねしたいんですけれども、公的共済としての性格から見ていけば、最低でも五割の補助率というものを目標にすべきではないんだろうか、こう思うんです。といいますのは、他の国庫補助率を見てみますと、これは農業災害補償法の場合ですが、五十五年度の実績で、水稲が五八・六%、畑作物が六〇%、施設園芸五〇%、家畜共済四七・六%、蚕繭が五五・七、家畜が若干低いわけですけれども、漁災の制度の中での国庫補助率がいかに低いのかということでちょっと資料等で見てみたいんですが、昭和四十年当時が結果として総体の国庫補助率は三三・二%だったと思います。それが四十五年に四四・三%に一〇%改善されたわけですが、その後十年たって五十五年に相変わらず四四・六%と、これはまたほとんど改善なし、こういう状態ですよね。五十七年度どうなのかということで予算ベースでもちょっと聞いてみましたら、これまた四五・六%と、こういう状態なので、少なくても先ほど申しましたように五割ということを目標にした補助率改正といいますか、そういうものを目標にした努力が大事ではないかと思うんです。どうです。
#147
○政府委員(山内静夫君) 漁業共済及び農業共済の掛金に対する実績平均補助率、これは先生御指摘のように昭和五十五年度におきまして漁獲共済が四三・八%、養殖共済が四五・六%であるのに対しまして、農作物共済が六〇・一%、家畜共済が四七・六%、果樹共済が四九・〇%となっておりまして、漁業共済に対する国の助成が農業共済に比べて総体としては若干低い水準にあることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、漁業にあってはきわめて零細な階層から規模が大きい企業的な経営まで幅広く分布している関係で、小規模な階層のみをとってこの数字を眺めてみますと、漁獲共済におきましては採貝採藻業及び二十トン未満漁船漁業の平均が五五・八%、養殖共済――ノリ、カキ、ホタテ養殖業の平均でございますが、これが五一・一%となっておりまして、補助水準はおおむね農業共済と均衡している、こう理解しているわけでございます。国家財政厳しい折から、今後この問題等につきまして簡単な予測はできませんが、補助の増加ということは漁業共済制度につきまして加入の増進にもつながるという先生の御指摘も十分わかっておりますから、これを念頭に置きまして将来とも対応してまいりたい、こう思っております。
#148
○下田京子君 私の指摘はわかりますと言いつつも、余り農業共済に比べて差がないみたいなことを言われてんですが、漁獲共済の場合はずっと見てみましたら、低いのは次長御承知でしょう。これはもう五十五年実績ベースで四三・八ですからね。だからそんなに差がないなんということでなくて、私は全体としてさっき数字述べましたが、個々に見ますと、おっしゃるようにばらつきはありますが、漁獲の方は大変低いというのが実態なんです。ですから、そこを押さえてやはり対応いただきたいと思います。
 次にお聞きしたいのは、やはり国庫負担率の中での補助限度率の問題なんですけれども、私、これは今回の法改正で、少なくとも予算措置でこれはできることですから、義務加入対象に加えられたその層については引き上げるべきではないか、こう思ってたんですけれども、その辺検討されましたんでしょうか。
#149
○政府委員(山内静夫君) 補助限度率は国庫補助の対象となる契約割合の上限でありまして、これを超える部分に対応する共済掛金につきましては国庫補助の対象となっていない、こういう実態でございます。
 したがいまして、実質の補助率が名目上の補助率を下回るため御指摘のように補助限度率を上げるとか、あるいは撤廃と、こういう御意見があることは十分承知しているところでございます。当然のことながら補助限度率を上げるとか、あるいは撤廃すれば国庫補助がふえるわけでございますが、これは補助率を含んだ実質的な国庫の補助水準をどうするか、こういう問題としてとらえる必要があるんではないか、こう思うわけでございます。
 漁業共済制度におきまして、補助率のほか補助限度率を設けているのは比較的掛金負担能力があるため契約割合が高い漁業者に国庫補助水準を頭打ちとしまして、その分を契約割合の低い漁業者に配分する、こういう政策的な要因も働いておりまして、漁業者の掛金負担能力に応じた助成体系をとっているわけでございます。こうした考え方のもとで、補助限度率につきましては昭和四十九年、五十三年に改定を行ってきましたが、今後ともいろいろ財政事情厳しいわけでございますが、一定の補助水準の中で漁業者相互に対してバランスのとれたような助成体系となるように実態等検討してまいりたい、こう思っております。
#150
○下田京子君 補助限度率がどういう考え方のものに出ているかという御説明いろいろあって、いままでもやってきましたよということなんですけれども、これはやっぱり一つの問題点だと思うんですよね。やらないと言うんではなくて、やっていく方向でと言うんですが、これは何度も何度も附帯決議等でいままでも言われてきた話だと思うんです。私、念のためにずっと過去の状況がどうだったのか調べてみましたら、これは昭和三十九年に、法制定時どうだったかというと、衆参両院で附帯決議がされておりますが、衆議院の附帯決議を見てみますと、八項目ある中で第五項目にこういうこと書いてある。「共済掛金の補助率の引上げ及び漁業共済団体の事務費に対する補助金の増額を図るとともに無事故掛金割引を実施すること。」、こういうことを述べて、説明いろいろやられているんですね。それからまた、四十二年のときには、これがやはり衆参両院で附帯決議が出ているんですが、四項目、五項目のところに同じようにやっぱり出ています。ちょっと読んでみますと、「共済掛金率の改定にあたっては、漁民の経済負担力の弱少の実情にかんがみ、その引上率は最少限度にとどめるよう措置すること。」、五項目に「中小漁業者の加入を促進するため、補助限度率の引上および単独契約についても国の助成を行なう等適切な措置を講ずること。」、こういうふうに述べまして、今度は、四十九年のときには明確にこうなっているんですね。「補助限度率を撤廃すること。」、これを受けましていろいろ議論があるんですけれども、そのときの内村水産庁長官――いま中央競馬会の理事長しておる方なんですが、こういうことを答えております。委員が、そう遠い将来でない機会に撤廃する方向にもっていく決定をすべきじゃないか、こう質問している。それに対して――ここに会議録あるわけですが、一部だけ読ましていただきますと、水産庁はかねがねそういった意見を内部に持っているわけで、それを実現できるよう将来におきまして努力したいと思っている、こう国会で明確に答弁されている。これ四十九年なんですね。また、いま同じようなことがお話しになっているわけなんです。これは何年こういうかっこうで続くのかということになりまして、大変やっぱり問題だと思うんで、この辺ではっきりひとつ決意を固めていただきたいと思うんです。
#151
○政府委員(山内静夫君) 正直に申し上げまして、目下の財政事情とか、あるいは他の共済制度、保険制度とのバランス等ありまして、ここで補助限度率を撤廃できる、こう御答弁はなかなかできかねますが、当時の内村長官の御答弁にもありますように、そういう考え方あるいはそういう希望は水産庁内部にあることは事実でございます。そういう方向で今後とも努力していくということでぜひ御勘弁をお願いしたいと思います。
#152
○下田京子君 じゃ大臣に、これは一言お答えくださいませ。大変財政事情がいつもやっぱり最大のいろんな制度改善に絡んでのできない理由になっているわけなんですが、もう四十九年から、いや法制定の三十九年から延々と当委員会、衆参両委員会で附帯決議で出されて、お答えになって数年という状態ですからね。大変な事情、私たちもよくわかりますが、しかし大臣の決意を聞かしてください。
#153
○国務大臣(田澤吉郎君) かなり前から水産庁内にはそういう考え方の方々が多いと思うのでございますが、それが制度として実現されないのはまことに遺憾でございます。したがいまして、財政が非常に厳しい中でございますけれども、いま次長がお答えしたように、今後これが実現のために努力をしてまいりたいと、かように考えます。
#154
○下田京子君 次に、具体的なことで幾つかお尋ねしたいんですが、これは先ほど他の委員からもお話ありました岩手県の養殖ワカメの共済のあり方の問題です。さっき次長さんは、これは地域共済で見ていきたい、こういうお話だったんですが、言うまでもなく改めて私も考えてみたいんですが、これは発足当時はたしか天然ワカメが中心であったけれども、いま特に岩手県の場合には養殖約九割という状態ですよね。にもかかわらず、第一号の漁業の共済契約の方式、これが漁協と共済組合との契約になっているわけですよね。ですから、当然共済限度額も漁協の構成員の全員の合計額で決定される、ですから受け取る方も、個々の事故がどうだったかというんではなくて、全体の額で見るということですから、個々人のことが補償されない、大変な矛盾であることをさっきお認めになっていますよね。で、地域共済で考えようと。
 そこで私は二点ほどお聞きしたいわけなんですし、また、これは岩手県から、またそれぞれの漁協から強く言われてきたんですが、一つは、地域共済でやるのは結構です。とすれば、一定段階試験実施的な性格があるわけですから、データ等がそろったらば本格実施の方向で検討いただきたい。それからもう一つ目は、これはやはりそういう試験的な内容であれば当然、さっきもちょっと言っていました地域共済の運用をどうするかというその運用の問題ですけれども、ぜひ事務費等一定の援助等を考えてしかるべきではないだろうか。県独自ではお考えになっているようですけれども、この二点について明確な御答弁いただきたいと思います。
#155
○政府委員(山内静夫君) 地域共済におきまして試験実施等を行いまして、一定段階に成熟した段階におきまして本格実施等の検討につきましてはやぶさかではございません。
 なお、事務費の補助等につきまして、一般的に漁業共済組合に事務費の補助をしておりますが、この問題をどう絡ませるかという問題につきまして、現在確たる考え方はございません。いろいろ地域共済等の問題等につきまして各漁業共済組合、漁済連等の考え方も勘案いたしまして、費の配分等につきましては今後とも検討してまいりたいと、こう思っております。
#156
○下田京子君 二点とも検討するというお話だったんで、ぜひ実施を再度要望しておきたいんですが、あえて申し上げますと、私が言うまでもなく岩手県の漁済組合の取り組みというのは非常に熱心であって、そして二号漁業の加入率は八割も超えておりますよね。そしてそれは、単に形式的な制度を宣伝するだけでなくて、具体的に漁業者個々にどういうメリットがあるかということでも、きめ細かな指導もし、援助もしているわけです。そういう点で五十五年の事業計画を見ますと、計画を大幅に上回っているのが実は一号漁業なんですよね。そういう点で、どうしてこうなったかといいますと、県が独自に掛金の助成、こういうこともやって大変努力をしている結果なんですね。ですから、そういう点から言って、国がそれなりの財政事情は厳しいとは言いつつも、やっぱりそういう点にこたえていくべきだということを重ねて申し上げます。
 次に移りますけれども、補償水準の問題です。これは北海道のことでちょっとお尋ねしたいんですが、さっきも他の委員からちょっとございましたけれども、昨年の日米合同演習で被害を受けたサケ・マスのはえ縄ですね、これが大変加入件数が減ってきているわけです。日本海サケ・マス流し網の場合を見てみますと、五十一年が二十二件、それが年々二十一件、十九件、十五件、ついに五十五年は八件にまで減少してしまっているわけですね。こういう状況を生み出した原因は一体何だというふうに御認識されていますか。
#157
○政府委員(山内静夫君) サケ・マス流し網漁業、日本海における漁業でございますが、非常に経営不振が続きまして、毎年の漁獲金額が減っていく、こういう状況におきまして、現在の漁災制度におきまして補償水準が過去三カ年の平均、これは数値を掛けますが、それを基準にして算定している関係で、いろいろ魅力がなくなったと、これは事実だと思います。
#158
○下田京子君 全くその魅力がなくなった原因をずばりお述べになりました。つまり、その補償水準が低いということの結果であるわけですね。とすれば、この補償水準をどういうふうに引き上げていくのか、つまりその中での限度額率をどうしていくか、このことをやっぱり考える必要があるんではないかと思うんですが、この点はどうでしょう。
#159
○政府委員(山内静夫君) 漁獲共済の補償水準は、御案内のように基準漁獲金額に限度額率を乗じて算出しているわけでございます。この限度額率の思想は、基本的には非経費部分は除外すると、こういう考え方でございまして、損失の一部を漁業者の負担とすることによりまして通常の漁獲努力を期待すると、こういう考え方もあるわけでございます。また、共済事故発生の確率を一定の範囲にとどめまして、事業運営の健全性を確保すると、こういう考え方にあるわけでございます。で、サケ・マス流し網漁業につきまして、補助限度率を上げるとか、あるいはコスト部分についての補償水準と、こういう考え方も考え方としてはわかりますが、全体の共済事業の仕組みとしてそういう考え方を導入することは非常に困難であると、こう申し上げざるを得ないわけでございます。
#160
○下田京子君 限度額率の見方なんですけれども、これはやっぱり経費と利益とを分けられる中で一定部分経費を見るという思想は私は明確に入っていると思うんですよ。そういう点から言って、現在経費すらカバーできないような状況になっているわけで、これは先ほど来から他の委員にもお述べになっているようですが、これから漁済のあり方としていろいろ省エネであるとか、省コストだとか、同時にまた生産の構造の再編であるとかと、こういうことを言われております。それはそれとしてまた必要な部分であるかもしれませんけれども、やはり共済限度額の算定には経費をどうカバーするかという点がちゃんと入っていると思うんです。そこは明確に位置づけて、やはり適正なものに改善すべきだと思うんですよ。私は、この思想というのは水産庁はお持ちになっていると思うんですよ。聞くところによれば、これは概算段階で、現在の九割、それを九五%、引き上げ要求をされたんではないかと思うんですが、その経緯等どうなっておりますか。
#161
○政府委員(山内静夫君) 燃油高騰等によりまして非常にコストがかかると、こういう意味から、九五%の要求をしたことは事実でございます。いろいろの過程におきまして九〇%と、こういうかっこうに決着ついたと、こう理解しております。
#162
○下田京子君 九五%の限度額率の改定を要求しつつ大蔵段階で五%やっぱり削られたと。そのことによる金額的ダウンはどのくらいですか。
#163
○政府委員(山内静夫君) 非常に細かい資料でございますから、後ほど御報告させていただきたいと思います。
#164
○下田京子君 私の手元にある数字で確認いただけますか。四千四百八十四万七千円ということになっていますが、いかがでしょう。
#165
○政府委員(山内静夫君) そのとおりでございます。
#166
○下田京子君 としますと、細かいどころじゃないんです。大胆、さっき、五%アップでおよそどのぐらい予算がふえたかと言ったら、およそ二千万円と、こう言われました。ところが、今回九五%云々、要求したけれども、削られた五%分が約四千五百万円なんですね。これまた同じように財政事情だということで大蔵から削られていっているんです。こういう思想でいきますと、どんどんどんどん、先ほどから言われておりますけれども、魅力ある漁災制度であるとか加入の促進であるとかどんなに言われても、実態として、先ほど次長がお認めになられているように、やはり魅力がない結果、サケ・マス流し網等の皆さん方が加入件数減っているということについて、自信を持って説得ある話はできないのじゃないかということをみずから立証した私は経緯ではないかと思うんです。この点はやっぱりしっかり踏まえて、私は何度も言いますけれども、大蔵、財政問題等に取り組んでいただきたい、こう思うんで、大臣の御決意を聞かしてください。
#167
○国務大臣(田澤吉郎君) 漁済事業については、御承知のように、やはり加入の拡大というのが一番必要でございますし、また、この事業の健全な運営ということは同時に非常に必要なことでございます。したがいまして、加入の拡大をするためにはやはり条件が整わなきゃいかぬ、魅力ある漁済事業でなければいかぬものですから、そういうためにはやはり財政によってそれが魅力あるものを、――財政の関係のみでそれを押えるということは私は許されないものだと思いますけれども、今回は、いまお答えしたような事情でこういう状況になりましたが、今後この点については十分検討をして、魅力ある漁済事業にいたしたい、かように考えます。
#168
○下田京子君 一言申しますと、法改正による実施は十月からですから政省令等でまだまだ本気になっておやりになろうと思うなら、その余力、時間はあるんだということをあえて申し上げておきたいと思います。
 最後に申し上げたい点は、水産物の自由化問題です。
 この点では先ほども他の委員から、皆さんお述べになっておりますが、自然災害による事故だけじゃなくて、二百海里体制実施という、つまり社会的、政治的環境の変化によって魚価が大変低落しているというその結果、共済支払いということが起きているわけですね。としますと、いま問題になっているアメリカからの不当な農産物自由化攻撃、このことは先ほども大臣が、本当にこれ以上もう許せないんだということで決意は述べられております。しかし一方で、鈴木総理が三月二十六日の参議院予算委員会終了後、農産物の残存輸入制限のうち、ニシンなんかは国内漁獲もないし、盲腸のようなもので、撤廃しても漁民がそう困るものではないんだというような趣旨の発言をされているのは御承知だと思うんですよね。大臣は、ニシンは盲腸だとお考えですか。
#169
○国務大臣(田澤吉郎君) 鈴木総理は漁業については私よりもずっと認識の深い方でございまして、たまたまニシンがと、こう言っただけで、後の部分はそれは全然話してないことでございますので、あれは推定の記事なんでございますから、そういう点はひとつ御理解願いたいと思います。
 また、ニシンは決して盲腸的な存在ではございません。(「ニシンは魚だ」と呼ぶ者あり)
#170
○下田京子君 ニシンは盲腸じゃなくて魚だというのは全くそのとおりで、かつて明治の三十年ごろには百万トンからの漁獲実績があったと思いますよね。今日確かに激減はしておりますけれども、統計上で五十五年に一万一千トンの漁獲があるわけです。これはオホーツク海ニシンで、流氷が解けたときに紋別や網走などの沿岸漁民にとっては大変貴重な漁になってきているわけですね。しかも、統計的にはその他というところに入っておりますけれども、以西底びき約九千トン近く、合わせて国内にあって二万トンの漁獲があるわけですよ。需要量が五万トン前後ということで少ないだけに、もしこれらが自由化されるということになりますと、価格には響きますし、同町にそれを利用されている、いま北海道漁連が一手に受けているという状態なんですけれども、留萌やその他の加工関係の業者も大変なことになるのじゃないかと思うわけです。いま御承知のように、アメリカは当初ガットに提訴するんだと、完全自由化を言いつつ一方で特定の品目を挙げて、早急に検討せいと言って迫っているわけですよね。そういう中にあって、重ねて大臣の意向はいつももうこれははっきり守る、これ以上の自由化はもう認められぬと、こういう御姿勢は伺っているんですが、総理を含めまして、本当に閣内一致してそのことに対応していただけるかどうか、その点お聞かせください。
#171
○国務大臣(田澤吉郎君) ニシンの問題については、これは単に残存輸入制限品目にあるだけじゃなくして、日米漁業交渉の一つの品目でもあるわけでございますので、この二つの問題を処理しなければならない品目なのでございます。したがいまして、そういう点をも配慮しながら参らなければならないと思いますけれども、私としては、やはり残存輸入制限品目については水産振興のための重要な品目でございますので、これはいまにわかにこれを緩和あるいは撤廃することはできないということを、これまでも主張してまいっておるわけでございますので、先ほどもお答えいたしましたが、内閣としての決定はあくまでも対外経済閣僚会議の結論なのでございますから、私もその対外経済閣僚会議のメンバーでございますので、私のこれまでの述べてきたことをできるだけ強く主張いたしまして、内閣としての意向にいたしたい、かようにいま考えているわけでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。
#172
○下田京子君 何度も申し上げますけれども、もしここでアメリカの、日本というところはたたけば何か出るだろうということで、次々と理不尽な要求を突きつけてくる。これを譲るということになりますと、いま問題になっております漁業経営の問題、これは一層危機が深まっていくことになると思います。そういう点で本当に説得のあるこちらの具体的な資料を突きつけて、毅然とした態度で臨んでいただきたいということを重ねて申し上げて再度決意を伺い、質問を終わりたいと思います。
#173
○国務大臣(田澤吉郎君) 外交上の問題でございますので、ここで具体的なことは申し上げられませんけれども、私の決意は変わりはございません。
#174
○委員長(坂元親男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#176
○委員長(坂元親男君) 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、坂倉藤吾君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#177
○委員長(坂元親男君) それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。
 漁業災害補償法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 川村君から発言を求められておりますので、これを許します。川村君。
#179
○川村清一君 私はただいま可決されました漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決裁(案)
  厳しい漁業情勢の下にあつて、漁業共済制度が中小漁業の再生産と経営の安定に果たす役割は、ますます重要になつている。
  よつて、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一、燃油費等の漁業経費の増大が、中小漁業経営の悪化の大きな要因となつている現状にかんがみ、再生産の確保を旨として、経営実態を反映した補償水準の設定に努め、併せて、大型漁船の操業形態に適合した制度の仕組み及び漁業経費の補てんを基本とする制度の在り方について検討すること。
 二、継続契約方式の導入に当たつては、その普及を図るため、掛金率、無事故奨励金等について魅力ある仕組みを設定すること。
 三、諸外国の漁業規制による操業条件の変化が、本制度の運営に悪影響を及ぼすことのないよう、危険の程度に応じた共済契約締結の制限、共済限度額の調整等につき、適切な指導を行うこと。
 四、魚病多発地域における常習的な病害についての足切り制度の導入に当たつては、魚病の研究の促進及び防疫措置の充実を図るとともに、養殖管理につき指導を強化すること。
 五、地域共済の実施に当たつては、十分な危険分散を図ること等によつて、漁業者の共済需要に対応し、かつ、その事業運営の健全性が確保されるような措置を講ずること。
 六、特定養殖共済については、データの収集等を進め、すみやかに本格実施に移行するよう努めること。
 七、漁業共済基金の機能を中央漁業信用基金に承継させるに当たつては、円滑な引継ぎがなされるよう配慮するとともに、漁業共済事業の運営に支障を生ずることのないよう、必要な資金の調達等に万全を期すること。
 八、漁業共済団体の累積赤字の処理に当たつては、中小漁業者の経営が厳しい情勢下にあることにかんがみ、漁業者の過大な負担とならないよう十分配慮し、その円滑な解消に努めること。
 九、本制度の加入率が全般に低い水準にある実態にかんがみ、共済団体及び漁協が行う普及推進活動について、指導を強化すること。
 十、本制度と漁業経営安定のための国の制度融資との有機的な運営について検討するとともに、本制度に対する地方自治体の助成の実態にかんがみ、加入促進に資するよう、自治体の協力について指導に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
#180
○委員長(坂元親男君) ただいま川村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、川村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田澤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田澤農林水産大臣。
#182
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。
#183
○委員長(坂元親男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#185
○委員長(坂元親男君) 次に、漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。田澤農林水産大臣。
#186
○国務大臣(田澤吉郎君) 漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 わが国の漁業をめぐる諸情勢は、燃油価格の上昇、水産物需要の停滞等まことに厳しいものがあります。
 このような状況のなかで、今後、わが国の漁業が活路を見出していくためには、漁業における省エネルギーの推進がきわめて重要となっております。
 農林水産省といたしましては、中小漁業の経営の近代化を促進するため、漁業再建整備特別措置法に基づき、その構造改善の推進に努めてきたところであります。しかしながら、このような厳しい状況のなかで、今後、その一層の推進を図るためには、中小漁業における省エネルギーを積極的に推進していくことが必要であります。
 このため、農林水産大臣が策定する中小漁業構造改善基本方針及び漁業協同組合等が作成する中小漁業構造改善計画について、省エネルギーに関する事項に関し所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法神業の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、農林水産大臣が策定する中小漁業構造改善基本方針に定める事項として漁船用燃料その他のエネルギーの使用の合理化に関する事項を加えることとしております。
 第二に、漁業協同組合等が作成する中小漁業構造改善計画に定める構造改善に関する事項として、経営規模の拡大、生産行程についての協業化等のほか、新たに、漁船用燃料その他のエネルギーの使用の合理化に関する事項を加えることとしております。
 なお、この法律案に関連して、中小漁業構造改善計画に基づき建造、取得した省エネルギー型漁船について、割り増し償却ができるよう、税制上の特例措置を講ずることとし、租税特別措置法の一部を改正する法律案にその特例措置を盛り込み、今国会に提出しているところであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#187
○委員長(坂元親男君) 次に、補足説明を聴取いたします。山内水産庁次長。
#188
○政府委員(山内静夫君) 漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足させていただきます。
 第一に、中小漁業構造改善基本方針に定める事項の追加であります。
 農林水産大臣が策定する中小漁業構造改善基本方針は、漁業協同組合等が作成する中小漁業構造改善計画の指針となるものであります。現行の中小漁業構造改善基本方針は、経営規模の拡大等経営の近代化、財務内容の改善、漁船その他の施設の合理化等について定めることとされております。しかしながら、中小漁業における省エネルギーの重要性にかんがみ、今回、この基本方針に定める事項として漁船用燃料その他のエネルギーの使用の合理化に関する事項を法律上明記することとしております。
 第二に、中小漁業構造改善計画に定める構造改善に関する事項の追加であります。
 現行法上、漁業協同組合等が作成する中小漁業構造改善計画は、経営規模の拡大、生産行程についての協業化その他の構造改善に関する事業について作成することとされております。今回、中小漁業における省エネルギーの重要性にかんがみ、この中小漁業構造改善計画に定める構造改善に関する事項として漁船用燃料その他のエネルギーの使用の合理化を加えることとしております。
 なお、このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が本法律案の内容でありますが、この法律が成立し、施行されました後は、速やかに、漁船用燃料その他のエネルギーの使用の合理化に関する事項を含む新たな中小漁業構造改善基本方針を策定することとしております。
 なお、同基本方針に即して漁業協同組合等が新たな中小漁業構造改善計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けたときは、同計画に基づき建造、取得した省エネルギー型漁船について、翻り増し償却ができるよう、税制上の特例措置を講ずることとしております。今国会に提出されております租税特別措置法の一部を改正する法律案にその特例措置が盛り込まれているところであります。
 以上をもちまして、漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
#189
○委員長(坂元親男君) 以上で説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#190
○委員長(坂元親男君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 老人保健法案について社会労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#192
○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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